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19回国会参議院1954/10/11

建設委員会 閉会後第6号

発言数
66
登壇者
10
会派数
5
開催日
1954/10/11

会議録

三浦辰雄緑風会

○理事(三浦辰雄君) 只今から建設委員会を開会いたします。  本日は台風による被害状況調査のため、九州、四国、中国及び静岡に派遣されました議員から報告を先ず承わりたいと存じます。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 十四号の台風による被害を調査するために、堀木委員長と私は去る七日と八日の両日に静岡県の被害の状況を調査いたしましたが、これについて御報告いたします。  私らの参りました順序は、お手許に図面になつておる通りに東から西へ、つまり吉原市附近の沼川及び潤井川、安部川、国道一号線の宇都ノ谷峠、焼津市に沿いまして瀬戸川、その支流の朝比奈川、焼津市の海岸、大井川の本川とその支川である相賀谷川及び大代川、太田川本川と支川原野谷川等を見て参りました。  この台風による雨量は、安部川上流の地域では五百ミリ、宇都ノ谷峠では三百ミリ、太田川上流では二百ミリ乃至三百ミリといわれています。この観点からもやはり山間部には非常に雨量の多いことははつきりいたしておりますが、雨量計の測定などがまだ箇所的に不十分であるということが認められます。従りて今後雨量測定においてはなお山間地域において十分の測定がなし得るはうな設備が必要と思います。  これによりまして土木被害の総額は、県工事が十七億三千万円、町村工事は二億といわれまして、これに対して九月の県会で一億三千万円の支出をいたしまして、目下着々応急工事の施行中でありますが、今年度中には八億円余の工事を消化したいと申しております。なお過年度災害の国費分は約九億四千万円でありますが、又つなぎ融資の急速な配分をお願いしたいと、これは切なる要望であります。  被害の状況は、集中的な大被害はありません。小さな被害が非常にたくさんあるのが今回の災害の特徴とも申すべきかと思います。静岡県は沿岸の平坦部と共に、河川に沿うた渓谷部の開けたところでありまして、この奥地には茶畑とか、みかん畑、林業等の生産活動が盛んに行われているのでありますが、集中して言うならば、今回視察しました朝比奈村のごとき、茶とみかんの生産によつて大部分財政が賄われている、この土地におきまして平坦部との交通が無数豪雨の災害によつて非常に困つている次第であります。又太田川の沿線の災害を例にとりますと、これは七十五の橋梁がなくなつて、一時交通は全く麻痛したのであります。この災害のもう一つの特徴は、本川の破堤が余りないので、支川の被害が非常に多い点でありまして、台風後の測量によりますと、下流部は大したことはないが、上流部の河床は台風前に比べて一メートル乃至一メートル五十くらい高まつています。即ち上流部の荒廃による土砂の流失が非常に多いということがはつきりわかりました。多くの支川の例におきましても、今まで砂防工事を施した所は比較的災害が少いのでありますが、それのない所は著しく災害を受けております。尤もこの砂防工事にいたしましても、明治四十二年の大水害に基きましてやりました旧式の仕事が多いのでありますから、その旧式の仕事が、施工の関係上又災害をこうむつた場所も亙ります、例えば千葉沢のごときがこの例であります。太田川では本川よりも原野谷川に被害が多いのであります。本川の上流におきましては保安林地区はありますが、原野谷川は保安林ではなく、濫伐に任してあつた点も今回災害を大きくした一つの原因のように考えられます。  次に今回の災害で特に考える点は、大井川のごとき上流部に発電所のあるものについて水の操作が果して合理的であつたかどうか、これは十分今後も研究すべき余地あるので、河川管理上の法制的の問題として大いに研究されるべきものであります。特にこの災害において非常に注意すべきことは、太田川の本流は水防のために災害を免かれている点で、この水防強化が非常に役立つたということを強調しておきたいのであります。  最後にこの災害について、又今までの災害とも関連しまして、近年災害の続出する状態から今後次のような諸点を考究する必要があると思います。  一には、工作物の維持修繕に対して国庫の補助の途を十分立てること。  又、今後三カ年間に工作物の維持修繕を完了すること。  次に、維持、修繕を全くしないがために災害の主因となつた工作物に対しては補助工事の対象としないこと。  一、施工上の不備と認められる工作物の災害に対してはその程度に応じて補助率を低減すること。  これをもう少し詳しく申しますと、工事をやりましたが、そのやつた工事が、或いはコンクリートの施工方法が悪いとか、或いはその他にいろいろな欠陥があつて、それが災害の原因となつておる、そういうものに対しては補助率を低減すべきではないか。  次に容易に災害をこうむるがごとき簡易な工法による工作物は補助の対象としないこと。  これも一見して、大水害は別ですが、僅かな水害でも又災害をこうむる。併し災害によつて補助金を取るために簡易な仕事をしています。そういうものに対しては今後も補助の対象としない、こういう考えであります。  次が災害復旧は原形復旧を厳守して、技術上原形復旧の不可能な場合に限り代工を用いる。  次は、改良工事は治水の根本計画に基くものに限り災害復旧工事と切離して改良工事として取扱うこと。  この改良工事と申しますのは、原形復旧では行かないから、それに関連して改良としてされる仕事であります。併しこういうふうにいたしましても、やはり改良は一つの改良に過ぎません。根本治水でありません。河川の根本の計画でありません。従つてこれも改良をしても又災害を受ける心配がありますから、改良はもう改良として別に切離して、それからいわゆる治水の原則によつてやること。  これによつて災害復旧費は多少減じますが、併し災害復旧費を減じてどうするかというほうは、その減じた災害復旧費を以て治水事業費に充てる、こうしない以上はいわゆる災害が減らない。こういう点をこの災害の現状を見て考えたのであります。  以上簡単でありますが、今回の視察の大要をお話し申しまして、皆さんの御意見を承わりたいと思います。

