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19回国会参議院1954/05/27

地方行政・内閣・人事・法務連合委員会 第1号

発言数
419
登壇者
19
会派数
6
開催日
1954/05/27

会議録

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今より地方行政・内閣・人事・法務各委員会の連合委員会を開会いたします。前例によりまして、私が本連合委員会の委員長を務めさせて頂きます。どうかよろしくお願いを申上げます。  議題は警察法及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案についてであります。なお、午前中は主として人事委員会の開催もありまする関係で、人事院のかたがたから御質疑をお願いいたします。なお、政府側の出席者は国務大臣小坂君から国警関係者は全部出席いたしておりますが、なお法務大臣加藤鐐五郎君、人事院総裁、浅井清君、法制局長官佐藤達夫君に委員長のほうで出席を要求をいたしております。出席の予定でございます。以上でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 議事進行について……。只今委員長から御説明になつた本日の連合委員会の議題になる法案は、私ども法務委員会としては、これは特に関心を持つておる実は法案なんです。これは私どもの委員長を通じても十分な連合審査の時間を与えてもらいたいということは特に早くこれは決定をして申上げてあつたはずでございます。ところが本日ここでお聞きいたしますると、各種の委員会との合同の連合審査、こういうことになつておるのであります。これは私ども委員長のほうにすでに通告しておりまする時間だけから見ましても、甚だ以てこれは何といいますか足らないのです。それが僅か或る程度足らないというような程度なら、何とか質疑のやり方も変えることによつて適当に省略もできますが、余りにもこう時間がかけ離れておる。そういう状態でありますので、その辺のことを一体委員長としてはどのようにお考えになつておるのか。私どもとしては法務委員会が最初三日というふうな意見が委員会の内部では随分出ていたわけですが、まあいろいろな状況から考えて、三日を費すというふうなことは、これは常識的にとてもできないでしようが、今日だけでこれを打切つてしまう。それでは余りにも足らない、こう考えるのですが、その辺の点をもう少し明確にされて、一つ質疑に入つてもらいたいと思います。私どもの心づもりもございますから。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今亀田君から委員会開催の、合同委員会の期日の問題につきまして御発言がございました。で、実は法務委員会からの合同審査の要求は確かに本委員会のほうには通達をされておりました。で、発言をされました中におきましての三日という点につきましては、実は私は正式な申込みとしては、実は委員会といたしましても存じてはなかつたわけでございます。ただ委員のかたから非公式に承わつてはおりました。併し勿論この法案につきましては、各関係の委員会におきましてもその重要性を認められまして、又関連性も認められましてのお申込みである以上は、地方行政委員会といたしましても、慣例もありますことでありますからして、それを尊重をいたしまして、是非希望をかなえてやろうというところで、私たちは理事会におきましても最大の努力をいたしたわけでございます。何を申しましても会期の点もございましたし、同時に各会派の事情もございまして、結局は一日ということになつたと存じます。この点につきましては、申込みを受けました各今日の委員会のおかたがたも、或いはその点に対しまして御不満の点もあろうかと存じますが、そういうような客観情勢をどうか一つお察し頂きまして、今日の日取りを以ちまして終了いたしますように、各委員のおかたがたの御努力を委員長といたしましては、又御協力を特にお願いを申上げておきたい次第でございます。  それから更に合同審査を設けることができるかというような御質問もございましたが、今のところは理事会にも勿論その希望は又後刻諮つてはみますけれども、今のところ委員長といたしましては、その見通しは非常に困難であるということだけはここに申上げておきたいと存じております。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 只今連合審査は一日に限つて委員長、理事打合会できめたというお話でありましたが、私の了解では一日はきめましたけれども、時間をはみ出したりするようなことは別途又協議するというふうな決定であつたように思うのです。その点は如何でございますか。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) この点につきましては、まあ私の存じておりますところでは、大体一日ということだけは私は確認をいたして、そして日取りの点につきましても、理事会におきましての御発言通りに二十七日ということで、委員長としてはその他の取扱は委員長御一任のために今日まで取り計らつて来たと思つておりますが、松澤委員もそのときには理事会には確かにおられたことでございまするからして、まあ併し今の松澤委員の御発言を聞きますると、まだほかにも日取りは一日だけでなくて、そのほかの日取りも又できそうだというような、未決定であるというようなことでございますると、これは又ここには当時おられました会派の理事のかたもいらつしやいますから、この点は明確にして頂きたいと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 一日二十七日連合審査をやることはきめられた。それは確かです、私もいましたから。併しそのときに委員長もどこの委員会……、法務でありましたか、どこの委員会は三日も要求しているのだ、或いはどこは一日だというようなお話がありました。その点については自由党の堀委員から各他の委員長にもお願いする。それから委員長としては他の委員長ともお話合いで、一日の中に納まるかどうか、はみ出すかどうかということを折衝するという含みを残して二十七日の連合審査を決定した。私はこういうふうに了解いたします。それであるならば委員長がほかの委員長に御相談なすつた結果どうなつたか。或いは堀委員が他の三委員長にもお話してできるだけ一日の中に納まるようにお願いするとおつしやつたが、他の委員長にお話になつた結果をこの際承わりたい。

堀末治自由党

○堀末治君 この連合委員会の開催については大体理事会で御相談いたしたのでありますが、最初私はこういう会期の差迫つたことでもありまするから、誠に他の委員会の委員各位に対しては甚だ相済まんことではあるけれども、是非半日で一つ片付けて頂けまいか、これを最初私が提案したのであります。実は参考人を呼ばなければならない都合もありまするし、それで甚だ恐縮だけれども、午前中に参考人を済まして頂きまして、午後やつて頂いて、できるだけ時間を勉強して頂きますれば、或いはそのぐらいでお済ましを願えるのではないかというので、実は私お願いをしたのであります。ところが委員長からはなかなか、法務委員会のほうからは三日などというような申込みがあるのだから、とてもそういうことは言うても通らない、せめて一日何とかやつてもらわなければ困る、こういうことでございましたから、それでは今日一日にして頂いて、参考人は翌日午前ということで一つお話をきめて頂きましよう、こういうので大体それできまつて、どうかそれならばそういうことに、あなたがたも是非他の委員の了解を得るように努力をして欲しい、こういうお約束であつたのであります。それで私は我が党の郡法務委員長にはそのことも伝えましたし、なお又他の委員……、委員長自身には私言いません、法務委員会は開かれておりませんので、ついお断りできませんでしたが、それぞれ私のほうの関係の理事を通じてそのことをお願いをしておいたと私存じております。大体そういうので私は御了解ができておると、かように存じております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今堀委員から内容の点まで実は明らかにされたわけです。私は委員長といたしまして、理事会できまつたことでございますから、会派の都合ということで話を進めて行こうと思つておつたのですけれども、只今堀委員からも言われました通りの実は経過でありまして、委員長といたしましては四連合委員会がある以上は、これはせめて二日だけは是非要求したいという強い発言もしましたが、先ほどのような状況でございましたからして、それではこれは参議院の前例があるかどうか私は知りませんけれども、とにかく参議院の前例とするようなことは、こういうような重要法案に対しましてはどうもとりたくない。ただ一つ今あるのは、この法案に対しまして、衆議院がこの四つの連合委員会を一日でやつているからして、それで一日という点もこれは決して悪例にとつてはいけないが、これで我慢してもらおう。それならば一日でこれを済ますとすれば、委員長といたしましては、各連合を申込まれましたところの委員長の責任において、そうして十分その委員のかたがたに時間の点も、或いは又順序の点も是非一つ御協力を願つて、各委員会の委員のかたがたの協力の態勢で今日を円満にやつて行きたいと、これだけは強く私はその理事会で要求いたしておきました。そうしてその後私も昨日一日はその点で実は非常に頭を悩まして努力をいたして来たような次第でございまして、委員長といたしましては、前言申しましたように、決してこの一日というものに対して満足してやつておるというようなことではございません。どうか一つこういうような重要法案に対しましては、悪例とならないような日にちが決定されますることを私は希望いたして、まあ臨んでおるような次第でございますが、何と申しましてもやはり皆様がたの御協力が必要と思つておりまするから、特に申込まれました委員長は勿論でございますが、各委員のかたがたの御努力によりまして、御協力によりまして、今日一日で済まされまするように、委員長としては特にお願いを申上げたいと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 折角他の委員会の方も来ていらつしやることですから、手続の問題で長く時間を使うのも私は心苦しいわけです。併し私は最後に御質問申上げました委員長自身が他の委員長とお話合になるということも、堀さんが他の委員長とお話になるということも、我々としましては、その問題をまあ期待して一日だけやつてみるということに御同意申上げたと聞いておりますが、御両者のお話でも十分その含みに対する解決を与えていないと思うんです。併し私は他の委員のかたが熱心に出席されておりますから、これ以上申しませんけれども、果して今日の審議の状況を見まして、これで四委員会の合同審査が適当に終了したかどうか、経過に鑑みましても、適当の機会に地方行政の委員長理事打合会において、これで十分打切つていいかどうかということを一度又あとで協議して頂きまして、改めてもういいということであればそれで結構であります。このことだけを地方行政委員長にお願いをして私はもうこれ以上発言いたしません。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) その点につきましては、十分委員長として心得ておきます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 議事進行について……。只今本日の連合委員会開会についての地方行政委員会における理事会で日程をおきめになつた経緯について、必ずしも私ども釈然とはできない条件があつたということを只今承わりまして、私ども本日の連合を開会をして頂くことを申入れました人事委員会の立場といたしましては、この際委員長にはつきりと御答弁を承わつておかなければならないことが出て参りましたので、私どもとしてはどうも従来の慣例等から見ましても、先ず第一番には内閣と法務とそれから人事委員会との四つの連合委員会が一日で片付けられようとお考えになられたことに対して、私どもとしては承服できないものを感ずるわけでございます。更に今回のこの法律案を拝見いたしましても、少くとも私ども人事委員会の立場から見ましても、例えば身分の保障の問題等にいたしましても、或いは給与の決定の条件、それから現行給与との関連と将来に向つての保障がどうなるかというような点については頗る不明確であるし、更に加うるに団体交渉権、若しくは団結権を持つことのできない職員であるという立場からも、私どもとしては当委員会で相当克明に問題を掘下げなければならないと考えております。従つて私どもの立場から言いましても、少くとも人事委員会としては、人事委員会との連合に一日を割いてもらう必要があると考えて連合の申入を決定したわけでございます。ところがこういうふうに三者との連合ということでありますし、而も今松澤君の発言を聞いておりますと、必ずしも今日一日で連合を打切つて、あとは地方行政委員会だけでこの法案を審議するんだという、そういうはつきりしたお話合いはないようでございました、従つて若し本日の連合委員会において特に重要な質疑等が残れば、これは今日以後においてこの問題の取扱について考慮されるべきであるし、又私どもとしては、先ほども承わつておりますと、今日最初は人事委員会のほうの質疑に入るということでありますが、その人事委員会の質疑も、委員長のお話では午前中ということで、午前中ということになりますと、あと四十三分しかございません。尤も恐らく午前中といつても十二時までというふうに厳格におきめになつておるはずはないと思いまするが、併し仮にそれが成る程度時間を延長されましても、三者の連合であるという点から言いますと、私どもとしては十分に質疑を、少くとも相当省略しても、最小限度質問しなければならない条件を考えますと、この程度では私どもとしては法案の審議上承服しかねる時間になると思います。こういう条件があるわけですから、この際私ども質問に入ります前に明確にしておいてもらいたいことは、他の委員会の委員の諸君もそうでありましようが、私どもの場合には、若しも今日人事委員会の委員の質疑が残るようでありました場合には、委員長として、改めて地方行政委員会の理事会において、残余の質問についてどう扱うかということについて、この点地方行政委員長としてははつきりした処置をとつて頂く必要があると思います。私ども先ほど来人事委員長から地方行政委員長との打合せの経過についていろいろお話がありましたが、私ども先ほど非公式に人事委員長からお話のありました日程のきめ方等については承服しかねる点がございますから、この点についても人事委員長とそれから地方行政委員長との間で十分な打合せを遂げて、私どもの質問が少くとも最小限度は行い得るように、本日だけで打切るというような御決定は、先ほどの御質疑の中から言いましても、理事会でもなかつたようでありますから、この点について委員長から明確に一つお考えを承わつておきたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 第一点の点につきましては、確かに人事委員会と地方行政委員会が合同する、いわゆる二つの連合委員会において申込の順序に従う、或いは又その順序は別にいたしましても、とにかく一委員会との連合をやるということは、これは私たちも考えておりました。確かにそうすべきである。といつてこの法案が来ましたのが丁度十五日に来ました関係で、そのときにはたくさんの法案を持つておりましたことでございますけれども、一応は計画はいたしておりましたけれども、問題はこの警察法の問題に入りましてからの会期との間の日程が非常に短かかつたもので、そこでこういうような形の連合委員会になつたわけでございます。この点は私からこの事情をどうか一つ了承して頂きたいということが第一点でございますが、それからその内容の点につきましては、確かに人事委員会とは連合するところの重要性があるということは理事会におきましても全員が認めておられました。そこで今日午前中に特に今日の連合委員会の各委員のかたがたに御了解を求めまして、私が発言を最初やりましたことも、人事委員会が丁度午後からの開催ということでございましたからして、そこで先ず第一に人事委員会の委員のかたがたにお願いしたい。その点で他の委員会の委員のかたがたは了解して頂きたいというようなことで進めておるわけでございまして、勿論只今の御発言の点で大分予定の時間も過ぎて参りまして、あと残り少なくなつておりますが、この点も各委員のかたがたの御了解を得まして、十二時を少し過ぎるまでに是非一つこれで終るように御協力をお願いしたい、委員長として。でなお且つこれは内容の点につきまして、やはり時間をとるようなこともございましようからして、残りました場合のときには、あなたの御希望の通り、地方行政委員会の理事会でその残つた残余の取扱いにつきましては、委員長といたしましては御相談しますから、どうかそういうようなことで一つ質疑を始めて頂きたい。こう思います。

羽仁五郎無所属クラブ

○羽仁五郎君 議事進行について。法務委員会から連合をお願いしました趣旨がどうも貫徹してなかつたのではないかと思つて、その点委員長に伺いたいのですが、法務委員会が最初三日に亙つて法務委員会と地方行政委員会との連合委員会をお願いしたのは、主として改進党の一松さんの希望によるのでした。今日まだお見えになつていないので申上げるのですが、地方行政と法務委員会と三日連合委員会をしなければならないというように委員長を通じてお願いしましたのに、実際の今日の状況では四委員会の連合委員会の合同ですから四分の一日ですね、三日が四分の一日になるということは、客観的に御覧になつて、決して党派的でなく、参議院の置かれている任務から考えて、三日が四分の一日になるということが実際可能であるかどうかということをお考え願いたい。それから第二には、これは政府に向つて委員長からどうか政府の態度について注意を与えて頂きたいと思うのですが、法務委員会が主としてこの警察法に関係いたしますのは、人権擁護の点なんです。人権擁護なくして何の警察があるか。然るに昨日来の政府側の衆議院なり何なりにおいての答弁をわきから伺つていると、人権などはあたかも意に介しないような答弁をしている。そういうのであれば、我々は飽くまでこれは我が国民のために会期とか何とかいうそういう小さい問題ではない。又自由党とか社会党という問題ではありません。国家百年のために飽くまでその問題については明らかにすべきことは明らかにしなければならない。人権を蹂躪して何の警察がある。こういう問題を、この二点を委員長はよくお考え願いたい。(「進行々々」と呼ぶ者あり)

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 答弁いたしましようか。もうよろしゆうございますか。(「進行」と呼ぶ者あり)  それでは進行いたしまして、湯山君から。(「余り時間が短いからしやべり甲斐がない」と呼ぶ者あり)

