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19回国会参議院1954/05/30

大蔵委員会 第53号

発言数
90
登壇者
10
会派数
5
開催日
1954/05/30

会議録

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。  昭和二十九年の夏季の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題として質疑を行います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 主税局長、昨日のあれ計算できましたか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) いろいろな試算をやつてみたのですが、これで御要求にかなうかどうか、ちよつとあれですが、申上げます。  現在三十万円まで給与所得の控除を認めていますが、給与所得の控除率を二割に上げる。それから三十万円はそのまま一応据置く。従つて控除限度六万円、この場合における減収見込額は百八十九億、昨年の百六十億円よりちよつと殖えます。今度は逆に、数字を合わせる意味で、百六十億に大体近い数字としまして百四十八億になる数字、これは中途半端な数字になりますが、限度の率を一割九分に上げた場合ですね。従つて限度額が五万七千円になる。この場合の数字が百四十八億、まあ百六十億という数字は丁度二割と一割九分の間で限度を据置いた場合はその辺に入ります。これがお答えの一つであります。  それからその次に、限度を四万五千にとにかく何でもかまわず据置いてしまう、率だけを上げて行く、まあこういうのが御質問の中に入つていたかどうかよく存じませんが、これも一つの試算としてやつてみました。控除の率を二割五分に例えば上げてみる。そして限度は四万五千円である。従つて非常に低いところでもう限度はとまつてしまうわけであります。この場合は百二十六億減収、まあ四万五千円に据置きますと頭打ちが早く来ますから、三割にしましても減収は百四十六億。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 率を据置いた場合は。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) それから一割五分で据置いた場合に限度だけ引上げる。これは限度を十万円にした場合の減収が百四十億円。それから十二万円にした場合の減収が百六十四億。一五%は据置くと。御要求の資料は大体そういう数字だと思います。細かい計数はございますが、それだけ一応申上げます。

山本米治自由党

○山本米治君 主税局長にお伺いしたいのですが、この間或る所で中山伊知郎教授の話を聞いたときに、国民所得における勤労所得の割合は大体四九%である。それから勤労者数というか或いは勤労世帯数とかいうものが三〇数%を占めるというようなことを言つていましたが、そういうようなお調べはありますか、国民所得の。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 国民所得の関係は、我々のほうも総括的には一応チエツクを始終しておりますが、今おつしやいました国民所得の中で給与所得が幾ら、事業所得が幾ら或いは法人所得が幾らとか、いろいろな問題があるわけですが、それはちよつと今恐縮でございますが手許に資料を持つておりません。一応の数字としましては安本のほうで作つておりますが、ただ私の承知しておる限りにおいては、国民所得のほうの計算をしますときにおきましては、人数のほうはちよつと別の資料で何か作つていたと思いました。従つて人数のほうの関係におきまして何パーセントというのが、国民の所得の何パーセントというのと、かつちりと合うようにデータができておるというものではないと思つております。ただ別のほうの資料から、人数のほうは人数のほうで別の人口統計から計算し、給与所得のほうはこれは国民所得のほうの一応の調査でやつておる。そういうふうに多少ばらばらの調査ではありますが、併しながら両方とも一応できて来る数字でございますので、そういう数字になるかも知れないと思つておりますが、正確のところは今資料をちよつと持合せておりません。

山本米治自由党

○山本米治君 何十何パーセントという正確なところは要りませんが、今の勤労者数と言いますか、その家族も入れた国民人口構成の割合における勤労階級に属するものが三割数分で、その所得は四割九分かなんか、そういう詳しいことは要りませんが、五割近いということは、主税局長としては、感じとしては合つているように思われますか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) ちよつと今はつきりした記憶を持つておりませんので申上げかねますが、結局国民所得の構成といたしましては、勤労所得、それから農業関係の所得、それからその他の事業所得、まあこのへんが割合に大きな項目になつておると存じます。そのほかに法人の所得、五割近い勤労所得というのはちよつと多過ぎるんじやないかというふうに思いますが、数字を持つておりませんので、余り責任のあることはちよつと御答弁いたしかねます。

山本米治自由党

○山本米治君 まあその詳しい数字は僕もちよつと講演で聞いただけでわかりませんが、ともかくそのときの講演では、三割数分を占める勤労人口が四割九分の所得を得ておる、これは日本では勤労所得が少し過大だというような意味の話を聞いたわけなんですけれども、その際、今提案されている特別のこの夏季ボーナスに対して所得税を減税しようという、そういう法案になつておるわけですが、そこで菊川委員にお尋ねしたいのですが、この中小企業者は今デフレ政策が進行して相当困つている、あつちこつち破産、休業、倒産があることは御承知の通りですが、それらとの、バランスの関係をどいうふうにお考えになるか、ちよつと伺いたいと思います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 まあ中小企業のデフレ政策の影響によつて倒壊するということは、大体中小企業の相手方というのは一体どこだということになると、大企業の下請もございます。併しいわゆる給与所得者相手の商売ということは、私は相当大きくウエイトを持つているだろうと思います。で、この夏季手当或いは年末手当等がどういう方面に使われるかということを推定いたしましたときに、私は約五〇%或いは六〇%以上もが、今日まで中小企業のそれぞれの店舗において、購買すべくして家計の関係上購買でき得なかつたものが一つの国内の購買力となつて中小企業の店舗のほうへこれが流れて行く、私はかようにまあ推定できると思うのであります。で、大体デパートであるとかいうのは、一応これは給与所得者よりも中産階級以上の利用が私は何と言つても多いと思う。パーセンテージから言つて。それから又、勤労者の配置状態から考えましてそうだと思います。従いまして、中小企業がやはり一番狙うのは、勤労者と申しますか、給与所得者に大きく期待をかけている。そこらからの購買力となつて、むしろデフレ政策によつて倒壊の危険にある中小企業者に対しましても、一つの何と言いますか、調整の役割を果すことになるんじやないか、一役を買つて出ることになるんじやないか。これを減税に仮りにせられるとすれば、主税局の推定によりますと百六十六億のそのうちの六〇%なり或いは五〇%なりが購買力となつて、中小企業のほうへ向つて行くということになりますると、少くとも急激なるデフレ影響下にある中小企業に対して、まあカンフル注射までも行かないかも知れないけれども、一つの調整の役割を果すことになるのじやないか、私はこういうふうにも考えられるのであります。

山本米治自由党

○山本米治君 まあ只今申しましたように、今、政府はデフレ政策を進めて行こう、又この政策については社会党の政策として、社会党の方面でも、大体インフレを抑制するのみならず、更にこの程度でデフレをやつて行くことについては御賛成だと聞いておるわけなんです。ところが経済審議庁の資料等を見ますと、二十九年度は購買力は案外減らないのですね。給与所得を中心とする購買力は案外減らないという恰好になつておる。これはまあ実際を言うとデフレ政策は実行できないわけなんです。ところが減税をやるということは、やはり購買力を温存するということになり、減税はやはりそれだけ購買力に向うと見なければならん。金の余裕が出るから貯蓄しようという、貯蓄のほうへ行く部分もあるかも知れませんが、やはりこれだけ購買力になり、それだけデフレ政策を阻害するものじやないかと私は考えるのですが、このデフレ政策と今の減税による購買力のむしろ強化と言いますか、今なら当然それだけとるべきものをとらないということになるのですから、その点はどういうふうにお考えになりますか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 これは山本さんと真正面から対立することになると思うのですが、今の政府のデフレ政策は、一つは再軍備の強化のためのデフレ政策だ、我々はこう思うのです。それからもう一つは、いわゆる東南アジア初め中国等の市場から締め出しをくつておるために、いわゆる平和産業がこのために非常に発展を阻害せられておる、それから来るところの止むを得ざるデフレ政策だ。これをあなたは税金によつてこのデフレ政策を押えようとされるのでありまするが、我々のは、やはりデフレ政策よりも、まあ、勿論一兆円ということにつきましては一応この枠で押えなければならんということは、衆議院におきまして我々のほうでは二十九年度予算の組替え要求案を出しました。これもやはり一兆円で押えております。一兆円で押えて行くのは、一兆円の見方そのものが違う。あなた方のは相当防衛費に割こう、そのために必要であるから、他のほうの民生安定のほう、貿易振興のほうを押えよう、こういうことだ。我々のほうは、防衛力をやつてみたところでこれは駄目だから、こいつは一つ削つてしまつて、それを民生安定のほうへ向けて行こう。それから更に貿易振興、そのためには、東南アジア、中共貿易を行おう、ここに一つ大きな差違があると思うのであります。従つて必ずしもあなた方の言われるところのデフレ政策そのものを社会党は支持するものではない。こういうことを一つ御認識の上でデフレ論を論じなければならん、こう思うわけですが、そこで何と言つても中小企業は、先ほども申上げましたように、これは或る程度の勤労者の購買力というものを私は温存しなければならん、これはますますひどくなつてしまう、こう思います。従いまして、我々のは、やはりディス・インフレで行かなければならん、こういう観点に立つておるのであります。ちよつとその点が大分食い違いが、同じデフレ政策でも違つておるだろう、こういうふうに思います。

