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19回国会参議院1954/05/11

外務委員会 第31号

発言数
111
登壇者
12
会派数
5
開催日
1954/05/11

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開きます。  先ず通商に関する日本国とカナダとの間の協定の批准について承認を求めるの件を議題に供します。昨日に引続いて質疑を行います。質疑のあるかたは御発言をお願いします。  本日は外務省側の政府委員のほかに通商産業省各通産商局長の牛場信彦君が来ておられます。その他山内調達庁総務部長が来られることになつておりましたが、それはまだ、後ほど大蔵省の管財局長の窪田君も来られることになつております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 日本とカナダとの通商協定の締結に当つて今まで阻害されていた日本の輸出がこれによつて相当伸びた、そして両国の間の貿易収支のアンバランスが調整される方向に問題が解決されて行くだろうというような御説明だつたのですが、その点をもう少し詳しく、例えば五三年度にはカナダへの輸出は千五百万ドルで輸入が一億四百万ドル、従つて入超が八千九百万ドルというような非常なアンバランス状態、この片貿易をどういうふうに是正されるというお見通しなのか、特に一九五四年の予測、見通し、そういうものについて政府としてはどういうお考えをお持ちか、どういう計画を持つておられるか。特に積極的に輸出を伸ばす方策を個々の品目別にどういうふうにお考えになつておるか、それらの点についての一つ御説明を願います。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 本件に関しましては外務省のほうから従来いろいろ御説明があつたと思いますので、只今御指摘になりました二、三点につきまして具体的に申上げたいと思います。今年度、つまり今年の四月から来年の三月までの間でございますが、その間の輸出の金額といたしまして大体二千五百万ドル程度行くんじやないか。つまり昨年に比べまして一千万ドルの増加ということになる、こういうふうに考えております。そのうちでどういうものが主にふえると思つているかということを申上げますと、第一に農水産物関係におきましてはみかんの輸出、味の素の輸出、これが昨年に比べて相当伸びるんでないか。みかんは御承知の通り昨年は極めて不作でありまして、そのために輸出が思うほど行かなかつたのでありますが、今年は非常に状況もいいようでありますし、需要は非常に大きいというように見られますので、これは昨年は百二十七万ドル程度でありましたのが二百五十万ドル、倍くらいに行くんじやないかと考えております。それから味の素につきましては昨年が三十二万五千ドルという数字でありましたが、これも関税が下りました関係等から百万ドル程度はふえる見込じやないかというふうに考えております。その次に大きくふえるだろうと思われますのは綿糸布でありまして、これも関税が下ります関係で、昨年は百六万ドルという数字でありましたが、これが三百万ドル程度行くのではないだろうかというように考えております。それから絹につきましても五十万ドル程度の輸出でありましたものが百万ドル、倍ぐらいになつていくのではないだろうか。その次は金属製品でありまして、これは価格の関係等からそう急激なる増加は見込まれませんが、これも関税で大分低められます。昨年が鉄鋼関係は大体百六十万ドル程度でありましたが、これが百九十万ドル程度にいくのではないか。これは相当堅く見ておるつもりであります。それからそのほかに光学機械、つまり望遠鏡とかカメラでありますが、これが昨年が五十一万ドル程度でありました。これが本年度は百二十万ドル程度まで伸びるのじやないだろうか、これも関税が半分に下るわけであります。それから雑貨の面におきましては陶磁器でございます。これも関税が三十五%が二十五%に下ります。これは昨年百四十万ドルでありましたのが約二百万ドル程度に伸びるのじやないか。その次が玩具でありましてこれも関税が四割から三制に下ります。百四十五万ドルの輸出でありましたのが二百万ドル程度に行くのではないかというふうに考えておる次第であります。又そのほかいろいろな品目を足し合せまして結局二千五百七十万ドル程度に参るのじやないだろうかというふうに見ておるわけであります。  御承知の通りカナダは人口が千五百万人という割合に少い人口を持つておりす。従いまして消費物資に対する消化力というものはそう大きいとは見られないわけであります。千五百万ドルの従来の日本の輸出は大部分が消費物資になつておる関係で、消費物資については人口一人当り一ドルの輸出をしておるということでありまして、その面だけから見ますと必ずしも悪い成績ではないのでありますが、従いまして今後大きく伸ばしていくためには、勿論消費物資の面も力を入れますが、それ以外に建設資材、鉄鋼製品とかセメントとかそういうようなものの分野において大いに努力をする必要があるんじやないかというように実は考えております。  具体的に品目別にどういう措置をとつておるかということでありますが、これにつきましては協定にもあります通り、先方に行きましては日本のダンピング或いは直接的な輸出調整というものに対して非常に敏感でありまして、若しそういうようなことがあれば直ちに関税を上げるというようなことになつております関係で、私どもとしては非常に注意をして行かなければならないと思います。従いまして輸出振興策は主として業界の整理と申しますか、輸出業者或いは生産業者の間の協力態勢を整えまして、政府のほうでもそれをできるだけ助成いたしまして、ノーマルな方法で輸出がしやすいような態勢を作つていくということに重点を置かざるを得ないと思うのであります。例えばみかんでありますが、これは御承知の通り非常にたくさんの小さな生産業者があるわけでありまして、これが勝手に競争をいたしますと非常に輸出価格を下げるだけでなく、マーケットをこわしてしまうことになるわけであります。これは従来農水産物輸出組合品のほうにみかん部会というものがありまして輸出組合品を通じて或る程度の協定的なことを行なつておりまして、従来極めて効果を挙げて来ておるように考えております。政府といたしましてはこれに対して一定の輸出最低値段、つまりチェック・プライスというものをきわめて、業界はそれに協力してやつておるという態勢をとつております。本年度は若し必要があれば更に組合の態勢を強化いたしまして、値段とか或いは積出の数是等につきまして、業者間に必要があれば協定を結んだらどうかということで、現在業界のほうと話合つておるような段階でございます。  問題の建設資材につきましては、現在のところまだ値段の点で引合わないという面が多いのであります。併し日本の主な競争相手と見られますヨーロッパ諸国と比べますれば、船賃の点で恐らく倍くらいの日本のほうがとくをするわけであります、少くともカナダの西海岸に関する限りは。そういうわけでありますからもう一ふん張りでこれは相当出るのじやないだろうか。それからセメントのようなものにつきましては、業界のほうでも最近は輸出に対して大いに協力しようという空気が出て参りまして、現に四月には輸出の契約が月間十万トンもできておるという状況であります。