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19回国会参議院1954/02/04

運輸委員会 第5号

発言数
52
登壇者
8
会派数
3
開催日
1954/02/04

会議録

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。  運輸行政に関する件を議題といたします。  前回、運輸行政の基本方針等につきまして石井運輸大臣、日本国有鉄道の運営状況等につきまして長崎国鉄総裁から、それぞれ説明があつたのでございますが、本日はこれに対し、御質疑等のおありの方は順次御発言を願います。

岡田信次自由党

○岡田信次君 この間運輸大臣の一般運輸行政に関するお話の中で、二十九年度は他の交通機関との調整を図つて陸運の運輸交通の完璧を期するというお話があつたのですが、その具体的な内容を伺いたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 陸運のほうの全体を見ますると、鉄道の場合、鉄道の新線の問題等もよくお話が出るようでありますが、果して鉄道ばかりでやつたほうがいいか、或いは鉄道の新線などというものは採算にもう合わないのだから、残つておるものはなかなかそう急にそろばんに合うような線はないのであるから、いつそのこと鉄道の新線はやめて、道路をよくして自動車交通によるべきじやないかというような意見もちよくよく議会内において私ども聞かされるのでございますが、それにつきまして、先の参議院の本会議でもお尋ねを受けたのでありましたが、私はやはり鉄道の新線というものをやめて、道路による輸送だけということに大方針をきめるというのには、まだまだ日本では鉄道を敷かなくちやならんものが多いのじやないかということを考えて、いろいろな点から御説明したことがございますが、これはもう鉄道でなければどうしても工合の悪い地帯がたくさん、地理的に見ますると雪の多い地帯などというものは、道路を立派にしましてもなかなか冬場の雪の多いときは輸送ができない、或いは非常に困難になるという地帯も非常に多いのでございますが、そういう地帯で非常に産業開発上、或いはそのほかの理由で交通路線を是非求めなくちやならんという所は鉄道を敷くようなことにすべきじやないか、併しどこにもここにも鉄道々々というよりは、国家的に見ますれば割合に鉄道の線路を敷くよりも、初めの費用もかからないでやつて行ける道路のほうを余計やつたほうがいいという地帯も勿論たくさんあると思うのであります。こういう問題につきましてよく調整を図りながら、我々の所管が鉄道であり、それから道路は建設省が今主管しておりますので、こういう問題を各省別で勝手にやるというより、全体的に見ましてやつて行くべきじやないか。ここでどなたからか、この前に交通政策の総合的な委員会でも設けて、それで日本の交通政策全般のことを一つ研究したらどうだろうかというお話があつたことがあります。この問題につきまして、私は建設大臣とも話合つたのでございますが、建設大臣は、今すぐに委員会といつて設けても、委員会というものは結局は事務当局の案が主体になつて、いいとか悪いとか議するだけで余りはつきりせぬようだから、それよりは運輸省と建設省とでもう少しよく連絡をとつて話合うようにして行こうじやないかというような話がありまして、それでもいいが、もう少し具体的な問題に入ろうじやないかと言うたままで、実はそれ以後話は出ておらんのであります。ただ時に建設省の道路問題についていろいろお話があると相談を受けておる状態でございます。又、一方には行政機構改革の問題で、この道路行政と一般鉄道のような行政とばらばらになつておるのもおかしいじやないかというような根本的な話もありますが、今度の機構改革では、そこまでは、私としては一本にすべきだという意見を持出して話を進めたのでありますが、それはどうも話がまだそういうところまで入らない状態でおります。  いずれにいたしましても、自動車輸送というものが盛んになり、便利に考えられて来まして、自動車輸送というものがだんだん殖えて参りました。これはまあ道路がだんだんよくなつて来たのにも比例するのでありましようが、併し私の今心配しておりまする問題は、このように自動車がどんどん殖えて行つて、ガソリンというものの輸入問題が一方には非常に重大な関係があるわけでありますが、外貨の関係からいたしまして、重油、軽油共にそうのほうずにこれが輸入をさせていいものかどうかというような、燃料の大きな総合対策も為替問題に関連してあるようでありまするし、そこいらの問題等も併せていろいろ研究して行かなければならんじやないかというので、まあそれやこれや考えだけ持ちまして、あちらこちらに今どうだこうだというような話をしておる程度でございますが、何とか全体につきまして、一つの大よその筋を考えながらやつて行かなくちやいかんじやないか、こういうように考えております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 大体今年度のガソリン関係と申しますか、重油関係の輸入が一千万ドル以上、それから又運輸省が二十九年度のこの問題に対して考えておる数字が千二百万ドル以上、四百四、五十億になる。一方自動車輸送について考えましても、東京、大阪間とか、青森、東京間とかいうように非常に長距離のトラツク輸送をしておる。それで片方には立派な鉄道線路があつて、それと並行してやつておるトラツク或いはバス等の輸送が非常に多い。かたがたそれに必要な燃料として四百億以上の輸入をしておるというような現状から考えまして、長距離のトラツク輸送についてこれを調整して行くというようなお考えはないのですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 只今私あらかた申しましたように、ガソリンの輸入問題という問題が一つ大きな問題でございます。今のような調子で自動車が殖えれば、それだけでも非常な輸入の増になります。そうしたならばどこかで調整をして行かなくちやならんということになるだろうと思います。今お話のような点がそこで一つの研究の対象になり、或いはそういうところから規制をする必要が生じて来るかもわからんと思つて、折角研究しておる次第であります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 ちよつと運輸大臣の所管じやないかと思うのですが、自動車にヂーゼル・エンジンをくつける。そうすると軽油で済む、而もその使用量は少いというので、燃料消費の面から、又経営の面からも特に大型のトラツク、バス等についてはヂーゼル化すべきだと思うのですが、今度の税制のほうを見ますと、ヂーゼル自動車に対しては相当の自動車税といいますか、税金を上げるということになつておつて、エネルギー資源の経済的消費という面と反対の方向に行つておるのですが、これに対して運輸大臣はどういうお考えでしようか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) この問題は私よりも事務次官が承知しておりますので、事務次官から御説明申上げます。

牛島辰弥運輸事務次官

○説明員(牛島辰弥君) 只今御質問のございましたヂーゼル・エンジンをつけたバス、トラツクにつきましては、地方自治庁におきまして、地方税法の改正案におきまして、おおむね今回ガソリン、揮発油税が二割程度引上げに相成りますので、その程度のものを目標にいたしまして、ヂーゼル自動車に対しまして、一般のガソリンを使つておりまする自動車より高い自動車税を課するように計画いたしております。このヂーゼル自動車は戦後我が国におきまして発達、普及して参つたものでありまして、この実際のコストと申しますか、というような点、或いは又実際の耐久力というような面につきましての正確なる調査というものはまだできておらんのであります。従いまして極くラフなもので見ましても、タイヤの費用であるとか、修繕の費用であるとか、或いはガソリン車よりもヂーゼル車のほうが価格が高い関係もございまして、償却費等を考慮に入れますると、ガソリン車よりも却つて高くつくのではないかという一応の数字も出るのでありまして、運輸省としましては、目下地方自治庁に対しまして、ヂーゼル自動車の自動車税値上げということについては反対意見を持ちまして終始折衝いたしておる段階であります。

