運輸委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/08/25
会議録
○委員長(高木正夫君) それではこれから運輸委員会を開会いたします。 運輸一般事情に関する調査中本日は海運及び造船に関する件を議題といたします。先般に引続きまして御質問のおありのかたは順次御発言を願います。
○一松政二君 私は運輸大臣が折角お忙しいところをお繰合せ願いまして本日開かれました機会に若干の質問をいたしたいと思いますが、先ず造船事業の今後のあり方について大臣の御所見を承わりたいと思います。造船事業が今日殆んどもう気息奄々として仕事の事業量が激減してしまつてつなぎが殆んどない。そこへ遅まきながら十次造船が浮かび上つて十七、八隻の船を一応造るというんでありますけれども、日本の造船の、まあ戦後できた、或いは弱体なものは一応ともかくといたしまして、従来から信用があり、戦前からやつておつた相当信用もある、或いは能力もある造船事業が非常な危機に立つていることはもう運輸大臣御承知の通りであります。十次造船といえども僅かに十七、八隻にとどまる、従つて今後大きく輸出船のことをお考えになつていることであろうと思うのです。日本の造船業の殆んど半ば以上も輸出船によつて賄わなければならん事情は自他ともに認めていると思うのでございますが、今日輸出船の商談が殆んど具体化して、九分九厘具体化して最後の一分で行止つているのは皆これ金融問題である。海外に輸出する場合に競争国のこれの支払条件が常に日本の造船業が一番弱体なところに陥つていることは御承知の通りでございますが、今の輸出入銀行が、或いは一兆円予算に禍いされているのか、或いは日本のいわゆるデフレ政策による結果か、或いは資金が非常に少いためにそういうことになつておるのか存じませんが、これは政府として或る程度一貫した政策を必要とすると思います。そこで、先ず何はともあれ、輸出金融を、特に造船業については従来は五カ年でやつておるやつも、その支払条件が、常にドイツ、まああえて名前を言えばドイツですが、ドイツの相手国に対する支払条件に日本が競争できない、そのために、値段や技術やその他あらゆる面で角逐することができるけれども、支払の一点で相手の満足を買うことができないということは甚だ残念に思います。そうして而も今日の造船業は、職工、職員の整理をやらなければならんことは必然でございまするけれども、その整理をやる勇気のある人が、場合によつてはそれは勇気じやない、暴虎懸河になるかも知れません。実は尼崎製鋼で職工を整理するために、経営者も従業員もこれを誤つたのか存じませんが、結局会社を潰してしまつた。造船事業におきましてもイの一番に整理を発表したならばこれは必ず潰れるというので何人も躊躇しているのが今日の実情であると思います。それから又失業者を出して見たところで、失業者に失業手当なり、それから生活を維持する方法は、これは国家としても社会としても、或いは縁に繋がる人でもこれはお互いに食わせなければならんことは事実である。国家が養うか、社会が養うか、必ず養わなければならんが、徒らにただ仕事がなくて職工を遊ばせれば、それはいわゆる遊んでおつて、全部遊ぶわけではございますまいが、遊んでおつて、そうして生活費は要るという結果に終る。若しそれ金融が伴つて、それだけの仕事をして輸出ができれば、仕事をしてそうしてみずからの力で食つて行ける。金融がつかんために輸出ができない、そのために労働者が遊んで、そうしてそれをただ養わなければならん。金融の一点にかかつてその仕事ができないということは、もうどなたがお考えになつても残念至極なことだと思いますが、その点について運輸大臣はこれをどういうふうに打開されようとお考えになつておるか、その対策、或いは御抱負について承わりたいと考えます。
○国務大臣(石井光次郎君) 今のお話は、私どももその通りいろいろと考えておるところと一致するのでありますが、造船事業の今の規模から申しますると、六十余万トンの造船能力があつて、これを全部働かせることはなかなか困難であるであろうが、少くもその中の四十万トンぐらいは年中確保して行く、それ以上にまあ努力して増せばなお更結構でありますが、最低それぐらいはこしらえて行く。今年の状態を見ますと、政府でこしらえますのにはまだはつきりとはわかりませんが、十四万トンから、値段の点がいろいろありまして、十五万トン、或いはそれよりは多少出るかもわからない程度でありますが、いずれにいたしましても、昨年度の大体半分、外国からの注文で今やつておるもの、これからできそうなもの等を考えますると、どうやらこうやら二十万トン近くやれるんじやないか、それから防衛関係の船の発注の分と合せると、今年は大体四十万トン前後のものが出るというふうに思うておるのでございますが、これから先の日本の船を造つて行く状態はどうなるかと申しますと、今度造船合理化審議会の方針にもあるのでございますが、計画造船は、少くも或る期間、これから五年ぐらいの間二十万トンずつぐらいは是非こしらえて行きたい、三十万トンの線よりは下るけれども、二十万トンは是非続いてやつてもらいたいという答申を得ておるのであります。私どもも何とかして最低二十万トンを計画造船で維持したいと思うのであります。併し、まだそれだけでは造船所の能力から比べますると、遥かに劣る。いわゆる実際の力の三分の一でございます。せめて三分の二だけ確保されるということを考えますると、どうしても輸出船という問題になつて来るのでございますが、引合いは、非常に軽い意味での問合せ等まで入れますると、やはり百万トン近くのものがあるのでございますが、実際にこれが契約し得るのはそれの五分の一程度に終るものだと私ども見ておるのでございますが、それにしましても、一番の悩みの点は金融の問題であります。お話のように、ドイツといつも競争的立場になるのでございますが、この場合に、長期銀行なり輸出入関係の銀行でこの金を融資してもらわなければならないのでありますが、実は本年のそういうものに充てるという輸出関係の金融のために財政資金が投下されたのは非常に少いのであります。殆んど四半期で使い果すくらいな金額でありまして、そういう状態だつたらこれから先輸出奨励をやかましく言いながら、実際船の輸出というものが最も大きなプラント輸出の一つになつておるが、それができないじやないかということで、政府部内でもいろいろ話合をいたしまして、個々の問題につきましていろいろ考え、もう少しというようなことで今日に及んでおるのでございますが、これは今年の財政融資が昨年から減りまして、そうしてそのほかに、国内で要るような、目先非常に重要だというようなもののために大分とられましたために、この輸出入関係の仕事に融資する金額が非常に少くなつてしまつたということであります、けれども、これは何としても増額をして頂いて、ほかの国と競争のでき得るような期間で金の回収を図るというようなことでやりませんと、技術の上においては優秀であり、値段の上においてもよその国に負けない、ただその金の支払条件においていつもひけめをとるというようなことでは、これはまあ船だけに限らない問題かとも思うのでありまするが、輸出をやかましく言いながら、実際において輸出を抑えておるというようなことになりますので、これは現在もいろいろそういう問題で話をいたしておるのでございますが、続いて次の予算等につきましては是非はつきりした状態にいたしてもらう、本年は多いけれども来年は少いとかというような急激な変化が起りますると、こういう仕事はやつて行けないのでありまするから、コンスタントに相当額の融資ができるような状態にしてもらうというふうに話を是非進めて行きたいと思つております。
○一松政二君 只今のお話で大体の構想はわかりますけれども、どうかその実現の日の一日も早からんことを希望するわけでございます。ということは、繰返して申すまでもなく従業員なり会社はそういう金融がない、ないとは言いながらそれにほぼ見合うものは無駄に食つているわけなんです。それは国がよほどものを考えればわかるので、結局今まで融資してある銀行の金はそれが行かなければ死んでしまう。それからそれは仕事をしてもしなくてもそれだけの従業員は現に抱えておるわけですから、その費用は政府が負担しなければ国民が負担して銀行が金を貸しているか何かの違いで、全部国民が貸しているわけですから、それを活かす意味から言つてもただ単に金融で金がないという言い方、よく今日いろいろ批評もありまするが、金融引締によつてそうして遊んだ人間をただ養つて、設備もありながら技術も資材もありながら仕事をさせずに、それを内地で何かパチンコか何かやつて、非常に弊害はあれ一つの益するものもない、そういうところに或る程度金が廻つているのだ。パチンコなんというものは驚くほど津々浦々にまで行つておる。ところが最も基幹産業と考えられるような造船の、而も片棒を担ぐような輸出船に金が廻らんということはこれは地団駄踏んでも私はまだ足りないほど情けない感がいたすわけであります。それをやらなければそれだけ費用が要つていないのかというと費用は同じだけ食つている。その注文をもらつたからつて新らしい人を抱えるわけでもなし、それをやらないからといつて賃金が減つているわけでもない。労働省は三カ月間帰休制度とか何とか言つていますけれども、ああいう手ぬるいことで企業の負担が減るわけでもなければ国家の負担が減るわけでもない。余りに金融偏重のためにそういう結果が来ておることのように考えるわけです。恐らく運輸大臣もそういう考えをしているだろうと思いますが、重ねて私は強く、それ相当の費用が要つているのだから、なし崩しに行つているのです。それがまとまつた場合に目にかかる。それがために仕事ができないでああいうふうに放つてあるという結果を、よほどそういう金を扱うぼうのかだぞれに了承せしめるように一つお願いしまして今のその輸出船の金融問題につきましては一応この辺で打切つておきますが、改めて私は移民の問題について運輸大臣に一つお尋ねをいたしたい。