厚生委員会社会医療関係の諸問題に関する小委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/08/17
会議録
○委員長(中山壽彦君) 只今から社会医療関係の諸問題に関する小委員会を開会いたします。 昨日に引続きまして社会保険の点数引下げの件を議題といたします。御質疑をお願いいたします。
○山下義信君 今回の点数引下げの問題並びにこれに関連いたしまして単価の問題について若干伺いたいと思うのです。私は専門家でありませんので実は研究も不十分であります。そういう意味で懇切に御答弁を願いたい。 先ず一般的の問題として、今回の点数の引下げは主として薬価の値下りによつて引下げをしたということでありますが、我々はこの薬価の値下りによりまして点数が引下げられたということ自体につきましては異論はないのであります。当然そうあるべきことでありまして、そのことだけを切離して考えますれば、何ら異論のあるべき筋ではないのであります。殊に国策として低物価の政策をとつておりまする今日ですから、当然のことと思うのでありますが、併しどういうわけでこのたびの値下りの場合に限つて今回の措置をとられたかという趣旨につきまして政府の御所見を伺いたいと思います。
○説明員(久下勝次君) 御質問の御趣旨は必ずしも正確に理解できないかも知れませんが、現行の社会保険診療報酬の支払いの基礎になつております点数なり単価なりにつきまして、いろいろと意見のありますことは、私どもも承知をいたしているのであります。併しながら薬価の値下りの中に、従来の慣例から申しましても明白に点数をいじつていいという結論がはつきり出ているものは、ほかにこの今度の問題の決定までの段階におきましてなかつたからでございます。勿論検討を要すべきものは私は認めますけれども、私どもといたしましてはそういうような意味合いにおきまして取りあえず薬価の値下りの問題を取上げ、更に昨日も申上げましたように、同時に結論の出ました結核治療指針の改訂を一緒にいたしたというようなことでございます。
○山下義信君 今回の措置は異例に属し薬価の値下りも相当大幅であつたために、余り前例のないことであるが、まあやつたということでありますが、値上りになつたものはないのですか。
○説明員(久下勝次君) 昨日も申上げました特別固定点数に関係のあるものにつきましては値上りをしておるものはございません。併しながら昨日申上げた薬価基準として一般の医薬品につきましては非常にたくさん、数も多いようでございますので上つたものもあり下つたものもあるということはあるはずでございます。
○山下義信君 固定点数といいますか、このきめられてある薬品関係以外の一般のもので値上りになつたものについての検討はされていますか。
○説明員(久下勝次君) 特別固定点数に関係のない一般薬価基準で処理されておりますものの中には、特に使用頻度の少いもので価格の値上りのものがあるそうでございますが、現在資料を手許に持つて来ておりませんので、具体的に挙げてお答えができませんが、後ほど具体的に申上げることにいたします。
○山下義信君 私が伺つておるのは、一般薬品の種類の中で値上りになつているものを検討して、それについては値下りの場合と同じように点数を改訂することが妥当なのですか、或いは又そういう必要はないものですかと関連して聞いておる次第であります。
○説明員(久下勝次君) 答弁が違つております。一般の薬品、即ち薬価基準に取扱われております医薬品は薬価基準によつて値段を変えた告示をいたしますと自動的に点数が変つて来る仕組になつておるのでございます。昨日も申上げましたように薬の原価十五円までのものは二点、十五円を又はその端数を増すごとに二点を加算をするという建前になつておりまして、従いまして薬の値段が単位当りの一剤に使いました薬の価格が動きますると、只今申上げたような基準によつて点数が自動的に動く仕組みになつておるのでございます。
○山下義信君 そうしますと、固定点数の算定の方法でありますとか、それから診療報酬点数の中で、固定点数として定めるものとそうでないものとがあるというようなことのこの固定点数の扱い方といいますか、例えば診療点数表の中における固定点数というものを、こういうふうに区別するということについての若干の解説を願いたい、私にわかるように。
○説明員(久下勝次君) 只今一般の薬品につきまして申上げた通りでございまして、十五円未満のものは二点、十五円又はその端数を増すごとに二点を加算するという比率で参りますと、一剤当りの単価は非常に高い薬品につきましては、技術料の中に含まれております私どもいわゆる潜在技術料と言つておりますが、そういうものが値段の低い医薬品との間にアンバランスを生じて来るわけであります。潜在技術料につきましては、同じような診療を行い、同じような治療の方針を立てたと見られます場合でも、価段の高いものが非常に有利と申しますか、そう言うと語弊がございますが、技術料が比較的高くなるという問題があるわけでございます。そういう意味合いにおきまして単位当りの価格の高い医薬品につきましては、一般の薬価基準によつて定められ、十五円ごとに二点を増すというこの基準を適用いたしませんで、別に基準を定めて点数を作つておるわけでございます。具体的に例を挙げて申上げますとすぐおわかり願えるかと思いますが、例えばストマイの価格が百七十五円ということで今度の点数がきまつておりますけれども、これは百七十五円に、医薬品ですから損耗等も考慮いたしまして、それを一割と見まして一割を加算いたします。そうしてそれを単価の十一円五十銭で割りますと点数が出て来るわけであります。これに注射の技術料を一回六点加算いたします。そういうことによつてストマイの一回分の点数がきまつて来るわけでございます。そういうふうにいたしまして、値段の高いものにつきましては別計算をいたしまして、一定の技術料を加算して支払いをするという仕組をとつておるのでございます。一般の医薬品と特別固定点数とを区別いたします限界でありますが、これは必ずしも明白でございませんが、大体単位当り八十円前後を超えますと、特別固定点数をきめるというような扱い、又逆に申しますとだんだん値段が下つて参りますと、単位当りの価格が百円を切り、八十円ぐらいになつたというようなことになりますと、一般薬価基準のほうに当てはめても不合理はないというような結果になる扱いにしておるわけでございます。
○山下義信君 つまり特別固定点数の扱いをしておる趣旨というものは、一般の点数でやつておるものと比較して、つまり技術料が過大にならんようにという考慮の下に点数を抑えて行こうという趣旨で別枠を作られておる、こういうわけですか。
○説明員(久下勝次君) 大体においてさような考え方でございます。なお私が申上げました八十円ぐらいの限界と申しましたのは、これは少し数字が違つておりました。必ずしも明確にきまつたものではないのでございますが、現在の実際の取扱は五十円前後ぐらいと見ておいて頂きたいと思います。
○山下義信君 特別固定点数の扱いの品目は、現在どのくらいでありますか。
○説明員(久下勝次君) 約二十種ぐらいでございます。
○山下義信君 今回の点数の改訂の行われましたその薬価の値下りによりまするものとして扱われたものは、何種類あるのですか。
○説明員(久下勝次君) 先ず主なものを先に申上げます。結核の薬でございますストマイが第一、それからペニシリン、各種のぺニシリンがございます。例えば無定型ペニシリン、結晶ペニシリン、油性及びピリミジン・ぺニシリン、水性ペニシリン及び複合水性ペニシリンというようなものがございます。
○山下義信君 表に頂いたこれですか。
○説明員(久下勝次君) それでございます。その主なものはそれに書いてございますが……。
○山下義信君 三十一種類とか聞きましたがその程度ですか。
○説明員(久下勝次君) 三十一種類とおつしやいますものは、例えば今申上げましたようなペニシリンの内訳を入れての数字であると思います。大枠から申しますとそんなにはございません。全部申上げてもよろしうございますが……。
○山下義信君 いやそれでわかりました。それで問題は、我々素人にわかるように御説明願いたいのですが、このたびの点数の改訂と薬価の値下りとの関係はどういうふうに計算されてあるのですか。私の質問がわかりませんか……。
○説明員(久下勝次君) はあ、ちよつとどういうふうに……、おつしやる点が……。
