P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
19回国会参議院1954/09/22

外務委員会 閉会後第5号

発言数
20
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/09/22

会議録

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それではこれより外務委員会を始めます。  委員会を始めまする前に、各会派のお話合いで当委員会の総理外遊という問題に対しまする意見を取りまとめるために、起草委員のかたがたをお選びしてお願をいたして御相談を願つたのであります。その結果について御報告を申上げたいと思います。

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 それでは私から御報告申上げます。  先ほどの議会でいろいろ意見の交換が行われたわけで、ございまして、その結果、理事会のほかに鶴見先生を加えて理事会の起草委員会を作るということで、そうして委員長は前半お差支えがあつたために御出席がなかつたのでございましてその結果、私が委員長の代理としてその起草委員会に出席したわけでございます。ところが皆さんがたの御要望で私に座長になれということでありまして、及ばずながら座長を勤めて起算に当つたのでありますが、幸にしてその席に臨まれたかたがたの御意見が一致することができまして、決議の案文を作つたわけでございます。その案文は本来ならばタイプに打つて皆さまがたにお配りするところでございますけれども、時間がなかつたためにテキストを読みまして、そうして事務局の人たちに修正の個所を書き入れてもらつて各会派に僅かに一枚ずつお配りしたというようなことになりました。つきましては、念のために私から今一応訂正されました決議案を読みますので、それをお聞き取り願いたいと思います。原案は先ほど懇談会の席で配られました曾祢委員の案でございます。その原案に基いて各委員の間で活溌な意見の交換がありまして、この訂正が成り立つたのでございます。読みます。    決 議 参議院外務委員会は吉田総理に対して外遊に先立ち本委員会に出席して、自らその趣旨目的を説明すると共に、活溌にして建設的なる質疑を展開することが民主主義議会政治の本義であることを確信し、夙に  ここのところちよつと起草委員会に御出席になりましておきめになつた委員のかたがたにお断り申上げなければなりませんが、一つ字句の修正をいたしましたので御了承願いたいと思います。「夙に充分の時間の余裕」と原案はなつておりまして、「夙に充分の時間の余裕」ではちよつと語路が悪いので、「夙に充分なる時間の余裕」と、「なる」というふうに直しましたから、その点御了承をお願いしたいと思います。読みます。  充分なる時間の余裕を見込んで総理の出席を要求し、条理を尽してその実現を図つて来た。  しかるに吉田総理は徒らに時日を遷延し、最早外遊前数日を余すにすぎざる頃に至つて終に公務多忙を理由として出発当日迄出席致しかねる旨を回答して来た。斯くの如き総理の態度は民主主義に背き国会を軽視するも甚しいものであると共に、本委員会が職責を全うすることを不可能ならしめたものである。これ本委員会の深く遺憾とするところである。本委員会は総理が目下我国の当面する重大時局を後にして敢て海外旅行を決行するについては漠然たる親善旅行という以外特に緊急不可欠の理由と明確な目的がなければならないと信ずる。斯かる見地からわれわれは先づ総理の説明を聞き、しかる後各委員において忌憚なき意見を開陳し以て国民の前に外遊の意義を鮮明ならしめるのが本委員会の正しい在り方なりと信じ、前述の通り総理の出席を求めた次第である。  さり乍ら総理自ら此の機会を捉えて国会を通じ説明する意思がないことが確認された以上、斯かる態度は外遊の緊急性乃至は正当性につきわれわれを納得せしめるものであり得ないと同時にわれわれをして総理の外遊に対し何ら責任をわかつ能はざらしめるものであることを表明する。  右決議する。  こういう案文でございます。お聞きになりました通りに、総理の外遊についての賛成とか反対とかいうことは、ここには表明しておりません。そうして現にこの委員会の立場においてこうこうであるということを申し述べているのだということを附け加えまして御報告といたします。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 如何ですか、これについて御意見ございませんか。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 前日来党委員会におきまして総理の出席につきましていろいろ御心酌をおかけしましたことは誠に申訳ございません。併しながら只今御提案のごとき決議案につきましては、政府と責任を共にすべき与党といたしましては、残念ながら賛成いたしかねますので、よろしく御了承を願います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 まあ團さんが起草委員に加わられて、賛成反対ということは別の問題だと思うのですが、併し今のこの決議案の内容というものは、これはもう事実を明確にしただけだと思うのです。だからこれは賛成とか反対ということというよりも、むしろ当委員会がとり来たつた今日までの経過というものをむしろ客観的に鮮明にしたという性質のもので、これは与党、野党を潤わず、国会の正常なる運営を考えられるならば、私は与党の立場におありになつてもそれほどこだわられる性質のものじやないように思うのですが、如何でありますか。

