建設委員会 第32号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/05/07
会議録
○委員長(深川タマヱ君) これより委員会を開会いたします。 速記をとめて……。 午後一時三十九分速記中止 —————・————— 午後二時二十四分速記開始
○委員長(深川タマヱ君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。 午後二時二十五分休憩 —————・————— 午後二時五十九分開会
○委員長(深川タマヱ君) これより開会いたします。 土地区画整理法案並びに同施行法案につきまして残れる総括質問をお願いいたします。
○田中一君 私はこれから総括質問をいたしますが、その前に速記をやめて懇談をしたいと思うのです。
○委員長(深川タマヱ君) 速記をとめて下さい。 午後三時零分速記中止 —————・————— 午後三時四十分速記開始
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。
○田中一君 先ず伺いたいのでありますが、かねて質問しておきました点につきまして、留保の点について御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(渋江操一君) 先般の本委員会の御審議の際に答弁を保留いたしておりました事項につきまして御説明を申上げたいと思います。 保留いたしました問題は三点あつたかと存じます。 先ずその第一の問題でございますが、御質問の要旨は、立体換地方式における換地に相当する建築物の価格と、いわゆる従前の宅地と認められる土地の価格との関係、それから来る当事者に対する、即ち受益者に対する清算方法という問題をどういうふうに考えるかという点でございます。条文といたしましては九十三条乃至九十四条に関連する問題たと存じます。これに対する私どもの考え方でありますが、御承知のように換地方式におきましては換地の価格と従前の宅地の価格とは相ひとしいことを原則としております。その差額を生じた場合には清算金の交付又は徴収をすることによつて差益を相殺する。この原則は立体換地方式の場合においても同様変りないというふうに考えております。 そこで右の原則に従いまして、立体換地方式の場合におきましては従前の宅地価格に相当する建築物、詳しく申上げますならば、建築物の一部とその建築物の敷地の共有部分が換地に代るべきものとして与えられるならばそれでよろしい、こういうことに相成るわけでございます。例を引きますと、坪当り二万五千円の宅地に換えて坪当り二万五千円の建築物と、それの床面積に相当する敷地の共有部分、こういうものが与えられるならば、この換地方式の一般原則に従つたものとして何ら問題はない、こういうことになるわけでございます。ただそのような場合において疑問を持たれますことは、先ず坪当りの宅地価格は坪当りの建築費に比しましてよほど繁華街或いは盛り場でない限り土地の価格のほうが低額になる。価格としては低いということになりますから、かかる場合には立体換地方式は成り立たないではないかということが一つの問題になつて来るわけでございます。この九十三条に対象として考えられております過小宅地の該当地区が必ずしも盛り場、即ち宅地価格と坪当りの建築費とが釣合う地域に限られるものではないという点からいたしまして、考究を要する問題かと存じます。併しこれに対する解決策の一つは、建築物の規格は、かかる宅地の換地である場合におきましては造作等を抜きにいたしましたものを以て足るというふうに考える次第であります。即ち平面的な宅地換地の場合におきましても、居住条件を充たすような建築物は権利者の自己負担で解決されるべき筋合からいたしましても、かような敷地の代りとしての建築物を与えられる点から見まして、これに対しては造作費その他を含んだ建築物を必ずしも供与される必要はない。さような考え方からいたしまして、一般原則をそのまま適用して解決さるべきものであるというふうに考えるわけであります。これが先ず第一の立体換地方式における換地に相当する建築物の価格、従前の宅地の価格との関連、これの計算方法、これについての考え方を申上げました。
○田中一君 よくわかりました。そのような方針で行つて頂きたいのです。 そこで一体東京の例を一つとりますと、東京の新宿にしましよう。新宿の場合無論地価は相当高いのです。地価が高い、それから借地権も相当高いということになりますと、今の五万円、六万円程度のもので建築にかかつても無論一応見合うわけなんです。併しながら見合うからと言つて何もかも完全なものをやることは、宅地そのものに対して、今局長が説明したように宅地そのものが裸の宅地なんです。建物も宅地として換地を与えられるならば裸でいいわけなんです。一体空間宅地、いわゆる立体宅地というものは一坪当りどのくらいの価格をスケリトン建造物として考えられておるか伺いたいのです。