○山下義信君 先ず薬の値段が下つたのですね、薬の値段が下つたのが原因で点数が引下げられたのですね、その引下げられた点数ですね、つまり言い換えるとそのものの診療報酬が、金額が引下げられますね、それが薬価の引下げられた金目で行く金額と、その点数の改訂による診療報酬の低下されたのとどういう関係に置かれてあるかということです。
○説明員(久下勝次君) 又或いは御質問の点を誤解しておるかも知れませんけれども、一応お手許に差し上げてございます三枚綴りの二枚目の薬価の値下り率というのがございますから、これを御覧頂きますと、旧薬価、新薬価、それからその比率が書いてございます。主なものにつきまして、少いものは三・四%から多いものは五五%、五割五分の値下りがあるのでございます。これは診療報酬との関係と申しまするものは、結局先ほど申上げたような計算方式によりまして点数がきまつて参りますので、実質的な医師の技術料というものには差はないようになつております。例えばストマイの例で先ほど申上げましたが、ストレプトマイシンの一回注射は六点という技術料が加算をされておりまして、この六点というのは薬価の如何にかかわらず変化がございません。そこで薬価が三百三十円から百七十五円に値下りしておりますが、その分は当然今の百七十五円を十一円五十銭で割つたものを点数に割り出しまして支払いをするわけでございます。診療報酬にはそういう意味合いにおきまして影響がないと申してよろしいと思います。なお、御参考に申しますが、パスにつきましては値段が……。
○山下義信君 いや、ちよつと私の診療報酬という言葉で間違いを来したのですが、じやもう一度お尋ねをして見ましよう。薬の値段が下つたのですね、それで薬の値段が下つたので、その薬を使つて診療をすることについての点数を引下げたのですね、それからその薬を使つての診療報酬が下つたということの中には、依然としてその薬を使用する技術料は、六点というものは動かない。結局薬の下つただけがやはり診療報酬の中に影響、変化を与えているだけであつて、結局医師の報酬というものには関係がない、こう言われるのですね。そういう御説明でしよう、それを私にわかるように説明してもらいたい。
○説明員(久下勝次君) 大体おつしやる通りでよろしいと思いますが、大体問題は今いろいろ騒れておりますのは、少くとも値下りの事実は一部にもう気付かれ出しましたのはすでに昨年の秋頃からの問題であります。値下りの傾向が現われておりまして、そういうふうに値下りが卒然として現われているのじやございませんで、漸次に値下りを見せておりまして、そうして今日に至つておるわけであります。従いまして実は正直なことを申上げますと、昨年の十二月から実施いたしました入院料、往診料の引上げの際にも若干そういう傾向が現われておりまして、一部保険者側からは値段が下つてなぜ下げないかという注意もあつたのですが、私どもとしてはその当時正確な調査をしておりませんでしたので、正確な調査に基いてということで若干の期間を延ばさざるを得なかつたのであります。少くとも傾向としては現われておりまして、そこでそれが昨日も申上げましたように二月下旬、三月初めからいろいろお話合いを始めておりましたときには、今日のように値下りの事実があつたわけであります。それを放つておけば、お医者さんには百七十五円であるストマイは三百三十円で買つたものとして支払がされるわけであります。お医者さんの収入はこれを下げないでおけば、非常にいいわけでございます。それを卒然として下げられるということで、他の問題もからみ合わせましていろいろ意見が多いだろうと私は了解しております。そういう意味合いにおきましては、当然薬を買入れる正当な値段で払えばいいのじやないかというのは、これは一つの理窟であり、私はそれを正当と信じておりますけれども、併し受取るお医者さんの立場に立つてみますると、これを点数を下げずに従来のままで払つてくれれば、つまり診療報酬としてそれだけ余分に払うわけでありますから、そういう意味では診療報酬に影響がないとは申せないとは思います。それがいいか悪いかは別問題として、そういうことの関連のございますことを念のため申上げておきます。
○山下義信君 それはよくわかるのです。それで今はそのことを問題にしているのじやない。薬が下つているのにやはり高いままの点数で暫くやらしてくれれば、それだけ所得が良好な状態にあるのだからということは、それはそういう状態がいつまでも許さるべき、じやない。今そのことは成るほど関係もありますし、注意すべき点でありますが、今私が伺つておるのは、新点数によつてこの診療報酬が下り、その中に薬価が下つたということがどれだけ計算がされてあるのかということが私にわからん。
○委員長(中山壽彦君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山壽彦君) 速記を始めて。
○説明員(久下勝次君) この算式を申上げますと御了解頂けますが、先ず旧ストマィにつきましては、従来はこういう計算をいたしております。大分古いことになつておりまするが、ストマイは単価十円の時代に一グラム当り三百三十円でありましたので、十分の三百三十にいたしました。十円分の三百三十円でございます。そうすると、三十三という数字が出ます。これが薬の値段に基く点数でございます。これに一日二回法でやりまするから二回注射をいたしますので、一回の技術料を六点として十二点が加算されます。それで四十五点という数字が出ております。念のため申上げますが、先ほど申しました三百三十円の中にはストマイは溶解剤が必要でございますが、この当時はこの中に含まれるものとして考えてございます。今度新点数を計算をいたします場合には、グラム当りの値段が百七十五円でございます。従来この薬の値段の中に含まれておりました溶解剤は別計算にしてございます。これは医者にとつてはそういう意味では有利と思います。五円二十銭がプラスであります。百三十五円プラス五円二十銭、それに括弧をいたしまして、その総計に一・一をかけてあります。その一・一をかけましたのは、薬が破損したり損耗したりいたしまするので、その減耗率を見たわけでございます。そういたしますと、数字で申上げますと、百八十円二十銭の更に一割増しにいたしましてそれをその全体を十一円五十銭で割るわけでございます。そうしますと十七点という数字が出ます。それに先ほど申上げました前回と同様の技術料十二点を加えます。そうして二十九点という数字が出たわけでございます。従いまして四十五点かける十二円五十銭、二十九点かける十二円五十銭の差額というものは薬の値段の差でないと申しますることは、先ほど申上げました溶解剤が枠外に出ましたことと、一割の減耗を見ておりますその分が今回新らしくなつておりまするので、先生のおつしやるように、終極の点数に単価をかけました場合の差額は値段の差ではございません。
○山下義信君 わかりました。例を挙げて言えば、四十五点引くの二十九点が必ずしも今回の薬価の基準の変動をそのままその薬価の低下した数字が、ここに同一の数字が出るというわけではない。その理由はいろいろこの薬価というものの今お話になりましたような溶解剤の関係とか、或いは減耗率の関係とかいうようなものがいろいろ考えられてあるからそういうようになるのだということですね。若しそういうことが皆ひつくるめられて薬価の変化の値が出ているものだということになれば、私の言う通りになるわけですね。今回はこの二十九点の点数というものの中には、ただ単に薬価の変動のみならず、この薬の混合の仕方或いは減耗率等が考慮せられて有利に点数が計算せられてある、こういうことですね。この点数とその処方のことを伺うのですが、丁度いいこの機会に勉強させてもらうのだが、点数と単価というものの関係はどういう関係になるのですか。それは薬価について及びいわゆる技術料というものについてですね、この両方について点数と単価というものの関係はどういう関係になつておるのですか。つまり私の問いは、点数かけるの単価によつて診療報酬というものが割出されてあるのが、その点数とそれからまあ言い換えると、妙なことを言うようですが、プラス何々単価ということを言うとおかしいですけれど、点数プラス単価ということならばわかるのですけれども、点数に乗ずるの単価、それによつて診療報酬が出た場合に、薬の薬価、薬の薬価というとおかしいですが、薬価の変動が点数のみ影響して単価というものにこの制度は影響を持たないことになるのですね。その説明をしてもらいたい。