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19回国会参議院1954/05/12

厚生委員会 第39号

発言数
21
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/05/12

会議録

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  社会保障制度に関する調査の一環として、看護婦制度改善に関する件を議題といたします。  一言御挨拶を申上げます。本日ナイチンゲール百年祭の記念日に当りまして、参考人の皆さんには、宮中において皇后陛下からお喜びの言葉をお受けになるとのことでありまして、誠に喜ばしいことでありまして、私どもからも心から祝意を申上げたいと存します。  このお喜びの日に当りまして、参議院の厚生委員会におきましては、皆さんの御出席を願いまして、長い間の看護事業に御尽力に相成りました経験の一部を拝聴いたしまして、将来の看護婦制度に対する立法上の参考にいたしたいと思いまして、特に御出席をお願いいたしましたところ、御多忙中にかかわらず御出席を得まして、誠に感謝に堪えないところであります。極めて短時間でありまして、全部のかたがたから御高見を拝聴いたすことはできませんが、時間の許す範囲内におきまして承わりたいと存じております。  なお先に参考人の皆様から御意見を拝聴するのが順序でございますが、時間の都合上委員のかたがたから質問をいたしまして、お答えを願うような方法にいたしたいと存じます。あらかじめ御了承をお願いいたします。  ではこれから参考人に対しまして質疑をいたしたいと存じます。御質疑を願います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 本日は御多忙のところ本当に御苦労様でございました。皆様方が長い間病める人々のために献身的な御努力を頂きました点、本当に私感謝に堪えないのでありますが、殊に本日は宮中へお招きをお受けになつていらつしやるその前の一ときを、私どもが皆様から二、三お伺いを申上げたい、かように存じましてお伺いをいたすのでありますが、先ず小野さんにお伺いしたいと思います。随分長い間のお仕事中に、いろいろこうしたら今後まあ看護婦さんたちがよくなるのじやないかというような点をお考えになられる点があるのじやないかと思うのでございますが、何かそれらについて御意見ございましたらちよつとお伺いいたしたいと思います。随分大切なお仕事をしていらつしやるにもかかわらず、余り看護婦さんというものが社会的にまだ本当に十分報いられていないという点が多々あろうかと思います。そういう点の何かお考えがありましたら……。

小野モセ

○参考人(小野モセ君) やはり老後の安定のことでございますが、やはり老後が安定いたしませんと我々看護婦はその事業に専念ができないのじやないかと存じますので、その方法を講じて頂いたら大変結構だと存じます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 ナイチンゲール賞をお受けになりましても、これに対しましては本当に栄誉的な問題だけでありまして、結局まあ費用の裏付け、賞与というようなものはないわけなんですね。今日こうして皆様お出ましになりまするについても、その御費用の点等はどこが負担しておいでになつたのでございましようか。

小野モセ

○参考人(小野モセ君) それは附属している病院からすべて費用は出ましてございます。例えば私は大阪の日赤におりましてございますから、大阪の日赤からその費用が出ております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 それでは滞在費等はどういうふうになつておりますか。全部日赤からの負担でございますか。

小野モセ

○参考人(小野モセ君) 滞在費はたしか本社のほうから出して頂くとかと承わつておりますのですが……。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 はあ、そうでございますか。  杉山さんにお伺いを申上げたいことがございます。皆様がこうしてお働きに、まだ職にお出になるわけでございますね。仕事でまだ病院にお勤めになつているかたはよろしいのでございますが、只今小野さんからもお話がございましたが、老後の問題でございます。或いは職を退かれた人、こういう人たちはどういうふうな生活状況においでになるのでございましようか。