○政府委員(渋江操一君) 大体私どもの関係におきましては、これは住宅局その他とも相談いたして考えておるわけでございますが、坪当り二万八千円から三万円というものを大体考えておるわけであります。
○田中一君 例えば防火地域として国が助成する区域に立体換地を考える場合、無論二階でも三階でも鉄筋でなくちやならんという場合と準耐火構造の場合と両方であるわけです。防火建築帯の場合は別ですけれども、そういう場合に木造でいいような地区に対して鉄筋を建てるということを避けるために、必ず立体宅地を以て与えるならば、防火建築帯をそうでないものとが同じ区域に入つた場合には、防火建築帯にその立体宅地を与えるというような考え方でおられるのか、或いはその区域ならばどこにでもいい、どこでも古体換地を与えようという考えでおられるのか、その点について伺いたいと思います。
○政府委員(渋江操一君) 過小宅地における立体換地方式は、これは政府の考えている一つの土地区画整理を中心とした仕事のやり方でありますが、それと絡み合せる耐火建築助成の方法、これも一つの都市不燃化の対策から取上げられている一つの問題であります。これ又都市計画上の要請に基くものでもございます。さような都市計画上の必要性から二重の要請として出て来る問題、これが絡み合いました場合にどちらを優先するかということになれば、常識上の問題ではありますけれども、おのずからこれは要請の強いいわゆる耐火建築助成、それから宅地の立体化ということと絡み合せることを先ず以て解決すべきだ、こういうふうに考えておるわけであります。
○田中一君 過小宅地を三十坪未満の宅地というように曾つて御説明があつたのですが、この立体地を建設する場合、三十坪を二つ合せた六十坪ならば、或いは三十五坪ならばこれを過小宅地と考えないかどうか、こういうのをどこかで規制したほうがいいのではないかと考えるのですが、その点はどう考えますか。或いは政令その他でそういう扱い方をするかどうか。無論耐火建築促進法でははつきりと法律の上に表わしているのです。従つてそれを引用するような修正なら修正をこの附則の上で表わしていいかどうか、そういう点の御意見を伺いたい。若しも過小宅地でないならば全部立体換地を与えてよろしい、建造物を作るということになりますと、折角宅地の減歩率を成るべく少くしようという考え方に立つていながら、減歩率の上からいつて使われない、活用されない宅地がたくさんできることになる。そういう点についてせめてもう一歩進んだお考え方を述べてもらいたいと、こう思うのです。
○政府委員(渋江操一君) これは先ほど御質問がありまして保留をいたしました問題点の一つになつておるわけでありまして、私どもの考え方を別途申上げさせて頂きたいと、かように考えておつたのでありますが、即ち条文といたしましては九十三条の五項でございますか、いわゆる耐火構造方式を立体換地の場合における建築物の条件としては要請をいたしておるわけでありますが、それに対しまして更にいま一段の方法といたしまして、かような耐火構造方式の建造物を仮に許すといたしまして、その場合の過小宅地方式は木造建築方式の場合の過小宅地方式と趣きを異にすべきであるという御意見でありまして、誠にその通りであろうというふうに私どもも考えております。ただ立体換地方式をこの法案として取上げましたことは、いずれにいたしましても新らしい換地方式でありまして、従つてそれと同時に今後の運用におきましてはかなり高い土地権利者に対する或いは借地権者に対する一つのこれは制限、いわゆる建築方式等につきましての一定の制約を加えて行くことにならざるを得ないわけであります。目的は、勿論それによりまして過小宅地をなくし、都市の不燃化に資する、宅地の高度利用を図る、こういうことでありますから、その目的は相当理解されるであろうと存じますけれども、かなりこれに対しての今後の運用においては土地権利者等の抵抗がないとは限らんというふうに私ども存じております。さような点は、勿論この運用を図ります上に十分の啓蒙等の手段を尽しまして理解を求めたいと、かように存じておりますが、さような関係におきまして、もう一方の過小宅地方式、堅牢建築物の場合の過小宅地方式、これは当然過小宅地の基準につきましては政令を以て定める取扱いをいたしております。従いましてその運用の上におきまして或いは一定の地域制をとりまして、過小宅地に更にかぶせるにかような立体換地方式をとつたところの地域の場合における一つの過小宅地方式を別に基準を定めるということも考えられないわけではないと思います。そういう点につきましては先ず政令の問題で解決できるかどうか検討いたしてみたいと思います。 お話のように立法の上で新らしい基準を法律の中に規定として別個に設けて行くという考え方につきましては、私どもその点につきましては先ほど申上げました事情からいたしまして、土地権利者に対する啓蒙の問題もあり、端的に一つの基準をここで打ち出して行くことがいいかどうか、かなり運用上努力して参らなければならない部面が相当あるのではないか。法律制度の上で白黒と簡単に片付けられるものであるかどうかということについて若干の疑問を持つておるということであります。
