建設委員会 閉会後第7号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/10/26
会議録
○委員長(堀木鎌三君) 只今から建設委員会を開会いたします。 本日はかねて公報で以て御案内しておいた補償問題に関する件、災害復旧に関する件、自衛隊による公共工事の援助に関する件及び住宅に関する件について調査を進めたいと思いますが、審議の都合上、先ず住宅に関する問題につきまして、住宅局長が来ておりまするので、住宅局長から説明を聴取いたします。
○田中一君 私は、政府の三十年度又三カ年計画をやるようなことを聞いておりますが、それも伺いたいし、なお且つ、洞爺丸の事件で忘れられた十五号台風、そのうち岩内町の大火の問題について、どのような現状であるか、どういう措置をとつたか、普通ならば相当大きな問題になるべき事件なんですね、火事なんです。それが洞爺丸事件で以てすつかり影が薄れてしまつて、地方の新聞を見ましても、相当悲惨な状態にあるということを聞いておりますので、その点を具体的なものを伺いたいと思つておるのです。
○説明員(師岡健四郎君) 岩内町の火災から申上げますが、岩内町は御承知のように約三千五百戸の火災被害があつたわけでございます。これに対する復興としましては、建設省全体については、官房長なり或いは計画局長等から、都市計画やらその全体の話があると思いますが、住宅に関して申上げますと、先ず公営住宅の建設と住宅金融公庫の融資、特別融資をいたしたいと、かように考えて準備を進めております。公営住宅について申しますと、法律によりまして、大体三割になりますので、その九百戸分、本年度分としまして四百五十戸分の建設を計画いたしております。住宅金融公庫にお吾ましても、特別融資計画としまして約九百戸分の融資をいたしたいということで準備をしております。いずれも特別の予備費を必要といたしますので、その手続をとつております。
○田中一君 ちよつと開き漏らしたのですが、公営住宅は何戸ですか。
○説明員(師岡健四郎君) 本年度四百五十戸分、補助額にいたしまして一億四百四十万円。
○田中一君 現在応急措置はどういうことになつておりますか。
○説明員(師岡健四郎君) これは御承知のように、災害救助法によつて例の厚生省のバラツク住宅がすでに建つておると思いますが、どのくらい行つておりますか、大体二割くらい行つておるのじやないかと思いますが……。それから都市計画のほうがきまりませんので、まだ公営住宅の建設、又この予算もきまりませんので、そういうふうには立至つておりません。ただ、冬も差迫つておりまするので、つなぎ融資といたしましてこれも要求いたしております。 ちよつと申し落しましたが、岩内町の分としては、すでに一千万円だけのつなぎ融資が決定いたしております。
○田中一君 これは無論北海道は北海道庁として相当手を打つているのでしようけれども、現在この住宅建設と、もう一つは、都市計画をやるものなら都市計画をやるものとして、その計画の進捗状態を伺いたいのです。ただ道に任したからといつて打つちやつておかるべきものじやないと思うのです。無論岩内町としても、三千五百戸の焼失家屋を速急に復興をしなければならない。殊に四十八人も人間が死んでおるのですね、こういう問題も含んでその善後措置というものをもつと具体的に、こうなつてこうなつた、こうしてこうしてこうしたと具体的なものと、それから応急措置と今後どうするかの問題を、ただ数字じやなくて具体的に説明してもらいたいですね。誰が取りまとめておるか。計画局がやつておるか住宅局がやつておるか。
○委員長(堀木鎌三君) ちよつと速記やめて。 [速記中止〕
○委員長(堀木鎌三君) 速記始めて。
○説明員(渋江操一君) 岩内の火災それに対する復興の措置でございますが、当時たまたま十五号台風関係その他で、実はこの岩内の、相当都市の災害としては大きなスケールであるというふうに思われておるものが等閑視されることがあつてはならないということでありまして、その点建設省といたしましては、十分これに対する対策措置に遺憾ないように考えて参つたつもりでございます。災害直後に私のほうから建設課長を派遣いたしまして差当り他の都市の例に見られると同様な、殊に鳥取の火災等の事例もございますので、そういつたようなことからいたしましてこれに対する復興対策を早速現地について検討するという建前で派遣をいたしました。それで無論これに対しては住宅局の担当者もそれぞれ同行いたしまして現地に向いましたわけでございます。その結果、当面いたしました問題は、冬季を控えまして、北海道のことでございますから、一日も早く罹災者の収容なり、建築というものをすぐ手当をして行かなければならない時期というものが極めて限られておるわけでありまして、まあそういう点からいたしまして特に注意を払いました点は、区画整理或いはそういつたような市街地の建築線の確定というものをできるだけ早くしなければいけない。なお区画整理をいたします関係からいたしましてこれに対する替地その他の操作も極めて短期間にやらなければいけないということに重点を置いて注意を払いました。幸いにいたしまして現地の市街地図がつい最近に完成いたしておりましたので、それを基礎にいたしまして区画割り、それから街路の設計その他を現地につきまして担当者がそれぞれ加えまして、北海道庁、岩内の町当局者とそれぞれ打合せをいたしました上で対策を立てた次第であります。その結果、大体三億程度ということに概算を立てたわけであります。勿論これは大蔵省との折衝の結果といたしましてやや修正せざるを得ない結果になりましたのでありますが、そういう結果になつたのであります。 それからなおその区画整理の上で特に他の都市の復興の場合と違つて注意を払いました点は、岩内の町の中の街路その他につきましては、今まで計画を立てるべくして実は立てる機会がありませんでしたので、今回の火災を契機にこの根本的な計画を立てるということにいたしました。それから特に北海道の特殊事情といたしまして融雪の問題が考えられますので、街路の側溝、その他については、かなり他の都市の例と比較い七しまして、これに対しては念入りの設計対策を立てたわけであります。そういつたようなことは、一種の岩内の復興計画の特色になつておるわけであります。 さようなことで概算を立てたわけでございますが、もう一つ心配いたされました点は、現地の、いわゆる御承知のような漁業地ではございますが、現金収入というものが殆んどとざされたような格好になつておりましてそのために復興事業によつて地元の現金収入を確保する途を図らなければいけないと同時に、町当局、その他財政上極めて逼迫しておるという関係からいたしまして、一日も早く資金の調達手当をしなければいけないということも、これも言われたことであります。これに対しましてつなぎ融資を御承知のように一千万円早速手当をすることにいたしまして、できるだけ早くこの現地の要請に応ずるよう措置をとつたわけであります。 以上が今日までとりました応急措置並びに復興計画の概要でございます。
