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19回国会参議院1954/08/03

通商産業委員会 閉会後第4号

発言数
136
登壇者
17
会派数
4
開催日
1954/08/03

会議録

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それではこれから委員会を開会いたします。お暑いところ御苦労様でございます。  本日はあらかじめ公報で御通知申上げておきましたように、総合燃料対策に関する調査をいたしたいと思います。この問題につきましては、先般三班に分かれまして北海道、中部地方、九州と御視察を願つたのでありまするが、先ず派遣議員の各位より御報告を受けまして一班、二班、三班のそれぞれの報告が終りましてから派遣議員に対する質疑並びに政府側に対する質疑をお願いいたしたいと思います。本日出席を予定されておりまする政府側は通産省からは古池政務次官、それから官房長、石炭局長、鉱山局長、それから労働省から安井政務次官と労働基準局長、職業安定局長、それから大蔵省から谷村銀行課長と主税局の税制第一課長、それから自治庁から奥野税務部長、これだけが大体出席の予定になつております。  それでは先ず第一班海野委員より御報告をお願いいたします。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 北海道派遣議員の報告を申上げます。  本班は西川委員及び私が参りましたが、札幌における石炭関係者との懇談会には大蔵委員の東隆君が現地出身者として特別参加されました。  一行の視察行程概要は六月十九日に東京を出発いたしまして二十一日には室蘭の冨士製鉄及び日本製鋼所を視察、二十三日午前に苫小牧市の王子製紙工場を視察いたしましてから札幌に参りまして、札幌通産局主催にてそれぞれ石炭鉱業及び電気事業の懇談会に出席いたしました。翌二十三日には三菱美唄鉱業所に参りまして坑内視察及び炭鉱事情の調査をいたし、同日午後は砂川に移りまして東洋高圧工業を視察、二十四日には早朝に北海道電力の砂川第二火力発電所工事を視察しましてから帯広に参りまして日本甜菜製糖会社の帯広製糖所を視察、二十五日には電源開発会社の糠平発電所及び足寄発電所工事を視察いたしまして現地解散いたした次第であります。併しながら帰京の途次二十六日は札幌において北海道電力会社を訪い、又雪印乳業会社において酪農業につき説明を聴取いたしまして二十七日に帰京をいたしまして今回の現地調査旅行を終了いたしました。  今回の調査題目が総合エネルギー対策であります関係から視察個所も前述のごとく多方面に亘りましたが、調査の結果は石炭生産地として石炭消費減退の影響が最も大きく、重油需給調整につきましては鉄鋼業がその対象となるのでありまして、影響する範囲は比較的に狭く、他方電源開発の進展は目覚しきものがありますが、その半面には料金改訂の必要性が会社側から強く要請されております。  北海道は御承知のように面積は広大でありますが、人口密度は少く、今後に開発の余地を多分に残してい、ますが、労銀、物価及び地方税負担は高く、経済の平常な時節においてすら特殊経済圏を形成している観があります。このような地域におきまして更にデフレの重圧を受けて来ますとその影響は一層甚だしきものとなり、折角の広大なる地域に多くの人口及び産業を抱擁せしめるためには税金及び電気料金を安くすると共に資金その他の優遇措置を講ぜよとの声も強いのであります。  以上概要を申述べましたごとく北海道の状況は地方的特殊条件が余りにも大きく、而も内地の市況の影響も大きいという特別な状況にありますので短時日の本調査によつては十分なる対策は立て得なかつたのでありまするが、以下重点的に御報告申上げます。  一、石炭鉱業危機の経過。順序としまして本調査の導火線となりました石炭鉱業危機の経過から簡単に申上げます。石炭需給の安定化に伴い二十四年九月に統制が撤廃されましたが、二十五年六月には朝鮮動乱の勃発となり、石炭鉱業は稀に見る好況に見舞われ、二十六年度には戦後最高の四千六百四十九万トンの出炭を見たのであります。二十七年度も四千九百万トン目標にて好調なスタートを切つたのでありますが、その後幾分か景気下降の気配が生じて来ましたところ秋の炭労長期ストにて需給に混乱を来たし、重油転換や一般用炭の緊急輸入等が行われまして同年度の出炭は前年より約三百万トンの減少を示しています。スト解決後は出炭が急速に回復しましたが、重油転換の予想外の進捗や緊急輸入炭穴のズレ込み等から、二十八年度の需要は著しく不振となり、夏季不需要期と共に朝鮮休戦が成立し、この前後に相当の人員整理が行われたのでありますが、暮には政府のデフレ政策が始まり、更に苦悩を深めております。  以上の経過よりわかりますように、景気の変動が炭況不振の最大原因と考えられますが、これと共に高炭価問題及びこれと不即不離の関係にある重油の急速なる普及も挙げられています。終戦後の石炭増産政策が量の急速確保に重点が置かれ、その目的を一応建成して、統制が撤廃されましたあとは、各企業の自主性に基き、経理的及び技術的合理化を行うべき段階に入りましたが、戦時及び戦後の長期に日亘り目前の出炭要請に追われて、坑道はのび、切羽は散在する等の悪条件を生じ、これらを根本的に解決する余裕もなかつたのでありますが、統制撤廃後は坑内外の整理、坑内の機械化等が相当に行われ始めました。併しながら牧後の労働事情の変化というような大きな条件変更に応ずる程度の合理化は資金事情等にて行い得るものが少く、旧態のまま出炭規模を保つているものが多い実情であります。  炭労の長期ストに脅かされて重油転換や一般炭の輸入の行われた昭和二十七年は、不幸にして外国航路運賃激落の年でありまして、年初まで二十ドルを超えた日米間の石炭運賃は年末には十ドル以下に下落しまして、国内炭の割高を端的に示す結果となつたのであります。  又重油転換の結果は経費的に割安であるばかりでなく、操業上にも利便が多く、その使用量は飛躍的に増大して、石炭業界を思いのほかに圧迫する結果となつています。自由経済の建前からはこれに対抗するために石炭鉱業の徹底的合理化を行うべきではありますが、このためには数百億円の資金と相当の年月を必要としますので、差当り先般政府においてとられた重油の需給調整処置も止むを得ぬことと思われるのであります。  二、北海道における石炭鉱業の実情。北海道の石炭鉱業は全国的に見ましてその比重は大きく生産量におきましブ現在全国比、三〇%を占めています。併しながら炭層の平均厚さが九州の平均一メートルに対し一・七メートルにて全国で最も厚く、採炭の機械化に適すること、炭質の優秀なこと、開発の歴史が浅く予想埋蔵量まで含めれば約八十億トンと推定され、これは全国の半分に当り、今後に期待されるところが頗る大きいのであります。更に炭層が主として山岳地帯にある関係から、鉱害問題が現在までのところ殆んどないということも今後の炭鉱経営上に有利な点と考えられるのであります。欠点としては坑内ガス発生量の多いこと、断層及び急傾斜履の多いこと、寒冷積雪地としての起業費負担の多いこと、地方税負担の人なること、それから中央市場との輸送距離が大きくて、運賃のハンディキヤツプが大なることなどが挙げられています。  以上の長所と欠点とを比較しますと、長所としては炭鉱として本質的に重要な条件が多く、欠点と見られるガス発生の多いことも、最近はガス抜きの実施によりこれを燃料として活用する方同に向つているなどの例より見まして、技術的に解決し得るもの、又は税制その他政策的に解決し得るものもありますので、北海道の炭鉱の前途は洋洋たるものが認められます。  以上略述いたしましたごとく、将来に対しては大いに期待し得る北海道の石炭鉱業も、当面の現実においては国内石炭鉱業不振の影響を受けて出炭の抑制に苦心しているのであります。我々の視察しました三菱美唄の常盤鉱にいたしましても、カツペ、カツター、ローダー、平型、コンべーヤー等が完備され、鉱員も漸くそれら機械の取扱に慣れて、出炭の要請さえあれば大いに能率を発揮し得る態勢になつているのであります。日本石炭協会支部の報告によりますと、地区内におけるこれらの合理化用の機械の普及は著しく、二十八年三月におきまして、カツペは約五万本、カツター百七十五台、ローター二百七十台が備えられているのであります。これらの合理化設備の効果も加味されたものか、昨年中に希望退職及び自然減耗を含め約一万人の従業員減少がありましたにもかかわらず、本年度出炭計画は協会の推計では年間一千五百十三万トンと言われ、これは全国に対する比率を三割といたしますと、約五千五十万トンとなるのであります。協会の意見によりますと生産能力としましてはその一割増が見込まれる由でありますから、現在の有効需用と対比しまして業界の苦衷も大きいのであります。札幌における懇談会におきましては、大手及び中小炭鉱の代表者から藤見を聴取すると共に、通産局側からも別途説明を聴取いたしました。大手代表の日本石炭協会北海道支部長緒方勇氏からは、前述のごとき北海道炭の需給状況説明と共に次のごとき意見が述べられました。   (1)炭鉱ガス抜の現状と要望事項。  北海道炭鉱の特殊性としてメタンガスの発生が多く、これを保安限度内に薄めるためには、大規模な扇風機や排気坑道の開鑿等を要する。併しながらこれを炭層のボーリング、採掘跡、又はガス噴出個所において密閉捕架し、導管により坑外に導き出せば、通風設備の負担を瞬くすると共に捕集されたメタンガスも利用し得る、これが実施により北海道地区にて征年石炭ガスのカロリーに換算して三億一千六百万立方米を利用し得る計画である。この計画実施につきガス事業法第三十八条「自ら製造した瓦斯を使用する事業を行うものに準用するの規定は炭鉱ガス抜の本貫より見て、その適用を除外されたきこと、又ガス抜は保安、資源の有効利用等の点にて国家経済上重要な問題であるが、炭鉱自己資金の逼迫と立地条件の不利からその実施が阻害されているので国家の助成を要望する。  (2)地方税負担の現状と改正要望。地方税法中の固定資産税については標準税率と制限税率との幅が広く、定められているが、本道のように他に有力な税負担者の少いところでは税収確保のために税率の幅を利用して超過課税を行う市町村が多く、二十七年度実績では本道市町村中の九一%が超過課税を行つている。よつて(一)二段税率を廃止し、現行法の標準税率に相当する税率のみを規定し、この税率以内にて地方公共団体が課税を行うよう条文の改正を行うこと。(二)本道の立地条件を考慮して特別の軽減措欄を行うこと。(三)一般産業との均衡を図るために炭鉱の坑内設備に対しては固定資産税を免税とするよう特別の軽減処置をすること。  (3)堅坑開鑿の資金援助。  北海道の炭層は傾斜が大きいので深部移行速度が大であつて、すでに戦争中からその必要性が生じていた。伴しながらその開鑿には一本につき五億円程度を要するが、現行税法では資本蓄積かできないので国の資金援助を受けなければ実現は困難である。本年度は財政事情から実現できなかつたが、余り遅れぬうちに着手する必要があり、着工したなら完成せしめないと無駄になる。  (4)炭鉱坑木について。  北海道の木材はその八制が官公有林から生産され、坑木も七割はこれに依存している。従つて旧国有林の処分格は直ちに市況を左右することになるが、諸物価が下降、又は横這い遡勢にあるにかかわらず、木材価格のみが強気であることは遺憾に堪えない。この際林野当局の英断により処分価格を引下げ、デフレ政策の範を示されたい。  中小炭鉱を代表する北海道石炭鉱業協会会長舟橋要氏よりは大要次のような要望がありました。  北海道の中小炭鉱は、地元暖房用炭の供給という特殊使命を持つているが、大手炭鉱スト等の穴埋めとしても貢献している。昭和二十七年の、重油転換奨励以来、石炭の需要不振にて、手形も百五十日というものまで現われ、金融に困難している。昨年四月以降一カ年間に中小炭鉱八十八鉱山に、休廃止又は準備中のものは二十二に上り、租税公課、保険料、資材代、労銀、電気料金の未払、滞納は十億円に上つている。政府の政策の結果出じた事態に対しては、政府が処置すべきであつて、恒久対策としては、少くとも、三年乃至五年先を見て、石炭政策を樹立すること、及び低金利資金の融通を行うこと、又応急対策としては、健全経営維持のために前述の資金の緊急融資を行われたい。政府は倒産者が出てから騒ぎ出すのが例であるが、それでは社会的影響が大であるから、かような事態を起さぬための緊急融資をされたい。  三、重油及び輸入炭を使用する産業。石炭と重油との関係調査のため冒頭に述べました各種工場を、視察いたしましたが、重油使用は富士製鉄及び日本製鋼所のみでありまして、北海道風力の火力発電所は一部に起動用の使用があるばかりでありまして、今回の重油使用調査の規制対象外であります。富士製鉄及び日本製鋼所におきましては、平炉や加熱炉の一部に重油を併用いたしておりますが、当事者の説明によりますと、これにより加熱時間を短縮し、且つ炉内温度を平均しますので、企業合理化の面から重油の併用は有利であるからこれはどうしても続けて行かなければならない、こういう意見であります。  次に富士製鉄の原料炭でありますが、七百トン高炉及び四百トン高炉を使用し、その原料炭には米国及びインドから輸入する粘結炭と、夕張糸の弱粘結炭とを混用いたしております。輸人炭の況人率は三八—三九%にて、これは各製鉄所中最も低いかと思われるほどであります。この点は北海道所在製鉄所として道内炭使用の努力が窺われますが、米炭の受入値段が十八ドル、インド炭十五ドル程度ということに対しましては、国内炭鉱今後の努力目標とも考えられるのであります。製鉄所を見て痛感することは、我が国の強粘結炭不足であります。炭価問題とは別にしても国産原料炭により潰裂強度の高いコークスを安く生成する方法の研究が必要であると考えられるのであります。  四、電源開発の進捗と燃料消費への影響。北海道における電源開発は順調に進行しておりします。先ず北海道電力会社におきましては、会社発足の昭和二十五年五月から本年五月までの三カ年間に水力約五万五千キロワット、火力七万一千キロワット、水火力合計十二万六十キロワットを完成しております。この程度の増強は他地区にもその例はありますが、何分にも電力会社としては小さいほうでありますから、会社発足当時の水火力合計約三十二万キロワットに比較しますと四割の増強となりまして、増強率では九電力会社中の第一位になります。更に本年度中に完成すべきものとして工事中のものには、私どもが視察をしました砂川第二火力の三万五千キロワット及び水力では属雲峡の二万三千八百キロワットがあります。これらはいずれも本年中に発電開始の予定でありまして、これにより増強率は六割となるのであります。会社の規模に比較しまして大きな拡充工事を続けていますので、経理的負担は大きく、電気料金改訂の認可を強く要請しておりました。北海道地区は電力不足の甚だしい地区でありますので、電源開発会社におきましても石狩川水系及び十勝川水系におきまして水力の開発を進めております。前者は総合開発計画め一環として工事中のものでありますが、ダム工事は北海道開発庁にて施行中でありまして、その進行に伴い発電設備工事を電源開発会社が行うことになつています。後者は専ら電源開発会社にて工事をいたしていますが、最上流の糠平に高さ七十六米、有効貯水量一億五千万立方米のダムを造りまして四万キロワツトの発電を行い、その水を順次芽登第一(二万七千キロ)芽登第二(二万七千キロ)及び足寄(四万キロ)に流すという計画であります。その合計発電力は十三万四十キロワットに上り、これが完成いたしますと北海道の電力供給は安泰となると思われます。目下工事中のものは糠平及び足でありまして、足寄はダムが小さいために本年末には一部発電の予定でありまして、糠平のほうは来年末に一部発電と予定されております。  以上開発工率の概要を申上げましたが、現在までに竣工しました分は、北海道電力の水力五万五千キロ及び火力七万一千キロでありまして、火力の増加のほうが多いのであります。従つて火力用炭の使用は相当に増加すべきはずであります。併しながら最近三年間の実績を見ますと、火力発電量が、二十六年度を一〇〇としますと二十七年度は一二五、二八年度は一二八と伸びていますが、石炭の消費量は二十六年度の一〇〇に対して二十七年が一二五、二十八年は一二二となつていまして、発電量の増加通りには増していないのであります。以上は重油助燃を行なつていない北海道電力の場合でありますが、重油助燃を含む全国の実績につきまして同様な計算を行いますと、発電量の一〇〇、一二二、一四三に対しまして換算燃料使用量は一〇〇、一一〇、一一八と著しき節約となつているのであります。この間には新鋭火力の運用方法とか、豊渇水の状態等が錯綜しまして簡單には結論を出しがたいと思われますが、総合燃料対策樹立の上に研究を要する点と思われるのであります。  五、その他の事項。我が国は終戰以来資源に乏しく人口が多過ぎると、言われておりますが、北海道を見聞するに及びましてその逆のことが言えるのであります。特に石炭鉱業におきましては、現在でも農業と共に北海道における生産の双壁をなしていますが、前に述べましたごとく、将来において我が国石炭供給源の主力となるべき地と考えます。差当りは我が国経済の実情から見まして、危機切拔けのための緊急融資しか考えられないと思われますので、国の力強き援助を与え、石炭及びこれに依存する産業を中心として大きく育成すべきものと考えるのであります。  終りに臨みまして、我々の調査に当りましていろいろなる便宜をお与え下さいました現地の各位に深甚なる謝意を表しまして報告を終ることにいたします。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 有難うございました。  それでは次に順序を変えまして、炭鉱地帯であるとか、或いは労働問題、いろいろ関連するところも多いと思いますので、第三班の森田君にお願いしたい。なお労働省関係の各位が三時過ぎには差支える人も出ますので、第三班が終りましたならば、一応労働省に関する質問等がありましたならば、途中でちよつと御賛同しておいて頂きたいと思います。