どういうわけで点数のみに影響して単価というものに影響がないのか。ところがこれは乗ずるのですから、掛けるのですから、点数の変化ということが即ち薬価の変化であるべきであるのに、それに十二円五十銭或いは十一円五十銭を掛けるのですから、この十一円五十銭若しくは十二円五十銭という単価が影響して行きますね。ですから仮に同一の薬価の基準の変動という事態に対しても、点数掛けるの十二円五十銭という一つ数字でないのですから、いま一つ十一円五十銭という点数の掛け方があるとするならば、薬価の変動の影響は二通り答えが出て来るのですね。二通り答えが出て来るということは、言い換えると、十二円五十銭乃至十一円五十銭というものを掛けることによつてあれが出て来るのですから、単価の十二円五十銭、十一円五十銭というものと点数というものとを乗ずることによつて、薬価の変動を現わして来るのですから、それで単価にも関係があると言えるのですね。そうするとその点は点数と単価との関係が今回の薬価の変動というものに両者如何な関係があるかということを承わりたい。点数の変化だけが関係があつて、単価には関係ないというか、点数も変えたが、それに十二円五十銭或いは十一円五十銭を乗ずるのだから、単価にも関係があるというのか、点数だけ変えたらばそれで薬価の変動という事態に対する診療報酬の変更はそれで目的を達したのだということが言えるのか、単価には関係があるのかないのかということですね。その点を一つ御説明願いたい。
○説明員(久下勝次君) 先ず今回問題になつております特殊計算法による特別医薬品の点数につきましては、先ほども御説明申上げましたように薬の値段そのものを単価で割つております。十一円五十銭という単価で割つておりまするので、その点に関する限りは結局お話は元に戻ると申しますか、同じことだと思うのでございます。ただ問題は、お尋ねの点は単価と点数というものの相関関係をどう説明するかという基本的な問題であろうかと存じます。御承知の通り単価の構成は昭和二十四年九月の医業実態調査の数字を基礎といたしまして、一診療所当りの総経費を出しましてこの中には医師の技術料と見るべき医師の生計費も加算をしてございまするし、又勿論税金も理論上計算をいたしまして、その総額を一カ月の稼働点数で割つておるわけでございます。これは単価の構成でございますので、単価そのもののうちには一応技術料的な要素も考慮されておるわけでございます。 一方点数のほうはこの金額で表示されまする単位に掛け合せの数字でございますので、結局各診療行為の比重を示すものというふうに見ていいのではないかと思うのです。もともとの立て方を私が聞いておる限り申上げますると、投薬の場合の一日一剤二点という、昔は一点だつたそうでありますが、これを基礎にしてそれとのいろいろな関係から見た比重で点数が構成されたもののようでございます。ところがその後積み重ね積み重ね、いろいろその都度その都度の修正が行われておりますので、全体としてそれではそれだけの透徹した説明ができるようになつておるかと申しますと、必ずしもそうではないと思つておりますけれども、考え方といたしましては、そういう基礎の下で一定の単価に掛ける点数のほうは診療行為別の難易さその他の比重を考慮してきめられておるものでございます。難易のみならず、材料のたくさんかかるものとか、そうでないものとか、その中には勿論薬価が高いものというものも含まれるわけでございます。そういうふうにして全体の点数が構成されておる建前になつております。従いまして一般的に申しますれば、個々にいろいろ議論はあるにいたしましても、単価に個々の診療行為にきめられた点数をかけますると、それは結果においてその診療行為に必要な諸材料、諸経費のほかに一種の技術料というものも加わつて来る。そうするとそれは点数によつていろいろ技術料は違つて参ります。原価計算をすれば勿論違つて参るわけでございますが、その違いましたものがその診療行為ごとの技術料の重さと申しますか、比重であるというふうに見ていいと思うのでございます。今日の点数の計算はただ理論的にはそうでございますが、実際問題としては原価計算をした仕組の上で必ずしも全部が仕組まれておりませんので、分解して明確にお答えをできませんけれども、理論的には私はさように理解をしていいのではないかと思うのです。特に、話をもとへ戻しまするけれども、今回の特別点数の問題につきましては、個々の医薬品につきまして単位当りの価格を単価で割つて点数を出しておりまするから、これは先ほど申上げましたようにその点におきまして単価掛ける点数という仕組を逆に又行つて、逆に又掛け合わしておりますから、結局同じものになる、もとの価格が出て参ります。そういうように御了解願えればいいのではないかと思います。
○山下義信君 これは診療報酬制度の問題を議論するときに、我々門外漢でいつもわからんので、教えを受けておるわけなんです。つまりこの点数の内容の分析になるわけなんですが、いつも聞いていつもわからずじまいに終るわけなんです。丁度いい機会ですから私は伺うのです。それなれば固定点数という場合と一般の点数の場合とは若干異なると思うのですが、どちらでもいいですから今回の値下りによる改正せられた関係のいわゆる固定点数表の改訂に、その一点の中に含まれる薬価のパーセンテージというものはどの程度の。パーセンテージなんですか。ちよつと速記をとめて頂きたい。
○委員長(中山壽彦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山壽彦君) 速記を始めて。
○説明員(久下勝次君) 少し遠廻しの御説明になるかも知れませんが、私からかように理解をいたしたつもりで御説明を申上げます。と申しますのは、今のお話の中に点数、単価というものは、実は十円でもいいのだ、十五円でもいいのだというお話がございましたので、その意味で単価の構成の大体の考え方をもう一度繰返して申上げておいたほうがいいのではないかと思います。単価の立て方は、先ず実際に調査いたしました一診療機関当りの人件費、維持費、それから医薬品その他の衛生材料費、光熱水道費、賄諸雑費というような、医業経営に必要な諸経費一切を計算をいたしました。そのほかに医師の純世帯支出、個人の生活を維持して行きますために必要な世帯支出と税金とを加味いたしました総額、これが現行単価決定の基礎になつております数字が五万七千九百九十一円、これは一カ月の一診療機関当りの総経費でございます。これをその一診療所で平均、当時自由診療、保険診療を含めまして、これを保険点数に引直しますと、四千九百二十五点稼ぐというと語弊がございますが、点数を上げる、こういうことに数字が出ております。五万七千九百九十一円を四千九百二十五点で割りまして、現行単価というものがきまつたのでございます。そういう意味は、結局は一診療機関当りの平均の一点当りの経費を出しまして、それを単価としたと見ればよろしいのでございます。その単価の構成の中には、いろいろな薬品の経費もございまするし、又家賃、地代、人件費等の諸経費も入つておりまするし、又私どもは医師の技術料と見ていいと思いますが、世帯支出に当てます部分、これも入つておるということでございます。基礎的には、平均的な一診療機関当りのそうした諸経費なり、医師の技術料とも見るべき生計費も含めて、現行の単価が構成されておるわけでございます。そこでこれはやはり問題の焦点でございまして、それがそれでいいかどうかということが、今議論の種になつているところでございます。そこでそれに点数を掛けまして、点数を掛けます場合のこの点数の考え方は、確かにお話のように個々の診療行為に応じまして先ほども申上げましたように医師の非常に時間的にも技術的にも高度の技術を要しますものとそうでないものとございまするし、又同じ薬を使うにいたしましても、高い薬と安い薬があることは当然でございます。そういうようないろいろな診療行為ごとに区別がございまするので、それをそれぞれの比重に基いて個々の診療行為ごとの点数が違つている点も加味いたしまして定まつているわけでございます。例えば先ほど来問題になつておりますようにストマイの例で申上げますと、先ほど申上げましたように薬の値段は単価で割つて単価で掛けますから、結局元へ戻つて溶解剤を入れて百八十二円が戻りますからその二百円近い金が薬の原価でございます。そのほかに一回当り注射料六点、一日二回注でございますから十二点加算されております。これは技術と簡単に先ほど申上げましたが、実際はその中に勿論注射をいたしますために注射器の損料、そういうものも考慮の中に入つているわけでございます。