この間も海運局長から日本の貨物船はまだ足らないのだ、こういう御意見でございましたが、ものの見方の相違で足らんという見方をすれば足らない、余つておる見方をすれば余つておる、昨日の自由党の総務会でも貨物船が足らないという意見のものはなかつた、ものが余つておればものは安い、足らなければ自由な市場ですから必ず高くなる。日本が六百万トンの船を昔持つておつたからその見地からすればまだ足りないのだと言えばそれも一つの見方、それから輸出の貨物を自国船で何%運ぶ、その標準を半分なり六割一応標準をおいて見て、それに達せんという見方からすればそれも成るほど足らないという議論にはなります。でありますが、自由市場でございますから、運賃なり傭船料が一番端的にものの足る、足らんを現わしておるわけでございまして、若し足らないというならばそれは運賃が上り、傭船料が上つて来るわけです。それが依然低迷し更に活気を帯びておらないという点は如実に余つておるという一つの見方をしてもその見地からは正しいわけです。然らば今日十次造船を衆参両院共にその早からんことを決議しておりますが、それの起つた動機は、主に造船のほうから起つておるし、造船事業の仕事の量が激減しておる、そのつなぎがどうしても一日も早いことが必要であるということは御存じの通り。ところが内情は造船業者が一番船を急ぐのであつて、船会社は大小共に急いでおるのじやない。そこへ持つて来て今回十次造船の応募締切、今日でたしか終るのでしようが、新聞紙の伝えるところによれば三倍も四倍も来ておる。なぜそういう状態が起きて来るかと考えて見れば、或いは一、二の人の意見によれば、こういう応募の形は今年で終る、来年になれば自由な形において個人の所有の船の、個人或いは会社の所有の船舶を造るのは今年でおしまいになる。来年になれば政府所有か民間と半々になるか、いずれにしても全部自己所有の船は今年でおしまいになるから一つ今年やつておかないと来年からは又そういう形になつて、十年に一度当るか当らないかというような、思惑の対象にもなれなくなつて来るから今年やりたい、こういうためにかなり希望者が出て来ておる。それともう一つには、そう欲しくないけれどもお隣りのものがやつて自分が指をつかねておればそれだけ自分の勢力が少くなる、甲もやれば乙もやる、乙がやるから丙もやる、甲乙丙がやらなければ皆静かにしておるが、誰かがやればやはりそれだけ自分の勢力の維持や……どうせ海の中のことだから、甲の領分が拡がれば結局乙がそのままならばそれだけ乙が狭められるようなことになりまして、やはりこれも担保その他審議会の答申の線に沿い得るものはできるだけ一つこの際造つておきたいというようなことから、希望者は何倍かになつておるというのが実情のように伺つております。ところが移民船は、これは外務省が来年度は先日の委員会における答弁によつてもたしか一万五百人ぐらいの予算を要求しておる。昨年は七千人ぐうい要求したところへ三千五百人ぐらいになつた。今年はまあ一万五百人ばかりを要求して、場合によつたら又七千五百へぐらいに減るのじやないかというような気分が外務省の事務当局にはたいでもなかろうと想像されるわけです。ところが現在の移民船によればこの間岡田局長の答弁でも一年大体五千人とちよつと、五千二、三百人という話。ところが五千二、三百人のそのうちの約千人乃至千五百人ぐらいは政府の御厄介にならないで呼寄せその他で自分の費用で行ける人間だ、そうするといわゆる政府が移民として出したい、或いは希望者の多くのものは……運ぶのは四千人ぐらいになつてしまう、今の現有勢力の移民船ではこの程度にしかならない。然るに政府の、或いは自由党の現在の政府としても移民が受入れられる限りこれは出さなければならない、人口問題の端的な解決にはならんけれども、少くとも息抜きになり、将来の捨石になるのでありますから、相手国の受入れられる限りやりたい。昨日の自由党の総務会における池田幹事長のごときは二万人若し受入れられるならば二万人全部出したい、そうしてそれがためには今問題になつているいわゆるアメリカとの関係においてそういう方面に使われる資金ならばいわゆる見返りに割き得る、こういう意見も吐露されておつたわけなんで、政府としては機会あるごとに移民はできるだけ出さなければならんし、又それが政策の大きな一つの表示であるべきであると私も考えるのに、輸送力がこれに伴つていないということは非常に私は残念なことに考えているわけでございます。そこへ丁度運輸大臣のところへ申請が出ているはずの太平洋航空株式会社なんという移民専門の輸送会社をすでに申請されているということは移民船と飛行機と競争して飛行機が移民船より安く行ける気遣いは絶対に私はなかろうと思う。ところがそういうものまで計画されるということは絶対的に輸送力の足りないということを見越されての話だと思つて、それも私は非常に残念に思つているわけであります。移民船はこれは外務当局の係りの話は先ほど申しましたように、出そうと思えば二万人ぐらい出せる、ただ併し予算を伴う、十万乃至十一万の渡航費を貸さなければならない、そこでそれを而も通常経費の中に計算する、これも私は無理だと思うのだけれども、今の予算ではそういう措置をとつているそうでございますが、これは貸付けるのであつてやるのではない。十年から先になれば殆んど全部返えつて来るのですから、或る意味における投資なんです。それを今年の十次造船の中に私は移民船が一艘もないというのはちよつと腑に落ちかねるところであつて、いろいろに巷間伝えるところによれば大蔵省が金を出さんとか…大蔵省が出さんというのは移民の予算を出さないという意味かどうか存じませんが、或いは移民船ぱ非常に高くつくから、さらでだに少い貨物船を一艘削らなければならないような結果に終るから、移民船は今年控えるというような意見もあつたように承わるのですが、需給状況から判断する貨物船の状況は私は先ほど申上げました大体三つのカテゴリーに属している、大体余つていると見る場合が、私は総合的に判断すれば余つているというふうに見て差支えないが、移民船は絶対に足りない状態にある。そうして八割までは国家のいわゆる開発銀行からの融資による貨物船でございますから、これは船会社が各自勝手に自分の自己資金なり自己の信用で造る船とは違う。そうして造船所の整理をしなければならない。そこで今年は否応なしに割当の基準を船主に非常にウエイトを置かれますから、結局、郵商船及び三井の三社が断然他を圧して多くなる結果になつて、半分以上はこの三社で占められる。そうすると残りの半分か三分の一か、或いは五分の三になるか五分の二になるか存じませんが、その程度のものが恐らく七、八の造船所に行くか行かないか、そうすると貨物船が一艘多いか少いかということは、最後の線に漏れる、どこの造船所になるか知りませんが、その造船所が半年ばかりの仕事量をとるかとらないかということに実際問題としては、属する。それと国策の移民をやるということとどつちが比重が大きいか。造船所は結局整理しなければならんということは、しばしば言明されている通りであつて、七、八番目か十番目か十一番目に残るであろう船会社に一艘の貨物船をやるために移民船を造らないという今日の状況になつていると私は判断するわけです。ところが一番政策の根本になる日本の人口問題の九牛の一毛であるかも知れないが非常な息抜きになるかも知れないし、将来発展の素地を作るわけですから中南米に対する移民ということはこれは私は日本の今日の現状としては大きな政策の一つでなければならんと思いますけれども、その船を削ることによつて十番目か十一番目か存じませんが、そういう造船所が半年ばかりの間に一艘の船の注文を受ける、そのためにこつちの移民船を削るという結果に私はなると、今の情勢を分析して判断して見れば、細かく砕いて言えば、そういう結果になると思うのですが、それでは余りに国策と造船事業の合理化との、担えば一荷ということですが、一方が重くて一方が余り軽いのじやないかという気がするのですが、そういう点に対して運輸大臣はそうお考えにならないか、やはり十番目か十一番目か存じませんが、どこの造船所かわからないその造船所のほうを助ける結果になつてもしようがないのだというお考えか。極く問題を打割つて見て最後に追詰めて見ればそういう結果になるのじやないかと私は思うのですが、運輸大臣どうお考えになりますか、一つ腹蔵のない御意見を承わりたい。
○国務大臣(石井光次郎君) 移民船を二十九年度の造船計画に入れなかつた理由は、今お話のありましたように造船量が、政府財政資金が少くなるために減る。一杯でも多くというと移民船は高くつくからやめて、ほかの船を一杯でも多くするという線から出たのではないのでございます。全然そういう感じがないということは言えませんけれども、移民船は今年の造船計画の中に入れるべきかどうかということを、タンカーと共に研究したのでございます。タンカーも今年一年は休んでよかろう。移民船はどうかというと、さつきからもお話のありましたように本年は七千か八千か外務省は言つておりました。それを今度は、予算をいろいろ話をする昨年の秋頃でございましたか、私は外務大臣ともいろいろ話合つて見たのであります。それで昨年造る場合にも、外務省で二杯というのを一杯にして、丁度そのくらいじやないかというのでやつて、今まではそれでいい状態になつているわけであります。今度の船に移民船を入れるには、どうしても今度の数が、もう少し増さなければ、急ぐことはないような情勢であるので、どうだというのでいろいろ話合つても見たのでございますが、本年は何とか今ので間に合う。そうして来年にはもう少し移民をどうしても増したい、それに間に合うか、それには今年こしらえないで間に合うかという問題なんでございますが、移民船を昨年から今年にかけて造りましたが、これは戦後改めていろいろな案、造船の新計画を立てざるを得ぬ状態でございまして、行きがけに移民を乗せ、向うから来るときには荷物を載せるというために造船の計画を決定するのにも数カ月かかつた情勢であります。時が大分たつております。一つの姉妹船の標準型ができておりますので、この次にこしらえれば恐らく十カ月以内ででき上るのじやないかと思うのであります。