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19回国会衆議院1954/03/05

労働委員会 第10号

発言数
64
登壇者
15
会派数
2
開催日
1954/03/05

会議録

持永義夫自由党

○持永委員長代理 これより会議を開きます。  本日は赤松委員長が事故がありますので、赤松委員長が御出席になりますまで、私が委員長の職務を行いますから御了承を願います。  この際、理事並びに小委員の補欠選任の件についてお諮りいたします。理事並びに港湾労働に関する小委員の高橋頂一君が、去る二月二十日に委員を辞任されましたので、理事並びに港湾労働に関する小委員がそれぞれ一名欠員になつておりますので、その補欠選任を行わねばなりません。  まず理事の補欠選任につきましては、前例によつて選挙の手続を省略いたしまして委員長から補欠理事を指名いたすことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

持永義夫自由党

○持永委員長代理 御異議なければ、稲葉修君を理事に指名いたします。なお港湾労働に関する小委員の補欠選任につきましては、前例によりまして委員長より指名いたすことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

持永義夫自由党

○持永委員長代理 御異議なければ、稲葉修君を港湾労働に関する小委員に指名いたします。     —————————————

持永義夫自由党

○持永委員長代理 それでは仲裁裁定実施に関する問題について調査を進めます。  本件につきましては、前回の委員会におきまして決定しました参考人の大森忠晴君、青木金治郎君、妹尾敏雄君、杉山秀雄君、以上四名の方が本日御出席になつておりますので、まず参考人各位の御意見を聴取いたしました後に質疑を行いたいと存じますから御了承を願います。  それでは大森忠晴君。

大森忠晴全造幣労働組合中央執行副委員長

○大森参考人 造幣の大森であります。本日、本労働委員会で、ぜひともわれわれの考えをお聞き願いたいと存じます諸点につきまして、意見を申しあげたいと思います。  まず仲裁裁定の実施の実情の問題から入りたいと思いますが、私ども造幣という立場から、具体的数字をあげて説明申し上げたいと思います。  本委員会におきまして議決を願いましたところの造幣の裁定実施の問題は、一万四千四百五十円を二十九年一月一日から実施せよというところの内容のものであつたわけであります。ところが、この裁定の配分の問題につきまして、一月以降当局との間に再三にわたつて団体交渉を持つておりますが、現在のところなおその実施の妥結に至つておりません。その問題点と申しますのは、本委員会で御承認を願いました一万四千四百五十円の裁定額そのものが、われわれと同じように給与の改訂が行われましたところの一般公務員に比較いたしまして、この裁定額か多額に下まわるという実情にあるということでございます。この内容について申し上げますと、本年一月一日の造幣局の現給は一万三千六百二十四円になつておりますが、裁定額は一万四千四百五十円でございますので、実質において多少の増額、すなわち給与の改訂ということになるのでありますが、同じように一月一日から実施になりました一般公務員のベースに比較いたしますと、すなわち造幣におきましては、現在給与準則等につきまして、いまだに何らの改訂が行われず、従前通り一般公務員並で実施をいたしております。それで給与の切りかえにあたりまして、一般公務員並に切りかえることは容易でありますが、もし造幣の現給一万三千六百二十四円を一般公務員並に切りかえるといたしますと、一万四千八百七十円になるのでございます。といたしますと、造幣局の裁定一万四千四百五十円は、一般公務員に比較いたしまして四百二十円程度下まわるという実情になつたのであります。われわれは公労法におきまして、組合員、非組合員というような形が政令等によつて区別はされておりますが、同一職場において内容的に同一の業務に従事しておる実情であり、かつ従前一般公務員とほとんどかわらない待遇を受けて来たのであります。そこで公労法の適用を受けました最初の裁定におきまして、すでに金額において四百二十円の少からぬ差が給与上生ずるに至つたわけであります。  それで組合側といたしましては、裁定が裁定通り実施されなかつたこと、すなわち裁定は二十八年八月一日から実施となつておりますが、これが二十九年一月一日から実施ということになつた結果、部分的にこのような問題が生じたということ、かつ裁定そのものの基礎になつておる調停案の内容において、その算出上幾多の欠陥があつたということ、これらを参酌いたしまして、かつ一般公務員との給与上の均衡を考えまして、配分の要求におきましては一万四千九百十円の配分の要求をいたしました。もちろんこれは裁定一万四千四百五十円に比較いたしまして、実質において上まわる配分の要求ということになりますが、これは今申し上げましたように、一般公務員との均衡を考えた上で、組合側としては要求をしたものであります。もちろん、その根拠といたしましては、今申し上げました一般公務員より下まわつたところの理由に基くとともに、二十八年度において造幣局における給与総額内において実施が財源的に可能であるということがその理由の第一であります。すなわち裁定一万四千四百五十円は、裁定としての拘束は持ちますが、財源上それ以上のものが実施できる場合、労使の間で意見が一致いたしますならば、裁定額を上まわる実施もさしつかえないということは、仲裁委員会もその見解を明らかにいたしております。それで造幣局の財源を見ます場合、組合の要求いたしました一万四千九百十円の配分につきましては、確かに給与総額内の基本給予算では若干不足をいたします。すなわち二十八年度の四・四半期におきましては約五十三万円程度不足をいたしますが、給与総額内の他の項目、具体的に言いますれば休職者給与等の残がありますので、これらを給与総額内ということで項目の流用を行うならば、組合の要求は完全に実施いたしまして、なお給与総額内に残余が生ずるような事情にございますので、決してわれわれの配分の要求は不当なものではない、一般公務員との均衡に立つて、あくまでこのような主張を続けて来ておるわけでございますが、当局側といたしましては、この組合の要求につきましては、裁定自身の金額を上まわるということ、かつ給与総額内であつても、項目の流用はこの期に及んでは非常に困難であるということ、これらの諸点を理由といたしまして、頑強に組合の要求を拒否いたしております。しかし一般公務員を下まわるような裁定ベースであるということ、これについては、当局としても十二分に考慮を払う余地のあることは、しばしば言明をいたしておるのでありますが、問題は大蔵省の一付属機関である造幣局といたしまして、局長の権限のみで完全に実行できる性質のものでない。すなわち大蔵省に対する多分の考慮がこの中に入つておるのであります。このために現在いまだに妥結に至らないような実情に来ておるわけであります。それで、われわれといたしましては、造幣局の特別会計法の規定から申しましても、公労法の適用を受ける職員の給与については、一般公務員あるいは民間の労働者との給与の均衡を考えて給与準則をきめるべきであるという一項目があり、かつそのためには、一会計年度における給与総額内であればいいというものが特別会計法の中で明確になつております。すなわち造幣局特別会計法の第三十六条の二でこの点を明確にいたしておりますので、われわれといたしましては、当局の言うように基本給予算ではまかなえない、しかし給与総額ではまかなえるというこの事実、すなわち特別会計法の見地からいつても決して違法行為でもないし、組合の要求は不当でもない。しかし問題は二十九年度の予算にございます。すなわち二十九年度の予算の基本給の基礎になつております金額は、この裁定額一万四千四百五十円を基礎といたしております。これに対し一定の昇給率、すなわち調整率をかけまして、二十九年度の基本給予算の算出を行つております。それで二十八年度の第四・四半期におきまして、一応組合の要求もしくは一般公務員との均衡を考えて、そのベースまで引直した額で実施いたしましたといたしましても、二十九年四月一日からは新しい二十九年度予算の関係からそれは実施できないので、引下げなければならない。こういう引下げ方法は当局としては講じたくない。問題は二十九年度予算の基本給算出そのものにあるわけであります。  それで二十九年度の問題について見まする場合、もちろんそれは給与総額内から申しましても、爾後実行に関する問題でありますので、今どの程度剰余ができ、かつ組合の要求を二十九年度においてもまかない得るかということは、予見が困難な諸点もございますが、われわれといたしましては、二十八年度については給与総額内で、特別会計法においても決して違法でない範囲でこの組合の要求を実施し、一般公務員との均衡の上に立つた裁定ということで実施を願いたいということ。第二には、二十九年度については、でき得るならば歳出総額の中で四月一日以降も引続き実施できるような形をとつていただきたいということ。万やむを得ない場合においては歳出総額内における項目の流用もしくは給与総額内における項目の流用等によつても、何とか一般公務員並に裁定ベースを引直して、こういう現業労働に従事しておる者の給与について十二分の御配慮を願いたいということ、これらの諸点をわれわれとしては強く労働委員会にお願いをいたしたいとともに、われわれの要求が決して単に裁定を上まわるというようなことのみを云々しておるのではなくして、現実に立つて、この具体的な数字そのものの示しておる造幣局職員の給与の低劣な状態を、勤務条件の非常に悪い状態を改善するための一環といたしたい、こういうところから、労働委員会においてぜひともこの点について、事態を改善し得るような御処置をお願いいたしたい、考慮をお願いいたしたい、これがわれわれの意見でございます。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 青木金治郎君。

