大蔵委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/08/19
会議録
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今から委員会を開会いたします。 本日は審議に入る前に理事の互選をいたしたいと思いますが、去る六月東事並びに小林理事の御両名が辞任せられましたので、二名理事が欠員でございまするが、この補充につきましては、委員長に理事指名の御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) それでは御異議ないものと認めまして、委員長より御指名申上げます。理事二名の欠員に対しましては杉山昌作君並びに東隆君の両名を御指名いたします。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 本日は製造たばこの売行き状況等に関しまして先ず専売当局から説明を求めます。
○説明員(宮川新一郎君) お手許に配付申上げました資料につきまして簡単に御説明いたしたいと存じます。 第一表の昭和二十九年度月別たばこ販売実績(四—七月)という表がございますが、これを御覧願いたいと思います。下から四行ほど上に数量計というのがございますが、四月におきましてのたばこの販売数量は八十三億八千五百万本、五月は八十二億四千七百万本、六月は八十億九千九百万本、七月が八十六億八千三百万本、合計七月までの累計におきまして三百三十四億一千四百万本。総金額にいたしまして四月が百七十六億九千六百万円、五月が百七十一億七千九百万円、六月が百六十五億七千二百万円、七月が百七十九億四千四百万円でございまして、累計六百九十三億九千百万円になつております。これを二十九年度の販売予算に対する実積を見てみまするのに、数量におきましては先ほど申上げました三百三十四億一千四百万本の横にございます三三%に相成つております。金額で申しますと三〇%九でございまして、これを今までの過去の経験によつてウエートをかけました四月から七月までの公社内部におきまして予定をしておりまする数量に比べましての実績率を見てみまするのに、数量におきましては九八%八、金額におきまして九三%に相成つております。かように御見願いましてわかりまするように、数量におきましてはおおむね所定の予算に対しましても或いは四乃至七月の予定数量に対しましても大体目標に近いところまで行つておるのでございますが、金額におきまして若干予定よりも下廻つておるという状況でございます。 これをその原因を探究いたしてみまするのに、品種別に見てみますると、最も主要な製品でございまするピースにおいて見まするのに、七月までの数量が二十八億三千四百万本でございまして、二十九年度予算に対するその実績率が二二%、四月から七月までの見込に対しまして七〇%八でございまして、予定に対しまして三割ほど売行きが乏しいということを現わしております。光は七十二億二千三百万本でございまして、年間予算に対しまして二七%九、四—七月の見込に対しまして八〇%でございまして、これ又予定よりも若干下廻つておる状況でございます。これに対しまして新生が百八億六千百万本でございまして、予算に対しまして四四%五、四—七の見込に対しまして一三五%四というふうに非常に殖えております、ゴールデンバットは九十七億五千九百万本でございまして、年間予算に対しまして三二%九、四—七の見込に対しまして九九%九でございまして、大体これは予定通りでございます。こういうふうな状況でございまして、販売収入の多いピース、光が予定よりも三割乃至二割減少しておつて、金額の少い新生が三五%予定よりも殖えておるというようなところが、数量におきまして大体予定に近いところまで行つておるのであるけれども、金額におきまして所定のところに到達しておらないというような状況になつておるわけであります。かように新生が売行きが増大いたしまして、ピース、光が減少しておりまするのは、こたは先生方御承知のように、最近アメリカの新聞等におきまして盛んに肺癌問題等が取上げられまして、どうも新生が軽くてそういう健康上にいいのじやないだろうかというような気持が起つて参りましたのと、ピースを五円値上げいたしましたこと、それから最近のデフレ恐慌におきまして、やはり高いたばこよりも安いたばこというふうに向いて参りましたこと等、いろいろ原因が錯綜しておると思われをのでございます。 それで公社といたしましてはもとより売行きの増進しておりまする需要の多い新生の供給不足の生ずることのないよう善処をいたしますると同時に、ピース、光等の品質改善を行いまして、ピース、光のほうに更に嗜好が向くようにいたしますると共に、今まで例えば「御贈答にはたばこを」というような抽象的な宣伝をいたしておりましたのを「御贈答にはピースを」というように具体的な銘柄宣伝をいたすというようなことをいたしまして、折角ピース、光のほうに売行増加をもたらすことによりまして、所定の販売益金を上げるように努力いたしたいと苦心いたしておる次第でございます。 次に第二表は、これを月別に対前年度と計画との対比をしたものでございまして、非常に細かくなつておりまするので、只今申上げました第一表によりまして総合的に御達観願えると存じますので、この説明は省略さして頂きたいと存じます。 それから第三表の二十八年度は、これは今年に対して対比しまして去年はどうであつたかということを示すために作つた表でございまして、特に御説明申上げるまでもないと存じますので、一応説明を省略さして頂きます。 それから次に第四表に昭和二十九年度たばこ販売総原価予定表というのがございます。これはたばこの原価が幾らになつておるか、定価に対してどれくらいの原価になつておるかということを示したものでございまして、一例だけ御説明申上げまして全体を御達観願いたいと存ずるのでございます。二行目にピースというのがございますが、一番右の端に定価の欄がございます。これは四十五円でございますが、小売人の手数料は現在八分になつております。三円六十銭でございます。これを差引きました四十一円四十銭というのが売渡価格になつております。この売渡価格に対しまして製造原価は八円八十九銭でございます。一般管理費及び販売費を合わせましたのが七銭、従いまして総原価は九円五十九銭になつております。従いまして九円五十九銭と四十一円四十銭の売渡価格の差額、即ち販売利益は三十一円八十一銭になつておりまして、収益率は三倍三分になつておるわけでございます。かように全体がそうなつておりまして、収益率の最も高いのが三倍三分のピース、次に富士の三倍一分、光の二倍七分、新生の二倍六分、バットの二倍二分というふうな順序に相成つておるわけでございます。 それから次に五表の現在の小売人手数料の推移を示したもの、只今御説明申上げましたように全品種につきまして八分になつておるのでございますが、昭和十四年頃は八分でありましたのが、十六年には六分五厘に下りまして、更に十八年の一月には五分、十八年の十二月には、四分、二十一年の七月に二分、二十二年の四月に一分というふうに、最低一分まで下つておりますが、その後逐次上つて参りまして、二十二年一月には二分、二十三年には二分、この辺大分品種によりまして差がございますが、二分から三分、四分というふうに上つておりまして、二十四年に全品種につきまして率を同じくいたしまして六分にいたしたのでございますが、二十六年にピースには七分五厘、光、桃山は八分、上記以外のものを六分といたしましたのを、二十六年にピース、光、桃山、アストリアを八分、上記以外のものを七分といたしましたのを二十八年四月以降全品種を八分といたしまして只今に及んでおる次第でございます。 次に第六表の昭和二十八年度塩需給実績表について御説明申上げます。塩の需給実績、昭和二十八年度におきましては、一番下の欄に合計という欄がございますが、二十七年度からの繰越高が九十九万四千百九万トン、受入が二百十一万千四百四十五トンに対しまして、払出が二百四十九万千百一トンございまして、六十一万四千四百五十三トンが今年度に持越されたのでございますが、その次の二十九年度塩需給計画表にございますのが本年度の計画でございますが、本年度は国内塩の生産を五十三万四千四百二十トン、輸入塩を二百万トンと計画いたしております。この輸入塩を再製、加工等いたしまして、結局公社への受入を二百八十五万百二十トンといたしまして、払出を一般用塩といたしまして百五万九千二百トン、ソーダ用塩といたしましてでの持越高八十六万千六百九十八トンと計画いたしております。 その次に第一四半期の実績を書いてございますが、御承知ように塩の生産時期並びに塩の輸入時期が時期によりまして多少数量に違いがございますので、必ずしも年間の計画の四分の一というようには参らないのでございますが、国内塩が第一四半期におきまして年間生産五十三万四千四百二十トンに対しまして十二万六千三百十トン、輸入塩が二百万トンに対しまして五十二万九千五百四十一トン、一般用売渡が年間計画百五万トンに対しまして二十二万七千四百四十五トン、ソーダ用塩が年間百十五万トンの計画に対しまして三十六万千九百三十三万トンでございまして、おおむね大体年間計画に副つたようなラインで動いておるものと見ておるでありますが、七月の日照の関係等もございまして、国内塩の生産は若干計画よりも下廻るのではないかと考えておる次第でございます。 次に九表にございます外塩の輸入実績並びに見込調の表につてい御説明申上げます。二十八年度におきましては合計百三十七万三千六百十四トンの塩を入れたのでございますが、一番安いところが中国の八ドル十一セントでございまして、高いのがスペインの九ドル六十三セントになつております。全体平均いたしまして八ドル八十五セントの値段で以て輸入いたしております。これに対しまして二十九年度の四月から七月までの実績を申上げますと、六十六万二千百六十五トンの輸入をいたしておりまして、一番安いのがタイの七ドル八十六セントでございまして、高いのがアメリカの十ドル四十七セントになつております。平均にいたしまして八ドル六十五セントで輸入いたしておるのでございます。ところが最近運賃が上昇いたしておる傾向にございまして、今後八月から三月までの見込をとつて見ますると、一番安いのがやはり中国の七ドル九十一セントでございますが、高いのがスペインの十ドル五十七セントになつておりまして、大体平均いたしまして九ドル四十五セントくらいになると見込んでおります。かようにいたしまして二十九年度におきましては二百万トンの輸入を平均いたしまして九ドル十五セントくらいで入るかと見ておる次第でございます。それで只今公社にいたしましては十ドルベースの見込で輸入単価を弾いておりますので、御覧になりましたような工合で、輸入単価が若干下る見込でございまするので、この際工業塩、食糧塩等につきまして若干値下げを実行することにしては如何かと存じまして、目下検討中でございます。 甚だ簡単でございますが、一応配付申上げました資料につきまして御説明申上げます。
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今の宮川監理官の御説明に対しまして御質疑がございましたら。
○杉山昌作君 今のたばこの売上げが非常に減つておりますが、大体今年の予算の売上げと現状から推して今年はどうなるだろう、益金と言つても今年は国家の分と地方とありますが、合計した分ですね。それを益金にはどんな影響があるか、ちよつとお見込を知らしてもらいたい。
○説明員(宮川新一郎君) 正確な見通しはつきにくいのでございますが、一応このような状況で推移いたしますれば、売上高におきまして約百億円、国庫納付金におきまして六十数億円の予算に対する減少を来すのではないか、一応そういうふうに見ております。
○杉山昌作君 それで六十億円も国庫の益金が足りなくなるということになると、一般歳入の関係で相当なものだろうと思いますが、何かこれをもつと少くする、逆に言えば売上げ増加というような方法をお考えになつておりますか。止むを得ないということなんだろうが。
○説明員(宮川新一郎君) 一応そういうふうに計算はしておるのでございますが、できるだけ予算に対する影響を少くいたしまするために、先ほどもちよと触れましたように、販売宣伝にもう少し意を用いまするとか、或いはピース、光のほうに品質の改善を行いまして、それを機会にピースがよくなつたとか何とかというような宣伝をいたしまして、高級たばこのほうの売行きを増加せしめることによりまして、只今申上げましたように一応試算いたしておりまする六十億ぐらいの減少をカバーするまうに持つて参りたい。御承知のように、一応第一四半期の実績だけでは全体が類推できませんので、去年も予定よりは歳入が殖えたようなこともございまするので、公社といたしましてもそう極端に悲観いたしておりませんで、もう少し只今申しましたような品質改善とか宣伝に意を用いることによりまして、おおむね所定のところまで持つて行けないでもないじやないかというような気持でやつておる次第でございます。
○杉山昌作君 これは非常にむずかしいのじやないかと思うのですね。ピースを四十五円に五円値上げしましたので、実はあのとき私ら値上げはいかんぞ、低物価のときに値上げするのはけしからんということを頻りに言つたのですが、政府側は賛沢抑制、耐乏生活の面からやるのだと言つた。その意味から言えば、ピースの売れなくなつたのはまさに政府の思うつぼにはまつた、誠に結構。併し困ることは予算よりも減つたということ、というのは政府がそういうような耐乏生活、賛沢抑制と一方で言つていながら、値上げによる増収まで予算に加えたので、ですからそこに無理がある。従つて今年の予算というものがそもそも舞だつたのじやないかということになると思います。今のお話の六十億円くらい益金が減るというのは当り前の話じやないかと思うくらいです。その間に入つてなかなか販売に当る方々御苦労だと思うのですけれども、ただ御努力は誠に結構ですが、政府なり専売公社が売れ売れというので、その間に入つて売れもしないのにうんと手持をされるのじやないかという虞れをなしている面も一面ございますので、販売督励に当つてはそういう点をお考え、お含みの上お願いを申上げたいと思います。
○藤野繁雄君 これはこの前のピースを値上げする場合においては、さつきお話のあつたように減収するのじやないかと言つて心配して、値上げしても減収にならないという表を作つてもらつたのですね、この前は……。それで結果によつて見るというと最初の計画と反して減収になつて来た。そういうふうな減収にならないという表を作られたときの考えと実際とを対照しまして、将来どういうふうな対策をとるのですか。
