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19回国会参議院1954/02/19

決算委員会 第7号

発言数
68
登壇者
12
会派数
4
開催日
1954/02/19

会議録

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 只今より第七回決算委員会を開会いたします。  本日は初めに決算審査に関する小委員の補欠選定についてお諮りいたします。小委員でありました宮田重文君が去る二月十二日委員を辞任せられたため、小委員が一名欠員となつておりますが、一昨十七日同君が再び本委員に選任せられましたので、この際再び同君を小委員に指名選定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。それではさよう決しました。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 次に本日の議題に入ります。本日は昭和二十六年度決算三件を議題といたします。本件に関しては、食糧庁所管につき審議中でありますが、都合により本日は通商産業省の部を問題に供します。  初めに八百三十号から八百三十三号について専門員の説明を求めます。

波江野繁常任委員会専門員

○専門員(波江野繁君) 八百三十号は、黒鉛の輸入に当り処置当を得ないため国に損害を与えたもの、こういう案件でありまして、その事件の内容を大体申上げますと、二十四年の四月に長豊企業股ふん有限公司という会社と通産省は、朝鮮産土状黒鉛三千トンの輸入契約を結んだのであります。実際の取扱いは鉱工品貿易公団で取扱つておりますが、契約の相手方は、通産省がこういう契約を結んだのであります。ところがその三千トンの契約の、この契約物件の取扱状況を見ますと、第一船分は二十四年の四月に入港しておりますが、これにつきましては、当時の実務担当者である鉱工品貿易公団におきましては、品位について同年の八月クレームを提起し係争中であつたのでありまして、そこで二十四年の十月に入港いたしました第二船分、数量約千五百トンにつきましても、引取りを拒否しまして、この公司はこれを保税倉庫に収容保管していたのであります。ここに問題になりましたのは、この第二船分に関係したものでありまして、通産省は二十六年の二月に、この第二船分が契約通りのカーボン含有率があるものとして全量を引取り、代金を支払つた上これを矢作製鉄ほか六社に売渡したのでありますが、買受会社におきましては、このうちの千百トンにつきましては保証品位が不足であるということで、通産省に対して値引きの請求があり、結局通産省においてはこれに応じまして約四百万円を返してやつた。従つて四百万円の損害をこうむつたと、こういう案件であります。  なお、こういうクレーム付きの、公団で引取りを拒否して収容保管中であつた品物を、二十六年に通産省がなぜ引取つたか、そのいきさつにつきましては、この説明書に出ておりますが、通産章のほうではいろいろこれについては慎重に引取りを拒否するなどの態度に出たのでありますが、契約の相手方の有限公司におきましては、当時総司令部を仲立ちとしまして、この引取、契約の履行を迫つて来た。そこで通産省ではいろいろ折衝して、そこで値引その他の契約の更改をやつた。そうして値下をして引取ることに両方立会の上で試料を採つたと、こういうようないきさつは一応説明書に記されておるのであります。  そこでこの問題の要点は何かといいますと、検査院の指摘の要点は、土状の黒鉛は品位が不均一であるというのが通常であるし、而も第一船分につきましてはクレームが出ておる、こういうような品物であるから、この品位については十分に供試品、いわゆるサンプルを取つて、そうして厳重な検査を行なつて、含有率を算定して支払代金を決定しなければならんのに、当時工業技術院が定めた非金属鉱石の試料採取方法、こういうものもあつたのであるのに、こういう採取法によらなかつたがために、このような返還金を支出するというような結果を来したのである、こういうのであります。当局の見解といたしましては、このサンプルは東京工業大学に分析を依頼したのであつて、間違いがないと思つた。こういうふうに書いてあるのでありますが、問題は東京工業大学の分析がよかつたか悪かつたかというのではなくて、その試料の取り方、これが適正であつたかどうかという点であります。専門員室のほうで両方のいろいろの事情を更に伺いましたところ、結局当局といたしましては、当時相当慎重に試料は取つたはずではあるが、こういうように正確に取つたというような精細な記録が現在残つておりませんので、従つて現在におきましては、検査院のこういう試料の取り方が不十分であつたという批難を受けましても止むを得ない、こういう見解のようであります。  次は八百三十一であります。これは輸入実務委託契約に当り処置当を得ないもの、こういう案件であります。この事件の内容を御紹介いたしますと、通産省は二十五年四月米国人文科学関係書籍総額二十万ドル、これの政府輸入計画の実施に当りまして、競争入札方法を以て極東貿易株式会社に輸入販売の実務を代行させたのであります。この書籍の購入をなぜ政府貿易の形においてやつたか、これはこの説明書によりますと、総司令部からの要請があつた、これに対して通産省では民間貿易によるべきであるというような主張をいたしたのであるが、総司令部の強い要求によつて政府貿易、こういう形をとつたのであるというふうになつております。そこでその輸入販売の実務を極東貿易にさせたのであるということであります。而うしてこの実務を代行させるにつきましては、どういう内容であるか、これにはいろいろ検査院の説明にも出ておりますが、その一、二を申上げますと、この会社は国内の小売商を通じて書籍の受注をなして、前受金を収納すること、その他いろいろ出ておりますが、前以て金を取つて、そうしてそれをアメリカのほうへ払つて本を送つてもらう、こういうような計画で初めはあつたのであります。但し途中におきまして、この前金予約方式による輸入、これが変更になりました。なぜかといいますと、これは国内の購読者に不便であるというような理由で、その予約方式が変更されまして、あとでは書籍の前送、代金の後送による委託販売方式というものに変つておるのであります。こういうような形で極東貿易に輸入販売の実務を代行させましたところ、この会社は国内関係におきましては、小売商から受取つた前受代金の一部をほかに流用いたしている。そうして小売商には現品を渡さなかつた、そのために契約の相手方は政府でありますから、政府がその小売商に対して前受金の一部を返還せざるを得なくなつた、その金額が約一千万円になります。又アメリカとの関係を申しますと、アメリカに対しましては、この会社が前送書籍代の大部分を送金しなかつた。こういうために今度は日本政府たる通産省は外貨送金の止むなきに至つた。従つてこの金額は約二千万円を政府が払つた、こういうことになつたのであります。従つて両方合計約三千万円というものが極東貿易株式会社のために、政府は余計な支出をしなければならなかつた。この三千万円は勿論極東から取返し得る性質のものでありますが、その会社は業績がよくありませんので、現在取れておりますのはその半分にも達していない、こういうのがこの案件の内容であります。検査院の指摘の要点を申しますと、このような損失を生じた直接の原因は、その会社の不信行為によるものではあるが、直接は不信行為だが、間接の原因がもう一つある。これはこの会社は入札決定前にすでに他の問題で通産省との間にクレームの問題が起つておつたのであつて、信用、能力の点において、政府代行をさせることには相当疑問があつたはずのものであるのに、これを選定し、そうしてその契約保証の内容を見ましても、一流銀行の保証状を要求しながら、単名手形を受領しておつたし、手形の支払期間満了後も何らの処置もしていなかつた。又書籍の輸入方式が二十五年の十二月に変つたのでありますが、この実務委託契約の改訂による代金収納方を確保する処置も講じていなかつた。そうして単にこの会社の善意な或いは誠実な実務代行を期待することに終始しておつた。こういうふうにしか見えないし、その後この会社に対して当然なさるべき監査も行なつたような形跡もない。従つてこの政府損失の間接の原因としては、通産省当局の担当関係者の契約締結についての注意の不行届きと監督上の過失にあるものと認めざるを得ない、こういうのが検査院の指摘の要点でございます。これに対する当局の説明としましては、どうもこの会社の実務代行業務が次第に円滑を欠くに至つたことを発見したので、いろいろ調査したが、どうも思わしくないような事態も判明して来た。そこで極東貿易固有の書籍に対して質権を設定して、政府損失の回復を図つたり、或いはその担保書籍の売却、譲渡、債権の取立て、そういうようなことも極力努力して、約三千万円の半分に近い点までは回収に努力した。こういうふうに努力はしたが、要するにこういうような結果を来したのは、検査院の御指摘の通りであるが、当時の関係官がこのような事務に不馴れであつたこと、並びに書籍の輸入販売は件数が非常に厖大に上つて、その処理が複雑であつたことに起因するものではあるが、いろいろ不行届きのあつたことは甚だ申訳のないことである、こういうような説明になつております。現在もまだその回収ははかばかしくないようであります。  なお極東貿易につきましてはもう一件、あとのほうで又御説明申上げますが、八百三十六に同じ問題がありますことをちよつと申上げておきますが、内容はそのときに申上げます。  次は八百三十二号でございますが、物品輸送費の支払に当り処置当を得ないもの、これは実は意見の対立がありますので、この内容を申上げます。会計検査院の指摘の要点は、これは大阪通産局で扱つた輸送費、それから東京通産局の横浜通商事務所で扱つた輸送費、この二つが一つの案件の中に含まれております。そうして意見の対立は、大阪通産局の関係のものについてでありますので、問題を分けて申上げます。  検査院の指摘の内容は何であるかといいますと、両方とも輸送費の中には積込料と運送費が含まれておりますが、その計算は容積百才を以て一トンとすべきであるのを、容積四十才を以て一トンとして計算し、支払つておるから、輸送費の支払が過大になつておる、こういうのが検査院の指摘の要点でございます。そこで今のように場所が二つに分れておつて、これによつて内容が違いますので別々に申上げますが、当局の見解としまして、先ず大阪通産局関係のものについて申上げますと、積込料につきましては、これは港湾荷役業者の任意によつて作業が行われたため、港湾作業料率四十才一トンを適用した、それから運送費については、検査院の言う通り百才で計算してあるので、間違いはないはずだと、なおこれについては検査院のほうでは重量制運賃統制額の適用に当つて、割増率表に認められない闇大品割増を行なつていると指摘されておりますけれども、こういうものは行なつておりません、こういう次第でありまして、両方とも検査院の意見に対立しておるのであります。  そこで私どものほうでいろいろ事情を、両方のお話を更に詳しく一応調べました結果を御報告申上げますと、その積込料のほうの問題がなぜこういうふうに見解が違つて来たか、その点は実は当時物価庁告示が何本かありまして、それには港湾作業料率表とか小運送料金表とか、貨物自動車運送事業運賃など、いろいろな物価庁告示が別々に出ておるのでありますが、この港湾の仕事は海岸の倉庫にあります荷物を自動車なり或いは貨車に積込んでほかの倉庫に移した、そこでその積込料と輸送費があるわけでありますが、今の港湾作業でいわゆる沖仲仕が扱います積込料については、四十才を一トンとするというのは物価庁告示でも認められておりますし、又そういう慣習はあつたのであります。従つて一応こういうことも考え得るのでありますが、この案件は海岸にあります倉庫から荷物を出して、それをほかのものに積込んでそれを陸上の貨車とか或いは荷馬車で運ぶ、こういういわゆる一貫した契約のものでありまして、別々の単に沖仲仕の積込料だけの契約でありますると、四十才でよろしいのでありますが、こういう一貫したものについてはどういう計算になるか、その陸上の場合においては百才を以て大体一トンとするというようなことになつておりますので、こういう一貫したものについてはどういう計算をすべきかという、この物価庁告示にはつきりした規定がありますと問題はなかつたはずであります。ところが今のように港湾作業料率に関する物価庁告示によりますと、四十才を一トンとするというのが出ておりまするし、又ほかの物価庁告示で陸送のものについては百才を以て一トンとすると、こうなつておりまして、一貫したものについての規定の明文がなかつた、そこでこういうような問題が起つたのであります。そこでいろいろ検査院の御意見を聞きますと、これは物価庁告示が当時この作業料或いは運賃料金に関する告示が幾つかありますが、これを通覧して見ますと、このように一貫した作業につきましては陸上運賃に適用される。大体それは百才が一トンという数字になります。そういうものを適用すると、こう解釈すべきであると、こういうような解釈からこの批難が出て来ておるのであります。通産省のほうでもいろいろその後公の解釈その他についてもお考えになりまして、結局のところ今のように明文がないものですから、初めから誤りてあつたと、こういうこともむずかしいようでありますが、然らばその四十才を以て一トンとすると、その積込料については四十才を以て一トンとするという明文もないのでありますので、この点につきましては、現在としましては検査院の見解に、解釈といいますか、見解に従うのほかあるまいと、こういうふうに現在では意見がなつておられます。  第二の輸送費につきましてはこれも又今のように、なぜ通産省のほうで百才を以て計算しておりますというのに対しまして、検査院は四十才を以て計算している、こういうことになつたかと申しますと、これは検査院のほうの説明によりますと、払つた輸送費があり、その金額から逆算してみると、百才を以て一トンとした計算にはならん、四十才を以て一トンとした計算になる。若し百才を以て計算するならば運送費はずつと金額が少いはずであるのに、この金額は逆算すると四十才になつている、こういうところから来ているのであります。この点につきましても通産省のほうにもいろいろ承わつたんですが、百才で計算には間違いないはずではあるが、併し現在その通りだという実は詳細な資料がないと、これは資料がありますれば事実のことでありますから、すぐ右か左かわからなければならんはずのものと思うのでありますが、今のそういう資料がないから現在においては成るほどこういう計算になるといわれますと、検査院の指摘もやむを得ないと、こう思わざるを得ません、こういうのが現在の御見解のようであります。