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19回国会参議院1954/05/26

運輸委員会 第32号

発言数
76
登壇者
5
会派数
2
開催日
1954/05/26

会議録

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  先ず道路運送に関する件を議題といたします。  一昨日当委員会において決定されました本件に関する参考人警視庁警邏交通部長手柴佐八君は、都合により警視庁警邏交通第一課長鈴木実君にされたいとの申出がございましたが、同君に変更いたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それでは一松君から質疑の通告がございますので、これを許します。

一松政二自由党

○一松政二君 私は、最近の都内における自動車交通の取締について、警視庁でいろいろ苦心されていると思うんですが、大体その事故の性質とそれから主に道路交通運送法の取締の違反の対象になるいろいろな事件があるだろうと思いますが、それらの統計的な概要をあらまし先ず御説明願いたいと思います。どういう事故が一番多いか、それからどういうことが一番危険に感ぜられているか、そういう点について一応あらかじめ総論的に御説明を承わりたいと思います。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 御説明申上げます。  私どもの直接担当しておりますのは道路交通取締法でございます。二十八年度の交通事故を申上げますというと、二十三区内で一万四千四百五十件でございます。そのうち死亡者が六百十三名、それから負傷者が約八千五百名でございます。で、その事故を見ますというと、八〇%が自動車による第一原因者で、これをわかりやすく申しますと、過失率の多いのが第一原因者と言つております。約八〇%が自動車の第一原因者となつて事故を発生しております。その事故の大要は、一番多いのが追越し違反の場合でございます。正規の追越しをしない、前の車が完全によけ切らないうちに追越ししまして反対側から来る車にぶつかつたり、反対側から出て来る人にぶつかつたりします。この追越し違反に関連いたしまして、やはり速度違反の事故が非常に多い。それから一時停止義務違反、これが案外馬鹿になりませんので、一時停止しないために事故が発生するというようなのが非常に多い。で、事故の大要につきましては、率直に申上げまして数が多いわけでございます。この事故が直ちに交通違反と結びついて参ります。先ほど申上げました通り、正規の速度を守らなかつたために事故が発生した、或いは又当然停止しなければならない所を停止しないで事故が発生した、或いは正規な追越しをしないで追越ししたために事故が発生した、追越し違反というようなこと、或いは脇見操縦或いは前方を注視しておらなかつたというようなことで、事故は大体この法令違反に起因して起る場合が多いわけでございます。  そこで私どもといたしましては、交通一課は特に取締の面に力を注いでおる課でございますが、先ず私どもの考え方が誤つておるかもわかりませんが、先ほど申上げました通り、一万四千四百五十件のうち八〇%が自動車による事故だというので、自動車の取締に重点を置いておるわけでございます。昨年一カ年で検挙いたしました数は約六十万近くでございます。それで検察庁へ送致いたしましたのが、そのうち三十一万三千件という数でございます。本年は更に車も人も殖えましたので、やはり先ほど申上げました考え方の上に立ちまして力を注ぎまして、大体一月から四月までに二十三万八千五百八十七件を検挙いたしまして、そのうち送致が十四万七千六百七十五件、月平均いたしまして約三万七千件送致いたしておりますので、昨年のそれに比べますというと大体十万件ぐらい送致数が残念ながら殖えるというふうに考えております。

一松政二自由党

○一松政二君 今の法規では、自動車の種類又は速度の遅速によつて何にも手加減がなくて一律一体にスピードの制限が行われておるわけじやございませんか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 大体こういうふうに御了解願つて頂くといいのでございます。普通車四十キロ、それから小型三十二キロというふうに御理解を願えればいいと思うのであります。これは警視庁管内は特にそういうふうな方法をとつております。第一京浜、第二京浜或いは環状線というような所は五十キロ乃至五十五キロのスピードを認めております。それと反対に非常に混雑している地域、即ち銀座周辺とか丸ノ内周辺、ああいうふうな所は普通の所なら四十キロの速度で走れても三十二キロにしている。それから御参考までに申上げておきますが、モーター・バイク、いわゆる電動機附自転車はこれは一律に二十五キロでございます。こういうふうに若干の制限を設けております。小型三輪車などは三十二キロでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 スピードの違反件数で、数が非常に多い。それから追越しの場合に非常に事故が起る。まあ追越しの場合に或る程度の事故が不注意の結果あり得ることは想像しますが、普通に市内で走つている場合に、今日の自動車で、場所によつて今お話の通りにスピードの制限も多少変つてはおるようでございますが、今のキロをそのままマイルにしても殆んど普通の自動車はその程度はそういう場所では走つておるだろうと思うのです。それを若し制限速度内に私はこの市内、まあ場所によつて皆その速度を遅くさしているようですが、全部が制限速度以内になつたら交通ができないようなことになりはしないでしようか。その辺に対してはどういうお考えですか。まあ極端なことを言いますが、それは極端なことを言つて一応御参考にしているわけで、そうなるかどうかはわかりませんけれども。というのは、何にも差支えない広い場所で別段横切る所もないというような所は、或いは陸羽街道とか或いは第二京浜、第一京浜みたいな所はあの制限速度を超すことによつて私は交通がかなりさばけるんじやないかという気がするのですが、そういう点についてはどうお考えになつておりますか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。やはり私ども近視眼的な見方かは知りませんけれども、スピードは余り出さないほうが事故が少くなるということは言えます。その理由は、今先生の御質問にちよつと当らないかも知れませんけれども、銀座周辺、あそこらは交通事故は確かに多いのでございます。併しながら大きな事故が発生しているということがない。それは制限速度は三十二キロ、それ以上は出せないという実情にございますけれども、スピードが緩いものですから、事故は、件数は非常に多いが死亡者というものは極めて少い。反対に第一京浜或いは成増街道、こういうような五十五キロまで出せる通りは、御説のごとく交通は余り頻繁ではございません。いわゆる事故も少いのでありますが、併し発生した事故というものが非常に大きくなり死亡者が多いというようなことで、まあ確かに交通の円滑ということを無論我々も考えなければならないのですが、それよりも何よりも人の生命身体というようなことを先ず第一に護らなければいかんという考え方は、先生のお話も一応頷けるのですが、これ以上速度を出させるということは私どもとして考えておりません。

岡田信次自由党

○岡田信次君 ちよつと関連して。今課長のお話で、いろいろスピードはトラツクが幾ら、乗用車が幾らとかいうようなのがありましたが、その制限の根拠というか、大体トラツクならブレーキ・デイスタンスが幾ら、だからスピードはこのくらいだとか、或いはそれともトラツクは最大七十キロぐらいしかないというようなところからお出しになつたのか。その各車両の種類によつてスピードの制限、最高速度というようなものは違いますね。それはどういう根拠なんですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) これは法にきめられておるわけなんでございます。この根拠はまあ私のような素人が説明すると却つて恐縮なんですが、トラツクは大体四トン積んでございます。四トン積みが多いのでございます。ああいう車に多くスピードを出させて、いきなり脇からぼつと飛び出した場合にブレーキをかけてもすぐにとまらないわけでございますね。従つて低速で走つておればそういつた緊急な事態に直ちに即応できるというふうな考え方なんでございますね。この考え方がまあ基礎になりましてスピードの制限がされておるわけであります。それに関連いたしまして、小型の場合は一応三十二キロ、それから普通小型というのは、車長が三・八メートル以下のものを小型と言つております。勿論例外がございまして、エンジンの大きさによつて、例えばジープのようなものは、あれは大型に扱つておりますが、一応車の車長によつて小型大型をきめております。で、小型がスピードをうんと出しておつて、いきなり急ブレーキをかければこれはもう横転する危険が多分にあるわけでございます。そこへ行きますというと、それ以上の車ですというとその安全度合が強いわけでございます。従つてまあ普通車は四十キロまでといつたような考え方が通説とされて今まで来ているわけであります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうすると、大体主として今の各車両のブレーキ・デイスタンスは出ているというふうに考えていいわけですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) はい。

