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19回国会参議院1954/07/08

水産委員会 閉会後第2号

発言数
173
登壇者
9
会派数
4
開催日
1954/07/08

会議録

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) これより委員会を開会いたします。  昨日に引続き、俊鶻丸のビキニ海域調査に関する件を議題に供します。  只今御出席の政府のかたは水産庁の岡井次長、増田海洋第二課長、厚生省の楠本環境衛生部長であります。安藤国務大臣は二時頃より出席される予定であります。御質疑のあるかたは順次御発言を願います。

青山正一自由党

○青山正一君 ちよつと補償の問題について政府にお聞きしても差支えないですか。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) どうぞ。

青山正一自由党

○青山正一君 ちよつとお聞きしたいと思いますが、私の地元のことを申上げて誠におこがましい次第でありますか、石川県の内灘村が先般来特調と折衝の結果、大体年間一億五千万円の漁かあるということで、それについて大体三割二分の利益があるものだというような仮定の下に、一億五千万円に対する三割二分として四千九百万円の補償を年々歳々やつておるわけでありますが、昨日来問題になつておりますところの、このビキニの補償の問題につきまして、安藤国務大臣なり、或いは水産庁長官のお話によりますると、外務当局が非常に腰が弱い、この腰の弱い外務当局を通じていろいろな補償の問題を米国側にぶつかけているわけでありますが、これは恐らく、この直接の被害にしましても、間接の補償の問題にしましても、十分な補償を得られないだろうと私は仮定するわけであります。そういつた関係からして、この米国軍の演習地である内灘が、一カ年四千九百万円の補償を年々歳々受けておる、こういつたものに比較いたしますると、このビキニの補償というものは非常に少いんじやないか、而も外交は弱いんだ、或いは今日の新聞に発表のように、このビキニのいろいろな問題は今後も認めるというような意向を安藤国務大臣は発表しておられるわけであります。そうなると、こういつた問題は、これは恒久的な問題でありまして、ただ一時的の問題ではなかろうと思うのです。そうするとなると、恐らくこういつた補償は、アメリカの補償が十分でない場合におきましてはこれは国家が補償しなければならない、国家が考えて行かなければならない。そういつた観点に一つ政府当局では進んで行つたほうがいいんじやなかろうか、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、水産庁の御意向はどうでありますか、その点について承わりたいと思います。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 只今の青山先生の御質問に対してお答え申上げます。昨日もこの問題につきましては、安藤国務相のほうから概略お答え申上げた通りでございまして、先ず政府としては直接損害と、それから間接損害りうちで、直接に殆んど近似しておるとでも申しまするか、安藤国務相は準直接損害という言葉を使われたように記憶いたしておりまするが、そういうものについては強く外務省を通じて今折衝の過程にあるわけでございます。主として青山先生のお話を忖度いたしますれば、今後継続するであろう間接損害の分量についての問題であろうと考えます。間接損害につきましては、これは外務省としても或る程度強くか、或いは又外交折衝でございまするから、その点は言葉のあやを使つて適当な交渉をするものと我々は思つておりまするが、顧みますると間接損害のうちでも、魚価の値下りという面まで妨げますると、その関係するところ全国に及び、非常に広大であるということに相成ります。従いまして今回の調査などにおきましても、そういうことがずつと継続的にどこまで漁業に影響を及ぼすであろうかというようなことも早く目安を立てて、将来の漁業経営上どういうふうに考えるべきかという一つの、重大な資料にしたいという気持も手伝つて船を出したわけで、ございまして、今のところにつきましては差当り現在国の命令によつて廃棄しているというものについては飽くまでもアメリカが、よしんばそういうものに対して取上げようが取上げまいが、少くとも国の責任において廃棄処分をしたようなものについては、何とか処置をするということは今まででも、国会でも関係政府委員から御答弁申上げたと考えておりまするが、我々もその通り考えております。間接的な損害につきましては青山先生の御希望のような、御質問の点は、十分我々も頂戴いたしまして、なお関係の向きとも今後何かと協議事項の中に入れておきたいと思つております。

青山正一自由党

○青山正一君 今主として次長から間接の損害或いは間接の問題について補償しなければならん面についてのお話が多分に多かつたように思われますが、私どもはそればかりじやなしに、直接の損害であつても内灘のように非常な待遇を受けておるところもある。それであるのにかかわらずこのビキニの問題に関する限り補償なども非常に少いのじやないか、或いは場合によれば時期的にも非常に遅れておりはせんか、そういうふうな問題についての質問なんですが……。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 直接損害につては計数は申上げることを差控えたいと思いますが、項目については昨日私どもの長官からはつきりとお答え申上げて参つた通りでございます。で、その直接損害に該当する分につきましては詳細念入りに十分決して損の行かんように正しい計数を出しておるということをお答えできると思うのでございます。

青山正一自由党

○青山正一君 水産庁のこの向うへ請求しておる額通りに向うさんがよこしておられますかどうですか、その点について承わりたいと思います。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) お答えします。その点はまだアメリカのほうからそれだけをはつきり出しているかどうかということは私どものほうでまだはつきりお答えできないのでございますが、大体その点は非常に強く外務省を通じて押しております。だから多分我々が主張しているもの通りできるものだと希望的な想像をしておるわけでございます。

青山正一自由党

○青山正一君 非常に細かい点でありすが、例えば俊鶻丸が向うへ調査に行つたそういつた費用などはこれは日本政府が出すんですか、それともアメリカさんが出すんですかどうですか。或いはその廃棄をするために行く船の廻航費用とか或いは油の費用とか、或いは間接的でありますけれども、三崎ならば三崎の魚市場に揚がつた場合において商人は否でも応でも受取らなければならない。そのために受ける損害、費用、そういう補償はアメリカはやつておりますか、どうですか。或いは日本政府としてそういう項目を入れておりますか、どうですか。そういう点について承わりたい。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今の御質問につきまして、最初御質問のありました俊鶻丸の経費でありますが、水産庁としては要求してございます。それから廃棄に要した経費並びに魚商人の損失、これも計算の中に入れてございます。

青山正一自由党

○青山正一君 そういつた要求に対して部分的にでも今まで向うさんがお払いになつた事実がありますか、どうですか、その点についてお聞きしたい。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) まだ正式に回答は私どもは受けておりませんので、内容は承知しておりません。

青山正一自由党

○青山正一君 その場合におきまして向うから来ない場合におきましては、丁度内灘の漁業権の補償のようなふうなことで国家で補償するお考えがあるかどうか、その点について承わりたい。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) この点は昨日安藤国務相に対して希山さんから御質問があつて大臣からお答えした通りでございまして、先ず政府としてはアメリカからの補償を取るということに全力を注いで交渉を続けておりますので、その結果如何によつて、国内操作としてどうするかこうするかという点まで今の段階では割切つておりません。

青山正一自由党

○青山正一君 三崎とか、或いは焼津の産地仲買人が相当の損害を受けておる、そういつたものに対して政府は現在のところ金融の途を開いておりますか、どうですか。その点についてお聞きしたいと思います。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 生産地の仲買人につきましては先般一億二千万円を神奈川県と静岡県に対しまして、取りあえずの措置として配分してございますが、その配分金額の中には当然生産地の仲買人も包含してございます。

青山正一自由党

○青山正一君 この際厚生省のおかたもお見えになつておりますが、いろいろお聞きしたいと思いますが、厚生省としては今後三崎とか焼津とか、その他の南方まぐろの基地にはああいつた検査をずつと永久的に続けて行くつもりですか、どうですか。その点についてお聞きしたい。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) お答え申上げます。今回の俊鶻丸の調査の結果等も関連して参りますが、今後の見通しに基きまして、安全を期し得られる段階に至りますれば、我々としてはいつ何時でもかような措置は解除いたしたいと存じております。併しこれは飽くまでも今後の見通しによつてきまる問題だと思います。

青山正一自由党

○青山正一君 昨日の安藤国務大臣の発表のようなことで、ビキニの実験もこれは止むを得ないだろう、賛成であるというような建前で行くとすれば、これは恐らく永久的に進んで行くものだと考えておりますが、その点について御意見を承わりたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) アメリカ側は、私どもの承知いたします範囲では、少くも本年は実験はしないそうでございます。従いまして今後一、二カ月或いはもつと近い将来に或る見通しが立ちますればこれはその見通しに従つて解除するにやぶさかではございません。但し再びかような実験を始めたような場合には又調査いたしまして、その結果に基いて処置をいたす考えであります。

青山正一自由党

○青山正一君 このビキニの実験があつた当時に、厚生省にはそのカウントを検査する機械と申しますか、測定機と申しますか、そういつたものが全然完備しておらずに、或いはその費用がないせいか、市場などに費用を出させて御厄介になつておつたような事実が相当あつたようでありますが、現在そういつた心配はないのですかどうですか、その点。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 只今御指摘の通り、発端の場合にはおつしやるような点も、ございまして一、二御指摘のような事態がございました。併しその後早急に機械その他を整備いたしまして、現在はすべて府県に任してございますが、府県の器具、機械、人員を使つて検査に当つておりますようなわけであります。

青山正一自由党

○青山正一君 その測定機は完備しておるものですか、どうですか。その当時は百カウントと現われておるものもほかの機械によりますると三百カウントになつておるような事態もあつたように聞いておりますが、現在はどの測定機にしましても全部一様に百カウントとして現われおりますかどうですか、その点について承わりたいろ思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 当初におきましても著しい差異はござませんでした。併し若干御指摘のような点は率直に認めざるを得ません。最近は機械を一々検定をいたしまして使つております関係等もございまして、かような心配はないものと存じております。なお目下私どものほうにおきましては将来のこともありますので、検査機器の標準化等につきまして研究を進めておる次第でございます。

青山正一自由党

○青山正一君 これは数回に亙つてこの厚生省の政府委員なり、或いは農林省の政府委員にお聞きしたわけでありますが、私は昨日も間違つて参考人のかたにお聞きしたわけでありますが、若し仮にこういうふうなビキニの実験というふうなことが将来ずつと続く、或いは海流の関係上これは一年も二年も市場において検査をしなければならんというようなときにおきまして、例えば三崎の魚市場とか、或いは焼津の魚市場とか、そういう水揚場で検査いたしますと、ほかのどの魚も全部何か一応被害を受けた、いわゆる悪い魚であるというふうにみなされやすいからして、例えば三崎ならば三崎の陸揚地にそういつた検査をせずに、城ケ島においてやるとか、或いはこの焼津に入るまでにどこか知多半島の一部を選んで、そういつた南方に出漁しておつた船を調べるとか、そういつたものの検査をそういつた形式でやるお考えがあるかどうか。それから又そういつた予算を今度計上しておられますかどうか。先般の委員会におきましてはそういうことを是非考えたいというような政府委員のお答えでありましたのですが、そういつた予算をちやんと計上してあるかどうか、その点について承わりたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) かような点は、私もかねてお答え申上げましたように最も合理的な処置だと存じております。併しながら実際にかようなことを具体的に計画をいたして見ますとなかなか検査技術上困難な点もございます。例えますれば極めて広い場所を要するとか、或いは時間はやはり同一にかかるといつたようなことがございまして、なかなか実際問題となると実施しにくい憾みがございます。そこで一応研究すべきことではありますが、私どもとしては目下具体的な計画は持つておりません。併しながら考えを変えまして御指摘の事情を十分に斟酌いたしまして考えておりますことは、各漁船にそれぞれ今後もあることでございますので、検査機器を載せまして、そしてまぐろを取つた都度そこで検査をするというようなやり方が最も合理的であろうという結論でございます。併しながらこれにつきましては検査技術上の点よりもむしろ検査機器の点で、ございまして、これらの点も目下最も確実而も堅牢で比較的操作の容易であるというような、いろいろな条件を目標にいたしまして目下研究を進めております。恐らくこれは或る程度研究が具体化できるものじやなかろうかと見通しております。そういたしますればもうすべて船にお任せをいたしまして、港に入つて来るまでには素通りということができるわけでございまして、これがむしろ実際のやり方としては合理的ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。