森田義衞緑風会

○森田義衞君 只今から中国、九州班の視察の報告をいたします。  派遣されました議員は、私と白川議員、特別参加として中川議員、又福岡では現地参加として小松議員、山川議員、西田議員、野田議員の各議員が参加されました。視察期間は七月十一日から十七日までの一週間で、視察個所は中国電力小野田火力発電所、宇部興産、八幡製鉄所、西部ガス会社、三池炭鉱、九州電力港発電所で、その間九州電力本社訪問、又宇部商工会議所にて宇部石炭局長主催の下に、宇部地区の石炭問題について、関係業者、官庁等との懇談会を開き、福岡においては福岡通産局長主催の下に、県知事、金融関係者、石炭業者、石炭消費者、商工会議所、国税庁等多数参集の下に九州地区の石炭不況を中心とする総合燃料対策懇談会を開きました。  以下順次視察の概要について御報告いたしますが、報告の都合上問題を区分し、先ず第一に石炭問題とし、(イ)宇部地区の石炭事情、(ロ)九州地区の石炭事情、(ハ)各界の要望。第二、石炭と重油制限問題、(イ)小野田火力発電所、(ロ)宇部興産、(ハ)八幡製鉄と区分し、各項目別に順次御報告いたします。なお各現地からは詳細な資料が提出されてありますが、それらの資料を基礎とし、大勢を報告いたします。  (一)石炭問題   (イ)宇部地区の石炭事情。宇部の懇談会は、宇部炭を中心とする中小炭鉱業者が主体で、論議は宇部炭対策に集中したわけです。宇部地上区の出炭規模は昭和二十八年度実績二百九十万トンで、全国出炭の約七%程度になつています。当地区の特徴は、先ず平均カロリー三千六百、灰分四〇%の低品位炭であること、第二に、宇部興産を除くほかは全部中小炭鉱であることであります。宇部興産は御承知の通りセメント、硫安、機械、石炭の総合経営の会社でありまして、今回の石炭不況も石炭経営の面のみを見ますると、半期一億円余の赤字を計上いたしておるのでありますが、他の産業部門カバーし経営を続けておる状況であります。その他の中小炭鉱は全面的な不況に会い、すでに倒産するものは倒産し、今や中堅炭鉱にも深刻な影響を来たしておる状況であります。そのために学童、の欠食等も、幾多の社会問題が漸次露呈しております。又、最近都市周辺からの市営バスのお客さんが急激に減つて来ましたことは、炭鉱不況による購買力の低下を端的に示すものであると、宇部市の当局で申しておりました。  以下計数的に窮状をお伝えいたします。  先ず炭価の面から見ますると、昭和二十七年は、平均炭価が三十七百七十五円、トン当りであります。同二十八年におきましては三千六百十七円、同二十九年におきましては二千七百八十九円と下落の一途を辿つております。  次に炭鉱の数でありますが、昭和二十七年は七十二鉱あつたものが、二十八年は六十二鉱になり、更に二十九年には四十五鉱と減少いたしております。  次に従業員の数を見てみますと、昭和、二十七年が二万二千五百人おつたものが、二十八年には二万五百人に減少、更に二十九年には一万七千三百人に減つております。  他方出炭ベースを申しますと、昭和二十七年は月に二十四万トン、ただの二十四万トンであります。それから二十八年はやはり二十四万トン、二十九年が二十三万トンと殆んど減少しておりません。これは一人当りの出炭能率が昭和二十七年が月当り十トンから二十八年には十二トン、二十九年には十三トンと上昇の一途を辿つておるからであります。即ち、これらは不況打開のために、人員整理によりまして能率の向上を図つております。中小炭鉱の苦心が窺われるのでありますが、半面、当面の急に追われまするために坑道の掘進等がなおざりにされておるという点もあるようであります。炭鉱の未払金は四億四千万円に達しております。  なお当地方は、匿名組合組織によりまする弱小炭鉱におきましては、例年夏季の浸水によりまして休止するものが多いのでありますが、ために労務者は冬季再稼働に期待をかけておるのでありますが、本年は炭鉱不況のために今後こういつた炭鉱の再開の見込がなく、冬場になりますれば失業問題が一層深刻になるとのことであります。これに対しまする真剣たる対策を要望されておりました。  次に(ロ)として、九州地区の石炭事情につい申し上げます。  福岡における総合燃料対策懇談会は、福岡通産局庁主催の下に、先に申上げました石炭問題に関連ある各方面のかたの参集を求めまして、特に議員側は現地参加として、小松議員、山川議員、西田議員、野田議員の各氏のほか地元出身衆議院議員二名も参加されまして、終始真剣な論議が交されました。  九州石炭鉱業の現状について申しますと、九州は全国出炭の約五四%でございます。昭和二十八年度の実績で、二千三百四十万トンでありますが、五四%を占めておりまして、炭界不況の影響が最も甚大で、六十一億を超す未払金を抱え、休廃止の炭鉱は続出している現状であります。  これらの状況を数字を以て見ますと、  一、九州の出炭及び貯炭の状況、これは二十五年の出炭を一〇〇といたしますと、出炭は二千百八十万トンでありますが、二十六年は一二二%となり、二千四百八十万トン、二十七年は一〇八%で、二千三百四十四万トン、二十八年は一〇七%で、二千三百四十万トンの増加に対しまして、貯炭は二十五年を一〇〇とした場合は、二十六年が八一、二十七年が一七六、二十八年は二二三と増加しておりまして、本年の六月末の貯炭は、百七十二万トンにも達しております。更に九月末になりますれば、揚地貯炭を入れますれば、二百十万トンを超すとも考えられております。  次に未払金の状況を申上げますと、三月末におきましては、調査炭鉱二百九十四鉱でありまして、その額が六十一億に達し、そのうちに電力の料金未払だけで二億五千万に上つております。  次に炭鉱の休廃止状況を申上げますと、昨年の四月から十二月までの休廃止鉱は、休止が五十、廃止が二十、坑口閉塞が百十二となつており、本年の一月から五月までの休廃止は、休止が四十六、廃止が十二、坑口閉塞四十四と、本年度に入つてから急激に増加しております。これがため石炭関連産業に重大な影響を与えておりまして、筑豊地区の炭鉱機械メーカーなどは、休業状態に陥つている状態であります。  次に労務状況について申しますと、昭和二十八年六月が二十万七千八百人いたものが、二十九年六月には十七万四千六百人となつておりまして、約三千三百人の減少となつております。大手筋は二十八年六月から十二月までに一万六千二百人を、中小筋は本年一月から六月までに、一万六千三百人を整理しております。これは本年度に入つてから、炭況不況が急激に中小炭鉱の整理となつて現われていることを示しているものであります。  次に炭価の問題について申しますと、当局で三十炭鉱を指定いたしまして、調査した結果の平均炭価及び原価について申しますと、これは二十九年二月現在でありますが、販売炭価四千五百四十五円、それに対しまして送炭原価が四千九百六十五円でありまして、トン当り約四百二十円の出血といつたことになつております。特に現金売りの場合におきましては、五千八百カロリーが二千円、或いは五千二百カロリーが千二百円といつたような極端な値段で取引をされておりまして、こういつた投売りされた実例も多数あります。これは炭界の先行不振と、資金逼迫で換金の投売りと思われるような深刻な状態が起きている事情であります。  以上のような炭界不況に加えまするに、デフレ政策によります金融の引締は、一層問題を深刻にしておりまして、その影響は本年一月から六月までの中小炭鉱の労務者の整理の急上昇、先ほど申しました一万六千三百人に見られますように、中小炭鉱に特にしわ寄せられている状況でありまして、現地では幾多の深刻な社会問題を引き起しております。その実例につきましては、具体的に種種現地で述べられましたが、新聞紙上等で報道されました以上に深刻な状況のようであります。とにかく即時に政府の重点的な、機動的な強力施策を要望しておつた次第であります。  それから(ハ)といたしまして、各界の要望でありまするが、以上述べたところによりまして宇部地区、九州地区の逼迫しております状況はおわかりと思うのでありますが、さてこれが対策如何ということになりますとなかなか容易ではございません。今回の石炭不況は単に石炭企業自体の問題にとどまらず、我が国産業政策の根本から考えなければならん問題でありまするが、従つてこれが対策も当面の石炭企業自体に対する緊急対策のほか、長期対策ということを検討するのは勿論でありまするが、現在の状況は単に経済政策のみを以てしては解決できないような社会問題をも含み、複雑多様の様相を示しております。併し一応石炭鉱業界の要果施策を集約しますと次の通りであります。  先ず第一に、重油の輸入は必要最小限度にとどめることを当面の問題としてその実施を強く、要望しております。二は、外国炭は国内炭で賄えない最小限度の強粘結炭の輸入にとどめること。三は、火力発電所その他の企業を促進してもらつて、且つ一般産業の振興策を確立し、国内炭の長期の需要の拡大強化を図つてもらいたいと。四は、竪坑開鑿、並びにこれと同様の効果を有する水平坑、斜坑の開鑿計画を促進し、これに要する長期低利な国家資金の供給を図つてもらいたいと。五は、旧復金債は無利子とし、元本の償還は当分の間延期すること。六は、鉱業設備補助引当金(追加投資)の損金処理を認めること。七は、鉱床補填費控除制度(減耗控除)でありまするが、これを定めること。八は、鉱害賠償引当金の損金処理を認めること。  以上が石炭業界からの要望でございますが、特に中小炭鉱業界からの希望といたしまして、政府は硫安安定法を制定して肥料の需給調整を図つているが、今回の石炭不況打開策として石炭安定法のようなものを作つてもらいたいという要望がございました。  次に地方公共団体の代表として福岡県知事より、石炭企業自体に対する施策もされることながら、現実の問題として全体として六万五千人の失業者をどうすべきかが目下の急務で、災害復旧と鉱害復旧に吸収したい。そのため明年度の工事を繰上げ七億三千万円の国庫補助、県、市負担一億円の別枠起債の認可、鉱業種者二億七千万円の融資の実現を図られたいとの要望がありました。なお現存の窮状打開のため、曾つて災害復旧のとき設けられたような大臣、各省関係者から成ります「石炭対策本部」を設置して強力なる現地打開策を立てて欲しいとのことでありました。  次に金融関係者からの石炭鉱業者に対しまする意見といたしましては、現在は昨年の水害の融資、夏場の融資、年末融資の回収期にありまして、加うるに最近の石炭小況とデフレ制作で需給の見通しも立たない帯貨融資はできない。炭価の安定と企業の合理化を図つて、銀行融資の受入態勢を早く作つて欲しいとのことでありました。  次に石炭消費者側の意見を総合いたしますると、石炭業界の窮状はよくわかるが、業界に対する意見はなかなか辛辣なものもありまして、石炭鉱業は他の雇業の戦後復旧に比べて苦労が足りないとの声も強く、又例年の石炭砿業のストは消費者側としてはその都度石炭の入手に非常な苦心と製品のコスト高を来たさしているので非常に困つている。これがため今後は労使間の協調を強化し、石炭の安定供給を確保してもらいたい。又炭質の向上と一層炭価の引下げに努力して欲しいとの要望に尽きるようでございました。併し石炭不況の打開のためにはできるだけ協力して経常上可能な範囲で買上げ貯炭をして行きたいとの意見を述べられました。  なお北九州財務局から炭鉱の資金対策としてやつておりまする金券発行額は二十数炭鉱二億円余に上つておりまして、そのうち紙幣式は違法でありまするが、百万円程度であるので違法扱いは現在のところはしておらん。ひどい炭鉱は賃金の九〇%も金券を出している例もあるとの報告がございました。  なお福岡通産局におきまして労働組合の代表者とも懇談いたしましたが、特に中小炭坑労働者の窮状を訴えられたような次第であります。  以上で、石炭関係の報告を終ります。  次に(二)といたしまして、重油消費規制と石炭問題について御報告をいたします。今回視察いたしました小野田火力、宇部興産、八幡製鉄の、三社についてその実情をお伝えいたしまするが、これらはみなそれぞれに特色があり、三社を以て重油規制全体を論ずるは早計と存じまするが、一応参考までに提出されました資料に基きましてその大勢をお伝え申上げます。  (イ)は小野田火力発電所。当発電所は宇部炭という特殊な低品位炭の有効利用を目的といたしまして設立されました発電所で、重油の混焼により初めて宇部炭の完全有効利用と出力の安定を確保している現状で、宇部炭には重油はなくてはならない存在であるとのことを強調されました。重油使用の利点として汽罐事故の減少があり、熱効率、稼働率を向上し、出力の増加を来たし、作業員に安定感を与える等幾多の利点を挙げられました。今回の重油の大幅規制、ここでは約四七%ありまするが、この規制によりまして受ける影響については中国電力全体として係数的に詳細な説明がありましたが、それによりますると、二十九年度重油の使用計画量が五万四千キロリツトルが二万六千キロリットルに規制をされますと、その場合にはボイラーの出力、稼働率、熱効率の低下等によりまして宇部炭、九州炭合計九十九万トン使用可能であるものが、規制後は九十六万トンしか使用がでぎなくなり、石炭消費量は逆に三万トン減少になり、出力は年間一億二千万キロワット・アワー低下するとの説明で、重油規制によりまして石炭の使用増加を来すどころか、却つて減少する結果になると言つておりました。その計算方法、係数のとり方等に若干疑問の点もありましたが、一応の会社側の結論だけをお伝えしておきます。  次に(ロ)は宇部興産でありまするが、当社はセメント産業部門においては二十八年度六万九千キロリツターを消費しております。初めは石炭事情の不安と商品位炭の入手難のために時の政府の燃料政策に協力して一千万円を投資して重油混焼を図つたのでありまするが、その結果、一は石炭専燃時よりはクリンカーの焼出量が増加した。二はセメントの品位が向上した。三は運転率が平均六%向上したこと。四はキルンの連続運転時間が長くなつたこと。五は運転操作が容易になる等の幹多の利点が現われております。今回の制限により本年度上期二万五千キロリットルに制限されたために、上期の工場のクリンカー生産予定並びに可能な限り石炭を使用しての重油使用計画二万九千キロリットルと比較いたしまして四千キロリットル程不足で、不足量は九月度の重油使用量に相当し、若しこの不足量が許容されないならば約二万トンの減産が推計されるとのことでありました。又石炭専焼となつた場合は、重油設備を遊休させ、新たに七千万円の設備費を要し、石炭重油混焼のときの利点を可能な限り保持するためには石炭は殆んど全量高品位の九州炭の使用を余儀なくされ、低品位の宇部炭、特に自社炭の使用が不可能になり、月当り約二千二百万円の費用増加になるとのことでありました。  次に(ハ)は、八幡製鉄における重油の規制問題について申上げます。当社の場合は極めて明瞭な結論が出ておりまして、本年度上期の指示量は六万三千キロリットルで前年度同期実積の五%減で、これは熱管理の強化徹底に加うるに、鉄鋼市況軟化によりまする減産の二つの理由によりまして今後このままの状況で推移いたしますれば、重油規制による影響はさして不安はないとのことでありました。なお重油使用の経済効果については、鋼塊トン当り専五百円、鋼材二千円のコスト減になり、設備投資金額九千六百万円はすでに回収ができたとのことでありました。若し将来重油消費規制が更に強化され、石炭を使用し得ないようになれば、新たに設備資金七千七百万円を必要とし、トン当り千五百円乃至二千円のコスト高になり、世界市場経済の激しい鉄鋼界にとつては好ましくない現象で、少くとも現状以上の重油規制は行わないようにして欲しいとのことでありました。  以上重油規制問題は生産の合理化のための関連において行われただけに、石炭再転換の問題につきましはケース・バイ・ケースによりまして考慮せらるべき点もあるやに見受けられたのであります。  以上で石炭問題及び重油規制と石炭問題について御報告を終わりまするが、その他電力事情一般に関する諸問題、電気料金値上げ反対等各般の意見が述べられましたことを附記いたしまして今回の視察報告を終ります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 有難うございました。報告の途中でありまするが、先ほど申上げましたように労働省関係の各位が三時過ぎから差支えのある人が多いようでありまするからここでちよつと切りまして、主として労働省に対する失業問題その他について御質疑ありましたならば挾んで頂きたい。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 安井政務次官にお伺いしますが、只今も第三班の調査班、九州、福岡の事情がお聞きの通り報告されております。これは石炭産業の関係において九州のみならず、北海道の第一班の報告を聞いても然り、更に本州炭田における事情、これに更に加えてデフレ政策による影響、殊に中小企業の倒産、工場閉鎖等を加えますと、今日非常なる潜在的失業者があるだろうというふうに思うし、私どもは例の数字は持つておりますけれども、これら失業者のデフレ政策後における累増した状態と、これに対する労働行政とせられて失業の救済といつたようなことについて、甚だ言い過ぎかも知れませんが見るべきどうも施策がないのではないか。今朝来の新聞紙の報道によると、数字だけでは十数万の失業救済というようなことも言われているやに思うのですが、六ヵ月で失業保険も切れるし、その後恒久的な生活の維持ということについて非常に不安で、自殺者、心中等々続出している状態でありますので、この際石炭の調査報告に関連して、一般の労働行政とせられて、殊に失業救済のめどについて将来どういう御方針であり、且つ具体的にどういう方策をお立てになつているか、今朝新聞を御覧になつてその事情等について事実があるかどうかは私知りませんが、それらに関連して詳細にお答え頂きたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 藤田委員にお答え申上げます。お話の通りに一般の緊縮財政によりまする雇用関係の悪化、殊に、この石炭の不況、計画造船の遅延、鉄鋼或いは繊維関係の不振といつたようなものから、雇用状況がかなり悪化しておることは事実でございます。これは極く簡単に状況を申上げますと、大体今年のこの雇用指数から見ますと、本年一月に一〇五でございましたものが、総合的には雇用指数は必ずしも下つておらんのでありまして一〇一くらいに上つておりますが、鉱業方面では九〇でございましたのが八七・五に下つて、完全失業者の動向から申しますと今年一月に三十九万人おりましたものが、本年五月末では五十八万人になつておる。或いは又失業保険の受給者から申しましても、本年の一月には四十一万八千おりましたものが、二月には四十四万七千、五月末には四十四万人といつたような増加を示しておる次第でございます。  これに対しまして政府といたしましても種々対策は考慮しておる次第でございます。差当りとつておりまする対策としましては、第一に、一時休制度の採用をいたしておる次第でございます。一瞬帰休制度と申しますと、従来御承知の通りに、この失業保険は完全なる失業者でなければ支給できないものを、最近のいろいろ雇用状況から、企業整備のために一時休職者を出し、その休職者に対しまして再雇用を前提といたしまして、一定の期間失業保険を支給するといつたような制度で、これは労使双方の不必要な摩擦を避け、更に企業整備にも役立ち、失業者に転落するのを防ぐといつたような制度を最近採用しておる次第であります。  更に失業者に対しましては優先的なその失業地に対する特に石炭、或いは船舶関係の地方に対する失業対策費は優先割当といつたような制度と申しますか、通用をいたしておる次第でございます。更にいろいろな転職、或いは就職の斡旋につきまして、非常に従来の職安機構だけでは不足であるというような意味からこれの相当拡大強化、或いは従来の手続を非常に簡素にいたしまして、いろいろ使用現場における直採用の可能な手続といつたようなものを考慮しておる次第でございます。  更に全体的な問題といたしましては、公共事業に従来ともこの緊急失業対策によりまして相当失業者を吸収すべきはずになつておりますものがまだなされていないのが相当あります。これを合計いたしまして、十分失業救済、失業者をこういつた公共事業に吸収させますと同時に、一般の公共事業以外の地方公共団体、或いは財政投資、融資等による事業に対しましても、こういつた失業者の吸収というものを計画しておる次第でございます。  又これも昨年からできました各地方の労働金庫に対する融資割当についても、目下これは大蔵省と折衝中でございますが、相当額の融資もやつておる。更に全体それでも足りません分に対しましては失業対策費、或いは失業保険費の繰上支給も只今考えておるような次第でございます。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 大まかにはお答え頂いたわけですが、現下の失業者五十八万、五月現在ですね、完全失業者とおつしやつているわけですが、これは統計上現われた数字、更に失業保険受給者の数字四十四万等から併せてまあ以通つた数字ではありますが、実際には失業保険を得られないいわゆる失業者というものも相当ある、そういつたものを加えて参りますとかなり厖大なものになるだろう、こういうことなんで、もう少し具体的な数字の評価をどうできるかというようなことがあればお聞かせ願いたかつたと思います。  それから一時帰休制をとられて、いわば半失業者というか、これに対する失業保険の支給ということにするということですが、この場合に専業経営者のほうからは労使の交渉によつて失業保険以外に何らかの手当というものが、従来はそういつた場合には或いは六〇%、何%というふうに出ていたと思うのですが、近来の状況についてどのように把握せられておりますかという点。  それから一時帰休者の適用人員が一体現在でおよそどれくらいの帰休制による人員でありますか。その五十八万五月現在というのは一事帰休というものがその数字に含まれているのかいないのかといつたような点ですね。これらを一つお答え願いたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 藤田委員のおつしやいます潜在失業者というものが恐らく完全失業者以外にも相当数あり得るか思いますが、これはなかなか統計上の数字に出て来にくいものでございまして、今ここで完全な実態把握というようなものは申上げられないかと思つております。  更に一時帰休制度の内容につきましては、職安局長から少し具体的な事情について申上げたいと思います。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○説明員(江下孝君) 政務次官の御答弁を補足いたします。具体的にもつと失業者の数にマッチしたような計画或いはそういう具体的な計画があればというお話でございますが、私どもといたしまして失業者の問題を扱います場合、勿論全国的な調査を絶えず行いまして、それにマッチする政策を立てるわけでございますが、確実につかみ得ますのは職業安定所の窓口でございます。職業安定所の窓口に現われました数字を基礎にいたしまして諸般の施策を考えるわけでございます。  先ほどお話になりました政務次官の御答弁の中にはなかつた点でございますが、公共職業安定所の窓口の状況が、どうであるかという点でございます。本年の一月から五月までの状況を見てみますと、二十八年に比べまして求職は少し悪化いたしまして殖えております。例えば五月にいたしますと、昨年の五月が求職が九十八万七千でございましたが、今年の五月は百十一万七千ということで、ここで十四、五万程度殖えた。それに比較いたしまして求人数でございますが、これは若干減少の傾向でございまして、昨年の五月が三十四万、今年の五月が三十三万二千、六月もほぼ同様の傾向を辿つております。  そこで安定所では御承知の通り就職斡旋をいたすわけでありますが、現在のデフレ経済下におきましては雇用量の増加ということはなかなか困難でございますので、一般の産業に全部これを斡旋するということは困難でございます。そこで、どうしてもいわゆる安定所に焦付きになつて残りますものが出て参るわけであります。これに対しまして御承知の失業対策事業を実施いたしておるわけであります。失業対策事業の登録者は昨年と比較いたしまして、これは数字的にそう殖えては実はおらないのでございますが、実質的にはこれ又いろいろ諸要素を検討すれはもつと悪化しておると思いますが、現在までのところ昨年三十五万程度でございましたのが、現在は三十六、七万というところでございます。この三十六、七万の人か大部分の人が毎日この職業安定所に出て参るわけでございます。それに対しまして私どもといたしましては月二十一日の就労を確保する、これは勿論民間の事業も含めてでございますが、その線で今実施いたしております。予算的にも一応現在の予算の枠内でやつておりますけれども、これは将来不足を生ずるということになれば繰上支給等の方法も考えて見たいと思つておる次第でございます。  次に一時帰休制度の問題でございますが、端的に申上げまして、実はこの帰休制度につきまして今回いろいろ批判がいたされておりますし、私どもといたしましても失業保険制度の運用によります一時帰休制度で全部の、或いは大部分の商社乃至は工場、事業場の苦境をこれによつてのみ救済するということは勿論考えてないのでございまして、失業保険法の運用の枠内において拡げられる限度におきまして条件を作りまして提示いたしたわけでございますので、これのみによつて勿論失業対策をやるというわけではないのでございます。  そこで現在までのところ新らしくこの制度を打出しましてからまだいろいろ労使間の話合いが進んでいないと見えまして、極く少数の件数しか報告がないのであります。今後だんだん話合いが進みますれば、相当この利用というものが殖えて来るのじやないかという予想が立つておりますけれども、現在のところはそういう状況にあります。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 僅かだとおつしやるわけですが、一時帰休というのがかなり大きく世間に発表されていて、いわば一時帰休というのは当該労働者の生活を最低限に維持するという目的に見えるが、他面むしろ事業経営者のやはり救済ということになつておるのじやないだろうか。むしろそういう色彩のほうか濃い。だから一時帰休で失業保険を支給される場合には、当該経営者のほうにも若干の手当を出すというのがやはり必要ではないだろうか。それで何とか事業経営も打開せられるだろうし、労働者の生活も何とか救済できる、こういう点について実績が、どういうふうなものかという点を、経営者側と当該労働者の間に失業保険、たけで賄われて行くという話合いで帰休になるのか、それとも若干の手当というものを出しておるのかという実情と、現在僅かだとおつしやるその数字がどの程度あるものかという点をつかみたいと思つたわけです。  それからもう一つ附加えたいと思うのだが、労働金庫に対する融資ですね。国家資金の融資はこれは安井政務次官のお答えではそれを目下大蔵当局とも打合中だということですが、今まで発表せられておる面を見ると、労働金庫に対する融資、これはむずかしい。これはそういうことをしないというむしろ傾向の発表がだされておると思うのですが、まだ望みがあるのか。あるとすれば大体その金額はどの程度なのか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 一時帰休に対する御批判がございまして、これは一応御尤もだろうと存じます。一時帰休をやります原因は、やはり企業が非常に困難に直面しておりまして、これを整備し、建直すまでに相当の資金とか、或いは労銀の不払いを生ずるといつたような企業体にやるものでございますから、これに対しましては離職者に対する企業社からの支払ということは別に認めておらないわけでございます。失業保険を支給して適当な再建整備の目安がつきましたならば再雇用するといつたような制度を考えておる次第でございます。  更に労働金庫の、問題につきましてお話がございましたが、実はこれはなかなか成績を挙げておるのでございまして、昨年の風水顔の際、或いは昨年の年末金融の際にも、これは無論全体の金額から申しますれば非常に少い金額でございまするが、大体お約束したものが臨時に出ているような次第でございまして、只今も目下鋭意当局と折衝中でございます。金額にいたしまして三億余りを目標にして、これも主として労務者の給料支払に充てるように折衝中でございます。私どもの見通しによりますと、大体においてこれも近く実現を見るんじやないかと考えております。

