運輸委員会 第25号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/04/23
会議録
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。 先ず、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者衆議院議員南條徳男君から提案理由の御説明を願います。
○衆議院議員(南條徳男君) 只今議題となりました北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案者を代表して提案理由並びにその概要を御説明申し上げます。 本案は北海道の開発事業に関係しておるのでありまして、北海道の開発事業は、古くは開拓使十カ年計画に始まり、その後大正末期までは第一期拓植計画、次いで終戦までは第二期拓植計画に従つて実施され、その開発が進められて来ました。併しながら戦争と物価の高騰のために、開発事業の実績は、当初の計画の半ばを達成したにとどまり、北海道の開発事業は、前途なお遼遠たるを覚えるのであります。特に戦後においては、海外領土の喪失に伴いまして北海道の重要性が一段と認識され、ここに新たに綜合開発計画が樹立されまして現在までその開業が行われて来ているのであります。 戦後の日本において北海道が如何に重要な地位を占めているか今改めて御説明申上げるまでもないのでありますが、国内資源の乏しい日本にとつて、北海道は、ただ一つ残された未開発資源地帯であります。一例を挙げれば、石炭埋蔵量は国内埋蔵量の五割を占め、水産資源においては四割、木材蓄積量は三割に及んでいるのであります。これらの資源の開発には、交通施設の整備がその前提となるのでありますが、なかんずく北海道の場合には、港湾の建設が極めて緊要事であります。それは北海道が一大離島であるため、内地との交通はすべて海上輸送による以外はないからであります。港湾の開発も又、数次の開発計画に従つて着々と進められて来たのでありますが、その整備は、未だ北海道開発の基礎となるべき段階に達していないのであります。 元来北海道の開発については、開発の当初から、多額の国費を投ずるほか、それに加えて北海道における歳入の大部分を還元するという方法によつて、開発資金の調達を行なつて参つたのであります。戦後の開発計画におきましても、ほぼその方針を踏襲して参つたのでありますが、従来の計画が予算措置によつて行われました関係上細部の点については、明確を欠く憾みがあるのであります。先ず北海道における港湾施設用地の建設につきましては、第二期拓植計画事業以来、原則として国庫負担分七割五分、地元負担分二割五分という負担割合により実施され、戦後においても予算上の措置としてそのまま踏襲されて来たのでありますが、今後の港湾の開発を行う場合、この点を法律的に明確化することが必要であると考えられます。 次に、北海道における港湾の開発に関する問題として解決を要する点は、国の行う港湾工事により造成された施設の港湾管理者に対する譲渡、貸付等の問題であります。現行法では、港湾の開発を港湾管理者が行う場合には、造成された施設は全部港湾管理者の所有になる建前になつております。これに対し事業を国が行う場合には、港湾管理者は、その負担に相当する部分だけが譲与され、その他は、有償譲渡、貸付又は管理の委託を受け得るにとどまつております。而も財政的に申しましても有償の譲渡又は貸付を受けることはむずかしい実情であります。このように、国が行なつた工事により造成された施設について、実質的に港湾管理者が管理を行い得ない場合が生ずることは、同じ事業を、同じ費用負担割合によつて港湾管理者が行う場合に比して明らかに不均衡であります。而も北海道開発という見地からこの問題を考えますと、このように区別する理由は全くないと言わざるを得ないのであります。同様のことは従来数次の拓植計画事業によつて造成された港湾施設について言い得るのであります。従来の北海道開発事業のうち港湾事業は、大部分国の事業として行われた関係から、造成された施設は国に帰属し港湾管理者が管理を行うためには、大部分が有償の譲渡又は貸付を受けねばならぬことになつております。これらの施設についても、北海道開発の見地から見ますと、このような取扱がなされていることは適当でないのであります。従つて港湾の開発によつて造成されました港湾施設は、従来のものも、今後のものも、港湾管理者に無償で譲渡し又は管理を委託し港湾管理者をして北海道開発のため最も適当な方法で運営せしめるのが、北海道開発の目的に最も副うゆえんであると思われます。 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ北海道が我が国唯一の未開発資源地帯であり、その開発が日本再建の重要な一環であることを御認識下され、慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望いたします。 なお本案は昨日衆議院におきまして満場一致可決された事案でありますのでお含みを願いたいと思います。
○委員長(前田穰君) 本案に関する質疑はこれをあと廻しにいたしまして、次に、運輸省関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。 先ず政府から提案理由の御説明を願います。
○国務大臣(石井光次郎君) 運輸省関係法令の整理に関する法律案の提案理由を申上げます。 かねてより、政府におきまして、過去に制定された法令のうち、死文化したもの、存在の意義が消滅したものの整理等について審議を続けて参つたのでありますが、このたび、運輸省関係の法令につきまして結論を得ましたので、太政官布告二件、法律二十一件、合計二十三件について廃止の措置を講ずることといたしたのであります。 以上が、この法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに可決せられるようお願いいたします。 —————————————
○委員長(前田穰君) 本法律案に対する質疑はこれをあと廻しにいたしまして、次に、日本国との平和条約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 先ず政府より提案理由の御説明を願います。
