大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/04
会議録
○委員長(大矢半次郎君) これより第十三回の大蔵委員会を開会いたします。先ず請願及び陳情に関する小委員会の経過並びに結果について、小委員長より報告を聴取いたします。
○小林政夫君 請願及び陳情につきまして、小委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。三月二日第一回の小委員会を開きまして、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、慎重に審重をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。 請願第百三十九号は、群馬県藤原ダム建設工事のため犠牲となる地元民の移転補償費は最小限の更生資金であるから、これに対しては当然補償費免税の処置を講じ、犠牲者の不安動揺を防止せられたいとの趣旨であり、 請願第四百三十三号は、福島県におりる葉たばこの耕作期間中の不良天候、特に冷害による減収は予想以上のものがあり、農家経済に及ぼす影響は誠に憂慮すべきものがあるから、速やかに災害補償の即時実施と耕作団体活動費助成増額等について格別の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、 請願第五百四十号は、タイ及びインドネシア等の東南アジア諸国において最近設定せられた塩干魚、貝も類に対する輸入関税の引上げは十五割より二十八割に及ぶものであつて、北海道貿易産業の振興を阻害するものであるから、速やかに軽減されるよう適切なる措置を講ぜられたいとする趣旨であり、 請願第五百八十五号は、中小企業者の専門的金融機関に対して、その資金源の強化充実を図るため、国及び県の財政資金を大幅に導入して、現下の資金難の緩和を図ると共に、金利の引下げ、融資手続きの簡素化について速やかに改善策を樹立し、中小企業の振興を期せられたいとの趣旨であり、 請願第六百六十三号は、島根県が農林漁業等原始産業を主体とし、一般中小企業も、商工中央金庫、国民金融公庫等の金融機関を通じて金融を受けている実情で、政府の企図する国家予算の大幅縮減による政府資金融資が制約せられた場合も特に政府資金の融通を受けられるよう配慮せられたいとの趣旨であり、 請願第千百二十三号は、水産業協同組合共済会が、災害によつて受けることのある損害を相互に救済することを目的として設立する団体であるから、他の災害共済事業団体が認められておる法人税減免措置を、当然、本共済会にも適用せられたいとの趣旨であり、 請願第千三百五十号は、国鉄機関車乗務員の作業実態の直接人体に及ぼす影響は、不健康業務として他に類を見ないから、公共企業体職員共済組合法案立案に当つては、これらの事情を考慮して、退職年齢の支給年齢を現行通り五十才とし、加算年を現恩給法通り実務一年を換算一年半とすること等考慮せられたいとの趣旨であり、 請願第千四百四号は、愛媛県山間地帯における最大の現金収入源であるみつまたは、昭和二十七年度の奨励に引きかえ、二十八年に至り局納みつまたの納入数量は台湾麻の輸入増加と共に急速に減少し、本年度の買入量についての不安は大きく、生産農民に大きな動揺と経済的困窮を与えているから、局納数量の増大と価格安定に対する適切なる措置を講ぜられたいとの趣旨であり、 請願第千四百十号は、終戦前の内地送金小切手の調整確定の終結的処理に際し、大銀行のみでなく地方銀行へも公平に支払いできるよう措置せられると共に、終戦前に到着するも、交換レート未決定のため支払保留となつている送金のレートを決定し、支払い、及び旧横浜正金銀行発行小切手も今回同時に支払うよう処理せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。 よつて以上請願九件はいずれも採択すべきものと決定いたしました。ただこの際、附言いたしますれば、今の請願の趣旨通りをそのままというわけではなくて、実際には、出席しておつた政府当局に、十分我々の採択した趣旨、例えば漁業共済会等に対する法人税の減免ということについても、免というほうではないので、採択の趣旨は軽減のほうの意味であるというように、小委員会が採択した趣旨については十分政府当局の納得の行くような採択の仕方をいたしておりますから、附言いたしておきます。 陳情第九十二号は、大企業の資本蓄積傾向に加えて、昨今の金融引締めのしわ寄せを受け、中小企業は極端な資金不足を招来し、経営難は日を追つて深刻化しておる。この危局に対し、相当額の政府指定預金の新規預託を実施し、中小企業の救済と育成を図られたいとの趣旨であり、 陳情第二百一号は、最近インフレ抑圧方策の一環として輸入金融抑制を中心とする引締めの措置が強化されつつあるが、これが単に量的規制のみに終るならば、却つて混乱と退歩とを生ずる虞れがあるから、根本において金融方式を正常に戻し、商社、生産者及び金融機関の間の金融分業方式を確立せられたいとの趣旨であり、 陳情第二百二十七号は、元関東州在住民の内地引揚が昭和二十二年の一月より開始せられたため、その他の地域に比し一年以上遅れており、他地域とその事情を異にしておるから、昭和二十年九月三十日以降の郵便貯金についても特別の詮議を以て支払を開始せられたいとの趣旨であり、 陳情第二百三十二号は、在外公館借入金の支払として公館への立替金の百分の一が支払われただけであり、在外公館に立替払をした引揚者がそのまま放置されるということは誠に承服できないことであるから、在外公館借入金の支払について善処せられたいとの趣旨であり、 陳情第二百六十六号は、企業の自己資本を強化するために、資産再評価及びこれに伴う減価償却について、税制その他企業経理の面から優遇措置をとること、及び再評価積立金の資本組入れと併行して、株式払込に関する金融を円滑にすると共に、株式配当金について課税上の優遇措置をとる等の諸施策を考慮せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。 よつて以上陳情五件はいずれも採択すべきものと決定いたしました。 請願第三百二十号は、保全経済会の突然の営業休止により受けた出資者の経済上の苦痛は深刻を極めており、速かな事態の回復を熱望しているから、これが出資者救済の抜本的対策を講ぜられたいとの趣旨であり、その願意不適当と考えられ、採択せざるものと決定いたした次第であります。 右御報告申上げます。
○委員長(大矢半次郎君) 只今報告のありました請願及び陳情につきましては、いずれも只今報告通り決定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。よつてさよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に、外国為替銀行法案を議題といたしまして、提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(植木庚子郎君) 只今議題となりました外国為替銀行法案につきまして提案の理由を御説明申上げます。 この法案は、外国為替取引及び貿易金融の円滑を図るため、外国為替銀行の制度を確立し、その業務の公共性に鑑み監督の適正を期すると共に、金融制度の整備改善に資することを目的として所要の規定を整えようとするものであります。 申すまでもなく、貿易依存度の高い我が国経済の自立と発展を期するには、外国為替取引及び貿易金融の円滑にして且つ真に自主的な運営が必要であります。そのためには、広く海外の主要為替市場及び貿易市場に支店網を持ち、外国の為替銀行にも比肩し得るほどの十分の能力と信用を備えた為替銀行の出現することが望まれるのであります。現在我が国の銀行で外国為替業務を営む銀行は相当数ありますが、いずれもなお国際市場において一本立ちできるほどの実力を備えるに至つておりません。又このままの態勢で、近い将来に、自然の推移のうちに、只今申上げたような十分な能力を持つた為替銀行ができて来ることを期待することも極めて困難であります。従つてこの際、業務の主力を外国為替取引及び貿易金融に置いて、これに専念する外国為替銀行の制度を新たに確立することが最も時宜に適した措置と考えられるのであります。このような理由によりまして、各界有識の士にも諮りまして、今般ここに外国為替銀行制度に関する成案を得、法律案として御審議を願う運びと相成つた次第であります。 なお法律の性格といたしましては、長期信用銀行法に準じた一般法といたしまして、為替銀行は、同法に準拠した民間銀行とすることが、所期の目的を達成する上に最も適当であると考えたのであります。 以下簡単にこの法案の内容の基本となる諸点を申げ上ます。 第一に、外国為替銀行は大蔵大臣の免許を受けなければならないこととし、且つ資本の最低限度を十億円と定めることといたしました。 第二に、外国為替銀行の業務は、外国為替取引又は輸出入取引その他の対外取引に関する信用供与を主とし、一般国内貸出業務は対外取引関係の金融と関連のあるものに限ることといたしました。なお預金の受入れは特に制限はいたしておりません。 第三に店舗でありますが、店舗は外国為替取引又は貿易金融上重要な地に限つて設置できることとして、国内店舗はこの意味でかなりの制限を受けることとなる半面、外国では重要な地には広くその設置が認められることといたしたのであります。 第四に、本法の施行に伴つて既存の銀行が外国為替銀行となることのあることをも予想いたしまして、その切換えの円滑を図るために所要の規定を置いております。 以上、外国為替銀行法案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を申上げた次第であります。何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いいたします。 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に、国税徴収法の一部を改正する法律案、(予備審査) 関税定率法の一部を改正する法律案、(予備審査) 国税収納金整理資金に関する法律案、(予備審査) 右三案について提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(植木庚子郎君) 只今議題となりました国税徴収法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。 先ず、最近における国税徴収の現況に鑑み、納税の便宜を図るため、収税官吏が納税者から歳入の納付に使用できる証券以外の有価証券で取立の確実なものによる納税の委託を受けることができる制度を設けることとしているのであります。このほか、税関において徴収することとなつている輸入品に対する内国消費税の滞納による滞納処分につきましては、現在は税務署においてこれを行なつているのでありますか、事務の簡素化を図るために税関においてこれを行うことができることとする等、所要の規定の整備を図ることとしているのであります。 次に、関税定率法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。 この法律案は、内外の諸情勢の推移に即応して、関税定率法の規定を整備し、関税の軽減、免除又は払戻しの制度の活用によつて貿易の振興に資する等のため、別表輸入税表を除く全文を改正しようとするものであります。 以下、改正の諸点について概略申上げます。 先ず、現行関税定率法におきましては、種々性質の異なる免税を一律に無条件免税として規定しているため、実際の取扱において適切を欠く点がありますので、これを免税の性質に応じまして、無条件免税、特定用途免税、再輸出免税及び外交官用貨物等の免税に分類整備し、無条件免税以外の免税物品については、一定の条件に違反したときは関税を徴収することとしているのであります。 次に、輸出の振興に資するため、輸出に役立つ特定の増殖用動物を無条件免税に加えるほか、輸出綿布等の、のり付け仕上げに必要なコーンスターチの製造に使用する「とうもろこし」についての関税の減税又は免税を認め、その他、輸出貨物の製造用の輸入原料品の減税、免税又はもどし税を行う場合における輸入原料品と内国産原料品等との混こう使用についての便宜取扱を認めることといたしているのであります。 次に、最近における貿易の実情を考慮し、輸入貨物を違約品として返送する場合における関税の払い戻し制度を設けると共に、複関税その他の関税制度についての規定の整備を図ることとしているのであります。 その他、重要機械類、児童給食用ミルク等の関税の免税期間を一年間延長する等により、暫定的に関税率の一部についての調整を図ることとしているのであります。 次に国税収納金整理資金に関する法律案について、提案の理由を御説明申上げます。 現行の租税制度の下におきましては、過誤納、欠損繰戻等の事由に因り、収納した国税のうち、納税者に還付する金額は相当の額にのぼることとなるのであります。現在は、これらの還付されることとなる金額をも国税収入として計上し、国の各般の需要を充すための支払の財源となるべき歳入としているのでありますが、このことは、その性質上適当ではなく、且つ、実質的な意味における国税収入を表わす上におきましても合理性を欠くものと考えられるのであります。のみならず、これらの過誤納等に因る還付金を歳出予算から支出いたしますことは、財政会計制度の面からする諸制約を受けることとなります結果、ときとしてその還付事務の処理に円滑を欠き、延いては納税思想に悪影響を及ぼすこととなる虞れもあるかと思料されますので、国税収入に関する経理の合理化と過誤納金等の還付の事務処理の円滑化を図るため、今回国税収納金整理資金を設置いたしまして、国税収納金等はこれを本資金に受入れ、過誤納等に因る還付金は、本資金から直ちにこれを支払うことができるように、当該還付金相当額を差引いた国税収納金等の額を歳入に組入れることといたしたのであります。 なお、本資金の受入及び支払につきましては、歳入歳出に準ずる取扱をし、その受払計算書は、会計検査院の検査を経て、歳入歳出の決算と共に国会に提出することとする等の措置を講ずることとして、その経理の明確、且つ、適正を期することといたしたのであります。 以上この法律案につきまして提案の理由を申上げたのでありますが、何とぞ御審議の上、速かに賛成せられるよう切望する次第であります。 —————————————
○委員長(大矢半次郎君) 次に所得税法の一部を改正する法律案その他税制改正に関する諸般の法律案を議題といたしまして質疑を行います。 この際、前回の委員会において租税特別措置法案の内容説明について留保した事項について補足説明を求めます。