三浦辰雄緑風会

○理事(三浦辰雄君) 只今赤木委員の御報告に対して或いは質疑もあろうかと存じますが、質疑については全部の委員の御報告があつた後に一括していたすことといたしまして、続いて中国地方のお話、小笠原委員、お願いいたします。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私のほうは石坂委員と共に九月の二十九日東京を出発しまして、十月七日帰京するまで現地視察をしたわけでございますが、先ず広島県に三十日に着きまして、県庁で副知事初め県関係者から概況の説明を聴取し、    〔理事三浦辰雄君退席、委員長着席〕 宇品より似ノ島、江田島、倉橋島等、今次台風被害の最も甚大であつた島嶼部を視察後、呉市、安芸津町、竹原町、呉線海岸を視察、竹原町、尾道市においてそれぞれ地元町村代表から説明を聴取したのでございます。  現地の被害状況としましては、台風第十二号、第十五号による被害は沿岸島嶼部に顕著で、いずれも異常高潮と風浪とに起因するものであります。その被害は土木関係のみで十五億九千余万円と言われまして、その範囲と程度はキジヤ、ルース台風を遥かに凌駕する近来稀なものであるということでありました。  安芸郡音戸町、これは島嶼部でございますが、そこの波多見海岸堤防約二百四十五メーター決壊箇所を船より視察しましたが、その多くは全部熟田でございますが、冠水によつて全滅しております、同堤防は二十六年十月ルース台風による復旧管所であつて、決壊の原因が異常潮位にあつたことは無論でありまして、ここで一例として見たことは、二十五年災或いは二十七年災等で石で空積みしたものにパラペツトをつけたものでありますが、全然パラベツトなり鋪装なりがこの地盤と無関係に置かれておるというような工法が不良であるという点も被害を大ならしめたものであるということを見た次第であります。又豊田郡大長村では島全体の道路が各所で寸断という状態でありますが、島の北部は県道であるのに南部は町村道であつて、島の特殊性として循環道路の必要を感じて大きな負担で作つておるものでありまして、経済効果から言えば内地とは相当違う、そういう特殊な事情の中でこの町村負担を或る程度出して災害の復旧をするということは現下の町村財政上堪え得ない、こういう点が各所にありましたので、一例として申上げて置きます。  更に松永市の機織新開約五十町歩、中新開約二十五町歩等の干拓堤防も決壊し、塩田、住宅、耕地は全滅といろ状態てうこれが復旧は緊急を要するものと思う。こういう耕地或いは塩田を囲む堤防は各所において決壊しておりますが、これが全部が全部県工事或いは町村工事等で行われるというような仕組そのものにもやや疑問な点を感じて帰りました。  次に十月一日に愛媛県を視察したのでありまするが、今治市において愛媛県関係者及び地元八カ町村代表から説明を聞き、直ちに越智郡波方村、同部小西村星ノ浦、同郡栗井村海岸と重信川下流地域を視察した次第であります。  本県においても高潮が千二百キロに亘る海岸全域を襲い、十二号には災害救助法の発動されたもの二市十カ町村、土木工作物の被害二千余カ所、十二億七千万円、被害総額八十億円に達しております。又十五号では災害救助法の適用された地域は四市三十九カ町神に亘り、土木工作物関係の被害十二億二千万円、家屋の被害四万三百戸、二十九億二千万円を突破し、総額八十五億円の巨額に達しております。ここで申上げますが、十二号台風は東南の風であつたのに、十五号は西南の風で、東西両面が島嶼部においてやられておるという点であります。それが愛媛県においては最も特徴的に被害を大きくしているものであります。そこで県におきましては災害緊急復旧対策本部を設け、応急対策を講じつつありますが、特に土木部にあつては各課長を被災現地に急派して指導に万全を期しておつたような次第であります。これは愛媛県の西部海岸諸地域との交通が我々視察当時において杜絶しておりますし、今後一カ月間においても復旧の見込が立たないということで、県の出張所が各地に設けられておるという状況であつたのであります。  そこで先ず見ました越智郡波方村は、三万海に面して、その立地的悪条件から海岸堤防、道路等全く痕跡を認めがたいまでに破損し、殊に十五号には人家の全壊三十四戸、半壊四十八戸を算するといつた惨事を呈しておりました。本村は村全体を千四十メートルの海岸堤防で防禦しておりましたが、その堤防が決壊、現在は家で直接に防いでいるという形で、冬季を控えて緊急な工事の必要が痛感されておつたのであります。これも二十五年災で災害復旧をしたものが二十七年に一部崩壊し、今度又これが洗い流されたというような状況でありますが、全体としてこの後にも及んで見たのですが、二十五、六年災以前の災害復旧、原形復旧工事は単に石積みの貧弱な堤防であつて、全面的にこれが崩壊しておる現状を各地において見た次第であります。  又越智郡瀬戸崎村は海岸延長八キロに及び、全体に地盤が低く、耕地面積四百四十町歩のうち百八十町歩が護岸によつて維持されておるというような状態でありますが、村の年間標準税収入は三百四十六万円に過ぎない貧弱村でありながら、昭和二十四年以降累次の災害に会つて未竣功額は二十四年災で千三十三万二千円、二十五年災で二千二百三十五万六千円、二十六年災で千百二十四万七千円、二十八年災五十八万七千円、合計四千四百五十二万三千円に達する状況で、前災箇所の復旧が未だ半ばに達しな一とき今次台風十二号によつて河川三カ所二百十万円、海岸九カ所四千二百万円の被害を受け、これが復旧は焦眉の急を要するにもかかわらず、村財政の現況からして手の施しようもないという状態でありました。本村における決壊箇所は殆んど過年災の未復旧箇所であり、ここにおいても過年災の早期復旧の必要性が痛感せられた次第であります。  次に越智郡小西村星ヶ浦海岸においてはパラペツトの未完成部分が約百メートルも鉄骨のまま放置されてありましたが、これは会計検査における災害復旧に対する査定によつて鉄骨部分も余分のものとして返納金を仰せ付けられた見本であるということで珍しく、この点を極察して参りましたが、全体として愛媛県においてはしつかりしたパラペツトを築き、石垣をコンクリートで張つておつた地域は完璧であります。そうでない石垣の空積み或いは練積み、共にこれは過年災の復旧工事箇所で、そこが崩壊しております。  次に高知県に参りましたが、その際松山より久万町を経て高知県に入り、高岡郡佐同時で地元から説明を聞き、高知に着き、翌日吾川郡仁西村、高岡郡新居村、宇佐町海岸、仁淀川高岡堤防附近、須崎市晦山戸、安和海岸を視察いたしました。  本県における災害も主として高潮による海岸地方であり、吾川郡仁西村も高岡郡新居村も、宇佐町海岸も皆高潮によるものであり、そしてそれは漏れなく地盤沈下に起因するものであります。これは前に申しました愛媛原にもございましたが、地盤沈下対策として石垣積みで嵩上げをしておる。それが下のほうの石垣積みが古いものであつて、根を掘られ、土砂を吸い出され崩壊をしたというのが全部が全部同一の条件であります。新居村海岸堤防は約千三百五十メートル決壊、これは昨年の台風によつて海辺にあつた防風林を洗われたために、直ちに二千三百万円を以て根固め工事を実施したが、当然査定を受けて来るべき三千万円という金が来ないので半分も根固めをしておらない。その根固めをしておらない部分が全面的に昨年災害復旧工事の所が崩壊してしまつたというのであります。こういう点を見て、断片的な感想でありますが、ちよつとした金が足りないために相当額投入した事業が零になる、こういう点については相当考慮を要することであると考えて参りました。  次に十月四日に徳島県に参りましたが、池田町で徳島県関係者及び地元町村関係者代表者の説明を聞き、後に吉野川沿いに三好郡川口村の地辷り現場、川田町の橋梁決壊、高原村平島の漏水箇所等を視察いたしまして、その日は終り、翌日和田島海岸、今津海岸、鳴戸市恵美寿海岸を視察の後高松に向いました。  そこで本県はその位置が気象、地理的見地から見て毎年台風の通路に当つておるので、雨量も多く、而も急流河川が非常に多いため、昭和十三年以来連年災害をこうむつておりますが、公共土木施設だけでも最近五カ年間の平均被害額は十億円を上廻る状態であります。過年度災害復旧工事のうち、昭和二十三年災害が昭和二十八年度を以て一〇〇%完成したということであつて、その後の二十四年災害以降二十八年度災害まての復旧工事は、県工事については五カ年総決定事業費六十三億二千余万円に対しまして、昭和二十八年度末までの竣功額は二十九億九千百万円で、進捗率四七%、市町村工事については、八億三千余万円に対し四億四千八百余万円で五四%であります。特に二十五年災が今なお十四億五千余万円も残つておる現状では、なかなかこれが復旧の見通しは困難であるという実情にあつたようであります。  ここで、四国、中国全体として考えられることを参考までに申上げますが、徳島県における二十四年災は、県工事は七九%が二十九年度において竣功の予定であります。二十五年災は五十、一、二十六年災は四十九、二十七年災は三十四、二十八年災は十三、市町村工事はやはり同程度でございますが、昨年災は十三ということでございます。従つてこれは容易ならざる災害復旧工事の進捗状況であるということを現地で見て帰つた次第であります。  又本県は大小河川か多いために、両岸の交通は渡船、木造潜水橋による状態で、橋梁の八割までが木橋であるために、財政的にも不経済であり、橋梁整備が必要であるという点を認めました。これは吉野川についての例でございますが、吉野川学嶋橋は去年も流失、本年も流失し、又今度の台風によつて流失するという有様で、永久橋の架橋を熱望しておりました。これらは全部潜水橋でありますが、これらについても予算の見通しがない。又吉野川は流域二十キロメートルごとに一橋ずつの割合で橋があり、全部で四つしかないと申しましたが、非常に交通上不便な河川であるということを見て参りました。特に池田町で陳情を受けたのでありますが、池田町の下流における高松、高知線、国道線が、橋梁がなくて渡船によつて連絡しておるというようなことを見まして、あれだけの大河川で未だに渡船連絡ということで、東北にもちよつとないことであるというので、驚いて見て参りました。  で海岸堤防につきましては、本県の穀倉地帯、那賀平野の防潮堤である今津、坂野、大手海岸等数カ所を見ましたが、今津海岸は決壊する寸前というところで地元の水防活動によつて防止されておりました。ここにおいても昭和二十五年のジ江ーン、キジア台風による復旧が実は昭和二十九年三月末日までに進捗率は四〇・七%に過ぎません。  又本県における災害の特異性は地辷りでございます。この地辷りか未だに続いて行われておるということは憂慮すべき問題であるということで関係町村においては熱心な陳情がございました。耕地或いは家屋が山の急坂に切り拓かれておつて、それが全面的に地元りの状態にあり、それが動きつつあるという地方が非常に多かつたのであります。  次に、最後の日程である香川県に参りまして、荘内村及び豊浜町海岸二カ所の堤防を見たのでございます。  荘内村では海岸道路が約七百メートルに亘つて決壊、愛媛県波方村と全く同様、惨憺たる状況でありました。同所は二十五年災の復旧個所であるが、原形復旧が無駄であるということを如実に示しており、又地元関係者においてもその点を強く指摘しておりました。  次に豊浜町では二十八年災の復旧個所が裏から洗われて決壊しておりますが、同じ個所でも高潮対策を加えて改良工事を実施した所は歴然として完璧に残つておつたのでございます。  そこで関係県市町村側の陳情を総括的に申しますと、第一としましては、南海地震並びにその後の余震に起因する地盤変動が海岸地帯及び島嶼部においては特に顕著なものがあり、地盤沈下による堤防、護岸の決壊と、道路、耕地の冠水等の被害は甚大であり、今次災害の原因、事実に照して、地盤沈下、高潮対策を平行して実施しなければ無意味であるということが強く言われておりました。  徳島県における地盤変動対策事業の進捗率は、昭和二十八年度末までにたつた一七%であります。香川県におきましては本年度までに二〇%に過ぎない。又愛媛県におきましてまこの採択、査定されております個所は百三十一個所で、九億九千万円に達しておりまするが、本年度末進捗率がたつた一四%に過ぎない状態で、残工事個所が極度の危険に瀕し、又この未施行の部分が殆んど今度の高潮でやられておるという状況であります。そこで今後における対策を急速に講ずるための予算的な措置が必要であるということでございましたが、広島県側等におきましては、予算上の措置がとられないとしても、海岸堤防に限つては、事の緊急性から言うて、本年度中にこの事業が完成せられるように来年度の予算その他を見通して融資をせらるる必要があるということで、各府県、そういう意見が強かつたのでおります。それから冬場を控えてこの状態で仮に工事をしておいたにしても、又々大きくやられるのではないかというので、現地民の不安は非常に大きなものがございました。  第二に過年度災害の復旧事業について、先に報告しましたように、各県とも遅々たる状態で、今次台風の例を見ても、右復旧個所は再度災害の誘因となつてますます被害を増大しているので、民心の安定と産業開発上少くとも三カ年程度に、はつきり国がきめてある通り予算をつけてほしいという意見が強かつたのであります。  第三としまして、海岸、河川、堤防、道路等の決壊個所で、人家に直接影響する個所は復旧を年度内に完成するよう予算措置を講ずる、これは先ほど申しましたが、と共に国庫負担金交付まで特別緊急融資の措置を講ぜられたいということであります。  それから第四に、非常に人家の崩壊或いは大破等がございますが、これは公営住宅或いは公庫住宅、或いは応急住宅等でいろいろの措置を加えられるとしましても、そういうことのできない大破したものに対する修理資金というものが、何ら面倒が見られるような法的根拠がない。これらは単に個人の財政負担で賄わなければならん。そういうものこそが救済される何らかの融資の対策が望ましいということに対して、強くこれも要望せられたのであります。  でこれからが私の私見になります。が、以上報告した通りでございましたが、先ずこの視察箇所から見まして、瀬戸内海関係の海岸堤防の災害は誠に顕著なものがあります。昨年の愛知県における海岸堤防の崩壊にまさるとも劣るものではございません。それから島嶼部の細かく寸断された堤防、道路の損害というものは非常に大きい。国の立場からいえば、総額は小さいものであつてもそれぞれの公共団体の負担或いは住民の不便というものは非常に大きなものがあるのであります。そこで私はどうしても第一点としましては、中国、四国沿岸にある海岸堤防の復旧の問題については地盤沈下の対策、それから高潮対策、これはどうしても並行した災害復旧の事業量を決定すべきであろう。原形復旧ということで無意味なああいう石の積重ね程度であつては抜本的な対策にはならない。従つてこの点は昨年愛知県の災害に施行せられましたような相当大幅な改良を加えられた抜本的な海岸堤防の復旧を講ずるための法的な或いは予算的な措置が絶対必須であるというふうに考えて参つた次第であります。  それから第二に、先ほども報告の中にも申しましたが、瀬戸内海の島嶼部につきましては島の特殊性或いは経済的能力から見て災害の復旧は急速には困難であると考えられます。これは離島舞法案等でいろいろ措置せらるる向きもありますが、これは該当地域は極く小部分に限られる。従つて島嶼部そのものの災害の復旧については公共土木事業のみならず、一般の農林水産関係の災害等も含めて、国として大幅な面倒を見てやる必要があると考えられる。この島嶼部についても全額災害復旧費国庫負担というような法的な措置、予算の裏付けが必要ではないかというふうに強く感じて参りました。  この点はあとで各委員から御意見等がありました際詳しく申し述べたいと思いますが、蛇足ではございますけれども、只今臨時国会は開かれておらない、けれども臨時国会が開かれたならば、これらの法的な或いは予算的な措置を緊急にする必要があろうとも考えますし、又全国的にそういう必要のある箇所がほうぼうにあるのではないかと思われますので、当委員会においても十分これが対策については御検討あらんことを、現地の関係者からの要望もあり、現に視察した結論として私は強くこの点を要望する次第であります。  以上報告を終ります。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) 小澤委員お願いします。

