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19回国会参議院1954/09/21

人事委員会 閉会後第17号

発言数
46
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/09/21

会議録

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) それではこれから委員会を開会いたします。  日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律の一部を改正する法律案を議題に供します。御承知の通り本案は第十九回通常国会の終ります直前、五月二十八日に社会党両派の全員が発議者となつて提案をされ、発議者を代表して千葉委員からこの法律案の内容の説明を聴取したのみで、その内容についての審議をしないままに継続審査になつている法律案であります。その後八月の十四日に、全駐留軍労働組合から神鳥日吉君、大海八郎君の両氏を参考人として御出席願い、福島調達庁長官の御出席を願つてそのときにおける双方の交渉の経過並びに実情を聴取したのであります。この問題は千葉委員が提案理由の説明をされたときに言つておられましたように、駐留軍等の労務者は、終戦以来、言語、風俗、慣習を異にする外国軍隊に使用され、しばしば軍の都倉よつて解雇を受ける等、身分の不安定な労働環境の下に、国に課せられた労務提供の職務を果すため協力をしており、殊に遠からず駐留軍等の配備の変更又は撤退、その他国の内外の客観情勢に基き、大幅の人員整理を余儀なくされる運命にある、こういうことが説明されております通り、一般の労働条件に関しましては、国家公務員に準じてこれがなされるという方式をとつておりますが、身分の雇用関係における特殊な不安定な状況にあるので、退職手当の特別割増が公務員同様であるべきでない、説明を前回聴取いたしました際に、三年、四年以上になりますと八割増にする場合に、公務員より相当累進的に増加するというような説明を調達庁長官から承わつたわけでありますが、法律案を提案しまする際にも、その実情というものはよく了承しておりながら、今申上げました理由によつて、その点に関する限り身分の不安定を保障して行くという建前において、若干の金額の点において公務員より多くなつても、それは当然である。こういう見解に基いてこの法律案が提案をされておるわけであります。爾来いろいろの方法で交渉か進められておることを了承をしておりまして、このことが交渉によつて、円満に解決がつくという場合には、この法律案を撤回しても差支えない性質を持つておるものでありますが、私どもが了承しておる現在の段階においては、やはりこの法律案というものは撤回をするというような、そういう好ましき段階に到達をしないで、ますく条件は悪くなつて行くという傾向を見るわけでありまして、最近又全駐留軍労働組合がこの問題に関するストライキをやつておる。こういう実情でありますから、その辺の経過並びに将来の見通し等につきましての関係者の意見を求めたい、こういうことが本日の委員会の趣旨であります。  説明員として政府関係から調達庁次長の山内隆一君、それから説明員として調達庁の労務部労務企画課長の坂本実君、労務給与第二課長の菅原保治君、参考人として全駐留軍労働組合中央執行委員長の市川誠君が御出席になつております。  先ず最初に、八月十四日に調達庁長官からその当時における現況を承わつたわけでありますが、本日は山内次長からその後の経過並びに将来の見通し等について説明を承わりたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 次長からその後の状況について御報告を受ける前に少しちよつとお尋ねしたいのですが、私ども委員会としては、今日、この前の委員会との関連もありますし、又実際に駐留軍側と交渉に当つて来られた土場にあるという関係から、長官の出席を求めたのですが、今日はどういう理由で長官はおいでになれなかつたのか、その理由をちよつとお尋ねしておきたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 今日の委員会に長官の出席になれなかつた理由のお尋ねがありましたが、いつも火曜日には合同委員会の下部機構になつております施設特別委員会が十時から大体十二時までくらいの予定時間で開かれるようになつております。この前の週では丁度折悪しく火曜日が台風の最も危険なような状態が予想されておりましたものですから、あらかじめやめたわけであります。そんな関係で今日は大分問題がたくさんあります。而も調達庁長官が日本側の一番首席になつておりますので、代る代る委員長をやらなければならないので、止むを得ずそちらのほうに出席しなければならない。それで私が代つて参つたのであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 長官のおいでになれなかつた理由については了承いたしますが、これは失礼な話かも知れませんけれども、御承知のように私ども委員会としては、継続審議になつておる案件も抱えておることでありますし、それから又更にもう一度ストライキが決行されようとしておるような風聞もある現在でございまして、目下の労働関係の問題としては、かなり焦点に立つておる問題でございます。従つてこの問題については、委員会としても相当積極的な態度でこの問題の解決を図るということに、私ども態度をきめているわけでありますが、従いまして私ども駐留軍の退職手当の問題の解決については、御承知の通りに、駐留軍関係の非常に微妙な、複雑な内容を持つている問題でもあり、更に又調達庁長官の権限内においては、将来解決し得ないような問題も併せてこれに纏綿して起つて来るかも知れないという条件もおのずからあるわけでございます。そういう条件の中で調達庁長官が交渉されているその交渉の経過の中では、承わるところでは相当了解に苦しむ文書による回答等も駐留軍側から参つたそうであります。従つてこういう段階においては、相当その交渉に当る当事者としては、肚構えも持たなければならないと同時に、その局面の打開に対してどういう腹案を持つているかという点についても、相当これはこの問題解決に大きなポイントになる点だと思うのです。従いまして私ども今日ここで申上げにくいことでありますが、そういう微妙な、複雑な駐留軍関係との交渉の経過等について、交渉に当られている長官と、十分の連絡なり、若しくは又若し不測の状態に陥つたときには、どういうような方法で問題を解決するというような腹案等について、お互いに長官と次長との間に腹蔵のない話合いがあるかどうか、それがなければ、私ども今日ここでつまびらかにしたい点も、到底不可能になるという状態であつては遺憾に堪えませんので、あらかじめその点について今委員長からお話のありました報告を受ける前に、この点について次長から具体的に承わつておきたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 非常に重大問題でありまして、今軍との間に苦しい折衝を続けておる際でありまして、長官が直接当つておる場合が非常に多いのでありまして、自然私ども長官から聞くことによつて軍の意向を知るという場合が非常に多いために、かような席に長官が出席になることは非常に必要なことだと思いますけれども、実はまだ今の段階では、私として大体長官から承わつておることで尽きておるのじやないかと思いますので、大体私代つてお答えできると思いますが、併し問題によりましては、どうも長官でなければ御納得行かんということもあるかも知れません。こちらに参る前に長官と話をして参つておりますので、大体お答えできるのじやないかと考えております。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) それじや一つ。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 先ほど委員長からありました十四日以降の情勢について報告せよということでありますが、九月十四日は四十八時間ストの継続中でございまして……