青木金治郎アルコール専売労働組合書記長

○青木参考人 私はアルコール専売の書記長と給与対策部長をやつております青木であります。まず陳述に先だちまして、一言昨年末仲裁裁定と年末手当につきまして、委員の皆様に絶大な御支援をいただきましたことを、ここに組合員一同を代表いたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。さて今日は、アルコールを初め四現業の一月以後の給与配分につきまして紛争が生じておりますが、ここに組合側の事情を聞いていただく機会を設けていただきましたことを、あわせて御礼申し上げる次第でございます。  御承知の通り、本日調査を願います四現業の給与につきましては、昨年秋仲裁裁定委員会から提示されました裁定によりまして、八月から実施をいただくはずになつておりましたところ、予算上資金上不可能という理由で、政府によりまして本年一月から実施という議決を見た経過があるわけでございます。一方人事院関係の一般職は、勧告の俸給表そのまま地域給を一級地削減したという形で、これも一月から同じく実施されているのであります。この仲裁委員会でつくられました四現業の仲裁裁定と、それから人事院でつくられました一般職の俸給表とを、現在におきまして比べてみましたときに、ただいまも造幣の方から申し上げました通り、かえつて仲裁裁定の方が低くなつておるという重大な結果が現われまして、このために、この団体交渉は暗礁に乗り上げて、まことに困却いたしておるようなわけでございます。  アルコール専売事業の場合におきまして、これを数字的に御説明申し上げます。お手元に配付してあります資料のアルコールの分の表をごらんになつていただきたいと思うのでございます。一月一日の現給はアルコールの場合一万四千百十六円になつております。裁定額は一万四千二百円でございますので、裁定によりまして一月から実施するといたしますと、ベースアツプいたします金額はただ八十四円という金額になつて来るわけでございます。これを現在の現員を一般職俸給表に引直しまして、地域給も切り下げたものに換算いたしましてベースを引き直しますと、一万四千四百十三円という数字になつております。なおこれには、不合理是正による個人の不合理の調整をまだやつておりませんので、これをやりますと一万四千五百円程度になります。といたしますと、結局一般職と裁定の差は三百円でありまして、三百円近くの金額が実は一般職よりも低いということになつておるわけであります。  一方本年度の原資について調査いたしました結果、実は八百円以上のものをベース・アップできる金額が一応基本給内にあるわけであります。こういつた点から、裁定が一般職と議決後の板ばさみになつておるかつこうにあるわけであります。なお二十九年度予算は一万四千二百円という数字に〇・〇二五%の年間昇給原資を含んでおります。この〇・〇二五%という年間昇給原資を現実に照し合せた場合は〇・〇四一%いるわけでありまして、この分の差によりますしわ寄せは、結局一万四千二百円の方から身銭を切らなくてはいけない、すなわち一万四千二百円は、実質上はもつと下つて来るということになるわけでありまして、一万四千二百円が一般よりも三百円低い、しかも昇給原資もさらにしぼつてあるということで、明年度の給与予算の状況は、まつたく暗いものがあるわけでございます。  一般職と申しましても、アルコールも、ほかの現業と同様でありますが、管理職関係にあります非組合員がこの適用を受けておりますために、同一事業内において、組合を結成していない者と組合活動を許されている者の方と比べた場合に、組合活動を許されておる方がかえつてベースが低くなつてしまうという事実上の差ができて来ているわけであります。これは事業運営当局者にあつても、事業の円滑な運営に支障を来すという面があると同時に、組合員にとりましても、非組合員と組合員との感情の問題ともなりまして、組合組織を維持する上からもまことに困却いたしておるようなわけでございまして、公労法のモツトーといたしますものから、はるかに相反する事態と相なつているわけでございます。  このような事態になりました原因を、われわれ組合は真剣に研究いたしたのでございますが、結論といたしまして、要するに年末において大蔵省が予算上資金上の理由として八月実施を拒否いたされまして、一般職と内容における数字的比較を全然いたさないうちに、機械的に一月から実施することにいたしたために、かようなことになつたのであろうということに、大体結論がおちついているわけでございます。非常に極端な言葉で申し上げますと、政府の一月実施議決案自体に、ある程度の数字的な錯誤といつたような事実があつたということのために、かようにかえつて裁定の方が低くなつておるという現象が現われて来ているということでございます。幸いアルコールにおきましては、先ほども申しましたように、八百円程度の原資もございますので、これを使用いたしますと、多少一般職員を上まわる俸給表が組めるという実情にあるわけでございます。この補正予算の金額六百六十余円程度に多少加味しました八百円、この余裕分は、純粋に一月施行議決分ということによつて予算が組まれたものでございまして、趣旨が八月実施は予算上資金上不可能ということでこの額が組まれました以上は、この額につきまして、一月からなら予算上資金上実施可能になつたのでありますから、それを最大限度に配分の原資にまわすということは、終局的に申しますと、権威ある仲裁裁定の尊重ということになつて来ると思いますので、その議決による配分を一ぱい一ぱいやつていただくということは、むしろ好ましい状態であるとわれわれは思つている次第でございます。むろんこのような余裕原資を使う取扱い方につきましては、当局側も、あるいは大蔵省、仲裁委員会におきましても、こういう操作は団体交渉でやる以上は認めておられるような状況でございますので、ここにとやかく問題にする事態ではありませんけれども、少くともこういう取扱いをおとりになる以上は、明年度においても一般職を三百円も下まわるということについては、もう少し御配慮が願いたかつたという気持がいたします。聞くところによると、郵政においては一月三十日に一般より相当程度上まわる俸給表が妥結を見ております。この俸給表をアルコールに適用いたしますと、実に一万五千四百十五円というペースになります。この俸給表がいかに高いものであるかということは、この数字を見てもわかることでございます。このために要する明年度予算等においては、項目の流用その他の融通ある操作でお認め願つているということでございます。こういうことは事業を運営しておる会計としては当然のことでありまして、むしろ郵政当局の態度こそが権威ある団体交渉の当事者としてのとるべき態度と存ずる次第であります。  以上るる申し上げましたが、今年度予算上許す限りの配分原資に応ずる額を、二十九年度においても何らかの操作によつてお認め願つて、ひとつ円滑なる団体交渉の賃金問題の解決に御尽力を願いたい、かように存ずる次第でございます。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 妹尾敏雄君。