岡田信次自由党

○岡田信次君 今度は別の問題なんですが、この間の運輸大臣のお話で、新線建設に関する経費が二十五億だ、それでいろいろ困難はあるけれども、今までかかつておつた工事は継続できるように処置するというお話だつたのですが、この間のお話にもあつたように、当初百十億の建設費、それが四分の一にも足りない二十五億になつてしまつて、今までかかつておつた仕事を細々ながら継続し得るとは考えられないのですが、運輸大臣のお話では、とにかく継続するというお話なんです。これに対して何かもうすでに具体的にこれはこうやつて行くという案でもできておるのでございますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 初め予算が十五億というような話がありまして、それじやまるで今まで契約のできておるものを施工したらあとは何もやれん程度のものだということであります。そのうちいろいろ財源ができて二十億になりましたけれども、それでも大した差がないんだから、で、そのうちにだんだん日がたちまして予算が一応示されて、それから融資の面でももう少しいろいろ相談をしようと言いながら、なかなかそれは金が出る途が大蔵省としてはない。漸く私国鉄のほうから五億円ばかり本年度に返す金があるのを見付けまして、これをとにかく廻してくれ、それをその中に入れてくれというので二十五億まで参りましたのであります。二十五億で細々ながらでも何とかやつて行けるというようなことはできないか。もうこれ以上のものはちよつと金の出る途がないようだからということで国鉄の総裁にも話をいたしまして、なかなか今もお話の通りに困難であることはよくわかりますが、折角やりかかつた線をそれをここで打切つてしまつたというような形になれば、又自然どうもあとを続けて行くということは困難であるから、どんな形かで一つ繋いでおく。まあ二十九年度はその状態であつても、三十年度になればもう出せるような状況になり得ると私ども思うのでありますが、少くともそうしてもらわなくちやならん。折角やりかかつたものはいずれにしても完成するという心持からして、どうか一つ繋いで仕事をやつてくれんかということで今話をして、あれやこれやと案を国鉄のほうではこしらえてみてくれているようであります。まだはつきりいたしません。実は今まで衆議院の委員長と国鉄の総裁と今私話をしておりましたが、衆議院の運輸委員会で是非国鉄のやりかかつた線は細々でもいいから繋いでやつてもらいたいという決議でありましたか、話合いができたから、何とかして一つ考えてくれという話でありまして、ただ何とか考えてくれでは、実は非常に因つておるんで、どういうふうに……、併し何とか心持はよくわかるんだけれども、金がもう少し何とかどつかから出す途がつかぬことには困難だという国鉄総裁の話でございまして、今そんな話等をしておる道程でございます、何とか途はないものかということで。この間御質問のときにも、何とかしたいと申上げました程度でございます。

岡田信次自由党

○岡田信次君 大体政府の一兆予算から考えると、二割程度の平均的に縮小というか緊縮なんですが、国鉄の予算についても、大体全般的に二割内外の縮小だと思う。勿論中には、ものによつては三割、四割ということもあるんですが、その点から考えますと、新線建設の経費を七割も八割も減じておるというのは、これは何らかの特別な考慮があつたのですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 私どもは新線建設につきましては、当初経済速力で進めて行けば百十億の金が本年度は欲しい。それでそれを政府の出資にできんかということで大蔵省とも話合つておつたのであります。御承知のように、新線についてはなかなか利益の上るというところまで行くことは三年、五年ではむずかしいことは御承知の通りでありまするので、その間の国鉄の負担が余りに大き過ぎるということを考えまして、できれば新線に対する費用を政府の出資にしてくれんか。若しそれができないならば、そのくらいな金をやはり財政資金から出してもらつて、これに対して政府のほうで利子補給をやると、それはまあどの程度でも、或いは利益の上り得るようなことになるまでぐらいが望ましいのでありますが、或る期間を切つてもよろしいから、その利子補給をやつてもらえんか、という二つの案を持ち出しましたが、これは両方とも新しい行き方は今度は反対だというようなことで、どうにも取上げられなかつたという経緯があるのでございまして、私どもとしては是非新線のきめましたものは、本年は新らしく着工はできないにしても、今までの線は維持してもらいたいということでいろいろやつておりましたが、財政資金の割当が全体に減りましたので、その中から一番強くここに及んで来たようなわけで、私はもう少しこれは出してもらえると思つておつたのでありまするが、十五億というのでびつくりしたわけでございますが、特にどうという、意味のことは私は感ずることはないのでありますが、今申上げましたような経過で、今年は、今までやつたくらいでいいのじやないか、今までやつているのを何とかして、細々というようなことでありましたが、それじや内容を知らないで細々で十五億という考えから、ただそれで大きいように思うかも知らんが、見る人の見方によるかも知れないけれども、鉄道の仕事というのはそういうのじやないというのが、だんだん少しずつ増して来たわけでございますが、いずれにいたしましても、これではなかなか細々も困難で、どういうふうにしてやりまするか、今折角話を進めておりますので、もう少しいたしましたら、どういうふうにか御報告ができるんじやないかと思つております。