○田中一君 北海道の例の防寒住宅というか、単独法で出しましたね。従つて応急措置の住宅もこれは全部国家資金を流して行く建築なんですから、無論これは耐火建築、防寒建築ですか、という形のものを建てるつもりなんでしようね。
○説明員(師岡健四郎君) 当然法律上そういたしたいと思つております。
○田中一君 現在応急建築というものはどういうものができているのですか。やはりバラックができているのでしよう、応急建築で建てているものは。これは御承知のように北海道の場合は無論ブロツク建築以上のものを建てな夏ばならんことになつているのです。それは法律できまつているのです。応急建築の場合にはバラックを建てていいという規定はなかつたはずなんです。これは民間、民間というか、個人が建てる場合にはいざ知らず……。
○説明員(師岡健四郎君) 只今申上げましたのは建設省の公営住宅に関するものでありまして、応急住宅として災害救助法でやります分は、これは厚生省で従来木造でやつておりますので、恐らく今度も木造でやつたことと思います。
○田中一君 恐らくそういうことは、あれはないでしようね、あの単独立法を作る場合も、その点は十分注意してあるのです。この点はもう厚生省がやるから木造でいいのだ、建設省がやるのだからあの単独立法を発動して耐火建築にするというふうな区別のありようはないのですが、これは一体、建設省ですけれども、あの法律を所管している住宅局長として、どういう折衝を厚生省としていますか。そういうことを建設省として見逃しているなんということはありようがないのです。
○説明員(師岡健四郎君) 建設省としましては、厚生省の災害救助法によりまして建てます応急住宅につきましては、別段今のところ特別の措置はいたしておりません。あの法律の執行につきましては、勿論建設省が中心となつてやつて行くべきものと思いますけれども、あの法律が縛つておりますのは、政府全体としまして、国の予算を使うときには、そういうふうに努めなければならないということが書いてあると思いますので、各省ともそうやつて頂くものと期待しておるので、特別にその都度折衝するということは今まではいたしておりません。
○田中一君 厚生省の住宅のほうを担当している人を一つ呼んで頂きたいと思います。
○委員長(堀木鎌三君) じやその点はあとに譲りましよう。
○北勝太郎君 今度の十五号台風の北海道における被害というものは、実は非常な被害でして、幸いにも雨を伴わなかつたから水害はなかつたのですが、都市或いは農村において倒壊家屋、大破家屋というものが非常に多いのです。汽車でちよつと見ましても、もう殆んどの屋根が飛んでしまつておつたり、それから倒壊したものが見えるという、殊に農村に入りますと農村の納屋、住宅等でも潰れたものがたくさんあるのです。そこでこういうものの救済対策については、建設省として何かお考えになつたものがありましようか。
○説明員(師岡健四郎君) 住宅被害につきましては、先ほどから申上げましたように、この公営住宅法によりまして、被害によりまして滅失しました戸数の三割を建設することになつております。又住宅金融公庫からもその都度必要に応じまして、大体二割くらいの戸政分を融資することになつております。で、この十五号につきましては、さような考えで宏りますと、公営住宅法によりまして、約…千六百戸の建設が行われる予定でありまして、その国庫補助額が七億三千万円こなる予定でございまして、只今予算を要求中でございます。
○北勝太郎君 この農家の住宅については、実は公営住宅というような形がなかなかとりずらいか患います。又公営住宅は坪数炉非常に少いということで農家では不向きなんでありますが、こういうものに対して何か救済方法が考えられておりましようか。
○説明員(師岡健四郎君) これは予算の都合もありますので、只今お話の通り、公営住宅は、第二種公営住宅の建設ということに法律上きまつておりますので、八坪半、お話の通り農家等の分としましては誠に小さいということになりますが、予算の都合もありますので、一応それによりまして住宅の最小限度の復旧をいたしまして、漸次力をつけて頂いてやつて頂くという従来の方針でございます。
○北勝太郎君 その八坪半の住宅は、設計に将来増して行けるような、農家は宅地が随分ありますから、そこで増して行けるようなことを考慮をしておりますか。それからブロノク住宅等で増すことができぬような建築であれば、これは考えなければならんということになるのですが…。
○説明員(師岡健四郎君) 公営住宅は御承知の通り本来は住宅困窮者を入れるためにいわゆる公共団体の何と申しますか、施設として行なつておるのでありまして、本人に払下げるということは一応制度上もできますけれども、従いまして年数がたちました場合に、場合によりますと、そういう払下げを受けてそこに増築するということも行われますので、それはできないことはないと思います。ただそいつを旬めから予定して建設するということは、原則として行われておりません。
○北勝太郎君 その建設の場所は、公営住宅といつても一カ所に集められてはどうもならんのであります。各農村、私どものほうは集団的な家屋の建築法でないので、例えば五町歩に一つというような家の建て方なんですが、そういう位置については何か制約がありましようか。
○説明員(師岡健四郎君) 大体まあ十戸程度の団地として計画するようになつております。で、お話のように農村の場合口或いは漁村等におきましては、敷地等の関係から元の所へ建ててほしいということもありますが、本来、先ほど申しましたように、分譲といいますか、本人の所有にすることを目的としておりませんので、団地として一応まとめ上げて建設するということになつております。そういうどうしても自分のところの建物としてほしいという向きに対しましては、住宅金融公庫の融資の向きもありますので、そういう方法によりまして建設される途はあると思います。
○北勝太郎君 その団地で、農村のほうでやられましたように、これは全く法律はあつても、実は絵に描いたぼた餅で、到底これは使えない。内地の農村のように集団的ではないのですから、散在的の家でありますからしてそこで公営住宅の資格はないということにどうも今のお話ではなりそうですが、そこで住宅公庫等からの融資で建設させなけりやならんと思うのですが、そういうほうについては、団地の関係はなしにやれますね、どうですか。