妹尾敏雄全林野労働組合中央執行委員長

○妹尾参考人 全林野について申し上げます。仲裁裁定に対するところの批判はおきまして、結論を申し上げます。  お手元に「林野庁職員の給与及び賃金の改訂について」という資料があると存じますが、本年の一月施行の給与を仲裁の裁定額一万三千三百五十円で改訂するようになつておりますが、この額面のままで参りますと、一般俸給表よりも五百四十円ばかり下まわるという結果になります。われわれは一般公務員の俸給表よりも下まわるという形態は、まことに遺憾でありまして、現在団体交渉が暗礁に乗り上げているのも、その点でございます。  きわめて簡単でありますが、一言申し上げます。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 次は杉山秀雄君。

杉山秀雄全印刷労働組合給与対策部長

○杉山参考人 印刷局の職員の仲裁裁定は一万三千五百円でございますが、この仲裁裁定を八月に実施いたしまする場合におきましては、私どもが従来一般職の職員の給与法を適用されておりましたもので切りかえます場合と、この裁定額はほぼ同じでございます。しかしながら、この仲裁裁定と給与法との間には、必然的な相違がございますので、これを一月に裁定を実施いたしまする場合におきましては、そこに大きな開きが出て参ります。御承知のように給与法におきましては、各省庁の給与の基本給の額をもつて規定いたしておりませんで、これは俸給表の適用によりまして必然的に各省庁の給与の額が平均値として現われて来る、こういう形をとつております。なおその上に一定の定められた期間内を良好な成績で勤務いたしました場合におきましては、定められました月におきまして昇給することができます。従いまして、給与法が適用される場合におきましては、多少実施期日がずれましても、これは昇給いたしますれば、その昇給いたした号俸によつて切りかえますので、ここにおきましては実質的な相違は出て参りません。しかしながら仲裁裁定は、各省庁あるいは企業ごとの基本給の額をもつて規定いたしております。従いまして、その間にいわゆる給与法と同じように昇給いたしましても、これは何らそこには給与法のように切りかえできないわけであります。ここにおいて、私どもの場合におきましても、八月に実施されます場合におきましては、ほぼ一般職の給与法に切りかえました場合と同額になるわけでございますが、一月に実施されますと、十月と一月とのこの二期の昇給に相当するだけの不利が現われて参ります。私どものところにおきましては、実際には四百円程度のこの不利な状態が出て参るわけであります。ここに一般職の職員の方と私どもとの間の大きな相違があるわけでございます。  仲裁裁定の中におきましても、私どもが一昨年の十一月給与が改訂されましたそれを基礎といたしまして、大体調停委員会における調停案というものが作成されました。しかし他の一部の企業におきましては、これが六月に不合理の是正を行いましたその結果を基礎にいたしておるところもございます。ここにおきましては十一月と六月との間の昇給期間が二回ございますので、それらが織り込まれておりますから、実際上一月に切りかえられましても、一般職の職員の場合とこれは異ならないだけの埋め合せができるわけでございますが、私どものところにおきましては、先ほど申し上げましたように、どうしてもこの埋め合せはできません。  そこで、現在印刷局の職員の給与は、一月から仲裁裁定実施ということがございますが、何にいたしましても財源がございません。従いまして、いまだに給与は従前通りの給与を配分する以外に、この仲裁裁定の配分のしようがない、こういう状態にございます。もう三月でございますが、まだこの配分のやりようがないわけです。従いまして、これをどうか適切な御処置を御配慮願いまして、これらの配分がなし得るようにお願いいたしたいと思うのであります。私どもはこれらの仲裁裁定の額あるいは実施の期日の移動というものが、労働の態様、職員の構成、そういう給与を決定いたしまする場合の正確な要素によりまして、ここに差ができて参ります場合には、当然に納得をいたさなければならないと存じますが、実施期日が移動してそのためにこの大きな不利を招くというような事柄に対しましては、どうも納得がいたしかねるものがあるのでございます。このような関係を御考察願いまして、国会におかれまして何らかの適切なる措置をお願いいたしたい、このように存ずるわけであります。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 それでは質疑に入ります。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 今現業の労働組合の方から、意見を聞いたわけでございますが、当局側も見えておられますので、四現業の当局側からも一応御説明を願いまして、それから質疑に移りたいと思います。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 それではまず造幣局の中平栄利君。

中平栄利大蔵事務官(造幣局東京支局長)

○中平説明員 局長がただいま大阪におられますので、私代理で御説明を申し上げます。私も地方交渉委員をやつておりますので、その関係で御説明いたしたいと思います。  造幣局におきまする団体交渉の経過につきましては、ただいま大森君から御説明のあつた通りでありますが、なお当局側といたしまして若干補正的に御説明申し上げます。  昨年暮れ国会で御議決になりました新ベース一万四千四百五十円を実施するために、予算といたしまして六百九十四万五千円の追加をされました。当局側といたしましては、国会の御議決の趣旨に応じまして、この範囲内で実行いたしたいと考えておりましたところ、組合側からは、一般の公務員ベース一万五千四百八十円を造幣局に当てはめまして、それにさらに若干の給与の不合理を是正するという意味を加味いたしまして、一万四千九百十円べースにしてもらいたいという要求がありましたので、なお財源と国会の御議決の趣旨とこの二つの関係上、そのままその要求を受入れることができないということで、ただいままでいまだ妥結に至らない状態であります。  数字で申し上げますと、ただいま御説明があつた通りでありますが、結局本年度は基本給におきまして五十三万程度の不足になる。但し、これは基本給の問題でありまして、給与予算全部ひつくるめて流用を認められるといたしますと、本年度は組合の要求通り一万四千九百十円の実施はできます。ただ来年度昭和二十九年度におきまして一千百万足らずの不足が出るという状態で、もしこれを実施いたしますと、二十九年度予算の補正が必要となるわけであります。  なお、予算の流用という問題につきましては、たまたま造幣局では若干の財源があるといたしましても、われわれは大蔵省の付属機関でもあり、自分だけの考えで、これを財源があるからすぐ使つてしまうというように、簡単にやるわけにも参りませんし、また他の現業官庁との関連も考えなければいけませんので、まだ妥結に至らない、こういう状況であります。  はなはだ簡単でありますが、御説明申し上げた次第であります。

持永義夫自由党

○持永委員長代理 それでは次に乙竹君。

乙竹虔三通商産業事務官(軽工業局アルコール第一課長)

