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19回国会参議院1954/02/23

運輸委員会 第11号

発言数
72
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/02/23

会議録

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 只今より運輸委員会を開会いたします。  運輸一般事情に関する調査中、海運行政に関する件を議題といたします。  前回に引続き御質疑のおありの方は御発言を願います。

一松政二自由党

○一松政二君 私は先の委員会におきまして、最後に臨時船舶建造調整法に基いて出されたいわゆる九月十六日の告示事項と十月二日の告示事項が、一つの法律から二つの告示事項が出ておつて、その矛盾と、その不可なるゆえんをしばしば質しまして、最後にこれはどうしても運輸省の側で、ともかく常識的には一応考えられる線であつても、いやしくも一つの法律に基いて二つの基準を出すことは間違いに違いない、従つて運輸省がこれを考え直すべきではないか。これは私と天田委員からも申されたわけでありますが、それに対して運輸省はどういうふうにお考えになつたか、そのお考えを先ず承わつて、それから本日の質問をいたしたいと考えます。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 先日一松さんからお話がありまして、私ども研究をいたしましてということでお預けにお願いしておいたのでございますが、いろいろ相談をいたしました結果、先頃一松さん、天田さんからお話のありました二つの告示はどうも面白くないという線でのお話の点、数々の問題を研究いたしましたことを結論的に申上げますと、運輸省の告示四百十五号、即ち外航船の計画造船利子補給の対象になつております船に対する分として出しておりまする告示をやめてしまつて、四百三十二号一本にするということが先ず第一点でございます。その四百三十二号のうちの第四項、「当該船舶の建造を注文しようとする者が、その経理的基礎が確実であり、且つ、その船舶による事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。」ということも、少しく役所が深くはまりすぎるのではないかというような前回の御意見の線から考えますと、これもこれから除いたらどうか。四項を除いて、五項が四項に上がる、同時に附則をやめます。「外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の適用を受ける船舶の建造につき、別に、その許可の判断の基礎となる事項を定めたときは、この告示で定める事項にかかわらず、これによるものとする。」というのが要らなくなりますので、これを除くということで行つたらどうであろうかということでございます。  それから根本の問題になりまして、これは昨年本法ができまする時分に、たしか一松さんからもいろいろ御意見がありましたが、できたばかりの法律でもございまするし、大多数の方の御賛成でこれができて、漸く今適用になつておる時でございますから、これはまだそのほかいろいろ船舶行政につきまして御意見もさまざまあるようでございますから、根本的な問題と共に、皆さん方の間で検討されましてどういうことになりますか。それまで私どもとしては、現行法のままでやらして頂きたいと、こういうふうに思つておるわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 そうしますると、今の附則にある外航船舶建造融資利子補給云々のこの法律に基く許可権、許可権と申しますか、それの選考の標準と申しますか、いわゆるその許可の基準をどういうふうにやつて、どの法律に基いて、この臨時船舶建造調整法の枠の中でそれを改めてどういうふうにお考えになろうとしておるのでありますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これもこの前の時も問題になつたと思いますが、この調整法の範囲内におきまして、行政の手段といたしまして、運輸省で海運造船合理化審議会の議にかけまして、その準則をきめて行きたい、それによつて許可するようにしたい、こういうふうに思つております。

一松政二自由党

○一松政二君 そうするとどうしても許可の基準が二様になるわけです。どうしても法律それ自身に欠陥があるから、この法律それ自身を考えないで、一応この法律に基く許可の基準は十月二日のこの告示によつて今のように御訂正になりましても、今度もう一つ許可の基準を合理化審議会で仮にきめたとなれば、それを又告示しなければならんという問題が起つて来ないでしようか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 合理化審議会できめますのは、船主選考に関して、その意見を尊重して、一応行政措置としてそういう選考をきめるわけであります。そのきめられた船主の相手になる造船所がこの二条によつて許可申請をして来るわけであります。その場合に、今の告示の四百三十二号によつて許可する。ですから船主選考によつて一応きまつた船主が、その相手造船所から建造許可申請をした場合に、建前から言うと、又別個の基準によつて許可するわけでありますが、実際問題としてはどうなるかわかりませんが、一応建前はそういうふうになると思います。

一松政二自由党

○一松政二君 そうしますとやはり同じことになるのです。選考した船主に許可を与えるということ、船主を選考するということは、結局許可を与えるという前提になるのです。その点はどうですか。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) 建造許可申請は造船所から出ますから、我々のこの調整法によつて与える許可は造船に対して与えるわけです。

一松政二自由党

○一松政二君 そうすると融資利子云々の法律に基かずに、ただ建造の許可だけ申請された場合には、全部建造を許可なさいますか。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) この告示の四百三十二号に該当するものであれば、許可いたします。

一松政二自由党

○一松政二君 そうすると許可された者は私は開発銀行なり、或いは市中銀行なりに運動して、そうじて今の利子補給なり、損失補償なり、これに均霑しようとすると思います。先ずそれに行く前に建造の許可を申請した場合に、何によつてそれを拒絶なさろうとしますか。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) 実際問題としてはそういう例は今までないのですが、理論的に行きますと、こちらで許可を受けて、今度は開発銀行のほうに財政融資を受けるように申請した場合に、開発銀行でその船を造る船主の資産信用状況その他が開発銀行の当初の目的にかなつておれば、当然開発銀行としては金を出すだろうと思います。

一松政二自由党

○一松政二君 そうすると私は臨時船舶建造調整法によつて、この基準から行けば、いやしくも相当の船ならば必ずこれは許可をせにやならんことが法律に謳つてあるのですから、この建造許可権を私は先に申請すると思います。そうしてその申請したものについて、今度は別の法律の利子補給その他国家の恩典を受けようと思つて開発銀行なり、或いは市中銀行に行けば、私はこれは比較的すつきりした形ができやしないかと考える。そうすると船の観点から一応それで通つているのだから、だから今度はそれを金融面から、或いは資産信用、或いは能力というものを今度は銀行に任せて、それがやつて行くということになれば、一応形は整いはしないかと思いますが、そのときに許可を与えた船会社に対して、運輸省は更にそれに対して何か口をききますか。それともきかずに船会社に任せますか。それはどういうことになりますか。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) それは開銀なり、銀行に任せざるを得ないと思いますから、我々としては、それに一応許可したものを異論を言う必要はないと思います。ただ我々の許可するのは造船所に対して許可しますから、その許可された造船所で造る船の船主が開銀や何かに申込むわけですから、その船主の資産信用が適当であれば、我々はそれに対して何も異存を申立てる筋はないと思います。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 ちよつと関連質問ですが、恐らく一松委員もこのことを予想されていると思うんですが、私が考えるには法体系とすれば、今大臣が御答弁になつたように、臨時船舶建造調整法によるところの許可基準はこれこれ、こういうことに一つして、更に建造融資利子補給及び損失補償法に基く許可基準はこれこれ、こういうふうにすれば一応法体系としてはそれで整つたと思います。ところが私どもは更にそれを進めて、建造の許可については飽くまでも臨時船舶建造調整法に基く今の大臣の御答弁にあられました修正したところのこの告示の基準で建造は許す、こういうことにしてしまい、今度は融資利子補給法の分は、建造の許可不許可については触れないで、これこれの基準のものは利子補給や損失補償をせないということにすれば、私はそこのところがすつきりするし、物事が一貫して来る、こういうふうに思うのですが、そういうふうには一体お考えにならないのでしようか。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) 別段考えないわけじやありませんが、今おつしやつたように、先ず造船所から建造許可申請を出しまして、その船の内容がこの許可基準に合つておれば運輸省で許可いたします。それによつてその船を造る船主が造船資金を借りて船を造りたい、或いは利子補給法の適用を受けたいという場合には、開銀なり、それぞれの所に申入れをしまして、そこで開銀なり、或いはそのほかの面でいろいろ調査して、それに適合しているということになれば、それで資金も貸出す、それで運輸省といたしまして、利子補給の申請が出て参りました場合は、運輸省としてそれが適当であれば又それを許すということになる、別段差支えないわけであります。