山本米治自由党

○山本米治君 最近の物価の動向をみますと、まだ今、消費者物価というものは余り下つておりませんが、たしか極く最近は消費者物価もちよつと下つております。併しまあ全般を通じてみますと、大体年初来横這いと言つていいと思う。消費者物価、それから賃金も、大体民間賃金等の統計をみましても横這い状態、卸売りば御承知の通り最近デフレ政策が来て非常に下つております。四、五%下つております。要するに、大観するに、賃金、消費者物価、卸売物価というのは、横這い若しくは下降傾向、それから今後のトレンドとして見れば下つて行くだろう、又、下げて行くというのが政策でもありますが、こういう際にこの減税をするということは、今までよりもまあ生活をよくする、本来生活をよくすることは非常に結構なことなんですが、今の全体の情勢と比べて、この勤労ボーナスに対して減税をするということは、今の全体の情勢から見て如何なものかと思われるのですが、この点に対する御見解は如何ですか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 まあ生活をよくするということは、僕は考えますのに、でき得る限り生活をよくするということはいいことだと思います。併し何も賛沢をやれというのではなくて、必ずしも減税によつてそれだけ潤おつたものを全部を消費のほうへ振向けるのではなしに、一方においてはやはり貯蓄ということも私はやらなければならんと思う。だから今も申しましたように、必ずしも全部が購買力となつて市場に流れるとは私は推定しないわけです。五〇%或いは六〇%と申上げましたが、これは推定に過ぎないのでありますが、私の強調したいのは、これは山本さんもお認めになると思うのだが、源泉徴収をされるところの納税者というものは……。

山本米治自由党

○山本米治君 わかりました。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 納税の捕捉率において一番ひどい。これは長い間続いて来ておるのだ。だからこの際、国の財政が許したならば、何らかの一つ還元処置を講ずべきじやなかろうか、ここに一つ集約して考えておるのですが、まあ高度のデフレ政策との関連ということまでなると又ちよつと論議が発展するので、先ずその点に重点を置いて考えたのであります。

山本米治自由党

○山本米治君 もうこの点は昨日もちよつとお話が出たようですが、これはこの夏一回限りの措置ということになつておりますが、これは一回やるとなかなか実は、又年末も又来年も前例によるというようなことになりがちと思うのですが、その点については提案者は今一回限りでどこまでもやるということをおつしやれば、これは水掛け論になると思いますが、我々はそういう可能性が非常に多いと思うのです。若し又減税は一般的に好ましいことですから、こういうことは結構ですが、若しやるとするならば、こういうボーナスだけに対してやるというよりも、昨日給与体系その他いろいろ話がありましたが、減税をやるとするならば、公平論その他からいつて、或いは減税のテクニックからいつて、こういう一部のものだけにしないで、他の方法があり得ると思うのですが、その点或いは重複するかもしれませんが、もう一遍一つ、もうこれが年中行事にならんかどうか、毎年行事にならんかどうかということと、今の減税するならば、他のより一般的ないい方法が或いは納税の方法からいつて妥当な方法があり得るじやないかと、こう思うのですが……。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 これは恒例的になるのじやないか、こういうお話でございますが、これを夏期手当に限つたという臨時処置にいたしたことを見ましても、やはり今後の日本の経済全般、或いは政府の政策の伸長、それから貿易の状態等を見合わして、特に年末になつて参りましたならば、大体今年度予算のいわゆる歳入の面におきましても見通しが大体立つて来るだろうと思います。そのときにおいて、それらの諸情勢に鑑みまして更にできるというのであつたなら、私はやつたらいいと思います。併し夏期においてこれをやつたが、もうこれ以上今年においてはやれないとするならば、やはり止むを得んでやることができない、こういうふうに思うのであります。若しもやれるとするならば私は年末においてもやつたらいいと思うのですが、それはそのときの情勢によつてこれは判断する以外にない。併しそれは恒久的な現実等等を考えられてどうだというのでありますが、これは先般本委員会も通過し、本院も本会議を通過したのでありますが、所得税の軽減処置でございますが、これは渡辺主税局長もやはり多少はこの税制調査会の勧告をそのまま入れてないわけですな。あれだけ税制調査会という、政府が大々的に宣伝して、まあ日本の公正な余り政党的な色彩の濃くない人が選ばれておると思います。メンバーを見ましても。あの人たちが相当議論をしてでつち上げたあの答申案を見ましても、基礎控除におきまして一万円少いのですな、政府の案を考えまして。かようになかなかできないのです。だから政府がこれをおやりになることを期待しておるのでありますが、この法案が幸いにいたしまして両院を通過してこの処置がされるという一つのきつかけになりましたら、やはりこれは源泉徴収の面においてもつと考慮しなければならんというので、次期所得税法改正の場合におきましては、これらの趣旨が採入れられまして、これはまあ明年度から採入れられるか、明後年から採入られるかしりませんけれども、大蔵省においても十分考究されることになつて、一つのいい刺激を与えることになるのじやないか、こういうように私は考えるのですがね。

山本米治自由党

○山本米治君 この法案の致命的欠陥は予算にこれが計上してないということですね。最近予算を伴う議員立法が問題になつているのですが、これは予算を伴うものではないが、予算を減らす意味において消極的にやはり同じ意味の法案だと思うのですよ。そこで、こういう措置をやるとすれば、政府は又新たに増収の措置をとらないと財政は均衡しないということになる。又事実上まあ今年度の歳入に含みがあるというような場合はあり得ると思うのです。それではこれくらいのものは新しい税金を求あるなり何なりしなくてもできると思うのですが、我々の一兆円予算を作つた精神から言えば、若し自然増収ありとしてもそれを新たな支出にしない。即ち補正予算など組まない。どこまでも補正予算など組まないということが建前なんだと思う。その意味においてこの法案はかなり取扱いにくい法案じやないかと、このように考えるのですが、その点、財源がないという点についてはどういうふうにお考えになりますか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 あなたのほうは成るほど補正予算を組まない、こういう御方針であることはよくわかつておるのですが、我々のほうはもう早く臨時国会を開いて補正予算を組むと言つておるんだ。これは北海道の災害救助のためその他の関係からも補正予算を組め、恐らく本国会が終りましたら、八月になるか九月になるかしりませんけれども、法規の定むるところによりまして所定数の議員の賛成を得て臨時国会召集の要求が出されることが必至だと私は思つております。我が党におきましても着々その準備を整えておるような状態、又あなたのほうでも、佐藤幹事長の談話によりますと、吉田さんが帰つて来てそのあとでまあ臨時国会を開くということを言つておる。これは補正予算を出すということを言つておらないが、臨時国会を開くと言つておる。私は補正予算ということは当然の課題になつて来ると思う、出す出さないは別として。まあ補正予算のことは今言つたように見解の相違ということを言わざるを得ないと思うのですが、そこで山本さんも、会計士法を審議する際も我々よく申上げたのでございますが、税理士、公認会計士にいたしましても、殆んど率直に、まあ余りこれは端的に過ぎて誤解を招く虞れがあるかとも思いますが、税金で飯を食つておるといつても差支えない。あなたもそれをお認めになつている。というのは、ああいう業者が、あの人たちを頼んで、何とかうまく報告書、申告書等を拵えた場合には、これは業者としまして実際よりも税金が軽くなるから利用するんだと、今非常に繁昌しておるのは、税理士の門前が市をなしておる。それは何も正しい課税をされるのだというばかりであるならば、それはあんな人を金を出して頼まなくてもほかにやれると思うのですね。それよりもむしろ多少でも実際よりも安くなるのだというところに私は税理士の商売する一つの原因があると思うのだ。何といつても、これは表面上は言えないかもしれませんが、裏から言えば我々は言える。どうも裏を返せば言える。これは源泉徴収のほうはそういう余地はないのだ。税理士を頼みに行つて、公認会計士を頼みに行つてやりましても、何ともしようがない。頭引きやられてしまうそこに私はどう考えても、これはもう大蔵委員会へ来たときから私は強調しておるのだけれども、そのバランスを何らかの機会におきましてアンバランスを一つ是正をする時期を、どこかで一回はできるだけ機会を捉えまして、そういうことをやるのが政治だ。こういうふうに確信いたしております。この法案の提案の趣旨はそこにある。

