地方行政委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/09/16
会議録
○委員長(内村清次君) それでは地方行政委員会を開会いたします。 地方財政の改革に関する調査の件を議題に供します。本日は地方財政に関する件を議題に供します。
○若木勝藏君 地方財政に関係して私質問したいと思うのですが、それは取近地方財政のいわゆる赤字のために、いろいろな地方の行政上問題が起つておる。殊に赤字を克服するために地方公務員であるとか、地方教職員の給与の支給に関しまして、しわが寄せられておることは、そつちこつちで起つておる問題でありますが、今回特に私は伺いたい点は、石川県におけるところのいわゆる昇給のストップと言いますか、延期の問題、一般公務員に対して三カ月延期、こういう問題で相当物議をかもしておる。それについて伺いたいと思う。この昇給の延期ということはこれは余り前例がないと思う。この点は教職員なり或いは地方公務員のいわゆる生活と非常に深い関係を持つことで、在来延期についてはその例を見ない。文部省側といたしましては、文部大臣あたりの言明を聞いてみても、昇給の延期ということに対しては相当慎重な態度をおとりになつてこれを好んでおらない。ところが今回石川県において理事者側の案といたしまして、赤字の克服のために三カ月延期をする案が含まれておつたと思うのであります。これは極めて重要な問題だと思う。元来事情がベース・アップしなければならない事情にありながら、人事院がこれを勧告しておらない。そういう矢先に更に昇給を延期するということは、全くこれは教職員の生活に対して一つの恐慌とも言わなければならないようなふうに考えられる。そのことはただ単に教職員の生活を脅やかすということではなしに、更にそれが他に波及して行き、問題は教育の低下ということになつて来ると思う。そういう点から見まして、文部省側としてもこれを慎重に見ている、重視しているということは当然であると考えられる。一体そういうふうにまでしなければならないかどうか、石川県の場合におきましては、これは先般自治庁のほうからとしても財政事情の調査に行かれたようでありますが、実情はそうであるか、先ずその点付いたいと思います。
○説明員(後藤博君) 石川県の調査を現在やつております。まだ勧告はいたしておりませんが、実態調査の結果、全体的に経費構成その他について、歳入歳出全般に亙つて勧告するようになると思います。私ども石川県という県を見ておりまして、財源が非常に乏しい県でありまして、事業をやるとすれば、どうしても消費的経費を縮減しなければならないという点は前からあつたのでありますが、私どもはサービスの向上を考えていけば、どうしても消費的経費の縮減の方向にいくべきものである。サービスの低下をしないように方策を考える方針の下に、県が昇給の期間の延長を図つたのではないかと思います。これが全国的に昇給期間の延長と、昇給のストップの問題があるようであります。それによつて多少でも消費的経費を落して、投資的経費に廻して行こう、同時に予算の辻つまも合して行こうと、それらの県が計画を組んで立てまして私どものところに相談に来る県とそうでない県とございます。石川県もそういう意味で昇給期間の延長を図つたものと思つております。これは行政部のほうの関係で昇給の期間の延長そのものが違法であるかどうかということにつきまして、いろいろ研究してもらつて、大体違法でない、知事の裁量でできるという解釈に従つて各府県がやつているものと思つております。
○若木勝藏君 今の御答弁で、未だ調査も途中であつて勧告をしておらないというふうなお話でありますが、私の調査したところによると、次長の名前の下に通知したわけであります。それは如何ですか。
○説明員(後藤博君) 石川県につきましても何回も調査を従来いたしております。いつの勧告でしようか、三回ぐらいたしかやつたと思います。
○若木勝藏君 いや、私はその通知の資料を持つて……。
○説明員(後藤博君) 一番最近の調査は私どうなつておるか、結末をよく存じませんけれども、何川も調査を調査課でやつております。
○若木勝藏君 いや何かそれについて通知したことはありますか。私資料を打つておる。こういう資料がある以上は何か出ておる。
○説明員(後藤博君) いつのやつですか。
○若木勝藏君 いつのやつだかわからんのだが、相当内容を見れば最近のもののように見える、相当の勧告をしておる。財政部長知らないが、この勧告に基いてやつておる。
○説明員(後藤博君) 私もたくさん調査がございますので、石川県のははつきり私覚えておりません。併し従来石川県の財政につきましては、細かに知事及び財政課長から聞いておりますので、概括的なことは存じておるつもりですが、いつでも問題になりますのは、やはり消費的経費を落すか落さんかということでございまして、本当に事業をやるつもりであれば、やはり消費的経費を落して行くという勧告に抽象的にはならざるを得ないのではないか、そういう勧告をされたのだろうと私は思つております。丁度そのとき私いませんで、具体的内容はよく存じませんが、抽象的にはそういうふうにまあ考えております。
○若木勝藏君 抽象的にいわゆる消費の経費を落さけければ財政の赤字の征服はできないという考え方は、これは非常に私は危険だと思う。その県のいろいろ事情があると思う。消費経費に亙らなくても、ほかの方面の節約で以て赤字の克服なんというものはできる場合がある。そうすると一般的に、抽象的に考えて、消費方面の経費を節約するというようなことは自治庁が考えておつて、それによつて各府県でその線に沿うてこの整理に向うということになると、これは自治庁として非常に私は責任ある問題だと思う。そこでこの問題はまああなたは内容をよく知らんというふうなお話でありますが、私の持つておる資料では明らかにこの勧告をしておる。それでその項目についてこれから私のほうから説明をしてもいいと思います。 先ずこの調査の結果通知してあるのは四つの要点があるように思う。第一はこの財政の赤字は二十七年度のいわゆる財政の運営に欠陥があるということを指摘しておる。それから職員の給与が高い。それから昇格とか、或いは級別の定数、それからその昇給の基準を設けなければならない。それから教員配置について検討しなければならん。重点をこういうふうな教職員の給与に関して、この方面にこういう検討を加、えてこの赤字を克服しなければならんということを示唆しておる。ここに問題がある。ですから私の聞きたいところは、果して石川県の教職員の給与が高いのかどうか、或いは定員が多過ぎるのであるかどうか、こういう点を自治庁はどのように一体調査して指摘したのであるか、この点を伺いたい。
○説明員(後藤博君) この各府県の調査課で調査いたしました際には、人口や地形が同じぐらいのところの県を標準にしまして、それよりも経費がたくさんかかつておるのか、人間の数が多いのか、そういうことを考えましてそれと比較いたしまして多いとか少いという判断をいたしております。従つて人口が同じぐらいの規模の県に比較して教職員の数が多い、給与が少い、高過ぎる、配置そのものにやはり相当な無理があるのではないか、こういう点から、そういう結論を出したものと考えております。
○若木勝藏君 あなたのほうのは想像の、予想の答弁ですがね、実際においてそういう点を勧告したということになれば、実地に行つて調べたほうが……。只今のあなたの予想は非常に当つておらない。私が石川県のいわゆる歳出から歳入から事業費からすべて調べてみると……。どなたが一体調査に行かれたか。
○説明員(後藤博君) 官房の調査課というのがございます。その調査課でやりまして調べたのでありまして、その多いとか少いとかいう場合は、その勧告書以外にもう一つ細かい調査報告書がございます。その報告書の中に人口の同じぐらいの県との比較を載せております。その比較した結果多いとか少いとかいう結論を出しておるのでありまして、ただ根拠なしにそう言つておるのではございません。調査したものが入つておりますので、説明をさしてもいいかと思います。