一松政二自由党

○一松政二君 そうしますと、先ほど大臣から御答弁になりました趣旨に従つて、九月十六日の告示は一応取消す、そうして十月二日付のこの基準を修正して一応船舶建造許可はこれでやつて行く、それでどうだろうというお話でございますが、それから先にいろいろ又この政府資金、開発銀行の資金により、或いは利子補給或いは損失補償しなかつたものは又別でありますが、その運営を今どうするか、そのやり方をどうするかということについては、そう今すつきりした形の答弁は私はむずかしかろうと思うから、それは一応他日に譲りまして、この間から私が問題といたしました臨時船舶建造調整法に基く告示は、十月二日の告示を修正したところで一応やつて行くということを当座の考え方として私はそれは了承しておきたいと思います。ただ先ほども大臣が申されましたように、私はこの建造許可制それ自身が甚だ今日といえども、私は当時反対した一人でありまして、今日といえども納得は行つておりませんけれども、これは議会政治でありますから、一応通つたものは通つたものでありますが、これは一応通つた法律でも次の議会で修正なり廃止するということは今までの法律でも決して例がないわけではございませんから、私は一日も早く建造許可制と、而も五百トン以上の船を全部一括して建造許可制に持つで行つた、こういう考え方は清算して頂きたいと考えます。というのは、船を建造する、例えばこの間の委員会でも大臣がトランパーのことを申されましたけれども、船を建造する場合に必ずライナーか、或いはどこの航路に用いるかというようなことは、これは昔の郵、商船みたような定期航路を、殆んど定期航路だけを営んでおる船会社ならそういうことでありますけれども、どこの航路についておる船だというようなことは、トランパーの場合には絶対そういうことはないわけであります。ただそこの一区か二区を除いて、あとは遠洋なら遠洋ということで、あとはトン数だけの問題でありますから、どこに用いようと、船はあらかじめどこかの線路を走るようなものとは違いますから、その船の建造を許可するに当つて、これはどこの航路に向つて使つて、その航路は満員だからお前は駄目だ、そこの航路はこれがやつておるからお前は加入してはならぬというようなことまで、船のようなもう最も自由であらねばならん、もう国際的にどこの港でも、どこの国の果までも行かなければならん船を私は何か統制の枠の中に入れて物を考えるという考え方は、余りにも過去の統制なり、或いは建造の許可権を濫用した時代の遺風が残つておると、こういうことはこの最も自由であるべき商品です、施設です。船自身の性質がそういうものでありますものを、特にそれを枠の中に入れて、そうしてそいつが足らんとか、余つておるとかいうことを世話を焼かれることは、私は行政上甚だ当を得たことではないと、この前から申上げますように、計画造船に関することだけなら何をかいわんや、これは当然国がそこまでやるのだからそれに対しては国が許可権を持つてよろしいのだ。最も自由なる船、例えば瀬戸内海のどこで五百トンなら五百トン、千トンなら千トンの貨客船をこしらえておる、一体お前はそれをどこへ用いるつもりかなんということまで私は考えてやられることは行過ぎじやないかと思うのです。やはりこの優勝劣敗、船のごときは特にそうでありまするし、この間も申上げましたけれども、一つの船会社だけがやつておればどうしてもそこはサービスを怠つて来るし、老朽船をやはり使うことになる。そこへ新造船の優秀なものが行けば一方が非常に刺激される、それを三軒も四軒も同じものを、荷物もない、お客さんもない所でやろうといつたつて、やる人もありますまいが、そういう人は論外でありますが、それは事実起らない。従つて私は計画造船以外のものはこの際一日も早く自由にすべきじやないか、これは私の持論であり、この前これを特に強調いたしまして論議したわけでございます。まあその当時問題となつたこの基準は運輸省のほうで改めて、更に告示のやり直しをするということでございますから、まあ一応形だけは整いかけて来た。これから先は、まあ繰返して申しますが、許可を計画造船だけに限るということは、これは私から希望条件として申上げておきまして、一応この臨時船舶建造調整法の告示に関することは、私に関する限りこの程度で一応終つておきたいと思います。あとは天田委員がたくさん質問がおありになるはずだし、私が一人で時間をとつておることもどうかと思いますので、以上を以て一応この調整法に関する質疑は終つておきます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私は、今一松委員がおつしやつた臨時船舶建造調整法の告示に関する問題については、私も一応この程度でやめておきまして、利子補給に関するものを如何なさるか。これに若干の時日を藉したいと存じております。ただ私はここで大臣の今居る所で申上げておきたいのは、むしろこの海運船舶行政のみならず、全般の運輸行政一般に通ずる問題でありますけれども、監督行政の内容に私は多大の疑義を持つておる。今まで一松委員から指摘された問題も、一体自分だけが許可をしたり、自分がそれだけの許可の認定等ができる能力を持つているがごとき思い上りといいますか、そういうことが一つの例として指摘されていますが、過日来もこの委員会で問題になつたわけでありましてこれは単にこの指摘された問題ばかりではなくて、これはむしろ運輸行政ばかりではなくて、今の日本の行政全般にも私は及ぶと思いますけれども、たまたまこれら監督関係のものを見ましてもそうですが、そういうところが随所にありまして、例えば信号保安装置云々とか、そういうことまでも、或いは私鉄の従業員の給与までも関与するがごときことが羅列されて、その内容をどの程度にやつておるか知りませんけれども、私はもつとこの点については詳しく調べて、それから更に質問をしたいと思つておりますけれども、いずれにしましても、そういう役人が要らざる関与をし、役人が監督しなければどうにもできないのだと、こういう物の考え方が大きな過ちを起すと私は思つておるのです。で、まあ今の船舶行政の告示の問題に対して実に運輸大臣は、四百十五号のほうは一応廃棄する、更に四百三十二号についても、これを修正すると、こういうことを申されて、これはまあ官僚としては実に、まあ運輸大臣は官僚ではありませんが、とにかく官僚は勿論それを認めてでしようが、いずれにしてもそれを認めるというようなことは、私は画期的な進歩だと、これは実にいいことだと私は喜んでいます。こういう考え方は私は少くとも、他の委員会のことをここで申しませんけれども、せめて運輸省関係だけについても随分無駄な監督というものはやめられる面がたくさんありますので、これらについて全面的に一つ御研究になつて、今船舶行政についてとられたと同じような措置をとつて頂きたい、こう私は思います。大臣はそういう点について如何がお考えになつておられましようか。一つ大まかな点を質問申上げておきます。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私は自分は自由党に属しておりまするが、余りいろいろ容喙するのは主義ではいほうでございます。監督の行過ぎが却つて仕事の邪魔をするというような場合も多々あることでございます。できる限り監督の行過ぎとお互い思うようなことは、御指摘を待つまでもなく私どもは直さなければならんと思います。又御指摘頂きますれば、私ども御賛成できるならば片端から直して行きたいと、そういうふうに思つております。ところが鉄道の話が今ちよつと出ましたが、これは今まで鉄道の、国鉄の監督というものは、私どもああいうふうな制度の下に出発いたしました国有鉄道としては、自分で何でもやつて行くという形を成るたけとりたい。運輸省が二階から目薬のような形になつて、その業務をいろいろ監督し、指揮するようなことにならんほうがいいという建前をずつと見ながら来たのでございまするが、まあ昨年の鉄道会館問題から、少し放任に過ぎるのじやないか。運輸省も共に監督というと仰々しいのでありまするが、一緒に責任を持つような気持で一つ国鉄の仕事を見て行くべきだという話で、だんだんとそのほうに実は近付けておる状態でありまして、これは余り放つたらかしておるのは監督もし、行過ぎたのはどんどん是正して行くということに決して私どもはこだわらずに皆さん方の御意見も聞いてやつて行きたいと思います。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 委員長は先ほど船舶行政に関してというまあ区切りをつけたわけですが、ところが大臣非常に又今日もお忙しいそうで、途中で衆議院の予算委員会等へ出なければならないという話も実は伺つたのです。そこで船舶行政だけに区切られると、他の面ではほんのかすめる程度にしかまあ言及できないわけでして、そこで如何ですか他の面に言及してよろしうございますか。大臣がずつとおられるならだけれども、他の院の審議の邪魔をしても如何かと思うから私申上げるのですが、……。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 本日の議題は一応海運行政に関する件ということに公報で御通知してあるわけなんですが、皆さんに御異存がなければ、海運行政以外の面に亙つてもいいということにいたしたいと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 御異議ないようでございますからどうぞ。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 それではお許しを頂きまして質問を続行いたしますが、私はまあ本来、ここに監督局長もお見えになつておれば、そこで大臣には是非聞いて頂くという方式で質疑を進めたいのですが、局長が見えておりませんから、大まかな点だけをお伺いする、こういうふうにいたします。そこで私は必ずしも自由にするといつて見たところで、国民の税負担にやがてはなるような事柄についてルーズであつてよろしいなどという立論をしているのではございません。問題は一つの例を挙げれば、信号保安装置のような技術的なものが、ずつと何十年も以前ならばかなりこれを技術的な援助もしなければならない、指導もしなければならないという時代ならともかくとして、今日では私鉄等におきましても国鉄で相当の技術を修得し、相当の責任のある地位に立つた方々が私鉄に入つておられて、そういう人たちが許可申請書を作成して、万全なりとして持つて行つたものを、今度は審議するのが役人というただ名前だけで、さつぱり経験もなければ、技術もそれほど格段衆に勝れておるというようなことのない人が審議して、許可するとかしないとか、そういうことをやるのが沙汰の限りだというので、鉄道会館の問題のごときを引合いに出されては私は誠に困るのであつて、ああいう会計のような認定、どうにでもなるものは、これは十分国家としても関心を持つて監査といいますか、しなければならないくらいでありますから、行政官庁であります運輸省がこれに十分な監査をするのは私も当然だと思う。だからこれは細かいことのように亙りましたが、一つの例として、お前こうしてはいかんとか何とか、そういうことの結果、いわば損の行くのは相手であつて、その損が行くか行かないかを運輸省がそんな認定をしなくてもよろしい。さつきの船舶の例で一松委員が言われましたけれども、お前はこの航路についてはいかんとか、この航路に使うならば許可をするとかしないとかいつて、その航路について損をするのは船舶の持主なんだ、そんなことにいいとか悪いとか、余計なお節介、こういうことをさつきも言われたのですが、それと同様なことが運輸行政全般にあるから、これについて、そういう要らざるところは一つやめてもらいたい、こういうことで申上げたのでありまして、その点についても十分研究されるというなら、これはそれでよろしいのでございます。長いことになりましたが、一つ謙虚な気持で当つて頂きたいということを重ね重ね希望しておきます。  そこで次には、今朝の新聞にあつた問題でありますが、すでに造船汚職が天下の耳目を衝動しておりまするときに、今度は陸運局の関係の汚職が、一つ一つは何か小さいようでありますけれども、全国にこれが拡大するということが新聞に出ております。私はこの際、この新聞の記事が誤報であることを実は期待するのでありますけれども、今日の状態を見るとこれは誤報でないというふうに考えざるを得ませんし、新聞内容も、人の名前までもはつきり上げて指摘しておるのでありますから、恐らくこれは誤報ではないでありましよう。こういうことについて、造船汚職の問題について、過日の本院の本会議におきましても大臣は、刑事問題になつており、検察当局の手が入つておるから、それの結果を見てから云々ということを、政府が一致してそういう答弁をしておりますけれども、私としては、これが刑事事件でどれほどに発展するか、検察がどれほどに精査するかは別といたしまして、すでに法律以前、検察以前の問題として、これを十分、そうしたことが起らないならば更によろしいのですけれども、起きた場合には、検察当局の手を待つことなしに私はこれを清算する、こういう努力がなされなければ、政治にも行政にも決して国民が信用を置くに至らない、こう考えておりますので、この観点から今日喧伝されております陸運関係の全国的に拡大されるといわれる汚職について、どういう御処置をとられつつありますか、その点を一つ承わつておきたいと存じます。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私内容をまだ承知いたしていないのでございますが、まだ報告を聞いておりませんのでございますが、私のほうの所管の運輸省の地方の陸運局に問題が起り、又それがお話のようでありますると、全国的の問題であるということでございますが、私どもが検察当局の発動があるような問題、これをその前にわかつていればどんどん直すべきじやないかということでございますが、私どもわかつておれば勿論そのまま認めるわけはないのでございまして、どういう程度のことかわかりませんが、これの内容になりますると実際わからない場合が多いものでございますから、仕事の本筋が歪められていれば当然これは私どもわかつて、それに当つている者をいろいろかえるということはありますのですが、物によりますと仕事は順にやられて、そうしてそのほかに犯罪が犯されているというような場合には、どうにも手がつかんという場合が実際上あるのでございます。陸運関係のどういう状況でありますか、事情をよく究めまして、刑事問題を離れまして私どものほうで是正することのできるような問題がはつきりいたしますれば、当然そういうことにいたしたいと思います。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を始めて。  都合により暫時休憩いたします。    午後三時四分休憩    —————・—————    午後三時四十六分開会

