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19回国会参議院1954/03/22

水産委員会 第14号

発言数
155
登壇者
10
会派数
3
開催日
1954/03/22

会議録

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。  今日は議題の第一、漁船の安全操業に関する件を議題に供します。先般本会議の関係で、ビキニ環礁の水爆の問題につきましては、一応政府委員会から状況報告を受けただけで、質疑は殆んどいたしておりませんので、今日はこれから質疑に移りたいと思います。只今外務政務次官の小瀧さん、それから水産庁は永野生産部長、海上保安庁は警備救難部長砂本周一君が見えられて括ります。只今から質疑のあられるかたは順次御発言を願います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 外務政務次官にお尋ねいたしますが、新聞でも外務大臣の御意見が出ておつたようでありますけれども、我々が非常に疑問とします点は、いわゆる公海という中に、非常に広範囲ないわゆる公海において非常に危険を伴うところの仕事を或る一国がされる、それによつてその辺を航行するもの及び漁業をするものが非常な制約を受ける、而もそれが相当長期に亘つてやられる、継続的のものが半年続くとか、或いはそれが何年間も続くとかいうようなことは、これは一体どういうことに基いて行われるものか、戦時ならば止むを得ないが平和時においてそういうようなことを、制限ではないかも知れんけれども、制限と同じような状態になる生命の危険、財産の危険を生ずるような行動ですから、非常な制約を受けるのですが、そういうことは国際公法上といいますか、許されるものであるか、やつても差支えないものであるか、又やるとすればどういう根拠に基いてそういうことが行われるものであるか。この点を御説明願いたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 原爆の実験によつてああいう不幸な事件が起りましたのは非常に遺憾であります。この点はアメリカも認めておるようでありますが、御質問のどういう根拠に基いてこういうことをしておるかと申しますと、これも或いは大臣が議会で説明したかと思いますけれども、米国の太平洋における信託統治協定によりましてあそこを統治し、そして戦略基地にあそこを指定いたしまして、そうして国連の安保理事会に対して一九四七年に閉鎖区域の設定を通報したことから起つておるわけであります。閉鎖区域のほうは、これはその安全を保持するという意味で入つてはならない、入ることを許さない、特別の許可のない場合は入らないといういわゆるクローズド・エイリアというのでありまして、これは旧日本の委任統治諸島の領土及び領海だけに限られておるわけであります。が併し、これに関連いたしまして、アメリカはこの閉鎖区域内での行動によつて周辺の公海における人命、財産に危害を及ばすことを避けるために危険区域を設定いたした次第であります。これが一九四八年です。そしてアメリカの水路局の告示でその地域を明らかにしたのであります。今問題になつておるのはこの危険区域でありますが、この危険区域は最初四八年の四月に告示し、更に昨年の五月二十七日の告示でこの区域を拡大してビキニ島附近もこれに含ませるということになつたわけであります。で、この危険区域の法律的な性質というものはいろいろ国際法学者で議論はあるようでありますけれども、外務省といたしましては、少くともこの危険区域というものはその附近にあるところの人命、財産に危害を及ぼすことを避けるためにとつた措置であつて、一種の予備的な警告であるというように考えております。従いましてこの警告の第一歩だけでは不十分であるというような場合には、或いは一部新聞でも報道されておりますように、B二九を飛ばして、或いは無線を使つてこれに警告を与えるということも必要になつて来るでありましようが、少くともこの危険区域というものはそういう危険の発生するのを予防する、そのために設けられた地域であつて、ここへは絶対に入つてはならない、そうしてそれに対してこちらが入らないような措置をとる義務を負つておるものでもないわけであります。ただ生命、財産の危険を少くするために自発的にここへ入らないようにする。日本側としてそういう通報を受けた以上、日本人の生命、財産の保護のためにこれを事実上危険な区域としてそこへ入つて行くことを遠慮するという措置をとつておるのでありまして、国際法上の立場から申しまするというと、直接法律的な関係のものではなくして、事実上の関係であるというように考えておる次第であります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 どうもはつきりわからないのですが、例えば公海に持つて行つて浮海機雷とか或いは機械水雷のようなものをやたらのところにあつちこつちやつておつて、ここは機械水雷のあれをやつておるから危いぞということを随所にやつても差支えないものか。丁度このビキニ環礁、あの辺は委任統治の、信託統治なんかの領土でありましよう。併しそれはその島或いはその周辺の領海に属する範囲のものであつて、今度聞くところによりますと、又非常に広範囲な危険区域を通告して来たというようなことも言われておりますがそうなつてだんだん拡がつて来ますというと、一番影響を受けておるものはその附近におる人民であり、殊に日本のように漁船が非常に広範囲に亘つて操業しておるものは、たとえそこで漁業をしないまでも、或る一定の漁場へ行くためには非常な迂回をしなきやならん。そのために経費も非常に多くかかる。又その漁場には全然行けない。成るほどそれは行つたつて差支えない、死ぬまでの話だと言えばそれまでですが、そういつたようなことをどこの国でも勝手にやるということに私は非常に疑問がある。それはひとり日本が疑問視するのみでなく世界各国のものが一体疑問視しないのであるか、そういう何か慣例があるのか、その点を伺いたいのです。そうしないと今度そういう制約がどんどん来たときに日本の漁業者というものは八方塞がりになつてしまう、極端に言え ば。又経済上からも非常に損失を受けなければならんということになるので、今後外交的に折衝する上においても、そういう根拠が何か確立していなければ話にならん。その点如何ですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) お説の通りでありまして、例えば旧南洋諸島地区に対して絶対権を持つているにいたしましても、そこで行われる実験のために太平洋全域が使えなくなるというようなことになれば、これは勿論そういうことは許すべきでない。これこそ国際的、或いはその他の折衝によつて当然阻止する措置がとられなければならないと考えます。それから今度の拡大された危険区域というものも相当広いようでありまして、これがどれだけ漁業に影響を与えるかは水産庁から御答弁があると思いますけれども、そういう区域がだんだん拡大されるということになれば、たとえその実験を行うところの領土に対しては絶対権を持つておるにしても、それが及ぼす国際的影響というものは非常に重大なものでありますから、当然日本としてもこれに対して異議を申立て、或いは場合によつては補償の要求をするということも考えなければならないわけであります。ただ現在の問題といたしましては、この前のビキニ、あの原爆実験に伴うところの損害、日本に与えた非常な被害というものを如何に処分するかという問題と、今後こういうことが再発しないように如何なる予防措置をとるべきか、この二つを外務省としては当然取上げなければならないわけであります。ところで、この第一の問題も勿論事実をよく調査することも必要査ありますが、殊にこの第二の点、今後の問題を考えます上に、果してどういう試験を行なつたのか、又向うが如何なる、ただ印険区域を設けたというだけで事足れりとしておるのか、その後の警戒も或いは不十分であるかも知れないが、どのような措置をとつていたのか、又今度の実験によつて直接だけでなく間接被害はどの程度のものであるかというような点を詳細調べた上で、そうした今度の措置を十分慎重に検討して、こうしたことがないように、又日本の漁業にできるだけ被害を少くするような策を考えて先方と交渉しなければならないと思いまするので、今そういつた具体的な点はまだ決定いたしておりませんけれども、この事実がわかり次第、そうした今おつしやつたような趣旨をも十分体しまして対米交渉をしなければならないと考えておる次第でございます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) ちよつとお諮りいたします。途中で恐れ入りますが、実は今太平洋漁業対策本部の副部長さんの菅野進君が参りまして、この制限区域の拡大という問題と「かつお」、「まぐろ」漁業との影響問題について陳情に参つておりますので、併せてこれを先に陳情を受けて今の質疑を続行したらと思いますが、如何でございましようか。丁度、それに関連しまして実は予算委員会のほうで三十分を限つて小瀧政務次官に来てもらいたいということがありますので、併せて、必ず三十分後には参りますから……)    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千田正無所属クラブ