○国務大臣(石井光次郎君) 只今提案になりました日本国との平和条約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及び概要について御説明申上げます。 只今国会に提案されております日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定は、日本国内にある国際連合の軍隊に関し、日米安全保障条約により日本国に駐留する米合衆国の軍隊に関して与えられている待遇と同程度の待遇を与えることを原則としておりますので、この原則に基き、この法律案におきましては、国際連合の軍隊に関する道路運送法、道路運送車両法、水先法及び航空法の適用につき、先の日米安全保障条約に基く行政協定の実施に伴う関係法令により米合衆国の軍隊に関し定められている特例と同様の特例を認めることとし、この関係法令に所要の改正措置を講じようとするものであります。 この法律案の施行期日は、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の最初の効力発生の日を予定いたしておりますが、同協定に基き、特定の政府に対しましては、原則として昭和二十七年四月二十八日まで遡及適用を認める措置を講じております。 なお、航空法及び同法に関する特例法は昭和二十七年七月十五日から施行されておりますので、これらに関する改正規定は、同日から適用することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに可決せられるようお願いいたします。
○委員長(前田穰君) 本案に関する質疑もこれをあと廻しにいたしたいと存じます。ちよつと速記をとめて下さい。 午前十時四十六分速記中止 —————・————— 午後零時二十五分速記開始
○委員長(前田穰君) 速記を始めて下さい。 これにて暫時休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後三時開会
○委員長(前田穰君) 午前に引続きまして運輸委員会を開会いたします。 運輸一般事情に関する調査の件を議題といたします。 国鉄当局から民衆駅の運営に関して発言を求められておりますので、これを許したいと思います。
○説明員(唐沢勲君) 民衆駅等運営委員会から中間的ではありますが一応答申が四月二十一日にありましたので、御報告をいたしたいと存じます。実は総裁が参つて御説明申上げるべきかと存じますが、今組合との話合いなどをしておりますので、取りあえず私が一応御報告申上げることとお許し願いたいと思います。 民衆駅等運営委員会は御承知のように国鉄総裁の諮問に応じまして民衆駅の建設及び運営に関する基本事項、それから主要な土地、建物、高架下等の売払又は部外使用に関する基本事項、それから構内営業料の基準に関することというような問題について、総裁の諮問に応じて審議すると、こういうことで昨年の十月国鉄の内部に設立された委員会でございますが、去年の十月二十九日に第一回を開きまして、その後回を重ねまして去る二十一日で十一回開催いたしました。その審議の結果、中間結論が出まして、その答申があつたわけでございます。それにつきまして一応ここで読上げまして、なお必要に応じまして御説明を加えたいと思います。 昭和二十八年十月二十九日付国鉄総裁諮問第一号「民衆駅の建設及び運営に関する基本事項」についての答申 当委員会は、昭和二十八年十月二十九日付国鉄総裁諮問第一号「民衆駅の建設及び運営に関する基本事項」につき、十一回にわたる審議の結果をとりまとめ、取りあえず次の意見を付して別記の通り答申する。 意 見 民衆駅は、国鉄の財政状態が、戦災を受けた駅舎の復旧を意のごとく進めることを許さず、復興途上各方面からの要望に応えることができないでいる事情の下で生れたものである。この構想は、国鉄財産の有効利用をはかりつつ交通利便を増進し、又大都市における土地の経済的有効利用という点で新生面を拓くものであり、加えて都市計画との関連において、近代的都市の形成に寄与するもので、国民経済的に見て是認することができる。 併しながら、民衆駅が十分に理解されないで、単に利権的なものとして見られることは遺憾であるから、国鉄は民衆駅の公共的使命がそこなわれることのないように、その建設及び運営を公明に処理し、いやしくも独善のそしりを受けることのないようにしなければならない。 「民衆駅の建設及び運営に関する基本事項」 昭和二十九年四月二十一日 民衆駅等運営委員会 1 民衆駅の建設 民衆駅の建設は、国鉄の駅舎の整備を促進し、併せて経済的価値の高い鉄道用地をその価値にふさわしく立体的に活用できること及び都市計画の要請に応え、都市美の形成に貢献すること等の利益がある。併し反面において営業施設における営業者の企業性は、駅の公共性と必ずしも相容れぬ場合もあり、又将来の輸送事情の変化に伴う駅施設の改良等を制約する虞れもあるので、民衆駅の建設に当つては、国鉄はこれらの弊害を生ずることのないように、一定の基準を設けて承認をすべきである。 2 建設の対象となる駅 民衆駅として建設する駅は次のような条件の一に該当するもので、国鉄が早急に建設を必要とするものであること。 (1) 災害を被りた仮駅。 (2) 老朽で取替工事を施行しなければならない駅。 (3) 都市計画との関連上改築、移転を必要とする駅。 (4) 輸送需要の増加に伴い、改築を必要とする駅。 3 建設承認の相手方 建設の承認は、駅舎の建設を完遂する上から資力信用十分なる地方公共団体、法人若しくは団体にして鉄道の業務に十分協力するもので、原則として爾後の民衆駅の営業の運営についても的確且つ継続的に処理する能力のあるものに対して行うものとする。 建設承認の相手方が地方公共団体で、建設完了後の営業の運営を行わない場合は、あらかじめ適格な事業主体を確定して建設の承認をする。 建設の承認をする場合は、公平なる第三者の意見を徴することとする。 4 工事の設計及び施行 駅の公共性を確保するために設計については国鉄がみずから行うことを原則とするが、出願者に設計を行わせる部分についても、国鉄がその内容を審査の上決定するものとする。 工事の施行については国鉄の専用部分及び共同使用部分のほか、少くとも基礎並びに躯体及び外装部分を国鉄が行うことを原則とする。 出願者負担の工事費は、工事の施行に支障のないように前納させることとする。 