○乙竹説明員 私通産省のアルコール第一課長であります。  アルコール特別会計の状況を御説明いたしますと、私たちの方はただいま青木書記長が説明いたしました点と、数字的にはほぼ合つておりますが、若干違う点もございますので、もう一度補足しつつ御説明いたしたいと思います。  私たちの公労法適用職員に対して下りました仲裁裁定の国会で議決されましたベースは一万四千二百円でございます。これを一月から実施ということになりまして、所要の予算措置が講ぜられたわけでございますが、二十八年度の当初予算におきましては、給与総額三億二百三十八万余円、それに対しまして補正されましたものが三億二千四万円、この間一千七百六十六万円の補正があつたわけでございます。これは一人当りにいたしますと、千百五十二円のベース・アツプということになるわけでございますが、これが二つにわかれまして、うち五百十二円ばかりは八月からさかのぼつて給与の不合理を是正するというための原資、残りの六百四十円が一月からの一万四千二百円のベース実施のための原資ということで予算補正がございまして、ちようだいしたわけでございます。ところが、いわゆる公務員の新ベースが出まして、この新ベースは、御承知のように一万五千四百八十円でございますが、これを年齢構成その他の修正分子によつて調整いたしまして、私たちの公労法適用職員に適用いたしますと、一万四千五百十五円になります。公務員の新ベースを適用すれば一万四千五百十五円である。ところが裁定ベースは一万四千二百円である。この間三百十五円の開きがあるわけでございまして、裁定ベースの方が三百十五円低いということになつておるわけでございます。     〔持永委員長代理退席、黒澤委員長代理着席〕  なお念のために申し上げますと、二十九年一月一日の現実のベースは一万四千百十六円、先ほど青木書記長の申し上げた数字の通りであります。この数字は、先ほど御説明をいたしました原資一人当り千百五十二円のうち、八原資を使いまして、なおそのほかに欠員等の分がございますために、それ以上の昇給ができまして、一万四千百十六円になつたわけでございまして、六百四十円ばかりのものがまだ手つかずに残つておるわけでございます。従つて一人当り六百四十円ばかりのべースアツプが、予算的には定員上なお可能であるという状況でございますか、さらにこれに欠員等のものを加えますと、先ほど青木書記長の申しました八百円ばかり一人当りのべース・アツプは確かに可能でございまして、これに要する原資は、大体三百万円くらいでございます。従いまして一応一万四千二百円の裁定があり、かつ国会で議決されましたために二十八年度の残余の一—三月の平均ベースは、一応一万四千二百円にわれわれは義務づけられておるのでございますが、新公務員べースがこれを上まわつたのが出ておるという点、さらに常々われわれは一般公務員との給与の均衡をはかりますことが、同じ屋根の下で組合員と非組合員の執務しております現状におきまして、ぜひ必要であるというふうな見地から、一般公務員の新ベース程度のペースは、ぜひ組合員にもわれわれは確保いたしたいと考えておるわけでございまして、この希望は一月—三月の残余期間においては達成することは、原資的には比較的楽でございます。さらにそれ以上のものもなお可能であるというのが現状でございます。  ところがこういう状況でベース・アツプをわれわれが承認するということになりますと、問題は二十九年度におきましては一応現在国会で御審議になつております予算案の基本給のベースは、一万四千二百円の国会で議決されましたベースが基礎になつております、これに昇給の原資三百三十円を加えまして一万四千五百三十円が二十九年度の予算のベースでございます、この予算案通り予算と化したというときを考えてみますと、組合の要求しております現在のべースに対する八百円のアツプ、これは公務員のベースよりも一号程度高いベースでございますが、このベースを実施いたしますためには約八百万円ぐらいの原資的な赤が出る、不足になるということでございまして、われわれといたしますと公務員ベースを上まわるベースということについては、いろいろ問題もあると思いますが、できるならば公務員ベース程度のものは経営者側といたしましてもぜひ実施いたしたいと考えるのでございますが、財源的にただいま申しましたような難点もありますために、目下苦慮しておるというのが現状でございます、給与総額によつて大わくが縛られておりますために、給与総額内のやり繰りを極力いたしまして、欠員等も若干ございますので、そういうものも全部使うというふうなことで、少くとも一般公務員のベースというところまでは持つて行きたいと考えるのでございますが、目下財源を当りまして慎重に検討を重ねておるというのが現状でございます。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 林野庁の職員課長でございます。  林野庁におきます仲裁裁定の配合につきましての団体交渉は、二月の十日からただいままで継続いたしておるわけでございますが、非常に結論を得がたい実情にございます。組合の御要求といたしましては、全部の要求を総括いたしますと、一万四千三百円程度のベースになるような形におきます御要求でございますが、これを来年度の予算との関係で見ますと、二億数千万円程度の不足を生じます御要求でありますので、私どもといたしましても容易に妥結するというわけには参らない実情にあるわけでございます。  ただいま私の方の委員長から、その御要求の基本線の問題とは若干かわりまして、一般の公務員との関係におきます陳述がございましたので、問題をここに限定いたして申し上げますと、ここにおいでの各現業と林野庁の場合は若干ニユアンスを異にいたしておるわけであります。これは本年度の仲裁裁定というものが、ちよつとかわりました経緯をたどりまして一万三千三百五十円に到達いたします前に、第十六回国会におきまして中央調停委員会におきます調停案を中心にいたしまして一応給与の不合理是正という形で一段階経まして、それから十八国会で仲裁ベース、こういうふうな二段のステツプを経たわけでございます。前段の段階におきましては、職員の給与の不合理という点に重点が置かれました結果、職員内部におきますところの不合理を是正する、こういう考え方で原資の配分を行いました結果、結論的に仲裁裁定の一万三千三百五十円で、この仲裁の実施にからみまして俸給表をつくつてみますと、人事院の新俸給表を若干下まわる、こういう結果が出て参つたわけでございます。従つてベースの問題とは若干違うわけでございまして、俸給表として人事院の俸給表を下まわる、こういうところに問題点があるわけでございます。俸給表から下まわる額といたしまして、委員長は五百四十円という数字を出されましたが、この点は若干見解を異にいたしておりますわけでございまして、私どもの計算ではもつとわずかな額でございますが、ともかくも俸給表を下まわる。この点につきましては、林野庁におきましても、一般会計の職員も非常にございますし、また一般俸給表の制約を受けております人々もまざつておりますので、俸給表に較差がある、かつ組合員の俸給表が一般俸給表よりも下まわるという問題につきましては、問題だろうかと私ども考えておるわけでございますが、この点を調整するといたしましても、やはり来年度の予算というものは、先ほどどちらかの参考人の方から陳述がございました通り、一万三千三百五十円でぴつたり組んでございますので、簡単な問題であるようで、かつやはり予算的には一応の問題を含んでおるわけでございます。  林野庁の場合の特殊な形というものは、以上申し上げた通りであります。

柏原益太郎大蔵事務官(印刷局業務部長)

○柏原説明員 印刷局の場合を御説明いたしますと、先ほど組合の杉山参考人からお話がありました通りでございますが、問題といたしましては、印刷局は昨年の十七国会でございますか、これによりまして印刷局の給与に頭打ちその他の点において不合理があるので、その不合理を是正するために若干の予算をいただいたのでございますが、これに基きまして七月以降の頭打ち解消、その他の不合理を是正いたしたのでございます。その後今年の一月から一万三千五百円の給与水準をもつて、いかにこれを配分するかということにつきまして、いろいろ組合の方と折衝を重ねて来ておるのでございますが、いずれも同じことでございまして、一万三千五百円の給与水準に本年の一月一日現在の実際のベースからただちに切りかえます場合には、公務員の場合と比べまして非常にアップ率が少くなる、それでは困るからというような御要望が強いのでございます。この点が一番問題になつております点でございまして、当局といたしましても、与えられた予算によりまして、これをいかに合理的に使うかということにつきましては、いろいろ検討を加えて来ておるのでございますが、何としても予算の不足のために、いかんともしがたいという実情にあるのでございます。しかしながら、われわれといたしましては、同じ屋根の下で仕事をしている者が、非組合員であるから今回に限つてはベースのアツプ率が高く、組合員であるがゆえにアツプ率が少いということは非常にまずいことである、何とかこの辺の歩調を合せたいということで、せつかく努力を続けておるのでございます。  二十八年度におきましてはそういつた実情にあるのでございますが、さらにまた二十九年度の一箇年を通じて考えました場合に、組合の方といたしましての最後の要求として、公務員と同様にしてくれ、公務員並にしてくれという御要望があるのでございます。これにつきまして、予算的にどうなるかということを検討いたしますと、一人当りにつきまして五百円程度の不足を生ずる、年間を通じまして五千万円程度の予算不足になるという実情でございます。二十八年度の一月から三月までの間につきましては、欠員その他の関係もありますので、できるだけのことは考えて行きたいと思うのでございますが、二十九年度になりますと、今、国会に提出されております予算単価と比べまして相当な差額がございますので、これをこのまま二十九年度に引延ばすということが非常に困難であるというような実情でございます。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員長代理 それでは午後質疑を継続することとして、一時半まで休憩いたします。     午後零時十四分休憩      —————・—————     午後一時五十六分開議

