人事・労働連合委員会 第1号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/13
会議録
○委員長(松浦清一君) それでは人事、労働の合同委員会を開会いたします。国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法案を議題といたします。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
○田村文吉君 二、三のことを伺いたいのでありますが、これは問題が非常に大きい問題であるのですが、現在のいわゆる公共企業体類似の官庁における給与の問題ですが、ひとりそれだけでない、公共企業体もそうであるし、民間もそうであるのですが、家族手当というようなものが未だについている。給与の体系というものが非常に複雑になつていると申さなければならんが、その中において一番各国に例を見ないような家族手当という問題でありますが、今度の法案の第五条によりまして、能率の向上によつて収入が予定より増加したような場合には、その金は大蔵大臣の了解を得た上で給付することができる。こういうようなことになつていますが、そういう観念、つまり働く人の働く能力によつて支払われるという考え方と、今までのようにインフレ時代であつてどうも物価が非常に上る。従つて給与は先ず救済的の意味で給与を支払つているというような観念がずつと続いて残つて来ていますが、このことの起りは大体役所がそういうことをやつた。そういうことからこれが民間にも順次広まつておりまして、未だにそういう制度が残つておるのであります。こういうことは私は日本の経済の再建といろ建前から考えるというと、当然に是正され、支払わるべき給与は、その能率によつて支払われるということが当然であるかと思うのでありますが、人事院の御意見並びに総理府のほうの御担当の係としては、これがいわゆる今後民間に対しても、あらゆる公共企業体に対しても、範をなすのであるから、どういう時期にこういうものを本給に繰入れるとか、何とか方法を考えて給与の単一化を図つて行かれるおつもりか、これを一つお伺いしてみたいのであります。
○政府委員(田上辰雄君) 給与担当大臣がこの席においでになりませんので、私から只今田村委員の御質問につきましてお答えをいたしたいと思うのであります。 公務員の家族手当その他の手当の存置してありまする一つの考え方と、只今お話になりました五現業のこの特例法の出ておりまする能率の成果に基いて特別の手当を支給するという考え方、この二通りが手当として考えられておるのでありまするが、家族手当のように各人の生活に必要な費用を見て行こうという一つの考え方と、働いてそして能率を上げた際、その御褒美として能率的な考えから手当をやろうというこの二つの考え方は、共に一つの手当を支給する上において、各方面に考えているところであると思うのであります。いずれが適当であるかどうかという根本問題につきましては、これはいろいろ議論のあるところだと思うのでありまするが、現在の制度の下においては、一応両方の考え方をとつているのであります。併しながら各種の手当が非常に複雑であるというお考えは、これは御尤もなことでありまして、政府におきましても、先に地域給の手当につきまして、これをできるだけ本俸にも繰入れて簡素化して行こうという考え方をとりまして、地域給の従来五つあつた段階を一つせばめて、そしてこれを本俸に繰入れるという方法も最近にとつたような次第であります。併しながら只今御質疑になりましたような根本的な能率給ということと、生活給という問題をどう調整して行くか。或いは本俸に繰入れて一本化するという大きな問題につきましては、近く発足いたしまする公務員制度調査会におきましても、人事院勧告の給与基準等の関係もありまするので、恐らくこの点につきましても、いろいろ検討が加えられて行くであろうかと存ずるのであります。その段階における研究の結果を待ちまして、田村委員の御質疑にお答えをいたすほかないのでありまして、これ以上のことは私からはお答えできないと思うのでございます。
○田村文吉君 人事院出ておられますか……。人事院のかたは今申上げた質問をお聞きとりになつていないかと思いますが、お聞きになつておりますか。
○政府委員(入江誠一郎君) 今参りましたものですから……。
○田村文吉君 甚だ重複いたしまして恐縮でございますが、今家族手当というものが残つている。これはいわゆるインフレが非常に激しく動いていました場合において、やむを得ず生活給というようなことで官庁がお始めになつた。それへ民間も右へならへしてやつて来た。併し日本の再建というものをやる場合に、本当に働く人が働いた報酬を受けるということでなければ、本当の再建というものができないのだ。然るに未だに家族手当というようなものの、いわゆる生活給の形が多分に取り残されているが、一体これはいつまでお続けになるつもりなのか。で私は、この問題につきましては、人事院の御見解は、別に今日承わりたいと思いますが、なお、政府の見解としていつまでこんなものを続けてお行きになるのか。一体インフレーシヨンというものは、まだ今後続いて行くというようなお考えで、そういうものをいつまでもお残しになるのか。今日、今もお話のありましたように、給与の単純化ということはどこでも望ましいことになつているが、そういうようなことが未だに残つている点から考えて、政府としては方針はもう大体おきめになるべき時期であつて、ただ審議会に籍口して、審議会の議を経なければ政府の意見がきまらんじや私はいかんと思う。そういう意味におきまして、これは私どもは、本委員会が合同審議会が続けられるとも思いませんから、あとで私も所管の労働大臣から御答弁頂いても結構なんでありまするが、政府のまとまつた見解を一つ私は知りたい。こういうのであります。その前に現在の人事院としてはこの点についてはどうお考えになつているか。この点を一つお伺いいたします。
