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19回国会参議院1954/09/20

水産委員会 閉会後第12号

発言数
44
登壇者
4
会派数
2
開催日
1954/09/20

会議録

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。  本日は最初に台風十二号の被害状況につきまして水産庁から状況をお伺いすることといたしたいと思います。

増田盛水産庁漁政部長

○説明員(増田盛君) 漁政部長の増田であります。お手許に一枚紙の被害状況調べが出ておりますが、実はこの数字は漁港以下ずつと書いてありますが、この数字のこの報告の根拠は、実は各県に現在照会中でありまして、又照会しなくても当然県のほうから報告すべきが当然なんでありますが、非常に災害個所が細かくて而も広汎に亘りますので、いつも被害報告が遅れるということになるわけであります。従いましてこの報告は結局各県の東京事務所が電話連絡で報告して来たという数字のものが大部分でございまして、そういう点では厳密にいいますと信憑性が比較的薄いのではないかと思われるのであります。従いまして例えば漁港が十億三千五百万という被害金額になつておるのでありますが、この漁港のところでも実はこの県で全部網羅しておるかどうかといいますと、その点は保証できないのでありまして、中には確かに災害があつたと思われる県でこの表から抜けているものもあるわけでございます。その点は当該県からは報告がなかつたということでございます。更に共同施設、養殖施設、漁船、漁具とありまするけれども、この中にはおびただしい空欄がございます。この空欄は被害がないのじやないのでありまして、漁港のほうには被害がなかつた、而も共同施設、養殖施設或いは漁船等には損害がないということではないのでありまして、これも未報告、こういうことでございます。而もこの各県の東京事務所経由の報告によりますと、実はこの内容が詳細にわかりかれる向きがありまして、この数字をずつと見ますと非常にその特定の県だけが或るものに大きい数字が出て来たりして、これは、やはり報告上のいろいろな各県の取極めの相違から来るものじやないかと思われる点もございます。現在は実はこの程度の報告でございまして、私只今出て参るまでにもう少し詳細な報告がないかという点を確かめたのでありますが、実はこの程度の報告しか現在まとまつておらんということであります。なお漁港の被害額が十億になつておりますが、ついでに申上げますが、前年度の漁港被害高を例にとりますと、これは県の最終的な報告で四十一億になつております。前年度は四十一億になつておりました。但しこれは四十一億という数字は、実は前年度におきまして県が最終的に報告した数字でありまして、而もその後査定の結果著しく減少いたしております。今回のこの漁港の十億、比較的この漁港の十億は、いつもなれておりますので、そう数字的にでたらめな数字を持つて来ておる所はないと思いますが、大体査定の結果といたしますと、前年度の例によりますと、相当大幅に減少しておることを附加えておきます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 実は参議院で今度の台風について非常に大きな台風であるとするならば、院議を以て参議院から調査並びにお見舞に行かなければならないだろうというので、議院運営委員会としまして先般建設省各局長及び農林省の官房長を呼びまして、被害の状況を聞いたのであります。その結果、将来その他発表しておつた当時の、大被害になるだろうというのが比較的少くて食いとめたということと、それから損害の中で最も惨状を呈するところは海岸線が大きい、こういう報告なのであります。殊に鹿児島県に至つては全然交通で杜絶しておるので、奄美大島諸島におけるところの被害も察知できない。その他四国地方におけるところの被害は相当海岸線、殊にこの水産関係が甚だしく多い。こういう報告でありまして、最後にはとにかく院議を以て調査及びお見舞をするということを一応見合せて各関係の委員会、例えば水産、農林、建設等の委員会において慎重審議の結果、当該委員会が調査すべきものとした場合においては調査派遣をされるということを決定したほうがよろしいだろうという結論を得ましたので、委員長にお願いして委員会を開いたわけなんですが、そこで今漁政部長さんの御報告によると、まあ第一報としての一応我々の手許に配付したこの表によるというと未だ確実なる報告ではない。いずれ詳細な報告が来るだろうとは思いまするが、我々としてはやはり水産委員会の立場から言うと、この漁民なり漁村なり或いはこの設備なり資産なりというものが今度の災害によつて喪失されることに対して非常な関心を持つておるのであります。そこで是非これは早く調査をしてまとめて頂きたいということと、もう一つお伺いしたいのは、水産庁からは現地へこの調査に対しての派遣をされたのでありますか、或いはされる用意をしておられるのでありますか、この点はどういうふうになつておりますか。