岡田信次自由党

○岡田信次君 昨年の暮にこの建設審議会の小委員会が開かれて、大臣御出席だつたから御承知の通りでありますが、二十九年度は諸般の情勢から新たに線を計上することはできないけれども、従来あつた線に対しては全力を注いで、一日も早くこれを仕上げる、そうして経済的効果を発揮するという結論になつたのでありまするが、その後本審議会も開かれませんし、又小委員会で大体金小委員の意向を蹂躪して今度の予算が二十五億というふうになつているのですが、今後この建設審議会というものを存続するお考えがあるか。それとももうああいう無用の長物はやめようというお考えなのか。その点を一つ……。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 建設審議会の暮の小委員会のことは、私も十分承知いたしております。建設審議会の会長のほうに向つては、成るべく早い機会に集まつて頂いて、この今後の行き方について御相談を一つして頂きたいということも申上げておりまするし、又私といたしましては、この新線建設をやめる意思は、さつきも陸運全体の調整の問題のとき申上げましたように、私自身としてはそういうことを考えておりませんし、建設審議会は存続して、今後どうやつて行くかという問題についてのいろいろな御相談にあずかつて頂きたい、そういうふうに思つております。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 運輸大臣に四点ばかりお伺いしたいのですが、どうも私、陸運関係におつたから特に陸運のことが眼につきやすいのかも知れませんが、海運、航空いろいろまあ非常な考慮をされて、海運は非常な国家的な庇護を受けておるように私は思いますが、それに比較して陸運、特に今岡田委員が仰せになつた建設線の問題等に関して特にその感が深いのですが、これに対する考慮というか、がよほど何か少いのじやないかというような私は気がするのですが、まあ風あたりとか批判も極めて強いですが、それに比較して庇護がどうも少いのじやないか。海運は、これはいわゆる貿易の関係もあるし、海外発展のためからいつて勿論ですが、国有鉄道についてもやはり国内の産業開発には欠くべからざるものがある。国鉄としては今お話が出たように、どうしてもそれは今後建設される線はそろばんがとれない。これは尤もなんですが、併しながらこの前私四国へ行つて聞いたのですが、ほかにもこういうような例がたくさんありますが、例えば中村という所から窪川までは五十キロぐらい、それをトラツク一台三トン車ぐらいのトラツクで荷物を運べば一万四、五千円かかる、ところが窪川から大阪までの運賃が、貨車一車十五トン車でやはり一万四、五千円だと、こういうことなんで、地方の開発にはどうしても鉄道を要望する声が強いのは当然だと思う。その計画について私はかねがね本当に国策としてどれだけの線が要るのか、これを根本的にきめて、そうしてそれを経済速度でやつて行くということをやられなければ私はいかんと思うのだが、そのときどきの考えで、建設線をやろうと言われ、或いは着手しながら、又情勢によつては又ぱつと予算が減らされてしまう。そういつた計画のないことではこれは地方に及ぼす影響も強いし、信用も落ちることになつて極めて遺憾だと思うのですが、これらのことについて根本の、まあ吉田さんは計画経済は嫌いだとおつしやつたが、こういう交通政策には必ずその根本的な年次計画が根本にならなければならんと私は確信しております。それについて大臣の御所見を伺いたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 今のお話のような問題は私どもも痛切に考える問題でございます。鉄道のこの頃の新線の問題につきましても、まあ貧乏なふところ勘定だと言えばそれまででございますが、新線が戦後初めて、一昨年ですか、新線の計画ができたときも、今のような国鉄のふところ勘定のところに全部新線に対する金利、損失等を負担せしめるということは、独立採算制というようなことを言うているところに向つては非常に無理ではないかというので、利子補給をすべしというような意味の決議がそのときの鉄道建設審議会のほうからもついておつたのでありまして、私はそのあとで参りましたのでありますが、この問題を取上げて、本年度の予算ができるときにいろいろ話合つてみたのでありまするが、どうしても金がない、まあまあというようなことで逃げ通しに逃げられまして、到頭、そのとき決議をした立場にあつた人たちの動きも、まあ線のきまるまでは非常に熱心にやつて頂いたが、あとに不熱心な状態であつた事実があるのでございます。私はこういうことを今考えているのでございますが、今度臨時に公共企業体の調査委員会ですか、何かそういう名前のものができまして、公共企業体のあり方につきまして、根本的な相談をする委員会が今度設けられることになりまして、近く発足するということでありますが、これで私は鉄道の、国鉄のあり方という根本の問題をいろいろ考え、そうすれば今のような鉄道新線のようなものは、はつきり初めの時分は、独立採算制をとる国鉄としてはもう明らかに負担が大きくなるということもわかつている場合に、それは一体どうするかというような問題までも考慮に入れてきめなければ、今のようなことで、ただ予算のときに国鉄と運輸省が一緒になつて、そろばんに合わないから利子を補給してくれ、出資をしてくれと言う。片一方は、ない袖は振れませんで、自分だけぱつと逃げられてしまうということでなしに、根本をきめなければどうにも本当の話がつかないじやないか。私は、今度の委員会に、私も委員の一人となつておりますが、こういう問題も取上げまして、何だか予算をせびるとか、何とかという恰好でなしに、本当にどうあるべきか、そうしたら、もうそこにちやんとその行き方もきまるというような形のところに持つて行くように話をしたいと、こういうふうに考えております。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 今大臣の言われた国有鉄道の公共企業体の性格とか、機能ということも、はつきりとした方向をきめて頂かなければならんことは勿論ですが、そういう陸上交通の基本政策について、これは是非とも大事な、今の間にはつきりとした線をお出し願つておくことをお願いしたいと思うのです。  それから次にこの都市交通ですが、最近地下鉄が池袋、お茶の水間に開通した。これには莫大な資金を要したわけですが、今後の都市交通はどうしても地下鉄道に待たないと整理ができないと思うのですが、併しこれを現在の営団に任しておいて、あのように着々と新たに五キロ、六キロの線が殖えて行くということはなかなか容易なことではない。それのみならず、郊外線との結びつきは悪いし、国鉄線はその支流を受けて、丁度支流を本流のほうで……、これは如何に線路を増設しても、なかなかはき切れない。そこで私は都市交通についての一つの基本対策、殊に年々三十数万ずつ殖えて行くという首都ですから、首都建設に伴うしつかりとした交通策をやはり検討して、しつかりとしたものを作らないと、これはもう手遅れになつてしまう。もうすでに手遅れになつておりますが、これには国鉄、それから私鉄、バス等とも一貫してまとめたものを作り上げる。これは別にそういつたロンドンでやつているような機構を作るとかいうことは別として、その策を私は十分に練つて、早く確立しなければならんと思うのでありますが、大臣はどうお考えですか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 全然その点同感でございます。私もこの問題につきまして、時折省内の者と、今のままの状態で一体行けばますます混乱の状態になるのじやないか。できるだけ自動車問題、地下鉄の問題、鉄道の問題、いろいろな問題を併せまして、年々殖えて行くものに対して、一体どこまでどう運び得るようにするかという問題を検討いたしまして、それに対してでるきだけの方策を講ずべきじやないかというような話はいたしておるのでございまして、それでまあそれについての一応の説明は聞くのでございますが、更にこれはさつきの問題、道路の問題等、建設省の問題とも私どもは関連いたすわけで、併せましてこれはもう少しはつきりした何か一応の線を開くことにいたしたいと考えております。これは前に加賀山さんから、全体の交通政策についての対策を立てるための委員会を設けたらどうだというようなお話もありまして、その問題はさつき申しましたように建設大臣とも話合つたのでありますが、これはもうかなり、併しながら実は個々の問題で説明を聞きつつある程度でございまして、これは何とか一応の目安だけでも、それはできておるところもあるかと思いますけれども、全部まとめるようにいたしたいと思います。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 次に、これは地方の交通の問題になりますが、私鉄と国鉄、それから国鉄バスと私営のバスということで、全国的に見ても至る所で何というか、摩擦というか、或いは摩擦と言わないまでも、問題が非常に多いのですが、これは両方言い分があるわけで、まあ現在の陸運行政では国鉄が余り出過ぎないように、それから又民間の経営に脅威を与えないようにというところに非常な重点を置いておられることも私はよくわかるのですが、併し事情が地方によつて非常に違うのです。それでそのために地方の交通がお互いに手控えて、折角利便が増すところを、お互いが角つき合いしているために、その利便が増さない、或いは上げ得べき利益も上らないということではいけないので、これはその調整をとつて、そして事情に応じてこれを判断して、早くいろいろな問題を片付けて行かなければならん。そのために運輸審議会もあり、又陸運協議会もあるわけなんでしようが、併しそれらの問題はなかなか一朝一夕に解決しないので、所によつてはもう数年間も睨み合いのまま来ておるというような実態もあるのです。それらの問題をできるだけ早く解決して頂かなければならんと思いますが、これについて一つ大臣どういうお考えを……。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) この地方の特にバス路線の問題は、非常に私ども悩みの種でございますが、いろいろないきさつがありまして、又地方の情勢がありまして、国鉄バスが非常にうまく運営されている所、或いは又そのほかのバスがうまく運営されている所等さまざまでございますが、今の出願の場合の処理は、地方で許すものは地方で許し、それから定期路線等は、中央に来ておりまして、中央で審議しておるのでありますが、御承知のように、私は運輸省に入りまして、もう一年以上になりますが、その時分から話を聞いている問題でございます。きまらないものもあるのでございます。そういう問題につきましても、この間、とにかく役所の仕事はいつまでも時間をかけて放つたらかすということが一番よく言われる問題で、それの及ぼす経済的の損害というものは、実に無視される状態になるのであります。右か左かきめることは、早くきめるということを、これは是非しなくちやならんと思いまして、地方のこの自動車関係で、今まで道路運送審議会がここで許可をするせぬで、なかなか時間をとりまして、こういうのではいかんという声が非常に大きいのでございまして、これは廃止いたしまして、地方に今度諮問機関、一般交通に対する諮問機関のようなものを作りまして、決定機関ではなくなりましたから、地方で許可するようなタクシー等は或いはずつとこれから処理が早くなるだろうとは思つております。それから東京に出て参りまする定期路線の自動車交通の問題は、これは全く一日も早く許可をして、早く運行することが望ましいにきまつておるのでございますから、そういうものはなお今後とも督励いたしまして、早くいたしたいと思つております。実際上問題になつておる点はまだありましたときから頻りに言つておる残つておりますが、いろいろ説明を聞きますと、初め許可していいような状態になつておつたが、途中で道が悪くなつて、その道が直らない状態にあるのだから、暫らく見ているとか、説明を聞きますといろいろあるようであります。全体において遅れぎみであるということは事実であるようであります。努めて早くいたしたいと思つております。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 もう一点ですが、これは国鉄総裁に関係がある問題なんですが、労働問題で、とにかくベース・アツプから裁定、まあ裁定になつて、それからまあいろいろ一、二年いつもごたごたが年中行事のようになつている。まあ今年はこういろ年で、もうそういうことはないと思いますが、私はここらで労使協力というか、そういう線を一本強く打ち出して、そしてああいつたことをやつて、それからそれで又整理をするといつたことを繰返すことは、全く国民の迷惑この上もないし、又国の経済に及ぼす影響も甚大なんで、一つ是非ともそういうような新らしい線を打ち出して頂きたい、こう思うのですが、これはやはり何といつても、第一には、国鉄当局と労働組合の考え方が根本になり、相互の信頼が根本になりましようが、何か政府としてもこれに対していわゆる勧告なり、又これが法的の不備から来るならば、只今公労法の改正も問題になつておるようでありますが、法律を整備して行く、そのほかに何か打つ手があるのではないかと思うのですが、それらについて御見解を承わりたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) これは私この間のベース・アツプについて紛争が問題でもあるし、考えてもおりますのでございますが、今言われました通りの手順で毎年々々同じようなことを繰返しておつては、鉄道の全体の経営者、労務者を合せましての一体になつて鉄道の輸送事業をやるということに大きなひびがだんだん入つて行くんじやないか。一体になつて仕事をやつて行くということが、どんな場合でも仕事の上においては大事なことであるけれども、今のようなことをやつておるのでは、一つも建設的な話合いというものがその間になくして、これが年々の行事になつて行くことは非常に遺憾なことであるし、何とか一つやつてもらいたいということが私の念願するところでございます。これは国鉄総裁も非常に心配され、何とか考えなくちやいけない、何とかそこに途を開かなくてはならないということで考えもし、いろいろ動いてもおられるようでございますが、私も国鉄の考えが、今私の申しました線に沿うてやつておられる、それが何か出て来ますれば大変結構だと、こういうふうに思うております。国鉄総裁から詳しく話があるだろうと思います。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 只今の御意見誠に御尤もでございまして、私まだ労働問題に対する経験は二年にしかなりませんが、この二年の間に同じことを繰返して、それがだんだん積つて行きまして、只今大臣が御心配になつたような状況になりはせんかということを非常に憂慮しておるのであります。併し、労働運動というようなものは何も国鉄だけのものではございませんので、やはり日本全体の労働運動というものに大きな繋がりを持つておるのであります。従いまして、国鉄だけがどうというふうにもなかなか参らんのではないか。そこいらに根本的な解決の困難さがあるのではないかと私は考えております。  なお仲裁裁定の問題、これに関する法規の改正というようなこともいろいろございますが、その点になりますと、法規だけを変えてうまく行くかどうかという点に私は疑問を持つております。何と申しましても、やはり公共企業体たる国鉄の財政的な自主性というものが確立されない限りにおいては、これに何かが残されまして、なかなか解決がむつかしいということになるのではないかと思います。いずれにいたしましても、何とか、何と申しますか、同じような争いがあるといたしましても、これをもう少し柔かい意味で、或いは温かい意味で解決する方法はないだろうかということについて、今後も組合の方々ともよく話合いをし、相互に努力をして、そういう法規的に何らかの解決の途はないかと、せめてそういうことの話合いだけでも私はして参りたい、かように考えております。