團伊能自由党

○團伊能君 只今羽生委員の御発言もありまして私も起草委員の一人に入りまして、全文に関しまして御審議にあずかりましたわけであります。大部分におきまして只今羽生委員のおつしやつたようなことは私どもも決してそれに共感を持たざるものではございません。ただ私ども与党の立場といたし、今の内閣の責任を持つております関係から、総理の外遊に関しまして責任を分つということの点におきまして、結局我々は責任を持たなければならない立一場にございますので、その点を御了承頂き、我々の賛成いたしかねる理由といたしたいと思いますので、どうぞよろしく御了承を願います。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 左藤委員にちよつと伺いますが、総理の態度については非常に恐縮の意を表されたようでありますが、而してこの決議案に対しては賛成することができないということでありますが、恐縮の意を表されたのはどういう内容であるかわかりませんが、左藤委員は今日補欠でおいでになつたので、従来この委員会がこの決議案に上つておるごとく、非常に余裕を置きまして又手段を尽しまして出席を求めておつたことは御承知がないかと思いますから御無理はないかも知れませんが、そこいらは常に御出席になつておつた團委員等にお譲りになつて、字句の修正なら修正で御同意が得られないものでありましようか、お諮りをいたしたいと思います。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 速記を始めて下さい。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 補欠で本日出て参りまして折角の決議に反対をいたしまして非常に恐縮でございますが、実は私ども自由党の委員としては相談をいたしました上で私から申上げたので、ございまして、特に当委員会に非常に総理の出席について御心配を煩しましたことについてはお詫びをいたしますが、いろいろなこれには事情がございますので、ただ事実の鮮明だけでなしに、総理の外遊に対して責任を分つことができないということは、私ども与党といたしましてやはり責任を共にしなければならん事情がございますので、さような意味におきまして、突然出て来た者が甚だ出過ぎでありますが、これは私個人でなしに自由党の委員相談の上でこの決議案には賛成いたしかねるということを申上げる次第でございます。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私はまあ折角各会派の代表からなつておる起草委員会において一つの案文ができた、又できるということでありますので、私自身の立場から申しますならば、もつと明確な外遊そのものにも反対的な評価を加えても、何も委員会として、或いは議会のほうが政府のほうの権能である外交そのものを邪魔するということにはならないと思いまするが、国政の全般を監督する国会としては、特定の政府の外交行為についても価値判断があつてもいい、それをもつと明確にこの価値判断を書いた案文で、そして委員会の意思を決定して頂きたいと思つたのでありますけれども、こういう問題は、当委員会の今までの例から見ましても、なし得るならば、全会一致の意思としてこのほうがより賢明なりというような観点から、案文については相当な柔軟的な態度を以て私どもとしてはやつて来たつもりであります。私は決して起草委員になられた自由党のほうのお立場を責めるわけではございません。が併し、若しそうであるならば、おのずといわゆる与党対与党以外の政党としてのはつきりした対策というものが現われた案文による採決ということも考えられたかと思います。併し私は今までやつたことについて再び問題を蒸し返すようなことはいたしたくありません。今折角委員長から、委員長のお気持としては、字句等の修正等も考えてもいいやの示唆があつたにもかかわらず、自由党を代表して左藤委員からとにもかくにも政府との一連托生の関係から、この種の決議には賛成できないという確定的な意思表示があつたと思いますので、この状況においてはやむを得ませんので、委員長におかれて只今佐藤委員から、緑風会の佐藤委員から御報告がありましたこの決議案を直ちに本委員会において正式の議題としてお取上げになつて、この決議案そのものに対する委員会の採決を行なつて頂きたいということの動議を提出いたします。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 私も曾祢委員の動議に賛成であります。本来ならば、先ほど申上げたように團委員が起算委員に加わつて頂いたときに御了解が得られるものと我々は期待しておつたので、最大公約数の案文になつたわけであります。若し本来ならば採決をするという立場を前提にして行けば、おのずから案文の内容はもつと変つたものがあつたかと思います。併し先ほど曾祢委員からお話がありましたように、一旦出たなにを又事態が変つたので作り直すということも非常に権威のない話だと思いますので、只今佐藤尚武委員の御提案、お示し下さつた原案に基いて採決をするという曾祢委員の動議に賛成をいたします。