5 工事費の負担 国鉄が工事費の一部を負担する場合においても、工事費の国鉄負担額の限度は、国鉄が専用する部分は国鉄の負担とし、駅に出入する旅客及び公衆の利用する待合室、広間等の共用部分については折半負担として計算される額とするも、国鉄か必要とする駅舎の建設工事費額を超えないことは勿論である。 6 財産の帰属 財産は工事費の負担にかかわらず国鉄の所有にすることを原則とするが、全部を国鉄の所有とする必要がない場合には、一階及び地階は国鉄の財産とし、二階以上については国鉄専用部分及び将来業務上必要となる可能性のある部分の財産を国鉄の財産とすることを建前とする。 7 営業承認の相手方 営業の承認は、原則として建設の承認をしたものに対し、営業の種類を指定して行うものとする。但し、地方公共団体があらかじめ営業についての事業主体を定めて建設の承認を受けた場合は、その事業主体に対して営業の承認を行うものとする。 8 営業承認の方式及び時期営業の承認方式として現行の日本国有鉄道構内営業規則による直営者に対する個別承認は、民衆駅営業の実態に即さない場合が多いので、あらかじめ一定の制限をつけて、経営委任又は営業施設の賃貸を認める包括的な承認の形式をとることができることとする。 営業承認の時期は、営業開始の具体的な見通しの確定した時とする。 9 営業の監督 国鉄は、民衆駅の営業について、駅の公共性を維持する上から旅客及び公衆に対するサービスの確保、品位の保持、衛生保全、防火及び危険防止等について必要な限度の監督を行うこととする。 この場合の監督は、必要に応じ営業の受託者その他実際にその業務に従事する者に及ぶものとする。 営業の承認を受けた者の経営内容についてする国鉄の監査は、国鉄固定財産の適正な管理運用を期する限度で行われることが必要である。 10 料金の算定方法 (イ)民衆駅の営業については、その営業規模が大きく営業内容も複雑なものがあるので、現行の日本国有鉄道構内営業規則による売上総収入額に百分の一の料率を乗じて御定する営業料を主とし、それに財産の使用料を加算した料金を一律に徴することは必ずしも適当ではなく、適正な時価評価による財産の使用料を徴することを原則とすることが適当である。 (ロ) 民衆駅で二階以上及び地階を使用する場合の土地の使用料は、一階を使用する場合の土地使用料を限度として、土地の利用度によつて評定するのが適当である。 (ハ) 営業開始前の土地の使用料は、営業開始後の場合と同様の算定方式によつて評定するが、率を定めて料金の減額をすることが適当である。 11 料金の徴収始期料金の徴収始期は、常業開始の時からとする。営業開始前の土地の使用料金は、工事に着手し得る時期から徴収すること。 以上が答申でございます。私どももこの委員会には説明員として出席しておりましたので、若し御質問がございましたらお答えいたしたいと思います。
○大和与一君 民衆駅等運営委員の選出はどういうふうにしてきめられたか、お尋ねします。
○説明員(唐沢勲君) 昨年の夏以来国有鉄道の管理しておりまするいろいろの財産について、その管理についていろいろな御批判が国会その他からもございまして、その中の一つの問題としまして、鉄道会館を中心としましていわゆる民衆駅と言われているものにつきまして、そのやり方にいろいろと疑義があり、又不備な点があるということも指摘を受けました。そこでそれらのいわゆる民衆駅というものについての運営或いはその基本方針というものを民主的な方法できめることが必要であるという声が各方面にございまして、衆議院の運輸委員会においても、そういつたことが中間報告として取上げられたような次第でございまして、それらに鑑みまして国有鉄道といたしましても、各方面から有識の経験者の方を委嘱しまして、そういう問題についての御意見を承わつてその基本方針或いは運営の方法等についての基礎的な事項を決定いたしたいと、こう考えたのであります。そういう見地からしまして国鉄総裁の諮問機関といたしまして民衆駅等運営委員会というものを作りまして、これは昭和二十八年国有鉄道総裁達第六百十七号というので民衆駅等運営委員会規程というものを作りまして、それに基いて発足したのでございます。
○大和与一君 その委員を選ぶ場合の範囲なり方法なりと、そういうときにはどういうところで相談したか、或いは衆議院の運輸委員会なんかでこの問題に少しでもタツチしたというようなことがあるのか、その辺のちよつと模様を。
○説明員(唐沢勲君) これはこの委員を選ぶための特別な方法というものの根拠も別にございませんが、総裁の要するに諮問機関でありますので、総裁が適当と思う各方面の成るべく広い範囲におきまして、或いは交通というような方面に理解のあると思われる方、或いは社会の一般の公衆の気持を代表されると思われる方というような各方面から適当に選んだ、かように思いまして、個々に或いは運輸大臣或いはその他と或る程度の御了解を得たと思いますが、本質的といいますか、においては、総裁が大体各方面の意向を自分の判断において勘案しつつ選んだものと思います。
○大和与一君 この会館問題をめぐつて国鉄関係のいろいろなまあ仕事がありますが、その中で民衆駅等のこれだけを特に取上げて、総合的にというよりも、これだけを特に取上げてこういうような委員会を持ち、又民衆駅等のことだけをまあ検討するというか、そういうようなお考えに立つたということはどういうことなんですか。
○説明員(唐沢勲君) いろいろ昨年夏から問題がありましたが、一番大きく取上げられましたのは鉄道会館問題であつたかと思います。それに関連しまして更にその後いろいろな問題が出て参つたのでございますが、この鉄道会館に問題につきましては、根本的に鉄道の管理しております財産、固定財産で而も国鉄の本来の使命ともいうべき輸送に直接関係していないそういう財産の管理ということが、この国鉄会館の問題を契機としまして大きく取上げられまして、又そういう財産の管理ということが、やはり輸送にまあ全力を尽してばかりおりました結果ですか、そういう財産の管理の面においては確かに不備な点があつたと認められますし、又本来の輸送業務ということには相当経験のある職員でありますけれども、そういう種類の財産の管理ということについては、まだ経験或いは熟練の程度も足らないという面もありますので、こういう問題については、特に一般の有識経験者の御意見を聞くということが特に大切ではないか、こう考えたのでございまして、この民衆駅寺運営委員会と併せまして大阪と東京には土地建物評価委員会というものも設けまして、それらのものの評価というものを中心にしてそれらの問題についての意見を聞くという機関も併せて設けたような次第でありまして、要するに国鉄の管理しておりまする財産の管理をどうするかということが国鉄としては非常に大きな問題であると、こう考えて特にこういう委員会を設けたような次第でございます。
