決算委員会 閉会後第24号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1954/11/29
会議録
○委員長(小林亦治君) 只今から第二十四回決算委員会を開会いたします。 本日は昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同政府関係機関決算報告書、以上三件を議題に供します。 これらにつきましては、一昨二十七日いずれも質疑を終了いたしておりますので、本日はこれより直に討論に入ります。ついては先刻来配布いたしました審査報告書案につきましては、二十七日の理事会において決定したものであります。委員会審査の結果の各項目についてはこれより調査員をして朗読いたさせます。
○調査員(林道雄君) 第一の本件の内容及び審査の経過これを省略いたしまして、九頁の第二、審査の結果、それから朗読いたします。 当委員会は本件を審査した結果 一、会計検査院が検査報告で批判している点については、その批判と見解を同じくする。本件決算のその他の点については別段の異議がない。 二、よつて左の諸項について、特に内閣に対し警告を与え、反省を求めると共に将来の改善を要望する。 (一) 会計検査院の決算検査報告 会計検査院が二十七年度の決算検査報告において不当事項及び是正事項として指摘したものは合計千八百十三件の多きに上り、国民の租税を主な財源とする国及び政府関係機関においてこのように不当な経理の多いことは甚しく遺憾に堪えないところであり、これら不当経理を概説した租税、収納未済、予算の効率的使用、補助金、契約の締結、物品の管理、予算の不当経理、職員の不正行為の各項目に関する会計検査院の意見は、当委員会においても全く同感である。内閣はこの会計検査院の意見を関係当局者に周知徹底させ、十分な調査と、周到な注意をもつて財政の処理に当り、形式主義を排して必要な監督監査を励行させ経理面における行政機能の向上と不当事態の発生防止に一層の努力を払うと共に制度及び行政の改善すべき点は旧慣に捉われることなく速かに改善の処置をとられんことを切望する。 又検査報告第二章第四節に掲げられた所管別の各個の不当事項及び是正事項に対する会計検査院の批難も当委員会においては総て同意見である。但し郵政省所管中(検査報告批難番号第一五八八号)「給与の支給額が予算総則の限度をこえたもの」については支給超過の事実は会計検査院指摘の通りであるが、次のような事情を考慮し、その責任を強く追及するには及ばないものと認める。 即ち、会計検査院指摘の要旨は「一十七年度特別会計予算補正総則第十一条による二十八年一月から三月までの間における郵政事業特別会計所属職員に対する給与の許容額は百三億二千六百余万円であり、これに同年度特別会計予算総則第十条による業務量の増加に伴い認められる予算増額五億四千万円の全額を加算しても、支給限度額は百八億六千六百余万円に正るのに同期間の実際支給総額は百十一億四千六百余万円で、右限度額に対し二億七千九百余万円を超過した」としている。これに対し郵政省の説明は「このような結果を来したのは、主として二十七年の年末手当増額支給に関する指令が、年末までに到着しなかつたため、末端において、これを翌年に入つてから支給したなどのためである」と言い、必ずしも予算総則の限度額を無視したものとは認められない。 勿論このような検査院の指摘を受けたのは、郵政省において右限度額の算定に当り慎重な考慮を欠いた結果であると認められるので、この点は将来十分な注意が望ましい。 (二) 補助金 補助金及び国庫負担金に関する不当経理については、十九国会において特に検討を重ね、その結果二十六年度決算審査報告において内閣に特段の善処方を求めておいた。これら不当経理で二十七年度決算検査報告に指摘された事項は二十六年度に比し六百六十六件の増加を示し一千百六十六件の多きを数え補助金の返納又は減額を要する金額は十三億五千六百余万円の巨額に上つている、これが防止対策については前記審査報告で強調した通りであるが、これを要約すれば、補助金を受ける地方公共団体等に対する自粛自戒の督励、所管各省の側における実地検査の励行、及び関係法令の整備の三点に帰着する。 すでに一部改善の方向に進んでいるものも認められるが、全体としては優慮に堪えないところである。 国の補助金総額は二十七年度において、地方財政平衡交付金を除き二千二百四十八億円の巨額に達しておりこれが交付の適正化は財政処理上極めて重大な問題である。内閣は今後一段の努力によつて禍根の一掃を計られんことを要望する。 (三) 予算の効率的使用 法令又は予算の違反或は事務手続の不備等に基く不当事項例えば架空経理、年度区分の紊乱検収不良、物品管理上の粗漏、不正行為等については、会計検査院連年の指摘もあり、関係当局側にも反省努力の跡が見られ、一般社会情勢の安定化と相俟つて或るものはすでにその事例で減少し、或るものは漸次改善の緒についたようであるが、法令、予算、事務手続等の面のみでは規正し得ない経済性と合理性の問題に関してはその改善について政府当局の反省と努力とに未だ十分でないものがあると認められる。 国民の税負担が殆んど限界に達しているのに対し、実施を要する恒久及び緊急の施策が山積し、国の財政も、地方財政も益益窮迫の度を深くしつつあつて、これら施策の遂行も困難を伴う現状においては、国費の有効な使用が急務であり、そのためには行政目的の遂行に当つて常に限りある予算の経済的使用、効率的活用に意を注がねばならんのに会計検査院が予算の非効率的使用を批難している不当事項は五十件に達して居り、その所管別は左の通りである。 裁判所 一件 総理府 北海道開発局 二件 保安庁 八件 調達庁 七件 法務省 一件 外務省 一件 大蔵省 印刷局 一件 厚生省 一件 農林省 食糧庁 九件 林野庁 一件 運輸省 海上保安庁 一件 郵政省 三件 建設省 四件 日本国有鉄道 五件 日本電信電話公社 五件 これらはいずれも法令又は予算に違反したというわけではなく、行政目的達成に急な余り経費の面の考慮を忘れたこと、部内の連絡が緊密を欠いたこと、実情の調査が不十分であつたこと、などに起因するものであり中には事態軽微として看過されているものもあると推測されるが、前述のように国費の節約、予算の効率的使用によつて、より多くの財政効果を挙げることが当面の急務であるのに鑑み、一方これらが法令を以つては規正し得ない事項である点を考慮し、内閣は前記趣旨を十分に徹底させ、関係当局の督励に努めるは勿論、工事の施行、物件及び役務の調達並びに物件の活用について合理的な施策と計画を樹立されんことを切望する。 (四) 農林省所管食糧管理特別会計 前項予算の非効率的使用事項のうち食糧管理特別会計に属するものは九件であつて、批難金額も巨額に上つており、その主なものは左の通りであつて、特に内閣の注意を喚起する。 検査報告批難番号第一、四九七号「ビルマ米の購入および売渡にあたり処置当を得ないもの」 食糧庁において、二十七年度にビルマ米八二、七〇八トンを六十一億千八百余万円で購入したが、そのうち一三、一六〇トンは有毒な黄変粒混入率が多いため、配給用とすることができず、原材料用として購入価格から六億三千二百余百円値引して売渡している。ビルマ米については二十六年度にも同様黄変粒のため一億九千八百余万円の直接損失を被つていたのであるから、二十七年度の購入にあたつては、黄変粒の混入防止に、もつと有効適切な措置を講ずべきであつた。 検査報告批難番号第一、四九八号「イラク大麦の購入にあたり処置当を得ないもの」 食糧庁において、二十七年度にイラク大麦八五・四六六トンを三十四億八千余万円で購入したが、品質粗悪のため、主食用として不適当であり、うち一四、九八四トンを購入価格から二億二千四百余万円値引して売渡したほか、二十八年三月末までに保管料八千三百余万円を支払い、なお六六、一八一トンが在庫のままとなつている。イラク大麦は二十六年度においても二九、七〇〇トンを購入したが品質粗悪のため大部分を飼料用として売渡しているのに重ねてこのような食糧不適品を購入したものである。 検査報告批難番号第一、五〇一号「不急の麻袋を購入したもの」 食糧庁において、二十七年度に輸入食糧入れ上必要があるとして包装用麻袋五百万枚を四億六千五百万円で購入したが、二十八年十月末まで全く使用せず在庫のままとなつており、営業倉庫に支払つた保管料は千四百余万円に達している。 右は古麻袋回収量の見込違い、手持新麻袋容量の計算違い食糧の輸入時期のズレ、等に基くものであるが、食糧庁としては二十六年度においても輸入米確保のため麻袋三百万枚を購入したが見込違いのため一年間以上未使用のまま保管していた事実があるのに重ねてこれを購入したものである。