小沢久太郎自由党

○小沢久太郎君 南九州地方の台風被害調査のため、近藤委員と私と十月一日から八日間、大分、宮崎、鹿児島の三県を視察して参りましたが、日程とか視察箇所などについてはお手許に配付いたしました別表によりまして御覧を願いたいと思います。  先ず被害の概況でありますが、地元県からの報告資料によりますと、これも別表に掲げてございますが、三県とも農作物の被害が最も多い。特に十二号台風が大きかつたわけでございます。公共土木施設の被害につきましては、宮崎県では約四十億、大分県では約十五億、鹿児島県では約十二億ほどになつております。  先ず一番被害の大きかつた宮崎県から申上げますが、十三号台風は非常に足の早い台風でありましたことと、風が強かつたために、高潮による海岸、風による建物の被害が多かつたこと、又十二号台風につきましては、台風の前触れから風雨が約四十時間続きまして、山間部では千ミリに及ぶ大雨をもたらしたわけでありますが、一ツ瀬川の上流椎葉村の大河内では千四百ミリの記録と言われております。  河川について言えば五カ瀬川、耳川、小丸川、一ツ瀬川、大淀川及びその支川に被害が大きく、延岡、宮崎、高岡、都城等相当の被害をこうむつておるのであります。  道路につきましては、これらの河川に沿う道路に被害が大きく、殊に延岡から高千穂町に至る道路は八十七カ所に亘つて決壊され、鉄道も川水流で鉄橋が落ちている始末であります。又一ツ瀬川沿いの宮崎、人吉間の二級国道、宮崎から日南市に至る海岸道路等特に甚大な被害をこうむつているわけでございます。この高千穂に至る道路、人吉に至る道路はまだ交通が杜絶している状態であります。又奥地に相当の崩壊があり、目下詳細は調査中でありましたが、岩戸山では六十万立床、耳川上流の諸塚村では百二十万立米の大崩壊があると言われております。又椎葉村の大河内でも砂防堰堤もろとも二、三十戸が埋没したという惨事を起しております。  次に大分県について見ますと、被害は主として海岸道路でありまして、大分、佐伯線の海岸道路が最も大きな被害を受けているのでございます。この区間は昭和二十五年、二十六年の災害で約八千万円の復旧費を投じて五年目の九月一日に漸く復旧し、大分、臼杵間にバスが開通したばかりのところを再び寸断されたわけであります。河川では玖珠川の上流が一番被害をこうむつておりますが大きな被害はない模様であります。又当委員会の所管外ではございますが、港湾といたしましては津久見港、それから別府港、そういう所も大なる被害を受けているわけでございます。  鹿児島県では志布志附近の海岸、菱田川、田原川、肝属川の支川及び川内川の上流に被害が多く、道路では鹿児島から鹿屋に至る海岸道路、福山町附近に高潮による被害を受けております。  このたびの相次ぐ台風に当りまして特に地元で聞かれましたことは、水防活動が大いて行われて相当の被害を食いとめているということでありまして、宮崎県の例で申しますと、五号台風から十二号台風までに参加した出動延人員は一万七千六百人、水防に当つた箇所は百八十カ所、要した資材費は二百三十五万円に達しております。本年度の宮崎県における水防資材費は、国の補助が五十万円で、あとの三分の二に相当する百万円を県及び地元市町村で負担しておりますが、資材は事前に各水防管理団体に準備され、極めて有効に使われた模様であります。又緊急復旧工事に当つて保安隊が随所に活動しておるわけでございます。丁度一ツ瀬川の中流部瓢丹附近の欠壊箇所に参りましたとき、そこのは二百メートルばかりの桟道の構築に第四管区の施設隊の二箇中隊百三十名が出動して作業中でありましたが、規律は大変に厳格のように見受けられました。これらの保安隊の工事については資材を県で支給しておるわけであります。  次に三県を通じての要望のうち主なるものについて申上げますと、災害復旧についての三、五、二の比率を厳守してもらいたいというのが一つでございます。それから防災的の改良工事を認めてほしいということ。それから単独復旧事業費に対する起債の特別措置をしてもらいたいということ。それから応急復事業費に対するつなぎ融資等を迅速にして頂きたいということでございますけれども、特に宮崎県におきましては、始終災害をこうむるので災害復旧特別措置法の制定を強く要望しておつたようなわけでございます。  次に、二、三の問題について述べてみたいと思いますが、その第一は、これはもうありふれたことでございますが、河川の改修工事の促進ということでございます。このことはもう私からここで申上げることもないことでございますけれども、改修工事が遅れているということが今回の被害を非常に大きくしていると思われることであります。例えば、五ヶ瀬川についてみますと、大瀬橋から上流の未改修部分の水位は、昭和十八年の洪水時の水位を上廻つておりますけれども、他の部分は殆んど越えておりません。その部分は用地買収も終つているということでございますから、引続いて工事を促進するということが望ましいわけでございます。小丸川は二十四年度から今年までに一億五千万円改修費が出ておりますが、年間の予算は三千七百万円というようなことでございます。で、今後六億の事業費がまああるわけでございますが、そうしますとあと二十年かかるということになるのでございます。ところが今度の台風の被害で復旧費が一億六千万円かかつたというようなわけでございます。大淀川につきましてもまだ二十六億の事業量がある。そうして年間事業費は約一億であるというようなわけでございます。ところが今度の五号、十二号台風によります復旧費は約五億、そういうような数になるわけでございます。こういうようにしてずつと見て参りましたが、改修を行なつた所は殆んど被害は生じておりません。でありますから、これは陳腐のようでありますが、改修を早くすることが一番必要なことだと思うのであります。  次に復旧工事の仕方でございますが、非常に念入りな工事を行なつた所とか或いは改良を加えて工事をしたという所は災害を免かれておるのでございます。鹿児島県では二十六年災につきまして改良工事を加えた所は今度の台風でこわれておりません。これは海岸でございます。今後の復旧工事のあり方につきましては、少くとも復旧個所が再度被災しないように各方面から検討されるということは、これは最も必要なことではないかと思います。  又これに関連しまして過年度災害の復旧が非常に遅れているということでございます。これは別表に掲げてございますが、例えば大分県の上浦、佐伯間の道路などは三五%の復旧率でございます。これらの未復旧によりまして被害が相当殖えたということは、これは非常な問題だと思うわけであります。  次に河川の管理、特にダムの管理について申上げたいと思います。水力発電ダムが往々にして水害の原因だと騒がれますことは、昨年九州の大水害の筑後川の夜明ダムのときにも現われておるのでございます。このたびの宮崎県の最も激甚な水害を受けた都城盆地、耳川上流の諸塚村、或いは日の影町がいずれもダムによる被害があると言われておることは大いに考えなければならん点であります。このうちでも大淀川の轟ダムは大正十四年の第一発電所が完成してから三十余年になるわけでございますが、ダムの上流では河床が三メートル乃至四メートル上昇していると言われております。それで高城、志和池、都城などの住民は、その轟ダム撤去を要求する決議をしているなど、かなり険悪な空気が出ているのであります。従いまして被害の除去、河川改修をも併せ考えて、早急にこの対策を立てられて然るべきものだと思います。又小丸川のように洪水調節を併せた多目的ダムにつきましては、洪水時における操作、管理の責任が十分に行われていないと見られる点があることは誠に遺憾であります。この点は今後多くできつつあるところの多目的ダムの管理につきまして同様の問題があると考えますので、この点につきまして問題として提起しておきたいと思うのでございます。  以上簡単でございますが、報告を終る次第でございます。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) これで三方面に対する現地視察の報告を終つたわけでございますが、これらに関しての御質疑に移りたいと思います。  別段調査報告に対する御質疑がございませんでしたら、建設大臣以下来られておりますが、現地視察からの建設省に対するいろいろ御意見もあろうと思いますので、御質疑願いたいと思います。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 先ほど私申したのでありますが、丁度大臣が見えておりませんでしたから重ねて、これは私個人の意見になるか知れませんが、お尋ねいたします。つまり成るべく災害を少くしたいという観点からして工作物の維持修理、これに対して国家から全面的に補助をする。補助の率は、一つの工事でも府県の補助とかいろいろありましようが、補助の措置を講じてほしい。この維持修繕に対して、自分の河川でもどこに維持、修繕すべきものがあるか、これを知らない、詳しいことは、まして町村のごときは……。だからこれは全面的に調査させまして、そうして補助の途を考え、一遍の補助ではできませんから、或いは三カ年かかつても四カ年かかつても補助の途を開いて、そうして補助をやつた代りに若しも維持修繕を全くしていないために災害を受けたものにはもう補助をやらない、そのくらいに厳重にしたらどうかと思うのです。  もう一つは施工上の不備ですね。これは計画の不備でなしに、施工する上に、或いは石積みが特に悪いとか、或いはコンクリートの塗り方が悪いとか、そういう施工上の不備がややもするとありますから、そういう災害復旧について不備のあつたものは補助率に手加減を講ずる。