○大和与一君 この民衆駅は国鉄財政がだんだんと健全というか収益が上つて来ても、永久にということでなくても、当分の間、これはやつぱりこういうものを作つて行く、こういう基本的方針は確立をしておるのですか。別に民衆駅を必ず作らなくちや国鉄の運営はできんということはないわけだから、今の理由はわかりますが、そういう理由によつて今はやつているんですけれども、ずつとこのまま国鉄がそう人から金を借りてやらなくてもいい、こういう事態が起つてもやはり今のような民衆駅という形態といいますか経営の形というか、そういうものを存続するというお考えでおられるのか。
○説明員(唐沢勲君) この民衆駅を今後どうするかという問題につきましては、これはこの答申がございますので、恐らくこの答申を尊重して行くということになると思います。勿論これは諮問でございまして、総裁はこの答申を基礎として自分の考えをきめてやつて行くということになると思うのでございますが、一応は答申を尊重して行くだろうと思います。そこでこの答申によりますと、ここにありますように今までの過程から見ましても現状から見ましても、これを是認することができるというふうに申されております。併し積極的にこれを大いにやれというふうにも読めないと思います。それから又建設の対象となる駅といたしましても戦災をこうむつた駅とかその他のここに書いておりますような駅でございまして、希望があればどんどん民衆駅を作るというようなふうにも書いてございませんし、又どうしても国鉄としても緊急にやりたい駅に限るというふうにも書いてあるように思います。従いまして結論としては国鉄が本来ならばそういうものはやるべきであるが、自分の資力でやれないものについてたまたま民間から資金の提供があるというような場合で、その資金を受け入れても一般の交通目的を阻害することのないような場合には、一定の基準を設けてやつていい、こういうふうに考えておりますので、将来ともずつとこの方針でやつて行くというようなことにはならないんじやないか、かように考えます。
○大和与一君 委員会の諮問答申に対する意見でなくて、国鉄経営者当局としての基本的な考え方として、民衆駅というものをずつとやるか、こういうふうなお尋ねをしたつもりなんです。それで私はこの委員会というのは、これはやつぱり国鉄の大衆に対するサービス機関、サービスの形としてまあなお更必要でもあろう、こういうふうなことが主たるものであつて、財産の管理というような方針が主たる目的でこの委員会が持たれたとすれば、この委員会の委員の顔触れというものが、必ずしもそういうことに特に練達の人が集まつておるということでもないような気がする。そうするとこれは非常に有能なる常識家というか、そういう人たちが集まつているんじやないかと思うんだけれども、専門的な財産管理というようなことを主にしてこの民衆駅の運営委員会を持たれたということはちよつと疑問があるのですが、もう少し説明して頂けないですか。
○説明員(唐沢勲君) 最初の今後の方針というような問題につきましては、これは先ほども申上げましたように、委員会のやつぱり意見を尊重するということになると思います。勿論独自で国鉄として或いは国鉄総裁としてきめて行くわけでありますが、この意見にもありますように、そう積極的にやるものではない、こういう情勢下においてはやることも妥当である、こういうことだと思いますので、恐らくその方針でやるのが妥当である、こう思うわけでございます。 それから財産管理の運営につきまして、具体的にそのエキスパートで云々ということでは実はなくて、こういう民衆駅というもの、或いは財産管理というものの考え方或いは方針というようなものにつきまして、基本的な考え方というものを意見を聞くのには、その方面の特別な専門的な知識を有する練達堪能の人というような意味よりも、広く社会的に各方面の事業をしておる、或いは各方面の一般の国民の気持もよくわかつているというような人を選ぶことが妥当であるという観点から選んだわけでございまして、一方の土地建物評価委員会というような方面につきましては、本当にその途の権威者を、専門家をお願いしてあるようなわけでございます。
○大和与一君 私はやつぱり基本的な態度で国鉄当局が初めから民衆駅というものを或る構想で描いておいて作つて行く、こういうことで全国にあちこちにやつている、こういうことだつたら話はわかるのですが、実際問題としては、或る駅を改築をしたり増築をしたり、その場合にたまたま街の人に話をしてこれは賛成も得た、金も出してもらえる、こういうような恰好でアンバランスででこぼことできたと思うのです、私が二、三知つている程度では。それがこのままあなたのほうでは放つておくとどうしてもとれないものができて行くということになつて、而も国会でやんやん言われたからやるんだ、こういうふうなことになるとなお更場当り的なものだと思うのです。実際に運営の方法については、当局自体が厳正にまじめにちやんと反省をしたら、何も委員会なんか頼まなくたつて幾らでも当り前にできる方法はあると思うのです。今まで若しややルーズであつたとすれば、当然に直さるべきなんだ。そういう点がどうも民衆駅というものを当局としてどういうふうに今後運営をするというか、そういう考え方が確立をしていないように思うのですがね。できているやつに対して委員会を作つて、その委員会の趣旨を聞いてまあ成るべくうまくやるという程度ならわかるけれども、国鉄自体がこういう民衆駅を必要とするというふうな態度でやはりそれを調整、統制して行くというか、そういう態度にならなくちやならないと思うのですが、その点は自信はおありなんですか。
