P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
19回国会参議院1954/04/09

厚生委員会 第25号

発言数
42
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/04/09

会議録

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは只今から厚生委員会を開会いたします。  最初に、前理事の藤原道子君の後任理事互選を行いたいと存じます。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 理事互選の方法は成規の手続を省略して、委員長の指名をせられんことの動議を提出いたします。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今の安部委員の動議の通り、理事互選の方法は成規の手続を省略いたしまして、委員長指名とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは私から指名いたします。理事藤原道子君の後任として湯山勇君を理事に指名いたします。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは清掃法案を議題といたします。御質疑を願います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 楠本環境衛生部長にお尋ねしますが、現行法の汚物掃除法ですね、これは清掃法が成立しますると廃案になるわけですが、掃除監視吏員は汚物掃除法の第五条におきまして、「市ハ汚物掃除ノ施行及実況ヲ監視セシムル為必要ナル吏員ヲ置クベシ」と規定しております。この監視吏員の職務範囲は、同法第六条に土地の立入監視が規定され、更に同法施行規則第十条の規定、並びに第七条における執行の権能等より考慮しますると、今度の清掃法では環境指導員になりまして、非常に仕事が変つて来ると思うのですが、そうしますると、まあ変つて来るわけですが、従来の監視吏員というような仕事を環境指導員が兼ねるといたしましても、保健所がない市においては、そういう指導員がないわけですが、そういうような保健所がないような市では一体どうなるんですか、御答弁願います。ちよつとくどくとしてわかりにくいかも知れませんが……。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) お答えを申上げます。成るほど現行汚物掃除法におきましては、只今御指摘の通り掃除監視吏員を置きまして、これらの吏員に土地の立入り、或いは場合によつては代理執行の権限等を与えてあるわけでございます。而もこれが法律に基きまして置かれておるわけでありますが、ところが今回の清掃法案におきましては、かような市町村に置くべき一般市町村に対しては、何ら監視吏員を置けというような規定はございません。併しながら、一方都道府県に対しましては清掃指導員を置く規定に相成つておりますが、ここで申上げたい点は、現行法におきまする掃除監視吏員は、これは市町村の設置すべきものでありますが、今回の清掃法案におきまする清掃指導員は都道府県が置くべき職員でございまして、この間に何ら関係がないわけでございます。ただ今回新らしく清掃指導員を府県に置くことになりました関係で、従来経験のある専門家を清掃指導員として任命をしたいというような関係で、或いは従来市に勤務いたしておりました監視吏員がかようなほうに転ずる者はあるかも知れませんが、本来はこれは関係のないものでございます。そこで問題、現行法においてはかように市町村に吏員を置くことを強制をしておるのに、新らしい清掃法案においてはかような規定がないではないかという点に対して、確かにこれは御疑問のあるところだと存じまが、これは私どもいろいろ熟考いたしました結果、市町村に対しましては清掃義務というものを基本的に義務付けてございます。併しながら市町村は自体これは地方の自治団体でございますので、これらの内容の、作業のやり方等につきましては法で規制をする、特に職員の設置を市町村に対して法で強制するというようなことは、地方自治の建前からも必ずしも妥当な線ではあるまい、かような結論に基きまして、あえてこれを削除したわけでございます。従つて今後はこれらの監視吏員の設置は、法律の建前から申しますと自由ということに相成りますが、併しながら今回の清掃法におきましても、市町村に対して清掃義務を強く義務付けてございますので、市町村は一層あらゆる面から熱心に清掃事業をしてくれるものと期待をしております。そこで従来多数の監視吏員がおつた、或いはその下に多数の人夫がおつたというようなものを更に縮小してしまうというような事態は当然生じないという一つの考え方に出発をしております。  なおこれらの問題に関しましては、行政指導としては法律で強制しなくても、十分に市町村を指導しなければなりませんので、私どもといたしましては、今後たといこの吏員の設置が義務付けられなくても、市町村はよりよくこれらの職員の充実を図り、その素質の向上を図つてくれることを期待いたしておる次第でございまして、なおこれらの問題に関しましては、改正法の清掃法におきましては、総括的な責務といたしまして、第二条に市町村の義務の中に明記してある次第でございます。甚だ説明が廻りくどくなりますが、かような考え方に立つて法案を整理をした次第でございます。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 そうしますと、厚生省は清掃法の第二条で市町村に強い義務付けをしておるから、当然従来の汚物掃除法の規定しておつたそういうようないろいろな措置は当然講ずる義務がある、こういうふうに御解釈になるわけでありますか。