従いまして、これは是非カナダのほうの輸出を伸ばしていくというふうに業界と話合で推進して参りたいというふうに考えております。  それからこれはもう外務省から御説明があつたと思いますが、近く業界のミッシヨンがカナダに参るはずになつておりまして、これらもできるだけ有力な輸出関係を担当しております業界のかたに行つて頂きまして、向うの業界と面接均衡して、この輸出市場の拡大の可能性を検討して頂きたいと思つております。現在カナダもアメリカと同じように幾分不況に向つておるような傾向もございまして、従つて日本の消費物資の輸入に対しては、例えば紡績等において相当抵抗があるようであります。これに対して十分日本の事情を説明いたしまして、そういうような抵抗の起らないようにするということが今度のミッションに行つて頂く一つの大きな目的であります。これは当然協定にありますダンピング条項にもつながる問題でございまして、徒らにそういう条項を発動させようというような空気が起らないように、これは政府としても十分努力をいたしていくつもりでございますが、業界のほうにおかれましてもこれに対して十分協力して傾くというように実は考えておる次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の御説明によつて綿糸布、絹あたりが三倍或いは二倍に増加する、……相当な増加だと思うのですが、ヵナダが綿糸布或いは絹を、その他の諸外国をも合せて一体どれくらい輸入しておるのか。それからどういう国から輸入しておるのか、そういう競争関係を考えて、もう少しこれは伸びる余地はないのかどうか。その点はどういうふうなお考えになつておりますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 只今ちよつと手元に資料がございませんので、詳しい数字はのちほど申上げたいと思いますが、まあ大体申しまして相当アメリカからも入つておると思うのであります。と申しますのは、ヵナダとアメリカとの間の貿易は、一九五〇年頃まではカナダが出超であつたのでありますが、だんだん入超に転じまして、昨年あたりは年間に六億ドル以上のカナダの入超ということになつております。先般日本へ参りましたバンクーバーの商工会議所の人たちと話しましたときにも、カナダはアメリカから六億ドル以上も入超になつておるので、その中には日本が十分に供給できるようなものがたくさんあるのだ、今度関税が下ればこれは完全に関税に関する限りはアメリカと同じような立場で競争ができるのだから、努力如何によつては六億ドルのうち相当部分を日本がとることもできるはずだと言つて大いに激励されたような事情でございまして、のちほど統計の詳しいものはできるだけ調べて提出いたしますが、せんい製等につきましては、アメリカとの競争にも十分関税の問題さえなければ勝てると思います。輸出倍増というのは、これはむしろ固い見方であるというふうに私どもとしては見ております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今のそういうサゼツシヨンがあつたのならば余計にそういうサゼツシヨンを、どう日本の輸出振興方策として具体化するかというようなことは、そのサゼッシヨンをされるまでもなくすでに計画としてはお立ちになつているはずだと思うのです。もつとそれらの点をあとでもいいですが、詳しく御説明を願いたい。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 実は先ほども申上げましたように、主として内部的な問題が多いのでありまして、例えばカナダには支店とまではいかないのでありますが、出張員を持つております商社が従来一つしかなかつたわけであります。大部分の商社はニューヨークには大分出ておりますが、カナダのほうにはときどき行くという程度であつた。それがそういう状況をだんだん改善して行く、それについては業界のほうでも非常な興味を最近は示して来られまして、今度のミッシヨンの機会などに相当多数の商社がカナダにもつと力を入れよう、トロントの見本市というようなものを通じて大いに積極的に努力しようというような気運になつて来ております。結局そういうことが、一番廻りくどいようではありますが、持続性のある輸出振興に役立つ行き方ではないかと思うのでありまして、そのほかに国内的には、先ほど申しましたように、輸出組合等を通じて無用の競争を排除するようなやり方をやつて行く。直接の助成的なことはどうも甚だ工合が悪いのでありまして、これは避けなければならないと思われますので、結局正常な輸出を伸ばして行くということで、やや時間はかかるかも知れませんが、業界の努力を主体といたしまして、それに政府が裏からこれをできるだけサポートして行くというような体制で参るほかないと思つておる次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 昨日も問題になつたんですが、そういう調査団なりミツシコンなりが行かれる場合には、必ず手ぶらで行つて向うへ行つてからいろいろな調査をする、いろいろな見通しを立てるというのじやなくして、行かれる前に、こつちで十分の調査なり計画なりを持つて、こういう状況だからもつとこれをこの点まで伸ばそうじやないかというようなことで、向うでは十分に準備されたものとして話なり或いは交渉がなされることが望ましいと思うので、そのためにも今申上げたような点は十分準備をされる必要があると思いますから、その準備のつもりでも一つさつきのお話のような点はもう少しはつきりした調査なり見通し、方策をお立てになつてお示しを頂くことを希望しておきます。  それからもう一つ、建設資材の問題が出ましたが、これはまあ新しい分野として相当伸ばされるおつもりなんでしようが、セメントが一つ例示されたのですが、そのほかに、建設資材としてどういうものが考えられておるのか。それらが諸外国と競合する、特に競合するのは値段の関係その他でもその点がどういう状況になるのか、その辺をもう少し御説明願いたい。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 建設資材としまして、セメントは今まで出ておらない。これほこれから開拓しようというわけでありますが、需要のあることは私どもはよく聞いておりますので、有望な商品だと思つております。現に引合が相当ありまして、今まで値段の点などで遺制ながら売込のできなかつたのにパイプ類がございまして、これは昨年も二度ほど入札に参加いたしまして、僅かな差でドイツ或いはイギリスに負けているような状況であります。ドイツは或る程度無理をして安く出しておるような状況もございますが、パイプ類は伝統的にイギリスが非常に安くていいものを作つております。フレートの差をカバーしても幾分こちらが負けたような状況でありますが、これは一方におきまして、国内のひきしめ製作の進行と合理化の進行というようなことによりまして、今年は是非一つパイプ類の輸出にも成功いたしたい。それから現在鉄迫のレールなどにつきましても引合が相当ございまして、これも初は相当むりかも知れませんが、一旦売込めば引続いて買うということになると思われますので、現在業界のほうでもその一点で話をしておるような状況ございます。