○説明員(師岡健四郎君) 住宅金融公庫の分は、勿論団地ということを予定しておりません。本人の好むところに従つて建設して行つてよろしいわけであります。
○北勝太郎君 これは金額融資でしような、この住宅金融公庫のほうの融資は。
○説明員(師岡健四郎君) 八割五分までです。
○北勝太郎君 北海道は累年に亙つて凶作をしておるのですから、それからあとの一割五分もなかなか金の出ようがないと思うのですが、こういうような特別の場合は、特別立法でもして全額融資をするような方法はないか。又融資についても短日月ではいかんのですが、この融資は何カ年ぐらいの融資になるのでございますか、その点を…。
○説明員(師岡健四郎君) 頭金は、法律の改正があれば格別でございますが、やはり一応在宅金融公庫の融資としましては、民間の力も活用したいという建前でできておりますので、又担保につきましては、一応無担保金融というような形でもありますので、その程度の一つ頭金は持つて頂きたいという建前になつております。併し非常に資力が薄弱、災害等によりまして落ちておりまして、その必要があるという場合におきましては、或いは必要になつて来るかと思いますが、只今のところ一割五分の頭金は、法律が改正されません限り、必要でございます。償還期間は二十年でございます。
○石井桂君 只今計画局長から岩内の措置につきましてお話がございまして手早く区画整理なり道路計画その他の都市計画施設をされる計画をなさいますし、又早期に住宅を供給する対策を立てられたことは非常に敬意を表するところなんですが、大体都市や市町村の災害、主として火災などがあつた場合に、一挙に家がなくなつた場合に、その後の復興した姿を見ますと、大概な場合に単に道路が拡がるくらいにとどまつてしまつて、再びその都市に同じような災害が来たときをどういうふうにして防ぐかということが形の上に現われていないのが普通の例だと思うのです。一番大きな例は東京でしよう。その他鳥取にしろ、熱海にしろ、いろいろ集団的な火災や或いは一挙に家がなくなつた所を見ても、まあ手を打たれた結果の形を見ると、単に道路が拡がつたというようなことになつてしまつて同じような災害がそこに来た場合に再び防げるかどうかということを考えると、非常に何といいますか、どこか欠けている点がありはしないかと、こう思うのです。そこで岩内の町がああいうふうに焼けた後、例えば火災などを受けた場合に、再び焼けないような何らかの対策ができているかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○説明員(渋江操一君) 御指摘になりましたような将来の防災措置としての都市計画を十分取入れて行くかということでありますが、これは街路にしましても、ただ幅員のみ拡げるということだけにとどまつておるならば、勿論御指摘になるようなことであろうと思います。ただ都市計画を立てる技術的な立場にお寺ましては、火災の発生の原因をなくすということを勿論頭におきまして考えておるわけでありまして、例えて申しますれば、その土地柄の風向き、風向、その他を十分勘案いたしまして、やはり街路が防火上の一つの何といいますか、障壁になり得るということも併せ考えながら計画を立てておるのが現在までの復興計画の一つの考え方でございます。それでその点からいつて十分かと申します、これはまあ現地におけるいろいろの制約というものがこれはおのずからどうしても伴います。そういう関係がありまして、計画の目標はそういうところに高く置いておりますけれども、現実面が或いはそういう点にそぐわない点が起る場合がなきにしもあらずであります。ただ熱海にしましても、鳥取にしましても、これは住宅局長のやはりお話を伺つて頂きたいわけでありますが、やはりこれに対しては地上における街路幅員、そのことだけで問題が解決されるのではございませんで、その上における耐火建築物、建築上の配慮、こういつたようなものがやはり併せて並行して伴いませんと、防災上の目的は十分とは言いがたい、こういうことになつて来ると思います。それで都市計画が、平面的なさような関係で、計画だけでとどまらないように考えて行くということが、防災の上では先ず必要ではないかというふうに考えております。
○石井桂君 それならば、大体岩内の町の被害を受けた幹線道路の幅はどのくらいとられておりますか。概算でいいですけれども、例えば三十メートルとか二十メートルとか十メートルとかわかつておつたならば…。
○説明員(渋江操一君) 今計画図をちよつと用意いたしておりませんので申上げかねますが、三十メートル幅員のあれはなかつたかと思います。大体二十二メートルくらいの幅員を立てたかと思つております。詳しいことは図面を取寄せまして御説明申上げたいと思います。
○石井桂君 道路だけで防火の目的を達するような場合には、恐らくやはり百メートルぐらいなければとてもだめだと思いますが、小さな町に百メートルの道路をこしらえますと、町が二つに分かれたような形になつて工合が悪い、そこでまあ二十メートルか三十メートルが一番大きな程度だと思いす。その場合に、やはりあそこは防寒住宅の区域ですから、恐らくできる建物は全部防寒住宅でできるのではないか、即ち防寒住宅が耐火建築でありますから、私はそれでも目的は達すると思いますけれども、併しその防寒住宅なり何なりをもつと促進するためには、やはり防寒地域、而もそれが補助対象になるような地域に指定される必要があると思うのですが、そういう配慮が岩内にもされておりますかどうですか、その点一つお答え願いたいと思います。
○説明員(師岡健四郎君) お話の通り、火災を将来発生しないようにする対策としましては、都市計画だけではいけないのでありまして、やはり建築上のはうからも十分に配慮を加えなければならんと思います。そこですでに数年前から耐火建築促進法というのがございまして、いわゆる防火建築帯を作りまして、そして火災の大火に至ることを防ぐという措置を講じております。対内の都市計画の話が進みますに連れて、果内町の中心部に恐らく防火建築帯を作りたいという話が出て参るものと思います。まだ只今までのところでは聞いておりませんが、私のほうとしましては、是非そういうふうに進めたいと思います。こういう計画が立ちますれば、御承知の通り防火帯の耐火建築促進法によりまして、木造の建築費と耐火構造の建築費の差額の半額が補助されるという建前になつております。