青山正一自由党

○青山正一君 三崎とか焼津に行つておられる厚生省の検査官と申しますか、非常な御努力をなさつておられる、而も非常に待遇が悪いように聞いておるわけでありますが、そういつた問題について相当の予算をとつておりますかどうか、その点について伺いたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) この点は相当な予算は、必ずしも私ども相当な予算とは思つておりませんが、併し現在はすべて都道府県の仕事にしてございます。従つて委託費の形で経費を支出いたしておりますが、これらの経費の額につきましては必ずしも十分な額とは申されないと存じます。

青山正一自由党

○青山正一君 水産庁当局に先ほどから申上げた、いわゆるアメリカ側の補償というものは十分でない、而も時期が非常に遅い、そういつた点を特に御注意申上げまして、アメリカ側の補償が非常に少い場合におきましては、飽くまで国家補償の建前で一つ十分に進んで行つて頂きたい。時期も非常に早急にこれを解決するような建前で進んで行つて頂きたい。その点と、それから只今申上げました厚生省では十分にそういつた問題については恒久的な建前で一つ支出なり何なりを考えて頂きたい。この点を強く要望いたしまして私の一応質問を終ります。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 私ちよつと関連いたしましてお尋ねいたしますが、先ほど水産庁ではこの俊鶻丸の派遣に要した経費は外務省に要求したということでありますけれども、外務省からアメリカには要求してありますか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 外務省からアメリカに要求したかどうかは内容を私存じません。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) そういたしますと、ほかの点もあれですか、アメリカに農林省から補償の額を外務省に通じて、外務省からアメリカに要求したのはどれだけかわからないという点が多いのじやないですか、よくわかつておるんですか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 外務省からアメリカに要求した額そのものの内容につきまして私ども詳細には存じておりません。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それはあなた、課長が知らないというのでなくて、農林省としてもあれですか、わからないんですか。ただ外務省には言つたけれどもその先はどうなつておるかわからんというようなそんな程度なんですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 丁度折悪しく長官が今日から急用がございまして出張しておりますが、連絡会に大体長官が水産庁と言いますか、農林省を代表して絶えず出席いたしております。それでまあ外交の線に乗せている限りはできる限り秘密を保持しつつ仕事を運びたいという意味で私たちも詳細のところは承知しておりません。大体昨日長官からお答えしました項目に従つて外務省のほうではやつてもらつておると思いますが、どこをどういうふうに強く行き、どういうふうなあやを以て進めておるかという点は、又適当な機会に私は長官のほうにお答えする機会を与えてさえ頂ければ私のほうから長官にその旨委員会の御注意、意向をお伝えしておきたいと思いますので、今日のところは答弁を保留さして頂きたいと思います。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) お尋ねいたしますが、只今のお答えはわからないから答えられないというのですか、わかつているけれども答えられないというのですか、どちらなんですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) お答えいたします。出席いたしております次長である私並びに海洋第二課長ではわかつておりません。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) そういたしますと、先ほどあなたがこの直接損害の賠償額についてアメリカに要求しておるが、その額は発表を差控えたいとおつしやつたのは、おわかりにならないでおつしやつたわけなんですね。差控えるというのはわかつておるのを言わないのが差控えるというのです。あなたはわかつておるのですか、わからんのですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) それは昨日長官がお答え申上げました各項目についての額はわかつております。併しそれは今のところは連絡会議のほうでも当分の間伏せておきたいという申合せがあつたという点を承知いたしております。従つてその分割した各項目ごとの額のうち外務省としては順位を恐らくつけて、一括して強く外交折衝の線へ乗せて行くか、或いは順を追うて乗せて行くかというような点を私どもは承知いたしておりませんので、その点までをお答えしなければはつきりしないわけでございます。さような意味で私のほうは差控えさして頂きたいと申上げたわけです。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) もう一回重ねてお尋ねいたしますが、その項目ごとの経費がわかるというのはそれは水産庁から連絡会議に出し、或いは外務省に出した額がわかるというのか、或いはそこで取りまとめて外務省からアメリカに要求した額が項目ごとにわかるというのか、どちらなんですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) これは只今委員長のおつしやつた後者になります。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) ただそれは外務省に言つただけなんですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 連絡会議におきまして、私出席いたしておりますが、只今委員長の御指摘のような項目につきましては事件処理費のうちに入つておると記憶いたしております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) いや私の質問はそうでないのです。項目ごとに昨日安藤国務大臣が言われたように、項目ごとに直接の損害、間接の損害、その間の中間的損害、こういうものを要求しておる、その項目ごとに連絡会議に要求した額がわかるというのか、或いはアメリカに要求しておる額がわかるというのか、どつちですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これは昨日水産庁長官がお答え申上げました各項目については、これは外務省がアメリカと折衝をしておる項目について申上げたものでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それからもう一つ関連してお尋ねをいたしますが、先ほど楠本部長は、アメリカは本年は原子爆弾、水素爆弾の実験をやらないということを言つておるというのは、どういう基礎に基いてそういうことをあなたはおつしやつたのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 私もこれは文書で承知をいたしたものでございませんので、どういう経路か、ちよつと失念をいたして只今思い出せませんが、五月幾日かにやめたときに、少くも今後はやらない、少くとも年内はやらないということを承知をいたしておるわけでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それは承知は何によつてされているか。これは今あなたが答弁されたように、青山委員の質問はこういうことを、ときどき事件があれば船も出さなければならない、その出すためにあらかじめ今から準備しなければならない、こういうことでお尋ねになつたら、あなたは、年内はアメリカはやらないということを言つている、こういうふうにはつきりおつしやつております。これは重大な、今日そのために委員会を開いているようなものです。それをあなたは決定的にアメリカはもうやらないことになつている、こうおつしやつたのだから、どういう基礎に基いてそういうことをおつしやつているか。これは重大な問題です。実は本日の朝のラジオも、アメリカの原子力委員長は太平洋のビキニ環礁地帯は水爆の実験には極めて好都合な所であるから、今後ときどき、ときどきと言つたかどうか知らんが、やると、こう言つているのです。こういう重大なときに、あなたは本年はやらない、どういう基礎でそういうことをおつしやるのか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 確かにさように承知しておりますが、文書で見たことでございませんので、次の機会に私、改めましてお答えをいたしたいと存じます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) ちよつと御注意申上げますけれども、これは非常に重要な問題であつて、あなたのような責任の地位にある人が原子爆弾の試験、或いは水素爆弾の実験がないというような、今年中しないというようなことを断言されておる。そうしますと、これは、それを開いたものは、ないだろうと思つて出漁する。ところがアメリカは何らの通告なく試験をやるのですから、これは生命にも関係しますし、日本の漁業に重大な影響を与えるのです。もう少し慎重にやつもらわないと困ると思うのです。何か非常に簡単に考えられて、補償の問題も外務省に任しておけばいい、外交のことは秘密だから、というようなことを言われるけれども、こういう問題こそ国民的輿論の支持があつて初めて外交折衝も成功するのだろうと思う。その担当者がちつとも数字もわからないというようなことでは非常に困ると思うのです。今後委員会における発言は勿論でありますけれども、この問題の処理に当つてはもう少し慎重に、重大性を認識されて処理されることを希望いたします。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 昨日水産庁長官にお伺いして、被害について項目につき御説明を頂いたのですが、この被害は、昨日も私、お尋ねしたのに対して安藤国務大臣から、種類を分けて直接と間接、それに中間的な損害という三つの項目に分けての御説明があつたわけです。抽象的には直接、間接、中間的損害という種類は伺いましたが、具体的にどういう項目が直接的被害になり、どういう項目を中間的損害と見、どういうものを間接的被害と見ておられるのか、この三つの区分ごとに項目をお知らせ願いたい。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 後ほど安藤国務相がお見えになりましたら、安藤国務相のほうとお打合せしてお答え申上げたいと思いますが……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 岡井さんに伺いますが、何だか馬鹿にこう答弁から何から、さつきから伺つていると、えらい注意深いというよりもチミツドにお答えになつているんですが、これは私昨日も申上げた通り、我々詰問したり何かするという意味でなしに、お互いにこういう重大な問題はよく了解し合つて、政府は政府の立場、国会は国会の立場で、できるだけこの問題が解決できるように推進して行こうと、こういう善意を持つてお尋ねしておることであり、今お尋ねしたことも、これは連絡会議あたりでも恐らく純事務的な問題だろうと思うのです。どういうものを直接と見、どういうものを間接と見、或いはどういうものを中間的に見ると、従つて、そう余り警戒せずに御答弁を頂きたいと思うのですが、そうしないと、この会議が非常にかみしもをつけたような会議になり、或いは又、攻撃、防禦というようなそういうような形で以て、これの問題の解明には我々は当りたくないと思いますから、率直な気持でどうぞ御弁答を頂きたい。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 先生、恐れ入りますが大臣お見えになりましたから、どうぞ。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 事務的な問題だけれども、安藤さんお見えになりましたから、今お見えになる前にお尋ねしたのは、昨日水産庁長官からいろいろな項目、実は私そのとき控えておけばよかつたのでありますが、控えておらなかつたために改めてお伺いしておきたいことは、項目をいろいろ挙げてお述べになつた。例えば、その福龍丸なら福龍丸の買収に要する費用はどうだとか、或いは魚価が下つたとか、こういうようないろいろの項目を五つ六つお挙げになつたと思うのです。そこで、お挙げになつた項目を別に直接損害、間接損害、中間的損害というように区分して行けば、どの項目がどのほうに入るかと、こういうことをお伺いをしたのであります。それに対して、これは安藤さんと打合せた上でお答えをするという答弁だつたもんだから、今申上げましたように、これは事務的な問題で大した問題でないのに、そういう態度でやることはどうかということを申上げたのです。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) ちよつと私からお答えしますが、それは別に裏も表も何もないのですよ。簡単な問題ですが、水産庁のほうでは、まあ慎重をとつて言つたわけでしよう。ただ要するに直接損害、間接損害とまあ分ければ分けられるわけですね。そこで中間的損害と言つたのは、昨日私が思い付きで言つた言葉なのです。そういうものはあるだろうと考えているわけなんですね。私が中間的損害と言つたのは、直接損害のほうへ入れてもいいんじやないか。それから希望とすれば無論入れてもらいたいというような希望も入つて、そういうことを言つたのですが、直接損害というのは、まあ一口に言えば福龍丸、あの被害を受けたあれも、まるで使えなくなつたから福龍丸の処分の費用ですね。それから船体ばかりではなくまあ船具ですね、いろいろな船の、それから船員の私物ですね、持物というようなものが、福龍丸が駄目になつて、みんな放射能をかぶつてひどくなつたのだから、これは無論直接損害です。それからそのときに漁獲したまぐろ等のものは、全部廃棄したのですから、これはもう当然直接損害というわけであります。それからまだ福龍丸で患者、二十三人の患者が出ましたが、この患者に対する治療費です。それからまあ約一年と見積つた療養中の生活保護費、更に慰藉料ですね、こういうものは直接損害であります。