厚生・建設連合委員会 第2号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/27
会議録
○委員長(上條愛一君) 只今から厚生・建設連合委員会を開会いたします。 最初に御了承を願いたい問題は、昨日田中委員からの御質問で、内閣提出の水道法案と衆議院送付の水道法案の審議順序につきましては、厚生委員会といたしましては、先ず本付託になつている内閣提出の水道法案の審議を先に進め、次に予備審査として送付になつている衆議院送付の水道法案の審議に入ることに決定いたしているのでございます。この順序によりまして内閣提出水道法案の審議を進めているのでありまして、建設委員会との連合審査も本法案について行うことに決定いたしておりまするので、この点御了承願いたいと存じます。 次に、内閣提出の水道法案を議題といたします。御質疑を願います。
○田中一君 先ず最初に伺いたいのは、御承知のように提案理由の説明を見ましても、通産、厚生、建設の三省共管ということになつております。そこでこの法案を通じましてどの部分が通産であり、どの部分が厚生であり、建設であるというような一応の分け方はしておりますが、仮に全部がおのおの事業の別々に所管事項を持とうとするのか、或いはこの水道そのものに対する内容に立入つて、水質の分野はだれそれ、どの分野はだれそれという形で以て共管を持つのか。少くとも単なる共管と謳つておつて、内容が詳細にわかつておらないのです。この点が一つ。それから昨日私連合委員会には遅く来たために、前段の提案理由の説明を聞かなかつたのですが、三者共管として提案されたところの政府案というものは、この形でなぜ提案されたかという経緯を、これは三大臣からおのおのの立場において御説明を願いたい。この二点だけ先ず伺います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は水道法は、提案理由でも御説明申上げましたように、水道条例が現行の一つの規則としてこれによつてなされた。従つてだんだん時代が進んで参りまして、この条例がだけでは誠に適当ではない。従つて何とかこれを改正いたさねばならないという一つの機運に相成つておりますることは、御承知の通りであります。そうしてもともと内務省でいたしておりまたのが、その後いろいろな変遷を経まして厚生省が独立し、更に建設省が独立しというようなことで、従来水道の監督行政と申しまするか、助長行政等も一本であつたのが、行政の機構の変革等によりまして分れて参つたのであります。そういう関係から、明治二十三年の水道条例の上には、さような点が誠に不明確でありまするために、その後関係省との間にその事務或いは取扱いの覚え書等をして、事務の重複なり、煩瑣を避けて参つたのでありますが、もともと今申上げましたような状態でありまするので、基本法であるべきはずの水道関係のことが条例という形で、而も極く古い形でありまするような関係で、従つてこういう点を総合いたして、その後社会の進展に伴いまして或いは普通の水道、そのほかに或いは簡易水道、或いは事業用水道、工業用水道というようなものなり、又専用水道というようなものがだんだんと分れて参り、分れて参るに従いましてそれが一方は鉱工業用に使つてみたり、或いは一方は簡易なる水道の形をとつてみたりというようなことに相成つて参りましたので、一番錯綜いたして参つたのであります。従いましてそういう意味で、水道そのものの内容につきましては厚生省が、これは飲用として用いまする場合の関係が中心でありますが、これの建設その他につきましては建設省の従来の関係がありまするし、或いは産業用工業水道につきましては通商産業省という関係が生じて参ります。従つて政府全体といたしましては、これらの関係を一本にした水道という形において、これを検討し、そうしておのおのの立場における主管大臣という責任を明瞭にいたしまして、その責任の上において各関係の者が主管大臣において権限に属するところに従つてこれを監督助長して参るという行き方にいたしたのであります。従いまして趣旨説明にも申上げましたように、この水道の関係は直接的には厚生、建設、通産ということに相成つておりまするので、従来の関係等から三省共管として御提案申上げたような次第でございます。
○田中一君 先ほど厚生委員長から説明があつたように、衆議院からは同じ内容を含んでいるところの水道法案が只野直三郎君から出ております。曾て議運においても、もう会期末に際しては新らしい政府の提出の法律案は出さないというような答弁を官房長官はしておる。にかかわらず衆議院において議員提案の水道法案が出た。直ちに政府からその約束を破つてこのような基本的な法律が提出された。無論この法律の提出までの経緯というものは数年前から政府部内でも相当揉んでおります。併しなぜこのようにして会期も少い今日上程されたかの経緯だけは、当然これは私が今申上げたことは厚生大臣並びに建設大臣、通産大臣、各大臣から同じような質問の要旨について答弁を求めるわけです。厚生大臣に、あなたにはあなたのほうの範囲のわかつている点だけは答弁願いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 第一の点に只今お答え申上げましたようないきさつで水道法というものを極く現代に合うような、明治二十三年のを改めて、そうして時代の要請に応える法律を作り、そうしてその法律の下において各現在の行政機構における主管大臣が責任を持つという形にして行かねばならない。現在は各省におきましてそれぞれ別に所管争いがあるわけではございませんが、この条例そのものは極く簡単で、御承知のように明瞭を欠いておる次第でございます。従つてこれをいたしまする側からいたしましても、場合によると重複せざるを得ないような事情もございまして、従つて各省間において又国会等におきましてもこの点は大変御心配を平素頂いておつた点だろうと存じます。そういう意味におきまして、何とか早く水道法というものを一つ時代に適合した法律案を作つて、そうして国会の御審議を頂くようにして参りたいというのが、もともと政府におきましての態度であつた次第でございます。そういう関係から従来厚生、建設、通産等におきましてあらゆる角度から検討いたして参つておつたのでございますが、いろいろな従来の関係等もあり、又検討いたしますると、なかなか微に入り細を穿つての検討も要しまするので、今日まで延びておつたのであります。それが漸くにして関係三省におきまして、その他の関係省におきまして了解が成り、はつきりといたしましたので、実は国会会期誠に切迫をいたしておりまするときでございましたが、上程提案いたすという運びに相成つた次第でございます。これは一方に率きましては水道を布設いたします側、又平素国会からの御心配の点もございまするので、成るべく早く結論を得たいと存じておりましたが、只今申上げましたようにいろいろ細かく事務的に検討いたしますると、変更する点が多々あつたのでございまして、その結果実は遅れたような次第でございます。併し幸いに関係省におきまして完全に意見が一致いたしましたので、幸い只今申上げましたように、平素御心配の点もありまするので、実は会期が切迫いたしておるにかかわらず、この水道法案ができ上りましたから、これは早く一つ皆さんの御了解を頂いて提案し、そうして御審議を頂き、平素の御高配に報ゆべきものと存じまして、実は提案いたしたような次第でございます。この点御了承を頂きたいと思います。
○三浦辰雄君 只今田中委員の第一の質問に関連してでありますけれども、お聞きしてみますと、この提案理由の説明のあとのほうにもありますように、「この法律の実施の責に当る主務大臣につきましては、行政事務の能率化の見地から、各水道の種別により或いは水道行政の内容によりそれぞれ最も適当と考えられる主務大臣を以てこれに充てることにいたし、以て各関係大臣の権限を明確にいたしました。」こうあります。これは恐らく四十二条の主務大臣に関するところの規定あたりを指しているものと考えられるのでありますが、これではなかなかやはり私どもも区別は一応は出てはいるようなものの、実際から言うと、なかなか困難な問題じやないか。そこでいろいろな問題について疑問もありますが、大ざつばに一番大きいと思われる五号のいわゆる「上水道事業及び鉱工業の需要に応じて水を供給する事業用水道については、政令の定めるところにより、厚生大臣、通商産業大臣又は建設大臣」とこういうふうになつている。そうして第二項におきまして、第四十二条の「第二号から第五号までの規定に基く政令を制定するに当つては、なるべく同一の事項について二以上の大臣がその権限を行うこととならないようにしなければならない。」というふうにして、如何にも何かこの法律が出ますと簡素になつて、確かに提案理由の説明の文句にある簡素という感じを一応は受けるが、私ども簡素になるということは大変結構なことなんですが、なかなかわからないことがある。それは一例を申上げますと、例えば東京の水道の問題を考えると、現在小河内ができても、相模の問題が神奈川県と川崎との間における問題が今日まだ解決されない。仮に東京の事情に合うような解決に行つたとしても、供給するところの量というのは百八十二万トンくらいのもので、ところが今日の二十三区だけに限定して考えても六百五十万人の人口がある。これを人口推定によつていろいろできますけれども、昭和五十年にはどうしても八百八十万という数字はこれは避けられないと考える。そうなりますと、その所要量というものは、今までの実績等から考えまして三百三十万トンというような大きな数字に上つて、そこににどうしても百二十万トンというようなものを供給しなければならない不足分が出る。さてこの水道をやるのに、一体この法律が通つたならば、どういうようなつまり所管大臣等の経由を経てそれが実現になるものか。これは恐らく利根川に水源を求めなければならないということになるだろうと思われる。そうなると、この利根川の水量については御承知の通り毎秒五十六立米なんです。現在あの利根川の関係におきまするところの利水の関係から行きますと、大体毎秒十二乃至十三立米というものが現在においてさえ不足しているというのは、これは農業等も含めた数字で、御研究願えばおわかりになることなんです。そうなりますと、更にその中から毎秒十六立米余りというものを持つて来なければ解決しない、こういうような問題になりますので、一体これについてはこの法案が通つた暁にはどういうような簡素な、今日よりも簡素な姿においてこれが解決されるのか、こういつた問題を私ども大変に心配するわけなんです。そこでこれをこの四十二条等の関係においてどういう政令が出るのかわかりませんが、四十二条との関連においてどういうような経緯で計画及びその実施というものができるのか、一つ順序を逐つて御説明願います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 御指摘の点が今度の一つの新らしい法律を作る一つ大きいポイントだと存じます。又そういう意味におきまして水道の普及及び助長というものが必要になつて来るのでありますが、従いましてこの主管大臣の主管の権限というのが大きい一つの事項になつて参る。それを政令に委ねている次第でございますが、これらの関係におきましては、従来も覚書を取交しまして、事務の重複なり、或いは煩瑣なりを避けて参つておりますが、それを更に今後の場合に、行政の移動等もありまするので、法律といたしましては、政令にということにいたしたのであります。只今御指摘になりました東京都の水道の現在から将来への措置及びこれに対する水源ということにつきましては、これらの具体的な点からの検討につきましては、一つ環境衛生部長なり、或いは建設省から御説明申上げたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 只今東京都の給水事情について御質問がありました点をお答え申上げます。現在東京都の一日当りの給水能力はおおむね百二十万トンでございまして、現在只今御指摘の二十三区内だけに対しましても、かなりの不足が見られておるのでございます。従いましてこれらの不足を私どもは一応六十万トン乃至七十万トンと計算をいたしております。これらすておきがたい不足につきましては、目下小河内の水源工事並びに相模川系の水量によりまして辛うじて補うことができるものと考えておりまして、これらの各所の工事は目下着々と進んでおる次第でございます。併しながらこれ又只今御指摘のようにこれだけでもなお且つ東京都の人口増等を考えますれば、到底十分ではありませんので、一応将来東京都の人口が一応九百万人程度にまで発展すると考えまして、目下計画を進めております点は、これ又只今お話の利根川水系を約百二十万トン更に江戸川水系として二十万トン程度を以ちましてこれを完成いたしたいという一応の計画でございます。なおこれら利根川水系につきましては、すでに戦前より計画がございまして、一応東京都並びに群馬県の御当局の間には一応の話合いは進んでおつたのでありますが、その後現状におきましては、国土総合開発の一環としてこの問題を取り上げ、目下検討中でございます。勿論私どもは水を供給する立場からこれらの国土総合開発計画に関心を持つている次第でございます。