○政府委員(入江誠一郎君) 只今の問題につきまして、人事院の見解をお答え申上げたいと思いますが、お話の通り、給与の単純化と申しまするか、現在御承知の通りいろんな手当がございまして、これを成るべく本俸に統合いたしまして、給与の単純化と適正化と公平を図るということと、一面お話の通りだんだん経済の安定に伴いまして、生活給的部分と同時に、又職務給的部分を考えなければならんということも事実でございまするけれども、それは現在の段階におきましては、御存じの通り大体民間給与の状況から申しましても、家族給というものは、むしろ公務員の給与よりも多いような部分がございます。まあ併し、大体現在の公務員の家族給も民間の給与に準じて現在それの算定をいたしているのでありまするが、直ちにこれを解消いたすにいたしましても、これの本俸に繰入方につきましていろいろの問題がございますので、今後十分研究いたしたいと思いまするけれども、早速これを廃止するという段階ではないと思つております。
○田村文吉君 今、早速御廃止なされてはどうかということを伺つたわけでもありませんが、一体、いつになつたらこれをなさるおつもりか。こういうような点を、一体、そういうことについて御検討になつていて、まだインフレの状態が今後続くのだ、だから生活給の支給は誠に不本意ではあるけれども、残さざるを得ないのだというのか。そういう点ははつきりと一つ私は承わりたい。一体、働いても働かんでも、勉強しても不勉強でも、家族の多い人が余計金をもらうというような形を今後ともあなたは残すということがよいのか。これじや日本の再建というものはできないのだと、こう私は考えるから、今度のような法案が出て来たことも、一つは、大いに能率を増進してもらつて給与を上げようじやないかと、こういつた一つ法案が出ている。それに対して、人事院は、先ず能率給の場合も考えなければならないが、そういう生活給を残さなければならんというお考え方が、私どもはもう非常にマンネリズムで、もとの通りのお考えで、変つていないと、こう私は考えますので、それでどうお考えになつておるか、一体いつ頃になつたら、それを直すという考えを持つてお進みになつておるのか。今すぐ明日からおやりなさいと申しておるわけではない。又今家族給をすぐにめいめい別に全部本俸に繰入れるということはできないはずです。そういう点は無論ありましようが、併し今私は寡聞でよく知りませんけれども、世界の今経済でアメリカでもイギリスでもドイツでも、そんな家族給というような形で私はやつているのは非常に少いのではないか、こう思うのですが、そういうような点をどうお考えになるか、こういうことを先ず人事院の御意見を承わつておきたい。
○政府委員(入江誠一郎君) 只今の御説も御尤もと存じまするけれども、御存じの通り、公務員の家族手当と申しますのは、六百円と四百円、妻及び長男が六百円、その他は四百円でございまして、殆んどそれがまあ何と申しますか、生活給ということを給与問題として大きく言えますかどうかも一つの問題だと思います。又現在の公務員の給与の状況から申しまして、家族の多い者と少い者との家計の状況が相当そこに、又負担の程度が違うことも事実でございます。かたがた只今お話の通りこれを本俸に繰入れますことも、又非常な困難な問題もございますので、財政問題とも関連いたしますし、早急にこれを廃止することは困難ではないかと思います。併しお話の次第もございますので、今後十分研究いたしたいと思います。
○田村文吉君 一体、それが正当で、今後とも継続して家族給というものがあるべきが本当だとお考えになつておるのですか。
○政府委員(入江誠一郎君) これは私個人の見解になりまするけれども、現在の段階におきましては、やはり家族手当がありますことが適当だと思つております。
○田村文吉君 これ以上に人事院にその問題についてお伺いしても御答弁は伺えないと思いますが、内閣のお考えを丁度今日は労働政務次官が出ておられますので、内閣としては、これに対してどうお考えになつておるか、これを一つできるだけ早い機会に方針をお示しを頂きたい。私は経済の再建というものは、そういう点から出発しなければならんと、こう考えまするが故に、政府において、そういう見解をはつきりと一つお知らせを頂きたい、こう考えます。政務次官のそれに対する御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(安井謙君) 御存じの通り労働省が直接関係いたしますのは民間の給与及びこの三公社五現業といつたようなものでございますが、私どもの考え方といたしましては、給与というものは働きに応じたものが原則であることは当然であろうと存じておるのでございます。ただこれが戦後の過渡期と申しますか、インフレ時代のいろんな影響もございまして、いろいろ複雑な形をとつて来ておる。今日の実情に十分適さない面もあるように考えられておる次第でございます。田村委員のおつしやるような御趣旨は私ども非常に御尤もだと考えております。ただ現実といたしまして国家公務員やその他につきましては、まだそれぞれ技術的或いは内容的に検討の余地もあろうかと存じますので、今少し慎重に検討をいたしたいと存じます。併しお話のように傾向としては、我々十分これを考えて、今後の給与体系を考えて行かなければいけないと、こう考えております。
○田村文吉君 ただ内閣からそういう問題についての、まとまつた御見解を一つ労働大臣のお口からで結構でございますが、どういうふうに考えておると、今後についてですね、そういうことを承われるよう御斡旋を願いたい。私から労働政務次官にお願いしたいことはそういう意味です。あ、丁度お見えになつたから……。 今加藤国務大臣がお見えになりましたが、同じことを二度も三度も繰返すのも恐縮でございますから、大体御説明をお聞きとり頂いたものと考えますが、私は今日必ずしも加藤国務大臣から即座に御答弁を頂かなくてもよろしいのですが、戦争中から戦後のインフレ時代に非常に増額して参りました生活給のような家族手当というものを、いつまでもこれを残しておくのか、こんなことをしていると日本の再建というものはできないんだ、よく働く人が、働きに応じて給料をもらうということでなければいかんのだ、こう思うのでありますので、それに対しては、これは問題が非常に大きく関連が多いのであります。