一松政二自由党

○一松政二君 加賀山さんのさつきのバスの路線、或いは電車の問題でちよつと関連して伺いたいと思います。昨年我々が委員会の活動として門司へ参りましたときに、特にそういうことを強調された。門司市が幾らバスを申請しても許可にならない。それで門司としては非常に困つておる。特に門司市のあの裏側を通つておるバス、あれは私はその名前は忘れておりますけれども、何か知らん天下一品の非常に高い料金だそうです。それで門司市が幾ら自分でバスをやりたいということを陳情しても、或いは請願しても、これは幾度か努力しておるけれども、許可してくれない、こういうことなんですが、私は門司のそのことはあとで伺いたいのですが、その前に、先ず運輸省はバスの路線は一体独占させるのか、或いは二線ぐらいは許すのか、所によつては許している所もあるし、それからそこに又やろうと思つても許さない所もある。これは私も単なる競争せんがために、相手を潰さんがために競争を激成することはこれは考えものだけれども、交通量が相当にあつて、そうして一線のみがゆうゆう閑々と経営をやつているような所は、私は競争線があつて然るべしと考えるわけですが、運輸省は何かそういうものにつきましてきまつた御方針がありますか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) バスの路線は、そこいらの交通量等を主としていろいろ考えまして、一線でなければ少し無理であろうという所は大体一線になつております。もう少し許したほうがここはよろしいという所は複数でも認めるというのが大体の趣意で、実情に即して単複きめているようなわけであります。

