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19回国会参議院1954/04/06

運輸委員会 第21号

発言数
199
登壇者
16
会派数
3
開催日
1954/04/06

会議録

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  先ず港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引続き御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 今度の港湾法の一部改正をする理由並びに改正点がいろいろ書いてあるのですが、総括的にこの改正で主として何を狙つておるのかということを参考のためお聞かせ願いたい。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 今度の改正案の主要点は港務局に関する問題でございます。  第一に、港務局は関係地方公共団体によつて組織されておりまして、港湾の共同管理形態として、港湾の能率的な管理運営を図つておる非政治的、非営利的な団体であることを特徴とするものでありまして、実質的にはこれが地方公共団体と殆んど同じようなものでございます。この点から港務局が組織母体でありますところの地方公共団体の委任を受けて、港湾区域内の行政事務を行う場合に、地方公共団体と同じような行政事務を行うことができるようにしたのでございまして、港湾施設の使用料、入港料その他の収入に対して支払うべき者が違反した場合には過怠金を賦課する、或いは地方公共団体が港湾区域内で行なつていると同じ行政事務を港務局ができるようにした、或いはいろいろな使用料を徴収する場合に、利用者が、これを支払うべき者がこれを怠つた場合には強制徴収をし得るように改めた点でございます。  その次は、港湾区域内におきまして港湾管理者の規制する行為が今までは非常に幅広く且つ明確でなかつた点を、これを範囲を限定して明確にした点でございます。  その次は、港湾工事の費用の精算を敏速簡素にいたした点でございます。従来国の負担又は補助を受けて港湾管理者が港湾の公共施設の工事を行う場合に、決算によつて精算をしておつたのでございますが、非常に長い時日と事務的な煩雑な点がございますので、これを支出主義に改めた点でございます。  そのほか港湾施設に移動するもの、例えば曳船とか移動式荷役機械或いは労務者、船員の福利厚生施設等を港湾の施設に追加したのでございます。  大体今度の法律改正で主要点といたすところは以上の点でございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうも私の勉強が必ずしも十分でないので、ぴんと来ないところがあるのですが、例えば港務局の問題につきましても、これは現行の第三十三条によるというと、必ずしも作らなくてもいいということになつておるようですが、その後この法律ができてから今日に至るまで、僅かに新居浜に一つだけできたというだけで、あとは全部できていない、こういうような状況であるということを聞いておるのですが、果してそうだとすれば、どういうわけで、こういう法律ができて、こういうものが今までできないのか。できない原因はどうなのか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 港湾管理者は——港湾法に基いて管理者になるのにいろいろな形態があるわけでございまして、今言われましたように関係地方公共団体の県とか市、或いは二つの市とか二つの県が一緒になつて港務局を結成する場合がその一つでございます。それから県が管理者になる場合もございます。それから市が管理者になる場合もございます。或いは地方自治法によつて一部事務組合で県と市が一緒になつて管理者を設立する場合もあるわけでございます。只今までのところ県なり市が管理者になつておる港湾が非常に多いのでございますが、例えば洞海湾のような若松、戸畑、八幡の三市が一緒になつて港湾区としての機能を発揮しておる所では、港湾法によりまして、その水面は経済的に一体として考え得る最小限度の水面でなければならないというような条項がございまして、この三市を一体として港湾管理者を設立するのが一番いいのでございます。この場合に如何なる方法によるかと申しますと、福岡県と八幡、戸畑、若君三市か一緒になつて一部事務組合を結成する場合と、その三市から委員をきめまして、港務局を結成する場合があるのでございます。一部事務組合によりますと、その組合の組会議会というものができますし、それぞれ母体の福岡県なり八幡、戸畑、若松三市の市の議会にいろいろな問題を諮る必要があつて、経済的な非営利事業とか、或いは政治的な問題を扱うのに煩雑で能率が悪いのでございまして、このような場合には、港務局を設立することが欧米の主要港湾の例に徹しても最も効果があるのでございます。即ち関係公共団体から委員をおのおの出しまして、その委員が執行機関になりまして、その下部として事務局が実務をとるような形がいいのでございます。現在日本におきましては、先ほど御指摘になりましたように新居浜だけが港務局を結成いたしておりまして、今まで市の議会で議決を経ましたものは、小倉が港務局として県、市が一緒になつて港湾管理者を設立いたしております。それから洞海湾も先ほど申しましたように近く設立いたすことになつておりますし、関門が設立することになつております。どうして日本では港務局ができないかという御質問でございますが、これはいろいろやはり地先水面だけで日本的な考え方で、東京都であれば東京都の港湾局を作りたい、或いは横浜市であれば横浜市の港湾管理者を作りたいという希望が地方の住民なり議会の間に強いのでそういう形ができやすいのでありまして、これは如何なる形をとるかということは、一切地方の自治に任してございますので、市なり或いは県が管理者となる場合が多いのでございまして、港務局は港湾法によりまして、その管理する水面が経済的に一体をなす最小限度の水域ということで、洞海湾なり関門は、一つの港湾を結成する最小限度の水域であるという観点から、港務局によるのが一番いいということで関係公共団体に話を進めているのですが、その話が水面の問題とか或いは事務所設置の問題で公共団体の間でなかなか円満な話合いがスムーズに行つていないために多少遅れておるのだ、こういうふうに考えておるのでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうもよく趣旨なり意図するところがわからんのですが、これはこの法律ができてから四年になつて、而もこの港務局というものの設立は見るべきものがない。今の御説明によると形はどうでもいいのだ、併しながらこの法律の趣旨というものは、やはり委員を挙げてそして港務局というものは結局何と申しますか、港湾行政というものを民間に開放しよう、そういう趣旨があるのか、或いはそれはどうでもいいというのか、その狙い所がどうも私ははつきりしない。例えば港湾行政の委員を挙げて港湾行政を民間に開放しようという狙いであれば、やはり政府としてもこの法律に合うような努力をしなければならない、又何らかの措置をしなければならんと思うのですが、どうもその点が狙いがはつきりしない。何を狙つておるのかわからんというような気がするのですが、もう一回。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 港湾管理のあり方につきましては、例をとつて申上げたほうがおわかりが早いかと存ずるのでありますが、横浜港を例にとりますと、横浜港は従来戦前におきましては国が外国貿易地帯については管理をいたしておつたのでございます。それから内国の貿易地帯につきましては横浜市が管理をいたしておる、水面につきましては神奈川県が管理をいたしておる、そういうふうに三つの団体が港湾を管理しておつたのでございますが、終戦後におきまして、これらの港湾施設はできるだけ地方の自治によつて地方の民意に基いて地方の公共団体にその管理を移すがいいというのがこの港湾法の精神でございまして、その港湾法におきましては、地方の自治に基いて三つなり四つなりの先ほど申しましたような管理者の形態がある。この形態のいずれをとつてもよろしい、すべて港湾の管理につきまして地方の自治に任してあるのがこの港湾法の精神でございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 その点はその程度にしておいて、次にお尋ねしたいことは、委員会の委員です。委員の資格について、港湾に関し十分なる知識を有する者又は声望ある者という工合になつておりますが、具体的にはどういうような恰好で選出するのですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 港務局の委員は大体学識経験者、これは中立側の委員でございます。そのほかに地方公共団体を代表する理事者から一名ずつ出せることになつております。それから地方の公共団体の議会代表を一名だけ委員に加え得ることになつております。関門に例をとりますと、関門の委員は定数が十一名でございますが、このうち四つの地方公共団体が関係しております。山口県、福岡県、下関市、門司市、それぞれの議会代表を一名ずつで四人、理事者代表を一名ずつで四人で八人、残りの三人を学識経験者なり港湾を利用する経験者から選ぶことになつております。この他洞海湾のような場合、或いは小倉のような場合に、県市でやるような場合には、委員の数が七名というふうに少くなつております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 この港湾関係に働く労働者の関係をちよつと申上げるというと、いわゆるあんことか風太郎というような相当ひどい労働条件で働いておるのが現状であると思います。やはり港湾行政については非常に密接な関係があり、而もそこで身を以て仕事をしておるところのこういう港湾労働者の代表というものを中へ入れるという考慮も必要かと思われるのですが、そういう考慮はされるかされないか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 港務局の委員は、港湾管理を主とする委員会でその執行機関として下に事務局がございますが、もとより港湾を運営して能率的に経済的にやつて行きます上からには、当然港湾で働く労務者なり或いは船舶職員を考慮に入れる必要がございますので、それらは港湾の審議会のようなものを委員会として作らせまして、そこには労働代表も入るように指導いたしております。現にいろいろな各地に港湾の審議会なり委員会がございますが、そこにそれぞれ労働代表が入つておるわけでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 そうすると審議会には労働者代表は入るが管理部門におけるところの委員会には労働代表は考慮しないという意味なんですか。或いはそれもやはり考慮するという意味ですか、その辺はどうですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 地方の関係公共団体の代表或いは議会代表としてたまたま労務の出身の者がそこに入ることがある場合は別でございます。又学識経験者の中にそういつたような労務の関係の権威者が入る場合は別でございますが、特に労働代表というようなものでは委員会の委員としては入らないことになつております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 委員を任命する、選考する場合に、例えば商工会議所なり何なりというところの地方のいろいろな団体の意向を聞かれると思うのですが、そういう場合に労働者代表を入れる、入れんということは別にして、そういう労働者団体にもそういう問題について諮問をされ或いは意見を聴取するということは考えておるのですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) この委員の選定は国は一切関係いたしておらないのでございまして、地方の公共団体に任してあるのでございます。併しながら審議会なり委員会或いは何々振興会というものには労働代表を入れたほうがベターである、入れるべきであるというような指導は私どもやつておりすす。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 それでは内容についてちよつと二、三お尋ねしますが、前国会における港湾局長の説明で行けば、国が港湾局に対して財政的補助をしておるから、その解散については、大臣の認可事項とするというようなふうに説明がありましたが、これはこの港務局の定款に必要事項は記載されているとすれば、その上に更に運輸大臣の認可事項にするという必要はないように思うのですが、その点はどうですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 港務局が作りますところの定款に対しましては、運輸大臣は何らの認可とか許可ができないのでございまして、すべて定款は港務局なり地方公共団体に任しておるのでございます。それで地方公共団体が母体となる港務局ができました場合に、その港務局が国の財政融資なり国庫負担金を支払う場合に、俗に言えば借つ放しで解散してしまうようなことがあると責任の所在がはつきりしませんので、この点は大蔵当局等からの希望も強くありまして、解散のときだけ、その事後の責任がはつきりするように大臣の認可制としたのでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 何か今の説明でもぴんと来ないのですが、第六条の十二号には、解散に関する事項というものを定款に記載しなければならんという規定になつておる。ところが十条ですか、ここに更に運輸大臣又は都道府県知事の認可を受けなければならない、こうしなければその効力が発生しないんだというふうなことが書いてあるのですが、こうだとすれば第六条の十二号の「解散に関する事項」において、最初から解散のときにはこうするんだということを明記をして置く必要があるんじやないか、そこへ明記をすればもう運輸大臣又は都道府県知事の認可を得なければ解散というものはできないというようなことをする必要がないように思われるのですが、この点はどうですか。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) この第六条の、定款に列挙して記載すべき事項は、運輸大臣の認可を受けなくてよろしいのであります。地方公共団体の了解を得ればいいのでございまして、運輸入団は如何なる定款ができておるかということはわからないのでございまして、解散のときにだけ、その財政状況なりその他のいろいろな財務関係を十分国として責任を持つてみて行く必要がございますので、大臣の認可を必要といたすように改正したのでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 何かちよつと都合があるようですが、ちよつと一、二点この点だけで終りますから。……それで都道府県知事はこの定款の内容について初めから関係しておる。ところが大臣は関係していないから、解散のときは大臣がこれを認可するんだ、そうなると一体都道府県知事というものはこういう解散に関する事項というものを見て、それならよろしいということになるのですか。どうも今度解散のときに、都道府県知事じや足りないから大臣が認可しなきやいかん、ちよつとこれは変なように思うのですが。……むしろそういうことになれば、大体六条の「解散に関する事項」というところで、そういうものを含んだ内容をきちんと記載さして、そうして解散ということについても、大事なことだからして設立当時から解散に関する規定というものははつきりすべきじやないかと私は考える。どうも今の御説明で行くと、都道府県知事は認可して承知しておるんだ。ところが解散については、都道府県知事だけでは足りないから大臣の認可が要るんだ。どうもその辺がぴんと来ない。

黒田靜夫運輸省港湾局長

○政府委員(黒田靜夫君) 都道府県知事が認可いたしますのは、県が管理者になつた場合に、その地方公共団体の長としての認可をいたすのでございます。又市が管理者となりました場合は、市長がその定款についてその地方公共団体としての承認をするのでございまして、運輸大臣はその間その定款につきましては関与いたしておらないのでございます。従いまして国からのいろいろな債務があります場合に、その処分を地方だけで、地方の公共団体だけでやりました場合には、国としてのいろいろな予算が、補助しておるとか負担を命じておるとか或いは融資の関係でそういつたような港湾の管理者に貸付をやつておるような場合に、解散してしまつて果して港務局がその債務を支払うのか、或いはそこの市が管理者である場合には市が関係の、例えば関門のような場合、ちよつと例が適当でないかも知れませんが、関門の港務局で解散いたした場合に、門司市が責任を負うのか下関市が責任を負うのか、山口県か福岡県が責任を負うのかということははつきりしないものですから、それを解散のときだけは、国のいろいろな問題について、大臣の認可を必要とさしたのでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 では大臣が見えて、何か緊急の、ほかの事項に移りたいということですから、一応質問を保留しますから……。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) それでは本法案に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと思います。   —————————————