岡田信次自由党

○岡田信次君 それからもう一つ、これはちよつと関連なんですが、京浜国道とか或いは大きな国道で追越し禁止の区域がございますね、黄色い線のかかつた。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) ございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 ところが例えば今の三輪車のトラツクみたいなやつとか、或いはダツトサンの小型とかいうものが片つ方で走つている、片つぽうで普通の高級車が走つているというようなときに、却つて追越し禁止なんかすると交通の混乱する虞れがあるのですが、あれは同種の車は追越しちやいかん、そういう型の違つた車は追越していいという解釈でいいですかどうですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 大体通行区分がございまして、緩行車馬はここを通れ、高速車はここを通れと大体きめられております。従いまして第一、第二京浜のような所で以てカーブの所で追越し禁止をするときは、一応斜線を引きまして、左側をオート三輪車、トラツクが通つている、その脇を当然通れる。高速自動車が何も弧形を描いて行かないでも並行して行けるという場合にでも、法律的には私はこういう言葉は何もないのでありますが、これは先行と言つて、当然追越してもいい、一方は三十キロ、片つ方は四十キロで並んで行けば、追越すのではなくて先行して行くのが当り前です。だからこの場合には追越しではなく先行だというふうに言つております。併しながらすぐそこの正門前の都電から三宅坂に行くような所、あすこですと仮に前にトラツクが走つておりますと、どうしても軌道に入らなければ追越せない、こういうような所は追越してはいけないということでございますが、努めてこういう所は短距離にしておるわけでございます。今先生の御質問は、先行で追越しではございませんので、申上げます。

一松政二自由党

○一松政二君 私がときどき経験することですが、スピード違反というものを特に取締つておる。ところが、そういう場合に何ら危険も感じなければ何でもないので、むしろスピードを出すことのほうが交通……後から来るものなり又前に進んで行くことのほうにも却つてよかろうと思うけれども、確かにスピードの点から言えば違反になつておる。そういう場合にどこか隠れておつて、そうしてスピードを見ておつて、そうしてその所かどこかに次の所に行つたときに手を挙げられてとめられて、お前は幾らスピードが出ておる、ああいつた取締方はどうも我々には腑に落ちないのですが、非常に混雑しておる所か何かを非常に危なげに行動してスピードを出しておることは当然取締るべきである。併しながら例えば宮城前であるとか、或いは九段の坂の上のほうであるとか、通常普通の常識では別段何とも差支えない、例えば夜であるとかというようなときに、のろのろ行くことこそ却つて妨害になるのだと思うのですが、そういうとき法律では一応一律一体となつておりますが、そういう法の緩厳といいますか、運用について何ら手加減というものをするといいますか何といいますか、交通違反の事柄からいうと、左側通行ということは、これは普通の取締というか、法律上、規則上そうであろうと思うのですが、誰も通らない所を右側を通つておるからということでそれをとがめる人は滅多にないと思うけれども、自動車に限つて何ら事故が発生しそうにないような所でも、スピードは確かに犯しておるからよく捕かまつておる。そういう点は普通の運転手に聞けば、それは点数稼ぎだといつて、それが済めば又スピードを出しております。都内の混雑しておる所では制限スピードも出せません。そういうものは大低常識だと思うのですが、あの取締について我我は甚だ腑に落ちないことをたびたび見るのですが、ああいう点についてはどう処理されておりますか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。今先生のおつしやることはよくわかるのであります。併し先ほどもちよつと申上げましたが、自動車の事故というものが案外空いているときに大きな事故が発生しておる。これは油断しておる。これは先生方にそういうことを申上げることは本当に恐縮なんですけれども、事故を起そうと思つて起すものは一人もございません。昨年一万四千四百五十余件ありますが、不可抗力に近いというようなものは一%もございません。従いまして全部が大なり小なりの不注意の結果交通事故が発生して、これを私なりに使つておる言葉ですが、事故防止は一にも注意、二にも注意、三にも注意ということになつて来ますと、結局朝だから、人通りがないからといつて安心して運転しておつた結果大きな事故を起すというので、必ずしも朝取締を緩やかにしていいのだ、或いは反対に然るべからざるときには大いに厳重にやらなければならないのだというような考え方が、全面的に肯定できるかどうかということと、もう一つはお互いの生命、身体、財産を守るために当然きめられた法規の範囲内で行動をしてこそ、事故というものが防止できるのだ。従いまして人なんか少ければスピードをオーバーしていいのだといつたような考え方は、非常に生意気なことを言つて恐縮なのでございますが、今の運転手さんの素養では、そういうようなことをさしたならば、これはむしろ事故が発生するだろうと思うのです。いつも運転手の方々の講習会のときに叱られるのですが、一体お巡りさんは隠れてやつている、けしからんというお叱りを受けるのでありますが、一体法規というものは皆さん方の生命、身体、財産を守るためにあるので、お巡りさんがいようがいなかろうが法規を守つてもらわなければならない。とにかくお巡りさんがいなければ法は無視していいのだという考え方が消え去らないうちは、私どもは隠れて取締をしなければならないというふうに言つているわけでございます。叱られるか知れませんが、一つ言葉の悪いのはお許し願いたいのですが、運転手さんの中にも本当に立派な方がおります。特にオーナー・ドライヴアーなんかは有識者がおられますけれども、ハイヤー、タクシーの運転手さんというものは極めて素養の低い人が、極めてではなく、比較的多いわけでございます。従つていようがいまいが取締法規は遵守するというところまでに持つて行きませんと、事故は防止ができないのではないかというふうな考え方で実は取締をやつているわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 私は遺憾ながら承服できないのです。私は自分の車を運転さしておるし、又私の伜が運転手のように、運転手が事故があつたり遅かつたりするときは運転するわけですが、人のいない所を、人通りの閑散な所を制限速度で仮に走つておつたならば、しよつちゆう追越されていますよ。それほど無視されているわけですよ。現在あなた自身が私はそうだろうと思う。それで漸く車はさばけているのです。それからそういうことをやつているのは、交通取締週間とか何とかいつて特にやつているときだけでしよう。その中間においては、白バイは職掌柄やるのでしようけれども、そうではなく、取締週間とか何とかいつて多くの交通係の者を立たしている場合がよくある。そういうときは運転手も知つているから、下手なことをやつてはどうにもならんと思つて、そういうふうにやつていますけれども、終つたとなるとどんどん飛ばしています。主に事故を起すというのはオーナー・ドライブ、或いは自家用ではなくして、トラツクなり、それからハイヤー、タクシー、或いはオート三輪、オート三輪が非常に危険です。前にたつた一輪しかなくて、四角なやつがあつて、前の輪はどこへでも入れるから狭い所をずつと入つて来る。私は何遍それでやられたかわからんが、これをただ一体法律だから、法律を遵守させるのだということでは、甚だ残念ながら私は法は無視される結果になつて、法の尊厳を却つて犯されるのではないかという気がいたします。これは意見になるということになりますが、今のあなたの言うことも、それは全然いけないとは私は言つていない。それはそういう面もあるが、ただ反対にそういうことで法の尊厳という点から言えば、例えば極く下品な話ですが、道端で小便をしておつても、最近殆んどとがめていないでしよう。甚だしいのを見ると、停車場に立つて、ホームの上から小便しているのがいる。酒を飲んでいるのか何だか知らんが夜などは……。だから今のスピードの点は、丁度今あなたのほうが取締るというならば、スピードを出しそうな所に行つて隠れていますよ。だからそれは知つている。こういう所は皆スピードを出している。スピードを出しているのだからそういう所に行つてわざわざ取締ることはないと思う。取締るべきは混雑していて、今の追越禁止だとかいうような所にこそ注意を向くべきであつて、そうじやない所、私はあんたは法を守らせよう、遵法精神を涵養しようと思つて督励していることが、私から見るとむしろそういうことが法を軽視させる原因になるという点も一応考える必要があるんじやなかろうかと、こういうふうに思うのですが。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 先生おつしやることよくわかります。で、先ほど申上げたんでちよつと言葉が足りなかつたのでございますが、自家用車は確かに遵守率はいいのでございます。仰せのごとくハイヤー、タクシー、これは一番違反が多いわけであります。事故も多いわけであります。まあ走行キロ数も多いから当然でございますが、百台当りの事故で、ハイヤー、タクシーは三十三、一般の自動車は六ということでございます。走行キロが多いのは勿論でございますが、ハイヤー、タクシーが多いと言つても、今一万二千台でございます。その他の車は二十三区内で以て今日現在で大体二十万突破していると思います。にもかかわらず百台で三十三台ある、片方は六台であるということは、如何にハイヤー、タクシーの車が法規を違反しているかということを一応頷かせる事実なんでございます。従つて私どもとしてはこういう席上で申上げることはどうかと思いますが、法の下に平等であらねばならないという考え方からいうと若干あれかも知れませんけれども、とにかく事故がそういうふうに起され、都民の生命、身体が危険にある以上、ハイヤー、タクシーに対しては強く取締をしなければならないということで、まあ重点的な指導取締やつているわけであります。勿論取締だけで事故が減るというような考え方は持つておりませんが、安全教育或いはその他の教育もやつているわけでございますが、重点的にハイヤー、タクシーの取締をやつているわけであります。  それからオート三輪車の問題でございますが、これも陸運局のほうとよく連絡をとりまして、安定性のある車を造つてもらうようにメーカーにお願いをするとか、或いはオート三輪車の一番危険だというのは、運転者だけじやなく、そばに乗つている人が一番大きな怪我をする、或いは死んだりするわけでございます。従つて補助席の改良その他も本年の一月に運輸省のほうへお願いいたしまして、メーカーを集めて今後造る車は全部そういうふうにするからといつたような方法で以てやつているわけなんでございます。  先ほど先生から点数稼ぎだと運転手が言つたということを言われたのでございますが、まあ私は生意気なんですが、部下或いは交通取締に従事する者に、点数稼ぎのために仕事をしているのじやないのだ、飽くまでも都民の生命、身体、財産を守るためにやつているんだ、そういう考え方で一生懸命やつているのに、おのずから何と申しますか、お褒めの方法がとられるのはこれは当り前のことなんだ、決して点数稼ぎだなんていつて取締指導に従事してはいけないというふうに言つておりますので、最近はその点は余り御非難を受けないのですが、タクシー運転手諸君にはいつも点数稼ぎだと言われますが、交通専務員には点数稼ぎはございません。パトロールだけやらしております。