○石井桂君 只今のお話ですと、建設省は岩内の重要な場所に耐火建築促進法によるところの防火帯を指定いたしたいと思うが、岩内の町のほうの財政にも関係するので、向うからも話がないと、こういうわけですが、そこでそういうような場合には、やはりああいう災害を二度と起さないように、もつと向うの当局にも、そういう法律があるかどうかわからない程度だと私は思つております。そこで進んで、こういう補助があつて、建てる者は木造と同じ負担で、岩内がそういう地域に指定されれば耐火構造の家ができるのだ、補助がこれだけあるのだという趣旨の徹底が何か今のお話だけでは十分でないように思うのです。つまり災害を受けた都市には幾ら親切にしても親切過ぎることはないと私は思う。やはり私は行政はもつと親切にやられるほうがいいと思うのです。これは老婆心です。建設省が焼けたらすぐ立派な手を打たれたというのですから、画龍点購の実を挙げるように進んで、そういう宣伝をされたらいいと思います。その点はどういうふうになつておりますか。
○説明員(師岡健四郎君) 火災の直後に岩内町にも私どものほうからも参りましていろいろ打合せをしております。耐火建築促進法についての打合せもしておるそうでありまして、いずれ出て来ると思います。私どももお話の通り、できるだけ積極的にいたしたいというつもりでございます。
○石井桂君 もう一つ、先ほど北さんのお話にもありましたように、非常に風が強くて北海道あたりでは家を飛ばされておるような状態であります。常時随分ひどい風の災害を受ける所があるのです。そういうものに対して、地方的にそれらに対するところの家の構造なんというものは、建築基準法にも十分出ておつて、建築基準法の枠の中で十分うまく行政ができれば、私は家の被害は防げると思うのです。そこで北海道等の木造の従来あつた農家とか民家とかいうものが、実際その建築行政としての実が挙つておつたかどうかということに対する建設省側の御調査による御感想は如何ですか。
○説明員(師岡健四郎君) 北海道の住宅は、石井先生御承知の通り、あまりいい建物はないのではないかと思います。これは併し経済力の関係もあることでありますが、私どもとしましては、こういう災害の都度、又災害が起る前にできるだけそういうふうなことにならないように建築政策或いは建築の方針としまして進むべきものと思います。そこでそういう趣旨に従いまして先ほどから申し上げましたような耐火建築促進法とか、乃至は北海道につきましては、これは単に風だけではありません、災害に対して強い建物、又経済的な建物という意味で、北海道につきましてはすでに耐寒建築促進法というものもできておるわけでありまして、その都度やつてそういう趣旨に副つて進んで参つておるつもりでありま小限度あの規定の重要な部分が遵守されるだけの十分の而も最小限度の陣容があるかどうか、言い換えれば、少くともあなたのほうで責任持たして最小限度の監督をしておるかごうかと、こういうことを聞いておるわけなんですよ。だから従来から、菅からある家が風で飛ばされたらこれはしようがないそうしてできるときには途中検査もし、竣工検査もし、それでその家が飛ぶというのでは、その規定が悪いということになつてしまいますから、その規定が施行になつてから十分の監督がされておるかどうか、こういうところをお聞きしておるわけです。
○説明委員(師岡健四郎君) 災害に当りまして、やはり被害を受けますのはどちらかと申しますと、古い建物又そういう粗末な建物でありますので、機会あるたびに漸次そういう災害に耐え得るような建物にして参らなければならない、かように考えております。
○石井桂君 私が申上げましたのは、その建築行政からいつて、基準法に規定されておることを十分監督ができれば、あのくらいの災害は防げるという理論に立つて、あれは学界でも何でも研究して審議したものなんです。従つて恐らく災害がうんとあるということは監督が足りないのじやないかという気がするのです。つまり屋根と柱などが離れないようにしろという規定があると思う。ところが大風が来ると屋根が飛ばされるということは、規定に従つて家ができていないのじやないかと思うのであります。そういうことで各府県庁のそういう陣容が、少くとも最いう基準法の建前を無視したようなものが多いことはお話の通りであろうと思います。従いましてこれに対する指導としましては、基準法を厳重に守るということも必要になつて来るわけでございます。そういう趣旨から申しまして、現在の基準法を実施します地方のスタッフが十分であるかというお話でございますが、これは決して完全無欠というわけには参らぬのではないかと思います。もつとこれを完璧にやりますためには、この基準法の施行につきまして、私どもとしましても、十分な監督をいたしますと共に、地方庁におきましても、更に職員の充実なり或いはその指導育成なりをしなりればならん面もあるのでございまして、お話によりまして今後十分に注意して参りたいと思います。
○石井桂君 私は非常に不足しておるというふうに見たわけです。今十分ではないでしようかということでありますが、私はあの規定を施行するには、最小限度に考えても陣容が不足しておるのではないかと思うのですが、その点は如何ですか。つまり局長からは不足していないような、つまり監督は適当にできておるだろうというようなお見通しなのですが、私は殆んど実が挙つておらんくらいに不足しておるのではないか、こういう見方をし工おるのですが、考えが違えば仕方ありません。
○説明員(師岡健四郎君) 先ほど申上げましたように、決して十分でないと思います。地方によりましては、或いはお話の通り極めて不徹底な面があるかも知れませんが、これは一つ十分調査いたしまして、さようなことのないように是非いたしたいと思います。
○石井桂君 私はなぜそういうことを言うかというと、都市の災害を受けるような所は比較的集団になつておる都市が多いと思うのです。そこでそういう都市の建築行政機構を見ますと、今回問題になつておる広島などは、今原爆を受けて復興途上にあり、而もバラック建が多く、道路が広くなつただけで建築事務がどつさり残つておるのに、広島県の建築部が潰されるという話を聞いております。そういうように少くとも建築行政といいますか、或いは都市の災害防止上一番重要な仕事に携わる陣容が、各地方庁において軽視されておる。あなたは建築行政を担任されておる主管局長の立場として私は前からこれは非常に足りないじやないかという考えを持つておるのですが、その上にこんなものは要らないと片付けられるような状態にあるわけです。そういうことから考えると、どうも私は少し住宅局の建築行政に対する何といいますか、熱意が足りないのじやないかという気がしますので、この質問が出たわけであります。広島の建築行政機構の問題は、地方の問題ではありますが、建築行政の実を挙げるにはやはり相当に人員もいなければならんと、こう思います。そういうことで岩内の例をとつて、とにかくこの規定があるのだから、これが規定通りできておれば災害は防げると思うのにもかかわらず、災害があるのはやはり指導監督の任に当る者が少いのじやないかと思うので質問したのです。そこでついでに、これで終りにいたしますが、広島の建築行政機構がなくなるという話は事実でありますか。事実であるとすると、建設省としてはどういうふうにお考えになつておるか、どういうふうに措置されましたか、承われれば非常に結構だと思います。