藤田進日本社会党(第四控室・左)

○藤田進君 今の帰休倒産の数字はわかりませんか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 帰休制は極く最近正式に採用したばかりでございまして、まだその実態が十分つかめていないような事情にございます。もう暫らくすれば、或いは又数字も或いは御報告できるかと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 私からも言労働省に承わりたいと思うのですが、失業者の増大によつて失業保険の適用が非常に殖える場合は勿論、それから失業保険が終つてから、本当の失業者になつてしまつた人が公共事業のほうへ行くことをいろいろ考えておられるようでありますが、それから只今お話になつた金庫の問題にしろ、一切予算に非常に関係する点が多いのでありまするが、今持つている現在の予算では大体どういうところまで賄われるのか。それから今の趨勢でずつと失業者その他が伸びて行く場合には、一体どういう対策、考え方を持ち、準備、折衝されているかというようなことについて、今までの労働省のとつている方策なり、或いは折衝、その他について承わりたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 労働金庫の問題につきましては、これは預金全部資金の運用によりまして、これを各地方の公共団体へ融資しまして、その融資した額を更に労働金庫に貸すといつたような手続をとつてやつておりますので、これは予算に直接に関係なくて、運用上の措置で行けるものと思つております。  それから失業対策費につきましては、こういつた緊縮予算を或る程度まで想定いたしまして、本年度の予算で御存じの通りの各種の他の関係の予算は相当削減されたのでございますが、失業対策費につきましては、金額で約一割、百十一億になつておりますが、一割、それから人員につきましては約五%の増加を見込んだ予算を組んでおりまして、実は第二四半期に入ります現在までのところでは、今のところまだ予算をそう食い込んで行くという必要もないような現状でございます。と申しますのは、まあ昨年に比べまして、総体数がまだ失業者及び失業保険受給者の数がそうむやみに殖えておらん次第でございます。併し将来のことにつきましては、これはまだかなり増加の傾向もあろうかと思いまして、将来は一つこれは繰上支給もやり、これは必要に応じた予算措置も、講じなきやいかんのじやないかというふうに考えておりますが、先のことはちよつと一応はつきりしておりません。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 重ねて失業保険のほうも、何ですか、大体今予定されておるようなことで、現在の失業者の増加程度では、大体賄つて行けるという見解を持つておられますか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 大体月割当二十二億程度のものでしたな。それに対しまして、出ておりますのが、最近は二十五億程度です。そのうちに三億の差額が丸々予算超過というわけじやございませんで、予備費はございますが、併し若干このままで行けば超過をするのじやなかろうか。併し、これも今までの基金もございますし、予算上の、財源上の措置は十分できるものだと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それからもう一点。先ほどの森田委員の報告の中にたしかあつたと思うのでありますが、九州の炭鉱地帯では、炭鉱失業者緊急対策として、鉱害復旧事業の繰上施行が問題となつて、政府においても研究を進められておるとかいうような話でありまするが、これは相当予算を伴うことではないかと思うのでありますが、これに対する労働省、或いは石炭局長等から見解を……。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) お話の通りに石炭の鉱害復旧の繰上施行というものは、今度の特にこの石炭地方の失業救済については、非常に重要な意義を持つておると思いますので、是非これを実施したいと思いまして、先頃できております各省関係の労働対策連絡協議会を中心に協議いたしまして、更に特にこの経審が中心になりまして、目下これを折衝中でございまして、恐らく、これも近く実現するであろうと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) もう一点。この問題は相当やはり公共事業費というものが、現在のそういう失業対策関係の予算の枠内でやれる問題ですか、或いは又別途相当大きな予算を要し、それに対しては予算要求をやつて見ようという気持でおるのでありますか。そういう点……。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) これは私数字的にちよつと詳しいことが申上げられん……、資料を持つておりませんので、石炭局長のほうからお願いしたいと思いますが、大体におきまして、来年度までやる予定のことを今年繰上げてやつて行くというふうに考えております。

齋藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○説明員(齋藤正年君) お答えいたします。目下の進捗状況は、今政務次官からお話がございました通りでございます。労働対策の連絡協議会に私どものほうから提案をいたしまして、大蔵省にもこれは予算折衝ということではございませんで、別にこれは事務的な連絡の段階で話をいたしているわけでございます。ただ先ほどにも政務次官からお話がございましたように、これは一般公共事業の中で失業者を優先的に使用するという問題がございます。こういつた関係で、どの程度まで炭鉱関係の失業者が吸収され得るかというふうな点、そういつた他の関係の方面での救済策につきまして見通しがつきませんと、最終的にどの程度までの経費が要るかということが判明いたしませんので、目下大至急で調査中でございます。  それから予算の問題でございますが、これは鉱害復旧事業も公共事業のうちでございますので、御存じのように一割の節約を受けております。これか状況によりまして使用できるようになるという建前でございますので、予算、数字的な見通しがつきますならば、その関係で使用し得るものはございます。ただ現在各県当局あたりから、要求のございます数字は、それよりも大分上廻つておりますので、そりなりますと、どうしても新規に予算を頂戴いたしませんと、事業の施行がその規模においては実施困難であろうと思われるわけであります。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 総合燃料対策について、政府当局にちよつとお伺いしたいのですが……。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 海野委員にちよつと……。労働省関係じやないので……。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 ああそうですか、それじやあとにします。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 労働省に対して、今までの報告に関連し、或いはその他でもいいのですが、御質問はもうありませんですか。

大谷贇雄自由党

○大谷贇雄君 ちよつと一点だけ局長にお尋ねしたいのですが、先ほど職業安定所の窓口に、焦付きになつている人が三十六、七万あつたという。そこでこれらの人に、月二十一日の仕事を与えるように手配をしておる。これはなんですか。三十六、七万の人が全部その失業対策事業に当つておるのか。どの程度なんですか。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○説明員(江下孝君) そのうち失業対策事業で働いております人の割合が約七割まででございます。あとは公共事業と一般の民間でやつております。

大谷贇雄自由党

○大谷贇雄君 そうしますると、三十六、七万の人が全部とにかく失業対策事業なり、ほかの公共事業で働き得ておるわけですか。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○説明員(江下孝君) 三十六、七万と申しますのは安定所に日雇労働者として登録されておる数でございますが、このかたがたが全部は毎日出て参らないのであります。大体このうちの八割程度、二十七、八方、或いは三十万ぐらいの人か出て来るわけです。でその人たちに対して一、十一日の仕事を与えるわけです。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 ちよつとお伺いいたしますが、自由労働者のほうはどういうふうにやつておるんですか。県とか市とか労働者を使つておりますね、あれは経費は国家のほうで出してあるんですか、地方庁で出してあるんですか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 御存じの通りに国か三分の二を負担いたしまして、地方の団体が三分の一を負担してやつておる次第でございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私のほうの自由労働者から始終聞くのでありますが、一カ月二十日間しか働けない。でもつと働くようにしてくれないかというところの声も切実に聞くのでありますが、そういうことに対してはもう少し、つまり彼らは食えないというとやはりどんなことでも言い出すのです。やはりあの人たちにはどうしたつて月に二十五、六日ぐらい働かしてやらなければいけないんじやないか、とても暮して行けないんじやないかと思うんですが、そういう点はどういうふうにお考えになつていますか。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) おつしやる通りこれは成るべく二十五、六日の稼働を与えたいんでございますが、何分にも従来の予算がございまして、いわばこれは完全に失業対策費として掛る金なのでございます。平均いたしまして今二十一日を確保いたしておるような次第でございます。更に併し夏とか冬の歳末につきましては若干分の加増手当、日数増の処置を講じておる次第でございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 自由労働者の実態調査というようなものを、やはり家族何人おつてどういうふうな状況であるかというようなことはやはりお調べになつていらつしやるのでありますか。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○説明員(江下孝君) 全国的にすべて日雇労働者について調べることは困難でございますが、毎年一定の範囲において調査をいたしております。そこで実は私どものほうといたしまして勿論これは全体の均衡から見まして、二十一日から二十二日になればそれだけ労働者の賃金が殖えて結構なことなんでありますが、実は一昨年まで月に二十日でございました。昨年から予算をお願いしまして二十一日に増して頂きました。来年度につきましては又ほかの一般の賃金収入者との比較におきまして考えて参りたいと思います。ただ失業救済でございますので、どうしてもやはり一般の賃金よりも低いということはこれは避けられないと思います。但し生活保護法よりは上廻ろという線はこれは絶対に確保しなければいかん。この考え方で実は行つているわけであります。将来とも就労日数の増加ということについては努力して参りたいと思います。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私はもう一言ちよつと申上げておきたいのですが、このかたたちがやはり働かんとしても幾ら働いても二十一日なら二十一日で切られてしまう。そうしますと、家族五人も抱えて子供らや年寄りも抱えている実に困窮している労務者が多いのです。そういう者ですと頭がいろいろになるのですね。私は思想善導の意味からしてもそういう方面にはやはり政府が意を用いなければならないのじやないかと思う。一方においては共産党を非常に嫌う。共産党は途撤もない破壊者だと言いますけれども、つまり食えなくなつて来ると、多くはもうその根本はそういうところにあると私は思う。もう少し下層の人たちの身の上を考えてやらなければならないのだ。これがつまり思想善導にもなるし……。食えないものですからとんでもないことを言い出すのですね。私はそういうところに対して労働省がもう少し積極的に力を入れてこの失業救済の上に意を用いられたいと、こういうふうに思うのですが、現在のままでいいというふうにお考えになつているわけじやないのでございましよう。どういうふうな御構想を持つていらつしやるのか。これに対しましてその御所見をちよつと承わつておきたい。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 非常に御尤もなお話でございまして、失業対策の就労者に対してでき得れば就労日数は更に数日は殖やしたい、単価もでき得る限り上げて行きたいとは思つているのでありますが、一方において予算の関係その他もございますので、もう一つは失業対策に、非常に失業者として日雇に固定化する、而もむしろこれによつて楽な生活ができるという層も実はないのじやないのでありまして、こういつたことに、余りに失業対策が非常に待遇がいいと一種の恒常的な失業者群というものが職業的になる嫌いがございます。これらを勘案もいたしまして実は御趣旨の点は十分に研究さして頂きたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 最後に私から労働省に一つ資料をお願いしたいのでありますが、先ほどもちよつと説明のありました失業者の増加状況、失業保険の対象になつている者の問題と、それからそれ以外の失業保険なんかも済んで本当の失業になつてしまつている者の状況、それから求人と求職のこの頃の模様、それから失業保険の特別会計の資金の状況ですね。余り詳しいものよりも、初めての者でもちよつと見てわかるような資料を作つて、できたら成るべく早く、明日で一応この委員会は終りますから、明日中にでも今まであるようなやつからずつとしてもらつたらいいと思います。わかりやすいようなものを。

安井謙自由党労働政務次官

○説明員(安井謙君) 印刷その他の関係がありますから、できるだけ間に合わせるようにいたします。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それでは第二班の高橋君に報告を続けて願いたいと思います。