○千田正君 議事進行について。そうしますと、あれですか、外務政務次官は今ちよつと三十分くらいここを外さなければならんと、それから陳情を受けると、こういうわけですか。小滝政務次官、伺いますが、三十分以内に帰られますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) これは永井純一郎さんから質問しているそうです。それが済めば……最初に外務省に質問があるわけです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今日はあなたととつくり一つ話をしようと思つているのです。外務大臣はうまく外して逃げてばかりいるから、あなたに一つ女房役でしつかり話してもらいたいと思いますが、間違いなく来るということであれば……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 実は、委員長としましては菅野進君の陳情を受けて質疑をしたほうがいいという、これが主でございます。丁度そこへ予算委員会のほうから話があつたものですから、大体陳情が三十分くらいになるから、三十分ということをはつきり確認した上で帰つてもらうからということで、これが従になつたわけでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 どうもこの間も質問しておつたら、腰を途中で折られてしまつた。質問は途中で腰を折られてしまうといけないです。今後その点十分一つ委員長において……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 今後十分私のほうにおいて注意いたします。  それでは菅野進君の陳情を受けたいと思います。これはどういうことにいたしましようか。正式に参考人ということにいたしましようか、それとも一応速記をとめて……後者のほうでよろしうございますか。  それでは速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。  それでは質疑を継続いたします。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 水産庁にお伺いいたしますが、今回の第五福竜丸によつて引起されました放射能によるいろんな影響が出て来ているはずですが、第五福竜丸による損害及びこれによつて生じた、例えば魚の値下りによつて生じた問題、或いはこれの売行きが停止された、或いは非常に売れなくなつて、処理に困つたといつたような場合の損害、そういつたようなものは現在調査はしておられると思いますが、今後この損害の集計というものを出されるような御用意をしておられますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) お答え申上げます。今回の三月の一日の爆発実験によりまして、第五福竜丸が原子放射能の灰をかぶり、そのために乗組員の身体及び船、漁獲物等が損害を受けたことは勿論でございまして、我々といたしましてはこの直接の損害について勿論調査を進めておるわけでございます。ただこの問題の間接的な日本の漁業界なり、或いは魚の取扱業者或いは魚市場、或いは小売商というふうに、各方面に勿論有形、無形の損害があると私は考えておるのでございまするが、それらにつきまして今後どういう取扱にするかということは、今後私どもといたしましては政府部内で十分に協議をした上でこれは取扱つて参らなければならないと、こう考えておるのでございます。  ところが一番この根本的な問題といたしまして、あの方面で原子爆発の実験をやりますことが、一体あの方面に棲んでおる魚にどういう影響があるのかという問題が根本的にあるのでございます。これも勿論爆発の実験の内容によりましていろいろ異なるわけでございまして、例えば水中で爆発させればどうか、空中で爆発させればどうかというふうに、いろいろその影響は異なつて来るはずでございます。これらについての基礎的な条件というものが明らかになりません限りは、なかなかこの問題の最後的な計算ということはむずかしい問題であるだろうと、こう考えておるのでございます。併しそれらはそれといたしましても、当面第五福竜丸事件及びこれに関連いたしまして、例えば魚の流通に対して生じた混乱というような問題は、当然私どもとしては調査をいたさなければならんということで、その点につきましては関係の主な消費市場等にも照会を出しまして調査の資料を目下集めておる段階でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 現在でも遠洋から入つて来ます漁船は殆んど毎日のようにあると思うのですが、これらの入つて来る船に対してガイが計数管等について検査をして、安全なものに対しては検印を押しておるというようなことが新聞に出ていましたが、いずれにしましても入つて来る船が相当の漁獲物を持つて入つて来る、その魚が現在はこの問題が起る以前から見ますというと相当値下りをしておるのではないかと言われております。その値下りは現在もなお続いておるのでありますか。一時的な現象であつたか。若し続いておるとすれば現在どのくらいの値下りを見ておるか、おわかりでございませんでしようか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 私ここに今持つておりますのは東京市場におきまする入荷量と価格の材料でございますが、東京市場におきます建値はこの事件が公になりましてからやはり大物類については相当顕著な影響を示しておるようでございます。又一番極端な日は十九日の日でございますが、この日には殆んど値が立たなかつたというような状態になつております。御参考までに十五日における高値、安値を申上げますと、普通の「まぐろ」は高値が二千五百円、一貫目当りでございます。安値で二千円程度のものであつたのでございます。これが十八日には高値が二千百円、安値が千四百円、それから十九日には先ほど申上げましたように値段が立たなかつた、こういうことになつております。それから南方の「きはだ」でございますが、この「きはだ」につきましては近海物と南方物と別な相場が立つておるようでありますが、南方の「きはだ」については十五日の高値が八百円、安値が四百円であつたものが、十八日には高値が六百八十円、安値が二百四十円、それから二十日になりますと更に値下りを見まして、二十日の相場は高値が三百五十円、安値が二百五十円というような顕著な値下りを示しておるようであります。「ひんちよう」につきましては割合にこの値下りが目立たないのでございますが、それでも十五日の高値が五百九十円、安値が四百五十円程度であつたものが、二十日の日には高値が同じく五百九十円、安値が百八十円というような値段も出ております。それから「さめ」につきましてはこれは「むきざめ」の相場でございますが、十五日の高値が三百八十円、安値が三百三十円程度であつたものが、十八日の相場で見ますと、高値が二百四十円、安値が百五十円、更に十九日の相場は高値が百七十円、安値が百五十円というふうにこれは顕著な値下りを示しておるようでございます。この大物類が最も顕著な例でございますが、やはりこれに伴つて他の魚種、或いは加工された品物というものにつきましても影響が出ておるのでございまして、こういう影響は今後どういうふうになるかということが非常に大きな問題でございます。私どもといたしましては、差当りこの魚の消費に対する不安をできるだけ払拭しなければならんということで、私は最初からこの点について非常に心配をいたしておつたのであります。  そこで問題の第五福竜丸の漁獲物につきましては、早速その日のうちから手配をいたしまして、これが行先をトレースいたしまして、これを消費者の手に渡らないようにできるだけ措置をいたしたいと思いまして、極力手を尽したのでございます。その結果、この福竜丸が持つて参りました約二千三百貫の荷物のうち、殆んど大部分は消費者に食べられるという前に押えることができたような次第でございます。併しながらこの問題が非常に広く又はなやかに報道されておりますので、一般には魚全体が非常に放射能による危険性があるかのごとき印象を与えておりますので、差当りこの不安をできるだけ一掃したいという趣旨で厚生省と相談をいたしまして、この問題になる「まぐろ」につきましては大体南方方面から帰つて来る船を一ぱいごとに押えまして、その魚の衛生検査を施行するという手を打つたのでございます。現在まで福竜丸以外の船の漁獲物で身体に害のある程度の放射能を持つたというようなものは見当つておりません。今後も恐らく私どもは同様であると思いますが、こういう点がもう少し消費者のほうにも実態がだんだん明らかになつて参りますならば、その影響は防止できると思つておるのでございますが、それまでの間相当いろいろな問題が起つておるということはよく承知いたしております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この福竜丸の「まぐろ」が一部……一部と言つてまああちらこちらへ散らばつたようですが、それを取返したとか、或いは東京の魚河岸なんかではそれを埋めてしまつたとかいうようないろいろな措置を講じたようであります。この「まぐろ」を扱つた人たちが何らかの影響を受けた事実があるか。一部食べられたのもあつたということですが、これを食つた者はどうかなつたと、体の影響を受けたというような事例がございますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 福竜丸の漁獲物のうち、殆んど大部分は消費者の品に入らないで済んだということは今申上げた通りでございまするが、その後具体的にこれを食べました人がどこにおられるか、それに対する放射能の影響があつたかどうかという点につきましては、これは厚生省のほうでお調べになつておるわけでございまするが、私どもが現在までこの食べた魚によつて具体的にどういう病状が起きたというような例はあつたということを聞いておりません。  それから市場のほうでこれを埋める、その他の廃棄処分をとつたのでございまするが、このときも或る程度注意をいたしまして、例えば着ておつた被服等について事後に検査をして、非常に強い放射能があつたというようなものは、これを廃棄するというような手を手つておるようでございまして、これに基いて具体的に人体に被害があつたというような事例は聞いておりません。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 福竜丸はどこか、焼津の港に繋いであるとかいうことでありますが、それはどういうふうな処置をして現在保管してありますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 焼津港の中の一般の迷惑にならないようなところに繋留しておきまして、これに普通の人が立入らないように立札を立てて措置いたしておるわけでございます。この船の中に長時間おるということは、或る程度被害があるのじやないかというような試験も結果が出ておりますので、そういう措置をとつておるわけであります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 それはその港の中に繋いでおいても別に……、それに灰をかぶつたとか何とかいうことでありますが、そういうものの散乱等によつて周囲に害を及ぼすというようなことはないのでございますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 放射能の害は、これは細菌による病気とは異なりまして、直接その放射線、べーター線とかガンマー線とか、その線を長時間継続的に当てることによつて身体的には被害が生ずるわけでございまするので、そういう措置をとつておりますれば、次第にこの福竜丸の船体自体の放射能の強さというものは減じて行くはずでございますので、そういう方法で以てほかの人に、人体に害を及ぼすということはないというふうに考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 関連して……。どうも今の永野部長さんのお話は、それはちよつと研究が薄いのじやないかな。というのは、今度投ぜられた爆弾の種類はまだ決定しておらないけれども、少くとも最低十二時間、二十二日間、三十日、コバルト爆弾の放射能に至つては二十年の長きに亘つて、そのうちにおけるところの細胞組織の破壊がその当時現われないとしても、二十年の間において出て来る場合がある。そういう点を言われておるのであつて、今現在身体に損害がないと言つても、何日かの間には、或いは何カ月かのあとに出るということに対しては、確証を以てそういうことは言えないのじやないですか。その点はどうですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) その点は可能性の問題としては只今千田委員のおつしやつた通りでございまして、放射能がどういうスピードで以て衰えて行くかということは、その放射能の持つております原子によつて異なるわけでございます。現在福竜丸が帯びております灰の放射能というものが、どういう性質のものだということは、最後的に究明し尽されておるわけでは私はないと思うのでございます。併し一応厚生省その他衛生のほうの専門のかたがたが見まして、その程度の処置でよろしい、こういうことになつておりますので、私そういうふうに御説明申上げた次第でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この、今私伺いたいと思つたのですが、これはどちらに伺つたらいいか、放射能の効力が、種類によつても違いましようが、一体永く続くものだとするならば、これは又いろいろな対策も非常にむずかしいのでありますが、これは恐らく水産庁におきましても一応考えられておると思いますが、他の政府委員から伺うことといたしまして、この「まぐろ」製品と申しますか、罐詰であるとか、或いは冷凍「まぐろ」に対して、アメリカから、この輸出の積出し、或いは取引上について、何らかの日本に申入をして来た事実があるか、あつたとすればどういうことを言つて来たか、それに対する措置をどういうふうにされたか、この点を一つ伺いたいと思います。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) この「まぐろ」の対外的な関係の悪影響ということも、私どもが非常に心配をしておつた一つの問題であるのでございます。在外公館等から、相当この事件が大きく報道せられておるから、この問題の取扱について、殊に人体に害があるというようなものではないということについて慎重な措置が必要であろうという意見が参つております。それに、私どもとしても当然それは予想した問題でございますので、輸出される段階におきまして、罐詰及び冷凍の「まぐろ」の製品につきまして、衛生検査を施行いたしまして、無害であるということを証明した上で、船積をして輸出するという措置を土曜日からとつておる次第でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 アメリカから何か言つて来ておりませんか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 正式に何も言つて来たということは聞いておりません。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 正式でなくして、略式にでも何か言つて来たことはありませんか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 聞いておりませんです。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 情報といたしましては、ロスアンゼルスの総領事館におります日本の総領事から、これまでの契約を破棄するようなことはしないが、その事件があつて後の製品については考え直さなければならないというような意思を表示している会社があるという電報が参つております。そのほかには、多少この問題が新聞に出てから、そうした不安がただよつているけれども、現実の問題として契約を取消すというようなものについて、総領事館でこれまで取調べたところでは、申出のあるのはないということでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 小瀧政務次官が見えましたのでお尋ねいたしますが、先ほどからお尋ねしておりましたように、この非常に広汎な区域というものが、或る一国の試験のために制約を受けて、そうして漁船が仕事ができない。のみならず、先ほども申しました陳情にもありました通り、非常な迂回をしなければならないといつたようなことから生ずる損害というようなものは、今後非常に大きなものになると思います。累積されて参りますと。そういう問題に対しまして、日本がアメリカに対して、何らかそれらに対する補償と申しますか、或いはそういうことに対する、まあ、その区域をやめてしまえばいいのですが、損害に対してそれを緩和するようなことについて日本政府からアメリカに要求するような権利があるものでしようか。その点を伺いたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この問題につきましてはすでにアメリカのほうで十分協力して治療にも当り、又調査にも当るというようなことを言つておりますし、又そういう事実が確立されたならば、公正なる補償もするというようなことを言つておりますので、権利とか義務とかいうものを離れて公正なる解決をしなければならないと存じまするので、目下その事実について調査が進められておるという段階であります。