水産委員会 閉会後第20号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/11/27
会議録
○委員長(小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。 最初に漁港の整備計画に関する件を議題にいたしたいと思います。漁港の改訂整備計画の国会の承認を求める件が未だに行われておらないのでありますけれども、これを速やかに国会の承認を受けまして、漁港全体の整備計画の円満なる、円滑なる実施を図つたほうがいいと考えるのでありますが、この件に関しまして清井水産庁長官よりその経過の大要を最初に御説明を聞きたいと思います。
○説明員(清井正君) 漁港の整備計画の問題でございますが、御承知の通り漁港の整備というものは我が国の水産行政の基幹であるということは申すまでもないのでありまして、私どもといたしましても漁港の整備の拡充ということにつきましては、かねがね努力を払つて参つて来ておるのであります。特に予算の面から申しましても水産庁の予算のうち、殆んどその半額は漁港の関係の公共事業費の予算であるということでございまして、そういつた面から申しましても私どもといたしましては、極めて重要視いたしておるのであります。すでに計画といたしましては、只今実施いたしておりますのは、二十六年度に四百五十港を三ヵ年間の間に着手をいたして六ヵ年の間にこれを完成するという建前で計画を立てたのであります。そうして総事業費は五百十七億、そのうち国費は三百二十三億という一応の計画を立てて参つて来ているのであります。ところが二十九年度即ち本年度までの実施状況を申上げますというと、すでに着手をいたしました漁港が三百七十五港、即ち四百五十港のうち七十五港がまだ未着手になつているのであります。総事業費として百二十億、そのうち国費は六十七億ということになつておりまして三百七十五港の着手のうち四十六港は完成をいたして、或いは完成をする予定であるのであります。そういたしまして結局なお三十年度以降に残つておりますのは、着手しなければならない漁港の数といたしましては七十五ありまして、今までの継続分の完成のものを引きますと三百二十九ありますから、三百二十九に七十五を足しました四百四港というのが事業を実施しなければならないことになつておるのであります。そういうふうになつて参つているのでございますが、御承知の通り二十九年度即ち本年度の公共事業費中の漁港の修築の予算が、二十八年度、即ち前年度と比較いたしまして約一割がた低下いたしておるのでありまして、本年度の実行予算といたしましては、約十九億近いものであります。そこで本年度の予算編成に当りましては、新規の着手はこれを認めないということで進んで参つて来ておりますので、残念ながら、新規の漁港を着手できません以上は、今後の新らしい計画もなかなか着手できないというようなことで、現在停頓状況になつておるような状況であります。即ち七十五港が残つておるのであります。一方私どもといたしましては、すでに既定の漁港整備計画を改訂いたしまして、約八百六十八港を五ヵ年間に着手いたしまして、八ヵ年間にこれを完成いたしたいということを、計画を、一応漁港審議会の審議を経まして、一応決定を実はいたしておるのでありますが、この計画は八百六十八港でございますので、新規にこれを適当な数だけ着手をいたして行かなければ、この計画は成り立たないというようなことでございますので、只今申上げました予算額、二十八年度よりも二十九年度が減つておる、そうして新規の着手もできないというような、こういうような予算の状況と睨み合せますと、改訂計画というものを、事務的にこれを進めて参りまするために、非常な実は矛盾が起つたのであります。我々といたしましては、整備計画を実現いたしますためには閣議決定を経て国会の承認を経なければならん建前になつておるのでございますが、今申上げましたような事情で予算が減つて参つておりますので、増加計画を持つておりますところの改訂計画は、ちよつと只今のところは実現をすることができないような状況であります。折角漁港審議会の御審議を願つてはおるのでありますが、未だこれを正式な形で持出し得るところまでは至つていないことは、甚だ実は残念に思つておるのであります。併しながら私どもといたしましては、只今明年度予算の編成中でありますので、是非とも明年度予算においては新規の漁港計画通り着手するということによりまして、これを裏打といたしまして改訂漁港整備計画というものを打立てて参りたい、こういうふうに実は考えまして、目下予算面につきまして大蔵省と折衝いたしておる最中であります。 以上簡単でございますが経過の御報告を申上げました。
○千田正君 今長官が述べられた通り、水産庁の予算の半額は殆んど漁港問題に尽きておるといつても差支えないような状況でありますが、依然として進捗しない、むしろ七十五港のなおかつ第一次計画の分が残つておる。更に改訂計画は進みそうもない。こういうような状況であつては、いつになつたら一体漁港というものが達成できるか、計画が達成できるかということを非常に我々は憂慮しておるのでありますけれども、どうですか、すでに竣工した分の次の予算分は新規に廻すというような方法はとれないのですか。
○説明員(清井正君) 完成した漁港といたしまして、二十九年度までは四十六港あるのでございますが、只今も御説明申上げました通り、本年度の漁港の予算におきましては、昨年度より約二億程度の減額を見ております。而もその上に新規の事業に着手しないという建前で進んでおりますので、従つて新規の問題につきましてはどうしても三十年度の新らしい予算の問題としてこれを持つて行かなければならないような事情になつておるような次第であります。
○千田正君 この間政府は休会中に、即ち一割予算の削減をする、その中に漁港も一割を減じられておる、漁港計画も減じられておる、併し三十年度においてはその分は見るというのですか。それ以上は新規計画の分に入ろうとそう思つておるのでしようけれども、その点は要求しておられるのですか、どうなんですか。予算の上に相当盛つておりますか、どうですか。その点を。
○説明員(清井正君) 私どもといたしましては四百五十港の残りの七十五港を新規に着手するということで、只今予算を編成いたして大蔵省と折衝いたしておるのであります。
○千田正君 予算要求は本年と大差のない額であつたとするならば、実行予算の面においても、やはり去年と同じような程度しかとれないのじやないかというような考えがありますが、どうなんです。実行予算の面において、更に去年よりも或る程度増額して確保できるという見通しがありますかどうですか。
○説明員(清井正君) 公共事業の予算としての漁港予算でございますので、漁港の重要性等につきましてはしばしば私どものほうといたしましてもあらゆる機会にこれを強調いたしておりまして、何とかして新規にこれを着手いたしたいということで常々努力いたしておるのでありますが、要求予算額といたしましては、これは私どもといたしましても一応四百五十港という既定計画がございますので、それの残の全部は本年二十九年度にやる予定だつたものでございますが、それが遅れておりますので、残を明年度に実施いたすということで実は所要の経費を弾いて要求いたしておるのでありますが、只今まだ予算の全貌がはつきりいたしておりませんのでなかなか我々の事務的な折衝の過程におきましては、明年度におきましても総額を相当程度二十九年度よりも増額するということは非常に事務的にもむずかしい点があるのであります。併しながら私といたしましても、公共事業費の増額は別といたしましても、そのうちに占める漁港予算の割合というものはどうしたつて殖やすことはできるだろうというふうにも考えておるのであります。農業予算等の関連もございますが、総公共事業費の計画の範囲内において、その中で漁港の予算をぜひとも増額をいたしまして、未着手漁港には是非とも着手いたして整備計画の裏打ちといたしたい、こういうふうに実は考えておるのであります。併しまだこれは私どもの考えを申上げておることでありまして、まだ具体的な数字の折衝に入らないのでございまして、確たることは申上げられませんが、私どもといたしましては、予算の財政計画の問題は問題といたしましても、是非とも来年度は新規七十五港の着手に努力いたしたい、こういうふうに実は考えておる次第でございます。
○青山正一君 水産長官とそれから林さんにちよつとお伺いしたいのですが、私先般来千田さんと一緒に四国方面を廻つたわけなんですが、或いはその以前におきましてもあちらこちらと漁港をほうぼう視察して参つたわけでありますが、その間いろいろ噂も聞いておりますし、いろいろ検討しなければならん問題として、つまり漁港法に謳つておりますところの漁港審議会委員のあり方について、これは再検討する必要があるのじやなかろうかということを千田さんも私も或いは随いて行つた専門員も同様に感じておるわけでありますが、つまりこの漁港審議会の委員は非常に評判が悪い、例えば漁港を指定するもの、漁港の権限は、これは全部審議会の委員であるというような気持を各漁港関係の人々に思わせておる。例えば自動車なども高価な自動車には、それはもう三人も四人も一緒に乗るけれども、審議会の委員はたつた一人しか乗らない。或いは漁港大会においてその漁港審議会の委員の待遇などは、昔で言えばどこの華族さんか皇族さんが来たかというようなふうのことで待遇を受けておる。どんな国会議員が行こうともどんな大臣が行こうとも、そんなものは殆んど相手にせずに、いわゆる漁港審議会の委員というものは神様扱いにしておるということは、これは事実だと思うのです。そういつたことについてそういつた評判をお聞きなさるかなさらんか、或いはそういつた面について何かこれは改革しなければならんかどうか、その点について一つ長官なり林担当課長のお気持を承わりたいと思います。