増田盛水産庁漁政部長

○説明員(増田盛君) 現在現地に派遣しまして調査をいたしております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それからこの詳細の報告は大体いつ頃までになつたらまあそう変化がないだろうという報告を得られますか。

増田盛水産庁漁政部長

○説明員(増田盛君) 大体月末になりましたならば報告が大体確定するのじやないかと、かように思つております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは十二号台風の結果でありますが、十四号の台風の結果もこの月末にはわかるでありましようか。

増田盛水産庁漁政部長

○説明員(増田盛君) 十四号は若干遅れると思いますけれども、やはりいろいろな点で一緒に取扱つたほうがいい点があるだろうと思いますから、できるだけそのように努力したいと思つております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私としてはこの報告が水産庁から、大体これでそう大差がない、将来若しも報告があつても大差がないだろうという一つの基本的な御報告があつたときに改めて水産庁の政策なり施策なりについてお尋ねしたいと思います。   —————————————

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 次に最近漁獲物に相当放射能を含んでおりまして、急激に八月になつてその数字が多くなつておりますので、その実情並びにその理由等につきまして、厚生省から説明を聞くことにいたしたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) お答え申上げます。七月までは毎月各港において放射能の検知されます魚類は漸減をして参りました。然るところが七月の終り以降現在までに次第に漸増をいたしまして、特に八月におきましては約一万三千貫を検知いたしておるのであります。従来にない数量に達したわけでございます。而もこれらのものは一部極めて近海から漁獲した魚類でございまして、私どもといたしましては、先日も本委員会においてお答えをいたしましたように、目下各所に人を派遣し、或いは検体を取寄せましてこれらの調査研究に当つておる次第でございます。  現在まで承知いたしました範囲はビキニの東北方面に特に海水の汚染が甚だしい区域があるということがわかつて参りましたが、これにつきましては過日アメリカ側からもその注意を喚起いたしておるのでございます。それから一方近海において多数の強い放射能を持つた魚類が発見されておりますが、これらにつきましてはいろいろ調査の結果、かなり汚染されてから時間がたつておることが明らかになつておりますので、一方これらが主として回遊を好みますばしようかじきの類でありまするところから、南方において汚染されたものが逐次本土沿岸へ回遊して来たものであろうと考えておる次第であります。  なおこれらの詳細につきましては目下更に科学的な検討を進めておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 只今の楠本部長さんのお話の中に、最近になつて特に目立つて多くなつて来た。一方新聞紙に伝えるところによるというと、ビキニではないけれども他の個所において実験されたやに報告されております、そういう関係によつて起きたものであるかどうかというふうにも場合によつては推測されないわけでもありませんので、この点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これらの点につきましては私ども外務当局等に質しておりまするが、現在のところはその後新らしい実験を行なつたと考えられる根拠はございません。勿論これらの、最近になつて特に汚染された魚類が多いことは誠に注目すべきことでございますが、ただ現在までの研究成果によりますとこれらの汚染が内臓深く、骨或いは各種の深部の内臓等に多量の放射能が発見せられ、むしろ表面、えら等には比較的少いような関係から、汚染されてからかなり時間がたつておるものと思われるのであります。又一方汚染物質の分析等によりましても、従来のものとは現在までは変つた状況は見ておりません。従つてこれらの点から考えまして、勿論この即断は許されませんが、やはり従来のビキニ環礁を中心とした海域の汚染によつて汚染された魚類が現地になお棲息しており、その一部は日本沿岸に遊泳して来たものではなかろうかと想像をいたすのでありますが、これらは更に細かい検査成績、或いは海流調査等の結果を待たなければ何とも申せませんが、多少想像が加わりますが、新らしい実験等が行われたという根拠をつかむところまでは今のところはまだ至つておりません。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これはとにかく曾つての損害の対象としましては、一定の期間を限り大体アメリカ側に通報しておるものは約二十五億余でありますが、その後にこうした問題がずつと続いて起きております。こういう問題については、内閣としては勿論何か考えておるだろうと思いますが、厚生省の立場からこの問題については内閣に対して何かの正式によつてこの損害は勿論報告をしておるでしようが、それに対する何か特に強く要望しておるというものはありますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これら魚類の、汚染によります魚類の廃棄に関しまする損害はこの福竜丸の乗組員の関係者の損害と同様に極めて端的な直接損害でありますので、私どもといたしましては、今後引続いてこれらの損害が仮に継続されるといたしましても、いずれも賠償の対象に当然なるものと信じております。