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19回国会参議院1954/04/13

厚生委員会 第27号

発言数
75
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/04/13

会議録

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  厚生年金保険法案、船員保険法の一部を改正する法律案、厚生年金保険及び船員保険交渉法案を議題といたします。提案理由の説明をお願いします。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 只今議題となりました厚生年金保険法案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を説明いたします。  現行の厚生年金保険法は、終戦後の困難な国内経済の事情に対応して、寡婦年金、遺児年金等を新設いたしますると共に、未だ支給期に到達していなかつた養老年金を年額千二百円程度まで圧縮し、それによつて保険料率を引下げる等の臨時応急的な措置を講じたままになつているのでありまして、当時から成る程度経済の安定した暁には、その全面的な改正が予期されていたのであります。  その後、わが国の経済は急速に立ち直りを示しておりますると共に、他面勤労者の生活保障のための社会保障制度の拡充整備は、ますますその必要の度を加えつつあるのであります。のみならず、本年から被保険者の一部に対し、養老年金の支給が開始されることと相成りました関係もあり、厚生年金保険法の改正は、この際どうしてもいたさなければならない段階に立ち至つているものと考えるのであります。従いまして、この際、厚生年金保険制度の全般に亘つて再検討を加えまして、保険給付の内容を改善し、且つ、その将来に亘つての恒久的な財政計画を樹立することによつて、長期社会保険としての基礎を確立いたしたいと考えるのであります。  以下、その改正の要点を申上げますならば、第一に、保険給付及び保険料の計算の基礎となる標準報酬については、できるだけ被保険者の賃金の実態に合うようにすると共に、労資の負担増を考慮して若干の引上げを行うことといたしました。  第二に、すべての年金給付が、老齢年金の給付内容を中心として均衡を保つような体系を考慮いたしました。  第三に、年金給付の額については、定額に報酬比例額を加えたものとし、更に被保険者によつて扶養されていた者の数によつて、加給年金を支給し、生活の実態に副い得るようなものといたしたのであります。  第四に、現行法におきましては年額千二百円となつている老齢年金の額の最低を二万一千六百円とし、標準報酬の額に応じて更に増額するようにいたしました。  第五に、障害給付については、障害の程度を合理的に区分すると共に、障害の程度の増悪軽減に応じまして、給付額を増減し得るように改めました。  第六に、現行の遺族年金、寡婦年金、かん夫年金及び遺児年金を一つの綜合的な体系に統一して、新らしい遺族年金の制度を設けることとしたのであります。  第七に、脱退手当金の制度を合理化いたしました。  第八に、従来支給いたしておりました年金のうち、低額なものは、一定額まで引き上げるよう、特別の措置を講ずることといたしました。  第九に、坑内夫以外の被保険者についての国庫負担の割合を保険給付費の一割から一割五分に引き上げることといたしました。  第十に、労資の負担を勘案しつつ、財政の均衡を将来に亘つて保ち得るようにするために、保険料率を調節すると共に、少くとも五年ごとに再計算することとしたこと等であります。  なお、本法案に関連して、政府としては、船員保険法の一部を改正するとともに、厚生年金保険及び船員保険のそれぞれの被保険者期間を相互に通算して、保険給付を行うこととするために、近くこれらに関する法律案も、本国会に提案して御審議を煩わす予定であります。  この制度は、将来勤労者のための社会保障制度の中核体となるべき重要な意義を持つものでありますので、何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことを希望する次第であります。  次に、船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  船員保険法は、昭和十四年四月に制定されまして以来今日まで、船員労働者の生活の安定と福祉の向上を図りますための唯一の総合的な社会保険制度として実施運営されて来たところでありますが、此の間社会情勢、経済情勢の変動に即応するため二十数次にわたる改正がなされたのであります。特に終戦後の困難な社会的経済的情勢の変化に対処いたしますため種々の措置が講ぜられたのでありますが、これらの措置のうちには、臨時的応急的なものとして将来経済の安定した際に再検討すべきものとされ、そのまま今日に及んでいる点が多く存ずるのであります。  我が国の国民経済も漸く安定して参りました今日におきまして、保険給付の内容を改善、合理化いたしますと共に、保険財政の基礎を将来の見透しの下に確立いたしまして、できるだけ船員保険制度の内容の充実と合理化を図ることが必要であると考える次第であります。かような意味におきまして、今回船員保険法の一部を改正しようとするものであります。  以下改正の主要点につきまして御説明申上げます。  第一に、標準報酬につきましては、他の社会保険との調整を図り、現行の二十一等級を改めまして十九等級にいたしますと共に、標準報酬の計算の基礎となる報酬月額の算定方法を合理化しようとするものであります。  第二に、従来船舶内にある期間には支給されていなかつた療養の給付を、一定の場合には支給することとしたのであります。  第三に、分べんに関する保険給付としまして、新たに分べん費、出産手当金及び育児手当金を創設いたしまして、船員労働者の福祉の増進を期したいと考えております。  第四に、失業保険部門につきましては、失業保険法に準じまして制度の合理化を図ろうとするものであります。  第五に、老齢年金につきましては、現行の二万四千円の頭打ちをはずしますと共に、その額は厚生年金保険法の改正と歩調を合せまして定額に報酬比例額を加えたものとし、更に被保険者によつて扶養されていた者に加給金を支給し、生活の実態に副い得るものといたしたのであります。  第六に、職務外の事由により支給する障害年金及び障害手当金並びに寡婦年金、かん夫年金及び遺児年金の額の計算の基礎となる標準報酬月額につきまして、現行の最終標準報酬月額をとることを改めまして平均標準報酬月額によることとしたのであります。  第七に、脱退手当金の制度を合理化いたしました。  第八に、従来支給いたしておりました年金のうち、低額なものは、一定額まで引き上げるよう特別の措置を講ずることが必要と考えるのであります。  