経済安定委員会 第3号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/04/05
会議録
○委員長(早川愼一君) それでは只今より経済安定委員会を開会いたします。 日本経済の安定と自立に関する調査でありますが、去る三月五日の本委員会、次いで三月十二日の懇談会におきまして国際収支の諸問題につき当局を交え種々検討を加えたのでありますが、去る三月三十一日の経済閣僚審議会において決定した昭和二十九年度の外貨予算について御説明を願えれば結構だと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今委員長からお話のございました二十九年度の外貨予算につきまして概略御説明申し上げます。 お手許に二十八年度及び二十九年度上半期輸入外貨予算、それから二十八年度及び二十九年度の国際収支比較表、この二つの表がお配りしてございまして、大体この表に集約せられましたところが先般決定いたしました二十九年度の上半期の輸入外貨予算の姿になつておるわけでございますが、この表の御説明に入ります前に全体の基本的な考え方並びにこれに関連いたしますいろいろの問題についての政府の考え方を先ず御披露させて頂きたいと存じます。 御承知のように国際収支の状況は二十八年度中に非常に悪化いたしました。その数字的な検討等につきましては御承知のことでございますから省略いたしますが、そこで二十九年度の外貨についてどういうふうな基本的な考え方で行くかということを先ず閣僚審議会におきましても非常に深刻な議を進めて参つたわけでございます。で従来はこの外貨予算の閣僚審議会と申しますものは大体事務当局でまとめましたものを承認するというような程度のものであつたようでございますが、今回は特に事情も変化いたしましたので、深刻な検討を続けようという申合せをいたしまして議論を重ねて参りました。その結果数字的に申上げますると、二十九年度の大体外貨予算の計画としては一年間を通じまして二十億ドルの支払ということを基礎にして外貨予算を編成しようということになりましたのがその一つであります。 それから次の一つは、二十九年度中に国際収支をとんとんに収支均衡するということは理想としては結構なんでありますが、又国際収支だけを見ればそうやりたいところでありまするが、あとで申しますような諸般の考慮からいたしまして大体九千万ドル乃至一億ドルは二十九年度中更に赤字が出るということは止むを得ない、これを認めざるを得ないということにいたしましたことであります。 それから第三には、第一に申上げました二十億ドルの支払ベースという考え方は他面において輸出と特需の収入を相当内輪に見ておるということが一つの特徴になつております。御承知のように輸出計画それ自体、或いは特需の見通しそれ自体といたしましては、政府は現在でも輸出につきましては十三億六、七千万ドルの輸出を期待いたしております。それから特需については七億六千万ドル程度の特需はとれるものと見込をつけております。その基準で参りますならば輸入計画は二十一億ドルベースでも或いはそれ以上でもできるのでございますが、併しこれはできるだけ大事をとつたほうがよろしいということで、今申しました二十億ドルベースにいたしたわけでございます。その内容としては、その計算の基礎にしております輸出は十二億五、六千万ドル、特需は七億一千万ドル程度というようなところを基準にいたしまして二十億ドルの支払ベースということにいたしておるわけでございます。これを、この支払と現実の外貨の決済等で時間的なズレその他の問題もございますから、大体従来の方式等に従つて参りますと、いわゆる外貨予算の編成として見ました場合には二十一億五千万ドルくらいの、年間の確認ベースという言葉をしばしば使うのでありますが、そういう基準で申しまする輸入外貨予算の全体の規模としては二十一億数千万ドルになるわけでございます。それを従来通りの方式に従いまして上手期と下半期に分けて計画をいたしましたわけでございます。上期において大体年間の半分即ち十億五千万ドルを輸入貨物の予算額として組んだわけでございます。それから貿易外の予算額は三億一千余万ドルでございまして、合計十三億六千万ドル余の支払の勘定であります。これを二十八年度の修正の予算額、即ち大体実績に近いものと比較いたしまするならば、輸入の貨物の関係では一億六百万ドル程度の減少でございます。丁度一割ほどの減少になつております。それから貿易外の関係では八千四百万ドル程度の減少で、輸入と貿易外支払の合計をいたしますると、二十八年度の大体実績と比較して一億九千百万ドル余の減少ということに相成るのでございます。 これが全体の規模でございますが、今度は輸入貨物の予算の内容について特徴と思われまする点を二、三申上げたいと思います。 先ず第一に、先ほど申しましたように国際収支の均衡ということだけを考えますならば、収支とんとんの、而も非常に内輪目な予算を組むべきであるという考え方が出て参るわけでございますが、一面において日本経済の自立或いは国内経済に及ぼす影響、更に物価の関係というようなことを考え併せますると、余りにドラステイツクなことをするのは如何であろうかという配慮と、それからどうしても輸入を切詰めるということ、或いは国際収支の改善をもたらすというためには輸出の振興ということを図らなければならん国柄でございますから、輸入の原材料についてはできるだけこれを確保いたしたい。別に前々から御説明申上げております一兆円予算に伴う日本国民経済全体の姿というものを例えば鉱工業生産指数で申せば二十八年度と大体同様の程度、それから先ほど申しましたように輸出については昨年度よりもつと伸ばしたい、伸ばさなければならんという計画を持つている限りにおいてはそれらの計画と併せた原材料の輸入は確保しなければならないということを一つの柱にいたしましたつもりでございます。それから同時に食糧が何と申しましても昨年度の凶作ということが昨年度の外貨収支に非常な影響をもたらしたわけでございます。これは相当程度減少するということは、当然計画として考えられてよろしいことだと考えたのでございます。それから不用不急と認められるような物資は徹底的に制限しなければならんのでありますが、この中にはあとでも申上げたいと思うのですが、或る程度は貿易協定等から申しまして輸出の誘い水として、例えばイギリスのウイスキーでありますとか、西欧数ヵ国等の自動車の輸入でありますとか、いうようなものは不用不急であつても文字通り全部をきれいに削減するということはできなかつたのでございます。テレビでありますとか、製品としてのたばこでありますとか、こういうものは一文も計上しておりませんが、今申しましたように貿易協定の誘い水として先方が極く僅か輸入を希望しておりますものについてはこれを計上せざるを得なかつたというようなことが言えるわけでございます。 それから各物資別の数量につきましても御説明申上げたいと思うのでありますが、一、二の例をとつて御説明いたしますれば、例えば食糧のうちで砂糖というようなものは非常に最近において日常生活の話題になつております問題でありますが、今回の外貨予算では八十万トンの輸入ということに計画をいたしたのでございます。この八十万トンと申しますると、二十八年度の砂糖の消費量は百八万トンと考えられるのでございます。