○説明員(師岡健四郎君) 広島の建築部を土木部と一緒にしたいという話が今回出ておるようでございます。これは御承知のように、自治法によりましての必置部というような部ではありませんので一応置くことができるという建前になつておりますが、そういうことで従来全国で十府県ほどに建築部が置かれておつたわけでございます。ただ地方財政が非常に逼迫したという理由によりまして、やはり機構の簡素化ということが表面に乗つておりますために、かようなまあ案が出て参つたものと思います。併し建設省の立場からいたしますれば、只今お話のありましたように、建築行政の更に力を入れなければならん面、又住宅問題の非常に重要なときにおきまして、かような僅かの費用のために大切な部を廃止するということは、私どもとしては賛成できないということで県庁の首脳部に話しておるのでありますが、何分にも県会の意向その他み勘案しましてそういうふうに進んで参りますと、これは強権を以て抑えるというわけにも行かんのでありまして、遺憾ながら今のところそういう話が出ておる。まだ廃止ときまつたふうには聞いておりません。
○委員長(堀木鎌三君) ではお諮りいたしますが、引続き公営住宅の建議計画について住宅局長から計画の概要を聴取いたしてようございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀木鎌三君) では住宅局長。
○説明員(師岡健四郎君) 公営住宅法によりまして、いわゆる公営住宅の三カ年計画を立てるということになつております。で、御承知のように昭和二十七年、二十八年、二十九年の三カ年に亙る第一次公営住宅三カ年計画というものを立てまして、国会の承認も経ましてこの実施に当つたわけでございます。で、その成績は、三カ年間で十八万戸建てる予定でありましたが、初年度は予算がすでにきまつてからこの計画が立てられたようなために、初年度が実は二万五千ちよつとという成績でありましたので、二年度、三年度におきましては五万戸ずつ建てたわけでございますが、全体としましては十二万五千戸という成績に終つたわけでございます。決していい成績でなかつたわけでございますが、そこで第二次三ヵ年計画にこの昭和三十年度から入るわけでございまして、この第二期公営住宅建設三カ年計画を策定することになります。いずれ又案がきまりましたならは議会の承認を求めることになるわけでございまするが、私ども今だんだん準備を進めております。法律によりまして、住宅対策審議会に諮問いたしましてその答申を待つて閣議決定を経て国会の承認を経る手続になつておりますので、只今この案を審議会に諮問して議を練つておるわけでございます。 大体私どもの考えておりますることを概略申上げますと、昭和三十年の四月一日におきまする住宅不足数が大体二百八十四万戸と想定されます。これはつまりあと半年の建設乃至需要等を勘案しまして、その半年の分がまだ未確定でありますので、それを入れますために推定ということになりますが、大体二百八十四万戸の住宅不足というふうに考えられます。そこでこの二百八十四万戸の住宅不足を残るところ十七年間で解決したい。第一次の最初におきまして三百十六万戸の住宅不足を二十カ年で解決するということでありましたので、残る十七年間にこの二百八十四万戸の住宅不足を解決するという方針でおります。従いましてこの住宅不足の解消分としまして三カ年分としまして五十万戸を三カ年に建てることになります。それからこの三カ年間におきまするいわゆる向上需要と申しまして人口増によります住宅の需要、この分が五十三万戸ある予定でございます。人口統計等によりまして五十三万戸の住宅が必要であろう。それから災害によりまして住宅需要増が八万四千戸、それから現在あります建物がだん’て腐朽して参ります、いろいろ改築或いは修繕、補修等によりまして手当しましても、どうしても参つてしまう建物も若干見なければなりませんので、この分として十五万戸入れております。いわゆる向上需要の分としまして六十一万戸ほど建てなければならないことになります。合せまして百十一万戸の住宅の建設が三カ年間に行われる必要がある。これによりましていわゆる向上需要を充足しますと同時に、二百八十四万戸の住宅不足の十七分の三だけ解決して行くという方針で、この三カ年計画の基本の考えといたしております。それでこの百十一万五千戸の建設を三カ年間に行うという予定でおりますが、この百十一万五千戸の内訳を申しますと、大体過去の実績等によりまして、民間での建設の新築分が六十万戸、それから狭小過密住宅が増築によつて解消する面がございますので、その分としまして五万、それから災害地におきます復旧を二万、つまり民間資力による新築或いは増築等によります分としまして六十七万戸、それから国家公務員の住宅とか或いは入植者住宅等の建設が行われますが、この分が大体七万、それから災害地におきまして公営住宅法によりまして災害公営住宅として建設されますものが一万五千戸、そこで残るところ三十六万戸ほどになりますが、この三十六万戸につきまして、その過去の実績等を見まして、大体十八万戸の公営住宅、それから十八万戸は住宅金融公庫の融資によつて建設する、これらの建設によりまして百十一万五千戸の建設が行われることを想定いたして、第二期公営住宅の計画を三カ年間に十八万戸建てるということにいたしたい、かような案で只今やつでおりますが、いずれ又予算等のこともありますので、是非ともこの実現を図りたい、かように考えて準備いたしておる次第であります。
○委員長(堀木鎌三君) 別段御質疑がなければ、計画局長が来ておりますので、今お手許に「公共の利益となる事業の用地取得及び補償等に関する要綱案」というのがありますが、一応説明を求めましようか、如何でございましよう。御差支えございませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀木鎌三君) じや渋江計画局長。