第九に、船舶所有者及び被保険者の負担を勘案しつつ、財政の均衡を将来に亘つて保ち得るようにするために、保険料率を調整すると共に少くとも五年ごとに再計算することにいたしましたが、その結果保険料率は当分の間失業保険の適用を受ける者については千分の百六十一に、失業保険の適用を受けない者については千分の百四十五にいたしたい所存であります。  以上、この法律案を提案いたします理由を御説明申上げ幸したが、何とぞ慎重に御審議の上、速かに御可決あらんことを御願いする次第であります。  次に、厚生年金保険及び船員保険交渉法案につきまして、提案理由を御説明いたします。  このたび政府におきましては、厚生年金保険法の一部を改正する法律案及び船員保険法の一部を改正する法律案を国会に提案いたしまして、只今御審議をお願いいたしておりますが、これらの改正案におきましては、両法案とも老令年金及び遺族年金については、その給付の基準を、原則として同一にいたしております。従いまして、この機会に両保険における被保険者期間を通算して老齢年金又は遺族年金を支給できるようにいたし、両保険の被保険者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するよういたしたいと考えまして、この法律案を提案いたした次第であります。  以下法律案の要点につき、御説明申上げます。  第一に、両保険における被保険者期間を通算することにいたしたのでありますが、この通算は、老齢年金を支給する場合及び老齢年金の受給資格期間を満たしている者が死亡したことによる遺族年金を支給する場合並びにいずれかの保険において任意継続被保険者となるために必要な被保険者期間を計算する場合の三つの場合に、これを行うことにいたしております。  第二に、両保険における被保険者期間を通算した場合における保険給付は、原則として、最後に被保険者であつた保険において、これを行うことにいたしました。  第三に、老齢年金の受給資格を得るために必要な被保険者期間は、厚生年金保険法においては、原則として二十年、船員保険法においては、原則として十五年ということになつておりますので、両保険の被保険者期間を合算する場合には、この点を勘案してそれぞれの期間につき必要な調整を行うことにしております。  第四に、一の保険における老齢年金の受給権を有する者が他の保険の被保険者となつた場合、又は一の保険における障害年金の受給権を有する者が同時に他の保険における老齢年金の受給権を有する場合、或は同時に両保険における遺族年金の受給権を有するに至つた場合等につき、それぞれ必要な調整を行うことにいたしました。  第五に、両保険の被保険者期間を通算して行う保険給付に要する費用につきましては、政令の定めるところにより、厚生保険特別会計と船員保険特別会計とにおいて按分して負担することにいたしております。  以上この法律案を提案いたします理由を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今の三法案のうち厚生年金保険法案は、審査の都合上公聴会を開いて利害関係者及び学識経験者の出席を求め意見を聴取いたしたいと思います。この手続、日時、人選その他の事項は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。よつて厚生年金保険法案について公聴会を開くことに決定いたしました。  なお、本案三件とも質疑は次回に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に社会保障制度に関する調査を議題といたします。  先ず人口問題と受胎調節につきまして、各国の状況を、来朝中のサンガー夫人から聴取いたしたいと存じます。出席者の都合上同人及び通訳者を参考人として出席願うことにいたしまして、その手続その他は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。  次に、ビキニ被爆に関して厚生大臣に対し湯山委員から緊急質疑の通告がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 お尋ねいたします。福竜丸事件につきまして、最初この委員会でも被害者の生活保護の問題が取上げられましたし、本会議におきましても、或いは昨日の本会議におきましても、これらの家族の生活をどうするかという問題が取上げられたわけでございます。で当初お尋ね申上げたときに、大臣から、これは船員保険のほうで四カ月間は生活が見られるし、その他の点についても万全を期して行きたいという御答弁があつたわけですけれども、その御答弁がなお昨日も同様になされたわけでございます。ところが、実情をいろいろ聞きましたり、或いは新聞の報ずるところ等によりますと、これらの家族たちは現在非常に困つている。例えば基本給がああいう漁業に関係している人は非常に少くて、獲れ高によつて歩合の分配がある。これが、季節的にたくさん入つて、一年の生活の大部分を支えるということになつているそうですが、そういう関係から、結局被害以来、船元から一万五、六千円の借金をし、その後見舞金等が十数万入りましたけれども、結局それらも家族に、二十三人に分けると、極く僅かであつて、結局一カ月経つた今日非常に生活に困つている。ところが、一般の生活保護の対象にもならないし、かといつて船員保険の給付はまだ手続中とか、或いはまだ手続ができていないとかいう、そういうことから受けられていない。而も、ああいう土地柄でございますから、いろいろ附近の人たちからは白眼視されるような面もあるし、更にそういう生活の苦しいことを訴えようと思つても、そういうことさえも滅多なことを喋ると工合が悪いというのでとめられておりまして、それもできないというようなことから、非常に困つておるということを聞いておるのでございますが、これに対して現在のところどういう状態にあるか、果してこれらの家族の生活が保障されておるかどうか、こういうことについて承わりたいわけでございます。  更に附加えて申上げますならば、東京のほうに送られて来ておる患者たちの見舞に藤原委員その他の方たちが行かれましたときにも、結局病人たちは、自分たち自身のことよりも家族の生活のことを非常に心配しておつて、このことに対しては何とか我々努力してやるという激励に対しては、全員涙を流してお願いしますということを言つておつたということでございます。そういう事情にありますので、何とかこの際はつきりそういう点についてさして頂きたいと思いますので、一つ大臣から御答弁願いたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの二十三名は全員船員保険に加入いたしておられまするから、御本人の御要求がありますると、当然その医療期間中は、三年間は家庭に対する生活費を船員保険法によつて見て行かねばならないという現在の法律になつておりまするから……。併し今度の問題は、事が曾つてない事件でありまして、而も原子爆弾の試験による被害というこのような状態でありまするから、当然補償を受けるべき筋合だと考えております。