今年の秋から来年の正月頃にかけての政府部内での一般の予算方針によつて来年の移民はどのくらいの数に対して政府は援助できるかという問題がきまり得ると思うのであります。そういたしますと、これは貨物船とかほかの計画造船の船とは違いますし、急ぐという計算が出ますれば、準備を相当させておいて、そうして来年、来期に入りました早々着工するというようなことをやりますれば、下半期のうちには船が動き得るようになるのじやないか、そ、れて本年の数から考えますと、来年計画移民が倍になりましても大体送り得るのじやないか、若し足りないならば多少のズレは、それで急ぐならば一航海か二航海かわからないが、船の大きさにもよりましようが、それだけは傭船をしてでもやる、それでその間にこちらの移民船ができ上る。来年はどうしてもこしらえなければならない。その数の如何によりましては、移民船を一杯にするか二杯にするかという問題は、移民に対する政府の対策如何によつてきめようじやないかと、今日も省内での打合会で話をいたしておつたようなわけでありまして、これは移民船を用意して移民がきまれば立ちどころにその日からでも送り出せるような態勢をとつておくことも望ましいことでありますが、やはりこれを経営する者はビジネス・ベースに乗せなければなりませんし、そういうふうな船会社に対しまして大よそこの船ができ上りますのと仕事が始まるのとが大体マッチしませんと、ゆつくり半年も待つておれなどとはちよつと無理ではないかということなども考えまして、一方さつきお話がありましたように、造船の金融量が少くなりましたので、今年は一つ休んで来年にこの造船を延ばそうというようなことで、三月頃造船計画をきめるときに私どもきめたわけなのでありまして、移民がどんどん送られるようになり、仮に今お話のように二万人も送る、そしてこれがコンスタントに送られるというようなことになりますと、それに相応して造船を急ぐということも当然やらなければならないと思つておるのでありまして、少しズレが起るかも知れませんが、大したズレも起さずに今後運営の方法でやつて行けるのじやないかと、そういうふうに思つておるのであります。
○一松政二君 大体十次造船計画がいろいろな事情から非常に遅れてしまつて、半年も遅れた。そして今日に及んでおるから、今の大臣の御説明にもありましたように、三、四月の情勢と又かなり食い違つて来ておることだろうと思うのであります。そこで昨日自由党の総務会において水田政調会長も今大臣のお述べになつたように一応来年の予算の中にそれを織込む、来年の予算の見通しがつき次第早く着手させるということによつて凌ぎ得るのではないかというような一応の見通しも立つておるようでございますが、そうすると、これは念のために伺つておきたいのは、移民船というものはこのいわゆる十次、十一次とかいうこの造船計画とは別個にお考えになるものと了解しているのでございましようか。
○国務大臣(石井光次郎君) 財政資金の上から言えば移民船に使う金も、それからそのほかの計画造船の貨物船、或いはタンカー等に使うものも総括的に考えられるかと思いますが、移民船は私は十一次造船というものとは離してもこれは別に必ずやるという線で考えております。
○一松政二君 然らばちよつと河岸を変えて伺いますが、太平洋航空株式会社というのが移民の航空輸送を目的としてたしか申請されておるやに伺つておるのですが、その問題はどういうふうになつておりますか。
○国務大臣(石井光次郎君) 内容はまだ私見ませんが、話は前からその発起しておるかたがたから聞いておるのであります。移民のために非常に短期間に向うに送つて行つて、そうして金額はどういうふうにきめられますか、案には出て来ておるはずだと思いますが、船と大差なく行けるというようなことで計画されておるのでありますけれども、これは一方から申しますると、さつきもお話のありましたように、船で行くのと飛行機で行くのと比べますと、私は結局船で行くほうが安くつくにきまつておると思います。それから又同時に船は一緒に荷物なんかも持つて行けるのですが、飛行機ですと、体だけ飛んで荷物はあとから、或いは荷物だけ先に行つてあとから体は飛んで行くというようになるので、私らの、頭にある移民というものとはかけ離れたような感じがありまして、この通り行けるかどうか少し問題であろうと思つております。それでもう少し考えないと、やつて見たがいかんから普通の旅客のほうに廻すというようなことになると、片一方日本航空会社というものの設立を許した場合、これは南米航路というものを当然含んでおる。又商船会社が一方出願されておつたのを一緒になつてやるという形にしたのも、そこの線を含んでおるからであります。国と国との話合でどうなるかわかりませんけれども、恐らく向うからまだ来てないのに、日本から二つの会社の線が入るということも今までの飛行機の国際関係から見るとこれはなかなか無理があるのじやないかというふうなこと等も考えられますので、これはよほど慎重に調査をいたさないと私はなかなか無理な問題があると思います。やつて行けないからあとで日航と合併してくれというようなことになつて来ても、日航も重荷になるでありましようから十分研究いたしたいと思います。
○一松政二君 更に今の太平洋航空というのは私は実は存じなかつたのですが、自由党の外交調査会で、いわゆる移民問題を扱つた第六分科会で初めてそういうことを承知したわけなのですが、今お話のあつた通り私どもは本委員会で日本航空会社法というものを審議しておるわけであつて、大臣の仰せの通り南米航路はもうその当時からはつきりわかつておるし、大阪商船の計画されておつたやつも合併して、どちらかというと余計な人間が日本航空には現在就職しておるのではないかというような疑いさえ持つたわけでございます。ただ聞けばイアタ協約によつて同じ会社の航空線が異なつた移民のような、特に低いレートの運賃は出せないのだというようなことで別個の会社を必要とするという話を承わつたのでございますが、若し果して然りとするならば、私は……、そうして今の、飛行機よりも船のほうが安いにきまつておるし、又荷物と人間と一緒に行かなければ、今大臣のおつしやつた通りなんで、飛行機が、そういうことが若しできる時代があるとすればよほど先の話でなければならない。それが今日そういう問題が運輸省に申請せられておるというお話で私も一応驚いたわけでございますが、若し仮にそういう時節が到来するといたしましても、私はすでに国策会社である日本航空というものが発足して、そうして人員なりすべての機関を揃えてやれば若しそれの子会社が別途の運賃のものを、少し粗末だけれどもやるというなら又それはときによつて話はわかるけれども、それとは全然別個の生立ちのものがそういうことを計画するということは、大臣も同感のように拝聴いたしましたが、これはよほど問題だ、最初からそういうものはむしろ芽を出さないほうが国としては希望する状態じやないか、何か権利に割込んで、そうしてまあそれは獅子の肉があるか何か存じませんが、多少何かそこへものを計画して、そうしてそれによつて何か知らんがそれによる、有形か無形か知りませんが、利益があるというようなことが仮にありましても、私は非常に残念なことだと思います。従つてれつきとした日本航空が今まさに南米線に乗出そうとする矢先に、たとえ計画はほかのものでありましても国際線なんですから、仮に動くような状態になれば必ずそれは競合する問題がかなりな部分に亘つて起つて来るというのでございますから、私ども運輸委員の一人として日本航空法を審議した場合に、そういう会社が又仮に別個の運賃のものであろうといえども国際線に、而も一番遠いブラジルを目指してそういう航空会社が又現われようなんということは当時想像することもできなかつたのが、今聞けば運輸省に申請されておるという話でございますが、これはどうか一つさつき大臣の御所見にも伺いました通りに、万々一何年か先にあるとすれば、どうしてもそれは日本航空と平仄相通ずる、ただ形態こそ異なつておれ、人員やその設備、組織を使つて、そうして経営ができる方面にお考えを、更にそういう方向に御指導になつて、頂きたいと私は考えるわけであります。改めてそれに対しては御答弁を頂きませんが、私はちよつと大蔵省の主計官がここにお見えになつたというお知らせを受けたのですが、私の聞き違いであろうかと思うのですが、ちよつと主計官の岩尾さんに一言だけ伺うことを皆さんに御了承を願いたい。何か計画造船のほうについて、或いは移民船は高くつき過ぎて、いわゆる造船所に船が一杯少くなるというようなことで大蔵省側で何かそういつたなうな意見がおありになつたのかなかつたのかこれはただ念のために伺つておきたいのであります。
○説明員(岩尾一君) 只今の御質問は大蔵省のほうで移民船とその他の船についての建造について何らかの意見がありまして、今次の十次造船についてそういつた配慮の下に規制されたことがあるかという御質問でありますが、大蔵省といたしましては総体としての財政資金の枠の問題につきましていろいろ運輸省当局とお話をしておりますけれども、その枠内の船についてどれだけ移民船に向け、或いは一般の貨物船に向け、或いはタンカーに向けるかということは、予算折衝の説明のときに聞いてはおりますけれども、それに対して決定的に規制するという権限はございません。そこで今年の問題につきまして今大臣のお話がございましたように、本年度の計画といたしましては、一応全体の予算上きまりました移民の三千五百名というものが、主体になつておりますので、その分については今年の十次造船について現在の船で十分賄えるという見込でございましたので、十次造船についてはこれを建造しないということで了承しておるわけであります。来年度の問題といたしましては、現在事務的な段階といたしましては只今一松さんのお話がございましたけれども、まだ我々のほうで具体的な話を聞いておりませんので、九月十五日に大体の概算要求が出る予定になつておりますから、その際外務省当局のほうからいろいろな問題が出て参ると思います。そのときに全体の移民がどれだけになるかということが事務的に折衝されることと思います。その結果を待ちまして来年度の造船、或いは十一次造船についてどういうふうにするかということをよく運輸省の御意見をお聞きしたい、こういうふうに考えています。