○説明員(唐沢勲君) これは先ほどから申上げましたような、何といいますか、国鉄でやりたいところだけれども、自分で資力がない、併し民間のほうから出資の希望もあるというような場合に起る問題でありまして、これを積極的に国鉄としてこことここのどの駅は是非作りたい、積極的に民間からも出資を勧誘してこういうものを作りたい。こういうようなところまで今考えておるわけではないのでございます。又もう一つ、立派にやつて行くなら委員会というようなものは要らないじやないかというお話もございますが、このいわゆる民衆駅というものはかなり前からあつたのでございますが、それにもいろいろな研究やいろいろな実際の経験を経て来たのでありまして、それが最近になつてだんだん数も多くなつて来るということになるので、而もその場合々々によつて、その土地の事情或いは都市計画の内容等によつて、非常にまちまちでございます。又民間からの申出、或いは地方の公共団体からの意見というものも非常にまちまちでございまして、一定の規格に当てはめたものというようなものも来ません。又その場合々々におきましていろいろ問題があるのでありまして、ここに答申にありますような事柄にしましても、例えば財産の帰属をどうするかというような問題、或いは工事費の負担をどうするかというような問題、これらの問題につきましても、ここには簡単にこういう結論が出ておりますが、こういう結論を得るまでにはいろいろな議論もあり、いろいろなケースについて検討したようなわけでありまして、やはりこういう委員会においていろいろな点から検討してもらうことは非常に意義があつたと私どもは考えておるような次第でございます。従いまして画一的な或る一つのこつちの方針でこれから民衆駅をどうして行くんだというような一つの統一した考え方というようなものは特にここにも謳われておりませんし、国鉄としても持つていないと言えると思います。又委員会につきましては、やはり各観点から研究をしてもらつたことは非常に意義があると、かように考えております。
○大和与一君 もう一、二点。これは中間報告ですね。それから民衆駅等という等の説明と、もう一つは、そうすると今まではいろいろな間違いがあつた、結果論的に間違いがあつたところがあるわけですが、今後は或る程度考え方をまとめて来れば許可をして行く、こういうことにするわけですね。あちこちでやりたいと言つて民間のほうで協力してくれる、形がどんな形になるかわからんけれども、別に統一した規格がないとすれば、言つて来れば今後は素直に受けて、間違つた内容がなければどんどん受けて行く、こういうことになるのか、その二点。
○説明員(唐沢勲君) 民衆駅等とございますのは、民衆駅と言いましても、実はいわゆるそう言いならわされた言葉を使つておるわけでございまして、一応この民衆駅等運営委員会規程におきましては、「駅舎及び附帯施設の建設費の一部又は全部を部外者が負担するもので、その条件として、建設物の一部を部外者に使用させることをあらかじめ定めて建設するものをいう。」、こういうような規定があるわけでございます。民衆駅といつても大体こういうものに限定しておるわけでございますが、併しこれだけではまだ不十分で、これに関連する駅前の広場の使い方の問題であるとか、或いはそれに関連して高架下の問題とか、或いはその他の固定財産の部外使用の方法といつたようなものについても意見を聞くことができるようにしておいたほうがよかろうということで、民衆駅等ということにしたわけでございまして、従いまして先ほど申上げましたように、諮問に応じて審議する事項におきましても、民衆駅の建設及び運営に関する事項だけでなくて、重要な土地、建物、高架下等の使用関係につきましても諮問をする、こういうことになつております。それらのものを一応含めておるわけでございます。 それから今後民衆駅等についてその請願があつた場合はどうかということになりますと、それはここにありまする答申の趣旨に従つて、例えば認める建設の対象となる駅はこういうことにする、或いは財産の区分はどういうことにする、或いは工事費の負担はどうするというようなそういう基準に基いてこれに合致する方法でやつて行くということになると思います。
○大和与一君 これは普通民衆駅といつたら、駅舎を中心にした話だと思うのですが、今のお話は高架下とか、それから広場とか、そこまでこの運営委員会が皆或る程度力を持つてそういうことに喙を入れるのですか。そこまでやるということになるのですか。
○説明員(唐沢勲君) まあ喙を入れるといいますか、何といいますか、要するに「主要な土地、建物、高架下等の売払又は部外使用に関する基本事項及び構内営業料の基準に関すること。」、そういうこともこの委員会で諮問をしてその方針をきめると、個々の一つ一つについての問題でなくて、どういうような土地の評価を出すべきである、或いは料金はどういう方法で計算すべきであるといつたような問題の基本事項についてだけ諮問するということであります。
○大和与一君 私の聞いているのは、駅なら駅を中心にした範囲ですね。区域というか、それは駅舎外にも及ぶのか。駅と駅との途中の高架下とか、そんなことにまで行くとすれば、随分これは広範囲な気がするのですよ。常識的に民衆駅というのは、駅舎を中心として一つのかたまりがありますが、そこの中だけの話と解釈していいかということを聞いているのです。
○説明員(唐沢勲君) 民衆駅というのは飽くまで駅のことでございまして、この答申におきましても、その民衆駅についての答申でございます。そのほかに高架下の問題とか、主要な土地、建物については、別の諮問で別の答申があるはずである、かように考えます。
○大和与一君 併し、委員会はこの委員会がやるのですね、すべて。
○説明員(唐沢勲君) その通りです。
○大和与一君 そうすると、今のところではこういう委員会はこれだけができたわけですね。まあ民間の委員会というか、国鉄として初めてのこれは考え方ですね。
○説明員(唐沢勲君) この財産関係につきましては、この委員会と、それからあと先ほど言いましたような評価自体についての諮問としては、大阪とそれから東京の鉄道局長の諮問機関として、土地、建物等の評価委員会、こういうものがございます。
○大和与一君 国鉄の明朗化とか、或いはいろいろな無駄を省くとか、あらゆるいい意味においていろいろな問題がある。或いは下請の問題とか、いろいろと下請さしているものがありますね。そういうことは触れないでおいて、今おつしやつたことだけ、或る程度はつきりと限定しているのですか。これこれのことをやるのだと、これは民衆駅と普通書いてあれば駅のことだけだと思つているのですが、それは建設費の関係、いろいろ国鉄関係のことはあると思うのです。そういうことにも十分に健全な運営ができるように、これ又民衆の声も聞かなくちやいかんというようなこともあると思うが、そういうことは今おつしやつたことだけに限られてそのほかにはないのですか。そういうふうに実際言えるのですか。