○説明員(宮川新一郎君) 実は二十九年度予算を編成いたしまして、ピースの値段を四十五円にいたしまする際に考えましたことは、勿論値上げによりましてピースの売行きが光、新生のほうに赴くであろうということは織り込み済みであつたわけでございます。ところがそれが非常に極端に新生のほうに参つておるのでございます。これが先ほど申しましたようにピースの五円の値上げというものが非常に響いている面もあると思いまするけれども、そのほかに何と申しましても新生ははやりみたいになつて参りまして、名前も新生活にふさわしいような名前でありまするとか、或いはおえらい方々が新生を愛用されるということで、一つのはやり物のようなものになつて参つております。この点が予算編成当時に考えましたこととは非常に変つた現象が最近になつて現われて来ておると思いまするので、どうも新生は悪いたばこだからピースを喫めという宣伝もいたしかねまするし、できるだけ新生も喫んで頂きたいし、ピース、光のほうは更に品質を改善いたしましたというようなことで、ピース、光のほうに持つて参りたい。 先般もニコチンの含有量の問題が云々されたことがございまするので、計つて見ると新生よりもピースのほうがニコチンの含有量が少いのであるというようなことも新聞発表をしてみたのですが、これだけではどうも効きませんので、一種のはやりのような恰好になつておる。非常に卑近なことを申上げまして恐縮でございますが、私もさようでありますが、同僚なんかでも新生が軽いからと言つて喫んで見たところが、どうも少し舌が荒れるようであるとか、安いものだからつい軽く感ずるものだから、ピースなら一本で済むものが新生なら二本喫んでしまうので金高にして変りがないというようなことを言つて新生を喫む者もピースに変つたというようなものも出て来ておりますので、この傾向が必ずしもずつと続くとは思われないような気もいたしますので、折角ピース、光のほうの品質改善を行う機会にやはり販売、宣伝のほうに意を用いることによつて、予算編成当時に考えました金額に近付けるように努力したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○藤野繁雄君 現在の販売店を増して量を殖やし、金額を殖やすというような考えはないのですか。余りにも現在は四角四面で、例えばここに百軒の家がある、何軒から何軒までだ、それには一軒でなくてはならない。然るにその近くには大きいところの市場ができたとか或いは隻団部落ができたとかいうようなことであれば、売店を従来の方針から変更して増加して行くということが必要ではないかと思つているが、現に各地方ではそういうふうな工場が立つても、あなたがたがこういうふうなモデルでなくてはできないという指図をしているから許さないというような状況であるから、一方のほうにおいては需要供給の関係で、そういうようなところでは売店を殖やして売行きが多くなるようにして、国家の収入減にならないようにするということも一つの方法ではないかと思うのでございますが、現在の方針を変えられる考えはないですか。
○説明員(宮川新一郎君) 只今たばこの小売店は、ちよつと古い資料で恐縮でございますが、昨年九月末まででは十三万六千余軒になつております。ところが販売数量は御指摘の通り増加しておりまして、今年の予算に対しましては先ほど御説明いたしましたように大体見込み通りでございますけれども、昨年の同期に比べまして、約六%ばかり売行きが、販売数量が殖えております。かようになつて参りますとたばこ数量が殖えておることは事実でございますので、十三万六千の今までの小売店を擁護するというような観点もありましようが、そういうことだけで殖やさないということはいけないと思うのでございまして、或る程度やはりこれは殖やす方向に持つて参らねばならない、かように考えております。 御指摘のように只今公社内部におきましては、地方局長に指示いたしまして、市街地の繁華街ならば五十メートル以内でなければ駄目である、そうでなければ百メートル以内でなければ駄目であるとか何とかというようなことを申しておりますけれども、販売数量の増加に伴いまして小販店を殖すという方針で進んでおりますので、これは今までの内規というようなものをやはり販売店の増加に即応するように、そのうち調整いたしまして、もう少し小販売店を増すように……、それも野放図に増すというわけにも参りませんと思いますが、或る程度増すように持つて参りたい。現在は十三万六千程度のものをば十六万程度に持つて参つたらどうか、かように現在のところは考えております。
○藤野繁雄君 ただ売れるということじやなくて、たばこの葉の問題でお尋ねしたいと思つているのですが、今年は尤も雨が多かつたというような関係でたばこが非常に内地産は悪いたばこになつて、農家からするというと、予定の収量の半分であるとか或いはそれ以下の収量であるというようなことになつておる地方があるのではなかろうかと思つておりますが、本年の収納はまだ済んでいないのだろうから、どういう状況にあるかということはおわかりにならんかわからんが、大体の反当収量というようなもの或いはたばこの品質というものに本年の天候がどういうふうな影響を及ぼして、農家収入がどういうふうな結果になつて、それが製造たばこに如何なる悪影響を及ぼすかという点について承わりたいと思います。
○説明員(宮川新一郎君) 只今詳細な資料がございませんので、正確なお答えはいたしかねますが、担当部長から聞いておるところを総合いたしますと、平均の反当収量は約百七十五キロ程度かと見ております。昨年は大体百五十六キロ程度でございまして、昨年に比べますとかなりいいように思われます。七月までの天候が非常に悪かつたため、公社といたしましても収量に非常に懸念の念を持つていたのでありますが、八月の日照りが続きましたたため、まあ大体平年作程度に参るのじやないか、かように見ております。そういうふうになりますので、品種によつては反当収量が異つておりますので、必ずしも一概にどうとも言いかねるのでありますが、昨年に比べまして反当二十キロ程度殖えておるところから見ますると、たばこ耕作者にそうひどい影響を与えないのではないかというふうに一応観察しております。
○藤野繁雄君 たばこの品質には。
○説明員(宮川新一郎君) 公社の者に伺いましたところ、品質は昨年よりいいように見ておるそうでございます。所によつて違うかとも思うのでございますが……。
○西川甚五郎君 ちよつと闇たばこの現状についてお話願いたい。
○説明員(宮川新一郎君) ちよつと今資料をあれしておりますので御猶予を願いたいと思いますか……。闇たばこは国内産の葉たばこを使いました闇たばこと、外国闇たばこと二つございますが、外国闇たばこにつきましては遺憾ながら年々違反事件が上昇する傾向にございますが、昨年十二月までの一年間の取締状況を見てみますると、一昨年に比べて約三割増になつております。年間の闇外国たばこの総量は約七億八千万本でございますが、これらの闇たばこは若干密輸入されまするものを除きまして、大部分駐留軍地から出ておるように見受けられまするので、各地方局におきまして軍取締当局とも折衝を重ねておるのでございますが、最近の数字がございませんので甚だ遺憾でございます。それから最近の、今年に入つてからの状況につきましては後ほど資料として御提出申上げたいと存じます。 それから国内の闇たばこにつきましては、主としてパチンコ屋を中心として売られる闇たばこが多かつたように聞いておりまして、検挙件数も相当あつたのでありますが、具体的な資料は、数字は後ほど又お届けいたしたいと存じますが、販売部長あたりから聞いておるところによりますれば、最近違反件数は大分減つて来ておる、こういうふうに言つております。大体の傾向だけこの際御答弁させて頂きまして、詳細なるところは一つ資料としまして後ほど御提出さして頂きたいと思います。
○委員長(西郷吉之助君) ほかに御発言ございませんか。
○杉山昌作君 塩のことをちよつと伺いますが、この表で見ますと昨年度内地塩が四十何万トン、今年は五十万トンそこそこ、まあ内地塩の増産ですか、生産確保というようなことは戦争末期あたりから閣議でもしばしば出たし、今日でも閣議のやり直しをしたりして確認して一生懸命やつておられると思うのです。ところが年産五十万トンなんというのは戦争前の数字なんで、この十年間、途中戦争というようないざこざがあつたにしても、結果的に見るとちつとも増産になつていないのだ、一体何の原因で、閣議決定なんかしばしばやつて、発破をかけているにもかかわらず、増産が遅々として進まないというのは何が大きな原因なのでございますか。
○説明員(三井武夫君) 国内塩の生産状況につきまして、杉山委員からお話がありました通り、現状は誠に成績の上がらないような状況になつております。私どももその点は誠に申訳なく存じておるのでございます。御承知のように戦争前の国内塩の一番生産されましたときは六十七万六千トンと、これはまあ非常な旱天に恵まれた年ではございましたけれども、生産があつたのでございまして、二十五年の閣議決定の場合にも、国内塩の七十万トンの生産を目標に増産を図つて行くというはつきりした方針を定められておるのでございますが、昨年は四十五万四千トン、本年も七月までの状況は昨年と同程度或いはそれをやや下廻るのでなはいかというような懸念をいたしておつたのでございますが、八月になりましてから非常に天候に恵まれて、非常な各地とも生産の向上を示しておりますので、或いはこの分で参りますれば昨年より多少上廻るくらいな成績になるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、年々多額の補助金を注ぎ込み、国家資金を融通いたしまして増産を図つておるにもかかわらずこのような状況でありまするのは、やはり何と申しましても戦争中塩田の保持を怠つておりましたのと、それから毎年のように災害に見舞われておるわけでありまして、特に山口県といつたようなところの塩田は災害のために非常な地力の低下を示しておるのであります。その上に天候の不良といつたようなことに禍いされましてその効果が上つておらないと思うのでありますが、只今御承知のように本年で三年目になりますが、従来の入浜式塩田を流下式塩田と申します新式の塩田に極力転換を図つておるのであります。この流下式の塩田に転換を終りました地方におきましては、本年におきましても相当天候が不良でありましても、相当いい成績を示しておるのでございます。先ほど申しましたように七月は非常に天候が悪かつたのでありますが、その七月について見ましても、例えば一番成績が悪かつた山口県のごときは、昨年の七月に比べまして五四%しか生産が上つておりません。或いは徳島県のごときは三四%といつたような非常に成績が悪いのでありますが、それが例えて申しますと、愛媛県でありますと昨年の二二七%となつております。或いは広島でありますと二〇五%、それから兵庫県でありますと一二四%といつたような成績を収めておるのでありますが、これらの地方の成績が非常に上つておりますのは、只今申しました流下式の転換を完了いたしました塩田が比較的多い地区でありまして、流下式の塩田におきましては、七月のようにかなり天候が不良でも相当の成績が収められるという事実を示しておるのでありますが、私どもといたしましては、何と申しましてもこの塩田の改良、流下式への転換を早急に完成いたしまして、それによりまして増産を図りたい。それが完成いたしますれば、個々の塩田について見ますると大体五割程度の増産は可能でありますので、今後資金の状況等から考えますればなお数年を要すると思うのでありますが、少くとも全国の塩田の半分程度はこの流下式の転換をいたしまして、それによりまして目標通り七十万トンは勿論のこと、それ以上の増産にまで持つて行きたいというふうに考えている次第であります。
○杉山昌作君 今のお話の流下式に変えると大体五割ぐらいの増産になる。誠に結構な話ですが、流下式に変えますのには相当資金が要ります。一町歩当り三百万円ぐらいということになると、総額では何十億ということになるのじやないかと思います。ところが今日の塩業の経営形態を見ますと、昔の百姓式の経営形態そのままのところが多いのです。多少の改良をしても、極くちよつとの改良を試みた程度では、経営形態が昔からの形態であり、而も新らしく資本をうんと要するような、資本主義的というような、株式会社的のことに持つて行かなければならないような技術の改良をしようという、そこに私は非常に大きな問題があるのじやないかと思う。結局私は塩業形態をもつと新らしい、株式会社組織のような、資本を集めやすいような形態にしなければなかなか必要な資金が集まらない。自己資金が集まらなければ結局政府のほうで面倒を見てやらなけりやならんということになるのでしようが、そこらの経営形態を改め得るのか得ないのか、或いは指導をどうして行くのか、或いはそれは一度ではできないのだろうから、国家資金を注ぎ込むというようなことで相当御斡旋というか御尽力をなさつているでしようが、そごらの見通しというものはどうなつているでしようか。
○説明員(三井武夫君) 只今お話の通りでございまして、塩業者の経営形態というものは誠にまだ旧態依然たるものが多いのでございまするが、これを流下式に転換いたしまして新式の塩田に直しました場合には、そのような旧式の経営ではいけないわけでありまして、そこで公社といたしましては、この流下式への只今は大体転換中でございまするので、流下式への転換の工事につきまして先ず組合直営の形をとらせる。個々の塩業者にやらせませんで、組合直営の形をとらせまして、理想的な形態に、今までの個々の塩業者の持地に促わてないで、理想的な図面を描きまして、それに基きましての転換の工事をやらしておるのでございまするが、転換を終りました後の経営につきましても、そのようないわば会社的な経営をできるだけやらせるように指導をしなければならないと考えておるのでございます。兵庫県の赤穂の一組合でありまするが、これは一部を流下式に今転換しつつありまするが、本年の四月から全塩田につきまして会社の直営の形に切換えまして、非常な成績を挙げている例がすでにあるのでありまするが、従来会社直営にいたしました場合にどういうふうな成績を示すかということにつきましては一部には相当危惧の念を持つている者があるのでありまして、却つて個々の塩業者の生産意欲を阻害するのではないか、生産の成績が却つてそれによつて低下するのではないかといつたような見方をする者があるのでありまするが、この赤穂の例なんかを見ますと、そうした見方は紀憂に過ぎないのでありまして、新らしい塩田の経営というものは会社一本に或いは組合一本によりまして、最も能率的な経営をするほうが生産の成績を上げ得るのだということをはつきり私は感じ取れるのではないかというふうに考えておるのでございます。今後そうして方向に是非とも指導して参らなければならんというふうに存じておる次第でございます。
