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19回国会参議院1954/02/02

厚生委員会 第4号

発言数
13
登壇者
5
会派数
3
開催日
1954/02/02

会議録

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  議事に入ります前にちよつと御挨拶を申上げたいと存じます。去る一月の二十九日付で私が厚生委員長に選任せられたのであります。前の堂森委員長は御承知の通りその道の専門家でありまするが、私は従来主として内閣、労働等の委員会に出ておりまして、厚生委員としては短日月御厄介になつたことがある程度でございますので、全くの素人であります。従つて委員各位の御支援、御鞭撻、御協力を得まして、委員会の運営に万全を期したいと存じておりまするので、何とぞよろしくお願いいたします。  次に、前委員長の堂森さんから御挨拶願いたいと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○堂森芳夫君 ちよつと御挨拶申上げます。このたび委員長を辞任することになりましたが、従来非常な御指導を賜わりまして有難うございました。今後ともよろしくお願いいたします。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に、委員の異動について御報告申上げて御承認を得たいと思いますが、林了君の後任として楠見義男さん一月二十五日に、又山下義信君の後任として私が一月二十一日に厚生委員となりましたので、御報告いたして御承認を得たいと思います。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 緑風会の楠見でございます。只今委員長から御報告になりましたように、林了君の後任としまして今回皆様がたのお仲間入りをさせて頂くことになりました。未熟の者でございますが、どうぞ今後よろしくお願いいたします。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 次に、一月初めの異動で厚生大臣になられました草葉隆圓氏から当委員会に御挨拶申上げたいとのことでありますので、この機会に御発言をお願いいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それではどうぞ。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 只今委員長から御紹介を頂きましたように、厚生省を担当することになりました。殊に厚生委員会は私最初からここで育てられてずつと参りました関係で、一層親しみを感ずるのでございますが、こうしてお見受け申上げますると、先輩の皆さんばかりでございまして、殊に平素御昵懇を頂いておる方々でございまするから、誠に心強く感ずる次第であります。  厚生省の二十九年度予算等につきましては、一時は御承知のような状態でございましたが、これも各位の大変な御支持によりまして予算が提案される状態に相成りましたことに対しまして、皆さん方の御支持を厚くお礼を申上げる次第でございます。何かと今後直接に御指導を頂き或いは御鞭撻を賜ることが多々ある次第でありまして、どうぞこの上ともよろしくお願いを申上げてやまない次第でございます。  一言御挨拶を申上げます。   —————————————

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) ではこれから議事に入ります。社会保障制度に関する調査の一環として、厚生省関係の昭和二十九年度予算を議題といたします。堀岡会計課長ちよつとまだ見えませんので、休憩をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。暫時休憩いたします。    午前十時四十六分休憩    —————・—————    午前十時五十九分開会

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは委員会を再開いたします。  堀岡会計課長から御説明をお願いいたします。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) お手許にお配りいたしました横刷の「昭和二十九年度予算要求額調」というプリントによつて、便宜二十九年度の厚生省所管の予算の概要を御説明申上げたいと存じます。  第一ページの冒頭にございますように、二十九年度の厚生省所管の要求額総額は七百五十三億六千百九十四万七千円でございまして、二十八年度よりは二十億七千四百六十二万四千円の増と相成つております。