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19回国会衆議院1954/03/10

労働委員会 第11号

発言数
14
登壇者
5
会派数
3
開催日
1954/03/10

会議録

持永義夫自由党

○持永委員長代理 これより会議を開きます。  本日は赤松委員長に事故がありますので、私が委員長の職務を行いますから、御了承を願います。  まず仲裁裁定実施に関する件について調査を進めます。前回の委員会に参考人として出席されました次の方々、すなわち大森忠晴君、青木金治郎君、妹尾敏雄君、杉山秀雄君の方々が、本日も参考人として出席されておりますから、念のために申し上げておきます。  本日は都合によりまして、本件につきまして懇談会に入りたいと思います。      ————◇—————     〔午前十一時二十分懇談会に入る〕     〔午後零時四十七分懇談会を終る〕      ————◇—————

持永義夫自由党

○持永委員長代理 これにて懇談会を終りまして、再開いたします。  本件につきましては、なお調査を続行する必要があると思われますので、二時まで休憩いたします。     午後零時四十八分休憩      ————◇—————     午後二時四十九分開議

持永義夫自由党

○持永委員長代理 休憩前に引続きまして会議を開きます。  質疑を許します。井堀繁雄君。

井堀繁雄日本社会党(右)

○井堀委員 仲裁裁定によります現業庁のうちで、四現業庁におきましては、団体交渉を通じて、仲裁裁定と昭和二十九年度の予算施行との関係等を勘案いたしまして、労働組合側から、仲裁裁定が当初の意図したものとはたいへん食い違つた、ことに公務員との均衡をはかろうという政府の意図とは反して、はなはだしいアンバランスを生じて、そのために円滑なる労使関係を持続することが困難になるのではないかという懸念すら現われて、団体交渉が一頓挫の形にあるという事態が出ておるわけであります。公労法の精神は、言うまでもなく労使関係の円滑なる運営を命じておるわけであります。ことに政府事業でありますだけに、労使関係におきましても、民間の模範的な処理が行われなければならぬことは、言うまでもないのであります。こういう意味からいたしまして、ただいま四現業からそれぞれ問題点を指摘して、労使関係の円滑なる団体交渉が困難なる模様を伝えておるわけであります。これに対する労務行政一般を担当いたしまする労働省といたしましては、仲裁裁定の精神なり、長期にわたつて国会で論議されました際における政府の言明もありまするし、院議の要請もありまして、きわめて輿論も刮目をいたしております問題でありますことは、申すまでもありません。従いまして本問題の円満な解決がいかに喫緊な問題であるかは、申すまでもないと思うのです。そういう意味で、円満に労使関係の解決をはかるために、かつは合理的な仲裁裁定の実施が、議会の決議を加えてスムーズに遂行されまするために、その処置に対する労働省の見解なり、これに関係を持ちまする大蔵省の立場について、お尋ねをいたしたいと思うのであります。まず労働省といたしましては、こういう政府事業の労使関係について、特に今起つておりますこういう事態について、どのような処置をなさろうとしておるかをお尋ねいたしたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○安井政府委員 井堀委員にお答え申し上げます。実は本年一月から発足いたしました新ベースの実施につきまして、一般公務員と現業関係の一部の従事員との間に、若干の給与ベースの不均整がありましたことは事実でございます。しかしこの原因は、政府といたしましては、仲裁裁定の趣旨を忠実に実施いたしましたし、同時にまた一般公務員につきましては、人事院勧告をその通り一月から実施することによつて、機械的に行つた若干のアンバランスであろうかと考える次第であります。しかし、実情から申しまして、同じように仕事をしながら、そこに多少なりとも差があるということが、必ずしもいい傾向とは思われないのであります。もつともこれは企業現業としましては、いろいろ業績その他の場合によつて差ができる場合もあり、おおむね公務員よりは上まわるというような実態を持つておつたのでありますが、そういつた差があることは、見方によつては好ましくない面もございますので、これは将来の問題としては、そういつたことの起らないように、政府としても十分関心を持つて処理したいと考えておる次第でございます。  ただ、当面すぐ何ができるかということになりますと、御承知のように、予算及び資金上の制約、あるいは給与上の制約が、予算の上からあるのでございますから、これをただちにどうするという問題の結論は、ただいまのところ明確に申し上げるわけには行かないものと思うのであります。従つて、仲裁裁定について、政府に忠実にそれを守つておるのだが、同時に、その範囲内で各現業機関がいろいろ当事者がお話合いになつて、この予算の範囲内でいろいろと御折衝になつて、いい妥結点が出れば、これは非常にけつこうなことであろう、こう考えております。

井堀繁雄日本社会党(右)