○三浦辰雄君 私の質問申上げましたのは、今環境衛生部長も答えられた、そういうようないわゆる状態における東京都の水道の問題について、やがて当然いわゆるそれを増加しなければならない、いわゆる水道の工事を新たに起さなければならない。こういう問題に逢着するのですが、そのときにこの法律がこのまま通つて行つたと仮定した場合、各省の間の権限明記といいますか、四十二条を中心とする権限の簡素化と称するところのものができた場合、どういう経過によつて誰によつて事業が目論まれ、そしてそれを誰が審査し、誰がその工事を監督し、そうして給水にまで至るか、こういう私は一つの例に挙げてその取扱いの経過、担当者、担当大臣、所管大臣、この経緯をその一例によつて私は知りたいために出したのです。非常に簡素になるというここに謳い文句がありますから、私は相当に簡素になるだろうと期待してそういう質問を仮設したのです。それについてお答えを願いたい。
○政府委員(楠本正康君) 只今大臣からもお答え申上げましたように、おおむね現在やつております覚書の線によつて政令がきめられることと相成りますので現在かような例につきましては、現在私どもが事務を処理いたしております範囲内でできるだけ簡素に実施するという以外に方法はなかろうと存じます。 なお只今御指摘の例は、これは極めて特殊な例でございまして、総合開発に密着をいたしておりますが、併しながら水道法におきましては、かような総合開発というような関連よりも、むしろ水をどこから引くか、水を取水してからそれを飲料に供するなり、或いは利用に供するというところがこの法案の範囲内だ、かように考えておる次第でございます。
○三浦辰雄君 そうするとこの法案自身に、或いは都市計画とか、総合計画的な線が出ていないのを、どうも私見ると誠に物足らないところなんですが、私は関連質問でしております関係からその点は省略しますが、物足らない、確かに物足らない。今の関連質問に関係した部分だけを一つだけお聞きしたいのですが、この届出をする……、例えば今の例で言えばどこが届出するのですか。東京都がするのだから東京都が届出する。そうするというと、届出に対しての、それが四十日間ですか、この法律にありますが、届出をされたときの、それの大臣というのはどこなのか。そうしてその審査の関連はどういうふうな形でやるかという問題を一言伺つて、あと私はこの機会に資料を要求したいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 届出をいたします人間は、事業主体でありますところの東京都が届出をすることになると存じます。さて届出を受付けてからどう事務的に処理されるかという問題でございますが、現在厚生省と建設省との間で事務上の覚書の点で御説明を申上げますと、受付けることは、これは厚生省が窓口としては受付けます。そうして適当な調査或いは検討を加えまして、これを建設省に連絡します。逆に工事監督面等につきまして特に発動すべき権限を要する場合には、建設省において起案をいたしまして厚生省に廻して来る、そのようなやり方になるだろうと存じます。
○三浦辰雄君 そうするとこの法律ができても、結局現在昭和十三年の八月の十九日に取きめられたといういわゆる両省の間の覚書、このものが政令の内容になつて行くという答えのように見えるのですけれども、この点についてはそういう意味なのですか。
○政府委員(楠本正康君) 大体覚書の線に沿いまして政令を作る次第でございます。
○三浦辰雄君 関連質問ですから、田中委員が備足しているので、私も遠慮したいと思うのですが、この機会に資料をお願いしたいと思うのです。それはこの法律の中での主務大臣とあります、四十二条では一応わかつているものの、その主務大臣とはどこ、或いはどことどこ、こういうようなことで一つ区分を一覧表で条章を合せて頂きたい。それから又政令という問題については、その政令の大体内容の概要、これをとの法律全体についてお願いをしたい。それから今度は技術者を置かなければならんようにこの法律は規定しておりますが、先ず適用対象となる専用上水道はどの程度にあるかという実態と、責任技術者がどの程度配置されておるのかという問題、それから簡易上水道の現状、それに伴う技術者の配置の状況、次は、専用上水道と自然水、井戸水であるとか流水、こういつた自然水による過去における伝染病の発生状況の比較。それから水路建設に当つて、水源をめぐる紛争の具体的の例と、その解決をどうしたか、或いは又解決をまた見ずにいるか。例えば相模ダムのようなものも一つの例だとは存じますが、その他こういつた紛争をめぐつての問題、それから各都道府県におきます水道担当の技術者の数及びその経歴、資格、なお窓口の関係がございますが、簡素を非常に狙つておられるこの法律として、どういうふうな姿が出るのか。現在所属の部課、都道府県におきますところの所属の部課、それから各水道事業所における技術者数とその経歴、資格、その経歴、資格についてはこの法によつているところの三種類ですか、四種類の資格がございますが、それ別にお調べになつて資料として御提出を願います。以上で関連質問を終ります。
○田中一君 これは厚生大臣に伺うのですが、無論議員提案だからそれはおれの知つたことじやないという御答弁があると思うのですが、衆議院から出ているところの只野君の水道法案、これは大体建設省が曾つて作つた原案のままだと思うのです。そこで、或いは私の思い違いで以て多少修正されているか知りませんけれども、少くともこの水道法は建設大臣が主管すべきものだという立場からとの法案は出されておると思うのです。そこで只今これは衆議院において先議されておりますけれども、これが予備審査として当院に回付されておりますが、これにつきましては厚生大臣はどういうお考えを持つていらつしやるか。それから無論参議院においては先議になつたものは今委員長が言つたようにこの政府提案の水道法案、これに対して、この二つの問題に対して、厚生大臣はどう考えていらつしやるか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 衆議院議員の只野君の御提案になつておりまず水道法案につきましては、私はこれにかれこれ御批判を申上げる立場ではないと存じますが、一応拝読いたしますと、お話のように建設省の所管というのがはつきり一貫しておるようなふうにちよつと記憶いたしております。或いは過去において建設省が案を作られたというお話でありましたが、これも私は存じませんが、現在では、少くとも現在の建設省の考えでは、今度政府提案いたしましたこの政府提案の水道法案が、建設省も厚生省も一本になりました案でございまするから、少くとも厚生省も、建設省も、或いは通商産業省も現在はこの政府提案の水道法案の考え方を持つている次第でございます。従つてこの施設その他につきましては先ほど来部長からも申上げましたように、それぞれ関係の省の主管というものがはつきりいたして参るのでありまするが、そういう意味におきましてこの衆議院の只野君と政府提案とは実は比較をいたしますると、却つて差障りを生ずると思いまするが、現在政府といたしましてはこの政府提案の水道法案で意見を一本にいたしまして、これで今後の日本の水道行政というものを取扱つて行くという考え方をいたしております。
○田中一君 私は今までにもこういう類似の法案の提出された方法が数々あつたように記憶しておるのです。政府としてこの水道に関する水道条例の改正という点につきまして、閣内の意見が一致せんために、或る方面からは議員立法としていわゆる建設省案というものが提案される。そこでこれじやかなわんというので、厚生大臣はあわてふためいたと思いますが、約束を破つてこの会期末にこの法案が突如出て来た。これは無論通産、建設、三省の了解を得て出したものと考えます。併しながら衆議院並びに参議院といたしましては甚だ迷惑な話なんです。今委員長はこの政府提案の水道法案をここで先議するんだという宣告をしておりましたけれども、我々は議員も同じような法案の提出権を持つております。立案権を持つております。従つて並行して審議すべきが正しい行き方だと思うのです。そこでウエイトはどちらも同様です。決して議員提案だから軽いんだ、政府提案だから重要なんだという考え方があつてはならないと思うのです。ここに三大臣がおらんから片輪になりますが、通産並びに建設省関係の政府委員がおれば一応併せて伺いたいのですが、このように委員会が同じようなウエイトを持つている法案というものを、政府提案だけを先議してここでやるという考え方につきましては、これは甚だ遺憾だと思うのです。そこで三省が了解の上に出された政府提案であるならば、只野君のこの法案に対しては十分話合つて、無論これを何といいますか、取戻すというようなことを強制することはできませんけれども、話合いの下にそうした無駄な手数はかけないほうがよろしいと思うのです。従つてこの三省の方々に伺いたいのですが、この只野君の提案された水道法案に対しましてはどういう見解を持つて、今後どういう措置をとろうというお考えですか。三省の方に伺いたいのです。先ず厚生大臣から伺います。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは私が御答弁申上げる筋合いと少し違つていると思いますけれども、議員立法として只野案が衆議院先議で衆議院ではお出しになつたわけで、参議院は参議院に事前審査としてのあれを出した。私のほうの政府提案といたしましては参議院の先議で出して参つたのでございます。そこでこの取扱い方は全く国会でおやり頂く筋合いと存じております。ただ、私どもはこれを只今申上げたように政府提案の水道法案は関係省が相一致いたしました意見の下に提案いたしました。これが審議のやり方につきましては、国会は国会としての立場において審議をして頂くものと実は承知しております。