従つて大阪通産局関係のものは、この説明によりますと意見が対立したのでありますが、その後今両方の意見を交換されました結果は、通産省のほうでも大体検査院の指摘を認めざるを得ない、こういう御見解のように見受けられるのであります。  次は東京通商産業局の横浜通商事務所の問題、これはもう明らかに計算違いで検査員の言う通りのことであつて、過払金は十一万円でありますが、これはそのまま、この金額はその後回収した、こういうことであります。  もう一つ、次は不正事件でございますが、この不正事件は会計課におりました者が自分の職務を濫用しまして、すでに廃棄された御用済みのいわゆる廃棄小切手に官印を捺していわゆる偽造小切手で金を受取つて、これによつて国に損害を与えた、こういう案件でございます。  以上申上げます。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 次に検査院の説明を願います。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) 最初八百三十号について御説明申上げます。  一口に申上げますと朝鮮産土状黒鉛を二千余万円で売りまして、品位について買受人から苦情がありましたので四百万円値引した、こういう事態でございます。こういう事態が発生するに至つた経過において遺憾な点があるということでありまして、その点はこの朝鮮産土状黒鉛が第一回に来た場合日にクレームが付いて問題になつておつたわけでありますが、本件は第二回分でありまして、これについても引取りを拒否しておつたわけであります。その後只今御説明がありましたように、品位を試験した結果、契約通りの品位のものがあるということで取引されたのでありますが、これはその試験品をとる場合に厳格なる方法でとらなければならん、こういうことになつておりまして、これは円錐四分法と申しまして、円錐形に積み上げて結局それから流れ出る。そうしますと、不均一の品質のものが偏らないで試験品がとれる。こういう仕組みの円錐四分法というのでありますが、それによつてやらなければならんわけでありますが、それによつてやられなかつたために、結局試験せられたものが契約通りあつたという事態が起つておりますけれども、その後売られてから品位が契約品位に達しないという事態が起つたのは、只今申上げました、試験に供する材料のとり方がまずかつたという点にあると考えておるのであります。  それから次は八百三十一号でありますが、これは外国図書の輸入に関しまして、極東貿易に実務代行をいたさせまして、その間千八百余万円の損失を生じた、こういう事態でございます。これは最初のときは小売商その他実需者から代金を前納させまして、これを日本勧業銀行に特別口座を設けさして極東貿易の名儀で預金さしておる。そうしてそれから逐次政府のほうに代金を納めて行くと、こういう仕組でありましたが、その後これでは不便であるというので、先ず外国から本を送つてもらつて代金を向うに送つて行くとこういうふうな取扱になつたわけでありますが、その間におきまして極東貿易が前受金をとりました四千四百万円のうち千六百万円をどこに流用したかわかりませんが、流用したという事態が起りまして、その問その会社の売掛金等を捜査しまして、結局において千百万円というものを小売商とか或いは実需者に前受金をとつておる関係上、政府が払つてやる、こういう事態と、更にあとの方式になりまして、外国から図書を送つてもらつたが、代金が送れないということで政府が二千百万円を負担して外国に送つた、合せまして三千三百万円の政治が負担をせざるを得ない事態になつたわけでありますが、その後千五百万円ほど入りまして、千八百万円が結局先ほど申上げましたように政府の損失、こういう事態になつておるわけであります。こういう事態が起りましたのは、結局極東貿易の資力、信用等が十分でなかつたという点、これはまあクレームも起つておつたということもありますが、資本金が五百万円、或いはこの指名競争に一緒に入つておつた丸善その他から比べますと、こういう仕事を始めたのが非常に新らしいというようなことから考えまして、必ずしも資力、信用等が十分であつたというふうにも考えられない節があるわけであります。そういうものを指名されたという点が第一点であります。それから次は最初の方式の場合には確実なる担保を提供するということになつておりましたが、単名手形をとられておつたに過ぎない、それも支払期間満了後そのままにしておかれた、こういうことであります。それからあとの方式をとられました場合に、輸入しました図書を極東貿易に渡すわけでありますから、その代金を確保するために確実な担保をとるとかいうような措置をとられることが望ましいことだと考えるのでありますが、その点がとられてなかつたということでございます。それからなお更に通産省のほうの関係を考えてみますと、こういうふうに前納金をとつて政府に納める、そうしてそれも監査できるというふうな形になつておるのでありますから、相当これについて十分な監視をされるというようなことがあつたならば、こういう事態も起らなかつたであろう、或いは比較的損害も少くて済んだんではなかろうかと、こういうふうに考えるのであります。  それから次は八百三十二号であります。これは先ほど御説明がありましたように、少しごちやごちやしておるかと思いますが、この事態は大阪とそれから横浜の問題であります。わかりよいほうから申上げますと、横浜のほうは結局仕事の内容を申上げますと、倉庫から自動車のところまで荷物を運びましてそれを積込んで向うへ運ぶ、こういう仕事であります。その場合には自動車のところまで運びますまでは四十才を一トンでやるということは、これは当り前だと思いますが、積込みましてから後の段階におきましては百才を一トンでやるというのが建前になつておると思います。それをちよつと申上げますと、昭和二十三年六月の物価庁告示第三百四十四号にこういう趣旨のことが出ております。水揚げ又は艀積みと一貫して車馬積み又は車馬卸しをなしたる場合は本料金に小運搬料の車馬積又は卸料を加算する。この小運搬料の車馬積又は卸料を加算するということが、只今申上げました百才を一トンとするという趣旨になつておるわけであります。この点については積込みから自動車の点についても四十才を一トンとされておりましたものでありまして、検査院の見解通りにお取りになつて返納されておるわけであります。それから次は大阪の分であります。大阪の分は倉庫から横浜と同じように積込み場所へ持つて行きまして積込むまでの仕事の分と、それから又別のほうは積込んでから更に汽車なりで輸送して行くまでの仕事とがあるわけでありますが、その料金が全部でここで書いてありますように二百四十四万円になつておりますが、そのうち車に載せまして運びます関係の分はこの一割相当額、約二十万円相当のものでありまして、大部分は積込みまでに属するものであります。その点につきましては只今横浜のほうで御説明しましたように百才を一トンとして計算すべきものだと、かように考えております。それからこれは極く一小部分で特にあれかと思いますが、汽車で運びます場合には、結局車扱ということになりまして、十トンであれば十トン分の料金を払うということになるかと思いますが、実際のを見ていますと、麻について言いますと、一俵が百五十キロしかないものが、実際計算から見ますと三十キロあるというような計算と同じようなことになつておるわけであります。これはまあ只今申上げましたように約一割相当のもので、ごく一小部分のものでありますが、大部分につきましては百才を一トンとすべきものを四十才を一トンとされたことから、こういうふうな支払が過大であつたという事態が発生しておるのであります。  それから次は不正行為の点でありますが、これは前後三回に亘つておりまして、第一回はすでに決議書ができて、支払済の決議書を利用して更に小切手を振出して金をとつたという事態と、あとの二回は小切手が破棄されるべきものをそれを使つて而も官印を盗用して日本銀行から金を引出した、こういう事態であります。これにつきましては結局監督が不十分だというところに尽きると思いますが、小切手の取扱につきましては今の破棄したようなものについては、これは朱書して破棄したものだということを表示しておくというふうな取扱になつておりますのでありますが、そういう点がなされていなかつたということと、官印の保管必ずしも十分でなかつたというような点に鑑みまして、通産省におきましても今後はこの点を十分きちつとやられるというふうな措置をとつて来られております。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 次に当局の説明を求めます。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 第一点の八百三十号の黒鉛の問題でございますが、通産省としまして黒鉛のようなものにつきましては、すでに第一船についてクレームがあつた関係もありまして、相当慎重に扱つて参つたのでございますが、それで向うの商社とこちらと立会いまして試料をとつて工業大学に試験をしてもらつて、それによつて輸入品の引取を行なつて代金を支払つた。ところがそれを各需要家に払下をいたします際に、そのうちの一部は、例えば第二船分は千五百トンばかりであつたのでありますが、そのうちの四、五百トンのものは何も文句なしに引取つて処理ができておつたのでございますが、たまたま相当大部分であります千百トン分につきましては、実際に計つて見ると、当局の言つたような品位がないということでクレームが生じて参りまして、慌ててこちらも更に仔細に検討いたしましたところ、買受人から主張したような試料しかなかつた、或いはそれ以下であつたということで、それ以下の分についても向うの言つた通りの高い金額で換算しまして金を返したというふうな次第になつております。従いましてこの試料のとり方にも恐らく万全の策を講じたものと思いまするし、今申上げたようにそのうちの一部につきましては円満に受渡しも済んでおるというふうな関係にありまして、必ずしも全部が誤つておつたとも思われないのでありますが、ただ実際問題といたしまして、試料のとり方をこうやつてとつたというような記録も残つておりませんで、この辺につきましては会計検査院の御指摘を受けてもやむを得ないというふうに考えておる次第でございます。  次の八百三十一号の書籍の輸入の問題でございますが、実は先ほど専門員からの御説明がありましたように、この当時はすでにいわゆる民間貿易が行われておつた時代でございまして、通産省としましては、アメリカからの書籍の輸入についても、一般民間貿易でやつて欲しいということで数次に亘つて折衝をいたしたのでございますが、日本の教育方面に非常に関心を持つておられる関係方面では、これは是非国営でやつて国の力でいろいろ書籍を配分するようにしろというようなきつい内命、指導でございまして、やむを得ず一般には民間貿易であつたにかかわらず、この件に限りましては国で取扱をするというふうにいたした次第でございます。併しながら国が直接売買の衝に当るというわけにも参りませんので、関係方面の指示によりまして、まあこれも当然でございますが、一般競争入札ということにいたしましたところ、この極東貿易が一番安い値段でこの取扱いをするということの申出がありまして、私のほうも、いろいろ調べましたし、関係方面も厳重に調査いたしましたが、あとでも出て参りますように、この極東貿易はいろいろな雑貨の扱いもいたしておりますが、書籍についても相当の仕事をいたしておりまして、従いましてその点についてはそう心配ないものと考えまして、こういう取扱いを、而も入札で一番安かつたということを考えまして、これに取扱いを委託いたしたわけでございます。ところが恐らく最初の間は一般小売商を通じて前受金をとつてアメリカから書籍を入れる、それに対して代金を送るということが円満に行つておつたのでございますが、途中から、恐らく昭和二十五年丁度ドツジ・ラインの前後の問題で、貿易商社も相当混乱しておつた時代の関係かと思うのでございますが、一部これをほかに流用した、従つて折角小売商から注文をとり前受金までとつておりながら、書籍を送らない、又後には前受金をとることをやめまして、アメリカから現物を送つて参りまして、売れただけドルで送金するというふうにいたしておりましたが、その受取つた書籍を売りましたが、その代金を積立てておらなかつた。従つてその代金はこちらから送らざるを得なかつたというような関係になつておるわけであります。その間、只今検査院から御指摘になりましたような担保等の問題もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、当時といたしまして最低価格で入札したものに扱わせ、而も初めの頃はこれがスムーズに動いておつた。ところが途中から今申上げたように恐らくは新興商社のあの当時の経済情勢に捲込まれまして、左前になつて参りました関係上、折角前受金を持つておつたものを使い込んだ。或いはアメリカから送つて参つた書籍を売払つた代金を使い込んでしまつたというふうな結果になりまして、こういうふうな結果になりましたことは非常に遺憾なことでございます。我々といたしましては、これの事態が判明いたしますと、直ちにこの代金の取立てに努力いたしまして、商社が持つておりました関係の書類は勿論のこと、一般の図書も差押えをいたしまするし、又小売商に対するこの問題とは関係のないいろいろな売掛金というふうなものにつきましても、これを債権譲渡いたさせまして取立てに努力いたしまして、今日におきましては約千五、六百万円の回収は終つておるわけでございます。ただその後の状況を見まするというと、何分にもなかなか不況が続いておりました関係上、現在では取立ては殆んど困難なような事態になつておるわけであります。こういう事態になりましたことは誠に我々としては遺憾に存じておる次第でございます。  次に八百三十二号の物品の輸送の問題につきましては、いろいろ解釈の違い、或いは又例えば港湾にありまする倉庫の荷役につきましては、これを倉庫から陸上輸送する場合は陸上運賃、倉庫から船に積み込む場合は海上荷役賃というふうな関係こなつて来るのは、法律的にも当然ではございまするが、実際問題といたしましては、沿岸倉庫からの積込み、積卸しというようなものは大体港湾荷役の人夫を使用いたしておりますので、港湾の扱いでやつて参るのが常識のようなふうにもなつておつたように窺われるのであります。併しいずれにしましてもその当時ございました物価庁のきめましたいわゆる運賃輸送費の公ということに違反しておるというふうに思われますのはやむを得ない点ではないかというふうに考えておる次第でございます。なお東京通産局関係の過払の問題につきましては、これは判明いたしましたので直ちに回収したような次第でございます。