○千田正君 今の青山委員のお尋ねに対して私も追加してお尋ねしますが、漁港審議会はいわゆる諮問機関であつて、それに対して水産庁は参考意見として聞いて漁港の行政に対する運営をやるものだと我々は考えている、更にそれを国会にかけて我々の審議に待つべきものだと思つているのですが、漁港審議会の委員が行くときは大臣級が行くようなやり方である。この間出張して行きましたところが、なかなか参議院の水産委員会のかたがたはよく御認識願つて有難い。例えば一つの車に四人も五人も詰めて、そうしてガソリンの不足が多いから無理しても御視察願いたい。漁港審議会の委員が行くというと、まるで総理大臣級で、ほかの者を乗せちやいかん、お前たちは近寄るのも怪しからんというような恰好で視察している。一体漁港審議会とは何なのだというふうに我々は考えるのだが、水産庁としては漁港審議会に頼らなければあなたがたの行政ができないということを考えておられるのか、その点をはつきりしてもらいたい。
○青山正一君 更に附随して申上げたいと思いますが、事実私はほうぼうの産地へ参りまして、この漁港審議会の横暴振りを見まして非常に憤慨に堪えないわけなんです。私どもがこの漁港法を作るにつきましては相当難色があつたわけなんですが、そういうふうなことのないようにいろいろ附帯決議とかそういうものを付けまして止むを得ず承認したわけなんです。ところが現状においてはどうか。まるで今千田さんもおつしやつたようなふうなことで、その横暴振りは非常にひどいものである。例えば漁港大会において例えばそういつた審議会のおかたには一人の部屋を与える、そのほかのおかたにはこれはもう大臣が来ましてもその他の人が来ても三人なり四人なり詰めて泊らす。自助車も一人であるというふうなことで、まるで神様扱いにしておる。そういう点はどうも、これはそういうための審議会の委員ならば審議会を作らないほうがいいじやないか、こういうふうに私どもは考えておるわけなんですが、その点について水産庁長官なり漁港課長から更に一つ御返答願いたいと思うのです。
○説明員(清井正君) 只今漁港法の取扱方並びに審議会の関係について御質問があつたのでありますが、漁港法は御承知の通り、これは当時の事情に基いて、港湾との関係等もございましたが、漁港の整備を助長するという意味で立法されて今日まで円滑に実施されて来ておるのであります。この法律の内容はいろいろございますが、特に整備計画の決定等は漁港法の中心でございますので、その中心になるべき計画は漁港審議会の議を経ると申しますか、諮問機関として私どもとして整備計画並びに漁港の指定その他関連する事項につきましてはすべて審議会の諮問を経てこれを決定するという法律上の規定になつておるのであります。私どもといたしましては、審議会の御熱心なる御検討を経て事務を運営いたして参つて来ているのでありまして、本法の改正或いは審議会制度そのものの改正というふうなことにつきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして御承知の通りこれは議員立法で立案され決定された案でございますし、又すべてこういうように一般的に関心の強い或いは広く水産の全体に及ぼすような重要計画はやはり行政庁だけで決定するのでなくて、行政庁に対する一種の批判機関と言いますか一つの一定の委員からできました審議会、そういうような形のものに問うてその意見を聞いてきめるというようなやり方になつている面が相当あるのでございます。これは御承知の通り、漁港審議会並びに各方面にこの例があるのでございます。これは結局行政官庁の専断というような形に流れないように、広く一般の知識、学識等を注入するという意味においてできたものだろうと思うのでありますが、そういう意味で私どもは漁港の整備計画の関係、運営等につきましては漁港審議会の御意見を承わつて来ているのであります。そういうような形で、漁港法の運営は、私どもといたしましては極めて慎重に法の趣旨に従つて実施をいたして参つて来ているつもりでございます。なお根本的な問題につきましては、この点は非常にむずかしい問題でありまして御意見を一つ十分承わつておきたいと思います。
○千田正君 これは我々の杞憂かも知れませんけれども、水産庁では漁港審議会がいわゆる諮問機関として存在して、その運営上から言えば、一応参考にして十分それをとり入れるということはわかつております。ただややもすれば漁港審議会の言うなりになつているのではないか。そういう点があるようにも見受けられる。そういう点によつて運営がうまく公平にやられないということがあれば、我々国会としては十分それを検討しなければならん。そういうことがあるかないかわからんけれども、とかく世間の批評はそういう面に向かつているということをこの際我々は注意を喚起しておきたい。なお今後の漁港を決定するに際して、若しもそういうことがあまりに世間の非難を受けるようなことであつたならば、我々は一応ここに漁港法の改正なり或いは漁港審議会の諸君を一応ここに喚んでその趣旨を質しておきたいと思いますから、その前に水産庁長官なり漁港課長から審議会の諸君に会つたら、地方へ出張する際に大臣級みたいに威張つて歩いても何にもならない、そんなことをやるならば国会で我々は是正しますから、一応参考までに申上げておきます。
○説明員(清井正君) 只今お話を承わつたのでありまして、お話の御趣旨は十分了承したのでありますが、私どもは只今まで漁港法の運用、特に又漁港審議会の意見を聞いて決定すベき事項につきましては、私どもは飽くまで事務的な見地から、正しいと思うものは正しいものといたしまして実施をいたして来たつもりでおります。審議会の委員の非常に熱心な御意見は十分ありますので、その都度十分御意見は承わつております。そしてとるべきものはとり又どうしても事務的にとり得ざるものはとらないということで、私どもといたしましては今までは事務的にはつきりこれは自信を以て実施をいたして来たつもりでございます。無論これは審議会の諮問を経るのございますから、その間委員の御意見を十分尊重秘しなければならんことはこれは勿論でございますが、私といたしましては飽くまで立法の趣旨に従つて、又事務的にも自信を持つて努力をして来たつもりでございます。どうぞその点は御了承願いたいと思います。
○木下源吾君 さつき……。
○委員長(小林孝平君) ちよつと待つて下さい。今の漁港の問題に関連してですか。
○木下源吾君 ええ。長官が二十九年が八年よりも十九億少いとおつしやつたが、これは節約したわけですね。
○説明員(清井正君) ちよつと或いは私の申し方がまずかつたのでございましようか、二十八年よりも二十九年のほうが予算が少いのでありますが、その少い予算の内訳を申上げますと、二十八年は二十一億二千万円、ところが二十九年は節約をいたした関係もありますが、十八億六千万円ということで、約二割程度二十八年より二十九年のほうが少いのでありまして十九億少いのでなくて、十九億予算があると、こういうことでございまして、二十八年より一割少いということであります。
○木下源吾君 その一割というやつは実行予算というやつでしよう。
○説明員(清井正君) これは私が只今申上げました数字は、二十八年の数字、公共事業の予算と比べて二十九年の決定予算が一割少かつた。今度又節約で、又一割減つたわけです。ですからまあ一割減つて又一割減つたというのが本年度の予算の建前になつておるのです。
○木下源吾君 それならば大体わかる。さつきのは間違いだと思つて聞いてみたのです。 そこで今実行予算を政府がやつておるやつは、これはあなたたちにどういう手続でそれをやれと言うて来ておりますか。私どもはあれは憲法違反だと思つております。財政法逮反だと、こう考えております。あなたたちにどういう手続で政府のほうからそういう要請が来ておるか、それをちよつと聞かしてもらいたい。
○説明員(清井正君) 細かい手続はちよつと私も正確に申上げかねますが、これは普通の予算手続で、閣議決定になるわけであります。一度決定いたしました予算は一応実行しないということでありますので、そういう形で閣議決定で、事務的には大蔵省との折衝ということになりますが、閣議で決定いたしまして、一応きまつた予算を実行しない、それだけ実行しないでとどめる、こういう形で節約されるものと、こういうふうに私は考えております。
○木下源吾君 これは閣議決定だけでいいというようにあなたたちは考えておるのですか。
○説明員(清井正君) 根本的な問題になりますと、私もお答えはむずかしいのですが、私どもは今までそういうふうにしてずつと実行いたしておりますので、法律的には問題はないのじやないかと思つております。
○木下源吾君 少い予算を、又国会できまつたやつを、閣議で具体的にそういうふうにするというようなことは、これは国民のほうには非常な影響があるのです。従つてあなたたちもその点については今も法律の精神に従つてと言われておるのだが、我々はこの点などは憲法の八十三条に抵触すると思うのです、それは。こういう重大な問題を法律の精神に従はないで、そしてほかの今のようなつまらないことを法律の精神に従うなどと言つても、それは私は納得行かんと思うのです。そういうことを研究してみたことがありますか、あなたたちは。