具体的にどういう要求をするかということについては、こちらの調査もまだ十分進んでおりませんので申上げかねますが、今おつしやいましたような将来に対する想定し得る被害というような点も十分に考慮に入れまして対米折衝をいたしたいと考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この問題は日米間の問題でありまして、日本はアメリカとの関係において現在のような立場にあカに遠慮する必要はないのであつて、アメリカは当然偉大なる力を試験しておる。その犠牲は日本に来ておるということであるならば、その犠牲に対する償いは当然私は要求して差支えのないものである、独立国として。たとえアメリカの援助を受けておつてもそれは別の問題である。生命財産の危険までも私は犠牲にする必要はない、こういうふうに考えております。殊にこの「かつお」・「まぐろ」漁業というものは今日本人のやつております漁業のうちで一番採算のとれる漁業である。而もこれが外貨獲得に非常な役割を持つておる非常に重要な産業なのであります。その産業がかような状態になつ参りまして、いわゆる漁獲の上の経費が非常に嵩まつて来る、又とつて来た魚には非常に手数がかかり、その上に値が下る。又或いは輸出についてもいろいろアメリカからそういつたような三月一日以降の漁獲の製品については考え直さなければならないといつたようなことによる値下りその他の問題も考えますというと、今非常な脚光を浴びて立ち上つておりますところの「かつお」「まぐろ」漁業というものが大きな頓挫を来たさなければならないのじやないか。そうなりますと、経営者、従業者のこうむる損害ばかりでなく、日本の国としても大きな損害を受けることになりますので、この点は私は先ほどからかような行動によりまして無事の他国の人たちに大きな損害を与えたものに対しては、これを補償するところの義務があるのじやないか。若し義務がないとするならば向うは気の毒だからと言つて見舞金を出したらそれでおしまいになるから、相当の要求をする権利があるのじやないか、若し立場を変えて他の国であつたならば日本のようにおとなしくしていないのじやないかという気がするのであります。従いましてこの問題は法律上の問題もございましようし、外交上の問題もございましようが、私どもとしては極めて虚心坦懐にこの問題を取上げて、日本の犠牲というものを償つてもらうようにして頂きたい。何ら私は日本人にこの責を負う義理合いは一つもないのじやないか、こういうふうに考えるのであります。強いて我々がアメリカに対してむづかしい難題を吹つかけるつもりもありませんが、かような大事な産業が非常な苦境に陥り、殊に人命にまで影響を受けて、場合によつては今何でもない人が又あとから病人にならんとも限らんような問題に対しましては、外務省としては一つ十分肚を据えてこの問題の対策に当つて頂くことを特に私は要望いたしまして、一応質問を打切ります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは特に予算委員会で私は外務大臣に質問したのですが、外務大臣は当時要領よく逃げられたのでありますけれども、私は今秋山委員から質問されたことと同じような考えは勿論持つておりますけれども、それよりアメリカ側としては、日本の漁業というものに対する認識が非常に欠けておる。例えばアメリカの産業における水産業なんというものはほんのこれは遊びの漁業でしかない。罐詰業にしか過ぎないという観点があると思う。海洋において原子爆弾の試験をする、それによつて被害をこうむるのは日本の仮に水産業だとしても、これはアメリカ式に考えたら大したことじやないじやないかというふうにも我々は考えられるのであります。というのは何故かというと、日本の水産という、いわゆる農業と漁業という二つの大きな日本の基礎産業というものに対する考え方は、アメリカでは殆んどこれは関心を払つておらない。そういう点からも私は今度の問題は、国が異なつているだけに、強くアメリカ側に反省を促すと同時に、要求しなければならないことは飽くまで要求しなければならないと感ずるのであります。  先ず第一に私が考えるのは、今度のビキニの日本の漁船の被害、或いは漁夫の被害、そういつたものに対して何らアメリカ側からは確たる賠償にしろ補償にしろ、そういうことをはつきりと明示して来ておらない。単に調査団をやつて治療するとか、調査しなければよくわからないとか、そういうことで確証を通告して来ておらない。而もそれがまだきまらないうちに直ちに第二の段階として、今度は広い範囲内におけるところの禁止区域を一方的に通告して来ておる。これなどを見るというと、やはりまだ日本は属国であるごとく、而もこの原子兵器の実験の犠牲には、当然日本側ではこのくらいのことは、或る程度負担してもいいじやないかという考えがありはしないかというほど誠に冷淡のようにしか思われない。  そこで外務省の責任の地位にあるところのあなたにお伺いしたいのは、一体これはどうしたならばアメリカ側はこの我々の要望を入れるのか。先ず第一に、一体この禁止区域というものは正しいのかどうか。早く言えば、我々日本人から言えば、こういうところでやつてもらいたくない。原子爆弾の試験なんというものは、自分の領土内でやつてもらいたいと言いたいほどであります。であるために、殊に今度のような災害をこうむつた場合には、我々は人道上から言つても、強く日本の立場を主張しなければならないにもかかわらず、主張しておらないようです、日本の外務省としては。而も被害区域が内であるとか外であるとか。先般も私は外務大臣に質問したのは、仮にアメリカのほうの原子委員会としましては、禁止区域を設定して、その中に驚けるところの警戒措置をするのも原子爆弾の実験の最大の任務であることを強く唱えておる。そうすれば当然警戒措置があつたものと我々は見なければならないにもかかわらず、我が漁船に対しても、我が日本に対しても、いつ何日こういつた方向に向つて危険な問題が起るから、この辺は通行しないようにとか、操業しないようにとか、我々は我々のほうで飛行機を飛ばして十分の警戒の衝に当るから、あなたのほうでも漁船に注意をするとか、或いは指導船なり、警戒船なり派遣して、十分に我々に協力して欲しい、こういうことは一度も言つておらない。現実に言つておるとするならば、そういうことがあつたかどうかということをはつきり私は聞きたいのであります。これが単なる一方的に昨年の十一月か十月かに向うから通告しただけに過ぎないのであつて、それが平和に操業するところの漁業者に対しては十分にその通達が了解し得なかつたために、こういう悲惨事が起きておる。この点は一体どういうふうになつておるか。外務省は受継いだのだが、それを水産庁なら水産庁に通達したというだけに過ぎなかつたかどうか、その点はつきり聞きたいと思うのであります。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 向うからの通告につきましては、過日のこの委員会でも申上げたと思つておりまするが、外務省を通じての通牒は一昨年の九月の十八日に行われただけであります。それまですでにこの危険区域を設定してそれが日本側へ通告されておるにもかかわらず、日本の漁船の一艘がこの危険区域の中へ入つた事実もあるから、今後も十分注意するようにと警告を発するようにという申出がありましたので、当時外務省から関係官庁、即ち水産庁とか、或いは海上保安庁とかいうような方面にこれを申送りまして周知方を取計らつてもらつた次第でございます。それ以外には外交筋を通しては来ておりませんが、この水路部の関係においては随時その変更でもあつたときには日本側へ通知して来ておる。これが予備的警告の実際のこれまでの取扱われた実情であります。但し今お話のように、アメリカでもそれだけがすべてではなくして、当然B二九あたりがそこらを飛翔してそうして無電装置を利用してこれに警告を与えるべきであつて、又与えたはずであるというようなことを言つておる向きもあるくらいでありまするから、米国内においてもただこちらへ通報して来ていただけで完全な措置であつたというようにも考えていないのではなかろうかというふうに見受けられるのでありますが、御質問の最後の点に対してだけお答えするとすれば、結局我々の取扱つた警告というものは今申上げたものだけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それで今度は明らかに日本側の調査によるというと、禁止区域外においてこういう被害をこうむつた、当然これは日本としてはアメリカに対してこれの賠償を要求すべき権利が私はあると思いますが、この点について外務省としてはどう考えておりますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 先方にして十分なる警告措置、危険を排除するに適切なる措置をとらなかつたとすれば、そして先方のほうに過失があるということを発見すれば、当然権利として日本は賠償を要求すべきものであるという見解を外務省としては持つておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 とかくこういう調査に当つては、強者のほうは自分の言いなりの調査をしたがるものであります。従来の長い、日本ばかりじやなく、世界の外交歴史を見てみても、結局強いほうは勝手な調査をして、勝手な理窟をつけることが多い。こういう問題のいわゆる調査その他に対しては当然日本のほうからも共同調査を申込んで、現実におけるところの厳密な意味におけるところの調査をしたであろうと思うが、外務省としてはそういう点において申入れたかどうかということを私は外務省に伺います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 先方もすでに共同調査をしようということを申出ておるわけでありまして、これは当然最も厳密なる調査が行われなければならない性質のものであることについてアメリカ側も十分認識しておるわけであります。決して勝手な理窟をつけて責任逃れをするような気配にも見えないのは、賠償などの点についても、普通の場合におきましてははつきりとした事実が判明しない限りは国務省とか或いは外務省とかいうような性格の官庁は責任をコミツトするようなことを申出ないにもかかわらず、賠償についても事実が判明した上は十分考慮するということを申出ておるほどであります。ただ日本の外務省のほうから共同調査を申入れたかという問いに対しましては、まだそういう段階に至つておりません。去る十六日に先ず先方で当時の状況はどういうようなものであつたかということに対して照会し、又如何なる警戒の措置をとつたかということを申しましたのに対してはつきりした回答もしておりませんから、そうした事実についての、そういう点を十分調査するとかいう段階に至つておりませんが、その回答は近くもたらされるものと期待いたしておりますので、その上で十分今おつしやいましたような点を考慮いたしまして米国との折衝に当る考えでおる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私のみならず、これは日本の国民がひとしく考えておることであろうが、今後のビキニの問題を解決しもしないうちに、更に引続いて禁止区域の拡大を日本側に通告して来たということは、我々としてはこれは納得行かない。当然共同調査なら調査をしまして、日本側からの申入を検討して、賠償なら賠償ということを決定して、然る後にこれは次の段階に移るべきであつて、而も未だ前の問題が解決しておらないのにかかわらず、直ちに今度は拡大したところの禁止区域を設定して来るということは、これは取りも直さず日本に対しての侮辱だと私は思う。少くとも独立した日本に対しては一応国と国との間の問題を解決してその次の段階にその拡張なら拡張を通告して、お互いにそれに対して協力し合うというのが、これが私は国際信義だと思うのだが、その点についてはどうお考えですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) その点私は多少考えを異にするものであります。勿論まだ調査が完了いたしておりませんが、併しこの危険区域を適当な範囲にしないというと非常に人命に危険があるということを考えて、これまでの調査は或いは不十分か知らないが、取りあえずの安全措置としてこれを設定することを考えたもののようでありますので、これは何も日本に対する侮辱とかいうような意味のものではないものと解します。本来ならば、従来通り新らしい告示を出すだけでありまするが、過般の重大なる惨事を起しましたからして、特に日本の在米大使館に対してこれを通告して来たというのでありまして、勿論実際問題としてはこの地方へ出る船舶とか航空機というようなものは日本が主でありましようけれども、国際的に世界各国へ通告しなければならないものに対して、特にこれまでの経過から考えまして、日本へ通告して来たというのであつて、法律的に言えば日本だけを目当てにした危険区域ではないのでありまするからして、これで以て日本に侮辱を加えるという意思も勿論なかつたでありましようし、そういうふうに解するのは少し行過ぎではなかろうかというように考えます。賠償問題は勿論まだ解決しておりませんが、それはいろいろな種類の被害も考えられることでありまして、ただ単に直接な、人に対する被害のみならず、今お話しになつておりました輸出の問題であるとか、或いはさかなの市場に対する非常なる被害というようなものもありますので、これは早急にすぐ解決するということは事実上むづかしいだろうと思います。こういうような考えからいたしまするというと、危険防止の措置を一応先方の取調べた中間的な調査の結果に基いて、そうしてそれを各国へ通告したというものと解して差支えないように考えます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それはまあいつまで論争しておつても論拠はお互いに観点が違うから果てしがないと思うが、我々が常識程度に考えて見て、自分らが過つたものに対しては一応それに対しては賠償なり或いは謝意を表するなり、お見舞金なりをやつてそうして今までの自分らの行為に対して反省するなり或いは了解を求めるということをして後に、今度は更に拡大するから協力して欲しいと、こういうのであるならば我々は考えられますけれども、さんざん迷惑をかけて何ら処置もしないうちに、お前のところへ又行つてこつちは勝手にやる、だからそういうことを協力してくれと言つてもこれは日本国民は承知しないと思います。外務省のそういうようなお考えのあり方と、それから実際生産に従事しておるところの漁民の考え方とは、そういうものはどうもそこに食い違いがあるのではないか。我々はやはり何とかして一日も早くこの問題を解決して、そうして次の段階に移るべきであつて、むしろ外務省からはこの問題を解決するまでは次の段階の試験は待つてもらいたい、こう言つて行つてこそ初めて独立国としての外務省としての権限を遂行する意味においての正しいやり方じやないか。この点はどうですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 今米国側の回答を待つておる次第でありまして、これまでのところ、おつしやいましたような申入をいたしておりません。が併し近く第二次的な申入もいたしたいと考えておりまするので、その際には今仰せになりました危険区域の問題なども当然取上げなければならないというように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一つ、これが仮にこのまま遂行されるという場合において外務省として考えられるのは、又第二次の不幸な問題が起るのじやないか。これは私は小瀧政務次官だつて考えるだろうと思う。私などは一晩も眠れないほど考えるのですが、そういう場合に日本側としてはどうしたらいいのか。私はこれは外務省として当然共同警戒に当るべきじやないか、アメリカ側と。アメリカ側は少くとも自分の禁止した区域に対しては相当十分なる警戒をする。するのが当然の、いわゆるこの原子爆弾の試験の重要なる任務の一つであるということをアメリカの原子管理委員長が世界にそれを声明しておる。アメリカ側が当然危険区域を警戒するのはこれは当然の義務である。同時に我々はそれを予防する意味において、なおこの日本の国民の被害を或る程度防ぐ意味においてこれは警戒措置には当然日本側も共同してこれに出動して、警戒船であるとか、或いは農林省の指導船とかそういうものを出してこの警戒に当つて、次に起るであろうところの、予想されるところの災害というものを防がなければならないと私は思うのだが、外務省としてはどういうふうな見解を持つておられますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) まだ今後の対策につきましては先方へは申入をいたしておりませんが、関係各省とも十分協議いたしまして、こうしたことが絶対に今後起らないような措置を考えなければならないと存じまして現にそうした協議を進めておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一点聞いておきますが、アメリカ側の、日本に対する今度の問題に対する補償であるとか賠償とかという問題についてはまだ決定しておらない、併しその賠償なり補償なるものが日本側において受諾し得ないところの少額な問題であつたとか、或いは常識的に考えても日本国民としては当然の権利を十分に主張し得るにかかわらず、或る程度のものしか補償しなかつたというような場合においては独立国の面目上更に改めて請求するというだけの肚がまえは持つておられるだろうと思いますが、当局としてはどういうふうに考えておりますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) これは申上げるまでもなく、不十分であるというような場合には、当然請求を継続し、折衝をすべきものと考えております。