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ストライキ前。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) それでは訂正いたしまして、八月十四日以降ストライキ前の状態から申上げたいと思います。この退職手当八〇%増の支給について、全駐労から強い希望のありましたのは、実は昨年の秋からあつたのでありまして、その八〇%増に基いて目下まだ進行中であります。改訂労務基本契約の中に、その趣旨の退職手当の規定を入れてもらいたいということが、全駐労からの要望としてありまして、早速調達庁として軍に申入れたのでありますが、何としても軍としては到底入れるような気配がない、そのまま協議整わないままに、ストライキ前の状態に至つたわけでありますが、その後八〇%増の強い希望を再三全駐労から申入れるようになりましたのは、御承知のように、北海道における米軍の移駐、それから在日米陸軍の新年度予算の二五%削減に伴う大量の人員整理ということが発表されるようになりましてから、非常に強硬に八〇%増の退職手当の希望が参つたわけであります。それで調達庁としては、全駐労の要望も十分検討いたしましたが、又一面においてこの調達庁自体の案を考えまして、八月二日に極東軍司令官並びに在日調達本部契約担当官に申入れたことは、すでに長官がお話になつたと思いますが、実はこの案に対して、調達庁の案に対してすらも、如何に何回にも亙つて、殆んど連日のごとく、或いはときによつては二回も参つたことがあると思いますが、再三再四の交渉によりましても、なかなか調達庁の案を容れるに至らんわけでございます。駐留軍労務者、全駐労の代表者の方々とも、その前後には再三再四長官その他調達庁の幹部が折衝をいたしたのでありますが、軍自体が調達庁の案すらも容れられないような状態で、八〇%増という問題については殆んど耳をかさないというような状態で、幾らやつてもなかなか解決の見通しが立たない。そうこうしているうちに全駐労のほうから九月十日に回答するようにという申入れがありまして、それに対して御期待に副い得ない、今の状態では副い得ないが、できるだけ解決に努力するという意味の御返事を差上げたわけであります。その後全駐労としては九月十三日の午前零時から四十八時間ストに入つたわけであります。で、スト中におきましても、調達庁としては何とか打開策がないかということで、いろいろ検討をいたしておりますし、それから全駐労の代表者の方も、スト中にもいらして何とか一つ早く解決してもらいたいという意向はあつたわけでありますが、併しスト中でもありますので、八〇%増という問題についてどうこうということを、こちらから変更方の申入れということも遠慮すべきであるし、又全駐労としましても、スト中でありますから、余り今度は深くこの問題を論議することははばかつたようであります。従つてスト中は何ら進展をみず経過いたしたわけであります。  ストが明けましてから早速、ちよつとその間にスト中におきまして、全駐労のほうから特に力強く申入れられたのは、三者会談を至急開催してもらいたいという申入れがありましてこれにつきましては、それまではまだその時期にあらずというような意味合において、全駐労の希望にもかかわらず、まだ開催について軍に申入れを行なわなかつたのでありますが、さようないわば行詰りのような状態になつておる際に、全駐労として三者会談の申入れがありましたから、これを早速調達庁から軍のほうに取次ぎをいたしまして、早く開催方の要望をいたした次第であります。  それからこのスト期間が明けましてから、早速又全駐労の代表者の方々と調達庁の代表者と会いましていろいろ協議は進めておりますが、なかなか進展の模様が見えません。又調達庁としては、一面において軍に向つて再三調達庁の提示した案について同意方の折衝を続けておるわけでありますが、これ又なかなか今の状態では進まない。で、ごく最近の状態としましては、軍におかれましては調達庁の案に対してもまだ同意できんという意向がはつきり現われております。それから全駐労といたしましても、八〇%増の要求に対してまだそれを変更方の意向も正式には伺つておりません。ですから、調達庁としては自分の案を持出しておりますけれどもう全駐労との間に非常にそこに意見の相違があることが明らかになつて、これは軍も承知いたしております。従つて、軍からみれば、調達庁はああいう案を出しておつても、あれを仮に同意しても、あれに対して労務者側のほうで同意するはずはないじやないか、それならばあれを同意してもしないでも、結局ストもやる、又この問題の解決にならんということならば、方法はないじやないかというような、まあ気持がありましてそれから調達庁としましても、軍が同意してくれるならば、どんなことをしても全駐労のほうを説得してまとめてみせるという決心がつかない。又決心というよりは、そういう自信がないわけであります。そんな関係で殆んど背水の陣を布いてでも、調達庁の案を強く迫るということもなかなかできんような恰好になつております。  そんな関係で、このままの状態で進んだならば、この問題の解決というものは非常に困難でないか、何かそこにどちらかで非常な主張に弾力を持たせるとか、或いは考え方を変えて、完全に数字的に一致せんまでも、少くとも方向だけでも合せなければ、非常にむずかしいのじやないか。こんなふうに考えております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 今お話を承わつておりますと、全駐労の退職手当に関する考えなり方針なりについて、調達庁のほうから、これを変えろとか、これは不当であるとか、まあ結局煎じ詰めれば、調達庁の考えている調達庁案なるものと全駐労の考えている方針との間の食い違い等について、積極的に努力することはどうかと思われるので、この問題については積極的な意思表示を行つておらないというお話でございますが、私どもどちらの案が立派だとかどちらの考えが正しいとかいうことを申上げようとしているのではなくて、こういうかなり大きな壁にぶち当てようとしている段階であればあるだけに、何らかの方法を通じてこの話合いは調整するという努力をしなければならんと思います。又一方駐留軍側との関係については、どうせ駐留軍の考えとしては調達庁の案を呑むことにしても、労務者自体が呑みそうもないのだから、そういう恰好では調達庁案を呑むことも無意味だという恰好で、駐留軍のほうはむしろこの問題に対しては冷淡な態度をとつている、まあこういうことになりますと、お互にそういう考えで進んでいては、問題を解決する糸口は全然出て来ないと思います。出て来なければ、又駐留軍の労務者自体はその主張しているように、自分たちの生活を何とか守らなければならんという立場から、再びストライキが決行されるかもしれない情勢にある。こういうことになりますと、やつぱり私どもとしては調達庁のその態度というものは少し解せない点が出て来ると思います。話合をしてそうして積極的に調達庁の案なり、それから又軍の今までの交渉の経過の中で示された考えなりについて、詳細に労務者側と話し合えば、その話し合いの中からどういう結論が出るかしりませんが、又或る程度の進展は見ないものでもない。どうしても話はそうなると思うのです。従つてそういう点について調達庁はこれから労務者側とお互いの考えの調整について話し合う必要を感ぜられなかつたか。何か私の聞いているところによりますと、先ほども次長から言われたように、三者会談なるものが要求されているようですが、私はそういう三者会談等も積極的に開く努力をするなり、若しくは又労務者側ともつと積極的な態度で調達庁が話合う必要があると思うのです。一体調達庁の案について、労務者側とは従来どの程度案の内容を示されて話合われているか、その程度を一つ承りたい。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 非常に困難な状態にあるということを先ほど申上げましたが、併しかような問題を困難であるからといつて、いつまでも三すくみのような状態で放つておいていいとか、或いはそれでし方がないということで諦めるべきものじやない。どんなことをしても解決しなきやならんということは調達庁としても十分認識しておるわけでありまして、ただ今までの状態がそういう状態でなかなか解決のまだ見通しが付いていないということを申上げたわけですが、然らばどうして解決するかという問題になりますと、全駐労からの希望もありまして、三者会談ということも一つの方法であろうとは思います。ただ、今のところ軍が調達庁の全駐労からの希望、三者会談の要請の取次ぎをしたものに対して、まだはつきりとした返事はないわけでありまして、むしろ向うの気持としてはまだその時期にあらずという考え方を持つているんじやないかと思われるわけであります。その気持はそれじやどこにあるかといえば、恐らく軍としては、現在の退職手当の規程で国家公務員に比べて、むしろ優るとも劣らない、だからこのままでいいじやないかという考え。それから全駐労のほうは現在の退職手当の規程の全部に通じて八〇%増という主張。それから調達庁は、短期間については現在の規程だけでみましても非常な高率になつて国家公務員に比べて遙かにいいわけであります。而も講和条約発効を機として、もう前から勤めておる方でも一応身分切替えによる退職手当の支給をいたして、新らしく入つたような期間更新をいたしておりますのですから、現在の労務者は事実上は六年も七年も勤めておる者でも、二年四カ月ばかりになつておるわけであります。これが殆んど大部分です。従つて長い期間の者を考えずに、その短かい期間の者だけについて国家公務員の退職手当に対する特例のような最低保障額の制度がありますから、それにならつて駐留軍労務者についても、今の規程の勤続期間の短いところについて最低保障の制度を入れて、而もそれにすべてプラスーカ月が加わることは、これはまあ駐留軍労務者が国家公務員と非常に違う特徴でありまして、その特徴は入れて、そうして最低保障という制度をとり入れて行つたらば、最も適当なところで、国家公務員と比べても非常に歩調が合うわけであります。そして長い勤続年数の者は現在ないのだから、それまでも入れた全体の退職手当の新らしい基準をきめるということはなかなかむずかしい。而も基本労務協定自体がいろいろ給与問題でまだ引つかかつておるわけで、差迫つた今日その根本問題までも論議するということは徒らに時間がかかるだけで、現在の実際の役に立たない。だからこれは追つて研究していいんじやないかというような案になつておるわけであります。そんな関係でこのままではなかなか話があつてもつかんじやないかというふうに或いは見ているんじやないかと思いますが、そこで問題は、まあ考え方は違つておりますが、軍としては手取りがどうかということを一番言われるわけで、国家公務員と比べて手取りがどう、或いは八〇%増にするとどう高くなる、そんな、全く法外に高くする、それほど高くする必要はないじやないか、それから調達庁の案についても、そういう意見を言われるわけです。それでこの調達庁の案については全駐労の方には相当数字的な説明をしてあると私は思つておりますが、どの程度深く掘下げて説明しているか今ちよつとはつきりいたしませんが、調達庁の案を数字的に全然全駐労の幹部に説明していないはずはないと思つております。今ちよつと手許に表がありますので、結局軍のほうでは実際もらう額がどうかということを言われるので、それを国家公務員の現在り法律に基く退職手当の額と、それから駐留軍労務者について現行規程によるそのままの額、それから組合のほうの要求にかかる八〇%増の計算にしたらどうなるか、それから軍側と今協議中の調達庁の案によつたらどうなるか、この表のうちのちよつと著るしいのをとつて申しますと、これは六カ月から一年、二年、三年、四年、五年、六年、七年とこう勤続年数別にとつてありまして、いずれも平均ベースに基いた計算をしてありますが、これによりますと、六カ月の者については、国家公務員についてはベースを一万五千八百四十六円として、最低保障によりますと二・七カ月もらうことになりますから、四万二千七百八十四円になります。それから駐留軍労務者について現行規程によるそのままにいたしますというと、これはベースを一万七千二百四十円、大体そうなるものと見て一万七千二百四十円のベースにしてあるわけであります。それに六カ月でありますから、一万七千二百四十円に十二分の六をかけてあとで一カ月を加えた、そういう計算にしますというと二万五千八百六十円になつて、これは確かに少い。それから組合の要求八〇%増によりますというと、これは四万六千五百四十八円。これを国家公務員の六カ月の場合の四万二千円を一〇〇としますと一〇九に当るわけであります。それから調達庁が今軍側と折衝いたしておる案によりますというと、六万三千七百八十八円、一四九%に公務員に比べてなるわけであります。これによりますというと調達庁の案が一番高いわけです。それから一年になりますと、国家公務員のほうは五万七千四十六円で、駐留軍の現行規程によりますと三万四千四百八十円、それから組合の要求に基く計算では六万二千六十四円。これになるとやはり一〇九で、国家公務員より若干いいわけです。それから調達庁の出した案では七万九千三百四円で一三九%になるわけであります。かようにして行きまして四年のところに行きますというと、国家公務員のほうでは八万五千五百六十八円であるが、駐留軍労務者の現行規程による計算では九万九千九百九十二円で、一一七%に当るわけであります。