而も家族手当を一番先に始めたのは官である、公務員が始めて、それから民間に移つた、そういう関係でありますから、私は先ず公務員、或いは今のこういう重要産業等におきましてどういうふうにこれを進めて行くかということについて、ただ審議会の議を経てというだけではいかんので、政府はもう少しこの経済の難局に処しまして、はつきりとした御見解をお立てになるべきじやないか。で、どうお考えになるか、いつ頃になつたらこういうものをやめて正常な給料支給の形に移るのか、こういうことを伺いたい、こういうわけであります。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今田村さんからお話の家族手当、その他地域給とかいろいろなものが付いておりまするが、これを単純化したらばどうか、こういう御趣旨の御質問であろうとこう考えますが、私の気持を申上げますれば、本来は公務員自己の能力と申しまするか、技術と申しまするか、本人の技術、学歴、能率ということを本位としてすべて俸給は支払わるべき原則であると思いまするが、これは私細かいことはおかりませんが、戦時中徴用したような場合があつて、国家が徴用したような場合は、家族全体を扶養する義務を持つておりまするが故に、いろいろ家族手当というものがそこに現れて来ておることであろうとこう思いますが、本来は私は地域給とか家族手当とかいうことは抜きにいたしまして、技術、経歴、能率というようなことを本位にして行くべきではあるまいかとこう思つております。併しながら一時にこれを廃止いたしまして、本人のみの能率によつて支給するということは一時的にはできませんが、これは一本化して行くべきものであろうとこう思いますが、直ちにこれを一本化するということは技術上相当困難なことではなかろうかとこう思いますから、只今公務員制度審議会というものも漸く人選も終りましたのですから、そういうところでも一つとくと研究をして頂きまして、御期待のような方向に進みたいとこう思つております。従つて時期はいつからということは、これは私が今命令できませんが、ただ、のんべんだらりと審議会の議に任しておくというようなことはせなくても、政府みずからも積極的の意図を以ちまして、速かに具体化するように努力してみたいと、こう思つております。
○田村文吉君 私の今お尋ねしましたのは家族手当に関する問題でありますが、その他の給与の形態が非常に複雑化していることを単純化するということは、私も願わしいことだと思うのでありまするが、現在の地域給ですね。これは或る程度まで考えて行く必要は実質問題としてはある、こういうことは考えております。例えば月収二万円の所得のある人たちで東京におりますると、市民税は年額四千三百円でございましたか、私は今ここに正確な数字を持ち合せておりませんが、大体五千円以内であります。ところが青森であるとか或いは新潟県の高田であるとか、福井であるとかというようなところになりますると、年額八千円から一万円払つておる、市民税を。それはその土地が貧乏でございますから、結局同じ公務員でも東京にいる場合には五千円の市民税、つまり一カ月四百円の税金で済むのでありますが、併し地方のさような辺鄙なところに参りまして、而も雪寒地帯のような経費のかかるところは、いろいろの経費が市町村で要りますために、その倍額以上払つている。だから四百円から五百円以上を毎月月額二万円の収入で払つておる。ところが地域給のほうはどうだと申しますと、さようなところはあべこべに低いのであります。こういう矛盾があるのですが、これは私は人事院にお伺いしたいのですが、こういう税金が非常に違つているということは人事院は御承知でございましようかどうか、先ずお伺いしたい。
○政府委員(入江誠一郎君) 公務員の給与に伴いまする税金の問題も十分研究いたしております。
○田村文吉君 今私のお尋ねしたことについて、市民税がそれだけの違いがあるんだが、そういうことは御承知の上で、地域給というものは御発案になつているのですかどうかということをお伺いしておるのです。
○政府委員(入江誠一郎君) もとより税金の問題は、お話の通り個人の負担の割合という関係から、比較的富裕府県或いは富裕都市の公務員のほうが軽いことは事実でございます。併しながら又一面、例えば大都市におきましては交通費が要りまするとか、或いはその他の消費関係の物いりが多いとか、いろいろな関係がござまして、大体御存じの通り公務員の給与は、その地方の一般の国民の給与とバランスをとつておることが、一つの給与決定の基準になつておりますので、やはりその土地々々或いは地方の税金その他の支出も含めまして、民間の生活状況というものと勘案しながら、やはり大都市のほうが負担が多いという見解の下に、地域給を設定しておるものでありまして、そういう意味から、現在の地域給の大体の割合というものは相当のものであろうと考えます。
○田村文吉君 今そういう御答弁でございますが、人事院では市民税の税金がどう違うかというところまでお調べになつていないと思うのですが、おやりになつておるとおつしやると私はちよつと伺いたいのですが、事実お調べになつてそれをおくみとりになつていますか。
○政府委員(滝本忠男君) 只今入江人事官から申上げましたように、地域給設定につきましては、その土地々々の実質給与というものをひとしくしようということでやつております。又税金のことの御質問でありますが、各地における市民税というものを全部調べ上げるということは事実上困難であります。我々のところでは決してそのことについて無関心ではありませんが、むしろ非常な関心を示しております。相当程度の都市或いは町村につきまして、そういう資料をいろいろ収集いたしております。又それを参考にいたしておる、かような状況であります。