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 次に、一般運輸事情に関する調査中、運輸行政に関する件を議題といたします。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の運輸省関係の分について、山内官房長から御説明を願います。  なお申添えますが、間もなく運輸大臣が出席されると思いますが、大臣は三時からほかに約束がありますので、その間に定点観測の問題、それから行政機関職員定員法の問題等につきまして大臣に質問のおありの方は、三時までに一つ御質問を願いたいと思います。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 私から今回の定員の増減内容につきまして、お手許に配付してあります資料に基きまして、概略の御説明をいたします。  今回の行政整理につきましては、運輸省としましては、飽くまでも行政の整理合理化を前提といたしまして、所掌事務の全般に亘りまして、事務の実情をつぶさに再検討いたしまして、事務処理の簡素化、定員の効率的使用及び能率の向上を図ることにいたしました。整理できるかどうかという余地を十分勘案いたしまして、その上行政管理庁と折衝協議いたしまして、運輸本省で八百十五人、海上保安庁で三百三十四人、合計いたしまして千百四十九人を整理することといたした次第でございます。このほか今回の定員法には載つておらないのでございますが、陸運事務所におきまして六十八人の整理をいたすことといたしておりますが、これは地方自治法の施行規定の改正によることといたしております。政令によりましてこのほうの六十八名というものは整理をするということになります。  で、詳細申上げますと、現行の運輸本省の定員は全部で一万五千二百十六人でございますが、前に述べました行政整理による八百十五人の減員のほかに、外航船舶動静調査事務の廃止及び気象観測船五隻の海上保安庁移管、並びに在外公館在勤要員で二百七十九人、合計いたしまして千九十四人を減員いたしております。他面航空交通管制及び航空機乗員の養成等で四十六人を増員いたしまして、差引き千四十八人を減員いたしまして一万四千百六十八人になります。海上保安庁におきましては、現行定員の一万六百十九人を只今申上げました行政整理による三百三十四人の減員のほかに、老朽工務用船の廃棄に伴う減員が二十五名、合計いたしまして三百五十九人の減員。この気象観測船五隻の移管を気象台から受けますのと、海上保安大学の学年進行並びに燈台設標船の新造及び航路標識の新設に伴う三百九十七人の増員等の差引き三十八人を増員いたしまして、一万六百五十七人になります。海難審判庁におきましては、現行定員の百五十八人を海難審判件数の増加に伴いまして、審判官、理事官及び書記を十六人増員いたしまして百七十四人にそれぞれ改めるものでありまして、以上運輸省全体といたしまして行政整理等による減員が千四百五十三人、昭和二十九年度事業予定計画による増員が四百五十九人でありまして、差引き九百九十四人を減員いたしまして、二万六千五十二人を二万五千五十八人に改めるものであります。  定員の増減につきましては以上概略申上げたのでありますが、人員整理につきまして一言附加えますと、行政整理の千百四十九人の減員以外に、昭和二十九年度事業予定計画によります減員が三百四人、同じく増員が四百五十九人、差引き百五十五人の増員となるのでありますが、これら増員は海上保安大学の学生、航空交通完成要員等特殊の技能、資格を必要といたしますために、新規採用する必要があるのでありまして、結局千百四十九人を整理する必要があります。このほか先ほど申上げました地方自治法施行規定に規定いたします陸運事務所職員の減員が六十八人でございまして、合計実際上整理を要しますものは千二百十七名となります。千二百十七名を昭和二十九年及び昭和三十年の両年度に亘つて整理することになるわけであります。差当り二十九年度におきましては七百四十三人を整理する予定にいたしております。  これに対しまして、現在までの整理の実績でありますが、二月十五日までの特別待命発令者が昨年の数が出ておりまして、四百四十一人、一月十五日、以降三月三十一日までの退職者が九十三人でありまして、残りの二百九人につきましては、今後とも部内外の配置転換を強力に行いますと共に、民間企業への就職斡旋に努めますことによりまして、相当努力は要しますが、昭和二十九年度分は六月末日までには完了する見通しを持つております。  なお今後の事務処理におきましては、事務整理を推進いたしますと共に、要員配置の適正化及び効率的使用等によりまして行政事務運営に支障を来たさないように努力する所存であります。  以上簡単でありますが、運輸省関係の今回の定員法改正につきまして御説明を申上げました。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) なお御参考に申上げておきますが、運輸省の政府委員並びに本庁関係の説明員のほか大蔵省から主計官の広瀬駿二君、それから中央気象台から総務部長の北村純一君が出席いたしております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 前回私たち行政整理に反対であるという立場から連合審査の提案をしてずつと御懇談をしたことがございます。そのとき委員長からも、一応説明を聞いてから、よくわからんことは聞いて、その上でそういうふうな取運びをすべきであるというお話がありましたので今日説明を頂いたわけでありますが、これは実際に四月一日からやるというような政府の考え方もあつたようでありますが、現実できていなかつた。それほど非常に全般的な難問題と思います。従つて今日一応説明を聞いてから、それでこのくらいのことはまあ当り前だと、こういうふうにお考えになる方は別でありますが、これは一つ内閣委員会とも連合審査をする、こういうふうなことにして頂ければ大変結構だと思うので一応お諮りというか、私の意見を申上げました。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を始めて。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 それでは定点観測の廃止に伴う問題について、大蔵省の方にお伺いしたいのですが、若しおわかりになるならば御答弁を願います。  これは定点観則の廃止については、昨年の十二月の十四日と記憶しているのですが、当委員会においても、これの復活については二十九年度予算において特に考慮されたい。又衆議院の運輸委員会においても同様な決議をされたのですが、今度の予算を見るというとそういう考慮が一つも払われていない。このことについて先般予算委員会の第一分科会においての主計局長の御答弁は、中央気象台長もこれの復活については大して乗り気でなかつたのだというようなこと、或いは廃止しても差支えないという御意見であつたからこういう予算は組まなかつたのだ、そういうことはしなかつたのだ。こういう答弁があつたようですが、定点観測についての大蔵省側の一つの見解といいますか、認識というか、そういうものについていま一つ承わつて置きたいと思うのです。

広瀬駿二大蔵省主計局主計官

○説明員(広瀬駿二君) 定点観測の仕事につきまして、非常に重要であるから、十二月の十四日参議院におきまして、予算の復活を、二十九年度に復活と申しますか、二十九年度に十分の予算を計上するというような決議があつたことは承知しておりますが、我々といたしましても、この仕事が従来アメリカと協力してなされまして、気象上非常に重要な仕事を営んだことは十分に知つておるのでございますが、御承知のような財政事情から、十二月すでにもう予算の編成の最終期でございまして、一兆予算という声も一般に知られておつたときでございますが、そういつた事態におきまして北点のほうの観測を続けるということは、五隻の気象観測船を建造しなければなりませんので、約三十一億の予算要求が気象台のほうからあつたわけでございます。三十一億を計上する余裕は到底ございませんので、気象台側とよく話合いまして、気象台といたしましても財政の事情止むを得ないと認める、又我々のほうもそういつた事情を了解して頂く、そういうふうに両方の話合いがつきまして、南点の土佐沖のいわゆる丁点という方だけの予算計上、こういうふうになつてしまいました。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 これは主計局長が御発言になつたので、局長に直接お伺いしたいと思うのですが、特に予算編成の場合において、気象台長みずからがやめても大した影響はない、止むを得ますまい、大した影響がないから止むを得ますまいというような御発言があつたらしいのですが、ところが私丁度この問題を聞いて、そうして十二月の十二日に中央気象台へ関係委員とも行きまして、その上いろいろ勉強もして見たのですが、私は相当重要問題だと思います。成るほど一兆予算で縛られてとても三十億なかつたと、いえばそれまでですが、この定点観測を廃止することによつて生ずる気象業務上の欠陥というか、こういう影響というものは非常に大きいということが最近わかつたのです。そうして漁業関係においても或いは農林関係においても、すべての方面にこの定点観測の復活という問題が大きな輿論として取上げられて来ておる。今年の二月一日においても農民漁民大会ですか、これにおいても復活決議をして持つて来たという工合に、あらゆる方面にこの問題が取上げられて来ておる。然るにもかかわらず、予算委員会の大蔵省側の答弁を聞いておると、定点観測なんというものは二の次の又その次というような感じしか持つておらんらしい。この観測業務というものは、これはほかのものと違つてこれを復活したから明日からすぐどういう効果が現われるとそういうものではないと思うのです。これは或いは翌日効果が現われることがあるかも知れん。或いは五年、十年先になつてああよかつたというかも知れない。ところが一朝間違うとこれは三十億、四十億の損害では相済まない。何百億、何千億という大きな損害を起す、例えば船一隻この気象通報の不確実さによつて遭難をしてしまつたとあれば、もう三十億、四十億の金は問題にならんと思う。三十億という金は毎年出る金ではなくて、船を建造して一回造ればそれでいい金なんです。あとは維持費だから、新らしい船を造れば、今までの維持費と違つたうんと少い維持費で済んで行くものです。而も例えば三十億がなければ要求の大体二十五億くらいで取りあえずのものは造れるという話も聞いておるのです。更にそのほかに船の運用その他を考慮すれば、私は断続的にこの復活もできる可能性もあると思うのですが、ところが肝心の予算を編成するあなたのほうでこういうものは二の次だ、一兆予算で出せんというようなことであつては、我々の決議したことに反し、誠に私はけしからんことだと思うのですが、将来に亘つても恐らく気象行政に関する限り、大蔵省というものは余りに熱意がないのじやないか。現に中央気象台に行つてみるというと、あそこの予算が次から次へ削られる。定員もどんどん減らされて行くというわけで、従業員も非常に労働強化をやつておる。又設備あたりもほかの官庁から比べて非常に私はお粗末だと思う。冬の真最中に行つても気象台長の部屋にはストーブ一つ入つていない。或いはお茶なんかでも一日三回以上飲んじやいけないというような恰好になつて来ておる。こういう気象業務あたりは私はもつと強化をしなければならん。特にこういう問題について各省とも大きな関心を持たなければならんと思うのですが、今日はくどいことを聞きたくないのですが、結論として、将来気象業務、定点観測について、例えば今度の補正予算を組む時期なり何なりにおいてこれを復活される意思があるかどうか、そういう気持があるかどうかということ、これをあなたにお話するのは無理かも知れませんが、或いは上のほうの関係の人がどういう考えを持つておられるかということがわかれば伺いたい。