一松政二自由党

○一松政二君 ハイヤー、タクシーの目に余る行動はもうそれはお察しいたします。私どもが常に自分自身が危険を感じている。もう制限速度じやない。停止すべからざる所に停止しておつたり、進むべき所を進まないでのろのろ行つて右や左を見ておつたり、曲るべからざる所をきゆつと曲つて向う側から来るお客さんに目をつけたり、こつちはひやひやすることがしばしばあるわけですよ。だからそれは法の前に万人平等であることは、これはもう何人も否定することはできないのですが、併し違反件数の多い危険のあるものに対して峻厳な取締を行うということは、これは当然あつて然るべしと私も考えるわけです。ただ今のスピードの問題は、私は例えば中仙道の軽井沢に往復している車とか何とかいうものを、これをスピードで仮に制限するとしたら、自動車利用者は非常に迷惑をこうむると思う。ああいう所では殆んどスピードの制限は、私は町中を通る時にはそう言わなくたつて徐行する以外にないからやつているけれども、いない所では私はスピードは出していいと思う。この現在の日本のスピードのきめ方はこれはいつきめたものですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 昭和二十二年の十一月八日でございます。

一松政二自由党

○一松政二君 その以前と比べて幾らかスピードを増しているわけですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 増している所は、先ほど申上げました街道でございますね。これはまあ当時の占領軍のサゼツシヨンがありまして、ああいつた広い所はスピードを出させろということで、第二京浜国道は五十五キロまで、夜間は五十キロまでであります、先生のお考え方と若干逆なんです。夜間が五十キロ、昼間は五十五キロ。それだけ夜間は危険度合も多いというわけなんです。それから第二京浜もそうです。やはり五十キロ。それから環状線でございますね。それから目黒の大鳥から碑文谷警察のほう、そういう工合になります。広い所はスピード制限が緩和されております。

一松政二自由党

○一松政二君 それはまだ車の今のようにエンジンや車体などの何というのか近代化されない昔のときのスピードじやないかしらんと思うのですよ。今京浜国道など五十キロと言や三十マイルと思うのですがね、三十マイルやそこらのスピードで走つたら、殊に日曜など大変なことになつちまうですよ、恐らく。殆んど続いちまやしませんか。従つて五十キロなんて出しておくことが却つておかしな結果になりませんか。そういう気が起つたことはございませんかね。今或いは京浜国道或いは東海道線にしましても総理大臣だけ別格官幣社か何かしらんが、恐ろしいスピードを出さしているそうですが、これは法の前に平等でありませんね。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) えらいところあれしましたが、現在日本では最高速度が六十キロにきめられておるわけであります。緊急自動車、あれは八十キロでございます。まあ総理大臣の場合は必ず緊急自動車がついておりまして、あれは最高速度八十キロまで出せるわけなんでございます。先ほどおつしやられたことは、結局政令で最高速度はきめられるわけでございますから、割合に法律改正と違つてやさしいわけなんですが、私の頭が古いかどうかわかりませんが、今直ちにむしろスピードを増すべきではないというふうな考え方であります。  それからもう一つ、これはまあ言訳になりますけれども、残念ながら日本の車というのは多種多様なんでございます。確かに外車のいいやつはちよつと飛ばすと五十キロくらいすぐ出るのです。而もそういう車があるかと思うと、半面最低三十二キロもちよつと荷物を積むと出ないような車もあるわけでございます。私の考え方を申上げてはどうかと思うのですが、京浜国道の場合は、第一京浜は乗用車だけ、第二京浜はトラツクだけ、或いはその逆でもいいのですが、そういつたような規制でもすれば、先生のおつしやつたような御希望に副い得るのですが、現在のように三十二キロの車が通つておる、而も三十二キロも出ない、少し荷物を余計積むとですね。片一方は非常に優秀な車があつて、それでちよつと飛ばせば五十や六十すぐ出るというようなことなんで、車種がこれは又非常に多いのでございまして、そこに非常に悩みがあるわけです。この道にはこの車だけしか通さないというようなことになれば非常にいいと思うんですが、現在そういう状況でございます。

一松政二自由党

○一松政二君 その点一番最初に伺つたのはいわゆるいろいろ種類もたくさんあるし、スピードも千差万別だ。それをまあ多少の区別はあるけれども、引つくるめて言えば、一律一体みたいな形に取締つているところに非常にむずかしい矛盾があるんじやないかというんで、これは一つ我々の自動車を利用しておる者の側から見れば、そういうものにもう一段の考慮を要望したいということなんです。それで今言つたようなハイヤー、タクシーと自家用車とは多少考え方が違つても差支えないんじやないか。よたよたな車をむやみに飛ばす、昔の五十銭や三十銭で飛ばした時代も随分ありました。乗つているほうが危くてあんなのには乗れないという感じもしたことがあるんですが、新らしい車でそうして道がいい、道の悪い所はこれは走れと言つたつて走れませんよ。それでいろいろその点においては、私もスピードの制限というものは、あれは鋪装道路と鋪装道路でない所と一律一体でしよう。鋪装道路を走れる所と鋪装していない所と同じスピードというのはおかしな話です。これは車より人間のほうが一番よく知つている。穴ぼこのあいている所へ行けばスピードを出そうたつて絶対出せない。スピードのことはこれはここであなたにどうしたらいいじやないかというふうに言つたつてどうにもならんので、それはそれとして、私は都内で一番感ずることは、毎日通勤しておるので感じるのですが、交叉点の電車の停留所のある所です。前方に何ら電車がとまつていない。そうしてそこへ例の何といいますか、停留所の一段高い所がこしらえてあつて、停留所へ行くとそこが非常にくびれているわけです。そこへ自動車がたくさん行つて、その軌道の上をずつと行けば青信号の時ずつと万遍なく行けるが、そこにわざわざ突込んで狭い箇所に多くのものが通ろうとするために、却つて混雑して、軌道上は法規に従つて私はやられていると思うが、気のきいた交通整理のいる係の所では、どうかすると通れという信号をする所があるんですよ。いない所は必然的にそういうことになる。ところがハイヤー、タクシーならばそれを行くのをしばしば見ています。けれどもまあ我々のものは一応こう行くんで私はうしろに乗つておつて常に感じるんですが、その点については何らその点を取締上どうしようというお考えはないでしようか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。例の今のハイヤー、タクシーのやつの割込み或いは軌道敷上のものになるわけであります。虎の門の安全地帯を移しまして、先生御承知と思いますが、あれなんかもその一つの考え方でございます。安全地帯があるために却つて二車身通れるものが一車身しか通れない、却つて混雑するというので、虎の門の安全地帯を従来狭いほうだつたのをフアイナンス・ビルのほうに持つて参りました。それから数寄屋橋、銀座四丁目、そういうような所もそういうふうに考えております。ただ軌道敷内を通してくれという要望は、今法規では止むを得ざる場合のほか通つてはならないということになつておるわけであります。軌道敷内を通してくれという要望はむしろハイヤー、タクシーから強く出ています、通すことになりますと、これは追越しの方面にだけしか使われないというので、実は安全地帯を動すことによつて、今先生がおつしやつたようなことが全部解決はいたしませんが、或る程度の緩和ができるだろうというようなことで、着々安全地帯の交叉点を向うに持つて行くということを今計画しているわけです。