従つて、理論的に申しますると、一方国内法によりましては、船員保険法から支給せねばならんし、支給し得る状態でありまするが、只今お話のありましたような実際上の問題につきますると、いろいろそこに従来の慣習等もありまして、直ちに生活にマツチするような支給という点は如何かと思われる点もあると存じます。ちよつと速記をとめて頂きたいと思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記を始めて。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 私が昨日本会議で質問いたしました厚生大臣の答弁と、それから岡崎外務大臣並びに緒方副総理の答弁を聞きまして、特に私が遺憾だと思いましたことは、岡崎大臣及び緒方副総理が日米協会で岡崎大臣の発言には間違いはないし、又今もそのような趣旨の考えを変えていないというような発言でございまして、私は非常に残念だと思いました。そこで昨日のラヂオを聞きましても第二吉祥丸が又被害を受けて帰つて来ておるようでございます。又今後も限りなくこういうふうな被害が出て、いつまでもいつまでも限りなく尾を引くのではないかという心配もございます。そういうようなことになりますと、先ほど大臣がいろいろと補償について或いは医療の補償とか生活補償とかいうふうなことに御尽力頂いておることは了といたしましても、こういうふうな一時的な対策を将来いつまでもお続けになるということは私はこれは困難ではないかと思う次第でございます。そこで大臣は、この岡崎外務大臣の発言なり又緒方副総理の発言に対してお互いの同僚の中に、いわゆる閣僚のそうした大臣の御発言でございますが、その発言に対してどのような見解を持つてお出でになるのでしようか、お尋ねいたします。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 原爆の実験によりまする被害が、日本の漁夫、漁業従事者なり或いは更に漁撈をいたしまする漁獲物なりに今回及びましたために、国内に大変な不安と、食料、食膳に供する水産物に対する大変な衝撃を与えた、このような事実に鑑みまして、実験の如何は別といたしましても、こういうような衝撃は再び国内に来ることは誠に日本国民としては忍び得ない状態だと考えております。従つてそのような衝撃を起さないように処置を当然考えて欲しいことは、政府におきましても或いは日本国民全体におきましても同様なことだと考えております。  その後只今お話になりましたような漁獲物に対してずつと検査を続けておりまする中に、昨日もお答えしましたが、更に詳細な検査に現在は移りまして、一番最初はガイガー検識器によりまする検査をいたして参りましたが、最近では一層慎重にいたしまするために、表皮、内臓、或いはえら、そういう方面まで検査をいたして参りました結果、昨日もお答え申上げましたような、内臓に放射能を持つている魚を発見した、こういう情勢になつております。これがどのときの実験による放射能か、或いはそのときに魚が受けて、その魚なりこれに類似するものを漁獲物が食つて、それによる内臓の放射能か、いろいろ学問的にむずかしい問題、潮流その他のむずかしい問題になつて来て、今の学問ではなかなかこれがまだ判定しにくいような状態のようでございます、実際の問題から……。そういう状態でありまするから、試験は当分続けて参ると同時に、私どもは将来このような不安が起らないように、直接の水産物というものは、日本の食糧の大変大きい比重を占めており、それによつていろいろな栄養をとり、食膳を満たしておるわけでございまするから、これらの不安を来さないようにこうすべきものだという意味で、これは政府も或いは昨日の答弁もそこまでは及んでおらなかつたようでありますが、そういう考え方は同じ考えでおります。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 只今の御答弁によりますと、大臣はこの実験を禁止するという徹底的な考えをお持ちになつておらないように私窺いますが、私はその根本的な対策が国としても立てられなければ、いつまで経つてもその問題は解決しないのではないか、ただ、これは私どもが日本の国民としてだけで言うのではなくて、現に今朝のラジオ放送を聞きますと、インドでもそのような灰が降つたということを放送しておりますが、聞くところによりますと、英国でもそういうふうなことがあつたと、又アメリカ自体にもそういうふうなことに対して十分な警戒もし、処置もしておるというふうなことを聞いておりますので、この問題はただ日本国民だけの問題ではなくて全世界に及ぼしておる。これは人類の道徳上に大変な根本に遡る、この人権の問題にもなるかと思うのでございます。それで閣僚の皆様の中には、勿論政府の意向として根本的にきめられましたことを侵かすということはできませんと思いますけれども、私はそれだからと言つて衆参両院の院議によつてきめられましたこの趣旨というもの、いわゆる原爆実験に関するあの決議案たるものの趣旨というものは根本的にこの原子爆弾なり原子兵器なりを作らないで、そして日本のみならず世界の平和を求めて叫ばれた国民全体の総意であると思うのであります。そういう観点から考えまして、私は大臣からも強くこの実験なり或いは兵器を作るということの根本的な禁止というこの観点に立つて強く主張して頂いて、国民の総意に応えて頂きたいと思うのでありますが、大臣にはそうした御決意がございますでしようか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの原子兵器の進歩は、お話のように大変な大きい問題であり、又現在世界の国際間の一つのこの問題の管理なり或いは禁止なりが解決いたしますると、多くの国際間の問題の中心は解決するくらいの大きな問題だと思います。従つて昨年八月十二日でありましたか、ソ連が水爆を実験したということ以来、一層真剣に取上げられて検討され、国際間の議題となつて進んで来ておる問題であります。これは各国ともそれに向つて考えております点は、只今お話のありましたようなことを相接近しておるし、何とか人類を悲惨から救うという点においての大きな事態となつて来ていることは同感であります。従いまして、これらの問題が国際間に都合よく解決することが何よりも必要だと、私どももそれを念願しておる次第でございますが、それまでに行かない間に、実験等がありまする場合におきましては、これは最も近くの被害を受けるというような状態をこうむる場合において、殊に私どもの日本の場合においては、現にそれを体験いたしましたので、それらのようなことの今後起らないような処置を十分検討しながら、併せて世界の原爆並びに原爆に類似するものの管理という点について成功するために、世界民族が協力しながら進んで行かなければならんという点は、そういう考え方で私どももおる次第であります。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 只今の大臣の御答弁を伺いまして、大臣としてはそれ以上言えないのかもわかりませんけれども事は、厚生大臣、なんですね、世界各国にもいろいろ輿論は起つておりますが、日本が原子爆弾の第一回、第二回と被害を受けて、又今度水爆の実験の被害をこうむつた。