○政府委員(渡辺喜久造君) 私から御説明申上げます。租税措置法の十二条の二項の関係につきまして説明が留保されておるかと思いますが、この十二条の規定は昨年改正で挿入された規定でございまして、我々は一応概算経理の規定だと呼んでおるわけでありますが、ただ、この財産税の調査時期であります昭和二十一年三月三日から現在までの間におきましては、所得税及び相続税の制度に相当の変化がなされておるわけでございます。と申しますのは、昭和二十五年のシヤウプ勧告による税制改正の機会におきまして、相続がありました場合におきましては、その相続の時期までに生じていた山林の所得、それが山林が伐採され、或いは譲渡されると否とを問わず、一応計算いたしまして、それを被相続人の所得税として課税し、その代りというと語弊がありますが、今度、相続した人がその山林を伐採或いは譲渡した場合におきましては、相続のときの時価と、実際に伐採、譲渡した場合における価額との差から所得を計算して、そうして所得税を課税する、こういう制度をとつていたわけであります。それ以前におきましては、相続の機会に山林所得を課税しておりませんので、相続人が山林を伐採又は譲渡した場合におきましては、被相続人の取得した山林をそのまま相続人が引続いて持つていたものとみなす、こういう規定が一つございまして、相続人が伐採した場合におきましては、被相続人が払つた必要経費と相続人が相続後に払つた必要経費とを差引いたものを以て山林所得としていた。昭和二十五年の税制改正以後におきましては、先ほど申したような措置になつていた。ただこの昭和二十五年の改正による措置は、実際に山林の伐採、譲渡がないのに、そこに所得税が課税されるというので、いろいろ無理な場合が生まれますので、そこで二十七年以降におきましては、この制度は昔の制度に帰つたわけでございまして、現在におきましては、その相続の際には、伐採、譲渡があつたことにみなすことはしませんで、むしろ従来のように被相続人の持つていたものを引続いて持つていたものとみなす、こういうことになつております関係からしまして、この二項の現行条文におきましてあります但書があるわけであります。今度多少これはまあ手直しのような恰好になつておりますが、包括遺贈の場合におきましては、これはまあ相続と同じように相続税を課税する。こういう建前を昨年から実はとることにしておるのでありますが、この分につきまして、包括遺贈があつたときに、山林の譲渡又は伐採があつたものとみなすという規定が、この前の改正のとき、そのままに残つておりまして、現在のところでは、相続の場合には、その機会に譲渡又は伐採があつたものとみなされてはおりませんが、包括遺贈で受遺者が受けた場合におきましてはみなされる。これはどうも「はず」が合わないことになるということで、今度これを直そうというので、別途所得税法の改正で御提案申上げたのであります。そういうことと裏腹になりまして、包括遺贈の場合につきましては、昭和二十五年四月一日から二十六年十二月三十一日までの間の分、これは古い制度でありますが、現在の制度に則つておりますので、この分は、丁度、相続の場合の二十五年四月一日から二十六年十二月三十一日までの分と同じように扱う。その以外の分につきましては、このみなす規定で以てやつて参りまして、受遺者が実際に譲渡又は伐採したときに、遺贈者がかけた必要経費、受遺者のかけた必要経費とを一応収入金額から差引いたものを以て山林の所得とする、こういう扱いにして行くようにするのがいいのじやないか、こういう意味で、この改正を提案したわけでございます。
○藤野繁雄君 租税特別措置法のこの改正案に対する政令の案が大体できておりますか
○政府委員(渡辺喜久造君) 政令案は大体できましたので、至急参考資料として御配付申上げるつもりでおります。もうちよつとお待ち下さい。
○藤野繁雄君 若しできておつたらば、それによつて検討してから……。 第五条の十二ですね、第二項の一番末項のところに、「命令で定める資本又は出資のない法人については、これを適用しない。」ということでありますが、これはどういうふうなものを予定しておられるのでありましようか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 大体ここに指定いたしまして、この交際費制限を適用しない法人としましては、公益法人でありますとか、或いは出資のない協同組合でありますとか、そういうものは大体これに全部包含させたい。包含させないものを或いは申上げたほうが早いかも知れませんが、そこで考えておりますのは、相互保険会社のようなものです。相互保険会社のようなものは、御承知のように非常にまあ資本金が小さくてやつておりますが、事業はかなり大きくやつておりますので、こうしたものは、やはりこの一項の適用を受けて然るべきものじやないだろうか。それをまあ受けるものだけ実は書くというのは、この法の性格からしましてちよつと適当でないと思いますので、むしろ原則は受けるのだ、併し受けないもの、これはまあ法文の恰好でございますが、従来大体こういうような性格でやつて来ておりますので、こういう恰好をとつておりますが、大体、今、我々のほうで考えておりますのは、公益法人とか或いは出資のない協同組合とか、そういうものは適用しないほうに入れて、適用するものとして今具体的に我々のほうで考えておりますのは、相互保険会社、こういうものを考えておる次第であります。
○藤野繁雄君 それから第八条の五の第二項です。これを、字句が明らかでないから、わからないからお尋ねするのでございますが、第二項のところのこの両方の改正の対照表の上の段のしまいから括弧の中に「当該農林漁業組合が再建整備と整備」、こう書いであるが、その整備とはどういうふうな意味でありましようか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 立案した気持といたしましては、その最初のほうにございます「農林漁業組合再建整備法に基く再建整備」、それから、その次に「農林漁業組合連合会整備促進法に基く整備」、この二つがあるわけでございまして、この再建整備と、そのあとの整備というのを、まあもう一遍繰返して書くと、実は、はつきりしたのかも知れませんが、この括弧の中における再建整備と申しますのは、その冒頭の中にございます農林漁業組合再建整備法に基く再建整備であり、あとのほうにあります整備と申しますのは、農林漁業組合連合会整備促進法に基く整備である、かようなつもりで立案してございます。
○藤野繁雄君 そうすると、その整備というのは、整備促進ということの促進が落ちているという意味じやないのですね。原案ではこういうふうになつているのですね。
○政府委員(渡辺喜久造君) これはまあ我々のほうの解釈かも知れませんが、整備促進法と申しますのは、結局、整備を促准する法律であつて、そこで行われる対象は整理である。従いまして、整備を促進しているというふうにまあ言えないこともありませんが、整備を行なつているという語句で受ける場合には、整備促進を行なつているというのじやなくて、やはり整備を行なつておる、こういうふうに解すべきじやないか。かよなつもりで一応立案してございます。
○藤野繁雄君 それから今の第八条の五の三項の二行目の「直接又ほ間接の構成員」という意味がどういうふうな意味か……。
○政府委員(渡辺喜久造君) これはまあ最近ほかの法律でもときどき使わして頂いておりますが、協同組合が普通の町村単位のような協同組合がありまして、そこに県単位の連合会がある。その連合会の構成員である協同組合というのは、これは直接の構成員だ。更に連合会が全国で集まりまして中央会ができておる。そういつた場合におきましては、中央会対市町村単位の協同組合、これは直接の構成員とはちよつと言いかねるのでございます。直接の構成員と申しますのは、県単位の連合会が直接の構成員でございます。ただ併し、それじや全然関係がないかというと、これはやはり大きな意味からしますれば構成員である。こういう意味のあれで、一番最後に申しました中央会対市町村単位の協同組合といつたようなものとの関係を間接の構成員というふうに呼びまして、一応ここへそういう趣旨で書いてあるわけでございます。
○藤野繁雄君 それから、これはどの法律のどこを見ればいいかわかりませんが、現在いろいろの事情のために農地が取られますね。そういうふうな場合において、その農地と代える土地があつたら幸いだけれども、代える土地がない場合、代える土地がないということだつたら、その際においては土地の補償金をもらう。そういうふうな場合に、補償金をもらつたところの金額に対して税金がかかるということで、非常に困つておるところのものがありますが、そういうふうな場合においては、或いは再評価との差の金額を課税の対象にする、或いはそういうふうなことで買収を受けたところの土地と交換するところの土地があつたらば、その交換するところの土地と交換したならばその際においては税金は少いということでありますが、実際、現在の農地の関係からは、そう簡単に交換する土地があるはずはない。結局駐留軍であるとか保安隊であるとかいうようなもののために収用されて土地を取られるというようなことであつたらば、そういうふうな際においては、交換する土地がないから現金をもらう。現金をもらつたら、それに課税されるというようなことだつたら、収用された、取られた上に又税金も払わなければいけないということで、非常に困難な状態に陥つているのが現在の状況でありますが、そういうふうな、中には私は読んでみるというと、ところどころには何だか適当な救済策があるようにも考えられますが、どの法律のどの条で、どういうふうなことになつておるか。それを詳細に御説明願いたいと思います。第十四条の関係もあるようですけれども……。
○政府委員(渡辺喜久造君) お答え申上げます。現在土地の譲渡の場合に、極く普通の場合ですね、任意に譲渡する普通の場合の取扱は、財産税のときの評価額を元にしまして、そうして再評価の限度まで一応再評価をさせて、そうして財産税のときの評価と、再評価の限度までは、百分の六の税率で再評価税を課税し、それ以上の差額が出た分については、譲渡所得として、その半額だけ課税して行く、これが普通の任意の場合であります。 その次の問題としまして、いろいろ今、藤野委員のおつしやつたように、その人の意思に基かなくて、強制で買収される、一番典型的な例が収用法の規定などの場合でありますが、それがそこにございます第十四条の規定でございまして、河川法、土地收用法、都市計画法、道路法、不良住宅地区改良法、水防法、土地改良法、又は命令で制定するその他の法令、こういう場合におきましては強制で以て収用されるわけであります。そういうわけでございますので、私は、普通の任意の場合の譲渡と同じように扱うことは、これは適当でないと思います。そこで、ここに出ております規定といたしましては、その場合には、通常の売買でございますと、再評価の倍数をかけたところまでが百分の六で、その先の譲渡所得、この場合におきましては、現実の収用された補償金の額、その額までをちようど再評価の額と見なすようにいたしまして、結局、財産税のときの金額とその間の差額は全部百分の六で課税する、こういうふうなことに法律の規定がなつております。従いまして、今御質問になりましたその人の意思に基かないで土地が国とかそういつたものに収用される、国の手に渡るというような場合におきましては、現在は税金は全然免除というわけにはいかないけれども、非常に低率な税で課税するにとどめるという趣旨を通しております。ただよく問題になりますのは、土地收用法の収用というものは、一応収用の命令が出まして、併し土地を所有しておる人が、その収用されること自身を承諾いたしますと、そうすると必ずしも収用法の規定によらないで、売買の形で以て土地が移転するという法律関係になるようでございますが、その場合を分析して考えて参りますと、最後までいやだいやだと頑張つていれば、結局この規定が適用になる。ところが土地の所有者が割合に、むしろその収用なら収用の趣旨をよく理解して、そうして、それじや、やむを得ませんから譲渡しましようという場合には、この規定の適用がないというのはおかしいじやないかという御議論も出るわけであります。従いまして、その辺をかれこれ考えまして、最後まで頑張つた場合と、土地收用法の趣旨を理解して大体適当の値段で売買の承諾をした、その人も最後まで頑張れば収用法の適用になるのだというような場合でありますれば、最後の段階まで行かなくても一応この規定の適用を受け得る、こういうような措置に現在扱つております。従いまして、その際に、意思に反して土地が移転するような場合におきましては、その形が強制的な収用の形をとる場合と、或いはそこまで行かなくて、今の譲渡の形で移転する場合と、そのいずれの場合におきましても、百分の六というような比較的低い税率で課税して行くというのが現在の状況でございます。
○藤野繁雄君 今のお話の中に、そういうふうにして応じた、応じたところのもので、更に新しいところの土地と交換したら全く税金はかからない。併し先ほども申上げるように、そういうような土地がないから、現金をもらつたら、百分の六の税金がかかるのがおかしいじやないかという話なんですよ。
○政府委員(渡辺喜久造君) 我々のほうの考え方といたしましては、代りの土地を買つたという場合には、いわば一つの交換に準ずるものじやないか。従いまして、これもまあやかましく法律論だけで分析して行きますと、必ずしもそういう結論が出るかどうか疑問でありますが、結局、甲の土地を乙の土地と換えた、これだけの話で済むのでありますから、一応課税の外に置こう。併しこれも全然課税の外に置くわけじやございませんので、甲の土地が乙の土地に交換された、その場合におきましては、甲の土地の譲渡額が乙の土地の取得価格である、こういうふうに見なしまして、乙の土地が手放された機会におきまして、甲の土地の或いは譲渡所得があるかも知れませんが、その分も合せましてその機会に課税しよう、こういう実は建前になつておるわけでございます。まあそういうふうな場合にまで至らなかつた場合におきましては、それは先ほど申しましたように、全然課税の外に置くのは、交換の場合に較べまして更に又大きな弊害を与えることになりますので、それは少し如何か。その場合におきましては、いろいろな事情もあり、無理な場合が出ますから、再評価の百分の六だけは納めて頂く、こういうのが現在の我々の仕事で、それが今の法律の条文になつております。
○藤野繁雄君 併し、そういうふうなことによつて土地が取られた、併しそういうようなのが大体において駐留軍が必要であるというようなときに取られるというような場合には、代りの土地を取ろうと思つたつて、代りの土地がない。代りの土地がないから、幾らか高く売れたといたしましても、その人は今まで農業をやつておつた者ならばその農業をやめなければならない。こういうようなことであると、その人は、金はもらつたけれども、生活の保障ができない、自分の仕事をやめなければならない、こういうような困難な事情になつて来るのでありますが、そういうようなときにも取る建前になつているのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) そういうような御事情もあるものでございますから、我々のほうでは通常の譲渡所得の観念で考えて行くのは無理じやないかというので、一応再評価の関係に持込みまして、再評価税相当額を納めて頂く、まあそれも取るのも無理じやないかという御意見のようでありますが、我々といたしましては、この程度のものは納めて頂くのが、今度土地の交換をした場合の分と較べましても、まあ適当なところじやないだろうか、かように存じておる次第でございます。
○小林政夫君 税制改正要綱の中にやはり洩れているのがありますね。例えば特別農業所得者というものも規定しなければならないので、そういう要綱に洩れたものについて十分説明してもらいたいのです。
