運輸委員会 第20号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/04/02
会議録
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。 港湾法の一部を改正する法律案を議題に供します。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○岡田信次君 この港湾法が制定されてから二回に亙つて部分的な改正が加えられて来たのでありますが、先般の提案理由の説明の中にも、制定当時には予想されなかつた法律運用上の不備欠陥が現われて来た、だからこれを直すのだと言われておるのですが、この不備欠陥ということに対して、一つ具体的の説明を願いたいということが一つと、もう一つ、若しこれを改正しないとどういう不都合があるか、これを一つ伺いたいと思います。
○政府委員(黒田靜夫君) 港湾法が制定されましてからどういうふうに欠陥が現われて来たかという御質問でございますが、第一番は、最近に港湾管理者としての港務局が、新浜は設立いたしましたし、小倉も三月に設立の議決をやつておりますし、洞海湾、関門も近く設立する段階になつておるのですが、この港務局に対しまして、港務局は組織母体が地方公共団体でございますが、地方公共団体と同じような計画なり権限、行政権を持たすのが本則なのでありますが、それに対しましては地方公共団体と同じような権限で抜けているものがございます。そういつたようなものを、地方公共団体と同じ程度の権限を与えるようにしたほうがいいのじやないか、それからいろいろ使用料とか料金を徴収できるのでありますが、地方公共団体のほうに対しましては、地方公共団体が管理者になつた場合は、その過怠金を徴収する、強制徴収ができるようになつておるのでありますが、港務局はそういう権限がないものですから、これも地方公共団体が管理者になつたと同じ程度の強制徴収をなし得るように改正したのでございます。それから港湾区域内でいろいろ港湾管理者が規制する行為があるのでございますが、その行為が漠然としておるので、これを具体的に範囲を明確にいたしたようなこと、それから工事費の精算が原価計算をとつておりまして、工事が出来上つてから精算するまでに相当複雑で、なお時日も要するものですから、これを支出によつて精算できるように敏速化を図つたことでございます。その他今港の施設につきましては、いろいろ列挙いたしまして施設を限定してあるのですが、その中で最近に至りまして荷役機械のうち移動荷役機械とか或いは接岸の船を操縦する曳船等が港湾施設に入つておらなかつたのですが、これを港湾施設というふうに追加いたしましたし、又その他港湾の船舶関係乗組員とか、或いは港湾労務者のためのいろいろな福利厚生施設も、港湾地帯における港湾施設ということに追加をいたしたのでございます。大体そういつたような点がこれまで当然考えられるべきものであつたのですが、その当初はそれらのことが法律に載つていなかつたために、今回改正をいたしたのでございますが、もう一つは、港務局ができますのには、やはり地方公共団体が母体になつているのですが、解散なんかいたします場合に、国から補助を受けたり或いは起債で融資を受けたりする場合に、勝手に解散いたしますと、そういつたような債務がどこに責任があるのかわからないものですから、この解散のときには、港務局の解散のときには、運輸大臣の認可を受けさすようにいたしまして責任をはつきり明らかにさせたのでございます。
○岡田信次君 今のお話で港務局の現在できているのは新居浜、近く小倉にできる、それから洞海湾、関門そのほか近い将来できる見込の所はどこですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 今のところそれらの港でありまして、もう少し港湾管理のあり方が港湾の当事者にわかつて参りますと、例えば横浜と川崎は目下行政区分が違いますために、別々の管理者になつていたが、港湾機能を発揮する上から行きますと、港湾だけの面から見ますと両者一緒にして港務局を作つたほうがいいのではないかというようなことも考えられます。そのほかにおきましても、神戸でも今市が管理いたしておりますが、やはり兵庫県における神戸市ですから県も或る程度の参画をいたしまして港務局を設立したほうが、いわゆる港湾法の趣旨には合うのではないかと思いますが、いろいろ地方の行政上の微妙な点がありまして、現在横浜、川崎、神戸と市が管理者になつているような現状でございます。