実際において厚生省当局は市に対して何か条例などをきめて、そうしてこの清掃について、従来汚物掃除法でやつていたと同じような何かこういう指導的な努力をされる、こういうわけでございますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 全く御指摘の通りでございまして、今後私どもは立派な条例を作りまして、それぞれの市が必要な職員を置いて清掃事業に努力することを行政指導として十分に徹底さしたい、かような所存でございます。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 もう一つお尋ねしておきたいのですが、環境衛生指導員ですね、それは一体どんな人か。ということはどのような履歴というか、学識というか、そういう一つの資格をあなたがたは描いておられてきめておられるか、その点一つ。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○政府委員(楠本正康君) 今後清掃事業というものはいろいろな面から衛生工学を基盤といたしました技術行政として進展して行くべきものと考えておりますので、清掃指導員は、これは勿論技術者として清掃事業の指導に当るのが建前でございまして、従いまして私どもとして清掃の内容として目下考えております点は、目下は差当り例えば清掃事業に何年以上携つて、公衆衛生院等で行いまする国の指定いたしましたコースを終えた者、或いは医師等で従来これらの業務に若干期間従事しておつた者、或いは大学の工学部を卒業した者、或いは薬剤師或いはその他の技術者で従来かような職業に若干の経験を持つておつた者というようなふうに取りあえずは考えたいと存じております。併しながら将来逐次その政令を改正いたしまして、将来におきましては、相当高度の技術者を以て充実さしたいという希望は持つております。併し差当りは現在従事しておつた者、或いは若干の公衆衛生院等のコースを経た者というふうに、極めて実情に即して考えておる次第であります。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 以上であります。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではちよつと速記をやめて下さい。    午後一時五十八分速記中止    —————・—————    午後三時三分速記開始

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 速記を始めて下さい。  清掃法案は本日はこの程度にしまして、次にあへん法案を議題といたします。御質疑を願います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私は勉強してないので、変な質問かも知れませんが、麻薬取締官、麻薬取締員とあへん監視員というものの関係はどうなりますか、例えば麻薬取締官があへん栽培者なんかの所へ行つて取締ることができるかどうか。又あへん監視員があへん監視のためにたまたま麻薬違反のいろいろな事件にぶつかつた場合にその取締りができるかどうか。その辺の関係は何かはつきり区別しておりますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 麻薬取締官、それから麻薬取締員、それから薬事監視員、そういうふうなものの中からあへん監視員の指定をいたすわけであります。厚生大臣又は都道府県知事が指定いたすことになりますが、それであへん監視員と称する係員は新らしく設置されるわけじやございませんので、そういうふうな他の職員にありまする者をあへん監視員というふうにいたして、そうしてあへんの取締に従事させる、こういうことに相成るわけであります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 そうすると、その中からあへん監視員を特別に選定するとすれば、例えば一方において麻薬取締官であり、一方においてあへん監視員になる、こういうわけですか。或いは一方において薬事監視員であり一方において又あへん監視員になる、こういうことになるわけですか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) さようでございます。麻薬取締官なり、麻薬取締員なり薬事監視員の中から一定の者を指定してあへん監視員、こういうことになるわけでございますから、その人間は片一方において麻薬取締官であり、薬事監視員であり、而もあへん監視員という職務を持つわけであります。それは、今申上げましたのは、行政取締りの面でございまして、条文で申しますと四十四条の辺の問題でございます。それで司法警察権のほうはこれは麻薬取締官並びに麻薬取締員が両方をやる。麻薬につきましても、あへんにつきましてもやる、こういう恰好になるわけであります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 そうすると、その麻薬取締官があへん監視員を兼ねた場合と、薬事監視員があへん監視員を兼ねた場合とではやり方が違つて来るわけですね。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) はあ。御質問の御趣旨を或いは取違えておるかも知れませんが、薬事監視員があへん監視員を兼ねておりました場合には、これはいずれも行政取締りの権限しか持つておりません。従つて司法警察権は持たないということに相成るわけであります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 それじやそのあへん監視員のところでもう一つお尋ねしますが、そうしますと、やはり麻薬取締官、司法警察権を持つたものをあへん監視員に兼ねさせるほうが取締上は適切じやないかと思いますが、それとも人数の関係もあるわけでしようが、多くは薬事監視員から選定することになりますか。