團伊能自由党

○團伊能君 只今御説明を伺いました輸出品の品目について、佐多君から新しくセメント、建築の資材の話がありましたが、只今御説明を伺つたのは大体従来から引合のある品物でそれを取引するという希望の上に立つてのお話だと思います。もう少し新らしく日本の製品の上に立つて、せつかくミツンヨンも行かれるなら向うでまだ非常に知らない物が多いと思うのですが、その中に何か試作的と言いますか販路開拓のために相当の新らしい日本の製品のサンプルを出す、殊に海産物のまだ説明を伺つておりませんが、海産物などについて相当な販路もあると思いますが、その辺の新らしい意味でカナダに行つていないもので、カナダに行きうるとお考えになるものがありましたら、どういうものがありますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 海産物の点は確かに御指摘の通りでありまして、従来例えばまぐろの缶詰のようなものもアメリカには相当出ておることは御承知の通りでありますが、カナダには今まで余り出ておらないのであります。ところが最近参りましたバンクーバーの商工会議所の一団の中に、太平洋岸におきますカナダの一審大きな缶詰工場の代表がおりまして、これがこれから先は一つまぐろ類も相当買うということを申しておりました。昨年はまぐろの実績はゼロであつたのでありますが、本年は恐らく、百万ドル程度までは行くんじやないかというふうに考えております。まあこれにつきまして先方ではまぐろを買う代りにすじこでありますが、すじこが相当向うでとれますので、これを或る程度日本でも買つてくれないかという話がございました。まだその点は回答はいたしておらないのでありますが、まぐろは相当有望な商品であると考えます。  それからそのほかこの問題につきましては、最近カナダが非常に住宅建築が盛んでありまして、特に太平洋岸は非常な発展をしておりますので、住宅建築用の資材、殊にガラス類などは相当値段の勉強次第によつては売り込めると思います。  そのほか雑貨類一般につきまして、日本的な趣味というものをもつと強く織り込むことによつて、それに応じて新らしいものも出て来るのでけないかと考えております。