福井政男通商産業大臣官房会計課長

○政府委員(福井政男君) 八百三十三号の件でございますが、これは先ほどお話の出ましたように、職員の不正事件で、会計課の若い職員が二十六年の十二月の終りに非常に会計事務の輻湊いたしておりますときに、犯罪を犯した事件でございますが、一月の十三日に会計のほうで発見いたしまして、直ちに手配をいたしまして、すでに二十七年の七月の二十九日に起訴されまして、判決も決まつておるわけでございますが、監督の不行届きでありました点は誠に申しわけない事件であると存じております。その後仕事のやり方、監督の点等につきましては、十分気をつけてやるような仕事の仕方をいたしておりますが、なお当時の責任者に対しましては、それぞれ適当な処分を行なつた次第でございます。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 御質疑おありの方は御発言願います。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 総括して尋ねるわけなんですが、取あえず今この会計課長から弁明のあつた八百三十三号をもう少し詳しく説明をこの事件について伺いたい。まあ会計検査院からも先刻話があつたが、極めて事柄は、この事件の取扱いに関してそういう不正行為が行われたということで、一応まあ尽きるわけなんです。従つて、まあ会計課長からもそういうような御答弁であつたが、こういう問題は官紀紊乱の重大なる一つの集結せる結果として現われた事件とみなさなければならない。これは一つ内部からこういうものが、いやしくもこういう事件はその会計課の取扱い当事者によつてこういうようなことが行われるということは、我々をして言わしむれば、こういうことが発生することが発生すべくしてこれは行われたことではない。何かこの裏面に胚胎する一つの影響なり刺戟があつて、こういう事態が起つて来たのだ。だからこういう事件の発生するということは、いわゆる世俗で申せば、病膏肓に入つた結果出て来たのです。周囲の事情、上司のやつておる行為、そういうものに対する一つの心理的な影響、或いは刺戟というものが、こういう事態を起して来たのではないかということを非常に考えなくちやならん。従つて、こういうことが出たことに対しては、これがつまり発覚せざる、潜在しておるものが、この経理の上になきにしもあらずということを、我々決算委員会の性格としてはこの際十分に究明して、そうして爾後においてこういうことに対する厳たる反省を、粛正をこの際求めなければならないわけです。だから当時の会計課長は何の何がしと、それから取扱いはどういうような方法で、こういうことができたのだかということを、詳しく説明せられたい。

福井政男通商産業大臣官房会計課長

○政府委員(福井政男君) 説明員から当時の状況を御説明申上げさせます。

山保吉太通商産業大臣官房会計課主計班長

○説明員(山保吉太君) 只今の御質問でございますが、当時内部的に何かそういう内在したものがあるのじやないかというようなお話でございましたが、この本人はいとこの家に下宿しておりまして、そのいとこが、その犯罪を犯す三、四カ月前に結婚いたしまして、その部屋が隣に……二室しかありませんので、お母さんがおりまして、本人はその隣の部屋にいた。ところが、結婚したので、家にいるのもどうも何となく淋しいというので、役所の帰りに友達と酒、或いは麻雀というようなことで夜更かしをしていたようであります。そういう事件のあるその前は、非常に本人はまじめな男でありまして、将来有望であると考えられておりまして、育ててやりたいと考えておりましたが、そういうような事態と、それからもう一つ、会計のうちに多少不良性を帯びたような人間が二、三人おり、そういう人間とたまたまつき合つておりまして、しばしば遊んで歩いたという、短期間の間でございますが、そういう結果において金の必要が出て来た。それでたまたま自分がそういう職に従事しているのを機といたしまして、一件は十二月の十三日でございますが、一万五千円の小切手を正当に振出した後にその原議を引抜き、最初振出した小切手の振出年月日、小切手番号を抹消いたしまして、その原議を再び使いまして一万五千円の小切手を作成し捺印を求めたのに対し、この印鑑保管者は、印鑑を捺すのは別でありますが、それを正しいものと思いまして印鑑を出して捺したのであります。その後その壱の上に拾の捺印をいたして拾壱万五阡円といたしまして銀行から引出したというのであります。  それからあとの二件は十二月の二十八日でございますが、当時私のほうの小切手は、ふだんでありますと一日五、六十件が普通でありますが、二十八日はできるだけ業者に支払つてやりたいというので、四百近くの小切手を振出しました。その際に、本人はそれを狙つておりまして、故意に小切手を間違つて書いたのです。そうしてそれを折りたたんでおきまして、先ほど会計検査院のほうからお話がございましたように、実際でございますと、朱線を引きまして抹消しなければならないのでありますが、非常に当時、その二十八日は作成、それから支払で、まるで会計内は混乱状態でありました。夜の八時頃まで支払をいたしました。その間において、本人は、官印を捺す人間は庶務係長であります。その庶務係長のところに行きまして、いちいち捺してもらつていたのでありますが、たまたまその官印の箱の鍵がかかつていなかつたのじやないかと思います。その鍵のかかつていないのを機といたして、自分で官印を取出してそうして判を捺した。そうしてそれを二十八日それから翌二十九日、御用じまいの、官庁も休みになりますから、その一番大きい五十六万という金額を支払つたわけであります。それから新年に入りまして、本人の出て来ないのを我々不思議に思いまして、どうしたのだろうと言つて、家に問合せましたところ、本人は暮に出たきり家に帰つて来ない。その際いろいろ身に付けたものもあるし、それから又金も多少持つていたようだというので、これは何かあるのじやないかと我々は怪しみまして、帳簿と十二月に支払いました現金とを全部取調べましたところ、その三件が怪しい。それから日本銀行に行きまして、日本銀行の現金支払原簿と照合いたしますと、全くこの三件がすでに不正に下げられておるということが発覚いたしました。それで直ちに本人を手配いたしまして、その不良性を帯びている友達の挙動、その行く先を詮索いたしまして、或いはこういうところじやないかというのでいろいろ人を八方に走らせまして、熱海のほうに行つておりましたのを我々の手で抑えて参りました。それで本人に自首するように勧めまして、それで自首をいたしました。そのときに使い残りの全部の金を回収いたしました。なお、本人が身に付けておりました洋服、それから何か多少の家財のようなものを売払いまして、その金額も回収いたしました。それから親のほうからも多少出してもらいました。まあそれでできるだけの国損を少くしようと努力したわけであります。  それから先ほどの平林先生からの何か潜在している、堕落して悪いようなところがあるのじやないかというお話がございましたが、当時はそうしたことは一般にはなかつたように私は思つております。全く不良性を帯びた二、三の者の行為であつたのじやないかと考えております。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 今会計課の説明員であるから、これは会計課長の足らざるところを補足する意味で説明したというふうにこちらは聞いておる。会計課長に、私は決算審査の意味において十分それを警告をしなければならん。事件のできたこのことについては、この当人のやつた行為に対しては、その通りである。併し決算がこれを審査するところの目的というものは、この当人に対することよりも、より遥かに大きなこういうような事態に対する監督、いわゆる上司である、或いはその機構、そういうものに対する何を是正して行かなくちやならんということが、我我の使命なんです。誤解のないように……。それでここへあなたがたが、企業局長もここへ来ておる。今日はあなたがたがここへいらつしやるということは、我々と質問応答をしに来るのじやないのです。言葉の上では質問と称するが、これは一般の国政に対する質問とは違うのだ。事態を究明する或いは訊問を受けるという御態度でおいでを願わなければ、百年河清を待つても、こういう問題はあとを断たないわけです。そういうことでありますれば、こういうことは当然誰にも一つは間違いはあるのだ、官庁の複雑な事務の中で間違いがあるのだ、だからその間違いに対して間違つたから遺憾であつたと、こういうことではいつになつてもそれはできない。併しそういうところに大きな、つまり内在する国家財政の中の犯罪行為というものが行われるわけです。そうでなければ今日造船船舶においていやしくも運輸省の官房長であるとか或いは今井田審議官であるとか、そういう事件が起るはずがないのです。それだからこういう機会を通じて事件になつた何がしという者は只今お話の通り、これは司法裁判で、当然これは処理されておるのです。監督に当る会計課長がかようなことができたということに、この当人がやつたことだからと言うて、それを何かその人間がやつた不正行為であつて、不正のことだということで、それで済ますということは、そういう狭い見地においてこういう審査をいたしておるのではない、それをよく一つ頭へ置いて頂きたい。会計課長は当時の官房長でしようから責任もあるが、淵源すれば大臣にも重大な責任があるわけです。そういうことは職務上の単なる過失というものではない。むしろ職を賭すくらいのこれは責任重大な問題なんです。過ぎたことであるから、今日あなたがたに対してそういうことは申上げるべきでない。併し通商産業省のあなたがたの行なつておりまする行為の上に、或いは思い当ることもあり得るかも知れない。ないことを国家のために願う。そういう意味でこれは何しておるのですから、会計課長からこれに対しまする、この事件の起きたことに対する監督上の或いはどういうところでこういう事件ができたのかということを、一つ広い意味で我々の究明に答えてもらいたい。質疑応答ではない。そういう事情を一つ十分誤解のないように願いたいと思います。