○岡田信次君 今港湾局長のお話の中にあつた移動荷役機械というのはどういうのですか。走行クレーンなんかは昔からあるのだけれども、ああいうのは移動じやないのですか。移動というのはどういうのですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 走行荷役機械は、今までは動くものは財産の扱いをしていなかつたのでございます。それで港湾整備促進法というものが先国会を通りまして、それに対しまして財政の融資をするという場合に、荷役機械とか曳船のように動くものが対象になつていなかつたものですから、今回それを港湾施設に入れまして、法律的に港湾施設に列挙いたしました。今までの荷役機械というのは固定の荷役機械を考えておつたのであります。法律的には荷役機械というと、固定したものと考えるということであつた、それを走行のものもはつきり港湾施設であるという工合に書き加えたのであります。
○岡田信次君 そうすると自動車かなんかに積んだようなクレーンかなんかある、そういうものはちよつと大阪と神戸では困るのですが、もう少し近い所で移動して使うというようなやつは入らないのですか、移動荷役機械には……。
○政府委員(黒田靜夫君) まあフオーク・リフトとかトラクターのようなものは港湾の荷役には使いますけれども、移動はするのですが、これではその程度のものは考えておらないのでありまして、レールの上を走る荷役機械、簡単にAの港からBの港に持つて行けないようなものを大体対象にいたしております。
○岡田信次君 ちよつと速記をとめて下さい。
○委員長(前田穰君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田穰君) 速記を始めて。 それじや私から一つお尋ねしますが、四十二条のたくさん追加されている規定があるのですが、これは何といいますか、従来の精算方法を変えて、今度はその港の工事に支払つた金額を、その港の費用とする、こういうことになつている御趣旨らしいのですが、具体的にここに掲げられている条文を見ますと、すべてそういう品物はこういう工事以外には使つちやいかん、こういう目的以外には使つちやいかん、こういう使つてはならないという面だけが規定してあつて、それじや品物をどうするのかということが書いてないようなんですが、品物について言えば、それはどうするのですか、一体その品物は。
○政府委員(黒田靜夫君) 今までの精算の方法によりますと、材料の中でセメントとか鉄材が多少余るものがある、或いは自動車のようなものが残るのでありますが、そういつたようなものを最後に全部精算いたしますときには、国とそれから負担した港湾管理者がそれを評価して、比例によつて分けるようになつておつたのでございますが、今回の改正によりますると、そういつたような支出の額によりまして比例で分けまして、残つたようなものは、それを他の工事にも使うことができるのでありまして、原則としては、国が負担金又は補助金を出すことができる工事、例えば防波堤の工事が済みまして荷揚場の工事をやる場合に、防波堤だけは精算いたしまして、残つた材料をその荷揚場の工事のほうにだけ、それが国が対象とする補助事業であり、或いは国が負担する公共事業である、そういつた事業にだけ使用させるようなことに改めたのでございます。
○委員長(前田穰君) そうしますと以前の現行法はそういつたような、どういうふうに使用しろというような規定はなかつたわけなんですから、一般の国のそういう物品の処理規則に従つてやつておつたわけなんですか。
○政府委員(黒田靜夫君) そうでございます。
○委員長(前田穰君) そうすると今度こういうふうに精算の方法が変つて、そうして消極面のこういう工事に使つちやいけないというその方面だけを規定するというと、積極的にどこへ使うのだということは、やはり従来と同じ一般の法令なり、規則なりに従つてやつて行くんだ、こういう意味でございますか。
○政府委員(黒田靜夫君) 材料のどういうふうにやるかということは、政令で具体的にきめて行きたいと思つております。
○委員長(前田穰君) そうしますと、その政令の内容がどういうふうになるんでしようか。私の一番の聞きたい点は、何だか精算方法の変更ということが、支払主義に変つたというふうな印象を受けるのですが、そうすると若し支払主義で行くと、実際の手続如何によつては、その工事に要した費用の実際の価額というものが決算されないで、非常に多い場合もある、少い場合もあるといつたような結果になる虞れがあるのじやないかということが実は気にかかつているわけなんですが……。