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  なおこの際御相談いたしますが、先般の理事会の決定に基いて、仲裁裁定の実施をめぐる紛争問題について、大阪地方へ委員長及び委員が視察に参りたいと存じますから御了承を願います。  しばらく速記をとめてください。     〔速記中止〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 では速記を始めてください。  多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 仲裁裁定を実施したところが、一般公務員と均衡を失する状態になつた、こういうお話であります。われわれ国会議員といたしましても、どうも不明な点を非常に残念に思うわけですが、一体どこからこういう問題が起つたのか、その原因についてお尋ねいたしたいと思います。今全印刷の組合の方から、その点について言及がありました。すなわち人事院の勧告は給与表の勧告であつてベースの勧告ではない。一方仲裁の方はベースの勧告である、こういうところから出て来たのではなかろうか。すなわちもし八月に実施しておれば、こういう状態にはなかつたであろう、こういうことが言われたわけであります。なるほど考えてみますと、人事院の勧告は俸給表の勧告でありまして、もし仲裁を、八月現在においてその財源をもつて給与表をつくつて、そうしてその後実施しておるといたしますると、御説の通りかとも思うわけであります。今二十九年の一月になりまして、その財源で俸給表をつくろうとしておるところに問題があるのではなかろうか、かように考えるわけでありますが、原因を当局はどういうように考えられておるか、お尋ねいたしたいと思います。原因の違う点、どこからそういう問題が起つたかということを、ひとつお願いしたいのであります。

乙竹虔三通商産業事務官(軽工業局アルコール第一課長)

○乙竹説明員 俸給表の問題について、私実はよくお答えできないのでございますが、私たち推測いたしますのは、二つ問題があるんじやないかと思います。一つは、確かに実施時期の問題があると思います。と申しますのは、一万四千二百円の裁定ベースが、年度末にどういうふうになるかという問題でございまして、これが八月に一万四千二百円のベースが実施されますのと一月に実施されますのと、三月末の年度末ベースは違つて来るわけでございます。くどいようでございますが、八月に実施になりますと、八月と三月との中間——その間一定の昇給が行われておりますが、中間の時期が一万四千二百円になる。従つて三月末には八月と中間の十月との差額が加算されるということになるわけでございます。ところが一月に実施になりますと、役人の昇給時期は一月でございますので、一月以後昇給はないということになるわけでございまして、三月末も一万四千二百円ベースであるということになるわけであります。従いまして、翌年度の予算を組みます場合には、三月末の現実のベースというものを算定の基礎にいたしますために、そこに翌年度の給与総額において相当の差が出て来るというのが一つではないかと考えられるわけでございます。  もう一つの点は、私アルコールの方でございますから一万四千二百円と申しておりますが、裁定ベースの内容に若干差があるんじやないか、すなわち五現業の問において差があるんじやないかということでございます。つまり、実質的にアルコールについては一万四千二百円というものが新公務員ベースと若干差があるんじやないか、五現業間に若干差があるように考えられる点があるわけでございます。その二つの点から来るのではないかと考えております。第二の点につきましては私たちよく内容等わからぬ点があるのでございますが、仲裁委員会の方にでもお尋ねいただければ、おわかりになると思います。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 この問題は、いろいろ私どもの方としても検討をいたしてみたわけでございます。今回の仲裁裁定は、算出基礎を明白にいたしてはおりませんで、調停委員会の結論をおおむね妥当と思う、こういう考え方になつておりますので、算出の基礎としては一度中央調停の際に立ちもどつて考えてみる必要があろうかと思います。しからば、調停委員会ではどういう考え方をとつたかと申しますと、一応基準を二十七年の十一月の各現業の基本給、ここを押えたわけであります。押えまして各企業それぞれに一般と比較しまして、たとえば一号とかあるいは三号とかいう程度の是正を行いまして、しかる後に一律に一〇%をかけたわけであります。従いまして、二十七年の十一月一日の各企業のベースを中心にいたしまして仲裁裁定の結論としての上昇率を見ますと、各企業ごとにそれぞれ違うわけでございますが、その上昇率を考えます場合に、御承知の通り現在の公務員制度におきましては、昇給という要素がある。この昇給で、黙つていても一年間に四・五%から五%程度は上つて行くわけであります。そこで二十七年十一月一日にベースを置いた上昇率から、二十七年十一月以降本年一月に至るまでの間に四回の昇給期間があるわけであります。その四回の四%ないし五%を落しますと、人事院の上昇率との関係で、企業によりましては若干下まわる結果が出るのではなかろうか、かように考えられるわけであります。  ただ私の方は、冒頭に申しました通りちよつと事情が違うわけでございまして、ここは非常にむずかしい問題を含んでおるわけでございまして、私の方の上昇率は、今回の仲裁裁定においては各企業の中で比率としては高いわけであります。しかし高い比率が出ましたのは、十一月の現状において、ほかの企業と比べて非常に不利な立場にあるという要素をお認めになられたのだと思いますが、いずれにしろ結論としては上昇率は非常に高い。従いまして私どもの林野の場合におきましては、この昇給の四・五パーセントをキヤンセルいたしましても、私どもの計算ではベースとしては人事院のベースは割らない。しかし不合理と認められましたために、その認められた趣旨に従いまして不合理の是正をはかりました結果、俸給表の方の上昇ではなくして、個人々々の格付なりあるいはある地域に在住する職員の格付を上げました結果、俸給表の方としては下つてしまつた。御承知の通りベースは俸給表と個人の格付から算定されるわけでありますから、個人の格付の方を上げて参りますと、俸給表の方は下つて参ります。林野におきまして俸給表としては下つてしまうという原因は、私どもの考えますところでは、格付の方に原資の一部を割いたということに基因すると考えております。しかし、ここで是正は是正として別に考えてしかるべきではないかという議論が成り立つか成り立たないか、これは是正すべきものがあるから是正されたので、当然の問題であるという考え方も成り立たぬわけではございませんが、仲裁裁定は、調停委員会の調停とは独自な立場で一万三千三百五十円、こうきめておりますので、この辺のところは、一万三千三百五十円で予算が組まれますと、是正したあとの現員現給をもとにいたします限りは、俸給表は人事院の俸給表を若干下まわる、こういう形になるわけでございます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 向井課長、今多賀谷委員から、アンバランスはどうしてできたんだという原因について説明してもらいたいという希望があつたので、一応説明してもらいたいと思います。

向井正文大蔵事務官(印刷局局長官房職員課長)