○田中一君 もう一点伺つてありましたね。
○政府委員(渋江操一君) もう一つの問題でございますが、非防火地域における九十三条五項の適用の問題でございます。即ちこの耐火構造方式を立体換地方式においては建築物の条件といたしておりますけれども、御質問の趣意は、非防火地域において耐火構造方式まで求めるのはその権利者に対する一つの権利侵害と申しますか、不当の規制ではないかという御趣意のようでございますが、成るほど法律的な強制力といたしましては、この九十三条の五項のない限りは、防火地域に本建築、いわゆる耐火構造方式に限るということになるわけであります。併しながら先ほど申上げました通りに、耐火建築方式を仮に求めておるといたしましても、この規定の運用からいたしまして、やはり耐火構浩方式、木建築方式と宅地の価格、建築物価格と宅地の価格とが引合う地域を或る程度対象にせざるを得ないわけであります。従つて過小宅地においてこの立体換地方式を可能ならしめる条件というのはおのずからそういう意味合いにおきまして建築物価格、これは勿論造作その他を除いた、先ほど申上げましたような標準価格を一応予定しておりますが、それと土地の価格というものが大体見合う地域を対象として参らなければならない、こういう結果に運用上は相成ろうかと思います。さような場合における木造建築と耐火構造方式というものとを比較する場合には、これはそういう換地上の条件として価格の基準において許せるということになりますれば、これは私はやはり耐火構造方式を要求するのが当然であつて、それが又いわゆる過小宅地の解消にも役立ち、都市の不燃化にも役立ち、又耐久性建築物の経済的な効用の上から見ましてもこのほうが当然の結果ではないかというふうに考えております。さような点からいたしまして、この法律的な規定の結果が、必ずしも土地の権利者に対する権利の侵害といいますか、一つの強制的な不当な強制力を強いるという結果になるべきものではないというふうに考えておるわけであります。
○田中一君 九十三条の四項の規定ですね、これは一体誰の所有物であるのです。この事業執行者、区画整理事業を行う場合四項に、「換地計画においてその借地権について施行者が処分する権限を有する建築物の一部及びその建築物の存する土地の共有持分を与えるように定めることができる。」というのは、誰が所有権なり借地権なりを持つておるものと考えられてこの法案は出ておるのですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 換地計画の段階におきましては、その建物の存する土地の所有権は従前の所有者が持つておるわけであります。この所有者が持つておりますその土地のその所有権は換地処分と同時に変動いたすわけであります。従いまして換地処分前の計画の段階におきましては従前の土地の所有者がそれを引続き持つておるということになるのであります。
○田中一君 そうすると事業執行者でない、他の個人が持つている宅地の空間を、その人間の承諾を得ずしてその空間宅地を、立体宅地を与えることができるという規定は何かこれに私権に対する一つの制約になるのじやないですか。
○説明員(鶴海良一郎君) この立体換地をいたします場合には、その立体換地の建物の敷地をどういうふうにして得るかということが多分一番大きな問題になるのでありますが、この敷地として使われます土地は、換地計画におきまして他のどの土地に対しても換地となつていない土地を使うわけであります。そういう意味におきましては保留地と同じような性格のものであります。換地を与えられるべき土地につきましてはすべて換地を与えまして、それで残つております土地がこれに充当されるということになるわけであります。
○田中一君 土地の所有者は、所有権は、これは当然その自分の持分の土地はわかります。現在所有しておりますから……、立体宅地を与えるということは、借地権をも含めたために、同等の権利を持たせるようにこの法律で規定するために、立体宅地というものを求めなければならないと思うのです。さもなければ、減歩がないとしても、借地権者と所有権者に分けるならば、百坪のものなら五十坪ずつ分けなければならないことになつて来るのですね。減歩率を全然なくするための立体換地というものを考えられておるのか、今私が申上げたような所有権者にも借地権者にも同等の敷地を与えようという構想の下に立休体地という新らしい考え方が生れたものか、どちらなんですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 立体換地をやりました場合に減歩が全然なくなるかと申しますと、これは立体換地をやります程度によつては減歩が生ずる場合があるし、場合によりましては生じないということになるわけでありまして、少くとも減歩が少くなるということは言えようと思うのであります。立体換地を定めました趣旨は、やはり土地の高度の利用を促進するところにあるわけでありまして、土地の所有者なり借地権者なりを同等に扱う、そういう目的のために制定したものではないのであります。