○若木勝藏君 そこで私はそういう点について、あなたの今言われた人口とかそういうような方面の基準に合せて、いろいろ調査の票あつたのですが、そういう方面から資料を見せて私の調査したことを申上げます。 先ず定員が多いか少いかという問題は、これは多くない。あなたがたのほうで多いと見ているが、第一石川県の定員の条例がある。県条例がある。その条例を常に下廻つて実人員が採用されておる。こういうことが一つ考えられる。それからこれは数においても明らかなのであります。余り数は詳細に亙るから……とにかく資料があります。結論としては予算定員よりも常に実人員は少くなつている、小学校、中学校。これが一つ。 それから二十九年度においては一万五千の児童が増している。一万五千増しているということになれば、一学級五十人に一人要るとして、約三百人の先生が要る。これを文部省の標準から言えば優に四百人近くの教員が増員されていなければならない。ところが実際においては百二十一人しか増員されていない。この点から見ても定員が少い。 次に全国的にこれをどういうふうになつているか、順位を調べて見ると、これは文部省の全国の推定表について調べた。そうなりますと、先ず小学校は全国の三十六番目、全国の各府県の総数の順位から見てこれは上位とは言えん、下位である。而も三十六番目であつて、一学級当り小学校は一・一九、それから文部省の標準は一・五である。次は中学校のほうはこれは遙かに又少くて、四十二番目、全国の。一・八の文部省の基準に対して一・五しかない、こういう点から見てこれは定数が多いとは言えない。 それから教員の給与が高い、これは高くなつておらない。あそこは職員組織が割合によいのである。代用教員とかそういうものが少い。だからちよつと見るというと高いように見える。ところが同じところの学歴を持つた而も同じところの勤続年数を持つたものに比較してみれば、何も高くない。これも明らかである、統計の上から。 そういう点からあなたがたの指摘している点はどうも当を欠いておる。昇格については殆んどやつておらない、あそこの県においては。そういうふうな脈からこれを直ちにいわゆる抽象的な消費経費の節約という点から考えて割り出して来るというのは全く実情に副わないことなんです。いわゆる政府の一つの何かデフレ政策による地方財政のしわ寄せそのままを教育方面に持つて行つておるというふうにしか私は考えられない。これは私は重大な問題だと思う。そこで、それでは更になぜあなた方が一体教育費の方面にしわ寄せをしたか、なぜその線に副うて石川県において知事がそういう線を今度原案として出すようになつたか、こういうふうなことを考えて行つて、それでは歳出方面から教育費が一体果して県の財政の大半を食つておるかどうか、これに非常に赤字の原因があるかどうかということを調べてみると、その点も全くこれは該当しておらない。二十七年度におけるところのいわゆる歳出の方面において、この教育費の方面は基準の需要に対して一二七%になつておるが、土木費に至つては一八〇%になつておる。こういう点から考えても、先ず教育によつて財政が食われておるとはいわれない。更にこの一十八年度における財政の圧縮の状態、これはどういうふうになつておるかというと、教育費の方面は二十七年度に比べて二十八年度は一五%の圧縮をしてある。ところが県の一般財政の方面は五%しか圧縮しておらない。そうすると、教育費のほうの圧縮が非常に高まつておる。そこにも一体教育費によつて県財政が脅されておるという点が見られない。これは私はいい加減なあれでなしに、向うの歳出歳入の統計によつて考えておるのであります。その調べによつて今あなたに申上げておる。結局こういうところの、私から言えば該当しないこの一つの調査によつてこういう示唆をするということは、これは自治庁としては責任がある。殊に義務教育国庫半額負担法ができてから、非常に教育費の方面に対しては楽になつておる。これは国がそういう点を考えてやつている。その点から考えても、直ちにいわゆる節約を教育費に向け、それから地方公務員或いは教職員の給与の方面に向けるということは非常な間違いである、こういうふうに私は考えるのであります。そこで更にこの点を先般のこの三月における石川県知事をここに喚問したときの資料がありまするが、このときの資料につきましても、赤字の問題としてはそういうことが、給与費であるとか何とかということに限定されておらない。これは結局政府の金の出し方が非常に少いために、いわゆる地方財政の計画が実情に合わないために来ておるということを詳細にこういうふうに、あなたもおいでになつたかも知れませんけれども、ここで申上げておる。そういう点から、更に自治庁長官が知事会において赤字の原因を発表しておることを見ましても、これはもう正直に自治庁長官が知事会で以て発表したらしいのであります。そういう点から見ても、原因は災害の復旧事業の繰上施行、災害の救済、復旧事業のいわゆる繰上施行ということは、その費用の、これは災害のいわゆる経費が政府から十分に出ていないということを明瞭に証明している。そういうことが一つの原因をしておる。それから地方税法の成立が遅れた、これは正に政府の責任である。それから国庫予算における経費節減の結果、各省の事業費、補助金の支出が遅れている、これも政府の責任である。支払繰延及び繰上充用の増加に伴つて資金需要が増大していること、これも政府の金の出し方が遅れているために、いろいろな資金方面で他から借りる利子を払うというようなことでだんだん赤字の原因になつておる。真つ初めに塚田長官は金融引締めの影響が著大である。これは政府のデフレ政策の結果こういうふうになつて来た。放漫なるいわゆる政府の財政政策が、慌ててデフレ政策に変更して来た結果がここへ来ていることを明らかに正直に言つている。そういうことで、原因がそういうところにあるのに、その原因を除去しようとしないで、ただこの地方教職員なり公務員の給与にばかり目をつけて、これを何とか処理すればこの赤字が克服される、これは今の自治庁長官の考えであると、私はそう考えておる。今日長官は見えておらないが、尤も長官は首切りの御本尊であつたものですから、そういう工合に考えたかも知れませんけれども、そういうところに非常に問題がある。 それで、これはただ単に石川県だけの問題ではなしに、各方面に今起りつつある問題である。あなた方の調査と、それから自治庁がこういうふうに変るならば、そのうちに私は石川県の知事を委員長にお願いして喚問して、その事情を明らかにしておきたいと思うのであります。とにかくあなたは調査の内容を十分知らんというのでありますから、本日は私はこの程度にしておきますけれども、問題は自治庁のいわゆる地方自治の財政の考え方が根本から誤まつておる、こういうふうに考えております。それに対する先ずあなたの財政部長としてのお考えを伺いたい。
○説明員(後藤博君) 財政計画そのものが間違つているというお話でありますが、私どもはまあ前からの財政計画上、それは多少見足りないところがあると認めなければならんと考えるのであります。併し人件費等につきましては、これは国のベースに合せて財政計画を立てておりまして国の経費よりも、繰延べておりますものよりも多く出ておるものが相当あります。そういう府県におきましては、やはり国まで下げる措置として、ベースアップといいますか、昇給の停止とか、昇給期間の延長とか、そういう方策を講じて現在おるようであります。府県におきましては、大体全体的に国の職員より高いのではないか。これはまあ現在警察費の調査をやつておりますが、警察費で地方公務員のほうが高いということが実は問題になりまして調査をいたしておりますが、その結果を見ましても、やはり地方公務員のほうが府県の場合は大体高いんじやないか。従つて高いためにそれが十分財政計画に見てないということから、その間に差額ができる。それがやはり赤字の原因になつておる。こういうことがあり得ると思います。併し全部が全部その中で国の責任になるものではなくて、やはり一部は地方団体の責任に帰すべきものもある。その分はやはり地方団体で処理すべきではないか、こういうふうに私どもは考えておるのであります。勿論現在のところ私どもは財政計画上給与で見足りない分というものは、二十七年度の決算を見ますと、大体四百億くらいございます。我々は全部が全部国が責任を持つべきものではなくて、やはり地方団体の責任に帰すべきものも相当ありはしないか、国の責任に帰すべきものがそのうちで明確であれば財政措置として考えるべきではないか、かような方針でおります。そのしわがほかのほうの事業の投資的な経費に参つておりまして投資的経費が足りない、そのために逆に消費的な給与を抑えるために給与のほうにかぶさつて来る、それがぐるぐる廻つて、その絆をどこで切つて行くかということが財政上の将来の問題ではないか、かように考えております。
○若木勝藏君 大方あなたの御答弁は大蔵省の態度のようにも思います。自治体のいわゆる運営というような方面は、或いは助成して行く、育成して行く、援助して行く立場の考え方としては甚だどうも私の立場としては腑に落ちない。 そこで、そういうことを幾ら繰返しても問題になりませんから、今私が指摘したような、あなたの調査の資料作成とまでは行きませんが、食い違いのあるところはやがて県会が開かれてこの問題は県会に議案として出される問題である。そういう点からもう一度向うに調査に行つて、果して一体この赤字の克服がこういう昇給の延期というような重大な問題になぜしなければならないか、これを調査する御意向がないか、財政部長として……。
