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19回国会参議院1954/03/30

運輸委員会 第18号

発言数
48
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/03/30

会議録

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  船舶職員法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から提案理由の御説明を願います。

西村英一自由党運輸政務次官

○政府委員(西村英一君) 只今提案になりました船舶職員法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。  現行船舶職員法は第十回国会において画期的な大改正を加えられましたが、その際できる限り円滑に、法の完全実施を図るため、経過規定を設け、船舶職員の資格についての緩和措置等を講じた次第であります。  その後水産業界の発展に伴う新情勢に適応するため、遠洋かつお・まぐろ漁業の用に供する船舶についての船舶職員法の臨時特例に関する法律が今般国会を通過制定され、遠洋かつお・まぐろ漁業の用に供する船舶における船舶職員の充足難は、一応解決されることとなつたのでありますが、なお、遠洋かつお・まぐろ漁業以外につきましても、法の特例の適用期間内に、法定資格の船舶職員の充足が困難な面がありますので、船舶職員として船舶に乗り組ますべき者の資格及び海技従事者がなることができる船舶職員についての特例その他の経過措置を、昭和三十一年三月二十二日まで延期すると共に、その間に、船舶職員の充足を図ることにいたしたいと考えております。  簡単でありますが、以上が本法案の提案理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、速かに、御可決あらんことをお願いいたす次第であります。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 本案に関する質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 御異議ないようでありますので、次に政府から発言を求められておりまするので、これを許可したいと思います。

西村英一自由党運輸政務次官

○政府委員(西村英一君) 先般来臨時船舶建造調整法第二条に基きまする告示につきまして、当委員会におきまして一松議員より種々御意見の御開陳がありまして、それに基きまして、運輸省といたしましては、その告示の妥当でないというようなことを認めましたので、今般その告示を新たに出すことになりました。先般来たびたびお話がありましたようですが、三月二十九日付を以ちまして、運輸省告示百二十一号として出しましたから、この点御了承をお願いしたいと思います。   —————————————