○田中一君 それが、今御説明のようなことが趣旨ならば、これは若しそれが防火建築帯区域ならば全部を五階なら五階、三階なら三階の耐火建築にしてしまつて、そうしてその権利を事業執行者、組合施行の場合には組合が、その空間の宅地というものを全部保留地にして、それを売却すれば、直ちに事業費くらいのものは出てしまうのです。若しそうするならば……。これは今東京都内で考えられる多くの未着手の、当然しなければならない区域というものは相当利用価値が高いのです。従つて行政庁施行或いは市町村施行の場合でもそのような考え方を持つて行くならば、区画整理事業はどんどん進んで行くのです。一方において耐火建築促進法によつて助成もしております。非常に早く済むのです。そしてその部分、個人の持つておる空間部分というものは保留地にするわけです。全部保留立体宅地にしておくわけです。こういう考え方を持ちますと、これはもう直ちに文句もなしにいい環境の区画整理事業が施行されると思うのです。そこまで考えておられるのか。ただ単にこのうちの施行方式としての、施行規則としてのこの法律を出そうという考え方か、その点伺つておきたいと思います。
○説明員(鶴海良一郎君) 只今お話の点も十分考慮いたしておるわけであります。例えば立体換地をいたしました場合に、建物の三階までで従来の権利を収用できるという場合に、更にその建物を五階まで作りまして、上の二階を公営アパートにするとか或いは組合でアパートを作るとかというふうなことをいたしますことによつて土地の高度利用を図るということもできるようにいたしておるのであります。
○田中一君 私はこの点非常にまだ生でありますけれども、進歩的な考え方をとられたことに対しては非常に賛意を表するのですが、結局どの事業計画も最後には政府が、建設大臣が設計を認可するという形式をとつておるのです。それでこの設計を認可する場合どのような基準で設計を認可するつもりか、いわゆる地元で人民投票をやつて、そうしてそれが技術的に見ても、百年の計画の上から見ても非常に間違つておるというものであつても、人民投票の結果によつてその意思がそうならば、あえてそれに従うという考え方を持つのか、毅然として国家百年の計画を樹立して、その自分の持つておるところの鏡に照し合せて判断をしようとするのか。現在までは行政庁施行が一番いろいろな問題をはらむのです。なぜかといいますと、組合施行と違つて自分で金を出さない、二分の一の補助金がもらえてやるということになるものですから、そういう点について設計上どういうものが是と信じられて許可を与えようとするのか、その点伺いたいと思うのです。
○政府委員(渋江操一君) 百二十二条におきまして建設大臣が、各事業計画の認可或いは事業計画に定められる設計の認可をそれぞれ建設大臣が所管するわけでありますが、御質問にありましたように、地元の意見というものをこれは尊重する建前をとる、趣意は飽くまで土地の権利者の権利に重大な関係があるという点を中心に考えておるわけであります。そういう意味からいたしまして、土地の権利者の大多数のものがその意見の反映といたしまして地元の意見を提出されるならば、これに対して尊重しなければならんということは当然であろうと思います。ただ併しそれならば認可の必要はないではないかということに結局はなるのでありまして、その点が建設大臣の考えておる認可の基準なるものは、やはり都市計画事業の基本であります健全な市街地の造成、或いは公共施設の整備改善、こういつたような点を中心にいたしました考え方をこの認可の際におきまして是非打立てて行く、かような考え方になつておるわけであります。その間の調整を如何に考えて行くか、やはりこれは一つの当該土地の権利者と公益的な計画の立て方というものとの調整という上において考えて参らなければならん問題である。田中委員の御質疑になりました点は、地元の放漫な計画を許すことなく、やはり或る程度の計画の長期な対策というものを頭に入れて認可をすべきじやないかということであります。その点は誠にその通りだというふうに私どもは存じておる次第であります。
○田中一君 附則では、公布の日から起算して一年を超えないということに施行日をきめておりますが、実際はいつから、今日若しこれを採決しまして明日か明後日に成立した場合、いつから施行する考えでおられますか。
○政府委員(渋江操一君) この法案の御審議を頂きまして、制定公布せられました以上は、これに基きます政令等をできるだけ速かに立案、公布することにいたしまして、大体それらの所要の期間を一応予定いたしまして、おおむね十月にはこの法律を完全施行するという形にいたしたいと、かように考えておる次第であります。
○田中一君 市町村施行、行政庁施行の場合は、この法律が十月とおきめになるのなら十月から即刻これに該当することになるわけですね。組合施行だけが猶予期間があるということなのですね。その点……。
