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19回国会参議院1954/05/31

大蔵委員会 第54号

発言数
63
登壇者
8
会派数
5
開催日
1954/05/31

会議録

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。  協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑を行います。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は今提案されている法律の中心問題である員外の預金受入に関する事項について伺いたいのですが、昨日銀行局長は、信用協同組合はできるだけ信用金庫になるようにしたほうがいいのじやないか、こういうお話があつたわけでありますが、私は信用金庫にも相当条件があるので、なかなか、職域を中心にしてできているところの組合或いは小さな地域を中心にしている信用協同組合、あれは容易に信用金庫になれない、こういうふうに考えますが、これは企業庁のほうではどういうように考えますか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 相互扶助の精神に基きまして、組合金融形態と申しますか、現在信用金庫と信用組合の二系統があるわけでありますが、行政の指導或いは信用業務を運営いたしまする方向といたしまして、地域を主とするものと、それから職域を主とするものとを分けて見ますると、信用協同組合はより多く職域を中心とする融資業務に適合しているものではなかろうかと存ずるのであります。このような考え方に立ちますと、員外預金といつたようなものを受入れる必要性は非常に少くなる。偶然的に店舗のある附近の員外者の預金も扱うというような、極めて偶然的なものと考えなければならないわけであります。又、地域を中心といたしました信用協同組合を作ると考えますると、これは大体信用金庫と同じような、若し員外預金の受入を認めれば、同じような業務になつてしまうのではなかろうかと思うのであります。両者相互扶助の精神に立脚いたしながら、一方は信用金庫となり、一方は信用組合となる。その間、或いは内国為替の仕事ができないとか或いは員外預金が受入れられないというような点がございますが、員内だけの預金を扱い、組合員だけに対して預金業務を行うというようなところから、国家の介入と申しますか干渉と申しますか、検査監督におきましても若干の事項があり、又、設立条件等も欠いているわけでありまして、信用組合から、こういつたような特色をなくすと申しますか、員外預金をも認めて信用金庫と同じようなことにするということは、むしろ相互扶助の組合精神というようなものにより強い意義を認めようとしております信用組合活動の方向に逆行するのではなかろうかというように考える次第でございます。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は、今の振興部長のお答えは、協同組織というものの在り方から考えると、信用金庫によつてそういうような員外のほうはやればいいのであつて、信用組合で以てやる必要はないのだと、こういうふうに聞いたのですが、そういうお考えですか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) そこまで割切つた考え方を持つているわけではございませんけれども、地域を中心にいたしまして考えまする時分には、店舗の設置或いは業務の内容、或いは取引先との接触関係、こういつたようなものを考えますると、員内外を問わず業務を行い得るという必要がより多いのじやなかろうか。そういう点から考えますれば、地域組合は、より信用金庫に近い業務をやる必要もあるわけでございまするし、又同じ法制の下で建前を活かして行くということになりますれば、信用金庫に転換すると申しますか、組織替えするということのほうが望ましいのではなかろうかと、かように考えている次第であります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は銀行局長にこの際聞きたいことは、この信用金庫法ができるときに、特に信用金庫法施行法という法律を同時に出しまして、そうして協同組合がやつておつた仕事をその法律で除いて、そうして新たに公共団体関係その他の受入れは認めるのだ、こういう条項の変更を加えているのであります。五十三条の二項だと思いますが、その辺で変更を加えているのですが、その当時の経過をお話を願いたいと思います。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) この規定は、従来の信用協同組合におきましては員外預金もとれたのであります。従つて会員に限りませんから、勿論公共団体の預金もとれたわけであります。然るにこの新らしい信用金庫法の制定に伴いまして、信用協同組合に対しましては員外預金を認めないという制度に直したのであります。直すときに、それじや地方公共団体等の預金或いは親族等の預金等まで認めないというところまで、一挙に線を引いてしまうのは少し極端じやないだろうか。例えば親族にいたしまして見れば、やはり組合員と同じ一身同体みたいなものですから、親族の預金は、例えば組合員に主人がなつておつて、その細君が組合に預金しようという場合に、それが員外だから細君の預金は扱わんというのは、実情に即しないのじやないかといつたような意味で、親族までは認める。それから村とか部落等の預金等についても、これはその地域にある一種協同組織の金融機関なんですから、こういう公共団体の預金は員外として一応排除するまでもあるまいということで、その当時員外預金を認めないという制度を作りますときに、或る程度そこは緩和をいたしまして、実情に即した措置をとるために、例外的に、公共団体と親族との預金は、員外であるけれども例外的に認める。こういう措置をいたしたのであります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 いわゆる施行規則というのは普通、法律で出さないで省令で出すのですが、金庫法の場合、別に省令で以て附則を出しております。それで法で以て特に施行規則を出された理由はどういうわけですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) これは皆さん御承知のように、本法とそれの施行法、両者が法律になつておりますものも相当あります。これは実体的にどうしてそういうふうなものがあるかと申しますと、この施行法というのは、本来は本法の附則に入るべきものであります。といいますと、つまり経過規定と申しますか、切替わりのときの経過規定的なものが相当多いわけであります。ところがそれを附則に入れますと非常に長い条文にたりまして、附則としては長過ぎるというようなこともありますので、これを政令なり省令等でやるべき性質のものではないのであるけれども、併し附則ということでは条文が長過ぎるといつた場合には、施行法というものを便宜別に作るという場合があるわけであります。その一例が今お話になつております場合の信用金庫法の施行法もそうであります。それから商法等におきましてもやはり経過的な問題については商法施行法という法律が別に出ております。まあいろいろそういう例もあるわけであります。今お話の施行規則というものが省令で行われるというのは、法律にきめてあることの細目といつたような意味の場合には、法律よりもつと一段階下の法規によつてやれる。併し本来同じ法律によつてやらなければならん事柄であれば、これは施行規則でやるわけに行きません。そういう場合にはやはり施行法というものを別に出す。実体的には今最前申上げますように本法の附則に当るべきものと御了承頂きたいと思います。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 信用金庫の場合に、設立の条件として、東京都或いは五十万の人口を持つておるところは、出資一千万円以上、それ以外の地域においては五百万円以上、これだけの出資がなければ設立の条件にならないようになつておりますが、私は地域的な中小企業者等の協同組合法による信用協同組合が、これだけのものを持つのは、これは容易なことでないと思います。それで信用金庫になるということは、これは非常にむずかしい要件でないか、こう考えるのです。