すぐそこへ書きましたのは所管別でございますので、これは飛ばして頂きまして、次のページの「昭和二十九年度予算要求額」という、左側のほうへ番号を打ちまして、事項別に摘要欄のところにごちやごちや数字を書いておりますが、そこのほうで便宜御説明申上げたいと思います。  先ず第一番は人口問題審議会でございます。これの十万五千円の減は旅費等の減によるものでございます。それから二番の医薬分業審議会は、御案内の昭和三十年一月から医薬分業が法律上出発することになつております。従いましてこれの実施のための審議会を新規に設立いたしたいということで、これが所要経費三十八万九千円を新規に計上いたしたのでございます。  それから三番の科学研究費補助は前年度通りでございます。  それから四番目の国際会議其他諸費におきまして、昨年より二百三十九万五千円の減と相成つておりますのは、二十八年度におきましてWHOの極東委員会ですかを東京に開催いたしましたので、その経費が二十九年度においては不用になりますので、その経費の不用額が結局減少ということに相成つております。その他は大体変りありません。  それから次に五番の厚生行政の広報宣伝費、これは大体前年度と若干の相違はありますが、中身は殆んど変りございません。  それから六番の国立公園等経費でございますが、このうち、(1)の整備費のすぐ下にあります国立公園施設整備補助金、これが二十八年度五千万円を計上いたしましたものがその二割の減、一千万円を減額いたしまして四千万円の計上をいたしております。二十九年度予算全般を通じまして、諸般の施設費等において相当の縮小を全般的に予定いたしておりますので、それらの一般的方針によるものでございます。その他国立公園の整備費の費用においては特別御説明申上けることはないと思います。  それから七番の厚生統計調査費でございますが、この事項におきまして千三百四十九万九千円の増と相成つておりますのは、主としてこれは駕籠町におきますところの統計調査部の職員中、賃金労務者を以て勤務せしめておりましたものを常勤職員に百十三名を振替えするために要する経費が主たる内容でございます。その他の中身におきましては二十八年度と殆んど大差ございません。  それから八番の優生保護費でございますが、優生手術交付金は、人数はそこの摘要欄に予定人数を書きましたごとくでございますが、六十五万一千円の増とございますのは、社会保険点数の昨年暮における改訂を見込んでおります。  それから九の受胎調節でございますが、優生保護相談所の事業補助費におきまして九百二十八万円の減となつておりますのは、これは二十七年度と八年度におきまして初度施設を、それぞれ所定の工事を整備いたしまして、残り二十カ所分だけの整備費を二十九年度に計上いたしましたので、かように大幅な減額になつております。二十八年度においては約四百カ所の初度設備の補助費を計上いたしました。二十七年度においては三百何十カ所分か、正確な数は記憶いたしておりませんが、計上いたしましたので、残りの二十カ所分の初度設備の補助費を計上いたしましたので、大幅な減額になつているのでございます。  それから十番目の精神衛生対策の費用でございますが、ここでは先ずベツドの整備でございますが、これは二ページの裏側をめくつて頂きまして、上欄の摘要欄の上のほうに「計」とございますが、千二百ベッドから矢印で二千百ベッドとしております。二十八年度の全体を通じまして千二百ベッドの整備計画であつたものを、二十九年度におきましては二千百ベッドを整備したいという総体計画を示したものであります。それらに伴うところの経費の増額でございます。内訳は只今の二ページの国立がどう、公立がどう、法人立がどうと書いてございますので、御覧おき願えばと存じます。  それから精神病院療養所の経常費、これは国立の療養所の既設の分と、増床いたします二百ベッドの分の経常費でございます。人件費の増並びに米価改訂に伴うところの賄費の増等が主として増額の主たる理由でございます。  それから三番目の精神衛生費補助におきまして一億二千九十八万六千円の増を計上いたしましたのは、公立病院におきますところのいわゆる措置入院率を五〇%から六〇%に引上げたことが一つ、それから社会保険点数の改正がありましたので、その改訂を見込みましたこと、この二つによつて金額的には一億数千万円の金額の増を見ている次第でございます。社会保険点数の改訂は既定の事実でございますが、措置入院率は本年度の二十九年度予算において引上げたものでございます。  それから四番の国立精神衛生研究所において百二十九万円ばかりの増額をやつておりますが、うち、主なるものは三重県におきますところの観察用の機械器具の整備でございます。  それから五の精神障害者の実態調査費として百七十三万円を計上いたしております。これは御案内のごとく、精神障害者の実態調査は権威あるものが未だございません。