○杉山昌作君 融資はどうです。
○説明員(三井武夫君) 流下式転換の所要資金でございまするが、お話のありましたように非常に多額の資金を要するわけでございます。で、本年度におきましては補助金が二億五千万、それから農林漁業資金を十億円頂きまして、これを配分しておるのでありまするが、できるだけ転換の再積を多くしたいということで、補助の率も今年は非常に低くいたしまして、昨年は所要資金の四割を補助いたしたのでありまするが、今年はその二割を補助する、そして融資の割合を地区によりまして四割乃至五割ということにいたしましたので、残りの三割乃至四割というものをどうしても自己調達をしなければならないということで、自己調達と申しましても、結局は何らかの金融機関の援助によらなければなりませんので、そうした点までの斡旋をできるだけ公社でもいたすようにいたしておるのでありますが、なかなか塩業者の資力は御承知のように貧弱なのでありまして、そうした自己調達部分が割合が多くなりますと、その点は折角補助金や農林漁業資金を出しましても十分な工事ができないというような状況になるかと思いますので、この点で公社といたしましても資金の調達に苦慮いたしておるわけであります。できるだけ明年度、又明後年度に引続いて多額の、できるだけ多額の国家資金を何とかいたしまして、できるだけ早く転換を終りたいというふうに望んでおる次第であります。
○杉山昌作君 明年度以後の融資ですが、農林漁業金融公庫とかから十億とか十五億とか、非常に少いものだと思うのですが、それで専売公社は去年法律を変えまして、関係会社へ投資をすることができるということになつている。今のよう状態ですとなかなか五年や八年で五割増のそういうふうな改良ができるかどうか僕は疑わしいと思うのです。資金関係から、むしろ公社が折角改正した法律を応用して、虚業会社に投資をして、地盤の改良は全部公社の経費でやる。こちらに投資して共同経営のようなことをやる。そこまででも薩をきめないとなかなかお話のような増産ということはできないのじやないか、公社が投資をすることによつて、それによつて、会社の経営形態等も向うに任しておかないで本当に新らしい会社式な組織に直させる。こちらが出資者になるから発言権もあるでしようし、監督権もあるでしようからそういうことにしたほうが早くできるうじやないか。これは投資は初めてやるのだから問題はあるでしよけれども、そういうことはお考えになつたことはございませんか。
○説明員(三井武夫君) 公社法の改正によりまして、公社は投資をなし得る途を開いて頂いたのでございますが、この公社の投資をどういう方針で今後実行して参るかということにつきましては、非常にこれは慎重に考えなければならない問題でございまして、私自身も一つこの投資の例を作りますと、今までの復興金融金庫にいたしましても或いは開発銀行の例を見ましても、或いはその他の国家資金を出しました例なんかを見ましても、一つ例ができまするとそのあと我も我もというこでとめどもなく希望が殺到して、それをまあさばくのに骨が折れるというようなことになりがちでありますので、よほど公社の投資につきましては厳選、厳格な態度で臨んで行かなければならないというふうに考えておる次第でございます。国内塩業に対して投資をするということは、只今杉山委員の御意見があつたのでございまして、確かに一つの行き方であるとは存ずるのでございますか、併し公社が塩田に対して直接投資をしたほうがいいかどうかということは、これはなかなか重要な問題でありまするので、公社といたしましても慎重に考えなければならないと思つておるのであります。むしろ今までの大体公社の内部で考えておりますることは、国内投資につきましては原則としてこれを取上げる考えはないのでありして、今後外国の塩田等に特に開発の必要がありまして、それに公社みずからが投資しなければならないといつたような事態が予想されるのではないか。むしろ現在としては外国への投資ということは一応考えに入れておりますが、国内投資ということにつきましてはまだそこまで考えを持つておらないのでございます。勿論これら投資につきましては、予算で以て定みられることでございまして、国会の御審議をも願わなければならん問題でございまするので、慎重に考えました上で、大蔵省方面とも十分に相談の上できまりましたものにつきしては、一々御審議を願わなければなませんが、只今のところはさよな非常に慎重な態度で臨んでおる次第でございます。
○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。 それでは次に進みたいと存じます。 —————————————
○委員長(西郷吉之助君) 次は租税の徴収状況等につきまして当局から説明を求めます。
○説明員(平田敬一郎君) 最近までの租税の収入状況につきまして私から御説明申上げたい存じます。 お手許に七月末までの本年度の各税目別の収入状況と、それから本年の六月末現在の滞納状況の表をお配りしてございます。この二つにつきまして要点を御説明申上げたいと存じます。 かいつまんで申上げますと、最近までの実績に現われましたところによりますれば、租税収入の実績は、合体としましては概して良好と申しますが、順調な傾向を辿つておると言うことができるかと思います。七月末までの収入実績におきまして、本年度は二千五百四十二億円の収入が入つておりまするが、前年に比べますと、予算の全体に対する収入歩合から行きましても、又総体の金額から行きましても、若干よくなつているようでございます。ただ問題は、部分的にはいろいろ問題があると思いまするが、概況といたしましてはそのようなことを申上げることができかと存じます。ただ極く最近になりましからやはり問題が若干あるようでございまして、法人税、物品税といつたような税目の滞納が若干増加するような傾向が出始めております。源泉所得税も若干その傾向があるようでございます。これは別の滞納状況の表によりましてもおわかりかと思いまするが、そういう傾向がございます。それと本年度の全体の問題といたしましては、今までのところ、税の実績に経済情勢が現われますのは少しずれて現われて来る。三月から半年くらいずれるのが通常でございます。例えば法人税でありますと、三月期の決算の税が本年度になりまして大部分入つておるわけでございますが、この三月期の決算は御承知の通りそれほど悪くございませんで、前年の三月に比べますとむしろ若干よくて、九月に比べますと少し落ちている程度で済みました関係もありまして、状況はそう悪いほうじやございませんでしたが、今年の九月期の決算が実はどうなるか、これによつて非常に大きく左右されることになると存じます。今の見通しからいたしますると、九月期の決算は、新聞紙等で報道されておりまするように、三月期に比べますと一割五分から二割くらい下るのではなかろうかと、まあこういう見方が強いようでございます。そうなりますと法人税の下期における収入が、やはり今までのような調子には行かんだろう、こういう問題があることと存じます。 そのほかの問題につきましては、申告所得税等につきましても若干問題かございますが、この申告所得税は、前国会で御承知の通り予定納税に科法を変えて頂きまして、比較的納税者に早く税額をお知らせしまして、役所の仕事のほうも比較的早く手廻しができたが、納税者のほうも、どちらかと申しますと、納税準備に或る程度の期間があつたという関係もございまして、第一期分の申告所得税の成績は前年に比べますと、これは悪いほうに至つてはいません。むしろ若干七月末までには成績がいいようでございます。ただごれも今後やはり経済情勢がだんだん一般的に及んで参りまするといろいろ問題が出て来るかと思いまするが、御承知の拒り申告所得税の大部分はむしろ小売業者が納めておるというような状況もございまして、今までのところ、そう大きな影響を受けておる部面が比較的少いという状況でございまして、むしろこれも今後に問題があるのじやないかと存じておる次第でございます。 話は元に戻りまするが、滞納の税額総額におきましても、この表の三段目の欄と四段目の欄、これを御覧願いたいのでございますが、整理を要する滞納総額というのは、殆んど前年、本年度変つておりません。前年度同期の本税の計、四段目の一番右の欄でございますが、五百九十三億に対しまして今年度五百九十四億でございまして、全体としましては殆んど見るべき変化がない。ただこの利子税と加算税につきまして、実は本年度になりまして古いものを相当整理しましたと申しますか、帳面にはつきり載せさせることにしたという関係で、表面的に殖えておりますが、これは事務の整理の関係でそのようになつておるのでございまして、実質的に増加しておるわけではございません。大体におきましてまだ全体の滞納の総額にはそれほど影響がない。国税庁といたしまして、できる限り実際に即しつつ滞納の整理もやるべきところにはやる、無理なところには余り無理な手段はとらないというような、両方よろしきを得まして歳入の目的を達成しますと同時に、納税者の実情に合うようにして、できるだけ実際に即しつつ成績を上げて行くように努めたいという考えで目下進めております。歳入の状況の概況としまして申上げまする点は以上のような通りでございます。 ただ問題は、最近まで一番経済面に現われておりまするのは、企業、殊に会社企業におきまして非常に債権の焦げ付きが多い。まあ中には非常に会社で倒産するようなものが出て来る。そういう会社に対しまする売掛金その他が回収できない。この問題が今のところ一番中心的な経済界に現われた事情のようでございまするので、それに対応いたしまして課税に関しまする、法人税が中心でございますが、所得の計算に関しまして実情に合うような措置をできるだけとりたいというので、先般売掛債権の償却の特例等に関しまする通達を作成いたしまして、すでに実施いたしております。これは御必要に応じまして御説明いたしまするが、そういうような点も講じまして、実際に即しつつ、而も収入目的を上げるということに国税庁といたしましては努力いたしておる次第でございます。
○委員長(西郷吉之助君) 主税局長からお願いいたします。
○説明員(渡邊喜久造君) 実績につきましては大体平田長官から御説明がありましたの事で、私から特に申上げることもないと思います。結局平田長官が申上げましたように、現在のところでほ比較的歳入の状況は順調であるということが申せるのであります。各税に亘つていろいろ見て参りますと、例えば砂糖消費税などのように、昨年八月以降に増税したとか、本年は四月以降から増税しておるといつたようなものもございまして、増減税の時期なども食い違つておりますので、必ずしもここに出ております割合が現在いいからと言つてすぐにそれというわけにも行きかねるのではないか。源泉所得税につきましても、御承知のように昨年は暮からベース・アップの問題が出まして、予算が同時にそれで膨らんだ。今年はちよつとそういうことも考えられないのじやないか。大体におきまして昨年は尻肥りといいますか、法人税におきましても九月からよかつた。尻肥りの傾向にあつた。本年はどちらかといいますと増税の関係などのずれがあつたということ、それから景気の動きからいいましても、本年はどちらかと言えば先細りを予想せざるを得ない状況ではないか、そういうようなことを一応考えました場合におきまして、ただそれにしましても現在の状況から推して参りますと、本年度の歳入におきましては歳入に欠陥が生ずるといいますか、そういつたようなことは恐らくそう心配することはまあなくて済むのじやないか、或る程度若干の自然増収が本年度としましては或いは予想されはしないかというくらいで、併しそれはもう少し景気の動きの先行を仔細に検討して参りまして初めて決定するのじやないかと思つております。 ただもう一つ申上げておきたいと思うのですが、もうそろそろ我々のほうとしましては昭和三十年度の予算という問題につきましていろいろ作業を始めかけているのでございますが、歳入の面から見て参りますと、三十年度におきましては本年先細りになつた姿がそのままよく行つて横這い、悪く行けば更にもう少し細るかも知れない、こういつたようなことが考えられるわけでありまして、明年度の勿論予算編成方針というものと大きく関連のある問題でありまして、明年度どういう予算を組むかということできまる問題でございますが、本年と同じような一応方針で考えて参りますときにおきましては、明年度の歳入の見積り、本年多少自然増収が出ましたとしましても、来年は本年組んだこの歳入予算の見積り額程度を組むことがもう精一ぱいでありまして、むしろ若干の減も考慮しなければならないだろうということを実は心配しております。そういうようなわけでございまして、まあ本年度におきましては比較的順調でありますが、何と申しましても税の上に景気の動きが現われますのはやはり或る程度ずれて参りますので、我々としましてはそうした経済の動きというものに十分関心を持ちまして、的確なる見積りをやつて参りたいと思つております。 それからなお来年度の税制をどういうふうに考えて行くべきかといつたよりな問題が更に我々の課題として与えられているわけでありますが、歳入見積りの状況が今申したような傾向を辿りはせんかということを心配されておる点もございますし、又明年度の歳出関係というものをどういうふうに計上すべきか、まだこれからの問題でございますので、我々としましてもいろいろな基礎的な調査、基礎的な考え方というものを検討している最中でございます。 なおお手許に一つ資料として御提出申上げました本年の六月二十二日に政令の百五十四号、中小企業者に対する貸付金についての貸倒準備金の繰入限度額の臨時特例というものを一応政令で定め公布いたしました。これの写しをお手許に差出しておきました。この件につきましては本年の通常国会の末期におきまして、どうも政府の現在やつておる施策から言いますといろいろな政策のしわが中小企業に寄ることが予想される。従つて中小企業金融についても何らかの措置をとるべきじやないかといつたような点がいつも議論になり、衆議院などの委員会ではその決議まであつたわけでございまして、その決議の一つとしまして、中小企業に対する金融機関の貸付金につきまして一応貸倒れの積立の率につきまして特例を作つたらどうかという御意見がございました。我々のほうとしましてもいろいろ検討いたしました結果、その対策の一つといたしましてそこに御配付申上げましたような政令を公布施行しております。これによりましてどれだけの効果が上つたかということにつきましてはまだ的確な数字はつかんでおりませんが、一応中小企業金融につきまして何ほどかの効果は持ち得たのじやなかろうかということを考えております。取りあえずそれだけ御報告申上げます。
