厚生委員会 第6号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/02/11
会議録
○理事(藤原道子君) それではこれより厚生委員会を開きます。 社会保障制度に関する調査の一環として、厚生省関係昭和二十九年度予算を議題といたします。前回に引続き公衆衛生、薬務関係についての質疑を続行いたします。先ず薬務関係を御質疑願います。
○廣瀬久忠君 この間私申上げたように、各局長の予算におけるそれぞれの抱負があると思うのですが、その点に力を入れながら各局長にちよつと説明をして頂きたい。
○理事(藤原道子君) そういうふうに運んでよろしうございますね。それでは薬務局長から一つ一応の簡潔な御説明をお願いいたします。
○政府委員(高田正己君) 二十九年度の予算案の中で薬務局に関係のありまする予算は、総額で約三億三千九百万円ほどに相成つております。本年度が二億五千四百万円ほどでございましたので、差引き八千四百万円余りの増額ということに相成つております。 お手許にございまする資料で、そのうち私のほうの関係で主なるものだけについて簡単に御説明をさして頂きたいと存じます。 資料の第一頁に三番という項目がございまして、ここに科学研究費補助というのが上つております。この二千八百万円は御承知の科学研究の補助金でございまするが、その中で六百万円ほどは薬業関係の企業合理化に役立ちまするための新技術の工業化試験の補助金、それから応用研究の補助金というものに予定をいたしております。これは前年度と金額は同じでございます。 それからずつとめくつて頂きまして、七頁の二十二番国家試験費というのがございますが、この中に薬剤師の国家試験の費用が含まれております。 それからその次の頁でございますが、八頁の二十五番医薬分業調査費、これは御承知の医薬分業に関係いたしまする審議会が設置されることに法律で予定されておりまするので、その審議会におきまして御審議を頂きまする資料はすでに前年度までの予算でいろいろ調査をいたし整えられておるわけでございまするが、いろいろとその御審議の模様によりましては、それらのものを裏付けする更に精密な調査をして行くというふうなことも或いは出て来るかも知れないというふうな意味合におきまして五十万円ほどを組んだわけでございます。 二十六番の薬用植物栽培費、これは前年から始つた仕事でございまするが、御承知のサントニンを採りまするのに、今日ではみぶよもぎと言いまする植物を栽培をいたしまして、それからサントニンを抽出いたしておるわけであります。みぶよもぎよりは、くらぶよもぎと私ども称しておりまするが、くらぶよもぎと称する植物のほうがより含有量がどうも高いらしいということで、従来衛生試験所でその試験栽培をやつておりまして、それが成功いたしましたので、前年から全国の十 数府県にその種子を分ちまして、採種圃を試みに県で経営してもらつております。その補助金を前年も出したわけでございまするが、来年度も続けてやつて行きたい、こういう費用でございます。 それから二十七番の生阿片買上費一億円、これは全然新らしい経費でございます。御承知かと存じまするが、終戦後今日まで日本におきまする阿片系統の麻薬につきましては、すべて政府が別個に保管をしておりました阿片を麻薬の製造業者に分ちまして、それを食い潰して実は今日まで麻薬の製造をいたして来たわけでございます。ところがその政府が保管をしておりました阿片が来年度に入りますると底を衝いて参りまするので、どうしてもこれを新らしく輸入するほかに方法がないということに相成りまして、その輸入、或いは別に御説明をいたしまするが、国内でもけしの栽培を来年度は小範囲ながらできるようにいたしたいというふうなことを考えておりまするのでありまするが、国内でけしを栽培し、それから採れました阿片を買上げる費用、これがこの一億円という経費であります。別個に阿片法という法律案をやがて国会のほうに差出しまして、御審議を頂きたいと存じておるわけでございます。その法律案にもこの経費は関係のある経費でございます。 それからその次の二十八番の医薬品買上諸費、これは前年も同じような経費が計上してございまして、そこの注に書いてございまするような非常に特殊なワクチン、血清類を政府が一部分を買上げておきまして、非常の際の応急の供給に遺憾なからしむるというための経費であります。 それから私どものほうの局の関係といたしましては、ずつとめくつて頂きまして十六頁という頁が打つてございますが、そこに五十五番国立衛生試験所という事項がございます。前年より若干減額になつておりまするが、これは前年は官庁営繕がございましたので、それが済みましたので、本年度は若干の減額になつておるということに相成つております。国立衛生試験所の運営に要する経費並びに医薬品の国家検定等に要する経費でございます。実質的には減額になつておりません。 それからその次にその裏の六十一番麻薬取締官事務所、これも大体前年と同じような額でございまして全国に百五十名ほど持つております麻薬取締官に要する経費でございます。 以上が私どもの関係いたしまする予算の主なるものでございまして、その総額は最初申上げましたように三億幾らになりまして、前年と比較いたしまして、八千四百万円の増ということに相成るわけでございます。
○理事(藤原道子君) それでは皆様の御質問をお願いいたします。
○廣瀬久忠君 一頁の科学研究費補助ですが、これは何年くらいやつておりましようか。そうしてその補助を受けた結果の成績というようなものは、何か印刷でもされておるのでしようか。何年やつておるか、その結果を一つ聞きたいのです。
○政府委員(高田正己君) 科学研究費補助、これはその中の大部分、私が御説明いたしました六百万円以外の経費につきましては、実は官房総務課で主管をいたしておりまして、各局にまたがりまするいろいろな行政の基礎になる研究につきまして補助をいたしておるのでございます。恐らく私の記憶によりますれば、数年やつておるように思います。その結果等につきましては、私詳しく承知をいたしませんので、何か別の、総務課のほうに連絡をいたしまして、印刷物でもあればお届けをいたしたい、かように考えます。それから私のほうの関係の六百万円につきましては、本年度から実施をいたしまして、その成果につきましては、本年度の予算が御承知のように年度途中から発足いたしましたような関係もございまして、まだその成果を十分に見届けるところまでに至つておりません。
○廣瀬久忠君 本年度やつておるものは、どんなものをどんな会本社にやらしておりますか。
○政府委員(高田正己君) 十会社か、十一、二の数であつたと私記憶いたしております。中にはいろいろございますので、只今全部正確な記憶がございませんから、印刷物ができておりますから、それを差上げたいと存じます。
○廣瀬久忠君 もう一つお伺いしたいのは、今年の新らしい費目として一億、生阿片買上費、これはやはり相当薬務局の仕事としては大きな仕事でありますが、これは外地から買うとすると、どこから買うのですか。内地でけしの栽培によるとすれば、どういう工合になるのか、大体のプランを一つ伺いたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 只今の御質問にお答えをいたしまするには、先ほどちよつと申上げました予定いたしておりまする阿片法案につきまして簡単に御説明をいたしたほうが便利かと存じまするが、阿片法案の中で考えておりますることは二つございまして、一つは麻薬の原料になりまする阿片につきましては、その輸入でありまするとか或いは買上でありまするとか、売渡しでありまするとか、すべて政府がこれを行うということが一つでございます。これはなぜさようなことに考えておるかと申しますると、昨年の五、六月であつたと存じまするが、国連のほうで麻薬に関する国際会議がございまして、すべて阿片につきましては政府がこれを専売的に取扱うというようなことを内容といたしまする国際条約ができたのでございます。それに対しまして我が国も代表を派遣いたしまして、これに調印をいたし、たしかこの国会にその条約の批准についての御承認を求める手筈になつておると承知をいたしております。さような国際条約の関係と、それからなお我が国が終戦前までやつておりましたことも同様でございましたので、さような過去の我が国の歴史というようなものを勘案いたしまして、さようなことに予定をいたしておるわけでございます。 それから内容の第二といたしましては、けしの栽培というものを終戦後今日まで全然禁止をいたして参つておるのでございます。それは今日では麻薬取締法にその条文があるわけでございます。終戦前までは御承知のように、我が国におきましては相当のけしを栽培いたしましてこれから阿片を採つておつたのでございます。そうしてその阿片をすべて政府のほうで買上げまして、これを麻薬の製造業者に売渡して麻薬の製造をいたしておつたのでございます。さような歴史もあるのでございまするが、終戦後占領軍の方針によりましてこれは全面的にストップになつております。ところが先ほど申上げましたように、今日政府で保管しておりまする阿片も底をついて参りましたし、麻薬というものは医療上欠くべからざるものでございまするので、これの原料である阿片も確保して行かなければならん。それには昔やつておりましたのでありまするから、再びけしの栽培というものを可能にできるようにして行つたらどうであろうか。勿論それだけでは足りませんので、輸入をいたさなければなりませんけれども、この外貨事情の苦しいときにすべて輸入に仰ぐということでなくして、我が国におきましても従来から栽培技術を持つておるのでありまするから、その栽培というものを再開して行つたらどうであろうか、かような考えをいたしておるのでございます。併しながらこのけしの栽培は何しろ非常に問題になる阿片を採るということでございまするので、いろいろとこの取締というものにつきましては、非常に慎重に考えて行かなければなりません。従いまして、そのけしを栽培する場合に如何なる規制を加え、如何なる取締をやつて行くかというふうなことが法案の第二の要素になつておるわけでございます。大体さようなことを内容といたしまする法律案を近く国会にお願いいたしまして御審議を願う予定にいたしておるのでございます。それで只今の御質問の一体どの辺で栽培をし、一体どの辺から輸入をして来るつもりか、こういう御質問でありまするが、これは栽培のほうにつきましては、只今申しましたように私どもの考えといたしましては、今の法律案が成立をいたしましても、取締の関係もございまするので、そうどんどんと栽培をやつて行く、奨励して行くというようなつもりでは、ございませんで、取締が十分に行われ得る程度の範囲において栽培を許して行きたい。かような考えでおりまするので、従つて何と申しまするか、昔そのけしの栽培をやり、いろいろ栽培技術等についても経験を持ち、又何と申しますか横流れ等についても十分に自戒して行くような態勢を持つたとこにだけ当分の間許可して行きたい。そうしてその栽培に伴う弊害というものがそんなにないということの見極めを付けてだんだんと拡げて行きたい、かようなつもりで今おるわけであります。それから輸入のほうにつきましては、これは御承知のように世界の阿片の生産国というものは大体限定されております。トルコでありまするとか、インドでありまするとか、或いはイランでありまするとか、まあ量は少いようでございますが、ユーゴースラビアでありまするとか、さようなところが生産国ということに相成つております。これはどこから輸入するかということになりますると、いろいろと値段、品質というようなこともございまするので、十分に検討をして参らなければならん、今直ちにどこということを予定するわけに参らんと存じまするが、いずれそれらの生産国から有利なとこから輸入をいたして参りたい、只今のところさように考えておるわけでございます。
