通商産業委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 186 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/07/20
会議録
○委員長(石原幹市郎君) それではこれより通商産業委員会を開きます。 本日の議題は公報の記載になつております通り、中小企業問題に関する件と、それから可燃性織物問題に関する件を議題といたしまして、更に昨日の委員会に通産大臣の出席がございませんでしたので、電力料金に関する問題につきまして大臣に対する質疑が残つておりますので、昨日に引続きまして電力料金問題についても御調査、審議を願いたいと思います。 中小企業の問題に関しましては、先に本院で中小企業の危機打開に関する決議を全会一致で可決いたしまして、政府に要求するところがあつたのでありますが、その後中小企業界におきましてはデフレの影響が漸次強くなつて参りまして、先般大阪の岩田商事のごとき有力商社が不渡手形を出しまして、その結果が中小企業にしわ寄せされる等のことがありまして、誠に深刻の様相を呈しておるのであります。又先般来本委員会の委員各位にも御視察を願いました北海道、或いは中国、九州、ここらの中小炭鉱等におきましても、これは大変な状態のようであり、又一方繊維業界、繊維の生産地等の情勢も非常なものがあるようでございます。通産省のほうにおきましても、過般の異動によりまして、中小企業庁の長官以下幹部の異動がございまして、新鮮なる陣容を整えられましたので、この際右の決議に対する処置と、中小企業庁のデフレ化に処する中小企業対策を聴取いたしたいと考えた次第でございます。本日は特に公正取引委員会の経済部長と、それから中小企業金融公庫の中野理事を参考人といたしまして出席を煩わした次第であります。先般の決議にも、中小企業に対する不当なる圧迫の除去が冒頭に述べられております通り、本院及び本委員会は、特にこれを重視しているのでありまして、原材料製造の大企業、親工場、百貨店等によるデフレのしわが不当に中小企業に寄せられる危険のありまするとき、公債取引委員会の処置にも多くを期待するときであります。又中小企業の困難は最も強く金融面に現われておりますので、公庫から融資状況等を伺いたいとも思うので、特に出席をお願いした次第であります。本日、政府側の出席者は通産大臣、それから中小企業庁長官、振興部長、それから公正取引委員会の経済部長、中小企業金融公庫中野理事、大蔵省からもう少しいたしまして官房長と銀行局の総務課長も見える次第でございます。 それでは先ず中小企業庁の長官のほうから、当面の中小企業問題並びに対策等について一応御説明を伺いたいと思います。
○説明員(記内角一君) 今度中小企業庁の長官に新任されました記内でございます。どうぞよろしく御指導を願いたいと思います。 只今委員長から最近のいろいろな中小企業に対する対策についてのお話がございましたので、先般参議院で御決議を頂きました中小企業対策に関する具体的な案件等を中心にいたしまして御説明を申上げたいと思うのでございます。 先ず御決議の第一点は、中小企業に対する不当な圧迫、特に下請代金の支払遅延等に対し厳重な取締を励行することということでございましたが、この点につきましては、昨年来下請代金の滞りが相当問題になつておりまして、公正取引委員会と連絡いたしまして、これが親企業が、その資本力等を以ちまして下公正に下請関係にあります中小企業を圧迫する虞れがあるということで、この面の是正を図つて参つた次第でございますが、最近におきましても、中小企業のやはり同じような不払いの問題が相当あるやに存ぜられましたので、三月未決算を中心といたしまして、大企業の方面と中小企業の方面と両方の実情の調査を行いました。これは公正取引委員会と共同で調査をいたしました結果、一応の下請関係についての実情は一応の調査のまとまりを見ましたので、先般発表もいたした次第でございます。これによりますと、まだまだ最近のデフレ下の影響を受けまして、相当悪化しているんじやないかという心配もございましたが、それほどの悪化とは窺われないのでございます。併しながら、残念なことに、未だ改善されたというところにまでも至つておらないという実情でございます。従いまして我々といいたしましては、更に親企業の方面の調査の完了を待ちまして、具体的に関係企業を呼び出しまして事情の聴取、或いは支払改善計画の指示というふうな点まで進んで参りたいというふうに考えている次第でございます。なおこの事業をやつて行くにつきまして、いろいろ人手の関係、或いはそれぞれの調査の何と申しますか、権限と申しますか、やり方というふうな点につきまして、中小企業庁と公正取引委員会とが緊密な連絡をとる必要があるということがはつきりいたしましたので、両者打合せまして、近く中小企業庁の関係者を公正取引委員会の本部及び支部のほうに兼務させる、或いは又地方の通産局の職員も地方の支所のほうに兼務させるというふうなことによりまして、お互いに人手を助け合い、更に仕事の上についても緊密な連絡が行われるようにいたして参りたいというふうに考えている次第でございます。 御決議の第二点は、中小企業等協同組合に対する税制上その他の処遇について、他の協同組合、例えば消費組合等との均衡を図るような措置をしろ、又中小企業者の団結を強力に推進すること、という御決議があつたわけでございますが、この点につきましては、税法上の問題につきましては、法律を要しますのでございますが、租税特別措置法の先般の改正の際にも、その附帯決議といたしまして、ほぼ同様な決議がつけられております。従いまして最近の国会の際におきましては、この点について十分御意向に副うように措置いたしたいというふうに考えている次第でございます。 第三に、加工貿易の推進の問題でございますが、この点につきましては、御趣旨の線に沿いまして、今後とも中小企業者にこの面の利用のできるように措置して参りたいというふうに考えている次第でございます。この制度が実施いたされました後におきまして、例えば電気鍋というふうな面につきましては、意外な地方においてすらこの利用が行われているというふうな結果になつておりまするので、今後とも引続きこの方面にも力を加えて参りたいというふうに考えている次第であります。 第四の点は、親企業振出しの不渡手形によつて生ずる中小企業の苦難打開のための適切な措置を講ずること、ということでございまして、具体的には、例えば不渡手形の保険制度というふうなことを実施するようにというお話であつたように承知いたしているわけでございますが、不渡手形の一般の貸付の問題につきましては、御承知の通り信用保険制度がございまして、国家の信用保険制度なり、或いは府県にありまする信用保証協会の手によつて金融機関の貸付に関する不安は一応取除かれることに相成つておりまするが、手形を受取つた者がそれを銀行で割引を受け、そのあとで不渡になつたというやうな問題が起きました際の不渡手形の損失の問題につきまして、直接中小企業者の利益を保険するという点につきましては、これはいろいろ複雑な、又デリケートな問題がございますので、私どもといたしましてできる限りそういう趣旨を達成できますような方向でこれの実現を図りたいと目下検討をいたしている次第でございます。 なお先ほど委員長から御指摘がありました、例えば大阪におきます岩田商事の不渡手形の発生、支払停止という問題でございますが、これらにつきましてはできる限りその影響が取引先、殊に中小企業等に波及しないようにということを考えまして、例えば岩田商事から支払手形を受取りましてこれを銀行で割引いてもらつております織屋等がこれによつていわゆる手形の買戻しをしなきやならない、それがにわかの措置でありますので、買戻しに不手際を生じますというと、これの、岩田商事のあおりを受けましていわゆる連鎖倒産というようなことまで発展する慮れがございますので、そういうようなことのないように銀行の方面におきましても単名手形等でこれをできるだけ応急の措置を講ずるように、又それに対する所要資金を日銀においても十分面倒見るように、金融機関を日銀を通じて指導してもらうように、日銀にも申入れをいたしておる次第でございまして、又商工中金が相当岩田商事の手形を割引いておるように承知いたしておりますが、この方面につきまして同様な指導をいたしまして、目下のところにおきましては岩田商事の破綻によりまして直接いろいろな影響はありますようでありますが、面接破綻になつたというふうな事例は極めて少く、どうやら今までの措置によりまして一応破綻は食い止めておるという実情に相成つておるのでございます。今後ともこの方面の問題につきましては注意を払つておりまして万一の不幸な事態に陥らないように万全の措置を講じて参りたいというふうに考えておる次第でございます。 第五に回収困難な債権の損金算入を認めること、という点でございますが、この点につきましては国税庁と打合せをいたしまして、大体その趣旨におきましては了解がついておるわけであります。ただ問題は非常に表現、或いは実際の取扱の区分等がなかなかむずかしい問題がございますので、目下その細目について打合せをいたしておるような次第でございます。従いましてこの趣旨の点も大体近いうちに解決するというふうに考えておる次第でございます。 第六に中小企業金融機関に対する指定預金の引揚延期、新規預託並びに金融債の引受の増加を行なつて中小企業向けの資金源を確保する、又金融機関の中小企業向けの貸倒準備金の損金算入限度を引上げるというお話でございますが、この金融機関の中小企業向け融資につきまして貸倒準備金の、現在一般の大企業と同様に千分の十でございましたのを、中小企業向けの増加貸出が行われました際におきましてはその増加分については千分の十五に引上げるということに決定いたしまして、すでに実施に入つております。そういうことによりまして中小銀行筋もいわゆる事故保険の制度によりまして安心してこの融資ができるようにというふうに相成つた次第でございます。この機会に私どもといたしましては最近の金融の取締によりまして、そのしわが中小企業者に不当に及んで来るというふうな傾向も見えて参りますので、こういう手を打ちました機会にそういうことのないように、いわゆる全国銀行協会連合会に要望いたしまして金融の成る程度の引締は止むを得ないが、中小企業のほうに不当な引締の圧力が加わらないようにということを厳重に申入れをいたした次第でございますが、銀行連合会におきましてもこの申入れの趣旨を了承いたしまして、従来からございましたのでありますが、中小企業金融対策委員会というものを改組拡大いたしまして、目下その改善策に努力をいたしておるというふうな実情に相成つておる次第でございます。なお指定預金の引揚げの延期につきましては当面の問題といたしまして、六月、七月の分を十月以降にまで延期するということに決定いたしました。八月以降の分につきましても同様の趣旨で実施いたしたいというふうに考えておる次第でございます。なお新規預託並びに金融債の引受の問題につきましては、いろいろ折衝をいたしておるのでございますが、最近の金融引締という基本原則に基きまして、目下のところこの点につきましては新らしく資金を供給するという点につきましては行悩んでおるという実情でございますが、私どもといたしましてはできる限り指定預金等の引揚げは勿論いたしますが、都合のつきまする限りの資金を動員いたしまして中小企業向けの資金源を確保して参りたいというふうに考えている次第でございます。
○委員長(石原幹市郎君) 次に簡単で結構ですが、公正取引委員会の経済部長のほうから中小企業に対する不当な圧迫の状況について具体的措置のその後の進行状況をお話願いたいと思います。
○説明員(坂根哲夫君) 只今公正取引委員会のほうでその後とつた措置について説明をしろという命令でございますが、御承知のように三月三十日に下請代金の不当な支払遅延に関する認定基準というものを公表いたしまして、こちらのほうの参議院の通産委員会にはしばしば資料の提出及び説明を行なつて来ておつたのでございます。昨年度はちよつと簡単に申上げますと、親企業三十七社につきまして支払状況を調査いたしまして、著しく悪いと思われまする親企業十社を私どものほうに出頭を命じまして、特に経理一部、購買部その責任者を呼びましてその支払遅延の理由を質し、支払改善の勧告をいたしまして、昨年の暮この十社につきましてはかなり顕著な成績を挙げておつたのでございます。今出頭を命じたのは十社でございますが、それからこの残りの二十七社につきましてもその後毎月の下請の支払状況の報告を命じまして、そうしてその状況の監視を行なつて来ております。特に先ほどの十社につきましては調査担当官を各親企業の工場に派遣いたしまして、実際のその場に当りまして、工場内の納品の状況であるとか、検査記帳等の点につきまして実地調査を行なつて、悪いのはどしどし改めさせるという実情で参つて来ておつたのでございますが、只今中小企業庁の長官から御説明がありましたように、本年度は中小企業庁と共同いたしまして、株式上場会社百三十一社をとりまして、そうしてその支払状況の調査を行うことにいたしているのであります。そうして只今の御報告のように下請のほうの側に関する第一回の調査は中小企業庁から、私のほうもお手伝いいたしたのですが、発表されまして、これに関係しております親企業八十社、これを今調査を現在我我は行なつておりまして、これは恐らく只今の予定では七月中には親企業の実際の調査が終る予定になつております。そうしてこの調査の終り次第下請の企業の実態と一社ごとに照合いたしまして、そうしてその親企業百三十一社の支払の遅延の悪い点からABCのクラシフイケーシヨンをいたしまして、特に悪いと思われるものにつきましては私どものほうに昨年のように呼出しまして、そうしてこれの支払改善を勧告いたしたいと思つております。勿論一月三十日に発表いたしました認定基準の通りにやつているかどうかということはそのときの基準になると思うのでありますが、大体それを八月の中頃には我々としては一つやつて行きたい。なお且つこの改善の勧告を聞かないという場合には、私どものほうの手続によりまして審判開始をして、そうしてその方法自体を解決いたしたい、こう考えておる次第でございます。 なお、たしか最後のこの通産委員会におきまして、三月三十日に発表した認定基準がよく周知徹底されておらないという御注意を受けたのでございますが、これは只今その内容の解説をパンフレットにして、そうして各府県の商工課、或いは都市の商工会議所、或いは中小企業団体に頒布いたしまして、これの周知徹底方を図りたいと、こう考えております。
○委員長(石原幹市郎君) それじや次に繊維局長のほうから、中小企業にも非常に関連を持ちますので、可燃性織物のその後の概況を、簡単でよろしうございますから、御説明願いたいと思います。
○説明員(永山時雄君) 私先般の通産省の異動で繊維局長を拜命いたしました永山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 可燃性織物の件につきましては、すでに両三回、私の前任者の当時にこの委員会で或る程度経過の御報告を申上げておるようでございますし、又先ほど来、地元川俣或いは横浜の方面の関係者のかたからもお話がございましたししますので、従来の経過のうち、極く最近の状態につきまして私から御報告を申上げて御参考に資したいと、かように考えております。 この修正案の経過は、先ほど関係者のかたからお話のあつた通りで、上院はすでに可決をいたしまして、現在下院にかかつておるような状況でありますが、下院のその後の状況は余り動きがないようでございます。で、むしろ政府の出先からの報告によりますると、現在のところこの委員会自体の動きは余りないので、的確な見通し、予想というものを立てることが非常に困難だと思います。ただ無論従来からの方向で、折角各方面に運動と申しますか、いろいろ、要請中であるので、その辺を総合して判断をして見ると、現在の可燃性の織物の法律が、四秒以内で燃え切るという、時間の単位が四秒ということになつておるのでございまして、それをアメリカの政府のサゼッシヨンにかかる三秒程度に短縮をするということで或いは通る可能性があるのではなかろうかというような推測的な情報をもたらしておるのでございます。現在の法律の四秒で参りますると四匁半、或いは五匁以下のものが大部分引つかかるのでございますが、これが只今申上げたような三秒ということになりますると、大体のものは救われる、三匁程度まで大体救われるということになりまするので、問題が大体において殆んど消滅して来るのではなかろうかというように考えられるのであります。無論スカーフ自体を真正面から除外をするということが一番望ましいのでありますが、我々としては、第二段の考え方としては、只今の三秒に短縮という案がせめても通過すれば非常に改善をされるということで、専らこれに期待をし、そういう方向に更に努力を重ねたいと、かように考えておる状態であります。大体現在の状態は以上申上げた通りでございます。
○委員長(石原幹市郎君) 中小企業金融公庫の中野理事のほうから何か……。質問もあると思いますが、若しあなたのほうから特に先に言つておいたほうがいいというようなことがありましたらこの際……。
○参考人(中野哲夫君) 資料をお配りいたしてありますが、如何いたしましようか。
○委員長(石原幹市郎君) どうせ質問が出ますから、すぐ質問に答えるということであればいいんです。資料を配つてありますか。
○参考人(中野哲夫君) 配つてあります。
○委員長(石原幹市郎君) 資料の説明でもちよつとまとめておきましようか、よろしうございますか。
○天田勝正君 これは資料がちよつと厖大で、ほかの話を聞きながらでは、ちよつと読み切れない。
○委員長(石原幹市郎君) それでは大臣が見えましたから、これから質疑に入つて行きたいと思いますが……。
○小松正雄君 甚だ僭越でありますが、今休会中に、御承知のように三班に分れて、中小企業等の問題を中心にして、各班とも調査をされておることと思いますので、ですから今日その報告をしてもらいますといろいろ参考になるんじやないか、幸いに又大臣も見えられておりまするので、現状のあり方を代表的に報告をして頂くようにしてはどうかと思いますので、お諮り願いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 結構だと思いますが、案はこの委員会であとで懇談のときに御相談申上げようと思つておつたんですが、この次の機会にゆつくり、殊に中小炭鉱の問題などは又相当真剣に研究しなければならん問題もあると思いますので、そう考えておつたんですが、今日併し大臣も見えておるので、火急的な問題であるから、簡単にでも概況を話したほうがいいという皆さんの御献血であれば、質疑に入る前に極く簡単に御報告を願つてもいいと思いますが、これは皆さんにお諮りしたいと思います。
○藤田進君 当然報告をされなければならんと思いますので賛成いたしますが、その順序ですが、一応昨日の継続している質疑、殊に大臣に対する質疑が残つておりますから、その点は一応済まして頂いても支障はないのではないだろうかと思いますが、如何でしようか。
○松平勇雄君 大臣はここにおられる時間がどのくらいおありになるか、それによつてやはり順序があると思いますが。
○委員長(石原幹市郎君) 四時半くらいまではいいそうです。どうでしよう、電力料金や重点的な問題を一応大臣に質問して、それから適当な頃合いで、それはどうせ関連して各地の状況等も出て来ると思いますから、適当な頃合いに御視察願つた模様を入れてもらうと、こういうことで如何でしよう 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) それではそういうふうに進行いたしたいと思います。