○小笠原二三男君 そこで今草葉厚生大臣も語るに落ちたか落ちないかわからんのですが、只野直三郎議員の水道法案は衆議院先議であるのに、丁度これも衆議院先議でやれば両案委員会としては同時に審議ができるはずのものを、参議院先議に廻した事情はどういうところにあつたのか、この点だけ簡単に御答弁願いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは実は衆議院、参議院がどちらがこの水道について従来から御関係が深いという意味ではございません。両方とも熱心に関係委員会では御討議を頂いておつたのでございますが、従来からの関係一度たしか水道法案がもと参議院に出た関係もありましたと記憶いたしますが、そういう関係等も、従来の例等も考えまして、殊に御心配を頂いておりますので、こちらのほうを先議と政府はいたしております。
○小笠原二三男君 草葉厚生大臣は旧議運の同僚として国会の運営は百も承知のわけですが、一方の院で他の法律案は本審査である、一方の院が同様種類の他の法案が本審査である、それを仮に両院がそれぞれ議決して交換し合つたときにはどういうことにこれはなつて来るのかということを考えれば、それはやはり草葉さんのおつしやるような事情ではなくて、政府提案が十分審議せられ衆議院に回付せられるという形において、議員立法のその案の本審査がまあ積極的になされないで済む、そういうことを意図的にお考えになつたのではないかという誤解を受けるんじやないかと思うのですね、本当に国会の審議を十全ならしめようとする政府の態度ならば、やはり同一種類のものが出ているなら、出ているところに持つて行つて、同時審議をしてもらつて、そうしてはつきりしたものを確定して上げてもらうというのが筋だと思うのですね。両院に一本ずつ本審査で持たれているというと、それはそれぞれの委員会として審議して行くのに非常に委員会としては迷惑な問題が起るんじやないかとも考えられるので、今国会において参議院先議に政府が提案して来たものは幾ばくもない、殊んど衆議院先議であるものが、会期末国会多端の折、参議院多端な折に参議院のほうに持つて来たということは、ちよいと、大臣おつしやるようには受取れないのですが、これ以上は申上げませんが追い追いと事態も明らかになつて来るでしようから、併し実際衆議院のほうではお困りになるのではないかと思うのですが、そういう点は十分御考慮の上御提案されたかどうか。念のためにこれだけ伺つておきます。
○国務大臣(草葉隆圓君) 御尤もな御意見と存じます。実はこれの提案に当りましても、衆議院にも委員長等に御相談を申上げて参議院のほうへ、従来の関係等もありまするので、先議ということをお願いしたような次第でございます。衆議院も御了承を頂いております。
○田中一君 現在水道に関する行政は厚生省はどの部分をどの程度まで受持つてやつておる、建設省はどの部分をどれだけ受持つておるか、一応両省から御答弁願いたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 最初に厚生省関係の分について御説明申上げます。現在簡易水道事業を行なつておりますが、これはすべて厚生省の専管でありまして、建設省に関係がございません。 次に一般水道につきましては、覚書の線に沿いまして、予算の執行或いは許認可、或いは計画の樹立、かような点は厚生省が主管をし、建設省へは会議をすることといたしております。なお設置法におきましては、厚生省は一般的事項を担当することに相成つております。上下水道に関する事項と規定してございます。
○政府委員(澁江操一君) 建設省関係の現在の事務の所管関係を申上げます。只今厚生省からもお話がございましたように、この所管事務の限界は、厚生省設置当時におきまする内務、厚生両省の覚書を基本にして実務を担当いたしておるような次第でございます。従いましてそれを受けましていたしております仕事の内容を個別に申しますと、水源の関係、これにつきましては水源の位置、或いは取水の状況、水量の概算といつたようなことが内容になつて参りますが、これは建設省で担当いたしております。ただ、この中におきまする水質の問題、これは厚生省の担当せられるところであると存じております。それから貯水池、浄水池、浄水場、それから圧力の関係、水圧の関係を取扱いますポンプ施設、それから排水路、これにつきましては建設省が工事面の問題を担当いたしております。それから給水区域、給水人口、それから一日当りの平均給水量、これらにつきましてはやはり建設省で所管をいたしております。水圧、それから工事方法、工事方法につきましては建設、厚生両省がそれぞれ所管をいたしておりますが、滅菌装置、工事設計の中の滅菌施設、これにつきましては厚生省が担当せられるところであります。そのほかの工事設計、工事内容につきましては建設省が担当をいたしております。起工並びに竣工の検査、期限等につきましては建設省が担当をいたしております。それから工事金額、その予算関係、これにつきましては工事概算は工事と密接な関係のある故を以ちまして建設省が担当いたしております。一面これは又国の予算補助の対象となつております関係から、厚生省に連絡をいたし、厚生省の意見を立てられることと相成つておると存じております。水量の等級、それから料金、料金の徴収方法、経費の収支の概算、これらにつきましては全部厚生省が所管せられるところであります。
○田中一君 私これを伺つたのは、こういうことなんです。先ほど三浦委員からも質問があつたように、簡素を目的としてこの法律案が出たと言うけれども、これをどの部分をどういう工合に分類して所管しようとするか、心がまえを伺いたいのです。このために監督官庁であるところの厚生、建設、通産が行政機構の無駄な重複を来すのではなかろうかという点です。従来の行き方を見ますと、やつぱり役所々々のセクシヨナリズムが相当反映されて、やはり縄張り的な抗争が起るのではないか。そこで今両省から出て来たところのものが、覚書によるところの原則をそのままに行つて、通産を含むどういう形で部内の行政機構を持たれるのか。答弁できなければ資料でお出し願つても結構ですから、大体どういう構相思でありますか。
○政府委員(楠本正康君) 現在、先ほど来御説明申上げておりますように、一方が起案をいたしまして他方に又これを書類を廻して又返つて来る。お互いにかようなやり方をいたしております。そこで私どもは、今後はこの覚書の線に沿いまして所管をはつきりさせまして、これによつて一方で起案をし、単に、他の一方に対しましてはこれを会議するというようにとどめてはどうかと考えております。関係があることでありまするから、各省の間でお互いに会議することは当り前なんでありまして、必ずしも水道に限ることではございません。そこでお互いに会議をして済まして行く、かようなところで一つ行つたら、或る程度簡素化されるのではなかろうかと、かように考えております。
○田中一君 両者の覚書の資料を一つお提出を願いたいのです。それから上水道、産業用水道という区別がありますが、東京都の場合、工業用水道と、飲料に供する水道というものは、私は同じパイプで送水されておるように考えておるのですが、これはどうなんです。こんなことは恐らくないと思いますけれども、工業用水道というものは別のパイプで送水する、飲料水は又別のパイプでやるというような、屋上屋を架するようなことはしないだろうと思うが、この点はどうなんですか。
○政府委員(楠本正康君) 御指摘の通り、かような点は総合的に実施いたしまして、能率を発揮しなければならんものと考えております。従つてこの法案には水道という名目で上水道も産業用水道も一括して考えておる次第でございます。ただこの場合たまたま上水道を産業用水道に廻す場合には、事の重きに従いまして、これは上水道としての取扱いを受けることは当然でございます。
○田中一君 そうすると、この中にこの法案、なお、提案理由の説明にもありましたように、滅菌その他消毒するということは、これは工業用水道には要らないという見解ですか。それとも又一般用水並みに消毒したものを送るという見解ですか。
○政府委員(澁江操一君) 工業用水プロパーの、この施設といたしましては、只今御指摘になりましたように滅菌装置その他については、これは必要がない。かような考え方で立案をせられております。併しながら只今厚生省の楠本部長からお話が、ございましたように、両者共用という施設において使われるという場合においては、やはりその要求せられる、重き要求に従つて条件を満たさなければなりませんので、そういつたような関係から工業用水としてはいわば無駄であるという考えはありましようけれども、共用の一応利点を生かす以上は、滅菌施設を合せて作る、こういう建前になるんじやなかろうかと考えられます。
○田中一君 ではこれだけ一つ、これも大臣から、建設大臣は来られませんか。どうしても両大臣がおらんと、質問しても甚だ困るのですが……。
○委員長(上條愛一君) 申上げておきますが、御承知の通り建設大臣は御病気で、緒方国務大臣は午前中から連絡を続けておりますが、国会外に出ておられて、未だに連絡がつかないという実情であります。
○田中一君 この法案ができまして、各省の間に、中にどのくらいな、この定員の増を考えているのか。又予算の配分その他はこの法案ができたために殖えるとは考えませんけれども、若し殖える場合があればどういうことを予想しているか。それからこれによつて、この法案が通つたために、いわゆる機構改革が各省でもつてあるかないか。あるならばどのような規模を考えておつて、どうなるかという点を、今御答弁できれば伺いますが、できなければ、一応資料として各省の三省のほうから書類で以てお出し願いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの法律案が御審議の結果、通過いたしました場合の水道上水に対します点につきましては、これによつて直ちに予算が増加するとは、及び人員が増すとは考えておりません。無論十分な水道行政の完璧を期する意味において、従来の条例では誠に不十分である。内容等においてもよくして行こうという意味でございますが、それで急激にこの直接本省において人員の増加ということは考えておりませんが、ただ水道の監督の場合に、この事業主のほうへ実は相当事務の負担をいたさせ、技術者等を置くということになつておりますので、今後そういうことがだんだん整備をして来ることになつて来ると存じます。又省内の関係におきましては、決してこれによつて直ちに厚生省におきましては省内の機構を急激に変えるということは考えておりません。
○田中一君 もう一点だけ伺いますが、覚書に基いたものがこの法案にそのまま織込んであるものならば、今日までこうして難産をしないわけです。従つてその覚書以上の話合いが三省間にあつたならば、その内容を一つ御説明願いたい。