例えばMSA協定にいたしましても、出たものを見れば、あたかも我々がアメリカの言いなりになつておるかのようにお考えになるかも知れませんが、あれだけ長い間かかつて、とにかく日本側の主張というものを、不十分ではあつたかも知れませんが、徹底さすために努力をして参つたわけでありまして、殊に今度の問題につきましては、援助を受けるとかいうような立場の問題でもないので、決して今までもアメリカだから遠慮をしたということは絶対にございませんが、殊にこの問題は極めて重大なる問題でありますから、決してそうした遠慮をするというような心配はないというので、御安心を願いたいと存じます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 更に一点、これは最後にしつかり聞いておかなくてはいかんと思いますが、こういうような問題が起きたために、恐らく拡大された南太平洋におけ漁場というものは当分圧縮される。そこで私は先般来、日・米・加漁業条約によつて決定されておるところの、あのラインにおける漁獲に対しては、或る一定の制限を緩和する方法も一つの外交政策としてあるべきだ。そこで一方において塞がれておるところを、一方において解放さすべきであると私どもは考えるのだが、今後における折衝の過程において、北洋における制約された漁場に対する解放若しくは緩和という問題に対して、今後考えられるかどうか、この点を一応お聞きをしたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 今千田さんのおつしやいます点、確かに一つの考え方でありまして、今後の話合いの場合にとつては、そうした点は十分我々としては考慮しなければならん点と存じます。ただ魚族の保護というような立場からして、果してそれが唯一の一番よい方法であるかどうか、又或いは他の方法によつて失つたところを補わせるということも考え得るでありましようが、仰せのような点は十分私どもも考えて、少くともそれが協定面に現われるということが困難にいたしましても、対米折衝の際におきましては、そうした考え方、日本側の要求というものを、交渉の都度向うに徹底させるように努力いたしたい、かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私としては、観点が違うところもありますが、今の最後の問題については、現在のいわゆるビキニ環礁から拡大された禁止区域は、これはアメリカは世界平和を守るためと言うが、日本側はどの程度に協力してよいのか、これによつて魚族が殆んど潰滅するかも知れない、更に身体に影響を及ぼす、更に民族の滅亡というような一つのきつかけになるかも知れない。これはとても魚族保護というどころの問題ではなくて、将来の日本並びに世界の平和への問題に繋がる一つの大きな問題であるだけに、魚族資源保護などというようなことのみによつてこれを考えるべき問題ではないのであつて、どうかこの点を十分に考えられて、先ほどあなたが強く言つたように独立日本の外交というものに対して、自主性を持つたはつきりした国民の輿望を持つて立つてもらいたいということを要望して、外務省側に対する質問は打切ります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 大変な事件が勃発になつたのだが、これは外務省としては、この問題を中心として改めて外交的な方針を何か決定しておりますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この問題の重要性というものは我々も十二分に認識いたしておるのでありまして、今後調査の結果に基いていろいろの交渉をアメリカとしなければならないと存じます。ただ先ず第一段階におきましては向うからいろいろ事実の通報を受ける、例えばどういう警戒措置をとつておつたか或いはその日の風向なり、その日の、その際にアメリカ側はどの程度の実験をしたかというようなこと等先方に照会し、同時に日本でもできるだけいろいろな資料を集めまして、しつかりと足が地に着いたところの交渉もしなければならないということもございますので、今は先ほどから頻りに御質問のこういう賠償を幾ら出せとか、或いは今後の措置をこういうふうにしなければならないのだぞというようなことは申入をいたしておりません。非常に重大な問題でありますので、各省とも緊密な連絡をとつて今後問題をどう処置して行くか、取りあえずはこの被害者を救う措置をアメリカと協力してやらなければならない。又いろいろ漁業或いは輸出に及ぼす影響等を如何にして最小限にとどめるかということに最善を尽しているような実情でございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 いや、そのことはさつきからいろいろお伺いしてわかつているのですが、再びそういう危険なことをしないようにというさつきの御答弁もあつたわけなんです。ただそれはその近所に行くなとか、警戒して来たならば警戒によく注意しておれという問題では解決つかない。これは私なりの、私の考えではああいう原子兵器というか、水爆というか、そういうものを用いないでくれ、使わんでくれ、そうしてそのことがなされない限りは、私はあなたがたは危険区域とかいうけれども、この危険区域は私は世界中だと思う。それは大小の差はあるでしようけれども、直接のいわゆる放射能というものもこれは世界に私は影響していると思う。これは生物に対してもそういうものだと思うのだが、そればかりではないのですね。そのような、この間も新聞でちよつと見たのですが、小魚がそれにかかつておればそれを食つた大きな魚、それを食つた又大きな魚というふうに幾らでも拡大して行つて、一体時間的にもそれがいつになつたら終熄するのかというようなことを科学的にそう言われているので、これはそこへ行つている人間がという問題じやないと思うのです。これに損害だとか、賠償だとかいうその前に、根本的問題としてアメリカに対してかかる兵器、いわゆる戦争の道具ですね、こういうものをもう作らんでくれ、やめてもらいたい、まあそう極端でなくてもよろしいから、端的に言えばそういうようなことを日本政府がやる、やらんとかいうことを私は外交の根本の方針として、やはりきめなければ、今のように被害が余計あつたからそれに賠償をやればいいとか何とかいうようなことではならんのじやないかとこう思うのですが、そのことをお聞きしているわけですが、どうですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 勿論原子力というものが平和的な目的にのみ利用されるようになるということは私どもも希望してやまないところでありますが、併し実際問題としてこの問題は米・ソ間でも随分これまで論ぜられたけれども結論に達していないというような状況でありますので、成るほど日本は被害国として最も発言力を持つべき立場にありまするが、現在の国際情勢からすれば米・ソの関係如何によつて大きく左右せられるであろうと存じます。現に米・ソ間に話合いも進んでおるようでありまするが、直ちに希望するような解決がが得られるがどうかわかりません。そこで日本の現状からしましてこの問題に発言し得るとすれば、何としても今度の惨事の結果について十分調査し、又今度の事件に関連したあらゆる科学的な調査を整えた上で、これが本当にもう太平洋における漁業を破滅するとか、或いは非常に強度のものを利用せられていろいろな重大なる被害を与えるというような点でもはつきりいたしましたならば、これは今後原子力の実験などを抑える上に非常に役立つ資料になると考えまするので、何といたしましても第一段階としては、これに関連するあらゆる調査をできるだけ早く進めまして、そうした御指摘のような主張をなすのに都合のいい材料を持つということに懸命の努力をしなければならないだろうというふうに考えておる次第でございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 まあ然らば、これの今のお話のような調査にはどういうことをおやりになつておるか、やろうとしておるか、やる方法等についてお聞かせ願いたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) もう御承知のようにアメリカのほうも協力して現地でいろいろ調べておりまするし、更に米国からも専門家が来るようでありまするから、日米協力いたしましてこの原子力実験に関連したいろいろな問題を探究して行くということになつて、それが非常な人道上の大問題であるということがわかりましたならば、今の御指摘のような点を日本が主張するのに好都合と思いますので、現在はそうした意味で協力して調査が進められておるのであります。まあ私その専門のことはわかりませんけれども、緊密な協力をして調査しておるようでありまするから、私どもの希望するような調査の結果が早く出て来るように期待してやまない次第であります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 アメリカと合同ということもそれは非常に必要であると思います。お話のように……。併しながら日本は日本で独自の調査がより必要じやないか。現にあの医療の面などは非常な自信を持つて科学的にまあやつておる。そういう中に政治の面だけは協力してというだけで前進しておらんと思う、協力が……。それで一問一答をやつても時間がかかるばかりだからそういう時間を省いて何しますが、被害者は勿論のこと、これもお聞きしなければいかんと思うけれども、あなたの範囲がどのくらいのことか私もわからん、外務省は……。聞くところによればもつとひどいのがほかにおつて、東大に来ている二人は軽いほうなんだという話も聞いておるわけなんです。これも直接そういう目に見えた被害というものを別にしましても、それはあすこの魚が来た東京では販売停止したと書いておるのだが、これ売つたのもあるそうです。これは売つたか売らんか、それは別といたしましても、私の友人があの十六日かな、晩にじやんじやん家へ電話をかけておる、そうしたら今晩何だ、それはすぐ捨ててしまわなければならん、食べちやいかん、こういつてあの晩に電話をかけておる。それから又ほかの友人の所へ今度行つたらば、いや僕の所も今晩は皆やり出してしまつて……、これはそれにぶつかつた二人の友人です。一人は田中君ですよ。今館から電話をかけて……。それから猪俣君のところへ行つたのですが、猪俣君のところでも、今晩はみんな捨ててしまつた、えらい目に会つた、こう言うのです。だからして、そういう被害までも調べたらどのくらいかかるかわからん。大体すし屋はもう坂産してしまう、あんなことをしていたんでは。仲買人は勿論のこと、いや本当に。魚河岸のすし屋から、何から何まで影響する損害なんというものはどうして調べますか。こんなことはわかりきつておるんですよ。もうこれを何するならば、計算したつてそんなものはあんた表面だけです。この機会にあの原子爆弾をもう使わんでもらいたいという、使うべからざるものであるといつて向うが観念するまで出して行かなければ、日本中の損害はどのくらいか測り知るべからざるところです、今の問題だけでも……。そして垢が入つた、水が入つた船が、例えばそこら辺に、黴菌か何か、放射能だとか何とかいうものは知らない、目に見えるか見えないか、音を立てるものか知らないが、これをやれば海全体が悪くたる、こういうことでしよう。それで水垢の入つたやつをそのままにしておけば、船は沈んでしまう。手も足もつけられん問題じやありませんか、あんなものは。その損害たるやとても、あなたたちは共同調査だなんて、そんなのんきなことを言つておられる問題じやないと私は素人でも思うんだが、あなたはそう思わんかね。そうして向うから言つて来るまでなんて待つていられるものではありますまい、実際のところは。それでは私は余りのんきじやないかと思う。外務省はまあそれぐらいのところでいいとお考えになつているのか。それならば僕はほかの政府の人たちに聞こうと思うのです。外務省は全く外務省として、もうすでに緊急事態ですよ、これはあんた。本当に戒厳令でも布くようにやつて、政府で方針を立つて、これはもう何としてもこの犠牲は、広島の犠牲で我々は平和憲法を持つた。この犠牲を再び繰返さない。今度我々は永久に戦争をもうなくする世界にするくらいの考えで、原子爆弾をなくするということを私はやるべきだと思うのです。これはあんたばかりに言つたつてしようがないんだが、大臣がおれば大臣みんなにそう話したいくらいです。僕は政務次官だから余計言つている。政務次官を通して僕は政府に言つてもらいたいと思うのです。今の疑獄なんていうのはまだそれは軽いですよ、あんなものは。これはあんたみんなの命にかかわるでしよう、全く。それで今第五福竜丸なんて言つているけれども、きつと見えなくなつた船もあるのじやないか。みんな沈んでしまつた、そういうことをあんたたちは考えないですか。これは外務省なんでいうのは……。あんたは違う、我々の同僚だから、私は余り言いたくないけれども、外務省なんというのはね、まるで化石みたいなもんじやないか、あんなもの一体予研の話を聞いて見たり、明治神宮外苑で、君、独身将校の十五棟の兵営を建てるなんて、まるで化石みたいなもんだ。この間課長の奥さんがたを案内して、課長何を言うかと言えば、協力の課長、家へ帰れば近所の家内には反対されて困るのですけれども、ここでは私はこれはもう信念でこうしておりますなんというようなことを言つているでしよう。これは化石でしよう、あんた。そういう外務省ではとても私はできないんじやないか。心配されてあなたがた皆さんで是非一つこれを解決するようにしてもらいたいんだなあ。それは私ばかりが家族があるんじやない。あんたもあるだろうから、あの問題なんといつたら本当に震え上つていますよ。これをアメリカにどうすれば通ずるか、何が通ずるかが私は外務省の仕事じやないかと思うのですがね。これは何もアメリカに敵対とかね、反米だとか、よく思われようとか、そんなものを超越してですよ、これはアメリカなんというのは、日本のことを、この間も私の同僚が歩いて来たというんじやがね、まるでわからないと言うんだ、日本のことが。近藤君、これは私の同僚ですがね、行つてずつと組合とかなんとかというものを案内されたんだが、わからんが本当だと言う。ここで一つ外務省が、この問題ならばもうわかりますよ。一つがつちりかかつてね、日本人はどれほど心配しておるか、どれほど一体これに危険を感じておるかということを本当にアメリカの国民の一人々々に徹底するように一つ外交方針を立ててやつてもらいたいと思うん、だなあ。ふだん言うたつてそれはしようがありません。こういう問題が爆発したときには、もう丁度日本の疑獄が海に出たと一緒ですよ。いい気になつて、あんた、こんなこと、それの尻馬に乗つて、兵隊をこしらえて再軍備やるとかなんとか、形式的のことを言い逃れる、そんな問題ではないですよ、あんた。これはまさに、あんたたち危険予防措置するなんと言いいますが、これだつて計算違いでしよう。周囲十里くらいのところで仮にいいと思つたやつが、やつつけて見たら、三十里もということになるでしよう。とてもあんた、まだこの次にもつと安全に実験してくれなんと言つたつてそれはできやしませんよ。それはとても。どうか一つ、次官はねえ。私の言つているのは社会党が言つているのでも何でもないんです。実際、君、国民の不安というもの、そうして賠償するなら一日も早く、一日も早く、まあすし屋から魚屋、居酒屋の、あんた引揚者が、僅かな何でしよう、公庫から借りた資本でやつているようなものから早く一つこれを救済してもらわなければ、これを救済してもらわなければ、あんた、今不景気がどんどん進んで来ているのに、そんなものを、まあ私のような門外漢にはわかりませんから、あんたは外務省で関連することだけ熱心にやつておらんで、又次官会議とか何とかいう、そういうときでも是非一つ早くやつてもらわんと。どうですか、一つそれをあんたやつてもらえるかどうか、それをまあお聞きしたいと思う。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) ちよつとその前に木下委員に申上げますが、只今の御発言中、ちよつと私のほうでどうかと思う点がありますので、(木下源吾君「悪かつたら削つて置いて下さい」と述ぶ)適当にいたしますから。今の御質疑に対して。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 御発言の趣旨は十分私ども同感に思うところでございますが、あらゆる機会を捉えまして、又あらゆる方法でそうした趣旨がアメリカに徹底するような措置をとりたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 賠償損害のほうはどうですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 損害につきましては今も御指摘のように、直接損害もあるし、間接損害もあるし、これについては正式に外交的な要求をする場合は相当正確を要する点もある、又つけ落ちがあつてもならないし、今そうした点は国内的にいろいろ連絡をとつて取調中でありますので、必ずそうしたものを出す機会が来るであろうと期待しております。ただアメリカのほうもその点につきましては、一昨日声明を出しておりまして、事実があつた際には公正なる賠償をするというふうにできるだけ早く措置をとつて頂くような交渉をいたしたいと考えます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 アメリカがやる前に日本でも必要なものはどんどんやらなければいかんじやろうと思うんだが、それも一つ急いでやつて下さい。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 今厚生省から楠本環境衛生部長が参つておりますが、外務省関係にもう御質問はございませ否んですか。今ほかの委員会から要求されておりますから。