○高野一夫君 ちよつと伺いますが、これは僅かですけれども薬用植物栽培・費というのが殖えておりますが、これは何か特殊の計画があるんですか。
○政府委員(高田正己君) 只今御説明を申上げたのでございまするが、これは……。
○高野一夫君 重複するならば結構です。私あとで又別に伺いますから。
○湯山勇君 ちよつとお尋ねします。一つは、サントニンは今のところはどういう経路で輸入されておるかということでございますね。それから今度新らしく栽培しようとしているくらぶよもぎでございますが、これは今手許に持つておりませんけれども、先般新聞で見ますと、これの採種、種を採るということが非常に困難だ、そういうことが出ておつて、何だか随分たくさんの中で十何粒か完全な種子が採れたというようなことがあつたのですが、これは本当に見込があるものかどうか。これによつて国内のサントニンの自給が完全にできるというのは何年向うであるとか、そういう見通しについて承わりたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 第一の御質問のサントニンはどこから輸入しておるかという御質問でございますが、これは今日のところ全然輸入をいたしておりません。国内でできましたみぶよもぎから抽出いたしまするサントニンが量といたしましても十分に、質といたしましても立派なものができております。むしろ若干外に出しておるような状況でございます。なお、これにつきましてはかような国内で十分供給ができる程度にサントニンを生産いたしまするにつきましては、関係の業者並びにこの草の栽培に当つておりまする農家の方々が非常に過去におきまして長い御苦心を経られて今日までに至つたわけでございます。 第二の御質問のくらぶよもぎの見通しでございまするが、先はどもちよつと御説明をいたしたように、くらぶよもぎはみぶよもぎと原産地を異にいたしておる植物でございまして、それでそれが果して我が国で栽培できるもりであるかどうか。それから栽培できたとしてそれが含有量はみぶよもぎと一体どうであるかというふうなことにつきまして国立の衛生試験所で数年間研究をいたしまして、これは大丈夫できるという見通しでまあ結論を得たわけでございます。そうして種を採りまして、ただ然らば一体日本の国のどんなところが適地であるか、それからそれが試験的な栽培でなくして或る程度本格的な耕作に適するかどうかというふうなことをいろいろ研究をいたしまするために、この種を分けまして全国の十数府県でそれぞれ研究を今やつておるわけであります。殆んど種がうまく採れなかつたというふうなことを聞いておるがというお話は、恐らくその十数府県のうちでうまく行かなかつた所とうまく行つておる所とある。それは地方の気候なり風土なりいろいろ関係がございまするし、なお又、栽培の技術の点におきましても初めてのことでございまするので、上手に行きましたり、まずく行きましたりいろいろ影響がございます。併しながら全部が全部駄目になつておるわけではございませんので、私は先日広島県に参りまして、広島県と山口県とでやりましてそれから採つた種を現実にこれだけくらい見て参りました。だからうまく行つておる所もあるわけでございます。それでこれによりましてどういう所が一体適地であるかというようなことを確かめて行きたい、まあかように考えておるわけであります。
○楠見義男君 私も若し重複しておつたらそのことをお述べ頂ければ有難いと思いますが、先ほど言われておりましたけしの問題なんですが、けしの栽培についてはいずれ先ほどお話がありました麻薬取締法の法案の際に詳細伺う機会があろうかと思うのですが、極く簡単なことだけをお伺いしておきたい。それは今まで従来禁止前の国内における栽培面積、それからどういう地方が多かつたかということ、それが一つと、それからその次にはけしの栽培を一定の制限の下に認めるという場合の、そのできたものの収買方法といいますか、どこか一手にやるのか、或いはそういう製薬会社等との契約栽培の方法で行くのか、その場合の許可面積といいますか、どの程度のことをお考えになつておるのか、それから現在の種子の手配をどういうふうにお考えになつておるのか、そういう点を重複しておらない範囲内においてお答え頂きたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 以前にわが国でけしを栽培しておつたときはどの程度やつておつたか、どの地方であつたかというような御質問でございますが、私の聞いておりまする記憶により ますれば、一番最盛期には二千町歩くらいやつておつたかということでございます。それで我が国で使いまする阿片の大体三分の一近くを国内のけしからとつておつたというふうに私は聞いております。 それから主としてやつておりました地方は和歌山県でございまするとか、大阪府でございますとか或いは愛知、兵庫、岡山、さような所が盛んであつたというふうに私は聞いております。 それから今後栽培を又認めて行くとすれば、その収納はどういうふうなことになるかというような御質問でございますが、これは先ほど御説明申上げましたように、麻薬の製造業者に契約栽培とか、何とかいうようなことでございませんで、一手に政府が買上げる。政府が買い上げ、売渡し或いは輸入というようなことについて独占権を持つということが予定いたしております阿片法案の一つの内容になつております。それは先ほど申しましたように国際条約との関係もありまして、さようなことになつております。それからその値段のきめ方とかいうようなことにつきましては、法律案の中できめて参りたい、大体の数字をきめて参りたい。今法律の案文を関係各省と相談中でございますので、只今まだ確定をいたしておりませんけれども、やがて法律案の内容として御審議頂けると存じます。 なお範囲等につきましてはどの程度それを認めて行くかということにつきましては、只今私ども考えておりまする法律案におきましては、年々の栽培面積というものを府県ごとに厚生大臣がその最大限を定めましてそして国内からどの程度採れる、それから輸入にどれだけ待たなければならないかというふうな需給計画を厚生大臣が立てまして、そしてやつて参りたいというふうなことに大体予定をいたしております。その厚生大臣が考えまする際に、国内の栽培面積をどの程度にするかということにつきましては、先ほど御説明いたしましたように取締りとの関係が非常にございまするので、取締りの手に余る程度にこれを許しますると、麻薬の或いは阿片の弊害というものが出て参りますから、その辺のところを睨合せて、私の只今の気持ではじわじわとやつて行きたいというふうに考えております。
○楠見義男君 新らしく栽培する場合の種子の手配の問題ですね。これはどういうふうにお考えになつておるのですか。その点が一つと、もう一つは、今お話しになつたように取締りの関係もありまして、地域的に認める場合の具体的の府県の選定というものは非常に重要な問題だと思うのですが、それと同時に既存農家の一般農業経営との関連においても又相当慎重に考慮して頂かなければならん問題で、単に麻薬栽培、けし栽培という観点から厚生省の面からのみ見ることによつて既存の農業経営或いは農家経営というものとの無用の混乱を生ずるという虞れもあろうかと思うのですが、そこで第二点としてそういうような場合における具体正的な農林省あたりと十分な緊密な連繋をとつて進んで頂きたいと思うのですが、そういうようなことについての御準備はどういうふうになつておりますか、その二点を……。
○政府委員(高田正己君) 種子につきましては、国内に求められるようでございます。その種子が非常に困難であるというようなことになりますれば、何らか対策を考えなければならんと思いますが、只今私ども考えておりまする程度の小範囲のものであれば種子については間に合うというふうに私は聞いております。 それから第二の点は、全く御質問のご趣旨の通りでございまして、先ず考えなければならないのは、阿片の需給ということが第一であり、二番目にはそれによる栽培による弊害というものの取締りの面を考えて行かなきやあなりませんけれども、勿論それらの同じような意味合におきまして、今ご指摘の農家経営というふうなものとの関連というものは十分に考慮いたして行かなきやあならんと存じます。従いましてこれが実施に当りましては、農林省方面と十分緊密に御相談をしてやつて参りたい、かように考えております。併し何せ先ほど申上げましたように、当面といたしましてはそうたくさん拡げてやるということは考えておりませんので、当面としては日本の全体の農家経営にどう影響して行くかというような大きな問題には当分ならんと思います。併しやがてはそういうことが或いは来るかも知れない。さようなことも考えられまするので、ご趣旨の点は十分私どもも考えてやつて参りたいと思います。
○楠見義男君 私詳しいことは存じないのですが、国内で種子が間に合うという意味は、国内採取という意味なんでしようか。というのは今まで栽培を禁止しておつて採取ということが相当まとまつたものが得られるとすれば、これは今までの禁止に違反しておつたことになるのだし普通考えますと栽培を禁止しておつたのだから、国内採種というものがそう厚生省がお考えになつておるようなふうに簡単ではないのじやないかというふうに、これはまあ素人考えなのですが、その辺はどうなんでしようか
○政府委員(高田正己君) 品種につきましては、実は戦前から一貫種といいまして改良に改良を加えて非常によく採れ又含有量もたくさんあるという品種が我が国で完成されておつたのです。その種が実はそれを栽培いたしておりました中心地等にはまだ残つておる。それでやかましく申しますとそれは違反じやないかということになるのですが、併し正確に申しますと、種子そのものについては実は現在の麻薬取締法には何ら規制を加えておらない。だから種子を持つておつたといつても、それが直ちに違反ということにはならない。それからもう一つは、今日の麻薬取締法でけしの栽培というものを禁止をいたしておりまするけれども、これを研究する範囲におきましてそのやることは実は認めておるわけでございます。それで本年におきましても麻薬研究者、今日は阿片のほうも麻薬取締法で一緒に麻薬の中に入つておりまするので、麻薬研究者ということで法律によつて許可をされて、その研究に従事をいたしておりまする者がおるわけでございます。ほんの小範囲でございますが、それでそれらのものからも種子が採れるわけであります。さようなわけ合いで、種子につきましては我々が今考えておりまする小範囲の程度では大体間に合うのではないだろうかという見通しをいたしておるわけであります。