○政府委員(澁江操一君) 便宜建設省のほうの関係から申上げさして頂きたいと思います。この法案の基本になりましたのは、厚生大臣からも先ほどお話がございましたように、一応本省の覚書を基礎としまして、なおそれを簡素化し、できるだけ簡素化するという基本線に立つて法案が出されております。従いましてその上から先ほど来御指摘がございましたように、政令事項に委ねてあるという形になつておりますけれども、政令事項の取扱いの基本的な考え方というものは、一応政府部内としてはまとまつた形になつている。こういう考え方に立つているわけであります。そこで従来の覚書とやや変つて、いわゆる簡素化の目的からいたしまして、いわゆる簡素化される問題はどういう事項であるかということになりやしないか。その第一点は先ほど厚生省関係にこれはなりますが、簡易水道の取扱いの問題、これは従来水道条例の対象外ということであつたわけでありますが、これにつきましては今回の法案に明文化することにいたしまして、その取扱いは厚生省専管という建前において、これは行政の共管から厚生省専管という立場に切替つた、切替つたのではございませんで、従前からの形を法律上明確にした、こういう形になつて参る、こういうことでございます。建設省関係並びに通産省関係といたしましては、いわゆる工業用水の取扱い、これにつきまして建設、通産両省の主管にするという建前にいたしております。これについてはいろいろ論議もございますけれども、現状といたしましては厚生省としては一応この問題には建設、通産両省の所管をもつて足りるという考え方に立つておるわけでございます。そういう観点からいたしまして、これ又従来の水道条例の形の上では必ずしも対象といたしておりません。いたしておりませんが、取扱いについて法律上は明確を欠いておる点を明確にいたしておるという意味合におきまして、簡素化の前提に対しては一歩前進、こういうふうに考えられておると承知いたしております。 なお、簡素化全体の問題といたしましては、地方長官に相当水道行政の事務を委任し得る考え方をとつておりますし、先ほど来御説明がございましたように従来の許可主義を届出主義に改めるというような点におきまして簡素化、これも簡素化に対する一つの前進した考え方ではないかというふうに承知いたしておるわけでございます。
○小笠原二三男君 関連して……、今局長は簡素化の内容の一、二の例を挙げましたが、一歩前進であるということについて私伺いたいのです。届出にしたことが簡素化である、成るほどそうでしようが、厳密に言えば簡素化というのはどの点どの点、どの点が簡素化であると言われるのか、具体的に挙げて頂きたい。
○政府委員(澁江操一君) 御質問の趣意がよく私も十分のみ込めておりませんが、少くとも中央の官庁の許可主義に依存するということでありますれば、許可審査というものの手続機関を通じませんでは、この事実上水道の事業着手の開始に至らないわけでありますが、その点につきましてはこの法律といたしましては、企業者の届出を以て足りる、届出に対して工事上の必要の変更を要する事項があれば、これは中央官庁長からむしろ働きかけてその変更を命ずることによつて解決してもらいたい、こういう形になつておるわけであります。従来政府の行政事務の簡素化方針というこの一つの手段といたしまして、許可主義を届出主義に改めるというようなことが簡素化の一つの手段として行われておるわけでありますが、今回の法案もややその例にならいまして取扱われておるような次第でございます。
○小笠原二三男君 その点はわかりましたが、私たち、普通、この行政の簡素化と言えば窓口が何と申しますか、単純化せられる、或いは役人等も減つて来るそんなことを常識的に考えているわけですが、そのほうの例からちよつとお尋ねいたしますが、建設省のほうは、そうするとこの水道関係では人間が減つて来ますか。それから厚生省のほうでは人間はどれだけ減りますか。或いは両省でダブつて、同じ内容を目的とする役人が今後おるようになるのかならんのか。そういう点簡単に、もう簡単でようございますから御答弁願います。
○政府委員(澁江操一君) この覚書が当時作られました理由も、恐らくそういつた人員の簡素化、事務の簡素化、即ち人員の簡素化という形を狙つたものと私ども承知いたしております。即ち、水道行政の中の衛生面の取扱い、これは飽くまでその専門家の取扱いに委ねる、土木を中心とした建設面の取扱い、これは飽くまで建設土木の面の専門家に取扱わせる、こういう分野、限界を分けることによりましていわゆる共管の形ではありますが、権限の分界を明かにすることによつて、共管の弊をなくし、併せて人員の重複配置を避ける、こういう考え方を狙つたものと私ども承知いたしております。従いまして、ことの法案ができることによりましても、さような線は私どもの関係としましては貫いて参らなければならないというふうに考えております。例えて申しますれば、浄化施設における滅菌装置の判断において、或いは水質検査の判断において、これはやはり公衆衛生面を担当する専門家の道見によつて取扱いをきめて行かなければならない。この法案の中に、水質基準を定めることといたしておりますが、これ又専門家の手に煩わして水質基準が定められる。その尺度において施設設計が行われるという形で、必要であり且つ十分であるというふうな何ができますれば、おのずから人員を増加するという関係は伴わないでおろうというふうに考えます。
○政府委員(楠本正康君) 厚生省におきましても、事務の重複、或いは更に二重行政というような点は、一応現在の覚書の線によつてこれを回避しておるのでございまして、従いまして、許可制度が届出制度になつて、若干の手はずこうかと存じますが、これらは更に今後水道普及が著しく進展して参ります関係もあり、全体といたしましては職員の減は到底望めないのではなかろうかと考えております。
○小笠原二三男君 又端的に伺いますが、建設省のほうに水質検査とかなんとか、私むじかしいことはわかりませんが、衛生方面を担当する技官なり、事務官なりというようなものを抱えておりますか。又厚生省のほうでは建設省がやるような工事、施工に伴う土木屋と申しますか、技術屋と申しますか、そういうようなものを抱えておりますか、おりませんか。この点端的にお答え願いたい。
○政府委員(澁江操一君) 先ほど申上げました通り、私どものほうといたしましては、この点につきましては、衛生関係の専門を担当されておるその厚生省の所管は、厚生省系統の都道府県で申しますれば、衛生部門、これらの意見によつてきめて参るという建前から、このほうの専門家を配置しておらないわけであります。
○政府委員(楠本正康君) 厚生省におきましては、工事面を担当いたします職員、併しながらこれは単に土木工事という点でなく、衛生工学としての工事を担当いたします職員、並びに水質その他各般の生物学的現象を担当いたします担当官、いずれも厚生省に設置してございます。
○小笠原二三男君 そうすると、ますます私はわからなくなつたんですが、衛生工学云々という、その技術屋というのは建設省のほうにはおらないのですか、建設省のほうをお伺いしたい。
○政府委員(澁江操一君) 衛生工学という考え方でありますが、衛生上の目的を達するための工学、これは専門的ないろいろの問題になつて参ると思いますけれども、水道工学という言葉もある。水道工学それ自体は私は衛生工学と大体同じ性格のものであろうというように存じております。という意味合いにおきまして、私どもの先ほど申上げました建設部門を担当しておるという意味で申上げました趣意は、水道工学の専門家を配置いたしておる、こういうことでございます。
○小笠原二三男君 どうも私わからなくなつたんですが、水道工学というのと衛生工学というのとは、名前は違つても中身は同じですか。
○政府委員(楠本正康君) 衛生工学のうち一部に水道工学も含まれております。
○小笠原二三男君 一部というのは、大部分でないという意味で一部というのであれば……、私はわからないから尋ねておるのですがね、衛生工学という中の大部分でない、一部の水道工学だとあれば、厚生省に建設省のほうの水道工学というほうの技術屋がおるということは、建設省のほうで足りないのですか。水道工学の一部だけで水道の工事も何も一切覚書の通りやれるわけのものでない。どつちか少しかたよつているじやないですか。
○政府委員(楠本正康君) 甚だ専門的に亘りまして恐れ入りますが、衛生工学とは、水道は勿論含まれますが、上下水道事業、都市の屎尿処理、或いは汚物処理、更に火葬場或いは屠畜場、かような特に衛生に関係のある施設全体を通じての独立した分野が衛生工学と広く呼ばれております。従いまして、その中の一部に水道が含まれてあるわけであります。
○小笠原二三男君 そうするというと、水道工学といわれる部分に属する技術屋も厚生省におると、こういうのですが、それは建設省の水道工学のほうの担当しておるものが、どういう関係において厚生省にあるのですか。それは又何人ぐらいあるのですか。
○政府委員(楠本正康君) 人数は衛生工学担当者は五名でございます。なお公衆衛生院に三名担当者がおります。これらの職員は、先ほど御説明申上げましたような簡易水道事業を実施しております関係で、独立で実施しております関係で、必要と相成ります。又一方、計画の樹立、或いは査定、或いは計画の監査、かようなことにどうしてもこの技術的な専門的な視野から検討を要する点も多々ございますので、かようにしておる次第でございます。
○小笠原二三男君 非常に長くなつて恐縮ですが、もう一度お尋ねしておきたいのですが、それはやつぱり私わからんのですが、覚書の線に沿うて置かれておる範囲のものであるということであるということで、両省間の権益は侵されていない。過去においてそういうことについてのいろいろな係争はなかつた、こういうふうな筋合いの方々でございますか。
○政府委員(楠本正康君) 別に覚書の線を逸脱いたしまして、両省の間に権限の重褐というようなことは毛頭行われておりません。極めて連絡を密にして実施をいたしております。
○高野一夫君 ちよつと楠本部長に伺いたいのですが、要するに、水道行政の根幹的の仕事は厚生省がやり、部分的の仕事は建設省、又一部は通産に関係しているというようなことから、論議の中心点が所管の範囲とか、或いは重複とか、まあどの程度簡素化できるかとかいうようなことになるわけですが、ここでもガリ版に書いてあるところを見ましても、又人から聞くところによりましても、欧米においての水道行政が例外なく公衆衛生行政の一環としてやられておるということでありますが、そこで私はこの欧米の様子を少し詳しく聞かして頂きたいのは、先ほど計画局長からお話がありました通りに、水源地の問題とか、或いは貯水地、浄水場、配水装置、そういうようなものは建設関係でやつているということでありますが、こういうようなことまで向うではやはりこの衛生当局の所管としてやつているものでしようか。ちよつとそれを参考に聞かしてもらいたい。
○政府委員(楠本正康君) 諸外国におきましては、特に欧米におきましては衛生工学の分野が著しく発達をいたしております。従つて多数の技術者を擁しておりますので、単に土木、或いは道路、かような技術者でなく専門の衛生工学という分野がどこの大学にも一つの一科として存しておるような現状でございますので、日本と若干事情は違うかと存じますが、外国におきましては、これらの只今御指摘のような工事の監督、或いは指導というようなものは、これらの衛生工学技術者が実施をいたしておるわけでございます。
○田中一君 今のまあいろいろ関連質問がありましたけれども、この簡易上水道等を建設する技術家と、それから専用上水道、又は事業用水道を建設する技術家とは、おのずから今の厚生省の御意見を聞くと違うように印象付けられたのですが、無理やりにそう印象付けられるような御説明があつたのですが、これは建設する技術家は非常に違うのですか。それとも同じものですか。ということは、この法案ではつきりと簡易上水道は厚生省の専管だということを打ち出す限り、少くとも簡易上水道を建設する技術家と、それから専用上水道又は事業用水道を作るものとは違うように考えられるのですね。その点は澁江局長どうですか。そういうような簡易上水道学というものがあつて、これは全然別な技術家が建設するものだと定義付けられているのか、私はそういうようには考えていないのです。今の厚生省の御意見だと、簡易上水道だけは別なものだというようなものに無理やりに持つて行くような印象があるのですが、建設技術家の場合にはどうですか。これは澁江君、一つ君のほうから伺いたい。