○説明員(唐沢勲君) この委員会は、今お話のありました通り、民衆駅或いは国鉄の財産であつて、輸送等に直接使われていないような、そういう財産、部外使用、そういう問題についての委員会でありまして、ほかの問題には触れておらないわけでございます。今お話の問題で、どういうあれですか、例えば今の下請であるとか、その他いろいろな問題については別にございませんが、ただ御質問のあれに合いますかどうか知りませんが、公共企業体等の合理化委員会、これはまあ内閣にございまして、そこには公共企業体というものがどうあるべきか、基本方針その他についていろいろ研究しておるということになつております。蛇足かも知れませんが……。
○大和与一君 議運の採決がありますから、私失礼します。
○委員長(前田穰君) 他に御質疑はありませんか。
○森田義衞君 この承認の場合に公平なる第三者というのは何ですか。民衆駅等運営委員会を指しているのですか、やはり別の公平な第三者を個々的に選ぶつもりですか。
○説明員(唐沢勲君) これはまだ別に委員会等もきめておりませんし、私どもとしてもこういうものがいいだろうということも考えておりませんが、いずれにしても公平な第三者の意見を聞くことが必要だ、こういう答申案と思います。或いはこの委員会がこれに当るということも一つの考え方とも思いますが、別にそういうことも言われておりませんし、私どもまだ考えておりません。
○森田義衞君 それからこういつた基準で将来何といいますか、料金が算定されて行くといつたことになりますと、これまで承認を受けてやつている民衆駅のやはり同じような振合いにおいて料金も算定される、或いは又もう一つ違つた場合、例えば少くとも一階とかその他国鉄が専用する部分は寄附を受けることになつておりますが、そういう寄附を受けていないような場合があつた場合に、そういつたものも同じような振合いでおやりになるつもりか。その二点をちよつとお聞きしたい。
○説明員(唐沢勲君) この答申は今後の民衆駅をどうするかという基本のことに関する答申だと考えておりますが、従いまして過去においてすでに承認し、或いはでき上つたところの民衆駅につきましては、やはりこの線に合うようにだんだんして行くのが至当じやないかと思つております。実はそれらの過去のものにつきましての過去の経過及びその後の情勢等につきましては、一応今後の委員会で検討して頂くつもりでおりますが、まだ実際に諮つておりませんが、考え方といたしましては、この趣旨通りにすぐ過去のものを直すということにはなかなかむずかしい点があるのじやないか。又この答申の趣旨も、過去のものもこれを直すという趣旨ではないのじやないかと思います。例えば料金等につきましては、その都度の一年ぐらいの契約でありますから、だんだん直して行けると思いますが、財産の区分というようなものにつきましては、その建設者或いは経営者の本質に触れる問題でありまして、すぐ直すということの或いはできかねているものが相当あるのじやないかというふうに考えております。それから又建設のなつた動機といいますか、そういうものにつきましても、国鉄としてはすぐやりたい、別にやりたくはないが、非常に御希望が強かつたのでそれを承認したというような場合におきましてもありましようし、いろいろな問題がありまして、必ずしもこの答申に言われているようなケースに該当しないものもあろうかと思います。従いまして、そういうものにつきましては、できるだけこの答申の線に沿うように今後揃えて行くということは必要と思いますが、直ちにこの通りに直すということは或いはできかねる場合もあろうかと、かように考えております。
○森田義衞君 私は戦災駅とかいろいろ復旧しなければならない駅が全国の各都市に非常に多いように思うのでありますが、現在の国鉄の工事経費という、そういつたようなほかからの要望に応じておられないのでありまするから、或る程度国鉄が、全額はとてもやれない場合において、こういつたような民衆駅の施設を出してもらつたり、やりやすくなるといつたような分は、過渡期の今の国鉄財政の現状からしては止むを得ないのじやないか。そういつた面から、例えばここに工事費の負担とありますが、一部を負担する場合といつたことで、原則としてはほかからも出すことが建前になつているように私は感じますが、こういつた点で、何といいますか、特に工事関係でこういつた関係地点については或る程度公平なやり方であれば誰も承認するのじやないか。部外もそれを納得するのじやないかといつた意味合いにおきまして、或る程度積極的な、そういつたような地点については、若し国鉄がそういつたような経費がなかなか全面的にはできないものとしてこれをおやりになる意思があるかどうか、ちよつとお伺いしたい。
○説明員(唐沢勲君) この戦災駅或いはその他駅を改築したいという駅は、輸送量の増大に従つて改築をしたいという駅は相当ございます。こういう駅で、該当する駅で自分の力ではなかなかやれないという場合に民間からの資本を提供するというような場合に、この線に沿つてやつて行くということになるだろうと思います。併し進んでいろいろな駅について積極的に自分のほうも工事費を出す、民間からも出してもらうというような積極的に進んで行くということになりますと、自分の工事費も多少ともあれ出さなければなりませんので、それにはおのずから限度があると思います。従いまして、ここにありますように、特に戦災をこうむつた駅とか老朽で取替工事をしなければならん駅とか、その他ここにありますようなものの場合に、仮に民間資本がなくても自分のほうの資本を少しでも出して若干の改築なり何なりしなければならんといつた駅に限定というと強くなるかも知れませんが、そういう所を先ずやることに勢いなるだろうと思います。勿論この答申は、諮問に対する答申でありまして、更にこういつた国会の御意見なりその他のいろいろな点を勘案しまして、総裁としてはその方針をきめて行くということになるだろうと思います。
○森田義衞君 私は、ですから例えば水戸とか宇都宮とか、関東地方でも随分たくさんある。こういつた駅舎はなかなか国鉄の力だけでその工事費を出せない。又仮に国鉄がやつた場合は、せいぜい一階程度のものしかできない。将来の都市の態勢からもそういつた所を、本当のところを言えば、三階ぐらいにしたいといつたような所も将来においては希望がされるのだが、なかなか国鉄は基礎工事を十分しておきませんとまあ二階、三階にしたくてもできないといつたような所を、外部ともよく話合つてそういう駅に限りおやりになつたらいいのじやないかと私思うのでありますが、私の意見でございますが、それに対する御見解を……。