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私それでは簡単に要点だけお尋ね申上げたいと思います。  その一つは、本法第三条によつて、「この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする」という規定がございます。この場合における宣誓は国家公務員法第九十七条における国家公務員の宣誓、地方公務員法第三十一条における地方公務員の宣誓、これらの宣誓とはどういう関係にあるか。この点について先ずお伺いいたしたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) これは只今お述べになりましたように、国家公務員法第九十七条、地方公務員法第三十一条におきまして、公務員の宣誓義務を規定しておるのでございますが、服務いたしまする場合に警察官として宣誓をやる、そうした立場においてしなければならん、その内容はどういうものであるかということで、この宣誓の内容を規定したものでございまして、警察の職務を行う職員というものは憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うということで「旨の」というところに特にその趣旨を謳つておるような次第でございます。宣誓の内容を規定しております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私がお尋ねしておるのはそういう意味ではなくて、法的な、この宣誓というものの持つ法的な意義、つまり国家公務員法或いは地方公務員法におきましては、宣誓ということは非常に重要な要件になつておるわけです。と申しますのは、宣誓を行わなければ服務することができない。従つて宣誓ということは服務の重大な要件である。同時に給与も又宣誓を行わなければ支給されない。だから給与を支払うために宣誓ということは重要な要件になつておる。でこの警察の職員の中にはこの法律の非常にあいまいな点でありますけれども、国家公務員もあれば地方公務員もある。こういう場合にこの警察官としての、つまり警察職員としての宣誓、それから一方においては国家公務員、地方公務員としての宣誓も、こういう二重の宣誓があるようにもとれるわけです。そこでそれらの法的な意義、そういうものについての区別、或いはそれをどう一体関連を持たせて行こうと考えておられるか、こういう点について明確に御説明を頂きたい、こういうわけでございます。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 只今のお尋ねの点は国家公務員法、地方公務員法、それぞれの適用をそのままに受けるわけでありまして、警察職員であるからと言つてその適用に何らの差別はございません。ただ宣誓をするその内容は警察職員としてはこういうものを含まなければならんというだけでありまして、宣誓の持つ意味というものは国家公務員法、地方公務員法に規定されておる通りであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 おつしやることがちつとも要領を得ません。宣誓の内容の中にこういうものを含まなければならないというようなことではなくてです、この宣誓をしなかつたらどうなるか、もつと端的に言えばです、すべての警察職員は二重に宣誓をしなければならないのか、一つの宣誓だけで事足りるのか、そういう場合にどちらが優先するか、そして仮に国家公務員法による宣誓をした場合に、この三条による宣誓をしなかつた場合にどうなるか、こういう点についての明確な御回答が願いたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 私は国家公務員法、地方公務員法、それぞれの適用をそのまま受けると申上げましたのは、国家公務員は国家公務員法に基いて宣誓をいたすのであります。その一つの宣誓だけであります。第三条によつて特別の宣誓をするわけではございません。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それではこの法律の第三条というものは要らないことになるのではないかと思うのですが、この法律では警察の職務を行うすべての職員はとなつておる。一人の例外もなくこの宣誓は行うものとしておるわけです。ところが今のお話では国家公務員は国家公務員法に定められた宣誓、これはちやんと文章もきまつておるわけで、内容はこうなんです。「私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法に服従し、且つ、これを擁護することを厳かに宣言します。私は、国民全体の奉仕者として公務を民主的且つ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、国民の意志によつて制定された法律を尊重し、誠実且つ公正に職務を執行することを固く誓います。」こういう宣誓をすることになつているわけです。この宣誓と今長官がおつしやつた宣誓とは内容が違つている。だから国家公務員法としての宣誓をすれば足りるという今の御答弁は納得が行かない。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) この宣誓は、人事院規則によつて宣誓をするわけでございまして、従いまして、宣誓の内容は一般の他の公務員とは違いまするけれども、宣誓の持つ意味というものは全然違わない、かように信じております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 どういうようなことをお答えになろうとしておられるのか、それが私にはわかりません。(「その通り」と呼ぶ者あり)私のお尋ねしておることは、わかつて頂いているんでしようか。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) 先ほど来長官からお答えいたしましたのを更に事務的に、お尋ねに合致するかどうかわかりませんが、申述べたい。警察官も、この警察法で規定いたしております中には、国家公務員であるものと地方公務員であるものと両方があるわけです。で、警察法の規定しておりますところの警察職員は、それぞれ国家公務員、地方公務員であることは勿論間違いないわけでございますので、宣誓の義務といたしましては、国家公務員については国家公務員法の第九十七条によりまして、人事院規則の定めるところにより宣誓をしなければならないということによつて一般国家公務員の一人として同様の宣誓の義務を課せられている。それから地方公務員であるところの警察職員でございますが、これにつきましては、地方公務員法の三十一条によりまして、「職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。」ということによりまして、地方公務員の一人として宣誓をしなければならない義務が課せられている。この点は警察職員といえども変りはないわけでございます。警察法案のお尋ねの第三条につきましては、警察官は国家公務員であり地方公務員であるけれども、その仕事の内容と申しますか、職責の内容から見まして、一般国家公務員、地方公務員としての宣誓の内容は、それぞれ人事院規則なり条例で、今お読上げになりましたようなことがきまつているわけでございますが、その人事院規則や条例で宣誓の内容をおきめになる際に、警察官が特に不偏不党、公平中正に職務を行うというような旨のことをも加えて、普通の職員以上に警察職員としては宣誓の内容としてそれだけ余計なことを、それだけ附加して宣誓をしてもらわなければならないと、その宣誓の内容に加えるべき事項を規定いたしましたのが第三条でございまして、従いまして、第三条は、これによつて警察官に宣誓の義務を課したものではございません。宣誓の内容を特にここに注意いたして、これだけ加えろということを規定をいたしたのであります。見出しにも「服務の宣誓の内容」とございます。宣誓の義務をこれによつて課したものではございません。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そういうことになりますと、事柄はますますむずかしいことになるわけでございます。人事院規則というものを変える権限は人事院だけにしかございませんが、そういうことを御承知の上で、こういうふうに御規定になつたかどうか。或いは又地方公務員の条例というものは、地方議会以外には変える権限を持つておりません。そういうことをも考慮して、そういうこともおわかりになつて、こういうことを、内容までこの法律で規定されたかどうか。若しそういうことをされたのだとすれば、その法的根拠はどこにお求めになるか、お示し願いたいと思います。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) これはこの法律で人事院規則の内容を変えるとか、条例の内容をこの法律で変えるとかいう意味を毛頭持つものではございませんので、更に詳しく申しますならば、警察職員である国家公務員は一般職の国家公務員でございまして、人事院規則によりましてすべて行動いたしておるのでございます。それは他の一般職の国家公務員と同様でございます。地方公務員につきましても、やはり一般職の地方公務員といたしまして、条例の定めるところにすべて規律いたしまして服務をいたしているわけでございます。従いまして、人事院の人事院規則の定めるところにすべて従つているのが現状でございます。従いまして、人事院規則によりまして、この法律の趣旨をお受けになりまして、警察官には警察官向きの宣誓を、先ほどお読み上げになりましたような文言を、更におきめ頂くということになるだけでございます。この法律で人事院規則を変更するというような趣旨を持つものではございません。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちよつと関連して、これは私も疑問を持つていた点なんでありますが、時間が制約されておりますので、丁度問題が出ているときに一点だけ確かめておきたいと思います。  只今の御答弁でありますと、人事院規則をこの法律で変えるつもりはない、こうおつしやるのでありますが、先ほど湯山委員が、現在きまつている人事院規則の宣誓の内容を読み上げられましたあれと、この法律で今問題になつている内容、これはもう誰が見ても明らかに違つて来ている。あなたはそれは人事院規則を変えるつもりはないと、こうおつしやるかも知れませんが、現実に言葉だけの上から言つたつて変つているじやないですか。これは重大な変更です。これをどう御覧になるか。  それから内容的な解釈になれば、もつと私は申上げたいことがある。例えば警察官らしく宣誓の内容をきめたいという立場から「不偏不党」を入れた、こういうのでありますが、併し人事院規則の場合には例えば主権在民と、この考え方が強く最初に打出されている。あなたのほうは恐らく追及されれば、それは憲法に従うということが書いてあるのだから、この中に皆含まれるのだと、こうおつしやるわけでしよう。そんなことを言えば、何ももう宣誓も何も要らない。憲法に従うのはこれはもう当り前です。皆わかつていることだ。ところが権力を握つている人は、ややもするとこの権力を濫用する場合がある。そこで主権在民と、こういうことが一般の公務員よりもむしろ警察官にとつてこそ、この条文というものは入れておかなければならんものでしよう。人事院規則をきめられたときには、恐らくそういうことが考えられてこれはきめられているものだと思う。それをあなたが、こういうふうに文字の上から言つても変更しているでしよう。内容的にこれを批判しましても、明らかにそこにこの区別があるということは誰でも考えられる。これでもあなたは、今湯山君の質問に対して、この法律によつて人事院規則できめていることを変えるつもりはないのだと、この答弁がそのまま通ずると思いますか、はつきりとこの点を答えてもらいたい。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) 私の申上げた御説明の意味は、この法律で人事院規則が変えられるという意味ではないということを申上げているのでございます。これは当然のことを申上げている。人事院におかれましては、人事院規則をおきめになります際に、人事院として宣誓の文句をおきめになるわけでございます。この法律の趣旨をも、人事院のほうが当然法律に規定することでございますから、汲み取られまして、人事院規則で警察官の宣誓の内容は、警察官は一般職の国家公務員なり地方公務員でもあり、なお且つ警察法のほうから言いますと、第三条のような特に厳重な宣誓をすべきものであるという、そういう内容を含むべきものであるという規定でございますので、それをお含みになりまして、そういうものをお作り頂けばいいわけでございます。今お話がございましたような主権在民の精神も入れ、なお且つ第三条にございますような不偏不党、公平中正に職務を遂行しなければならないという内容のものを人事院規則でお作り下さればそれでよろしいわけでございます。決して別のことではないと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 関連質問だからこの程度にしておきます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今の御答弁を承わつておりますと、今問題になつております人事院規則の制定の問題に触れられまして、警察官の場合にはこの法案による条件を考慮して人事院規則を人事院が制定すればよろしい、こういう御答弁でございますが、国家公務員法の第十六条によりますと、人事院としては国家公務員法による規則の制定以外に権限がございません。それ以外の条件について、それ以外の法律について人事院が人事院規則を制定するという権利は国家公務員法の第十六条で厳格に規定されております。そしてこの問題につきましては、只今衆議院で問題になつております国家公務員法の中ではこの問題は一応の考慮はされておりますが、はつきり申上げておきまするが、国家公務員法第十六条による人事院規則の制定は、この際はこの国家公務員法に基かずには如何なる人事院規則の制定もできないことは明確でございますから、その意味では只今の答弁は我々としては承服できない答弁です。御答弁願います。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) 国家公務員法の十六条のお話がございましたのでございますが、国家公務員法の十六条の厳密な意味の解釈といたしましては、お尋ねの委員のかたのほうが御承知であり、私素人で失礼かと思いますが、人事院はこの法律の執行に関し必要な事項について人事院規則を制定する、警察官も一般職の国家公務員でありまして、すべてこの国家公務員法に服しておるのでございまして、国家公務員法の執行に関しまする内容にこれは入るものであると私どもは解釈しております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 もう少し今の点はおわかりにならないようですから御説明申上げますが、今回の国家公務員法の改正の中には、国家公務員法及びその他の法律という条項が加わつたわけです。若しこれが加わつた場合には警察法によつて人事院規則に若干の変更を加えることが認められる。こういう含みがあるわけですけれども、現行法ではそういうことは不可能です。この法律によつて人事院規則、そういうものを規定することはできない、こういうことになつているから今のような問題が起るわけです。ですから今の御答弁は全く主観的な、まあ何と申しまするか、常識的というよりも御存じないからそういう御答弁ができるので、この法律並びに今回提案されて恐らくこれは成立しないだろうことは御承知の通りですね、そのまま流れそうだと言われている国家公務員法の一部改正、これとの関連が大いにあるわけですけれども、一方が通らない限りこういうことをおきめになりましても、この第三条に入れてある内容を人事院規則のほうへ盛り込むことは不可能である、こうなつておりますが、この点は如何お考えでございますか。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) 警察法案の第三条のこの内容は現行の警察法にもこれと同じ内容のものがあるのでございまして、従来から警察法にこの内容があることを同じままに規定をいたしましたので、私どもは国家公務員法の人事院規則の定める範囲におきまして、このことができるものということを考えておりまして、法制局と打合せましてこれを書いたのでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そうなりますと、ますます問題はむずかしくなります。現在こういう法律がありながらこういう宣誓をしていない。すべての警察官が……。こういうことをお認めになりますか。もう一度申しましようか。現在現行法にこれと同じ宣誓内容の規定条項があるとおつしやつたわけです。ところが人事院規則におきましても、今申しましたようにこういう内容の宣誓はしておりません。それから地公法においてもこういう内容の宣誓はしておりません。そうしますと、現在の警察職員のすべてが法律違反の宣誓をしている、こういうことになりますが、こういう事実をお認めになりますか。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○政府委員(柴田達夫君) 現在の警察職員は国家公務員法に基く人事院規則でおきめになりました宣誓を行なつているのでございまして、その上に実際におきましては、第三条の規定するような内容の宣誓も併せて行なつているのでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) この点につきましては重要でありますから、やはり小坂国務大臣か斎藤長官か、どちらかにはつきりした責任ある答弁をやつてもらいませんと、法律と関連性がありますから、その点は小坂国務大臣から一つ……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 現行法の第三条にも宣誓の内容に関する規定があるのでございまして、この字句の使い方がどうも少し翻訳的な匂いがあり過ぎるのじやないかという感じがいたします。まあ余り字句が上手でないかも知れませんが、日本語らしいもので書いてみたらどうかということで、この三条にあります点について、特段のお叱りを受けるような点を実は私ども予期しておらなかつたのでございますが、現在御承知のように、国家公務員でありまする国家地方警察職員の宣誓につきしましては、国家地方警察基本規程第七十三条というのに宣誓の内容が書いてございますので、それを念のために読上げますと、「私は日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、その綱領が警察職務に優先してそれに従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従つて、公正に警察職務の遂行に当ることを厳粛に誓います。」という文面でございますが、今度の法律改正をお認め願いましたのちにおきましては、これは公安委員会が決定さるべきことでございますが、そうした趣旨の内容を持つた宣誓書というものがやはり使われるようになろう、かように考えている次第でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それでは今の大臣のお答えによれば、只今までの政府委員各位の御答弁は皆間違つているということになるわけです。そういうふうに判断して次の質問をしてよろしゆうございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) どうも間違つているというのがよく私にはわかりませんですが……。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そうですか、それじや申上げます。先ほど来の御答弁は、人事院規則による宣誓一本であるという御答弁であつたわけです。而もその内容というのは、今の大臣の御答弁では別にするというような御答弁でございましたけれども。先ほどからの御答弁では、こういう内容を人事院規則の中に入れてこういう宣誓を一本でするのだ、つまり国家公務員としての一本の宣誓でやるのだということを今まで御答弁になつておつたわけです。ところが最初二本の宣誓をするのか、一本かということをお尋ねしたときには一本だという御答弁であつて、そうしてその一本ならば、人事院規則によれば……という宣誓じやないかということに対しては、この法律ができればその内容を変えるのだ、こういう御答弁であつた。だんだんお尋ねして行つている間に、只今の大臣の御答弁では、これは公安委員会できめて、その公安委員会がきめた従来のような宣誓をするのだということに変つて参りましたので、若し大臣の御答弁が正しいとすれば、只今までの御答弁は間違つている、こういうことになるわけですが、その点は如何でございますか、大臣に一つお尋ねいたします。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 今申上げましたのは、そうした内容を人事委員会規則によつてきめてもらいまして、それを宣誓する、こういう趣旨でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私は御答弁がばらばらですから、この質問を一応これで保留します。そしてあとで十分御検討になつて、もう少ししつかりした御答弁をお願いいたしたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私のお答弁は別にばらばらではないと思うのでありまするが、なおばらばらと言われるのは他の意見が違うという意味であろうと思いますから、斎藤国警長官から。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 宣誓は国家公務員法或いは地方公務員法一本で行う、かような趣旨でございます。そして宣誓の内容は国家公務員については人事委員会規則でおきめになつておりますが、(「人事委員会規則というのは何ですか」と呼ぶ者あり)人事院規則でおきめになるその宣誓文の内容に、警察官についてはこういう宣誓という内容を作つてもらう、こういうことに人事院、法制局等と打合せ済であります。従つて我々の了解といたしましては、国家公務員法を改正しなくても人事院規則でこういう警察官の宣誓についてはこういうものだということが書ける、かように了解をいたしておるのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 やはり堂々めぐりでございます。先ほどそういう御答弁があつたので、そこで国家公務員法によつてそういうことはできないということになつている。そういうことからそれでは警察官というものは二重宣誓しているのか、或いはそうでなければ従来の警察法におけるこういう内容を持つた宣誓というものは無視されているのではないかということに対しては、今度は別な御答弁が出て、それでは二本建じやないかというと、又今のようなところへ返りまして、堂々めぐりを始めましたので、やはり部内での御見解を御統一願いたい。そして今の点を明確にして頂かなければ結局質問答弁が堂々めぐりするだけでございますから、時間があれば私は明日の朝まででも堂々めぐりいたします。これはいつまでたつても尽きない問題でございますから、今の御答弁の範囲では。そこでこの問題はやはり非常に私どもとしては気になる問題ですから、御研究の上ではつきりした御答弁を願つて、そして議事進行に協力いたしたいと思いますから、そういうふうに委員長のほうでお計らいを願いたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 委員長のほうではそのように扱いますが、湯山君にちよつと申上げますと、人事院関係ですね、先ほど委員長は人事院総裁をと言つておりますが、そういうような関係は必要ありませんか。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 ございません。もうはつきりしておりますから。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ございませんね。ただ了解済というようなことに対するところの明確なことは必要ございませんね。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それはできないはずです。今までそういう問題は関連してこの問題じやなくて、他の教育公務員の問題のとき等においても十分論議されまして、人事院側の見解というのは明瞭でございますから。それでこういうまあ質問もできるわけでございまして……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) わかりました。それでは委員長としては、一つ政府のほうでも只今のところで方針を統一して頂きたい。それから質疑を進行して頂きとうございますが、そのほうは保留されますのですね。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 只今の点を保留いたしまして、今度は仮にまあ今の点が明確になつたとして、宣誓の内容についてお尋ねいたしたいと思います。この中に日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にと、こういう意味のことがございますが、これは非常に今の段階において警察職員各位にとつての大きい問題だと思いますのでお尋ねいたします。現在大臣も御承知の通りに日本国憲法の特に九条につきましては、戦争放棄の条項につきましては、その解釈が即その党の性格というほどまちまちでございます。これは昨日の本会議おきまして秘密保護法の討論におきましても、あの秘密保護法が憲法違反であるかどうか、そういう問題について亀田或いは一松各議員からこの点についてはいろんな場合の御指摘がありました通りです。で警察官が若し日本国憲法を擁護するという立場で、而も不偏不党ということになれば、一体あの戦争放棄の条項についてはどういう解釈をとるのが不偏不党の解釈か、これを大臣から一つ明確にして頂きたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 不偏不党というのは要するに「何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、」非常に中正にやつて行く、而も自分の感情を混えないで、或る者を憎しみ、或る者を特に偏愛するというような気持をなくしてやると、こういう意味でございまして、第九条の解釈というような場合はこの際問題に特にすることはないのではないかと私は考えます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 抽象的にはそういうことが言えると思うのですけれども、例えば自由党の中にもまあいろんな御議論があるようですが、即ち総理の御答弁は戦力になれば憲法違反だと言つておられる。ところが昨日一松氏の討論におきましては、戦力になろうが何だろうが、とにかく国際紛争解決の手段として用いなければ、これは戦力であろうが何だろうが憲法違反ではない、こう言つておられるし、或いは社会党のほうの立場では、それはとにかく一切憲法違反だと、こういうふうな解釈をとつておる。そうなりますと、抽象的に不偏不党ということはあり得ても憲法を守つて行く、具体的に日本国憲法を守るという立場に立つてどの憲法が不偏不党の憲法かということがわからなければできないことなんです。これは大臣も教育二法案における憲法の言葉等の解釈について、総理並びに副総理の答弁からもよくおわかりのことと思う。そういたしますと、一体憲法をどういうように解釈することが不偏不党か、この警察官が守つて行かなければならない、憲法とは一体どれか、解釈が三つも四つもあつて、それがいずれも同じように正しく取上げられている場合においては、そういう点はこういう国会の審議で明確にする必要があると思いますので、具体的に大臣の御所見を伺いたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 法律の解釈、或いは大きく言えば憲法の解釈というものにつきましては、一定の解釈が存在はするのでありますが、勿論そこに異論のある場合もあるのであります。異論がある場合どうなるかと申しますれば、最終的には最高裁の決定がこれに基準を与えるということになろうと存じております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私がお聞きしておるのは、そういう学問的な問題とか訴訟上の問題じやなくて、警察職員の各位がこれを守つて行かなきやならないという憲法はどれかということをお聞きしているので、こういうことをお聞きするのは、最近頻々として起つておりますあの公安調査庁初め各国警において例えば郵便局を直接訪れる、或いはポストに投函しておる人についてこれを尾行して、その内容、宛先等を確める、或いは第三者を通じてこういうことをやつている、まあこういつた事態、こういつた行動は、これは大臣はそういう命令を下したことはないとおつしやいますし、国警長官もそういう命令をしたということはないとおつしやつておりますけれども、ともかくも事実においてそういうことがある。そういたしますと、例えば社会党のような憲法解釈をしておるものはこれは警察官の憲法擁護という概念とは違つているという判断をしておるかも知れない。或いは逆に自由党のような解釈をしておるのが憲法擁護に反しておるという解釈をしているかも知れない。そういうことがまちまちになつたのでは職務の遂行ということはできないと思います。そういう意味合から警察職員に対してはどういうふうな憲法の解釈が正しいのだ、不偏不党の解釈である、公正中正な解釈であるというようにそれでは御指導になつておるか、この点を伺いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 憲法のそういう点におきまする解釈ならば、極めてはつきりしております。私はもう人権の擁護ということに徹底すべきものである。法律を擁護する立場、憲法を擁護する立場、すべて人権の擁護から始まるのではないかと思います。そういう趣旨において指導しております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 人権擁護の立場はよくわかりましたが、それでは戦争放棄の条項についてはどうお考えでございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 日本が平和国家として世界の平和を愛する諸国と相携えて民主主義を守る、こういう立場で日本国憲法を解釈いたしております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 だんだん抽象的になつて行くようですが、現在問題になつておる点は大臣も御承知の通りです。でこの戦争放棄の条項の解釈が党の性格を決定するというような今の段階におきまして、一体警察職員が不偏不党ということを守つて行こうとすれば、一体どういう解釈を支持すればよろしいか、それを伺いたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警察官が不偏不党、中正な立場を守ると申しまするのは、その職務の遂行に当つてでございまして、従いまして如何なる党であろうと、その職務の遂行については中正でなければならない、こういうことでございます。従いまして、只今憲法解釈についていろいろ御意見がございましたが、戦争放棄に関する憲法解釈、この解釈によつて、この種の解釈をしている人に対してはどう、この種の解釈をしている人にはどう、そういつたようなことがあつてはならないのであります。又警察官が職務を執行いたしまする場合には、それぞれ法律によつて行うのでございまして、こういう学説を信じているものに対してはこういうような取扱いをするというようなことは、これはあつては相ならないと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それでは只今の御答弁によれば、今日のように学説としてではなくて、実際政治面において憲法の解釈、そしてそれの実行の仕方というものが分れておるような場合にはどれにも荷担しないという態度をとらせると、こういう意味でございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) さようでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それでは今の点よくわかりました。  次にお尋ねいたしたいのは、この宣誓とそれから例えば上司の命令というようなものとはどちらが優先いたしますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 勿論宣誓でございまして、この宣誓の趣旨に反する上司の命令はこれは聞く必要はございません。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それではすでに問題になりました高知県或いは神奈川県、群馬県、島根県、長野県、或いは最近では北海道においても同様の事例が起つておるようでございますが、信書の秘密を侵した警官がある。命令ではないにしてもそういう事実はお認めになつておられるようですが、その場合に命令した者があれば、勿論これは宣誓違反であるし、又命令を受けなくてもそういう行為をした者、信書の秘密を侵そうとした者、或いは侵した者はこれはその警察職員個人がすでに警察職員として宣誓違反をやつている、こういうことになると思うのですが、そういう場合にはどういう措置が従来とられておりますか、伺いたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 只今挙げられましたいろいろな事例につきましては、事実に相違している点も中にはあるのでございますが、これらの一々の点は申上げませんが、信書の秘密を侵したということがあつたといたしまするならば、これは当然に法律の制裁も受けます。又人事管理上の懲戒その他の処分も当然受けるのが至当でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そういたしますと、今日まで起つた中で、信書の秘密を侵したというような事例についてはどういう措置がとられておるわけでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 明らかに信書の秘密を侵したという報告は受けてはおりません。ただ信書の秘密を侵すような何といいますか、例を申しますると、アカハタの配付先を聞いたというように言われておりますが、事実は、この頃アカハタは局から郵便物として配達されているか、全体若しそうならどのくらい部数が来ているものですか、というような質問をした場合がございまするが、そういつた場合におきましても、警察官といたしましては、さような信書の秘密を侵す虞れのあるような疑いを受ける、そういつた言動は慎むべきだとかように厳重に訓戒をいたしておるのでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 恐らくこういう問題は法務委員の各位からなお詳細な御質問があると思いますので、時間もないようでございますから、もう一つだけお尋ねいたしたいと思います。国家公安委員会の委員も又同じようにこういう宣誓をすることになるわけでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) この法律の第十条によつてさようでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 国家公務員の宣誓からは国家公安委員は除外されておると思います。つまり国家公務員法の適用を受けないと思うのです。そういたしますと、どういうわけで国家公安委員はここの宣誓をするのでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 国家公安委員は特別職でございまするから、一般職のいわゆる国家公務員法の適用は受けません。併しながらその職務の実態に即しまして、国家公務員法を準用したほうがよろしいと考える条項を第十条で準用いたしておるのであります。国家公安委員はやはり一般職の公務員と同じように、この宣誓をいたすのが職務の内容からして適当であると、かように考えたゆえんでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そういたしますと、国家公安委員の宣誓内容と、そして一般の警察職員の宣誓内容とは先ほどの御答弁とも関連するわけですが、若し人事院規則によつての宣誓をするとすれば、内容が違つて来るとこういうことになりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 特別職の公務員は総理府令によつて宣誓の内容をきめることに相成つておりまするから、従つて必ずしも一般職の警察官が行いまする宣誓の内容と、特別職の公安委員が行いまする宣誓の内容とは一致する必要はないと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それでは更にお尋ねいたしたいのは、第三条による「この法律により警察の職務を行うすべての職員」と、この「すべての職員」の中に公安委員は入るか入らないか、これを明確にして頂きたいと思います。と申しますのは、特別職といえども職員であることには違いないわけです。これは公務員法等によつてきめられました通りに、職員を特別職とそうでない一般職とに分けておるわけですから、特別職も又職員である。そういたしますと「すべての職員」という中には、特別職も当然含まれる。そうするとすべての「警察の職務を行うすべての職員」という中には、当然国家公安委員も入ると思いますが、この点は如何でございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) ここに書いてございまする「すべての職員」と申しまするのは、法文はちよつと余り上手な作り方ではございませんが、服務の宣誓を行うすべての職員と、かように解釈をいたしております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それではこの文章が間違つておると、こういうことになるわけでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 間違つておるとは思いません。表題は「服務の宣誓の内容」、そしてその宣誓の内容にはこういうことを書かなければならない、宣誓をやる義務のあるものは何であるか、先ほどのお尋ねのように、これは国家公務員法、或いは地方公務員法、或いはその他の法律でございまして、従つて国家公安委員には第十条で宣誓をするようにいたしておりまするから、その意味でここに公安委員も入る、かように考えております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私は法律のことは余り詳しくはございませんけれども、法律の建前から申しまして、この三条は総則なんです。この法律の第一章の総則の中の第三条で、「この法律により警察の職務を行うすべての職員は」と、これが一つのまあ主語ですね、その者は次のような宣誓をしなくちやならないというのだから、当然解釈としては公安委員だろうが何だろうが、すべて特別職も一般職も含めて「すべての職員」の概念に入るはずです。それを今のような御解釈をなさるとすれば、これはどうも日本語の建前を根底から変えて行かなくちやならない、こういうことになりますので、そういう解釈は一体どういうところから出て来るか、純粋に解釈して頂きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第三条は先ほどから申しておりまするように、宣誓の義務を課しておる条文ではございません。宣誓の内容、それにはこういう旨の服務の宣誓を行うのだ、こういうことでございまして、宣誓義務を課するのは別の法律又は別の条文でやるわけでございます。その点を御了解願いたいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 ちよつと御答弁がそれておると思います。つまりこの「すべての職員」の中に、第三条に規定した「すべての職員」の中に国家公安委員は入らないという御答弁だつたので、それではおかしいじやないか、「すべての職員」というのは、職員という概念は特別職も一般職も入るのだから、すべての職員」という中には公安委員も、すべての警察職員、皆入るわけじやないかという御質問をしておるわけですから、この宣誓の何と言いますか、性格とかそういうものでなくて、この第三条における「すべての職員」というものの中には当然公安委員は入るのではありませんかということに対しての御答弁をお願いします。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) この中には公安委員も入ります。入りますが、これはこの条文によつて当然入るのではございません、宣誓の義務は……。公安委員は他の条項によつて宣誓の義務を課しておりますから、従つてこの中にも当然入ります。そのように申上げたのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 非常にわからなくなつて参つたのですが、これは一体第三条というものは幽霊のようなものになつてしまいました。なお先ほどのと併せて今のような点も御検討願いたいと思うのです。  更に第十条ということをおつしやいましたが、第十条の国家公務員法の、特に九十八条の第一項は、上司の命に従う、服従するという義務の規定があるわけですが、さようでございますと、第十条によつて規定されているからというようなお話ですが、国家公安委員の上司とは一体どういうのが上司になるわけでございますか。国家公務員法第九十八条第一項……。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第九十八条第一項を準用いたしておりまするのは「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、」この点が特に必要であると考えて準用をいたしたのであります。「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」とございますが、これは上司がございませんから、この点御了承願いたいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それじや特にここへ九十八条第一項というのを挙げたのは意味がないわけでございますね。「法令に従い、」というのは、もうすべてきまつています。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 大体一般職の公務員に適用されているので、この公安委員に準用したほうがよろしいと思うものを全部準用いたしましたので、これを除く必要はない、かように考えております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 上司の命令に従いという規定を上司のないものに適用する、殊にここへは全部を網羅したのじやなくて、何条何項とちやんと抽出してあるのですから、抽出するときにそういう必要のないものは省くものなんだ、それをあえて挙げておつて、而もそんなものはなくてもいい、あつたところで差支えないのだということは如何にも納得しがたいのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは第一項全部を準用する必要がないのではございません。先ほど申しましたこの前段が準用に相成る。後段は上司がないから準用の際に準用ができないということでありまして、法令に当然に従う、或いは上司のある場合には上司の命令に忠実に従うというのはこれは当然のあれでございますが、当然のことを法律に書いたのであります。その当然のことを公安委員にも準用するということは差支えないと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 法令の定むるところによつて法令に従うというようなことは言わなくてもわかつている。それでもそれを書くから、ついでに上司がなくても上司の命令に従うということもつけておく、一体こんな法律でいいのかどうか。私は時間がありませんのでもうこのあたりで打切りますけれども、只今の問題にいたしましても、それから第三条の服務の宣誓だけにいたしましても、これだけ問題がございます。なおそれについては先ほど委員長から保留されましたように、御答弁願わなければならないことが残つておりますが、時間も参りますから、ここで一応私の質問を打切ります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 私は他の一般的な問題についても御質問申上げることがたくさんありますが、今湯山委員が質問いたしました第十条の関連でも、やはり質さなければならないと思つておりましたので、先ず最初この点からお尋ねを申上げます。  只今の御答弁を聞いておりますと、国家公安委員に対する服務条件等を決定しました第十条をみますと、国家公務員法の第九十六条第一項を初めとして、国家公務員法を準用するという条件がその服務に関して相当広汎にこの法律に出て参つておりますが、私どもこの法律を見まして、この服務の問題について考えられますことは、一体国家公安委員の服務の関係について、どうして従来の官吏服務紀律によつてそのままこれを適用しても差支えないものを、第九十六条第一項、或いは第九十七条、第九十八条第一項、これは只今問題になつた条項であります。そのほか第九十九条、第百条第一項及び第二項、第百三条第一項及び第三項、その他これらことごとくを検討して見ましても、従来の官吏服務紀律をそのまま援用することによつて、何らここに新らしくこの法律の条文に特に抽出しなければならなかつた理由の発見に若しむのでありますが、その中でも一番問題になりますことは、只今の公務員法第九十八条第一項であろうと思うのであります。一体この場合に只今も問題になりましたように、国家公務員法によりますと、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」一体国家公安委員の上司というのは誰であるのか、今までの政府の答弁を聞いておりますと、例えば衆議院における連合委員会の答弁において、五月六日石山委員の質問に対してこう答えている。「委員会は御承知のように五人で、奇数委員会でございます。そこで委員自身は表決権を持つておりますが、委員長は表決権を持たない、ただ採決権を行使するということになつているわけであります。」これは小坂国務大臣の答弁であります。「従つて国務大臣である委員長の意思というものは、国家公安委員会を拘束するというようなことにはならない。委員自身がその判断と責任において警察業務を管理運営する。」こう答弁しておる。そうすると、この法律の建前は、この答弁を以てすれば、国家公安委員はその五人の構成する委員会の中で警察業務の管理運営に当つては何人の拘束も受けずに独自の判断において委員会がこれを決定する、こういうことになるわけです。そういう建前であるとするならば、国家公務員法の九十八条を援用して「且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」大臣の御答弁とこの条文を援用したことの中には明らかに食い違いが出ておりますが、先ず上司は誰であるか。それからこの上司があつて、上司の命令を受けるということになつて、一体公安委員会の委員がその機能をこの法律の所期する通りに発揮できるとお考えになるかどうか、この点を承わりたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 国家公安委員の各自におかれては独自の判断において独自の責任で警察業務を管理運営するわけであります。これは今お読上げになりました速記録の通りであります。そこでそれじや誰が監督するかということになりますが、これは私国民であろう、国会であろうと思います。そこで上司というものはないわけでございまして、これは先ほども国警長官お答えいたしました通りでございます。九十八条の第一項というものは先ほどの御答弁にもありましたように、後段についてはちよつとおかしいという気がするのでありますが、併し九十八条をそのまま書いて前段だけ適用して行くのもおかしいので、九十八条の第一項、こういうことになつているかと思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そういたしますと、政府の提案した御意向の中にも、この九十八条の第一項の全文をこの際この法律の中にそのまま記述するということについては、これはその御提案の趣旨なり、只今の御答弁から言いましても、第一項後段にかかわる部分についてはこの法律から除外すべきであるということになりますが、そう了解して差支えございませんか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第一項前段を準用すると書けば或いはそれでもいいかもわかりませんが、そういう書き方はできません。法律といたしましては、これは準用でございますから、上司がなし、職務上の命令を受けるものがないというものには準用のしようがありません。準用のできるところだけを準用するわけでございますから、これで適当であると考えております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 問題はこの法律の援用だけということにとどまらないのです。それは国家公安委員会が果して政府の提案理由の説明にありますように、政治的中立性を保つ会議機関たる現在の性格を一貫して堅持し、そうして飽くまでも国家公安委員会は中正な判断に立たなければならないと規定されている。そういうことに法律が提案されておりまするし、最も国会でも論議の対象になり、そうして又委員諸君の懸念するところは、国務大臣が国家公安委員長になつて構成される、この国家公安委員会が果して中正な判断に基く運営が行われるかということです。それから政治的中立性を保つ機関になるかどうかということ、こういう点が最も問題になる点でございます。従つてそういう点が問題になつているときに、国務大臣を充てることが問題になつているときに、更にその委員諸君の服務に対して明らかにあなたがたが要らないと言つている後段の法律を援用する場合のやり方が、こうなつているからこれを援用したということだけでは済まない問題だと思います。つまりこの場合こういう法律ができれば、この国家公安委員に対しては何らかの上司があるという前提に立つて解釈をされることになるんです。法律がそんなでたらめな規定をすることはできないことは当り前です。従つてそうなれば上司がないものに対して上司の命令に従わなければならないなどという法律は、これは法律として立法すべきじやないのです。一体そういうことになりますと、只今申上げましたように公安委員会の機能そのものについて、それから又運営について少くとも疑念を持たれている法律案の中で、殊更にこういう上司があるかのごとき、只今の御答弁によりますと、上司はないというのですから、上司があるかのごとき法律をここに援用するということはまずいのじやないのですか、その点はどうですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 法律を準用します場合に、そのどの部分というのは書かないことになつているようでありますが、内容のないものにつきましては、当然その法律の適用はない、その部分はないのであります。従つてこの九十八条第一項の場合、公安委員に上司はないのでございますから、上司のないものについては適用はない、こういうふうに考えておる次第であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今の問題になつておりまするのは、国家公安委員に対する服務の関係でこの法律が問題になつておるのです。他の警察の職員とか或いはその他の場合を含んでいる場合ならばいざ知らず、国家公安委員に対するその服務の関係でこの第十条が規定されようとしておるのです。そういうことになると、この規定はこの委員諸君に関係のない問題でありまするから、従つて公安委員だけを対象としている第十条の場合に必要はない。そんな立法をすることは必要ないじやありませんか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 準用される第九十八条第一項が上司のある場合の規定だけであるならば、これに準用はいたしません。九十八条第一項は上司のある場合、ない場合含めて書いてあります。上司のある場合には上司の職務上の命令に従うとあるわけでありますから、これを準用でなくて、条文をこの中に全部書くという場合でありますれば、後段を削つて書くわけでありますが、準用という法律形式を用いましたから、従つて前段、後段という準用の仕方ができませんから、かようになつたわけであります。重ねて申上げますが、九十八条第一項が上司のある場合に全部限つておるならば、これに準用はいたさなかつたのでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今の答弁から言いましても、少くとも国家公安委員の場合には上司がない。そして第十条はその上司の命令に服従しなければならないという条文ですから、而もこれは国家公安委員に限る場合の上司ですから、これは第十条の国家公務員法第九十八条第一項の後段については、これはこの表現は少くともこの法律案は妥当なものでないということがはつきりいたしましたから、私は次の質問に入ります。    〔委員長退席、人事委員長松浦清一君着席〕  それから最初に戻つて御質問申上げますが、国家公安委員会はその委員長に国務大臣を充てるということに第六条に規定されておりますが、政府はこの法律案の提案に当つて治安責任の明確化を期したと言われておるのでありますが、まあ私はその点では了承いたしますけれども、併し同時にその提案理由の説明の中には政治的中立性を保つ会議機関たる現在の性格を一貫して堅持した。そうしてその公安委員会は中正な判断に基いて警察の管理運営を行うということを期待していると言つているのでありますが、現在の議院内閣制に基く日本の場合において、議院内閣制は当然の結論として政党政治であり、そしてその政党内閣の下におけるその大臣が果して政治的な中立性を保つことが可能だと考えたその理由はどこに根拠なり釈明なりを持たれているか、その点を承わりたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のごとく現在の憲法六十五条には「行政権は、内閣に属する。」とある。六十六条は、内閣は連帯して国会に対して責任を負うということで、その国民に対する責任、行政府の責任、立法府に対する責任を明らかにしておるわけであります。治安の責任というものもやはり行政の一部でございまして、これはやはり憲法上からみましても、国会に対して責任を負うべき立場にあると思うのであります。併しこの治安の責任をそういうふうにして極めて明確にいたしますることは必要でございまするが、半面そこに警察の中立性というものが損われる虞れなしとしない。そこでこれを如何に調和すると言いますか、如何にこれを按配するかということで、公安委員会の活用ということを強く前面に打出してやつておるわけでございます。御承知のごとくこの公安委員というものは奇数になつておりまするので、その際に表決権を行使いたしまするのは委員でございまするから、可否同数ということは重大問題のときにはあり得ない、事実上あり得ない。病気であるとか、或いはそうしたような事故があつた場合はどうするということもありましようと思いますが、そういう際には委員の職責においてその意思の表明をなすことは十分あり得ると考えます。委員長は国務大臣を以て充てることになつておりますので、現在の議院内閣制の下におきましては、恐らく政党に所属するであろうと思います。併しその委員会の委員長の地位というものは、これは表決権を持たず、採決権のみを持つておるのでありまして、その公安委員会の意思を表明するという場合に委員長の意見が表決権に現われるということはないのであります。そこで政府の治安に対するところの考え方というものを常時公安委員会に国務大臣たる委員長が出席いたしまして、その間に種々隔意なき話合いをなすということによつて、いい意味で内閣の考えとか、治安に対するところの考え方、公安委員の中正なる、不偏不党の考え方というものが、そこに意思の十分なる疎通をし得るであろう、こういうふうに考えておる次第でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 憲法に基く国会に対する行政部門の責任という立場から、ここに国務大臣を充てるということを政府としては考えられておるのでありますが、成るほど行政府としては憲法に基いて国会に対して行政全般に対して責任を持たなければならないことは明らかでありますが、併し従来の敗戦後における日本の民主化を図るという立場から言いますと、ひとしく行政部門に属すべき、これは例えば司法、立法という分類の中でどこへ入れるかということになれば、当然これは行政部門の中に属さなければならないという考えで行政府に所属しておるものの中に、おつしやるように例えば警察の業務、或いは例えば教育に関する行政の問題、或いは人事行政に関する問題というふうに、これらも行政部門の一環として、その体系の中では国会に対して、若しくは国民に対して政府が責任をとるという建前になつておりますが、ここで問題になりますことは、今申上げたこの三つの部門等については、単に他の行政部門における場合と同様の考えを以てこれに当つては、日本の民主化を期待できないという条件があるはずでございます。例えば一例を申上げますと、人事行政等の場合において、曽つての政党内閣に基く官吏行政におきましては、官吏個々人の猟官性を誘発し、非常に弊害を伴つた官僚制度を築き上げてしまつた。一方では政党が内閣担当を交替することにそれらの官吏に対する身分の保障等が絶えず不安定な状態に置かれて来た。そうして同じその官吏自体の中にもそういう条件の中で非常に不公平、不利益な取扱いを受けるものが出たり、場合によつては特に有利な条件で取扱われるものが出た。つまり政党の意思によつて動かされる。政党内閣であるが故に官吏の身分は不安定且つ不利益、不公平に扱われるという状態のために、そのために敗戦後における日本の国内にこの官吏制度の改革という立場から、行政部門の中に所属するけれども、併しその中で独立した機関としての人事院の制度が設けられ、公務員制度が設けられたことはこれは大臣も御承知の通りなんです。同様に教育の問題につきましても、これは教育行政の所属は成るほどこれは内閣に所属するにいたしましても、教育の内容等については一党一派に偏すべきではないという教育基本法の建前に立つて、教育部門の問題が今日まで考えられて来ております。同時に問題は警察行政の場合にも、警察業務の場合にも同様の条件があることは、これは大臣も御承知の通りであります。つまりこの三つの場合におきましては、他の農林行政とか、或いは通産行政とか、水産行政というような形で考えられている行政部門と同様に扱わるべきではないし、同様に扱うことは非常に日本の民主化にとつては弊害と、それから将来に向つての不安を持たざるを得ない。こういう立場からこれはたとえどの政党にしても、どの内閣にしても、この問題については慎重な態度をとらなければならないことは当然のことだと思うのです。  そこで問題になりますことは、政府のほうでは今回の法律案の提案に当つて非常に重点を治安責任の明確化、つまり治安に関する行政上の責任を政府はとるという建前に立つているのはわかりますけれども、それに余り急なる余りに、本来警察行政、警察業務の場合において当然考慮しなければならなかつた、例えば他の人事行政の場合、或いは教育行政の場合と同様にこの問題についても中正な判断を所期し、或いは政治的な中立性を確保するという行き方でなかつたならば、これは政党内閣、その内閣が交替することにこの問題をめぐつて警察行政のあり方について必ず将来好ましからざる条件が絶えず惹起して来ると考えなければならないと思うのです。そういう意味では国家公安委員会も行政部門の一部門であるという考え方だけで国会に対する責任云々という、そういう答弁だけで片付ける問題ではないはずです。従つてこういう以上述べたような観点からすれば、国務大臣が国家公安委員会の委員長であるということは、これは少くとも公正な警察行政を行うというためには好ましからざる条件だと考えなければならないと思いますが、大臣としては今申上げた、例えば行政部門の中におけるその三つの行政の問題について大臣はどうお考えになつておられるか、この点を伺つておきたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 仰せのごとく治安の責任を非常に明確化しようと考えますれば、誠に政党政治からする弊害が出て来るということは考えられるのでありますが、私ども治安の責任を極端に明確にしようとすれば、これは公安委員会というようなものを置かないでやるという方法が最も私は責任の明確化になると思つております。併しそれではなりませんので、公定委員会というものを設置いたしまして、特にこれに運営管理の強力なる権限を与えておりまするわけでございます。而も委員というものは任期が五カ年間これは全く保障をされております。任期が保障され、それ自体良識を持つた見識のある人でありまするから、これが運営管理の中心となつて参りまする際に、仮に横車を時の政府が押そうといたしましても、これに服さざることはこれは当然であろうと思います。そこにいわゆるチエツク・アンド・バランスの原則が働いている、こういうふうに期待をいたしておりまするのでございます。お示しになりましたように、教育の場合の教育委員会というようなものにつきましても、教育委員会法第五十五条の二の規定もございまして、国家的な国家機関として処理する事務につきましては、主務大臣の指揮監督を受けることになつております。併し警察の場合はむしろそれよりももつと指揮監督を受ける度合いが少くなるのでございまして、そうして公安委員長が国務大臣として公安委員会に出席して意見を途べ、いろいろ話合いをするのでございまするが、その意思が直ちに警察行政に取入れられるという担保は一つもないのでございます。やはり何となく政府と話をする、考えを話すという程度のものでございまして、指揮監督の権限はございません。先ほども問題になりましたように公安委員には上司はないのでございます。私どもは非常にその点は保障をされておると考えております。かれこれ按配いたしまして、結局民主的保障、それから能率化、治安の責任ということの、まあほどほどの調和点と申しますか、種々御批判はあろうかと思いまするが、私は現在において言い得る最も妥当な調和点ではなかろうかと考えて、この法案を御審議を頂いております次第でございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 意見の相違という恰好になりますし、時間の関係もありますから、次の問題に入りますが、次にお尋ねしたいことは、都道府県の公安委員会は、警視総監であるとか或いは道府県警察本部長以下巡査、これはどういう名前に今後なりますか、現在ではこう言われているこの巡査に至るまで一切の任免権を持つておりません。ただ任命権者に対して懲戒罷免の勧告をすることができるだけになつておりますが、こういうやり方で人事権を持たずしてその業務の全般についてこれを管理するということが一体期待できると政府のほうではお考えになつておりますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 懲戒罷免の勧告というものは人事権とは言えないと思いまするが、併し例えば警察本部長なり警視正なりというものが地方に出て参りまして、これは本部から任命せられて行く、それが都道府県公安委員会におきまして、あの男は不適格であるから罷免したらよかろうという勧告をなされました際には、これはとても部下の掌握、指揮命令するなどということはできないことだと思うのでございます。そういう点で私はいわゆる人事権というものの範疇に属さなくてもやり得るのではないかと考えておりまするが、ただ衆議院におきまして、この点において先に御審議を頂きまして改正案が出ております。私も途中から引継ぎましたものでございまするが、この改正案は相当尊敬すべきものであろうとこう存じております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 次にお尋ねしたいことは、公安委員会に広く人材を求めるという立場から資格条件等を大幅に緩和して、警察と検察の前歴あるものに限つたという提案理由が、その制限を限つたという最初の原案でございましたが、衆議院の修正でこの二つの条件が原因もなく五カ年限りと制限しましたのは、制限の趣旨が骨抜きになつたと認められる点があると思うのでありますが、この点についてはどうですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 本来この公安委員というものは一般の市中における良識と言いますか、そうした特に専門的なものは持たないけれども、一般から常識上当然に信頼を受ける意見を持つておるというような人たちを以て構成することを主旨と考えておりまして、特に専門的な知識を必要とされるかたを必要としないのではないかというふうに考えておりますのが主旨でございます。まあ立法府の御修正には行政府はこれに従わざるを得ないのでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 同じ国家公務員という場合にありましても、警察庁の職員の定員は法律に基く行政機関職員定員法で定められておりますのに、警視正以上の地方警務官の定員は政令できめる、五十七条であります。これは一体どうしてこういうふうに行政機関職員定員法できめるという形をとれなかつたのか、この点を伺いたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 都道府県警察職員であります警視正以上は国家公務員ではございまするが、併し国の行政職員ではございませんから、定員法には入れなかつたのでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 国の行政職員ではないから、行政機関職員定員法にこれを入れなかつたと、こういう御答弁ですから、更にその次の問題に入つて御質問申上げますが、国の行政機関の中にあるものでないものを国家公務員と定め、そうして更にその次の条件としては、これらのものの階級別定員は総理府令で定める、こうなつております。職務の級の定数は一般職の給与法によりましても人事院がその職務の級の定数をきめることになつており、同時にその定数を改訂する権限もこれ又人事院が持つ、そうしてその実施についても人事院規則でその法律の第八条できめることになつております。そうすると御承知の通りに国家公務員は一般職の職員と一般職以外の職員は全部特別職で、特別職以外の職員は全部一般職職員、こういうことになつております。そうしてその一般職の職員の場合には国家公務員法で一切律せられるというのが国家公務員法の建前でございます。そうなりますと、国家公務員法ではつきりときめられているこの条件、それから国家公務員法に基く一般職の職員の給与法に基いて決定されているこれらの一般職に対する職務の級の定数等について総理府令できめることができるというのは一体どこからその法的根拠が出ているのか。この点をお伺いいたします。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは国家公務員ではございますが、併し都道府県の機関の職員でございまするので、従いまして先ほども申しまするように行政機関の定員を定めます定員法には、これは国の行政機関の職員ではございませんから当然入らないわけでございます。併しながら国家公務員であり、国が当然に給与負担する、そういつたいろいろな関係から、その定員はどこかできめなければなりませんので、それを政令で定員をきめ、又階級別定員、これを総理府令できめる、さようになつております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 どうも御答弁が不明確ですが、御承知のように国家公務員法の決定するところによりますと、国家公務員の職務はこれを一般職と特別職に分ける。一般職は特別職に属する職員以外の国家公務員の一切の職を包含する、いいですか、その特別職というのは第二条によつて、第二項第一号から第十八号まで明定されている。これ以外の職員は一切これは一般職の職員でございます。いいですか、その一般職の職員については、給与の問題については一般職の給与法できめるというともこれ又はつきりきめられている。そうしてその一般職の給与法できめられる一般職の職員に対する職務の級等は給与法の第八条によつて人事院がこれをきめるということは、これ又はつきりしておる。そうするとあなたがたの今提案されているこの法律案は、国家公務員法の第二条に違反するし、一般職の給与法の第八条に違反する。それからですよ、この条件は国家公務員法の第二条にこのようにはつきりきめられている。今申上げたような特別職と一般職以外に対しては、政府は一般職又は特別職以外の勤務者を置いて、その勤務に対し俸給、給料その他の給与を支払つてはならないと、国家公務員法の第二条ではつきりしておるんじやないですか。それをあなたがたは、これ以外に一般職の職員があるという法律案を提案している。公務員法違反じやないですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 最後の御質問は、第五十六条に書いてあります「階級別定員」というのは、その国家公務員法でいう、いわゆる級別定数と誤解していらつしやるんじやないかと思います。俸給の級別、これは全部国家公務員法においてやるのであります。ここに書いてあります「階級別定員」と申しますのは、警視正であるとか、警視長であるとか、そういつた階級を指しておるのであります。これは国家公務員法に何ら違反するものではないと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 実際上その職務の級の定数と階級別とどういうふうに違うのか、その点もつと明確にお答え願いたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) この何級何号というのとはこれは全然別でございまして、ここに階級と書いてありまするのは警察官の階級なんでありまして、第六十一条に警察官の階級というのでございまして、これは例えばこの階級に応じまして、警視正或いは警視長というものは人事院で言う何級のものであるかというのは、これは人事院でおきめになる。現在は例えば警視正は第十一級から第十二級まで、警視長は第十三級又は第十四級、こういうようにきめられております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 お尋ねいたしますが、その只今御答弁になりました警視長若しくは警察正で何級には何人、何級には何人という形で設けられているのが、これが一般職職員の給与法における級別定数ということで同じじやありませんか。どこが違うのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) それは第何級何級、これは人事院でおきめになつておるのです。国家公務員法に従つておるわけです。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 だからですね、だからそういうものをこの法律で以て総理府できめるという行き方は国家公務員法とそれから給与法の違反になるじやありませんか。この点をお伺いいたしたい。定員を行政機関職員定員法できめないでです、政令できめられて、このやり方も間違いだが、更にその定員をどういう職務の級に分類するか、あなたの場合には階級別とこう呼んでおります。階級別定員というのはその一般職の職員である警視正以上の職員に対してどの階級には何人、どの階級には何人というように定員をきめることじやありませんか。そのきめることが一体どの法律、どの根拠に基いてそういう取扱いをしたかということであります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) たびたび申しておりますように、これは国家公務員法で申しておりまするいわゆる級別の定数ということではございません。職務の級をこれできめておるのではございませんので、従つて人事院で定められる職務の級に応じた級号というものは人事院は別におきめになるわけです。何ら抵触するものではないとかように考えております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そうしますと、こう了解して差支えございませんね。いいですか。まあこの法律通りだということになりますと、定員は定員法によらずに政令できめる。いいですか。そうしてそのきめた定員の級別の定数、職務の級と呼び、級別の定数と呼ばれておりますその職務の級の定数は、これは一般職の給与法の第八条で人事院できめて差支えないとこう言われるのですね、はつきりと答弁して下さい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) さようでございます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そういたしますと、この階級別定数というものは何のための定数ですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは御承知のように警察は巡査或いは警部補、警視というような階級もありまして、その階級によつて行う。(「警視正以上です、警視正以上」と呼ぶ者あり)警視正以上には警視正、警視長、或いは警視監、警視総監、こういう階級があるわけです。これは警察の職務を遂行する上に必要な階級でありまして、国家公務員法で言われる級別というのとは全然別個のものであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 全然内容を知らないで答弁をするから話がわからないのです。取りつく島もない。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長代理(松浦清一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長代理(松浦清一君) 速記をつけて下さい。  今一時七分でありますから、二時まで休憩をいたします。    午後一時七分休憩    —————・—————    午後二時二十七分開会

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 休憩前に引続きまして、地方行政委員会、人事・内閣・法務の連合委員会を開会いたします。質疑を続行いたします。