広瀬駿二大蔵省主計局主計官

○説明員(広瀬駿二君) 将来補正予算その他或いは三十年度予算におきましてこの復活をする意思があるかどうかというお尋ねで、それはお前には少し無理だろうというお話ですが、確かに私からちよつとお答えしにくい問題だと考えます。来年度予算をどうするかということは、来年度の予算の要求を待たなければわからないことでございますし、本年度は補正予算を計上しないと言つておるときでございますので、ちよつとこの点のお答えはできかねると思います。ただその前段にございました御意見は非常に御尤もでありまして、我々財務当局としましても、十分御意向を尊重し、又気象台とも十分な連絡をとつて、気象台におきまして、限られた財政の枠の中で最も重要という要求をできるだけ円滑に施行できるように予算編成をやつて行かなければならんと思います。今年の二十九年度予算におきましては、定点観測も重要ではあつたと思いますけれども、それ以上に限られた予算の枠の中で、むしろ水害、水理気象対策というようなものに重点を置かれましたので、定点のほうは計上されなかつたわけでありますが、来年度以降どうなりますか、今後の問題としまして十分折衝したいと、こういうふうに思つております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 これ以上今日はお伺いしても仕方がないと思うのですが、その御答弁は最も円滑にやつて行くとかという一つの作文だと思うのです。それはもう原則であつて、その通り円滑にやつてもらうようにしなければならんと思うのですが、私の今日聞いておるのは、定点観測の復活という限定された問題についてお伺いしておるので、これはこれ以上お伺いするのもどうかと思うので終りますけれども、特にこの水書、水理こういうものに重点を置いておるという工合におつしやつたが、私は水害、水理或いは治山治水と気象観測というものは密接不可分と思う。片つ方はやつて片方やらないということは、これは私はどうも首尾一貫しないような気がします。それでこの問題は、今度一つ責任者の方が見えましたらもう少し突つ込んでお伺いしたいと思います。今日はこの程度でやめます。  大臣にちよつとお伺いします。今のような大蔵省の御答弁ですが、大臣とせられては、この定点観測は本年度予算は駄目になつたようですが、今度の補正予算或いは来年度予算なり或いはそれよりもつと早く何らかの機会を捉えて速かにこれを復活をさせるという御意思がおありになるかどうかという点について。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これは何度もお答えした問題の一つでありますが、どうも私どもはどの程度までこの廃止が大きく定点観測に響くかという詳しいことを存じませんが、やつてみて非常にそれが北のほうの冷害問題等の観測にあずかつて力があつたということを承知いたしておりますので、この廃止のときも気象台長に向いまして、これをやめたらどういう影響になるのだ、あとの観測をどうするのだというようなこともいろいろ聞いて、これはお答えはお聞きになつておるから申上げる必要もないのでありますが、非常に暫定的な方法でやつて行つて、はつきりこれでいいとは言えないけれども、何とか北方の方面の冷害等の観測は間に合して行くようにする、船の話が今出ましたが、船が十分ないと困るという話がありました。それから今までの船ではどうだという御意見もありました。私もそういう意見で、今まで使つておつた船で何とかやつて行けんかといつたのですが、これはなかなか今の船では無理だということでありました。かたがた今のような状態に陥つたわけであります。  来年の予算又は補正等にこれを復活要求する意思ありやということでございますが、どういう、まあ補正予算はやらんと言つておりますけれども、まあ来年なら年来といたしまして、私どもは来年の予算に、これはまあ今年の様子を見ましても、結果も、いろいろ判断資料があると思います。どの程度までやればいいか、昔はなかつた。アメリカさんが来て始めた、そしてこの間からやめたという、丁度この階段がいろいろな実際の成果がわかるわけでございますから、これによりまして船を五はいとか六ぱいとか、三十億だ、四十億だとかいうと、これはなかなか来年度も無理だと思います。で、でき得る最小限において設備して、こういうことをやつたほうがいいかどうかという問題を十分検討いたしまして、その案を得まして私どもは要求をいたしたいと思います。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 最近のこの情報を私ちよつと開いたのですが、国際民間航空機関において、研究発表があつて、これは北大西洋定点観測継続の新協定というのができた。これはメルボルンにおいて一九五四年の三月二日にそういう協定ができて、そしてこれらの定点観測はずつと存続するという協定ができたということを聞いておりまするが、そういうような情報を聞いて御存じがあるのですか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 私のほうから御答弁申上げます。只今お話の通り、北大西洋におきます定点観測につきまして、従前アメリカほか欧州の諸国が寄りまして、十点の定点観測を運営しておつたわけでございますが、それに、丁度日本に対して定点観測の廃止が通告された前後でございますが、アメリカ側から、この経費を償うに足りるだけの効果がないという理由で、来年……丁度今年でございますが、今年の六月三十日限りこの定点観測に関するアメリカの協力を廃止したいという申出があつたのでございまして、それによりまして、今お話のような列国に対する大きな衝撃を与えたわけでございますが、その後関係各国間でいろいろ協議をされました結果、大体決定いたしましたのは、そのうち一点を廃止いたしまして、九点を残す、それから経費の分担につきましては、従前飛行機の通過の度数に応じて、関係各国間でこの経費を分担するというふうな取極めになつておりましたのを、総額のうちの八〇%だけは従前のような方法によつて分担するが、あとの二〇%は一般気象に対する貢献というようなことを考えまして、飛行機の通過に関係なしに、関係各国間で二〇%を分担する而も分担する割合は、その地点の東と西においては気象に与える影響が違うということで、その東側においては二五%、西側においては七五%の経費を分担する、こういうふうな協定ができまして、今年の七月以降におきましても、引続いて一点だけ縮小した定点観測が続行されるということにきまつたものであります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 それで今のような北大西洋方面においても、定点観測については相当重要性を認識をされて、そうして各国間でこういうような協定がなされておる。そういうような状況から見ても、定点観測というものは近代気象業務において非常に重要な地位を占めておる。こういう観点からして、今の大臣の御意見だというと、とても三十億もかかるようなものは来年度もむずかしいというような、こういうような御意見であると、殆んど政府側としても定点観測を、延いては気象業務に関して、これは第二義的、三義的な考えを持つておるような印象を与えるのです。これではやはり気象業務というものについての強化、日本の国においては気象業務は特に強化しなければならんと思うのですが、そういう方面とは殆んど縁のないようなことになつてしまつて、このまま行けば気象業務というものは、ますます弱化の一途を辿つて行くような気がする、そういう危惧を私感じるのです。これでは大変なことだと思うので、是非ともこれは来年の予算或いはそれ以前においても積極的に機会を作つて頂いて、そして定点観測の復活ということについては、より一層政府においては熱意を持つてもらわなければならんと思うのです。今のとても来年度もいけないというような、この御答弁は、非常に私は遺憾だと思います。果して来年度も、今からもうやらないのだ、定点観測というものはずつとあと廻しにする、こういうような御意見のように伺いますが、御見解どうですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私の言葉が足りなかつたかも知れませんが、よちつと誤解をされたようであります。私は来年は予算は要求すると申上げております。ただ三十億円以上に上るような船の建造計画については、恐らく来年度、二十九年度のあとを受けた予算の上に、それだけ新規に入つて行くということは困難であろう。アメリカが来て、そして定点観測を日本と共同でやる、そして昨年から実際そういうことがなくなつて来る、一年間という空白のときに、その間には観測と申しますか、通りがかりの船とかいうような船で観測しようという、それでどの程度をやれるか、恐らく本当に一応観測をするという程度だろうと思うのです。その程度のこともやつてみて、そして実際にやるならば、併しもうちよつとこのくらいの程度であれば常非に効果が上る、或いは船が五はい、六ぱいということではなくて、こういうような方法ででもまだやれる、又どんな方法にしてでも、船の数は少くていいから、或る数を整備しなければ十分できないというような、いろんなデータが出て来ると思うのです。その実際に予算に組み得るような、実行し得るような予算を一つ考えて、そして実現を期したいと、そういう意味でございます。御了承願います。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうも私は、運輸大臣は定点観測業務というものについての認識が少し失礼ながら足らんのではないか、甘く見ておられるのではないかと思うのです。というのは、今の御答弁によると、そこを通過する商船等によつて観測をする、それがどういう工合な結果になるかよく見極めてという御答弁ですが、それは従来の経験によつて、そいつを見極めなくてもわかつているのではないか、先般も引例をしたのですが、昭和二十八年十二月二十四日、中央気象台から頂いた参考資料を見ましても、この中で「この業務は定点観測の行われる前は商船による海上気象台資料のみによつたため、精度において劣り、従つて警報内容も詳しさを欠いておりましたが、」云々という意見も出ております。或いはまた「最近週間天気予報に対する社会的要望が非常に高まつて来ましたが、この作業の基礎となるのは北半球全般の高層資料であります。従つて定点観測の中止によつて太洋中の高層資料、特に日本近海の資料を失うことは、我が国の天気の地域的、時間的推移の把握を困難ならしめ、予報精度を低下させるものであります。」と、これは従来の経験によつてこういうことは出ておると思うのであります。更に、海洋気象資料の蓄積と洋上の高層観測が加わつたために近年における季節予報が完全と言えませんが、かなりまで進歩して来ておるという工合に、この定点観測というものが行われて、初めて気象業務というものが相当精度が加わつて来ており、だんだん正確度も蓄積して来ておるという工合に、この資料に出ております。従つて、今大臣がこれからそういう計画を一遍やらしてみていけなければ云々ということは、これは私は少し認識が足りないような気がするのですが、その点はどうなんでございますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 様子を見てやる、それでよかつたらそれでやめるという意味で申上げたのではありません。いろいろな、一番よかつたときとそうでないときとのデータが出るわけでございます。だから、どうしてもこの程度まではやらなければこんなに工合が悪いという事由をそこになおはつきり出して、是非予算は要求し、その実現を期したいというのでございまして、もうそのぐらいなものでよかろうと、そんなら一応言うけれどもできてもできんでもいいというような、そんな杜撰な考えは持つておりません。私ども実際の問題といたしますと、それは今大蔵省から話がありましたような三十何億というものが出てやつて、一遍異常な災害でも受ければそのくらいなものは何でもないじやないかということ、勿論そういう理由は私どもいつも言うことでございますが、それにいたしましても実際の金の出る問題になりますと、なかなか実際折衝上うまい言葉で表現されて、何とか考慮するなどと言つても、なかなか出してもらえないのが実情でございますから、私どもは、実現を期すると、それには仮に三十億円なくてもこの程度なら先ずやれるという線が出せたらそれを出して、実現のほうに主力を置いて、勿論多いほど結構でございまするから、初めからそんなに今の何もないのに毛が生えたくらいでいいというような考えは毛頭持つておりません。できるだけの要求をいたしてやるつもりでおります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 気象台の方にお伺いするのですが、今の大臣の御意見ですというと、三十億という予算がなくてもこうこうやれば何かできるのじやないかと、従つてそういうことを考えてとにかくこの定点観測というものを実施をするということを考えなければならんと、こういう御趣旨に伺つたのですが、気象台のほうで専門的に考えて、もうすでにいろいろな方法を考えられて、そうしてこの三十億乃至二十五億なければいかんという結論を出されたと思うのですが、このほかに三十億なくてもこの定点観測を実施する何かこれに代るべき方法があるのですか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 只今大臣から御答弁申上げましたように、三十億という金がこの定点業務を復活するについての大きな支障になつておりますので、この点財政上の都合によつて適合するような適当な案を案出いたしたいというのが我々の念願でございまして、大臣の御方針にもございましたように、できるだけ早い機会にそういうものを実現したいと、例えば同じような方法を使うにいたしましても、船舶の数を一度に建造いたしたいのを若干少くいたしましてこれを実現するというふうな方法、いろいろそういつたものの利害得失につきましても考究しておりますが、まだこういうような方法によれば経費を節減して、而も定点観測を十分に実行し得るというような成案を得ておりませんので、大臣の御方針のような方法によつて勘案したいと思いますが、ここで具体的に御答弁申上げる段階には至つておりません。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうも気象台関係は大臣が見えると何か遠慮されておるようなんですが、私は三十億という金が目的じやないわけです。問題は定点観測を実施するというのが目的であつて、これが十億でできればこれに越したことはない。或いは三億五千万円でできればこれに越したことはないのです。ところが大臣は、今そういう御方針であるからもう一遍三十億なくてもできる方法を研究してみたいと、まだ結論は出ていないというお答えがあつたが、それは私は詭弁じやないかと思う。もうすでにあなた方は、定点観測に関する三十億の予算を要求される場合に、国家の予算というものは非常に窮屈だということを考えた上で御要求になつたと思う。それであれやこれやを考えて、これだけなければできないということを結論付けられて三十億ということにされたと思うのです。若し三十億出さなくてもやれるような方法がこれから考えようによつてはあるというようなことだというと、どうも私は今まで考えておつたことと少し違つて来るのですが、本当にそう考える余地があるのですか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 私の言葉が非常に足りなくて申訳ございませんでしたが、別段遠慮しておるわけでもございませんし、三十億の金を使わなくても実行できるということを申上げたわけでもございませんが、三十億という金が必要だということが大きな予算上の障害になつておりますので、この点を克服することができれば一つの方法だという意味合いで、そういう方法がないかということについて考究をいたしたいという意味合いで申上げたわけでございまして、只今の段階ではこの三十数億の金を投じて観測船でやる方法によらないでは、責任を持つて是非こういう方法で以て実行してもらいたいというような具体案はないわけであります。私の申上げましたのは、そういうような経費をかけない方法が他にないか更に考究をしたいと、ただ反省もしないでこの案を最良のものとしてどこまでも突つ張る一点張りでないということも申上げたわけであります。我々も三十億という金が問題ではなくて、仕事が実行できるような方法を探し求めるという点に考え方の重点をおいて行きたいと、こういうふうに考えております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうも私は今日は台長さんがおいでにならないので突つ込んだことも言えませんが、私は気象台関係は、定点観測ばかりではなくして、気象業務についてもつと積極的になされるのが本当ではないかと思うのです。何か我々が質問しておることが、私自身は非常に熱意を持つておるのですが、肝心の気象台がどうも、熱意はあるのだが何ものかのために威圧を感じられるかどうか知りませんが、日本の国のために気象業務について更に向上発展を期するという、そういう気魄といいますか、積極性が私は欠けておるような気がする。従つて、いつも予算編成というと、何でもかんでもそういうところに強いられてしまつて、それで中央気象台の台長ともあろう者が、冬の真最中にストーブがなくてブルブル震えておると、或いはお茶は一人三十匁より飲んではいかんというようなことになつてしまうと思う。だから、日本の気象業務のためにも、日本の気象学界のためにも、又日本の産業のためにも、これは非常に遺憾だと思う。私はこれ以上あなたにお伺いしてもどうかと思うのですが、私は中央気象台からもらつておるところの定点気象観測業務についてという気象台の御意見は、この通りだとするならば、私はもつと積極的に定点観測の復活初め気象観測業務強化のためにやつてもらわなければならんと思う。それは金がないといえば金がない、三十億という金がないといえば金がないのだが、その半面に変なところにどんどん金を使つてしまう。例えば何にもならんような軍用費用なんかはどんどん惜気もなく使つてしまう。肝心の民生のためになるところの気象業務については、さつぱりこれは金がない金がないで以て、僅か三十億くらいのものが何ともならん。それで大臣にそのことを言われるというと、そのように一つ考えます。考えようもないことを考えてみますと、いうふうに私はおつしやつておられるように思うのです。実際三十億以外に私はそんな費用を使わなくても定点観測ができるというような自信は、恐らく気象台にはないと思う。それを何かやつてみればあるようなことを言われるところに、私はどうも気象台の消極さがあると思う。そのことは余りここであなたを責めても仕方がないと思うのですが、更にもう一点だけ一つお伺いしておきたいことは、自衛隊法案というものが出ておるのですが、この中で百一条ですか、これが自衛隊というものはいわゆる日本国有鉄道或いは航空保安事務所等と同様に気象官庁に対しても相当に協力を求められるというようなことになつておるのですが、「協力を求めることができる。この場合においては、海上保安庁等は、特別の事情のない限り、これに応じなければならない。」と、こういうことになつて、おるのですが、気象関係においても、自衛隊という日本の軍隊、国土防衛の任に当るところの軍隊から協力を求められるという場合においては、優先的にそれに応じなければならんということに結果的になると思うのですが、その点はどうでしようか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 自衛隊法案の百一条にございます協力関係でございますが、我々といたしまして、自衛隊と気象台の持つ気象業務の関係につきましては、一般的には中央気象台の仕事を根幹的なものと考えまして、その仕事を利用することによつて自衛隊の気象業務が満足できる範囲においては気象台の仕事をそのまま使つてもらうということが国費の二重の支出にならないで済むというような意味合いも考えまして、我々としては、特殊なものは格別といたしまして、我々の業務からそのまま提供できるものは自衛隊に提供するという線を考えておるわけでありまして、百一条にも特別の事情のない限りは協力しなければならないという、その特別の事情というのは、予算とか或いは定員とかいうところで現在我々が運営しております幅の仕事では提供できませんような資料につきましては、これの提供をお断りするというふうな線を考えておるわけでございまして、自衛隊の仕事が始まることによりまして、中央気象台の仕事がマイナスになるというふうなことにつきましては、特段に考えておらないわけでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 どうも私はこの前も質問したのですが、大臣にもお伺いしたいのですが、従来においても軍隊というものと気象台はこれは密接不可分な関係にあつたと思うのですが、今回自衛隊という軍隊ができ、これとの協力関係ができれば、例えば今御答弁になつたように、気象台としても出したくないものは出さないのだと、こういうようなお話がありましたが、私はそうはいかんと思う。今後気象業務と自衛隊との関係、こういうものは一体どういうような形、内容になつて行くものか、その点について大臣から御説明を願いたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) どういうような観測を提供するか、向うから求められるかという問題は、これから又だんだんと具体的に折衝が起つて来て、或いは今の気象台の力ではでき得ないような問題も或いは出て来るだろうと想像し得るのでございます。そういう場合には、勿論これは新たな人とそれから新たな費用とを出してもらわなければ協力は不可能なわけでありますから、予算とか定員とかいう関係からは、そういうふうな方法がおのずから講ぜられるだろうと思うのでございます。自衛隊のほうで観測というものがどんなに必要かということは、申すまでもなく非常に重要な面を占めると思いますので、これに対しましての協力態勢も、今申しました予算、定員等において我々が簡単に考えておる以上に殖えることになるかも知れないのであります。これはどの程度まで求められるかわかりませんので、私としてもまだはつきりしたものを持つていないわけでありますが、方針といたしましては、できるだけの協力を当然すべきものだと思つております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 この自衛隊というものは、それぞれ出先の部隊そのものも含んで自衛隊というと私は思うのですが、気象官署というものも又中央気象台を初めとして特別区域の測候所までも気象官署ということになるのか、そういうことになれば、地方の部隊が地方の気象官署に対して直接いろいろな依頼や要求をして来るということも考えられるわけなんだけれども、そういう場合に民生関係の気象業務を一部犠牲にしてもそういう協力をしなければならないという場合も起つて来ると思うのだが、そういう心配はございませんか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 只今のようなことをそのまま野放しにいたしますと、地方でいろいろな問題が起る懸念もなきにしもあらずと存じまして、この法案の実行につきましては、運輸省と防衛庁との間で基本的な協定をこしらえまして、その協定の中でこの幅の仕事はこの地方の部局の課において折衝することができるというような点を明らかにいたしまして、その協定に載つておるところの範囲は無条件でサービスをいたしますけれども、その他の点につきましては、本省間で協定ができましたら、従いましてそれに対する必要なる予算或いは定員の措置を講じました上で、この要求に応ずるというようなことにいたしたいということで、現在打合せをやつております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 私は非常な安易な御答弁だと思うのですが、この百一条の中の「相互に常に緊密な連絡を保たなければならない。」というこの一文は、相当私は将来重要な問題を含んでおるのではないかという工合に考えられるのです。つまりこの「相互」ということは、相互に義務の発生することを意味するのであつて、自衛隊の発動に対するる仕事をやるばかりでなくて、気象官署自体としても、自衛隊が必要とすることを考慮して業務の計画その他をそういう方向に、つまり自衛隊の必要とする方向に向けて行く義務を持つようになるという工合に考えなければならんと思うのです。この「相互」という意味はそういう意味だと思う。更に又、「常に緊密な連絡を」ということになつておるのですが、この「常に」ということは必要と認めるならば無条件でいつでも専用通信線を開設したり、或いは駐在武官というようなものを気象官署に派遣をしたり、又気象官署からは昔の従軍文官みたいなものを派遣するというようなことになつて来て、そうして本来の気象業務自体が相当苦しくなつて来るということが想定されるのですが、こういうことを想定しておられるかどうか。