○政府委員(黒田靜夫君) そうい場合にできるだけラウンド・ナンバーを設けまして、ラウンド・ナンバーをどれくらいにするかという点でございますが、千円くらいを一つの目安にいたしまして、千円未満のものは切捨てるとか、切上げるとか、それを政令で定めて行きたい。精算の方法が支出主義に変えられるのでございますから、多少のそういつたような出入りはあるのでございますが、それを千円程度で切上げ、切捨てをして、どういう方法でどういう場合にやるかということは政令できめて行きたい。
○委員長(前田穰君) 千円はここに書いてありますが、例えばトラツクならトラツクを新らしく或る工事に配給した、それが五年待つわけなんだが、三年でその工事は終つた、そうするとその港のその工事に対しては自動車価格の金額をそこへ加えるのか、或いはその三年分を加えるのか、具体的に例を設ければそういうことです。
○政府委員(黒田靜夫君) 車の場合は全額を加えますと少し多くなるのですが、この精算をいたします相手が、港湾管理者は公共団体でございますし、それから物が公共物でありますから、多少の変動は差支えないというふうに考えております。
○委員長(前田穰君) いや、変動は差支えないということは、見方によつては或いはそうなるかも知れませんが、そうなると、その港に本当に幾ら金をかけてその工事をやつたんだということがわからなくなつて来る、こういうことが一面に出ますが、それはいいんですか。
○政府委員(黒田靜夫君) この事業が数年に跨る場合があると思うのですが、私どもとしては、部分的に竣工さして、部分的にこれを引続いて使用せしめるようにしたいという主眼でございまして、残存物件は次の同じような、政府が負担するなり、補助するなりの事業に投じますので、その点は最終的にはそう大した違いは出て来ないと思います。
○委員長(前田穰君) 一応この程度にいたします。
○岡田信次君 この改正のうち三十七条或いは四十二条、四十四条、五十五条に政令に委ねている部分があるのですが、この政令の腹案はお持ちですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 今政令で定める大筋だけはきめまして、事務的には関係者が集まつて検討いたしているのですが、大体の大筋の方向だけはきまつております。
○岡田信次君 そうすると今大筋でも、お持ちないようですが、この次に一遍見せて頂きたい。
○政府委員(黒田靜夫君) 今一部しか持つておりませんが、次回までにお届けすることができると思います。
○岡田信次君 それから第十二条の二に、港務局の規程というのが今度出たんですが、この条文を読みますと、港務局の規程というのが地方公共団体の条例或いは規則より一段下というふうに見えるのですが、折角港務局というのを作つたのですから、港務局の規程というものも、或いは公共団体の議会の承認を得るというような条件の下に、公共団体の条例なり、規則と同等に引上げたらどうかと思うのですが、如何ですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 港務局のなにを同等に持つて行きたいとは原則的には考えているのでございますが、地方公共団体できめた条例に違反しない程度のところで港務局の権限をきめて行きたい、それは港務局は住民もおりませんし、港湾の管理運営発展のための港務局でございますので、地方公共団体の条例に違反しない範囲という程度で止むを得ないのじやないかと考えております。
○岡田信次君 それから今の問題に関連するのですが、この四十条に建築物の規制の問題があるし、又四十三条の原因者負担金の徴収ということに関しても、今申上げたように、港務局の規程をしておけばいずれも港務局の規程で足りると思うのですが、それが一々四十条では公共団体の条例できめるというふうになつているから、私は是非この港務局の規程をもう少し昇格さして港務局の規程にこの四十条、四十三条もやらせるほうがいいと思うのですが如何ですか。四十三条の三並びに四十条ですね。
○政府委員(黒田靜夫君) これは実質的には同じようなものに持つて行きたいと思つておりますが、港務局に住民権がありませんので、地方公共団体の住民を含めたいろいろな案例があるのですが、それの範囲内ということにならざるを得ないと思います。
