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19回国会参議院1954/04/30

外務委員会 第27号

発言数
3
登壇者
2
会派数
2
開催日
1954/04/30

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 只今より委員会を開きます。  通商に関する日本国とカナダとの間の協定の批准について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の批准について承認を求めるの件、遺産、相続及び贈与に関する二重課税の回僻及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の批准につい承認を求めるの件、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件、日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生する請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。  政府の提案理由の説明を求めます。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 只今議題となりました通商に関する日本国とカナダとの間の協定の批准について承認を棄めるの件につきまして、提案理由を御説明申上げます。  戦前日加両国間の通商関係は、カナダが大正二年五月に加入した旧日英通商航海条約によつて規律されておりましたが、同条約は昭和十七年七月失効いたしました結果、我が国よりカナダに輸出される産品は、同国の最高関税率である一般関税率を適用されることになつたのであります。このため、戦後のわが対加輸出は著しく阻害され、一九五二年及び一九五三年の対加貿易は、いずれも輸出約一千万ドルに対し、輸入約一億ドルで、差引約九千万ドルの入超という片貿易を示しているような状態であります。よつて、政府は、相互に最悪国税率を与える協定か締結する目的を以て、昭和二十七年十一月オタワにおいてカナダ政府との間に交渉を開始し、爾来折衝を重ねま」た結果、今般この協定について両国の合意が成立し、去る三月三十一日オタワにおいて我が松平大使とカナダ側ピアソン外務大臣及びハウ通商大臣との間で署名を行なつた次第であります。  なお、我が国は、昨年十月ガットに仮加入することを得ましたが、その際カナダが、我が国の仮加入に対し、他の英連邦諸国とは態度を異にして積極的に我が国の立場を支持してくれましたことは御承知の通りであり、この既定の交渉も右の仮加入の問題と併行して、我が国の輸出貿易の振興に対するカナダの理解ある態度により順調に進められた事実を申し添えたいと存じます。  この協定の骨子は、両国が相互に関税に関する最恵国待遇を与えることを定めているほか、為替及び貿易制限に関し原則として無差別待遇を与えることとする一方、国際収支擁護のため必要な差別的制限を行い得ることとなつており、別に交換書簡により、カナダが一定の条件の下に関税評価を行い得ること及び我が国が小麦、大麦、木材パルプ等の九品目について原則として無差別待遇を与えることとなつております  この協定の成立によつて、わが国の産品は、カナダにおいてガット税率による最恵国税率を適用されることにたりますので、今後の我が対加貿易は幅に増大することが期待されるわけあります。  よつて、ここにこの協定の批准について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上本件についてすみやかに御承認あらんことを希望いたします。  次に、所得に対する租税に関する二一重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の批准について承認を求めるの件並びに遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の批准について承認を求めろの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  日米両国間の経済上、文化上の関係は、戦後著しく密接となりましたが、昨年の秋日米友好通商航海条約が発効いたしまして以来日米両国人の交渉がいよいよはげしくなり、両国の領域に亘る財産の所有は移転もますます多くなつて来ているのであります。更に、我が国といたしましては、外資導入による国内生産力の向上、輸出入貿易の促進等国家的見地から、日米経済関係の緊密化に期待するところが大きいのであります。  この際、日米両国の税法が異なつておりますために両国間に二重課税の事実が生じ、又脱税の可能性が存することは、両国間の円滑な経済及び通商の関係に対して大きな支障となりますので、政府は、かねてから合衆国政府と交渉いたしました結果、今回所得税関係と相続税関係との二本建の租税条約を合衆国駐在井口大使と合衆国代表の間で署名するに至りましたわけであります。  これらの条約が効力を生じますと、両国間における二重課税及び脱税の問題は、有効適切に処理されることとなり、日米両国の国民は、今後安心してその経済上、文化上の活動に従事できるのみならず、日米両国の経済協力も一層円滑に行われるようになることを信じて疑いません。  よつて、ここにこれらの条約の批准について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、両案件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。  次に、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件並びに日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、国連軍の我が国における地位及び同軍隊に与えられるべき待遇を規定する協定を締結するため、一昨年七月関係国政府と交渉を開始いたしました。本交渉は、刑事裁判権及び若干の財政経済問題等について双方の主張が対立したため一時停頓するのやむなきに至りましたが、幸い昨年八月NATO協定の効力発生に伴つて日米行政協定の刑事裁判権条項がNATO方式に改訂されましたので、国連軍についても我がほうの主張通りNATO方式による刑事裁判条項を合意し、昨年十月取りあえずこれに関する議定書を締結いたしました。  よつて、残る財政経済問題について、速かに妥結を図り、国連軍に関する諸懸案を解決することは、我が国の国連支持の建前からも緊要と認められましたので、極力折衝に努めました結果、国連軍側においても我がほうの立場を了解いたしまして、呉・広地区における相当数の施設の返還、労働調達における間接雇用方式の採用を認める等の譲歩を行う意向を示して参りました。これに応えて、我が方も大局的見地から米軍との均等待遇の方針を以て財政経済関係懸案の解決を図りました結果、交渉は円滑に進捗し、一年半余にわたる本協定交渉も妥結いたしましたので、去る二月十九日に我が国と統一司令部としての米国政府並びに英連邦諸国及びフィリピン共和国政府との間でこの協定に署名を行なつた次第であります。  なお、この署名と同時に、「日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議正書」の署名を行いました。これは、国連軍協定が在日米中を規定の対象としておりませんので、民事上の請求権条項においてて以上の派遣国が共同に責任を有する場合の請求権の処理についてその関係派遣国の一が米国である場合に対処するために、米国政府が「統一司令部として行動するアメリカ合衆国政府」としてではなく、「アメリカ合衆国政府」自身の資格において別個に取り極められたものであります。  右の協定及び議定書のいずれに対しましても、我が国は、受諾を条件として署名いたしておりますので、速かにその受諾を行うことにより、この協定及び議定書を締結することといたしたい所存であります。つきましては、その締結について国会の御承認を求める次第であります。慎重御審議の上本件についても速かに御承認あらんことを希望いたします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 本件に対する質疑は次回に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十四分散会

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