○田村文吉君 そうなすつていらつしやると言えば、私は突つ込んで細かい問題まで言うわけではありませんけれども、実は市民税がそんなに違つておるということを、私ども発見したのは最近なんです。最近なんでありますが、そういうようなことにかかわらず、今の地域給は各県の各都市について一々おきめになつている。そういうようなことがもう誰が見ても、今のその点一つ見ても、非常に不公正であるということが私どもすぐわかる。すぐわかるんだが、その点をお調べになつているとおつしやれば、私はもう何をか言いませんが、併し若しそういう点について不十分な点がございましたら、地方行政のほうでもなかなかこの数字をよう御発表になりませんが、お調べになりまして、そういう点を考えておあげにならんというと、どこどこへ転勤を命ぜられた場合に、その人は非常に困る。どうも途方もない、東京なら月に四百円で済んだものが、今度田舎に行つたら八百円の税金をとられるということでは、事実地方の公務員のかたは困る。そういう場合がありますから、私はお調べになつているとおつしやれば、それで結構ですが、なお、十分にそういう点について御斟酌になりまして、そうしてなさるべきではないか、かように考えますので御忠告申上げておきます。
○千葉信君 只今の田村委員の質問に対する人事院を含む政府側の答弁というのは不統一で、而も不勉強で醜態を暴露したものと言えると思うのです。今田村委員が質問された問題は、現行給与体系の中には、民間を含んで家族手当の制度がそのまま継続されている。而も今回の提案されたこの法律案によると、能率に該当する手当を支給する余地をこの法律ではつきりと、従来の給与法の建前から一歩前進して提案されて来ておる。そこで一体給与の体系を能率給の体系へ持つて行こうという考えで政府はいるのか。そして又一方的に家族手当乃至は又地域給などいうものも含んで生活給の体系をそのまま一方的に存置するという方向へ進んで行くのか、この点に対する疑問を田村委員は問い質したのです。而もそれに対する政府委員の答弁、中でも田上政府委員の答弁のごときは、政府としてはどつちがいいのだかわからない、どつちも合理性がある、こういう答弁がありました。人事官としては、従来の給与の問題を年余に亘つて研究しながら、こういう問題に対してはどういう方向に持つて行くべきかということについては、明快な答弁が当然なされなければならないと思います。まあ加藤さんはたまたま勘で以て答弁されたその答弁が、かなりこの問題については正鵠を得た答弁をしておられると思うのです。給与については当然これは学歴とか或いは能率に応じて支給されなければならないものだと思う。それが正しいものだと思う。まあそう言つて加藤さんはたまたま勘で以て正鵠を得た答弁をされておられまするけれども、それ丹後の答弁に至つては、例えば戦時中に徴用された徴用工に対する給与は、家族手当を含んでいた云々の答弁に至つては、これはまあ不勉強を暴露したものだと言えると思うのです。そこで私はお尋ねをいたしたいと思うのだけれども、これはまあ田村委員の聞かれた、例えば家族手当のような、或いは地域給のような生活給の要素を持つておるものについては、これはいつかということを田村委員は聞かれましたが、政府のほうからそのいつということについては、まあ今はいろいろな事情で言えないということを答弁されておりまするが、これを整理する時期というものは、必ずはつきり答弁できると思うのです。その時期というのは、こういう生活給の体系を払拭できるような給与の水準に持つて行くことにしなくちやならないと思うのです。だからその意味ではそういう時期が来たら、こういう生活給の要素を持つておるものは、政府としては整理をするということがはつきり答弁できると思うのです。まあそういう時期の問題もありますが、根本の考え方から行けばですね、正しい意味の給与は本来その労働の価値に応じて支給されなければならないはずなんです。ところが今の給与の水準から行きますと、これは民間もそういう状態にありますけれども、特に公務員なんかの給与の水準なんかは、まだ惨めな生活給の段階にあるのです。まあ政府の統計からいつて、一般のエンゲル係数は五〇そこそこということになつておりますが、公務員の場合はおしなべて六〇くらいです。これははつきりしておるのです。而もそういう非常に安い生活給の体系の中で、若しも今田村さんが仮に言われたように家族手当、これはもう正しい意味の労働の反対給付という条件から行くと、不当じやないかということから進めて行けば、家族手当なんかは廃止されなければならない。併しそういうことのできない現在の給与状態なんです。まあそういう問題に対して明確に答えるべきだと思のです。明確に答えるべきだということは、今の生活給という、こういう水準ではいろいろな給与の一本化とか乃至はこういう生活給の要素を持つておるものを整理すべきだという根本の方針は、当然であるけれども、今のこんな水準ではそういうことを考えてもできやしないのです。こういう点をはつき政府としては統一した答弁をすべきだと思うのです。而もこれは今回始まりた問題ではないのです。従来何回もこういう問題では国会で論議されておる。人事院は勿論のこと、政府としても当然このことについては、いつでも明快な答弁がなされなければならないと思うのです。まあこの点では加藤さんには、就任間もないから、そう追及することはできないかも知れないけれども、併し聞くところによると、加藤さんはみずから進んで給与を担当されたそうであります。而も引継ぎについては、大体完了して、この委員会にもう何回も臨んでおられるのですから、こういう点については、もつと明快な答弁を私はしないならば、政府は醜態だと思うのです。この点については加藤さんと入江さんのほうから、私の今申上げたことが間違つておるかどうか、はつきり御答弁を願いたい。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) その事態から申しますれば、確然としたほうがよかろうと思いますが、実際この運行のほうから行きまして、直ちに能率給に一本に切替える、いや、地域給を廃する、生活給をやめてしまうということはなかなか技術的にも困難なことであろうと思いますが、漸次これは直すというほか、これは途がない。殊に地域給のごときは物価もだんだん均衡がとれるようになりますれば、これも直すときがあるが、一挙にしてこれをどちらの方向に向けるかということは困難なことなんで、実際政治面としては、除々にそういう方面に進んで行くということのほかはお答えできんと思います。