それから八割増の計算ならば十七万九千九百八十六円で一三八%。調達庁の案では十一万三百三十六円で一二九%になる。そこでこれで今おわかりの通り、現行規程によりましても、四年以上になりますと国家公務員より少しよくなるということになるわけであります。逆に言えば、三年未満は現行規程では国家公務員よりも額が少い、こういうことに相成るわけであります。それからもう五年になりますというと、八〇%増にしますれば、これは……、その前に、現行規程によりましても十四万六千五百四十二円、一七一%になります。ですからもう五年くらいになりますというと、国家公務員に比べて現行のままの規程でも非常にいいわけであります。これは率ですから、基礎がよくなればよくなるとこういうふうなことになるわけであります。それから組合のほうの八〇%増によりますれば二十六万三千七百七十二円で三〇八%で、ここに来ると、五年になるというと、国家公務員に比べて三倍になる、こういうことに相成るわけであります。調達庁の案では一七一%と、うことになつております。で、実は軍に言わせるというと、現行規程によりましても国家公務員よりいいんじやないかという理由の中には、このほかに失業保険手当が六カ月分、これは尤も一時にもらうわけではありませんが、或いは直ぐ解雇する場合には一カ月の予告手当が付く、こういうことを言いまして、これらを皆加えるというと現行規程によつても、而も年数の下のものでもいい。こういうような主張をいたしておりまして、自然調達庁の出した案につきましても、これは勿論今申した数字は失業保険手当と或いは又一カ月の予告手当は入つておりません。にもかかわらず、皆百三、四〇%多くなつておるというような状態でありますので、調達庁の案自体に対してもなかなか今のところは殆んど認めるような意向を漏らしてないわけであります。で、この数字を眺めてみまして私ども調達庁としては、如何に駐留軍労務者の身分の不安定というような特殊事情を考慮に入れましても、非常に割合いがよくなつて、こうまでもするのは、これは結局程度問題とはいいながら、どうも妥当性を欠いているのじやないか、公務員との均衡を失するんじやないか、こんなふうに思つておりまして、何とか調達庁の案そのものを、これがもう完全無欠な案だとは毛頭思つておりません。調達庁としては何とかこの方向を一緒にして、そうして力を合せて強く軍に交渉するというような時期の来ることを、一日も早く希望しておるような状態であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 今いろいろお話がありましたか、私は駐留軍側と調達庁が交渉しておる、その交渉の経過の中で報告された点に三つの問題があると思います。そのらは、今いろいろ数字を並べてお話になられましたけれども、この表の上でも明らかに駐留軍労務者は昭和二十七年四月以降身分が切替えられて、従つてそれ以前の動続者は退職手当を支給されて更新されておるわけです、三年の者は。ところが三年以下の場合になりますと、この表から言いましても、国家公務員の場合には六カ月が、おつしやるように四万二千で、現行規程による駐留軍労務者は二万五千円、一年の場合なら五万七千円に対して一二万四千円、二年の場合なら七万七千円に対して五万八千円、これに対して失業保険云々の問題を主張されたようですが、そういう点を拾い上げるということになると、今度は国家公務員の場合には、臨時待命制度、特別待命制度もあるじやないか、こういう話が出て来ると思います。而も国家公務員の場合には、数度に亙つて退職手当に関する支給率が更新され而もかなり改善されて来た。駐留軍労務者の場合には、二十三年以来殆んど据置きじやないか、おまけにこの問題を調達庁が明確に担当することになつてからのちには、何ら退職手当の問題について改善された跡がないじやないか。こういう点について私は腰を据えて、調達庁は、駐留軍側のほうで国家公務員に比べてちつとも不利じやないじやないかと言う点を、私ははつきり調達庁側の見解を述べれば、わからないはずはないと思うのです。  それから御承知の通りに、国会に提案されているこの手当に関する法律の改正案の趣旨から言いましても、駐留軍の労務者は国家公務員とは比べものにならない劣悪な条件の下に働かされている。先ほど委員長も言われましたが、風俗習慣はもとよりのこと、例えば今回のごとき馘首されようとしている駐留軍労務者の数は、国家公務員に対して政府のとろうとしている行政整理の数なんかとは比べものにならない高い率でやろうとしているじやないか。而も軍の都合による解雇とか或いは保安解雇とか、常に我々から見れば不当な馘首ということのできる首切りをやつている。そういう劣悪な労働条件の下に働いている者に対する退職手当の支給の方法が、率で比較検討するならば訳はわかるが、手取金額で多いとか少いとかということは、これは論外だと思うわけであります。而も一方は何回も改正されているにかかわらず、片方は据置きになつている。給与の水準にしても退職手当の率にしても、それだけの条件が備わつているから、二十三年当時国家公務員よりも遥かに有利に駐留軍の労務者がきめられたのは当然じやありませんか。それを今頃になつてなお且つ手取金額では併しこうだと言うことは、私はあたらないと思うのであります。その点については、調達庁としては緊禪一番して向うと折衝してもらう必要があると思うのです。  それからもう一つの問題は、今までの交渉の経過の中で、駐留軍側で、どうせ調達庁のほうから持つて来ている案を駐留軍側が呑むことにしても、駐留軍労務者側は呑みそうにもない、だから呑みそうにないものを何も調達庁側と折衝してみても、それから受諾しても無駄たという考えで、駐留軍側が調達庁の案を蹴つているという話でありますが、この点は私は非常に問題だと思います。実際上どうあろうとも、法律の建前から言つても、駐留軍に対する諸給与の決定は調達庁長官がやることになつている、調達庁長官が責任を持たなければいけないのです。そうすれば、その給与或いは退職手当等の問題について、やはり複雑で困難な問題ではあるとしても、その責任を十分にとつて交渉するということになれば、一体駐留軍労務者側は呑むだろうか呑まないだろうかという推測を前提にして、それを向うが蹴つているという態度については、調達庁としてもつと軍側と交渉する責任があると思うのです。駐留軍の労務者側が呑まないだろうから、お前のほうで持つて来たやつを呑んでもしようがないと言われて、そのまま引下つているとは思わないが、只今の報告では引下つているような印象の報告ですが、これでは私はいけないのじやないかと思う。従つて又もう一歩積極的には、調達庁としては駐留軍の労務者諸君と十分この問題について話合う必要があろうと思うのです。私はどういう妥協の線が出るかなどということを考えたり、揣座臆測して話をしておるのじやありませんけれども、結局調達庁長官としては、それだけの責任を持つているのだから、やはり駐留軍の労務者が呑まないだろうという考えで、向う側が蹴とばしていることに対しては、調達庁としては責任を持つて向うと交渉しなければならんし、責任を持つためには、やはり駐留軍の労務者諸君とももつと積極的な態度で私は話合いをする必要があると思うのであります。何か聞くところによりますと、最近三者会談を希望したところが、その三者会談については、文書回答が来たとか、拒否されたとか、そういう話がありますが、そういう状態になつたのをそのままみすみす捨てておいたら、これはかなり容易ならん事態に私は突入すると思うのです。従つて解決するような条件を至急整えるための話合いをすることも大事であるけれども、そういう三者会談なり、若しくは三者会談が急速にできない条件に陥つておるならば、この際調達庁側と労務者側ともつと積極的に話合いをするなり、又法の建前から言うと、調達庁の長官がきめる退職手当の決定については、これは政府自体の責任なんだから、政府の責任者も交えて、この問題について最悪の場合にはどうするかということについても、私は話合いをされる必要があると思うのであります。若し政府のほうでそういう話合いをするという点について、消極的だつたり責任を回避しているような傾向があるとすれば、これは国会としても十分その点については、これから究明しなければならんと思うのであります。  従つて以上ここで問題になつた三つの点等について、この際次長から明確にどうするとか、こう考えるという点について、一つはつきりしてもらいたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) まだ今まで申上げたところによると、調達庁の努力が足りないように御観察になつてやせんかという心配もあるわけでありますが、これはまあ抽象的に申しますというと、この問題解決のために、長官初め労務次長、労務部の幹部、ときには仕事の都合を見て私も加わりますが、内輪の相談や全駐労の代表者とのいろいろな相談とか折衝とか、或いは軍に対する交渉、これを全部含めて言うならば、殆んど毎日それにかかつておる。まあ長官はここにおりませんが、私に言わせると、調達庁長官は労務問題に専心している。他のほうはどうも非常に手を抜いておる、これでいいのかとすら思うほど、殆んど労務のほうに全力を注いでおると申上げて差支えないと思います。全駐労との交渉は、これは両方のいろいろな準備或いは都合もありますから、無論毎日ではありませんけれども、非常に回数を重ねております。この問題が比較的最近に非常に強く要望されるようになつてから、恐らく十数回折衝しておるのじやないかと思います。それから軍に対しては、これはもう殆んど毎日といつていいほど、長官が行かれる場合、部長が行かれる場合、或いは又もう少し事務的の、下のほうで以て細かな説明をする場合、殆んどこれは毎日折衝を続けていると申上げて差支えないと思います。これは抽象論ですけれども、そういうわけで、非常にこの問題の解決に全力を尽しておるということだけは一つ御了承願いたいと思います。  そこで今お尋ねの問題でありますが、軍のほうが手取りを問題にしている、手取りがとうというようなことで以て、なかなかこちらの調達庁の、ましてや八〇%増の駐留軍労務者の案も全然話に乗らんということは、まだこちらの努力が足りないのじやないかという御意見もありますが、実は軍がこういう考え方でおるということをそのまま申上げただけであつて、軍のその手取りということについての比較が果して正しいかどうか、或いは失業保険だとか解雇手当だとか、まだ私先には申しておりませんが、切換えの場合には、新らしく雇うと同じ観念で給料をきめるべきものが、前から続いておるそのままの給料を引継いで払つている、これなんかもつと安くすべきものを非常に高い給料のままで払つているのじやないか、それに合う倍率を掛けると非常によくなる、こういうことも言われておるわけで、いろいろの問題が軍の主張の中にあります。それを私どもとしては、無論その都度いろいろ反駁はいたしておりますけれども、最近全部文書にしまして、軍の主張の間違つておるということを非常に強く示して、こちらの意見書を出しております。軍としてはそれを十分見て、そして返事をするということになつている。まだ返事は参りません。そんな状態で、私のほうとしては決して軍の言い分を尤もだから、成るほど金額で以て比較すべきだということは、毛頭考えておりませんし、軍の言うことはかなりピントの外れた主張も相当あるのじやないかと思いまして、非常に強い主張の下に、向うの言い分が間違つておるということを指摘しております。そんなわけで私どもとしては、調達庁の今の案について決してまだ失望しているわけじやない、まだまだどんなことをしても、一つあの案について軍の了解を得たいという考え方を持つておるわけでありますが、ただ一方全駐労の八〇%増という問題がそのままになつておりますから、それも睨みながら、或いは交渉しながら、軍と話をしないというと、いよいよ或る程度話がつきそうになつて、調達庁としては殆んど背水の陣を布いたようなわけで、全力を尽してやつたのだ、ところが或る程度認められるような恰好になつても、全駐労としてはどうしても話がつかんということになると、これは労務者にもお気の毒ですが、調達庁そのものも面子が潰れてしまつて、却つてそれから先の進行の邪魔になるというような心配もありますので、そこで全駐労との話を更に進めて、何とかそこに歩みよりといいますか、或いは方向を少くとも同じにして行くことが必要じやないか、そうして軍のほうに強くぶつつかつて、できるだけいい条件で解決をしたい、かように考えておるわけであります。  それから軍のはねつけている理由として、全駐労が八〇%増を出しておつて、調達庁がこれを説得し得なければ、同じことじやないかというとが一つの向うの理由じやないか——これはそういう言葉を使つているわけじやないのですが、私ども調達庁で今いろいろな案が出ておつて、それがまとまらんことについて、いろいろな想像をして、そういうような状態で若し仮に向うが調達庁案に食いついて来ても、そういう問題があるものだから、軍としては或る程度、どうせ調達庁と全駐労との話が何とかつかないうちは、やつても意味をなさんじやないかというふうに考えておるのじやないか、いろいろなことから想像して、そういうことを申上げているので、向うがはつきりと、調達庁が全駐労を説得し得ない、だから認めても効果がないじやないか、同じことじやないか、そうまともに言つているのじや無論ありません。