これはそれと同時に、福龍丸以外の船の損害、この損害というのは福龍丸と殆んど前後して帰つて来た船、これはやはり放射能を受けて、船そのものは大したことはなくとも、漁獲した魚を積んでいたものを廃棄しましたからね、それが約四万貫ぐらいのまぐろなんです。それを廃棄しましたから、それはもう直接損害庁と思います。それからその後に、危険区域という区域はさまつているんだが、その禁止区域ですね、禁止区域のすぐそばを通つちや劔呑だというような懸念もあつてですね、まあ危険だと思われる区域は避けて、つまり南のほうへ廻つて、船が遠廻りをして漁業をした、そういうことも直接損害であろう、こういう我々の立場なんです。これらはすべて直接損害であります。  それから間接損害と言いますのは、あの福龍丸をはじめとして、ビキニの実験以後まぐろが大変に下落をしてしまつたのですね。例えばビキニのあの実験以前は四百五十円ぐらいしたものが、だんだん下りまして、五月、六月になると百五、六十円ぐらいに下つているのです。で、これはそのために非常に損害を受けた。いわゆるまぐろの値下りなんですね、その値下りによつて生産業者も損害を受け、それから仲買といつたようなもの、そういうものも、小売も損害を受けていますから、それらの魚の値下り及びそのために、あとの漁獲のために出る船が遅れたとか、そういう手当をするために金がかかつたり遅れたりしたと、こういうものを間接損害と一応してるんであります。それで私は更にそれを福龍丸のあのことから約四、五日の間に受けた損害、これは福龍丸は放射能をあんなに受けているとか何とかいうようなことを知らないで仕入れをしたり、いろいろなことをしたのがありますから、直後数日間の損害、こういうようなものはその間接損害に入れてしまうのは余りひどくはないかと直接損害に入れてもいいのだろうと、こう思つているのであります。大体分け方は直接損害、間接損害と分けて、そういうふうに分けてありまして、これを非常に精細に水産庁のほうでみずから調べたり、当業者それぞれから聞いて、すつかりそういうことを調べて積算しましてできておるのであります。まあ大体そういうわけです。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 簡単に安藤国務大臣に伺いたいのです。最初に爆発したのは三月一日ということになつています。ところがそれから後に続いて実験をされたという噂がありますが、どれくらいやつたのか、そういう点はお調べになつておりましようか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 五回やつたのでしようね。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 それは一番近いところは三月一日から、それから何月までやつたのですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 五月一ぱいでしよう。五月末日までと思います。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 その試験をした爆弾は水素爆弾のみに限つておりますか、ほかの爆弾もやつておりましようか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは無論わかりません、よくは。併しながら水素爆弾の実験でありましよう。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 この放射能の強い爆弾はいろいろあるのですね。だからそのうちのいろんな種類のものについてやつたと考えていいわけですか。例えばコバルト爆弾のようなものか、そうですね。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) そういうことは専門家でないからよくわかりませんがね。その水素爆弾について今あなたのおつしやるような強い種類のものとか、多少そこに違いがありましよう。そういうものはきつと含んでやつたんだろうと思います。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 その数回に亙つた実験は全部陸上、即ちビキニの環礁の上でやつたのでしようか。或いは海中でやる場合もあるのですが、海中でやつたということは調べておりませんか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) ビキニ環礁の区域でやつたんであります。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 区域ですが、海に爆発する場合もありますよ、そうすると海のほうの被害が起るわけです。それから環礁でやりますと珊瑚礁が砕けるから環礁の被害が多くなる。それをいろいろ実験しておられると思うのですが、そういうものについてお調べがないですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) そこの細かい点まではよく調べておりません。併しながら大体において環礁でやつてそうして放射能なんかの被害は海中に及んでいると、空気に及んでいると、こういうのが大体の観測です。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 原子爆弾というのは陸上でやる場合と、或いは水中でやる場合とあるというのです。その実験をやりますというと、例えば水中でやつたと言えば海水に多く放射能がある、それからそれが蒸気になつてそうしてそれが霧にたくさんな放射能及び海の中にある塩類が四散していて、その中に放射能がたくさん起るわけです、それが空気中に四散することがある。主に広範囲に四散する。海の場合には水中に落しますからやはり魚類とかその他の被害が多いと思う。そこで私が伺いたいのはどういう種類のものをどういう所で実験したかということがわからないと、将来の影響が私は考えられぬと思うのです。こう思うから伺うのです。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 専門的な話になると私どもにはよくわからないのですよ。それで、それは本当の専門家がやらなければわからんが、私どもが今考えているところはわざわざ海中で爆弾の実験をしたのではないと思つています。併しそれがために俊鶻丸も出していろいろ調べておりますから、若し海中でやつたのならばその海中にどういう被害があり、どういう影響力が今日まであるかということは専門家同士がみんなそれぞれ分担してやつておりますからわかつて来ているだろうと思う。それは昨日もここでお呼びになつて参考人としてお聞きになつたのだから直接聞いて下さればわかると思うのです。併しなおあの人たちが持つて来た材料に基いてこつちに、国内にいます専門学者とも研究してやりたい。それから又それでも尽きなければ今後第二回、第三回でも調査視察の船を出してやることも或いは必要になつて来るのじやないかと思います。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 これはあれ自体が技術の問題であつて、科学技術の問題ですから知らずにこれを過すことはいかんと思います。常にこれから起ることですから、先ずそれをもう少しお調べになることが必要だと私は思うので御注意申上げます。  それからあの被害は、まあ今問題になつておりますが、範囲が非常に多方面に亙るわけです。水中に及ぼす影響、空中に及ぼす影響、勿論直接受けることはこれはもう論外でありますが、こういう問題はこれは初めアメリカが予期した以外に拡つているだろうと思うのです。それでそういう被害を隣の国が受けるわけですから、丁度或る家で毒ガスの実験をやつたと、こう考えます、そうすると、その毒ガス隣の家にどんどん入つて来ておるのです。そういう形が今日日本が受けておるこの被害であると思うので、これに対してこれだけの被害があるから賠償してくれだけじや私はいかんと思う。そういう実験をされることは甚だ迷惑だ、居住権を侵すわけだから、それで私は対等の立場でアメリカへ抗議していいと思うのですが、そういう点はどうでしようか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) これは昨日もあなたおいでがなかつたが、この委員会で質問が出たのですよ。併しそれなかなかむずかしい問題ですよ、実際ね。あなたお考えになつても非常にむずかしい問題だと思うのですね。併しそれじや黙つて放つて置くという方針を政府はとつておるのかと、必ずしも決してそうじやないのですけれども、それじやすぐあなたのおつしやるように正面から抗議を申込んでいいか悪いか、これは慎重の考慮を要すると思います。大体あれは一九四七年ですかの国連とアメリカとの協定によつて、つまりアメリカの信託統治になつている所でしよう、そこでやつたのですからアメリカのほうでは、それはやつたつて差支えない、当然のことだと、こう考えますよ。併しながらそれはまあ三カイリ以内の話で、その外の公海に……、やつた所はその信託統治の範囲内でも、その影響は公海に及んでいますから、そこが問題なんです。併しすぐそれだけで抗議だとか、文句だとかも言えないということは、今まででも実験をすると、いろんな実験などを海軍やなんかでも実験をやつたでしよう。それが領海以外のところに影響が及んでいることも随分あつたのでありますからね。これはもう例がたくさんある。ただ私は問題となるのは今までの実験や演習やそんなものとは違つて、今度の水爆というのはああいう偉大な破壊力を持つているのだから、やつたとこは自分の領土内でもその影響力が公海にも及んで、その影響力が非常な破壊力を及ぼしているというのが今度初めて起つて初めてぶつかつた問題なんですから、これは日本も初めてぶつかつたんだがアメリカ、やつたほうも初めてぶつかつているのだからこの点については大いに考える余地は十分あると思つております。併しまだその結論は出ておりません。折角その点はお話のように十分日本の政府としても考えて行かなければならないと思つております。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 これは私は一つの運命と諦めるには余りに大きいと思うのです。大きな火山の爆発があつた、周囲に非常な灰を降らすというような運命的に考えるのはどうかと思うのです人工でやつたことなんです。そうして今後もやろうと思えばいつでもやれる。而もそれが非常に他の民族や他の国に迷惑を及ぼす、それを受けた国はこれを運命と考えるわけに行かんでしよう。だからどうしてもそれに対しては抗議でなくても強い注意を喚起するか、再びかようなことのないように要求することは差支えないことだと思う。その点どうでしようか。外交上の問題になりますけれども、あなたが直接の担当者でありますから特にお伺いしたい。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 外交のことだと、外務大臣がいるのだから私は又勝手なことをしやべつちやつても政府内で意見が分れたなんということになると困るから……。併しよく話はしているのです、実は内部でも外務大臣と……。そんなことを言つちやおかしいかも知れないが、あなた方の御意見と近い意見を強調しているのですよ。併しこつちは外交の専門家じやないのだし、責任者は外務大臣という者がいるのだから、この意見も尊重しなければならんという、その点は結論に達しておりません。ただ併しここでちよつと申上げておくことは私は国際公法の専門家ではありませんが、国際公法の観念、及び慣例等から言いますと、ああいつたことといつても、あんなことは今度初めてだけれども、今まであつたことに対しては直接損害は賠償をする、で間接損害といつたようなことは賠償は余りしない。一体賠償するということに対しても因果関係ということも非常にあると思うのですね、因果関係が……。そこでアメリカのほうでもそういうことは研究していると思つております。ですから法的に言うとどういうふうになりますか。法的にいうとそういういろいろな直接損害だとか、間接損害だとか、どうとかこうとかいうような今の国際公法の範囲内で論じるということになつちまうのだが、それとは切離して今までにないことなんです。今後と違ういうこと幾度も幾度もやつてますます破壊力が大きくなつて来ますれば、これは一人日本人だけの問題じやなくて世界人類に関する大きな問題ですからこれに対しては国際公法がどうあろうとも、別の角度から主張すべきことは主張するのが、むしろ世界のため、人類のためだくらいに思つているのですよ。併しただそういうことをいきなりぶつけてしまうわけには行かないでしよう。だから慎重に考慮を要する。今実は研究中なんです。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 これは曾つて国会で岡崎外務大臣が答えておるのです。あの実験は世界平和のために非常に貢献すると思うから日本でも相当の協力をしたい、こう返事をしたことがある。こういう被害を受けながらどうして協力できる、自分の領土内でその範囲でやることならそれはかまわない。併しその影響は非常に他の国に及ぼす。その被害を受けた国が協力するというのはどういうことか。これは岡崎外務大臣に聞かなかれば……。あなたに質問するわけじやありませんが、その岡崎外務大臣が考えた時と、今日の四カ月以上もたつてなお被害があるというこの現実と考え合せますというと、これは容易なことではないから、大いに日本としてはアメリカに対しても相当の注意をする、原爆の被害を受けたのは日本だけじやないですか、そうしてその被害が非常に広範囲に亙つて、この被害を受けているという状態も日本が初めて受けている。これをしばしばやればいわゆる人類の滅亡戦に突入するわけでしよう。それを我々実験されておるわけだ。そういうことはどこの国でも迷惑するのだから、我々がこの体験に基いて注意をするということはあつていいと思うのです。だから余り遠慮しないで、そういう点はむしろアメリカの注意を喚起することは私は国際平和の上から言つても必要だと思うので、特に発言をしているわけなんです。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは御注意として、何ですよ、よく真剣に承わつておきます。そしてね、こうですね。外交の問題ではあるが、今までないことなんだから、よく研究して主張すべきことは主張したほうがいい。それからそれをどうするかという問題は問題として、言うべきことは言つたほうが世界のためにいいんだと思いますよ。で、恐らく外務大臣等もあの当時と今日とは又その影響力が甚大になつて来ておるということもよく承知もしておられるし、協力と岡崎君が言つたことも、あの実験そのものをアメリカに加勢してどんどんやるといつたような(笑声)直接的協力ということを言つたのではないので、いきなり苦情を言わなくてもよかろうといつたような意味だと推察しますがね。いずれにいたしましても重大問題でありますからよく研究をいたしたいと思います。