○政府委員(渡辺喜久造君) 主な事項は要綱に実は書いてあると思います。今御指摘になりました特別農業所得者という考え方は実は現行法にもありまして、それの内容はこの際として別に書いてないのでございますが、ただ細かい点で或る程度手直ししたので、要綱の中に一々載つてないという分が、これは多少あるのじやないかというふうに思いますが、若し御必要ならばその点御説明申上げていいのですが、できましたらば多少時間を頂きまして、この次の機会までにむしろ摘録しまして、或いは差上げるなり準備した上で御説明申上げたほうが、余り時間を取らないで要領よく御説明できるのじやないかと思いますが、或いはそういうふうにさして頂ければ幸いと思います。
○菊川孝夫君 一般についてちよつとお尋ねしたいのですが、この要綱にもありまする通りに、直接税の負担を軽減、合理化するということはどうか知れませんが、まあ軽減して間接税の新設増徴を行う。今後直接税よりもだんだんと間接税に移行して行くというのが現政府の徴税方針の一番これはやりよい方法である。特に諸外国の例を見ますと、フランスあたりは間接税重点主義でやつているのですが、だんだんと間接税でやつて行こう。こういう方針で以て毎年国会の開かれるたびに税法改正をやつておるのですが、朝令暮改と言つていいほど変つて来るのですが、従いまして逐次そういう方向をとろうというような今の税務当局の御方針でありましようか、これを承わつておきたい。
○政府委員(渡辺喜久造君) 直接税を中心に考えて行くべきか、間接税を中心に考えて行くべきかといつたような問題につきましては、これはまあいろいろ議論のあるところでございますが、やはり現在といたしましては、全体としてはやはり直接税を中心に考えて行くべきじやないかという点は我々そう思つております。ただ直接税の課税が、これはまあ一つは国民所得の大きさ或いはその分布の状況、一つは財政の需要、そういつた二つの要請から出て参るわけでございますが、直接税自身が余りに所得の低い人まで直接税が及んで行くということにならざるを得ないような事態でありますと、これはまあ一面におきましてはいろいろ摩擦も多いし、徴税費もかかるということも考えられますので、それほど下のほうまで直接税で行かなければならないなら、或る程度の限度で以て直接税をとめて、その余はむしろ間接税のうちで、これもできるだけ奢侈的消費とか不急消費とかを中心としたもので課税して行くべきじやないか、そういう方向に考えて行くべきじやないかと、こういうふうに考えておりますが、全体としてはやはり直接税を中心と考えて行くという考え方は我々としては変えておりません。ただもう直接税自身が御承知のように、現在におきましても所得税だけとつてみましても、かなり低いところまで行つておりますので、その点は或る程度免税点を上げるといつたような意味におきまして、直接税の負担を一部間接税に移す、こういうことは許されていいのじやない一か。なお今度一応その方向で考えてみましたが、改正後における収入の直接税、間接税その他の比率を見て参りますと、二十九年度におきましては所得税が五割三分七厘、それから間接税が四割三分三厘、その他というのは流通税でございますが、これは三分ということになつておりまして、やはり直接税が相当、半分ちよつとございますが、大きなウエートを占めておるということにつきましては一応その姿が維持されているものと思つております。
○菊川孝夫君 次に所得税に入りまして、源泉徴収とこの申告納税の比率でございますが、源泉徴収はこれはかねがね申しておりまするように、非常に負担率はいいのですが、我々考えると、どうしても納税する対象になる人口割からいたしまして、今年の改正案の予定にいたしましても、源泉のほうは大体申告に比べまして約三倍になつておるわけであります。これは国民所得の総所得というのは経済審議庁で毎年発表されますけれども、国民所得の配分は、これはどういうふうになつているか、あなたのほうこの点が考慮されておるかどうか一つお知らせ願いたいのです。というのは源泉徴収に相当する国民所得の総所得のうちから源泉徴収されるものはこれだけ、これは大体予想表に出ておりますが、今度は申告所得に相当するこの経済審議庁の国民所得というのはどのくらいか。従いましてその比率とこの税の比率は一体どうなつておるか、こういう角度から御検討下さつて、そこで税の負担が公平に行われておるか、行われておらんか一応目安がつくと思うのですが、その点御検討になつて、この予算の租税収入並びに印紙収入をお出しになつたのかどうか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 租税収入の見積りを出します場合におきましては、過去における課税の実績を中心にして計算してございます。ただその場合におきましてよく今の菊川委員の御指摘になりました点は問題になる点でございますし、我々としましても相当注目すべき点でございますので、これにつきましての相当のチエツクはしております。 結論的に申しますと、国民所得のほうの、経済審議庁のほうで以て分配国民所得で一部を計算しました給与所得等の金額に比べまして、給与所得対事業所得の金額に比べまして、税のほうに出て来る給与に対する課税の税額と、事業所得に対する課税の税額とは、給与に対する課税の税額のほうが大きくウエートを占めておる。これは一応出て来る姿でございますので、何でそういう姿が出て来るかということについて我々のほうでも相当丹念に検討しておりますが、一つは事業所得、これは営業所得の場合、農業所得の場合、いろいろございますが、扶養家族の数が事業所得の場合のほうが……、大体給与の所得の場合でございますと一・六人でございますが、事業所得の場合におきましては農業の場合が五・三六、それから営業の場合は四・七、こういつたような姿になつておりますことなぞがやはりこうした面に相当現われて来るのじやないかというふうに思つております。 なお源泉所得税と申告所得税につきましてはいろいろやはりもう少し分析する必要があるわけでございまして、源泉所得税の対象をなすのは確かに給与所得に対する税金でございますが、その中で三百億程度の金額が、例えば預金利子に対する税金だとか配当所得に対する税金だとか、こういうものが入つております。この分はむしろ今度は申告所得税の場合には逆にこの金額だけ控除されて入つて来るというような点がやはり……。従いまして申告所得の対象になつている分の中ですでに源泉で納つている分を差引きますと、この七百という数字の中に更に別途三百億程度の税金が片方にあるということもまあ一つ考えて見なければならんかと思います。 それからもう一つの最近の大きな現象でございますが、毎年相当法人割というものがございます。大体営業者の中で所得が五、六十万、七、八十万或いはそれ以上の人たちがその事業を法人にして行く、それで法人になる前の姿におきましてはこれは事業所得として課税を受けるのでございますが、法人になりますと、給与所得になるか或いは法人の所得になるか、配当所得になるか、こういうふうに順々にそれが分解して分れて行く。だんだんそういう傾向が大きくなればなるほど源泉所得税のほうへ出て来る金額が多くなりまして、申告所得税のほうに出て来る金額が小さくなつて来る。こういうような各種の事情がそこにあるわけでありまして、まあいろいろ分析して参りましても、併しそれじや果して申告が百なら百、どうなつておるかというところまで実は細かく摘みませんのですが、かなり最近の状況におきましては順次改善の方途に向いつあるんじやないかというふうに考えております。 なお、これもついででございますが、今度地方税のほうで個人の事業税を百分の十二から百分の八に下げるという法案が提案されております。小さな営業者になりますと、所得税よりもむしろ事業税の負担のほうが絶対額として大きいといつたようなことが、かなり所得の把握をいろいろ困難にしていたような事情もあつたと思いますが、相当大幅な事業税の引下げというものが行われますれば、その辺のところも順次改善して行くことができるんじやないか、かように考えております。
○菊川孝夫君 詳しいことは各法案について又お尋ねすることにいたしますが、全般論で一遍お尋ねしたいのですが、次に二十九年度の租税及び印紙収入予算額、これを見まするというと、源泉のほうは成るほど二十八年度に比べまして四十九億、ざつと五十億くらいの減収になるわけでございます。ところがこの申告の場合だけは逆に五億七千万円、これはまあ増収に見込んでおられるのですが、これはどこにこの増収の根源を求められておるか。ちよつとこの申告なんかも、二十九年はどちらかと申しますと中小企業も大分弱つて来るんじやないか、むしろこれは減収になるんじやないかと思うのですが、あなたのほうは相当これは減税をしておる、同じように減税するわけですが、減税しながらなお増収になる、こういう見込ですが、これはちよつと楽観過ぎるんじやないかと思いますが、これはどうですか。 次に法人のほうもついでに願いたいのですが、法人税のほうも非常に二十八年度に比べまして二十九年度は法人税が百八億の増収を見込んでおられる。ところが最近の経済界の動き、新聞なんか、経済雑誌なんかを見ましても、二十九年度は非常に見通しは悪い、こういうのが一般のまあ見通しなんでありまして、特に株式市場の動き等を見ましてもこれは悪い。どこにも明るい、そういう法人税がこれだけ増徴できるというのは、私はちよつとむしろ下がるんじやないか、実際の税収の場合には。大蔵省の主税局のほうでは少し楽観過ぎるんじやないか、こういう事業関係の分は。この点について一つ御説明願いたいと思うのですが、私はそういう見方をするが、この資料を見ましても、あなたのほうはちよつと甘く見過ぎているように思うのですが……。
○政府委員(渡辺喜久造君) 最初に申告所得税のほうが減税にもかかわらず前年に比べての絶対額が五億七千三百万円殖えている。この点についてはこういう点を申上げたいと思います。二十八年度の予算は、これは補正予算後の予算でございますが、これは農業における災害或いは九州等における相当の風水害といつたようなものを一応考えましたために、当初予算に比べて四十億、一応申告所得税ではマイナスになつております。その点がまあ今度は少くとも先ず以て今年の予算を見積るときにおきましては、そうした災害を受けた、これはまあ毎年或る程度の災害はあるわけでございますが、昨年は特に大きな災害があつた。そういう特に大きな災害をここで見積る必要はないのではないかという点が、先ず第一に当初予算におきまして、最初の減税前の予算におきまして、この申告所得税が相当先ず以て大きくふくらんでいるわけでございます。その後につきましては、この説明にもございまするが、大体物価は或る程度下がるが、生産は大体基準年度に比べまして百五十億くらいで横這いして行くものだ、こういうふうに見積りまして、一応の数字を出したわけでございます。 それで改正後との関係になりますと、もう一つ申告所得税の実はマイナスを打ち消すフアクターがあるのですが、それは事項別増減収額調べに書いてございますが、事業税の引下げということがこれはまあ絶対額では約百億を超えるような……実はこの四ページを御覧願うとわかりますが、約百億を超える事業税の実は引下げが片方で行われます。そういうふうになりますと、事業税は現在所得税の必要経費で以て差引いておりますので、まあこの必要経費がそれだけ減つて来るということが、細かい計算になつていささか恐縮ですが、実は当然考えられるわけです。この分の引下げのはね返り等を要するに三十億増収に見ていいのじやないか。これは百億現実に事業税が減りますから、そこでそういうふうな数字を見ているわけでございまして、かれこれ大きなフアクターとしましては、一つには本年度の、二十八年度の分におきましては、農業において冷凍害による減収、それから九州等における風水害による減といつたようなものを見て頂く、今度はそれを見なくても済む。それから増減税の関係におきましては、事業税の減税なかりせばこれはそうならんのですが、片方に百億ちよつとの事業税減税による分がこの所得税の増にはね返つて来る。主としてこの二つでございますが、この二つの結果が最後の結論といたしまして、平年度と改正後の今年度と比べますと、相当の減になりますが、十一億ぐらいの減になりますが、前年度と比べまして五億七千三百万円の増収になる。この十一億という減が割合少いというのは、片方に事業税の減収があるが故に、源泉所得税におきましては所得税の減がまるまるそこに出て来るわけでありますが、申告所得税の関係におきましては、これは特に営業関係だけでございますが、そういうことがあるが故にプラス・マイナスの差引があるというのがこの数字の出て来たゆえんだと申上げていいと思います。 それから法人税についてのお話がございましたが、我々もまあ法人の業績というものがどういうふうに変化して行くかということについては相当検討しておりますが、この点だけ特に御注意願いたいと思います。と申しまするのは、二十九年度の歳入に入ります法人税収入というのは、実は会社の決算が全部三月決算と九月決算だというふうに大きく言いますと、これは大部分でございますが、今年の三月決算の分と九月決算の分、これが二十九年度の歳入に入つて来るわけです。そうして三十年の三月に入ります決算の分は、これは三十年度の歳入になるわけでございます。従いまして景気が或る程度下降傾向に今後行つたとします場合におきまして、二十九年度の歳入に入つて参りますものは、まだ下降傾向の始まり、それほど下降して行かない、最初の時期と、それからちよつと好景気に入りかけた時期、この分が昭和二十九年に入つて来るわけでありますが、三月の決算つきましてはいろいろ我我も調査されたものを調べておりますが、割合に会社の収益はそれほど悪くなつていないという数字が出ているようでございますし、それこれ見て参りますと、まあこの見積りが特に楽観に過ぎているというふうに我々は考えなくともいいんじやないかと考えております。
○菊川孝夫君 次に一般的なことにつきまして、法人税につきましてもう二点お伺いしたいのですが、第一は、この要綱にある資本構成の是正を図るために再評価をやろうというのがあなたの趣旨だと思うのですが、ところが最近の資産再評価というやつは、増資を行なつた場合については特別の軽減措置を講ずるものとするというのですが、成るほど各企業はそれぞれもう日銀の金融引締で、金融の途がなかなか梗塞状態にあるために、止むを得ざる措置として、増資によつて資金を賄おうとする傾向が大分強くなつた。ところがやつて見ますると、去年あたりの増資は非常にスムーズに行つて、増資そのものが人気を煽つたのでありますが、最近におきましては増資忌避の傾向にありまして、増資をすると失権株が相当出るというような状態にあるわけです。この法人税の要綱に示されているのは、去年の今頃、二月頃の状態であつたならば、成るほどこういう第一項のような趣旨でやつて行けると思うのですが、これは非常に疑問が私はあると思うが、これらの点については、法人税と大きな関係のある問題ですが、どういうようにあなたのほうでやつて行こうと思つているのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 現在オーバー・ローンの話がありましたり、オーバー・ボローイングの話がありましたり、結局会社の資本の内容が他人資本に依存し、その率が割合に多いし、自己資本のほうが比較的少い、戦前に比べまして。従つてこれは健全な姿でないから、できるだけやはり自己資本のウエートを大きくするように措置して行くべきだと、これは一般に言われているところであろうと思いますが、ただこの場合におきまして、実は菊川委員の言われたような事情があればあるだけにこういう措置もむしろ考えていいんじやないか。割合にスムーズに増資が行われている時期でございますならば、税法のほうで特殊に、特にそれを奨励しなければならんというような必要も果してあるかどうかという疑問でございますが、まあ最近の事態はいろいろ増資がしにくくなつております。 それから私はちよつと違つた理窟だと思いますが、普通世間でよく言われておりますのは、借金をしていれば、例えば一割なら一割の利子で済む。自己資本にすると、一割の配当をするためにも、法人税があるから一割以上の利益を上げなければならないので、そこに増資に対するいろいろな支障があるんだと、こういうようなことは、私はそのままそういう御意見を受入れるつもりはないのですが、併し一応のそういう理窟もあるんじやないかと思つておりますが、そういう点を考えて参りますと、現在のままであればなかなか増資がしにくいという事実があるだけに、何かこの機会にやはり臨時的な措置としてこういうようなことを考えて行く必要があるんじやないかと、かように考えているわけであります。