○藤田進君 それでは昨日私の質問を保留いたしました点について大臣にお伺いいたしたいと思います。事務的なと思いますが、昨日公益事業局長について若干の事務的面の質疑をいたしました。ところがその質疑の中で、特に電気料金値上げの申請に関連する問題は、すでに事務当局の手を離れて、むしろ政府自体の政策との関係の段階ではないだろうかという私は印象を受けております。従いましてそういう昨日に継続してでありまするので、さよう御承知の上で、非常に、何といいますか、今日だけお考えになると順序を飛び越えたようなことに聞き取れるかもわかりませんから、この点はあらかじめ御承知おき願いたいと思います。 昨日各社別値上率並びにほか三つの資料を頂きまして、それぞれ説明を受けたわけでありますか、この資料に基いて見ますると、各社別値上率、この申請、査定案、こういう二段になつております。この査定案は通産当局としては最終的なもので、現状、電力会社の収支バランスを考えるとこれだけの値上げ乃至特定な会社については二%位下げというか、この数字による以外にないということであるが、一方政策の関係もあつて他の面、即ち値上げをしないで金利なり或いは税金の面なりでカバーをするという方法について検討もしている、このように聞くわけですが、新聞等で休会中伝えられている通産大臣の態度としては、この通産当局の査定案ですね、ここにあります査定案を通産大臣としてはこれを呑んでこの通りすべきであるが、一応問題が問題であるので閣議というか、閣僚講談会というかお諮りになつた結果、どうも当初通産大臣が決意せられたとまあ言われているが、その通りに進まないで、他の面でカバーすべく目下検討が続けられている、まあこのようにも伝えられているわけです。その真相は明らかでありませんが、要するにこの査定案というものは通産大臣とせられても如何ともしがたい数字で、これはやはり呑まざるを得ないという上に立つてのこれに代るべきものであるのか、この査定案自体がまだ決定したものではないのかどうかですね、大臣としての立場から先ずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今御質疑がございましたような、何と申しますか、経過を辿つて来ておるのでありますが、私といたしましては電力料金というものが現在の制度の下において考えた場合においては、或る程度の値上げということは止むを得ないという結論になりしますことは明瞭であると考えるのであります。で、現行制度の下において先ず国家的な要請に応じて電源の開発をやつて参りました場合に、資本費が増嵩する、その資本費の増嵩をどうやつて賄つて行くかということは、これは現在の制度においてはその相当の部分を料金に織込むということになつておりますから、従つてそういう観点から会社側から申請して来た案を各方面から慎重に検討いたしました結果、相当当初の申請案とは幅ができましたけれども、大体平均して七分弱のところが先ずこれは事務的に考えれば妥当なところである、こういう結論になつたわけでありまして、私といたしましては、現在の制度の下においては事務当局が相当の努力を積んで出して来た結論というものが望ましい結論である、こういうふうに考えたわけであります。併しながらその案に対しまして、只今もちよつとお話がございましたように、いろいろの点から更に検討する必要があるということに、政府全体としては考えておりますから、未だ政府全体としての結論は出ていない、こういう状態でございます。
○藤田進君 まあ料金の値上げについては、広く反対の意見もあるし、又実際に上げなければならないのであるかどうかという疑問もその中には含まれていると思います。ところが今回六・八%乃至一一%という数字が発表されて、通産大臣もこれを是とされて鋭意その方向で進められつつあるということでありますだけに、問題がかなり急迫して来ていると思われるわけですが、今のお答えを聞きますと、事務当局の六・八%についてはこれを了解をして、ただこの料金そのものの値上げだけでなく、他の面でこれを成るべく、料金直接の値上げを避けようという過程にあるように伺うわけですが、そういたしますと、結局が料金値上げという方向でありましようが、実際にこの六・八%等、カバーするほかの方法について、具体的にはどういうものがあるのだろうか、本日は大蔵関係のかたにもお見え頂いておるはずでありますから、通産大臣と共にその方面の意見も聞きたいわけですが、仮に金利の面でこれを処理するとすればどういうことをお考えになつているか、税の面であればこの数字にも見られるように各社別の値上げの率というか、こういうものが違つておりますから、従つて税体系全体から見て非常に困難ではないだろうか、税の面での処理が困難ではないだろうか、そういうふうにも伝えられております。これらの点ですね、より具体的な今の経過をお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように現行制度の下においてということであるならば、私は料金をどうしても或る程度上げなければならないと思います。そこで事務当局として第十九国会においても御審議を願つた国税、地方税等を通じ、或いは開発銀行の金利等において決定したところを織込んで、そうして一方においては会社自体のいろいろの企業努力という点、それから経費、炭価の見込というよう議をいろいろ取上げて、それを要素にして六分八厘というような結論が出たことは御承知の通りであります。併し同時にこれは現在の政府全体としてのいわゆるデフレーシヨン政策の推進の途上において、更に多方面からこれに対して、できるだけ値上げをするとしても最小限度にしたい、又できるならば値上げということでなしに考えることはできないであろうかという意見が相当強くもありまするので、一方において六分八厘というようなものの根拠になつておるいわゆる赤字百九十数億円について、更にもう一度、なかなか困難ではあるがもう一応も二応も計算をやつて見る必要があるかどうかという点を、実は只今のところ考えておる点であります。 それから同時に一方においては、更にそのほかの方法において値上げをしないで済ます方法はなかろうか、或いはするとしても最小限度にするのにはどういう方法があろうかということで、これらの点については関係省においても至急対案を一つ考えるということになつておりますが、まだ具体的な結論までは至つておりません。
○藤田進君 そういたしますと、先ほどの事務当局が鋭意検討した結論だという六・八%というものが一応数字で出ておりますが、これは勿論今のお答えにもありますように、諸般の、合理化すべきものはする等々、考慮の上で申請の数字よりもかなり大幅に削り、ここに削つた結果になつたというふうに当初伺つたわけですが、なおこの数字については更に通産省としても再検討して、この数字は変るものだというふうにも又今聞えるわけで、昨日のところはこれは相当自信を持つて出したものであつた、まあ変らないものだというか、そういうことであつたわけですが、一応この数字が本当に一応のものであつたのか、やはりいろいろ検討された結果もう動かないということで、数字は動かないが併し収支バランスの上で、他の面でこれに代るべきものということなのか、そこらが非常に幅があつて今のお答えではつかみどころがなくなつてしまうわけですが、この点を先ずお伺いしたいことと、先はどお伺いしたのは、より具体的な、やはりこれに代るべき、数字に代るべきものが金利なり税金なり、どういうお考えであるのか、開くところによると、大蔵省案によれば閣議等でかなり詳しい説明があつたやに漏れ聞いておりますが、それによればかなりこの通産当局の数字よりも違つたものが出て来たやにも聞いておるので、そうなればこの電力料金の問題は世上値上げされるように伝えられ、又政府の部内におかれては上げなくてもいいような議論もなされていたり、又他の面でカバーするように言われていたり、一般国民の需用家としてはそのいずれが真なりやということをこの際明確に知りたいという段階だろうと思うわけであります。こういう趣旨からより具体的な経過を併せてお尋ねを重ねていたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、政府としての最終の結論はまだ出ておりません。いろいろと再検討の途上にあるわけでございますから、断定的に申上げることは今日のところではできないのであります。 それから六分八厘の問題でありますが、これは先ほどから申しておりますよりに現行制度の下においては事務的に長いことかかつて検討に検討を重ねたものでありますから、一応これを妥当なりという前提に私も立つております。
○藤田進君 今日のいわゆる自由主義経済という中にあつて、電気或いは交通等の一部料金等に関する政府の認可制度というものが残されている産業においては、法律上の問題としてかなりこれはやかましくなつて来るのではないだろうか、この結果如何によつて。もとより大幅値上げ等デフレ政策と称せられる段階においての物価値上げ、改訂ということは非常に重要な問題になりますが、又一方現在の産業の機構、殊に法律的な立場から見れば通産大臣自身が六・八形の値上げを是なりという査定をなすつたところが、時の政府の政策によつて、本来は通産大臣が認可すべきものが、これが他の関連した大蔵省その他のいわば内閣においてこの値上げは罷りならんということになります場合に、やはり当該電力事業者等は問題にするであろうと予想される点は、申請を受理して、そして法律に定める原価主義をとつて、その原価はいろいろ検討の結果六・八なら六・八というものがこれは値上げが必要である、平均……。これは個々の解釈でしようが、具体的にはいずれにしてもこの値上げ必要なりということを所管大臣がこれをきめた、そういう肚になつたということであるのに、それが実施できないということになると、結局私企業という立場からこれに代るべきものをどうするかというような非常な問題が出て来るのではないだろうか。一方国民需用家の要請は無論あることであります。こういう点から少くとも基幹産業として電気事業というものが今のままの機構なり運営なりで果して将来うまく行くだろうかという疑問さえ新らしくここに検討すべきものがあるのではないだろうか。これに開発会社の開発に伴う発電所の帰属なり運営なりが又問題になつて参りましよう。こういう電力行政全体の上にやはり問題が強く出ているように思うわけですが、それは一応おくといたしまして、そういつた原価主義をとつて申請し、これを是なりとしているにもかかわらず所管大臣としてはそれが認可できないと、今そういうことになつておるだろうと思われるわけですが、そういう点に対する通産大臣としての説明がどうあるのだろうかと思いますのでお伺いしておきます。
○国務大臣(愛知揆一君) これはしばしば申上げまする通り現行の制度を公共事業令の下におきまして原価主義をとつてそうしてその原価主義によつて査定をする、その現在与えられておる条件の下においては私は或る程度の値上げは止むを得ない、でその或る程度とは何かと言えば非常に努力をいたしまして出て来たところの結論が事務当局の案である、私はこういうふうに解釈しております。従つて原価主義を逸脱するような結論が出ることは困ると思つておりますが、併し前提となる条件なり制度なりについてその原価、資本費の増嵩ということを基から消すような新なる動きというものが更にでき得るならばその建前の枠の中において更に一歩前進してこの問題の処理ができることは可能である、私はこういうふうに考えております。
○藤田進君 そういたしますと、若干の数字のズレはあるといたしましても大筋としては六・八%という値上げの査定をこれを呑む、併し数字のこの六・八%によらないで他の面でカバーするということになれば結局六・八%の見返り分だけが他の面でカバーせられる、こういうふうに解してよろしうございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど御指摘ありましたように六・何%或いはその基になつておる赤字が幾らかということは、これはその計算のときの条件の下において私は一応妥当であろうというふうに考えております。従つてその条件等において再考の余地があるというようなことであれば絶対的にこれでなければびた一文まからないというものではなかろうと私は思います。
○藤田進君 そういたしますと、六・八というのはやはり動き得る、それは将来の実績なぞいろいろ御検討なさる過程に時間も立つことで仮に九月の決算が出て来て見れば又そこでチエツクし得るとか、そういうことを意味いたすわけですか。
○国務大臣(愛知揆一君) そういうこともあり得ると申上げたのであります。
○藤田進君 この各省関連省においていろいろ検討されているというお話ですが、一応事務当局の六・八%上げるということになればこれは大事な問題だということで他の見返るべきものを検討するというようなことになつたように見受けるわけですが、それらの作業なり最終的な結論、世上では大体電気料金は上らないだろう、料金は上げないで何とかほかの面でこれはできるだけカバーせられるのであつて、カバーできなければそれで仕方がないんだ、そういうことで料金の値上げは大体あれで政府としてはしないらしい、こういう印象を受けているわけですが、実際はお伺いいたしますとまだそういう最終的な結論は出ない、出ていないということであるといたしますならば、いずれにしても申請されてかなり長い間論議もし、我々も通産委員会において十九国会を通じて調査を進めた案件であるわけですが、大体の見通しですね、今後いつ頃一体上げるなり、上がらないなり、その他の措置なりいつ頃その目途を政府としては作業的にお進めになつて、いよいよ政府の態度によつて通産大臣が正規に断を下すといいますか、そういう時期はいつ頃になるのでしようか、その見通し、目標をどこに置いておいでになるかお伺いいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましては成るべく速かに、今御懸念がございましたようにのんべんだらりとやつて何らの対策なしに値上げもしないということでのんべんだらりと行くことは私といたしましては困ることと考えております。成るべく速かに処理いたしたいと思いまして、先般の閣議なり、閣僚懇談会なりのあとを受けまして何とか政府の意見が早くまとまりますように、それも積極的な意味合いにおいて早くまとまりますようにいろいろと私といたしましても善処を続けておるつもりでございます。
○藤田進君 その大よその見通しですね、時期、これはやはり時期と関連のある問題でしようからいろいろお急ぎになることはわかりましたが、大よそいつ頃その結着が出ますかですね。
○国務大臣(愛知揆一君) 私の希望といたしましてはできるだけ早くと、そのできるだけ早くというのは相当に早いつもりなんでありますが、ちよつとこれは今の扱い方が政府全体の結論を出そうということになつておりますから、確実に何月何日と申上げるところはちよつと御勘弁を願いたいと思います。
○藤田進君 法律的には、通産大臣が専決せらるべき事項になつていると思うわけですが、やはり閣議におかけになるということは、いわば過般の指揮権発動のようなわけで、ちよつと待つたという事情があつたわけですか、そこらの事情はどうなんですか。(笑声)
○国務大臣(愛知揆一君) これは非常に率直なお尋ねですから率直にお答えいたしますが、指揮権発動のようなふうな意味合いの扱い方では全然ございません。念のために申上げますが、法律上専管の事項でありましても、そのときの情勢により問題の何と申しますか軽重によりまして閣議決定、その他重大な政府としての決定の方式をとりますことは非常に例が多いのでございまして、今回の場合におきましても、私といたしましても非常にこの問題は重要な問題でございますから通産省としての考え方、現行制度を忠実に守つて行くべきであるという考え方からすれば、事態はかくのごとくであるのであるということははつきり政府部内にも反映いたしまして、その結果責任がとり得るような結論を求めたいというふうに私も考え、又他の閣僚全体もそういう取上げ方を希望し、且つ決定いたしたわけでございます。
○藤田進君 他の面の事情は大蔵当局に後刻お伺いしたいと思いますが、併し通産大臣は大蔵政務次官等々こういつた面は非常に詳しいかたなんで、大蔵当局よりもむしろ通産大臣のほうがいいかとも思いますから、一点だけお伺いしますが、他の面でこれをカバーするということになれば実質的には料金値上げと同じように需用家にふりかかるものもあり得るだろうと思います。或いは電気税などの操作にいたしましてもなかなか今日それぞれそれが全部電気税がついているわけでもないし、又税収入についてもそれぞれ地方的ないわゆる自治団体との関係もございましよう。ですが、先ほど来なかなかお答えがないわけですが、金利なり税金なりというような面についておよそ六・八%に見返るべきものをどの程度に押さえ、そして目下大体どういうアイデアでこれをお進めになつているかということは是非一つ御発表願いたいのですが。
○国務大臣(愛知揆一君) それは誠に御尤もなお尋ねでございますし、私も歯切れのいいお答えをいたしたいことは山々なんでございますが、何分先ほど来縷々申上げておりますように、関係省の間で十分一つ話合いをつけて行こうといたしておりまする関係上具体的に何税において幾ら、或いは何の金利についてどれだけをやつたならばこの赤が消えるかというような点について只今のところまだはつきりしたお答えをするまでの研究は積まれておりません。
○藤田進君 非常に残念ですが、閉会中で実は本日だけで委員会も終る予定で委員会としてお聞きする機会がなくなるので、若し進行中にこれだけはというものがあれば是非お聞かせ頂きたいと思います。 なお現在世銀等この外資に関連して調査団がそれぞれの立場から数組参つていると聞いております。これには直接通産大臣としても衝に当つておられるようにも伝えられておるわけですが、今度の電気料金値上げに関連してこれらを考えて見ますると、結局は電気料金値上げの方向に諸般の事情から政府としても追込まれて行くのではないだろうか。何故ならば過般の火力借款に関連して政府は速かに電気料金の改訂を、自己資本の調達でき、その他増資等のできるようないわば料金値上げの方向を意味する世銀に対する保証をいたしておる、速かに料金の改訂をするという非常にはつきりした形で世銀に保証を与えておる。そういう面からすると最悪な事態になると、やはりまあ現在のところ三社のようですが、火力借款はこういつたようなところから結局電気料金値上げという保証は崩れて来た、政府から崩れて来た、よつて我々事業者としては非常に困つているというようなことになりますと、政府としても何らか追込められたような恰好で、そう言わせないように御努力になるのではないだろうか、そうしないと他の借款がむずかしくなるということで、一本やはり電気会社のほうに政府はとられている形ではないだろうかというようなことが心配せられている向きもあるようなわけですが、世銀等の調査団、或いは直接折衝に当つた人々の説を聞くと、やはりこのペーパー・プランでこんな電源開発五カ年計画をやるのだとか、いろいろな美辞麗句を並べた数字ではなかなか外資というものは入つて来ない、借款は成立しない、それよりもビジネスとして本当に実施可能なものであり且つ保証等について裏付が本当にあるもので実施されるものでないと、うかつなことはしないで、必要以上の世銀等は神経過敏になつているということも聞いているわけで、それらの事情からすればたまたま調査団が乗込んで来たりしている矢先であるからこれらの曾つての火力借款保証との関連で電気料金というものは結局先ほど申上げたような勝負がきまつてしまつたような形ではないだろうかという危惧があるようでありますが、これに対して政府は、通産大臣は直接お話をなさつているわけで、この交渉場裡における事情等からどういう世銀に対する説明をなされようとするか、又それらの面からの見通しはどうなのか、お答え頂きたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 火力借款の附属の約束で今御指摘のようなものがありますことは御承知の通りでございますが、実は率直にこの経過を申上げますと、今回参つておりまする世界銀行調査団は主として農業関係の調査団でありまして電力関係の世界銀行の人は実は暫らく前に日本に来ておりましていろいろの事情を調べてくれたのでありますが、この人たちは二週間ほど前に一旦帰国いたしました。でその調査員の人たちに対しましては他のいろいろの問題を合せた一つの問題としてこの料金の最近の会社側からの申請案或いはそれに対する通産省側の見方というようなものについても相当詳しく調べて参りました。そしてその結果はどういうふうであるかということについては何もそのほうからは意見も何も出ておりません。で、問題はやはり私が先ほどから申しておりますように、現在の制度で資本費が上る、その上るものは料金でカバーするというこの現在までの建前の下においては上げるほうが合理的であろうと、こういう意見を持つことは当然かと思うのでありますが、同時に全体の経済政策の行き方から申しまして何らかその下において値上げに当つて来るところの要素を減らすことができるならば、遮二無二料金の引上げだけということを掲げて問題の処理を迫るということは私は断じてないというふうに考えております。要するに合理的な解決の方法がある限りにおきましては合理主義の上に立つてものを考え或いは借款の交渉を常にやつておりまする世界銀行当局の立場としては合理的である限りにおいてその処理については文句はないと、私はこういうふうに思つております。
