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19回国会参議院1954/10/21

厚生委員会 閉会後第9号

発言数
94
登壇者
11
会派数
3
開催日
1954/10/21

会議録

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 只今から厚生委員会を開会いたします。上條委員長が不在でございますために、私が本日の委員長を代理いたします。  新医療費体系に関する件を議題といたします。前回保留になつておりました山下委員から厚生大臣に対する質疑をお願いいたします。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 前回、政府当局の御出席の際に、新医療費体系と医薬分業との関係につきまして、いわゆる可分か不可分かということをお尋ねいたしたのでございます。最近私ども拝見いたしました衆議院の御審議の際におきまする大臣並びに関係局長のこの問題に関しまする質疑応答も、一読いたしましたのでございますが、率直に申上げまして、未だ判然といたしませんので、前回委員会で伺つたのでありますが、可分のごとく、不可分のごとく、いずれにもとれるような御答弁でありました。本質的には、新医療費体系というものは、必ずしも医薬分業とは関係ない。併しながら今回政府御提出になりましたこの新医療費体系の構想というものは、言うまでもなく、医薬分業の前提になる。これなくしては医薬分業はできないのである。その点においては不可分である、こういうことで御答弁が一貫しておるようでございます。然らば医薬分業が或いは予定のごとく実施を見ることができないようになつた場合に、新医療費体系というものは切離して実行に移されて行くものであるかどうかということのお尋ねをいたしましたところが、その点が明確を欠きますのでございまして、改めて本日は厚生大臣からその点に対しまする明快なる御答弁を承わつておきたいと、かように考える次第でございます。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 御質問の新医療費体系と医薬分業の関係でございますが、これは前々から申上げておりまするように、理論的には新医療費体系だけで実施し得るものであり、又実施すべく考えるものであります。従つて従来ともさような御答弁を続けて参つた次第でございます。  そうすると、医薬分業との関係においての立場から今回御報告申上げておりまする資料に基きました新医療費体系との直接の関連性でございますが、理論的には新医療費体系だけで勿論実施し得るものであり、又実施しようと思つたらできないことはないと存じます。ただ今回、明年の一月一日に迫つておりまする医薬分業、俗に申しまする医薬分業の実施に当りまして、お示しのように、これが別に考えられて、これだけ、新医療費体系だけを実施するかどうかという場合におきましては、私ども実はそのときになつて更に十分検討いたさにやならないとは存じまするが、只今の気持におきましては、十分いろいろな点を検討いたしました結果、これは別に実施するということは妥当ではないことなんで、従つて何と申しますか、不可分という形で考えて行くほうが適当ではないか、かような考えを持つておるのであります。いよいよその状態になりまして、更にこれを検討する機会にあると存じまするけれども、併し只今私どもの持つておりまする心持を実ははつきり言えというお話でございまするから、この機会にお答え申上げます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは非常に重大な御言明を頂いたものと思うのであります。この新医療費体系と医薬分業とはこれは切離せないのだ、だから医薬分業をやるということになれば、もとより絶対不可分、必要であるがやらんということになれば、この新医療費体系というものは用いないのだ、やめるのだ、こういう御答弁と承わつたのであります。そういう御方針でありまするならば、それもはつきりとした御方針でありまして、私どもはその御方針の上にこの政府提出の御資料を検討いたさなくちやならない、又医薬分業の実施そのものにつきましても、併せて関連して検討いたさなければならんのでありますが、なおこの際承わつておきたいと思いますことは、どうしてもこの医薬分業が何かの都合で予定のごとく実施を見ることのできない場合には、この新医療費体系をやめにするのだ、実施しないのだという理由でございます。これは承わつておく必要があろうかと思うのであります。それは今回御提出の新医療費体系の資料の御説明の中には、新医療費体系につきましての目的の御説明があるのであります。新医療費体系は何を意味するものかということはしばしば先般の御説明で承わつたのでございますが、つまり大臣の仰せになりましたのは、調査会の答申にあるごとく、医療に対する適正なる支払方式の確立、これは新医療費体系そのものの御説明であります。その通りに承わつております。ところで、そういう医療に対する適正なる支払方式の確立は何を目的にやるのであるかということになりますと、御説明の中に極めて簡単であるが、医療の向上に寄与するのだ、こういうことがある、これが目的である。私は実はこの新医療費体系に対する政府のお考えを承わり、これから研究さして頂く場合に、この目的について十分一つ当局の抱負を承わりたいと考えておつたのであります。何としても立派な目的だ、我が国の医療の向上に寄与するというのでありますから……。現在の医療費の制度ではその点に欠くるところがある、裏からいえば欠くるところがある。この新らしき制度によつてこそ医療の内容の向上が期せられるのだということがお示しなされてある。今回御提出の御構想の、医薬分業に直接必要なる部分のみを第一次的に御構想をお取りまとめになつたのでありますが、それは部分的な問題、新医療費体系の構想を打ち立てられた目的は、医療の向上に寄与せんがためであるという大目的が掲げてある。私どもその点につきましては非常に共感を覚えるものでありますが、それが分業と運命を共にいたしまして、分業ということがその実施につきまして影響をごうむるような場合には、新医療費体系というこの考えは捨てるのだという。これが私どもにはどういうお考えであるかということが、只今の御言明ではなお呑み込み得ませんので、その点を一つ明快に御答弁おきを願いたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 今度実は御報告申上げておりまする、又御審議を頂いておりまする新医療費体系は、只今いろいろ御説明のありましたように、私どももさような意味で御提出申上げておるのであります。而も差迫つた問題といたしましては、明年の一月一日から医薬分業が実施されるという前提の下に、これの実施の最小限度のと申しますか、最大限度に必要な医療費体系の基礎付けというものが今回出されたのでございます。従つて医薬分業と全然離しました意味における医療費体系が、これのみで実施いたしますると、これはいろんな点から、先に申上げましたが、考えてゆかにやならない点もあろうかと存じまするが、この新医療費体系を現在の医療費支払体系から、或いはその区分からすつかり切り離して、これだけで実施するという場合においては、医療の向上には勿論資する点もありましようが、不十分でありはしないか、いわゆる医薬分業と即応してこれを実施するところに、今回の一つの私どもの御審議を頂いておる狙いの大多数を持つておるのであります。これを全然切り離してやりまする場合におきましては、おのずから又新医療費体系に対する考え方も、おのおのの論議の分れ目もあろうかとも存じます。新医療費体系の実施の万全を期しまするためには、いわゆる医薬分業と併せてやつて行くところに一つの狙いがあり、効果と申しますると言葉が或いは不十分かも知れませんが、適正なる運営ができるのであると、かように考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私どもといたしましては、医薬分業がなされようとなされまいと、現在の医療報酬制度につきましては、多くの改善する余地があるということは、もう先年来これは各界の一致する定説でありまして、時期が来ればこれは合理化して行かなければならんということは、かねての宿題なのであります。それで新医療費体系というものは、理論から言いますと、医薬分業は一つの大きなウエイトを占める形態ではありましようけれども、併し医療報酬制度につきましての改善ということは、もう長く言われておることなのであります。今回の新医療費体系の政府のお考え方につきましては、いろいろ具体的な点につきましては問題がたくさんあると思いますが、併しその考え方の進歩的な、或いは前進的と言いますか、ともかくも現状を打破して、少しでも改善方向へ進もうとするその進歩的態度というものにつきましては、一流新聞紙等におきましても、その点はこれを認めておるのであります。従いまして医薬分業の実施がどうなろうと、我が国の医療の向上のために、而して各医師諸君におきましても、現在の報酬制度を必ずしも満足していない、それらの点から考えまして、これはどうしても改善して行かなければなりません問題でありましたのが、今の御説明では、ともかくも医薬分業ができないということになれば、新医療費体系というこの考え方は一応御破算にするのだということは、私は誠に一つのお考え方でありまするが、一面から申上げますと、非常に遺憾に存ずる点があるのであります。  併しこれは又議論になりますから、他日にそういう考え方を申述べて記録にとどめて置くわけでありますが、さて伺いますることは、この新医療費体系の実施は医薬分業と不可分で、同時に実施するわけでありまするから、今の御説明では……、そうすると、これの具体的新医療費体系の実施についての手続といいますか、段取りといいますか、こういうものは大体どういう順序で、どういう時期に御実施になるというお考えでございましようか。例えば審議会におかけになる、審議会のお見通し、結論はいつ頃にこれをお出しになるか、或いは又保険局等におきまして具体的な点数表の決定等、いろいろその他の作業をされるということは、いつになるのであるか、いつ終るのであるか。医薬分業の実施は、法律は明年一月一日ということになつておる。新医療費体系も或いは一月一日の実施の厚生大臣告示になるのでありましようが、併し諸般の手続はその前に終了されていなければならんと私は考える。一方のほうの実施は法律に明記してある。それでこの新医療費体系の実施につきましては、私はよく行政部内のことは存じませんけれども、実施期日は医薬分業と同じように一月一日としましても、それらの手続、或いは省内においての事務の決定、諸般の御準備は一月一日前に完了していなければ、私はできないように思うのでありますが、そういうことに対するお手続やその他の方法はどうなさるのか。今の法律のままでございまするならば、一月一日に自動的に医薬分業は法律によつて実施される。実施に必要なるところのもろくの諸条件は、新医療費体系のみではございません、その他の諸条件も早くこれらが決定されまして、それぞれの機関にこれがお打合せでありますとか、或いはその趣旨が徹底する運びにならなければ、私は真の実施はできないように思います。ただ不可分にするからといつて、これらの実施を一月一日から施行するという字だけを書いたのではいけませんので、全く不可分に実行いたしますために、諸般の令達といいますか、示達と言いますか、それぞれこれらの趣旨が実施に支障のないように、御準備が進捗しなければならんと思うか、そういうことに対するお見通し、御予定というものは、どういうことになるのであるか。政府の御都合、お見通しをこの際承わつておきたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) この新医療費体系を基にいたしまして、いろいろ今後作業或いはお話のように準備を進めて参るのでございますが、この新医療費体系をこの委員会においていろいろ御検討を頂き、私どものほうといたしましては、大体の見通しをざつくばらんに申上げてお許しを頂きたいと存じますが、十一月の上旬、十日頃までには中央社会保険医療協議会に諮問いたしたいと存じます。これは新医療費体系は直接これが影響いたしまするのは、保険関係に影響いたして参る次第でございます。一般の自由診療におきましては、徐々にそういうふうに転換して来ると存じまするが、直接関係しまするのは、どうしても一月一日からのいわゆる医薬分業に間に合うようにいたしまするために、保険関係に影響して参りまするので、従つてこの新医療費体系の細かく割出しておりまする何点何分何厘何毛という零点以下を、普通支払の容易な点数にこれを翻訳して変えまして、そうして支払の可能なほうにこれを変えてもらわなければならん。それを変えまする原案を作つて、それを中央社会保険医療協議会に大体十一月上旬頃にかけたい。中央社会保険医療協議会におきましてこれを十分検討いたして頂いて、そうして実際の支払の点数というものがそこで現われて参る。そこで基本の点数ができまするから、それから先はそれぞれ地方に徹底いたしまするような準備をとつて参りたい、かように考える次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そういたしますると、私の伺いますのは、今御予定等のおつもりはよくわかりましたのでありますが、こういういろいろ事務的な手続その他の細かい具体的なことが決定せられまして、実施に移す御準備にだんだん相成りまして行きますと、私は不可分とおつしやつても、やはりこういう具体的な事項の御決定や御準備が先行するのでありまして、何といつても前提条件でありますから、先へ進むのでありますから、これが決定しなければ一月一日に実施ができないのでありますから、これをいろいろに決定しておいて、正式に厚生大臣の告示の手続はこれは別といたしましても、そういう関係機関その他の準備を進めておいて、果して医薬分業が又、率直に申上げまして、変化を来たすような場合には、これをやめにするというようなことが、果してできるものであるかどうかということが疑問に存じましたものでありますから、伺つたのでありますが、その点は、一向政府のほうにおかれましては差支えはない、やめにするについて一向支障はない、こういうお考えでございましようか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) これはいろいろな問題があると存じます。差支えないと簡単に言い切るだけでは、なかなか行かないようなことが、そうなりますと、起り得る可能性が、たくさんあると思います。従つてそれらの情勢とも睨み合せまして、最後の決定はいたして行かなければならんと存じますが、現在の状態におきましては、先ほど申し上げたような心組みでいたしておるような次第であります。従つて来年の一月一日に間に合うように、諸般の準備を全部整えたい、こういうので実は取り急いでおるような次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 問題は先のことでありますから、今ここでくどくど申上げることは、差控えることにいたします。