図書館運営委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/06/24
会議録
○委員長(柏木庫治君) これより図書館運営委員会を開会いたします。 会議に先立ちまして御挨拶をさして預きます。 今度図らずも委員長を務めることに、去る六月三日石黒委員に代り委員に選任され、次いで委員長に就任いたしました。私は全く経験に乏しい、届かない者でありますが、与えられました期間中誠心誠意務めさして頂きたいと存じております。どうぞ皆さんの御協力を得まして、無事に任務を務めさして頂きますようお願いいたしまして御挨拶といたします。(拍手)
○高橋道男君 この際お許しを得て御挨拶申上げます。 誠に行届きません者が過去一年間図書館運営委員長の任にありまして、今新委員長の仰せのごとく、六月三日を以てその任を辞したわけでありますが、過去一年間各委員の方々並びに図書館なり参議院の当局者の方々の御援助、御支援によりましてこの期間を務めさして頂きましたことを厚く御礼申上げておきたいと思うのでございます。私は誠に不束者でございますけれども、文化問題として、又文化運動としての図書館に深い関心を持つておりますので、今後もその意味において勉強をいたしたいと思つております。又何かと皆様の御鞭撻を頂きますようにこの際お礼に併せてお願いをして御挨拶に代える次第でございます。(拍手) —————————————
○委員長(柏木庫治君) 本日の議題は、国立国会図書館建築設計懸賞募集に関する件でございます。本件につきましては、前回五月六日の本委員会において募集締切期日の五月末日までの延期等につき館長から中間報告を承わつたのでございますが、本日はその後の経過及び応募設計審査の結果について館長から御報告を承わりたいと存じます。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 国立国会図書館の建築設計につきましては、今まで時の経過に従いまして順次御報告を申上げておきましたが、昭和二十八年の十一月の二十日に懸賞募集の広告をいたしましたところ、その間に日本の建築者たちの構成しておらるる団体との間に幾分懸賞募集の内容につきまして意思の疏通を要するような事情も起りまして、その都度御報告は申上げておきましたが、要するに本年の二月二十八日が締切であると、かように広告いたしてあつたのでございましたけれども、建築設計者との間のいろいろの相談の結果といたしまして、前に発表しておりました懸賞募集の条項につきましても、多少解釈をはつきりさせるような点の必要が起りまして、その要点は、一応設計ができたあとにおきましても当選者を当該建築の設計者として干与せしめるよう、又その設計を変更等いたしまする場合には設計者の意思を十分尊重するよう、この二つの点につきましては努力するというような、いわば了解的な解釈をとりまして、次に募集期間を三カ月だけ延長いたしまして、本年の五月三十一日をその応募の締切日といたしたわけであります。 で、締切の期日までに寄せられました応募の作品は百二十二点でございまして、そのいずれにも応募者の苦心の跡が窺われておりまして、技術の専門家の意見によりますると、大体が国立国会図書館の広汎な機能を十分満足させるような心持がよく現われておる。かようなふうに一般的に批評せられておりました。これを審査するにつきましては、六月七日に一応全般に亙りまして鑑査をいたしまして、鑑査の標準によつて区別をいたしまして、それから十四日から十八日までの間、各審査員が精密にこれを審査いたしまして、できるだけ時間をかけて個別的にその研究を続けたのであります。その間事務当局の側におきましても、事務的な見地からいろいろ調査資料を作成をいたしまして、それは一例を申しますれば、果して正確に応募の条件に当るような基礎が充たされておるか、でき上りました建物の大きさ等について条件に違つておるものはないか、或いは部屋の数とか、部屋の目的とかいうものにつきましてもほぼ必要な条件を充たしておるか、かようなことを事務的に調査をいたしまして、その結果を審査員にお知らせして、これを参考にいたしました上に、六月の十九日と二十日との二日に亙りまして、審査の精密なる進行振りが実現されまして、その結果予定の数だけの入選者が決定するようになりました。 一つ一つの入選者の名義等を申上げますることは煩瑣でありまするから、書類を以て御了承を受けますることにいたしまして、その一等、二等、三等につきまして御説明を申上げますが、第一等は品川区の上大崎にありまする前川国男建築設計事務所内の田中誠、大高正人、及び外十八名の協力者があるというのが当選いたしました。 