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19回国会参議院1954/11/10

経済安定委員会 閉会後第7号

発言数
23
登壇者
5
会派数
2
開催日
1954/11/10

会議録

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) それでは第七回経済安定委員会を開会いたします。  本日の議題は、日本経済の安定と自立に関する調査の中で、外資導入に関する件であります。先ず大蔵省為替局のほうから、外資導入の現況の説明を聴取して、それからまあ当然外資法、外国為替管理法、或いは日米通商航海条約等との関連における今後の問題点等について概論的に説明を聴取します。

太田亮一大蔵省為替局外資課長

○説明員(太田亮一君) それでは現在までの外資法の運用の状況、それから法的に管理法との関連とか、その他の現在までの問題点につきまして、簡単に概略的に御説明申上げます。  外資に関する法律ができましたのは御承知の通り昭和二十五年でございますが、それ以来四年間すでに実施されて、その間に相当の件数が処理されているわけでございます。数学的に申上げますというと、外資法によつて取扱つております外資導入の形態と申しますか、これを大ざつぱに三つに分けて見ておりますが、一つは技術を算入いたします技術援助契約でありまして、これが実際審議の対象としての件数として占める割合が一番多いわけでございますが、本年の十月末までで四百十六件現在認可になつております。それから次の形としましては、株式及び持分の収得、それからこれにやや類似いたしまして、受益証券の取得、これら軽微な案件は、一々外資審議会にはかけておりませんので、件数としては非常に多いようでありますが、経営に参加するような割合を占める大きなものというのは非常に少うございます。件数全体といたしまするというと、外資法の取扱上収得に認可を要する案件が、これは九月末の数しかまとまつておりませんが、六千七百五十三件、それから届出という方法で、認可の要らない取得の方法がございますが、のちほど又御説明いたしますが、これが九百十四件、それから受益証券の取得が五百四十五件というふうになつております。それから第三のグループといたしまして考えられるのが、貸付金債権の取得と、それから社債の取得でありますが、これは貸付金債権のほうは現在までに三十五件、社債は一件しかございません。  この技術援助契約のほうは、まず四百十六件に上つておりますが、このうち各技術の分野と申しますか、これに分けてみて参りますというと、一番割合として多いもの、これが電線及び電気通信工業ということになつております。ラジオとかテレビジヨンとか、ああいつたものの部品の生産特許の使用を認められるというような件数が相当この中に多く入つておりますので、細かい件数が割合に多い、それが一番数としては多うございます。そのほかに化学工業でありますとか、繊維工業、金属工業、こういつた部面に相当の導入契約ができております。特に大きな方向と申しますか、現在までの方向というところまではちよつと見出しがたいと思いますけれども、基礎的な材料的なものという面が、終戦直後の非常な技術の空白時代、そういうときに或る程度金属の素材などに相当入りまして、更にいわゆる抗生物質などのいわゆる薬品の関係、こういつたものに相当の技術提携の数がございます。その後逐次全面的にあらゆる分野に対しまして、欠けておる部面を逐次補つて行く格好になつておりますので、最近においては多少申請の数と申しますか、そういつたものは少し速度が落ちて来ておるようでありますが、なお相当の希望援助技術の公表もやつておりますし、今後も提携の数はかなり出て来るのではないかと思います。今までの年度別に見て参りますというと、数字が暦年になつておつてちよつとまずいのでありますが、二十八年の一月から十二月までに認可になつた件数が百四十二件でございまして、この年が一番多く処理されております。二十九年に入りましてからは、一月から九月までで五十七件、十月までで七十件でございまして、足取りとしましては大分昨年よりは落ちております。これは一つには昨年の三月までに契約認可になりました分についてロイヤリティに対する源泉課税がされないという特例が認められておりまして、その関係で非常に急いで処理申請が出て参りまして、これを処理いたしました点もありまして、特に二十八年がとび抜けて多くなつておりますが、あと二十六年、七年、それから本年と比べて参りましても、それほどどの年が特に多いというふうにまあ見られないように思います。勿論技術援助の対象である外国投資家の国籍としてはアメリカが圧倒的でありまして、これは九月末までの四百三件についての分類でございますが、米国が四百三件中二百八十八件で大部分でございます。あとはスイス、ドイツ、或いはスウエーデンといつた欧州諸国がぼつぼつとあるという格好でございますが、まあ日本の技術の面から見まして、欧州的なものが割合に合うというようなことも考えられますので、最近割合としましては必ずしもアメリカばかりでなく、スイス、ドイツ、或いはイタリーというようなところからの技術提携が引続いでおるような状況であります。これらの技術援助契約の対価といたしまして支払うものは、これは一器多くなりますのが、いわゆるロイヤリテイと言いますか、特許使用料、或いは特別の技術に対する技術使用料として、生産額に対する一定割合でありますとか、或いは生産の数量に対しまする計算方法によりまして払つておるのでありますが、このロイヤリテイと、それから中には契約当初に権利金のような形で取られる契約金がございます。それから技術者を呼んだりするときの招聘料、こういつたものが入つておりますが、これらの合計で本年の九月までの数字でございますが、三千四十九万ドルに上つております。年度別にはずつと二十五年度までには五十万ドル、これは始まつたばかりで極く僅か、二十六年度中に四百八十万、二十七年度に八百十五万と殖えて参りまして、二十八年度は千百四十三万ドルに上つております。本年に入りましてから若干足取りが落ちております。四月から九月までの半年の間で、五百五十六万ドル、簡単にこれを仮に二倍すれば、二十八年度とほぼ似たような数字という程度になつておりまして、これは価格が下りますというと、率できめておりますロイヤリテイは支払額が減るとか、或いはものによりましては最近のデフレの影響と申しますか、そういつた面から生産数量が落ちておるというようなものもございます。新規の契約が一方で出ておりますけれども、大体それほど技術援助の支払対価というものは今夜でのような形で殖えないで、ちよつと足ぶみをしておるというような感じでございます。  それから株式の取得、それから受益証券、株式の中には下期も含みますが、これは極く例外でございますが、これらの取得の形に二通りあるわけでございますが、外貨で株式の配当金、それから元本送金、これの将来の送金保証を希望するものにつきましては、これは全部認可を要するわけでありますが、外貨或いは円で取得いたしましても、将来の送金保証を望まない、円でよろしいというものにつきましては、これは届出でだけで取得することかできるようになつております。併しやはり大部分の件数は外貨でやはり取寄せたいという要望が無論多いわけでありますので、件数の点についてみましても、ずつと圧倒的に届出での分よりも認可の分が多いわけであります。更にこの認可の分の中にも、いわゆる市場経由と申しまして、この増資或いは相対の場面でなしに、投資市場を通じての取得というものが、たしか二十七年の改正であつたかと思いますが、こういうルートが開かれましてから、件数はかなり殖えております。併し金額的に見ますというと、やはり圧倒的に多いのは経営参加的な株式の取得でございまして、これは最近におきましては、特に技術提携と結びつけまして、特許の使用、或いは秘密のノーハウの使用供与、相絡みまして株式を取得する、こういう形で事業そのものに非常に密接なつながりを持つて来るという形のものが多いようであります。