福井政男通商産業大臣官房会計課長

○政府委員(福井政男君) 職員の不正事件は誠に申訳ない事件であると存じております。その後、会計検査院の御指導等を得まして、仕事の処理の仕方等も改善いたしまして、今後万遺漏のないように私ども努力いたしておるわけでございまして、御了承頂きたいと思います。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 私の申上げましたことは、非常に言葉が多いが、それでもよく一つ御承知なされて鋭意国家のこういうことが、いわゆる綱紀の弛緩と申しますか、国政の秩序の根本なんです。これが崩壊して行つたら、まじめな国民というものの思想にどういう影響を及ぼすか、この集積したものが国家の予算となつて、これが通商産業行政及び通商産業を通じて国力の発展に寄与することができるわけでありますから、そういうことも十分一つお考え願いたい。  八百三十一号についてもう一つお尋ねいたしておきます。これに対しましては只今御説明がありましたが、極東貿易株式会社を競争入札によつて選定してやつておるうちに、こういう事態になつたと言われるが、初めのうちはよかつたのたが、それが中間か或いは終りに、とにかく中間以後において、こういう事態が発生した。そうすると初めはよかつたというのですから、極東貿易の当事者と通産省というものの間にやはり正常な行為が行われておつたが、併し後にこういうことが発生したということは、やはり参考のために競争入札のときに、このほかに何々会社を指名したのか詳細承わりたいと思うが、結局これが最低であつたから、これにさせたというのだと思うが、その当時の責任者から詳しく御説明願いたいが、極東貿易にこれを取扱わしめて中間において悪くなつたということは、我々の考えからすれば、何らか悪くならざるを得なくなるような甘い措置を、通産省の当事者がしたのではないかと、我々は臆測せざるを得ない。今日いわゆる局級料亭というようなものの顧客となつておる者は、我が国の現状において、東京の場合におきましては、東京に駐在しておるところの役所の高級役員という者が一番多い。私自身顧みて、高級料亭というものに対する私自身の態度があるから、この際ちやんと申上げますが、高級料亭に行つておるものは高級役人である。市井にいる一労働者でもそれは行きたい。又一度行くと二度、三度行きたいというのは当り前である。併しそれは個人の場合はできない。然るに一度官庁のいわゆる機構の上に乗れば、今日は何々の宴会、何々の招待、何々の会合ということで、これが最も多数の顧客になつておる。そうしたことはそのときは極めて清純な気持で行われるであろうが、併しそういう行為がこういう事件を起す。実は貿易会社にはよくそういうことがある。一つ御意見を承りたいとか言われて行くわけですが、そういうことをやると、向うは必ずそれに対して甘えて来る。そしてこういう事態が発生する。私はこの事件だけを一つ取上げておるのではありません。これは会計検査院が、むしろ私から申しますると、九牛の一毛として俎上に載せたものであると思う。会計検査院の機構はあなたがたも御承知だと思う。会計検査院は調査に行つたつて、そんなに厳密なことをするわけでない。いわゆる国家行政機構における会計検査という意味で建設的なこれは監査をいたしておるはずです。然るにもかかわらず、そういうことが出て来る。実際においてはもつと多数のものがあると思う。それをこういうような場合にあなたがたは十分に一つお考え願いたい。これはあなたのほうではいやそんなことはありませんと、こうおつしやるでしよう。事前に何かあつたというようなことはありません、こういう事態は初めはよかつたというんでしよう。なぜ初めにやらなかつたか。中間でそういうような事態が出て来たということは、そこに何か一つの誘導するような傾向が出て来るとか、或いは今申上げたような何らかの向うにつけ込まれる、そういう事態が出て来たから、そういうことになつた、こういうふうに我々は見るわけなんです。これは特に企業局長、これに対しまする一つ御自分の職務上の御見解を承わりたい。同時に説明をいたしました経理課長でありますか、お二人から一つ御説明を願いたいと思います。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 先ず最初に只今御質問の入札の会社の事情を御説明申上げます。この書籍の輸入問題は全体を通じまして、先ほど局長からも説明申上げましたように、相当司令部のいろいろな強力な指導があつたのでございますが、この入札につきましても先ず競争入札でやるかということ自体、司令部の指導でございます。そしてこれを不服といたしまして、その結果未封のまま司令部へ持つて参りまして、司令部の立会の上入札いたしました。その結果は東貿商会というのが約五千五百六十万円、丸善株式会社が七百八十万円、日本出版貿易株式会社が七百十三万円約であります。それから小林、松原商会というのが五百七十万円、それから只今の本件の極東貿易が百四十八万円というふうになつております。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) この種の事件につきましては、根本的にはこういうふうな何と申しますか、商売取引というようなものは、政府がみずからやるということは、極めて面白くない事件だと私は見ておるわけであります。こういうふうな複雑な商売取引になつて参りますというと、一般の政府の現在の取引の或いは会計規則或いは扱い方の原則と申しますのは、いわゆる即坐に即金で商売を決定して、一件々々で始末をつけるのが大体の建前になつております。ところがこういうふうに長い期間に亘つていろいろな代金の支払い、或いは現物の受渡しというふうなことをあれこれやつて参るのは極めて不適当なような組織になつておりまするし、又そういうふうな訓練も我々役人は受けておらないのであります。従いましてこういう組織は、こういう方面で必要があります場合は、特殊な機関を設けまして、それ専門にやらせるのが一番適当なことではないかと見ておるわけでございます。従いまして終戦後におきましても、いわゆる国家貿易ということが中心に行われておりましたが、その際におきましてもいわゆる公団、まあ公団につきましてもいろいろ問題はあるようでございますが、公団という別の機関を設けまして、これによつてこういう取扱いをいたさせて参つたわけであります。ところがこの事件につきましては、その公団の廃止以後の問題でございまして、我々といたしましては、こういう扱いを慣れない者が扱うということは極めて不適当であるということで、いろいろ折衝いたしたのでございますが、今申上げたような司令部の強力な指導がございまして、まあやればやれないこともないような建前になつておりましたので、これを引受けてやつて参つたわけであります。今申上げたように、当初におきましては支払いもきちんといたしております。又勧業銀行に前受金は積立てなければならんというものも、大体順調に積立てておりましたので安心をいたしておつたわけでありますが、その後経済界の変動によりまして会社が左前になつたためと思われるのでございますが、この金を使い込んだ、又アメリカから送つてもらつたものを処分したにかかわらず、その代金を積立てない、送金できないというふうな関係になりまして、こういう事態に立至つた次第であります。その間の監督が十分できなかつたということは、誠に遺憾に存ずるわけであります。まあ今後におきましては、こういう事例は、慣れない商売というふうな関係の問題は政府としてはやるべきことではなくて、若しどうしてもやらなければならんということになれば、別の機構で以てこれを処理すべきではないかというふうに考えておる次第であります。従いまして、ただこういうふうな問題につきましては、今申上げたように非常に不慣れでございまして、我々としても十分な監督ができなかつたということを非常に遺憾に思つております。今後こういう事態は、商売の常とは言いながら間々あることとして、十分な戒心をして行かねばならんというふうに考えておる次第であります。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 今御答弁を伺いましたのでありますが、やはりこの今お話の中にもありましたように、当初そういうようなことは実は不適当であるというなら、これは不適当だから、そういうことはなさらなければよかつたのです、こういうことは。併しそれを政府が何々されて来たということであれば、こういうものに対して非常につまり何といいますか、もともと不適当ということをお考えになるわけですから、それだから、これは他の事柄と違つて、一層慎重にこういう問題を取扱わなければならないわけであります。ところが今日不適当であるとおつしやるが、そのときは、ことによると進んでおやりになつたのじやないかというようなことですから、我々としては考えざるを得ないわけであります。そうしてこういう事態が、まあいろいろと細かいことは、私のほうでも省略いたしますが、とにかくこういうような事態のありますことは、今あなたから非常に遺憾であつたとこうおつしやる。こういうものの一つの出て来たのに対して、他を十分一つ顧みてもらいたいのです。これと相類似するような、又類似しなくても、こういうような結果を生ずることがどこに原因しているか、どこに起因しているかということについては、局長としてやはり部下の各課がありましよう。その各課に対しましても、そういうことに対する経理上の或いは行為の防止ということを十分に一つ御留意願いたい。それはあなたが部下を愛することになるわけです。それを野放しにしておきますれば、次々にこういうことが発生する、そうして而もそれが永遠に、いわゆる知り得ない事件として、次から次へ行われて行くということです。官僚機構の中に最も恐るべきものはそれです。又実は私から申上げれば、日本の官僚機構の中には、当時のいわゆる封建時代の或いは明治憲法時代のそういう仕組みが今日まだ残つている、官僚自体に、この官僚自体でやれば永遠にわからないことがたくさん残つている。その機構というものは私自身としては実に驚ろくべぎことだ。官僚の組織の中の機構が如何に緻密に如何に外部から知れないように……。一応これは公明正大なものなんです。ちやんと出ておる。併し実際の機構は誰が作つたか、これはあなたがたの責任じやありません。誰が作つたとは言えませんが、とにかくそれは非常に堅牢たるものである。そしてその中においてやれば、随所にできる。やれないということになれば、良心ということによつてやれない。或いは優秀なる官僚によつて、これはできないということになる。ただ若しそれがちよつとでも緩んだら、或いは又優良にあらざるいわゆる官僚というものが、そこにそういう人が何して来ますと、そういう事件が発生して来ておる。そうした結果、国民というものはどういう立場におかれるかということを、私は国会の決算審査という大局面から、この点を経理課長に本日よく御注意を申上げておくわけだ。あなたのやつておる中にも、あなたが気付かないことが私は機構の中に非常にあると思う。そういうものの中にしばしば課の下僚というものが、そういうものにちよつといわゆる気が付いて、そしてやる行為が発生する。そうして国家の経理、国家の財政というものが非常な、そういうようなことを生ずるということは、先刻申上げた通り、私は機構の上ですから、そういうことは我々人のすることですから寛容にいたしたい。いたしたいけれども、我々の背後にある孜々営々たる国民の血税というものを見れば、慄然として、これは私ども驚かざるを得ないのです。納税令書が一枚行けば、いわゆる家屋敷を売つてもやらなければならん。それどころじやない、自殺者さえ出ております。税金を納めることができずに困惑堆積して、そうして自殺するという人がたくさん出ておる。昨日あたりの新聞にも出ております。それだから、私はこの点について、一つ経理局長とか、官房長とか大臣なんというのは極めて無責任である。やはりやつてやるのはあなたがたです。各省大臣というものは半年か一年の腰掛けである。だから自分の顕栄の地位を極めればそれでいいという、こういう者は何ら信頼はできません。やる者は、各省のあなたがたのような局長でありますとか、課長、なかんずく局長というものがその省の屋台骨を背負つて立つ。そうして、いやしくも国民のこの金はどこから出て来たか、国民の血税に対してはどうしなくちやならんかということを、この際一つお考え願いたい。私はこれは質疑とか何とかいうことで言つておるのではありません。あなたがた、質疑応答だから意見の相違があるというなら、それに対して弁駁して下さい。併しそういうことで了承するというなら、別に御答弁は求めませんが、どうぞ一つそういう御感覚を持つて、こんなことは小さい事件です。取るに足らん事件です。もつと大きなものが通商産業省の中にあるのだということを私は申上げて憚からない。だからそういうことを今後……、今までいたしたことはいた仕方ない、我々責めるのではありません。だから今後については是非一つあなたがたのお力で、そういう点について十分御留意願いたいということを、この際申上げておきます。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 今の競争入札のことを伺いたいのですが、つまりアメリカから人文科学関係書類を買つて、それを売るという手数料を幾ら安くやるかという意味の競争入札ですか。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) その通りであります。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 そのときの入札の条件を書いたものがございますか、ちよつとお読みを願いたいと思います。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 実は只今手許に司令部連絡の英文の入札公告文しかございませんので、後ほど翻訳いたしまして提出いたしたいと思います。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 大体二十万ドルの書籍を何カ月間に輸入して、これを決済するか、こういうような条項は入つておりますか。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 只今の御質問の御趣旨は、この公告文にその契約の終期が謳つてあるかという御質問でございましようか。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 つまり入札の取扱う書類の数量並びに金額ですね。それからそれの決済の完了期間、それがなければ一体入札の条件が揃わんと思いますが、その二点が入つておりますか。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 入つているとは思うのですが、実は私よく英文がわかりませんので……。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 誰か説明員の中でわかる人おりませんか。それが私はポイントだと思う。  それじや御答弁できなければあとに廻しまして、大体七千万円で二分なら百四十万円になりますね。今の極東貿易は大体二分と私は睨んだわけですが、丸善その他我々の知つておる会社の名前がありますけれども、入札をさせるほうの官庁側としては、どのくらいが妥当であるというふうに標準をそのときお考えになつておつたかどうか、それを伺いたいと思う。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 実は予決令の規定によりますと、落札の予定価格をきめておくべきことになつております。併しこの場合、経理事務について、全然経験のない物資の輸入の担当課のほうで、司令部との連絡の上でこのような入札をいたしました。その結果、当時の入札におきましては落札の予定価格は設けてございませんでした。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 ちよつと関連して。その前に、人文科学関係の図書というのは、入札する場合に、これこれの本を買うというリストがあれば、各書籍については定価があるわけです。これはアメリカで言えば、卸売と、それから卸売から小売に行くのと、コミツシヨンがあるわけですね。殊にアメリカの場合はマージンが大きくて、例えば今年の三月に第一版が出て、九月に第二版が出れば、第一版はもう殆んど古本屋へ行つて買うのと同じである。例えば一九五四年版にしても、殊にアメリカはその点が非常に激しくて、マージンが非常に多いわけです。だから、この二十万ドルというと、三百六十円にして七千二百万円だから、これだけの人文科学の本を買うという場合に、大体購入すべき本のリストがなければならん。リストがはつきりしておる以上は、要するに、競争入札ということは、マージンというものが、これはその出版会社、或いは書籍の卸売会社によつて違うだろうと思うのですが、競争入札と言うけれども、常識的に考えると、その競争入札をどういうふうにやるのか。それからもう一つは、そうでなくて、ただ二十万ドルの人文科学関係の図書を何でもいいから、この二十万ドルで集める、こういう入札の仕方をしたのか、先ず第一にその点をお伺いしたい。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) この方式から言いますと、当初は先ほど御説明申上げましたように、小売店がお客さんから注文をとりまして、代金を国庫に納めます。そうしてそのリストを形式的かと思いますが、司令部のほうで検討しております。従つて二十万ドルによつて購入する書籍のリストはあらかじめきまつてございません。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは非常におかしいのです。イギリスで有名な話になつておるが、高さ九フィート、幅十六フィートの本棚のはまるような、例えば政治問題に関する本を一つ探してくれ、こういう仕方で注文をするものがあるというので、イギリスでも笑話になつておる。人文科学の本なら何でも二十万ドル買えばいい、アメリカで買えば、これはもう先ほど申上げたように、同じ年度でも初版と第二版とでは、初版は半額以下で買える。その辺は私はどうも役所のやり方というか、いわゆる不正の貿易業者がどんなことでも悪いことができるように、見えすいたそういう無知なやり方をしておることは実は僕らは非常に腑に落ちない。その時分はこみで人文関係の新らしい本でしよう。新刊図書なんでしよう。