と申しますのがいわゆる不正工事をなくする方法でもあると思います。ややもすると町村工事なんかは国から受けた補助そのままで仕事を終えてしまうというようなこともありますから、それが再びこわれたものがありましたら、施行が悪いのですから、そういうけしからんものには今後補助を、よしそれが災害の対象になつても補助率を減らすとか、そういうふうにしたら悪い工事が減ると思います。  もう一つは、これは大洪水は止むを得ませんが、ちよつとした大水でもこわれるような簡単な仕事をして置きまして、それで今度水害の出た場合にそれをひつくり返してしまつて国の補助をもらう、こういうけしからんこともややもするとありはせんかと思うのです。ですからそういう災害を待つているような仕事にはこれは補助をやるということは非常に考えてもらいたい。そういうものには補助をやらないというふうなことも考えるべきじやないかと思うのです。  又原形復旧、これはまあ非常に意見がある点です。原形復旧を厳重に守れというと、もつと原形復旧に改良を加えなければいかん、改良を加えて初めて災害が防ぎ得るのだという意見も確かにあります。併しこれは私個人の意見で、これはいいかどうかは存じませんが、私は原形復旧は原形復旧でありまして、尤も施工の関係からして原形復旧のできがたいものはこれは止むを得ません。併し原形復旧、それに関連しての改良ですが、これは十分区別しまして、改良をしましても、根本の改良と違いますから、私はむしろこれは根本的に河川全体の計画を作つてそれに盛込むというふうにしたらどうかと思います。尤もこれは大蔵省の考えが悪いと思います。大蔵省は災害になれば国の補助をやるというふうにやるものですから、だんだんだんだん災害が多くなるのです。でありますから大蔵省の考えを根本的に改めてやりまして、そして災害復旧費を減して、その費用を以てそれでだんだん根本の仕事に持つて来る、河川改修のほうに持つて来る、それで初めて災害をなくし得る一つの途だと思う。私のちよつと考えた点だけを大臣に御参考までに申上げておきたいと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私も申上げたいのですがね、私はその赤木さんの意見とはちよつと異る意見です。原形復旧を四国或いは中国の場合如何ほど海岸堤防でやろうとも、単に石積みをして或る高さだけ作つたからというだけでそれで問題は解決しない。どうしても吸われるし、潮をかぶれば裏からこわれるし、だからそこで今度はパラペツトをつける。ところがパラペツトをつけるにしても、もともとも基礎がそういう脆弱なものですから、崩れれば上のほうはこわれなくてもおつこちてしまう。そういう所が全部が全部です。それでパラペツトをつけた所でも、パラペツトをただつけたり鉄骨を入れたりするばかりでなくて、石積み、コンクリートを一連のものとして張つた所はどこでも完璧なんです。だからどうしても四国の場合は地盤沈下で石張りが折れている。それで又石で重ねをして、その上に今度は余分にまあ改良を加えてパラペツトなどをつけたというような所はやはり意味がない、全然。だからこの工事そのものを根本的に方法を変えて、そしてパラペツトまで一連のものとしてつけるような方法でないとうまくない。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 これは少くともそこに非常にむずかしい境があると思うのです。私は原形復旧を固持する点は、むしろそういう仕事は初めから根本事業としてどんどんどんどんいわゆる際限なしにやつてほしいのだと、そういう意味なんです。無論今災害復旧をする、或いは災害復旧に加味する、そういう所がありましよう。要するに何もかも災害に持つて来て、それがために今の海岸堤防にしても何にしても本当の仕事ができない。あなたのおつしやつた点も私は御尤もだと思うのです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 併し改良だとか改修工事というものの予算が容易でないからこそ災害が起つているので、災害そのものと追かけつこしているわけでしよう。だから私は少くとも四国あたりの場合は地盤沈下対策としてやつている事業が一四%とか二〇%くらいで、まあ二十五年頃から始まつたものがとても完成の域に達していない。そこへ又高潮が来るのだから、この両方を今回の災害復旧の場合に加味し、並行して、会計検査院その他においても、総合対策として認められるような根拠を持つた抜本的な対策を工法上からも、或いは予算の上からもやらなくちや駄目だ、そういう議論なんですよ、私は。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 御尤もでございますけれども、要点は、大蔵省は災害ならば復旧費を出す、それが今までの考えでありますから、その考えを私は根本的に打破したい。そうして今の海岸の沈下の問題でも、こういう問題に必要があればその問題に根本的な仕事だから予算を出す、そういうふうに持つて行かなければ、災害のある所ではそうですが、いわゆる根本的な改良、海岸の堤防をやつていないために、そこへ又災害が、大きなあれが起りますから、私の要点は、成るべく災害があれば大蔵省が認めるというふうな観念でなくして、根本の事業に持つて行きたい、こういう意見です。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 結論的に、原形復旧では絶対に駄目だ、それはどこにも証拠があるのだから。去年の災害できちんと一四%なら一四%の金をもらつたうちで率先して作つた所が本年はこわれておる。こういうことを例年繰返したらこれは意味がない。だからこれは建設大臣に要望することは、そういう根本的な対策を今後は国会も協力し、政府自身も積極的に考えられて、国会側に必要なら法律案として提出されるというようなことがこの際必要ではないかというふうに思うのですね。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 これは河川局長に伺いたいのですが、三・五・二の比率で以て今まで成功した所がありましたか、そういう例が今までどこか……。それは原則はわかつております。建設省、大蔵省もそれを承認しておる。我々も承認しております。併し実際に三・五・二の比率で以て完成した工事があつたらばそこの所を一つ教えて頂きたい。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) 建設大臣、今田中委員の前に小笠原及び赤木委員から言われたようなことについての御所見があるだろうと思いますから、それについて……。田中委員の御質問に対して政府委員からでもようございますから御説明を……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 大体今小笠原委員と赤木委員の議論がありましたが、これは別な考え方であつて、どつちも正当だと思つております。というのは、赤木さんの言うのは、根本的に災害が起きる前に先ず改修をして完全にやつて行く、こういう議論です。これは予算さえあればそうやることが必要であると思います。又小笠原委員のおつしやつたことは、一旦災害が起きた場合原形復旧でやれば又来年こわれてしまうじやないか、これはこの際は根本的に改修を加えたもので復旧をすべきじやないかという御意見でありまして、私は至極賛成でありまして、今後その方針で進むつもりであります。又赤木さんの御意見は、むしろ根本的に改修に行けば災害に追つかけられずに済む、当然そういう結果になつて行くので、要は財政規模と災害の度合……、河川改修が早く進めば自然そうなつて来るのじやないかと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで田中さんの先廻りして大変済まんけれども、関連して……。少くとも今日まで認めておる地盤沈下対策の事業費ですね、これもまだ行き渡らん部分をこの際災害復旧のそれに加えて出せるような途ができて来れば、相当効果的な工事ができて来ると思うのですよ。何も改良なんてわざわざ大蔵省に面倒なことを言われるまでもなく、従前出すべき金を出さんでおるものをこの際大きく一つ出して、それと睨み合せて災害復旧工事を進めるということになれば、行く行くは私は一石二鳥の工事を施行できる個所が多くできて来るだろうと思う。少くともそれくらいのことは建設大臣に御努力願いたい。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) それはその通りでありまして、全般的に要するに例えば地盤沈下の対策というものは継続事業に入つておる。これは五年か六年かからなければ地盤沈下に対する問題は進まないのだ、ところが災害はそこまで復旧をとてもうつちやつておけないということになるので、少くとも地盤沈下というものに対する費用は本年、来年、再来年くらいで済む、災害も本年、来年、再来年くらいで済むというような場合には勿論仰せの通り全力を尽してやりたい。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) 田中委員に対する答弁。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 これはもう大臣おわかりにならないと思うから……。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) では河川局長。