株式だけを取得するという独立した形というのは、これは純然たるいわゆる証券投資のような感覚でやつて来る市場経由の収得の分だけにむしろ限られると言つても過言でないような現状であります。ただ市場経由の取得の株式は金額的には極く僅かなものにしかなつておりません。これも九月までの数字でございますが、投資額にしまして、認可による取得の分が全部で百二十三億三千五百万ほどになつておりますが、そのうち市場経由で、いわゆる株式市場を通じて取得されたものは十九億といつた状況でございます。それからこれの単価といたしまして、株式を取得するための単価としては、大部分はこれはやはり外貨で持つて参つております。全部で九月末までに百三十四億の投資額がございます。うち九十六億ばかりが外貨で持つて行つております。そのほかに機械或いは技術、特許料、特許権、そういつた現物出資のものが三十億足らずということになつております。この株式の取得のために先方から外貨が入つて来るわけでありますが、この状況は本年九月末までで千九百九十五万ドルというのが受取りになつております。これに対して外貨の支払のほうを見ますというと、七百五十二万ドルということになつておりまして、この面では受取りのほうが多い。これは或る意味で申しますというと、経営参加的な株式の取得の場合には、投下いたしました資本をそう簡単に引上げることもございません。今まで元本としては殆んど動いておりません。それがずつと寝たままになつております関係上、払うほうが主として配当金ばかりである、こういう関係で、支払のほうがずつと少くて、受取りのほうが多いということになつておりますが、年度別に見て参りますというと、だんだん支払いのほうが割合的に多くなつて来ておりまして、二十八年度におきましては、向うからの新規投資、こういつた形で六百二十六万ドルばかり入つておりますが、配当金の支払い、これが二百九十万ドルになつております。更に本年度の四月——九月の半年では新らしく向うから人づて来ました資金としましては、七十三万九千ドルでありますが、支払いのほうは二百三万ドルに達しておるわけであります。まあこのまま新しい株式投資がなければ、あとは配当金の支払いだけが嵩んで行くという格好になります。なお本年の七月一日から、一昨年の法律改正によりまして、株式の元本の送金、二年間の据置の期限が切れまして返金できるようになつた分が相当出て来ておるわけでありますが、現実の動きといたしましては、七月に十一万五千ドルばかり、あと八月、九月が一万ドル前後で、七、八、九と三カ月の間に十三万二千ドルほど送金があつただけでありまして、十月も大体ここまで行かない程度の流出になつております。市場経由取得での株式の元本引揚げというのは若干あつたという程度というふうにお考え頂けば結構であります。それから、今の数字は受益証券も一緒に含めて申上げたわけであります。  貸付金及び社債償還は非常に特別な形のものが多いわけであります。特に本年の九月末までの間に貸付金として貸付金債権の取得として認可になりましたものが、全部で円換算累計三百六十四億になつておるわけであります。そしてその大部分、三百三十一億五千万、これが外貨であります。全体のまあ一割足らずの三十二億、これが現物で入つております。このうち一番大きなものとしましては、実は石油関係のものがあるわけであります。これが……、失礼いたしました。民間的のものは別でありますが、ちよつと特殊な形態といたしまして百八十一億、これが全部発電関係の建設賞金になつております。全体の約半額になります。このうち更に百四十五億というものが世界銀行から開発銀行を通じましての電源開発資金になつております。それから通常の民間ベースのものといたしましては、石油工業に対する資金援助といたしまして約九十八億ということになつております。無論中には増資、新株に振替えるものがございますので、そのまま貸付金の形で現在まで全額が残つておりませんが、そういう非常な特別な形のものである。更にバンク・オブ・アメリカから電源開発会社に対して開発の工事のために九百万ドルという貸付がございますし、三十二億何千万でありますが、それから船の建造資金、買船資金、これが船舶会社が三井ほか二社に対しまして約一千万というのもあります。こういつた非常に特殊な大口のものだけで殆んど全部になつてしまつております。貸付金の形態というのは、そういうわけで他の技術援助或いは株式取得というやつに比べますというと、非常に特殊な形態、特殊な関係の金というふうに感じられるわけであります。貸付金だけの単独の債権取得というのもやはり一昨年の法律改正からできるようになつたのであります。で、こういつた形で現実に外貨としまして入つて参りましたのは二千七百三十四万ドルというのが本年九月までに入つておりますが、これに対しまして、支払いのほうは七百四十七万ドルということになつております。これは元本の回収が始まれば無論利息も付けて返すわけでありますから、総額では受取勘定には絶対ならんわけであります。その間に、返すまでの間にどれだけ働いて効果を挙げたかということは別個にバランスの上では見なければならん問題であろうと思うわけであります。  そういうような形になりまして、この外貨面だけの受払い総額を締めて見ますというと、技術援助の対価、それから株式、受益証券の投資のほうと、それから支払いのほう、貸付金及び社債のやはり借入と返済、この面全部合計いたしまして、本年の九月までに四千七百三十万ドルほどの受取り、支払いのほうは四千五百五十万ドルちよつと弱というようなことで、技術援助の対価を考えてみましても、今までのところでは大体バランスしている計算になります。ここで仮に株と貸付金というのがとまるとしますれば、当然技術援助の対価なり支払いだけでもバランスの上では赤になります。併しこれは必ずしも外貨バランスだけで律すべき問題ではございませんので、その点いろいろほかの要素も入つておる。外貨の収支の面に直接響いておる点はそういうようなことでございます。  以上のような大体数字の動きになつておりますが、外資導入そのものに関しまして、日本の経済の復興発展のためにやはり資金的な面でも技術的な面でも相当のまあ援助を受けると申しますか、そういつた力を借りなければならん点が多々あるということは、これはまあ外資法ができまして以来、今日まで基本方針としては変つておらないと思うのであります。特に問題になる件数が多い技術援助契約の面から考えて参りますというと、相当日本の技術のレベルが上つて参つております。そういつた面から、曾つて門戸を開きました当時に双手を挙げて歓迎される程度のものであつても、今日におきましては必ずしもそうはいかない、まあ見る目が肥えて参りますというと、同じ人間が出て参りましても、必ずしもそれだけの、昔だけの評価は与えることはできないというような格好になつて参りまして、或る意味では審査の程度と言いますか、そういうものが上つたということも言えるかも知れません。それと非常に大きな穴があいておりました部面に相当技術が入つて参りました。あと埋める部面が昔ほど穴が大きくなくなつて来ているということも一方では言えるのではなかろうかという感じがいたしております。まあ無条件に何と言いますか、どんどん通つて行くというほどの優秀な技術、こういうものが割に少かつた感じが美はしておるわけであります。或いは私個人の感じであるかも知れません。  それから又資金的な外貨の導入につきましては、御承知のように本年度に入りましてから特にやかましく言われております金融引締めの方向と相関連いたしまして、円金融がつかない程度の順位のもの、仮に融資の順位をつけてみますというと、非常に低位にあるものは逃げ道として外資に頼ると、こういう傾向があつては困りますので、その面の考慮も払われております。企業自体の動きとしてそういういろいろプランを持たれている向きもあるようであります。若干そういう意味では国内の他の政策と関連しまして、見方というものに少し感じが変つて来る、こういう面もあるのではないかと考えております。外資法それ自身は、これは実は為替管理法の一つの特別法という格好でできておるわけであります。