千田正無所属クラブ

○千田正君 政務次官が他の委員会に呼ばれておるそうですから、私はここで質問を打切つたのではありません。今日だけに打切りましたが、外交折衝の進捗するにつれまして、我々の疑義のあるところについては、又お尋ねいたします。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 厚生省からお見えになつておるようですから、ちよつと二、三点伺つておきたいのですが、私はもう水素爆弾とか原子爆弾とかいうものに対する科学的知識を全然持合しておりませんので、変なお尋ねですけれども、今度の水爆によつて起つた放射能というものが、一体どういうふうにして存在をしておるものか。この間の話によりますと、上から火山灰のような灰が降つて来て、それが船の上に、或いは身体の上にくつついて、その灰の中に含んでおるところの放射能が非常に影響した。それから又実際の単なる放射能のみが身体等にも影響をしておる点があろうと思います。とにかく現在第五福竜丸は船室の上にも中にも放射能が相当強く現われおるので、寄りつけないということであります。そうするとこの放射能というのは、一体どれくらいの時間効力を持つておるのか、これによつてあそこを航行する。危険の範囲がおよそ見当がついて来るのですが、そういう点どういうことになつておりましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 私もこの放射能そのものの極めて深い学術的な根拠というものは専門家でありません関係上、よく存じませんが、併しながら今回の問題を処理するに当りまして、行政的な措置をとる範囲におきましてしかお答えできませんが、その点はあらかじめお断りしておきたいと思います。今回の放射能物質は専ら被爆によりまして散乱いたしました物質が、すべて放射能を持つておつたものと想像できます。但しそのうち福竜丸が被害を受けましたのは、そう爆発に伴います灰によりまして、この放射の作用を受けたわけでありますが、従つて現在のところは、灰だけがつまり放射能の対象になつておるようであります。例えますれば極めて微塵の灰が魚の表面につく、その魚は表層的な、表面だけに放射能を持ちまして、深部の肉部には放射能が及んでおらん点等を見ましても、これは灰が主体になつたものと考えられます。なお今回の放射能の一体持続期間はどのくらいかというお尋ねでございまするが、これらの点に関しましては、放射能はいろいろな種類がございます。新聞でも報道されておりますように、爆弾の種類によつて、つまり放射能が変つて参りますので、今回末だはつきりしたことは申上げられませんが、まあ現在までの研究の成果におきましては、今回のものは数年ということも報ぜられております。併し私どもとしては、これを確認いたしておりません。なお放射能全体といたしましては、例えばラジユームその他のように、かなり長期に亘つて、放射能を持つておるものもございますが、今回のものはどの程度の長期間に亘る放射能を持つかということは未だ明らかにされておりません。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 その事柄を我々判断いにしまするに、今度新たに危険区域が非常に拡張されたという通知があつたというようなことを聞いておりますが、それと同時にその期間が六月までとかいつたようなことも伝えられておりますが、水産庁のほうにその点ははつきりおわかりになつておるのですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 今回の危険区域の拡大は六月の末までということを通告されております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 そうしますというと、六月末までの間にいつそういうことがあるかわかりませんが、若し仮に五月なら五月に実験があつたとしますならば、六月過ぎればその危険がないものと判断していいのかどうか。厚生省如何ですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 今回引続いて実験が行われるというようなことは、これは別な問題といたしまして、現在私どもも、過日も当委員会においてお答えを申上げましたように、現在南方マーシャル諸地域からの日本に帰つて参ります漁船を、五つの港に寄港をお願いいたしまして、各地から帰つて参ります船を、厳格に調査をいたしております。その結果従来まですでに二十数隻かが帰つておりますが、これらのものの極く一部のものに、極めて微量の放射能を証明し得ただけであります。而もそれらの微量の放射能は身体に何ら支障のない程度の放射能が船体の主として外側から証明されております。その中の漁獲品その他の積荷或いは身体等には何ら支障がございません。かような点から考えますと、これらの船が一応は危険区域外ではありましたが、比較的近いところを通つて来たように聞いておるのでありますが、かような事実から考えますというと、今回のつまり実験によりまする被害というようなものは、これ以上拡大することは、まあはつきりした見通しは申上げられませんが、現在のところはあるまいというようなふうに考えられるのであります。それをなお今後帰つて参ります船を厳格に私ども調査をいたしますが、現在までの成績から判断いたしまして、さように考えられます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 これは私がお尋ねしますのは、現在非常に区域が拡大される、六月一ぱいは危険である、この区域が危険であるという通告があつた。そうすると六月以後においては先ず危険がないと見なければならない。ところで先ほども陳情もございましたし、我々も聞いておりますが、今回の危険区域の拡大によりまして、南方に出漁している船、或いは出漁する船は相当大きく迂回をしなければならないというようなこと、それを新聞あたりを見ますと、三日も余分に時間を費して走らなければならない。そうすると時間の問題と、これに要する経費の問題と両方の損失になるわけです。そこで危険がないということであればその辻回をやめて、その方面を通つて来ればいいわけですが、ところがそれが若し近くを通つた場合に放射能があつたということになりますと漸く終熄したものが又再燃するというような懸念もありますので、その点の見極めがはつきりつかないと、六月までということに一応安心がならないということになる。そこで水産庁なり政府が漁船に対して通告をする場合の心がまえが私は必要じやないか。六月が過ぎたならば、もう危険がないから通つてもよいぞと言つていいかどうかという問題が、放射能がその辺に流れておると申しますか、或いは漂つていると言うか、そういうものの効力存在の如何によつて、この問題が非常に危険にもなり、安全にもなると思う。これは非常にむずかしい問題ではありますが、今お話のように随分時間がたつてから遠方から帰つて来た船の外郭に放射能を微量なりとも認めるとこういうになると、海水から来ているものではないかとも考えられる。そうすると、非常に偉大な効力を持つたものが陸続とあとから現われるならば、海の水はぐんぐん流れておりますから、広範囲な影響があるのではないかというようなことから考えますと、この問題はなかなか軽々に扱うことができない。そこで厚生省のほうに放射能の性格なり、種類なりというものをお尋ねすることは無理かも知れません。今誰に尋ねていいかわからないから厚生省にお尋ねするよりほかないと思うのですが、勿論御研究になつてはおると思いますが、それらの点を十分に研究されて、そうして漁船に対する通告は誤りなきようにしてもらいたい。これは先ほども言うように、アメリカはこれだけの危険区域をやつておけばいいというのが、その外においてこの状態が起つたとするならば、これは相当な不安な状態になるわけです。先ほども私は話したのですが、現在日本の「まぐろ」、「かつお」の漁業というものは非常に大事な漁業であつて、外貨獲得の面においても、日本の食糧獲得の上においても非常に大事な、一番いい漁業とされておるものが、これも又東支那海等におけると同じような危険な状態にあつては、日本の漁業というものは殆んど潰滅をするよりほかないと思う。そういり点から私はこれを非常に心配して、いろいろの面からお尋ねもし、要望もしておるわけです。補償の問題もありますが、補償の問題は起つた結果によつての補償であつて、今後起ろうとしておる問題に対してはやはり考えなければならん。そういう問題について厚生省としては何かヒントでも得た点があつたらお話を願いたいし、若しなければ無理にというわけでは……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 今回の放射能性物質というものが海水その他の中に入つて、或いは空気中を飛散してどれくらい危険度が保たれておるかという問題に帰着するかと存じますが、御承知のように海水の表面に漂つておる場合は別としまして、多少表面から下に有毒物がもぐりますと、これは流れの関係によつて強く薄められます。そういたしますと結局は人体に害のない、何ら支障のない程度のものに相成ります。これはあえて今回の灰ばかりではなく、すべて同様であります。又空気中を飛散いたしましてもこれは同様でございまして、著しく薄められた場合には何ら支障がないわけでございます。なお私どもといたしましては、只今御指摘のように、船体の中に僅かに極めて微量な放射能を発見し得ましたものは、多分これは海水から来るものであろうというように考えまして、目下水産庁のほうにお願いをいたしまして、各漁船から成るべく海の水をサンプルとして持つて来てもらうようにお願いをしておりますが、併しながらいずれにいたしましても極く僅かなパ—セントにこれを証明し得たわけでありますが、それらのものは絶対に人体に支障のない程度のものでありまして、ただ学術的に一つの意義があるというだけでありまして、何ら危険はないものと考えております。それからなお補償の問題その他につきましては、これは厚生省だけの問題でございません。私どもとしましては現在福竜丸の乗組員の措置につきましては、特別にいろいろ手当をいたしまして、何ら支障のないように措置をいたしております。又現在荷揚げされる「まぐろ」の措置その他につきましても、補償問題その他は別として、取りあえずできました事態に対しまして善処する意味で、大蔵省へ予算も請求し、或いは既定の人員等を適当に配置替えをいたしまして、万全を期しておる「次第であります。なおこれらの問題を将来どう扱うかということになりますと、これらは一ついずれ外務省その他ともよく相談をして、この対策を立てる所存でございます。今はつまりそれらの問題が解決するのを待つておられませんので、取りあえず万全の措置を講じておる次第であります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 もう一点私お願いをしておきたいのですが、とかく一般の大衆誰でも非常に神経過敏になつております。現在それでいわゆる羹に懲りて膾を吹くといつたようなことで、魚というと「まぐろ」はもとよりその他の魚に対して今非常に怯えて食前にのせることを恐れておるというのが現状であります。これは全く無用なことで、私どもが考えても南方から取つて来た魚は或いは危険を感ずればあるのであるが、近海で取れた魚にはそういう懸念がないものまでも、いわゆる神経的に非常に大衆の神経に過敏に響いておる。それが結局水産物の売行きのほうにも影響して来る点がありますので、今後厚生省でいろいろ検査をされることについては、当然やらなければなりませんが、余り無用の発表をなされないよう、折角落ちついても人体に何ら害のなかつたものをあつたとして新聞に書き立てますと、やはりまだあつたのだというような気持から魚の売行きも悪くなるし、結論としては人間の保健の上にも影響するので、我々は蛋白質の給源を魚以外には取れない日本人において、魚を避けるということになりますと、影響も大きいのでありますから、これらの問題の取扱は十分に慎重にして項きたい。これは厚生省だけでなく、水産庁におかれましても関係当局が余り無用な刺激的な内容を発表する点については一つ御注意願いたいと思います。これは水産に非常に大きく響いて来るから、特に私はお願いしておきます。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 全く私どもも同様に考えておりまして、そこで現在では私どもは一々厳格な検査をいたしまして、福竜丸以外の魚はすべて何ら反応その他の支障は毛頭ございません。従つて一々私どもは検印を押しまして、安全だということを証明いたしまして出荷をいたさせております。なおこれらの措置につきましては十分に国民に徹底するように、決して心配ないからもう安心して食べてくれということをラジオ、或いは新聞等で徹底を期しております。ところがこれが必ずしも十分に徹底を欠く憾みがございますのみならず、国民の側から逆に非常に誇大な宣伝をされるというような嫌いもありまして、その点は甚だ残念に思つておりますが、これはすでにもうラジオのスポツトニユ—スまでも動員いたしまして、或いは報道機関等にお願いして「まぐろ」に危険がないということを言つて努力をした次第でございます。これは勿論日本の水産業にも大きな関係がございますので、特に厚生省といたしましては、国民栄養の立場からも重大な問題でありますので、今後一層努力を尽しまして、この危険のないということの徹底を図りたい所存でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 日本に独自の病がもう一つ殖えた。或いは文明病と言いますか、過去においてはいろいろな病気、梅毒から或いは結核或いは癌、高血圧、いろいろな、今なかなか進歩した医学でさえも容易に選別できないような病気が相当あるわけですが、そういうのにも増して原子病というような、而も日本国民が求めて得たのではなくて、逆に外国の実験その他によつてこうむつた被害によるところの原子病がここに一つ現われて来た。これは日本にとつて大きな不幸なわけでありますので、この面に対しての一体厚生省として原子病に対するところの予防或いは治療、そういう面に対して特殊な施設を設ける意思があるかどうか。これは厚生大臣にお聞きしたいのですが、幸い今日は楠本さんお見えになつていらつしやいますから、その点厚生省としてどういうふうに考えているか。  もう一つは、ガイガー計数管は一体価格がどれくらいするか、アメリカでは普通の魚屋にしろ、どんな家庭でも、これは生物を扱うようなところでは用意されるくらい普及されているのでありますが、一体どれくらいするものか。  それから今五つの港に限定して帰還する船は上陸させるようにということを指導しておるようでありますが、これは完全に今後とも実施されるかということは、我々はこれは漁民の良識に待つよりほかないのでありまして、四面海に廻らされているところの、この日本の港は何百とありますので、そういうところにこういう問題が今後起らないとも誰も仮定できないので、若しも金額的に多額を要さないものであるとするならば、臨時支出を要求して、そういうところにああした放射能の有無を検出する機械を備え付けて万全を期すべきだと考えているが、その点はどういうふうに考えているか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 今回の原子病疾患に対しまする対策でございまするが、これらは、只今お答え申しましたように、現在発生いたしました患者につきましては、万全の措置を講じておりますが、今後かようなものを見通してどういう一体対策があるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、末だかような特殊な疾患に関しまして、確たる研究の成果を収めておらんのでありまして、取りあえず厚生省にはかねて研究協議会の組織を設けまして、広島のサンプル等を選びまして、これらの問題を研究をいたしておる段階でございます。なおこの研究協議会は、厚生省におきまして、特に予算を計上いたしまして、今後これらの治療対策を研究して行く予定でございまして、今回の事件に関しましても、一層これらの研究協議会の機能を活用いたしまして、目下研究に従事しておるわけでございます。なおこれら研究の成果がまだ結論を得ておりませんので、将来これに対して如何なる措置をとるかという問題は、いずれ研究に若干の結論を得てから対策を立てたいと存じておりますが、併しながら全体的に見ますれば、今後かような心配のない、かような必要のないことを私どもは願つておる次第であります。  次にこのガイガー計数管は、いろいろな種類がございまして、それぞれ使い方も若干違い、単位も違うのでありますが、まあ安いもので約六、七万円高いものになりますと三十万近くかかるのでありまして、現在各五つの港には、かようなものをいろいろ備え付けているのでございます。又現在「まぐろ」の缶詰で冷凍魚等が外国に輸出されておりますが、これにつきましても、一々この機械で検査をいたしまして、証明をして輸出しておるような次第であります。  なお私どもは、各府県を督励いたしまして、五つの港以外にも、現在でも出廻る心配がありますので、これは指導でございますが、できるだけ各府県にもお願いをいたしまして、かような機械を備え付けて、魚市場等において一応検査することを勧奨いたしております。ただ現在のところは、国内の生産と申しましようか、生産品が極めて僅かでございます。又在庫品も少い。十分に手が廻りませんが遺憾な点でございますが、併し今後かようなものは一層改善されて、更に生産も増加することと存じますので、やがては従来私どもが顕微鏡その他を使つておりましたように、こういつたものも公衆衛生実施上の一つの有力な武器となるものと期待をいたしておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは関連して聞くんですが、今一番困つておるのは勿論漁民であり、それから魚市場、仲買、更に困つておるものは小売、行商、こういうものに対して政府は、この何日間と休んでいる、それでなくても非常に中小業者の側は困つておる、そういうものに対しての融資とか、どうとかというそういう方面のことを考えておられるかどうか。