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 休憩前に引続き運輸委員会を開会いたします。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 大臣が来られないので、聞くだけでも聞いてもらつたほうが都合がいいことであつたわけですが、今雑談の中に出たような事情で衆議院から来られない、こういうことであります。そこで私は質問の焦点を外さないようにお答え願う意味で、若干前言を申上げますが、局長よくその点を一つ心得て頂きたい。それは、私の考え方は、いろいろ造船汚職とか、又今朝新聞に出ておりまする陸運事務所の汚職とか、こうした事態が起きる、若しくは起きるやという疑念があるような場合に、これを検察当局の決定を待つて云々というのが、これはきまり文句と言つてもいいくらい政府の答弁にきまつておる。実は先にも大まかな質問を大臣にしましたところが、やはり陸運事務所の汚職についても、自分はまだ報告にも接しておらないし、つまびらかにいたさないのでと、こういう答弁があつたわけです。で、私としては、検察当局或いは刑法に触れるかどうかというそこまで行かない、又は不正と言わざるまでも不当という扱いがあるのであつて、これらの点について、検察当局の発動の如何にかかわらず、又最終的には罪になるならざるにかかわらず、これをみずから戒しむるというところがなければ、政治も行政も共に国民の不信を買う、こういう前提に実は立つておるのです。そこでそういう前提だから、その意味を外さずに答弁を賜わりたい。  第一の質問は、今朝の新聞に陸運事務所の汚職事件が、単に一事務所にとどまらず、これが全国的に拡大する様相であるということが伝えられておるのであります。ところがこれに対して、先にも申上げるように、大臣は、自分はそうしたことの報告を聞いておりません、それから内容もつまびらかにしておりませんから何とも言いがたいと、こういうことを答弁された。私はこの答弁が誠に気に食わない。いつでもこういう答弁がされるわけですけれども、一体、じやあ運輸省の機構というものはどうなつておるのか。すでに新聞にも出ておれば、官房なり或いはそれを所掌する、この問題については自動車局でありますけれども、自動車局長なり、或いはその下僚なりというものが、すでに新聞に出なくても、そういう呼出しを受けたとか、或いは捜査まで至らないにしても出頭を命ぜられたとか、こういうことがあるのでありますから、それでもわかるはずなんです。どういう事態が起きつつあるかということだけはわかるはずです。それが罪になるならないは別問題です。とにかくこういう事態ということがわかつておるのに、一体故意にそうした悪いと思われることについては大臣に知らせぬようにやつておるのではないかということになるのです。又知らせられないにしても、新聞等に報ぜられれば当然承知して、これは何だということを大臣側でも積極的に部下に質して、事態をでき得る限り明らかにして、いつ国会等で質問されてもそれに答弁ができると、こういうことでなければならんと私は思う。この現に起きつつあります陸運事務所の汚職事件について、一体あなたの所管であるけれども、局長はこれについて何も大臣に知らせない、これに蓋をしておるということなんでしようか。この点を先ず第一にお伺いしておきたい。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 只今御質問にありました新聞に載つておる最近の問題につきましては、実は先ほど陸運局のほうから報告に接したわけであります。新聞を見まして、私のほうから陸運局にその内容、真相を問合せたのと、陸運局からやつて来るのと、丁度時期が合いまして、先ほどその内容を聞いたわけであります。そこで大臣に申上げる暇がなくて、国会のほうに御連絡はしてみましたけれども、御説明する時間がなかつたわけでございまして、丁度そこへ今のこの委員会のお呼出しがあつたので、私も只今知つたことを丁度生のままで持つて来たようなわけであります。決して怠慢で、又わざと報告を遅らしていたというつもりではございませんでした。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 まあ答弁がありましたから、私は積極的にそういうものは、たとえ刑事事件の結末がどうなろうとも、それはみずから戒めるのであるという観点に立つてそういう処置をとられたと、こういうふうに私は善意に解釈したいと思いますが、そのような気持でございましようか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) このようなことが起つたことは誠に残念なことでございますので、今後十分注意するように申し伝えてあるわけでございます。後ほど御質問があるかとも思いますが、尤もこの問題は大分昔の昭和二十五年に起つた問題でございまして、当時違反行為をやつたブローカーが捕まつて、それからだんだんとその自供の結果現われて来た問題でございまして、今回の問題については、この問題になつておる人間はすでに退職をしておる人間でございまして、この点だけちよつと附加えて申し上げておきます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 まあ私と根本的な考え方が同じだといたしますれば、それはその点といたしまして、今局長が生のままのものをここへ持つて参つたのだというお話ですが、その内容について今申された点が若干ございますけれども、然らばその全貌、今キヤツチされておる範囲における全貌というものをお聞かせ願いたい。特に、すでにその名前の上つておる者は退職済みの者であるというけれども、然らば現在職に就いて職にある者の中には全くそのような、被疑者という言葉が当るかどうか知りませんが、疑惑の目で見られるような者はないと、こういうふうに言い切れますか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 最初の御質問の全貌の問題でございますが、これはただ陸運局を通じて大体キヤツチした情報でございますので、或いは検察、警察のほうで調査の結果が真相になるわけでございますから、誤まり伝えることになつてはいけないと思うのでありますが、大体の事件のアウト・ラインは、昭和二十五年頃の事件でございます。問題は、当時外国自動車の輸入は禁止しておりました。ただ例外として外国人、特に当時のアメリカの進駐軍人、軍属が日本の国に持つて来た自動車で、それが半年なり一年たつて古くなると、いわゆる中古車として、アメリカ人なんかの慣習では売渡して新らしい車を買うという慣習がございますが、その中古車を、丁度余つておるし、日本では当時非常に乗用車がない時でありますから、日本人に払下げをするというやり方、これを輸入禁止のただ一つの例外に認めたわけでございます。ところが、それが非常に当時引つぱりだこでありますので、そのまま自由にしておけば、非常に闇にもなりまするし、又不必要な所にそれが流れてしまうと、むしろそういう車は是非必要な政治関係、或いは新聞報道関係、或いは政府関係、又は重要な会社工場に重点的に配給する必要があることと思いますので、割当統制をしたわけであります。外国自動車譲渡規則という名前で配給統制をしたわけでございます。そのような車をめぐつて問題が起つたわけでございまして、正式に言えば、そういう運輸省の割当のクーポンをもらつて、それを窓口である陸運事務所に持つて行かないと、これは違反でありますから、陸運事務所では勿論受付けません。そこでブローカーが考え出したのは、到底正式には割当をもらえないような所へ闇で高く売りつけるために、新らしい車の手続をせずに、昔からすでに日本の国内で登録してあつた車であるんだが、それを車が悪くなつたり何とかした理由で廃車する。そうすると、廃車するときには廃車証明書というものをもらうわけですが、その廃車証明書を持つて行つた車については、それはその所有権とかいろいろの関税の手続その他の内容を詳しく審査せずに、これは事務の簡素化として新らしい登録を認めるということになつておるわけであります。そのような車はもう疑いがないものであるから、詳しい審査をすることを省略して又登録してやると、こういうやり方があるわけでございますが、その制度を利用して、とにかく廃車証明書を何とかごまかして握つてしまう。或いは変造又は偽造してしまつて、それを持つて窓口へ行けばもうやかましい審査がないというので、廃車証明書を何とか獲得することを狙つたわけであります。そこでそのような廃車証明書を白紙のままで取り出したり、或いは廃車証明書にいろいろと書き込んだりすることをするために、陸運事務所の職員と結び付く、こういうことが行われたわけてありまして、今回問題になりましたのは、そういうやり方で昭和二十五年に行われたのであります。そのブローカーが捕まつたのでありまして、現在問題になつた人間は一人でありまして、これはすでにやめておりますが、そのブローカーが同じような手口でよその地方でも世話しているのではないかということを目下警察で取調中でございまして、このほうはまだ自供もありませんしわかりませんが、このようなことはよその地方にはないかと言われますと、何とも申上げかねますが、或いはそのようなブローカーは全国を股にかけてのことでありますから、当時あつたのではないかと心配をしている次第であります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そこが問題でありまして、それは現実に捕まつた者は曽つての公務員であるけれども、現在はやめておる。そこで、併し公務員であつた当時にそれが捕まつたということが、発覚したということが一つ。それからその内容を見ますというと、内部の者と通謀いたさなければ外部のブローカー等がこれを単独でやろうといたしましてもとても不可能であろうというように我々素人は判断するわけです。そこでそれが全然内部の者と通謀せずにやれるのだということになれば、まだこれの防ぎも考えられますけれども、さて内部の者と通謀して初めてそういうことが行われるのだということになれば、これはよほど慎重に考えてそれの対策を立てませんと次から次に起つて来る、こういう問題が起きますけれども、一体それは現在起つております問題というのは、外部だけで変造若しくは偽造、こういうもので通用するといいますか、それが偽造のままで有効という形で通用するのですか、或いはそれとも内部と連絡がなければそういうものができないのか、どういう性質のものなのですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) そのお話には二つの問題があると思います。