○説明員(清井正君) 予算の節約の法律上の問題は別段問題ないと思いますが、ただ只今のお話は少い漁港の予算が更に節約されるというのはおかしいじやないか、こういう御趣旨だと思います。こういう御趣旨においては私どもも全く同様に考えます。無論この漁港予算がもともと昨年より減つておるのでありますから、たとい国全体で以て節約いたします場合においても、漁港の予算はそう節約をしないとか或いは節約の率を少くするとかいうことは当然事務的には考えられます。併し決定といたしましては、全部一律に一割節約という決定になつております。その点が漁港予算という立場から見れば少い予算ということになつたというところに問題があるのでございまして、私どもといたしましてもこの点は更に今後の努力にかかるのでありますが、法律的な問題といたしましては、私は問題はない、こういうふうに考えております。
○木下源吾君 それは少い予算、減つて少くなつたのはよくないということだけじやないのですね。手続においてよくないと私は言つているわけで、これは一つあなたがたは少い予算が少くされるのは閣議決定だけでそういうことができるのだというような考え方は、もう一遍検封されたらいいと、こういうことを私は申上げます。
○委員長(小林孝平君) 私から一言お尋ねいたします。 この整備計画は第一次計画が不備であるというので、更に総合的に漁港の計画を立てる必要があるというので、この改訂計画はできたのだろうと思うのです。従つてこの漁港の整備計画全体としては新たな改訂計画を国会の承認を得て新たな観点に立つて計画を立てられるのが当然だろうと思うのです。ところが水産庁長官のお話では、先ず第一次計画をやり、その次に改訂計画をやると、こういうように着手すると、こういうような考え方なら、これは第二次整備計画と言うべきものであつて、この趣旨は少し違うと思うのです。この点どういうふうにお考えになつておられますか。
○説明員(清井正君) この点は議論になるかと思うのでありますが、この点はまだよく部内でも検討をいたさなければならん問題でありますが、確かに改訂計画でございまして、既定計画を改定してこれを増加拡充するという意味でございます。ただ七十五港の未着手を来年要求いたしておりますのは、これは第一次の四百五十港のうち、未着手が七十五港あるから七十五港分の新規のものを要求すると、こういうことでございまして、七十五港が通つたと仮にいたしますれば、どこを着手するかという問題は、又それと実際上は関連するのでありますが、事務的には別になるわけであります。そこで改訂計画の問題が起つて来るわけであります。無論これは整備計画に入つておりませんと着手できません実際上の問題がありますので、実際仮に来年七十五港新規に着手できることとなりました場合には、着手する場合にはその前に改訂計画というものがこれが正式に決定いたしておりませんと、その他の問題が非常にむずかしくなつて来る、こういうことになつて来るのでありまして、私どもといたしましては来年度の予算の決定と睨み合せて改訂計画というものを並行的に審議をお進め願い、仮に新規も着手できるようになりますれば、改訂計画のこれが実施と裏腹になつて進むと、こういう形に持つて行きませんと、改訂計画が生きて来ないのじやないかと私は只今考えておりますが、この点はなお来年の予算との関連においてこれを考え、進めて参りたい、こう思つております。
○委員長(小林孝平君) 只今の御答弁によりましてなおはつきりしたことは、総合的に改訂計画も含めて初めて整備計画というものは成り立つのである。特にこの新規の予算が増額されるならばなおそういうことになるということをはつきり言われておるのだから、速力に国会の承認を求められる手続をやられたらどうか。なぜそれをおやりにならないか。何かどこかから圧力があつて、大蔵省あたりからそれは困るというようなことで中止されているのかどうか。その点はつきりして頂きたいと思う。速かに国会の承認を得ることは何ら障害がないと思うのです、今の御答弁で。その点はつきりして頂かないとどうも皆が不安に思つております。
○説明員(清井正君) 只今も申上げたのでありますが、まあ新規に仮に着手ができるという予算が実現いたした場合においては、改訂計画との関連が起つて来るというふうに申上げたのでありますが、そこに事務的には実際に問題があるのでありまして、三十年度の予算はまあ将来の問題でありますが、本年度の予算自体が二十八年度よりは減つておりますし、而も新規に全然着手しないということで予算が編成されておるのであります。改訂計画は既定の計画の増加改訂でありますので、やはり新規の着手というものが改訂計画の内容等に当然なつておるのでありまして、それが予算の実施と計画とが矛盾をいたすというようなことで、実際問題といたしましては事務的に改訂整備計画を進めて参ります点においていろいろ考えなければならん点があるわけであります。この点は部内におきましてもいろいろ折衝しておる段階でありますが、私どもも来年度予算とも睨み合せの上、できるだけ改訂計画というものもはつきりさせて参るようにしなければならないと、こう考えておる次第であります。
○委員長(小林孝平君) あなたのおつしやつているのはさつぱりわからないのです。今新規に七十五港分のあれを要求しておる、これは通らんかも知らんというので国会承認を待つておる、通らんかも知らんなんという要求の仕方をやつているから通らないのです。速かに国会の承認を得て、こういう裏付があるから通さなきやいかんと、こういうふうにやらなきやいかん。これが初めから通らんかも知らんということを前提にして予算要求をやられているのじやありませんか。もつと強力に、整備計画全体がこうだからどうしても予算は通さなきやいかんというやり方をやらなきやならん。これは大蔵省に押されて止むを得ず国会承認を求めるのが筋だけれども、まあ待つているという形になつているのですが、そうですか。そんなら大蔵省を呼んで又話を聞く、こういうことにしなきやならん。はつきり一つ……。
○説明員(清井正君) まあ大蔵省ということでもございませんが、ただこれは同じことを繰返すことになりますが、これはまあ改訂計画というものが増加工事が当然考えられる。ところが本年度予算は増加工事はないというようなことであります。明年度は何とかして七十五港の新規着手をしたいということで努力を実はいたしておるのでありますが、この問題につきましては、まあ増加は増加といたしましても、先ず計画を先にきめて、この計画の裏打で増加のほうを力強く推し進めるということも確かにそれはお話の通り一つの行き方であるのでありますが、その辺のところにつきましては私どもといたしましては部内でいろいろ検討を実はいたし、関係の省とも相談をいたしている最中でありますから、この点は只今のところはそれを増加の予算の見通しをつける問題と、この改訂計画を実施するという問題とは非常な密接な関係を持つておるのでありまして、その点非常に検討を要する点があるのでありますが、私どもといたしましては、何とかいたしましてこの問題を積極的に推し進めるようにして行かなければならないと、こういうふうに考えておるのであります。そういう意味から目下部内で頻りと折衝をいたしておる最中でございますので、この点御了承願いたいと思います。
○木下源吾君 議事進行……。ほぼ今の議題になつておるのが済んだように思うのですが次に四十七度以南の鮭鱒流網に関する陳情を、これを一つ先にやるようにお願いしたいと思います。
○委員長(小林孝平君) ちよつと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(小林孝平君) 速記を始めて。 次は議題に追加いたしまして、東支那海における漁船の撃沈事件に関する件を議題に供します。 最初にこの件に関しまして清井長官から経過の概略のお話をお聞きすることにいたします。
○説明員(清井正君) 経過を申上げます。もうすでに新聞紙上において大体正確に伝つておるのでありますが、去る十一月の二十二日の午前五時五十分、農林漁区で申しますと五百五十四区ということになりますが、大陳島の東南二十海里附近で第三十一山田丸、第三十二山田丸、この二隻の船が国籍不明の軍艦二隻に両舷から攻撃を受けまして第三十二山田丸は六時三十分頃現場において沈没をいたし、乗組員十名は、もう一方の船の三十一山田丸、これは十二人乗つているのでありますが、それに乗移つたのであります。たまたま附近におりました第五十三、第五十五山田丸と会いまして、七時十五分に第五十五山田丸のほうに乗組員は救助されまして東方に退去いたしました。第三十一山田丸は七時十二分沈没をいたしたのであります。飛弾によりまして三十一山田丸には死者が二名、負傷者が三名、第三十二山田丸には負傷者が二名出ておるのであります。 これは大体現地からの電報報告でございますので、なお詳細は現在調査中でありましてわかり次第なお近い機会に御報告申上げたいと思います。 なおこの事件によりまして監視船第十六大洋丸、これは水産庁の監視船でありますが、それが現地に参りまして第五十五山田丸と会いまして、次のような情報を得ているのであります。 相手の船はフリゲート艦二隻、北西から来て攻撃後西に去つておるのであります。無燈火で、距離三百メーターから銃砲撃を受けておる。当時山田丸は網入れのために灯入れ、舷燈とか、檣燈、舷の灯、帆柱の灯を共につけており、日章旗もマストに掲げていたというふうに言われるのであります。なお死者、負傷者、生存者全部は途中で海上保安庁の巡視船の「あまくさ」に収容されまして、「あまくさ」は二十四日に長崎に帰つて参りました。負傷者は全部長崎の病院に収容をしたのであります。大体診断の結果負傷者五名のうち重傷は三人、軽傷は二人で、この二人は自宅加療で十分であります。重傷者の三人が入院をいたしておる、こういうような実情でございます。 大体事実は以上のようなことでございます。