高橋衛自由党

○高橋衛君 それでは総合エネルギー対策その他経済政策の調査に中部、北陸班として参りましたものの報告をいたします。参加議員は私と天田議員であります。そのほかに終始酒井議員、富士田議員が参加され、又現地において大谷議員も参加されたのであります。七月の三日から十日までの七日間の間に佐久間の発電所を初めとし、最後には黒部の峡谷にあるところの発電所を視察いたしまして終つたわけであります。  報告を大体二項目に分けていたしたいと存じます。第一は電源開発の問題であります。私どもが視察いたしましたのは主として水力発電の問題でありますか、この水力発電、電源開発についても幾つかの難関があるのであります。そのうち視察によりまして感じました二、三の問題を先ず挙げて見たいと思います。全般的に発電に適当な地点が漸次少くなつて参つております。我々の視察いたしました佐久間の発電所、丸山の発電所、神通第一、神通第二のごときは、いずれも河川の下流にありましてダム式の開発が残された稀有の例であります。従つてこのダムを有効に、という意味は火力と同様な意味において運転をするためにはどうしても下流に、これは金が相当高くかかるのでありますが、水力調整のためにダムを造る必要があるのであります。佐久間のダムに対しまして下流の秋葉ダム、丸山のダムに対しまして下流の今渡のダム、並びに神通川におきましては神通第一、第二のダムに対して神通第二のダムがこの水力調整に対する必要なる措置であるのであります。それからこういう場所におきましては、いずれもすでに開発された発電所があるのが普通でありまして、そこに新らしい大規模な発電所ができますと、例えば丸山の発電所におきましては、既設の八百津の発電所が予備的な施設として残される。それから神通の第一発電所におきましては旧式な発電所が一つ潰されております。従つて、古い発電所を潰して若返りのための開発なら話は別でありますが、新たに開発する場所ということになれば、勢い不便な山奥に行くか、然らざれば補償費の非常に多くかかる所というふうになるのであります。関西電力では黒部の第四を計画中でありますが、これは黒部水系の最も奥にあるのでありまして、資材の運搬とか、要員の駐在、送電施設に多くの難点が見受けられるのであります。又北陸電力で計画中でありますところの跡津川も、電源としては大きいのでありますが、奥地のために経費か大きいようである。こういうところたけしか残つていないと称してよろしいのではないかと思うのであります。  次に水力発電で非常に大きな問題として取上げなければならないのは補償費の問題であります。佐久間では総補償費約六億円と称しております。総工事費が、一戸六十億円でありますから、二割二分に当つております。その中には、飯田線の付替工事、これが三十八億円要しております。その他が全補償費になるのであります。水没地にあるところの二百四十八戸に対しまして五億余円の補償費が出されている。一戸当り二百十六万円に上る補償費であります。補償費の基準を調べて見ますると、水田におきましては坪当り単価一千円、畑が八百五十円、同じく桑畑が坪当り一千円、用材林が坪当り百円、その他の山林が坪当り六十円、宅地が坪当り一千五百円、その他石垣に対しては石垣の坪当り千円ということになつております。家屋は住家が坪当り一万二千円乃至三万三千円、非住家が千円乃、至一万二千円というふうになつております。この標準は、大体中部電力がすでに行いました平岡及び井川発電所の例に則つて実施されたものでありまするが、補償そのものは工肝を急ぐの余り若干甘いという噂があります。現に水没希望者が続々現われておるという不思義なことを聞くのであります。従つて、佐久間の補償問題は比較的円満に進捗中ではありますが、発電所によつては種々の難関に逢着しておるものもあり、田介倉の補償問題は周知の事実であり、庄川筋の鳩ケ谷、これは関西電力であります。関西電力も困難な自事態に陥つているとのことであります。鳩ヶ谷では前から水没地帯にあるところの居住者の住宅は四十数戸であつたのでありますが、ダム設置が決定し、水没地域がきまりましてから、新たにその水没地帯に移転新築されたところの家屋が実に五十一戸できておるという状況であります。これは補償費が目当であるとしか考えられないのでございまして、十分にこれが対策を考究しなければならない問題であると思います。又旧住民の移転後の、旧住民の所有の森林を買上げて欲しいという要望があります。これは住宅を移転することによつて森林の手入れができない、従つて水没しないところの森林ではあるが、用をなさないからこれも買つてくれという主張であります。又その水没地帯にモリブデンの鉱区が最近許可されたということでありまして、その補償が問題になつております。これらの問題が円満に解決されることが強く要望されておるのであります。かような見地から、水力を開発するに当りましては、この補償問題を円満に公正に解決するために新らしい立法措置を請じ且つ調停的裁定的な機能を果す例えば調整委員会のような機構を考慮することが必要であろうかと考えるのであります。  第一に、水力開発には当初の投資が非常に多くかかるのであります。当初の投下資本が、以上のような関係もありまして相当に巨額になることが問題であります。殊に我が国のように利子率の高い国におきましては、利率の安い外資でも入れない限りは資金調達上非常に困難を感ずるのであります。建設コストの、重要部分を占めますものにセメントがあります。佐久間ダムの建設には三十二万トンのセメントを要します。現在の市価は大体八千八百円、トン当りでありまするが、これを仮に八千円とたしましても、三十二万トンは二十六億円に当るのであります。佐久間の建設費二百六十億円の約一割がセメントの代金であります。佐久間は水力調整のために下流に秋葉のダムを造らなければならないのでありますが、合せますと、セメントの所要量は実に五十万トンに上るのであります。これを安く勝人することは工事費に至大の関係を持つのであります。そこで電源会社の磐城セメントと契約いたしまして、磐城が浜松工場建設のための借入金十五億円に対しまして電源会社が保証をいたしております。この保証料は日歩三厘、一年に一千五百万円が電源開発会社の雑収入となつております。又磐城はダム用の中庸熱セメントを製造いたしまして、これを電源会社に優先的に供給する。又第三には、引取価格は国鉄の地区別買付価格を基準として決定する、又貨車にバラ積みで送りまするので、袋代トン当り五百四十円でありまして、袋代は少くとも安くなる。又工場が近いので運賃も節約できるということで、或る程度セメントを安く購入することになつておるのであります。ところが国鉄購入価格そのものが電源開発ブーム、その他建設ブームで高くなつておりますから、セメント代は土木工事として無視できない問題を孕んでおると考えるのであります。火力発電ならばキロワット当り六、七、万円で建設ができるのでありまするが、水力の場合におきましては、場所にもよりますが、大体十二、三万円見当が普通の、ようでふります。ほぼ倍額の投資を必要といたします。石炭の値下がりにつれて火力発電を再考慮してよい段階に来ておると思うのでありますが、それらと共に水力発電につきましても経費節約を再検討しなければならないのであります。その点で補償の問題とセメントの価格の問題が今後中心として考えなければならない問題であると考えます。併し水力発電、殊にダム式の場合には、自然力の蓄積という利点があり、更に重要な問題として、これが洪水を調節する副作用を持つておる点であります。佐久間も丸山もこのための特別の措置をいたしておるのであります。電力復元に熱心な官山県では、逆に洪水調節を目的とした井田川の発電所を計画中でございます。かかる点から、水力発電は如何なる場合にも無用とはならず、従つて、建設費の節減という問題は資材面のみならず、各般に亘つて研究を要するのであります。  次には電気料金の問題について申上げます。電気料金の引上げが九電力から出ておりますので、この問題については、電力会社からは引上げの必要が主張され、需用者の側からは引上げに伴なつて生ずる経営上の苦衷が陳情されております。需用者側としては、大同製鋼を初め、中部の鉄鋼四社、陶磁器上絵付業者、富山の日産化学工場等が特に熱心に料金引上げの反対を唱えております。総じて中部、北陸は、現行料金が割安であります。そのために工場がここに集中して来たのでありますから、その特典がなくなることは工場経常上看過しがたい問題と言えましよう。従つて、この地方では繊維関係を初め電力需要は伸びており、関西電力の配電区域がいささか頭打ちの形であるのに対昭的なことは料金が割安であることも幾分か影響しているのではないかと考えます。  第二に、需用者反対とは対照的に電力会社は引上げの必要を力説いたしております。その論拠は主として、資本費の増大にあるわけでありますが、ここに見逃し得ないのは、電源開発の進んだ会社ほど引上げの必要を痛感しておるということであります。現在の料金では、火力発電の設備ですら新規設備に上る料金収入だけを計算すれば二倍の料金にしないと収支償うことは不可能であるというのでありますから、水力の発電が進んでおる所ではそれだけ赤字が多いということになります。過去の設備が多ければそれに新設備が少々加わつても引上必要度は濃くならないのでありますが、新設備の多い度合に応じてその値が濃くなるのであります。水力開発を国家的要請と見れば、その要請を充足させた所ほど電力料金の引上げを再、するというこの矛盾を何とかして解決する必要があるのであります。  北陸電力は特に強く料金引上げの必要を主張しておりましたが、それは現行料金が他社に比して低いこと、電力の需用が安い大口電力に集中していること、開発が非常に順調に進んでおるということによると思われるのであります。この点を数字について申上げますと、先ほど海野委員から説明のありました数字といささか違つておるようでありますが、これは水力だけについての割合をとつて見たのであります。九電力分割当時の能力に対しまして、例えば少いところでは東京電力は今年の五月現在で九・四%の開発ができておる程度であります。それに対して北陸電力は実に四四・九%の新らしい開発の電力ができておるわけであります。北海道は二四・九%、東北が二九・七ということになり、全国では一六・六と相成つておるのであります。更に明年の三月の予定をとつて、見ますると、北陸においては実に五七・八の能力の増加と相成つておるのであります。これに対し、止して全国の平均は二四・四というふうになつております。これが先ず第一に北陸電力が非常に経営が困難になつて参るという原因の一つであります。更に又安い大口電力に集中しているという数字を申上げますると、北陸電力におきましては大口電力に供給している電力の量が八四・三%を占めておるのであります。全国の平均は六五・九%を占めております。ところが大口電力につきましては料金は割合に安くなつておりますので、料金収入の。パーセンテージをとつて見ますると、北陸電力が大口に対して収入しておりますものは五五・二、ところが全国平均では四九・二%ということに相成つておるのであります。こういうふうに電力会社によつて非常に差があるという点は我々が料金問題を検討する際に特に考慮を払わなければならない点であると考えるのであります。こういう点から見ますと、北陸電力が頻りに訴えておりました水火力調整金の制度も検討すべき段階に来ておると思うのであります。調整金を出しておる会社ほど赤平を出しておるというこの矛盾、石炭価格が値下りをいたしましてもこの値下りした影響が殆んどないところの会社が調整金出さなければならんというとの矛盾、この矛盾は今日の機会において十分検討を要すべき点であると考えるのであります。なお北陸電力から他の電力会社に対しまして売電いたします単価についてもこれは十分検討を要するのであります。新規の電源開発をいたしました際に、その引上げられたところの適正なコストを十分にカバーし得るような料金によつて他の電力会社に売電するという配慮が望ましいのであります。  第三に重油の規制について申し上げます。重油の規制は、至る所評判が悪いというのか実情でございます。それは我我の会つた人たちがいわゆる中部、北陸が石炭の生産地でなく生産者が一人もなかつたという点からも来るのでありましよう。重油規制の反対の理由は比較的簡単であります。主として重油のほうが石炭よりも安いこと、取扱が容易で煤煙が少く、職場がきれいになること、灰処理費が節約され、設備費が安いという点であります。一つの例を、中部電力が主張しております利点を要約したものを並べて見ますると、先ず第一に取扱が容易であるということ、それからこれを運転する職員の数が少くて済む、それから修繕費が非常に少い、それから微粉炭にすることによつて熱効率が非常に上るそうでありますが、微粉炭よりも灰捨設備が要らないということ、それから煤煙が少いということ。清水発電所は重油に転換しておるのでありますが、あそこは三保の松原があつて煤煙を出しては非常に汚いという、海苔の採取業者からも文句が出るといような点から煤煙を出すものに更に換えると言うことは非常に困難だということであります。それから社内が清潔になるということ。それから発電所内で使うところの電力量が少くて済む。いわゆる電力のロスが少くて済む。それから灰処理費、運搬費が節約できる。それから値段が割安である。改造費が少くて済む。例えば重油を使う設備に改造した工事費は名古屋の火力の場合におきましては四億七千万円であつたのでありますが、若しもこれを微粉炭を使う設備に改造いたしますと七億三千万円を要するということであります。こういうふうな利点を挙げられておるのであります。  更に磐城セメント浜松工場では重油専焼の設備であります。石炭は使わない方針で工場を建設してすでに操業を開始しておるのであります。ところが今後石炭の設備を造るといたしますと、約一ヵ年の日子と相当多額の経費を必要とするであろうと言つておりました。従つて規制は節約の程渡であります。恐らく重油入手に困難を感ずるとぎが来るであろうと恐れておりました。同社の七尾工場は重油、石炭双方を使える設備を持つておりましたので、七尾では重油をやめなければならないであろうということで相当に心配をいたしておりました。幸いに専焼である所は制限が緩いし、併用設備の所は石炭に切換えなければならない、そうしてそのためにコストが高くなるということでは、原価の採算の上において非常に不公平を生ずる慮れがあるということも一つの問題であろうと存じます。  名港火力では重油、石炭併用設備であります。目下スタート用にだけ重油を使用しておりまして、第八号罐のみが重油専焼設備でありますが、同社の清水火力は全部重油に切換え、又同社名古屋火力では目下重油専焼設備に改装中であります。今回の規制によりまして、今後の重油問題に非常に関心を持つております。同社の説明によりますと、重油ならば燃料費において六、七%安く、カロリー当り七銭くらいは安い、又建設費においては二五%安くなるということであります。  大同製鋼でも重油を月四百五十トンくらい使つておりますが、ここではこれを石炭に初換えますと約三倍の燃料費が必要になるということであります。  日本陶器では半分重油で半分石炭でありまして、余り問題はないのでありますが、コストに響くことは当然のようであります。  陶磁器界では燃料節約の面からトンネルがまが流行いたしまして、現在全国で約八十五、六本トンネルがまになつておるのでありますが、それは重油転換が奨励されましてその入手が楽になつたから建設が促進されて参つたのであります。従つてこれを石炭に切換えることは技術的に非常に困難を伴うようであります。又短がまでも重油使用が多くなつておりまして、これらは特に中小規模のものが多いので設備の改造など到底不可能であると訴えておりました。  名古屋地区が重油問題について熱心であることの理由には、この地区には殆んど石炭、亜炭は若干ありますが、石炭が出ないことに理由があると思います。当地の人々、殊に陶磁器業者の言を以てすれば、名古屋では運賃の関係から常に高い石炭を買わされて来た。而も、冬季には遠州灘、紀州灘のために着荷が安定しない。従がつて冬季の石炭を秋までに確保しておかなければならない、その資金が固定するというふうな原因で、重油によることにより右のごとき欠陥が除去されることになつたのを、今更石炭業者の不況を救うために石炭に切換えることは納得しがたいということであります。従つて若し規制するならば、むしろ石炭産地におけるところの重油使用を厳重に制限して、名古屋地区の制限は緩和して欲しいというふうに主張しておりました。又重油に使う外貨節約が必要であるならば、重油を使うことによつてコストを切下げ、そのくらいの外貨は輸出を増してドルを稼いで来るとも言つておりました。  なお、重油規制についていま一つの見聞を附加えますと、それは呉羽紡の工場におきまして、重油による自家発電設備を持つているのでありますが、冬季の節電、停電に備えてこの自家発電設備を持つているのであります。工場で個々に発電するよりもむしろその重油を中部電力に集中して、まとめて効率的に焚いて送電するほうが便利だとの説がありました。これは個々の工場では必ずしも賛成は得られないかと思うのでありますが、電力会社側では相当強い要望であつたわけであります。  第四に、技術水準の向上について申上げます。これは佐久間の電源開発を視察した際に問題になつた点であります。  その一は、我が国土木技術水準の低いことであります。佐久間ではアメリカのアトキンソン会社と間、熊谷両組との共同請負という形をとつて技術提携が行われ、アメリカの技師、フオアマン約三十数名が現地に来て指導しているのであります。アメリカから輸入したところの土木機械と合せて、佐久間の難工事を短時日の間に進捗させたことに大いに貢献しているのであります。ワゴン・ドリルやジヤンボー等の鑿岩機、ダンプカー、ブルトーザー等の運搬機械がものすごい効率を挙げていることは周知の事実であります。間組六千人、熊谷二千人の工夫が昼夜を分かたずこれらの機械に取組んでいる形で、狭い谷間はまさに戦場のごとき感かあります。あながち我々視察者が落石の危険に備えて鉄兜をかぶらされたことから生まれる感想のみではないのであります。我が国では人口資源が豊富であるために、低賃金で、機械化が遅れたとはよく言われますが、それは土木技術において特に然りであつて、佐久間の工事はこれに対する大きな反省であります。  技術問題の第二は、佐久間の鑿岩機のドリルから起つているのであります。佐久間では米国の機械を約二十億円ほど据付けているのでありますが、その部分品もやはり輸入しなければ間に合わないのであります。日本で作れないかというので、ドリルなど試作させて見たのでありますが、到底ものにならないということであります。我が国でも鉄鋼に関して相当に進歩しており、試験的にはかなりの成功を見せているのでありますが、これを実地に適用して見てその通りにならない。一体どこに欠陥があるかということであります。このことは、翌日大同製鋼の星崎工場で、又名古屋地区の鉄鋼四社(大同、愛知製鋼、川崎製鉄、矢作製鉄)との座談会でも話題に上りました。鉄鋼業者に言わせますと、技術的には可能であるが、ここで生産されたものを原料として使う二次製品メーカーが原料を無視して粗製するのだとも言い、又製鋼原料としての屑鉄が悪いのだとも言い、又ジス、ジスというのは日本工業標準規格でありますが、ジスが技術低位の原因をなすから、このジスを引上げることが必要であるとの話も出ているのであります。  富山の不二越鋼材は精密機械を作つていて、軸受の生産に名声を持つているのでありますが、我々はむしろ冶具、ゲージの精密なものに興味を惹かれ、鋼の熱処理等を熱心に見て参つたのであります。併しここで実施されているところの精密な工業も、結局は部分的な優秀さに過ぎないのでありまして、我が国工業の一般的な技術水準を示すものとは言い得ないというところに問題があると考えます。  技術の第三の問題として繊維工業があります。繊維が我が国工業の尖端を行くものであることは過去歴史に明らかでありますが、今やそれが化学繊維に向う動きが強く見られます。視察した岐阜の川島紡績では、ナイロン、スフ等の紡績、殊に混紡に成功した実例を見せてくれました。又冨山の倉敷レーヨンでは、石灰石とコークスに電気を加えて、これからビニロン原料のポパールを作る工程を見て参りました。このように天然繊維に代る人造繊維、殊に無機質の合成繊維が我が国では盛んになりつつありますが、まだこれが染色整理において十分でないということが、業者の一致した悩みであつたのであります。これは我が国で完成されることを期待してやまないことであります。  最後に中小企業の問題について申上げます。中小企業については、今回の視察日程には少なかつたのでありますが、我が国至る所中小企業の問題には触れざるを得ないのであります。中小企業に関して我々の当面したのは次の三つの問題であります。  その一は統制の強化が強く要町されていることであります。中小企業安定法が制定されましたが、第二十九条第二項の発動は極めて緩慢にしか行われず、アウトサイダーの撹乱行為のために中小企業の一致団結は常に破られている。第二十九条の問題は、繊維中小工業が中心であるが、陶磁器界などでは更に貿易においてリンク制をとつて、輸出業者に輸入権を与えられたいという声もあります。  中小企業が困つていることの原因に設備過剰があります。原料部門に比して製品部門の過剰の実例は毛織、絹、人絹、綿等いずれも織物が膨脹して、原料買漁りとなり、原料高製品安という現状を呈しているのであります。従つて我々の視察した渡玉毛織工場のごときは、梳毛設備を新設して、今や織物工場というよりは毛紡工場に転化しているのでありますが、総じて中小企業が大企業の原料部門に圧迫されている傾向は見逃すことがでキないのであります。これが対抗手段としての統制強化も、要望されているのであります。  第二には市場開拓の必要ということであります。統制を要望するのも、要するに設備過剰、生産過剰が原因であるか、そのためには内外の市場を開拓する要があるのであります。内地の限られた市場では織物、陶磁器のごときは到底繁栄することは望めないのであります。陶磁器界では、中国、満州、朝鮮の市場が、戦後閉されていることに、不満を表明していたのであります。富山の広貫堂製薬会社でも、中国への輸出がないことに斯業の発展が阻まれているということを語られておりました。輸出の販路を開拓すること、併しこれは中小企業が、その弱小資本を以てしては、到底独力で実現し得ない希望でありますから、政府の積極的な努力が要請される次第であります。  その三は下請問題であります。下請代金の支払遅延については、当委員会でも大いに努力して来たのでありますが、依然として解決されていない。大同製鋼では、下請への支払は、納入後四カ月ぐらいはかかる。手形は九十日より短いのはないということであります。併しここでも下請業者に組合ができて、金融上の利便を得ているようでありました。下請協同組合については、不二越鋼材の下請業者の組合が、我が国で最も早く結成されたものであり、現に百人ぐらいの業者が、組合の力によつて約二千万円ほどの枠を以て、金融機関から金融を受けているということであります。組合の結成は、親企業の中には歓迎しないものもある由でありますが、その意味で却つて必要であろうと痛感した次第であります。  なお今回の視察調査に当りまして現地における通産省、各電力会社その他の関係のかたの非常に熱心な御配慮を得て、便宜を供せられましたことをここに感謝いたしまして、私の報告を終ります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それではこれから又質疑を続けて頂きたいのでありまするが、大蔵省から谷村銀行課長、白石税制第一課長、それから国税庁から竹村徴収部長、それから自治庁から奥野税務部長が見えておりまして、大分長く持つておられまするから、できますればこの税制とか金融等の話から御質問願えれば、待つている人に非常にいいのじやないか……。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 それじや私から一つこの北海道視察に関連をいたしまして自治庁のかたに伺いたいと思うのでありますが、先ほど海野委員から視察報告がありました中にも言われておりまするが、北海道は非常に広汎なる地域でございまして、そうしてそれにもかかわらず人口が非常に少いために、末端の自治体が非常に税金に悩んでおるということからいたしまして、固定資産税がもう非常に北海道はどこによらず非常に高い固定資産税が徴収されておるのであります。町村によりましては、これは一・五%というのが基準だと私は思つているのでありますが、それが北海道全体を平均いたしまして二・二幾らというパーセンテージになつておると覚えております。さような非常な高率な固定資産税がかかつておるのでありますが、市町村の自治体はともかくといたしまして、その高い固定資産税が電力会社にやはりかけられておる。それが北海道電力としては非常に大きなこれはフアクターになつておるようでありますが、こういう問題について自治庁ではどういうふうにお調べになつておりまするか。それから電力の値上げが大きく今問題になつておるときにおきまして、いわゆる九電力会社の他の会社に比較しまして、北海道電力だけが今表によりますと二・二八五という高率な固定資産税の課税が行われておるのでありますが、この点一つ伺つておきたいと思います。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) 固定資産税の税率につきましては、御承知のように標準税率が一・五%でありまして、制限税率が二・五%であります。標準税率を超えて課税しておりまする団体が全国で一〇%余りございます。ところが御指摘のように北海道は殆んど大多数の市町村が標準税率を超えた課税を行なつておるのでありまして、あと若干東北地方にございまして、他の地方におきましても殆んど全部標準税率の課税を行なつておるわけであります。こういうようなところから、北海道については特殊な事情があるのではないか、こういうふうなことが考えられるのでありまして、一番中心の問題はやはり北海道の市町村におきましては現在においてもなお開拓関係の経費というものがかなり厖大に上つておる。道路を整備して行かなければならない、或いは丸太をかけておいたばかりの橋もやはり漸次補修して行かなければならない、或いは学校などにつきましても非常に広い地域のものでありますから、数多くのものを建てて行かなければならないというふうな、いろいろな問題があるわけであります。従いまして、或いは地方交付税の配分の問題、或いは地方債の配分の問題、こういうふうな問題について考慮して行かなければならないというふうな考え方を持ちまして、現在におきましても若干ずつ是正をいたして参つて来ております。併しながら全部標準税率にしなければならないということも如何なものかと思うのでありまして、やはり自治体でありまするので、特にいろいろなところに力を入れたいと考えますならば、それだけ税収入も殖やさなければなりません。併しこれが異常な姿になつておりまするのは御指摘のような現状でございまするので、今お話いたしましたような方向で将来の解決を図つて行きたいと思つております。ただ差当りは北海道の市町村におきましてはどうしても若干固定資産税の税率が標準税率を超えた課税を行いますのが通常でございますので、北海道電力につきましての原価計算を行います場合には、やはりこのようないろいろな事情を含んで頂かなければならない、こういうふうな考え方を持ちまして私ら通産省に対しましても申入れをいたしておるわけであります。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 いま一つ固定費産税の問題につきまして伺つておきたいと思いまするが、私らが視察いたしました炭鉱地帯でございます、炭鉱地帯におきまして坑外にありまする施設に対しまする固定資産税は、一応業者といたしましても、これはまあ仕方がないといたしましても、坑内から持出しのできない施設を固定資産説の対象といたしておるのであります。これは一朝にして陥没というか何といいますか、坑木が朽ちたとかなんとかいうことによりまして、一朝にしてこれが何にもならなくなつてしまうというような事態ももう再々でございますし、坑内に施設をいたしましたものというものは、まあ向うさんの言葉をそのまま私が申上げるならば、八〇%はもう再び他に転用することのできないものである。極端なところは九〇%と言つておりましたが、まあ八〇%という人もございました。そういうものに対して固定資産税をかけるということは、非常に炭鉱業者の経営に不安があるのであるが、この坑内施設に対する固定資産税は全面的に一つ免除してもらう方策がないかということの強い要望がございましたが、かような点に対してはどういうふうにお考えになつておりますか。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) 坑内施設に対しまする固定資産税の問題につきましては、従来からも主要坑道以外の坑道につきましては課税をしない、こういう方針をとつて参つております。なお又主要坑道その他でありましても、新規設備の部分につきましては、今回地方税法を改正いたしまして、三年間はその負担を二分の一に軽減するという措置をとつたわけでありまして、これによりまして、将来の新規設備につきましては、かなり緩和されて参るのじやないだろうかというふうに考えております。四年目になりますと減価償却の額が相当出て参りますので、通常の税負担に戻りましても、かなり結果的には軽減されたことになる、こういうふうに思つておるわけであります。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 只今のお話で或る程度私はわかりましたが、中小炭鉱におきましては、その主要坑道ですらも三カ年間の二分の一ということはなかなか堪え得られない状態であり、中小炭鉱においては、その三カ年間主要坑道が有効適切に使われるというようなことすらも、今の現在においてはむずかしいような状態にあるから、その点を一つ強くやはりいま少しく減免をする方法がないだろうかということについて……、この点御承知おき願いたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 大蔵省、自治方面に対して若し御質問があれば……。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は大蔵省、自治庁じやありませんが、この機会にちよつと資料の要求を取急いでお願いしたいから……。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) どうぞ。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 明日電力関係の審議を進めることになつておりますが、政務次官もおられますが、過日閣議で政府の修正案というものが論議されたようですが、この論議になりましたものについての貸料の御提出を頂きたい。こう思いますことと、それからなおこれは委員長にお願いしますが、審議に当つて、従来これは各委員会でもそうだと思うのですが、その委員会のある当日要る資料を数多くここに積まれましても、資料によつての質疑が我々できないわけなんです。これは少くとも委員長におかれまして成るべく前日頃に資料をそれぞれ積極的に御提出を頂きたい、こう思うのですが。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 承知しました。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それからこの間私は中小企業のことで資料の要求をいたしましたが、未だにまだ私の手許に届きませんけれどもこれ等も督促して頂きたい、こう思います。なお最初の私がお願いいたしました資料は頂けますかどうですか、これを一つ。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今御要求になりました資料につきましては、どの程度の資料をお手許へ差上げることができるか、只今事務当局が参つておりませんので早速事務当局にその旨を話しまして極力提出でき得まする限りの資料はお手許に差上げたいと、かように考えます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 どの程度出せるかということは、閣議の審議の材料になつたもののうちで未だに国会といえども秘密に属するもので出せないものと、出せるものと、こうあるからどの程度が出せてどの程度が出せないと、こういう意味ですか。私は少くともこの委員会からの要求ならもう閣議ですでに審議も済んでおるのでありますから、閣議に出されたものは全部揃えて私は御提出願いたいと思いますが、その点如何でしようか。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 実は私も閣議に出した資料をここに記憶しておりませんのです。よく調べましてできるだけ御期待に副うような書類を提出いたしたいと考えます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 それでいいです。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 河野氏に申上げますが、中小企業のは今も随分向うへ督促しているんだそうですけれども、官房長もおりませんし、又明日でもなおなにしたいと思います。それから河野委員から今お話のありました点は専門員の各位、或いは委員部の各位もよくお聞き取り願つておいて、次に問題になるようなことの資料は成るべく事前に用意するように御努力願いたい。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 これはまあ私個人の問題になりますが、私は御承知のように新参者で、通産省へ行つたつて局長さんの顔も知らない。又資料の要求にしたつて何の資料を要求していいか、それさえも考えが働かない。今まで私は農林委員をやつている間は委員会に出されなくても自分の必要なものは自分で行つてもらつて来たのです。ところがそういうことができませんから、特にこれはほかの委員のかたには御迷惑かも知れないけれども、私の場合には専門員なり委員長なりでお気付きの点は、こういうものなら参考になるだろうという点は顔のきくところでどんどんとつてお届け願いたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それから各委員からも次にはこういう問題を中心に委員会をやろうというようなときには、若しお気付きがあれば文書なり何なりで委員部のほうへ、或いは専門員室のほうへ資料の御要求を事前に願つておかれましたならば用意できるかと思います。