実行につきましては極めて困難な問題が多々あるとは思いますが、何ら手を着けないで放つておくわけに行かないし、何百万という精神障害者の現存する事実に鑑みまして、本年二十九年度新規にこれが実態調査を行いたいというので所要の経費を計上いたした次第でございます。  次は十一番目の結核対策費でございますが、結核対策費の先ず第一の療養所の整備費でございますが、国立結核療養所は御案内のごとく非常に設備が悪く、且つ、古いのであります。そこで本年度はこれの増床よりも、主として既存の施設の整備を行いたいというところに重点を置きまして、そこの整備に当りたいということで所要の経費を計上いたしたのでございます。なお、この際結核ベッド全体についての概数を申上げておきますが、そこの摘要欄にございますごとく、摘要欄の三ページの中段に、「計」としまして一万から九千床ということで、二十八年度一万ベッド、二十九年度九千ベッド、差引一千ベツドの減でございます。この減は、国立に一千ベツド二十八年度に新規にベツドを作りましたものを、二十九年度においては計上しないということによる減でございます。国立の結核療養所の整備は、主として既存のものがあつちこつち非常に古く且つ傷んでおりますので、これの整備に当りたいというところに重点を置いたのでございます。  (2)二の結核療養所の経営費は精神病院等で申上げましたごとく、人件費とそれから米価の改訂による引上げ、それを足したものであります。  (3)三の結核予防費におきましては、健康診断、予防接種等はそれぞれ人口から按分しました。昨年より勿論人数は殖えております。それらを対象にしております。それから患家指導は、今回は結核患者の家族が最も結核の発生率が高いという事実に鑑みまして、結核患者が発生した場合に、その家族に重点的な指導をやつて、これが予防に努めたいという意味で重点をここに置きたいという経費をここに計上いたしたのでございます。それから問題の医療費でございますが、これにおきまして一億三千余万円の減とありますのは、主としてこれの適用をいたしますところの特殊薬の単価の値下りによるものでございます。  それから三ページの裏へめくつて頂きまして、(4)四結核回復者後保護施設とございます。右は前年度に引き続きまして、本年度も二カ所予定をいたしております。百ベッドのを二カ所予定いたしております。  それから五番のその他の点で主な点だけを申上げますというと、摘要欄の二番目のところに結核予防従事者研修委託費とございます。これは結核予防会に技術研修を委託いたしておるものでありまするが、在来の科目に加えまして、二十九年度におきましては、肺臓外科の科目を新規にやりたいというのを計上いたしております。  それから次に四ページの12、癩対策の経費でございます。第一番の癩療養所の整備費でございますが、癩療養所においては二十八年度一千ベッドの増をいたしておりますが、二十九年度におきましてはベッドの増は計上いたしておりません。実人員とベッド数との差が相当ありますので、二十九年度におきましては、これの満床にむしろ重点を置く。それから在来の設備におきまして足りない所、或いは不足したところ、それらの点を直すということに重点を置きたいというのでございます。  なお、御案内の通り当委員会等にも非常に御迷惑をおかけしました昨年夏におけるところのいろいろな問題をめぐつて、いろいろの要求等があつたことは皆さんがた御承知の通りであります。(1)(2)(3)(4)は当時の状況に鑑みまして、高等学校なり、中学校なり、保育所なり、作業所なり等を新設せんをするものであります。なお(5)の宿舎八十五戸と申しますのは、癩療養所における職員を募集いたしますに非常に大きな支障になつておりますところのお医者さんなり、それらの方々の宿舎が足りませんので、これを相当大巾に整備したいというので、宿舎八十五戸分を計上いたしたのでございます。  それから癩療養所の経常費でございますが、一般的な経常費につきましては、人件費の増並びに米価改訂等はその他の療養所と共通のものでございます。特にこの癩療養所においてはこれも昨年夏における諸般の問題で御案内のような点を若干改訂いたして計上いたしたのでございます。主な点は患者慰安金の単価の増とそれから不自由者慰安金の新設、それから作業賞与金の単価増これらが主な点でございます。  それから第四ページの裏でございますが、四ページの裏の癩の私立の療養所においても同様に国立に準じたようなことをいたしております。  それから次は、事項の三でございますが、癩研究所整備費、それから四の癩研究所経常費でございますが、これも在来癩の研究は療養所並びに大学等において研究されておりましたが、一本の治療研究ということが未だいたされておりませんが、独立の研究所を設け、これら所要の経費を計上するということで、ここに計上いたしました。