苫米地義三改進党

○苫米地義三君 それだけ一つ御注意を申上げ、私の質問はこれで終ります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 さつきお話になつた中で三月一日の実験以後五月末日までに五回やつたというお話があつたのですが、これはあれですか、アメリカのほうから通知がその都度あつたのですか、それともこちらで何らかの方法で探知したのか、その点はどうなんですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 事前に通告はないのですね、事後に……。こちらからも調べてはおりますが、アメリカから同時に、或いは直後に通知はあつたわけです。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その通知は具体的にはどの地域でやつた、どういうものをやつた、こういうような内容も含めての通知なんでしようね。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは、外務省の人が来ていないかな……。外務省のほうで或いはわかつているかも知れませんが、そう一つ一つの細かいことは言つて来ないだろうと思うのですよ。  それからついでに言つておきますがね、その中間におきまして、あの被害があつたことにこちらは非常に警戒しまして、昨日も言いました通り、事前に実験を延ばしてもらえないだろうか、漁獲期になつて……。ところがそれはむずかしいらしい。というのは海流の関係とか、気流の関係とかであらかじめ言えんというような事情もあるらしいのです。それで事前に通告してもらいたいということも、日本政府から言い込んだこともあるのですが……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 これは水産庁のほうにお伺いしたほうがいいかも知れませんが、そういうふうに五回に亙つてアメリカから通知があつた場合には、今も安藤さんからお話があつたように、外務省に対して通知があつた、その外務省から水産庁は即刻通知を、連絡を受けられたと思うのですが、そういう連絡を受けた場合の対漁船措置と言いますか、これは何らかおやりになつたのですか。それともただ聞きつ放しなのですか。この点はどうなんでしようか。それとも外務省からも通知はなかつたのかどうか。その辺の事情をお伺いしたい。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 水産庁としては正式に外務省から通知を受けておらないと思います。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうしますと、今度の調査で、昨日もいろいろお伺いしたのですが、空中汚染というものは非常に少かつた、これは少いのが当然で、最初に大きな水爆があつたあと相当の日数がたつており、又気流の関係或いは雨の関係、風の関係その他で空中汚染というものは非常に薄らいでいることは想像がつくわけです。ところがその後も何回もあつた。而も水産庁としては、通知を受ける権限というと少し固ばりますけれども、そういうような機会もないということになると、事前に適当な措置を講ずれば被害が少かつたにかかわらず、そういう措置を講ぜずして、どんどん船を出すがままに出して行くということになれば、今も苫米地さんからお話がありましたように、これは非常に大きな問題なのですね。それはそういうことでいいのでしようか、どうなのでしよう。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは今日は水産庁の長官も旅行中で来られないのですよ。次長だし、それでまあ何でしよう、御忠告だけにしておいたら……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 私は昨日も安藤さんお聞きのように、詰問するつもりは毛頭ないのですよ。こういう問題だからできるだけ皆で力を合せて、今までの被害を最小限度に食いとめることと、今後生ずる被害は未然にできるだけ防止しよう、こういうのが政府の責任であり、又国会の責任でもあるのです。  それから水産庁の問題は、これはまあ長官のおらんときにこういうことを言つては甚だ失礼ですが、長官よりは……長官は事務官なんですからむしろ長いこと水産庁生え抜きのかたがたが今二人見えておる。この人たちが本当にしつかりしておりませんと……事務官というものは始終くるくるかわるものです。その組織なり、業務の上に事務官、長官というものは乗つかつておるものです。私も農林省に長くおりましたからそのことはよく承知をしております。そこでそういう人たちがしつかりしていなければ困るのじやないかということから、若しそういう通知を受けるという組織もないとすれば、これは今後そういう都度必ず外務省は農林省に対して通知、連絡をして、時を誤またず措置を講ずるというような処置をしてもらわなければいけないのじやないか。あとの祭では何にもならない。而も補償もいつどうなるかわからないというような状態なんですから、そういう意味で事実だけを伺つて、事実がそうならその事実に対してそれが適当なら、その事実のままでよいし、若し適当でなければ適当するように我々は又我々の立場で政府にもお願いをしなければならん、こういう意味なんですがね。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) これは私代つてちよつと答えますがね。水産庁でもやはりそういうことをいろいろ心配したり、外務省のほうへ交渉したりしておつたようです。それから私もよく注意はしてあるのですよ。併し外務省は又外務省として先ほど言いましたような、前からの警告的の交渉もしてもらつたわけです。ですが、アメリカのほうではやはり水爆実験に関する時期とか、方法とかいろいろなことで必ずしもこつちの言うことはその通りはできなかつた事情にあつたわけです。併しながらだんだん問題は重大であるということをますます痛感しますから、いま暫らくアメリカはもうあれでやらないのか、まだやるのか、そこもわかりませんが、若しやるとしても少し間があるらしいのでありますから、その間にはやはり日本の政府としてはアメリカに何らかの事前警告というか、警告というのが語弊があれは、事前交渉をする必要があろうと思います。その措置はとりたいと思つております。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 今の安藤さんの言葉尻をつかまえるようで非常に恐縮なんですが、やるとしても暫らくはやらないというお話ですね。この問題について、先ほどから、お見えになる前に問題になつておつたのです。それはお隣におられる楠本部長さんが、本年はアメリカはやらないだろう、こういうふうに了解しておると、こういう御答弁がありまして、それならそれで我々はその前提でいろいろ考えて行かなければならん。ところが今日の新聞かラジオか、アメリカの原子力委員長は、あそこは非常に恰好な場所だから……というような発言があつて、いつでもやるように聞えるような発言があつたように、ラジオですか、或いは新聞かに報道をされておる。こういうことが実は問題になりまして、この次の機会にはその点を明らかにしようという環境衛生部長の話があつたのです。併しそれは環境衛生部長のこの次の御説明を聞くまでもない。今もちよつとお触れになつたのでありますけれども、安藤さんから伺えばこれは一番はつきりするからこの機会に伺つておいたらどうかと思います。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは何ですか、今年はやるのかやらないのかという問題ですか。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 ええ。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは的確な根拠はないが、やらないと断言はできませんよ。ひとの国のことだから……。(笑声)併し、やらないだろうということは、まあいろいろな事柄を総合して見てみると、やらないのだろう、こういう推論なんです。併しこれを正式にするなら、もつとはつきりするならば、そこまで衝いてアメリカと直接に話をし合うことが必要になります。

青山正一自由党

○青山正一君 今の楠見さんの問題に関連して、ちよつとお聞きいたしたいと思いますが、こういうことは与党の一員として私から安藤国務大臣なり、或いは水産庁のおかたにお聞きするということは、私はどうかと思いますが、併しこれはまあ私は水産委員の一員としてそういうような建前から一つお聞きいたしたいと思いますが、先ほどの安藤さんのお話によりますと、まあこの第一回の水素爆弾の実験が三月一日に行われて、そのあとに日本国民にああいうふうな非常なやかましい問題が起り、そのあとに四回なり、五回の実験が行われた、そうするとただ道義的の問題として、若し外務省が本当に誠意を以てアメリカに当るというようなことになるとすれば、少くとも道義的な観念からいつ幾日に試験が行われるからして日本の漁船は立入つてはいけないとか何とかというような話合いもこれはして然るべきだ、こういうふうに私は考えるわけなんですが、その点外務省とアメリカ側との間に十分な折衝が行われていなかつたじやないかということを僕は追及したいと思いますし、それから先ほど水産庁の課長さんのお話によりますと、外務省のほうから何ら話がなかつた、なかつたということは外務省へそんな通達がなかつたからなかつたというのか、或いは外務省に通達があつたけれども水産庁のほうには全然その連絡がなかつた、こういうのとどつちか、その意味合いがはつきりわからんわけなんですね。そういう点が外務省と或いは農林省のほうとの間の連絡が非常に不都合じやないか。まあここに幸いにして東京魚市場の親分とも言われる安藤さんが、殊にこの水産に関係の深いものが影響を受けている、その影響を受けているのに非常に関連の深い安藤さんがこの主管大臣になられたということについていろいろこの賠償の問題とか、その他の問題について非常に骨折つおられる。いろいろ水産委員会にも何回とはなしにおいで願つて非常に御努力のほどはわかりますが、どうも外務省とそれから向うさんとの間の折衝が非常に悪かつた、或いは外務省と水産庁との間の連絡が非常にまずいのじやないか、そういう点が非常に考えられますが、これはまあ与党の一員としてこういうことを申上げるのはどうかと思いますが、水産を考えての上での一員として一つこの点について特に御説明願いたいと思います。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 青山さんに申上げますが、さつきの説明はですね、五回の実験の同時或いは直後にアメリカ政府から日本政府に報告があつた、こういう御答弁が安藤さんからあつたからですね、それを前提に私は質問しているのですよ。従つて今のお問いになつている外務省になかつたとかあるとかということでなしに、あるということを前提にして……。

青山正一自由党

○青山正一君 それは直後でしよう、或いは同時でしよう。私の考え方は少くともその船がそこで操業しておる、操業しておる区域から逃れるにはやつぱり一日なり二日なりの余裕がなければいけないので、そうしなければ水産の建前としては困るじやないか、その点を私は申上げているのです。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) わかりました。その点について私から私の知つていることを言いましよう。外務省とアメリカとの交渉の細かい点はこつちは外務省じやないから知りませんが、大体はやつているのですよ。そうして事、前に通告してくれということも、こちらから交渉をしたことも事実です、外務省から。ところがそれは向うが道義に反する観念とか、或いはそういつたような意味で特に通告しないという意味じやない、アメリカを弁護するわけじやないですよ、事実のことを言つているんだが、それはこういうことであつたそうですよ。前から言つておきたくても急にやらなければならない場合があるのだ、又急にやるのが実験的効果がある場合があるというのですよ。それは海流の関係とか空気の関係とかいろいろな関係があつて急にやらなければならん場合があるから事前通告をお約束しておいてもできないということもあるから、そう厳密には行かない、こういう意味だつたということであります。併しこちらは事前通告をしてもらえればそれに対する対応する途があるのだから、それを頻りに熱望は今でもしているわけです。