○岡田信次君 ちよつと議論になるかも知れないけれども、公共団体の議会の承認を取るということにしておけば、住民権の問題はそう大きな問題じやないと思うのです。
○政府委員(黒田靜夫君) 港務局できめたものを、その母体となつている関係公共団体の議会に諮るということになりますと、港務局が又そこで制約を受けるようになりまして、港務局独自のいろいろな活動が制限を受けることになるかと思うのです。それで地方公共団体の条例の範囲内で港務局が自分の自主的な立場からいろいろな問題をきめて行くことができるようにしたのでございます。
○岡田信次君 そうすると第四十四条の三の3ですが、「港務局を組織する地方公共団体の議会の承認を受けなければ、その効力を生じない。」という、これはどういうわけですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 督促手数料だけは罰則的なものでありますので、地方公共団体の議会の承認を受けることとしたのであります。
○岡田信次君 どうも今までの御答弁じやはつきりしないのですが、港務局の規定をとにかくもう少ししつかりしたものに作つたほうが、いろいろ事務管掌そのほかの役に立つと思うので、この上なお一層御研究を願いたいと思います。 それから港務局の設立を自由放任していながら、解散を認可制にした理由は何かあるのですか。
○政府委員(黒田靜夫君) これは港務局が国から補助金を受けましたり、金を借りたりする場合があるのでございます。この場合に、金を借りつ放しで解散されると、どこに責任があるのかはつきりしないものですから、そういつたような解散をするときには、国の債権債務の関係等を明瞭にさしておくために、解散のときだけ、大臣の認可を必要とするようにしたのでございます。
○岡田信次君 そうすると解散については、定款で定めるとしては工合悪いのですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 定款を作るのは港務局が作るのですが、実質的には運輸大臣は知つていることになつているのですが、法的に運輸大臣は定款を知らないことになつておりますので、解散のときだけ運輸大臣の認可を受けることになつております。
○岡田信次君 そうすると解散を運輸大臣が認可をしないというのはどういう場合ですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 解散をする場合は、恐らく港湾管理者が港務局から県に移るとか或いは市に移るとか、一部事務組合に移る場合だろうと思うにでございますが、その引受けるほうが、一例を申上げますと、港務局のいろいろな財産なり債務を引受けないというような場合には、大臣は認可ができないと思います。
○岡田信次君 今の解散の問題ですが、そういう話がついて解散の認可申請ということをする場合も多いだろうと思うのですが、特にこういうふうに解散に関して、運輸大臣の認可を得なくちやならないという条項が入つていると、今お尋ねしたように、認可をしない場合はどういう場合があるかというあれがあるはずじやないですかね。
○政府委員(黒田靜夫君) 問題がないときには、運輸大臣は勿論すぐ認可をするのでございますが、この運輸大臣の認可を必要とすることを特に今回の改正に持つて来ましたのは、大蔵省方面から港務局の法人格がしつかりしたものでなければ、融資をするような場合にどうも困るのだというような示唆がありまして、こういつたように港務局の最終的の責任をはつきりさせたのでございます。
○岡田信次君 次に、第十八条で、委員の任期のことが書いてあるのですが、この但書を取つた理由はどういうわけですか。
○政府委員(黒田靜夫君) 但書を削つたのは、委員の全員で決定することになつております。委員の全員は奇数になつておりますので、可否同数であることがあり得ないので削つたのでございます。
○岡田信次君 私のお尋ねしているのは、十八条の委員の任期の問題で、「但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。」というのを取つたのだが、これはどういうわけかというわけです。
○政府委員(黒田靜夫君) どうも失礼いたしました。私、思い違いをしておりまして……、十八条第三項に、港務局の委員が同時に退任することがないように、任命の時において、港務局を組織する地方公共団体の長がきめることになつておりますので、十八条の但書は、この三項に矛盾することとなるのでこれを削つたのであります。