○一松政二君 もう一言伺いますが、そうすると船はどんなに急いでも半年、或いは移民船のごとき多少船内の設備に期間と金を要するものは或いは急いでも七、八カ月或いは十カ月乃至一年かかるだろうと考えるわけですが、その年の移民計画とその年の造船の計画とでは、それはいつも後を追うことになつている。船は先行しなければならぬので、一年かかるものならば今二十九年度には三十年度のものを見て計画しなかつたら、それは一年ずつズレを生ずることになるわけなんです。そこで仮にその年の予算がこうだからその年の造船計画がこうだというと、永久にそのズレは埋まらなくなるわけです。そこで三十年度の予算の見通しを一応つけておいて、或いはそれは大蔵省だけでつくわけじやございますまいが、外務省その他関係者とつけて、それからその前の年の分の即ち本年度のもので計画を進めて参りませんと、さつきのお話だとその年の予算とその年の造船計画と……、貨物船のようなものは何も特に的というものがない、先ほどお聞きかどうか存じませんが、どつちかというと的なしなんだから、ただ交互に配船する、その配船がなければ非常に障害が起つて来るという問題じやない。世界はむしろ日本が船を造れば競争が激化しますから希望しない。ただ日本で或る標準をこしらえて少いというので造るだけの一話であつて、入るという荷物の的も何もないわけなんです。けれども世界の商業上荷物の移動があるのですから、その分け前を日本のように船を多くしてただ取るというに過ぎない。ところが移民船というのは外国のお客さんを取ろうというわけじやない、自分でこれだけの人間を送りたい、そうしてできるだけ送りたいのが日本の今日の国策として何とか考えてやらなければならん。そうしてできるだけ一人でも多く相手方の了承を得て送れる所には輸送機関がないために、船が、移民が出せないんだということはこれは日本の国情としてあるべからざることなんで、これは移民としても何も貨物船にもいつでも、多少の不利益はあるかも知れんけれどもいつでも貨物船の役割はするわけです。貨物船は今言つたような事情なんで移民船がそういうすれすれの線を或いは非常にどつちかというと遅れて移民がその数に追いつくということは非常な私はこれはもうあなたがたに国策を求めることは無理かと思いますけれども、これは考えなければならん点だと思うのです。常に用意はできておる、相手さえよければいつでも運べるぞという態勢に置くのが日本の国策として、或いは船を担当する外務官としてやつぱりお考えになつておくべきじやなかろうか。従つて三十年度の予算は三十一年度のことを考えていなければならんわけなんです。ただ予算として具体的な数字が出たり概算が出るにはどうしてもその年その翌年のやつだけしかできない。どうしてもあとは概算になりますが、それにしても移民という一つの特殊な輸送、これは物品でなくてお客さんなんです。それと同時にその家財、家具がありますからそれらは大よそまあ外務省じや昨今は計画移民、計画移民という言葉を使つておりますが、他国の国に人を送るのにこつちが計画してさあこれを受取れという言葉上の一つのあやはよほど慎しまなければならんものがあると存じますが、少くともそれだけの人間は受入れられる、そうして送りたいという念願がある以上船はむしろ多少余り気味に私は準備するというのが国家資金を投入する上から見れば当然でなかろうかと思うのです。今のあなたの来年度の予算が九月十五日に概算数が出て来るからそれで来年度だというのですが、それは三十年度のやつは、今繰返すが三十一年度の輸送計画にしかならないわけですからその点についてもう少し時間的なズレですね。それからさつき委員長からお話がありましたけれども、大体来年度のやつがきまれぱまあ追つかけて三十年度のもので四月から追つかけて船を造るというのはそれはどうも少し泥繩式のことになつてしまうと思うのですが、まあ担当官としてそういう点は、特にそういう計画なり数字をお扱いになる係官としては船を造る期間がある、やはり念を入れれば約一年かかるんだ、この移民船みたいなものは雑に造れば七、八カ月で済む場合もありましようが、それを十分呑み込んでおく必要があることと、国の仕事は決して予定より早くはならん、遅くつても、半年や一年遅れましても決して早くなりつこない、いろいろと障害が起つて、個人や私の会社がものを経営するようなわけには参らないので必ず遅れるんです。相当遅れることが、そうするとそれだけ日本の取返しというものは絶対につかないんだ。移民が五千人あれば二千五百人今年送れないから来年送れるというわけではない。来年は来年度送るしかないから絶対にそれだけは人間は永久に取返しはつかないのでありますから、今の予算をお扱いになるときにお考えをそこに置いておいて頂きたいと思うのです。若し御答弁がありますれば承わります、なければよろしうございます。
○説明員(岩尾一君) 只今一松先生の御意見、誠に御尤もだと思いますが、実は昨年の秋に予算折衝いたしましたときに外務省のほうで出して参りました移民計画七千名でございます。それを三千五百ということにきまりました。それから一昨年がたしか私の記憶では五千名で二千五百だつたと覚えております。当時といたしましては今先生のおつしやいましたような、例えば二万名とか或いは一万五千というような非常に多い数字というのは想定いたさなかつたのでございます。大体まあ外務省のほうからも七千名出ておるんだから来年はこれぐらいのベースで行くんじやなかろうか、出るといたしましても、そういたしますと、先ほど大臣が御答弁なさいましたように、大体五千二百名程度の収容力が現在の移民船でございますので、今年の分はそれだけ増しましても、時間的なズレを多少見ましたような御答弁がありましたように、なおそれで足りない場合はチャーター等で賄える分があるのじやないかと、こういうふうに考えまして実はぎめたわけであります。今後の問題といたしましては、そういつたようなお話で非常に今後移民船の問題が重要になつて参りまして、殖えて行くという情勢になりますと、そういつた点もよく考慮しなければならないと思いますので、御趣旨よく体しまして検討いたしたいと思います。
○一松政二君 もう一つ、今、さつき移民の数字的の予算でまあ外務省の要求を半分に減らした、恐らく一兆円予算からでしようが、まあ我々の聞いたところによりますと、移民の予算だけは増したわけです。三億円……。ほかのものは随分削られたのが多いが、それでもまあ少しといえども約三千名の予算は増し得た。今年一万五千名ですか送れば二万名ぐらい受取るが、最初から外務省が割を入れている。又二万名というものが多少慾があるかも知れませんが、すでに割を入れて一万五千名とか何とか言つておりましたよ。それだけだといいが、そいつが又掛値があるのだから五千人をぶち切ればいいのだというようなお考えで事務当局のほうでそういうお考えを持たれることは、私は持つまりと思いますけれども、去年、一昨年がこうであつたから、今年もこうだ、一兆円で絶対賄い得ないから、こんなところで凸ができたのだから、ほかを減らさなければならないから、これは政府及び自由党の政策とマッチしなければならん問題ですが、事務当局で一応そういうお考えを僕は持つべきが当然だと思う。日本の今日の行詰りの端的な物価騰貴のあらゆる問題が人口の過剰という一点に集中していることは誰が説明する必要もないことです。そこで輸送力だけは持たしておいてやらないと折角相手方が受入れる……去年、一昨年は、まだ占領乃至戦争の終末時代から去年、一昨年はそれだけ近いわけですが、これは遠のけば遠のくほど相手の国民感情なり日本人の活動範囲も広くなり、それは飛躍的にこれは五万、十万とすくなろうとも思いませんけれども、二万が三万になり、三万が四万になりプロバビリテイが私は、殊にブラジルのヴアルガス大統領が自殺したというようなことが今の新聞に出ておりますが、これは一時的な問題で多少政情不安ということがありましても根本的に変りつこない。アメリカは、北米は今日の世界であり、明日の世界は、南米も、殊にブラジルが一番騨足を伸ばすに十分である。ヨーロツパなどもブラジルは原子爆弾を受ける心配がないから資本の投資が非常に目立つて南米に行われておるということを聞いておるのですが、従つて日本人の渡航する数も私は漸次多くなると考えるわけであるし、多くしたいのが我々の念願でございますから、去年が、一昨年がこうであつたからといつて今年輸送力が五千二百人しかないのだから六千人か七千人削つておけば予算は五億か六億で済むというようなお考えにならないで、よく私は主計局長を特にお願いしてあつたのだけれども、どうしても来られないというので、あなたが代理で来られたというふうに承知いたしますから、あなたからよく主計局長に、先ず事務当局のところで移民問題だけは、これは外務省に下駄をお預けになればいい、それで外務省に下駄を預けて、外務省がとことんまで太鼓判を押すなら、それは五十人や百人、百人や二百人の、一万何百のうちに或いは千、二千の数の違いは起りましても、仮に八千人送れるとしても、今船も絶対的に足りはしない。移民に対する予算は移民の渡航費です。これはさつき私論じましたけれども、これは当然通常予算から出すのです。如何にも経費のように見えるけれども、資産なんです。貸しておくのです。これを一般の予算から見ておく、予算の立て方としてはおかしいのです。一つの投資なんです。でありますから、これは余り削らんように、事務当局で私は主計局長に特に言つて欲しいのです。これは貸金なんだ。一般の予算から出ておると経費のようになつてしまう。これは必ず十年先になると、中には失敗して払えんやつもできるかも知れんが、大部分の者は返し得る状態になるのです。ですから今経費のようになつても、先になれば資産になつて返つて来るのです。それを又貸付ければいいから、これは余り削らんように主計局長に私の強い要望としてそういうことがあつたということをお伝え願いたい。決して去年、一昨年の例にならつて……、今後ますます殖えますよ、そして日本人というものの活動なり性格はよくわかつているのですから、そして日本としてはますます送られんことを望むのです。ですから成るべく、たつたこのくらいかというくらいに、むしろ大蔵省からその移民に関する限り財布の紐を緩めても、もつとやれと言うくらい、大蔵省は何でもかんでも締めさえすればいいと、削ることばかり考えんで、時にはものによつては大いに積極的にサポートする、元気付けるようにしてもらいたい。そうすれば大蔵省に対する非難も本当になくなりますよ。大蔵省はただ削るばかりだということで、各省の上に大蔵省があつて、大蔵省へ日参することが各省の担当官の仕事ようなことでは、恐らくこれは皆余り希望しないことです。移民問題だけは一つ力を入れて予算を余り削らないように去年、一昨年の例は捨ててしまつて、端的に一つ正球の外務省の言うところを尊重せられんことをお伝え願つて、私は岩尾さんに対する質問は終つておきます。若し御意見があれば承わつておきますが。