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今の説明並びに租税全般につきまして御質疑をお願いいたします。
○豊田雅孝君 先ほどお話のありました売掛債権の償却の特例等についての御説明を願います。
○説明員(平田敬一郎君) 特例等につきまして通達を出しました趣旨は、今申上げた通りでございますが、内容の点をかいつまんで御説明申上げたいと思います。印刷物の二ページ目から御説明申上げます。 先ず第一は売掛債権がなかなか回収できないという問題に関連いたしまして、課税所得をどう計算するかという問題に関連しましてとつた措置でございます。それは一応御承知の通り商品を引渡しまして債権が確定いたしますと、その分に相当する利益は法人の決算上利益になつて出て来るわけでございます。普通の年でありますとその代金が間もなく回収されましてそれぞれ利益が実現されまして、納税の頃までにおおむね回収できるというのが普通の状態でございますが、どうも最近の状態は次々と焦げ付いて長くなつて来るという状態でございますので、やはり或る程度長く焦げ付いた場合におきましては、一遍利益に見ました分もよく考えてみて、少しやわらめて、会社計算でその売掛債権に対応する差益の分を決算を作成する際に未決算勘定としまして整理して損金に落して来た場合には、そういう計算を認めることにしたらどうだろうか、認めることにしようというのが通達一の趣旨でございます。現実にその売掛債権が収入されました際に更に利益になつて課税されて来るということになりまして、一年もたつてなお取れない場合におきましては、その売掛金から生じました売買差益に相当する分を会社計算上損金に落して来たらその計算を認めよう、これが第一でございます。こういう措置をとりませんと、いわゆる利益は出たが銭がないという現象が至るところにあるようでございますが、そういう面で課税上も実際上、結局におきまして徴収猶予その他を事実上せざるを得なくなつて徴税もできないという場合が多いので、むしろ課税自体をそういうふうに計算し直してやつたらどうかということが第一の趣旨でございます。尤もこれは、従いまして後にその分の収入金が入つて来ますればその際に更に課税される、こういうことになるわけでございまして、最終的に課税しないとか減税するという趣旨ではございません。或る期間ごとの利益の計算に際しまして、若干の調整を図つてやる、こういう趣旨であります。 それからその次は貸倒れの認定に関しまする取扱いでございます。これが今までは例えば破産の場合でありましても、破産が開始されましてもまだ幾ら貸倒れになるか、最終的には実はわからんのじやないかという趣旨におきまして、最後に話が結着するまでは貸倒れは原則としては認めないという、非常に特別の場合として事実上認めておるところもありますが、原則はそういうことにいたしておるのであります。最終的に貸倒れが確定して勧めて損金に落すことを認めるということにいたしておるわけでございますが、これも私は最近の実情からいたしますると、そういう事実認定の方法がどうも企業にとつてやや苛酷に失するという点が考えられますので、この四ページ目に掲げましたような債務者につきまして一定の外形的なはつきりした原因が発生した場合におきましては、こういう債務者に対する貸付金につきましては一応先ず半分までは会社が落して来ればそれを原則として認めよう、更に非常に特別の場合には、国税局長に上申させまして、全額まで認める場合があつてもよろしい、但しこの分はまだ最終的にきまつていないのを見込で認めるということにいたします関係でありますので、特別に別途資産に計上さしておきまして、将来現実に入つた場合にはその分は課税するという、その関係をはつきりトレースいたしまして間違いないようにしたい、こういう趣旨が第二でございます。どういう原因かと申しますとそれはここに列挙してありますように、債務者が手形交換所において取引の停止処分を受けたとき、不渡を幾らか出して停止処分を受けたとき、或いは会社の更生手続の開始の決定があつたとき、和議の開始の決定があつたとき、会社の整理開始命令があつたとき、特別清算の開始命令があつたとき、破産の宣告を受けたとき、最後に業況不振のため、又は事業について重大な損失を受けたためその事業を廃止し、或いは六ヵ月以上の休業をする事態になつたとき、こういう場合におきましては大体におきましてどうも取れないことがほぼ確実な場合が多い。こういうことを考えまして、先ほど申上げましたような趣旨に貸倒れの認定基準を変えよう、これが第二の措置でございます。但し先に申しましたようにこういう場合におきましては最終確定前に見込で認めるということになりますと、その関係ははつきり帳面に整理いたしまして、確定の際に清算する、こういうふうにいたしております。 それからその次は、大部分の措遣は一と二が重要な措置だと考えておりまするが、認め方につきまして、第二の場合やや技術的にいろいろな今までの貸倒れ準備金との関係その他を詳細に講つておるわけでありまして、その細目は御説明を省略いたします。 それからこの取扱いは大体法人でありますと四月一日を含む事業年度、つまり四月一日以後終了する事業年度分につきまして決算の際に今申上げましたような方法をとつて来た場合に認めるということにいたしております。なお細目の点はやや技術的に亘りますので御説明を省略させて頂きます。なお個人につきましても大体法人の場合に準ずるような同じ事由がある場合におきましては原財として認めるということにいたしておる次第でございます。
○豊田雅孝君 これは先ほど主税局長から御説明のあつた中小企業金融に関する税制上の措置と相並びまして、先般の中小企業危機打開に関する決議に対応するものかと思うのでありますが、只今の売掛債権の償却の特例等につきましては、これは通牒ではありますが、なかなか難解のようでありますし、業界としてはこの程度ではちよつと理解できなくて利用が十分できないのじやないか、税務署のほうでわかつていればいいようなものでありますが、業界のほうも心得ておつて、相寄り相待つて初めて効果を発揮すると思いますので、この売掛債権の償却の特例等については解説的なものを用意願つて、業界に十分こういう制度の開かれたことを徹底するようにお願いをしたいと思います。
○説明員(平田敬一郎君) 先般新聞紙等にも発表になつておるのでありますが、やや技術的でありましたために、まだ十分載つてない点もあるようでありますので、お話のような点十分注意いたしまして、今後とも徹底方を図りたいと存じております。
○豊田雅孝君 なお受取手形を抱えておつて、これが金融にもうまくベースに乗らないというような場合に、これによつて便宜納税をするという行き方について途が開かれたとか或いは折衝中だとかいう話を聞いておりますが、その点についての御説明と、同時に延滞利子が只今の四銭では非常に高くて、このデフレ下の不況下においてはなかなか、実情に合わない問題じやないかと思うのでありますが、その点について併せて御意見を承わりたいと思います。
○説明員(平田敬一郎君) 受取手形でまだ銀行から割引を受けていないというものは売掛債権の中に含めまして、割引を受けたり或いは積立金を支払つたときまでは先ほど申上げました売掛債権に見よう、こういうことにいたしております。もう一つ問題がございますのは一遍割引を受けましたが、その債務者が支払不能になりまして、銀行から買戻しの請求が来た、こういう場合にどうするかという問題があるようであります。この問題はもう少し実行した上で更によく検討した上で、更によく検討してみようというので今問題にしておりますが、受取手形のままで割引も受けてない、決済もついてないというものは、先ほど申上げました売掛債権の中に入れるということにいたしております。
○豊田雅孝君 延滞利子四銭というのが高過ぎるという声がありますが、これについて適当な措置を講ぜられる御意思はありませんか。
○説明員(渡邊喜久造君) 延滞利子の問題につきましてはこれは法律できめてある問題でございますので、私のほうで御答弁申上げたほうがいいと思いますが、一応これが高過ぎるか或いはどうか、我々も絶えずいろいろな動向も伺いまして検討しておるのでございますが、最近の金利の状態、それから例えば株式における払込遅延の場合の延滞利子、これが大体従来四銭のような傾向になつておるようでございます。いろいろな御批判もございまするので、更に我々のほうとしましては検討してみたいと考えてはおりますが、一応法律の問題でもございますので、もう少し時間をかして頂いた上で結論を出したい、かように考えております。
○豊田雅孝君 法人税の減免措置に関する問題が大分業界では問題になつておることはお聞きの通りのことと思つておりますが、要するに法人税の特別減免措置は大企業にのみ利用せられるという点から、この点については何とか業界のほうでも配慮することによつて法人税率の一般的引下げを要望しておるように思うのでありますが、大蔵当局のほうでもすでに研究をされておるようにも伺うのでありますが、次の国会あたりにこれを提案せられる御意思がありますかどうか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(渡邊喜久造君) 法人税の減免措置と一般に言われる……、同時に主として臨時措置法、或いは法人税法の本法の中で一応、臨時措置法という名前はどうかと思いますが、なされております幾つかの措置、これはやはり相当内容的見て参りますといろいろの性格のものが一つになつて論議されておるのではないかというふうに思つております。と申しますのは、例えば一番金額的に大きなものは貸倒準備金の問題でありますとか、或いは価格調整準備金の問題でありますとか、それから退職準備金の問題、こういう幾つかのものでございます。これは実は税そのものの考え方からいたしましても、或いは会計原則そのものの考え方からいいましても相当理屈のあるところでございまして、必ずしもいわゆる経済政策の故にとられた措置だというふうな性格のものではないということが相当言えるのではないかというふうに思います。貸倒準備金などにおきましては確かに貸倒れになるまでは、税を損金にしないところで以て課税するということは一つの行き方でございますが、最近の情勢などを見て参りますと、どうもそれでは非常に企業に無理が起るわけでございまして、いろいろその問やはり準備金を積ませて利益の平均化を考えて行くことは企業会計の上からも許され得るものではなかろうか、ただこういう制度にいたしましても、お話のように比較的中小企業におきましては利用が実際上なされていない場合が多い。それでもつと利用して頂きたいと思のでございますが、実際利用がなされていない。退職準備金の問題につきましても、当初におきましては、例えば労働基準局に一応退職金の規則を申出るということを条件にした関係もありまして、被用者が十人未満でしたかの場合にはこれが使いにくかつたが、それでは如何にもいけないからというのでこういつた制限はやめまして、退職準備金の制度を比較的中小企業の方も使い得るように拡げたつもりでありますが、ただ現実の問題としましてはなかなかそれが使われていない、この点については更にどういう点で使いにくいか、もう少し使うことについて或いは大いに宣伝する必要があろうと思いますが、或いは使いにくい根拠といつたようなものを更に尋ねて見る必要があるのではなかろうかというような面でこの問題を考えて行きたい。 それからもう一つの一連の措置、例えば輸出振興のために減免をいたしますとか、こういつたような関係のもがございます。このほうがやはり比較的中小の人には関係がなくて大企業のほうが主としてこれによつて恩典を得て行くということで、中小企業のほうでいろいろこういう制度についての批判があることも存じております。税だけの観点からいいますと全然別の見方も出て参るのでございますが、やはり現在のような制度をずつと進めて参り、政府が何らかの措置で、例えば輸出の面につきましてもこれを促進しようとして参りましても、結局金融をつけるか税金をまけるか、補助金を出すか、幾つかの政府の措置というものはおのずからそこに限定があるわけでございます。従いまして税だけの立場から見ますと確かに御批判のあることもわかりますが、輸出振興とか、そういつたような大きな観点から何らか考えて行くということも一つの考え方でございます。こうした点も更に睨合せまして、全体を調整して参りたい、我々のほうといたしまして、今直ぐこうしたものを大巾に整理するという結論を見るまでには至つておりません。もう少し検討した上で態度をきめて行きたい、かように考えております。
○豊田雅孝君 税制が最近では非常に複雑になつて来ておりますために、要領よく研究する者は、それぞれその制度をうまく利用し、活用するということになるのですけれども、今お話の中小企業のごとく、なかなか制度通りにはマッチしない特殊の本質を持つておるものに対しては、特別の減免措置なんというものはあつても、画に描いた餅になるような傾向があります。それはだんだんはつきりして来るわけです。そういう点から、特別減免措置というものは全廃をこの際して、そうしてそれから浮いて来る税収というものは他にこれを廻すとか、税率の引下げをやる。殊に低額所得に対して特別の税率を設けるということが絶対必要だし、それが今の中小企業の実情に一番即する。そういう点で大蔵省では御研究になつてはおるようでありますが、この際徹底的に研究してもらつて、こういうふうに税制自体の簡易化、それの最も典型的なものとして特別減免措置に、大さな措置をこの際考究してもらいたいと思います。この点特に希望申上げておきます。
○説明員(渡邊喜久造君) 御意見は確かに私は一つの御意見だと思うのであります。我々の内部にも実はそういう意見が相当ございます。ただ、税制と経済政策というのを、どこの点でどう調和さして行くかというところに実はいろいろ問題があるわけでございまして、現在におきまして、更にもつとむしろ減免措置を拡げろといつたような要請も相当ございますわけでございまして、そういつたいろいろな相対立する御意見を我々といたしましてはとくと拝聴いたしまして、一応の結論を出すことに努力いたしたい、かように考えております。