大部分は麻薬取締官を兼ねさせることになりますか。大体考えておいでになる構想はどういうようなところですか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 麻薬取締官並びに麻薬取締員は私の只今考えておりまするところでは、特別の例外は或いはあるかも知れませんが、全部をあへん監視員としたい、かように考えております。併しそれだけでは御承知のように百五十人と百人でございますから、人数が二百五十人ということになりまして、不十分であるかも知れない、そういうような場合に行政取締りの完璧を期する必要ありというような場合には薬事監視員の中から任命して参りたい、かようなつもりでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 大体けしの栽培を許可するということになつて、これは実際問題としてどれだけの反別を取りあえず想定しておられるわけですか。どれくらい作らせれば取りあえず間に合う、国内市場に十分供給ができるというふうに考えられますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) これは衆議院の厚生委員会でもさような御質問もあつたわけでございまするが、結論を先に申上げますが、当面の私どもの考えといたしましては、今回あへん法をお願いを申上げまして、けしの栽培ができるということに建前をいたして頂きますけれども、これによつて急激に非常に広い範囲においてけしの栽培を再開いたして行くつもりはないのでございます。と申しますのは、万一この栽培によつて上りましたあへんが横流れをいたしましたり何かいたしまして、まあいわゆる密売の対象になるというふうなことにでもなりますると、これは相当な問題でございまするし、又国際間の何と申しますか、あへんの問題、麻薬の問題につきましては、終戦前まで日本は国際間におきまして非常に不信用を買つておつたのであります。終戦後ずつとこの問題につきましては次第に信用を回復して参りまして、そこにけしの栽培を再開して、それが又いろいろと不正なほうに流れたりなんかするというようなことになりますと、国際間の信用というふうなことにも関係をいたしまするので、私どもといたしましては、取締りのできる程度、我々の取締りの能力の限度において再開をいたして参りたい、大体そういうふうな気持でおるわけであります。この点につきましては、衆議院の厚生委員会におきまして、非常に覚醒剤等の中毒化が非常に大問題として叫ばれておる折から、又かようなけしの栽培を再開いたすというふうなことによつて、勿論これは外貨の節約等ということになるのであるけれども、まあどんなものであろうというふうな非常に御心配なさる観点からの御質問も非常にたくさんあつたのでございます。その場合に、私今申上げましたような私どもの只今の方針というものを縷々御説明を申上げまして、十分御了解を得たわけなのでありますが、従いまして、只今私どもが考えておりますることは、この第何条でございますか、地区並びに面積を厚生大臣が指定することになつております。その地区並びに面積につきましては、大体立地条件等を勘案いたしまして、曾つてけしの栽培を盛んにやつておつた、そういうふうな所を大体重点として考えまして、而もその耕作反別は徐々に拡げて参る、その実際に栽培をいたしました結果とよく睨み合せながら徐々に拡げて参りたい、かように考えておるわけでございます。このことは今のような方針、私どもの行政方針から要請されるところでもありますると同時に、又実際問題といたしましても、けしの栽培をやめましてから、もう八、九年たつておりまするので、戦前のようないい品種が直ちに期待できるかどうかというようなことも相当問題でございまするし、それから栽培技術というふうな点につきましても、そうこの技術に熟達した人がほうぼうに求められるわけでもない。まあさようなことから実際問題としてもそう急激に広い範囲においてこの栽培を再開して参るというふうなことはできないのではないか、まあかように考えておるわけであります。ちよつと前にも予算の説明のときにでございましたか、この委員会でお話申上げたことがあるのでございますが、大体戦前におきまして、日本が一番たくさん耕作をいたしておりましたときが千五、六百町歩、これが最高であるようにまあ私ども聞いておるわけでありますが、この程度になりまするにはこれはなかなかそう急激には参らない。今申上げましたような諸般の事情を勘案して徐々に区域を拡げて参りたい、まあかような方針でおるわけでございます。従いまして、来年この法律が通りまして、差向き問題になりますのは本年度、今年の秋に種を蒔きまする場合に、まあどのくらいにするかということをきめなければならない、今何町歩ということを正確には考えておりませんけれども、大体和歌山とか大阪とか、戦前やつておりました所で、先ず全国を通じて何と申しますか何百町歩、百町歩になりますか、二百町歩になりますか、三百町歩になりますか、まあその辺の極く僅かな耕作反別ということに相成つておるものと今のところでは予想をいたしておるわけでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 それでは数字的にお伺いいたしますが、現在日本においては国内需要、消費のためにこのあへんとしてどれくらい必要でございますか。そしてそれが全部そのままそつくりその数量が輸入されて賄つておられるわけでございますが、そうすると、その輸入の数量と金額は……。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 戦前の我が国におきまするあへんの消費量は大体三十五トンから四十トンくらいのところを消費いたしております。昭和十六年であつたかと記憶いたしまするが、最高がこれが五十五トンくらいまで消費をいたしております。