これは新医療費体系のこの構想が発表せられて、そしてそれの検討も折角御入念に御報告下すつて、こういうことを検討して、関係機関がそれぞれ審議して行く、いろいろ議論して行くことになつて、この考え方を一応表面に押出した以上は、この新医療費体系の諸原則というものから振返つて、現在の医療報酬制度というものを眺めてみるというと、極めて不合理性というものがはつきりとそこに出て来ておる。そしてこの新医療費体系を引つ込めて、そして現在の不合理性というものをそのまま黙つて頬かむりして続行するということはできなくなるのじやないか。こういうことを注視して行くというと、現在社会保険の支払その他について種々なる監査、審査等が行われておるが、果してその支払いその他について政府が合理性を強く主張して行くということの方針の上にも、私どもは大きな影響がある。何というか、腰くだけになるというか、陰影というか、悪影響というものが大きく出て来るということだけは、私は附言いたしておきまして、これは後日のことにいたしたいと思います。  それでついでに承わつておきますが、新医療費体系の一応一部分がこうして出されてある。言い換れば、分業に絶対必要な部分を急いでここに一つの御構想を御発表になる、その他の全般に亘りまする新医療費体系の完成への作業といいますか、御努力といいますか、それはなさりつつあるのでしようか。なさる御意思があるのでしようか。医薬分業と不可分の関係にあるこの問題が極めて明らかになるのを待つて、その後の問題はお取り運びになるのでしようか。政府の方針とされましては、全般に亘る新医療費体系の完成ということが大きな一つの方針の中にあつて、それが一部分に出ておるものと考えるのでありますが、併し本日の大変重要な見解によりまして、一応医薬分業が変化したときにはやめるのだということになりますと、その他の部分につきましてのお考えというものは、そのままそれはやはり同様にお取上げにはならんものと解しておきましてよろしうございますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 御指摘のように、新医療費体系というもの全体から考えますると、いろいろな意味において、広汎な部分が出て参ると存じます。従つて今回新医療費体系として御報告申上げましたのは、これが絶対的なものでなく、これで全部が終るのじやなく、更に何と申しますか、これを第一次とするなら第二次、第三次というようなものが当然考えられて来ると思います。実は衆議院におきましても、その御質問等で、私どももさようにお答えを申上げて参つたのであります。従つて今後におきましても、医療費体系の上から考えましても、更に検討を進めまして、第二次、第三次という形に進んで来なければならないと考えます。これが医薬分業の実施に伴いまして実施いたしまして、その上で更に第二次、第三次という形に、細かく掘り下げて行くという形に相成ろうと思います。私どもが今回丁度、これも只今御指摘のように、新医療費体系の中で最も必要な部分、そして絶対的になくてはならん部分を、医薬分業関係として出しました新医療費体系というものは、そういう意味においてでございますので、従つてこれが全然医薬分業と切離してしまいますと、もつと批判なる、理論的な立場における新医療費体系という議論が出て来る。そういう意味におきましても、実は分つことができないのではないか。本当なら、何とか新医療費体系を、実は私どもも実施いたしたいのであります。従来の医療体系から医療の向上を眼目としまして作り上げたのでございますから、何とかしてこれを実施したいという念願でいつぱいでございまするが、そういう意味におきまして、相関連性を持たして進むことが一番適当であり、又別々にすると、先に申上げましたようないろいろな理論的な観点が又違つて来る場合が多いのでございます。このまま明年一月一日から医薬分業、新医療費体系を実施いたして参りまするときにおきまして……、併しこれでこれが全部でないと考えております。ずつと続いて私どもは検討しながら第二次、第三次というものを打立てて行く、そして日本の医療の新医療費体系の完璧を期して行くという方面に努力いたしたいということを考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 次に大事なことでございますから、私、伺つておきたいと思うのでありますが、先般これは新聞で拝見して、まだ速記は手に入つていないのでありますが、衆議院のほうの厚生委員会で、政府を代表して、緒方副総理の出席を求めて質疑がありましたときに、緒方副総理の答弁として、政府で再検討して見る、こういう御答弁があつたように新聞で見たのでありますが、これは緒方副総理の衆議院における再検討をしてみるつもりだということは、何を意味されておるのでございましようか。厚生大臣はどうそれをとつておいでになるかということをこの際明確に一つして頂きたいと思います。それは前回も伺つたときに触れたのでありますが、政府部内におきまして、医薬分業の実施に関して、とかくの御異論があるやに承つております。真偽は、私ども野党でございますから、存じませんけれども、緒方副総理のこの再検討してみるつもりだという御答弁は、非常に本問題につきまして重大な私は答弁だと思います。これはどういうことを答弁されたのか、この席で厚生大臣から御所存をかねて明確に伺いたいと思います。  それからついでのことでありますが、新医療費体系について、これは閣議の了解を受けたかどうかということの衆議院の質議に対しまして、大臣は、何も閣議決定とか閣議了解とかいうことを求める必要はない、閣議に報告をしておけばいいのだ、閣議に報告したことを了承してもらつておけばいいのだ、いわゆる強い意味の了解事項ではないということをはつきり言つておられるのであります。この緒方副総理が再検討してみるつもりだと言われたのは、新医療費体系のことでありましようか、或いは医薬分業の実施の問題でありましようか、どういうことを意味されたのかということが、非常こ深く疑問に思うのでございます。大臣からその点を、緒方副総理の御答弁、新医療費体系と閣議との関係、併せて政府の御意見として御答弁を得たいと思うのであります。殊に新医療費体系と医薬分業とが不可分の関係にあるという前提方針の下に立ちまするならば、新医療費体系に異議があるということは、同時に分業に異議があるということであります。分業問題について再検討してみるという政府にお考えがあるならば、新医療費体系というものも又併せてこれは同様の立場に置かれるということになるのであります。従いまして政府におかれましては、この新医療費体系不可分の分業実施の問題、これをどういうふうに今後取扱われるお考えでありますかどうか。あらためて閣議で、法律の通り一月一日より実施についての再検討をされまするかどうか、法律に明記してあるのでありまするから、閣議でお諮りになる必要がないのであるかどうか、緒方副総理の再検討するという答弁は何を意味するものであるかという諸点につきまして、併せて厚生大臣の御所信を兼ねて明快な御答弁を願つておきたいと思うのであります。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 緒方副総理が衆議院の厚生委員会に出席しまして答弁をいたしました内容につきまして、実は私、当日はちよつと出席いたしておりませんから、詳しいことは或いは存じないのでありますが、多分、再検討というような言葉は別にして、その意味じやなかつたのじやないか。その後緒方副総理とよく話しましたので、その心持はわかつたと存じます。結局医薬分業いろいろ論議されておるから、その点はよく各方面の意見を聞きまして進みましようという意味であつたと存じます。  その場合に、新医療費体系を閣議において検討すべきものかどうかという点は、私は閣議に報告はいたしましたが、これは閣議の決定に基いていたすべき事項ではないと考えます。従つてそういうように衆議院においても答弁をいたしており、この答弁に対しましては、緒方さんも同様な答弁をいたしておつたと承知いたします。閣議にと申しますか、政府におきましては、現在の三法、いわゆる医薬分業に関しまする三つの法律が、明年一月一日より実施ということになつておりまするから、その方針の下に十九国会以来、あらためて十九国会に、医薬関係審議会設置法案を閣議で決定いたしまして、そうして国会の御承認を頂きまするときに、更にだいぶ時間のずれがありますので、二十六年から……従つてあの医薬関係審議会設置法案を閣議で了承をして、国会に提出いたした次第であります。従いまして政府といたしましては、いわゆる医薬分業の一月一日実施という線で進んでおるのであります。そういう意味でございますから、現在政府といたしましては、いろいろの点から御議論等もありますから、そういう点は十分拝承いたすが、方針といたしましては、この一月一日の線というものを変えておるという点は全然ございません。又私もこれはあらためて閣議において検討すべきものではないと考えます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 今日の段階で私が伺つておきたいと思いまする政府の根本的方針、態度につきまする質問は、一応この程度にいたしておきます。但しなお厚生大臣の御答弁に関連いたしましては、いろいろお尋ねしたいことがありますが、それは他の質問の機会に合せて伺うことにいたしまして、保留さして頂きます。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 私から、只今御審議になつておる新医療費体系について、厚生大臣から御説明がございました点に関連いたしまして、一、二お伺いいたしたいと思います。  今度の新医療費体系なるものは、医薬分業とは不可分のものである、或いはこのものは最も重要なもので、無論医療費体系なるものは今後も第二次、第三次として出しはするが、今度の医療費体系なるものは極めて重要なものである。而も今回のこれによつて医療の内容の向上に寄与したいという思し召しでお作りになつたということに対しましては、私どもも多年技術料などに対しまして何ら特別の評価がされておらなんだのが、今回の医療費体系において技術料も評価しておるというような点は一つの進歩であると思うので、大いに喜んでおるのでございます。但し今回の技術料を評価したという上から申しまして、例えば再診料なるものが出て来たということは、一つの進歩でありますが、一方から申しますと、再診料なるものは単にこれは名称のみであつて、事実は処置料を削除いたしておるために、再診料の名称は出て来たが、何らこれによつて技術が評価されておるのではない。これは大臣にお尋ねするのは却つて御迷惑かと思いますので、あとから続いて局長にお伺いをいたしますが、とにかく今回の出ております再診料、或いはそういうものが出たために、医療内容が却つて低下する、決して進歩じやない、医療の向上はこれによつては行われるものではないというように考えておるのでございますが、大臣とされては、やはりこの新医療費体系なるものが、殊に再診料などについて、医療内容の向上に寄与するということになつたというようなお考えでございましようか。或いはそれとも、どういう御所見でございましようか。その点だけ大臣にお伺いいたします。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 実は御指摘の或いは初診料、再診料というような点数のものの配分をだいぶ従来とは変えまして、そうして今回このように新医療費体系では打立てて参つたのであります。そこで再診料の場合には純然たる技術以外に処置費というようなものが相当含まれているのではないか、御尤もであります。私どもはできるだけこの技術というものを高く評価して行くべきものである、殊に医療法におきまする技術というのは、従来から評価されておらない部面が、評価されておりましても独立して評価されておらない場合が多いのであります。殆んどそうでございますから、医療の向上のためにはどうしてもこれは別にして、そうしてはつきりとこれを分類してかかつて来るのが先ず何よりも大事である、その観点から実はいたしたので、ただ処置とかその他のものを細かくいたしますると、お話のように何点以下をやめてこの再診料の中へ含めるというような形をとつておりまするから、場合によりまするとその中に処置費が含まれておる。だから、純然たる場合とは違つておるというような御議論も、御懸念も勿論ありまするが、考え方の根本としましては、つまり小さい面を止むを得ずそこに入れたので、本当の、本心は技術というものを成るべく、適正にと申しまするか、強く評価をいたしたい。そういう場合に現在の初診が六点何々、再診が四点何々というのでは、全体としてむしろ技術の評価が低過ぎはしないかというような問題も、確かに起つて来ると思います。ただこれは、二十七年のあの状態を中心に資料をとりまとめましたので、従つて或いは理想的なものから考えますると、殊に外国等から考えますると、私ども自身が本当は、もつとこの技術に対しては高く評価していいじやないかと考えておりまするが、負担の関係その他を考えまして、この計数を出して参つたような次第であります。この点に対しましては、考え方の根本は、技術を評価いたして参りたい。その場合に再診の場合には、むしろ小さい処置というものをそこに含めるという一種の、何と申しますか、方法をとつて行つた、こういうことでございます。で、純然たる技術だけではない場合も従つて含まれて来ると存じまするが、考え方の根本は、今申上げましたように、技術を評価して参りたいという考え方から割出して来た次第であります。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 只今の大臣の御答弁は、わかつたようなちよつとわからんようなところが、だいぶあるのでありますが、考えとしては、技術料を大いに認めてやる、評価してやる。但し現在の情勢からいつて増加ができんのであるというふうで、先刻申しましたような、名前だけをとつておいてやるというだけのように思われまするので、これは却つて大臣には御迷惑ですから、専門の医務局長のほうにお伺いをしたいと思います。  今回のこの処置料の中におきまして、例えば四点を除けてしまつて再診料のほうにしたということは、これは非常な医療の低下であります。なぜかと申しますると、私は実は婦人科をやつておつたのでございまするが、婦人科などにおきましては、今度のために、或いは洗源とかいうような処置料は全部除いてしまいます。これは実は再診というふうな場合には、先ず洗滌をするとか或いは中に薬をつけるとかいうて、治療をするのが目的であろうし、同時に再び診察をしておるというような現状でありますが、この場合に、若しもこういうようなふうに処置料は全然除くというようなことになりますと、或いは最近にはだんだん世相の関係から情勢も余りよくないせいか、或る新聞のごときは最近は御承知のように滅私奉公の時代は過ぎて滅会奉私の時代になつたなどと言われて、非常に情勢は悪いのでありますから、中には或いは処置料が取れんなら、もう処置はする必要はないというようになつたら、それこそ非常な医療の低下であると思います。無論医者の仲間にはそういうふうな人はおらんと思いますけれども、併し折角お作りになるなら、たとえ金がないといつても、初診料は、技術に報いるならやはり初診料として僅かでも認めておいて、同時に処置料などは取るべきではない。処置料を取ることは即ち医療の低下であるというふうに、なぜお考えにならなかつたのか。その点を一つ、お説明願いたいと思います。