差当り出発は、職員の定員は十名といたしまして、その他に常勤労務者五名、それから非常勤労務者五名、合計二十人を以て出発する予定でございます。  それから次は、五の癩患者の家族の生活援護委託費でございます。右も昨年夏以来の問題でございますが、全額国の負担といたしまして、国が府県に、知事に委託をするという形で実施をするという予定でございます。生活保護法と異ります点を念のためにこの際申上げておきます。いずれ詳細は法律改正が必要でありますので、その際に十分御審議を願わなければならんかと存じますが、第一点は、家族の医療関係は取扱いいたしません。と申しますのは、本来秘密保持の観点から出発いたしましたので、癩患者の家族に特別の癩とでも申しますか、はんこを押したような医療券を発行しますことは、秘密保持の出発点を守るものであるという意味で、その点は除いております。これは府県において実施いたしますところの衛生費と在来生活保護の所管の民生部と密接に連絡をいたさせまして、生活保護の医療券を交付するという仕組みでそれを実施するので、家族の医療につきましては何ら支障ないようにいたし、この方面において特別に実施することはいたさないという予定でございます。これが第一点、それから第二点は先ほど申しましたように、二割の地方費負担がない。つまり国が全額負担をする、委託費で払うということと、第三点は衛生部において直轄して行うということでございます。生活保護法におきましては、これは数量の関係もありまして勿論でございますが、福祉事務所等が主として行いますが、本件におきましては現在の予定は衛生部において直轄して行う。これは秘密保持の点がございますので、特にさようにいたしたいと思うわけでございます。癩におきまして特別に御説明申上げる点は大体以上でございます。  次は、十三番目の伝染病予防費でございます。伝染病予防費としてこまごまございますが一括いたして申上げますと、前年度より一億円ばかりの減となつておりますが、右は二十八年度におけるところの災害のために増額計上いたしたものを落しておりますが、つまり平年度並みの経費を計上いたしておる、そのほか特別変つたことはございません。  それから次の五ページの裏の十四、性病予防費でございます。性病予防費におきまして一、二とございますが、二の性病診療所補助とございますうち、摘要欄にございます保健所併設診療所、単独診療所におきましては、在来の補助率二分の一を四分の一に減額計上いたしましたので、これが主たる相違点でございます。性病病院におきましては在来の補助率二分の一はそのままでございます。これも本年度の予算におきまするところの補助率の低下という一般的方針によつて、この保健所併設診療所、単独診療所の補助率がそれぞれ二分の一から四分の一に減額計上いたしましたので、性病予防費につきまして三千六百万円という減額の主たる理由がそこにあるということを申上げます。  次は十五番目の保健所費でございます。保健所におきましては先ず数でございますが、新設C級が十カ所、格上C級からA級が十カ所ということでございます。昨年は新設が二十カ所あつたかと思います。次に運営費でございますが、これも性病診療所のところで申上げましたと同様、在来三分の一の補助率でございましたものを四分の一の補助率に落しましたので、一億数千万円の減額となつております。合計いたしまして、保健所費は二億一千八百八十九万七千円、前年度予算より減額いたしております。  それから十六番目の水道施設整備費でございます。水道施設におきましては大体補助率は変りませんが、補助額が前年度より大体一割程度減額で計上いたしております。それから地盤変動におきましては、二十九年度要求額一億円を以て大体事業を完了いたしたいという見込みであります。それから一般鉱害、特別鉱害はそれぞれ法律の規定に基きまして今後も留意するものでございます。簡易水道におきましては、前年度と同様でございます。この六億四千万円のうち年度割による災害分二億四千万円は二十八年度同様二十九年度も同額見込まれております。従いまして残り四億円は一般簡易水道分でございまして、四億円という金額は二十八年度と同様の金額でございます。  それから六ページの裏をめくつて頂きまして七の災害水道でございますが、これも二十八年度の年度割による分でございます。二十八年度七千五百万円、それから二十九年度七千五百万円分でございますが、前年度分一億三千三百八十万円、うち七千五百万円引きました残りでございます。二十七年度過年度災害を二十八年度災害において見た分でございます。  それから次十七番の栄養及び食生活改善の事項について御説明申上げます。個々におきましては摘要欄で御覧を願いたいのでありますが、その摘要欄の三、四の食生活改善協議会、それから粉食普及指導講習会、合計百二十万円ばかりの少額ではございますが、粉食普及指導等の現在の事態に鑑みまして、新規にこれを行いたいというつもりで新規計上いたしたのでございます。  