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19回国会参議院1954/04/13

人事委員会 第6号

発言数
29
登壇者
3
会派数
3
開催日
1954/04/13

会議録

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) 只今から委員会を開会いたします。  国家公務員法の一部を改正する法律案を議題に供します。  先ず政府から提案理由の説明を求めます。加藤国務大臣。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。  この改正法律案は行政機構改革の一環として現在の人事院を国家人事委員会に改組し、中央人事機関として、我が国行政機構の実状に調和した組織と権限を持たしめることを主たる目的とし、併せて行政事務簡素化の線に沿つた二三の点についての改正を行わんとするものでありまして、その要点は次の通りであります。  第一に、従前内閣の所轄に属しておりました人事院を改組して、総理府の外局として国家人事委員会を置くことといたしました。これに伴いまして、人事官は国家人事委員に、人事院総裁は国家人事委員長に名称を改める外、国家人事委員の認証、給与保障、宣誓及び兼職制限に関する規定等を改めることにいたしました。  又、人事院には、国家行政組織法の適用がなかつたのでありますが、この改正により、他の外局と同様国家行政組織法の適用、従つて行政機関職員定員法の適用をも受けることとなるため、国家人事委員会の内部組織及び定員は、これらの法律に基いて定められることになりました。従いまして、事務局の部の設置、その所掌事務等内部組織に関する主要な事項を国家公務員法中に明記することといたしたのであります。  第二に、国家人事委員会の権限及び機能に関する点でありますが、給与の勧告その他人事行政に関する意見の申出等は、国会及び内閣に同時に行うこととなつておりましたのを改め、これらを内閣に対して行い、内閣はこれを国会に報告しなければならないことといたしました。俸給表の改訂に関する勧告につきましては、従来俸給を百分の五以上増減する必要が生じたときに行うことになつておりましたのを、国家人事委員会が俸給表の改訂を必要と認めるときに行うことに改めました外、内閣はこの勧告があつた日から五日以内にこれを国会に報告しなければならないよう報告の期限を明定いたしました。地域給その他の給与に関する勧告についても同様の報告期限を附しております。なお、いわゆる二重予算及び人事院指令の制度は他の外局なみにこの際廃止することといたしました。  第三に、行政事務簡素化の線に沿つた改正といたしまして、任命権の委任手続、不利益処分の審査の請求の期限、起訴中の者の懲戒手続、条件付昇任制度等につきまして廃止、簡素化等の改正を行うと共に、併せて二三の規定の整備を行うことといたしました。  第四に、経過的規定といたしまして、従前の人事院、同事務総局及び地方の事務所がそれぞれ、国家人事委員会、同事務局及び地方の事務所として同一性をもつて存続することを定め、現に在職する人事官はそのまま国家人事委員として在職し、人事院総裁として命ぜられている者は、国家人事委員長として命ぜられたものとすることを定め、それぞれ人事官としての残任期間をもつて国家人事委員としての任期といたしました。  以上改正の要点を御説明いたしましたが、その他の点につきましては、中央人事機関として国家公務員法を実施する国家人事委員会の権限は、従前の人事院の権限と変りありません。  なにとぞ、慎重御審議の上すみやかに御賛同あらんことをお願い申上げます。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) それでは速記を起して下さい。只今の加藤国務大臣の提案理由説明に対して質疑のおありの方は順次御発言を願います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 只今承りました提案理由の説明そのものについて加藤国務大臣に若干お尋ねしたいと思います。提案理由の説明ということになつておりますが、今承りました限りでは、これは提案理由の説明には殆んどなつていないと思うのです。今おつしやいました説明の殆んど大半、第一、第二、第三、第四というふうに殆んど項目の並べられてあります事項は、これは提案理由の説明ではなくてここにも書いてありますように改正を行わんとするその要点だけであります。どうしてこういう法律案の提案を必要としたかという提案理由の説明については「この改正法律案は行政機構改革の一環として現在の人事院を国家人事委員会に改組して、中央人事機関として我が国行政機構の実情に調和した組織と権限を持たしめることを主たる目的とし」と、これだけなんです。これでは一体この法律案の通過によつて起つて来る事態に対しての……、具体的に申上げますと、日本における最も弊害を伴つていた古い官僚制度が今まだ改善の緒についたばかりという段階で、若しもこの法律案のごとく、人事院が独立機関として果さなければならないその役柄が、今回の改正によつて人事院の独立性が減殺される。