先ず内部の者と通謀せずに外部だけでするという場合は、いわゆる偽造、変造でございますが、これにつきましては勿論窓口は厳重に検査して、その違反を発見すればオミツトしますから問題は起りません。その場合に違反であることを知つてパスさしてしまえば、これは通謀になりまして、次の問題になりますが、それで外部の者が変造、偽造した場合、違反であることを成るべくわかりやすくする必要かあると思いまして、その廃車証明書の用紙には簡単なものですが透し文字が入れてあります。それからその程度ではなかなか偽造される虞れもありますので、今後の問題としては、もう少し厳重に地紋を入れるとか、その出納をやかましくすることによつて、相当の者が偽造をしてもすぐわかるようにするというように、ちよつと真似のできないようにすることを実は考えて防止方法を講じておるわけであります。  第二の内部と通謀するという場合は、これが起ればもう非常にこのようなケースが拡がりますので、それをなくするためには廃車証明書に一貫番号をつけまして、その出納を非常にやかましくして陸運事務所長自身の許可がなければその出し入ればできない、係の者が勝手に持出すということはできないし、一枚抜いてもすぐわかるような方法を実は去年からとつているわけであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 これはまあ自動車局長に質問申上げるのは、その答弁にお困りになるのではないかと思うのでありますが、私はこういう汚職がどうせ通謀するにせよ、又通謀というところまで行かなくても、大よそその事情を知つているというようなことの場合は、当然これは汚職ということになるのですか。又そういう場合に収賄というのが起きる。ところがこの収賄というものは、私は両罰主義で行つているところに、どちらも一つ黙つているということで、なかなか発覚が困難である、こういうふうに思うのです。そこで私としては、一旦これはどう考えてもそういう職務を、職責を利用して金品を受理するという、取るほうの側が何といつても罪が深いのであつて、やるほうの側としては、それをやらなければどうも自分の仕事なんなりが円滑に行かないから、止むを得ず出すのであつて、特に営利会社などの場合、役人を買収したりする、その事柄自体もいけない、確かに道徳的にはそれはいけない。併し大抵の人が営利を目的としているのですから、損をして、つまらなく金品を渡すというようなことは、損得の関係からしてもあり得ない。けれどもこれをやらなければ商売に支障を来たすというところからやるのであつて、だからどちらを厳正に取締るというか、そういう方法を講ずるかと言えば、やはり私は受取るほうを極めて厳格にやらなければならないと、こう思うのです。これは随分広いことですから、局長も答弁しにくいと思いますけれども、狭い範囲の刑事事件にならない程度の問題についても、やはり自動車局でそういう問題が現に起きているのだから、やはり私は今日の法規の許す限りの最大限で、そういう不正を起した、不当な処置をとつたというものを私は厳重に処罰するということはなければならん、こう思うのでありますけれども、大体その点については、ちよつとよそに位置を変えるとかくらいの役所のやり方なのです。だからいつまでたつてもこういうことが消えないと思うのです。私としては今日それが起きておつて、現職の者に関係がないのだと言えば別ですけれども、それは明言の限りでないというのですから、そういうこともあり得ると思う。若しあつたら今私が述べたような、むしろ両罰ではなくて、片方を、殊に権力を握つている者を非常に厳重に扱う、こういう措置をとつて頂きたいと思うが、これに対して局長はどう考えておりますか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 涜職の問題はお話のごとく両方の犯罪になつておりまするが、併し贈賄側はけしからんといつて、それを取るほうはなおけしからんことは仰せの通りでございますので、両方が罪であるからといつて、決して取るほうの制裁を手心をするような考えは毛頭持つておりません。現に今までときどきあつた場合にも、まあ起訴不起訴がきまるまでは、これは行政処分はできませんけれども、起訴がきまればこれはすぐ勿論休職にしてしまいます。これは起訴がきまつてからは、休職以外にはできないので、免職には犯罪が確定するまでできませんから休職にいたしますが、まあ仮に幸いにして、というのもおかしいですが、まあ不起訴になつたような場合でも、そのような事情の場合には免職にして、厳重にこれは処分しております。この点は非常に厳重に処置しております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 世間の常識では、不正と言われるものは、大体刑事事件で罪になる、こういうことが常識です。ところが不正がなくても不当ということが世の中にある。会計検査院のいろいろな検査の結果でも、その挙げられておる数字が全部不正と言つてはおらないけれども、併し不当に予算等が使用されておる、こういうふうな挙げ方を現にしております。そこで私は政治、行政共に国民の信用が得られなければ十分の成果は期待し得ないので、そういう観点からいたしまして、仮に不正であつて検察庁の手が入るという問題でなくても、自分の職責に対して不当な行為をする、こういうことについても私は厳重な自己査察と申しますか、そういうことを期待いたしておるのです。そこで特に本件のごときは、一方において造船汚職ということがこれだけ世間の疑惑の目を以て見られる時に、今度は陸運事務所の全国的な汚職問題というようなことになりますと、非常にもうそれ自体が国民として行政に対する不信を招くことはこれは理の当然であります。そういう機会でありますから、私としては、若しこれが打消し得られるところの内容であれば、一日も早く運輸当局としては打消す挙に出なければならない。このまま見過しておりますと、これがやはり新聞報道の通りであるということになつて、造船汚職プラス陸運汚職というふうなことになりますので、こういう点は、時も時でありますから十分一つ注意を怠らざるよう私としては希望いたしたい。でありますから、若し部分的にでも打消し得るものであつたら直ちにそういう処置をとつて頂きたい。こういうことに対して、今後の処置についてどういうふうな処置をとられようといたしておりますか、この点も伺つておきたいと思います。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) こういうふうに世間をお騒がせしておる時に、又陸運事務所でこのような問題を起しそうだということは誠に申訳ないことと思います。早速各地に連絡をしまして十分そのような事実の有無を確かめて、不正な者については十分にこれを処置しなければいかん。又不当な場合でも十分にこれを戒告するように努力いたしたいと思います。根本方針としましては、今回問題になりましたのは、外国自動車の譲受規則による統制に対してもぐろうとした不正行為でありますが、この統制規則は昭和二十七年七月に廃止されておりますので、今後はこのようなケースはもう規則がなくなりましたから二度とは起るまいと思いますが、併し不当な、他人の車を盗んで泥棒がブローカーと結託をして陸運事務所に通謀するというようなことは、これは統制規則があろうとなかろうと今後も起り得ることでありますから、登録というもののやり方について少し考え直したほうがいいのではないか。余りに厳重な規定をするためになかなかその事実を確かめることが困難である、そのためにその穴をめぐつていろいろと不整が行われるわけでございまするので、登録というものをもつと簡単明瞭な、不正が行われない、而も重要なポイントだけを抑えるというようなやり方に変えてみたらどうかと実は考えておるわけでございます。そのような方法によつて、現場の職員諸君が、仕事が過重な余りについ審査がおろそかになることによつて誤りを犯すというようなことをなくすることを考えてみたいと実は思つております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 大臣もまだ見えられませんから、私はもう一点だけお伺いしてこの点を打切りたいと存じます。最後にお伺いしたいのは、各中央官庁の出先機関で、この陸運事務所というものは、特に都道府県知事のそこに一つの系統がずつと行くということになつておつて、又一面運輸省の出先機関、こういう形になつておる。そこで今のような汚職等の事件で私はすぐ様答弁ができるようになり、関係の局長、或いは大臣等が責任をとれるようになつていなければならないと思うのですが、そうした汚職等に関する責任体系として、一体これで今の系統、陸運局それから都道府県知事それから陸運事務所、こういうような知事に委せたような形態がよろしいのか、或いは又そうした形態でなくて、縦にずつと中央官庁、大臣の責任までが直通になる形がいいのか、ここのところは私は非常に実は疑問に考えておるのですが、それらの点についてこうであるというお考えがございましようか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 現在都道府県知事の下に陸運事務所を置いてございまするけれども、その考え方は、職務上の指揮監督を知事から受けるのでございまして、身分と予算というものは運輸大臣に直結しておるのであります。従いまして今回のような問題についての身分上の問題、或いは服務上の間違いというものに対する制裁なり責任というものは、運輸大臣に直結するわけでございます。考え方としましては、そのように身分と予算とを運輸大臣が持つて、職務上の指揮監督は直接には知事が持つておるということは、御指摘のごとく確かに変則的なことでございます。これについてはいろいろと沿革がございまして、運輸省の直接の系統に末端まで置いておくべきである、縦の線を一本通して置くべきであるという考え方と、つまり交通運輸行政のようなものは、そういうふうにして置くべきだという考え方と、地方の末端の仕事は運輸交通行政でも知事に委譲すべきであるという考え方、地方委譲の考え方とこの二つが曽つていろいろと議論になりまして、その結果、一種のまあ妥協というような恰好で、現在の形ができたのでございますので、確かにすつきりしない変則的なものでございます。根本的な考えとしましては、私としましては、運輸行政は運輸大臣がその責任を持つて地方の末端まで指揮監督が一本の縦の線を貫くことが運輸の性格上是非必要である。だから現在のような体制は直すべきであると私は信じております。