一松政二自由党

○一松政二君 それでかねて運輸省がいわゆる交通秩序の維持とか、それから従来路線を経営しているものは競争者の現われることを、何としてでもこれは阻止したいという考え方が、私企業の経営者の建前から言えば、そういうことは考えられるのですが、たしか去年の正月、私は鹿児島県に行つたときにも、鹿児島市が何か電車かバスかを一向許してもらえないというので陳情を受けたと思うのです。それから昨年の九月に門司に行つたときには、いわゆる西日本の、会社の名前は忘れましたが、あの勢いが非常に強くて、門司はやはり一個だけしか許してもらえない、何とかしてくれという陳情があつたのですが、それの現状について大臣御存じなら大臣から説明を承わりたいし、よく御存じでなかつたら誰か適当な人に説明して頂きたいと思います。

牛島辰弥運輸事務次官

○説明員(牛島辰弥君) お答えいたします。バス路線と一口に申しましても、都市と都市との間の非常に長距離を走る路線と、都市内だけを走る路線と分けられると思うのであります。この都市内のバス路線と申しますと、結局その市民と申しますか、市民の下駄のようなものであります。従つて市民生活とは非常に密接な関係がございます。ただこれを経営のほうから見ますと、都市内のバスというものはその都市の大きさ、人口等からも若干違いますが、おおむね経営状態が赤字と申しますか、よくないというのが実情であります。又もう一つ考えるべき点は、地方の中都市等におきましての都市内のバス路線というものを複数制でやつたほうがいいか単数制でやつたほうがいいかということになりますと、私といたしましては、やはりこれは単数でやつて、而も市民の交通を確保できるというのが一番いいのじやないかと考えております。そういう観点からしまして、最近中小都市におきまして相当の出願がございます。或いは公共団体としても出願がございますし、公共団体がすでにやつている所におきまして、一般の民間からの申請等もあるのでありますが、大体の考え方といたしましては、その都市においてすでにやつているところの既存の業者が、経営をやる上において熱意を持つている、又力があるというような観点から考えまして免許をいたしたほうがいいかと考えているのであります。ただ公共団体の方々の御主張でありますと、運賃が高いとか回数が少いとか、或いは住宅を郊外に作つてそこに足がないとか、学校ができたのにバス路線を認めないとか、いろいろなかなか御尤もな御要求もあるのでありまして、そういう点につきましては、既存の業者でそういうものを、相当赤字になると予想されるものも、やり得る熱意があるかどうかというような点を確かめまして、免許いたしておるわけでありますが、それと同時にその公共団体の関係の方、現在すでに経営をしているところの事業者、或いは又そのバスを利用するところの市民を代表される方と、一つになつた委員会のようなものを作りまして、実際の市民の足としての交通を確保するような方針を進めまして、そうして実際には免許をいたしておるような次第でございまして、その結果は、大体免許なり、或いは申請が却下になりましても、その後においてはさほどの不満も聞いておらん次第であります。  門司の例が只今挙つたのでありますが、門司につきましては、水害を受けましたあとにおいての住宅の問題であるとか、或いは又運賃の問題等につきましては、西日本鉄道としましてもそれを是正し、そうして只今申しました公共団体を代表される方、それから西鉄の実際経営に当つておられる方面の方、更に一般市民の方々の代表者が寄つた委員会等を作つて、今後うまく運営して行つたらいいのじやないかということも申しまして、その線によつて進んでおる次第であります。

一松政二自由党

○一松政二君 細かいことですが、今の門司のそういう委員会が仮にできておれば、日本一高い運賃はもうなくなつておるか、早急になくならなければならんものと思いますが、私は詳しくは今記憶が薄れかけているのですが、日本一高いということだけは覚えているのです。その点について何か御存じの方おりますか。

牛島辰弥運輸事務次官

○説明員(牛島辰弥君) バスの運賃には、キロ当りの賃率を出しまして、坂路であるとか、或いは雪国においては雪国の割増しを認めることになつているわけであります。御承知のように門司は相当丘陵といいますか、が多い関係で坂路割増しをつけておつたのでありますが、そのために門司が高かつたのではないかと思います。その点については西日本鉄道としても、運賃の調整については考えることになつていると聞いております。