高橋衛自由党

○高橋衛君 丁度大蔵省の関係の人が見えておるようでありますから、中小企業に関連してひと言だけ説明を願つておきたいと思います。それは先般の国会で金融機関の貸倒準備金の率を一応引上げたのでありますが、その後いわゆる所得の計算上発生主義に基く法の欠陥を或る程度実情に合せるために先般たしか行政措置として国税庁の長官の通告として出されたように聞いておるのですが、それらの措置の全貌について一応御説明を願つておきたいと考えます。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 中小企業の現在の状況に対しまして、税の面からいろいろ実情に副うような措置を講ずるということで、御質問の第一点といたしまして金融上の措置を援助するという意味で中小企業に対しまする貸倒準備金の率を他のものよりも引上げるという措置は先刻講じた次第でございますが、その後債権につきまして、債権の貸倒れをどのように認定するかという問題につきまして、実情に副うように処置したいということで最近通達を出すようにした次第であります。債権につきましては、御承知のようにこれが回収できないということがはつきりいたしました暁におきましては、これを損金として落すことになつておるわけでございますが、事実上側収できないのかどうかという認定が非常に事実問題といたしまして困難な問題でございまするので、最近の実情に応じましてこの認定基準を具体的に或る程度明らかにいたしまして、そうして税の賦課徴収の面において実情に副うようにいたしたいという点が、今回措置を講じました理由でございます。併しながらそういう場合におきましても何らかの形式的な基準がなければ、個々の実際の認定ということにおきましても非常に困難かと思われまするので、そういつた場合といたしまして一応七点ぐらいのものを考えたわけでございますが、その第一は手形交換所におきまして取引の停止処分を受けたとき、それから会社更生手続の開始の決定があつたとき、和義の開始の決定があつたとき、会社の整理開始命令があつたとき、それから特別消算の開始命令があつたとき、破産の宣告を受けたとき、それから償却不振のために、又若しくは事業について重大の損失を受けたためにその事業を廃止し又は六ヵ月以上休業するに至つたとき、こういうような状況のありました場合におきましては、こういつたものに対しまするところの債権は、一応完全なる回収が考えられないわけでございまするが、同時に又どの程度回収不能になるかということにつきましても、その当時におきましてはなお明らかでないわけでございます。併しながらこのような事情がありました場合においては、完全な回収は考えられないわけでありますので、一応このような場合におきましては、その債権につきましては五割は一応損になるものだというようにきめよう、なおその後の具体的の場合におきましてよく検討いたしまして、五割以上なお貸倒れになるというような事実が明らかでありますものにつきましては、国税局長の承認にかからしめまして、その実情に応じたように貸倒れを認めて行くと、こういうような措置をとりまして、貸倒れの認定について緩和措置をとつたわけであります。なおその措置をどのように技術的に講ずるかというようなことにつきましては、これを債権償却引当勘定というようなものを設けまして、そうして特別の整理をするとか、そのような技術的なことにつきまして指示を与えております。なお債権につきましては貸倒れの問題とは少し趣を異にいたしまするが、なお似通つた問題といたしましては、債権が一年以上も続いてなお回收されないというような場合におきましては、なおそれから生ずる所得をそのまま税を取るということでは得になるかと考えられまするので、その場合におきましてはその債権によつて生ずる利益と考えられるもの、これをまあ一般的な利益率と申しますか、そういつたもので一応推定いたしまして、そのようなものは一時その所得を課税することを見合せるというような処置も講じまして、そのような実情に合うような処置をとつておる次第であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかになければ、私から一つ伺いたいのでありますが、これは国税庁と自治庁のほうに亘るものでありますが、炭鉱の坑道なんかの課税の問題でありまするが、先般話合いがついたと言われておりまする追加投資の損金処理についてであります。国税庁ではまだ具体策を決定していないというように聞いておるのでありますが、その後の状況といいますか、真相はどういうことになつておりますか。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 炭鉱につきまして追加投資の引当金勘定を設けてもらいたい、こういう御要求があることを承知しております。これは先ほど御報告の中に減耗控除制度というものとも関連をいたしておつたようでございまするので、一括して一応御報告をいたしたいと思います。この二つの問題は大体似たような観点から出ておるものと考えておるわけでございますが、要するに一般の鉱山につきましては、その有限性と申しますか、逐次その鉱山を掘ることによつて少くなつて来るという有限性というか、稀少性というような問題に関連をいたしまして、企業を同じ規模において続けて行くというためには特殊の利益と申しますか、所得と申しますか、それを控除して積立てておかなければ、企業の継続は困難になる、又これを石炭の追加投資に関して申上げますれば、石炭を掘る場合におきまして、次第に深い所を掘つて行きますと、経費が多くかかりまするので、この問題も特殊の税法上措置を講じなければ石炭の単価がのちに行くほど高くなる。従いましてこれを平均化するというような意味におきまして、特別の措置を講じてもらいたい、こういうまあ主張になつておるわけでございます。減耗控除の問題といたしましては、これは要するに鉱業を同じ規模において続けて行くということは、掘る一方において、それだけ探鉱をいたしまして、新鉱床を発見をするということと、関連するわけでございまするので、新鉱床を探鉱するところの経費を、税法上特別の措置を講ずることによりまして、同じように掘る一方において、新らしい鉱床を発見される、こういうことに相成れば、同じ同一規模の継続という問題が可能になるものと考えられるわけでございます。従いましてこの新鉱床を発見するところの、探鉱費と申しますか、これをどのように考えるかという問題に相成るわけであります。探鉱費は御承知のように一応会計的な考え方から申しますれば、これは一つの資産として計上いたしまして、その探鉱によつて生じて来る将来の所得というものに対応をいたしまして、この探鉱費を償却して行く、こういう問題になろうかと思うわけであります。併しながらこのようなことにおきましては、今のような同一規模の継続ということが困難になるという見地からこの探鉱費につきまして、去る十九国会におきまして二分の一償却を初年度において講ずるということを租税特別措置法によつて講じたわけであります。このような措置によりまして、できる限り同一規模の経営の継続を可能ならしめるように税法上措置した次第であります。追加投資の問題といたしましては、これはお話の点といたしましては、基本投資、追加投資、こういうような観念を分けまして、追加投資におきましては、これを資産ということにいたしまして、償却をして行きますが、追加投資の分につきましては、その年の経費ということで落す、こういうような御要求であるわけでございますが、御承知のように只今の税法上の減価償却と申しますものは、その機械なら機械という具体的な資産の性質に応じまして、その物理的或いは経済的な耐用年数というものを考えておりまして、償却の措置をとつておるわけでございまするので、そういつた考え方からいたしますと、同じような資産、例えば巻揚機なら巻揚機というものを基本投資の中に入るものならば資産として減価償却をして行くか、追加投資のものに入るならばこれは一年で損金として見るというような考え方はなかなか乗りにくい問題であるわけであります。且つ又基本投資、追加投資というものをどういう基準から一体区別するかというような技術的な難点もあるわけでございまして、従いましてこのような追加投資というような考え方にそのまま乗つて税法を変えて行くということが、なかなか私ども検討しておるわけでございまするが、妥当な考え方も出て来なかつたわけでございます。ただ具体的な炭鉱問題といたしましては、償却を実情に副うようにできる限り一つ償却の面において考える余地はなかろうかというような点につきまして検討しておるわけでございまして、そういつた意味で坑道に対する償却というような面につきまして、なお現在におきましても或る程度の緩和を図つておるわけでありますが、なお一歩を進めて具体的な実情に副うような方法が考えられないか、そういうような意味で最近係官を現地に派遣いたしまして、いろいろ検討を重ねて来たわけでございますので、近い機会におきまして、具体的な措置が講ぜられるように、又それがどの程度になるかということはまだ只今ちよつとはつきりと申しかねますが、できる限りそういつた面におきましては、実情に副うように処置いたしたい、かように考えておるわけでございます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) そうしますと、まだ具体的な話合いがきまつたというわけじやないのですね。坑道なら坑道に関する問題についても……。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) まだ通達を出したという段階にまで至つておりませんので、実はまだ内部で、どういうふうにするかという具体的な、技術的なことを検討しているという段階でございます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) そうしますと、大蔵省の主税局なり通産省等でいろいろ話合いをしてきめた問題については、国税庁にその線に沿つてやつているのですが、その後の問題はどうなつておりましようか。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 減耗控除制度につきましては、法律の改正をいたしましたので、その線に沿つて実施しているわけでございます。追加投資につきましては、法律の改正という措置はやらなかつたわけでございますので、運用上実際問題として、できる限り実情に副うようにいたしたい、そういう点で通産省或いは国税庁といろいろ実情に副うように只今検討しておりますので、きめました上におきましては、国税庁が実施する、こういう段階になろうかと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) そういたしますと、検討中であつて、何か先ほど適当な緩和策を講じているというようなことでありましたが、方針をきめて国税庁のほうから下に流しているという問題はないわけですね。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 貸倒れの問題につきましては、すでに通牒を出しまして、処置いたしたのでありますが、追加投資の問題につきましては、まだ通牒を出す段階に至つておりません。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それから奧野部長に伺いたいのですが、坑道をだんだん伸ばして行くのは、やはり全部固定資産税の対象になるのですか。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) そういう坑道だけを固定資産税の対象にいたしておりまして、従いまして、竪坑でありますとか、或いはレールを敷きましてそこに車を走らせているというようなところだけを対象にいたしております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 末梢と言うか、枝葉のほうは対象になつていない……。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) そう処置いたしております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) もう一点、この前も鉱産税の基準決定についてここでいろいろ議論もあつたと思うのでありますが、自治庁の見解を重ねてもう一度聞いておきたいと思います。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) 鉱産税の基準決定とおつしやいますのは、鉱産税の課税標準をどのようにして算定して行くか、こういうことでございましようか。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) そういうことであります。