一松政二自由党

○一松政二君 私は中座しましたので、天田委員から触れられたかどうか知りませんが、今の陸運事務所の関係でなくして、自動車の輸入のことについて、巷間いろいろなことが伝わつて来ておる。そうして輸入自動車の大幅な削減というのは、これは今の外貨の激減から或る程度止むを得ないということもありましようが、それをめぐつていろいろな巷説が飛んでおりますが、大体輸入の割当方針か何か、そういうことについてどういう処置をとられたか。又とらんとしつつあるか。その概要について一応局長の御意見を伺いたいと思います。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 外国自動車の輸入につきましては、非常に要望が多いのでありまするけれども、他面外貨予算が非常に少く、而もますます悪くなる一方でございますので、十分な両数を輸入することは到底できないのでございます。そこで、その割当を重点的にしなければいけないという問題になりまするが、丁度その問題が昭和二十八年度の下期の外貨予算のときに非常に問題になりまして、一説によりますれば、もう外国自動車の輸入なんかゼロにしてしまえと、こういう極端な御議論があつたのでありますが、今申上げるように非常に要望は各方面に強いようでありまするから、最小限度のものだけはとにかく輸入しなければいけないのではないかと、而もそのうち特に重点的部門としましては、自家用自動車はまあまあ大分各方面にお持ち願つたので、残つておるものとしては大衆の足とでもいいますようなタクシー、ハイヤーという営業部門にまだ一九四〇年以前のようなおんぼろ車が三万台もあるというような状態でありますので、保安上からも車の整備からも早くこれを取替えなければいかんと、こういうような趣旨で最小限度輸入するが、そのうちの大部分は営業用のタクシー、ハイヤーの廃車補充用に廻すということで、閣僚懇談会の御了解も得まして、下半期二千台の完成車輸入ということがきまつたのでございます。そこで、大部分を営業用の車に分けるということがきまりましたが、それをどういうふうにして分けるかがこれは非常に問題になりましたが、車の種類或いは販売業者というものをどういうふうに選定するかということはなかなかむずかしい問題でございますし、その間にいろいろと運動もありましたので、それを役人だけが自分の判断でやつても間違いを起してはいけないと思いまして、一番いい方法は、営業用車を営業者が買う場合に、どの車とどの販売業者を望むかということを選定さすのが一番いいじやないか、そういう考えから買う側のタクシー、ハイヤー業者に希望の車の種類とそれから販売業者を投票さしたわけであります。希望投票をさしたわけでございます。そうして、その結果をそのままそつくり呑んで外国為替を割当てれば、まあいわば一番民主的な方法で、要望通りにしたらいいじやないかと、こういうことの方法をとつたわけでございます。そうして、それは締切り後運輸省の手許にまとまりましたので、その投票を開票しまして、希望車種及び販売業者を集計しつつあるわけでございます。これについては運輸省及び陸運事務所はただ取次ぎ機関としてしただけで、何らその自分の意見を反映さしていないわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 それについて随分いろいろな運動なり、或いは業者が或いは箱根等に行つて随分目に余るような運動をやつたということを局長御存じですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) お話は売るほうが買うほうに対して、自分の所へ票を入れてくれという運動をいろいろとしたということだと思うのでありますが、それについてはいろいろと噂は聞いているのでございますが、こちらで確めてもなかなかそういうことだということは言つて来ていないものでありますから、まあ隠そうといいますか、そういうものは何もございませんです。

一松政二自由党

○一松政二君 私は今の局長の選定方法を頗る民主的にやつたというお考えでありますけれども、私はそれが民主的だからいいんだというお考え方は少しどうかと思う。今日の日本の経済情勢から、少い外貨で車を輸入するということであれば、輸入業者の希望もさることながら、物は国家的に考える必要が私はあると思う。最も経済的でそうして最も頑丈な車、お客さんやタクシー業者、いろいろなエージエント関係やその他のものがありましようが、そういうものを一々取立てておつた日には、今のような選定方法に苦しむ問題だけれども、最も日本の国としてガソリンの消費量が少く、そうして安くて頑丈な車を、私は国家としては当然日本の耐乏生活の中に持つて来る車としてはそれが主眼点でなければならない。徒らに業者に媚びて業者の希望するものを投票によつてやるということは私は何事であるかと言いたい。そういう自信のない行政をやられたのでは、私はそんなものは、ただ誰かが多数の票を入れて、それがたくさんだからその車を入れたのじや、何のために運輸省がそういうものを監督して国家的見地から、国家的見地を外れたらそういうことを統制といいますか、選定する必要はない。国家の緊要なる要望に従つて、少い中であるけれども入れるということでなければ、私はなぜそういうところへ大きな目安を置いて局長は大旆をかざして呼びかけなかつたか、その辺の局長のお考えを伺いたい。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) お話のごとく国家的見地から最も経済的な日本の実情に合う車を輸入すべきであるということは、もう全く同感でございます。そこで輸入の枠をきめるときに、先ずアメリカの中級車、高級車は勿論でありますが、中級車以上のものはもう入れないということで先ず外しました。そこで残りましたのはアメリカの大衆車程度のもの、それから欧洲はこれは御承知のごとく比較的小型車、まあ大きなものでも中型車と言えるかどうかというような車が多いので、これについてもアメリカの車は何ドル、それからオープン・アカウント又はスターリング地域の欧洲の車については国ごとに何ドル、ドル換算で何ドルというふうに先ず枠をきめたのであります。そのきめ方の場合には、御指摘のような判断をしたわけでございます。そこで同じようなクラスの車の間のよし悪しにつきましては、これも運輸省として十分に研究を積んで、これがいいと、この点は勝るということがはつきり握られればいいのでございますけれども、未だ輸入されてそう時日もないものでございますので、十分なデータを持つていないために、どうしても同じようなクラスの車で比較考量ができないようなものにつきましては、どちらと、いわば独善的に軍配を挙げるのも如何かと思いまして、先ほど申上げたような方法をとつたのでございます。又同じ車にしましても、販売業者が国内に数軒あるようなところもございますので、それにつきましては、これは運輸省でどこの販売業者がいいということをきめることは如何かと思われますので、買うほうの希望に副つたわけでございます。根本方針につきましては、できるだけ努力いたしますが、具体的な問題になりましては自信がないようなことにもなりましたが、そのような方法をとつたことを御了承願いたいと思うのであります。

一松政二自由党

○一松政二君 私は観点を変えて、今日のタクシー業者を現在は如何なる基準で許しておるか、先ずその基準を伺います。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) タクシー業者を免許する場合には、真先に考えますことは、その土地における需要と供給の関係でございまして、まあ乗るべきお客さんの数、交通需要と申しますか、そういうものによつてどれだけの車の台数が必要であろうかというようなことを頭に考えながら免許するわけでございますので、余りに需要を遥かに超過するような車数になればそこの間に不当な競争が行われるということでブレーキをかけるというようなことを考えております。つまり需要と供給のバランスを先ず第一に考えるわけでございます。第二に考えますのは、その会社が資力信用はどうであるか、又法律を守つて事業を経営して行くだけの考え方と能力があるかどうかというようなこととか、或いは今後の資金計画とか事業を整備して行くだけの熱意があるかどうかというふうな主観的な条件を判断するわけでございまして第一の条件に合致して、又免許する余地がある場合でも第二の主観的な適格性に欠けるときには免許していない、こういうわけでございます。ところが第二の条件の場合に、前から問題になりましたのは、何十台なければいけないというふうな機械的な標準を作つて、それより以下の場合にはどんなに内容がよくても許さないというふうないわば事業の規模をやかましく杓子定規的に持つて行つたのではないかといりような議論が今まであつたのでございます。これは御存じのごとく、昨年の国会におきましていろいろと道路運送法の改正の御審議をめぐりまして御注意を頂いたわけでございます。事業規模について、何十台なければいけないというような杓子定規的な考え方は取りやめまして、その地方の事情に応して小さいものでも立派なものは許すという方針をとつたのでございます。八体タクシーに対する免許の考え方は、以上申上げたようなわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 全国的に三万台足りないというさつきのお話がありましたが、三万台足りないというか、三万台古い車がある、そいつを又取替えたいというふうなお話ですが、一応例を東京に限りましよう、その点は焦点をはつきり合わせるために。東京では一体タクシーは余つておるのですか足りないのですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 東京では現在一台数が大体タクシー、ハイヤーも合せまして一万二千台ございます。そこでそれが余つておるか足りないかという御質問につきましては、これ又自信がないと言われるかもわかりませんが、実は非常に疑問を持つておるのでございます。このような混雑状態又あの乱暴な運転事故のもとは主にタクシーだというような状態を見ますと余つておるのではないかという感じがするのでございますが、又他面我々の監督が十分でないためでありますが、雨が降つたり、雪が降つたり、劇場がはねたときなどなかなか規定の運賃で行かなかつたり、近くに行くのを嫌つて断るというように、免許事業らしくないものも出て来るのは、まだ車が足りないからああいつたように客をえり好みして違反するのではないかと考えられるのであります。そこで果して足りておるか余つておるかは非常に判断がむずかしい問題でございますので、先般の道路運送法の改正の機会に、自動車運送協議会というものを作ることをお認め願いましたのですが、それには事業者の代表者、その他に利用者の代表者、更に第三者というものも入れまして、この三つの立場にある人が集まりましていろいろ自動車に関する根本方針を御審議願うことにしておりますが、その第一の最も重要な議題として、東京においても大阪においても、タクシーはこの数でいいのかどうかということを真先に検討して頂いておるのでございます。まだ結論は出ておりません。二回審議をやりまして、もう一回ぐらいすれば大体見当がつくのではないかというふうなことを聞いておりますが、かようなこれ又民主的な方法で、果して東京のタクシー、ハイヤーの台数は何台が適当かという御意見を伺つておるわけでございます。