○向井説明員 簡単に御説明申し上げます。大体けさ私どもの方の業務部長から御説明を申し上げた通りでございますが、少し技術的にこまかい点を補足して申し上げますと、問題は二つあるかと思います。  一つは、昨年の七月以降、頭打ちなどによる不合理の是正を行つたということが一つであります。つまり、これを行いました当時の状態におきましては、調停案の趣旨によりまして不合理と認めて行つた、こういうことであります。その後仲裁裁定が出ましたときには、不合理の是正ということは、一応要素としては取上げられておりません。そのために裁定をいざ実行しようということになりますと、ベース・アツプの残された財源が非常に乏しくなつておるというのが一つ。  それからいま一つは、一般公務員の方は、御存じのように毎期定期昇給をやりまして、一月一日の定期昇給後の姿を基礎にして俸給表による切りかえを行う、こういうことになります。従いまして、それと同じような考えを公労法の方の職員にも持つて行きますと、毎期の定期昇給をずつと見込みまして、その上に一定のアツプを行うというふうな考え方をとりますればバランスすると思うのでありますが、裁定の方は、御存じのように昭和二十八年のベース幾ら、こういうふうになつておりますから、裁定の実施時期がずれればずれるだけ、その間に定期昇給を裏ますと、いよいよ新賃金とそれまでの賃金との差が詰まつて来る、こういう二つの要素があると思います。この要素が重なりました結果、とうてい公務員と同じような切りかえができない、こういうようになつたと考えております。  これは頭打ち是正の問題が現業に非常に多いということで認められた趣旨でございますから、今公務員とのバランスを云々するということになりますと、これも頭打ち是正の方も落して考えなければならぬということになるかと思いますが、これを落しましても、なおかつ公務員と同じような切りかえができませんのは、やはり公務員の方と同じような定期昇給をやつておりますので、だんだん裁定の実施が遅れるに従つて新ベースとの差が詰まつて来るというところから切りかえができない、こういうことになると思います。数字的に申し上げますと、頭打ち是正の方を実行いたしませんでも、けさほど説明のありましたように、公務員並の切りかえをするためには五百円足りません。さらに不合理是正なるものを妥当なものと考えまして、この要素をさらに織り込むということになりますれば、大体六百四十円くらい不足するということになると思います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 今承りまして、大体わかつたような気持がするわけですが、第一点は、調停案のままの金額の裁定を仲裁裁定が下した、こういう点。すなわちこの是正の分が調停案にはあつたが、仲裁の方はそれに何ら触れずしてその金額をそのまま持つて来た、ここに第一の問題がある。第二の問題は、公務員の方は定期昇給をしておる、こういう話ですが、これは両方とも定期昇給をしておるので、問題は公務員の方は定期昇給をしても俸給表はそのまま実施されるし、公労法の方は定期昇給をしておればいよいよ一月にベースを組む場合にそれだけ財源的に損をする、こういうことではないかと思うわけですが、しかしとにかくこれによつて不均衡が起きたことは事実である。  そこで、私は当局側にお尋ねいたしますが、予算を要求する場合、ことに二十九年度の予算を要求されます場合に、どのくらいの昇給分を要求されたか、すなわちベースはおのおのきまつておりますけれども、このベース通り各年度において実施される、こういう制度であれば、これはまた話は別であると思う。しかし昇給分を常に含むんだ、さらに加算するんだ、こういうことになりますれば、当局としては、なぜこの二十九年度の予算要求の場合に、今問題になつております一般公務員並の状態にして要求されなかつたか、この点をお尋ねいたしたいと思うわけです。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 各現業とも同じ状態にございますから、林野庁からかわつて申し上げます。仲裁裁定書は、私の方の例で申しますと八月以降月額平均一万三千三百五十円になつております。これは各企業で違いますが、八月以降平均月額を幾らとする、こういうふうにだけ出ておるわけでございますので、いろいろ議論の出るところではございますが、一月から施行ということになりましたために、結局一月以降平均月額が一万三千三百五十円になるわけであります。そういたしますと、二十九年度に入りますれば、スタートは仲裁裁定に出ました平均金額でスタートするわけでございます。これに対しまして、現在では昇給なり昇格という制度があるわけでございますので、それに対する原資がいるということで、私ども企業それぞれの要求といたしましては、過去の実績にかんがみまして——企業ごとそれぞれ違いますが、大体四%から五%いる、こういうふうに予算要求としてはいたしたわけであります。決定いたしましたのは、各企業一率に二・五%で決定いたしました。ただ問題は、給与法はわれわれ適用ございませんのですが、給与法におきまする昇格なり昇給は、予算の範囲内でできるという規定になつておるわけであります。ただ実行上は、これを多くの企業におきましてはフルに、ことに昇給は大体フルにやつておつたわけであります。しかし予算の範囲内でできるということでありますので、それを理由にされたわけではございませんが、結論といたしましては二・五%になつております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 四%から五%を要求したけれども、二・五%で決定された。しかし、支給の方は給与総額の範囲内でできる。こういうことであるから、たとえば、欠員を生じておるとか、その他財源があれば、これに充てることができる、こういう意味と了承してよろしゆうございますか。  では続いてお尋ねいたしたいと思うのですが、一月から施行するということであるので、たとえば林野においては、一万三千三百五十円というのを一月におしてこれを組まんとした、こういうことで、人事院の場合とこの点が非常に異なると思うのです。そこで当局としては、こういう問題はあらかじめわかつておつただろうと思うのですが、あなたの方は一般公務員並にしたいという気持があるにもかかわらず、なぜこれを放置されておつたか、お尋ねいたしたい思いいます。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 一月から三月の平均月額を一万三千三百五十円にすべしという仲裁裁定でございますので、これを放置するとかなんとかいう問題は、実は私どもの手に負えない問題でございます。政府として一万三千三百五十円を一月から実行する、こういうふうに決定を見たわけでございまして、ただいまの段階におきましては、その配分をわれわれとしては団交しておる、こういう実態にあるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 では、当局としては、大蔵省の方に、二十九年度はどうしても一般公務員と均衡を失する給与状態になるので、何とか原資の方を考えてもらいたい、こういうような交渉はなされなかつたのか、これをお尋ねいたしたいと思います。

乙竹虔三通商産業事務官(軽工業局アルコール第一課長)

○乙竹説明員 アルコールの方でお答えいたします。各現業とも、事情は違うと思うのでございますが、実は公務員ベースの出ましたのが相当遅れたという点があるわけでありまして、裁定ベースを公務員ベースに引直すということは、実は相当時間がとれることなのでございます。現在おります人の具体的な人間を洗いまして、各級の改訂をやつてみなければわからない。一例をあげてみますと、アルコールにおきましては一万四千二百円が裁定ベースでございます。ところが公務員ベースは一万五千四百八十三円でございます。ちよつと見ますとこの問に千二百八十三円の差があるというふうに考えられるのでございますが、私けさほど申し上げましたように、年齢構成とか勤続年数とが、その他いろいろ給与を決定しております諸要素によつてこれを調整し、修正いたさなければならない。そういたしますと、私たちの方では、公務員ベースを私たちの現実の人に当てはめてみますと一万四千五百十五円になる、でございますから、名目的には千二百八十三円の差があるのでございますが、現実的には三百十五円差がある、こういうことが判明いたしましたのが、実は相当おそくなつてからである。これは実は率直に申し上げる点であります。実はわかりましてから、急遽大蔵省にいろいろ交渉いたしたのでございますが、来年度の予算の基礎になる給与ベースは、裁定ベースを基礎にするのだということが一応の方針であるという、ふうに伺つておりますので、手持ちの財源で何とかお前の方でやり繰りをせいというような話にきまつておる次第でございます。これは各現業とも違うようでございまして、すなわち実質的な公務員ベースをとります場合に、足りない額が私どもの方では三百十五円でございます。郵政のようなところでは、むしろ余るというような実情もあるわけでございます。各現業とも、実情は違うようでございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 四現業だけお見えになつておるのですが、もう一つの郵政の方は見えていませんか。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 多賀谷君、御質疑中でありますが、ただいま本委員会が待つておりました造幣局の江口総務課長がお見えになりましたから、どうぞ。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 造幣局が見えたそうですから、造幣局の分についてお尋ねいたしたいのですが、造幣局の今度の給与のアンバランスになつた原因は、どこにあるか。この点について、当局ではどういうように御判断になつておるか、お尋ねいたしたいと思います。

