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19回国会参議院1954/05/15

厚生委員会 第41号

発言数
86
登壇者
11
会派数
4
開催日
1954/05/15

会議録

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  委員の異動を御報告いたします。  五月十四日付を以て竹中勝男君が辞任され、吉田法晴君が選任せられました。右御報告いたします。  続いて請願第二百四十八号を議題といたします。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 請願第二百四十八号の趣旨は、児童福祉法の二十七条、里親制度における里子の委託期間を、現在は満十八歳でありますけれども、満二十歳に達するまで延長せられたいという請願でございます。  理由といたしましては、全国で現在里親で登録されておるものは一万ばかり、里子は七千有余の多きを数えておりますが、この里親に託された里子の中には、満十八歳になりましてもまだ身体的に又は精神的に実社会に出て独力で自活する能力に欠くるものがたくさんあるのでありまして、これらの里子は満十八歳に達して法律によるところの委託期間満了後も里親の負担によつて養育を受けている者が多い実情であります。ところが養護施設その他の児童収容施設では、児童福祉法第三十一条によりまして、満二十歳まで在所期間の延長が認められておるのでございますが、それにもかかわらず、同じ性質の里親制度だけが認められておらないのでございまして、甚だ不合理であるからして、満二十歳に達するまで委託期間を延長されるように法律を改正してもらいたいと、そういう趣旨でございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは御質疑と討論を一緒に願います。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 只今のこの請願は、ほかのほうとの関係上、やはり二十歳まで延長したほうがよくはないかと私は思います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私課長にちよつとお伺いしたいのですが、現在二十歳まで延長することを妥当とすると思われるような者はどれくらいあるのでしようか。

吉見静江厚生省児童局保育課長

○説明員(吉見静江君) 大体大多数のものは、そういう特別の理由のあるものは余り里子には出ておらないというのが実情でございます。数はちよつと只今わかりかねるのでございます。

有馬英二改進党

○有馬英二君 関連して、二十歳までに延期しなければならないというのは、何かその精神状態その他満足でないとか何とか、そういう理由でしようか。例えば精神薄弱児であるとか何とか、そんなようなことからまだ一人前になり切れない、だから二十歳までとめ置かにやいかんと、こういう意味でしようか、それをちよつと伺いたい。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 体も精神的にも実社会において独力で自活する能力がないと、こういうわけでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 大体そういう場合には、全部がというわけでもないでしようから、この請願の趣旨は認めるべきだと思います。

有馬英二改進党

○有馬英二君 賛成いたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは本院の会議に付し、内閣へ送付を要するものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) ではさよう取計らいます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは次に、陳情第六十四号を議題といたします。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 六十四号の陳情の趣旨は、児童収容所の児童に支給されておりまする賄費一日一人当り五十四円七十七銭では発育盛りの児童に三食の主食、副食を調理することは到底困難な状況でありますし、又被服費、日用品費その他につきましては一日十六円六十五銭支給されておりますけれども、この金額では現状においてその需要を充すことが全く不可能でございまして、厚生省の児童局で定められておりまする二千二百七十カロリーの給食を行うのには一日一人当り平均約八十円を必要といたしますからして、速かに委託費を改訂いたしますと共に、米価の改訂とかべース・アツプ等に伴う措置費の改訂が従来いつも時期が遅れておりますために非常に不都合がございますからして、そういう際は事前に準備されまして、児童や施設に迷惑を及ぼさんように考慮されたいという陳情でございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 政府のほうへお伺いするのでございますが、保育所とそれから児童収容所との費用の差をちよつと詳しくお伺いしたい。