一松政二自由党

○一松政二君 私も徒らに競争させることが、必ずしも当を得たものかどうかということについては、所と事情によりけりでありますから、今の説明の方針はおおむね了承いたしますが、とかく私企業でやつていると、今の門司の例のごときは、裏山のほうに、瀬戸内海のあるほうに発展する以外に住宅を求める余地がない、多少距離が延びるわけです。そうすれば西日本鉄道ともあろうものが、有力な会社であり、それからあれだけの勢力があり、且つ交通の量が多い所で、頗る私は成績はいい会社であろうと思うのです。それが僅か門司の新らしく発展せんとする住宅方面に、いささか距離が長いとか坂があるとかという理由のために、片道何十円とか言つておりましたよ、それで往復すれば足代で以てそこに到底住居を構えることはできないのだというような大体の話でございましたから、その点は路線を改めて門司市に許す許さないという問題は、これは相当議論の余地もありましようが、運賃を是正さして、そうして門司の市民のそういう発展を助けてこそ、西日本鉄道としての私は使命があるであろうと思う。如何に私設鉄道であろうとも、鉄道は或る意味において独占事業でありますから、公益性を持つていることは何人も疑うことはできない。その公益性を発揮するのはそういうところになければならん。それが高くつくから高くするのでは、これはもう一意その路線だけを経営している私企業者の言うところと殆んど変らないと思うのです。その点に対して私は改めて御答弁は要求いたしませんが、早急にこれを門司市の当局と相談させて、その料金を是正するように要望いたしましてこの関連質問だけを終つておきます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 三つか四つの点について質問したいと思うのですが、昨日の予算の御説明のときに、本年度は貨車の新造ということは計画をせずに、合理化によつてこの輸送の増強を図るというようなお話があつたと記憶しておりまするが、この合理化によつて輸送の増強を図るという具体的の意味がどういう意味か御答弁を願いたいと思います。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) お尋ねのように来年度の二十九年度の予算には貨車の新造、増備というものはございません。従つてこれは非常に老朽したものが多いことは多いのでありますが、場合によりますと老朽車の廃車を延ばしまして、多少修繕費が余計かかるけれども、修繕でもして補強して行くというようなことも一つの方法でありましようし、又貨車の廻りをよくするということも一つの方法でありましよう。そのほか各種の細かい手段で以て何とか辻褄を合わして行くということになつておりますが、そこに私は非常に無理があるんじやないかと思います。現在の予算の上では。併しながらこの貨物なり、或いは輸送なりの手当と申しますか、そういうふうなものは今後の経済情勢によつて、果して予算上許されるような増加があるかどうかということについても、これは慎重に考えなければならん問題であります。併しながらこの予測に至りましては、今度の予算は非常に急激な変化でございますので、どういう結果が現われて来るか、このことについては十分なる注意はいたすつもりでございますけれども、今日のところちよつとまだ予測がつかないというような状況でございます。従いまして今日の予算以上に大きな変化が起るという場合におきましては、私は当然企業予算としてこれが補正なり是正なりというものはあるものであると、かように考えておるような状態でございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 いろいろな資料、数字等を見ますと、大体現在の国鉄輸送においては、車両の面に関する限り、すでにもう限界が来ておるというようにも言われておるし、又いろんな数字がそれを証明しているように思うのですが、昨年あたりにおきましても十月以降の最盛期はやはり駅頭滞貨が二百万トンもある、或いは一日に車両が三万両も不足するというような状況が続いたように聞いておりますが、更に又将来において国鉄輸送量の増加ということは必至であるというような趨勢にもあるということも、いろいろ数字の上から承知することができると思うのですが、そういうような事態に対処して輸送力を増強するということは、やはり何と言つてもこの車両の絶対数が足らないので、この車両の新造ということはこれは絶対必要だと思うのですが、それ以外に具体的にこういう事態に対応して輸送量を確保するということはないように思うのですが、その点についてはどういうお考えがあるでしようか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) おつしやる通りでございまして、車両が豊富にある、潤沢にあるということは、仕事の上からいつても非常に楽になります。併し昨年のお話を申上げましても、昨年の夏場あたりにはやはり三千両ぐらいの貨車が使われずにとめてあつたというような情勢にあつたこともございます。そんなようなわけでありまして、今日の日本の情勢、今日の国家の情勢ということから申しますと、我々としては無論車両を多くしなければならんという考えを持つておりますが、それ以外にでき得る途があつたら、できるだけ努力をして補つて行くということが、もうこれは当然我々の責務であろうと思いますので、今日のところでは非常に残念でありますが、そういう資金もなし、止むを得ず新造は今度の予算においては見合せてあるという状況でございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 それで、三千両も遊んでおつたこともある、或いは又資金の面もあるということはよくわかるのですが、たださつきお話があつたように、長期の計画が立たない、これからどういう変化があるかわからないというお話があつたのですが、これは私は或る意味においてはやはり日本の国有鉄道というものは駐留軍並びに保安隊というような一つの軍事的な制約といいますか、軍事的な一つの支配というか、そういうものが相当強く国鉄運営の上において出て来ておるんではないか。従つて現在MSAの受入なり或いは再軍備の計画なりというものがまあ進んでおるんですが、そういうようなことから、やはりこういう国鉄の建設乃至はこういう万般の計画についても、いろいろ制約があるんじやないかと思うのですが、その点についてはどうなんでしようか。