○政府委員(入江誠一郎君) 人事院としましても、只今加藤国務大臣からお述べになりましたことと結局において同一になると存じまするが、この給与が如何にあるべきかということは、勿論只今千葉さんからお話がございました通り、勿論その職務と責任に応じて支払うべきものでございまして、まあ従つて家族手当その他のいわゆる諸手当というものは、先ほども申上げました通り、一本になるべきものでございます。併しながら現在の段階におきましては、やはり生活給的部分と言いますか、そういうものが生活の実態から申しまして、整理が困難であることが一つ、並びに先ほど申上げました通り、技術的にもこれを整理することには相当困難性があるじやないかと思いまして、やはり経済の状況なり、公務員の家計の状況並びに国のほうの財政の問題と睨み合せて解決いたしませんと、当分この解決は困難ではないかと申しましたのは、そういうことなんです。
○千葉信君 まあ人事官の答弁も少しそういう点を含んでおりまするが、主として問題が技術的に困難であるかのような印象を与えるような答弁でしたが、これはそんなことじやないのです。飽くまでも財政上の問題、而もそれは財政上の問題だけにはとどまらず、そういう適正な給与を支給するような財源を割こうとしない政策にあるのです。それがこういう生活給の体系に現在でも押込んでおいて、そのために、給与の体系が一方では能率給の体系へ持つて行かなければならないということを考えながら、而も片方では給与を一本化するとか、或いはこういつた生活給の諸手当を整理するということができないという状態の中に追い込まれておる。それに対して、加藤さんの答弁は技術的にできないという答弁では、これは答弁になつておらないし、こういう点については少し勉強する必要がある。私は今日は関連質問ですから、これくらいにとどめておきます。
○阿具根登君 千葉委員から関連質問がありましたから、それの触れない点で関連して、能率給について質問いたしたいと思います。今度の給与改正につきまして、この案につきまして、アンバランスを是正するというのは私も賛成です。併しこの能率の問題が非常に大きく出されてあるのに、先にどの加藤大臣の言われたように、今の給与体系が必ずしも最良だということには私ども思つておりませんけれども、加藤大臣は戦前のことを考えておられる。いわゆる学歴、能率、経験、これだけで給与を考えておられるその一つの現われが、この法律となつてきておると思う。それは国家公務員法には能率の問題は入つておらない、勿論これは他の面で十分入つておると思うのであります。例えば或る人の仕事の、勿論昇格、昇給、そういうようなものには多分に含まれておる能率給というものが考えられておるのです。ところが今度のやつは給与に対して能率が大きく打出されている。これは現場で考えるならば、この能率は誰が査定をするのかということになつて来ますと、非常に職階制の圧迫がもう一応それに重つて、加つて来る。こういう結果になつて来ると思うのですが、そういう点、どういうふうにお考えになつておられますか。
○政府委員(入江誠一郎君) 只今のお尋ねの御趣旨は、今回の特例法によりますると、一般公務員よりも特にこの第五条その他の趣旨から言つて、能率給の部分を含んでいるのじやないかという御趣旨でございますが、人事院として、或いはお答えを申上げることが不適当な点があるかも知れませんけれども、私たちの了解いたしております問題といたしましては、やはり一般の公務員につきまして、現業企業官庁でございましても、或いは企業官庁以外の一般の公務員におきましても、趣旨はどこまでも職務と責任に応じて給与は支払われるべきものでございます。ただ企業官庁におきましては、一つの独立採算制と申しますか、やはり職員の努力或いは能率の如何によりまして企業の成績が上りまして、それによつて相当な独立会計としての収入が上るという点から、一つの給与問題につきましても、いわゆる一つの能率ということのみを言うのは如何かと思いますが、能率的部分が大きく取上げられるのでございます。御存じの通り、現在におきましても一般公務員につきましては、年末その他におきまして勤勉手当が出ますのでありますが、これはまあ従来から御存じの通り永い沿革がありまして、理業企業官庁につきましては奨励手当というものがございまして、そういう一つの能率に応じました奨励的な手当が出ておりますのでございます。これにつきましては、例えば郵便局系統でございますとか、或いはその他の勧誘的な業務でございますとか、その他につきましては、又それぞれのその一つのやはり奨励的、能率的給与制度が従来から採用されておりまして、まあそういう関係から、むしろこの従来の沿革なり、実績をも尊重しながら、今回の特例法がこれを総合的にきめられているのじやないかと存じます。
○阿具根登君 人事院のほうにもう一つ申しておきますが、いわゆるいつもこの給与の問題のときには、非常に複雑である。複雑であるため一本化するために非常に苦労をしておられると私は思う。ところが国家公務員法におきましては、給与の根本原則としては職員の職務の内容と責任に応じということが言われている、同じ給与のこの根本原則に、このたびは能率を考慮しなければならないということを入れられているというのは、私は考えが別であると思う。そういう給与体制で、例えばこれが能率賞与と、こういうようなもんであれば又別だと私は思う。ところが給与の根本原則の中にそれが入つている。片方は入つておらない。こういう問題についてどうお考えになつているか。 それから加藤国務大臣は御返事なかつたようですが、さつきのやつで、ちよつと私はまだ納得の行かない、二人のかたの、委員の質問に対するお答がありますが、念のためにお聞きしますが、例えば問題になつております家族給の問題につきましても、これは純然たる生活給だと思つております。それも当然直さなければいけないということはわかりますけれども、ただ事務的な或いは経済的なということよりも、私は憲法で示されているように、最低の文化的健康な生活のできる状態ができてから、初めてそういうものは除かれるものだと、私はこう思うのですが、これに対する加藤大臣の明快なお答えをお願いいたします。