酒井純啓厚生省児童局保育課事務官

○説明員(酒井純啓君) 養護施設におきましては、事務費と飲食物費その他の事業費等がございますが、飲食物費は二十九年一月より五十七円六銭に増額されております。これは引続き二十九年度にも実施することになつております。それから教護院、精神薄弱児施設におきましては、飲食物費は五十八円五十三銭になつております。それから盲聾唖施設でございますが、これは養護施設と同様に五十七円六銭でございます。それから乳児院は六十四円九銭でございます。それから虚弱児施設におきましては七十円五十一銭でございます。以上が飲食物費の差でございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 少年院はわかりませんか。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 少年院のことはちよつと今わかりかねますので、あとで若し必要でございましたら調べて申上げます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 厚生省の施設と法務省の施設と二つあるのですよ。どうも聞くところによると、法務省のほうが食費を高くもらつておるという話なんです。そういうことは、同じ児童を扱つつておるのですから、絶えず厚生省も知つていなければならないはずなんです。この点私非常に遺憾と思いますので、是非至急にお知らせ願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 関連して、保育所の給食費をお示し願いたい。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 保育所は、幼児につきまして一日七円十銭、乳児のほうは二十四円三十銭の割で計算してございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 意見を申上げますが、養護施設その他について若干の増も先ほど御説明がございましたが、昨年来、或いはこの数年来据置になつておるものもございます。例えば保育所の七円十銭その他。米価の値上りその他公務員の給与或いは生計費等については、物価、生計費の上昇は見込まれておるのか、或いはCPSならCPSの変動というものは、これは御承知のはずでありますが、努力をされたことはわかりますが、要求された経費がもらえんということのために、これではやつて行けんと、各施設の飲食費について、やつて行けないという工合にお考えになつておると思うのでありまするが、厚生省で妥当であると思われる金額と、それから止むを得ず取られておる現行との差額をそれぞれ一つお示し願いたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) これはもう御承知の通り、私ども本当に乳幼児のために理想的なものをしてやりたいという気持はあるのでございますけれども、国の財政との勘案その他で最後に政府案として予算にきまりました場合においては、或るところで妥当と申しますか、調整されざるを得ないのが残念ながら只今の現状でございます。すでに予算もそれで通つておることでありまするので、これは今後の努力ということにならざるを得ないのであります。併しながら現在、先ほど申上げました保育所の例えば七円十銭というもので絶対にやつて行けないというものでありますればともかく、一応現在におきましては全国の保育所の人々もそれぞれこの乏しい金額をできるだけフルに活用して子供たちの栄養を与えるということで非常に苦労して漸く事なきを得ている次第であります。なお政府といたしましても、さような点については全く同じ考えを持つておりまするので、この予算の外におきまして、例えばCACと申しまして海外からミルクをこの保育所の給食のためにもらつておる、こういうようなものを活用いたしたりして、できるだけ乏しい予算でも、或いはそれ以外においても工夫をこらして子供たちの栄養を殖やす、こういうようなことに努力をしておる現状でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 一般的な方針を承わつたのですが、そういう今後努力したいという抽象的なことでなくつて、どの程度が妥当であるかという数字を過去において出しておられた、予算要求の際に出しておられたと思うのですが、それを一応御説明願いたい、各施設について。  それから努力するというお話でございますが、それを例えば補正予算の際に要求されるのか、或いは来年度予算で要求されるのか、その点も併せて御答弁願いたいと思います。七円十銭でやつている。それはやれる範囲内でやつているので、ミルクを飲ませる程度でお茶を濁しておるのが実情であつて、実際に給食をやろうとすれば七円十銭ではそれぞれの構成費目を見てもやれんことは厚生省自身が御承知の通りである。やれる範囲内でやつておる。従つて法の精神通りの十分な給食ができん。或いは請願、陳情にありますような二千二百七十カロリーは支給できない。だから或いは自分の所で野菜を作るものは作つてそれで足しておるという実情なのでありますが、それを今後そういう無理をやらないでやれるようにしてやるにはどれだけの金額が必要と考えるか。或いはそれを次の機会と申しますると、いつを目標にしておやりになろうと思われておるのか、併せて一つ御答弁願いたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 例えば保育所だけ一例で申上げますと、理想的に申しますれば幼児の七円十銭は、十一円ほどありますれば大体理想的な給食ができる、かようなことになるのかも知れませんが、併しかようなことはやはり国の財政との関係もこれは行政としては無視できないことであります。その理想案通り要求してそれが通らないということもこれは私はいたし方ない。ただこれにつきましては、今後関係の方面にも十二分に機会あるたびに了解を求めて、できるだけ結果としてこの子供たちの福祉が増進するようなことにいたすことはこれは当然でございます。その機会をいつに求めるか、補正予算の際に求めるか、或いは翌年度に求めるか、これは申すまでもなく私どもといたしましては、成るべく早い機会に、できるだけ早い機会にこういう努力をすることは言うまでもないことでございます。ただその機会は補正予算というものが組まれまするかどうか、又組まれますることと仮定いたしましても、そのときの補正予算の政府の編成方針その他というような関係もございますので、ここで申上げることはできないと思いますが、気持だけから申しますれば、おつしやる通りできるだけ早い機会にこういうものは少しでもよくなるように努力いたしたい気持は持つておる次第でございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 食費のほうで予算で要求した額だけをちよつと聞かしてもらいたいのです。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) それではこれは二十九年度予算のときの要求をいたしました額でございますが、養護施設のほうは六十八円二十銭という要求が五十八円五十三銭になつたわけでございます。それから教護院関係は六十九円四十四銭というのが五十八円五十三銭になつたのでございます。それから虚弱児は八十一円八十銭というのが七十円五十一銭になつたわけでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 盲聾唖は。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 盲聾唖は養護施設と同じでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 ちよつと関連して、この幼児の一日七円十銭というのは幾ら要求されたのですか。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) これは十一円九十銭でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 お任せをして用があつて御退席になりましたかたも、陳情趣旨に賛成で採択してもいいだろうというお話でありますが、これは皆さんも異議がなかろうと思います。採択せられるように私も賛成いたしたいと思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではこれを承認いたしまして、本院の会議に付して、内閣へ送付するを要するものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に、請願四百十三、六百九十八、九百九十八、陳情二百三十四、五百二十八、おのおのを議題に供します。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 請願四百十三号ほか四件は、いずれも保育所措置費の国庫補助額を増額してもらいたいという趣旨でございますが、四百十三号の例を申上げますと、福島県におきましては、現在保育所措置費のうちで扶養義務者から徴収できない部分が平均八一%になつておりますために、現在までの不足額が千六百二十四万三千円にも達しておりまして、而も関係市町村が財政が非常に窮迫されまして、なお且つ凶作による財政困難と相待ちまして、福島県下の七十五カ所の保育所が閉鎖の止むを得ない状態に陥つておりますからして、保育所の措置費の国庫補助を増額をせられたいというのでございます。  