○政府委員(渋江操一君) 組合施行、それから公共団体施行、これは五年間の猶予でございまして、その他の行政庁施行につきましては即刻切替える、こういうことになつております。
○田中一君 若し十月からこれを実施するとしまして、その間法律の成立後十月までの期間は、やはりこの法律の精神を以て指導いたしますか。それとも従来済んでしまつておるものは古いものそのものですべての権利義務の問題を処理して行きますかどうか、これを伺いたい。
○政府委員(渋江操一君) 大体御趣意の通り運用して参りたいと存じております。勿論これは運用の問題でありまして、法律上の根拠に基き、旧法時代の法律上の措置、これについてまで手を触れるということは、法律の上からいたしまして如何かと存じますけれども、そういう問題の許す範囲内におきましてはこの新法の精神によつてできるだけ運用して参りたい、かように考えておる次第であります。
○田中一君 大分前の委員会でも伺つたのでありますが、無論その区域の、工区の該当者であるから兼職というものを認められておるということになつております。これは地方に参りますと組合施行、町村施行の場合にはまだいいのですが、行政庁施行の場合に市会議員でもあり市会議長でもありという方々が区画整理委員になりますと、どうも換地その他について自分のほうにだけ有利に解決をしようとする傾きがあるのです。この点は現在の民主的なルールにおいてこれは止むを得んというお考えですか、それとも運用の面で何か方法をとろうというお考えですか。
○政府委員(渋江操一君) この点は前も御質問があつたかと存じますけれども、選挙権、被選挙権の取扱の上におきまして、この法案に規定されております一定の公共団体の理事者或いは公共団体の議員、これに対しての選挙権或いは被選挙権の制限を、制約するということは、これは逆にできないであろうと存じております。そういう点からいたしまして、これはむしろ当該当事者の自制と選挙権者のこれに対する監視、委員会の運営の監視ということに待つて、さような不適正が行われないようにということを保障して参るより方法はないというふうに考えております。
○田中一君 組合施行、町村施行の場合に五年以内というのは、即刻切換えてやつても政府は一向それに対しては文句を言わない。それは総会なり何なり、民主的な決定によつて、多数方式の決定によつてやれば、どうやつてもよろしいということなのでございますね。
○政府委員(渋江操一君) ちよつと質問の御趣意が……。
○田中一君 五年以内で以て切換えるということは、一番長いのは五年だということであつて、この法律ができたから直ちに組合施行の場合でもこの法律に準じて組合を切換える、そしてこのままで施行してもよろしいということに了解してよろしいか。又そういうような指導をしようとするのか。五年間うつちやつておいて、三年で済んでしまつたというような行き方をしようとするのか、この点を伺いたいのです。
○説明員(鶴海良一郎君) 五年間従前通りやれという趣旨ではないのでありまして、五年以内に新らしい法律による土地区画整理事業に切換えることができる。でありますからこの法律が施行になりました直後において切換えることも勿論可能なわけであります。五年経過いたしましてなお終了しない区画整理につきましては、旧法によるものは、組合の場合は解散、公共団体施行の場合には五年たつた日におきまして廃止するということになつております。
○田中一君 その場合の指導はどういう形で考えるのですか、促進するように指導するのですか。
○政府委員(渋江操一君) 勿論新法に漸次移行するように指導して参りたいというふうに考えております。
○田中一君 これは本法には直接関係がありませんけれども、都市計画法に基いて都市計画地域と指定する場合に、これを単にその地区の、例えば農地のような場合でも、地目変更する場合、市町村なら市町村の農地委員会の答申によつてものをきめてしまうという行き方をとらないで、大きな意味の県なら県の農業政策という観点から、法律的にも条文ではつきりと県の農地委員会の答申によつてきまるように書き直してくれというのが農地関係の同僚議員の意見なんです。伺いますと農地法では、県単位の農地委員がすべて市町村の農地委員から来る地目変更の申出をチェックするというように伺つたのですが、その点ははつきりとここで記録に残すような答弁をして頂きたいのです。条文によつて説明願いたいのです。
○説明員(鶴海良一郎君) 都市計画区域の中でありましても、農地につきましては勿論農地法の適用があるわけでありまして、只今お話のありました農地を農地以外のものに転用する場合の制限につきましては、農地法第四条によりまして都道府県知事の許可が要るよりになつております。なおその面積が五千坪を超える場合には農林大臣の許可が要るようになつております。それから都道府県知事が転用を許可いたします場合は四条の二項の規定によりまして都道府県の農業委員会の意見を必ず聞かなければいかんということになつておるわけであります。