以上三件を通観して、主要食糧の計画数量確保を目的とする農林省当局の努力は窺い得るが、右外国食糧について見るように購入処置が不完全なため品質不良のものを購入し、実質的に数量確保の目的を達成しなかつたこと、主食として配給することができないため値引して売渡したり、長期間保管料を支払つたりしたため巨額の国損を招いたこと、前年の不経済な事態を再び繰返していること、などはひいて食糧行政全般に対する国民の不信を招く結果を来すものと認められる。本特別会計の厖大な内容は、国民全般の注目するところであるから、農林省当局としては、常に経費の効率的使用に十分意を用い、会計検査院の批難を単なる事後批判と考えることなく、指摘事態の根本原因を除き、その再発を防止することが食糧需給の円滑化と同様な重要性を持つことを銘記し、いやしくも国民の不信を買うがごときことのないよう今後一段の努力を望む。 (五) 日本国有鉄道 日本国有鉄道における収入金の徴収物件及び役務の調達及び鉄道会館、民衆駅の問題など固定財産の管理運用に関する批難事項を通観すると、国鉄首脳者がこの巨大な経営体の財務全般を十分に把握統制する上に欠くるところがあると思われる。また外廓団体の関係について見れば、もともと外廓団体なるものは、国鉄の経営及びその発展に寄与するためのものであるのに却つて国鉄に寄生上、その利潤を蚕食しているような世上の疑惑を招いている事実は、国鉄にその全経営を掌握する統制力が欠如していることに基因すると言わねばならない。国鉄が我が国輸送事業の動脈として、質、量ともに極めて厖大な企業体であつて業務の内容も複雑多岐であり、地域的にも広大である関係上財務処理の困難な事情はあるとしても、なお一段の自粛を切望する。 (六) 懲戒処分の適正励行 公務員による不当行為に対する懲戒処分の適正励行に関しては、去る四月二十三日の本院本会議において決議を以つて今後は懲戒処分を厳正に励行し一罰百戒の実を挙げ、以つて吏道の刷新に努めるよう政府当局に対し強い要望がなされたが、二十七年度決算の審査の結果を顧みるのに、まだ自粛の跡は認められない。 二十七年度の不当事項に対する関係者の処分が殆んど全部本院決議以前に既に決定されている状況に鑑み一応その事情は諒とするが、本院決議以降に決定される処分については当該上司に至るまで厳正なる懲戒処分を励行すべきことをここに改めて強く要望する。 以上であります。
○委員長(小林亦治君) それではこれより討論に入ります。御意見おありのかたは御発言を願います。
○岡三郎君 只今朗読されました決算委員会審査報告書、昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十七年度政府関係機関決算報告書三件について条件を附して賛成をいたします。 その条件というのは、昭和二十六年度、その前年の二十五年度を通しても、我々決算委員として考えて来たものは、予算の使途が非常に乱脈を極めておるし、効率的使用についても納得てきない点が非常に多い。まあそういうふうな点で二十六年度の決算において反対したのであるけれども、各政府機関、各省がこれらの指摘の事項に対して鋭意努力を重ねて改善のあとも見えるし、会計検査院の報告に対しても、この批難された事項について納得し、改善をしようとする意図が明確に打出されておるので、私は止むなくまあ賛成するということにしたのであります。特に我々が前回指摘した点は、この不当事項に対しての根本対策がまだ不十分であつたように考えておつたのですが、昭和二十七年度の決算においては、その点も漸次緒について来ておるということを認めます。ただ前回決議した懲戒処分の適正励行については十分に当決算委員会の趣旨を体して実効を挙げておるとは認められません。従つて今後昭和二十八年度の決算においては、会計検査院から指摘された事項に対して各省がお座なりにその非を認めるにとどまつて、具体的に懲罰その他不十分なような点があるならば、十分これは今後本委員会において指摘し、その省を追及しなくちやならんと私は思う。それでなければ、本決算委員会が決議をした事項について、何ら我々自体が責任を持たんということになるので、この点は当決算委員会としても、各省が指摘された不当事項について、懲戒処分その他適正にこれを厳格に実行し、根本的に不正不当事項の発生を防止するように懸命に努力されることを期待するものであります。更に会計検査院に対してこれは我我が希望を申上げるのでありますが、会計検査院は非常に小人数で昼夜兼行で厖大なる予算執行に対する監視役として、その職務を実行せられて来た点について、我々はこれを是とするものでありまするが、希望を申上げるならば、更にこの会計検査院の機構を拡充して、本決算委員会或いはその他の方面から意見を言われるまでもなく、十分に国民の負託に応える意味においても、積極的に機構を拡充し、そうして陣容を整えて、更に国民の期待に副えるような院にみずからしようとする気魄を持つてほしいと思う。そういうふうな気魄の中において予算執行というものが厳正に行われるというふうに我我は考えるものであります。併しただ機構を拡充し、或いはそれに伴うところの人員を整備しても、要するに各省各省において予算を執行する人の心構え自体が是正されなければ、その不当を根本的に防止することはできないと思うのであります。従つて我々が願うところは、各省における長上というものが、いわゆる官吏というものの出世街道という観点から、事なかれ主義でその場を糊塗するということではなくして、本当に良吏として、良い官吏として国の負託に応え、国民の輿望に本当にマッチするというふうな態度において、今後ますますこの予算執行に精励してもらいたい。それでなくては我我がここで幾らこの問題を処理しても、根本的な解決には当らんと思う。従つて根本的な問題は各省においての予算を執行する役人の方々が、長上の方々が形式主義ではなくして、実際にこの予算を立派に運営し、効率的に使用するという方向にお心掛けを願いたい。そういうわけで社会党左派としてはいろいろとこの問題について承服しがたい点が多々あるわけでありまするが、今後昭和二十八年度或いは二十九年度の決算を通して改善する見込みがあるというふうな判断の下に、一応ここで条件を附して賛成するわけでありまするから、仮に若しもこれが改善されないというときになつたならば、我我は断固としてその省を究明し、それに対する更に具体的な対策を考慮しなきやならん段階が来るかもわかりません。併しそのようなことがないように各省の一つ御善処をお願いして私の討論を終りたいと思います。
○青柳秀夫君 私い自由党を代表いたしまして、只今の報告書に賛意を表したいと思います。ただその際一、二の点につきまして、政府に要望をいたしたいと思います。 第一はこの報告書にもございますが、政府は又各省は、予算を要求すると言いますか、予算を獲得する場合においては非常なる熱意を示して努力をされまするが、一旦予算が計上されて執行の面に当つては非常にその力の入れ方が足りないのでありまして、国民から言えば、予算の獲得よりはむろしその執行という点が最も期待されておるわけでございまするので、今後は予算の執行につきまして更に一層の努力を払われて効率的なる使用を望んでやまないのであります。予算の額は一般予算におきましても一兆、その他を合せますると非常な多額でございまして、若しこれが仮に一%の無駄と申しますか、力が足りない点がありとすれば、それだけでも一兆億に対しては百億、若しこれが努力をしたためにそれだけのものが補われるとすれば両方合せて、一兆億に対して二百億というものが生み出されて来るようなわけでありまして、政府全体の財政としては非常に大きなものになるのであります。それが実際この会計検査院の報告、個個の問題を通じて審議して参りますると、かなりルーズと言いますか、意の足りないところがあるために相当なる無駄があるようにも感ぜられるのであります。どうかこの点は随分注意はされておると思いまするが、更に一層の努力を払われまして、国民の期待に副うように効率的なる使用をされんことを特に切望をいたします。 第二は、只今岡委員からもお述べになりましたが、多くの官吏のかたはその職責に懸命に努力せられておりまして、私ども心から敬意を表するのでありまするが、中にはその心がまえが、何と申しますか、却つて国民の期待に副わない、極めてまずいものがございます。これは経理の面に当るものといたしましては、特に注意を払われまして、綱紀の粛正ということを特に厳重にやつて頂きたいのであります。