山本米治自由党

○山本米治君 その点はわかる。只今補正予算の問題で、国会が済んだら直ちに臨時国会を要求して補正予算を要求するのだと言つておられるのですが、先ほど言われた一兆円予算、デフレ予算というものの内容、防衛費がどうのこうの、それをもつと別の方面に使うということは別といたしまして、又臨時国会を要求して補正予算を組むということになると、一兆円以上になるということを意味するわけですか。それはディスインフレを社会党も言つておられる。その内容は別ですよ。予算支出の内容項目は別として、ディスインフレ政策と違うように思いますが、その点はどうなんですか。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 例えば今の補正予算案と言いましたのは、特にどの点に力を入れておるかと言いますと、やはり北海道の災害の問題、それから再軍備費の削除、ここに重点を置いて、我らは補正予算を組むにいたしましても、ふくらますというより、それらの政策的に一致しない面についての大削減を行う。だから従つて戦前に、又戦争中において、戦争中は殆んどなかつた。戦前において、与野党が対立して、いつも一番予算審議の際に対立の中心になつたのは、一番大きな中心が軍事費の削減問題だと思う。従つてそういう様相を帯びた補正予算になるのではないかと思うのであります。

山本米治自由党

○山本米治君 北海道の災害のために補正予算を組まなくちやならんというお話ですが、この北海道の災害は今度の国会でも法案が出たと思います。これは恐らく予備費のようなもので解決するのじやないかと思つておりますが、そうすると、仮にこういう今度の夏期賞与に対する特別手当をすると、その点による減税があるというようなことでも、要するに予算の内容の調節による、つまり補正予算であつて、一兆円の枠をふくらます意味ではないということには賛成なんですかどうなんですかを伺いたい。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 細密な検討を今行なつておりませんが、あの衆議院に予算組替要求を出しました趣旨から考えましても、でき得る限り、やはり一兆円の予算の枠というものは、やはりこの辺の枠でとめたほうがよかろう。これは見方は違いますけれども、大体この辺でとめたらよかろうというのが、あの組替要求案に現われておるところによつて御推察できるのじやないかと思いますが、これは我々の党でも実に論議したのですが、吉田内閣、自由党の一兆円であるから、同じ僕らも一兆円を出すということはおかしいじやないかと随分論議をしたのですが、そこで詳しい計算なんかも党の政調会におきまして、計算しまして理論的根拠は違うけれども、一応今の国民所得から考えて、この辺が妥当ではなかろうかということで、見方は違うものの、一兆ということで組替要求を出したのです。だからその線はできる限り堅持する。併し情勢の変化によつて違いましような。同じ政策を伴うものですから、単に数字だけが予算ではないのでありまして、これは政策を伴うものでありますから、その政策転換が行われる際には、更に緊縮される場合もありましようし、多少の膨脹を来すこともあるだろ、うこう思います。

山本米治自由党

○山本米治君 わかりました。この辺で……。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  速記をとめて下さい。    午後零時三十五分速記中止    —————・—————    午後零時五十七分速記開始

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記を起して下さい。  暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩    —————・—————    午後三時九分開会