米田正文建設省河川局長

○説明員(米田正文君) 三・五・二という災害復旧の年次割については今までまだ実施がその通りになつたことはございません。大体五、六年かかるのが今までの実績で、そこで是非三・五・二に切上げたいというので、特に昨年あたり強く要望して、去年の国会の予算審議のときにも一応原則的には大蔵省も三・五・二の三を認めようと努力をしたようないきさつであります。その努力は政府部内でいたしておりますが、まだ完全実行いたしたことはございません。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 これは建設大臣に言うと、政府部内のことだと言われるかも知れないが、実際国会においても内外に三・五・二の比率というもので以て復旧するということを声明しているのですね。今まで日本は災害国で以て何十年来の災害を受けている。それにかかわらずその原則を一遍もしない。我我これでも不満足なんですよ。三・五・二の比率では不満足だというのが赤木委員、小笠原委員の意見なんです。その前提となる三・五・二の原則を一遍もやつたことがないという答弁は、これは建設大臣としては甚だ残念ながらそういう答弁を河川局長がしなければならないのをお聞きになるのは幸いと思うのです。こういう点の決意の問題ですがね、そうして一応各局で以て申請されて三・五・二の原則を厳守するということになつた場合を私は想定しますが、その場合はきつと災害の額というものを、査定というものをうんと低くして、そうして三・五・二に辻褄を合わせようという考え方に逃げ込むのではないかという懸念を持つわけなんですけれども、これは一つせめても第一歩の三・五・二の比率に対する三十年度予算の編成に当つての建設大臣の決意ですね、同時に先ほど言つたようにそのために査定を減らすというような考えで以て原則に合わせようという考え方はやめて、本当に大蔵省の査定と建設省の査定とが同じものに一致した考え方になつて、そうして三・五・二の比率を厳守するというような考え方を、三十年度予算の編成に当つて大臣の決意を伺いたいと思います。真剣に伺います。これは地方に流れる大臣の言明ですから…。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題は当委員会でもたびたび、少し要点は違いますけれども、大体において質問があつた事項でありまして、昨年の臨時国会で補正予算を編成するに当つて、政府は御承知の通り二・五・三の割合で出して来たのを、国会で予算の数字は動かさないが、融資等によつて実質的の工事が三・五・二になるようにしようというのが方針でありまして、その方針で建設省はやつて来たわけであります。ところがたまたま御意見のように二十九年度の予算編成に当りましては、建設省の査定というものと大蔵省の査定というものが非常な相違がありまして、その額において相違がありましたから、結局大蔵省のほうでは小さい災害というものを基準にしてやはりこれは六〇%になる、又建設省としては従来の査定は少しも変動がないというところからそういう問題があつたのですが、これは誠に遺憾なことであります。而も査定権というものは建設大臣が持つているのでありまして、大蔵大臣が持つておらんのでありますから、若し議論が……、どうしても話がつかなければ、やはり建設大臣のした査定が正当ということになるのであります。建設大臣が査定したものに対してそれが正当ということになりますれば、予算の作り方が仰せの通り非常に違つた率で組んだということになります。今後はどこまでもこの方針を堅持いたしまして、そうして二十九年度の予算のようなことのないように全力を尽します。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 先の私の話に対して、委員長が大臣の御答弁を求めた中にまだお話になつていないものがあるのであります。それは例の工作物に施工して余り好ましくない仕事をした場合、先ほど申したようにコンクリートのやり方が悪いとか、そういうものが再び災害の対象になる。これに対して私は多少補助率に今後手加減を加えるような御方策を考えたらどうかというのが一点。もう一つは維持、修繕について、これを十分大蔵省に要求したらどうか、これを言つたのですが、この二つはどうですか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 実は今赤木さんのお話は、そう希望しているという意味でしたから、私は別に申上げませんでしたけれども、あなたのお話からいうと、先ず第一に維持、修繕という費目を設けることがよかろうというのでありまして、これは全く同感で、三十年度の予算には一応大蔵省へこの費用の予算を要求しております。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 併し各府県から維持修繕を要する箇所、全部お手許におわかりになつているのですか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 資料は来ております。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 ではこの次の委員会に、どの府県でもいいですから見せて下さい。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 予算要求しているだけで、まだ政府部内で査定が済まないものですから一つ……、額はお話してもよろしい。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 額じやないのです。その箇所です。わかつているとおつしやるなら御説明願いたい。私はまだおわかりになつていないと思つているのです。だから今後そういうものを根本的に私は石積みが一つ浮いても……、そういうものを全部調べておくのが本当じやないか。今それをやるならば今後災害は起らんだろう。僅か河岸の一つの石積みが間違つているために、それを放置しているので災害を受けているものが非常に多い。それを私がほうぼうへ行つて見た範囲では、実際調べていないのが多いのです。私の調査不十分か存じませんが……、それが建設省が御承知というのは不思議ですから……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) とにかく予算を要求しているのですから……。