為替管理法の建前といたしましては、これは全部こういうような、仮に外資というものは外資法なかりせば、全部外貨送金の面に関しましては事後に、即ち実積を見た上で彼此の優先順位を考慮いたしまして、当時の為替事情を計算に入れましてプラスしてやる、こういうのが建前でございまして、全部まあ個別的でありますが、事後的実績主義によるという建前になつております。これに反しまして外資法のほうでは送金保証というものを最初に与える、その代りこれに該当する即ち資格審査を相当慎重にやつて参る、こういうことになつております。日本の国内法としまして外資が人づて来ます場合に、これを事前に何と言いますか制限するという形は、原則としてはとられておらないわけでございます。その面は日米通商航海条約、或いは平和条約、そういつたものの関連におきまして、外資そのものの導入を事前にストツプするということは、これは事業活動の自由、特別の事業で業種によつて制限のあるものを除きまして、一般的に自由にするという原則に従つておるわけであります。外資法だけが実は入つて来る入口のところに一つの柵を設けて参りました。この柵というものはあと送金保証を将来に亘つて日本の外貨事情の如何にかかわらずこれを認めなければならんという義務を政府が負う、逆に先方に対してそれだけの優遇措置を与えるのに値いするかどうかという資格審査のものでありまして、事業そのものは仮にそこを通らないとしましても入つて来る途はある。一方にそういう根拠がありますが、片方はあいている。併しながらそのほうはあとになつて一々名乗り出て試験を受けなければその年その年の送金ができない、こういう仕組になつている。従いまして、外資法そのものは決して事業活動の自由というものに対する制約というふうには我々としては考えておらないのであります。今日まで外資法によつて申請を出して来るというのがまあ殆んど全部の例でありまして、管理法だけで一応日本に入つて参りましてから、あと働いた結果を見てもらいたいということで投資がありましたという例は先ずないわけであります。従いまして、そういつたものに対する取り扱いが実際上どういうふうになつているか。大体どの程度のまあ日本経済に対する功績があれば一体考慮してもらえるものであろうかというその辺の感覚は、これは実はお互いに余りよくわからない。外国投資家の面にしましても、日本政府の当事者の面から見ましても、事務的にそこまで例が出ておりませんで見当がつかないということで、どうも管理法という形で一般的にはやれるのだ、併しながら特別に外資法というものがあるのだ、こういう関係が非常に重大であつて、周知徹底を欠いておつたように感じているわけであります。通商航海条約とか、そういつたものとの関連において若干議論が出て参つているようでありますので、その点等附加えて申上げますというと、事業活動の自由というものに対する感覚といたしましては、今のように外資法は一般的には入つて来れるようになつている。ただ外資法というものは特別の場合救うだけでありますので、これ以外の途がないというなら格別ですが、ほかに途は全部あいておりますので、その点はいい。  それから為替側限というものをやること、これは今度何と言いますか、通貨準備、外貨の面での非常な今日不足の状況にあります。これをやるというとはこれはやはり通商航海条約の面ではつきり条文がございます。この面は管理法でいろいろ制限があるということは問題でないと思います。同時にその管理法で認められていないような特権を与えるものに対して更に制限をすると言いますか、特に有利なものだけを選抜するという仕組も、だんだんその点には触れないのじやないかというふうに考えております。ただ外資導入に当りましてこれを断ると言いますか、外資法のほうではパスしないということを言います場合に、やはり将来の日本の為替制限に対するそういう特例というものを認めるに値いしないという理由でこれを通さない、こういうことであれば、これは通商航海条約の規定にも、附属議定書のほうにもそういう趣旨のことが書いてございますし、これは問題ないわけでございます。単に国内での競争とか、そういつた点が問題だからということでこれを拒否するという、そういう正面立つてそういう理由を掲げるということになりますというと、事業活動の自由の原則のほうに触れて来るのじやないか、まあそういう懸念があるわけであります。我々としてはそういうまあ説明で外資の申請案件を断つた例はないのでありますが、仮にそういうことがあるというと、問題になり得るということたけ申上げておきたいと思います。  それから一般的に、あとは実は私のほうでの問題と申しますよりも、通産省或いは経済審議庁、そういつたところでいろいろお考え願わなければならない問題だろうと思うのでありますが、為替のほうの事情も必ずしも急には好転しないので相当締めたままでやつて来ておりますが、外資法によりまして一旦認可いたしましたものは、これは全部義務的にその送金の金額は認めてやらなければならない。従つてこれに対応するものも全部外貨予算に義務的に乗せなければならないという格好になります。だんだんこれが支払いの面では殖えて参りますというと、これは全体の為替、特に貿易外の為替の収支面に非常な弾力性を失わせるようた結果にならないとも限らないのであります。従つて非常に重複するような外資というものをできるだけ避けたいような感じがするわけであります。いろいろ並んで同じような規模のところへ似たような技術がいろいろ入つて来まして、お互いの競争をうまくやつて行つて、全体の発展を刺激するということが狙える場合には大いに有効でありますが、同時に悪くしますというと、お互いに設備の過剰投資と、それからむだな必要以上の競争ということにもなりかねない場合もあるおそれがありますが、この点も具体的案件を処理いたします場合に、一つ気になつておる点であります。  それから外資法の改正の問題で、これは全然別個の面からでございますが、いわゆる証券投資に関しまして、現在元本の送金が認められるのは、取得いたしましてから二年を据置きまして、それからあと五年、毎年五分の一ずつ、若し成る年に送らなければその分が翌年に繰越されて、六年或いは七年かかるというような形になる。この形が非常に日本に対する外国の一般投資家の資金的な投資というものを、証券投資を制約しているんじやないかということで、証券業界あたりからの改正の意見があるようであります。まあこれに対しましても、今のところ市場経由の株式取得というものの数なり、それから一般の日本の株式市場の状況なり、それから将来の引揚げということが起りました場合の影響なり、そんな点をいろいろ考え合せまして、また急に門戸を緩めてみてもそれほどの効果もないと同時に、一方為替管理でやつております点と歩調を失するような時期に緩和するということは、外資法の建前から言いましても、これは行き過ぎじやないかということで、今のところだんだん情勢を見て検討するということに考えているわけであります。  それから二重投資の問題のほかに、技術的な面では、更に日本の技術をどうやつて国際水準に持つて行き、更にそれを将来にそれ以上のところを目指して持つて行くか、現在具体的な案件で出て来ております内容を見ますというと、将来の技術の発展というものに対しましても、できるだけこれをこちらに取入れることができるように改良進歩の点も全部教えてもらうようなふうに内容をできるだけしておりますけれども、同時にその中から抜け出して、しよつちゆう先進国の後塵を拝するんじやなしに、どこかそこから抜け出すようなチヤンスを如何にして掴むか、そういう機会はどういうふうにしてやればできて行くのだろうかというのを、漠然と私としましては企業の具体的な態度に徴しまして心配になつておる面もあるわけであります。その辺、それぞれ又通産省、経済審議庁のかたが専門で御研究になつておると思いますので、事務当局をやつております私のほうからは、それ以上どうも御説明は遠慮さして頂きたいと思います。  なお、非常にまとまりにくくなつたようでありますが、御質問に応じまして御説明申上げます。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) ちよつと数字的なことを先に聞いておきますが、外国投資家預金勘定ですね、今どのくらい預金がありますか。