これが一点。  それからもう一つは、独占禁止法に関係をした関係で、除外の関係からいつて、信用金庫法の場合には会員の事業会社に常勤として勤めるものが三百人ですね、労働者、従業員ですか、それくらいのものまで認めておるわけです、信用金庫のほらならば。それから協同組合のほうは百名、員数ですね。これは確かそういうふうになつておるはずです。そこで、どういうふうになつておるかというと、信用金庫は、非常に、相手は相当大きいものを背景にして、貸付にいたしましても相当高額のものを貸してもいいという、そういう中味を持つており、地域にいたしましても相当広汎な地域でこれを認めると、こういうことが可能になつておるわけです。ところが協同組合の場合には、非常にもう最初から条件を与えて、そうして地域も小さな地域、それから出資なんかも極めて少くてもやり得るように作つてあるわけです。根本的に信用金庫と協同組合とを比較いたしますと、相当違つておるわけです。これは協同組織として大蔵省がお考えになつた場合に、或る程度の大きさを持ちそうして相当な資力を持つておるものでなければ信用金庫として認めない、こういう考え方から私は出発をしておると思う。それから又或る程度、数を限定しなければ監督が十分に行かないと、こういうような点もお考えになつてこういう方針をとつておる、従つて協同組合を信用金庫にたやすくさせると、こういうようなことは、私は、これはおつしやつてはおるけれども、これはできん相談だと、私はそういうふうに考えますが、その点はどうですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 今の信用金庫と信用協同組合におきまして、組合の資格の使用人三百人という点につきましては、これは何か誤解じやないかと思います。これは同じような取扱いをいたしております、会員の資格といたしましては。  それから第二点の、出資額が、信用金庫になりますと、地方におきましても五百万円、非常に高い資本金を認めておる、これではなかなか信用協同組合が信用金庫に転換するといつても容易にできないじやないか、おういうお話でありますが、この点は私どもといたしましては、やはり員外つまり一般公衆に対して窓口を開いて預金の受入をするといつたような態勢になりました場合には、その預金者保護といつた観点から、恐らく員内に限つてのみ預金を受入れる場合と違いまして、その自己資本の充実とか或いはその基礎の強化ということが特に強く要望される。勿論、信用協同組合であれば基礎は強固でなくてよろしいというのじやないのですが、員外から一般公衆からの預金を受入れるということになりますと、一層基礎の強固なことが必要になつて来る。その一つの現われが、やはり出資額というものについても相当程度のものを持たなければならんと、こういうことになると思うのであります。これは現に昨日も提案者であられる春日衆議院議員から話されておりますように、仮に大蔵大臣が員外預金を認可をいたします場合の基準を提案者として考えておられるところを伺つたのでありますが、例えばというお言葉でありますから、必ずしも的確なものではありませんが、或る程度の資金量を持つておる、例えば一億というお話を昨日伺つたのでありますが、まあ一億のよしあしの問題は別といたしましても、相当程度規模が大きくて、而もその基礎も相当強固であるということが、員外預金、一般公衆からの預金を受入れるということのための絶対条件である、こういうお考えに立つておられるものと思うのでありまして、このお考えは私も全く同感に存ずるのでありますが、そういう観点からいいましても、やはり員外預金、つまり一般公衆からの預金を受入れるという場合におきましては、その出資額についても相当程度のものが必要でありましようし、その資金量というものも相当程度の規模を必要とすると、私どもは考えておるのであります。その程度が、出資額の予定五百万円がいいか或いは六百万円がいいかということは、これは程度の問題でありますから、いろいろこれは御見解はあるかと思いますけれども、相当程度の出資額以上のものを持つておらなければ員外の預金を扱わせるということは適当でない、かように私は考えております。昨日も申上げましたように、仮に今御提案になつておりますこの法案が通過いたしましたとしましても、大蔵大臣が員外預金を認可いたすことになつておりますが、その認可に当りましては、どれもこれも非常にルーズに、言葉は非常に悪いですが、余り審査もしないでどれもこれも員外預金を認めるような意味において大蔵大臣が認可をするということは、私どもは予定いたしておりません。これは提案者としてもそうだと思うのであります。そういう意味で員外預金をすべて非常に、極端なことを言えば、すべての信用協同組合に員外預金を認めるといつたような意味のことは、この法案の提案者もお考えになつておらないと思いますし、法案の精神もそうでないと私は考えております。員外預金というものを認めるに当つては、そういつたいろいろの条件をやはり備えたものでなければならん。そうであるならば、これはそれでは信用金庫にということにして組織替えをして行く実体的なものはないし、金融制度というものの姿をきれいにする意味においてもそのほうが正しいのではないかと考えております。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。本案に対する質疑は暫らく留保いたします。   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に銀行法の一部を改正する法律案(予備審査)を議題といたします。先ず発議者より提案理由の説明を聴取いたします。春日衆議院議員。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 只今議題となりました「銀行法の一部を改正する法律案」につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。  金融機関が特定の企業に対して集中偏向融資を行うときは、その金融機関の経営を不健全ならしめ、預金者に損害を与える虞れがあるばかりでなく、一つの大企業に対して集中偏向融資が行われますと、数十乃至数百の中小企業が融資の対象から除外され、中小企業金融集をますます逼迫せしめる結果となるのでありまして、いづれにいたしましても、集中偏向融資が放任されておりますと、金融機関の公共性は到底全うすることができないことになるのであります。  然るに、普通銀行の集中偏向融資については、何ら法律上の規制がないため、極端な事例としては金融機関の自己資本の五〇%を超えるものも見受けられるのでありまして、これをこのまま放任するときは、前述のごとき弊害を一層甚しくする慮れがありますので、すでに貯蓄銀行法、相互銀行法等において規定されておりますことに鑑み、又米国の連邦準備法その他各州金融業法の例を勘案しまして、一企業に対する融資額は、金融機関の自己資本の一〇%を超えることができないこととする等の立法措置を講ずる必要があると考えるのであります。  以上がこの法律案を提案するに至りました理由であります。  何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。  なお本法律案は、衆議院におきましては会期末に提案されたことでもございまして、なお慎重に審議の過程にございまして、本日の委員会でこれを継続審議にすることに決定いたしたことも申し添えまして、速かなる御審査を賜わらんことを併せてお願い申上げます。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 本案に対する質疑は次回に譲ります。   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案を議題といたします。  先ず発議者より提案理由の説明を聴取いたします。伊藤衆議院議員。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○衆議院議員(伊藤卯四郎君) 只今議題となりました、国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案につきまして、その提案理由を説明いたします。  敗戦後における日本のあらゆる産業の復興は、一に石炭の増産にかかつておりましたので、炭鉱労働者に対しては種々その増産意欲を鼓舞し、且つその増産努力に対して物心共に酬ゆることが、当時の労働問題のみならず一般社会情勢からも当然の措置とされておりました。  