○青山正一君 フリゲート艦というのはどうなんでしよう、水産庁では御承知になつておりますかどうですか、中国と韓国だけですか今持つているのは……、どういうことになつておりますか。
○説明員(清井正君) この船がどこの国の船かという問題とも関連いたすのでありますが、今の報告では国籍不明ということになつておりますので果して中共側の船だろうか、国府側の船だろうか、わかりませんがどちらかの船だろうということは大体想像がつくのでありますが、どちらの船であるかということにつきましてはなおよく現地に行つて直接調査した報告を聞いてからでないと、その点判断できないと思います。只今不明であります。
○青山正一君 先ほどの御報告は、フリゲート艦がその附近におつた、こういうわけなんですね。
○説明員(清井正君) フリゲート艦から銃砲撃をされた、こういう報告であります。
○青山正一君 そうするとどうなんですか。そのフリゲート艦というのは中共でも持つているのですか、どうですかということをお聞きしているのです。
○説明員(清井正君) その点は私どももはつきり存じないのでありましてどちらであるかということは、今すぐはつきり詳しく申上げられませんが、この報告では国籍不明ということになつております。フリゲートが中共にあるかどうかということは私存じておりません。
○千田正君 この南支那海で操業するということに対しては、水産庁から特に注意を与えてありますか、前以て……。
○説明員(清井正君) この点は大分実は前からの問題でございましてこれはずつと遡りますというと、二十七年の十一月の二十八日に、国府側から正式に口上書でこちらに言つて参つているのであります。それは台湾近海は軍事防衛警戒区域といつて、一定の区域を引いております。図面を引いておりますが、軍事防衛警戒区域というのがあつて、そこに立入つて触雷をしたり、中共船と誤認されると困るからそういうことがないように注意してくれいという申入れが二十七年にあつたのであります。それに対して外務省は、口上書で日本の漁船の漁撈制限をするということでは困る、こういうことではないだろうということを条件として一応国府側の見解を業者に周知せしめるという返事をしておるのであります。その後ずつと何回も実は非公式に、これは文書では行いませんが、口頭或いは会議の席上で以て、区域を示して業者に注意を与えております。業界のかたもこの点は十分知つておられたのであります。その後二十八年からずつとたびたび実はその海域の中で日本の漁船が向うの、主として国府のほうでございますが、国府側の船に掴まつた事実があるのでございますが、大概の場合は掴まりましても日本の船であるということがわかりますというと、ここは危険だから立去れといつて帰されているのがずつと今までの実情であつたのであります。そういうことでありまして又最近、この二十九年の一月から十月までの間に、大体国府艦艇によつて十三隻ばかり漁船が臨検を受けまして退去命令を受けております。その都度私どもといたしましても、漁船に対しては注意を実はいたしてございます。そして今度も十月の初旬に、あそこら辺で中共方面といろいろ戦闘行為等がありまして、非常に危いということで十月に芳沢大使のほうからこちらに連絡がありましてその連絡につきましてすぐ業界にもこれを口頭で連絡し、併せて文書で通知をいたしておるのであります。そういうことでありまして、二十七年の終りからこれは問題でありまして、同海域がいわゆる危険海域であるということは我々もわかつておりますし、業界も知つておつたのでありますけれども。ただこれが法律上の問題になつて参りますと、果して公海に漁撈制限をされるというような問題になりますというと、これは非常に実は問題になつて来るのであります。その点は私どもといたしましても警戒をいたしまして、実際上危険であるということでありますと問題でありますので、業界には危険であるということをはつきり通知しておりますけれども、正式に文書を以て告示するとか、或いは文書で以て日本政府として意思表示するということは、これは微妙な関係にあるから控えたらいいだろうということで、今までは口頭或いは会議の席上で、こういうふうに向うが言つているという事実を確認するという、ただ事実の確認ということで業界を指導して来ている、こういうことの関係にあるのであります。
○千田正君 この問題は先般も国際法の権威者を呼んで、ここで公海の自由の原則に基く問題のビキニ原爆の被害等に関してのいろいろな参考意見を聞き、又当委員会といたしましても、国際法上の問題としての重要なる点は我々も研究しなければならない、とかく水産問題は、国際上の問題が特に頻繁に起きて来る。今日に至つて更に不祥事件が又起きて、これは当然水産庁のあなたがたばかりでなく、外務当局等とも国際法上の問題等について話したいと思いますので、委員長、これは日を改めましてこの問題について十分なる討議をしたいと思いますので、委員の皆さんにお諮り願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林孝平君) じやいずれ日を改めましてから千田委員から申されたように取計らいたいと思います。 —————————————
○委員長(小林孝平君) 次は北洋漁業に関する件を議題に供します。本件につきましては、先般も一度委員会において取上げたのでありますけれども、現在北緯四十七度以南の鮭鱒の流網漁業は、その漁場が狭隘でありまして非常にこれは困るというので当業者からこの漁区の拡張、更に北にこれを拡張することの強力な陳情があるのであります。これに対する水産庁当局の見解を最初にお伺いいたしたいと思います。
○説明員(清井正君) 北緯四十七度以南の鮭鱒の流網漁業の問題につきまして、業界方面から非常な御熱望のあることを私十分承わつております。又これがためでございましたか、当委員会におきましても、御議論のあつたところでありまして、私どもといたしましても、この点は四十七度以南の鮭鱒だけの問題として解決するということは非常にむずかしいかもわからんので、全体の問題としてこれは考えなければならんということも実は申上げたのであります。同時に、又そのときに、仮りに非常に漁が少くて困るということでありますれば、資源の関係と比較して余りにも漁船が多過ぎるということになれば、漁船そのものをもう少し減らすということも考えなければならんかもわからんということを附加えて申上げた記憶があるのであります。その後本年度の操業の実情に鑑みて、非常に業界から困つておる、是非区域を北のほうに上げてくれ、こういうような御陳情があるのであります。只今私どもは北洋の漁業の問題につきまして折角検討をいたしておる最中でありまして、まだ結論を出すに至つていないのでございまするが、私といたしましては、これはやはりソヴイエトの近くで操業をするという特殊の漁業でありますので、やはり規律操業ということを一番これは重大に考えて行かなければならないということがとにかく第一に言えるのではないか、こういうふうに実は考えるのであります。なおそのほか、これは母船式漁業との関係もございますし、この間どういうふうに調整をするかという問題だと思うのでありますが、我々といたしましては、この点はなお十分検討をいたしておる最中でございますので、まだはつきりした結論を出すに至つておりませんが、とにかく規律操業ということは何と言つても重要なことであるから、この点は一番重視をしなければならん問題であるというふうに考えておるのでありまして、なお結論を出すまでにはもう暫く時をかして頂かなければならない、こういうふうに考えております。
○木下源吾君 これはしばしば業界からの要望であることは今長官が言う通りでありますが、そうしてその解決されない原因は規律操業と母船式の関係だ、こういうふうに言われた。その前に四十七度以南に操業している実態が、一口に言えば商売になるかならないか、つまり仕事が採算がとれるかとれないか、こういうことについて水産庁はどういう方法でこれを研究したか、調査したか、これを先ず先にお伺いしたい。
○説明員(清井正君) 私のほうで直接この計画をとるということはなかなか実際上できないのでありますが、北海道庁からの資料も参つております。それから業界からも一部でございますが資料が出ております。そういう資料をずつと私ども只今拝見をいたしておるのでありますが、これは大体私どもの考え方といたしましては、細かい数字の資料を持つておりませんので、正確なことは申上げられませんが、この四十七度以南は御承知の通り三十トンの限度で分れておりまして、三十トンから五十トンまでの船を大臣が許可をする。これは二百六隻あるわけであります。それから三十トンより小さい船は千六百六十四隻あるのでありまして、これは北海道の知事が許可をいたしておるのであります。そこで五十トン以下の船が千隻近いものがそこに操業いたしておるという実情であります。大臣のほうの許可は私どもは或る程度やりますけれども、知事のほうの許可は、実際問題として、これは知事の許可でありますので、なかなか手の届かん部面も実は今まであつたのであります。そうして約二千隻近いものが同方面で操業いたしておりますが、又同時にその漁獲がどの程度あつたかどうか、又どういうような採算であつたかどうかということは実際問題としてはむつかしいのでありまして、私どもは、先ほど申しましたように、業界の一部報告なり、或いは北海道庁の報告なりというものを参考といたしておるのであります。北海道庁の調査によりますと、大体大臣許可の三十トン以上の船は総じて黒字だ、赤字でないという結果が出ております。三十トン未満の道知事の許可のほうの船は非常にこれはむずかしい漁業だという結論が出ておるように聞いておるのであります。これは大きい船が非常に能率漁業をするという問題もありましようし、いろいろ操業事態もまちまちでありましようから、ここで簡単に三十トンの線を引いて、上は黒字だと、下は赤字だなんと言い切れるかどうかわかりませんけれども概して船型の大きいものは能率操業ができますから黒字になるということは言えると思います。そこで私どものその程度の知識でございますが、一般的には直接の調査でなくて、各方面からの報告に基いて検討いたしておる、こういうような実情でございます。