計算としては別に分けてはございませんけれども、一回注射六点という計算の中には純粋に医者がその注射をいたしますための技術料も入つておりますが、同時に注射器、注射針等の損耗料等も加味した考え方でございます。そこで今度は別の考え方としてそういうものを単価にかけ合して行くわけでございます。そういたしますと、今のストマイの例で申しますと、薬の値段約二百円近い金を六点と申しますか、十二点と申しますか、一回注射なら六点でございますが、六点の中に含まれておる機械損耗、これはやはり経費になると思います。そういう経費の部分をAというふうに分類いたします。純粋に医者の技術料がBというふうに考えて頂きますると、先ほど申しました単価そのものにもやはりAに相当するA、つまり人件費、家賃、医薬費なり、光熱水道料、雑費というような医業経営に必要な経費というものはAと言えると思います。それに技術料はBと言えると思います。そうするとストマイをABにわけますと、それぞれをプラスしたものがかけ合つて行くわけでございます。そういう意味合におきましてこれは今ストマイの注射について申上げましたけれども、他の注射で申しますと、あとでかけ合せますA及びB、経費と技術料と言われますものが比重が変つて参りまして、ストマイの場合には例えば八対三でありましたものが他の注射につきましては五対二なり、或いは三対二になるというような工合に、それぞれの技術料というものはその種類によつて差があります。これは注射ばかりでなしに、凡百の診療行為がそういうことになりますが、そこでその比重をかけ合せましたものが診療報酬総額として出て来るわけであります。結局お尋ねの点は点数の中にも今申上げましたような意味合いにおきまして経費に相当するものと技術料に相当するものが入つておりますが、その入り方はただ比重という入り方であります。勿論申すまでもなく金額ではございません。単価のほうでは平均的な数字が金額で入つておるわけであります。その具体的な金額に対して点数で現わされる比重を掛け合したものが診療報酬として出て来るわけでございますので、従いまして一定の点数の中にも結局医師に対する純粋の報酬と見るべき技術料が入つておる。又単価の中にも金額で現わされて入つておる。金額で現われたものに対して単価という一定の技術を掛け合して個々の診療行為の診療報酬の金額がきまるというふうに私は理解をいたしております。お尋ねに少しはずれ或いは遠廻しな御説明になつたかと思いますけれども、先ほど伺つておりましたのでは、こういうような説明でお答えになるのではないかと考えまして申上げた次第であります。
○山下義信君 私ももう少し勉強しまして今回の点数の改訂と薬価の変動に現わされている金額との関係の合理性についてはもう一度私自身も調べてこの次に又伺うことにいたします。 それから次に私はこの機会に伺うのですが、先般も中山委員長との間の質疑に伺い、或いは又昨日の質疑にもその一端が出たのではないかと思うのですが、全般の点数のいわゆるでこぼこ訂正と申しますか、アンバランスの是正と申しますか、そういうことを近く行われるというお考えがあるのでございますか、どうですか。又その全体の是正をやるということになりますと、それは大体どういう構想、方針の下におやりになるというお考えですか、或いは又それはいつ頃全般の点数の是正というものが実現する御予定でありましようか、その点一つ承わつておきたい。
○説明員(久下勝次君) 先日中山委員長のお尋ねにお答え申上げましたのは、点数全部の改訂を考えておるという意味ではございません。今回の薬価の値下りに伴う点数引下げに関連をいたしまして、ほかにも点数の不合理なものがあるから、それについて早急に改訂をしてほしいという御要望が医療担当者側からありました。この医療担当者の希望する御意見につきまして検討をいたしておるのでございます。勿論そのほかにも私どものほうで気付きました点も検討はいたしておりますが、そういう意味合いにおきまして只今やつておるのでございまして、実は点数表の根本的な再検討ということになりますと、非常に長期の時日を要すると思います。いろいろ新医療費体系というようなことも医薬分業に関連した話がございます。そういうことも今問題になつておる際でありますけれども、根本的に現行の点数表を改訂をするといたしますと、恐らく相当長い時日を要すると思いますので、差当りはそういう全般的な根本的な問題でなしに、医療担当者側から御意見のありました点、それになお私どもの気付きました点がありますれば、附加えてそうした点については検討いたしておるところであります。そうした検討は私どもの大体の予定は今月一ぱいに検討を終りたいと考えるのであります。
○山下義信君 わかりました。私は全部の点数の改訂というようなことは、これはとても今の間に合うわけでもありませんし、非常にこれは作業も長期を要する、併し当面必要なでこぼこの是正ということでありますが、まあ不合理のところを直すということでありましても、相当の改訂がされるのではないかと思う。関係者はどういう要求を出しておるか知りませんけれども、これは小委員会で検討しなければならんと思いますが、相当の改訂を要求をしておるでしようし、政府も或る程度は認めておるのではないかと思う。而もしよつ中お医者さんとしては使う、ちよつ中措置をする、そういう面につけてもかなりの改訂を行うのじやないかと思いますが、保険局としての御当局のお見通しはどういうことでありますか。どの程度の影響のある点数の改訂ができるという見通しですか。相当の影響がありますか。
○説明員(久下勝次君) 私どもの見当は、只今事務担当者、技術宮のほうで専ら検討の最中でございまして、実は正直なところ、私のところでもまだ案としても出て参つていないような段階でございます。従いまして、影響がどういうふうに現われますかということは、私どもの立場から得た結論としては申上げる段階ではございません。ただ併し、医療担当者側から一応の要望として出されておりまするものは、全体に亙りまして相当大巾な点数の引上げになつております。この影響それ自身もまだそうした程度の問題でありまするので、正式に計算をしてはじくほどの段階に至つておりませんが、このまま御要望のようにやるとするならば、相当大巾の引上げになろうかと思います。
○山下義信君 これは非常に私は重大な問題であろうと思う、素人ながら……。それで今回の点数の引下げに対する医療担当者側の抗議というようなものに対しての政府の折衝の中には、相当広汎に亙つて点数の是正をするということが暗々裡のうちに承認せられてある。それで又医師会側のほうも政府から言質を取つているために、暫らく大巾の点数是正の結果を見守つているのだということを我々は耳にするので、或る程度の了解を与えているのじやないですか、政府としても……。
○説明員(久下勝次君) 八月一ぽいに検討の結果を出しますということはお約束をしております。併しながら、これは附け加えて申しておるのでありまするが、検討の結果だけでありまして、それを直ちに実施する段階に至り得るかどうかということにつきましては、その実施までもお約束するという、言葉としては言つておりません。併しながら、実際問題としてはこういうふうに検討した結果、こういうふうであるといたしますれば、当然それはおのずからそちらのほうに我々としては努力しなければならないかと考えております。約束としてはそこまで改訂を制度化して、実現を八月一ぱいまでにいたしますという約束はいたしておりません。
○山下義信君 それはそうでしよう。何といつても時日のないことでありますから、八月末実施ということができるはずがないのであります。私が再度お尋ねしておきますのは、どの程度点数を改訂するという、或る程度の中について、又その程度等についても大まかな話合いというものはできておるのでありまするか。その点はどうですか。
○説明員(久下勝次君) その点は全然まだ話合いになつておりません。と申しまするのは、一応私どものほうに、日本医師会側から提出されておりまする三十数項目に亙る一応の点数改訂の要望につきましても、日本医師会としては、これは日本医師会の正式な意見とまでは行つてないということを言つておられる。私どもその辺の含みで、今取扱つているような段階でございます。さて、日本医師会の、それでは正式な、最終的な要望が、どういう点に集約されるかというようなことにつきましては、まだ今日までのところ話合いになつておりません。これは恐らくは私自身の考えでも、一応そうした素案について、或いは試案について検討いたしまして、その検討の結果を待つて、又話合いの上でということもお考えのことではないかと想像いたします。この辺は私の想像になりますけれども、いずれにいたしましても現在の段階はそういうことでありまして、具体的にどの程度の中ということのお話合いはいたしておりません。