團伊能自由党

○團伊能君 先年カナダと日本の間に締結されました漁業条約、その他従来北大西洋における漁業問題が、相当非常に出ておるところでありますが、多少の曲折がありました。この両国の漁業関係がもう少し密接に結ばれることによつて、漁業用具のようなものの、これは向うの要求に適したものをこちらで生産して出すというようなことも、漁網のごときものも可能と思いますが、その点どういう御感想ですか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 漁網は現在も幾らか出ております。将来も非常に有望なものであると考えております。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 先日杉原委員の御質問だつたかと思うのですが、この協定が一年間で更新されることになつておるから、政府のほうでは更に将来より本質的な協定を取り交すことを期待しておるというようなことを御答弁になつたと思うのですが、今我々が審議しておるこの協定と、更に政府が更新の際に、もつと根本的なものにしたいという政府の御答弁と関連して、どういう点に、この協定としてはまだ十分でないと思われる点があるのか、将来何をもつとよりベターなものとして期待しておるのか、その辺をちよつと御説明を願いたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 今御審議を願つております協定は、関税、輸出入制限に関する車垣に限られておりますので、私どもは、かつて日英間にありましたような通商航海条約、又過般御審議をお願いいたしました日米通商航抑条約のように住居、入国に関する規定とか、或いは国内税に関する規定とか、或いは港湾における船舶に対する取扱というような、すべての通商航海に関する規定を含んだ、日米通商航海条約に類似するような協定を作りたいと考えておるわけであります。この趣旨で英国側とも当りましたし、いろいろこれまでこの種の条約のありました諸国と随時話合はしておりますけれれどもまだ具体化しておりません。この協定の実施状況によりまして、適当な機会にそのような協定を作りたいと考えております。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 見通しとして、発効後一年後再更新、改めて更新する場合に、今期待されておるようなことが実現できる、そういうお見通しはあるのですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 見通しといたしましては、今のところ何とも申しかねますが、英国などとも大分前から話合をしておりますけれども、先ず領事条約のほうから始めようじやないかとか、或いは二重課税の防止の話をしようじやないかというような先方側の意向がありましてなかなか日本の思う通りになつて行きません。こういう点から考えますと、私どもとしては是非努力しなければなりませんが、今のところ一年後に必ずできるという見通しは立てかねる次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 先ほどの御説明で、大体片貿易の状態が若干は是正されることがわかるのですが、併し今御説明のように、一千万ドル増、従つて三千五百万ドルの輸出程度であれば、輸入とのアンバランスは依然として続くというふうに考えなければならんと思いますが、二十九年度のカナダからの輸入の予想はどれぐらいにしておられるのか、それから今年度はそういう状況ですが、この二、三年先或いはもう少し長い見通しでは、このアンバランスを何とか是正する用意を持つて、よりもつと積極的な打開の方策が憂えられるのか、或いは今年伸びたくらいのところがもう精一杯で、あとはそのアンバランスの状態で続けて行く以外にないというふうなお考えなのか、その辺の見通しを御説明願います。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 今年度のカナダからの輸入の見通しといたしましては、まあ大体、やはり一億ドルぐらいの輸入はあるのではないかと考えておる次第であります。ただ小麦等につきましては、アメリカの余剰物資の問題もございまして、又これと通常輸入量との関係は非常にむずかしい問題でございますが、幾分減ることも考えられると思います。  又現在鉄鉱石などもまだ年間一千万ドルほど買つておりますが、これはだんだん東南アジアのほうに転換して参りたいというふうに考えております。  それからアンバランスの問題でございますが、たしかに仰せの通りアンバランスは依然として残るのでありますが、これは主として日本の輸出の増加によつて、その差をちじめて行くというふうな努力をいたして参りたいと思つております。そのためには、従来何と申しましても、まだ不十分でありました市場調査の完ぺきを期しまして日本品に対する関心を大いに起すことによりまして、ここ数年間の間には少くとも五千万ドル程度までは何とかして持つて行きたいというふうに、これはまだ計画というようなものではございませんけれども考えておる次第であります。カナダ側といたしましても太平洋岸の産物といたしましては、日本が非常に大きな自然のマーケットなわけであります。例えばパルプのごときも日本にやはり売らない限り困るという状況もあるわけであります。これは今後の話合によりましてこちらからものをたくさん売り込む契機に十分なり得るものと考えております。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに御質疑はございませんか。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 連関いたしまして。そうしますと、只今のお話、総括して伺つたんですが、大体カナダ方面からは農産物、又今までの鉄鉱石も多少加えて、或いは水産物などそういう農水産鉱物のような原料を日本が入れて行く可能性が非常にある。そうしてこちらから出すものはパイプとかレールとか、或いは加工した缶詰類というようなもので、大体そんなふうな形に原料を供給するマーケットとしてのカナダというふうに、殊にそれは太平洋岸であるというふうに考えて間違いないのでございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) その通りだと思います。従いまして原料品は多くの場合においてこれは輸出の原材料である場合が多いのであります。食糧等につきましても又できるだけ安く買うという意味から今回の協定のような取りきめができておると考えております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 伺つておきたいのは、先ほどお話があつた建設資材にしましても、セメント、パイプその他の輸出するものにおいて、価格をアメリカ品或いは英国品と競争できるような程度にまで下げて行く、或いはそのものの質がよくなつて行くという面においてどういうお見通しでありましようか。十分競争し得るような価格に下つておりますか、どうでありましようか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) これは現在でも農水産物、それから雑貨類、それからせんい製品、これは十分どこの国と太刀打しても負けない自信は持つておるわけでありまして、障害のあるのは先方の輸入制限と関税ということでありまして、カナダに関しては、この二つの問題が今回の協定で解決したわけであります。これは十分競争できると考えております。問題はいわゆる重工業製品、鉄鍋、それを初めといたしまして、その分野におきまして日本の産業合理化が遅れておるというような事情から従来は相当の値開きがあつたのは事実でありますが、これも段々縮まつて来ております。今後の努力によつて競争できるようになるというふうに考えております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 重ねてお伺いしますが、重工業品の原料を今後ともに東南アジアからも入れられるでありましようけれども、鉄鉱石類を今アメリカへも出しておりますカナダが日本にサプライして来るような場合、これは今までのようなフィラデルフィアとか大西洋岸から仰ぐよりも日本の原料、鉄鉱石が安くなるお見通しがありますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 鉄鉱石はアメリカ、カナダから終戦直後は相当買つておつたわけでありますが、最近はずつと東南アジア、フィリピン、マレー、インド方面に転換いたしましてよほど安くなつて来ておるわけであります。