○土田國太郎君 関連して。只今の豊田君の質疑に対して、関連して主税局長にお伺いしたいのですが、最近におきまする中小企業と大企業との実効税率の差が非常に大きくなつて来た。そういう点について大蔵省で御調査になつておりまするならば、大企業並びに中小企業に対する実効税率の状態をお聞きしたい。
○説明員(渡邊喜久造君) いろいろ我我のほうでは資料を集め、調査はしております。ただ実効税率という点に私はいろいろまだ検討すべき余地があるのでじやないかというふうに実は思つておるわけでございます。と申しますのは、先ほども申しましたように、現在臨時措置でやつております各種の措置の中には、会社経営の、経営学といいますか、会社経営のほうから見まして、当然これくらいのことは考えて行くべきだ。例えば会計原則などにおきまして、それは当然認めらるべきものだ、税自体の上から見て認めらるべきものだといつたような考え方に属するものと、それから税の上からはそういう結論はちよつと出て来ない、むしろ輸出振興とか、そういつたような特殊な事情に基いて出て来たもの、こういうものと二色あるわけでございして、そうした場合にそうしたものが、まあ或るものは措置法にきめられており、或いは退職積立金とか、それから貸倒準備金といつたようなものは法人税法の施行規則でやつておりますが、従来認めていなかつたものをその後認めたということの故に、全部これが特殊なものであり、従つてそれによつて税が減免される奴は実効税率が全部低くなつて行くのだという結論を出すのは少し如何か、こういうような考え方がございますので、もう少し内容的に検討してみる必要があのじやないか、かように考えております。
○土田國太郎君 いや、私のお伺いするのは、御意見のところはわかつておるのですが、今の実効税率が、大企業がどの程度或いは中小企業はどの程度の実効税率になつておるのかということをお伺いするのですが、若し材料がなければこれは止むを得ないが……。
○説明員(渡邊喜久造君) 今ちよつとここで持つておりませんので、非常に恐縮でございますが、まあ考えられますのは、例えば業態別、或いは中小企業別といつた問題になると思いますが、今言つたような点もございまして、いわゆる実効税率というところで計算するのか、いろいろまだ議論がございますので、もう少し資料も集め、内容的にも検討してみた上で御披露申上げたい、もうちよつと御猶予願いたいと思います。
○土田國太郎君 先般の朝日新聞に、この中小企業の二十八社の調査が出ておるのですが、それは大体平均の三七・六%、実効税率が……安いのが三五、高いのが四二。大会社になりますというと一七・六、まあ大体二〇にからんでおる。まあ四〇の半分以下にまでなつておるということが、これは真相は私存じませんが、朝日新聞に発表されておりますので、こういうようなことになつて非常な税率の差ができてくる。結局このデフレのしわ寄せで、中小法人が困難な状況に入つておるというようなことを考慮されたなら、政府はこの次の国会までにこの点十分一つ研究される必要があるのではないかと考えるが、大蔵省のお考え如何でしようか
○説明員(渡邊喜久造君) この朝日新聞の記事によりますと、例えば銀行は平均二割だとかいつたようなことが書いてありました。これは先ほど言いました貸倒準備金のようなものを、これは全部特殊な施策に基くものであつて、これは本来税だけの観点から言えば落すべきものじやないのだ、それを まあ特殊な施策に基いて落している、こういつたような観点で計算したといつたようなときに、この二〇という数字が私まだ見ておりませんからあれですが、相当大きな会社の分につきまして低い税率が出るというようなことはあり得ると思つております。ただその内容自身は、今申しましたように従来認めていなくて、その後に認めている幾つかの準備金とか、引当金の制度、それは税の上から言つたならば、むしろ異常なものであつて、そして他の特殊な経済政策的な要請に基いてなされるものだ、こういつたような前提に立つて初めて言われるものじやないか。従いましてそういつたことはすでに税自体の上から言つても、やはり相当理由があることじやないかということになりますと、むしろ引当金とかそうしたものを取つた残りがやはり利益として考えるべきものじやないか。退職引当金などにつきましても、これはやはり一応損金として考えて行くのがむしろ税の上から言つても妥当じやないか、こういう観点で一応利益を出して行けば、この数字はずつと違つてくるのじやないか、かように考えております。その辺にまだ相当の議論の余地が私はあるのじやないかというので、こういう数字を、そのまますぐにそこに負担に大きな違いがあるのじやないかというようなことは、まだ結論を出すのは早いんじやないかと考えております。
○土田國太郎君 それと、ここに貸倒準備金の繰入限度額の臨時特例に関する政令があるのですが、これは銀行ですか、貸方は。
○説明員(渡邊喜久造君) これは金融機関と言いますか、金融業者であります。
○土田國太郎君 大体銀行ですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 大体銀行、信用組合といつたようなものでございますね。
○土田國太郎君 それが一方貸方のほうは、それに相当する金額は年度所得の半分までは無条件で損金に算入される。一方の中小企業のほうの借方のほうは、これは税務署に認めて頂くには非常な問題がここにあつて、なかなかこれは絵に描いたぼた餅で、税務署がうまく認めてくれるかどうか、疑問の点が非常に多いのですが、同じこういう処置をなきるということにつきましては、金融機関と同様にやれというのではないが、或るべくもう少し簡素に税務署の取扱いいいように私はしてやるのが親切ではないか、折角こういう政令をお作りになつた以上は、もう少し実行できるようにされたらどうか、こう考えますが、お考えはどうですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 問題は多少まあ二つ三つ分れるのでございます。その政令のほうで出しておりますのは、貸倒準備金の積立金の限度の問題、どの程度積立てていいかという問題の特例でございますので、この貸倒準備金につきましては、現在におきまして、この政令のあります以前におきましてから、中小企業もとれまして、物品販売業者とか製造業者とかそれぞれの業種に対しましてこの程度の積立てはよろしいということは現在制度的にすでにできております。従いましてそれの一部の特例といたしまして、中小企業に対する金融を促進する意味におきまして、金融機関に対して積立の限度の一部を引上げたらどうか、こういう御意見がいろいろ御決議などにおいて、国会の御意思としていろいろ表明なされましたので、ここに一応の政令を出し、そこでもう一つ今平田長官が御説明申上げました、貸倒れの今度は現実の事実に対しまして、貸倒れを計上するかしないか、これは実は別途の問題でございまして、これは或る一つの貸倒準備金のほうは一応貸倒れの事実があろうがあるまいが、期末において或る程度の貸付金があれば、売掛金等があれば一定の割合で積立てて、現実に貸倒れが出ますと、そうすると、この貸倒準備金から先ず実はそれを充当するわけでございます。現実に貸倒れが出ますと、貸倒準備金があればその貸倒準備金を先ず充てまして、貸倒準備金でなお充てきれない場合に、今度はその差額が法人であれば損金になる。その場合の貸倒準備金から償却する貸付金貸倒準備金を持つておりませんければ、それがすぐに今度は損金になりますが、そういうものをどういうふうに認めて行くか、この点につきましては従来国税庁のやつておりますやり方が比較的厳に過ぎたといわれておるのではないかと思います。特に最近のような経済情勢には合わない。そこで今度国税庁のほうと我々のほうと相談いたしまして別途に出したわけでありまして、この貸倒準備金の制度というものは、現実に貸倒れを損金に落して行くというものを先ず一つの前段階として、一応会社の経理のために認めて参つて制度でございまして、これはまあそれなりに一つのバランスをとつて行くべきものだと考えております。同時に現実に貸倒れができた、貸倒れと認める事実ができたという場合に、その貸倒準備金から充当し、或いはその充当では足りないときには損金として認めて行く、そうして貸倒準備金としてどういう程度のものを認めて行くか、これは別途の問題として考えて行くべきじやないか、さように考えております。
○土田國太郎君 大体わかりましたが、いずれにしても、中小企業の税負担というものは非常に実効税率において重大なる要素を持つておるという一面、又地方におきまして事業税というものの負担を商工業者が負つておるということを考えますと、どうしても国税のほうを考慮して頂かなければ、中小企業は成立たんということ、内容は別として結果としてそういうことは免がれない結果になつております。先ほど豊田委員から要望せられた、中小企業即ち一千万円以下の業者に対しましては適当な低減率をお作りになるのが妥当ではないかということを私も強く要望しておきます。 なお、委員長にお願いしておきますが、この実効税率の調査を大蔵省のほうで今やつておるというような御説明を受けたわけですが、それを文書で以て委員会のほうに御提出の要望をいたしておきます。
○菊川孝夫君 第一番にお尋ねしたいのは、しやし繊維税ですね、これは不成立に終つたのですが、その穴というのはどうなんですか、それだけ予算面においては、もう収入を見込んで支出をしてあるのだが、あの穴をどういうふうにして埋められるのか。それを一つ。
○説明員(渡邊喜久造君) 現在までに我々のほうで取つて来た措置といたしましては、しやし繊維税による八十五億の穴と、それから入場税関係の法律でこれもまあ税率が下つたといつたようなことから、雑収入として十九億一応予定していたのですが、それがまあちよつと予定できなくなつたという穴。それからあと歳出のほうの関係で、私実は詳しい内容はよく存じておりませんが、予算の組替えの際に、まあ予備金のような問題の、この関係で予備金関係を少し立てたと言いますか、いろいろな関係があつたようでございまして、総体として約二百億見当の実は何か措置を講じなきやならん問題が残つたようでございます。で、それにつきましては、主計局のほうでいろいろ検討いたしまして、結局事務費その他におきましての相当の節約ということによりまして大体二百億見当の歳出を節約するということで、一応実行予算の上におきまして、そうした収支の関係におきましてしやし繊維消費税の八十五億が不成立になつたために、歳入予算がそれだけ減しましても、歳出のほうとの見合いは一応つくということを目安にして現在実行予算を施行している次第であります。
○菊川孝夫君 次に入場税ですがね。あれ、地方税当時との実績は上つているだろうと思うのですがね。あのまあ入場税移管反対というのが盛んに言われておつた。というのは、地方税のときには割合にまあ何と言いますか、顔がきいて逃れる道があつた。ところが、国税になつたらそれがよく取られるだろうというところから業者のほうが反対だつた。どこへ納めるのも私は同じだろうと思うのだが、その実績はわかつているだろうと思うのだが、今までの施行実績のわかつた点だけお聞かせ願いたい。地方税当時と比較して……。
○説明員(渡邊喜久造君) 入場税は御承知の通り法案の成立が遅れまして、施行に移しましたのが五月の十八日から、当初におきましては四月一日からまあ国税として施行するということになつておつたのでございますが、五月十八日から施行したことは御承知の通りでございます。現在私のほうに数字がございますのは七月分まで、従いまして五月がまあ半月弱、六月、七月、こういう数字が一応出ております。これはまあ課税のほうのは実績でございますが、結論的なところだけ簡単に申しますと、本年になりましての国税として施行しました結果の入場人員、入場料金と税額と、それから丁度これに対応します前年度の地方税当時における入場人員、入場料金と税額と、こういうものを比較した数字がございますので、これを御披露申上げたいと思います。 それによりますと、入場人員は地方税当時の数字に比べまして四割五分殖えております。地方税当時の人員を一〇〇といたしますと一四五になつております。それから入場料金は六割六分増、即ち地方税当時の数字を一〇〇といたしますと一六六という数字になつております。それから、税額でございますが、税額におきましては、これは地方税当時の税額がこの七月分まででございますと十二億一千九百万円に対しまして、国税としての課税が九億四千万円、従いまして七七で、御承知のように地方税当時におきましては税率が五割でございました。で、現在こうした数字でやつて参りますと、改正法にゆきましては階級定額、階級定率になつておりまして、下のほうから、一割から始まりまして順次五割になつておる。平均税率は二二%になつておる。まあこういう関係が主に働いておると思いますが、入場人員、入場料金等におきまして相当の増加は出ておりますが、税額におきましては七七と、これは併し六月の数字と比べますと実は大分変つて、改善されたと言つていいのですか、上つて来ておりまして、五月、六月だけをとつて参りますと、先ほど言いました入場人員が一四五というのは六月まででございますとこれが一三三であります。それから料金のほうの一六六が六月までとつて参りますとこれは一四九、税額にしましても七月分まで入れますと、全部平均しまして七七になつておりますが、六月分で切りますとこれが六九であつたのです。現在までのところでは国税としては新らしい施行でもございますが、国税庁としても施行については相当に慎重に留意いたしておりまして、余り無茶な検査とか何とかということは勿論やりませんし、検査とかそういつた点につきましても、できるだけ指導的な立場でやつておりますが、もうそろそろ警告も発し、少し調べてみる点があつてもいいのじやなかろうかということが今考えております。勿論それで余り無理なことをするつもりはございませんが、もう少し調べてみて行きたいと、どういうことになつておりますか……。まあ御承知のように当初は四月一日施行で百九十二億収入を予想しておりまして、それが税率を下げてもすぐには数字が変らないのじやないかという御意見もあつたわけでございますが、我々のほうは一応四月一日から施行しましてあの税率ですと百四十五億ぐらいになるのじやないだろうかと、まあ一応数字は出しておりました。それが五月の半ば、即ち十一カ月が九カ月半になつたものですから、その関係で十一カ月百四十五億これを九カ月半に直しますと大体百二十五億という数字になる。今のままで行きますと百二十五億をちよつと下廻るかも知れないと思いますが、もう少しよく調べて行きますと、まあどのくらいになりますか、百二十五億という数字からはそれほど大きな開きもないで済むかも知れない。もう少し事態の推移を見て参りたい、かように考えております。