私どもこの決算を見て参りますと、出て参りまするのが、前年、前々年の決算ということでありまして、おいでになる政府のかたも、すでに他のかたがやられたことをここで釈明をされるというような立場でありまするので、どうもその質疑応答が余り力が入らんと言いますか、すでに済んだことを何とか弁明して行けばいいというような恰好でありまするので、それらの点につきましては一つもつと意を注がれまして、この決算が如何に国家に重大であるかという点に留意されまして、個々のその職にあられるかたが一層一つ不正のないように極力努力されることを切望いたす者であります。又岡委員のお説にもございましたが、上司のかたがこの点は特に責任をとつて頂きたいのであります。部下がやつたのだから自分は知らん、又前任者がやつたのだから関係はないというような考え方ではなしに、各省一体の原則によつて、いやしくも一人の者が間違つた場合は全体の責任であり、殊に上司のかたは済まないというような点に特に力を、意を注がれまして、処分等についてももつと厳正なる処置をとられんことを望んでやまないのであります。今までの処置はただ注意という場合が極めて多いのでありまして、これはいろいろの個々の事情がございまして、無暗に厳罰することが能ではございません。併しいずれの場合においても、ただ注意であるというような簡単なことで大きな問題が処理されて行けば、全体の綱紀というものはおのずから粛正されんということになつて参りまして、従つて国の大きなこの財政の運用が極めて不合理になつて参るわけでございます。どうかこの処分と申しますか、綱紀の粛正につきましては一段とこの際御配意を煩わしたいのであります。 これらの点を要望いたしまして本案に賛成をいたします。
○島村軍次君 私は緑風会を代表いたしまして、上程されました二十七年度決算三件に関しましては、次に申上げる希望を付してこれを承認いたしたいと考える次第であります。 我が国の新憲法によりますと、決算はこれを国会に提出して、これを承認を受けるという形に相成つておるのでありますが、おおよそ明治以来、官庁行政のうちで、予算の執行に関しては毎年々々決算に関して報告があると同時に、これの審査をした結果は、どうも極めてその執行の情勢が不十分であり、現に我が国の国会の制度或いは予算執行の制度等についても相当の議論のあるところは御承知の通りであります。特に終戦後における予算の執行が極めてルーズであつたということは、我々国民の強く非難をし且つこれの是正を要望しておるところでありまして、予算執行に関する考え方それ自身が前二者の御指摘になつたように、どうも各省の予算執行者の考え方が不十分であるということを、ここに指摘せざるを得ないのであります。私は具体的に左の諸項について申上げまして、政府の反省を求めたいと思うのであります。 第一は、効率的使用については、事前監査の制度を考えるべきではないかと思うのであります。最近における各省の予算執行に当りましては、それぞれ国会における衆議院、参議院の決算委員会の論議の結果に鑑みて、或いは考査制度を作られ、或いは事前監査の処置を講ぜられて参つておるのでありまするが、前の考え方がまだ改まつていないために、その事前監査というような問題が不十分であるということは、これはいなむことができないと思うのであります。そこで如何なる方法をとるかという具体的な問題になりますと、相当むずかしい問題ではあるのでありますが、これはやはり責任の所属を明らかにして、そうして予算執行に当つては、形式だけでこの措置を講ずることでなくして、この実質がどうなつておるかということを十分に把握した上で、その執行に当るということでなければならんと思うのでありまして、第一点としてこの点を将来各省ごとにそれぞれ考究し、適切なる機構並びに経費の拡充をやつて頂きたいことを希望いたすのであります。 第二には、会計検査院が憲法上認められたる制度でありますが、監査の制度が今日の情勢を拝見いたしまするというと、各省ごとに思い思いにやつておるような感じがいたすのであります。例えば大蔵省は予算執行の事前監査の意味で、各工事に対して立会われる、或いは行政管理庁は或る特殊な問題をつかまえて、そしてそれに関するいろいろな調査をやられる、会計検査院と重複するような制度が各省ごとにできておるということであります。この点は全般を通じて考えますというと、或る部面から申しますと、殊に厖大なる予算でありまするから、各省ごとが責任を明らかにするために、それぞれ細かい点までやられるということも或る程度止むを得ないことではありましようが、私は同じようなことをばらばらにやつておるということを指摘いたしたいのでありまして、この点は現に地方において承わつてみるというと、年がら年中殆んど関係省で、今度は調査だ、今度は監査だというので応接にいとまないということを、今なお強く耳にいたすのであります。これは確かに今日の管理制度或いは行政組織というものに欠陥があるのでありまして、少くとも今後においては、これを或る程度まで統一して、そして会計検査院を中心にしてこの決算の監査制度をやるということに改めて頂きたい。本日御出席の各位は各部門別の御出席でありまして、私は責任ある大臣の出席のないことを誠に遺憾に存ずるのでありますが、少くとも内閣の全般についてもつと徹底的な制度を研究して、そして統一ある而も実効ある制度に改むべきであるということを強く要望いたしたいと思うのであります。要するにこれらの諸問題を取上げて見まするというと、少くとも決算に関する各省の取扱いの考え方に不十分な点があり、且つ又今二十七年度の決算を審査して見まして、すでに二十九年度の予算の年度半ばになつて二十七年度の決算の審査をやるというような、この国会それ自身の審査方法にも多少のズレがあることは、これは認めざるを得ないのでありますが、今後少くとも国会は殊に参議院はこれらの諸問題に関しては速かに審査を終え、而も両氏の指摘されました通り、少くともこの国会に報告されましたる決算に関して将来の改善を企図する意味からも、深く掘下げた措置を決算委員会としても講じたいというのは、これは決算委員会の総意であると私は思うのであります。 最後に指摘いたしたいのは、両氏のお話になりました通りに、この責任の帰属が不明確である結果は、やがて懲戒に関する措置が、厳重なる注意をしたということに止まつて、毎日の審査に当つて必ず各委員からこの点が指摘された情勢に鑑みて、これは明々白々であると思うのであります。これは恐らく今日の管理制度の中で懲戒処分の規定が不十分である結果であつて、懲戒委員会は自分の省庁の所属長が懲戒委員長になつて、そして自分の部下をやるのでありますから、これは当然さようにならざるを得ないという結果になるのでありまして、この点に関しては少くとも将来の懲戒に関する規定は国会において改正すべき必要を私は痛感をいたしておるのでありまして、よりよりこれらの問題に関しては、その内容を十分検討の上で、機会を以て各位の御賛成を得て、これらの励行を期せられるような方法を講ずることを念願をいたし、これを提案いたしたいということを考えておるのでありまして、これらは要するに懲戒それ自身の制度の欠陥であり、且つ又決算に関する審査の結論を出す場合における欠陥ではなかろうかと思うのであります。どうか現在の制度におきましても、本日ここに指摘されましたるように、この懲戒の励行及びその適正化を図るための適切な措置に関しましては、政府において十分なる注意と喚起をお願い申上げたいと思うのであります。 以上の諸点を指摘いたしましてここに二十七年度の決算を承認いたしたいと存じます。