現在中国大陸の原料が十分入つておりませんけれども、フィリピン、マレー、インド等からの供給によりまして、大体鉄鉱石の需要がカバーできておつて、その入手価格は品質も合せて考えますれば世界的に見て決して高くはないと思つております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますとこれはこういうふうに了解してよろしいのですか。最近一年余りの間に鉄鉱石の原料は殆んど東南アジアの方面へお変えになつた、その原料高の問題は、大体今後の見通しとしては解決がついたというふうに考えてよろしいのですか。それがゆえにカナダから戦後入れておつた鉄鉱石の輸入は減して行く、今後ともに減して行きたい、こういうふうに了解してよろしうございますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 鉄鉱石に関する限りは大体そういうことではないかと思います。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 石炭についてはどうなんでしようか、粘結炭その他について。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 石炭は遺憾ながら東南アジア方面に余り資源がございませんので、中国等の貿易が現状にとどまつております限り、やはり年間三百万トンくらいのものはアメリカから買わなければならない、カナダにはこれもやはり適当な資源が現在のところはないようで、又新しい鉱山が見つかつたというような話もございますが、現在は殆んど全部アメリカから買つておるようなわけであります。それが相当な高いものになつておることは事実であります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 お伺いしますが、そうしますと先ほどお話になつた重工業品は依然として割高であるということは、日本の工場の施設が遅れておるというふうに考えるほうが正しいのですか。レールとかパイプとかその他の建設資材を、米、独などのものと競争できないのは主として工場の施設であると考えますか。それとも労働賃金のようなものもありますか、どうでしようか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 工場の施設もございますし、それから国産の石炭が非常に高いということも相当大きな影響を持つております。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 私ちよつとカナダと日本の関係で、今輸出入の不均衡をお直しになるのになかなか骨が折れると思いますが、その一つの方法としてインビジブル・トレードというものをこの間もお伺いしたのでありますが、一つは移民の問題、移民が多勢行けばいろいろ送金もありましようし、こちらの品物も入ると思いますが、今お願いしておつた資料できて参つたのでありますが、それでお伺いするわけでありますが、一九二三年の協定が改訂されて、一九二八年の該総領事の通告文が出ておつた、当時カナダが百五十人といいますのは私は百三十人くらいずつ年々入つておつたと思いますが、そこで今恐らくはこの協定が再開されておらないと思いますから移民ができないと思いますが、通商協定に関連して移民の問題をお取上げになつておりますか。まだ始まつておりませんか、お話合は……。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 先ほど説明申上げましたように、貿易に関する関税、輸出入の禁止制限に関する協定でありますので、この御指摘のような点をカバーする通商航海条約は一日も早く作りたいのでありますけれども、先ずこの貿易協定から始めようという、先ほど希望もありましたがまだ交渉には入つておりません。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 それは私も伺つたのですが、何もまだお話合はないんですか、下交渉も、お話合も。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) まだ全然話をいたしておりません。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 お見通し如何ですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) ちよつと先方のやることでありますので何とも的確なことは申上げかねますが、我々としては努力いたしたいと存じますけれども、今すぐにその話合を進めるという段階に至つてないのではないかと思います。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 その次に申上げますが、インビジブル・トレードを増す意味から、カナダは何しろ人口が少いのでありますから物を売るのに骨が折れると思いますが、例えば二つの問題をお伺いしておきたいのですが、日本にカナダの観光客を呼ぶ、そのためにはどうしても日本の文化的な宣伝をしなければならん。従来日本とアメリカの間には相当長い間文化的な宣伝が行われておりますが、日本とカナダの間には今まで見るべきものが殆んどないのですな。それでこれだけの貿易上の不均衡を直すためにはやはりそれ以外にも必要と思いますが、文化交流の仕事を始めなければならんと思いますが、それについて何かお始めになつておることがございますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) できればイタリーなどともあれしておりまして、フランスともやりました文化協定のようなものでもつくつて進んだほうが一番いいのですが、今そういう段階ではありませんので、どちらかといえばキヤナデアン・パシフィックあたりへお願いしてやつておるというのが現状であります。そこで昨日の本委員会でも申上げましたように、トロントの見本市に日本では非常に力を入れておりますが、この際は観光宣伝も大いにやるということで、関係向きとも連絡をしてその措置をとつております。御指摘のような点は、今後向うの生活程度も高いことでありますしいたしますので十分留意いたしたいと思います。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 私は文化協定というところまでは入らない前に、例えばアメリカには大分日本観光団ができておりますが、カナダには何にもできておらないように思うのですが、そういう点から手を付けて頂いて、そうしてもう少し観光客が来るようにして頂きたい。  もう一つ伺いたいのは、戦前において日本の船が大分行つておりますが、せつかくこれだけの品物が向うから来るのに、日本の船に今どのくらい積んでおりますか。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 今大体半分くらいは日本の船に積んでおると思います。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 それで日本の船をもつと戦前のようにたくさんお出しになる御予定はおありになりますか。航路を開いて、貨物船なり客船を。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) これはまあ御承知の通り海運に関しましては日本は絶対に平等の待遇を各国に約束しておるわけでありますので、いろいろな助成措置というものは非常にとりにくい面がございますけれども、勿論希望といたしましては大いにふやしたいと思つております。又事実船会社のほうでもそういうふうに努力いたしておるように承知いたしております。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 貨物船は今お話のようにカナダと日本の間にアメリカと同じような計画をお持ちになつておるかということです。