奧野誠亮自治庁税務部長

○説明員(奧野誠亮君) その点につきましては、地方交付税の配分額を計算するに当りましては、先ず第一に市町村でどれくらい税収入を徴収することができるかという計算をいたさなければなりません。鉱産税につきましては、山元価格に掘鑿料を乗じて算定するというふうに今回地方交付税法の改正において定められましたので、鉱物の種類ごとにどのような金額を用いなければならないかということになつたわけであります。この点につきましては、先頃通産省と話合いをいたしまして、鉱物の種類ごとに金額を決定し、市町村のほうへ通産をいたしております。又それに則りまして、基準財政収入額の計算にかかつております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) この問題について御質問はございませんか。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私、当局に税金の問題でちよつとお伺いしてもよろしいですか。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) どうぞ。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 今の中小企業に対して税金を何とか或る期間の間棚上げでもしてやらなければ、中小企業は一般に立つて行かないと私どもは考えられるのでありますが、この税金に対して、中小企業の税金問題に対してはどういうふうにお考えになつておりますか。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 中小企業が最近の政策の下におきまして、最も困難なる立場に立つておるということにつきましては、私どももその実情に適するようた措置を構ぜなければならんということは考えておるわけでございまして、そういう意味におきまして、先ほど申上げましたように、まあ金融の面からお助けするような意味で、貸倒準備金の率を引上げるなり、或いは実際上の売掛債権の問題といたしまして、その緩和策を講ずるなり、こういうことを講じておるわけでございますが、事実上租税債権として確定しておりまするものにつきまして、これを棚上げしてしまうというような問題は、それはいろいろそのほかに響く問題でもありまして、にわかにその措置を講ずることは困難かと思うわけでありますが、ただ事実上その債権の取立てにつきまして、実情に合うように、運用の面におきまして措置を講ずるということは、その租税行政の運用につきまして、いろいろ考えなければならないと考えておる次第でございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今のお話、それは道理は通つているようにも思われるのですけれども、私は甚だそれはおかしいと思う。例えば或る一つの工場が、やつと金策をして来て、そうして例えば三十万、僅かの金を三十万なら三十万やつと金庫から金を借りたというときに、税務署がすぐ行つてその税金を取つちやう。微々たる金でも取る。ですから中小企業を生かすために融通した金を、税務署は遠虚会釈なしにびりびりやつちやう。そういうふうなのを私はたくさん見ている。そういうものに対してです、私がお伺いしたいのは。或る期間、つまり漸く融資をしたという、青息吐息で融資をしたというのに、金が入つたと聞くと税務暑がすぐ行つて、やる。ですから借りた金の大半は今の滞納金として引つたくられてしまうので、何ら融通してもらつたつて、恩恵に浴し得ない。こういうふうなのがたくさんあるのです。私は例を挙げてもいいのでありまするけれども、そういうふうな、いわゆる苛斂誅求、何でも税金を取りさえすればいいというような税務署の考えをもう少し緩和して考えてもらつて、そうして中小工業を生かしてもらう方法がないか。そういうことに対するあなたがたのお考えを私は承わりたい。こういうわけなんです。中小企業のは皆税金を棚上げするのじやない。そういうふうなやつを半年なり一年なり棚上げしてやつて、折角借りて来た金を引つたくらない、そうして仕事をやらして行くというふうに持つて、行かなければならんと私は思うのですが。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) お答え申上げます。御発言誠に御尤もでございまして、私どももその趣旨で只今運用いたしております。国税徴収法におきましては、徴収猶予、或いは執行猶予の制度がございまして、これは少し条件がきつうございまするが、それに該当いたしましたならば、利子税とか、延滞加算税のような附帯税を免除される場合もございます。又行政上の措置といたしまして納付誓約という制度を運用いたしております。それは法律上の要件には該当いたしませんにいたしましても、納税者の金繰りを検討いたしまして、一時に納付が困難な場合におきましては、税務署と納税者との話合いによりまして、一定期間実際の徴収を猶予するというような制度になつております。そういたしまして昨年度から特に私どもといたしましては納税者の納付能力を十分検討いたしまして、そして納税者とよく話合いをいたしまして、納付の計画を立てて、そうして整理して行くというような方向をとつて参つております。従いましてお話のような事案につきましては、恐らくは税務暑側と納税者側との話合いが十分に行われてなかつた場合であろうかと思うのでございまするが、さようなことのないように私どもといたしましては十分指導いたしておりまするが、若しさような事案がございましたら、十分税務署側と納税者側と話合いをいたしまして、納得いたしまして、一定期間、勿論これは必要最小限度でございまするが、の計画を立てまして納付をして頂くように考えております。  なおそれに補足いたしまして申上げますると、企業によりましてはそういう税務署側との話合いによりまして、自分で資金計画を立てて、そうしてその資金計画を実行し得るような規模の事業もございましようし、又非常に小さな零細企業になりますると、なかなか資金繰りが忙しうございますので、計画を立てましても実行しにくいような業種もございます。さようなかたがたにつきましては、私どもといたしましては納税組合の制度を普及いたしておりますので、その組合に人つて頂いて、納付計画に従つて資金を蓄積して頂いて、そうして納得の行つた一定期間の後には完済して頂くというような措置をとつております。そのことを申上げます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今の御趣旨は地方の税務署のほうに徹底しておりますか。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) 現在の段階におきましては十分徹底いたしておると存じておりますが。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 それが徹底していませんよ。地方にはあなたのほうで何か指令をお出しになつて、もつと地方の税務署のほうに何かして頂かたいと、これは非常にこの声を開くのです。折角金を取つて来たところが、税務署からぼこんとやられて、それで皆今日青息吐息になつて、だからそこをもう少し徴税のほうがお考えになるように、あなたのほうから徹底的に、もつと徹底するように指令を流して項かなければならないのじやないか。本部におられるあなたがたはうまく行つておるだろうとお考えになつておるでしようけれども、地方はそうじやないのですよ、その点。そういうことについてもまだあなたの御所見を承わりたい。私の言いたいことはそれです。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私もちよつと関連して伺いますがね、あなたのほうで末端の若い税務吏員が税金を催促に行つて、一月、二月待つてくれと言つた場合に、手形を取つたり先日附の小切手を取つているということは、これは御存じですか。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) その点につきましては私ども十分承知いたしております。と申しまするのは、前国会でございましたか、国税徴収法の施行規則を改正いたしまして、先日附の小切手又は支払期が先になつておりますところの手形類を税務署のほうで保管することができるという制度をはつきり制定いたしたのでございます。従来はそれができるかできないかということにつきましては、若干議論もありましたのでございますが、今度の改正によりましてその点をはつきりさしておるのでございまするから、私ども承知いたしております。又それに関連いたしまして、不正その他の事件が起らないように十分監督の処置をとるようにいたしてございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そういたしますと先日附小切手を取ることを、これはもう制度上はいいのだということで、あなたのほうからそういうことを徹底して指導しておられるというと、今海野さんからの御質問に対するお答えと矛盾があるわけでしよう。先日附小切手は取られている、そしてその先日附小切手も含めて銀行へ行つて資金の借入をする、ところが銀行では百万借入れに行つた者は百万借さないから、そこで八十万、七十万、悪い場合五十万しか借さないという場合、事業資金だけを足らない分しか借りられないという場合、ところがここに税務署に先日附の小切手を取られているから、事業資金に廻らないでこちらに優先的に廻つてしまう。その点で矛盾がありやしませんか。こういうことと同時に、制度はどうであろうが、今のように中小企業が行詰つて、今のような御質問が出て、それに対してその御趣旨御尤もだというけれども、制度の運用と言つているでしよう、この際何かこの制度を一時ストップするとか何とか、緩和するとか、先日附小切手を取ることを緩和するとかということについてのお考えがないというと、これは私は、今の海野さんの御質問に対する御答弁と全く矛盾があると思います。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) お答え申上げます。実は私説明が不十分だつたかも知れませんが、税務署のほうで先日附小切手を保管いたします場合は、先ほど御説明申上げました納税者と税務署との話合いの結果将来の或る時期、これはまあ分割払いになることが多うございますが、何回かの分割払いの約束をするわけでございます。その約束の期日ごとに、あらかじめ若し納税者のかたがたが税務署にその都度納めに行くのが面倒だからというようなお話がございましたならばお預りをする、こういうことになつております。従いまして、先日附小切手を、税務暑に保管いたしまするのは、納税者との話合いに基きましたその資金計画の具体的な裏付けという恰好になつておりまするので、お話ようなことは只今のところでは殆んど起らないようになつているというふうに私どもは考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 関連が長くて済みませんが、あなたのほうは納税者と税務官吏と納得の上にと言いますが、両方五分と五分で話をしているような商取引と違つて、あなたのほうはお巡りさんよりも恐いところの税務官吏と納税者と五分と五分というようなことは、日本国中如何なるケースにおいてもあり得ない。これはすべて強制なんです。威圧なんです。それが、あなたが末端におられれば別たけれども、今の若い税務官吏が行つて、そんなことはあり得ないのですよ。ただ、そういうことはあり得ない、対等ではあり得ないという前提でものをお考えになつて指導されないと、これは駄目ですよ。実例を私は幾らでも出しますよ。

白石正雄大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(白石正雄君) 私から何でございますが……。御承知のように税金は現金で納めるというのが建前になつておりますが、それが現金で納めることが非常に実際問題として困難である、従つてそういう場合におきましては、手形でも受取るということを一応制度として開いたわけでございまして、いわば納税者の便宜を図るという意味で手形で受取るという方途をとつたわけであります。そういう意味に御理解を願えば別に手形を取つているのは、いわば手形まで取つてやつているというように逆のほうからお考え願うと非常にきついことになるかと思うのでございますが、そういつた緩和措置でございまするので、そういうように御了解願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 緩和策と言つたつて、税金を一カ月も二カ月も延ばして、その間にやつぱり納税者は延滞利息を取られるのですね。徒らに引張つているわけじやないのですよ。高い費用を払つているんですから、そういう点で納税者が払えるものを払わないというのは如何なる場合にもありませんよ。でありますから、そういう点で、あなたのほうでは便宜を与えている……とんでもない間違いだ。便宜を与えているようにして特に先日附小切手を取るのは全く今の海野さんの話と同じような、動きがとれなくなつて事業をストップしても税金だけは先に取るから先に払わなければならない。こういうケースなんです。これを十分御認識になつて今の中小企業の不況の段階においては、一年、二年前の考えと違うから現状においてもう一遍一つお考えを願いたい。こういう希望を申上げます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私質問の先にお断りしておきますが、ここは政治問題で内閣の生命に関するような質問を申上げているのではない、だから今までそういう処置がとられておらなければおらないでいいんであつて、これは素直にお答え願いたい、時間がかかつてかなわん。  私お聞きするのは、さつき海野さんが指摘した事実等について十分それは末端に徹底している、こういうお話があつたのですけれども、元来徹底しておらないからそういう質問が出て来るのであつて、ですから一体徹底しているとおつしやるならば、その点どういう通達を出して今それがどういう方法で周知徹底させているんですか。これを先ず伺います。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) お答え申上げます。その点につきましては、昭和二十八年度、それから本二十九年度の税務事務運営方針という、税務全般について大きな方針を書きました運営方針がございますが、それによりまして、昨年とそれから今年も又繰返しまして、その点が国税局を通じまして税務署のほうへ示達してございますが、若し海野委員のおつしやるような事柄がございましたならば、これはまだ十分にその趣旨が徹底いたしてないということになろうかと思いますので、御趣旨に従いまして十分私どもの通達がうまく末端に徹底するように措置をいたしたいというふうに考えております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そういう答弁を頂ければ、あと要するに近い将来に更に徹底するようにする、こういうことですね、是正して行くよりか仕方がない……。それから、河野さんも御指摘になつておりますが、非常に重要なことは、今常任委員会で審議しているいわゆる税金の関係、それから電気の関係、私ここでもこの前も言つておりますが、農民たんかに聞けば、一番恐いのは世の中で何だと言えば税務暑の役人、その次は電気屋という、それはきまつている。その一番恐い二つをここで今審議しているわけで、問題はもうそういうふうに思わしめたのは一体今までのやり方も悪いからそう思わしめたことはそれは事実なんです。併し一方数多い納税者の中にも、それは何とか事実を曲げて、合法的な脱税をしようというような者もないではない。併し今の中小企業なんというものはそうではない。善良の者が困つている場合を海野さんから指摘をされていることなんであつて、そうすると、仮にさつき規則が変つたからよろしいのだとおつしやるか、それは法律でどうにもならん部分の点については、これは税務当局が如何ともしがたいでしようが、併し規則とかそれを扱う面の規定なんだからして実情にやはり副わなくなつた場合には若干の手心を加えるとか、或いは次に規則を改正するとか、こういう処置が必要だと思います。だから規則まで改正するというと、今言つた便乗の者も数は少いだろうけれどもある。こういうことも出て来るから、規則を改正しないならやはり実情が今日一年前や何かとは違つて来ている実情だ、幾らまじめにやろうと思つてもデフレ化している時期ですから容易ならざるものがある。そういうときですからなお更以てそこを納税者の納めやすいような考慮を私は払つてくれるように、これだけ希望しておきます。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) そういう点につきましては、実は私どもは先ほど申しました納税者と税務署の両者における話合いが根本的にはうまく行くということが、これが根本なんです。その話合いがうまく納得されますならば、むしろ只今申上げました納税者が御希望ならば、手形をお預りするというふうな組織にいたしまするのが相互のために便利ではないかと考えられます。ただ繰返しになりますが、その手形を預ります前の措置といたしまして納税者とよく納得付くで話す、こういうことが根本であろうかと思いますので、その点につきましては先ほどお答えいたしました通り、今後も十分善処いたしたい、こういうふうに考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私は今局長のお話は甚だ手形をあれしてやるのだ、親切のようなお話でありますけれども、現段階はその段階にいるのじやないのですよ。手形を書かされるのですから……。金がないのなら手形を書け、無理やり書かされるのです、そうすると今度はそれは銀行で割引しますね、そうするとほかから融資して来る、銀行の手を経る、そうすると銀行はこれだけのものを差引にする、そうすると仕事ができないのですよ。私はその段階を言つておるので、あなたがたは中小企業が困るというのはまだよそ目に見ていらつしやる。本当に困つている。この血の流れるような現在の中小企業をあなたがたは認識なさらないと私は思う。そこを私は申上げている。手形は非常にいいようなんだけれども、現段階はそこまで行つて、もうそこを通り越しているということを申上げている。これに対する政府当局のはつきりした御所信を承わりたいと思つたのです。これは非常に親切なんだ、話合いでとおつしやるが、話合いじやない。税務署に書かされるのです。書かされたら最後これは優先的に銀行は割引きますから、そうすると折角二十万なら二十万措りて来た金が銀行で差引かれてしまう。それを私は言つている。その段階に来ているのでありまして、それに対してはどういうふうな手をお打ちになつて中小企業を救わんとしているのであるか、それを私は聞いている。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) それにつきまして私ども考えておりますのは、ほかから納税者のかたが融資を受けました場合に先に税務署に保管してございます手形の分から差引かれる、こういうお話でございますけれども、その差引かれることが納税者が納得されて、そして資金繰りの計画の中に入れてあるかどうかということが実は問題ではなかろうかというふうに考えるのであります。そこで手形を税務署に預けます前の納得付くの話合いの問題でございます。この点につきましては先ほど来申上げておりまするように通達は何回か出してございますが、よく徹底してない向きがございましたら十分善処いたしたいというふうに考えております。若しそれが十分徹底いたしました暁におきましてはこの計画に従いまして手形をお出しになつて、そして又それを資金繰りの中にお入れになつているわけですから問題は自然に解消するだろうと思いますが、そういう方面に努力をして行きたいと考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私はどうかその点を徹底するように税務署のほうに指令を流してもらいたいのです、無理せんように……。そうするとほかから融資して来たものは皆取られますから、そこで何ともしようがないから、そこで地方にあなたの税務署のほうから流してもらつて無理しないように何とかこの際中小企業が立ち行くようにして頂きたい。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) 御質問の点につきましてはなお私のほうとしましては税務署のほうに徹底いたしますように通達を出したいと思つております。ただ便乗するものがないように、これは蛇足かもしれませんが、そういう範囲内におきまして十分御趣旨を徹底するように措置いたしたいと思つております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうしますとね、先日附の小切手を渡したところがその当時考えた資金繰りが狂つたという場合に、その小切手を銀行に呈示する前に勿論それは納税者に話があるでしよう、それで納税者がその場合資金繰りが狂つたからこの際もう一遍別の先日附に書換えてくれということはやれるわけです。というのは、私はあんたが中小企業になつたとして御覧なさい、簡単ですよ、問題は……。銀行から借りたほうが日歩は安いのです。誰でも銀行から借りようということに努力する、これは誰だつてそろばんを彈けばわかることです。それでもなお且つ銀行から借りられないからそういうことになるのですから、そういう場合はあなたは相手方を善意に考えなければならない。一度か二度、それは十回も二十回もやらんでしようけれども、更にもう一回やるのは実情によつてこの運用の幅というものは末端に指令が届いていますか。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) お答え申上げます。最初預りました小切手類を銀行へ税務暑から預けますことにつきましては初め納税者と話合いをいたします場合にそういう趣旨で話合いをいたしております。  それから第二点の問題でございますが、最初先日附小切手なり手形なりを出しましてそれから後資金繰りが違つて参りました場合の問題でございますが、そういう場合におきましては納税者のほうから税務署のほうへお話になりまして話合いがつきましたならば手形を差換えるなり、その目附を訂正するなり、そういうことができる措置になつております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうじやなくて話合いがつく……、五分々々の話合いはあり得ないのですから、そういうことについてはむしろあなたのほうからこういう御時勢であるから十分特に考えてよくその会社の資金繰りを調査してそうして尤もだというのならば積極的に番換えをしてやる、今までは話合いで書換えをすることができるということになつているが、話合いは話合いじやない、だからもう一遍取られたらどうにもこうにもならない、実際のところ……。私は今あなたの申上げた話合いで書換えのできるということになつておればそんなことは愚問ですから言いませんけれども、実際はそうじやない。一遍取られたらどうにもならない。勤人の俸給生活者の自分の職員の月給を払わなくてもそこを先にやらなければならないという強制力を持つている、余りひどいじやないか……。