私どもとしても全駐労との話が完全につかないからと言つて、調達庁の見るところでは最善の案で、これが軍の承諾を得る最大限の線だということになれば、その線に向つて承諾を得るため全力を尽すことは当然のことだと思うわけですが、併し何と言つても、三者話がつかなければ、本当の解決になりませんから、今の軍との交渉もさることながら、全駐労との間の話合で何とかそこにもう少し同じような線に乗ることができんかというところをも非常に重大視して、今後全駐労との話合い、それから軍との折衝、両面でやつて、そのうちに軍のほうで三者会談でも同意するということになれば、なお又この問題の解決に一歩進み得るのじやないか、そんなふうに考えておるわけであります。  調達庁もつと努力すべきじやないか、もつと積極的にやるべきじやないかということ、御尤もでございますが、今まで申上げたことによつて、調達庁がこの問題解決のために非常に積極的に力強く、もう殆んど他の仕事が少し停滞しても、この問題を解決することが当面の一番調達庁の大事な使命である、こんなふうに考えて、私から言えば、ちよつと長官に対して不服を言いたいくらい、長官は殆んどこの問題にかかつておる。こういうことで、調達庁は非常に熱心に努力しておるということを御了承願いたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 お話の調達庁、特に長官等が連日非常に努力をされている点については、かなり詳細に承知をしておりまして、まあその限りでは、私の先ほどから言いましたことが、追及と問責という恰好、非難という恰好ばかりにとれたら、これは少し私の言い方が十分意を尽していなかつた点があつたろうと思うので、この点は了解されたいのであります。  まあ私は何としても、この問題については、調達庁に責任をとつてもらわなければならない問題だ、調達庁が中心になつてこの問題を解決するためには、駐留軍側との積極的な折衝も必要であろうし、同時に又できれば労務者側とも了解に到達できるような話合いをするということが、何としても必要だろうと思うのであります。この点については、私はこの上とも調達庁の努力に期待したいと思います。  まあそういう点で、私は他の委員からも御質問があるようですから、この程度でとどめますが、最後にお尋ねしておきたいことは、先ほどの質問にも申上げましたが、法の建前から行けば、調達庁長官がきめるという建前になつております。そしてその給与の実際に支給する立場の者若しくは支払いする立場の者との事実上の関係はどうあろうと、法律の建前から言えば、調達庁はこれに対して相当責任をとらなければならん。調達庁の責任は日本政府の責任である。そういうことになりますと、これは一調達庁の問題ではなくて、やはり日本政府としてこの問題について相当積極的に考えなきやならないはずだと思うのですが、私はその点については、どうも政府の態度に、この問題についての誠意は認められない傾向が非常に多いのじやないかと思う。一体調達庁としては、この問題について労働大臣なり或いは他の関係大臣とどういう交渉を持たれておるか、それからどういう返事を調達庁のほうへ関係各大臣がしているか、その点について一、二具体的な内容をこの際お話願いたいと思う。  それからもう一つは、調達庁の労務部長がかわりましたね。一体調達庁の労務部長がかわつたのは、どういう理由でかえたのか、調達庁自身がその更迭について積極的なのか、乃至は又了承ずくでそういうことになつたのか。私の考えから言えば、非常にこの労務者関係の問題が焦点に立とうとしておることが明らかな段階に、労務部長を更迭するということは、私は策を得た方法ではないと思う。まあ有能であるか有能でないかは別として、私は有能だということを知つておりますが、有能であるか有能でないかは別として、少くとも問題解決のためにはとるべき方法ではないと思う。調達庁は一体そういう方針に賛成だつたのか、若しくは又調達庁自身がこれを了承ずくでそういうことになつたのか、私ははつきりこの際その点を聞いておきたいと思う。その二つの点を伺いたい。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) この問題は非常に重大な問題であるにかかわらず、他の各省、まあ政府として熱意が足りないのではないか、調達庁は他省とどういう関係を持つておるかというお尋ねでありますが、申すまでもなく、調達庁が主務庁としてやつておりますけれども、事は米軍との重要な関係の問題処理でありますから、延いては外交上の問題にも影響することと思います。又大蔵省もいろいろな意味において決して無関心ではないわけであります。ましてや労働省は、やはり国内の大きな労働問題として、労働大臣がその責任を持つことは当然であります。そういういろいろの事情がありますので、私のほうではこの問題が相当熾烈になつてから、いろいろな段階ごとに、詳細に次官会議にも報告し、それから閣議にも報告をいたしております。殊にストの前後におきまして、まあ軍からもストそのものの執行上の注意もありましたが、軍の注意を待つまでもなく、日本政府自体として、過去の経験から、やはりストに入つたその直後あたりは、かなり摩擦がありますものですから、そういうことのないようにという意味で、関係各省が集まつていろいろ情報交換をし、そうして各省それぞれの立場でそれぞれの配下に向つて指導的の通牒を出して、そうして而も連絡をとりながら、極力一つ円満に推移するような考え方に指導して参つたので、そういういろいろ措置についても閣議に報告して了解を得ておるような状態であります。まあ要するにこの問題は、無論政府の大事な問題として調達庁がその主務庁としてやつておりますから、調達庁が発動するというものの、ときには又労働大臣から担当大臣としての注意を受けることもありますし、その他外務大臣から注意のあることもありますが、十分連絡をとりながら、政府の問題としてやつておると申上げて差支えないと思います。  それから次に、労務部長の更迭の問題でありますが、まあこれを率直に申上げると、百田労務部長に調達庁が来てもらうときに、誰も調達庁に来ることは好まんわけなんです。各省からそれぞれ慣れた人を本当は入つてもらつてやることが、私どもはいいと思うのですけれども、これはまあいろいろな理由から調達庁に来ることを各省の役人は好まない。有能な百田労務部長に来てもらうについては、やはり相当辞を低うして来てもらわなければならん。そこでこれは労働大臣としても、調達庁に出すについては、大臣の命令一下、昔のようにもう電報一本でどこへでも飛ばされるというような時代ではありませんから、かなり懇切に説得をされた節があるわけなんです。で、まあ私どもかすかに聞いたところによれば、決して長く置こうとは思わんから、非常に大事な仕事であるから、一つまあ一生懸命やつてくれと、その代り或る期間が来れば、又労働省のほうに引抜くようにすると、こういう意味合のことを話されたようであります。私どもが露骨に聞いたところによれば、まあ一年ぐらい一つやつて来いと言われたとも聞いております。そこで確かに百田君は非常に一生懸命やりましたし、百田君が来てから、労務基本契約の改訂の問題から、いろいろな問題で、労務行政というものは以前に増して非常にむずかしくなつたわけでありまして、そんなことから、ただ肉体的の問題だけじやなくして、よくサンドウイツチのような形になる傾きがありますので、精神的の苦労が非常に多かつたのじやないか。肉体的の苦労と精神的の苦労と相待つて健康を害しておりまして、私わきで眺めておりましても、本当に気の毒に思うことがよくあつたのであります。そういうことと、それから前に調達庁に来るときの或る程度の話合、人事というものはそのとき話したからといつて、必ずその通りに行くわけのものじやありませんけれども、健康がむしろ大事な理由になり、そうして又前の話合もあつて、適当な時期に交替するというような話があつたわけであります。適当な時期というのはどうなのかということになると、これは今のようた事情にありますというと、いつまでたつても、それじや慣れたいい人がいつでもひいてもいいという時期はありません。それでついストの終つたときあたりをおよそ狙つて交替することになつたわけであります。決して他のややこしい理由はこの問題については絶対ないと思います。全く健康上の理由と、それからそう長くおかんから或る時期になつたら又交替するからというような言質もあつて、この機会をとらえて交替した、かように承知いたしております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 新任の労務部長が練達堪能だから、そう問題にはならないと思いますが、併し今次長からお話があつたように、労務契約その他についてはかなり優秀な成績を挙げられたかたであるし、まして平常ならば今おつしやるような、例えば一般的な健康の問題とか、或いは個人的な希望とか、意思表示とかいうような問題について、次長のおつしやられたような点は、私は平常の場合でしたらそれで一向差支えないし、了承できると思う。場合が場合だし、問題が問題だけに、やはり私はその点については釈然とできないものが残ると思う。併しこの点については次長にこれ以上追及することは酷ですから、次の機会に関係大臣等に出席してもらつて、この点については責任上明らかにする必要があると思うのです。  ただここで一つお尋ねしておきたいことは、さつき関係大臣等の調達庁とのこの問題についてのいろいろな折衝の内容については、抽象的な御答弁を承わりましたが、その中で大蔵省のほうでも決してこの問題について無関心ではなくて、それぞれ考えているというお話がありましたが、その具体的な内容についてはどの程度か、私はもう少し具体的に聞いておきたいと思います。私の聞きたいというのは一つはこういう点です。さつきも申上げたように、これは飽くまでも駐留軍労務者の給与については調達庁長官がきめるという建前になつておる。従つてこの問題について、いつまでもごたくして、而もいつまでも解決をしない。解決しないまま放つてはおけない。そういう段階になれば、当然これは日本政府としては責任を負わなければならない問題になると思う。そういう場合に遭遇するとして大蔵省側では、さつきのお話では、その程度のことについてまで考えているのか。又そういう内容について話合があつたのか。あつたらその内容、これを承わつておきたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 大蔵省との関係につきましては、特にこの問題について具体的に大蔵省と折衝するという問題はないと私は思つております。ただ次官会議に先ほど申しました通りかなり各段階、段階に報告をいたしております。そういうときには、大蔵省の立場では、やはり今は国家公務員ではなくなつておりますけれども、前に国家公務員でおりまして、それから退職手当は一応そのときを基準にして退職手当の支払という問題そのものが当時大蔵省との間で一番問題があつたわけであります。それが今となつてみますと、あの退職手当を切換えてもらつたということが、どうも結果においては損であつたというような、言換えれば、大蔵省は当時どつちかというとあれを好まなかつた、支払の時期なども必ずしも大蔵省はそう早く払うことを好まなかつたような事情もあるわけです。尤もそれは資金関係のほうも影響しておりますけれども、そんなわけで、これが又今度の交渉に影響しております。軍がすでにはつきりそういうことを言つております。そういうことと、それから今は国家公務員でないまでも、やはり国家公務員並に扱うという大きな原則はあるわけでありますから、その意味で大蔵省としては大きな関心があるわけであります。私どもも直接支払そのものに、大蔵省の、これは別の金融問題になるわけじやないのですが、事務的に大蔵省に何も相談するというものもないわけじやありませんけれども、そういう事務的な見地から、私ども大蔵省との関係もありますので、成るべくやはりこういう問題は関係各省として相談をするような場合には大蔵省も入る、次官会議等ではかなり大蔵次官も関心を持つていろいろ発言もあるということが申上げた意味であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 その程度だろうと私も考えたのですが、併しこの前の退職手当は昭和二十八年ですか、そのときに支給することにしましたが、その経過については、次長のおつしやるような経過がありましたけれども、今になつてから、大蔵省が、おれのほうでは駐留軍の労務者自体にとつて、ああいうやり方をすることは決して有利ではないという考えで大蔵省があの当時退職手当を支給することに賛成しなかつたというのは、これは全然逆で、この問題もそうですが、未だ曾て大蔵省が公務員とか労務者の立場に立つて少しでも有利にしてやろうなどという考えを持つたことはつゆほどもないし、今後ともそういうことは全然期待できないはずだから、この点については次長に考えを一つ改めてもらうことを希望して、私は一応質問を打切ります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) 深川先生どうでしようか、今集いろいろ特調側の現況の御説明を願つて、又千葉委員の質問に対する答弁があつたわけですが、これに対して又参考人のほうの組合側のいろんな意見があるかも知れんが、それを先に聞いたほうが質問をされる場合に、いろいろ参考になつていいのじやないかと思いますが、どうでしようか。先におやりになりますか。