安達次郎通商産業省企業局通産経理課長

○説明員(安達次郎君) 新品は新品でございますけれども、その版の古さは只今御意見のございましたそれにつきましては、ちよつと今はつきり私御答弁申上げられません。或いは若干版の古いものも入つておつたかと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 ですからこういう極東貿易会社或いは丸善書籍株式会社、こういつたようなところで、人文関係の二十万ドル、こういうやり方をすれば、巧く立廻れば十万ドルかければ二十万ドルの本が買えるわけですから、その時代が幾らGHQの示唆があつたとは言え、日本政府としては、この実質を知らないのです。ですから先ほど申上げたように、初版と第二版というものでは、初版は半分だというのが実情です。メーカーのほうに行けば、もう今月の初めに出た相場が五ドルのものが、或る相場関係に行けばもう三割安く買える、実に何と言いますか日本とは違うのです。殊にその当時こういうやり方をすれば、早く来たものが内容については古本が相当入つていてもわからないわけです、実際問題として。殊に丸善なんか、我々の常識では、丸善に本を注文すれば、丸善のとるマージンというものはさまつておる。入札ではなくて、個人で本を購入するとか或いは雑誌、新聞を購入すれば、丸善がとるべきマージンはきまつておるのです。その辺がどうも、当時占領軍政下であつたとは言え、それはビジネスがない。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) お尋ねの点でございますが、二十万ドルというのは、輸入価格の概計でございまして、先ほど来申上げておりますように、この輸入の計画といたしましては、個々の小売商を通じまして、型録その他を廻しまして、それによつて一般の購読者が小売店に注文をして、小売店に注文をした際に金を払つてもらう、その金を代行者の極東貿易が集めて、これを積立てておきまして、注文のあつた本を注文する。その際にその積立てたものを見返りといたしまして代金を払うという組織にいたしております。従いまして何が入るか、どれを買うか、又その値段はどうかというのは型録によりまして注文する。購読者がそれぞれ選択して決定する。従いまして或いは二十万ドルには達しないかも知れないし、或いは二十万ドル越すかも知れませんが、大体そういう形で最初はスタートをいたしたわけでございます。ところが小売商のほうから金を前取りして、あとから書物を送る、これは内地でありますれば、比較的簡単に参りますが、遠いアメリカから運んで参りますというような関係で、いろいろ支障も起きる、金も集りにくいということがありましたので、途中で切替えまして、今度は向うへ代金を払わないで、本を直接送つて来る。そこでその本がそれぞれ広告或いは型録等を廻しまして、注文があつて売れた場合には、その代金をアメリカに送金するという形をとつたわけでございます。その計画で大体二十万ドル見当のものをそういう形で輸入するから、これに対する手数料はどのくらいで引受けるか、それの入札をやつた次第でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 そうすると、今のお話だと、要するに競争入札ということは、本は大体定価がきまつておる。つまり手数料での競争入札を、手数料の価格において競争入札だということで、二十万ドル全体が人文科学の図書を集める上においての値段ではなかつたのですね。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 大体こういうことで本を輸入するということを一般に広告する。それから型録、見本等を一般に配る。それから小売店から今申上げたような注文を取つて、小売店を通じて購読者の注文をとる。それから米国に注文を出す、それから書籍を米国から受取つて小売店にまで届ける、それから小売店は購読者に渡すというふうにやつております。それからいろいろな資料を保管したり、月報を出すというような仕事をやる手数料を入札できめまして、一番安いところに落札する、引受けさせるという仕事をやつたわけであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 会計検査院にちよつと尋ねますが、通産省は非常に広範囲に亘つて、而も物を取扱う局課が多いわけです。二十六年度の不当事項を見ますと、ここに列挙されている四件しかない。それから二十七年度の通産省の不正事項を見ると八件あるわけです。会計検査院として、例えば地方の通商産業局、これは全国にも何カ所かあるわけです。それから研究所、それから助成金を出しておる商社、工業会社、こういうようなものがあるわけですが、例えば二十六年度において四件の不当事項を摘発と言いますか、発見されるまでに何件くらい通産省の管下だけで検査しておりますか。どのくらい検査されてこの四件ということになつたのか、検査された総数ですね、それと、同時に二十五年、二十四年くらいの年度において、通産省に関して不当事項或いは経理の不当計上というようなもので検査に挙げられたものの件数は大体どのくらいあるかということを、わかれば一括してお聞かせ願いたいと思います。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) 資料はありませんので、的確なお答えはできんかと思いますが、先ず第一点の、どの程度検査しておるか、こういうことでございますが、通産省は御承知のように本庁とそれから或いは外局、それから地方では地方通産局がございます。それから試験所がございます。通産省のほうは各全体に亘りまして三月までに一回参ります。それから十二月までに一回廻つて、できるだけ見ておるわけです。それから通産局は年に一回乃至二回廻つている。それから試験所は、これは相当数がありますので、恐らく三分の一程度廻つておるか廻つていないか程度じやないかと思います。  それから次に通産省で事業関係としては只今お話がありましたように補助関係が中小企業なり、或いは工業関係の補助があるわけでございますが、これはちよつと今計数的には申上げられませんが、大体個所というのは百カ所くらい現場を見ておるのじやないかというふうに思いますが、全体がどれだけあつてどれだけ見ておるかという点がちよつと申上げられませんが……。  それから二十四、五年との関係でございますが、二十四、五年については正確にちよつとわかりませんが、大体同じくらいの、二十六年度と大体同じくらいじやないかと記憶しておりますけれども……計数は。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 この二十六年度と二十七年度で、会計検査院で調べられた事業場、或いは官庁、例えば五百か千か、そういう数は今概略もわかりませんか。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) ちよつと資料がありませんので申上げられませんが、只今記憶しておるのは只今申上げた程度で、個所どの程度についてどれだけだとちよつと申上げられません。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 それは例えば会計検査院が建設省の公共事業関係については全国において約十万の現場があつて、そのうちの六%しかやつてない。農林省関係ではやはり検査をすべき場所の一一%しか検査し得ない。こういうふうで通産省が大体今の会計検査院の乏しい陣容で、通産省で会計検査院の調べなければならん個所について、大体何%、一〇%とか一五%とか二〇%とか、そのくらいのことはわかりませんか。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) 大体の感じでは三〇%になつていないと思いますが、資料は、大体今お話のように建設、農林と同じように検査個所がどれだけあつて、どれだけ調べたということは、実は帰れば整備しておるわけですけれども、大体感じから申上げますと三〇%以下だと全体を通覧しまして感じております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 三〇%以下。これは企業局長、通産省の企業局長ではおわかりにならんかも知れませんが、二十六年度、七年度は、二十六年度くらいでいいですが、曾つて繊維局長がやつたようなこともありますが、殊に物資統制の時代はそういう検査が非常に多かつたんですが、二十六年度以降通産省の中央、地方を通じて、そういつたようなこともありますが、殊に物質統制の時代はそういう検査が非常に多かつたんですが、二六年度以降通産省の中央、地方を通じて、そういつたような刑事問題に問われたものが何名おるか。会計検査院のものと別個に、或いは関連してもよろしゆうございますが、大体刑事問題で起訴されたというものの概数わかりませんか。ここでおわかりにくいようでございましたら、二十六年度、七年度でよろしうございます。そういつたような中央、地方を通じて汚職したというか、何というか、曾て繊維局長がやられたようなことですね。あれば数だけでよろしうございますから、次の機会に資料として一つお出し願いたい。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 承知いたしました。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 八百三十一号ですが、なお未回収が約千六百万円、この回収の見込みがあるかどうかですね。  それから競争入札というのはあちら様の御意向でやつたのか、それから入札者を公募する場合に、何か基準を設けず、ただ一般公告のようなものでそれを募集したのか、或いは大体の程度のものというような何かの標準を設けられて競争入札をしたのか、その範囲、この二点を伺いたい。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) この入札につきましては、いわゆる一般公告をしまして、入札方法を指名入札と特定の人だけを集めて入札させる方法とございますが、この際には司令部のほうも特に注文を付けまして、一般公募で入札せよということで公募いたしております。その代り関係の職員の中に本の取扱いの経験者が同名あるか、どういう経歴を持つておるかというふうなことを書いて出させるような仕組みにいたしまして、全然本に関係のない、書物を扱つたことのない商社などはあらかじめ落しておるというようなことは考えてやつておるようでございます。  それから第一点の回収ができるかということでございますが、実はこの債権につきましては、事態が、会計検査院の検査を待つまでもなく、事態を発見いたしまして逸早く現場の差押え、それから売掛金の差押えということの手配を、法律上ではございませんが、事実上差押え質権を設定し、これを回収して参つたわけであります。そういうことで千五百万円ばかりは回収いたしたわけでございますが、現在におきましては、もう殆んど破産状況でございます。その当時の措置といたしまして、役員の連帯保証のある公正証書で押えておりますが、現在の連帯保証をいたしております会社には勿論資産はございませんし、連帯保証いたしております各役員は月収等も極めて微々たるもので、個人財産も幾らもございません。公正証書を強制執行いたしましても、その代金もどうかというふうな状況でございます。一応毎月誠意を示す意味で何ぼかでも納めろという話はいたしておりますけれども、これ以上の回収は相当困難ではないかというふうに考えております。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 極めて危険な入札方法だと思うのですが、現在ではこういうことはやつてないのですね。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 現在ではこういうことはいたしておりません。ただ今度の国会に、廃止になりまする緊要物資特別会計で、アメリカ或いは海外から割当てられるニッケルというふうなものを買い付けておりましたが、これも大体終りまして、現在保管をして処分に入つておるという程度でございまして、新しくやつておることはございません。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 次に八百三十四号、これはアルコール専売特別会計、この八直三十四号から最後まで全部を問題に供します。先ず専門員をして説明いたさせます。