御承知のように砂糖は国内産は大したものはございませんから、二十八年度の砂糖の消費量が百八万トンであつたといたしまするならば、輸入の砂糖は八十万トンでは非常に差額があるわけでございます。併しながらこの百八万トンの消費量というものは二十八年度と申しましても十月以降くらいに急激にふくれておるものでありまして、二十七年度においては輸入の数量も八十万トンに相当及ばない七十万トン余りでございまして、その当時或いは二十八年の十月以前に比べて見れば八十万トンも輸入すれば需給の関係から言えば大丈夫やつて行けるという確信を持ち得るわけでございます。同時に市場方面におきましても八十万トンの輸入という声が出た関係から、御承知のように最近の砂糖の相場などもむしろ下る傾向にずつとなつて来ておるような状況でございます。この一例におきましても、この点はいろいろの御批判があると私も思いますけれども、今度の外貨予算というものが一面相当真剣に輸入を切るということを考えて見ますと同時に、物資の真の需給の関係や生産の計画、輸出の計画から見れば、一部の世の中に伝えられておるように極めてドラステイツクな、もうこれでは立ち行かないんだというような程度の外貨予算の編成であるかに憂える人がございますが、そういう心配は私はないと思うのであります。 それからこの問題に関連いたしまして国内で物資の生産配給の統制等の問題を考えなければなるまいかという議論が相当あつたわけでございますが、今申しましたような程度でございまするから、私は全体の物資について今日の段階においていわゆる統制措置ということは只今のところではそう深刻に考える必要はないのではなかろうかというふうな感じを持つわけでございまして、閣僚審議会におきましてもこの上半期の十億五千万ドルの輸入計画を編成するに際してそれらの問題をも併せて慎重に研究いたしましたけれども、この決定に伴いましては原則的に統制の問題等については、なお情勢の推移をよく見ながら研究は続けて行くが、差当りの措置として実施をするとか、或いは法律案を作成するとかいうことは暫らく見送ろうということに相成つております。 ただその中に一つ例外がございますのは、油の問題でございます。この石油の問題につきましては、やはりいろいろの意味で問題でございますからちよつと簡単に附加えて申上げたいと思います。最近非常に急激な需要の増加によりまして石油の輸入については相当増加いたして参つたのでありますが、二十九年度においてはできるだけ輸入を抑制いたしたいと考えます。それで重油、揮発油の昨年度の年間の消費量はどうであつたかと申しますと、重油は五百三十七万キロリツター、揮発油が二百十五万キロリツターであつたのでありますが、二十九年度におきましては重油についてはこれ以上の増加というものを抑制したいと考えるわけであります。それから揮発油については最近の消費の傾向その他から見まして一〇%だけは増加を見込む。その結果重油については二十九年度も五百三十七万キロリツター、揮発油については二百三十七万キロリツターというような程度に考えておるわけでございます。ところがこれとても重油を二十九年度は全体として二十八年度と同じ量であるということにいたしますためにはこれは実は非常に問題があるのでありまして、と申しますのはやはり二十八年度の下期以降において重油の消費量は非常な殖え方をしておるのであります。従つて、二十八年度の末のところと二十九年度とを比較いたしますれば、自然の成行きによつて殖えるであろう重油の消費量に比べますれば、今回の私どもの消費量据置きという考え方は、二割程度の削減ということになるのではないかと考えられるのであります。そこで、この油類につきましては統制措置を実行することにいたしたわけでございます。特に重油につきまして或る種の措置を講ずることにいたしたわけであります。その措置は大体大きく分けますると、大体三つの内容になるのでありまするが、その前に石油につきましては国内資源の活用、或いは石炭の問題ということと併せて総合的な燃料対策といたしまして、先ず石炭について適正な出炭規模を策定する、合理化をその線に沿うてやつてコストの低下を図りたい。そうして一方需要者にも協力を求めたいという、石炭についての一つの考え方を並行的に私どもとしては考えておるわけでございますが、重油だけについて申しますると、一つは重油の消費節約を運動としても相当徹底して展開いたしたいということでございます。で、先ほど申しましたように二十八年度のしつぽのほうの状態と比べて見ますると、先ほど申しましたような二十八年度と同様の消費量ということが、大体一年延ばして見れば百万キロリツターは重油の消費が伸びるであろうが、この百万キロリツターを切らなければいけない。そこで先ず第一の今申しました消費節約の運動でございますが、火力発電、セメント製造業等におきましては、混焼ボイラーが使われておりますが、この混焼ボイラー等につきましては、できるだけというか、専ら石炭を当分の間使用してもらうように行政措置を講じたいと考えておるわけでございます。勿論発生炉等石炭への転換の技術的にも経済的にも困難か、或いは不可能なものもございますが、それらは除きます。又徒らに中小企業にしわが寄らないように、中小企業については原則的に特に再転換への勧奨はしないつもりでございますが、今申しましたような点について、大体先ほど言いました百万キロリツターのうちで火力発電セメント等の部門で約四十万キロリツターの節約をいたします。その他の部門で約三十万キロリツターの節約をいたしたいというのが第一点でございます。 それからその次は煖房用、厨房用、特にビルデイングなどの、煖房用などの重油の使用量がやはり二十八年の末の冬季においては非常に殖えたのであります。こういうものは重油をあえて使用しなくても済むのでありまするから、一つ石炭を使つてもらいたいという考えでございます。 それから大都市の浴場等につきましても重油を使用する向きが多くなつて来ているのでありますが、これも強いて重油を使わなくてもやつて行けるわけでございますからこれらに対しましては今年の冬のほうからこういう措置をとつて頂きたい、即ち石炭を使うようにできるだけして頂きたいということを今から積極的に政府としてはお願いをいたします。同時に、先般両院で御審議を願いまして成立いたしました国際的供給不足物資等の需給調整臨時措置法、これの有効期限を一ヵ年延ばしてもらつたわけでありますが、これに基きます消費規制を煖厨房用、浴場用の重油の使用につきましては、今からですと丁度六ヵ月ほどの予告期間があるわけでありますから、場合によると今年の十月一日からそういうふうに行政上の措置を講じたいというふうに予告をいたしているわけであります。それからこれによりまして、見当といたしましては約三十万キロリツターの消費の伸びを抑えることができると考えられます。 それから第三は農林水産用、船舶用等の内燃機関用の重油でございます。これは一般的に消費の規制ということをお願いしなければならんということは勿論でございますけれども、これらの用途については絶対に重油の使用が欠くべからざるものである。そこでその必要量につきましては関係業界の協力を得まして、輸入の割当から始まりまして、それを流して行く先々の業界の協力の下に行政指導をやつてこれが確保を図つて行きたい、こういう考え方をいたしているわけであります。