○高野一夫君 ちよつと伺いたいのですが、それに関連したことですが、例の大麻の問題ですが、これは農林省関係では大麻を栽培しなければならない。先ほど或る会合の席で大麻法は一つやめてもらいたいという議論が出ておつたりして、我々はその必要性を強調しているのですが、これに対して農林省側と厚生省側の栽培の取締の関係、又取締上何か特別の予算がどこかに組んでおるものかどうか、そういう点について概略伺いたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 大麻の取締についての予算と申しますと大したものはございません。これはほんの僅かで大したものはございません。 それから御質問の廃止してもらいたいというような意見もあるのだがというようなお話でございまするが、大麻に耽溺性の有毒成分が含まれておるということは学問的にもこれは確認されておりまするし、それからもう一つはこれにつきましても条約がございまして、国際間の大麻の不正取引を防止するに的確な措置をとることを我が国も義務付けられておるわけであります。さような関係からいたしまして、今日大麻取締法を廃止してしまうということはいたしかねると私どもは考えております。なお昨年の四月に法律の改正をいたしまして従来厚生大臣まで来ておりましたいろいろな権限につきましても、都道府県知事に委譲をいたしましたり或いはこの栽培者がいろいろ報告の義務を負つておりましたのを緩和いたしましたり、いろいろ栽培をされる農家のかたがたにできるだけ何と申しますか煩雑をかけないような趣旨で改正をいたしまして、相当その点につきましても最小限度の線は確保してございまするけれども、相当法律の扱いというものを楽にいたして参つたような次第もございます。附加えて申上げておきます。
○高野一夫君 コカの栽培、けしの栽培というのに禁止その他の制限がある、それはその成分そのものがすでに麻薬の定義を下されておるわけであります。そこで大麻の場合は、けしやコカと同様に栽培上の取締があつて、而も大麻の有効成分については何ら麻薬の指定がしてないというところに私は違いがあると思うので十が、若しも大麻の取締をどうしてもやらなければならん、やはり麻薬まがいに使われるということならば、その有効成分そのものを麻薬の指定をするということも考えてみなければならんと思いますが、この点についての学問的と申しますか或いは取締上の観点から、どういうふうにお考えになるか伺いたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 麻薬に指定をするかどうかという問題になりますと、これはいろいろな関係を考慮して十分検討をいたして行かなければなりませんので、その点は更に研究をさして頂きたいと、かように存ずるわけでございまするが、今日現実の事犯として出て参つておりまするのは、この大麻の葉つぱをたばこ用にいたしまして、そうして日本人は実は従来からこれを吸引するという習慣は、ございませんのですが、これを外国の軍隊の軍人に売込もうというふうなことをいたしました事犯がたしか昨年度中にも十件近く現実にも出て、違反として検挙されておるような状態でございます。さような事犯が現実にあるということは、やはり国の法律の存廃を検討いたすにつきまして十分考えて行かなければならんことだと思つております。
○高野一夫君 もう一つ、私はこの大麻の取締をやるということならば、この成分がコカ、けしと同様にやはり麻薬の指定がされるかされないかということに非常に重大な関係があるのじやないかと思つているのです。それでその成分が麻薬みたいに悪用されるということならば、ここで麻薬の指定をする。それならばコカとかけしと同様に栽培についても厳重な取締をしなければならんわけですけれども、その成分は悪用されるけれども麻薬じやない。それで植物は取締るというところに農林関係と厚生関係の私は意見の食い違いがあるのだろうと思うのです。それで農林関係から言えば綱とか網とかいうものの材料もつとどんどん栽培さしたいという気持もあるでしようし、こつちからいえば悪用されるから取締るけれども、成分は何ら取締の対象になつていないということならば、このほかにも有毒植物はまだたくさんある。有毒植物で悪用されるものはたくさんあるのに、それらのものは取締つていない。今度は大麻だけ問題になる。そういうことで私は実質的な取締の必要は強調していますけれども、どうも考えてみると、多少理由薄弱な点があるように自分でも思うのです。だからこの点について十分一つ研究しておいて頂きたい。今期国会中あたりにもう一遍この問題について検討してみたいと思います。
○理事(藤原道子君) ほかに御質問ございますか。よろしうございますか。それでは一応薬務関係はこれで打切つてあと公衆衛生関係についてお伺いいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(藤原道子君) それでは如何でございましようか、局長から一応の話を簡単に伺いますか……。それでは時間がございませんから簡潔に要領よく御説明を願います。
○政府委員(山口正義君) 公衆衛生局関係の予算につきまして、二十九年度私どもといたしましては当初受胎調節或いは食生活改善或いは環境衛生改善等につきましていろいろ新らしい構想の下に予算を考えたのでございますが、二十九年度は財政緊縮のために緊縮予算を組まなければならないということになりましたので、極く一部のものを除きましては、新規の予算を計上して頂くということはできなくなりました。而も補助金の整理の一連の施策といたしまして、保健所等におきまする補助費の補助率が切下げられましたので、公衆衛生局関係全体といたしまして、二十八年度の最後の更正されました予算では約八十三億でございましたが、二十九年度の予算はそれから四億ばかり減少いたしまして、七十九億なにがしというような数字を現在計上して国会に提出してあるわけでございます。その減りましたものにつきましては、保健所等に対しまする補助費が約二億減少いたしました。それから結核対策費補助が約一億、それからこれは災害関係でございますが、伝染病予防費が約一億減少いたしました。それから上下水道関係が一億減少しました。その他一億合計六億ぐらい減少し、その代りに精神衛生対策費、それから癩対策費等につきまして二億ばかり増加いたしておりますので、差引四億の減というようなことになつております。従いまして、公衆衛生局関係の予算で昨年度より伸びて来ておりますのは、精神衛生対策、それから癩対策この二つが主なものでございまして、そのほかは大体昨年度と同じ或いは先ほど申上げましたような理由によりまして、予算額におきましてやや減少しておるというような状態でございます。これが極く総括的なことでございます。 なお、それでお手許に差上げてございます資料につきまして簡単に逐次御説明申上げたいと存じますが、公衆衛生局関係はお手許に差上げました資料の二頁八番から六頁の裏の十八番まででございます。そのほかにずつと飛びまして施設関係がございます。これはあとで申上げます。 八番の優生保護関係は、これは昨年と特別に変つたことはございません。強制優生手術に対しまする国庫の補助金でございますが、人数も大体二十八年度と同じく、千三百五十人を見込んで計上してございます。 それからその次の受胎調節関係、これも考え方といたしましては、二十八年度と大体同じ考え方をいたしております。先ほども申上げましたように、当初は貧困者に対して、経済的に非常に困つている人たちに対して、器具薬剤等の配付或いは指導員の指導料を国が見ようというようなことも考えてみたのでございますが、先ほど申上げましたような理由によりまして、新規は認められませんでしたが、大体二十八年度と同じ線で、優生保護相談所の施設整備費と、それから優生保護相談所の運営に必要な費用に対する補助費、施設整備費は二分の一でございますし、それから運営費のほうは三分の一ということになつております。ただお手許に差上げてございます資料で、金額が非常に減つておりますが、これは優生保護相談所、保健所に設置いたしますもの、大体二十七年度と二十八年度で終つてしまいまして、二十九年度は二十八年度に増設されました二十カ所分についてだけの費用を見てございますので、金額の上では減つておりますけれども、考え方としては同じ行き方をいたしておるわけでございます。 次が十番の精神衛生対策でございますが、これは精神病院の病床の整備、それから精神病院に入院している人たちに対する費用の赤字補助というようなことが主なことでございます。精神病床につきましては、一昨日医務局の御説明の際にも御説明申上げましたが、全体といたしまして、昨年二十八年度は千二百床増床でございましたが、二十九年度は二千百床、そのうち三百床が国立関係でございまして、公衆衛生局関係の、即ち公立の精神病床の増設に対します補助が千八百床になつております。昨年は千床でございましたのでこれがやや増加しております。ただその際、二十八年度は新設の予算が組まれておりましたが、二十九年度は主に増床で賄つて行こうというためにベッド数の増加の割合に金額が伸びておりません。これはそういう理由に基くものであります。それから入院患者に対します赤字補助がこれはベッド数も多く見込みましたし又点数も上げてもらつておりますので、全額が大分殖えております。 それから精神衛生対策として新らしい仕事といたしましては、精神障害者の実態調査費、これは金額は僅かでございますが、現在日本におきます精神障害者の実態、精神障害者の数約三百五十万と推定しておりますが、これは大分古い資料に基いておりますので新らしく精神衛生対策を実施して参りますのには、どうしても精神障害者の実態を知る必要があるという建前から、二十九年度においてはこの実態調査をさして頂きたい。そういう考えで百七十万円ばかり本省費として金額を計上いたしてございます。 次が十一番の結核対策でございますが、これは医務局の御説明の際にも申上げましたが、結核病床の整備、それから健康診断、予防接種或いは医療費の公費負担というような費用が考えられるわけでございますが、結核病床の整備は二十八年度は一万床増床でございましたが、二十九年度は国立を増床しないということになりまして、国立は専ら内部整備ということに宙一点を注がれましたので増床は九千床ということになりました。そのうち公衆衛生局関係の公立、法人立の増床が五千四百床、社会保険関係が三千六百床というような割合になつております。それから健康診断、予防接種に要します費用は、これは前年度よりもやや人数を多く見込んで金額が計上してございます。それから医療費のほうは金額が昨年の二十八年度よりも一億ばかり減少いたしておりますが、併しながらこれはストマイ、パスというような薬品の値下りを考えに入れますと実際に医療費を負担してやれる対象になる人間の数は前年度よりもやや増加して対処していいのではないかというふうに考えているわけでございます。 結核対策といたしまして一つの新らしい行き方としまして患家指導で、患家指導費三千五百万円ばかりを計上して頂いてございますが、これは在宅患者が感染源になりましてその患者家族に結核が蔓延する虞れが非常に多いのでございます。結核患者の中の大部分が現存家庭に放置されている状態でございますので、その存宅患者から家族への感染を防ぐという手段といたしまして、患者の健康診断をやつて早期発見をし、或いは予防措置を講ずる。それが従来は一々保健所に行かなければやつてもらえなかつたのを、二十九年度は近くの指定医療機関で手軽に健康診断をしてもらえるような方法をとりたいというために、新らしい考え方で患家指導費を計上して頂いているのでございます。 そのほかの結核対策費といたしましては特別に変つた点はございません。アフター・ケアにつきましては社会局の所管でございますが、大体前年度と同じく二百床というふうに考えているようであります。 