○菊川孝夫君 その配慮はよくわかるが、それによつて相当期待をしておられるようですが、資本構成の是正を図るということですが、却つて資本構成の是正を図りますと資本金が殖えてしまうということから、実際にこの資本金に対しましては、殆んどみな今何割配当をやつているというのは、実は実際の資本よりも、再評価されていないためにそれだけの配当ができているんですが、殆んど完全なる資産再評価が実施されてしまつたら配当どころの騒ぎじやなくなつて来る、配当なんてものはできなくなるのじやないか。その資本に対する率はうんと下ることはわかるのですが、そういうふうな傾向になつて来ますと、ますますこれは株式過剰になつて来る。そうして増資ができなくなつて、失権株が殖えるということになつて、実際やろうと思つても、今年なんかやろうと言われても非常に困難なんで、去年あたりはこういうことは実はできたと思うので、そういう傾向にあることはあなたのほうもお認めになつているのですか、実際はできないということは。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ要するにこういう措置というよりも、こういう措置を行いましてもなお且つ増資が困難じやないか、そういう姿に現在経済界の実情は相当追い込められているのじやないかというふうな御意見だと思いますが、この点につきましては、片方ではなかなか増資の必要といいますか、自己資本を是正する必要があるわけでございます。同時に最近の事態を見て行きますと、相当それを困難にするような事情にあるということは、これは我々もそうだと思つております。少くとも昨年の今頃と比べて、只今大分形勢が変つて来ているということはこれは言えると思いますが、ただそういうふうな事態にありますだけに、やはり何かそれを促進するような措置は考えて行つていいのじやないか、こういうふうなのが一応こういう法案を提案した理由であります。
○菊川孝夫君 次に四項の「プラント輸出の場合には対価の五%を控除する」、このお話でありますが、このプラント輸出につきましては輸出入銀行が融資をいたしまして、一般の輸出とは大分その面からも国の補助があるわけです。で、而もその輸出入銀行の借入というやつは期間も長くて、これに対しては非常な援助が、国家的な援助がなされている。更にこれは税の面においても大きく普通の輸出よりも援助をしているということになると、見方によりましては、国の財政措置で以て一つのダンピング、こういうふうな嫌いがあるのじやないかと、こう思うのですが、これに対して特別にプラント輸出の場合のみに対価の五%控除をするということはどういう理由か。それから五%にせられたということについて聞きたい。なぜ五%か、どうせ徹底的にこいつをやろうというならば、もう少し殖やしてもいいということも又成立つのですが、五%控除せられたのはどういう理由ですか、それをお聞きしたい。
○政府委員(渡辺喜久造君) プラント輸出の問題でございますが、将来日本が貿易で伸びて行く場合におきまして、従来割合に軽工業的な製品、そういうもので、輸出の重点がその方向にあつたわけです。併しどうしてもやはり重工業的な方向に切換えて行かなければならない。更にまあプラントという定義がなかなかむずかしいものですから、法文のほうでは多少違つた形ではつきりした定義付けを実はいたしましたが、まあ概念的なプラントというもので考えて参りますと、プラントを一応輸出して置けば、これは提携的なプラントであります場合におきましては、一度の輸出が、将来例えば部分品でありますとかいろいろな形においてあとの輸出を引張り出してくれると申しますか、引出してくれるといいますか、そういつた意味におきまして、プラント輸出というものについては、将来重工業に相当輸出の重点が移つて行くべきではないかということと同時に、そうした重工業製品のための市場開拓の上から見ますと、プラント輸出というものはかなり重要じやないか、こういつた考え方からいたしまして、通常の場合の三%に変えて五%という、まあ例えばフエイバーを与えたらどうかということに一応御提案申上げたわけであります。 それじあ何で五%という数字が出たか、これは必ずしもはつきりした計数的な根拠があるわけじやありませんが、まあ重工業製品等の通常の収益率等を睨合せまして、やはり五%ぐらいが適当じやないかというふうに一応出して見たわけであります。 なお、これがダンピングの問題を惹起する虞れはないか。まあこれはいろいろ議論があろうと思いますが、我々といたしましては、現在のところこの程度のフエイバーを以てすぐダンピングの問題が出て来るというほどのものではあるまい、かように考えております。
○菊川孝夫君 そういたしますと、このプラントの輸出の問題につきましては、輸出入銀行が融資したからプラント輸出……、こういうふうに見るわけじやなしに、重工業の本当の設備輸出、こういうふうに限定して考えておられるのか、これは。
○政府委員(渡辺喜久造君) 租税特別措置法をちよつと御参照願いたいと思いますが、七条の六でございます。新旧対照表でございましたら二十一ページ、改正法律案でございましたら二十二ページでございますが、新旧対照表のほうで御説明しますと、そこに二項というところがございまして、前項第二号又は第三号の設備等は、左の各号に掲げる物品でその輸出契約の契約金額が千万円をこえる場合における当該の鉱工業生産設備とか発電及び変電設備、こういうような一号、二号、三号というふうに列挙してございます。まあプラントとは何かというので実は通産省のほうとは大いに議論をいたしましたし、我々の中でも議論したわけでございますが、一応現在の輸出の実情等を見て参りまして、まあこの程度のものを以てここに要綱のほうでいうプラント輸出を考えたらどうか。輸出入銀行との関係におきましては、輸出入銀行のほうには設備と書いてありますが、どの程度のものについてこれをプラント輸出として特別な融資をするかというのはケース・バイ・ケースで具体的にきめているようでございます。金をまあ貸そうか貸すまいかといつたようなところでございますので、それはそれで済むのかも知れませんが、課税の問題になりますとケース・バイ・ケースできめるというわけにも参りませんので、やはり一応の基準を作つておく必要があろう。そこで具体的に我々のほうで百分の五に扱おうというのは、今申した七条の六の二項の各号に列挙されているもの、こういうことで一応この分だけについて百分の五を適用したらどうか、こう考えております。
○菊川孝夫君 これによりますと、まあ一号のはこれは或る程度わかるのですが、今主税局長の御説明になつたような理由から、これを輸出した場合にはあと続くということはわかるのですが、二号と三号、特に三号のこの船舶、今問題になつておりまする船舶につきましては、これはまあ計画造船とは多少は違いますけれども、やはり造船関係ですが、二号、三号の、特に三号のごとき船舶だとか自動車だとか、これをプラントとみなすかみなさんかということは、これは大きな問題だと思うのです。特に輸出入銀行の融資の場合にも殆んど船舶に融資しておる。こんなものは部分品の購入だとか、あとから日本の製品がこれに続いて出て行くということは非常に私は疑問があると思うのですが、これはやつぱり造船会社あたりの運動から……、その辺大丈夫ですかな。(笑声)
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ船舶がプラントであるかないかという議論は、これは私たちのほうでも大分してみましたが、やはり船舶というのはエンジンも持つておりまするし、いろいろなそこに設備を持つておりますし、いわば海の上に浮んでいる総合的な一つの施設でございまして、これはやはり一つのプラントじやないかというふうな考え方が許されるようでございます。それから自動車などにつきましてもいろいろ議論があつたわけですが、そこで実はそこに契約金額の千万円というのが一つ実はあるわけでございまして、デイーゼルエンジンのバスなどがよく輸出されておりますが、それが一台出た程度ならば、これはプラントとは言えまいけれども、五台でも一緒になつて出て行けば、五台、十台出て行けば、そこに一つのプラント的な感覚が入つて来て許されるじやないか。これはプラントという概念が、実は我々取組んでみましたが、非常にむずかしい概念でございまして、そこでどうしてもやはり輸出契約のところで或る程度まとまつたものであるという概念をそこに入れることによりまして一応の考え方が出て来るじやないかというのでこういう結論を出してみたわけでございます。
○菊川孝夫君 次に第五号の今度、この前につぶれました、法人の支出する交際費、接待費、機密費等が損金に算入しないという問題でございますが、今これは特に造船会社を中心に問題になつておる交際費の問題ですがね、この交際費の範囲、これは船会社の交際費につきまして聞きましても、宣伝費と交際費というものは殆んど区別がつかない。それからその分け方をどういうふうにするかということになると、これは又税務署関係と船会社との間に非常な又いろいろの運動が起る危険があるじやないか。これを交際費に見るか見ないかという問題。それからもう一つここで政党献金というやつが、相当赤字を出しておるような会社、法人におきましてもむしろ政党献金だけはやつておる。それから今度は造船工業会であるとか船主協会であるとか、これは各船会社から組合費として或る程度の会費を徴収して、これをまとめて献金すると、こういうようなものは一体交際費の中に見るものか、見ないものかということも問題になつておる。これらは御見解はどういうふうに扱われるか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 交際費の関係はやはり措置法に今度は入れまして、一応臨時措置として先ずやつてみたい。新旧対照表でございますと十八ページを御覧願いたいと思いますが、大体の考え方は、前回御提案申上げたときと同じでございますが、単に交際費というだけでなくて、接待費、機密費、その他の費用で、得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、饗応、慰安、贈答、その他これらに類似する行為のために支出するもの、併し従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、そういつたようなものの費用は入らない、こういう意味で一応の定義をしてみておるのでございますが、これは確かにおつしやるように、或いは宣伝費の問題だとか、或いは会議費の問題だとか、或いは値引の問題だとかいろいろむつかしい限界があるじやないかと思つております。ただ今度前回と多少考え方を変えましたのは、前回は全法人にこれを適用するように実はしておつたわけでございますが、これは法人の数も非常に多うございますし、同時に税務署の扱つております場合におきましてはかなりいろいろなトラブルが起きることも予想されるようなことも考えまして、同時に一面社用族的なという言葉がよく使われますが、こうした関係はそうした小さな同族会社のほうの問題じやないか。そこで今度まあ考えました一つの構想は、いわゆる我々のほうの調査課で扱つております資本金で言えば五百万円以上、こういうものだけに一応適用を限定したらどうか。そういうふうにしますれば、対象の数も少くなりますし、又調査する者も相当手掛けておりますし、調査を受ける会社のほうも割合に程度が整つておるということが考え得るじやないだろうか。そういうような意味におきまして、前回に比べまして、まあ多少あとから出した知恵で恐縮でございますが、まあそういう小さな法人はこの際としては関係抜きにして、調査課所管の法人に限定するということで大部分の目的は達し得るのじやないかというのがここの規定を作つた現在の立案の本旨でございます。 それからまあ政党献金とか、そういう関係は、これは本来の姿で言えば、やはり一つの寄附金として考えるべきもので、交際費という概念ではないのじやないかというふうに思つております。従つて寄附金としてそれが制限外のものか制限内のものか、そういうふうな角度で考えられて行くべきじやないか。それから或る例えば何とか工業会という形で、そこを経て参りましても、通常の工業会の会費とそれは大分性格が違いますので、やはり工業会を通じての寄附金、こういうふうに考えて行くべきじやないかと、かように考えております。
○菊川孝夫君 酒税につきまして今度清酒特級、一級、それから雑酒の一級、高級酒類だけは税金を上げる、こういうような方針らしいのですが、この中にビールだけは高級と見るかどうか大分問題だと思うのですが、ビールというものはもう大分普遍化しまして、ビールは大衆の、酒と比較するなら、これは二級ぐらいに比較していいと思うのですが、これはやはりビールにも少し加えたというのは、酒造組合とビール工業会のあれで、これもやはりビールだけを少し加えた、こういう主税当局の配慮があるのですか。僅かばかり形式的にちよつと加えてあるのですが、これは一本どのくらい加わつて来るのか。
○政府委員(渡辺喜久造君) ビールを石千円で値上げしますと、ビールは大体びんは三合五勺入つておりますから、一本について大体三円五十銭上るというふうにお考え願つていいと思います。それで値段の点につきましては、現在は中身だけですと百七円、それからびん込めは百二十二円になつておりますが、今度まあ全部びん付きという単純な姿を考えてはおりませんが、原則としてはやはりびん付き価格にしたほうがいいのじやないだろうかという考え方があるわけでございます。その場合におきましても、びんを或る程度の値段で小売屋が引取ることを別途考えるべきじやないかということを考えておりますが、このあれでしたら大体びん付きの現在の百二十二円が百二十五円ぐらいで収まるのじやないだろうかと、税だけ加えますと百二十五円五十銭になりますから、麦は多少上つておるかどうか知れませんが、余り原料は上つておりませんから、造石が殖えておりますから、少し業者の人に勉強してもらいまして、税のほうは三円五十銭上りますが、値段を百二十五円ぐらいに持つて行つたらどうだろうか。そうしますと割合に切りのいい値段にもなりますから、その辺がどうだろうかと、そうしてビールは一体この清酒の特級、一級と並べられるようなものかどうか、これは実はいろいろな御意見を私も伺つております。何か最近は随分普及化しているのだから、いわゆる清酒の二級ぐらいに考えるべきじやないかという意見もあれば、いや、ビールというものは実はもう半分以上料理屋とかカフエーとかバーとか、そういうところで消費されておる。従つてビールそのもの自体を考えてみれば、これは果してどうか、これは議論があると思いますが、結局やはりその時代、その国の姿、ドイツなどに行つてビールを考える場合と、やはり日本でビールを考える場合とちよつと違うのじやないか。これがだんだん一般の家庭に普及して行きますれば違つた姿になると思いますが、現在のまあ消費されておる姿から見ますと、やはり程度はいろいろ考えておりますが、このぐらいの引上げもまあ止むを得ないのじやないか、こういう結論を出したわけでございます。