青山正一自由党

○青山正一君 先ほど楠見委員からお聞きした場合にその事後に通告があつた場合といえども水産庁に報告がなかつた、こういうふうなお話で課長の御返答があつたわけなんです。ですからそういうふうになりますと、これはもう以てのほかのことで、これはもう恐らく今後はかつお、まぐろの操業あたりは、これは非常にむずかしいことだろうと思うのです。そんな点が官庁の内部において、これはもう私与党としてこういうことを言うのはどうかと思いますけれども、これは道義的にでもこれは十分にもう少し誠意を以て当つて頂いたほうが僕はいいのではないか、その点を私は非常に心配しておる。それからアメリカも勿論それは海流の関係もありましよう、或いは風の関係もありましよう。あつても、例えば風が吹けば、これはこの限りじやないけれども、大体いつ幾日からいつ幾日までの間にあるのだぞということをやはり一週間前或いは一日、二日前でも結構です、これらに最善の努力をして無線でもして、そこにいる船は帰つてくれというような措置を講ずる、そこまで考えなければならないと思います。私をして言わしむれば、三月一日のあの被害を受けたその後の実験をやるという場合には、道義的に考えて見て、そういう被害を及ぼさないようにやはり考えて行く上からやはり手だてをして頂きたい、こういうふうに考えるわけなんですが……。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) よくわかりました。むしろ与党のあなたとして忠告して下さることは誠に結構なんです。好意を似てあなたの忠告を受けますよ。それはそういう点はあつたかも知れない。外務省でも水産庁でもやることは十分やつているのですよ。併しそこにもつと慎重にもつと敏活にやるほうがよいのかも知れない。それはあなたの御指摘の通り役所と役所との間にそういう連絡の密ならざる点もあるのだから、今後はやはりこういう重大問題では連絡を十分に密にやつてもらうようによく私からも活量しておきましよう。