○説明員(後藤博君) 私どもが実際調査しておるのではなくて他の所管になつておりますので、その所管のほうに私どもが意見を申伝えることにいたしたいと思います。私自身のところで、つまり財政部で調査いたしておるのではなくて官房の調査課で調査いたしておりますから、そちらのほうに私から御意見を申し伝えたいと思います。
○松澤兼人君 鈴木部長は今日は来ないのですか。
○委員長(内村清次君) 鈴木部長は先ほどこちらのほうに、国会のほうに登院したいというような話でしたが……ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(内村清次君) 速記を始めて……。
○松澤兼人君 石村政務次官にお尋ねいたしますけれども、やはり財政問題と関連することなんです。以前やはりこの委員会で問題にしたことがあります臨時職員の問題なんですがね、この点昨年の暮の二十八年、二十九年度の予算の編成方針で臨時職員というものはできるだけ早く整理してしまつて財政上の負担を軽減しなければいけないというような趣旨の通牒をお出しになつた。それが直接関連していますかどうですか、最近どこでも地方公共団体は又財政上非常に窮屈になつて来たものですから、先ほどお話のありました定期昇給の停止だとか、或いは臨時職員の整理だとかという形をとつて来ていると思うのです。最近私どもが知つておりますところでも、例えば兵庫県では臨時職員を二十四名も首切る。或いは福島県では三十一名の臨時職員を首切る。それから門司でもやはり五十名くらいの臨時職員を首切る。これは財政が窮屈であるからということも勿論理由と思います。けれども又ほかの理由は、自治庁から臨時職員を首切れという通達があつたからということも一つの理由であります。首切る理由或いは口実にしたということを聞いているのですが、実際上の問題としてこういう臨時職員はただ首切ればいいというお考えなのか、或いは臨時職員でも御承知のようにもう殆ど常勤的な、随分勤続年数の長い人もあるわけです。隣り同士で事務をとつていて、隣りの人は一般職の勿論常勤の職員である、それで自分はいわゆる非常勤の臨時的な職員である、いつくびになるかわからんという不安定な状態がある。仕事そのものは同じ仕事をしておる。こういう性質の臨時職員をただ首切ればいいということではないだろうと思うのですが、自治庁の方針はどういう御方針でありますか。
○説明員(石村幸作君) 今の臨時職員の問題は、この前当委員会でも問題になりましたが、今のお話のような臨時職員を首切れ、整理しろということを地方へ流したことはございません。ただ臨時職員が多過ぎる感があるから検討をしてくれということを言つたことがあるらしいのですが、整理しろ、首切れ、そういうような措置をしたことはないと思います。それから又今お話の中のこの地方団体においても臨時職員のみを整理したのではない。そういうところは普通一般職員も相当整理して、同じ臨時職員も整理した、こんなふうに考えられます。
○説明員(後藤博君) 臨時職員の点につきまして、私どもは個々の県を調査した結果に基いて、臨時職員が非常に多いところに対してそういう助言又は勧告を、整理とは言いませんが、臨時職員をできるだけ減らして行けという勧告乃至は助言をいたしております。一般的に臨時職員を整理しろという通達はたしか出たことはないと考えております。これは私の所管ではありません。それは兵庫県、福島県、門司、それぞれ兵庫県も福島県も一般職員の整理をしていると思います。特に福島県は本年はたしか千二百名くらいの整理をいたしております。従つてこの中にその一環として臨時職員もやつたのではないかと思います。門司の場合は災害の関係の臨時職員が非常に去年多かつたので、今年整理したのではないか、かように考えております。それから臨時職員の中に二つございまして、これは御承知のことと思いますが、一般職員的な臨時職員と事業費支弁で出している臨時職員とございますが、この区別が明確のようで不明確な点があるのでございます。一般職員と同じ仕事をやつている臨時職員というのは、これはたしか問題になると思います。これも漸次振替えが実際問題としては行われて、いい人は皆振替えられているのではないか、かように考えております。併し整理もやはりそれだけの整理でなくて、それだけの整理を考えておるというのは私どものところにはございません。併し臨時職員の場合整理と言うのはこれはおかしいのであつて、やはり一般職員と同じような観点に立つて整理をすべきではないか、こういう意見を私ども申しております。
○委員長(内村清次君) 今大蔵政務次官が十二時から止むを得ない用件のために委員会をはずされますが、又昨日災害問題で大蔵省のほうも一つ呼んでもらいたいという要求も松澤委員からございましたので、自治庁に対する質疑の前に、できますなら一つやつて頂きたい。それからほかの委員のかたがたも時間が極く僅少で甚だ相済みませんが、何か……。
○松澤兼人君 昨日この委員会でいろいろ今回の災害の問題についてお尋ね、したのですが、大蔵省としましては、今回の災害はどのくらいの国家の予算を必要とするお考えでございますか。それについて早急に臨時国会をお開きになる必要があるのであるか、或いは又予備費の転用で何とか片がつくのであるか。そういう点農林であるとか建設であるとか、或いは厚生であるとかといつたようなそれぞれの行政部門について報告もあるだろうと思うのですが、その点を一つお聞かせ、願いたい。
○説明員(山本米治君) 今年は幸い割合災害が少なかつたのでございまして、つい数日前の十二号が非常に大きいだろうという予想の下に心配しておりましたが、このほうも皆さん御承知の通り非常に軽小に済みまして、九州のほうには若干ございましたので、今各省等へはそれぞれ報告等が参つておるのでありますが、大蔵省にも十分まだその連絡はございません。併し今回の十二号が予想外に小さくて済みましたので、臨時国会等を開いてこれを処理しなければならんというようなこともないのじやないかと思つております。災害は不幸な年中行事になつて参りまして、今まで何回も経験しておりますので、この処理に当りましては、従来の経験を更に能率化いたしまして、できる限りのいろいろな応急措置等を講じて行くつもりでおります。
○松澤兼人君 現在まだお手許には今回の災害の報告を集計したというそういう数字はお持ちじやないですか。
○説明員(山本米治君) まだ参つておりません。
○松澤兼人君 そうしますと、今回の災害については予備費を流用するという、予備費を出すということで大体けじめは付く。概略どのくらいの予備費をお使いになるお考えでありますか。
○説明員(山本米治君) まだ報告が参つておりませんのでわかりませんが、参つてから無論詳細検討いたしますが、感じといたしましては、今回の程度ならば予備費で十分賄えるではないか、こういうふうに考えております。
○松澤兼人君 百三十億の予備費は現在どういうことになつておりますか。
○説明員(正示啓次郎君) 私から事務的なことを御説明いたしますが、御承知のように百三十億の当初の予備費が、五十億は三派の修正によりまして減ぜられまして八十億になつておりますが、そのうち現在までに使いましたのは大体七億……八億以内というくらいなところでございます。
○松澤兼人君 いろいろ今回の災害の金額については言われておりまするが、やはり新聞から受けた感じからすると、二十億から或いはそれ以上というような感じがしますが、その程度の災害応急復旧というようなものでもやはり大体八十億の中からお出しになる、こういうお考えでございますか。
○説明員(山本米治君) その通りでございます。只今正示次長から申しました通り、当初百三十億ありました予備費を、予算のいわゆる三派折衝でやりましたときに五十億を削りまして八十億になつておりますが、これはこれで、例えば今岡の災害が予想外に大きくて、これで到底賄い切れないというような場合には、やはりそれ自体として処理するか、或いは更に予備費を殖やすような措置が必要になることも場合により起り得るかとも思うのでありますが、先ほど申しました通り、今までの感じでは今度の程度に災害が軽く済みましたので、十分今の八十億、それが只今数億使つておりますが、その残りで処理して行けるのではないかと思つております。