それからもう一つ結核対策といたしまして、結核の予防に従事いたしております専門家の養成という点につきまして、これは財団法人結核予防会に委託して実施いたしておりますが、近年肺臓外科が非常に進んで参りましたので、従来の研修項目に加えて別に肺臓外科に関する新らしい研修を実施したいということで若干の経費を計上して頂いてございます。 それからその次は十二番目癩対策でございますが、これは昨年本委員会におきましてもいろいろ御配慮を頂いた問題でございますが、その際附帯決議としてつけられました点についてどういうふうに措置しているかということにつきましては、一昨日廣瀬先生から御要求もございましたので、資料として差上げることにいたしてございますが、公衆衛生局関係といたしましては患者の入所促進という建前からいたしまして、患者家族の生活援護、生活保護法とは別建に全額国の負担において実施するという建前をとりましてそれに要します予算四千四百万円を計上して頂いてございます。その他府県に対します補助といたしまして患者の入所促進に利するような、役立つような費用を若干、例えば患者家族が療養所を見学に行くのに必要な旅費、入所する際に患者の家族が附添つて行くために必要な旅費というものを若干計上して頂いてございます。 その次は十三番目の伝染病予防費でございます。これは特別に変つた点はございません。金額のほうでやや差ができておりますのは、先ほども申上げましたように二十八年度の災害のために伝染病予防費を計上いたしましたが、二十九年度はそういう金額を見込んでございませんで、一部残りが見てありますけれども、二十八年度ほどたくさん見込んでございませんので、金額が減つているわけでございます。伝染病院隔離病舎の建設につきましては、大体前年度と同じベッド数にして、やや一割ほど減少いたしておりますが、金額は前年度と殆んど同じほど見込んでございます。 それから伝染病対策の一つであります日本住血吸虫病の予防措置といたしまして、流行地の溝をコンクリ—ト化いたします費用につきましては、これも大体前年度と同じだけの金額を計上してございます。 次が十四番の性病予防でございますが、これは強制健康診断に要します費用と、それから性病診療所、性病病院等に要します費用、その二つが大きなものでございますが、性病強制健康診断に要します費用は大体前年度の実績に基きまして、必要な経費を計上いたしてございます。性病診療所に要します経費につきましては、大体基礎的な数字は前年度と同じ考え方でございますが、ただ国庫補助率を先ほど申上げましたように、補助率引下げの線に沿いまして二分の一から四分の一に減つておりますので、従いまして国の予算として計上いたしております金額が相当大巾に減少しているわけでございます。 それから十五番の保健所でございますが、これは保健所の新設に要します費用と新設格上に要します費用と、それから保健所の運営に要します費用でございますが、新設格上は昨年二十八年度は新設が二十カ所、格上CクラスからAクラスに格上いたしますのは十カ所でございましたが、二十九年度は新設が十カ所、格上が十カ所というふうに二十八年度よりやや減少いたしております。運営費につきましては先ほど来御説明申上げましたように補助率切下げの線によりまして、国庫補助率が三分の一でございましたが、四分の一になりましたので、金額といたしまして昨年より一億七千ばかり減少いたしております。この性病診療所並びに保健所の経常費に対します補助率の切下げということにつきましては、地方財政が困難な折から補助率を切下げますということは、地方で予算化いたしますのに非常に苦心をすることと思うのでございますが、数日前衛生部長会議を開きまして、国全体の方針としてこういう事態に立至つたので、できるだけ各府県で予算化に努めるようにというふうに指示をいたしました。たとえ補助率が下つても、性病診療所或いは保健所の運営に支障を来たさないように今後十分注意して参りたい。そういうふうに考えておるわけでございます。 次は十六番の水道施設関係でございますが、これは一般上下水道は昨年よりやや減少いたしております。地盤変動、一般鉱害、特別鉱害も昨年とそうたいした差はございません。簡易水道につきましても、二十九年度は二十八年度と同じく災害を含めまして四億、災害が二億四千万円組んでございますので、災害を含めました分は四億というふうに二十八年度の当初予算と同じだけの金額を計上してございます。 それからその次が十七番の栄養及び食生活改善、これは昨年来食生活改善の問題が大きく取上げられまして、本委員会におきましても生活改善に関する小委員会をお作り頂きまして、食生活改善に関する問題を取上げていろいろ御審議頂いているわけであります。来年度におきましては、この食生活改善につきまして新らしい線を打出して行きたいというので、地方費の補助等につきまして一応の構想を持つて予算を要求いたしたのでございますが、先ほど申上げましたような理由で新規要求がなかなか困難でございましたので、取りあえず本省費といたしまして粉食普及に関します或いは食生活改善に関します費用といたしまして、協議会費、それから講習会費として百七十万円を新らしく計上して頂いているわけでございます。 それからその次の十八番公衆衛生関係施設整備、これは地方衛生研究所の整備補助は昨年通りでございます。それから財団法人癌研究所に関します整備補助も昨年と同様でございます。 それから公衆衛生局関係の施設といたしましてずつと飛びまして十六頁をあけて頂きますと、四十八番から五十二番まででございますが、四十八番の国立公衆衛生院、それから四十九番の精神衛生研究所、五十番国立栄養研究所、五十一番国立予防衛生研究所、これは特別に変つた事項はございません。金額がやや殖えておりますのは、内部設備、例えば新らしく機械を買うとか、或いは媛房設備をするとか、それから国立予防衛生研究所につきましては、現在の場所から旧海軍大学に移転をいたしますに必要な経費というようなものを見込んで頂いておりますので、やや金額が増加いたしております。検疫所につきましては、二十九年度は新設は計画いたしておりません。二十八年度は四カ所検疫所の新設を実施いたしたのでございますが、二十九年度は新設はなく、ただ人件費の増その他によりまして金額がやや増加いたしている状態でございます。 以上甚だ簡単でございますが、公衆衛生関係の予算について御説明申上げました。
○理事(藤原道子君) 御質問をお願い申上げます。
○高野一夫君 ちよつと四、五点お尋ねしたいのですが、これは先年も申上げましたのですけれども、これは六頁の裏に書いてある栄養及び食生活改善、これは農林省と厚生省が相変らず同じようなことを考えたりやつたりしているのじやないか、こう思うのですが、この間も新聞の記事に食生活改善協議会のことですか何かわかりませんが、両方で同じようなことを計画してやつている、こういうことで非難的な新聞記事が出ておりましたが、これは当つているかどうかわかりませんけれども、とにかく食生活改善の問題が厚生省でも農林省でもやつていることを伺つてみると、同じようなことをやつている。多少違つているかも知れないけれども、そういうものは調整ができるはずだが、これは何とか両方一つにしてやれないものかどうか。そうするとどつちかの予算がそれだけ削減されることになると思うのですが、これについてはどうですか。相変らず両方でやらなければならんものかどうか、この点について厚生省側の抱負を伺つてみたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 只今高野先生から御指摘の通り、先般の新聞にも食生活改善協議会が厚生省、農林省と両方で計画しているということで記事が出ておりました。現在農林省では学校給食関係で、食生活改善費というような項目で学校給食に関する費用が計上されております。それから農村の生活改善というような面で生活改善に要します経費が計上され、それが食生活改善という方面に使われるという場合もあるのでございまして、厚生省といたしましても国民栄養の立場から、或いは国民の生活改善を指導する使命を帯びておるという立場から、この問題を取上げて行かなければならないというふうに考えているわけでございます。何とかして一本になるわけには行かないかというお話でございますが、できれば両方協調して、併しそれぞれ受持の分野があると思うのでございます。例えば農林省では主として生産者に対するいろいろの指導する、食生活改善に必要な物資の生産というようなことにつきまして生産者に対して指導をしてもらう。厚生省といたしましては、一般国民を対象といたしまして、国民運動を展開するというようなことをやつて行かなければならないと思うのでございますが、ただ両方が同じことを重なつてやるということは、国全体の立場からこれはとるべき方策ではないというふうに考えられます。私どもも先般来農林省でもこの食生活改善についていろいろ計画をいたしているということも承知いたしておりまして、従いまして主としてそれを取扱つております食糧庁のほうとこの問題の取扱い方について相談をしながらやつているのでございます。ただ直ちにこれを今一木にしてしまうということは、なかなか困難なことではないかと思うので、ございまして、従いまして両方でやるならばその間に重点を別にして同じことを両方で繰返してやるということをやらないようにしなければならん。例えば若し展示会等をいたしますという場合には、農林省も厚生省も両方で共同で後援して、一つの団体にやらせるというような方法がいいのではないかということで、昨日もその問題について農林省当局に話合いをいたしておるわけでございますが、現在私どもが考えております行き方はそういうふうな行き方で行つたらどうか、こう考えております。
○高野一夫君 お考え尤もな点もあるようにも思いますけれども、私はまだ納得ができないのでありまして、農村の食生活改善といつても、都会の食生活改善といつても、これは根本の趣旨としては、やはり同じところから出なければならないのである。粉食奨励の普及運動をやるといたしましても、それならば麦の増産をどういうふうにやるか、或いは外米を減らして麦を輸入するかどうかというようなことを考えなければ、ただ麦の粉食がいいからというようなことで直ちに普及指導はできないと思う。それから農林省のことにいたしましても、食糧問題を考えるのに国民の食品栄養のことを考えなければ、増産にしても輸入対策にしてもできない。全く私はこの食糧問題に関する限りは、農林省でやることと厚生省でやることとは同じだと思うのです。これが一緒になることはむずかしいと言いながら、どういう点でむずかしいか、それを一つ説明して頂いて、そのむずかしい点を我々の手で解決ができるならば、解決のできる方向に一つ向けて行くべきじやないか。ただむずかしい、むずかしいと言つて、いつまでも繩張り争いみたいに思われるようなことをされたのでは、厚生省も迷惑だ、農林省も迷惑だ、我々のほうも迷惑だ、こう思うのでありまして、どういうところでむずかしいのか、厚生省と農林省の機構改革をやらなければ、それはできないかどうかという点について、何かお考えはありませんか。