長崎惣之助日本国有鉄道総裁

○説明員(長崎惣之助君) 御承知のように国鉄は財政的には一般会計とは分離されております。独立採算制であります。ただ僅かに資金の面におきまして国の一般財政経済という面と繋がりを持つておりますので、本年度におきましては、資金が投資の面、つまり言い換えますと自己資本以外の借入或いは鉄道債券の募集というようなときにおいて、国全体として本年はこの程度の融資をするということになりまして、その結果抑制を受けたことは受けておりますが、それ以外に私どもは是非お願いしたいと思いました運賃値上げというようなものも、国全体の計画の上から見合せるということになつて、資金の面が窮屈になつて来ておるということなんでありまして、これはまあ国全体の財政経済から国鉄だけが除外例となるということは、非常にむずかしい問題であろうと思います。従いましてこれをどう切り抜けるかということについては、慎重な努力と考慮、一般計画というものも立てなければならんと思いますが、いずれにいたしましても、余りにも国鉄の運賃というものは、物価全般の変動とかけ離れておる。ヨーロツパ各国等におきましても無論殆んど全部が国有鉄道でありまして、従いましてやはり国の経済或いは財政の面という方面から、運賃の値上げというものは、物価に必ずしも比例いたしてはおりません。例えば一例を挙げますと、ベルギーの国有鉄道のごときものは、物価が三七五になつておりますが、運賃は二八〇というふうに、やはり抑えられております。併し今申上げたようにその割合というものは日本の場合と非常に違うのでありまして、日本の物価は三三〇、然るに運賃は一三〇—一四〇にしかなつておらん、半分以下である。こういうような例は殆んどないように私は思うのであります。そういうような面で抑えられておることが、資金の上に響いて来ておるというような意味合いにおきましては、無論その国の財政方針なり全般のものに従がわなければなりませんが、特に進駐軍とか、或いは保安隊がどうとかいうようなものが、直接輸送を圧迫するというようなことは、私はあるとは思つておりません。これは細かい数字がございますから、いずれよく取調べまして申上げますが、極めてパーセンテージが低いものであります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 今の運賃の問題とか、或いはそういう面については、いろいろ論議があるのですが、今私の聞いておることは、やはり国鉄というものが国民生活の上に極めて必要なものであつて、この運営如何によつては相当大きな影響も出て来る。こういうことからこの日米相互協定ですか、そういうような協定もあり、その他目に見えない有形無形の一つの支配といいますか、支配のような形が国鉄運営全般に加わつて来ておるように思うのですが、そういう点についてお伺いしたいのですが、大臣から一つ答弁をしてもらいたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) MSAの問題、日米安全保障の関係のアメリカ軍のいろいろな関係とか、或いは保安隊の増強というようなもののために、それが鉄道に大きく響いているのじやないかということでありますが、私はそうは思つてないのでございます。今度全体の予算として鉄道が非常に窮屈な収支の予算になりましたのは、さつき申しましたように、支出の面で昨年ベース・アツプという一つの大きな支出の面が、経済上今年は出さなくても来年出さなくちやなりませんが、それに向つて収入の面は、自然増、それからいろいろなものの貸しているところなんかの値上げをするというような雑収入の増というようなものと、それから汽車賃において一等、二等の通行税を外枠にするというくらいのものでございますから、そこに非常な窮屈な予算が出て来ておるわけでございまして、これは保安隊云々というものの影響とは私ども思つておりません。それから新線の建設等のものは、これは政府の財政資金でございまして、財政資金の全体は、昨年から非常に窮屈になつたのは御承知の通りでございます。そのためにいろいろな社会施設等に関する支出も随分苦しい立場にありまして、一番いいところで本年度と同じ程度の財政資金を出してもらうということで、増すものは殆んどない。大体みんな減るというような状態になりまして、鉄道関係のほうにも、廻します財政資金もひどく減つたのは事実でございますが、これは財政資金の全体が苦しくなつて来たためでございます。それは保安隊の問題というようなものとは一向関係はないと思つております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 この問題は、これは見解になり、見解というよりむしろいろいろ考え方の違いがあると思うのですが、結局財政上非常に窮屈になつて来た。窮屈になつて来た中で、更に必然的に軍事的の要求というものが諸般の要求の上に優先をするということは私は必至だと思うのですが、これは別の機会に譲つて、今日はこれ以上お尋ねいたしませんが、続いて一つお尋ねしたいことは、最近、さつきもちよつとお話があつたのですが、貨物自動車或いはハイヤー、小運送というようなものが若干乱立しておるような傾向にあるように見受けられます。そこへ持つて来てやはり自家用車あたりのやみ営業行為は依然として跡を絶たない。こういう中で現在の業者の状況というものが非常に不当な競争というような現象が出て来ておる。従つてこの経営内容から見るというと、極めて不健全な経営内容の状態にあるところがたくさんあるように思われます。これはやはりこの陸上運送というものが、公益性があるという見地から、これはやはりその経営が不健全だということは、この公益性に大きな影響があると思うのですが、そういうような問題について、何か将来の対策なり、或いは施策というものがありましたら一つお伺いしたいと思います。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 自動車が非常に殖えておりまして、昨年の、いわゆる私のほうの、届出する分に入るのでありますから、二輪車まで入つておりましてスクーターのようなものまで入つておるわけでありますが、この前七十五万台と聞いておつたものが百万台というような状態でありまして、誠にたくさんな無駄があり、その中で営業に従事しておるもの等に、今おつしやるような不安定なものが或いは実際上になるとあるかもわかりません。今ハイヤーをやるとかタクシーをやるとかいうことにつきましての経営能力ありや否やということは、一つこれを許す場合の非常に大きな条件になつておりまするから、一応はそういう検査のスクリーンを通つて来ておるわけでありますけれども、そこまで行くのに無理な資金計画をやつておるとか、或いは時々現れて来るのでありますが、ハイヤーやタクシーの台数を大急ぎで整備しておりますので、十分整備するまで行かないで、いわゆる一台しか持つていなくて、自分で運転するとか、そこに使用人みたいな形で入つておるという例も時々暴露する事実もあるのでありますから、まあそういうふうなところを厳重に注意をいたさなければならん、交通の安全という上からも非常に大事なことだと思います。これは別に改めてこういう対策というより、今のそういうふうな取締を厳重にするように私は督励しているわけでございますが、今後の問題といたしますると、これはさつきも話がちよつと出ましたが、油の問題からも考えまして、どこまで許していいかどうかということは問題じやないかと一応考えられます。同時にそれじやどういうことで統制して行くかということは、少しくむずかしい問題もそこに起つて来ると思うのですが、まあこれらにつきましては目下いろいろな観点から研究をいたさしております。成案を得られるかとも思いますが、はつきりしたことは申上げられません。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 まあこの問題もたくさん根本的な問題があるのですが、恐らく私はこのままの現状で行くというと、この陸運全般が非常に無統制、乱脈の形になつて、非常に何といいますか、混乱を来たすようなことになりはしないか。殊にハイヤーの場合とトラツクの場合とは少し意味が違いまして、やはりトラツクの場合においては相当高価な荷物を扱つて行くということから、相当責任性のある営業ということになつて来ます。まあこういう点についても、今日は時間がないようですから触れませんが、一つ十分これに対しては将来の状況と対策を考えて行かなければならんと思います。そういうような点から関連して一つお伺いするのですが、結局監督を十分にするというお話があつたのですが、地方の陸運局、陸運事務所について、何か今度縮小されるようなお話をちよつと聞いたのですが、そういうことはないのですか。この面について将来どういう方針を以て行きますか。

牛島辰弥運輸事務次官

○説明員(牛島辰弥君) 只今の御質問は、今回の行政整理によつて陸運局並びに陸運事務所が廃止或いは縮小というお話かと思いまするが、只今の当段階におきましては、陸運局並びに陸運事務所は組織といたしましては現状のまま行き得るのではないかと考えております。ただ一般の人員整理につきましては、これはやはり若干は全般との釣り合いをとりまして考えられておる次第であります。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 そこでまあ組織としては残すのですが、今大臣のお話ですと、監督を厳重に、強化するというお話と、それから結局監督をする人間を減らすという方針とはこれは矛盾するように思うのですが、この点はどうですか。