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 次に航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。  それでは私から一言お尋ねしたいのですが、十条の二という規定は今回新らしく設けられた規定なんですが、その中でグライダーの耐空検査をやる人間のことが突如として出て来て、これつきりでほかの条文には出て来ていないのであります。これは恐らく運輸省令で民間に委ねられる趣旨でないかと想像するのですが、畢竟運輸省令でどういうふうなことをおきめになるのか、先ず以てこの耐空検査員というものの一つ性格といいますか、どういう運用をされるのであるか、その大体のところを一つ御説明願いたいのですが。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) これは御承知のようにグライダーはプライマリー、セコンダリー、ソワラーの三つがあるわけであります。御説明するまでもございませんが、ソワラーは飛行機で引張つて途中で綱を切つて離す、非常な何と申しますか、軽わざ的な高級なものであります。その次がセコンダリーでございまして、これは自動車で引張つて相当の、相当と申しますが、少し旋回できる程度のところまでのものでございます。それからプライマリーは、いわゆるよく学生等がやつております綱を引張つて、それで上げて地面を少し上つて落ちるという程度のものでございますが、この耐空証明というのを役所で全部今まで厳重にやつて来た次第であります。ところがそのいわゆるプライマリーは、日本全国ほうぼうで製作されておりまして相当な数に達しております。なお最近文部省としても、学生スポーツとして非常にいいスポーツだということでございますので、これを奨励するという態勢にあります。従つて一々航空局の役人が出かけまして、その耐空証明をしないと飛ばせないということでありますというと、いろいろ検査を受けるほうの側でも又航空局の事務の側からもいろいろ不便を感ずる次第であります。ところが又一面グライダー程度でございますというと、戦前からこれを製作したりいろいろなその技術を心得ておる者がありますので、プライマリーに限りまして、航空機工場整備士の経験、資格を持つておつて、そうして初級滑空機の製作又は製造、修理、改造の検査業務に一年以上従事したことのある人がなおまだ相当たくさんおりますので、そういつた人を認定いたしまして耐空検査員ということにいたしまして、その人の検査合格を以て耐空証明を得たことにいたしまして、行政の簡素化を図る、こういうことでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 今の耐空証明というものについて、何か日本に来る外国の飛行機は恐らく外国の耐空証明を持つておると思うのですが、何か国際的に、一々検査せずに、これは丁度汽船、船舶の場合のロイドの検査、その他の世界的に認められた検査証明があると思うのですが、その点はどういうことになつておりますか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) これは昨年日本が加入いたしました国際民間航空条約、特にシカゴ条約と申しておりますが、そのシカゴ条約の三十三条で「航空機の登録を受けた国が発給し、又は有効と認めた耐空証明書、技能証明書及び免状は、その証明書又は免状を発給し、又は有効と認めた要件がこの条約に従つて随次設定される最低標準と同等又はそれ以上のものである限り、他の締約国も有効と認めなければならない。」、こういうことになつておりますので、これを受けまして航空法の百三十一条で以て、その証明とか、免状とかいうようなものは相互に、これは何といいますか、効力を認めて、日本で耐空証明がなければ飛ばさないとか、免状がなければ飛ばさないということをいたしません。又アメリカ航空路で言いますと、日本政府が出しました耐空証明書、乗組員の免状はそのまま向うでもこれを認めて飛ばせる、こういうことになつておるわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 私はこれは全般に亘つて研究が済んでいないのだから、どういうことになるか知りませんが、この「技能証明の限定の変更」という、この「限定」という文字は、技能にいろいろ段階を限つておると思うのですが、そういう技能証明の限度の問題はどういうことになつておるのですか。その点ちよつと御説明願いたいと思います。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 例えば飛行機の免状についての限定を申しますというと、航空機の型式とか型というものについておるわけでございまして、普通わかりやすく申上げますと、免状を出しますのに、それに限定をつけまして、陸上多発、陸上単発ということを書き込んでございます。いわゆる免状にも単発の飛行機だけしか効力のない免状を、一番目に取るのはそういうのが多いわけでございます。それから更に練習と期間を積みまして、多発というやつになつて来ますが、普通それが多発になりますと、多発だけでございませんで、飛行機の種類によりまして、種類と申しますか、型式でございますが、例えばビーチクラフトの免状とか、或いはそれが四発のDC4というふうに限度を拡張して俗にレーチングを拡げる、こう申しておりますが、そういうふうなことで、実際に即してやつておるわけでございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 新らしい改正法案の中に自衛隊のことが入つているのですが、大体自衛隊の関係は五十六条だけですか、まだ全文を見ていないので……。五十六条の二ですか、これだけが自衛隊ですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 五十六条の二とそれから附則の最後でございます。御存じのように自衛隊に関する法律は、政府は今提案いたしておりますけれども、これが必ずしもその通りになるかどうかということははつきりいたしませんので、一応政府の建前として、自衛隊と防衛庁というものを作るということになつておりますので、本文をそういたしました。