一松定吉改進党

○一松定吉君 私は二つの点について議事進行を図ることにおいて私の意見を述べたいのでありますが、第一、この警察法という法案は、我々の基本的人権に重大なる影響のある法案であることは、私が喋々論ずるまでもございません。従つて、これの審議というものはよほど丁重に、後日法制化された後において成るたけ穴のないように、そうしてでき得べき限り完全な法律に仕上げなければならないと私は考えておりまするから、私ども法務委員会の立場から合同審査をお願いいたしたのでありまするが、その法務委員会の一般の希望といたしましては、少くとも三日間合同審査をして頂きたいという申入をいたしたのでありましたが、それは会期も切迫しておることであるからそうはできないという意味において、一日だけ合同審査をしようという御決定になつたということを承わつておつたのであります。そこで私どもは、地方行政委員会と我々法務委員会だけで一日の合同審査であるならば、まあまあこれは我慢しなければなるまいと考えておりましたところが、本日承わるところによると、これに加うるに内閣並びに人事、これだけの四つの合同審査ということに一日を充てたということでありまするが、それでは十分なる審査ができません。ただ形式だけを合同審査にかりて、内容の検討とかいうものはどうでもよろしいのだ、国会の期間も切迫しておるから、不完全ながらどうでもいいものを法案としてこれを可決確定するというお考えでありまするならば、我何をか言わんやであります。そうでなくて、本当に基本的人権に重大なる影響のある重要法案であるが故に、十分にこれを検討して万遺漏なきを期したいということであれば、この重要法案の審議に四つの委員会がただ一日、而も本日のごときはもうよほど休憩時間も長く、これから又やつてもなかなか質問は済みません。私のほうでは、亀田君なり羽仁君なりは一人で五時間はしなければ徹底的の審議はできないとまで主張しておるのであります。こういうときに、この地方行政委員会の理事会で、ただ一日だけこれを合同委員会にしようというならば、地方行政委員会の諸君は今私が批判しておりますように、不完全なる審議であつて、不完全なる警察法というものを制定しても、それで我々の任務これ終れりとお考えになつておるのかどうか、これらの点についてあえて私は批判はいたしませんが、こういうようなことを尤もだというように若し御同感でありまするならば、その点について更に理事会を開いてこれを一つ再検討して頂きたい。少くとも二日間はお与え頂かなければ、十分とは言えませんけれども、不完全ながらの審議は私はできると思う。その点について一つ理事会において更に御検討を賜わりたいということについての議事進行が一つ。  いま一つは、参議院規則の第三十六条によつて連合委員会というものを開くことができるのであるが、この連合委員会はつまり審査及び調査のため必要のあることによつて開くのであります。然らば、審査及び調査のためにおいて開いた結果、この点についてはかくのごとく欠陥があるのだ、この点についてはこういうことがあるのだから、これは一つ連合委員会において我々委員は修正案を出したいというようなことができるのかできんのか、今聞きますると、それは即ち議運において、そういうことはできないのだ、委員会はただ審査と調査のため必要があるときに開くだけであつて、決定権はないのだという慣例があるということでありまするが、その慣例は我が院の協議によつてこれを覆えすことはできようと思うのでありまするが、そういう点について一つ議運のほうに諮つてみて、それをできるということであれば、三人寄れば文珠の知恵でありますから、地方行政委員会だけで修在する以外に、衆智を集めて、この点はかように修正することがいいとあれば、そのいいほうに従つて修正案を出すことができるというように、前の議運のそういう慣習を破つてやるということが必要ではないかと思いまするが、この点について委員長の御意見を承わつて、然る後に私は議事を進めたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今一松君からこの合同審査に対する、まあ私から考えますると期間の点に対しまして御不満の意が表明せられております。この問題につきましては、実は合同審査をやりまする午前のこの委員会におきまして、亀田君及び千葉君からも同様な御不満の御意見が開陳されました。そこで私は委員長といたしまして、この御不満の意に対しまして御答弁を申上げておつたわけでございますが、一松委員は御出席でございませんから、今一つ繰返して申上げますと、只今お説の通りでございまして、誠にこの警察法の法案は重要法案でございます。これはただに政府だけが重要法案と申しておるばかりでなくして、これは国民全体のために相当これは重大な影響を及ぼすところの重要法案と私どもは考えておるのでございます。この審議に対しましては、やはり相当な慎重審議をせなくてはならないということは、私のこれは考え方でございます。併し何分にも衆議院のほうから参りました日にちが、今月の十五日にこれが参つております。そこで地方行政委員会といたしましては、多くの法案を、而もこれは相当重要な地方公共団体に対しまするところの影響のある法案を抱えておりまして、この法案のために遂に予備審査ができておりません。同時に又、十五日回付されましたけれども、又重要法案のためにこの審議ができておりません。だからして、丁度この審議にかかりまする前日の理事会におきまして、この問題につきましては十分とその間におきまして相談をしたわけであります。その節に、実は会派の間に相当な話合いがありましたが、何分にもこの法案と、審議に取りかかりました時期と、決定されておりまするところの国会の会期の問題で、その日数が非常に短いのでございまして、この間で各会派の意見というものは非常な対立がなされておりました。併し私はやはりこの重要法案を検討する上については、かねて申込がありましたところの人事及び法務、それから内閣、この合同審査は尊重せなくちやならない、どこまでもこの合同審査はやつて、そうして慣例はやはり尊重して厳存させなくちやならないという私は意見も相当理事会には強く出しております。で、只今一松委員が言われましたように、せめてこの会期の短い期間でも二日だけは是非ともこの連合審査をやつてもらいたいという意見も申しました。これはもともと申しましたならば、午前中の意見にもありましたように、やはり慣例といたしましては、一つの委員会とそれからその受くるところの委員会が、二つの委員会が合同して審査するというのが大体建前でございますけれども、会期その他の問題で数委員会が合同するというようなことも、今まで前例もありましたことでございますが、ただ期間の点に対しましては、一松委員が言われる通りに私は強く主張いたしました。併しながら、やはり会派の事情もございまして、結局一日ということになつたわけでございまするが、それにつきましては、委員長といたしましては、これは各委員会の委員長が協力して頂きまして、そうしてその委員長は責任を持つて委員のかたがたに、その一日であるというこの合同審査を有効に、そうして協力してもらうような納得をして頂くということを私は条件といたして、そうして今日まで来たわけでございます。午前中におきましても、各委員からも御不満の意がございまして、私も決してこれは快く存じてはおりません。やはり私といたしましては、不満でございまするけれども、諸般の事情のためにそういうことになつたのでございまするからして、この点もどうか一つ一松委員も御了解できますならば御了解して頂きまして、御協力をお願いいたしたいと、委員長としては考える次第でございます。  それから三十六条の問題につきましては、これは議運の決定がなされておるということだけを委員長は聞きまして、そうしてその詳しい事情につきましては、ここに参議院の法制局長も呼んでおりまするから、法制局長から答弁をさせることにいたします。

一松定吉改進党

○一松定吉君 その答弁を承わる前に、時間があるようですからちよつと申上げたいと思います。今委員長の御釈明で、一日に短縮した御趣旨はよくわかります。又会期も切迫しておるから、これをその会期中に上げたいというお考えのあることも私は了といたします。併しながら重要法案であり、審議が未熟である、けれどもこれは会期のためにやむを得ないから、未熟であつて十分に尽さないけれども、不完全のままにこれを議決して法制化しようという考えはこれは私はいけないと思う。だから、若し会期が足りなければ、今もうすでにこの会期は二回も延長しておる。なお三回も延長するということが、法律上できないじやない、できる。とにかく立派な警察法を作ろう、そうして国民が安心して、その警察法に規定されたことによつて自分らは不安のないようにしようというようなことのためには、会期を一日か二日延長したからといつて何ら不都合はないわけです。それを延長しないで、この僅かの短い間に不完全ながらこれを議決して、そうして却つてあとで悔を残すというようなやり方は、これは国会議員としてやるべきものでないということを確信しております。(「その通り」と呼ぶ者あり)でございますから、私どもはこれを審議未了に終らせて、そうして政府の面目を蹂躙しようという考えではない。立派な法律を作つて国民の安心するように一つやろうではないか、それをやるについては少くとも我々法務委員会と地方行政委員会との合同審査を三日間やる必要があるが、三日間と言いたいが、それは無理だと言えば二日間、それも無理だつたら一日でも仕方がない。然るにその一日の間に人事委員のほうと内閣委員を持つて来て、とにかくやることのできないようにしてこの法案を審議せしめるということは、これは国会議員としての本当の完全なる責務の遂行ではありません。だからそういうようなことについて一つ地方行政委員の委員諸君並びに理事のかたは、成るほど一松の言うことが正しいのだということであれば更に御考慮願いたい。成るほど我々の言うことが間違いだということであれば我何をか言わんやである。その場合できた法案が不完全なもので、こういうようなことは与党の人がこれを押切つたがために成立したということであつても、我々はその責任は負わなければならない。それでは私どもは自分らの職責を全うしたということにはなりませんから、私かくのごとき苦言を呈して、一つ少くとも我々法務委員会と地方行政委員会との間の合同審査は一日、そうして他のほうのいわゆる内閣や人事のほうは一日というくらいにすれば、我々はその間に今委員長の御趣意のように我々も協力し、各委員長も互いに協力してこの法案の通過に努力する。かような考えを持つておるのでありますから、この点につきまして、更に一つ委員長から各地方行政委員の諸君にお諮り願つて、そうして今ここで採決せよというのではありませんが、質疑の状態を御観察の上、成るほどこれではまだやつぱりたくさん審議すべきことがあるなという御理解を得られましたならば、さようにお諮り願いたいというこのことだけを私は議事進行として申上げておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 先ほど委員長といたしましても、一松委員の御発言の中にありましたことを一つ落しておりましたから、それも付加えて御答弁申上げますと、全く審議は慎重でなくてはならない、法案の性質からこれは私も同感でございます。同時にこの点につきましては、今日の合同審査会にも地方行政委員会の理事のかたも委員のかたがたもたくさんここにおられますからして、一松委員の御意見も承わつておられることと私は信じております。併しその判断につきましては、やはり委員のかたがたの御自由でございましようが、ただ委員長に言われました言葉の中に、一日では足らない、二日間はせめてやつてもらうように理事会に諮つてくれんかというお言葉でありますからして、この点は委員長といたしまして、最近の理事会がございましたときには必ずこれを提案をいたしておきますことをここにお約束いたしておきます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 有難う。それからもう一つ希望を述べておきますが、私聞くところによりますと、午前中各委員諸君からの質問に対しまして、政府で答弁のできなかつたようなことがあつたということを聞きました。そういうようなことに対しましては、我々が若しここで修正することができるとかいうことであれば別でありますが、我々は修正も何もできないのだ、ただ地方行政委員会だけでやるのだということであれば、そういう点について更に地方行政委員会のほうではこれを究明して、それらのことを我々の希望に副うことのできるように、修正の手続をとるとかどうとかいうことをなさるでしようかどうでしようか。それをもう一ついでに承わつておきたいのであります。それは我々がここで質問をした、政府は答弁はできなかつた、行詰りということで我々がそのままにしてしまつて、地方行政委員会では不問に付するということであれば、疑問がそのまま残つて、結局不完全なる法案の成立ということになるのですから、これは由々しき重大事です。だからそういう点についても一つ明らかにしておいて頂きたいということをこの際お願いしておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) その点につきましては、これは午前中の一松委員の御不在のときでしたが、湯山委員の質問に対しまして、政府のほうに意見の統一を委員長から求めております。これに対しましては、只今意見が統一したということで、それに対しての答弁を申出ております。これを一つ……。それでは法制局長が来ましたから、そのあとにその答弁を保留してやらせることにいたします。

一松定吉改進党

○一松定吉君 私がお尋ねしたいことは、この合同審査ということができる規定がある。従つて合同審査することはただ合同して質問をするだけだ、政府から答弁を求めるだけ、その質問をし答弁を求めたことについて不完全な点があれば、これを是正するということができるのかできんのか。審査ということの中には質問をするということだけではない。質問をし、答弁をし、その点についてここは悪い、ここはいいということの判断をして、その結果をこの法案の審議の上に現わさなければならない。それを現わすについては、若しこういう法案ではいけないと思えば、修正案を合同審査の委員会において出すことができるように私は思う。然るにこの三十六条の運用に当つて、議運において、合同審査の場合にはただ質問応答だけができる、調査等ができるのであつて、そういうような採決権とか、決議権とか、修正案というものは出すことはできないということが議運においてきめられておるということでありまするが、議運においてそういうことをきめられた慣習は、これを直すまではもう慣習として尊重しなければなるまいが、そのきめられた慣習は間違つておるということであれば、更に議運はそれを反省をして、そうして今私が申上げまするような連合委員会で審査の結果、これは不合理である、これは不都合である、これは修正しなければならんというときには、連合委員会でも修正案を出して、そうしてそれをいわゆる審査の完全を期するということができるように思うのであるが、そういう慣習を尊重しなければならんということがあるならば、その慣習を打破するために、いわゆる議院運営委員会において諮つて、悪い慣習を改めることができるというふうに私は考えておるが、法制局長の御意見は如何でありましようか。そういうことまでも連合委員会ではできない、これは議院運営委員会できまつた通りが立法の精神であるといえば私は何も申しません。併し三十六条の規定は、審査又は調査のため必要があるときに合同委員会を開くのであるから、その合同委員会を開く立法の精神から言えば、間違つておることは修正意見を出すことができるというのが本当だろうと思う。然らば議運でそういうことを議決しているなら、これは一つ改めることができるのだということであれば、私は委員長にお願いをし、そうしてこれを議運に更にかけて、そういうことができるといういい慣例を作つてもらいたい、こういう質疑です。それについて法制局長官の御意見を承わりたい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 先ず法制局長の奥野君から答弁させます。

奧野健一法制局長

○法制局長(奧野健一君) お答えいたします。連合委員会の規定は参議院規則三十六条によりまして「委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して連合委員会を開くことができる。」ということになつておりまして、この連合委員会の権限はどういうものであるかということについて、只今お話がありましたように、議運、即ち昭和二十二年八月四日の議運におきまして、下條委員からそういう点についていろいろ御議論があつて、委員長は木内四郎氏の委員長のもとに、その日の議院運営委員会におきまして、結局連合委員会というものは議決権がないものであるという解釈をすることに御異議ありませんかということで、異議なしということで議院運営委員会といたしましてはそういう決定があるわけであります。そこでそれが先例ということになつて連合委員会におきましては、いわゆる法案の趣旨の説明を聞いたり、質疑をやるというようなことはできるが、議決をする、或いは又修正議決をするというようなことはできないという取扱いで進んでおるわけであります。そこで、それが果して法的に適法であるかどうかという問題でありますが、この点は連合委員会というのは、付託を受けた委員会が審査、調査の必要から他の委員会と協議して連合委員会を開くのでありますから、その連合委員会として議案が付託されておるわけではないのでありまして、付託を受けた委員会が他の委員会と連合協議をするというのでありますから、連合委員会自体としてその法案を決定するということはできないという解釈が正当ではないかと思います。  そこで修正案を出すことができる規定は、参議院規則の四十六条にありまして、「議案を修正しようとする委員は、予め修正案を委員長に提出しなければならない。」ということがありますが、これは法案の付託を受けたその委員会において、その委員会の委員が修正案を出すという規定であることは明らかであろうかと思います。そういうわけで、議案の付託を受けた委員会においてのみ議決権を持ち、従つてその委員会の委員のみが委員会における修正案を出すことができるというふうに解するのが正当ではないか。従いまして、他の委員会からの場合は、その付託を受けた委員会に勧告をするとか、或いはそういう付託を受けた委員会の委員を通じて修正を出すという方法をとるべきが正当であろうかと考えます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 法制局長に伺いますが、あなたは委員会々々々と言つて、委員会は付託を受けた委員会だけというが、そうでないのです。参議院の委員会だ、故に付託を受けた委員会は参議院の中の一部の局部に過ぎないのですから、どの委員会も皆参議院の委員会です。だから付託を受けた委員会だけがそれを審議して決定するということになつて来ると、参議院というものの全体の審議権というものは無視され制限されると、こういうことになると私は思うのでありまするが、そればかりではありません。第三十六条と同じ規定が衆議院の第六十条に規定がある。その六十条の規定は、「委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して、連合審査会を開くことができる。」とある。連合審査会というのは、調査若しくは審査ということだけに、連合審査会を設ければその審査会の中で、これはいいとかこれは悪いとか、いいものはいいからこうしよう、悪いからこうしようということの権限は当然この六十条の衆議院の連合審査会にできるのが当然だと私は思う。この二つの意見が法制局長と私は違うのですが、あなたは委託を受けた委員会は云々、それは成るほど委託を受けた委員会であるが、それは参議院の委員会です。従つて我々はどこに、どの委員会に出てもその委員長の許可を受けて発言ができる。ただ採択のときにできないというだけです。だからして、殊に連合会であればお互いが発言もでき、調査も研究もできるということであるならば、衆議院の六十条の規定の精神と同じように、やはりその与えられた法案の審議について疑問がある場合は、こう是正しなければならんということであれば、いわゆる連合審査会の委員であり、参議院の委員会の委員である者は共同してそれが修正ができないという点が私は納得が行きませんが、いま一度御釈明を願います。

奧野健一法制局長

○法制局長(奧野健一君) 議案が出ますと、議長は参議院規則二十九条によりまして常任委員会又は特別委員会に付託する。そうして付託を受けた委員会で審議、結論を出して、それから本会議にかける手続は御承知の通りでありますが、従いまして議長から議案の付託を受けた常任委員会或いは特別委員会がそれを審査決定する。そこで連合委員会の場合はその付託を受けた委員会と他の委員会が連合して協議審査をするのでありまして、飽くまでもやはり付託を受けた委員会にその議案の決定権があるのではないかと思います。この点は、衆議院規則の六十条の、名前は連合審査会となつておりますが、同様に解すべきものと思うのでありまして、でありますから、現在における両院議院規則の解釈としては、議案の付託を受けた委員会にそういう決定権があると解釈せざるを得ないと思うのでありますが、でありますから、この規則を改正する等、まあ手続のない限りはやはり付託を受けた委員会にそういう決定権はあるものというふうに解釈しなければならないと思います。

一松定吉改進党

○一松定吉君 私はそれはわかりませんが、成るほど委員会は付託を受けた議案について審議することはこれは当然です。ところが連合審査のときには連合審査会がやはり付託を受けた議案を審議する権限がある。あなたのような解釈をすると、連合審査会というものは、付託を受けた議案について喙を入れることができないから、喙を入れることができるという規定が三十六条にあるということとあなたの議論は一貫できない。付託を受けたのは、議長が或る特別の委員会に付託した、ところがその委員会と他の委員会が合同審査をするという必要があつて合同審査をするということになれば、やはりその合同審査会は付託を受けた議案を合同して審査するという権限がある、こう解釈しなければならん。あなたのような解釈をすると、付託を受けた委員会だけがいろいろなことをやつて、合同審査のときには付託を受けた委員会に向つてただいたずらに喙を入れておるだけだということであれば、委託を受けた委員会でないということになるが、委託を受けた委員会の中には広義と狭義がある。狭義の委員会は今あなたがおつしやる通りの委員会、広義の委員会は合同審査をするときにやはり付託を受けた委員会に入る。かように私は解釈することが正しいと思うが、一体立法の精神から言つて、合同審査ということは、お互いがいわゆる足りないことを補充し合うのです。お互いの気のつかんことを一つ注意し合つて、そうして立派なものを作ろう、これが国民の意思に副うのだというゆえんにおいて、こういう合同審査という規定を設けた。それならばその効力を発揮するような方法を講ずることがこの立法の精神に適うのだと私は思う。あなたのように解釈すれば、合同審査を設けた趣旨は何事もない。我々は、地方行政委員会の委員が勝手にやるので、お前の言うことはただ参考に聞きおくのだ、いい加減のことを言うな、というようにも聞えるのでありまして、それでは折角足りないことを補充し合い、研究の不十分なところを経験者がそこに注意をする、成るほどそうだ、そこはこうしなければならんということによつて、その不完全なところを完全にしよう、そして立派な法案を作ろうというのが合同審査の目的でなければならん。それならば立法の精神からして、今あなたの言うように、そういうことをするほうがいいと思いますが、但しそこに議運というものが慣例を作つておるから、その慣例に従わなければならんというのであれば、その慣例を修正すればよろしい、こういうふうに私は考えるのです。もう一度一つ……。

奧野健一法制局長

○法制局長(奧野健一君) 御議論と思いますが、やはり委託を受けたのは或る常任委員会でありまして、従いましてその議案について討論採決をするのは付託された常任委員会のみがなし得るので、連合委員会はそれまでの間における質疑、その他のいろいろな調査ということに関してのみ連合するので、結局討論採決は付託された委員会のみであるというふうに、現在の規則の条文ではそう解釈するのが妥当ではないかと思いますが、併しそれが不当であるということであれば、参議院規則なり、そういう規則を参議院においてこれを改めれば、如何ようともそのやり方があり得るかと思います。

一松定吉改進党

○一松定吉君 もう意見の相違ですから……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは先ほどの湯山君の質問に対しまして、政府のほうで答弁の通告が来ております。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 先ほど湯山委員の御質問につきまして、即ち法案第三条の宣誓の内容、警察職員に対して特に宣誓の内容には、これこれの旨の服務の宣誓をしなければならない、こうあります事柄に関連をいたしまして、この宣誓は国家公務員法の規定に基きまして、即ち国家公務員法九十七条の規定に基きまして、人事院規則の定めるところによる服務の宣誓であると、かように申上げたのでございます。その場合に、然らばかような、法律第三条のような内容を持たせるような、そういう宣誓を人事院規則で別に書き得るかというお尋ねでありましたが、現在の国家公務員法そのままにおいてもさような取扱いができますと、かように申上げたのでありますが、この点は法制局及び人事院とも全く意見が一致しておりますことを申上げます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それは人事院が自発的に書く場合は別です。併しながら他から法によつて強制して書かせるということは不可能である。そういう点まで御検討になられましたでしようか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今の人事院規則との関係についてお答え申上げますが、九十七条は一般の公務員につきまして、宣誓につきましては人事院規則の定めるところによりまして達せるような規定でございます。従つて国家公務員でありまする以上は、警察官でございましても或いは一般の者でございましても、同様でございまして、警察官の職域の、任務の性質上一般の公務員と異なつた内容の宣誓をする必要があるという場合におきましては、やはり九十七条におきまして人事院規則を定めたいと思つております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 今の御答弁は私の質問の内容を繰返されたに過ぎない。つまり人事院が自主的な判断においてそういう宣誓の内容を作れば別ですけれども、他の法律によつてこれを変えさせるとか、或いはこれを組入れさせるということは不可能ではないかということをお尋ねしておるわけです。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 人事院といたしましても、法律が国会においてお定めになりました以上は、やはりこの法律の趣旨に従いまして人事院規則を定めることが当然であると思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今の入江人事官の答弁は、これは国家公務員法に関して、この法律によるすべての権限を委任せられ、そうして又実施の責に任じておられる人事官の答弁としては了承できない。それは教育公務員法特例案が国会に出ましたが、このときに、現在の国家公務員法に基く政治活動の制限に関する人事院規則を以てしてはこれをそのまま適用できないという条件が出て参つたことは、人事官も御承知の通りであります。例えば地方公務員としての教職員諸君が国家公務員としての政治活動の制限の場合に、国の庁舎を使用することができないというような点におきましても、これは地方公務員にそれをそのまま準用できないという、例によるとありましたが、例によつてこれを直ちに施行できないという条件があるために、そこで人事院規則を何らかの変改をしなければならないという条件の下に、政府の提案は、国家公務員法の第十六条に基く人事院の人事院規則制定に関する幅を変更……法律によりますと、この法律に基かずにはできないという条件が第十六条並びに第二十一条にあるために、そのために当該法律案におきましてはこの法律及びその他の法律と改めようとしたことは周知の事実でございます。その事実から言いましても、この十六条を修正することなしに、若しくは改正することなしにはこの法律以外の法律によつて人事院規則を制定する権限は人事院に与えられておらない、この点は明白な法律の解釈でございます。而も同第十六条によりますと、「人事院は、この法律の執行に関し必要な事項について、人事院規則を制定し、」となつて、そして又「手続を定める」となつておる。同じく第二十一条におきましては「人事院は、この法律に基く権限で人事院規則の定めるものについてはこれを他の機関をして行わしめることができる。」と、人事院規則の制定するその範囲について明確なんです。それを例えば国家公務員法第十六条等において教育公務員特例法に関するその修正が、同時に又現在国家公務員法一部改正案の中にもその問題は十六条の改正の案として出ておりますが、これも又改正は見通しも付かない。従つて現行におきましては、これは人事院規則を制定する権限についてはおのずから制約があるのに、只今の人事官の答弁ではそれが可能だという答弁でありまするが、これはどの如何なる法律の根拠に基いて只今のような御答弁をされておるか、再答弁をお願いします。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今のお話のごとく、十六条はこの国家公務員法の執行につきまして人事院規則を定めることになつておるわけであります。この十六条の規定はいわゆる法律の執行、いわゆる執行命令と申しまするか、法律の執行のために人事院規則をきめることを規定しておるわけであります。ところが人事院規則は御承知のごとく法律の執行のために作りますことと、法律が委任することによりまして国家公務員法の執行の立場と別の見地から人事院規則を定めることがあり得るわけでありまして、私が先ほどお答え申上げましたのは、この九十七条の法条自体が公務員の服務の宣誓につきまして、人事院規則の定める内容によつてやることを予想しておるわけであります。従つて十六条の執行命令と申しまするか、警察法第三条の執行として人事院規則を定めるわけではございません。九十七条の委任という言葉が適当かどうかは別として、九十七条の根拠において宣誓について定めたいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 只今の人事官の御説明通り行けば、警察法でこういう条文を作つたからといつて人事院規則を拘束する何ものもないわけです。従つて先ほどの御答弁は違つて参ります。これはどういうことになります。これは国警長官に……。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 入江人事官は、この法案が通過をいたしまするならば、法第三条の規定を尊重して国家公務員法九十七条の規定に基いて服務の宣誓の規定を人事院規則で定めたい、かように申しておられるのであります。別に答弁が違つておるとは考えません。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それは人事官の個人的な御見解であつて、人事院としてそうしようという人事院の自主的な観測、而も決して正式にきまつたものではなくして、人事官としての御見解を述べたに過ぎない。法的な何ものも持つていないわけです。従つてここへこういうふうに第三条ができたからといつて入るか入らないかということは、只今この段階においては決定できないと思うのですが、どうですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) これは申上げるまでもなく、法律は最も権威のある国会においてお定めになるものでございますから、第三条の執行という形式がございまするにいたしましても、人事院といたしましては当然国会並びに法律の趣旨を尊重いたしまして、人事院規則を定めたいと思つております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 ですから今言われた通りです。それは今のような御解釈をされるところにも私は若干問題があると思いますけれども、ともかくもそれは人事院の自主的な判断においてなされることで、法律の尊重云々ということは、ただこの法律でこうできたからこれは必ずやらなくちやならないんだという拘束は受けない、こういうことになると思うのですが、これは如何ですか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) まあ多少内容は違いまするけれども、例えば定員法におきまして、この国家公務員法の執行という立場でございませんで、定員法で特別待命その他の問題をおきめになりまして、それを人事院規則に委任されるのもあるわけでございます。そういう場合も、当然これは人事院といたしましては、定員法を国会がおきめになりまして、その細目につきまして人事院規則を定員法の趣旨に従つて規定するようにお定めになりました場合には、これは勿論当然人事院もこれを尊重すべきものと思つておりまするので、事態そのものは違いまするけれども、本件につきましても同様に考えております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 おつしやる通りです。尊重するということ、これは労働大臣がよく御承知の通り、仲裁裁定なり勧告なりは尊重するということを常々おつしやつて、而も必ず一度も完全に尊重されたことはない。今人事官の御答弁もそうであるように、尊重するということとその通りするということとは、やはり労働大臣の御感覚を以てしても別だということがよくおわかりだろうと思うのです。従つて先ほど来の国警長官の御答弁のように、ここへこうすれば必ずそういうふうになるという保証にはならないということを十分御了解願いたい。同時にこれと関係を持つて、今のと関連いたしまして、然らば人事官にお尋ねいたしたいのですが、現在特に警察職員に対する特別な宣誓の文句はございますか。全部一本でやつておられますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この点は、たしか私の存じております限りにおきましては、現行の警察法につきましてはこれを国家公安委員会の規則に委任されておるように承知いたしております。まあこういう行き方もあり得るかと思いますが、今回はそういう方式でございませんで、法律が人事院規則を以てこれを規定するような趣旨を以て御制定になる次第であると思いますので、人事院規則によりまして、法律を尊重した規定を作りたいと存じます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 これは人事官もやはり現行警察法を御覧頂きたいと思うのです。現行警察法の第三条に「この法律に従うすべての職員の行う職務の宣誓は、日本国憲法及び法律を」……その次の言葉が非常に重大で「擁護し支持する義務に関する事項をその内容に含むべきものとする。」という規定がある。従つてこの内容の字句が若干修正されたからといつて、大して内容は変りがないわけです。そうすれば人事官が言われたような立場から言えば、すでに現在の宣誓の内容は変つていなくちやならない。ところが現在の宣誓の内容は公安委員会のほうに委任している。今度できたものについては人事院で尊重する。このこと自体すでに矛盾である。而も先ほど来国警長官の御説明にもあつたように、これが果してなされているかどうかという問題。公安委員会の宣誓というものはこれは法的には何らの価値もないわけです。つまり給与の要件にもならなければ、同時に服務の要件にもならないということは、衆議院における委員会ではつきり提案理由の時に御説明になつているのです。柴田政府委員から、第三条のことにつきまして「第三条は、服務の宣誓の内容でございます。」それからずつと省略いたしまして「国家公務員の場合には国家公務員法、今度は地方公務員が大多数になるわけでございますが、地方公務員につきましては地方公務員法によりまして、人事院規則或いは条例の定むるところによつて、それぞれ宣誓をしなければならないという規定があるのでございます。宣誓の義務は、それぞれの人事管理を律する法律によつてきまつているのでございます。」とはつきり言つています。これが本法の提案理由で述べられた説明です。そういたしますと、現行法において公安委員会へこの宣誓を委任しているということ自体が誤まりであるし、又そういう宣誓は無価値なものである。同時に今回のものについても先ほど来の御答弁と現行法の実施状況とは非常に食い違つている。こういう問題について、これは相当重要な問題でございますから、大臣或いは長官、人事官、それぞれの御答弁を頂きたいと思うのですが、こういうことを推して参りますと、これが服務の内容ということを規定したものであるとするならば、現行の宣誓の内容に入れられていない。そうすると、現行警察法第三条は空文化している。こういうことになつて問題があります。又今のように公安委員会で警察官としての宣誓をするということになれば、これは衆議院における説明と説明の趣旨が違つて来る。参議院で説明した説明と、衆議院で提案のときに説明したものとが食い違つて来る。これは非常に重大な問題になつて来ると思うのです。だから、いずれにしても、宣誓が一本でなされている、現在の法律通りになされているとすれば、現行法の実施状況に重大な問題が起つて来るし、現在行われている状態を認めるとすれば、これは法的に非常に大きな問題が起り、且つ又両院における提案と説明とが食い違つて来ると、こういう問題が起りますので、この点についてはもう少し明確にはつきりした御説明を頂きたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 御説明を申上げます。衆議院のほうにおきまして柴田政府委員が説明をいたしておりましたのは、その通りでございまして、何らこれを変更いたす気持はございません。これに反するような御説明は申上げておりません。即ち、この法律におきましては、警察職員の行う宣誓が国家公務員法、或いは地方公務員法の規定に従つて宣誓をいたす、かようなこの根拠に立つて立案をいたしておるのでございます。そこで、現在はどうなつているかということでございます。現在におきましては、これはやはり国家公務員は国家公務員法の宣誓の義務に従つてするわけでございますけれども、宣誓の内容等は警察法によつてやつておるのであります。現在の警察法第十五条の二の第四項に、「警察官の宣誓、教育訓練、礼式及び服制について必要な事項は、国家公安委員会がこれを定める。」こう書いてございます。これはこの法案が昭和二十二年に制定せられましたときには、警察法の第三十六条の第二項にあつたのでございまして、当時国家公務員法に従いますると、宣誓は人事院の規則に定めるところによつてやらなければならんと書いてあります。警察法においては、国家公安委員会が定めると書いてある。これに矛盾があるじやないかということが当時言われておつたのであります。で、我々当時といたしましては、これはどちらか矛盾のないように、国家公務員法に従つてやればいい、この規定はおかしいということを申上げたのでありますが、これはGHQの当時非常に固い方針で警察官は別だ、これは一字一句も直しちやいけない。こういうことでこのまま国会を通過いたしたのであります。さような沿革によりまして、警察官だけにつきましては、この宣誓の内容は国家公安委員会が定めるということになつているのであります。今回警察法を全面的に改正いたします際に、当時そういつた事情がありましたにいたしましても、国家公務員法の一般の規定に従うのが適当である、かように考えまして、柴田政府委員が御説明申上げましたように立案をいたしたのであります。ただ宣誓の内容につきましては、一般の公務員よりも更に加重した内容を持たせしめることが適当であるとかように考えて、第三条だけは直したのでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 今頃GHQを出されるというのは、これは又何をかいわんやであります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 当時のいきさつを申したのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 占領行政が解けてから何年になりますか。当時のいきさつと言われますけれども、当時その矛盾がわかつて、占領行政が解けて数年になり、その間これを放置して置いて、而もそういうことを今まで何ら修正するというようなことをしないでいて、今こう質問していろいろあれこれ言つて、結局最後の矛盾を当時のいきさつがこうだと言うだけで弁解しようとなさつてもこれは納得できません。で、こういうことだと、ただこういう宣誓の形式が蹂躪されるだけじやなくして、宣誓の内容実質さえも蹂躪される可能性がある。この段階で今の人事官がこう言つたとか、法制局がこう言つたとかおつしやいますけれども、これは長官自身この矛盾を認めておられるわけです。矛盾を認めておりながら、これをあえてそういうふうに言われるところに私はこの法律の持つ恐ろしさが、何と言いますか、不安さがあるのであります。で、公安委員会がそれでは宣誓を受けるということは、これは警察法の何条によつて規定されているのでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 公安委員会は宣誓を受けるということは全然申しておりません。その前に私どもがこの矛盾を感じておりましたので、これを改正の機会に是正をいたしたい、かように思うのであります。昨年の警察法案におきましても、そのおつもりで提案をいたしたのでありますけれども、国会の解散によつてこれが不成立に相成りました。本年になりましたのは恐縮でございますが、さような事情でございます。これは宣誓はやはり国家公務員法の規定によつていたすのでございますが、ただ宣誓の内容、宣誓文というものを国家公安委員会できめる。これは警察法の第十五条の二に規定いたしているところでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 現行法による宣誓は、じやどういうふうになされているのでございますか、現在。先ほどは何か公安委員会のほうで……というお話がありましたのですが、現在は宣誓はなされているかいないか。なされているとすれば、どういう形でどういうふうに宣誓がなされているか、それを御説明頂きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは国家公安委員会がこれを定めると法律に書いてあると申上げました。宣誓のやり方は普通の公務員と同じように任命権者又はその指定する者の前におきまして、宣誓文を朗読するということによつて宣誓をいたすのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それは法律には定めていないのでございますか。そういう宣誓の規定ということは。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 宣誓の規定はこの宣誓文の内容を除きましては、人事院規則の定めるところに従つてやつております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 非常にわかりにくいことになつたわけですが、人事院規則によつて宣誓をするということは現行法のことでございますよ。現行法ではGHQ等の干渉があつてできなかつたということを先ほど御答弁になつたわけです。そういたしますと、宣誓の内容に関する、現行法には第三条によつて宣誓の内容に関する規定だけがあつて、宣誓をどうするという規定はない。人事院規則によつてとおつしやいますけれども、それは先ほど御答弁がありましたように、GHQの干渉によつてやつていない、こういうことだとすれば、一体第三条というものは内容を規定しただけの法文に過ぎないということになるのではないか、現在においてはそういうことになつているのではないか、こういうことをお尋ね申上げたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 現在というのは現行法ですか。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そうです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 現行法におきましては、宣誓の内容にはこういうことを誓わしめなければならないというのが第三条であります。従いまして国家公安委員会で定める宣誓書の内容にはそのことを入れておるのでございます。で公安委員会の規定におきまして、警察官はその任命権者の面前において次の宣誓書に署名をしてからでなければ職務を行うことはできないと定め、宣誓書の内容が書いてあります。こういう形になつております。この宣誓をしなければ国家公務員法にいう、国家公務員法におきましてもありますように、俸給が受けられないとか、或いは職務を執行してはならない、俸給を受けられないということは書いてありませんが、これは国家公務員法の規定をさように運用をいたすのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それでは更にお尋ねしたいんですが、俸給は別としても職務の執行はできない、この宣誓をしなければならん、而も公安委員会の定めるところによつて宣誓をしなければならん、こういうことであれば、結局現在の警察官の職務の執行なり、それから給与についてはこの公安委員会の定めたものと人事院の定めたもの、つまり国家公務員法と警察法とがごつちやになつている、現行法においては。そうして特に国家公務員法についてはそのGHQの干渉によつて除外されたものが相当ある、その除外されたものだけが自動的に国家公務員法を適用していると、こういうことですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) できるだけ国家公務員法の規定に従つておるのでありますが、警察法上明らかに国家公務員法と違つた規定をされておりまするところは、やむを得ずその規定を警察法に従つておるのであります。この点は只今申しまする第十五条の二の宣誓の規定が、現行の警察法の第十五条の宣誓の規定でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 その場合に重ねてお尋ねいたしたいんですが、人事院はすでにこういう宣誓はこれは警察官も含めて国家公務員のしなくちやならないということに現行法でなつている。これについては当然法律がこうなんだから、警察官の宣誓についても考慮して現在の宣誓の内容ということをお考えになつたかどうか、人事院規則を、これは如何でしようか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) この宣誓は申上げるまでもなく、国家公務員といたしまして勤務に従事する前に非常に重要な一つの要素でございますので、やはりこの一般職公務員それぞれの職域に応じて特別の必要がある公務員につきましては、又特別な宣誓の方式をきめることも適当じやないかと思います。従つて従来のごとくこの一般職公務員の一つの特例といたしまして、警察官につきましては現行の警察法におきまして特別な形式をきめる。それを今回この現在御提案になつておられまする法律が制定されました場合には、それを一般のほうに引戻すと申しますか、一般の公務員と同じように人事院規則でこれをきめるという一つの方向に引戻す、こういうことになるだろうと思います。その場合にやはり人事院といたしましては、宣誓の方式は先ほど申上げました通り公務員の職域に即応するように作ることが適当だと思いますので、現在提案の第三条が成立いたしました場合におきましては、先ほど申上げましたごとく、三条に即応するごとく人事院規則をきめたいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 これは今具体的な事例が示しておりますように、現行警察法だつてこの宣誓の内容、特に国家公務員の宣誓の内容について規定があるわけです。そうしていわゆる警官と呼ばれる人以外に警察には本当に一般の国家公務員と同じ勤務の人もたくさんある。併し今度の法律にしても前のにしても、警察の職務を行うすべての職員と法律は両方とも示してある。そうすればこのGHQ等の干渉のあつた経過は別といたしましても、当然このそうでないものについては同じようなことがなされなくちやならないにもかかわらず、人事院が今日までやはりこれを改正する義務を持たなかつた、こういうことも事実だと思うのです。とすれば今の人事官の御説明は一つの見解に過ぎないのであつて、この法律ができれば自動的に人事院における規則も改正する、宣誓の内容もこの分については特別に考慮するということの、今申しました自動的にそうなるのだ、或いはそうしなければならないという義務ずけ、こういうことにはならないということになると思いますが、それでよろしゆうございますか。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) 只今の御質問はこの法律ができましても、仮に人事院がこの法律に即応しないような人事院規則を作ることもあり得るじやないか。現在それがきまつたものと言えないじやないかというふうな意味の御質問だと思いますが、これはこの人事院といたしましても、人事院規則は御存じのごとく人事院の一つの権限によりまして制定いたしましたのでございますが、定員法の問題にいたしましても、すべてこれを法案が成立いたしますまでは人事院規則を改正いたすわけには参りませんので、やはりこの法案が成立いたしました上で、その法案の内容に即応したように人事院規則を制定して頂く、これは申上げるまでもございません。従つて現在は勿論この人事院規則を制定或いは改正いたしておるわけではございませんけれども、先ほど来たびたび申上げます通り、国会において法律を御制定になりました以上は、人事院として当然それに基く人事院規則の改正その他の処置を講じたいと思つておりまするので、その点は現在改正をいたしておらないということはこれはやむを得ない措置でございます。御了承願います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 大変長くなりますけれども、現在やつてないというのは、この法律が出される以前にそういう準備をしておくという意味ではないのです。すでに現行法第三条によつてそういう同じような規定があるわけです。それに対して今日まで何らの措置がなされていない。殊に今国警長官の御説明によれば、昨年すでに改正の意図をお持ちになつて、そういうことも提案したというようなお話でございます。占領行政が解けて数年になりますし、正規の状態に帰そうとしておられるし、それから又いゆわる警官というのでなくて、制服でない警察職員もたくさんあるというようなことも明らかでございますし、若し人事院が法律に対してこういう国家公務員法以外の法律も常に考慮の中に入れてやつておるとすれば、今日までにすでにその措置がこの法律が出る出ないにかかわらず検討され、なされていなければならない。ところが今日なおそれが放置されておるということは、言い換えれば法律があるということが、つまり国家公務員法以外のどの法律も人事院規則を変更させる必須の条件ではないということをお認めになつておることになるのではないかということを申上げておるわけであります。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) その点は申上げるまでもなく、現在の警察法、いろいろ現在行われております警察法でありますが、これは十五条の二に、警察官の宣誓につきましては国家公安委員会がこれを定めるというふうに法律に規定がございますわけであります。従つて現行法は、この宣誓の問題を国家公安委員会の規則に委任するということを明記してあるわけでございます。従つてこの法律があります以上は、これと異なる人事院規則をきめるということは勿論法律の趣旨に違うわけでございますから、人事院としてむしろ現在何らの措置を講じておりませんことは当然ではないかと思います。仮に先に斎藤国警長官から申上げました通り、前回の国会において提案されました警察法が成立いたしまして、そうしてその現在提案されておるような人事院規則に委任するような趣旨ができておりましたならば、そのときに恐らく人事院規則をそれに基いて規定しておると思いますから、これは現在は現行法があるわけでございますから、それに応じた人事院としては態度をとつておるわけでございます。それは今回改正になりますれば、又改正になつた法律に従つて態度をきめたい、そういうことでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 先ほど千葉委員のほうから御指摘のありましたように、国家公務員法以外のどの法律も人事院規則を拘束する何ものも持つていない、そういたしますと、その点は今のような、御説明の通りでよく了解できます。人事院としてはそうしなければならないというふうにお考えになつていることは、これは結構だと思います。了解できるのですけれども、先ほどの国警長官のように、これができれば当然人事院規則は変えなくちやならない、こういうことはないと思うのですが、その点だけはつきりして頂いて終りたいと思うのですが。