深川タマヱ改進党

○深川タマヱ君 いや、そうはなさいませんで、お忙がしいかたですから……。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) それでは市川参考人から主として組合側のとつて来た今日までの経過、それから将来の見通しについての見解を聴取したいのですが、退職手当の率等について公務員の場合、それから駐留軍労務者の現況、八割増になつた場合、それから特調が作つて今まで政府側で折衝しておつた案というようなことは、表ももらつておりますし、これは御説明にならなくてもいいのじやないかと思いますから、今まで特調側から述べられた経過、それから特調のとつて来られた態度等についての、組合から見た場合の相違点があれば、相違点を指摘しながら将来の見通し、それから組合で決定をされました将来のその要求獲得の方針等、そういうようなことについて意見を求めたいと思います。

市川誠全駐留軍労働組合中央執行委員長

○参考人(市川誠君) 全駐留軍労働組合中央執行委員会の市川誠でございます。  駐留軍労務者が非常に大きな期待を持つております特別退職手当の問題について、法律改正についていろいろと継続審査等に御配慮を願つております人事委員会に対しまして、厚く御礼を申上げたいと存じます。  特別退職手当の問題について、八月十三日の人事委員会後の状況といたしましては、全駐労といたしましては、たまたま当時北海道の札幌で八月の十四、十五日中央委員会を開催いたしまして、主として北海道の陸軍部隊の撤退によりますところの現地事情等を、全国的な代表者によつてはつきり把握いたしましてそうして闘争の方針等をきめた次第であります。その後九月の四日、五日に、東京で臨時全国大会を開きましてこの特退手当要求のために実力行使をかけて闘うという議案を審査しまして、二百二十名の代議員のうち二百十八名の賛成、反対零というような表決で能度を決定いたしたのであります。臨時大会が終りましてから、九月の六日に調達庁長官とも交渉いたしまして、いろいろと対軍折衝の経緯等も聞き、又そのテンポ等とも見合せまして、同日の交渉等におきましては、北海道の撤退によりますところの第一次の首切りは九月十三日に発効する条件があつたのであります。そういうような問題も含めまして、六日の交渉の際におきまして、どのような条件で特別退職手当問題が決定するかまだ未定ではありますが、きまつた場合には北海道の撤退による首切り該当者等を含めまして九月一日に遡つて適用するという確認書を交換したわけであります。なお更に、米軍関係のみならず、山口県の岩国、或いは広島の呉、東京の恵比須に一万三千人ほどの英連邦関係の労働者がおります。これも本年の七月から間接雇用制度に切換えられましたので、それらの人に対する同時同率の適用、期間通算の問題につきましても、英連邦関係とも暫定労務契約もございますので、それらの事案につきましては、米軍関係の条件がきまつた場合に、英連邦軍関係の労働者にも同時同率で以て適用する。更に又期間通算についても措置をするという二つの確認書を交換したわけであります。その後、大体軍側との交渉の一つの目安といたしましては、八月二日に小坂労働大臣がテンプル参謀次長と会見した際に、特退問題については九月十四日までに解決をする、更に又公務員と比較して下廻つた場合には是正をするというような二つの原則的な事項が了解されておりましたので、九月十四日までにどうしても解決を促進したい。そういう意味からいたしまして、全駐労といたしましてはいろいろな時間経過を考えまして調達庁長官に対して九月の十日までに最後的な管理者側の態度を回答してもらいたいというように要求したわけであります。九月の回答は文書でなされたのでありますが、何ら事態の進展が得られなかつたのであります。全駐労といたしましては、いろいろな条件、情勢等を考えまして更に又労働協約によるところのストライキの事前通告等の関係もありましたので、十日以前にストライキの通告をせざるを得なかつたのでありますが、九月十三、十四日に四十八時間の第一次ゼネストを行なつたのであります。十三日に全駐労といたしましては政府側に速かにこの問題を交渉によつて解決をしたい。そのために軍、政府、労組代表者による三者会議の開催を文書で申入れたのであります。当時まで、調達庁長官といたしましても、管理者側の政府と軍とのいろいろな賛調整ができていないから、三者会議を成るべく延したいというような意向も述べられておりましたので、組合側といたしましても、それらの事情も十分勘案いたしまして、かねてから三者会議を早急に開催を要求いたしておつたのでありますが、長官の意向等も尊重いたしまして、その時期を待つておつたのであります。併しすでに十四日までに解決をするという小坂労相、テンプル参謀次長のこの公約さえも無視されておる事態においては、長官の意向だけを聞いて三者会議の開催を待つというわけにも参りませんので、強く要求いたしたのであります。調達庁側としては文書によつて軍側に申入れましていろいろと折衝したようでありますが、スト中には事態の進展がなく、九月十六日付の文書ではつきりと軍側が三者会議の開催というものを拒否して来た、こういう状況を十八日の長官との交渉の際に通告を受けたのであります。いろいろ軍側が拒否する理由といたしましても、すでに政府側で対軍折衝のなかで触れられておつたような点で、結論的には公務員給与と比較した場合に駐留軍労務者が下廻つていない、従つてそういう見解に立つ軍側としては、三者会議を開いても何らの利益もないであろう、こういうような回答の趣旨でありました。全駐労といたしましては、飽くまでも平和的な交渉によつて解決をしたいと考えまして、政府側の申入れた三者会議の開催について軍側が拒否して、政府側としてそれ以上のアクシヨンがとれないという事情もありましたので、昨日私初め他の中闘が市ケ谷の司令部に参りましてテンプル参謀次長に会見を申入れたのでありますが、昨日は終日会議があるので会えないというので、取りあえず労課のミスター・アイリツク、ミスター・グロージヤツク、カーネル・ライトという三省の人に会いまして、用意いたしました三者会議の正式な申入れ書を手交いたしまして、早急にテンプル参謀次長から回答をしてもらいたい、このように申入れを行なつたのであります。軍側としても早急に日本政府側を通じて回答をするというような返事があつたのでありますが、本日今までのところ三者会議についての軍側の回答はまだ来ていないというような状況であります。  こういうような経過を辿つておるのでありますが、政府側と対軍折衝の経緯のなか、又組合側と政府側の交渉の経緯のなかでの若干の点について申上げたいと思うのであります。  それまでに私どもがどうして三者会議を強く申入れるかという点について一言触れたいと思うのでありますが、現行契約の補助協定のなかにおいては、中央交渉においては軍側の代表が出席しない交渉は正式な団体交渉とは認めない、こういうことが言われておるわけであります。そういうような点からどうしても軍側の代表が出席せんことには、団体交渉という形になりませんので、特に特別退職手当の問題につきましては、通常の交渉の際に出て参りますような軍側の代表、それらの人では権限もありませんので、我々としては権限あるところの軍側の代表の出る三者会議を早急に持つて、平和的な交渉の場において解決点を見出して行きたいと考えて、強くこの点を主張したのであります。交渉が持たれないところに、解決の目途をつけることも困難でありますので、特に強調した次第であります。政府側と組合側の交渉におきましては、いろいろ対軍交渉のなかで指摘されておりました失業保険金を含めて総体的に考えて行くとか、或いは予告手当の問題を考えるとか、給与ベースがいいとかいうような軍側が若干の要素をつけて触れておりますが、これらのものについては、調達庁の事務当局と組合側とでいろいろ検討いたしまして、若し特別退職手当問題に対して公務員との均衡の理論に立つて問題を議する場合においては、どういう理論があるかというような点につきましては、軍側の指摘しておる条件については、組合側も調達庁側も同じ見解に立つてこれを反駁し得るというところまで意見の調整は達した次第であります。そういうような条件も揃つておりますので、軍との交渉も促進いたしておるわけであります。全駐労といたしましても八割増を要求いたしておりますが、これに関しましては、軍側の言うように、或いは調達庁側の言うように、単に公務員の均衡という問題ばかりでなく、法律百七十四号の趣旨から行きましても、その他の加味する条件もあることを指摘しておるのでありますが、いずれにいたしましても、政府側とのいろいろな原則的な要素についての意見調整ができた、こういうような状態になつております。私どもが三者会議の開催を申入れると、このような措置をとつておる中において、政府側におきましても、一応先ほど山内次長からも御説明があつたようでありますが、軍側の主張に対しての反論を九月の十七日付けで軍側に出した。それに対する軍側の回答が明日なされるというように聞いております。従つて明日が又一つの契機になるのではないかと考えておりますが、そういうような情勢を考え合せてみますと、若し明日軍側が重ねて調達庁側の主張に対して拒否をして来た場合には、今までの調達庁長官とテンプル参謀次長との交渉、これはすでに終つた段階に来たのではないか。それ以上のレベルによるところの交渉というものを考えないでは、事態の進展というものは期待できないのではないか、かようにも考えます。すでに福島長官に対しましてもかような事態に対しまして、政府として十分な措置をとるようにも申入れた次第であります。そういうような中で一調達庁側といたしましても、いろいろと配慮されておるのでありますが、特に全駐労側として指摘したい問題は、調達庁が今まで対軍交渉をしておりますその基本は、現行契約の中で労務費がドルで償還される、従つて今度の特別退職手当についても、軍側からドルでこれを求めるという立場に立つて交渉いたしておりますが、組合側といたしましては、この事案について、ドルの償還によるところの問題解決ができないからというて、それでお手上げというわけには参りません。その場合においては政府の責任によるところの支出というような問題も要求して行きたいと考えておるのであります。勿論私どもがこう申上げることは、すでに軍側では今年度陸軍関係約二万五千人くらいの首切りが予想されておりますが、そういたします場合には、かなり軍予算としては削減された形で使われて来る。若しそういうような削減された予算を対象として日本側の防衛分担金というものを考える場合には、かなり日本側の防衛分担金の減額の余地もあるのではないか。そういう部面からの特別退職手当に対する配慮も、政府の措置として十分にできるのではないか、そういうようなことも指摘して政府側に十分責任ある措置を求めて行きたいと考えておるのであります。全駐労といたしましては、他の日駐労或いは全日海ともいろいろと相談をいたしまして、この特別退職手当の要求は全駐労組合だけの要求ではなくて、基地で働いておる労働者を以て組織される全体の組合の統一された大衆的な要求になつております。従つて我々としては第一次ゼネストを、九月一杯を平和的な状態においての解決の期間として見て行きたい。その間において対政府交渉、対軍交渉を進めて行く。そうしてなお且つ政府に誠意がない、或いは軍側も何らの誠意を示さないというような事態におきましては、十月の中旬には再び第二次のゼネストに訴えざるを得ないような事態を想定いたしておるのであります。このように私どもが、徒らに事を好むものではないのでありますが、ストを用意しなければならんという事態は、一つ特別退職手当の問題に限らず、駐留軍の労働問題につきましては、すべての問題が軍側の拒否、或いは保留によりまして一つも解決をしておらないのであります。幾つかの問題を挙げてみましても、この春からの技能工系統の給与規程の改訂にいたしましても、更に又定期昇給の改訂にいたしましても、定期昇給規程等につきましては、すでに三年来の懸案でありますが、これらが保留されておる。又労務基本契約の問題が、交渉が進んでおらないのでありますが、そういう中におきまして、軍側の労働政策を一方的に維持しておる。これに対するアメリカの抗議拒否の態度についても何ら考慮してないというような問題なり、船員の予備員制度とか、或いは軍直用労働者に対する宿舎に対する労働基準法とか、更に保健関係の適用の問題等、これらが一切停滞しておる、こういう状況であります。特に佐世保等におきましては、二十七年二月から石油廠で危険作業手当をもらつておつたのでありますが、今年の一月に至つてそれを一方的に打切つて、最近の情勢は約六千万円というすでに二十七年の二月から支払つた経費を、日本政府側の要求額から一括削除して、そうして措置をしておるというような事態もありまして、いろいろな問題が非常に山積みになつておる。軍側の拒否によつてすべて進んでない。こういうような情勢の下においては、基地で働いておる労働者が、政府の措置なり或いは軍の態度に強い不満を持つのは当然でありまして、そういう中において、大量の首切りが出ておる。政府に失業対策の解決を要求しましても、何ら措置ができない。こういう中におきまして、取りあえずの措置としての、生活保障の一端として、八割増の退職手当を要求する、要望するということは、ゼネストをかけてでも闘つて行くという組合員の意思になつておるのであります。そういう実情であります。それらについて十分御勘案願いたいと思うのであります。  特別退職手当の問題につきましても、私どもも調達庁との交渉、或いは軍側との交渉におきましても、相手側は誠意を以て対案を出して来る段階におきましては、組合の八割増にこだわるものではないのであります。十分に討議を尽しまして、そうしてその中で労使双方の誠意によるところの解決点を見出して行きたいという態度を持つておるのであります。併し如何せん、団体交渉に出て来ることさえも拒否するというような軍の不誠意な態度につきまして、今我々がたとえ調達庁長官から八割増を下げてくれないかという申入れを受けたといたしましても、八割増を下げるということを考慮するということを保障する条件は何ら一つもないのであります。そういう状況におきましては、私どもは交渉の場において、十分我々の主張も申上げ、軍側の主張も聞いてその中で交渉によつて解決点を見出して行きたいと考えておるのであります。国会における法律百七十四号の継続審査について、そういうような事情についても十分御勘案願いたいと思うのであります。  特に先ほど山内次長から額の問題にも触れられたのでありますが、若し仮に一般の公務員との均衡を考慮するという原則に立つて考えるという場合におきましても、先ほど仰せられた点では、若干の要素について、考慮する要素の中に加えることが欠けておるのではないかと思うのであります。例えば雇員、用人級におけるところの共済組合法による共済給付の問題なり、或いは事務官以上の人に対する恩給法による一時恩給の額等の問題が、やはり落ちておるように考えておるのであります。私どもも調達庁案の不合理な点についていろいろ話合いました。一部調達庁の側ではそれらの不合理を是正する意向も示されておるのであります。残念ながら具体的な双方の一致する案というものはまだできていない状況であります。  全駐労から要求しておりますところの一つ、二つについて申上げてみますと、例えば現在の規程によりまして、仮に一年勤続した者は、基本給が一万円、それに地域給が二千円、二割というような条件の人でありましたら、現在規定によりましては、二万四千円という手当が受けられる。八割増の要求ではそれが四万三千二百円になつておる。公務員の場合におきましては最低保障制がとられておりますので、同じ条件下にきましては四万三千二百円、同額ということになります。調達庁案は五万五千二百円という数字が出ております。これが二年になりました場合には、原稿規定では四万八百円、八十%増で七万三千四百四十円、公務員が五万四千円、調達庁案が六万六千円という形になつております。三年の場合には、駐留軍労務者が現行規程では五万五千二百円、八割増は九万九千三百六十円、公務員の場合におきましては、退職手当が六万四千八百円、それから一時恩給が三万円ほど支給される形になつております。従つて合せると九万四千八百円、このうち本人の負担額を引きました場合でも、八万七千六百円というような数字が出て来るように考えられます。調達庁案によりますと七万六千八百円、こういうような数字が出て参るのであります。調達庁案につきましては、確かに一年以下或いは六カ月という人については私どもの要求案より以上の額が出ておりますが、御承知かと存ずるのでありますが、駐留軍労務者の場合には人員整理が行われます場合には先任の順に浅い者から切られることになつております。従つて現在の十七万程度のLSO労務者についてみた場合には、組合他の調査によりますと、それらの勤続期間の短かいものは総体の数に比較して極めて少いのであります。従つて見せかけとしてはかなり高率の支給額が出るようになつておりますが、その給付を受ける人員というものは非常に少い。こういうような点も不合理として指摘した点であります。特に人員整理が勤続年数の短かい者から切られて行く現状におきましては、部隊が最後に撤退して行くという最後のときまで残るのは、やはり勤続年数の長い者が残る形で、而もいろいろな条件がかぶさつて、かなり苦しい労働強化の中で働いておる人たちが、調達庁案で参りますと、一銭の増額もないというような事案が出て参りますので、こういうような点について、十分考慮すべきであるというような主張もいたしたのであります。額の点については、資料等も差上げてありますので省略いたしたいと存じますが、特別退職手当問題につきましては今までのような経験の中におきましてかなり重大な段階に到達しているように私どもも感しております。司令部が交渉に応じないという点に対する不満の問題なり、本質的な退職手当に対する政府としての対軍交渉、これらも求めて行きたいと思いますが、そういう点について政府側で誠意のない場合には、我々としても重大な決意を持つて対処して行きたいと、かように考えております。  当面我々として九月一杯を期しまして、平和的な状態における解決に最善を尽して行く。その上で何らの線も出ない、相手側に誠意がないという場合には、最後の措置として実力行使をも用意して行く。勿論九月一杯でなかなか解決も困難かと思います。我々も長い闘争を考慮いたしておりますが、何分にも二万八千人の首切り問題はすでに一万八千人の人に解雇の予告がなされておりまして、十一月の十五日には相対的に整理が発効するという状態の中におきましては、早急にこの問題を解決しなければなりませんので、我々の組合といたしましては、残る労働者に対しましては、労働条件の改善として、又撤退等による首切なり或いは予算削減等によるところの首切りされる者に対しては、生活保障の一端としてこの問題を解決して行きたい、かように考えておりますので、法案の継続審査の中におきましても、十分対軍交渉の推移等も御勘案願いまして、今まで長い間苦労して働いて来た駐留軍労務者、特に最近の状況において再軍備強行によるところのいろいろな犠牲として、或いはアメリカの政策変更の犠牲を一身に受けてそうして消え行く宿命的な駐留軍労務者に対しまして、せめてもの期待として念願しておるところの特別退職手当が早急に解決されて支給されるように十分な御配慮をお願いしたいと考えまして、以上、一応私の意見を終りたいと思います。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) 有難うございました。