牛場信彦通商産業省通商局長

○説明員(牛場信彦君) 現在バンクーバー航路はコンフアレンスがございませんので自由になつております。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 いやこちらのほうに計画はおありになるかということを伺つておるのです。今じやなくて結構ですが。

永井三樹三外務省経済局次長

○説明員(永井三樹三君) カナダから日本へ積み取つて来るものは大体小麦が大部分でございますが、これは全部トランパーでやつております。それでその場合に食糧庁でテンダーによつてやりまして、日本船が競争で勝てれば、例えば全部でも日本船が取れるわけです。併し実際問題としてはフレートで第三国船がくい込むので、大体全体として半分くらいになつておるわけでございます。こういう貿易の性質上、恐らく定期貨物船の就航というようなことはむずかしいんじやないかと思つております。従つてコンフアレンスは成立しがたいというのが現状じやないかと思つております、

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 そうするとこの貿易に出ない、隠れた貿易は大分ありますでしよう。数字は今すぐにはおわかりにならないだろと思いますけれども、これの一部分を補うような隠れた収入はございましようね。

永井三樹三外務省経済局次長

○説明員(永井三樹三君) 運賃収入とは別途の貿易外収入の中に入つております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 今鶴見委員が触れられた問題に関連するのですが、たしか戦前にはカナダに主としてあれは木材のあれですか、存外企業があつたと思うのですが、それが戦争の結果事実上賠償に取られたことになつているのかどうかという点と、これはやはり先ほど牛場通商局長も言つておられたが、特に木材パルプの関係のほうで日本側が進出して、それで企業的にも進出する、又場合によつては少くとも一時的の移民というか、そういうようなことできこりが入つて行くというような、そういうような問題の可能性等についてもおわかりの点をお知らせ願いたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 戦前にありました木材関係とか或いは水産業関係もありましたが、そういう点がどういうふうに処理されておるか、今ちよつとここに係官もいませんのでお答えいたしかねます。まあ今御指摘のような点は今後カナダとの貿易も更に隆盛になるということになれば、考えなければならない点であろうと思います。ただ先ほどからすでに申しまするように、通商条約というものを作らないと、まあこれまで曾祢委員も御承知のようにヵナダとの関係においてはすぐ入国に関するはつきりした取極めをとるという段階には至りかねるだろうと思います。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 これは資料なんですが、在加日本人で国難を取得していないその人々の取扱に関する資料をお調べ願つてこちらにお出し願いたいのですが、例えばアメリカにおける日本人の取扱は大分我々承知しておるのですが、ところがバンクーバー附近の日本人が戦前だけの活動ができるような位置まで回復したか。持つておつた財産がどういう程度に返されたか。今曾祢委員の触れられた木材の仕事、さけの仕事をしておる人々の位置がどのくらい回復しておるか。後ほどで結構ですから資料を一つお願いします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに御発言もないようでありまするが、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私はこの通商に関する日本国とカナダとの協定に対して賛成するものであります。この協定ができました結果、従来非常にアンバランスであつた日本とカナダとの貿易がともかくいわゆるガット税率なみの待遇を受ける原則がつらぬかれたために、我が国の対加輸出の障害が一応撤廃されたことについてこれを歓迎するのであります。従いましてこの協定に対しては賛意を表するものでありまするが、これは関連いたしまして若干政府に対して要望いたしたいと存ずるのであります。  第一は、これはカナダと日本とのこの貿易上の地位からいたしまして、単純に貿易上のバランスをとるということは性質上私はこれは困難であろうと存じまするが、併しこの貿易のアンバランスを直すために日本の輸出の振興の一環として先ず輸出に当然倍旧の努力をすべきことはこれは言うまでもないと思うのでありますが、又他面このカナダから輸入品目を、いわゆる食糧その他なくてならない原材料についても成るべくこれを他の地域、アジア地域等に対する転換の措置について今後とも更に努力してほしいことが希望の第一点であります。  第二点は、この通商協定をきつかけといたしまして、是非とも近く通商航海条約を作るために最大の努力をして頂きたいという点であります。  それから最後にこれは非常に困難なることではありまするが、我々日本側の通商政策の基本として、やはり何と言つても英連邦の特恵関税制度をそのまま認めて行くような、こういう方式で行つては将来ならない。かように考えるので、これは勿論日本と英連連諸国との通商協定或いは通商航海条約の現状において考えるならば認めて行かなければならない一つの制約があるとは存じますけれども、この問題についてはやはり広くガットの本格的加入の問題等に関連して日本の大きな通商政策の一環として、こういう点はあきらめずに今後とも絶大の努力を払つて行く必要があると思いますので、以上三件の希望を附しまして私は本協定に対する賛成の意を表する次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 私も通商に関する日加間の協定の批准について承認いたします。特にこの協定が日加両国の相互に関税に関する最恵国待遇を与える、それから為替と貿易制限に関して原則として非差別待遇を与える。更に国際収支擁護のために必要な差別的制限を行い得るというようなことを骨子として両国間の通商のアンバランスを是正することを主目的にしている点において、我々もこの協定の成立に賛意を表するものでります。ただいろいろ御説明を聞いておりますと今後片貿易の不在のためにいろいろな努力はされているようには思いますけれども、なおその努力について欠けるところがあり、殊に今までの御説明を聞いておりますと、外務省なり、通産省なり、それらの間に政府全体として統一的な施策の策定というようなことについてはかなり欠陥があり、不足している点があるのじやないかということを考えさせられますので、それらの点は早急にお直しを願つてもつと輸出振興について各品目別にまで積極的な振興方策を立てて頂きたい。殊に通産省のほうから御説明がありましたように従来出ている品目を倍加する、或いは三倍にするという方策と並んで新らしい市場として建設資材その他でも積極的な努力をされようとしておりますが、この点は一つ更に積極的にお進めを願いたい。それで殊にここ一両年は依然として非常にひどい片貿易状態が続けられると思いますが、更にこれも数年の後にはもう少し五千万ドル程度なり何なりに伸ばすというような御希望もありましたので、そういう希望が実現をされ、更には輸入の上においてももう少し国内需給の問題なり、或いは他市場への転換、特に中国市場への転換等々のことを総合的に勘案をしながら、カナダとの片貿易の調整には積極的な努力を払つて頂くということを切に希望をしてその希望をつけて賛成の意を表するものであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 私もこのカナダとの通商協定に賛意を表するものであります。戦前は日本の船が盛んに行き、又日本の同胞も又入つておつたのでありますが、そしてこのカナダはアメリカとの経済状態において今後かつ目すべきもの、発展の可能性があると思いまするが、御説明によりますると、なお日本の外務省、通産省その他においても手が施されないで、その調査資料も今後の御努力にまつものが多いと思うのであります。又特にこの協定が今後の諸条約に発展いたしますように希望しますことは他の委員のかたがたの御発言と同じであります。特にこういう重要な隣邦でありますカナダとの間の貿易及び文化交流等について一層の努力をしなければならない日本の実情であることを思いまして、それを希望して賛成します。更に貿易の品目につきましても先ほどから御指摘のあつたもののほかになお日本の特産物である、日本の地理的な立場において多量の加工食糧品等も、雑貨、せんい品、海産物或いは建設資材等と共に出るのではないかという希望を添えまして、通産省の御努力をも希望いたしまして今後の発展を望み、本協定が盛んに伸びるように賛意を表するものであります。