入江誠一郎人事官

○政府委員(入江誠一郎君) これは先ほども申上げました通り、何と申しますか、これは法律上の拘束という言葉は別といたしまして、法律で一定のことをおきめになりました場合に、当然これをこの内容をきめまする人事院規則を法律が予想しております場合には、やはり人事院規則はそれに即応してきめるべきものでございますから、この限りにおきまして法律が、今回の第三条が成立いたしました場合に人事院規則はそれと矛盾しないように作られるということは、これはむしろ当然のことでございまして、先ほどの斎藤国警長官のお答えもそういう趣旨じやないかと思つております。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 私の話しましたのも、入江人事官の述べられたと同様の趣旨でございまして、この法律によつて人事院規則が拘束をされるというほどに申上げたのではございません。その点は御了承願います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それは先ほどの御説明は、今朝からのことから考えまして、これでは規定できないのじやないかということが質問の要点であつたわけです。それに対していろいろ御協議になりまして、そうして法制局のほうでもそうだし、人事院のほうでもそうだという御答弁がありましたので、それに関連しての質問がこういうふうになつたわけなんで、それは結果においてそういうふうになるだろう、なるということならばそれは別ですけれども、併しこの法律でこうきまれば当然そうなるのだ、そうしなければならないのだというような意味のことにはならないのだということが御確認願えれば、私はその点についての質問は一応了解できたと思うのです。なおこれにつきまして、今度は人事院規則によるつまり宣誓をするとなりますと、公安委員が一体誰に向つて宣誓するか、しなければならないわけですね。そのしなければならない公安委員は一体誰に宣誓をするか、或いは又地方の警察におきましては、地方警察の警視正以上は国家公務員、これが任免権を持つ場合に、その下の地方公務員である警察官は一体どういう宣誓をするか、国家公務員である人の前で地方公務員がその地方の条例による宣誓をする、こんなことになるのでございましよう。こういうようなことについて、なお聞かなければならない問題がたくさん残つております。そういうことが果して地方公務員が地方公務員法による条例の宣誓を国家公務員の前でするということが果して有効かどうか、こういう問題と、この宣誓の問題については、今度は実質的な問題がたくさんあるのです。それもお聞きしたいと思つたのですけれども、形式的な問題で堂々廻りをいたしまして遅くなりましたので、そのことにつきましては、先ほどの一松委員の御発言の御趣旨もありますから、委員長のほうで御配慮頂きたいと思います。一応これで終ります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 午後の冒頭にお尋ねしたいことは、これは申上げるまでもないと思うのですが、この法律案によつて国家公務員と地方公務員とがそれぞれ警察の仕事を担当することになるわけでありますが、ただ一点お尋ねしたいことは、警視正以上の国家公務員であるものは、これは申すまでもなく国家公務員法の適用を受ける、地方公務員であるそれ以外の職員は地方公務員法の適用を受ける、こういうことになるわけですね。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) お説の通りであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 そういうことになりますと、お尋ね申上げたいことは、この法律案の附則で不利益処分に関する経過規定として「この法律施行前に警察職員に対し行われた不利益処分に関する説明書の交付、審査の請求、審査及び審査の結果執るべき措置に関しては、なお従前の例による。」、これは御承知の通り飽くまでも経過規定でございまして、この法律の施行前に行われた処分に対する附則でございます。そこで問題は警察本部長、地方公務員に対して国家公務員が任免権を持つわけでございます。その他の条件等につきましても任命権者としていろいろな権限が与えられておるわけでございます。懲戒その他の処分については、当該公安委員会の勧告が行われることになつておりまするが、それ以外は任命権者がこれを行う建前でございます。そこで問題となつて参りますことは、地方公務員法による不利益処分の申請若しくはその審査、それからその審査に基いて地方人事委員会或いは公平委員会等で審査の結果、その処分の取消を命じることができる、若しくはその不利益処分を解消するという措置をとることができる、これは地方公務員法に明らかに定められております。一方国家公務員の場合には国家公務員法に基く第九十二条の二項によりまして、審査の結果とるべき措置等につきましては、これは国家公務員法に明定されているところでございます。そういたしますと、国家公務員である警察本部長の行つた措置に対して地方公務員である警察官がその不利益処分等の取扱について異議を申立て、そうして地方人事委員会或いは公平委員会がその措置が不当であるという審査の結論が出た場合に、地方公務員法の第八条に基いて当該委員会にその申出をする、当該委員会は第八条に基いて本属長官若しくは任命権者である国家公務員に対して第八条に基く措置をとらせなければならない。ところがこの場合に、一方は国家公務員法の適用を受け、一方は地方公務員法の適用を受けておる。この不利益処分に対する取扱いにおいても、地方公務員と国家公務員との間には截然たる区別がある。そうすると、その公平委員会若しくは人事委員会から如何なる申出があつても、地方公務員法に制約を受けない国家公務員が何の法的根拠に基いてこの地方公務員法に拘束されることになるか、その点をお伺いいたします。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 地方の人事委員会又は公平委員会から任命権者に対してかくかくの処分をすべし、或いは取消すべしという決定がなされましたときには、その任命権者が国家公務員でありましても、地方公務員法の規定に基きましてその処分に従わなければならないと、かように解釈いたしております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 私はその点常識論を承わつておるのではなく、如何なる法的根拠に基くものかということを承わつておるのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 只今お挙げになりました規定の任命権者とありまするのは、これは国家公務員であろうと地方公務員であろうと差別はないのでありまして、任命権者と、これは国家公務員といえども都道府県の公共団体の機関でありまして、この任命権者が地方公務員でない場合にはこの拘束を受けないというようには言うことができないのでありまして、この点は他に規定がない以上は、任命権者が何者でありましようとも、この法律に従わなければならないと、かように解釈いたします。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 一体地方公務員法なり国家公務員法をどのようにお考えになつているか。私は今の御答弁を承わつておりますと、全然答弁されるかたの把握の仕方に疑念を持たざるを得ないのです。国家公務員法の場合も、それから地方公務員法の場合におきましても、それぞれその職務の執行についておのおのの身分が保障されるという条件をおのおのの法律で持つておるわけであります。従いまして、その任命権者である国家公務員はその行なつた職務について国家公務員法によつて身分の保障を受けている。地方公務員は同様にその行なつた職務について不当な取扱いを受けないという保障を受けるのが地方公務員法の建前です。従つて、そういう国家公務員が国家公務員法の保障の上に身分の保障を受けて仕事をしておるのに、何らの法的な拘束力もその法の建前からないのに、任命権者であるからといつて地方公務員法に基く措置について拘束されなければならないという理由は出て来ないのです。ですから、国警長官の言われるような方法をとるためには、この地方公務員法と国家公務員法の関連について規定しなければいけないのです。その規定もせずに行い得るという見解をおとりになることは、何らの法的な根拠なしに、ただ希望的な立場をあなたがたはとつておられるだけです。もつと明白に両法の関係を御答弁を願います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 国家公務員は国家公務員法に従つて身分を保障され、地方公務員は地方公務員法で身分が保障されておりますことは、御意見の通りでありまして、地方公務員の身分を保障するために設けられました地方公務員法というものは、それに関係いたしまする限りは、国家公務員が任命権者であつたという場合にも、その地方公務員法の一連の関係の規定の拘束を受けることは、これは当然でありまして、さようでなければ地方公務員の身分が保障されないのであります。又その規定に従うということによつて、国家公務員は何ら身分の保障を危くするわけではないのであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 どうもその点については、希望的な見解に終始しておられるだけで、どの角度から言いましても、国家公務員である者が地方公務員法の制約を受けなければならない、特に具体的な問題が起つた場合、その不利益処分の取消し等についての要請に、国家公務員である者がその要請に対して不服がある場合、その場合には成るほどその条件等については例えば降職とか、懲戒とか、その他の不利益処分について公安委員会が勧告することがあつても、これは従来のいろいろな例から見ましても、その勧告がそのまま今の政府の下では実施されて来なかつたというのが実情でございます。従つて又そういう形において、その勧告に従わないという条件も出て来るでしようし、地方公務員に対する保障と国家公務員に対する保障はおのずから違うし、法の適用も違うということは、混乱が起る虞れがその点から出て来ると思う。従つて、この点については、不利益処分に関してわざわざ附則の第十七条で経過措置について規定しなければならなかつたという、ここにもその証拠がある。今おつしやるような方針ならば、何も殊更ここに附則の第十七でわざわざ不利益処分に関する経過規定などを入れて、今までの間にとられた、施行前にとられた不利益処分についてはこういう経過的な措置を講ずるのだなどという附則を出す必要はないのです。この附則を出すに至つた理由も、今申上げた国家公務員と地方公務員とのその適用される法律の違いの中からこの附則が必要だということになつて出て来ておる。  それから、発言中ですが、只今委員長のほうから御注意がありましたが、この御注意は、先ほど私ども休憩前の委員会で了承しました事項と少し違うようですから、このまま質問を続けたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ちよつと待つて下さい。まあ質疑は続けてよろしゆうございますけれども、持時間の点は又メモを差上げます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 次にお尋ねしたいことは、衆議院の審議の中でもかなり論議をされたところでありますが、政府のほうから出ております資料によりましても、自治体警察の警察官の平均給与は一万一千七百五十八円、それから国警のほうの場合には九千五百八十五円、その差が二千百七十三円、こういう御説明になつておりますが、実はこの地方公務員と国家公務員との給与の関係につきましては、御承知かも知れませんが、随分国会でもとかくの論議があつたところでございます。今回それぞれ身分の切替えによつてこの法律案による給与の取扱い等についても附則で、例えば現行給与よりも下るという条件になつた場合には、その警察官に対して今の給与の水準に復するまで当分の間条例で定める手当を支給する、こういう措置がこの法律案ではとられることになるのでありますが、そこで従来国会等で種々論議されました条件の中で、やはり地方公務員と国家公務員との給与差の問題があつた。ところが二十七年六月における国会の当時におきましても、吉田内閣の池田大蔵大臣は、現行の地方公務員とそれから国家公務員との給与差が生じた理由としては、地方における初任給の基準、或いは昇給の規定等が違つているためにこういう給与差を生じて来ている、従つてこれに対しては予算措置その他を通じてできるだけ調整を図らなければならない、こういう説明、この点については同様に自治庁の次長も国会において明らかにこの池田大蔵大臣が国会に対して行なつた説明と同様の答弁を行なつている。ところが今回この点については、初めて政府側として斎藤長官が加賀田委員等の質問に答えて、こういう給与差が生じた理由としては、実際に警察官の場合に国警と自治体警察の警察官の中にこの格差を生じた理由としてはそういう理由ではない、つまりその主たる理由は例えば学歴、勤続年数等が違うという条件でこうなつているのだから、その差額が生じているのだから、その以外の理由においてただ不当にその差額が出たという点は非常に少いから、だからこの附則に基いて条例で定める手当を支給するということにしても、そんなに二千百七十三円とか、二千円とか、そういう高額の手当にはならない。これは五月六日における衆議院の委員会ではつきり答弁されている。私はこの答弁は答弁として正しいと思うのです。今までの政府の答弁はそういう答弁をしない、何らの正当な理由なくして、ただ地方における初任給の基準若しくは昇給の基準等の相違、そういうものの中からこういう開きが生じて来ているのだから、だからこれは国家公務員並に直さなければならないというのが従来の政府の方針であり、答弁であつた。その意味ではあなたの答弁は私どもの主張に近付いた答弁、今までの政府の答弁とは食い違う、これはあなたはどういうお考えで、どことのどういう打合せで答弁されたか知りませんけれども、少くともあなたは政府を代表して今回は警察官の俸給の問題に対しては正鵠を得た答弁をしておられる。ところがそういう政府側のこの給与の問題についての不統一な状態がここではつきり出ましたけれども、私のお伺いしたい点は、そういう点を明らかにしながらもなお且つ今回のこの法案によつて身分を切替えられる警察官諸君の中においては、やはりあなたもお認めになつておられるようにかなりな給与差がございます。そこで今回の法律案の附則におきましては、この給与差に対しては現給になるまで条例で定められたその差額が将来に向つて継続して支給される場合ならば問題はありません。ところが今までの政府の説明によりましても明らかなように、この差額として支給された手当は引下げられた給与が今の給与額に引上げられて来るまでの措置だ、こうなるのです。そこでそれならば既得権の侵害という事態が起るじやないか。既得権は現在の給与の額もそうであるし、同時に現在の昇給の基準等も既得権でなければならん、将来に向つてもそうでなければならん、新らしい昇給の規程ができたときにはそれも又その職員の権利でなければならん。それからもう一つは一体今相当現在の物価の水準或いは消費者価格等の点からいいましても、今の公務員諸君の給与は昨年の三月を基準にして決定されておる。ところが昨年の三月から比べると一〇%以上の物価に開きがはつきり起つておる。今は二月頃からは横這状態にあります。併し現行給与の基準となつた昨年の三月と比べると一〇%以上、一〇・七%程度の開きがあるわけでありまするから、これに対して給与の改訂の措置がどうしてもこれは不可避的な状態にあります。そこでその給与の改訂、水準の引上げが行われた場合には、これは現行給与に復したということとは違うのです。これは別に措置をされなければならん。それでなければ給与の引上げにはならないと思うのです。この点について一体どう措置されるおつもりであるか、非常にこの問題は職員自体においては大きな問題です。そうして職員のこういう既得権なり若しくは給与の条件というものは本人にとつては死命を制するものであります。従つてそういう問題、そういう生活の保障、給与の保障というものがあつて初めて政府の考えておる通り、この法律案を提案した理由の通り治安責任の明確化、能率化、それはやつと保障されるのです。それがなければ士気沮喪も起りましようし、その他いろいろな不利益な扱いに対する不平が起ることは当然でございます。今お伺い申上げたその二点について、できれば大臣から一つこの際御答弁を承わりたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 第一点でございまするが、現在国警と自警の受けておりまする給与差を算術的に平均いたしますると、二千百七十三円になる、これはどういうことかというお尋ねに対しまして、国警長官はお答えしたその通りであると私は考えるのであります。現在中央、地方の給与の差があるということは、併し、その答弁からはそのことを否定するということは、現在中央、地方の給与に差があるということを否定するということはその答弁から出て来ないのでありまして、この大きな差というものがそのまま中央、地方の差であるということは断定しがたいので、そこには学歴或いは勤続年数というような要素も加味されておるのであるから、一概に算術平均の数だけが差額となつて補償されなければならんということではございません、こういうのが答弁の趣旨でございます。政府といたしましては、これは政府のみでできることでは決してないと考えておりまするけれども、全般の奉仕者としての一は国におつて国民全体に奉仕する立場の国家公務員、それから地方の全体に奉仕する地方公務員、その間に給与の差等があるということは望ましい状態であるとは考えておらないのであります。これを何とか全体に調整をとつて均衡を得たものにもつて行きたいという考えを持つております。併しこれは先にも申上げましたように、政府がひとりで以てよくするということはできないのでありまして、当然国会の御協力、或いは地方の自治体の執行部の協力、或いは地方議会の協力というものを得てなされるものだと考えております。  それから第二点につきましては、今申上げましたようなことでそう多額の差も生じて来ないかと思うのでございまするので、全体的に経過措置におきまして補償をいたしながら、不利益を特に生じないようにその後の勤務状況等も勘案いたしまして、できるだけ不平、不満の起らんように措置をするという行政上の努力を期待しておる次第でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 千葉君もまだ質疑の希望がございましようが、実は持ち時間が経過いたしておりますから、質疑は保留しておいてもらいます。次に移らしてもらいます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 議事進行の発言になりますが、私ども午前中の委員会が終りましたあとで、委員長からお話を承わりましたのは、午後再会して二十分の持ち時間がある、こういうお話を承わりましたが、これは後ほど調査の結果五十分の誤りであるということが明確になりました。そこで私ども湯山委員と話合いをして、そうしてその時間をお互いに協調して質問をするということにしたわけでありますが、ところが先ほど委員長は恐らく国警長官の午前中の問題に対する質問から時間を計算しておられると思います。これは、私はその時間の計算の仕方は、私どものほうで申上げました時間の計算のやり方としては非常に過酷な方針だと思うのです。これは主として我々がそういうふうに時間を空費しようとしたのではなくて、政府側が答弁ができなくて、そのために午後に持越した。それも午後とはきまつておらないのを午後に持越した。そうして而も答弁が不手際であるために非常に……、更に湯山君のほうから質問が出たわけです。ですから湯山君が質問しました時間は、午前中お話のありました人事委員会の持ち時間とは関係のない時間でございます。そのつもりで私質問を始めておりますし、又実際上、私の質問はまだ三分の一にも達しておりません。それから又委員長にもあらかじめ正式にお通告申上げましたように、緑風会の溝口委員が質問をする予定になつてこれも承認を得ておりますが、溝口委員のほうからはその時間を譲るから、その代りこういう内容を聞いておいてくれ、こういう連絡もあつたわけですから、私はこの際やはり何らかの形で私どもの質問を将来に向つて考慮してもらえるということであれば、私は質問を一応中絶してもよいと思います。その点は如何ですか。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 確かに千葉委員が言われる御不満の点もよくわかります。同時に又湯山君の質疑に対しましての政府の答弁は、これは政府の意見統一が今日まで、法案が出されるまで統一がなされておらなかつたということに対しましては、これは政府の点におきましてどうも不手際な点も委員長といたしては認めておりますが、これもやはり一つの質疑の過程とお考えになりまして、実は持ち時間も四時までございましたが、四時十五分まで経過したわけでございます。只今千葉委員が言われました三分の一しかやつておらない、あと三分の二は残つておるんだということは、これは確かに先ほどからの御不満の、持ち時間をきめたというようなことから発した問題であると私は考えておりまして、その点も合せまして地方行政委員会の理事会、委員会にも又御相談申上げるということで御了承願いまして、実は他の委員会、二委員会のかたがたもおられまして、委員長のおかたがたとも相談いたしてのことでございますから、どうか一つその点は委員長に免ぜられまして御容赦のほどをお願いいたします。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 ちよつと議事進行。これは簡単ですから、ちよつと弁明したいのです。簡単に言いますから……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは湯山君。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 今委員長の御発言中に、政府の見解は統一していないというようなお話もありましたけれども、午前中からの速記録を御覧頂けばわかりますように随分ちぐはぐだつたわけです。一本でやるのか二本でやるのかわからないし、そうして国家公務員法によつてやるんだということを終始おつしやつておりましたけれども、最後にああいう御答弁があつた。午後のような御答弁を下されば、それは午前中とつくに済んで、私はすべての警察の職務を行う人たち、この中の公安委員がどういうことをするかも聞きたいし、お聞きしたいことも随分あつたわけです。併しああいう堂々めぐりになりましたので、結局見解統一をされて、結局見解の統一はされていなかつたそのことが大きい原因であつたということについては、これは一つ今のように率直にお認め頂きたい。そうしなければ私どもまだこれはこういう経過でこういうふうになつて、結局これは見解統一をしてなかつた証拠じやないかという質問をし直さなくちやならないことになりますから……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) わかりました。その点も委員長も認めております。それでまあ政府は強弁をこのようなところでやつているようでございますけれども、私は確かに認めているわけです。だからまあ答弁もあとでなされまして、あなたからの更に質疑もあつたことでございますから、この経過だけは御了承願いたい。  次に移ります。矢嶋君。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 木村君が先にやることになつておる……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) そうでしたか。木村君。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私は警察法と財政法との関係についてもつぱら質問いたしたいと思います。この警察法の提案理由を見ますると、その第一は自治警察を、民主的な自治警察を作つたのは当然町村の間に作つたんで、その後事情が変つて来たということが第一に言われておる。我々は事情が変つて来たということについては、民主化を逆転させなければならん、民主主義を逆コースの方向へ持つて行かなければならんというふうに事情が変つて来て、そして国家警察というものを作らなければならんというふうに感ずるのでありますが、併し第二の理由としては、これまでの運用面から見て、これは非常に能率が悪かつた、又不経済であつた、従つて能率をよくし、そして経費の負担を軽減する、こういうことが第二の狙いになつておる。それで私は主として不経済な、そして財政負担を軽減するというそういう面、特に地方財政と中央財政との関係において地方財政の負担を軽減する、或いは又中央の財政負担を軽減する、中央、地方を通じて警察負担を軽減する、そういう趣旨にあると思いますので、そういう財政面について主として質問いたしたいのであります。  質問の趣旨は、果して今度の警察法制定によつて市町村自治警を廃して府県警察にし、国家警察的なものにして、中央、地方を通じて財政負担が実質的に軽減されるのかどうか、むしろ私が憂えることは、そういう財政面を通じて、機構面についてはいろいろそれぞれの専門家から御質問があると思うのですが、その機構制度を見れば、明らかにこれが自治警察、民主警察から中央集権的な国家警察になることは明白であるけれども、今度は財政の面から見ると、財政面から、そういう経済的な側面から、この警察の民主化というものを阻害する、そして財政面から地方財政へ影響を与えて、そして警察の民主化を妨げているのではないかというふうにも思われますので、そういう点からも質問いたしたい。先ず具体的に提案理由を見ますと、この改正が実施せられます場合は、これは国務大臣の警察法提案理由説明でありますが、「この改正が実施されます場合は、機構の簡素化により警察職員の数において三万人、経費において約九十億円を減少し得る予定であります。」と言つておりますが、この九十億円の節減、減少というのは、国だけの負担の節減であるのか、中央、地方を通じての節減であるのか、最初この一点を承わつておきたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 現行制度によりまする警察費を、現行制度をそのまま二十九年度に存続いたしましたと仮定した見込みを五百二十三億六千九百万円と見ております。新制度によりまする平年度化しました場合でございまするが、これを四百三十四億八千万円、差引きまして八十八億八千九百万円、かように見ております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この提案理由の九十億というのは、只今のお話では平年度化した場合には八十約三億ですね。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 八十八億。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それでつまり九十億、こういうわけですね。それでは我々に配付されました二十九年度予算の説明、それによりますと、これは今度の改正によつて平年度八十三億の軽減になる。今のお話よりも五億少いのです。ところが只今のお話ではこれよりは五億多くなつているのですが、その点はどういうわけですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 大蔵省の説明書ではそうなつておるようでございますが、これは自治庁の計算を基礎にして申上げた次第でありまして、その間に違いがあることは実は遺憾に思つております。その現実はそうなのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは甚だ困るので、ただ遺憾だけでは困るのです。先に審議した二十九年度予算では八十三億となつておつて、それが自治庁が計算したので、甚だ遺憾である。そう簡単には済まされません。五億の差というのはそんな小さな差ではありません。それよりは自治庁の計算に基けばどういうわけで、こういう差が出て来たのはどういうところから出て来たのか、具体的に示して頂きたい。もう予算が通つてしまつたから、あとでそんな無責任な……予算審議のときに八十三億と説明し、そうして今度は更に又約九十億の節減である、こんな二重の説明をされては迷惑です。資料は正確にして頂かなければなりません。その根拠をはつきりしてもらわなければ承服できません。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警察官一人当りどのくらい要るかという、その測定単位の見方によつて大蔵省と自治庁と若干意見を異にしておつたところから生じたものだと考えるのであります。計算の仕方が若干違うことによりまして生じたものでございまするが、この警察費用の大部分は地方費でございまするから、我々一応自治庁の計算をとつたほうが実態に即するであろうとかように考える次第でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは今いろいろ経過を伺つたのですが、政府として一本として我々に出してくれなければ困るのであつて、大蔵省の計算によれば八十三億、我々の計算によれば約九十億だでは困るのですよ。政府は幾らの節減として見ておるか、こんな違つた二重の節減の額を出されて、我々さようでございますかと言つてそんなこと承認できません。それならばその積算の基礎がどういうふうに違うのか。大蔵省では幾らと計算しておるのか。国警のほうでは幾らと計算しておるのか。そうして政府としては幾らとされ、この節減を見積るのか。とにかく財政負担を軽減するということは、これは一つの大きな理由になつているのです。この提案理由の非常に大きな理由である。その場合に節減の額が五億も、予算書においては八十三億、大臣の提案理由のほうでは約九十億、こういうふうないい加減な説明で一体済まされましようか。従つて違うなら違うではつきり根拠を示して頂きたい。どうして違うか、そうして政府としては一体どつちをとるのか。閣議でも開いてきめてもらいたい。(「血の出るような税金だよ」と呼ぶ者あり)

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お気持もわかるのでございまするが、お手許にございます二十九年度予算の説明書というのは未定稿なのでありまして、これは大蔵省においてさような変改を予想して印刷しておることと考えるのであります。併しこれはやはり地方費の負担が主でございますから、自治庁の地方財政計画によつて見るのが私どもとして妥当と考えてここに申上げておるのであります。御承知のごとく新制度によりまする警察費というものは三万人の減員を内容としておりまして、これは四年間で整理をするということになつております。従いまして、四年後の予想でございますが、私どもとしては自治庁の数字というものを基礎と考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 木村君に申上げますが、今自治庁のほうの鈴木次長を出席要求をいたしましたけれども、ちよつと宮内庁のほうに行つておるらしいので、後藤財政部長を呼んでおります。それから大蔵省のほうも主計局長か或いは主計局次長を今呼んでおりますから。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうですか。それではどうせこれは大蔵省側からも一応積算の基礎を伺わなければなりません。自治庁側からも積算の基礎を伺わなければならん。そうして又これをはきつりして頂きたいので、それまで今の計数的な質問は一応保留いたしまして、次に進みたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) どうかそのようにお願いいたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 只今の政府側の答弁でわかりますように、この警察法の制定の非常に大きな理由の一つである財政の節減、その数字さえも大蔵省の積算と自治庁の積算の基礎が違う。そんなあいまいなことでは困るのでありますが、まあこの計数についてはあとで質問することにいたします。  そこで、今度のこの警察法制定によつて地方財政にどういう影響が現われて来るのか、これを具体的に伺いたい。どうも大蔵省側の見解と、それから自治庁側の見解とが違うようなところがありますし、又国警のほうの御意見も聞かなければならないのです。そこで、今そこに出席せられておられる範囲のかたで結構ですから、自治庁側の見解、国警側の見解、大蔵省側の見解、この警察法制定によつて地方財政に与える影響です。それは、今度は地方財政の面から見ると、地方制度調査会の答申によつて明らかでありますが、やつぱり警察制度改正が取上げられ、その意見もやはり取入れられてやつておるのですが、地方財政の面においてやはり地方財政の自主性ということがこれは相当重要なものであります。従つて、地方財政の自主性との関係を我々は検討しなければならん。そういう意味から今度の警察法の制定というものは地方財政にどういう影響を与えるだろうかということをその関係の各省の立場から具体的に、成るべく詳細に伺いたいのであります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 地方財政の自主性にこの法律改正が如何なる影響を及ぼすかというお尋ねでありまするが……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと……私の質問の趣旨は、地方財政の自主性というのにこだわらなくてもよろしい。それは私がそういう観点から検討したいので、一応警察法の制定が地方財政にどういう影響を与えるか、その自主性等にとらわれなくてもよろしいです。それは自主性との関係は私のほうで検討いたしますから、そういうことにとらわれずに、どういう影響を与えるかということを御説明願えればいいんです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは地方財政の問題でございまするから、自治庁からお答えいたしたほうがよいと考えます。私のほうから申上げますることは、地方財政につきましては何ら権威がございません。従いまして、さような意味合いからただ私ども常識的に地方財政にどういう関係を持つかという点だけを申上げますると、今まで都道府県におきましてはこの警察の費用といたしましては、都道府県におかれましては公安委員会の費用、これは微細なものでありますが、それだけを出しておりまして、それ以外は全部国費というわけであつたのであります。それで市町村警察を維持しておりまする市町村におきましては、金額が地方費というわけであります。この全額地方費に対しまして国の財政上の裏付がどうなつているか、これは以前の平衡交付金の制度によつて賄われておつたのでございます。今度府県警察に相成りますることによりまして、この費用の大部分は府県費の負担に相成ります。それで市町村は警察につきましては一切費用を負担いたさないということに相成ります。この関係から生じまする府県と市町村の財源の按配、国と府県の財源の按配、これは交付税法によりまして、従来の平衡交付金制度と同じような趣旨の財源の調整によつて、財源の裏付が大蔵省及び地方自治庁においてなされるのでございます。大まかに申上げますと、以上の通りであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 議事進行。私は連合委員会等の慣習等もよく知らないから、これは委員長にお伺いするのでありまするが、連合委員会というのは主としていろいろな委員会の所管にいろいろ関係あるからしてこれを開かれる、こういうふうに思うのでありますが、木村委員は恐らく内閣委員としておいでになつているのじやないか、こういうふうに思うのでありまして、只今お尋ねのような点は全く我々のところで以て十分審議できる問題であるのでありまして、よくわかりませんが、できますならば、是非一つ各委員会に特に御関係のあるような御質問をされることが適当ではないか、こういうふうに私は考えるのであります。間違つているかどうかを伺つておきたいのであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 実はその問題になりますると、木村君の又御意見も伺いませんとわかりませんが、委員長といたしましては、木村君の持時間内におきましての御発言はこれは自由であるし、只今の財政の問題も別の何と申しますか、一般予算に対する広汎な経済政策の問題ではないようでありまして、やはり警察法の今回の提案理由にありました、法案の中の重要な項目についての御質疑と思つておりまするから、これは私委員長といたしましては当然なことではなかろうかと思つておりまするが、併しこれは木村君の御意見も聞かなくちやわかりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 議事進行について只今小林君から御意見がありました。これは小林さんの御発言とも思えないのです。およそ財政に関係のない問題はございません。内閣委員会においても機構とか人員とか、そういうものと密接な関係があるのです。これは財政と切離して論ずることはできない。又財政面から見るにしても、おのおのその立場において見方があるわけです。小林さんは地方自治をおやりになつた御専門家でありますから、我々よりももつといい質問をなされるに違いないと思うのですが、小林さんから見れば子供らしいかも知れませんが、これは小林さんの御意見によつて私の発言を拘束される理由はないと思うのです。それは御批判は自由であつて、一時間という発言時間がございますので、それを私が守らん場合には幾らでもお責めになつてよろしいのでありますが、私の発言についてのいろいろの御批判は御自由にやつて下すつて結構なんであります。併しおよそこの予算に関係のないものはございません。内閣委員会においても内閣委員会の立場から、又内閣委員会における財政の見方の立場からこの問題を取上げて一向私は差支えないと思うのでございますが、委員長においてこの点はさような私の考えでございますので、質疑が続けられるようにお取運び願いたいと思います。