それから陳情二百三十四号におきましては、現在国がやつておりまする援護率は僅か三〇%に過ぎないために保育所の運営が非常に困難であります。町村財政に一層重大な支障を来たしておるからして、保育所の措置費の国庫補助率を六〇%以上に増額せられたいという陳情でございます。  ほかは大体同様な趣旨でございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 ちよつと太宰局長に伺いますが、現在の国庫補助は総額幾らになつておりますか。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 保育所だけで申しますると、二十九年度は十九億六千万円でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 実は私は同僚議員に無理を申上げて今日委員に差替えを願い、請願、陳情に関連をいたしまして審議をお願いしておるわけであります。明後日から全国児童福祉大会が仙台にございます。その他台大会でも恐らくこの陳情、請願の趣旨が大会の決議になつて当院等にも陳情せられることだと思うのであります。その中で児童措置費、それから今の援護率等についても議題が出ております。この援護率或いは措置費、その措置費の中に先ほど給食費については陳情がございましたが、事務費の中でも、或いは健康保険或いは厚生年金の費用等についても、従来見られておりませんので、今後見てもらいたい、こういう要望がございまして、要望として、或いは陳情、請願として今後も出て参ると思うのでありますが、或いは施設の点等についても、その償却費等もあると思いますが、一番大きな問題は援護率の問題とそれから徴収基準の問題が関連して問題になつて参ると思うのであります。援護率の問題については、これは昨年の暮から政府のほうで保育所関係或いはそのほか社会福祉関係について減額をしようという動きの際に全国から起りました運動でも言われたことで、これは全般的な問題でございますから、この援護率の問題も陳情にございますように問題になるのでございますが、この援護率についての政府の方針を承わりたい。  それから特に徴収基準につきまして先般三月十五日付で児童局長それから官房の会計課長連名を以て地方に通牒が出されております。この通牒によつて、今までよりも厳重な徴収基準がそのままで励行せられるとしますならば、或いは併せて定員についても、通牒の第三、保育所の入所措置についてということでございますが、この通りに行われますならば、恐らく保育所の大半は経営が困難になつて幼稚園に切替わる、こういう情勢が出て参る、すでにそういう情勢が出て参つております。そこで明後日から開かれます大会におきましても、これらの問題が大きな問題になつて議題になり、或いは国会、政府等にもこれから陳情がなされると考えるのでありますが、これらについて請願、陳情に関連をいたしまして政府の所見と今後の方針とを承わりたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 最初のお尋ねの保育所の措置費の援護率の問題でございますが、これは御承知の通り予算面では昨年と今年度は同様三〇%という率で組んでございます。これは実は一昨年までは平衡交付金に入つておりました。従いましてその地方で然るべくやつてもらつたという関係がございまして、この保育所の援護率がどれくらいになるかということにつきましては、実は昨年になりましてからこれが問題となり、私どものほうも調査したりして苦労したわけでございます。これをきめますにはやはり保育所全体の運営が全国的に統一された基準の下に運営され、特に費用関係でございまするので職員の俸給から、それから子供が何人くらい措置されておるか、それからその子供の家庭からどれくらいの費用を取つておるか、そういうものを総合いたしましてその結果として公の費用で以てどれくらい出すかということになつて来るわけでございます。それでさような点について昨年来検討を開始して参つたのでございまするが、不幸にしてまだ昨年の間にこれを全部解決することができなかつたわけでございます。それでその中間の過程におきまして、二十八年度分といたしましては、その三〇%で予算で組みましたもののほかに予備金で五億を出しまして、それで二十八年度分の決算をいたしたわけでございまするが、幸いにいたしまして、その予備金の程度で以て事なく一応決算ができたと私ども了承しておる次第であります。それから二十九年度分につきましても同じように三〇%の援護率でやつておりますると或いは二十八年度同様にやはり不足分が出ることも考えられないわけではないのでございます。私どもといたしましては、昨年に引続き二十九年度中に保育所の運営を軌道に乗せる、そして定員の問題或いは徴収基準の問題或いはその他の最低基準の問題などについてもこれを軌道に乗せまして、そうして然る後に果して三〇%の援護率で足りるかどうかというようなことを結論として出したいと考えておる次第であります。従いましてその結論が出ませんが、この三〇%の援護率を然らば何ぼに上げたらばいいか、幾らに上げたらいいかということも明確に出ないわけでございますので、一応現状通り三〇%の予算で組んでおるわけです。従いまして、或いは二十九年度分で今後さような点を検討して、それによつて運営いたしました結果、若し予算の先ほど申上げました十九億六千万円の中で抑えられますれば結構でございますが、結論として収まらないような事態が起きました場合には、それについて十分善処するつもりでございます。さような点で、援護率の決定は、もう少しこれを検討いたさないことには、はつきりどれくらいに引上げたらいいかということはできないと考えておる次第でございます。  それから二番目の御質問の徴収基準のことでございますが、これも従来平衡交付金制度の余波でございますが、全国おのがじし、まちまちの徴収基準においてやつたわけであります。昨年度から国庫負担の制度に戻りましたために、この点が全国統一的な基準を設けるということでこれを検討いたしまして、今年度からこれを実施することにいたしたわけでございます。これにつきましては、場合によりましては、従来自分たちがやつておつたものと比較して、それは厳しいというような声もそれは当然起つて来ることが考えられますが、これはやはり児童のことでございまするから、人情といたしましては成るべくその家庭から費用は取らない、取りたくないと、これは何人も同じことと存じますが、併しやはり一つの国家の制度として、社会保障の一環としてこれを実施して行きますならば、当然そこにはやはり単なる人情、感情の問題だけで物事を処理し得ない、他との均衡もございますので、やはりその御家庭からも応分の費用は出してもらいたいと、こういうことにならざるを得ないわけです。さような点につきまして関係方面とも相談いたしまして、取りあえず今年度はこの徴収基準で全国的に統一的にこれを実施して見るということにいたしたわけでございます。かような問題は大きな重要な問題でございまするから、やはりその実施の経過によりまして、なお検討、是正をしたほうがいい点がございますれば、その実施の経過によつて更にこれを検討してこれをいいものに完成して行きたい、かように考えておる次第であります。その過程におきまして、まま経営が困難になる、或いはそれを理由として幼稚園に転換するというものが或いはお説の通り出るかも知れません。併しながら私どもの徴収基準を実施いたしまして、それによつて施設の経営が困難になるということは夫は私どもとしては考えていないのでございまして、それは当然その施設の職員の現在の給料とか或いはかかりまする経費、これは勿論先ほどの御質問にありましたように、予算の関係で十分とは言えないかも知れませんが、まあまあ一応全国的にこれでやつて行くという経費、こういうものをすべてはじきまして、それから又職員の昇給ということも考えねばなりません。そういうような点も一応考慮に入れてきめてあるわけでございまするから、そういう面について経営が困難に陥つたということは、私どもとしては、それは正しい理由としては考えられないわけでございます。又そのために幼稚園に替わるというようなことでありますれば、むしろ問題は今までのそこの運営というものが、本当に保育所というものの使命に徹した運営をしておつたのかどうかというようなことまでも検討をしなければならないとも一応は考えられるのでございまして、やはり社会児童福祉施設としては、保育所の運営について従来から熱意を以てやつて頂いていたかたがたでありまするならば、今後とも私どもに対してそれは鞭撻なり或いは協力ということは幾らでも承わつてお互いに協力してよりよきものにするのは当然でございまするので、その方面に協力して頂けるものと信じておるわけでありまして、本当のそういうようなかたがたでありますならば、この際直ちに幼稚園に切替えるとかというようなことは先ずないものと考えて、その線で又御協力を願つて行くようなつもりでおります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 前の問題の援護率の問題は、お話の通りに実際やつてみて、乳児或いは幼児等の総数五万或いは五万五千、その前後のものに援護率三〇%でいいかどうかという問題は、二十八年度の実績、或いは二十九年度の実績を見て出て来る問題だと思うのです。