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 この際この法律案に結論をつけることも如何かと思われるところもあり、先の懇談会におけるいろいろな皆さんの意見を斟酌して、私は発議者の菊川さんには甚だお気の毒ですけれども、まあ大体その趣旨を汲入れて、次のような決議をすることによつて、まあ提案者の全面的な意向は汲みとれませんけれども、大体その方向は包含できる、こういう意味においてこの本委員会の決議をして、特に給与取得者に対する税負担の軽減を政府当局にも考えさせるということにしたら如何かと思つて、次のような決議を以てこの法案に代えることを提案をいたします。先ず決議文を朗読いたしますと、   現在の税負担はなお過重であると認められ、殊に源泉で課税されている給与所得者などにおいてその点顕著なものがあると認められるから、政府は速やかに適切な措置を講じ、税負担の軽減に努むべきである。   右決議する。 こういうようなお取計いを願いたいと思うのであります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 只今提案せられました小林委員の決議案を本委員会の決議とすることに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて小林委員の決議案を本委員会の決議とすることに決定いたしました。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 只今の御決議につきましては、政府としましても慎重考究し、大いに考慮したいと思つております。   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に協同組合による金融事業に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑をお願いします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 最近の信用協同組合の出資金ですね。これは組合員一人々々について大体どのくらいになつていますか。一組合員について……。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 資料を実は持つておりませんので、甚だ申訳ありませんが、今どうしても必要でございましたら直ぐ取調べますのでございますが、後ほどでよければ、資料を整えてお答えいたします。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 今、本案の発議者に対して出席を要求いたしております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 この際、私は発議者が出席されるまで、銀行局長にお伺いしますけれども、このように協同組合にいたしましても、或いは町の金融業者にいたしましても、実情をそれぞれ聴取いたして見ますると、中小企業の中の小企業者、或いは零細企業者等におきまして、やはりどうしても当面金が必要だ。金融の必要を生じて、それで国民金融公庫へ駆けつけましても、なかなか右から左へというわけに行かない。ところが、そういう業者にとりましては、先ず金利よりも或いは何よりも先ず簡易、安易、まあ簡単に、手軽に貸し、融通をつけたい。つける途を是非もう必要だ。こういうところから、この町の金融業だとか、協同組合の員外預金を認めてもらいたいというのも、やはり私はそこに狙いもあるのだろうと思うのですが。そうすると大企業はよく言われております銀行の系列配置ということ、今事業をやろうと思つたらば、銀行の系列に入らない限りは、につちもさつちも行かないと言われておるのでありますが、そうすると、金融資本というものはやはり産業資本をどうしても支配するようになつて来る。これはやはり政府の政策からそうなつているのだと私は思うのです。金融資本そのものが力を持つて来て、そういうふうになつたならば、これは本当の自然競争においてそうなつたのならば、一応これも止むを得ないといたしましても、今は政府の施策からそういうふうに私はなつているのじやないかと、こう思うのですがね、そこで話は前へ戻りまして、零細企業に向つて金融の道を開く何らかの方法を、更に国民金融公庫の今の状態よりも一歩前進した方法を講じなければならんじやないかと、こう考えるのですが、銀行局長はこの点についてどういうお考えを持つておるか、これと密接な関係がありますので伺つて置きたいと思うのですが。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 中小企業なり零細金融等について、現在の施策を更に強化する必要があるのじやないかというお話であります。私どもも中小企業金融ということの疎通を図りますための措置は、現在の状態は私は満足すべき状態にあるとは考えておりません。今後におきましても、十分これらの方面についての措置について努力を傾けて参らなければならんと考えております。併しながら従来から中小企業金融の問題につきましては、私どもはそれを軽視したりないがしろにいたして参つたとは考えておらないのでありまして、従来からいろいろ努力をいたして参つたのであります。この努力をいたして参りました結果どういうことが現われておるかにつきましては、たびたびこの委員会でも申上げております通りでありますが、例えば国民金融公庫なり、中小企業金融公庫、これらの民間の中小企業金融を専門といたしまする金融機関でカバーできないような中小企業金融の需要に対して、政府の機関としてのこれらの機関が応じて参りますように仕組を作つて参つておるのでありますが、これらの資金が現在の状況から見て必ずしも十分であるとは私ども実は考えていないのであります。併しながらたびたびぐ申上げておりますように、現在の財政事情から見まして満足ではありません。まあ誠にその程度でこの際としては辛抱せざるを得ないような状況になつておりますので、これらの財政事情の許します限りにおいて、私どもといたしましては、今後においても、或いは国民金融公庫でありますとか、或いは中小企業金融公庫に対して資金源の充実拡張について努力をいたして参りたいと考えておるのであります。なお国民金融公庫にいたしましても、中小企業金融公庫にいたしましても、その運営の実際においてまあ必ずしもまだ完全とは申しかねる点もございます。国会からもいろいろこういつた点について御批判を頂いておるのでありますが、これらの点は更に十分にその実情を検討いたしました上で、これらの機関の活動が真に中小企業金融或いは零細金融に対してその目的を達成し得るように、その運営の方法等については改善に努めて参りたい、かように考えております。中小企業公庫につきましても、最近いわゆる乙種という制度を開いたのでありまして、そういつたことで、できるだけ実情に応じて、又世間の方々の需要……、尤もな御批判等に応えるような意味において今後も改善に大いに努めて参りたい、かように考えておる次第であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 例えば銀行へ金を預かつてくれと言つて持つて行つた場合には、それは如何に零細企業者であつても、三菱銀行へ行こうが、もう有難うございましたと言つて、器用に預かつてくれる。ところがこれを貸してくれと言つて逆に言つた場合には、なかなか貸してくれない。で、協同組合の員外預金を仮りに認めるといたしましても、大体預金をしようというような人であつたら、先ずみずからどうかと言いますと、立派なバツクも持つているし、信用のある銀行へ金を預けるであろうと思うのです。普通、組合員だつたら、自分の組合を育成したいというところから預けますけれども、この員外預金を許すということになつて、協同組合へ一体どういう人が行くだろう。郵便局もあるし、信用金庫もあり、それから銀行もある。或いは相互銀行もある。このようにして、金融機関は幾らでも、預けようと思つたら、農林中金の債券を買つてもよろしい、商工中金の債券を買つてもよろしいしいうので、幾らでも預けようと思つたらあるのに、わざわざ協同組合へ……。組合員たるものはこれは勿論入れています。自分の組合を成るべく立派なものにしたいというので……。こういうところへ員外の預金をするという人は、一体どういう人が行くかというふうに私は考えるのですがね。ところが、この協同組合の法律を出してもらいたいという陳情を聞いてみますと、是非認めてもらいたいというのだが、この人らの陳情者の意見を聞いてみるというと、一応意見もあるわけですが、あなた銀行局長として、これを一応、担当局長として、一体どういうのが行くだろう、それによつてどういう弊害とか、いい面があるだろうという点を、一つ教えて頂きたいと思います。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) これはなかなかお話のように、具体的に、信用協同組合に対して員外預金の制度を認めた場合に、現在よりも違つたどういう層の人が預金をして来るだろうかという、こういうお話でありますが、これはなかなか的確に申しかねると思います。ただ私どもとしましては、こういう制度が適当でないと考えておりますゆえんは、やはり金融制度の立場から実は考えておる。現在いろいろな制度としては、一番末端から言いますと、このいわゆる信用協同組合から、信用金庫に至るまで、或いは相互銀行に行き、普通銀行まで、いろいろな形の金融機関がありますが、この信用協同組合と信用金庫との間には、協同組織という面において同じような仕組になつておるわけであります。いわば程度の差異ぐらいのところまでであります。然るに一方で信用金庫という制度ができておる。だからこれは員外預金を認めてもいいような金融機関の中で、そういうふうな金融機関的性格の濃度が相当の程度まで上つて来ておる。併し信用協同組合というものは組合員の相互の盾の金融活動、つまり組合員から金を集めて、組合員に融通するという、組合主義がもつとはつきり現われている。従つて一般の金融機関的色彩の濃度が薄いという制度である。ところがこれに信用協同組合が仮りに員外預金の制度を認めるということになりますと、政府としては信用金庫と何ら異なるところがないわけであります。従つて制度としては、必ず必然的に重復するということは、これはもうはつきり言えると思うのであります。で、私どもは、この信用協同組合に員外預金を認めたらどういう層が入つて来るかという点につきましては、或いは信用金庫に預金をしておられる方々の層が信用協同組合に、員外預金を認めた場合に移つて行くという面もありましよう。或いは地理的な関係から、銀行に預けておつた層が、或いは信用協同組合に員外預金が認められるので預けるという人もあるでありましよう。この預金者の層というものは、私は現在の日本の経済の実情から言いますと、大きな法人等の企業などの営業用の預金については別でありますが、個人の貯蓄的な預金というものに関する限りは、必ずしも私は、銀行に行く者と、信用協同組合に行く者とがはつきりと区別されるというふうなことはないと考えております、従いまして、この信用協同組合の員外預金の制度を認めたら、どういう差異が一体起るだろうかということは、的確に申上げることはむずかしいと思います。併しながら今申上げたような意味において、金融制度として考えた場合においては、信用協同組合に員外預金を認めることによつて、信用金庫との間に全く重複する制度である、金融制度としては……。若し私はそういうことになるならば、どちらかの制度を一つにしたらばいいので、何も二つにしておくことは意味をなさないと思う、制度として……。私はそういう意味において法案に対して真正面から反対上申げておる理由でございます。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 今、銀行局長の話を聞きまして、これはやはり中小企業者の協同組合法ですね、これに非常に関係がある。それで中小企業等協同組合法のほうの主務省のほうから一つおいで願つて、両方から聞いたほうがいいと思う。ちよつとお呼びを願いたいと思う。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 これを仮に認めるということになりますと、一体あなたのほうで反対する以上は調査をしていると思うのですが、どのくらいあるのですか。協同組合の数は……。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 数は大体今三百です。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 主としてその配置はどの辺にあるのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 詳しい資料は先般差上げておいた筈ですが、各府県に全部またがつておりますので、濃度の差異はありますが、大体全国にずつとばらまかれていると御了承願います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 全国にばらまかれて三百だつたら、一府県七つくらいなものですね。東京、大阪あたりは相当多いでしよう。各区に一つくらいあるのですから……。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 各区に一つはありませんけれども、相当多いです。東京、大阪は……。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それでは、この協同組合におきまして、預金もしたいということになれば、ちよつと組合へ加入すれば預金できることになると思うのだが、その協同組合に加入するというのはむずかしいのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) これはなかなか制度の狙つておりますところと実際が、必ずしもその通りにぴつたり行つているかということは別でございますけれども、現実には一口の出資が五十円ですから、極端な場合には、五十円を払込めばそれで組合員になれるというような状態で、これは定款によつて違いますけれども、例えば百円のところもございますし、いろいろありますが、大体五十円というのが多いのですから、それを一口持てば組合員になれる、こういうふうな式になつております。従つて別にそうむずかしい制限はございません。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 一番あなたの慣れられるのは、信用金庫と同じようなものになつてしまう、同じようになつたら、それでは金庫という名前に直せばいい。その金庫になるには資格要件その他があつて金庫まではいかん。併し将来だんだん大きくなつて金庫になろうとしているのだが、よく似たものであるのに、それは相互銀行と一般市中銀行とだんだんと一緒のようにあなたのほうはして行つたわけですね。だから協同組合と信用金庫を一緒のようにして行く意味において、認めても大した弊害というものはないのでしようね。例えば保全経済会や日本殖産も公々然と、認めてないにしてもやつておつた。これらのような弊害が起きる心配はないのでしようね。そういう意味じやなしに、あなたのほうは金融業の制度そのものについてだけであつて、弊害については大してそう保全や日殖のような弊害はないと私は思うのですが、どうですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 私どもは勿論、保全経済会とかいわゆる日殖等の問題とはこれは違いまして、信用協同組合は成規の金融機関であつて、法律に基いて員内に限つておりますけれども、預金の受入れが認められている成規の金融機関で、現在は大蔵省が直接には監督いたしておりませんけれども、この信用協同組合が成規の金融機関であるという点においては、今お話のあつた保全経済会とは全く違う制度であります。従つてこれらの機関が、預金者に対して迷惑を及ぼすことのないようにすることは、これはもう最大の注意を以つて努力いたしたいと考えております。その意味で全くその点は違います。従いまして、今お話のように、信用協同組合に員外の預金を認めることによつてどういう弊害があるかということでありますが、これは個々に当つて見なければわからないと思いますが、私どもとして一番心配するのは、金融制度としてそこに同じような機能を果すものが、別の法律制度或いは別の組織のものとして残るということは、何ら意味をなさない、金融制度として。若しそういうことがいいとすれば、信用金庫がいいか、或いは信用協同組合がいいか、どつちか知りませんが、一つのものにしてしまつたほうがいいと思います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 最近東京の街を歩いて見ましても、信用金庫というものが非常に華々しくデビューして来た。昔は信用金庫というのは、これは私が大蔵委員会に来たから関心を持ち出したという意味じやないが、どこにあつたわからなかつた。それがネオンを輝やかしたり、立派な店舗を持つて発展をして来たことは確かですが、これはなぜかというと、それだけ金融というやつは儲かるのです。何と言つても。金融機関だけじやない、これはもう気をつけて街を歩くとわかるのだけれども、一番よくなつたのは映画館、高級料理店、金融業、乗用自動車、四つだけは非常によくなつて来た。これは金融機関の事務所なんか、ほかとは不釣合のようによくなつて来た。信用組合でさえもそういうふうによくなつたというのは、これは信用組合でさえといつては語弊があるかも知れないが、店舗がああいうふうによくなつたということは、員外預金を扱えるからよくなつたと思うのだが、これは将来いずれ金庫にだんだんと切換えて行くとするならば、員外預金を認めたつて保全や日殖のような弊害というものがないとするならば、私はそう固執しなくてもいいと思うのだが、僕らのほうへもよく、金庫の会長大林清一という人から、どういう人か知らんが、聞いたことのあるような名前だが、あの男から陳情をしているが、それを認めぬようにという陳情が来ているので、これに左右されているのじやないですか。はつきり率直に申上げまして。こういうふうな運動をするから、そんなことをするなら、おれのほうはどうするというような開き直りが行われているのじやないかと思うのですが、その点はないのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) これは御承知だと思いますけれども、確かに信用金庫連合会会長等からは、困るという議論はありますけれども、私はそういうことで反対したり賛成したりする性分でもありませんし、今度の問題についてもそういう事実は全然ありません。むしろ同じ意味において、皆様方が信用組合からの陳情を受けられてこの問題を促進しておられるのでないと同じ意味において、私は勿論そういうことはないのです。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 陳情を受けてやつているのです。陳情を受けたつていい。いいと思つたらいわゆる何をやりさえすればいい。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) だから陳情を受けたからやるのじやなくて、陳情を受けたから調べて見たら、いいと思われるからやるのであつて……