○藤田進君 その合理的なということの内容ですが、勿論外交上金融折衝についてもその合理的な内容さえ整えば意味は同然ですから問題はなかろうかと思いますが、そうすると六・八%というものを若干縮めて他に代るべきものと、こうコンパウンドして、そういう形をお考えになつておるようにも今想像するわけですが、そうなんですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 大体先ほど来抽象的ではございますが申上げておりますことによつて大体お酌みとり頂けるのではないかと思うのであります。
○藤田進君 それから本日明日に亘つて規則聴聞会が行われておるようでありますが、これは昨日の説明を聞きましても料金問題と密接な関係がある、可分し得るものではあるけれども、今回かなり不可分の要素が強いという意味の説明を伺つたわけですが、この規則聴聞が終つたあといろいろ事務処理諸般の手続を経てこれが規則の確定ということがあるだろうと思われるわけですが、この規則の通産大臣として最終的決定をし公布せられる時期をいつ頃にお考えなのかお伺いいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 今日開いておりまする聴聞会は申すまでもなく電気需給調整規則を改正するということを考えて開いておるわけでございます。で、先ほどもその日にちをはつきり何月何日と申上げることはできないと申しましたけれどもこの関係もございますから私といたしましては非常に速かなる機会に料金制度の始末、料金収入の値上げ問題の処理というものをできるだけ速かにいたしたいと考えておるわけでございます。
○藤田進君 速かにということで、なかなかおよその目標というものはありそうなものでなかなか発表、お答えがないので遺憾です。遺憾ですが他の委員の質問もあろうかと思いますので私は次の二点他の問題でお伺いしたいと思います。 その第一点は電源開発会社の開発にかかる発電所、その他送電設備等の問題ですが、現行電源開発促進法によれば、これは無論発電所の譲渡或いは送電もでき得ることにはなつておりますけれども、現実の事態として私ども過般各地の調査を進めて参りました。その実態の把握は開発会社の発電所が漸次完成いたしまして発生電力を見るに至る、こういうときにおける問題でありますが、東北地方におけるこの猿ヶ石その他多目的ダムを利用したこの発電所、こういう場合は比較的発電のキロワット当りの単価も低いわけで、現行電力会社に充電して運営するということが比較的容易に行われて来たと思います。併しこれからあと逐次でき上る電源開発会社の発電所の発電コストというものは、かなり高いものになる。そうなるとこの電力を当該地域の電力会社に売る場合ですね、当然単価の問題が出て来るだろう。只見川であれば只見川について相当コスト高に、旧来の発電所を含めて経営している電力会社の平均単価よりも、非常に飛び抜けて高いものになるだろう。その場合に電気料金との関係で、電気料金が今回非常に大幅に引上げられれば、そういう問題は解決されるかも知れないけれども、それは国民、需用家が許さないという情勢にある。この意向を政府が酌んで処理されるということになれば、余り大きな値上げというものは行わないという前提に立たなければなりません。そうなつて来ると当該電力会社が開発会社の電力を、先ず売り買いの問題のときに現行法では買わなければならんという義務はないように法律上解されておる。併し他の品物と違つて、倉庫に貯蔵しておくわけには行かない。遊ばせるわけにも行かないということで、まあ直接電源開発会社が大口なり何なりに直送してこれを売るということも、設備上到底これはできることでもないということを考えて見ますると、ここに電気事業全体の問題としての機構上、運営上、政策上の問題もありますが、当面開発会社の発電所の売電をどうするかという問題が起きて来るのではないか。私は起きつつあると思います。こういう始末をどういうふうにお考えなのか、或いは来たるべき国会において立法措置として何かお考えになろうとしているのかという点をお伺いしたいのであります。これは当該発電所を譲渡する場合についても、法律上はきめてあるけれども、恐らく現在の電力会社で厖大な発電設備を買いましようということは不可能ではないかというような問題がまつわつておりますから、それだけに電力政策として通産大臣はどのようにこれを処置されようとするのかお伺いしたいのであります。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今お挙げになりました問題は、私どもとしても慎重に研究しなければならない問題であると、そうして申上げれば、そういう性格の問題であると思いますので、今ここに私どものはつきりした見通しに基く政策というものを申上げるだけの用意は未だいたしておりません。併しながらまあ強いて申上げますならば、私は只今のところ私見としてこういうふうに考えておるわけでございます。で、それは只今お話がありましたように、開発会社の電力が現下の情勢において極めて高価であると、常識的に高価であるということは、どうもこれは肯定せざるを得ないのでありますが、その高価でありましてもその供給というものが必要であるという限りにおきましては、電力会社がこれを購入しなければならないというふうな極めて常識的な考えでございますが、そういうふうに考えるべきものではないかと思います。それから開発会社の性格の問題でございますが、これは現在御承知のように佐久間といつたような大規模な所を初め相当大がかりな建設を進行しておる途上にあるわけでございますが、これらのものの完成をいたしまして、出力が現実に出て参りまする、そういうときまでには、先ほど申しましたように、諸般の条件や将来の見通し等、十分に検討いたしまして、慎重に研究をして結論を出すべきものではないかと考えております。それから販売価格について、或いはプール制度にしたらどうかというふうな御趣旨にとれるような御発言もあつたかと思いますが、これらの点につきましても、同様慎重に考慮いたしたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) ちよつと申上げておきます。只今大蔵省のほうから石田官房長、佐竹調査課長、大月銀行局総務課長、広瀬主計官が見えておりますから……。
○藤田進君 大臣の時間がかなりあとの御予定があるとすれば、一応大臣に皆さんもお質疑になるでありましよう。ですから簡潔にしたいと思います。で、私今大臣に申上げたのはこうすべきだということの意見は持つておりますけれども、それよりも立派な案を通産大臣お持ちだろうと思つてお伺いしたので、まだ具体的な、何も具体的なものがないということであれば出すべき段階には私は又出したいと思いますけれども、併し只見にしましても、その他逐次発電を開始する段階に近寄りつつあるのですね。そういうことなのに、その後始末をどうするかが所管大臣、所管省としてまだ何もないということでは、これは非常に問題だと思いますので、できてしまつたら何とかなるだろうという考え方でありますのですね、併し政策としてもやはりちやんとできることはわかつておるのでありますから、できたらどうする、こうするということは、当然一つ早急にお考え頂く必要があるのじやないだろうかと思いますので要望いたします。 次に電源開発会社の問題ですが、かなり世上非常な疑惑を持つて、今日どういうことなんだろうかという問題の一つに総裁、副総裁の更迭問題が出ております。これは私ども開発会社の状況を見ますると、必ずしも今この人の更迭という時期というか、そんなに安閑としておられるような開発会社の事情ではないのじやないだろうか、而も再任まだ五月の末だつたかと思うわけで、一月余りになつてですね、ますます必要度を深めつつあるこの電源開発会社の任務に就いて、突如としてどうも一身上の都合でですね、個人の都合というから……、おれはやめたというようなふうにも伝えられて、昨日公益事業局長に質したところ、どうも少しお答えが無理じやないだろうかというふうに伺いましたので、本日大臣にお伺いしようということにいたしましたわけでありますが、高碕総裁なる人がさように無責任に一身上の都合でおれはやめたと言つて途端にさじを投げてしまうような人なのか、或いは又詰腹を切らされたのだと、いろいろなやはり政治力といいますか、通産大臣が御存じないようなところで、ぱつと次の総裁があれはきまつてしまつたのだというような、いろいろなことが伝えられているわけで、この際どういう経緯を以て、かかる人事が発令せられたのか。御承知のように小坂新総裁は曾つて自発解体のチャンピオンとして乗込んでおいでになつて、いよいよ過般総裁の論議が出る二三日前にその任務を終えられて一応解体をせられたかたで、今度は電源開発会社に行つて、日発のようなものを作るのだというような談話を、売電をするとか、発電送電もするのだというようなことで、こわしたり作つたりというような役目を次から次へと折があつたら交互におやりになつているような印象を与えるし、又正確にはかなり吉田内閣にも力を持つておるのだから、あの人が出るのも又止むを得なかつただろうというような批評もありますわけでありまして、これらの事情を一つ国民としても知りたいところで、ほかでもない国家資金ですべてが運用されておる開発会社のことでありますから、詳しく一つ経過を納得の行くようにお知らせ頂きたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 電源開発会社の総裁の更迭の件でございますが、実は五月の下旬に前総裁の任期が切れたんでありますが、その五月三十何日でありましたか、任期が切れることを前にして高碕総裁はあとで申上げますがかねがね辞意を持つておられまして、一期で自分はやめさせてもらいたい、ただ後任にはできるだけ立派な人が欲しいということで、実は私もそういうことであれば、たつておとめすることはできないと考えまして、人事のことでもございますから、極めて秘密のうちにどなたか立派なかたにお願いしたいものとともどもに考えておつたわけでございます。併しながらその任期の切れまするまでの所要の手続を経て参りまする間におきまして、適当なかたを発見することはできなかつたのであります。ところがそれで任期が切れましたので、取りあえず再任をお願いいたしまして、その後も適当のかたがないかという考えでおつたのでありますが、只今お話がございました通り、七月の何日でございましたか、自発の関係の仕事が小坂さんの手によつて完全に完了いたしました、実は高碕総裁もかねて小坂さんに是非あとをと考えておつたが、日発の関係もあるし、なかなか引受けてはくれないだろうというふうには考えておられたようでありますが、自発の解体の手続が全部光了した、形式上も完全にきれいになつたというその時機を狙つて高碕氏が小坂氏を訪ねられて、その事情を具申且つ後任をお願いをする、又私どもからも是非そういうふうになれかしと思つておりました、ところが極めて円滑にあとのお引受けを願うことになりましたので、早速これはやはり人事のことでございますから、手続を進めることが適当と思いましたので、直ちに閣議にも諮りまして所要の手続を進めたわけでございます。なお念のために御承知と思いますが、附加えて申上げますが、実は電源開発会社が成立いたしました当時から高碕前総裁もなかなかおみこしを上げられなかつた、漸くお引受願いましたときも、できるだけ仕事が緒についたならば、何と申しますか創業のむずかしいところを形をつけたならば、よりよき適任者において更にこれを引継いでもらいたいという希望はかねてありましたことを併せて御報告いたしておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 大分時間も長くなりましたから……。
○藤田進君 もう一件だけ、なかなか美しく言われておるような気がしてならないのですが、五月三十九日の開発会社の株主総会ですね、これは定款等の定めがあつて、前総裁三年の任期が来たけれども次の総裁を任命するについて、株主総会の規定に基いて政府が任命すると、こうなつておるようでありますが、その五月二十九日の株主総会の開催を控えて高碕総裁は政府に対して、次にも重任するようにお願いしたいというようなことで株主方面をお廻りになつてお願いされ、そのようなこともあつて円滑に重任というふうになつたやにも伝えられております。私もそういつたことを聞きました。そうして見ると、ずつとやはり電源開発のためには身体を尽してやろうという心がまえでおありになつたんじやないだろうかというふしと、今のが相当違う点と、それから、そうであるならば、かねてそういうようなことであるならば、副総裁までが殉死するというか、副総裁は言葉少なに言つておられるようですが、高碕総裁がやめさせられるかやめるかということになれば、自分もやはり責任をとらなきやいかんというようなことで、二人ともさつとやめて行くというようなことで、而も副総裁についてはかねて辞意を漏らしてもいなかつたし、唖然として、突然全然知らずに、総裁がやめなきやならんということを知らずにいて、途端に態度を決したやに伝えられておつて、これにはかねて辞意も何もないのだから、政府としては慰留なり何なり、いつも一応はおやりになる手が、今度は全然慰留も何もなかつたというような点から見ると、非常に今の説明とその間の事情とが食い違うような気がするわけなんで、若干もう少し補足がなきやならんように思うわけですが、もう少し真相に近いことをお聞かせ頂きたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は問題が問題でございますから私の知れる限り正確に詳細に申上げたつもりでございます。
○海野三朗君 電気料金についてでありますが、生産原価が高くなつたことは認めざるを得ないのでありますけれども、電気会社は独占企業でありまするから、他の一般の企業よりもどうも企業努力が足りない。建設方面はよく能率を上げておりまするが、運営が緩慢であり、又その提出せられたその予算においても非常に水増しがある。その水増しはどういうところにあるかというと、その一例を申上げますならば、一キロワット当り十万円以上かかつた野川発電の買電契約は一キロワット当り二円八十九銭三厘、それであるのに只見川の各発電所は一キロワット七万五千円で、年間発生電力量が多いにもかかわらず、三円であると言つておるので、我々は二円十銭ぐらいと思つておるのであるが、水増しがあるとしか考えられない。つまり通産省で仔細に検討されたということは、ペーパー・プランの上でだけ吟味なさつたのではないか、こういうふうな疑問があるのであります。この点の御説明を伺うことと、公益事業なるが故にとおつしやるのでありますが、電気事業ぐらい割のいい商売はないのである。誠に結構な商売なんである。電気が高くなつても今日とにかく電気は使わないわけには行かない。例えば機械金属工業なんぞにいたしましても、値段が高ければ買わないということがやられるけれども、電気だけは何としてもこれは使わなければならない。こういうふうな事業において赤字が出る、六分八厘の値上げだ、これは生産原価からすれば高くつくのでありますが、公益事業でありますから他の方面からしてこれを補つて行けば、ここまで持つて来ないのでも済むのではないか、こう考えられるのであります。例えば開発銀行では電源開発には年六分五厘で貸している。それであるのに造船会社に三分五厘で貸している。造船会社以上の一重要性のあるこの電力開発に対してはやはり一三分五厘にすべきものではないかというふうに考えられるのであります。又税金にいたしましても法人税や事業税、固定資産税などは特別なる取扱をして、そうして国民一般にはこの電気というものは安くしなければいけないのではないか。只今大臣のお話によると六分八厘の値上げがまあ至当であろうと言われますが、これの及ぼすところの影響は実に甚大なものがあります。例えば製鉄事業にいたしましても大分八厘でありますが、製品の上では何割という高価になつてしまう。従つて輸出の方面にも響いて来るし、或いは又肥料の問題にいたしましても大きくこれは響いて来るのであります。どうしても私は法人税とか、事業税、或いは固定資産税のほうは特別なる取扱をする必要があるし、造船会社が三分五厘にしたのであるから三分五厘まで下げられないことはないと考えられるのでありますが、大臣としては如何ようにお考えになつておられますか、御所見を承わりたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ず第一の水増しの問題でございますが、これは私も海野さんの御意見は御尤もだと思うのであります。従つてあらゆる点から基本の越前の範囲内におきまして、会社側からの申請案につきましても、通産省として及ぶ限り赤字の圧縮といいますか、値上げに持つて行かなければならない幅をできるだけ叩くことに努力をいたしました。その結果が六分何厘というところまで一応漕ぎつけたわけでございます。先ほども申しましたように、私は与えられた条件の下においてはこの程度の開きが残ることは止むを得ないと考えておりますけれども、更にこれはもつと勉強して考えるべきところがありといたしますれば、その努力を惜しまないでその努力を続けたいと考えております。 それから第二の、電気は高くても何でもというお話、これも父御尤もでございます。それでありますからこそ随分時間を食つておるのでありますが、政府といたしましても非常に慎重に総合的な観点から処理しなければならないという態度をとつたわけでございまして、只今の金利の問題等も、政府としての結論もまだ出ておりませんけれども、そういうことで一方には原価の高騰がしないように努力を更に進める、それで及ばざるところは、金利その他において相当思い切つた措置ができるならば或いは解決ができるのではなかろうかとも考えておるわけでございますが、それらの点は先ほど申上げておりますように、細かい点について、或いは細かい点のみならず、やり方等について政府全体としての意見がまだ重ねられておりませんので、その点は御了承願いたいと思います。
○海野三朗君 只今申しました一キロワットに十万円かかつておる野川発電では一キロワット一円八十九銭三厘と言つておるのに、只見川のほうでは一キロワット七万五千円しかかかつていない、年間の発電量が多いにもかかわらず三円であると言つておる。こういう工合に非常に杜撰で穴だらけの、仔細に検討して見ると随分怪しげな計算をしておると私どもは考えられるのであります。この点についても更に御検討を願わなければいけない。そうして大臣といたしましても総合をした結果だけを御覧になつておるから六分八厘とおつしやるのでございましようけれども、本当に微に入り細に亘つて通産当局では調べて頂かなければならんのではないかと、こう思います。それが一つと、只今申しました、なぜ造船のごときが三分五厘であつて、電飾のほうが六分五厘であるか、こう差がなぜつかなければならないのであるか、これを一つ御説明頂きたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 成るほど電力につきましては造船と同じように三分五厘程度まで下げるべきだという議論も一部にあるのであります。尤もだと私も考えるのでありますが、例えば世界銀行からの受けております借款の利率関係その他から申しまして、とくと私といたしましても検討いたし、政府部内の意見を取りまとめたいと考えます。
○海野三朗君 法人税、事業税、固定資産税については、如何ように考えていらつしやいますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は通産省の立場からいたしまして、これらの税金を徹底的に安くしてもらえると、これは勿論国会の御審議によつてきまることなのでありますけれども、そういう意味でこの問題が処理できるならば、これの料金問題というものについて、一つの大きな新らしい解決策になるであろうと考えるのであります。いずれにいたしましても、私はかたくななようでありますけれども、この電力料金の問題というものは、もつと広く、何如にこういうような問題が起るのかということにつきまして、通産省といたしましては、国民各層に認識して頂きたい。ただ単に、電力が国民の最後の一人にまで至大な関係があるものでありますから、料金を上げないでいいのだ、上げてはいかんのだということを抽象的に言うのは、これは誰でも言えることであると思いますし、誰でも表面的には異存はないのでありますが、将来長きに亘つて日本の国力を充実をして行く上において、電力の開発にはまだまだ力を尽さなければならない。それのためには、一部は料金でこれを賄わなければならんかも知れません、或いはそれがいけないというのであれば、税金の軽減とか、金利の軽減という面において、間接的にはやはり国民はこの問題に対して負担をして行かなければならないのだということを十分理解してもらつた上で、私は大所高所から結論が出るべきではなかろうか、こう思いますので、私どもの立場といたしましては、こういう電力の開発が進んでおります、それから今海野さんが御指摘のように、まだ水増しがあるというようなことがあれば、更に具体的に検討もいたしますが、こういう実情でありますということを、はつきりと御説明をし、御認識を願いたいと考えておるわけでございます。
