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19回国会参議院1954/05/11

通商産業・水産連合委員会 第2号

発言数
25
登壇者
7
会派数
3
開催日
1954/05/11

会議録

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業・水産連合委員会を開きます。  前回に引続きまして質疑を続行いたします。どうぞ順次御発言をお願いいたします。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 外務省のかたおられますか。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 寺岡参事官が見えております。追つて小瀧政務次官が見えるはずでございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今回問題になつております、この水産を中心とする日ソ貿易促進決議案なるものは御承知でしようか……御承知のことを前提にして質問したいと思います。  それでは、水産関係だけに限定して代表が出て行くという場合におきましては、外務当局としては渡航を認められるおつもりであろうかどうか、その点伺いたい。

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) 水産関係につきましても、実は原則としては外務省は認めない建前でございますが、併しながら、水産関係で非常に業界として重要であるということがあるならば、これには十分考慮して例外的な措置は認めなければならん。併しながら、現在までで過去におきまして例外を認めたケースが二つございます。一つは中国に対する経済使節団の派遣、もう一つはソ連に対する赤十字の代表の派遣、この二つのケースがまああるわけとございまして、これは経済使節の派遣につきましては御承知のように院議がございまして、是非出せということでございましたので例外といたしました。それから、ソ連に対する赤十字の代表につきましては、いわゆる引揚の促進ということで、これは赤十字が交渉いたしました結果大体見通しがありましたし、殊に引揚という国家的な問題でもございましたので、これをまあやりました。こういう趣旨で二つの例外を認めたのであります。従つて水産関係につきましてはそれと同じようなラインで例外として考え得るという態度を明らかにしておつたのでありますが、具体的に問題が提起されておりませんのでそれ自体につきましてはまだ何ら審議をしておりません。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 水産関係に限定したならば院議がなくてもこれは特別の除外例として現下の北洋漁業の実情から見てお認めになるというふうに了解してよろしいですか

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) 大体そのように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 北洋漁業の漁場の拡大に関連いたしまして、日ソ貿易を促進することが恐らくその際にも問題になつて来るかと思われるのでありますが、又現下の日ソ貿易の実情から見まして、艦船の修理については先方も希望する、又我が国の造船事業の実情から見てもむしろこれを受入れるべきだというようなことも考えられまするし、又その見返りとしては、北洋材等のソ連からの輸入というようなことも考えられるわけありますが、事は水産関係から始まるが漸次日ソの貿易促進に触れて行くことに相成ろうかと思うのでありまして、そういう面から考えると、この際むしろ日ソ貿易の見地から通商代表というようなものを民間代表にして送るというようなことも現下の実情から見まして必要であり、又考えるべきことだと思われるのですが、これについてはどういうお考えを持つておられるか。

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) 通商関係重視ということは、これは本来やはり平和関係が回復しておるという前提の下に初めて可能なのでございますが、現在日ソ間に貿易がないかというと、ないわけではございません。併しまあ日ソ間には貿易は戦前でも長い間杜絶されておりましたから、果してどういうふうに行くか、これははつきりしたデータがないわけでございますが、現在までのところはソ連側といたしましても船の修理ということが主になつておりまして、ソ連は従来から輸入第一主義でございまして、輸入の物資が入つて初めて輸出を考える。従つて現在の日ソ間の貿易につきましては、船の修理乃至は船舶を建造するということが飽くまでも主体になつて来ておるように考えております。従いまして実は前から問題になつておりましたのは、その船舶の修理につきましては、ソ連人の技師が日本に入つて来て造船の状態乃至は流船の設備の工合というものを見ない限りは契約ができないわけで、ソ連人の入国という問題が、従来から起つて来たわけです。そこで私どもの考えます限りにおきましては、ソ連人の人国という問題が、現在行われております日ソの貿易の鍵でございまして、こちらから行くというよりはむしろ向うから来る。これも技術者乃至はソ連の契約の担当者というものが日本に来るというのが重点であるように実は考えておるわけでございます。従いまして通商関係重視と言いますとこれは非常に観念的な問題になりますので、私からはお答えできませんが、現在私の承知いたします限りにおきましては、ソ連との貿易は船の関係でありますと船の関係者、つまり技師だとか貿易担当官というものが日本に来るということが実は問題であると、こう考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 只今の御答弁から端的に言うと、通商代表、或いは経済代表を送るということは、只今の段階からはまだ困難である、併しながら水産関係北洋漁業だけに限定してこの代表を送るということならば渡航免許については考え得るというようなふうに了解してよろしいでしようか。