そうして日本のビキニ被爆患者の問題が全世界に強い衝動を与えておるということは、もう私が言うまでもないことなんです。従つて日本の厚生大臣としてもつと強く世界人類の福祉の面からも、もつと強く世界にアツピールするというような私は御決意が欲しいのです。過日予算総会におきまして改進党の鶴見祐輔さんが吉田総理に対してこういう質問をしておいでになる。親米とか反米とかいうのをどこで決定するか、私は総理は親米家だと思うが、総理は少しアメリカの間違つたことを批判する者を全部反米ときめておられるらしいけれども、本当の親米というものは、誤つた行為をアメリカがやつた場合に、これに強く反省を求めて、そうしてアメリカをして誤りなからしめるというのが本当の親米家ではなかろうか、こういう質問をしておられる。私は本当にそうだと思うのです。こういう点から申しまして、どんなに強く日本人が要求いたしましようとも、決して行き過ぎとは世界の人は思わないのです。ですから私はもつと強く吉田内閣そのもの、同時に草葉厚生大臣その人において私はもつと強い決意が欲しい、こう思うのでございますが、大臣の御決意は如何でございますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 御趣旨の点はよく尊重いたしたいと思います。只今申上げましたような世界の情勢等もありますから、これらを十分検討しながら進んで参りたいと思います。私どもといたしましては、日本の国民なり或いは日本のこれらに従事しておる人たちが危険を感ずるというようなことのないように、十分努力をいたすべきだと考えております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 強い御決意をお願い申上げます。  次に、お伺いいたしたいのでございますが、私は過日婦人デーの会合におきまして、会場の皆さんにカンパを頂きまして約五千円ばかりでございましたが、それを持つて東大と国立病院に患者さんをお見舞に参りました。特に許されて国立のほうで代表者全部患者さんの部屋に入ることができたのです。そのときに今までの火傷はなおつて来た、併し足のほうに斑点が出て来た、これは新たなケースです、こういうことで患者さんは限りない不安を持つておるようでございます。ところがそれにも増して私どもがささやかなお見舞金を持つて参りましたことに対して、涙をこぼして喜んでおる。そうして私たちはどうやら医療が受けられておりますが、家族の生活がと思うと本当にたまらない気持がする、どうぞというお話なんでございます。私たちは近く開かれる厚生委員会において、なお生活の問題は大臣とよく相談をして決して御心配のないようにいたしますから、あなた方は安心して治療を受けてもらいたい、生活の問題は我々に任してくれといつて私はお慰めして参りましたが、あそこに十何人かおられましたけれども、全員涙をこぼして、ことほどさように御家族の生活の上を案じておられる。大臣はまあ船員保険でというお話である。そのほか足らざるものは、県知事の裁定に任して云々というお言葉でございますけれども、私はそれでは患者さんたちは不安だと思うのです。で、結局発病当時にこそ金はかかるのです。家庭においても入院だとか、やれいろいろな人が押しかけて来るとか等々によつて、その当時においてこそ非常に金がかかるのです。ところがそれに対する思いやりがなされていない、こう考えます。夫や子供たちの病気を心配して、その上に生活の重圧に対して不安を感じなければならない、こういう状態でございますので、至急にこれが安心の行くような対策を立てて欲しいのです。今まではこういう方針で保険金の足りないときには県を通じて漁業組合から出してもらつておいて、あとから必ず補償するののだというようなことが家族に徹底されておるかどうか、入院患者たちに安心の行くような措置が今までとられて来たかどうか、この点についてお伺いしたい。それから今までにどれだけの金が家族に渡されておるかというようなことについてのお調べがございましたら、それもこの際明らかにして頂きたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 今先にちよつとお話申上げました通り、現在はむしろ船員保険法による家族給付というのは、当然御本人が御請求ありましたら、やはり支出いたしまするが、併しそれよりももう少し実情に即応するような、実際の家庭に要る費用を差上げるという考え方で行くほうが適当ではないか。船員保険法だと先に申上げましたような状態であります。でそういう点から地元と打合せして、そして先に申上げたような額の補償というのを、つまりそのくらいの生活費が要るだろうという考え方でそれを要求し相談して支出するようにして、それのまとまるまでは漁業組合で一つ立替えてもらう、それはあとで当然補償する、支払う、こういう趣旨でしております。若しや御家庭にまだ不徹底でありまするなら、一つ今後徹底いたしまするように一層努力をいたしますと同時に、入院していらつしやいます方々にも、私どもも伝えますが、又皆さん方からもその点はどうぞお知らせして頂いて結構だと存じます。そういうふうに努力いたしたい、又当然いたすべきものだと考えております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私はこういう際には当然国内的な大きな災難でございますから、必要なだけあとで出すというのでなくつて、私はむしろ予備金等があるはずでございますから、こういうときにこそ、私は先に出してやるくらいの親心が私は厚生省としては欲しいと思うのでございます。要るだけあとで出すと言つても、それならば一家の支柱となるものが生命が助かるか助からないかの見通しさえつかない現状で入院しているのです。そして家族は足りない金をどこでその間借りて行つたらいいのでしようか。結局被爆患者の身内だということで、これは日本人の悪い癖でございますけれども、村八分のような本当にお気の毒な状態にある。その人たちがよその家を訪問するというといい顔をされない、その人が何の罪があるのでしよう。而もそういう悲しい状態に追い込まれておるのでありますから、もつと三万円なら三万円要るといたしますならば、三万円ぐらいずつは先に渡しておいても、私は決して非難されるようなことはないと思うのでございますが、そういうふうな扱いをむしろしてもらいたいと思います。それに対して大臣はどうお考えですか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) これは最初のときに大変いろいろと検討いたしまして、地元の知事或いは静岡県等々とも相談をして、こちらのほうの国の費用をお話のようにすぐ出すという方法も勿論いたすべきものと思います。ほかに方法がなかつたら当然そうしてでもいたしましようが、併しやはり地元で事情もわかつておるから、当時幾らということも余りわかりませんし、あの遠洋漁業から帰つて来られると、すぐこういう状態で、むしろあちらの親類こちらの知り合というところよりも、今季で世話しておる漁業組合で費用を出しながら世話をして行くほうが却つて安心して、そして騒ぎ立てるということなしにスムースにやつてて行けるんじやなかろうか、こういう相談の結果、実はその便法でございます。