大きな炭鉱には比較的整備した専属医療設備があつたのでありますが、全国炭鉱六一八(昭和二十二年末)中の過半数三四一の中小炭鉱には病院らしい設備を持つているものは甚だ少く、殊にこの内二七七炭鉱は全く無医炭鉱とも云うべき状況にありました。  従つてこれらの炭鉱に働く約二〇万人の従業員とその家族は、炭鉱が危険作業であることも加わつて甚だ不安な条件に置かれており、又医療機関のないところには正しい衛生指導や予防措置が講じられないために、病気を重くし、予防も出来ないで、これらのために石炭増産が阻害される事実も少くないと認識されてみたのであります。ここにおいて炭鉱業者も労務者もこの事態を改善すべく意識を持ち、又政府当局も恨久的な対策として中小炭鉱を主とする医療救済施設の建設を企画いたしまして、昭和二十三年に産業復興公団が指定を受けて、この実施に当つたのであります。  この産復公団が建設した炭鉱医療施設は全国三十五カ所を数え、これらの施設完成後における医療業務と運営については当初財団法人炭鉱福利協会を指定して担当させる方針でありましたところ、同協会が閉鎖機関に指定されましたために、関係官庁(資源庁生産局長、経済安定本部生産局長、労働省労働基準局長、厚生省保険局長連名通牒二十四年九月七日附)は各施設所在の府県知事に対して経営を暫定委託、各県知事はこれに基いて地元の市町村又は適切なる公益団体に再委託して現在に至つております。  併しながら産復公団は施設完成直前に解散したため、経営引受先からの幾多の苦情処理、運営経過上の諸難点が全く解決されないで持越され、全施設共通して当該施設に附課される売払代金及貸付使用料の高率負担が社会保険を基準とする公益診療の発展助長を著しく阻害しておる状況にあります。  ついてはこの炭鉱医療施設が現今の炭鉱関係に働らく人々のみならずあまねく民生面に好影響を与える事実に鑑み、現在までその運営に努力しつつある地方公共団体等に負担軽減を図ることが極めて適切であると思料いたしましたので、ここにこの法律案を提案いたす次第であります。  何とぞ慎重、御審議の上成るべく速かに可決されます様御願いいたします。  なお、附加えて申上げておきたいと存じますことは、この法案も御承知のように会期末に衆議院側に提案をいたしましたので、慎重審議を期さなければならんという見地から継続審議ということに処理をされてあるということを申上げまして、何とぞ慎重御審議のほど切にお願い申上げる次第であります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 本案に対する質疑は次回に譲ります。   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に、元に戻りまして、先ほど留保いたしておりました協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 銀行局長に伺いますが、昨日ですか、委員長からもお話があつて、員外預金を扱う協同組合方式が、金庫に代つて、その協同組合から員外預金を扱わしてもいいという、協同組合が信用金庫への移りかわりの経緯について、これは国会の要望もあればやつてもよい、こういうあなたの御答弁だつたが、徒承知のごとくこの法案が継継審査で当委員会で取上げられて一年有余、少しこの問題がくすぶつてくると、あなたのほうはそういうことを言うけれども、これだんだん日にちがたつていると、まあまあということで別に措置をされない。そういうところに、大体協同組合のほうも、どうも大蔵省がやつてもなかなか信用金庫へ移ることを、そうたやすくは認めてくれないのではないか、こういう疑義が、疑惑というか、思いすごしがあるのではないか。一体やるのですか、やられないのですか、経過措置を……。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 今お話の点は、昨日も申上げたのでありますが、前国会におきまして、この問題が御審議なされましたときに、私どもそういう案を実は研究したのでございます。ところがその後、非常に申訳ない言い方でありますが、この法案自体が一体どういうふうになるのか、私ども実は国会のほうのお取扱いもよくわからないような事情もございましたので、従いまして一応事務的には、そういう法案についての準備と申しますか、考え方を一応事務的にまとめたものはございますけれども、この法案の帰趨自体についての私どもの見通しもはつきりしませんものでしたから、そのままに実はなつているので、併しこの法案が側と申しますか、帰趨がはつきりいたしますれば、それに応じて、それに代るベき措置としての立法ということは、当然私どもは考えて参らなければならん、かように存じておる次第であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それがフアイト旺盛な河野局長にしては、甚だおかしいと思う。あなたは絶対この法案には反対なはずなんです。ここでも言明されておるように、反対なら、それにかわるべき措置として、今のような法案を出して、これで一つ入れかえて貰いたい、こうやれば、是非この協同組合に員外預金を扱わして貰いたい、こういうふうの要望も、或る程度こういうふうにやるのだから了承してくれ、こういつて我我だつて押えやすい。そういうことを一応議員立法で出しているのだから、あなたのほうで、政府提案でそれと並行的に出してくれればそつちに乗りかわる、こういうこともできるのであつて、今日は大分はつきりと、あなたが、国会の要望があればという、こういう前提がついておつて……。一つそれは是非出すのですね。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) この法案の帰趨がはつきりいたしました場合に……。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 帰趨がはつきりすればといつたつて、あなたは反対なんだから、それにかわるべきものとして、それによつてこつちも帰趨を考える。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) この国会には恐らくそういう御提案を申上げることは事実問題としてできないものと思いますが、成るべく速かなる機会に今のような御趣旨の御提案を申上げたいと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それからもう一つ、昨日ちよつと懇談の際に私はお聞きしたのですが、信用協同組合で、当然金庫へ移りかわつてもいい資格のものであつても、依然として協同組合で残つておる。この原因については、私の見るところでは、やはり商工中金とのつながりということがかなりあるので、そこで信用金庫として上位に属するクラスは、最近範囲が拡げられたようでありますけれども、預託制度そのものについても検討の時期だろうけれども、かなりそういう預託を受けられておる。それが信用金庫に代つた。而も信用金庫は、その道が閉ざされるというところに問題があるので、そういうものは商工中金を通じて、従来の実績に応じて、預託制度そのものは検討されるでしようけれども、置いておくとすれば、商工中金を通じて信用金庫に流すということは考えられないのか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) この点は昨日も申上げましたように、信用金庫に対しては、全部じやありませんけれども、一定以上の資金量を持つておるものに対して、政府は直接指定預金をしておる。それは信用組合については商工中金を通すということにいたしておりますが、この場合、商工中金を通じて指定預金をいたしております信用協同組合の資金量は、その対象になつております信用組合の資金量というものは、大体信用金庫の指定預金を受けておりますものの最低の資金量よりも多いくらいのところを狙つてやつておりますから、信産金庫になつたら、とたんにそれは指定預金を受けられないというようなことは、現実としてなつておりません。それほど大した金額を実は商工中金を通じてやつてないわけでありますから、その点御心配ないと思います。