そういうことによつて起つて来るいろいろな問題があると同時に、この法律案の中心的な問題は、何と言つても公務員の争議権を抑制して、その代りに公務員の利益を人事院をして擁護せしめるという、そういう立場に立つた法律であつたということを考えますと、一体、人事院が内閣の一外局として、果してそういう国家公務員法の精神を貫いておつたところの公務員の権利を抑制する。その代償として公務員の利益を擁護するという、その公務員法の考えを貫いて行ける見通しがあるのかないのか、そういう点等については、全然提案理由の説明は触れておらない。こんな恰好じや、これは我々は勿論こういう提案理由の説明では、説明としては受取り難いし、又こういう提案理由の説明なるものは、国民に聞かしても、国民も又その提案の理由について納得できるとか、或いは納得できないという、考えのけじめを持つことができるような親切な方法が取られなければならないと思うのです。ところが今申上げたように、この提案理由の説明は、提案理由の説明じやなくて、改正案の要点についての説明に終つた、殆んど大半がそれに終始している。どうして一体こういう不誠意至極な提案理由の説明を行なつているのか。何かこういう不誠意な若しくははつきり事態を了解しにくいような提案理由の説明をする必要があつたのか。それから第二は、もう少し親切な提案理由の説明に書替える必要があると思うのですが、政府としてはその用意があるかどうか。その点を先ずお尋ねしたいと思います。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今提案理由の説明が、何がためにこういう改正をしたかという説明が簡単であるという御意見であるのでありますが、余り長く書いてもどうかと思いまして簡単に申上げた次第でございますが、従来の人事院というものが、いろいろ見方はあるでありましようが、やや行過ぎた点がありはしなかつたか。占領政策、占領治下におきまして人事院のその当時のなには、今の現状に即してどうであろうか。いろいろ議論もあつたことであるのでありますが、我が国の行政機構の実情に調和し、実情に合うようにしたほうがよかろう、そして又、只今御質問の一番の要点は、独立の人事院、憲法に定められてあるいろいろの公務員が、争議権とか或いは団体交渉権だとか、そういう或る基本労働権があるにかかわらず、そういうものを止めてあるのだから、その代償として人事院が独立の権能を持つておらねばならんにかかわらずこれを弱めたというような感じを与えることはどうであろうかという御趣旨であろうかと思うのでありますが、その点におきましては、事務の簡素化の線に沿つて幾分づつ直しましたけれども、その人事院の独立性ということに関しましてはこれによつて何ら侵されるものではない。人事院は人事院独自の立場において政府に向つていろいろの申出をするなり、勧告をするなり、いろいろのことはできるであろうと思いますが故に、説明は簡単であつたかも知れませんが、そういう意味において、又一般の行政事務を簡素化するという意味において、ここに申したように、その一環といたしまして今度の改正をいたしたわけでありまするが、原則としては人事院の力を弱めたものではない、こういうことであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 大臣の答弁は私のお尋ねしていることに真向からお答えになつておりませんが、これは大臣もお急ぎのようですから、のちほどお尋ねすることにしたいと思うのですが、ただ併しその二点だけはこの短い時間の中でも明らかにしておきたいと思うのですが、今、大臣は、人事院の権限は、この法律の改正案によつては縮小されておらないという御答弁でございましたが、大臣は一体本当にそういうふうに考えているのですか。  先ず第一の点については、今まで人事院が第三者的な立場に立つて勧告を出すに当つては、予算上も、或いは又、総理大臣の、若しくは政府の意向、その他の点については、全然関係なしに勧告を行うことができたのですが、今度こういう機構の改正が行われれば、今度は総理大臣の直属の下に置かれる国家人事委員会が、今までと同様に、予算の関係、若しくは内閣総理大臣の意向や許可なんか全然受けずに、今までのように独立して単独に行えるというお考えなのか。その点は、実は独立機関でなくなつて、今度は従属するのだけれども、それでもなお独立性を失われていないというお考えなのか、一体どういうのです。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今の人事官が独自の見解に基きまして、或いは勧告をするとか、意見を申出るとかいうことは、その人の身分が保障されておらなければできんかも知れませんけれども、身分上の保障は従来と何ら違つておるところはないのでありまするが故に、今の人事官、今の人事院なるものは、やはり身分の保障ということで何ら心配なく、又、政府といたしましても、これに対してかれこれ差出口をすべきものではないのであります。