北村純一中央気象台総務部長

○説明員(北村純一君) 只今のような、懸念がございますので、先ほど申上げましたように、防衛庁と運輸省との間の協定を設けまして、そうして新らしく地方の気象官署に附加されますところの協力業務というような線、これを定員と予算を確保した範囲内で調整してやつて行けるようにいたしたいと、こういうように考えておるわけでございます。従いまして、従前からありますところの一般の民生協力的な仕事というものが新らしい仕事によつて圧迫をこうむらないように、今後ともせいぜい気をつけて努力をして行きたいと思つております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 これは大臣にお伺いするのですが、今の御答弁で民生業務を圧迫しない定員、予算その他を十分もらつてやつて行きたいというように努力する、そう考えておるということですが、大臣としてはそういうような自信がおありになるかどうか、つまりそういうような協力関係に入つた場合に、民生業務を圧迫しないならば、それに必要な人員、予算を十分確保してやつて行くのだ、そういう考え方乃至はそういう自信を持つておられるかどうか、この点について御質問いたします。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) その通りに考えております。この自衛隊との協力のために一般の民生業務に妨害を及ぼすようなことがあつては、これは将来本来の仕事の発展の上に害になるのでありますから、そういうことは一切やらないつもりであります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 併しながら現在においても私は中央気象台関係の人員並びに予算というものが極めて不十分だと思うのです。にもかかわらず将来そういう関係ができた場合におけるところの定員、予算を十分にやつて行くのだということについては、私は相当疑念を持たざるを得ない。今日頂いたこの資料によるというと、中央気象台関係で定員七百十四名の中で一四・四%、こういうものがこれが病気の人だという資料をもらつております。更に全気象官署の職々員四千九百四十五名に対するパーセントもずつと書いてありますが、例えば病気で欠勤中の者が百二十一名、これは在職々員四千九百四十五名に対して二・四%、或いは勤務時間の短縮を指示されている者五十名、或いは平時健康状態を監視し、勤務に特に留意、これは要注意者ですが、留意するよう指示されている者百九十四名、或いは完全な勤務のできない者が三百六十五名、或いは夜間勤務に従事させることができない者三百四十九名、こういうような私は資料をもらつておりますが、成るほど頭数はこう揃つております。頭数は揃つておりますが、その頭数が非常に不十分であると同時に、その勤務の状態が不健康なために実際に仕事をやつておる人というのは、この数字に示された頭数よりずつと少い頭数で仕事をしておる。而もますますこういう結核患者といいますか、そういうような人のパーセントは殖えて行く、こういう傾向にあるのであります。大臣はこういうものに対して将来どういう対策をお持ちになつておるのか。将来の方針並びに対策についてお伺いしたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 行政整理の必要なこと、それが各官署ともに万遍なく及ばされたということは、これは国の要請でありまして止むを得ないことであろうと思つております。ただ現場職員を余計持つている所はできるだけその障害を来たさないように定員減を少くしてもらうように努力したつもりであります。それでもまだこんな不完全ではないか、それにほかの仕事を持つて来たらどうなるかというお話でありますが、これはどこの役所のどの部門を見ましても、これで満足であるという返事をするところは私はどこもないだろうと思います。ところがそれに対してもなおまだ節約をすべきだという声もあるのでございます。こういうことを考えますると、気象台はなかなか忙がしい所でそして目立たない、従つて本来仕事運営の上に私どもこれを看過しないで、絶えずここに目を配つてその仕事のしやすいようにできるだけ注意しなければならないということを当然考えております。運輸省の定員を調べているときも私はほかの所よりは注意を向けたつもりであります。今後ともそういうふうな心持を持ちながら、この気象台の万般の仕事に支障のないように配意をして行く。ただ人間をそれではこれだけ仕事が殖えたからこれだけ増すかという数字的なものは、仕事に差支えないように皆が努力しながら、なお且つどうにもこうにもならないような数字に持つて行かないように十分注意いたします。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 今の大臣の御答弁は極めて抽象的で希望的であると思うのです。ところがやはり今の御答弁にもあるように、これで決して満足だとは思つていない。更に、このような人員整理は一般の要請であつて仕方がないということであれば、この官庁の仕事というものも、これは常に満足なものにされていないということです。そういう結果になる。ですから人員整理につきましても、私は頭から万遍ない人員整理ということは同意をしかねるところでありますが、特に現在の仕事ですら満足だとは思つていない。その上に、人員整理というものは至上命令だから止むを得ないとなれば、一体仕事はどうなるのか、こういうことになつて来ると思うのです。これはやはり政府の責任者として私はよく考えてもらわなければならんと思うのですが、このことはひとり気象台業務ばかりではなくして、陸運においてもそうです。或いは決算委員会においていろいろな批難事項を見ても、政府の答弁を見ておりますると、結局人員不足で十分手が回りかねるという御答弁が多いようです。そうなると官庁の仕事というものも、機構を作つて、組織を作つて、事務分掌を作つてこういう仕事をやるのだ、こういう事務をやるのだという一つのお膳立はできている。いわゆるそういう表の上ではできているが、実際はそういう仕事をやれないような仕組みになつておる。こういうところに非常に大きな問題点があると思うのです。私はそういう意味合におきまして、これを要約すると、気象業務についても、或いはその他の業務についても、やはり人員の整理については更に突込んだお考えをしてもらわなければならんと思うと同時に、定点観測というような問題については、やはりこれは消極的な御意見にあらずして、更に積極的にこの定点観測というものについての復活に関する政府の熱意というものを要望しておきたいと思います。これについて最後に大臣から、この定点観測について、将来積極的に復活を考えるというような御答弁が欲しいと思います。この点どうですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 定点観測の復活については、何遍も申上げた通りに、私は復活したいと思つております。ただ併し先ほども申上げますように、実現のできる方法、或いは金額等を持つていなければ、ただ自分はこれだけのものを要求した、これだけ要求したということだけを申上げて、それができなかつたら誠に残念でありますから、これは十分努力いたしまして、一番いい許される最高のものを得るように努力いたしたい、こういうふうに考えております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 ではこの御質問はこれで一応打切りますが、そこで大臣にお伺いしておきたいのですが、実は例の造船汚職の問題なのですが、その後大臣にこのことをお伺いする機会がなかつたので残念に思つたのですが、幸いこの機会にお伺いしたいというのは、造船問題の法律案についてはこの委員会で審議した責任もあります。ところが二月十一日だつたと私は思うのですが、私の質問に対して大臣は、いわゆる臭いような会議をやつたこともなければ、そういうにおいのするような所へも行かないというふうに私は伺つたと思つております。併しながらその後衆議院等におきますところの経過を見ますると、大臣も又赤坂の中川とか、そういう問題になつている所にやはり行つておられたということもみずから認められておる。この辺非常に私に対する大臣の答弁とは違うように思います。それから更に重要なことは、改進党の中曽根君から衆議院の予算委員会において、大臣が百万円もらつたんだという重大な発言をされておる。これは私は非常に重要なことだと思つて、その後大臣も、これは明らかに黒白をつける、それがために対決をするんだというような意味を言明されておつたようにも私は思つております。私はこの問題は、これに是非ともはつきりしてもらわければならん。特に我々運輸委員としましては、その担当大臣であるところの大臣に対してそういうような発言があつたということは非常に重大問題であると考えておる。それが中曽根君が懲罰にかかるということで、そうなればこの問題は明らかになるだろうという工合に私は考えておりましたが、どういう都合か、中曽根君の懲罰が取りやめになつた。そこで私は運輸大臣としてこういう問題についてどういう方法で以て黒白を明らかに国民の前に示されるおつもりなのか。これは我々一年生議員や、或いは何でもないものが、そういう百万円もらつたと言われた場合に、おれはもらつていませんで済むかも知れませんが、併しながらいやしくも国務大臣が、而も担当大臣が予算委員会において公然と、百万円もらつたと公言され、而も政治責任をかけて、或いは証拠もあるという工合に発言をされて、それで私は潔白である、そういうことはありませんというだけで、国民は納得するであろうか。そこで私が聞くことは、恐らくやはり大臣はそういうことはないと私は確信をしたいんですが、併しながら私はそういうことはないということを具体的に国民の前に明らかにしなければならんと思うのです。これは大臣のその問題に対して、これは私ばかりじやなくて全国民が、果して黒だろうか白だろうかという疑惑に包まれておる。従つて大臣はここで、どういう時期にどういう方法によつてみずから潔白であるということを国民の前に証明されるつもりなのか、その点について一つ明確にお聞かせ願いたいと思う。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 第一番の、二月頃にあなたにお会いしたときに、汚職に関連する会議とか、話合いをしたことはないと申上げたのは、その通りでございます。いつでありましたか中川の宴会に呼ばれたのは、これは招待状の来た御高話拝聴式のものでありまして、友だちが友だちを呼ぶような会と同じような意味で私どもそれに列席したのでございます。ここで何も造船問題とか利子補給問題とかいう、話のかけらも私は聞いたこともなければ、ただそこに行つて飯をよばれて帰つて来たというだけのこと、これは普通の付合いだと私は思つております。それ以上のことは何もなかつたのでございます。  それから第二の問題でありますが、これは私は、甚だ残念千万なる発言でありまして、当時お話のように断じてそういうことはないということを言うたのはその通りでございます。中曽根君がその後懲罰に付されることになつておりまして、私は私の名誉のためにも、そういうことでなお明らかになり、そうして自分というものがはつきりそこへ浮出される機会があれば大変結構だということを待ち望んでおりました。ところが自由党の動議によつてそれが取下げられたので、私自由党の党員として理窟なくこれに服せざるを得ぬ状態にあるわけでございます。私がそれではどうやつてこれを明らかにするかという方法は、これは今度外へ持出して訴訟をする方法もないのでございます。決闘するというわけにも行かないのでございます。どうするかと言えば、これを明らかにするのは、ただ法の裁きの……、今進行中の問題なんでございます。私に関係するかせんか、そこによつて余り遠くない機会にそこらがだんだんと明らかになつて来るだろう。私は、中曽根君の懲罰が取下げられたということと、私が潔白であるか潔白でないかという問題はおのずから別問題、片一方は懲罰の問題、私の身の潔白の問題は法の裁きの進行によつて明らかになる、こういうふうに思つております。私自身は飽くまで、そういう問題に何らの関係がないということをはつきり申上げる以外はないのであります。ないというものは、ない以上には証拠の出しようがないのでございます。これを私はどこでも申しておるわけでございます。私はそういう心境で時の経過を待つておるわけであります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 私は今大臣がそういう問題にかかわつておられるということの前提に立つて言つておるんではないんであつて、更にここは検察庁でも何でもないので、根掘り葉掘り私は承わろうとは考えておりません。ただ私は国務大臣という立場にある、而もそれが造船疑獄の中心的な存在であられるところの大臣が、ただ検察庁の裁きを待つておるということだけで済まされるかどうかということが非常に疑問に思われる。検察というものに、これはその事案法律乃至は規則に抵触するかしないかというだけを裁くのであつて、それ以外にやはり、たとえ法律にかからなくても、規則にかからなくても、道義上に引かかるものがたくさんあると私は思う。そこでこの大臣という地位にあられる方が。法の裁き云々とは別に、こういうように大きな問題の疑いをかけられておるということそれ自体が、このことの黒白は別にして、私は非常に重要な問題ではないか。で、最近何か運輸省において自殺をされた方もあるということが新聞にも出ておりましたが、私はそういうような中で、運輸大臣としての進退というか、或る責任を問われる点というか、そういうことは非常に私は大事だと思うんですが、やはり大臣しては、検察庁が法律的な裁きをするであろうからそれを待つあるのみだということだけで、一つも政治責任というものについてのお考えというものは、今のところ持つておられないのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私の今の黒白の問題についてでありまするから、司法上の、検察当局の発動を待つということを申上げたわけでございます。政治上の責任という問題になりますと、又おのずから異なることでありますが、私は今運輸省の上に黒雲が渦巻いておる状態であると思います。その中におきまして、運輸省の内外から煙が出ておるわけであります。ここで私の今の責任というものは、この黒雲を一日も早く取りのけて、明るい運輸省に戻すということが私の今の一番の責任だと、こういうふうに考えております。私自身はつまり、その心組を以て日夜努力いたしておるわけでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 確かに今問題の中心点が、次から次へ運輸省を中心に発展して行くので、その所管大臣であるところの石井運輸大臣の御苦心というもの、或いは心境というものもお察しするに余りがあるんですか、ただこの暗雲を取りのけて明朗な運輸省にすると、これが大事なところで、そうなつてもらわなければならんと思うのですが、その具体的な方法についてどういうような、一つの粛正、刷新、明朗化の具対策を持つておられるか、こういうことについてお伺いしたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 外のほうの運輸省の監督下にありまするいろいろな仕事があります。又これらと別に運輸省内でも問題を起しておる何人かの人があります。運輸省内の人たちの問題は司法当局において起訴された後に、運輸省内外を見渡しまして最も適正、最も公正なる人と思う人を選んで、それぞれの任につかしており、又人選をいたしておるわけでございます。又運輸省外のところに起つておる問題で、私どもの強い監督下にあるもの薄い監督下にあるものといろいろあるのであります。これらにつきましても如何なる方法によつてやるか、要は人の刷新問題だと私は思つております。これらの人事の刷新ということに力を入れて、その方途を今講じつつあるところもあり、又そこまで至つていないが考えに入れておるところもあるのでございます。これらによりまして順次立派な、運輸省内外のそれぞれの施設、それぞれの局部、これらの人事を刷新いたしまして、只今申上げました運輸省の内外の明朗を期して参りたいというふうに、人事の刷新を図りたいと考えております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 なかなか大臣にお尋ねする機会がないので、もう一言お伺いいたしますが、それで人事刷新、私はそれだつたと思うのです。そこで今運輸省の内外から起りつつあるところの問題、これについて二月十一日の私の質問に対する答弁によれば、そういう動きというものは全然知らなかつたと、そういう御答弁だつたと思つております。恐らく外部に起るああいう問題はお知りになられなかつたと思います。併しながら、大臣として知らなかつたからといつて、それによつて責任を免れるということもできないような気もします。で、この人事の刷新という方針をずつと見ておりますと、検察庁に引かかつて行く者は代えて、何らかの都合で引かかつて行かない者はそのまま置いておくというのは、私は本当の意味の人事の刷新ではないと思うのです。若し本当にそういう英断がおありになるとするならば、やはり首脳部の刷新ということを積極的に行われなければ、やはり民心の一新といいますか、人心というものは、国民全体を含んだ人心なんですが、人心の一新ということはなかなかできないような気がします。そこで私はこういうことを心配しておるのですが、運輸大臣みずからもやはりこういう問題についての人事の刷新、人心の一新ということについて、みずからの進退を賭けてというようなことも考えておられるかどうかということについても、最後にお伺いしておきたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 運輸省内外の人事の刷新というものは、今お話のような何か刷新するのに、刑事問題に引かかつた人、引かかつていない人ということだけではないのは当然でございます。全体を見渡しまして適当な時期に、適当な方法によつて全体を見渡して、いろいろ刷新すべきところが相当多いだろうということを信じております。まあそれらのことについて、十分いろいろ研究して用意いたしておきたいと思います。