○説明員(岩尾一君) 先生の御趣旨はよく局長にお伝えするつもりでございますが、大蔵省といたしましても、別に削ればいいということで削つたわけではございませんので、我々の権限の範囲内でできるだけベストを尽したいと思つておりますが、何と申しましても、総枠が少いので、至らない点があるかと思いますが、この点御了承願いたいと思います。
○一松政二君 最後に私は、もう時間もとらんと思いますが、船舶局長がお見えになつておりますから、造船所の整理問題と、それから今度の十次造船に対して、船主を主として選んで、造船所は船主の自由裁量に任せるという大体の線をこの間も改めて岡田局長から伺つたわけです。そこでこれは非常にむずかしい問題であるし、デリケートな問題であるし、今度三、四倍に、三倍になつておるのかどの程度になつておるか知りませんが、かなり新聞等によると造船の希望者が、新船の希望者が殺到されておるやに報道されておりますが、これの選考には又一苦労だろうと思います。それは私重々御同情申上げますが、造船所の一応優劣なり、それから過去の経歴なりというものを或る一定の標準が私は運輸省にあつて然るべきであろうと思う。ただ今日の造船界を、今日の或る意味における混乱に陥れたという極端な言葉を使り人がありますが、それは運輸省が一応の責任を私はとるべき理由があると思う。何ら戦前に遠洋の船を造つたこともなければ何にもないようなところへ、終戦後どんどん、丁度製糖会社を今日の過剰設備をこしらえておるというようなのと軌を一にするということはどうかと思いますが、造船も或る意味において戦後に計画造船の計画に乗じて、そうして非常に船台を拡張した、そういうようなところをまあお許しになつた。そしてここで整理しなければならんということは、一つの政策の矛盾で、或る意味における破綻が来ておると言われても、どうも仕方がないであろう。けれどももうできたことは仕方がない。ここでどうしても、明らさまに、順位をつけるわけには、学校の成績表ではあるまいし、そうつけられるものでもございますまいが、おぼろげながら、ここまでの造船所は生かして行くべきであるし、又少し活を入れれば生きる見込があるが、これから先はちよつと見込がないということを運輸省としても発表するわけにも行きますまいし、それはまあ言わず語らすのうちにそういうことをお考えになつているだろうと思う。それを今の三升造船とか、郵、商、三菱の造船なんというものは、それ以上割を入れておつて、どつちかと言うと十次造船など遅ければ遅いほど自然淘汰ができていいと心のうちでは考えておつた。まあ遅くなりましたけれども、ここで十次項船の発注が出た。この十次造船の発注の選に漏れた造船所として、船会社として、一艘ももらえないで、船台にも何にも乗つていないような船会社は、これは恐らく見込がないだろう。見込ないことになれば、又いりいろ陳情されるでございましようが、私は特にここで伺いたいと思うことは、重点主義で三井と郵、商三社が圧倒的に多数で、そしてその三社に注文された船は、恐らく三菱造船の中重工とか、東重工とかという名前が残つていれば別ですが、これは一社に考えて、三菱造船と申上げるわけですが、三菱造船と三井造船、殆んど大部分はこの一社に集中され、その数が、これはもう私の付度ですから、私の付度を勝手にお許し下されば、若しそしてそれがライナーとして最も活躍しておるし、最も隻数も多い、従つてライナーを尊重してやるということになれば、仮に十七、八隻の船を造るとして、三隻ずつ行けばそれは九隻になる。あとのものはもう七、八隻か八、九隻、まあトランパ一なりライナーなりを入れて取れるわけです。そうすると、八、九の船台が一艘ずつおこぼれにありつくけれども、それ以外のものはもう十次造船からは見込がない、又輸出の経験も大してない、或いはあつても余り評判がよくないというようなのもありましようし、或いは今まで造つても、内地の船においてもいろいろな、まあ業者の間にはおのずから優劣ができておるわけですから、そういう問題を今度の十次造船の割当のときに、やはり船会社の任意の選定に任せるという建前ならば、全然世話をやかれない立場になるけれども、それでいいものであろうかどうであろうか。多少そこへやはり、造船所の優劣なり、或いは過去の経歴なり、或いは将来の輸出船などに対する心がまえなり、造船の技術なり、能力なりというものを考え併せて御選定になるかならないか。御選定になるときに、直接にも、間接にも、造船所に対しては一口もおつしやらないのかどうか。或いは、そういうことを今言えば差支えがあるからそれは勘弁してくれと、こういうお話なら、あえて私も問いませんが、少くとも国家資金を八割投入するというのだから、たとい郵、商船、三井、三菱に集中されましても、八割は国家資金なんだから、それから先は勝手におまえの系列の、おまえの兄弟会社に持つて行つて注文していいのだと、ほかのものはお手上げになつたつてそれは止むを得ないのだというのも、何だか私としては割切れないような感じがするのですが、その点に対しては運輸大臣はどうお考えになつておりますか。若し御答弁がしにくければ、非常にデリーヶートな問題も伴いますから、極く常識の範囲内で、差障りのない程度のお考えをお漏らし願えれば結構だと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 今度の造船量が非常に少いものでありますから、抽象的に考えておりましても、非常に割振りのむずかしいものだと今お話のように思います。が、海運会社が借金をするのであつて、これから先十数年の間で借金を払つて行く責任は船会社が背負うのでありますから、船会社がその力がどんなものであるかということを考えることが一番であることは当然でありますが、造船所事情というものを全然無視して、船会社の成績と申しまするか、銀行方面から見たるもの、それから私どものほうの航路方面から見たる点のみで判断してきめるには、少しその通りだということは言えないものがあると思うのであります。それはやはり造船所の事情も考えなければならないと思います。そうして、船主の立場を考えるのが一番で、何がしか造船所の事情も考慮してきめると、まあ座談的に申せばその程度であります。それでまあ実際になりまするというと、いろいろ造船所の相当立派なところで船会社のほうが必ずしも一流でないというようなところと組んで出て来るというような、まあ今までの長い間の歴史がいろいろあると思いますが、私どもから見ると、こういう造船所はもう少しこういうふうな船会社と組んでおつてもよさそうなものだと思うようなところがそうでないものもあるようであります。そういうようなところが考慮をすれば考慮する点ではないか。或いは、何らかの点で注意をして、私どものほうから話をして、例えば造船の値段の点くらいでありますると、これは高いからもう少し安くして来なければ駄目だぞということで下げて、そうして造船のランキングが上るというようなもの等はありましようが、君のところはあそこへ頼んだそう、だけれども、あそこへ持つて行けば許すということは、これはどうもちよつと実際上できない問題で、そうすると、おれのところもそうしてくれんかということになつて、その境目がむずかしくなるので、これはいつも悩むのですが、そこらを私ども、ああいうような申出の出る前に、いろいろな人が見えると、いいところとお互いに組まなければいけないぞということを言つておるのです。片方だけよくてもびつこになるとどうしても通りにくくなる。今年のように少くなるとなおそうだから、それだけは注意しろというような、そういう漠たる注意はやつていたのでありますが、出て来たものは、あれでいろいろ調べもし、今申したように船の値段くらいのことであれば、こちらも注意をするとか、注意のできる限りのことはやつて行きたいと、その上で開銀の信用調査、私どものほうの調整の問題と併せてきめたいと、非常に頼りない答弁でありますが、そういうように思つております。