○山田節男君 只今議題になつておりまする昭和二十七年度の一般会計歳入歳出決算、昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算並びに昭和二十七年度政府関係機関決算報告書承認を求むる件に関しまして、私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、以下述べまする意見を付しまして賛成をいたすものであります。 先ず本決算委員会におきまして、過去半歳以上に亘りまして審議の経過並びに結果、只今委員長からの御報告もありましたが、これを総括的に申しますならば、この決算報告に基きまして私どもの審査の結果の印象といたしましては、会計の政府機関並びに政府関係機関の予算の執行状態というものは、非常に乱脈を極めておるという結論をせざるを得ないのであります。その原因としましては、いろいろ挙げられると思うのでありまするが、先ず第一に今日日本におきまするこの会計予算執行上におきましては、何と申しても日本の官僚主義の悪弊が依然として存在しておる。一方におきましてはいわゆるレッドテープがあり、徒らに煩鎖な手続をいたしますると同時に、他の半面においてこの予算支出の負担行為、この現状を見まするのに責任の所在が極めて不明確であるというところに、私は依然として乱脈を極めるところの根因があるように思うのであります。なお、これに関しまして我々国会といたしまして、反省しなくてはならんことがあると思うのであります。先ほど或る委員が申されましたごとく、日本の国会の通弊としまして、予算におきましては非常な騒ぎをいたしますけれども、決算に対しては極めて等閑視した状態にある。このことは更に重ねて申上げまするというと、今日の政府関係機関の予算執行の乱脈を極める根本の一因としましては、国会における予算の審議に際します今日の傾向というものが、かような乱脈を極める会計の原因であるということを感ぜざるを得ないのであります。更に又先ほど島村委員も御指摘になりましたが、今日の各官庁におきまする会計制度並びに今日憲法並びに法律によつて定められておりまする会計検査院の機能というものに対しまして、足らざるところがあるのじやないかということを痛感いたしたのであります。 次に具体的に入りまするが、二十七年度の一般会計、特別会計、政府関係機関の決算に関しまする審査につきまして、私どもが会計検査院から報告されるところによりまするというと、全体の検査対象となるべきものに対しまして、僅か八%五の検査しかしてないのでありますけれども、ここに挙げられておるように、批難事項としましては千八百十三件、その中で七〇%以上に当りまする千百六十六件というものが不当事項としてここに摘出されておるのであります。本決算委員会としましては、補助金のために特に小委員会を作りまして、詳細に審議いたしたのでありまするが、この補助金制度の根本問題ということを政府も共に我々と考えなくてはならぬ大きな問題であると思うのであります。会計検査院自体もこの補助金制度に対しましては、政治の堕落、官僚の道義の頽廃ということをむしろ摘発すべきではないかというようなことも意見がありましたが、我々としてもこの補助金制度に対しましては、国会として慎重な再検討をしなくてはならぬということを痛感いたしたのであります。たとえて申しますならば、この補助金の批難事項の中で一千百六十六件というものは補助金に関するものでありまするが、その中で農林省関係が八百九十三件、建設省関係が百三十件それから運輸省関係が六十六件で計一千八十九件であります。実に八割以上というものは、この政府関係の農林、建設、運輸各省で占めているというような情勢でありまして。これによつて莫大な国損を生じておるということは、先ほど委員長の報告にもあつた通りであります。かようなわけでありまして、本委員会におきまして将来補助金制度に対します根本的な改廃ということについて審議をお願いしたいということを私は痛感いたしました。 次には、農林省関係の特に食糧管理特別会計の問題でありますが、これは終戦以来すでに七年を経過した七年後における決算報告でありますが、我々は本委員会におきまして審査の過程におきまして、農林省の責任者から詳細な報告を受けたのでありますけれども、誠に驚くべきほどのこれは乱脈でありました。而もこれが年々、二十八年度におきましては二十七年度以上の国損を来している情勢にあるということは、これは我々国民の代表としまして無視することができない重大問題であります。語を狭めて申しますならば、農林省の全体、殊に食糧管理特別会計というものは、全く伏魔殿であります。笊に水を注ぐごとき国損を来しているということを申しても過言ではないと思います。我々は審査の過程におきまして食糧庁の長官その他の責任者を招致しまして、こうした主食を購入しておりまする主として東南アジア諸国の米、麦等の契約状態を調査いたしたのでありますが、これらの政府の契約書の中には、殊に品質に関しましてははつきりと黄変米或いは砕米の輸入を防止し得るような条項があるのでありまして、然るにこれが多量に毎年輸入されておるということについて、よくこれを審議してみますと、この根本は官僚の怠慢と申すことは無論でありますけれども、これは明らかに吉田内閣の外交の弱体性に基くということを断ぜざるを得ないのであります。その他誠に痛惜すべき事件が多いのでございまして、本委員会としましては、本年度初めて会計検査院の事務官二名を東南アジアの我が国が主食を輸入いたします国々を調査のために派遣をいたしたのでありますが、この点みましても、この農林省の食糧管理特別会計が如何に国民にとつて重大な問題を年年惹起しつつあるということを証明すると思うのであります。かような点が私ども決算委員会の末席をけがすものとしまして、更に明年度、明後年度と繰返えされるということは堪えがたいのでありまして、これを是正するためには、主食を輸入しなくちやならん宿命の日本といたしましては、現在の制度、いわゆる主食の購入制度というものは根本的に再検討する必要に迫られておるということを痛感いたしております。政府はこれに対して善処すべき最も早い時期において案を出し、それを提出することを要求いたすのであります。 更に先ほど来いろいろ委員からも御意見が出ましたが、我が国としまして日本国有鉄道公社、専売公社、電電公社法を制定いたしまして、いわゆる国家の代行機関といたしまして、最も能率的な自主採算主義の事業をやらせるために公社法を我々は作つたのでありまするが、この公社を代表いたしまする日本国有鉄道公社の会計検査院の決算の検査報告を見まするというと、これ又誠に何と申しまするか、今日の公社を作りました国会、国民の意図というものが十分に発揮されておらないということを断ぜざるを得ないのでありまして、殊に日本国有鉄道公社の民衆駅に関する問題、或いは鉄道会館に関する問題、物品経理の問題、その他いろいろと詳細見まするというと、如何に厖大な組織であるとはいえ、今日の日本の官僚主義という、悪い意味の官僚主義の悪弊が依然として公社経営に残存しておるということは、これは我々の期待しておりました公社経営形態に誠に暗い将来を投げかけるものであると憂えざるを得ないのであります。かようなことは各委員からも審議の過程において詳しく述べられたのでありますが、私どもがこの決算検査報告を承認いたしまする条件としましては、この点を特に強く要求いたしたいのであります。 更に、又各委員から一様に申されましたいわゆる不当な支出をしました担当官吏、事務員に対しまする処罰の問題、先ほど各委員から述べられましたが、単なる注意、厳重注意、訓戒、訓告、かようなことでは、委員長の報告にもありましたような一罰百戒というようなことにはならないと思います。我々決算委員会としましては、かような不当な不正な支出をいたしました者に対しましては、単なる行政処分だけでなく、これには一つの特別法を制定しまして、厳重な罰科を科するだけの決意を持つべきだということを特に私は強くその点を申上げたいのであります。 以上のような意見を附しまして、只今の議題に対しまして賛成の意を表するものであります。
○平林太一君 本件の討論は極めて刻下の現状に鑑みまして、特に二十七年度の本議題に対しまして現下の国情に鑑みまして極めて重大であります。討論に先立ちまして委員長に対し、議事進行の形式を以て、一応委員長に質したいと思うのでありますが、その点御了承願いたいと思います。 本日の委員会に政府当局者の出席要求を求めたるその当該当局者に対する詳細なる御報告をこの際承わりたいと思います。
○委員長(小林亦治君) お答えいたしますが、委員長としましては、全部の各省、全部の政府関係機関、これらに出席を求めております。なおかねがね私どもが主張しております通りに、決算の採決に当つては、少くとも政府の首脳部が代表せられて出席しなければならないということなんでありまして、そのために本日の場合も緒方副総理に出席を要求いたしました。ところが政局多端のためというような理由で出て参られません。そこで本日見えられておりますところの各関係庁の出席者でありますが、内閣総理大臣官房会計課長、北海道開発庁次長、外務政務次官、外務省会計課長、大蔵政務次官大蔵会計課長、厚生省会計課長、農林大臣官房長、同じく会計課長、通産政務次官、通産省会計課長、法務省管理課長、運輸省会計課長、労働省会計課長、建設省会計課長、建設政務次官、日本専売公社審査部長、日本国有鉄道経理局長、日本電信電話公社経理局長、同じく監査課長、会計検査院からは山名次長が見えておられますが、間もなく院長がお見えになるそうです。なお、外務省欧米局渡航課長、郵政省監査課長、大蔵省司計局長、最高裁判所から営繕課長、用度課長、防衛庁経理局長、厚生省政務次官、調達庁次長、調達庁会計課長、防衛政務次官、文部省会計課長、海上保安庁次長、以上の諸君がお見えになつております。