○菊川孝夫君 次に砂糖の消費税、これはその消費税のところに行つて詳しくお尋ねしたいと思いますが、砂糖は、輸入をいたしまして原料糖を製糖会社に割当をしますると、製糖会社といたしましては割当をもらつただけで……、今の為替レートは誰が考えても日本としては非常によくないのです。従つてその為替レートで輸入したものを、割当を受けるということになつたら、割当を受けただけでも、今の国内価格からすれば製糖会社は非常な儲けになる。その上で今度は又この砂糖消費税の延納期間が認められておりますが、この額は製糖会社といたしましてはもう庫出しするときに全部消費税はとつてしまつている。現金主義でやつている。最近の砂糖製糖会社は非常に強気で、今の砂糖の値上りから見ましても強気ですから、消費税みんなどんどんとつてしまつた。その間三カ月の猶予期間がありますが、その間に廻すだけの消費税だけでも莫大な、見方によりましては税金の浮貸しという恰好も生じる。従つて砂糖会社は今各事業のうちで一番有卦に入つているというのですが、消費税よりも、むしろそういつた製糖会社はこの割当を受けるだけで以て利益を受けるというところから見て、この点を徴税の面で配慮する必要があるのじやないか。この消費税を上げてしまいますとみんな消費者にかかつて来る。子供の菓子にまで全部税金がかかつて来るのですが、その点を考慮する必要があるのじやないか。今度の改正に当つて特に砂糖の問題につきましては、農林省の食品課の割当業務、これはあなたのほうの徴税業務よりも、むしろ割当業務のほうにかかつて来るのじやないかと思うのですけれども、従つて砂糖工業界で莫大な政治献金が行われているということを流布されて、一つの、これも造船疑獄と同じように注目されようとしているのでありますが、その矢先におきまして消費税を更に上げる。而もこれは大衆にみんな転嫁されてしまう。砂糖会社はちつとも痛くも痒くもない。こういう状態は、砂糖消費税の取扱い方につきまして再検討の要があるのじやないかと私は思うのですが、この点主税局長どうお考えになりますか。そういうことは事実あると思うのですが、税金の浮貸し的な性格が一つ生じる。このあと一体どのぐらい製糖会社は一応税金をあずかつている期間、それから額、月額にしてどのぐらいになるか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 砂糖消費税の、庫入の見積りが増税前において三百二十三億、増税後は三百八十億、こういう数字からいたしまして、大体一月に納めます税金が約三十億前後ということを考えて参りますと、大体今何カ月そこで税金があと払いになるかということで或る程度の推測はできると思います。ただ併しこれは私のほうの調査がまだ不十分なのかどうか知りませんが、最近の状況におきましても現金取引が行われているというような話は聞いておりません。まあ強気であればそれは手形のサイトは短くなりましようし、或いは弱気の場合には手形のサイトが長くなる、こういうことはこれはおのずからあろうと思いますが、そう現在において現金取引にまでそれが切替つているという話は聞いておりません。ただ一応強気の場合におきましては相当売手市場になりますから、取引の状態などが相当売手に強くなりますから、従つて現在認められております期間に比べまして或る程度ゆとりがあるということはこれは生ずるかとも思いますが、併しこの問題は割合に市場の姿によりましていろいろ変るものでもございますので、恒久的な制度として現在できております納期を、そのたびそのたびに変えるのも如何かというので、今回別に納期の点については従来と同じように扱う以外のことを実は考えておりません。 ただ砂糖の税率の引上げの問題につきましては、どうもやはりこれも値段と裏腹なる問題ですが、なかなか有効需要が相当強うございまして、先日までの値上りは少し思惑的なフアクターがいろいろ入つておりましたもので、その後或る程度値下りを見た、こういうような事情にあるようですが、そこに或る程度やはり輸入との結付きからしまして相当強気のものがあるのではないだろうか、そういうことも考えて参りますと、やはりそれだけで相当強気の相場を出すわけでございますので、むしろ或る程度の増税によりまして、有効需要を少し小さくするということが考えられましても、どちらにしても消費者に対する価格というのはそれほど違わんで済むのじやないか、このような考え方から一応今回の二割程度の引上げを適当と考えたわけでありまして、まあ国際収支の改善といつたようなことに多少ともこれで寄与できるのではないかと考えておるわけであります。
○菊川孝夫君 今原糖を輸入した場合には九九%くらいまでは大体製糖会社に行つてしまう、而もその製糖会社に渡るのはトン百十五ドルくらいで渡る。実際の相場としては百六十ドルか百七十ドルくらいまでで、これを円にすると六十円くらいで買えるのだが、市価はどうしても七十円です。年間原糖の割当だけでも製糖会社の儲けになるのは大体三百億くらいで、黙つておつても、原糖の割当だけでも今年九十万トンというのですが、去年は三百億くらい入つている。更にそれに税金の浮貸しができる。あなたは今製糖会社のほうから出す場合に現金取引じやない、手形でやるというようなことを言つておられたが、今製糖会社へ砂糖を買いに行くのに手形では売つてくれない、皆現金でなければ売つてくれない、だから製糖会社は相当有卦に入つている。まだそういう面には考慮をされない。而も消費税の税率の引上げは、これは皆大衆に転嫁するというような、砂糖消費税の行政の上に私はこういう点から考慮をされて然るべきだと思うのですが、十年一日のごとく消費税一本、而もそれは延納を認めるので、製糖会社は莫大な利益を受けているということになつて、製糖工業界からは相当な政治献金をやつて、そのために砂糖消費税の問題だけはいつも大衆課税にしてそのまま据え置かれているという問題は、これは大きな問題だと思う。今国会の各委員会におきましても調査中ですが、従つてあなたがたが砂糖消費税と取組まれる場合には、そういう角度も一つ検討して、この際改正案を出されて、ただ税率の引上げだけでなくて、私はその点も考慮して欲しいと思う。
○政府委員(渡辺喜久造君) 砂糖の値段は勿論消費税も入つておりますが、消費税が高くなつたというだけですぐに上るかどうかというよりも、むしろやはり現在としましては大きな需給関係で行くというふうに考えられるわけでありまして、結局砂糖消費税が現状のままでありましても、やはり値段は上るべきものはむしろ上つて行くのじやないだろうか。従つてむしろ或る程度砂糖消費税を上げることが、或いは砂糖会社の負担になるのかどうか知りませんが、まあ一応そこに大きな利益というものがむしろ減殺されるゆえんではないかというような考え方を我々はしております。そこに厖大な利益があるとか何とかいう問題につきましては、例えばドルの割当を受けましてキユーバ糖を引取つた場合或いは台湾糖を買つた場合、バーターで買つた場合、スイツチで買つた場合、まあいろいろな各種の事情があるようでありまして、今の数字は実際にべらぼうな点だつてあるのですが、いろいろな事情があるようでございまして、必ずしも今お話になつたように三百億の利益だというのも如何かと思つております。
○菊川孝夫君 一つだけお聞きしますが、繊維消費税は一番問題ですから、あとでこの税の審議に入つたときにお聞きしますが、入場税の国税移管ですけれども、配付金特別会計で今後はやつて行こうというのですが、この入場税に目を著けられた理由。これは入場税とよく匹敵するのは何と言つても遊興飲食税だと思います。遊興飲食税のほうがむしろ偏つているのではないか。今問題になつております中川みたいなものは、これは東京以外にはないのでありまして、こんなのは人の話に聞いて見ると随分想像以上のものです。又熱海には温泉街がある。従つてこれは一番偏つていると思うんですが、入場税もそうだと思う。田舎へ行つたら映画館も何もございませんから……。入場税に目を著けたと言つて、遊興飲食税をそのままにせられて、この入場税を交付税及び譲与税配付金特別会計に繰入れて、九〇%は人口割せられるということは、一応理窟ではわかるのですが、そうするならばこの遊興飲食税もなぜせられなかつたか。これにはやはり政治的な圧力で、いわゆる今の現政府と非常に密接な関係にあるああいう高級料理店あたりから圧力が加わつて主税局ではできなかつたのだろうか、この点が一番問題だと思いますが、一応お聞きしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 入場税と遊興飲食税の偏在の度合でございますが、これは実績について見ますと、入場税の偏在のほうが大きいように見ているのであります。二十七年度の数字でありますが、全府県の平均が、人口一人当りにいたしまして二百四十八であるのに対して、東京都が九百十九円、鹿児島県が少くて九十八円、一番少いのが茨城県で五十三円、なお大阪府が六百九十四円、こういう数字になつております。これに対します遊興飲食税の数字は、全府県の平均がやはり二十七年度人口一人当りでありますが、百五十八円、東京が三百六十七円、大阪が三百十一円、茨城四十八円、鹿児島が七十八円であります。 この機会に何で入場税だけ持つて来たか。入場税を持つて来ました理由は、これは私はとにかく現在のように非常にまあ偏在している財源でございますので、これをやはり平均化するという措置を講ずることが、一面にたばこ消費税のような独立財源を府県に与えることもできるゆえんでございますし、まあそういつた意味から考えて行つていい問題であるというふうに思つております。 それじやなぜ遊興飲食税もついでに入れなかつたかというまあ御質問でございますが、これはまあ当初やはり遊興飲食税と入場税と両方持つて来るということでいろいろ議論をして見たのでございますが、いろいろな事情もありまして入れなかつたのでございます。その一つは、まあ税務署としましてもちよつと今すぐにこの二つを処理するだけの能力も如何かというような点もあつた、こういうことを申上げておきます。
○菊川孝夫君 遊興飲食税につきましては、今御説明になつたのは、成るほど実績はそういうふうになつております。ところが入場税というのはこれは随分多いものでありますから捕捉率はいい。ところが遊興飲食税は今問題になつている森脇メモの中川、それは遊興飲食税なんというものは払つていないと僕は思う。そういうものはとらないで、本当の一部だけはとつてあつて、捕捉率は非常に悪い。五〇%ぐらいだと思う。本当に捕捉されているということだつたらもつと私は極端な数字が出て来ていると思うのです。そういうところを全然考慮されずに、これは何かそういうところでは捕捉されてないとするならば、国の徴税能力のある国税庁が乗り出して、これを公平を税負担という角度から是正する必要があるんじやないか、こういうふうに検討をされる必要があるんじやないか。入場税はもうわかつておりますからやりやすい。ところが遊興飲食税はやりにくいということは、これは主税局長も大体お認めになると思うのだが、どうですか。その点から考えずに、今挙がつた実績だけから説明されて、数字を挙げて、今こういうふうになつているんだというふうに言われるのは、ちよつと本当の素人ごまかしのあれだと思う。
○政府委員(渡辺喜久造君) いや、別にごまかす気持はありませんが、実績の数字からいいますと、入場税のほうが現在偏在度が大きい。それだからと言つてそれは遊興飲食税を国税のほうで徴収しなくていいという理由になるとも私は思つておりませんが、今度入場税だけ持つて来た、と言うのは語弊がありますが、入場税につきましては国において徴税する、遊興飲食税についてはそういうことをあえてしなかつたという点につきましては、この際としては一応入場税だけを先ずやつてみようという考え方でそういう結論が出た。こういうことであります。
○菊川孝夫君 やがては遊興飲食税も、今も部内でも議論があつた、いろいろな事情からやれなかつたということですが、如何に税務署としてもそういうことはちよつと手が出せん、やがては時期を見てこういう特別会計もできるということになると、やはり特別会計は今後殖やすような見込で以てお考えになつて行きましようか、この点だけ一つ。
○政府委員(渡辺喜久造君) それぞれの人としてはそれぞれの意見があると思いますが、併し政府といたしましては、現在のところ将来遊興飲食税を国で徴収するように持つて来るとか持つて来ないとかいうことについてはまだ何らの結論も出しておりません。
○菊川孝夫君 主税当局といたしましては、これについても考慮しなければならんというふうな議論になつていたというお話ですが、いろいろな事情という、そういう事情についてはお聞きしなくても、我々の想像した通りに受取つておきますが、本当に良心的に徴税当局として考えられました場合には、これに手を著けるという以上は当然向うも手を著けなきやならん。これは私は良識ある徴税当局として考えなきやならん問題だと思うのです。その点については検討を今後加えられるか、これは当分見逃してそのまま地方税に置いておく、こういうお考えかどうかお聞きしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 政府といたしましては、現在のところまだその点につきましては何らの結論は出しておりませんが、将来の問題としましてはやはり検討はなすべき問題であるというふうに思つております。