お話の通りだと思うのですが、ただこういうことは申上げておきたいと思います。それは先般厚生省で監査をなさいました。これは実態を捉えるために監査をされたのだと思うのでありますが、ところが監査をやりました実態の末端の模様を見ておりますと、これは労研の実態調査でありますけれども、定員は厚生省でも三割増を認められておつたが、定員を定員できちつと抑えている、或いは措置費を、限度額一ぱいまで参りましたかどうかは知りませんが、とにかく厚生省の従来の方針に直して監査を受けておる。或いはこれを受けさせられたのかどうか知りませんけれども……。そういたしますと、実態は出て来ないで、大蔵省の言う通りの、去年の金額十何億でありましたか、今ちよつと覚えておりませんが、予算の中に入るように監査をやつて、それで抑えた、こういうことになつておる結果で、実際に実績を積み上げて行つて、そうしてそれが十何億になるということじやなくて、頭をきめて頭に合うように書類を作り直す、或いは監査をした、こういう結果が、これは全国じやないかも知れませんけれども、一部には実はあるように思うのであります。それが二十九年度予算で十九億、私は十九億でそのまま収まるとも思わんのですが、これは非公式にはあなたのところにしても、十九億で足りないで恐らく追加と申しますか、或いは予備費から流用という程度のことをしなければならないと言つておられますが、問題は十九億の中に収まるように或いは定員において、定員はあとから出て来まするが、定員なり或いは徴収基準というものを厳密にやつて、成るべく十九億の中に収めなきやならん、こういうことになりますならば、これは折角の保育事業というものの成長を阻むという結果に私はなると思います。そういう傾向が出始めておりまするので、この措置費の問題についても、或いは特に徴収基準の問題についても申上げたいのであります。二十八年度の実績がよかつた、悪かつたということについてはいろいろ議論があるだろうと思うのです。それは厚生省として今までの運営がどうであつたろうか、或いは徴収すべきものからも一部しか取られなかつたといつたような感想を漏らされるようなかたもあるかとも思われるのでありますが、或いは全額措置をしておる、これは地域的に県の中でそういう村や町もございましよう。或いは府県にしても、私は全部を調べておるのですが、京都府なら京都府の実情を見ておると、全額措置と申しますか、そういう措置の範囲が相当広かつたように私はまあ承知をするのです。こういうのはむしろ保育事業の発展のために望ましいことであつて、そういう方向を抑える方向に若し厚生省が行かれるとするならば、厚生省が何のためにあるかということに私はなろうと思う。例えば徴収基準の問題についてその点を申上げますと、恐らくお手許にもあるだろうと思いますが、私どもが全生協で調べた基準等を見ましても、東京都は生活保護の金額の一・二割増といつたようなことに、徴収基準に近いものかも知れませんが、或いは私どもがもらつております千葉県、福島県の点はちよつとわかりかねますが、これも恐らく今度の通牒の徴収基準よりも遥かに高いだろうと思う。これは生活費から見て剰余金の最低生活費の一・五倍云々と書いてございます。それから神奈川県の分を見ましても一・四倍、これは生活保護法の基準額の一・四倍、それから岐阜県は収入月額が支出月額に満たないものですからこれは純手取りから支出月額に足らないものについては、そこで岐阜県で作りました基準によつて徴収をする。それから島根県の分についてもそうでありますが、殆んど全国的に見ましても、今度出された徴収基準よりも上廻つた基準でやつて来ておつたということは、これは御承知のことだろうと思うのです。それから一目瞭然のことだろうと思うのであります。そういたしますと、徴収基準の通牒が出まして、恐らく私は末端で全部が全部この通りにはやつておらんだろう、こういうことを申すと大変当り障りが起りますけれども、事実やれないだろう。今までと同じような保育を続けて行くということになれば、恐らくこれはやつて行けん。そうすると例えば総金額につきましても十九億に満たない、或いはそれが十億になるとは申しませんけれども、非常に少い金額になるだろうということは、これは自明の理だろうと思います。そこで先ほど申上げましたように、定員の問題は一応触れませんが、明後日からの福祉大会にも、福岡、長崎、千葉から徴収基準について議題が出ておりますが、福岡県の保育連盟のこれは大会を開きました際に、福岡県としては四百施設を持つているが、この徴収基準が強行されるならば連盟で閉鎖するの覚悟をしなければならんと存じます、或いはこの徴収基準は全く保育所の破壊であり、これでは保育所も閉鎖の止むなきに至らねばならんと存じますと書いて参つております。それを先ほど、閉鎖或いは幼稚関への切替え云々ということを申しますと、それは今までの保育所の実態がどうであつたろうか、それから検討し直さなければならん云々というお話でございましたが、私は、福岡県の四百施設が、保育所として児童福祉法なり或いは保育事業に関連いたします関係法規の精神を十二分に活かしてやつて参つたと考えこそすれ、児童福祉法の精神を蹂躙しておつたとは考えないのであります。これは単に議案を提出いたしました福岡、長崎、千葉に限らず、恐らく全国的な問題だと思う。今まで各県でやつておりました徴収基準の実際から考えますならば、そういうことが私は言えるのじやないか。そこでその点についての御感想を承わりたいのでありますが、よりよきものを作ることには努力いたしたいと言つておるのですが、今までの徴収基準を三月十五日に出されるまでの経緯を承知しておりますが、最低生活の限度として厚生省がお考えになつておる、或いは児童局でお考えになつておつたのも、これよりも高かつたと承知をしております。そうしますると結局この徴収基準は、大蔵省からいわば押付けられたと言つては語弊がありますが、大蔵省の圧力に押されて心ならずも合理的な基準のない徴収基準をお出しになつた、かように考える以外にございませんが、全国の実情、或いは大会その他で現われます意向或いは実情から考えて、私もその実情を先ほど来縷々申上げたわけでありますが、本年度内これで強引に行くんだということでなしに、お変えになる御意図がおありになるのか、この点を一つ御意見をお伺いしたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 最初のほうのお話で、二十八年度分の精算のことにお触れになつたのでありまするが、先生のお耳に多少誤解したものが伝わつておると存じまするので申上げておきますが、私のほうは二十八年度分につきましては、やはりいろいろなものを検討しておる中途の段階であります。その間において地方でやつておりましたものは、これは尊重しなければならない、こういう根本的な態度をとつております。それで例えばお話の、定員を何割か超過をしておつた施設があつたとして、それを定員の中でちよん切つたということはございません。これはやはりその定員を超過しておりましても、その子供が措置児童でありまするならば、それは計算に入れて引いております。  それからこの限度額を超過しておつたところはどうしたか、これは限度額というものを国から地方へ流し、地方が又それを定めておりまするのは、要するにこれが国庫負担の限界である、こういう意味でこれが流されておるのであります。従いましてこれは年度初めから各市町村もそれを承知しておるわけでございます。それでこの限度額というものは当然そのような筋からいたしまして、これは国庫負担の限界でありまするから、それはその線で切つたわけであります。併しそれもこの地方で示しておりまする限度額、これは必ずしも私どもから考えてみると理想的でないと思われる節もあるのでありますが、これもやはりその中途の段階でありまするから、地方の立場も尊重をいたしまして、その限度額をとつて、それでまあ精算しておる。従いまして定員を超しておりましても、それはその実績によつてやつて行く。それから限度の問題は、これは限度を超しておりますればいけませんが、併しその限度の範囲内でありますれば、これは極力それを尊重してやつて行く、こういうふうにして、まあ簡単に申しますれば、成るべく地方の実情も尊重し、それから実績を尊重してやつたわけであります。決してこれを予備費の五億なら五億の範囲内に縮めるというような意図を持つてやつたのではないのであります。現にこの点につきましては、前に申上げたこともあるかと思いますが、財政当局におきましても、この五億の予備金で足りなければ明年度以降において出すということを約束をしてくれておるわけであります。まあ併しこれは幸いにしてと申すほかないのでありますが、幸いにしてそういうことにならないで、五億の予備費を以てこれが賄いがついた、而も今日までそのために地方から非常に不満足であるということは、私ども一つも実は聞いておらないので、大体これでうまく行つておるのではないかと考えておる次第であります。さようなことでございますので、或いはお耳に入つたのが間違つたものが入つておるかとも思われるのでありますが、併し具体的に若し御指摘頂きますれば、今後でもそれは私どものほうで喜んで調査いたしてよろしうございます。  