○一松政二君 まあ非常にデリケートな問題ですから、そう私も具体的にどうということを、責任がある立場にあるので求められないと思うから、その点は深くは申上げないのですが、ただ一応やはり国家の金ですから……。まあ造船所の事情も考慮されるということでありまするから、それを具体的にどうということは非常にむずかしいことと思いますから、それはその点で了承しておきます。 ただ、私の時間ももうございませんが、くどいようですが、移民船について、更に私は大臣に念を押しておきたいと思いますことは、今の来年度の予算は、恐らく自由党の政務調査会でもやつておりますから、もう大丈夫で、何も申上げることはないかも知れませんが、今年できなければ、来年早々に早く注文すれば、まあ来年度の輸送に間に合うようにできやしないかということで、これは今年若しそれをやらなかつたならば、来年の問題になる、つまり三十年度でやると、三十年度も早くやると、これはもう二十九年度に計算すべきが当然であると考えるわけですが、もう二十九年度も遅くなつてしまつて、もうあと半年しかないというような状態ですから、三十年度の予算でも半年の食い違いになつてしまつておる。その数字が確定次第、移民船は、私は如何なる形においても、形はかまいませんが、十一次造船とはむしろ切り離して、或いは十一次造船の一部とお考えになつても差支えありませんが、移民船だけは絶対に、仮にチャーターでおやりになるような窮余の策をおとりになるにしましても、チャーターは、一航海先ず四カ月かかるとして、まあ一航海くらいで済む程度にやつて頂くことを、私は重ねて要望しておきたいと思う。どうかその点だけは、移民を船で遅らしたという責を運輸省が負わないように、私は運輸省に特にこの際念を押しておきたいと思う。一応大臣から御答弁を頂きたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 今のお話の通りに私ども考えております。移民船が、移民は幾らでも行きたくて待つておるのに、又その方法も政府のほかのほうで講ぜられているのに、私のほうの関係で送れないというようなことがあつてはならないことでございます。移民は国策中の最も大事な国策の一つでありますから、これに応え得るような方策を必ずとるようにいたします。
○一松政二君 なお最後に一点だけお伺いしたいと思います。造船の船価でございますが、この船価も恐らく或る程度まちまちに出て来るのじやございませんか。船会社によつて、船ごとに多少スペシヤリゼーシヨンが違いますから、そうでありましようが、例えば船会社にしても三井、これは技術と材料によつていろいろな点が違つて来るだろうと思います。三井ラインはこれも玉の造船に行くにきまつている。それから、郵、商船も大部分三菱でございましよう。その場合に例えば浦賀ドックとか日立造船とかいつたような、或る程度古いのれんを持つておる会社に注文すればもつと安くする、必ず安い。又一方から言えば、出血受注でもあえてかまわない。人員整理するよりはそのほうがいいのだという見地からも物ことは考えられるので、船価の点に対して多少私は不安があるわけです。今朝新聞でも発表されているように、どうも国家資金も、船の資金を流動資金に使つてやつたというのもあつたというようなことが新聞に書かれておりましたが、船価の点において、三菱及び三井造船と同じような型の船が他の船会社において安く出ておるというような場合には、運輸省としては、それを右へならえじやなくして左へならえというふうに御指導なさるのか、その点はどういうふうにお考えになつておられるか。大臣からでなければこれは海運局長ですか、船舶局長ですか、どちらでも結構ですが、その船価の点をどういうふうにお考えになつているか。船価ばらばらでおやりになつておるのか、その点は国家資金を伴うことであるし、補償の問題もありますから、一応明らかにしておいて頂きたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) あとで詳しく関係局長からも申し上げますか、私も今あなたの言われたように、船の値段がばらばらだろう意うのです。まあどんなふうに出ておるのか知りませんが、現に一つ、昨年も非常に低船価であるが故に、それがほかのほうの刺激となつて値段が安くなつたということも一つの造船の功績として認められた小さい造船所があることも御承知だと思うのでありますが、今度も小さい造船所あたりでの値段というものは、ほかで考えるよりずつと安い値段が出ておるように聞いております。で、設備その他のいいところで出す船価は大体私は高いように思いますけれども、でき上つた品物は、私はわかりませんが、この間或る船を見に行つたが、船会社の会長がしみじみそれを眺めておりまして、やはりいい造船所でこしらえたのはリベットの方角がみな揃つておる、おれのほうのどことかでこしらえたのはあつちへ行つたりこつちへ行つたりしているが、これはすつと兵隊が並んだようにできておる。(笑声)結局これは船なんか高くてもやはりいいなというようなことを申しておりました。そういうようなことが、私はこれは船価の上にも出て来るだろうと思いますが、但し大きいところだから、高くても当然行くところだからそのまま認めてやるというようなことでなしに、低船価でこういうふうにできるのだから、このくらいの施設ならこのくらいにできるというので、できるだけ値段を下げさせるというような線で一つやつてくれということを関係局長に言つております。その程度しか私はお答えできませんが、関係局長からもう少し申上げましよう。
○説明員(甘利昂一君) 私からもお答えいたします。今大臣のおつしやつたことと全く同一でありますが、ただ船価の点について、この間の合理化審議会の答申も、船価をただ絶対値が安いからこれを選ぶというのではなくて、船主と造船所が合理的に船価を下げたその度合を勘案してやれということでありますから、合理的に安くなつているものについて考慮するということでございます。
○一松政二君 船舶局長にもつと伺いたいのですが、今のような、先ほど申上げたように三井と三菱の造船所はこれはキャパシティの幾割にしか当らない。仮に十艘両方の造船所に来たところで、船台が全部塞がつてしまうというわけでもないような状態なのでございます。ところが一艘来るか来ないか、落第するか及第するかということになると、いわゆる片腕切つても生きたほうがいいというようなことで、恐らくアブノーマルという言葉を使えるかどうか知りませんが、まあ半年生きておれば、その先に何か風が吹くかも知れんというような考えから、生き延び策として船を、安かろう悪かろうでは困るけれども、或る程度は、つまり解雇するのを半年遅らす、そのうちどこかが手を上げたら解雇するということにして、自分がやるのだつたら尼崎製鋼の二の舞は踏むまいというようなことで、ここで半年でも生き延びたほうがいいのだというような考え方から相当安い船価でも出せる。そういう船価が安いから船価に惚れ込んで、その船価を許すべきか、これは又見方が違う、やはり二十五年なり三十年の一応故障がなければ規格の一等で通る。年齢の償却はありますけれども、船の性質として二十五年なり三十年なり正当に使える船を国が選ぶべきであるということは、これは又当然だろうと思う。余り安かろう悪かろうということで、安ければ取れるのだということになると、競争入札みたいになつて、これでもかくというようなこと起る。それと日本のひとり造船所だけじやないけれども、中小企業と大企業との間に労働問題や厚生施設その他の待遇上の差で、丁度近江絹糸が今やつているように、日本のあらゆる産業のこれは悩みです。つまり大企業と中小企業との間にやはり三割乃至四割の開きが出て来てしまつた。これは同じものを仮にこしらえた場合でも、技術上同じものができたとしても、三割乃至四割安くできる。それだけ労働者を搾取しているかということを仮に言うとすれば、これは日本人全体が貧乏なので、一方で大企業が大きな労働組合を作つて、その組織の力に隠れて、そうして相当……それにしても日本の労働者なり従業員諸君が非常にいい生活をしておるとは考えませんけれども、国力相応或いは日本の経済相応よりも一つの断層がそこにできておる。私は船会社においてもそうであろうと思います。併し一万トン前後の船を造るようなところは、それほどの差もなかろうかと思うから、そう三割も四割も違う船ができて来はしまいと思う。併し場合によつたら二割くらいは違う船が出て来はしないかという心配は持つておるわけです。現に或る有力な船会社で、ドイツじや八億でできるのに、一万トン級でしようが、計画造船になれば十億にも十二億にもなる、そんな高い船価の船をこしらえて、そうしてドイツの船会社と競争させるということは無理じやございませんか。若しどうしても船が国で必要であつて、造れというのならドイツの船価と同じようにして下さいというようなことを私どものほうに申します。運輸省に行つてそんなことを言つたら、頭から叱られるだろうから、恐らくおくびにも出さん。けれども先に言つたように、甲が造るから乙も造る、丙も造るという、一緒に走つて行つておるわけです。誰も造らなければ造らない。併し造るとすれば、ドイツの船価と、或いは先ほども言いましたように、安い輸出船価で計画造船も造らしてもらいたいというのが、これは偽らざる、世界の自由な市場で競争する船会社としては、私はこれは尤もだと思うのですけれども、まあいろいろな事情があつてそういうこともすぐそのように実現はできますまいと思いますが、まあ船価が安いからそれをやるということも、今日の場合には、船価のみによつては御決定になれないという事情もよくわかります。又そういうことをやることが、一つの弊害を醸した原因になつておると私は思います。併し船価と造船所の信用と、それから過去の経歴及び能力及びその技術のよしあしというようなところが、やはり選定の重きを置かれる基準の一つにお考えになることは、これは当然のことだと思います。 大体今日伺いました程度によつて、いずれ十次造船の問題も、この十次造船だけは、非常に骨が折れましようが、どうぞやつた結果は誠に結構であつたと、あれなら誰も文句の言いようがないというところを一つお見せをして頂きたいのですが、非常にむずかしいことで、試験官がどうせ骨の折れることだろうと私は同情しておりますけれども、いろいろな問題があつたあとだけに、どうかあらゆる面を考慮されて、そうして御決定を願いたい。そうしてこれは金融業者、勧業銀行なり市中銀行なり、融資をするほうが何と言つたつて、運輸省の所管であるし、運輸大臣及び皆さんの係官の意向が一番重きをなすのだから、どうしてもその選定には万全の御注意を払つて、あらゆる角度から見て、一つ立派な選定の仕方をなされるよう期して待つておるのです。以上を以ちまして私の今日の質問を終りたいと存じます。
○木島虎藏君 ちよつとお伺いしたいのですが、合理化審議会の答申書というものをこの間頂いたのですが、これの取扱い方と申しますか、これは運輸省に対してどういう効力を持つておるか。今度の改正とどういう関係があるのですか。これに則つてすつかりおやりになるか、或いは一応の参考にするのか、どういうことでございますか。