○山下義信君 そういう話が出ましたから、私は関連して伺うのでありますが、単価の改訂について、或る程度の引上げをするという暗黙の了解を与えたという説があるのでありますが、当局は、日本医師会の首脳部に対して、そういう了解を与えたというような事実がありますかどうか。
○説明員(久下勝次君) そういう事実はございません。ただ、少くとも検討を開始してくれという御要望のありましたことは事実でございますが、これに対しましては、厚生大臣からこれは前に中山委員長の御質問の際にもお答えしたのでありますが、たまたまこのために、臨時医療保険審議会という、それぞれの専門家の集りの会合もあることでありますから、そこで検討をしてもらうことにしたらどうでしようかという話合いなり、了解がついておるような次第でございます。それ以上の約束はいたしておりません。
○山下義信君 当局は単価の改訂の問題を取上げて検討してみるという用意があるのですか、そういう心がまえがあるのですか。やつてみるという考えですか。
○説明員(久下勝次君) 私どもといたしましては、今申上げたような態度で正式には臨むつもりでありますが、勿論私どもの担当課におきましては、単価問題につきましては、常に資料を集め、検討はいたしておるわけであります。これは決して放置しておるわけではありません。そういう意味合いにおきましては、現実にもやつておりまするし、この問題は将来とも続けて行かなければならないと思つておりますが、さて厚生省が正式に検討を始めるというような、言葉の意味しますことがいろいろ波紋を呼ぶ虞れもありますので、私どもといたしましては、公式な検討は一応そうしたそのために設けられた審議会があるわけでありますから、そういうところの議題として、取りあえずそこで一般的な結論を出して頂くというのが筋道だということを申しておるわけでございます。
○山下義信君 私が、伺つているのは、平素の研究を伺つているのじやない。平素の研究はこれは当然でありまして、保険数理に関することは、すべてこれは平素、年中それがお仕事であります。私が伺うのは、この際のこの事態に対処して、単価問題を取上げて行くという意思が厚生省にある、こう伝えられておりますから、そういう意思があるかないかということを聞いておるのであります。それを引上げるとかどうとかいう言明をここで求めようとしておるのではない。この際、全国の保険医が騒いでいるこの問題の解決のためには、どうしても単価問題に触れざるを得ないという、厚生省も肚をきめて、これを一つ本格的に検討してみようという考えがあるのかないのか。若しあるならば、それが伝えられて、厚生省は了解しておるのだということが一部では流布される原因になつているのじやないかと思う。今これを正式に、単価の増額を、改訂といえば増額にきまつているのですが、増額を目途としての本格的な取上げというようなことは、まだ考えていないというのか、ただ考えておるというのか、その辺はどうですか。
○説明員(久下勝次君) 重ねて念を押してのお尋ねでございますが、先ほど申上げましたように、臨時医療保険審議会という診療報酬そのものを検討するために特に設けられた機関がございます。これも前から御承知の通り、審議が原則論に終始して結論を得ておりませんので、この間の厚生大臣と医師会の代表者との話合いの際に、この際臨時医療保険審議会の審議の行き方も変えて、そこで検討することにしようではありませんかというようなお約束が行われたような次第であります。私もその席には同席いたしておつたのでありますが、そういう意味合いにおきましては、検討を始めるというふうに了解を頂いていいのじやないかと思います。当然私はそういう検討が始まりますれば、審議会の要望に応じまして、各種の資料を出さなければなりません。又審議にも参画をし、場合によつては意見も申述べさせて頂くというような工合になりまするので、そういう程度の意味におきまして検討を始めるというふうに御了解を頂いてもいいのじやないかと思います。
○山下義信君 これ以上はお尋ねすることをやめて、最近公開の席で黒沢日本医師会長は、単価の値上げについては厚生省の内諾を得ておるのだということを公式の席で言われたということであるが、何か根拠があることだろうと思うのですが、今保険局長の御答弁では、まあ検討してみるというお考えはあるようでありますが、増額を約束したということは仰せにならんようであります。これは適当なときに、日本医師会の会長と副会長とを当委員会の証人として御喚問下すつてその点を明確にしておきたいと思う。 それから私が聞くところでは、自由党では、或いは一点単価を二円ぐらいは上げなきやいけないのじやないかということが考慮されているということでありますが、そういうことは保険局長お聞きになりませんか。
○説明員(久下勝次君) 私はさようなことは全然聞いておりません。
○山下義信君 昨日庶務課長が提供いたしました資料に今年の四月、五月の基金の支払状況が急激に前年度同期と比較して約四割高の激増を来したということが報告せられておる、資料の中にあるのですが、この原因については、庶務課長は十分に説明を昨日は加えなかつた。どういうわけで突然として医療費の支払いが増額したのでありますか、保険局長の御見解はどうですか。
○説明員(久下勝次君) 最終的な結論は、まだ現在それぞれの担当者のところで仔細に検討の最中でございまして、今ここで正式に最終的な結論を申上げる段階ではございませんが、先ず大筋のところだけ申上げておきたいと思います。この影響の一番大きなのは、昨年の十二月一日から実施いたしました入院料の引上げと往診料の引上げ、点数の引上げでございますが、この影響が相当現われた結果であると見ております。当時私どもは従来の実績に徴しまして、政府管掌健康保険の全療養給付に対する負担増加の割合、支出増加の割合は約七%強と見ておつたのでございます。ところが一、ニカ月経ちました基金払いの数字を見ますると、若干その予想を上廻つたような結果も出ておりましたようでございまして、これが一番大きく影響しておる原因であると見ておるのでございます。尤もこれは平年と比較いたしませんといけないのでありまするが、二十六年の十二月に単価の引上げがございましてそれを二十六年の四、五月と二十七年の四、五月を比較して、二十七年の四、五月と二十八年の四、五月、二十八年の四、五月と二十九年の四、五月という工合に実は最近の六、七、八、九と四カ年間の経緯を見たのでございます。それを見ますると、単価の引上げを挾みました二十六年四、五月と二十七年の同期との増加率が殆んど本年と前年との増加率に匹敵しております。ところがその他は大体におきまして二割、正確に覚えておりませんが二割何分というような程度の増加率でございます。全体として大体二割何分というものが普通ならば増加するというのが例でございまするので、それから推してみますると四割の増加と申しましても、そのうちの二割何分というのはこれは当然に増加すべきものが増加したと言えるのでございます。あとの残りの一割何分というものが何故に増加したかという問題になるわけでございますが、そのうちの大部分が今申上げた入院料及び往診料の点数の引上げに伴うものであると見ておるのでございます。その他の要素につきましては私どもとしても只今検討中でございまして、何故にこう急激に増加したかということに多少の疑念を持つておるくらいでございまして、この点はもう少し各種の要素を精細に検討いたしました上で機会がありましたら申述べさして頂きたいと思います。