二等は、銀座西にありまするところの都市建築研究所の吉川清作外三名が当選いたしました。 三等は一位と二位との二人がございまして、第一位は千代田区におりますユーホン・グループという名称の橋爪、内田、大場、西野という四人の方々による設計が当選をいたしました。又三等の二位は横浜にあります創和建築設計事務所の吉原、松本、二人の設計が合格いたしまして、そのほかに佳作といたしまして五つの設計が採用せられております。 以上簡単でございますが、この懸賞募集の応募及び審有の状況について御報告を申上げました。そのときの一、二、三等の五つの作品は、この部屋にその主なる設計図を並べまして皆様方に御閲覧を願い得るようにしておきました。 当時審査員の方々の御意見を断片的に伺つておりますと、第一等のものは、設計の着想におきまして、日本に余り前例のない程度の新らしい研究が用いられているというようなふうに伺つておりました。第二等のほうは、第一等に比べまするといわば伝統的な、手堅い設計であり、実行の上に比較的懸念なく諸般の措置が進められるというような御意見もございました。審査は全体の審査員の趣く公正な投票によつてきまつた次第でございます。 以上概略御説明申上げまして、なお細目の点につきましてはおのおの特別に関知しております者から御説明を申上げたいと存じます。必要がございましたらお尋ねを願いたいと思います。
○委員長(柏木庫治君) 只今の御報告に対しまして御質問がございましたら御発言を願います。
○三木治朗君 概略の説明を只今伺つたのですけれども、参考までにどれが一等か、ここに飾つてあるものの説明を頂きたいと思います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 甚だ不注意で図形を御紹介申上げただけでございますが、私から見て正面にあります図で左三枚が一等の設計でございます。それからその右のほうに立つております図で、二枚が二等の設計でございます。それから左側のほうにあります、比較的右のほうにあります一組の設計が三等の一席でございまして、それからその又左手のほうにあります一組の設計が三等の二席でございます。技術的のことは審査員の判断をもとにしておりますので、私から価値批判を加えて御説明申上げるということは非常に困難でございますけれども、これが当時の審査の途上のことも、これは恐らく秘密を尊ぶことが必要たと思いますけれども、極く広い意味で申しますと、極めて一等と二等とが、なかなか相角逐するような価値を持つておりまして、いずれを一等にすべきか二等にすべきかということは随分中で論議を起したわけでございますが、衆目の見るところ、と言いましても結局意見の差の、つまり可否両方の差というものはそんなに顕著ではなくて、そして一等、二等がきまつたわけでございます。
○高橋道男君 極めて大雑把で結構ですから技術的な差異を御説明頂いたら、なお委員としては了解がしやすいかと思います。
○委員長(柏木庫治君) 速記をとめて下さい。 [速記中止〕
○委員長(柏木庫治君) 速記を始めて下さい。
○高橋道男君 御説明を頂きましたが、審査の際には恐らく予算関係などは問題外として、ただ設計図そのものについて御審査を頂いたことと思うが、図書館当局においてこの入選の作品を今仮に実現できるとした場合におけるこの工費の見積りなどについてお考えを頂きましたことがあるかどうか。若しお考え頂いたならば、その見積額はどのくらいのものになるだろうか、それをお示し頂きたい。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) やつと懸賞の応募ができました程度で、応募した人々と直接そういうふうな話をするという機会にも至つておりません。実際は一等当選者も二等当選者も、いわば非公式にやつて来られていろいろその主張についての説明をしておられますけれども、まあこれらを聞きまして、考えを進めて行きたいと思つておりますが、私どもの直感では、この二等のほうは構造がなかなかすつきりしているけれども、なかなか工費が高いのじやないかというちよつと懸念もしておりますし、一等のほうも形が非常に近代的であり、力強くできている、いろいろ細かいところにも意匠の注意がしてありますので、これも非常に高いのじやないか、こんなような気もしております。ひそかに両当事者のほうの意見を聞いてみましたが、いずれもそんなに高くないと、こう言つておられます。殊に一等のほうは、ことによるとほかの設計よりも安くできるのじやないか、案外設計的に経費の省けるように工夫がしてある。二等のほうも私の話を聞くところではそんなに高くない、こういうことを言つておられました。