江口健司大蔵事務官(造幣局東京支局総務課長)

○江口説明員 昨年仲裁委員会の裁定が出ましたころ、もちろん人事院の勧告は出ておつたわけでございますが、当時仲裁委員会で、われわれと組合の方が話を進めておりました時期におきましては、まだ人事院勧告がいつからどういうかつこうで実施されるかということがはつきりきまつておりませんでしたので、われわれとしましても、もし調停委員会で出されました一万四千四百五十円のベースが、そのまま仲裁委員会で取上げられたとしましても、公務員ベースとの関係でどういう開きが出るかという判断はできなかつた事情にあつたわけであります。従いまして、仲裁案が出ました結果、また公務員ベースが一月から施行するということが確定いたしました場合でも、ギヤツプが出た問題について、われわれはいかんともすることができなかつた。また当時は判断の状況に立ち至つておらなかつたという事情でございますので、結果的には、確かに公務員ベースよりも、公労法適用職員のべースの方が低いような予算の内容になつておりますが、その問題については、検討する余地がなかつたということより言えない実情でございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 郵政関係の方はどうして実施ができたのか、わかりましたら、当局の方にお尋ねいたしたいと思います。

江口健司大蔵事務官(造幣局東京支局総務課長)

○江口説明員 ほかの予算関係のやりくりを私存じませんから、何とも申し上げかねます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 当局としては、一応二十九年度の給与を実施します場合に、二十八年度において実施が可能であれば、一応一般公務員並に二十九年度の予算を食いながら進み、そうして補正予算を出す、こういう気持はないかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

江口健司大蔵事務官(造幣局東京支局総務課長)

○江口説明員 まだ予算案が今国会において衆議院を通過したばかりでございますし、その前の予算折衝の段階におきましても、組合から公務員ベースとのギヤツプをどうしてくれというような事態も、まだ出ておらない状況でありましたので、補正予算の問題をさらに二十九年度の新たな問題として現段階から考えて行くという気持はございません。しかし、もし許すならば、公務員ベースと公労法適用職員ベースとのギヤツプは、なるべく少くして行くように努力してみたい、こういうふうに考えております。但し、二十九年度の予算の問題につきましては、行政整理の関係がございますので、これの人員関係で欠員をどうするかとか、あるいは休職者給与をどうするかとかいうようないろいろなこまかい要素もございますので、計数が整理できない関係上、二十九年度予算の問題とからみ合せて、現在の二十八年度の一—三月のベースを今決定的にきめてしまうということは困難な事情にございますが、いずれその見通しをつけた上で、なるべくギヤツプを少くして行きたい、こういうふうな考え方を持つております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 組合側にお尋ねいたしたいと思うのです。この問題は、組合にとつてきわめて重大な問題であろうと思うのです。単に金額が少いということではなくて、一般職員の非組合員と組合員とに非常に差がついておる、そこで、公労法によりましてオープン・シヨツプ制を強制しておる。でありますから、脱退、加入は自由であります。そういたしますと、せつかく組合費を払つて、しかも非組合員よりも悪くなる、こういつたような状態になりますと、組合組織の運営上重大な影響があると思うのですが、組合の方ではどういうようにお考えであるか、お尋ねいたしたいと思います。

青木金治郎アルコール専売労働組合書記長

○青木参考人 先ほど私の陳述の中にも若干触れておりましたように、もうすでに現実の問題として下部でわき上つて来ておるような状況であります。御承知の通り、同じ部屋の中に同じように仕事をいたして、その仕事の内容から、お前は非組合員だ、お前は組合員だというふうに規定されておりますのですけれども、従来同じかまの飯を食つて来ていることでございますので、常々こういつた感情の問題ということは、われわれもないように気をつけておるわけであります。しかしながら、あくまで人事管理が、片一方は人事院の方で行われておる。片一方は団体交渉、それから調停段階、仲裁段階で行われておる関係もございますので、どうしてもギヤツプが出がちになるわけでございます。このような場合に、こういう三百円もの開きがついて、しかも解決のめどがないといつたような場合は、まず当局側に憤懣が行くということは当然でございますけれども、やはり組合の組織の問題に、往往にオープン・シヨツプをとつておる以上、出て来るわけであります。かといつて、明年度予算編成にわれわれはタツチできる筋合いではありません。現在の公労法の趣旨といたしまして経営参加が許されておりませんので、予算編成がどういうふうに行われているかというふうなことも察知し得ない状況でございます。国会に政府側から提案されて、初めてこういう組み方がされているということで騒ぎ始めることになるわけであります。この点執行部といたしまして非常にやりにくいことは事実でございます。現実の問題として、アルコール専売の場合、すでに下部から毎日のように電報が参つて、妥結を急いでおります。また組合員が非組合員よりも低いといつたような場合の組合の感情が非常な事態に陥るということは、今からでも容易に断言し得るような状況でございます。このような模様でございますので、どうかひとつ一般職をもととしたものを持つて来ていただいて、団体交渉に臨んでいただくということを、この際特に当局側にお願いいたしたいと思うわけでございます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 参考人にお願いいたしたいのでありますが、安井政務次官も御出席になりましたので、ひとつどなたか一人代表して、ごく簡潔に問題点を述べていただきたいと思います。あと詳細な点は、いろいろまた政府と折衝いたしますから、どなたか……。

青木金治郎アルコール専売労働組合書記長

○青木参考人 では私、四現業の実態を総合いたしまして、先ほど陳述いたしました分を総合して御説明申し上げます。  御承知の通り、われわれ四現業の給与につきましては、昨年秋仲裁委員会から仲裁裁定としておのおの提示されたわけでございまして、これが裁定は八月からという内容になつておりましたけれども、政府の予算上資金上という御都合もあり、一月実施ということになつたわけでございます。その当時、国会の御審議を願つている際には、また一般職の方の給与の関係をどうするということはございませんでしたので、ただいま当局側からも御説明がありましたように、その当時におきましては、比較し得ない状況にあつたわけでございます。  ところが、予算の編成も行われ、団体交渉でこの配分の問題に立ち至りましたところ、一般職の方は俸給表で組まれておつたために、若干時期がずれましてもその間各人昇給はいたしておつたのでございます。ところが裁定の方は、御承知の通りベースで頭を押えられている関係上、昇給の時期を一回過ぎれば、実質の俸給表がそれだけ低下するわけでございます、これが二回の昇給をロスいたしました関係上、実質の俸給表は相当落ちた。一月現在で比べますと、すでにアルコールの場合は三百円、印刷の場合は六百円という開きがあることになつたわけでございます。これが大体四現業共通いたしました現在の紛争の問題でございます。問題は、二十八年度におきましては、大蔵省の補正によりまして、相当一般よりも上まわつた金額があるわけでございます。だから二十八年度については、いずれも一応問題はないような模様でございますが、二十九年度が裁定の金額に一・〇二五の昇給原資をかけたということになつておりますのでこの一・〇二五という数字自体も、非常に辛い数字でございまして、大体ならば四%ないし五%ということでございます。そういうことで、この分も足らない。まして裁定額の方は一般よりも下まわつているということで、明年度の予算におきまして全然見通しがないために、団体交渉が暗礁に乗り上げている状況でございます。  四現業の組合側の希昭といたしましては、予算の都合もございますので、一番望む方法は、修正をしていただいて何とかやつていただきたいと思うのでございますが、それがどうしても不可能だということであれば、給与総額内の操作なり、あるいは項目等の流用なりで適宜の措置をやつていただけたらと希望いたしておるような状況でございます。  大体これが四現業に起きております、きよう調査いただいております給与配分についての状況でございます。