若しそれが今国会中に成立しないというようなことがございました場合には平仄が合いませんので、一番附則の最後の所で「防衛庁の設置に関する法律が制定施行される日の前日までの間は、航空法第五十六条の二第一項中「自衛隊」とあるのは「保安庁と、同条第五項から第七項までの規定中「防衛庁長官」とあるのは「保安庁長官」と読み替えるものとする。」、こういうことになつております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 自衛隊が飛行場を作ろう、或いは航空保安施設を作ろうというときには、この第三十八条によつて運輸大臣の許可を受けるわけですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 自衛隊法のほうの法律で現在もございますが、自衛隊のほうで作ろうという場合は、航空法の適用を排除されます。そこで自衛隊のほうで作るわけでございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうすると、自衛隊は勝手に飛行場を作れるということですね。それで今度自衛隊の作つた飛行場を公共の便に資するために、一般公共用に資するというときには、保安庁の長官と協議をする、協議ができなかつた場合には、それはできないと思うのですが、協議が整う見込があるのですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 自衛隊のほうで飛行場を設置することに関しまして、特定の或る飛行場のリリースされたものについて、私のほうもシヴイルの飛行場にしたい、自衛隊のほうもこれは自衛隊のほうの飛行場にしたい、こういうような両方から希望を申述べておる所もあるわけであります。本来から申しますと、自衛隊のような使い方をする飛行場とシヴイルの飛行場とは別であることが理想的だと思うのであります。アメリカ等ではやはり軍の飛行場はシヴイルの飛行場と原則として別にしておりますけれども、日本では狭い土地でありますので、そういつた理想を要求できませんし、農地を潰して新たに飛行場を作るということも困難でございますので、既設の飛行場を使うということにならざるを得ないと思います。その場合において、そこで自衛隊が飛行場を設置いたします。その設置するときは、法律では明らかになつておりませんけれども、覚書で私のほうに協議することになつております。そこで自衛隊が飛行場を作りました場合において、普通の民間飛行機が一々自衛隊へ行つてお願いして、その都度許可を取つて入るということでは、飛行場に着陸するというようなことでは非常に困りますので、自衛隊と私のほうでよく協議いたしまして、自衛隊の飛行場へ着陸したいとか、或いは飛行の安全の限度のものを告示いたしまして、航空法の基準に照して告示をいたしまして、その限度において民間のシヴイルのほうも自由に使えるという態勢を作ろう、こういうことでございまして、この建前につきましては、現在の保安庁と十分協議をいたしまして話が一致したわけでございます。なおこの具体的な場合について、協議が整うかどうかということについて疑念をお持ちのようでございますが、いろいろ我々が今まで折衝した過程におきましては、協議がつくものと、こういうふうに考えておるわけでございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 甚だ迂闊な質問ですが、今度自衛隊の航空機が飛ぶのは、別に航空法には規定されないのですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) この航空法の運航の章に関する規定の適用除外をいたしております。従つて適用にならない規定も相当たくさんあるわけでございますが、普通最も重要と考えますのは航空路でございまして、航空局が指定しておりまして、現在の定期航空、それから軍の作戦行動でないときは米軍も航空路を通つてこれに従つて飛んで来るのでございます。その航空路を飛ぶ場合には、やはり航空法の適用を受けて、そのコントロールで一元的に飛びませんと空中衝突その他危険を生じますので、そういうことがないように措置してあるわけであります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そうすると今の自衛隊の持つている飛行場を定期航空その他の民間航空がエマージエンシーなんかに使うという場合にはどうですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) エマージエンシーは何といいますか、いわゆるエマージエンシーでございまして、最低高度以下を飛んではいかんというようなことも規定してございますけれども、実際はエマージエンシーでそういうわけに参りませんので、エマージエンシーの場合には、恐らく米軍の飛行場でもこれを受入れることと思いますし、保安隊の飛行場も着陸を拒否するということはいたさない、こう思うわけでございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 そういう場合に自衛隊のふだん飛んでいる飛行機が或る程度航空法のあれを受けていないとエマージエンシーで降りるとしても、向うの飛行機とぶつかつてしまうというような虞れはないですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 墜落直前のようなエマージエンシーでございますと止むを得ませんけれども、その飛行場に来て、飛行場の近くで離陸しようとする飛行機があるというような場合に、むちやくちやに降りて来られると困るというような場合には、自然そのコントロールができることになつておりますし、無電を持つておりますれば連絡いたしますし、それから無電がない場合には、昼間でもわかるような光を塔から発射して誘導する、こういうことになつております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 定期航空のものでも無電のない飛行機があるのですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 今の御質問と私の答弁が食い違つたかと思いますが、今岡田委員の御質問は、軍の飛行機が例えば羽田なら羽田みたいな所にエマージエンシーで降りるときにどうなるか、こういうことと了解して御返答申上げたのでございますが。