それから十八番の公衆衛生関係施設整備はこれはいずれも前年度と同様でございます。地方衛生研究所の整備と財団法人癌研究所整備も前年度と同様でございます。  それから十九番の公的医療機関整備は前年度よりも一千万円減額いたしております。  それから二十番の国立病院地方移譲補助でございますが、本年度は八千万円を計上いたしております。在来五億何千万円か、五億でしたかありました分は、二十八年度におきまして二十七年度より繰越した分でございますので、更に繰越すことは財政法上不可能でございますので、これはそのまま打切りました。二十九年度において数が幾つになるかわかりませんけれども、相手方のあることでありますから、それとの話合いがつきましたならば補助金を交付するということで一応八千万円を計上したのでございます。  それから二十一番目の国立病院整備十二億六千六十五万円でございますが、ここで国立病院のことを一括、一応便宜御説明申上げておきたいと思います。国立病院におきましては在来移譲の問題でいろいろ当委員会等でも問題になりましたが、移譲はいつやるか相手方のあることでわかりませんので、病院の経営費につきましては、年間全額分をそれぞれ全部計上いたしております。それから若し移譲の話がきまつた場合には、その移譲補助金を以て整備するということにいたす。それから次は、在来の病院の整備でございます。これは御案内の通り国立病院は非常に古く、而もお粗末で、なお且つ地方移譲というふうなことのために整備の手を抜いておつたことは事実でございます。そこで二十九年度におきましては、このままではいかんということで、先ず基幹病院と今まで在来言つておりますものについて大々的な整備を行うことと、それから移譲をするかせんかということで整備をする、しないということをやめまして、大々的な補修を行うということで、前年度と比較いたしまして八億一千三百五十九万八千円というかなり大幅な整備費の増を計上いたしたのであります。なお、そのほかに国立病院におきましては、新らしく血液銀行を試験的に五カ所、それから高血圧の治療部を三カ所、それから癌の治療部を二カ所新規に設立いたしまして実施したいという予定でおります。  次は二十二番目の国家試験費でございます。国家試験におきましては特段……。  次の七ページの裏をめくつて頂きまして、ここで問題のインターンについて御説明を申上げておきます。インターンの実地修練の施設の借料を在来の月千円でありましたものを一万円と計上いたしました。但し保健所におきましては一千円は一千円のまま計上いたしてございます。それから指導医の手当でございますが、二十八年度、先生は三千円のものを六千円、それから助手は千五百円のものを三千円、それぞれ倍のものを計上いたしております。  なお念のために申上げておきますが、只今申しました二十八年度の三千円及び一千五百円はそれぞれ予算の修正減によりまして二千七百円と千三百五十円になつております。つまり正確に言いまして先生が二千七百円、助手が千三百五十円を、それを六千円と三千円に値上げしたということでございます。  それから次二十三番の保健婦、助産婦、看護婦の養成所の費用でございますが、これは摘要欄にございますごとく、国立におきましては新設十カ所と学年進行二十カ所、府県におきましては保健婦、それから助産婦、それから看護婦、準看護婦、これはまあ在来通りでございますが、そのほか歯科衛生士養成所をここに一カ所計上してございます。在来は経常費等の補助であつたかと思いますが、施設費の補助に繰入れまして、この府県立補助の中に歯科衛生士の養成所を一カ所補助金を以て設立したいという金額を計上しておりますことを附加えておきます。  それから二十四番の国立病院特別会計繰入でございますが、二十八年度より比較しまして三億七千六百二十一万八千円の増でございます。大部分は前段申しました施設整備のための経費の増でございます。なお、施設を整備いたしますことによつて収入増もかなり見ておりますので、数字が結果として三億七千六百万でございます。  それからこの欄の備考欄にまん中に移譲経費とございまして三千万円計上いたしてございます。右は移譲の際における特別退官退職手当でございます。  それから次二十五番の、医薬分業調査費はこれは医薬分業に伴いますところの薬局の経営調査をいたすという資料を五十万円計上いたしたのでございます。前年度より金額は減つておりますが、前年度の続きではございませんで、調査の中身は異なつて参ります。  それから二十六番、薬用植物栽培費でございますが、これは在来サントニンの栽培の補助金を計上いたしておりましたもののほかに、新らしくけしの栽培を行いますところの補助金を計上いたしたのでございます。  なお二十七番の生阿片の買上費一億円を新規計上いたしておりますので関連して御説明申上げますが、在来生阿片は厚生省が旧軍その他から引継ぎまして直轄いたしてこれを払下げておつたのでございます。