小林武治緑風会

○小林武治君 よくわかりました。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そこでお伺いしたいのですが、只今国警長官から御説明ございましたが、大体その御説明はそれで了承いたしましたが、そこで結局又自治庁側の立場からの御説明、大蔵省側の御説明も伺いたいのですが、それはあとで結構ですが、要するにこの数字はあとではつきりさして頂くとしまして、八十三億乃至約九十億の節減が地方中央を通じてできるということになつておりますが、この地方財政白書ですね、自治庁から出された地方財政の状況報告、これを見ますると、二十九年度地方財政計画は警察制度改正によつてこの市町村、道府県を通じて百五億の歳出の増加になつておるのです。従つてその八十三億乃至九十億の節減と言われますけれども、この地方財政のほうでは警察制度改正によつて市町村のほうは二百十億歳出減少しますが、道府県のほうが三百十五億殖えるのじやないか、差引百五億の増加になる。そうしますと、これは警察制度による経費の節減、国のほうは節減するとして、それを地方のほうに大体数字が余り違つておらないですね、それを転嫁しておる。こういうふうに見られるのですが、この関係はどういうふうになつているのでしよう。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 木村さん御承知のように今回の警察法の改正というものは、元来警察事務というものは、国家的性格のものと地方的性格のものとがあるのでありまして、これを現在地域的に国警と自治警というふうに分けておりまするのであります。これを一つ国警的な、国家的な性格と地方的な性格とを併せて府県自治体警察というものを縦割りにして持つて行く関係で、国のほうの費用は少いが、地方負担は自治警を持つということでそのウエイトが大きくなる、こういうことだろうと思うのであります。なお地方財政的な面からいたしまして、自治庁のほうからお話をいたしたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 自治庁関係の後藤財政部長が出席いたしましたから、答弁いたさせます。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 警察制度の改正によりまして、財政計画では百五億だけ殖えることになつております。この内訳を申しますと、国警から府県に移つて、つまり国費から県費へ移つて来るものが八十九億ございます。それから市町村から府県へ移つて参りますものが二百十億ございます。そのほか行政整理の減が十二億円でありまして、退職金の増が七億五千万円、一時恩給の増が六億一千万円、給与調整が十三億九千万円、大体これを差引きいたしますると百五億になるのであります。この状態が続くわけでありますが、先ほどお話のように、国費が減りまして地方のほうの負担が増加する恰好になつて参りますが、それはやはり交付金の計算の上で地方の財政需要の増として、財政需要の増を立てておりますので、交付税で以て補填する、こういうことに相成るわけであります。  それからもう一つ経費の節減の数字が国と自治庁の間で違うということでありますが、国のほうの、大蔵省のほうは八十三億確か見込みを立てておつたようであります。我々のほうは単価を細かく計算をいたしまして、八十八億くらい経費が節約になるのではないか、かような数字を弾いております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今数字のことを言われましたが、それはまあおのおの各省における立場で良心的に計算されたと思うのですが、併しそれはその後も大分時日がたつておるのですから、政府としてははつきり大蔵省だ、自治庁だなんと言われないで、やはり予算説明書にちやんとそうなつておるのですから、今後これはまあ財政専門家とか或いは経済学者などがこういう資料に基いてやり、いろいろな財政を検討する場合に非常な差が出て来るのであつて、そういうことはどういうわけで出て来るかこれはわからんです。こういうのは何もこれだけでなしに随分たくさんあるのです。その他にもしばしばあります。こういうことはもつとはつきりさせなければ非常に混乱が起るのであつて、それで大蔵省側としても無責任にこれを積算したのじやないと思う。大蔵省側としては大蔵省側の根拠があるのです。自治庁のほうで資料を出して頂きたい。それから大蔵省側のほうからも出して頂きたい。そういう節減の額が二、三になつては困るのでありまして、又こういうことを一応はつきりさせるのが我々の仕事でもあるのです。ですからそれは私は八十三億じやなければならんとか、九十億じやなければならんとか、そういうことを言つておるのじやないのであつて、どつちかはつきりしてもらわなければこの判定に困るわけでございます。今のそれは資料として出して頂く、大蔵省側ともよく相談されまして、そうして統一した見解で資料を出して頂きたい。    〔委員長退席、内閣委員長小酒井義男君着席〕  今の百五億の地方財政側の負担増ですね。これはどうも私は先ほどの御説明ではよく納得できないのですが、要するにこの警察制度の改正は中央、地方を通じてこの経済をよくする、財政負担が経減される、そうして警察が能率を上げるということが運用面においての大きな狙いであるのですよ。ところが国のほうがまあ仮に九十億節減されるとしてもいい、地方が百億負担が増加するとなると、それでは結局差引いて見れば、全体としてやはり十億ぐらい負担増になる、経費増加になる。それではこの不経済を排除するというその精神に合わない。府県警察一本にすることによつて全体としての警察というものが節約できて、国民の負担が軽くなる、それと同時にそれは能率化される、若しそうなれば、それはその面においては非常に結構です。ただその場合、それが国家警察的になつて民主主義を破壊するという面からは又これは別の問題ですよ。今の御説明では、この提案理由の非常に重要な一つである経費の節減ということが十分に納得されないのです。もう少しこの警察法によつて、こういうふうに中央、地方を通じてこれだけネツト経費が節減されるのだ、少い経費でそうして非常に能率的に警察事務が行われるようになるのだということを、素人にわかるように説明して頂きたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 或いは詳細は自治庁から御説明があるかも存じませんが、なぜ経費が節約されるかという点を私のほうから一応申上げます。  先ず第一に現在の制度におきましては、警察単位が非常にたくさんに分れております。従いまして、人員の面においても或いは施設の面においても重複している面が相当あるのであります。例えば現在同じ町に国家地方警察の警察署と自治体警察の警察署と、一つの町に二つ警察署があるのが百八十ある。これらが府県に一本化されますると、百八十の警察署というものがこれは一つでダブラなくて済む。百八十だけ署が少くなる。そういたしますると、その署を維持しまする維持費、修繕費等は勿論のこと、それを維持するために要する人員というものもこれは節減ができて来るのでございます。又大きな都市になりますと、警察署のほかに署の本部というものを設けております。府県の本部と都市の警察の本部と本部が二つ或いは三つある。これが一つの本部で足りるということになれば、又その本部に要する人件費、物件費というものが節約ができるのでございます。又他の施設にいたしましても、鑑識の施設でありますとか、或いは通信の施設でありますとかいうものも府県警察に一本化されますると、それらの施設は一つに統合できるということによつて経費が節減できるのであります。人員の点だけから申しまして、大体現在の機構が複雑になつているという面から今度これが府県に単一化されるというだけで、警察官と他の警察職員全体を合せて三万人、これが減員ができようかと考えておるのであります。大体八十億前後の経費と申しまするのは、一応は殆んど三万人に対する人件費を見ておるのでございます。他の庁舎或いは設備、施設というものがどの程度少くて済むかという点はちよつと只今計算が十分できませんので、実際はこれ以上に節約ができるものだと、かように考えているのでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 只今の御説明にも非常に問題があるのですが、これはあとで御質問するとしまして、私が伺つておるのは、結局これの警察法の制定の狙いですね、狙いが一つは運用面においての能率化、一つは中央地方を通じて全体としての警察費の軽減、こういうところにあるわけですね、そこで私は全体として今伺つているので、それがどうも我々素人にわからないのです。とにかく市町村、道府県を合せますと、ネツト百五億とにかく経費が増加する。只今も自治庁のお話ですと、この程度の負担増加が相当続く、大体この程度の増加が続くのだという、それでは負担軽減にならないじやないか、それでこの見合いとして交付税において考えられるというけれども、交付税はそういう紐付きでは……私は警察費百五億、こういう負担増が交付税で紐付きで出されるのじやないと思います。そうなると、警察費の増によつてほかの経費が食われる。地方財政においてやはりこの地方自治の、例えば単独事業のほうができなくなるとか、単独事業の事業量が少くなる、新規計画ができなくなる、そういうほうに影響が来たり、又教育のほうに来る、その他の地方財政の自主的な運用の面にやはり悪い影響が出て来るのじやないかと思うのです。その点を私が伺つているのです。結局国全体として今度の改正によつて警察費というものはどれだけ節減されるのか、市町村、道府県、それから中央を通じて、それを伺つているわけです。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) お答えいたします。二十八年度の財政計画で見ております警察費の総額は五百二十四億であります。これは端数は省略いたします。そのうち国警の負担しております、国で負担しておりますものが二百三十八億、それから地方団体が負担しておりますのが二百八十五億でございます。これが二十九年になりますと、国のほうが百五十三億に減つて参ります。それから地方団体が三百六十九億になつて参ります。これが平年度、つまり整理を完了いたしまして平年度になつて参りますと、国費が百十二億になつて参ります。それから地方費は三百二十一億、合計いたしますと、四百三十四億になります。そういたしますと、先ほど申しました五百二十四億から、端数がございますが、四百三十四億引きますと、大体八十八億九千万円、約九十億でございますが、くらいの節約に全体としてなるのであります。今度はその地方団体のうちで財政需要の変更がございますので、それは平年度になりますと、県が三百二十一億殖えて参ります。それから市町村が二百八十六億減つて参ります。その差が三十五億純増になつて行く恰好になつて参ります。ただ国のほうで百二十四億だけ減つて参りますので、その分だけが国のほうからみて節約になりますが、地方は三十五億殖えて参る恰好になるのであります。それで約八十九億の節約に相成るのであります。  それからもう一つのお話は、警察費を交付税でみました場合に、恐らく超過……、十分に見切れないから、財政需要で見たものよりも多く支出する場合のお話だろうと思います。これは現在もありまして、市町村の場合でもやはり警察費の財政需要を十分に見て行くか、他の単独事業を十分に見て行くかということは、私どもといたしましては、別に指示をいたしておりません。市町村それぞれの考え方を中心に考えておりまして、別にそれをオーバーして出しておりましても、私どもやかましく言つておらんのであります。やはり同じことが府県の場合にも申し得られると思います。我々が積算いたしましたところの財政需要で足りない場合に、大体そう足りない額でないものを単位費用として出して行きたいと考えておりますが、なお且つ足りない場合には、やはり府県の一般財源をそちらのほうに振向けるということは、これは自治体の現在の考え方からいたしましても、やむを得ないと考えておるのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 大体今の御説明でわかりましたが、併し結論としては、やはり平年度化した場合でも、結局地方財政のほうは負担が殖えることになりますね、三十五億でも……。そうすると、中央は節減されるが、地方財政のほうにその分は負担が転嫁される。それは具体的にそういうことになるでしよう、その金額の大小は一応又別といたしまして……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) おつしやる通りでありますので、交付税の率を算定いたしまする場合に、平年度現在の財政規模がどういうふうに変つて行くかという計算をいたしまして、その場合に殖える要素と減る要素とございまするので、それを差引きいたしまして、政府案としては二〇%というものを出したのでありますが、その額が非常に不足であるのいうので二二%に相成つております。これは大体平年度の計算をやります場合に、警察費の増減もやはり考えてその中に織込んでおります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それではもう少し具体的に伺いますが、節約がどの程度に節約できるものかですね。一応政府の今までの御説明では約九十億と言われておるのですが、今度は具体的に一つ、全体の問題でなく、五大市の問題に局限して伺いたい。これはもうすでに御承知と思うのですが、五府県連絡事務局で出した資料によりますと、五大市に自治体警察を認めず、府県自治体警察一本とすることによつて年間最低二十五億円以上の節約が可能であると、そうしてその根拠をいろいろ示しているわけです。ところが又我々が、五大都市の共同事務局から出された資料がありますが、それを見ますと、その資料によると、この五大市のほうで年間最低二十五億以上の節約ができるというのは、これはとんでもない話です。一つ一つ具体的に論拠を挙げて、そんなに実際は節約できるものじやない、ただ地方自治警察を府県警察一本にした場合、今までの設備なんかが重復していると、そういう場合に自治警察を廃すれば、その片一方の自治警察のほうの施設なんかは全部不要になるというか、節約できる、そういう計算になつているのです。まだまだ具体的にいろいろ問題点があるのですが、又人員整理についても、そんなに人員整理が具体的にできるものではない。従つて、こういう五大市の例を見ても、今まで国警と自治警がダブつておつたから、それによつて施設とかその他において非常に二重支出があつて不経済である、これを一つにすれば非常にこれが節約されるという、これは素人考えではちよつとそう思われる節もあり、又そういう面も具体的にあり得ると思うのです。併し、一般に言われておるように、具体的にどの程度節約が可能かということになると、非常にやはり問題があると思うのです。節約が可能である可能であると言つておりますけれども、併しまあそういう不経済が排除され財政負担が軽減されるということを大きく取上げなければ、この民主的な自治警察を国家警察に、中央集権的なものに切替えて行く一つの有力なる名目がなくなるから、それを不当に大きく主張されておるのではないかと私は思う。そこで具体的に五大都市に自治警察を認めないで府県警察に一本化した場合、年間最低二十五億円以上の節約が可能であると、こう言つておりますが、果して二十五億以上の節約が可能なのであるかどうか、これは一つのモデルケースとして、そうしてこれを具体的に検討することによつて、全体としての今度の町村警察を府県警察に一本化したときにどの程度に果して節約が可能であるかということを判定することができるのではないか、その資料の一つとして具体的にこの点を伺いたいわけなんです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 五大市を全然別の単位にするか、或いは府県一本にするかによる経費の相違でありますが、私どもの計算といたしましては、約十九億五千万円、二十億円弱と、かように考えております。五大府県のほうから約二十五億節約できるという数字を出しておられまするが、私どもの見当といたしましては二十億円弱、十九億五千万円ぐらいと、かように考えております。その基礎は、これを一本にいたしますることによりまして、御承知のように県の警察本部と市の警察本部というものが一つの本部で賄い得るわけでありますから、それらに伴つて重複しておる職員というものが減員できるわけであります。又区域が二つになつておりますることによりまして、必ずしもその警察の本部に勤務しておりません人間といたしまして、例えば機動隊、或いは警邏その他の一般の職員にいたしましても、単位が一つになることによりまして、それだけの人数を必要とせずして同程度の能率が上るという点から考えまして、大体五大市及び五大府県につきまして、これを一つにするかしないかで、警察官の数において約四千五百人、一般職員において約五百人、合計約五千人、その経費がおよそ十七億三千万円、これに伴いましてその他の経費も減るわけでありまするから、その経費は一人当り年額五万円余と考えまして二億二千万円、合計して十九億五千万円、これくらいが減少できると、かように考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 非常に詳細に承わつて参考になりましたが、その一本化することによつて、その市警本部定員はどのくらい減少できると考えるのですか。只今の節約の基礎になつておる減員がどの程度に見込まれておりますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 本部の定員だけにつきましては、只今資料を調べておりまするが、これは五大市の市警の職員全体といたしまして、全体だけでは約二万四千人、五大都市の市警の職員が約二万四千人、そのうち本部定員は只今調べておりますから後刻お答え申上げます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると、本部定員、それから一般定員に分けてどのくらいの節減を行われておりますか。……それではわかりましたら、わかり次第そのパーセンテージはお知らせ願いたいと思います。  次に進みたいと思います。どうも私素人でよくわからないのですが、只今の国警長官の御説明による節約額は大体五府県連絡事務局、五府県側で積算されたものとそんなに違わない、大体五億くらい差がありますけれども、この五大都市のほうで調べた節約額が著しく少いのです。大体今長官の言われた十七億三千万円に相当する節約額としては大体一億二千万円くらいではないか、そうすると、この間に非常な差があると思うのです。私は素人でありますから本当のことを専門のかたに伺いたいのですが、たまたま二つの資料を受けたのです。五大府県側と五大市側との二つの資料を手にしまして、その節約額について余り懸隔があり過ぎるのは、いずれが正しいのか、実は判定に苦しむわけなんです。それは僅かな差であるならば積算の基礎の多少の相違くらいでわかるのでありますけれども、五府県側としては二十五億、今の国警長官のお話では大体十九億五千万円、ところが五大市側の推計では大体全体で一億数千円という程度である、こういうのでは余りに差がひど過ぎて、勿論おのおのその立場においてその主張を通すためにいろいろ合理的な資料を作成すると思うのです。そういう点も私は勿論考慮に入れておるわけです。併しながら余りに差が開き過ぎておるのです。そこで私はこういう警察については私は素人なんです。わからないからこんなに開きが出て来る、こんなに意見の相違が出て来るのは一体どういうところにあるのかということを自分としてはその本当の事実を知りたいのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 恐らく市側で出しました資料と府県側で出しました資料は、それぞれ見方に相違を来たしているのだろうと考えます。で私どもといたしましては、他の全体の三万人減少できる、そういつた基準から考えましてダブつている人間がどれだけ減らせるか、又能率の増加によつてどの程度減らせるかというようなことを勘案をいたしまして考えたのであります。その原則を五大市を一つにするか或いは二つにするか、府県に一本化するかしないかということに当てはめて考えて見ますると、先ほど申しまするように、人員においては約五千人程度減らせるであろう、かように考えておるのであります。現在五大市を含みまする府県の本部の人員は……、市警本部の定員が約警察官が三千人、市警全体として約二万二千人、そのうちから本部の定員が八百九十九名減し得る、それから市警全体から見まして三千五百七十四人減らし得る、かように考えておるのであります。そこで市警本部は府県を一本化いたしました場合に、市警本部の人員約三千人、これはまるまる減らせるとは考えておりません。府県本部と一体になつて、現在の府県本部よりは増加をしなければならんだろう、即ち府県本部には約二千百人の警察官がおりますが、それに市警本部から約二千人を加えまして八百九十九人減員ができる、かように考えております。他の職員につきまして通信或いは機動隊、そういうものが一本になつて簡素化をいたします。能率も上げるという面から二万一千人のうち三千五百人は減らせる、かように考えておるわけであります。これが大体の基礎でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 あとでよろしいですが、今のお話は資料として出して頂きたいと思うのです。それで私は素人なんですけれども、斎藤長官は御専門家ですからその点伺いたいのですが、この五大市の場合、これは第一線要員を大体六割を含んでおる。従つて第一線の現業的要員が非常にたくさんあるので、これはそんなに実際問題として節減できないと、こういう意見があるのです、五大市側に。従つて、この一般定員のほうでしたら二割くらいは節減できるかも知れないが、併しこの二割節減は何も一遍にしなくつたつて節減は可能なんであつて、一偏にしなければ節減が不可能であるというものではない。そうすれば、私はなぜそんなに十七億三千万円も節減ができるかわからないのです。この五大市側で一億二千万円というのは、本部を一つにすることによつて節約可能額ではないかと、こう言つているのです。これでは余りにどうも開き過ぎるわけですね。どうも私はその点納得ができないのです。それからこの施設なんかにつきましても、やはり非常にこれは具体的に述べてございますが、この重複施設重複施設と言うが、実際問題としてそれは現有の施設が市警のほうも国警のほうもフルに使われていて、非常に不足している。そういう状態では、それを合併によつて整理できるものはむしろ非常に例外であつて、そんなに機械的に頭で考えたように、重複するからといつてこれを節減できるものではない。これは具体的に調べて見なければわからん話です。理窟でそう言つてもわからないわけなんです。そこで具体的に国警側ではこれについて、施設の分散によつて相当不利、不便、非能率の実例として、射撃場のごとき危険率の高い施設を分散することによつて危険を増すとか、その他鑑識の面、交通面、通信面について具体的に挙げております。これに対して又五大市側では、いちいち具体的にその誤りを指摘しておるのです。これは時間がございませんから一つ一つについては私は質疑にいたしませんが、率直にこれは、勿論長官のほうにこういう資料はおありになると思う。これを比較して見ると、私の素人として卒然と見て余りに開き過ぎているので、どちらを一体信じていいのかわからない。五大市側のこれを見ても、我々が見るとやはり相当論拠もあります。相当論拠があると思うのです。従つて、節約々々と言うけれども、それは過大に評価されているのではないかと思うのです。そういう点を私は今度の警察法の制定が、警察制度の改正によつて警察費を軽減というか、全部ではありませんが、相当大きなウエイトを以て考えられている。そういう面から見ると、一般に主張され、提案理由に言われておるように、そんなに実際には大きいのではないのではないか。そうするとそういう財政面から見て、どれだけこの警察制度の改正というものが効果があるものか、私は疑いなきを得ないのです。この点について長官の御答弁を煩わしたいのです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) お示しのように、具体的の資料としてお手許にお廻しをいたしたいと思います。私どもも府県側が見ております見方に必ずしも賛成するものではございません。例に挙げられました研修施設は、或いは施設としては二つくらいあるかもわかりません。それによつて人員の減というものは私は見られないと、かように思つております。私どもの考えました約十九億五千万円というものの具体的の根拠を資料といたしまして御提出いたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これを最後にいたします。時間も参りましたので、最後に伺いますが、今度の警察制度の改正によつて、市警が国家公務員になつて、そして給与の面が変つて来ると思うのです。そして現在御承知のように市警のほうは国警よりも三乃至五号俸くらい高いと言われているわけですね。その給与の面はどういうふうに、これは府県に吸収された場合、どういうふうにこれはなるのか。その調整はどういうふうに具体的に措置されるのか。そしてこの国警と自治警との給与の差額というものは、財政措置としてこれを補給する額が計上されているのかどうか。その点を最後にお伺いしたいと思います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 御指摘のように、現在の国家地方警察の警察官と市町村の警察官との間には給与が相当開いておりまして、これの一人当りの平均約二千円月額において開いております。それで、御承知のように国の給与水準、府県の給与水準、市町村の給与水準、それぞれ必ずしも一致はいたしておりません。市町村の給与水準のほうが大体高いということになつております関係から、かようなことになつているのでございます。併しながら、市町村の警察官と国警の警察官との給与の開いておりまするのは、一種の給与水準といいますか、給与規程といいますか、というものに基いての若干の差などによつて開いている部分と、それから先ほど千葉委員からお話がありましたように、大体市警のほうが勤務年限も長いという者が国警に比べまして平均多いのであります。さような意味から当然に高く格付けされるべき人間がいるという点もあるわけであります。そこで今度これが府県の一本の警察になりました場合に、府県の給与条例の定めるところによりまして、その水準によつて国家地方警察の警察官も市町村から来る警察官も、新しく府県の給与条例によつてそれぞれ格付けをされるわけでございます。この格付けをされまする場合に、現在もらつておつた給与が府県で格付けされる場合に減るという結果になりました場合に、その差額は、これは俸給のほかに別に手当として府県の条例で定めて出すと、こういうことをこの法律に謳つておるのでございます。その手当のいわゆる給与の差額、これが約十四億円、かように勘定いたしております。この十四億という勘定は、先ほど申しました大体一人平均の差額から来ておりますが、実際にはかようにはならないと思いますが、全部見まして十四億と申しましたのが、その後の計算で十五億、先ほど後藤自治庁財政部長がお答えになりましたたしか十四億とおつしやいましたが、それは十五億であつたという財政部長の御訂正でございますが、約十四、五億というものが、これは地方財政の財源、地方財政上から見て財政需要額の中において計算をいたしまして、自治庁のほうで交付税等において財源調整が見られておるのでございます。    〔委員長代理小酒井義男君退席、委員長着席〕

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは二十九年度の交付税の中に織込まれておる点と、もう一つ手当というお話があつたのですが、この手当は非常に不安定なんじやないか。給与として手当は予算を組むようなときに、給与とは別に、又そのときの予算の如何によつて左右されるものではないかどうか。ですから給与という場合には、これはそう簡単に言えないが、手当と言いますと、そのときの財政関係によつてこれはいろいろ加減され得る可能性が出て来る。そうなると、非常に不安定じやないかという感じがするのですね。ただ手当というのは……。それで例えば中央の財政事情如何によつて交付税の中に今度は十五億計上する。併し又今度は再軍備を二十九年度予算に現われているように再軍備をどんどんやつて、そうして耐乏生活を要求して、そうして民生費を引下げて行く。そういうような形に賃金ストツプなんかと関連して、そういう交付税を減らすというような形において出て来ると、手当というものは減らざるを得なくなつて来る。結局交付税の計上額如何によると思うのですよ。それに左右されて来るのでしよう。そうするとこれは非常にそういうところは不安定になるのじやないか。それからこれは全体の交付税と関連して勿論考えられるのでありましようけれども、その手当に廻す枠というものはどうしても結局制限されて来る。そうすると本当の意味において今の自治警とそれから府県に吸収された場合の給与との差額というものが安定的に補給されて行くというわけに行かないんじやないか、やはりはつきり給与としてどうして差額を埋めるような措置を構じ得なかつたか。その点どうも納得行かないわけです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 私が申上げました手当というのも給与の一種でございまして、本俸が府県の条例に従つて府県の給与水準で格付けをされますから、どうしても差額は出て参ります。これを本俸とするわけに参りませんから、別の給与といたしまして法律で認めた条例による給与であります。従いまして、国から財源調整として考えます地方財政の需要額を算定いたしまする場合には、これは本俸と同様に考えまして計算をさるべきものであります。名称は手当でありますが、公務員の給与であるには相違がないのでありまするし、特に法律にも謳つてあるのでございますから、財源計算の場合にこの法を軽んずるというようなことは、万自治庁においてもされまいと、こういうように考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 木村君時間が来ましたから……