従いまして月々新らしい損害額につきましては、資料を外務省に提出をいたしまして、その準備を進めておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 新聞紙上によるというと、先般内閣、閣議におきまして、安藤国務相が一個人当り五十万円ずつの賠償の立替金を支払うという意味のことを言つておつた。而も今までなぜ遅くなつたかという問題に対して、関係閣僚の間に意見が一致しておらなかつた。そのために遅れておることは誠に遺憾であるから閣僚間において一日も早く協議してこの五十万円受取りというようなことを強く主張しておるようでありますが、どういうわけでそういう問題か起きて来ておるのか、我々は甚だ遺憾であると思うし、その点を一つお知らせ願いたいと思うのであります、知つているならば……。もう一つは、五十万円というのは一体家族に対する生活保障の面でありますか、それともどういう意味合の金として考えておられるのでありますか、その点御存じならばお知らせ願いたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 第二点の点からお答えをさして頂きます。今回二百万円のうち五十万円だけを閣議において内払することが決定されたわけでございますが、この二百万円は福竜丸の乗組員に対する慰藉料でございます。従いまして、他の医療費、或いは生活費、或いは船具その他の損失の経費とは全く別なものでございます。然らばなぜ二百万円をきめたかと申しますと、これは現在行政協定におきまして、駐留軍関係の労務上の損害は労働基準法に準じて慰藉料を支出することに取極められております。勿論今回の事件は駐留軍関係の事件ではなく、従つて行政協定等には関係のないものでございますが、併しこれらの取極めを一つの参考といたしまして、更に現在労働基準法において最も高額な慰藉料の限度は百三十四万円と相成つております。従いまして、現在労働基準法の慰藉料の最高の額を更に上廻る意味で、一応厚生、農林、外務三省が相談をいたしまして慰藉料二百万円という数字を計算いたしたわけであります。従つて、これらのうち五十万円だけを内払するということでございます。なお第一点の御質疑の、これら五十万円の処理が閣議で決定を見たにもかかわらず、事務当局、特に農林、厚生両省間の話合いがつかず、若干遷延をいたしましたことは、御指摘のように誠に遺憾に存じております。ただ現在これら福竜丸乗組員に対する慰藉料の所管につきましては、現在の各省設置法等によりましては全くどこにもその該当がないのでありまして、これらの点につきましては、法制局その他の意見を十分に聞きましたがいずれとも理論上は割切れんのでありまして、而も一方厚生省といたしましても、或いは農林省といたしましても、それぞれ現在の行政建前から異論がございまして、調整に手間取れたわけでございますが、最後的には結局現在の所管事務の範囲ではいずれとも決しかねる。従いまして、専ら便宜論をとりまして、従来水産庁が主としてこれらの面倒を見ておるということから、農林省がこれを主管するということに最後的決定を見たわけでございまして、これらの経費は恐らく今週中には閣議決定を見まして支出されることになろうと存じます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そうしますというと、例えば現在漁民の中の、或いは乗組員の中の重体患者を只今まで病院に収容して加療しておる、或いは決して病状は楽観を許さないままに続いておるようでありますが、この療養その他の点は厚生省としては当然見ておられるでしようが、その点の問題も結局農林省の問題になつて来るのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これらのうち医療費関係は、これらは明らかに厚生省が計算をいたしまして、外務省を通じて交渉をしておる次第でございます。従いまして医療費のごとく極めて所管の明らかなものは、今後これらは厚生省が適宜処置して行くことと存じますが、併しながらこれとてもやはり賠償そのものと相成れば一括して外務省が折衝に当りますことは申すまでもないわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 例えば放射能を強く被つたところの福竜丸のような、ああした船体の処置、こういう問題から言えばこの処置如何によつては公衆衛生という面において非常な影響を及ぼす問題であるのでありますが、こういう問題はどつちの所管になるのでありますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 船体につきましては、当初いろいろな問題もございましたが、これらは結局国といたしまして放射能に関する学術の基礎研究用としてこれを買上げることと相成つたわけでございます。従いまして、学問の基礎研究が目的でありますので、これらの経費は文部省所管として支出されたわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そうしますというと、例えば放射能によつて生ずる医療費というような極めて常識的な問題は厚生省、同じ学術の問題であつても、放射能によつて生ずるところの病気とかその他の医学的、或いは医療に基くところの重要な研究、こういう問題は、厚生省の管轄ですか、それとも文部省の管轄ですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) お答え申上げますが、これは極めてむずかしい問題でございますが、現在は行政に直接関係のある調査研究は厚生省の主管と相成つております。併しながら、これら放射能に関する基礎的研究の学術研究の部門は、これは文部省の所管となつております。