従つて裏から申しますと、商工中金を通じて指定預金を信用金庫に、資金量が少いものに出して行く、こういうことは、私は余り意味がないことだと思いますので、若しそういうことができるようならば、やはり政府から直接信用金庫に指定預金をして行く制度のほうが、やはりそこはルートと申しますか、ラインを余り複雑にしないで済むのではないか、かように考えております。問題は程度問題でありまして、信用金庫の資金量をどの程度指定預金の対象にするかということは、これは実は御承知のようにだんだん範囲を拡げて参つておりますので、そういつた程度問題については十分考慮を払いたいと思いますけれども、そういう指定預金のルートを資金量によつて変えるということは如何なものか、かように私は考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 やはり金庫というものに移りかわつた以上は、直接政府の預託してもいい対象になる、こういうふうに判断して、そう言われるのですが、やはり非常に金庫の数が殖えてくる。今度軽易に殖えて来る。やはりあなたのほうで小さい金をほうぼうへ分散するよりは、一つにまとめて行くほうがいい。商工中金とのつながりが切れるということ、これが私の聞いておるところは、関係者からの陳情では、商工中金とのつながりが切れるということを唯一の理由にしておる。そういう点からいつて、この信用金庫と、名前は変つておるけれども、協同組合金融であるという建前であれば、その金庫の希望によつては、商工中金の出資を行うということで、大きくなつた金庫でもそんな商工中金の下になるのはいやだといろものは別として、その下部組織になつてもよろしい、こういうものはならしてもいいじやないか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 今のお話でありますが、必要性の問題につきましては、先ほども申上げましたように、現在信用金庫につきましては信用金庫連合会というものがあります。それからちよつと余談になりますが、先ほど申上げました信用金庫に政府が直接指定預金をしておるというのでありますが、これはちよつと言葉が足りませんでした。信用金庫連合会を通じて信用金庫に行つておりますので、実質は直接行つておりますけれども、やはり形式は信用金庫連合会を通しております。従つて信用金庫の中央機関というような言葉は悪いですけれども、そういうものといたしましては、やはり連合会というものを育てて行く。要すれば今の現状が十分でない、或いは固まらない点があるということであれば、これを制度としてもう少し強化することを考えるということは、これは当然私どもは考慮いたさなきやならんと思いますけれども、少くとも信用金庫の系統と言いますか、中央機関としては、やはり私は連合会というものを中心にして考えて行くべきだ。そのほかに、やはり商工中金の繋がりということは金融の制度として別に排除しなきやならんという積極的なあれもございませんけれども、やはり如何なものかというふうに私は考えております。法律上も、現在のところでは、やはり信用金庫は、商工中金のメンバーには現在のところなれない状態になつております。従いまして、これは勿論法律を直せばいいのでありますけれども、私どもとしては今申上げましたようなことで、信用金庫はやはり信用金庫連合会という形で繋がつて行くことがいいのじやないか。行く行くは、これは私個人の構想でありますが、まだはつきりしたことは申上げられませんが、信用金庫連合会というものが場合によつては日銀と繋がるということも将来の姿としては考えられる。そこを今にわかに実現することがいいと私は申上げておるわけじやありませんが、そういうことも考えられるのだ、こういう構想で行くべきじやないかと私は思つております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 私も割切つておるわけじやない。いろいろあなたの意見を聞いてみたいと思つて聞いておるわけですが、農林中金と農信連との関係はどうなつていますか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) これは、農林中金は先ず三段階になつておりまして、農林中金にすぐ繋がつておるのは御承知のように信連であります。農業協同組合連合会が繋がつておりまして、その下にあります単位農協というのが信連の構成メンバーになつております。その形がずつと終局において上つて来て農中に来ておる、こういう三段制になつておるわけであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それで、私は、商工中金はやはり商工中金という名前で、協同組合金融という建前の特色を持つた金融機関としてあるわけだから、今の信用組合、今度員外預金を扱わさないにしても、信用組合連合会として、信用組合の中央団体というか、それを新らしく設けようとしておる。それを作るには商工中金ということのほうが筋ではないか。その点、振興部長はどう考えますか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 振興部長からあとでお答えがあると思いますが、先に私からその点についてお答えを申上げたいと思います。私は、筋としてというか、形の上では今のお話のようなことだと思う。併し農林中金の系統というものと商工中金の系統というものは実態がまるで違う。一番いい例は、農林中金におきましては預金が末端から上つて来るのです。預金が非常に強く上つて来る。つまり農業者、組合員というものが預金をして来て、更にそれがだんだん上つて来て農林中金の大きな資金源を構成しておる。ところが商工中金についてはどうかと言いますと、商工業者、つまりそれを構成しておる商工業者というものは殆んど商中の系統には預金して来ないわけです。そうすれば、むしろ金を借りるという系統だけが繋がつて来ているという状況、そういつた状況の下におきましては、農林中金におけるような系統と、商工中金と同じような形を系統としてつけるのだという議論につきましては、実態的に非常に事情が違う。勿論、商工中金を通じての系統ですと、預金が上つて来るようなことになれば非常にあれでありましようけれども、現在のところはむしろ商工中金の資金を分けてもらいたい、下の末端のものがこういうような状況にむしろあるわけです。ところが商工中金自体が今困つて、何とかして資金源の充実ということについて結局政府資金に頼るより仕方がないという状態、そういうところから行くと、農林中金の系統というものと実態がまるで違う。従つて私は、形としては今お話のようなことが考えられると思うけれども、実質的にはすぐそういう形に持つて行くということが実情に合うかどうかということについて相当研究しなければならん。これは私の私見でありますから、振興部長はどう考えられますか、お聞きを願いたい。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 今の実態は確かにおつしやる通りだと思う。けれども、中小企業の協同化という建前から行くと、やはり金が商工中金に吸い上げられる形に、だんだんステップ・バイ・ステップにはなるでしようけれども、そういうふうに行く筋のものだと思う。そうすれば、一般金融機関と大分競合問題がなくなると考える。それで、少くとも信用組合のほうは、預金を扱つたもの全体、全国的にプールする。そうして又、金を使うほうもプールするという意味において、事業協同組合のほうは別として、なかなかすぐに中金のほうに搾り上げるのだといつて、それはいかんけれども、信用組合のほうは少くとも預金は中金に一応行く、そして又要るような場合には中金から貸出す。それを調節団体というか、こういう信用金庫の中央団体と同じような役目を果させるべきものではないかという気もするのです。その点、振興部長どうですか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 現在商工中金と信用協同組合との関連を考えてみますると、貸付の点におきまして、ピークにおいて二億乃至四億程度中金の運用しております資金の大部分というものは、事業協同組合に対する貸付と相成つておりまして、信用協同組合との繋がりというものは極めて稀薄でございまして、これは只今銀行局長からお話ございましたように、理論或いは概念といたしましてはいろいろな考えが立つのでございますけれども、経営の実態乃至事業の実態というものが組合とかけ離れているという現状でございまするので、今直ちに小林先生のお話のような系統だつたものになることは実際困難であろう。