○井堀委員 当面の問題といたしましては、造幣関係においては、公務員に比較して、その上昇率において四百二十円の低額が示されておる。さらにアルコール専売においては同二百十三円、林野にあつては同二百二十七円、印刷にあつては同二百二十九円、こういう公務員とのはなはだしいアンバランスを生じておるという労働組合側の証言であります。こういう開きがありますことは、言うまでもなく、政府事業のもとにあつて、給与がそれぞれの根拠に基いて額や比率の相違することは問題ではありませんが、現業庁当事者の団体交渉の席においても、また両参考人の証言するものにおきましても、かかるアンバランスは、円滑なる事業の遂行の上に、かつ労使関係としてはきわめてアブノーマルな姿であることは、明らかになつておるわけであります。こういう問題の解決は、ただ単に労使の賃金紛争という狭い限界にとどめることなく、こういう給与体系の公務員と公企業体との関係において起つて来るかかる現象というものは、将来根本的な解決をはからなければならない事柄も存するのでありますが、今現われておりまする公務員のベース・アップと仲裁裁定の実施の結果とが、かような形になつておるということは、すみやかに解決をはからなければならない当面の労働問題の処置である。公務員法の規定する精神から行きましても、かかる事態はいずれの側からその主張が行われるといなとにかかわらず、すみやかに解決すべき問題であると思うのであります。この点については、ただいま労働省の御答弁がありましたけれども、こういう問題の一番妥当な解決の道は、公労法によれば、団体交渉にゆだねることであると思うのであります。ところが、団体交渉が今日行き詰まつておるというその当面のおもなる障害は、一つには、大蔵省当局が予算上資金上の立場から、現業庁に対するそれぞれの見解をどういうふうに表示するかということによつて、これらの問題を団体交渉に移して解決する場合に、大きな障害にもなれば、あるいは解決のための有利な潤滑油的な発言にもなると思うのであります。従いまして、大蔵省当局の立場というものは、本問題をすみやかに処理する上に重要な発言となるのでありますから、こういう意味において、大蔵当局は、こういう具体的な事実について、どういう処置をとつた方が一番適当であるかということについて、いろいろ検討されておると思うのであります。検討されておれば、その結果をお示し願いたい。まだ十分な検討ができていないとするならば、こういう問題について、当面の処理の責任の地位にある労働省と折衝なされるものと思うのであります、また折衝されたことと思うのであります。その辺の関係について、明らかに御答弁を願いたい。

岸本晋大蔵事務官(主計局給与課長)

○岸本説明員 私説明員でございまして、私の言うことが全責任を持つようにおとりになられると恐縮ですが、この点お断り申し上げまして、大蔵省側の意見を申し上げます。  先ほど造幣、アルコール、林野、印刷庁が、国家公務員に比較してこれこれの程度低いという数字をまずお示しになつたのでございますが、この数字の点について、私どもの考えておるところを申し上げますと、これはいろいろ考え方と申しますか、その基礎にとつて来る事実によりまして、必ずしもこういう数字にはなつておらないのでございます。もちろん四現業が、全部国家公務員よりはいいというわけではございませんが、このうちの一、二のものだけが、私どもの目から見ました場合に、国家公務員より低いんじやないか、かように判断いたしております。  その低いものについて、一体大蔵省はどういうことを考えておるかということでございますが、大蔵省といたしましても、国会で御制定になりました公労法の成規の手続で決定され、しかも国会の御承認をいただいた裁定のことでございますから、その裁定に必要な金額を本年度の補正予算にそつくりそのまま計上いたしておるわけでございます。この計上されておりますべースの金額の中身で、これをどういうやりくりをなさいますか、これは現業の問題でございますが、その中のやりくりをいたしまして、できるだけ公務員ベースに近いものを実施するように考えております。これは私どもとしては、別段反対のないところでございます。大蔵省側の態度いかんによるという御質問でございましたが、大蔵省側といたしましては、公労法で定められたところそのままを、予算の上に計上しておるというわけでございます。あとは各現業の内部のお話合いによつて、ベースをできるだけお互いが満足の行くようにして行きたい、かように考えております。

井堀繁雄日本社会党(右)

○井堀委員 念のために申し添えておきますが、公労法の第一条の第二項には「国家の経済と国民の福祉に対する公共企業体及び国の経営する企業の重要性にかんがみ、この法律で定める手続に関与する関係者は、経済的紛争をできるだけ防止し、且つ、主張の不一致を友好的に調整するために、最大限の努力を尽さなければならない。」こういうように命じておるわけでございます。とりもなおさず、関係者といえば、直接的には労働組合と当該事業場の責めを負うべき人でありますが、しかし問題は、団体交渉の限界だけでは、すでに困難だということが明らかになる以上は、この公労法の第一条第二項のいう関係者の最善の努力を要請される範囲は、大蔵当局、労働省当局が当然該当するものと思うのであります。こういう関係からいたしまして、労働省といたしまして、大蔵省と今後この問題解決のためにどのような連絡を、また見解でこの団体交渉を当事者同士が誠意をもつて紛争を起すことなく、未然に防止するように処置されるかについての御方針を、この機会に伺つておきたい。