○政府委員(澁江操一君) 建設省といたしましては、簡易上水道の取扱いをいたしておりません。従つてその内容、設計等について私どもの経験もございませんし、それに対する意見も従つてないわけでございます。その点は厚生省からお聞き願いたいと思います。
○田中一君 私が伺つているのは、簡易上水道というものを建設する技術家と専用上水道を又は事業用水道を作る技術家とはおのずから違うのか違わないのかを伺つているのです。で、若し、厚生委員会にはたくさん学者がいらつしやるから、学者の御意見も伺つていいのですが、(「皮肉だな」と呼ぶ者あり)簡易上水道学というものがあつて、全然別な学問があつて、その人間がいなければ、簡易上水道ができないということになつているのか。それともほかの一般の専用上水道を建設する技術家も簡易上水道を作る技術家も、学問的にはその大学で、多分ここにありますが、第十条だかに、学校では同じものをやつて、そうして卒業した暁に、簡易上水道ばかりを担当している人が、厚生省に、資格があるものだから、そこに行つてエキスパートになる。建設省では又別に上水道又は事業用水道というものの技術家がいるということに解釈していいのですか。
○政府委員(楠本正康君) 簡易上水道の技術者も一般上水道の技術者も本質的に差はございません。技術は本質的には同様でございます。但し簡易水道は小規模水道でありますから、必ずしも大きな大水道ほどの高度の技術は必ずしも必要でないのではないかというような観点から、この法律につきましては特例としてそれらの任用資格の緩和を図つてある次第でございます。
○田中一君 どうもこれが三者共管で一貫した簡素化なり、或いはこの仕事の完全な遂行を目的としておるならば、特別に簡易上水道というものを厚生省の専管にするという考え方は、現在その面の馴れておる技術家がいるから、そこへ持つて行くのだというなら、これはちよつとこの法律を作る精神とは違つて来ると思うのです。若しも工事面とかいうものに建設省の建設技術を利用しようとするならば、やはり簡易上水道をやるところの技術家を建設省の部門に合せて、そうして当然同じような衛生工学といいますか、そういう技術家が建設省にいるならば、それらを廻すというような配置転換が行われて初めて共管の実が上がる、円満になると思う。従つて簡易上水道だけを分離して厚生省の専管にするという考え方に対しては、やはり何かまだそうした意味の繩張りが現存しているような感じがするのです。私はこの法案を通じて、一切そうした大事な国民の命を守るようなこの水の、水道の行政については、一貫した法律と同時に行政面が現われていいと思うのです。この点については厚生大臣、これはもうやはり厚生大臣しかないから止むを得ず厚生大臣のところへ行くのですが、各省大臣に伺いたい。それでいいのかどうか。若しこの際この法律が出るならば、厚生大臣も喜んでそうした意味の、この専門々々の分野に配置転換することも考えられるのじやなかろうか、こう考えられるのですが、その点如何です。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはお話のように人が、専門家がいるからそこにくつつけるというのは、これは一種の邪道である。決してそうであつてはいかん。今度厚生省を簡易水道専管にいたしましたのは、そういう意味じやなしに、簡易水道は、或いは水源の問題、或いはいろいろないわゆる建築、建設省の行政の部面から考えて、余り影響のないことが殆んどであります。極く簡単に水を引つ張り、そうしてその生活の便利の行くように、但しその水は飲料、そのために危険を加えないようにといういろいろな意味から、余り建設省の所管の関係には影響がないので、これは厚生省だけでいいじやないか、こういう意味から簡易水道は厚生省にした、こういう意味であります。
○田中一君 その影響がないということをもう少し詳しく、成るほど影響がないということがわかるように説明して下さい。
○政府委員(楠本正康君) 簡易水道はどの法律の定義にも書いてございますように、一つは人口が、給水人口が五千人以下でございます。これは言わば部落水道というべきものでありまして、別に大きな施設、或いは都市計画、或いは河川等に関係があるものではございません。いわゆる農村の部落水道、その目的は生活改善、かようなところに重点があるわけでございます。次に、もう一つの定義といたしまして、これはまだ人口の点は政令できめることになつておりますが、一応は二万人以下の或る一定人口、例えば二万といつたような、二万人以下のいわゆる給水人口で、而も井戸或いはゆう泉等から水源を取りまして、そのまま浄水施設等の大きな施設をせずに各戸に給水する施設でございまして、これ又法律に書いてございますように、井戸水、ゆう泉等に依存いたしまして、河川等には全く関係なく水を各戸に給水し、そのまま給水しよう、こういう水道でございますので、従つてこれらのものが建設行政に関係あろうとは考えられないわけでございます。
○田中一君 私はこの法案の非常にいいと思うところは、そのような簡易上水道というものを成るべく避けようという意図がこの法案に盛り込んであるのです。従つて明治二十何年かにできた水道条例の市町村単位を拡大して、府県単位に持つて行こうというところに非常に大きな狙いがあるのです。従つて簡易上水道というものは、今後例えば北九州の問題にいたしましても、北九州五市のうちの一市門司市だけが共同水道には除外されておるのです。こうしたことがあつては北九州の総合開発はできない。そういう観点から知事が斡旋して、北九州五市を全部まとめた給氷源を作ろうという案を立てておりますけれども、それは承知できないので、そういう国全体の面から見て、市町村単位のいわゆる簡易水道的なものであつてはならないという見地から、ここに初めてこの法案が改正されたという大きな狙いがあると思うのです。非常に私は賛意を表しておるのです。少くともこの法律ができ上れば、政府の意図したと同じように府県単位の拡大された水源地を持つ水道事業が行われると思うのです。そうすれば今厚生省が所管しておるところの簡易水道というものはおのずから解消されて行くわけです。そうしたものじやない特定の盆地とか、或いは山の上とかいうものにあり得る場合もこれはあり得る。これは同じように水源のないところにおいては灌漑用の水ですらやはり溜池を作つて水を溜めておるのです、給水しておるのです。それと同じことなんですよ、これは……。この観点から行けばこの法律の狙いであるところの府県単位に拡大しようというこの狙い簡易水道がますます殖えるとは考えられません。従つて建設省が所管しなきやならないような、今局長のお話で行くと、小さいものじやなくして大なきものに行く傾向にあるのだ、それを助成しようという意図が明らかなんです。従つて今あなたが所管しておるところの簡易水道というものは、小さな規模か知らんけれども、この法律ができ上つた暁には相当大規模な給水源が確保せられる、大規模な事業が行われると思うのです。従つて今なお且つこの簡易水道というものを、この法案ができ上つた後においても厚生省がそれを専管するなんということは、これはおかしな話ですよ、この法律の狙いには背反するわけです。この点について厚生大臣何も事務当局に遠慮することないので、率直にこの法律の狙つておる狙いを説明して頂きたいと思います。同時に建設省からも御答弁願いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) お話のように、今度の法律では地方公共団体といつう一つの事業主体というのがこの法案にも現われておるところであります。然らば簡易水道はこの法律が通過したらなくなるかというと決してそうは参らんと思うのです。むしろ現在の日本の状態から考えますと、少くともここ数年政府は成るべく力を注いで、人口稀薄なところ、又は伝染病の多いところ、衛生上飲料に供する水の不便なところ、こういうところに向いましては相当皆さんの御協賛を頂いて、国庫の補助をしながらも簡易的に早く、或いは飲用水等を布設して行かなきやならん。で、大体厚生省におきまして大体十年計画を以て伝染病の立場から、或いは飲用水の最も悪質なところを絶滅したいという計画を持つて、それにはなかなか普通の上水道は大変な手間がかかりますので、簡易にさような施設をいたしたいというのでやつて参りました。この施設は実は大変各府県及び地方から熱望いたされまして、従つて年々施設の計画の規模が大変大きくなるような実情でございます。従いまして或る一定のこれらの悪質な水、或いは伝染病の流行が激しい所には、成るべく速かにたとえ人口少数であつても、早く簡易水道を布設いたしまして、健康の増進なり、保健なりの立場から普及さして参りたいと存じておる次第でございまして、こういう意味におきまして簡易水道を別に一項この水道法案の中に加えたような次第でございます。
○田中一君 私は簡易水道を加えたのが悪いというのじやない。賛成なんです。併しながら建設省ではこの簡易水道の施設ができないということではないと思うのですよ。澁江局長に建設省側の意見として、建設省では簡易水道という非常に簡易な水道が建設省の高度の技術ではできないというようなお考えを持つておりますか。
○政府委員(澁江操一君) 簡易水道の取扱いにつきましては、それぞれ従来の経験等からいたしまして、率直に申しましてやはり建設省としては従来からこの簡易水道のことには技術的にも関与しておらなかつた。そういう点につきまして或いは先ほど御意見もございましたように、主管問題については全然白紙に返してという形をとられるということも一つの考え方でございますけれども、少くともこの法案におきます政府部内の取扱方としては、現状を尊重しながら、一方においてできるだけこれを簡素化して行く、こういう考え方に立つておりますので、その線からこの権限こ簡易水道の取扱方についてもさような一応考え方をとられることになつたのだと私は思つております。
○田中一君 私はできる、できないの問題を言つているのじやない。いい、悪いと言つているのじやない。建設省が建設行政という面から見て、そういう簡易水道の監督なり、検査なり、或いは指導なりができる能力がないのかあるのか聞いている。若しあるとするならば、やはりおのおのこの法律ができ上ると同時に、そうした面の専門的な立場を活かして、各官庁の繩張り争いがなくなるような形をとりたい。そうして一元的な、三者共管でありますけれども、一元的な水道行政を持つて頂きたいという見地から伺つているのであつて、建設省からは率直に簡易水道ぐらいのものならたくさんできます、できるような技術家を持つておりますというような御答弁があるものと思つていたのですが、もう一遍伺います。
○政府委員(澁江操一君) 常識から考えましても、この大規模水道の建設技術を持つているものが、簡易水道の建設技術については全然これはできない、能力がない、こういうことはないだろうと私もそう考えております。併し権限の取扱の問題につきましては、これは先ほど申上げましたような意味で、この法案の一応考え方としてはとられるということを申上げております。
○田中一君 この法律を審議しているのは我々なんで。又厚生委員会なんです。一体役所で以て覚書があるならその覚書をどこまでも辛抱して、この法律を審議しろという命令を受けたことはないと思う。そのような形が厚生省、建設省から出ることにおいて、早くその資料をどんな覚書であるか出して頂きたいというのと、そういうものに我々は拘束されない審議をしたいと考えてくどく申上げるのですが、この点でとめておきます。