で、先ほど申しましたようにこれらの油に対する措置は同時に石炭に対する措置が伸びて行かなければならないわけでございますが、この石炭については先ほど申しました大体私どもの考え方は四千八百万トン程度の適正出炭規模にする。これを基にして参りますれば、昨年度、一昨年度等に比べれば相当出炭の増加になる。で、これに炭価の値下げの方策と併せて総合燃料対策に進んで行きたい、こういう考え方をいたしているわけであります。 これを要するに、先ほど来申上げました、今回の外貨予算の編成に伴いまして国内措置を必要とするのではないか、統制措置をやらなければやつて行けんのじやないかという点については、縷々申上げましたように、非常に慎重且つ深刻に検討いたしたのでありますが、差当りのところはこの油に対する措置だけで他の点はやつて行けるという見通しを持ちますが、同時に、併し情勢の変化によりまして適時適切に手が打てますように、十分常に研究を怠らないで行こう、こういうふうな態勢を一応とつたような次第であります。 それから各物資についてもいろいろ固有の問題があるかと思いまするが、余り最初の御説明が長くなつても如何かと思いますので、御質問に応じてお答えさせて頂いたら如何かと思います。大体簡単でございますが、概略を御説明申上げました。
○委員長(早川愼一君) 御質問をどうぞ。
○苫米地義三君 この輸入の価格、これは価格ですけれども、数量が出ていると思いますが、その数量は二十八年度と比較してどうなるか、又価格の、単価が二十八年度と比べて、どういうふうになつているかという点について、ほんの代表的なものについて伺います。
○国務大臣(愛知揆一君) それでは主な物資につきまして、先ず食糧で申しますと、食糧の中で、先ず米でございますが、米については買上量を百十四万五千トン、それから上期におきましてはこのうち約五十万トン分を外貨予算として計上いたしてあります。米につきましては只今の百十四万五千トンというのは、年間の内地到着量でございます。これに対しまして、二十八年度は百四十五万六千トンでございます。それから小麦で申しますと、二十九年度の見込は百八十四万三千トン、二十八年度は百九十七万三千トン、それから砂糖で申しますと、先ほど申しましたように二十九年度を八十万トンといたします。二十八年度は百八万トンの消費量と相成つております。それから食糧その他を省略いたしまして、その次は毛糸で申上げます。原毛の消費量で申しますが、二十九年度見込が七十一万俵であります。それから二十八年度は八十六万俵であります。それから綿をちよつと、今あれでございますが、綿糸で、これは内地での生産量に対する割当量といいますか、割当量と逆に生産量に現われたところを申上げますと、二十九年度は十八万三千梱になりますが、これが二十八年度は十九万三千梱であります。
○苫米地義三君 いや、それはここで伺いますと大変御迷惑でございましようから、何かあとで又資料を頂きます。ただ値段が諸外国と幾らか下向きになつて行くのじやないか、それが去年と比べてどのくらいの単価になつておるか、大掴みでいいのですよ、何%くらいか、或いは安くならんというのか、平年度と同じに見たのか……。
○国務大臣(愛知揆一君) 単価につきましては、大体最近の単価をそのままとつております。例えば四%下るとか、五%下るとかいう見込は余り的確にとつておりません。最近のむしろ実績でとつたと申上げてもよろしいかと思います。
○苫米地義三君 私の伺いたいのは、もう外貨の手持が少いということは見すかされているわけです。そのために買付をするときに、向うの人の思惑が手伝つて単価が高くなりはしないか、そういう点が一つ。それから今度は輸入は今何も統制をとらんとおつしやいますけれども、砂糖のようなものは思惑が必ずあるでしよう。これだけしか入つて来ないのだから、必ず思惑がある。それに対しては、家庭に対しては相当の値上げになる、現になりつつある、そこのところの影響を伺いたいのですが。
○国務大臣(愛知揆一君) これは何でございますね、影響について申上げまする前に、もう一つ先ほど申落しましたが、外貨予算というものの扱い方、この前、苫米地委員からも御指摘が本会議であつたのでございますが、どうも余り細かいところを各地域別に、全部私どもの胸算用をさらけ出して公表してしまうことはどうであろうかという考慮から、一応公表といたしましては、前回の政府公表よりはかなりサム・アツプしたものを出すことにいたしました。併し同時に相当量の輸入をいたしますし、国内に対しては実際の状況をそのまま生で説明をすることが適当だと思いましたので、報道関係その他に対しましては資料を当局が提供してそれを報道してもらう、いわゆる政府の公表ではないというような恰好をとつたわけであります。そういう点からその手の内を見られて値段を吊上げられるというようなことは、そんな面からも多少の考慮をいたしたのでありますが、先ほど申しておりまするように輸入の原価については殆んど最近の実情をそのままとつておりますから、それ以上上れば数量は減らざるを得ない。
○苫米地義三君 それからさつきお話の、重油なんかの消費規制をなさる、行政的に措置をするというお話ですが、その行政措置というのはどういうふうになるのか。
○国務大臣(愛知揆一君) 行政措置でやりますものと、それから法的措置を伴うものと両方でやつて参ろうと思うのでありますが、例えば水産用或いは農村用の重油の配給というようなものはまあ協同組合その他の業界の自主的な協力によつて、輸入したときから、この輸入したものについては、組合を通してこういうところへ流すのだということをやつて行きたいと思うのであります。それには政府筋が相当お手伝いをしなければならないが、併し最終消費者に対して切符を配給される、その切符に対して割当をするという方法はとらないで行けるのではないかと思つております、
○苫米地義三君 漁業用の重油はこれは減らされませんよ。石炭にも代えられませんし、このほうはそれでもいいのですが、採算上ボイラーを焚く或いはセメントに焚くとか、いろいろ採算上石炭から重油に代つておる分があるのですね、そういうものはこの採算を行政的にどうして操業して行くか、これが一つ。もう一つは石油コンロのようなものですが、あれは随分普及したんですね、これがカツトされて、そういうものは全部利用できなくなる、そういうウエストがあるわけです。これは家庭でそのまま、なければ棚上げにして置くということになりましようが、大きいところでは、相当の施設をして、金をかけてやつておる、そういうものに対する行政措置というものは、その損害に対して何か補償してやるとか、ただやらなければ自然に代えるんだろうというようなことになるのですか、それは何か考えておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) その補償というようなことは考えておりません。これはいろいろやつて見まして、ものによつて非常に違うのでありますが、一番差のはつきりしているものが、極端なものが大体原油を使つたほうが燃料費が三割安い、そこで石炭のほうも先ほど申しましたようにコストをできるだけ下げる、それからこれは話合いで協力を願つて行つてやれるところまでやつて行こう、それでこれが法的の規制などもいろいろ考えたのでありますけれども、なかなかこれもずかしいことなんで、少しなまぬるい甘い考え方かも知れませんけれども、セメントでありますとか、火力発電というところは大口の需要者である、それだけに話合いの持つて行き方も政府としても割合これは何とか御協力を願える公算が多いのではないかということで、これは実は一月の末頃から内々それぞれのかたがたに対してはいろいろの機会を捉えて通産省といたしましてもお話合いを進めているのであります。これは相当やつて見て予期の効果を挙げないということであれば又別途考えなければなるまいかと思つております。従つて法的規制ではございませんから、補償とかその他のことまでは今のところ考えておりません。