青山正一自由党

○青山正一君 お願いします。

松岡平市自由党

○松岡平市君 極く簡単なことですけれども、素人として多少疑問のある点をお尋ねしたいと思います。それは昨日俊鶻丸の調査団の連中の話を聞くと、尤もこれは速記に載つておりません、昼食の時間に何人かの団員から私が直接に聞いたことですが、ウエ—キ島にいるアメリカ人、原住民でないアメリカ人が相当おるそうです。これらの者はこの間調査団が行つたときに、あの海で平気で水浴をしている。ウエ—キ島にはガィガ—計数管ですか、これが一つあるらしいということです。これを全然、使つたという話も聞かない。個人の生命ということについて非常に神経過敏のアメリカ人が調査団が調査したところによると、非常に海水が汚染されているというその地域で平気で水浴しいる。ガイガ—計数管があることはあるらしいが使つたことがないという話だ、こういう話を昨日しております。そうしますと、私はこの水爆実験の結果起つた放射能というものの人体に及ぼす被害ということについて現在日本人が大騒ぎをしているのと非常に隔りがある。非常にこれは不思議な現象だと私は思う。先ほどから大臣は直接被害と間接被害だと言つて、直接被害は補償すると、こういうようなことを言つておられた。間接被害も、中間被害のものは直接被害にして補償させるつもりだ、するだろう、こう言つておられるけれども、私はその直接被害というものは別として、被害というものについてアメリカ人の現在の感覚というものと日本人の感覚というものと大変なズレがある。或いは杞憂かも知れませんけれども、そういう疑いを持つている。そこのところの調節が十分とれなければ、日本人がこういう被害をこうむつた、こういう危険をこうむつていると言つて、がんがん騒いでも、ウェ—キ島で平気で水浴もしているアメリカ人の感覚からすれば、誠に日本人が特に誇張して被害を言い立てておる、こういう感じを与えるだけじやないか、こういう心配を持つのですが、その辺のことについては楠本環境衛生部長などからはこの被害、放射能の人体その他に及ぼす被害ということについて、日本人が大騒ぎをしておるけれども、これが大騒ぎということが、アメリカ人も大騒ぎをすべき事柄だというふうな認識を持たなければこれは話にならない。結論において私はこう思うのですが、その辺のことについて、どうしてウエ—キ島のアメリカ人が平気でおるのか、鎌倉の海岸で海水浴をすることが今年は海水が汚染されているからといつて日本人は心配しておる。新聞などにも出ておるが、その懸隔はどういうところから出ておるかということについて先ず一つ御説明を願いたい。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 誠に御尤もな御意見でございまして、結論的に申上げますと、私どもはかねてこの席でもお答え申上げたのでありますが、只今御指摘のように多少日本人はこの問題に少し必要以上に恐怖心を持ちやしなかろうかということを率直に感じております。従つて私どもは、かねて新聞その他を通じまして、只今お話のありました海水浴等についても何ら心配がないということをたびたび発表をしております。又先日雨等が降りまして、その雨に相当な高度のカウント数を証明し得たことから大変問題を起しました。この場にもやはり私たまたまこの席上で、かような点は少くともその当時の段階においては何ら心配がないということを申して参つたわけでございます。併しながら一歩退いて考えて見ますと、何分にもこれは誠に突発的な被害を受けた国といたしましては日本が唯一の国でございます。而もそれまで何の準備もなく、又大した研究資料もございませんでした。特に放射能に汚染されたものを駆逐するというような、人間がこれを駆逐するというような事態は世界でも極めて例の少いことであつたような関係で、私どもも極めて資料の不備にびつくりいたしました。止むを得ず少くともその当時わかつておりました資料に基きまして、各学者の意見を総合いたしまして、それぞれの対策を講じて参つたわけであります。  なおこれらの問題につきましては、ただ恐らく何でもないだろうということでは必ずしも国民も納得をいたしませんので、その後引続いて相当な予算も計上いたしまして、調査、研究を進めておる次第でございます。従いまして結論的なことを今ここで申上げるということは、必ずしも当を得ておりませんが、少くとも私どもの考えから申しましても、只今御指摘の通りに考えております。この点は私どもはかねていろいろな報道機関、その他を通じまして、できるだけ不用な、必要以上の警戒をする必要はないということを言つて参つて来た趣旨もそこにあるわけであります。併しながらこれが果してどの程度かというようなことになりますと、これは今後の調査、研究の結果にも待たなければなりません。そういたしまして、かような結果を、科学的な結果を以ちまして、やはりアメリカとの交渉に当ることも当然必要になつて来るだろう、かように考えておる次第であります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 まあ直接原子爆弾の被害をこうむつた経験があるのは日本人だけである。そういう点で日本人が非常に神経過敏になることは止むを得ないことであり、当然なことだと思います。従つて又これが或いは将来において意外な人体に対するいろいろな障害が起きて来るかも知れない。アメリカ人の研究不足のためにアメリカ人は平気でおるかも知れませんが、その点について私はかれこれ言うつもりはないけれども、少くとも今日本がビキニの、三月一日以後のあの実験によつて生じた、日本が主張する損害を賠償せしめる、こういうことは私は担当大臣がここでおつしやつたその口ぶりから考えて見て、大臣の期待しておられるようにアメリカがやすやすと賠償に応じることは困難じやないか、私はこういうふうに考えるのですが、この点については、まあこれは外務大臣でもないのだし、安藤さんにいろいろ言つても駄目ですが、現在おる立場から、又アメリカは現在のような状況でもいろいろ原子力から生ずる放射能の被害なんかについてはあれだけ調査、研究もしているのだから、勉強もしておると思うのですが、必ずしも日本が被害をこうむつたと言えば弁償するだろう、こういうお考えであるかどうですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 今の御質問ですが、アメリカは責任は感じている。従つて直接賠償は必ずやります。これははつきり申上げておいてもよろしいと思います。ただ問題は、いわゆる間接被害なんです。我々のほうは間接被害でも全部と言わずとも直接に近いほうのその損害は賠償をしてもらいたいという態度で今交渉をしているのであります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 無論被害についてアメリカが賠償するのは当り前でしようし、してもらうことは結構ですが、私は、先ほど挙げられた、例えば福龍丸ですが、これの買上げをした、これは直接被害とおつしやる。政府が出した買上げをしたという費用を被害額としてアメリカに催促する、出したという場合にはこの福龍丸は政府が買上げたのだけれども、その被害額を皆アメリカが賠償すれば福龍丸はアメリカへ持つて行く、その際何ら私は拒否するわけに行かんと思う。被害を全部向うが賠償するんですからその代りのものを持つて行くのは平気なんです。これは拒否できないと思う。これが一点、そういう場合には福龍丸というようなものは、いろいろ当時新聞等にも騒がれたのだが、政府が出した買上費用をアメリカが代つて出せばアメリカに渡すつもりであるかどうか、それが一点、その次には、先ほど間接被害だが直接被害に近いものとして挙げられたまぐろの値下りをした、それによつてこうむつた漁業家或いは魚の販売業者の損害というようなものを賠償させようとおつしやるのだが、廃棄したものは別です。併し日本国内で漁業家は損をした、魚商は損をしたかも知れないけれども、食うた国民は四百円、五百円のものは百五十円で食えたのだから得をしている。日本国全体から見れば漁業家は損をしているけれども、食うた国民は安くて食えたのだから得をしているのじやないか、こういうことを言う、その場合に、これを日本がこうむつた被害としてアメリカに賠償させる根拠があるのかどうか、その二点をちよつと教えて下さい。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 前の御質問で、福龍丸の事件でしたね。あれはあなたのおつしやることは、福龍丸が放射能を受けて、その直後にはそういつたようないきさつも実はあつたんですよ、併しそれはもう沙汰止みになりまして、その問題はおしまいになつちやつた。それで福龍丸の賠償も無論向うがするわけですが、それについて政府としては内払いをして、それをやつてしまつたわけなんです。だから福龍丸を今度向うが金を出して賠償として出しても、向うで船体をよこせというようなことは恐らくなかろうと思います。それからあとの間接損害の問題が、これが非常に複雑なんですよ。そして非常に困難なんです。立場が違うのですね。こつちは成るたけ広い範囲で賠償させなくちやならん、こういうのだし、向うは今までの先例だとか、そういつたような、或いは損害の因果関係といつたようなことから、間接損害はどうも出せない、そうきまつちやつたんじやないんですよ。けれどもそういう傾向にはなつております。併しこちらが、殊に私などは直接損害といえば、もう額が、数字がそれほどではありませんから、それだけではどうも満足ができない。もう少し、こういう重大な結果を招来しているのだから、アメリカがその点もよく了解をして、間接損害として計算してあるうちの、まあ直接に近いほう、例えば一例すれば、福龍丸がああいうことになつたということを知らないで、買入れしたり、それに類するいろいろなことをしたとか、或いは福龍丸のことを知らないで船が出港してしまつたとか、まあ要するに福龍丸のあの事件が起つたあと五、六日間くらいの損害は直接損害へ入れたらいいではないか、これは一例なんですが、それからこれがためにこちらが危険を警戒して遠廻りをして漁獲をした、そういうようなものを直接損害のほうに入れてもらいたい、こういう態度をとつて、今頻りに折衝をしておるのであります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 だんだんわかつて参りましたが、私は重大な問題が一つ残つておる。というのはこの問題のために、まぐろ、その他の魚価が非常に下つた。これに対して先ほど大臣が間接損害として挙げられておられるわけですが、私はまあ先ほどお聞きして、これは間接損害といつたつて、一面日本人が安い魚を食つたというようなことで、アメリカは到底これは損害賠償に応じないと心配をしておる、その際に、併し漁業家、或いは魚商というものに少からざる被害が生じたことは事実なんです。国民は安い魚を食つたかも知れませんけれども、そういう事態が起きておる。この事態のために、漁業家がこうむつた被害というものは相当大きいのだ。アメリカが賠償してくれれば、勿論これは漁業家にそのまま行くでしよう。併し私はこれはまあどうしても非常に困難な事態のように私は考える。その場合に、政府は一体どうなさるのか。これは被害が起きたことは、先ほど大臣も認めておられる、アメリカに催促しよう、こういうふうな間接損害であつても、まあできればさしたい、こうお考えになるような被害が今は漁業家が背負つたままになつておる。アメリカがこれを賠償せぬときには、政府はアメリカが賠償せんでも、これらのものについては相当なる補償等をしておやりになるおつもりかどうかということを直ちにお聞かせ願いたいと思います。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) これは今ここで、私が政府の一員として、私一人で返事するわけに行きません。併しながらアメリカが相当の賠償をすればそれでいいでしようが、非常に違つたような賠償になつて来て、そういう場合にもそれで満足するわけでなし、なお折衝は継続しなければならんと私は思つております。併しそれでもどうしてもいかんというような場合には政府、国内として用意をすべきことになりはしないかと考えておりますがね。併しそうなるとかならんとかいうことはまだ会議をしたわけではありませんから、責任を以てお答えはできませんが、そういうようなことも政府としては考えて行かなければならんが、これは私の個人の考えで申上げておきます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 私は是非この問題についてアメリカの態度如何にかかわらず、日本人が、或いは不必要に神経過敏なのかも知れませんけれども、起つた事実はちやんと残つておるわけです。これに対してアメリカに賠償を求めることが或いはできないかも知れない、私はその危険を非常に感じておりますが、それらにかかわらずともかく被害をこうむつた国民が、漁業家、その他に多数あるわけでありますから、これに対してだけは是非一つ政府が適当なる補償の方法を講ずるようにして頂きたい。アメリカに向つて賠償々々、成るほど日本は敗戦後非常に貧乏いたしまして、誠に私は残念だと思うけれども、さてここで賠償といつて、さて福龍丸の損害が何千万だ、これが幾らだと計算して見ても、私は大した額ではないと思う。如何に日本が貧乏しても、そう賠償に、厄介なことよりも、それくらいなことは一つ政府が先ず賠償あるなしにかかわらず、被害をこうむつた国民を直ちに救つてやるということの方途を講じられて、そうして国民のこの放射能に対する人心を先ず安定させるということ、そうして賠償よりも何よりも私はこういうことが如何に日本国民にとつて迷惑でありまして、国民を納得させるためには政府はかような方法をとらざるを得なかつた、こうしなければ日本国民は納得しないのだという事実をアメリカに私はお示しになるべきだと思う。そうしてアメリカがそれに対してそれは気の毒だということをさせることは当然なことですけれども、よしんばしないにしてもそういうふうに日本人は原子力の放射能については非常に心配しているのだ、是非ビキニ等においてそういう実験等は避けてもらいたいというようなことをもつと、僅かばかりな金をもらうということよりも、私はどうも今日政府のとつておられる方式が逆じやないかと、私はこう心配をしているのですが、この機会に大臣の御意見を聞く必要もないと思うんですが、これは我々素人が考えて、先ずなさるべきことはアメリカが金をよこす、よこさんにかかわらず、救うものは救つて、もつと本腰を入れてこの問題に政府が解決の方法、方途を講じて頂きたい。私は素人なりにそういうふうに希望しておきます。まあ一応御参考のために申上げておきます。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 御意見として伺つておきます。ただね。こういうことだけはちよつと申上げておきたい。やつていることが逆だと、政府のほうで先にやつちやつて、それからアメリカが出すなら出す、出さんなら出さんでいいじやないか、それは私は逆だと思うんですよ。そうしますとアメリカのほうではつまり日本の政府、国内で責任をとつてしまつたんだから今度はどうでもいいとまさか思いはしないと思うけれども弛みます、向うに対する交渉が……。そういう点も一つ考えておいて頂きたい。それが事情なんですよ。それから理窟、理由から言いますと、アメリカがやつたことで損害を受けたのだからアメリカが責任をとるということは、これは筋道上当り前だと思うんですね。ですからその点は押して行かなくてはいけないと思うんですよ、日本がアメリカに対して責任を痛感させるというその方針はとつて行かなくちやいけないのだと思つています。で、今私が申上げたのはそれだからそれをどんどん追及してやつて、どうしてもこちらがそれじやどうもこうもならんということになれば、それはそのときに政府として国内対策の用意をすべき時期が来るのじやないかと、こう思います。併しこれはまあ私もそう考え、且つ又政府もそういうふうに今やつておるのですが、あなたの御意見も一つの立派な御意見ですからよく伺つておきます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 いや、もうお言葉を返すようですが、アメリカが賠償しないからといつて日本の政府が漁民その他を放つて置かれるということは我々は納得できません。アメリカがするしないにかかわらず、是非損害をこうむつた国民に向つては国として相当にやつぱり私はこれを補償する方法は講じて頂きたい。で、アメリカがいつするかわからん。今言うように、先ほど一番初めに申上げたように、原子力の放射能の影響については日本人の感覚とアメリカ人の感覚とは相当ズレがある。従つてアメリカはなかなかその容易に……、これはまあ是非アメリカ人の間違いを正してもらわなきやならんけれども、解決は困難であり、長引くだろう。