○国務大臣(石井光次郎君) この答申書の線に沿うて私どもやつて行こうということを、この審議会に対しても答えたわけでございます。大体はこの線に沿うて私どもで実際の面をきめて行きたいと、こう思つております。
○木島虎藏君 そうすると、この審議会をお作りになつたのは、元はこの間のような問題が起きたからだろうと想像するのですが、この答申が出て来る経緯、この間非常な問題を起した、端的にいいますと、船会社と申しますか、造船所と申しますか、そういうようなものは、今回は遠慮させようじやないかというようなことはなかつたのですか。
○説明員(岡田修一君) 合理化審議会では、そういう議論は出ませんでした。
○木島虎藏君 大体これを拝見いたしますと、非常によくできておるように思うのでありますが、どうかこの線にお沿いになりまして、再びあのような大問題を起さんように、運輸大臣にお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 私どももそのつもりでやつております。
○委員長(高木正夫君) ほかに御質問はございませんか。
○木島虎藏君 先ほど一松さんからいろいろ御議論がございましたが、貨物船が余つておるから……貨物船が余つておるというのは、端的に言えば、貨物の運賃が安いから余つておるのでしようから、だから貨物船なんかあとでもいいので、移民船を造れという御議論のようでございますが、一応議論はそういう議論がございましようが、私といたしましては、こういう計画は目先の問題でなくて、将来の日本の海運という長い見通しでおやりになつて頂きたいと思いますが、その点につきましては、運輸当局はどういうお考えですか。
○国務大臣(石井光次郎君) 私どもは、戦前の外航船の量には及ばないが、一応四百万トンまで外航船を保有したいということの目標を持つておりまして、現在の量からいたしますると、まだこらから百万トン余りのものをこしらえなければならないのでございます。そういたしますと、戦前の約七割に達するという状態でございます。日本の貿易量が減つたとか、いろいろな問題もありますが、世界の津々、浦々に商売の場所を持つておる。日本との間の貿易だけでなく、第三国間の貿易にも入る途があるし、又入らなければならないと思つておりますが、そういうような意味からいたしまして、私どもは量を殖やしたい。ただ何分にも船価が高い。又借金でやるために、利子の払いとか何とかいうものは、ほかの先進国の船を今まで持つておつたところ等に比べまして、非常に不利な状況に海運界がありますものですから、元金は勿論、利子も払えぬような状態でありますけれども、これはいろいろな合理化の方策を講じております。航路別についての収入を上げる途、それから費用を減らす途等について、真剣に今努力いたしておりますので、だんだん私は途が開け来るのではないか、又開けさせなければならないと思つております。努力を続けて行きたいと思つております。
○一松政二君 もう一つ落しておりましたが、何か新聞にも出ておつたかと思うのですが、何か日本のいわゆる観光というのか何か知らんが、太平洋にえらい豪華な客船を二隻造りたいとか、どこからそういう話が出るのか知りませんが、今の日本の貧弱な財政なり、それから日本の経済で、そんな船を造つて引合うはずもなし、なにもないと思うのですが、そういうことは一体どこから出ておるのか、岡田さん御存じならば……。余りちよつと飛び離れたような……。
○国務大臣(石井光次郎君) 私からお答えいたします。運輸省はそういう夢を持つて偽るのでございますが、(笑声)外貨収入という問題が今、日本の経済の上に大きく問題になつております。外貨収入の面として、観光収入ということがすぐ出て参りますが、そうすると飛行機によつて来る人もたくさんありますが、プレシデント・ラインなんか廻つて来るのには、いつも一ぱいで乗り切れぬようなたくさんの人がある。そういうようなものが、日本の昔の浅間丸等が戦争の始まる前にあつたような状態で、日本の海運界というものは非常に信用があり、親切であるというので観光客に非常に用いられたということで、できれば外貨収入に非常にいいのではないか、船をこしらえるのは日本の金、日本の材料、入つて来るのは外貨収入、外貨支払いの減少ということだから、できればやりたいという声は省内にもありまして、今日も私どもの省内の会議で問題になつておつたのでありますが、一ぱい五十億にして、一ぱいでのそくやつて行くわけに行きませんのですが、二艘にしても百億の金が要るということで、今の場合にできるかどうかわかりませんが、私どもはそういう希望を抱いておることは事実でございます。皆さんがたその噂に対して今そういうお話が出たのでありますが、今すぐは通らないだろうということを私どもの間では一応話をしております。
○一松政二君 それは遠き将来の希望として、日本の純貨客船に近いものをかなり持つておつた時代もありますから、そういう日の早く来たらんことを望みますか、今はかなり時代が変つて来ておる。そうして太平洋のごときは、幾ら早くてもこれを十日で横断するということは到底許されないのです。従つていわゆる十二日乃至二週間くらいかかる。それが一艘五十億もかけてそれが引合うような、その船がそれによつてペイするような計算は一体なかなか出て来ないではないか。移民船に又逆戻りするのですが、移民船のやつを一艘倹約して貨物船二艘を造りたいという趣旨とちよつと平仄が合わないような気がする。但し夢を考えれば、夢ではなくして、日本の中央山岳道路は日本の開発状態から言えば有意義ではないかと思うが、一方から見て自動車の旅に通れるような日本に国道と称すべきものが一体あるのかないのか。東海道線にしても箱根まで行つてもなかなか自動車の音のするような穴ぼこのあいたいわゆる国道と称するものがあつて、東京都内でもそうですが、一歩東京を去つて、日本のハイ・ウエイでござるというような、世界の観光客に見せて、日本に自動車を持つて来て飛ばして見ようという物好きはいないでしよう。これでは観光なんか全然言うもおもはゆいような日本の今の道路状態です。そういう豪華な船ができて、二週間でも保養がてら太平洋を贅沢に暮せる船を日本で造つて、そうしてそれも引合うという時代の来ることは私もそれは希望しますが、移民船は一方倹約するというときに、そういうことが私は新聞に出て来ることは、何だかそこで余りにも裏の、長屋の人と、お隣りの岩崎さんや、三井さんのような人が、同じ運輸省の中に同居しているのかと思うような気がしたので、伺つにところが、まさに大臣みずからそういう夢を描かれているというので驚いたのですが、夢は誠に結構なのだが、そういう時代の来らんことは望みますが、前の委員会と、今度の委員会と私はひとりしやべりになつているが、移民船を倹約して、余りに何だか時代が違うようなちよつと気がして申上げたわけなのです。夢は誠に結構です。
○国務大臣(石井光次郎君) 移民船並びにさつき申しました貨物船の充実ということを割いて、そういうふうにやろうというのじやありません。それをやつた上に、若しこういうことが容れられるならば容れたいというのでございますから、誤解のないように……。
○一松政二君 それから、五十億の仮に客船の夢はいいですよ、夢はいいが、飛行機ができている世の中に、そういう船ができてペイするかどうか。日本でプレシデント・ラインならプレシデント・ライツで大部分のアメリカのお客さんとか外国人が、プレシデント・ラインで行くならば別ですが、プレシデント・ラインがおつて、移民船などが日本でできて、そうして日本の船に昔のように浅間丸や、氷川丸は小さいが、龍田丸とか、或る程度の昔の貨客船がペイするような時代を希望しますよ、そういうことの到来することは。だから私は希望はしますが、今のような時代でちよつとそろばんがとれるか疑問ではないか。飛行機がもう一層発達するでしよう。そういう時代にすでに日本の鉄道がもう幹線では一等のお客さんはとられているというような状態で、それが大西洋航路ならば、行きに船で行けば、帰りには飛行機、行きに飛行機なら、片一方、忙しい旅をしたから、一週間くらい船の上で休息しましようということで、やることは、私は当然考えられると思うのです。太平洋は大西洋と趣きを異にすると思うのですが。
○説明員(岡田修一君) 観光船の問題ですが、私は夢よりももう一歩進んで、現実化したいという希望を持つております。旅客の問題ですが、御承知の通りAPLがずつと先まで満員になつている。ここに若し日本船が就航しました場合に、戦前でも外国船に比べて日本船のサービスというものは遥かによかつたのです。若し日本船が就航すれば、その旅客の大部分はこちらに吸収する。若し政府が外貨獲得ということに本当に力を入れるならば、この旅客船の建造による旅客の獲得とい、ことは、現在の日本については、本当にまだ未開発の分野に属しているので、相当食い込む余地がある。私どもは、結局政府がどの程度に国際収支改善に力を入れて、これに対して財政投資を重点化するかという政策にかかつていると思います。それから、一面観光船を建造するということは、造船並びに関連工業の従業員に対して、或いは関連工業のみならず、室内装備その他非常に広汎な分野に、これの雇用の安定というような効果を狙つても、相当考慮して頂く余地があるのじやないか。これは非常に口はばつたいようですが、国の予算を見ましても、相当無駄な予算の使い方をしている。従つて五十億やそこらの捻出を若しやるとされるならば、やれるのじやないかという感じがするのです。殊に国際収支の改善という面にはすぐに結付く問題でございますから、一つ単なる贅沢船というのじやなく、日本の経済に貢献するところの非常に多い計画であるというまあ一つ認識を持つて、御後援をお願いいたしたい、かように思います。
○一松政二君 それで、収支計算というものを、およそやつたような何かありますか。