○岡田宗司君 今の措置に関連してお伺いするのですが、例えば重油の使用で、今まで重油の使用を行われるのは結局燃料費の節約、それによつて価格を下げるという意味に使われておつたと思うのです。ところが今度行政措置その他で重油の節約を図るためにもう一遍もとへ戻す、こうなつて来ると今の石炭の価格から言いますれば、折角重油で節約したものが又そのために燃料費が殖える、そうすると又政府の物価引上げと矛盾して来るのじやないか、この点について政府のほうでは石炭の価格を引下げるとか、何とかいうようなことを考えておられるのかどうか。そうせんと折角或る種の、特にセメントなんかこれで相当価格を騰貴するのを抑えて行くことができたのが、逆になつて行く虞れがある。この点についてはどうですか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は一応御尤もなんでありますけれども、もう一つ現在の日本として一番考えなければならない問題の大きな問題として、申すまでもなく石炭の問題がございます。それでこれは過去のやつたことは失敗だつたということを私は率直に認めざるを得ないと思うのですけれども、重油転換ということは行過ぎだと思うのです。それは成るほど燃料費の低下ということから言えば、これは重油をどんどん入れたほうがよろしいかも知れません。事実又そういう結果が現われておりますが、併し一方において石炭は一体どれだけ掘つたらどれだけ売れるかということの基礎が立たないがために、労使両方とも非常な迷惑を受けているのではなかろうか、それで先般、話は飛びますが、炭労ストの問題なんかのときにも直接、間接にいろいろと労使両方に御相談いたしたのでありますが、欲を言えば五千万トンに持つて行きたいけれども、それは如何にも無理だ、政府としては四千八百万トンぐらいのところは掘らしてくれる、又掘つたものが消費できるように何とか一つ間に立つて協力を願いたいということで、私どもはそういう観点からも多少この重油を又石炭に転換するということも、コストが上るということもその面においては容認せざるを得ない。併し同時に適正出炭規模というものを確立して、労使両方で協力して頂けるということであるならば、その協力の内容に、更に例えば一割程度の石炭のコストの引下げということをその内容としてやつて行きたい。そうすれば政府も中へ入りまして、或る程度の燃料費の高さならば、何とかして石炭を使うように御協力を願いたいということの橋渡しができるじやないかというようなことで、今考え方を進めておるわけでございます。それから成るほどその重油を使うために設備その他を転換した場合もございます。例えば鉄鋼なんかの場にも相当の費用なり設備を投入したものもあるようでございます。これは程度の問題だろうと思うのでありまして、私どもも大所高所から立つてこれは乏しい輸入ではあるけれど、その重油でもこういうところは使つたほうがいいと思われるところには特別の措置を講じないでもいいんじやなかろうかというふうに考えております。ただこれは口で言うことはやさしいのですが、実際問題としてそのけじめをつけることがなかなかむずかしいと思いますけれども、これらの点につきましては納得ずくでできるだけ法制というようなものを用いずしてやつて参りたいと考えております。
○岡田宗司君 百万キロリツターの節約をやるとして、これで石炭に転換するとして、どれくらいの石炭の消費増になりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 正確に今ここで私自信を持つて申上げるだけの資料を持つて参りませんでしたが、二百万乃至三百万トン程度のところではないかと思います。 それから念のために申上げますが、百万キロリツターの節約というのは、現実に二十八年度の、特に二十八年の十月、十一月頃から以降の伸び工合をそれを平年度化して見ますと、百万キロリツターになるのであります。それを抑えようというのでありますから、勿論過去に設備その他をどんどん拡充されたかたには損害を与えることになると思いますが、一方で申しますと、これからやらんとするところに対してこれ以上殖やして頂きたくないということをやろうという考え方から、現実に具体的にぶつつかつて来る問題というものは、その百万キロリツターの幅ではないのではないか、こういうふうに考えております。
○岡田宗司君 これは相当の設備の拡張ができておる、政府の見込では百万キロリツターの線の伸びるのを抑えて行く、そういうことになると、相当重油の引張り合が始まると思う。そのときに放つて置けば、価格が騰貴するのですが、まあその価格の騰貴をどう抑えて行くかということ、それから重点的に重要な所へは重油が或る程度行かなければならないわけですが、それに対する措置ですね、どういうふうにして……、切符配給ということでなくても、何かの措置を講じなければならないと思うのですが、この価格とそういう重点配給というか、その措置はどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 量としては大変な量ではないのですけれども、価格的に相当に問題になると思うのは、農林水産用、船舶用、むしろ内燃機関用のものだと思います。これは先ほどもちよつと申上げましたように、今実は業界等との間におきまして具体的な相談を相当細かく進めておるのでありますが、切符は使わないけれども輸入の担当者から始まつて、末梢の実際の消費者のところまで流して行く組織につきまして今細かくいろいろ相談いたしております。それで実際上これは言葉が過ぎるかも知れませんが、切符制度をとつたよりもうまく行くのではなかろうか、又逆に言えば切符制度をとつた場合と同じような効果を狙つて行きたいというふうなことで、この点は率直に申しますけれども、業界なり使用者側のほうでも切符制度はいやなんで、それに実際代つた何とかいい方法について自分たちも協力するから政府もそういうふうな考え方でやつて欲しいということで、この点は一番うまく行くかどうかについて問題の大きな点だろうと思つております。
○岡田宗司君 価格の問題はどうでしようか。
○国務大臣(愛知揆一君) 価格はそれのルートがうまくついて行けば、この問題についての価格は心配なく行くのではないかと思つております。勿論これは皆さんがいい人ばつかりないでございましようから、途中で横流ししたり闇に流したり、いろいろなあれがございましようが、併しこれは大体組合その他の機構を使つて参るのですから、相互監視ができて、相互協力でやつて行けるのではなかろうかというふうに考えております。