岡田信次自由党

○岡田信次君 ちよつと官房長に聞きたいのですが、先ほど説明のあつた定員法の数字ですが、この中に定点観測船の移管に伴う運輸省の中の二百七十二人、その数字と同じ増が海上保安庁に二百七十二人ある。これは船並びに乗組員ごと気象台のほうから海上保安庁のほうに移つたと思うのですが、そうすると、これは運輸省の全体として考えて、定点観測より何というか、優先性を持つておる仕事が海上保安庁にあるものだと思うのですが、それはどういう仕事なんですか。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 定点観測の関係でございますが、定点観測に要しました人員が全部で四百四十二名であります。今度の業務縮小に伴いまして、船と一緒に海上保安庁に振替えたものが二百七十二人ございまして、気象台に存置いたしました南方定点観測に従事する観測員が四十七人ございまして、減少人員はこの関係で百二十三人であります。それで御質問の点でございますが、まあ気象台につきましては、今回の整理によりますと百二十六人整理をするということになりまして、まあ定員面からの問題でございますが、結局業務の減少を考慮に入れれば、気象台においてはほぼ実際の面からの整理がなかつたと、非常に何といいますか、おわかりにならないかも知れませんが、もう一度繰返しますと、この定点観測で、実際に減りました数が百二十三人、仕事の面として落ちましたのは百二十三人減つているのでございます。それから実際に全体的に今度の整理で落しましたのは、百二十六人でございますので、大体において仕事の縮小はなかつた、どこかふくらんだのじやないかというお話だろうと思いますが、その関係におきましては大体水害、ああいつたような仕事でまあ増員を要求いたしておりまして、そのほうも勘案いたしまして、特に気象台におきましては、我々も行政管理庁も整理を内輪にできるだけしたいという気持で、一般の各省からみますと、非常に少い整理の実数になつております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 いや、私が伺つているのは、とにかく気象台関係で、定点観測の二百七十二人が減つて、それと同数のものが海上保安庁に殖えているというのですが、やはり人間が殖えるからには、仕事の内容も伴わなければならないわけで、だから海上保安庁でこの二百二十七人殖える仕事のほうが、定点観測よりもプライオリテイを持つているのかどうか、そういう仕事はどういう仕事かということを伺つているのです。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 二百七十二人を海上保安庁に移した経緯でございますが、これは定員だけでは、先ほどからいろいろ御質疑がありましたように、定点観測の仕事ができないと思いまして、船がなければならない、その船がなかなか見通し難のために、南方定点だけやる場合には、一体どうしたらいいかという問題になつたわけでございますが、そういたしますと、現在の運輸省の業務面から見まして、海上保安庁のほうにつけて置いたほうがスムーズに行く、と申しますのは南方定点の関係は年間ずつと通してやるわけでございませんので、それを移して常時使つて頂いたほうが経済的であるという意味で、海上保安庁に移したわけであります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうしますと、定点観測の仕事を海上保安庁でやるということですか。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) その船を例えば動かすという面と、その船に乗りまして観測をするという面と、定点観測が二つ御承知の通りあるわけでありますが、動かすほうの定員につきましては、海上保安庁に移しまして、残りました四十七名の観測員を南方定点の関係で今度気象台に残しております。この人たちは南方定点の業務が始まると、そのほうの仕事に従事する、そういうふうになつております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうすると、この海上保安庁のほうで定点観測船の船そのもの、並びにそれに乗組んでいる人たちが行つちやつたのですが、その人たちは何をやるのですか。そのやる仕事が定点観測よりもつと重要なのかどうか。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 定点観測業務は、先ほども申上げましたように、半年やることになつておりますので、海上保安庁に移された方々は、その船の運航につきましては、半年定点観測業務に従事するわけでございますが、あとの半年につきましては、海上保安業務に従事をするというふうな人の使い方をするわけであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 ちよつと議事進行について。岡田さん、一言で済むということだから私は前から約束をしておつたので、それをやつてもらいたい。それで行政整理については私も質問たくさんございますから、一応やはりその因を極めて、そうしてそのほうでの意見になるのですから、それは決して反対ではないのですから、たくさんの質問もあるようですから、一つこのことはこれでやめておいてもらつて、国鉄総裁に緊急に聞きたいことがあるのですよ。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記をつけて下さい。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうすると、半年は海上保安庁で定点観測をやるというふうに了解していいのですね。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 海上保安庁の船の要員は、半年の間は定点観測の業務をやるということになつております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 もう一つ、この在外公館の在勤要員を一人減らしているのですが、これはどこを減らしたのですか。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) カナダのオタワに行つておりました在外要員を今回……、従来は運輸省職員として行つておつたのでありますが、これを外務省に定員をつけまして行くような恰好になりまして、私どもの定員から落して、外務省の身分を取得して行くことになつた、こういうことであります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 今日はこの問題に関しまして、私はもう質問ありません。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 ちよつと関連して一言だけ。さつきの説明の中でちよつと私は重要と思うことを聞いたのですが、この減員の中で、他の者は民間企業への就職を斡旋をするというふうな御方針のように承わつたのですか、従来こののことについて外郭団体と目されるようなものに押しつけて来る。その企業は、自分の会社では人員整理をしなければならんが、どうもこれをうんと言わないと工合が悪いからというので、非常に迷惑をしているようなこともあるようにも聞いているのですが、そういうことはやられんと思うのですが、民間企業へですね、斡旋というか、むしろ押しつけるというようなことは、ないと思うのですが、この点についての方針は如何ですか。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 仰せの通りでございまして、事の性質上お言葉のように押しつけるとい筋合いのものではないのでございまして、まあ御斡旋と申しましても、一つお願いを申上げて、民間企業のほうで受入れて頂いているものは民間企業で受入れて頂いているということでありまして、決して強制的にお願いをいたしているというようなことはございません。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 そういうことはないと思うのでが、従来しばしばそういう例を私は聞いたり、見たりしているので、特に今後こういうふうな、時期が時期でありますので、民間企業では相当人員的には苦んでいる時期だと思いますので、いわゆる上から強引に押しつけて行くというようなことのないように今後十分注意して頂きたい。この点だけ御要望申上げておきます。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 先ほど御説明を申上げましたように、今回の整理は、前二十四年、二十六年の整理に比べますと、まあ相当緩やかといいますと、お叱りを受けるかも知れませんが、数の面におきましては従来よりも少いということが一つありますのと、それから特別待命制度、或いは退職金というものが今度相当多くなつておりますので、実は我々も意外だと思うほどたくさんの方々の御希望があるのでございまして、今先ほども申上げましたように、まあ大体現在の情勢では、そう無理に拡げるということは、非常に言葉が悪いようでありますが、そういうふうにしなくても、大体自然減耗を待つ程度でも、少くとも二十九年の整理につきましては、そう支障なく行き得るのではないかという現在の見通しは持つております。それで今のお言葉のように、民間団体がいやであるというなら、無理に押しつけるというようなことは、勿論やらないように下部の機関にも言つておりますのでございます。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) それでは定員法の問題については、まだ大分質疑が残つておるようでありますが、次回にこれを続行することにいたしまして、本日はこの程度に止めます。   —————————————

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 次に、国有鉄道の運営に関する件を議題といたします。  大和君から質疑の通告がございますので、これを許可いたします。出席の説明員、政府委員等は、国有鉄道総裁、石井経理局長、井上職員局長、吾孫子厚生局長、唐沢営業局長、鵜沢法務課長、労働省から、労働基準局長と、それから労働法規課長が出席いたしておりましたが、今ちよつと中座いたしております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 国鉄総裁にお尋ねをいたしますが、青森県の野辺地駅構内にアメリカの軍用機が墜落をした、こういうふうなことがございましたが、その後の具体的な措置といいますか、それの概要を先ず先に承わりたいと思います。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 鵜沢説明員から……。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) お答えいたします。三月の十五日に野辺地駅で進駐軍のジエツト機が墜落いたしまして、そのために職員が八名、それから線路五十三メートル、ホーム七十メートル、それから電力関係の電柱三本、それから電線千二百メートル、それから通信関係におきまして、電柱一本、それから電線二百メートル、それから貨車が三輌、それから保線区の建物一棟、駅長の官舎が小懐いたしました。こういう事件がございました。これにつきまして国有鉄道といたしましては、職員につきましては公傷扱いといたしまして、その治療を国鉄で一応持ちまして、今のところ一人だけまだ通院加療中でございます。それから建物並びに施設に対する損害は、急速に今損害額を調査いたしまして、大体の目の子でございますけれども、六百三十万円くらい施設については損害を国有鉄道ではこうむつた、こういう計算をいたしまして、近日中に調達庁の八戸の出張所を介しまして国に請求いたします、こういう所存でございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 この職員或いは家族の医療費は全額を勿論まあ出されるし、又米軍に慰藉料を請求する。こういうふうなお考えがあるか。或いはあればそれはどの程度のことをお考えか。直接的な医療費の全額、これは当り前だと思いますが……。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) 職員の家族につきましては、これは国有鉄道が請求権の主体になることは現行法上不可能でございます。さればといつてこれを国有鉄道は知らん顔をしておるわけではございませんで、一応駅長さんのやはり息子さんなんかが怪我をされた、それで国有鉄道ではこういうふうに調達庁を介して国に請求できるのだ、それで治療費などがどのくらいかかつたか、それについてはこういう手続ができるのだ、こういう指導を目下いたしております。それから職員に対する慰藉料、こういう御質問でございますけれども、これができるかできないか問題がございまして、国有鉄道といたしましては、公傷扱いをいたしましてそれに要じた費用、療養費、それから障害費、休業補償、こういうようなものは職員が怪我をした、それによつて国有鉄道がそれだけの費用がかかつた、それは請求いたしますけれども、それ以外に職員固有において精神上の慰藉料がある、こういう場合におきますと、これは国有鉄道が直接職員に払つた損害額でございまして、職員自体に請求権が発生しておるのではなかろうか。そういう場合につきまして、若しも職員がそういう請求をしよう、こういうのでしたら便宜こういう手続でこういう方法ならば書類は出せる、こういう指導をしたい、かよう考えております

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 行政協定の十八条の三項の(b)ですね、「日本国は、前記のいかなる請求も解決することができる、」こういうふうなことが条文にありますが、今おつしやつた直接的な医療費の全額、これは当り前だと思うのですが、それ以外の当然慰藉料をも国鉄として請求をすることができると思うのですが、その辺如何でしようか。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) 国鉄ではその職員が業務執行上怪我をして、それが国有鉄道自体の原因でありましようと、それから進駐軍の、本件のような原因によりましようと、国有鉄道が職員、に払つた、若しくはそういう事故がなかりせばこういう損害をこうむらなかつた、この限度においてのみ行政協定の今言われました十八条の第三項の(a)、(b)によつて請求権があると、かように考えておりまして、国有鉄道が職員に払わなかつた精神上の慰藉料、こういうようなものを国有鉄道自体が日本国政府に請求するということは、行政協定の十八条の三項の(a)乃至(b)だけでは出て来ないのではなかろうか、かように考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 日本国政府に要求するのではなくて、アメリカに要求をする、こういうふうな考え方に立つてできるのじやないかと思いますが、如何でしようか。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) 一応この行政協定十八条三項は、日本政府に請求をいたしまして、あとの内部関係においてその負担はおのおの半額を持つ、こういうふうになつておりまして、一応行政協定十八条の解釈からは、一般の国民は日本の政府に請求する、こういうふうにこの法律はなつておるのではなかろうか、かように思つております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 その政府を通して、アメリカの軍用機が落ちて、こういうふうな職員なりその家族が非常に負傷した、こういうものに対する精神的といいますか、そういう慰藉料を請求する、こういう考え方に立たれないのですか。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) 個人が若しも国有鉄道から払つてもらいました医療費なり、或いは休業損害なり、それ以上に損害をこうむつた精神上のそれに伴う請求権が発生しておる、こういうのでしたら十八条の三項の(a)で、個人が請求できることは勿論だと思つております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 鉄道施設の損害は今調査中だと言われましたが、これは勿論全額を負担させる、こういう考えで調査をしておられるわけですか。

鵜沢勝義日本国有鉄道総裁室法務課長

○説明員(鵜沢勝義君) 勿論そうでございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうでないと独立採算という立場からいつて、自分の力で自分がこれを負担しなくちやいかん、そうなると当然労働強化、こういうふうな問題が起りますので、そういう点は十二分に一つ考えて遺漏のないようにお願いをしたいと思います。それからもう一つ、再びこういう事件を発生せしめないように努力をしてもらうというか、そういうことについてはどのような要求をなさるおつもりであるか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) その点につきましては無論できるだけの予防措置を講じてもらいたいと思つております。併しながら日本国有鉄道が直接向う側にそういうことを言えるかどうかという点については、私は大いに問題があると思いますので、政府を通じまして、政府からそういう万全の措置をとつてもらうように極力話してもらう、そういうような努力をしたいと思つております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 現在の飛行場とそれから駅との配置関係からいつて、当然又起るかも知れんこういうふうな危険なり、或いはそういうふうな虞があると思つておられるか、或いはそういうふうなことが考えられるか、若しあるとすれば、それは具体的にこれを直して行くということが今総裁がおつしやつたことになると思うので、そういうことを認めておられますか。幾つかの事例或いは幾つかの発生するかも知れん虞れのある状態、こういうことを認めておられますか。

兼松学日本国有鉄道総裁室外務部長

○説明員(兼松学君) 只今御質問の点につきまして、第一の点につきましては、総裁がすでにお答えしましたほかに、更に日米合同委員会にすでに正式に、特に演習場は注意してくれるようにということを合同委員会を通じて正式に外務省から向う側にも言つて頂いております。当該部隊のほうは誠に恐縮であるという意味で、現地部隊長から国鉄宛に恐縮の意を表しております。何しろ事故でありますから、今後絶対にないということを保証しろということも、私たちも常識的にはどうかと考えますが、できるだけないように最善の努力をすることについては向う側も確約をしております。それから類似の事例が起り得る場所につきましては、日本海の米子の地区に飛行場が一つあります。ここが実は元の旧軍の飛行場でありましたのを米軍が使用いたしましたのです。駅の構内に割に近い所に着発いたしますために、実は、若し今後更に使用が続くならば、何か駅を移設するなり、或いは安全装置を付けるか、どちらかをしてくれということを両方に今話して要求したのであります。それに対しまして日本政府側から米軍側にその使用の状況を聞きましたところ、今後そこをそう多く使用する予定がないから、今のところ特に移設されるには及ばないだろう。そういつたような演習その他に使わないというような話がありまして、そこのところの措置はまだ政府でとられておりませんが、若し今後更に駅に近接して航空機が常時飛ばなければならないというような事情にある場合には、防衛費の支出をしてもらつて、適切なる駅の一部移設なり、防護措置なり何かしてもらわなければならないと思つて状況を見守つておる次第であります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今のお話の米子の現地を私も知つております。まさに駅に直角に米軍の飛行機が上つたり、下つたり、家に危険な状態にある。今のお話では政府が米軍に相談をしたら、向うは、そんなに使わないからいいだろうこういうようなお話でありましたが、それは積極的に、こういう事件も起つたのだから、この際全国的に何百カ所という軍事基地もあるし、いろいろと駅と飛行場との関係もありますから、そういう点を一つ詳細にお調べになつて、やはりそういうことは積極的に国鉄自体が直して行く、こういうふうなお考えを具体的におとりになる考えはございませんか。

兼松学日本国有鉄道総裁室外務部長

○説明員(兼松学君) 国鉄自体でそういう経費を出しますことは、私どものほうとしては如何かと考えられますが、個々の事態を調べて、危い所は是非防衛費のほうで出してもらつて、必要な措置を講じてもらうということで、他の事例も調べておりまして、これは防衛費の支出になりますと、大蔵省その他いろいろの関係もございますので、私どものほうから決定的なことを申上げる段階でございませんが、御趣旨に沿うような努力はできるだけいたしてもおりますし、今後もいたしたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 その危険と思われる場所は何カ所くらいありますか。今例えば米子の例を引かれましたが、そのほかこちらでお調べになつて、すでに御承知になつているのはどのくらい、こういうふうなお答えができればお願いいたしたいと思います。大体でよろしうございますから。