一松政二自由党

○一松政二君 広い所はそれでいいですが、私は市川から毎朝通つているわけです。ところが両国から小岩、水神の森ですか、あそこまで電車が敷かれておりますが、そこは一番道幅が狭い所です。震災のときに焼けなかつた、今度の戦争じや焼けましたけれども、今一部拡げる段取りになつておりますが、多くは昔の起伏のままです。そこへ持つて行つて一段高く敷かれておつて、交通量はとても増しておるわけです。そうして電車は割合に閑散なんです。前は何にも通つていないが、その交叉点じやなくて、電車の停留所の所へ行くと、そこは而もトラツクが非常に多いというのだが、そこへ入るために、そこがくびれておるために、一信号時間内に何台も通れない。そこへ又今度右廻りというのが前のほうにトラツクなんかおつて、うしろのやつはもうさつぱり信号が見えないから何をしておるかとあとから見れば、右廻りが出ておるというようなことで、交通を非常に混雑さしておるという点があるので、そういうことはどうしても自動車の交通のごときは、善意の良識を或る程度認めなければ、ただ法規の一点張りで、例えば両方ともだいだい色になつてしまつておる、両方とも立ちすくんで、そうしてそこで何十秒か、何秒か知らんが空白を置いてしまつておるということも、私はどうかするとこれも少し何とか考えたらいいじやないか。そうしてその青信号になつてから漸くスタートしようというような人間もおる。もうだいだい色のときにスタートさしておけばぐつとすぐ出られるようになつておるのを、もたもたとしておる運転手ほどあとを混雑さしておる事実があります。そういう点でどうも青信号でなければ、法規から行けば動いてはいけないわけでしよう。そうすると、そういうこと自身が、だいだい色になつたらその線を出てはいかんというのだが、両方ともだいだい色になつて通れやしません。一方は若し行過ぎてあとに戻るほうがいいのか、そのまま突つ切つたほうが事故がないのかと言うと、私は突つ切つたほうが事故がないということになると思う。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。先ほども軌道敷内の通行、これは交通巡査の気が利いた者は通す、そういうふうに指導しております。交通巡査の数が少いせいもございますので、御期待に副わないと思いますが、一応電車の通りの少いような所はそうしていいじやないか。それから根本問題になるのでございますが、道路が、お説の通り車のでかいのができるというようなところに致命的なものがあるわけでございますけれども、お言葉を返すようで恐縮でございますが、両方が黄色になるということはございません。それからもう一つは、私どもの考え方はああした信号機は機械的に動いておりますので、一応十分考えてはダイヤルを調節しておるわけなんでございますけれども、これはいろいろ内部間でも小言を言われるのですけれども、やはり交通巡査を立たして車の整理をさせることが都民へのサービスじやないだろうかというふうな考え方から、従来のそれは信号にとにかく任して、その余力を他へ転用したらいいじやないかという考え方で、一応信号機に交叉点の所を任したのですが、それではどうも文字通りに機械的に片方車がたくさんとまつているにもかかわらず、一向青にならないというような不必要に都民に迷惑をかけるというので、昨年百四十一カ所の交通整理手信号整理個所を三百七十カ所に殖やしまして、一応人間がやるというと融通性が持てるものですから、無駄なようですけれども、どうしてもあちらさんのように機械がしつかり完全に整つても、なお且つ道路の状況がよくなるまでは交通巡査の手信号整理が大事だというような考え方で、最近は交通巡査の手信号整理というものは相当殖やしておるわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 それは大変結構なことですが、これがまだまだ人間ですから、まあ近頃随分しばしば再訓練されてその交通整理の技術を皆に習得さしているようですが、下手な巡査に立たれたらこいつは又困つてしまうのです。もうおらんほうがよほどいいという場所もしばしば経験するわけです。だからそれは非常に結構だが、そういう点もある。それからもう一つは、日曜の朝とか或いはもう夜遅くなつてから不必要な所へ交通信号が、ただ明滅だけの注意だけでもうたくさんのような所へ、通りも何にもないのに夕方遅くまで交通信号をやつてみたり、或いは日曜の朝通りもない所へ交通信号をやつておる。これなどももう少し場所によりけりで、注意さしたほうがいいのじやなかろうかという気がいたしております。これは私は同感だろうと思うから、あえてあなたの御答弁も求めませんが、一つ伺つておきたいのは、最近に、先ほど岡田君に対する御答弁の中でも、自転車は左或いはトラツクは左と一番端のほうを通ることになつておるのですが、昭和通りの一番トラツクが通る所を御承知だろうと思いますけれども、殆んど無視されていますよ。トラツクが、大きな図体が多少左へ寄つているかどうかという程度で右側を乗用車が通ろうと思つたら通れない程度に左よりも真中を通つて行くくらいです。その横を自転車が二台並んで通つてみたり、そういう点で、ちよつと非常にまあトラツクの多い所ですから、トラツクが非常にまあ横暴という言葉はどうかと思いますけれども、交通を無視しておる。又トラツクが遅いにもかかわらず乗用車を追越させない。自分が停止しようという考えは絶対にないのでよほど通りいい所へ行くまでなかなか埃をかぶせても通さないのですが、これらも私はよほど教育する必要があるのじやないか。トラツクというものはどうせスピードの遅いものですから、又早く出せば危険だと、先ほどのお話の通りですから、トラツクは乗用車に道を求められたならば、警笛を鳴らされたら必ず左によけて道を与えるべきであるということを強く一つ指導されたいと考えるわけです。それから最近のようにバスや、バスはまあ最近うしろに右廻り、左廻りの電気で以て指示が見えるやつがたくさんできて来ているからこれはまあいいと思いますが、トラツクの荷物を満載しておつて前のほうに指示器があつてもうしろから全然見えやしません。これは非常に交通上、私は交通をつまり無用に混雑に導く一つの原因をなしておると思いますが、これに対しては警視庁で何かされるか、或いは運輸省で許可をされるときに、この問題を取上げるかどつちか一つ御両者からその点の御説明が願いたいと思います。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) トラツクの通行区分についてあれでございますけれども、確かにそういう傾向があります。ちよつとまあ、先生はお気付きだと思いますが、他府県から入つて来ておるトラツクがこれは非常に悪いのでございます。神奈川のナンバーがついたり、栃木のナンバーがついておる。これは御参考に申上げますが、御指摘のことについては十分注意或いは取締をいたしております。まあ追越しばかり取締るのじやなしに、追越しさせない取締、これもやつておるわけであります。それからトラツクの左右折も方向指示器、アポロですか、方向指示器これはまあ道路運送車輌法の関係で警視庁ではどうにもなりませんので、一応毎月私どものほうで交通対策協議会、それから陸運局との、東京陸運事務所との連絡会議を毎月やつておるわけでありますが、このときに意見を申上げております。道路運送車輌法は直ちに変えるというわけに参りませんが、ただ事実行為として指導して行けばいいのじやなかろうかという気がしますので、陸運局のほうで……

一松政二自由党

○一松政二君 その点一つ自動車局長どういうふうにされているか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 今の問題につきましては、たしか警視庁から御希望がありましたので、陸運局からのそういう伝達もありましたので、私のほうで取上げて、関係のメーカー、それから事業者を呼んで打合せをしておるようでございます。大分結論が近く出ると私どもも聞いておりますので、成るべく早く実現したいと思います。