曾田長宗厚生省医務局長

○説明員(曾田長宗君) 先ほど大臣に御質問になりました件もございますが、只今の点についてお答え申上げますならば、私ども前回も御説明申上げたとは思うのでありますが、一応基準として考えられまするのは、内科、小児科というような場合に、診察という行為が明確に処置、治療と区別ができるわけであります。こういうような場合に、投薬或いは注射というような行為に含まれておりました診察料的な分子というものをはつきり診察料として、即ち初診、再診料として報酬を支払うようにいたしたいと考えております。それを基本的な考え方といたしまして、そして最もわかりやすい例としてこれを申上げたのでありますが、例えば眼科というような場合の洗眼或いは点眼というものを考えました場合、この際には勿論、かような簡易なる処置をいたしますためにも、眼をひつくり返して見なければならず、こういうようなときに病状の判定というものが当然なされるのであります。併しそれがどれだけの時間が診断的な行為であつて、どれだけが治療の行為であるかということを区別することが非常にむずかしいのでありまして、私ども一応はこれは処置であるというふうに割切つて考えた次第であります。で、さようにいたしますと、かような場合には診察のために特別の労力或いは経費というものを用いない。さような分子が多少入つておるかも知れませんけれども、一応これは処置という行為のうちにこめて計算されておる。こういたしますると、眼科の只今のような簡易な処置を受けに参りました患者、対しては、診察料というものを新たに附加えるという理由が私どもとして見つけにくかつたのであります。そういたしますれば、この眼科の場合には特に、診察料を支払うべき場合と支払わざる場合と、こういうように二つに分けなければならん。又これをすべての患者に平均して診察料を支払うといたしますれば、内科、小児科の場合よりも低い診察料としなければならん。で、これも一つの方法であるというふうに考えたのでありますが、全科或いは兼科というような診療所の場合を考えますると、むしろ事務的な簡易さという点から申しましても、これは全部診療所を訪れました患者は、単一の初診料、再診料を支払う。その代り、処置料というものを再診料に込めて、込めてと申しますか、いわばこれを結合して診療報酬を支払うという形にすることが便宜であろうというふうに考えた次第でありまして、決してかような場合に診察的なものを抹殺してしまつたという意味でないのであります。段階から申しますれば、先ず処置の中に診察的なものをも、これは分けられないので、先ず込めた。併し別個の支払方法ではこれは不便であるから、診察料の中にさような処置を又結合して行つたというような考え方でありまして、私どもは一応いわゆる技術料、それから物の対価というようなものを分析いたしまして、はつきりとした分析に基いて、現実の診療に当つて実行のしやすい形に再構成して行くという考え方をとつたのであります。今日におきましても、診察料においても、これは医師の人件費だけではないのでありまして、そのときに用いられる若干の薬品或いはガーゼ、脱脂綿といつたようなもの、或いは看護婦等の費用というものを一応分析をして、はつきり出しておるのでありますが、これを支払うときに一々細かく分けて計算書を作るということは不便でございますので、分析はしましたが、これを実際に移すときには、これを最も適当な姿に又再構成して行くということが正しい行き方であろうというふうに結論した次第であります。その姿が一応お示しいたしました形になつておりますので、診察料というこの言葉が不適当であると言われますことについては、私どももこれは更に検討の余地はあろうかと考えておる次第であります。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 処置料を技術料並びに物の対価としてこれを区別することはなかなか困難であるからして、それで処置料はやめて更診料の中に打込んでしまつたというお話ですが、それはこの医療費体系並びにこの書類を見てみると、そういうことが出ておりますから、わかるのでありますけれども、併し実際におきまして、只今御指摘になつた眼科にいたしましても、或いは内科、小児科、全科などにいたしましても、この再診料というのにはめたとはいうものの、ほかの検査料或いは処置料などが抹消されたので、そのために却つてかなりの減収が来ておる。殊に大きい病院或いは薬剤師がおるところの診療所であればいいけれども、自分のうちで投薬のできん状態にある小さな私立の診療所においては、かなりの減収という数字も出ておるのでございます。従つてこの再診料という名前を活かし、同時に技術料を認めたというところは非常にいいのでありますけれども、実際に当るというと、これはよほど考えて頂かんと、そういう方面は非常な苦境に陥ると思うのであります。又これまで余り処方箋がたくさん出ておらんからそれで大した額ではないであろうというて、今度は処方箋料を全部削つてしまつたというのでございますが、これは処方箋料がなくなつたために、内科、小児科においては非常な減収になるというて、内科、小児科医者のほうではよほど困つております。従つてこれらに対しまして、あなたがたのほうにおいてはどのくらいの程度今度減収になるかというようなお考えがあるのだろうか、御説明を願いたいと思います。

曾田長宗厚生省医務局長

○説明員(曾田長宗君) 私ども平均的に考えますならば、お配りいたしました何と申しますか、本文と申したらいいかと思いますが、資料の中に附表3として病院、診療所、歯科診療所、病院併設歯料というふうに四表に分けてお示ししてございますのですが、その結果によりますと、言葉は悪いかも知れませんけれども、極めて僅かな増を示しておるという程度、たしか二%ぐらいだつたかと思いますが、その程度のものでございます。勿論これをいろいろの診療所一々に当りましたならば、これはプラスになるところもあり、マイナスになるところも出て来るかと思うのでありますが、おおむね半数は平均的というところから参りますれば若干下廻り、半数のところは今までよりもよろしくなるというように、私どもは期待しております。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) ちよつとお諮りいたしますが、いずれ新医療費体系につきましては、曾田医務局長に充分御説明を伺わなくちやならないところがあると思いますが、大臣に対して、尤も今の谷口委員の御質問は、医療の向上ということについて果してそれがどういう内容を持つておるかという点についての御質問でございますが、大臣についてのもつと根本的な御質問を…