兼松学日本国有鉄道総裁室外務部長

○説明員(兼松学君) 現在のところ判明しておりますものは、日本海のいわゆる米子の美保の飛行場と申しております米子の飛行場、これが唯一の例でございますが、ほかに今後調べましてあるようならば御報告いたしたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうすると全国で僅か一カ所だ、こういうふうにお話になると大変安心したい気もしますが、どうもそうでもないような気がしますから、その点はもつとお調べを頂きたいと思います。  それから今金国鉄自体に金がないから防衛費で出す。こういうようなお話は、出す個所はどこでもいいのだから、そういうことを言つておつて、事人命に関することが起つたら手遅れなんだから、その点は一つそういうことを言わないで必ずやる、こういうことを言明してもらつて、あとの金の出す所はどこどこだ、こういうように一つはつきりとお答えを頂かないと、又こういうような事件が起つたら、そのとき言われたじやないか、はつきりとこういう結果が出るわけでありますから、あなたは金の関係じやないが、必ずやらなくちやいかんことは何としても国鉄の予算を通し、大蔵省に折衡する、こういうことを毅然とした態度で、事人命に関する、或いは不測の災いを未然に防ぐということもあるのだから、そういう態度でやつてもらいたい。それに対してはつきり言明して頂きたい。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 無論人命に関する問題でございますので、できるだけ、費用の負担はどういうようになりますか。私はやはり兼松君の言つたように、国鉄が負担して行くべきものじやないので、一時立替えるということは格別としましても、これはやはり防衛の関係から来たものでございますから、そつちのほうで負担するのが当然でございますが、併し人命に関することで、その負担をどうするかという問題と別個に、駅の改善について早急にやらなければいかん問題だと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今の負担との問題も、危険度の問題が大事なのだから、危険度の順位が、一番危険と思われる、危いと思われる所は積極的にやつてもらう、こういうようにやつて頂きたいと思います。  それから次は、三月の十五日だと思いますが、国鉄の組合の熊本地方本部で、電務区で休暇戦術といいますか、そういう戦術をとつた。そのときに電務区長に対していろいろと陳情なり折衝なりをしたらしいのですが、それを警察官か誰かが非常に、暴力を加えたとははつきり言つていない。ただ非常に畏怖せしめた、こういうふうな程度のことで、熊本の地方本部四人、大牟田の支部では三名、八代の支部では二名、熊本の支部では一名計十名の者が起訴をされるといつて、そうしてそれが三月十七日に一回、四月五日に二回も取調べを受けている、こういうふうなことを聞きましたが、御存じですか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) 実はそのお話今初めて伺いますが、調べまして後ほど御報告申上げたいと思います。実は初耳なのでございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 初耳であつても事実こういうことがあつたと思われます。そうすると、例えば総裁が年末闘争以降の最終段階の団体交渉で、今までの闘争についてはすべてピリオドを打つた、こういうことを言われたことを覚えております。それよりも事態としては極めてささやかな、極めて合法的な当り前のことをやつたわけなんですが、若しもこの警察あたりでそういう要らんことを従事員に対してやつているという事実があつた場合に、それに対してはどのようなお考えでこれに対して行こうと思われるか、こういうことをお尋ねしたい。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) あの電務区の場合には全国的に休暇闘争が行なわれましたが、幸いにしまして大した障害なしに済んだのでありまして、個々的な地方々々で余りトラブルのあつた話も聞いておりません。ただ今お話のありましたようなことが若し不法行為の形で現われました場合には、これは我我の判断する別の関係の判断と思いますので、その点は事情をもう少し調べまして御報告申上げたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 個人的な刑事事件、こういうふうな極めてはつきりした性格のものは、これは一応別問題といたしたいと思うのですが、地方本部なり、支部なりの人が十人も何とかかとか調べられるのは、或いは指令とか、指令権の問題とか、その他のことをいろいろ調べるんじやないかと思います。そうすると労使間の紛争ではないけれども、明らかに国鉄の組合運動、或いは従事員としての組合運動の問題だから、これを積極的に一つ総裁のほうでも解決をするということに御尽力といいますか、御関与を頂きたいと思います。  それから次は経営委員会のことについてお尋ねしたいと思うのですが、「経営委員会は、日本国有鉄道の業務の運営に関する重要事項を決定する」とありますが、これは一体国有鉄道とどういうふうに密接な常時連絡なりをしておられるか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 昨年でありましたか、この日本国有鉄道法を変える際にいろいろ研究を尽したのであります。従来の監理委員会というのはいわゆる指導統制とかいうような漠然たる抽象的な言葉が書いてありましたので、それでははつきりしないのじやないかといういろいろな議論もございましたし、又電電公社等の経営委員会についても、今度の国鉄の経営委員会とほぼ同一のようなことが書いてございます。つまり付議いたしまする事項を第二項に明確にいたしてございます。これらの予算なり或いは決算なり或いは借入金というようなことを計画する場合においては、必ず経営委員会の議決を経なければならん。その意思決定によつてきまるということになります。無論その上に法律上、運輸大臣の認可或いは大蔵大臣の承認、国会の承認というものは条件になるわけでありますが、今度は非常に付議事項が明確になつたという点について、以前とはよほど違います。なおそれじや経営委員会はどんなことをやつているかと申しますと、これは毎週一回必ず集まつて頂きまして、非常に大きな支障のない限りは集まつて頂いて、この事項以外に重要な事項についていろいろ御意見も伺い、又決議して頂く、つまり五の「その他経営委員会が特に必要と認めた事項」というのは、これは意思決定が要るのでございますから、それに付議してやつておるような次第でございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 「その他経営委員会が特に必要と認めた事項」というのは、前の法律にあつた指導統制をする権限と責任、こういうような内容をも勿論含んでおるものと思われますが、如何でありますか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) この事項につきましては、できるだけ、内規的でございますけれども、私としましては、経営委員会と相談をして具体的にきめて行きたい。余り漠然たる抽象論ではいけないと考えておりますので、例えば理事の任免ですとかいうようなこと、これはまあ決議は要らないのですが、併しこういうこともやはり重要なる経営上の問題でございますので、そういうものも御相談するというふうに具体的にやつておるつもりでございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 経営委員会は、具体的な問題と言われますが、勿論具体的な問題もやるのだけれども、経営委員会の性格からすれば、国鉄全体の経営の合理化或いは収入を多くするとか、こういうふうなやはり経営の健全化というか、そういうことが一番大きな眼目でなければいけないと思うわけです。その点は御意見ありませんか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) そういう意味合いにおきまして、二項に予算であるとか、或いは事業計画それから資金の計画、決算、長期の借入金、鉄道債券の発行、債券、借入金の償還計画であるとかというふうな、つまりいわゆる経営上重要なる事項、能率の増進、合理化或いは収支の適合というようなことについての、最も重要な事項を相談し、その決定によつて我々は動いておるわけであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 ところがこういうような書き方をすると、逆に少し中心というか、大局的にぼけているという見方もあると思うのです。経営委員会が楯の反面というか、もつと経営全体で一番大事なことは一つはやはり労働組合に対する労使の紛議の解決というか、こういうようなことも当然織込まれて来なくちやならん。ところが今の経営委員会、今までの監理委員会というものは、そういうことについては殆んど無頓着で一遍も顔を見せたこともないし、私なんかも会いに行つたこともあるけれども、その委員長あたりでも学働組合から来れば大変面倒くさがるというような実例もございましたが、一体経営委員会の諸公は労働問題について十分なるというのではなくてもいいけれども、適正なる理解なり、常識を持つておられるか。そういうことを確信を持つて総裁は言明できるか、御答弁願いたいと思います。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) これはまあ経営委員会の何といいますか、力と申しますか、そういう点の批判になるわけでございますので、私としては申上げたくないのであります。但し全然そういう問題に関心なくして予算或いは事業計画というようなものは私は立たない、やはりそれについては、人的な要素というものが経営の上に非常に重要な要素でございますので、それらについての私は御理解なり或いは理解しようとされる努力というものは十分あると考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 先ほども具体的な問題について、特に経営委員会が重点的にやつて頂くと、こういうふうなお話もございましたが、それでは例えば仲裁委員会の裁定の実施或いは年末手当の問題の解決、こういうことは最も具体的な当時問題であつたと思います。それについて経営委員会が何かそういうことを総裁をお呼びになつて、どうなつているかと、こういうふうな積極的な質問なり或いはそういうふうな会議なりを常時お持ちになつたかというと、私は寡聞にして殆んど知らないのでございますが、ただその委員長なりと個人的に会つて話をしたと、そんないい加減なことではなくて、もつと経営委員会はそういう具体的な問題については積極的にどのような措置をしたか、そういうことは全然せんでいいのか、性格的にそういうことはしないのが当り前かと、こういうことまでお答えを頂きたいと思います。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 無論そういうことについても大綱的な御相談はいたしております。併しその実行というものは、これは私の責任でございまして、意思の決定はなさるけれども、実施は私がしなければならんという意味合いにおいて、経営委員会自体がいろいろ組合と交渉するというようなものでは私はないと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 経営委員会自体が組合と交渉するというのではなくして、それはまあ飽くまでも国鉄総裁を通じてでよろしいのでございますけれども、実際それでは総裁に、積極的に具体的の問題の解決のために、ただ当局だけの一方的な言い分を聞いただけでは、こんなものは公正な国鉄全体の労使の紛争、紛議の解決にはならない。当然これは意思をきめるためにも、これは経営委員会として組合の人を呼んで聞くと、こういうことがあつても差支えないと思うのだが、そういうことはあつていけないというふうにお考えになつているのか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) それは経営委員会のお考えできまることであります。併し法律の上から申しますと、私は何もそこまで行くものではなくて、そういう実行上の団体交渉というようなものについては、これは総裁に任せておいてもいいんじやないか。但し国鉄全体として見てどういう方向に行くべきかというふうな大きな点についての指示というものがあれば、それでいいのじやないかと考えます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 その大きな意味の指示というものが具体的にあつたか。去年も、今年もまああつたわけですが、監理委員会が経営委員会に変つたけれども、ちやんとそういうものが存在しておつた。私の言いたいのは、そうすると経営委員会のスタツフにそういうような問題、労働問題なんかについてもう少しわかつた人も入つていなければいけないのじやないかと、こういうふうに考えても間違いはなかろう、こういうふうな考え方から具体的にその意思をきめるのに、それについて総裁に対してしよつちゆうどうだというようなことを聞いて、それでその上で意思をきめたと……、組合に対して全然委員長とも会つたこともない、こんなことでは公正な意思すらも決定できないのじやないか、こういう意味で御質問しているわけです。それは如何ですか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) これは何も、団体交渉というようなことでございますと、実行上の問題でございますので、そう細かいところまでは私は経営委員会にお話してもいないし、又経営委員会から指示を受けたこともございません。けれどもどういう方向に行くべきかというようなことについては、常に話もしておりまするし、又一般世間の空気その他もいろいろと指示して頂いているわけであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 どうもその点が、国鉄の労使ともに鎬を削つてというよりも、骨身をやつして本当に真剣に取つ組んで仲裁委員会の裁定なり、或いは年末手当の交渉をしている、こういうちやんと具体的な事実があるのです。それに対して余り薄情だ、まあ無能とまでは言いませんけれども、もつとああいうような大問題、社会的な問題、国家的な問題にまで大きく発展して新聞紙上を騒がしておるときに、一体経営委員会は何もしていないのじやないかと、極論すればこういう言い方もできるのじやないか。どうしてもこの辺で経営委員会も全部変つてもらうと同時に、金儲けとか、そういうことは冗談にしても大変お上手なんだけれども、どうも国鉄に対してお座なりの役目を持つているのじやないかと、こういう心配があるのです。それからこの経営委員会の性格そのものの姿というものは、もつと積極性のあるものじやなければいがんだろう、そういう意味で経営委員会が非常に適正にその職責をやつておるかということに対してまあ疑問を持つのですが、総裁としてその辺は今までの、過去の実績に照してどのようにお考えになられるか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 大和委員の只今の御意見は、立法上の御意見として私は慎しんで拝承いたしますが、今日の法律の面においては、そういうふうにはできておりません。けれども将来の問題として十分参考として聞いて行きたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 次に、国鉄職員の場合と申しますか、賃金の上昇に比較して幹部職の給与が非常にお手盛りで多過ぎると、こういうふうなことを考えられるのですが、これについては例えば大蔵省でも文句を言つておる。或いは運輸省でもにがい顔をしておる、こういうふうな実情ではないかと思いますが、その点はどのようにお考えになつておられるか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) 職員の給与の点につきましてはいろいろ御批判もあると思うのであります。で、国鉄の職員の給与の会計が現在三つに分れております。先ず第一に、指定職と申しますか、課長以上、副課長も入れまして課長以上、それから駅長とか、区長とかいう管理職、それから一般と、この三つに大別されておるわけであります。そういうお話もございましようが、いろいろ指定職につきましては、超過勤務手当というものを外しておりまして、無定量勤務にいたしておるわけであります。そのために若干超過勤務を本給に繰込んだということで一般よりも高くなつておりますが、併し最近公務員あたりの給与もいろいろ、そういうランクにつきましてはいろいろの調整が行われておるようでありまして、ほぼ似通つたところに参つているのじやないかと、こういうふうに考えられると思います。それからもう一つ、御承知のように国鉄のそういう指定職になつております分野の中には、相当勤務年数の長い人がございます。鉄道在職三十年、四十年という勤続年数の長い連中がおりますので、勢い年功からいいましても高くならざるを得ない、こういう条件はあると思うのです。  それから二番目の駅長、助役を中心としましたいわゆる管理職、この点につきましては、現在決して高くないのじやないか、こういうふうに考えられるのであります。御承知のようにここも勤続年数としては相当長いランクでありますけれども、昔に比べまして決して優遇されておるとは我々考えていないのであります。全体的に給与の点につきましては、いろいろ御批判があると思いますが、全般的にいつて国鉄の職員の給与が決して高いという結論にはならないと思います。駅長、助役級の管理職におきましても、昔に比べまして決していい給料ではない、こう申上げたいのであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今日のベース・アツプで職員が僅か五百三十三円ということですが、幹部職はどういうふうにして、おられるのですか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) 今の五百三十三円……。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今度のベース・アツプの……。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) 一人頭のべス・アツプですか、あの五百三十三円、その今申しました指定職につきましては、今回のベース・アツプにおきまして、最上級のほうにはベース・アツプをいたしておりません。中間の、指定職のうちの真中どころから下はやつておりますが、最上級のものについては今回のベース・アツプはいたしておりません。そうしますと大体その刻みが千円くらいと思いますので、二千円くらいのベース・アツプになつておると思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 総裁にお尋ねしますが、いろいろと世間から国鉄の問題について指弾を受ける、或いは疑いを受ける、こういうことが新聞紙上に出ておるのですが、今でも本庁なり地方局の幹部の方がよそに行きますと、マージヤンの付合いをさせられたり或いは饗応といいますか、そう豪華なものではないが、こういうふうなものが出張の際に行われておるようにお見受けされておるのですが、そういうことは実際にあるのか、或いはそういうことをさせられて、今度は現場の人たちは金の出場がないから、駅長さんも非常に困つておるということは我々も今日までよく見て来た事実なんですが、そういうことは御承知になつておりますか。或いは又今後そういうことに対してどういうような強く反省をして頂けるか、こういうことです。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 私もうすでに二年になりましたので、いろいろそのようなこともわかつて来たんでありますが、世間で往々にして今大和委員の申されましたようなことを噂に聞くのであります。昨年からいろいろな批判もありましたそれらにも鑑みまして、過日の総支配人会議の席上で、私は公生活の刷新運動というものをやりたい、そして只今御指摘のような事項をなくして行くという方向に上下一致して進んで行こうじやないかということで、今その運動を展開するつもりでおります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 先般幹部のへの一部の異動がございましたが、その具体的な異動を取上げたことは、衆議院の決算委員会あたりで鉄道会館などを審議したことがいろいろ論議され決議をされました。そういうことを一番大きな理由として幹部級の異動があつたのかどうか、お尋ねいたします。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 御承知のように日本国有鉄道ができましてから、もうすでに四年に垂々といたしております。その間当初かずつと同一個所で局長をやつておつたというふうな方々のやはり何と申しますか、これはまあ同じ所に長く十年も五年も置いたらいいじやないかというお説もございますが、やはり今の段階ではそういうことが非常にむずかしいので、多少人心を新たにする意味とでも申しますか、そうい意味で異動を行いたいということは考えておつたのであります。たまたま国会等においてのいろいろな論議の跡等にも鑑みまして、これはやはり速かに人心の一新と申しますか、もう少し新らしい気持で皆が動けるようにするというために、やはり居を移すとか或いは職を変えてみるとかいうことも一つの段階ではないかと考えて行なつたわけでございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 一般的な異動のことではなくて、例えば職員局長、経理局長施設局長、こういうような方が取りあえず先に異動いたしましたその具体的事実について、一般的な要素を勿論含んでおられるかと思いますが、やはりこれは何といつても鉄道会館問題その他国会で論議されことが、やはり或る程度相当の要素になつて、そういうことの措置をなさつたのかどうか、そういうのは全然関係がないのだ、全然といつてもゼロではないでしようが、その辺の考え方の基準といいますか、お聞きしたい。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 只今も申上げましたように、実は気持を新たにして行こうというような意味で人事を変えなければならんじやないかと思つておつた矢先にいろいろな御批判も受けたのでございます。従いまして、両方の意味があり、その際気持を新たにして、そうして新らしい考え方で進んで行くということも私は極めて必要なことであると考えましたので、人事の異動を行なつた次第であります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 年末闘争を通じて組合の幹部級に対して犠牲者を出す、こういうことになりましたが、今いつた幹部の異動ということは、組合の連中を首切つた、そういうふうなことを考えてやつたことでは全くない、こういうふうにお答えになさるかどうか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) ちよつと御質問の意味が私呑み込めませんのですが……。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 それじや補足しますが、本来首なんか切りたいのではない、併し法律があるから止むを得ず一方的に組合側だけ首を切つちやつた、そうして当局のほうは何でもないという、良心の問題は別として……、こういう恰好になつたわけですが、これに対して幹部級の異動をされたということは、組合に対するそういう心もとないことでやつたのだからという気持を含ませておるのであるか、全然そういうことは別問題だと、こういうふうにおつしやるかということです。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 解雇問題があつたからどうというようなことは私は実は考えておらなかつたので、その以前にもう早く異動を行いたいと思つておつた次第でありますが、併しいいことは早くやれということもございますが、まあ多少延びてもしようがないと考えまして、二段に分けたりいろいろなことをしてやつた次第でありまして、闘争、それに引続く解雇というような問題に関連さしては私は考えておらなかつたのであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 それでは、組合のほうで最近不信任投票というのを全組合員に要求しております。これに対してぼつぼつと投票の結果が集まつて参りましたが、それに対しては総裁はどのようなお考えをお持ちになつておられるか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 只今の御質問は私に対する不信任の問題ではないかと思います。併しながら私の進退は、おのずから政府なり、或いは国会なり、或いは経営委員会なりというものが、この日本国有鉄道法にきめられてございます。それによつて私の進退はきまるものと考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 国鉄の職員の多数の人が総裁適任じやない、これはないことは何も理由がなくて勿論そんなことを言うのじやなくて、公労法の法律の不備もあるし、又年末闘争に対する当局の一方的なと申しますか、首切り、こういうことに対する憤りなりがあると思うのですが、そういうようなことが過半数くらいは集まつても、別にそれは意とするに足らんと、こういうふうな御心境をお持ちになつておられるか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 私の進退は私一人の考えだけではできません。先ほども申上げましたように、経営委員会なり或いは政府なり、おのずから見るところで又御覧になる。そうして如何にも不適任だということになれば解任になると私は考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 その場合にもさつきお尋ねしましたように、経営委員会がそれじやそういう問題を組合から出された、或いは組合でなされつつある事実に対してちつとも触れもしない、聞きもしない、そうして組合の真意もわからないで一体こういうことがいいとか悪いとか、こういうことをきめることができるとお考えになりますか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) それはおのずからやはりわかつて来るのじやないかと思います。或いは経営委員会が組合の職員の声でありますかを聞いてみるということも考えられないことはありませんが、それはそのときの場合によつておのずからきまるのじやないかと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 総裁としては今まで不法不正は自分としてはない、だから残つた問題は従事員たる組合員の動向がどうであつても、自分としてはそういうことには全然関知するところではない、こういうふうな御心境だと思いますが、それで……。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) これはまあ不信任とか何とかいうことは、どういう理由でやつておられるのか我々ははつきり知らんのですが、恐らく理由を挙げておつしやるだろうと思います。それらの場合はそれをどう考えるべきか、まだはつきりしないものに対して私の考え方をきめろと言われても何とも申上げかねます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 例えば私は国鉄の委員長であつたときに、四十万の組合員の総意によつて委員長になつておつた。私個人は勿論悪いことをしない。併し組合運動の全体の中でいろいろな問題が起つたときに、その組合の品位をけがす、或いは組合自体に非常な重大な問題が起つて来る、こういうときに私はその全責任者として、ただ役員として人が雇われたとか、選ばれたということもありますけれども、良心的にというか、道義的にというか、そういうふうな心境で私は処置をしたいと思つて来ました。それと同じように、総裁なり大臣なり総理大臣なりというものは、政治家であつてもやはりそれがそれぞれの一つの責任者である場合には、それはやつぱり出所進退というか、これに対する人間としての対決というか、ということについては十分にこれは考えなければならん点もあるのじやないかと思いますが、併しこれは決して総裁に対してやめろというようなことを言つておるものではない。もつと大局的に、人間としての総裁の心境を聞かして頂きたい、こういう気持で質問しておるわけですが、本当にその全国鉄職員の信頼の上に立つてやつて頂きたいということを切望する余り、若しそれが本当に全く職員の気持が離れておるというようなことが仮にあると、これは大変なことなんです。そういう点を十分にお考え頂いてもらいたい、こういうふうに考えるわけです。  それから次は、非現業の昇進の基準に関する暫定協定というようなものが当局と組合とあると思いますが、大学を出た方が非常に昇進早いというようなことが事実あるようです。例えば昭和二十六年に出た人がもう副参事になつている、こういうような事実もあるのではないかと思うのですが、これは協定に違反しているというふうなことにならんかと思いますが、その点はどういうようにお考えになりますか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) その連中は最近は一年間みつちりと教習所へ入れまして、勉学と実地見学をさしておりますが、今大和委員のお話になりましたような、そんなに早い昇進はないのでありまして、二十六年というのはお間違いじやないかと思います。私の記憶しておりますのは二十四年だと思います。二十四年と五年の一部が……。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうしますと暫定協定に違反している、そういうことはしていない、こういうふうにはつきりとおつしやることができるわけですか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) には違反しておらないつもりでおります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 その他この学校出の方方に特別に便宜といいますか、どんどん早く上つて行く、こういうふうな特別の扱いをしているのではないかというような心配をするのですが、そういう点はございませんですか。