一松政二自由党

○一松政二君 自動車局長は、今東京のタクシー業者は営業成績がよく利益を上げて、おる。新らしい中級車のタクシーを使えば一年か或いはその前後で、この期間については多少疑問があるかも知れませんが、非常に早く償却ができるという事実を御存じですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 大体私もそのように聞いております。新らしい車或いは余り大きくない中級の車でやれは、あとは上つた利益で月賦で納めて行きますから、お話のごとく一年、或いはもう少しかかりましようが、それで償却してしまうということを聞いております。

一松政二自由党

○一松政二君 ということは、タクシー業者が非常に保護されておる。温存されておる。料金が高いという観点も言えるし、それから競争を許さないという観点からも言えると思う。そうして先ほど局長も申されましたように、タクシーは或る意味から言うと氾濫しておる。そして最もガソリンを空費しておるのはタクシーである。今後問題になり或いは将来ガソリンは又切符制、割当制にならんとも限らんと私は考えるのだけれども、流しをやつております。昔は皆様御存じでしようが、五十銭を三十銭に値切ることが面白くて私もやつたことがあるのだが、今日ではどんなに近い所でも七十円以下のものはない実情なのです。従つて一年かそこらで償却してしまう。今日恐らく中級車は百万円前後でタクシー業者の手に入ると思うのですが、これはあとで聞きますが、私はこういう有利な事業はほかに聞いたことがないが、局長お聞きですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 余りほかのほうの事情は存じませんので、聞いておりません。

一松政二自由党

○一松政二君 そこで先ほどの台数の割当の問題に戻るわけですが、伝え聞くところによれば、新興成金が非常に暗躍をして、それをまあタクシーのために輸入するのだから、タクシーには殆んどもう口銭もろくろく、一台について二、三万円の程度らしい。そうして半年の月賦でその間その保証をしなきやならんというので一応デイーラーとしては或る意味では泣きの涙で、ほかに仕事がないから止むを得ずそれをめぐつてまあ買つているというようなことを訴えておる業者があるわけです。それはその根本の起つて来るところは、或る意味で東京のごときは最初に台数或いは資本金、経営能力というようなことをお考えになつて、数は或る程度ありますが、仕事それ自身が極く小さな開業者を許さない。そうして競争を許さないところへ今のような経営情勢が生まれて来ているのじやないか。そうしてそれを而も零細なる二、三台の持主は名前を借りるために名義料を払つている。そうして運転手は請負なんだ大部分。これは自動車の、道路法を審議する場合に私は昨年も論議した問題ですけれども、そうして事故が、少々車が傾いておつても或いはパンクしていても、それをそのまま知らん顔して走つておるような現状で、多少車が傷んでおつてもそれを自分のときに直せばそれだけ自分の責任も起るし、それから稼ぐ時間もなくなるので、それを次の番の者に廻してしまう。で、局長が考えられておられるように経営者が自分でやるのでなくて、これは丁度一つの看板料を取るようなものなので、私はこういうタクシーのあり方であるために今のような事情が起つて来ているのじやないかと考えるのです。そこで私はその需要供給の考え方を先ほど聞いたんだ、余つておるか足りないかと聞いたんだが、これは私は答えられるものじやない思う。だから地方に許す場合に、これはもう船の場合でもすべて運輸省の考え方に、経済情勢は自分が握つておるような考え方で、何か標準をきめて許したり許さなかつたりするとつころにいろいろな問題が起つて来る。それは僕はもつてのほかだと思う。だから先ほど天田委員もいろいろな問題のときにそういう観点も多少お考えになつているのであろうと思いますけれども、戦前に或いは戦時中も単なる当時の警視庁の認可で以て二台でも三台でも許されておつたタクシー業者を、なぜ戦後の今日そういう一定の規模と資格とを備えなければならんように考えられたのか。そうして今日やはりそれはそれでもいいと、これは主として東京です。東京でそういうことがいいとお考えになつておるのか。そういうことのために新興成金がその間にそれをバツク・アツプして、そうして利益を或る意味においては壟断しようと、かような企てが起つて来るのじやないか。二台でも三台でも、オーナーの非常にまじめな運転をする業者にタクシーというものは任せちやなぜ悪いのか、その辺を伺いたい。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 先ほど御説明申上げましたように、昨年の国会の御審議においてそのような点を御指摘願いましたので、只今では特に何台以上なければいけないという基準は持つておりません。又その点は通牒その他で各地方に明らかにしたわけでございます。ただ東京でもうすでにそのようなものをやめたかと申されますと、実はまだやめておりませんのです。ということは、新らしい免許というものに対して昨年の暮に、数者新らしい免許をしましたのを最後にして、その後ちよつと免許が停滞しているわけでございます。その理由は、先ほど申しました果してタクシーの数が余つているのか足らないのか、従いまして新規免許を認めていいのか悪いのか、或いは新規免許はやめにして、今までの業者に増車の要望が強いのですが、この増車を許す方法がいいのか悪いのかというふうな議論が非常にあるので、先ほどの利用者も入れて自動車運送審議会でその問題、一番重要な問題については御審議願つているために、その結論を待つために新規免許を暫らく保留している、こういうわけでございますので、只今のところは東京においてはまだいわば一台、二台という免許はされてはいないわけであります。一般方針としては、台数にはかかわらないということは指示してあります。地方においてはそういうふうに極端な例では一台でも免許された地方があるわけであります。

一松政二自由党

○一松政二君 先ほどの輸入自動車が下半期に二千台というお話でございますが、それを東京と地方とに分けまして、大よそ東京にどのくらい、まあ一番多いのは東京、大阪であろう、京阪神とこの京浜地区であろうと思いますが、古い車の走つているのはまあ田舎であろうと思いますが、東京にはかなり古い車が整理されていると思いますが、その新らしく輸入するという二千台のうちのおおむねは東京と大阪にとられるのじやないか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 二千台のうち、細かく申しますと、営業用に千五百台を当てまして、残り五百台は自家用自動車、自家用方面に当てるということになつております。この点は御説明するまでもなく、自家用といいましても、まあ会社工場、報道関係その他の必要な部分もまだ残つておりますので、一部分だけ当てまして、残りの千五百台の分け方でございますが、これにつきましては、先ほどの希望投票をする、まあいわば投票権といいますか、その分け方は、全国に現在ございます自動車、タクシー、ハイヤーの台数に比例しているわけでございます。東京、大阪だけが重点でなしに全国に分布しているその数に正比例をして千五百台というものを分けたわけでございます。その数字が現在どうなつているかは手許に材料を持つておりません。その分布で考えてやつております。

一松政二自由党

○一松政二君 そう細かい数字は私はあえて求めようとは思いません。大体の議論をしておるわけですから、それはそれでよろしうございますが、タクシー業者には先ほど申しました通り、二万か三万円で、そうして月賦で売るというので、今局長の申された二千台のうち五百台を非常に、まあ非常にということを言つてもいいかも知れませんが、ともかく利益を上げておるタクシー業者に犠牲を払つて売ることをその五百台でカバーしようと思つているわけです。そういうことは局長としては、そういう業者はあつてよろしいと思いますか。タクシー業者には非常に安いから、今度自家用車の車から三割も四割も利益を取つて、それで幾らかアヴアレージをしようというデイーラーのやり方で今の百万円やそこらで入る車が自家用車になれば百四十万円、百五十万円、或いはそれにプレミアムがつく状態になつているわけです。これはそのまま許さるべきことであるとお考えになつておりますか、如何がですか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) その営業用車に安く売つてしわ寄せを自家用車に持つて行くという御心配でございますが、その点は具体的には承知しておりませんですが、成るほどそう申されればそういう虞れがないとも限りませんでしよう。ただ販売値段というものは、まあ形だけ、形式的な議論を申上げますと何ら統制がない、自由なものでございますから、高くてもけしからん、違法であるということは言えないわけでございますので、それを抑える方法はないのでございます。併しまあいわば暴利であれば、これは困るわけでございます。ただ私今考えますのに、それに対する一つのブレーキは、こういうことがあるということを聞いております。つまり外国自動車を販売する代理権を持つておるわけですから、その本国の製造業者或いは販売の大元の外国の会社が代理権を与える場合、或いは又その後の販売模様を見ていて、余り暴利を取るところについては非常にやかましく言うそうでございます。ということは、他の車との競争がありますから、結局最終価格が高くなればその車が売れなくなるという点からも、外国の本社のほうはその点を厳重に監視して来ることは、これは想像できることでございますが、そのようなブレーキがかかるのでございますので、そう特別ひどくしわ寄せすることはまあないのではないかと思うのでございますけれども、これについては現在手掛りにする統制法規がございませんので、望ましくないこととして、そういうことが起れば、注意を与えるとか、或いは又はその後の割当については、通産省が割当てることでございますが、よく連絡して調整しなければいけないのじやないかと、かように思つております。