○菊川孝夫君 そうすると、入場税の国税移管ということは、一応最初にあなたのほうで説明されたように、どちらかというと、減税になつているわけですね、実際問題としては税金が安くなつている。これだけ入場料金がこのように上つているにかかわらず、税金として、収入している分が少いということになると、実際の減税になつておる、こういうことになるのですね。
○説明員(渡邊喜久造君) 私はそれは減税になつていると申上げていいと思つております。それで興行の方々もその点は十分やはり考えられまして、そうして御承知のように国税に移つた機会におきまして、特に東京のように従来やはり厳格に課税を受けていたところにおきましては、入場料金につきましても十円とか何がしかの料金の引下げをやはりやつておりますし、そういうような点などを考え合せて参りますと、例えば勿論税率とか形式の上に現れた数字は五割から二割二分に行くということで、これははつきりしており議論のないところでありますが、従来五割の税率ではあつた、併し実際は課税標準のほうで以て相当低くかかつていた。従つて税額自身におきまして、まあどうであつたか。今度は税率は下つたが課税標準の取り方は一ぱい一ぱいとか或いはそれに近い、こういうふうなそのからみ合いが現実の事実としてどう出て来たかという点が今の御質問だと思いますが、その課税人員或いは入場料金の把握ということと税率の引下げの相乗積を考えて見まして、従来の税率は高かつた、併し課税人員の把握は弱かつた。この二つの数字を比較して見ますと、少くとも全般的に言えば、まあ負担は低くなつている。まあそれが一つはやはり入場料金の引下げという姿の上にも反映して来ている、こういうことは申上げていいと思います。
○菊川孝夫君 次に。源泉徴収の滞納でございますが、源泉徴収はこれは事業所等におきましては個人からは取つている。けれども国税庁のほうに納まつておらない。こういうふうになつているのか、それとも個人からも取らんということになつて、その百三十六億という数字が出ているのですか。これを一つお伺いしておきたい。
○説明員(平田敬一郎君) これは実際上の問題としてはなかなかむずかしい問題でございまして、個人に払つている額は税金を引いた残りの額を払つている。税金相当額は契約できまつたところの給料から少く払つているわけでございます。その金額は個人から取つたといえば取つたということは言えるかと思います。そのまま払わないでおりますということは、会社がそれだけの資金が苦しいために結局税金分だけを払わないでいると暗にそういうふうに見てしまうから、そこは見方の差によるかと思いまするが、建前としましては、一応やはり個人から払うべきものを払わないでそれを国に納めてしまうということになるわけでございますから、建前としましては、原則として取つたと言い得るのではないかと思いますけれども、現実問題としては、それは一遍金を払つてその中から引くわけでございませんので、常識論を申しますと、どちらに見るべきか余りきつぱりとは申上げられないような性格のものだと思います。
○菊川孝夫君 最近特に賃金の遅欠配ということが多くありますが、賃金の遅欠配ということは、源泉徴収の場合にも、そういう賃金の遅欠配というようなときには、これはどういうふうにあなたのほうは考えておられるのですか。遅欠配になつた分については、これは払つた金額について言うのか、遅欠配になつている分については、どういうふうに処置されるのか。これは現実に払つた分だけに対して徴収するのかどういうのかお伺いします。
○説明員(平田敬一郎君) 納税債権は支払うべき義務が発生したときに一応確定するのでありますから、現実に政府に払込みますのは支払があつた月の翌月十日ということになつておりますので、払つた分に対する分だけは勤労所得税を納めなければならんということになつております。従いまして遅れておる場合は、税法上もその分だけはすぐ納めなくてもいいということになるわけでございます。
○菊川孝夫君 最近特に賃金の遅欠配、それから失業者の続出というやつが出て来たんですが、そうなつて来ると僅かのもらう退職資金等で、今まででしたら割合に再就職の途があつたと思うのですが、これは大分とざされて来てひどくなつた。従つて退職金手当等によつて当分食い繋がなければならんという実情になつて来ていると思うのですが、従いまして退職金等に対する課税というものについては更に一段の減税措置というものをこの際考慮しなければならない。特に企業整備によるところの退職というのと、自然の、長年勤めた勇退という意味の退職とでは、退職金の税金徴収の場合にも相当考慮しなければならんことになつているのじやないかと思つておりますが、これらについて一つ特別の処置というものができるものか、法律改正でもやらなければできないものか、その点をお伺いします。
○説明員(渡邊喜久造君) その問題はやはり法律改正といいますか、法律事項の問題だと思つております。退職金の問題につきましては、御承知のように法律の改正におきまして控除額を従来に比べましては相当大幅に引上げられたわけでございまして、今菊川委員のお話になりましたような企業整備による退職金というような特殊な問題をどう考えるかという点につきましては、或いは更に検討すべき問題として新しく顔を出して来るかも知れないと思つておりますが、退職金という考えカからしますと、本年の改正におきまして、従来の二十万円の控除が、勤続年数にもよりますが、五十万円まで上つたわけでございまして、そのような点からいたしますと、少くとも通常の退職金につきましてはかなり優遇されたと言つていいか、私知りませんが、当然だと言えばそのままたと思いますが、相当の課税上においては配慮がなされているということは申上げ得ると思います。
○菊川孝夫君 この際希望として、これだけ失業者が多く出て来るということになりますと、再就職の途が非常にむずかしくなるに従いまして。退職金に対する課税というものは余ほど緩和してやらなければならん。特に長年勤続の勇退という意味とそれから失職という意味の退職金手当というものは、これには大分性質を変えてでも考えてもらわなければいかんのじやないかと考えるのですが、ちよつとこれは御検討を願いたいと思います。
○説明員(渡邊喜久造君) 御承知のように、今度の改正の場合におきまして勤続年数を相当入れた場合に、勤続期間の短い場合については或いはあの二十万円をむしろ減らすということも考えていいのじやないかというふうな意見も実はあつたのですが、短かくするほうは実はしなかつたわけであります。私もう少し検討してみます。併し今お話のように企業整備とか何とかいう関係でおやめになる場合は、大体二十万円の限度で現在期間が短かくてももう全然税金を掛けておりませんから、恐らく現在の制度で課税になるのは相当やはり勤続年数の長いかただけではないだろうか、それも或いは単純な労務者というよりも、会社におかれましても相当の地位にあるかたというふうに実は思います。そうでなければ勤続年数が相当長いかたとか、従いまして企業整備関係のためにと言いますか、それのためにと言つて、まあ本来当然普通ならば働けるのに、それでやめてといつた場合におきましては、もう少し実状を調べてみたいと思いますが、現在二十万円の控除というものはかなり働くのじやないかと、かように考えておりますが、只今その点につきましては私も自信を持つた数字を持つておりませんので、更に検討してみたいと思います。
○菊川孝夫君 それから次に先ほどから豊田君や土田君から盛んに中小企業の税負担についてお話があつたのですが、御尤もだと思うのですが、中小企業の申告、青色申告やその他の申告納税の場合と源泉徴収の場合と比べまして、私はいつも言いますように、源泉徴収というものはどうも捕捉率というものが高いということだけは否定できないと思う。だからでき得る限りこれらに対しての減税ということを考えなきやならんと思うのですが、なかんずく現物給与的な性格のものにつきまして一つ特段の処置を講じてもらいたい、こういうふうに思うのですがね。と言うのは、例てば警視庁の警官で深夜巡廻をする或いは病院の看護婦等で深夜業をやる、守衛その他で深夜業をやるという者にはいろいろの名目でそれぞれこれらに対する特別給与はその所所によりまして違つておりますけれども、実際には深夜業をするために食糧に充てるというのが多いだろう。巡査でも夜巡廻して来ると、まあ徹夜していると、どうしてもそばの一つも食つてやらなければならん、或いはパンの二つも食つてやらなければならん。それをやりましても一日五十円や七十円はどうしてもかかるだろうと思うのです、今の常識から考えまして。暑い時分であつたら氷の一杯も飲むということになつたら、少し上等の氷であれば五十円がもう飛んでしまう。だからそういうふうな性質の給与につきましては現物的な或る程度の金額を限つて、だからと言つてそれでは、現物給与すればいいと言つても、現在警視庁の巡査にパンを配るということは腐敗その他でできません。だから現金を渡して自分でそれをこしらえて食うなり、うどんを食うなり或いは暑い時分なら清涼飲料水をとるなり、これは適当にやらせているようだと思うのですが、これらにつきまして、一つこれは国税庁の通牒だけでもできるんじやないかと思うんですが、考慮される余地はないかどうか、特に御考慮願いたい。 それから第二の点は、北海道方面に石炭代というのを支給されるんですがそろそろ時期になつている。暑いうちから北海道はやかましく言うんですが、石炭は人事院の勧告ではニトンならニトン出せと、こういうように勧告するんですね。ニトンの相場に対して、丁度合うように何級の何とかいう石炭の規格に合うようにして、それでニトンずつの金額を出す。こういうふうにしてやつているんですが、従つて石炭をやるのと同じことだ。それに税金をかけということになれば、こトン渡すというやつは、一トン八五くらいしか石炭が買えんと、こういうふうになつておるんですが、これについて石炭を実際買つてやつてやれば一番いいと思うんですが、ニトンという石炭代をもらつて、その中から税金を払うということになれば一・八五トンくらいになるのであるから、この際はこれらについても税金をとるということをやめるということはできんものかどうか、これを一つ伺いたい。
○説明員(平田敬一郎君) 最初に先ほどの勤労所得税の滞納の問題に限りましてちよつと申上げておきますが、先ほど課税面の措賢につきましては、通達いたしましたことは御説明申上げた通りでございます。今度はいよいよ滞納になつてどうにもならない、なかなかとりにくい、とれない、こういうような場合にどうするかという問題につきましては、なお、今若干検討いたしております。それで一般方針といたしましても、できるだけ個々の納税者の事情をよく調べて、余り千篇一律な方策はやらんようにという考え方でやつておりますが、その趣旨をもう少し具体的にいたしまして、本当に気の毒なような場合には、それに応じまして、例えば差押え、競売等の強制処分を手加減するというか、事実上余り急いで無理なことはしないとか、或いは若干徴収猶予なり、分割納付等の方法を認めるかどうか、そういうことにつきましても、若干検討いたしておりますことを申添えておきます。ただこれは余り迂閣に緩めますと、よく申すのですが、却つてあとでたまつてどうにもならんという場合が出て来ますので、私どももやり方につきましては、寛厳よろしきを得るように、特に慎重に留意して参りたいと思つておることは御承知願いたいと思います。 それから今現物手当の課税の問題のお君ねでありますが、これは率直に申しまして、取扱の上におきまして、大体二つくらいの角度から、若干の実際上の手心と申しますか、実際の徴税上の緩和をいたしております。一つは現物給与で如何にもどうもそこまで追つかけて税金で追及して行くのが、どうも何だが常識上考えまして苛酷に過ぎる、そんなところまで何と言つても行くのはやかまし過ぎるといつたような面も、若干そこまでは無理にいかん、強いて課税しない、強いて追及しないといつたような表現でよくやつておるのでございますが、そういう趣旨で現物的な給与につきまして課税を緩和している分がございます。それからもう一つはそれに非常に相接着しておるのでありますが、雇主の都合によりまして、特定の勤務をさせて、それに対しまして実費弁償的な性格がやや入つているような場合におきまして、そういうものは例えば旅費ははつきり税法上課税しないことになりますが、旅費に準ずるような性格のものにつきましては、これも金額はそう多くなく、常識上もそこまで追つかけなくてもといつたような点も併せ考えまして、若干緩和する、こういう措置をとつておることは御承知の通りでございます。現物給与の課税につきましては、評価におきましても、実際上余りぎりぎりまで評価しないといつたようなやり方をやつておりますが、そういうわけで若干の措置をとつておるわけでございます。その中で最近特に考えましたのは、宿直料、日直料でございます。これは如何にも雇主の都合によつて宿直させる、そういう場合におきまして、若干の現物なり或いは手当をよこしておるわけでございますが、これは一定の限度を限りまして非課税にしたほうが、実際上よかろうというわけでやつておりまして、金額につきましてなお若干今検討中でございます。或る程度低い額に対しては課税いたしておりません。それから通勤費等の問題につきましても、一定の限度を限りまして、これも課税上手加減しておりますことは御承知の通りでございます。そうい問題につきましては、額の程度、どの程度を認めるかということは、そのときの経済情勢及び実際の事情をよく調べまして、妥当を期してきめることに努めておるわけでございます。そういう問題につきましては、なお、最近も大分いろいろ問題がございますが一つ検討いたしまして妥当を期して参りたいと考えております。ただ、今お話の一番最後の石炭手当の問題はこれは大分要望がございますが、これはどつちかと申しますと、金額も相当な金額になつております。ただ例えば石炭の山元で、そこでとれた炭をわけてやる、そこまで追つかけるのは如何にもひどいというので、これは現在も追及しないというようにやつております。それでも一般の人は石炭手当でもらうのは何んとかしてくれないか、こういう要望が強いのでございますが、このほうは特に雇主の都合でやつておるという、非常に特別の理由もどうも見つけかねる、ただ北海道に勤務するということ自体が何か特別なことだ、そこまで拡張しますれば、一つの理由があるかも知れませんが、どうもそこまで拡張して解釈するのがやはり無理がある。それとほかにも相当な額を現金で支給させる、こういう関係もございまして、いろいろ要望がありまして検討いたしておりまするが、今のところそこまで拡張しますのは、どうも少し行き過ぎじやなかろうか。然らば立法措置の問題になりますと、非常に問題になりますが、主税局の問題になりますと、今度は生活費の全体の差という問題になつて来ます。北海道が高いか、東京が高いか、田舎が高いか、東京が高いか、寒冷地手当をどうするか、勤務地手当の問題に関連してどういう控除をとるか、そこにいろいろ問題があると思いまして、この問題の解決はなかなかちよつと簡単ではなかろう。迂閥に認めることにいたしますると、他に波及するところが大きくて、却つてバランスを失しまして公平にならないという問題もございますので、この問題は今までの検討の結果は、取扱におきましても、立法におきましても相当慎重を要する、こういうようなわけでございますが、なお併し、相当熱烈な要望もございますので、十分研究をしてみたいと考えております。