困つた国民はそれを現在の外務省が成功してくれるのを黙つて待つておれるほど私は楽じやないのだと思う。被害はそんなに軽微なものでないと思う。従つて政府としては少くとも国内問題として一応かたを付けるものは付けて頂く。アメリカに向つては僅かな金のことよりも、それはもつと人道上の問題に根ざして私はがつちりとアメリカに向つて政府の責任において、国民の名において私は要求すべきものは要求しなければいけないのじやないか。どうも僅かばかりな賠償の問題で物事を糊塗しておられるという感じを国民に与えはせんかという心配があつたので申上げたのであります。見解の相違ならば止むを得ませんけれども、一応まあ私はこれだけで質問はよしますから申上げるだけ申上げておきます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 なお若干技術的な問題についてのお尋ねが一つ残つておるのですが、お尋ねをする前に今の松岡さんの御質問に関連をして一、二希望を申上げておきたいと思います。  第一点は原子爆弾の被害に対する認識の問題なんですが、私は松岡さんと全然違つた認識を持つておる。というのはアメリカの兵隊がウエ—キ島あたりで水泳をしておるという例を挙げてのお話ですが、これは昨日の調査団の御報告によつてもこの水域は汚染されておらない。それともう一つは結局は兵隊ですから自由に海水浴をやつておるのだろうと思うのですが、私は世界の国民の中で原子力被害について一番恐れておる国民は日本人ではなしにアメリカ人だと思つておる。今現に、もうすでに、私は最近のアメリカは知りませんが、三年前にアメリカを全国廻つたときも原子爆弾の被害については非常に神経過敏だと思うほど過敏で、例えばワシントンの市民が避難防空壕その他を作るというので農地がどんどんどんどん値上りがして避難を始めておる、疎開を始めておつたり、ニユ—ヨ—ク郊外はもうこれも御承知のように随分疎開をし、現に今でも続けてやつております。或いはロスアンゼルスあたりこれは又逃げるための自動車道路の整備をすでに三年前からやつておるというふうにアメリカの首脳部は勿論国民は、世界で私は攻撃した国民であればあるだけに、その被害については一番恐れておる国民だと思つておる。併しアメリカは御承知のようにフアクト・アンド・フイギア—ズの国民ですから、こちらが賠償する場合にも、その国民性にあつたフアクト・アンド・フイギア—ズで以て合理的な要求をしなければ、これはもう全然普通どんな場合でも受付けんのが今までの事例です。従つて賠償をするに当つては、そのフアクト・アンド・フイギア—ズをしつかりつかんで、そしてそれには昨日も安藤さんが言つておられたように、軟弱外交とか何とかいうことのそしりのないように堂々とフアクト・アンド・フイギア—ズに基いて賠償要求すべきものは要求して頂きたい。これは私は松岡さんの今の一つのアメリカ人の例を挙げての御説明でありましたが、私は認識を異にしておるのですが、その点フアクト・アンド・フイギア—ズをしつかりとつかんでやつて頂きたいということを第一に希望しておきます。  それから第二段の希望は、間接賠償損害の問題、これは私は松岡さんと全く同意見なんです。これは安藤さんのお考えもそうでないことはよくわかります。よくわかりますが、どうも政府の説明を聞いておりますと、ちよつとそういう錯覚というと何ですが、誤解を受ける虞れがある。松岡さんが心配せられるような気が私もするのです。というのは賠償を要求するのだ、要求するのだ、賠償がうまく行かなかつたらそのときに日本としては考えるのだ、これはテクニツクの問題としての点もあり、或いは今安藤さんがおつしやつたように、さらさら松岡さんが心配しておられることを考えておられるのじやないということはよくわかります。併し説明からする直観的な感じはそういう感じをどうしても受ける。ところがこれは又理窟なんですが、アメリカに対する要求は日本の漁民が直接アメリカ政府に要求しておるのじやなしに、日本国がアメリカ国に対しての要求をしている。これは国と国との何と言いますか、債権債務のような関係、それと日本政府が国民たる漁業者或いはその他の者に対しての救済補償という問題は私はこれは法律で言えば代弁済のようなことになるかもわかりませんが、別の考えとして取扱つて頂かなければならないのじやないかという意味は、アメリカの賠償がどちらかにきまり、その結果アメリカが駄目で、日本政府が更に又協議で以て決定をされるということを待つほどの余裕があるかどうか、被害者が。そういうことを考えて行きますと、これはどんな形でも最後に結果においては代弁済のようなことになるにしても、要するに問題は政府はそういう間接被害を補償することを是なりとするかどうかということを先ずおきめ願うことが私は最初の問題であると思う。それがきまらずにやつておるということはないと思いますが、併し形式の上からもそれがきまらずに一にかかつて対米折衝にかかつているような印象を持たせることは、今申上げたようにいろいろ誤解を生ずることがあり、又直接被害者から見れば、非常に焦躁の念に駆られるということも考えて上げなければならん問題だと思います。だから一体政府は補償するつもりなのか、補償しないつもりなのかということすら、或いは現在は不安のうちに懸念しているのじやないかと思うのです。そのことを先ずやるならやる、やらんならやらんということをきめられることが私はあらゆる問題の先決じやないか。それによつて待つ余裕が、私はないと思うのですが、余裕があればこれは別です。なければないだけにいろいろ金融的な措置、或いはその他の措置を講ずる必要があるのじやないか、こういうふうに考えるのであります。この点も松岡さんの御質問に関連しての第二の希望でございまして、これは別に答弁を頂く必要はありませんが、その二つの点を特に希望申上げておきたいと思います。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) ちよつと先ほどからお話がありました実験の時期の予告の点でございます。これは先ほどから予告することはいろいろの状態で困難であろうというようなお話ありましたけれども、まあ水爆実験をやるということになれば、今思い立つて今やるというようなものではないだろうと思います。従つてこの点は是非できるだけ早くわかるように、アメリカに実験の時期の予告をしてもらうように、新たに要求される必要があるのではないかと思います。それをおやりになる御意思があるかどうか、先ずお伺いいたします。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) その話はきまつてはおりませんが、今度やる場合には予告してもらいたいということを要求したいと思つております。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) その次は、先ほど大臣がお見えになる前のお話でございます。楠見委員からもこれについてお話があつたのですけれども、先ほど楠本部長は、今年中はまあどうも実験はないらしい。それは不確実じやないかというので私が更にお尋ねしたのですが、大臣も何か同じような、まあないらしいというようなお話をされているのですね。これは非常に重要な問題であるから、先ほど楠見委員からもお話ありましたように、今朝ラジオでアメリカの原子力委員長は、ビキニ環礁の条件は非常にいいから又やる。こういうことを言明されているのです。それは半年なりもつと一年先やるということなら改めてそんなことを言わなくてもいいのじやないかと思います。恐らく近々やる予定だからこういうことを特に発表されたのじやないかと思います。従つてこの際そういうことが正式に原子力委員長から発表になつているのですから、この点近々そういう実験をされるのかどうかということを政府として確められる必要があるのじやないかと思いますが、如何ですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 今年にやるという的確なる根拠はないのですね。併し今までの観測によつてなかろうという推測に過ぎないのですがね。それは併し原子力委員長が言つていることが、必ず近く又やるのだからという考えの下に言つているのかどうか、それもわかりません。併しいずれにしても、外務省を通じて向うの方針、考えが明瞭になるようにするということは必要だと思います。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それでそういうことを必要だと思うだけでなくて、実際外務省を通じておやりになるつもりですか、どうですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) そういうことをやりましよう。やるように一つ……、これはその話はまだ出ていないのですから、相談しまして、そういう方針に向うようにしたいと思います。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) そうすると、いつ頃、少くとも本年は実験をやる予定であるかどうか、というような見通しについて尋ねられるということに了解してよろしうございますか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 尋ねるようにこれから相談をします。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) その次はこういうふうに重大な問題で、我々は非常にこれを深刻に考えているのに、楠本部長は、委員のかたの質問に対して、日本人は余り神経質過ぎるなんてお叱りをこうむつた。我々こそ迷惑で、食べようと思つた魚も食べられないで弱つているのはこちらなんです。ところが実際調査は、あの俊鶻丸のような微々たる船で調査して、極めて不完全な、その乗組員の労苦は多とするけれども、我々としては極めて不完全な資料と言わざるを得ない。そこでアメリカは、先ほども楠見委員が言われたように、この問題については相当研究しているはずなんです。従つてこの資料の提供を要求する必要があるりじやないか。少くとも例を挙げれ、このビキニ環礁から海面に流れ出る灰の量は大体どのくらいなんだというような一つの例ですけれども、それがわからなければ、たまに船を出して調査しても効果がないと思うのです。少くとも資料の提供を要求しなければならん。その例はどういうことかと言えば、ビキニ環礁から海面に流れ出る灰の量とか、そういうものは日本人が提供を要求する権利があると思うのです。だからこういう点について、今後要求されるかどうか。如何でございますか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) これは咋目もちよつとお話したと思うのですが、この俊鶻丸が帰つて来ての、それだけの資料によつて国内でも無論研究しますが、この秋に向うから学者を何人か、数人呼ぶのですよ。で、向うも大体それを承知しております。それで向うからも資料を持つて来る。それからこちらからも資料を提供して合同研究にかかろう。こういうことに決定しているんです。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 私は、政府として正式にこの原爆、水爆実験の被害について関連しての一切の資料を政府として正式にアメリカに要求される必要があるのじやないか。アメリカの学者が二、三人来てやるというようなものをぼんやり待つている程度では困ると思うのです。その点如何でございますか。私は、なぜこういうことを言うかと申しますと、今回の俊鶻丸の調査に当りましても、当初は、たしかアメリカ人がこれに乗船することになつておつたのです。それがいつの間にか立消えになつた。そのために、これは俊鶻丸が途中で潜水艦にやられるためにアメリカ人が乗船しなくなつたのじやないかというようなことで調査団に非常に衝撃を与えた例もあるのです。従つて、私は単に、向うからそのうちに秋には来てやるのだ、二、三人。そんな程度では困るので、正式にこれに関する一切の資料の提供を要求する必要があるのじやないか。こういうふうに思いますが、それをおやりになる意思があるのかどうか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 資料の提供を正式に要求するかどうかは、資料の何ですよ、提供を要求して向うが直ちに応ずれば無論これに越したことはない、又こちらもそれを望むのですが、併しながら向うの考えとしてどういうことになりますか、それらの場合もこれは又一つは外交上の消息もありますから、外務大臣とよく相談しまして、その方針に向うか向わないか、その他の方法をとつてやるほうがいいか、或いは直接、正式に要求するほうがいいか、これも協議をいたします。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 非常に余り懇切に御答弁になつたので、ちよつと明確を欠くのですが、その水爆の被害に対する主管大臣としてそういうことを当然外務大臣に要求されるようにされるべきではないか。こういうふうに思うのですが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) 私としては要求いたします。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) それからもう一つ、最後にこの賠償の問題ですがね。これはあなたも岡崎外務大臣に軟弱外交にならんようにということで、ひそかに注意されているほど、まあ衆目の見るところ、極めて軟弱外交だと今見られております。そこでこれはアメリカにやつておられるでしようけれども、これはどのくらい我々は要求されているのか、その経過はどうだということくらいは、これは国民に知らしたほうがいいんじやないかと思うんです。又我々は、国民と言つてはあれですが、国会に、少くともあなたも当然直接損害については賠償の権利があり、又アメリカも支払うべきであると考えておられるんですから、その要求額はどのくらいになつているのか、それに対してアメリカはどう言つているのかということくらいは、当然大臣は御存じでしようから、発表されたら如何なものでございますか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) こちらから要求している額ですか。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) そうです。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それをちよつと今言うのは少し早い段階だと思います。ですからその数字の発表は少し待つて頂きたいと思うのです。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) どうも言葉を返すようですけれども、どういう意味で早いのでしようか。私はこれはあなたも当然事務的に整理されて、この結末は、当然これだけは支払うべきものたとあなたも確信されているのです。それを外務大臣を通じてやられているのですけれども、外務大臣は極めてあなたが心配されるように、態度が軟弱である、こういうような状態でそれに任しておくわけに行かんと思うんです。あなたがアメリカに外交技術上そういう要求をされると同時に、むしろ国民的輿論を背景にしてアメリカに要求をされるべきだと思うのです。その意味からこの賠償額はこうなつているんだ、これだけは払つてもらわなければ困るんだ、これを半分にしたり、三、分の一にしたり、場合によつては払わんというようなことがあつては困るということを言わなければ、今の外務大臣の態度では、大臣が要求されている額は来ないんじやないですか。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) それは来るか来ないかわかりませんし、外務大臣が必ずしも軟弱だと私が言い切つたわけじやない。軟弱外交にならないように切望しているし、(笑声)これは痛論しているんです。それから数字の発表を、私の考え方だとしたほうがいいと思うんだけれども、えらい外交上の慣例とかやり方は、そうばかりも言つておらないようでありますから、これを今ここで言いますと議論が出る、無論委員会で議論が出、国会で議論が出てやることはむしろいいことなんだが、その結果論から見ると、それがどう影響して来るかということもやはり考える必要はあろうと思うんです。ですからいま少し言わせずにおいてもらいたい、こういうことを言つているわけなんです。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) その結果論から言うと、工合が悪いということはどういうことですか、お教え願いたいのです。発表して工合が悪い点を私たちは教えて頂きたい。