岡田信次自由党

○岡田信次君 私は逆な場合です。民間飛行機がエマージエンシーで自衛隊の飛行場に急に着陸しなければならんというような場合に、別段指定しなくてもそういう場合には止むを得ないと思うのですが。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) そういう場合につきましては、保安隊の飛行場は必ず全部コントロール・タワー、無電設備ができて、空地間のボイスによる連絡ができるとは限りませんので、そういう設備のないときには、先ず目で見て降りるよりしようがないと思います。それから保安隊の飛行場にそういつた空地間の施設があれば、それに呼びかけて降りるということで、エマージエンシーの場合は当然これを受入れてくれるものと考えておるわけであります。現に例えばヒヨコツと飛行機が飛んで来て羽田へ降りられないというときは、横田を呼びまして、横田の軍の飛行場に空から連絡いたしまして降りた例もあるのであります。これは米軍でございますから、保安隊には適用ないと言うかも知れませんが、そういつた緊急の必要な場合は当然受入れてくれるものと期待しておるわけであります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 保安隊の飛行場は現在大体幾つあつて、将来幾つになるかということがわかつておりますか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) その点は新聞等で見る程度でございまして、現実には浜松の飛行学校がございます。これはまだ接収中の飛行場を保安隊が使つておるわけであります。その他聞くところによると、具体化しておるものは札幌の丘球飛行場、それから下関の小月飛行場というのが予算的措置ができたというふうに聞いております。なお第三幕僚監部ができて来るので、いろいろ新たなる飛行場の獲得について努力しておられるようでありますが、はつきりしたことは私只今記憶いたしておりません。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 私からもう一つお尋ねしたいのですが、百二十六条以下の外国航空機に関する改正でありますが、この前詳細の御説明を一応は願つたわけなんですが、よくわからないのです。例えば従来は飛行機の使用者の国籍によつていろいろ規律されておつたが、今度航空機の所有者の属する国籍によつて規制するというようなことになつておりますし、それからその他ずつと通読してみまして、前回の御説明と対照してみたのですが、私はよくわからないのですが、この外国航空機に関する改正条文をもう少し詳細に御説明願えないか。或いは場合によつては必要に応じて速記をとめることも止むを得ないかとも思いますが。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) シカゴ条約の締約国とそれから非締約国につきましては、日本に飛んで来る場合に差別して扱う、こういう建前になつておるわけであります。非締約国の飛行機でありますと、如何なるものでありましても、特に定期航空運送事業の許可をしていないものにつきましては、これを許可を与えなければ飛んで来れない、こういう建前になつております。そこで締約国なりや非締約国なりやを区別する実益が生ずるわけであります。その区別の基準を使用者の国籍においておりましたのを、今度は飛行機そのものの国籍に変えたのでございます。これは最近におきまして、先般ICAOと申しまして、シカゴ条約に基く、現在では六十三カ国になつておりますが、六十三カ国の政府機関を以て構成した国際民間航空機関というものがあるわけでございますが、その理事会で以てこの条約の規定についての締約国、非締約国の飛行機の区別を飛行機そのものの国籍によつてきめる、こういうことに法定解釈がきまりましたので、それに併せて改正しただけでございます。  なおこの外国人国際航空運送事業に関しまして規定の変更をいたしております。重要な変更だと思います。これにつきましては、現在実質的には百二十九条一カ条のみでございまして、非常に何と申しますか、オープン・マインデツドな規定に相成つておるわけでございます。これを我々現在まで知り得ました各国の実情、各国の規定、各国の取扱等を勘案いたしまして、条約に牴触しない限度において実情に即せしめるべく改正をいたした次第でございます。  若し速記をとめて頂ければ……。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記をとめて。    午後二時五十五分速記中止    —————・—————    午後三時十六分速記開始

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を始めて。

一松政二自由党

○一松政二君 私はまあいろいろ航空局長のお話を承わりましたけれども、この際日本航空法に基いて、そうしてその資金計画を聞いて、我々は日本航空というものをどうしたらいいか、そうして国際航空に乗出して、今後海運もさることながら、海運は遅れた遅れたと言つて随分まあ昨今では問題まで起して漸くあの程度まで漕ぎつけたのでありますが、航空に至つては、もうそれは海運の比ではないわけであります。戦争前或いは戦争中は日本の航空事業は、これはまあ軍と一体になつておつたわけですけれども、随分東洋の空を飛んでいたわけであります。それが戦後壊滅してしまつた。壊滅の程度は海運の比じやないと思います。そうして僅かに日本航空というものが再スタートをして国際線に乗出した。これに対する私は運輸当局なり或いは大蔵当局、むしろ日本政府といいますか、日本政府の認識が足らないというのか、或いは守り立てる熱意が薄いというのか、私は外国の航空会社が日本に乗入れたい希望を持つており、或いはその回数を殖やそうという努力を目の前に見ながら、日本航空をもつと資金的にも或いは航空機の数においても、これが育成に頗る遺憾の点があるのじやないか、もつと熱の入れ方が足らんのじやないかという気がしてならないのであります。そうして何も海運にいろいろな問題があつたからといつて、私はそういう問題のために熱意が欠けているとはゆめゆめ思わないのですが、たまたま日本の経済情勢なり、外貨の状況その他を気遣うの余り、巣を飛び出したばかりの揺籃時代の日本航空に対して、もつと政府として熱意を持つてこれが育成に努力をすべきじやないかと考えるのですが、一応当局のこれに対する熱意のほどを承わりたいと思います。