それから二十九年度分の徴収基準その他を定めます場合に、予算の十九億の中に遮二無二収めるようにこれをでつち上げたのではなかろうかというまあ御懸念のようでございますが、これははつきりと申上げておきますが、十九億の中に入れるためにこれをしたわけではございません。私ども現にこの徴収基準でやりまして、十九億の中に入るか入らないか、それすらも実は知らないのでございます。ただ徴収基準を作ります場合において、これは先ほども申上げましたように、やはり人情としては成るべく甘くしたいというのは何人もそうでございまするが、一つの社会保障の制度として国がやりまする場合においては、やはり他との均衡性からそれが筋として、理論的にもほかの人々にも頷いてもらうというようなことでなければならないわけでございます。専らそういうような面からこれを考えたのでございまして、十九億に収まるか収まらんか、私ども今でも知らないような状況でございます。それで、その基準は、従来やつておりましたものに比べますると、それは幾分かきつくなつておる。一番ひどいのではございませんが、それは真中からややきついほうになつておるのではないかと存じまするけれども、併しこれはやはり、例えば生活保護の点から二割以上の収入がありました家庭から、例えばこの五十円とかというものを頂くといつた場合に、それすらも取れないということもなかなか理窟として言いかねるのであります。さような点もいろいろ検討いたしまして、取りあえず一応これで実施をしてみるということにまあいたしたわけであります。勿論きめます際に、それは政府部内においていろいろ相談しておりまするけれども、決して財政当局の圧力とかいうものでこれをきめたと、そういうようなことはさらにございません。  なお、これは先ほども申上げましたように、今後実施の結果に徴しまして、将来はそれはできるだけこれをいいものにするように努力いたすことは当然のことでございますということを申添えておきます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 関連して伺いたいのですが、財政当局の圧力でこういう三〇%をきめたのではないということになれば、局長は三〇%を妥当として認めておいでになるのかどうか、その点が一つ。それから限度はきめてあるのだが、国の限度をそうしているのだ、併し現実に要るものはこれははみ出させるようなことはしない、こういうまあお言葉だつたのですね。そうするとそこに三〇%以上のものがいた場合に、これを切れというような指令はしないとおつしやるのですね。そうなんですね。現実に要る場合にはこれを認めるというわけなんですね。ところがそれが限度は三〇%である。ところがそこに仮に五〇%の措置児童がいたというような場合は、この五〇%の措置児童をそこで措置した場合には、これに対してはあなたのほうでは見るのですね。こう解釈してよろしいですね。  それからいま一つ、何とかして働きたい、それから生活保護法は受けたくないと言つて親が頑張つておる、けれども、今の経済機構ではだんだんに苦しくなつて来て、仕事を追われている人が殖えて来ているということになれば、必然的に措置児童が殖えて来るということは言うまでもないことだと思う。こういう場合に保育所としてはどうするのですか。子供を預つていれば、この人はどうやら生活保護法を受けなくてもやつて行けるのだ、併しその子供があるために生活保護法を受けなければならない、こういう人が殖えて来る。そういう場合に保育所としてはそれはし方がございません。三〇%オーバーいたしますからこの子供を預るわけに行きませんというような場合においては、どうするのですか。  それからいま一つ、あなたは地方から不満の声を聞いてはいない。地方からの不満の声を聞いていないということを言明されましたが、それは果しておつしやる通りにあなたの所へ地方から不満の声はちつとも来ていないのですか。私はどこの保育所の大会、会合等に行つてもどこへ行つてもこの訴えを、本当に痛ましいまでに訴えを私は聞いているのです。だけれども、局長の所へは何らそういう訴えはないということになると、これは由々しき問題になると思います。その点を一つはつきり伺いたい。私たちは児童福祉法の精神は又そうじやないと思つておりますが、とにかく局長の御答弁をお聞きいたします。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 先ほどお答えしたのをちよつと誤解かと存じますので、最初の三〇%で済むということは私は申上げておりません。これは三〇%で済むかどうかということはわからないわけであります。現に二十八年度分では、先ほど申上げましたように三〇%程度で済まないで五億を費しました。二十九年度は然らば明瞭に足らなくなるかどうか、これはやはり保育所を軌道に乗せるため今検討しているものがございますので、それを検討しました結果によつてどうなるか。若しその場合にそういうふうなものを検討いたしまして、なお且つこの三〇%で援護率が足りなくなりますれば、これは当然その分は何らかの形で見なければいけないわけでございます。従いましてその点については三〇%で私は足りるとは思つておりませんし、又申上げておりません。これはちよつと誤解だと存じます。それから第二番目の、若し三〇%の措置、この援護率が足りないような場所ができたらどうかという御質問かと思いまするが、これは申すまでもなく、この三〇%がどうとかという……一応予算の積算でございます。又それは全国平均のことでございます。従いまして個々の施設によりまして殆んど八、九〇%の援護率である所もございましよう。又所によりましては比較的少くて三〇%を割つてやつている所もあるかも知れませんが、そういうような所はその施設々々の実際を見まして、本当に取れる所からは取つている。それからもうこちらの指示通りの基準でやつており、なお且つこれが五〇%、六〇%の援護率を要するのだという所は、これは当然その分を見ることは申すまでもないのでございます。その辺は申上げて置きます。  それから第三番目で、ここに一つの家庭があつて非常に苦しいのだけれども、生活保護を受けたくないと言つて頑張つている。これは勿論私のほうは、徴収基準のほうといたしましては、その家庭の月間の収入というものを市町村長それから児童委員とか、或いは福祉事務所の福祉主事というふうに客観的に公平に見れる人で以てこれを測つてもらいます。従いましてそれが要保護世帯、生活保護を当然受けるべきだが、ただ何らかの事情で頑張つて受けていないということでありますれば、その家庭は当然その収入がそれ以下でございますから、そういうものからは頂くことは勿論いたしません。それから生活保護の線でございます。大体九千何百円というたしかなにが出ております。一級地で九千三百円になるかと思いますが、それから一万一千三百円という一つの二割ほど上廻つたところに線を引いてあるわけであります。それまでの間のかたでありますと、これは生活保護というものは普通のかたは受けられないところのものであります。まあボーダー・ラインすれすれの所であります。そういう御家庭からは、まあ全然取らないというのが本当は理想でございますが、まあ家におつてもお子さんにおやつとか何とかで若干……、それからそういうような所でも僅かながらも、そういう所からはもらうことにしたほうがいいのじやないかということで、それをたしか五十円だつたと思いますが、その程度のものは、五十円と申しましても、一体一円何十銭足らずのものでございますので、このくらいならばそう無理ではなかろうかと、こういうふうに存じておるわけであります。従いまして保護世帯に顛落寸前の家庭が子供をそういう所に預けることによつて就労の機会が増し、収入が殖える、これこそ保育所としても望ましいことでありますので、そういう家庭がそれによつて不公平な立場を受けないように、これは十分に考えておるつもりでございます。将来ともそれで行きたい。  最後の不満の声云々というのもこれはちよつと誤解と思いますことは、二十八年度分の精算について、その後各地方からあれではとても足りない、ちよん切られるのではとんでもないという声は聞いていないということを申上げたわけでございまして、今日三〇%の援護率とか或いはその他の問題について、これは地方々々いろいろな意見はあるし、そういう不満の声もその中にはあろうかと存じますが、こういうことは私ども十二分に虚心坦懐にその声を聞きまして、この検討の材料にいたすつもりでおるのであります。その点はどうぞ御心配なく。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 時間も大変遅くなつておりますので急ぐのでございますが、納得できない点も納得さしておきますが、ただ一つだけ伺いたいのは、援護率三〇%ということになつて来ると、保育所ではそれを守ろうとする。けれども入れて欲しい家庭はたくさんあるというような場合には、これはどうしたらいいのですか。そういう場合には事情に応じてなおオーバーして入れることも認めますか。入れた場合の措置費は実情に即してあなたのほうではおやり頂けるのですね。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) これは申すまでもなく、保育所の入所措置は市町村長がいたします。それで市町村長……