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) 私に関する限りはその通りと考えております。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 今水産のほうの関係からいろいろ御質問が出ておりました。この前の合同委員会におきまして、私がこの学界方面における学者の招待がソ連から日本の学界に発せられた際にこれに旅券を交付しなかつたということもこの前、外務次官から伺つたのでありますが、そういうふうな私から見まするというとソ連に対してはアメリカの御機嫌を窺つて一顰一笑に気を配つておる日本の外交方針であるように考えられるのでありますが、学界に対してさえも旅券を交付しなかつた。そういうふうに外務省のとつて来た態度というものは、東洋においては秦の始皇帝が学問の本を皆焼いたというあの古事にも等しい今日の政府のあり方である。私はそこに限りない不満を覚えるものでありますが、学問ばかりでなしに、今この経済使節を派遣するというような場合におきましてもアメリカの一顰一笑に気がねをしておるのが現実の姿ではないかと、私はこういうふうに考えるのでありますが、政府当局はどういうふうにお考えになつていらつしやるのでありますか、その点をお伺いしたい。

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) 決してそういうことはございません。何度も私が繰返し申上げておりますように、外交関係がない国には出さないという原則でございまして、原則に対して例外を認めるためには特別な深い理由がなければならん、そこでそれにつきまして先ほど申しましたように例外として二度私のほうでは認めておる。この意味でそれに類似したものは私のほうで例外として認めるけれども、それ以外のことは控えてもらいたい。又それは決してアメリカに対して一顰一笑に気がねをしておるということではございません。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 外交関係がないからという今のお話であるけれども、私は向うから招待されたよう場合に旅券を交付しないというようなその態度が僕はいけないと思うのですが、どういうふうにお考えになつておりますか。向うでは学界に対して手を差延べておるのです。