あなたのほうでわからないとすれば改めて通産省に聞きますが、どういうふうにやつておりますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) この問題が起りましてから食生活に関する徒らなる、何と申しますか、余り多き過ぎる不安を防止いたしますために今まで賢明な措置をとるように努力して参つたわけでございまして、この問題の影響が千田委員が仰せられるような営業上の融資その他の問題というふうに問題がまだ残つているのではないかというふうに私どもは考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 我々聞くのは、市中の魚屋さんですね。この連中はここ一週間というものは戸を締めてもう上つたりである呪うととは政府を呪い、我々国会議員を呪い、広く言えばアメリカさんを呪つておる。これでは社会不安を助長することになりますので、やがてはその声は相当大きくなつて来ると思う。こういう点をやはり慎重に考慮して一小売業の組合等からいろいろの問題が起きて来ると思いますので、その点は今から万全の措置を講じてもらうように案を立てておられるかどうか。これは通産省との関係があるでしようから考えておいてもらいたい。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 只今の件に関連して私どものほうから一つだけお聞きしたいのですが、この問題では治療並びにそれに関連する緊急な問題はさつきお話がございましたし、人心の安定といいますか、魚価の安定、そういつたような問題も大体お答えを頂いたし、それから外交関係も一応お話を頂きましたが、今千田委員から申されました補償といいますか、補償というより日本政府による災害補償という問題がございますね、これは急を要すると思うのです。正式な補償は外交折衝の結果当然アメリカからこれは取るべきものだと思いますが、それまでの間、現在どんなにしておるか、この点について何か御計画が、お聞かせ頂ければ、水産庁にお聞きしたいと思います。例えばあの埋めたる、処理したところの「まぐろ」は大体貫当り幾らで政府が買上げているか、或いは買上げようとしているか。又その金はいつ出すか。又船をああして繋留したままにしておりますが、相当のこれは損害だろうと思います。これを果して政府で買上げて焼き捨てるつもりか。あのままにしておいて、これが修繕その他について国が見てやるのか。毎日の生活の問題について具体的にどう考えているか。こんなことを聞きますのは、従来私的な意味じやなくて、公的な被害を受けた国民に対する当然責任ある政府がこれに対して損害を補償する場合、もうあらゆる面においていつも遅れている。演習場の問題なんかも端的な例だと思いますが、二十七年度の損害補償というのはまだ支払われていないといつたような点もございますので、この問題はこれは絶対に捨ておけないと思いますのですが、政府による代償は具体的にどういう計画で進みつつあるか、この問題をお聞きしたいと思います。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) この問題の損害の算定ということにつきましては、これが間接的な影響までいろいろ考えて行くということになりますると、非常に問題は複雑で且つ短時間ではなかなか結論も出ない問題だと思いますが、少くとも第五福竜丸の船主並びに乗組員の皆さんに対する補償ということにつきましては成るべく十分な措置を、而も成るべく急速にとらなければならないというふうに私どもも考えまして、その点につきましてはいろいろ調査を進めておるわけでございます。差当りの乗組員の医療及び家族の生活につきましては、船員保険法による業務上の災害といたしまして、できるだけの医療給付及び生活費の支出ということにつきましてできるだけの措置をとるというほうに関係方面と連絡をいたしております。なおこれによつても差当りの生活に非常に支障があるということでございますれば、これは政府として取りあえず代替的な意味におきましても何らかの措置をしなければならないかとも存じておりまするが、ただ具体的に損害の額を只今日本側だけで決定いたしますということは、今後のアメリカ側との交渉のいろいろなこちらのほうの要求という問題とも関連いたしまするので、これは慎重に考えて参らなければならない点もあるというふうに考えております。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 只今のお話はよくわかりましたが、対米折衝に関連しては、今全額払うという意味じやなくして、代替の支給というような形で、どんな形でもとれるのですが、問題は早く具体的にやつて参りたいと思いますが、別に期限的にはいつ頃までに大体暫定的な措置をするという見通しは今のところ言えませんか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) これは事務的な予算等は全然ないわけでございますので、問題はもう少し上局のほうで大局的にこの問題を処理してもらわなければならない性質の問題だと、こう思いますので、早速お願いをいたします。そういうような措置をとりたいと思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) とにかく従来こういう損害補償は遅れがちでございますから、今回は特に一つ早く適当な費用を、暫定的なものをしてもらいたいと、こう思います。  それからこの問題について海上保安庁からその後何か変つた御報告はございませんか。ありましたら……。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) 前回の委員会で入港船舶につきましてもいろいろ関係各省と連絡をとつてこの問題に関する状況調査を続けております。それで先ほど異常な不安を助長する発表は差控えたほうがいいというお話でございましたが、これは、ここに今申上げますのは、折角の調査でございますから申上げますが、その反応の状況についての私どもの調査は、先ほど厚生省のほうのお話がありましたように殆んど影響はないという意味だと思います。なお私の申上げます反応の状況について間違つておりますならば御訂正願いたいと思います。本日の午前八時まで中央に参りました状況でございますが、入港後調査いたしまして、僅かながら放射反応のありましたものが、計十一隻でございます。この調査の内容でございますが、この事故のございました地点と幾ら難れておつたか、そしてその通過いたしました期日が何日であつたか、そして帰りました入港時日とそのときにおける反応の状況、こういうものでございますが、これは読み上げてよろしうございましようか。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 どうぞ。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) 第五福竜丸を基準にいたしまして、これは御承知のように、三月十四日焼津に入港いたしております。これは申すまでもございませんが、三月一日その地点におりまして、まあ中心地だと思われる点から七十三カイリの距離にあつたわけでございます。本船における反応の状況は魚と人体及び船体、いずれにも反応があつたことはすでにいろいろ発表された通りでございますが、次に第十住吉丸でございます。これは船籍が三崎でございまして、入港地は、二月十四日三崎でございます。この通過いたしましたのは三月七日でございまして、ほぼ九百カイリほど離れておりました。これの反応状況は、魚と俎板、それからびん玉というものでございます。これは漁業に使う浮きだと思いますが、この三つに若干の反応がありました。それかう大宮丸、これは船籍は静岡でございますが、入港がやはり三月十四日でございまして、三崎でございます。これは三月七日に通過いたしまして、その地点は百四十カイリありました。反応場所は作業服、それから魚、木箱、桶、どういう桶か、どこかデッキにあつたのだと思いますが。それから俊洋丸でございます。これは入港は三月十五日三崎、通過時日三月七日、その地点は一千百四十カイリ、これには魚とそれから甲板——デッキでございますね。それから先ほど申上げましたびん玉。これに反応があつた。次は第十三海幸丸でございまして、これは三月十六日三崎に入港、通過時日は三月十日、距離七百二十カイリ、これには帽子、それから作業服、雨衣、その他もう一点ございます。それから第十三丸高丸でございますが、これは三月十六日三崎に入港しましたが、通過は三月一日でございまして、その地点が九百カイリでございますが、これには魚、それからカヴアーのようなものでございます、デッキにありましたか。それから幸進丸であります。三月十七日に三崎に入港しました。通過地点、三月七日に千二百六十カイリ、これは帽子と魚でございます。それから第八福吉丸、これは三月十七日に三崎に入つております。通過時日が三月八日で、その地点が千三百八十カイリ、これには作業ら第十一丸高丸でございますが、三月十七日三崎に入港、これは三月一日の地点が八百五十カイリ、これは魚、帽子、それからハッチカバー。次に第十一日光丸、これは三月十七日東京に入つております。これが三月一日の地点が八百カイリでございます。これには魚、船体、こういうふうになつております。次に第十二高知丸でございますが、これは三月十九日に東京に入つております。三月十日の地点が四百五十カイリでマスト、ロ—プ、もう一点ございますが、船体の外板でございますね。これは大体報告に基いてまとめたものでございます。反応その他についてこれを事実と反するものがございましたら……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) これは一つ参考資料としてあとから頂けませんでしようか。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) これは差上げます。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 只今の海上保安庁の御報告に別に御質疑ございませんか。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今の諸々の反応は害はないだろうだがこれは販売しているのですかどうなんですか、魚なんぞば……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) このガイガー計数管というものは非常に使い方のむずかしいものでして、殊にこの放射反応というものはどういう場合におきましても、地軸回転の関係でかなりの放射能が出ております。而も場所によつても違いますし、潮の満ち干き等によつてもこの地軸の関係から違つて参ります。従つてやればどこでも出えば早稲田大学の先生がすしを食べて、そのすしを調べて見たら出た。我々は慌てましてそれを調べて見たら、それは当然地軸の回転から来る放射能であつて、何ら支障のないことがわかつた。そんなようなことばかりでありまして、私どもは今までその検査をした結果によりますと、福竜丸の魚以外には絶対に出ておりませんから、これだけは一つ御安心あつて然るべきものと存じます。で私はその点を大いに強調いたしまして報道いたしているのですが、ですからこの点は非常にむずかしいものなんでして、どうか御了承願いたいと存じます。私先ほどその入つた魚については絶対に大文夫ということを申上げまして、只今海上保安庁のほうから又別な意見がございましたが、これは放射能のあるようなものは困りまするが、食べられませんが、さようなものはございません。ただ船体におきましては只今御指摘のように、若干極めて微量の放射能を証明し得たのです。併しこれとてもその船体の中に住んでおつて或いはその放射能を食べるというようなことは困りますが、外部的に受けても何ら支障のない程度のものであるということを確認いたしております。従つてかような点は却つて混乱を起しますので、この際学術的な根拠を以てはつきりと申上げておきたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 私の今お伺いしたのは、今こちらから海上保安庁の御報告の中に魚が影響しているというのがしばしば出ているわけなんで、その処置をどうしたかということです。それをお聞きしておる。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 私どもは魚で危険のような魚は、これは一々食品衛生法に基きまして、これは市販に出ることを禁止いたします。併し厳格な検査の結果支障のないものは、これは勿体ない話ですからして、ちやんと厚生省の検印を押しまして、丁度豚や牛に検印が押してあるように、一々検印を押して出荷いたしております。従つて現在東京その他に出ております魚類は、すべてあの南方から来る魚は全部検印が押されておるはずであります。検印が押されないようなものはこれは出せないのでありますし、福竜丸以外の魚で私どもがこれまで検印を押さずに出したものは一つもございません。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 その検印を押して出しただろうが、今の保安庁の報告の中に、魚に影響あるという報告があつたのです。その分はどうなつたかと聞いておる。検印したのかしないのか、大丈夫という……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 私どもは勿論科学的な根拠を以て大丈夫ということで検印をいたしております。福竜丸の魚だけは、これを廃棄処分いたしました。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうするとどのくらい影響しておるか、おらんかによつて、あなたのお話なら検印を押すか押さんかきまるらしいのですね、そうじやありませんか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) この放射能は只今申上げまするように、地軸の関係でどこにでも放射能を証明できない位置というものはないわけでございまして、従つてこれが果して地軸関係のものであるか、或いは本当に原爆の被害による放射性物質によるところの放射能であるかとこういうを、区別して判断しなければならないということを申上げておるわけであります。従つてさような観点から判断いたしますと、今までこの福竜丸以外の魚では危険はなかつたという事実を申上げたわけです。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) 充ほどこの資料を発表いたしましたが、この基地にはその関係の機関もあることでございまして、私のほうが独断でこういうことをやつていないと思うのであります。従つてこの措置につきましては、漁獲その他は十分な完全な措置がされておると思うのであります。ただいろいろ船の航海中の事情、その他について調査を出しておりますので、多少でもそれが原爆の直接の影響があつたかどうか、この報告には何もございませんけれども、多少でも出たことにつきまして、勿論直接私のほうが責任を以てやつたのではなくして、ほんの少しでも出たというものについての報告だと思うのであります。従つてこれの影響につきましては、厚生省その他が十分現地におかれまして責任のある処置をされておると私ども承知しております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 その点はわかるんだが、その検査といいますか、調査といいますか、あなたのほうの調査はどこで、例えば大学だとか、試験所とか、どこでおやりになつたか。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) これは出先に私のほうの機関がございますから……。ただ船の入りましたその状況を、どういう航路を辿つて航海して来たか、こういうことは本船で調べますればわかりますし、又航海日誌その他で一応参考まで調べておるわけでございます。それでそのことについて何か関係あれば、当然事件直後でございますから、関係機関も皆その船に出向くとか、その他関係をお持ちになつておると思いますが、若し万一私のほうの関係だけが多少関係がある場所を通つたということを知りました場合には、直ちに県で申しますならば水産課とか、当然の関係機関に連絡するようにということを厳重に伝えて調査をやつておりますので、単独で動いてはいないと、かように考えます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 どこで調査したのがこういう結果が出たのか、秘密であればこれは言わなくてもいいが……。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) 秘密ではございません。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そちらは厚生省ですか……。そうするとこれは厚生省の検査したのか、あなたの検査したところは違うのか、一つか、それをどちらからでもいいからお聞きしたい。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 厚生省におきましては塩釜、芝浦、三崎、焼津、清水、この五港に農林省と相談の結果、船の御帰航を願いまして、現在のところ漏れなくそこに入つて来ております。そこに専任の係官を十六日以来常勤させております。そうして逐次その港に入る船につきまして検査をいたしております。なおその場合にどの距離を通つたかというようなことを確かめ、又同時に船体それから魚類、或いは乗組員の健康状態というものを逐次検査をいたしております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 ちよつと、そうするとその調査ですが、あなたのほうは違う別の調査ですか。