太田亮一大蔵省為替局外資課長

○説明員(太田亮一君) ちよつと今手許に数字を持ち合しておりませんが……。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) あとで詳しい数字は出してもらつてもいいのですが、概数的にどのくらいということは頭にないですか。

太田亮一大蔵省為替局外資課長

○説明員(太田亮一君) 大分動いておりますので、連絡してから……。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 今の説明のニユアンスから言うと、我々も全く同感なような印象を受けるんですが、ただ新聞に報ぜられておるところによると、あなたの説明されたニユアンスと大蔵大臣の考えているニユアンスとはむしろ逆のような印象を我々は受ける。というのは外国為替管理法の特例としての外資法によつて、まあ外資法は特例なんだが、それによつて外資法の特例を与えるほどの技術援助、外貨導入の価値はないが、日米通商航海条約にいうところの企業活動の自由、これによつていささかも制限されないで勝手にやる、こういうことで今問題になつておるようなパイン・ミシンの問題とか、日米石綿の問題だとか、却つて外為替管理法の運用によつてその導入を有利にならしめるような発言というか、心持ちが大蔵大臣にある。むしろ勝手にお入りなさい。そのときの外貨事情によつて送金或いは果実等を持つて帰り得るかも知れないが、持つて帰り得ないかも知れない。こういうことで何か別に外資法によつて許可を与えなくても企業活動の自由を阻害したものではないと、こういう腰強い折衝が相手側になされておるのかどうかという点については、どうも最近の新聞報道だと少しその点は逆に動いているのではないかという気がするのですが、その点はどうですか。

太田亮一大蔵省為替局外資課長

○説明員(太田亮一君) 新聞その他の記事でいろいろまあ推測、或いは記事として興味本位に大分書かれておる点もあるかと思います。我々事務当局のほうといたしましては、管理法の建前とそれから外資法の建前というものは飽くまでその間に性格的に違つております。管理法のほうで今申上げましたように具体的な例はありませんけれども、いつでも入つて来てからあとのやつを面倒を見るという形は、これは現にできておるわけであります。法律的には取扱いができるようになつておるわけです。従つて特に管理法のほうで考えてやるということはこの際改めて行わなくてもできておるわけなのであります。でこの際外資法のほうで取扱いました、そしてそれによつて認められるような条件、これを意に適うようなものであれば、これは仮に管理法のほうで始めから外資法を経由したいでやつて来ましても、あとからこれに応じた取扱いをしてやるということは当然あると思います。これは又同町に外資法のほうで認められるまでには資格を得ておらないような程度のものになりますと、これは当然管理法のほうでもそれに相応した実績をみての取扱いをするということになるべきである。特に管理法のほうで特別に途をあけてやるとか、そういうようなことは現実にあり得ないものだということになつておりますし、又その必要も全然ない。建前としてもそういうことを、やりますと、おかしいというつもりで、我々といたしましては外資法は外資法の建前でやります。管理法のほうで仮に例がありましても、外資法のほうでの取扱いというものを十分に見てもらつて、これと一歩調を合せてやつてもらうように内部の事務を進めて行くつもりであります。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 山村審議官は外資審議会に出ておられるでしよ。

山村章経済審議庁審議官

○説明員(山村章君) はい、出ております。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 今外資課長太田君の言つたような趣旨で考えているという線たらば問題がないような気がするのですが、実際問題は現実に古田さん初め通産大臣もアメリカへ行つて対米折衝をやつている。何とかこの際余りアメリカの感情を損いたくない、こういうところから本来の趣旨から考えればそう好ましくない技術提携だけれども、まあまあというような気持で、大分外務省筋が弱いのじやないかという噂も聞くのですが、そういう点は今の対米折衝、或いは将来も相当米国に対する遠慮、まあ感情を損ねたくない、こういうような建前からいつて、行政運用面だけでうまく太田君の言つたような趣旨の過当な競争を誘致しない、又二重投資、過剰投資にならないような外資の技術提携のセレクトということが、現法制下或いは日米通商航海条約が結ばれておるこの現状において、特に対アメリカの問題において十分やつて行けますか。