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 私は、只今山下委員の御質問に対する厚生大臣の答弁によりまして、新医療費体系というものと医薬分業は不可分であるということがはつきりいたした。そこで先般厚生大臣から閣議においてこの新医療費体系を御報告になつたその時分に、多数の閣僚は反対の意思表示をされたということを聞いておるのであります。又当日福永官房長官は閣議の内容を我々に報告されております。その報告の内容を見ましても、この新医療費体系というものはまだまだ十分に検討をしなければならんということを強調されておつたのであります。そこで緒方副総理が衆議院の厚生委員会において再検討をするという答弁をされた。この再検討という意味を只今厚生大臣より承わつてみますというと、非常に簡単に御理解になつておるようでありまするけれども、私は再検討という意味は非常に慎重なものではなかろうかと考えておるのであります。この新医療費体系について、今後厚生大臣は、閣議ではもうお諮りにならん、閣議の了解を経ずして厚生大臣」個の考えでこれを遂行しようとなさるのか、その辺をもう一度承わつて置きたい。又緒方副総理の再検討という意味も、私はもう少しよく聞き質した上で他日御質問を申上げる機会があると存じます。その点だけ一つ。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) お話のように、私、御報告いたしますときに、いろいろ御意見はありました。が併しこれはむしろ新医療費体系というよりも医薬分業の議論が、まあ閣議のことをここで申上げることは慎しまなければなりませんが、お話が出ましたのでちよつと御了解を頂くために申上げますが、多かつたのであります。併しそれは根本的には先ほど申上げましたように、政府といたしましての医薬分業に対する方針は従来から、十九国会以来申上げた通りでございますが、最近のいろんな点についての、いろいろその立場々々における御報告等があつたのであります。そういう意味においてだんだんとお話がありましたが、この医療費体系の問題につきましては、閣議では一応報告しておいたのでございます。そこで今後のこれらの取扱いについて、或いは緒方副総理の再検討という問題も、恐らくこの新医療費体系なり或いは医薬分業なりという問題に関連した意味と存じまするが、さつきこの点は山下委員の質問にお答え申上げました通り、むしろいろいろ御覧があるから御意見等をよく拝聴して進んで行きたいというお話であつたと、私は承知をいたしておるのであります。でありますから、この新医療費体系そのものにつきましては、現在私どもは皆さんの報告、御意見を十分拝承いたしたいと存じ、閣議全体、政府全体といたしましては、一応これで進んで参りたいと考えております。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 この問題は非常に重大なことでありますから、他日もう一度私は御質問を申上げるつもりで、今日はこの程度にいたしておきたいと思います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 先ほどから新医療費体系のお話がありました。大臣のお話を聞いておりますと、新医療費体系に少くとも二つの種類があつて、分業用にいたします新医療費体系と、将来医学技術の向上に向つて用いる一般用の医療費体系と、二つあるように、私の誤解かも知れませんが、お聞きいたす点があるのでありますが、政府からお出しになりました新医療費体系というものと、私の考えております新医療費体系とは違うのでありますが、政府のおつしやる新医療費体系と申しますものは、一品に申しますれば、どんなものでございましようか。どういうふうなものを新医療費体系とお考えになつておりますか、一つ大臣のお考えを承わりたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 別に変つたものとは考えておりません。現在お出しいたしましたのが新医療費体系と考えてぢます。ただいろいろこれを、国会での御質疑の中にも多く出て参りましたが、検討の仕方によりましては、新医療費体系というものがもつと広汎な、そしてむしろ医療費体系の一つの強い線から出て来た新医療費体系という広汎なものが考えられる。そこは或いは国家が経営しておる技術者に対する費用の問題、すべてのものを包含した意味における新医療費体系というものも考えられる。さまそれな観点からの新医療費体系というのが考えられる。或いはもつと本質的に考えますと、医療関係者の根本的な問題からの新医療費体系の算出というようなものも考えられる。併し今回私どもが十分検討いたして御報告申上げ、御審議を頂いておりまするこの新医療費体系は、いろいろ考えられるであろう、或いは学問的にも実際的にも検討し得る範疇のものがあるであろう中において、絶対的にこの医薬分業に必要な新医療費体系というものを摘出いたしまして、その関係のものを新らしく検討いたして参つたのでありまするから、そこで将来は、或いはこのものにおいても、或いはもつと広い範囲においても、第二次、第三次というものが考え得るものがある。これで全部が、学問的にも実際的にも全部が新医療費体系、これでザッツ・オールという意味ではないけれども、というのが考え方の根本です。従つて別に新医療費体系が種類がいろいろあつて、その一つであるという意味じやなしに、そういう意味から言うと、この今回のは、或いは広い意味の中の一つの部分、絶対に医薬分業に欠くことのできないというものを取り上げた新医療費体系という形になつて現れて来ておるのではないか、これはいわゆる議論と申しますか検討の立場において、いろいろとなし得るのではないか、かように考えるのであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 どうもはつきりしないようでありますが、それでは話を変えてお聞きいたしますが、政府の考えておられる新医療費体系と申しますものは、臨時診療報酬調査会の答申に基く医療体系ではないのでございますか。又それと違つたものでありますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) あの答申をよく承知をいたしておりますから、検討の中に入れておることは事実でございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 検討の中に入れておるだけで、それとは違う医療体系をお出しになつて新医療費体系とおつしやるのか。私どもは今まで、臨時診療報酬調査会の答申に基く医療費体系、言い換えますならば、診療報酬のうちで技術の面と所要経費、物の面とを分けて考える考え方に立つた医療費体系と、私は考えておるのでありますが、その臨時診療報酬調査会の答申は参考にしたが、違つた体系を政府がお出しになつて、政府の新医療費体系と考えていらつしやるのですか、如何ですか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 勿論この臨時医療報酬審議会のほうの答申は、細かくいろいろ方程式的に出ておりますが、それを十分尊重して、実際の問題といたしましては、それを実情に合うように取り計らつて行きたい。従つて具体的にこう御比較になりますと、そんな、これが落ちておるじやないかというような問題が或いはあるかも知れない。併し本質的に今のお示しの技術についての問題、物の問題というようなもの、そういう考え方で新医療費体系というものを算出して参つたのであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 そういたしますと、新医療費体系と申しますものは、技術の面と物の面、所要経費を分けて医療費を考えているのでありますから、その体系のうちの一部分を取出しまして、例えば医薬分業に必要なところの体系はこれだけだ、あとは追つて考えるというようなことはできないはずであります。一つの医療費体系でございますから、それは丁度網の目のようなものでございますからその一つを修繕すれば、ほかにすぐに響いて来る。例えて申しますならば、昨日も私御質問申上げた、大臣にもお話申上げたいと思うのでありますが、政府からお示しになりましたいわゆる、私どもは新医療費体系じやないと思うのでありますが、いわゆる政府の新医療費体系の御調査を拝見いたしましても、診療所、病院の経営の経済の調査はできておりますが、薬局の経営の経済の調査はできておらん。なぜかといいますと、それは薬は、今まで医師に与えておりました調剤を薬剤師のほうに分けたのだ。そこで薬剤師のほうの経済調査をする必要はないというふうにお考えになる。ところが、新医療費体系で御覧になりますような各診療行為別、調剤も一つの診療行為でありますが、その診療行為の集まつたもの、言い換えますならば、医師、歯科医師、薬剤師の技術料の総和であるはずであります。勿論この額は生計費だけではない。この問題については、あとから御質問申上げたいのですが、一応月給と申しますか、報酬と申しますか、そういうもので我我は評価しなければならん。ところが、一方薬剤師は、実際今度分業になりました場合、調剤だけで生活はできない。しておられない。されないと私は思うのであります。又医者が出しました処方箋が全部薬剤師に行きました場合、果して今の薬剤師の方々だけでそれを消化し得るということも私はむずかしいのじやないかと思うのですが、然らば今の薬剤師の経営の実態の調査を削つて、なおこの医師、歯科医師だけのものを調査してこの体系ができるか、そこだけピック・アップして医薬分業の体系だということはできない。そういう点が少し厚生大臣お考えも、大変失礼な話でありますが、的をはずれているのではないかと私は思うのでありまして、従いまして先ほどから私が極端な言葉で申上げましたように、分業用のもの、一般の医療向上用のものという、医療費体系が二つあるような感を深くいたしますのは、分業の必要なところだけをとるのだとおつしやいましたが、分業に必要なことをとるならば、少くとも全般に亘りました体系を体系づけなければできない。  極端な話を申し述べますというと、この厚生省がお出しになりましたところにおきましては、アルフアを殆ど差別ないようにしてしまつて、言い換えますならば、時間で割つているのであります。私どもが、これもあとからお聞きしたいのでありますが、恐らく手術の経費とここに厚生省がお出しになりましたものは、ネクタイをはずして手を洗つて手術をして、部屋に帰つてネクタイを結ぶまでの時間だと私は承知しているのでありますがそういたしますと、その手術の中で、一分間も、前の日から酒も飲まずに一生懸命で努力しなければ、手が震えてできないような隔膜の手術というような、その一瞬間の技術も、医者が風呂に入ります時間の技術も、同じだと見ておられるのじやないかと私は思うのであります。又先ほど谷口先生がお話になりましたように、処置料の中に診察料も含めるのだというお話も、恐らく診察というものは時間がかからないかも知れん。一瞬間もかからないかも知れん。一瞬間のうちにこれは何の病気であるかということを診断するかも知れませんが、その一瞬間は医者が何十年という経験を通して生まれた一瞬間であります。従つてその一瞬間を、医者が例えば洗濯いたしますその洗滌する時間と比べて見ますならば、一瞬間の診察時間は短いでございましようが、時間だけで割切りますならば、それは処置料の中に含めてもよろしいという議論も成り立つ。これはあとから又議論をいたしたいと思うのでありますが、厚生省がお調べになりました薬剤の原価計算の中には、処方箋に対する時間が入つていない。医者が処方箋を書くのは瞬間でありましよう。医者が処方を出すのは瞬間でありましようが、その医者が処方箋を書く技術というものは、これは医師といたしましては当然最高の技術であると私は考える。注射をするその時間だけを恐らく計つておられるのに違いない。ところが、その注射を、どの注射を選ぶかというその技術というものは、これは非常に大きな技術ではないかと思うのでありますが、そういうものを全部同じように見てしまつて、そうして時間で割つて出しているというふうに思うのでありますが、この点についての大臣の御所見は如何でございますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 技術の問題が多いので、一つ局長から御答弁いたさせます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 いや厚生大臣に私はお話を承わつている。この技術の問題はこれは一般的な知識であります。何も専門の曾田医務局長には、別に専門的にお尋ねするのでありますが、この技術というものを時間だけでお考えになつていらつしやるかどうかという、簡単な常識を伺つているのであります。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) それでは、私からお答えいたしますが、実は臨時医療報酬審議会でしたか、その答申にはプラス・アルフア、技術というものが出ている。その技術を殆ど見ていないのではないか。