○菊川孝夫君 石炭代は東君も北海道でやかましく言われるだろうと思いますが、公務員の場合には人事院が、石炭代はこういうふうにして大体このクラスの石炭を買うにはニトンだけ要るとか一トン半要るというわけで出すわけですがそれに相当する今の石炭の相場を見込んでやるわけだから、二トンだけやれと言つておるのに税金は、金額は確かに嵩みます、金額は嵩みますけれども、石炭代をそういうふうに出すのは、ニトン分に相当する石炭代をもらうということになつて、私が先ほど言うたように、一・五くらい、一・八五ぐらいより石炭が買えなくなつてしまうので、その間は石炭代をもらつて、それで焚木を買つて、或る程度石炭と焚木をひつ括めて焚くということもやられるだろうけれども、これは山元で石炭二トンもらう場合には税金がかからんけれども、金でもらう場合には税金がかかるというのは、そうなつて来ると、この頃のように石炭が大分供給豊富になつて来ると、いつそのことニトンずつ石炭買つてやろうということにもならんとも限らんと思うのですが、仮にそれで全部石炭現物給与、山元でやるのじやなしに、石炭を全部買つてそうして渡す、こういうことになつたら、平田さん、私は税金はかけられないことになると思うのですが、これはどうなりますか。
○説明員(平田敬一郎君) 実は現物給与の問題も、税金をかければ現物給与にするといつたようなものは、ちよつと考えざるを得ない。そういう税金関係を抜きにしまして、自然に常識上現物給与されておるもの、そういうもので余り追つかけるのはどうかというようなものを、実は徴税上、実際上先に申上げましたように緩和いたしておるわけでございます。こういう現金で支給すれば課題すべきものを税がかかるために特に現物にしたらどうかということになりますと、ちよつとこれは考えざるを得ないのじやないかと思いますが、この問題はちよつと本日のところなかなか簡単に行かないと申上げざるを得ないと思います。むしろそこまで行きますと相当な額にもなりますし、地域が広い。それを拡張いたしますと、中小の商工業者なり農民も石炭が相当要る。それは家庭用の石炭であつても、経費で控除してくれるか、今営業用の店舗の分として使う石炭の分はこれは必要経費の中で控除しておりますが、奥向き少石炭はこれは控除しないわけであります。生活費に属する燃料の部分は、そこまでいろいろ発展して来ましてはこの問題はちよつと簡単に尤もだというわけには行かないのじやないかと、実は考えておる次第でございます。
○東隆君 今の問題に関連して。私は今あとでお話になつたような農民だの中小企業者が同じように石炭を使つておるわけです。それでやはり生活費の方面を考えて行く必要がある。それで物価は北海道は御承知のように二割ぐらい高いのです。向うのほうに主税局長おいでになつたからおわかりでしようが、たばこは別ですが、大抵のものは二割ぐらい高い。そんなような状況で、当然私は石炭代のそのものに対する税を減免するというような考え方じやなくて、何か特別控除額を設定をして行く必要があるのじやないか。それで、これに対しては金額はまあエックスですけれども、三万か五万ぐらいの間に考えてやるならば、これは全般に通ずるわけであります。これは不平が起らないと思う。そのやり方と、もう一つは特別に石炭手当の問題と、この二つの問題で恐らく北海道から猛烈な陳情がやつて来ると思います。それからこれについて私は合理的なものは特別控除を設定するのが一番よいと思います。
○説明員(渡邊喜久造君) 私も問題としてこれを取上げるとすれば、今東委員のおつしやつた角度で考えて行くべき問題じやないかと思つております。東委員のおつしやつたように、実は先月の暮から今月の初めにかけましてちよつと北海道を一廻りして来ました。そのときに札幌や旭川でいろいろ業界のかた或いは役人のかたに懇談的にお目にかかりましたが、そのときにお話のあつた税に対する要望の一つが今の石炭手当の問題、それからもう一つ、商工会議所方面のかたから特に強い要望のあつたのが、寒冷地控除と言いますか、そういつた結局基礎控除或いは扶養控除におきまして、そうした北海道の問題でございましたから、北海道だけについていろいろなお話があつたわけでございますが、問題としてはそうした特殊な地域につきまして、特別な基礎控除、扶養控除を認めるかどうかということで、この問題は把握して行くべき問題じやないかと思つておりますが、ただ確かにおつしやるようないろいろな事情ございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、物価の問題とかいろいろの問題を考えて参りますと、或いは勤務地手当のベースになつておる大都会における生活費の問題或いは南のほうに行けばやれ災害が多いとかいろいろ絡み合た問題がたくさんございまして、果して特定の、区域についてだけそうした扶養控除、基礎控除について特別な割増し額をつけるべきかどうか、よほど慎重に我々の方として考えて参らなければならない問題と思つておりますが、一応今言つたようなお話を受け、同時にその問題も突詰めますと、結局東委員のおつしやるように基礎控除、扶養控除といつたことについて何か特殊のものを考うべきかどうかということで、この問題は把握さるべきだと思います。そういうふうに考えました場合、我々としてその角度においてこの問題を更に慎重に研究してみたいと思います。
○土田國太郎君 只今の局長のお話よくわかりました。私も先月白井委員と北海道を廻つて来たののですが、至るところで第一に話を受けるのがこの石炭の問題です。いろいろ事情を聞いて見ると、御尤ものようにも受取れるので、私は全額とは言いませんが、或る程度何とか特別に措置して上げるほうがいいのではないか、これは一つ政府のほうでも研究されて善処して頂きたいのです。
○菊川孝夫君 それは是非考慮して一遍よく検討してもらいたい。余り税金税金といわないで、こういうものはやはり貸倒準備金、退職手当の引当金というような性格を持つておるのです。個人にとつては法人に対するこういう減免措置に相当するものだと私は思う。特にこの際念を押して置きたいのは、夜泊る今言つたような巡査であるとか或いは電車の運転手などはもう深夜やつたら何か食わないことには仕事ができない。それに相当する金額ぐらいは現金で払つておる。大きな組織を持つておるところでは、現物でパンやうどん配ろうとしても、なかなかできません。公平にやろうとすれば、それぞれ嗜好に応じて自分で弁当を一食分夜持つて来る場合もありましよう。又仕出屋から弁当を取ることもありましよう。使い道は別といたしまして、少くとも夜一食分を買うだけに相当する金額くらいはどういう名目で支給されていようとも、当然それくらいは認めてやろうというくらいの肚を以て善政をおしきになるように一つ願いたいと思います。
○説明員(平田敬一郎君) 現物手当一般の問題につきましては、先ほども申上げた通りでございまして、今の御趣旨のような角度で、個別的問題を取上げましていろいろの措置をやつております。若干主税局のほうから少し実情に即し過ぎやしないかというような文句が来ておるような状態であります。その辺主税局ともよく打合せをしたいと思います。
○成瀬幡治君 今菊川君からの質問に関連して、宿直、日直料は実際はこういうことになつております。日直をする教員の場合をとりますと、女子は労働基準法でいうと四十八時間以上勤務をする場合は次の週において一日休ませなければならんと、こうなつておる。一週に四十八時間以上やつてはいかんのに、実際は日直をしなければならんというのです。これは労働基準法違反をやつておる。そうしてもらう日直料は大体名古屋の場合で二百四十円、男子は宿直した場合大体百八十円です。これが何回廻つて来るかということは、小さい学校ならば一週に一回、今は女子と男子は大体半々ですから、十四、五人の学校ですと、一週に一遍ずつ廻つて来る。弁当を持つて来られないものですから朝と夜は何かを取つて食べるのですが、大体それで欠損なんです。この宿直が超過勤務かどうかということは非常に問題なのですが、あなたのほうでは税金の対象にしている。あなたの今の答弁を聞いておりますと、非常に考慮するということでいいのだが、その場合例えば百八十円のうち百円くらいまでは一応控除出し、あとの八十円を税金対象にするというような答弁に聞えたのですが、実際どのくらい、二百円くらいのところが妥当じやないかというのか、或いは二百円とか二百五十円とか、そこらあたりのところまで控除するという解釈ですかどんなふうにお考えですか。
○説明員(平田敬一郎君) 今お話の労務者等が宿直いたしまして日直料をもらう額の程度、これは私大体無条件で課税しないようなところに持つて行きたい。もう少し上の社員がもらう場合相当高額をもらつておる場合がありますが、この場合どの程度できるか、今若干研究中であります。その辺は十分実情に即してやつて行きたいと思つております。御了承願いたいと思います。ただ出しておる場合におきまして、控除制度をとりますのは、如何にも税法との関係でむずかしいので、この程度以下なら強いて追及しないという方針で、額で以下の場合……。
○成瀬幡治君 どのくらい。
○説明員(渡邊喜久造君) 今ちよつとここに資料がございませんが、今申上げましたように額は常識上お叱りを受けないような程度にいたします。
○菊川孝夫君 その問題は別に細かいことで税収には大したことはないだろうと思うが、気分的に非常に……一つ税法の運用がうまくされているということで、本当の自分の給料や超過勤務手当或いは勤務地手当についてはきちきちと払つて、喜んで払うという……。地方税にしてもそれに見合つて源泉徴収をやられておるが、それは我慢するが、このようなちよつとしたことにも考慮されるということになると、非常に気分がよくなつて来る、そういう点から一つ御考慮を願いたい。
○成瀬幡治君 まあ出張をしたのに絡んで報告する代りに、やはり問題になつたのは先ほど土田さんが言つておられた法人税のうちの表面税率と実効税率の問題ですが、これは先ほどの御答弁にもありましたがとにかく大蔵省としては調査して云々といいますか、これは是非一つ明らかにして頂かないと、中小企業関係の法人の人たちは非常に関心度が高いという点ですから、是非一つお願いしたいと思います。 それから次にお伺いしたい点は、昭和二十八年度の税収を見ますと、自然増収が結局二百六十一億ですか四千四百万くらいあると、こう出ておるわけですが、昭和二十九年度は七月までのやつが出ておるわけですが、この調子で参りますと、あなたたちは非常に慣れておられるが、見通しとしてはしやし税繊維税或いは法人税関係もあるわけですが、税収としては、税関係の歳入としては、昭和二十九年度はどんなふうに大体見通しを立てておるか伺いたい。
○説明員(渡邊喜久造君) 税法のほうは繊維消費税の関係と結付きまして、そうして実行予算におきまして相当な節約をやつておると先ほどちよつと申上げたのでありますが、もう一つついでにこの際御報告申上げておいたほうがいいと思いますが、通常国会のときの委員会でいろいろ御論議がありまして、これは特に成瀬委員からの強い御主張でございまして、砂糖消費税について三カ月延納を認めているのは行過ぎじやないか、現在の砂糖の状況から言いましてという御意見、これにつきましてはその後御意見もございますし、いろいろ業界の実情も調べました結果、最近これをニカ月に実は縮めまして、従いまして本年度におきましては砂糖消費税の関係は、いわば十三カ月実は入つて来るわけでございます。その関係で、まあ予算通りの砂糖の倉出しがあつたとしましても、三十億程度実は回復いたします。それからもう一つ同じような事態がございますのは、揮発油税です。これにつきましては、まあ御承知のように、相当揮発油の精製業者は経済的に強い地位にございますので、これもまあ大体実際の取引の状況と合せるという意表で延納の期間を直しまして、十九日税のほうで、特に現在の取引条件を直すという意味でなくて、現在の取引の条件をそのまま税のほうへ反映させるという考え方で、不当にまあ揮発油業者に利益を与えないという考え方で、半月これを実は縮めまして、その関係で約十五億ほど実はこれも普通の予算の分よりも余分に入つて来るのです。繊維消費税の穴は八十五億実はあるわけでありまして、そういつた関係だけでちよつと四十億埋まるわけですが、残りの四十五慮実は穴があいておるわけです。それに対しまして、それでは本年の自然増収がどんなふうになつて、その姿がどうなつておるかという問題でありますが、これは実は成瀬委員がまだお見えになりませんでしたが、冒頭に実は御説明申上げたのですが、本年度におきましては、現在までの徴収の成績は比較的順調に入つて来ております。従いましてその愛味からすると、相当の自然増収もあるように思われますが、ただ景気の動きに対しまして税収の入り方は、御承知のように、三月、半年遅れるのが実情でございます。昨年におきましてどちらかと言いますと、先肥りといいますか、年度の終りになりまして比較的歳入が入つて来た。今年は法人の決算などにおきましても、三月決算より九月決算のほうが相当落ちるのじやないか、こういうことが予想されますので、どの程度の自然増収と言われますと、実は数字の問題になりますので、どうも我々も責任を持つたちよつと御答弁がいたしかねるのでございますが、八十五億円という繊維消費税の穴がありますが、今言つたような砂糖消費税、揮発油税の関係で四十億が埋つて参りますし、それから今までのと、ころでも相当順調なまあ徴収成績が出ておりますので、まあ]予算を切ることは万勿論あるまい。或る程度の自然増収は出るかも知れません。まあ併しどの程度の増収になるかということは、景気の動きがどういうふうに動いて行くか、まあ我々もいろいろ調べておりますが、必ずしもまだはつきり言い切れない実情でございます。