一松政二自由党

○一松政二君 それから最近は乗用車の定員という問題について何か、例えばハイヤー、タクシーの前に腰かけのあるやつなら七人とか八人とかという定員についてやはり相当交通法規上取締の対象にされようとしておるのか。或いはもう最近車が直つたから或いはそれについては余りやかましく言つてないかどうか、その点を承わりたい。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。定員は取締をしております。定員外乗車、これは陸運局のほうで以て登録されて何名というふうにきめられておりますから、それによつて取締をしておるのでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 その取締るのは何名ということはきめてあるかも知れんが、併し取締ということは、それによつて人に危ない思いをさせるか、自分自身が危ない思いをするか、どつちかだろうと思うのです。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 私の考えは、とにかく四人しか乗つてはいけないという車に五人乗ることは誰が何と言つても危険だ、危険だということは結局事故を起すもとだ、事故を起したときに、仮に変な言い方をいたしますが、四人で済むところを五人の人が怪我をしたり死んだりしなくちやならん、だからこれはもう取締らなければならないという考え方で取締りをしております。よく反対論はあるのです。四人のところ一人ぐらい余計乗つたつてどうだということで叱られるのですけれども、そういうことを言つたら、二人乗せても三人乗せても一応やはり或るところで以て線を引くということが、又お叱りを受けるかも知れませんが、法規の建前です。まあ積載制限にいたしてみたところが、四トンに〇・〇一トン足したら違反であることは間違いないので、幾らまではいいのだというようなことは法規の構成上は私はできないと思う。従つてこれは運用の面で行くのですが、タクシーの場合は、これはもう乗車定員外の取締は厳重にやつております。

一松政二自由党

○一松政二君 そうすると、私は端的に、むしろあなたは取締の責任者であるとすれば、甚だ怠慢であるというふうに考える。あなたはバスにあれほどたくさんお乗りになつておるやつをなぜお取締にならないのか。これが私は一番危険だと思う。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) いつもその点御指摘を受けるわけなんです。定員外乗車というのは実は各署へ指令して取締をするように言つているわけでございますが、努めて先生の御意見に副うようにやります。

一松政二自由党

○一松政二君 未だ曽つてバスの定員外乗員はお巡りが取締つているのを見たこともないし聞いたことがない。目の前に押合いへし合いして乗つています。それで私はそれを見ながら取締つていない。私はそれについて積極的に取締れというのではないのですよ。あなたが、例えば五十三年型、五十二年型、五十年、四十九年、最近の車は非常によくなつております。それにスペア・シートなどの、前に腰掛があればそれだけ乗れるが、腰掛がないために、余席はありながら、これはもう五人以上乗せてはいけないのだとか、六人以上乗せてはいけないのだというような形式的な座席数の制限を私はしていると思うのです。車の安全度とか何とかいうところから来たのでなくして、或いは収容量というようなところから来たのではなくして、その定員は専らただ中へ付けてある座席数によつて私は制限していると感じるのです、その点について。私はハイヤー、タクシーにしろ、例えば学生が五人乗るのを六人一緒に行つて、割勘で以てどこかへ行こう、そのほうが安いから、現に行つておるようでありますが、それを取締るということであるならば、一番危ないのはバスであると思う。バスを一々取締つたらラツシユ・アワーにはどうにもならん。私が一番取締を要求するのは、鉄道については、これは道路交通取締法違反の権限はどういうことになつておるのですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 鉄道のほうは実は私どもの力は及びません。

一松政二自由党

○一松政二君 及ばんと言つたつて法律はあるわけでしよう。なぜその定員以外の輸送をやかましく言わないのですか。それから私はちよつと無理なようなことを言つておりますが、ということは、事実上どうにもならんからただ見ているだけの話で、なぜそんならハイヤー、タクシーに一人か二人多いというような、ドアもちやんと締つて表に何ら出ていないのに、そのほうの定員はなぜやかましく言うかということを私は言いたいわけなんです。一番危険な鉄道やそれからバスには、危険な点から言えば、こつちのほうがよほど危険なんです。それには目を蔽つていて、たかだか乗つたつて一人か二人、そんなに乗れんほど乗る者はいないです。そうしてそういうものはぽつと目にかかればやかましく言つて、そうしてそこを通つているバスは鈴なりに乗つている、満員になつているのを、ドアも締まらんような状態を見逃しているのは、甚だ私は不釣合いだと思うけれども、その点はどうですか。私が言うのはバスや鉄道を取締ろうといつたつてラツシユ・アワー、これはもう止むを得ざる事情として事実を認識するほかないのなら、非常にがたがたな車にたくさんの人間が乗るということが、これは非常に自他共に危ないからこれはおのずからそこに危険もあるでしようが、内容的に見て、外観的に見て何ら危険がないが、人数だけ一人多いとか少いとかいうことをやかましく言うのは、私は言わんほうがいいのだと思うのですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えいたします。まあ確かに事故が起れば大きな事故は鉄道、バスが多いのです。併し申訳ないことでありますが、桜木町事件のようなああいつた事件はもう鉄道なんかじや殆んど稀なんでございます。ところが先ほども申上げましたようにバス、ハイヤー、タクシーというものは百台のうち三十三台からの事故だ、その他の車は百台のうち六台ということになれば、私の考えは誤つているかも知れませんが、取締るのが当然ではなかろうかというふうに考えております。

一松政二自由党

○一松政二君 これは私の言うのは取締の問題、今の人数の制限だけの問題ですよ、私が言つておるのは。その人数の制限が一人多くても違反だというので取締る。けれどもバスは取締らないのだということなら、片手落ちにならんですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) バスを取締らないということはございません。

一松政二自由党

○一松政二君 バスをどこで取締つておりますか。バスの通勤時間……、どこで定員の制限をされておりますか。或いは殆んどどのバスを見ても、もう中じや吊革などありもしない。押し合いへし合い乗つているわけですが、それに対して私は取締をしているところを見たことがないのです。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) バスの、具体的なのがございませんのであとで御説明申上げたいと思いますが、昨年の三十一万のうち定員外で以て送致したものが二千百三十六件、そのうち自動車が千四百五十件、それから自転車、これは電動機付自転車、それから人力車、こういうものを含めて送致したものが六百八十六件でございます。バスを何件送つたかというのがちよつとございませんからあとで……。