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 各会派の立場がおありになるのでありまして、今社会党の委員諸君からは直ちにその決議案の採決という御提議がありましたが、その御提議の中にもありました通りに、できるならば全会一致の採決を望むということは、これは誰しも欲するところであります。先ほど左藤義詮委員の御説明を聞いておりますると、与党である自分たちが総理の外遊に対して当然責任を分つんだ、分たなければならないのだと、そういう立場からいつてこの決議案に直ちに賛成することはできないというお話であり、それは与党の立場としては私はよく理解ができるのであります。そんならこの最後の文句、即ち総理の外遊に対し我々は何ら責任を分つことができないものであるということを表明する、この点だけを何らかほかの字句で以て表わすことができたらば御賛成になれるのかどうかということをお尋ねしたいと思うのでありますが、これは起草委員会で一旦きまつたものを修正するのでありまするからして、起草にあずかられた委員がたの御同意も経なければならん問題でありますが、私はほんの思いつきの案として、その点をいま一応採決の前にお尋ねをして、そうして仮にこういつたような文句ならどうかしらんかということを申上げてみたいと思うのであります。これは起草委員の同僚諸君の御同意を先ず以て経なければならないので、いや、一切あの起草委員会で採決された決議案には手をつけちや困るというなら私は撤回せざるを得ないのでありまするが、例えば代案としては……。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 如何でございましよう、それは……。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 代案を出される前に私意見を述べたいと思いますが、今も緑風会の佐藤先生からお話のように、これは起草委員会ですでにおきめになつたものでございますから、若しそういうふうに変えるならばもう一遍問題を前に戻すこと、私たちはこの原案自体についても非常な不満を持つておるのでありますが、最大公約数をとるという意味において、これを一応呑んで決定をして頂きたいと、こういうふうに思つておりますので、これを直すというようなことは絶対におやり願わないように、それには賛成ができません而ら、この原案のままでお取計らいを願いたいし、若し自由党がそれに賛成ができないのならば、止むを得ませんから採決によつておきめ願いたいと思います。

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 私は若し起草委員会において一緒に仕事をされた同僚諸君において私の今の代案云々という考え方に対し御同意が得られるならばという前提の下にお話をしたのでありますが、それが今の佐多委員のお話で絶対にこの案に対して修正を加えることに不同意であるということが明らかになつた以上、私は私の提案を撤回するほかはないと思います。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 起草委員で十分にお練りになりました案について、責任を分つという点についての自由党委員御両名の御発言がありましたので、委員長もその点だけについて何か修正の御意見でも出るかと思いましたが、それは出さぬということであり、決議案について採決を求める、こういう御発言がその後にあつて御賛成もありましたような次第でありますから、この決議案に関しまして決をとりたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それでは起草委員会で立案をされましたお手許に配つてありますところの決議案に御賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 多数であります。よつて本案は、本委員会において決議をされました。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 私からちよつと一言申上げて御了解を得ておきたいと思います。私は急にアメリカのインターナシヨナル・ペザント・ユニオンというものの第四回の会議がございまするについて出席方を招請されて参りました。それに出席をいたすことといたしまして、急遽手続をとつておるのでありまして、本日これから渡航の手続が完了することになるのでございます。約一カ月ばかりアメリカにおることになります。その間委員長の職務の必要が出て参るかと思います。これは理事諸君のうちにお願いをすることにいたしたいと思いますが、例によりまして会派順に考えまして、團委員に不在中の委員長の職をお願いをしようと思います。どうぞ御了解を頂きたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それでは本日の外務委員会会はこれで終了いたします。    午後三時十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