相当数量はありましたので、今日まで輸入をしなくても済んでおつたのでございます。ところが手持ち生阿片の数量が減じておりまして、二十九年度中には切れるという見込みでございますので、国際条約の関係もございまして、政府でなければこれは売つてくれませんので、一括政府で購入いたしまして麻酔薬の特定製造会社に払下げする、これは一種のトンネルみたいなものでございまして、これは見返りの際には上つて入つて来るということでございます。なお在来も御案内のように和歌山とか或いは大阪府、ああいうふうなところにけしの栽培をいたしておりますので、今後けしの栽培を試験的に行なつて行きたいというので、関連いたしまして二十六番の薬用植物の栽培費の中にけしの栽培を計上いたしたのでございます。  それから二十八番の医薬品の買上諸費、これは伝染病に備えるためのワクチンの買上費用でございます。  それから二十九番社会福祉事業振興会、先般この法律施行のために取りあえず初年度三千万円を計上いたしたのでございます。  それから三十番の生活保護費でございますが、保護費におきましては、先般補正予算でお願いいたしました米価改訂をやりました以外は、特別の基準は改訂は行なつておりません。ただ教育補助におきまして、児童の例の文部省の初等教育の無料教育というのは二十九年度の予算においては計上いたされておりませんので、教科書を在来学校から受けておりましたのを、要保護世帯におきますところの児童については、それを支給しなければならんということと、それから児童の学用品の単価において約一割程度の増額を見込んだということであります。それ以外には大したことはございません。それから医療費におきましては単価増を、社会保険点数の点数改訂が暮にございましたので、それらを見込んでおります。なお前年度からの、二十八年における赤字を二十億計上いたしております。それから三十番の生活保護の事項の中の括弧でずつと行つておりますが、括弧番号の十二番目の一番最後でございます。婦人保護費、これは特殊婦人のための御案内の事項でございますが、在来は特別の項を設けておりましたのを、この事項の中に包括計上いたしておりますので、さよう御了承を頂きたいと思います。  それから三十一番身体障害者対策でございますが、先ずAの戦傷病者分、これは御案内の一定計画に基きまして毎年度更生医療をやり補装具を支給して行きます。従つてだんだんだんだん減じて行きます。従つてこれは現在まあこういうふうでございますが、これについては特段申上げることはございません。Bの一般分でございますが、一般の傷痍者につきまして二十九年度予算におきましては新規に更生医療の給付を行いたいということで千九百十七万円を計上してございます。右は機能の回復を医学的に見て可能な者について施行して参りたいというための経費でございます。恐らくこれは法律改正をいたしまして、近々皆様がたの御審議を仰ぐべきかと存じております。それから補装具については格段申上げることはございません。それからD、次の裏に飛びましてDの点字図書貸出委託であります。これは盲人の非常に熱心な要望がございまして、点字が非常に不足いたしております。そこでその点字を作りまして盲人に支給するということで、これを委託経営をするための経費を計上いたしたのでございます。主な点は右のような次第でございます。  それから三十二番、消費生活協同組合の貸付金でございますが、二十八年度より一割減の二千二百五十万円計上いたしてございます。中身は前年度と同様でございます。  三十三番の公益質屋の整備費、これは前年度と同額でございます。  それから三十四番地方改善事業、右は前年度と殆んど同様でございます。  それから三十五番社会福祉施設の補助金でございますが、これは殆んど前年度と同様でございまして、六千万円ばかりの減になつておりますが、中身の主たるものは、浮浪者の収容施設の補助を二十九年度においては計上いたしていないということが主たる原因でございます。前年度で一応計上いたしましたので、それの運営を見てというふうなこと、だと思います。  次は、三十六番の災害救助でございます。災害救助におきまして二億八千百万円の増でございますが、(一)の災害救助費補助におきまして二億八千万円の増は二十八年度の赤字の清算のためにでございます。  次に日赤設備補助五百万円、百万円増をいたしております。これは災害の際に、日赤が出動いたしましたときの諸般の器具の整備をするための用意に対する補助金でございます。  それから三十七番児童保護費でございます。児童保護費は先ず措置費につきまして申上げますが、措置費につきまして異なりました点は先ず児童の数でございます。数は施設の増が随分ございましたので、その数を見たということと、問題の援護率においては変えておりません。それから母子療の援護率は七〇%を六〇%に引下げております。