○小笠原二三男君 私さつきから聞いているというと、何日かかつて審議した結果出て来るような議論がもう出て来つつあるので、これは私も立場も明らかにしておいて審議しないとえらい誤解を受けると思うので一言申上げますが、今度のこの法案が出て来た経緯、あの共管であるものを厚生大臣が代つてこれの実施に当るというような形をとつて進んで参つておりますこの状態か、私たちとしては、素人でちよつとはつきりわからんことでありますが、厚生省と建設省内で覚書があるとかないとかですが、何かいろいろ官庁の繩張り争いがあつて、そしてこの水道法案が現在以上拡張したり縮小したりするそういうのに使われて、名目だけは立派な理由を掲げて出て来たような誤解を与えないではない。従つて私歯に衣を着せないで申上げるのですが、私たち建設委員としても、厚生委員としても、恐らくそういうことは迷惑なんです。常任委員会制度が各省所管のそれぞれのものをやるという建前であることが、官庁間に若しもそういうことがあるとするならば、その争いの中に我々国会の委員会が巻き込まれるということは真つ平御免なんです。そういう立場で私はこの水道行政の一元化なり、或いは能率化なり、或いは水道事業の保護育成なり、本当にこの法案が目的とするものが達成し得るような法律が成立し得ることを期待して、共に院として各官庁のそれぞれの考え方にとらわれないで審議をして行くとい行き方で考えておる。そういう意味合いで、最終的には厚生委員会において如何様な結論が出ようとも、我々は何ら文句を言う筋合いではない。ただ、それらの問題が若しも仮に過去においてあつたとするならば、十分それをわかつた上で最終的な決断を厚生委員会にやつて頂きたい。そういう意味合いで厚生委員諸君の質疑も我々は十分聞いて参考とし、我々の質疑する点も厚生委員諸君において十分御勘案願つて、最終結論を得られるよき資料として頂きたい。こういうことで私たち連合審査を申入れておるわけでございまして、何らその審議を渋滞するとか、そういうおのおの一方の何かを代表してこの審議を進めるとか、そういうことはあずかり知らないところであるという前提で私お尋ねするんですが、それで内容に入る前に厚生大臣に伺いますが、どうしてこの共管の法案が厚生大臣において主として提案せられ、質疑に当られるというふうに内部的におきめになつたのか、その経緯について簡単でようございますからお伺いしたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は厚生省は従来一般事項としての水道というものは厚生省の設置法できめてもおりまするし、従来も取扱つて来たわけであります。そこでその事務の内容等につきましては、或いは建設省或いは通産省というものに、先ほど来だんだん申上げるように強く関係しておりまするし、従いましてこれらの法案の、どう申しまするか、取りまとめ役とでも申しまするか、というようなことで今まで進んで参つた次第でございます。そういう意味で私から提案の理由を申上げたのであります。
○小笠原二三男君 それで過去において、はつきりお尋ねしたいのですが、両省間において水道行政を円滑に進めて行く上において事務的な不便があつたのかなかつたのか、これは厚生大臣から伺いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 過失において恐らく事務的には、先ほど来御引用になつております、又私が申上げた覚書でぴしつといたしておりまするから、一応きちんといたしておりまするから、さほど不便が必ずしもあつたとは申上げられないと思います。併しそれならば今度の法律というものの狙いはぼやつとするんではないかということになりますが、併し明治二十三年の水道条例というのが極く簡単であつて、そうしてその当時のことを一応考えた条例であつて、その後或いは工業用水道、或いは簡易水道、そうしてそれらがだんだん発達してまちまちのような状態になつて、その都度事務的に連絡して行く、従つて不明瞭な点もあるし、これをやるほうはどこへ持つて行つたらいいかわからないというような状態に確かにあつたと思う。そういう意味におきまして事態の要請がここではつきり一つ立法体系をとつて、そうしてこれらの点も、それぞれの所管も明瞭にして不便のないようにして行くというの狙いでございます。
○小笠原二三男君 そうすると厚生省が発足以来の覚書というものの線において、事務的には何らの不都合を生ずることなく今日まで至つた。ただ目的とするものは、その根本である水道条例が古いものであつて、覚書の線で確定しておるものは、これは摩擦はなかつたが、不明なるものをこの際明らかにしただけにとどまるのである、過去において何らのいきさつもない、こういうふうにお伺いしてよいわけでございますか。取りも直さず水道条例そのものが不明確である点を、抜本的に一本の水道行政の根本法として水道法を成り立たせようとしたのである。両者の共管その他の問題を主としてやつたのではない、こういうことでございますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 御見解の通りであります。
○小笠原二三男君 それでこの水道法案は、厚生大臣としては最善の法案だとお考えになつておられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 最善と申しましても、もつと時代が過ぎますと少し変えなければならん部面もあると思います。併し現在の日本の状態から考えますると、先ず適当であると考えております。
○小笠原二三男君 さつきも関連でお尋ねしましたが、行政の簡素化ということが一つの大きな狙いでもあるということでございましたので、その点でだけお伺いしますが、事務当局からの御答弁によれば、それは許可制を届出制にしたとかいうような部面で簡素化されたというのですが、自由党政府として狙つておるところは、人員を整理することである。これはそういう意味での行政の簡素化ということは不可能である。却つてこの法案によつて人員が多く抱えられなければ本事業の発展に資することができないという情勢にあるように考えられますが、この点は厚生大臣としてはどうお考えになつておられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は日本の水道は御承知のように、まだ誠に発達が遅いと存じます。ほかの諸外国等から比べますると、全地域の或いは七割、八割まで行きますまでには、相当な馬力と努力を要する状態であります。そういうふうにだんだんと普及して参りますると、その普及の度合いに応じまして、これらに関係しておりまする、或いは職員なり何なり現状を以ては不十分なような場合も勿論あると思います。殊に事業主体等におきましては専門技術員を今度要求いたしております。従つてそういう方面におきましても人員は今後は水道の普及につれまして相当増員をして行かねばならないのではないか、ただ本省関係におきましては直ちにさような状態は招来する必要はないと考えております。
○小笠原二三男君 私は大臣としては現在のこの覚書による水道行政が、主として建設、厚生両省にまたがつて共管されるというような、こういう行政運用について最善のものであるとお考えになつておられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 現在のこの各省の関係省の分担事務から考えますると、水道なり水源地の問題、或いは水量の問題等から、その主管いたしまする建設省を除外して厚生省だけでする、或いは水質の問題、衛生の問題、環境衛生、公衆衛生の問題を除外して現在建設省でやつておられまするその主管の範囲内において建設省だけでするということは、この合えの行政機構の上からいたしますると困難であると思つております。従いましてこれらの持つておりまする主管の事項を努めて活かして、そしてこれが簡素化されて、そこには問題の起らないようにして大衆一般の需要者に便宜を与えるという意味におきましては、今度御提案申上げる只今の水道法案をとつて、そして御審議を頂くことにいたしたような次第でございます。
○小笠原二三男君 これは水道行政の大元をたばねるもりのは厚生省であつていいとお考えですか、建設省であつていいとお考えですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) で一口に申しますると、設置法の上から申しますると、厚生省でいたすことにいたしております。ただこれは一口に申した言葉であつて、それを更に細分いたしますると、先ず水道は水量の問題水の問題、この根本は建設省が主管をいたして参りますから、従つてその方面におきましては建設省、或いは事業用水道、工業用水道は通商産業省に強く影響しますので通産省並びに建設省ということに相成ると思います。
○小笠原二三男君 そうすると水量、水源それらは建設省本来の行政部門になつているものを、これらについて問題が解決するならば、厚生省で一元化された水道行政を実施するというのが国の行政として望ましいと、そういうふうに理想の形としては厚生大臣お考えになつておられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは理想の形、ほかの外国等の例を考えましても必ずしもそういう面までを水道の中に入れて来るということは、これはいろいろな意味において困難ではないか。その河川なら河川というものが水の、水道関係だけの問題じやなしに、或いは灌漑その他河川の持つておりまする性格なり用途というものは大変多いのであります。そうするとそれを全部持つて来てしまつて、そしてほかの影響を考えずに水道の関係において全部を厚生省が一本にしてしまうということは、必ずしも私は妥当ではないと考えます。
○小笠原二三男君 そうすると、日本の水道行政としては、主として建設省、厚生省この共管の形で行くのがこれはもう運命である、これを一元化するということは恐らく不可能である、そういうふうにお考えになつておられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) それで水道全体としては只今申上げました設置法でも現在も示しておりまするが、厚生省でいわゆる一口に申しますると、水道というものは取扱つて行く、その水量、水源そういう方面における問題はどうしても建設行政の中へ入つて来ないとむしろ適当ではない。そういう意味における両省の共管はこれは当然であると、こう考えております。
○小笠原二三男君 厚生省の立場としては、現在の覚書の線にあるもののうち厚生省の所管になればなおよろしいとお考えになつておられると思う部門がございますか。
○政府委員(楠本正康君) ……。
○小笠原二三男君 大臣にお尋ねいたします。私事務当局には内容に入つたときどんどんお尋ねしまするので、今は基本的なことをお尋ねしておるので……。
○国務大臣(草葉隆圓君) 大体のことは、覚書が今度政令で生かして来ても差支えないと思います。今までの覚書を……。併しその後覚書がたしか昭和十三年であつたかと思いますが、その後或いは簡易水道、工業用水道というようなものが新らしく発達して参りまして、これらの点に対しては覚書はなかつたと存じております。そういう新らしく項目ができておりまするが、大体の線は覚書を政令の中心に持つて来てもそう差支えないのじやないか、少しいいほうに手直しすることは必要で、これは事務的に両省で検討したら余り問題はないのじやないかと思います。