ただ信用協同組合という形で信用組合がおりまする限りは、中央的な資金供給源と申しまするか、というような役割としての中金の地位はやはりあるべきものと考えまして、現在でも中金の自己資金の貸付はもとよりのこと、指定預金の場合におきましても、先ほど銀行局長がお話し申上げたような中介的な活動をいたしておる次第でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 あなたに聞くのはおかしいけれども、中金当局としてはどうなんですか。こういうようなことで、いいと思つているのか。その点、中金当局も逡巡しているのですか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 現在中金の構成メンバーと申しまするものが大部分が事業協同組合でございます。そして事業協同組合の出資によつて成立つております組合金融機関であるというような点から考えまして、只今それらの構成員の意向というものを率直に反映いたしましたところが現在の業務の状況であると、私どもは考えておるわけであります。将来これをお話のような線に持つて参ることに、どういう段階を経、或いはどういう手順を経てということは、検討はいたしておりまするが、まだ結論も伺つておりませんし、又協同組合による預金業務といいますか、信用協同組合につきましては、只今御提案になつておりまするような内部問題もあるわけでございまして、金融の系統といたしまして、これを将来非常に強く伸ばして行く方向に行くべきものであるかどうか。或いは、或る段階で信用金庫等に転換をいたしまして、それの中央機関は只今お話のありました信用金庫の連合会というような系統のものに切替えるべきであるかということにつきましては、率直に申しまして現在混迷いたしておるわけでありまして、私どもも、先ほど銀行局長も申されましたが、この法案の帰趨とも睨み合せて考えなければならんと存じておる次第であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 信用協同組合に員外預金を扱わせるという、まあこれは今のような話、ところが事業協同組合に信用業務をやらせる、こういう要望もありますが、むしろ通産委員会で中小企業等協同組合法を改正して信用業務をやるということが現われておるわけであります。やはり今の中心の下部組織が事業協同組合である、それに信用業務を営まして金を吸上げるというか、持ちたい、こういう気持もあるんじやないかと思うんですが、その点については銀行局長としては、恐らく事業協同組合に信用業務を行わせるということは反対だろうと思いますけれども、そういう動きがあるということについても頭に置いて考えると、何かここで商工中金というあの特殊な金融機関の存在を与えておく以上は、信用協同組合との繋がりというものをもう少し考えてみる必要があるんじやないか、こう思うんですが。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) これは銀行局長から……。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 銀行局長としての答弁はおわかりなんだから……。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 僕は類推したので、あなたの口から言つてもらいたい。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 只今御指摘のように、協同組合の動きそれ自身の中にも、信用業務といいますが、預金の吸収等をいたしたいという要望がございますことは、これは明らかな事実でございまして、これのまあ一つの現われがこれになつたという御解釈も或いはそうかと存じておるのでありまするが、ただ商工業者の活動しております分野、範囲、こういうものは、現在のところ信用組織といいますか、金融組織というものは十分確立いたしておる分野でございまして、かような極めて重要な業務が現在中小企業の事業協同組合等によつて行われますることが、国全体の立場、或いは経済金融機構の安定というようなことから、果してよろしいかどうかということになりますると、遺憾ながら現在の段階ではまだ消極的な結論しか出ないのじやないかと、かように考えておる次第でございまして、これが非常に安定いたしまするか、乃至は地域或いは仕事の内容といつたようなものから特別な金融機関を要するような分野におきましてでございますれば、例外的に或いは存立の余地があるんじやなかろうか。かように協同組合の信用業務については考えている次第でございます。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 振興部長に聞きますが、あなたは信用協同組合の小地域の理想的な形態というものはどういう形態なんですか。私はこう考えるんですが、協同組合というものは、加入、脱退の自由を認めている組合ですから、その場合に、一定の地域内の者が協同組織に全部入つてやるのが私は理想的な形態だと思う。そうすると、今の信用協同組合というのは、その理想的な形態から見ると非常に遠いんですが、その場合に、どういう方法で以て地域内の非組合員と連携をとるか、非組合員を協同組合に入れるにはどういう方法でやりたらいいか、組合に理解のない者をこうやつて教育したらいいか、一番いい方法は何ですか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 私どもの考えておりまする信用協同組合の最もいい活動の形と申しまするものは、結局、事業協同組合といわば裏腹の関係に立つておりまして、事業協同組合それ自身が、例えば仕入れを行い、販売を行う、こういうような資金需要、或いは金が入つて来、余裕ができる、こういうような場合に、その事業協同組合の業種と同じ範囲の組合、或いは会員を背景といたしまして信用協同組合の営まれる形態が一番理想的になつて来るんじやないかと考えております。現に例えば或る織物の産地、こういうような所におきましては、事業協同組合が仕入を行い、販売を行い、経済活動を営んでおりまするが、その経済活動の裏に金の余裕或いは不足というものか起つて参るわけでありますが、これらが二枚看板に相成るわけでございまするが、信用協同組合の形で動いておりまするものは、経済活動と信用業務というものがほぼ即応いたしまして円滑な運営を行なつておるように思つているのでございます。ただ漠然とした地域をとりましたり、或いは業種別組合といつたような組合になりました分につきましては、信用金庫その他とほぼ選ぶところがない、信用協同組合の特色を発揮し得ないというようなことになつているのではなかろうかと考えておる次第であります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 今の場合は、私は農業のように、或いは漁業のように、協同組合が同じ職域ですから、市街地を中心にして、或いはその他の場合、職域を中心にしている場合はこれは別ですけれども、そうでない場合には、事業協同組合と裏腹にはなかなかならんと思います。そういうようなものでなくて、一定の地域をきめて、そこにできるところの信用協同組合、それは業者も入れば労働者も入るし、いろいろなものが入ると思いますが、そういうような信用協同組合は、これは当然そういうような形態にするためには、組合と非組合員との接触をこれは密にしなければならんと思います。その場合に一番いい方法は、例えば言葉は悪いかも知れんけれども、予約組合というような形態、組合員を預金をさして予約をする、そういうようなことがこれはもう当然起きて来ると思う。それで一定の取引をしている間に十分に組合というものを理解し、そうして組合に入る、こういう過程をとるわけです。そういう過程をとらないで、組合が今ここで現われているような形だけで以て進んで行つたら、これは組合は決して大きくなりません。組合は充実しません。だから将来組合を充実するためには、やはりこの員外の預金を受入れて、そうして将来組合員にして行く、こういう形をとるのがこれは一番いい方法である。協同組織としては一番いい方法である。商業の方面は、これは昔から協同組合に反対の形をとつて来ました。協同組合の関係については歴史を持つておらないから、だからいろいろな点でまだ弱い方面がたくさん出ていると思いますが、協同組合の歴史を眺めて見たら、この員外の預金を有効適切に使つて信用事業の協同組織を拡大して行くというのは、これは当然な話なんです。