安藤正純自由党国務大臣

○国務大臣(安藤正純君) いや、ここで言えばいろいろ細に入り微に入り遠慮のない議論が出る、それはいいことなんですが、そのいいことが向うにどう響くかということを考えなければならんと思うんです。そしてこれは私がこれを担当していますが、外交の問題は外務大臣がやるのですし、それから金を出す問題は大蔵大臣がやるのですから、私が何もこれをとりしきつてしまつて、ビキニ省ができてビキニ大臣になつているならやるんですが、(笑声)そういうわけじやないので、私はこの取りまとめをしてやることで、当該の当局でやるのです。それを私は推進をし、国論の向うところに仕向けて行きたいというのが私の態度なんですから、その点も御承知を願いたい。併しこの委員会で出たことは正論ですから、これはもうよく伝えて協議します。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 技術的な問題を二、三お伺いします。これは大臣でなくて、水産庁のほうの方から御説明を願えればいいと思います。それは先ず第一点は、いわゆる間接被害の問題ですね。先ほどもお話があつたんですが、例えば当時四百五十円のものが一遍に百五十円に下つた、この差額はまさに間接被害と、こう言えるんですが、どの程度まで間接被害というものを見て行くのか、もう少し言葉を換えて言いますと、四百五十円という値段と、それから安くなつた差額をずつと間接被害というふうに見て行くのか、或いは検査をやめちやつて、やめちやつたら今度は当然に値上りするだろうという予想で、それまでをやるのか、検査をやめちやつて、値は回復しなくても、これはそのときの当然あるであろうところの値段ということにして、もう検査というものを打切つて行くのか。一体間接被害というのは、言葉としては抽象的にはわかりますが、具体的に何を、どういう点をつかまえて、又どういう差額を間接被害と見るのか。この考え方はどういうふうにお考えになつているんでしようか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今の御質問の点は、魚価の下落に関連した間接被害だと思いますが、私どもの計算いたしました方法は、若しこの水爆の被害があれば、当然あるべき魚価、それを一応推定いたしまして、現実の市場で取引された金額との差額に数量を一応かけてございます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると今の何で行きますと、さつきちよつと私は例に挙げたんですが、四百五十円のものが百五十円になつた、こういう四百五十円というものを押えてでなしに、仮にそれが四百五十円であつても、何かパリテイ計算か何かみたいなものが、当時の四百五十円というものは正当なものでなしに、五百円或いは三百五十円、これが正当な値段であつて、その差額が被害だと、こういうふうな計算ですか。ちよつと今の御説明ではそういうふうにとれるんですがね。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) もう一度繰返して申上げますが、原爆の事件が起きなければ、当然魚価がかくあるべきだという魚価を一応推定いたしまして、現実に売買された魚価との差額を一応算定いたしまして、それに漁獲の数量をかけます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 もう少し正確にお話願いたいんですが、例えば福龍丸が帰つて来た前の日の値段が仮に四百五十円なら四百五十円とする。その次の日に福龍丸が帰つて来てドカつと下つたという場合に、そのドカつと下つたときにあるべき値段が幾らであるかということを算定してやつて行くんですか、それとも前の日の四百五十円なら四百五十円というものの相場が下れば、その四百五十円というものを基準にして行くのか、その点どうなんですか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今の点は具体的な御質問でありますが、福龍丸の事件の発生が仮に前日といたしますと、発生と同時に魚価は下落したわけであります。若し事件がないとすれば昨年の魚価の変遷の価格から推定しまして、事件がなければかくのごときカ—ブをとるであろうという価格を一応算定いたしまして、それと現実に売買された魚価との差額の単価を算定いたしまして、それに数量を乗じたものであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると、もう純然たる価格変動係数と言いますか、そういうものであとの物価や何か等の動きは全然考慮に入れずにそういうカ—ブだけで行くのですか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) ちよつと今の御質問の趣旨がわからなかつたのですが……、物価……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 今の説明の趣旨は、例えば前の年の魚価のカ—ブが仮にこういうカ—ブをとつたとしますね。それからビキニ事件が起つた今年のときはもうこういうカ—ブをとつてずつと……。そこで具体的にその間接補償を算定する仮に基準になる価格というものは、例えば四百五十円なら四百五十円というその当時の相場ですね、それが去年のカ—ブと合せて見て四百五十円、或いは四百円なり或いは五百円になる、こういうふうに去年のカ—ブで以て今年のあるべき価格というものを出すのか。今のお話で行くとそういうふうにとれたのですが、そうなのか。或いは一般の物価もどんどん下つて来る物価の変動係数というものは例えばこういうふうになつて行く、そうすると去年のカ—ブをそれに合して修正をして上限というものをきめて行くのか、何かそういうことをせられるのか、或いは四百五十円なら四百五十円というもので行くのかという点なんです。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今の点は昨年の魚価の価格に事件の発生前日との間に差額が出て参りますから、それと昨年のカ—ブに平行的なカ—ブの線を引きまして出したのでありまして、従つて物価の下落という点は算定の中に要素として入つておりません。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そこで第二の問題はさつきもちよつとお尋ねしたのですが、今検査をやつていますね。検査をやめたときにもうすでに間接被害というものの調査なり、或いは補償というものは打切るのか、或いは未来永劫今のカ—ブで以て価格を出して行く、ところが市場価格というものは下つて行く、まぐろに対する国民の気持の、嗜好が変つて来て値が下つて来たという場合には差額が出て来ますね、検査のあとで……。ところがそれは、ずつと未来永劫ということは恐らくお考えになつていないのだろうと思いますが、どうせ補償額を算定するにしても額をきめなければいけませんね。その額をきめる時間的なポイントと言いますか、期間というもの、或いは終期、これはどういうふうにお考えになつていますか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) これはアメリカ側に要求いたします時点の関係ですね、時間の関係がございますので、或る一定の時期まで計算してあるわけであります。従つて未来永劫ということは行き過ぎでありますが、将来魚価がどのように変遷して行くかという先までの考慮は全然払つていないわけであます。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると時点というものはいつに見ておられるのですか。準直接被害ですね、さつきの中間的損害と言いますか、或いは直接損害に入れてもよかろうという、福龍丸が帰つてから四、五日の間はこれは時点がはつきりしていますね。それじやなしにそれ以後の間接被害、とにかくその事件が起きて以来魚価というものは下つて困つている。その被害をどこで締めるかということです。終期ですね……。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 実は検査は現在もまだ継続しておりますし、将来も未確定なわけでありますが、私どもの計算過程におきましては、或る一定の時点を置きませんと全額としては出て参らないわけであります。それでアメリカ側に外務省が要求する直前までのデ—タ、私どもとり得る範囲のデ—タをとつて計算したわけであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その時点がいつかというんですよ。お伺いしたいのは二つあるのです。その時点がいつかということと、その時点はアメリカに対する要求であるが、仮に間接被害というものをアメリカは認めないで日本政府が漁民に対して見るという場合に、やはりアメリカに対して要求した時点と同じ時点で以て打切るのか、或いは検査をやつている、その検査をやめたときを時点にして、さつきのカ—ブによつて算出された価格と実際の取引された価格との差額を見るというのか、その問題と二つあるのです。一点は時点、アメリカに要求している、或いはまだ要求していないかも知りませんが、要求しようとする金額を算出した基準になつたその時点と、それからいわゆる間接被害というものをどこで打切るかという問題と、或いはその時点で打切るというなら打切るということでおきめになつているならばそれでも御答弁としては結構だと思う。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今の点は私ども一定の時点で一応締切りまして計算したのでありますが、それ以後の問題について政府でどういうような処理をするかという問題は私どもの立場においては御答弁いたしかねるわけであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それは結構です。だからそうすると、前の打切つた時点だけをお伺いしたいのです。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 私どもの計算いたしました一定の時点と言いますのは、取りあえず事件の発生した日から起算いたしまして五十日間を数えております。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それからついでで恐縮ですが、最近の価格は先ほどおつしやつたカ—ブによつて算出した価格に対してどういうふうな動きになつていますか。これは何か、今は極めてラフなことをお伺いしているのですが、できればそういうカ—ブの数字と実際の取引における数字との比較の表みたいなものを作つて頂けると非常に参考になるのですが。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 私どもの対象にいたしております魚の種類、一般にまぐろ類と申しましても種類が大分ございますので、個々の種類によつて魚価の変動も相当ございます。ですから概括的にはなかなか申しにくいのでありますが、私どもの現在集めております魚価の変遷から考えますと、事件の発生した直後急激に魚価が下落いたしまして、その後漸次下落の度を増して参りました。大体五月の下旬乃至六月の上旬が一番底をついたように考えております。それから現在では若干上向いたように考えております。具体的な数字は現在持つておりません。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それからもう一つは金融の問題なんですが、昨日長官からもお伺いしましたが、最近一億二千万円を静岡、神奈川両県に割当てて融資をすることになつたという御説明を伺つたわけなんです。この一億二千万円についてどこの金が、どういう資金源と言いますか、から出ておるのか、それからこれはどういう用途に、どういう目的の金融なのか。この御説明をお伺いしたいのです。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 今お尋ねの神奈川県と静岡県に対しまする金融の資金の資金源は資金運用部資金です。それから対象といたしましては今回の事件によつて魚価の値下りを生じました、その結果出漁資金に非常に困難を生じておりますかつお、まぐろ漁業者と、事件の直後におきまして著しい影響をこうむつたと認められます生産地の流通関係業者であります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 この資金の対象は第一は仕込資金ですね、そうですね。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) そうです。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 これは、例えば仕込資金にしても、それから第二の生産地における流通業者に対する資金ですね、これは一億二千万円を流すことになつた根拠としては一応具体的なまあ要求数量と言いますか、必要な資金をおとりまとめになつて、それに対してこういう程度、こういうふうに出されたのじやないかと思うのですが、その要求数量というものは一体どのくらいになつておりますか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 只今手許に具体的の数字を持つておりませんからはつきりわかりませんが。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 概略でいいです。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 今度水産庁から神奈川県と静岡県に通達いたしました一億二千万の数字は比率としては非常に低い比率になつております。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 それはどの程度になつておりますか、比率は。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 数字をはつきり覚えておりませんもんですからここで申上げられませんが、神奈川県は大体四億何ぼという数字だと思いました。それから静岡県は二億何千万というような数だつたと思います。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると大体二割程度ですね。それ以外の金というものはそうすると何か水産庁のほうで斡旋とか、そういうような措置を講じておられるのですか、それとも全く業者が自分で賄うようにしているのですか。実は昨日申上げたのですが、各業者、各金融機関ですね、御承知のように今非常に引締めておりますわね、従つてまあ過去における被害による損失を補填するということもこれからどうしてそれを漁に円滑に出て、そうしてその利益を挙げて行くかというそのあとのほうに業者としては、これはまあ政府に対しては非常に強い要望もしておりますが、恐らくこれは甚だ失礼ですけれども、政府の対策というものに、要求はどんどんあるけれども、今までのあり方から、失礼な言分だけれども、政府に対して満幅の信頼を置いておらんと思う、だからどうしても自分たちでそれを穴埋めに稼ぎ出そうということで躍起ではないかと思う。これは私は水産のことをよく知りませんが、どの業界でも恐らく同じような気持だろうと思う。従つて、今デフレ時代で金が一番大事だというときに、一割五分か二割程度のものはやつてくれるが、あとはどうなるかということを心配して行かなければいけないと思うんですね。それはどういうふうに実際なつておりましようか、水産庁は融資斡旋のようなことをしておられるのか、やつておられないとすればどういうふうになつているか、それを御検討にはなつておられんでしようか。というのは、一億二千万円を、少いけれどもお出しになる以上は、相当やつぱり金融の事情なんかも御洞察の上でやられなければ、これは全く涙金の救済金、じやないんですが、返してもらわなければならん金ですから……。だから相当これは政府としても目を着けておられなければいかん問題だと、常識的にも考える、こういうふうに実情を見ておられましようか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) これは水産庁の、私ども直接担当しております者の気持といたしましては、神奈川県、静岡県に今回融資いたしましたと同じように、ほかの県に対しても融資をいたして参りたいと、かような方針で現在努力しておるわけであります。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その点は結構なんですが、私のお伺いしているのは、例えば静岡なら静岡、神奈川なら神奈川で、先ほどお話があつたように、実際仕込資金とか、或いは被害に対しての金繰りがつかなくなつて困る、そうして何とかしてもらいたいという要求が、まあ六億幾らあつて、それに対して一億二千万円融通したと、従つて残りの八割近いものは何らかの手段で手に入れないとこれは出漁できないわけでしよう。その出漁ができなければ、結局今までの損害の穴埋めを少しでも漁で埋ようということもできないわけです。ところが一方政府としては一億二千万円、もう金を出す以上はあとの金はどうなつて、どうして出漁できるかということまで見極めてから上げなければ、これは仏作つて魂入れずで、常識的に考えても、これはただ涙金を出すという性質の金じやないんだから、従つてそこに何らかこれはやつぱり考えておられるんじやないかと、今何も考えていませんということならば考えて頂きたいということを希望しなければなりませんし、考えておられればその考えておられることを聞かして頂けばいいんです。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) ここで、私の立場で御答弁するのはなかなかむずかしいのでありますが、只今融資を実施いたしましたのは、確かに御質問のように二割程度でございますが、実はこの前までの被害額は今までの累積なんでございます。従つて仮に八億なら八億の金がなければ出漁できないという問題とはちよつと違うわけでございます。で、それならば一億二千万あれば完全に全船が出漁できるのか、ここにも若干の疑問の点がないではございません。で、当然お話のありましたように一億二千万で足らない分、不足する分について政府のほうで何らかの金融的な面倒を見てやる必要があるんじやないかという御趣旨は十分わかるのでありますが、私どもの只今の段階といたしましては漸進的に持つて参りたい、かような考え方を持つております。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 その点しかお答え頂けなければ結構なんですが、そこで、この資金の条件はどういう条件でやつておりますか。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) 先ほど御答弁いたしましたように、資金運用部資金でありますので、金利は一銭八厘でございます。それから金融の資金の性質といたしましては、短期融資で参りましたので、現在の資金運用部資金の性質から見ますと三カ月ごとの借換になるわけでございます。併し二十九年度、本年度末に償還して頂く。それから現実の融資額の配分計画と申しますか、それについては県が責任を持つて処理して頂きたい。大体主な点は……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 そうすると大体実務は県に委任をしておやりになるようですが、これは一件についての最高限というものはないのですか、一つの件数、一件について。

増田正一水産庁生産部海洋第二課長

○説明員(増田正一君) それは一切県にお任せしてございますので、国からの条件としてはつけてございません。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 大体わかりました。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小林孝平君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会

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