○菊川孝夫君 最後に、奢侈品繊維税のいろいろ原糸課税からずつとこちらへ行きあちらへ行きまして、予算がきまつてからこの税法のほうでは最後まできまらなかつた。その経緯は、予算を先にきめる、従つてこれだけ取るんだと言つておいて、それでどこから取ろうというところで、結局最後に廻り廻つて一番弱いところへ行つてしまつた。こういう結果になつたのは非常にあと味の悪い結果だと思うのですが、これのほうは税金をかける、それで予算はどれだけ上げるということで、毅然たる態度を私は示されるのが本当じやなかつたかと思うのですがね。予算には先に持つて行つてしまつておる。繊維税として出てしまつて、あとであちらへ廻りこちらへ廻りして結局一番弱い面へ行つた。あと味の悪い面である点については、今後徴税を遂行される場合にはいろいろのところからこれは反撃が起きて、徴税事務の遂行上非常にむずかしいんじやないか、こういうふうに思うのですが、この経過を一遍御説明願いたいのです。何で最後に廻り廻つてこんなところへ来てしまつたか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 当初は原糸課税とかいろいろ検討しておつたのでございますが、原糸課税の線で行きますと、どうしてもやはり徴税は比較的しやすい面がございますが、結局例えば絹の例をとつてみますと、銘仙の場合におきましても、それが錦紗になり結城になつても、使う糸が同じなら負担する税金は同じだ。担税能力からいいますと、やはりできるだけ消費に近いところで課税するのが適当じやないだろうか。今度の案で大衆課税とかいろいろ御批判を受けておりますが、例えば洋服の事例をとつてみましても、原糸課税の場合でございますと、これは百パーセント、ウールなら当然課税してよかろうという御意見が出るんじやないかと思いますが、勿論税率によりますが、現在の実情を見て参りますと、学生服であれば一万二、三千円のものがみんなピユア・ウールでできておる。サラリーマンが普通着ます一万四、五千円から一万七、八千円の洋服は全部ピユア・ウールである。こういうふうな点を考えて参りますと、やはり原糸課税という考え方は相当荒つぽい考え方であつて、それこそ大衆課税的な色彩が相当強い。むしろ製品で或る程度課税するという考え方のほうがよかろうじやないか、こういう考え方が出て参つたのでございますが、それではその場合におきまして小売で以て課税するか或いはその前の段階で課税するか、これが相当議論になつたのでございますが、ここで課税するとなりますと、納税者の数も一万六千といいますか、相当大きな数に上りまして、ちよつと徴税のほうも手が廻りかねましようし、又その納税者となられる方々も、帳簿その他におきましてかなりむずかしい。例えば洋服屋さんなどは職人気質の方などが多うございまして、その前の段階であれば、これは或る程度帳簿組織もついて行くのではないだろうか、こういうような点を考えまして、一面ではそれが奢侈的なものに限定すると同時に、又一面では余り納税者の数が多くないところで把握するという考え方をとるべきだろう、こういう考え方の下に現在のような結論に到達したわけでございます。
○菊川孝夫君 詳細は逐条審議に当つて各税法でお尋ねしたいと思いますが、最後に今回の、先般出されました税法の改正の諸法律案を一貫して見ましたときに、いわゆる一兆円予算で打切つて、耐乏生活を国民に要請する、その上に立つて租税に対しましては国民の協力を求めて行こうという御方針でなければならんと思うのですが、ただ単に、一貫して見まするところによりますると、今までの税法に多少の凸凹を少し加えただけであつて、ここにその気概というものは、今までのずつと来たしきたりと、去年のと大して変りはない。多少出入りがございまするけれども、そこに私は一貫して耐乏予算で国の経済再建を図つて行く、困難な国際的経済情勢の下において対処しようという気概が余り今度の改正には見られないように思うのですが、根本的に地方税と国税との関係、入場税だけは捉えてこういうふうにやられるのですが、地方税と国税との関係、それから国際経済情勢との対比において根本的な税制改正を必要とする段階に来ておるのではないか。 税制審議会におきまして答申しました答申案と比べましても、今回の改正は殆んど主張が容れられていない。答申を我々は前に拝見しまして、相当思い切つた答申案だと思うのですが、これが大して取入れられていない。結局我々その気概が見られないような気がするのですが、ただずつと少しずついじくつて、理窟はそれぞれ立つていますが、従つて最後に一つ主税局長からお伺いしたいのですが、主税当局としましては年々のちよつとした部分的な改正だけで追われまして、そういう問題と取組む余裕はないのか、それとも根本的な税制改正というものにつきましては相当熱意を持つて今取組んでおられるのか、それが仮にあるとするならば、来年くらいはそろそろその問題が出て来るだろう、そういうお見通しをお聞きしまして、私の質問を一応これで打切りたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 過般の税制調査会におきまして、いろいろ中央地方を通ずる税制の改正につきまして随分御議論を願つたのでありますが、そのときの一番基本的なお話の一つは、何といつても直接税が高い。所得税、法人税、そういつたようなものが高いというのが一点。それから地方財政の財源偏在という点が相当顕著であるから、これを直すと同時に、一面、例えばたばこ消費税とか、そういうものを地方に財源として付与することによりまして地方財政の健全化を図つたらどうか。同時に地方税の全体が比較的高い。特に事業税においてその負担の高いことが非常に著しいから、この辺を是非直したらどうか。それでできれば国の減税によつてそれを賄うべきであるが、それだけでは不十分なるが故に、場合によつて間接税の或る程度の増徴も止むを得ないじやないか。こういつたようなお考えが税制調査会の中で太く出ていた幾つかの線ではないかと思つております。 今度の改正案におきましては、一兆円予算との結び付きもございまして、遺憾ながら国税のほうでは減税といつたような姿のものにはなり得ませんでしたが、地方税関係におきましては、先ほどもちよつと申述べました事業税の減税等によりまして相当の減税をしまして、これによる財源を国税のほうで面倒を見ただけで八十七億ございます。そのほかに地方団体が自前で以て富裕団体がなした減税も別途あるわけでございまして、そういうような意味におきまして、まあ非常に不十分なものではありますが、地方税については或る程度のまあ準減税がなし得た。国税についてはそれはなし得ませんでしたが、併し全体の考え方としてありました直接税をできるだけ軽減するという方法は何とかして考えて行きたい。そこで非常に不十分ではございますが、所得税におきまして、特に低額所得者の負担を軽減することを目途にする基礎控除の引上げ、扶養控除の引上げということを御提案申上げておる次第でございまして、一応まだまだこれでは不十分だとは思いますが、現在の状態としては止むを得ないのじやないか。 なお、税制を今後どういうふうに持つて行くかという点につきましては、主税局としましては今後とも更に検討を続けて行きたい、かように考えております。
○土田國太郎君 私租税特別措置法につきましてお聞きしたいのでございますが、四ページの、第二条の四でございますがね。株式配当の源泉を百分の二十を百分の十五に引下げるということで、まあ引下げは結構なんでございますが、併しながら、これは総合課税には同じことになつて、イクオール・ゼロなんですが、何か必要ありましてこういうふうにされたんですか、その点お伺いしたいのでございますが。
○政府委員(渡辺喜久造君) 土田委員もおつしやいましたように、株式配当の源泉課税の関係は、結局まあ総合所得税のほうへ参りまして清算されますので、必ずしもこの源泉課税が上る下るということは、それだけとしては特別な意味はないのでございますが、併し株主としてみますと、まあこれで少くとも最初の税引手取りは殖えるというところが一応の魅力のあるせいだと思いますが、相当実業界のほうでこの率を下げて欲しいという要望があるわけでございます。それで今度の税制改正におきましては、遺憾ながら所得税の税率を引下げるということが案の中に盛込めませんでしたものですから、この源泉の税率をすぐに下げなければならんという必然性は出て参らなかつたわけでございますが、大体狙いといたしましては、御承知の通り株式配当については、法人税との関係もございまして、二十五の控除をすることになつております。同時にこの源泉の税率が例えば二十だといたしますと、丁度上積みの税率が四十五の税率を適用される方のところで一応出し入れなし、五十の税率を適用される人以上でございますと、確定申告の場合に差額だけが追徴をされ、それから四十以下の税率を適用される方でございますと、確定申告をお出しになつて還付の問題ができて来るわけでございます。それで現在四十五の税率が五十万円から百万円、百万円を超えますと五十になるのです。それで三十万円から五十万円が四十の税率になつております。ただこれは課税所得でございますが、普通に考えて参りますと、このほかに基礎控除がございますし、それから扶養控除がございますから、まあ俸給取りの方でございますと大体二十万円くらいまでかからなくなる。その上に乗つかつた分が五十万とか三十万とか、或いは百万とかいう数字になるわけでございまして、従いましてそれだけ控除いたしますと、この三十万円を超える金額というのは大体月給取りの方でございますと五十万円以上を取つている場合、それから五十万円を超えているやつは七十万円以上を取つている場合、こういうふうな考え方が出て来るのでありまして、どの辺のところの段階の人を株主として標準的なものとして考え、或いは大体この辺のところを目安にすれば余り追徴もない代りに還付もないだろう、まあこういう点を考えてみてきめるべきだと思つておりますが、その辺のところを考えると同時に、先ほども申しましたように、実業界方面でこの源泉の税率を或る程度下げて欲しいという要望もございますし、又利子に対する税率は現在昨年の臨時措置で以て百分の十になつている、まあこういうような点を彼此勘案いたしまして、この機会に一応百分の十五という税率に直したらいいのじやないだろうかと、こういう結論を得た次第でございます。
○土田國太郎君 この株式配当の所得申告に対して、三万円未満はこれは免除されるように聞いておるのですが、それはいつ頃の法律によつて三万円とおきめになつたのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 三万円以下は免除されるという規定は実は特別にないのです。ただ要するに勤労所得を持つていらつしやる方が大体大部分が俸給だけでございまして、俸給以外の所得が三万円以下である場合におきましては確定申告をしなくてもよろしいという規定があるものでございますから、従つて確定申告をする必要がない。従つてそのような場合におきましては確定申告もありませんから、余分にまあ税金を納めることもないというように結果的に実は出て来るわけでございまして、三万円以下の場合におきましては、免税をするといつたようなはつきりした規定は実はあるわけではなく、ただ三万円以下の金額でありますれば、それほど大きな金額とも言えませんし、今の配当のような場合でございますれば、源泉で相当の課税をしている、或いは二十五の配当控除もある、こういつたことを考えますと、強いて申告書をお出し願わなくともいいんではなかろうか、こういう措置になつておるわけでございます。
○土田國太郎君 いや、それは法律でなく行政ですね。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今の三万円以下の場合におきましては、申告を出さなくともいいということは、これは法律にございます。
○土田國太郎君 いつのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 現行法でございますと、二十六条でございます。
○土田國太郎君 期間は……、いつ頃の法律ですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) ちよつと、いつこの規定を改正したか、今はつきりいたしませんが、たしか二十六年頃の改正で、こういう便宜な措置がとられたと思いますが……。
○土田國太郎君 二十六年ですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) そう記憶しております。
○土田國太郎君 大体結構ですが、誠に結構な措置なんですが、最近はいろいろの面で物価も上り、貨幣価値も下がつているんですが、こういうものを、三万円というのをもう少し引上げる必要はないでしようか、三万一千円あれば、全額申告しなければならないようなことになるんですが、これを四万円とか五万円とか、もう少し下の階級を助けてやろうというようなお考えは当分ないんですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ三万円が大きいか小さいかという点につきましては、いろいろ御議論があると思いますが、今度は一応全体的に緊縮予算の建前で行つておりますので、まあ物価の値上りが相当大きいから、これを云々ということは、今度としては考えるべき問題じやないと思つております。結局どちらかといいますと、税の免除をするとかしないとかの問題ではなくして、結局納税者のかたもこめて手数が殖える、それで大き過ぎるか過ぎないかという問題として勘案すべきものと思つておりますが、現在のところにおきましては、まあ大体このくらいで適当ではなかろうかという、こういう結論を持つております。
○土田國太郎君 ちよつと伺いますが、この二条の五にある証券信託の所得税の税額が十になりますですね、それは総合に入りますか、どうですか。それが総合に入るかどうかということと、信託銀行へ預金した利子、これも普通の銀行並に総合へ入らないで済むかどうか、この二つをお伺いしたい。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今度、この証券投資の分を三分の一にいたしましたのは、まあ証券投資の利益の中には、大きく見ますと、配当に相当する分と、利子に相当する分、それから証券の譲渡所得に相当する分、この最後の分は課税にならないわけですが、そういう三つがあるわけでして、それを従来は全部株式の配当だと見まして、そして最後の期限の満了したときに振替えまして全部清算する、こういう建前をとつていたんですが、当初から全部まあ最初の分は配当だと見るのは少し酷じやないか。そこで一応三分の一だけは別途のものを見よう。併し最後においてはやはり従来と同じように、全部清算してみよう、こういう考え方で、まあいわば先取の観念でおりますので、一応こういうふうな考え方をしていいのじやないか。これはその三分の二に相当します分は、一応株式配当としてみますから、この分は個人のほうの課税におきましては、配当だというふうな観念で、総合もしますし、同時に二割五分の控除もする、こういう考え方でございます。
○土田國太郎君 信託銀行はどういうふうにするのですか、総合に入るか入らないか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今の信託銀行に対する利子の関係は、これは昨年の国会修正の改正によりまして、合同運用信託の利益、これは預金の利子と同じように分離しまして百分の十をとる。それでそれは分離になつております。ほかのほうの所得とは総合課税をしない。これは現在まで続いております。
○土田國太郎君 それから十四ページの五条の十一ですが、今度のその増資ですね。資本の増資によつた場合に、いろいろ恩典が行われるが、それに対しまして一般法人はよろしいが、「同族会社の再評価積立金の資本組入に因る資本又は出資の増加を除く」としてありますが、これは併し私が本省の局長に申上げるまでもなく、二十数万の法人中の約八割は同族会社である。而も同族会社であれ、個人であれ、法人であれ、資本の蓄積ということには、それはもう変りはないと私は考えているのですが、特にこの中小企業は悲鳴を上げている現在の状況からみて、その数の多い同族会社をここで除外されるということは、これは中小企業の連中としては非常に困るということを言わざるを得ない状況に相成るのですが、こういうふうにこれをお除きになりました御意見、どういうようなお考えでこうなりましたか。