○政府委員(山口正義君) 機構の問題になりますと、これは又いろいろ問題が派生して参ると思うのでございますが、一つにならんかどうかということでございますが、食生活改善という目標は、これは同じく一つでやつて参らなければならんかと思いますが、只今高野先生から御指摘がございましたように、やはり生産方面は農林省というものがございます以上、農林省で主として担当してやつてもらい、国民の生活改善指導、食生活改善指導という面は厚生省が責任を以てやるというふうに持つて行かなければならないと思うのでございます。 予算の計上され方等につきましていろいろ御意見があるか思うのでございますが、従来からの農林省でもつて計上しております予算との関係もございまして、現在では農林省と厚生省がやはり話し合いながら進んでゆかなければならない。これを機構改革をして、食生活改善はどちらかの省で一本にしてやるということは、ものの生産を担当しておりまする農林省、それから国民の栄養改善指導、食生活改善指導をやらなければならない厚生省という両方の立場から、一遍に一本ということはなかなかむずかしいのじやないかというふうに考えられまして、その運動そのものは成るべく両方で同じことをやらないように、両方それぞれの立場から必要な措置をとつてやつて行くように相談しながらやつて行かなければならない、そういうふうに考えております。
○高野一夫君 余りくどく申上げてもなんでしようから、この点についてもうひとこと申上げるならば、農林省では食糧増産のことをやり、厚生省のほうで食生活改善のことをやるということは当然わかる。然らは農林省で食生活改善に類する問題或いは研究、そういうものをやることを一切やめてもらつて、全く農業としての生産、そういう方面だけに農林省は仕事をやつてもらつて、現在農林省がやつている生活改革、それからそのほか食糧研究、そういうものは一切やめて厚生省に移す、全部厚生省で統一してやつてもらうということにして行くならば私も大賛成です。そういうことについてこの委員会でもう少し議を練つて頂くほうがいいのじやないかと思いますが、これはこの問題点として又他日いろいろ御相談をしたいと思います。
○理事(藤原道子君) 私も同意見でございます。
○高野一夫君 それからついでにもう一つ伺いたいのですが、優生保護相談所と精神衛生相談所、これを最近或る方面で優生保護相談所というものをやめてしまつて、保健所でやる、それから精神衛生相談所もやめてしまつて、保健所でやつたらどうかというような考え方が一部で行われているのですが、これに対して厚生省ではどういうお考えか知らないけれども、万一この優生保護相談所なり精神衛生相談所というものがなくなつて、そうして保健所一本でやるということになつた場合には、この優生保護相談所、精神衛生相談所関係の予算は全部削減されますか。
○政府委員(山口正義君) 只今高野先生の御指摘のようなことが一部新聞にも出ておつたのでございますが、そういうふうなことか行われ、これは行われるかどうかわかりませんが、行われます場合には、予算もやはり保健所費の中に計上されるというふうに考えられます。
○高野一夫君 そうすると予算面においては何ら変りはないということですか。ここに出ておる予算の額はこのままの程度において大体保険所費の中に繰入れることになりますか。少しは削減するとか、半分に減るとか、四分の一に減るということはないわけでしようか。
○政府委員(山口正義君) 1両方の予算で重複している部面、例えば人件費とか、そういう点において重複しておる部面がございませんので、そのまま移される、そういうふうに考えます。
○湯山勇君 この結核予防費の中の医療費が、相当減額になつておりますが、これは御説明によりますれば、ストマイとかパスとか、特殊薬価の単価が下るという御説明でしたが、実は直接関係はないのですけれども、生活保護法による医療費は説明を聞いてみますと、ヒドラジットとか、パスとか、ああいうものを非常にたくさん使うようになつたために、非常に苦しくなつて、実は各所で医療費が払えないというような現象を起しておる。そういうことから考えますと、二十八年度の当初予算にはこういう特殊な薬品は使わない見込みで予算編成をしたのではないかというようなことが考えられるのですが、これは二十八年度の予算の場合にも、こういう特殊薬価を見込んで組んでおられたのかどうなのか。それから特にストマイとか、パスとか、そういつたものの値下りというのはどのくらいを見込んでいらつしやるか、この点が第一点と、それから第二点は……、それだけ先にお聞きします。
○政府委員(山口正義君) お尋ねの第一点の、二十八年度の予算計上の際にも、ストマイ、パス、ヒドラジツト、テレビオンという特殊薬品を計上してございました。それから薬価の値下りにつきましては、ストマイにつきましては約二割減というふうに考えております。二割減として一応それを計算の基礎として計上いたしてございます。それからパスは値下りは考えないで予算を計上してございます。併し実際にはもう少し下つて来ると思いますので、そういたしますと、当初考えておりました人数よりも多くの人数に対して負担ができる、そういうふうに考えております。
○湯山勇君 次は水道関係でございますが、これは地盤変動の事項について残事業二百カ所というふうになつておりますが、新規事業は全然ないのかどうか。それから本年度でもこういう模様でしたら打切りになるのじやないかという心配がございますが、これは如何でございますか。
○政府委員(楠本正康君) お答えを申上げます。水道事業の地盤変動分に関しましては、その後逐次新らしい地盤変動のために必要個所が出て参つておりますが、大蔵当局の意向といたしましては、今後新らしく出ますものは一般簡易水道の補助対象としてこれを実施して欲しいという意向でございます。従いましてそれらの査定は現在すでに地盤変動の結果必要となつておる継続事業分に限つておりますが、併しこの点は必ずしもその方針には未だ納得しておるわけではございません。
○湯山勇君 これはお願いですけれども、納得しておらんだけというのでなくて、今おつしやつた通りでございますから、是非一つ確保して頂きたいとお願い申上げます。
○高野一夫君 一つ伺いたいのですが、受胎調節、これも最近年々経費が計上されておる。それからもう一つ保健所の費用にも関係して参りますが、昨年十月に北陸地方をこの委員会から視察に参つたときに、各県庁で確かめて見たのですが、受胎調節の普及なり、或いは保健所の中で特に取上げたのは食品衛生監視なんですが、そういう材料が各県庁に一向集つておらない。従つてそれが全国的に厚生省に集つていないのだろうと思いますが、折角これだけ予算を組んで受胎調節の普及をやるなり、或いは保健所の仕事を拡大して行つて内容を充実して行かれるというときに、特に保健所の場合食品衛生監視のデ—タ—と、受胎調節普及の結果のデ—タ—、そういうものは厚生省で何か集める方法をお考えになつておるかどうか、それとも又事実集つておるかどうか。私が調査したところだけ集らなかつたのかも知れないのだけれども、大体全国的にどういう様子になつておりますか。
○政府委員(山口正義君) 保健所におきます優生保護相談所で受胎調節の指導をどういうふうにいたしておるかということにつきまして、所内指導をどういうふうにやつておるか、或いは所外指導をどういうふうにやつておるか、相談件数が何件くらいあるかというような数字は、一応私どものほうで各県から取りまとめてございます。或いは高野先生のおいでになりました保健所で、或いは県でそれを整備してなかつたかと思いますので、誠に申訳ないわけでございますが、逐次私のほうでまとめるようにしております。それから食品衛生監視の問題につきましても、監視の状況、これを保健所報告としてこちらにとるようにいたしてございます。こちらで集計できることになつております。
○高野一夫君 食品衛生監視のデ—タ—は厚生省のほうで、公衆衛生局のほうで速急に全国的に材料の整備ができましようか。ということは、折角食品衛生監視費というものがあつて、そうして保健所の経費も相当組んでやつておつて、我々一番大事な環境衛生の中でも特に大事な食品衛生に関する旅館とか料理屋とか、そのほか各家庭における衛生状況なり、或いは食品の製造業者なりそういうものに対する監視の結果がどういうふうになつておるか。例えば非常な不良不適な点があるならばどういう点で不良不適であるかどうかというような内容についての資料が欲しいのですが、それが整理ができましようか。
○政府委員(楠本正康君) 只今手許に資料がございませんですが、至急取りまとめまして資料としてお手許に差上げたいと存じます。
○高野一夫君 お願いします。それからこれは先ほど御説明にもなかつたし、どこを探してもないのですが、厚生省が最近非常に鼠、昆虫駆除について努力されておるということで、非常に世間の関心を呼んで誠にいいことだと思つておりますが、この駆除と申しますか、防除と申しますか、そういうものの予算を今度は取らなかつたのですか。
○政府委員(山口正義君) 先ほど私が御説明申上げましたのは、この書類に出ております項目に基きまして御説明を申上げたわけでございますが、先ほど申上げましたほかに、只今高野先生の御指摘の鼠駆除に関しまする啓蒙宣伝費、啓蒙費、これは金額が非常に少い、僅かでございますが百万円、それから近頃問題になつて来ております水質の汚濁、河川その他の水が工業廃水その他によつて非常に汚染されて参ります。そのために私どものほうの関係といたしましては水道の水源に非常に関係して参ります。或いは農産物、水産物のほうにいろいろ影響を起して参ります。この水質汚濁防止の問題を何とかして取り上げなければならないというふうに考えておつたわけでございますが、それの調査に要します費用をこれも金額は僅かでございますが五十万円計上して頂いてございます。この書類に載つておりませんでしたので、説明を落しまして誠に申訳ございません。
○高野一夫君 これに出てないのですね。どつかの項目の中に一括して入つているわけですか。
○政府委員(山口正義君) このお手許に差上げました書類の中には含まれておりません。公衆衛生局関係で先ほども申上げましたような金額になりますが、この資料の中に含まれてない項目がまだ数項目小さいのがございます。
○有馬英二君 ちよつとお伺いしたいのですが、保健所関係ですけれども、保健所の新設が今年は非常に少いのですが、これは一般の予算が少くなつたからこういう工合に少くなつておるというわけなんですか。或いは追い追い今までに整備されてできるものはできてしまつた、残りはこれだけであるから、これだけやるというわけで少くなつておるのですか。
○政府委員(山口正義君) 私どものほうでは一応現在二十八年度末で七百七十二個所になりますが、目標といたしましては全国で八百九十一個所というところまで持つて行かなければならないというふうに考えておりまして、それを逐次新設して行くつもりでおります。二十九年度におきましても、若し財政上許されれば、もつと多くの新設をお願いしたかつたのでございますが、いろんな施設の新設増設という点につきましては精神病院を除きましては全部昨年より下廻つた数になつております。これは全体の予算の枠というような点から考えて止むを得なかつたのではないかというふうに考えておりまして、決してもう大体整備できたからこれでいいというような意味ではございません。
○有馬英二君 最近の保健所における職員ですね。特に医者のほうの補充整備、その辺はどういう工合になつておりますか。各保健所、特にまあ府県によつて違いましようが、そういうような数を一つ表になつておるものがありましたら、資料として配布して頂きたい。