○海野三朗君 もう一つ。私は何も電気会社をいじめるためにこう申上げておるのではありません。公益事業でありますから、国家が相当の犠牲を払つて、大衆に安い電気を使わせるようにしなければならないのじやないかという考えであります。そうして又、この電気料金を僅かな値上げ、一キロワット当り五分、六分だとか言つておりましても、製品になつて売出すときになりますと、これに何割というこの生産費が高まつて来ます。そういうものの及ぼすところを考えますというと、実にこれは影響が大きいのであつて、現内閣の低物価政策には全然反対する結果を生ずると私は思うのでありますから、こういうようなこの水増しのような点やら、それから、この実に統制がとれていないような数々があるので、今時間がかかりますから私はその細部を申上げませんが、そういう点をよく検討して頂けば、どうしても結局するところ、この今の金利と、それからこの税金、そういう方面において、国家が相当犠牲を払つてやつて頂くべきときじやないか、こういうように私は考えますので、ただ通産の立場からして、これは原価が高いのだからという簡単にお考えにならないで、その及ぼすところをよくお考え頂いて、そしてもつと仔細にこの吟味をして、結果をお出し頂きたい。こういうように私は思います。時間がかかりますから、あとはもう他の委員のかたもありますから、それだけ私が希望を申述べて、私の質問は打切ります。
○河野謙三君 先ず通産大臣に伺いたいのですが、只今まで藤田委員の質疑に対する御答弁によりますと、通産大臣としては、現行制度の下においては、今回の値上げは自分としては止むを得ないと思うと、なおこの値上げの率の六分八厘ですか、これについてもおおむね慎重に検討したものであつて、妥当のものと思う。なお値上げの時期につきましては、いつまでもこのまま放つて置けないから、速かに自分としてはこれを決定したい、こういう御意思のように伺いましたが、私の伺つた伺い方が違つたのでしようか、その点ちよつともう一度伺いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 私が申しましたのは、この料金問題の処理をできるだけ早くやつて頂きたいということを考えておりますということを申したのでありまして、六分八厘の値上げ云云ということについて、時期を画して意見を申上げたわけではございません。
○河野謙三君 そうしますとですね、私、実はこの新米の通産委員でありますから、他の諸君に余り迷惑をかけちやいかんと思いまして、できるだけ、本年幸い涼しいので、いろいろ先輩諸君の速記等も調べて来たのですが、それによりますと、六月三日の日の衆議院の通産委員会で、あなたも御出席のように書いてありますが、あなたと責任を分つておられる古池さんが、こういうことを言つておられます。「従つて国会が今日終つて、国会中は黙つておつたがすぐに認可するというような、常識上妥当と思われないような行為はいたさぬつもりでおります。」国会の閉会中には電力料金の値上げについてはやらない、こういうことを言つておられますが、その御意思、この政務次官の御答弁は、大胆のお考えと違いますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 国会中にやらないでおいて、国会が済んだらすぐに値上げをする、こういうような常識に外れたことはいたしませんと、こういう意味を申上げたのだと思うのでございます。
○河野謙三君 そうしますと、国会の審議というものと、電力料金の値上げの問題というものに、どういうふうな基本的なお考えを持つておられますか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは基本的に申せば、行政措置でございますから、国会の審議を経てきめるというものではございませんから、国会の閉会中に政府の態度をきめてかまわないことであると考えております。
○河野謙三君 いや私はその制度を伺つているのじやない。あなたの基本的な気持を伺つている。例えばですね、財政法の第三条でしたか、第何条でしたかね、およそ国民生活に重大な影響を持つものはすべて国会の審議を待つべしという条項が確かにある。電力料金の問題は国会の審議云々という制度上の規定はありませんが、少くとも財政法第三条か何かの今私が申上げたような規定に照らして、大臣としてですね、基本的には国会の審議というものを、十分これは私は織込まなければならんと、私はこう思いますがどうでしよう。
○国務大臣(愛知揆一君) 電力料金の問題については、聴聞会の制度もございまするし、又十九国会当時におきましても、いろいろの角度から御熱心に通産委員会でも御審議を実際上頂いているのでありまして、あとは政府の責任において、如何に処理するかということが残されているだけであると、私は考えます。従つて国会閉会中におきまして、処理をいたして差支えないことと私は考えております。
○河野謙三君 前国会におきまして、非常に熱心に審議されたことは、私も承知しておりますが、審議の過程において、今度のように具体的に政府の案を出して、そうしてこの案によつて物価に及ぼす影響はどうである、こういうことについては、最終の議員に納得の行くような説明というものは私はされていないと思うのですが、どうでしよう。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は併し先ほどのお答え申上げましたような態度でおりまするので、これは誤解のないようにお願いいたしたいと思いますが、値上げをするかしないか、又その幅をどういう方法によつて吸収するかということをも含めて、まだ政府としての態度をきめきつておりませんけれども、成るべく速かにこれはいずれかに態度を決定すべきものであると私はかように考えております。
○河野謙三君 まあ通産大臣、あなたも私をどういうやつかよく知つているから、ちよつとしつこいですけれども、その点は誤解のないように……。あなたは、政府としては態度をきめかねている。併し速かに政府としても態度を決定したい。併し通産大臣個人としては、これは現行の制度上から行けば妥当の措置と考えていると、こういうふうにさつき言われたのじやないですか。まあそういうふうなお気持じやないですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、現行制度の建前、現行の与えられた条件の下においてはこういう結論になります。又そうせざるを得ますまい、というのが通産省の立場でございますが、併し先ほど来申上げておりますように、その資本費の増嵩の根を止める。只今海野委員からも御注意がございましたような点も併せて、政府全体として結論を出したいというのが、閣議の意向でございますから、私はその線に沿つて、通産省といたしましても、できるだけの協力をいたしたいと考えております。
○河野謙三君 そうしますと、現行制度の下においては事務当局としては、かような結論を出すのが妥当である、併し通産大臣、政治家愛知さんとしてはおのずと別の結論が出て来るかも知らん、こういうことですか。
○国務大臣(愛知揆一君) それはどういうふうになりましてもいいんでありますが、私は内容的に申しまして現行制度の下においては、ということを申上げているのでありますから、その現行の制度について、例えば只今海野委員の御指摘のように、大蔵大臣、その他関係当局が協議の結果開銀の金利を大幅に下げるということになれば、条件がかわるわけでございます。そういう場合には、仮に値上げをするとしても、幅が非常に狭まりましようし、それから同時にこれも只今御意見がありましたように、水増しをしてはいかんぞ、私は水増しはないようにないようにと計算したつもりではございますが、更にそういう御意見も、他にもあるのでありますから、そういう点についてもハンブルに通産事務当局として今、もう一度勘定し直すところがあれば、その条件の変更ということとも考え併せまして、再考の余地もあろうかと考えております。
○河野謙三君 私はやや安心したのですが、実はあなたのさつきからの御答弁を聞いておると、制度そのものに縛られて、制度がこうであるからこうせざるを得ないというような御答弁であつたように伺つたから、これは政治家としては甚だ足らん点があると思つたのです。制度の上に政治というものはあるのだから、制度が若し悪ければそのときの政治情勢、経済情勢、その他の社会全般の情勢によつて、この制度の悪いところは直して、制度を乗越えて行くところに私は大臣の使命があると思う。私はそういうふうに思つているのだが、先ほどからの御答弁ですと、制度に余り捉われているようであるから、これは私が日頃尊敬している愛知さんとしては政治家らしくない御答弁だと思つたのですが、私はそのことよくわかりました。あなたがもう少し捉われない立場でおられるということがわかりましたから、その次にそのほかの皆さんがたの質問があると思いますから、極く簡単に一、二伺いたいのですが、先ほど藤田さんからも御質問がありましたが、世界銀行との借款の際に、世界銀行と電力料金の値上げの問題について、何か約束があるのですか。これを一つその道に通じておられる大臣から御答弁頂きたい。
○国務大臣(愛知揆一君) そういう保証契約というものがございますことは事実でございますし、あの借款ができました当時に、国会等におきましても御説明を申上げているかと思います。この点は不正確でございますが、別に秘密でもございませんで、事の当否はともかくといたしまして、事実そういう約定をいたしましたことは、その文章も明白にいたしまして御説明申上げたはずでございます。そういうものがございます。それは文言を私は今正確に覚えておりませんが、合理的速かな時期までの間において、合理的な料金の改訂をすることが望ましいと思われる、こういう約定でございます。
○河野謙三君 それをもつとくだいて言うと、借款に当つて明年は一つの値上げを断行するつもりだとこういうふうな約束でもあつたのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これはこの文書は今ここに持つて参りませんでしたので、その文言と正確には記憶しておりませんが、趣旨は今申しました通りで、それ以外には秘密の約定も何もございませんし、それから今年中に上げるとか、上げないとかいうことを何らの意味でも約束は受けておりません。ただその約定が文書としてあるのでありまして、この文書の上においてその時期の点は合理的速かさにおいて考慮せられる時期とかいうような表現だつたと思います。
○河野謙三君 それではまあ対外問題は別として、対内的に電力会社に対して昨年度、本年は一つ我慢しろ、来年は一つできるだけ緻密な調査もして、それで結論として来年は何とか値上げをできるだろうという、こういう電力会社との固い約束じやなくて、そういう意向を政府のほうから従来もらして来たと言うか、とつて来られた事実はございませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは実は私に御答弁する資格がないかと思うのでありますが、私は本年の初頭に就任いたしまして、そのときにはこの九会社からも申請書が出るばかりになつておるという引継ぎを受けたのでございまして、その通り一月三十日附で申請書が出て参りました。申請書が考えられる段階においてどういう話合がございましたか、これは私遺憾ながら存じません。
○河野謙三君 いや、それはまあ愛知大臣就任の前でありますけれども、これは電力会社と政府の間にそういう約束事で今日まで経過して来たのじやないのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 公益事業局長から御答弁いたします。
○説明員(中島征帆君) ついででございますから、先ほどの火力借款内容につきましても敷衍さして頂きますと、当時の保証契約の中では先ほど大臣から御説明いたしました通りに増資或いは必要な自己資本を調達するために必要な料金改訂というものは合理的速かに行うべきだと、こういう趣旨の内容があるわけであります。従つて当時の状況として、今すぐ、つまり当時の時期において速かにやれ、或いは速かにやりますということを約束したわけでも何でもございません。若し必要がある場合には余りこれを遷延してはならない。こういう趣旨に読みとれますし、又我々はそういうふうに解釈しております。従つてそれとも関係もございませんが、昨年の初めから若し平水であれば電気事業は年間百億からの赤字が出るというような状況でございましたが、それに関連いたしまする料金の改訂の申請は昨年秋頃から準備いたしましておつたわけでございます。併しそれに対しまして私どものほうで今年度は我慢しろ、来年は考えるというふうなことにつきまして確約を申す筋合のものでもありませんし、又そういうふうなことを申した事実は全然ございません。
○河野謙三君 大体私は見当はわかりましたが、そういう対内外に暗黙のうちにそういうふうな一つの圧力を受けておるというふうに私は受取ります。それは受取つちや困ると言われても私は受取るということでこれは終ります。 それから次にもう一つ伺いたいのですが、まあ今日聴聞会やつているようですね、制度が改正されますと当然私はこの公益事業局ですか、これの定員というものは大幅に減らしてもいいものだと思いますが、そういう結論は通産大臣つけておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 現在のところ実は直接にそんなに事務は減らないのではなかろうかと思つておりますので今すぐに人員の整理ということは考えておりません。計画をいたしておりません。
○河野謙三君 それは今度の制度改正に当つて私は一つの根本の大きな原則の中に入ると思うのですがね、この定員の問題は……。これは入つてないのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 今すぐにやるという計画として具体的なものは持つておりません。
○河野謙三君 これもまあ人員整理というようなものはいわゆる生ものでありますからこれはなかなか崇りが大いから今のうちは伏せておこうということでそういうふうに慎重にやつておられると思うのですが、私は当然そういう結論がなければ……。この制度改正の一つの大きな狙いですよ、これがなければ意味ないと思う。今の意味の大半は失われると思う。こういう問題につきましては余り大きく崇りの出ない時期になつたらもう、一つ進んで御発表頂きたい。今から私は申上げますが、そういう制度の改正に当つて私のまあ独断になりますけれども、ここで人員を百人整理する、この百人は今度は電力会社にみんな世話してやるんだ、電力会社にやるんだということになつておりますと、制度改正が非常に不純なものになる、こういう点はよく今まであることなんです。私は愛知さん御承知のように肥料のほうに詳しかつたが、例えば今度硫安輸出会社を作る、通産省が何も考えていないのに一年も前から輸出会社ができたら柿手肥料部長は輸出会社の専務になるんだ、こういうことになる、だからあの男は肥料会社専門であつて役人じやなくなつた、本人も非常に迷惑したわけです。そういう問題がありますから、これはよく今度の制度についてはこの問題は私は簡単なものではないと思うのですよ。一つ御注意頂きたいと思います。 それから昨日ちよつと局長に伺つたのですが、一番我々は今度の料金値上げについて知りたいことは、この料金の値上げが若し断行された場合には、特に経審の長官としての愛知さんはこれの物価に及ぼす影響如何、この結論が一応なければ私はいかんと思う。当然こういうことで運んでおられると思うのですが、私はこれについて何が幾ら、かにが幾ら上るということは聞こうとは思いませんが、大体デフレ政策遂行途上においてこの電力料金値上げというものはどういうふうな影響を持つかということを一つお伺いしたいのです。
○国務大臣(愛知揆一君) 昨日の御質疑、或いはお叱りにつきまして私も早速報告を受けまして御尤も千万と思つております。ただ私がいわゆる第一次的な電力の値上げのコストに及ぼす影響だけではなくて、二次、三次と申しますか全体総合的な上り方についてはなかなかこれは資料の取り方などがむずかしいので、どうも我々の案として御説明申上げるだけの率直に申しまして自信がなかつたことが一つと、それからいま一つは先ほど来申上げておりまするように六分八厘ということを、現在の段階において先ほどもちよつと申上げましたようにびた一文譲らないという態度はとつておりませんわけで、総合的な処理ができるかどうか、その途を今一生懸命発見せんと努力しているときでございますから、そういう段階におきまして数字だけを基準にした、而も至らない未熟な御説明を申上げますことは如何かと思いますので、実は今日御説明をしなければならん立場かと思いますけれども、さようなふうに私考えますので一つ御了承願いたいと思うのであります。
○河野謙三君 私は説明の材料が大体ないと思うのです。というのは、電力料金の値上げをやつて、細かく特別料金が幾ら、税額が幾らとか、深夜の電力をどうするとか、こういうものがずつときまつて行かなければ、それぞれの産業別にこの電力改訂から物価に及ぼす影響、コストに及ぼす影響というものは出て来ないと思う。私は甚だ失礼だけれども、やはりこれは相当それぞれの業界の権威者を集めてやらなければ出て来ないと思う。例えばこの特別料金と一口に言いますけれども、豊水期にあり余るほどのものをもらつたつて、電力を使うなら使うだけの設備を作らなければならん。で年間を通じて十の需用がある場合に、豊水期には十五なり二十の設備を持たなければならない。それでなければ電力の消化ができないということになりますと、豊水期以外は非常に過剰な設備を、厖大な資産というものを抱えて行かなければならない。それに従つて人件費も厖大なものを持たなければならん、こういうこともあるわけです。そういう複雑な要素はそれぞれあなたのほうの細かな電力料金の基本がきまつて、細則がきまつて、この細則に従つてそれぞれ事業別にそういう計算をして見なければ出て来ないと思う。それで私は昨日希望を申上げたのですが、何でこれだけ重大なものを審議会のようなものを作つて、それぞれ生産者なり、消費者なり、学識経験者なり、又政府なりが出て慎重に踏切らんか、こういうことを申上げたのですが、昨日の局長の御答弁では、審議会の法的根拠を持たんからとこう言いますが、私は事重大でありますから、急ぐ場合には法的根拠がなくても審議会のようなものを、これに類似するようなものを作つて行つても差支えない。こういう点について慎重に踏切るということについて、通産大臣はお考えになりませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) 審議会の問題も昨日御意見として早速報告受けたのでありますが、まあこの際審議会とまで私考えませんのでありますが、ただ先ほど来申しておりますように、この問題は非常に重大だと思いまするので、政府全体の責任で以てきめよう、こういうことになつておるのでありまして、その御趣旨の点はそういう形において十分盛込まれておると、私はこの際としてはそういうふうに考えております。