杉山りつ

○参考人(杉山りつ君) それぞれ病院や家庭におりますが、やはり皆さん老後のことをちやんとなさつておいて頂きませんと、安定というものがございませんとやはりいけませんかと思いますのでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私大臣にお伺いしたいのですが……。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 時間の関係もありますので、もつとたくさんお伺いいたしたい点がございますが、参考人に対する質疑はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  (「異品議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。  次に厚生大臣の出席を願つておりますので、看護婦制度について、厚生当局に対する御質疑がございましたら御質疑を願います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私はこの際厚生大臣にお伺いいたしたいのでございます。我々厚生委員会といたしましても、平素より看護婦さんたちの身分の保障につきましては関心を持ち、常にそれの実現のために政府当局にもお願いし、且つ我々も努力を続けて来たのでございますが、今参考人からお伺いいたしましても、結局一番心にかかりますのは老後の生活の保障、ここに一致しているように伺つたわけでございます。今日看護婦の資質の向上等についてはいろいろ努力されているのでございますが、なおまだその身分の保障ということについては、これが実現の域に至つておりません。従いましてこの際厚生省当局といたしましては、看護婦さんたちの将来の身分の保障について何かお考えがあるかどうか。私は早急にこれを実現して頂きたい、こういう希望を持つものでございますが、幸い長く尽瘁されました看護婦の大先輩の皆様がお見えになつておられますので、この席上で大臣の一つお考えをお漏らし頂ければ大変仕合せだと存じます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 本日ナイチンゲール百年祭に当りまして、当委員会がこれらの受賞されましたかたがたを参考人にしながら、而も保健上最も重要な仕事に携つておられまする看護婦制度の将来について御検討頂きますることは、政府当局といたしましても衷心より敬意を表する次第でございます。  殊に参考人としておいでになつておりまするかたがたには、長らく我が国の医療制度の上に、その一つの中心でありまする看護婦として一生を捧げられ、その老後に対しまするもろもろの問題を考えまするとき、殆んど家庭生活と異なつた一生を献身的にこれらの仕事に尽瘁されておりまする状態を承わりました。今後これらのナイチンゲール受賞者のかたがたが、我が国の看護婦一般に対しまする中心となつて御指導を頂きますると、我が国の看護婦制度も一層世界水準以上に参りまして、国民の福祉に益するところが誠に大きいことを期待いたしておる次第でございます。そういう点から考えましても、これらの看護事業に携つておられるかたがたが、老後不安がなしに、或いは精神的にも経済的にも、相当な方法が講じられる制度を確立いたして参りますることは大変大事なことでありまする関係から、私どもといたしましても平素検討をいたして参つておる次第でございます。只今御意見等を伺いまして、一層その感を深くする次第でございますが、この上ながら具体的にこれらの点を検討しまして、看護婦制度の将来のために十分な方法を講じて参りたいと存じておるわけでございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 今日はこの記念すべきナイテンゲールの誕生日に当りまして、本会場において大臣からその御言明を頂きまして私も非常にその実現方を期待し、今日の会議は非常な成果であつたと思うものでございます。つきましては、今とかく環境衛生その他においても一層問題がたくさん累積しておりまするので、これら保健衛生に従事する人たちのその身分の保障が一日も早く実現されますことを期待いたしてやまないものでございます。  なおもう一点お伺いいたしたいというか、お願いしたいと存じますことは、ナイチンゲール賞につきましては、賞金等の裏付けはないわけでございます。で、今もお伺いすれば、東京へ御出張になるにいたしましても、これに対しては日赤が負担をしておる。東京の滞在費もこの本社がこれを負担しておるというようなことを伺いましたので、こういう点についても、日赤等に勤めておられるかたはいいけれども、若し将来退職される人等のこともございますので、今後そういう点についても一つ何らかの御考慮を願いたいということが一つ、それから栄誉あるナイチンゲール賞を頂きましても、生活の保障という点におきまするとこの際栄誉あるナイチンゲール賞の裏付けとして政府当局が予備金か何か、何らかの適正な方法を以て恩給というでしようか、まあ年間若干の支出ができないものでございましようか。私はそういうことを是非ともこの際実現して頂きたい。例えて言えば、一年に十万円であるとか或いは二十万円、金額等におきましては政府当局で適当にお考えになつて何らかこの裏付けとなるべき制度をこの際一つお考えを願いたい。私は強く希望するものでございますが、それに対して大臣のお考えを伺いたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 御尤もな御意見と存じまするが、殊に本日参考人としておいでになりましたようなナイチンゲール賞をお受けになりましたかたがたが殆んど一生をこれに捧げられて、そうしてそのためにどれだけのたくさんの人たちが本当に心から感謝をいたしておるかということを考えますると、こういう皆さんがたの老後或いは将来の生活の上に何らかの方法を講じて行くということも十分検討いたして参らねばならない問題だと存じます。ただいろいろ従来関係いたしまする事項が多々あると存じまするので、これらの関連等も十分検討いたしたいと存じます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 厚生当局に対する質疑もこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 ちよつと日赤に……。私ばかり質問して甚だ恐縮なんでございますが、日赤に感謝と希望をお願いいたしたいと存じます。政府にまだいろいろな制度ができておりませんために、いろいろ日赤で御配慮を頂いておりますが、一日も早くこの身分の保障、看護婦さんたちの身分の保障については、これらの実現方を我々は努力いたして参ります。国の制度として努力いたして参りますが、なお今後共に一つ自分の精神も自分の生活も犠牲といつては言葉が適当であるかどうか存じませんが、一生を看護の道に捧げておいでになつい人たちにこの上共に私は日赤の温かい一つ親心を頂戴いたしたいということをこの際一つ希望いたしておきます。皆様が御安心できるような方向に国の制度ができるまで、一つ日赤でなお十分お心をいたして頂きたいということをお願いいたします。