砂本周一海上保安庁警備救難部長

○説明員(砂本周一君) 実際の具体的のことは報告の中にあるかも知れませんが、あれは恐らく調べましてもそういう現地の機関と連絡をとつておると思います。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) この点は海上保安庁自体にそういうような調査機関はないと思うので、やはり厚生省その他とまあ緊密な連携をとつてやつておるんだろうと解釈していいんじやないかと思いますがね。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 解釈はね、もうよろしいけれども、今のお話は放射能というのは地軸の関係でどこにでもあるのだ、こういうことに一般化してしまうと、それはそのような放射能であるのか、たとえまあ微弱であつてもそれは今度の何でしたかなあ、原爆か水爆か、それなのか、これをやらんと、それで同じ放射能でも片一方は、この地軸のほうは何でもない、却つてまあ薬になるかもわからんというようなことにもなるかもわからん。それは一体見分けがつくのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) これは勿論この放射能は地軸の関係である、この放射能はこれは被爆の関係によるんだということははつきり区別いたしまして、勿論……、そして専門的に見分けをいたしまして結論を出しておるわけなんです。従つてどうか毎日たくさんの魚が入つております、これらのものは厳格に厚生省が責任を持つて検査いたしております。どうか御不安なくお願いをいたしたいと存じます。その点私責任を持つて申上げられると存じます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 厚生省の検査はそれは信用するのですよ、するんだけれどもこの程度ならばいいんだということですね、放射能がこの程度ならば食つてもいいんだ、かかつてもいいんだと、こういうことが一体限界がないとなあ、不安でやつぱり……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 魚類そのものから放射能が仮に僅かでも出れば、これはまだ研究がしてございませんから私どもはこれを廃棄処分をいたすことになつております。ただこの辺にあります、地球上にある放射能を以て廃棄することはこれは行過ぎでありますからさようなことはいたしません。なお私先ほど船体に微量の放射能を証明し得たと申上げましたのは、これは船体それ自体に放射能を持つておつた、こういうことを申上げたのでありまして、これは勿論注意すべき問題だと思います。併しこの放射能は必ずしも人体に危険のあるほどのものでなかつたので、別に人の手当はいたしませんでした。そういうことを申上げておるわけです。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 それでは、私は無理にそれを聞き質そうとするのではないんだがね、今度の放射能というのはこの前の広島のと同じなんですか、放射能それ自体が。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) これは放射能物質の差によつて放射能は違つて参ります。恐らく広島の場合のとは違つた性質のものだろうと想像いたしております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうすると同じ放射能でも違つておる、そうすると新たに地軸の変化で出るという放射能と、これは違うということも言われるのでしようか、出る物質によつて違うのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 地軸から出ている放射能のために……、機械によつては立派にこれは見分けがつくわけでございます。機械によつてこの放射能は地軸から来ている放射能、これは放射物質から来ている放射能だということを立派に見分けがつきます。ただその広島の場合の放射物質から出る放射能と、今回のものについてはこれは多分異なつたものであろうということを申上げているわけでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうすると地軸から出るのは一定のものではないんですね、そうじやないですか、その放射能というものは。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 私先ほども当初にお断りいたしましたように、放射能は極めて最近の学術でして、極めて複雑なものであります。従つて私この地軸放射能についての本体をここで申上げることはできませんが、併しながら地軸放射能というものは、これはどこにも宇宙に存在しているものです。併しながら今回問題となつておるのはさような放射能ではなくて、放射物質が附着することによつて出て来るところの放射能が問題になる、こういうことを申上げているのです。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 海上保安庁の今お話になつた魚屋とか、或いは作業服とか、或いは帽子だとかいうようなのの反応は、それはことごとく地軸の放射能ということが言い得られるのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) かようなものはまだ私どもは報告を受けておりません。いずれ調査いたしまして、もう一応一つ厳格に調査いたしたいと存じますが、私どもが今まで現地から報告を受けております魚類その他につきましては、さような報告は受けておらんというよりも人体に支障のあるようなものはないという報告を受けております。ここに農林省もお見えですが、恐らく農林省も同様な報告を受けておるだろうと思います。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) その魚の検査につきましては、それは事人間の命に関する問題でございますから、私どもといたしましては専門の厚生省と連絡をとりまして、検査をしてもらうように措置をいたしたわけでございます。現在まで毎日厚産省のほうで責任を持つて日報をお出しになつておりますので、それで以て精密な結果を出しておるというふうに考えております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 日報なんというのはこれは危険がないというだけのものだろうと思う、実際のところは……。ただ私のこうしてしつこく聞いておるのは、こちらの話を聞いておると、何艘か来た魚の中に放射能があるやつとないやつがある。そうすると地軸の何とかかんとかというのであればあるなら皆ある……、幾らかでもあるのとないのとがあるからそれを聞いておる。今度の爆発のじやないかとまあ想像するわけです。そうして又お話を聞いておると勿体ないからこれは食つてもいいだろう、こんなことならばとても不安でどうにもならない。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) この問題、木下委員に申上げますが、保安庁、水産庁、厚生省、もう少しよく連絡をして頂けば、結論が出る問題じやないかと思います。ですから次回に……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 心配だから私は絶対に食わない、ほかの人は食うかも知れませんけれども、私は食わない。そんなもの食わんでも生きて行かれるのだから、あんな不安なものは食う必要ない。だから大丈夫なら大丈夫で、こういうことがもう少し科学的根拠の上に立つて素人でも、うちの家内でも或いは又宿屋の女中でも説明ができるようにもつと簡単にできませんか。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 次回に統一した御返事を頂くようにいたします。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 こちらの話を聞いて見ると多くの魚の中にはあるやつとないやつがあるのだね、そうなるとないのなら……。地軸なら皆一遍になる……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 事食べ物の安全性につきましては厚生省が所管事項といたしまして責任を持つております。而も今回の問題は極めて国民に及ぼす影響も大きいので、特に従来していなかつたのですが、すつかり水揚げ等で検査もいたしまして、而も検印を押して安全を保証しておるわけであります。ですからどうかかような措置に御安心願つて一つお召上りを願いたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 私は厚生省疑うわけじやない、今も私は、別の部屋で決算委員会でやつている……、そうして安心しろなんてばかり言つておつて、あれを見ると麻袋を十三億ばかり買つて八億何千万円ばかり損して、どうも済みませんでしたと言つておる。今廣川君、根本君がやつて来た、そうしてその元の長官が皆やつて来て……。ですから私は実際心配するのだよ。だからあなたたち信用しないというのじやない、信用するのだから、これからはもう大丈夫、押してへつこむのは脚気だ、へつこまないのは脚気じやないので、素人でも誰でもわかるように一つ説明ができるようにお願いしたい。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) その問題は次回に一つ問題として……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今の話聞いているというとどうもこつちの話をそつちの話と違つていて心配なんです。だから、何もむずかしいことじやない、私も勿体ないことも知つておるけれども、命をとられるのだから。勿体ないもいやしいからという昔から言葉がある。そうするとそれで参つちやう。(笑声)それは笑い事じやないのだ、だけれどもね、是非そこを安全にして下さいよ。そうしてそれが安全になつたら……向うから来た魚は食うなということになつたら困つちまうよ。今厚生省が一番だと思うのです。もつと簡単に見分けがつくという、何とかもう少し——それが今すぐ放射能とか何とかというのが勝負がついてしまうものだと思つたらそうじやないのだね、だんだんどこか目に見えないで腹の中に走つて行く、こういう話を新聞で皆出て来るのです。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) それでは只今し問題は……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 さつき私が聞いたのは今大学に入つておる者以外はひどい、そういう何でしたか。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) その被害者の被害以外の病気というお話がございましたから、これは相当根拠がない場合には一応速記から取除いて項かないと又誤解があるといかん、その問題でございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 ああそうか、今伺おうと思つたけれども、よそう。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) この件につきましては本月は一応質疑をこの程度で打切ることにいたします。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) なお時間の関係で第四の議題に移りたいと思います。  水産業協同組合法の関係省令に関する問題を議題といたします。省令の問題につきまして水産庁から現在の内容……。

立川宗保水産庁漁政部長

○説明員(立川宗保君) 先般成立をいたしました水産業協同組合法の一部を改正する法律に基く省令の内容、大体の考え方について御報告を申上げたいと思います。  この法律の第百条の八によりますと、「共済会は、毎事業年度の終において、省令の定めるところにより、責任準備金を積み立てなければならない。」ということになつております。そこでその責任準備金の積立方を省令で定めるということに相成ります。只今お手許に参つております案が、我々の考えております省令の内容でありますが、これを各条につきまして御説明申上げたいと思います。先ず全体を通読いたしますと、   水産業協同組合法による共済会の責任準備金の積立に関する省令  (責任準備金) 第一条 水産協同組合法第百条の八の規定により、共済会は、毎事業年度の終りにおいて、それぞれ左の金額を責任準備金として積み立てなければならない。  一、当該事業年度において収入した共済掛金のうちまだ経過しない期間に対する金額  二、当該事業年度において収入した共済掛金の百分の三以上に相当する金額  (未経過共済掛金) 第二条 前条第一号の準備金の額は、当該共済期間がその始期の属する月の翌月の初日から始まつたものとみなして、月割でこれを計算するものとする。  (異常危険準備金の取りくずし) 第三条 第一条第二号の準備金については、当該事業年度において、支払つた共済金の総額が収入した共済掛金の百分の五十に相当する金額をこえたときは、第一条の規定にかかわらず、第二号の積み立てをせず且つその超過額に相当する金額を前年度までの積立金から取りくずすことができる。    附 則  この省令は、公布の日から施行する。  先ず責任準備金といたしまして、法律の命ずるところによつて積立てますものは二つ種類があるのでありまして、その第一のものは未経過保険料、未経過共済掛金でありまして、つまりまだその事業年度ではその共済掛金の対象となつていない保険事故分があるのでありまして、その部分は当然翌年度の危険に充当すべきものでありますので、そのものは積立てて次の年に準備をする。例えば昭和二十八年五月十六日に一年分の共済掛金が来たと、こういたしますと、翌年昭和二十九年の五月十五日まで共済の対象になるわけでありますから、事業年度が四月の一日から三月の三十一日までといたしますと、昭和二十九年の四月一日から五月の十五日までの分は未経過共済掛金部分でありまして、これは積立てる。  それからその次は当該事業年度において収入をいたしました共済掛金のうち百分の三以上の金額を危険の準備というわけで積立てておくということにいたすわけであります。この省令は法人税法の関係と非常に密接な関係を持つものでありますが、法人税法のほうにおきましては、これに対応して所要の改正を加えて、責任準備金を積立てましたものについては損金と見て法人税をかける対象にしないということによる予定でありますが、その法人税法の大体の内容は共済掛金の最初は一割というものは当分の間損金に見ておくというような工合に規定をする予定でありまして、ここで百分の三以上、こう書いてございますが、実際は当初五年の間は、一割くらいの積立をして行くということができる準備をしておるのであります。  次に第二条のほうに参りますと、これは第一号の準備金の計算の仕方でありますが、先ほど例を挙げました昭和二十八年の五月の十六日に、一年間の契約で共済掛金を始めたという共済掛金をやつたという例を挙げましたが、その場合には未経過部分は申しましたように、四月の一日から五月の十五日までになりますが、これを一々日割で計算をいたしますと、非常に煩雑になりますから、これを月割計算にするというやり方をとつたわけであります。このやり方については、いわゆる二十四分と十二分というのがありますが、その半月割計算というやり方をとりませんで、ここは月割計算のやり方をとりました。従つて今の例で申しますと、始期の属する月の翌月でありますから、五月の翌月、つまり六月の一日から始まつたものとみなしてしまう。そこでこの共済月割は四月、五月という二カ月分を以つて積立金とすると、こういうことであります。  それから第三条のほうは、一号の未経過共済掛金はこれは当然翌年度分の事故に充てますので、これは問題はないのでありますが、その第一条の二号のほうの百分の三以上を積立てるところのいわゆる異常危険準備金というものにつきましては、これは非常に特別の危険が生じましたときに、特別の共済事故が生じましたときには、これはそのために備えておくわけでありますから、その大きな災害があつたときには、これは準備金を取崩して、これで以て支払う。非常に大きな火事があつた、大きな共済の対象であるものが焼けたというようなときには、この部分から取崩して支払うというのが内容であります。そこでこの内容の規定につきまして、共済金の百分の五十という考え方と、百分の六十という考え方と二つあるのでありまして、この百分の五十及び六十という二つの案について、いろいろ検討いたしました。でその結果百分の五十という考え方を今とつておるわけでありますが、このとりました理由を若干申上げたいと思います。この共済掛金の異常危険準備金の取崩しの率の判定の規準といたしましては、問題の焦点は保険事故率、或いは共済事故率と申しますか、その事故率の見方というものが問題の焦点になると考えます。そこでこれは現在火災保険の事故率というものを見て参りますと、これはいろいろ国際的な例としていろいろな例があるのでありますが、大体世界的な火災保険の数理の例をとつて見ますと、百分の六十乃至四十五というのが、この率の中心になつておるわけであります。そこでこの日本の火災保険の場合につきましては、法人税法の施行規則で考えておりまする異常危険準備金の取崩しの率は百分の五十という規定をしております。殊に水産業協同組合共済会の共済事故率をずつととつて参りますと、これは昭和二十五年に事業を始めましたが、二十五年はまだ早々のところでありまして、二十六、二十七、二十八というのが大体事業年度が一応とれる基礎になるかと思います。そこでこの三つの事業年度をとつて数理を調べて見ますと、事故率がむしろ低いという結果になつております。そこでこの保険事故率は高いという実態ではなしに、むしろ火災保険の場合よりも低い、こういうことに相成るわけであります。そこでそれが第一点、それからこの共済会の保険の実態は只今申上げましたように、始めて以来三カ年の成績である。そこでこれは今後如何ように変るかわかりませんが、勿論如何ように変るという確固たる見通しもつきません。そこで当分の間は一般の火災保険の実態に従いまして、事故率は過去の三カ年間では低いのでありますが、火災保険と同じ率に高めてこの異常危険準備金の取崩し率を規定しておる百分の五十という規定をいたしておる、こういうことを考えておるわけであります。そこで更にこの実態的な内容をもう一つ申しますと、この実際に第三条が働いて、異常準備金の取崩しというものが税法上非常に響いて、法人税の対象にいろいろ影響をこうむるというのは主として責任準備金の積立額がかなりな額に上つて来るという場合に、実際は税金に響いて参るのでありまして、現在は責任準備金は一銭も積立てておらない。これからスタートするというのでありまして、その経過期間若干これを見まして、その間にこの果して百分の五十であるか、或いは百分の六十であるか、百分の四十であるかというような事故率を十分実績を更に見まして、その上で実態に従つて考えて行つたらいいのではないか。但しこれは共済と申しましても一つのいわば火災保険でありまして、長い間保険数理で整理をいたしました保険の事故の率はそう大して響かないのではないかという工合に考えております。その実態に従つて更に将来これを検討する余地を残すという工合に考えておるわけであります。  そこで更にこの省令の公布の日取りの予定でありますが、これは問題は全国水産業協同組合共済会という具体的な法人についてのいわば省令になるわけでありますが、この法人は事業年度が毎年四月一日から三月三十一日までの期間を以て事業年度といたしております。そこで昭和二十八事業年度の三月三十一日までにはこの省令を出して法律の命ずるところに従つて、今年度において責任準備金を積立る、それに応じて法人税の施行規則の運用も図る、こういう工合に是非ともしなければならないのでありまして、これは省内の審議等に若干要しますが、法令審査というような手続を若干要しますが、今週中には公布施行をするという工合に必ず実行いたしたい、こういう工合に考えて取運んでおる次第であります。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) この省令に関する只今の御説明を頂きましたが、これに関しましては多少我々に研究いたしまして、質疑は次回に延ばしたいと思いますが、御異議ございませんか。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 ちよつと一つだけ……、この第三条の規定のうちに、最後のところに「且つその超過額に相当する金額を前年度までの積立金から取りくずすことができる。」となつております。これはどういう意味でありますか。共済掛金の百分の五十に相当する金額を超えたときには取崩すことができるが、取崩さなくてもいいという意味でありますか、この点をはつきりしておかないと問題が残るわけでありますが、百分の五十に相当する金額を超えたときには、第一条の規定にかかわらず、第二号の積立てをせず、且つその超過額に相当する金額を前年度までの積立金から充当しなければならない、支出しなければならないというのと、取崩すことができるというのとでは大変違うのですが、そこに私どもは仮に百分の五十であつても、又掛金に余裕があるという場合には取崩さなくてもいいのか、余裕があつても何でも五十を超えたら取崩さなければならないのか、この点はどうなんですか。