一松政二自由党

○一松政二君 私は何もバスの通勤時間や、或いは朝だとか夜のラツシユ・アワーのときにドアが締まる範囲内において、もう最近のバスは大分よくなつているのだから、そう危険ではなかろうと思いますが、いやしくも定員があるわけです。けれども私は法律があるから法を履行しなければならんという思想は私はとらないのです。法は活かすべきものであつて、殺すべきものではない。法律だけがものをいうなら人間は要らない。人間は機械と一緒になつちまえばいいのですから、法を活かすも殺すもこれの取締をする人のつまり良識がものをいうのであると私は固く信じておるのです。法があるから或いは定員があるから、これより一名多ければ処罰する、或いは送るというのではなくて、私はそれはそれの実情を見て、これは非常に危険な状態にいるから或いはこれによつて非常に人に害を与える虞れがあるかないかということが取締の対象であつて、四人のところへ五人乗つたらもうこれは規則違反だということは、私としてはそういう取締は法の目的とは或る程度遊離しておるのじやないか。法はどうしても危険であるとか、乗つている人が危険である、或いは人に害を与えるかのどつちかの観点からそういう問題があるから、そういうことで言つたわけで、特に自家用自動車の場合のごときは、前に座席がついていませんよ、あれは。従つてうしろは三人、前に三人か、運転手共に六人ぐらいのところになつている。それより小さなタクシーが六人も七人も乗らせる。これは非常な矛盾ですよ。これをただ座席のそういう腰掛の用意があるかないかによつて違うだけの話で、車の危険率という問題からは全然発足してないと私は考える。そういう場合でも規則の上から、これは六人乗りだ、これは五人乗りだ、これは七人乗りだといつて言われるのじや、法のほうが私はよつぽどどうかしているのじやないかと思う。そう言うほうが悪いのだ。従つて運用する場合には、その点をよく噛み分けて私はやるべきである。だからこれはむしろ運輸省が悪いのかも知れません。委員長、ちよつと局長に一つこの点について聞きましよう。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) タクシー、ハイヤーの定員とバスの定員との関係で矛盾があるのじやないか、或いは取締について問題があるじやないかという、今のお話いろいろ承わつておりますと、誠に御尤もな点も非常に多いと思うのであります。私もよく存じませんが、定員をきめた趣旨、理由がまあどこにあるかということが根本だと思います。勿論今議論になつておりますように、保安、安全ということも一番大きな要素ですけれども、乗用車なんかで今のお話のごとく、最近の車のように、スペア・シートのないものと、それから昔の車のように、特に昔のタクシーのように、スペア・シートのあるものは、同じ大きさであつても、昔の車のほうが定員が多い。それでそれを無理に楯にとつて取締するということになると、おかしいじやないかというお話も非常に御尤もだと思うのです。どうも定員というのは、一つはサービスの面から起つたのじやないかと私は、今こう思つておるのですが、ということは、席もないのに、ただ無理にぎゆうぎゆう詰めにして乗せてはいけないという考え方から、同じスペースでも、スペア・シートがあれば、とにかく腰を下ろす所があればよろしいというので、タクシーの定員はああいうふうになつたのだと思います。従つてサービスの面から考えると、これは警視庁で取締つて頂くこと以外の点からも、運輸省のサービスの点からも励行してもらいたいということであります。それならば、バスの定員も励行したらいいじやないかという問題ですが、バスは御承知のように、座席定員プラス立席定員ということになりまして、あれは一人当りのスペース、座席はどれだけ、立席はどれだけという計算がありまして、それから割出したのであります。ところがこれを励行してもらうのがよろしいのですけれども、これ又御承知のごとく、ラツシユ・アワーがあの状態、それから戦後最近まで車が非常に足りなくて、お客さんが殖える一方だという状態から、これはいわば違反ではあるけれども、止むを得ない事態として、輸送逼迫状態に対して目をつぶつていたことだと思うのです。これを実際は警視庁にお願いして、違反をびしびし励行されれば、実際バス業者も手を上げるし、輸送の責任を持つておる運輸省としても困つてしまうと思うのです。その点は警視庁も大目に見て下さつておると思うのであります。ですから、定員励行を厳重に取締つてもらうべきであると思うのでありますけれども、バスに関してだけは、現在の状態で暫らくまあ黙認してもらうというのが、実際の話じやないかと思います。又警視庁の取締の関係の方も、そういう気持が暗黙にあつて、まあまあというところで大目に見ておられるのじやないかという気もするのであります。殊にあのバスの定員というのは、四十人とか五十人とか非常に大きいですから、一々あれを数えて、一見してわかるという状態でもない、まあ恐らく大部分はラツシユ時には起過しておることは間違いないと思いますけれども、一見してすぐぱつと抑え切れないという点もあつて、先ほどの輸送事情から見て、まあまあ見逃がしおるということだと思うのであります。従いまして、私どもが、気持としては定員は励行するように取締つて頂きたい。ただバスに関してだけは特殊な事情もあるから、そこは運用のよろしきを得てもらいたい、こういうことを申上げたいと思うのであります。

一松政二自由党

○一松政二君 頗る虫のいい局長のお話ですが、私は法の前に平等であれば、私設の会社であろうと、国鉄であろうと、これは私は当然取締るべきである、取締れないでそれを見逃すなら、今のようにその車に堪えない重量を積む、或いは運転手に非常な邪魔になる、これは運転手のほうがきらつて乗せないと思うのです。であるから運転手が安全だという確信の下に運転できるのは、恐らく二人とか、そうたくさんは乗れないのです。多くて一人か何か、定員外に仮に乗つておつても、その点に余り文句は言わないほうが、私は取締当局としては見上げた態度じやないか、そう思うのです。それを一一言うことは、余り、杓子定規になるのではないかという問題を私は提起しているのです。従つて私は皮肉に国鉄とバスをそこに持出したのは、そういうわけです。それで今局長の、私の言うのに答えなかつたのは、自家用自動車みたいにスペア・シートのないものは、前に余席がある、どうかすると一人乗せてやりたいというので事実は乗せてますよ。乗せますけれども、それがつむじ曲りの交通のお巡りにひつかかると、交通違反だと言えば違反に違いないけれども、それはスペア・シートがあれば当然乗れるのに、スペア・シートがないから、乗つている者は少し窮屈でも、それは車を利用している者にサービスしているのであつて、窮屈な思いをして乗りたい者はないけれども、一人くらい、うんと乗せたほうが皆のためによさそうな場合があるから、それほど私は取締ることは、余り杓子定規じやないか、バスや国鉄が見逃せるなら、全部そういうことをやれと言つても、そういうことは滅多にあることではないのです。学生がどこかに行くので、一人くらい、束になつて乗るということはあるかも知れんけれども、普通の自家用車の場合は、特別の場合ではないか、そういう場合は滅多にないのです。けれどもこれが、むしろ第三国人になると、たくさん乗つている場合があつても、それには殆んど触れようとしない。今日では触れても差支えないけれども、触れようとしない。だからそういう点については、一応私はお考えを、もう少し伸縮性を持たして運用されてはどうかということの問題を提起したわけです。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) よくわかりました。私の言葉が足りなかつたと思うのでございますが、自家用の場合に、そう私厳重な取締をしろという指示をしておりません。ハイヤー、タクシーの場合は、先ほども申上げたように、非常にきつい取締をしておりますが、まあ申上げましたごとく、統計が今わからないのですが、自動車は昨年三十一万三千件の違反者を送致して、千四百五十なんですね、定員外で送致したのは。これは恐らくハイヤー、タクシーが主じやなかろうかと思つております。それからもう一つは、お言葉を返すようで恐縮ですが、確かに私どもの教育が足りないので、先生方のお気にそまない警察官もあるだろうと思います。併し意地悪く定員外を捕まえたから勘弁せんというのではなく、法に忠実なやつだというくらいなお気持で、一つ御寛大なお気持で見て頂きたい。第一線に余り融通性を持たせることは、自分たちの馬鹿さ加減を露呈するようで甚だ恐縮でございますが、又弊害もあるわけでございます。従いまして第一線、特にパトロール警察官、これには余り伸縮自由な、自在なあれを、自分たちの部下を信用しないで甚だ何ですけれども、余りに自由に裁量させない、そういうほうが現段階にあつては過ちがないのだ、こういう考え方であります。先だつてもこれが問題になりまして、もうとにかく教養々々で努めて行つたら、或る程度伸縮を持たしたらどうかという話も内部からあつたのですけれども、併しこれはどつちがいいかということは、まだちよつと踏切りがつかないわけでございます。で、アメリカの警察官が二十ドルの罰金のところを、五ドルキヤツシユをもらつて勘弁してやるというようなことは、万ないと思いますが、そういうようなことも、一応何と申しますか、自分たちの口から言うのはおかしいのですが、親心といいますか、過ちなからしめなければならないという考え方から、うんと教養しなければならない。が併しまだ必ずしも全部そういうふうに手放しで以て安心できるかどうかといつたような気持も、相矛盾したようなものも持つておるのでございまして、中にはそういつた法に余り忠実過ぎる者もあるだろうと思いますが、こういう場合には、まあ先生方お忙しいのであれでしようが、私どものほうにちよつとお話願えれば、お詫びするところはお詫びし、私どものやり方の悪いところはお詫びし、私はいつも厳重な取締ということは言つておるが、とかく厳重な取締という言葉のマジックに惑わされて、言語態度が粗暴になり、或いは無理な取締をするのはいけないのだと、今は止むを得ずやつておるのであつて、本来から言えば、余り厳重な取締をしないでやつて行ければ一番いいのだが、併し客観情勢がそれを許さないのだと、だから厳重な取締のマジックに惑わされないで、取締られる者、罰金を取られる者も含んで、サービスをするという心構えを持つていなければいかんということは始終言つているのでございますが、まあ私どもが至りませんもので、つい無理な、納得の行かない取締或いは指導をする場合もあるだろうと思いますが、一つそういう者がありましたら、鷹揚に御勘弁を願いたいと思います。