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 いいとも思わないが、悪くもないと思う。(笑声)  それじや春日君がおいでになりましたから、協同組合にやらせようという、やることによつてどういういい結果をもたらすか、この法律が通ることによつて、どういういい結果をもたらすか、立案者として……。我々はそれも研究しなくちやならんのですが、いわゆる陳情を聞くというのに忙がしくて十分検討できておりませんので、こういうことを認めたならば、こんないい結果ができるのだということを、一つ、衆議院の発議者におきましては十分御検討されたと思う。申訳ないのですが、我々検討する余裕がないので、その点を一つここで御説明願いたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 只今の御質問にお答えを申上げます前に、この案件が第十六国会におきまして、御承知の通り衆議院において大蔵委員会で全員一致で可決いたしまして、直後本会議でも可決をいたしまして、本院へ御送付申上げておる事柄でございます。ところが十六国会においては、参議院におきまして継続審査の御決定があり、越えて十七国会、十八国会においても、同様継続審査の御決定を得たまま決を得るに至らず、今日に至つておるわけでございます。そこで、まあ衆議院におきましては、いろいろ政府当局の御批判もあるようでありますが、議員立法の形としては、これは満場一致で以て議決をいたしておりまする事柄等をも一つ御参酌を頂きまして、何とかこの国会においてこれは一つお通しを頂きたいというのが、衆議院一致しての、特に切なるお願いであるわけでございます。そこで、この法律については、すでに提案理由の御説明をすでに申上げておると思うのでありまするが、只今菊川さんの御質問につきましては、この提案理由の説明の中に外郭を大体縷を述べておるのでございますが、その要点を極く簡単にかいつまんで読みますと、信用協同組合のうちには、大別して職域区域と地域組合とがありまして、後者の地域組合たる信用協同組合は、一般大衆を相手とする、いわゆる旧市街地信用組合の一部に相当するものというべきものでありますので、これに、いわば小型の信用金庫として、員外預金取扱いの途を開きますことは、よつてもつて国民大衆の貯蓄の増強と、国民大衆のための金融の円滑を固める上におきまして、相当の効果を期待できるものと信ずるのであります。ただこの場合におきまして、一面、金融業務の公共性に鑑みまして、その監督を適正ならしめるためには、これが信用の維持と預金者の保護を一層厚くする必要があると考えられますので、員外預金の取扱いをする信用協同組合にありましては、これを大蔵大臣の監督の下に、一般信用協同組合のごとく、都道府県知事限りに委すということにはならないで、それを認可の条件として、この員外預金の取扱いを認めると、こういうのであります。積極的に申しますと、結局金融機関として、これが法律で認められておりまする信用協同組合が、やはりその員外者の預金の取扱いができないということは、いわゆるそれだけその資金源を収拾獲得する上において、やはり能率を減損されるわけでございまして、やはり信用金庫と同じように、員外者の預金をもやはり預託せしめ得る途を開いて、折角これを法律で、金融機関としての活動を認めておる以上、貸出をするところの資金源をみずから集めることの能力をも合せて完備せしめたいと、こういうことにほかならんわけでございます。もとよりこのことからいつて、預金者の利益を守るということについては、やはり金庫と同じように大蔵大臣の監督をも合せて行わしめると、こういうことで、その機関の運営の内容に確実性をやはり保持せしめて行こうと、こういうことになるわけでございます。のみならず、この問題は、中小企業金融が誠に梗塞をいたしておりまする現情におきまして、こういう相互扶助の精神から生れて参りました金融機関が、やはり法律の力によつて十二分の活動のでき得るように、即ち預金収集のための門戸を広く開いて頂きたいと、こういう要請に応えたいというわけでございますので、何とか一つ今回御決定を願いまして、彼らの要望を一つかなえてやつて頂きたい。本日千葉委員長が参りまして、親しくお願いを申上げるところでありましたが、所用がございまして、私、代つて参つたわけであります。実は朝から待機してお待ち申上げているのでございまして、衆議院の大蔵委員会はひとしくこの事柄に情熱を傾けて、参議院の御決定をお待ち申上げているようなわけでございます。なお委員会からこういうことを申上げてくれとございましたが、公認会計士法について、昨日委員会で審議をいたしたわけでありますが、もはや審議の期間は殆んどございませんので、いろいろと意見を添えたいこともありましたが、併し参議障院の長い期間に亘つて慎重御検討を願つたことは、これはお互いに両院の立場を尊重し合うということで、格別の事柄を蛇足に失するかも知れないので、まあ参院の御審議になつたところを一〇〇%一つ尊重して、そのまま衆議院は呑もうということで、実は審議に及ばず、本案を出すことのために、実は審議権放棄というような、或いはお叱りがあるかも知れませんが、十二分に御審議を頂いたという御信頼の下にあれを出してしまつておりますが、それとこれとは別な問題でありますけれども、希くば一つ御掛酌を願つて、衆議院のほうでしきりと陳情を受けておる事柄でありましたので、いろいろ検討しましたが、支障あるまいと思われますので、何とかこの機会に一つ御議決を頂きたいことを合せてお願い申上げる次第であります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 もう一点だけ。春日さんよく御説明わかりました。あなたの御説明はよくわかりました。わざわざ千葉委員長おいで願わなくても、衆議院で聞えた大蔵委員のベテラン春日氏がおいでになつて御説明頂きまして、我々納得行きました。その点は結構でございます。  なお骨を折るよりも何よりも、趣旨を先ず、十分納得の行かん点があるので、一つお聞きしなければならんことがある。  最初に、協同組合のこれを認めた場合に、預金収集の手段としては、第一には利率が高い。ここへ預けた場合に、郵便局だとか銀行に預けるよりは、利息は多少ともいいということ、或いはさもなければ貸し出しの場合に金融を受けられる。こういうどちらかがあつた場合には、非常にいいのじやないか、よく集まつて来るのじやないかと、こういうふうに我々も考えられるのだが、このどちらが員外預金者に対してもたらされるものであるかどうか、その点を一つお伺いしたい。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 現在既存の金融機関が、御承知の通り、何と申しましても、大企業に偏重しておるということは、二十八年度でありますか、銀行局の調査によつても明確に報告されておるところでありますが、結局いろいろ我々が国会で要望いたしておりましても、この大企業の集中融資の傾向はなかなか是正されないのでございまして、そのことは必然的に、中小企業への資金源というものが、大企業の面に襲断されて、なかなか確保いたし難いのでございます。で、国民金融公庫があり、中小企業金融公庫があり、その他いろいろございますけれども、結局、政府の財政投融資の絶対量は、これはまあ大したことではなく、結局その要求を満たし得ない中小企業者たちが、みずからの金融を賄うためには、その資金源をもお互い同志として弁じあつて行こうと、こういう相互依存の立場から、そもそも協同組合によるところの金融ということが生れたわけでございまして、結局このことは、お互いがこの金を持つて行つて、そうしてお互いが借りられる力をお互いで培つて行こうということであろうと思うわけであります。現実に預けたからすぐ借りられるわけではございませんけれども、今日はAが借りて返すならば、その次それに代つてBが借りるということでありまして、この機関は大企業は全然これを対象としないという立場におきまして、預けた金は全部中小企業者に還元される、こういう期待のもとに預託がされるわけでありますから、やはり預け放しでなく、預けたらこの金は借りられるという関連性の上に立つわけでございますから、員外預金ということが、それだけの大きな効果をもたらして来るものと確信をしておるわけであります。なお利率の点につきましては、これはどうなりますか、利率は信用金庫と同じようでありますが、そもそもこの信用金庫なるものは、結局信用協同組合が、おたまじやくしが蛙になりかけのところであろうと考えられ、蛙が大きく成長して本当の蛙になるのではないかと思うのでありますが、信用金庫、相互銀行、これから一般市中銀行とその下にある信用協同組合、こういうふうに考えますとき、やはりこの信用協同組合の一部が信用金庫になつて、それが員外預金を認められて、相当の成績を挙げておりますので、折角そういうような員外預金を認めたことによつて、信用金庫が成績がよくなつたならば、やはりこの信用協同組合に、員外預金を認めて、やはりそれだけ機動力を増強するのであろう。このことは、中小企業者の金融機関をそれだけ強めるという形で、非常に効果が高いものだ、こういう理解をいたしておるわけであります。御答弁になりませんから知れませんが……。