○平林太一君 議事進行をいま一度継続いたしたいと思います。只今委員長から経過につきまして御報告に接しましたことを了承いたすのであります。御報告中に各省の本件に関係する担当大臣の出席をいたしていないということは、非常に職務に対しまして怠慢、不誠実のいたすところでありまして、深く遺憾とするものであります。かくのごときことが平然と繰返されておりまするところに、決算に対する不正、不当、批難事項及びそれにも遙かに増して潜在する幾多の決算上の不正行為が行われておるという禍根、原因がそこにあるのであるということをこの際指摘いたしておきます。只今取りあえず本日出席をいたしておりまする政府当事者に対する御報告はありましたが、この際出席者に対しまして特に、委員長から担当だけの御報告に接したのでありますが、この機会に出席をいたしておりまするそれら担当者の氏名を、この際氏名点呼を明らかにいたして、私の討論に入りたいと思います。委員長よりその氏名を出席者に要求せられんことを議事進行として要求いたしておきます。
○委員長(小林亦治君) 承知しました。それでは平林委員のお求めによりまして御出席願つた各省の方々の御起立を願つてその際に御氏名を名乗つて頂くことにしたいと存じます。どうぞこちらからお願いしましよう。
○説明員(佐藤昌之君) 法務省管理課長佐藤昌之であります。
○説明員(加藤宗平君) 通産政務次官加藤宗平であります。
○説明員(荒舩清十郎君) 建設政務次官荒舩清十郎であります。
○説明員(秋山俊一郎君) 外務政務次官秋山俊一郎。
○説明員(中村茂君) 外務省会計課長中村茂であります。
○説明員(針谷正之君) 外務省欧米局渡航課長針谷正之であります。
○説明員(出雲井正雄君) 通産省会計課長出雲井正雄であります。
○説明員(渡部伍良君) 農林大臣官房長渡辺伍良。
○説明員(武田誠三君) 農林省会計課長武田誠三であります。
○説明員(内藤誉三郎君) 文部省会計課長内藤譽三郎であります。
○説明員(内藤敏男君) 日本専売公社審査部長内藤敏男。
○説明員(木村秀弘君) 大蔵省会計課長木村秀弘。
○説明員(横山正臣君) 調達庁会計課長横山正臣であります。
○説明員(三橋信一君) 内閣総理大臣官房会計課長三橋信一であります。
○説明員(谷口明三君) 北海道開発庁次長谷口明三。
○説明員(堀岡吉次君) 厚生省会計課長堀岡吉次。
○説明員(石原周夫君) 防衛庁経理局長石原周夫であります。
○説明員(江藤夏雄君) 防衛政務次官江藤夏雄。
○説明員(澁谷直藏君) 労働省会計課長澁谷直藏であります。
○説明員(斎藤常勝君) 建設省会計課長斉藤常勝であります。
○説明員(島居辰次郎君) 海上保安庁次長島居辰次郎であります。
○説明員(石井昭正君) 日本国有鉄道経理局長石井昭正。
○説明員(梶本保邦君) 運輸省会計課長梶本保邦であります。
○説明員(北脇信夫君) 郵政省監査課長北脇信夫。
○説明員(秋草篤二君) 日本電信電話経理局長秋草篤二。
○説明員(山本悌一郎君) 日本電信電話監査課長山本悌一郎。
○説明員(中山忠男君) 最高裁判所用度課長中山忠男。
○説明員(山本米治君) 大蔵政務次官。
○説明員(山名酒喜男君) 会計検査院の事務総局次長の山名であります。
○委員長(小林亦治君) どなたも御苦労様でございました。以上であります。
○平林太一君 昭和二十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十七年度政府関係機関決算報告書、本件に対しこれを承認することに対する本委員会の報告書による主文に対しまして私はこれを無所属クラブを代表いたしまして賛成いたします。 併しながらこの賛成の理由といたしますものは、つぶさに我々が国民の個個の一人々々の代表をいたしまして、この決算に対して賛成をいたすということに対しましては、その職務に対しまして忸怩たるの感慨に堪えません。この決算の根源をなす国民の税の負担というものに思い至りますときに慄然として膚に粟を生ぜざるを得ない感がいたすのであります。この税負担に対しまして幾多国民の間には悲惨な事実が展開せられておりますことは、税負担のためにその営業を停止しなければならないという多数の商工業者のあることを忘れてはならない。又これがためについに懊悩煩悶して一家の心中をいたしたというような事例も決して少くないのであります。然るに、予算の執行の根源をなす内容がかくのごとき事態におるにもかかわらず、すでに当決算におきまして千八百十三件に及ぶ不正不当の事実をここに立証せられている。併し、特に私は政府関係当事者に対してこの際反省を求めたいと思いますことは、この千八百十三件というものは今日の我が会計検査院の検査に対する能力、事務的能力又この検査執行に対する能力、これがその半ばにもこれは達していないという事実であります。人手がなく予算がないためにつぶさにこれを二十七年度全体に対して決算することのできないという実情に置かれてある。それでありまするから、これは会計検査院がその完全なる検査能力を発揮するならば、あにそれ、これに倍し或いは数倍する、かくのごとき該当事項が潜在しているということを、今や明らかに申上げるものであります。御列席の政府委員諸君がこれを胸に手をあててお考えになればよくおわかりのことであります。併しそれを本日追及することを私は避けるのであります。かようなこの事態に対しましては断じてこれは許し難いことである。而もかくのごとき決算に現れた事実というものは、その渕源するところは、これ又実に広大なる範囲を持つております決算の経理上にかくのごとき不正不当の行為を行うということに対しまして関連するその範囲というものは、いわゆる官紀の弛緩であり綱紀の頽廃であり紊乱である。国家秩序の根源がここから崩壊するということは極めて明らかであります。本決算に関連して極めてなまなましい事実として申上げて差支えないことは幾多ありましよう。最近、九月二十六日における北海道の連絡船におきましてあの二千数百名の人々が犠性になつたというその裏面にも、これは相関連するものを我々は発見せざるを得ない。本月の「中央公論」を諸君は御一読になられたらよかろう。妻を失つた遭難者の夫君が、切々としてその当時の事情を詳細に書かれておる。その中にどういうことがあるか。あの船の出航前に、国鉄当局の最高首脳部の幾人かの人々が、函館のさる料亭に酒色に耽けつておつたということである。そこでその出航の時刻を五分間遅延せしむべしということを、その函館の鉄道運転に当る当事者に電話を以て指示したということである。その通りに五分遅れてこれは出航したのである。而も遅れて到達して、倉皇として乗船した。当然その事務当事者としては、暴風雨の危険災害を予知して、船の出航に対する留保を進言した。然るにこれを聞かなかつた。かくてこの事件が発生したということである。このことは、単にそのこと自体の問題ではない。これはいわれる平生かくのごとき不正不当事項をしておるということの、そのことに対する反省なきがために、ここに官紀の弛緩が生ずるのである。枚挙にこれはいとまないのでありましよう。特に特別会計におきましては、船舶、造船疑獄事件というものが内閣総理大臣が指揮権を発動しなければならないということの事態に立至つた、こういうようなことが、皆こういうものに渕源しておる。民衆駅だと称して、国有地のかけがえのない貴重な土地を、民衆駅と称してこれを作つた。その駅に出て来たものは何であるか。大丸という百貨店である。一日に七、八千万円の売上げをいたしておるという話である。商品を売ることは商店として当然のことであろう。併し何の必要があつて、かくのごときことが意義付けられるか。今日もはや百貨店に対する規制というものは、中小企業者を初めとする大衆、国民の生活安定のために、この際非常なる反省をいたさなければならない事態である。それだけの消費というものは、いわゆる大丸百貨店ができなければ、当然これは中小商工業者の売上げとして、何万、何十万という人々が、それぞれの所を得るということになるのである。にもかかわらず、この国家経理の、予算を濫用して、かくのごときことをいたしておるという事実である。これらを一々指摘いたしますれば、決して一日を以て尽きるものではない。併し私はいやしくも国家の、国民の公僕たる諸君が、朝夕事に当つてあることにおいて、よく御了承になつておられることと思いますので、それ以上これは申上げることをこの際差し控えて、みずから一つお考えを願いたい。かようなことを想像するにつけましても、一日も速かにかようなことは根絶いたさなければ、これはならない。いやしくも、国家国民の経理を、不正不当にこれが使用され、濫用せられるというような行為が明白になつた以上、呵責なくこれを処置しなければ、その及ぼす害毒というものはどこまでこれが滲透して行くのであるか、恐るべきものであります。