○岡田信次君 私はどうもあべこべだと思うのですが、補欠の委員が、前任者の残任期間だとなつているからこそ、委員が同時に退任することはないのだと思うのですが、今のお答えはちよつとおかしい。
○政府委員(黒田靜夫君) 普通の委員は、補欠の委員を一度にやめさせるような制度になつているのですが、この場合は一度にやめさせてはならないのでございまして、時期のズレをそこに保たせるために、このように十八条の但書を削つたのであります。
○岡田信次君 この委員は七人いるのですね。ですから新たに任命するときは、Aの委員の任期は一年、Bの委員は二年、三年、四年、五年、六年、七年というふうになつていると思う。ですから二人欠員を生じた場合に、補欠する場合も前任者の任期を踏襲しないと、却つて二人同時にやめる、或いは三人やめるということになる計算になるのですが……。
○委員長(前田穰君) ちよつと私から補足いたしますが、私もそういう疑問を持つているのですが、偶然或る人の任期の満了のときに、補欠を任命するとあなたの言われることができるのだが、それは稀有の場合で、通常の場合にはその任期その任期に前任者の補欠の人が同時にほかの人と一緒にやめたりするというのなら想像もしているのですが、やはりちよつと御趣旨とほ何だか違うような気がするのです。
○政府委員(黒田靜夫君) 十八条は、委員の任期を三年以内といたしまして、但書では、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とするという制度は、全部一度にやめさすというのが十八条の但書の精神でございますが、十八条の三項では「多数の委員が同時に退任することがないように、任命の時において、港務局を組織する地方公共団体の長が定める。」ということになつておる関係から、幾らかずらして改選ができるように、但書を削つた趣旨はそこにございます。
○岡田信次君 そうするともう少し具体的に言つて、七人の委員を初めて任命するときには、どの委員が一年、どの委員が二年、どの委員が三年というふうにきめるわけでしようが、それはどうなつておりますか。
○政府委員(黒田靜夫君) お説の通りでありまして、定款によつてそれを詳細に決定することになります。
○岡田信次君 そうすると今言われた補欠の委員の任期のことが、但書を削つてしまうと、同時に三人ぐらい退任したりすることが出て来ると思うのですが……。
○政府委員(黒田靜夫君) 十八条の三項は、七人のうち三人が一時にやめることはいいのですが、七人がやめることはいけないということなんでございます。
○岡田信次君 そうすると特に但書を削るほどのことはないと思うのだが……。
○政府委員(黒田靜夫君) 法律的に多少専門的になりますので、説明員に説明いたさせます。
○説明員(住田正二君) 今御指摘のございました補欠委員の任期は、前任者の残任期間とするという制度は、いろいろな法律にございまして、その趣旨は全部の委員を一遍に交代させるという趣旨で書かれておるのであります。この場合には全部の委員を一遍にやめさすことは適当ではないということをこの十八条の三項のほうに書いてありますので、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とするということがこれと矛盾するということで削つたわけであります。特に公共団体の場合は、委員が一度に選挙などの関係によりまして、一度に三名、四名代ることが非常に多いわけです。その場合にこの委員は五年である、或いはこの委員は三年であるということは言いにくいものですから、むしろ新らしく任命されるときに、この人は補欠だ、この人は正式の委員であるという区別をしないほうがつまらない紛争を避けることができるということで、特に補欠の委員という考え方をこの際なくなしてしまつた、こういうことでございます。
○岡田信次君 どうもまだ納得できないのですが、実は私もあれに出る前に同じように運営審議会の委員をしておつたのですが、それもやはり五人だつたか、六人の委員が同時にやめないように、ちやんと、三年、二年、一年の任期をきめてやつて、補欠の者は、前任者の残りというふうにやつて一向差支えなかつたのですが、どうも今のお話では実情に副わないし、ほかの委員会のこういう補欠の委員の任期は、前任者の残任というのも、同時に代らないというのも、織込んで入つていると私は了解しているのですが、少しその辺がおかしい。今言つたように七人の任期のうち、まあ三年なら三年の委員が三人いる、三人とも折角出たのをやめちやうというような場合には、補欠の但書の有無にかかわらず、代つちやつてこれはしようがないのですが、どうもこの但書を取るというのは、先ほど来のお話とは矛盾すると思いますが、もう一遍よくなんかグラフでも書いて家へ帰つて考えられたらどうですか。