寺岡洪平外務参事官

○政府委員(寺岡洪平君) つまり個人の問題と国家の問題と混同して頂かないようにお願いしたいと思うのでございますが、飽くまでも国家の関係が先ず先であるということから私どもは旅券というものは出さないという筋を立てておるのでありまして、従つてその趣旨からすべてを律しておりますから、そういう趣旨で御解釈願いたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今日この委員会結論を出すか出さないかということについて一応下相談でもありましたか。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記を始めて下さい。  他に御発言ありませんか。……それでは只今お手許に差上げてあります通産省から出ておる日ソ貿易についてという資料がございますので、これにつきまして一応通産省側の説明を求めます。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○政府委員(松尾泰一郎君) お手許にお配り申しております日ソ貿易についてを簡単に御説明申上げます。お読み願えばおわかり願えることばかりでありますが、一応読みながら簡単に御説明申上げます。  先ず第一が、決済方法、輸送方式等取引上の諸条件であります。その第一といたしまして決済方法でございます。如何なる決済方式をとるも原則的に可能であるが、現実には主としてポンド建の求償方式、即ちエスクロ方式なり或いはバツク・ツウ・バツクの方式で決済をしているのが現状でございます。ドルを使おうとポンドを使おうと構わんわけでありますが、現実には取引が大体バーター取引でございますので、こういう求償方式、それもポンド建の求償方式でやつているわけであります。  それから第二が輸送方式でありますが、別段日ソ取引なるが故の制限はないわけでございます。輸出入物資によりましてその経路、輸送方法に相違がございますが、主として裏日本開港場が利用されておるわけであります。船舶の新造、修理、補修等の場合におきましては、直接造船所で検査をして、そこで引渡がされておる。これは主として輸出のほうになろうかと思います。  第三がソ連人の入国の場合でございますが、貿易取引上ソ連人の入国を必要とする場合は、本邦商社からその旨を法務省に申請いたしまして、それと同時に通産省に必要な書類を提出することにきめられておるわけであります。それで政府において差支えないと認められた者については、法務省よりその旨を業者に内示をいたしまして、現実にこつちに参りますソ連人をして日本側の指定する在外公官、これはビザの関係でございますが、例えば香港の日本の総頭事館というようなことになる場合が多いであろうと思いますが、その在外公館に渡航証明書の発給を申請せしめるというふうな、現在手続になつておるわけでございます。  それから大きな第二としまして、ソ連の対日貿易機関及び我が国の対ソ貿易商社及び団体名でございますが、先ずその第一としまして、ソ連の貿易機関には外国貿易連合と言われる機関がありまして、主要物資ごとに輸出又は輸入の連合に分れておるわけであります。まあ日本流に申しまするならば、輸出入公団とでも申上げればおわかりよいだろうかとも思いますが、そういうふうなものが商品別に大体できておるわけであります。例えば運搬機械、船舶等の輸入を扱うものはトランスマシノイムポルトというような組織がございます。それから、木材輸出になりますと、エクスポルト・レス等と言われておるのであります。いずれもそれら機関が輸出入計画を作成いたしまして、政府の確認があればそれを独占的に遂行をしておるわけであります。我が国との貿易でありますが、これも大体を申上げれば、現在日本に残存しております旧ソ連通商代表部員のドムニツキーという人がおりますが、その人を通じて行われる場合が多いわけであります。  それから次の第二としましては、我が国の対ソ貿易の実績ある商社といたしましては、現在のところは、大倉商事と進展実業の二社であります。最近いろいろの企てを計画中のところはかなりございますが、実績のあるところはこの二社であります。  それから第三に、業者団体としては、まだ特に目立つたものはないように承知をいたしておりますが、木材につきましては、対ソ木材輸入協議会があるのであります。  それから大きな第三としまして、今後の対ソ貿易の見通しでございますが、最近ソ連から各種船舶、起重機等重機械の引合いが相当ありまして、商談成立の可能性もかなりありまするので、今年は戦略物資統制の枠内において、日ソ貿易の拡大が予想されるのではないかというふうに期待をいたしておるのでありますが、半面輸入物資に対する価格とか、品質、輸入の継続性の問題、配船等の問題は勿論あるわけでございますが、我々としては今年はかなり拡大するのではないかというふうに見ております。  次に最近四年間の日ソ貿易の実績表を添付いたしておりますが、それにつきまして簡単に御説明申上げますと、一九五〇年においての日本の輸出が七十二万三千ドル弱あります。輸入も大体ほぼ同額でございまして、七十三、四万ドルになつております。品目別の内容はこの表で御覧願いたいと思います。それから五一年になりまして、非常に減つておりまして、輸出は零になつております。輸入は二万八千ドル程度であります。それから五二年からずつと増加して参つておりまして、輸出が十五万二千ドル、輸入が四十六万ドル弱になつております。五三年、昨年度は、輸出が合計で二万五千ドル、輸入が二百十万ドルというふうになつております。