それから一等のほうの計算の、向うのほうの説明では二十五億で主たる構造だけはできるのだ、こういうことでございました。これは併しなかなかそう一人の意見だけ聞くわけには行きませんので、今後の研究を要すると思います。 それからいま一つ考えますのは、従来の方針によりますると、建築物一万五千坪は一遍にできるというわけではございませんので、先ず初めの時期に約半分作り、次の段階に約半分を作るという方針でございますけれども、こういうような設計ができましたときにどうしてそういうことができるであろうか。縦切りにいたしましても横切りにいたしましてもなかなかこれは円滑に実行することはできませんので、それらの点も実際の上には考えなければならないというふうに思つておりますが、いずれも研究中でありまして、或る程度研究を遂げた後に、又建築協議会等の御意見を伺つて具体的に進めたいと思つておりますが、どうもいろいろ順序の結果として八千坪、後には七千坪というような計画を立てておりましたけれども、こうなりますとその考え方を或る程度まで変更しなければならん必要が起り、今後なかなか問題が多く発生するであろう、そういうふうに恐れております。
○高橋道男君 ついでにお尋ねをしておきますが、図書館長としてはこの一等、二等のどちらを実際に採用して、どういうふうに工事をやられるか、そういう御態度も確定しておられないということ、これは勿論了解できることでありますが、只今用地において地均しなどの工事が進められておりますけれども、これの終る時期には少くともこういう細部設計もきめられておかなければ、最もこの次の大きな問題となる予算の事柄についての支障が起り、現在進められている地均し工事などの状況、それからその終る時期、即ちこの設計の細目の終られる見通し、そういうようなことについては、これは建築御当局からでも結構ですからお聞かせ頂きたい。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) 私からちよつと申上げます。 まだどの案を採用し、それから第一期、第二期の工事をどうするか、こういうこともきまつておりませんでございます。只今までのところ、土地のことにつきまして、あすこにドイツ大使館が設けておりました防空壕の撤去を急いでおりまして、この分は大変遅れてはおりますが、来月中旬頃までには撤去が終る予定でございます。第一期の八千坪の取り方によりまして、早速土地のほうの準備にかかるわけでございますが、今のところまだ根切りなどの土を取つたりする工事には着手いたしておりませんのでございます。 大体の今後の見通しといたしましては、早速この一期、二期の区分などの御決定を頂き、それがきまりますと基本設計のほうにすぐ着手いたします。技術的な準備の都合もございまして、少くとも二カ月くらいはそれに要する予定であります。その後に根切りなどの土を切取る作業などが起つて参ります。基本設計の次に実施設計、こういうふうな形で進んで行く予定でございます。まだ詳細御報告する段階には至つておらないのでございます。 右御報告申上げます。
○委員長(柏木庫治君) 他に御発言はございませんか。
○團伊能君 私遅れて参りましたので甚だ申訳ございませんが、まだ御説明を承わらなかつたわけでございますが、参考のために伺つておきたいと思いますが、これらの各案は、三等の一席、二席との四案、これを採択いたすことは、これは一等にきまつておるのでございますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今町のこの懸賞募集は、ただ懸賞によつて設計を公募するということでありまして、それでここに出しましたような四つの案が主たる入選となつたのでございますが、これはただ懸賞の設計の募集でございまして、建築そのものの中に実現して行くということとは面接は関係はございませんので、ただ前からの実際上の行きがかりといたしまして、応募して入選したものに対しては、これが実際の建築の上に用いて行くように十分努力をする、こういうことで建築家との間に打合せができております。併し今度応募してできたところによつて初めて本当の判断ができますので、本当のことは約束はできんわけであります。これから又専門家等と膝を組合せて、又応募した人たちの意見を聞きまして、漸次如何にして行くかということを研究したいと思つております。