○松澤兼人君 少し全体の問題になりますけれども、実行予算なり或いは予算の節約ということで百九十億或いは二百億程度が使えるというお話でありますが、これは実際は実行されておるのでありますか。
○説明員(山本米治君) 御承知のように今年の予算は国会でいろいろな経過によりまして初当の形とは多少歪んだ形になつて参りまして、例えば歳入の方面におきましても、例の奢侈繊維税が遂に通過いたしませんでしたために、八十五億の赤字になつておりますし、その他約合計只今の八十五億を合せまして、百四億歳入のほうにおいて欠陥が出るかと思つたのでありますが、一方歳出のほうにおきまして九十五億殖えまして、この二つを合せますと、歳入の欠陥と歳出の増加で百九十九億になるわけでございます。従つてこの範囲内の百九十九億という数字をいわゆる実行予算によりまして節約をいたしたわけでございまして、この趣旨に基いて各省に協力して頂いておる次第であります。
○松澤兼人君 具体的な問題につきまして、この失業対策の問題ですけれども、これは勿論労働省の所管だろうと思う。デフレ政策の進行ということで失業対策事業が相当重要性を持つて参りましたし、各都市とも失業対策の問題については頭を悩ましております。従来とも各都市ではこの政府の予算が十分でないために困難を来たしておるわけですが、今後この秋から年末にかけまして失業問題というものは相当国内における要重な問題になつて来ると思うのですが、これに対して政府としては何か予算を補正なさるいう、そういうお考えがございますか、或いはこのままでとにかく年末までやつて行けるおつもりでありますか、その点一つ。
○説明員(山本米治君) 只今了お話のようにデフレ政策が大分滲透して参りまして、これにつれ社会保障関係の支出も予想外に多くなるという情勢にございます。その中の一つとして失業対策費も、これは二十八年度に比べますれば若干増額されておりますが、なお且つ不足するという場合が当然考えられるのでございまして、これにつきましては、公共土木事業をできる限りこの矢来対策問題とマッチするように運用して行くというようなことも勿論考えておりますし、なお足りない場合には、或いは場合により補正手段も講じなければならんという場合も起るかと考えておりますが、今日まだ補正予算を組むということははつきりはいたしておりません。
○松澤兼人君 これは対策の問題になるわけで、大蔵省のかたに御質問申上げることもどうかと思いますけれども、農村における半失業者がやはり農村ではどうにも行かないので中部甫以上大都市に集中して来る、そのために中都市以上の都市におきましては、失業対策、失業問題の解決のために相当苦労しているわけでありまして、これを所在の農村なり或いは又は小都市なり、所在の都市において消化してこれを処理するということが必要であるというふうに考えるのですが、そういう問題について政府自身どういうふうにお考えになつておるか。
○説明員(正示啓次郎君) お答え申しますが、御質問の点はまだ実は労働省におきましていろいろ御研究に相成つておるようでございます。関係するところは地方財政にも非常に影響のある問題でございますし、又国家財政にも重大な影響を持つのでありますから、まあ主務省の労働省におきまして事態を御検討になりまして、いずれ政府部内としては、只今申上げたような観点におきまして十分に大いに検討を要する問題でありまして、大蔵省としての見解を申上げるのはまだ時期が早いのではないかというふうに考えます。
○松澤兼人君 財政部長この都市における失業対策なんですが、この失業者を雇用するという業種が限定されていて都市では非常に困るということを言つているのですね。例えば手数料をとつている清掃事業などに使うということは困るとか何とかということで限定されているために消化しきれないでいるというそういう悩みもある。これは労働省の関係かもわかりませんが、この失業対策事業に対する財政当局としてのお考えは如何ですか。
○説明員(後藤博君) お話のような点も聞くのでありますが、それよりも問題は失対事業の負担が都市に多くなつて参ります。その都市に多くなつているものが必ずしも同じような程度で多くならないで、アンバランスに特殊の都市に集中して非常に大きくなる。例えば中都市で申しますと、呉のような所に非常に失対事業が多くなつております。そのために財政負担が、その負担分が持ち切れないという状況が出て困つておるのでございます。他の事業との振合いの問題もございまするので、できるだけそういう場合には他の事業を切つて失対を中心に考えるというふうな事業の振合いをもう少し考える点が私は市の中にも多少あると思いますけれども、併し特殊な都市に非常に失対の事業が増加いたしまして、負担が増加して来ておるということが概活的に言えるのではないかと思います。細かい事業の、どういう事業にはまあ使われないから非常に不便だというふうなことよりも、むしろ負担額が増加しているということが大きな問題でございまして、私どもにはそう事業の関係でどうも困るというふうなことはあまり聞いておりません。 それからただ問題は、京都あたりで監督者が十五人か二十人に一人と、こういうふうなことがあるのでございますが、その監督者の数もどうも満ち足りない分があつたふうなことは聞いております。
○松澤兼人君 その点ですね、まあ自治庁の財政当局としてはこの年末を控えて何か失業対策事業費の増額とか何とかいうことをお考えでありますか。或いは大蔵省とそういう折衝をなすつていらつしやるのか、そういうことはございますか。
○説明員(後藤博君) 現行の予算の範囲内におきましての負担はすでに財政計画に計上しております。従つて追加予算が出るということになりますれば、それをどうするかと、こういう問題になるかと思います。まだその辺は、そちらのほうがはつきりいたしませんので、現在ではまだ折衝いたしておりません。
○松澤兼人君 こういう問題は、例えば生活保護費の問題であるとかいうようなことで、非常に福祉的な事業が国の財政の圧縮のために地方にしわ寄せされているということで、これは失業問題と関連しまするけれども、政府のデフレ政策ということの結果地方において生活保護費の負担が増大して、本年におきましても恐らく東京都或いは五大市、そういうような所において約二カ月分くらいはこの児童保護関係の経費に予算の不足を生ずるのではないかというふうに予想されているので、全国的に言つて見ると、いわゆる六十億程度のものはこの生活保護費関係の費用が不足して、又地方財政は非常に困るということを言われておりますが、そういう事実をお認めになりますか。
○説明員(後藤博君) 数字は私どもはつきり出しておりませんが、こういう問題があるのであります。生活保護費の問題といたしましては、二十八年度で例えば足りなかつた部分の補助金が二十九年度に出されると、従つて出してもらうことは出してもらうのでありますが、年度が違つて出してもらうものでございますから、二十八年度の単年度といたしましてはその分が赤字になる、こういう問題がございます。それから二割の負担が非常に大きくなつて参りまして、これは市は別でありますが、町村に参りますと、町村自身は負担はいたしませんので、県だけで負担いたしまするから、非常に増加の傾向が最近強くて困るということを県が申しております。そういうことはありますが、額がどのくらいになりますか、年度間のズレによるところの赤字は単年度としては出て来る。大体あとからなお足りないものは埋めてもらつているようでございます。従つて長い目で見れば、国から出ておる金はずつと来ておるわけでございます。併し単年度として切つて参りますと、やはり単年度としては国の補助金が来なかつたと、こういう結果生活保護費に現われて来ておりますその額は、大体二十四、五億ではないかと思います。
○松澤兼人君 二十八年度から二十九年度に繰越したのが大体二十五億、その比率で行きますというと、やはり二十九年度から三十年に亙つて足らないと申しますか、或いは時期がずれて実際その収納できないという金額はまあ三十億から四十億という見当がつくのではないかと思いますが、そんなにもなりませんか。
○説明員(後藤博君) 国のほうで去年足りない部分を今年の予算で組んだわけでございます。従つて今年幾ら足りないかという計算はできないわけでございます。それがその見通しがつかないと、ちよつと数字は申上げられないかと思います。
○松澤兼人君 自治庁のほうとしてはどうもちよつと濫給過ぎるというような見解をとつているようなことを聞いておりますけれども、そういう事実けお認めになりませんか。