波江野繁常任委員会専門員

○専門員(波江野繁君) 八百三十四はアルコール原料用糖蜜の運送賃率算出が当を得ないもの、こういう題目でありまして、会計検査院の指摘の内容を申上げますと、この当を得ない点が三つある。第一点は発着駅取扱料、これがこの計算においてはトン当り五十円から五十五円という計算で支払われておるが、これは計上する必要はない。その理由につきましては検査院の指摘の中に書いてございますが、要するにこれは要らん。第二点は空車回送料でありますが、これを約九円近く計上されておりまするが、この契約の相手方は内外輸送株式会社でありまして、この内外輸送株式会社は更に日本国有鉄道に回送料を払つておりまして、その回送料から見ますと、今の約九円は約一円四十銭くらい減額できるはずだ、こういうのが第二点であります。第三点は車両償却費といたしまして五百七十一円それがしを計上されております。而してこの算出の基礎といたしましては、この車両の耐用年数を五年として計算されておるが、この五年は短きに過ぐるので、この計算の方法が書いてございますが、大体今申上げました五百七十一円から二百四十三円くらい減額することができるはずだ、要するに一、二、三、総合計いたしますと、約五百万円の節約ができたはずだ、こういうのが検査院の指摘の要点でございます。  これに対する当局の見解といたしましては、今挙げました三つのうち、第一、発着駅取扱料が計上の必要がないという点は検査院のおつしやる通り、第二点の空車回送料を約一円幾ら減額ができる、この点も検査院のおつしやる通り。従つてこの点、二つの点で約八十八万円になりますが、これは取戻します。但し第三点の車両償却費の点につきまして五カ年が悪い、こういう点については初め実は十年で計算したが、この車は国有鉄道から払下げを受けた古い車両であること、並びに糖蜜輸送の際、砂糖消費税の免税措置として混入する硫酸等によつて車両の損耗が甚しいというようなことから、初め考えた十年では請負会社のほうで応じないので、五年にしたのである。従つて五年ということは必ずしも不当とは思えない。但し将来なお、その後、当時の事情から考えてみると、将来においては五年よりも少し年限を延長する、こういうようなことがこの説明書に書かれておるのであります。この点につきましても、更に両者の検討を加えてもらいました結果、通産省におきましては、その後この五年では悪いという検査院の指摘の点を打破る有力なる資料がないので、検査院の短か過ぎた、こういう批難にも応ぜざるを得ないというのが現在の見解でございます。  次は、米国対日援助物資等処理特別会計の分でありますが、二件とも未収金に関する件でございます。  先ず八百三十五は、物品の売渡代金の収納処置当を得ないもの、というのでありまして、これは出光興産株式会社に重油その他の鉱油を保管さしてありましてそれに売渡したところが、その金が相当長い期間入らなかつた、こういう案件であります。この内容が二つありまして、第一は二十六年の八月から十月に売渡したB重油、価格にいたしまして約一億九千七百余万円、これにつきましては、同会社に無償で寄託しておつたものを売渡したのでありますが、同会社はすでにその全数量を他に売却しているのに、代金相当額の約束手形を通産省は徴収しただけであつて、現金はその年度内にその全部が入らなかつた。その後一部分、約九千余万円が入りましたが、残額の一億円はなお入つておらず、単に収納確保の方法として、銀行の支払保証付約束手形を徴してあるに過ぎない。こういうことであります。第二は二十六年四月から八月までに売渡したB重油、価格といたしまして五億三千余万円、これにつきましては代金の納入が遅れた。これは代金が遅れますといわゆる遅延利息、延滞違約金と申しますか、それを取ることになつておりますが、その金額が取られていない。その金額としまして約四千六百万円が収納されていない。こういうのであります。  なお、ちよつと申上げますが、第一の点には然らばこういう延滞違約金がないのか、こういう御疑問が出ると思いますが、これはまだ現金が入らなかつたから延滞違約金が計算できないので、ここには計上されておりませんが、その後入りますと、それまで何日延滞した、従つてその延滞違約金が幾らだという数字が出て参るわけであります。これにつきましては通産省のほうでは全く入らなかつたことが遺憾であつたということであります。  なお、こういう買受けるのになぜ油を一応保管させたか、こういう理由につきましては、説明書のほうに、この方法は従前の鉱工品貿易公団時代から行われて来た方法でありますが、多量のこういう保管する適当なタンクが国内にたくさんありませんので、品物が入つて参りますと、それを売渡すいわゆる割当先に一応寄託しまして、そうして売る、こういうような方法をとつておつた、こういうことが記されておるのでありますが、なお、この金額はその後全部入つております。全部と申上げますことは、今申しました検査院から出ておる第一の点から出て参ります延滞違約金、この金額も合せまして全額納入済みになつております。  次は八百三十六、これが先ほどちよつと申上げました。この中には案件が二つございますが、その一つはこれが先ほど申上げました極東貿易株式会社に関係するものであります。その極東貿易の問題は米国工業技術雑誌、これを有償で保管寄託中売渡したのでありますが、その価格は百六十六万円余になります。ところがこの金を役所のほうに納める以前に、すでにその書籍を外部に大部分売つてしまつて、その代金は役所に入らなかつた、こういう案件であります。  第二は金剛商会、これは屑鉄に関するものでありますが、保管寄託中の米国払下げ屑鉄を金剛商会に売渡しましたその金額が約六百四十六万円になりますが、その一部は代金納入前に同会社によりましてすでに他に売却され、その代金のうち二百五十八万余円は役所に入らなかつた。なおこれにはこの金剛商会の案件には売渡契約締結後の保管料を支払つておりますが、契約の内容から見ると、役所がこういう保管料を支払うのは妥当でない、こういうのが検査院の指摘の内容でございます。  当局の説明はいずれも検査院の指摘をそのまま認めておるのであります。極東のほうは前の点で申上げました通りまだ金が入つていないような状態でありますので、本件についても金の入り方は順調でないようであります。それから金剛商会の分は一部収納はされておりますが、まだ大分金が残つておりまして、これについては再三督促を続けておるという当当のお話であります。なお、この金剛商会に対する保管料の点は、これは検査院の指摘の通り誤まりであるから返納させることにしておる。こういう説明がありましたことを申上げて置きます。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 次に検査院の説明を願います。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) 八百三十四のアルコール原料の輸送賃に関する問題であります。この輸送賃は三千二百余万円払つておりますが、これは運賃のきめ方が門司駅ほか一カ所から五カ所のアルコール工場に運びます運賃を、数量によつて加重平均して単価を出しまして、一本の単価できめてあつて、それによつて支払われたものであります。その内容を見てみますと、只今説明がありましたように、発着駅取扱料の五十円、これは全然必要がなかつたのであります。それから第二番目は空車回送の点であります。これも少し高過ぎたということであります。第三の点でありますが、これは減価償却に関する問題であります。これは非常にむずかしい問題があるかとも思います。と申しますのは、実際にものがいつ償却されるかという点については、実際問題としてなかなか困難だ思いますが、この本件のタキ号、ミ号、これはいずれも鉄道省から買受けて改造されたものでありまして、改造されましたものにつきましては、税法上やはり十五年の償却ということでやつておるわけであります。それで本件については五年ということでやつておられるのでありますが、まあ税務署の十五年はさておきまして、一応会社が八年なり或いは十五年でやつております事態がありましたので、これによつて減価償却をやれるほうが適当ではないか。こういうことによつて、それによつてやられれば運賃も安くて済むだろうということでありまして、結局以上の三点を総合しまして、運賃をきめて行かれたとしたならば、約五百万円が節減できた、こういうふうに考えておるのであります。  八百三十五号でありますが、これは事態の詳細についてはお話がありましたので、ごく簡単に申上げたいと思います。これは出保管と申しまして、会社に、出光興産にB重油を保管さしてあるものを売却されたものでありますが、こういうものを売却する場合の建前でありますが、代金をとつてそれから向うの相手がたが自由に処分し得るような方法で売渡すということが先ず穏当であり、そうすべきだと思うのであります。又場合によりますると、代金の延納を認めて確実な担保をとつて売渡すという方法もありますが、これはいずれにしても、事態によつてどちらかの方法をとられるのが適当だと思いますのに、一億九千七百万円に相当するものを売却しながら、そういう処置がとられないで、代金の収納がなされてなかつた、こういうことでございます。後に至つてこれは金が入つたのではありますが、代金を、事態はすでに売却されるまでに大部分が売られておる、こういうふうな事態でありますから、なお更こういうものについては収納確保の途をとる必要がある。代金が遅れた場合に延滞料金としまして、違約金としまして日歩五銭相当額をとることにはなつておりますが、その問会社がその代金当のものをいろいろの面に、会社自体に使い得る余地を与えるというような点も面白くない、こういうふうに考えておるのであります。違約金の点については特に御説明は省略いたします。  それから八百三十六号でありますが、これも雑誌を売つて代金が入らなかつたというのと、それから屑鉄を売つて代金が入らない、こういう事態でありますが、これは保管寄託をされておるものでありますから、こういうものの取扱につきましては、黙つて売つてしまう、向うが処分するということは、これはあり得ることでありますから、契約その他によつて明らかにして、代金をとつてしまつてから処分させるというふうな措置を講じておくべきものだと考えるのでありますが、そういう措置をとられないで売却された、ために相手かたでは物を処分しながら代金が入つて来ない、こういうような事態が生じたものでありまして、取扱上遺憾である、こういうふうに考えております。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 当局の説明を求めます。