近来は麻雀というものが流行しておる。私は不幸にいたしまして年を取つておりますから、かような経験がない。併しこの麻雀というようなものも、おおむね高級官吏の間に極めて高級なる遊戯としてこれが平然として行われておる。今日第二次世界大戦直後、世界の各国は営営として独立に、その国の独立を全うしようというために如何に熱心であるか、そして自分は官吏であるというような考えを毛頭持つていない。私は先般も東南アジアの諸国を廻つて参りました。又中国にも行つて参つた。今中国等のことを本日言うことを私は避けます。特に東南アジアの諸国の官吏というものは、その国の再建というものに如何に熱心にやつておるかということの事実は顕著なるものがあります。麻雀なんというものをやつておるところの官吏というものは、少くとも私は東南アジアにはないということを本日断定いたすものであります。然るに我が日本の官吏である諸君は、而も高級官吏の諸君においては、麻雀を高級遊戯として高級なる料亭、高級なる旅館等に入つて、深夜その忍ぶがごとき麻雀の声を聞くことは私はしばしばであります。而も興至ればここに現金をかけるという事実さえある。而も現金をかけるという事実のその麻雀の仲間の中には官吏以外に特別会計或いは政府機関を通ずる民間の政府資金の関係者が混つておるという事実もあるのである。かくて麻雀の勝敗によつてするかせざるかは、我々のいわゆる常識によつて判断ができるところである。これは政府関係機関のそれぞれ民間業者というものがおのずから負けるふうをして、そして官吏であるところのこれらのその事業の当該者に対して利益を得さしめる、かような事実であります。単に決算上の問題をここで承認するしないということは、列席せられておるところの諸君に対してはこの場所を去れば何ら痛痒のない問題であります、個人的には、併しこれがこのままになつたらどうするか、一体かような事実を、我が国の官僚制度の中にこれが毎年毎年千件、千何百件、二千件というようにこれが続けられておる。決算委員会ではこれこれの希望条件を付して爾後気を付けろ、それに対してただ沈黙しておればよろしいということである。当該の大臣も列席しないで、かようなことが一つの我が国の習慣といたしまして行われておりますから、尋常茶飯事でこれは通つておる、併しこの尋常茶飯事である……発言中は黙つていて下さい、無礼です、あとで名前を教えて下さい……一つのそういう事実であります。それでありますから、このままにしておいたら一体どうなるか、必ずこれは最後には国家に革命が起る、暴動が起きる、暴動、革命の元兇であり原因をなすものは諸君であるということは、決して私は過言でないと思います。どうぞ静かに一つお考えを願いたい。私は私利私情を持つて申上げるわけではない。およそ国を亡ぼすものはその国の官僚と、その国のいわゆる財閥、資本家というものが、世界歴史を見ましても、いつも国を亡ぼすところの対象になる。決して大衆、民間の中から亡ぼすという原因は出て来ない。怠惰なる国民であるということによつて、その国が亡びたという実例はございません。殊に今日のごとく国民の知性というものが進んで来た今日の国家の現状におきましてはそういう例は毛頭ない。皆これは国民の税をつかさどるところのいわゆる政府、官僚、官吏というものが最大のこれは基本をなしておる。それと同時に、道義を頽廃せしむるものは、これと相結託するところの国の資本家である、財閥である。今日におきましては、我が国のこの政府関係機関におきましても、日本開発銀行を初めとする金融資本というものが、最も危険を胚胎し、潜在しておるところの行為をいたしておるのであります。国民というものは実に善良である、権力に対しましては常に無抵抗である、殊に我が国家の国民は……。それであるから、我々といたしましては、これら善良なる国民の無抵抗を考え、諸君の権力に対して断固としてこれを膺懲するのである。膺懲することによつて諸君も又その立場をその生涯を通すことができるのである。途中で挫折したらどうなるか、諸君も又その累を受けなけなければならない、深く私は諸書に対してそのことを強く要請して止みません。 本決算に対しまして報告書に私が賛意を表するということは、すでに述べられたる本委員会の多数諸君の意思であり、又私もそれにいたすことを以て同意することを、それらの諸君と一応はいたすのである。又ほかの諸君におきましても、その内意におきましては決して私の意見に対して不賛成をせられるものでは私はないと思うのであります。私があえて諸君に対して氏名点呼を要求いたしたことも、決して諸君をこの委員会の席上において、一人々々諸君に対して礼を失するというがごときことは誠に忍びがたいことである、私もよくその点の常識は心得ております。併しそれをいたさなければ、我が国のかくのごとき決算に対する放縦なる、或いは国民を愚にしたところのこの行為というものがあとを絶たないのであるということを惻々として憂いまするが故に、あえてそれをいたすのであります。どうか本日それぞれ所管の省にお帰りになられるでありましようから、この点は深く全省員に今後かくの如き事態の起きないことを強く戒告せられることを要請いたしておきます。諸君の中には肚の中で笑つて、さようなことは我が勝手だという心事を抱かれる諸君もあり得るやもわかりません。併しそれは決して諸君が職務に忠実なるゆえんでない。職務に対する反国家的行為であるということをよく了承せられたいのであります。のみならず先刻来申上げます通り、この機会に、これら決算に対する広汎なる範囲における官紀の弛緩というものに対して鋭意力をいたされたい。かくて第二の洞爺丸事件というようなものは再び繰返さないように、これらは各省におきましてそれぞれ大小あり得ることを私は承知いたしております。多くを言うことをこの際差控えたいがために、特にこれは一つを申上げて、十、百のことが諸君の胸にはよくこれは御納得のゆくはずであります。官紀の弛緩、官紀の紊乱、綱紀の頽廃というものは、それが如何なる隆々たる国家も一朝にして崩壊するところのこれは原因である。深く只今氏名を述べられたる諸君に対してこのことを要請して、折角官吏として殊に最高の地位におられる諸君の名誉というものが、いやしくも国民から怨府、怨嗟の対象となるがごときことのなきように深く御留意せらるることをこの際要請いたすものであります。 以上を以て私の討論を終ります。
○八木幸吉君 只今議題になつておりまする昭和二十七年度の決算委員会審査報告書に二、三の警告を付して賛成をするものであります。 只今平林委員か縷々申述べられました通り、この昭和二十七年度の決算委員会の審査報告を議する本日の委員会に、委員長の要求がありましたにもかかわらず、緒方副総理を初め、国務大臣が一人も当委員会に出席をされておらんということは、決算に対する政府の考え方を如実に示すものとして、私は甚だ遺憾であるとの意を表するものであります。どうか今日ここに政府並びに各省を代表してお見えになつておりまする方々は、自分の省にお帰りになりまして、当決算委員会の空気が一様に、国務大臣の出席のないことに対して遺憾の意を表明しておつたということを御報告されんことを強く要望をいたしておきます。 さて私の第一に申し述べたいことは、毎年会計検査院が当国会に提出されまする検査報告を拝見いたしますと、その不当事項として指摘されておりまする件数並びに金額は、累年増加の一途を辿つておる状態でありまして、昭和二十五年は千百十三件、二十六年は千百九十八件、金額にいたしまして三十億五千万円、昭和二十七年度は千八百十三件であつて百二億九千万円に上つておるのであります。 その原因として考えられますることは、終戦の後、我が国一般の社会不安が又政府部内に対しましてもかような会計検査院から指摘されるような事項の発生を促した有力なる原因と存ぜられるのでありますが、同時に又長らく吉田内閣が政権の地位にありましたがために、漸次そのなすところが横暴に流れまして、最近における指揮権発動が端的に物語つておるように、政治道徳を蹂躪するがごとき上の行動か、政府部内の官紀を弛緩せしめました有力な原因になつたことも又否むことはできないと思うのであります。併しながら何と申しましても、国の費用は国民の血と汗の結晶でありますから、如何に上層部が弛緩いたしておりましても、政府部内の各部局を担当されるかたは、一銭一厘の金といえどもこれを疎かにできないことは申すまでもない事柄であります。最近会計検査院におきまして、昭和二十七年度の決算報告に掲げられました国損と認められるべき金額の調査をお願いいたしました、その表によりますと、各省並びに政府機関を通じて昭和二十七年度の国損額は三十六億四千百三十五万五千円であります。