西村英一自由党運輸政務次官

○政府委員(西村英一君) 一松さんから航空事業の振興についての非常なお言葉でございまするが、何さまやはり航空事業は独立国家になつて初めて事業に着手したようなことでありまして、急速にはなかなかこれは行かんと思います。政府も昨年はそのために、これは全額じやありませんが、半額の出資をしているし、それは引続いてやはり日本航空のために続けて行きたい、こう思つているのでありまして、お言葉は十分体しまして努力はいたしますが、それは先進国のようなまねはちよつとできない。十分御趣旨のほどは承わつておきたいと思います。

一松政二自由党

○一松政二君 政務次官の答弁は甚だ私は不満だ。ということは、何も先進国のような方面に日本が幾ら逆立ちしても、三段飛びしても五段飛びやつてもアメリカのように爪の垢ほどにもなかなか到達することはむずかしい。ただ太平洋の一航路にたつた今二機で飛のでおる状態を、これを四機で飛ぶかという程度なんですから、パン・アメリカンの何分の一になるのか何十分の一になるのか知らないが、その程度なんです。それをいわゆる日本の国策会社としてはやつたんだろうと思う。政府が半額持ち民間が半額持つという以上は、これは国策会社に違いない。そうでないならば、私は単なる民間会社にいたしておけばいいと思う。何も政府が持つことはないと思うのです。政府が半額持つて出資し、なけなしの金にしても半額持つてやつたということは、国際航空に少くとも日本航空をして乗出させるというだけの考えを持つてやつたに違いないのです。我々もその趣旨であの法律を通したわけです。ところが多少昨年と今年の経済的な様相、或いは政府の施策が急転回をしてはおりますけれども、スタートしたばかりの会社の資金なり或いは計画というものはそうなかなか意のごとくはい行ないが、これを親切にそれは少い金の中から、貧乏な国ですからこれだけに入れるということはできませんが、多くの金を割いて分けてやるにいたしましても熱の入れ方、これは私は相当熱意を持つてやられたと思うのですが、ところが運輸省だけでは、肝心要の金のほうの関係ができない。そうすると結局大蔵省が財布の紐を持つておる。日本政府の弱点は常にこういうところにある。所管官庁が何かやろうと思つても横で財布の紐を締められればどうにもあがきがつかない。私は、この日本航空を育成すべきものについて運輸省の熱意をあえて私は疑おうとも思わないですが、大蔵省関係が私は大きく響くと思いますから、運輸省という考え方でなしに、大蔵省をも含めた日本政府としてのもつと熱の入れ方を私は希望してやまないのです。ということは、国際航空の競争或いはパン・アメリカンその他の外国の日本に乗入れる航空会社ということが大蔵省に必ずしもすぐ響かない、又大蔵省は金の面だけをむやみにやかましく言う、場合によつたら或いは舅、小舅みたような考え方が係の中に起らんとも限らない。でありますから、そういうものを一括した大きな立場として政府としてもう少し、私は別にこれを甘やかせとも何とも言いませんが、これをもつと所期の目的にかなうように一段の努力を運輸省が先頭に立つて、所管官庁の責任者としてもう一段の奮起を私は促してやまないのです。

西村英一自由党運輸政務次官

○政府委員(西村英一君) 私政府を代表してというのはちよつと大げさですから、私の所見だけを申上げておきます。実はもう日本におきましては、どちらかと申しますと、鉄道なんかは古いほうの部類に属することで、やはり好むと否とにかかわらず、これからの交通界は飛行機になつて行くのでありまして、運輸省は交通を受持つておる以上は、どうしても航空には身を入れなければならん、こういうふうに考えておるわけでありまして、国際線の問題につきましては、これは予算から見ましても、現在、今後の状況を見ましても、私たちは力を大いに尽すべきつもりでございますが、併し一方国内の財政上の問題もございますので、期待に副うかどうか知りませんが、これはどうしてもやはり航空事業に交通界はなつて行くという点から、殊に運輸省はそれを所管しておる官庁でございますので、御趣旨に副うように力を尽したいと思いますので、折角御協力下さることをお願い申上げます。