○説明員(後藤博君) 一部の団体に対してさようなことを申したことはあるかも知れませんが、併し特に府県から、先ほど申しましたように市町村が全然負担いたしませんから、町村が負担しませんから、どうも濫給、多少濫給があつても抑制のしようがない、こういうことを申す人があります。従つてそれは濫給があるということを前提にしての話ではないかと思いますが、従つて市町村、再来は一部市町村負担ということを考えたらどうか、こういう意見を言う団体、県でございますが、これは言うところを見ますと、濫給は一部ありはしないかと我々のほうとしても想像いたします。
○松澤兼人君 もう一つだけ。そこで二十八年度から二十九年度に約二十五億とにかくずれたということで、二十九年度から三十年へもやはりそういうズレのために来年の二月から先に足りなくて困るということに対して、どういう御措置をおとりになりますか。
○説明員(後藤博君) そういう事態が参りますれば、これは厚生省の問題でありますが、厚生省は当然にそれは国に対して要求すると思いますが、私どものほうも大蔵省のほうに、厚生省の要求に従つてやはりお願いをいたしたい、かように考えております。
○若木勝藏君 簡単に私自治庁さんのほうにお聞きいたしますが、実は先ほどから財政部長さんが石川県ですか、教職員の昇給の延期の問題について伺つて、結局まあ県財政の赤字の克服のためにしわがそこに寄つておる、それによつてこれを整理しようという考え方が、私はいろいろなこの際非常に重要な問題になつておると思います。それでまあ結局はあそこの財政の調査について自治庁からも行つておる。その結果次長名で以て向うに通知が行つておる。その勧告というか、或いは示唆というか、そういうものに基いて相当腹構えをきめてそういう原案を作りつつあるのじやないかと、こういうふうに考えられるのです。そこで示唆したところの内容について指摘してみるというと、先ず二十七年度の財政の運営が非常に欠陥がある。まあこれはこれといたしまして、私の実際の調査したところによりますと、これは先ほど縷々述べたのでありますが、あなたのほうから出しておる教職員の給与が高い、この点、それから教員の定員が多過ぎる、それから昇給昇格等については一つの規準を定める要が考えられる、こういうふうな点があるのでありまして、結局こういうことは給与を通して教育費に非常に県の財政が多く使われておるというふうなことになるのであります。これは私の調査したところによるというと、どうもあなたのほうの指摘した点、或いは示唆した点に食い違いがある。これは県の歳出歳入について詳細先ほどそれに基いて述べたのであります。結局こういうふうな一つの通知なり或いは示唆によつて、地方の県なら県が考えるということになれば、それに誤りがあるとすれば、これは自治庁の責任の問題じやないか、慎重にして然るべきものじやないか、特に昇給延期を考えるということは、これは教員の生活をたちまちに脅かし、更にベースアップをしなければならない事情にありながら、人事院はこれを勧告しておらない。そういう事態においてそういうことをすることは更に生活を脅かしておる。同時にそれが教育の停滞になる。そういうふうなことから、これは自治庁としても私は慎重に考える必要があるのです。そこで財政部長さんには今県議会でこれが提案されて問題になるような時期でもあろうからして、もう一遍これを調査して、そうして適正な一つの考えを持たせるようにしてはどうかと、こういうことを聞いたのでありますが、まあ調査は実際官房のほうでやつておられるというので、そのほうと連絡いたしましようというような話だつたのですが、それは財政部長さん限りの考え方であつて、私は自治庁としての考え方を私はあなたに伺いたい。
○説明員(鈴木俊一君) 石川県の実態調査の結果に基く助言についての御指摘でございますが、これは石川県に限りませず、本年は恐らく本日御説明を申上げましたと思いますが、二十八年の決算におきまして、七団体を除きましては、府県は三十六府県ともいずれも赤字を出しておるような状態でございまして、殊に昨年のベースアツプ並びに今回の警察の移管というようなことによつて、都道府県はその実情恰かも給与を負担するために存するがごとき姿を呈しておるような恰好にざえなつておるのでございまして、そういう意味でとにかく赤字になつておりまする団体は、調査課のほうを督励いたしまして、是非一つこれは本年内にすべて一応調査をすることにいたしたい。そうして然るべき助言なり、又自治庁としてなし得る措置はいたしたいと、こういうふうに考えて、そういう計画で調査を進めておるのであります。その調査の結果県に対しまして、次長名を以ていろいろ助言をしおる。これは従来もそういう方式でございますが、大体御承知と思いますけれども、同様の規模なり、性格なりの府県の状態と比較いたし、或いは全国平均的な数値と比較いたしまして、或いは又平衡交付金、今日の地方配付税の基準財政需要の算定額というようなものと比較いたしましてそれぞれ現実に支出されておりまする額がどうであるか、或いは収入につきましては、基準財政収入額の算定の基礎等と比較いたし、全国平均、同様類似の府県と比較してどうであるか、こういうようなことを出しまして、調査の結果、努力をいま少ししたらどうか、或いはよく行つておるところはよく行つておるというふうに、それぞれ一つの物差しと比較いたしまして、助言をいたしておるわけでございます。その助言の結果に基きまして、各府県としましては、果してその助言の通りであるかどうかということを更によく探究をすると思うのでありますが、併しそもそもの資料そのものは、当該の府県そのものから十分協力を頂いてやつておるのでありまして、私どもといたしましては、その資料に基きまして行いました助言が非常に大きな誤りがあるというようなことは先ずないものと思つております。ただ併し多くの職員が関係をいたし、いろいろ集計をいたしまして出すことでございますから、或いは御指摘のようにどこかに誤りがないということは、絶対になしとは言えないと思うのであります。そういう点があれば、それは直さなければならんと思いますが、併し大体の方向なり考え方といたしましては、誤りのないところを示しておるものと考えておるのでございます。なお併し御注意でございまするから、私どもつい先般調べたばかりでございまするので、その調査の結果を更に一つよく検討を加えまして、不審の点等がございまするならば、その部分につきまして、当該県に更に調査をするというようなことも考えております。とにかくさような御疑念がおありのようでございまして私どもとしましては、十分一つ調査結果、資料をいま一度再検討してみたいと考えております。
○若木勝藏君 もう一点。その点は私もわかりましたが、再検討されるということは……。伺いたいのは、今度の赤字の県に対してはこれはまあ一般的に消費的経費の節約というような方向に向つて行かなければならんという勧告ですが、その点はどうですか。
○説明員(鈴木俊一君) 抽象的に節約をせよとか……消費的経費をできるだけ節減をして、同じ枠内であるならばそういうものをできるだけ投資的経費のほうに廻すように、これは財政運用の一般原則でありますが、今調査課を中心にしまして、現地調査をいたしておりますので、さような一般原則と申しますか、それよりも個々の具体的の経費につきまして、先ほど申しましたそれぞれの物差しと比較いたしまして、現実に検討の余地があるというような収入なり支出につきまして、ここはこうしたらよろしい、或いはいいところはこれはよろしいと、こういうふうにそれぞれ具体的に言うことにいたしておりますので、その際に今御指摘のような、そういつたような問題もその県についてはあるというような場合には、消費的経費が、なお多過ぎるから、それを縮減するようにしたらどうかというようなことまで、個々の事例について助言をするようにいたしております。
○若木勝藏君 もう一点塚田長官が知事会に説明した、いわゆる本年度の当初予算以来の地方団体の財政資金の状況、これについてちよつと伺いたいのですが、第一項目は、金融引締めの影響が巨大であるということ。これはまあデフレ政策から来ている。それから地方税法の成立が遅れたこと、これも御承知の通り、これは政府の議案の提案の上からこういうふうなことになつて来ていることは明らかであります。それから災害復旧事業の繰上げ施行への支払いが迫つている。繰上げ支給をなぜしなければならないような状態になつたか。これも私ども政府の責任として考えるが、……それから国家予算におけるところの経費節減の結果各省の事業費補助金の支出が遅れている。これも政府の責任であるということ。それから五番目には、支払繰延べ及び繰上げ充用の増加に伴つて資金需要が増大になつて来た、これも又政府の責任である。そういうふうなことから今日の県財政の赤字ということが、これらが大きな原因になつて来ると思う。ところが政府として消費経費の節約の方面を何とかして、そうして是正に向つたらいいだろうというようなことを示唆するに至つては、本来政府の持つているところの政府の責任を回避して、そちらの方百面に向けている。それがやがていわゆる地方公務員の生活を脅かし、或いは地方行政の円滑を欠き、地方教育の成果を下げるようになる。こういう政府自身の責任というものはこれは大きいのに、それには余りに関与しないで、そちらの消費経費の節約方面のみに使つているということは本末を誤まつているので、そこで財政の赤字に対しては、ただ単に節約方面を進めるということでなしに、政府としてはこういう政府の責任上から何か対策を考えるか、その点をお伺いしたい。