生活協同組合の場合においても、員外のものを利用さして、そうして協同組合員にして行く、これも当然な話であります。そういうようなことは、これはもう協同組合の拡大をして行く場合における初歩的なやり方なんです。その一番重要な手段を折角持つておつたものが、信用金庫ができるときにばつさりとられてしまつた。だから私は振興部長が大蔵省の銀行局長の意図を余り受けて、そうして答弁をされるのは、これは少し弱いと思う。本当に協同組合を活かして、そうして今の中小企業者が一体更生をして行くのに何で生きて行くか。私は協同組合の組織によつてやつて行くよりほかに方法はないと思いますが、そうすれば、協同組合をどうすれば強化することができるか、これを中心に考えなければいかん問題になると思うのです。どうですか。今の員外のものを受入れるというのは、そんなに区域外の者がたくさん金を持つて来て預けるなんて、そんなことは想像もつきません。区域内の者が中に入る。それが最小ですね。そういうような形をとるのは、これは最も初歩的な段階だと思うのですが、初歩的な段階を切つてしまう。そういうことは、私は非常に簡単に、信用金庫法の規則ができるときに、簡単に同意されているのじやないか、そいつを心配しているのですが、その当時の経過はどうなんですか、一体……。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 実は信用金庫法ができますときの経過は、私これをつまびらかにいたしておらないのでございますが、只今、東先生の御意見は、思いまするに、地域の組合と職域の組合とが大体重複いたしておるような地帯、例えば農林或いは漁業方面は大体そうでございまするが、商工業者の組合といえども、産地を形成しておりまする地域、例えば織物の産地であるとか、金物の産地でありますとかいうような地域におきましては、職域組合であると共に地域組合になつておるのであります。このようなところでありませんと、信用組合がなかなか協同性を中心とした発展が望み得ない。単に商工業者であるというような漠然とした運命共同体といつたようなものでありましては、これは地域組合という具合に相成るわけでございまするけれども、信用金庫その他の行いまする簡便且つ円滑な仕事に負けてしまう、こういう事実が指摘できると思うのでございます。地域組合と職域組合とが事実上において重複しておりまするような分野におきましては、これは信用協同組合組織によりまして事実相当な成果も挙げておりまするし、例を申上げますれば丹波における丹後縮緬の協同組合、これは裏に信用協同組合を持つておりまするが、信用協同組合自身といたしましても極めて強力なものである。事業面における活動が信用協同組合の活動にすぐに反映して参るということで、うまく行つているわけでございます。単に同一地域に居住いたしておりまする商工業者であるという程度の紐帯をもつていたしましただけでは、これはなかなか組合としては発展しないのではなかろうか、かように考えております。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 この調節はどういうふうにしておるのですか。金庫の全信連と、それから商工中金、それから中小企業公庫との関係は一体どういうふうに調節しているのですか。それから今の信用協同組合との関係ですね。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 私どもの承知しておりまする範囲では、中小企業金融公庫の代理業務は、信用金庫に対しましても、又信用協同組合に対しましても、ほぼ同一な基準に従つて、適当と思われるものに対しましては、代理業務を営ませております。それから商工中金は、先ほどのお話がございましたわけでございますが、これは信用協同組合に対しましては貸付け、或いは預金の受入れ、或いは出資を求めるといつたような関係をもつて関連をつけております。それから信用金庫連合会と信用組合連合会でございますが、これは現在のところ信用金庫連合会に対しましては、指定預金を行います場合にその中間団体としての地位を認めているということは、銀行局長のお話のあつた通りであります。信用協同組合連合会につきましては、信用協同組合法による経済事業団体としての連合会であると承知しているわけでありますが、指定預金とか或いは公庫の業務とか或いは中金の貸付とかいつたようなものにつきましては、現在のところ関連がついていないのじやなかろうかと私は承知いたしているわけであります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 これは金融というと、特に農林漁業の面は農林中金を中心にして考えればいいのですが、それ以外のもので、もう一つ労働金庫がありますね。それで、この関係のものは、そうすると、系統金融は、信用協同組合は系統金融機関としては二つ持つているわけですね。信用協同組合の連合会と商工中金と二つ持つているわけですね。これは実際の形はどういうふうになつているかというと、大蔵省が非常に力を入れている全信連と、それから長期金融の中小の公庫ですか、農林中金と別に出て来た公庫がありますね。それと、それから今の商工中央金庫、三つにも四つにもなつて、そうして金が中央へ集まらない。これは農林のほうは一応漁村と山のほうの関係を皆集めてどうやら中金としての形をとつておりますが、商工関係はもう極めて頭が三つにも四つにもなつているのですが、如何ですか。これは何とか一つにして、そうして全部信用金庫の系統機関、それから信用協同組合の系統機関、それからその他のものを代行してやるような構想にして、一本にする、こういう金融の措置はできるのですか。協同組織として恐らくそういうことを望まれると思うのですが、どうですか、そういう点は。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 御尤もな御意見だと思います。中小金融公庫と商工中金との関係と、農林中金と農林漁業金庫との関係、この二つの関係は、形は非常に似た関係になります。併し実態は先ほど来申上げておりますように、農林中金というものと、下部にあります単位農協なり或いは信連というものとの関係と、商工中金とその構成員であるところの信用組合或いは事業協同組合というものの関係とは、必ずしも実態は同じになつていない。そこらあたりに実は問題があるのでありまして、今御指摘がありました信用協同組合の連合会というものを最近認可をいたしました。これはまだ発足間もないのでありまして、今後どういうふうな動きをいたして参りますか、今のところは、はつきりしたことは申上げられませんが、これがだんだん育つて来た場合におきまして、これと商工中金との関係が、中小金融の一つの系統としての考え方において、どういうふうに按配され、どういうふうな地位をお互いに持つて行つたらいいかということは、今後十分に検討いたして参らなければならん問題だと思つております。ただ現在のところでは、信用協同組合の連合会というものができたばかりでありまして、これがどういうふうになつて行くか、これらの問題がまだはつきりいたしませんし、私どもといたしましてもこれに対して基本的にどういう指導方針をとつたらいいか、これらの問題も、もう少し研究いたしてみなければならんと思います。金融制度といたしました場合においては、今御指摘のように、この信用協同組合の連合会と商工中金とは、一体、中小企業金融の系統の組織の中においてお互いにどういう関係に立ち、或いはどういう地位を占めるかという問題、これは非常に重要な問題だと思います。現在目下そういう点でいろいろ検討はいたしておりますけれども、もう少しこの信用協同組合連合会の今後の発展と申しますか、方向というものがだんだんわかつて来るに応じてこれらの問題を考えて参りたい。  それから中小企業公庫と商工中金との関係につきましては、これはなかなか、先ほど来申上げましたように、農林中金と農林漁業公庫との関係のようになかなか割切つて問題を解決できない点がある。一番いい例は、商工中金においては、みずからその系統を通じて資金を集めるという機能が殆んどとまつておるわけであります。ところが農林中金は御承知のように系統から吸上げて来る資金量というものが圧倒的に大きい。これをもとにして動かして参りますから、政府機関の農林公庫と全く並行してお互いの使命を果して行くということが考えられる。ところが商工中金の場合につきましては、自分で系統を通じて資金量を集めて行くということが、現在の状況では非常に困難な状態であります。