それが二十八年度との主なる相違点でございます。  それから次の十一ページの裏を見て頂きまして、(五)の児童補導補助金は浮浪児等の身の廻り品の仕度の品物が、在来の実績から見て寄付等の品で十分できるということで、計上いたさなかつたのでございます。  それから季節保育所においても前年度と同額計上いたしております。前年度予算二千七百万円と申しますのは、予算修正の際に三百万円減じたのでございます。当初は三千万円の予定で予算を計上いたしておりましたことを附加えて申上げておきます。  それから(九)の身体障害児の療育指導補助金におきまして、備考欄にございますように、その項の下なんでございますが、療育措置補助三千百万円、これは先ほど一般身体障害者の際に申上げましたと同様なことを、児童におきましても更生医療と申しますか、それを行うということで、右の該当金額を計上いたしたのでございます。  それから母子手帳作成補助費は平衡交付金に委譲いたしましたので、厚生所管の本年度予算に計上いたさなかつたのでございます。  次は三十八番の児童福祉施設、ここにおいて二億円の減と相成つておりますが、二十八年度において七年度と比較いたしまして相当大巾の増額をいたしまして、児童福祉施設の整備を図りましたが、二十九年度におきましてもこれを整備の必要を認めまして、五億円計上して整備を図つて行くということで、金額は若干減少いたしますが、続けて行きたいということでございます。  それから十三ページの三十九番でございます。母子福祉対策でございます。母子福祉対策の例の貸付金でございますが、先ず一番の母子相談員の設置補助は、平衡交付金のほうに計上するということで落したのでございます。  それから(二)の貸付金でございますが、貸付金において一億七千万円の減になつておりますが、災害の四千万円を引きますとあとは大体一億二千万円ばかりと思いますが、これは大部分は一億二千万円にはなりませんが、ちよつと少い金額でございますが、一億何千万という数字はよく覚えておりませんが、二十八年度に貸付けたものが二十九年度に返つて参ります。それを差つ引いたので、大体こういう数字になつたのであります。それからなお本年度六億二千万円計上しましたうち、二千万円は問題の孤児のための貸付金として計上いたしたのでございます。従つてこの分につきましては、この貸付方法の改正を必要といたしますので、近く皆様がたの御審議をお願いすることになろうかと存じます。詳細はその節に御説明申上げたいと思います。  次に四十番の社会保険国庫負担金でございます。先ず厚生保険特別会計べ繰入れの健康保険、厚生年金等の事務費は、被保険者数、それから一人当り事務費の増によるものでございます。それから日雇労働者健康保険の事務費におきましては、市町村交付金というのが備考欄の一番下にございます。四百八十万円ばかり計上しております。これは日雇労働者健康保険法を施行いたしますについて、必ず市町村の窓口を通じますので、これの事務費を補助する経費を新規に計上したのでございます。  次は、十四ページの(八)、日雇健康勘定財源でございます。これにつきましては、新規に給付の一割相当額を国において負担することにいたしたのであります。これによりまして在来の療養期間三カ月を六カ月に延長して、いずれ又法律改正をして御審議を願う予定でおります。  次は九番の厚生年金保険給付費の財源繰入れでございます。これは坑内夫以外の一般分につきまして、在来の一割を五〇%引上げの一割五分の一五%の国庫負担をするということにいたしたのでございます。右につきましては御案内のような次第でございまして、詳細につきましてはいずれ厚生年金保険法の改正を当国会に御審議を願う運びになると思います。その際に詳細御説明申上げたいと思います。  それから次は、船員保険特別会計べの繰入れは厚生保険特別会計への繰入れと似たようなものでございますが、ただ(三)の保険給付費財源繰入れが三千四百三十四万円減額いたしております。これはC船員が遺族年金なり障害年金等で援護庁のほうに移ります。従いましてその給付費が減になりますので、これの繰入れが減になるという次第でございます。  次は十四ページの裏の国民健康保険の助成金でございます。(一)の助成交付金は、給付費二割相当額は同様でございますが、受診率、一件当り点数、被保険者等は備考欄に書いた通りでございます。二十八年の一三五%の受診率は一四〇%と、一件当り点数は五八・六点から五六・七点、被保険者数は二千六百五十万人から二千七百二十八万五千人、こういうことでございます。単価は十一円四銭を予定したいと思います。  それから保険者補助金が前年度と比較しまして二千九百六十万四千円の減、中身を一応御説明申上げておきます。保険者の事務費の単価におきましては二十八年度と同様でございます。