○説明員(渋江操一君) それではお手許にお配りいたしております要綱案の内容について御説明を申上げます。 その前にお断わり申上げておかなければならんと思いますが、電源開先或いは公共事業の、殊にダム用地の取得に伴います補償問題、これは前々からいろいろの形におきまして問題になつておりますし、又国会等に対しても各方面からのこれに対する対策の要望、陳情等もあられるように聞いております。殊に一昨年来、かような諸情勢に対応いたしまして御承知のような電源開発に伴う補償基準要綱というものを一方に政府といたしまして閣議決定をいたしました。それからなお、これとの関係におきまして建設省所管の公共事業につきましては、公共事業用地の補償基準要綱というものを、これ又建設省の内部の訓令といたしまして、それぞれ工事機関であります出先、或いは補償工事をやつております都道府県に対しまして、この基準の指示をいたしまして、いわゆる補償基準の適正化といいますか、もぐはぐな形にならないようにいたしまして適正な補償が行われるような手当てをいたして実は今日に至つたわけでございます。併し現状から申しますと、まだまだこの補償問題は制度的にも運営の面でも相当これに対する改善措置を講じなければいかん段階に相成つておるというふうに私どもは見ております。さような点からいたしましてこれに対する考え方を一応まとめてみたわけでございます。 要綱の内容は、三段に分けて掲げております。第一が、この収用法の改正の措置であります。第二段の措置が補償基準に関する法制化の問題でございます。それから第三段が被補償者と生活再建に対する援護措置の問題でございます。こういうふうな三段階に分けまして対策を立てておるのでございます。 先ず第一の収用法の改正の措置でございますが、収用法の改正につきましては、一つは、手続の簡素化を図つて、できるだけ収用権の発動を手軽に簡易な形で事業者が活用して行くということを考えて参りたい、かような観点に立つての改正を考えておるのが一つと、それからもう一つは、この補償審査の機構を、現状から或る程度やはり不備を補い、権威あるこの補償の措置を考えて行きたいというのが第二点、この二つを収用法の改正問題として取り上げておるのでございます。先ず第一段の、簡素化の方法でございますが、その一つといたしまして、ここに協議の省略ということを掲げてございます。御承知のように、当委員会で先般土地収用法の改正を御審議願つたわけでございますが、その際斡旋制度というものを、この収用手続の一部といたしまして規定をして頂いたわけでございます。かような斡旋制度は、実際は当事者協議の一つの延長、これに対して第三者が入りまして当事者協議をいたす、一つの当事者協議の一体系でございますので、これからいたしまして、この斡旋から更に収用法の本来の形であります土地細目の公告、収用委員会の裁決という段階に持ち込みます方法といたしまして、もう一遍斡旋は行われて不調に終つたけれども、更に当事者協議を別に重ねるかということになつて参りますと、事実上これは無意義なことで、無意義と申しますか、斡旋の段階ですでに当事者協議が行われたわけでございますから、その関係におきましてこの斡旋を行なつた場合においては、起業者は当事者協議という手続を省略することができるということを規定いたしたいと考えたわけでございます。 それから手数料の問題、これは現在の手数料がたしか一万円以下というような形できめられております。実際におきましては、かなりこの補償の審査に対しましては、適正な補償をいたそうとすればするほど、現地の調査その他にかなりの費用負担がかかつて参ることが当然想像せられますので、かような関係からいたしまして、この収用委員会の裁決、或いは事業認定、かような場合におきまする手数料というものを引上げて行きたいというふうに考えているのでございます。 それから三から六までの間でございますが、これは中央委員会という収用審査機構を一つ新しく設置いたして参りたい、かような考え方でございます。現在の収用審査の機構といたしましては、都道府県単位に都道府県収用委員会というものが現在の収用法で置かれております。置かれておりますが、御承知のような現在の補償問題の重点は必ずしも地方問題に限定された問題ばかりではございません。むしろ電源開発或いはダムの建設といつたような大規模な事業になつて参りますと、どうしてもこれは中央の問題になつて参つております。で、さような関係もございますし、それから収用の補償審査の権威そのものを確立する意味からいたしましても、これは中央機構というものをやはり確立することが必要であるというふうにも考えますので、ここに掲げてございますような都道府県単位の収用委員会のほかに中央委員会というものを別に設けまして、この権限といたしましては、五に書いてございますように、地方審査の代審機関といたしまして作りたい、かように考えているのでございます。 それからもう一つの問題は、現在ございます都道府県単位の収用委員会の委員の人選でございますが、この委員会の公正な審査を保障するためには、やはり委員の人選の肝要なことは勿論でございますが、ともいたしますと、地方的な利害に左右されて審査が行われるのじやないかという懸念が、起業者といたしましてこういう収用法の活用、審査を求める上においての非常な不安を持つ一つの原因になつております。さような関係からいたしまして、この委員の任命は、やはりこれを建設大臣の承認の上で公正な任命方法にあつてほしい、かようなことを考えまして、現在地方の都道府県単位の収用委員会の委員の任命は、知事が府県議会の承認を得て任命する建前になつておりますが、それに更に加えまして建設大臣の承認を受けて任命すると、こういう建前にいたすことが、今申上げましたような目的にも副うのじやないかという考え方でこの改正を考えているわけでございます。 以上が収用法の手続の改正上におきます問題点でございます。 それから第二部の問題がこの損失補償の基準に関する問題でございます。ここに十三項に分けましてその内容を掲げておりますが、この一部はすでに現在の原則的なものは、収用法の現行法におきまして確立をされております。