身分上の保障がある以上は、独自の見解に立ちまして、今まで通りに独立性を侵されておることはない、こう思つております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 これは実におかしい答弁を承わるものです。一体、加藤国務大臣は、他の国家公務員の場合にも、意見その他は申出ることができるという、その意見を申出ても、身分には、そのためには影響は起らない。併し職務権限に基く命令等に対してはこれに服従しなければならないということは、はつきりしています。そうなりますと、人事官が身分については保障されているといつても、その人事官としての立場から行う職務権限等について、上官の意思や、命令を無視しては行えないことは、はつきりしているじやありませんか。簡単な理窟じやありませんか。これはどうなつていますか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 今までの人事院の成り立ちから見ましても、人事官は御承知のごとく、半司法的、半立法的ぐらいの立場にありまして、身分が只今のように保障されておりまして、独自の見解によつて、今まで政府に、従来においても勧告いたしましたり、申出をいたしておりました。それが今度の改正によりましても、何らその点においては相違がないのであります。従来の人事院時代と変りはないのであります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 大臣は大分感違いされておるようですが、人事院が準司法的な、その意味では独立しているという立場を、そういう勧告の問題とは別に、これは例えば、人事院規則を制定することができる。内閣の如何なる了解も承認も必要としない。而も人事院が、国家公務員法と人事院自身が制定した人事院規則に基いて、審査もこれは人事院が行う、こういうことが人事院の準司法的な立場だということが言われる根拠であつて、それと勧告とは違うのです。その点、加藤国務大臣は完全な感違いをされております。併し時間もないようですから、十一時半というのですから、これ以上、これは後に続けることにしまして、  第二点は、先ほど占領中の行過ぎを是正しなければならない、そして今日あるがごとき行政機構の現状に照し合せてこの改正を行うのだ、こういうわけです。そこでお尋ねしたいことは、一体占領下において、人事委員会が人事官になり、人事院に改組された当時、おつしやるように占領下であつた、併しそのときに改正されたこの法律案は、現行法律は占領中であるが故に、マツカーサー書簡によつてこういう改正を行うのだ、従つて占領されている段階においてはこれは止むを得ない。こういう政府の説明だつたのです。そうすると、あのときの政府の説明の趣旨は、今日かくのごとき改正をしようとしている状態から考えると、あのときの政府の占領されているから如何ともし難いという恰好で、国会に提案した国家公務員法の制定に関する趣旨は、私はもつと公務員の権利を抑圧するとか、それから又、人事院の独立性はもつと減殺して、公務員の利益の擁護、或いは又、公務員の権利の抑圧ということは、もつと只今提案されておるような、極端に言えば、反動的な方向へ進まなければならないけれども、占領中だから止むを得ず、この程度にとどめるという趣旨だつたのですか。どつちですか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) その当時の趣旨は私まだよく分つておりません。いずれ調べてから、その点はお答えいたします。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 その当時のことも分らないで答弁に立たれては、これは私ども幾ら大臣に質問しても分らないと思います。はつきりした答弁は得られないと思います。それでは今日はこれくらいにしてこの次には、第三国会における国家公務員法提案について全責任を持たれたかたの出席を求めて、次の委員会に御質問申上げることにして、今日はこれで私の質問を終ります。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) その当時の細かいことは、私、分りませんですから、それはほかの政府委員から答弁させます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 政府委員ではなくて、私は次の委員会では内閣総理大臣の出席を求めて、今の問題等についても御質問申上げることにいたしたいと思います。今日はこれで私の質問を終ります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ほかのかた、もう加藤国務大臣が御予定の時間を過ぎているわけですが、今日お聞きになりますか。