岡崎真一自由党

○岡崎真一君 提案者のかたに伺いますけれども、この法案を拝見すると、結局員外預金を認めようということが根本でありまするが、先ほどあなたがおいでにならん先に菊川君といろいろ話があつたうちに、一体、組合員になるための資格というものについては、いわゆる一口持つということらしいのですが、その金額を伺つてみると、甚だ零細、零細という言葉は適当かどうかわかりませんが、近頃の煙草何個という言葉で行くほうがはつきりするかも知れませんが、その程度のようなのですね。そういつたような程度の一口の組合費を払うことによつて、組合員にすることのほうが、こういうような法案をわざわざ修正する手続を省く、そのほうが実質的に、あなたが本当に員外預金を認めさすという趣旨から言えば、そのほうがいいのではないか。これは私の意見になるけれども、そういうふうに感じるのですが、その直ちに組合員になるということ自身について、何かあなた方のほうで、何か法律的に、法案を改正をしておいて、員外預金を認めるような恰好にするほうがいいのだという根拠は、何か、御意見おありになるのですか。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 御指摘の通り少額の出資を行えば組合員になれるから、従つて員外預金の実際的効果を阻害しないんじやないかという御指摘になりますけれども、いずれにしても出資者にならなければ預金ができないという、この関所は、如何に敷居が低いことでありましても、敷居たることに変りがないのでありまして、一体預金者たちがフリーに預金をする場合、やはりその株を持たなければ預金ができない。預金をしてやるのに、その上何らかの負担がそれに附加されるということは、丁度この魚が、びんの中へ入りまするときに、何かそこに障害物が入つて避けて通つてしまうというような事柄でもあろうと思いますので、実際的な阻害の面と、精神的な阻害の面、こういうようないろいろな阻害の面がやはりあるのでありまして、信用組合には員外者が持つて行かないという実際的な現象が現われておるのではないかと思いまして、今御指摘の点は、私どもも当初大蔵委員会でその問題にも触れて検討いたしたのでございますが、陳情者の陳情いたしまするところは、やはり預金をしてやるのでさえ、やはりよほどの行為であるのに、更にその上、例え百円でも出資株を持たなければならないということは、やはり僅少な事柄だが、精神的に大きく作用して、やはりそうでない機関へ預金を実際的に行なつて行くという形になつておることを非常に強弁いたしております。そういうような事柄等からも徴しまして、やはり敷居というものが全然なくて、まあ大衆が最も入りやすいように、即ち同一の条件にこの金融機関を置いてやつておこう。そうしてこの金融機関をできるだけ増強して行こうという考え方の上に立つておるわけであります。

岡崎真一自由党

○岡崎真一君 今お話を聞いておりますと、組合員になることは何らかの精神的な制肘を受けるが、たとえそれが一銭の金であつても出資することについてはどうも困るという陳情もあるというお話ですが、大体この中小企業法そのものは、組合員を主体にしておるのであつて、組合員外のものがこれと全然違うわけなんです。そういう点から考えれば、あなたのおつしやる精神的な苦痛ということは、組合自身を助けて行こうという意図があつてこの信用協同組合をやつて行けばいいのであつて、それ以外の人まで預金者にするようにすることが、資金が沢山集まるということはともかくとして、そういう御趣旨であれば、それには何らか、信用組合、協同組合に基く法の精神そのものと、そこに何らか違う点があるように思うのですが、その点如何でしようか。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 協同組合によるこの金融事業の目的でございますけれども、この目的は、その協同組合員の金を預るということの目的よりも、むしろ金を貸してやるという目的のほうにウエイトがあるように思うわけでございます。従いまして、この目的から考えまするとき、法律の目的から考えまするとき、やはり協同組合員に金が貸したい、貸せるという態勢を確保いたしますためには、やはり組合員だけでは貸すだけの力はなかなか持つに至らないので、即ちこの目的を達成するためには、組合員以外の理解者のやはり協力をも得たい、こういうことにあるように考えておるわけであります。

岡崎真一自由党

○岡崎真一君 それじや今のそういう理解者云々というお話で、理解者の人であれば、先ほど申しますように、何べんも繰返すかも知れませんが、僅かかりの出資金ができないような人が、そういうふうな理解者云々ということは、ちよつと当を得ていないというように私は感じる。これは私の意見ですが、これにはいろいろ異論があると思いますが、併し今御説明をいろいろ伺つておりますと、これは組合のために資金を集めて云々というよりも、むしろ金融機関にして行きたいというような意識が非常に強いように思われるのであります。そういうふうに考えて参りますと、この法案の修正そのものが、員外預金というものを表面には打出しておいでになつても、これ自身信用金庫のような、もう少し大きな金融機関にして行こうというような伏線が相当あるように思われますが、その点如何ですか。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) これも実は四国会前に大分検討いたしましたので、二、三而もその真髄に触れての議論は、或いは忘却いたしておるかも知れませんので、御容赦を願いたいと思いますが、たしか先ずそういう員外預金を行う場合には、大蔵大臣の許可、認可を得た者だけが行い得るという形でございまして、従つてそれは経営者から、その内容、運営の状況をやはり或る程度金融機関に非常に酷似した運用をしても差支えないような、主観的にも又客観的にも、資格を得た者にのみ大臣が許可を与えることになろうと思います。問題は金融機関たらんとするところのよし悪しでございまするけれども、これは単なる法律論としていろいろ御検討願います場合には、やはりいろいろと御批判はございましようが、問題は現在市中の金融機関のあり方が、やはりこの零細金融ということをいやがつておる。現実に中小企業になかなか金が流れがたいという現状等から御斟酌を頂きまして、少しでも金が流れやすいように、中小企業者のための融資資金源があらゆる形において確保されるような事柄は、やはりこれは一連の行政指導を通じてお願いしたいと、こういうような点から発議いたしておるのでございます。従いまして、やはり金融機関になろうということのみでこういう法律案の改正が行われておるわけではないと思いますが、いずれにしても、結局員外者の預金がそれだけ導入できれば、それだけ融資能力を増強するので、やはり中小企業金融に役立ち、以て協同組合精神にも叶つて行くと、こういうふうに一つ御理解を願つて、成るべく好意的な御質問を願つて、一つお許しを願いたいと思うのであります。