岡田信次自由党

○岡田信次君 一つ私お伺いしたいのですが、交通取締をやつておる警察官ですね、白バイなんかに乗つておるのは勿論なんだけれども、その他一般の交通取締の警察官は、自動車の運転の心得のある方が大部分ですか、どうですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 大体交通専務員は、白バイは勿論でございますが、自動車運転免許をとらすべく努力しております。今正確なデータは持つておりませんが、今交通警察官は私以下千五十二名おりますが、私を含めまして八百名ぐらいは自動車運転免許を持つているのじやないかと、かように存じております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうするとあれですか、追越しとかスピード制限の取締というのは、そういう免証を持つている人たちがやつておるわけですね。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) そのスピード取締は非常に技術を要するわけでございます。従つて、大体交通専務員がやつております。追越しなんかも、なかなかやはりむずかしいのでございます。というのは、追越された車でございますね、これをいわゆる証人にしませんといけないので、なかなか一般のパトロール或いは新任巡査あたりではむずかしいので、これも交通専務員、それから慣れたパトロール、外勤勤務員と言つておりますが、パトロールがやつております。

一松政二自由党

○一松政二君 それからさつきの一時停止のことで、丁度はすかいに電車道路に出るとか、或いは交通信号のない所は一時停止をするわけだが、これが常識を持たないと、前に丁度車がそこを、縦か横か知らんが、一応通つておるから、偶然そこに一時停止しておる。前の車がおるのだから、必然的に一時停止しておる。前の車が行つたから、それについて行つて何も危険はない。併し規則は一時停止になつておる。そういう所の一時停止で、馬鹿なことを言う交通取締がいるわけです。前に停止しておるやつがすつと行つて、そこにたまたまあとから行つて何の停止の必要もない。それと一緒に或る間隔を置いてすつと通つたのに、お前は一時停止しなかつたじやないかと言つてやられる。これは私は、規則の一時停止だから、前の車がとまつたのに、お前も停止しなければいけない、次に来たやつも停止しなければいけないといつて、一時停止することはいいかも知れませんが、前に車が或る間隔で行つて、一時停止することは、自分も危いから、人も危ないからするのであつて、自分も人も危くないときにそういうものの励行はどうですかね。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) その場合は、うしろの車が右或いは左の見通しがつく所ならば、一時停止しておるのだから、これは問題ありませんね。

一松政二自由党

○一松政二君 前の車が電車が通るか車が通るので一時停止しておるのですよ。四つ角か何かの横断ですから、一時停止しておるのです。神田の大学通りみたいな所です。前の車も横の車も通つたから、たまたまそこに行き合せた車が、前の車が停止しておつたのだから、それにくつついて行けば、誰をも脅かさなければ、自分も脅かされないのだ。だけれども、一時停止と書いてあるには相違ないのです。それも等しく違反だというわけです。建前から行けば違反でしよう。将棋の駒みたいに、一歩行けば、次のやつも一歩行くという標しになつているのだけれども、前の車がとまつているときに、うしろから行つた車が通つて別に何が悪いかということなんですが、そういうことに対してあなたはどういう考えをお持ちですか。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 先ほど申上げたお答えと関連するのでございますが、夜間ならスピードを出してもいいじやないか、人通りがなければいいじやないかということの御質問にお答えしたことと相関連するわけでございますが、一応先ほどのお話ですと、前の車がとまつていたから必然的にとまるのだと、これはまあ一時停止したわけなんですから、而も左右の安全を確認できるのならば、これはもう一時停止しておるのですから、一向違反でも何でもないのですけれども、あとから行つて左右の安全が確認できるかどうかということは、とまつて見なければわからないわけですから、前の車がとまつておつたからうしろの車はとまらなくてもいいじやないかということには私はならないのではないかと思うのです。

一松政二自由党

○一松政二君 その御答弁は甚だ僕は腑に落ちないのだ。前の車とうしろの車を同一視したら私はいいと思うのです。その間隔というものは一メートルか二メートルおいて行くわけですから、前の車がすつと出て行つたところに丁度行き合せたら、そこで又一応とまつて行くのは愚のことじやないかと私は思うのです。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) まあ一時停止の標識の出ておる所は、見通しが悪い所に主として出ております。と同時に、事故の多発地点に出してございます。一時停止の所は、もう御説明の要はないと思いますが、一時停止するか、或いは徐行して安全を確認して出て行けばよいということになつておりますが、一時停止の標識の出ておる所は、そういう観点から出ております。それでまあ一メートルか二メートルの間隔でも、実は私ども運転しておつて右から来る車のわからないときもあります。そういうような所に一時停止の標識が出ておりますので、若しもそういう所があるとするならば、大いに研究さして頂かなければならないと、かように考えております。

一松政二自由党

○一松政二君 いや、私もそんな路地から出るとか、非常な見通しの悪い所なら、前の車が通つたからといつて、うしろのものも徐行しながら両脇を見て行くのは当然なんですが、今の一時停止、徐行というやつは非常にデリケートな問題で、恐らく運転手と取締のほうと争いになつているのだろうと思うのだ。停止したのだというのと、いや徐行したのだというのと、停止ということならば、完全に停止しなければストップにならない。自動車を完全に一度停止すれば、又ギヤーの入れ換えからやつて、ローからスタートしなければならない。徐行しておれば、ちよつとスピード落しただけだから、すぐ行かれるわけです。それが、最近は特に一時停止の所が多くなつていると私は思うのです。前は徐行と書いてあつた所が今は一時停止という場所が非常に多くなつた。相当広い所の四つ角でも、信号のないような所には一時停止というものを設けてあるのですが、見通しはよくききますよ。徐行して見て行けば何ら危険はないと思われるような所に、一時停止が最近特に多くなつております。そういう所は、通りがあろうとなかろうと一時停止だから、一時停止しなければならんということになつておるのだが、その辺はあなたに言わせれば、やつたほうが安全だからやるのだと言えばそれまでなんだけれども、運転するほうから見れば、もうそこは良識の働いたほうがよほど事故がなさそうに思うのだけれども、そこはまあ見解の相違ということになるけれども、あなたも私の言うことがわかつておつても、結構でございますとも言われませんでしようし……。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 今先生から良識というお言葉が出ましたので、誠に心強く感ずるのですが、先ほどもちよつと御説明しておいたのですが、実際その通りなんです。併し、生意気なことを申上げるようですが、良識を余り持たない運転手のほうが多いのでございます。これは又お叱りを受けると思うのですが、徐行でよろしいということになれば、それはまあ入れ換えないで以て進む運転手が多いということは、はつきり申上げます。今、一時停止しろといつてもなかなかしないのが多いのでございます。従つて、本当に運転手の諸君が全部良識を持ち、お互いの交通の安全を守るという考え方に徹底すれば、そういう問題は当然解決して行く、かように考えております。

一松政二自由党

○一松政二君 今の一時停止の問題だけれども、どこか都内のいわゆる私設の電車のチエツク・ポイントがある所でも、一時停止の所がありますね。そうすると、チエツク・ポイントというものは全然信用しないということなんですか、どういうことなんですか。今の全然電車が通つていないからもう開けてある。遮断機を降してない。そこにちやんとおるんだ。電鈴も鳴るようになつておるのだが、併し一方に一時停止がある。開いているのに一時停止せなければならんということになれば、その遮断機というものは全然信用するなということなんですかね。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) お答えします。決して遮断機を信用するなというわけではないのですが、踏切事故は、昨年二百五十二件警視庁管内にあつたのです。まあ二百五十二件というと、一万四千四百五十件のうちですから、極めて僅かなんですが、併し起きる事故というものは踏切事故が非常に大きいのです。八十九名の人が死んでいるわけです。而も、踏切は必ずしも踏切番がいる時ばかりに限らないわけです。第一種の場合は常時つけておくといいますが、第二種の場合は勤務時間がきまつておりまして、踏切番がいない時もあるわけです。従つて踏切は停止するか徐行しなければならないというのが建前なんですが、交通量の多いような踏切には一応一時停止がつけてございます。