○政府委員(山口正義君) 保健所の職員が全部充足されていないという点は御指摘の通りでございまして、特に医師、保健婦などの充足状況が悪いとうことは、しばしば御注意を受けておる点でございます。全般といたしましては約九割程度充足されておりますが、細かい資料につきましてはあとで資料として差上げたいと存じます。
○有馬英二君 それからもう少し結核対策についてお伺いしたいのですが、国立療養所が御承知のように戦時中にわかに増設されたということで、非常に病舎或いは一般の建物がぞんざいな建物であつて、今日もう非常に腐朽しておるところがたくさんあるように私どもは考えるのです。そういうことに対して、ここには整備費が組んであるよりですが、どういう工合になつておりますか。その整備費によるところの何といいますか、病舎その他の改造費といいますかね、そういうものはどういう工合に計上されておりますか。
○政府委員(山口正義君) 只今有馬先生の御質問の国立療養所の点につきましては、所管が医務局でございますので、医務局長からお答え申し上げるべきだと存じますが、二十九年度は新設は認めない代りに、それに見合うだけの費用を以て既存の国立療養所の整備に充てたいという趣旨でございますので、この金額の内訳、細かい点は医務局のほうからお答え申上げたほうがいいと存じますが、大体そういう趣旨で今度の予算が計上されておるわけでございます。 〔理事藤原道子君退席、委員長着席〕
○有馬英二君 もう一点、予防費ですが、結核予防接種の費用は従来とも計上が余り十分でないように私どもは思つておるのですが、今度はどのくらいの対象になつておりましようか。接種人員ですね。
○政府委員(山口正義君) 二十八年度は約十四百万人見込んでおりましたが、二十九年度は千七百万人を見込んで計上いたしております。
○有馬英二君 それからなおBCGの製造はどういう工合になつておりましようか、概略承わりたいのですが……。
○政府委員(山口正義君) BCGの製造の状況の細かい数字は、私今手許に持ち合せておりませんのでお答え申上げかねますが、現在従来と同じく一つは結核予防会から分れましたBCG製造株式会社で実施いたしておりましてその製造場所は御承知のように清瀬にございます。もう一つは仙台にございます厚生会のほうで製造を実施いたしております。製造数量或いは製造能力につきましては、いずれのちほど薬務局のほうから資料を差上げるようにいたしたいと存じます。
○横山フク君 優生手術でございますけれども、ここに男女合せて千三百五十人の予算が組まれておりますが、大体これに該当する人は日本にどのくらいあるのでしようかしら。ちよつと新聞で見たのですが、こういうほうの審査機関が非常に手間どるために、いろいろと問題があるように言われていますけれども、実際に該当する人が何人くらいあつて、そのうちのどのくらいの程度が年々優生手術を受けて、未解決に残されておるのはどのくらいか、そうしてその結果そういうところから生れて来る人が何人くらいあるか。そういうことについて詳細承わりたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 優生手術の該当者につきましては、正確な数字を把握するということはなかなか困難でございますが、一応私どものほうで計算いたしました資料がございますが、今ちよつと手許に持ち合せておりませんが、数万人に上るわけでございます。それを一応私どもは優生手術を五カ年くらいに分割してでも一遍にそれをやるということは財政その他の関係でなかなか困難でございますので、五カ年くらいに分けてこれを実施して行きたいというような計画を立てて予算を計上してみたのでございますが、併し、先ほど申上げましたような事情によりまして、大体前年度と同じだけの予算を計上して頂きまして、千三百五十人という対象を目途として実施いたしたいということに考えているわけでございます。ただこの数万人の対象者の中から、どういうふうな子供が生れて来るかというような数字も現在手許に数字を持ち合わしておりません。細かい数字の点につきましては後ほど資料として差上げるようにいたしたいと存じております。 それからもう一つ、只今御指摘の優生保護審査会がたびたび開かれないために、非常に手数が面倒でこの手術を受けないのではないかというようなお話でございますが、地方によりましては、割合い回数を多く開くところもございますし、又要請がなくて全然開いていないところもございます。単にその開く回数が少いからということだけでなしに、やはりこの優生手術ということにに対する一般の認識がまだ十分でないという点が考えられます。今後私どもはそういう方面に力を注いで行くと同時に、必要な予算についてもできるだけ計上して頂くようにいたしたいと、そういうふうに考えております。
○横山フク君 この問題はいろいろ人権問題にも波及することでもありますし、私たちとしても慎重に考えなければならん問題だと思います。そのために今から詳細な参考資料を手許において頂いて、そうして自分の心がまえをきめたいと思いますので、早急にできるだけの資料を頂きたいと思います。 それからもう一つ伺いたいと思いますけれども、それは環境衛生の面でございますけれども、未だに農村のほうに行きますと、殆んど田圃水に近いような水を飲んでおるようなところもあるように聞いております。又実際それを私たちにも陳情されるのでございますが、いろいろの面の保健上の機構が完備され、或いはその他の面が完備されても、根本は飲用水が解決できなかつたら、これはあとから追いかけて、そうして伝染病の予防費等を使うようなものだと思うのでございます。根本の水道面につきまして要求されたのはどのくらいの額であつて、そうして削減された額のことを承わりたい。今年度においてどのくらい要求されたのか、或いは地方からどのくらい簡易水道なり上水道に対して補助金の希望があつて、それがどのくらいの程度しか容れられていないのかといつたような数字を承わりたいと思います。 それからもう一つは、先ほどの高野さんの御質問に関連しておりますけれども、鼠のほうで百万円組んだ、非常に結構なことだと思うのでございますけれども、私たち考えますのに、まあこれは百万円は勿論なければならんし、もつとなければならんでしようけれども、一応こういう鼠とか蝿とか蚊というようなものは、そういう金の問題でなくしてやつぱりいろいろな一人件費は要るでしようけれども、いろいろ心がまえの問題になるだろうと思うのです。それで、殊に中共から帰つて来られた人たちは、中共地区には蝿がいなくなつたというときに、日本では文化を誇つているなんて自慢しておつても、日本に行くと蝿がいて、農村に行くと私たちは蝿がいるから丈夫なんだ。蝿によつて始終汚染されたものを食べているために、非常に身体の山に免疫体ができているということを大きな声でぬけぬけと言われているのを聞きますと、私たちは非常に考えさせられるのであります。この百万円というものはばつと使つてしまつては意味をなさない。日本の国は小さいけれども大きい分野において百万円くらいの金はもうどこに入つているかわからんと思いますけれども、それを集中するだけの気持がないのか。そうして、これだけのことをやつたらこれだけの効果があつたということを、順次にそのデ—タ—を挙げて進めて、例えば愛育村では母子衛生の問題についてもそういうふうにして順次に効果を挙げているということもございますが、そういう方面についてどういうようなお心がまえで今後の環境衛生の面を推進して行こうといつたようなことを考えているかということを伺わせて頂きたいと思うのでございます。
○政府委員(楠本正康君) お答え申上げます。第一点の水道問題、特に簡易水道について申上げますと、御指摘のように現在なお極めて不適な水を飲んでいる者が極めて多いのでありまして、特に農村におきましては、私どもの調査におきましては、その人口の二二%は未だ川の水を飲んでいる現状であります。而もこの川の水は開墾、伐採或いは地方の発達等の関係がありまして、逐次著しく汚濁されつつある現状であります。又一方家庭の主婦、農村の主婦が水汲み、水運びに費す労力はなみなみならんものがあるのでありまして、これは全く御指摘の通りであると思います。私どもといたしましてはかような現状に鑑みまして、二十九年度におきましては一応百二十万戸を対象といたしまして簡易水道を敷設する計画を立てまして、それに要する経費を十二億円要求したので、ございましたが、併しながらいろいろな国家財政の関係もございまして前年度通りの四億ということになり、来年度は約四十万戸を対象にこれらの施設を敷設することになつております。併しながら実は本年も予算が足りませんでしたので、大部分継続費で仕事を進めております。従つて来年度には新規事業として実施せられる範囲は極めて乏しいものと考え誠に遺憾だと存じております。次に、現在地方の簡易水道に対する要望は、個所数にいたしまして約九百カ所、総予算約百億が現在すでに要求されております。 次に、第二点の鼠、昆虫の駆除事業等についてでございますが、これらの事業は全く御指摘の通り民衆の積極的な意欲、それに対する理解というものによつてこれを実施することが最も効果的でございます。従いまして私どもはここ数年来地域的の民衆組織によつてこれを実施する運動を起しております。かような自発的な意欲に基きまする民衆組織によります活動を促進することによりまして、地域的に最近かなりの成績を収めたのでありますが、今後なおかような民衆の盛り上る力、その積極的な意欲によりましてこの問題を解決して行きたいと存じております。一方これらに要する予算関係でありますが、現在これら鼠、昆虫駆除に要しまする予算というものは、すべて平衡交付金に繰入れられておりまして、現在平衡交付金に積算されている金額は約二十四億円でございます。二十四億円が積算されているのでございます。従いましてこれが仮に有効適切に使い得るならば、かなりの成果が挙がるものと考えているのですが、何分にも平衡交付金のことでありますので、どこへ行つてしまうのかというような点もありますので、誠に心細い点もございます。(「しつかりしつかり」と呼ぶ者あり)併しながら私は平衡交付金の中におきましても、現在のように本当に成績を挙げて来ることは、つまりその仕事が本当に民衆に喜ばれる仕事だと思つておりまして、必ずしも平衡交付金であるがゆえにたじたじとしてしまつて、これは補助金でなければ仕事ができないということは余り申したくないと思います。これはやはり民衆の本当の気持を生かして行くということが必要だとかように考えております。従つてこれらの仕事を更に積極的にやつて行くということになりますと、現在特に昆虫におきましては漸く見通しも得ておりまして、相当の成績を挙げておりますが、ただ鼠の問題につきましては、極めてその作業がむずかしい点、或いは未だ国民の認識が十分徹底しておらん等の点がありまして、これらの点につきましては今後一層民衆にこれらの鼠の問題を理解させる必要もあろうと存じまして、先ほどお答え申上げましたように百万円ではありますが、啓蒙費として計上してございます。以上でございます。
○横山フク君 私、今お話を伺つておりますうちにわかつたのですけれども、民衆の積極的な盛り上る意欲による、こういうことなんですけれども、一体そういうためにはどういうふうなことをやつておられるのか。まああとになつて百万円の鼠のこれは啓蒙宣伝費があるので少しわかつたのですけれども、一体今までどういうことをそういう方面でなさつていらしたのか、今後又どういうことを民衆の理解を深める、認識を高めるというためになさろうとしていらつしやるのでしようか。啓蒙運動の片鱗を伺わせて頂きたいと思うのでございます。