但し、厚生省と申しましても、これは関係各省の連絡調整を図ることが目的であり、同時に厚生省の行政に直接関係のあることを所管することが目的でございまして、従いまして、たとえ行政に直接関係のある調査研究でございましても、それが農林行政に関係があるものであるとすれば、厚生省において各省の連絡、調整を図りつつ、農林省の所管となるように取極めてございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 勿論これは各行政関係の分野があると思いますけれども、実際から言えば総合的に当然考えなければならない大きな問題だと思うので、実際の調査研究という場合は、例えば学術関係であるにしろ、農林省、或いは厚生省、文部省というような三省が共々に研究の立場から詳細に或いはその費用を分担して総合調査をするということはこれは当然なさるべきであろうと思いますが、そういう場合においてもやはりセクシヨナリズム的な考え方から分割的なことにおいてうまく行かないというようなことがあつてはいかんと思いますが、その点はどうですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これらの只今御指摘の点につきましては誠に私たちも心配をいたしておるのでありまして、取りあえず厚生省におきましては閣議決定に基きまして放射能に関する調査研究の連絡協議会を設けまして、この協議会におきまして各省の予算或いは各省の研究項目、或いは研究事項等をそれぞれ調整いたしまして、その間に無駄な経費、或いは研究の重複等が行われないように処置する方針で進んでおります。従いまして関係各省がこれに当りますが、併しながら飽くまで一体的な運営をいたして行くというのが放射能問題に関しまする調査研究の根本方針でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間もだんだんなくなるようでありますから、最後に一点お伺いしますが、これは或いは委員長から詳細にお聞きになるかとも思いますが、静岡県あたりでは何か県庁あたりとしては当初アメリカ側に通告したところの二十五億という損害は当然これはアメリカ側から払われるのだ、賠償を受けるのだ、取りあえずのところ福竜丸関係の分だけはすぐにも出せるのだ、而も今度五十万円というものを決定したのは静岡県庁が働いたからそういうふうになつたのだということを県当局が漁民に対して発表しておる。こういう点については、指導的立場にあるところのあなたがたとして、何か静岡県庁にそういう面について指示したことがあるのでありますか、どうですか、その点。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 私どもはこの今回の内払に関しまして何ら静岡県等に対しまして指示、或いは意思表示等をしたことはございません。恐らく農林省等も同様だろうと存じます。今回の内払につきましては専ら、主として恐らく当委員会におきましていろいろ安藤国務大臣にお話があつた結果、閣議でさような決定が見られたものと考えております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 私から二、三お尋ねいたします。最初にビキニの東北海域に汚染が甚だしいというようなお話でございますが、これはもう少し具体的にはどういうことでございますか。その他の地域に比べてここは特に甚だしいというのですか、最近ここが甚だしくなつたと、こういうことなんですか、どうですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 私どもが承知いたしまする範囲におきましては、この地帯が七月以降頃特に汚染が激しくなつたというふうに聞いております。又アメリカ側の注意もその通りでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それから近海ものに最近汚染が相当見られるということでございますが、それは深部に汚染が見られるというのは、具体的には灰を被つた、それが時間がたつて内部に入つたという意味ですか、或いは汚染された魚を食つた結果、深部に汚染が認められるようになつた、こういう意味ですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これら汚染の径路につきましては、かねて俊鶻丸等の調査において明らかになつておるのでありますが、これは主として小魚或いはプランクトン等が海水によつて著しく汚染され、放射放射能を保有しておる、これらの魚を餌とするまぐろ類がその餌であるプランクトン或いは小魚を通して体内が汚染されたものというふうに考えられております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それからもう一つは、現在放射能の汚染度を検査しておりますが、その検査しておるものは、こういうふうにだんだん近海から取れるものにもそういうものが見られるということになれば、今まで検査をやつていた対象を広める必要はないのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) この点は現在まで近海に漁獲されます魚類につきましてもすべてまぐろ類でございます。従つてまぐろの陸揚げはいろいろな関係ですでにきまつております。新らしい港に突然まぐろを揚げましてもこれは取引ができませんので、勢い慣例上まぐろの取引港というものは決定をいたしております。