——それでは今日は、極めて重要な国家公務員法の一部改正法律案の提案理由の説明を承りますために、加藤国務大臣を初め、塚田行政管理庁長官、福永官房長官、浅井人事院総裁等の出席を要求いたしておつたわけでありますが、先ほど御報告申上げました通り、塚田行政管理庁長官は衆議院における地方行政委員会に御出席のために御了承願いたいということで、御出席をされない。福永官房長官は理由不明で御出席されない。浅井人事院総裁は何か御都合があつて、丸尾人事院管理局長を代りに出すからという連絡で御出席にならなかつたわけですが、なお多くの委員各位には御質疑の点があろうかと思いますが、本日は政府側のこのような委員の御出席がございませんので、これで散会をいたしたいと思いますが、私、最後に加藤国務大臣に伺つておきたいのですが、国家公務員にとりましては極めて重要なこの法律案の審議を行うのに、どの大臣が所管をされて最後までこの審査を行なつて行くのか。その点について政府の方針が明確に決つておりますれば御答弁を願つておきたいと思います。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私なこの行政機構改正につきましての前段に至りましては私は関与いたしておりません。それで私は給与担当の大臣になつておる次第でございまするが、一面、国務大臣といたしましていろいろな説明の便宜上、私が責任を持つてこの委員会に出席いたしたいと思います。いろいろこういう改正の経緯につきましては塚田大臣から御説明はあると思います。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) そうすると、すべての法律案は終局の責任は内閣総理大臣にあるわけですが、この法案の審議の過程においての政府側の責任ある答弁等につきましては、行政機構に関する面は塚田行政管理庁長官、給与に関する面においては加藤国務大臣が責任を分担して御出席になると、こういうことでございますか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 正確に言えばそういうことになりますけれども、塚田大臣は各方面へ出ておりますが故に、私が責任を負わして頂きたいと思つております。一応私が責任を負いたいと思います。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 今の質疑を聞いていて疑念の出て来ますことは、行政機構改革に関する点については塚田管理庁長官、それから給与の問題については加藤国務大臣、そうすると、それ以外のこの法案に関する問題については、やはり従来通り官房長官若しくは総理大臣と、こういうことにして、あなたのほうは答弁をされるんですか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 今のような多岐に分れておりまして、分担がいろいろ違いましては、いろいろ責任の所在も不明確になりますので、この問題につきましては私が責任を持たして頂きたいと存じます。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 大変失礼な御質問ですが、衆議院等における委員会の状況によりますと、加藤国務大臣では御答弁のむずかしい問題が、例えば給与以外の問題ですから当然そうあろうと思うんですが、可成りあつたようですが、そういう場合にはどなたが責任を持つて答弁をやつておられますか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 従来は自治庁から出た政府委員がこの答弁にあたつております。或いは浅井総裁が御答弁にあたつております。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 自治庁の長官の……。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 行政管理庁の長官であります。

千葉信日本社会党(第四控室・左)

○千葉信君 塚田大臣の答弁される範囲もわかつたようですし、又、浅井人事院総裁の答弁される範囲もわかつたようですし、それから又、給与に関する部分も私どもよくわかつておりますが、それ以外の問題については誰が答弁されますか。それ以外の問題についても責任者として加藤国務大臣が答弁されるということになるわけですか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私が答弁をいたしたいと思います。責任を以ちまして私がその衝にあたりたいと思います。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松浦清一君) 速記を起して下さい。それでは只今の所管大臣の点については、まだ明確を欠く点が委員各位の中にあるようですが、その点については次回の委員会で明らかにすることにいたしまして本日はこれを以て散会をいたします。    午前十一時四十一分散会

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