山村章経済審議庁審議官

○説明員(山村章君) 非常にむずかしい問題でありますが、まあ大体の考え方は今大蔵省の太田課長のほうから話された趣旨で法律の運営はいいと思うのでありますが、委員長のお話のような、特に対米国の関係、又政府として外資導入は優良外資は導入するのだという一応の基本方針をきめているのであります。従つてそういう優良外資については問題ないのでありますが、お話のような、最近いろいろいわゆるボーター・ラインのケースが相当殖えて来つつあるのであります。この点についてはまあ私間接で外務省のほうのことはよく知らないのでありますが、或いは多少やはりアメリカのほうの民間投資家にも誤解があるのじやないか。外資法で認められなければ、もう事業活動を国内でできないのだというような多少誤解もあるように思います。たとえ外資法で認めなくても、今お話がありましたように、一応入つて来て、その後の国内での活動で国際収支に貢献すれば、それは管理法でも送金は許可、導入されるものだと私は思つております。そういうような点について或いはアメリカのほうの民間投資家に誤解があるのじやないか。そういうような点について一つ極力まあ外務省を通じてアメリカにも、外資法というのはこれは非常な優遇措置を外資に対して講ずるのであつて、それははつきり外資法の、御承知のように外資法にあります許可基準でありますね、国際収支の改善とか、重要産業に貢献するというような制限がしてある、併し制限がしてある代りに非常な優遇を与えているわけです。この線を運用で相当崩すということはこれはいろいろ問題がある。特に最近のような国際収支の状況等から見ましても、むしろ外資法の運営は、これができた当時から比べれば状況はかなり変つて来て、むしろ相当はつきり方針をきめて行かないといけないのじやないかと我々考えておりますが、それでは外資法ではなかなかむずかしいボーダー・ラインのようなケースをどういう工合に取扱うかというようなことにつきましては、やはりその外資法に申請されたときは、一際収支の改善になると言いましてもなかなかそれがわからんわけでありますから、やはり一応事業活動は阻止されているわけでないのですから、入つて来て、実際にそれが国際収支の改善になるという実績が出れば、私は為替管理で送金を許可してやるというような方向ではどうかと、まあこれは個人的な意見でありますけれども、そういうような運営も考えられるのじやないかと思つております。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 企業局長、どうですか。今までの実績、技術提携等の実績から顧みて、少ししまつたと思うケースもあるのじやないかと思うし、今の太田君が言つたような二重投資、過剰投資、従つて不必要な国内競争を誘致しておる面もあるように思いますが、今後の技術提携等についてどういうふうな通産当局としてお気持ですか。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) 今までの外資法の運用というものが、あとから振返つて見てどうかというお尋ねでございまするが、これは私どもは率直に申しまして、今までの運用を、そうおかしなものはまあ私らはないものと確信しております。ただ何と言いますか、先ほど外資課長の率直な感じとしても言われたわけでありますけれども、日本の経済状況のやはり変化というものがその間にあるわけでありますし、その変化とは結局日本の産業の技術水準というものも或る程度上つておる。従つてその後日本の産業技術の持つておる実力からの或るエナーシヤルと言いますか、それで以て解決し得る範囲というものもできて来ておるわけであります。従いまして、過去をずつと振返つて見て、今の段階で今見たら、過去のものをああいう条件で入れたんであろうかというような批評の余地はこれはまああろうかと思いますが、併し、そのときにおきまする情勢判断としては、まあ大体妥当と思う線できめられたと私は確信しておるわけです。殊に外資委員会は、御承知のように関係各省から出て構成しました幹事会というものもあるわけでありますから、これに大蔵なり、通産なり、経審なり、或いは外務なり、厚生その他の関係省もおりまするし、それから更に正式には外資審議会というものもございまして、ここには民間の良識の高い、いわゆる学識経験の高い委員の方々もおられるわけであります。その何と言いますか、目がほうぼうから張りめぐらされておりますから、三人寄れば文珠の知慧と言いますけれども、おのずからそうおかしなものが通ろうと思いましても、あちこちから相当突つ込んだいろいろな質問、検討というものが行われておりますので、そのときどきにおきまして、おかしなものは通つていない。適法の、目的に即し、日本の経済復興に役立つ、まあ実態的には結局国際収支の改善或いは重要産業、貿易の発達に寄与するものという線の範囲でしぼられて来ておるのです。まあそういうふうに概括していいと思うのです。この頃若干二、三の問題が新聞紙上を賑わしておるということは、逆に見て頂きますれば、この最近における日本の産業技術なり経済復興の状況に照らし、若干の問題のあるものが出て来、従つてそれに対する点もからいからこそ、これもいろいろな人の見方で、一部をとらえてみればいいじやないかというような見方もありますし、その点からもノーといわれれば、それに反駁するというようないろいろな議論も生ずる余地はあるわけでありますが、この頃問題が出だということは、結局点がからくなつたといいますか、からこそ問題になるものが出て来ておるというふうにも了解して頂いて差支えないと思います。又そういうふうに運用されておるからこそであるというふうにも私ら自身も思うわけであります。  それからただ過当競争はどうかというお尋ねもあつたわけでありますけれども、例えばラジオならラジオというような関係の部門になりますると、すぐれた真空管の技術とかいうものを仮に入れるといたしました場合、導入の条件そのものは相当しぼつてありますけれども、業者としては数としては割合に数多く認められたというようなケースがあるわけですが、これは結局日本の通信工業のレベル・アツプのために外国技術を導入しなければならないという要請が一方にあり、而して現実の問題といたしまして、通信工業の関係事業者というものが相当たくさんおるという場合に、そのすぐれた技術を手に入れ得る人を少数の者に限れば、その人が独占的な地位を持つということになる。それより先に実体的た競争関係といいますか、その業に従事しておる人が相当おるわけなんでありまして、そういう人たちには同じ条件でその技術を取入れる途を開いて、その上での公正な競争を与えてやるというやり方が妥当ではないか。併しそうするためには結局導入の条件のほうで加減いたしまして、最初に導入する場合に前金を不当に余計取られるということにならないように、単価も安く、それから生産高に応じてというような遂にしてさえおけば、その技術には関係する業者がアプローチできる、自分のものにできる。