その資金量の圧倒的部分と言いますか、相当大きなウエイトが政府資金、直接間接たるとを問わず政府資金にこれを仰いでおるということが非常に大きな点であります。そういつた点から見ますると、農林中金と農林漁業公庫との関係と同じように、ただ形だけの上で商工中金と中小公庫との間の関係を同じように考えて行くということはなかなかむずかしいと思います。一時我々といたしましても、中小企業金融公庫というものを法案を御提案申上げる際におきまして、こういうものを作つた場合において、一体商工中金というものの将来における地位なり関係というものはどういうふうになるのかということにつきまして、いろいろ政府部内におきましても検討を加えたことがあるのであります。現在のところでは先ず並行してとにかく進んで行こう。今後これがどういうふうになつて行くかということは、その推移を見ながら一つ金融制度としてそこにすつきりした方途が講じられるかどうかということについて、更に検討して行こうという段階でありまして、今にわかにどういう方向がいいということは、この三者の間の関係をはつきり私として結論付けることは非常に困難な段階であります。併し非常に重要な問題でありますし、まあ微妙と申しますか、十分慎重にこの問題の検討は続けて参りたい。私はむしろ結論を急ぐべきじやなく、この問題としては、結論を急ぐよりも、むしろ慎重に考えて、間違いのない結論を引き出した上で処置をいたそうと、かように考えて目下中小企業庁ともいろいろ相談をしながら検討を加えておる、こういう段階であります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は急ぐべきじやないだの、そういうような問題じやなくて、今信用金庫は恐らくなんでしよう、去年の十二月末でおおかた二千億近く集めておるのじやないですか、預金を……。それだけのものを集めるだけの力を持つておるものをこしらえてしまつておいて、そうして中金が金が集らないという、商工中金に金が集らんという、そういう形を拵えているんであつて、これはもう、てんで、集るところに別なところへ持つて行つて、そうして集らないようにしておるのが今の形だと思う。だからこれは当然やらなければならん。今一流の銀行よりも却つて信用金庫の集めた預金額のほうが多いわけです。それだけの力を持つているんですから……。それが実は信用金庫の形で以て、銀行と同じような形を以てやつておる、こういうのが今の形で、この形で進めて行つたら商工中金のほうはどうして充実できますか。それから商工関係のものは、これは商工中金を通して協同組合に融資をするという一本ならば、これは話がまだわかつて、充実して行くかも知れませんけれども、これは商工中金だけ行くんじやないんです。地方の銀行に皆流れて行つて、そうして協同組合を通らないで皆出て行つている。だから今のその農林関係のほうは、公庫を通して出るものも実は大部分のものは協同組合を通して流れる。商工関係のものは協同組合を通らないで、政府の財政資金は組合員或いは組合員外のものに流れている。そういう形態で以て、私は決して、中小企業者等の協同組合を中心にしての、協同組織の金融機関を拡充するといつても、現状からなかなか確立できるものじやないという考え方を持つんで、これは先ずその方面において、頭の三つにも四つにもなつているやつを一つにする運動をやるのが、これが先決問題だと思う。それから系統機関を正して行けば、私は、信用協同組合というのは、協同組織の末端の機関としてこれは充実して行くべきものじやないか。これの充実のために、私はここに提案されているようなこの条項は、これはどうしてもこの条項は入れて、そうして末端の協同組織が、これで以て組合員を全部包括して、そうして完全に協同組合の組織を通して資金が流れるという態勢を作らんければ、商工関係の系統機関、協同組織の系統機関というものは確立をしません。私はそういう意味からも、先ず下部から十分に力がついて、そうしてそれの系統機関が強くなつて行くという形、それから今法制的に三つにも四つにも頭を上げておる、こういう不自然な形態を一つにまとめて行くというような、これを早急にやらなければ問題にならんと思うんで、集める力は十分にあると思う。市街地信用組合時代における預金の量なんというものは、当時産業組合の預金の額よりも却つて市街地信用組合のほうが集まる額が多かつた。そんなようなことがあつたんです。今の市街地信用組合の変つたところの信用金庫の力というのは、これはもう非常に大きな力になつているんですが、大蔵省がこれに十分力を入れているという形なんだから、中小企業庁のほうでよほどうまく活用するような態勢に機構を作り上げて行かなければ、これはなかなか問題にならんと思う。と同時に、先ほど言つたように、下部のほうですが、組合員を私はどうしても獲得するために、この一線は振興部長が頑張らなければならん点だと思うが、それはどうです。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○説明員(石井由太郎君) 協同組織による中小企業者の振興の一つの形態乃至は「てこ」として金融制度を考えろという御意見でございますが、これは我我も現在考えておりますし、先輩から考え続けられておる問題でございますが、結局するところ、現在の中小企業者或いは商工業者の置かれておりまする経済上の背景、殊に歴史的な背景というようなものがあるわけでございまして、商工中金ができましたのは昭和十二年、それ以前に、都市における金融業務を行いまする金融機関として、或いは銀行があり、貯蓄銀行があり、或いは市街地信用組合があつたという、こういつた大きな歴史的背景の上に立つて現在商工中金があり、又協同組合が活動しておるという点から考えますると、好ましき方向として考え得るにいたしましても、なかなか一朝一夕にいたしまして御意見のようなところまでは行かないんじやなかろうか、かように考えておる次第でございます。併しながら商工中金だけにいたしましても、政府の指定預金なり或いは金融債の引受なりだけに頼るのでなくして、協同組合からの預金の吸収をより一層多くし、協同組合を中心とした活動で、できるだけ多くのものが賄えるようにするという点につきましては全く同感でありまして、最近中金におきましても組合員預金の吸収を大いに強化いたしております。従来貸出総額の大体十一・二%でありました組合員預金を、現在興業銀行或いは長期信用銀行等の活動を前例にとりまして、少くとも一五%から二〇%近いものを預金として吸収することを考えねばならん。殊に中金から借りました金をすぐ隣りの銀行に定期預金に積みまして、これで割引額を作つておるというような協同組合も相当あるわけでございまするが、こういう点はどんどんまとめまして、上から金を流すだけじやなくて、下からも吸上げて協同組合精神をより活かすという点の指導は今後強化して行くつもりであります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。  それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 私は本案に遺憾ながら反対をいたします。  反対の理由は、信用協同組合の中で員外預金を扱う組合が信用金庫に代るものである。そうでない協同組合による信用事業を行うものを、先般信用金庫法を作るときに、ただ本当の組合金融をやる同一職域或いは同業者お互い同士の有無相通ずるという意味における組合金融をやるものを残すということで、大蔵省所管から離して地方長官の認可による組合を認めるということにしたわけでありまして、それを又信用組合に員外預金を扱わすということにしては、全く金融制度として重複して、おかしなものになる。こういうことから、信用協同組合で成長をして員外預金を扱い得る段階になるならば、これを信用金庫に移行せしめる。そうしてその移行の手続は、成るべく信用金庫法を制定したときにこれらの信用協同組合から信用金庫に移行できたあの軽易な手続規定によつて移行せしめる途を開くことによつで、足りるのではないか、こう考えます。  まあそういうわけで反対をいたしますが、併しこのいろいろ質疑の過程において明らかになつたことく、最近、信用組合連合会の認可をし、信用組合の上位の系統団体としている。ところが従来より商工中金は中小企業等協同組合の系統金融機関とされている。こういうようなことで、いずれが協同組合の中央系統金融機関であるか甚だ不明確である。