葛西嘉資日本赤十字社副社長

○参考人(葛西嘉資君) 只今は藤原さんから大変温かい有難いお言葉を頂きまして、さぞかしここに来ております赤十字関係の受賞者の人たちも感謝の気持で一ぱいだろうと思います。大臣からもお話がありましたし、委員会の皆様がたからもお話がありまして、大変有難いことだと存じます。又制度ができますまでの間でも、赤十字といたしてでき得る限りのことはいたしたいと思つておるのであります。何にいたしましても、赤十字の財政が思うように参りませんものですから、只今参考人から申上げましたように四苦八苦いたしましてどうやらこの行事をさして頂くようなことになつた次第であります。なお財政の許す限り今御希望のございましたように、赤十字といたしましもでき得る限りのことをして、これらの大変功績のある人たちに対する感謝の意と申しますか、そういうほうに進めて参りたい、かように考えております。大変有難い言葉を頂きまして重ねてお礼を申上げます。有難うございました。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) この機会にお諮りいたします。看護事業に、多年御尽力になつた皆さんに対しまして、厚生委員会として感謝の決議をいたしたいと存じます。その案文等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは委員長の手許において作成いたしました案文を朗読いたします。   感謝決議傷病者の看護に献身し、人道博愛精神の昂揚に尽された偉大なる功績を永遠に記念するフローレンス・ナイチンゲール記章を授与せられました栄誉ある婦人は、今日まで世界を通じて三百九十五名、我が国においては昭和二十八年の受賞を含めて二十八名に達しております。  我が国の医療は近来長足の進歩を遂げまして、社会保険制度の改善を始めとして、各種病院の施設も拡充せらるるに至りましたが、なお国民医療の不備は全国民の深く遺憾とするところでありまして、その看護の面におきましても、手不足のため万全を期し得られない現状であります。然るに各位は戦時や災害時に際しては傷病者に対してよく苦難と危険を冒して献身的に看護に精励せられ、又平時にありては患者に対して慈愛と親切の温情を以つて接し、強き責任感を抱いて日夜その職務を完うせられましたその御労苦と功績は、日本女性の亀鑑として国民斎しく感謝拙く能わざるところであります。歴更を按じますと、クリミャ戦争から百年をけみし、本日ここにナイチンゲールの誕生日を迎うるに当りまして、参議院厚生委員会は受賞せられました二十八名の各位に対し、心から深甚なる敬意と謝意を表しますと共に、将来一層後進の指導に精進せられ、我が国医療の進展に寄与せられますよう切望する次第であります。  以上一言感謝の言葉を申上げます。  委員会を閉ずるに当りまして、参考人の皆さんの御健康をお祝いたしますと共に、看護事業のために更に御尽力下さいますようお願いを申上げます。  それでは以上を以ちまして本委員会は散会いたします。    午前十一時四十九分散会

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