併し収用法に現在規定されて確立されております原則で、足らざる部分がかなりございまして、これが現在現状において行われている収用補償の上でも、或いは先ほど申上げました閣議決定になつております電源開発に伴う補償基準要綱の内容におきましても、或いは建設省の立てております公共事業の補償基準要綱の場合にも、その内容を一部出しておるのでございますが、さような関係がやはり立法化されて、これが補償審査の一つの物差になつて行くという建前であることが、いわゆる補償を作為的に、いろいろな力関係によつて補償の額を左右して行くというようなことを避ける上において、非常に肝要な点ではないかというふうに考えておりますので、さような点からいたしまして、補償基準の内容というものをできるだけ立法化いたしましてこれによつて補償の物差を適正な形に持つて行くという形にしたいという考え方でございます。 内容から申上げますと、五、六、七と、それぞれ土地の補償、物件の補償、権利の補償ということが規定されております。これは大体現在の原則的なものは、土地収用法の中におきましても、土地所有者のこうむる通常受くべき損失補償の内容といたしまして、殊に近隣地の土地価格等を参酌して補償額をきめるという規定からいたしまして、同様な原則が立てられておるわけでございますが、更にこれを巨細に宅地等の土地の場合、或いは物件、立木、建物の場合、それから地上権、永小作権、採石権等、土地等に関係いたしております諸権利の補償額等に対しまして、それぞれ詳細に規定をいたして参りたいというふうに考えておるのでございます。 それから替地補償でございますが、この替地補償も、現在は土地収用法の中に規定を一部出しております。ただ現物補償、金銭補償に代る替地補償制度は、一つの制約を実は現在の収用法は規定いたしております。野放しな替地補償の請求権というものを必ずしも認めておりません。おりませんが、現状から参りますと、かなり金銭補償によるよりも、土地そのものの補償、現物の補償というものを、補償の場合には強く要求されるようなのが現状でございますので、の点におきまして土地収用法の現在の制約は、相当これは緩和して、請求権の範囲を拡めて行く必要があるのではないかというふうに考えて、この規定を置きたいというふうに考えております。 通常受ける損失の補償につきましては、ここに書いてあるところで、説明を省略さして頂きます。 そのほかの新しい補償基準として附け加わります部分をなお申上げますと、慰藉料でございますが、慰藉料はここに書いてございますような精神上の損失に対する補償という観点に立つて規定いたしておるわけであります。御承知のような水没地の、永年住みなれた土地を離れるという関係におきまして、ただ土地価格を補償するというだけではございませんで、その当事者の精神的な苦痛、そういつたようなもりを成る程度補償するのが現状でございます。これをやはり慰藉料という形において起業者として補償措置を行なつておりますが、これらの点につきましても、現在の収用法では、いわゆる通働受ける損失の補償というので、慰藉料等はこれは収用委員会の裁決の対象としての一つの物差には必ずしもなり得ないのではないかと考えておりますが、これらにつきましても新しい規定を作りたいというわけでございます。 特別生業補償、これも現状から通常受ける損失補償の内容としてやや疑問を持たれておる問題でございます。さような関係からいたしまして、ここにございますような山菜の採取、鳥獣の捕獲、かようなダム用地で考えられ得る、或いは通常公共事業、公共施設を行う用地の場合に考えられ得るかような生業上の利益、かようなものを失つた場合の補償措置、これも新しく規定をいたしたい。 それから次の少数残存者補償でございますが、御承知のように、殊にダム用地の場合でございますと、部落の大部分が水没地になつて、部落の少数者が現地にとどまらなければならないという場合におきましては、これを補償する基準は、現在のところ、土地収用法に規定をいたしております通常受ける損失の補償、損失の補償内容となり得るかどうか、これも一つの疑問を持たれておるところでございます。これはかような場合が或いは一種の営業上の損失補償にならない場合もございましよう。併しさような関係でなくて、少数残存者のいわゆる部落維持のたカ、或いは生業維持のための負担か、そのために非常に影響をこうむるという場合も考えられますので、さような場合における損失を補償して参りたい、かように考えておるのでございます。 買収価格の基準の問題でございますが、これは考え方といたしましては、収旧法の果して損失補償の基準の内容の一部として取上げてよろしい問題であるかどうか、やや問題点でございます。ここに原則を掲げました理由は、地方公共団体、国の場合におきましても、或いは地方公共団体、或いは電源開発等の場合におきましても、その収用地資金そのものは、国家資金或いは財政資金をそれぞれ投入いたして土地を確保いたしておるわけでございまして、いわばその価格が一つの適正な基準で買上げられるということは、この国家資金あり財政資金を使つて起業をやる場合の当然の措置ではないか、つまりこれは営業上の採算を上台とした会社資金、産業資金等をただ使つて土地を取得する場合とやや趣きを異にするというように考えておりますので、さような点からこの買収価格の基準というものを法律的な津前で、補償精進の土地価杯或いは物件価格、権利価格等というものを参酌いたしまして、一方にこの基準を確立する必要が、延いては補償基準を適正な形にする一つの手段ではないかという工うにも考えられます。さような関係からこの買収価格基準に対する法制化の措置、これらう併せて考える必要があるというふうに考えられまして、ここに掲げてあるのでございます。尤もこれは収唱法或いは損失補償基準に関する法律として掲ぐベキか、或いは会計法、一つの経理法規の内容として掲ぐべきか、そこには問題点が残つておるというふうに考えております。 第三部は被補償者の生活再建の援護措置に関する規定でございます。大体の考え方は、只今申上げましたような適正な損失は補償するという形になりますけれども、併し生活基盤というものは被補償者の場合に非常な変化を起すということがときによつて考えられるわけでありまして、さような生業の方法手段、或いは生業の条件が非常に変化しなければならない、変更を余儀なくされたという場合を、これは或る程度条件を法令で規定いたしまして、さような条件に適合しておる場合におきましては、この被補償者のそれぞれ申請等によりまして生業資金を貸付けるという措置をとりたいというふうに考えておるのであります。かような意味合いにおきまして、融資条件もここに掲げてございますが、そのほかに資金を如何なる形で運営するかという意味におきまして、第二として特別会計を設けて、この資金を都道府県に、それぞれ直接被補償者に貸付けるか、或いは公共団体等を通じまして転貸する方法をとるか、これはまだはつ青りはいたしておりませんが、いずれにいたしましても、そういう特別会計によつてごの資金運営を図つて行きたいというふうに考えます。