便法が却つて御家庭にはいいのじやないかという便法をとつて参つたのでございます。当然お話のようなことも検討いたしましたが、むしろ地元はそのほうが却つて気楽で当りがいいのじやないかということでいたしておりますから、従つて済みましてからあとに出すということじやなしに、その点は私どもも十分御趣旨を尊重して行きたいと思つております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 今日までどれだけ家族に金が渡つていると思いますか。それをお調べになつたことがございますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) その点は私も現在まだ承知をいたしておりませんから、或いは調べても結構でございますが、むしろいろいろな点もありまするから、私どもは却つて生活に不安を来たさんような程度の金に常に一つお世話いたしたい、そうして全体としては今申しましたような額で一応折衝して補償を取つて行こう、こういうので行くほうがいいのじやないかと思います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私はそれは反対なんです、大臣がどれだけ渡つているかわからないというようなことで、地元に手が届いていると思いません。聞くところによりますと、まだ今まで県庁、漁業組合等々から一万数千円しか渡つていないというのです。もう一カ月になるわけなんです。そうして、この頃のお金で一万や一万五千円というのは何か事があるとすぐ消えてしまう金です。これは非常に残念でございますので、是非至急に御調査の上、若し被害があつたら、これだけは政府が必ず補償するというのを漁業組合に徹底しているかどうか、どうかも私はわからないと思うのです。そうすると漁業組合から私たちはもらうよりも、むしろ当然国家が補償さるべきものとして、国家から渡されたほうが家族はいいと思うのです。一つの恩恵的な考え方がどうしてもそこに挾まれるのです。そういうことの御考慮の上、適切な方法をおとり願いたい。  それからいま一つお伺い申上げたいのは、食品関係の問題でございますが、国民は非常に迷つているのです。新聞発表によれば、被害はない、食べてもいいものしか出していないのだ、検査済みのものを市販しているのだということが言われている。と一方においてアメリカ等からは、アメリカは罐詰の輸入に対して云々というようなことも言われている。まぐろの輸入に対して非常に神経質になつているというようなことを言つている。日本人には食べてもいいということを頻りに、日本は騒ぎが大き過ぎるのだというようなことをアメリカが発表するかと思うと、自分の国内の罐詰その他に対しては非常に神経質になつております。こういうことになると国民というものは、そこに何とも言われない感じを受けるのでございますが、アメリカはその後罐詰等の輸入に対してどういうまあ態度で本当は臨んでいるのかどうかということが我々にはわからないのです。ですからその点を一つ明らかにしてもらいたい。これは全国民が、殊に家庭を預つている主婦の大きなもう迷いになつておりますから、言葉を飾るのではなしに本当のことをずばり、そのものずばりを御答弁を願いたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) まぐろの罐詰の輸出につきましては、これは又検査をいたしております。従つて今までのところは検査による被害、いわゆる放射能というのはなかつたのであります。従つてそれで行つております。ただ国内で不安を来たしておられるのは、一つのやはり心理的な影響が大きい、心理的な影響が大きい場合は、心理学的に考えましても、これは危いぞ、食べたときは下痢をしたりなんかするような、いろいろご専門の方がいらつしやるが、そういうこともあると思う。だからもう十分検査をして、今申上げたその表皮、それから内臓、えらまで検査をして、一応現在でやり得る最大の方法をやつておりますから、もう国民に心理的な一つ、不安もこの辺で解消して頂いて、そうして海産物、水産物に対しては十分安心しながら食膳に供するという心理的な動きをやはり一つ取り戻して頂かねばならんのじやないか。それにはその基礎付けになりまするような検査というものを当分続けて、その安心の度と併せてもう大丈夫というときまでやるべきものだというので、一生懸命実はそれをやつておる次第でありますから、国内の問題、アメリカの問題は今申上げましたように全部検査をしまして、輸出をしております。今までひつかかつたようなことはございませんが、そういう状態でございますから、この機会に一つ御了承頂きたいと思います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私はそういう答弁を聞きたかつたのじやないのです。アメリカは何にも被害はないのだと日本の食糧には言いながら、アメリカの輸入に対しては非常な神経質になつておる。これが国民に与える心理的影響は非常に重大だと、こう言うのです。それから今までは皮に、いつか参考人に来て頂いたときには、皮に放射能があるのだというようなことを言われていたのです。ところが最近、今まで皮に放射能があつたのに、今度は内臓から放射能が現われたというようなことになると、今度は肉に余計に国民は不安を持つと思う。それから最近来る魚が又いろいろ放射能を持つておるとか、或いは魚は持つていないけれども、帆柱だとか船だとかから放射能が出ておるというようなことが毎日の新聞に出ておるのです。これで国民に安心して魚を食べろと言つたつて、食べられつこないのですよ。ここが問題なんです。私はむしろアメリカが輸入を制限するなんてとんでもないことであつて、全部アメリカが買入れてくれたほうが却つていいのです。ところが、アメリカは輸入はやかましく言う。アメリカに出すものは厳重に試験をしておりますというが、アメリカに出す試験よりも、私たち国内の試験のほうを厳重にやつてもらいたい。ここに私は日本人の卑屈な考え方があると思う。日本の食品に対してこそ厳重な検査が必要なのであつて、アメリカが全部責任を持つて買上げたつていいのです。それがあべこべだから問題があるということを申上げたのです。  それからもう一つは、魚を捨てておりますが、捨てている魚の廃棄処分に対する補償ですが、こういうことはどうなつておるのです。魚を獲ることは水産庁の関係かも知れませんが、食品衛生から廃棄処分になれば厚生省の管轄でしよう。ということになると、今までのは当然生産されて、それが古くなつたからと廃棄処分をされても、その補償はしなくてもよかつた。ところが今度は新らしかるべきものを、労力をかけて持つて来たものを廃棄処分されているということになると、これの補償はどうするかということが第一点。  それから医療の関係で政府が今までどれだけの費用を負担しておるか。