安井謙自由党労働政務次官

○安井政府委員 先ほども申し上げましたように、今度の現業給与は、あの仲裁裁定を忠実にその通りに政府がのむ計算をいたしました結果できておる数字でございまして、その内容が、公務員と比較して多少のでこぼこができることも、今日の法制の建前からやむを得ない部分もないではないと思うのであります。しかし現実の問題として、一緒に働いておる人同士が、そこに較差ができることはおもしろくない、これはでき得る限り近づけたいという希望は、非常に持つておる次第であります。ただ、ただいままでその予算上その他の措置として、これをどうするというわけに参らないことは御存じの通りでございまして、この給与総額の中でも、いわゆる俸給額の中ででき得る限り当事者がお話合いになつて、これに妥当な解決を与えていただくようにありたいものだと心得ております。

井堀繁雄日本社会党(右)

○井堀委員 予算上資金上の問題を苦慮されておるようでございますが、この予算上資金上の問題は、もちろん公労法の第一条第二項の精神を無視するものでないことは申すまでもないわけでありますから、この精神を問題処理の上に十分生かして両者の円満解決を期するように、当該それぞれの立場の人に希望するとともに、ことに労働省のかかる問題の平和解決がすみやかに行われるように、十分な措置をとられまますことを要望いたしまして、私の質問を終ります。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 先日現業の理事者側の方にも来ていただきまして、本委員会と今度の紛争の問題点を把握せんといたしたのでありますが、先ほど井堀委員からも御指摘がありましたように、造幣において四百二十円、印刷において二百二十九円、アルコールにおいて二百十三円、林野において二百二十七円という数字、いな、それ以上の数字を、当局側も確認されておつたわけであります。この問題は、仲裁が出ました当時、また国会の審議の際におきまして、労使双方とも気がつかなつた状態でございました。あらかじめ造幣とか印刷は企業が困難であるから、これだけ低くするのだという話はなかつたのでありまして、当然一般公務員並には十分なつておるのだ、こういうことをわれわれも考えましたし、ましてや労使双方とも考えて、また政府も考えて、そうしてこれをいろいろ審議したわけであります。ところが、ここに予期しない瑕疵といいますか、そういうことによつてミスが出て来たわけであります。これは全然予期しないことから生じた問題であろうと思うのであります。もつともこの数字の中には、昨年の調停によりまして、不合理是正の財源によつてかなり金額に差が出た。こういう点は議論があろうかと思うわけでありますけれども、そのほかの問題といたしましては、全然予期していなかつたわけであります。そこで、ここに予期しなかつた問題をわれわれが処理するにあたりまして、単に国会においても仲裁通り実施せよということであつたからというだけの理由では、きわめて不親切であろうと思うのであります。少くとも今申しました数字は、労使双方確認をしておるのであります。そこでこの問題につきましては、ことに労働省は非常に努力していただきたいと私は考えるのであります。と申しますのは、現実に組合の運営をいたしますときに、非組合員は、組合費も納めずして、しかも一般の組合員よりも給与が高い、こういうことになりますと、組合運営といたしまして、非常に支障を来すであろうということが十分考えられるわけであります。しかも公労法は、御存じの通りオープン・シヨツプ制を強制しておるのであります。組合がいかに妥結いたしましても、法律によつてクローズド・シヨツプあるいはユニオン・シヨップということにはならないことになつておるのでありまして、その点から行きましても、組合から離脱して行く者が続々と出て来ることが、一応考えられるわけであります。そういう意味におきましても、ぜひ労働省といたしましては善処していただきたい。  さらに大蔵省にお願いいたしたいのですが、今申しましたような事情で、これは不測の事態でありまして、当然事態がかわつておるのでありますからそういう点も十分考慮に相なつてしかるべきであろうと考えるのであります。そういう点からも、大蔵当局におきましてもぜひ善処していただきたいこれを要望しておきたいと思います。     —————————————

持永義夫自由党

○持永委員長代理 この際お諮りいたします。仲裁裁定実施をめぐる紛争問題について、来る三月十七日の委員会に、横山利秋君、岩井章君、歌崎藤作君、横手眞夫君、本間大英君、以上五名の方に参考人として御出席を願い、御意見を聴取いたしたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

持永義夫自由党

○持永委員長代理 御異議なしと認めさよう決定いたします。  次会は公報をもつてお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時十二分散会

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