○政府委員(黒田靜夫君) お話のようによく検討して見ることにいたします。
○岡田信次君 私は今日の質問はこの程度にしておきます。
○一松政二君 ちよつと私遅く来たんだけれども、今の問題に関連して聞きたいが、最初から任期は三年にしてしまつている。一年、二年、三年というのがなかつたのじやないのですか。その点はどうですか、あつたのですか。最初から三年を同時に任命しちやつたんでしよう。最初からだんだんとなるように任命してあるんですか、現在は……、
○政府委員(黒田靜夫君) 最初から同時にやめることができないように、三年の任期とか、二年の任期というふうに分けて任命してあるわけでございます。
○一松政二君 一番最初は一年、二年、三年となつているわけですか。
○政府委員(黒田靜夫君) そこまで具体的に三年、二年、一年に分けますか、或いは三年、二年に分けますかは、でき上つた港務局が定款によつてきめるのであります。
○一松政二君 その点が第一はつきりしないから、今のようなこの残任期間とか、それから補欠の問題がこんがらがつて来るのじやないかと私は感じたのです。大した重要問題でないから、特に但書を取つたり……、ほかのものは但書があつてそういうふうに円滑に行つているものを、但書を取つて、何だかこんがらかるような感じにしたり、或いは地方の港湾管理委員の連中が了解に苦しむようなことがあつてもなんですから、折角改正しようとするなら、こういう点をもう少しはつきりするようにしておかないと、あとで無要の疑問が起つて来てつまらないと思います。
○岡田信次君 今のに関連してちよつともう一つ申上げたいと思います。今の十八条の三項に、「港務局設立後最初に任命される委員の任期は、多数の委員が同時に退任することがないように、任命の時において、港務局を組織する地方公共団体の長が定める。」というのがありますから、当然一年二年、三年というふうになつていると私は思うのですがね。
○政府委員(黒田靜夫君) その通りでありますが、なお御説明いたしますと、三年委員と二年委員と一年委員の三通りにいたしますか、三年委員と一年委員の二通りにするか、或いは三年委員と二年委員の二種類にするかは定款によつてきめることになります。
○一松政二君 それは三年のところへ最初から一年の任期をこしらえるのは気の毒だから、二年か三年というようなことに結局落着いているんですか、実情は。
○政府委員(黒田靜夫君) 港務局でできておりますのは新居浜港ですが、新居浜港は一年、二年になつております。それからあとは洞海湾は今いろいろ、もう殆んどきまつておるのですが、まだ委員の任期のところまでは進んでおりませんです。
○一松政二君 絶対この法律はそれ自身が、感じから言うと、あつてもなくても大した差支えないようなものだから、この法律の内容それ自身がどつちでもいいようなふうに運用されるし、書かれてもいるという感じを受けるんですが、大体そういうものでしようね、これは。その点どうです。
○政府委員(黒田靜夫君) 私どもは改正の必要があると思つて審査をお願いしておるのでございまして、その必要があるという前提で御審査をお願いしております。
○一松政二君 改正じやなくて、その前のほうの根本の問題からして、そういう今のような運営方法で、三年と書いてありながら事実は二年とか一年しかないというようなことであれば、この三年というのはおかしいじやないですか、問題が。三年と法律に書いてあるならなぜ三年でやらないんです。
○政府委員(黒田靜夫君) 三年以内と書いてあります。(笑声)
○一松政二君 以内……。だから私は殆んどこれはもう有名無実なような法律じやないかというような気がするわけだ。一番大事な構成メンバーである者の任期が三年以内、二年とか一年なら余りに頻繁に代り過ぎるじやないのですか。長く勤めていると、何か問題でも起るということを心配してなんですか。一年や二年で代る委員というものは、殆んどそういうことに慣れる間がないわけですね。しよつちゆう新らしい人が代つているような恰好になるんじやないですか。任期を三年以内と極く短期間にした根本原因はどこにあるのですか。