深川タマヱ改進党

○深川タマヱ君 調達庁の方とそれから全駐労の代表者の方に、ちよつとお尋ね申上げます。今お尋ね申上げます内容は、只今起つておりますストライキを今直ちに解決いたしますその手段という点から考えますと、やや迂遠かと存じますけれども、この際どうしてもこれをやつぱり取上げておく必要があると思つてお尋ねするのですが、というのは、駐留軍はなかなか直ちに引揚げる様子もございませんで、相当長きに亙つて日本に滞在するだろうと思いますので、この際、一つ抜本塞源的に解決策をここで見い出しておかなければいけないと思うのですが、先ほどから皆さんのお話を伺つておりますと、終戦後九年になりますのに、私たち国会は駐留軍の労務者に対しましては非常に保護が手薄であつたという感じがいたしまして、誠に済まないような気がいたします。大体お尋ねが二つの要綱に亙ると思いますが、その一つは、今後駐留軍労務者の方に対しましては、特別公務員法とでもいうような特別な法律をここに制定する必要があると思うのです。仕事の内容は、かたときもその職場を離れると、駐留軍が職務を遂行いたします上に、大変差支えになるような大切な職場でございますにもかかわらず、労働条件などにつきましては、これは日本の公務員のようにちやんとした公務員法という法律があつて、人事院という代弁機関まで揃えておいてくれるというようなことではないのであつて、力の関係から考えましても、誠に均衡を失しているような、一日本の労務者と米国の軍隊というものと対立さして、労働条件の交渉ということになりますと、只今の実績を見ましても団体交渉に出席してくれないし、いろいろな要求が拒否され通しだという、当然そうだそうと思います。筋は水爆実験の被害者への補償のように至急にしてくれなくちやいけないような問題でさえも、いつまでも延ばしているようなアメリカ当局だのに、まして駐留軍労務者のような弱い立場の人が言うようなことを、私なかなか聞いてくれないと言われてみると、さもあるだろうと想像がつきます。そこで予算面では、只今駐留軍は直接日本の駐留軍の労務者に対しまして雇用主になつているような恰好で、予算も向うから出て来て廃るだろうと思うのですが、ここにそもそも私改正の余地があるように思うのです。これはやつぱり日本の政府は日本の労務者を雇いまして、駐留軍に提供するというような恰好にして、予算もやつぱり日本の政府がアメリカからとりまして、駐留軍の労務による予算などは日本の政府のほうで支弁するということに改正する必面系かあるのじやないかしらんと思うのです。これは国会のする仕事であつて、調達庁の方や或いは全駐労の方にお尋ねすることじやないけれども、参考ですよ、長きに亙つてこういうことを運動していらつしやるので、私がこういうふうに考えることはどうでしようね、えらい間違つていましようか。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 今のお言葉の意味が、又もとのように特別な国家公務員の特別職のようなものにしたらどうかという意味であるか、或いはそういう意味じやないが、駐留軍労務者についての何か一つの基準を決めるための立法をしたらいいじやないかという意味か、どちらでございましようか。

深川タマヱ改進党

○深川タマヱ君 その前のおつしやつた特別何とかというものと関連はあるかないかしりませんけれども、駐留軍に対しまして日本の公務員に準ずるような、例えば給与の問題でも、それから退職金でも、或いは失業保険金でも、その他給与の値上げのときに、ストライキなんかしちやいけないことになれば、ストライキせんでもいいように代弁機関がなければいけないでしよう。今のやり方は民間の工場の労務者みたいにしている。従つて三者会談なんてやらしておつても会談になりませんわね、だから……。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 今お話のような意味合いだとしますと、講和条約発効前までは国家公務員として扱つて公務員法のほうで規定してあつたわけであります。なぜその国家公務員の特別職のような性格のものを普通の民間の労務者と同じようなことにしたか、実は私どもそういう方針になる時分には、地方におりましてその問題に参与をいたしておりませんので、本当の理由はよくわかりませんが、まあ問題は依然としてあるのじやないか。現在やはり御意見のような公務員としての、普通の公務員とおのずと違いますから、無論特別な規定を必要とすると思いますけれども、そうしたほうがいいじやないかという声はちよいちよい聞きます。果してそれがいいかどうかということについては、それは最近直したばかりでありますから、いろいろの論議があろうと思いますが、そういう意見のあることは事実でありますし、確かに一つの問題を解決する方法じやないかとも思われます。