○政府委員(渡辺喜久造君) この五条の十一の改正の趣旨は、二つあると思つております。一つは自己資本の他人資本に対する割合を改善しよう、即ち外部から払込をとりまして、そうして自己資本の内容充実をしよう、これが一つの考え方であります。この関係におきましては、これは同族会社であると非同族会社であるとを問わず、これは是非必要なものである、こういうふうに考えられますので、この点につきまして、同族会社であると非同族会社であるとの区別はしておりません。もう一つこれは財界方面からいろいろ声があるのですが、再評価積立金を払込金に振替えるという関係から、これは自己資本と他人資本との関係から言いますと、別に再評価積立金を払込資本金に振替えましても、それは同じ自己資本の中の振替でございますから、関係はないわけでございますから、ただ払込み資本金が少ないということによりまして、表面的な配当率が高い。そこで会社が経営の維持が困難に陥りやすいということから、今度別途法案が提案されることと思いますが、再評価積立金の中で、四割程度までは払込資本に振替えなければ、一割五分を超える配当をしてはいかん、こういつたような規定を法定化したらどうだろう、これも非同族会社についてだけ実は考えているわけでございまして、この法の促進の問題につきまして、やはり相当の議論がございまして、これは最初に申しました分に比べますと、ちよつと性格が違いますので、この分についても百分の十に同じように軽減するのは少し行過ぎであろうというので、百分の五の軽減を考えておりますが、この面の分につきましては、同族会社におきましては、配当の率の問題だとか、どうとかといつたようなことは余り関心がないわけでして、若し何らかのフエイバーが与えられるならば、百が百払込資本に組替えてもいい代りに、払込資本に組替えたからと言つて、特別にそこに何ら結果的に違いはないわけでありますので、まあ個人の負担なども睨み合せて参りますと、同族会社について、そうした単に再評価積立金を払込資本に振替えたということだけで、特別なフエイバーを与えることは、これは適当じやないじやないか、こういうような結論を出しましたのが現在の案でございます。
○土田國太郎君 十七頁の五条の十二の例の交際費の問題ですが、この基準年度は、この間の御説明では、二十八年度というふうに承わつておつて、この基準年度のない場合には、「百分の七十に相当する金額が当該法人の営む主たる事業の区分及び取引金額に応じて命令で定める金額に満たない場合には、当該命令で定める金額」としてありますが、それはどういう……、具体的に説明ができますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) その点につきましては、今実は計数を整理しておりまして、近く資料として御提出申上げようと思つております。大体の構想としましては、やはり取引金額に対しての一定割合といつたようなところで金額を求めるのが適当じやないだろうか。業種別に或る程度差等をつける必要があるのじやないか。これは至急資料として御提出申上げるつもりでおります。
○土田國太郎君 特に私申上げておきますが、これは局長はよく内容は御承知でしようが、清酒は別として、蒸溜酒あたりは、どうもこういう面が厖大な支出で……、これは贅沢でも何でもない。実際止むを得ずやつている事情は、局長御承知の通りなんですから、これらの事情をお考え下すつて、比率等をお作りになるときには一つ面倒を見てやつて頂きたい。こういうふうに考えております。 それからこれにはないのですが、組合法が改正の提案になつているようですが、今度のあの酒造組合でありますが、営利事業をしなくも、組合員から負担金を徴収した。その金が余れば、営利事業をしないにかかわらず、課税されるというのが現状のようで、誠にこれは馬鹿々々しい話なんですが、こいつは何とか一つ直して頂かなければならんと思いますが、如何ですか、これは。
○政府委員(渡辺喜久造君) その点につきましては、いろいろまあ議論はしているのですが、ちよつとこの際の法案としてはもう少し検討をしてみたい。そこで今扱いと言つてはちよつと語弊があるかと思いますが、実際の指導としましては、結局その余つた分は賦課金として取り過ぎた分でございますから、これは借受金に一応処理してもらつておきまして、その期としてむしろ返す、或いは翌年度分に充当する、そういう扱いにすることによつて、実際の負担が行かんようにという措置をとりあえずとつて頂くように指導しております。
○土田國太郎君 我々組合の経営者としますれば、基礎を固くするために、積立金はどうしても必要なんです。今の御説明によると、一年はこれは借受金でよいかも知れませんが、毎年々々そういうわけにも行きませんしね、実情は。これは一つ何とかしてお考え下すつて、まあこういう余つた、これは利益の金ではないのですから、組合の即ち血を搾つた金ですから、それに課税されるという馬鹿げた話もないのですから、これは非課税にするのは、これは私は当然だと思いますので、これは一つお考え下すつて、適当に一つ御措置を願いたいと思います。 それから最後にお聞きし、又申上げておきたいのですが、今菊川委員のほうから、一級酒とビールの比較論と申しますか、私は商売だから申上げるのではないのですが、この一級酒が贅沢品と言われることを私は非常に遺憾千万だと思うのです。(笑声)七百円も八百円もする一級酒の原価においては、二級酒と二十円そこそこしか差がないのです。あとは政府の羊頭狗肉の策を以て、そうして厖大なる課税のために、税金をとるべく、高価のものを国民に売りつけている。そのために今菊川委員から、これは贅沢品で、ビールよりも贅沢品だ、こういうふうに言われていることは実に遺憾千万で、又この一級酒は非常なべらぼうもない高い税率を今課税されております。物にはほどがあるので、一番とりいいのは何か。政府は財政困難になつて来ると、たばこと酒と、もうきまつております。我々はほかの繊維業者や、労働組合のように、むしろ旗を立てて政府へ運動もできませんし、陳情もできませんので、非常に弱い商売であります。そこをつき込んで、こういうような無茶苦茶な課税をされて、而もそれが賛沢品呼ばわりされるのは、誠に世の中の人がこれは間違つて見ているのです。(笑声)実際税金が高いから、そういうことを言われる。二級酒と一級酒の差は約二十円程度しか違つておりません。あとはまあ全部税金に乗つて、こういうことをやられているので、ビールよりもまだ苦しい。非常にこの清酒の立場というのは苦しい。どうかそういうふうな、こうした誤解のないように、一つ税務当局もやつてもらわなきや困る。 で、ついでにお伺いするのですが、このビールはどの程度……、この千円の税引上げでありまするが、これは税が本年は昨年度よりすでに二級酒にしましても、十六、七円の値上りになつておる。一級酒にすればそれ以上のコストの値上りがある。それを今見まするというと、大体どちらも五分程度の値上りになつておる。而もこの厖大なる今年の清酒のコストの引上が適正に勘案されてないように、私はこの値上り率を見ると考えられるのですが、私はビールというものは最近増産に増産を重ねる、又この管理の経費というものは、ビールくらい人件費の要らないものはないのです。実に大きな工場に行つてみても、ばらばらとしか人間がいない。皆機械力を以て動かして、殆んど労働者というものはまあ余り使つていないというビール業の今日でありまして、非常に能率がいい商売で、清酒や何かと非常に違つております。でありますから、管理費というものも、ビールが上らない以上、そうたくさん上るはずはないと思うのですが、どうかそういう点につきまして、この酒税引上の——、私どもはまだその内容を知りませんが、一つ考えて頂きたいと思うのです。又説明もこれは一つお伺いしなくちやならんと思います。ビールの内容につきまして……。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ、ビールが贅沢か、贅沢でないか、一級酒が贅沢か、贅沢でないか、これはいろいろな御議論があろうと思つております。現在の一級酒の値段が高い、特級酒の値段が高いというのは、税金が高いので、生産費的にはそう大して高くないのだ、これは或る程度我々もそうだと思つておりますが、まあ併しそれにもかかわらず、それを消費して頂く人がいるのですから、まあ或る程度の負担はやはりこの際としてはお願いしたいという気持でおります。ビールのコストの計算とか、その他については、我々もいろいろに検討しおりますが、先ほどもちよつと申上げましたように、今度の税金の引上が大体三円五十銭くらいに一本あたり当りますが、麦の値上りというのは、殆んど非常に大した額でもございませんので、現在我々のほうで考えております線は、瓶詰価格に替えるということも勿論合せ考えての末ですが、現在中身百七円、瓶込百二十二円のやつを、瓶込みで以て百二十五円ぐらいに抑えたいということを考えております。税金を百二十二円に、三円五十銭プラスすれば、これは百二十五円五十銭になるわけですが、多少瓶の関係を少し考えることによつて、全体で百二十五円という数字に何とか抑えたい。末端価格で百二十五円という数字で何とか抑えたい、こう考えております。
○土田國太郎君 そうすると、値上りは幾らになるわけですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 値上りは一本三円でございます。
○土田國太郎君 それはメーカーのですか、全部のですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) いや末端における消費者価格が、小売で売る値段が瓶込みで三円です。
○土田國太郎君 それは小売業のマージンに入つておるわけですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 勿論そうです。
○土田國太郎君 メーカーは何ぼ上りますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) そういうような細かい計算は、今ここでもつて申上げる段階に至つておりません。まだ卸しのマージンと、小売のマージンは、土田さん実は御承知のように、なかなかうるさい問題がそこに絡つておりまして、最終価格は一応百二十五円というふうに考えておりますが、その中でメーカーがどれだけ負担し、それから小売卸がどれだけのマージンをとるかいうことは今まだ申上げる段階に至つておりませんから、これは御承知願いたいと思います。
○土田國太郎君 よろしゆうございます。
○東隆君 私は昭和二十九年度税制改正の要綱に関連して伺いたいのです。最初は不動産の関係なんですが、不動産の所有権ということについて、例えば農地改革後における耕地ですね。自作農になつておりますが、その場合における所有権と、それから山林の所有権、或いは立木の所有権ですね、これには大分中身は隔りがあると思います。例えば農耕地の場合ですと、抵当を設定することができます。抵当権というものをね。農耕地の場合、それから売買の自由の制限をされておるわけです。こういう所有権というのは先ずないので、考えようによると、私は農耕地の所有権というのは、所有権でなくて、完全な耕作権だ。完全な耕作権を農家が持つている、こういう解釈をすべきじやないか、こう考えます。それから立木の場合なんか、これは勿論焼いても、これは文字通り切り売りをしてもいいわけなんです。それから私的な所有の山林ですと、勿論抵当権の対象になるいろいろな問題があるわけです。そこで私は税をかけるに当つても、そういう中身について相当考えなければならん節があると思う。殊に相続税なんかについても、いろいろ考えなければならないが、そういう点についてどんなふうにお考えになるのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 現在は、まあ今のお話ですと、財産の所有の形態に応じて税負担に差違をつけることを考えるべきじやないかというお話のように伺うのですが、財産課税の形態をとつておりますのは、まあ御承知のように地方税で固定資産税、それから国税で相続税。富裕税はなくなりましたが、そこで結局まあ財産の所有形態の関係で、差別課税の必要ありやなしやといつた議論になる。大体この二つの問題だと思つておりますが、現在のところにおきましては、確かに農地というものは、売買とか、いろいろな関係において制限はされておりますが、結局本来の目的に使用されること自身についての制限は、これはないわけでございますから、まあ細かく考えていけばいろいろ御議論はあろうと思いますが、固定資産税の税率必ずしも安いとも申しませんが、これはまあ現在価格の百分の一・六、今度これが百分の一・五に下げようという法案が出ております。来年は百分の一・四という法案が実は出ております。これは別途地方税の改正法案に出ております。固定資産税でございます。相続税の関係におきましては、これは昨年の改正におきまして相当免税点も上げましたし、又今度も税率を一般的に下げましたので、まあそういう所有の形態で、特に評価に云々とか、まあ税率に差等をつけるとかいうような、それほどまでの必要はないのじやないか、こういう結論でやつております。
○東隆君 農地と、それから宅地の関係はどんなふうになるのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 宅地の関係におきましても、これはまあ考え方によつては収益を生まない。財産とか、いや、それぞれ収益はある財産とか、いろいろ議論がありますが、現在におきましては、農地、宅地その税率におきまして、固定資産税、相続税、全然同じに扱つております。
○東隆君 ここの何ですか、第一の第三番目の「山林所得については、他の所得と分別して、五分五乗方式により課税するものとする」それから相続税のほうの二項の「相続財産である立木について、所得税の負担を考慮して評価の特例を設けるものとする」、こう二つございますが、これはやはり考えようによると、山林関係の所有というのは、農地改革後においてはどういうことになつているかというと、事実上昔の地主ですね、地主勢力というものが、結局山林所得者というものに移つて行つておると思うのです。それでここのようなやり方をやると、どういうことになるかというと、私は山林の所有者に対しては、非常に税が軽くなるのじやないか、総体の財産に……。勿論そうして収入を相当上げるという点から、それに対する課税がこれは非常に減額されるのじやないか、それで不公平がここにあるのじやないか、こう考えますが、これは山林所有者が、植林だの何だのそういうような点を考慮して、或いはこういうふうにされたのじやないかと思いますが、その辺はどういうふうな考え方ですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 山もできるだけ山を青くすべきである、それが治山治水の一応の根本的な考え方でなければならん、まあこういう議論もあるわけでありまして、その辺の点は一応我々も頭に置いておりますが、基本的なものの考え方としましては、山林というものは、御承知のように三十年、四十年経つて、そして一遍に所得が出て来る。それで従つて百万円例えばそこに所得がありましたとしましても、それは相当の長い期間に亙つて生まれた所得であると、こういう点を先ず第一に頭に置いておるわけでございます。従つて所得税は御承知のように累進税率で課税されておりますが、そういうふうに相当長い期間に亙つて生れた所得を、累進税率で以て、一年に生れた所得と同じような税率を使つて課税をして行くのは、これは無理があるのじやないか、こういう考え方が五分五乗の考え方の底に流れております。これは五分五乗の考え方というものは、御承知だと思いますが、百万円の所得がありますれば、五分しまして二十万円にしまして、二十万円で税率を適用しまして、出た税額をこれを五倍にする、要するに一口で結果を申しますと、税率の累進の程度が非常になだらかにされて行く、こういう考え方になるわけでございますが、結局その出て参りますゆえんのものは、相当長い期間の育成に基いて出て来た所得であるから、それを一年の間に生まれた所得、或いは毎年繰返されて生まれて来る所得と見るのは無理があるのじやないかというので、こういう制度が考えられておりまして、現行法におきましても五分五乗の制度はとつておりますが、現行法におきましては他の所得と合算した五分五乗というのでやつております。ただどうもこれだけではちよつとまだ不十分であるという御意見が非常に強いものでございますから、今度は昔に返りまして、これは大体シヤウプ勧告による二十五年の改正前がこの姿でございましたから、この程度のところに戻して行つたらどうだろうかというのが今度の提案でございます。 それから次の相続税の関係におきましては、これは多少性格が違いまして、相続税の評価におきまして一応まあ普通の時価で評価する。そうしてそれを今度は伐採しましたときに所得税を課税する。こういうことにまあ現行法ではなるわけでございますが、ところが、その相続の時期におきまして、これは一つの考え方でございますが、シヤウプの勧告のときに、もうすでに一つ入つたのですが、そのときまでに或る程度実は所得が相当生まれているわけでございまして、シヤウプの勧告による税制改正の場合におきましては、相続のあつた機会に、すでにそこで一回所得税を課税する。その代り相続税からは、その所得税は相続財産からは債務で差つ引く、こういう実は税制になつていたわけです。ところが相続の機会に、そこに伐採もなし譲渡もなしに、所得が発生したものとして所得税を課税しようというのには無理があるというのでい現在のようになつたわけですが、併し相続の時期までに一応の所得があり、まあその場ですぐ課税されれば相当の税負担もある。これはまあそういう理窟は同じように残るわけでありまして、どうしてもやはりその点を何か配慮する必要があろう、こういう議論が相当有力であり、確かに我々も理窟的にそうと思いますが、税制調査会でもまあこんなような意見も出ておりますし、一応相続財産の評価の場合におきまして、その点を配慮すべきではないか。それでこういう改正案を出したわけであります。