○説明員(鈴木俊一君) 先般の国会で御承知のごとく地方交付税法が成立いたしたわけでございまして、地方交付税法の根本の建前は、御案内のごとく地方税と地方交付税という二つの一般財源を基本にして地方自治の運営をやつて行く。各国体もこの二つの財源を基本として財政をやる。まあこういう恰好になつて来ているわけでございます。前の平衡交付金の時代におきましては、基準財政収入と基準財政需要額との差額というものは、これは財源不足額として国が補填をするという建前になつておつたわけでありますが、今度の交付税では、その点はいわば景気の良、不良によりまして、交付税の総額には変動を生じましても、それが引続いて相当の額にならない限りは、その多く入り、或いは少く入つた交付税をそのまま地方に配分して或いは多く参り、或いは少く参つた交付税と自分のとる地方税とでその国体の財政を賄つて行く、こういうのが根本の建前になつて来たわけであります。従いまして財政の問題としては、若しその団体に非常な赤字があると、或いはその年度において赤字が生じそうであるという場合においては、先ず第一次的にはやはり各団体がその自治の基本的な精神に則つて赤字が出ないようにできるだけ努力をして頂く、これがやはり今の地方交付税制下の基本の考え方であろうと思うのでございます。只今御指摘のございました赤字の生じましたそれぞれの原因、これは大臣が御説明になりましたような点は、一応その原因でございますし、なおお挙げになりませんでしたけれども、その他にもいわば本当の地方的な理由に基く赤字というようなものもあると、例えば執行機関と議決機関との間が円滑に行かない、或いは教育委員会と知事市町村長との間が円滑に行かない、こういつたようなことからなお予算がうまく節約予算というようなものも通らないというようなことがありましたり、或いはやはり総体としての、まあよく批判されまするような良否といつたような問題もあるわけでございますしいたしまして、要するに地方の財政当局者の或いはもつと広く地方の諸機関の財政運営の適当であるかどうかというようなこともやはり赤字に影響を及ぼしている原因だと思うのでございます。併し現実に生じておりまする四百五十億あまりの赤字というもの、二十八年度のそういう赤字というものをどういうふうに解消するかということにつきましては、今出て来た原因はいろいろございますけれども、私どもといたしましては、地方財政の再建促進法と申しますか、今国会にも同種の法案が提案になつておりますが、そういうものを制定をいたし、何らかこの赤字を長期債に切換えて今後五年なり七年なりの間にこれを逐次償還をして行く、こういう方式についてこれを解消をするようにして参りたいと思つておるのであります。そういうふうに赤字の解消策は図りまする一方、今後の 地方団体の財政運用につきましては、先ほど来申上げましたような交付税制下におけるあり方に従つて、それぞれ各団体に運営をしてもらいたいと、こういうふうな考え方をしておる次第でございます。
○若木勝藏君 なおこの地方財政のいわゆる赤子克服とか、赤字の出ないようにするために地方の行政機構を変える、いわゆる道州制にするとか、その県を縮小するとか、或いは北海道を特別行政区にするとか、或いは知事を官選にするとか、そういうふうな、なお更に重大である教育委員会制度をどうするか、こういうふうな問題などもこの行政および財政のまあ正常を期するためにという理由から政府としてはそういうことを考えておるということがしばしば長官なり、或いは北海道では開発庁長官などの言明があつたようでありますが、それらの問題についてはいずれ又長官の出席されましたときに私は詳細質問したいと思います。今日はこの程度にいたしておきます。
○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(内村清次君) 速記を始めて。さつき鈴木次長がおいでにならない間、石村さんとそれから財政部長にお伺いしておつたのですが、やはり次長にお尋ねしなきやいかんので出席して頂くようにお願いしておいたのですが、臨時職員の問題です。この問題は参議院の地方行政委員会におきまして、いろいろ御質問申上げて、雇用の形式がどうあろうと、実際上はこの一般職の職員と同様の仕事をしている者、これはいわゆる十七条の職員として考えていいというお話であつた。私もそういうことでやつて頂けば結構だと思う。まあ実際上の問題としましてはそのときにも申上げたと思うのですけれども、昨年の暮にまあ予算編成に関する通牒として、臨時職員の問題について、我々の解釈によれば臨時職員を整理しろというふうに読めるのですけれども、西村政務次官は必ずしも臨時職員を首切れと言つたつもりはない、併しだんだん地方におきまして臨時職員を整理するという動きが出て参りまして、福島であるとか或いは兵庫であるとか、或いは門司市であるとかいうような所のことを申上げたのです。それについては一般職の職員も整理する、そのついでにと言つちやおかしいのですけれども、並行的に臨時職員も整理するという方針をとつているらしいというお話でした。そこでお伺いいたしたいことは、前にこの委員会で鈴木次長がお話になりましたが、実質的に恒常的な仕事をやつているものであるならば、雇用の形式はどうあろうと、やはり十七条の職員として取扱うことが望ましいということであれば、次に問題になるのはどういうふうにして切替えるかという問題であろうと思うのです。これは勿論地方公共団体に任せておけばいい問題ですが、試験をやつて一般職にするものもあるでしようし、或いは又選考で一般職にするものもあるでしよう。ところが何と申しましても、そこでは予算の枠にぶつかるわけです。これにつきまして自治庁としてはどういうふうにお考えになるか。今までこの委員会で次長がお話になりましたことがその通りやはり今日も続いておるとすれば、何か財源的な措置を講じてやつて一般職に切替える、若しくは一般職のほうは定数条例の関係などがあつて直ちに行かない場合には、いわゆる常勤的臨時職員という形ですか、或いは又常勤的労務者というような取扱いをして頂くことが適当だと思うのですが、それについてもやはり予算の枠というものが必要であろうと思うのですが、三十年度の予算についてそういう切替に対する財源措置を考えて頂けるものかどうか、この点について次長のお考えを一つお伺いしたいと思います。
○説明員(鈴木俊一君) 只今御指摘の臨時職員でございますが、先ほど政務次官から御答弁がありましたように、私どもも考えておるわけでございまして臨時職員に対しては先ほど調査課で地方の財政状況の調査をいたしました際に、地方に出しまする助言の内容等におきましても、むしろ臨時職員仕本来の職員に引直すべき者は引直す、ういうようなことで逐次これを合理々するようにということを地方団体に対してもそういう意味の助言を出しているのであります。ですから本来の姿に従つて真に臨時職員である者は臨時職員としておくし、常勤的な性質の者であるならば、これは十七条の一般職員に切替える、これが当然のことであります。又従事する事務と言いますか、事業自体が臨時的な性質のものであるということで臨時職員という形の者もあろうかと思いますけれども、そうでない限りは本来の職員に引直すべきものであろうと考えるのであります。ただ十七条の本来の職員に引直した場合にはそれぞれ勤務地手当でありますとか、超過勤務手当でありますとかいつたものを当然に一般職員でありますから出すわけでございますが、そういうような点で財源に不足をやはり来たして参る。そこでやはり現在の臨時職員はそのまま全部引直すためにはどうしても財源の問題になつて来るわけでございます。ただ臨時職員には性格上と言いますか、発生上増員をしたいのだけれども、ちよつと工合が悪いから一応臨時職員で殖やしておいて、逐次これを本来の定員に引直すという性格のものと、行政整理をやつておつて、本来もう定員から落ちたのだけれども、やはり人事政策としてすぐに辞めさせるわけには行かないからというので一時臨時職員として置いておくといつたような、まるで相反する原因に基いて発生をしておることがあると思うのです。それぞれの発生原因に従つて現実の問題としては処理されて行くことになろうと思いますが、いずれにしても残すべき臨時職員はこれはどうしても本来の職員に引直すべきである。その所要の財源はこれは団体としては役目として当然に考えて行かなければならんものと思うのであります。 ただそういう類の所要財源を総体として一体幾らになるかということはなかなかこれは計算が困難でございます。併し計算をして若しその計算が出て来た場合には、どのくらいの財源が要おかということが明らかになるわけでございますが、それを三十年度の中央における財政計画の上でどういうふうに考えるかということは、これは一つの問題でございます。三十年度の問題はまだ我々全体の問題を今鋭意研究中でございますが、それらの問題の一つの問題として私どもとしては検討をして参りたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