或いはこれを時間割でやつている結果、これは平均の点を出しておりまするが、併し現在におきましても、現在のいろいろ、な点数の中にも、技術は全然認めておらない形でありまするけれども、実は技術も、それぞれ或る意味のプラス・アルフアが全部入つている次第であります。それを抽出する抽出のやり方をどうするかという問題になつて、今お話のような算出をした点によつて算出をしたのであります。でありますから、個々の問題につきましては、いろいろ、御議論もありましよう。ありましようが、最もこれを正しく公平に算出するためには、或いは一方においてストップ・ウオッチをとり、或いは一方において計理上等による調査をやりというようなやり方をいたしまして、そうしてそれを検出して参る。だからといつて、いわゆる名医もそうじやない人も同じような恰好になつているのではないかという点も或いはあろうかとも存じますが、現在の平均で出しまする場合においては、そのやり方というものを最も正しく算出する基本にするというのが、一番妥当であろうという考え方でいたしたのであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 私は個々の診療行為のことを云々しているのではないのであります。個々の診療行為についての技術料を定めることは、これはなかなかむずかしいと思うのでありますが、例えば診察と投薬との技術は同じである、注射と処置の技術は同じである、同じとして時間で割つているが、厚生省がお出しになつた今度のこの按分比例の公式ではないでしようか。これは私違うと思うのであります。投薬と注射と、処置と手術と、充填と検査と、同じような技術であるとこうおきめになつて、これを按分して割つてお出しになつたというのは、これは違うと思う。これは私どもが専門家として言うだけではないのであります。臨時診療報酬調査会におきまして、そのアルフアの性格、技術の性格を述べましたときに、技術料が同じであればそれは時間と正比例する。時間が同じであれば技術と正比例するということが、答申案に書いてある。これに殊更目をつぶつて、技術料だけを横に向けて、そうして処置の中に診察料を含める、薬剤の中から処方箋をはずす、これで果して本当の医療内容が向上できる診療報酬体系をお作りになつたと、厚生大臣は思つていらつしやるのでございましようか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 私どもはむしろ今までの診療報酬というのは至つて不合理だと考えております。又正しくないと考えております。それを何とかして、その技術を評価する評価の方法をどうするか。評価の方法にはいろいろあると思う。今度とりましたのも、これで全部じやないと思う。併し少くともこのやり方によつて、技術を何とかして別に評価をして行きたい。先に申上げましたように、これが絶対のものじやない。ないと思いまするが、これによるやり方がむしろ正しく評価のほうに行くのではないか、そういうので今度いたしましたのであります。従つてこれで、もうすべてが万全だということよりも、従来物の中に技術を含めるという誠に申訳がないような恰好だつた、これを丁度技術を評価するという行き方において、その算定の方法をいろいろ検討して見たが、これによるやり方が最も正しいんじやないかというやり方をいたした。それが検出の方法となつて、現われて来たわけであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 これ以上は議論に亘りますから、私の意見を述べますときに又申上げますが、これは速記を国民がお読みになればすぐわかる。厚生大臣のおつしやることが正しいことか、私の言つていることが正しいことか、速記に残るのでありますから、これ以上私は御質問申上げませんが、それならば、分業をいたしました場合に、総医療費は上げないようにする、そして医師の技術料は適当評価する、この二つのことをここに述べていらつしやるのですが、こういう手品みたいなことができるのでございましようか。先ほど物と技術料と二つの考えを申しましたのでありますが、物を例えば小豆といたしましよう、技術料を米といたしましよう。小豆と米と一升ますの中に入れてぎます。がらがらにいたします。そうして薬の部分だけを持ち出しますならば、そのときに小豆について、米は幾分なりとも外へ出てしまうわけであります。出てしまつたところで薬だけを分けます。そうしてそのうちから更に物の小豆だけを出しまして、そうして残つた米を一升ますの中で、こつちのほうにアンバランスがあるからこつちのほうに持つてくる。左の隅のほうのものを右のほうに持つて行くと申しまして分けて見ましても、一升ますの中に含まれているところの米、言い換えますならば、技術料は少くなつているはずでありますが、これをそう少くならないのだ、米と小豆と一部分出しましても一、残つた米は元の通りだ。こういう御議論のように私思うのでありますが、この二つのこと、国民の総医療費は変らないのだ、又変えないのだという前提の下に立つて、そうして薬だけを分けるのだ。それで残つたものは今まで通りだ。このお話はちよつと算術の少し頭が悪い者にはわからんのでありますが、大臣のお考えは如何でございますか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) どうも私は御引例の小豆と米はわかりませんが、(笑声)むしろ現在の医療行為というものの中には、技術と物とが入つて一緒になつておつて、それが報酬に支払うものの中に技術も入つていると思うのです。従つてこれをどうして分けるか、最も正しく分けるのにはどうして分けるか。これは分けたいということは御同感であるようでございますが、分けたい。これはその答申にも出ておるのだから、何とかしてこれを分けたい、分ける場合に成るべく過ちをおかさんような分けようをしたいというのが根本であります。従つてその場合に、そんなら薬剤師が調剤する技術を分ける、それによつてそういうことができるかという問題でございますが、現在の医療行為におきましても、調剤もなし、技術による診療もなさる、投薬もなさる。それがそういう実態においてなされておることは事実であります。そのなされておる状態を合理的に分けて、そうして医療の向上に資したい。その分ける分け方をどう分けるかというのが、問題の中心だと思います。分け方においていろいろ検討してみて、こういう分け方をいたしましたというのが、今皆さんの御審議を頂いておるものであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 だいぶお苦しいようでありますから、そのくらいにしておきますが、これも速記に残ることでありますから、国民が適当に御批判下されば……。又私の意見は申上げるところで申上げたいと思います。  そこで次に承わりたいのは、臨時診療報酬調査会におけるところの答申には決議があつたはずであります。又その前提条件が書いてあるはずであります。従いまして臨時診療報酬調査会におけるところの答申に基く新医療費体系を行いますには、少くとも例えば医療費に対する税金、或いは薬の広告に対する制限、或いは医療中央金庫を設ける、給付費の一部の国庫負担、頻度の個人差及び地域差ということをやるときには公平にやらなければならんから、学会に諮問しろ、昨日も曾田医務局長に質問しましたところが、学会は病院協会の学会に聞いたのだというお話でありましたが、先ほどそれは間違つていたのだ、学会に聞いたことはないというお答えを私、私的に承わつたのでありますが、学会にも一度も聞いたことがない。又この原価計算をいたしますものの面を諮りますときには、その統計を調査会にかけて諮れということがちやんとここに書いてある、答申にも……。それを調査会にかけてない。そうしますと、それは医師会が反対したからかけてないのだというお話のようにも承わつたのでありますが、医師会が反対いたしましても、それは保険者袋もありますし、いろいろありますから、当然その会で検討しても結構なわけである。医師会がどうして反対したかということは私はここで申上げませんが、そういうこともしないで、そうして厚生省だけがお手盛りでおやりになり、又決議に要求されておりますものの中で、ただ給付費の一部を国庫負担にする、国民健康保険の二割だけが実現されたが、あとは実現されないという、それでいわゆる新医療費体系がスムーズに行くでございましようか。その点についての大臣の御答弁を頂きたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 答申にもお示しのように、いろいろな答申なり、決議なり、或いは内容なりが盛られておりますることは、私も承知をし、又成るべくその精神を酌んで従来とも努力をいたし、将来も努力をいたしたいと考えております。ただ、その全部がその通りにならないことは、よくその御事情は榊原委員の御案内の通りと存じます。併し私どももその内容は御尤もと思います。又そういうふうに努力はいたして行かなければならんと考えます。今回の行き方におきまして、全部がその通りには、お示しのようにはなつておりません。なつておりませんが、その精神は同様だと考えます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 最後にもう一つお伺いいたしたいのでありますが、この資料を見ますというと、分業を行なつた場合に、各医療行為別の種類、頻度に変化がないと仮定するならば、云々と、こういうことが書いてあります。これは大変なことでありまして、例えてみますと、再診料にいたしますならば、国民が再診料を払うことになるかならんか、これは別といたしまして、国民が患者負担として再診料を払うということになりますならば、必ず国民は二度今まで診てもらつたところを一度で我慢しようということになるのは、これは人情の常であると私は思うのであります。又診察を受けても前と同じような病気だから、今度は同じ前の処方で頼むということも行われんとも限らん。或いは現に昭和二十七年十月に御調査になりました以後におきましても、総医療費がたくさんになつて来た。その総医療費がたくさんになつて来たことは、科学技術とかいろいろなことがありますが、端的に申上げますれば、生活保護法が殖えて来た、結核の治療が殖えて来た、これが大部分であろうと思います。現在それならば、この結核の治療の大部分は何か、ハス、ストレプトマイシンが殖えたということであります。厚生省のお出しになりました注射の頻度を見ましても、投薬の頻度が二四・二%、注射の頻度が三七・六%、これはあとから又曾田さんに私はお伺いするのでありますが、少くとも今は投薬の頻度が三七%ぐらいになつております。これはもう基金の事務所でお調べになればすぐわかる数字でありますが、そういたしますと、厚生省が幾ら頑張りましても、医療費を増さないのだ、診療行為の頻度は増さないのだと頑張つておられても、現実の頻度は変つて来ておる。この点について大臣の御所見は如何ですか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) この医療総額の負担を増さないというのは、私どもの今回の作業におきましても、この新医療費体系におきましても、根本の一つの考え方であるといたしておりますが、それは一つのものをその形において急に上げるというような、割出し方と申しますか、考え方をしておらん。医療費の全体を上げるというのは、年々、今日の御報告にも一番最初に出しておりますように殖えております。これは一昨年よりは去年は三六%増しておつたと記憶いたしますが、ずつと増しております。これは国民所得につれまして或る程度、これは医療の向上につれ、いろいろな原因がありましようが、増して来ると思います。これを昭和二十七年のように抑えるという意味では全然ございません。従つて薬の発達なり、技術の発達なり、或いは国民の所得の増加によつて、これが或る程度ずつと増して参りましよう。そうして或る年度に参りますと、それから先は横這いになつて参るかもわかりません。又ずつと不景気になると申しますか、状態が変りますと、或いは減つて来るかも知れませんが、終戦後はずつと年々何十%ずつか増しております。これを二十七年のように今後ずつと抑えるという、そういう考えじや全然ございません。ただ全体のやり方を見て、そうしてそれが直ちに一つの医療行為が増額になる、或いは負担増になるという行き方はとつておらない。又とるべきものでない、こういう考え方でございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 私のお尋ねしたこととは違うのであります。政府がすでに出している資料に、分業を行えば診療行為別の種類、頻度に変動が生じないとした場合に、ということが書いてある。これは大臣、どうもこのことばつかりやつていらつしやらないから、非常にお苦しいですから申上げませんが、これは全然間違つているのですよ。こういう資料を出してこういうことをおやりになるということは、全然問題にならん。私は同じ自由党だけれども、これだけは反対しなければならん。併しながら大臣もお忙しいですから、又質問者も残つておるようでございますから、やめますが、私は今日大臣に御質問したことは、殆んど満足な御回答は得なかつたものと私は思つております。