立川宗保水産庁漁政部長

○説明員(立川宗保君) この第三条の規定いたしますところは、只今御指摘のように「取りくずすことができる。」のでありまして、これは責任準備金を将来に対して積立つて行く、その経理の内容を十分考えて「取りくずすことができると。」いう、いわば広い規定にしてございます。で、御指摘の通りでありますが、これに対応いたしますところの法人税法施行規則のほうで如何ような規定になるか、これ又一つの問題なんであります。これは保険のほうの関係その他の関係の規定を見ますと、税法の関係では「当該異常災害に因る損失額に達するまでの金額をその損失の補てんに充てなければならない。」こういう工合に規定をしてありまして、法人税法のほうでは損金に算入をする対象を厳格にきめます関係上こういう工合な規定の仕方に相成るだろう、こういう工合に考えます。そこでこの水産業協同組合法の共済会の異常危険準備金の取崩しの率について法人税法の適用としてどういう工合に考えるか、こういう問題について関係の当局といろいろ検討いたしましたが、これはその結果といたしましては、先ほど申しました百分の五十というところを線を引きまして、そこで取崩しをするということで税法の運用をいたしたい、こういうことになつております。で、この点は先ほど申上げましたように、いろいろデータがいわば三年間ということでありまして、これは将来の問題として確定をした率ではなしに、一応ここで出発をする、こういうことに相成つておるわけであります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 そういたしますと、ここには「取りくずすことができる。」とありますけれども、税法上から見た、いわゆる法人税法施行規則の面から行きますと、百分の五十を超えた場合にはこれを取崩さなければならない、こういう解釈になるのですか。

立川宗保水産庁漁政部長

○説明員(立川宗保君) 税法上からは取崩すものとして損金の計算をする、こういうことに相成ろうかと思います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 そこでまあ問題があるわけで、先ほどからの御説明のように、まだ三年間であつて、その確かなデータもないから一応五十ということに話合いをしておるそうでありますが、三年間の経過から見ますというと相当余裕がある、更に又これがだんだん発展すればするほど経費の点なんかも安くなつて来るから、百分の六十にしても、なお、且つ余裕があるような予想が今までの状態では予想されるというのでありますけれども、若しこういうことにして今後の推移を見るということであるならば、今後これが十分百分の六十ということにしてもやつて行けるということであるならば、さようににこれを改正する余地が残るわけでありますが、これは先ほどから御説明もありましたが、いろいろ一般の保険のほうを考えて見ますと、保険は成るほど百分の五十、即ち五〇%ということになつておりますけれども、これは経費の率が非常に高い。従つてどうしてもこうせざるを得んわけなんです。ですから百分の五十として、五十を超えればどうもこうもならんのですが、この共済会の場合は五十を超えても今までのところでは平気でやつて行けるという実情であるので、ただ今までのデータがはつきりしない、はつきりというか、短いから又今後どうするかわからんというところから五十とするならば、今後暫らく模様を見た上でこれが十分やつて行けるということならば、必ずしも保険会社の率による必要はないと我々は考えるし、又共済でありますから利益を目的としていないのでありますから、そういうふうにしなければならんと思いますが、そういう場合にはこれを十分考慮するという意味合いでこういうふうな規定にしたと、こう解釈してよろしうございますか。

立川宗保水産庁漁政部長

○説明員(立川宗保君) これは今後の推移を見て、推移の如何によつては数字を変えるということであります。   —————————————

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) それではこの件を一応これでおきまして、次に、台風被害予防措置に関する陳情書が参つております。陳情書は東方漁業無線通信協議会、全国漁業無線協同組合連合会、日本かつおまぐろ協同組合連合会、並びに日本機船底曳網漁業協会の連名を以ちまして参つておりますが、最近二十七年十月から二十八年九月に至る一カ年間における漁船海難事故数は千六百四十九隻、四万一千六百三十九トンに上り云々と、非常に被害の隻数、トン数が多いようでございます。これに関連しまして、特に最近の海難事故に鑑み、我々漁業者の立場から、気象観測に高度の科学性と機動性を取入れ、通報の的確、迅速性、特に従来やや緩慢の憾みがあつた本土通過後の台風について、東方海上における情報を頻繁に提供する云々とありまして、気象業務上の台風通報等につきましていろいろと陳情がありまするが、この陳情は気象台におきましても受けておられることと思いまするが、従来、又現在、気象台におかれましてはどういう措置をとられ、又今後この陳情に応えられましてどういう計画を持つておられまするか、お伺いいたしたいと思います。

伊藤博中央気象台予報部予報課長

○説明員(伊藤博君) 最初に現在どういう工合に行つているかということを御説明申上げます。お配りいたしましたプリントを先ず見て頂きます。現在気象台といたしましては、海上の船に対しましてはいろいろの気象通報を行なつております。それがまとめてここに書いてございます。気象台自体が持つております無線電信、それはJMBというのとJMCというのと二つございまして、それぞれ一日四回ずつ海上の気象警報を出しております。それから台風などが日本の近所に参りましたときには、ふだんやつております四回のほかにもう四回追加をいたしまして警報を出しております。どの範囲に警報を出しておるかと申しますと、二枚目の地図のついた紙にございますように、ふだんやつておりますのは、東経百度から百八十度まで、それから北緯のほうは零度から六十度までの間を、この間の気象の警報を出しておるわけでございます。臨時に通報いたしますのは真中の狭い区域でありますが、東経百二十度から百五十度まで、それから北緯二十度から五十度まで、この範囲を臨時に通報するわけでございます。それからもう一つはラジオによりまして漁業気象放送というのがございます。ちよつとここにミスプリントがございます。これを一日二回やつておりまして、一つは朝の九時五分、それから第二番目が午後の四時十五分、第三番目が午後十時四十五分、これはJOAKの第二放送でございます。ちよつとこれは一字間違つておりますから御訂正を願います。一番最初の紙の一番最後の欄でございます。上二つが第一放送で、一番下の三番目が第二放送でございます。  これで中央気象台自体の無線放送とラジオのほうと今御説明申上げましたが、一番最後の紙に、気象台から資料を提供いたしまして、海上保安庁の施設で、これも無線電信で放送をさせて頂いておるものがあります。これは地方海上予報と申しまして、全国をここの地図に示しておきましたように幾つかの海域に分けまして、それぞれの担当の気象台で地方的な予報、このほうは大体沿岸から三百マイルくらいまでの沖合を対象にいたしておりますが、そういうものを一日二回又は三回、ここに書いてございますように、一日三回やつておりますところもございますし、一日二回放送しておるところもございますが、こういうような通報をやつておるわけでございます。で、現状はそういうわけでございますが、なおこの陳情書にございます点で私ども感ずるところは、一つは台風が日本を去つて東へ行つたときに少し通報が少くなるという意味のことが書いてあるように思われますが、今までのところでは、百五十度までであれば、この辺までを臨時警報をやれば恐らくいいのではなかろうかという趣旨でやつて参りましたのでありますが、更に東に拡げる必要があるという御意見でありますれば、これはさほどむずかしい問題ではございませんので、御趣旨に副うことがすぐにでもできるかと思います。それからあと観測施設を充実しろという御趣旨がここに書いてありますが、この点私ども同感でございます。いろいろ充実を図つて参りましたわけであります。飛行機を使つて観測するなんということも是非必要なことでありますが、まだ気象台といたしましてはそこまでは進んでおりませんが、将来はこれは是非実施する必要のあるものと考えております。それから台風の現在の位置とか気圧とか風速をもつと正確にやれという御意見が出ておりますが、これも現在できるだけのことをやつておりますが、海上は観測の資料が少いものでございますから、南洋のほうに台風がありますときには大体六十マイル乃至百二十マイルくらいの誤差を伴うことがあります。併し近海になつて参りますというと殆んど二十マイルとか三十マイルという程度で現在台風の位置その他が通報されております。これを更に正確にするということになりますと、日本自体の手で飛行機を持つなり、或いはたくさんのレーダー観測所を持つなりして観測いたしませんと、これ以上精度を高めるということはちよつとむずかしいのではなかろうかという気がいたします。それからもう一つは、ラジオのほうで通報回数を増して欲しいという御要望が出ております。この点につきましては気象台とNHKとの間で協定ができておりまして、先ほどこの資料にも載せておきましたように、一日三回の漁業気象通報、それからそのほかに各地方ごとに天気予報放送というのがございます。この中でもできるだけ海上の気象の状態を放送いたしておりますが、台風のとき本土に接近して来るまで、それから本土を通過中は、私どものほうから資料を出さなくても、非常にやかましいくらい放送局のほうから要求されまして、それは頻繁に出ます。特に大都市の近所に来ましたときには恐らく一時間おきに出ておりますが、これが海上に去りますと確かに回数が減るのは事実でございます。併しそれを全部海上へ出てからも毎時間、例えば放送しろということになりますと、私どものほうだけではちよつと参りませんので、これは放送局のほうともよく協議をいたしませんとちよつと即答はいたしかねる問題だと思つております。簡単でございますが……。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) ちよつとお聞きしますが、随分海難事故が多いのでございますね。これは一体どこに欠陥があるのでございましようか。

伊藤博中央気象台予報部予報課長

○説明員(伊藤博君) 全部状態を把握しておるわけでもございませんが、漁船の中には無線電信をお持ちになつて絶えず気象の通報を受信しておられるものもございますし、ラジオだけより持たないというのもあるのではないかと思われるわけでございます。そういたしますと無線のほうは先ほどの資料にもございましたように、台風接近の場合は三時間ごと、一日八回という通報が出ますが、ラジオだけですと、距離もそう届かない地方もあると思いますので、そういうことで、気象の状態の把握ということが若干弱くなつて来るのではないかと思つております。随分全国調べて見ますと、各漁業者で気象の利用或いは気象に対する関心というのが相当開きがあるように思われます。非常に熱心に気象の通報を利用していらつしやるところと、それほどでもないところとやはりあるのではないかと思われます。常に持つておられる通信の施設、それから気象通報に対する関心、そういう点でまだこういうようにときどき事故が起るのではないかと私どもの立場としては感じています。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) この事故件数から見ると、どうも文化国家としては非常に恥かしいように思われます。それから今課長さんから申されましたようなお言葉ですと、どうも漁民のほうにも相当あるように思いますが、これはまあ無線を持つていない漁船が相当あるというふうになればそれだけに一層まだやはり国のほうで気象につきましてもつと力瘤を入れてもらわなければならん。殊に現在航空機観測というものは独立国の日本で全然やつていないし、アメリカに依存しておるということもありまするし、こういう点は特に私は重要な問題じやないかと思います。それでこれと関連しますが、中央気象台関係では二十九年度予算ではどういう計画に基いてどの程度の予算を要求し、それがどういうように現在なつておるか、又それに対して気象台としてどの程度折衝努力されて来たかということを大体お答え頂きたいと思います。

伊藤博中央気象台予報部予報課長

○説明員(伊藤博君) 船に対するものといたしましては、漁船と一般の船と両方併せまして気象通報に対する御要望が前々から出ておりまして、二十九年に入りましてから一応船のほうで受信をしやすいような態勢に放送を改良いたしました。船のほうにはたしか改良になつておると思いますが、改良いたしたわけであります。それから二十九年度のほうといたしましてはここに御要望の出ておる点に関連するものといたしましてはレーダーが二個施設ができる予定になつております。で数としては勿論台風の警報に対しましては十分ではございませんが、ともかくも今まで気象のレーダーということがございませんで、それが二十八年度の補正、二十九年度と両方合せましてたしか四個、全体の数として四個になるはずでございまして、それで今までよりは日本の近海に近付いた台風につきましては若干精度が上るものと予想をいたしております。  飛行機のほうその他につきましては、これはなかなか金もかかることでございましてかねがね要望はいたしておりますが、まだ二十九年度あたりで飛行機の観測が我々の手でできるという段階にまでは立至つておりません。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) 金がかかるということはあなたのほうでおつしやる必要がないので、大蔵省のほうで言うので、是非一つ人員確保、それから近代科学活動ですね、十二分に要望に応えて項きますように特に要望いたしておきます。  それからこういう機会にせいぜい一つ気象台の責任者の、代表者のかたがたその他の御出席を仰ぎまして、いろいろ御発表を願いたいと思いますが、今日はお忙しいだろうと思いますが、そういう点特に一つ今後お願いいたしたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今の予算関係、大変気象台のほうでは遠慮しておられるような傾きが毎年あるんだが、そういう点はないんですか、予算の要求は。あなたのほうで遠慮してもらうことはよいかも知れませんが、困るのは皆業者だとかほかの人は困るんだから、何かこの間も定点観測について船を造つてもらうというのは本来あなたのほうの希望だ。それで今年あたりこの程度で遠慮しておくというというようなことでやつておられるのではないですか。

森崎隆日本社会党(第四控室・左)

○委員長(森崎隆君) まあ、これはやはり台長さんに来てもらつて、台長さんから御答弁を頂かなければならないと思いますから、ですから一つじかに台長さんに来て頂かなければ、課長さんにこれをいろいろ言つて見てもこれは却つてお気の毒ですし、そういう意味で台長の御出席を待つと要請したわけでございますから。  それでは本日はこれを以て散会いたしたいと思いますが、なお今日議題の中で割愛したものについて次回に廻すようにいたします。それでは散会いたします。    午後五時二十二分散会

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