このうちで一番金額の多いのは農林省の二十三億三百三十六万二千円、その次が日本国有鉄道の三億六千二百二十二万六千円であります。食糧庁につきましては最近の新聞紙上におきましても問題になつておる御承知の病変米の検査のことで、日本内地で検査をするという議が農林省内に起つて、検査の株式会社を一つつくろう、而してこの株式会社には旧食糧庁の高級幹部のかたが役員に座るというようなことが新聞紙で散見されるのでありますが、この決算委員会におきましても、政府の或いは政府機関の外郭団体がとかく問題を起しやすいということは、これは世間公知の事実でありまして、病変米の検査を厳重にするということは、これは我々の双手を挙げて賛成をするところでありまするが、その方法について又再び官紀紊乱の端を発するがごとき外郭団体をつくるというようなことにつきましては、十分この際警告を発しておきたいと思うのであります。又国損の第二位に位する国有鉄道に関しましては、只今平林委員から洞爺丸事件のことについて縷々お話がございました。鉄道会館にいたしましてもその通り、どうかひとり国有鉄道といわず政府機関の関係各位は今後とも一層厳重に、その経理なり予算の効率的使用のために力をいたされんことを希望いたしておきます。 次に部内の検査のことでありますが、御承知の通り行政管理庁の中には地方監察官署というものがございます。相当有意義な調査報告をされておりまするけれども、この組織の中には地方監察官署だけで千三百七十九人の人がおられ、年に五億四千五百万円の費用を使つておられます。このほかに本省においてもなお審査報告の作成のために約百万円、旅費等を三百六十万円も使つておられるという状態でありまして、現在の会計検査院の人員が千百十八名、予算が三億九千九百万円、会計検査院全体よりも二百六十一名、約一億五千万円多いという大きな予算を使つておられるのでありますから、どうかこの機関におきましてもなお一層政府部内の会計監査なり或いは官紀の問題について、一段の御努力をこの機会に希望をいたしておくものであります。 近く政局の変換も必至の状態になつておる現在、どうか政府の関係各位は機構の面におきまして、或いは精神的の訓練の面におきまして、一層綱紀の粛正のために格段の御努力を賜わりまして、次年度の決算の審査を当委員会でなしますときには、見違えるようなよき成績を以て、お互に笑つてこれを喜ぶだけの努力が切に私としては望ましいとお願をいたしておく次第であります。 又会計検査院に対しましても、その機構の拡充、予算の増加等は、当委員会の全員の方々の御希望でありまするから、その方面についても当委員会としても力をいたされましようが、なお会計検査院内部におかれましても、或いは予算が殖えても人が殖えても、一面においては機構を簡素化し、事務の整理配分を合理化し、事務の処理を能率化する等、全体としての能力を最高度に発揮せられまして、本来の使命を全うせられんことをこの機会に希望いたしておきます。 以上私は政府に対して私の警告、希望を申上げて、この決算委員会の審査報告書に賛成の意を表するものであります。
○委員長(小林亦治君) ほかに御発言ございませんか。
○説明員(加藤宗平君) 先ほど平林委員からお叱りを受けました通産政務次官の加藤宗平であります。実は御発言中麻雀亡国論をお聞きいたしまして、私も麻雀は大嫌いでありまして、その感を同じういたしたものでありまして、又役所の首脳部等においてとかくそういう噂のあることも私どもも現に耳にしておるわけであります。そこで隣りに建設政務次官の荒船君がおりましたので、荒船君に建設省のほうはどうかというようなことをお尋ねしたわけであります。事情はかくのごときものであるということを明らかにいたしておくと共に、この決算委員会に発言せられたるいろいろの事柄は、いずれもこれは私どもも同感の至りでありまして、省に帰りましたならば、その趣旨の徹底に努めることをここにお誓い申上げる次第であります。以上明らかにいたします。
○委員長(小林亦治君) 各委員の御発言がなければ、これを以て討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。昭和二十七年度一般会計、同特別会計、同政府関係機関、以上の決算三件はいずれもこの審査報告書案の通り議決することに賛成のかたの御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林亦治君) 全会一致と認めます。よつて昭和二十七年度の決算三件は全会一致でこの審査報告書案の通り議決せられました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これにつきましては只今の討論中にありました意見の概要、希望等を十分に内容付けまして報告書案を作りたいと存じます。その報告案は委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう御承認願うことに御異議ございませか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則第七十二条によつて只今議決することに賛成せられたかたは順次御署名を願います。 多数意見者署名 永岡 光治 飯島連次郎 島村 軍次 平林 太一 八木 幸吉 山田 節男 東 隆 三浦 辰雄 木村 守江 木下 源吾 亀田 得治 谷口弥三郎 青柳 秀夫 石川 榮一 小沢久太郎 雨森 常夫 田中 啓一 久保 等 岡 三郎 ―――――――――――――
○委員長(小林亦治君) それから前回の委員会におきまして、八木幸吉委員から会計検査院の機能拡充のために人員並びに予算の増加に関し本委員会において決議をせられたいという動議が提出され、案文取扱いにつきましては委員長に一任されておりましたが、本日ここに決議案文ができ上りましたので、本件を議題といたします。 先ず決議案文を朗読いたさせます。
○調査員(林道雄君) 朗読いたします。 会計検査院の機能拡充のため予 算増加を要望する決議(案) 近年における国及び政府関係機関 の決算に関する会計検査院の検査報告をみると、不当な経理として指摘せられている件数及び金額は、年々累増の一途をたどり、きわめて憂慮すべき状態にある。しかも、その実地検査範囲はわずかに全体の数パーセントにすぎない実状に鑑み、不正事項の発生防止、予算の努率的使用等の見地よりして、会計検査院の格段の努力を望むと共に、同院の機能を十分に拡充するため人員及び予算の増加は緊要の事項であると認める。 よつて政府は昭和三十年度の予算編成に当り、会計検査院の人員及び検査費等を増加するため必要な措置をとると共に、これが実施につき特別の配慮をせられんことを要望する。 右決議する。
○委員長(小林亦治君) 以上であります。 別に御発言もなければ只今の決議案の通り決することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。 それでは本席に只今東谷会計検査院長が見えられておりますから、只今の決議についての御所見なりを具体的に伺えれば幸いと存じます。
○会計検査院長(東谷伝次郎君) 只今議題になりました会計検査院の機能拡充のため予算増加を要望する決議案でありまするが、会計検査院の機構拡充に関しまして特段の御関心を寄せられまして、かような決議をして頂きましたことは、私ども会計検査院のものといたしましては誠に有難いことでありまして、この線に沿いまして機構を拡充し乃至は会計検査の徹底を期して行きたいと考えておるのであります。この決議案にございますように、政府関係機関は勿論、国の予算執行の実績をつぶさに検査をいたして見ますると、かなりに批判をすべき事項があるのでありまして、その検査の集積といいますか、結果を集めまして毎年決算に添付いたして出しまする検査報告書を御覧願いますると御了承願うことができますように、不正事項、不正の事項というものは数の上から行くと、年々歳々多くなつておるのでありまして、御承知のごとく二十七年度においては千八百件を数えておるのであります。それならば国及び政府機関の会計経理はだんだん悪くなつて行くのかということでありまするが、やはり終戦直後は相当に批判すべき事項が多く、未熟のものも会計経理マンにおりましたし、そのほか一般の世上の終戦後の心理状態が落ちついておりません関係などもありまして、不正の事項が相当あつたのでありまするが、只今申しましたように不当の事項、不正の事項が多いと申しまするが、不正の事項、犯罪に関係するような不在事項はだんだんに少くなつておるのであります。 