一松政二自由党

○一松政二君 それは、遮断機の番人のいない時のことを言つておるのではないのだ。番人がおる時です。而も真昼間なんです。私はこの間やられたのです。豊島園に県人会があつて行つたときに、帰りにやられたのですが、私は名刺を出して、おれの不注意だつたから君大目に見ろということで、大目に見させて来たけれども、遮断機もあつて、番人もおるのだけれども、成るほど一時停止はいたしませんでしたねと、運転手とやつているわけなんだ。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) これも先ほど申上げたことと相関連するわけでございます。やはり踏切なら、必ず一時とまつてもらうということですね。そうして頂くことが……。

一松政二自由党

○一松政二君 徐行しているのですよ。そこは無論踏切ですから、一応徐行して見てこう来るわけだけれども、とまらなかつたというのだ。徐行は認めるがとまらなかつたというわけです。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) まあ一時停止の標識のある所は、交通量も多いし、危険度合が多いという観点に立つて一時停止を置く、一時停止の標識のない所は徐行してもらうとか、或いはとまつてもらうということで、先ほど申上げたように、件数は少いけれども、発生すると大きな事故が多い、だから踏切は一時とまつて頂くことがよいと、かように考えます。

一松政二自由党

○一松政二君 そうすると、踏切番は要らんということになりますね。踏切番はそれを予防するためにいるわけなんですよ。電鈴もあるわけなんです。そういうもののない所は勿論当然なんだけれども、そういうもののある所にそういうのは、どうかと思うのだ。これを論じておると長くなるから、あなたのほうでこれは研究して見て下さい。  私は時間をはしよるために、もう一つ下町の交通の道路運送の取締について、これは匙を投げておるのか、どうしておるのか。例の運送屋の道路を濫用しておることと、それから問屋などが街角に倉庫を置いておいて、そうして而もこれは朝晩絶対的に道路交通運送法を無視しておるわけです。私は例を挙げてもよいが、貿易商社の丸紅が倉庫を街角でやつておりますよ。丁度丁字型になつておる街角でやつております。そこに倉庫があつて、丁度その角に向けて荷物の出入れをする入口があります。そうすると、街の角ですから、必然的にもう大きなトラツクが角にとまるわけです。だから角にとまることは違反なんです。乗用車といえども何メートルか下げなければならんのが、大きなトラツクが自分の荷物を出すのとよそから受けるので、常に出入れが行われておるわけです。それが角ですよ。停止するのでさえ、或いはちよつと自動車を置くのでさえがやかましく取締られておるのに、下町に行けば、殆んど荷物が往来に出してあつたり、自転車がまるで道と直角に置いてあつたり、それからトラツクが邪魔しておる。今の丸紅のごときは、はつきり私は名前を出して申上げます。あなたのほうで行つて見て下さい。これは橘町十番地にある丸紅の倉庫です。街角ではそういう倉庫というものは利用できないことだと思うのですよ。そういうところの倉庫で荷物の出入れをすること自身が私は違反だと思うわけです。倉庫というものは違反じやないかも知れないが、荷物を出入れすることによつて四六時中道路使用の違反をやるということ、そういうことが一体許されるべきことであるかどうか。それから都市の、これはあなたのほうが交通取締のことについては手を焼いているようですが、あれをどうしたらいいかというお考えをちよつと承わりたい。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 道路不正使用取締につきましては、実は昨年の十二月に強い指令を出しまして取締をやつているわけでございます。こういうような交通上の客観情勢になつたからには、道路をすぐに拡げるなんということはできないから、結局道路の有効幅員を確保するためには、道路の不正使用者を厳重に取締をしなければならないというふうな根本的な考え方でやつているわけであります。併し一面考えてみまするというと、今まで問屋街あたりでは天下公然として、二十センチが道路使用の限度なんです。ところが一メートルも二メートルも使うというので、実際問屋街あたりでは、特に浅草の問屋街、こういうほうでは手を焼いているのでございますが、とにかく今言つたような考え方で何年かかるか知りません。こういうことを言うと先生に叱られるかも知れませんが、とにかく道路へは物を置かせないというような考え方で進んで行こうじやないかというので、昨年の十二月に一齊取締をやりまして、十二月の線だけは確保して行こう。でいつの日かだんだんに狭めて行こう。併しこれは先ほど申上げたような関係があるので、今まで割合に放任しておつて、急にいけないということになつてはこれは都民としても納得せんだろう。従つて自粛委員会というようなものを作つてもらい、そうして道路の不正使用をやめようということでやつておるのですが、なかなかうまく行つてないのでありますが、併し手は決してとめません。併し一つの取締の例といたしまして、浅草の鼻緒屋のあるあの辺でありますが、ああいう所は歩行者は割合少い。従つて今度はこの線までは認めるということでペンキを引きまして、これまで出して、これ以上出してはいけないということで、自粛委員会できめ、若しも言うことを聞いてくれなければ送致されても仕方がない、併し送致してもこれは罰金を払えばいい、罰金というのも知れたものなんです。従つて罰金を取られたつて店の繁栄のためにやつたほうがいいのだということになられては困る、そういうことのないように世論の力を借りて、そうして道路不正使用の取締を徹底して行こうじやないかという考え方で、私のほうでは一応各警察署にこの管内はこの線、この線というように大体五、六線くらい指定いたしまして、先ずこれをやつてくれといつて、その進捗状況を必ず一カ月に一回ずつ報告してもらう、更に交通課の警部補以上が廻つて、そうしてその進捗状況を監査して行くというようなやり方をやつております。橘町の丸紅の問題は具体的な問題で、実は久松警察署の管内であります。久松警察署の署長として一番苦しんでいるのは、私はこの道路不正使用の取締を何とかうまく、而も交通をスムーズにさせようということで苦労されているのだろうと思いますが、まあちよつと手ぬるいのですが、徐ろに進んで行く、漸進的な方法でやつているわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 それは日本橋では横山町とか本町通りとか、大体日本橋のいわゆる銀座から来るメイン通りから両国のほうにかけてのあの下町の辺が特に私はひどいと思うのです。私自身の問題はどうかと思うが、私も久松町の警察へ行つて、交通の主任に会つて注意を喚起したことがあります。で、結局極端な言葉で言えば蝿を追うようなことに或る意味においてはなるかも知れませんが、併しやはり私も今の花川戸或いは浅草のあそこのいわゆる玩具屋などのたくさん問屋のある、お話のような所は諒としますが、ああいう所はまだ表の車道が非常に広いのです。ところが下町の、あれは八メートルか九メートルしかないような道路に、そうして而もサイド・ウォークがあつたりなかつたりするような所でいろんな物を置かれたり、それから中には自転車屋が自転車を一ぱい置いてしまつて我がもの顔に道路を使用しておるということは、これはやつている本人にはかわいそうかも知れませんが、やつていれば公衆の道路を無料で自分のものに使用して営業の用に役立てていることなんですから、これは一般から言えば許さるべきことじやない。あとのもやはり程度問題ですが、大目に見ると言えばだんだん甘えて来る。いかんのだということになると、我れ人共にいかんのならいかんようにやはり覚悟のしようもある。そこで交通事故などは私は減ると思うのです。私はたまたまあの辺に事務所を持つておるものだから、二、三遍自分の自動車をぶつつけられまして、それはトラツクでぶつつけられていることと、それからオート三輪のごときは無免許のやつが二回ある。無免許みたいなものは事故が起らないとわからないのです。そうして狭い所を縫つて歩くようなことになる。それは結局道路の不正使用が多いから縫つて歩かなければならんことになる。従つて少くとも車道だけは確保してもらいたいということを私は申上げて、一応私の今日の質問を終つておきます。

鈴木実警視庁警邏交通第一課長

○参考人(鈴木実君) 先生のおつしやつた点は総監も非常にやかましく言われまして、とにかく車道は確保して行く。歩道も歩行者が不便を感ずるようなこと、そうして車道に出て行く、そのために交通事故が発生するということであつては相成らんということで、これは私の考えは先ほどちよつと申上げましたように、何といつても世論を喚起して、天下の公道を私有化するという考え方は絶対排斥すべしという気運を盛り上げたいと思いまして、これは実は若干籍すに時日を以てして頂くならば必ずやつてのけたいという決心でございます。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) それでは本件に興しましてはこの程度にとどめておきます。  ちよつと速記をとめて。    午後三時五十九分速記中止    —————・—————    午後四時八分速記開始

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時九分散会

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