○山下義信君 私はこの際一つ政府に伺つておくんですが、先ほど保険医に対する根本的な政府の方針ですね、これはどういう方針を持つておられるのか私が忖度に苦しむのです。それで我々見ておつて、政府の基本的方針というものが十分つかみ得ない。これは昨日も申したのですが、言うまでもなく今日の保険制度の運営の健を握つておるのは、これはもう診療担当者つまり療養担当者、社会保険医がこの保険制度の運営に協力するか協力しないかということが、何といつたつて保険の運営が健全に行くかどうかの鍵を握つておることは否むべからざる事実です。これはもう自他周知のごとく、我が国の保険制度がこういう立て方にある以上、どうしてもこの社会保険医というものが法律の上では指定を受けて、その療養の仕事を引受けてやつておるという極めて簡単に法律の上から見ればなつておる。又法律の上から見ればどのようにでもひねくられる、扱われるようになつておる。つまり無権力の立場で、まあ俗に言えば雇われたというか、頼まれたというか、請負うたというか、極めて不明確な状態であるが弱い立場のように置かれてある。例えば昨日も質疑いたしました医療協議会で席を蹴つて出ようと出まいと、極めて会議については発言権も弱い。全国社会保険総辞退というような議決をしてみたところで、それがどれほどの勢力があるかというようなことをつきつめて行つてみると、忌憚なく言うと弱い、弱いということと重要なことということは違う。法律上制度の上では弱い立場に置かれてあるか、権利義務は弱い立場に置かれてあるが、併し保険制度の運営上に占める位置は何ものにも勝つて重要である。この社会保険医の手一つによつて、それこそ匙加減一つによつて保険制度が健全に運営もされるし破壊もされる。我が国の保険制度を破壊しようと思えば社会保険医の態度一つにかかる。今晩一晩でこのままで総辞退も何もしなくてもこのままで我が国の保険制度を麻痺させるということは今晩一晩したらできることなんです。私はこの運営の鍵は社会保険医が握つておると思うのです。それでそれをどうするかということになると、政府はどういう基本的方針を持つておるか、権利義務で以て縛り付けて、そうして規定通り百般の規則、規定でもつてこれをいわゆるコントロールして、そうして罰則者を処罰し、規定の励行をし、そうしてできるだけ安くそのサービスを買上げて、そうして我が国の社会保険のコストを安くやつて行こう、つまり保険経済のバランスを、弱い社会保険医の立場にしわ寄せして社会保険の辛うじて破綻を免れるというがごとき施策をとるのかどうするのかということが、私に非常に疑惑に感ぜられる。それで私は不正はこれは飽くまで追及せにやいかん。如何なる場合でも不正は許し得ない。でありますから、多くの社会保険医の中に妥当ならざるものがあるならば、これは仮借なく私は追及すべきだと思う。それは一般の善良なる社会保険医を害するが故にです。獅子身中の虫です。同時に社会保険制度を破壊する分子である。でありますから、それには反省を求め、これは仮借なく追及して行かなきやならん。併しそれがために善良な社会保険医をまき込んで、その上に不当な、或いは苛酷な措置をして行くということは、これは私は非常にまずいやり方だ、損なやり方だ、保険制度全般から見て大して得にならんやり方であるという気持がするのです。それで政府は社会保険医というもののあり方について如何なる基本的態度をとつておるか。その基本方針を承わつて、然らばついでに具体的にはどういう対策を以て臨もうとするか、言い換えれば社会保険医を保護して行くんだという考えならば、どういう具体的に施策を以て善良な社会保険医の立場というものを、政府はどれだけの考慮を払つてやつて行くつもりかということを、私はこの際政府の肚を割つてはつきりして置かれることが、自他共に有益ではないかと思うのです。それで或いは一部には社会保険医の最近の動向について、その背後にあるものの動きというものを取上げて云々する者があるが、如何なる背景によつて動こうと、何者がどう策動しようと、そういう策動なり動きをする素地があること自体が私は問題だと思う。それでこれは保険関係だけじやない、あらゆる社会保障の諸方面に向つて率直に言つて、我々までも含めて左翼若しくは極左の攻勢が行われていることはこれは当然です。この分野が非常に平穏無事の状態にあつた。温床の状態にあつた。この分野にまでもいわゆる何というか極めて急進的な民主主義思想が襲うて来ることは当然の時期なんです。来たるものが来た、而もその来たるや、我々から言えば、むしろ遅しです。これは私はそういうことを背後をいろいろに批判するよりは、その運動が怒濤のごとくに風廃して行くその状態を問題にしなくちやならん、私はそう思う。それに対する政府の態度は、徒らに権力を以て、政府の立場というその砦によつて、そうしてこれを何というか撃退するというような形、或いは強硬な態度を以て臨むということが、私は何も上手な対策ではないと思う。そういう問題が出たあとで、後手々々になつてやらなくて、政府自体が先手を打つて、社会保険医が静かに良心的に安んじてそうしておのれの天職とする医療行為を楽しんで、唯一無二の患者の治癒全快によつて無限の法悦を味うという境地の下に、この社会保険制度に協力させるという態勢に一日も早く行くことが私は急務であろうと、かように考える。然らば社会保険医の生活状態をどうするんだ、どう考えておるというような事柄が根本的の問題であつて、それが点数の引下げの中にも一つの方針として現われておる。ただ物理的に薬が安くなつたから点数を改正したということだけの算術的のものでなくしてこの点数の改訂の際に、政府の社会保険に対する方針が一点、二点というその点の中にもしみ渡つて行くということが表明せられてなくちや私はならんと、こう思うですね。それで私はこの際政府は社会保険医に対する根本的方針並びに今後どうやつて行こうとするのかということについて、忌輝のない最高責任者の保険局長から、私はこの際率直に一つ意見の表明を求めたいと思います。
○説明員(久下勝次君) 保険医制度の根本に触れまして各方面から極めて有益な又極めて示唆に富むお話を承わりました。お話を伺いながら啓発せられたのであります。 まず第一に申上げたいと思いますることは、私どもといたしましてもお話にございましたように、社会保険を運営をいたして行きますためには、保険医の協力なしにできないということは十分理解をいたしておるつもりでございまするし、又その意味合いにおきまして大多数の保険医の方々がそうした意義を良識を以て理解をされ、御協力を頂いておりますことを感謝をいたしておる次第でございます。ただ、これは言訳でなく、又お話の中にございましたように、すべての保険医が只今申上げたような意味合いにおいての御協力を頂いておるとはかり申せない節がございまする点を私どもとしても甚だ遺憾に思うのでございます。一部の保険医が或いは不正不当の診療をし或いは請求をするというような事態が、ときたま起つて参りまして、そのためにいろいろ摩擦を生ずることもあるわけでございます。多数の中の一部であるのだからというようなことで、又私どもとしては立場上或いは法律の命ずるところにもよりまして、放置できない場面に逢着しますことも、ままあるのでございまして、この点は今お話にございましたように、私どもとしても多数の善意ある保険医の方々のためにもこういう方々に反省を促す何らかの手段を講ずるということは止むを得ないことだと考えておるのでございます。それにいたしましても、多数の地方に駐在をしておりまする保険担当官吏のやりますること、必ずしもそうした私が今申上げたような考えで、正しく行われない向きもございます。人間のやることでもございまするので、ままいろいろ問題をかもす場合もあるのでありまするけれども、この点につきましては実は私どもとしては神といえども間違いもあることでもございますので、保険医の方々がこのような点につきましては十分に寛容な御態度を以て御理解と御協力とを頂きたいということを念願しておるものでございます。 先ほどお言葉の中に保険医は非常に弱い立場におるということをお話になりましたが、私どもは必ずしもそのように考えておりません。この辺は議論になりまするから申上げませんけれども、ただ、お話の中にありましたように、確かに保険医は自分の意思によつて一カ月の予告期間を置けば、いつでも保険医たることを辞退をすることができるという制度にもなつておりますし、又そういうことをしなくてもお話のように保険診療を麻痺させるようなこともできるわけでございます。そういう意味合いにおきましては、決して私は弱い立場とのみは申せないと思いますが、併し、そういうことはありましても、保険医の大多数の方々が最初に申上げましたような立場において御協力を頂いております。この点は私どもとしては今後ともこうした関係が続きますことを念願をいたし、お願いをする次第であります。 保険医制度の問題についてなおいろいろ触れておられましたので、なお二、三の点につきまして考え方を申上げておきたいと思いますが、一つは保険医制度につきましては、現在の建前なり私ともの考え方は、やはり思考か医師を自由に選択できるという制度を保険診療の上におきましても現わして行きたいという考え方を持つております。