竹村忠一国税庁徴収部長

○説明員(竹村忠一君) それじやお答え申上げます。その点についてば資金繰りが変りましたならば税務署側におきましてもその変つた事情、本当にフラシクな気持で納税者のかたがたからお話も聞き、又御相談にも応ずるというような通達は出してございます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 税制はこのくらいにいたしまして、総合燃料対策、先ほどの御報告を中心にして御質疑を願いたいと思います。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 この原油の問題でありますが、重油の消費規制につきまして、つまり政府が締めて行くというので、六月、七月中旬まではまあ重油の供給については在庫品がいろいろあつたわけです。がそうやつてだんだん締めて行くというのでありますが、つまり、どの程度まで締めようというお考えであるか、その点についてはどういうふうなお考えを持つていらつしやるか、つまりどこまで締めて行くのか、明らかに重油は石炭を使うよりも実質上において非常に得です、これは……。今の重油が値段が倍になつても得です。これはもう技術上重油のカロリーの点、それからいわゆる熱源の点から見ましても得である、又アツシユの処分、そういうものが要らないのですから得でありますが、これをどの程度まで持つて行こうというお考えであるか。これが第一点と、又輸入を少しずつ減らすというと輸入の価格は下らない、変らない、むしろ安くなつておる傾向でありまするのに、国内においてはこの価格がはね上つている、ぼろい儲けをする考がある、そういうことに対しては、通産当局はどういうふうにお考えになつていらつしやるのか、その御所見を一つ承わりたいと思います。

川上為治通商産業省鉱山局長

○説明員(川上為治君) 重油の規制につきましては、この春以来いろいろ問題がありまして、閣議決定、或いは国会におきます衆議院の通産委員会の決議等に基きまして、私どものほうとしましてはその方針で現在いろいろやつております。六月以降におきましては、大体計画としまして六月三十九万キロリツター程度、それから七月におきましては、三十四万、八月におきましては三十三万、九月におきましては三十三万キロリツターというような目標で現在やつておりまして、九月の末におきまして少くとも元売業者の在庫を三十六万キロリツター程度持たせるというような考えでやつておるのであります。実はこの数字につきましては、私ども石油の担当の者としましては、現在の実情から、言いまして相当少いのじやないかというふうに考えておるわけでございます。年間の計画としましては、いつも申上げます通り五百三十七万キロリツターというものを二十九年度におきましては目標といたしておるのでありますが、その五百三十七万キロリツターということで行きますというと上期の月々の計画は少くとも四十二万キロリツター程度ということになりますので、従いまして今申上げました七月三十四万とか、或いは八月三十三万とか、或いは九月三十二万というような数字につきましては、これは非常な圧縮ということに私はなるのじやないかというふうに考えるのでありまするが、この四十二万配当程度で実は進む予定であつたのでありますけれども、四月、五月の実際の実績が非常にそれよりも殖えておりまして、四月におきましては約五十万、五月におきましても約五十万というような数字になつておりまして、これではとても、五百三十七万キロリツターというものを、これをそれ以上に非常に年間におきましては上廻つて来るのじやないかというようなふうに考えましたので、従いまして六月以降におきましては、これは極端に一応しぼりまして、そうして我々としましてはその状況を見た上で十月以降につきましては更に計画を立てましてやつて行きたいというふうに考えて、現在実行をいたしておるわけであります。ただ六月、七月頃におきましては、特約店なり或いは需要者のほうにおきましても、相当な在庫を持つているというふうに考えましたので、私どものほうとしましては、こういう程度にしぼりましてもそう極端に支障も起きないだろうというようなふうに考えておるわけでございますが、最近におきましては、先ほど委員の、どなたかからお話がありましたように、各方面からいろいろ問題が起きつつあるようであります。併しながら私どものほうとしましては、既定の年間五百三十七万キロリツターの消費につきましては、これを上廻つて使わせるようなことは、これはしない方針でございます。石炭との関係もありますし、外貨との関係もありますので、極力現在の方針を堅持いたしまして、そしてこの節約を極力やつて行きたいというふうに考えておりますが、ただ先ほども申上げましたように、七月の三十四万とか、或いは八月の三十三万とか、九月の三十二万という、こういう数字につきましては、これは私自身から相当これは圧縮しました数字と考えますので、この圧縮しました数字は前に相当今年の分を使い込んだものをここに非常に圧縮しておるという、ここにしわを寄せておるというような関係がありますので、私はやはりこの問題につきましては現在やつておりますそれに対しましていろいろ問題が出て来るかと思うのですが、そういう問題ともからみ合せまして調整をやつて行きたいというふうに考えておりまして、御質問の大体九月以降、十月以降におきまして、じや、どれくらいに更に圧縮をして行くかという点につきましては、そういう問題と十分睨み合して調整をして行きたいというふうに考えております。併しいずれにしましても年間の五百三十七万キロリツターというものを、これを殖やすという考えは毛頭私のほうでは持つておりません。  それからもう一つの問題は、これは価格の問題でございますが、現在全体の、これは一応の価格としましては従来よりも五百円なり、或いはそれ以上に上廻つているのじやないかと思いますけれども、中には小売商店の販売価格は千円なり或いは二千円なり、相当所によりましては、又店によりましては非常に高い値段で販売しているところもあるかと思うのですが、私どものほうとしよしては、現在特約店の協同組合とか、そういうものを通しまして値段につきましてはどの程度で販売をすべきであるということも再三言つておりますし、又若しどうしてもそれがうまく行けないというようなことでありますれば、公取のほうとも相談いたしまして協定価格というものを作らせて、販売価格のほうにつきましては極力抑制するように持つて行きたいというふうに考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今の私は第一点のほうのこのどの程度まで圧縮されるというお考えか、実際の仕事上の見通しであります。で、この程度で抑えようと、そうすればどうにかやつて行けるだろうという漠然たるお考えであるかどうか、そのどの程度まで、つまり石炭で置換えられるというお見通しがあるかどうかという一点と、それからもう一つは輸入価格が変らないのに、而も関税は無税ですよ、実に不可解なことであると私は申さざるを得ない。そうして輸入価格は同じであつても、ぴんとはね上つておるのです。つまり通産省がこの重油を制限するということは表面上非常にいいようなことであるけれども、業者にぼろ儲けをさせたということです、結論は……。業者にぼろい儲けをさしているのだ、今日ぼろい儲けをしている者がないのに、この業者にぼろい儲けをさしておるのだ。而もその関税は、一割の関税を二十九年度まで免除したというようなこと、どうも私は納得できないのでありますが、又世間の人もそういうふうに見ておるのであります。この点価格がぴんと上つておつて特殊な人を儲けさせておるんだ、そういうことに対して通産当局はただ価格をどうしようというような生ぬるいことをおやりになつておつてそれでいいのか。関税を一割ずつかけなければならないという法律ができておるのにもかかわらず、二十九年度においては今年一年間関税を免除するというようなことをしておる。ところが一方はべら棒な儲けをやつておる。そういうような現象はどういうように通産行政の立場からお考えになつておるのであるか、その御所見を私は承わりたいと、こう思うのであります。