○政府委員(黒田靜夫君) これはこの七人の委員の中には、関係公共団体の議員代表が一人入ることになつておる関係もあつて、こういうふうに三年以内というふうにいたしたのでございますが、これをきめるのは地方公共団体の長がきめるのでございまして、委員は学識経験者と、その関係地方公共団体の議員代表からもおのおの一名までは入つていいことになつております。
○一松政二君 議員の任期は大体において、殊に地方公共団体の解散なんといもうのはこれは特別の場合でなければないのだから、大体四年にきまつておるわけです。而もそれが一名か二名……これは一名に限つておるわけですが、一名に限つておるのか、二名までいいのか、私はよく存じませんが、あとの者は何も議員の任期とは関係がないわけだ。そうして大体そこに定住されておる人がこういうものの世話をする者になるのが普通の常識だろうと思うのですが、大体三年という任期は一応考えられるのだけれども、それを特に三年以内だから一年とか二年とかいうことにされたのは、今の議員が一名加わつて、而も議員は四年が任期なんで、その途中になる場合には確かに二年の場合もあるし、一年の場合もあるかも知れない。だから、そういう議員がなる場合には短い期間のものに、その議員の任期にはまるような任期のものにすべきであつて、他の委員はもつと長くていいのじやないですか。その点どうなんですか。
○政府委員(黒田靜夫君) これは三年が適当であろうというので三年以内といたしたのでございますが、実際問題といたしまして、港務局ではないので、これにうまく該当はしないかも知れないのですが、名古屋港で市と県が一緒になつて港湾の管理に当つて、一部事務組合を設立して港湾管理者になつておるのでございますが、これらの組合員の構成なり任期を見ますと、おおむね一年で交代いたしております。これはいろいろ県議会、市議会等の要望等もあつてそういう結果が現われておるのだろうと思いますけれども、そういつたような非常に短い期間の例もあるということを申上げておきます。
○一松政二君 それでわかつた。それは商工会議所の会頭を二年交代にしてみたり、或いはこれは地方事情によつてこれを一つの名誉職かなんかのように考えて頻繁に、頻繁にと言つちや語弊があるが、一年や二年で交代することを希望する人が多いということを慮つての法律ですね。まあ今の御答弁から言えばそういう感じを受けるのです。これ以上は、私はどつちだつていいのだから、こんなものは、あえて聞くほどの重要性は持ちませんから、この辺でやめておきます。
○大倉精一君 ちよつと一つだけお伺いしておきたいのですが、第五十五条の五に、文章の言い廻しがややこしいのでぴんと来ないのだが、これは要するに、運輸大臣又は港湾管理者が港湾工事を行なつた結果、よその人が何か工事をしなければならんようになつた場合に補償の規定があるのですが、それはその費用の全部又は一部を補償しなければならんということになつているのですが、これは、将来こういうような結果で規定していると紛争を起す原因になるのではないか。費用の全部をもらうのか、一部をもらうのか、これはどうして全部というふうにしないのですか。その理由をちよつと聞きたい。
○政府委員(黒田靜夫君) この費用の全部又は一部を補償しなければならないという意味は、港湾管理者がかねがね損傷を受けて修復なり改良をしようという場所を、たまたま損傷をして責任が起きた場合には全部は補償しなくてもいいような結果になる。
○委員長(前田穰君) 速記をとめて、 〔速記中止〕
○委員長(前田穰君) 速記をつけて。 これは次回若しくはその次くらいにお伺いしたいと思うのですが、港湾法のいろんな細目に関して非常に緻密な研究をやつておられるように法案の改正案を見ますとこう思いますが、港湾の今非常に重要な問題として従来から一般に言われておることは、港湾行政が非常に複雑でいろいろな役所に関係しておるがために、港湾利用者は非常に能率を阻害しておるというか、迷惑をしておるということは御承知の通りだろうと思うのです。この法案の改正に際して、そういう点についてどういうふうにお考えになつておるか。どういうふうな研究をされたか。又将来どういうふうな方針で運輸省は進んで行かれるかということについての根本の考え方を伺いたい。場合によつては運輸大臣に直接伺いたいと思つておりますから、あらかじめ御準備を願いたいと思います。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会