従いまして、医師から保険医たることを希望して参りますれば、特別な事情のない限りは保険医として指定をする考え方をとつておるのでございます。これにつきましては一部にはそうした考え方を捨てるべきじやないかという考え方もありまするけれども、私どもとしては今日今後ともさような考え方で行くべきであると考えておる次第でございます。 それから、私どもは決して保険医に対する診療費の支払いを成るべく安くしようというような考え方でやつておるものではございません。言葉の違いだけかも知れませんが、少くとも考え方ごいたしましては、保険診療に関しましては適正な支払いをするということをモットーにして常に考えておるつもりでございます。 それからその次に、いろいろ保険診療につきましては基準がございまして、診療担当規程、或いはこれに基くいろいろな治療指針等がございまして、この点につきましてはいわゆる制限診療というような御批評もあるのでございまするけれども、私どもとしては制限診療であるというふうに今日考えておりませんし、又そうあるべきでないと考えて努力をいたしておるつもりでございます。ただ、こういう全国を一つの型にはめた医療の方式でもございまするので、個々の医師の自由な判断にすべてを任せるということに参らない事情がございます。これは保険診療という制度の建前の上から、或る程度お忍びを頂かなければならないことだと思います。そういう意味合いにおきまして一定の基準を定めて、その基準の範囲内で診療をして頂いておるのでございまして、これは私どもは決してそのために制限診療であるというような考え方を以てやつておるのではございません。制度の建前の上から、個々の医師の自由な判断で診療が行われますと、実際問題として収拾がつかない事態にもなりまするし、又先ほど触れましたように、中には善良な医師ばかりでないというような事実からも、この問題は御了解が頂けるのではないかと思うのでございます。 それから最後に、政府自体が保険医が安心して保険診療に従事できるように先手々々と打つて行くべきではないかということにつきましては、御説の通りでございまして、私といたしましても十分に今後反省もし、又努力もいたさなければならないと考えておる次第でございます。ただ、多くの場合、保険医との関係で今日問題になります事柄が、すぐに財政なり経済に関係のある事柄が主でございます。この点が、お話の点は御尤もであり、私どもとしても反省もし努力もいたさなければならないと思いつつも、実際にいよいよ実施をしなければならんという場合になりますと、そういう問題にいつもぶつかつて参るのであります。これらの点はそういう意味合いにおきましては保険診療に対する一つの制約でございます。勿論、前にも申上げました通り、その制約があるからということで、一切を私どもはお断りをしたり、現行の財政の枠内にとどまつてやるということをこれを第一義的なものとは考えておりません。併しながらさて実際に実施をするとなれば、そういう面の裏付けを確保いたしませんと、実現ができない事情もあります。殊に今日のように、すでに御承知の通りでありますが、健康保険の制度に右へならえをしております二十幾つの諸制度があります。これらは健康保険が或る決定を見ますると、全部そのまま右へならえをする制度になつております関係上、こういう方面の影響も同時に考慮してかからなければなりませんし、又その方面の関係者の了解も得なければなりません事情がございまして、私どもだけの立場で簡単に物事を処理できない事情のありますことも、この機会に御了承を願つておきたいと思います。これはただ最後に申上げましたことは、大いに反省をする、努力もすると申したことに対して言訳をし、打消しをする意味で申上げているのではないのでありまして、ただそういうこともあるのであるということを御了解を頂ければ結構でございます。 以上、或いは落ちているかも知れませんが、一通りお話の点についてお答え申上げた次第であります。
○山下義信君 私の本日の質疑は大体終りに近付いたのでありますが、又終つてもいいのでありますが、最後に保険局長にお尋ねするわけでありますが、私は今答弁のうちにおつしやつた保険医に対する保護政策ですね、保護政策という言葉は妥当でないかも知れませんが、それは財政関係もあつてあなた方のほうだけでは甚だできにくいことはこれは御尤もであり、従つてこれは政府全体の問題だと思う。政府がどういう方針を持つか。つまり社会保障制度というか、その中の重要な、漸く完備しかけている社会保険制度についてどういう方針を持つかということは政府全体の方針ですね。方針がきまつて来なければならない。これは折角この特別小委員会もできたのでありますから、そういう点についての政府全体の方針を確立してもらわなければならん。保険当局が如何ほど考えられても、他の財政省によつて歪曲されたのでは意味をなさん。これは政府全体の問題である。殊に昨年来政府のとつて来た根本的方針というものは支離滅裂で、矛盾撞着で来ているのでありますから、これはどうしても、如何に政府の寿命が短くても、これはどの政府でもでありますが、差当つてゆるぎのない根本方針を立てなければならない。それで、殊に健康保険はまだまだ拡大強化の過程にある。去る第十九国会におきましても保険当局の努力によつて一部の改正が行われ、多々ますます、比較的世界の各国に伍しても遜色のない日本の健康保険制度が、これが基盤となつてそれで次第に拡大強化されて行く態勢にあることは言うまでもない。この程度にとどまつておるのならば何をか言わんやでありますが、併しながら保険当局としてはまだまだ遠大な理想を持つており、この発展の途上にある。従つてその制度の中の重要な部分を占める社会保険医のあり方というものについては、これはもう徹底的にこの際政府の方針を確立しなければならない。それで何と言つたつて政府が指定をして、それはまあ随意契約と言えばそれまでのことでありますが、指定をして、指定ということは指名して、そうしてこの療養を引受けてもらつている以上には、この社会保険医の生活という生活保障の問題が先ず言うまでもなく根本問題です。どのように治療の内容を向上しようなんと言つたつて、生活をさせずにおいて、諸般の要求をしてもいけないのでありますから、社会保険医の生活の保障の問題はこれはもう第一なんです。これは今日までしばしばこの診療報酬の問題のときには持出されるのでありますが、併し我々が率直に言つて、今日の或る段階までは如何に当事者が声を大にしても、必ずしも全面的に共鳴しがたい私は時期もあつたと思う。併し今日は保険制度が及して、而も将来多々ますます発展さそうという基本方針がある以上、而も自由診療の患者が非常に減少して大部分は保険患者という今日の実情は、言い換えてみると全部保険診療によつて保険医が立つているという現実は、これは目を蔽うことはできない。そういう我が国のこの医療状態をそういうふうに持つて行つたのは政府であつて、私は保険医のこの実際の業務内容が最近のごとき状態になりました以上は、その保険の医療業務によつて生活のでき得る保障は、私は当然保険経営の責任にある政府が根本的に考えなければならん。この考えが確立しなければ、諸般の問題はどのように騒いでも、私は抜本塞源的な解決はできないと思うのです。私は意見を言いません。今日は意見を言う段階でありませんから、まだ審議の途上でありますし、意見は言いませんが、私は当局に頼んでおいて次回に御返事を願いたい。何と言つてもそれが根本だ。何となれば生活を保障するとは、何の生活を保障するのか、如何なる生活を保障するのか、如何なる生活水準の生活を保障するのか、医師の生活とは何ぞや、如何なる生活を以て今日の我が国の社会保険医の妥当なる生活或いは生活水準と言い得られるかという問題、結局社会保険医の性格は何ぞや、俗に公共性があるとか、公益性があるとかいうその公共性、公益性とは何ぞや、これを私ははつきりと割切つて行く必要があると思う、この段階に来たら……。従つてこの根本的な性格がきまれば、課税の問題ももう如何なる頑迷な財務当局といえども、これも解決せざるを得ん、私はそう思うのです。ですからどの程度の生活水準を保障することが我が国の国力からいい、国情からいい、又保険制度の立て方からいい、保険経済からいい、国民生活の水準からいい、どの程度が医師の、社会保険医としての保障せらるべき生活の水準であるかということが私は根本問題だと思う、社会医療の問題の根本問題はそこにある。