一松政二自由党

○一松政二君 私はそういうことの起る原因が、タクシー業者に千五百台、或いは自家用車に五百台という分け方にあると思う。タクシー業者のほうはいだけだかになつて、これは現在自分たちのために輸入されるのだから、お前は殆んど無口銭で働けという態度になつておるのです。そういうことは、輸入方式をタクシーに何台、自家用車に何台ということにされるから、私はそういうことになると思う。昔は先ず自家用車にいい車が行つて、それを一年なり乗つたやつをタクシー業者が払下げを受けて、そうして順次転換しておつたのです、戦前においては……。ところが今日では、自家用車のほうは三割も四割も高いのです。自家用車は、買い換えようと思つたつて三割も四割も高いものを買わなければならない。タクシー業者には三割も四割も安く、而も新車が行くと、そうしてそれは一年ぐらいたつたらもともとになるというのだから、私はタクシー業者を余りに保護し過ぎておることになると思う。そこでそういうものにいわゆる新興成金が目をつけて、そうしてその間に勢力を振おうとする。その根源を作つておるものは、タクシーにはタクシーと限つてそういうものを許そうとする方針からそういうものが生まれて来ると思うのです。これは私は運輸行政としては大いに警戒すべきことじやないかと思う。自家用車とタクシー業者と値段を違えて、そうしてタクシー業者はそれで儲かるから車を欲するので、儲からなかつたらそんなに欲しやしないのです。非常に儲かる、非常に温存されておるから、なお更車があればまだ儲かるから欲しがるのであつて、運転規則の道路交通取締法といいますか、そういうものの規則を破るのは、もうおおむねタクシーなんです。そういうものを、それでもまだ更に非常に割のよい仕事になつておるから、これは物が余るとか足らんとかいうのは、それに利益が伴うか伴わないかということなんです。利益が伴うか伴わないかというものは、一つの行政、殊にタクシーのごときは料金のきめ方その他にあるわけです。でありますから、利益が伴えば幾らあつても物は足りぬというような恰好になる。それを自然に放つといて、自由競争を許しておけば、今のタクシーだつて引合わないようになるかも知れないのです。そこは需要供給を役所が考えるという考え方は、私は絶対に……一応考えることは差支えございませんけれども、それを立入つて許可の基準に持つて行くことには、私はもう去年からしばしば申上げておる通り、私自身としてはそういうことはよくないことであると考えておる。要するに、何かの免許なり許可なりの仕事をやりまして、これは一種の統制をしておるわけなんです。自由競争じやない。自由競争じやないところに、需要供給がはつきりわかるわけがない。自由競争であれば、自然にそれは需給によつてきまつて来るのです。であるから、ただ値段のきめ方なり取締の仕方なりによつて余つたり足りなかつたりするわけですから、それは非常に危険なんです。私はもう時間もだんだん迫りますから切上げますが、この自家用車とタクシーを取扱を別にするということに対しては、私は甚だ納得しかねる。従つて同じ車でタクシーには三割も四割も安く、自家用車のほうには三割も四割も高いものが行くということは、これは行政のやり方が悪いからそういうことになる。それを手をつかねて見ておるということは、行政上甚だ僕は、その行政のやり方の不手際と申しますか、やり方が妥当でない結果そういうことが起るのではないかと思うのです。そういうことが起つてよいとは局長はお考えにならないでしよう。従つてもう少しお調べになつて、その区別を撤廃したら如何ですか。タクシーに何台とか自家用車に何台とかいうのではなくして……。そうすれば、百五十万円の車でタクシーをやれば、一年のものが一年半になるかも知れない。そうすると、タクシーの需要が減りますよ。もつと買い換えたいと思つておる、自動車を必要とする方面にやる。そうしてこの自動車は、中級車或いはいわゆるセコハン物でおのずから回転して行くのですから、何もタクシーが新車であつて自家用車がオンボロであつていいという理由は私はないと思う。自家用車を買い換えようと思うと、タクシーには新らしい車が手に入るけれども、自家用車は中古以外には手に入らぬという結果になると思う。これは私は甚だ自家用車とタクシーとを区別をする、つまりタクシーに余り手厚い行政のやり方ではないかと思うのです。それに対する局長の御意見を承わりたい。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 最初ちよつと申上げましたように、下半期の外貨予算をきめるときには、外国自動車の輸入が一番問題になつたのでございます。贅沢だから入れる必要がないという御意見が関係閣僚の中には圧倒的でございまして、特に、特にと申しますか、自家用自動車は贅沢であるというふうな御議論が又特に強かつたのであります。併し我々運輸関係を担当する者といたしましては、勿論自家用を含めて乗用自動車全体が非常に足らない。それは国産自動車はできるのを全部使つてもなお且つ非常に足りないので、これは決して国産工業の育成とは牴触する問題ではないのでありますが、そのように足りないので、その足りない分の最小限度だけは是非輸入すべきであると考えて、まあいろいろと申上げたわけでございますが、その議論の途中から、営業用車は、或いはお説と多少違うかもわかりませんが、大衆の足であるから、一般に公開されて誰でも利用できるというふうに用途が普遍的でありますから、そういうものに最重点を置いて、輸入を極く一部分、趣くちよつぴり輸入するのはまあよかろうというふうな御議論になつたと聞いておるのでございますので、まあそれでも自家用をゼロにすることは、実際必要な用途があるのだから、最小限度は自家用も必要ではないかとむしろ私たちのほうが申上げて、一部分を自家用にしたようないきさつがあるのでございます。これは関係各省、或いは関係大臣の御議論の間にそういうことがだんだんとまとまつて来た、こういうふうになつておるわけでございます。併し今までのお話を承わつておりますと、確かに反省すべき点もございますので、この次の外貨予算につきましては、非常に苦しい問題でありますので、全体の枠自体が非常に問題でございますが、僅かな枠についても十分研究してみたいと思うわけでございます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私も二、三点お伺いしておきたいのですが、さつき一松委員から御指摘になつたのはタクシー業の免許基準、これについてそうした基準を撤廃されたというから、それはそれの限りで私はよろしいのですけれども、私が非常に不思議に堪えないのは、世間一般の常識になつているような事柄が役所のほうでは知らないということで大抵答弁があるわけですが、さつきの御答弁をお聞きしましても、前国会等でいろいろ御意見があつたので、一つそういう基準を撤廃することにした、こういう話なんです。ところが世間でも全部知つておることは、例えば五十台を基準にして許すなんといつてみたところで、現実に百万円もするものを五十台揃えるということになれば、五千万ということになるので、そんな金は幾ら貨幣価値が下つても、そうざらに誰も用意してはないのですね。そこでどういう方法をとるかというと、丁度建築許可を取つて、そうして貸ビルを建てる、その際許可と初めの着手金があれば、あとは部屋を貸すところの権利金を取つて、ただ家が建つてしまう。こういう行き方と同じでありまして、どういう形か現れてはいないけれども、何かそこには汚職でもありやせんかというにおいもするのですけれども、とにかくタクシー業の権利を取るというと、そこへ皆自動車を持つて、一台くらいしか持つていない運転手が集まつて来まして、そうしてその会社の名義に自動車をすつかり登録してしまうのです。会社の名義に登録して、さて、近頃は大分タクシー業も左前になつたところが多くなりまして、そうしてこれが潰れるというと、自分の名義になつておらない、会社の名義になつておりますために、さつとそれが取られてしまう、処分されてしまうのです。これは向うの名義になつておりますために、どうにもこうにも訴えようがないのです。実際は自分が買つたのだなんと言つても、法律的には登記をしなければ第三者に対抗できませんから、そういうことが行われておる。もう一つは、これは一松委員もおつしやつたが、要するに請負なんです。それの又混合もあるのです。そんなことは実にもう世間の常識であつて、これを当局が知らないと言うのが私はおよそ不思議でたまらない。知らないのではなくて、答弁上そう言つておるのであつて、実際は優れた人が揃つておる官僚が知らないはずはないので、結局何かの意図でそれを素知らん顔をしている、ここらのところが真相ではなかろうかと私は悪い推察のようだが推察する。又新らしい何かを設ければ、又そういう今の例とは違うけれども、又別の事態が出て来る。私としては、そういう世間の事態というものをやはり自動車行政においても早く捉える、それほど注意しなくてもすぐわかる程度の事態なんですから、そういうふうに気を付けて頂きたいと思うが、そういうことに対する局長の準備といいますか、そういうものは何かあるのでしようか。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 大きく言いますと、名義貸ということだと思うのですが、名義貸の事実は決して知らないのではございませんで、いろいろと存じております。決して言い逃れはいたしておりません。ただ問題は、名義貸は決していいことではなし、何とかそれを整理したいと思つておるわけでございます。道路運送法でもこれを禁止しております。そこで徒らに免許の基準台数を高めるために、それだけを揃えるためには止むを得ず、全部自力ではいけませんので、名義貸を入れたり、又入つたりするということになるのだと思いますので、そういうことがあつてはいけないということは、免許に当つてそういう点のないようにしろということはたびたび注意していたのでありますが、この基準合致が非常に高いとそういう問題が起りますので、昨年において、そういうやり方をやめるようにという通牒を出したわけでございます。