岡崎真一自由党

○岡崎真一君 今のお話によると、中小企業者或いは組合員というような人に対して零細な融資資金源を確保するために、現在の信用組合のような制度を活用するのが一番いいのであつて、将来そういうような制度をとれば、その点に負うところが多いというような御意見であると思うのでありますが、そういうようなことになりますと、普通の信用金庫でも、如何にそのものが零細であるといたしましても、ちやんと筋の通つた確実な貸出先であるとするならば、それは恐らく、多少の困難はあるにしても、こういうような中小企業金庫その他もあるのでありますから、あなたが今おつしやるようなことはないと思うのでありますが、若しかあり得る、又同時に貸出してもらいにくいということになりますと、金融というものは、これは御承知のように、預金というものを集めて、理事者がそれを貸すのでありますから、貸す人の責任というような判断にいろいろよつ来てることでありますが、殊にこういう金融情勢その他が詰つて来て、非常に問題の際に、普通一般に貸してもらいに来るところに、貸すということについては、それ自身非常に貸出先として面白くないものが、これはそう言うことは言い過ぎかも知れませんが、そういうような感じさえあると思うのでありますが、そういうふうなためにこれをするというのであれば、ますますもつて組合員として、その組合を助けて行こうという者が得心をして組合に預金して行くというのであればよろしいが、そういうことを考えずに、単に先ほどの提案者の説明のように、員外者の預金を集めてそういうものに貸出すということについては、金融恐慌が起つた際に非常にこれは問題だと思うのであります。これ自身は小さい問題でありますけれども、そういう点まで一応考えておくべき筋があると思うのでありますが、これに対して何か……。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 本院でも当然いろいろ御検討願つておると思うのでありますが、例えば庶民金融の象徴である国民金融公庫にいたしましても、大体においてその申込の四分の一乃至五分の一しか動いていないように思うわけでございます。そこで結局如何に確実とおぼしき融資の申請者といたしましても、現実には政府機関すらなかなかそれに応諾できがたい状況にございまして、いわんやコンマーシャル・ベースに立つておりまする金融機関といたしましては、更にその応諾率というものは悪いわけでございます。こういうような問題は、只今申しました通り、あらゆる機関を通じて御援助願うべき事柄であろうと思うのでありまするが、なおその次に、やはり仲間同志で貸して行くという形になれば、勢い不健全な対象に対しても貸出を行い、そのことが協同組合の経営内容を危うくする心配があるという御指摘は御尤もであります。そこで、この法案中には、やはり経理内容を最も公正堅実に行なつて、そうしてこの預金者の利益を確保しなければならないという立場におきまして、これは信用金庫、相互銀行、その他の金融機関と同じように大蔵大臣の認可事項といたしておりますので、当然大蔵関係におきまして地方財務局その他の検討を経て、危うきに亘るような貸出しについてはこれを抑制され、或いはそれぞれの制裁規定が設けられまして、やはり現実にできるだけの行政措置はこれに伴つて確保されて行くように法律案がなつているわけであります。

岡崎真一自由党

○岡崎真一君 銀行局長に伺いますが、この前か、その前か、ちよつと記憶しておりませんけれども信用組合と信用金庫との問題について、格上げというか、格下げというか知りませんが、協同組合的な性格から本当のいわゆる大蔵省の金融行政というようなものに、金融機関の一環とその信用金庫というものにするために、いろいろ法律案が出たりしたわけです。そのとき資格の審査とかいろいろあつて、政令に基いて相当猶予期間というものがあつて、数は憶えておりませんが、非常にたくさんの信用組合が信用金庫に鞍替えしたというようなことがあるわけですが、そのときに、現在残つております信用組合というものは、入ることを好まなかつたものもありましようし、入ろうとして入れなかつたものもあつたと思います。それは要するに、その資格そのものに金融機関として適格でなかつたという或る種の刻印を押されたということもできると思います。そういつたような見地から考えて見ると、今後金融行政の一環として、これはこの前ここで長期信用銀行の問題なり或いは開発銀行の問題について、興銀なり勧銀というものがあるにかかわらずこういうものを政府として作るということは、金融行政の監督の立場からの一環性について私は議論をしたことを憶えておりますが、そういう趣旨から言つて、信用金庫になつた信用組合というものを分けた一つの趣旨というものを、今もずつと変更しないだろうと私は思うのですが、それについては、先ほど菊川委員との間の応答で、私はそれがなお続いているというふうに考えるわけですが、そうだとすると、実は、私は聞いたところでありまして、これは的確に調べておりませんから、何とも言えませんけれども、こういう法案が出て員外預金を許す。そうしてそれが次の段階において今度はそれを前の信用組合を信用金庫にしたときと比べて条件を緩和した新しい何らかの法案が出るだろうというようなことを実は聞いているわけであります。これは私の聞き違いであればいつでも取消しますが、そういうような法案が今後において大蔵省に用意されているというような噂でありますが、この真偽のほどを、これは将来の問題でありますが、あなたは行政官でありますから、これは政策の問題でありますから、あなたに責任を以て聞くわけに行かんかも知れませんが、或る程度おつしやつて下さつて差支えない範囲において伺いたいと思います。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 今の岡崎委員のおつしやつた点でありますが、これは私は、従来信用組合法一本でありましたものが、信用金庫法というものができて、ここで金融制度の中における協同組織の金融機関というものが二つに分れた。一つは信用金庫という名前において員外預金を扱つて行く、一」つは信用協同組合という形において員外預金を扱わない、員内の預金だけを扱うという機構の二つに分れたわけであります。その際、既存の信用協同組合の中で信用金庫に転換をして行くという場合におきまして、それを希望し且つ転換させることが適当だと認められるいろいろな案件を備えているものについては、簡易に信用金庫に転換させる経過的な特別規定が設けられたわけであります。これによつて、既存の信用協同組合の中の殆んど大部分がこの信用金庫に転換して参りました。尤もこの転換の経過期間というものはもうすでに一年前に過ぎておりますから、現在ではその規定の適用はございませんが、今後の情勢に応じてそういつた信用協同組合がだんだん育つて行く、そうして金融機関としての性格の濃度がだんだん濃くなつて参るつたというようなものについて、而もこれに員外預金を認めることによつて、何ら社会公衆に迷惑を及ぼす虞れがないといつたようなものにつきましては、現在でも信用金庫に転換をどんどん認めておりますけれども、更にそれを簡易な手続、従来一年前まで認められておつたような簡易な手続によつて転換をさせることが適当であるという判断に立ちますならば、或いは現在ある信用協同組合が信用金庫に転換いたします場合においては、これに簡易な特別な手続規定を作るということによつて、転換をさせて差支えないものは、簡易に転換をする途を開くということは私は考えられることだと思います。尤もまだこの問題につきましては、私どもとして、内閣として正式に結論を得るまでにまだ至つておりませんが、そういう考え方で問題を処理するということは確かに考えられることであり、そういう方向がいいという国会のほうからの御意見でもありますならば、これは至急に研究いたしたい。それで具体化する方向において私は努力をすべきものだと考えております。で、ちよつと余談になりますが、今、春日さんからいろいろ提案者として御説明がありましたが、これは別に提案者の揚げ足をとつたりする意味で申上げるつもりはないのでありますけれども、例えば提案者の言われておるこの改正案によりましても、やはり員外預金を扱うものは大蔵大臣の認可を受けさせるということで、大蔵大臣の認可を受ける基準というものは、まあ私はまだつまびらかにいたしておりません。提案者の御意見は聞いておりませんが、恐らく要は員外預金を扱わせても差支えないという一つの基準というものはあるのだと思う。それでなければ大蔵大臣が認可をするということは何の基準によつてやるかわかりませんから、意味がないことになる。何らか私は員外預金を扱わせて差支えないという判断をする基準がなければいけない。若しそういう判断をして員外預金を扱わせて差支えないということであるならば、私はその信用組合の中にAクラス、Bクラスというものを作るよりも、そういう大蔵大臣の認可を受けるという一つのステップをおく以上は、私はそういうものは信用金庫に転換さしたほうがいいと思う。そのほうが金融制度としてはすつきりするし簡明である。一方に信用金庫があり、一方に信用協同組合がある。その信用協同組合の中に、Aクラスは信用金庫と殆んど同じことをやつている、Bクラスは同じ信用協同組合でありながら、これは員外の預金を扱えない、そういつた金融制度としての非常な複雑と言いますか、不明確な状態におくよりも、いやしくもそこで大蔵大臣というものがスクリーンする必要があるということならば、私はそういうスクリーンをして員外預金を扱わせて差支えないというものは信用金庫にしたらいいじやないか。それがために必要ならば、先ほど岡崎さんが指摘されましたように、簡単な手続で信用金庫に転換する途を開くという立法措置は、これは場合によつて私どもは皆さんの御要求が非常に強いならば、私は当然これは政府としても考えるべきだと考えておる次第であります。  お答えになつておりますかどうですかわかりませんが、一応……。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 春日議員に伺いますが、今銀行局長のお答えのうちにありました認可の基準はどういうふうに考えておられますか。又その基準について、その取りよう如何によつてはむしろ簡易に信用金庫に転換し得るような方途を別途に考究したほうがいいのではなかろうかということについて、これはどうです。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) 大体この主管大臣の員外預金の認可を受けるのは、大体におきましてその預金量が一つの基準になるものと考えておりますが、その預金量は、これは政令で定められる形になりましようが、当時一億円と考えておりましたか、ちよつと明確を欠いて恐縮でございますが、一応預金量によつて一線を画するということが想定されておつたのでございます。  なお只今河野銀行局長が、員外預金を扱いたいならば信用金庫に転換したらよろしかろうということでございますけれども、信用金庫にことほどさように簡単に転換せしめ得るといたしますならば、そのような考え方こそは、即ち員外預金を認めて頂いて差支えないのではないか。なぜならば、やはりこの主管大臣が、許可認可を通じ、やはり行政監察を行なつて行く上におきましては、同じ手数を要する事柄でございますから、従つて折角三年前に衆議院を通過いたしておりまするこの法律の目的というものは、員外預金を扱わせるために信用金庫にするというのではない。やはり簡単に信用金庫にして差支えないものならば現状のままで員外預金も認めて差支えないのではないかというような考え方も持ち得るわけでございます。特に申述べたいことは、結局現在のこの金融行政のあり方が、零細金融に対してはなかなか十分に滲透均霑していない。従いまして少しでもそのことが零細金融のためにプラスになり、よつてもたらすための弊害というようなものが、或る程度除去、防止できるならば、そのことは多少の批判がございましても、やはり進んで行なつて頂かなければならない段階にあるのではないかと、このことを強く御要請申上げたいと思うわけでございます。所管大臣の審査を受け、その他やはり監督を受けて参りますのでありますから、預金者の利益並びに機関としての公共性というものは十分保たれて参りまするし、何ら弊害をもたらしませんし、この信用協同組合は以前信用金庫ができますまでは員外預金がたしか行えたのであります。昔行えたことが、一部のものがクラス・アップしたからといつて既存の権利が剥奪されておりまして、結局、昔、隆盛であつた信用金庫がやはり衰退の傾向を迫るということは、協同組合によつて金融を行わしめたところのこの当初の立法の趣旨を減損すること甚だしいと思うわけでございます。従いましてそのととは何らかの形で救済をされなけれけばならんと考えをいたすことから、衆議院はこれに対して満場一致の賛成を与えておることなのでございますから、何とか一つ御賛成を願いたいのであります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 銀行局長の御意見によれば、大体同じものを、片方はこういうふうな信用金庫とし、片方は信用協同組合としておくのは、金融制度として如何なものであろう、こういう御意向のようです。それで春日議員に伺いたいのは、信用金庫以外に員外預金を扱うところの協同組織の金融機関を設ける必要はどこにあるか、資金の吸収及び貸出の面でどういうふうに一体信用金庫と違つて来るか、信用金庫ではどうしてもいけないんで、信用協同組合の形で以て員外預金を扱わせる必要がどうしてもあるということがちよつとわかりかねますが、その点……。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) いろいろありますが、申上げるまでもなく、信用金庫に当時転換できなかつたところの信用協同組合が現実に存在しておるわけであります。それからもう一つ、その後、府県知事の許可認可によりまして、新らしく生まれ出たところのこの信用協同組合というものが現存しておるわけであります。でこういうものは、やはり現存し得る以上、法律がそういうものの存立を許しておりまする以上は、やはりその存立を通じて相当の効果を及ぼし得る機能を賦与するということは、これは当然の事柄であろうと思うわけであります。やはり仏を作つたら魂を入れることは当然であろうと思うのでありまして、これが員外預金が魂であるかどうかは御検討を願わなければなりませんが、この員外預金を与えてもらえば相当預金の収集ができて、そうしてやがては信用金庫に転換できなかつたところ、即ち当時欠いておつにところの資格条件も、そういうふうなものを通じて或いは賦与されるかも知れませんし、それが一つでありますが、私どもはその当時転換できた、できなかつたという問題を別にいたしまして、その後、府県知事が産婆になつて生まれ出たところの多数の信用金庫の、やはりその活動力が十二分に与えられ、具備されたところの金融機関としての能力を持ちたいと考えることは、これは当然のことであり、又持たせなければならん事柄のように我々考えておるわけでございます。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 信用金庫が員外貯金を取扱つたらば、その資金の運用については或る程度の制限があると思つております、然るに信用組合であつたらば、その資金の運用が信用金庫とすればルーズの点があるんじやなかろうかと思つておるのです。それでありますから、信用金庫が現在の法律そのままで大蔵大臣から認可を受けたからと言つて、資金の運用面に対して何らかの制限を与えなくては、折角預けたところの員外者に損害を及ぼすようなことになりやしないかと、こう考えるのでありますが、員外預金に対するその資金の運用についてはどういうふうなお考えを持つておられるのであるか、お尋ねいたします。