○河野謙三君 大分質問が長くなりますから、私もさつきの海野さんの水増し論の一例を申上げておきます。これも昨日申上げて大臣の耳に入つていると思いますが、どうして国の補助、援助まで受けている電力会社が、ああいう市価よりも桁の外れた石炭を買わなければならん理由があるか、私はこういうことを伺いたい。私昨日は極く大ざつぱに御質問申上げましたが、その後私なお調べて見ますと、非常に市価とかけ離れた石炭を買つておりますよ。これが第一点であります。これについては少くとも現在のように石炭は買手市場になつておるのでありますから、これは電力会社の意思によつて法律の云々ではなくて、電力会社の意思によつてもつと私は安く買える。これが非常にコストの中に大きく響くのでありますから、こういう点についてはもつと強く私は指導して頂きたいと思う。 それからもつと根本的な、大きな政治論になりますが、この電力問題にあつて、いろいろ通産大臣が御調査の結果必ず打当るところは、これでは年々歳々上げて行かざるを得ない。一方においては中小企業は倒産する、物価はだんだん下つて来る、電力料金に限つてこれは下るめどがない、こういうことだろうと思うのです。そこでこの電力料金を下げて行かなければならんということになれば、どうしても今の石炭を第一として、セメントの問題であるとか、電気器具の問題であるとか、大よそこの電力会社の大きな支出の面、これについて制度上、例えば必要によつてセメントの統制をやるとか、セメントの中で一部電力会社の関係だけは何か手を打つとか、さもなくば全体の需給安定的なものをやるとか、そういうところに突つこんで行かなければ、ここで六分八厘上げて見たところで、春になればこういう問題にぶつかる、そうして何のことはない、風船玉の糸が切れたように上つた上つたといつているだけなんです。こういうようなことについて、何かもう少し根本に入つて電力料金を下げるには現行の経済機構においてはこことここがいかん、ここをどういうふうに直さなければならんという御構想がありましたら一つ御発表願いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましても余り先走つて申すのも如何かと思うのでありまするが、この電力料金の問題が今回これほど大きな問題として輿論の批判をいろいろの意味で積極消極の面で受けております、先ほど私が自分の意見として申上げましたような、あらゆる面から合理的に批判の対象になつて来ているように思いますことは、或る意味では私は禍いが転じて福となるのではないか。そこで只今もお話がありましたように私は今度若しこの趣旨が非常にうまく行つて、或いは税とか金利のほうで、一方においては制度的な改変も考慮される、一方においてはいわゆる水増しでない健全企業経営をやつて行くために、政府側の行政措置或いはその他の方法によつてやるべきことはこういう点とこういう点だというようなことをはつきりさせることができればこれは非常に大きな前進だと思うのでありまして、私も何とかそういう方向をこの際併せて考えて参りたいと思つております。 そこで石炭の話が出ました。これは又当委員会においての非常に大きな問題としてかねがね御審議願つておるわけでございますが、こういう際、今日のような状態で或いは買い叩けばうんと安くも買えるかも知れませんが、あながちそこに徹することだけもでき切れないので漸を追うた措置が必要であると思いますので、或いはまだまだ改善の余地はあるだろうと思いますけれども、余り極端になつてもいかんと思います。 それからセメント等につきましては通産省といたしましても非常に重大な今関心を持つております。すでにいろいろの点から対策、先ず現状の掌握、世評等に対してどういうふうにこれを捕捉して行くべきかというような点について非常に取急いで調査研究を進めております。
○河野謙三君 いろいろ誠意ある御答弁を頂いたんですが、今の石炭の問題ですね、私が承知しておるのは五十円や百円の問題じやないのですよ。そういう問題でなくて、余りに市価と大きくかけ離れておるので、そういうことを申上げるので、これはよく一つ御調査願つて御指導頂きたいと思います。 それからもう一つ水増しの問題ですが、今日ここに大蔵省もお見えになつておりますが、政府でさえも……さえもということは甚だ失礼だが、今年度予算の執行に当つて物件費その他で一〇%乃至五%を圧縮するということでやつておりますね。然るに電力会社においてそういう指導をされておりますか。これだけ電力値上げの問題がやかましいときにそういう指導をされておるかどうか。又されておるなら、本年度当初考えられましたのと、今どのくらい物件費等につきまして節約を織込んでおられるか、これを私は伺いたいと思う。いずれにしてももう少し私は積極的にあつて欲しいと思う。これは世間が承知しませんよ。例えば今日聴聞会をやつておられるのですが、聴聞会は誰でも出ようと希望すれば出られるのですが、セメント会社や日立のような電機会社が出ても意味がありませんよ。これは高く買つて儲けさせてもらつているのだから、電力値上げ万才ですよ。そういうような仕組において聴聞会をやつておつても意味がない。これは恐らく人格者の愛知さんがそういうことで飛んでもないとばつちりを受けて、誤解を受けるだけだ。でありますから、非常に慎重にせられることは結構でありますが、時と場合にはもう少し勇敢に一つやつて頂きたいということを特に最後に希望いたします。
○藤田進君 ちよつと河野委員の質問に関連して一点だけ質したいと思いますから……。大臣、先ほど河野さんの質問でいろいろ合理化の方法もあるだろうが、その中で例えば人員整理の問題とかいう質問に対する御答弁は、今まだその計画はしていない、まあ時期が来れば何かあるようなふうにもとれる御答弁だつたわけですが、先ほど来私が質しましたその基礎となつた六・八%乃至一一%というこの料金改訂を是とされるこの解決点はどこにあるかは別として、この総括原価の計算の、これをつまり六・八%に片付けた基礎である原価計算ですね。この資料を先ほど説明されたわけです。総括原価比較表の右側に書いてあるが、人員の問題が大きなフアクターとして取上げられております。この中には現行料金原価の員数と二十九年度原価の人員とそれぞれ検討されて合理化するものはしたと称せられて、ここに八百九十三名の増員になる。こういうことで人員の面等はすでに検討済になつて出されておるわけですか、まだ検討計画していないとおつしやれば、一体そこらがどうなるだろうかという疑問があるので、その点を明確にして頂きたい。
○国務大臣(愛知揆一君) ちよつと、或いは私が聞き違えたかも知れませんが、先ほどの河野委員の御質問は、需給調整規則の改正を行うと公益事業局の役人をよほど整理してもいいのじやないか、(河野謙三君「そうです、そうです」と述ぶ)こういうお尋ねであつたと思うのでああいうお答えをいたしたのであります。
○藤田進君 その点はそれは解釈でしようが、私の受けた印象は、需給調整規則、公益事業もそうでしようが、電力料金問題が今中心になつて論ぜられておりますから、そういう面にも若干のニユーアンスは残つておるだろう。同時に需給調整規則が果してそういう意味で、それが理由で、今度規則を変更するのかどうかという点は私は、むしろ需給調整という運営の問題が理由であろうと思つておつたわけですが、大臣は併し河野委員の質問を是認されてその趣旨を仰せられたようですから……。
○国務大臣(愛知揆一君) 電気需給調整規則がどういうふうに改正されるかということは今日の聴聞会等の意見を聞いた上できめるのでありますが、併し若し割当とか何とかというような行政事務がそれによつて減れば、これはやはり当然そういうことを考えなければならんのじやなかろうか、但し今具体的にどういう案を持つておるかというお尋ねでしたから、そこは今計画としてお示しはできないと申しましたので、若し行政事務が減るということであれば、事務がなくなつたのに人員整理をしないというのは建前としておかしいのじやないかと、私はこう考えます。
○藤田進君 併し河野さんは了解されておるけれども、私は新らしい疑問を持つ。大臣は事業局長を帯同しておいでになつておる以上は、具体的現実に基いて御答弁があるべきであるし、今度の規則聴聞会がどうなるかわからないとおつしやるが、原案はお持ちになつておるだろう。その原案をお持ちになつていて、その原案がやはり提案者としては肯定されるべく努力もせられるでしようし、その意思に変りはなかろう。ただ聴聞会における諸般の意向をどの程度容れるかどうかという問題は無論あります。ありますが、今の規則が実施されたならば、簡素になつて、事務が相当量減るということになれば、あなたは無論減らしますとおつしやるが、そんなことが一体あり得るのかどうか、明白だと思う。今度の規則聴聞がどうあろうとも、あれをおよそ基本線として通されるということになればむしろ私はそういう御答弁ではなくして、およそ現実は明白に人員を減らすというような方向にならない規則になつておるのじやないだろうかと思われるので、何だか事情のわからない我々に楽しみを持たせたような恰好で御答弁をなさつておるが、実際に明白にそういうことはできないのじやないかと私は思うので、これは関連してですが……。
○国務大臣(愛知揆一君) わかりました。ちよつと私の申上げ方が悪かつたと思うのでありますが、この聴聞会なり、規則制度の改正なりはそれ自体がどうやつたらよいかということをやつておりますので、人員の整理を目的にしておるものでないことはこれははつきりいたしております。それからどういうことになるかはわかりませんが、若し事務が少くなるというような結果になれば、それは人の整理も考えなければなりますまい。その建前に立つて私は賛成申上げた。それが現実に合つておるかどうかということは又別の問題であろうかと思います。
○藤田進君 ですから今の点は、大臣の御答弁は抽象的なことでは駄目だ。今規則聴聞会をやつておいでになつて、いろいろ意見が出ておる。要約すると、お宅で……。若し簡素になつて減るならば、減らしますということではなくして……減るか、減らないかわかつておるはずですよ。減るとお思いになつておるかどうか。
○国務大臣(愛知揆一君) 減る面と殖える面があると私は思います。(笑声)
○松平勇雄君 電気の問題はまだ質問もあると思いますが、私は問題を変えまして、可燃性織物のことに関して若干大臣に質問したいと思います。この問題に関しまして、政府が只今までアメリカ大使館なり、或いは日本の駐米大使館を通じて、アメリカの政府なりに交渉しておる経過は承知いたしましたのですが、問題は、現在の段階といたしましては、あちらの下院にかかつておると了承しておるのでございますが、今後政府といたしましては如何なる方法を以て折衝を続けて行かれますか。なおその見通しについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この可燃性織物法の問題につきましては、第十九国会中に非常な大問題として現われて参りまして、その当時随時御報告を申上げておりましたような経過でございますが、その後私どもの予想を裏切りまして、上院の修正案は可決確定いたして、下院に廻つたわけでありますが、あの上院の修正案であれば、殆んど全部日本側の希望はまあまあ達成せられることになるかと思いまして、非常に私ども喜んでおりました。その後空気が変つて参りまして、下院におきましては、御承知のようなことで、ついに六月一ぱいまでには、この修正案は審議未了になりましたから、法律解釈とすれば、日本側に不利な法律が七月一日から実行されることになつてしまつたわけでございます。この点は誠に遺憾千万でございまして、今日のところ七月に入りましてからも最後の努力を続けようというわけで、最小限度でも当方の希望を容れるような修正案が下院において可決されるように、この上とも努力をしておるというのが現状でございますが、今日現在におきまして、まだ最後的な見通しは立つておりません。実は私ども本日この委員会がありますことは前々から承知いたしておりましたので、できるならば本日明るい御報告ができるようにということを期待しておつたのでありまするが、本日のところは遺憾ながらそういうような状況でございます。 なおお手許に配付してあると思いますが、「可燃性織物法について」という、この書類をちよつと御覧を頂きたいと思います。 第一が、現在までにもう確定いたしまして、法律がどうなろうとも、これだけはきまつたというのが二項目ございます。その一つの仕上りサイズ二十四インチ平方以下のハンカチーフが、本法から適用を除外するということがはつきりきまりました。これはここに括弧にも入れてございますように、対米輸出総額は、一九五三年、約百七十八万ドルでございましたが、これは適用を除外されましたから、従前通り輸出ができるわけでございます。それから第二は、このハンカチーフ生産用及び工業用等の非衣料用に使用される絹織物は、輸出が可能であるということであります。従来から輸出数量及び輸出額に急激な減少を来たすとは、今のところ考えられないというわけでございます。この二つだけは確定した事項としてあるわけでございます。 それからその次に書いてございますのは、先ほど申しました修正案の進捗状況、これをお読み下されば御理解願えると思いますし、大体御承知の通りだと思いますが、簡単にかいつまんで申しますと、スカーフを本法の適用から除外するということ、それからいわゆる可燃性についてのテストの基準の中で、燃焼時間を現在四秒未満としているのを、三秒未満までに短縮いたしますと、相当の軽目物が助かるのでありますが、それが先ほど申しました商務省の最後の努力をしておる修正法案であります。これが目下下院商業委員会で審議中の模様であります。日本側ではこの修正案中、スカーフ除外の項がたとえ取り上げられないとしても、燃焼時間の短縮の点についてはかなりの期待を持つており、目下事態を静観中で、この現行の四秒未満から三秒未満に短縮するという点については、これだけは何とか行くだろうというふうに見ておりますが、併しこれは何と申しましても、根拠のあることではございませんので、ただ見通しとしてさような観測をいたしておるという程度であることは勿論でございます。 それからその次に、最悪の事態として、法律修正が行われない場合にどういう影響があるであろうかという点は、ここに列記いたしました通りでございます。これは、これによりまして、お読み取り願いたいと考えるわけでございます。今日までの状況はざつと以上のような次第でございます。
○松平勇雄君 次にお伺いしたいことは、この通産省の、政府の御努力によつて修正をされることを望むわけでありますが、若しも修正の行われない場合には、実際問題として機屋なり、或いはこれに関係する紡績業者なり捺染工場なり、その他がいろいろな損害をこうむるわけでございます。そこでお伺いしたいことは、只今契約品の荷渡し不能とか、或いは買付生糸に対する損害が出た場合には、政府、国家としては、これに対する補償をして頂くことができるか。それから次に不燃加工処理、及び転売までの時期を要するわけで、その間に、製品に対する融資を受け、いわゆるダンピングを避けるとか、或いは賃金不払を避けるために解約品の荷捌きまでの緊急融資をする意思があるかどうか。この二点をお伺いしたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、まだ一縷の望みといいますか、或る程度の望みを今後の成行きに嘱しているわけでございますから、最悪の場合を断定的に予想いたしまして、対策というところまではまだ実は私どもも十分つめて考えておりませんが、全般的の問題として全部引つくるめて補償ということは、これは私、率直に申しまして至難の業であると考えざるを得ないのであります。ところで、勿論輸出保険の関係がございますが、大体私どもの承知しておりますところでは、七割が保険にかかつている。そうすればこれは輸出保険の条項に基きまして、当然その保険の対象として必要な金がもらえることになると思います。 それから第二の緊急融資という問題でございますが、これはやはり最悪のことになりました場合を仮定して考えますと、例えば不燃加工による軽目物の輸出加工をするために、いろいろの設備や方法の選択があると思う、或いはその整備にも相当のことを考えなければならないだろうと思います。特に軽目物の産地でありまする川俣方面等の対策として織機の入替えでありますとか、織物の織り方の変更でありますとかというようなことと関連いたしまして、必要な融資を確保しなければならんという問題は、その場合においては当然考えなければならないことと思いますが、これらの点につきましては対策と具体的にからみ合せまして、いわゆるケース・バイ・ケースの措置をとらなければならないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○松平勇雄君 将来起るべきことを仮定してはつきりした御答弁を得られないということのお話でありましたが、大体この可燃性に対する織物法というのは大臣も御承知の通り昨年制定されまして、まあいわば一年間ぼんやり政府が、まあ言葉は悪いかも知れないが、ぼんやりしていた点も非常にあると思うのであります。従つて政府としての責任が相当私はあると思うのでありまして、それ故に本件に関しましては積極的に私は政府としてこれに対する補償なり、或いは援助というような手を考えておいて頂かなければいけないと思うのでありまするが、その点に関しまして大臣は如何考えておられますか。
○国務大臣(愛知揆一君) この法律が施行せられるのは今年の七月の一日になる。これが一年前に法律としてアメリカにおいては制定されておつたことを、今年になるまで知らなかつたということについては、これは十九国会においても率直にお詫びをいたしましたように、確かに政府の至らなかつた点が多いと思います。同時に業界におきましても全然こういう情報がとれなかつたということについては、今後の日本の輸出振興の上において考えなければならん点が非常に多く示唆されておると思うのであります。併しそれはそれといたしまして、我が国からの原因によるのではなくて、他国側からの原因によりましてこういう事態が起り、殊にこれによつて被害を受ける土地なり或いは業種なりが、相当限定されておるという点にこの問題の特殊性があると思うのでありまして、先ほど申しました通り一般的に全部補償するというようなことは、これは政府としては私はできないと思いますが、輸出保険なり、或いは融資の面においてケース・バイ・ケースの措置を考えるとか、そのほかでき得る限りの措置は誠意を持つて対策としていたしたいと考えるわけでございます。
○松平勇雄君 最後に二点。さつきの大臣の御答弁にもあつたかと思いますが、重ねて確かめておきたいと思いますが、不燃加工処理設備が今後或いは必要になつて来るかと思うのでありますが、これに対しまして政府としては助成金を出して頂く考えがあるかどうか。それから第二はいわゆる軽目がいよいよいけないということになれば、これから重いやつを織らなければならないわけでございまして、現在川俣地方においてはこういつた重いものを織る設備がないわけでありまして、いわゆる品種の転換をしなければならないわけでございまして、それに対する諸設備の購入に対する資金を国庫の補助によつてなすことができるか。その二点について大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 的確にどういうことをやるというところまで行つておりませんが、この可燃性のテスト等については或いは共同設備が必要である、或いは又通産省としても工業技術院その他を動員していろいろの対策を考えるというようなことも当然やらなければならんことだと思います。これらにつきましては不幸にして最悪の事態になりましたならば、できるだけ被害を最小限度にし、又将来の輸出に対して新たなる発足ができますように、十分のことをできる限り講じて参りたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 天田君が最初から発言を求めておられますから、天田君。
○天田勝正君 お断りしておきますが、電力なら電力ということで、私だけでなしに……。
○委員長(石原幹市郎君) そうすると、大臣の時間が大体四時半頃という先ほどからのお話だつたですから、電力だけで大臣出て行かれてしまつても困るので、いろいろ入れたわけです。
○天田勝正君 隣りでも聞きたいと言つておりますししますから……。まあそれじや時間がなくなるからやりましよう。
○委員長(石原幹市郎君) 四時半ぐらいにいろいろ約束があるんだそうでして、中小企業その他もありますから、大臣に対する質問を一つ重点的に続けて頂きたいと思います。