併し終戦後になりまして、これはいろいろな事情からでございますが、非常に減りまして、只今までの、一昨年度までの状況は非常に少うございまして、五トン乃至十トンというところで実はやつて参つたわけでございます。これにはいろいろ事情がございますのでありますが、それで昨年の四月に現行の麻薬取締法が改正になり、施行いたされまして、麻薬の取締りにつきまして、前の麻薬取締法がとつておりましたような非常に苛酷な、まあいわば行過ぎたような扱い、非常な窮屈な扱いというものを勘案いたしましたりいたしましたものでございますから、従いまして麻薬の使用者というものも非常に殖えて参りまして、昨年度の状況は約二十五トンを消費いたしました。で大体だんだんと平常な消費量に近付いているものと昨年の状況から考えております。それで私ども今後の見通しといたしましては、まあ二十五トン乃至三十トンくらいのところが大体の消費量に相成るのではあるまいか、或いはそれ以上に参るかも知れませんけれども、その程度でありますれば、少くともこの医療用に、重要なる医療に事欠くことはない。大体こういう見通しを持つております。  それで然らば今日の、今来年の需給の見通しはどうかということでございまするが、私ども只今国内に保有いたしておりまするあへんは十トンくらいでございます。それで予算で御審議を頂きましたように、輸入をいたしまするために一億円の予算をお願い申上げております。これで大体一〇%含有といたしまして、十六、七トンくらい買えるのじやないかと、これはまだ商談をいたしておりませんので、正確なところはわかりませんけれども、十六トンくらいは大体買えるのじやあるまいか。そういたしますると、今年度二十五、六ドンのものは確保いたすということになりますので、今年度のこのあへんといたしましては、何とか窮屈ではありますけれども、やつて参れるものと、かような見通しをいたしておるわけでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 そうすると、現在はそれを全部需要量を輸入で賄つておるわけですが、大体二十五トン乃至三十トンというものが平均一カ年の需要量であるとするならば、これは全部国内で賄うといたしますれば、どれくらいの町歩が必要ですか。千五百乃至千六百が戦前の最高の町歩であつたというお話でしたが、どれくらいの反別を植えさせれば、二十五トン乃至三十トンのあへんの需要が国内において賄えるかどうか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) これはそのけしのでき工合、その品種がどの程度あへんを含有しているかというような、いい品種の育て工合というようなこともいろいろ影響するわけでございますが、大体戦前の程度に参るものと仮定をいたしますれば、千五百町歩、二千町歩くらいを必要とするのではあるまいか。これは細かい計算をいたしておりませんですけれども、大体の大まかな数字といたしましては、その程度の耕作反別を必要とするものだと考えております。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私ばかり質問して申訳ありませんが、麻薬課長にお伺いしたいのですが、私先般公安調査庁の長官やその他の人においでを願つて、ここでいろいろお話を伺つたことがあるんですが、中共から日本に密輸されるあへんのままの数量というものは、この三十トンとかいうようなものでなくして、密輸の量が相当莫大に上つていやしないかと想定をされておるのでありますが、数字も挙げられましたが、ここに記録をしたメモを持つて来ておりませんので、忘れましたが、そういう点について何か取締上扱われたことがありますか、密輸に対して……。

市川可知男厚生省薬務局麻薬課長

○説明員(市川可知男君) お答え申上げます。中共からの密輸につきましては、情報は多数ございますし、又国連におきましても、アメリカ側、ソ連側からそれについての事実であるとか無実であるとかいう議論があるのでありますが、私どものほうで現在取締りをやつておる点から言いますと、香港経由でヘロインが相当入つておるように思うのであります。事実相当量のものを港その他で挙げておるのでありますから、これは向うの中共の政府その他と関係があるかどうかということはまだはつきりつかんでいないのでありますが、現実に大陸から相当のヘイロンが入つているということははつきりしておるのであります。  なお、あへんにつきましては、あへんそのもので入る例は極めて少いのでありまして、年々極く僅かなあへんは入つておるのでありますが、大部分のものはヘロインという形で入つて来ております。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 大体只今のお話でよくわかりましたが、このあへん法を見ますと、甲種研究栽培者というのがありますが、この乙種というのもございますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) ございます。第三条のところに定義がございまして、第三条の第六号が甲種でございます。「あへんの採取を伴う学術研究」、乙種のほうはこれはあへんの採取を伴わない、まあ例を申上げてみますと、けしをどういうふうにしてよく育てるかというふうな植物学的な研究者、あへんをそれから取ることを目的としない研究者というものを乙種としております。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 只今のお話もございましたが、このあへんの中に一〇%以上のモルヒネを含有しているというような優良なけしのできる所は、大体戦前の状況でわかつておりましようが、どの地方が一番いいのができましたですか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 大体戦前の模様は、日本でけしを作りましたうちの八割ぐらいまでが和歌山、大阪というふうな県でございまして、その他兵庫県でございますとか、岡山、広島でございますとか、愛知でございますとか、そういうふうな所でございます。