ただ件数が多くなつておりまするというのは、これはもうすでに御承知でありまするが、補助の関係事項が非常に批判すべき事項、不当な事項が多いのでありまして、これには会計検査院もほとほと弱つおるような次第でありまして、何とかしてこの補助の批難事項、不当事項がなくなるようにということを念願いたしまして、政府当局のほうにも再三御注意いたしておるような次第でありまするが、何分にも補助事業そのものが件数が非常に多いのでありまして、やはり不当の事項は相当に見られるのであります。そこでこの限られたる人員と限られたる予算でなかなか思うに任せませんので、何とか会計検査院の機構の拡充といいまするか、人員を殖やして、それで以て直接国の関係の会計経理の面並びに補助の関係の会計経理の面の検査の徹底を期して参りたいと考えておるのでありまして、実は二十九年度の予算におきましても人員増加を要望いたしたのでありまするが、ときあたかも行政整理の関係などもございまして、会計検査院が要求いたしておる通りには通らなかつたのでありまするが、ほかでは行政整理で相当人が減りますのにかかわりませず、会計検査院のほうは幾らか殖やす、ほんの僅かでありましたが、三十五名でしたか、人員を殖やしまして、そのほうで最も緊急を要するといいまするか、会計検査が国が最も力を入れなくてはならないと考えておりまするこの補助事業のほうを深く広くやることにいたしたのであります。そういたしましても、なお且つ人員が足りませんので、実はまだこれは三十年度の予算として出したばかりでございまして、決定は勿論みておらんのでありまするが、いわゆる概算要求として出しましたものは、只今申しました私どもの検査態度からいたしまして、先ず補助の関係に目を向けまして、補助の関係のための人員増加を要求するということに会計検査院で審議をいたしまして決定し、政府当局に只今概算要求の形で出しておるのであります。 これのごく概要を申上げますると、二十九年度の予算の会計検査院の総額は御案内のごとく三億九千九百万円でありまするが、只今申しました、補助の関係で人員の増加を要求をいたしました関係の経費が一億一千六百万円と、並びにその他の関係で増加要求をいたしましたのが一億七千五百万円ということに相成つておりまして、合計六億九千万円という概算要求をいたしておるような次第であります。そういたしまして人員の増加、機構の拡充といいますかの関係の事項はどういうものかということでありまするが、これもまあ御参考に申上げておきたいと思いまするが、厚生、労働両省所管の補助金の関係で四十人、農林省の一般補助の関係で四十人、同じく農林省の公共事業の関係補助の検査に必要な人員として六十八人、同じく補助の関係でありまするが、建設省所管の公共事業費の関係で四十八人、なお外航船舶の建造関係の検査関係といたしまして二十人、合計二百十六人を要求をいたしておるのでありまして、実はこれだけの要求では無論会計検査院が十分な検査をするということはできないのでありまするが、併し一気にたくさんの人を殖やしましても、教育しながら指導しながら検査をさすのでありまするから、一応緊急と考えておりまする農林、厚生、労働、建設関係の補助の関係に密度を加えて行くというので要求しておるようなわけでありまして、その他直接国の関係の検査の関係につきましては漸を追いまして次の年などに要求をいたしたいとこういうふうに考えておるような次第であります。 只今決議案の御朗読がございました、これに対しまして、感謝の意を表しますると同時に、三十年度におきまして予算の概算要求をいたしております極く概略を申上げた次第であります。
○委員長(小林亦治君) 山本大蔵政務次官がお見えですが如何でしようか。かような決議をしたのでありますが、御努力によつて実現の可能性があるかどうか。それから更に政務次官として御努力願えるかどうかという点をお聞きしておきたいのですが。
○説明員(山本米治君) 先ほど各委員の討論を伺いまして、我々も実に同感するものがあるのでございまして、近年会計検査院の活動は、予算の規模の増大、それから不正事実の増加というようなことに鑑みまして、非常に世間からも注目され、立派な成績を挙げられておることに対しては哀心敬意を寄せておるのであります。そこで併し一方近年まあ行政整理というものを進めておることも御承知の通りでございまして、先ほど八木委員からもお話がございましたが、この会計検査院と並び行政監察という方面も相当の人数を用いておるようでございますから、これらを睨み合せまして、又もとより財源の関係等も睨み合せまして、只今御決議の御趣旨に極力副うように努力いたしますことをここにはつきり申上げておきます。
○委員長(小林亦治君) 有難うございました。
○八木幸吉君 幸い大蔵政務次官がお見えになつておりますので、御参考まで申上げますが、今数字を私申上げましたが、極く簡単に言つて行政管理庁の地方監察官署の五億四千五百万円の経費並びに千三百七十九人の人を、逆に言つて二百人金を付けて会計検査院へ持つて行くということも、極く外部からの監察でありますけれども考えられるわけでありますが、御承知の通り、まあ会計検査院は憲法上のこれは機関でございまして、政府部内の自己監察と違いますから、このほうをやはり拡充するということが無論筋としては本筋だと思います。私は行政整理には非常な賛成論者、断行論者なんですが、極く一例を申上げましても、そういつたところに予算並びに人を埴やす方法は、政府全体としての予算を殖やし、人を殖やさなくてもできるのではないかと思いますので、一つ格段の御努力をこの機会を拝借いたしましてお願いを申上げます。
○説明員(山本米治君) 極力誠意を以て研究いたします。
○山田節男君 先ほど東谷会計検査院長からの御説明もあり、御報告もあつて、先ほど八木委員よりもお話があつたのですが、政情がこういうような工合で、来年度の予算の査定というものもまだ実際的には始つていない。主計官程度で交渉しているようなわけですから、本決議案に基いて、会計検査院当局は、先ほど委員長の示された拡充案、内容を承わりましたが、本決算委員会としての要望はもつと切実なるものがあるということを御了承願いたい。それで更に行政監察のほうの人員を廻すということも一つの方便じやないかということもありました。これも又会計検査院として御検討願いたい。それからこういう決議案を本委員会で可決されたということになれば、やはり会計検査院としても今御説明になつた拡充案をもう一度御検討されて、若し臨時国会に間に合わなければ、通常国会におかれてお出しになれば、時間もあるわけですから、さように一つ委員長からも具体的な点についてはこの決議案に基いて、もう少し今八木委員の言われたような案があるわけですから、更に他の案があるかも知れませんが、さような意見で委員長から或いは理事諸君と御相談の上で、会計検査院として大蔵省に対して政治折衝といいますか、これだけのことは一つ更に我々の失意をのばす意味において、御報告願いたいと思います。
○委員長(小林亦治君) わかりましたほかに御発言もなければ、只今の決議は本日中に内閣総理大臣、それから政務次官はお見えになつておりますが、無論大蔵大臣、会計検査院長にも送付しますが、なお、本院の予算委員長にも参考に送付することにしたいと存じます。それから本決議の趣旨は、明日からの臨時国会におきましても、委員各位の御同意を得て、本会議の決議として別に発議したいと存じます。御了承おき願いたいと存じます。
○委員長(小林亦治君) それから次に調査報告書についてお諮りいたしますが、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、今次閉会中におきまして、国有財産虎ノ門公園地の原形復旧に関する件、及び終戦時貴金属の管理に関して例の県外持出しの事件、この二件について調査いたしておりますので、両件を内容とする調査報告書を作ることとし、調査事件そのものについては、国鉄民衆駅、外郭団体、黄病変米等、幾多の今後に残された問題がありますので、未了のものの報告書を議長に提出したいと存じますが、報告書の作成については、これ又委員長に御一任願うことに御決定おき願いたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林亦治君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。 それでは本院規則の第七十二条によつて、例によつて順次御署名を願います。 多数意見者署名 石川 榮一 平林 太一 谷口弥三郎 永岡 光治 飯島連次郎 島村 軍次 山田 節男 東 隆 三浦 辰雄 八木 幸吉 木村 守江 木下 源吾 亀田 得治 小沢久太郎 青柳 秀夫 雨森 常夫 田中 啓一 久保 等 岡 三郎 ―――――――――――――
○委員長(小林亦治君) 本日はこれを以て散会いたします。 午後一時五分散会