非常に金がかかるというお話でございましたが、不安なく治療ができるだけの用意が必要だと思いますが、それに対してのお考えをお伺いしたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 第一点の問題は、実はマグロの輸出は向うのバイヤーの関係でありますので、心理的には日本と同じであります。日本の国民の方が不安をしておる、向うも不安をしておるという、同じような心理現象でありまするから、そういう状態において同じように検査をするという態度をとつております。  それから医療関係は、直接治療費の額等も出ておりまするが、直接治療費以外に、或いは入院費についての小遣いも要りましようし、又それに対するいろいろな雑費的なもの、雑支出も要りましようから、相当額要ると思つております。焼津の費用、それから東大、国立第一のそれぞれの費用等も含めた費用を考えながら補償の中に入れて行きたい。で治療に要する費用は、一口に申しますと、余りちびらずに十分治療のできるようにして行きたいというふうにいたしておりますから、恐らく治療は十分徹底するようにいたされておるものと期待しておりますし、又そういたすべきものと考えております。  なお、お話の点、家庭等の問題につきましては、十分一つ注意をいたして行きたいと思います。  それから廃棄処分の問題は、食品衛生注における補償の関係になると、食品衛生法では補償の点は実は考えられない状態でありますが、併し全体として水産漁獲の問題になりますと、当然考えて行きたい。そこで政府といたしましては、これらのものも考えながら、それの実害を一応計算しまして、そうしてこれ又補償の対象にいたすべきものだという考えでまとめていたしております。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 衆議院の厚生委員会から再三要求がありますので、一つ簡明に願います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 私先日第一国立病院に厚生委員会を代表して湯山委員とお二人で行つたわけであります。患者のことは藤原委員からいろいろ御質疑になりましたから省略いたしまして、患者にとつて現在二つの重要なものがあると思うのです。一つは家族の生活費、それからもう一つは、何と言いましても一日も早く患者がなおる、こういうことだと思います。そこで患者がなおるためには、何と言つても適切な治療がなければならない。そこで私医者である関係で、向うの副院長及び内科医長、それから患者十数人を扱つておる主任といいますか、そういう方とほんの暫く懇談いたしました。その席で、責任ある医師として何を一番希望せられますかと、こういう質問を発しましたところが、こもごももおつしやいますことは、何と言つても非常にたくさんのお金がかかる。例えば或る患者のごときは、一日万を超えるような治療費が必要であると、ところが現在のところ我々は政府から何ら治療費に対する保険金の、そうした当然受けるべき面倒を見てもらつていない、従つて非常に巨額のこの方面の患者に対する費用が要つておると、それはどういうことかと申しますと、たくさんの何百人、何千人という患者を扱つておる病院としては、いわば水爆の患者にそうした金が要つて、而も病院には金がない。そうしますると、他の患者にしわ寄せが行くということも考えられるわけであります。先ずお金が欲しい、そういうことを国立病院の医師たちは言つておりました。昨日の安部キミ子さんの質問に対しまして、或るいは今月の藤原さんの質問に対しても、万全遺漏なきを期しておるということを言つておられますが、国立病院では全然そういうことは言つておりません。金がなくて困る、政府から金がもらえない。そういうことは、結局病院の他の患者に対する一つのしわ寄せというものが来るということも当然でございまして、何と言つても早く政府はお金をそうした方面にもつと廻すということを早急にやつてもらわなければいかん、こういうふうに私考えます。  それからもう一つは、看護婦の諸君に会いまして、或いは実際に診療しておる医師たちの話では、例えば十数人の患者の血液検査を毎日いたします。これは非常な細かい仕事でございまして、相当参つて来ております。従つて、人手が足りない。これは結局金の問題ですから、そういう方面にも一つ早くやつてもらいたい。実際今までに、例えば国立病院にどのくらいお金が行つておるのか、或いは今後どうしてそういうことを早くやるのか、そういうことを一つ御答弁願いたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) ちよつと速記をとめて下さい。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記を始めて下さい。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 先ほどの被害者の家族の生活費補償の問題での御答弁に関連してですが、実は静岡県との間に話合いをなさつておられるということですが、調べてみますと、静岡県の者が、地元の者が十八名と、他府県の者が五名あるはずでございます。これはやはり同じような措置をなされるのだとすれば、それぞれの県についてもなさつて頂かたければならないと思うのですが、この点は是非お願い申上げたい。  それから今の各委員の質問に対して大臣のおつしやつたこと、一応大臣のお立場としては現在のところそういう段階だと思いますけれども、聞いておりまして、すべてのことが何だか後手後手に廻り過ぎておるような感じがいたします。生活補償の問題にしても、今の医療費の問題にいたしましても、それからまぐろの検査にしても、初めは皮膚だけ、今度は内臓に行くと、こういうふうな状態だと、結局国民の不安というものは、いつまで経つても解消しない。今度は骨までやられるのじやないか、食べた人もやらなくちやならないのじやないかということになりますので、これは大きい立場からむしろ先手に出るように是非やつて頂きたい。これはまあ例え話のようですけれども、曾つて林子平が東京湾の水はテームス河に繋つているということを言つたことがありましたが、あれと同じように、結局こうなりますと、世界の空は共通でありますし、水はどこの水がどう来るかわからないというような状態にありますので、是非本当に国民を安心させるためには、どういうことがあつても大丈夫だという態勢を厚生行政の面でとつて頂く、又国務大臣としての厚生大臣はむしろそれよりも積極的にこの原爆の実験禁止ということを強く一つ御主張願いたい、そういうことをお願い申上げます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 今のような御趣旨から、実は先手を打つつもりでやつておるのですが、今のえらとか内臓とかいうのもそういう意味でやつたのであります。最初の間ぽつと来たものだから、上だけでいいけれども、もうちよつと時間が経つと、我々のほうも先手を、えらなり、或いは内臓の辺まで行こうじやないかというので、調べましたら、たまたま大分してからそれが出て来たと、こういう状態なんです。