意見については又申上げますが、今日はこれで……。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私は大臣にお伺いしたいと思うのですが、今日新医療費体系なる言葉によつていろいろな論議がだいぶ交されておるわけでございますが、質問が出ているわけでございますが、私の考えでは、ここに新医療費体系なるものが二つ考えられると思つております。一つは、我々が曾て臨時診療報酬調査会できめまして厚生大臣に答申しましたいわゆる広範囲な、基本的な、本当の新医療費体系、それから今度のような極めて限局された暫定的な、いわゆる分業に直接関係のある部分だけ摘出したような新医療費体系、これも新医療費体系として出されておりますから、その言葉を使うわけでありますが、この二つが出ておる。そこでこれは混同して私は考えてはいけないのじやないか知らんということを思います。それは今度厚生省から出ている新医療費体系なるものは、これは臨時診療報酬調査会で、言うところの新医療費体系の精神を酌んで、そうして無形の技術を評価することと物とを分けることとして、この精神に副うて暫定的に組まれた新医寮費体系、こういうふうに私は受取つているわけであります。そこで、先ほどもどなたかの委員の質問に対して大臣の御答弁がありましたが、全般的の広範囲な新医療費の体系、現医療費に対する分析から新医療費体系への向上ということは、これは今後とも大いにやらなければならん、こういうお話でありましたが、それが臨時診療報酬調査会にいう私は本当の新医療費体系であろうか、こう思います。そこで先ほど言われた新医療費体系は医薬分業と密接不可分であるということだけであつたが、医療の向上に寄与するかしないかということが私は基本の問題になると思うのでありますが、そこで現在の限局された暫定的のものは、取りあえず分業実施に必要であるからそれでおやりになつたと、こう解釈して、それから将来の、臨時診療報酬調査会の答申に基くような全般的の、本当の新医療費体系は今後やるというお話でありますが、それは先般も私申上げましたから、くどくは申上げませんが、この厚生大臣への答申が訂正されて出された、その答申にありまするように、医療の向上と国民の経済的負担力とを勘案しつつ、医師、歯科医師及び薬剤師の適正なる技術料及び薬価の基準につき会の意見を問うと書いてございます。そうして右は医薬分業実施の可否を判定するのに必要である、こういうふうになつたわけなのでございますが、そこで将来医療の向上と国民負担力を勘案して、而も学問、技術の無形の評価をして物の面と区別した広汎な、完全なる医療体系というものを、将来お作りになると私は思うのでございますが、この二つ士区別レて、反りめえず暫定的、限局されたものであるが、将来はそういう意味の分業とは関係が勿論密接にあるけれども、それを切り離してでも、全医療界に実施しなければならないような新体系の算定にかからなければならんものだと、こういうふうな御答弁に私は受取つたのでございますが、さように解釈してよろしいかどうか、このことをもう一遍一つ確認しておきたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) お話のように、昭和二十六年の臨時診療報酬調査会の答申、これは新医療費体系に対しまする広い意味の答申が出ておる。或いは最近もつと考え方を新たにしますと、これ以上のものが或いはあるかも知れません。併しとにかくよくまとまつた一つの答申として、私どもこれを尊重して参るのでありまするから、これが実施の面に移しまする場合には、緩急よろしきを得てかからなければならん。一度にこれがずつとできるというようなことは、なかなかどんな理想案でも簡単にできるものではない。そこで実情に合うような行き方からだんだんと進めて来るのが適当であり、又行政面におけるいろいろなことを成るべく困難を少くしてやり得る途ではなかろうか。今回新医療費体系を出しましたことは、これはこれで全部が終つたのではなしに、そういう意味におきまして、お話のような御意見と合致するわけであります。私どもも今後、一方におきましてはこの答申の線に沿い、更に又広汎な医療全体の医療体系という点から考えましても、一層充実するように努力いたして参りたいと存じます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 厚生省から提出されました新体系は、只今もお話がございました通りに、私の考えている通りに、我々調査会による新医療費体系の精神を酌むものであるということも、私は確信ができるわけでございます。ところで、細部に亘つて今後審議してみなければまだはつきり申せませんが、この間の御説明を伺いましても、この技術料と物の面とを区別して算定された今度の厚生省の新医療費体系が、現在の国民が負担する医療費の一定の枠から一歩も踏み出してはいない。だから、上るか下るかわからないじやないか、こういうような議論が出るようなのでございますが、このことにつきましては、私どもは臨時診療報酬調査会の、先ほど榊原委員のおつしやつたような答申の中に、こういうことをきめております。医療報酬は国民の医療費負担力に相応するものでなければならんが、医療報酬中所要経費、人件費はおのずから定まるものであるから、技術料は国民の医療費負担力に制約される現状においては多くの増額を期待できないが、技術料は原則として国民所得の向上に比例して引上げられるであろう、こういうことを最後の文章で結んでいるのが答申でございます。これから参りますれば、現在の段階において物と技術とに分けましても、多くの増額を……医師の収入としても、薬剤師の収入としても、技術料の面において多くの増額を期待することができないということは、常に臨時診療報酬調・査会におきまして承認しておつたところであります。併しながら国民所得が向上すれば……これも私は厚生省に資料を要求しております。が、現在でも一カ年に四百億ずつ殖えている。病院、診療所に支払う患者の負担が四百億ずつ殖えている。これはいろいろな理由もございましようが一方、やはり国民所得の向上ということも影響があるのではなかろうかと、こう思うわけでございます。従つて本年きめましても、来年度国民所得のほうが上つて行くということになれば、この点についての医療報酬の増額というものは、そういう意味において増額できるでしようが、併しながら現在においては多くの増額は期待できないと調査会自身も言つているのでございますが、そこでこの厚生省の出された資料は、増額しないような資料と私は受取つているのでございますが、この診療報酬調査会の答申の精神が十分酌まれて、そうしてこういうような新医療費体系の提出された資料になつたのではないかと想嫁するわけでございます。この点について一応厚生大臣の御所信を伺いたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) これは先にもお答え申上げました中にも申上げましたが、私どもは一つの行為としての医療行為に急激な変化を来すということは、これは適当でないから、従つて現状に成るべく即応するようにして行きたい。但し国民の医療費に対する負担全体、いわゆる国全体として医療費負担をしております全体が、年々お話しのように増しております。増しておりますから、従つてそれは或いは材料、或いは医薬、或いは技術料に対して増した増しように、内容はなつて来ると思います。だが、その増しようは当然必要の度において増して来るのであり、それを抑えるという意味は全然ございません。ここで具体的に申しますと、二十七年の医療費の状態に、日本の全体の医療費を、今後何年かかつても、抑えるという意味は全然ございません。これは当然或いは病気の種類により、病気の増減により、人口の増加により増して参るのであります。これは当然であると思います。従つてそういう意味において、或いは収入増というものも当然あり得ることだと考えております。ただ一つの病気なら病気というものの治療の状態において、それが新医療費体系になり、医薬分業になつて、急激に変化をするということは、とらない方向である、こういう意味でございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 もう一つだけ別な問題で伺つておきたいと思います。それは先ほど中山委員から御質疑がありまして、閣議における話のことに御質疑が触れて、その質問の内容、御答弁の内容は速記録に残つたのでございますから、そこで私もお伺いしておきたいのでございますが、先ほど来、閣議々々ということで中山委員から御質疑がございましたが、閣議で話が出たということになりますれば、正式の閣議で、閣僚会議で医薬分業の問題が議題に供せられて話が出た、こういうことになります。それで事実果してこれが閣議で議題に供せられて、いろいろな反対が多かつたとか少かつたとかいうことになつたのであるか、それとも正式の閣議は一旦閉じて、あとで閣僚各位が集まつておられる雑談、懇談の間で、いろいろ話が出たのであるかどうか。これは私は非常な結果において重大な意味を含むと考えます。それで私の承知している限りは、中山委員は閣議で官房長官の報告がどうとかこうとかいうお話がございましたが、私が個人として承知している限りでは、閣議を一旦閉じて、懇談、雑談の間で医薬分業の問題、医師会が反対しているからどうだとか、薬剤師会が反対しているからどうだとかいうようなことで、雑談の間でいろいろな話が出た、こういうふうに私は承知いたしているのでございますが、正式の閣議の議題になつていろいろな賛否の議論が戦わされたのか、閉じたあとの懇談、座談の間で出たものか、これだけ私は伺つておきたいと思います。併しながら若しもそういうことを御発表なさることが、閣僚会議の内容を外に出すことになつて、厚生大臣のお立場上お困りであるというのならば、私はあえてそこまでの御答弁は要求いたしません。お差支えなければ、その二つの区別について御答弁を頂きたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 閣議の内容は発表しないことになつておりますので、一つその点はお許しを願いたいと存じます。ただいろいろこの羅と申しますか、私が報告いたしたのは新医療費体系、それに関連して医薬分業についての意見があつたことは、先ほど来中山委員のお話の通りであります。その内容は、それ以上は申上げんほうがいいと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私はいろいろお聞きしておりますし、今まで新聞その他で伝えられたことを見まして、若干新医療費体系並びに医薬分業について、前途に危惧の念を抱くものでございます。そういう点から一つ大臣にお伺いいたしたいのですが、こういう画期的な医療制度の変革がなされようとしておる段階にぎまして、否のいろいろな御質問を通じてわかりましたことは、新医療費体系と分業とは一体的なものだ、こういうお話でございますが、そうすると、端的にお尋ねいたしますけれども、若し新医療費体系が、先ほどのお話のように、医療協議会等で基本点数の決定が見られないとか、そういつた何らかの事情によつて、実施されないという場合には、医薬分業もこれに準じて、平たい言葉で言えば、心中するというようなこともあり得るわけでございますか、その点を先ずお尋ねいたします。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 医薬分業は法律によつてきまつておりまするし、それから新医療費体系と申しまする点は、これを更に医療協議会に諮りまして、社会保険に移す場合に点数に変えて行く、現在も点数でございますが、支払点数に変えて行く、こうなるのであります。その支払点数に変える場合に、若しやその答申が得られない状態のときはどうするかということになりますと、法律が私は先行すると存じます。従つて一月一日からは当然これを実施する段取りにおいて、厚生大臣はその答申をよく検討して実施する行き方をとつて行かにやならないと、かように考えております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 それではもう一度、今の点を念を押してお尋ねいたしたいと存じます。新医療費体系が実施されない場合においても、分業は法律できめられたことに従つて実施する、極端な場合そういう場合もあり得るというように、大臣はお考えでございましようか。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 医薬分業には当然、技術と設備とを分類してかかつて来なければならん。現在の社会保険のいわゆる保険点数というのは、それを一緒にいたしております。これをどうしても分化して行く。で分化するやり方について、新医療費体系において方程式を一つきめて行く、それからこの方程式に基いて、実際に合うような点数を一つ割出して行く。その割出す場合に、医療協議会において答申がない場合には、医療協議会の協議の内容をつぶさに検討いたしまして、そうして厚生大臣は告示をするという義務を課せられておると考えております。