○天田勝正君 ほかにもございますが、そう時間が忙しければ、私は電気の問題二点だけお聞きしておきます。 従来電気料の値上げの問題はいつも大きな問題になるんですが、併し大抵はまあ電力会社の申請があると通産当局はそれに反対、こういう態度を持つて来て、いつの間にやら実際は値上げが通ると、まあこういう形だつたのですが、今度は素天辺からまあ若干の値上げは妥当であるという態度のようであります。私は新聞等を見ておつて、或いは誤伝ではなかろうかとさえ思つておつたんですが、どうも今日大臣のお話を聞いておりますと、一向誤伝でない、結局妥当のところは六・八%であるというようなことでありますが、そこで私はお伺いしたいのは、まあ時間がかかりますから、どういうことで妥当になつたかを掘り下げて細かく聞くと手間がかかりますので、一つだけ例を挙げて申上げますならば、電力会社が開発銀行からの借入が一千大百六十二億だと私は存じております。それで借入の総額は三千六百億、こうなりますと、政府資金即ちまあ税金でできておるところの開発銀行からの借入が大よそ借入総額の半ばに近い。更にまあ債券発行銀行からの借入というのもございますが、その債券発行銀行の債券の引受額、これ又政府資金に依存するところから引受けておるという分もございましようから、この細かいところは私もここに資料を持つておりませんが、およそ二千億くらいのものが直接間接に政府資金が流れておるのではないか、こう踏むわけであります。そこでその借入のつまり政府資金の数字というものが、今度は資本金と比べて見ますと、資本金のおよそ四倍に近いものである。こういうことが考えられるわけであります。そういたしますると、これだけ資本金の四倍ものものを直接間接に政府資金から借入れ、而もこれで開発等を着々と行なつておるものであつて、そうしてこれだけ若干の、造船等から見れば金利が高いとは言いながら、一般の企業から見ればずつと安い金が借りられておるにもかかわらず、なぜに値上げをしなければならないかということが、まあ合理的にはこうだということが私どもには到底納得が行かないわけなんです。この点を十分考慮された結果が、要するに合理的に六・八%という結論に達せられたのかどうか、この点は答弁のほうで一つ深切にお答え願いたいと思います。 それから第二の点は、先ほど河野委員からも質問された点でありますが、従来の火力借款の場合における条件といいますか、合理的に料金改訂をまあ望む、こういう話だそうでありますが、日本の電力会社の資金の構成というものは、これは申すまでもなく開発銀行であるとか、或いは債券発行銀行であるとか、市中銀行だとかいろいろございますし、又勿論資本金というものもございます。でアメリカあたりならば殆んどの会社の資金源というものは、これは一般の市中銀行なり、或いは先ず自己資金というものが非常に多い、こういうことですから、そこで金を貸そうとするものは、そこに利益が挙らなければ貸したくない、こういう心理になりましようけれども、日本の特に電力の場合は、今言つたように借入金の半分は、政府資金が出されておる、こういうことであるのだから、若しそこに新たに資金を供給しようという、米国側にいたしましても、どこにいたしましても、自分たちの貸す金について、これこれの条件というならば、私どもすぐ話がわかる。ところが自分たちが貸す金でない部分にまで亘つて干渉されるということになりますると、これはいわば大きく言うならば内政干渉ということに私はなつて来ようと思います。今後もこういうことがあるので、こういう点が非常に危惧されるが故に、我が党初め世間もこうした借款問題について、いろいろ心配いたすわけであります。そこで前提が長くなりましたが、こういうことが、大臣は借りられると言いながら、吉田内閣の下において承認されて来た、こういうことに私どもはなかなか納得しがたいわけであります。公益事業局長等もそばにおられますが、こういう経過等を十分知つておられるので、今後もこの調子で一体やられるとするならば、これは政治的にも私は重大な問題になろうと思いますが、この点を大臣としてどうお考えになつておるか、二点だけ伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ず前段のこの資金の構成でございますが、現在の社債、借入金等の長期の借入金で申しますと、全体の二千五百九十一億円の借入金の残高がございますが、お話のように、そのうち千三百二十五億円、即ち半額は開発銀行からの融資に相成つております。この点は御指摘の通りでございます。ところで更に進んで私も今お話がありましたように、電力会社がいわゆる自己資本を充実してもつと増資をする、社債を募集するというようなところに非常な努力の余地があると思いますし、それを是非やらせたいと思うのでありますが、その点から申しますと、今度は適正な、例えば配当というものも確立して行かなければならない、ここに私どもの悩みがあり、又いわゆる原価主義から申しまして、料金の問題を考えなければならないという点が出て来るわけでございます。又同時にそれらの点について、若し国会におきましても、この問題の重要性に着眼せられて、幸いにして自己資本なり、或いは当面のところは借入資金についても税制上金利上等の特殊の法制等を考えて頂くことができますれば、これはあえて料金の値上げをしなくても問題は片付いて参るというふうに、先ほどの意見を繰返し申上げるようなことに相成るのでありますが、問題の筋書は、そういうことではなかろうかと思うのであります。 それからその次に、外国側の干渉というようなことでございますが、これは先ほども申しましたように、私は内政干渉とは思わないのでありまして、保証の約定がございまするが、これは今私申しましたように、自己資金等の造成を図るような点からいつても、必要と認める場合には、合理的な迅速さを以て、料金の値上げを考えること、ということは、約定になつておるだけでございます。それからなおこれはお尋ねの点と多少範囲がずれるかも知れませんが、今日以降におきまして、電力関係の差当りの外債として考えておりますのは、すでに電力開発五カ年計画の一環としてこの次の段階において当然取上げなければならない例えば奥只見、御母衣、秋葉とかいうような地点で必要とする水力開発に関係のある機械並びに技術の購入代金を考えておるのでございまして、これは全体の電源開発計画から見れば額といたしましても、さして多額ではござございません、従つて今後の導入計画、契約の作成等につきましては、十分慎重にいたしたいと思いますけれども、御懸念のような問題は私はないだろうと考えております。
○天田勝正君 今大臣の御説明の数字と私の数字と大変違うのですが、私の持つているところでは、そういうのではなくて、今年度の開発銀行の資金は千六百六十二億、こういうことに資料はなつておるのですが……。
○国務大臣(愛知揆一君) そうです。
○天田勝正君 間違いありませんか。関連してちよつと一つお聞きしておきますが、この資料に基きますると、今年の秋には二百三十億の増資をする、而もその増資の仕方が有償、無償が三対一の割合である、こういうことが資料に出ておるわけです。そういたしますと、無償の分は当然利益を保留して来てそこに私は増資という形に有償と抱き合すようにして、織込んで合理化さそう、こういう意図が見られるわけです。こういう点も私はいわゆる六・八%の値上げの合理性の中には考え合せられておつたものと思うのですが、こうした増資をされたり、又一方において一割五分の利益を、配当を見込んだり、それも一割五分も、資料によれば一割二分である、こういうふうに書いてあるけれども、それが一割二分には、二百三十億の増資をする予定だから一割二分になる、こういうことになる、そうすると現在の資本から見れば、明瞭に、これは一五%と私はなると思う。そこでこういう一方においては依然として一五%の利益を確保しつつ、それを端的に言えばごまかすために増資という形、而もその二対一の割合は無償でこれを与えるという形をとりながら値上げをするということは、国民の税金によつて大部分の、半分以上の資金が供給されておる会社としては、私は妥当を欠く、こういう結論になるわけです。この点は大臣はどうお考えになりますか。
○説明員(中島征帆君) 只今御指摘の通りに私どもの計算では配当一割二分、それから無償を増資分の二割、こういう計算にいたしております。これは昨日も申上げましたが、増資をいたしますためには証券業界の意見といたしましては、配当が一割五分くらいなければ現実の情勢においてはむずかしい、又若し一割三分の配当で抑えるならば二割程度の無償増資は必要である、こういうような意見がございました。事実そういうような条件の下に昨年度増資をいたしましたが、そういう条件を持たせましても会社によりましてはかなり増資を完成いたしますために苦労したようでございます。従つて電力会社におきまして、今後も増資による自己資本の調達が必要であるといたしますならば、こういうような条件は止むを得ないのではないかと、こう考えております。
○天田勝正君 そうすると、それは実際おかしいので、三対一の割合で無償株券を与えるということは、結局二割三分方新らしい増資の中では含みの利益を繰越して来て、それを配当として与えるのと同じ結果だと思う。そういうことが一般の民間会社ならば現在自由経済なんですから、これはそれを前提とするのは止むを得ないということになるけれども、さつきから私が資金構成を引用しておりましたのは、どう考えても今の開発でも何でもこの通り国家の金で行われておるのではないか、国家の金とは国民の税金で行われておるということになるのだから、そういう無償で配付するなどということは妥当性がないというふうに私は申上げておる。それを証券業界がどう言おうと、それならば国家の資金をこれに与えるのを止めるという気持も当然生れて来るわけです。国家の資金をこれだけ注入して、自己資金だけで一側五分なり、一割二分儲かつておるなら話は別ですが、そうでない。国の金をこれだけ供給して、千六百六十二億円も供給して、開発なり、或いは補修等が行われておるからこれだけの利益が確保されておる。だからこの配当のほうを五分なり六分なり開発銀行の金利のように七分くらいにまで引下げて、そうして当分の間は国家資金の援助が欲しい、又増資も認めて欲しい、こういうなら又それはそれなりにわかる。どつちも取ろうというから我々には了解できない、こういうことを申上げておる。これは委員長にお断わりしておきますが、大臣時間がないというから、又時間のあるときに質問を継続しますから、適当にそれはさばいて頂いてよろしいですよ。
○委員長(石原幹市郎君) 小松さん電力料金について……。
○小松正雄君 時間を非常にせかれておりますので……、尤も本日の委員会というものは相当重要な問題が残されておると私は思います。そこで相成るべく時間も短縮して皆さんも大臣に対する心がまえを相当突つこまれて皆さん質問なさつておると思います。併しながら、なおこのあとにも相当重要な問題について大臣に御質問申上げなければならんと思いますので、是非それが終るまで大臣にはおつてもらいたいということをお願い申上げ、私の質問に入りたいと思います。
○中川以良君 只今小松委員の御質問御尤もでございまして、今日はこの非常な焦眉な問題となつておる石炭鉱業の危機に関する問題等は全く取上げておられない、大臣が今お帰りになると質問する時間もありません。明日、明後日は工場を見事いたします。そういたしますと、私どもは視察に参りましていろいろ協議等をいたしまして、帰つたら早速この問題を取上げて政府の施策等も質すということを言明しております。そういう立場において何もやらないということになりますと、我々の面目は丸潰れでありますから、これは視察が終つてからの、大臣の御出席の都合を聞いて二十三日もう一日、或いは半日でもおきき願いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 中川君にお答え申上げますが、実はこの問題は最初から考えておつたのでありまして、取りあえず電力料金の値上げ問題があるからその電力料金の問題、当面の中小企業の問題、アメリカの可燃性織物の問題、皆さんがたの各地を視察されました結論は、まだ帰つてすぐであるので、これは今日このあとで御懇談申上げまして、いつやろうか、寄り寄り小松さんあたりから九州地方は盆の関係もあり、成るべく早いほうがよいというお話もありましたので、あと懇談の機会を持ちまして、そこで石炭なり、中小炭鉱なり、繊維なりいろいろの問題がまだありますので、それをいつ頃やるか、懇談で御相談申上げようとかように思つておつたのでありまして、これが終りましてから、相談いたしたいと思います。
○中川以良君 そういうことになれば、質問する心組みもありますので、大臣に一応二十三日に御出席願えるかどうか御都合を伺つて頂かないと……。大臣が御退席になるとわからなくなりますから……。
○委員長(石原幹市郎君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて下さい。
○小松正雄君 大臣に先国会の末期にこの電力料金の値上げ問題について新聞に次々と掲載されてあるその内容は、七月一日から実施をするというように出ておりまするが、大臣のお考えどうでありますかとお尋ね申上げましたのに、大臣は、このことについては相当研究しなくちやならないし、相成るべく国民の負担にならないように税制或いは金利引下げ、諸般の研究を今続けておるときであるからして、そういう要望があつても、単に七月、或いは八月にかけて実施をするようなことにはならんだろう、そういうふうなまあお答えであつたのに、この昨日の委員会に料金値上げ、これにつれて更に聴聞会まで開かれておるということによつて、いよいよおしつづめられたところが、国民に対する負担といいまするか、六分八厘は、これはもう止むを得ないだろう、これはそう値上げをしなくちやならんということをお認めになつた一つの基本的な問題は、資本を投じてやる以上は止むを得んだろう、当然だという、今日のお答えのようでありまするが、そういたしますると、今後この電源開発が続いて行くにつれて、時期じやない、料金の値上げというものが現在、再び、三たび繰返して行われるような懸念が湧くわけでありまするが、この点について大臣は今度上げたらばこの後は上るようなことはないというようなお考えがあるのかどうかを一つお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) これは先ほどから申上げておりますように、六分八厘で値上げをきめたというのではございませんで、くどいようでありますが、現在の制度と、それから先国会において成立いたしました税法その他の関係ということを前提条件として考えますると、かようなことになりますと、こういうことを申上げたんでありますが、同時に政府部内におきましても、それだけで結論とするのは早計であろうということが、更に一層諸般の対策を考えるべきである、こういうことになつて、その結末がまだついておらないわけでございますが、私といたしましては、ほかのことを考えずに、六分八厘の埴上げで例えば八月一日から実施したということを仮定いたしましたときは、相当当分の間というか、長い期間において値上げを考えないで押切つて行けると、こういうふうに私は考えておるのでございます。で、従つてその値上げによらずして、ほかの方法が、現下の高騰を抑えるという名案が出て参りますれば、やはり同様に相当長く抑えることができるのではなかろうかと、かように考えております。
○小松正雄君 そういたしますと、今お尋ね申上げましたように、電源開発が続いて完成するまで行く間には、当然その資本に関する関係からいたしまして、諸般の大臣のお考えによつて、何かの面でカバーをしようというお考えであるといたしましても、一応これが続く限りは漸次引続いて値上げをしなくちやならない時期があると私は考えまするので、それがせずに済むか、今度きり、今度値上げをするというようなことにはならないというお考えがあるかということをお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 大体今後の電源開発の進行状況等を考え合せても、先ほど来いろいろ御意見も出ておりますように、一方において現在の物価引下げの対策がその他の要素と噛み合せて相当の効果を発揮し、安定した状態になつて参りますれば、このほうも値上げせずに済ませ得るのではなかろうか、大体こういうふうに考えております。
○小松正雄君 その又反対に、私は政府が予定されておりまするように、電源開発が五カ年を以て、各電力会社のやつておるこの開発が完成することとまあ仮定いたしまする、要するに仮定でなくて、完成いたしました暁には、相当の量がここに緩和されると思いまするし、そういたしますることによつて国民に対するこの電気料金の値上げの反対に値下げをするというときがあると思いまするが、どういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは先のことで、なかなかお答えがしにくいのでございますが、できるだけ値上げせずにこの以後やつて行きたいということを考えておるのでありますが、全部この開発が完成して、そうしてその後平常の状態になつて参りますれば、お話のように或いは下げるということも考え得るかも知れないと思いますが、只今まあその辺の将来絶対に上げないで済むかどうか、或いは更に或時期に上げた場合、その後は下げられるかというようなことについて明確なお答えはちよつとできにくいと思います。
○小松正雄君 そういたしますと、電源開発の基本的な見地から、私重ねてお尋ね申上げますることは、先も同僚委員よりも指摘されておりましたが、多額な金を政府資金を以て、要するに国民の血税であるものを以て、この電源の開発をされておる。五カ年たつて完成された暁には、完成したその電気の量というものをどういうふうに振分け、消費させるかという目的が私はあると思う。その目的なくして、ただ単に電力の開発を五カ年にしぼつて、そうしてその短かい期間、国内電力の需要を満たすというあなたがたの基本的な目的は、私はないような感じもいたしますが、どういうお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 大体今お答えしたことを繰返すことになるかと思うのでありますが、基本的な考え方としては、五カ年計画で電源開発をやつて行く、そうして五カ年後に一応完成するということで考えておりますが、その計画にはいろいろの他の産業計画をやつて行かなければならない。産業計画の動力に対する要請というものを噛み合せて、これだけの電力が必要であるということから計画をしておりますことは申すまでもないわけでございます。それで先ほどから申上げておりますように、建設途上において私はできるだけ値上げは抑えて行きたいとは思いますけれども、完全にそれができるかどうか、御承知の従来の研究によりますれば完成のときぐらいには約三割程度の値上げが必要だというような研究の結果もあるくらいでありますから、的確にその点について明確なお答えをすることはできにくいと思うのであります。
○小松正雄君 そうなつて来ますと、私は電源開発という問題に対して、非常に政府の施策というものに対して不満を抱くものでありまして、例えば行き当りばつたりではないかという考え方をするわけであります。というのは完成の暁には国内の電力を消費をする面には、どういう面に対して、どれだけの量が要つて来るからして、これだけのものを造らなければならないという基本的な考え方があつてこの開発をやられておるということであるならば、でき上つてしまつた以上は、でき上つてしまうまでには電力の料金を上げなくちやならないということについては、国民の負担に関係しないように何とかの方法で成るべくしわ寄せしないようにしようという大臣のお考えに対しては、私も賛成いたします。併しながらでき上つてしまつたらそれまでの間には今お話のように相当な料金の値上げを以て行かなくちやならんだろう。併しそれを持つて行つてでき上つてしまつた暁にはより余力が出て来れば、国民の直接負担しておる、例えば小口消費者といいますか、単なる電力を持つて家の中の電力を持つて行つておる、これらの人たちに、この国の施策に対するために迷惑をかけておるからして、余力が出て来る電力についてはこれらに対するところは下げるとかいうようなことのお考えもあろうと思うことであつて、なお又これがもう一つ進んででき上つてしまつた、でき上つてしまつたが、その量というものは消費するものが少くなつたために、電力は余り、さつき藤田委員からも指摘されたように、電力は溜めておくわけには行かない。これだけの金は費して使つたが、消費するほうが少くなつたというようなことが出て来ると、これがどうなつて来るかというと、国の金を出しておる以上は、再び国に返すというような……。
○委員長(石原幹市郎君) 小松委員、発言中ですが……。
○小松正雄君 或いはもつと、もう一歩進んで、これが消費がないということになれば、どうしてもこれだけ大きな電力の開発をして完成した維持費というものが出て来ない。そういうことになると又より以上な電気料金の値上げをしなくちやならないということが起ると思う。そういうことについてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申上げましたように、五カ年計画が完成した場合というよりは、むしろ需用量がこれだけになるからそれにミイトするような開発をしなければならないということで開発計画を作つておるくらいでございますから、その完成したときの姿が、消費量がどういうふうに配分されるかということにつきましては十分御説明できるだけの資料と見通しを持つております。ただその料金の問題について、完成したから、そうしたらその後はすぐ下げるのか、こういうお尋ねに対しては、私ははつきり申上げかねる。