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 あなたのほうの指令が出たというのですよ。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 私のほうは三〇%を超えないようにしろとか、或いはそれ以内に縮めろとか、或いはそれに類似するようなにおわせるようなことは一切言うておりません。又二十八年度の分につきましても、それを超えたものを全部先ほど申上げたように精算しておりますので、私の考えでは地方では今日となりますればこの二十八年度分に自分たちのやつたものが殆んどといつてもいいくらい認められておりますので、その辺の誤解はむしろ少しずつ解けて来ているのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。勿論お話のような、御懸念のようなことをいたすつもりはありませんので、所によつて、うんと困つた人たちのおる地帯からはそう金の取れないのは当然でございます。十分そういう地帯について措置をしてやるべきだと思うのですが、そういう所で費用が嵩みましても、私どもは必ずそれを面倒を見るつもりでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私は時間の関係もございますので、その点が明らかであるならば、私これから児童福祉大会に行くし、そこへ行つたときでも質問が出た場合に答弁をしなければならん、そういう点で局長の今言われた言葉を信用します。その代りに余り圧力をかけてこの以内でやれというような点が相当行われているやに聞いておりますので、そういうことは今後絶対にございませんように強く要望いたしまして、この陳情、請願は当然採択すべきものだと私は思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちよつと議事進行について申上げますが、折角委員殆んど全部お残りを願つたのに、やつております間にお帰りになりますので、恐らくお立ちになつた委員も、少くともここにいられました三氏については異議がないようでございまして、一応採択を願いまして、今の措置費の問題、それから定員の問題等につきましてなお質疑を続けたいと思います。余り皆さんに御迷惑をかけないように御進行を頂くことをお願いをしてお進めを頂きたいと思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 結構です。それではこの問題についてはまだありますか。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 この問題についてはあるのです。援護率の問題については三〇%でいいかという問題はこれは実績検討の問題であります。ただ二十八年度について、それだけでは困るのであります。先ほど限度を超えておるものは限度を切るのは当然だと、これは承知しております。ところが限度まで行かなくて限度を遥かに下廻る、そしてそれを定員を補つてやつとまあ運営して来たものについて、監査の場合に、限度を或いは定員等で規則通りに抑えて集計された危険性がある。だからその点は実態をお調べになつてその上にこれからの施策を立てられるはずなのに、そういう何といいますか、間違い、これは厚生省の方針でないことは知つておる。知つておりますけれども、そういう間違いであることを御忠告するのは、この援護率を全国的にお調べになつてもそうだろうと思いますが、三〇%でなく四五%とか、或いはもつと各県の実情は上つておる点を指摘するにとどめたいと思います。ただ徴収基準の問題については、これは過去の実績の集計、或いは今後の実際の集計に影響いたします基本的な問題だから、なお請願には直接関係はございませんが、結局措置費の補助が増額になるかどうか。十九億の予算の中で徴収基準を文字通り励行せられますならば、恐らくこれは増額ではなくて十九億を削ることになりますので、その点について再考と申しますか、或いは前になされました三月十五日の通牒の解釈通牒ということでもかまいませんから通牒を出してもらいたい、或いは出す意思があるかどうかということをお尋ねしておくわけであります。この徴収基準は大蔵省に押されたのではなくて、政府として信念を持つてやつている基準だと、こういうふうな公式的な御答弁はわかりますが、先ほどのような一級地の五人家族最大限度二万二千三百円、十級で一万八千七百円、こういうところが基準になつているということでありますが、これについて厚生省としては二万八百円程度を或いは社会局なり労研の研究に基いてお出しになつておるということも漏れ聞いております。それから社会事業という雑誌には、その点について特に生活と貧困という最低生活費の研究がございますが、これらのものもどこに線を引くべきかという際に、これは基礎になつておると思う。その基礎と出されました通牒による徴収基準とは違つておる。或いは実際をお調べになつて、今までの保育事業がどうであつたろう、こういうことでそこへ集約の一つの基準を出される、こういうのも一つの方法かと思いますが、それに比べると先ほど申しましたように、東京都を除いては殆んど或いは四割増であるとか、或いは手取収入とそれから支出と比べてみて足りないものについては全部見る、而もそれにプラスがついている、そういうふうに実際では遙かにこの基準よりも上つておる、従つてこの徴収基準が通達されますと、この通りに、若し今まで通りにあるとするならば、或いは十九億が十九億ならんとして、十九億になるように今後保育事業を続けて行くとするならば、この徴収基準以上になるということはこれは明らかに言い得ることだと思う。或いは私多少その点は勉強が足りませんけれども、この通牒そのままに解釈しますならば、環境措置と申しますか、福祉法の二十四条にあります。これは環境措置の根拠法規と思いますが、そういうものの働く余地も極めて少くなるように考えられるのです。或いは日雇労務者にいたしましても、失対事業を受けております労務者にいたしましても、この徴収基準に該当して措置が受けられるという、こういう実態が出て来るのではないかと考えられるのであります。そこで私は三月十五日通牒というものは、これは理論的にも実際的にも合わない。従つてこれについて緩和すると申しますか、或いは解釈通牒で運営について緩和せられる御意図がおありになるかどうか、重ねてお尋ねいたしたい。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 只今いろいろお話ございましたが、結論として、三月に出しました徴収基準に関する通牒が、その徴収基準が理論的にも実際的にも妥当でないのでこれを緩和する意思があるか、こういうことが御結論かと思いますが、これは先ほど申上げましたお答えで尽きておるわけでありまして、意見の相違というようなことになるのかも存じませんが、将来この実施の運営に徴しまして、もつとよい基準ができるようになることは私の望むところでございますが、それまでの間は、差当つてこれで実施して参りたいと、只今ではかように考えておる次第でございます。お言葉の中に環境が良好でないために措置するというような子供が保育所に入れなくなる虞れはないか、それから日雇労務者の子供たちが保育所に入れないことになるのではないかというような御懸念もありまするが、これは勿論私どもとしては、そういうような子供たちを保育所に措置すべきものだと考えておる次第でありまして、さようなものを除くような気持も勿論ないことは申すまでもないのであります。ただ御質問の御懸念は、多分そういう家庭から費用を取ることが高過ぎるというようなことに落付くのではないかと存じます。これはなお今後運営の実際によつて検討して参りたいと存じます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 たびたび恐れ入りますが、委員会としてこの五つの請願、陳情を御採択頂くことは、これは今までの委員各位の御意見からいたしまして、当然採択せられると思うのでありますが、徴収基準の問題については、請願に直接出ておりませんけれども、措置費の増額のためには、増額が、実現するためには、当然徴収基準の点についても、徴収基準はきつ過ぎるという結論が出て参ると思います。そこで委員会には採択をせらるべきだということを申上げて、なお厚生省にお尋ねいたしますが、成るほど政府の方針は一応きまつたのだから云々ということでございますが、これは通牒でございます。従つて法の精神に従つて十分この保育行政ができるかどうか、こういう問題はこれは児童局とか或いは厚生省の問題でもございますが、国会の問題でもある。そこで法律さえもこれは国会において直るのでありますが、国会の請願の採択或いは今後児童福祉大会その他によつて徴収基準について緩和の決定がなされ、或いは国会その他に陳情をなされるならば、これらの点についても恐らく陳情がなされるだろうと思う。私は率直に申しますが、あの三割を地方に国から移すとこういう場合にも、これをとめたのはこれは厚生省児童局でなくて私どもであつたと思う。或いは国会でもあつたと思う。或いは五億の予備費から支出する点についても、私は口はばつたいのでありますが、そうでありますが、その精神と相反するような徴収基準の点について直すべきだという意見が厚生委員会その他で出ますならば、これは直す用意が恐らくおありになると思うのでありますが、この点について、大変これは……。なおこれは私の意見でございましたが、厚生省として勘考の余地があるのかどうか。問題が通牒でございますから、蛇足ではありますけれども、お尋ねしておきたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 先ほど申上げましたように、この徴収基準につきましては、運営の実際に徴して更によりよきものにするような努力をいたすつもりでございますが、これを若し改訂するかどうかということにつきましては、これはやはり窮極的には政府の責任においてこれをいたすわけでございます。勿論政府がこれを決定いたしますためには、特に国会の最高機関としての御意見などは十二分に尊重して参りたいと考えております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 この問題については、なお吉田委員にしても私にしてもいろいろ問題はあるんでございますが、いずれ本請願、陳情を採択しておいて、それから児童福祉大会等にも、私本年度の重要な問題は児童問題だと思います。だからこの緊迫せるときに、国会を休んで三日も続けて児童福祉大会には出席して来て勉強したいとこう思つておりますので、なお改めて委員会で十分審議するということにして、この点はこれで採択をしたら如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) よろしうございますか。それでは保育所措置費国庫補助増額に関する請願三件、陳情二件は、本院の会議に付し、内閣へ送付を要するものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは次に、保育所定員制等に関する請願一件、陳情三件、請願の四百七十二号、陳情の六十三号、九十四号、百四十二号を議題といたします。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 請願四百七十三号、陳情六十三号ほか二件は同様の趣旨でございますが、現在保育所定員制の問題と、それから児童福祉援護率の問題は、保育所の運営に非常な影響を及ぼしまして、この保育所事業が大体危機に直面しておりますから、児童一人当り〇・六坪の基準を固執することなくして、当分の間、実情に即して適当に変更するか、或いは又保育所個々の特殊事情を認めて定員超過を許可するように取計らいますと同時に、援護率を引上げて国の補助額を増額してくれ、そういう趣旨でございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは質疑、御意見を願います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 議事進行。先ほど申上げましたように御採択を願つて、あと全部御説明を頂き、採択をしてそしてなお若干関連して御質問をすることをお許し頂きたいと思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは採択して差支えございませんか。