この昨年度は、船舶修理が非常に多かつたわけでありまして、従いまして石炭等の輸入によりまして、昨年度の輸入はかなり大きくなつておりますが、大体ほぼそれに見合う船舶修理があつたわけであります。金額的に見れば、この船舶修理のほうは、いわゆるインビジブルの収入に相成りますので、貨物の輸出統計には出て参りませんが、金額的に見ると大体バランスを得ておるのであります。なお一昨年、五二年におきまして若干輸入超過になつておりますが、これも輸入の中のその他に二十万ドルほどのものがございますが、これも調べて見ますと、罐詰類がソ連側から日本に入りまして、日本の保税倉庫等で包装をし直しまして、濠州あたりに輸出をしておる数字のようでありまして、日本には現実には入つておらないのであります。統計上はこういうものもここに記載されておるのです。なおこの昨年度に海底電線が五千六百ドル程度出ておりますが、これもソ連向けの輸出というと少し誤弊があるわけでありますが、ウラジオと敦賀との間の海底電線が切れたためにその補修用として海底電線が輸出をされたのでありますが、別段ロシア側に輸出したわけではなしに、統計の処理上輸出として取上げたわけでございまして、この海底電線会社はデンマークの会社がこれを買いまして修理をしたようであります。一応ウラジオストツクに近いところの修理というようなことで統計の整理上ソ連への輸出として税関統計で記載しておるというような事情でございます。大体以上でございます。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 只今の御説明に対して御質疑がございましたら御発言願います。……それでは格別御質疑もないようでありまするが、本日の連合委員会はこの程度にとどめておきまして、先ほど懇談会の際に申しました通りに午後一時から通商産業委員会を開きますので、その際に通商産業委員会の意向を取りまとめたいと存じますが、さように取計らいまして御出議ありませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それでは本日は……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○森崎隆君 先般来連合委員会を特にお願いいたしまして、この問題につきまして非常に御協力を頂きましたことを厚く御礼申上げます。只今委員長の御発言の通り、午後通産委員会におきましては、この問題につきましては最終的な態度を決定されるやに承わつておりますが、水産委員会といたしましては、日本の漁民を漁場、操業その他につきまして万遺憾のないように国際親善の原則に則つて漁民を保護したいというのが我々の本当の本旨でございますので、併せて貿易その他の関係もその条件として必ず向うからも出て来るであろう、そういう関係で広く日ソ貿易ということにこの決議の内容を拡げたわけでございます。何とぞ水産委員会のこの意向を十分御了承頂きまして御協力頂きますことを特に通産委員各位にお願い申上げまして二回の連合委員会に対して御礼を申上げたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 御承知の通り、この問題が水産委員会で決定をされまして、議運にも出された。議運においては、内容において経済の問題もある、それ故にあなたがたの委員会と合同をやつたらよかろうという勧告に基いてこれは開かれたわけであります。それで実はこの問題についておのおのの委員会で対立するようなことがあつても非常に困る、こういうように私どもは考えおります。  なお問題は対外問題でありますので、これらのことは新聞にも報道されておるし、今までの経過はそれぞれ相手国にもわかつておる、こういうふうに考えるのが常識であります。若しもこの問題が我々水産委員会と意見が一致を見ない場合でも、筋道の立つたように処理して頂くことを望んでおるわけであります。そうでありませんと、折角今軌道に乗りかかつて来た日ソ貿易が阻害されるようなことがあつては非常に困る、こう考える。只今も外務省の話のように、何か日ソ貿易をしなければソヴイエトのほうは困るというような観点に立つて、船は向うで修理して向うから船が出たというように表面だけを見られるような状態では、これは真実ではない。今むしろ日本のほうがドルがなくなるし、そうしてこの日本経済の危機を切り開くのに絶対にこれが必要だという考え方でもう少し進めないというと、こういう問題が政府のほうでも十分に積極的に進まれないのじやないか、こう考えます。若しも、通産委員会は、その立場が経済専門であります。従つてそういう見解に近付かれるならば、独自の立場に立つてこの問題を処理される、政府もそういう外務当局等の考え方に対して一つの注意を促す必要があるのではないか、このようにも考えますので、慎重に御検討の上御決定あらんことを切にお願いする次第であります。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 先般来水産委員会におきまする御熱心なる御調査の結果等を拝承いたしまして、私どもも殊に本日只今森崎水産委員長並びに木下水産委員の御発言をも十分に尊重いたしまして、当委員会といたしまして慎重にこの問題は取扱うことにいたします。さようどうぞ御了承願いたいと思います。  では本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十七分散会

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