○田中一君 もう一度伺いたいのは、現在大島土地という会社が相模原に随分大きな宅地の造成をやつております。伺いますとあの土地は戦時中に都市計画の指定をしてしまつた区域であつたそうです。そこで現在相当大きな農民とその大島土地との間に闘争が起きておる。これは個人施行という形で土地を買収したり何かしてやつて行くのでしようけれども、この実態はお調べになつたことがございますか。
○説明員(鶴海良一郎君) 相模原におきまする大島土地でありますか、土地会社の土地造成につきましては建設省といたしましては承知しておらんわけでありまして、まだ御指摘の調査はやつておりません。相模原が都市計画区域になりましたのは昭和十二年でありまして、当時相模原の地区につきまして陸軍関係の施設であるとか或いは軍需工場であるとか、そういつたものが非常にたくさん設けられる事態になりましたので、都市の造成を期待いたしまして、都市計画の区域に指定いたしますと同時に、実は土地区画整理を行なつたわけであります。併しながら、土地区画整理の中途におきまして終戦を迎えまして、そういつた施設の拡充ということが必要でなくなりましたのと、それから農地改革がありまして自作農が創設されたというふうな事情もありましたので、この土地区画整理は終戦後再検討いたしまして、約半分に区域を減少いたしております。なおこの土地区画整理は昭和二十五年に完了いたしておりまして、完了いたしております地区につきましては現在宅地として利用されておる所が多いのでありますが、大島土地がどのあたりで宅地造成をしておるのかまだ承知しておりませんので、只今の点につきましてはなお現地の調査をいたした上でお答えいたしたいと、かように思つております。
○田中一君 そうしますと現在の組合施行でも何でもない個人施行だから、旧耕地整理法は建設大臣の認可を得なければならないという現状なんですか。
○説明員(鶴海良一郎君) 相模原で土地の区画整理を行いましたのは、これは個人が行なつたわけでもなく、組合が行なつたわけでもないのでありまして、神奈川県が県施行として実施いたしたわけであります。
○田中一君 若し、これはまあ大島土地が金にあかして、土地銀行と言つていますから、きつとたくさんお金があると思いますが、金にあかしてあの辺の農民を利益で釣つて、現在この法律で定められたような事業を行なつている場合ですね、あの大島土地が誇大なる新聞広告などをやつておりますが、この実情をこの法律に照らし合して、個人施行という形に直ちに切替えさせるつもりですか。さもなければ、勝手にやつているんだから自由だということなんですか。その点はどうです。
○説明員(鶴海良一郎君) 現在土地会社が宅地の造成を行なつておりますのは、大部分は土地区画整理事業として行なつておるわけじやなくて、別に根拠法はなくて、事実上行なつているわけであります。この法律が通りましても、恐らくそういうものが出て来ると思うのでありまするが、現在行なつておりまするそういつた宅地の造成をこの法律による個人施行等に直ちに切替えるということは考えておりません。
○田中一君 そうしますと同じような、これは鶴海君も新聞の広告見てわかる通りですよ、区画整理を行なつて環境のいい宅地を安く分譲するという広告をしているのです。従つてこれは区画整理事業なんです。けれども届出をしないで勝手にやることもできるということならば、ここにこの法律の初めにあるところの個人又は数人でやる組合施行ということがなくなつて来るわけですね。必要ないんですよ。区画整理事業と同じ事業をやる、或いは自分の持つている宅地を切り分けてやる、それも何ら自由だということになりますと、これはこの最初にあるところの個人施行者という第二章の第一節、これが空文に化するのですね。こういう点はどうなんです。
○説明員(鶴海良一郎君) 個人が自分の持つております宅地を自分の意思によりまして適当に区画を付けて行くということは、勿論現在の法律によりますれば当然できることなんでありますが、本法によつて個人施行者として区画整理を行いまする場合は、これはやはりこの法律によつて特典と申しますか、いろんな権限が付与されていることになりまするのでやりよくなるわけでございます。なお、建設省としましては、都市計画区域内でありましても無計画に市街地がどんどんできて行くということにつきましては、これを何らかの方法で統制をして行かなきやならん、かように思つておるわけでございまして、都市計画法の改正も近く行わなきやならんと思つて今検討いたしておるのでございますが、その際にこういう問題を未然に解決したい、かように思つております。