米田正文建設省河川局長

○説明員(米田正文君) 今のお話の石積みというような詳しいものはございませんけれども、大体河川、海岸、砂防という区域で維持を要するという河川の調査はできて来ております。それを基準にして今、来年度是非新らしい項目として、そういう維持の補助の途を開きたいというので新らしい項目を今折衝しております。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 私と大分局長との考えに開きがあります。私は根本的に今実施しなければならん河岸の一積みの石積みの決壊、これを各町村でも府県でも殆んど等閑視しているのです、それがいけないのだ。それを全部調べて、一体どれほどの費用が要るのだ、それを予算を請求する根本となさるべきだ。そういうことを今何も府県ではやりませんから災害がだんだん大きくなる。そこに私の考えがあるのです。あなたのほうの維持というのは大分大きな範囲の維持らしい。一積みの河岸の決壊、それが大事なんであります。それでありますからそういうことを今まで各府県では、やはり建設省の方針としてはそこまでも調査せいとおつしやる命令は行つておりませんから、各府県でも調査しておりません、私の知つている範囲では。それを根本的にこの際調査して、なぜ維持をせんか、国も今後維持修繕を考えて、それで初めて災害を防ぎ得る、こういう観点なんです。その点がやはりあなたのお考えと私の考えとは……、私のは非常に厳重に言つているのです。

米田正文建設省河川局長

○説明員(米田正文君) 私ども河川の維持管理といいますか、そういう面は絶えず強調して来ていると思います。各県もそういう方針については大分滲透して参つて来ておりますけれども、併し現実にはなかなかまだ行われておらん現状でございます。私どもとしては各河川或いは海岸等、或いは砂防等についてのそういう状況の総括的な資料はとつておりますので、各個々の問題になりますと地方の土木出張所に行かないと、細かいことはわからないと思うのであります。我々としては総括的なものについての方針を今立てているのであります。おつしやられる通り、現実にどういう維持をするかという現実の問題になつて来れば、現地における箇所一カ所一カ所の問題につきまして、それを維持し修繕をして行くという方法になつて行くだろうと思います。併し我々としては全般的な観点から維持、修繕、管理という問題を方針にして行きたい。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 大臣に伺いたいのですけれども、今日の資料を頂きましたのを見ると、河川関係、いわゆる公共土木関係でも先ず五百億に近いものの被害を受けている。その他災害による総被害とすればかなりのものになると思うのですが、そこで問題は、お聞きしたいことは、この六月の閣議の決定の際に一割か、中には五分というのもありますが、ああいつた節約額をさした、あの額は、今後この異常な被害がない限りにおいては、まあ三%程度は元へ戻すということをお話になつた。これに関連してですが、一体これだけの被害があれば、三%というのは、率直にお聞きしますけれども、もうその余地はないと、こんなふうに考えていいものなのかどうなのか。大体恐らく大臣の皆さんがたもう相談されているのだろうと思うのですが、どうなのですか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 三%は一応こつちに戻すという約束ですが、その分は戻るのですが、問題はあとの七%の問題になるのです。この七%の問題は具体的に予算の実行をやつてみた結果、その事業量がどうしても予定よりも減るという場合には元へ戻すという約束になつておりますから、これは閣議を再び開いて具体的な問題があれば戻すことになると思います。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そう言われると三%は戻すということなら、これははつきりわかつて結構なんですが、このあとの七%の問題ですがね、それについてこの委員会でもいろいろと議論されている。ところがどうしても事業分量は減らさない。そして節約をすれば、節約を目標として今の一割取つているのだと、こういうお話なのですね。ところが閣議のこの決定についての実施要領がくつついているのですね、それには方針のこの中に「不要不急の経費については、厳にその支出を戒しめるのは勿論のこと、予算で予定した事業計画についても状況によりその圧縮又は繰延べを行い、以て予算の節約を図る」というのが私の手許に来ているのにはあるのですよ。ですから私はこんなものがなかつたから前にも余りしつつこくは言わなかつたのですが、こういうことがあるのは御承知の通りだと思うのですが、それをも入れて建設関係の仕事においては、よその仕事はいざ知らず、建設関係の仕事においては事業分量というものは減らさないで行くんだと、こういうことは言えますか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) その問題はそれは閣議ではそう決定していますが、私のほうで節約の実施をする際に、今まで申上げたように事業量には極力影響させないという建前で予算の運用をする。申合せは、大蔵省の考えは、どうしても事業を厳守して一〇%の節約できないときは事業繰延べをしろという、併し私どもはそれは困る、それは困るから三%という問題も、できればあと七%を更に幾パーセントか閣議に基いて戻すということも考えられる。私のほうのやり方と政府全般の考え方はその通りなんです。一〇%できないときにはなおこの事業が縮小されても止むを得んという建前で政府全般の考えは来たのでありますが、私のほうの事業官庁としては、いやしくも事業を短縮したり減少したりすることはいけないから、そういうことをしないでその節約を図る。どうしてもできない場合は或る程度七%のうちから戻してもらう、こういう建前であります。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そうすると三%は戻すと、建設関係の仕事としては戻すと、残り七%、これはいろいろな新工夫をいろいろ皆なん凝らして、事業分量を減らさないで当初予定通りやれなければ七%止むを得ない。事業分量は減らさない。今度の災害についてはまあつなぎ、或いは何といいますか、七%の実質上節約し得た分、つまり予備費の中に入れたりした分、あの分の中から出すと、こういう今のところは考えだということなんですか、今度の災害についての……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 今度の災害は私のほうではいわゆる災害予備金がございとますから、この金額が大体九十何億まだ残つておると思います。併し予算面から申しますと五十億が一般のほうに引いてありますから、最終的にこれは戻つて来るんですから、年度の一番終りには予備費としては九十数億使えるというわけです。でありますから予備費というほうは一〇%節約ということになつておりませんから、従つて私のほうは予備費の分はそういう節約に関係なく現実に三・五・二で行きたい。但しこの三・五・二の三というものは、建設省だけの今考えでありまして、政府全体が三・五・二を承認するかしないかわかりませんが、私としては極力三・五・二の比率で今年度三だけ出したい、三だけ出しても予備費だけで賄えると、こういう見通しであります。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そうするといまの五十億というのは例の一割だけを節約目標にして約二百億集めて、そのうちの五十億を三党で修正した予備費の中への還元といいますか、補充に使つたわけなんだから、というわけの五十億でしよう。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) そうです。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 大体わかりましたが、しだから三%というのは戻すと、事業分量は減らさないと、そうして新らしく発生したこの被害の復旧については建設省としては三・五・二のその三というものを、予備金をフルに使つて、或いは場合によればつなぎ等も使つてそうしてやるつもりだと、こういうことに了解してよろしいわけですな。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) そうです。