そこでまぐろが汚染される限りにおきましては従来通りの港において検査することで十分目的が達せられると考えております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 最近近海で取れるものも相当汚染されている、こういうことでありますれば他の魚にもそういう汚染が今後見られるというような心配はないのでありましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 御指摘の点に関しましては、これらが南方海域において汚染され、それが日本沿岸に回遊して参る結果の現象でありまして、従いまして内地沿岸で発生し内地沿岸で大きくなるような魚につきましては、これらの心配がないわけでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それからもう一つは、この俊鶻丸の報告の結論的のものは北赤道流その中に取れるめばちがこれは六カ月間危険である、こういうような報告でありましたのですが、最近この汚染の状態から見れば、少くともあの俊鶻丸が帰りましたあとの発表、あれは相当訂正を要するというふうに考えてもよろしうございますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) まだ俊鶻丸の成績につきましても総合的な結果は発表されておりません。最後的な結果は報告されておりません。従いまして先日の速報的なものだけを以て俊鶻丸の成績の全部とは言えないわけでございまして、これらの点に関しましては実は本日も俊鶻丸の船長並びに厚生省関係の係官も静岡県に参つておりまして、これらの近海魚類の遊泳の径路、或いは汚染の径路というようなものを、更に俊鶻丸の調査とも併せて研科をいたしておる次第でございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それから最後にもう一つ、最近汚染したものが相当出て来る、私たちもこういうことを或る程度予想しておつたのです。ところがあなたのお聞きの当委員会における安藤国務大臣、或いは外務大臣の答弁の通り、アメリカはもう一括して八十万ドル乃至百万ドルという数字を日本によこす、その内訳は何にもなく、掴み金でよこすということになつておると、内訳は向うは明示しない、こういうことに答弁があつたわけです。そこで、そうしますと、仮にまだ最終的の決定をしなかつたからいいけれども、これが仮に今月の末にあつたとして、その百万ドルの配分をやつたそのあと九月、十月、十一月と引続いてこういう汚染した魚類を廃棄しなければならんというようなことになつた場合はどういうふうにおやりになるお考えなんですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これらは極めて重要な問題でありまして、私必ずしも責任を以てお答え申上げられる筋合のものでないと存じますが、私どもといたしましては先ほどもお答えを申上げましたように、廃棄魚類の損害というようなものは極めて端的な直接損害でありますので、如何なる場合におきましてもこれらは賠償の対象となるということを強く要求するまあ覚悟でおる次第でございます。併しこの取扱等につきましては私ども今ここで責任を以てお答えをすることはちよつと不可能かと存じます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) あなたも外務大臣の御答弁を聞かれたと思いますが、外務大臣ははつきりとこの点は計算の一応考え方としてはそういう直接損害に出すということで計算をアメリカもするけれども、日本に最終的に八十万ドル乃至百万ドル出すときはそういう内訳を言わないで一括して出すと、この点非常に私は問題があるということを前にも言つてあるのですけれども、具体的にもう現にこういう最近の一つの例としては汚染された魚がどんどん取れる、こういうような情勢になつておるわけなんです。あなたたちは外務省にその点をお話になつておられたのですか、どうですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 只今御指摘の点は廃棄魚類に限らず、患者の今後の予後の問題も全く同様でございます。これらの点に関しましては勿論私どもといたしましてはかねて外務省にもその点を伝えてございます。併しこれらの問題を将来を如何に見通して国内で配分を決定するかということは、今ここで私からお答えすることはちよつと適当でもないし、又できないことだと、こう存じております。併し厚生省といたしましてはこれらの患者の問題と、廃棄魚類の問題はこれは継続する問題でありますので、その点を如何にその先を見通すかという問題につきましては十分に主張をいたす立場にあるわけでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 併し今の外務大臣の言明は、向うからはもうそれで打切りだ、これで全部賄つてくれということで来ることに今までのところではなつておると、こういうことなんです。そうしますと、あとは国内問題としてその配分の際にあなたたちが将来の見通しをどういうふうに見通すかといつて配分の際に国内問題として考えると、こういうわけでございますね。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) まだ賠償が決定いたしませんもで事務的には何とも申上げられませんが、私どもがいろいろ承知をいたしております範囲におきましては、只今委員長が御指摘のように一定額を日本政府の意思に従つて配分するんだというように承知をいたしております。そうなりますと、これは勿論むずかしい問題ではありますが、厚生省の立場といたしましては患者の問題、或いは廃棄魚類の問題等につきましては将来を見通して主張するのは当然かと考えております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十六分散会

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