榊原亨自由党

○榊原亨君 今の御答弁でよろしいのでございますか。久下保険局長、念のために承わります。(笑声)

久下勝次厚生省保険局長

○説明員(久下勝次君) 大臣のお話の通りでございます。(笑声)

榊原亨自由党

○榊原亨君 現行の点数表におきましては、調剤手数料もございますし、処方箋料もございますから、新医療費体系ができませんでも、現行の点数表によつても医薬分業はでき得ると思うのでございますが、その点は大臣の御答弁が食い違つておりますが、久下局長、それでもよろしいでしようか。

久下勝次厚生省保険局長

○説明員(久下勝次君) 形式的にはお話のようなことは成り立ち得ると思います。ただ実際問題として考えました場合に、厚生省全体の考え方といたしましては、医薬分業を実施をいたしますためには、この新医療費体系をきめるということは必要であるという結論でございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 そこで今度は局長にち士つとお尋ねしておいてから、又大臣にお尋ねいたします。そうしますと、形式的な問題は別として、実質的には新医療費体系ができなければ、医薬分業は実施できないというような場合もできると、局長はお考えになりますか、どうですか。

久下勝次厚生省保険局長

○説明員(久下勝次君) 非常に極端な申上げ方をいたしますれば、社会保険の診療報酬は単価と点数から構成されておる。そのいずれも、厚生大臣が中央社会保険医療協議会に諮問して、その意見に基いて決定をするということでございます。従いまして、決定権は厚生大臣にあるわけでございます。そういうことは実は私は考えられないと、その意味において、思つておるのでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 只今の御答弁は御答弁としてお聞きしておきまして、なお続いてお尋ねいたしたいのは、大臣がしばしば本日御答弁になりましたように、すでに医薬三法はできております、審議会も設置されておる。而も分業実施については、三十年一月一日という期日までちやんときまつておる。こういうことはほかの法律の審議の場合とは若干性格が違つておりまして、施行期日が先にきまつて、その枠の中へどういうものを入れて行くかということを今やつておるというような形をとつておると思います。そういたしますと、一月一日から実施するためには、これを十分国民全体に周知徹底しなければならないし、又医療機関、薬局なり或いは診療所、病院によく徹底させなくちやならない。或いは又それに伴つて極端な場合には、診療所においては人員整理等もしなくちやならないし。薬局では新らしく人員を入れなくちやならないといつたような問題も起つて来ると思います。そういたしますと、最初山下委員の御質問のあつたときに、私も関連してお尋ねしようかと思つたのですが、十一月の上旬に大体医療協議会において基本点数を決定するというようなお話でございましたが、結局まだ協議会のほうでいろんな必要な省令の要素になるところの決定がなされていない。そういうものの決定が一体いつ頃までになされなければならないか、これについての大臣のお見通しはどうなのか。更に又それが若しぎりぎりの場合に、形式的に言えば、二十九年の十二月の三十一日にそれらの措置がなされたにしても、一日から実施するということは、これはまあ違法ではないにしても、併しながらそういうことでは結局、実際にこれを実施するということは不可能なことになつて来る。そういつたもののスケジュールと申しますか、構想というものが、もう今日十月も押し迫つた期日でございますから、大体医療行政の責任者である大臣においては、大体そういう構想がおできになつていなければならない。もつと端的に言えば、少くとも省令はいつ噴出さなければ、これは一月一日実施に間に合わないというようなことについての検討がなされておらなければならないと思いますが、そういう点について大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやいますか、お伺いいたします。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) お話の通りでございます。従つてこれはそもそも昭和二十六年に、昭和三十年の一月一日からということが実施になることにきまりました。従つてそれ以来厚生省は勿論、それぞれの関係者はその心組みをお持ちになつておると私ども考えております。ただ問題が問題でありまするために、いろいろその間に新らしい検討と申しまするか、論議がなされて来ておる状態でございます。そこでそれがぎりぎり一ぱいになつて、今日に相成つたという状態であります。厚省生におきましても、九月中に新医療費体系を漸く作成をいたしまして、皆さんに御報告申上げる段取りに相成つたわけであります。それでこれを保険のほうに移し、結局保険の問題が直接の問題になつて参りまするので、これを中央社会保険医療協議会に十一月の上旬に諮問いたしまして、大体一カ月そこそこで私ども答申を期待いたしております。その後におきまするいろいろ事務的なことを一つ、総務課長からお答え申上げまするが、準備におきましてはそういう憂いろいろ考えまして、一月一日に間に合せるように、又遺漏のないように期して行きたい、かように考えております。今の具体的な点につきましては、総務課長からちよつとお答えを申上げます。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 只今お話がありました医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律に規定してあります三つの省令をいつ頂きめるかという問題についての、概略の見込を申上げたいと思います。実は先般の、第十七回目になりまするけれども、十七回目の医薬関係審議会におきまして、そういうようなお話がございまして、政府側としては、いつ頃までにぎりぎりのところ答申をしてもらいたいのかという御質問がございまして、それにお答えしました趣旨は、政府側としましては、できるならば一つ今月一ぱいくらいにおよその見当を付ける程度のところまで打つて行つて頂きたい。従つておのずから御答申頂くという時期も、そういう考えの下にきまつて来るわけでありますが、そういうことを申上げましたので、大体の結論を出しますための準備作業は、すでにほぼ完了しておりまするので、今後結論をどういうふうに取りまとめるかという段階になつておる関係もございまして、審議会の委員各位からは、大体気持としてはわかつた、併し何といつても、答申が極めて円満な形においてなされるということが望ましいことであるから、そうあせるなというようなお話がございましたけれども、大体の気持はそんなところでございますので、只今大臣が申上げましたような時期には、十分省令も制定できるというような見込みで、現在いろいろ考えております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 只今まで大体の構想はわかりましたのですけれども、それについて非常に問題点がたくさんあると思います。と申しますのは、今お話のように十二月なら十二月に大体省令が出る。十二月初旬に、或いは十一月末に出たといたしましても、それに伴う具体的の準備等は、まだ殆んどどこもできていないと思います。診療所にいたしましても、まだできていない。或いは殊にどの地域が実施されるかというようなことも、きまつていない。そういう状態で、十二月の初めに出されて、直ちに一月一日実施というようなことになりますと、相当混乱も予想されますから、一応手続的な責任は果されたといたしましても、政府、もつと言えば厚生大臣なら厚生大臣の、こういう制度に対する政治的な責任と申しますか、そういうものは、私は十二月の初めにそれができたということによつて、或いは十二月ぎりぎりにとにかく期日に間に合つたということだけでは、済まされない問題があると思うのでございます。今もお話を聞いてみますと、審議会のほうでは、まだゆつくりやれ、余り急いじやいかんというようなお話のように承わつておりますし、大臣自身も、議論は十分に聞きたい、意見は聞きたいというようなお考えであるようでございますが、そこで最後に肚を割つたところをお聞かせ頂きたいのですが、時期的に見ても、今申しましたような事務的な問題ではなくて、実施の実際面から見ての、時期的にこれは今からではちよつと間に合わないのじやないか、或いは混乱を招くのではないかという、そういつたような懸念を生ずる時期になつた場合には、つまり一月一日から実施するということについて、今申しましたような政治的な問題等を考慮されて、これを延期するとかなんとかいうようなことも、幾分かは大臣としてはお考えになつていらつしやるかどうか。その点を最後にお尋ね申上げたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) なかなかむずかしいことでございまして、実は準備という点につきましては御同様であります。ただ、この準備に一番必要なものは、開業薬剤師の側にあるのじやないか。開業薬剤師のほうは、私は詳しくは承知しませんが、薬務局長等から伺つておりますところでは、従来ともこの二十六年実施以後、それぞれ相当準備の態勢をとつて来ておる。そこでこの政治的な動きとしてのいろいろな問題がありまする場合におきましては、これはお話の通りのような状態もいろいろ検討しなければならんと思つております。併し今厚生大臣として私がその状態において、この一月一日の法律を延期する法案を政府提案として出すという考え方は、実は現在持つておりません。それはむしろ関係者の御協力を頂いて、何とか一つできるだけ摩擦を少くして、そうして御了解をできるだけ頂きながら、この大転換を乗り切る方法をとつて行くことが、最大の努力をいたすべきことではないか、かように考えておりますので、現在私はこれを延期法を出すところまでは考えておらん次第であります。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) その他大臣に対する総括的な或いは根本的な御質問ございませんでしようか。ございませんようでしたら……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 大臣に対する根本的な総括的な質問は済んだのじやない。今日は、次の時間の関係上、この程度でみんなが少しずつ質問をしておいて……。(笑声)

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 大臣に対する質問はこれで済んだのじやなくて、時間の都合でこの程度で今日は打切りをいたしまして、前回の委員会において提出を要求しておきました政府からの資料が今日配付されておりますが、それに関して本日提出されました。これについて政府から御説明を願いたいと思います。今まで、資料を頂いたばかりで、それに対する前以ての説明がなかつたのですが、今日はちやんと一応、ずつとどういう資料が手許に配られたかということを一応……。内容については次にして頂きましようか。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 先般来からお話がございました資料につきまして、でぎるだけ集められますところ、又まとめられますところで、提出いたしたものでござざいます。目録だけを簡単に申上げます。  これは前回の委員会の前に提出いたしましたが、一つは医薬分業の実施上におけるいわゆる除外例をどういうふうにきめるかという問題についての検討でございます。これは前回提出しております。内容は、主として医薬関係審議会における審議の方法といつたようなものを中心に検討いたしまして、結論としては大体そういつたような範囲内において妥当なところに結論が得られそうだという気持を御報告申上げております。  それからこれも前回御提出申上げた資料でございますが、医薬分業が実施されました場合における薬剤師の需給状況がどうなるか。分業が実施されたならば今度薬剤師が足りなくなりはしないかという点が、やはり一つ問題点としてあり得るのであります。この点についての検討をいたしたのでありますが、この点については全然懸念がない、こういうような結論に達しましたので、これを御提出申上げたのであります。  それから本日御提出申上げました資料は、一つは行為別費用の計算過程というややむずかしい名前の付いた資料にしてございますが、この資料の現わそうとしておりまする事柄は、今回当局側から御提出申上げましたいわゆる新医療費体系なるもののいわば科学的な基礎というものが、どういうふうなもので成立つておるか、先般の委員会で資料の信憑性についてお話がございましたが、そういつた問題についての考え方を取まとめたものでございます。できまするならば、この資料につきましては後ほど、医務局長に御説明申上げる機会を与えて頂きたいと思つております。  それからその次が、前回に強いお話がございました当局側の提出しておりまする新医療費体系を実施した場合において、社会保険の経済にどういう影響があるかということについての資料でございます。この点につきましては、一応当局側としましては、影響が現状と殆んど変らないということを申上げたのでありますが、なおできるだけ資料を出せというお話でございましたので、まとめましたものでございます。表題は昭和二十八年六月政府管掌健康保険百分の一抽出という資料でございます。これは簡単な資料になつておりますけれども、内容は非常に複雑な調査と非常に多くの資料を基にして作り上げましたものでございまして、これも時間を頂けますならば、保険局長から御説明を申上げたいと思います。  それからその次に政府管掌健康保険の医療給付費の増加についてという資料を提出いたしておりまするが、これは前回、最近における医療費増高の原因が何であるかについて政府側で分析をしたものがあるならば提出をしろ、或いは考え方を文書の形で出せというお話がございましたものに対するものでございます。国民医療費の全般についてということになりますと、多分に推計が入つて参りまして、議論が固まりませんので、確実に物の言えまするところの政府管掌の健康保険についての分析をすることによつて、そういつた問題てお答えするということに代えさして頂く、こういう趣旨のものでございす。これも時間を頂けますならば、保険局長から御説明を申上げたいと思います。  そのほかに薬の関係につきまして、例えば国民医薬品中第二種の問題とか、或いはいわゆる薬局における無診投薬の問題及び薬剤師が処方箋通りに処方しないということに対する取締方法についての問題等についても、資料を提出するようにというお話がございましたが、これは特に資料として申上げるほどの内容に固まつておりませんので、若しお許しを頂けるのでありますならば、当局側から口頭を以て、これらの問題に対する現状及び考え方というものを説明さして頂くことによつて、代えさして頂きたいというふうに考えております。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 只今の概括的御説明によりまして、一応資料の説明のお聞き取り願つたことにしまして、本日本件に関する質疑はこの程度にいたしたいと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私が要求した資料があるのですが、今説明がないのですけれども、ちよつと総務課長にお尋ねしますが、私は先般資料を要求しております。国民医療費の年々の四百二十億の増加の理由、内容、それから一カ年に私の推計によると一億日分くらい投薬数が殖えつつある、この内容についての解説、この資料、それから若しも無診投薬とかそういうようなものの資料を調査説明されるならば、薬事法二十二条による医師みずからの調剤に対する違反事項、それから保険医療に関するいろいろな処罰の事項、そういうものも資料があれば同時こ提出願いたいし、なければ説明で結構でございますから、お願いしたい。そういうふうに私はこの間から一応説明したつもりですが、意味が徹底しなかつたのかも知れませんが……。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 只今お話のありました前段の資料につきましては、只今も申上げました通り、国民の医療費全部について確実に論証するような資料を持ち合せておりませんので、確実に物が言える政府管掌の健康保険におけるその問題を分析するという資料で、代えさして頂くということにお願いしたいという趣旨で、政府管掌の健康保険の医療給付の増加についてを提出したわけでございます。これは実は高野先生の御要求に対する資料というつもりで、提出したものでございます。なお後段の点につきましては、御要求がございますれば、当局側といたしましては、でき得る限り、如何なる資料でもありますものは提出し、又説明できるものは説明するということにさして頂きたいと思つております。従つて若しも正式に御要求なさるのでございますならば、次回に揃えたいと思います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 次回に詳しく説明願いたいと思います。この公費負担の医療費というこの資料から、国民医療費を私どもは理解してよいわけでございますか。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 只今お話がございました公費負担分医療費というこのプリントは、前回榊原委員からお話がありました国民の総医療費負担について当局側から出しておる基礎は一体どういうふうなものであるか、出せなければ答えよという御要求に対する資料でございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 この次までで結構でございますから、この政府管掌とかなんとか、健康保険とかなんとかいうのではなしに、何年のどこの数字をいつ用いてこれはこういう数が出たという、それを私どもに知らして頂きたいという要求でありますから、この次までにお願いいたします。