○政府委員(楠本正康君) 結局これは極めてこの鼠、昆虫の駆除等は毎日の日常生活に結び付いたものでございまするので、私どもといたしましては或る特別に協力態勢と申しますか、民衆の一体的なまとまりのいいような地区を選びまして、かようなところに特別な指導者を一人探しまして、これらの人に先ず熱心に働いてもらう。そうして少しでも夏でも蚊がいなくなつた、蝿がいなくなつたというようなことになりますと、これは非常に大きな魅力になりまして皆に普及して行く。この場合にこれを実施するにつきましては、勿論専門的な技術的なことは保健所から十分な現場の指導もいたします。併し同時に家の周りは皆でできる限り片付けよう、綺麗しようというようなことは民衆の協力的な気持でこれを実施して行きたい、かように考えておるわけであります。併しこれは勿論地方の実情もありますので、これらの基本的な考え方によりまして、逐次如何なる組織ができて行くかというようなことは、地元のそれぞれの性格によつて若干の相違があるように思われております。現在最も成功いたしております所は、広島県或いは長崎県等はよく徹底をいたしておりまして、今後これらの気風は各地区に進んで行くものと私どもは期待をいたしておる次第でございます。
○高野一夫君 ちよつと今の横山さんのお話のついでにお願いしておきたいのですが、この鼠の問題は厚生委員会よりも農林委員会のほうが非常な関心を持つておる、御承知の通り食糧に対する被害、森林資源に対する被害、いろいろ又建築関係にも影響があろうと思いますので、いずれは適当なる機会に農林委員会と建設委員会とそれからこの厚生委員会合同の殺鼠といいますか、防鼠といいますか、そういう方面についての討議を今期国会中にできるだけ促進するようにお取計らい願いたいと思います。それだけお願いをしておきたいと思います。
○藤原道子君 先ほど来いろいろ御質問がございましたので、時間もございませんので、私極く簡潔に一つお伺いをいたしたいと思いますが、優生保護の問題でもこの前は優生保護法の改正のときに産婆、看護婦保健婦の再教育をして、これらによつて指導普及せしめる、実績を上げるということに相成つておるわけでございまするが、その後これはどういうふうになつているのでございましようか。それからどうも予算の面から見ると一生懸命削つちや大きな損をしているのであつて、相当強い要求はされたのでございましようけれども、この優生手術なんかの費用も思うように取れなかつた。それで生れた結果社会悲劇を生むことを思えば、もつと予算というものが有効に使われなければならないと、こう思うのでございますが、本当に各個人々々を普及指導して行くというようなことに、我々は法の改正に当つてはそうしたつもりなんでございますが、その後どういうふうになつているのでしようか、その点をちよつと一つ簡単にお伺いしたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 先般の優生保護法の改正につきまして助産婦、保健婦、看護婦を受胎調節関係の実地指導員にするということをきめて頂きまして、そしてそれに対する講習を各府県で実施するということになつたのでございます。それで昨年、二十八年の十二月十五日までに報告のありましたものにつきまして申上げますと、その府県におきます認定講習を終了いたしました者は三万一千四十五人でございます。指定を受けました者がそのうちの約半分一万五千人でございますが、あとの者は逐次指定を受けつつあると思うのでございます。ただ、このように講習は終りまして一定の資格を得てもらつたのでございますが、その人たちがどういうふうに活動いたしておるかという点につきましては、私どものほうで逐次各地の状況を調べてまとめつつあるのでございます。又実際に活動しにくい点があるならば、どういう点が隘路になつておるかという点を調べているのでございますが、率直に申上げまして、これら講習を受けた人たちがまだ十分な活動をしていないというような状態でございまして誠に残念に存じておりますが、それには先ほども申上げました指導料の問題或いは経済的に非常に困つている人たちに対する特別な対策を立てて欲しいというような問題、或いはこれは実際にもつとたやすく行渡らせるという意味で、これらの指導員に薬品、器具等を取扱わして欲しいというような問題がございます。いろいろ隘路があるのでございますが、それらの点につきましてはできるだけその隘路を打開して、当初のおきめ頂きましたような目的を達成するようにやつて行かなければならんと、そういうふうに考えております。
○藤原道子君 隘路は今局長が言われましたようにいろいろある思うのです。地方へ行つてみますと、折角指導講習は受けたけれども一年間に百円の指導料などというところがある。そんな馬鹿げたことは噴飯ものです。こういうことを放置しておいて、そうして実績が上らないと歎いているばかりでは駄目だと思うのです。いろいろ予算も取りにくい点もございましようけれども、これについてはもつと積極的にやつて頂きたいし、我々もやらなければならないと思つておりますが、一年間に百円の指導料とはどうも考えられないのです。それから従つて産婆さんたちは妊娠調節の指導をすれば自分の収入は減るんですからね。従つてそれに代るべきものというのがこのときの審議の状況だつたはずなのです。だから指導料が収入になる、こういうことでございませんと……そこが何ら考慮されていないという点が一つ。それならばせめてはお薬なり器具をこれは指導員が扱うというぐらいの親心はあつてもいい。それができないのはどこに理由があるのか。これは指導員に扱わせることが何か弊害があるとお考えなんでございましようか、業者等の反対があつてこれができないのでございましようか。それをちよつとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 指導料の問題につきましては先ほども申上げましたように、新らしく予算を取ることができませんでしたのを誠に遺憾に存じておりますが、ただ今後この優生保護相談所の経営費の運営等につきましてできるだけそういう点を考慮してやつて行きたいと、そういうふうに考えているわけでございます。それからもう一つ薬品を取扱わせないという点につきましては、現在の薬事法との関係におきまして問題がございますので、その点は私どものほうと薬務局のほうと相談をいたしておりまして、できるだけ皆さんの要望に副つて、而もその受胎調節の指導の実績が挙り得るように役所のほうでは考えて行きたい、そういうふうに考えております。
○藤原道子君 そのことは強く要望いたしておきます。 次に今度の予算で予算ただ一つの成功というように我々も喜んでおるのでございますが、精神衛生関係の予算が相当増額されたということは誠に結構なのでございますが、いわゆる精神衛生関係においての対象者がどのくらいあるか、それから今現に病院に収容されている人員がどのくらいあるか。それからどのくらい増床したらば間に合うかというような見通し、この三点についてお伺いいたします。
○政府委員(山口正義君) 対象者、これは只今藤原先生の御質問に対して極く大ざつぱな数字でお答え申上げますのは誠に恐縮でございますが、精神傷害者の対象者約三百五十万というふうに推定いたしております。実際の具体的な細かいことにつきましては、いずれ実態調査をさして頂きますれば正確な様子がわかつて来ると思います。その三百五十万の中で精神病者というものがどれくらい、或いはいわゆる精神病質者というもの或いは精神薄弱者というものはどれくらいかと申しますと、精神病質者というのが約七十万、精神薄弱者と申しますのが二百三十万、そのほかがいわゆる精神病者と言われるものでございます。それでこのうちで入院を要するものはどれくらいかと申しますと、概数約十二万五千くらいというふうに考えております。そのうちで現在入院いたしておりますのが約二万五千、これは大ざつぱな数字で恐縮でございますが、そういうふうに考えられておりまして、なお十万近くの病床を整備して行かなければ事足らないというふうな状況でございます。
○藤原道子君 これにはヒロポンから来た精神傷害者は含まれていないのですか。
○政府委員(山口正義君) ヒロポンの常用者は精神傷害者となつて参りますが、はつきり精神傷害者と診断ずけられるものでなければ、含まれておりません。ただ常習者というだけではそれには入つておりません。
○藤原道子君 なお時間の関係で急ぎますが、この点は非常に精神傷害者は社会に毒を流しますし、社会不安の温床にもなつておりまするので、至急これが増床等的確なる措置がとられますことを強く要望します。それともう一つ、精神薄弱者もこの中に含まれているのでございますが、これらのベッドはどういうふうになつておりましようか。やはり普通の精神病院で扱つているのでございますか。
○政府委員(山口正義君) 一般に精神薄弱者のほうは精神病院では普通には取扱つておりません。
○藤原道子君 二百二十万というものはそのままになつておりますのですか。
○政府委員(山口正義君) そうです。
○藤原道子君 困つたことです。その点はこれでよしますが、次にお伺いしたいのは、性病対策でございますが、予算書を見ますと随分減額になつておるのです。これは性病がもう少くなつたというお見通しなんでしようか。全く我々から見れば逆な現象だと思つて納得ができないのでございますが。
○政府委員(山口正義君) 性病に関します予算が予算面で少くなつているということは、御指摘の通りでございまして、その理由は先ほど申上げましたように強制検診に要します費用につきましては、実績に基きまして大体前年度と同じ程度でございますが、性病診療所及び性病病院に対します費用の中で、性病病院のほうは補助率がそのままでございましたが、性病診療所に要します経費に対します国庫補助率が二分の一から四分の一に下りましたので、予算面ではそういうふうに減つたわけでございます。従いましてこの減つた分だけは地方が予算を組んで、そして性病診療所の運営に当つて行かなければならない、こういうことになるわけでございまして、そういうことで私どもも非常に心配いたしておりますので、地方当局とも十分話合いまして、この性病診療所が適正に運営されて参りますように努力して参りたいと存じておるわけでございまして、決して性病患者が減つたからというわけではございません。ただ届出の上では性病患者、梅毒の患者が最近減つて来ておるということは事実でございまして、それは届出が十分行われないのではないかとう御懸念もあるかと存じますが、梅毒に関しまする限りは一般の開業医のかたがた或いは性病を特別に取扱つておる専門家の人たちの意見を聞きましても、最近は非常に少くなつておるということは事実でございます。ただ、この数字通りに受取つていいかどうかということは、これは検討しなければならん問題だと存じます。
○藤原道子君 予算を幾ら削減しても、馬鹿や気狂いばかり殖えて来ては困るので、この性病対策は非常に大事だと思います。そして同時に地方に対しての補助金の減つた分は、平衡交付金とか還付税で補うことを予定しておるだろうと思いますが、これで局長として今の補助率を下げて今まで通りの実績が挙るとお考えでございましようか。これではとても地方ではやり切れないというお考えでございましようか。局長自身の決意というか、見通しをお伺いしたい。政府の役人として言いにくいかもわからないが、あなたは政府の役人であると同時に、国民の公衆衛生を担当しておられるのでございますから、困難ならその困難を突き破つて進む決意が必要と思います。