○團伊能君 この前金森図書館長から建築の懸質に通つたものはこれを実施する義務がある云々のお話を、建築家との間にいろいろないきさつがあつたお話を伺いました。とにかく建築の選択は、最後の決定はどういう形でなされるのでございますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これははつきりした方法はございません。全体が図書館建築の複雑な順序に従つて解決をしなければならんと思つておりますが、現在建築の一番主な相談相手と申しまするか、といたしまして図書館建築に関する協議会というものがございまして、そこに国会関係の方々、又実際建築をする技術をお持ちになる方、それに特に密接な関係がありますところの各官庁、或いは道路の計画について権能を持つておる官庁の人々、こういう方々が加わつておられますので、主としてそういうところに御相談をして、勿論原案は図書館側で一応作らなければなりませんけれども、併し各方面の話を付けて順次進めて行きたいのでございまして、これから相当複雑な線を通つて行くものと思つております。 ただここで非常に非公式と申しまするか、心の中をひそかに申しますると、初めから私どもが固い態度というか、安全な態度をとりまして、入選したものでも採用しないことがある、こういうふうに用心堅固に立てておりましたが、今回の懸賞の結果から申しますると、技術者の御意見等を伺いましても、どれをとつてもそのままそつくりとはやれないけれども、或る程度の変更をすれば大体目的を達することだろう、こう言われておりますので、比較的建築の範囲も狭まつておるような気がしておるのであります。
○團伊能君 参考に伺つておきたいのでございますが、いろいろな予算の関係のことも伺いましたが、なおときどきいろいろ問題が起る思うのですけれども、決して問題が起るわけじやありませんが、そういう工合にさせられてしまうという図書館長のお立場として考えますと、これだけの大きな施工になりますと、結局これを実施するのはどこか建築組合のようなところで実際に当ると思いますが、その辺の御選定はどういうことになるのでしようか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これは前からどこの手でどうするかということにつきまして非常にぼんやりした線がございまして、そこで先ほど申上げました建築の協議会というものの手を経て、各官庁の責任者の御相談を得まして、大体の方向といたしましては、これから基本設計をやるというのは図書館が主になりまして、そうして建築に関する官庁の方々に深い御協力を願う、これが第一段階でございます。 それから第二段階といたしましては、基本の設計ができましたら、これを実施の設計に持つて行く、この実施の設計は今までの話合いでは建設省が主たる立場をおとりになりまして、それに図書館側、国会側が相談して、主張すべきところは主張する、協力すべきところは協力する、こういう形で行くつもりであります。 そこで建築を実際にやつて、石を動かし家を建てるという段階におきまして、最初の或る時期まで、主として土地に関しまする部分までは図書館側で実施することになりますが、普通の意味の建築という段階になりますと、その主務の官庁、つまり建設省のほうにお願いをすることになりまして、それからどういうふうにやつて行くかということは官庁建築の一般の原則に従つて行われるものと思つております。
○團伊能君 よくわかりましたが、この写真で拝見いたしましても、国会があすこにありまして、向う側に国会図書館がある。大きさにおきましても殆んど同じぐらいの容積のもので、ございましようが、これは政治的な意味におきましても、戦後最大のものだと思いますが、この国会を作りましたときのような、いわばこの国会が非常に大きな国民生活の一つのシンボルとして作られたというような、協力体形でできておると思いますが、この図書館もそれに劣らないような大きなものであり、又議会政治というものの一つの大きなモメントだと思いますが、その点におきまして、只今承わりましたところで結構と思いますが、図書館長の御判断の中に、単に建設省の建築事務というような、政府建築事務というようなものよりももう少し高い気持と申しますか、これは無論国民の税金で作るものでありますから何でございますが、やはりこれは戦後における議会政治の一つのシンボルだと思いますので、決してこの国会のように贅沢な内部も要りませんし、又国会は御承知のように国産の新しい建築材料をいろいろ研究して、全部国産で作つたとかいうようないろいろな点でいわゆる国民的な建築というばかりでなく、一つの国の産業、文化の上のシンボルというような工合にできておりますので、これは非常に贅沢なものではありましようが、今度は単純なものであつても、一つの協力体形が、新らしい政治の理想を実現する意味で広い国民的協力と言いましようか、私はそういうふうにお進め頂くことを……、私甚だ素人で、いきなり飛び込んで来てこんなことを申上げるのは何ですが、もう今までの機構もできておりましようし、これについては建設省の官庁事務のほかの方面もお考え頂いて、これが新らしい憲法と、新らしい国民生活の一つの中心であるように何か御考慮頂くということを希望として、これは甚だ空漠たることでございますが、申上げたいような気持がございますので、只今発言したような次第でございます。 