○説明員(岡田修一君) 実は昨年やはりそのケースで予算要求をいたしました。大体そのときの計画が、一万五千総トンで、速力が二十ノット、船価四十億というのでございますが、これについてはやや船型にしても、速力にしてももう少し優秀化すべきではないかという意見がございました。従いまして、今その点については更に詳細検討中でございますので、もう少し時間がかかります。昨年計画いたしました考えのときに採算をとりましたらば、大体七割は国が投資をする、三割は民間から集める、その三割は大体金利一割の金を使うということでありましたところ、最初の五カ年間はその民間投資に対する利子並びに償還、こういうことを考慮に入れますと、初年度一億くらいの赤字が出る。それから漸次逓減し、五ヵ年目くらいにはとんとんになる。六カ年目から国の投資した金が償還して来る。勿論国の投資したものについては無利子として考えても、これは六年目からそれの償還が始まつて、二十カ年には完全に返せると、こういう計算を立つております。なお目下その計算をやり直しつつあるわけでございます。現在の貨物船市況から比べますと、旅客船のほうが採算はずつといいわけです。ただ貨物船につきましては暫らく時期を待てば、これはうんと採算に乗つて、今までの赤字を全部カバーする、大蔵大臣の言葉ではございませんけれども、期待ができるわけでございます。併し、旅客船についてはそういうことは期待できない。そこに貨物船とは違つた国の援助、いわゆる金を投資するならば、その投資に対して金利は期待しないというふうな意味で金を出す必要があると思います。これも冒頭に申しましたように、国際収支の改善ということにどの程度に力を入れるか。非常にそのことについてはいろいろ制約があつて、伸びる余地はございませんが、この面においては伸びること間違いなし。だからその点を一つ買つてこの計画に御協力を願いたい、こういうことであります。
○木島虎藏君 関連質問ですが、今の計画で向うの移民ですね、移民を兼用するというお考えはお入れたならなかつたのですか。例えば昔は三等船客が移民だつたんですが、そういう移民のサービスというような特殊の等級を考えられて、そうして足が速いから貨物船に追駈けてどこかでそれを乗移らせるとか、何かそういう手のこんだ考え方はなかつたのですか。
○説明員(岡田修一君) やはり移民船とするには船が少し贅沢でございます。移民船にはやはり移民船として向くような船を造つたほうが経済的です。 それからもう一つは、飛行機の客と観光船で狙つているお客でございますが、やはりアメリカのツーリストクラスになりますと飛行機は少し高過ぎるのではないか。従つて、今度造るとすれば、その観光船も贅沢なお客を対象とするというよりは、本当の観光客、ツーリスト・クラスを対象とした船を造る。従つて、一等を対象とする場合には、定員を割合に少くして、まあ二等クラスのところを多くするというふうなことにすべきじやないかということを計画しております。
○一松政二君 今のツーリスト・クラスの船を仮に造つて、これは夢ですから何も現実の問題ではないかも知れんが、例えば私は日本航空法を審議する場合にも、必ず競争が現われる、そのことを前提にしておるのかということを私は言つたことがありますが、プレシデント・ラインなりカナディアン・パシフィックと今やつておりますが、それが日本の船が現われると、それは必ず運賃を又下げて来ると思うのです。併し、まあ観光客というものは、恐らく日本の設備がもつとよくなればよくなるほど殖やさなければならんし、又殖えるだろうと思う。だから、まあいつの世にかそういう問題は私は実現の日があろうと思いますが、ただ今の目先の予算の範囲内じやちよつと見込みはあるまいと思いますけれども、 これは考え方によつては、別な観点から若し国家が、国がそういうことをするのだ、国で以て船を造りたいのだというふうな又考え方も別にあるだろうと思う。それが最初は赤字だけれども、黒字になつていずれは償却し得るということになれば、これは日本航空を創設した意義もそこにあるので、最初は赤字々々の、むしろ今日で言えば案外早く赤字の額が予想したよりも少くて済みそうだということは、これは同慶至極なんです。そういう船ができてそういうことであるならば、これは又おのずから別個の方法でお考えになつたほうが早道ではないかと思うのです。これは夢じやない、現実にあるというなら、そういう言葉尻はどうでもよろしゆうございますが、一応そういう話を現実にしておると、いつかは実現したいと、一日も早くそういうことの来る日の近からんことを願うということなら、私もあえて異論はないわけです。ただ余りにも移民船とかけ離れたような気がしたもんだから、一応問題を蒸し返しただけでございます。以上で私の質問を終ります。
○委員長(高木正夫君) それでは最後に私からちよつと本問題についてお尋ねを申上げておきたいと思います。 十次造船については、大臣が特に非常にお骨折りを頂きまして、その御労苦を感謝するわけであります。造船合理化審議会の案を拝見しまして、大体よくできていると思うのであります。これが紙の上の問題に終らんように是非やつて頂きたいと思うのですが、それについても、大臣初め関係局長その他が非常なお骨折を願つておることも薄々聞いておるわけですが、お尋ねしたいのは、業界がこれについてどの程度までついて来ておるか。相当の実行の可能性が出ておるものかどうか、そういう見通しについて一応お聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(石井光次郎君) 海運、造船両方面に向いましていろいろ合理化問題については、昨年の第九次造船が終ると同時にその話を進めました。自分のほうで案を立てて持つて来いということを話しておつて、みんな了承しておつたのであります。ただそういう問題で話がなかなか結論に至らずに時が経て、私どものほうから催促いたしておるうちに本年になりまして疑獄事件など起りましたので、右往左往のていで、業者のほうもまるで何もかも虚心状態であつて遅れておりました。十次造船と相並んで私どもその造船、海運両方の合理化を是非やらなければ十次造船はやることはできないのだと、金融業者が金を出し渋るというのも、今のままでは金を貸せないじやないかというところにあるのでありますから、どうしても今はいけないけれども、こういうふうにして半年の後には経費を節約するとか、或いは一年の後にはこういう効果が上るとかはつきりした見通しがつかなければ、金融業者に対しても、私どもは是非金を出してくれということを言えないのだということを言つて頻りに話合いを進めておりました。幸いにいたしまして、海運界の経営の合理化問題につきましては、非常に真剣な検討が行われまして、経費の約五分くらいは是非もうすぐに節約を始めるというようなことであつたのであります。これによりましても二十数億の節約ができるのじやないかというような問題等が考えられます。 それから航路の調整につきましては、ニューヨーク航路が非常に激しい競争状態にありましたにつきまして、絶えずこの問題についての警告を与え、又業者の或るオーナーのグループ別に何がしかの、四つにするか五つにするかまだはつきりいたしませんが、そういうグループをこしらえて、それによつて経費の節約をし競争をなくして、そうしてお互いの間の又グループの話合いによつて収入の途をよくして行くということにすべきだという指導をいたしておりまして、これはさつきも海運局長もちよつと申しておつたようですが、ニューヨーク航路もそうでありますし、パキスタン航路もそうでありますし、又南米航路についても話合い等がだんだんできまして、収入の途を上げる線がだんだん出ておるわけでございます。一時ニューヨーク航路のごときは七ドルとかハドルというようなバンカー代も出ないというような状態でありましたが、現在は十五ドルから十七ドル、まさに二十ドルになろうとしております。そういうふうな話合いでだんだんと恰好がつきつつあり、真剣にやつております状態でございますから、私どもこれをなお推し進めて、造船界の再編と申しまするか、今の運賃でもソロバンに合うような状態にどうしたら持つて行けるかということについて一層努力をいたしたいと、まあこういうふうに思つております。
○委員長(高木正夫君) そうしますと、これがうまく行かんと又十一次造船に非常に影響して来ると思うのですが、今のところでは十一次造船は、このままの情勢で行けば今までのような御苦労なしに行けるというように承知していいわけでございますか。
○国務大臣(石井光次郎君) 今度の第十次造船につきましても、金融業者と最後に話合いが漸くできまして、幾らか市中金融もしてくれるということになりましたのは、今度の計画造船によつてできまする船については、利子の支払いは一切迷惑をかけないようにする。必ず利子は払うようにする。ついては元金も払えるようにすべきでありますが、少くも利子の払えないような状態には置かないということを私どもが確約をしたわけであります。それはまあそういうふうになり得るという業界の合理化の線から判断し得まするし、今度の造船にも造船そのものの値段を安くいたしまして、そうして採算点にずつと近ずくというより、採算点を超過し得るのじやないか、いい状態になるのじやないかどいうことも考えておりますので、そういうふうにして利子の支払能力等がちやんとはつきりいたしますれば、金融業者は金を貸すのは商売でありまするから、これなら信用して貸していいという状態になれば貸そうという線も出て来るのじやないか。それにはどうやつてそれに応ずるような態勢がとれるかということ等で私どもは考えて行きたいと思つております。経営的にはそういう問題を考えられますが、一方今度は担保力がどうであるとかいうようなことで、借金能力ありやという問題がもう一つ根本に残るわけであります。そういう問題等のために何らかの組織をしなければならんじやないだろうかというので、目下私ども研究を進めておるわけでございます。
○委員長(高木正夫君) 大変お話を承わりまして安心を得た次第であります。なお今後ともよろしくお骨折りをいただきたいと思います。 ほかに御質問ございませんか……。 それじや本日はこれで閉会にいたします。 午後四時四十五分散会