○木下源吾君 水産庁は許可をする区域だとか、或いは隻数という問題、それよりも先に水産庁としてはそこでは操業が成立するのかどうか、魚を得るのかどうか、そういうようなことが前提でなければならんと思うのですが、現在の四十七度以南の今の所では角がそう獲るない、こういうことで拡張してくれ、こういうのであります。でその根本の調査を今どういうようにしたかをお尋ねしたのだが、わからない。わからなければ業者のほうの言うことを信用するということより以外にないと思う。そういうことだと思うのですが、その点についてはどうですか、又、改めて母船のほうは政府は試験のために莫大な金をかけている。然るに一方のほうのなにはそういうことはしない。そうして業者が実際は困る。こういうことについて今度業者のほうの言うことも信用できない。こういうことになれば、これは全く方針がないと同じだと思うので、業者、そういう方面からのなにをあなたがたは信用するかどうか、それを一つ聞きたい。
○説明員(清井正君) いや、調査がないとおつしやつたのでありますが、これは北海道の試験場での調査はしております。その報告も詳細に聞いております。水産庁の直接の調査がないということを申上げたのでありまして、北海道庁の調査なり、資源的な調査、或いはいわゆる収支計算に関する北海道庁の調査、或いは業界のほうの報告がこういうものがありますので、その点は私どものこれは監督官も言つていることでございますし、経験者もおることでございまするから、そういうような私どもの経験者の意見を十分これは勘案いたしまして、業界の報告を検討をいたしておる、こういうような実情でございます。で下のほうの部につきましては、毎度母船式漁業をやる場合に政府から調査員が出ておりまして、一定の海域については調査をいたしたものもございますが、その点につきましても只今数字的には申上げられませんが、一定の技術的な見解というものは、専門家はそれぞれ持つておるのであります。
○木下源吾君 そこで規律操業の問題に今度は移りますが、先に水産庁はソヴイエトへ代表を送るこのことについて、当委員会がいろいろきめて、水産庁にその派遣の必要を具申していた。その実現方を要望したけれども、水産庁はこれを無視した、特に水産長官はこれを無視した。そうして逆に衆議院から派遣した。これは水産庁は同意しておる。然らばその派遣の結果福永君がこちらが規律操業をやらなければならないという点について、ソヴイエトとの折衝でどういう報告を水産庁として聞いたか、それを先ず一つ承わらなければいけない。
○説明員(清井正君) 福永さんがソヴイエトに行かれたのでありますが、それの話は去る日衆議院の水産委員会に報告があつたのであります。その報告を私も伺つたのでありますが、結局水産問題につきましては何ら具体的な話にならなかつた。ただ覚書を受領して来られたのでありますが、その覚書は新聞に出ておりましたが、いわゆる通商問題を日本の政府といろいろ話合いをする途を開こうじやないか、こういうような意味の覚書だつたようであります。ではその中へ漁業問題も入つておるのか、入つてないじやないかということを福永さんが質問したら、いやこれは文書には書いてないけれども漁業問題も入つているんだ、こういうような意味のことを向うの係官が言つた、こういうような意味の御報告があつたのであります。
○木下源吾君 当時水産庁長官も知つておる通り当委員会においては、この沿岸における遭難その他については、ソヴイエトとの間において避難港、そういうことの話合いをつけるために必要である、又避難した者、遭難した者との連絡、そういうことの了解を得なければならない、こういうようないろいろ具体的な事実を挙げて水産長官に派遣を同意するようにということを言うた。然るに今聞いて見ると衆議院に同意した場合においては何ら具体的なものは一つもわからない、こういう今の御答弁、私どもはこの規律操業と、こういうものこそ必要であるのであつて、それには相手方の了解を得なければならん、だから一年前から騒いでおるわけです。で、それをやつてくれと国会がいつて旅券を出せと、そうすると君のほうで、水産庁さえよければ外務省がいいと言つておるのに、そういうことを言つておつて、規律操業だなんと言つたつてそんなあなた口先だけでごまかしておるということだ。問題は何ら、一つも進展しておらんではないか。これはどうだ、君、五十一度までやらなければ食えないという業者の何をあなたがたのほうで信頼して、これを拡張することにしたらどうだ。それ以外にないではないか。何も理由がない。母船式の問題との関連においてはどうなつておるかと言えば、母船式は報告を聞いてもわかる通り、今の三倍ぐらいやつても漁獲は十分にあると言つておる。ここらに今書いてある書類を見ても相当余裕があるんですよ。一方の、つまり小さいほうの船が食えないで困つておる。赤字だ赤字だ、こう言つておる。これは結果から見れば政府は大資本の漁業ばかりを擁護してだなそうして小さいほうはどうでもいい、こういうように結果から見れば受取れるじやないか。どうでもいいけれども、その者も生命を持つておるし、国民なんですよ。検討中々々々と、今もうね、焦眉の急じやないか、いつまで検討するんだ。そんなことわかり切つておる。若しもそうでなかつたならばだ、全般的にできなければこの部分はどうだというように、もつと打解けた話をして、業者のほうでは五十一度まで全部でなくてもよろしいと、北千島、カムチャツカ寄りの百六十度から西のほう、そうして向うは五十一度までのこの三角地帯だけでもいいんだ、ここで、何とかそこまで越させてもらえば千何百のものが非常に助かるんだ。そこには母船式は関係がない、そこのところでは……。それで関係ないばかりでなく、母船式はまだまだ余裕がたくさんあるという報告をしておるわけです。我々は受取つておる。そうしたらば何も許可をすることが問題ではなくして、漁民を保護することが問題ではありませんか。漁民を保護することが……。そうして日本の漁業を今よりも幾らでもよくするということが問題でありましよう。許可をするとかしないとかいうことは第二義である。それですから私どもは、検討々々と言つたつて、根拠のない検討を幾らしたつて駄目ですよ。今のような四十度のところから入れば危険だから、四十度のその危険を何とかして緩和したいからして我々言うてもそれには耳を貸さない。そういう態度ではいつまでたつたつてこれは解決しないではありませんか。どうですか、長官……。これはもう大抵時期が来ておるのだから、もう少し誠意あるお互いの、人民と政府との間において話合いを進めるという態度をとつてはどうか。そのことを一つあなたにお伺いしておきます。
○青山正一君 今木下さんからいろいろ話がありましたのですが、先ほど水産庁長官から今度のこの四十七度線以南の鮭鱒の流網漁業は全体の北洋の問題として考えて行くというようなはつきりしたお話もありますし、それから同時に母船式のものは非常に恩典に浴しておる、それに反して四十七度以南の鮭鱒の流網漁業は操業の人間も多い、それから生活にも困つておる、こういうふうな実態もよく御承知になつておるわけですからして、そう木下さんのおつしやるような、急に結論を出すということもこれはむずかしいだろうと思いますからして、まあこういつた実態をよく把握して頂くというようなところに一つ重点を置いて頂くという、これは日をかけましてもはつきりまとめて行く水産庁長官の先ほどおつしやつた言葉を信頼してやつて、急に結論を出すというようなことになりますといろいろな間違いも起きますし、そういつた実態を把握して研究して頂くというようなことにして、余り木下さんのおつしやるように急に……。
○木下源吾君 僕は北海道だからね、それだから言うのだよ。
○委員長(小林孝平君) あなたの御質問終りましたか。
○青山正一君 はあ。