牛島辰弥運輸事務次官

○説明員(牛島辰弥君) 監督を厳重にいたしますことは勿論いたしますけれども、一般の庶務、総務と申しますか、庶務的な事務に従事している者等を一般の官庁並みに減らすのでありまして、一般の検査要員であるとか、保安業務に関係しておる者等につきましては、やはり整理の程度というものは減つて参ると思います。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 これはどうも納得できないのですが、これもまあ時間の関係で取りあえずその程度にしておいて、次に定点観測の関係についてお尋ねしたいのですが、これは先にこの参議院の運輸委員会並びに衆議院の運輸委員会において、二十九年度予算においてはその復活について特に考慮されたいという決議をしたのですが、ところがこの予算を見ると、復活に関する問題については一つも考慮されていない、こういう工合に見受けるのですが、その原因について、考慮されないという理由について御説明を願いたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) この定点観測につきましては、御熱心な維持説を私も拝聴いたしておりまして、この点につきまして大蔵省とも折衝いたしたのでありまするが、どうしても気象台のほうといたしましては、今使つております船がずつと常時定点観測するのは非常に無理だということで、それにはどうしても、常時やつて行くにはこれから先きどうしてもちやんとした船をこしらえてもらわないと少し無理だということが非常に強い意見でございまして、その問題に入りまして話をしますると、それは新規でございますからなかなかなお聞いてくれません。私どもこの気象台全体の仕事といたしまして、台風或いは大雨、台風ごとに、昨年の例に鑑みまして特に注意しなければならないという点につきまして、この前説明申上げましたように、西のほうの各地にレーダーを備えるとか、或いは観測所を増すとかということをいたしたのでございますが、台風シーズンにおいて、特に南のほうの定点に船を出すということは前の通りやつて行く。それから北のほうの定点などは、今のような船で年中おることは少し無理であるし、是非いい船をというのが、やることについて希望でございますが、それがなかつたらどうなるかといいますると、ときどきにこちらから船を廻す。そうして観測をする。それからそこを通る船でございますが、それによつていろいろそれと連絡して何か報告を取る方法があるように思うのでありますが、これらによつて大体大きな間違いなく、立派な船があつてそれが常時やればなお結構であるが、それでなければそういうような方法によつてでも何とかして一応穴埋めができるというふうなことでございまして、それからこの問題に実は関連いたしまして、お尋ねの点じやないのですが、人の問題は私のほうとしては非常に心配いたしております。たくさんの人がありましたので、それらをどうするかという問題がありまして、それらは今度整理も一方にありまするが、できるだけ多くの人を活かして頂くように話をいたしまして、というのは、測候所というものの仕事はやめても、こういうふうな所で使われなければ、自分の仕事としては本来の職はないわけなんで、そうして又これが今後すぐ航空事業だとかいろいろなものが盛んになるたびに、測候所員というこの技術者は要るわけでありますが、そういうときに探せといつたつて急に間に合うものじやないじやないかということで、できるだけの人を残してもらうことに今いたしているような次第でございます。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 この問題は人員整理を伴うから云々というだけじやなくて、今のお話で整理人員については特に配意をされるというようなお話で、結構だと思うんですが、私はそれよりもつと根本的な問題があると思う。今のお話であるというと、通過船を利用するとか、或いは随時出動して間に合うのじやないかというのですが、私が天文台長、或る専門家に聞いたところによると、極めて不十分だという話を聞いておりまして、定点観測を廃止をするということによつて、やはり日本の全体の気象観測体系に非常に大きな支障が出て来るのだという専門的な話を聞きました。そうして又最近における大雪の問題についても、的確な予報ができなかつたというのは、定点観測が廃止されたということと、中共方面からの情報が不的確であつたということが挙げられております。特に最近においてはこの問題が農民、漁民に非常大きな関心を以て見られている。そうしてこの二月一日に農漁民大会が開かれておりまするが、その大会においても、この定点観測の復活を決議しております。そういう工合にしてやはりこの問題は全国的に亙るのであつて、そうして又定点観測を必要とする、そういう形が非常に何といいますか、常時そういうものの効果的なものが見えないので関心が薄いように思うんですが、私はこの問題は、治山治水に非常に力を入れられて行くと同時に、やはり定点観測ということを復活さして、気象観測に遺憾のないようにする、そうしてこの治山治水、災害について万全を期さなければならない。特にこの問題が農漁民にとつては非常に深酷な問題になつて来ているというようなことも考え合わして、三億五千万か、四億程度でこの復活ができるということも聞きますので、これは是非とも復活しなければならんと思いますので、そういうような点一つ御努力を願えんかどうか、これを一つ伺いたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) さつきも申しましたように、定点にちやんと船を配置して年中観測しているのと、時々行つたり、或いは通過する船を利用するということと比べれば、それはもうずつと定点によるほうが立派な観測ができるということは、私もそのように思います。併し今、この問題が気象台のほうでも、まあ止むを得んであろうということで落着いたというのは、どうしてもやるにはもう少し立派な船でなければとても北のほうの海に年中おつて定点観測に従事すということは、今までのような船ではやり切れないというようなことが一つありまして、それにはいい船をこしらえてくれ、今のままならば時々行つて、そうしてそれから通過する船等によつての報告等でやつても大きな間違いはないというようなこと、それからこの天災に、測候所の設備がよくなければ、いろいろな場合に予防も完全にとることができないというような問題、これは勿論ございまして、それで今度は予算としては相当もらいましたけれども、減らすときに殖やしてもらいましたものがありますが、これは今陸上のほうのレーダー設備等にもらつて、そのほうがより急を要するというようなことで話が付いたような恰好になつておるのであります。私ども定点観測をやめていいとは決して思つておりません。成るべく早い機会に、いろいろ聞きますと、これはあつたほうがいいにきまつておる問題でございます。又大きな影響もこれによつてあるということを皆信じているわけでございますから、そういうふうなものを特に残しておき、又復活するということは必要と思いまするが、今度の予算にそれじや回復できるかと言いますると、今度の予算としては一応あきらめまして、次の機会を待つよりほかない。成るべく早い機会において、今度はこの船をこしらえてもらう、その他の方法を講じたい、こういうふうに思つております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 この問題は、これは今ここでは結論もつかんと思いますが、ただ廃止してこうやつても大きな間違いはないだろう、ここに私は非常に大きな問題があると思う。大きな間違い、小さな間違い、この気象観測の問題、或いは災害の問題は、大きな間違い、小さな間違いというものではないと思う。大きかろうが、小さかろうが間違いがあつたらぴしやつと来る。而も昨年日本においては非常に未曽有の天災を我々が体験をして、にがい生々しい経験を持つている。天災は忘れた頃に来ると言いますが、或いは忘れないうちに続いて来るかも知れない。従つて成るべく早い時期にということは、文字通り早い時期にしなければ間に合わない。来たからもう一遍やろうというのじや間に合わない。そこに間違いがあり、間に合わなかつたなら、例えば一隻の船が損害を受ければ、何億という損害が出て来るのですから、こういうような問題は私は早くしなければならんと思います。これはこの国会において私はもう少し突込んだ論議をやつてもらいたいと思つております。ただここでちよつとお伺いしたいことは、この船じや工合が悪いというお話があつたのですが、併しながらそれは誰が言つたかわかりませんが、現にこの仕事に従事しておる人が熱心に、この船で当分続けて行くのだという非常に熱意を持つておる。而もその船が、最近私が聞いたところによるというと、何か海上保安庁に渡すことになつておつたものが、保安庁のほうではこれを受取らない。これはアメリカから定点観測の目的のために使えということになつておるので、今引取る理由がないから引取らない。宙に浮いておるという話があるのですが、こういう問題があるかどうか。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) それは私が聞いているのと違うようでありますが、これは昨年気象台と大蔵省と、それから海上保安庁と話合いをいたしましたときに、南のほうは台風シーズンに半年は船を出すが、半年は海上保安庁のほうで使う。それから北のほうでは海上保安庁でもらつて使うということになつておりまして、その報告を私は聞いたままで、別にそれが変つていないはずであります。海上保安庁で使うということでいたしております。

大倉精一日本社会党(第四控室・左)

○大倉精一君 それも今話を聞いたので、私ももう少し調べようと思つておりまするが、なおこの質問はこれで打切りますけれども、とにかくこの問題については、私ももう少し突込んで一つ論議をしてみたいと思つておりますし、又政府のほうにおいてもやはり農民、漁民等、一般の人が大きな関心を持つて要望しておるということも考慮に入れられて、この問題について御配慮を願いたい、こういうことを要望して今日は終ります。なおその他の点については今日は保留いたします。

前田穰緑風会

○委員長(前田穰君) それでは、まだ総括的な御質問もあろうと思いますが、本日は都合によりましてこれで散会いたしたいと思います。    午後零時三十五分散会

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