○苫米地義三君 この外貨の関係から言いますと、重油を輸入する、バーターで日本のものを向うへやるという場合には、これは相殺されるわけなんですから、これは計算に入れる必要はないと思いますが、そうですか。バーターで重油を入れる、こつちから綿布や何かをやるという場合には外貨というものは両建になりますから、そういう場合にはどうですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは一応やはり外貨予算の計画といたしましては、求償取引物資というようなことで一応ここに計上はしておるのでございます。金額的には……。併し大体外貨を使わないでやれる場合におきましては、これ以外にやつてよろしいということになると思います。
○岡田宗司君 外貨予算が立つたようですが、先ほど各地域別等の細かいことは政府から発表しないのだというふうに言われたのですが、大体のところ通貨地域別にどういうふうになつておるか、ドル、ポンド、オープン・アカウントですね。大体のところを一つお示し願いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) それではできるだけのあれを差上げることにいたしたいと思いますが、ただここに丁度ございます大づかみのところだけで申上げますと、ドルとスターリングと清算勘定と三つに分けて、今度の輸入計画といたしますると、ドル地域が五億七千八百万ドルの輸入価格の予算、五億七千八百余万ドルでございますが、それからスターリング地域では二億二千百万ドル余りであります。それから清算勘定地域では二億四千三百万ドル余り、これを昨年度の同期と比較いたして見ますと、これはドル表示だけで比較するので、いろいろ問題はあるかと思いますが、全部減でございます。今度のものは、例えばドル地域に対しましては、四百六十七万ドル余が減でございます。それからスターリング地域におきましては、三千六百九十余万ドルの減少、それから清算勘定地域では七千百万ドル余りの減少であります。これらの内容等につきましては、それでは別に資料等によりまして御説明いたしたいと思います。
○岡田宗司君 ちよつと、それでは大づかみのところでお伺いしたいのですが、ドルのほうは五億七千八百万ドルで、昨年の同期に比べると四百六十七万ドルしか減つておらん。ところがスターリング地域、或いはオープン・アカウント地域のほうは、ドルでまあ三千六百万ドル、或いは七千百万ドルですね、大幅に減らしてあるのですな。これは私非常な問題があるのじやないかと思うのですが、今後日本の、まあ輸出はとにかくドル地域へはそう行かないので、やはりスターリング地域とか、清算勘定地域のほうに主に行くことになるのです。それと同時にそのほうからの輸入も殖やして行かなければならん。殊にドル地域の依存から、漸次離れて行く問題とも関連して見ると、こういうような、私は少しおかしいのじやないかと思うのですがね。これは何か特別な原因があるのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これはドル地域の関係については只今も御指摘の通り、大して問題ないと思います。それからスターリング地域は御承知のように拡大均衡と申しますか、均衡方式をとつておりますために、昨年は入るものばかりうんと入りましたから、入るほうも削るが、その代りこれまではこつちも出そうということの関係でこうなつております。それから清算勘定地域のほうは、これはまあいろいろ問題の点でございましようが、例えばインドネシアその他の地域に対しまして、非常な出超になつております。それで出超になるようなほどだから、輸入をうんと殖やせばいいじやないかということも言えますけれども地域別の均衡ということから考えますと、やはり輸入につきましても相当これは考えなければならんというような点が反映いたしております。
○岡田宗司君 まあこの数字から見ると、一層輸入の面について、全体としては小さくなつておるが、ドル依存の傾向が一層強くなつて来たというふうに見えますが、そういうことになりますな。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今の岡田さんの御指摘の点は……どうもそうですね、この表から見ると、そういう御批評を頂いても止むを得ないかと思いますが……、只今のお尋ねに対してお答えにならないかも知れませんが、先ほどちよつと御指摘がありましたから、清算勘定でこんなにどうして減るかということは、先ほど申しましたインドネシア、タイの関係は別といたしまして、それで別としてというのは、インドネシアについては輸入を殖やしております。それからタイについても或る程度輸入を殖やしておりますが、その他オープン・アカウントの地域は、全部が過去においてやはり非常な入超であつた、そこでその入超を切る努力をこの予算の上でやつておる、こういうことが言えるわけです。
○岡田宗司君 この清算勘定地域なり、スターリング地域なりの入超を切つて、その入超を切つた品物を今度ドル地域から輸入するというふうな振替方をやつておる品物もあるのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) それはないと思います。これは物資別に御説明すると多少おわかり頂けるかと思います。
○岡田宗司君 もう一つ何で見ますというと、今度米が大分減りますね、それから砂糖も二十万トンくらい減る、大豆も減ると、つまり国民の生活必需品の輸入が減るわけですね、そうしておいて、一方においては減らすことは減らすけれども、いわゆる重化学工業の原料になるようなものは、減らし方が少い、これはやはり何ですか、政府としては国民の耐乏生活を強いる一方において工業の発展を図るという方式をとつて、いわば国民の生活を犠牲にして、工業のほうは維持発展して行こう、こういうようなことに見えるのですが、そういう計画を持つて進められておるのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は私はこう考えておるのでございますが、例えば食糧の輸入がかなり減りましたけれども、これは大体が昨米穀年度の凶作の場合と比較してでございますから、食糧について、特に主食について言えますことは、本年度は米も麦も平年作であろうということを前提にいたしております。従つて、いろいろと報道されたようでございますが、この計画で参りますれば、主食の配給量、或いは配給の制度等については、この輸入計画を以てすれば手をつけないで行けるという前提に立つておりますから、食糧については私問題ないと思います。ただ問題は、強いて言えば砂糖だけでございますが、これも私の申すのは甘いかも知れませんけれども、八十万トン一年に入るのだと、二十七年度よりは一割以上多いのだということになりますれば、国民的の感情からいつても思惑に引きずられるようなことは私はないのじやなかろうかというふうに考えております。それからその他二、三の点で申しますと、国民生活に直接関係があり、又産業界としても問題だと思いますが、例えば原綿の問題でございますが、先ほど申上げたかと思いまするが、月当り純綿の糸のベースで申しますと、昨年度の輸入量では、月当り十九万三千梱の綿糸が作れておる。今度の輸入計画で申しますと、それが十八万梱になる。