○説明員(清井正君) 只今木下さんからお話を承わつたわけでありますが、これは私ども実に慎重に検討したのであります。これはこの前も木下さんからお話を承わつた記憶があります。そこで我々も実は慎重に検討いたして参り、又現に検討をいたしておるのでございますが、これは一番問題としていわれるのは、只今木下委員のおつしやつた通り、政府は母船式漁業の資本漁業だけを擁護して、沿岸漁業、中小漁業者を擁護しないかに見えるのではないか、こういうような意味のお話がございましたが、陳情者のかたがたからもそういうことを伺いました。私は決してそうは考えていないのであります。これは議論を申上げても甚だ何でございますが、先生も御承知の通り、母船式漁業と申しましても成るほど母船を持つて来るほうは資本漁業者でありますが、独航船を持つて来ているかたは底曳の業者のかたがたであります。これはそこで母船式漁業と違いまして、母船を許可してその母船が勝手に独航船を選ぶのではないのでありまして、めいめいが勝手に許可を得たわけではなく、母船と独航船と共同に申請して共同に許可する。こういうような北洋の鮭鱒は、これは特殊な形態で以て経営をやつておるのでありまして、母船式のほうも成るほど相当利益があるかも知れませんけれども、同時に独航船にも影響がある、こういうことになるのであります。そこで同時に又底曳の整理という問題と関連いたしまして、以東底曳の以西転換という我々どもがとつております方針に副つてこれは底曳をやめて出て行くかたに優先するということを二十九年度から始めてやつて来たのでありまして、この方針は今後維持して行くわけでありますが、そういう大事な底曳をやめて出て行かれるかたがたでありますので、これらのかたがたは……、そこで成るほど非常にいいように見えますけれども、一方にそういつた又犠牲を払つた母船式漁業はそういうかたがたが出ておられる漁業であります。四十七度以南のほうは千六百隻あるのでありますが、道庁の許可であります。私どもの許可は三十トン以上の二百六隻であります。そいつのほうは、この三十トン以上の漁業をやつておるかたの半分以上のかたは母船式の漁業もやつておられるのであります。要するに両方をやつておられるかたが多く、半分以上だと私ども思つておりますが、そういう大きい船を持つておられる半分以上のかたがたが母船式の独航船もやつている。四十七度のほうもやつておられる、こういうことであります。そこで北海道庁の調査を見ましても、船の大きいほうは黒字になつている。小さいほうは赤字になつているということでありますが、さりとて漁業区域の四十七度を北に上る場合においても、果して上つたことによつてどういうような影響があるか。成るほど能率のいい船はそれだけの恩典を満喫することになりましようが、三十トン以下の能率の悪い船は、たとえ四十七度上りましてもなかなか思うように行かんということが一方にあるのでありますが、そういうようなことと関連し、併せて規律操業という観点を我々少し上げた場合に、同じような海域において底曳をやめて出て行つた船と、やめない船が同じような海域において操業するというと、その間との調整も考えて行かなければならない、こういうようなこともありますので、いろいろ見廻わしますと、その間検討しなければならん問題があるわけであります。そこでそういつた問題を全部取上げて、そうしてやはりこれは規律操業、漁業の調整と申しますか、そういうことと、それから水産庁の今までの底曳の転換の方針と、そういうようなことをお互いに考え併せて、そうしてやつて行かないというと、なかなか漁業は円満にやつて行けないのじやないかというような考え方からしていろいろ検討いたしておりますので、業界のかたがたからは非常に熱心に御意見承わつておりますけれども、まだ実は結論を出さないでいるような次第であります。ただ私が申上げていることが、今後の結論を出す一つの重要なポイントになつていることはこれは当り前のことでありまして、そういうような観点から見て十分私どもは考えを進めて行かなければならないのであります。さりとて非常に四十七度以南の鮭鱒漁業が小型の船の持主のほうは非常に赤字だという実態もありますので、その点は一体どういうふうに解決しなければならんかということも、こういうようなことは道庁の意見を聞きながら、慎重に検討を進めているというようなことでありますので、その点一つ御了承願いたいと思います。
○木下源吾君 四十七度というものはもう動かされないもののような言い方だね。これはどこで一体そういうことにきめてかかつているのかな。片一方のほうは実際行つて漁をしているものが、広いばかり広くても、魚がいないのではしようがない。それでみんなお願いに来ているのでしよう。ですから若しも規律操業のためにソヴイエト側からの了解を得にやならんという政府が、これはソヴイエトのほうへ向いて唾も引つかけたくなるという態度であるならば、必要ならば国民のほうで、又国会のほうでお願いしてきめて、もう少し切願をするほうが、私どもお互いに遭難したときには一つ何してもらいたい、或いは間違つて多少入つたときは、どうしてくれるということを国会できめて行つて話してもいいと思う。規律操業なんということで、そういうことでこの問題を遷延しては私はそれは理由にならない。そのためになおこの国会は規律操業の必要があればこそソヴイエトの本国まで行つて何とかしようというのは、それにあんたたちは同意して下さい、そこを私は言つているのです。ですから問題は今だんだん話して行くというと、以東底曳の問題もそうだ、幾らあそこに船を入れたところで魚のいないところではますますこういう矛盾と、こういうトラブルが余計起ることになる。それよりも魚がみんながここへ行けばいるし、獲れる、経験上もそうであるということをやつて、何もそこまで行つたつて、何も抵触しない、そういうところを調べて、あんたがたのほうでお調べになつて、そうしてこれを許可してやろうという気持のほうへ先になつておやりになつたらどうか、これは許可しないんだという建前で行けばどんな理窟でもつくんだね。だからしてその点を私は水産庁長官にこの際許可するつもりでいるのか、そういう都合さえみんな条件が揃えば許可するつもりなのか、許可しないつもりで検討しておるのか、それを一つお伺いして、大体私はその程度で今日はやめます。
○説明員(清井正君) 木下委員のお話の御趣旨はよくわかります。それでありますから私が先ほど申上げました通りこの問題は飽くまで十分に検討して来たつもりなんであります。ただその点は御意見があるようでございますけれども、やはり現状としてはソ連の近くで操業いたしますのでありまするから、規律操業ということはやはり第一に考えなければならんということと、仮に魚がおるところでやるということでありますが、魚がおるところでありますとソ連との、又母船式との関連も考えなければならんということになつて参りますので、そうなりますと母船式でやつております独航船とあちらのほうの独航船との調整という問題も起つて参りますので、そういうような問題も考えなければなりませんし、その他いろいろな問題を同時に考えて行かなければならんのでありますから、そういうものを睨み合せまして、北洋全体の問題として今検討しておるということを申上げた次第であります。木下委員のおつしやることは十分わかるのでありまして、その点がわかればこそ私どもは苦心をして検討いたしておるのでありますが、ただそれだけのことで解決できない点がございますので、現状といたしましては今申上げましたようなことを逐次、逐次と由しますか、総合的に勘案して今全体的に結論を出そうとして折角努力をしておる最中なんでありますから、御趣旨は十分了承いたしますけれども、今暫らく検討をさして頂きたいと考えるのであります。
○青山正一君 関連して一つ……。只今水産長官からお話がありましたのですが、この検討そのものは非常にいいわけなんですけれども、先ほどその水産長官の報告の中に、例えば道庁の報告によると、道庁許可の三十トン以下のものはこれは赤字である、それから三十トン以上のものの、農林省許可のものはこれは黒字である、これはまあ道庁の建前からすると、道庁許可のものにすればこれは力を入れるということはこれは当り前なんですが、そういう報告が果して真なりや或いは疑なりや、その点も又一つ十分に検討の上で、私らは相当疑問がありますから、一つ十分に検討願いたい。こういうことと、それからもう一つは四十七度以角の船と独航船とを兼ねてやつておるものが半分以上おる、こういうふうな御見解を発表なすつておりますが、その点も私どうも腑に落ちぬわけなんですが、そういう点も一つ十分に御検討願つたほうがいいんじやないかと思います。例えば私が知つておる範囲内においてはそう半分以上もおるとは考えていませんし、はつきり申上げればこの水産庁自身の熱意の現われというものが、先ほど木下委員からお話のあつたように母船のほうに非常に重点を置いておられる、勿論四十七度以南にも相当力添えになつておるということはこれは事実ですけれども、果してこれは長官同様に下のおかたもやつておられるかどうかということも又検討して見なければならんわけなんですが、そこで先ほど水産長官がおつしやつたようにこれは北洋全体の問題である、例えばこの母船式の問題と或いは四十七度以南のものとはつきり区別けして、そしてお互いが同じような利益を受けるというような建前まで、一つ熱意を以て御検討して頂くように特に御留意を願いたい。この点をしつこく申上げまして、私の申入れといたします。