○田中一君 これは計画局長又は政務次官も見えましたから明確に御答弁願いたいのです。相模原は昭和十二年に都市計画法に基いて都市計画区域として指定したそうでございます。それに今新聞紙上に誇大なる広告を以て新都市を作る、そして分譲するという会社があるわけでございますね。で、この法律を見ますと、今申上げました第一節には個人施行者という項目があるわけです。従つてこれは都市計画区域内ならばおのずから該当していると思うのです。併しながら政府といいますか、建設大臣が一遍指定したところの都市計画区域に現在個人が施行している場合ですよ、これは個人といえども無論この法律に制約を受けると私は考えるのです。若しそれがないならば、勝手にやつていいというのならば、個人施行というのはあり得ようがないのです。都市計画区域に、自分の持つている土地だからといつて勝手に開放しても、遠廻りな道を作つたり、或いは個人のものだからといつて中にはそれを城郭にしてしまつて人を入れないということもあり得ると思うのです。都市計画区域というものは、公共性ある、公共のための区画整理事業でなくちやならないと思うのです。従つて都市計画地域として指定した場合は無論これに該当せざるを得ないと思うのです。 それで或る会社が現在大きな宣伝をやりながらやつている。この法律が成立した暁に直ちに建設大臣は個人施行者としてこの法律の中にそれを抱き込むつもりか、或いは個人が自分の事業費でやつておれば勝手でございますという考え方か、ここのところを明確に御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(渋江操一君) 土地区画整理法の法律化をしましてまで規定をして行くということは、勿論法律の目的にございますように、市街地の健全化ということを狙つているわけでありまして、個人施行の場合でありましても、この法律に基く以上は市街地の健全化の方向でこの土地区画整理事業を行なつてもらいたい、こういう趣旨であります。 そこで只今御指摘になりました大島土地或いはその他の土地会社がやる区画整理或いは土地の分譲、これが健全な市街地化の目的と相反するという場合にどういうふうに取扱うかということでありますが、これは只今鶴海課長からも申上げましたように、根本は都市計画の決定の線に沿つて仕事をやつているかどうかということであります、都市計画の区域内における取扱いといたしましては。そこで都市計画の計画の内容としましては、やはり幹線の街路或いは幹線の区画、或いは公園地、学校地といつたような、公共施設或いは公共用地というものの定め方は、これは健全な市街地の骨格としてきめておりますが、それから細部に亙ります問題につきましては、これはこの土地の所有者のやはり自由なる企画に任せるべき部面がやはりあり得るわけであります。建築物の場合におきましてもやはりその点は同様であろうと思います。建築の一つの設計なり、これは建築の技術上の安全度というものを目安にした建築基準法の適用がありますにいたしましても、個々の権利者のそれぞれ自由意思による部分というものは、これは残されているというふうな考え方におきましてこういう問題もやはり考えて行かなければならんというふうに考えます。 で、土地会社そのものに対する土地価格の規制、或いはこの事業の実態についての規制、これはおのずから宅地建物の業者の規制、監督という部面で別個にあり得る、この土地区画整理の関係においてはそういうような考え方で考えて行かなければならんというふうに考えております。
○田中一君 そうすると従来までは都市計画区域でありながら、大島土地が実施しておるところの都市計画事業というものに対しては何ら関与していなかつたということでよろしいのですね。そういうふうに了解してよろしいのですね。今後それを実態を調べてということなんですか。
○政府委員(渋江操一君) 大島土地が都市計画事業をやつておるということにはならんと思います。少くとも都市計画事業をやるからには、これは公共団体でなければ、原則としてはやれない建前になつている。で都市計画事業を個人、民間でやる場合には、それは特許事業としてやるということに法律上なつております。で大島土地の現在やつておる仕事の実態がそういう意味において都市計画事業であるとは私ども考えておりません。考えておりませんから、従つてそれに対する都市計画法上の監暦というものもいたすことはないわけであります。で、それが現在の法律の、都市計画法上のつまりもぐりとして、そういう都市計画事業の実態に相当するものでありながら、これをもぐつてやつているということがあれば、これに対しましては先ほど申上げましたように実態をよく調べて、これに対する対策をよく考える。私ども建設省ではさような事業の性格として、都市計画事業に相当するものをやつているというふうには考えないのであります。
○田中一君 そうしますと都市計画事業というものは最低何坪ぐらいから個人施行の場合には都市計画事業という認定をするのですか。私は大島土地の広告を見ますと、たしか数万坪か、もつと大きな数だつたか、新聞広告で見たのです。何坪ぐらいから都計画事業と認定するか。それ以外の場合には都市計画でないという認定をいたしていいのですか、どうですか。
○政府委員(渋江操一君) 現在の都市計画法の上での都市計画或いは都市計画事業、これについては坪数の上での一つの基準というものは出しておりません。