でありまするから、医師も社会保険医も一つの勤労者であると見るか、これを一つの自由企業者であると見るか、ですから医師の利益が一体企業利益であるか勤労所得であるか、私は久しくそういう社会保障関係の会議に出ませんから、最近の議論等を存じませんけれども、もう古くからのテーマでもありまするが、従つて社会保険医の保障せらるべき水準というものは、いわゆる企業者としての生活水準を要求する、高度の精神勤労者としての生活水準を要求するのか、私はこういう社会保険医の性格というものをはつきりして行くことが根本問題だと思う。政府のこれに対する見解を私は次回に一つ承わりたいと思う。 それからいま一つは、社会保険医の数ですね、今日表を頂いたこの表を見ると合計九万三千百六十四ですね、病院並びに個人診療所を加えて、それから一般医師並びに歯科医師全部のトータルが出ておりませんが、試みに私が合計してみると九万三千百六十四名、その生活を保障する社会保険医の必要な数又保障し得られる限界の社会保険医の数私はおのずと限度があると思う。一体社会保険医というものは、それはいろいろ専門の科目が種々雑多にあつて一概には言えませんでしようけれども、一体何人の被保険者の患者を担当すればいいか、そんなことを言えば人頭式になつてしまいますが、どの程度の患者を引受ければいいのか、又引受けさせればいいのかというようなことも私は根本的な問題じやないかと、私は素人でわからんが、我が国の医師は非常に過剰の状態であると言われるが、果してそうであるかどうか、又過剰の状態であるにかかわらず日々新らしい医学校の卒業生が続々と出て来ておる。そういうことに刻する計画性というものがあるのかないのか、それでもうこうなつたらば悪平等になつてしもうて、そして厖大家も藪医者も、失礼でありますけれども、未熟な人ももう悪平等の下にやられてしもうて、グレシアムの法則の行われて、そして非常に悪い状態ができて来る。そして保険者と療養担当者との間にいろいろ悪循環のいたちごつこが行われて、だんだんと関係というものが非常に好ましからん状態になつて来る。一体社会保険医というものはどの程度の数が必要であつて、今日の被保険者の数からいつて、どの程度の社会保険医が妥当な数か、社会保険医の生活を保障する、保障すると言つても、必要以上の過剰の状態の社会保険医をことごとくこれを生活保障する、そんな無理なことのできるはずはないのです。やはりそこにはおのずと合理的な線があるのじやないかと思うのです。それで結局そういう人もないと思うが、少しばかり保険患者を診てすぐに食べられるようなことを望む人もないと思うが、極端なことを言うと、とてもそういうことは不可能だ、よく私どもは素人で耳にするのですが、少々単価は安くても、何点になつてもよい、患者の、それはその人の能力にも限界がありますから、そんな無理なことはできませんけれども、たくさんの患者を扱えば、又必ずしも採算がとれんこともないということも聞くのです。私はそういう保険医の数というものについても、相当根本的に考える必要があるのじやないかと思う。それであれを思いこれを思いますと、今の状態では結局療養担当者に対する保険者側の信頼性というものがことごとく実を結んで、相互の非常な信頼性というものが誠に見事に行われているという状態は遺憾ながら、私たちは見ることができない。どうしてもその状態に持つて行かなければならない。相互信頼ですね、この状態にどうしてもこれは持つて行かなければならん、枝葉末節なことをやつておつても……。今日は一城を保つても明日は忽ち城を抜かれて、しばしば闘争を繰返すという状態がやまないだろうと思う。どうしても根本的に社会保険医制度、社会保険医対策、その生活の保障政策、その保護政策、保護政策の中には課税問題もいろいろあるでしよう。政府全体としての問題それで如何に相互信頼の上に立つて行くかということ、保険制度全般を改めん限りは、現制度で行くということはどうしてもこの三点に向つて基本的なしつかりした具体策を立てて行かなければいかんのじやないかと思う。私は一つこれらの点について政府に十分御検討なされる用意があるかないかだけを承わつて、具体的なことは次回に御意見を拝聴いたしたいと思います。
○説明員(久下勝次君) 先ず最初に御引例になりました保険医数調べというのは、数字が差上げてございますが、これは今私どものところで手許で集計をしてみますと、医師が八万一千八百二十三名、歯科医師が三万五百二十一名、合計十一万二壬三百四十四名になります。この表について少し私の所見を申上げておきたいのでありますが、どうもこれは少し多過ぎるのではないかと思います。全体の数から申しますと……。総医師数、総歯科医師数を今正確に記憶いたしておりませんけれども、この数字というのは総医師数、総歯科医師数に匹敵する数字でございまして、この医師、歯科医師の中には診療に従事しない人もあるわけでありますから、この数字は全体として少し多過ぎる数字であると私は感じております。これは表を作りました基礎は、各都道府県から報告を取りましてそれをそのまま集計をいたしたのでありますが、恐らくそうした数字が少し多過ぎる結果が出ますのは、保険医の名簿は各府県にございまするけれども、移動届出等が十分行われておらなかつたりするために整理が十分行き届いていない結果ではないかというふうにも見ております。この辺はどこがどうということは私も今申上げる段階にございませんけれども、そういうような問題のありまする点を御承知置き願いたいと思います。それからお尋ねの問題につきましては、抽象的にお答えすればいいということでありますので、その程度にとどめさして頂きますが、確かにお話のように保険医制度の、先ほどお話の問題は保険医制度の根本に触れる問題であります。私どもとしても真剣に検討をいたさなければならん問題だと考えております。ただ、私自身が前任の職にありました関係から得ました知識を以て見まするときに、只今お話のありました保険医と保険医の担当する人口といいますか、被保険者といいますか、こういう数字との関係でございますが、この辺になりますると、実は保険行政を超越した基本的な行政の問題になりますると同時に、医師の数と全体の国民の人口というようなものとの関連、或いは医師の実際に現われておりまする配置とその所在の人口との関係というような問題がからみ合つております。この辺のところは恐らく今日の制度としてはもう如何ともしがたい或る程度の制約があるものと見なければならないと思います。申上げるまでもなく大都市におきましてはもうすでに人口五百人、六百人に一人ぐらいの医師がいるにもかかわらず、依然として田舎に参りますと、季だ千数百の無医村があるというような状態でありまするし、又年々お話のように新たに医師になつて行くものと、自然に死亡その他によつて医師でなくなるものとの数の比率を申しますと、これ又お話のように増加の趨勢であります。これが結局今申上げたような結果になつて大都市に集中して都市に集中して医師が生活をして行くというような現実の姿になつているわけでありまして、この辺の問題になりますると、恐らく厚生省で言えば医務局の担当の仕事ではありまするが、医務局といたしましては、今日の制度の建前、或いは全体のものの考え方から申しますると、恐らく如何ともいたしがたい状況であるとは思います。この辺のところは従つてそういうものと離れて保険だけの立場でそういうことを、被保険者と保険医というものを考えていいかどうかという問題は、これ又先ほども申上げました一つの基本的な方針にもぶつかつて参る懸念もありまして、検討はいたしますけれども、今申上げた問題につきましては私どもの立場から、或いはほかの立場から申しましてもはつきりした対策が出ない。まあ、あるがままの姿を受入れて、その範囲内で矛盾がありながらも、どうして行くかというようなことを考えざるを得ないのではないかと思つておりますが、この辺前以てお断りを申上げておきまして、検討をいたすことにいたしたいと思います。
○山下義信君 私の質問は一応今日はこの程度にしておきます。次回に日本医師会の会長、副会長をお呼び願いたい。それから医務当局も出席して頂きたい。
○委員長(中山壽彦君) では今日はこの程度で散会いたしたいと思います。次回には日本医師会の最高幹部の出席を求めまして、今回の点数引下げに関する医師会としての意見も承わりたいと、さように決定をいたしておきます。 それでは今日はこれで散会いたします。 午後零時九分散会