大谷瑩潤自由党

○大谷瑩潤君 採択する前に……。この定員が仮に増員されて、定員よりも余計収容しておるというような場合を先ず厚生省のほうでは許されるか、許されんかを先にお尋ねしたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) これは保育所の定員ということは、現在は法令によりまして、保育所の最低基準というものがきまつております。その最低基準に基いて定員が割出されております。従いましてその定員というものは、一応の基準とかいうものではなくて、一応最低基準額から割出した定員でございます。二十九年度からこの定員制を励行するようにということを私どもで地方に示しておるわけでございます。これはそうしますと、現在約二割ほど超過していたと思いますが、その中からまあこれが定員一ぱいにまで下るわけでございます。勿論それは今まで入つておつた人を追出すわけではございませんで、丁度三月、四月というのは切替えどきでございます。そこで大体四割ほど、全部の四割ほどが入替えに学校に入る人がいる。従つてそういう機会を利用してあと定員制を励行するように、こういうことを申しておるわけでございます。

大谷瑩潤自由党

○大谷瑩潤君 そうするとこの請願に対しましては、許可にならないという建前でございますか。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) これは実は実情に即して適当に変更するというのならば、最低基準を変更する、それならば私は差支えない。それからまあそうじやない、実際的な取扱云々ということになりますと、それは最低基準に違反するようなことになりますから、その点私どもとしては非常に苦しいことになります。現にまあかような問題を処理する一番適当な方法としては、現在の最低基準というものをこれをもう少し実情に合うようにそれを検討するということであります。その点につきましては、今年度においてこれを検討する方針でございます。さようなふうに取上げて頂きますれば、私どもとしては非常に有難いことだと思います。

大谷瑩潤自由党

○大谷瑩潤君 私も自分で保育園をやつておりますので、実情が全くこの請願の通りなんであります。できますならば基準の〇・六といいますか、この坪数等に対しまする基準をもう少しゆるめて頂きたいという希望を申添えておきます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 明後日から始まります大会に秋田、茨城、徳島、富山まあ共通な問題ではありますが、措置費と同様に相当多数の県から出ております。これはそれぞれの大会にかけて出て参つておりますから、何千という施設だと思うのですが、なおまあ実情を、法規の取扱は先ほど局長からお話がございましたが、一番問題は、この保育所が〇・六坪、それから幼稚園は半分近くというのはこれは実情である。そこでまあ保育所に措置児童のほか自由委託の子供を預かるのがいいか悪いかという根本問題は、それは別問題であります。公の施設においてもそうでありますが、余裕があれば自由委託児は預つてよろしいということになつておりますので、自由委託児を預つてあるわけでございます。それを通牒によりましても、二十九年度の方針ですが、二十九年度よりその定員においてその児童を入所させることは認めないと、こういう通牒が出ますと定員も切つてしまいます。そうしますと昨年は、これはまあ速記録に載せんほうがよろしいと思いますが、厚生省としてもまあ三割ほどはこれは暗黙に認められた。それを認めないということになりますと、児童も減ります。収容児童も減りますが、或いは保母も減さなければならん。それで今定員を厳守して収容児童を減らし、それから保母も減らせるかどうか、こういうことになりますと、これは大変大きな問題、それからなお厚生省も御承知だと思いますが、保母専修学校、保育所の保母の最大の就職と申しますか、これからの事業として一生を送りたいと考えて三年有余の勉強をして参りました保母が、恐らく今年は就職難で殆んど就職しておらんという実情だということは、これは厚生省も御承知の通りだと思うのです。従つてこういう陳情、請願が出て参るし、或いは大会の議題にもなつて参る。そこで〇・六という点を変えますことも一つでございますが、運用の点についても、杓子定規にどこでも〇・六坪、是が非でもそれを守らなければならん、或いはそれ以上入所させることは認めない、或いは入つておつた者も出してしまえ、これは末端に行きますと、そういう指示はしておらんかも知れませんけれども、事実上はそういう事態が起つて来る。或いは私どもの所でもそうですが、保育所の保母を減らせばいいじやないかという、こういうことさえも或いは地方事務所といいますか、或いは町村から言つて参つておる実情であります。そこで請願は御採択願いますと共に、この点については今慎重考慮中と申しますか、児童局としても考慮しておるような発言がございましたが、これは来年度からといつたような問題でなくて、さつきの通牒に関連してどうしても何と申しますか、運用の方法を戻してもらうということはこれは緊急の必要事だと思います。或いは曽つてこれは、私の話をここに持ち出して恐縮ですが、非常に地方については考慮の余地があるのじやないか、或いは運用において考慮すべきじやないか、或いは措置児童についてはあれだけれども、自由委託の子供については考慮し得るというようなお話があつたかと思うのであります。もう少し具体的に方針を承わり、請願、陳情を採択して、具体的な検討は後に譲るとしても、もう少し具体的に当局にお願いをしておきたいと思います。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 保育所の定員の問題につきまして、二十八年度においても私ども認めておるわけじやないのでございます。昨年の通牒におきまして、保育所の定員を、従来超過しておつたのでありますが、これは最低基準の違反になるから定員に引戻すようにと、こういうことを申しておる。ただそれを即座にやるということになりますと、それはもうできないことであります。いろいろな保母さんの問題、それから入つておる子供を追出す問題、追出すかどうかそういうことにもなりますので、当然相当の猶予期間を置いてこれをやらなければならん。そこで昨年の通牒におきましては、二十八年度中はこれはいたし方がないが、二十九年度からこれを実施するから、そういうふうに心得ておいて欲しいというように、その間に約九カ月かの余裕を持たしておるわけでございます。それから保母さんなどが失業、失職するとか、或いは新らしく養成所を卒業した保母の就職難とか、大体従来二十八年度で超過しておつたのも二割乃至三割でございますので、その保母さんがそのために失業して或いはどこへも行きようがなくなつたというようなことはそうないだろう。又これは避ける方法といたしましては、毎年一千カ所ぐらい、大体二十八年度は千二百カ所ぐらいだと思いますが、保育所が新らしくできております。従いましてそういうような所に配置転換を斡旋するというようなことで、これはまあ賄つて頂くほかしようがない、かように考えております。  それから新らしく養成所を出ます保母が今年はどこも雇い手がない、これは私どもはさようなことを聞いてはおらないのでございまして、さような事態にもならないと考えておるのでございます。この定員の問題につきまして二つの点から隘路があるのでございます。一つは、最低基準の問題、これを改正しないでそのままで定員超過を認めますると、それは法令の違反になるのみならず、実際の運営につきましても、保育所の全職員がやはり定員を超過してやると非常に結構だというのと、それから困るというのと両方あるわけでありまして、さようなわけで軽々にこの定員超過を認めることはやはり法令の建前などからも簡単にはよろしいというわけには行かない。それからもう一つの隘路は、これは先ほどからいろいろ話題になりました予算の関係でございます。定員の範囲内におきましても相当額の国庫負担、むしろ広く公費負担と申しましよう、公費負担が必要なわけでございます。それについて国の見合う分として計上しておりまする十九億円は、果してこれで足りるか足りないか、或いは足りないことも予想し得るのでございまして、さような点については、更に今後の折衝によつてそれを賄わねばならない段階でございます。さような定員の中での経営につきましても赤字と申しますか、そういう問題が横たわつておりますのに、更に定員を法令に違反してまで超過させて、その分当然これは赤字が増加するわけでございますから、それを更に追加して賄わなければならないようなことになるわけであります。さようなことで私どもとして定員内の赤字を解決するというほかに、更に定員を超過した分の赤字までも解決するという自信がない限りは、これは簡単にそれを同意して行くことはできない。それを同意して超過させまして、そしてあとになつてそれが赤字を埋めることができないようなことになりますれば、これはまあ言うまでもなく責任問題になるわけでございます。さような点について見通しが現在まだ立つておりませんので、さような点から定員を超過することについては簡単に私たちは応じがたいというのが現在の考え方でございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私は原則としては、局長の言われるように定員を破るということに対しては反対です。最低基準を引下げるということも子供の福祉の面からいつて私も反対です。但し現実はそうは参りません。結局三割オーバーしたものが結局これを切るということになると、成るほど上級学校へ行く子供が減るから切れるでしよう。けれどもそれならば地方から保育所へ入る希望をする子供が少くなつておるかと言うと、現実は反対に保育所の有難さと申しましようか、保育所を利用したい人は殖えて来ている。全国へ参りましても主婦から出る希望は、保育所を作つてくれ、保育所を作つてくれということをどこへ行つても言われておる。ところが現実にはそれに対する国家の予算の裏付けがないから作れない、それが現実なんです。そして義務教育においても、今年度は小学校で五十万人、中学校で五十万人、合せて百万人の学童が殖えておる。けれどもこれに対してやはり教育基準はちやんときまつておるはずですが、それに応じて百万人の教室が殖えたかということになると、これは殖えていない。青空教室をやつたり、或いは廊下にござを敷いてやつたり、こういう実情が全国に展開しておるのです。これと同じように必要な数だけの保育所ができるならば、私は基準は下げたくない。要望は非常に熾烈である。現実はそれに伴つて行けない。三割を超過したものをこれを切つてしまう。そうすると今年は一人も入れないというような所も出て来ている。私はこれは児童行政を掌る局長としては悩んでおいでになる点だろうと思う。だから局長としては、この際基準を下げてもいいというようなことは言えません。ちやんと予算の裏付けをするように、我々国会議員としてこれはどうしても政府に迫つて、財務当局に迫つて、この実情をどうするのだという点で、我々は予算の獲得に努力すべきであつて、私はこれを局長から答弁を求めようとすることはこの際困難だろうと思う。当然赤字が去年出たのですから、今年度は十億くらいは児童の措置費の中で殖えて行かなければならない。それを取れなかつたというところに今の政治が子供に対しての愛情が足りない。弱い者に対する考え方が足りないという点の現われであつて、これは局長だけに責任を持たすのでなくて、我々も努力しましよう。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記を始めて。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 藤原さんの今の御趣旨は秋田或いは茨城、徳島等皆保育所の新設が思う通りにならん、できればとにかくやつてくれ、こういうことで予算の不足を感じておる。そこで十分収容のできない現在においては、例えば徳島のごときは、三十二年になつて児童の減少を見るまで、こういう限定まで出ておる。現状は原則通りに行かないというのが現状だから云々と、これは各県ともそういう苦衷を述べております。そこでこの請願を採択することには異議ございません。なお先ほど定員増と予算増云々ということで、それには責任を持てないと言われますが、これは措置児童についてはとにかくでありますが、自由委託児についてはそういう厳重に言わんでもいいじやないか、或いは全国一律に行かなくても、或いは地方においては実情によつて考えようじやないか、こういう運用の面での具体的な事情を挙げての質問をしたわけでありますが、重ねてその点について前言以上の答弁を願えませんでしようか。それともなお多少の運用の面で余地があるのでしようか。重ねてその点だけ伺つておきます。