○政府委員(入江誠一郎君) 人事院のほうから先にお答えいたさして頂きますが、先ほど申上げました通り、企業官庁その他現業職員につきましては、一般の行政的な非現業職員に比べまして、能率的給与と申しますか、いわゆる奨励的或いは褒賞的、一つのこの実績、現業の企業に伴う実績による給与制度というものが今ございますわけでございます。今回のこの特例法はそういう企業官庁に特別な総合的な給与制度が設けられることでございますから、従来からすでに採用しておりますところの、そういう一つの方針を根本方針としてここにきめるわけであろうと思いまして、人事院といたしましては、これは適当でないかと思つております。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 只今阿具根君の御質問は、憲法に最低限度の生活を営む権利があるということであるが、この生活給というものはそういう意味であるか、こういうお話であります。私の気持を申しますが、一般職員の給与というものは、只今は生活給というものは含んでおりまするが、憲法に示されたのと、一般の職員の能率に応じて出す、支給するということとは、画然とした区別があるかどうかということは、私言いにくいのでございますが、これは別個に考えるべきものではなかろうか、完全に別個だとは考えませんが、原則としては別個に考えるべきものじやなかろうかと、こう思つております。
○阿具根登君 大臣がお答えになりましたのは、給与としては学歴、能率、経験等で出さねばいけないということを仰せられておるわけです。それはその前提として地域給、家族給はなくするのだということなんです。それで、私もそれは当然いつかの時期が来たならば、そうなるかもわかりません。併し今の職員の生活というものは、そういう段階に全然立至つておらない。いわゆるこういう問題を論議するときには、憲法で保障される程度の生活が保障された場合に、私はそういうことは考えらるべきである。こういうことを言つているわけなんです。ところが大臣の答弁では、事務的に或いは財政的にというような言葉がある。だから私はそういうことでなくて、生活が安定した上において、そういうことを考えられるのだ、こういうふうに考えておるが、どうですかと言つておるのです。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 私が先刻来お答えいたしたことはいわゆる学歴だとか、技術、経験、まあ一口に申しますれば、その人の能率ということでこの職員の給料というものは出すべきものであるということは原則でありまするが、私はそういう体系に行くべきが原則であると思いますが、今この生活給が支給されておりますし、又地域給がありますし、又その他場所によりまして又ほかの手当も出ておることでありますが故に、今一時にこれを私の言うようなほうに向けるということは、技術上のみならず、実際問題として困難なものであると思いますが故に、漸次そういう方向に持つて行きたい、かように考えておる、こういうわけでございまして、直ちに能率に応じて生活給をとつてしまう、こういう意味は毛頭ないのでありまして、漸進的に行くほか実際の制度としてはいかない、こう思つております。
○阿具根登君 わかりました。それではこういうことですね、今直ちにそういうことはできないけれども、そういう生活が安定するように徐々になつて来て、安定した上でそういうものは取除くのだ、こういうことですね。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 安定してということはどこが安定ということはなかなか困難なことでございまするが、漸次そういう方向に私が給与を担当する間は持つて行きたいと、かように考えておりまして、その点は御質問の御趣意と相違からんものと思つております。
○田村文吉君 私は今の御両君の質問の御気持とちよつと違うのですが、これは私今すぐ御答弁頂きたいとは先刻から申上げておらんのだが、無論政治でございますから、極端な変革を起すようなことをお避けになるということもわかる。わかるのだが、本当に日本の経済というものを立直そうというには、本当に働く人に働ける給料が行くということにならない限りは、日本の経済は立直りませんよということを、私は深く考えておるから、それは今までの惰性だ、或いは重大な変革は困るというようなことで、単純にお取上げになつているのなら、それはもうあり来りのただ政治をなさつているだけであつて、本当に経済というものを再建なさるには、そういうものではいけまん。而もこれを作つた因は誰かというと、公務員から始つたのだから、公務員が先ずそういう点について範を示しておいでにならなければならん。こういつた今の給与特例法が出るということも、私はこの法律自体の精神は非常にいい。大いに一つやつてもらいたいが、そういうふうに皆国民が勤勉に働いて、そうして行くということで、初めて日本というものが立直ることができる。それを慈善事業家のごとくに、食えないからやるというようなことなら、自由労働者のような人たちは、誰が家族手当をもらつていますか。早い話がね。そういうようなことも考えて来た場合に、いつまでもまだまだそういう慣例にとらわれて行かなければならんという考え方が、余りにものの詮索をしなさ過ぎると、こう私は思うので、申上げて、これに対しては政府として根本的に一つお考えになる必要がもう出ているのじやないかと、こういう意味であります。 ですからこれはあえて答弁を要求しませんが、今阿具根君が丁度触れられましたので、私はちよつとその問題についてお伺いしたいのでずが、第五条の丁度真中ぐらいに「但し、職員の能率向上により収入が予定より増加し」ということがあつて、職員の能率の向上ということが前提条件になつている。これはまあ形容詞としては非常に結構なんでありますが、職員の能率が向上したかしないかわからないが、予定より収入が増加した場合においてはお出しになるのか、ならないのか、これを一つお伺いいたしたい。