○小笠原二三男君 水道行政の能率の上から、事業発展の上から、そういう昭和十三年という古臭いものを、その当時の覚書のものを、厚生省で大きなスタッフを以て自負せられているであろうところでも、そのままでよろしいとお考えになり、今後もその覚書の線で進むということが水道行政の一元化の方向へ向く道としていいとお考えになつておられるのかどうかということを聞いているのです。厚生省としては、今の時代となれば、こういうものは厚生省の所管に移したいという強い希望があるのかないのかということを聞いているのです。
○国務大臣(草葉隆圓君) 只今申上げましたように細かい点はあとで又それぞれ部長、局長からの答弁でお答えいたすことにいたしまして、この覚書も只今の御要求もありましたので、すぐにお渡しいたしまするが、覚書は極く簡単に書いてあつて従つて余り仔細なことは書いてございません。そうい問う意味においての本筋は大して、これは昭和十三年ではございまするが、この事務的な中心の覚書は大して手入をする点はないのではないか、細かいことは両省でよく相談したらできることだと考えております。これはすぐにお渡しいたします。
○小笠原二三男君 そうすると、その後新らしく出て来たものについてだけ問題が起つて来る、こういうことのようですが、新らしく起つて来たものだけはこれは厚生省がやるのだというのは、どういう理由でどういう根拠によつてそういうことになつたのですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先にも局長なり部長からお答えがありましたが、従来の覚書でも、この事務の取扱いの点につきましてこれを改正する点もあろうと存じますが、書類の取扱いの方法とか或いはもつとはつきりした受付の方法とかこういう点ではあると存じます。 それからその後参りました点、それから水道条例では、何かこの当時の明治二十三年の状態を考えてやつたのでありますから、この頃のような普及しました、又公衆衛生の重大な水道としての部面というものは余り簡単過ざまして、従つて明瞭を欠いております。仕事も実際上しにくいと思います。建設省も厚生省も、仕事がむしろしにくい場合、そういう点をはつきり今度の水道法において明示する、そうしてその権限をはつきりいたしますると、工事をやるほうも今後はつきりいたして参りますので、従つてお尋ねの点の当時以降に起りました問題を明瞭にいたしますると同時に、覚書で挙げておりまする中におきましても、只今申上げたような事務的に両省で相談仕合う点はこれは相当あると存じまするが、本質は大体先ほど来申上げました建設省、厚生省のそれぞれの本来の設置法に示しました行き方を生かしながら行くというのが最も妥当である、こういうような考え方で政令等も作つて参りたいと存じます。
○小笠原二三男君 そうすると厚生省としては建設省の行政にそうさしたる障害を与えないという範囲においては、水道行政に関する問題は一切厚生省で所管するのが望ましい、そういうふうな建前で進んでおられるわけですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) そう申しますると或いは妥当ではねいかとも存じます。従来建設省にお世話頂いておる部面は、これは今度の政令においても当然残して行かないといけないのではないか。又その考え方で今度水道法というものは作つたのです、そういう意味であります。
○小笠原二三男君 それでようやく田中君が聞いているところへ私も話を進めて行きたいのですが、簡易水道というのがただ単に何となしに、そうすると厚生省で所管するときめたものですか。それとも水源、或いは水量、これら一切関係ないことだから、そうして簡易なるものであるから、それでこの程度は厚生省独自でなし得るという見解で厚生省の専管、こういうことにしたのですか。その点私、やつぱり国の水道行政であるならば一貫した論理があつていいと思う。そういう意味からどういう根拠があるのか、はつきりして頂きたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 水道法の関係で、実は水道というものを一つ、その水道の中には簡易水道であろうとも、工業用水道であろうとも、工業用水道は少し性格は違うと思いますが、いわゆる水道の取締り、或いは助長、助成ということを法律化するという意味においての水道法というものを考えたわけです。そうしまするとこれの取扱い或いは国庫補助の面については大蔵関係にもなります。又或いは水源地、或いは河川の利用、或いは道路の敷地の利用等、その他の点につきましては勿論建設に関係が深くなつて参ります。水道そのものを使わせるという点においては、環境衛生、公衆衛生、或いは予防衛生の上から厚生省が当然関連して参ります。そういう意味でそれらの部門を考えましたときに、簡易水道というものは先ほど来申上げましたような意味において、厚生省の従来の設置法で示しまする所管部門、これだけで足りるのではないかというので、厚生省専管といたしたような次第でございます。
○小笠原二三男君 それによつて中間的に都道府県等において、その簡易水道について所管すべき人員等の増加等が起るというようなことは一切ございませんか。
○政府委員(楠本正康君) 勿論新しい仕事が加わつた関係で、事務量はかなり殖えて来ております。併しながら今のところは私どもが忙しさを我慢すれば済む程度でございますのが、何とかやり抜けるのではなかろうかと存じております。又府県におきましては、これは従来簡易水道に限らず一般に水道がかなり小さな町、市等にも普及して参りました関係もありますので、これらの指導並びに監督を徹底させる意味から申しまして今後若干数の増員が必要となつて来るものと考えております。
○小笠原二三男君 こういう法案による専管事項が規定せられた結果、地方において人員の増加があるのかないのかということを聞いておるのです。自然的な発展の状況にからんで人員が必要になつて来るというようなことを私聞いておるのではない。
○政府委員(楠本正康君) この法律を施行するから、施行のために増員が必要だということは地方においてもございません。
○小笠原二三男君 そうしますと、地方の都道府県においては、簡易水道なり、上水道なり、これらの所管等はどういうふうになつて来るのでありますか。
○政府委員(楠本正康君) 地方におきましては、簡易水道は衛生当局が所管をいたしております。一般水道になりますとこれはやはり中央の関係が反映をいたしまして、多くの場合両者共管の形となつております。衛生、土木両部の共管の形になつて事務は処理されております。
○小笠原二三男君 それでこの簡易水道というものが厚生省の専管になつたということについては、まだ私やはりお尋ねしたい、納得できない点があるのです。そのほうが能率的であり、その事業の普及発展に真に資するのか、一般上水道と同様に共管でそれぞれ技術的な相互援助もあつて、事を進められるのがいいのか、私にはこの点わからない。正直なところわかりません。それで初めから建設省と厚生省とではこの振り分けをするに当つて、どういう話合いの下にこの振り分けができたのか。又どういう話合いの下に簡易水道なるものを給水人口なり、住民人口なりで押えるような限界、或る種の基準を設けたのか。これらは多分お話合いがあつたろうと思う。その点御説明願つておきたい。
○政府委員(楠本正康君) 先ほど来大臣からもお答え申上げましたように、厚生、建設両当局が水道に当りまするゆえんは、水道には道路、河川その他建設行政に不可分の関係があるからでございます。ところが簡易水道につきましては、かような建設行政に関係する部分が殆んどございませんか、或いは全然ない程度でございますので、これらはいずれかが専管したほうが能率的だということが言えると存じます。従つてさような観点から衛生当局が専管をいたしておるものと存じます。次に、簡易水道という事業が出発いたします当初の両省の話合いにつきましては、ざつくばらんに申上げまして、私ども大蔵省に予算を要求いたしましたところが、予算が成立をいたしました。その後執行する段取りになりまして、一、二建設当局からこの仕事を共管にしてくれないかという申入れも極くまあ係官程度の問でございました。ところがその際両省の最高幹部が話合いをいたしまして、いや、これはこんな建設行政に関係のないものまであえて行政をそう複雑にする必要はないのじやないとかいう結論になりまして引続き厚生省が専管をいたしておる次第でございます。これは専ら事務の簡素化、行政の成果から判断されたものと考えております。
○小笠原二三男君 そのことは占領下においていろいろな話があつたことは私も非公式に伺つております。それでそのことは聞いておるのではございません。今度これを専管にするということで、法案を成り立たせる場合に両省で話合つた経緯についてお伺いしたい、こういうことなんです。
○政府委員(楠本正康君) これはやはり只今申上げましたように簡易水道人口五千人以下の水道であれば、都市計画或いは河川その他大きく建設行政に関係をしません。更に人口二万人以下水道にうち、これは極く一部になつておりますが、井戸或いはゆう泉等からだけ水源を求めておるものは別に河川との関係もございませんので、一応話合いの結果、これを厚生省の専管といたしたわけであります。但し正直なところ申上げまして、二万人以下どの程度で切るかということについては、今後政令の段階で話合いをきめたいと思います。
○小笠原二三男君 その政令で話合いをする部分については、全然白紙になつておつて、この法案が出て来ておるのですか。その結論が得ておられるのですか。
○政府委員(楠本正康君) 人口がどの程度になるかということは、まだ完全な話合いの結論を得ておりません。
○小笠原二三男君 どうしてそういうことが話合いがついていないのですか。
○政府委員(楠本正康君) 法律が上りましてから私ども政令の内容を検討いたしますので、かような関係で未だ結論を得ておらんわけであります。いずれ早急につけなければならんと存じます。
○小笠原二三男君 円滑な話合いの下に両者の合意でこの法案が成り立つというのに、政令に任せらるる部分だけが話合いもついておらないということは、法律の建前上、法律が出てから政令は作られるべきものだからというので、簡単に話のつくのを、筋道通り歩もうとして今黙つておるわけですか。
○政府委員(楠本正康君) これらの点につきましては、勿論技術的にも、或いは建設行政との関連においても、十分に研究をしなければなりません。従いまして一応二万でもよかろう。併し二万では多過ぎるかも知れないというような点でまだ具体的に話合いをしていないわけでありまして、すでにこの法案作成までの両者の話合いが極めて円滑に進んで参りました経過から見ましても、一応法律が上りまして政令について話合う段階になりますれば、円滑にこの点は話合いがつくものと期待をいたしております。
○小笠原二三男君 そうすると人間の多寡によつて簡易水道の定義が変つたりするようなことになるわけですか。
○政府委員(楠本正康君) 人間の多寡と申しますよりも、施設の規模、施設の安全性、技術性という点から定義が下されております。それが結果的に給水人口に影響を来たすのだ、こういうふうにお考えを願いたいのであります。
○小笠原二三男君 そうすると厳密に申しますと、簡易水道と法律では言つておるが、現段階では政令がきまらないから、政令がきまらないうちは簡易水道の実態というものはどういうものかということは明らかにはわからない、厳密に言えばそういうことになると思いますが、如何ですか。
○政府委員(楠本正康君) 現状は簡易水道は法律にも書いてございませんので、一応予算措置でこれを指導しておるわけでございます。