○松澤兼人君 結局問題は、三十年度予算に所要の経費を組むか組まないか、こういう問題だと思うのです。全部現在の臨時職員というものを一般職に切替える、或いは又国家公務員の場合にとつている常勤労務者という形に切替えてしまうということは一遍ではなかなかむずかしい思うのです。そこでこれをやはり年次的にと申しますか、或いは合理化するために必要な経費を年度割的に計上して合理化するということは必要じやないかと思う。私たちは必ずしも一挙に三十年度に片付けてしまえというふうには考えませんけれども、一定の計画に従つて切替を地方団体から申出たものについて、自治庁として必要であり、且つ又財政計画上適当であると考えられるものは、順次にこれを合理化して行くということも一つの方法じやないかと、こう思うのですが、そういうような方法でもとつて頂いて、財政計画に織込んで頂きたいと思うのですが、こういう方法は如何でございましようか。
○説明員(鈴木俊一君) 臨時職員の状況は、今実態調査を鋭意急いでおりまして、だんだんとまとまりつつあるわけでございますが、この状況が判明すれば明確になるわけでございますけれども、想像いたしますのに、やはりこれは団体によつて臨時職員を置くことに対して何といいます、割合に無関心といいますか、良心的でないと申しますか、平気で置いているところと、そういうものは好ましくないのだからこれを逐次正式の職員に振替える、要するにそういうものの解消に努力する、こういうところと団体によつて二通りあると思うのであります。そうしてその臨時職員をむやみに置いているところに対して何か余分の財源措置のようなことをやるということについては、やはり総体の財政運営の問題としては少し考えなければならんと思います。そこでやはり一般的な何らかの基準によつて適正なる措置ができ得ますれば、それを講ずることがいいと思うのでありますが、なんせ非常に財源の窮屈な状態でございますので、それをどういうふうに処理いたしますか、私どもとしても只今的確に具体案を申上げる段階に至つておりません。十分一つ検討してやりたいと思います。
○伊能芳雄君 時間がないから簡単に質問申上げますから、簡単にお等え願います。先ほど実態調査ということを言われましたが、昨日お話の警察と一緒にやる実態調査とは別に一般地方財政事情の調査をやつている、こういうふうに理解していいのですか。
○説明員(鈴木俊一君) その通りでございます。
○伊能芳雄君 そうすると、今まで地方団体の二十八年度までの赤字総額大体四百億ということを言つておられますが、この内容等について調査しているわけですか。
○説明員(鈴木俊一君) その調査と申しますのは、地方自治法に基きまして自治庁が実地について監査することができる、又地方団体から要求があつた場合には実地の調査をする。要するに自治庁が自発的にやりますものと、団体の求めに応じてやりますものと、両方あるのであります。で今まで財政全般に亙りまして、調査をずつと年々やつて来ております。今の赤字関係の調査をするということが必ずしも趣旨ではございません。財政全体の調査をする、こういうことでございます。併し今年は特に赤字を生じておりまする面については、全部調査をするようにしたい。二年に一回くらいの割合、乃至三年に一回くらいの割合にしか、従来のやり方ですとできなかつたのでございますが、今年は一応全部やりたい、こういうふうに考えております。
○伊能芳雄君 その調査には大蔵省は全然タッチしていないのですか。
○説明員(鈴木俊一君) これは全然大蔵省と関係のない問題でありまして、自治庁として調査をすることになつております。
○伊能芳雄君 この四百億の赤字というのは、原因はしばしば言われるように、国の見方が十分でないためにできた分も一部あり、一部は地方団体の責任、放漫な財政の責任である、こういうふうに二つに分けられると思うのですが、その国が見方が足らなかつたという分については、どういうふうに処置をされるというお考えですか。
○説明員(後藤博君) 今次長が申しました調査以外に、もう一つ赤字の原因の調査を財政課のほうでやつておりまして、それも現在集計をいたしております。その結果は国の責任に帰すべきものはどのくらいあるか、地方団体の責任に帰すべきものがどのくらいあるかということが出て来るのじやないかと思つております。それによつてそれぞれ来年度予算にそれを反映し、又本年度として措置を考えて行きたい、かように考えております。国の原因に帰すべきものというのは、継ぎ足し単独事業のような場合がたくさんありますから、そういうものを非常に多額に持つている団体もありますので、そういうものがどのくらいあるかということが今まで的確に調べがつかなかつたのでありますが、その調査が大体できまして、今集計しておりまするから、出ました結果を中心にいろいろ今後考えて行きたい。その対策を研究して行きたいと考えております。
○伊能芳雄君 国の見方が足りなかつたということが判然としたものについては、大蔵省は、自治庁からそういう申入れがあつた場合には十分考える、というよりは、それを何とかしなくちやならんというふうに考えておられますか。
○説明員(正示啓次郎君) まあ御承知のように、本年度、二十九年度におきましては、既定財政規模の是正をいたしたことは御承知の通りであります。まあ将来の問題でございますが、できる限りこの予算の際、或いは財政計画の際に十分つき合せをするということが望ましいと思います。で見解の相違があつたというふうなことがあとからわかりまして、警察費が現に今その俎上に上つておるわけでございます。非常に遺憾なことでございましてこういうことは、得てして責任の分散というようなことになるわけでございまして、殊に交付税の場合でございますと、先ほど鈴木次長からもお答えがありましたように、地方団体としては相当自主的に御自身で計画もお立てになれる建前になつておるわけでございます。今後としましては、私どもとしては、できるだけこの計画を実施する際に、そういうつき合せを十分にいたしまして、若し不当に国が財源を見ないで押しつけるような事業はむしろ地方団体で峻拒して頂くくらいの気持でないと、到底この地方財政の問題は解決しないのじやないかというふうに実は考えております。無論原因によりまして、国がもつぱら責任があるということになりますれば、これは国として当然その責任をとらなくちやならんと思うのでありますが、余りにも従来は結果をそちらの責任だ、こちらの責任だというので、なすりあつて、結局は納税者の負担を増すだけで来ておるのでありますから、そういうことは、昨日もこの席で申上げたのでありますが、各納税者に対して申訳のないことだと思うのでありますが、あくまでも責任ははつきり持ちまして責任がとれる計画を立てようという建前で進むべきものじやないか、端的な考え方としてはそういうふうに実は考えております。
○伊能芳雄君 この四百億の赤字に対する分析をすれば、今言つたような原因が大きな原因なんですが、どつちにしてもこのまま放つておくわけには行覆いので、しばしば言われておる再建整備法案の準備が、衆議院では議員提出のものが出ていますが、自治庁では非常に準備が進んでいるということですが、次の通常国会には必ず間に合うという確信がおありですか。