○説明員(唐沢勲君) こういう民衆駅に該当しますような所へ私どもといたしましても駅を是非とも作りたい、改築したい、それから民間からも御要望のある所も現在のところでは二、三或いは四、五ございますが、ともかくこういつた民衆駅の問題がいろいろ議論にもなり、又私どもとしましても、どうしたらいいかと迷うような点もありまして、こういつた委員会を作つて御意見を聞くことにしたのでありますが、こういう答申が出る前に、自分たちの判断だけでやつて行くということも不謹慎と思いまして、今日まで待つておつたのでございますが、このような答申を得ましたので、私どもの或る現場の機関におきまして是非駅を作りたいという声もあり、或いは部外のその土地の方々からもそういう御意見もあり、又資金の提供も或る程度出すといつたような、いわゆる民衆駅の建設について或る程度議がまとまりかけておりますので、そういう問題についてこの線に沿つてできるだけ早く何とかの結論を見て処理して行きたいと、かように考えております。
○重盛壽治君 この製度は、なかなか相当これは大きな諮問だから問題点があると言えば言えるし、ないと言えばないことになるが、これはいつできたのですか。
○説明員(唐沢勲君) これは二十八年の、去年の十月でございます。
○重盛壽治君 十月ですか。この委員を任命されて、この委員の任期はいつまでです。
○説明員(唐沢勲君) 別にございません。これは大体臨時的なこの基礎問題の答申を得るための委員会でございますので、任期は別にきめてございません。
○重盛壽治君 臨時的委員会ということで、将来どうという考え方は持つておらないわけですか。
○説明員(唐沢勲君) はあ。
○重盛壽治君 そうすると任期はないわけですね。こういう方法でやつたら国鉄だけで駅を作ろうという、普通民衆駅でない、普通駅の工事は余計に遅れて行くという危険はないのですか。
○説明員(唐沢勲君) この駅等につきましては、できるだけ、少くとも旅客公衆の便益になるようなものを作つて行きたいということは思つておりますけれども、現在の国鉄の財政状況におきましては、車両なりレールなりその他の施設なり、とにかく輸送自体を増強するということに追われまして、非常にこういういわゆるサービスといいますか、とても……、何とか我慢できるというようなところは辛抱願わなければならんという実情でございますので、こういう駅、こういう民衆駅というようなものに任せて放つて置くというわけではございませんが、どちらにしましてもなかなか駅というようなものに国鉄自体の工事費を廻すということが困難なのでございます。併し戦災でひどいのであるとか或いは輸送量が非常に殖えて公衆にも危険というような、どうしてもしなければならん所だけは何をおいてもやらなければならんと、こういうふうに思つておりますし、従つてこういうものができたからといつて、更にそういう駅等のものをないがしろにするという気持は持つておりません。
○重盛壽治君 七番の「営業承認の相手方」という所に、「但し、地方公共団体があらかじめ営業についての事業主体を定めて建設の承認を受けた場合は、その事業主体に対して営業の承認を行うものとする。」というのがあるが、これは地方公共団体がその民衆駅で何かやろうという場合には、優先的に許可をするという意味合いですか、どうですか。
○説明員(唐沢勲君) これは建設の承認の相手方のところと関連しておるわけでありますが、建設承認の相手方と営業承認の相手方が一本であるということが望ましいという意味合いのことが前提になつておるのでございます。そこで建設承認の相手方にはどういう者かというと、資力、信用十分である者とかいろいろ随分書いてございますが、実際問題といたしましては、地方においては多くの場合、地方公共団体、知事或いは市長という方が申請が実際問題として多いのでございます。併しその場合におきましても市が全部金を調達するということがなくて、その中へ、今後営業の中へ入つてできた駅の二階なり三階なり適当な所で営業したいという方の資本が実はバツクになつている場合が実は多いのでございます。従いまして、若し地方公共団体が責任を以て建設する、そうして今後の営業も地方公共団体がみずからやるということになれば、それでも結構でございますが、多くの場合におきましては、建設だけは民間の資本なり或いは公共団体自体の金を注ぎ込んで建設はする、併し中へ入る営業は自分は、公共団体自体はどうも商売不慣れだからできないが、こういうもの、こういうものはこういう人たち或いはこういう人たちで組織する組合というもので営業をやらせるというような場合が実は多いのでございまして、その場合のことを言つているのでございまして、地方公共団体を優先的にやるとか何とかいう、そういう意味合いでなくて、公共団体が建設をし、而も営業については或る事業主体をきめて、初めから、建設するときからそういう約束でやつたという場合には、その事業主体に対して営業の承認を与える、こういう意味でございます。
○重盛壽治君 まああとで……。
○仁田竹一君 建設工事費が不十分だから民間資本を入れるということでありますけれども、問題はでき上つた財産の帰属がどういうふうになるか、これは非常に大きな問題だと思います。勿論この建物は鉄筋の建物だと思いますが、従つてその所有に関する坪といいますか、範囲だけは勿論所有権の登記ができることになるわけでありますが、この原則は、国鉄が所有することが原則になつておりますけれども、又将来業務上必要なものについては国鉄の財産にする建前にしておる、こういうことになつてはおりますが、実際にその必要がないものだと認めてその財産を民間人に渡した場合、前に申しましたように所有権の登記についてもできますので、勿論これが移動ということも不可能に近い、従つて如何に地上権がありましても、その地上権がそのときにものを言わなくなりますので、実際にその駅を拡張する等のことになりました場合には非常なる支障を来たす、こういうようなことになつておるのだろうと思います。なお又民間から出すと言いましても、これによりますと、待合室だとか或いは広間とか、こういうものは国のほうから出そうということになつております。結局自分が使うものの必要なだけを民間人は出した、こういうことになるようでありますが、従つて自分が出しただけの費用に対する建物が自分の所有になることになりますと、非常にこれは出資者はいいことになるわけだと思います。従つて全部を国鉄の所有とする必要がない場合には、二階以上は出資者のほうに財産権を移してもよろしいと、こういうことらしいのでありますが、私どもの考えでは、この国鉄の駅舎に関連を持つておりまするものの使用別といたしまして、建物自体の財産権は当然国が持つておりませんと将来困るのじやないか。前に言つたように木造と違いまして鉄筋でありますから、大分所有権の事情も違つて参りますので、そこで必要がない場合というのは、一体どういうふうな場合に必要がないということであるのか、具体的にお示しを願いたいということと、又既設の大阪、京都等の民衆駅が何坪あつて、而もそのうち出資者に対して何ぼか財産権を移しておるものがありまするならば、その実情、どの程度出資者のほうに渡しておるかということを一つ御説明願いたいと思います。