その点を速かなる機会において割切つて、政府としてもその指導の方針を明らかにすべきことを強く要望して反対討論を終ります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は本案に賛成をいたします。それは協同組合を蝉の脱け殻のようにして信用金庫を作り上げ、そうして信用金庫には実は狭い門にしてしまつてなかなか信用金庫になれないようにしておいて、例えば一千万円或いは五百万円の出資を持たなければならない、又、組合員の資格その他の問題にしても、又、組合の理事者の兼職その他を禁じておるようなこと、いろいろなことを考えて参りますると、職域或いは小さな地域でできておるところの信用協同組合は、今の大蔵省の専管の下にある信用金庫の形態には、これはなかなかなり得ないものを持つておるわけで、従つて如何に大蔵省が信用協同組合を信用金庫に移すように手軽な方法をとろうと思いましても、信用事業を行う以上相当な条件を備えなければならん、こういうことが当然生れて来るわけでありまして、従つてこれは恐らく容易にできない相談であろうと思います。従つて今小林政夫君が言つた条件はこれは先ず夢のような話だと、こう考えるわけであります。それよりも中小企業者等の協同組合法によるところの信用協同組合の拡充強化を図るということが、これが本当の意味における協同組織、これを強化することになるので、信用金庫は、もうすでに大蔵省の専管に移つたときに協同組織ということを建前にはしておるけれども、実はもう相当銀行に近づいておる。銀行と同じような形態になつておる、銀行に対して劣等感を持つておるようなのが私は信用金庫だと、こういうふうに考えておる。そういうふうに私は、信用金庫はもうすでに協同組織としての基本的なものを失いつつある、こういうふうに考えておる。従つてやはり協同組合法によるところの信用協同組合を拡充強化する、これを中心に考えて参りますると、私は少くとも信用協同組合の区域内にあるところのものを、理想の形態としては大部分のものを中に入れる。協同組合に対するところの国民の知識というものは極めてまだ弱うございます。殊に農村その他の方面はこれは長い歴史を持つておりまするけれども、市街地を形成しておるような所やそういうような所では、反産運動とか何とかそういうもので、過去にある協同組合と全然反対の方向をとつておつたのです。それが協同組合組織の中に入るということは、これはなかなかむずかしい。協同組合の方面で言えば、いわゆる砂漠なんです。そういうような地帯で協同組合を強化して行くためには、私は協同組合と関連を持つところのものを持たなければならん。それを通して初めて協同組合というものは拡充強化されて行く。私はその一番いいところの手段は、員外のものの貯金を受入れるということ、これを通して将来組合員にさせるという約束をして、そして取引をして行く、こういう形態はこれは自然の形態であります。こういう形態をやる途を、折角二十六年ですか、法律が改正をされない前まで持つておつたのを、わざわざ取り上げてしまつて、そうしてこういう要請をさせ、そうして議員立法といつて、而も衆議院では一年以上前に通過をしておる。そして参議院のほうに持つて来られたが、私は参議院のほうの大蔵委員会の構成委員のかたが協同組織に対して余り好感を持つていないのじやないかと、こういうふうにすら私は考える。従つて協同組合への理解がもう少し進んだならば、この問題はやすやすと通過をするのであろうと、こういうふうに考えて参りました。そういうような意味で、十九国会の最後まで私はこの問題を余り持出しをいたしませんで、今日に至つたのでありますが、そういうことを考えても私は是非この員外の貯金の受入れ、これを認めるように皆さんの御賛成を得てこれを通過さしたいと、こういうふうに考えるわけであります。  以上申し述べまして賛成の意を表する次第であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 私は協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして賛成いたします。  これは今の中小企業、特に零細企業家の金融逼迫、金融難というのは、想像する以上にひどくなつて来ております。まして大銀行或いはその他の銀行はすべて系列的に配置をされるような傾向がだんだん強化されまして、これに伴いまして、中小企業が、銀行との取引、特に融資の面において非常に狭められて来ておる。その傾向がいよいよ強くなつて来る。従いましてもう巷間におきましては金融独占資本という言葉が現実の問題として批判の的になりつつあるわけでありますが、そういつた際に、これらに余り独占的な横暴をやらせないためには、どうしてもいろいろの金融機関を整備する必要があるのじやなかろうか。而も小さいものでもしつかりしたものをたくさん拵える必要がある。そうすると、何といいましても、大銀行にいたしましても、零細なる大衆の資金を相手としない限りにおいでは現在においては孤立してしまうのでありまするからして、そうすると、銀行にも一つの反省を与えることになるので金融全般がうまく行く一つのきつかけを作ることになる。そういう確信の下に、協同組合による金融事業に対しまして員外預金を認める件、私たちはそれは法律上から申しましたならば若干の意見もあるかもしれません。特に銀行局あたりではそういう意見があるかもしれないけれども、銀行局あたりでは、大銀行を整備して、そうして或るべく大きなものを整備してしまつて、それを監督して行くというのが一番やりいいのであります。小さいものが余計できたということは面倒くさくなる。率直に言つて。従いまして、そういう面からいろいろ意見があるだろうけれども、それは一つ踏み切るべきだ。現在の金融情勢の下におきましては踏み切るべきだ。このままに放置しておきまするならば、又第二の日殖であるとか或いは保全経済会というようなものは、いつかはもう町にそういうふうに、巷にそういう必要があつてああいうものは根を張ることができたんでありますから、そういう日本の経済的条件が備わつて、遺憾ながらなるわけでありますから、必ず又出て来るだろう、こう想像されます。従いまして、そんなものが再びのさばらんように、規模は小さくても堅実なものを各所に育成強化して行く。こういう見地に立ちまして、この法案が成立することを強く期待するものであります。  第二に申上げたいのは、衆議院大蔵委員会と参議院大蔵委員会との関係でございますが、勿論参議院におきましては、衆議院の気のつかなかつたこと、或いは若干強く走りすぎたというような点について、こちらでこれを調整するという役目を決して否定するものではございませんが、余りそう極端なものでないという、而もこれは必要であるという場合には、お互いにそれぞれ両院の立場を尊重し合うということも考えなければならんであろう。こういう見地から、衆議院におきましても自由党の諸君が、まあ政府の与党である、この政府の大蔵省のほうで多少の異論があるからというので気をきかして、まあ欠席する等、その他の方法で以て、こちらに送り込まれた法案だそうであります。本心では自由党の諸君も賛成であるけれども、甚だそういう微妙な立場からいろいろに苦心をして送り込まれたのが本法律案でありまして、それが十六国会から今日まで継続審議にしておいてここで否決するということは、下院に対して我々としても如何なものであろうという点を考慮しなければならないであろう。こういう見地も考えまして、本法案に全会一致で各委員の賛成を期待いたしまして、賛成討論といたします。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手]

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 少数と認めます。よつて本案は否決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続きは先例により委員長に御一任願いたいと思います。  それから本案を否決することに賛成のかたの御署名を願います。   多数意見者署名     藤野 繁雄  土田國太郎     白井  勇  三木與吉郎     青柳 秀夫  小林 政夫     岡崎 真一  山本 米治     前田 久吉

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十九分散会

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