只今の御注意は十分尊重いたしまして、今後も努力をいたしたいと存じます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではこれでビキニ問題に関する厚生大臣に対する質疑は打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。……御異議ないと存じます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは清掃法案を議題といたします。御質疑を願います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 もう大体質疑はない段階で、大変恐縮なんですが、実は基地関係ですね。これは簡易水洗便所を使つておつて、基地の内部だけはきれいなような恰好になつておりますけれども、その周辺はそういう汚物が随分流れておる。本法が施行ざれた場合には、その基地に対しても適用されるかどうか。立川とか千歳とか随分ありますね。どこも皆そういう状態らしいのですが、日本の国民だけなんですが、その駐留しておる人に対してもやはり厳重にこれは適用されるのか、その点一つはつきりさせて頂きたい。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) お答え申上げます。本法案が施行されますれば、当然基地その他には適用されます。又外人の家等にも当然適用されるわけでございまして、今後基地或いは外人の家等で汚物等を川に流すというようなことは、当然この法律によつて規制を受けることに相成るわけであります。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そういうふうなことは、どういう方法で以て先方へ徹底させるか、すでにもうそういうことについては大体話合いができておりますか、その点は如何でしようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) まだ法案が成立もいたしておりません関係もありますので、これは基地関係或いは外人関係をも含めて、すべて未だ具体的な実施計画の段階に入つておりませんが、当然これはそれぞれ地方の実情に応じまして、ブロツク会議等を実施いたしまして、本法の趣旨の徹底を図りたい所存でございます。なお、更に通牒或いは講習会等の形によりましてその施行上誤りなきを期す所存でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 今のブロツク会議とか通牒とかいうのは、大体国内的な操作だと思うのですが、例えば日米合同委員会とか或いは外務省を通じて向うの大使館へ申入れるとか、そういうことも考えておられるわけでございますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) これは勿論現場的に必ずしも処理がし切れないような問題は、日米合同委員会なり、或いは外務省を通じてなり、先方に趣旨を徹底いたしまして、処置を図りたい所存でございますが、従来も、例えますれば立川の井水の汚染等につきましては、必ずしも現地だけで解決ができませんでしたので、私どもは日米合同委員会の議を経まして、あの問題を解決したような次第でございます。従つて、今後芳しさような問題がこの清掃に関してございますれば、当然さような措置をとりたいと存じております。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 去る三月二十三日付を以て、参議院の農林委員会よりの申入がありました。これはお手許にもあると思いまするが、その趣旨は、我が国の農業は古くからその慣行上、衛生上の見地から糞尿及び塵芥等を処理する場合には、相当多量にこれを利用している農業生産及び農家経済の現状に悪影響を及ぼす場合があるので、関係条項の運用に当つては、農業上支障を来たすことのないよう、厚生、農林両当局の完全な了解の下にこれを実施するように、当委員会として適当な処置をするようにとのことでありました。右は至極く尤もな申入れと思いますので、政府におきましては右の趣旨を十分取入れられて、本案の実施の場合においては、厚生、農林両当局の間で完全な了解の下にやつて頂くように願いたいと思いまするが、この問題に対する政府の御意向を明かにしておいて頂きたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 只今御指摘の点は、全く御尤もでございまして、清掃という観点から、農村の肥料需給に影響を来たすようなことは誠に困つたことでございますし、又一万屎尿処理の点から従来の農村の営農形式に相当な変革を来たすようでも、これ又極めて重大な問題と思われます。そこで私どもといたしましては、特に汚物使用の、屎尿或いは塵芥使用の制限をいたしておりますが、かようなものにつきましては事務的に現在まで農林省と相談をいたしまして、この法案実施の暁には、すべてそれらの事項につきましては農林当局とよく相談をして、通牒或いは基準等を定めるように考えておる次第であります。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は以上を以て打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。  それではこれから討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 私は本案の修正動議を提案いたします。その案の内容は、次の通りであります。    清掃法案に対する修正案   清掃法案の一部を次のように修正する。   第二条第一項中「市町村」を「市町村(特別区の存する区域にあつては、都)」に改める。   第六条第一項中「市町村」を「市町村(特別区の存する区域にあつては、都。以下同じ。)」に改める。   第七条中「市町村長」を「市町村長(特別区の存する区域にあつては、都知事。以下同じ。)」に改め、同条に次の二項を加える。  2 前項の命令に不服のある者は、当該命令を受けた後十日以内に、市町村長に対し、異議の申立をすることができる。  3 前項の異議の申立があつたときは、市町村長は、関係者の意見をきいて、当該異議に対する決定をし、これを異議の申立をした者へ通知したければならない。 第八条に次の一項を加える。  2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。第二十三条を次のように改める。  第二十三条 第七条第二顔(第八条第二項及び第十条第二項の規定により準用される場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する期間を経過した後(第七条第二項の規定による異議の申立があつた場合においては、その異議に対する決定があつた後)において、第七条(第十条第二項の規定により準用される場合を含む。)