○政府委員(山口正義君) 只今御指摘の点は私率直に申上げまして非常に心配いたしておるのでございます。併しこれは政府の方針といたしまして、こういう補助率が切下げられるということが行われましたので、その線に沿いつつ、而も性病対策が停滞するということのないように、これは地方のその衝に当つております衛生部長などを督励して、且つ又相談しながら進んで行きたいと考えております。
○藤原道子君 それも当り前の御答弁なので、もつと突込んで伺いたいのですが、地方の衛生部長会議というものも開かれたようですが、それらの人たちはこれでやれると言つておりますか、やれないと言つておりますか。
○政府委員(山口正義君) 衛生部長会議は四日、五日と二日間開いたわけでございます。地方の衛生部長は止むを得ないからこの線に沿つて努力して行こう、こういうふうに申しております。
○藤原道子君 本当ですか。(笑声)どうせ私は全国を廻りますからよく質して見ます。(笑声) それと併せまして保健所の補助率もこれ又減つておるが、これで保健所の機能が発揮できますか、私は本当に山口さん、心配して質問しておるのでございます。今までも保健所における保健婦等の待遇は実に気の毒極まるものだつたのです。それが若しこの線で参りましたならば、そのしわ寄せはやはり弱いところの保健婦にかかつて来ます。過重労働になつて今ですら病気になつて倒れる人がたくさんおるのです。ますます人員か整理されるとか或いはほかの方面の仕事まで兼任させられる結果になつたり、或いは担当する対象が殖えて来たりしまして、このままで行きましたならば、保健婦の機能は私は発揮できないと考えるのでございます。これはあなたを責めても……、今度の予算編成の事情から言つて苦しかつたと思いますが、このままでは私はやつて行けないと思います。そのしわ寄せが保健婦にかかつて来ると思うのでございますが、これらに対するあなたのお考え方、見通し、これを伺いたい。私たちはこれだけはどうしてもじつとして見ていられない気持でいるのです。まだ予算委員会でも私質問等があるのですから肚を割つての御答弁をして欲しいのです。
○政府委員(山口正義君) この保健所の経宿費に対します補助率の問題も、只今性病診療所について御指摘がございましたのと同じように、私どもといたしましては非常に心配いたしている点でございまして、先般の衛生部長会議では、この点いろいろ地方の部長からも単価の問題、或いは補助の問題等について従来からの実情から勘案して今後も非常に苦しい立場に立たなければならんという訴えがあつたわけでございます。私どもといたしましても、この補助率切下げのために保健所の運営が支障を来たすということがあつては、折角向上して参りました日本の公衆衛生も又後退するということになるので、非常に心配して、そういうことのないように、これは予算面でこういうふうになつておりますので、この予算をできるだけ有効に活用しまして、保健所の機能の減退を来たさないようにやつて行かなければならんと考えているわけでございます。ただ、只今藤原先生から御指摘のように、保健所の経費が節約されるというときに、すぐ保健婦にしわ寄せになるという点を御心配でございました。私どもとしましては今後今御注意のような保健婦にしわ寄せして、保健婦の活動を鈍らせるというようなことのないように、この点は十分注意してやつて行きたいと考えております。
○藤原道子君 時間が大変遅くなりましたが、今一点だけお伺いいたしたいのですが、今の保健所の点は是非一つよろしくお願いします。 癩の問題でございますが、これは幸いに家族の生活補助の問題は生活保護法と切り離して全額国庫負担になつたということは、非常に私安心したのでございますが、その金額でございますが、これは四千四百十七万六千円となつているのです。これは今まで何人を対象にされておるのか。それから今まで生活保護法の対象となつていた人員はどのくらいあるのかという点を一つ。
○政府委員(山口正義君) 今まで生活保護法の対象となつておつた数字は、これは国立療養所のほうからとつた数字でございますが、約五百世帯足らずだつたと思います。今度の予算では大体入所患者一万二千人の中で世帯を持つている患者が三千人、これは国立療養所から取つた資料でございます。従いまして世帯数としましては三千世帯でございます。そのうちで生活に非常に困つているというふうに考えられるのを約半数と見ております。五〇%見込んでおります。千五百世帯、それに対しましてその千五百世帯の人が全部すぐこの予算の適用を受けるかどうかという問題でございますが、すでに生活保護法で受けている人たちを、又何とか今度は新らしく措置を変えられるということによつて秘密が漏洩するということをいやがる人も出て来るのじやないかというふうに考えられます。そういう点を見込みまして約六割を今度の予算で取りあえず賄つて見たいという考えでございます。従いまして九百世帯になります。人数はそれに対して四・一という数字をかけまして、人数にいたしまして、それを基礎数字といたしまして生活扶助、教育扶助、住宅扶助、そういうものを一応計算してございます。
○藤原道子君 あの九ヵ条の附帯条件の中に、職員の待遇改善ということが入つていたはずでございますが、それはどういうふうにお考え頂いたのですか。
○政府委員(山口正義君) これは国立療養所でございますが、医務局のほうの所管になると存じますが、たしか一昨日医務局長が申上げたのじやないかと思います。
○横山フク君 受胎調節の問題でございますけれども、この衛生局で予算を取るのに苦労なさつたのはよくわかつているだけに、私として質問できなかつたのですが、ただ藤原さんから御質問になつたことは全然同感であるだけでなく、その線は来年度において強くお願いしたいと思うのでございます。薬品の問題でございますけれども、今御交渉頂いているということを伺いましたけれども、受胎調節を推進するのには、実際薬品の問題が解決できなかつたら、これはどうにもならぬ問題なのであつて、むしろ指導費の問題よりは、薬品の問題のほうが鍵になるのじやないかと私も実際家として考えるわけであります。それで配置販売員をいたします人たちは、格別の知識がなくても、受胎調節の避妊薬は配置販売員の対象の品目の中に入つていると思います。特に国で以て受胎調節の実地指導者としての特定の項目を持つた講習を受けさせた人たちでございますので、避妊薬に限つては配置販売員でも扱わせるのですから、受胎調節を実地指導者に扱わせるように、丁度薬務局長もいらつしやるので大変いいときと思いますので、今後そういう方面に御協力頂いて、そうして受胎調節の険路を解決して頂きたい。これが結局国家的の問題になつてくるのじやないか。人口増加を受胎調節で防ぐということが、文明国としての途であると思いますし、母子の保護の面から言つても、非常に重要な問題と思つております。従いまして或る業者だけの利権とかといつたような問題ではなくて国家的の見地からこういう問題は解決すべきだろうと思います。又薬品の取扱業者も受胎調節を実地指導者に扱わせるから、自分たちの商売が減つて行くというような狭い根性ではなくて、それによつて避妊薬が売れ、宣伝ができて、そのときには又薬局に買いに来るのだといつた大きな気持で、この問題の解決をつけて頂きたい。これは薬務局長もいらつしやるので、両局長に強くお願いしたいのでございます。
○藤原道子君 今のは要望ですね。時間がないので省略しようと思つたけれども、どうも納得ができないからもう一遍伺います。癩患者の生活援護費を全額国庫負担に切替えるということは、これは今入院している人のあれでなくて、新たに入院するような人はどうするか、これが重点だと思います。そうすると、今まだ未収容患者といいますか、これらのものは何ら見込んでないわけですね、これが一点。だから対象は殖えるのだと思うのです。今未収容を如何にして収容するかということで、強制収容を我々は反対したわけです。従つてそれを収容するにはやはり生活保護法でなくて、全額家族の生活は国家が見るのだということが、これは大きな必要になつて来るのじやないかということが重要な問題だと思うのです。ところが今局長の説明を聞くと、これが何も入つていないということ、これが不満でございます。 それからいま一つは、今入院患者の一万二千人のうちの云々ということを聞いたわけなんですが、併しこれに対しても、それならば非常に過小評価過ぎると思うのです。で世帯主が何人あるのか、患者の中に……。こういうことも問題になつて来るでしよう。世帯主が何人、独身者が何人ということもあるので、大ざつぱに云々ということには行かないだろうと思う。その点について一つ局長のお考えを聞きたいのです。それだから今そういう点をもつと詳しくお伺いしたい。 それから職員の待遇の改善の問題でございますけれども、これを見ると医師が幾人殖えて、看護婦が幾人殖えて、養護人は幾ら殖えるということは成るほど出ているのです。併しながらそれだけじやなくつて、待遇の改善が強く強く要望されていますが、その点どういうふうにお考えになつておるか。現行法の範囲内において云々……、目下折衝中というようなことでございますが、これは一体どう考えますか、交渉はしたけれども通らなかつたのか、交渉のままでそのままに延ばしておるのか、交渉が成立すれば、この予算の中でやり得る可能性があるかどうか。それから危険勤務手当というようなものについてあれは問題になつたと思うのですが、そういう点についてのその後の状態をお伺いしたい。
○政府委員(山口正義君) 第一点のお尋ねの問題御尤もでございまして、私の先ほど申上げ方が不十分でございましたので、重ねて御質問頂いたわけでございますが、一万二千人と申しましたのは現在入所しておりますものが一万人でございましてそうして本年中に入所勧奨して入れようと思うのが二千人、そういうふうに見込んでおりますが、未収容五千人を一遍に入れたらいいじやないかという御質問もあるかと存じますが、現実の問題としてなかなかむずかしうございますので、二十九年度で二千人を収容したい。それで一万二千人、従いまして収容に要しますいろいろの費用も二千人新らしく入れるということでいろいろ計算いたしております。私の御説明の申上げ方が不十分でございましたので恐縮いたしております。それからまあ非常に家族持ちを内輪に見込んでいるというお話でございますが、これは国立療養所に現在入所しております者の数字を基礎といたしまして、大体二五%ぐらいが世帯の面倒を見なければならん人間であるということを基礎にいたして計算したわけでございます。 それから職員の待遇の問題、これは癩予防法を所管しておりながらそこまでよくまだ調べてないというお叱りを受けるかもわかりませんが、医務局の所管でございまして、いずれ只今お尋ねの件は私どものほうで調べまして、あとでお答えを申上げるようにいたしたいと存じております。
○委員長(上條愛一君) お諮りいたしたいと思いますが、まだ御質問が残つているかと思いますが、これはいずれ総括的にもう一遍御質問が残つている場合においては、局長においでを願つて御質問を願うことにいたしまして、本日はまあ大体環境、薬務、公衆衛生、三局に関する質疑を一応打切りたいと思います。御了承願います。 それではこれで散会いたします。 午後零時五十七分散会