大体これらの資金がどのくらい要るかということも、およその見当はつけてれ現存予算上の措置の点まで或る程度考えております。ここに掲げましたのは、それの手段といたしましての法制化或いは特別会計の設置という問題を掲げたわけでございます。 それからそれに伴います方法といたしまして営農指導ということを四に掲げたのでございます。資金貸付に伴いまして、それと裏はらをなしまして営農指導の措置を考えて行つたならばどうか。 それから公共施設の費用負担でございますが、これも現在の補償の上でやや欠けておる点と申しますか、盲点になつておることの一つでございまして、この移住を余儀なくされた者が新しい村を作る、さような関係におきます場合におきます公共施設の設置、改良、これらに対しては、現在は予算上の裁量に任されておるわけでございますが、事実問題といたしまして、これはやはり一種の公共事業の施行に伴う犠牲者の手当といたしまして必要ある手当をしなければならない措置であるというふうに考えておるので、その点を規定しておるのでございます。 それから替地の収用、替地の収用は現在のところ、公共事業用地そのものを取得するについては収用権を認められております。併しその公共事業用地の替地たるべきものに新しく収用権が発動できるかということになつて参りますと、この点は先ほど申上げましたように、現行土地収用法では、一つの請求権をただ認めておるだけでございまして、その請求を受けました起業者がそれを土台といたしまして収用権を持つということは考えられておりません。それに対しましてこの要綱の考え方は、建設大臣の認可を得まして一定の条件に適合しておる場合におきましては、土地収用法上の事業認定、従つてそれに伴う収用権というものを認めて行こう、こういうところまで替地補償の方法を徹底する一つの手段として、かような点まで規定をして考えたならばどうか、こういうふうに考えておるのであります。 七、八は、これは現在町村の合併促進法等にも規定がございますが、集団移住の場合の、或いはその他必要な場合におきまして、かような犠牲者に対する特別な援護措置というものを国、公共団体の権限の範囲内におきましてなし得ることを更に附け加えまして、かような補償の完璧を期することにしたらばどうかというふうに考えておるのでございます。 以上がこの要綱の概要でございます。いずれにいたしましても現在補償問題がつかえておるために、公共事業の促進そのものが非常に停滞しておるという現状でございまして、さような点からいたしまして、かような制度を是非考えて行く必要があるのではないかというふうに考えております。
○委員長(堀木鎌三君) 何か御質問ありませんか。
○三浦辰雄君 時間があれですが、一体これはどうされますか、かねてからこの委員会でも収用関係、補償関係については立法化を急がなければならない、特に閣議決定の補償要綱などというものはなかなか幅があり過ぎて実際に動かないで困つておるということから、是非立法化したいという問題は、この委員会でも要望があつた。又陳情等もあつた。まあだんだんこういうふうに手がつくことは結構なんですが、やはりこれはあれですか、どの辺まで進んでおるのですか。例えば今まで私どもが聞いておるのだが、通産は通産としてのいろいろな意見があり、農林は農林としての意見があつてこれからのダム、発電のダムにしても、多目的のダムにしても、それらのものといろいろな関係が複雑になつて出て来るわけなんですね。そこでそれぞれの行政省との問にいわゆる或る程度了解を見ないと、作つたわ、動けぬ、ということになり、折角法律になりかけた際に、法律の審議をめぐつて或いは縄張り的なみにくいことが出ても我々としても困るのですが、これらの要綱については、それぞれ或る程度の了解でも得たのですか、関係者の問の……、それだけお聞きしたい。
○説明員(渋江操一君) 御質問の点は御尤もでございまして、私の説明の際にも申し落したわけでございますが、お話のように、この問題については通産省は電源開発の指導監督官庁としての立場から専らこの問題について関心を寄せ、又この問題に対する対策立案を考えておる。それから農林省の立場は、恐らく私の想像するところでは、やはり農地を失う、殊に犠牲者側の立場というもの等を或る程度勘案されながらこの問題をお取り上げになつて関心を持たれておるのではないかというふうに考えます。これも勿論これに対する対策要綱を或る程度立てておられます。建設省は公共事業を主として所管いたしております立場と、それから土地収用法を現在まで所管をいたしております関係からいたしましてこの問題についての対策要綱を立てておるのでございます。それぞれ三種三様の立場でこの問題に当つておるわけでございますが、お話のように目的は一つであるべきわけでありまして、さような関係からお互いの官庁間の繩張り争いのために、一つの目的であるべき補償対策がちぐはぐな形になつて摩擦を起丁ということは甚だ面白くないというふうに考えておりますので、そこで私どもといたしましては、できるだけこの内容につきましては、利害関係を持たれておる各省でもそれぞれこれに対うる審議意見を立てて政府部内のできるだけ調整を図つて参りたい、かような関係からこの内容をそれぞれ農林省或いは通産省にもお出しいたしまして、なおこれに対する説明も加えまして関係官庁の研究、協力をお願いしておるようなわけであります。なおこの一つの取りまとめといたしまして、経済審議庁が御承知のように前からやはりこの電源開発の基準要綱当時からこの問題に関係をいたしております。経済審議庁へもこの建設省の考え方を持ち込みまして御審議を煩わすようにいたしております。さような関係でまだ意見が一致したという段階に来ていないことは勿論であります。それぞれそういうことで連絡はとりましたわけでありますが、その結果をそれぞれ意見交換をしなければならないというふうな段階になつておるわけであります。それと同時に私どもといたしましては、これは官庁間のそれぞれ事務取扱いの問題だけでは勿論ないわけでございまして、国会等にも十分その内容を申上げまして、立案過程におきまして国会側の御協力を、非公式な御意見の発表というものもお願いしたい、かように考えておるのでございます。
○委員長(堀木鎌三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀木鎌三君) 速記を始めて。 本日の委員会はこれを以て散会いたします。 午後零時三十五分散会