そこで今後はそのようなことは制度上は起るまいと思いますが、今まであつた名義貸をどうするかの問題が一つあるわけでありますが、これについても、名義貸をするほうはよくないことだと思いますが、名義を借りるほうには誠に気の毒な事情があると思いますので、一昨年でございますか、東京においても、名義貸をしておる事実があれば、陸運局長に申述べろ、そうしてそれは違法であるけれども、直ちに処罰はしないから、その場合にはその車を免許の権利者が買取つて、きれいに自分の物にしてしまうか、買取れなければそれを分離しなさい、分離したものについては、その運転手諸君が集まつて、きちんとしたものにして免許申請をしなさい、いいものについては免許を与えるという声明を出したわけでございます。つまり名義貸を整理して買収するか、独立させるか、この二途を選ばしたわけでございます。その当時大分ごたごたがあつたということは聞いておりますけれども、雨降つて地固まるというか、大分その後その結果落着いて来たという状態でございます。只今は神戸地区でもそのような方法をとつて、できるだけ話合いで、違反を処罰するという態度ではなしに、名義貸というものを表へ出して、それを整理してきれいにしてしまうという方法をとつておるわけでございます。併しなかなかこれは絶えず掃除をしておりましても、又少しずつそういう問題が集まつて来ますので、ときどきかような方法で整理をしなければいけないと思いますし、整理に当つては、名義を借りざるを得ないような零細な方には、何とか独立の機会を与えるような考えも持つておるわけでございます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 よくその点は了解しました。そこで次は、要するに自動車贅沢論の中には、これは私は二通りあると思うのです。外車賛沢、国産車よろしい、そういう分け方の贅沢論。それから営業用はよろしい、自家用車は贅沢、こういう分け方の贅沢論と二通りあるのです。それで外車贅沢論についてはあとで申しますが、自家用車が贅沢だといつても、いわゆる営業車に対する自動車局等の監督が足らないかどうか、恐ろしく利潤が上るという行き方でありますと、どうしてもその逆に、自家用車に乗らないでタクシーに乗つたほうが、今度は消費者の立場に立つというと金銭的には贅沢ということになる。これはよく私どものように、社会党でさつぱり自家用車を持つていない者でありましても、ちよいちよい炉辺閑談に出るわけでありますけれども、田舎の選挙区なんかで一日小型を乗つても、忽ち一万円近くのものが取られると、こういうことなんです。そうするとセコハンでも買う金さえあれば、これは自家用を買つたほうが事実得なんですよ。けれども最初の購入資金がないから、実際言うと我々のほうはタクシーに乗るほうが金銭的には贅沢だと考えるのですが、そういう贅沢を承知しつ止むを得ないからそういうのに乗るのです。こういう事態でこれは僕は恐らくどういうことになつているか知りませんけれども、やはり営業用には一つの申請等があつて、それを業者のいろいろな意見を聞いて、そして陸運事務所等で許可するという形をとつておられると思いますけれども、そうした場合に、どう考えても今のような営業用の車というのはとても高過ぎるのでありまして、そこらのところを何とか調整される気持はないのでしようか。今は自家用のほうがセコハンで買えば安くつきますよ。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 私もお説のごとく自家用車があながち贅沢だとは思わないのでありますが、自家用車贅沢論の起りは、アメリカ高級車即自家用車と、こう考えて贅沢論が起るのだと思いますし、アメリカ高級車は確かに日本の現状からはどなたがお持ちになつても贅沢だと思うのです。そこでアメリカの高級車は事実上輸入禁止をしておりまして、アメリカの車でも大衆車だけ、あとは欧州の中型、小型車だけにしておりますから、そういう車ならばお忙がしい方でそれだけの資格のある方は自家用車をお持ちになることは決して贅沢とは思わないわけであります。  営業車のほうがむしろ贅沢になるのは運賃が高くなるのではないかという第二の問題でありますが、先ほど一松委員にも申上げましたように、営業が現在の段階においては大分儲かつておるというようなことも聞いておりますが、併しだんだん車が多くなれば共食いになつて業者は儲からなくなつて来たと業者は言つておりますが、そういうものでもなく、相当頭金だけ資本を投下すれば、大体あとは利益で以て償却して行ける事業じやないかというふうに見ておるわけでありますが、そうなれば運賃をもう少し下げたらどうかという議論も確かにあると思うのであります。この点については絶えず毎年運賃の原価計算をしまして、これは事業者の帳簿その他に事実上当つて原価計算をして再検討を加えておるわけでございます。今までの傾向としては、すべて値上げ一本槍でございましたけれども、現在のような情勢になつて来れば、もう一度検討し直す必要があるのじやないかと、かように考えております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 その点も了承しました。そこで私はこれ又自動車局長だけに質問するのは妥当でないとは思いますけれども、関連しておりますから最後に一つ質問申上げたいと思うのですが、自動車の生産行政は、御承知の通り自動車局の管轄ではないので、所掌ではないからそれを私は無理だと言うのですが、一体さつきも言う外車贅沢、国産車ならば贅沢でないという基準の設け方も、これも需要者の財布から出る金のほうから言つて行くと、そうはにわかに判断ができないところに私は日本の工業全般の一つの悩みがある。私はさつきから一松委員から外貨の点を頻りに申されましたけれども、日本は何といつても貿易で立つて行かなければならないのだから、これを工業生産という面を一つ貿易面で区分を付けて見ると、私はそれをこういうふうに区分するのです。技術的にも又価格の面でも諸外国の品物と太刀打ちができるという一つのケース、それから技術的には解決されておるけれども、価格で到底太刀打ちができないというケース、それから価格はそう高くないけれども、技術的に落ちておるから、とても外国に売れないという型と、それから技術も価格もともどもに外国品に落ちておる、こういうようなことに恐らくなると思うのです。そこで技術も価格も太刀打ちができるなんというのは、光学機械なんというのがその範疇に入るし、技術的に解決できるが価格の面でとても太刀打ちができないというのがこれはセメントとか、大かたの繊維製品、それから価格は別に高いわけではないけれども、技術的に問題にならないから、国際市場で声価が落ちるというのは染色なんかはみんなその類ですね。そこで一番多いのは、技術的にも価格の面でもとても太刀打ちができないというのが一番日本には多いから、ここに困つておる問題があつて、その代表的なものが実に自動車、自転車なんです。自転車のことは今日はやめます。それも実情を話すと恐ろしく長くなりますが、そこで自動車は全然要らない、全部電車に乗れという議論ならば、これはもう何をか言わんやであります。自動車を使うということになつて、需要者が使つた場合に、一体いずれが得か損かという、こういう議論をして来ますと、日本の自動車のごときは残念ながら問題にならないのです。国産車ですれば、三カ月たてば誓うとてもがたがたになつて行く。軽自動車が今盛んでありますが、私の知つておる軽自動車工場に勤めておる労働者の言うにも、一体自分たちは危なくてこれに乗る気はしない、こういう有様なんです。それは論より証拠です。エンジンの音が悪くなつて行くというのはまだやさしい、一月乗つたらがたがたブリキの音がして来ますよ。こういう状態で、一体自動車へ全く乗るなという議論なら、それなら私らも賛成なんだが、それでもいいのだ、けれども自動車が必要なんだということになると、こういう生産をやつておるのだとこれはもう問題にならない。価格の点にすれば、フオルクス・ワーゲンなんか、向うから送つて来て原価で言えば三十七、八万円で、それに恐ろしく税金をかけるからこつちへ来て七十五万かそこらになるのです。ところがこれと同様の、何も遠く輸送して来たものでもなければ、関税もかからない車がそれよりも三十万も四十万も高い。価格においては三倍、性能においては三分の一、こういう有様ではこれはとても仕方がない。けれどもさつき言う通り自動車局長の所掌でございませんので無理な質問とは私も承知しております。ただ何としても検査行政については所管なのですから、その面からも私は通産当局と常に連絡をとり、これの改善がなければ日本の近代化という一翼もやはりなし得ないという結果になると思いますので、この点は所管でないなどということは言つておられないで、積極的に私は折衝して然るべきと思います。そこでこれらの生産面についての、一体自動車局としてのお考えを一つこの際承わつておきたい。長くなりましたが、そういう質問をして打切りたいと思います。

中村豊運輸省自動車局長

○政府委員(中村豊君) 国産車に対する天田委員の只今の御意見は、所管でもございませんが、遺憾ながら私ども同感せざるを得ないのであります。そこで運輸省としましては需要者、利用者の立場にいつも立つて、そのような車を無理に利用者に押付けることは困るじやないか、その意味から絶えずその改善について要望しておるわけであります。需要者の側から得ましたデータを以て、又今のお話の検査の際のチヤンスをつかまえて通産省にも要望しますし、更に生産業者その者に直接当つておるわけでございますから、これは検査或いは保安基準というもの、車両の規格というものは運輸省で扱つておるものでありますから、要望しておるわけでございます。それで先ほどの輸入自動車についても、このような外貨の非常に若しい時代においても、なお且つ運輸省として最少限度入れるべきであるという議論の根柢も、需要供給で足りない分を入れるという数量的なポイントだけではなしに、お話のような安くて、いいものを貴重なドルを割いてでも入れるということは、それによつて国産自動車に刺激を与え、技術的な改善、或いは価格的な改良を促すためにも是非必要と思つて努力しているわけであります。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) 速記を始めて。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十七分散会

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