深川タマヱ改進党

○深川タマヱ君 それは勿論日本の国会がそういう法律を作ると申しましても、日本の国会だけできまることじやないでしよう。アメリカが相手なんですから、本当に理事会とか何とかその方面の意見を聞かなければいけませんけれども、いずれにいたしましても、一度やはり規定を設けておかなければ、限りなくこれからもストライキが起ると思うのです。あなた様なんか、これについてはお気付きのことはございませんか。

市川誠全駐留軍労働組合中央執行委員長

○参考人(市川誠君) 只今のお話の特別公務員法の問題ですが、この点については条約が発効するときに、政府側でも組合側でもいろいろと検討いたしたわけです。その中で現在の軍関係が一番よろしい、こういうような見解に到達して百七十四号が作られました。そうして変つたわけであります。勿論いろいろと御議論がでると思います。当時の問題としては、駐留軍労働者の寒椿というものが、いわゆる日本の公務員法の公務員の定義の範疇に入らないという点が実態の中から勿論主張されたのであります。そういう点がかなりあつたのでありますが、今の状況におきましても、軍側がもう少し誠意を持ち、或いは政府側が誠意を持つたならば、駐留軍労働の円滑な労使関係は十分に期待し得るというように考えておりますので、現状におきまして、二年余ほどの経験ではありますが、その種の特別な法律を制定して、特に労働者の基本的な権利を制限するというようなことについては、組合側としては反対でありますし、又十分な考慮を願いたいと思うわけであります。勿論我々としてもことを好んでやるものでなくて、先ほど申上げたように、相手側が十分誠意を以て交渉する場合においては解決し得る事案というものは数多くあるのでありますから、そういう点はもう少し御者威願いたいと思うのであります。  第二点の問題でありますが、日本政府が要するに完全な雇用者としての権利を行使するという点については、全面的にはこれは同感であります。行政協定交渉の際に、ラスク公使が来たときにも、私どもは特に意見書を出しまして、駐留軍の労働者については日本政府が一元的に労務を管理して行く、この制度を確立しなければうまく行かないという意見を出しまして、これはかなり向う側で重要な意見として考慮されたということをその後聞いたのであります。勿論行政協定の十二条五号に労働法関係の適用問題を入れたのも、それらから出て来たのでありますが、私どもはやはり労働者に対する雇用主として一切の責任と権利というものは、日本政府側が要するに負つておる。そうして作業の指揮監督に関する限りにおいては軍側がその権利を持つ、ここで画然として区分して行つて駐留軍労働者の十分労働管理というものができる、かように考えて主張したのですが、これは一昨年からの交渉によりまして、新らしい労務基本契約の交渉の中におきまして、残念ではありますが、組合側の主張が全面的に入りませんので、組合側が一歩譲りまして、昨年の十月結んだ基本協定の中においても、日本政府と軍側とが対等の立場において労働を管理するということ、この原則が基本協定の中に結ばれたのであります。労働組合側としても、これを一応合意したという経緯があつたのでありますが、要するに昨年十月、日米両国政府代表によつて調印された基本協定が実施に移されておりますれば、駐留軍労働の労使関係はもつと改善されておると思うのでありますが、残念なことながら、この基本協定が昨年のゼネストをかけて闘つたのでありますが、この基本協定がまだ実施されていないという、こういう実情でありますので、非常に遺憾なことであつたのでありますが、労務費をアメリカ側がドルで負担をして日本政府側の立替えした資金に対して返してくれという制度の中におきましても、おつしやられましたように、政府が完全に雇用者としての権利と責任を持つて行くという、この措置はできるのじやないか、そういうことが望ましいとかように考えております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 今日これ以上突つ込んで聞くことも、まあ御答弁が得られないと思うのですが、この問題に対して一応テンプル参謀次長のほうに回答を要請している。それがノーと来れば、一応現在の段階としては解決困難だというので、まあ直接労働大臣なり或いは外務大臣と、政府が背負つてこの問題の解決に当らなければ、具体的に解決のメドがつけないように思われるわけです。そこで調達庁のほうとしては、こういつた点について連絡をしていると思うのですが、労働省なり或いは外務省との連絡状況ですね、そういつた点についてお聞かせ願いたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 御尤もなお尋ねだと思いますが、労働省が、これは労働行政の立場からも、それから今労働大臣が調達庁担当大臣になつておるという、まあ二つの意味において、非常な密接な関係があるわけでありまして、これはもう別な役所じやなくて、何だか殆んど一緒の役所のような感じで、人事関係も御承知のように、労務部長が労働主任になつているほかに、下のほうにも相当向うから来ております。そんなような関係で、労働省とは絶えず情報の持ち寄り、それから重大な問題の対策等につきましても話合つております。それから外務省は、労働省ほど実態について、仕事の関係がそれほど密接ではございませんが、併し事は軍に対する関係でありますから、自然そういう意味で外務省とはやはり又いろいろな重要な情報は当方も検討し、或いは向うのほうにも連絡し、或いは又会合の席で話をするというようにして、絶えず密接な連絡をとつております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 まあいろいろと特別調達庁のほうでお困りになつている様子は、先ほどいろいろとお聞きした点についてわかるわけですが、ただ私の聞かんとするところは、労働大臣、外務大臣がどの程度状況を察知して、すでに手を打ちつつあるかということがまあポイントなんです。その点について、調達庁として先ほど、政府のやり方についても、どうもやはり割切れんところがあるし、軍に対しても割切れんところがある。ということは、それほど、逆に言えば調達庁が一生懸命にこの問題にとりかかつているという点をお述べになつたと思う。その点で、まあ政府部内のことについて、調達庁の次長がなかなか言うことも憚られると思うのですが、併し要は、こういう問題は長く放つておけば解決する問題じやなくて、ますます混乱が行われて、近江絹糸みたいな工合で長期のストライキが行われるということも好ましくないと思う。そういう点で、労働大臣なり外務大臣が向うの要路者と話合いを進められたことがあるかどうか、この点について一つお聞きしたいと思う。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 事態が大分差迫つておりますので、労働大臣はこれはまあ当然自分の仕事とも言うことができるわけでありますが、今、いつ幾日何時にということは記憶いたしておりません。長官と一緒に行つたこともあるように思いますし、或いは又労働大臣だけ他の用も併せて行つて軍首脳部と話をしたこともあるように聞いております。まだ、外務大臣は、仕事自体の実態がそれほど外務省の関係の仕事でありませんから、この問題解決のために、外務大臣が軍の首脳部に会われたということを聞いておりませんが、これはまあ外務大臣たる仕事の性質上、軍の首脳部と会うことが多いのでしようけれども、当然こういう問題は日米関係のいろいろな問題に影響しますので、決して内心人の仕事であるからというような無関心なことなく、この問題解決のためには心配しておるわけであります。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 まあ次長の言葉を聞くと、政府も考えつつあるし、ぼつぼつ話合いを進めておるということも聞いて、いささかそこに、安心というわけじやないけれども、そうあるべきだと思う。ただ問題は調達庁で、福島長官が非常に身魂を傾むけて努力されておるその真意は、まあ退職金の額は当面の問題としても、やはりこれは大きく見れば日米の国交調整の問題との関係が出て来ると思う。つまり終戦以来、困難なときに雇つて、これを放り出す、そういうふうなところで、幾らその他の条件を揃えて、日米の関係を好転しようと思つても、具体的にそういうふうな点で日米の溝がますます出て来るというふうな点も考慮されなければならんと思う。そういう角度から見て、長官も非常に努力されておると私は推察するのですが、そういう点で、今後も調達庁としては今までの努力を更に倍加されて、一つ政府の要路者を動かすように、それが現下の駐留軍労務関係の調整を図ることにおいては、一番緊要な問題だというふうに私は考えるわけですが、この点についてもう一つ熱意を伺つておきたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 今の段階が非常にむずかしい問題になつておるということは、私どももさように思つておりますし、先ほど全駐労の市川委員長も率直に非常に困難な状態になつているというお話がありましたので、これは確かに現在の状態ではなかなか解決の困難な問題であるということは申さざるを得ないと思いますが、決して調達庁はまだ匙を投げているわけではありませんので、ストが終りましてから、早速交渉に入つております。それから今調達庁の案自体がこれがもう完全な案だとも頭思つておつたわけではありません。又組合の意向もあるわけでありますから、何かこれをもう少し改善する道はないかというようなことも、今真剣に考えておりましてこれから全駐労ともいろいろ幸して行くうちに、何かそこに解決点が見つかるのじやないか、かような期待も持つております。もうこの段階になれば、あとの祭でどうにもならんというところまで行かないうちに、全力を尽してやつて、どうしても、まあ事務的と言いますか、調達庁長官までの折衝努力ではもう解決がつかん、いわば調達庁長官が手を上げるというような情勢になれば、勿論労働大臣或いは外務大臣等政府の関係大臣のほうに連絡して、更に上のほうで或いは今度は一つの外交交渉というようなことで解決してもらうという場合も、これは考えられるわけでありまするが、繰返して申しますが、今決してまだ匙を投げておりません。何とか今後の努力によつて又全駐労のほうでも問題を早く解決するという熱意から、そこに自然に何か歩み寄る余地があるのじやないかということも考えております。どこまでも解決のための努力を続けて行く、かように考えております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 時間がないので、最後に一言だけ伺いますが、まあ新聞の情報ですから何ですが、ストライキをやつたときに、米軍のほうでは防空演習をやつて知らん顔をしていたというような情報が出ております。こういつた点についていろいろと組合関係に対するる軍というものは割合に無理解な立場が多いと思うので、非常に調達庁も苦労すると思うのですが、ただ私が考えるのは九月一杯組合のほうとしても話合を誠意を持つて進めるように努力しているわけだ。そこでまあ調達庁のほうもこの間において手を上げてから、上労働大臣、外務大臣ということではなくて、その間において一つ迫力をもつて労働大臣或いは外務大臣のほうに、御苦労でも次長、長官合せて一つ、その下の労務部長もおると思うし、ですから最大限度九月一杯やつてみる、そうしてこの間においてやはり組合のほうも十分話合を進めて、そういう点を更に絞つて行くようにお願いしたいと思う。この委員会もことここに至れば、この問題については労働委員会がやはり労務管理の問題として取上げておるわけです。この委員会は退職金の問題として取上げておるわけですが、それは表裏一体のものだと思う。そういう点でこの委員会としても、先ほど千葉委員が言つたように、労働大臣或いは外務大臣等に来てもらつて、まあこの点を強調するように申しておつたわけですが、その点を一つ十分調達庁のほうとしてもやつてもらいたい。そうして組合のほうと忌揮のない一つ、一致する点もあれば、一致しない点もあると思いますが、とにかく一つ焦点を絞るように、公務多端なことと思いまするが、御努力を願いたいと思う。というのは、特にそれはなぜそう思うかというと、最近におけるところの失業者の増大、雇用条件の悪化というものは、今放り出されるということは非常にむずかしいものなんです。特に本当に生活というものを考えて行つた場合に、これは人ごとではないというふうに思うわけです。単に駐留軍の労務者だけではないと思うのです。今ここで放り出されたものが十万や二十万の金を持つて路頭に迷うということになれば、またたく間にこれは消耗し尽されてしまうだろう。ということになれば、これは延いては国家的に労務管理というものが更に悪条件の下に置かれる。これを何とか一つ別の仕事にこの人たちをつけさせるようにも、一つ調達庁のほうとしては万全の策を立ててもらいたいというふうにも思うわけです。要はこの問題を通して米軍と日本の労務者との間に険悪なる状態、或いは大きく言えば、日米間の溝ですか、そういつたものが拡大されることを我々は好まないのであります。そういう点を米軍が無理解ならば、無理解な点を飽くまでも話してわからせるというふうに頑張つてもらいたい。これはいろいろお願い申上げたわけですが、つまり今までの調達庁の御努力を多として更にそれを一つ強力にスタツフ全部の力を合せて御発揮願つて、この解決のメドをおつけ願いたい。我々も微力ながらその方向に努力したい。こういうふうに考えておるわけであります。そういうわけで一応希望を述べたわけですが、よろしく一つお手配願いたいと思います。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 了承いたしました。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ほかに御質問ございませんか。御質問なければ、私ちよつと伺つておきたいのですが、駐留軍労務者の退職手当の八割増しということが組合の要求で、それに対して今まで軍側と交渉をして来たという調達庁案という二つの案があるわけであります。過去のことを言つても仕方がないですが、組合側の要求したものと、調達庁が軍側と交渉しておるその案との間の調節といいますか、妥結といいますか、そういうことを見ないで、調達庁が単独な案を以て軍側と交渉していたということが今までの現況なんです。そうすると、今の段階では調達庁案すら軍側が了承しないという状態にあるのですが、若しこれが了承せられた場合、せられるかせられんかわかりませんが、その場合を想定して、然るに組合側がその調達庁と軍側との話合がきまつた案を了承しなかつたという場合は、調達庁は非常に苦境に陥ることになりますが、その辺のところを、調達庁自体が組合の要求の八割は無理だから、それはどのような方法によつて要求獲得運動が展開されようとも、意に介することなしに調達庁独自の案で軍と話を進めるのだ、そういうお考えで今日まで進んで来たわけですか。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 組合が八〇%増の要求があるにもかかわらず、調達庁は組合と十分の話合なしに独自の案を出したということの最初の問題は、実は先ほど申しました通りに、八〇%増の組合側の要求は昨年秋からありまして、この労務の基本契約の中に入れてもらいたいという主張でありましたために、当然この労務基本契約の改訂の途中、これはまあ主文ができて、他のほうも、附属書も、その一部はまだ実施に至らないものがあるわけで、無論そういう意味では基本協定の協議の継続中というわけでありますが、そんな関係で、この問題については相当組合側と話をしたのみならず、軍側とも交渉をして、どうしても軍側が容れる見込みがない、その反対のしぶりから見て、到底これは無理であるというふうに考えた。それから調達庁自身が考えても、この八割増というもの自身がかなり無理であると思つておつたのですから、そこで今度は北海道の問題が起つてから、もう時日が迫つた、殆んど直面している問題のために、これをいたずらに軍とやつておつても、これはなかなか埓があかない。そこでそういうふうに考えて、調達庁として最も合理的な、そして而も余り問題を広げないで短時日に話のつくような案という意味で、長期動続というものを考えずに、短期間の不利益なものだけを是正するという、こういう立場で出したわけであります。  それからあとの調達庁案を軍が容れても、組合のほうで容れないときにこれをどうするか。これは組合がもう容れなくとも、どこまでも調達庁案で猛進して、そうして若し組合が容れなかつた場合には、どうするかというような意味合のお尋ねでありますが、非常にこれは微妙なところでありまして、組合と話合がつかなければ、軍と交渉しても意味をなさんということになると、これ又非常に交渉に時間がかかる。かかるだけでなくて、果してそれがいいのか悪いのかという、こういう疑問もあります。一たん出してある以上は、自分がもう是と信じた案ですから、極力軍に納得させるべく努力することが当面の又義務じやないかと、こういうふうに考えておりますので、目下のところ調達庁案を軍に呑んでもらうために、あらゆる資料を出し、あらゆる説明をし、折衝を続けて行くことに変りはないわけでありますが、一面若し幸いにその通り容れられた場合に、組合との間に全然話がつかないということになると意味をなさないことになります。調達庁の面子の問題のみならず、たくさんの労務者が失職して路頭に迷うということになつても相済まん、何とか組合のほうとも折衝しながら、軍と折衝をすると、そうしてその間できることならば、調達庁案の折衝の途中において、組合のほうとも何とか同調できるものがありますれば、これを途中で是正するということも起り得るのではないかというふうに考えておるわけであります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) この二年までは若干の開きがありますけれども、八割増にした場合とそれから特調案との間に大きな開きはないわけですね。私がこういうことをお尋ねするのは、とりあえず二万五千と想定される解雇者が出る、それだけでも早く救済をしておかなければならん、それだけの分でもきめておかなければいかんということから、二年までの分についての話をとりあえず軍のほうとの間にきめておいて、それで組合側に了承してもらつて、三年以上の分についてはこれから先の問題に属するから別に交渉して妥結しようと、こういう考えですか、それともそれ風上の分について軍が了承しなかつた場合には、日本の金でそれを出して補償すると、そういう考え方ですか。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 大体前者の考え方であります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ですから、前者の考え方はわかるのですが、そうだろうと想像されたから、私はこういう点を伺うのですが、その部分と三年以上の部分については、どのように話をまとめるというお考えですか。具体的に、若しこれが了承された場合に、二年までの分については、できれば特調案で行こうということになつても、それでは三年先についてはどうするかという話が組合側と特調との間に出て来るとしても——、これは起るのですね、想定される問題ですが、それが起つた場合には、どうしようという考えかということであります。