團伊能自由党

○團伊能君 私もこのカナダと日本との通産協定の成立に対して承認を得る件につきまして賛成をするものであります。すでにいろいろ御説明がありましたように、この両国間の関税協定は、現在貿易に日本の国策を集中しておりますときにおきまして、又実際上の貿易の進展が種々な困難点のために伸張しかねております今日、この通商協定が成立いたしましたことは日本国民として又日本経済発展の上に非常な大きな効果がもたらされたわけでありまして、この点におきましてこの通商協定の成立を喜ぶものでありますが、この協定は一つには非常に広い米英国属領との関係の調整の上に一つの非常によき例を開くものであり、又一方にはカナダの置かれました地位から考えて米州大陸諸国と日本との間の通商関係の上にも一つの啓示を与えるものでありまして、この協定が及ぼす影響は非常に広く、これによつて又日本の貿易関係の将来にも好影響を及ぼすことは明らかだと思います。併しながらこの関税率の条約その他は現在の日本にとりまして、殊に日本産業界にとりましては大きな福音であると思いますが、併し一方日本の輸出貿易その他が非常に困難をしております際に、この協定ができましたことによりまして日本の経済界が余りにこれを過大視して、又これに集中して日加貿易の間に非常な面白くない結果を来たすようなこともないことはないと考えられます。この関税引下げによつて日本の輸出業が全部カナダに集中されるというような結果、カナダにおいてもこれに一つの脅威を感ずるということがあつては将来に非常な重大なことだと思います。日加の貿易関係は元来カナダが非常に原料生産国でありますために、この片貿易ということはやむを得ないところがあり、又片貿易でありましても原料を日本がカナダから輸入して、又これを加工して他国に輸出しているというような場合もありますので、必ずしも全部、世界各国との貿易関係を考えますときに、この両国の国情が然らしめるところが非常に多いと思いますが、併しながらこの片貿易が日本の生産品によりましてこれが是正されて来て、幾分この平衡が取戻されることがもとより非常に望むところであります。この際において日本が対加輸出については十分収締つて頂いて、公正な取引であると同時に、粗製品の輸出のごときものは特に取締つて、カナダにおける日本商品の信用を真に高めて、非常に健康な貿易の発達をするように当局において指導されることを非常に私は一つ願つてこの協定の賛成に附加える次第であります。

鶴見祐輔改進党

○鶴見祐輔君 私は改進党を代表して本協定に批准を与える件に賛成をいたします。それに一つの希望を附加えておきたいと思います。それはカナダの英連邦内における位置が、その比重が年々増加している事実に鑑みまして、日本と英本国との関係、或いは対世界との関係においても従来日本ではカナダに対する了解、認識が非常にとぼしかつたと思いますから、これを機会に政府はもちろん国民におきましてこの日本の不足を補うような手段を講じること。殊にカナダの北米合衆国に対する比重が非常に大きい事情に鑑みまして、政治的に将来日本とアメリカとの関係をカナダを通して話合を付けるということも必ず起り得ると思いますので、こういう協定が早くできたことを喜ぶとともに、政府は日本とカナダの関係、殊に日本の側におけるカナダに対する認識の不足を補つて、将来これを機会に日加の間がもつと正しく重要な位置に置きかえられるような努力を希望いたしまして賛成いたします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) いかに御発言もないようでありまするから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。通商に関する日本国とカナダとの間の協定の批准にそいて承認を求めるの件について採決をいたします。本件を承認することに賛成のかたがたの挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件は原案通り承認すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を受けなければならないことになつておりますが、これは従前通り委員長に御一任願います。  それから本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     佐多 忠隆  羽生 三七     梶原 茂嘉  高良 とみ     曾祢 益   加藤 シヅエ     杉原 荒太  鶴見 祐輔     團 伊能

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止]