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 田村君の前段の御注意は誠に有難く拝聴いたしておきまして、私の答弁の表現の仕方は、或いは違つておつたかも知れませんが、御趣意はそういうふうに行くべきものであろうということでございます。 それから只今第五条の、「但し、職員の能率向上により収入が予定より増加し」と、こういうこと、又次に至りまして、「経費を予定より節減した場合」ということは、まあ私が考えます場合におきましては、郵便、郵政省方面などにおきまして実例を申上げますれば、年賀郵便が大変売れた、年賀電報が大変予定より収入が多くなつた。又そういうようなことで職員の努力によりまして、収入が、考えておつたより殖えた場合においては、その一部を、こういう業績の手当を褒美に出す、こういう趣意でありまして、「能率の向上」ということは、こういう場合、私ども素人でわかりませんが、法律文句によく使つてありますが、まあ形容と言えば形容であるが、そういうことも「能率の向上」ということで、収入を努力して上げたということも、「能率の向上」だろう、こう思つております。
○田村文吉君 この問題は現に現業におありになつているおかたのほうから、どういう限界を以て「能率の向上」ということに当てはめるか。私は「能率の向上」というのは形容詞で、これはあつてもなくてもいいのだが、「収入が予定より増加し」ということなら、もうすつきりするのです。そこでまあ細かいことを申上げるようですが、仮に印刷局にいたしましても、立派な能率のいい機械が入るというと、能率はうんと殖える。従つて経費も安く上るのです。そういうような場合も、一体その「能率の向上」という意味に解釈されて行こうという御趣旨か、そういうような点を一つお伺いしたい。まあ現業の官庁のかたがお出ででしようから、現業官庁の方々で、そういうことについて、こういうあいまいな文字をお使いになつて、今まで又事実上おやりになつていらつしやいますのですが、そこで私はそんなはつきりしないことは言わんでもいいから、収入が予定より増加した場合にどうすると、はつきり言つたらいいじやないか。「能率の向上」というような言葉でなしに、或いは勤勉というなら、わかるのです。例えば休日も出勤をしたとか、或いは大いに時間外を、十分の金ももらわんで大いに勉強したというようなことで、勤勉手当というような意味でやられるのならまだわかのですが、一体「能率の向上」という言葉の目安は、どなたがどういうふうにしておつけになりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 大まかなことを私からお答え申します。この収入が予定より増加した、誰がそれを見るかという御質問があつたように思つておりますが、「能率の向上により収入が予定より増加し」と、こういう「能率の向上」ということにつきましては、又政府委員から御答弁いたしまするが、収入が予定より殖えた場合は、誰がこれを認めるかということでありますが、これは一面におきまして、この公労法適用の職員のほうからいたしまして、団体交渉でこれは遠慮なく交渉が成立すると思いますから、それに右へならえで、こう行きますが故に、こういう目度は、「予定より増加し」という目度はいつでも付くと、こう思つております。
○田村文吉君 それはもうわかつているのです。収入があつて、予算が出るのですから、予算より収入が殖えれば、それは出るのですから、それはわかつている。それははつきりしているのですが、能率の向上という言葉が前にあるから、能率の向上ということは一体誰がその目安をおつけになるのかということを、在来においてもそういうことで払われているのです。事実そうしているのですが、こういうことはただ形容詞になつちやいかんので、本当に働いて勉強したから、これは収入を殖やしてもらつた、だから感謝の意味で以てこれは国民が収入を殖やしてあげる、こういうふうにならなきや本当の活きたものにはならないのだ。そこで私は一体誰が「能率の向上」ということを判定するのか。又例えば新式の機械が入つたために能率が向上した場合でも、それは従業員の能率の向上、努力の向上ということを言うのか。そういう点について、まああなたは、そういう細かいことおわかりにならなければよろしいから、そういうことのおわかりになるかたがたから、一つ御答弁願いたい。
○政府委員(田上辰雄君) 私からお答えいたしますが、第五条の条文は、御承知の通り、各五現業の特別会計にも、これと同様の規定がありまして、現在まで公労法適用の職員には、同一の内容で特別の給与が支給されて来ているのであります。従つて実際上の問題としましては、只今の問題は具体的に従来通り処理されるのであつて、ただ今般救済されるいわゆる非適用職員は、公労法適用職員に準じて、同様にまあ特別の給与を受けるというだけの問題であつて、ここの第五条の内容につきましては、事実上は各五現業とも、支給の方法について何らむずかしい問題は存在しておらないのであります。ただお尋ねの、この誰が「能率の向上により収入が予定より増加し」たということをきめるかということは、主務大臣がこれを認定するわけであります。なお、具体的なことにつきましては、郵政省から給与課長が参つておりますので、給与課長から御説明を頂いたら、結構だと思います。
○委員長(松浦清一君) 説明を求めますか。
○田村文吉君 ええ、どうぞ。
○委員長(松浦清一君) お諮りしますけれども、郵政大臣官房人事部給与課長土生滋久君が御出席になつておられます。政府委員ではございませんが、現場の事柄について御質問がありました場合に説明を許可することに御異議ありませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松浦清一君) ではさように計らいます。