なお私は最近御承知のようにこの委員にさせて頂いたのでございますが、すでにおぬかりないこととは思いますが、ワシンヨンのコンミシヨナル・コングレス・ライブラリーとアルカイブのようなそういうものは、日本のような非常に貧弱な国では作ることはできないと思いますが、この図書館というものは、ただ本を読んでそれを運労する以外に、国民的にもここに行つてみたいという人もあるでしようし、その中には多少の記念的な図書のようなものを展覧して頂くことも無論できると思いますが、そういうものもでき、いわばコンミシヨナル・コングレス・ライブラリーにワシントンに行く人は大抵行く、本を読むことはないが、行くことは行つて見ますが、そういう意味の、今日この国会などでも何もないがらん洞のところに見物に来る人が非常に多い。見物することは意味はないでしようが、それが議会政治というものを普及させる一つの原因だろうと思いますので、そういう設備も一つ御考慮に入れておいて頂きたいという希望を一つ申上げまして終ります。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 只今のお話、誠によく図書館のためにお考え下さいまして有難いことと思つております。 先ほど建設省に任すということを申しましたのは、この具体的に柱を立て泥を塗ると、殊に技術的に言つてはおりますけれども、そういう面をお願いしますので、基本的な設計は図書館のほうで作る。実施設計及びその建築の実施というものは、それは専門家のほうの技術家にお願いするのでありますけれども、内容につきましては図書館のほうからかなり細かいところまで注文もするつもりでいるのでございます。 先ほど図書館を一つの国の、どつちかというと文化の普及の中心点にするというようなお考えを伺いまして、誠に私どももとよりそういうふうにありたいものと思つておりますが、実は今までその線が図書館建築及び図書館運営の上に出ていないのでありまして、図書館法の示すところによりますと、極く平明なところばかりしか考えてございませんので、今、ちよつと横に話が飛びまするけれども、赤坂御所を拝借して図書館をやつておりまするので、日によつては四千人以上の全国の人が来られまして、中の絨毯や何かを結局踏み荒すことになりまするので、いろいろな意見がございまして、そういうことをやるのは物を大切にするゆえんではないと、こんな批判もときどきは受けるのでありますが、併し国民の持つておる文化に対する喜びをここで或る程度までは実現できる。又それによつて今日国会図書館という名前が実際以上に日本に知れ渡つておるというようなことがございまして、どうも大きな目で見ると、こういうものは未来永劫この精神に近いものが必要じやないかという気持を持つております。今度のこの図書館の建築ができたといたしまして、やはりその人々の注意を或る程度まで惹きつけるようなふうにありたい、国会のサービスももとよりでありますけれども、これと付かず離れずの意味におきまして、国民にとつての文化的な、むしろ知識面と申しまするよりも、感情面を満足せしむるような方向に進みたいものと思つておりますが、併しまあ日本のことで、これは立派な金ぴかのものに飾り立てるとか、こういうことはできませんが、何か活動面でそれをやりたいと思つております。講堂を付けるというようなことは、多少そういう狙いも含んでおりますし、中に集めまする書物も、どつちかと言えば私の直接の希望としては、時代を先のほうに進ませる意味でこのことを主にいたしまして、古風なもの等は別の機関と申しまするか、とにかく図書館の重点にはできないのであり、ほかのところにやつてもらいたいと思つておりますけれども、それにしても何かうまい工夫があつて、ここへ来るというと、今日の国会を国民が見たがると同じような気持のものをここで充たさせたいという希望を持ち、何かそこに名案があるのじやないかとひそかに思つておりますけれども、まあ研究が十分できないものをむやみに申上げるわけに行きませんけれども、何かあろうと実は思つております。
○委員長(柏木庫治君) 他に御発言ございませんか。……それでは右の館長の報告を了承することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柏木庫治君) 御異議ないと認めます。 それでは本日はこれで散会いたします。 午前十一時二十五分散会