○菊川孝夫君 その法人税に関連して、今の関連質問ですが、法人税の三五%を四二%に改正する案は、丁度平田さんが、主税局長当時に案をお出しになつて、当委員会で大分問題になりました。僕らも最初は我が党のほうでは、実は原案の、現行通りの三五%を四二%に上げるということは、却つて濫費をさせることになつて、社用族を横行させることになるからというので、大体話がそのほうに、緑風会のほうもそういう意見だつたので、それに同調してやるかということになつておつたのですが、平田さんから、あなたの社会党がそんなことを言つておつてはいけないとアジられて、それで気持を変えて、それでは四二%に賛成しようかということで、うちへ持つて帰つて大分議論をやつて、平田さんの受売りみたいになつて、結局四二%に賛成した。その当時の平田さんの御説明では、朝鮮動乱で最近の法人の決算状況は非常にいいじやないか、これを取らないという手はないということを言われた。ところが今度逆になつて来ておるのです。従いましてここは考慮しなければならん段階に来ておると思う。その代りその半面におきまして、例えば今問題になつております交際費等につきまして、あんなものはもう損金に認めるというやつは厳重に抑えろ、例えば料理屋で飲んだりしたような料理屋のつけなんかを損金に認めるというようなことは、一切しないということにして、或る程度これを引下げるということにした場合に、果して現行収入は普通であがつて、結果としてはいい結果になるのじやないかということも考えられると思うのですが、この点もあの当時の平田さんの説明では非常にどんどん儲つておるのだから、この際取らなければならないというお話だつたが、今度ちよつと落ちて来たのだが、この際それを緩めて濫費を厳重に戒めるというふうに方向を転換する段階に来ておるのじやないか、これらについて御検討される気持があるかどうか、一遍伺つておきたいと思いますが、実は大分情勢が反対になつておる。 それからもう一つ失業者の問題と関連してですが、特に今、現在使つている工員の数に比例して、このくらい失業人員を吸収するというよのな、積極的に吸収するような企業に対しましては、それに応じまして何らかの租税特別措置法で、失業対策の面から考えて、税のほうも考慮してやるというようなことは如何ですか。これはなぜかというと、新らしい事業、例えば強力人絹、強力スフなんかをやる場合、或いは新鉱開発をしたような場合には、ニカ年か安くなる、免税というのがあるのですが、失業者を受入れたというような場合には、或る程度減免するというようなことも、この際、これだけ失業問題がやかましくなつて来たら考えなければならんのじやないか。これらも一つ両方最後にお聞きしたい。
○説明員(渡邊喜久造君) 法人税の四二%のとき、一応御当人がここにおるのですが……、(笑声)いろいろなお話があつたのじやないか、私当時知りませんが、どうもあつたのじやないかと思います。そのような点につきましてどういうふうに考えて行くべきであるか、確かに情勢が変つているというのも一つの事実でございます。同時に歳入の面、歳出の面、全体を通じまして、やはり変つて来た面もございます。まあ単純にあのときのこういう事情、客観情勢がこう変つたのだから元に戻せというほど、勿論菊川委員も単純におつしやつているわけではないと思いますが、言い切れない問題があるのじやないか。いずれにしましても、篤と検討してみたいと思つております。 それからあとの問題でございますが、これも確かに一つの考え方のように思いますが、これは検討してみますが、なかなかむずかしい問題じやないかと実は思つております。確かに積極的に失業者を吸収する、それは何か考えていいのじやないか、これはお話でございますが、考え方によりますれば、本来ならば整理しなければならんのを抱えているということ自身が、やはり同じような立場じやないかという御意見が出ましようし、むしろ人を雇うのは、このような時期になりますと、事業が新らしく拡がりますから人を雇うので、むしろ苦しいのは、切りたいけれども切れないのも一つの考え方ではないかというように考えて参りますと、税の上でその問題を取上げまして何か措置するという点、いろいろほかのほうでやつておりますので、この点だけできないはずはないとおつしやれば別ですが、いろいろ関連した問題がたくさんございますので、御意見として伺つておきまして、篤と検討してみたいと、かように思つております。
○成瀬幡治君 平田さんにちよつとお伺いしますが、延滞利子ですね、こういうことがあるのですよ。本税とそれから延滞利子と二つある。そこでどうも延滞利子のほうは納めにくい、そこで本税だけ持つて来る。受取るほうが、お前のほうは一緒でなければ受取らんと頑張つてはね返し大例がある。あなたのほうは、これは非常に面倒な問題であつてお困りだと思いますが、この徴税技術として、何かそういうようなことについて指示を与えられておるのですか、一緒でなければ受取らんという……
○説明員(平田敬一郎君) 今お話のような例が個別的にあるのかよく存じませんが、私どものほうは成るべく本税のほうから先に徴収するといつたようなことを原則としてやつております。と申しますのは、本税が滞納になつておりますと利子が付く、利子税のほうは更に利子が付くというようなことはいたしませんので、納税者に成るべく有利な途をという意味で、本税から入れることにいたしておりまして、お話のようなケースは、よほど相手方に納税資力かあると見た場合、よほどの特例の場合てはないかと思いますけれども、なお個別的にございましたら、よくサンプルを調査いたしまして、よく参考にいたしたいと思います。
○成瀬幡治君 今の点については、実は私も名古屋に一つそういうケースがありましたから……。本人として言えば、一応本税だけを納めておけば、あなたが言うように、利子に利子が付くということはないのですから、こういうことでやつて来たのですが、これは特別に資力があるから一緒に持つておいでというようなことを言われたのかも知れません。その点はわかりました。 もう一点お伺いしたい点は、これは大阪の国税庁へ行きましたときに、滞納の処分ですね、非常に古いのがたまつておつて困つておる、徐々に解決はしておるようでございますが、局長が言うには、これを放棄すると言つてはいけないが、こういうことを言つたら、滞納しておつたほうが得だということになるのでいけませんが、何か打切りのいい方途がないかということを盛んに言つておられたのですが、こういうようなことについてあなたのほうが検討して、一つの解決策というものをお持ち合せになつておるかどうか。
○説明員(平田敬一郎君) 古い滞納につきましては、いろいろな角度から、果して徴収できるかどうか調べまして、とても相手方に気の毒で、目星しい公売物件もないというような場合につきましては、執行停止ができることになつておりまして、その額がお手許に配りました資料によりましても出ておりますが、実は総額で三百二十七億ほど、執行停止で今棚上げしておる関係でございます。よく過去の古い滞納につきましては、事情を調べまして、執行停止なり或いは徴収猶予が徴収法でできることになつておりますが、そういう措置をとりまして、余り無茶なことを言わないようにいたしたい。ただ納税資力あるにかかわらず滞納がある、それをとらないということになりますと、お話の通りまじめな納税者が損するということになりますので、余りあまくするわけにいかんと思いますので、実情に応じましてそれぞれ妥当な措置をとりたいと思います。
○土田國太郎君 主税局長にちよつとお伺いいたしますが、これは先般の日本経済でしたか、大蔵省の意見として、本年の税制改革の意見として、直接税の軽減を図ると共に、間接税の増徴を図りたいというようなことが新聞に見えておつたのですが、どういうお考えですか、局長のお考えは。そういうことであれば、非常に我々としても反対せざるを得ないのですが、御意見を伺いたい。
○説明員(渡邊喜久造君) 私その記事を見たような気もしますが、あれは新聞の、こう言いますと、ちよつと又ほかの引き合いが出そうですが、純然たる観測記事でございまして、我々としましては昨年におきまして、ご承知のように間接税を引上げて直接税を引下げる措置をとり、相当財源は実は漁つたと思つております。併しその過程におきまして、御承知のように繊維の消費税についてはいろいろな論議がありまして、結局まあ成立に至らなかつた。こういうような経過があるわけでございまして、従いまして直接税を下げろという御批判、これは我々十分至るところで伺い、我々もできればその方法を何とか考えたいと思つておりますが、と言つてそれを間接税で以て上げて、直接税を下げれば、それで以て結構辻棲がつくのじやないかというほど、問題を簡単に考えておりません。間接税の増徴ということにつきまして、これは適当なものがあれば勿論提案してみたいとは思つておりますが、正直言いまして、昨年随分漁つた末でございますので、そう簡単に間接税の増徴が可能なものがころがつておるとも、正直言つて私思つておりませんので、方針としてこの際、間接税を上げ、直接税を下げる、昨年と同じような考えを本年もそのまま持続できる、それが更に一歩進め得るというほど、単純な問題であるとは私は思つておりません。
○土田國太郎君 御意見は誠に私も同感でありまして、感謝の意を表しますが、(笑声)どうも政府は従来のやり方を見ると、金詰りになると、酒とたばこだと言う。最後はいつでもこつちがおんぶさせられて甚だ迷惑なんです。昨年あたりも随分無理して主税局長が上げられたので、今年又そんなことがあつては困るのだが、あえて私は酒とは言わんが、どうも取りやすいところから税が苛酷になつても何でも、自分の監督下にあるものは、こうしろと言えばもう止むを得ないで泣寝入りするというような方面からのみとるように僕は考えられるので、まだほかにとつてもいいと思う税金があると思う。それをそのまま陳情や何か受けると、それをほうり投げてしまう。これは政府とは言いません。どうもそういう傾向が最近強い。特に去年あたりの陳情攻勢は実に見るに見かねたような事件が度重つておる。その尻の始末は弱いものにしわ寄せするというような状況になつて来ておるので、どうか本年の税制をお考えになるに当りましても、公平なる私は税制改正をやつてもらいたい、弱い者いじめはやめてもらいたいということを一つ要望しておきます。どうか局長も多年立法府に来られたことですから、しつかり頼みます。
○説明員(渡邊喜久造君) 御意見のあるところは我々のほうも有難く承わつて慎重に考慮したいと思つております。ただ正直言いますと、今年は割合に酒などは比較的清酒のほうは順調に出ておるようでございまして、同じ酒でありましてもビールのほうは少し伸び悩んでおる。焼酎が落ち、合成酒が伸びておる。清酒のほうは特級、一級だけ上げたのですが、最近までの実績ですと、特級、一級を上げたことが特級一級の売行に余り響いてないようでございまして、我々決してそうただ手当り次第にというつもりはないのでございますが、ただ御意見のあるところはよく承わりまして慎重に考えて参りたいと思つております。
○成瀬幡治君 最後に、やはり視察したときに、保税工場ですね。保税工場が非常にうまく行つているということを言われたわけですが、これは税関のかたが見えないので……。例えば砂糖で言えば今度国内の外貨割当を見まして百万トンというようなこと、それに対して施設が二百万トンくらいあるわけです。それから燐酸なんかに例をとれば大体六五%くらい過剰施設があるということは差支えない。或いは硫安にしましても……。そこで貿易との関係にこれはなることですが、そういうものと関連して何かこれに対して、若しそういうようなところで貿易が伸びる。或いは加工費を日本で稼ぐことができるならば非常にいいと思つております。こういうことにつきまして通産省なり或いは経審のほうと何か打合せ研究をしてお見えになるのか。どういうようなお考えになつておるのか。
○説明員(渡邊喜久造君) 専門の者がちよつとおりませんので、詳しい内容につきましては或いは必要に応じまして別の機会にお答えしたいと思つておりますが、保税工場の制度或いは保税による製造加工の制度というものがたしかに輸出貿易を振興する上におきましては相当の効果があるのじやないかと思つております。それで過般の通常国会におきまして御審議を願い成立させて頂きました新らしい関税法は、従来の関税法或いは従来の扱いに比べまして、この方面において相当格段に拡げる、そういうことのできる余地を与えたわけでございまして、これは勿論通産省或いは経審のほうとも十分打合せた結論として、実はそれをやつて参つたわけであります。従いまして現在としましては、この間の新らしい関税法施行、これは七月一日からでありますが、それによつて相当の道を開きましたので、すぐ差当つてそれ以上ということを考える前に、とにかく新らしい法律によつて与えられた、そうしたものをできるだけ活用して行く、それの効果が一体どの程度出て来るかという点を注視して参りたい。その結果更に考える点があれば、考えるべきだと思つておりますが、現状といたしましては七月一日から施行になりました新聞税法におきまして、今の御趣旨の線に浴しまして保税工場その他保税加工というような制度に相当の新らしい余地を拡げましたので、それの活用を大いに宣伝もし活用して頂くということにお願いをして、その結果を見て頂きたいと、かように考えております。
○委員長(西郷吉之助君) それでは大体この程度にいたしいと存じます。 皆さまにお諮りいたしまするが、次の委員会はいつ頃開きますか、又その際は議題はどうするかという点でありますが、皆さまの御意見も拝聴して参りたいと思いますが、その一つの方法としては委員長、理事会にお任せ願うことも結構かと思いますが、それらにつきまして御意見を承わりたいと思います。 委員長理事に御一任願います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西郷吉之助君) さようにいたします。 それでは本日はこれで散会いたします。 午後一時十七分散会