井上正忠日本国有鉄道職員局長

○説明員(井上正忠君) 御承知のように大きな組織でありますので、就職後数年のそういう若い人たちに特別な抜擢というものはなかなかできにくい組織になつております。現在今お話のような抜摺、特別な、入つた翌る年とか二年あととかいうような抜摺はいたしておりません。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 それでは営業局長にお尋ねいたしますが、団体旅客の募集について、わざわざ職員が一生懸命募集をして集めたやつを、交通公社にやらせる、こういうふうなことをやつておるのですが、これに対して何か改革するお考えはございませんか。

唐沢勲日本国有鉄道営業局長

○説明員(唐沢勲君) 団体募集につきましては、戦後も増収を図る目的で少し国鉄が、主催、或いは他の団体と共同で主催してやつたこともありますが、御承知のように輸送力が非常に逼迫しておりまして、折角国鉄が募集しました団体も、満足に運ぶこともできないというような事情になりましたので、二十六年ですか、からはやめておるわけでございまして、目下の輸送状況では国鉄が主催、又は他の団体と共同でやるという考えは持つておらないのでございます。ただ一方何とか増収を図りたいということは、国鉄全体の気持でございますので、少しでも輸送力をフルに働かせるということについては、現場の皆さんも非常に一生懸命やつておられることと思います。その結果国鉄が団体募集をしておるというところまで行かないにしても、よそのところで募集をしておる場合に、或いはそのお手伝いをするとか、或いは頼まれて知合いの人を勧誘するということもあるかと思いますが、国鉄自体としてこういうことを進める、或いは国鉄自体として団体募集をするという段階には今のところないと思います。従いまして仮に私どもとして今お話のありました交通公社、或いは他の団体のお手伝いをするというようなことがございましても、それは何といいましてもお手伝い、或いは応援という程度であると思いますし、又積極的に職務に支障を来たしてまでそういうことをしておるようなことがあるとすれば、それはむしろ困つたことであると思いますので、その点はよく事情を調べまして対処したいと考えます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 これは全国各駅でもあることですから、相当実情はわかつておると思うのでありますが、例えば添乗した者が旅費を払つておるとかおらないとか、或いはそういうことを世話したら駅長さんのところだけお礼が来るとかというような事例がざらにあるのです、実際によく知つておるのですが。それから国鉄自体が、職員でもいいが、募集をするというような段階にないとおつしやつたのですが、そういうふうにきめてしまえば、万事解決すると思うのですが、まだそこまで至らないということですが、もう少し御説明願いたいと思います。そういうふうに国鉄職員が団体募集してもいいということを、規定というか、きめればその通りにしたらいいと思う。今のところは余力を以て協力しておる。そのお手伝いがなかなかそんなにきれいなお手伝いにならんのですし、相当やつぱり無理をして行くことにもなるし、悪い例ですけれども、リベートがあつて、それがどこか親玉のところにだけ返つて来る。こういうことはつまらんことでも、あるというようなことになると困ると思うのですが、この点はどういうふうにお考えですか。

唐沢勲日本国有鉄道営業局長

○説明員(唐沢勲君) 今のお話で、国鉄、即ち国で団体募集をするということにしたらどうかというお説でございまして、そういうことまでするだけの輸送力の余力なり或いは人員の余力なりがあればいいわけでございますが、目下のところではそういうことまでするということは考えておらないわけでございます。併し今お話のように、実際問題として併しやつておるじやないか、むしろ団体募集を認めたほうが弊害がなくなるぞと、こういうお説に対しましては、成るほどそういう御意見もあると思いますが、今進んでそれをやるという段階では、先ほど申しましたように、輸送力の状況からも、又人員の関係からもないと思いますので、むしろそういうような実情があれば、そういうことをむしろ矯めて行くと、そういうことに行過ぎのないようにして行くという方向へ目下のところは持つて行くべきじやないか、かように考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 次に、一時預りについてお尋ねしたいのですが、東京や大阪のように収益の多い駅の一時預り、絶対的に収益の多い所では弘済会がやつておりますが、むしろ中間駅の、利益が非常に上らない所、こういう所だけを直営でやつておるわけですが、これをもつと儲る所を直営にする、こういうような経営の合理化なり或いは冗費節約なり、収入の増加というふうな面からそういうふうなお考えはお持ちになつていませんか。

唐沢勲日本国有鉄道営業局長

○説明員(唐沢勲君) 一時預りにつきましてのお話でございますが、何も儲る所は弘済会その他にやらせる、儲らない所を直営するというふうには別に考てえもおらないわけでありまして、弘済会としましても一時預りばかりではございませんが、売店その他につきましても採算のとれないにせよ、三〇%ぐらいやつておりますが、そういうこともしておるわけで、一括してやつておるわけで、弘済会がやるか、直営するかということは全体のそのときの事情によつてきまるのではないかと思います。従いまして儲る、儲らないというわけでなくて、全体としてここは直営にしたほうが便利であるとか、或いは弘済会にやらしたほうがいいとかいうことで判断できると思いますので、具体的の問題でないとわかりません。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 私も弘済会だけをもとにして話しておるのではなくて、一時預りのやり方に対してもつと収益を上げるためにどのようにお考えになつておるか。もつと直営を殖やすとかというふうにしたほうが実際に収益が上るのだつたら、そういうふうなお考え方に今のやつを変えて行く、こういうふうなお考えはないでしようかと、こういうお尋ねをしておるわけです。