○田中一君 無論ありませんよ。
○政府委員(渋江操一君) そういう意味合いにおきまして、只今御指摘のありました何坪以上都市計画事業と認めるかという御質問に対しましては、これは現在の法律の建前ではそういう規定の仕方にはなつておらないわけであります。
○田中一君 いろいろ今計画局長は、現在何万坪か何十万坪か持つているところの大島土地の土地区画整理事業を認めないという御答弁があつたのですか、それはどうなんですか。現在認めなければ将来も認めないつもりですか。実態を調べないでそういうことを言つていいのですか。
○政府委員(渋江操一君) 御質問の趣旨が、第一点の都市計画事業であるかどうかというお尋ねがありましたので、これは都市計画事業では恐らくあるまいということを申上げたわけであります。 で、然らば土地区画整理事業に相当するものをやつているじやないかという点であります。その点については、この都市計画事業の果して内容に相当するものをやつているか、或いはそうではなくて、この法律にいう土地区画整理事業に相当するものであつて、都市計画との関係その他についての抵触があるかどうかという点についての問題点がその事業の中にあるかないか、これは実態を調べてからでなければ明確なお答えはいたしかねる、こういう趣意で申上げたのであります。
○委員長(深川タマヱ君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して。
○石川榮一君 大体質問は終了したものと見まして、質疑はこの程度で打切つてもらつて、そうして体感に入つたらどうですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(深川タマヱ君) 石川委員の動議のごとく質問は終結したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(深川タマヱ君) 御異議ないようでございますから、質問は終了したと認めまして、暫時休憩いたします。 午後四時三十八分休憩 —————・————— 午後四時五十四分開会
○委員長(深川タマヱ君) 只今から建設委員会を再開いたします。
○委員外議員(片柳眞吉君) 当委員会に発言の機会を与えられまして厚くお礼を申上げます。 大分御審議が進行して、殆んど質疑完了に近い機会に申入れをいたしまして甚だ恐縮でありまするが、本日農林委員会におきまして全会一致を以ちまして、只今お手許にお配りいたしましたような土地区画整理法案に対する修正の申入れをいたしましたので、どうぞよろしくお取計らいを願いたいと思うのであります。 説明するほどのこともないと思いまするが、簡単に修正案の理由を申上げて御参考に供したいと思うのであります。 改正点は、法案の第八条第二項でございまして、「借地権」とありまするが、これをお配りしましたように「地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利」に改める。この実質は、借地権とありますと、農業等の耕作権者が入つておりませんので、農地の耕作権を持つておる者もこの中に加えて頂きまして、農業を営んでおる人の利益を求めて頂きたいという趣旨であるのであります。 もう一つの点は、法案第百二十二条でございまして、これも極めて簡単でございますが、建設大臣が設計に関する認可をいたします場合において、その施行地区内に農地又は採算放牧地がありますときは、これも極く僅少である場合には別でありまするが、或る一定の相当の面積を保有しておる場合におきましては、農業関係の所管をしておりますところの農林大臣の意見を聞くというふうにお改め願いたいというのが骨子であります。 以上の二点でありますので、委員長初め委員各位の御了解を願いたいと思うのであります。
○委員長(深川タマヱ君) 片柳農林委員長に対しまして若し御質疑がございましたら御質疑下さい。
○小笠原二三男君 速記をとめて下さい。
○委員長(深川タマヱ君) 速記をとめて。 午後五時零分速記中止 —————・————— 午後五時四十六分速記開始
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。 片柳農林委員長に建設委員長から申上げます。当建設委員会といたしまして貴委員会のお申入れに対しまして慎重審議いたすことにいたします。御苦労様でございました。
○委員外議員(片柳眞吉君) どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(深川タマヱ君) 速記をとめて下さい。 午後五時四十七分速記中止 —————・————— 午後六時五十一分速記開始
○委員長(深川タマヱ君) 速記を起して下さい。 では本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時より開会いたします。 午後六時五十二分散会