非常に減るように見えますけれども、ところがこれに対しましては、混紡の問題などが業界の自主的な態勢として非常に進んでおりますので、実はこの程度のものなら十分やつて行けますということが業界のほうからも言われておりますし、又国民の立場から申しましても、私どもとしては、これは原綿、原毛いずれにも通ずる問題でありますけれども、合成繊維その他については国家的な力を入れており、そのほうの生産なり消費が非常に上昇して来ておりますから、純綿だけのベースで考えればこの程度の生産減になるけれども、それらの措置を併せ考えることによつて十分やつて行けるというふうに思つております。 それから塩でありますとか、加里塩でありますとか、燐鉱石とかいうような農業関係等についても、いろいろと工夫をいたして計画をいたして見ますると、大体これに関係のかたがたの、例えば国会で申しましても、両院の農林委員会等からいろいろの御決議や御意見を頂いておりますけれども、十分これは取入れられてあるようなわけでございます。 それから鉄鋼等につきましても、例えば普通鋼鋼材五百万トン、高炉銑が四百五十万トンというのが二十九年度の鉄鋼生産の計画でございますが、これを二十八年度の実績に比べますと、高炉銑が四百五十五万トンですから五万トンの減になり、普通鋼鋼材は五百三十七万五千トンですから四十万トン足らずの減になりまするけれども、まあ現在の全体の状態から見ればこの程度が止むを得ないところではなかろうかと私は考えておるわけでございます。 こういつたように、大体全体を通じて見ますると、この外貨予算の問題については、私どももそうであつたように思うのでありますが、初めに取りかかりましたときに、この程度の計画が組めないのではなかろうかと実は当初考えておつたのでございますが、いろいろとやつて参りまするうちに、だんだんと私どもから言えばよい筋が出て参りまして、この程度なら、先ほど冒頭にも申上げましたように、一、二のものに対しての覚悟をきめておけば、これで何とかこの面は切抜けられるというふうな今考え方を持つておるようなわけであります。
○岡田宗司君 まあ米の問題については、勿論二十八年度の不作という問題が大きく響いておるわけですが、外米の混入の問題で大都市では特に困つておる。これも奥さんの方の分野ですけれども、果して今年の夏から端境期にかけての米食の配給率を減らさないで済むかどうか、それから特にそのうちにおける内地米の配給率の関係から申しますと、なかなかむずかしい問題があるのではないか。それから特に政府は端境期の問題として早場米の早期供出の問題なんかも考えておられるようですが、これらから考えて参りますというと、相当むずかしい問題があるのではないかと思うのですが、価格の問題もありますが、米と小麦との関係ですね、これについて、例えば米の価格が、今年は南方がいいようで、もう少し下がつて参りました場合には、このドル貨でもう少し余計買えることになると、それは数量をそのままにしておいてドル貨を節約する方法をとられるのか、或いはドル貨の割当のほうを据置きにして米の数量を殖やす方法をとられるのか、大体私は今年は米が少し下がるのではないかと思うのですが、その点どういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は、私ども基本的にはやはり数量で考えております、割当の外貨よりも……。殊に米の場合なんかは、先ほど申しましたように、百十四万五千トンというふうに相当的確な要輸入量が出て参りまするから、そうして今お話になりましたように、これから先のことは天候にも支配されますし、はつきりこれで絶対大丈夫と申上げることは勿論できませんけれども、考え方としましては、現行制度をキープ・アップできるようにということで要輸入量を出しておりますから、これだけのものが輸入されれば、若し米価が下ればそれだけの外貨は節約になつて、むしろほかの輸入に充てるか、或いは国際収支の改善に役に立つような結果にするか、これはそのときどきで考えたいと思つております。
○岡田宗司君 それから、大体例年の例によりますというと、上期よりも下期のほうが輸入が多いと、そうして外貨の割当も下期のほうが多くなつておるのですが、今年は全体の計画から行きますというと下期と上期と同じようなことになつております。それで、これは物価との関係の問題になりますが、下期に物価が全体として上つて行くというような問題も起つて来る可能性もあると思うのですが、そういう場合に、例年と違つて下期における輸入が少いということになつて参りますると、一層物価が上る虞れが出て来るのではないかと思うのですが、そういうような場合の対策ということはお考えになつておるかどうか。
○国務大臣(愛知揆一君) 確かに御指摘のように、今度の組み方は半分々々にできておりますから、日本経済の今までの姿から見れば、確かに下期に深刻の程度が深くなるということは、これはもう当然なのであります。なぜそういうようにしたかと申しますと、一つは、先ほど申しましたように、非常にドラスティックなことは私どもやりたくないと、できるだけなだらかに政策を推移して行かなければいけないと考えましたことが一つ。それからいま一つは、これは今年のいわゆるデフレ的な傾向というものは、この夏頃からその速度が非常にはつきりして来ると思います。どうしても輸入外貨の予算の編成などということは、全般的な財政の緊縮が目に見えて来た、金融の引締めも相当の程度に入つたというときになれば、おのずから物を輸入するという計画も縮小されて来ると言いますか、全体の歩調が合つて参りますから、他の財政金融の政策の侵透の仕方のタイミングとこれは併せて考える。又物価につきましては、むしろ私どもはやはり財政金融の進み方と歩調を合せて、下り方が夏頃からあとで相当顕著になつて来るのではなかろうか、こういうふうに考えておりますから、むしろ全般では上期に半分の予算を充当し、下期に半分の予算を充当するということが全体の政策の進め方から言つて適当ではなかろうかと思いましたので意識してこういうふうな割振にいたしたわけでございます。
○岡田宗司君 今年はなかなかむずかしい年なんでしようが、今の状況で行きますというとなかなか輸出もそう伸びない、輸入の減少も思うように行かないで、やはり本年度も一億ドルくらいになるのじやないか、こういうふうに予想されるわけでありますが、そうなつて来ると三百六十円の為替レートを維持するということはなかなか困難な実情にある。勿論政府としてはこれらの維持に全力を挙げられると思うのですが、過日予算委員会でも私お伺いしたのですが、一方において闇ドルといいますか、闇ドルの売買がこれが盛んに行われていろいろの抜穴がある。そのために円貨が闇市場で下落しておる。五百円とか、ひどいのになると六百円とか、これではまあ日本の経済全体がよくないということになりますと、余り思惑的な売買が行われまして、この闇価格が拡がつて行くことによつて三百六十円のレートの維持か困難にならざるを得ない。この闇ドルの売買については、余り十分な措置が講じられていない、これがためにどうも円レートを維持することがむずかしい問題に拍車をかけられるような気がするのですが、この円レートを維持する問題は政府としては全力を挙げておられるでしようが、それを崩す大きな穴に対してどういう措置を講じられておるか、その点についてお伺いしたいのでございます。この間の大蔵大臣のお話では為替管理の強化ということで以て一向具体的にどこに今政府としてこの円レートを崩す穴があるかということについて十分に御説明にならなかつたし、それに対する対策も具体的にお示しにならなかつたのです。