而してその技術で競争して利用度に応じて対価を払つて行くという、そういう考慮からそういう数多くしたケースもあるわけでありますが、その辺がまあ実体が先にあるかないかという問題によりましても、そういう措置をとらざるを得ないという場合も起つて来るわけであります。何もそういう実体関係のない所で新らしいものを作るという場合に、新規の外国のすぐれた技術があつて、日本にそういう実体がないものについて或る産業を起すという場合におきましては、或る程度の競争関係というものは考えなければなりませんけれども、需要の大きさとそれからその事業の妥当のスケールから見て、二つのものを三つにしたらいいのかというようなところで考えるのでありまして、そういう場合には最初なり初めのほうに来たほうが或る程度優先順位を与えられる、あと推薦があつても既往のものでたくさんですから御遠慮下さいというようなことにとり得るわけでありますが、その辺の実体の状況によつて多い場合少い場合、必ずしもその技術がただ入つたからというだけで数を狭くはできないという場合もあることを御了解頂きたいと思います。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 今の外資委員会あたりがおつしやるごとく、いろいろ網が張つてあるから各方面の意見が聞かれるということですが、構成はあなたがた公務員を前に置いて言うのも何ですが、おおむね公務員の人が多く、民間の人が割合からいうと少いのですね。そうすると今対米折衝をやつておる、こういう政治的な政府の交渉段階において、吉田内閣としての方針が相当アメリカに対して感情を損ねちやならんというような政治情勢から、一つのその時期に外資委員会等で問題になつて取上げられた企業がその対米折衝というような政治折衝の犠牲に供されることがあるのじやないか。そういう事務当局のあり方としては、徳水君の言われたように、最近点数が辛いと言われれば、おおむねいい方向だと思うのですけれども、一つの大きい政治的な含みを持つてそういう一つの企業が犠牲になるおそれもあるのじやないかと思うのですが、そういう意味においては余り内閣等の意見によつてというか、内閣の政治的な配慮によつてその去就を制約をされない民間人の委員の数を殖やす、委員会における比重を重くする、こういう措置が必要ではないかということが一点。  それから外国為替管理法によつて、実績を見て、輸出に対する貢献、或いは輸入に対する貢献、即ち外貨を積極的に獲得することに役立つた、或いは外貨使用を節約したというような貢献度に応じて送金についてあとから考える、実績によつて考えるということも、これは今のままで行くと大蔵大臣……まあ行政措置に一任されることになるので、これは国内、国外からの政治力によつて、必ずしもそういうような厳密な数字的な計算によらずして、政治的な含みをもつて或るときは送金が認められる、こういうことになるおそれがあるので、若しそういう運用をやるとすれば、そこに何らかチエツクする諮問機関か、まあ外資委員会に相当するような、導入された外資の実績を検討する政府限りでない他の意見、広い視野から見て検討するというような機関が必要ではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。どなたから答弁してもよろしいのですが……。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) 只今お尋ねのございました、この外資委員会の審査振りというものが政治的な関係からどうこうされることがありはしないか、少しそのために委員会の構成を考える余地はないかというようなことをおつしやつたのでございますが、私、正式には外資委員会の委員はうちの次官がなつておるのでありますが、代理で企業局長になりましてから出ておるわけであります。お尋ねの点は新聞をいろいろ賑わしていることもあるので、その点からの御想像だろうと思うのでございますが、私審議会に出ておりまして、御懸念のような政治的な何といいますか、圧力といいますか、というようなものが審議会に与えられたケースというものは全然ございません。それから、過去におきまするものは詳細に私承知しておるわけでありませんが、審議会におきましてもあの審議振りにおきまして、始んどの議案というものがイエスかノーであるわけでございますけれども、イエスの場合におきまして、内部的な議事規則として多数決ということにしてあるのでございますけれども、事実上は始んど満場一致でございます。それによつて結論が出されておるわけであります。多数決でございますから、多数決できめればきめ得るということにもなろうかと思いますが、過去におきまして、民間側の委員が全部反対され、政府側の委員が全部賛成に廻つてそれを多数決できめてしまつたというケースはございません。さような民間の委員の方も非常に御立派な方方でありまするし、私ども過去の運用の実績に照しまして、御懸念のようなことは将来も起るとも考えませんし、従いまして、その点から構成を変えるという必要は実績に照して考えますれば、私は杞憂で、安際上必要は全然ないのじやないかというふうに考えておるわけであります。ただ一つお尋ねのございました、外資法ではノーというか、為替管理法でもつて入りました外資の実績分に照し、その配当金その他の送金を認めるという場合に、その仕組を何か工大が要らないかというお尋ねでございますが、この問題は、お話にありました点は確かに一つの問題ではないかと思うのですが、実はこれは大蔵省からお答えになつたほうがいいのではないかと思いますが、外資審議会で一つの研究問題が出されておるわけでありまして、過去の例で行きますと、外資審議会というのはイエスかノーかということで、イエスという場合は最初からみて明らかに日本の重要産業或いは公益事業に役立ち、或いは国際収支の改善に寄与すると間違いなく判断できるものということでやつておるわけであります。明らかにノーではないが、明らかにイエスとも言いがたいというようなもの、これはまあやらしてみて様子をみなければわからんというものもあるわけでありますが、そういうものをどうさばこうか。これは現実にそういうものも今後起つて参ると思いますが、それを外資審議会とつながりをつけた為替管理法の運用の仕方というものを何か研究してみようじやないかということで、この中で議論が始められておるわけでございます。従いまして、今すぐ政府の関係者なり或いは民間の方なり、委員の態度がどうきまつておるということは言いかねるわけでありますが、新しい一つの問題として研究されておりますので、そう遠くない間に全体の外資法なり、それから為替管理法なりの精神と言いますか、もつと実体的に言いますれば、日本の経済復興とそれに対する外貨をどうアプリシエートして、どう取扱つていくかという問題、および二つの法律の運用上どういう工合にさばいていくかという問題として、研究問題として作業に着手しておるわけであります。もう暫くの間に妥当な方式が作り上げられるだろうというふうに思つております。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 大蔵当局のほうも今の徳永君の答弁に尽きますか。