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私はまだいろいろ質疑がございますが、時間が来ましたから、最後に先ほど要求しました資料はあとで出して頂くことにいたしまして、これで質問を終ります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私は絞りまして、現在防衛二法案並びに行政機関定員法を審議している内閣委員の立場から、国警担当の大臣として、又吉田内閣の国務大臣としての小坂さんに質問いたしたいと思います。答弁が明確で親切であつたならば、我々の持時間内でもやめるつもりでありますから、明確に御答弁願いたいと思います。  先ず承わりたい点は、このたびのこの警察法によつて殆んど新たに生れるであろうと申してよいと思うのでありますが、その警察は従来の警察と相当に様相を異にして来ると思います。この警察と現在内閣委員会にかかつている自衛隊法案によつて生れるところの自衛隊との一致点並びに相違点について伺います。どういうふうに違うか……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 斎藤国警長官。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 いや、国務大臣、これは基本問題ですから、国警長官が出る幕ではない。聞く必要はないですよ、やりなさい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 小坂国務大臣。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この警察は新らしい警察法におきましては、府県単位の自治体警察法におきましては、府県単位の自治体警察だという考え方を持つて作られておりますのがこの条章でございます。二条の警察の責務ということの範囲内において活動するものとこう考えております。自衛隊というものは、そうした場合とは違うものでありまして、一般の警察の力の及ばない場合に自衛隊というものは出動し得る、こういうことになつております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今違う点だけを承わつたのですが、一致点はございませんか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 一致点はございませんが、非常に違う。本質的に違うのでございまするので、違う点を申上げておるのでありますが。一致点と言われれば、強いて申上げますれば広域の治安、治安という形を確保する責に任ずるという点が一致点と言えば言えるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 一応それを承わりましたが、強いて言えばでなくて、その治安維持、秩序の維持と、こういう立場では警察法の第二条と自衛隊法の第三条の後半は完全に私は一致しておると思うのでありますが、大臣の所見は如何でありましようか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その作用において、常時その任に当るという点だと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 もう一回一つ、今のでは不明確ですから、そのくらいのことは明確に答えてもらわないと時間が延びますよ。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) どうも御質問の趣旨を取り違えて甚だ失礼いたしましたが、治安ということに任ずるということにおいては一致しておりますが、警察におきましては常時むしろ治安の維持に任じておる。自衛隊というものは一朝有事の際の治安であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 次の質問を推し進める前に、ここでちよつとこれに関連して伺いたいのでありますが、この今度の警察法の提案理由の一つの大きな目的は、国民の負担の軽減、これが一つの大きなやはり目的になつていると思います。大まかに言つて警察費が約五百億円、それから自衛隊関係の防衛に要する予算が大まかに言つて千五百億円、こうなりますと、その比率は一対三になつているわけでございます。で憲法九条で言うところの自衛権、その自衛権の内容が如何なるものであるかということは人によつていろいろと見解が違うようですが、私どもは本能的な自衛を意味するものであつて、いわばこの警察力によつての自衛を意味し、従つて憲法の前文にも世界諸国の公正と信義に云々と、こういうことが書かれておるわけです。それをともかくも政府一流の解釈によつて一対三のこの予算の数字が示す通りに、或いは非常事態におけるところの国内治安秩序の維持を目的とする自衛隊、更に純然たる警察、こういう二本建で行くことはそれ自体が、私は一対三の数字自体が我が国を守る公共の秩序維持という立場から違憲性を持つているものである、こういうように私は考えるのでありますが、国務大臣の御所見を承わります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 自衛隊の任務といたしまするところのものは、自衛隊法にもございまするように我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つために直接間接の侵略に対して我が国を防衛することを任務とする、又必要に応じて公共の秩序の維持に当るというのでありまするが、直接及び間接の侵略ということを予想いたしまする際に、その規模というものが相当なものであろうということも考えなければなりませんので、そういうものに対応いたしまする費用といたしまして千五百億円というものは計上されていると私ども心得ておるのであります。我が国の治安維持に任じ、国民の福祉を確保するという意味からいたしまする警察の費用というものは、従来からの実績にも鑑みまして大体五百億程度と、これをできるだけ節約いたして参りたいという気持はございまするが、その程度は結局におきまして、その対象とされまするところの規模によつて決定されるものと考えております。千五百億と申しますると、予算全体から見まして一兆円の千五百億でございまするが、こうした比率というものは各国において特に我が国が高いということは言えないというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 あなたがたの考えはすでに軍備というものを頭に入れて、再軍備しなければならんとい前提に立つて論を進められているわけです。これで時間を費すのは勿体ないからここでこれは切りますが、私はこの経費節約、国民負担の軽減を図るために自治警を廃止するのだということを言う前に、千五百億の金を使つて自衛隊等を設けることによつて我が国のあなたがたが言うところの国防体制を固めようとするその政策は、国民に入れられるか入れられないかを先ずそれを国民に問うて、然るのちにやるべきものだとこう考えますが、これは意見になりますから、ここでとどめて、次に具体的に伺いますが、警察法の第七十条緊急事態の特別の措置のときの布告を出す場合の「緊急事態に際して」というこの緊急事態と、自衛隊法第七十八条の命令による治安出動の「緊急事態に際して」というこの緊急事態は同じでありますか、違いますか、その点を伺いたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この警察法に申しまする緊急事態と自衛隊法にございまするものとは必ずしも同じとは言えないと思いますが、先ほど申しましたように、本来のこの自衛隊の任務、警察の治安維持に関する任務というものが異つておりまするので、それの対象というものにつきましても異つたものがあると考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 緊急事態が内容が違うとなると、例えばどういうふうに違いますか、ちよつと説明して下さい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 緊急事態と一口に申しましても、暴動、内乱、騒擾等或いは震災というような天災が発生して、平素の警察の機構組織を以てしてはこれに対処し得ないような程度に国家の治安が擾乱したという程度の事態でございます。自衛隊法で申します緊急事態というのは、更にその規模が広汎であり、且つその質においても激しいというものが当然にその自衛隊の持つ職能というもの、警察の持つ職能というものからその相違が予想される、こういうことを申上げておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 警察法の七十条ではあなたが今話された「大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態」こうなつておるのですよ。それから自衛隊法のほうでは第三条の目的が第一段と第二段がある。従つて「間接侵略その他の緊急事態」、その他の緊急事態というのは全く同じ表現をしておるのでありますが、これが違うというのはどういうふうに違うのか、私はどうも納得いたしかねますが、更にもう一度答弁を願います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 緊急事態の内容というふうに私の申しましたことがおとりになれるような表現という、そういう御質問も御尤もだと存じます。私の申上げます意味は違います。緊急事態というものに対して自衛隊が出動するような場合と同じ緊急事態でありましても、この警察法に申しますところの緊急事態とはその規模、深さ等において違いがあろうと、こういうことでございまして、緊急事態という文字だけからとつてみますれば、その間には別に相違はない、こういうことだと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 あなたの答弁を承わりますと、自衛隊法の緊急事態のほうが警察法の緊急事態よりは少しレベルが高いのだと、こういうふうに私はとれるわけですが、それでは更に伺います。警察法においてその他の緊急事態に対して布告が発せられる、その布告と自衛隊法の緊急事態に際して命令による治安出動が行われるわけですが、この布告が発せられるのと、治安出動がなされるのとは時間的に順序、差異があるのか、それとも同時に行われるのか、その点承わります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この場合緊急事態ということそのものについては、事柄自体本質的な差異はないわけでございまするが、この出動する場合におきましては、自衛隊の場合は第七十八条におきまして、一般に警察力を以てしては治安を維持することができないと認められる場合でございまして、特に「間接侵略その他の緊急事態に際して」と定義してございますから、その間に必ずしも時期的に一致しておるということもございませんし、或いは又どちらが優先するということもないかと心得えております。その場合々々の判断でございまして、警察の場合でございますと、国家公安委員会の勧告に基きまして、治安維持のために特に必要があると、こう認められるときでございまして、その間に直接に関連はないのでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私の聞き方がまずいのでしよう、何かぴんと来ないのですが、こういうことなんですか。先ず警察法の七十条によつて緊急事態に際して布告をする、そうして処理してみてそれで治まらないような場合に限つて自衛隊の七十八条の命令による治安出動というものがなされる、従つてその他の緊急事態というものが非常に急迫した場合には布告を発せられ、治安出動がなされるのは時間的に差があるけれども、同時になされてその事態を処理する場合が通例である、こういう御説明でございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 大体この緊急事態というような認識におきまして双方が一致しますれば、同時に出動ということも通例になるということも多いのであろうかと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今の答弁では、同時に発動される場合が多いと、こういうふうなお言葉と伺つたのですが、そうでございますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 同時とも限りませんのでありますが、そうしたものなら……。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 数学的に同時でなくて、一般通念としての同時でしよう。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 必ずしもそう限らないと思いますが、そういう事態には警察も出動し、或いは自衛隊も出動するという場合も多かろうということでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 率直に伺いますが、布告が発せられる以前に治安出動がなされるということがありましようか、ありますまいか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) そういう場合はあり得ます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どういう場合がありましようか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) この警察の緊急事態の布告は警察の通常の運営の方法でない、即ち公安委員会というものを通じないで直接総理大臣の下に統括をされ、長官が府県の警察までも一元的に統制して運営するという規定でございまして、そういつた運営をしなければならないという場合は多くは自衛隊も出動するでありましよう。さような意味から大臣は多くの場合は一致する場合が多いであろう、こういうふうにお答えになられましたが、併し警察の運営としましては、こういう事態ではまだ府県の公安委員会というものを通じて通常の警察法の組織運営で事が足りる、こう考えておりましても、併しその場合に警察力だけでは到底事態を平静にすることはできない、自衛隊の出動もしなければならんという場合には警察運営としましては非常事態の布告が発せられませんでも、自衛隊の治安出動というものが考えられるのでございます。逆に緊急事態の布告を出しまして、警察としましては非常の運営の仕方をしなければなりませんでも、警察力だけでその事態が鎮圧できる、事態に対処し得るという場合には必ずしも自衛隊の治安出動を待つ必要がないという場合もあり得ると考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どちらもあり得るというのだから、すべてあり得ることになつて、対等のような説明ですが、一般論として国内の秩序、治安の維持という立場からは警察で治むべきものは治めて、それで治まらない場合は自衛隊を出動するというのが私は常識的じやないかと思うのです。ということは、自衛隊法の第三条と警察法の第二条にはつきりしているように、自衛隊法の第三条というのは直接侵略に対するのが主になつて、それから秩序の維持というものは従になつているのですから、従つて私はその差異は当然あるべきだと思うのですが、これに対する御見解は如何ですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 一般論としては仰せのごときことであろうと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 そこで伺いますが、警察法の布告と、自衛隊法の命令による治安出動、これはそれが発せられた場合にその事後においてこの国会の承認を必要とする云々という規定は全く同じように規定されてあります。そしてこの警察と自衛隊がいずれも総理大臣の指揮下に入るということも全く同様でございます。そこで私伺いたいのは、この警察の布告を発せられる場合にすら国家公安委員会の勧告に基き布告を発せられるようになつておるのです。国家公安委員会の勧告がなければできないようになつておる。ところがこの自衛隊のほうは何者にも諮ることなく、内閣総理大臣が直ちにこれを命令によつて治安出動を出されるようになつておるのです。防衛庁には国防会議というのがありますが、この国防会議はまだ性格がはつきりしておりません。まあ警察の国家公安委員会と比べる性質のものではありませんが、この国防会議の諮るべき事項の中には治安出動というものは入れてないのです。これは私は同じ吉田内閣から出されたその他の緊急事態に対して対処する警察の扱い方と、自衛隊の扱い方には私は非常な食い違いがあると、こう考えるのでありますが、即ちむしろ警察のほうは諮らなくて総理大臣が布告を出しても、それを上廻るところの自衛隊の命令による治安出動をする場合には何らか諮るようにされるのが私はあるべき姿じやないかと思いますが、これが逆になつているのはこれは如何なる理由に基くものでありましようか。吉田内閣の国務大臣として小坂さんどういうふうにお考えになりますか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 警察は先ほども申上げましたように、常時治安の責に任じて国民の人権を擁護する建前から活動をいたしておりますのでございまするが、従いまして、できる限り民主的に国民の声を聞いて運営するという建前をとるべきものと存じまして、この法案にも警察庁を管理するものが国家公安委員会であるということを規定いたしておりますようなものでございますので、その管理者の責任におきましても、この場合は緊急事態の布告があつてよろしかろうということを内閣総理大臣に勧告するということを定めておりますのでございます。自衛隊のほうではそうした常時的なものではないのでございまして、直接及び間接の侵略に対しまして国の治安を維持するという又国土を防衛すると、こういうことでございまするので、その間にやはり両者の違いがあるのでございまして、その違いが緊急事態の布告の際にも現われて来ておる、こういうふうに理解いたしております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どうもこれは私納得できないのですよ。間接侵略云々と言いますが、私は間接侵略とか直接侵略は今問題に除いているのですよ。両者の緊急事態に際しての討論をしておるのです。而も先ほどあなたは同時に布告と治安出動がなされる場合もあり得ると、こういうことを答弁されたので、それに基いて私は質問を展開しているわけです。只今のあなたのお答えを承わりますと、警察は民主的に而も国民の声を聞いて云々とか、自衛隊はそのほうは余りやらんでもいいのだと、こういうふうに裏返せば聞こえるのですが、もう一回一つ自信のある答弁を承わります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) そういう趣旨を申しておらんつもりでございまして、自衛隊の任務というものは我が国の平和と独立を護り、国の安全を保つために直接及び間接の侵略に対しまして国土を防衛することを主たる任務とする、こういう任務から参ります相違である、こういうふうに申上げておるのでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 結局それが明快に答弁できないということは、自衛隊と言えばこれは頬被りした軍隊なんだと、再軍備なんだということを意識しているから明確に答弁ができないわけです。これはここでとめておきます、時間がかかると皆さんにお気の毒ですから。  次に伺いたい点は、警察と、それから自衛隊法の九十六条にいう部内の秩序維持に専従する者、即ち現在で言う警務官、これに関しては詳しいことは政令で云々と、こういうふうに規定されておりますが、その関係は如何ようになつているか、説明を求めます。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警務官は専ら自衛隊の施設の内部とか、或いは自衛隊の構成員、或いは物件等に関する犯罪は主として警務官が扱うのであります。普通警察は勿論これらを排除するものではありません。このものにも当然職権行使ができるのでございますが、そこで例えば自衛隊の地域内に起つた犯罪は、先ず原則としては警務官においてやつてもらう、自衛隊の施設外において自衛隊員に対して行われた犯罪はこれは両者がやるわけであります。これを警察官がこの事件を捜査いたします場合には、警務官のほうに通告して、或いは共同に、或いは自衛隊のほうに引渡してそちらで取調べてもらう、そのようなことを政令は規定しております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 二点に亙つて伺います。一つは警務官が自衛隊員以外の一般国民にその職務執行を及ぼす場合があるかどうかということと、それからもう一つは、これからよくなるかも知れませんが、今までの保安隊、警備隊、これは相当事故を起しておる。言葉は適当でないかも知れませんが、或る程度失業されたアプレの者が入つて参つて、人命というものを余り大事に扱わないで自殺する人もかなりある。それから刃傷事件、これは相当ある。更に部隊の品物を盗んで質屋に置くという窃盗犯、こういうものもかなり、これは公になつた問題でも、練馬あたりでは米を何十俵も担いで持つて行つたということがあつたわけですが、こういう現在の保安隊、警備隊の犯罪の激増の状況から内部のかたがただけでやられる場合に、私は臭いものに蓋をしようという恰好になり、自衛隊の正しい成長ということがその面から損われるのではないか、こういう面も懸念いたしております。これに対する御所見、以上二点を伺います。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 先ず自衛隊員が外部の人に対しまして犯罪を犯しました場合には、原則として普通の警察がこれを扱います。場合によりましては、身柄を警務官のほうに引渡して警務官が取調べたのちその報告を受けるという場合もありますが、原則といたしましては、普通警察が行うことを原則にするようにいたしたいと思つております。それから自衛隊員が職務上外部の人たちに何らかの危害を加えたというような場合は、これはその職務の範囲内であるか、外であるかというような点も関係を持ちますので、こういう場合には大体主として警務官のほうの取調が主となると考えますが、この場合もできるだけ普通警官も一緒になつて絶えず協力しながらも、いずれにいたしましても両者協力いたしまして、一方の不満足の形において一方だけがやるということのないように図りたい、このように考えて政令を両者協議の上できめたいと存じております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 次に伺います点は、民主的な自治体警察が廃止されて、国家警察的なものになるわけでありますが、ここで私是非ともそれに関連して伺つておきたい点は、先般内閣委員会で人権擁護局長を招致してその所管事項について審議したときに、最近は非常に人権侵犯というものが激増して来た、そして比較的数が多くなりつつあるのは、職業的に言うならば警官が最も多い、次には教職員だと、こういう説明が数字を以てなされました。で、国家警察になつた場合には、その傾向が更に強くなるのではないかと懸念されます。更に私がここで国警長官に是非とも申上げて伺いたい点は、それらの人権侵犯事件が起つた場合に、たとえ教職員に若干あつても、これは直ちに調査ができて、勧告をするなり、人権擁護局として立派に処理できる。ところが警察に起つた人権侵犯事件というものは、警察官は黙秘権を使つて本当のことを言わないので、非常に案件は多いが処理しがたい、而もそれが数学的に現われて来る。教職員と警官というものは随分違うものだと、こういうことを人権擁護局長が言つておりましたが、今度自治体警察がなくなつて国家警察となつた場合には、更にその懸念は私は増大すると考えるのでありますが、これに対する今後の国警長官の決意を承わつておきます。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警察はその職責といたしまして、国民の権利、自由を保護するというのが職責でございます。警察の職責の行使はすべて人権の尊重というものから出発しなければならないのであります。只今仰せになりますような事柄がありますことは、私どもといたしましては極めて遺憾に存ずるのでございます。ただ人権擁護局等へ事件を訴え出ると申しますか、申告をいたしまする件数は、警察におきましても相当多いことは認めております。我々といたしましては、これを謙虚に幹部が調べて、場合によりましては検察においてお調べを願うことといたしまして、事実の真相を的確に熱心に把握をいたし、その結果に徴しまして必要なる処分を厳重にいたしたいと、かように考えておるのであります。ただ警察において取調べられました結果、何と申しまするか、必ずしも事実でないというような事柄を申告せられるという場合も絶無とはしがたいと存ずるのであります。我々のほうといたしましては、さような予断を持たずに、むしろそういう申告があれば必ず事実があるに違いないと、こういう予定の下に事実の調査に当らせるように指導しておるのであります。今後も厳重にその方針を堅持して行きたいと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 次に定員関係について承わります。一緒に承わりますから忘れないで答弁して頂きたい。その一つは私全く知識がないので参考に承わるのでありますが、各国の人口と警官の比率というものが大まかにどんなようになつているか、その点と、それからこのたびのこの定員法改正によつて三万一千名減員することになつているわけでありますが、これは自治警廃止に伴う機構の改革が主なる原因であるんだとは思いますが、このたびの定員減の一般的方針からも若干減員ができるわけでありますから、この三万一千名というのはこの警察法改正それのみから出た数字ではないと考えますが、その点はどうかということと、それから衆議院で警察法は修正されて参つているわけですが、あの三万一千名というのには相違は来たさないのかどうか、先ずそれだけ答弁してもらいたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 各国の警察官の定員と人口の比率でございまするが、只今ここに資料を持合わせておりませんけれども、私の記憶によりますると、アメリカその他大体国によつて若干違いまするが、都市と田舎のほうを通じまして、その国全体といたしまして、まあ六百六、七十というのから七百、そこらを前後している、かように記憶をいたしております。勿論この警察官というものをどういうものを警察官として勘定するかという点によりまして、この数字は若干動きますが、まあ常識的に警察官と称するものを入れますと、アメリカにおいては六百六十人くらいがアメリカ全体の平均であつたと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 日本はどうです。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) それで又日本、我が国におきましては現在警察官が十三万三千、警察官だけ十三万三千ということでありまするが、大体この数字に似た数字でございます。昭和二十五年の国勢調査人口八千三百万に対しまして六百二十六人という数字になつておるのでございます。  その次に三万人の定員減の理由は機構を簡素化するということによつて考え得られるのでございまして、我々といたしましては、この機構の簡素化なくして定員を減少いたしますることは、どうしても事務の能率にそれだけ低減を来たす。従いまして、定員の全体の事務能率、これを低減しないで行いまするためには、この機構の簡素化がどうしても必要だと考えておるのでございます。  それから第三点、衆議院において修正せられました点に関係をいたしましては、この三万人の減員は四カ年計画でございまするので、一カ年間市を、五大市を府県から別の区域の警察として置くという点につきましては、この三万人は四カ年後でございまするから、その点には影響は来たさないと考えております。ただ一年経ちまして後におきましても、五大市の市を統括するために府県警察の中に市の警察というものを設けますことに相成つております。この関係から当初考えておりました三万人というものが二、三千人は減少をせざるを得ないんじやないか、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 で具体的に伺いますが、昭和二十九年度一万人減員となつておりますが、これは多く影響して来るんじやございませんか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 初年度一万人、次年度は七千五百人、かように考えておりまするが、初年度の一万人は必ずしも多過ぎるとは考えておりません。そこで当初の一万人では場合によりますと、先ほど申しました二、三千人というものは初年度ちよつと困難になるかもわかりません。この二、三千人が二年以降において延ばされることになる可能性があろうかと思います。  それから先ほど各国を申されましたが、ちよつとここに資料が出て参りました。日本は警察官一人当り六百二十八人、アメリカが八百五十七人、イタリアが五百六十三人、イギリスが六百九十七人、フランスの資料はちよつと持合せておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それはあのデモ隊のときに必要な予備隊をたくさん蓄積してあるのですね。最近のように吉田総理やら大臣の動くたびに物凄い警官を動員する、ああいうのを少し抑えたら、日本の警官の数は自治警を廃止せんでも私は減少する方法があると思いますので、ついでに申上げておきます。  で、それはおいて、先ほどの点について簡単ですから大綱を伺いますが、本年度一万人、或いは修正案でこれから二、三千人をマイナスした数が整理された場合には、そのかたがたは私は全員臨時待命は適用されるものと、あの恩典にはあずかれるものと、こう考えますが、如何でありますか。ということは、この警察官の整理の場合に特別待命決定の千六百四十二人では割合に少いと思うのです。この上更に仮にこの法律が通つて、一万人でなくてまあ七千人整理された場合に、そういうかたがたには臨時待命のあの恩典、閣議決定のあれは当然全員に対して適用さるべきものだと思いますが、どういうふうにお考えになつていらつしやるか、承わつておきます。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 法律、条例で適用のできまする限り御趣旨に副い得ると考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君  法律、条例に副う限りというのはどういうことでございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 待命制度の中に、本人が願い出たならば、必ず全部待命にするというわけではありませんので、承認を得て待命を認めるわけであります。そこで法令等において承認し得る限り必ず御趣旨に副い得ると考えておるのでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ちよつと研究しておいて頂きたいと思います。特別待命のほうは承認ですが、臨時待命のほうは命令の形になるわけですから、研究しておいて頂きたいのです。というのは、若し犠牲になつて整理される人には、全員その恩典を与えるべく長官として努力して頂きたい、又すべきである。そういうことを私は要望いたします。よろしゆうございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 大体御所見の通り取計らいたいと思つております。例えば今度の減員は、待命制度を使つて減員をする場合が殆んど大部分と存上じます。併し中には死亡をいたしましたり、或いは懲戒免官になつたりして欠員となつたものを補充しないで、それを減員の数に充てるということもありまするから、この予定しておりまする一万人とか三万人というものを全部待命によつて職を退いた、それによつてだけ整理するというのではなくし出て、自然減耗、そういうものも含めて三万人の中に入れたい、かように考えておるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 これで終ります。最後に小坂国務大臣にお尋ねいたしますので、お答え願いたいと思います。これで私終りといたしますが、それは能率の向上と国民負担の軽減の立場から、自治警を廃止して再編成をする、こう言われるわけですが、又吉田内閣は教育の面においてはこれと酷似の機構であるところの地方教育委員会を育成するという立場で、地方教育委員会を野党の反対にかかわらず、国民の有識者の大部分が反対しているにかかわらず設置したわけです。ここには私は大きな矛盾があると思います。ただ矛盾のない点はどこかというと、中央集権的である。自治体警察を一本にして、国務大臣を警察庁長官とする、この中央集権的な考え方、それから教育の面においては、これを保守派の人々を掌握下に置いて、中央の文部大臣の意向というものを末端まで浸透させようという、この中央集権的な考え方、更に警察並びに教育の政党支配という考え方ですね。それは警察庁長官に国務大臣を持つて来たことが象徴的であり、更にこの地方教育委員会にしても多額の国費を要する。そしてむしろ教育は非能率になつて来るにもかかわらずこれを設けたことは、ここで教育の政党支配をやろう、更にそれを一歩進めてこのたびの教育二法案によつて、その画龍点睛をやつた。こういう立場から、この警察法の提案理由にも、不偏不党且つ公平中正ということを一応謳われておりますけれども、この自治警察或いは地方教育委員会の設置、こういうものは形の上からは矛盾しておるようでありますが、その根底を流れておるところの政治理念というものは中央集権であり、政党支配である、こういう一貫したものが流れていると私は断定するものでございます。かくのごとき法案に対しては、我が国の行政機構を担当している内閣委員の一人としては、断じて容認できないという意見を持つておるということを私はここに表明して、国務大臣小坂さんの所見を承わつて質問を終ります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 主としてこの警察法の改正の意図するところについて申上げまするが、私どもは警察の事務というものは国の性格を持つものもあり、地方的性格を持つものもあると考えております。現在これを国警、自治警という地域的な区分によつて分けております。この両者間に非常に協力義務はありまするけれども、緊密なものはないというような関係から、どうしても設備、人事の重複を来たして、これが非能率、非経済であるということからいたしまして、これを縦割りにいたしまして、府県自治警、府県単位の自治警察を設ける、こういう趣旨であるわけでございます。国の警察事務というものにつきましても、これは府県に団体委任する、こういう形をとつておりますけれども、やはり或る程度の本来的な、国家的な性格からいたしまして、中央に適度の統制というものを維持する必要があろう、こう考えておりますのがこの法案の趣旨でございます。従いまして経費の区分におきましても、地方において負担して頂く面も多くなつておりますが、これは財政計画等で先ほど申上げましたような、交付税等によつて措置をいたす、かような考えであります。決して私どもは警察の中央集権化ということは考えておりませんので、警察事務本来の中に、国家的性格を持つておるものもある。併しそれを非常に能率的にやるといたしますと、中立性を侵すということになる、そこでその危険をなくそうという意味におきまして、公安委員会というものを強く表面に持出して、公安委員会の中央地方における中正な、良識ある判断において警察を政党化するということのない、本来的な警察の中立性という点を強調いたしまして、国民の人権を擁護し、まあ経費負担も少くして、安い制服という言葉もございますが、その意味においての安い警察を作る、こういうふうに考えておるのでございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 法務委員の立場から若干警察法案についてお伺いしたいのであります。時間の制約もございまするし、なお重要な事項については、他の法務委員のかたがたからも引続いて御質問になると思いますから、私は極く概略的な点についてお伺いをしたいと思います。  法務委員の立場としての、この警察法案に関しての関心を持つておる度合いは、午前中に羽仁委員からお述べになりました通り、この事柄が、人権擁護の立場から極めて我々としては関心を持たなければならないということをお述べになつたのでありますが、私はそのことも勿論極めて大事な点でありますけれども、更にそれに加えて、秩序の維持、この社会秩序の維持に関しては、一般社会の関心、或いは協力ということが極めて重要である。即ち一般社会の協力なきところ社会秩序の維持なし、こういうような観点から、従つて民主的警察ということが、新らしい憲法の下においても、非常に大きな意義を持つて参つたと思うのであります。私は従つて、その民主的警察という観点から、若干の質問をいたしたいと思うのでありますが、質問をいたしまする前に、二つだけお伺いをしておきたいのであります。一つは、今般の衆議院において、政府御提案になつた警察法案が修正されました。政府は一体この衆議院における修正をいい修正とお考えになつておりますか、或いは悪い修正とお考えになつておりますか、いい修正と考え、或いは悪い修正とお考えになつておりますれば、そのいずれかについて、どういう理由でこれがいい、或いは悪いということを先ず以てお伺いしたいのであります。それからもう一つは、今もちよつと矢嶋委員からお触れになりましたが、警察事務の性格の問題であります。私ども曽つての警察国家時代においては、警察事務は国の事務である、こういうふうに教えられて参つて来たのでありますが、只今の御説明では、国家的な要素もあり、又地方的な要素もある、こういうような御説明でございました。主として警察は本来どちらの事務であるか、これが若し地方的の事務であるとするならば、その地方事務における国家性の問題は指揮監督その他の警察事務の統制ということで一応はお考えになればいいのであるし、又本来これは国家事務ということであるならば又それに相応した警察法の体制ができなければならんと思うのであります。質問に入ります前に以上の二点について先ず以てお伺いしたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御指摘のように衆議院におきまして修正を受けましたのでございますが、私は政府といたしまして修正に批判を加えますことはむしろ立場上趣けるべきではないかと思いまするが、議員として出ておりまする気持から申上げますると、非常に御苦心の結果尊敬すべき御修正である、特に公安委員会を民主的保障のために前面に押出すという観点からいたしますと、その観点は非常に御苦心のあつたことと敬意を表します。いずれにいたしましても行政府といたしましては立法府の御修正に従うということは当然であると思うわけであります。  なお警察事務というものの本質をどう考えるかということでございまするが、これは地方行政委員会のほうに資料の御要求がございまして提出いたしたものがございますから、ここに読上げてみます。警察権の本質でございますが、「警察の権能は、本来国の統治権に基く作用であるが、その性質は、国と地方の両者の利害に関係をもつものであり、この権能を国と地方公共団体との間に如何に配分するかは、「国の行政上の責任」と「地方自治の本旨」を総合的に考えて法律により適切に定められなければならないところである。」こういうふうに警察権の本質というものを理解いたしております。  なおこの警察法に申しまする警察事務というものにつきましては、「警察法は、所謂形式上の意味における警察の組織を定めるものであつて、即ち、国が警察事務の性格を勘案し、国と地方公共団体の間において、如何なる組織をしてこれを行わしめるかを定めるものである。即ち、現行法においては、市及び人口五千以上の市街的町村に警察事務を行わしめ、爾余の区域においては国が自ら警察事務を行つてきたのであるが、新法案においては全面的に広域自治団体たる都道府県に警察事務を行わしめんとするものであつて、警察事務は都道府県の事務となるのである。」こういうことであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 今の点は私は極めて何と申しますか、さらりとした気持で実はお伺いしたのであります。それは政府はいろいろ長い間御検討になつてこの法案をお出しになつた。併し国会がいろいろ慎重に審議した暁においていい修正もできただろうと思うし、又党のいろいろな立場から悪い修正も或いはできたのじやないか、この法律を施行する上においてこういう点は実は原案は非常に政府としては能率的に或いは効率的にやろうと思つて、この結果案ができたと思つたが、それがこの修正によつて困つたというような点が私はあるだろうと思う。何らの意見もないということは私はこれはおかしい、かといつて今のお言葉のように、これは今までの政府の通り言葉でありますが、法案が両院を通過した暁においてはこれを政府としては尊重するということをよく言われております。形式的な答弁としては私はそれで結構だと思うのですが、私どもも真剣にこの法案には取組んで参つております。我々が考えておつた点が足りない点もあるかもわからないし、又政府のお考えになつておつたことが間違いとは言えなくても、よりいい修正ができたという場合もままあることであります。従つて率直に、形式的な御答弁ではなしに、又遠慮とか何かというのじやなしに、率直に衆議院の修正はいいとお考えになるか、悪いとお考えになるか、その点をくどいようでありますが、もう一度お伺いして見たいと思うのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 政府の立場上から申上げ得る範囲について申上げたのでございますが、それ以上突込んでの気持を聞かせよということでございますから率直に申上げますが、私は任命権関係の問題は今申上げたように非常に結構じやなかろうかと思います。ただ非常に人の問題でございまするので、複数の会議体の同意を得るということにかなり事務的な困難性を伴うのじやないか、その点は能率を考えます場合にはやはり若干の問題を包蔵しておるであろうというふうに考えます。  なお大都市を有する府県の特例でございまするが、これは私どもの意図する府県一本化の線から申しますると、府県警察一本という考え方からいたしますると相当なる修正でございまするが、又別に考えて見ますると、大都市というものの持つておりまする警察事務の特殊性というものを全然忘却するということも問題があろうと思うので、大都市の関係は当該地区の警察内におきまする府県警察の事務を分掌する市の警察を置くという考え方は妥当な考え方ではなかろうかと思います。ただ一年間、府と市と併立するということは一体どういうものであろうかという点は問題であろうと思います。  それから都の場合の特例でございまするが、これは当然そういうほうがよくなつたのではないかというふうに思います。  なお公安委員の資格の要件でございますが、これは公安委員会の委員というものは私は一般の良識を代表するということが必要であつて非常に専門的知識というものはむしろ従ではないかというふうに考えておりまするので、その性格からいたしまして、この点については私は非常によくなつたとは申しかねるのではないかというふうに思つております。これは率直に申上げましたのでございまして、政府は一体修正を受けていながら勝手なことを言うというふうに仰せられますると、それも又御尤もなので甚だ困窮するわけですが、お言葉がありましたので率直に申上げました。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それでは本論に入つて、先ほど申上げましたような基本的な考え方の上に立つて若干質問をいたしたいと思うのであります。  先ず第一は国家公安委員長を国務大臣がやるというこの問題であります。この警察法を見て参りますると、午前中もいろいろ問題になつておりましたが、各所に警察の性格について不偏不党ということをよく言われております。法律の第二条においても不偏不党且つ公平中正を旨とするということを警察の責務としてここに明示しておりまするし、又警察官については全般において不偏不党且つ公平中正ということを言い、更に又公安委員会の委員についても同様なことが言われておるようなわけであります。そこで一方この公安委員制度の成り立ちを考えて見ますと、これは現在の警察法の前文にもありますように、「国民に属する民主的権威の組織を確立する」というような目的を以てできておることは今更申上げるまでもないのであります。そこでなぜそれでは国家公安委員会の委員長を国務大臣を以て充てるかと申しますと、政府はかねて言つておられますことは、責任政治の建前からどうしても国務大臣を以て公安委員長にする必要があるのだ、こういうことをよく言われております。そこで一体それならば公安委員会制度というものをどういうふうにお考えになつておるのか、これは飽くまで現在の警察法の前文に謳われておりますように、国民に繋つた、国民に属する民主的組織の確立を図り、いわゆる民主的警察というものを作り出す、こういう高い又大きな使命の下にやつておるのだろうと思うのであります。一方では警察の任務、或いは警察の仕事に従事するすべての職員について不偏不党ということを強調しておきながら、一方では政党内閣の下におけるその内閣に属する国務大臣を委員長にするということは、私は如何にも矛盾撞着をしておるように思います。なお責任政治の所在を明らかにするということに借りて、実は不偏不党のこの警察の精神を貫いた一番大事な精神がここに欠けておるのじやないか、こういうふうに思うのでありますが、この点についてお伺いいたしたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この点は非常に責任の明確化と民主的な管理、民主的な理念に基く管理ということとの調整を苦心した点でございまして、憲法を持ち出すまでもなく行政権は内閣にございますし、国会に対しては内閣が全体に対して責任を負うわけであります。行政の一部でございます治安の問題に関しましても、やはり内閣といたしましては国会に対して責任を負わなければならんのであります。その故に国務大臣が警察事務に携わるということは望ましいのでございまするが、又非常に能率的な意味から申しますればそれは非常に効果を発揮すると存じますけれども、一方におきまして、目下の議院内閣制の建前からいたしまして、当然に大臣は政党人であろうということが予想される。そういたしますと、政党による警察支配或いは中立性が阻害されるということになりまするので、そこでどうしても公安委員会というものを強く打出して、そうして公安委員会の管理の下に警察庁があるという考えをここに徹底させようと試みたのでございます。中央におきまする国家公安委員会というものは、大体この制度におきましては、府県が単位でございまして、府県の公安委員会というものは、独自の判断において府県の警察本部長以下の警察職員を管理、運営するということでございまして、中央は五条二項に限られた事柄について容喙する、或いは管理する、統轄する、或いは調整をする、こういうことにいたしておるのでございます。五条二項にございまする主たるものは国の全体の公安にかかわる、例えば大規模災害であるとか、擾乱であるとか、そういう事項或いは第七十条にございまする緊急事態に対処する計画及び実施に関する件、他はこれが運営という点でございまするが、六項から十項までが統轄でございまするが、これは例えば教養に関する規定を作るとか、通信の規則を作るとか、そうしたものでございます。十一、十二項が調整でございますが、これがやはり任用の基準を作るとか、採用基準はこうであるとかいうふうな基準を作るものでございまして、こうした限られた範囲内においての中央の統制というものを規定いたしてございます。そこでこの国家公安委員会というのは奇数の委員でございまして、五人でございますが、これが五年間任期を保障されておる、即ち自分の意思は飽くまで五年間何者からも侵されずに貫き得るという形でございます。そこで国家公安委員会の委員長は国務大臣でございますが、表決権を持たないということにいたしました。採決権は勿論あります。そこで五人の委員が一人休むと採決権というものは表決権以上の力を持つのじやないかという御意見もございますと思いますけれども、国家公安委員会の目的からいたしまして、重要な採決をいたす際に自分の意思を表明しないということはあり得ないというふうに考えております。従いまして国家公安委員長というものは委員会の委員の中にあつて、これを左右するという権能はないのでございまして、よい意味において常時委員会に出席して政府の治安に対する考え方なりを話合つてその意思の疏通を図る、こういう程度に考えておる次第でございます。そこでまあ治安の責任の明確化と民主的な警察の運営管理というものを一つ調和させよう、こういう気持でこの法案を作つております次第であります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 この治安の責任の帰属を明確にするということと、民主的な行政機関としての公安委員会制度との調和の点についてはいろいろむずかしい問題があることは私も想像されるのでありますが、併し一面今お述べになつたように、国務大臣は公安委員会の委員長になるけれども、表決には従事しないという程度のものであるならば、これは何も委員長にならなくても、例えば国務大臣は、警察担当国務大臣は公安委員会に常に随時出席して意見を述べることができるというようなことでも私は事足りるのじやないか、こういう、これは意見でありますが、そういうような感じもいたします。いずれにしても一方では治安の責任は内閣が持つのだ、従つて大臣がどうしても公安委員会の中に入り込んで常時その意思を反映してやつて行かなければならないのだということを一方では言い、一方では表決権にも関与しない、ただその委員長の席におるだけだ。例えば可否を決する場合に決するだけだ、こういうようなことで、その二つの考え方は先ほどもお述べになりましたように、両方の考え方の調和の苦心の存するところだとは思いますが、そのことによつて私は折角国民に繋がつた、そうして又その委員はすべて国民の代表である国会の同意を以て任命されたこの委員会の折角のいい制度、この制度の根本を実はぶつ壊すような気がするのでありますが、今申上げましたようなふうに、単に表決に加わらずして委員長の席を占め、可否を決する場合にだけ決するのだ、こういう程度のものであるならば、例示いたしましたように国務大臣は随時その会に出席をして意見を述べることができる、こういうことにできないものかどうか、そういう考え方はどうだろうかということについて先ずお伺いしたい。それから国の治安責任ということを常にあゆらる機会に政府側は言われるのでありますが、本来警察の仕事で平常時の仕事はこれは先ほどの御説明ではまだよく了解いたしませんし、只今頂きましたこの警察事務の性質についての資料をよく拝見してから更に述べたいと思いますが、平時の極めて平穏な時代においては、これは公益団体たる道府県の警察がやる、国家的な大きな問題になつて来ますとそれこそこれは緊急事態でありましたか、この法律の中にもその場合には内閣総理大臣が直接警察を統制し得る権限を留保されております。従つて事柄が国家的に非常に重要だ、又治安の責任を負わなければならんということであるならば、その緊急事態の場合を恐らく考えられておるのだろうと思うし、又私どももそういう場合は勿論国家が非常事態としておやりになつていいと思いますけれども、平生は道府県警察がその管内の仕事をおやりになり、而もこの法律の中でも各都道府県がお互いに連絡を緊密にし、又国の国家警察との間においても常に密接な連絡をとれということを明示しております。そういう意味から申しても、公安委員長を国務大臣がするということは根本的な警察、民主的警察の性格に大きな影響を与えるものと思うのでありますが、重ねてこの点についての御説明を煩わしたいと存じます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 国務大臣が委員長になることの可否については種々御意見は承わつておりますのでございまするが、どうも私は国務大臣が委員長になることの弊害を非常に強調されまする余り、その利点をもお見落しなきように願いたいと思つておるのでございますが、一方この国家公安委員会というものは五年間身分が安定しておりまして、非常に大きな権限を持つておる、良識を持つておられることは国会の同意を得て任命されるのでございまするから当然であろうと思いますが、一方においてその身分が確定しておりまする半面に、常時そのときの政府なり国会なりの様子に触れるという機会も非常に求めればあり得るわけでございますが、強いて求めなければそういう機会から割合に遠ざかるということはあり得ると思います。そこで委員長は常時委員会に出席するということになつておりますと、その間意見の交換が非常に頻繁に行われるでありましようし、それが又逆に申しますと公安委員長たる国務大臣に反映いたしまして、そのときの政府の考え方全般にもよい影響を及ぼすということもあり得るわけでありますので、悪い面は極端な悪い非常識な国務大臣が出ればそういうこともあると思いますが、逆に考えますれば非常によい国務大臣が委員長になつておりますとよい面も考えられるのではないか、こういうふうに考えるのでありまして、私どもとしてはこの法案に盛つておりまする考え方はチエツク・アンド・バランスの妙味を発揮してもらえるというふうな期待を持つて書いております次第であります。  更に治安の責任ということでございまするが、これは緊急事態における治安の責任ということは当然でございまするが、やはり治安の責任を持ちつ治安を確保するという半面には如何にしたら能率よく安く、国民の税金を浪費することなく国民の治安を確保することができるかということでございますので、それが又広義の政府責任でございまするので、そういう意味から申しましてもやはり国務大臣が責任をとるという立場でこの委員会に出席しておりますということは、これは権限を行使するという意味より責任をとるという立場で出席しておる、こういうことで意味があると存じております。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 甚だくどいようなんですが、私は民主的行政機構としてのこの公安委員会制度の根本の性格の問題だと思うのです。その根本的な民主的制度に対して政党内閣の下における国務大臣、而もその大臣たるや、これは別に小坂さんを指して言うわけじやありませんが、側近人事の行われる、こういう内閣ばかりが続くとは私は考えませんけれども、どうも国民から見ても余りよい傾向とは思われない、その人事権に基いて任命された国務大臣が、折角のこのいい制度に入り込むということは如何にも私は残念に思うのです。先ほど申上げたように国務大臣は随時公安委員会に出席して意見を述べることができるというようなことで私は足りるのじやないかと思いますが、これはまあ意見の相違であり、又議論になりますからこの程度にいたしましよう。  そこで公安委員会については国家公安委員会と都道府県公安委員会がある。国について、原案においてはその政治責任と申しますか、治安の責任を持つために国務大臣がこれに入り込む、丁度都道府県の場合も同様にその区域内における治安の責任はこれは都道府県公安委員会が持つのでありますが、同時にその都道府県の長である知事、その人が丁度国家における総理大臣、内閣と同じような私は地位にあるのではないかと思うのであります。そこで国家公安委員会において国務大臣を委員長にするということであるならば、それと平仄を合せる意味から行けば都道府県公安委員会の委員長も国務大臣が国家において、国家公安委員会において関与しておると同じようなことが言えるのじやないか、又そうしなければ平仄が合わないのじやないか、都道府県の場合にそれを認めないとするならば、国家公安委員会においても同様に認めないということでなければ平仄が合わないのじやないか、こういうふうに思うのでありますが、都道府県の場合に国家公安委員会と違つた構成をしているその理由をお伺いいたしたいのであります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 実は理論的に申しますれば、御意見のような点は考えられると思うのでございまして、昨年にはそれを考えたということでございます。私は当時そういうことは存じませんのでありますが、その当時のいきさつ等は国警長官から……。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 昨年は府県の公安委員会の委員を二名増員いたしまして、一名は副知事、一名は府県から互選された議員というのを原案として提案をいたしたのでございます。ところが副知事を入れるという点につきましては知事さん側からこれは困つたという御反対が強く、どこからもこれがよろしいという御声援が得られなかつた、それから府県会議員のうちで互選してきめるという点もこれは又府県側からすらもどうもそういうことは警察運営を却つて中正にする途ではないという御意見がありましたので、この点は今度の法案ではやめたのでございます。そういういきさつを御了承願いたいと思います。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その都道府県公安委員会についてそういう介入と申しますか、役所側からの介入についてはどこからもほめられなかつたということは、それは本来公安委員会というものはそういう性格のものなのだ、だから本来介入することはこれはいけないのだということが私は根本の理由じやないかと、こう思うのです。従つてその考え方は国家公安委員会においても私は同様にとられなければならないと思うのでありますが、これは先ほど申上げたように議論になるのと時間が立ちますから、ただどうもそれは平仄が合わないということだけを申して次の質問に入りたいと思います。  公安委員会に、先ほども小坂さんがお述べになつたように、衆議院の修正はこの公安委員会に自主性を持たせるというような意味のことをお述べになりましたが、私もまだ原案では不十分でありますけれども一歩よくなつたと思います。そこでこの公安委員会の委員の問題でありますが、委員の問題については、政党所属の問題について、国家公安委員会においても又都道府県公安委員会においても一つの制限を設けております。例えば三人以上なつてはいかんとか、或いは二人以上同一政党に属してはいかんという、こういうようなことを言つております。一体先ほどから申しますように、警察というものは不偏不党であるべきだという、そういう意味から政党内閣の下における大臣の任命というものは私は実はいけないという意見を申述べたのでありますが、公安委員会にも同様のことを私は実は申したいのでありますが、政党に所属しない人を公安委員にする或いは現に今まで政党に所属していた人は政党を離脱してもらう、そして政党には無関係の、それこそ文字通りに不偏不党という形式も整えて、その人が公安委員の重責を担う、こういうことが警察を不偏不党ならしめるという根本精神から言つても尤もな考え方じやないかと思うのですが、その点をなぜそういうふうにお考えにならなかつたのか、この点をお伺いいたしたいのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 前に帰るのでございますが、府県において副知事を入れるというようなことに対しての意見があつたということは、そういうことがある以上、選挙をやめたらいいじやないかというわけでありますが、やはり国と県とはその点においては若干違うと考えておりますが、国務大臣はやはり選挙によつて出て来ておりまするので、やはり一応国民を代表しておる。府県の副知事というと、事務官のような形でございまして、ちよつとそこに知事の下にある、或いはそれより下にあるという点では似ておりますが、若干違いがあるのじやなかろうかと思つております。なお国の公安委員会というものに対して、或いは府県の公安委員会というものに対して、やはり県なり国なりの気持が違うという点もあろうと思うのであります。なお政党員が国家公務員になるという点でございますが、これは政党員なるが故にいかんということも甚だ憲法上の疑義その他のことも言われるのでございまして、やはり宣誓もいたし、本来忠誠なるべき警察事務に携わるという気持におきまして、党派的な根性というものは警察事務を行うということの前に余ほど払拭せられて行くのではないかということを期待しておるのでありますが、ただ過半数を占めますことは好ましくないので、人数の制限をいたしております次第でございます。ただこの日本の場合政党員であるとないということが非常に厳格に実は行われておりませんのが実態かと存じまするが、先ず前の日にやめれば政党員でないというような屁理窟を言われまして、結局そういう政党員はいかんという規定を書いておきますれば、政党員は前日にやめて、なつてしまうということも理窟から言えばできるわけでございますので、この点は特にそういう憲法上の疑義等もございますということでありまするので、政党員に対する排除という規定は設けておりません次第でございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 今の副知事の問題について大臣からお話がありましたから私も実は申上げますが、日本の国務大臣ほどみじめな哀れな者はないと私は思う。一般の会社工場の勤務の人々についてはこれは労働組合という制度が発達をしておりまして、相当の身分保障ができております。又国家公務員については或いは地方公務員については、その罷免等についての救済の途は人事院に提訴するとか、そういう制度ができております。国務大臣は総理大臣が、朝、君やめてくれと言えばもうやめる、こういう一番日本の勤め人の中でみじめな存在は私は国務大臣だと思う。そこで副知事は知事の下で事務官だからと言うけれども、私は国務大臣は事務官以下だと思う。副知事を好ましくないというならば、大臣はその意味においては私はもつと好ましくないと思うのですが、これは大臣がそういうことをおつしやいましたから私もついでに申し上げておきます。  二番目の政党員だからいかんというようなことはどうか、こういうようなお話もありましたが、私は先ほど申上げたのは、不偏不党ということを看板にしておるのだから、少くとも政党を離脱してもらう、政党員であるならば、こういうことをとつたらいいじやないか。現にその政党員であつてもそれは宣誓もしておるのだからちつとも差支えないのだ、又良い人がなるのだ、こういうことであるならば、その人が二人であろうと三人になろうと、それを制限をするというこの原案の規定はこれは又私は矛盾しておると思う。だからこれはやはり筋の通つた理窟に合つたことを言われるのがいいと思うのですが、恐らくこれも又議論に終るようで、時間を食うばかりですから、私はこの点は意見を申上げるだけにとどめておきます。そこで公安委員について国の場合においても又地方の場合においても、地方公共団体或いはその他の公的な機関の常勤職員を兼ねてはいけない、こういうことになつております。どうも政府のお考え方は如何にも表面は公安委員会というものは、この警察法の運営の一番目玉になる中心の大事な制度であるというようなことを表面はおつしやいますけれども、そうして又規定の上では、その警察庁のようなものは国家公安委員会の事務局のように見えるような書き振りでありますけれども、これは公安委員会というものの本心はそう重きを置いた考え方をとつておられないのじやないか、こういうふうにも思われる節があちらこちらにあります。その一つの例としてこれは極めて些細な例でありますけれども、今申上げたように常勤の兼職禁止の規定がございます。これは国の公安委員会においても或いは地方の公安委員会においてもその委員のかたがたは大事な警察を運営するのでありますから、これは常勤だと思うのであります。常勤でなければ私はこの議論は申しませんが、常勤だと思います。常勤だとすれば国の、或いは地方公共団体の常勤の職員というだけでなしに、民間の機関であつても責任を負つておる知事は勿論のこと、常勤の職員と兼ねてはならない、こういうことをするのがやはり私は筋の通つた考え方ではないかと思うのですが、その点は如何でしようか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この委員につきましては仰せの通りに考えておりまして、やはり非常に重要なる職務に携わるものであるから、他に非常に忙がしい責任のある仕事を持つておりましては困るということがこの十条の二項にございまする規定の趣旨でございます。委員は今哀れだと仰せられました国務大臣と同じような給料を取つております。でありまするから、そう余り兼職してもらわんということが本旨でございまして、これらはもう法律で他のものについて規定するということは殊更にいたしておりませんのは、委員各位の良識に待つという意味でございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると、私の申上げたのは例えば十条の二項で、「国又は地方公共団体の常勤の職員と兼ねることができない。」こうあるけれども、そうじやなしに、昔の官吏、今の官吏も或いはそうかとも思いますが、他の職を兼ねてはならない、許可を得るにあらざればというようなことにするのが本筋だと思いますが、そういうようなふうにこれを修正と申しますか、変えることについて御意見は如何でしようか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私はこの公安委員というものは非常に良識のあるものだということが本旨であろうと、こう思つております。まあ本来そうした良識を持つ立場にある人が大体社会的にも相当な人が多いのでございます。現在の委員を見ましても、それぞれの方面において相当なかたであると存じます。考え方は二つあると思うのでございますが、一つはそういうかたがたが相当な俸給を以てこれに専念するという考え方、もう一つは相当なかたがその地位において仕事に携わりついわゆるダラーマンというような思想で以て奉仕的にこの仕事に尽瘁される、まあこの二つあると思うのでございますが、現在は相当な給与を差上げるという規定になつておりますが、あとのことは法律で特に規定しなくてもそのかたの良識によつて本来重要なるこの公安委員の仕事に携わる以上、他のことについてはどうすべきかということはそれぞれの御判断に待つというのがまあ民主的ではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その現在の国家公安委員会の委員のかたは、これは五名のかたはいずれも立派なかただと思いますが、現実には会社の役員でいろいろの責任ある地位を兼ねておられるかたもあるのじやないかと思う。いわんや都道府県公安委員会の委員のかたは、これは実は時間があればゆつくり現状をお伺いしたいのでありますが、やはり殆んど他の職を兼ねておられるのじやございませんか。その点はこれは斎藤さんからでも結構ですからお伺いしたいのであります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 公安委員の中には弁護士をやつておられるかたもございますし、或いは会社の社長をやつておられるかたもあります。或いは総同盟の会長をやつておられるかたもございます。大臣がおつしやるように、こういつた立場におられるかたは勿論そちらの仕事もありましようが、併し公安委員会の重要性に鑑みて公安委員会のために自分の身体を割かなければならないという場合には、殆んど自分の考えで割き得るような状態におられるのでありまして、この国又は地方公共団体の常勤の職員になりますと、そちらのほうの服務規律或いは勤務時間というものにどうしても縛られざるを得ないのでありまして、職務の完全なる遂行ができなくなりますので、この点は法律では禁じておるのであります。ただ他の報酬を得て他の職業に従事するというような場合には、これは第十条の読み替えの規定で総理大臣の承認を得るということになつておるわけであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 先ほど申上げたように、警察制度運営の目玉が公安委員会制度だと私は理解しておる、ただその理解の下にその重要性を考えて行くならば、先ほど来申上げますようなことをやらなければ私はいけないのじやないか、それが一般の他の職に従事しておる人であつてもいいのだと、こういうことを言わず語らずのうちにやはり委員会の委員というものを飾り物に考えておられるということの片鱗が現われておるのだと思います。併しこれも又議論になりますから、私は一般の職についても兼職を禁止するのが適当であろうと、こういうことの意見を申上げて、時間がありませんから、あとの問題を極く簡単に申上げましよう。時間がありませんから質問することだけを先に申上げます。一つは先ほど来問題になつております公安委員会の制度が衆議院の修正によつてまあややよくなつた、併しこれを見ましても私の先ほど来申上げておりますような趣旨から見ると極めて不十分だと思つておるのであります。いろいろ問題があるのですが、例えば警察庁長官の任命において総理大臣の承認を得るということになつております。原案は総理大臣が国家公安委員会の意見を聞くとなつておる。ところがその主体性が変わりまして国家公安委員会が主体的に取扱われておる、これは誠に私はよくなつたと思います。ところが総理大臣の承認を得てとありますが、今の内閣を攻撃するわけではありませんが、極めてけしからん内閣が現実にあつたり、又今後あることも想像せられるのであります。側近人事のことを申上げましたが、どうも奥さんとか娘さんに気に入られんからというので警察庁の長官に任命されるのに承認が与えられないというのは想像にかたくありません。現に罷免等の問題の中心になられた斎藤国警長官もここにおられる。そこで総理大臣の承認が得られなかつたら一体どうなるのか、大事なこの警察庁の長官がこれ又警察制度の運営の要の人でありますが、この人がいつまでも空席にある、これはかなわんというので結局承認を得られそうな、又得られる見込みの人を選ぶということになります。これはこういう席で以てこういうことを申上げるのは甚だ悪い例でありますが、曽つて罷免問題で遺恨をあとに残した、今度はその人が承認を求めて来ればこの機会に江戸の仇を長崎で討つと、こういう場合も想像にかたくありません。そこで承認が得られないという場合には一体どうなるか、これ又意見を聞いてということでいいじやないか、原案において意見を聞いてということに対しては、国家公安委員会の承認を得なければならないというのじやないかという意見については、そういうことが問題になる場合には、お互いがよく話合いをすれば世評がこれを許さんだろう、変なことをすれば世評がこれを許さんじやないかということが原案の意見を聞いてという政府側の説明だつたのであります。そうならば今度主客顛倒した場合にも同様に総理大臣の意見を聞いてと、こういうことでいいじやないか、こう思うのですが、その点が一つ、それからその次は四十九条、五十条ですか、警視総監、それから府県の警察本部長の任免の問題、この場合にこれも修正をされましたけれども、やはり責任を持つておる都道府県の警察公安委員会、これに対してなぜその指導権を、主体性と申しますか、指導権を持たせなかつたか、都道府県警察の運営の一番中心であるその委員会の主体性をなぜ持たせなかつたのか、これは丁度国における国家公安委員会の主体性を認めたがごとくこれもそのように認めていいじやないか、こう思うのですが、その点を第二点としてお伺いしておきたい。それから第三点は、先ほど来率直な御意見を伺つてよくわかつたのでありますが、修正の第五十二条、大都市における警察部の問題、私はこれはひとり大都市に限らず自治体警察は人口三十万以上は残すとか、或いは二十万以上は残すとかいろいろな問題があります。ひとりこの大都市に限りませんが、いわゆる自治体警察というものを残すか残さないか、これははつきりしたらいいじやないか、今度の修正のように生殺しの、又この大事な警察制度について変な妥協はせられないほうがいいじやないか、残すなら残す、やめるならやめる、こういうふうにしたらいいじやないか、初めの原案においてもその自治体警察というものと国家警察、今度の都道府県警察、これとの関連においてはどうしてもこれをやめなければ能率的なことができないのだと、こういうことを主張しておられながら、実はこの府県の警察が残る、大都市のものが残る結果私が心配しておつた点が仮にあつたとすれば、その点はやはり残るのじやないか、なぜこういうような不徹底な、残すなら残す、やめるならやめるということをとられなかつたかということについては、私は衆議院の修正には疑問があります。ありますが政府原案を提案された立場から見ると、やはり都市にはいろいろの事情もございまして、というようなことじやなしに、もう少しこれ又率直に御意見を伺いたい、これが第三点。それから第四点は曽て警察については道府県知事は非常な緊急の場合には軍に対する協力要請がございました。現在は軍隊はないと政府は言つておられる。併し保安隊というものはございます。国家的に或いは非常に大きな地域的に、例えばブロツク地域的な区域における騒擾等については緊急事態の制度がこの法律にもございますが、その県内の大きな事柄で、而もその近くに保安隊がおるというような場合には、勿論できるだけそういうことは避けるべきだと思いますが、保安隊に協力要請をする場合もあるのじやないか、こう思いますが、それに関する規定のないのはどういう理由か、この点。いろいろありますが、大体今の四つの点を項目的に羅列いたしましたが、その点について御答弁をお願いしたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 最初に御質問の四点からちよつと遡るのでございますが、修正の御希望もあるようでございますから、これは、はつきり申上げておいたほうがいいと思いまして申上げますが、委員の兼職禁止の規定でございますが、国警長官からお答え申上げましたように服務規律によつて束縛されるような公的なものはやはり困りまするが、他の一般のものでございますると、総理大臣の承認を得てやりますようにしておきますれば、それぞれの良識と又外部の判断というものもあろうと思います。そのくらいのゆとりを設けておいたほうがよい人が得られるのじやないか、全部いかんということにして、これ専門で食つて行けということになりますと、どうしてもほかに職業のない人がそこに入つて来るというようなことでは、非常に私どもの期待しております公安委員と違うものができはしないかという心配もございますので、そういう点も考えておるということを申上げたい。  それから御質問の第一点の長官の任免は国家公安委員会が総理大臣の承認を得て行う、こういう点でございますが、承認を得られなかつたらどうなるかということですが、承認ということが条件になつておりますから、条件の満たされない行為ということになります。違法であるということになると思います。これは治安の責任を明確にするという意味から私どもはこうしたほうがよかろうと考えております。ただ国務大臣も国家公安委員会に入つておりますことでございまするので、十分その間の意思の疏通を尽すことができると考えておりまするので、この承認を得るということは非常に特別の場合を除きまして、そう大した障害にならんのじやないかと思います。現に斎藤長官を挙げてのお話がございましたが、これなどは全く公安委員との意思が疏通を欠いておつたために起つたことだろうと思いまして、そういうような懸念は今後はなくなるのではなかろうかというふうに期待しておる次第でございます。  それから次に府県の場合でございまするが、府県の本部長の任免は国家公安委員会が都道府県公安委員会の同意を得て行うという修正を、もう一つ逆にして、府県を主体にしたらどうかということでございますが、やはり警察というような重要な治安行政を司るものにつきましては、相当の練達且つ識見のあるものを選びたいと思います。そのためにはできるだけ広い範囲から人材を選ぶということが必要かと思いまするし、又人事交流をするということも必要であろうと思います。やはり官吏のかたが余り長く一カ所にとどまつて、それから上が首をくくらん以上は上れんということになりますと、いろいろ問題もあるところでございますので、そうした点からも広く求めるということを考えると、このほうがよかろうと考えております。  第三点は国警、自警というものの考え方を一本にするということを貫く上から、大都市における修正がどうかということでございますが、先ほども申上げましたのは、府県警察部の事務を分掌させるために市警察部を大都市に置くというものでございます。この点は府県警察というものがございまして、その下の一部局として市警察部があるということで、一本の組織という骨組は維持されておるのでございます。ただ一年間に限つて府県と同様の性格を持つことが、市において置くことが如何かと私ども理論的に見ておりまして、そういう意見を持つております。  それから第四点の要請の場合、知事が要請して昔の軍に出動を求めたということは、自衛隊法の八十一条に要請による治安出動の規定がございます。知事がやはりそのようなことをなすようになつております。警察の場合はそういうことは規定いたしておりません。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それじや細かいことなんですが、一つだけお伺いしたい。これは十条の第三項の公安委員についての積極的政治運動をしてはならないというこの言葉の意味なんですが、先ほど申します通り私どもできるだけ公安委員会の委員という人は、すつきりとしたいい人になつて頂きたい。これはたびたび申上げますように、警察運営の目玉ですから……。そこでここに書いてある積極的に政治的運動をしてはならないという意味は、どういう意味なのか、政治活動と政治運動は、これは違うことは申すまでもないのですが、念のために政治活動と政治運動の相違を先ず第一点に伺いたい。  第二点に、積極的という意味がどういう意味なのか、積極的でなければ政治運動はやつてもいいのか、この点をお伺いいたして質問を終ります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 政治運動も政治活動も同様の意味だと解しております。積極的と申しますのは、普通国民も政治的な活動というものは、これはあるわけでございまするが、一般の者とは別途に、積極的に或る事項を推進するために自分が中心になつて政治活動をやつて行くということを言うのでありまして、政治的な意見を個人で発表するとか、そういう常人のやる政治活動というものはかまいませんが、そうでなくて、特殊の事柄を自分が中心になつて推進して行く、そういうような意味の政治活動はしてはならない、こういう趣旨であります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 国家公務員法には、たしか政治活動という言葉を使つておつたかと思うのですが、そうするとあそこの場合には投票とか、そういうことを除いて、これこれのことは政治活動をしちやいかん、だから政治活動という場合には投票もこれは政治活動だ、併しそれはいいが、それ以外のこれこれのことはしちやいかん、こうなつておる。ところがここで政治運動、現に国家公務員法で政治活動という字を使つているのに、殊更ここに運動という言葉を使つている、活動と運動は日本語としては相当意味が違うと思う。従つてそういう意味で先ほど来申しますように活動と運動、そういう点を述べてもらいたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは裁判官或いは公正取引委員会の規定に合せて書きましたので、別に他意はございません。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは暫時休憩いたします。八時から再開いたします。    午後七時二十九分休憩    —————・—————    午後八時十八分開会