又は第八条の規定による命令に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。  以上の通りであります。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 只今の堂森さんの動議に賛成いたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今の堂森委員提出の動議は成立いたしました。よつて堂森委員提出の修正案を含めて御意見がございましたら討論中にお述べを願います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私は本案に左の附帯決議を附することの動議を提出いたします。案文を朗読いたします。    清掃法案に対する附帯決議案   清掃事業の徹底を期するため、清掃施設の整備に対しては、昭和二十九年度以降地方起債の増額を認むる等、資金融通の途を拡大すると共に、国庫補助の増額措置を講ずることを要望する。  以上の通りであります。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 只今の湯山委員の清掃法案に対する附帯決議案に賛成いたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 湯山委員の附帯決議の動議は成立いたしました。他に御発言はございませんか……。別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決いたします。  先ず堂森委員提出の修正案について採決をいたします。堂森委員提出の修正案に御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 全会一致でございます。よつて堂森委員提出の修正案は可決されました。  次に、湯山委員提出の附帯決議を採決いたします。湯山委員提出の附帯決議に御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 全会一致でございます。よつて湯山委員提出の附帯決議は可決せられました。  次に、堂森委員の提出修正案並びに湯山委員提出の附帯決議を除く衆議院送付の案について採決をいたします。堂森委員の修正意見並びに湯山委員の附帯決議を除く衆議院送付の案について、御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 全会一致と認めます。よつて本案は修正議決と決定いたしました。  それから委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。    多数意見者署名     大谷 瑩潤  藤原 道子     高野 一夫  谷口弥三郎     西岡 ハル  横川 フク     廣瀬 久忠  安部キミ子     湯山  勇  堂森 芳夫     有馬 英二

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 署名洩れはございませんか。……署名洩れはないと認めます。  なお、本会議における委員長の口頭報告については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に、あへん法案を議題といたします。御質疑を願います。……別に御発言もないようでございますから、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。

大谷瑩潤自由党

○大谷瑩潤君 私は本案を左の通り修正するの動議を提出いたします。    あへん法案に対する修正案   あへん法案の一部を次のように修正する。   附則第一項中「四月一日」を「五月一日」に改める。   附則第十八項中「第七条第十六号」を「第七条第十七号」に改める。  以上の通りであります。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 只今の大谷議員の修正の動議に賛成いたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは只今の大谷議員提出の修正動議は成立いたしました。なお、御意見がございましたらお述べを願います。  ……他に御発言がございませんようですから、討論は終局したものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決いたします。  大谷議員提出の修正動議に御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 全会一致可決いたしました。  なお、大谷議員提出の修正動議以外の衆議院送付の案について採決をいたします。大谷議員提出の修正動議を除いた衆議院送付の案について御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 全会一致と認めます。よつて本案は修正議決したものと認めます。  なお、委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。    多数意見者署名     大谷 瑩潤  藤原 道子     高野 一夫  谷口弥三郎     西岡 ハル  横山 フク     廣瀬 久忠  安部キミ子     湯山  勇  堂森 芳夫     有馬 英二

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御署名洩れはございませんか。……御署名洩れないと認めます。  なお、本会議における委員長の口頭報告については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは、次にらい予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 らい予防法の一部改正に対しまして二、三の御質問を……。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) ちよつと申上げますが、政府委員が来ていないのですが、如何いたしましよう。(「次回」と呼ぶ者あり)

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 それでございましたら、私少し質疑がございますからして、実はこの次の十五日の日はおりませんので、来週の月曜以後にして頂きたいと思います。そのようにお願いしたいと思います。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは政府が来ないのだから、二十日過ぎに延ばしましよう。本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会

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