単価掛ける被保険者数でございますが、その被保険者は前段助成交付金で申上げました二千六百五十万人から二千七百二十八万五千人に増、そのほか保険指導医が全額落ちております。これは国民健康保険の療養につきましては、もはや開業医等のいろいろの摩擦が殆んどなくて十分な御協力を得られておりますので、特別に保険指導医を設置してやるという目的はすでに完了されたものと思うので、これを計上いたさなかつたのでございます。いま一つは、国民健康保険の保険者が採用いたしております保健婦の人件費の補助でございますが、右につきましては在来三分の一の補助率でありましたのを四分の一に引下げるというふうなこと、以上の三点によりまして二千九百六十万円の減と相成つております。  次は三番の直営診療所建設の補助金でございます。二億五千万円の減の一億五千万円を計上いたしたのでございます。施設費の一般的節約によりまして国民健康保険の直営診療所の設備の補助金につきましても減を見たのでございます。  それから飛びまして五番目の団体連合会補助金でございますが、これは国民健康保険の地方における府県単位の団体連合会に在来人件費の補助として計上いたしておりましたものを、今回計上いたさなかつたのでございます。  それから六番の審査会補助金は、右は平衡交付金に移したのでございます。  それから七番の再建整備貸付金は、これは法律の条件によりまして貸付がぐんぐん減つております。もう今度三年目でございますので、減るのは当然でございます。予定の計算は一億あればということで計上いたしたのでございます。  それから八番、九番は災害でございますので、本年度は計上いたさなかつたのでございます。  次四十二番の健康保険組合の事務費でございますが、在来通り政府管掌の被保険者一人当り掛ける健康保険組合管掌の被保険者数ということで、四億九千二百五十一万円を計上いたしたのでございます。それから新たに日雇労働者につきまして労働保険組合というものを設けたいという要求が尼崎とどこだつたかちよつと忘れましたが、たしか二カ所ありますので、これらについては組合運営を以てやらせる。つまり健康保険における健康保険組合と同様なものを日雇労働者健康保険においても施行したいということのために、所要の事務費を、これは全額でございますが、計上いたしたのでございます。  それから結核については在来の通り三分の一の補助金でございます。  次四十三番の引揚援護事業でございますが、これは想定は非常にむずかしいのでございますが、先ず二十九年度におきましては五千人の引揚という、そういう想定の下に在来の単価をそれぞれかけまして、所要額八千三百四十六万を計上いたしたのでございます。  それから四十四番の留守家族援護、これは帰還者がどんどん殖えましたので、これは予定の計数によつて出ますので、その金額を計上したのであります。  それから四十五番の遺族年金、障害年金、これも在来の計数からこういうふうになつて来るということで計算いたしたのでございます。  四十六番は恩給の事務処理費でございます。  以上が厚生本省でございます。あと人口問題研究所、公衆衛生、精神衛生、特別申上げることはございません。  それから五十二番の検疫所でございますが、検疫所は中身について特別申上げることはございませんが、新設は二十九年度は計画いたしておりません。二十八年度においてはたしか四カ所の新設を計上いたしたかと思いますが、新年度においては新設の計画はございません。  五十三、癩研は新設でございますが、癩の事項において御説明申上げた通りでございます。  国立療養所関係はそれぞれの事項において御説明申上げましたので、格段申上げる必要もなかろうかと思います。  あとは大体御説明の特に申し上げなければならん点はないかと思います。  以上を以ちまして厚生省所管全体が、冒頭申上げましたごとく七百五十三億六千百九十四万円で、前年度より二十億増と相成つております。  それから特別会計におきましては、厚生保険特別会計と船員保険特別会計、それから病院特別会計でございますが、それぞれ繰入金、又は国庫負担金等において御説明申上げましたので、要点はそれに尽きておると思います。特別申上げることはございません。被保険者の増、その他のことは摘要欄に便宜記載いたしておりますので、後ほどでも御覧おき願えれば幸いと存じます。  取急ぎ雑漠でございますが、概要以上の通りでございます。

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは堀岡会計課長の御説明に対する質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條愛一日本社会党(第二控室・右)

○委員長(上條愛一君) それでは本日は、以上を以て散会いたします。    午前十一時五十一分散会

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