山内隆一調達庁総務部長

○説明員(山内隆一君) 先ほど申上げました通り、講和条約発効によつて身分切替えのために、現在長い人でも二年四カ月、まあそれ以下になつております。平均して二年三カ月かと思いますが、こんな関係で、この年数の下のほうだけの分について是正して、この際は切抜けることが却つて問題の解決を早くするのじやないか。そうするというと、理論上、下のほうばかりよくして、勤続年数の長い者を放つて置くということは不合理じやないかという一応の議論も起るわけでありますが、それは現在の制度そのものも勤続年数の長い者は相当よくなつているということと、それから暫くまだこの問題について検討の余裕があるわけです。今労務基本協定のまだ未決のものは、主に給与の問題であります。給与の問題、退職手当、それがまだ未決になつているのであつて、これはいずれにしても、労務基本協定の上から言つても、これを決定しないうちは、全部完結にはなりません。ですから、それは後日に検討しまして、適正な案を作つて軍と話合いをつけたいと考えている。それから又今それじや上のほうの勤続年数の長いほうはどうする考えかということを言われると、今はその案を持つておりません。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) これは問題を解決するために私は考えるのですがね。今の段階は特調案すら軍は呑まないという段階、若しこれを呑んだ場合に、組合側と特調との間の話はどうきまるか知らんが、今現に退職をする人は、組合側の要求とそうたいした開きはないのだから、これだけで辛抱しようということに組合がなつたとして、そのときには、その三年以上の者についてはどうするかという条件をつけられるのは当然だと思う。若し、まあこれだけの者は解雇しよう、それではこれから先の分はどうするかということが最後の条件として残される問題だと思う、そのときに起る……。そのときにあなたのほうの態度というものは、今あなたから明確なお答を伺おうとは思わないが、それを考えておかないと解決するために非常に困るのじやないかと思うわけであります。  それからもう一つは、岡委員の外務大臣と労働大臣はどうしているかという質問に対しまして外務大臣は今のところ直接関係者でないから、まあ積極的にどうこうしているわけじやないというような御答弁があつたと私は記憶するのですが、そもそも駐留軍労務者の諸待遇を決定する基本的なものは、やはり安保条約というものが基本的なものになつているので、で、これから出て来ている行政協定の実施に伴なつてできた法律の第百七十四号というものが改正されれば、この問題は解決するわけです。併し今まで我々が継続審査にこの法律を持つて来て苦慮していることは、日本の国内法を改正しても、アメリカとの間の話がきまらなかつた場合には、どうも給与というものは、向うから支払われているという建前になつている以上は、なかなかあとに問題が残るわけで、向うよりもらえるようにするか、それとも向うよりもらえない分については、国が補償するかという二つの方法が残るわけです。私たちとしてもアメリカとの交渉なしにこの法律を成立せしめることには非常に問題がある。そこで無理押しに通さずに、継続審査に持つて来ている理由なんです。ですから外務大臣が、この問題に対してはここまで来て話がつかなくなれば、非常に重要な中心的な人になると思うですね。だからいつまでも特調の中で自分の責任において解決するのだというその責任感は壮とすべきですけれども、或る程度まで行つて解決がつかないという見通しがたつたときには、速かに手を切替えて、そうして外務大臣を先頭に立てて向う側と交渉するということが解決の早道ではないか、こういうふうに思うのですが、これは御意見を承わりませんから、そのようなことを一つ御参考にして、ストライキが大きくなればいいとか、いつまで続いてもいいという観点でなしに、国会としてストライキなしに、各条件の解決されることが非常に望ましいわけですから、そこら辺のところを一つお聞きを願つておいて、長官とよく相談されて対処されんことを希望しておきたいと思います。  もう御質問がなければ散会してよろしいですか。それじや本日はこれを似て散会をいたしますが、なおいろいろ特認側、参考人の御意見を聴取いたしまして、問題は非常に困難な状況になつておるということは理解ができたのですが、これから先にこの困難になつておる問題を解決せしめるという方法は、単に特別調達庁の長官が先頭に立つてやつておるということだけでは、早期に解決はむずかしい。而も組合側が要求された三者会談も軍側から拒絶をして来たということでありますので、問題はますます複雑でありますから、次回には外務大臣、労働大臣等の出席を求めまして、特別調達庁という一行政官庁としてでなしに、アメリカに対する一つの外交上の問題として、一つには又日本全体の労働問題としてこれらの両大臣の出席を求めてやる、こういうふうにしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) その日取り等につきましては、適当な時期を見計らつて委員長、理事で打合せて決定をいたしたいと思いますが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) さように決定をいたします。  それでは本日はこれを以て散会をいたします。    午後一時三分散会

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