○説明員(唐沢勲君) 原則といたしましては、でき上りました駅は国鉄の所有とするということになつておるわけでございますが、例えば非常な大きな建物でありまして、六階とか七階とかいうような場合に、国鉄としては一階と二階だけしか使用しない、上までは所有する必要がないというような場合には、それはその建設者の所有にしてもいいではないかというようなことを予想しているわけでございます。 それから具体的に各民衆駅におきまして、その資金がどう集まつておるかとか、或いは所有権がどういう所管になつておるのかということにつきましては、今これはちよつと資料を持つておりませんので、必要ならば後刻調べて御報告いたしたいと思います。
○仁田竹一君 そういたしますと、二階以上は出資者に財産を移すことができることになつておるのですが、三階、四階等が民間出資者の財産であります場合には、前言つたように所有権の登記ができますから、国ではどうにもならんわけなんです。若しこれを拡張するなんといいましても、人の所有になつておるのではどうにもしようがないということ。それと何坪何合何勺まで別に知らせろとは言いませんけれども、大体どの程度が、何割が坪にして民間の所有になつておるか、一つお知らせ願いたい。これだけで見ますと、これは出資する人は割合にいいのです。それで普通商店等を出しておりますれば、出しておるだけの建物が所有になる、これは前の話を聞いて見なければわかりませんけれども、若しそれが出資者の所有になるということになりますと、これは大変な利益になると思うのですが、むしろ進んで出資する者が出て来ると思いますが、大体京都なら京都の建物のうち、従来商店か何か出しておるようなものはどうなつていますか。所有権はやはり国鉄になつていますか、或いはもう出資者に渡しているのですか。
○説明員(唐沢勲君) いろいろでございまして、今ちよつと大阪或いは京都というお話が出たようでございますが、京都は広い意味では民衆駅かも知れませんが、あれは国鉄が全部建てまして、その一部を貸しておるような恰好になるわけであります。あれは全部国鉄の財産であります。それからこの辺で言いますと秋葉原であるとか、池袋とか、高円寺とかいう所の例もございますが、これも非常にまちまちでありますが、大部分は殆んど全部を国鉄に財産を寄附しておつたかと思います。 それから非常に有利ではないかというようなお話でございますが、これはその経営を見ますと、池袋におきましても、秋葉原におきましても、なかなか経営が困難であるというようなことも聞いておりまして、必ずしも非常に儲けておるというようなこともないようにも聞いております。詳しい資料は調べてありまするけれども、今ちよつと手許に整理しておりませんので、いずれ差上げても結構と思います。
○仁田竹一君 秋葉原等の実際の話は私はわかりませんけれども、常識論としまして、商店街、特にデパートもそうでありますが、如何にして人を寄せ集めるかということに非常な宣伝費を要するわけであります。駅あたりはその宣伝費を必要としないところにこの商店街はよりいいわけなんでして、阪神における例の阪神デパートがその標本的なものだと思いますが、実際そうかも知れませんけれども、常識から言いますと、このようなものがそう経営が困難だとは考えられません。ただ問題となりまするのは、鉄筋コンクリートで、その建物の必要量だけの抵当権を設定しないと如何ようにもならないというようなことが近い将来に大きな支障を来たすのではないかと思いますので、前におつしやつたように、当然これは国鉄のほうへ寄附なさるという、大体の建前がそういうふうになつておる場合が、これは何もこれだけではありませんが、こういうふうな性質のものは出資した者に使用を優先的に認めるけれども、その大部分は国のほうに財産をお任せするということが建前になつておると思いますが、又そうでない場合といえども、国が必要なる場合は立退かす等のことができるというようにしておきませんと、六階の上に一部屋持つておりましても、例えば小さい五坪、十坪の部屋を持つておりましても、そのために全部の計画がどうにもならないというようなことになり得ると思いますが、その点についてどうですか。
○説明員(唐沢勲君) 最初の経営の問題につきましては、このほかに使用料金の問題が実はございまして、国鉄の土地に建てておりますれば土地の料金、建物の維持費、向うが寄附したものにつきましても或る程度の管理その他をする、要するにそこで営業する場合は営業料金を取ります。そういう料金のきめ方によりましても問題が非常にあるので、これらにつきましても、今この委員会などにも意見が少しここに出ておりますが、これらに基いて構内営業規則を今研究しておるわけでございますが、そういつた場合に、先ほどのお話のように特に駅等の人の集まる所というようなことになりますと、従つてその地代というものも高く評価して行くというような措置も講じなければならないと思つております。 それからあとの分につきまして、誠にお説の通りでございまして、国鉄がさて拡張しようとか何かしようという場合に、それが不可能になるということがあつてはいけないので、原則として国鉄に全部寄附してもらうということにしておりますが、少くとも全部を国鉄の使用にしなくてもいいと思われるような場合でも将来必要となると思われるものだけは、少くとも国鉄の財産としておけということをここにも言つておりますが、そういう線で今のお話のような点については、十分注意してやつて行きたいと、かように私考えております。
○委員長(前田穰君) 本件についてはまだ御質問もあろうかと思いますが、本日はこの程度で散会したいと思います。 それではこれにて散会いたします。 午後四時一分散会