○委員長(石原幹市郎君) 小松委員にちよいと申上げますが、約束した時間ですから……。
○小松正雄君 一分や五分待つてもらつたつていいはずです。
○委員長(石原幹市郎君) 大臣からどうしても約束してある時間で、困るという話ですから、私は委員長として……。
○小松正雄君 途中でやめられない。それで私は一つ二つの例を挙げて申上げますが、現政府が一つの目的を持つて、例えば終戦後石炭というものをどうしても三千八百万トンから四千二百、四千八百、五千二百、これだけどうしても出さなければ、日本国内の原動力であるために全般の産業の開発ができない、こういう意図、目的のために、諸般の国民の租税からとられた金を各炭鉱業者に貸与える、炭住用の増築だとか、或いは機械の設備だとか、設備資金その他において金を出して貸して、そして目的の五千二百万トンを確保するために政府はそういう指導をやる。さて出るようになつたらどういうようになつたかというと、石炭は余つて要らないから買わない。受けたものは誰かというと業者が一番迷惑しておる。業者が迷惑すると言えばどういうことかと言えば、すでに残つているのは固定資産に変えられる炭住とか設備とか、こういうことである。こういうふうにして政府が是非五千三百万トン出さなくては日本の国の産業は麻痺するのだ、困るのだという目的の下にさせておいて、そうしてそういうことがあるのが一つと、只今松平、委員からも御指摘されたように先国会で大臣はこの可然性織物に対してどう考えられるかという問題について、我々も陳情者と共に御相談申上げて出先機関でもつて何とかこれの緩和するように斡旋運動をしてもらいたい、大臣もそうさせる、こういうことを言われて、それが中途にして先国会で御報告の中で、中途の報告の中では一応見通しがついた、アメリカの国会でも認めてもらうようになつた、こういうふうにはつきり言明せられたために本日ここに来られておるかたもおられると思いますが、それを受けて立つほうは、業者はもう大丈夫だ、金を貸してやれ、どうしてやれと、そうして今日の段階になつたらどうか、新聞では下院の委員長が問題としないためにそこで又御心配なさつて、後どうするかというお話が出ております。この電源開発がこの五カ年後に立派に完成しても受入れするほうの国内の産業が目的通りに、政府の目的通りにでき上つたものが全部使用せられればいいが、若しせられないということの段階が来た場合により以上国民に、これが個人的な考え方の電力会社である限りは必ず又電力料金の値上げが来る、こういうふうな考えを私は例を挙げて考えますので、私特に今お伺いしているわけであります。でき上つてしまつたならば余剰が出て来るから国民にも、消費者に対しては値段を下げるというくらいなお気持のことだけくらいは、この際大臣としては予定を組むべきではないかということについて伺つているわけであります。
○国務大臣(愛知揆一君) 御意見のほどはよくわかりました。先ほど来申しておりますように、私はこの今の五ヵ年計画が済んで、その完成の暁に電力が余つてしまつて困るという事態は万万私は起るまいと思います。少くともはつきり申上げ得ると思いますることは、その際余つたから又これを値上げによつてカバーするというようなことはもう断じてすべきではない、このことだけははつきり申上げ得ると思うんです。ただ果して料金をそんなら下げられるかという御質問についてはちよつとこれは明確にお答えができない、正直に申上げているわけでございます。
○委員長(石原幹市郎君) これで通産大臣に対する質疑は明日にして、他の説明員はまだおりますから若しありましたら続行したいと思います。
○藤田進君 それでは明日は午前中で恐らく大臣だけでそれは終つてしまうと思います。それでいろいろ皆さん関心を持たれている問題でもあり、従つて簡潔にやらざるを得ないのですが、私は取りあえず中小企業金融公庫、見えておられると思いますが、取りあえずそれが一点、それから大蔵省当局、どなたでしたか。
○委員長(石原幹市郎君) 官房長以下見えております。
○藤田進君 お答えができるかどうかわかりませんが、今の所管でないかも知らんが、料金に関連する別の方法の問題、その点を若干聞いて……、そうですね、十分ぐらい頂きたいのです。下手な答弁になると二十分になるが……。
○委員長(石原幹市郎君) ほかの委員のかた、よろしうございますか……。
○藤田進君 中小企業金融公庫にお伺いたしますが、その都度なかなか金融公庫は手際のいい資料を出して頂いて非常にわかりやすいのですが、その資料に基いてこの前は坂口総裁もお見えになつていたのですが、どうも私ども見まして金融公庫法を審議した我々としては少しこの運営について、これはまあいろいろな諸般の政治力が入つたり何かしてうまく行かないので、却つて中小企業金融公庫の当事者の皆さんが動きにくい面もあるのじやないだろうかというふうにもまあ考えるわけなんです。それであの法案審議のときに貸席業というか、旅館業というか、そういうものにも是非金を貸すようにやるべきだ、何だかんだ議論があつて、中小企業庁当時の長官の答弁では、その種のものについてはできるだけ一つあと廻しにしてもつと急を要するものが製造業その他あるということで、我我も是非そうしてもらいたい。この際旅館業とか、飲食業、貸席業といいますか、遊郭みたいなものとか、そんなものに金を貸すなんということはまだまだ次の次で、余つたときにどうしようかというときに貸す場合もあるであろうしということで、その点は注意を喚起したわけですが、今度の表を見るとまあこれが四億何ぼでしたか、五億に近いものになつちやつているのですね、これは相当のウエイトになつていますよ、これは。この前どういうところに一体貸付けられておるのかということを伺つたのですが、未だに出て来ない。出て来ないときに一体どうなるだろうかということを疑問に思うわけでありまして、なかなかお答えにくい問題でしようが、我々の見たところでは日本の今中小企業がデフレ政策等でしわ寄せになつて困つておるという部面はおわかりのように必ずしも旅館業でもなかろう。その次には医業ですね、医業なんか歯科医と分けてあつたりいたしますがね。今度の分類などについても運送業、運送取扱業、通運事業というようなカテゴリーに分けてあるのですけれども、一緒のものになつてしまえば相当のものになつてしまつておるというふうな感じがするのですが、取りあえず一点伺いたいのは先ほどの旅館業、名前は最近変えられたような気がするのですが、貸間業とか何とかいうものに何か変つたような気がいたします。それで非常にこれが多いので、これは私どもとしては賛成しがたいのですが、実情はわかりません、私の知つておる限りでは少し出し過ぎているのじやないだろうかというふうに思いますので、どういうところに、どういう理由があつてかような五億にもなんなんとするものが、増大せんとするまだ傾向にあるが、貸さざるを得ないのか、わかりやすく説明を頂きたい点なんです。
○参考人(中野哲夫君) お手許に差上げてありまする業種別の一番左の欄は政令にかように十八業種が列挙してあるわけでございまして、それで貸出対象はこういう業種に限る、こういつた政令の上での形に相成つておるのですが、お話の通り旅館業につきましてはいわゆる温泉マークとか、遊興を主とするような旅館もあるわけでございまして、さようなものについては当初から公庫といたしましては貸出をいたさない。そういうことで只今の取扱といたしましては、外人の宿泊を主とするいわゆる国際観光ホテル整備法に基くホテル、或いは国鉄推薦のホテルというように外客誘致に役立つもの、少くとも健全な宿泊の用に供する宿歴ということに限ることにいたしておるのでございます。併しながらそれにいたしましても順を追うて件数、金額が多くなつて参ります。又お医者さんの関係につきましても、この表にあります通り、ほぼ一割に達するというようなことでございまして、中小企業金融公庫において余り多くの件数を今申上げましたサービス業、医業、旅館業というようなもので占めるということは如何かと思われるので、平常は各代理店に伺いまして、殊に先般閣議できめられましたデフレ政策下における金融のあり方というような大綱に副いまして、私どものほうとしてはこれには貸したくないという言い方でなしに、輸出品の製造に従事する企業とか、或いは生活必需品に関係する企業とか、或いは重要産業の関連下請産業等に或る極の重点を置いて立派な融資対象を先ず取上げて欲しい、こういう指導を従来ともいたして参つたのでございます。尤もさような指導方針だけでこういう情勢、旅館等に余りに多く参りますということにつきましては、最近若干の融資規制というと少し荒立つのでございますが、好ましい製造業等により一層の資金が廻りますために、サービス業等について若干の抑制を加えるということにいたしまして、目下監督官庁とも打合せて、さような方針を準備を急いでおるような次第でございます。なお冒頭にございました外部からのいろいろな圧力等によつて心ならずも貸すというような事態がないかというようなお話でございますが、これは私ども役職員として、さような感じによつて心ならずも融資するというようなことは全然いたしておりません。現にここにございます通り、約八千件に近い件数のうち、我々役職員が一度もお目にかかつたことがなくてかような融資が行われておるという事例が殆んど九割以上がそうでございまして、一〇%未満のかたがいろいろ御紹介その他で私ども公庫でお会いするというような状況でございますので、さような点は只今のところ御心配要らないかと思います。
○藤田進君 いろいろ結果だけ見ては論じられないことなんですが、医業などについてはこれはかなり出ていて、十三億になんなんとしていますね。一般の常識としてはお医者さんというのは比較的経営状態はいい。これは病院などもあるかも知れませんけれども。ですから要はその内容を或る程度、七千数百件をというわけに行きませんが、例えば旅館業あたり最高一千万円ぐらいか何かだつたろうと思うのです。ですから例えば衆議院議長のプリンスホテルなどは出ているのか出ていないのか見たいわけです。そうおつしやつても書類を見れば誰だつてわかることなんで、何とも奇異に感じましてね。それを一つお出し頂けないものだろうか、どうだろうか。どこにどれだけ行つているのかということですね。せめて旅館業だけ……。
○参考人(中野哲夫君) 大変お言葉を返すようでございますが、これは私も素人でよく知らんのでございますが、金融機関といたしますと、個々の貸付先の公表はいたさんのがエチケツトというか、慣習になつているようでございまして、只今御指摘のような、特に何といいますか、外客誘致にも何ら関係がない、又健全な旅客に宿泊の施設を供するにも役に立たん、遊興を主とし或いはその他好ましくない方面には只今のところ融資いたしておりませんのでさよう御了承願えれば大変仕合せに存じます。
○藤田進君 これはやはりその資料をとることは、もういろいろかくも議論され、衆議院でも丁度これと同じように貸付銀行の関係も十九国会に出ております。やはりこれは出して頂く方法はあると思いますから、どうしても素直に出されないということになれば別の方法を考えなければならんと思います。いやしくも国会で見れないというのは、たまたま国会法改正の途上にもありますしと思いますけれども、そこまで行かないで、無論公表して新聞紙に堂々と出ませんでも、秘密会にするなり適当な方法で、適正な運用をされているかどうかということを立法者としては見る必要があるわけです。そういう意味で考慮して頂きたい。即答は結構だと思います。
○海野三朗君 この法案を通しましたときには、旅館業も入り得るというような、営業も入り得るというわけであつたのであります。ところが今日ではこの貸付方を見るというと、甚だ目的に副わない。大分横這いしている。これは何でこういうことになるかと申しますと、中小企業金融公庫が銀行の窓口を通すからなのである。通すのは悪いのじやありません。銀行屋というのは金さえ儲かれば何でもいいのだ。或いは売春の宿でも何でも儲けさえあればいいのだという、単に利益を追求するという、利息を追求するという銀行屋の窓口にのみ信頼しているからこういう結果になると思います。本当に国家の産業の上において、何とかして救わなければならないという趣旨でできたこの公庫の目的が非常にずれておる。これはつまり今の公庫のあり方が悪いのじやないかと私は考えるのでありますが、そういう点について如何ようにお考えになつておりますか。銀行だけを窓口にして、銀行がいいと言えばいいというようなふうに、他力本願にお考えになつているから、私は根本の誤りが出て来ると思いますが、如何ようにお考えになりますか。
○参考人(中野哲夫君) 平素代理金融機関に対しましては、公庫の運用方針について、契約書或いは業務方法書等によりまして、当初から十分公庫の方針をのみ込んで頂き、その他機会あるごとにブロツク会議等において説明を加えておりまして、公庫の方針に協力いたしてもらつているのでございます。まあ大多数の代理銀行については、さような協力が得られているものと考えているのでございまするが、若干の代理店におきましては、或いは只今御指摘のようにまあ私ども常識的に見ましても、旅館或いはお医者さんなどは元利回収が製造工業等に比べると楽であるというようなことも考えられるわけでございまして、先ほども申上げました通り、公庫融資は、これは焦付き覚悟というわけにも参りませんが、元利回収は二の次に、その中小企業が政府資金によつて一層基礎が固まる、繁栄に向うというところが主なんであるということを機会あるごとに申しているわけでございます。併しなおそういう点が部分的に逸脱するというような傾向も見えないではございませんので、最近の機会において、先ほど申上げました通り、もつと公庫融資の内容が適切になる方向へ一種のコントロールを加える方針を以て只今準備をいたしているような次第で、今後さような点をだんだん直して参りたい。かように考えております。
○海野三朗君 その具体的な方法について如何なる御構想がおありですか。それをちよつと承わりたいと思うのです。ただ銀行だけにお任せになつていると、どうしたつてそういうことになるのです。金利が間違いなくきちんきちんと入つて来るところを主にするものでありますから、事業で以て利益の割合に少いような中小工業や何か、それはあと廻しというふうに銀行はやつているので、そもそもこの公庫の本来の目的に副わない、これを副わせるためにはどういうふうな御構想をお持ちになつているか。それをちよつとお伺いいたしたいのであります。
○参考人(中野哲夫君) まあ根本的には、やはり現在の中小企業のうち、育成振興すべきものといたしましては、自主経済の達成に寄与するような産業を中心といたすべきでございますので、かような案件をできるだけ優先的に取上げてもらいたい、そのためにいわゆる公庫資金の枠というものを、資金枠というものをあらかじめ各金融機関にお示ししてあるのでございまするが、その枠がそのために不足になつた、足りなくなつたというような場合には、案件の内容によつて随時それを増加して殖やして差上げるというような積極的な意味の奨励策もとりたいと思つております。それからもう一つ、消極的に、例えば旅館業等につきましては、現在行なつておりまする融資規制に更に制限を加えまして自己資金の調達率をもつと多くするとか、或いは遊興に兼ね用いられるような旅館についてはいつそ融資をお断りするというような形に変える等のことも考えておりまして、だんだん代理貸制度を前提とする以上は、代理店のさような指導と、こちらからの指令によつてこれを血かして行くという方法によらざるを得ないと思います。まあ根本的には、私も、今お話の通り、営利性を基本といたしまする民間代理銀行に業務を委託するということの場合には、或る程度の制約はこれは避け得ないかと思いまするが、さればと申しまして、今にわかに公庫が直接貸を始めるという段階でもございませんので、只今の代理制度の下に極力弊害の少い方向に今後持つて行くことに努力いたしたいと思つております。
○藤田進君 先ほど通産大臣の答弁はお聞きの通りで、要は、各省において事前のやはり案を今検討中である、各省と言つても、これが恐らく労働省でやつているものでもない、農林省も恐らくやつていない、これはもう大蔵省が何と言つても新聞紙上伝えているところもそうなんですが、税金なり金利なりの問題をやつているに違いないと私は見ていますが、やつているのかやつていないのか。やつているとすればどういうことになるのか。税で以てこれが操作できるものかどうかについて我我は疑問を持つわけですね。例えば今度の各社別の九社の状況を見ると、上げる所あり、通産省の査定によると、まあ数字は僅かにしても下げる所がある。こうなりますと、或る社においては税金が安い、或る社は税金が高かつたりというようなことになつたり、金利が高かつたり安かつたり、そんなことはこれは無理な話じやないでしようか。併し政府としてそういうことを今やろうと思つて作業をしておる、こういうことなんで、直接衝に当つておる大蔵省はどうお考えか。新聞ではそれは無理だ、できないというようなことがその筋の意向として過般伝えられていたんです。そういうことをお伺いしたいのです。作業の程度がどうであるかという点です。
○説明員(石田正君) 簡単に申上げますると、こういう値上げ問題が起りますにつきましては、各電力会社におきまするところの収入支出の状況、まあ減価償却でございますが、起つて来る。それをどういうふうに措置するかという、こういう問題に相成るだろうと思います。それにつきましては先ほど来私も拝聴いたしておつたのでありますが、これは通産省では確たる根拠に基いて六・八%という案をお出しになつているわけでございますが、我々といたしましても、税金或いは金利の問題を考えるに先立ちまして、それらの問題につきましてもう少しよく我々といたしましても研究をそういう問題があるならばいたしたい、これは税金のことを考えます場合、或いは金利のことを考えまする場合、大蔵省といたしまして当然そういう点も実は考えなければならんかというふうに考えております。それからそういうふうな問題との関連におきまして、税のほうをどうするか、こういう問題につきましては、まあ問題といたしましては御指摘のありましたような点、要するに会社別に税というものを変えるということができるかどうか、或いは成る点については共通な点があるので、これはやれるというような面がありますかどうか、それから金利の点につきましては、まあ金利で行くというようなことであれば、どういうふうなことで考えられるだろうかというような点につきまして、目下いろいろ通産省と御相談いたしておる、こういうふうな段階でございます。
○藤田進君 それじやなしに、話合いの内容として、一体そういうことができるのかできないのか。作業を始めているのに、できないなら初めからその作業がないはずなんです。それを聞いているんです。
○説明員(石田正君) これは我々のほうの大蔵省の立場といたしましては、通産省におきまして電力値上げを必要とする、これに対して先ほど来通産大臣からお話がありましたように、現在の情勢においてそういうことは成るべく避けたほうがいいのではないか、こういうふうなお考えで、それに代りまして何か変つた方法はないかというふうな点といたしまして、今お話のありましたような、まあ税の問題とか、或いは金利の問題とかというものがあるわけでございます。これにつきまして今申しましたように、これは政府の態度を通産大臣が申されたのでありまして、政府といたしましては検討をいたしておる。これは検討いたしました結果、その税のほうではやることはとてもできない、金利の問題は話にならんというふうなことで、初めからそういう問題は駄目なんでございますという態度で断わるという態度ではなくして、よく御相談いたしまして、どういうふうにしたらいいかということにつきまして、まあ適当な方法を、国のため、全体としていいような方法があれば考えたい、こういう気持で検討いたしておる次第でございます。
○藤田進君 それはどこでやつているのですか。担当は何局ですか。
○説明員(石田正君) 大蔵省といたしましては、金融の問題につきましては御承知の通りに銀行局が所管でございます。それから税の問題といたしましては、これは主税局に相成ります。それから、なお、この税の問題、或いは金利の問題、これは若し税制で何するということにいたしますれば、直ちに収入に響いて来ることでございます。これは主計局にも関係のあることでございます。従つて関係の各局がそれぞれ一緒になりまして研究いたしておるのでございます。
○藤田進君 今主税局長が見えておりますか。