それで従いまして品種といたしましても、御承知のように一貫種というようなものが、たしか和歌山県あたりでだんだんと固定されて来たのじやないかと考えております。大体そういうふうに考えております。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 そうしますと、大体この栽培者などは、この法律でまあ一年一年で許可になるようでございますが、大体これはもうさようなふうの知識を持つた者とか、或いはそれに経験のある者でなければならんわけでございますからして、大体もう栽培者というものはずつと連続してやつて行くような状況になりますか、如何でございますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) まあ大体そういうことに相成つて参るのではないかと、今想像いたしております。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 もう一つ伺います。満州などでけしを栽培している所をちよつと見ますというと、如何にもこう余り土地の肥えておらんような畠を主にやつているようでございますが、日本でも或いは千町歩とか千六百町歩とかいうものを使うのであつたら、大体その土地はそうほかのもののできんような土地を主に使つているのでございましようか、如何でございましようか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 土地柄がどういう土地柄が一番適しているのか、私も余りよく承知いたしませんが、大体今までやつておりましたのは、稲の裏作で麦をやつたり、けしをやつたり、そうしてその取つたけしがらを又畠に、田圃に鋤き込むというふうなうとをやつておつたそうでございます。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 わかりました。結構です。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 この法律の条文の中ですが、十九条に耕作者は「採取したあへんを国に納付するまで、かぎをかけた堅固な設備内に収めてこれを保管しなければならない。但し、乾そう中は、かぎをかけた設備内に保管する」、同じようなことが三十六条にも、麻薬製造業者は所有又は管理するあへんを、「かぎをかけた堅固な設備内」、第二項は「けしがらを、かぎをかけた設備内こ收めて」と、こういうふうに「かぎをかけた設備」とか、「かぎをかけた堅固な」とかいう表現が使つてあるのです。而もこれがかぎをかけたか、かけないかということが非常に大きく響くのは、この罰則規定の五十八条、それから五十七条、この両方とも、結局この設備にかぎをかけたか、かけないか、こういうことが影響して適用されるかされないかということになるのですが、まあほかの法律にも、麻薬取締法にはかぎをかけた云々ということがあるそうですけれども、これは一体どういうことを意味するのでしようか。簡単に考えれば簡単なようですけれども、このことによつて罰則適用ということになれば、これは相当重要な問題だと思いますが、これについてはどういうふうに解釈しておられますか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 御尤もな御質問だと拝承いたします。三十六条のほうから御説明申上げると、これは御了解頂けると思うのでありますが、三十六条は今御指摘のように麻薬製造業者のことを申しておりまして、これは従来麻薬取締法で取締つておつたわけでございます。それで今回麻薬取締法の中からあへん、けしがら等を抜き出しまして、あへん法というもので取締つて頂くということになりましたので、これは麻薬取締法に従来ありましたような規定をこちらに又持つて参つたわけでございます、三十六条のことにつきましては……。それで麻薬取締法で現在取締られておりまする麻薬製造業者のあへんの保管倉庫と申しまするものは、一定の基準を示しまして、実は非常に厳重な、大体現在ありますのは全部鉄筋で、そうしてかぎも御承知の金庫式のかぎというようなもので設備をいたしております。さようなわけ合いでございまして、こちらのほうにつきましては、従来習熟をいたしておる一つのこれは規定である、その適用される実態というものもすでにサンプルができておるというような恰好に相成つております。それと同じような条文を十九条のほうにこれは新たに設けることになるわけでありますが、大体同じような思想ではございますが、片方は麻薬製造業者という今日大きな大会社でございまして、片方は耕作者、研究者というようなことでございますから、おのずから要求される設備の程度におきましては、これは若干相違があつても然るべしと存じますけれども、厳重にこれを保管いたしまして、事故を完全に防止する程度のものはどうしてもこれはやつて頂かなければならん。そのためには各個人々々でやることがむずかしければ共同でさようなものを設けるというようなことにでもいたしまして、事故を防止するに万全の設備というふうなことに考えて参りたい、かように存じておるわけでございます。その辺のところはその第二項にございます厚生省令で細目の規定をきめることになつております。この省令を制定いたします際に、けし耕作者の実情というものとこの事故を完全に防止しなければならないという要請とをよく勘案いたしましてこの省令の中等で定めて参つたら如何かと、私はかように考えておるわけでございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは本案については本日はこの程度にいたします。  これで散会いたします。    午後三時三十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