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 休憩前に引続きまして地方行政、人事、内閣、法務の連合委員会を開会いたします。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 ちよつと議事進行について。実は地方行政委員会の皆さんがたも連日深更まで御審議をせられておるようでありますが、我々法務委員の者も、昨日重要法案であるMSA協定等に伴う防衛秘密保護法案を仕上げるのに、連日非常に遅くまで苦労して参つたのであります。本日も我々は午前十時からこの席に参つて、やつと法務委員会の質問の時間に入つたのは六時半であります。殊に、こういうことを申上げては甚だ恐縮でありますけれども、最年長者の一松さんのごときは、まだこれから一時間乃至一時間半後にその質問の時間が来るというような状況であります。政府のほうは総理大臣も非常に御高齢ではありますけれども、その御都合によつて国会の審議は非常に渋滞を来し、又円滑を欠いておることは御承知の通りであります。その不始末を責めてそれに我々は倣うという意味は決してございません。ただ我々も生きたなま身でありますから、連日こうしてやつておりますると、(「何を言つているのかわからない」と呼ぶ者あり)いい質問もできません。(「謹聴々々」と呼ぶ者あり)又政府のほうもお疲れだろうと思います。(「はつきり言え」「疲れて声が出ないのだ」「やめろ」「発言中だ」と呼ぶ者あり)そこで私どもは、(「はつきり聞えないよ」と呼ぶ者あり)こつちへ来て聞いて下さい。そこで我々は決して無理を言うわけではありません。(「通そうと思つたら滑らかにやろう」と呼ぶ者あり)本日適当な時間に本日の質疑はお取りやめ頂きまして、明日午前中に法務委員会における質疑を許して頂きたい。それで地方行政委員会としてはすでに御決定になつておる御予定がありまして、明日は参考人をお呼びになつておるようであります。その参考人をお呼びになつておる委員会においては、政府当局は御出席にならないことだと思います。お体がお空きになつておることだと思います。従つて政府委員のかたがたは法務委員会にお見え頂きまして、法務委員として本日適当な時間にお取りやめ頂いた残りの部分を明日午前中に質疑をさして頂く、こういうようなお取計らいになりますれば、地方行政委員会におけるすでに御決定になつておる日程を阻害するわけでもなければ、却つてクリーアな頭でもつてお互いに質疑応答ができて、少しでもこの法律をよくするという立場においては私は望ましいのではないかと思います。自由党のかたがたは何か誤解されて変な御発言もありますけれども、私どもは決して他意あつて申すのではありません。その点を御了承頂いて、委員長においては然るべく進行をお願いしたい、こういうことを申上げるわけであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今楠見君から議事進行に関しまして御発言がございましたが、全く今日の連合委員会を開催をいたしました地方行政委員会のほうといたしましては、又今日委員長の職をとつております委員長といたしましても、深更誠に各委員のおかたがたが連日法案審議にお疲れの上に、更に又今日このような長い時間、而も又この重要法案に対しまして、貴重な御体験に基く又御見識に基くところの御意見及び又質疑を展開頂きまして、実はその法案の審査をやつておりまする委員といたしましても、又委員会といたしましても、誠に皆様がたの御意見、御質疑の内容の点に対しましては、十分この法案審議の上に有益な私たちの審議上の知識その他皆様がたのお気持を、或いは政府の答弁の内容によつて、更に審議の円滑な運行ができて行くと私たちは信じておりますが、何を申しましても皆さまがたが今日このような長い時間、又今後実は質疑通告者の時間を総合いたして参りますると恐らく十一時を過ぎはしないかというような時間になる予定が見えるのでございまして、その間誠に皆さまがたに御苦労をかけるのでございますが、当初申しましたように、一日の、今日だけの合同審査をするに当りましては、各委員長の協力及び委員のかたがたの御協力を願わなければ到底私委員長といたしまして誠に責任の重大を考えて、責任を本当に円滑に果されるだろうかと心配いたしておつたような次第でございまして、この点も十分お含み頂きまして、どうか一つ最後までできますならば一つ御協力の点をお願いしたいのでございます。  又第二の点につきましては誠にこの合同委員会といたしましても或いは又地方行政委員会及び委員のかたがたといたしましても、そのような取扱いができますれば私たちといたしましても、決してこれには私は反対はいたさないところでございますが、ただ問題はやはり法務委員会のほうで所管大臣をお呼びになりまして質疑応答を展開されまして、この法案に対して十分御審議頂くことは結構でございます。これはもう法務委員会として誠に結構でございますけれども、できますればやはり残された委員のかたがたの質疑の状態その他を私たちがよく察知いたしまして、そうして主管委員会といたしましての責務が果されれば誠に結構であると私たち考えておるのでございまして、その点は又あとで地方行政委員会の理事のかたがたにも御相談いたしまして、委員長といたしましては御希望が本当に法務委員会の今日残られた委員のかたがたの御希望といたしましたならば、そのような御意見を尊重申上げまして、理事会におきまして成るだけ決定をするように委員長は努力する覚悟でございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 ちよつと速記をとめて下さい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記をとめて。    午後八時二十八分速記中止    —————・—————    午後八時四十六分速記開始

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記をつけて。

一松定吉改進党

○一松定吉君 私は先ずこの本論に入りまする前に、ちよつと政府にお尋ねしたいのは、この警察法は御承知の通りに、昭和二十二年十二月十七日の公布であつて、而もそれからのち、丁度八回、修正々々、改正々々と来て八回これを手を変えて今日に至つたのが現行法です。これを全面的に改正しなければならんのだという理由を一つ私に示して頂きたいのです。この前これが予備審査に当るときに、本会議で問題になつたときに、私はそのことを犬養法務大臣に質問をした。ところが犬養君の答弁では、どうも統一がとれないのだ。それから費用が要る、それから地方にボスが横行して面白くないのだ。それから五千人以上の都市でありながら経済が持てないからしておれはやめるというのが続出しておるのだと、こういうことを以て考えてみれば、私はこの際一本にしたほうがいいという考えで出したのだという、こういうような説明であつたのです。そういうようなことであれば、私はこういうことを反駁したのです、経費のために困るのならば、困る市町村だけはやめたらいいだろう、私は困りませんから経費は出しますから私のところに存置して下さいという人には置いたらいいじやないか、それは経費。それから治安の維持ということは何も府県一本にすれば治安の維持ができ、大きい都市等に警察を置けば治安の維持はできんということはないのだ、問題は連絡の問題だ、連絡を緊密にしてその間違つたところを是正するようにすればいいのだ。ボスが跋扈する、ボスが跋扈する所は何も市警に限らない、府県一本にしてもやはりボスは横行するのだ、だからしてそういうようなことは問題にならないじやないか、そういうようなことを言うて、これはいわゆる元の国家警察で、昔の警保局長が警察権を一手に握つて、全国にベル一つ押して号令したというような状態の再現を図るようなものであるというと、決してそうではないという答弁がありましたけれども、今のこの八回もすでに改正しておるこの警察法、いま少しく手を入れれば今犬養法務大臣の言うたことは、これは是正ができる。然るにそれをせんで、今度新たにこういうものを出して、そうして大臣も国警長官も御承知の通り全国の都市は、あなたがたのところもそうでありましようが、私どものところには毎日電報が数十本、葉書が数百枚毎日のように来ておるばかりでなく、これらの関係の都市の市会議長、市長などは毎日のようにこの国会に出て来て皆様にお願いをしておるという事情があれば、こういうことにも関係なくどうしても改正しなければならんという特別の事情があれば、更に徹底的に一つお示しを願いたい。先ずそれを一つお伺いします。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 従来お示しのようにしばしば警察法の改正は行なつておるのでございまするが、主として法文の改正というようなことであつたかと存じております。而も占領下でありました時日が多いのでございまして、大改正と言いますか、やや実質的な改正というものが二回ございまするが、只今犬養前担当大臣の言葉として御紹介になりましたような欠点がございました。どうも警察単位というものが非常に多くなつております。又国警自警というふうに二本建てになつておりまして、その双方の連絡というものが、やはりできる限り連絡を密にいたしまして運用の妙を発揮するということは必要でございまするけれども、二本建てにはつきり分れているというその制度自体から参りまする盲点と申しまするか、運用の妙味もおのずから限界があるというようなことで、この警察単位の分割から生ずる盲点がやはり費用の面、或いは能率の面、或いは責任の面において種々不完全な点があると存ぜられまするので今回の改正をいたしたい、こういうことでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そういたしますと、担当大臣は今私が申しましたように、全国の都市の市会議長、市長、それからそれらの住民の人々が毎日のように熱心に我々の市警は存置してくれと言つて運動をしておるということは、あなたは御存じですか、御存じありませんか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 種々存置運動もあることも承知いたしておりまするが、又廃止すべしという運動もございまするようでございます。で、中には自治警を持つておりまする市町村におきましても、これは私どものほうは廃止してもらいたいということを言つて参る者もございまして、私ども考えてみますると、やはりこうした制度の改正ということが問題になつておりまして、反対、或いは賛成と入り交つて、又種々論議が行われております。これは民主主義の建前から、自分の意見を欲するところに従つて述べるということは当然であると考えますが、こういう状態をしよつ中続けることは決して好ましくない。やはり民主主義の建前で、国会で決定されたことには従うということでございまするので、この法文改正をめぐつての論議も、国会の御審議を十分にして頂きまして、結末を付けて頂きたいものである、かように考えております。

一松定吉改進党

○一松定吉君 あなたの御答弁は、制度のこれを是正する意味においてというような御趣旨に承わりましたが、すべての政治は国民のための政治なのです。国民が納得の行くようにして、そうして政治をすることが正しい政治なのです。これだけの大勢の都市の関係者が毎日大会を開いたり、費用を使つて東京に陳情に来たり、皆さんのところに訪問したりしておることは、如何にこの市警の存置ということが自分らの日常生活に必要であるかという、治安の維持に大切であるということを痛感した結果こういう行動に出ておる。それならば、政治の真価を発揮するためには、そういうような点は考慮のうちに入れて、そうしてそれを是正すべきところは是正し、そうして国民の意思に従うようにすることが本当のいい政治なのだ。それをただ制度を改革するために府県一本にしたほうがいいということは理論に捉われて、本当の政治じやないと私は考えておるのです。けれどもこの点は、まあ私はあなたと議論しても仕方がないから……。そういうようなことで非常に都市の諸君は熱心にこれを存置することを希望しており、本日ここに傍聴しておる人も、多く都市の存置に熱心な人々ばかりであるということを頭にお入れになり、私もそれを考えて先ずこれから一つ質問を続けたいと思います。  先ず第一に私がこの法案の中で、今申しましたように中央集権的の警察法の改正ではないか、その匂いが多分にあるという点に一つメスを進めてみたい。御承知のこの国家公安委員会に国務大臣を入れるということは、これは楠見君も先刻質問のありましたように、私どもはいわゆる中央集権のこれが一つの働きの形である、かように私は考える。なぜかというと、国務大臣というものは御承知のように憲法の規定によると総理大臣が勝手にこれを任命し、勝手に罷免することができる、でありまするから楠見君は憐れなる職業よ国務大臣と、こういうような言葉をお使いになつたが、その通りである。(笑声)そういうような総理大臣の前に行つては頭が上らない、総理大臣に何か忠言みたいなことを、諌言みたいなことをすると、お前根本辞めてしまえ、お前橋本辞めてしまえ、こういうようなことをすると、折角国家民衆のためによい政治をし、よい米価のことについて話をし、いい厚生事業をやろうと思つた農林大臣や厚生大臣が、ただ一言の下に辞めさせられるというような国務大臣の地位というものは、実に薄氷を踏むような地位にある。その人が国家公安委員会の会長になるというようなことは、いわゆる総理大臣が君こうやれ、ああやれ、それに反対なら辞めてしまえと、こう来れば、どうしても総理大臣の一言一句に唯々諾々として応じなければならない、そういうような地位にある人をこの国家公安委員会のいわゆる会長にするということはよくないではないか、かように私は考えておるのであるが、この点は責任政治を明らかにするについては必要じやないかというお答えであつたのですが、それは間違いありませんか、その点から一つ新たに論陣を進めてみたいのです。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 種々深い御経験に基くお話で傾聴するのでございますが、私の考えといたしましては国務大臣というものはこれは非常に国民に対して責任のある地位であると考えております。単に総理の一瀕一笑を窺うというような立場ではないと心得ております。又国会におきまして、常時監視を受けております国務大臣というのはそれほど勝手のできんという点においては、良心的に務めておりますれば、これほど常に国民から監視を受けており、国民に対して責任を感じておる立場はないと考えております。でございまするからして、或る特定個人の一瀕一笑を仰いでいるということでは決して務まらんものと心得ておるのでございます。ただ御質問の点で責任を明らかにするということでございまするが、これは先ほども他の委員のかたにお答えを申上げましたように、よい意味で国家に対する政府の考え方、治安に関連した政府の意見というようなものを常に公安委員会の席において委員会の各位に意思を疏通させる、こういうことがひいては国の治安に対する責任政治、政府の責任感を一層強からしむる、又国会に対しましても、公安委員がやつておりますることについて常に公安委員長たる国務大臣が国会の意見というようなものをも公安委員会に反映して行くということが、これ又公安に関する政府の治安の責任を明らかにする、こういうことになろうかと心得ておる次第でございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そうすると、今あなたのお話では何ですか、国家公安委員会の会議の模様を自分は常に知りたい、そうしてその会議の模様によつて国会にその国家公安委員会の会議の模様を反映せしめる、若しくは内閣にこれを反映せしむるために国務大臣が国家公安委員会の会長になる必要がある、こういうお答えですか、もう一遍一つ。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) そういう点もございまするし、内閣の考え方を公安委員会に反映するという考え方もございます。その間の意思の疏通をよくせしめる、こういうことでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そうすると内閣の考えを国家公安委員会に反映せしむる必要上そういうことをやるのだということは、それは私のいういわゆる政府は国家公安委員会を意のままに動かすということになる、こういうことに私は思うのですが、それは如何ですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 内閣の考え、治安に対する考え方を反映することが意のままに公安委員会を動かすということにはならないと存じます。公安委員会の委員というものは身分を保障され又それぞれの識見を持つた人たちでありまするから、内閣の考えはどうあろうともよい点があれば取入れ、この点はよくないと思えば取入れない。この点は独自の判断においてなされることと考えるのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 あなたは責任政治の建前から国務大臣を公安委員会に入れて、そうしてこれらの国家公安委員会のやつたことについて政府が責任をとらなければならんというふうに先刻お答えになつたことを覚えておりますが、私どもはこの国家公安委員会の任免は国会の同意を得て総理大臣がこれを任免する、そうして総理大臣はその委員に対しては任免黜陟の権を持つておる、即ちそれが第九条第二項、三項、四項にそのことが明記されておる。即ち委員が心身の故障のために職務の執行のできないと認める場合又委員に職務上の義務違反があると認める場合、これは委員に適しないと認める場合、委員に非行のあると認めたる場合、こういう場合には即ち両議院の同意を得てこれを罷免することができる、これが第二項、第三項には、内閣総理大臣は、両議院の同意を得て、左に掲げる事項があつた時分には委員を罷免することができる、即ち政党に関係ある人が三人以上委員になつた時分には、その一人をやめさせることができる。或いは総理大臣はその委員のうち二人がすでに所属している政党に新たに所属するに至つた時分には、それの過ぎた員数の者を直ちに罷免することができる、或いは政党に新たに二人以上の委員が所属するに至つた場合においてはこれらの者のうちの二人を超える員数を罷免することができるというように、総理大臣は自分の考えによつて、この委員は不適任だと思う時分には、自分が内閣総理大臣の地位において両議院の同意を得てこれを罷免することができるというのであるから、いわゆるその委員が不適任であるという場合には、国会の同意を得てこれを罷免する。その罷免することによつて新たな総理の考えておるような立派な公安委員というものが任命ができるということであれば、そういう意味の範囲内において総理大臣はこの任免黜陟の権を持つていることによつて責任を果すことができると私はこう思う。公安委員会というものは全く総理大臣から離れてしまつて、総理大臣は一指も染めることができないというようなことであれば、それは総理大臣が自分がこれらの自分の一指も染めることのできないような者のやつた行為について責任を負えないということはそれは当然だ、自分はこれは不適任だ、これはこの通りにやるような委員でなければいかん、これはこういう政党に入つたらいかんと思えば、これを国会の同意を得てそうして罷免できるから、自分がやはり責任を果すことができるということであるから、何も国家公安委員会の中にこの国務大臣を一人入れなければならんというようなことがそこに国民が疑惑を持つのですから、あなたの言う通りに、ただ政府の考えておることを国家公安委員会に反映せしめたいとか或いは政府の考えていることを国家公安委員会の人にこれを話して尊重してもらいたいとか或いは国家公安委員会のやつておることについて自分はそのことを知つてこれを内閣に報告するというようなことでは、わざわざこの国家公安委員会という重要な責任を果すところに、その総理大臣の自由勝手に任免黜陟のできるような国務大臣を入れるということは、私はこれは公平を失するやり方だと、かように私は思うばかりでありません。御承知の通りに国家公安委員会は政党に所属してはいかん、公平なる立場でいなければならん、国家公安委員会は常に公平、至公至平、一方に偏するというようなことがあつてはならないということが規定されているにかかわらず、そのいわゆる国家公安委員会の会長である国務大臣が、総理大臣から勝手に任免黜陟される人を会の中に入れるということは不公正にして偏頗な処理を行わんということが誰が保証できますか。そういうようなことをよく考えますれば、私どもは国家公安委員会の中には国務大臣は入れないほうがよろしい、仮に入れるとしても楠見君の言うようにそれは普通の委員としては入れるが、会長としてそれを入れることはよくないじやないかということは私どもは本当に率直に思うのでございますが、併しそれよりもまだやはり入れたほうがよいというほかに御意見があれば、その御意見を一つ承わらして頂きたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 成るほどお言葉のように総理大臣は国会の同意を得て公安委員を任命いたしておるのでございますが、ひとたび委員が任命されまする以上は五年間は任期を持つ、身分を保障されております。而も再任をされるのも妨げられないのであります。お言葉のように成るほど免職の規定はございます。職を失う場合の規定はございますが、これは委員が心身の故障のために職務が執行できないとか或いは職務上の法規違反があつた場合、或いは義務違反があつた場合、或いは非行があつた場合というようなことに限られて、その際の適用の条件は限られておるのでございます。いわゆる委員としての行動、事務処理の方法、そういうものについての批判というものは何ら受けないのであります。その限りにおいて身分は保障されておるのであります。又政党に所属しておらんというお話もございましたが、政党に所属することは差支えないのでございまして、ただ過半数が同一政党に属することはいけない、こういう規定をいたしておりますのでございます。そういうふうな委員というものは独自の判断において身分を保障されて十分に意見を述べ得る立場にございますのでありまするが、これは悪い場合を考えますると、非常に身分が保障され、いわゆる権力の座におつて何ら他の批判をどこからも受けることがないのでありますから、国会において常時批判を受けております者よりはどうしても世間の動き或いは考えというものによつて感ずるところが少いということも、これは悪い面として言えるかと思うのでございます。そこで政府の、時の民意を代表しておりまする政府の考え方というものを委員によく徹底せしめ又委員の考えておることを時の政府に伝えるということがよい意味においての公安委員の活動というものを一層活発ならしめ、これを以て治安の万全を期するための責任を明確にするということできると考えておりますのでございます。繰返すようになりまするが、委員というものは奇数構成でございまして、表決権は委員だけが持つております。国務大臣は表決権はないのでございます。国務大臣は単なる委員になるというようなことでございますると却つてこの表決権というものがこれは禍いするということになると存じますので、こういう規定のほうが責任を明確にし、而も民主的な運営ができるのでよかろうと考えたのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 あなたはこの間笹森委員があなたに対する質問のときにも丁度犬養君が私に対して答えたと同じようなことを答えられて、おかしなことを答えると思つたら、今又そういうことをおつしやる。国家公安委員会の委員は議決権がないけれども採決権がある。採決権は議決権の結果じやありませんか。そういう子供だましみたいなことを言つちやいかん。四人おつて二人は東と言う、二人は西と言う場合に、これを判断するのは委員長でしよう。そこで採決権というものはこの俺は東がいいということを意思表示するものが二人、西がいいということを意思表示するものが二人あつたときにどちらがきめるかということは、そのいわゆる重大なる権力を持つているのは委員長である。だからして議決権がないけれども裁決権だけ持つているのだから云々ということは、裁決権を持つていれば議決権以上の権力を持つているのですから、その答弁は君成つちやいませんよ。それはやめにやいかん、そんな子供だましみたいなことは。(笑声)本当です。犬養君も丁度そういうことを私に答えた。そうでしよう。一人は東といい、一人は西というときにはどつちがいいか、それをきめることは委員長のきめたことによつてそれが右となり左となつてきまるのだから、最も重い権力を持つている。その権力を握つておる者がいわゆる国務大臣だから、そういう議決権はあるけれども採決権がないのだから国家公安委員会の会長は公平な立場におるのだなんて、こういうことはこれは君、通らん議論だからそれはやめたまえ、それは……。(「やめるかどうか」「やめるならやめると言いなさい」と呼ぶ者あり)それからこの委員はいわゆる「政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。」という制限を受けておりますけれども、ところが国家公安委員会のいわゆる会長となる国務大臣は政治的の、積極的な政治運動はできるでしよう、政治家なんだから。今の吉田内閣の国務大臣であれば、木村君みたいに無所属を除けば皆自由党の党員である。その人が、自由党の党員として最も積極的な政治活動ができるわけだ。そうすると委員になつておるところの普通のものはこれらの政治的団体の役員となることもできなければ積極的に政治運動をすることもできんにかかわらず、その国家公安委員会の会長である国務大臣はこれはできるというようなことは、これは不公平極まると思うが如何です。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は委員は奇数構成であるから、奇数の場合、西と東と同数ということはあり得ないと思います。西が三人いれば東が二人ということになるので、その場合の表決権というものはない、こういうことを申上げておるわけでありまして、従つて辞めませんでございます。(「一人欠けたらどうする」と呼ぶ者あり)