○東隆君 その次は法人税に関連しておるのですが、この措置法の第八条の五の二項ですね。これは二項を全面的に改正をされたわけです。それで昨年の改正したものをここから除いて、新たに入れたことになるのじやないかと思いますが、これはどういう効果を狙つておりますか。この変更は……。
○政府委員(渡辺喜久造君) 昨年これは国会修正で入つた規定でございますが、そのときの国会修正で入りました経緯を伺つてみますと、結局現在農業関係において再建整備、或いは整備促進が進行している、その再建整備、整備促進が進行している間におきましては、できるだけ急速にこれを整備し直す必要があるが故に、その整備を円滑に進行させる意味におきましてこの規定を作つた、こういうふうな御意見でございまして、それではその御趣旨をやはりはつきり法文の上に現わして行くほうがいいのじやないだろうか、そこで関係の省とも相談をいたしまして、今お話のあつた点をはつきり法文なり内容の上でもさせるという意味で、今度この改正案を出したわけであります。
○東隆君 これを聞いているのですが、前の改正の時分に生活協同組合、それから中小企業者等の協同組合、これらも免税の、なんとか恩典に浴したい、こういうので、何か附帯決議かなんか行なつているようです。それでこの改正によりますと、消費生活協同組合、或いは中小企業者等の協同組合については何ら考慮は払われない。一方生活協同組合と、それから中小企業者等の協同組合におきましては、それは発達の途上にございまして、そうして、どちらかというと戦後にできたものですが、基礎が非常に弱くて、そうして当然これらの税をかけるというような対象にするよりも、却つて助長しなければならないものと考えるのですが、この改正によつて非常にやりずらくなつた。却つて前の条文の中に消費生活協同組合或いは中小企業者等の協同組合を入れるべきでないか、そういう気持を持つているわけです。そこで私はそういうような考え方から、協同組合と、株式会社法人として営利を目的とした株式会社との間に、私は相違があると思う。又その相違があるところに昔の産業組合時代に非課税の原則が確立しているので、そうして税をかけない、こういうふうになつておつたわけです。私はその考え方が当然であろうと思います。それで大蔵省のほうでは株式会社における株式と、それから協同組合における出資と同じに解釈されておられるのじやないか。又株式会社の目的と、それから協同組合の目的と同じに解釈されて、そういうふうな点だのいろいろな点で、私は今回のこの改正は非常に何とかして税を取るという方面にばかり気を使われて、そうして協同組合の育成その他について非常にチエツクするような改正である、こう考える。今申した協同組合、それから株式会社の相違、それをどういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 我々は協同組合には株式会社と違つた一つの特殊な性格があることは認めております。従いまして、これはすでに御承知だと思いますが、協同組合の分配金の中で、事業の分量に応じた分配金につきましては、これは課税しない、組合には課税しない、こういう制度が一応認められているわけでございまして、結局協同組合は組合員の結集によつてできた組合であり、その利益というものは結局組合員各自に帰属して行くものである。その一番端的な現われとして、今申しましたように、事業分量に応じて分けられる分については、これは同じように課税して頂かないで、併し出資に対応して配当される分、これは例えば預金をしたり、或いは株式の配当があつたりといつたようなものと、やはり非常に類似した性格を持つているのではないか。こういう分については或る程度の課税があつて然るべきじやないか。そこでただまあ協同組合という特殊な性格もございますので、現在におきましては四十二の普通の税率に対して、この分については三十五の税率を使つている、こういうことになつているわけでございます。昨年の修正の場合におきまして、衆議院のほうで、生活協同組合について特別に考えないか、考えろ、こういう附帯決議がありまして、中小企業協同組合については、そのときは全然我我は話を伺つておりません。生活協同組合につきましては、それが例えば昔の言葉で言いますと、消費組合、従つて消費者団体であるがゆえに、これは非営利団体であり、これはこの農業協同組合に考えたと同じ程度のことを考えるべきじやないか、こういうお話がそのときにあつたのですが、併し農業協同組合のこの関係は、先ほども申上げましたように、再建整備という問題と結び付いて特殊に出て来た問題である。生活協同組合におきましては、そういう問題は今我々聞いておりませんし、従つてそれが入るべきじやないというので、結局もう少し問題を検討してみようというので附帯決議になつたのでありまして、我々はその後検討してみますと、現在の生活協同組合の中には、非常に員外取引をやつておる関係が多いようでございます。特に東京都の地域の生活協同組合などは非常にその事例がたくさんございまして、そうしますと非営利事業をやつている団体だというふうに見るのも、果してどうかという点も考えられますので、今回の改正案におきましては、そういう決議がございましたが、これと同じに扱うのが適当ではないという結論を現在出しております。
○東隆君 私は今非組合員の問題、その問題はこれは是正することができると思います。それで協同組合そのものの健全な発達をさせるために、余り大きな税額にはならんと思います。そういうふうな意味で、却つて健全な協同組合の発達をさせるために、免税或いは非課税の原則を確立することが必要なんで、私は昔の産業組合法が非課税の原則を出しておるのが、戦争中に農業団体の団体法ができまして、そしてあれは国策に即応する団体になつておる。その当時統制経済が行われておつて、そんなような関係から課税をする、そういうような方針が立てられて、その残滓が協同組合にやはり現われて来ておると思う。だから本質を然るべく究明して行くべきであつて、協同組合は営利を目的にしないのだ、利潤を追求しないのだ。併し株式会社は営利を目的としている。従つて協同組合における剰余金というものは、株式会社における利潤とは全然違うのだ。こういう考え方をはつきり立てて、そうして協同組合は税をかけない。これが私は本当のあり方だと思う。そうでないと協同組合は発達をしないし、民主国家の協同組合によるところの一つの企業形態といつても、これは個人の組合員の生活の関係を伸ばしているだけの話なんですよ。だからこいつを発達させる必要があると思うので、今の差等じやなくて、非課税の原則を確立すべきだ思う。そういう意味から私はこの改正は却つて非常に、何と言いますか、協同組合に対しては、折角減税をされる機会を持つておつたのを、機会をなくするように仕組まれたところの、これは悪い言葉で言えば謀略的な条文だ、こう思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 別に、我我は謀略を考えておるわけでもなんでもないので、結局この改正規定が入つた趣旨をはつきりさせるという意味で、この規定は何も協同組合なるがゆえにこういう特殊な扱いをするのではなくて、企業の再建整備といいますか、協同組合、農業協同組合の再建整備のために、この際必要だから、こういうふうにしよう、こういうふうな国会修正であるというふうに伺いましたので、従いまして関係のほうの当局とも話合つてやつたわけでございまして、同時に協同組合が一体どういう性格を持つか、これは我々も一応検討しておりますが、協同組合の本来の性格から出て来るその分は、結局組合員の利益というものが協同組合を通ずることによつて出て来るわけでありまして、この分につきましては、先ほども申上げましたように、一応事業分量の分配は税金を課税されないということで相当満足されているものじやないか、こういうふうに考えております。そこで出資に対して或る程度配当がなされておりますが、これはやはり結局協同組合が行なつて行く上においてはやはり金を集めるとすれば相当額を払わなければならない。ここでは一応税金がかかつておることを考えて参りますと、その分についてそこに或る程度の課税がある。これは許されるべきことじやないか、こういうふうに考えております。
○東隆君 協同組合の出資と、それから株式会社の株式ですね。これは私は前にも繰返し申すのですが、違う性格のものなんで、それで出資の目的が全然違つておるわけです。だからその目的が違うものを、同じ意味で、勿論出資の増高その他を考えるために、出資に対して配当をやつております。併しそれはもう制限をされておる。制限を受けて、その額も最高額を受けておるのであつて、それは決して税の対象になるほど大きな率のものではないわけです。そういう性格のものです。
○政府委員(渡辺喜久造君) 我々もその点は一応よく存じておるつもりでありまして、従いまして一応協同組合に出た剰余金をそのまま法人税の対象にしているわけではございませんで、事業分量に応じた分配、これは要するに協同組合の本来の性格から見て、これは協同組合の収益として課税すべきにあらず、そこでそれは現在課税してありません。従いまして、同時に又大体五分程度で以て出資に対する分配は制限されているものと私は記憶しておりますが、そこで株式会社における出資は、協同組合の出資とはそれは確かに、性格的に違うものはあろう。併し一応そこに生まれて来るところの事業分量の配当をして、なお残つた剰余金については、これは株式会社の営利追求といつたようなものと違うにしろ、やはり一応の所得であり、やはり課税されてもいいのではないか、こういう考え方をしておるわけであります。
○東隆君 大分遅くなつたのですが、私は改めて又お聞きしようと思いますけれども、出資とそれから株式との相違について、それから今度の改正によつて現実にこの関係の協同組合、それから前の形で以て出て来たところのものとの間に、税がどのくらい違うのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 前の……現行のものにおきましても、大体主たるものはみんなこの企業再建整備の関係だつたのです。ただそれが要するにはつきり詰まつておりませんでしたから、多少本来の趣旨から考えられていたものよりも、その幅が広くなつて来た。それは併し本来の修正の趣旨から言えば、そこまで拡げるつもりじやなかつたというので、そのまま落しましたが、その幅はそう大きくないものと思つております。
○東隆君 実は再建整備法によるものは、或る程度制限をされておるわけです。それから促進のほうも、これはこれに関係をする連合会関係の整備について……。それで農業協同組合一つとつて考えて見ましても、終戦後に農業協同組合法によつてできた場合には、まだ統制経済が相当進んでおつて、それで一番初めに手を上げたのは協同組合内部における購買事業関係が手を上げたわけです。購買事業を通じて赤字が出て来た。こんなようなことで再建整備が行われたんですが、その後に米以外のものは全部統制が外されたわけです。それで販売事業関係で以て相当な赤字が出て来た。こういう情勢がおきて来たときには、この再建整備の関係はどちらかというと、この前の購買事業を中心にした場合が非常に多かつた。従つて再建整備によるところのものに外れたもので以て、相当考えなければならんものがあるわけです。これが一つですね。そういう考え方から、これをやるということによつて育成助長をしなければならないもの、而も再建整備法その他によつて恩恵を受けることのできないもの、そういうものが省かれているわけです。そういう点は、これによつて大部減つて来るということと、それが出て来るということと、それからもう一つは、先ほど言つた生活協同組合と、それから中小企業者等によるところの協同組合、これは私は協同組合の正しい発達をさせて行くために、やはりこの改正によつてよりも、現行のものに追加することによつて、正しい協同組合の発達をさせることができる。こう考えるわけです。これは私は何としてもそういうふうに考えられますが、これでこの改正は私は大分考えものだ、こう思つているわけです。又あとでこの点は一つもう少し深めて行きたいと考えます。
○政府委員(渡辺喜久造君) 只今お話の、購買事業で以て、先ず農業協同組合で相当の赤字が出たものがある。或いは販売事業で相当の赤字が出たものがある。そういつたような関係のものはこれは入ります。この中に包含されまして、それでただ現在の法律ですと、それ以外の農業関係の団体が入つている分は、これは外れるというので、今お話になつたような関係で以て赤字が出、特にこの際考えなければならんというものについては、一応今度の改正案におきましても包含されて行くものというふうに考えております。なお、協同組合の課税の点につきましては、これは我々におきましても、株式会社の課税と大分性格的に違うものがあるということを認めておりますが、同時にその認めております点は、結局先ほど来申しているように、事業分量に対する配当というものを課税の外へおくということで、大体本来の協同組合の目的は達し得るのじやないか。どうも私ども意見の相違になつてしまうのでありますが、達し得るのではないかと我々はどこまでも考えております。
○委員長(大矢半次郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会