○小笠原二三男君 どうも私わからないのですが、予算措置で指導して、簡易水道の定義が様々に変つて来るわけですか。
○政府委員(楠本正康君) たびたび申上げておりますように簡易水道は、元来施設の規模なりから判断いたしまして定義付けられるものでありまして、先ほどから申上げておりますように、そのまま何の操作もしなくても飲める水を各戸に給水するとか或いは部落水道のごとく農村の極めて一小部分に水道を普及するというような場合が簡易水道の定義であります。従いまして現状もさようなふうに考えております。
○小笠原二三男君 一点だけ伺いますが、現在実施しておるいわゆる簡易水道と言われるものは今後きめられる政令の如何によつては簡易水道でなくなるものもございますか。
○政府委員(楠本正康君) 現在も簡易水道の定義は別に法律にはございませんが、厳守いたしておりますから、この法律が施行されましても、別に簡易水道から外れて上水道のほうに行くというものはございません。
○小笠原二三男君 ございませんということは、どういう根拠でおつしやるのですか。
○政府委員(楠本正康君) いや、これは私どもは何カ所かの事実から判断して、さようにお答え申上げておる次第でございます。
○小笠原二三男君 政令がきまらなければ簡易水道の規模はつきりしないものが、その基準がない今日、現状のものが将来においても簡易水道になるということは、何の根拠で言いますかということを聞いておるのです。厚生省のほうではそう思つておるのでしようか……。
○政府委員(楠本正康君) 先ほど来法律の二条に掲げてございます定義を御説明申上げておりますが、定義におきましては人口五千人以下の部落水道並びに単に綺麗なそのまま飲める水を各戸給水する水道で人口が二万人以下という定義を申上げてございます。これは動かぬところでございます。ところが現在はかようなものを逸脱しておる簡易水道はございません。従いましてこの法律ができましても、別に簡易水道から外れて一般水道になるものはないということを申上げておるわけでございます。
○小笠原二三男君 それは厚生省だけの話じやないですか。政令は両者協議してきめることなんで、そのきめ方如何によつては変つて来るものもあると一般論としては言えるのではないのですか、こういうのですが、私の聞いているのは間違つていますか。
○政府委員(楠本正康君) 先ほど来法律二条に示しまする簡易水道の定義につきましては、建設省と事務的に円満に話合いがついておるのでございまして、その点は何ら定義上その他に支障はございません。
○委員長(上條愛一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上條愛一君) 速記を始めて。
○小笠原二三男君 少し私も内容に立ち入つて一例として聞いてみたのですが、まあその話はやめますが、この法律の体裁として、この会期末に草葉厚生大臣の御苦心で本院に先議になつたのですが、体裁上附則で「この法律の施行期日は、別に法律で定める。」とございますが、別に法律で定めるというその法律は今国会で出て来るわけのものですか、次期国会に出て来るわけのものですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはいろいろな点から考えまして別に定めるといたしたのであります。この別に定める法律は今度の国会には実は出しがたいと存じます。次期国会と存じます。
○小笠原二三男君 そうすると、参議院の厚生委員会なり、建設委員会なりがあなたの意を体して一生懸命努力しても、この法律のり施行は次期国会になつて我々の所期の目的を達成し得ないという憾みも出て来ますが、そうすると、結局政府としては慎重審議をしてもらつて、そうして公布される法律も出してそうしてこの法律の成立もその限りにおいて速かに成立させるようにして欲しい、こういう意味合いなのでございましようか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの政令も先ほど来だんだんお答え申上げましたように、一応の検討はいたしておりますが、親法律が若しや御審議の結果動くような場合はそのままでは行かないので、従つて、私のほうでは、今度の国会にいわゆる今まで長らくの懸案でありました水道法案を政府として御提出申上げる段取りに相成つた。それは誠に遅れて恐縮でございましたが、会期等も延びましたような都合もございますので、若しや御審議を速かにして頂けまするならば誠に有難いと存じております。それならば実施期日が次の国会になる、これはいろいろ関係しまする政令なりその他の関係もありまするので、実は別にしたと、こういたしたのでございますが、願わくばこの御審議を慎重速かにお願い申しまして、今度の国会等で御審議を結論付けて頂けまするならば、誠に有難いと存じております。ただ、実施が、次の国会における法律によつて、ここに書いてございまするようにいたすことに相成りまするが、それらの準備と、政令その他の関係等を考慮してそういうふうにいたしておるような次第であります。
○小笠原二三男君 厚生大臣としては一般的にそういうことはおつしやられることもその通りだと思います。併し、この法案を参議院先議で出しましたときの事情から言うて、この際あなたとしてこの会期で上げてくれと、それを期待するということをこれだけの法案で私たちに飽くまでおつしやるわけですか。これはあなたと参議院とはちかしい関係にあるので、率直にお尋ねしておいて、これは無理を言えば無論無理もできることですししますが、それぞれのしこりを残さんで、最終的に厚生委員会で十分な結論を得てもらうというためには、ただ単に拙速だけではこれは禍根を残すのではないかという心配も私はあると思うので、率直にお尋ねを申します。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は由来水道関係につきましては、率直に私どもも申上げまして、御心配のような点が多々あつたわけです。幸いこれらの御心配の点が今後解消いたしまして、厚生省と建設省、通産省共々にはつきりした考え方でこの法案にまとまつたのでございます。従つて、まとまりました機会に、その他の関係もありまするので、会期末に御審議をお願いするような誠に恐縮な次第をいたしましたのでありまするが、そこでできまするならば、この国会で本法案を御審議御決定頂きましても、そういう意味においては従来のしこりはなくなつて来ると存じております。従来いろいろ御心配を頂きましたような点は、この御提案申上げおりまする水道法案において十分氷解をし、関係省はこれを中心にして相協力をいたして参るということに相成りましたので、この点は御心配をかけておりましたが、解決いたしたと思います。そういう意味におきまして、できましたならば、御可決を頂きますると、その点における御心配は解消するものと存じております。
○小笠原二三男君 それで、これは慎重審議の上で上げようとすれば、今国会において上り得るものであるというふうに、あなたも参議院議員として法案審議をやつて参つて御経験もあるのですが、お考えになつて強要せられるのですか。こういうことであるならば、私この際議院運営委員会等における、或いは官房長官なりあなたが陰に陽に言うたり、自由党が言つたことをここでお話申上げますよ。これは我々審議を制約せらるることは困るのですが、連合審査である関係から、我々には主導権がない。それで一方的に草葉さんにそういう注射をされるというとどういうことになつて来るかわからん。それでこれは参議院の審議の都合から言つて、この法案を提出した経緯から言つて、重大な影響を与える問題なんです。率直に私はこういう点を速記をつけてお尋ねしておるわけです。
○国務大臣(草葉隆圓君) 参議院の慎重審議なりその取扱い方につきましては、政府といたしまして何らこれに関与すべき立場ではないと思います。どうぞその点は、全体といたしましては、そういう意味において御了承を頂きたい。私が申上げましたのは、平素のよしみにあまんじまして申上げたようなわけであります。
○小笠原二三男君 それでは陰に陽に個人委員或いは団体等に審議が促進せられることの躍動りですか、動きを示されねいように、この点は厳重に警告をいたして置きます。そういう事実があつたならば後々にこの問題は問題として申上げます。
○田中一君 御承知のようにこの法案は三者共管になつております。ところが私たちがいるところの建設委員会では建設大臣が長期欠勤をやつておるのです。そうしていつ出席できるものかわからんような状態にあるのです。いわばこれは厚生委員会の諸君にもお願いしたいのですが、一応事務当局と話合いで以てまとまつたものと考えますけれども、できるならば建設大臣を早く任命して頂きたいのです。戸塚建設大臣はやめるという意思表示もあつたように聞いております。それで何か吉田総理が外遊するのがいいの、悪いの、或いは帰つてからとか行く前とか、議論は言わないのです。少くともつ国会におきまして第一国会以来主管火つ臣がおらないで国会で、議院が法案一の審議をしたことはないのです例が……。こうい悪例があつてはならないと思うのです。従つてこのように建設大臣との共管の法案が厚生委員会にかけられておる。審議中であるならば、これは閣僚の一人として草葉厚生大臣にもお願いしたのです。閣議において早急に建設大臣の出席を得られるように努力して頂くか、さもなければ本人の御意思は知りませんが、緒方副総理の言葉を借りますと、余りに迷惑はかけないような方法をとるという言明をしておりますので、厚生大臣からも建設大臣の出席を強く要求して頂いて、その上で両者、或いは通産大臣を交えて質疑をして納得行く形の行政面を得たい。こう考えておりますから、厚生大臣からもその点お含みの上、各厚生委員の諸君にもお願いしたいのですが、その点を十分お含みの上一緒に合同審議する時間をお与え願いたい、これをお願いしておきます。
○三浦辰雄君 只今小笠原委員に対する大臣の御答弁中に、附則の公布の日を別の法律で定めるという問題との関連で、この法律の中の政令というものの内容がなかなか固まりにくいから、便宜公布の日というものを別の法律で定めるようにしたのだというお話もございましたが、私は今日の委員会の初めのほうで政府の提案理由の中で説明しているようなふうに、この法律が通つたならば水道行政というものが簡素になる。そして国民は非常な便益を受ける、こういうような狙いを非常に謳つておりますることが果してどの程度に期待できるのかどうかというものを判断する上には、あの政令、四十二条に示してあるだけの政令でなくして、この法律の中の全部に関しての政令というものを大体概要をお知らせ願うことが一番早わかりであるという意味から、その政令のおよその概要を資料として提供して頂きたい。他の資料もお願いいたしましたが、同時にその政令の内容を速かに御提出をお願いしたわけなんです。先ほどの答弁から見ると、政令の関係各省との間における取きめというものが、中には困難である部分があるかも知れませんけれども、私のほうの審議する建前から行きますというと、是非おのおのの政令についての概要を、政府としての概要、各省ではなくて政府としての一致された結論に基く概要をお示し願いたい。念のためにこの機会にお願いを申上げておきます。委員長においてよろしくお願いします。
○委員長(上條愛一君) それでは本案の本日の審議はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條愛一君) 御異議ないと認めます。それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会