川上為治通商産業省鉱山局長

○説明員(川上為治君) 月々の販売数量についてどの程度までとにかく削減して行くかという御質問なんですが、先ほども申上げましたように、六月三十九万、七月三十四万というような一応九月までの計画は立ててやつておりますが、この七月、特に七月以降の数字につきましは、これはいろいろ問題が出て来ると思うのでありますので、私どものほうとしましては問題がどういうようなふうに発生して来るかという点を十分知つた上で調整をして、そして十月以降における販売数量の計画を立てて行きたいということを申上げまして、併しいずれにしましても年間の五百三十七万キロリツターというものは、これは既定の考え方でありますので、これを変える意思はないということを私は申上げたのでありまして、もう少しこれは様相をよく見極めませんというと、なかなか月々に、じやあ十月以降においては幾らずつにして行くとか、或いは又八月、九月におきましてはどの程度にこれは更に圧縮するとか、或いはもつと調整するとかという点につきましてははつきりした見通るをつけることは非常に困難でありまして、私どものほうとしましては、大きな線としましては既定の方針を変えることは全然考えてない。併しながら月々の計画につきましてはいろいろそういう様相を見極めた上で検討して行きたいというふうにお答えするよりほかないと思うのであります。  それから価格の問題につきましては、現在公定価格制度というものもありませんし、これは行政指導によりまして極力値段が上らないようにということでやつておるわけでございますけれども、これはなかなか末端までもこれを抑えるということは非常に困難を実は感じております。もとより業者につきましては、これは或る程度までは抑えられると思うのでありまして、現在或る程度は効果は出ておるのでありますけれども、特約店は無数にありますし、小売店につきましても非常な多数の数になつておりますので、その一々につきましてこれを抑えるということは非常にむずかしい状態にありまして、公定価格を設けましてもこれ又なかなか公定価格通りに行かないというような事態も従来例は幾多あつたかと思うのですが、私どものほうとしましては、何とかして行政指導によつてこの価格を何とか大勢においては保持して行きたい。それ以上にならんように一つ抑制して行きたいというふうに考えておりまして、先ほど申上げましたように公定価格制度にしないということでありますれば、どうしても協同組合の協定価格というような制度で一つやつて行きたいというふうに考えておりまして、そういう協定価格制度を今すぐやるかどうかという点につきましては、もう少しやはり様子を眺めた上で私どものほうでは検討して行きたいというふうに考えております。  それから関税の問題につきましては、今海野先生からおつしやいましたように、本年度におきましてはこの国会の決議によりまして一年間更に延長になつておるのでありまして、私の個人的な私見を申しますれば、いろいろ私は意見はあるんですが、本年度におきましてはこの国会におきましてやはり一年間延ばすということになりましたので、私どものほうとしましてはその方針に基いて現在やつておるわけでありますが、ただ来年以降につきまして、どうするかという問題につきましては、現在通産省におきましてもいろいろ検討をいたしておりまして、まあ私、鉱山局長としての立場から申しますというと、少くともそういう関税収入が出ましたならば、その金が電源の開発であるとか、或いは石炭企業の合理化促進とか、そうした方面に一つ使われるように持つて来ないで、ほかのほうにこれが使われるというようなことになれば、余り、これは個人の意見でありますが、余り面白くはないというような気持を持つておるわけなんですか、いずれにしましても関税問題につきましてはこの国会におきまして本年一年間延ばすということをおきめになつたのでありますから、私のほうとしましてはそういう方針で現在やつておるわけでございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私は政務次官にお伺いいたしますが、通産行政の立場から考えると私は絶対反対です、この関税を免除するなんということは。特にこれは大蔵委員会でやつたんです。私はこれを国会の大問題にしようと思つておつたところが、いつのまにかするするつと大蔵委員会にかけて通つたんだと、こういうのです。あれと言つてるうちに通つちやつた。これを今年一年だけかけないというようなことを、今年一年、今年一年と昭和二十六年からこういうことをやつておるのです。私は恐らく、ここにリベートの問題やら好ましからざるところの関係が必ず潜んでいなければならないと思う。二十六年、二十七年、二十八年、ところが二十八年度において、どれだけ輸入したかというと六百九十億円買つておりますよ。これに一割かけると六十九億円の税金は取れる。これをも取らないで二十九年度に又それを延期しておる。私は通産行政の立場から考えまして関税を今年一年、今年一年と言うて免除するのならばあの法律をやめたらいいのである。関税をかけるなんという法律をやめたらいいのである。その法律があるにもかかわらず今年一年だけ、今年一年だけと言つて来ておることは、我々から考えるとどうしても納得の行かざるものである。そうして而も重油を使わせるようにやつて来た。そうして今度は二、三年たたざるうちに手の裏を返すように今度は石炭だ。私は何もこの内閣を攻撃するわけではないのですけれども、一貫した通産行政の観念に乏しいのである。初めには重油のほうが遙かに有利なんだというふうに重油を使わせるように持つて来ておきながら、今度漸く石炭が困つて来るというと今度は石炭に切替えるというような朝三暮四の通産行政ではいけないのではないかと、私はこういうふうに思います。この税金の問題にしましても一割だけかけるんだ。そうしますと、二十九年度は私は恐らく想像しますところ一割でやると税金だけが五、六十億取れるのですよ。而もなお且この重油の規制をやりますというとぴんと植上りになる。途中の販売業者或いは輸入業者を単に儲けきせるだけであつて、そうして国家が取るべき税金も取らないでおる。こういうふうなことは私は甚だ好ましからざる現象であると思う。今からでも遅くない。臨時国会を開いてこの二十九年度において税金をかけるべきものであるというふうにお考えにならないかどうか、それを私は政務次官にお伺いしたい。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今御指摘になりましたようにこの税金の問題は大体大蔵省の主管でありまして、自然大蔵委員会のほうで審議された結果ああいう法案が通つたものと存じます。油に税金をかけるかかけんかという問題は、その影響するところは私は相当に広いのではないかと思うのであります。成るほどお説のように輸入税として年に六十何億という税収入があればこれは国家の財政収入の上に相当大きなウエイトを持つものである。その見地から言えば、当然私は課して然るべきものだと、かように考えるのであります。ところが一方消費者のほうの立場から考えれば、そこに一割の輸入税がかかれば、はつきりそれだけはコストの上にかかつて来るのでありますから、末端の、例えば中小企業であるとか、或いは漁船等に使われるようなものにまでそれだけのコストははつきり利益以外に嵩んで来る、こういうことを言わざるを得ないのでありまして、利害得失を勘案された上で大蔵委員会においては本年一年度は取らないということにきめられたものと私は考える次第であります。なお石炭の需要が、この頃のような不況になつて参りましたので需要のほうも一面において外貨事情が非常に悪化して来たという面と併せ勘案いたしまして輸入の抑制をやつておるような次第であります。これも現在の日本の経済状態がもつと豊かでその産業の基礎が確立しておりまするならば、石炭は石炭で、どんどん発展をせしめ、又必要なる需要はどんどんこれを輸入を認めるということもできるかも知れませんけれども、今日のように貧弱な経済状態といたしましては、一方がよくなれば一方が又その影響を受けて悪くなる。その間の調整を如何にして図つて行くかということが重大な問題となつて参りまするので、自然只今御指摘になつたような政策上朝三暮四といいますか、よく変るじやないかという御批判をこうむるようなことにもなるのじやないかと思うのであります。何にしましても只今御指摘の点は、これは正直に言つて私はおかしいことである。そのために折角重油の設備をした人が又石炭の設備に切換えなければならんというようなことになつて参りますような場合においては非常にこれは無駄なことであつて、国家の政策としてその点は私はよろしくない、さように考えます。併し先ほど来申上げましたような現下の国情に鑑みまして止むを得ざる方法であるということを御了解頂けまするならば甚だ仕合せに存じます。なお値段の高くなるということも、先ほど鉱山局長から申上げましたように、現在物の値段というものは、例えば電気料金であるとか、或いは運賃であるとか、かような公益事業に属しまするものは国家が一応の統制をとつておりまするけれども、その他の物価については余りこれをやかましい統制をしないという建前をとつて来ておるわけであります。従つて需給関係その他によつてときに値段の高下のあることは或る程度まで止むを得ないかと思うのでありまするが、これが一部の者が非常な不当な利益をむさぼるというような結果に相成りまするならば、その際は別の観点から、例えば暴利取締令というような方面からの取締をして行かなければならんようなこともあるのではないかと、かように思いまするが、今のところ油につきましてはできる限り行政上の措置によつてさようなむちやな利益追求ということをさせないように抑制して参りたいと、かように考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今次官のお話、私更にお伺いいたしたいのは、関税一割かけると影響するところが大きいとおつしやるけれども、そういうことをおつしやるならば、税金というものはすべて影響するところが甚大なんです。何も油ばかりではありません。すべて影響すると思います。それを大蔵委員会が通したからと今おつしやるけれども、その大蔵委員会が通すこと自体が私はおかしいと思う。法律があるのに今年一年だけというような、そういうようなことを言うこと自体がおかしい。若しかけないならばその法律を撤廃したならばいいのである、こういうふうに思うのであります。それから輸入価格が安くなつておる。安くなつておるにもかかわらず石油石炭の値段は依然として変らない。ここにいわゆる闇と申しますか、差額が非常に出て来ておるのです。そうすると或る一部の人をうんと儲けさせておることになる。これは重油を規制すればするほどなぜそうなるかと申しますると、重油を使つたほうがずつと遙かに得なんです。現実において得なんですから、ですから値段が高くなりますよ。飛び上りますよ、闇値というものは。そういうことに対する通産当局のお考えが、今日は皆すべての物価が下向きになつてもらわなければならないのに、油に限つてはいよいよ油がのつて今度はびんびん上るのですから、規制されればされるほどこれは上るのですから、重油のほうがずつと効果があるのですから、私はこれをぼんやりしておられちやいけないのじやないか。こういうふうに油の問題について考えるのでありますが、この問題は私は非常に大きな問題だと思うのです。  それから去年だけで六十九億、それから一年間に考えますと今年度も五、六十億違いますよ。そういうことは大蔵委員会が通したのだからとこうおつしやられるけれども、その大蔵委員会で通したんだつて、まあ数の上で賛成したからというので止むを得ないのでありましようけれども、国民が納得できないのです。何故に石油のほうだけ関税を免除しておつて、而も重油は規制するというと今度はぐんと値段が上つている。そうすると一部分だけの者が利益を壟断する。それを通産省はぼんやりして見ておられるのかどうか、そういう点を私はつまり御所信を承わりたいのであります。影響するところが大きいから一割関税を免除したとおつしやるけれども、影響するところはすべて全部のものが影響しておりますよ。何も石油に限りませんよ。あらゆるところに影響しています、それは。私はどうしても納得行かざる只今の御説明であると思うのでありますが、次官はどういうふうにその点をお考えになつていらつしやいますか。一兆円の予算であると言つて小笠原大蔵大臣はぎりぎりやつておられるけれども、取れるところから取らないで、今死に瀕しておるような中小企業から取るということは実に矛盾も甚だしいので、私はこれを率直にあなたの御信念を承わりたい、こう思うのであります。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今の御注意誠に有難く拝聴いたしました。私も法律において原則としてこれは徴税するという建前になつておるのでありますから、やはり取るべきものは取るのがよいというお説には私も大体において賛成であります。まあ影響するところが多いと申しましたが、それはお説の通り、どんなものでも税をかければ影響するところが多いにきまつていますが、特に今油につきましては、比較的、水算漁業関係でありますとか、或いは中小企業関係でありますとか、そういうようなところに直ちに響く問題でありますから、そういう点を申上げたのであつて、それ以外のものは余り影響は少いのだと、こういう意味ではないのでありますから、さよう御了承を願いたいのであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 簡単に二点だけ伺いますが、鉱山局長に私はこの重油の問題を、あなたは行政指導で行くのだ、大丈夫行くというこれはまああなた自身の本心ではなかつたでしよう、これはあなたは一つの政府の政策の枠の中で働いておるのであるからあなたの本心じやなかつたかも知れませんが、行政指導で十分責任が持てると言われた。私は、持てませんよと言つた。それは記憶があるでしよう。そこで、今日只今、その当時から見ると私のほうが当つておるわけでしよう、あなたが何とおつしやつたつて。今海野さんがお話のように、免税をした、安くなるべきものが逆に上つている、而も将来については輸入の枠を殖やさない。こういう事情においてまだ今以て行政指導で行けるのだ、公定価格も考えないで、その他の法的根拠を持つての規制は考えない、これはあなたの本心ではなくて、まあその範囲内については答弁できないのだから、そこで私は政務次官に伺いますが、一体今後とも油の問題については行政指導で必ず責任を持てるか持てないか、あなたのお見通しを伺いたい。今のように輸入価格は安いけれども、販売価格だけは上つている。その中間の利潤というものは、取扱業者が暴利を取つておる。これは砂糖も同様です。およそ砂糖にしても、油にしても、その他外国から輸入しておるものは、外貨の削減を受けているものは全部そうです。こういうものに対して相変わらず行政指導で十分やつて行ける、こういうことですか。私は半年前に鉱山局長と賭をしたことを、今度改めて政務次官と賭をしたい。これで一体行けるかどうか、政策の転換をしなければならん時期に来たかどうかということについて、率直に御答弁を願いたい。  もう一つは消費規制をやつておるが、割当の場合において実績本位ということが一つのフアクターになつておりますが、私は、これは最近は例えば砂糖のように非常に儲かる事業に対しては、その利潤の中で十分重油を石炭に切換えられて、高い燃料を使つても、与えられた自分の利益の中で十分吸収できるものは、これは重油を仕方ないから実績がどうあろうと思い切つて削つて、そうして企業が危機に瀕しているものに置換える、過去の実績は見ないで……。そういう観点から、企業の強弱によつて重油の割当というものを大きく私はフアクターとして考えるということに置換えて見たいと思いますけれども、依然として過去の実績は非常に大きなフアクターになつて、その企業が儲かつていようがいまいが、こういうものはフアクターに入れないのだ、一番いい例は砂糖です、こういう点についてどういうようにお考えですか。この二点だけ伺いたい。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 先ず第一点からお答え申上げますが、何と言いましても、経済情勢というものは全く生きものでありまして、常に変転極まりないものでありますから、従つてここで河野先生と賭をして見てもむずかしいと思います。併し我が党としましては、できる限り法規によつてものを統制するという方法はとらないという建前でやつて来ておるわけであります。従つてできる限り行政的な措置によつてやれるだけはやつて見る、こういうつもりでおります。併しこれもただ丁度何といいますか、琴に膠をするというたとえがございますが、いつまでも行政措置でやると言つておりましても、それで及ばないような場合が来れば、これはその事態に即した方法を考えなければならないと思つておりますので、只今のところは行政措置でまだその目的を達し得るんじやないかと、かように考えております。  それから第二点でございますが、これは私お説誠に御尤もだと思います。単なる形式的なる実績のみによるということは、ときに不当な面も出て来るわけでありますから、その企業の内容、形態等も十分考慮に入れた上で、やつて参ることが妥当であると、かように考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 今の第一点ですが、私は政治家としての心がまえが違うと思う。成るほど明日のことはわかりませんよ。我々の生命だつて、明日のことはわかりませんけれども、少くとも政治を担当するものは、民に先んじて憂え、そうして民を指導する以上は、少くとも政府があらゆる資料というものを持つて、これによつて民よりも先に見通しをつけて、このあとをついて来いということが、国民が政府に対する期待であり、政治家は、その責任を背負うのが政治家である。それをやつて見なければわからんということで、若し行政措置で行つていけなかつたらそのときに考えましよう、あれは猫の睾丸です、後から見える、後から見えたらこれは政治家じやありません。国民をして信頼を受けさせなければなりません。今私は議論をしているのではない。現は私は半年前に鉱山局長に、こういうことで行くのじやないと言つて、私の見通しが当つておつたことを自慢するわけじやないが、当り前のことですよ。重油のほうが石炭より得なことは当り前です。それに対して希望に応えられないで、どんどん抑えて行くのじや、これじやどんどんはねあがるのは当り前です。私みたいな不勉強なものでも、これくらいのことはわかる。公定価格をやつたけれども、公定価格でうまく行かなかつたから公定価格は駄目だということにはならない。公定価格でうまく行かないものが、行政指導でなおうまく行かなかつたら、行政指導、こちらよりも公定価格のほうがやや力があるという理窟はつくはずでしよう。公定価格よりももつと無力な行政指導でこの場に臨んで、中間の資本家を儲けさせる。資本主義じやなくて資本家主義だ。こんなことをやつておいてまだ、政治家としての古池政務次官が、やつて見なければわからん、ぶつかつたらそこで考えましようということでは、これは古池さん、無責任じやないか、私はそう思う。どうですか、その点は。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 無責任ではないかというお言葉がございましたが、先ず私としては、現在のこのやり方で差支えなし、かような考えを持つております。併し先ほども申しましたように、これは経済事情というものは生きものであるから、どうしてもこれでやれんということになれば、これはそのとときにおいていろいろ考えて行くということは、これは又政治家として当然考えなければならん、かように思つております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 あなたがこれで差支えなし、責任を持てる、行政指導によつて十分価格を抑えて行くことができるということ、私は何もあなたの言質をとつてここで勝負しようというのじやない。間違つても責任を追究しません。追究しませんけれども、およそ輸入量というものを抑えておいて、一方において非常に需要が盛んだというものに対して、これはあなた、どうしても価格の上に反映せざるを得ないじやありませんか。これは過去の足どりを見て十分わかつておるのであつて、これさえもあなたは十分やれると思う、私はそのあなたのおつしやることに十分期待を持つのでありますけれども、ただ私は、御答弁は要りません、念のために申上げておりますが、そうしてただその間において半年たつて、或いは三カ月たつて、うまく行かなかつたら、方針を変えればいい、それでは責任が果せません。その間に非常な被害者が出て来る。当然安かるべき重油を高く買う。誰のために高く買うか。国家のために高く買つておるのならいいが、一部の取扱業者、十指を以て数えられるような一部の資本家のために、これらの大企業を初め中小企業が全部犠牲になる。この犠牲を三カ月、半年徒らに犠牲を強いたということ、この責任を感じてもらわなければいかん。あえてあなたの責任を追求するわけではありませんが、そういう意味合いを以て十分責任が持てるとおつしやるのなら、その責任は持つて頂きますけれども、私はそんなことよりも、今自由党でいろいろ政務調査会の新聞を見ますと、或る程度統制経済に移行しなくちやいかんというような、或る程度の政策転換をやつておるというようなことが出ておりますけれども、私は何も恥じることはない、今まで自由経済で大いに奇与したのだから、統制経済に切換えたからといつて、自由党が悪いのじやない。今までは自由経済で非常に国民経済に奇与したのだから、政治は生きものだから、動くのは当り前です。そんなことに囚われないで、今新聞に出ておることは本当たと思う。それならとにかくその中に、只今自由党の統制経済に移行するというその中に、重油であるとか、砂糖であるとかいうものは、当然その中に含まれるべきものだと思いますが、そういうような党との連絡はまだないのですか。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今のお話誠に御尤もだと存じます。時代の推移或いは経済情勢の推移に伴つて、政策の面においてもこれを或いは手直しをするなり、或いは考え方を変えて行くということは、これは当然やらなければならんと思います。最近の新聞等にも若干そういうような問題が出ておるようでありますが、さような面について私は決してやぶさかでなく、十分にまじめに本気に考えて行きたいと思つております。ただ自由党が自由主義経済を主張するから、何でもかでも自由でなくちやいかんということを申しておるつもりはないのであります。ただこの問題につきましてもいろいろの調査資料を今固めつつありまするので、そういうような結果を見まして、どうしてもこの際今までのやり方を改めなければならんという点がはきり出て参りまするならばそれに即応した政策を打立てて行くというふうに持つて行きたいと思つております。只今常のほうの関係で具体的には油が取上げられておるというようなことは私は知りません。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私がお伺いいたしたいのは、今日石炭がこういうように値下りしておりましよう。それだのにセメントの値段が下つておらない。これはダム工事や何ぞの大部分を占めるのがセメントです。このことについては通産行政の立場からどういうふうお考えになつていらつしやいますか今セメントはトン当り二千円くらいも儲けておる。物価が下つておるのにセメントだけは値を下げない。これは甚だ以て不届千万だと思つておりますが、こういうものについてはどういうふうにお考えになつておるか、御所見を承わりたい。非常に差がある。ぼろい儲けですよ、これは……。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) セメントの価格はもう少し私は下げてよろしい、かように思つております。併しその下げる方法であるとか、これらについてはなお十分に考えを練つて、又関係省も十分打合せをした上でこれはやつて行かなければならん、かように考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 この間の新聞を見ますというと、セメントの協会の会長、誰ですか、私ちよつと、新聞の切抜きを持つて来ておりませんが、それは政府の役人がいけないのだというようなことを大ぼらを吹いておる。御覧になつたでしよう。私は御覧になつたと思うのですが、セメントの価格のことを今更云々するのは政府の役人がいけないのだというような大ぼらを吹いておつた。私は甚だ以てけしからんと思う。今日石炭があのような値下りであり、すべてのものが下つておるのに、ダム工事の大部分を占めるのはセメントですよ。何百万トン使います。それだけれども値を一つも下げない。そこで私はもう少し値下げということを強く要望して下げさせねばいけないのじやないか、そうすれば開発のほうなんかも値がもつと下がると私は考えておるのであります。この点については政府当局としてはどういうふうにお考えになつておるものでありますか。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今申上げましたように、何とかしてこれは下げるように努力さすべきであるというので、その実行方法等については目下検討を加えつつあるわけであります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかにございませんか。それじや私から一つだけお伺いしたいのですが、外炭の輸入をなお更に一段と抑制し得る方法はないのですか、どんなものでしようか、外炭の輸入について伺います。

齋藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○説明員(齋藤正年君) お答えいたします。御承知のように外国炭につきましては日本で生産し得ないものを輸入するということが原則でございます。ただ需給の逼迫のために一時それを緩和するために外国炭を輸入いたしますことは若干ございますが、原則として技術的に国内炭では賄い得ないものということでございます。たた技術的に賄い得ないという見方につきましては、そのときの炭価というふうなものが非常に影響を持つわけでありまして、それが国内炭を技術的に使えば全然使えないわけではないが、併しそのために非常にコストが著しく上るというような場合にはやはりそれも技術的に使用不可能だというふうに考えてやつておるわけであります。ところで最農炭価が大分下りましたのと、同時に、品質が大分改善されて参りました。そこでこれを輸入炭の主なものでありまする鉄鋼用炭について申上げますと、昭和二十八年度におきましては国内炭と外炭との使用比率を五〇対五〇の割合で計算いたしまして輸入しておつたわけでありますが、二十九年度は全体としてそれを国内炭五五、輸入炭四五の割合に減らしました。それは今申上げましたような国内炭の品質の向上と炭価の低落を考慮したためでございます。ところがこれが上期の前半、即ち四月—六月の使用実績を見てみますと、国内炭の使用が増加したにもかかわらず、これの原単位、鉄鋼における石炭の原単位は却つて下つておるような実情でございますので、上半期の下期分、即ち七月—九月分につきましては当初の予定を更に変更いたしましてなおその実績に見合う程度に更に輸入炭を減らすように現在研究いたしておりまして、もうじき決定を見ることと思いますが、大体上期の前半の割合に比べまして二割乃至三割程度は更に圧縮できるのじやないかという見通しでございます。下期につきましては、その実績を見ました上で更に又上期の予定を再検討する予定でございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今のことに関連して、この前愛知通産大臣が御出席のときに粘結炭、つまりコークスを固めるということについてすでにもう実験室の範囲を通り越しておる、ただ作業的な、つまり大きな工場実験をやらないという段階に来ておるということを申上げたのであります。それに対しましては、つまり国内炭で相当強粘結さえすれば何も強粘結炭を好んで入れなくても値段さえ下ればいいわけなんでありまして、そういうふうな有用な実験結果が出ておるのでありますから、これを早速取上げて何とか通産省で指導的立場に立つてこれを強粘結させるコークスを造るということに骨を折りなさるお考えはないのでありますか、それを私はお伺いしたい。やつた結果も、又それを熟知しておる人も私はよく存じております。それは当時の為政者、まあ会社の為政者によつて気に食われないものですからとうとう工場実験の金を出さなかつた、そうしてやはり外国炭を購入する、購入せんでもできるのです。そういうことに対して通産当局はその御親切があるのかないのか、私はそれを次官にお伺いいたしたい。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今のお話は私至極御尤もだと思います。これは国家的な立場から当然そういうことを考えて行かなくちやならんと思うのでありますが、実際問題につきましては石炭局長からなお補足して御説明いたします。

齋藤正年通商産業事務官(石炭局長)

○説明員(齋藤正年君) この問題は前にも委員のかたから御注意がございました。それで私のほうから、これは鉄鋼を所管いたしております軍工業局の問題でございますが、重工業局のほうへ連絡いたしました。丁度世界銀行の問題もございますので、そのときにもう一度従来の実績を再検討してもらうように、それから新らしい炭価と新らしい品質によつてもう一度採算の限度をやり直してもらうように話をして、現在その検討作業をやつておるのでございます。ただ現在までの調査の範囲ではどうもなおまだ採算点には乗らないような話でございます。但しこれはまだ中間的な報告でございますので、決定的なことがわかりましたならばいずれ改めて御報告いたしたいと思います。なおそのほかに方法といたしまして、これは操業方法を若干変更いたしまして、例えば原料の事前処理というふうなものを十分いたしまして、超粘結炭を減らしてコークスの壊裂強度を落したまま操業するという方法がございまして、現に米国でカイザーの製鉄所で非常な成績を挙げておるということを聞きまして、そういう面からの研究もやつてもらいたいということを重工業局のほうに申入れをしてございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 もう一つ、この実験につきましては八幡か富士かに一つ指令を出して、そうして工業的実験を炉を造つてやらせてもらいたいと私は思うのです。この粘結するしないというのは技術上の問題でありまして、私は今までそのほうが専門でありましたが、炉内の温度が千二百五十度以上になりますとすべての炭がみんな粘結するのです。ところが強粘結炭というのは千度附近まで熱したときにすでに固まるやつを強粘結炭というのです。それをもう少し温度を高めさえすれば殆んど弱粘結炭でも強粘結炭に劣らないほど固まります。壊裂強度もずつと増します。その結果を私はよく存じておりますので、一つ強力にそういうふうなところを実験をするようにでも強く指示をして頂く態勢をとつて頂きたい、私はこういうふうに思います。

古池信三自由党通商産業政務次官

○説明員(古池信三君) 只今の海野先生のお話は誠に私その方面未熟な者といたしまして有難い御注点であります。今後これは十分部内におきましても督励をいたしまして、なおその方面の専門家であられる海野先生からも今後も随時さような点について御注意を頂けますならば非常に仕合せたと思います。御趣旨に副うようによく一つ推進することにいたしたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 明日は午後通産大臣の出席がありまするので、午前は中小企業庁長官以下中小企業庁の人、それから公益事業局長、それんし中小企業金融公庫からも来てもらいたいと思つております。午前中事務当局に対する質疑をお願いしたいと思います。なお大蔵大臣はできれば来てもらいたいと思いましてずつと午後も探しておるのでありますが、また所在がわかりませんのでわかり次第私も一つ大蔵大臣に合いまして出席を頂きたい、どうしても都合がつかない場合には政務次官にでも出てもらおうかと、かように考えております。そのお心積りで一つ……。本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会

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