○説明員(清井正君) 只今お話のあつた点でありますが、これは三十トン以上が黒字で、それ以下が赤字ということは、これはまあ非常にラフな話を申上げましたので、北海道の報告をどうこうというのでない、話としてはラフな話を申上げたので、ただ傾向としては大きい船が能率がいいし有利であるということが言える。そういうことが考えられると思うのでありますが、ところが北海道の知事のほうの全部が赤字かというとこれは必ずしもそうでないという報告が来ております。その道庁の許可の船でやつた操業結果で黒字が出ておるという報告も私のところに来ているのがあります。これは一々信用する、しないは別でありますが、そういう報告のあることは事実であります。ですから三十トンの線を切つてどうこうということは言い過ぎかも知れませんが、そういう傾向であるということは言えると思います。 それからそういう許可のうち、北洋と両方やつておるのが半分以上だと申上げましたが、これは半分以上であるか半分以下であるか、これは私も正確なことは問題でございますが、とにかく相当の人数のものが両方をやつておられるということは事実であります。これははつきりいたしておる。そういう点は一つ実は考えなければならない問題だと、ただ現実問題としましてそれをやはり能率のよい船であれは北に上らなくても利益を受ける点が多い、小さい船はそういう点に恵まれない、浴さないという点がある、そういう問題も考えなければならない。要するにこの問題につきましてはこれはいろいろ考えなければならない点があるわけでありますので、かねて業界からもこの緯度を上げる問題以外にほかにもいろいろ条件がありましたが、まあそういうようなことをいろいろ条件を出しましてそれを勘案いたしまして結論を出さなければならない。こういうふうに実は考えているのでありまして、考える亜素は大体申上げたかと思うのでありますが、先ほどの木下委員のお話の御趣旨はよくわかるのであります。まあその故にそこまで一つの結論を出すことも延び延びになつているというような実情で、こういうことを申上げたわけであります。
○千田正君 木下委員と青山委員からいろいろ御意見があつたようでありますが、私も一つこの点を質しておきたいのは長官はやはり北洋漁業問題という大所から考えて四十七度線という線を布いたものだというふうに我々は考える、考え得るということは北洋漁業を考えた場合に一番いわゆる母船式独航船等の資本を、大資本を中心とした企業を北洋に進出させると一面沿岸の小漁船をして鮭鱒に従事させるには国内的においてはこうした母船或いは独航船との間の紛争を避けるために、一面において国際的においては片つ方はアメリカ、カナダ方面に向ういわゆる北洋の問題を加味した、含みを持つた一つの母船と独航船、一にはソ連圏に接触するところの国際紛争を或る程度これを考えなければならないというので恐らく四十七度線というものを布いたものだと私は考えるのですが、で今問題になつているのは先ほど木下委員からのいろいろお話があつたように四十七度線では今の小型の漁船は到底漁獲を得ることができ得ない、それでこの問題が起きて来ておるのでありまして、この点を我々は考えた場合にソ連との紛争はむしろ資本漁業に対してソ連側は或る場合においては拿捕或いは抑留するという意図は相当強いと思う、彼らの主義からいたしまして。逆に小型漁船その他の漁業に対しては比較的いわゆるソ連側の考え方は思想的からいつても資本漁業に対するような厳重な行き方をしない。これはよほど国際的な分野に立つて考えなければならない問題だと思いますが……。 もう一点、ここに参考に伺つておきたいのは最近母船、独航船に対して更に追加して水産庁は許可する意向があるやに巷間伝えられておりますが、それは果してどうか、今までの船団に更に追加するというようなことが巷間伝わつておりますが、それが果してどうかということを一点聞きたい。 それから以西底曳、いわゆる李承晩ラインその他の問題がいろいろ紛争を起しておるので以西底曳の諸君が北洋に進出したいという問題でこれを水産庁に迫つておるという話も私は聞いている。これは本当であるかどうか、若しこういうことが本当であるとするならば仮にそういう問題を許可するというような意向が、許可してもいいと、悪いというようなお考えがあるとするならば現在苦しんでいるところの、四十七度線以南で苦しんでいるところの小型の漁船に対して私は考えてやらなくちやならないだろうと思う。もう一つは三十トン未満の手数百隻の北海道長官の許可の下に出動しておる漁船に対して、これは多過ぎるし、或いは国際紛争を起す虞れがある、或いは船団との間に紛争を起す虞れがあるとするならば、これらの千数百隻を或る程度統合して三十トン以上の大型に切替える、切替えるその漁船建造その他の資材の購入等に対して水産庁は親心を以てこれに応援するような形において将来の紛争を避けてこの問題を解決する方向に向うような考えを持つておるかどうか、この三点について伺つておきたいと思います。
○説明員(清井正君) 只今の御質問の問題は、母船漁業についての御質問が前段にあつたのでありますが、この点は只今もお答え申上げておるのと一貫をいたしておりますが、目下この問題につきまして検討いたしておる最中であります。未だ結論は出ておりません。ただ昨年度は北洋の鮭鱒に参ります漁船が百六十隻あつたわけであります。それに調査船を加えますと約二百隻の船が操業をいたしたのでありますが、本年におきましてもこれが独航船、いわゆる母船式について参ります独航船でございますが、これは増加をいたしたいということはこれははつきりいたしております。ただどの程度増加をするということが問題であります。これは今も木下さんからお話があつたのでありますが、非常に余裕綿々として自由自在だということもあるのでありますが、現地に行つています人は必ずしもそうは言わないのであります。というのは、私のほうからも船が五船団出て監督に当つております。船団の中にも監督官が乗つております。そういう人の意見を一分開いておりますし、又漁船の出て行きました各社の船団長の意見も十分聞いておりますと、非常に密になつて魚がいるのであります。そこにかたまるのであります。そこに延々四マイルにも亙つて流網を引くのでありますから、それが二百隻近いものが相当のところでやるということになりますと、やはりそこに相当の混乱を起すこともあるのであります。なかなか現地に行つております人は船を殖やすということは正直に言つて賛成はしないのであります。併しこれはそうは言つても今後どんどん発展する北洋漁業の問題でありますので、これはどうしても増加をして行かなければならない問題だと思つておるのであります。独航船を増加するということは考えておりまするけれども、それがどの程度の数字になるかということについては目下検討いたしておる状態でありまして、はつきりいたしておりません。従つてそれと、仮にそれが決定いたしました場合に、それでは今まで出ていた母船より更に母船が殖えるのかという問題でありますが、併しその点ははつきりいたしませんので、私どもといたしましては母船の問題につきましてもはつきりいたしておりませんけれども、要は規律操業というものと、それから現場におきまする漁業の調整という問題が相当重要な問題でありますから、そういう点を最も重要に考えなければならん問題だと思います。独航船が多くなればなりまするほどやはりこれは規律が乱れる虞れがあるということはこれは言えることであります。現在三海里乃至四海里離れておる問題でありますけれども、やはり船が多くなれば相当慎重に考えなければならん問題でありますので、私どもといたしましてはそういう観点からその問題を検討いたしておるのであります。従いまして未だその母船の増加ということにつきましてはまだ結論は出ておりません。それから以西の業者が陳情をして来ておると聞くが本当かということであります。これは事実であります。以西の関係のかたが非常に中共の問題等によりまして非常に操業が困るし、資源もなかなか減つて来ておるし、こういう際であるから母船を出して、そうして自分らも以西の船を出して、そうして北洋に進出したい、こういう非常に熱心な御希望があるのであります。これは私どもはそういう問題を検討いたしておりますけれども、これは先ほど木下さんから……そのときもちよつと触れたのでありますし、青山さんにも申上げたのでありまするが、やはりこれは底曳の整理転換ということがこれはその北洋の独航船を比較選定する一番大きな基準だということに今来ておる。而も昨年から初めて底曳はやめてもらうということを言つて来ておりしまて、その方針というものは飽くまで堅持しなければならないという考えで私どもはいるのであります。そういうような方針と照らし合せまして、ここに又北海道、東北、北陸は地域的に見ましても、漁業の経営からいいましても北洋と極めて密接な関係にあるのでありますから、そういうようなことを睨み合しまして、以西の業界からする陳情ということも十分考えて行かなければならないと思つておるのであります。いずれにしろ結論はまだ只今出ておりませんので、そういつたことが今度の四十七度線の問題とも関連を持つておりまして、総合的に今考えておるということでありますので、いずれも目下、只今申上げたような考え方から検討いたしておる最中だということを御了解願いたいと思います。 それから最後に御質問のありました船を大型化する問題でありますが、これはこの前あらしで大分船が沈んだのであります。相当な死者も出まして非常なお気の毒な状態であつて、ひとえにこれは船が小さいのだ、小さいけれども沖へ沖へと無理をして出るわけであります。であるからこういうような問題を起したわけであります。船を成るべく大型化してやろうじやないか、こういうお話もありまして、私どももそれは結構だということでおるのでありますけれども、ただこれが知事許可と大臣許可と分れておる問題もありますし、今お話の通り全体の漁業が困つておるということもありますからこれを無理やりに殖やすということはおよそ意味のないことになるのであります。でありますから仮にこれがいたしますにいたしましてもただ船を勝手に、勝手というと語弊がありますが、ただ大きくするというだけでは困るのでありまして、やはり十トンのものを合せて二十トン、十五トンのものを合せて三十トンにするとかいうような形で合併して増トンする、こういうような形をとる。同時に又北海道庁の千六百もある許可をどう扱うのか、これをどんどんと北海道庁も許可したのでは意味がない、ですから北海道というものについては知事の許可について制限とか、或いはとめる、同時にとめたものの中から合併して造船するという問題を考えなければいけないのであります。従つて大臣許可の船と知事許可の船と両方睨み合せてこの大型化ということは考えて行かなければならん、こう思つておりまして、そういうような考え方で道庁とも今話合いを進めておりますけれども、現在のところはまだそこまで話が行かないのでありまして、専ら地域を北に上げろという問題が中心になつておりまして、それは増トンの問題ともからむ問題だと思いまして、まだそこまで話は行つておりません。従つて道庁との話も済んでおりませんが、私どもそういう意味合いの増加ならば大いにやらなければならんのじやないか、こういうふうに実は考えておるのであります。