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは速記をつけて下さい。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 次に日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承任を求めるの件、日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件。以上二件を一括して議題といたします。質疑のあるかたは順次御発言をお願いいたします。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 国連軍が一体日本にどれくらいどういう態様で駐留しているのか、それから平和条約発効のときとその後どういうふうに変つて来たのか、その点の御説明を願います。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 国連軍は日本におりますのはごく一部分でございまして、これは英連邦関係、英国並びに豪州、ニュージーランド、カナダ、これが呉と広地区におります約五、六千名でございまして、これは平和条約発効後大体同じ数字を保つております。主力は勿論朝鮮のほうにおるのでありましてこれは大体二個師団ぐらいに該当する兵力が朝鮮におります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 朝鮮の二個師団というのはアメリカもひつくるめてですね。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 米軍は約十個師団おりまして、最近一個師団引揚げまして又引揚げつつありますので約八個師団ぐらいが今のところ残つております。そのほかに国連軍の二個師団。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その五千人というのは呉と広とどういうふうになつておるのですか。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 施設関係で申しますと呉、広いずれも同じように施設がございますが、兵舎は主として広のほうにございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その五、六千人というのは全部地上軍ですか。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) それは主として陸軍でありまして、海軍等は常時移動をいたしております。空軍は極く一部は岩国の飛行場を使つておるという程度であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 この協定が締結された当時において国連軍が使つている施設等々については何か資料みたいなもの、表みたいなものはお出し願つているのでしようか。殊に講和条約発効の当時とこの協定がでるきまでに解除まれたもの、更に現在継続して向うが沖つているもの、そういうものに対する何かくわしい資料をお出し願いたい。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) それじや後ほどここへ持つて来ておりますが、資料で差上げることにいたします。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 国連が使用いたしておりまする物件の返還されたものの残り六十一件を細かくやはり書き上げて一つ資料としてお出しを願いたいのでございます。  それから国有財産を管理しておられる大蔵省に伺いたいのですが、どれだけの地区に、広島県下でどれだけの管財が今国連軍にしようされておりますんでしようか。それは今広というお話がございましたが、呉、広のみでございましようか。そのほか何か広島県、山口県に亙つて使つておるものがありますか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 只今の御質問でございますが、英豪軍が使つておりますのは、呉、広以外に江田島の一部、原村の一部、海田市の一部、これだけでございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 江田局は全部ですか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 一部でございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうすると、旧海軍施設等は全部使つておるのでしようか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 弾薬庫を使つておりまして、あとの大部分は米軍が使用しておるような状況でございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうすると、そのほうは米軍が江田畠を使つておる。私の了解するところでは、大分以前の日本の海軍の基地として収容力は数万のキヤデットを養成しておつたところと思うのですが、今はどのくらいの人が入つておりますか。それは国有財産ではないのでしようか。大蔵省が管理中のものでしようね。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) いや現在国有財産でございまして、米軍が使つておるのでございますが、その内容につきましては、外務省のほうから一つお答えを願いたいと思います。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 江田島の元の兵学校というものは米軍が使つております。私もどういうふうに使つておりますか、その収容力がどれくらいという詳細な点は資料がございませんのでここでお答えできません。先ほどちよつと私在鮮兵力十個師団と申しましたが、八個師団でございまして、二個師団多く申上げましたから。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますと、江田島は今養成学校として使つているのですか。それともただ軍の演習地として使つているのですか。大変細かいことを伺うようで恐縮でございますが。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 演習地ではございません。何らかの兵舎とか学校とかいうようなことだと存じます。演習地はあすこではありません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 覇そうすると、管財局にもう一遍伺いますが、呉市にあつた国有財産というものは、港湾を初め旧海軍の施設は大きいのでありますが、そのうちどれだけが民間の播磨造船その他に払下げて、残りの部分はどれだけ英豪軍に使われて、残りがとういうふうに今活用されておりますか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 現在旧呉海軍工廠関係につきしましては、土地が三十六万八千百十六坪、建物が十五万四千八百五十四坪でございます。これにつきましては、現在その中で造船施設につきましては、N・B・Cに貸付けしております分と播磨造船所に貸付けしております分とこれだけでございます。次に製鋼施設でございまするが、これは現在日亜製鋼所と淀川製鋼所に貸付けしておりまして現存売払手続中でございます。その他といたしまして同じく旧製鋼施設でございますが尼崎製鉄所に貸付中でございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 それらのものが国有財産であつたのが呉市のような基地になりましたところでは、あすこの市民の生活のし方、そうしてこれが早くから貸付けられておるのですが、その収入が大蔵省に入つて、市民のほうの収入はどういうことになつておりますか。多少なりとも市政のほうに入る分がありますか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 只今の御質問でございますが、これらの施設で貸付けいたしております分につきましては、国が貸付をいたしまして、一定額を毎年契約によりまして徴収しておる。それから呉市といたしましては固定資産使用税としてこれらの施設の使用者から地方税を徴収しておると存じております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうすると伺いますが、国有財産でも固定資産使用税として全額が市のほうへ入つておりますか。そうすれば随分大きい財源が呉市に入るわけですがね。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) これは全国的な場合でございますが、固定資産使用税をとつている地方ととつていない地方とあるわけでございます。固定資産使用税をとつています場合には、国の貸付料の中からそのほうを差引きまして残りを国で徴収している。固定資産使用税をとつていない場合には、時価で計算した一般の貸付料を徴収する、こういうふうになつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 呉の場合如何ですか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 呉の場合はとつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 使用税を市がとつている。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) さようでございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 ちよつと額はここではおわかりにならないでしようね。或いは国が徴収しておられる貸付料の総額というものはわかりますか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 只今資料を持つて参りませんので手元にはございません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 のちほどどうぞ資料をお出しを願いたい。  それでは次に伺いますが、広の兵舎のところですね、あれは非常に広いところなんですが、何か国策パルプ会社かなんかで使つておるところがある。それから、更に港湾がある。学校校舎もあるというふうに伺つておりますが如何ですか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 広地区につきましては、大部分が英豪軍と米軍が使つておりまして、残りの地域につきましては、東洋パルプ会社と広造機、広重工、これらの会社が使つております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 国有財産としてそれらの会社が借用しておるわけですか。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 国有財産として貸付いたしております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 それじや恐れ入りますが、それもあとで資料のときにどれだけの兵舎を使つておるかというふうなことも、建物の坪数等お出し願えますれば。それから更に追加いたしまして、呉市の真中にありまする建物の中で、旧海軍の将校宿舎とか、或いは海軍の役所に使つておりました建物等もあります。それからクラブの建物、その中で一部米軍が使つておりますものと、それからあと残つたものとあると思いますが、その辺の施設の六十一のアイテムがわかりますようにお書き上げ願えますればお願いしたいと思います。

亀岡康夫大蔵省管財局総務課長

○説明員(亀岡康夫君) 後刻資料を調製して提出いたします。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 国際協力局にお伺いしたいのですが、国際連合軍という場合は、江田島にしても、やはり広にしても従来いた英豪軍だけじやなくて、米軍もその中に相当な割合を混成しておると了解して間違いないのでしようか。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 両方別でございます。米軍のものを国際連合軍が一部使わしてもらうというような、岩国の飛行場のようなケースはありますが、国際連合軍に提供した施設を米軍が使うというようなケースは今までにはございません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 曾て占領当時は米軍のやはり行政部が呉市にあつたのでありまして、その後も引続き一つの建物は米軍の連絡事務所のようになつて、米軍のやはりオフイスがあると了承しますが、今はないでしようか。それからもう一つは、さつきお話の広の兵舎の中に一部米軍が使つているところがあるというように伺いましたが、広にもあるじやないでしようか。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) 呉市内で米軍が通信施設その他二三持つておりましたが、まだ一、二残つておると思います。それから広地区では米軍の宿舎はありますが、これは皆別になつております。国連軍に提供した地域内に米軍がおるというのではありません。地域も分けてその地域は米軍に提供しておる。米軍の宿舎があるわけであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 江田島に関しても国連軍と米軍とは同じ江田島の管内において協力しておるのでなくて、全然別な命令系統により、別に行動しておると了解してよろしいでしようか。

伊関佑二郎外務省国際協力局長

○政府委員(伊関佑二郎君) そうでございます。別々の管轄権を持つて分けておるわけでございます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 残りの質疑は明後日でよろしうございますか。それでは本日の質疑はこの程度でとどめまして、あとは明後日木曜日午前十時からの委員会で質疑を続行することにいたします。それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時二十七分散会

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