石坂豊一自由党

○石坂豊一君 私ちよつと当局の方々に一つ御意見を伺つておきたいのですが、今回見て来たことについて非常に我が日本の国土を守ることについてまあ深い憂いを抱いて来たわけであります。というわけは、私の見ましたのは四国四県でございまして、道路、河川の災害は勿論ありましたが、そこよりは一番私は寒心に堪えなかつたのは海岸の破壊であります。  私は二年ほど前に地盤沈下のためにやはり四回に行つて見て参りました。その当時沈下しましたあと、それぞれ堤防を設けて防備はしましたが、その前にそれ相当松林などあつた、それが一本ももうなく、今回の災害でも中には大木が折れたのもあります。それからもう海岸が崩れてしまつて跡かたもない所もある。どうも日本のような狭い所がだんだん海岸が浸蝕されて来るというと、これは放つておくというとどこまで来るかわからん、どこか殖えて行く所があるならいいけれども、静岡県の何でも天龍川の河口のほうに少し白浜がだんだん、だんだん殖えて来るという所を見て来ましたが、誠に結構な話だと見て来たところが、そのほかに殖える所は一つもない。四国なぞへ行つて見ると、あんな所はだんだん殖えるんじやないかと思うけれども、一つもそういう所がない。併しながら一つのいいところは、大変干満の差がありますから、干潮時において適当な、まあ鬼のいない間に洗濯するような話だけれども、潮の引いているところにさつさと補強をして、そこを二番堤のようにしてだんだん陸地を向う持つて行くというふうなことも考えたり、又波切りの方法などについてももう少し研究して、波をどこまでも征服して行くようなことにしなければ、これがだんだん減つて行つて、しまいに日本人は山のてつぺんまで行かなければ住む所がないようになりはしないか。  我々の北陸のほうにおいてはこれはどうすることもできない。海が深くて、勧進帳で名高い安宅の関などは、聞いてみると、あの当時は三里も海岸の奥にあつた。今日はこちらまで浸蝕して来ております。これはどうもできないけれども、四国とか九州のようなああいう砂浜の所はもつと防禦の方法があるだろうと思います。ここにおいてもう一つ建設省は、これは実は国土省となつて国土を守るべき大事の使命を持つておられるのであるから、海岸のほうを研究する海岸課というか、何か海岸の防波堤の専門のものでもおいて、もう少し波に対する抵抗を研究することと、波に対する工事の工法をもう少し考えて下さらなければならんと私は考えるのです。これは決して放棄すべきことでないので、どこまで来るかわからんです。殊に高知県の仁淀川のごとき、河口に至つてはひどい面積がやられておる。ここのところも一つ特に小澤大臣はそういう点をお考え下さいまして、真剣に護らなければ大変な国土が消耗して行く。これは軍備をして外敵を防ぐということも必要でございましようけれども、それよりも自然力で以て国土がだんだん減耗して行くということを黙つて見ているわけはなかろうと思います。それでむしろこれは軍備をする費用の何劇かというものを国土の保護に持つて行つて、一つ海岸なりを護つて行くということにやつてもらいたいと思います。今度行つてみて本当に頭が痛くなつたんです。どんどん立派な良田が浸蝕されておるというようなところを見て参りまして、この点は誠にやりにくいことであるかも知れませんけれども、又建設省には相当の技術者がおられるであろうけれども、どうも海岸工事に対しては専門の方がおられるのかおられんのか、私は疑問に思つておる。これは賽の河原で、やつては崩しやつては崩しということになつております。波切りを作るとか突堤を出すとか、いろいろやつておられるけれども、なかなかそれ切りで護られるようなことができていないように思われるのです。  私も非常な荒波のところに育つた人間でありまして、波に対してはどうしても防ぐ方法はないものかと思つて、諦めてみてもいいけれども、それは桑田変じて海になるというようなこともあるけれども、それは支那のような大きな広いところではそれで済んでおるかも知れんけれども今日の日本では一町歩の土地といえども大切であると思います。その点一つ特に御注意下さるように、今日では海岸のほうは府県に任せ切りになつて、こわれた所を漸く災害工事として手を著けるというようなことになつておるように思いますが、特に御注意願いたいと、かように考えます。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 最近災害のときに応急対策として自衛隊が出動することは望ましいと思うが、併わし常時通常の工事に対して演習というような名目で請負をやつておる。資材その他は契約する相手が出しております。労力その他は自衛隊が出しております。こういう形は今デフレ下の今日、大分請負業の小さい者は困つておる。ところがそれはそれで以ていいとしても、労賃の低下ということはますます顕著になつて来たわけですか、ダンピング……、直接この賃金の低下、自衛隊を雇うというような点から脅やかざれたりすることが非常に顕著になつておるという事実から見まして、これは何ですか、どういう形で自衛隊と地方自治団体とは契約を結んでおるか、その法的根拠を伺いたいのです。それから又そういうことは望ましいことであるのかどうかという問題、そういう事例は二つか三つ私は知つておりますが、契約そのものを覚書程度でやつておるという事例があるのです。これはどのような考えを持つていらつしやるか伺いたいのです。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題は私ははつきり記憶しておりませんが、大体自衛隊ができるときに、緊急の場合における自衛隊の援助、それから工事の請負をなすことができるという二つの規定があると思つております。そこで現在私の知つている範囲では、いわゆる緊急であつて、而も人命に非常に大きな影響をする場合に限つては自衛隊が無報酬で、資材たけをこちらで持つてやる。現に宮崎県でやつております。そこで実例なんですが、日影の先の高千穂というところまで実は自衛隊にやつてもらいたいということを県のほうで要望した、ところが旧道があるので自衛隊のほうで人命に関する状態でないといつて、自衛隊は勿論県側の要望に応じない。これは厳重に自衛隊が法律を守つているわけで、県側から見ればそこをやつてもらうとトラツクが通れるから望ましいのだが、オート三輪が通れば人命に関する状態でないというので自衛隊は断わつております。その面における自衛隊の動き方は極めて法律できめた通りに運用されておるのではないかというふうな感じを持つております。  それから請負の問題ですが、実際に私はよく聞いておりませんから、所管の局長から申上げることにいたします。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 僕はたくさん資料を持つているのです。こういうことなんですね。国が補助する工事がある。これが地方自治団体は自衛隊に委託している。その金額ですが、補助金というものが非常に安く、大体三割方安くなつているのです。その場合には事実においてその工事に対する補助金なんですから、余つた場合には返してくれますか返してくれませんか。そういう点は明確にどういう指示をしているか。これは河川局長なり計画局長に伺つてもよいと思いますが、これはどういうような措置をされるのか、補助金の還付をさせるのか、させないのか。

渋江操一建設省計画局長

○説明員(渋江操一君) 計画局所管の補助事業で道路関係というお話でございますが、具体的には私も聞いておりません。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 具体的に御説明しましよう。浜松市の場合には、骨材、セメント、片枠、骨材積込労力を浜松市が引受けております。自衛隊は機械器具及び労務、これを出しておるのです。そうして契約は別にはつきりした契約はない。これは浜松市内の鋪装道路です。これが一つ、それから、佐賀県の道路なんですが、若しこれが三割軽減されるものなら、政府は補助金をどういうふうにされますか。

渋江操一建設省計画局長

○説明員(渋江操一君) 自衛隊に工事を委託する関係につきましては、只今大臣からお話がございましたように自衛隊法にはおのずからその根本的な条件なりが一応法律化されているわけでございますから、それに基いて行わるべきものだと抽象的には考えております。従いまして具体的の問題が仮にこの法律に反している事実があるということになりますれば、むしろそういう点から問題を指摘さるべきではないかと思つております。  補助金云々の点等につきましては、むしろ根本において受諾すべからざるものが受諾されているという関係のほうがむしろ問題のポイントになると思いますから、それから発生する補助金云々の問題は、その処理如何によつてきまつて来る問題ではないかというふうに想像はいたします。併し具体的な事実を承知いたしておりませんので、具体的の事実を若しありますれば、その点につきましては十分詳細に調査いたしまして、それに対する補助金を支出する責任を持つております建設省の考え方を申上げるほうがいいかと思います。いずれにいたしましても具体的事実をよく調べましてお答えを申上げさせて頂きたいと思います。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 建設業法というものに抵触しますか、それはどつちが優先するのですか。やはり自衛隊のほうの法律が、請負ができるという法律のほうが優先するのか、建設業法、これは一種の業者ですから、これは勿論利潤を上げているかいないか知りませんが、内容は、併しながら建設業法にはどういう関係を持つのですか。