太宰博邦厚生省児童局長

○政府委員(太宰博邦君) 措置児童は定員の中でやるが、いわゆる私的契約児は超過してもいいじやないか、それはやはり私としては認めがたいと思うのであります。私的契約児と申しますのは、本当ならば保育所に入れなければならんほどの状況ではない子供、これが保育所に入ります。たまたま定員に余裕のありました場合はこれは入れてもいい、その代り家庭からは費用の全額をもらう、こういうことになつております。これは今の私どもの考えとしては、そういう子供を入れるために定員超過ということ、最低基準を割るという必要はない、こういうふうに考えております。地方の現状によつて、これは何の機会にそういう話が出たかちよつと記憶ないのでございますが、この保育所の経営というものにつきまして、非常に最近保育所が殖えて参りまして、従来農村あたりでも季節保育所で以て十分だつたというのが、最近になりまして季節保育所ではどうも足りない、これは常設保育所に一つ切替えて欲しいとか、或いは何かの関係で保育所に子供をやつてみた結果、保育所というものは非常に好ましいので、保育所に対する希望も大変殖えて来た。そこで非常に保育所の増設も多くなり、又全国的にこれが配置されて参りますので、その間の保育所の経営というものも、運営というものも、これはやはり地域によつても必ずしも統一的でなくてもいいじやないかというような感じも実はしておるのでありますが、これは今後なお保育所の運営を軌道に乗せるためにはいろいろ検討しなければならない問題の一つとして検討して参りたいと思うのであります。只今のところでは、一応この最低基準に関する限りは全国的に、例えば地方だからそれはルーズにしていいというようなことはちよつと言えないと考えております。これはもう少し時間をかけて検討させて頂きたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 請願を採択するについて、定員問題については、只今の答弁から言いますならば、答弁に対しては真正面から違う要請を含んでおるのでありますが、先ほどのような今後の研究に待つ基準そのもの、或いは運用について考慮すべきであるという意味を含めて御採択を願いたいと思います。なお定員問題についても、先ほどお話のありました定員増と予算増という問題を心配されて、いわば大蔵省に対する厚生省の立場というものも含んで定員問題についての厳重な態度に出て参つておるかと了承しておりますので、その点についての厚生省の御鞭撻を含めて一つ請願、陳情を御採択頂くようにお願いいたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではよろしうございますか。今申上げたような趣旨を十分含めて本件を取扱いたいと思います。それでは保育所定員制等に関する請願一件、陳情三件は本院の会議に付し、内閣に送付を要するものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは次に児童保護費削減反対に関する請願第八百六十二号を議題に供します。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 八百六十二号の請願は、これは本年の一月十二日の日付になつておりまして、これは例の大蔵省が国庫負担を八割から五割に削減しようとしました際に、政府は予算から大削減を児童保護費についてやろうとしておるが、社会福祉事業並びに民生の安定に大なる影響を与えることになるから、児童保護費の削減には絶対反対であつて、従来通り八割にして欲しいということであります。これはすでに八割になつておりますから、請願の目的は達せられておるものと考えます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは本件はすでに実現を見ておる問題でありまするから、保留としてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではさよう取計らいます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に母子福祉資金の貸付等に関する法律中一部改正に関する請願第九百二十九号、陳情第百二十九号を議題といたします。

多田仁巳常任委員会専門員

○専門員(多田仁己君) 請願九百二十九号及び陳情百二十九号は、これも本国会におきまして、母子福祉資金の貸付等に関する法律中一部改正に関する法律案が回付される以前の日付になつておりますが、修学資金、修業資金については資金の内容より見て無利子とすること、それから支度資金については本人のみならずその子女にも適用すること、それから貸付事務費を予算化すること、それから母子相談員の旅費を増額すること、それから昭和二十九年度における国庫貸付金を減額しないようにしてもらいたいこと、こういう趣旨のものでございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御質疑のおありのかたはどうぞ。それではよろしうございますね。それでは母子福祉資金の貸付等に関する法律中一部改正に関する請願一件、陳情一件は妥当なものと認めて本院の会議に付し、内閣に送付を要するものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時十七分散会

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