太田亮一大蔵省為替局外資課長

○説明員(太田亮一君) 今企業局長からお話のありました点でありますが、まだ何と申しますか、私たちのただ内部的な一つの考え方をまとめてみようということで今手をつけかけておりまして、それをやります前に或る程度筋と申しますか、そういつた線での考え方について、外資審議会の委員の方々の従来からのいろいろな案件の処理、その他もつと広い面から見られました御意見をお伺いしようじやないかという今段階に漸くなつたわけでありまして、具体的に、仮に事案の処理につきまして、外資法のほうではどうも通りにくいが、入つてくれば管理法で認めてやろうというようなことになりましても、実際それが管理法のほうで具体的に送金申請が出て来るというような時期にはかなり間がありますから、今すぐ右か左か、Aの方式かBの方式か、きめてしまわなければならないというところまで切羽詰つて考えておるわけではございませんけれども、と同時に又為替管理法のほうで自由にやつて参ります場合に、できるだけ外資法のほうで始めからいろいろ事業そのものについてのまあ評価といいますか、そういう点を付けてしまつて、これは人体パスだとか、これはだめだとかいうふうに始めからきめてしまいますと、あとで実はうまくその通り行きません場合には、それはどうもこちらのほうの見込み違いでございまして、そのまま認めることになるわけであります。管理法の場合ですと、それを厳密に判断をして具体的にその場その場で点を付けなければならない、去年付けた採点と今年の採点と又違う、というようなこともございまして、その辺の点の付け方なんかになりますと、これは大分いろいろな考慮をすべき要素が組合わさつて来ることになろうと思います。その辺のところまでの研究を進めますまでには、ちよつと時間がかかるのじやないかという感じがしております。取りあえず外資法のほうで従来はこういつた感じのものを、取扱つておるのですか、管理法のほうではこれに対して、じやどういうふうにあとを受けて行つたらいいのか、このつなぎ合せの工合とか、その辺のところを研究して行こう、今その段階でございますので、御了承を願つておきたいと思います。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 山村君どうですか。

山村章経済審議庁審議官

○説明員(山村章君) 前の問題でありますけれども、外資審議会のことですが、私も二年ばかり出ておるのでありますが、併しその運用状況を見ますと、只今委員長お話になつたような御懸念は私ないのだろうと思います。あれは大蔵大臣が会長でございまして、委員が九人おられる。その中五人は民間委員です。一人の委員はスタツクから技術的に出ております。又外資の導入でありますから、技術の問題が非常に中心になるわけで、我が国の重要産業、経済にどの程度の技術が貢献するかということで、その点につきましてはスタツクが慎重に研究をしているわけであります。あとは御承知のように民間の学識経験者の立派な方々が出ておられまして、政治的な問題でどうこうというような懸念は、私二年間ばかり出ておつたのでございますが、我々の見るところではそういう御心配は全然見られないのじやないかとまあ一応思つております。ただ任期が二年でございますから、或いは任期が過ぎれば又変るということかあるかも知れませんですが、今のところはそういうことはないと思います。管理法のお話の点は今通産のほうからお話のありました線で、我々も一応研究をする段階に来ております。まだどういう方針というところまでは行つておりません。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) 各省の意見をまあ出すという意味で、関係省からそれぞれ出ておられるけれども、政府関係の人はこれは四人おつても五人おつても一票ですわね、本来が。最終的には多数決で行つて、民間側の委員と政府関係の委員と表決する、それはまあ民間側は全体反対で、政府側が賛成だということで決定したことはなかつたという話ですが、だんだん点数が辛くなるに従つて、内外からの圧力というのは相当来ると思うのですが、その時に本来一であるべきものが四乃至五とかいうふうに相当数がふくらましてあるということは、むしろ外資委員会に出る前に関係各省の調整をやつて、政府側の意見を一つにまとめて、そうして外資委員という、審議会委員というのは政府側、政府が一票加わるにしても一票であつて、そういう構成がむしろスタビリテイがあるのじやないか、まあ今までそういうケースはなかつたということだが、大分最近の問題ではそうでもないような、まあこれは徳永君の説によると噂に過ぎないということになるのですけれども、あなたがた事務当局としては割合いい線が出て来るようだけれども、それが大きい政府としての政策から圧力がかかるということは、将来あつてはならないと思うのですがね。まあ今度あつたかなかつたかは別として、将来ますます点数が辛くなればなるほどそういう心配はあるのじやないか。だからここで今までそうでありましたということは言えないにしても、将来の問題としては一つそういう点についての工夫はあつて然るべきだと思うのですが、答弁できんでしようから答弁はいいですが、研究問題として問題を指摘しておきます。ほかに……。

八木秀次日本社会党(第二控室・右)