○国務大臣(愛知揆一君) この問題は政府としてはこの三百六十円、これを実勢レートにしたいということを考えておるわけでございますが、同時に現在が実勢レートでないということは私ども知つておるわけであります。これが非常に悩みの種であることは御承知の通りでございます。そこで私は問題は二つあると思うのでありますが、一つは日本国内における闇ドルの問題、それからいま一つは、国外における日本円の闇レートの問題、それからもう一つは二重価格制度とか、リンク貿易とか、これから来るところの理論的な……外国から見てのけしからんというような大きく分けてこの二つだと思うのです。 それで第一の主として札としての闇ドル、それから値打としての円札というふうな問題については、これは大蔵大臣も申しましたように現在の私は為替管理法でも相当徹底した取締は少くとも日本の国内では、法律としてはでき得る体制になつておるのでありますが、まだ率直に申しましてなかなか取締は十分ではない面もあろうかと思いますが、併しその取引の幅というものは非常に狭まつて来ておるのじやないかと思います。これは併し勿論大蔵省や或いは為替管理法の直接の適用、検挙に当る当局にこの上とも大きな努力をしてもらわなければならないと思います。 それから国外における闇の問題でございますが、これもやはり日本側としても調査が行届かないわけでございますけれども、最近も昔から相当オーソドツクスな調査だと言われておるようなものがあるのでございますが、それの極く最近の日本円に対する闇相場を見てみましても、世評とは割合に違つておるようでございまして、それらの調査機関の調査などを見まして、昨年に比べまして今年の二月頃にかけて大体四百十五円乃至四百二十円、一昨年或いは昨年に比べましてこれは非常にマーケツトが狭いので何かちよつとした現象があると、それによつて何かのちよつとした取引があると非常に上下するものでございましよう。私どもが見ましても、ちよつと予想外に思うほどその闇相場はそんなに弱くないというような調査も入手しておるようなわけでございますが、勿論これは楽観しているわけではございませんので、同時に外国の新聞、雑誌等におきましても、この円の相場というものについてはかなりの関心が深いわけでございます。併しこれも要するに私は新聞相場での札の売買というようなことではなしに、結局全体としての貿易関係が順調な軌道に乗れば、自然と大きな点から解決して行くのではないかと思つているわけでございますが、それにつけても二重価格の問題を何とかしなければならない。私はこれは非常に理窟になるのでございますが、三百六十円を目指して完全な回復をしたい、併しそのためには、このところ輸出振興をうんとやらないと、その終局のゴールに到達できないのです。例えば生糸の場合なんかでも、去年は凶作であつた。それの価格が高いために輸出が伸びないのだとすれば、その暫定的な臨機応急の措置としては、砂糖とのリンクも或る程度認めてやつてもいいのじやないか。これも最近はニューヨークのシルク・カウンシルなどの連繋をとつてやつておりますから、向うがこういうことはこの程度にしてできないと言えば、そのようにしておいて、又暫らくやめて欲しいと言えば素直にやめるというようにして、臨機の措置をとつております。 それからそのほかの二重価格の問題については、やはり終局は日本の物価を下げることができますから、その努力をやつて参りたい。二月の中旬から私の予想にはむしろ反して、非常に早かつたように思いますけれども、全物資について僅かながら落調を見て来ておるようなわけでございます。 それから石炭、鉄鋼その他基幹産業の生産物についても、相当の値下りの要因ができて来ているようにも見受けられますので、各物資についての輸出価格というものは現在でも御承知のように、このままでも競争ができるという程度のものもございます。相当の開きのあるものもございますが、その全部に通じてますます国内価格の値下をして、コストを切下げるということの努力をいま一踏ん張りやりますれば、大きなところから自然この円相場に対する懸念というものがだんだんと解消して来るのじやなかろうか、こう思つて私どもとしては努力を続け行く考えでおります。
○岡田宗司君 今のようなお見通しのように行けば非常に結構なのですが、なかなかむずかしい問題だと思うのです。イギリスなんか去年はよかつたようでございますが、今年は全体としてアメリカがああいうような状況を示しておりますので、どうなりますか、どうも私は輸出の伸び方、その他の点についても楽観できない。国内の物価を下げる問題も今割合に表向きは下つておるのは、ストツクの投出しという問題から来ておるので、生産費の引下げという根本的な問題からではないようです。それが果して政府の期待されるような工合に行くかどうか。どうも円レートの維持ということが、非常にむずかしい問題があるようでありますが、そうして又さつき指摘されたような、好むと好まざるとにかかわらず、二重のレートを使わざるを得ないような事態が起るんじやないかということを懸念するわけです。政府としても努力をされてそういう点が起らなければ非常に結構だと思うのです。
○奥むめお君 今岡田さんがいろいろ質問して下さつたので私政府の考え方というものがわかつたように思うのですけれども、私もどうも少し甘過ぎるんじやないかという不安を持つんです。物価が下つたということなんかも、実際としては下つていない。数字の上では、それは集めて来方にもよるし、実際の生活の実感というものは下つていない。非常に上りつつある。又これから二十九年度の予算の上でどういうふうに響いて来るかということはもう少し気長に見なければならん問題が多いだろうと思いますけれども、今重油の問題なんかも伺つていて、これも結局私どもに最後のしわ寄せが来るんじやないかという不安を持つわけでございますが、例えばお米の問題、或いは小麦の問題、これなんか輸入のドルが減つたということを私ら問題にするよりも、もう一つ別の問題を考えて行きますと、今非常に高い米を輸入するにつきまして、輸入のあり方というものと国内消費のあり方というものも同時に考えてもらいたいと思うのでございますね。決算なんかでいろいろ調べて見ますと、二十八年度も二十七年度も最近の例だけ申しましても、二十六年も外米輸入というものは非常にいろいろなよからんことがあつて大変なたくさんの国損をもたらしているのですね。同じ節約予算であるならば、ただ金額を減らすとか、殖やすとかいう問題だけでなしに、それの買入方、又それの消費の仕方というものもこれは重大な問題だと言いたいのです。その点もお考えになつているかどうか。決算委員会ではむしろ今のままにしておいたらもう何するかわからないから、会計検査院に予算をとつて少し外米の輸入国に対して検査に行くべきだということを非常に要求しておるのです。むしろ会計検査院そのものが腰が弱くて踏切らんので、こつちが不満を持つているくらいなんです。それから国内消費の面から言いましても、この外米が果して我々の家庭生活を十分潤おしておるものだと見てこういう予算をおとりになるかというたら、これにもやはり抗議を申込む。