○千田正君 それで長官は最後の、北海道の許可しておる船に対するお考えをちよつぴり述べられたので、やや私も考えは一歩進んで考えられるのですが、もう二点伺いたい。ということは、この母船式漁業も相当これは或る程度北へ動いて行つておるのじやないか、最初許可した当時より漁場は北へ北へと進んでいるような状況でもあるし、北へ行つたほうが漁獲が相当ある。今の線から場合によつては多少北に延ばしてもいいのじやないか、或いはそういう要請があるのじやないかと思うのですが、あなたがおつしやる通りこの資本漁業のほうは比較的秩序も整つて或る場合には水産庁の告示の下に厳重に操業しておるとするならば、もう少し北へやはり漁場を或る程度拡張してやつてもいいじやないか、この点はどういうふうに考えておるか、この一点。北へ仮にその母船式が延びた場合において四十七度線の線を或る程度北へ延ばしてやつて、北海道庁が自主的に監視船を出してこの小型漁船を監督して、そうして十分に自主性をもたしてやるならば今のあなたがおつしやつたように小型を統合して十トンを三つ合して三十トン、五つ合して五十トンとした場合においては、この北海道庁から出すところの自主的な監督船と水産庁側の監督船と併せて監視したならば、或る程度これは業界の要望に応える方法ができるのじやないかという点もありますが、そういう点についてお考えはどういうふうなのか、この二点だけ伺つておきます。
○説明員(清井正君) 漁場が北に上つているのではないかということでございますが、この点は実は私ははつきりお答えできません。私実は知りませんので、お答えできませんが、これは漁場を、そのまま仮にそうだといたしましても、北にすぐ上げられるかどうか問題がある。というのは、実は北はコマン・ドルスキー島が、ございまして、実は限度一ぱいに上つている。漁場そのものを上げられるかどうか問題があるわけでありますが、実際のその場における漁場というものが北に上つているということはわからないので、いずれ検討いたしまして、お答えいたしたいと思います。規律ある操業を成るだけ集団的な行動をするとかその他の行動をして、規律ある操業を四十七度以南にさせるということはどうかというお話でございましたが、そういうお話はこれまでにもあります。たまたま上に上る代りに規律ある操業をするということがあるのでありますが、この点はお話の御趣旨はわかります。わかりますが、そういう点も無論我々も検討いたしたのでありますが、実際問題といたしまして単船行動が集団化するというのであります、而も船が、大きいのは二百隻ですか、一千八百隻も船がある、これをどういうふうにしてこれの実効を挙げ得るかということが問題だと思います。現にこれは申すまでもなく、現在におきましても、相当問題があるのであります。この点船の行動につきましては、そういうような問題が現にあつたのでありまして、専門家の意見といたしましても、現場においても相当実は問題があるのでありまして、これは単船操業であるから止むを得ないといたしましても、仮にそれを集団化して規律ある操業ということが期待できましても、果して実効が挙るかどうかということは問題になるのでありますが、そこに私ども疑問があるのでありまして、規律ある操業と言つても、それが統制ある母船式の操業をするようなことになりましたならば、問題を起すことになるというようなことも十分考えなければなりません。実はこういうふうに思つておりますので、お話の御趣旨はよくわかります。それは確かに規律化させるということは、どんな意味においても必要なことであります。そういう方向に何とかして進めて行くことに努力しなければなりませんが、だから上に上げていいかどうかということになりますと、そこにいろいろ検討しなければならず、操業の現状から見まして、相当問題がある、こういうふうに率直に考えているわけであります。
○千田正君 どうも線を引いたために食えない、いわゆる生活権の擁護という一つの大きな問題を掲げて原則的には北海道なり東北なり、小型の漁船がそういう問題、或いはあなたがたから見れば、犯罪と言うだろうが、一面から言えば、食えないから行くのだという。結局卵が先か鶏が先かということで、いつでも争つていなければならん。これではいけないのであつて、やはり犯罪というような問題が起るとするならば、起る前にどうしたら犯罪が起らないような方法ができるか、犯罪を起さずに済むにはどうしたらいいのか、こういうような問題がやはり行政官庁としては、親心を以て考えなければならん問題だろうと思う。でありますから、四十七度線という線を引いたために又犯罪が起る、線を引かなかつたら犯罪が起らないか、犯罪を起させないためにどうするかというような問題を、さつきからいろいろ各委員からも申されておりますが、私も先ほど五ヵ条を上げてあなたに申上げたのでありますが、十分その点を御研究なさいまして、犯罪を起さずに、なお生活権を擁護するために、どういう方針をとるかということをもう一度次の機会に伺いたいと思います。はつきりした、この程度の線が引かれたならば、線と言うか、立案ができましたならば、我我に報告して頂きたいし、又それが荏苒延びるということになりましたならば、委員会として長官の御意見をもう一度お尋ねすることにいたしまして、この問題について、私は一応今日の質問を終りますが、委員長にお願いしたいのは、速急に委員会を開いてもらいたいという要望であります。それはこの大陳島における南支那海の問題は最近新聞紙上、昨日今日の新聞紙上に現われたところによると、中共に、漁業団体の代表者が一応視察かたがたこの漁業問題の交渉といいますか、そういう問題について出掛ける、これは先般国会から出て行きました自主的な各党の代表者諸君が行つて、漁業問題を一応打診して来たが、その裏打ちとして、実際の業に当つている代表者の意見なり、我々水産委員会としては、この当面に起つて来た問題について、一応はつきりしたこれに対する我々の態度を決定いたしたいと思うのであります。ということは、従来行つて交渉されている人たちは、水産関係の人は頗る少なかつた。併し我々としましては、隣国との間における紛争の問題、或いは将来の両国間における漁場調整の問題に対する重大な本問題が残つており、しばしば当委員会においても論議しているのでありまして、この問題について、もつと近い機会に或いは来週早々でもよいから委員会を開会いたしまして、本問題について一応当委員会としての態度をきめたいと思いますので、各委員にお諮り願つて委員会の開会を私は要望いたしておきます。
○委員長(小林孝平君) お諮りいたします。次回の委員会は二十九日の午前十時から開会いたしまして、只今千田委員から提案されました事項を含めまして審議いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
○島村軍次君 この問題は頗る業者にとつては切実な問題だと思うのですが、各委員から御質疑になりましたので、大体尽きたようですが、長官のお話を聞きますと……。
○委員長(小林孝平君) ちよつと待つて下さい。今の委員会の開催の日取をお諮りいたしましたから、二十九日午前十時、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林孝平君) さよう決定いたしました。
○島村軍次君 そこで水産庁長官の御答弁によりますと、相当陳情もあり、水産庁としても深い御検討をされているようであります。併し検討々々ということでは、いつまで続けても、これはもうすでに御検討は十分尽きておるのではないかと思います。早く御決定になることが私はこの問題の解決に重要なポイントになるのではないかと思いますが、結論はいつ頃出るのか、大体のお見通しを承わりたいと思います。
○説明員(清井正君) これは先ほど申上げました通り漁業全体の問題の一環として考えておりますことであります。それとの関連を持つわけでありまして北洋漁業の問題のことにつきましては、只今検討いたしておりますが、昨年もやはり母船をきめましたのは一月の四日でありました。今年はとにかく独航船を或る程度殖やしますから、その事務的に延び得る限度が延び得る限度であります。併しそういう問題とも関連いたしますが、同時に全般の問題との関連におきまして、只今考究をいたしておるような次第であります。今暫らく水産庁において考慮させて頂きたいと思います。
○島村軍次君 そこで業者のかたがたの陳情もたび重なつて、水産庁もよく御承知のことであろうし、我々のほうにも陳情があつたわけですから、まあ暫らくということですが、一つ早くおきめ願うように、今の趣旨を一つ酌んで、できるならばいつ頃までにということがはつきりしませんか。どうですか。
○説明員(清井正君) ちよつと日にちにつきましては申上げかねますが、今暫らくお待ち願いたいと思います。
○委員長(小林孝平君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十九分散会