一松政二自由党

○一松政二君 日本航空に関する質問は私はこのくらいにいたしておきたいと思います。今の航空法の中に、さつき外国の航空運送事業経営者というのと、それから外国の国籍を有する航空機と二つに分れておる。私は国際航空運送事業をやる者に対する事業計画その他については、先ほどの局長の説明で大体そういうことであろうと思いますが、日本航空なども、最初にスタートしたときは、いわゆるアメリカ国籍の飛行機を借りてやつたはずなのです。現在もたしかこの間新聞で拝見したところによるとDC4は、スエーデンかどこか知りませんが借りて来てやることになつておる。それは外国の国籍の飛行機であろうと思うのです。今後は買う金もない、併しながら日本航空としてはどうしてもやりたいというようなことになれば、外国の航空機を借りるという問題も起つて来るだろうと思うのですが、そのときの処置は、多少何か実際問題として変るわけはありませんが、法の建前上、条文の上から取扱を別にするということになるのですか、どうですか、その点を承わりたい。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) サスから持つて来た飛行機は日本が買う約束ができまして日本の国籍に移しました。  なお将来の問題といたしましては、日本航空で、或い他のプライベートの会社であるというような所で外国国籍の航空機をチヤーターするという問題でございますが、それは航空法上は差支えなく行けることになつております。ただ検査規定等の関係で、現行政令では若干工合の悪い点がございますから、それを実情に適するように改正いたしますれば、現行法のままで外国の飛行機をチヤーターして差支えなく運航ができる、こういうことになつております。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 先ほど自衛隊の飛行場へ降りることができる、そういうような改正のように、そういうようにありましたね。それから又いま一点は、羽田に降りられないというような場合に、横田に降りた例もあるということであつたのだが、今度御承知の防衛秘密保護法案というようなものができて、その曉に米国と防衛隊とが当然に一緒に使う飛行場というものが今後できて来るのじやないかと思うのですが、そういう場合に軍の機密が漏れるというような意味合いで、民間飛行機が着陸することは罷りならんというような事態が起きて来ますかどうですか。いわゆる防衛保護法というか、秘密保護法案というか、それらとの関連性は、何かお考えになつたことがありますか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 現在日航が定期航空をやつております飛行場のうち、管理権が日本へ移つておるのは羽田飛行場だけでございまして、千歳、三澤、伊丹、名古屋、それから大阪、岩国、福岡という所は米軍の専用、こういうことになつておるわけでございます。御存じのように、千歳とか、特に板付のごときは、重要なる向うの基地であると思うのでございますが、これに対しては乗入れを十分認めておりますし、逐次日本人の入つて行く門の所の取締等も緩和するというような傾向も見えるわけでありまして、十分に日本の民間航空に対して協力してくれるという態勢が見られると思います。そういつたことから考えまして、将来この飛行場を使わせないということに、秘密保護の見地から使わせないということにはならないものと一応期待しておるわけでございます。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 先ほど岡田さんの質問の中にあつたと思いますが、今飛行場は、あなたの言うのは、日航が正式に使えるのは羽田一カ所だけだというのですか。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) 日本側に管理権が移つておる飛行場といいますかは羽田一つで、あとは米軍に行政協定に基いて提供しておる飛行場、こういうことでございます。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 米軍に提供しておるというのは、米軍の日本の国内における飛行場の数というのはどのくらいでありますか。これがまずければ速記をとめてもいいですが。

荒木茂久二運輸省航空局長

○政府委員(荒木茂久二君) ちよつと正確な数字ははつきりいたさないわけでありますが、相当数あると思います。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 やつぱり秘密保護法に属するのか……。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記とめて。    〔速記中止〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記起こして。  それでは暫時休憩いたします。    午後三時三十八分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた〕

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