それは数字ではいろいろ発表されておりますけれども、随分横にほかの途へ行つておるものが多くて、国民は今日食糧としては闇米に頼つておる。又闇米がなければ外米だけ幾ら余計入つたつて食べられないんですから、来月あたりからもう恐らく内地米は東京なんか三日であろうということを言つておりますが、幾ら外米だけ配給されても事実上辞退するよりほかない。これは贅沢になつて辞退するのじやなくて、闇米買うくらいなら外米も要らない、こういう考え方も出て来るし、それにはパンを食べたくてもパンじや高くなつて栄養がとれない。そうすると外米の問題というものはそういう点から考えて国民栄養という問題まで広く考えて行けば、食糧全般に亘つて、家畜類なんかというものもこれは又細かく見ればわかるでございましようけれども、差当り外米に使う金を、或いは不正なほうへ流れる金を国民栄養の補給のために何か対策をとる。こういうふうな問題は単に食糧庁だけの問題であるとこういうふうに縄張りを作らないで、経済審議庁あたりでもつと重点的に取上げてそうして抜本的な策を立ててもらいたいし、金を有効に使つてもらわなきやならんと思うのでございますが、そういう点でどんなものでございましよう。
○国務大臣(愛知揆一君) 外米の買付け方、このやり方についてはもう只今も御指摘の通りに非常に御批判が多い問題でございますから、これはまあ今もお話の通り農林省の問題ではございますけれども、我々もこれに対しては本当にいろいろの意味で改善を要求しなければならないと思つております。それなら具体的にどういう方法があるかということでありますけれども、一つはやつぱり先ほども話が出ましたけれども、こちらが食糧が足りない、これだけの外貨は用意せざるを得ないというような恰好になつておるために非常に足下を見られるということもありますので、そういう意味においては外交的なやり方よりも以上に商業的なもう少しうまいやり方を国家的な立場からやつてくれる人たちがなければもうこれは根本的に解決はできないのじやないか。決算委員会等でお調べ頂くことは非常に結構なことだと思いますが、一つそれこそ各方面の御意見を十分容れてこの買方については本当に徹底的な工夫をいたしたいものだと思います。それから国内消費の問題なんですが、これは個人的な考えを申上げては誠に失礼なんでございますが、場合によつては私はそうまで無理して外米を買わんでもいいのじやないか。実は外貨予算のきまりました予算の御説明はさつきも申上げました通りで、一応今までの制度を前提にして作るということになりましたが、その過程においては買方だけじやなくて買うこと自体についても随分いろいろの意見が出たことは政府部内でも事実でございますが、結局あれやこれや考えて全体としての食糧の対策とすればとにかくこの程度のものは買わなければならない、政府としてはこれを前提にして行かなければならない、こういうことでございましたからこういう結果になつたわけでございますが、なおこれらの点は普通の予算と全然性格の違うものでございます。先ほど申しましたように閣僚審議会などというものも、単なるめくら判を押す機関ではなくて、実際問題を真剣に取上げるという機関として活用するような方向に入つて来ておりますから、なおこの問題につきましては私のこれは個人的な考えでございますけれども、常時研究を続けて問題を相当根本的な角度からも政府として取上げて行くべきであると、こういうふに考えます。
○岡田宗司君 今の愛知さんの外米の輸入自体について考えなきやならん、こういうことは、これはまあ内地米の生産量と睨み合さなきやならん問題とも関連するのですが、まあ今の内地米の統計というものは必ずしも的確でない。殊に昨年の凶作時における数量も私はあの数字は相当いろいろな問題があると思うのですが、大体愛知さんが今言われたようなことは内地米の生産数量について相当今まで農林省等から発表される数字について別の見解を持つておられるように思われるのですが、その誤差といいますか、或いは誤差以上のものでしようけれども、それを大体どういうふうに経済審議庁としてはお考えになつておるのですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは率直に申しますと、只今は私の個人的な感想を元にして申上げましたので、経済審議庁といたしましてはやつぱりこれらの問題につきましては先ほど申上げた通りの見解でございますし、それから内地産米の資料等につきましてもいろいろの御批評があるようでございますが、多年やつておつてなかなかむずかしい問題でございますが、一応これは農林省の統計を信用せざるを得ないという態度でございます。これも多少個人的な意見になりますので少し乱暴かも知れませんが、むしろ統制を撤廃すればもう少し食糧政策は明かるく解決できるんじやないかと、そうも考えられるほどでございまして、これはどうもなかなか本当の統計というものはつかまえにくいのじやないかと思います。
○八木秀次君 一つ事情を知らないからお尋ねしますが、石油のことなんですが、重油と揮発油とに分けてすでにやつておられますが、入つて来るのは原油で相当入つて来ると思います。これは技術的に原油に対して揮発油幾ら、重油幾らというふうに計算してやるというのがやり方なんでございますか。それともう一つ、国内に石油精製設備が相当豊富であるのに対して、重油が入つて来るのに無為替輸入関係で入るのが相当あるのかと思われるのでありますが、その点は如何でございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。この石油につきましては重油と揮発油の年間の消費量はそれぞれさつき申上げたように五百三十七万キロリツター、二百三十七万キロリツターというふうに考え、それから輸入原油の処理量を一日当り十二万五千バーレルと想定いたしまして、製品輸入の重油を二百二十一万キロリツター、揮発油を二十六万三千キロリツター、それから年間の買付量の原油を四千六百四十一万三千バーレル、重油を二百十四万九千キロリツター、揮発油を二十九万八千キロリツターと算定いたしまして、上期に原油を二千四百九十万二千バーレル、重油を百七万五千キロリツメー、揮発油を十八万七千キロリツターを計上するというやり方でここに計上しておるわけでございます。それから為替を使わない原油というものは、大体年間に金額で申しまして三百万ドル程度と想定いたしております。
○委員長(早川愼一君) ほかに御質疑ございませんか。それでは一応外貨予算に関する質問はこの程度にいたしておきます。 それでは速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(早川愼一君) 速記を始めて下さい。 それでは、請願第二三四号奄美大島復帰後の振興対策に関する請願、第五二九号離島航路整備に関する請願、第七六一号兵庫県沼島の離島振興対策地域指定に関する請願、第一九七四号鹿児島県大島郡の復興促進に関する請願、並びに陳情第二九二号兵庫県灘村の離島振興対策実施地域指定に関する陳情、第三一三号電源開発に伴う総合開発事業の推進に関する陳情の以上六件につきましては、只今の御協議により、いずれも議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時十七分散会