○八木秀次君 私は質問ではありませんで、多少説明をさせて頂きます。この説明は昨年四月までの経験でございまして、大体政府側の話をただ強めるだけになるのでありますが、御参考になると思つて申上げます。  以前外資委員会の委員におりましたが、外資委員会というものは独立の機関であつて、自主的にものを決定いたしております。それが一昨年頃委員会が廃止されまして、外資審議会に切換えられた、そうして外資委員会の本務は大蔵省為替局が担当いたしまして、前の委員は単に審議会の委員になつたわけであり伺す。併しその移り変りの際に、審議会というのは単なる審議機関であるけれども、外資委員会の継続として大体運営は外資委員会の時の通りいたしましようという了解になつておつた。従つて外資審議会は他のたくさんある審議会に比べて、かなり有力な立場におつたと考えております。ただ私は昨年四月議員になりますについてこれを辞任したわけなんですが、その以前の経験を申上げますと、大体運営はさつき説明のあつた通り満場一致でやつております。一人でも強力な異議が出ます場合には決定を差控えまして、そのためにときに三カ月も六カ月も審議の遅れたこともあります。併し大体は全部の者が納得するというところまで持つて行つております。それから外資審議会の審議いたしますこと、その中に単に外国側が債権を獲得するというだけの場合は外資委員会限りでありますが、海外の技術を導入するということに対して支払いをするという技術導入ということになりますと、先ず総理府にある、先ほどからお話のスタツク、科学技術行政協議会で審査いたしまして、私その海外技術導入部会の部会長を勤めておりまして、これは専門的技術的の審査であるが、随分厳重な審査をいたしました。その上でこの技術は取入れるべきであるとなつてから外資委員会にかかつたのであります。  戦後日本の経済を復興するについて、そのキーポイントと申しますか、何が大切であるかということの大きい一つは、曾て経済白書であつたか、技術白書であつたかに分けにされましたように、日本の技術は戦争のために十年遅れておるということであります。一日も早く最も進んだ新しい技術を取入れなければならん、これをしなくては日本の経済復興は困難であるという理念に立つておつたわけであります。そこで、戦時中を通じて海外で非常に躍進いたしました新技術を取入れる、それが果して特許権使用料、その他の報償金を払つてまで取入れるべきであるかどうかをスクツクで厳重に審査したわけなんで、技術的な審査は主としてスクツクでやつておりました。その部会長であつた私は審議会のほうに出まして、審議会においては私ただ一人の技術家でありますけれども、通産省当局は技術陣を持つておいでになりますので、これ又随分厳重な審査が行われました。そういうことでやつて参りましたので、先ほどから問題になつておりましたような意見の違いがあるから多数決でやるということはなかつたのであります。  そこで委員長のお話の中に、政府側は一つにまとめておいて、民間委員と議してはどうかという御意見がございました。なるほどこれは一つのやり方であると思いますが、以前の経験から申しますと、政府側というものが一致しないので、それは通産当局は日本の技術を躍進させ、産業を振興するという立場でものを考えておる。大蔵省側は外貨の問題を主として考えておる。その立場の違いのために通産当局と大蔵当局の間に意見の一致がむしろ得がたい場合が多かつたのであります。自然政府側の意見は一致しておつて民間委員の意見を抑えるというような傾向よりは、むしろその逆というほどに、政府のほうは決して一本にはなつておらなかつたし、又なり得ない事情があつたわけであります。それは主として日本の工業振興ということを第一に考えておる通産当局と、お金の問題ばかりを考えておる大蔵当局との意見の相違ということになるわけであります。そこらを民間委員が考えまして、適当な結論にいつも達しておつたのであります。昨年四月までの経験では、先ほど来お話のような心配は全然なかつたので、まあその間並びにその後に取扱われました問題について一、二週切でなかつたというような感じを持つ案件もございます。例をあげますならば、例えばテレビジヨンというものがありまして、アメリカのRCAという会社の技術を入れる。それは二、三の会社がこれをとり入れなければ、日本ではテレビジヨンはやれないということが明かであつたのでありますが、その後になりまして、いわゆる総花的に二十社、或いはそれ以上の民間事業体が契約を結んだのであります。勿論その契約条件は非常に寛大なものでありましたから、負担としては僅かであります。併しどうもこの日本においてと申しますか、日本の官庁においてと申しますか、幾つかの業者に対して認可して、それから後の申請はこれを否定するということは公平を欠くという感じがあつて、ついついそれをやはり許すという傾向があつたのであります。その弊害の結果、或る業者は契約を履行できないものさえ出て来たのであります。これはあとから考えるならば、審査がいささか甘すぎたということも言えないことはないのであります。そういう個々の問題につきまして、多少失敗したというような場合は全然ないとは申せませんけれども、審議は昨年の四月までは大体満場一致というところまで持つて行くということにいたしておりました。その点は政府側の先ほどからのお話のように、余り心配はないのであります。外資法そのものの改正を何回かいたしましたが、それに対してはアメリカ側、殊にニユーヨークのウオール街の人たちの意見というものは非常に強く、これを受け付けないようにして審議会をやつて参りました。それはアメリカ側の考えは、日本に外資を入れました場合に、単に利払いを保証するというだけでなしに、元本を必要の際には持つて帰るように許せというのであります。それは最初は全然許さなかつたのであります。若し一度に先方の出資を引揚げられましては、日本の経済に混乱を起すからということでありましたが、それを緩和しろという議論はアメリカの新聞には盛んに出るので、又申入れもありました。それで成る期間、例えば三カ年間据置くならば、そのあとは元本を持ち帰つてもいい。但し一度では困るから何回かに分割してならばそれを認可しようというところまで緩和いたしましたが、アメリカ側ではそれも余り窮屈であると言つて、今もつて相当先方の意見は強いのであります。もつと自由にしろという、そういうことで、事態の変化によりまして外資法そのものも改つて参るはずでありますが、外貨事情というものが如何に変るかということで、昨今しみじみ感じますことは、或る時期にはもうポンドが入つて来てくれては困るというほどボンドを持て余して、それの値下りのために非常な国家的な損害になりはしないかを心配した時代がある。そうかと思うとポンドが非常に窮屈になつて来て、安定いたしまして、又対英勘定が苦しくなつたこともある。昨年の今頃からいわゆるデフレ政策を政府がとりましたのも外貨事情であると言つている。ところがこの二カ月ばかりの外貨事情は受取超過であります。これはちよつと予想できなかつたことであります。昨年デフレ政策の初期において前途は非常に暗いと皆が言われるときに、必ずしもそうじやありますまいということを私が申しましたのは、以てのほかの楽観論である、こう叱られたものであります。併しどうも外貨事情というものはなかなか予想がつかないもので、この一、二カ月の受取超過というものはずいぶん莫大なものと私は思いますが、勿論そのためには国内産業は非常な圧迫を蒙り、その犠牲によつて輸出が伸びたということは言えますけれども、そんなに昨年来悲観したほど悲観しなければならないものではなかろうという感じを今持つております。併し今後の推移というものは全くわからないのであります。外貨事情が非常によくなつたり悪くなつたりいたしますために、外貨審議会あたりの審議というのはよほど老練な練達な人たちがやらなければならないので、過去においての民間の委員は実にその点においてすぐれた人であつたと私は認めているのであります。今後の問題といたしまして、外資法を改正しますか、為替管理を何とか手をつけますか、これは問題が多々あろうかと思います。ただ私自身の多少経験いたしましたところでは、民間の業者が社債を外国で募集するということは戦後殆んど問題でなかつたのでありますが、今後においてそういうことが出て来るのではないか、又やらなければならないのではないかと今考えております。その場合に、政府としてどのような態度でこれを認むベきか、これは問題なんであります。簡単にデフレ政策をつつぱつてやるのだということになりますと、いかなる形においても外資の入つて来ることを恐れる場合があります。併し他方総理大臣は何かの形において外資を得るために外遊しておいでになるのであります。又外貨事情が苦しかつたのでありますから、そこで国内において円のインフレを起さないような形において外貨を取入れるというのではあるまいかと私個人は考えているのであります。そういういろいろな問題が起つて参りますから、為替管理の問題と外資法の問題とは、今後事態の推移に応じて然るべく改正なさる必要があるであろうと考えております。私の承知いたしております事情は以上の通りでありますが、結局、今日先はどから政府のほうの御説明を裏書きすることになりますが、御参考に申上げておきます。

小林政夫緑風会

○委員長(小林政夫君) ありがとうございました。  それでは本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後零時三十七分散会

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