一松定吉改進党

○一松定吉君 二人二人で四人でやつて、委員長を加えて五人してやつた場合には会議が開けるのですから、開けないのならばあなたの言う通りでよろしい。開けるのであればそういう場合が想像できるのじやないですか、それはどうですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 国家公安委員会の職務というものは非常に重要なものでございまして、この委員会が重要なる採決をいたします場合には委員会に当然に出席すべきものと考えます。(「そういう規定はない」と呼ぶ者あり)而もこれは委員長としての職責にも又良識にも関係することであると存じまするが、仮にどなたかが病気であるというときには、その意思は十分に聞いて採決の際に参考にすべきものであると心得ております。

一松定吉改進党

○一松定吉君 あなたは十一条の条文を御覧になりましたか。ちよつと見ようじやないか、そこにあるのを、十一条には「国家公安委員会は、委員長が招集する。国家公安委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をすることができない。」三人以上といえば、三人を以て上だ、だから四人は三人以上だ。そうすると四人の委員と委員長である国務大臣と五人寄れば会議が開けるじやないか。そのときに重要な案件だからして皆の意見を聞かなければ云々というようなことはこの十一条の法文を無視した議論だ。それはどうですか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) これは、ですから私は良識の問題にもあるというのでありまして、(一松定吉君「良識じやなくて法律論の根拠を聞いているのだ」と述ぶ)公安委員会が議決をするという場合に、非常に委員長の意思によつて委員会の意思が左右される、即ち裁決権によつてその委員会の方向がきまるということが非常に重要な場合と、単なる手続的なものについてこれでよろしいかというような場合とあると思うのであります。そういうような重要な決定をいたしまする際におきましては、この国家公安委員会の委員の当然の職責上さような御心配はないものという前提でこの十一条を読んでいるわけであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 どこにそういう規定があるか、その規定を示しなさい。警察法を基にして議論しているのだから、警察法のどこにそういう規定があるか示しなさい。重大な問題ですよ、そんなあいまいなことでは……。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この十一条によりまして想定せられる場合について御議論申上げているわけでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 十一条は、「委員長及び三人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をすることができない。」だから、三人以上と委員長とあればできるでしよう。四人あつた時分には三人以上じやありませんか。委員が四人あれば、四人あつて、四人と委員長が寄つて相談をしたときに、それが二対二になる場合があり得るじやないか。そのときにこれをどちらにきめるかということは委員長がきめるのだから、その時分に、重要な法案だから欠席しておる人が出て来なければならんだとか、あらかじめ話合いをしなければならんとか、それでなければきまらんのだというようなことは、君、法文の根拠を示さずしてそんな議論を出しちやいかんよ。十一条にはこうあるけれども、今おれの言うようなことがここにこういうようにあるというなら承知しますよ。この法案を今審議しているのだから、法案を本にして意見を発表しなければ、大臣たる資格はないよ。(笑声)

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) いかんよとおつしやられますが、私は委員の職責上当然に出席すべき委員会に出席しないということはないという前提で考えるのであります。(「そんな馬鹿なことはないよ」「単なる希望意見じやないか」と呼ぶ者あり)而も国家公安委員長というものは、そういう重要な採決があるという場合には当然に出席すべき委員にして出席せざる者の意向というものを聞いて、そして十分にその間の意思の疏通をさせてその会議というものを指導すべきものだと思います。これはもう法案の規定を待たずして当然のことだと思います。(「それは以てのほかだ」と呼ぶ者あり)

一松定吉改進党

○一松定吉君 それはとんでもないことだ。病気なんということはないかね。或いはやむを得ないということで出席できんということはないかね。人間の生き身だよ。あなたの言うようなことは、重要な法案の審議をするのだからそのときに必ず出なければならんということは、重要な法案の審議のときには全員が揃わなければ議決できないというその法文のどこにもそういうことはない。十一条は君のような解釈をしたらとんでもないことだ。そういうような法文にないことを君のように解釈するからいつも問題が起るのだ。(「その通り」と呼ぶ者あり)それは取消しませんか。取消さないならば、その今あなたの根拠をお挙げなさい。(「総理大臣」「総理大臣」と呼ぶ者あり)それは常識であるとか何とかいうことじやないのですよ。(「陰謀だよ」と呼ぶ者あり)

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私も一松委員の先輩であるということに敬意を表して……

一松定吉改進党

○一松定吉君 そんなことはよろしい。法案を審議するときには先輩も何もない。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 非常に御謙遜に申上げておるのでありまするが、そういうことはないよとか何とかおつしやいますけれども、私は私の解釈を申上げておるので、ないよという御解釈はあなたの解釈です。

一松定吉改進党

○一松定吉君 あなた個人の解釈を聞いておるんじやない。法案を根拠にして意見を聞いておるんです。この十一条にはそういうことになつておるけれども、ほかにこういう規定があるから十一条のようなことでなくつてもこういうことはできるんだということなら納得しますよ。その十一条の厳たる規定にかかわらずそういうことを言うて、そうして先輩、後輩……私あなたを後輩とは思つていませんよ。あなたは立派な国務大臣だと思つておる。(笑声)だから君、もう一遍それを答えてもらいたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 何回も答えておるのでありまするけれども、私の申上げておりまするのは、そういう場合というのはこれは極めて委員の職責上やるべきことでないのでありまして、そういう場合を想定して言いますことは、私の言いますのは、一般論としてそういう場合は極めて少いことで異例に属することである。従いまして私の申上げておりまする委員長が採決権を持つておるということは表決権を持つていないということで、委員会の意思を委員長の独断によつて決定することはなかろう、こういうことを申上げておるのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 独断によつて決定するというのではないですよ。四人が出て二人二人となつた場合にどちらにするかということは、そのいわゆる委員長たる国務大臣がそれを採決する。その採決する国務大臣がいわゆる総理大臣から勝手に任免黜陟される地位におる人だと、こういうのです。あなたはこの十一条の規定はこれは常識を以て云々と言うけれども、十一条はそういうあなたのような解釈はできませんよ。これは委員長及び三人以上の委員が出席しなければ会議を開いて議決することができないから三人以上の委員が出さえすればできるのです。そうすると今の四人のときには会議ができる、そして二人二人といつて二対二という場合があり得る。そういうときに採決するのは会長であるその国務大臣がするのだから国務大臣というものは普通の委員どころではない、重大な権力を持つているのだがと、こういうことを質問しているのです。併しこれは議員諸君があなたの言うのがいいか、私が言うのがいいかということは判断しているからこれ以上言いません。(「これは大事ですよ」と呼ぶ者あり)これは私はあなたの言うことは承知しません。  そこでこの国務大臣はこの第三条によつて不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の宣誓をするものであるということは間違いありますまいね、第三条。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどの話でございまするが、何か委員の欠席を狙つて委員長が採決するのじやないかという前提の下の御議論と存じますけれども、私どもは、そういう場合には如何なる保証があるかということでございますが、そういう場合には国家公安委員としましては当然そういう不当な採決を下されました場合にはその職能として反対するだろうと思う。その場合公安委員会というものがそういう態度に出た場合に治安の責任に任ずる政府がどういう状態になるか、これは思い半ばに過ぐるものがあると思います。私はそういうことが保証であると、こう申上げておるのであります。  只今お話の宣誓の規定でございまするが、国務大臣たる委員長が宣誓を当然にいたす必要はないと考えております。

一松定吉改進党

○一松定吉君 今の初めから議論を言いますが、あなたはどうも自分の間違つた議論を徹しようというのは、君よくないよ。十一条の規定で、委員が出ない隙を狙つて会議を開いて、そうしてその自分のいいように採決しようというようなことをするものは公正なる委員の職責ではないのだからそれは罷免するのだと、こうおつしやる、それは罷免していい、そういうことをするならば。私のはそういうことではない。十一条の規定によつて五人の委員であるけれどもあと一人はどうしても病気で出て来ない。それが病気で出て来ないのを籠をかついで連れて来て寝かせておいて会議をするということはこれはないでしようよ。(笑声)そうすると、四人は出て来た。四人出て来た時分にはその寝ておる人の所へ行つて、国務大臣である会長が出掛けて行つて、あなたが出て来ないから、四人は出て来た、四人は出て来たけれどもこれを二対二ということになると採決ができない場合、あなたの意見はどうですかといつて意見を聞くのですか。そういうことはせんでしよう。十一条にちやんと書いてあるのだから、三人以上出て来た場合には会議を開いて議決をすることができるとあるのだから、その法律の命ずるところによつて議決をする、飽くまであれが欠けているので、その隙にやろうということではないのです。それならあなたの言う通りそういうことをするならば公安委員はそれは不適任だからそれは一つ国会の同意を得て罷免するもいいが、そんなことではない、四人がちやんと出て来てお互い意見を闘わせてどうしても意見が一致せずして二イコール二に意見が分れたとき採決を、こちらがいいかそちらがいいかということでする、そういうようなことをすることが公平ではないか、そういうようなことのあり得べきであるのだが、あなたの言う決議権はあるけれども採決権がないとか、或いは決議権がないが採決権はあるとかいうことではなくて、採決権も決議権も同じことです、本当は結論から言えば。まああなたにもうこれ以上のことは言いますまいが……。  その次の何ですか、第三条の規定によつて国務大臣はその服務の宣誓を行うものではないとあなたはおつしやつたが、どこから来るのですかその議論は。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 何ですか。

一松定吉改進党

○一松定吉君 第三条の規定にちやんと書いてある。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 第三条の規定はこれは一般職の職員の宣誓義務についてその宣誓の内容を謳つた規定でございまするが、特別職の職員につきましても第十条においてこの国家公安委員についての規定を謳つておりますわけでございます。国家公安委員も宣誓の義務を持つておるわけでございます、併しその他のものにつきましてはこの規定はございませんので、委員長たる国務大臣はその宣誓の義務はない、かように申上げているわけでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 それでは伺いますが、この三条の「この法律により警察の職務を行うすべての職員は、」とある。国務大臣はこの法律により警察の職務を行うべき職員の中には入らんというのですか。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そうですよ、それだ問題は。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) お答えを申上げまするが、この第三条は、まあ題名に「服務の宣誓の内容」とございまして、本文には「公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行う」ということ、主眼は宣誓の内容を書いておるのでございます。御指摘のように条文自身から申しまするとこの第三条によつてすべての職員に服務の宣誓を行う義務を与えたように読む点もあるのでありまして、その点は条文としてはまずいのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 まずい……、そんなものを出しては君いかんよ。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) ただ服務の宣誓は国家公務員法によつて義務付けられておるのでありまして、この法律によつて義務付けるということは国家公務員法に違反することに相成りまするので、この第三条によつて「職務を遂行する旨の服務の宣誓」を課するというようなふうに解釈はできないのでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 じや第三条は要らんのだと、こういうのですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第三条は国家公務員法の規定によつて服務の宣誓をいたしまする場合に、その宣誓の内容に「日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正に職務を遂行する」こういう内容を持たなければならない。こういう趣旨でございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 それは内容を持たなければならん、その内容について国務大臣が宣誓をする義務があると、この法律により警察の職務を行うべき職員であるのですか、ないのですか。こう聞こうよ。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 文字上はこの法律により職務を行う職員ということには相成りまするが、すべての職員の中には入るように見えますが、併しこの第三条は宣誓を行うべき義務を課した規定ではございませんから、どういう職員が宣誓を行うかということは、これは国家公務員法或いは本法の第十条によつて国家公務員法を準用されている職員、それはそれが服務の宣誓を行う義務がある。別に規定をいたしておりまするんでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 それじや何ですか、このあなたの第十条のお終いの百三条第一項及び第三項それからその前か、宣誓のやつは。この国家公務員法の規定が成るほどあなたの言う通り準用されておるが、それが準用されておるならば三条の規定は要らんわけだ。第三条の規定はその宣誓の形式であろうと何であろうと警察の職務を行うべき職員の、その職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うべきものとするならば行わなければならぬ。これが国家公務員法に規定があるんだから、これは要らんものだというならば、要らんものを、ここに第三条として規定する必要はない。だから要らんものだけれども、ここに一応入れてあるものだというならばわかるよ。それならばこんなものは消しちやえばいい。あなたの言うことならば、法律を全く無視してしまつて、大臣の言うようなこともさつきのああいうことを言うて四人で会議するようなことはしないと、併しそれは法律に書いてある。三条にも警察の職務を行うすべての職員はこれこれの服務の宣誓を行うものとしなければならないのだから、行うものとするならば行うようにしなければならない。それが要らんというのならばこんなものは書かなければいいじやないか。そんなあいまいなことばかり言うならば審議が進まないよ。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 国家公務員法にはこの職務の宣誓にどういう内容を含むかということは書いておりません。これは人事院規則で定めることになつておるのでございます。  それでこの法律で国家公務員法に全然内容の書いてないものをその国家公務員法できめられる、人事院規則できめられる、宣誓の内容というものの中にこういうものを含ませなければならない、こういう趣旨でございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 国家公務員法の中に書いてない。国家公務員法九十七条に書いてあるじやないか。「職員は、人事院規則の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。」と書いてある。何が書いてあるかというと、「人事院規則の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。」と書いてあるじやないか。だからして国家公務員法の九十七条の規則によつて、今度人事院規則の定めるところによつてやるのだから、国家公務員法にちやんと書いてあるから、人事院規則で書いてあることは国家公務員法の九十七条に引用してあるから、九十七条の規定にはいわゆる服務の宣誓のどういうことをするのかということが書いてある。どういうことをするかということは、それは「人事院規則の定めるところにより、」と書いてあるから、人事院規則を開いて見ればすぐわかる。あなたの言うところの、この第三条の宣誓をしなければならないということは、これは要らんということを言うのかね。もつとそれを徹底してわかるように言つてくれ給え。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 人事院規則で、例えば厳正、公平且つ中立に、こういうことが人事院規則に書いてありませんでも、この法律が通過をいたしするならば、その人事院規則によつて書かれる宣誓の内容にこういうものが書き込まれる、こういうことに相成ります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そういうことに余りいつまでも相手になるのは馬鹿らしいから、もう言わない。そこで、あなたがたにお尋ねするが、いわゆる厳正、不偏不党且つ中正にその職務を行うことを宣誓するということが三条にも規定してあれば、それから十条の三項にも規定してある。国務大臣は、もうなにかね、そうすると、不偏不党且つ公平中正に職務を行わなくともいいという、こういうわけか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これも第二条によりまして、警察の活動或いは責務を果すという上におきまして、不偏不党、公平中正を旨としてやらなければならないということが明記をされておりますので、宣誓するしないにかかわらず、その心構えは第二条に明記されている通りであります。従つて、国務大臣は宣誓という形において、しないということだけであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 第二条の二項に、「国務大臣は」ということはどこに書いてありますか、今度はこれを尋ねよう。どこに書いてあるか。第二条第二項に「警察の活動は、」と書いてあるじやないか。「国務大臣は」ということは書いてない。君がたの論法を以てすれば……。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警察の活動が不偏不党且つ中正でなければならないわけでありますので、国務大臣が公安委員長として職務を行われる場合も、やはり不偏不党、公平中正に行わなければならないと思います。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そこだから国務大臣は委員長たる資格がないと僕は言うのだ。なぜというと、国務大臣の任免は憲法によつて総理大臣が勝手にやるのでしよう。小坂大臣は、大臣というのはそう勝手にやれないのだと、理窟はその通り、あなたの言う通り、勝手にやつちやいけない。勝手にやつちやいけないことを現に勝手にやつているじやないかね。君。吉田内閣でも君、七十人、八十人、僕もそのうちの一人だ。僕らのときは明治憲法のときだからして勝手にやれなかつた。その後は皆勝手にやつている。勝手にやられるような地位にいる人が、楠見君の言う通り、あれが大臣という地位にいる人が、如何に俺は公平厳正にやろうと思つても、総理大臣がこうやれということになるとやらなければならんだろう。犬養君がこの間検察庁法第十四条を発動したのと同じだ。そういうことになると、このいわゆる不偏不党且つ公平中正を旨とするということもできない地位にいる人だから、こういう人が即ち不偏不党且つ公平中正な職務をしなければならん国家公安委員会に入ることはよくないのだと、こういう議論が出て来るんだね、だからしてその点について、あなたがたの御意見があれば、もう一遍承わつて、それから一つ進みましよう。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私はこの一松先輩の御意見でありまするが、お言葉を返すようで、さつきから気になつていたのでありますが、国務大臣というものはそんなにすぐ簡単に、首が飛んだり、首を切られて泣き面をかくようなものじやないと私は思つております。自分の意見が通らんことがあつたら、堂々と辞めたらいい。(「犬養さん」と呼ぶ者あり)犬養法務大臣も、恐らく自分の意見を通して、而も全体の関係をみて自分から辞められたものと、私は首を切られて人を恨むというような情けないものだつたら大臣としての資格はないと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり、笑声)委員長は、国務大臣たる委員長は、これは警察のことを担当いたしまするにつきまして、警察というものは本来不偏不党、中正であるべきものであると考えております。従つて国務大臣が公安委員長としての職務を行います際におきましても、これはもう国務大臣としての公安委員長という者は非常に制限されて、職務としまして私は特に指揮監督、そういう権限はないとみておりまするが、いずれにいたしましてもそういう地位にあり、自分の権限を行いまする場合に、飽くまでも公平中正であるべきで、これは本来の職務から来ていると考えているのでありまして、ただ法案上規定いたしておりません理由は、委員長も職務上中立を保つものであることは当然であるけれども、内閣の一員である国務大臣たる地位に鑑みまして、この制限を課する宣誓をしろというような制限を付けるということは妥当でないということで書いてないと御承知を願いたいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 先ほど私が尋ねておりました点に参りましたので、保留しておつた分の一部をちよつと尋ねさして頂きたい。それは率直に申上げます。それはいろいろ今一松委員からの御質問に対して妙な御答弁をなさつておりますけれども、私がすつぱ抜きますから、もうそういうふうにして頂きたいと思うのです。と申しますのは、現行警察法においては先ほど御答弁にありますように警察法による宣誓をしておつたのです。そこでこの法律によるすべての職員という規定が必要だつた、それを不用意に、ここに大臣もおつしやいましたように、前のとちつとも変つていないような御答弁でしたけれども、文句が変つていないのです実質的に……。今度は国家公務員法による宣誓、地公法の条例による宣誓をするようになつて来た。そうするとこの法律により「警察の職務を行う」という規定が要らなくなつている。この要らなくなつたものをここについくつけたものだから、そこで先ほど来のああいう苦しい答弁になつた、これが私は真相である、どうでしようかその点……。でなければ、又質問があります。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 率直に申上げまして現行法の第三条は「職務の宣誓は、」云々の「事項をその内容に含むべきものとする。」と、こう書いておる。これは如何にも翻訳口調でありますから、それを直そうといたしてかような形にしたのでありますが、正確に申しまするならば、職務の宣誓を行うべきもので、この法律により警察の職務を行うものだ、というように書いておけばよかつたかと思います。だから上手な作り方でなかつたと先ほどから申上げておるのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 半分お認めになつたような、半分お認めにならないような御答弁なんで、なおこれは参考のためにお聞きし、かたがた申上げたいのですが、総理大臣は職員かどうかということをどうお考えになつておられますか。総理大臣は国の職員であるとお考えになるかならないか。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 国家公務員法の第二条に特別職として「内閣総理大臣」が載せてございまするから、これはそうした意味におきましては職員であると思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そういたしますと、このここにあります通りに、「警察の職務を行うすべての職員」ということになれば、内閣総理大臣だつて公安委員の任命に関与するということになれば、この法律によつて警察の職務を行うのだから、私は一松先生がおつしやつたよりもつと拡大して、総理大臣みずから宣誓をして不偏不党、自由党の総理大臣なんかでなくなる、これなら大賛成です。併し今のように何だかすべての職員の中に総理大臣は勿論だが、国務大臣さえ入れないという解釈はどこからも出て来ない。これは今長官がおつしやつたように、この内容については成るほどお考えになつたけれども、内容ばかり御覧になつて、その上についておる分を無視しておつたわけです。そこでこういう間違いが出て来た、こういうことだと思うのですが、それでよろしうございますか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 先ほどから申上げておりまするように、この条文の作り方は必ずしも上手でなかつたというところからさような誤解が生じておるのでございまして、職務の宣誓を行う者は、これは国家公務員法、或いはこれを準用する特別職の公務員となるという、この基本的な立法構成から考えますると、その誤解はないのでありまするが、この条文だけを読みますと、只今おつしやるような誤解が生ずる。現行法におきましてもやはり総理大臣は、国家公安委員を任命しておりまするから、ここの第二条から言えば、現行法だつて総理大臣が職務の宣誓をしなきやならないのじやないかということも出て来るわけでありますが、さようにはいたしておらんのであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それはとんでもない間違いです。現行法ではそういう規定はありません。現行法は宣誓の規定は警察官……、十五条の二項です。そこにも問題はあるのですけれども、それは省きます。併し今長官おつしやつたのとは違いますよ。十五条の二項は警察官が宣誓をやる。その二項に該当しない者は国家公務員法による宣誓です。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第三条だけで、そうおつしやるなら……というわけです。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そこで第三条だけでとおつしやれば、第三条だけでそういう誤解があるのです。而もこれだけ、こういう法律の大家にさえ誤解されるようなものを一般に出しまして、これでお前たちが誤解するのが悪いとは言えないと思う。そうすれば大臣はこの分については修正の必要ありとお認めになるかならないか、それだけお聞きして、関連質問ですから終ります。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この法律を読まれまして、誤解がありとすれば、私どもの申している意味で意味が変らないとすれば、御修正を頂きましても結構であります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そうでなけりやいかんのだ。そういうふうに来るとスムースに審議ができるのですよ、本当に。(「その通り」と呼ぶ者あり)それじやもうこれ以上のことを追究するのは余りに失礼だからやめます。それで第三条は、これは修正の必要があるというようなことに御同意給わつた。同じようにさつきのいわゆる三人以上にするときに云々、これも一つ修正しなければなるまい、あなたのおつしやる通りなら。それはよしとして、その次に今度は公安委員会について少し伺つておきます。本法案の第十条ですね、第十条の第九十八条第一項は、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」というこの九十八条の第一項が、この十条によつて、これが準用されておるね。そこで伺いたいのは、国家公務員に対して「上司」というのは、どんな人ですか、それを一つ伺いたい。

小坂善太郎自由党労働大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 上司は、この場合ございません。

一松定吉改進党

○一松定吉君 上司はない……。そうするとこの九十八条の一項の規定は、これは要らんのだな。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 第一項の規定は、前段と後段がございまして、そしてこれは準用条文になつておりまするから、準用のできる段だけが準用されるのであります。従つて「且つ」以下の「上司の職務上の命令」ということは、公安委員にはございませんから、その点は当然準用にならないのでございまして、前段だけが準用に相成るのでございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 この九十八条はね、九十八条の一項は、もうこれよりほかない。「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」。そうすると、今長官のお話では、この「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い」だけが準用されるのであつて、「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」ということは準用されない、こういう意味か。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) さようでございます。職務上の命令はございませんから、準用のしようがないわけです。

一松定吉改進党

○一松定吉君 それならば、この書き方がよくない。書き方がよくないので、この国家公務員法の九十八条一項の前段ということにしなけりやならんのに、その前段と、こう区別してないから、今のような順序がこれが適用されるようにみえるのだが、それはどうですか。間違いは間違いと言い切つたほうがいい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは法制局とも打合せをして作つた条文でございますが、この場合に法律の前段後段というふうに書くよりは、当然適用すべきものがなければ、準用できないのだからこのままでよろしい、かように私は考えます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そうするとそれは法文を注意深くこしらえたのじやなくて、こう分けてみたところが、上司がないからこれは準用がないのだと、こういうようにあなたは解釈するのだね。こういう法律を作るときは、すべて詳細に扱つてみて、これは準用しなければいかん、これは準用せんがいいということは、ちやんと分けて書かなければならないのに、上官がないから準用がないというようなやりかたはよくないですよ。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) さようではございませんで、一々条文と引比べまして、ここは準用する必要があるからこの規定を入れた。かように一々当つて、法制局とも慎重にやつた規定でございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 そこでもう一つ伺いたいことは、この第十条によりますると、この国家公安委員が営利事業などやるときには、やるようなことはこれはできないのだ、禁止されている。但し人事院の承認とあるということは、同法の「人事院及びその職員の所轄長の長の許可」公安委員会は長の許可を受ければ、私企業についても仕事ができると、こういうような規定だが、これはやはりこういうような世人から疑を受けるような職務には携われんようにするほうが私はいいと思うのだが、上司が許せばそれでいいというようなことになつて来ると、こういうことがその地位を利用して汚職といつたような問題が起るのだが、そこはお考えになりましたか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) その点も十分考えたのでございますが、国家公安委員は人格高潔な立派な意見を持つたかたを選びたい、そのためにはできるだけ人選の範囲を広くいたしたい。国家公安委員なるが故に他の職業、営利的な職業或いは会社の役に就けないというような法律にいたしますと、余り選考範囲が狭くなり過ぎますので、総理大臣がそういつた職業ならば適当であると承認したものにつきましては、できるだけ選考範囲を拡げたい、かように考えたのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 それはよろしうございましよう。その次に伺いたいのは緊急事態の布告を発した場合のことですが、これについては、第七十四条、これによると、「緊急事態の布告を発した場合には、これを発した日から二十日以内に国会に付議して、その承認を求めなければならない。但し、国会が閉会中の場合又衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会においてすみやかにその承認を求めなければならない。」こういうふうに書いてありまするが、憲法の五十四条によりますと「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」こういうふうにして、国会が解散されておるようなときには、いわゆる緊急集会をしてその緊急の事態を審議するという規定が憲法の五十四条の二項にある。やつぱりこのときにもこういうような緊急事態のあるときであつて、大変なときだからして、その次に召集される国会を待たずして、いわゆる解散しておるような場合であれば、参議院の緊急集会でやるというふうに規定したほうがいいんじやないかと私思つたのだが、これはどうですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは衆議院が解散されておりませんときには、臨時国会を開いて二十日以内に付議しなければならんわけでありますが、衆議院が解散されておりまする際には、その緊急性を考えるか、それよりも両院の慎重な承認、どちらのほうがよろしいかと考えまして、これは政府がみだりに布告を発したかどうかという国会の批判を十分にやつて頂くというわけでございまするから、両院に承認を求めたほうがよろしいと、かように考えた次第であります。先ほど臨時国会を開いてと申しましたのは間違いでございまして、閉会又は解散されている場合でございます。

一松定吉改進党

○一松定吉君 余り議論になるようなことはよしまして、それは参考のために……。  それから六十五条に「警察官は、いかなる地域においても、刑事訴訟法第二百十二条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、警察官としての職権を行うことができる。」、警察官は警察官としての職務を行うことができると、こういうことですね。ところが刑事訴訟法の二百十二条は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められたときは、これを現行犯人とみなす。」、それでこの二百十二条の根本規定としては、二百十条検察官、検察事務官又は司法警察官が、これこれこれこれに対しては逮捕状を要求することができる、こうある。だからこれは私の考えでは、この警察官は「現行犯人の逮捕に関しては、警察官として」なんかせんで、警察官は「現行犯人の逮捕に関しては、司法警察官」として、「司法」という文字を入れたほうがよくはないか。或いは逮捕に関しては司法警察職員としてとかいうことを入れると刑事訴訟法の規定とは照応して疑いを受けない。警察官は警察官としてじやおかしいと思うが、これはどうですね、これは極く些細なことだけれども。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) これは特に司法警察官と書きませんでも当然差支えがない、かように考えておるのでございまして、刑事訴訟法から見ますると、これは司法警察職員というふうなものが当然であると考えております。

一松定吉改進党

○一松定吉君 これはいいでしよう。  それからもう一つ。もうおしまいです。この警視総監の任免は、「国家公安委員会が都公安委員会の同意を得た上」総理大臣の承認を得て行うということを、これは衆議院で修正したのですが、私はやはり自治というものに重きを置く建前から、警視総監の任免は「都公安委員会が国家公安委員会の同意を得た上」総理大臣の承認を得てこれを行うとしたほうが、自治ということを尊重する上においてよくはないかと考えます。と同時に今度は道府県の本部長の任免は「国家公安委員会が道府県公安委員会の同意を得て」行うとあるのを、道府県の本部長の任免は「道府県公安委員会が国家公安委員会の同意を得て」行うとしたほうが自治を尊重するという建前からよくはないかと思うのですが、如何ですか。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 御所見は誠に一つの御識見だと存じまするが、政府といたしましては都道府県の警察本部長というのは相当重要な職責でございまして、都道府県にとりましても立派な人を得るということが必要だと存じます。従いまして都道府県が地方の見地に立つて任免権を持つよりも、全国的な範囲でこれを選考したほうが適当な人が得られる、かように考えるのであります。

一松定吉改進党

○一松定吉君 もうこれで私の質疑は極く大略的なところで終りますが、私の質疑応答中にあなた方に対して失礼なような言葉もあつたように自分も考えるが、どうかその点については一つ他意がない。ただこの法案を本当に納得するように審議したいということで、余りにも我々の考えとかけ離れたような御答弁をなさつたためにああいう過激な言葉も出たんじやないかと思いますから、どうかその辺は私も反省しますから、(「了解々々」と呼ぶ者あり)あなた方もどうか御反省されんことをお願いして質問を終ります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑はないものと認めて、本連合委員会はこれを以て終了することにいたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後九時五十七分散会

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