春日一幸日本社会党(右)

○衆議院議員(春日一幸君) それはやはり員外預金を扱おうと思う場合には主務大臣の認可を受けますので、認可を得て行います事柄は当然その認可を与えたところの官庁の監督を受けて参ることになるわけでございます。御指摘のごとく新しく政令が設けられまして、そうしてそれに監督規定が設けられて参る事柄も考えられておるわけでございまして、御指摘の通りそういう新しい業務を始めますときには許可を得て、その後の運営管理はやはりその許可を与えた人の監督を受けて、やはり危険なからしめるための万全の措置が講じられて行くように、この法律の趣意はなつておるわけでございます。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 銀行局長にお尋ねしますが、それは政令でできますか。私は法律でなければできないと思つておりますが、資金の運用については政令でやれるのですか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) 今春日さんの言われたように、法律の建前としては、資金の運用面におきましては、信用金庫と信用協同組合とはそう変つておりません、条文の書き方は。ただ問題はその内容について行政上の監督が十分にできておるか、できておらないか。私は府県が十分に監督していないとは申しませんけれども、そういう実体の問題はありましようけれども、法律の制度としては、信用金庫の貸付け業務、預金業務と、協同組合の預金業務と条文の書き方というものは、そう変つておりません。例えば今度の場合に、この提案者の法案を、私も実はずうつと前のことではつきり記憶いたしておりませんが、恐らく員外預金を信用協同組合に認められた場合においても、その預金の貸出しにつきましてはやはり員外に貸すことはできないというような点がありまして、信用金庫とやはり同じような体裁になるんだと思いますが、はつきり的確に把握いたしておりません。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 貸付けのほうじやなくて、私は員外預金を集めたならば員外預金の何%は如何なる方法によつて運用しなくちやできないということが立法化しておるはずと思つておるのです。そうしますというと、信用金庫にはそういうふうな運用が立法化しておるし、信用組合には立法化していないということであつたらば、そこに欠点かあるんじやないか。

河野通一大蔵省銀行局長

○政府委員(河野通一君) その点は、今、信用金庫につきましても行政指導で支払準備率というものを作つて、これ以上の資金量に対してこれだけのものは支払準備として的確な資産を保有しなければならん、こういつたことをいたしております。これは必ずしも私は法律でなくて結構だと思つております。その意味におきましては、今御提案されておりますような法律の改正が仮りに通つたといたしますならば、やはり信用金庫の例に従つて、支払準備の充実、つまり預金者の保護ということについて欠くるところのないような制度及びそれに基く監督と申しますか、そういうことは当然行われなければならない、かように考えております。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 発議者に対する質疑はございませんか。速記をとめて。    午後四時二十七分速記中止    —————・—————    午後五時四分速記開始

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。  本案に対する残余の質疑は後日に譲ります。  次に租税金融制度及び専売事業等に関する調査についてお諮りいたします。御承知のごとく本委員会におきましては、昨年十二月十日議長の承認を得、議案の審査と並行して、鋭意本調査を行なつて参つたのでありますが、現下の諸情勢に鑑み、種々調査すべき問題も多く、まだ調査を終了するに至らないのでありますが、会期の終了に当り、議長に報告書を提出しなければならないことになつておりますので、調査未了の報告書を提出することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  なお報告書の内容等につきましては、前例により、委員長に御一任願いたいと存じます。  それから本報告書にも多数意見者の署名を附することになつておりますので、順次御署名を願います。   多数意見者署名     小林 政夫  岡崎 真一     木内 四郎  三木與吉郎     藤野 繁雄  東   隆     白井  勇  菊川 孝夫     青柳 秀夫   —————————————

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に昨日理事会におきまして、本調査につきまして、閉会中も継続して調査を行うことを申合せたのでありますが、理事会申合せの通り決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  なお本件につきましては、本院規則第五十三条により、議長へ継続調査要求書を提出しなければなりませんが、その内容と手続等は委員長に御一任願いたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時八分散会

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