○説明員(土生滋久君) 運用上の問題といたしましてどうやつて行くかというお尋ねだと解釈いたしますが、その点について御説明申上げたいと思います。能率の向上ということは単なる看板だけではなくして、実際にもその精神によつてやつております。先ほど国務大臣からお話がありましたように、例えば郵政省におきまして、年賀郵便が非常に予定よりもたくさん売れた。そのために予算に組んだ収入よりも多くなつた場合におきましても、一方においてその年賀郵便を処理するために非常にたくさんの臨時者を雇うとか、或いは又超過勤務手当として時間外の給与をたくさん支払つてしまうということになりまして、収入に対する支出があつて、差引き残らないということになりますと、それは能率の向上がなかつた。結局そういうことをしないで、人もよそからたくさん雇わないで、而も時間外労働というようなことも、これは、まあ必要な程度はやらなくちやならないわけですが、そういつたものに使いました経費も全部差引きまして、なお残つたものが出て来るわけでありますが、その場合におきましては、その一部を大蔵大臣のほうにおきまして業績手当として支給する。こういうことになつておるわけであります。具体的にはやはり職員側とも交渉し話合いをした結果、大蔵大臣がそれによつて支給するということになるわけであります。
○田村文吉君 大体よくわかりましたが、機械なんかの増設によりまして人の能率がうんと上つて来た。こういう場合もやはり入れておやりになつてもいいんじやないかと思うんだが、それはどういうことになつておりますか。主として印刷局あたりの機械を多くお使いになるところに問題がある。そこで私はこれはまあ形容詞であつて、事実収入が殖えて経費を差引いて殖えたなら、それは大いに働いてもらつたということで行かないと、こういう縛つた文句は、本当をいうと、非常にうるさい文句である。現にお支払いになつておる方法はそういう形で現業官庁ではお支払いになつておると思うんです。思うんですが、どうもやはりその点があいまいだから、むしろはつきりしてもいいんじやないか、こう考えたので御質問申上げたわけであります。 もう一つお伺いしたいことは、その金の分配方法はどういう目安で大体お配りになるお考えですか。これも一つついでにお伺いしておきたい。
○説明員(土生滋久君) 機械の問題につきましては、郵政の場合は殆んどすべて人力によつておりますので、あまりそういつた問題はないわけであります。 次に配分の方法でありますが、これはやはり現在の公労法の建前からいいましても、組合側と交渉するということになつております。当局側といたしましては、できるだけ各職場別、各人別に能率の実績というものによつて配りたいという考え方が強いのでありますが、一方職員側としてもやはり或る程度は全体にも均等するようにしてやりたいということで、その間の折衝を重ね、或る程度の妥協は行われるということになつておりまして、具体的にその都度、その都度きめているわけであります。
○田村文吉君 今日は郵政だけですか、現業官庁でおいでになつているのは。印刷のほうはお見えになつていませんか……。それでは私は質問をこれで打切りたいと思いますが、希望を付しておきたいと思うんです。実際に能率を上げるときに全員努力をする、こういう場合には、管理要員であつても、それにタッチする人にはやはり分配されて然るべきものだと私はこう思うんです。で、ただ実際に機械やなんかを増設したためにうんと収入がふえた、それから自然現象で以て急に収益がふえた、こういうようなことで、ただ一概にその現業官庁だけが特別の給与を非常に多く受けられるということは、他官庁との釣合いもありますと思いますので、これは将来この案が成立いたしました場合においては、よほどそういう点についても政府が十分の責任を以て御監督をなさる必要がある。こういうことを考えますることを申述べまして私の質問を終ります。
○阿具根登君 時間があまりありませんようですから、簡単に大臣に質問しますが、今度の法案では、給与準則が主務大臣又は政令によりその委任を受けた者が定めるものとする、こういうことになつておりますが、国家公務員法は、これは人事院が内閣又は国会に報告することになつておる、きめることになつておる。どういうわけで大臣がこういうことをされたのか、それをお伺いいたします。
○国務大臣(加藤鐐五郎君) 第四条の御質問でございますが、これは五現業各特別会計みな同様の文句があるのでございまして、それをここに入れただけだとお考え下さればよろしいと思います。
○阿具根登君 大臣の答弁では、先ほども私ちよつと申しましたが、非常に複雑であるから惰性を退けたいというような考えがあるかと思えば、非常に惰性のことをやつておられる、こういうふうに考えるわけなんです。これにはただ簡単に主務大臣又は政令の云々ということを入れてありますが、国家公務員のほうには人事院にそれを任してあるとしながら、非常に内規も詳細にきめられている。これでやつて行くならば、大臣が勝手に政令によつて誰かに委任することができるという形になるわけです。人事院のほうではちやんとその細則まできめられている、非常に厳重にきめられてやつておられる。そういう点についてどういうふうにお考えになつておられますか。
○政府委員(安井謙君) 労働省に非常に関係の部面が多いと存じますのでお答えいたしますが、これは御存知の通りに、従来五現業で、組合員とそれから当局との間の取決めによつて準則がきめられ、規則もきめられ、それがただ同じ仕事をやりながら、組合員でないがために別扱いを受けている、これは非常に不公平だとかアン・バランスだとかということで、種々国会でも御議論になつたところなんで、そのバランスを一方の組合の団体交渉に準じた扱いをする、こういう一歩進めたと申しますか、バランスをとつた法律案なんでございまして、この点につきまして根本的な問題はそうなかろうかと思つている次第であります。
○阿具根登君 私この問題についてまだ非常に納得もできませんし、質問が十分残つておりますが時間がないようでありますし、いろいろな事情が出て参りましたので質問を打切ります。
○委員長(松浦清一君) ほかに御質問ございませんか……。御質問がなければ、本案件に関しての人事、労働合同委員会は、これで打切ることにして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松浦清一君) 御異議ないと認めます。 次回は、定例日でございます土曜日に、午前十時より開会さして頂きたいと思いますから御了承願います。 本日はこれを以て散会いたします。 午後零時五十分散会