○委員長(石原幹市郎君) 主税局長は見えておりません。銀行局の総務課長、大臣官房調査課長、広瀬主計官が見えております。
○藤田進君 今の金利の問題もですが、やつて見ないことには、やれるかやれないかわからんとおつしやいましたが、やはり仮に固定資産税、法人税等を考えて御覧なさい。会社別に電気事業と他産業の問題もありましよう、けれども同じ電気事業の中で御覧になる通り、値上率というものは違う。下げる所と上げる所がえらく違う。それを会社別に税でやると言つて見てもそれはできるんですか。法人税は、何会社は何%、何会社は何%というようなことで、税金なんかこれは検討の余地のある問題なんですかどうかを聞きたいんです。
○説明員(石田正君) 率直に申しまして、これは非常にむずかしい問題でございます。普通の考え方から申しますれば、今までの普通の常識からすればむずかしい問題だと思います。併しまあこれは研究して見ないことには、なかなか結論もそう簡単に初めからできないものでございますというのも如何かと思うのでございまして、とにかく我々といたしましては研究さして頂きたいと思つている次第でございます。
○松平勇雄君 これは新聞紙上で承知したんですが、愛知通産大臣が閣議に諮つた場合に、その値上げの問題に対して非常に反対されたのは大蔵大臣と聞いているわけであります。大蔵大臣が反対されたのには、相当な根拠があつて値上げに反対されたと思います。その根拠というものは事務当局で私は作成されたんだと思いますが、今伺うと、これから研究するというようなことでは、私はそんな程度で大蔵大臣がああいうふうに強く反対されたとは思えないんですが、その点はどうですか。
○説明員(石田正君) これは電力料金の問題は、先ほど来もお話がございましたように、非常に関係するところが大きい問題でございます。従いまして、経済全般に及ぼす影響がどうであるかということも慎重に考えなければならないということは、閣員の一人といたしまして大蔵大臣も当然考えられることだと思います。それから又御承知の通り、今財政につきましても金融につきましても、緊縮政策を実行いたしまして、物価につきましても国際競争力がつきますようなことでやつておる最中でございます。こういう際に電力料金の問題につきまして、それをすぐ上げるというような問題になりますれば、全体の政策にも影響するところでございますので、大蔵省としてはできるだけ電力料金の値上げなしに済まして頂きたい、これがやはり大蔵省の基本的立場でございます。そこでそういうふうに上げなかつたら一体どうするんだという問題がその次に出て来るわけでございます。甚だ不勉強でございますけれども、我々のほうといたしましても、非常にむずかしい中身の問題でございます。御承知の通りに原価計算がどういうふうになつておるかということにつきましては、非常にむずかしい問題なんでございます。そういうふうな問題につきましてどれだけの値上げがどうしても必要であるかどうか、或いはどういうふうなことをしたらばどれだけ値上率というものが縮まるのであるか、それから又場合によつては電力の料金を上げなくても経営的にやつて行ける点があるのかどうかという問題につきましては、これは慎重に研究いたしたいと我々は考えておるわけであります。従いまして二日や三日で結論を出すというようなことでなしに、何もこれは等閑に附するわけではございませんけれども、大蔵省の各事務当局は、公営事業局のかたのお話を伺いまして研究いたしておるというのが現段階でございます。
○松平勇雄君 そうしますと、大蔵大臣が反対されたというのは、ただそういつたような、いわゆるデフレの政策をとつているから、そういつた見地から値上げは反対だと漠然と言われたわけですね。通産大臣としては、現行制度においては事務的に言つて六分八厘というものはどうしても値上げしなければいけないという、現行の制度ということを非常に強調しておられるわけでありますが、結局それは六分八厘の値上げを見込むとすれば、現行制度を多少変えなければならん。変える分はどこにあるかということは大蔵省の管轄にあるものが相当大きなものを占めているわけであります。例えば税金の問題もありましようし、金利の問題もありましよう。それから減価償却の年限の延長の問題とか、いろいろなことがあると思うんですが、そういつたものは或る程度私は研究されての上の大蔵大臣の閣議の発言と、私はこういうふうに思つておつたんですが、そうじやないんですか。
○説明員(石田正君) 大蔵省の立場をもう一遍繰返しますと二つの立場があるわけでございます。 先ず第一の段階におきましては今大蔵省がまあ中心になつておりますが、遂行しております緊縮方針の下におきまして、できるだけ値上げは回避して頂きたい、これが第一点でございます。 それと、今度はそれならどうしたらいいのかという問題が具体的に起つて参るわけであります。この具体的な問題につきましては率直に申しまして我々は素人であるわけであります、素人でありますれどもいろいろお話を承わつて見ますると、先ほどもお話がありましたいろいろの値上率というものがございますが、大蔵省が今度大蔵省の面として税や或いは金利の問題でお前のほうは一つ考えてもないかということになりますれば、税につきましてはとにかく税制の改正ということをしなければなりません。これは国の税制のみならず地方の税制にも関連のある問題が多いわけでございます。地方税をいじりますれば、最近の地方財政の状況から言えば又国の財政にはね返つて来る、こういう問題もあるわけであります。金利の問題にいたしましても、例えば開発銀行が今六分五厘で貸しておりますけれども、これも資金運用部のほうの金が主として行くような関係もございまして、大体六分五厘で採算をとつておる。これが例えば値下をするということになりますれば、開発銀行はそこで採算割れを来たす、こういう問題もあるわけであります。それから又全体の資金計画にも狂いが来る、こういう問題になつて参ります。そうなつて参りますと元へ遡つてもう少し今通産省でお出しになつております数字を我々としても検討さして頂きたい、こういうことに、相成るわけであります。その意味におきまして現在検討さして頂いておる、こういう意味でございます。
○松平勇雄君 もう一つ。それじやその研究は大体あとどのくらいかかつてほぼその研究は完成されるのでございますか。ただ研究々々と言つてもどのくらい……。やつぱり緊急に迫つている問題だと思うのです、この電気料金を上げる問題は……。
○説明員(石田正君) これは非常にむずかしい問題でございまして、率直に申しまして、例えばあとどれだけの期間の間に結論を出すのだということは私としては率直に申しまして遺憾ながら申上げかねるのでございますが、併しながら決してなおざりにしておるわけではございません。と同時に、これは先ほど来も申しましたのでございますが、非常に大きな問題でございますから我々の検討といたしましても、又いろいろ検討の上又間違つた検討もあるわけでございまして、それらの点につきましては公益事業局といろいろお話をしなければならんと思いますが、それらの点につきましては慎重に検討したいと思うのであります。
○天田勝正君 私は先ず中小企業金融公庫の関係で関連してお伺いいたしたいと思いますが、丁度幸い金融公庫は大蔵、通産両省の共管になつておる。そこで両官房長も見えておりますから両官房長から共に伺いたいわけですが、元来この公庫の立法の趣旨は申すまでもなく日本の経済が破綻する一番大きな原因となる中小企業に支えを与える。併しそれが国家の資金で支えを与えるのでありますから何もかも突つくるめて支えを与えるということではなかつた。ところがこれは中小企業金融公庫の中の、参考人のおつしやるところによれば今後の扱いで今後十分注意して行きたいということでありますが、むしろその扱いよりも政令が問題である。政令が出るときに立法の精神などが蹂躙されるということがしばしばあるし、私がこれが極めていい例だということ、まあ悪い例のほうですが当てはまつた例だと私は思う。この業種というものが十八あつて、これが並列主義になつておる。順位主義ではない。並列主義であるから理窟からすれば公庫側とすれば対等に扱うよりほかに仕方がない。さつきから藤田委員も例を引かれておりましたが、例えば旅館業、こういうものがあると思えば公衆浴場もある。そういたしますと東京温泉みたいなものはどつちにでも当てはまつていずれにでも借りられる。誠に枠が広い。それに反して今日物を殖やすということが最も必要なんで、製造業ということになれば、或いは工業、物を生産する、又それに直接関連したものという業種ならこれは一番上の順位に置かなければならん。ところが用もなさそうなものまでも並列主義にやつて来たのは一体どういうわけだ。これは私は立法の精神を蹂躙したものだ、こういうふうに考えるわけですが、それらの経緯、又これを改正する用意があるかどうか、これが質問ですが、なお例を挙げれば、例えば物品販売業、こういうのがございますが、物品販売業だからすべていけないという意味ではありませんけれども、併しウエイトをつければこれはおのずから明らかである。今日小売商等が多過ぎて、四苦八苦で店でも何でも不生産的にどんどん直さなければ客の入りが悪いという状況です。そういうものを製造工業等と同列に扱うということはどう考えても納得行かないし、金融公庫が末端を持つているならばいいんですよ、ところが末端の金融は一般の市中銀行等が扱つているのですが、そうなるとどうしても販売業により余計に貸すのです。これは回収が早い、こういうことなんです。そういう利潤追求主義から離れた機関を作らなければならないというのが、そもそもこれは国民金融公庫にしても、中小企業金融公庫にしても国が出資しなければならない大きな理由です。これを見失つたら大変です。説明が長くなりますが、例えば医業、歯科医業でも見て御覧なさい、皆その業界に聞いて見たらこれだけ多くなつてはたまりませんということを言つている。そこで若し国家資金を使うならば結核の療養所にベツドを国家資金で以て殖やす、或いは癩療養所を完備させるとか、おのずからその資金のやりかたというものは金融公庫を通じなくても考えなければならない筋があると思う。金融公庫を通じてやらなければならないということは、日本経済に必要な中小企業が倒産している、その支えにするということであるし、だから日本の経済からすれば物を生産する、又それに関連するもの、こういうところに重きを置かなければならんと思うのですが、大変説明が長くなりましたが、どうもそれから見ますと政令の趣旨は立法の精神に相反していると思いますが、これについて御意見がございましたら、両官房長から承わつておきたい。
○説明員(記内角一君) 両省の官房長からということでございますが、所管の私から一応お答え申上げておきます。勿論本来の公庫設立の趣旨は、御指摘のように物品製造業等を中心といたしました一般中小企業というものの、何と申しますか、資金繰りを援助するということを中心にいたしているわけでございます。併しながらこれは物品製造業に限るわけでもございませんで、やはり勿論その間に甲乙若干の差異はございましようけれども、やはりいわゆる中小資本によつて営業をいたしているものは或る程度これを助長して行かなければならんという考え方の下に設立いたされているものと了承いたしております。従いましてその政令の指定につきましても、最初におきましては必要最小限度にとどめておりましたが、順次公庫の陣容が整つて参りますにつれまして、それに応じて必要な部門であります業種も追加指定するというふうな状態に相成つているわけでございます。勿論政令の形式におきましてはこの指定業種別に甲乙はないように相成つておりますけれども、併し御指摘のようにその間にはおのずから逕庭があるはずでございまして、この面は専ら運用によつてこれをセーブして参りたいというふうに考えている次第でございます。従いまして御指摘のような、例えば旅館業、或いは浴場業というようなものにつきましても、それぞれその取扱の細目等によりまして、この運用の適正を期して参りたい、又現在公庫自身におきましてもそういう意図の下にこの資金の運用をいたしておるというふうに承知しておる次第ございます。なお我々といたしましては、更に御指摘のような点も考慮いたされますので、より具体的にその範囲をできます限り御期待に副うような方向に持つて行つて、しぼつた形において運用して参るようにいたしたいと、目下その細目を検討いたしておるような次第でございます。
○天田勝正君 最後の御答弁のところ、そういたしますると、研究の結果政令を変えて、不急不用なものをその政令から除く、こういう研究も含めて研究するということでございましようか。
○説明員(記内角一君) 或いはそれは政令自体に手を触れまするか、或いは政令の何と申しますか、解釈と申しますか、そのうち、例えば同じ旅館業業にいたしましても普通の温泉マークのついた旅館というふうなものは罷りならん、こういう種類の旅館に限るというふうな政令にいたしますか、或いはそれの運用方針で参りますか、その辺の細目の技術的な面もございますけれども、大体御趣旨のようなラインで進んで参りたいというふうに考えておるところでございます。
○天田勝正君 次に、丁度記内長官に聞こうと思つていたことなのですけれども、日本の下請企業というものは、過日も私この委員会で申上げたのですが、アメリカ型なので部品下請形式をとつておる。日本の製造業に関しては中小企業の形がそうなんです。でありますから、大企業が一つの不渡を出せば連鎖反応が生じまして、一大打撃を受ける、こういう形になつておるのです、そもそも……。そこで手形等の発行についてやはり制限立法をしようかというような意見も一つあるわけですけれども、本当は商習慣というものもありますから、そういう法律的な規制でやるということは、私は余り望ましいとは実は思つていない。そこでそうだとすれば、今の商習慣の中でどうしたらいいか、こうなりますと、先ほど来本院の先般の決議についてこういう処置をとりつつあるという御説明があつたのですが、私はこれは過日議員出張の一員に加りまして、不二越鋼材等見て来たのですが、あそこの例を申上げますれば、下請が全部協同組合を作つておる、そこで協同組合でありますから、勿論信用が増しまして、公的なこうした機関からも融資を受けられる、こういうことになつて、むしろその融資を受けられるが故に親工場のほうもそれで助つているというふうなことも実際やつている。ところがそうさせてしまうと今度は下請の価格で親工場が子工場を叩くことができないのですね、協同組合で同じ歩調で行くのですから……。で、下請工場を意識的にこの価格競争をさせて、意識的にいじめるということがなければ、そういう意図さえなければ、協同組合を結成させて下請工場にも十分この信用力を持たして、又自分は別個に持つている、こういうことで両々助かるはずなのです。現実にそういう例もあるのだけれども、一般にはそれをやらない。やらないことは今言つたように価格競争をさせてより不当に下請工場を圧迫させようという意図がある。この点についての長官の指導といいますか、そういうことについてお考えになつておられましようか。
○説明員(記内角一君) 御指摘の通り下請の問題、非常に厄介な問題があるわけでございますが、今不二越鋼材のお話がございましたが、会社の健全な経営のあり方の一つとしまして、やたらに下請を叩きますということは、却つて何と申しますか、安いようではありますけれども、結果において不良品を納める、又は納期を遅らせるというふうないろいろな不都合な面も出て来るわけでございまして、健全な企業の経営のあり方といたしましては、やはり何と申しても必要な下請企業というものは十分に培養して行くべき筋にあるのではないか、現にそういうふうな意味合いにおきまして下請企業に相当な援助の手を伸ばしておる面もあるわけでございますし、又我々そういう点に着目いたしまして、親企業と下請企業との系列を整備するということで、相当な効果を挙げている事例も持つておるわけでございますが、御指摘のような下請企業をして協同組合を作らせまして、その間に、親企業と下請企業との間の緊密な連絡を図らせますと共に、最近の金詰りに対応しました適切な資金融通の便益を図らせるというふうなことも非常に必要なことだと思つて、それぞれ下請なり或いは親企業になり話合いを進めておるわけでございます。ただ何分にも今お話のような必ずしもそれに同調しないような、むしろこの機会を利用して下請を叩いて行こうというふうな考え方を持つている企業も又相当ございます。そういうものに押されまして、組合が作りたくとも組合を作れない、組合を作りますと下請のグループから排除して、肝腎の注文がなくなるというふうなことを恐れまして、組合を作りたがらないというふうな面も多分にあるわけでございます。私どもといたしましては、これを強制するわけには参りませんけれども、漸次組合制度というものを整備いたしまして、親企業のほうがむやみに下請を、個人個人の下請を叩くことのないような恰好に持つて参りたい、又親企業に対しましては、いわゆる健全な企業の経営の形としまして、やはり下請企業を相当育成補導して行く責任があり、又そのほうが結局において親企業の利益になるのだということを説得いたしまして、そういう方向に進めて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○天田勝正君 ついでに希望しておきますが、戦時中の大会社の下請が協力会等を作つておりましたが、ああいう形をとると親工場のほうで下請工場に不当な競争をせしめることができない、下請工場同志の関係が密接になります。そこでその意図さえなければ、下請工場同士の協同組合によつて信用力を高めさせたほうがむしろ親工場は助かる。それをあえてさせないということは、繰返すようですが、その価格による不当競争をさせようという意図から来ておるのです。ですから今の法律的にはそれは強制不可能でありましようけれども、是非これはますます指導してもらいたい、これは希望しておきます。 それから次は、これは一点だけで終りますが、幾たびかこの委員会でも、又大蔵委員会でも指摘されたことなんでありますが、この国民金融公庫にいたしましても、こうした中小企業金融公庫にいたしましても、末端の取扱の多くは市中銀行なんです、或いは信用金庫、それらが扱つておるわけです。そういたしますと、ここへ行つた場合には必ず自分のところへ何がしかの、預金請求のようなことになつて、実際はその条件を呑まなければ貸してもらえない、或いは貸しても、もらう一カ月前なりに、月ぎめの何と申しますか預金なり、或いは日掛式のことをやつておるところもありますが、とにかくそういうことで一つの条件を付けられて、結果においてはその貸される金の何分の一かは引かれたものでなければ自分は使用することができない。これがもう大方の例なんです。で、そういうことならばこれ又中小企業金融公庫を作つた立法の精神に反する。元来一般の市中銀行からやすやすと借りられないが故に、こうした金の資金によつて産業の支えにしよう、こういうことであるのに却つてこれがために市中銀行が資金の描き集めの極めていい口実にされるというようなことで、実際に利用者のほうは二十万円借りるならば五万円はもうこれは釘付けになる、十五万円しか手には入らない、結局高い金を借りているという結果に陥る。こういうことは幾たびか指摘されておるのですが、その監督等はどうされておるのでしようか。
○説明員(石田正君) 一般金融機関につきましていわゆる両建預金と申しますか、そういうことがありまして弊害があるということはこれは累次御指摘を受けておることでございます。特に中小企業金融機関につきまして、或いは国民金融公庫とか、或いは中小企業金融公庫とかいうふうに、その本来の使命から行きまして割合に弱いところの企業を育成しなければならないという使命を持つておるところの代行機関としてやつておりまするところのいろいろな一般金融機関がそういうことで中小企業者を苦しめるということは誠に遺憾なことでございます。これにつきましてはこれはただこういう手を打つたら一挙に解決するというわけにはなかなか参らないのでございますが、大蔵省といたしましては本年の五月におきましても特にその点を厳重に取締るということの通牒も出しているのみならず、又銀行の検査はこれは大蔵省が直接やるのもございますが、地方の財務局等も無論これはいたしますが、そういう場合におきましてできるだけそういうものについて是正もし、又悪いものははつきりした場合には相当の処分をするということを通達をいたしておりますし、又実行いたして参りたいと、かように思つておる次第であります。
○委員長(石原幹市郎君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて下さい。 それではこれで散会いたします。 午後五時四十九分散会