唐沢勲日本国有鉄道営業局長

○説明員(唐沢勲君) 収益を上げるという問題は又別に、例えば構内営業料金の問題とか、土地建物使用料金というような問題で目下研究して、上げるように努力して考えておるわけですが、一時預りのような仕事を国鉄自体がやつたほうがいいかどうかという問題は、これはまあ国鉄自体の仕事として、収支の如何にかかわらずやるほうがいいという性質の問題であるか。或いは他のものにやらしたほうがいいかというような性質の問題になるのじやないかと思うのでありますが、国鉄の旅客サービスの一つの仕事であるには間違いありませんので、直営にするか、或いは他のものにやらせるにしても、そういうものはやつて行かなければならんと思うわけであります。若し弘済会なりその他のものにおいてそれをやるということのほうが能率が上る。或いは国鉄としてもそれにやらせたほうが結果がいい、殊に要員の事情等から見ますれば、請負に出してそういう他のものにやらせるということのほうが却つていいという場合も多いと思いますので、私どもとしては、そういう仕事を積極的に鉄道自身の手でやつて行くというふうなことは、目下考えておりません。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今のお話で、業務の部外請負について、部外でやつてもらつたほうがいいと思う。こういうことのお話がございましたが、随分反対の事実が出ているのではないかと思います。客貨車区とか電車区の清掃とか、或いは病院、補助業務の外注切替えに関するものとかいろいろございますけれども、これはこちらから、国鉄から施設なり水道なり、随分便宜を与えてやつてそうしてやらしておるわけです。非常に原価が高いというふうになつているのですが、この点は根本的にお考えになつて頂かなくてはならんかと思います。国鉄の退職者を救済するとか何とか、協力して生きて行かせる、こういうことには必ずしも決して反対はしないのですが、今の部外請負に対する制度、方式というものについては、もつと根本的に考えてもらわなければ、これは具体的に随分実際的に部外にやらしておくことによつて原価が高い、こういう事実はあちこちにあると思います。これは資料を取れば私でも取れると思うのですが、そういう点はよく事情がおわかりになつておるのじやないかと思うのですが、その点お答え頂きたい。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 鉄道の業務を部外請負に切替えますのには、最近までは一つ要員事情というような問題も確かにありました。併し私どもは単に要員、定員がそれで若干捻出でるきから、全体として国鉄は損になるというふうなのにもかかわらず、これを請負に切替えるということはいたしておらないつもりでございます。で、いろいろお話もございましたが、具体的な例等もございますが、請負に出しまする種目は、おおむね鉄道職員がやるということにつて不適当な業務が多いと思います。と申しますのは、鉄道職員はどちらかといいますと、やはり長い間鉄道に勤めようと、そうして将来は極力、能力の及ぶ限り昇進して行くということが、やはり国鉄に入つたすべての人の持つ希望であると思うのです。併しながら非常に雑役的な作業になりますと、これは長い間黙々としてそういうことを続けて行くということは、人事管理上も非常にむずかしい点もございますし、又国鉄の制度といたしまして、年限が参りますれば定期昇給もさせなければならないというようなこともございますので、そういう雑役的な仕事は、むしろそういうことを専門に行い得る人たちを対象とした企業に切替えることのほうが、やはり結果として、鉄道のために非常に経済的にもプラスにもなるということがしばしば多いのでございます。それから単に比較いたします場合、鉄道職員でございますれば、基本給その他だけで以て比較いたしますと、或いは何らかの不足になつておるというようなことが考えられますが、定員の人につきまして、基本的な給与以外の附帯経費というものが非常に大きい額に上るのであります。そういう点から見まして、人事管理の点と附帯経費の点と両方併せて考えまして、私どものほうで経済的に損であるというようなものを押し切つてこれを請負に出しておるというような事例もございません。又そういうものがあればこれを矯正いたしたいと思いますが、将来は決してそういうような方針でやるものではないということを御了承願いたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 今日は国鉄当局に対する質問はこれで終ります。  併せて労働省に一つ聞きたいことがあるんですが、労働基準法第三十六条に事業場の問題がございます。これは国鉄に関する事業場は今のところ単位を、局を以て単位としておる。こういうふうに現在なつておりますが、これを何らか現場の各機関を単位とする、機関とか、保線区、駅とか、駅は一つじや小さいから連合区といいますか、こういう程度の単位にするというお話があるそうですが、それは事実か。或いは六月一日頃から切替えて行くというようなこういう予定だということですが、その点についてお答えを頂きたいと思います。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 最初にお断り申上げなければなりませんが、実は労働基準法に関する御質問と拝察いたしますので、基準局長出席いたしておりましたのですが、労働委員会の都合で中座しておりますので、私労政局の法規課長で、或いは不行届の点もあると思いますが、その点あらかじめ御了承願います。  只今の御質問の点につきましては、基準法三十六条によります事業場という点について、従来国鉄では管理局を一事業場として、但し病院、教習所、工場を除くというふうに認定をいたしておつたのでございますが、若干その点無理もあるやに考えられますので、普通の工場、民間企業の場合における工場なんかは、これは皆一目でどこが事業場だとわかるのでありますが、国鉄の場合になかなかそこの認定がむずかしい。一応便宜的に管理局を単位として参つたのでありますが、若干無理もあるということで、実は数年前からしばしばこの点につきましては、各方面からいろいろの御意見が寄せられておりますので、慎重に検討いたして参りました。基準局といたしましても、かなり調査検討は進んで参つておりますので、できるだけ早い機会にこれを基準法の趣旨にも最もかない、且つ実情にも適するという方法が解決いたしたいと考えておるわけでございます。  その際に、現在の事業場の分け方がそのまま維持されるかどうかという点につきましては、それは恐らく多少の変更が出て来ざる得ないのじやないかと思うのですが、具体的にどういう単位の事業場を分けられるか、その措置を又いつから実施するかということにつきましては、目下慎重に調査研究中でございまして、確定的な結論はまだ出しておりません。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうすると六月一日の予定ということも、全然まだおわかりになつていないのですか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 確定的に六月一日というふうに省として決定いたしたことはまだないと承知しております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうすると、例えばこういうふうに、その場合にAの機関区では拒否し、Bの機関区では超勤した。或いはAの駅では超勤し、Bの駅では拒否した、こういふううな矛盾が起ると思うのです。その点はお認めになりますか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 事業場を分けますことによりまして、民間の事業場におきましても、一つの企業の中で、事業場ごとに調停が整つて参るということは、理論上あり得ることであります。国鉄におきましても、事業場別にそういうことは理論上あり得ることではございますが、実際上の問題といたしましては、そういうことが起ることは非常にまずい。或る場合には超過労働の意義が、一事業場だけ分離して行われるならば意味がない、こういうことにもなるかと考えられますので、その辺のことも考慮いたしまして、目下種々検討いたしている次第でございます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 これはもう特に国鉄の列車の運行の一貫性からいつて、今私が申上げたことが決定的なものだと思うのです。これについては、むしろ初め労働組合のほうで、一つもつと小さい各職場ごとに持ちたいというこんな意見を当時言つたのですけれども、それに対して当局は、それじや困るというので、今のようになつたということも、私どもは承知しております。従つてそういう点もよくおわかり頂いていると思うのです。恐らくこういうふうな自己撞着、矛盾した、而も列車の運行に対して、そういうちぐはぐなことができたら、そういう円滑な運行ができないから、そういう点も十分お考え頂いて、一つ慎重に御検討願いたいというふうに思います。  重ねてお尋ねいたしますが、六月一日という時日は別として、今頃そんな改正を直ちにやるという決定的な日時もないし、又内容も十分わかつているから、それについては十分慎重に考えている、こういうふうに理解してよろしうございますか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 事業場の点につきましては、おつしやいましたような点が多々あるのでありまして、今のままでも不都合もあるし、分ければ又これも不都合が若干出るかも知れない。併しともかく長く放置することができませんので、できるだけ早く解決をつけたいと思つております。六月一日という確定的な日にちを、最終的に労働省として決定した事実はない、こういうふうに御了承願いたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 そうすると、やはりこの今のやつを、十分に今まででも御研究なさつていると思うのですが、その案の中には、今のままじやいかんので、これをやはり変えると、まあ私が申上げる機関単位とか、保線区単位、そういうところまで行くか行かんかわからんけれども、何だか今のやつを変えると、こういう改正をするという具体的な動きなり御意思があるかというふうにまあ考えられるわけですか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 只今の研究のところでは、改正すべきではないかという線におきまして、検討いたしております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 改正すべきではないかということだから、現在よりよくならなければ改正じやないのですね、少なくとも全般に亘つておのずから今よりもいいという結論が出なければ、具体的な改正にならないということになるかも知れないのですね。そういうふうに理解してよろしうございますか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) どうもこの問題はどちらをとりましてもいい、悪いいろいろございますので、その点からいえば悪くなつたという御批判もあろうと思いますが、全体としては、勿論基準法の趣旨に最もかなう、今よりよりよくかなう、又実際上もうまく行くという線に持つて参りたいと思います。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 次に、駐留軍の輸送の問題ですが、三十六条協定がなくても、駐留軍からの要請があれば、国鉄は超過勤務をしてもいいと、こういうふうなまあ説があるそうですが、その点御存じでしようか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 実は私は詳細には存じておりませんのですが、占領中におきましては勿論軍命令がこれはもう絶対的なものでありましたが、独立後におきましては軍の命令でありましても、これは日本の労働法を無視して行い得るものでは勿論ない。勿論国鉄に軍が命令するというようなことはないわけでございます。従いまして軍からの要求、要望が出ました場合におきましても、それは日本の労働法規に違反しない範囲において運用されるべきものと考えております。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 それは私もまあ当り前だと思いますが、若しも説をなすものがあつて、口頭或いは文書で駐留軍から言われた場合には超勤をやつても可能である、こういうようなことを仮に言つたところがあれば、それに対して直ちに労働大臣としてはそれはいけない、こういうことを言明をして頂けますか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 具体的にどういうことをどなたがおつしやつたか存じませんので、無責任なこともにわかに申上げかねるのでございますが、軍の要求であれば、労働基準法なんか無視してもいいのだというような御見解をお持ちの向があれば、それは誤りと考えます。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 この点もそういうふうな解釈ができるといいますか、国鉄当局から何かそのような達しか何か出ているらしいのです。ちよつと今その控えを持つて来ませんでしたが、実際は明らかに間違いだと思うのですが、今のおつしやつた三十六条協定がなければ向うは絶対にできない、それはもうはつきりと断言してよろしうございますね。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 通常の場合は勿論三十六条協定に基く……、三十六条は時間外労働を必要とする場合ですね、併しながら日鉄法三十三条、基準法三十三条に該当する場合には、勿論それによつて超過労働を命令することもできるわけであります。

大和与一日本社会党(第四控室・左)

○大和与一君 それじや質問を終ります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 関連して、法規課長にこの際ちよつとお尋ねしたいのですが、この問題は先般の委員会で運輸大臣に対する質問を保留してあるのですが、今日運輸大臣が早く退席されたのでその機会がなかつたのですが、幸いに法規課長さん見えますからお伺いしておきたいと思うのですが、交通運輸関係の労働者、特に道路運送或いは港湾関係の労働者の労働条件については、これは相当ひどい労働条件の下に置かれている。特に最近においてこういう関係の企業者が非常な激しい競争をやつている。いわゆる不当なる競争というように私は考えているのですが、こういうような状態から更にこの労働条件の低下ということが顕著になつて来ている、こういうような状態になつているのですが、これらの労働者に対する労働基準法の適用ということが殆んどもう無意味になつている。而もこの労働条件の劣悪というものが更に不当な競争に輪をかける原因になつて来ている。そこでこういうような問題を防止するためにILOの内陸運輸委員会の決議があるわけなんです。これは一九五一年にゼノアのネルヴイにおいて決議されているのですが、この決議について御承知になつているかと思うのですが、如何でしよう。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 甚だ恐縮でございますが、私最初にお断り申上げましたように、労政局に属しておりますので、その決議の点につきましては具体的存じておりませんので……。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 そこで問題があると思うのです。運輸省に聞くと、これは運輸省はそういう労働関係については筋道が違うとおつしやるし、あなたのほうは労政局であるからこれは運輸省関系だからどうも違うとおつしやる。従つてこれは恐らくこの決議案も御存じないと思うのでありますが、そうすると日本の政府というものはみんなこれ知らんということになるのですが、これはどういうことになるのですか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 私申上げましたのは労働省が関知いたさないという趣旨ではございませんので、実は大和委員からの御質問につきましては大体どういう御質問が出るということを承知しておりましたので、私労政局ではございますが、基準局とも連絡をとりまして曲りなりにもお答え申上げた次第でございますが、只今のは突然のことでございまして、労政局としてはよくまだ勉強しておりませんので、基準局はよく勉強しておると存じますので、誠に申訳ございませんが、御了承願いたいと思うのでございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 まあ基準局に聞いても恐らくそういうような決議案があつたのかという程度だろうと思うのです。運輸大臣も自動車局長もそういうことは初めて聞いたというお話なので、その後一つ研究をして置いて下さいということを申上げたのですが、要するに、これはお知りになつておるなつておらんというに関係なく、この決議の内容というものは道路運送という企業が得てして不当競争になり勝ちだ。その原因が労働条件にあるということが指摘されておる。従つてそういう事業を免許或いは認可するような国においては、その免許、認可の基準を、一応労働条件というものを基準にして考慮せよ、而も免許をしたあとにおいて甚だしい劣悪な労働条件によつて雇用しておるものは懲罰せいというような決議があるわけです。これは当然日本の政府としても尊重しなければいかん、条約じやないのですから、この通りに適用しなければならんということはない、尊重しなければならん。そこであんたのほうとして今突然のお伺いで御迷惑かも知れませんが、併しながら少くとも交通運輸労働者が激しい非常に悪い労働条件で働いておるということはもう御認識になつておると思うのです。従つてこのような国際的な決議があるということを考慮して何らかのこういう部面に働く労働者の労働条件、或いはその他の産業部面の一般にあつて低い労働条件に置かれておるような産業分野における労働条件を保護するような一般的な法律というものをお作りになるというお考えはおありになるかならないか。

石黒拓爾労働省労政局労働法規課長

○説明員(石黒拓爾君) 道路運送の面におきまして、戦後非常に競争が激しくなり、而も資本力も薄弱な中小業者が非常にたくさん出て参りました。そのために労働者の労働条件が非常に圧迫せられる傾向もまま見られておるという点につきましては、労働者といたしましても関心を十分に持つております。基準法に触れる点につきましては、基準局といたしまして監督して参るわけでありますが、これ又実態が頗る把握しがたい実情にある。従つて監督上もなかなかむずかしいということにありますることは御了承願えるかと存じます。併しなおこの点については努力いたしたいと考えておるわけでございます。又何よりも労働条件を維持いたします根幹は、基準法その他も問題でございますけれども、労働者が組織化せられ、組合の力をバツクにして労働条件を維持し、使用者を監視するということが最も重要なことである。私ども労政局といたしましては、それこそ労働行政の根本であるというふうに考えておるわけでございます。府県庁に対しましても、特に中小企業の労働条件も不利であり、又組織化もむずかしい面こそ労政官庁が援助をして、その組織化を促進すべき面なんだから、中小企業に対する組織化或いは労働協約の締結ということについては、是非最も努力を払つてもらいたいということはしばしば申しておるところでございます。ただ直ちにこれを一定の労働条件以下になつたものを処罰するというような新らしい立法をするということは今のところ考えておりません。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 今の御意見は私も同感なんです。これは原則として労働者が団結をし、組織を以てみずからの労働条件を守つて行くことについては私も同感だと思います。ただ私はこの際申上げてることは、組織化というものができないような状態にある労働者、或いは又組織化しておつても日本のような小企業の労働者の組合の下において、この企業者、経営者が不当な競争をし、その不当な競争のしわが全部労働者にしわ寄せられるということ、而もしわ寄せられたところの劣悪な労働条件が、不当労働の対象になる。交通運輸事業の部門だけをいうのではない、そういう産業部門に対してもやはり一つの法的な措置、可能な範囲におけるところの法的な措置というものを考えなければならん。そういう措置によつて、政府としてもこういう労働者の労働条件というものを維持するような最小限度の保護を加えなければならんというのは、やはり労働基準法の何といいますか、趣旨にも副うようなものである。無論労働者が法だけに頼つて自分の労働権を守ろうというのは邪道かも知れませんが、併しながら政府としてもそういう部面における最小限度の保護立法というものはする必要があると思うのですが、私はこれ以上御質問申上げても無駄だと思うのですが、将来そういう面に対しても労働省としても御留意を願いたい。特にこういう国際的な条約なり或いは決議案というものが毎年々々できておりますので、これについては十分一つ御留意願いたい。そうして日本の国が殆んど条約の批准というものについて熱意を示していない。恐らく今十七、八の条約くらいでしよう、批准しておるのは……。よその国に比べて批准の数が少い。こういう点からいつて、労働省としては、こういう国際条約について御関心を持たれて、国会の批准を一つでも多く実現できるように御労力を願いたい。大臣にもお伝え願いたい。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十二分散会

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