渡辺五六通商産業省軽工業局アルコール第二課長

○説明員(渡辺五六君) 第八百三十四号について御説明申上げます。本件はアルコール原料用の糖蜜の運送契約の算出基礎に関する点につきまして、会計検査院から当を得ないものとして指摘されたものが三点あります。第一点は、発着駅扱料の点でありますが、これは請負人である内外輸送とアルコール特別会計との連絡不十分という点と、アルコール特別会計において調査が不十分であつたというような点から不必要なものを計上したのであります。第二点の空車回送料につきましても、当方の不十分のために計上すべきでない経費を計上した点でありまして、この二点につきましては昭和二十八年の運送契約の際に契約単価からその過払分についての減額をいたしまして調整いたしたわけでございます。第三点の車両償却費の問題でございますが、この国鉄から払下を受けました車両についての償却年数は、当初の契約では十カ年としていたわけでございますが、これの車両が国鉄からの払下の古車であるという点と、それからその当時のアルコール原料用の糖蜜には変性剤として硫酸又は硫安等の非常に腐蝕度の甚しい薬品を混用していましたので、それによる車両の損耗度が非常に大きいというような点を考慮いたしまして、五年間に改正したのではございまするが、内外輸送における法人税の決定に際し、税務当局から査定されました車両の償却年数は八年又は十五年というようになつておりますし、その請負人の内外輸送株式会社においても、会社の経理上、その税務当局から査定されました償却年数で償却されているというような事情がありましたし、又変性剤として硫酸及び硫安等を使つていたのが、大蔵当局との話合いによりまして、昨年度からフーゼル油に代りまして、そのために車両の消耗度も減少するというような点がありましたので、その後の契約におきまして八年及び十五年の償却年数に改正したわけでございます。この償却年数の点につきましては、非常に当方としては慎重に考慮して決定したわけでございますが、五年の償却を正当であるという客観的な根拠につきましては、非常に説明しにくい点もありますし、会社の経理が八年、十五年という年数で償却していれば、それに合わせるのが妥当であるというような見地から、会計検査院の御指摘の通り認めて、そのように是正しているわけであります。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 八百三十五号の油の石油類の払下げの処理の問題でございます。この問題は現在廃止になつておりますが、当時の通商産業省の臨時通商業務局で取扱つておつたものであります。これはアメリカ対日援助物資を引取りまして……、向うでアメリカ政府が買付けましてそれを日本に送つて参りますと、これを引取り保管し、それから販売処分するという仕事をいたしておつた局でございまして、油類につきましては、大体軍用船でもつてこちらに送つて参りまして、そのうち一部はアメリカ軍の直接の使用に充て、一部は援助物資として日本政府に引渡されるというふうになつておりましたが、当時におきましては、営業用のタンクが殆んどなかつた。従いまして回し油の商売をいたしておる者が所有をいたしておりますタンクに、これを預けざるを得なかつた。又輸入諸掛を節約する意味において、大体引渡され販売され得るというふうに考えられます商社に保管を委託するというふうなことをせざるを得なかつたというのでございまして、そういう意味で以前から出光興産にこの援助物資の油類を保管させておりまして、大体業務局時代から出光興産には九十杯の船の分をここに預けておつた。で、逐次これが払下げられ、出光興産にも払下げる或いはほかの会社にも払下げられるというふうな事態になつておるわけであります。只今御指摘になつております分は、そのうちの昭和二十六年六月の初めと六月の終りに入港いたしました援助物資の油類としては、最後の二船分でございまして、当初といたしましては、若し出光の代金納入が過去において非常に悪いというふうなことがございましたならば、爾後の割当を減らすというような意味で、これを割当てなかつたと思うのでありますけれども、九十船の分も過去に扱わせておりましても、大体順調に入つて参つておりまして、又これに扱わせるということにいたした次第でございます。大体こういうふうな保管をいたさせております間は、まだ品物の現物は先方に行つておりますが、いわゆる所有権は移つておらないのでありまして、先方がこれを無断で使用する或いは販売するというふうなことはできない建前になつておるのでございますが、これがこちらからの正式な使用許可、販売許可がないにかかわらず処分をした、ただ実際問題といたしますと、大体油類は殆んどみんな同質のものでございますので、政府のものを出光のものと混合して貯蔵する、その数量で出し入れを計算するというふうになつておりまして、実際問題としてそれが出光の油か政府の油かということは、物それ自体ではわからない。数量で区別するというふうな次第でございましたので、こちらの指図、使用の許可がないにかかわらず、そういうふうなこともいたすような次第になつたのかとも思うわけでございますが、いずれにいたしましても、この使用が無断で行われたということは誠に遺憾でございました。これに対しましては、無断使用の違約金七百六十八万円を徴収することといたしたわけでございます。又その間に出光興産が支払を非常に、一年に亘つて延滞いたしておるわけでございますが、この延滞につきましては、当時まだ石油が、割当制度になつておりまして、現物が入りましてから、割当て代金が回収されるというまでには相当期間もあつた。或いは又相手方の割当になります関係で、現物を引取りましてもなかなか支払が滞るというふうな関係もあつたと見えまして、相当資金繰りも苦しかつたというふうなことで、引取つて販売したにかかわらず、代金の納入が非常に遅延したという結果に相成つてしまつたわけでございます。その後やかましく督促いたしまして、逐次約束手形その他で回収して参りまして、今日におきましては全額回収し、更に遅延利息も全部計算通りこれを納入いたさせて、事件を解決いたしたという次第でございます。その間におきまして、無断使用を生じ、或いはこういうふうな資金の回収が遅れたということは、遠隔の地にありまして、現場と中央との事務の不円滑というふうな問題もございます。我々といたしましても、非常に遺憾に思う次第でございます。  次に八百三十六号の書籍の払下の延滞の問題でございますが、これは先ほどと同じ会社でございますが、実はこの払下をいたしました書物は、雑誌類は、二十四年及び五年に輸入いたしまして、逐次払下をいたしておつた品物でございますが、丁度二十六年六月になりまして、保管契約の更改時期に入りましたので、もう保管ということをとりやめまして、一括極東貿易に払下をするということにいたした次第であります。先ほど問題になりました事件の発覚いたしましたのは八月でございまして、その当時はこういうふうなものについて、それほどの事態にあるとは気がつかなかつたのでありますが、その後、先ほどの問題が発覚いたしますと同時に、この問題も発見いたしまして、すぐさま残つた現物の差押えということにいたしまして、先ほどの件と一緒に取り立てに当つたというふうな次第でございます。まあ当時といたしましては、従前からずつとここに物を預けて、払下の処理をいたさせておりましたので、この間に気がつかなかつたという点は誠に遺憾に存ずる次第でございます。  次の金剛商会でございますが、これはアメリカ軍の払下の屑鉄を、この会社に扱わせて保管させておつたのでありますが、それが無断で処分された、その代金が滞つたということでございまして、これ又非常に遺憾に存ずるわけでございますが、これも一部回収はいたしましたけれども、現在におきましては、非常に業態も悪化して参つておりまして、残額については、只今のところでは、極東貿易と同様に回収が非常に困難というふうに考えられる次第でございます。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 御質疑のかたの御発言を願います。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 八百三十四号、八百三十五号、八百三十六号、いずれにいたしましても、会計検査院のほうの指摘したことをそれぞれ認めているわけです。内容についても誠に理非明確であるわけですが、いつでも聞くわけですが、現在ここにお出でになつておるそれぞれの担当者は、その当時こういつたような事柄をやつた当事者でないから、遺憾である—まるで他人事に聞こえる、この点がこの決算委員会の偽らざる我々の感じなんです。これは前に平林さんが当委員会で指摘したのですが、何かあなた方、現在この仕事の責任を負つていない立場にあるような角度から、こういつたものに対するいろいろの質疑応答を受けておるということは、これは争えないと私は思うのです。そういう点でこの内容の一つ一つに当つて行つて、これがどうのこうのということは、会計検査院で大体やつて、その通り認めているので、内容は誠に明確なんです。そのように国家に損害を与える、或いはそんな馬鹿々々しいことが毎年多くなつているということについて、ここで声を如何に我々が大にしてもだめだというのは、これは又考え直さなければならんと思うのです。そういう点でこういう事柄がいろいろと起つて来ておることに対して、その後通産省或いはアルコール専売、こういつたところにおいて、どういう措置を講じておるかということを、所見を承わりたいと思います。これは先ず通産省の局長のほうから。