渋江操一建設省計画局長

○説明員(渋江操一君) いずれにいたしましても国家機関の活動でありますから、国家機関の活動を規制している法律を先ず考えるというのが当初の問題ではないかと思います。それで処理する範囲を越しておる問題が仮にあつたといたしまして、建設業法の規定に抵触するということでありますれば、その関係衣文考えて行かなければならんということになりますが、いずれにしても建設業法の本来の建前は、業者自体の取締監督を法律化したものでありますし、するわけでありますから、この契約の当事者としての自衛隊そのもののこの規制、監督の方法は、やはり本質的には自衛隊なら自衛隊の法律によつて考えるべき問題ではないかと考えております。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 地方財政は今非常に窮迫を告げておりますから、若しこれが一面現在の政府の自衛隊というものの恩恵を国民に知らせようというような政治的意図を以て、三割安くなるというような工事をどんどん自衛隊にさせれば、これは非常に重大なる問題なんですよ。そこで建設大臣としては、今計画局長はその事例を知らんからということをおつしやるが、建設大臣としては平時の通常町の中の地方の請負に仕事をさせてもいいものを、建設費を軽減するためにそうした形の方法をとることを好ましいと思つていらつしやいますか。或いは、そういう事例を明らかにあとで計画局長にお示ししますが、その場合にそれを奨励するような意図を持つて大臣はおられるか。若し或いは全面的にそういうことになれば、やはりそうした事業者も労働者も、これは労働者が非常に困るのです。低賃金になりまして……、こういうものに対する措置をどういうような考えを以てされるか、これをちよつと大臣に伺いたいと思うのですが……。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) まあ問題は自衛隊なら自衛隊の目的があるのであつて、請負することが本務じやないのですから、従つてこれはまあ政府がこしらえたというよりも三派でこしらえて政府が呑んだのでありまして、従つて政府がただ都合がいいように、自衛隊のいい感じを国民に与えるような意味でこしらえた法律では決してないのでありまして、でありますから従つて私は本来の目的に従つた方法に行くことが適当だと思いますが、ただ具体的に工事の個所があつて、それがその通り行つているかどうかわかりませんが、それは事実問題をつかまえて、果してこれは自衛隊法違反か、或いは建設業法違反かということは事実をつかまえた上で検討したいと思います。併し抽象論としては、自衛隊は請負者の代りにああいうものを置くのじやないのてすから、その基本というものははつきりさせておきたいと思います。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 建設大臣としては国が補助をしている工事に自衛隊を使つてやることは好ましくない。無論そういう場合には地方のそういうやる業者があるのだから、自治体自身がやるべきだというふうにおつしやつているように解釈していいのですか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) それは具体的問題が来ないというと、自衛隊が入つてやつたほうが国民のためになる、地方民のためになる場合があるかも知れませんし、或いはそういう場合でない場合は、ただ三割を安くするためにやる場合はこれはいけないと思いますが、それは要するにその具体的事情があるといたしまして、地元民のためには請負にかけている暇がなかつたとか、或いは自衛隊に特別の分野があつたとか何とかいう緊急性があるだろうと思います。それはそういう問題は抽象論から言えば、自衛隊は自衛隊の本来の目的があるし、請負業者はそれを商売にしているのですから、その基本というものはどこまでも認めて進んで行く。併しあなたの示そうとする例がどういう場合にそういう形になつたかということについては、その場合について考えて行きたいと思います。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 これは計画局長に上げておきますから一つお調べ下さい。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) 私一つ、御質問ないようですからお聞きしたいが、まあ今度の災害で、今大体建設省から頂いたのは約五百億ぐらいの災害なんですが、大蔵大臣も帰つて来たことでもありますし、建設大臣としてはこれに対して大体どうするかという事務的な準備を終えて御相談の段階に入つているんですか、入つていないんですか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) 今現在一部は査定が済んだところもございますけれども、要するに予備費から出す場合には、査定が或る程度の区切りを付けまして予備費を要求いたしますので、まだ区切りを付ける程度に行つていないわけでございます。例えば具なら県が大体工事が揃つたとか、或いは直轄なら直轄は大体工事はこういう方法でやるのだとかいう、全貌をまとめるわけじやございませんが、一つの区切りを付けて大蔵省に持つて行きますが、大蔵省のほうへ持つて行きます場合は、一応事務的に建設省は三・五・二ということを建前にして行くつもりでおります。恐らく三・五・二について又部内で、或いは大蔵省、私のほうで意見が食い違うかも知れませんが、そういう場合には全力を尽して私どもが適当と認める方向に努力するつもりです。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) 私その問題もございますが、つなぎ融資の問題ですね。そういう問題も或る程度御方針がきまらないと困るのじやなかろうかと、現地調査の結果考えているんですが、そういう点は如何でございますか。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○国務大臣(小澤佐重喜君) つなぎ融資の問題は県のほうから要望があり次第、建設省では或る程度の査定をいたしまして大蔵省に出しております。もうすでに四、五県ぐらいのものは出しているのですが、そのうちの一部を決定したものもありますし、又これから出すのもあります。併しながら御承知の通りつなぎ融資の決定権は大蔵大臣が持つておりますので、私のほうではただ各県に対してサービスをする程度のものですから、なかなか我々の考え通りに行かんことを遺憾と考えております。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) それからこれは河川局長に対して特にお伺いしたいのですが、さつき赤木さんからもあつたし、小笠原さんからも問題があつたのですが、つまり普段のメインテナンスをどうするか、改良をどの程度するかということが、普段の本当の調査ですね、調査研究ができておつて、そういうものについて或る程度のまあ設計的なものを、実施上の設計でなくても、こういうふうにすればいいとか、ああいうふうにすればいいという改良的なものは、そういう概略の設計等ができているような準備があればいいのですが、現地を見た結果は大体そういうものは本当いうと余りないのですね。それだから災害を受けたときに応急工事はすぐできるけれども、ところがそれをすぐ、復旧工事を復旧にとどめるか、この程度の改良を加えるかというようなものが、大体事務的に準備ができていれば非常に手戻り工事が少くて改良を幾分加えたものができるという、そういう状態にないのじやなかろうか、事務的な何が非常にそういう点ではないのじやないかという考え方が強いのですが、事実上あなたがさつきメインテナンスについて予算上大蔵省に要求してあるというようなことで、まあ赤木さんがああいう御質問をなすつたのだが、そういう点は本当に少いのじやないか、準備は十分できておるのですか、それは建設省所管のもの及び地方でやる工事ですね。そういうものについてどの程度本当にできておるのですか。

米田正文建設省河川局長

○説明員(米田正文君) 今お話を承わつておると、維持修繕というものの内容が私どもの言つている予算的にいう維持修繕と、今各委員からのお話の維持修繕は大分内容が違うように私今感じました。それは我々の言う維持修繕というものは、施設の工作物に対する手当の問題であつて、今のお話の大部分は現在の施設が不十分であつて、それを今後どう改良するかという処置をどうしておるかというお話のように承わりました。そうなると大分私先ほど申上げたのとは意味が違つて参ります。成るほど現在の河川なり海岸なり砂防なりの今後やらなければならない計画というものは非常に多くて、それを一々計画を今持つているという段階ではございません。これは年々各県でそういう改良を実施して行く限度というものはおよそございまして、それの二年分なり三年分程度のものであつて、まだここ数十年分今の調子だと残つておる現状ですから、お話の意味だと改良的な計画についてはまだないところが非常に多いということは事実でございます。

堀木鎌三改進党

○委員長(堀木鎌三君) いや、赤木さんのお聞きしたのは、あなたの今まで答えていられる本当の維持修理、つまり笠石が一つ足りないとか、そこが崩れて行くというふうな問題ですがね、つまり道路なら道路は五カ年計画を建設省では一応考える。併し今言つたような、何と言いますか、国土の保全から見た河川、海岸堤防、その他のものについてのそういう本当の計画ができていれば、非常に私は楽なんだけれども、その何と言うか、災害ができたときに、災害は原形復旧だ、こういうふうにただ単純に考えて行つて、又こわされたり、改良しようと思えば手戻り工事になるというふうな場合で以て、まあ率直に言えば、今のところ建設省の仕事というのは何か災害復旧に追われてしまつて、それでもう災害だけがその予定通りできないと、而もそれもなかなか施工については本当の設計もなかなかできない。そういうふうな状態で、それに日を追われておるような形じやなかろうかという気がするんですよ。だからそういう点については今後建設大臣としてはよほど今までのやり方に再検討を加えて頂いて、金も効率的に使わなければなるまいし、そう建設省が希望するような予算が国家財政が許すとも考えられない。そうなると非常に重点的にも施工しなければならんし、普段からの準備も相当正確なものがなくてはならんし、で、建設省だけでなしに、地方の県庁等のやり方も考えなくてはならない、こういうふうに考えておるのですが、その点についてはいずれ私どもの意見は別にして、建設省としては特にお考えを願つておきたい、こう現地調査の結果私考えておる。それだけまあ意見として申上げておきます。本日はこの程度にいたしましようか……。  では本日はこれを以て散会いたします。    午後零時三十五分散会

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