曾田長宗厚生省医務局長

○説明員(曾田長宗君) この資料の表題が抜けておりますので、よくおわかりなかつたかと思いますが、表題としましては国民総医療費の説明というのが全体の表題の上につくのでありまして、これに只今お話のようなどこからとつた数字かということを一通りは説明いたしたつもりであつたのでございますが、なお御覧下さいまして不十分な点がございますれば、更に提出いたしたいと思います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 この二枚には数字が何もない……。そういたしますと、あれを読みますと、元の国民総医療費と政府から出ておりますあれは、私どもが読みまして計算しますと、数字が違うのです。それで例えば健康保険の数字は、政府管掌なら、何年にどこの局でできたものに何倍をかけたという、そういうものでなければ、信遺性も何もないのですから、それを一つお願いしたいというわけです。

曾田長宗厚生省医務局長

○説明員(曾田長宗君) 取入れました資料は、言葉はなんでございますが、私どもの仲間で言いますと、文献……。

榊原亨自由党

○榊原亨君 その文献と実際の数ですね。数がなければ合計したものがわからないわけですから、簡単にできると思うのですが、この次に説明を聞いてからでもいいのですが、あとから申上げてもいいのですが……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 資料並びに議事進行について発言いたしたいのですが、いろいろ審議して行く過程において必要と称すべき資料は、各委員が要求され、又当局がそれに応じてお出しになることは、これは通常の例でありますが、問題は私は、当院の附帯決議になつております政府の提出いたすべき義務或いはそれに関連の資料等は、今日までお出しになつておる資料でこれで尽きておるのであるかどうかということを、はつきりしておきたいと思うのです。それが一点。それでそれに関連して、衆議院に出しておられると同じ資料を残らずに当院に出しておられるか。衆議院に出しておられる資料で、当院にまだ出しておらん資料があるかないか。これも念のために伺つておきます。それでもうこれで、附帯決議についての資料は、それからだんだん枝葉が出て来る分は別として、一応政府が参議院に提出すべき資料はこれで尽きておりますというならば、ここでそうはつきりしておきたい。まだあるならば、待たなければならない。それでこれで尽きておるというならば、我々のほうでは委員長にお諮り願いたいのでありますが、政府の提出した資料は附帯決議の要求しておるものに相適うておるかどうかということを一応検討して、決議でありますから、うやむやに、ただ単に委員会をやつて委員が要求した資料が出るとか出ないとかと違うのでございますから、決議の趣旨に適うておるかどうかということを一応検討いたしまして、然る後に御提出の資料の取扱い方、或いは説明を受けるかどうか、どうするかというようなことから、私は軌道に入るべきであろうと思います。決議があります以上は、それをうやむやにしておくという法はないと思いますので、政府のこの審議会設置法附帯決議に関しまする資料は、これで尽きておるのかどうかということをはつきりここで明らかにしておいて頂きたい。それから今の、衆議院に出しておるもので、まだ当院に出ていないものがあるかどうか。ないのなら、ないということもはつきりしておいて頂きたい。私は何か一つ、二つ、向うに出ているものでこちらに出ていないのがあるのじやないかというような気が何となくするので、それも念のため伺つておきたい。それの二つ。それがはつきりしましたら、明日の厚生委員会で、私は議事進行でありますが、委員長にお諮り願いたいのは、午前は小委員会があるそうですから、午後この決議の趣旨と政府提出の資料を当委員会が如何に了承するかどうかということについて、小委員会の御開催を願つて、そうしてきまつたら、その後の議事の御進行をお願いしたい。かような私は質問なり、又提案を議事進行についていたす次第であります。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) お話の第一点でございますが、政府から提出いたすべきと存じました資料を全部提出いたしております。それから第二の、衆議院のほうに提出いたしました資料で、審議途中で個人の、個人と申しまするか、委員会を通じてでございますが、御要求で、最初の当委員会で御決議の趣旨と違つた意味と存じまして出さんのが、こちらに提出していないのがございますが、これは、衆議院に出しました資料は、御要求があれば、いつでも提出いたしたいと存じ上げております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そこで、後段に申上げましたようなお諮りを願いたいと思います。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) お諮りいたしますが、今日まで出ました資料全部及び衆議院に提出されて、こちらにまだ廻つていない資料をこちらに廻して頂くとしまして、これが附帯決議が要求しておる資料の全部としてこの委員会が認めますかどうかということについては、只今お諮りいたしましようか、次の委員会においてお諮りいたしましようか。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 次回に願いたいと思います。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) それで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 御異議ないと思いますので、次回にこの資料についての、これが委員会が要求した適正な資料であるかどうかということについては、お諮りいたしたいと思います。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 只今お話がございました衆議院に提出いたしました資料の扱いのことでございますが、先ほども大臣から申上げましたように、実はいろいろ審議の過程において御要求がございまして、作つたものがたくさんございます。中には、端的に申上げますと、それがそのままほかの方にも資料として差上げるだけの普遍性があるかどうかと思われるものが、相当あり得るわけであります。そういう趣旨におきまして、先ほど申上げましたように、当院が御決議によつて要求される資料として提出するという措置をとらなかつたのでございます。只今の委員長の仰せが、若し衆議院のほうに提出いたしました資料の全部を追加して提出しろというお話であれば、これはさようにいたしまするし、又何かほかのお取計らいがあるというのならば、さようにいたしますけれども、その点をちよつとはつきりして頂くように……。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) ほかの取計らいというと、どういう取計らいでございますか。

小山進次郎厚生大臣官房総務課長

○説明員(小山進次郎君) 随時御要求がありましたときに差上げまするという方法もありますし、これこれを提出いたしましたという目録を参考に差上げまして、このうちこれだけをそれでは出せという御要求を頂いて作るという方法もあると思いますけれども、如何ようにでもいたしたいと思います。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) ちよつとお諮りいたします。只今の件について、我々はどういう資料が出たかということがわかつておりませんので、一応目録を全部、我々のほうに配付されないで衆議院のほうに配付された目録を要求するようにお願いしますか。それとも全部初めから、衆議院のほうに配付されてこちらに配付されてないものを提出して頂きますか。どちらかいいでしようか。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私が発言いたしましたことに関連しておりますので、重ねて発言するわけでありますが、私は、只今厚生大臣から衆議院に出しました資料は同様こちらにも差上げますということでありました。然るに小山総務課長から、何か異議めいたことが出た。私はおよそ国会で要求する資料は、普遍性か、それがよくわからんが、その人個人の必要なる資料を公開の席で要求することは、これは私は想像がつかん。私の必要な資料は、およそ同僚議員も必要であろうと思われるものを私が要求するのが、これが議員の常識です。その人特別に必要なものは、その人が特別に研究すればよろしい。公開の席で委員長を通じて政府に資料を要求する以上は、常識として、他の議員が御覧になつても参考になるだろうと思われるものを私は要求するというのが常識であると思う。従つて衆議院に出された資料で、特別にその議員のみ必要であつて、他の者が見たのでは一向参考にも何にもならんというような資料があるようなお話がありましたが、そういう資料は私は要求しておりません。併しながら、医療費の増減問題とかいつたような関連の資料は、例えばその資料が個人的な資料に属しておつても、これは非常に大切なことでありまするしいたしますので、ともかくも私は衆議院のほうは一応、何と申しますか、あり態に言えば、大がかりの御検討は一段落の状態だろうと思うのです。折角あちらのほうにお出しになつた資料ならば、こちらのほうにお出しになつても、決して出し惜しみになる理由はないだろうと思つて、お願いしたのです。併し政府のほうで何だかこれは非常に門外不出の貴重品で、これは衆議院のほうに出したのだが、参議院のほうに出すのは惜しいというのであるならば、強いてこれを求めません。併しだんだんそういうことおつしやつて、事態が面倒になるのをお好みならば、それでもよろしうございますが、深くは申しません。併しながら資料は多々益々、多ければ多いほどよろしいのです。併しながら、厚生省の倉中のものを皆ここへ持つて来るわけに行きませんから、要求があればお出しになるのは尤もでありますが、一応は衆議院のほうへお出しになつたものはこちらに出し、こちらに出したものは衆議院のほうに回すのが、親切である。そういう意味で、私はこの決議に副う資料が揃つたか揃わないか、重大な我々が態度を決定しようという段階ですから、関連して、衆議院のほうに出した資料があればついでにこちらのほうにお出し願つたらどうでしようか。肚の中では参議院を軽視してはならんという気持がするので、そういうことを言つているのです。小山君のほうが正しければ、私の言うことは……

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 承知いたしました。全部出します。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) それではそういうようにお願いいたします。御提出になつた上で、次回の委員会で、それについての御相談を申上げます。   —————————————

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 事務的なことを一、二お諮りいたします。中国人不慮殉難者遺骨送還に関する小委員として、前田穰君を前田穰君の後任として選出したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○理事(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。前田さんにお願いすることに決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会

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