記内角一通商産業省企業局長

○政府委員(記内角一君) 先ほど申上げましたように、長期に亘つていろんな取引の行われる一種の商売的なものを、一般の経験のない、又訓練も受けておらない官庁組織で以てやるということは、原則として面白くないというふうに考えておるのでございますが、従いましてその事務を扱うためには、特殊な機構を設けてやるべきではないかと思つておるのでありますが、たまたまこの事件は、いずれも大体そういう仕事が終りに近ずいて、いわゆるそういう特殊機構であります公団が廃止になつた前後の過渡期に発生いたしまして、この間の処置が適切でなかつたということで、誠に遺憾に存じておるわけであります。その後におきましては、こういうふうな物資の扱いは殆んど全部完了いたしまして、只今残つておりますのは、援助物資の関係で若干の品物が残つて保管されておるわけであります。これも逐次我々が直接倉庫に保管いたしまして払下げをいたしておる。この時代におきましては非常に物資もたくさんございます。又扱い方もいろいろ簡単には参れない複雑な問題でございましたので、特殊な倉庫に保管して我々が直接管理に当るというふうなことができなかつたために、一般の業者に保管を下請させるというふうなことも起つたわけであります。その関係で保管しておるものを処分してしまつたというふうな関係になつております。現在では我々が直接管理をいたしまして保管しておる。それから又緊要物資特別会計におきましてニッケル、合成ゴムというものを買付けておりますが、これ又今申したように営業倉庫に我々が直接保管をさせておる、信用のある倉庫に保管をさせておるということで逐次……、但しいわゆるキヤツシユ・オン・デリバリー、現金の納入を以て現物を引渡すことによりまして、こういう事態の発生しないように、厳重に処理をいたしておるのであります。この二つの問題も今年度を以ちまして特別会計は打切りになりまして、一般会計のほうに引継がれることになりますが、いずれにいたしましても、残つておるものも極く少量でありますから、管理のほうも今申したような方面で特に気を付けてやつておりますので、今後はこういう事態は発生しないというふうに考えておる次第でございます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 アルコールのほうはよろしいですが、私は今の説明を聞いていて思うのですが、飛ぶ鳥跡を濁さずで、階段を一つ上がつて行く一つのシステムの中で、後任者が来てから引継ぎをいたしますね、その引継ぎをするときに、前にどういう事態があつたかということを大体了承して引継がれる思うのです。で、たまたま前任者がやつたことが、あとから来た者のときに問題が大きく発生して、そうして気の毒にもその人が問題の渦中に入つてしまつたという例も随分あつたことと私たちはいろいろな点で覚えているわけです。数年前あたりまでは、繊維局あたりが疑獄の巣で、非常に問題をかもしだし、有名なミス東京事件というのは鉱工品公団事件で、記憶に忘れられないところなんです。その後において大分通産省というものも綱紀を粛正してよくなつておるやに聞いておりますけれども、何といつても責任者が代つて、別の人がここで御答弁なされているので、よそごとのようにどうしても聞えるわけです。これは精神状態においてはどうしても止むを得ない点もあるかとも思うが、あなたならあなたの在任中に、そういうふうな不当事項とか、或いはみすみす取るべき金を取らないで済ますというようなことが起らないように極力やつてもらいたいということと、それから将来自分が他の職に転じた場合においても、自分がその職に在任中にそのような不当な不明なことが出て来た場合には、責任をとるというくらいの気持でやつてもらわなければ、今の世の中は立つていかんと思う。そういう点がないから……、ないからとも思えるような事柄が頻発して起つて来ていると思うのです。実質的に国の台所に穴をあけないというふうな、本当に国民の負託に応える官庁として、一つ事故のないように、ここでお願い或いは実行してもらうという以外に、委員長、これを一々細かく聞いていつて、私は御回答を得ても何にもならんと思うのです。その点は一つ念を入れてお願いしておきたいと思う。又そのうち二十七年度或いは二十八年度とやつて行きますが、我々は決算を続けて行くつもりなんです。だから仮にそのときにあなたの所管事項に間違いが起つて来たということになつたときに、私は厳重に追及するつもりでありますから、今後間違いないようにやつてもらいたいというふうにお願いしたい。あとはありません。このケースについては細かいことを聞いたつて仕方がないので……。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) 只今岡委員の御意見でありますが、私の考えはこれは追つて理事会でお諮りしたいと思うのですが、各年度の決算の結論を得る場合には、これは少くとも所管大臣に出席してもらつて、それらの担当項目についての最終の責任ある答弁を求めたいと私は考えておるのです。これを理事会に又お願いしてお諮りしたいと思いますが、何よりも私の考えでは、行政罰の強化というものがなされない限り当局のお歴々のかたがたが見えられて釈明せられても、あとが素通りになつてしまう。司法裁判でないから、それでよろしいとはならないので、将来は是非これは行政罰の強化、将来というよりもむしろこれは現下の急務かも知れないのです。  それからもう一つは、会計検査院の力の及ばない点を考えなくちやいけない、現在の機構では力がないのじやない、及び得ないと私どもは考えておるのです。従つてこの権限の強化拡大、それから人員の増加、先ずこの両面ですね、会計検査院の強化拡大、捜査権或いは処罰権といつたようなところまで及ばなければ、検査の睨みというものはないので、うまく答弁したものはそのままといつたような結果になりやすいので、これは是非とも制度の趣旨を貫徹する上においては、会計検査院の権限の強化が第一、それから行政罰の強化、訓告とか或いは論告とかそんな程度では、これは痛さを感じないのであつて、いわゆる罰になつておらない、ビジネスになつておると思うのです。本当に行政罰が一種の刑罰といつたような点にまで制度を盛り上げれば、かようなことはずつと減少するに相違ないと思う。綱紀の紊乱も結局制度の弱さから来ると思いますので、従つて今御心配の点は差当つては主管大臣の責任を先ず問うて、その年度の決算の結論を付ける場合に、それを今までやつておらなかつたと思うのですが、少くとも局長以上の方々に来てもらつて、そうして釈明をしてもらうというようなことは、決算委員会としては当然なさなければならないのじやないかと思いますので、この点は追つて理事会にお諮りしたいと思います。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 これは会計検査院にちよつと伺いたいのだが、各省に監査課というのがありますな。私の想像しているところはあの監査課が意味をなさんのじやないかと、こう考えるのです。部内の中にからまつて、監査するどころではなくて、何かあれが盲腸的存在になつておるのではないか。ああいうものを会計検査院が直結してやるというふうなことについて、お考えになつたことがあるかどうか、一つ聞きたい。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) 検査院の意見ということになるとちよつと……。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 所感でも何でもいいのですが、今の状態では不徹底になるから、何とか各省の支出をもう少しやらなければならないということで……。

上村照昌会計検査院事務総局検査第三局長

○説明員(上村照昌君) それはお話のように不徹底とおつしやる御趣旨は実はよくわかるわけですが、そういうお考えになつておるような意味で、恐らく不徹底ということも考えられるだろうと思いますが、併し一面私のほうで検査して行届かないところもありますし、又それだけではなくして、やはり外部から検査をするということと、内部でやつて行くということは、これは両立するのじやないか、今の社会でいろいろ見ましても、何と言いますか、外部から検査するについても、相当の強力な機構を設けて民間から監査をしておるというふうな所もあるように思います。併し性質から言えば、多少違うところがあるのじやないか、その点私のほうの外部検査を強化して行けば内部監査は全然要らんというふうには実は考えておりません。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 ちよつと質問の要旨が違つているのだが、当然内部監査があつていいと思うのです。ところが内部監査というものが今の状態で言うと、非常にまだ緩いのじやないかというような気がするわけです。それで一面において、会計検査院の予算が四億足らずで、この厖大な予算全体を検査して歩くということも不可能に近いというような相互関連から、会計検査院をもつと拡充強化して、それから内部監査の監査課、そういつたものも何とか方法を考えて、相互の連繋によつて、更に不当な事項が防止できるような方法がないのかというふうな考えを私たちは今のところ考えているわけです。そういう点について今ちよつと取上げ方が食い違つておつたわけです。まあいいです。

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) ほかに御質疑がなければ通商産業省のほうは質疑を一応…三八百三十一号については八木委員から御質問が留保せられておりますから、この八百三十一号及び補助金関係の八百三十七号を除いての質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林亦治日本社会党(第二控室・右)

○委員長(小林亦治君) それでは今日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会

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