○説明員(石村幸作君) 今衆議院のほうに、前国会から出ておりますが、自治庁といたしましても、その案の内容を検討し、又自治庁自体でもこれは真剣に検討いたしておりまして、でき得れば成るべく次の国会にでもこれを提案しなければならん、こう存じております。 それからついでに一言申上げたいのですが、先ほど鈴木次長から、この財政の赤字その他の点について縷々答弁いたしておりますが、私は一つここで皆さんにも関心を持つて頂きたい、それはこの地方財政のあり方でありますけれども、今のように赤字々々とこういうことであります。勿論この地方財政の窮乏というのは、金繰りとそれから本当の財政上の赤字と、この二つにあるのでありまして、まあ金繰りのほうは、御承知の通り交付金の繰上げとか、短期融資、そういうふうなものも、いろいろ交付金のほうの繰上げも実施しておりますし、短期融資のほうも非常に地方団体で交渉、実施すべく進めております。併しこの財政上の赤字というやつは、何と言いますか、財政計画の建て方の内容によりますが、大体まあ二十九年度は財政計画が、警察費のごときはこれは問題になつておるので、その他はこれを基本として立てておるのでありますが、そこでなお赤字が出る、これはどうしてもこの問題は増税するか、又は交付税の率を直すか、さもなければ自治体が、公共団体がみずからが節約する、この三つ以外にはないのでありまして今の御指摘の政府の責任において云々でありますが、これはその補助なり、又いろいろな元になる金が遅れたとかいう場合は、これは今お話の通りその当該の各省において、これは大蔵省と連絡をして、一日も早くそれをきめた通り実施してもらわなければならんのでありますが、困つたことには今大蔵省側から話があつた補助金制度で、そのために地方負担が多くなる。これは地方もむしろそういう補助金制度の事業は峻拒してもらいたいというようなことがある。これは又一つ考えものでありまして、例えば先ほどお話がありました失業対策のほうも今後非常に出るだろう、こういうふうな場合に、国の当然やらなければならない仕事のために必然的に地方の負担が伴うのでありまして、そういうふうな場合に、増税するか、又その分だけ急いで節約するかということになれば、勿論この交付税というものが率が法律できまるわけなんでして、私は昨日丁度大蔵省のほうから話があつた警察経費の不足、又は計上洩れ、算定洩れ、こういうふうなものに対して、これはもう実態調査、而も三者が一緒に調査したのだから、結論がはつきり出ると思いますので、こういう場合に大蔵省側では交付税の増額によるということは簡単に認められないというような、一応御尤もでありますけれども、そういう場合にこれは交付税を直す以外には途がなくなるんではないか。今後も例えばさつきお話があつた大蔵省政務次官が今補正予算まで組む考えはない、失業対策費、災害等について。併しやるかもわからんというような、そういう場合にすぐに地方負担が殖える、この場合にどうするか。交付税の率というものはもう法律できまつている。そうなつて来ると相当この交付税の率というものに私は大いなる検討を加えなければならんのではないかと思つておるのであります。勿論この地方の団体も大いに節約をしてもらわなければならん。先般大阪、近畿及び中国、四国の知事さんのお集まりの所へ行つていろいろ聞きましたが、非常に御熱心に節約実行予算を組んで圧縮をしてやつて行く、そのために赤字が激つた、赤字になるところが黒字になつたというようなことも実例を聞いて喜んでおるわけでありますが、これはどうしてもそうすると先ほど若木委員のおつしやるように人件費に、特に教職員の費用にこれがしわ寄せされるのはけしからんという御指摘がありましたが、それは一応御尤もであります。併し節約できる面は消費面その他あらゆる面において節約をして頂かなければならん。併しそれでもなお足らんというここへ来ると、交付税の率について考える以外にないんではないか、こう考えて、特に今年度中においても警察費の問題がはつきりする等によつて交付税の問題を慎重に我々は考えなければならん、研究しなければならん、こんなふうに考えております。
○伊能芳雄君 標準財政需要額と収入額との今年度の差は大体当初見たくらいで済みますか、それともそれが多くなると見られますか。
○説明員(後藤博君) 普通交付税の算定を終えたところでありますが、大体決定をしましたが、基準財政需要が伸びておりますし、実際の財政計画の財政収入と、それから基準財政収入とを見ましたものとの差がございますので、財源不足額というのは、つまり基準財政需要額と財政収入との差額が相当出ましたので、本年は調整率をかけまして、そうして交付税を出しましたわけでございます。
○伊能芳雄君 調整率はどんな率ですか。
○説明員(後藤博君) 三・二五%でございます。
○伊能芳雄君 つまり千二百十六億円に対して三・二五%ぐらい多くなる、こういうことですか。
○説明員(後藤博君) 基準財政需要額の三・二五%だけ調整率を掛けて圧縮したわけであります。つまり基準財政需要額と財政収入額との間が千二百十六億のうちの九二%よりも多くなりまして、つまり財源不足額のほうが交付税額よりも多くなつたわけであります。従つて基準財政需要額のほうを三・二五%だけ圧縮して出したということであります。
○伊能芳雄君 つまり千二百十六億円よりも差が多いと、それを千二百十六億円に追込まなくちやならんからそれだけ地方庁に対する見方が少くなるということですね、結論は……。
○説明員(後藤博君) 結論はそういうことになります。
○伊能芳雄君 やはり見るべきものを見ておかないで節約を強いるということは、節約をしろと言われるほうからすれば、こういうものを見ないから赤字がこういうふうに出る。赤字をみんなこの責任に転嫁して一つの隠れみのにされる。だから見るべきものを見てやつて、そうして見るべきものはこういうふうに十分に見ているので、それで赤字になるのはお前のほうが悪いのだというところまで追込まないと、この赤字の問題はなかなか消えない。そういうふうに追い込んで行けば、今政務次官が言われるように税を余計にとるか、標準税率を余計にするか、或いは何かで節約するか、四〇%以上の人件費があるのだから、人件費といつてもこれは実質的にその団体が当然そこへ行くので、そこへ行くか、或いは他の単独事業で切るか、どつかで追い込んで来ると思うのです。どうも見方が足りない、こういうふうに見方が足りないというものだから、その中に隠れみののごとくに隠れてしまつて言い訳している、これが現状じやないか。だから見るべきものは見て、そうしてこれ以上はもう見るべきものはないのだ、これ以上赤字を出すならそちらの責任だというところまで追い込まなくちやいかんのじやないか。これは大蔵省にも主計局にもそのお考えで進んで頂きたいと思う。そうしないと責任が非常にあいまいになつて来る。大蔵省に言わせれば地方庁は無駄使いばかりしていると、こう言う。地方庁側に言わせれば、見るべきものを、こういうものをちつとも見てくれない、お互いに蔭で言うだけです。この点は一つ是非だんだんそういう方向に追い込んでもらいたいということを特にお願いいたします。
○説明員(石村幸作君) 今の御意見の通りでありまして、自治庁長官も率直に、この赤字の点をただ地方にのみ押付けないで、政府側の責任については率直に例を挙げて閣議に報告をし、これは新聞に出ております。又知事会でも認めているわけでありまして、これらの点も大いに是正しなければならんという覚悟を持つております。従つて同時に地方も自粛して節約をしてもらいたいということで、地方においてもその意は十分わかつていると見えて、先ほどちよつと一端を申上げましたが、事実各方面ともやつております。例えば富裕県であるという大阪のごときも先般実行予算を組んで非常に圧縮したというふうに聞いております。来年度の財政計画を立てる上においてもこれは大蔵省とよくお互いに理解し合つてやるように、今折角事務当局で折衝をしかけているようなわけで、御趣旨の通りに進めたいと思つております。
○伊能芳雄君 再建整備法案、先ほどの政務次官のお答えでは余り自信がないような口振りですが、これは是非今度衆議院の案がいいならあの案を大いに一つ自治庁としても推進するし、あれが適当でないのなら自治庁みずからお立てになつて、特にこの問題については大蔵省も相当腰を入れてもらわないといい案ができないと思います。是非立派な案を作るように政府として、自治庁じやないので、政府としてやつて頂きたいと思います。
○説明員(石村幸作君) 先ほど決して消極的だという意味に申上げたのではないので、事実積極的に進めております。これは大蔵省ともよく御理解を頂蔵して強い整備案を出したいと思つております。
○委員長(内村清次君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会