持永義夫自由党

○持永委員 ちよつと政府側に御質問申し上げたいと思います。一般公務員と現業の従業員との間の給与の均衡を失しておるということは、大体先ほどの説明でわかつたのでありますが、そのギヤツプを予算を修正することなしにある程度是正し得るかどうか。今ギヤツプを是正するようなことを言つておられましたが、予算をいじらずにできるかどうか。ただいまお話のありましたように、総額の範囲内において項目の流用とかなんとかによつてする方法があるかどうか、その点をひとつお聞きしておきたい。

安井謙自由党労働政務次官

○安井政府委員 実は午前中の当委員会で、そういつた現業関係と公務員のベースに差があるというようなお話がありましたことを聞きまして、今事務当局にいろいろと調査をやらせておる次第でありますが、どういう原因でそれが起りましたのか、あるいはどういつた程度の金額に影響しますか、まだ今のところちよつと判然といたしておりません。給与総額は御存じの通りにかなり切り詰めた形で織り込まれているだろうと思いますので、はたして予算に影響なしにやり得るかどうか、あるいはどの程度に影響がございますか、調査中で、今はつきりしたお答えはできない次第でございます。

持永義夫自由党

○持永委員 われわれも、予算を修正することなくして、一般公務員とのギヤツプをできるだけ狭められるということにつきましては、同感でありますが、それをやるには、どうしても予算をいじる必要があるということになりますと、これは重大な問題になると思うのです。だから、これは事務的に御列席の方々から一々御説明を願うこともできませんが、そういう余地があるかどうか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

乙竹虔三通商産業事務官(軽工業局アルコール第一課長)

○乙竹説明員 これは各現業みな事情が違うと思いますが、方法といたしますと御承知のように給与総額で相当きびしく縛られているわけでございますので、給与総額内で事実上職員に帰属するような何らかの措置を考えるということは、非常に困難でございます。業績賞与というような別な処理がございます。これは確かに職員に還元できるものでございますので、これの活用をはかるのも一つの方法かと存ずる次第でございますが、これはそれぞれの企業の成績と、各企業におけるそれぞれの従業員の成績に関連する問題だろうと思いますので、給与総額内でやりくりをつけるということになりますと——給与総額は職員基本給、それから職員の諸手当、職員の特別手当、超過勤務手当、それからあとは休職者給与、こういう目で成り立つているわけでございます。この目の間でやりくりをすることになるわけでございまして、問題は基本給のベースの問題でございますが、ベースが足らないということになりますと、他の諸手当、超過勤務手当というような手当から持つて来なければならぬ。もつとも、もう一つ考えられる財源としては欠員がございますが、欠員も、各現業とも行政整理のためにやりくりが非常に苦しくなつている状況でございますので、手当を削らなければならぬという問題が起きて来るわけでございます。この点手当が十分にあればいいわけでございます。この辺のやりくりになりますと、相当苦しいということになるわけでございます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際お諮りいたします。昭和二十八年度五現業に関する仲裁裁定実施問題について、次のごとき決議をいたしたいと存じます。  まず案文を読み上げます。   昭和二十八年度五現業に関する仲裁裁定実施の結果、その給与水準が一般国家公務員との均衡を失しているので、これが正常なる均衡をはかるべく暫処方を要望する。   右決議する。  これを労働委員会の決議にしたいと存じますが、御意見はございませんか。

持永義夫自由党

○持永委員 私はこの決議案文に対しまして、根本的に反対ではございません。しかし内容についてはつきりしてから、賛否を表明したいと思います。  第一は、すでに予算は衆議院の議決を見まして、今参議院に入つておりますから、その決議案の趣旨が衆議院を通過した特別会計等の予算を修正増額して、政府に善処方を要望されるのか、あるいは予算の範囲内において、先ほど質問いたしましたように款項その他をいじつて、適当な措置を講じて、予算の範囲内において善処方を要望されるのか、その点をはつきりしておいていただきたい。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは私から皆さんにひとつお諮りしたいと存じます。  ただいま自由党側の持永委員から、本決議案については、その趣旨には賛成であるけれども、要するに原資の問題あるいは予算に関連する問題である。その点についての研究調査等がまだ不十分であると思うので、これを明確にした後において本決議案の採決をやつたらどうかという御意見がございます。私もそれはもつともな御意見だと思いますので、せつかく委員長提案いたしまして、実は理事会の決定を得たわけでありますけれども、やはり政府を持つておられます与党といたしましては、立場もありましようから、この際本決議案の委員会決定はこれを次回の委員会にでも延ばしまして、その間政府においては十分この問題について善処をするようにしていただきたい、かように思うのでございますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それではさよう決定いたします。  この際安井政務次官の御意見を承りたいと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○安井政府委員 先ほどちよつと申し上げましたが、現業関係者の給与ベースのアツプこつきまして、一般公務員と不均衡があるという御指摘が、当労働委員会でありましたことにつきまして、当方といたしましても十分調査をいたし、その原因あるいはその具体的な実情等を取調べました上で、これが善後措置について考慮いたしたいと考えております。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 重ねて希望しておきますが、賃金の均衡補正という問題は、たとえば標準賃金制のごとく、政府みずからが今日まで強調され、裁定の上にもそれが大きな影響を及ぼしているのでございます。せつかく実施をされました裁定が、かくのごとく国家公務員との不均衡性を明確にしているのでございますから、この点につきましては、ひとつ政府におかれましては、全努力を傾けて善処していただくように、委員長といたしまして強く希望しておきます。  黒澤幸一君。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 林野庁関係につきまして安井政務次官、妹尾参考人にお尋ねしたいと思うのでありますが、御承知のように、林野庁の職員におきましては、常用出来高給の労務職員、期間労務職員、また日雇い労務職員、これら公労法の適用を受けない職員労務者が約十万からあるのであります。もちろん公労法の適用を受けないのでありますから、仲裁裁定も適用を受けないことになるのでありますけれども、しかしこれらの職員に対しましても、仲裁裁定の線に沿うてベース・アツプをされることが妥当ではないか、そういうふうにわれわれは考えますが、当局におかれましては、この点に対してどういうようにお考えになつておるか、またどういう御処置をとられておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 現行公労法におきましては、林野庁に勤務いたしますところの職員は、一日限り雇われた者でも、公労法の適用を受けております。従いまして、公労法上は、この職員は全部公労法の適用を受けておるわけでありまして、仲裁裁定に関しましても、これらの職員に対する仲裁裁定が出ておるわけでございます。われわれはその仲裁裁定を中心にいたしまして、ただいま団交をしておるところでございます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ちよつと、参考人の方から御意見があるようであります。妹尾参考人。

妹尾敏雄全林野労働組合中央執行委員長

○妹尾参考人 林野庁の妹尾でありますが、先ほどの御指摘の通り、われわれといたしましては、この仲裁裁定の結論に基きまして、当然その裁定分が実施せらるべきである、かように考えております。と申しますのは、なるほど定員外職員におきましても、定員内職員の不均衡の是正と前後いたしまして、ある程度の賃金引上げがされたのでありますが、先の国会におきまして定員内職員のいわゆる不均衡是正に関連いたしまして、われわれはこの三項の配分について、定員内職員に対する要求とともに、定員外職員の賃金引上げの件を要求いたしました際の回答といたしまして「常用出来高、期間及び日雇労務職員については、既に繰返し申述べている如く、前各号の措置と切り離し」——要するに、この定員内職員の三項の問題と切り離して「別個の問題として現予算等の範囲内において可能な限り現行賃金制度中不合理を是正致したいと考えている。」このような考え方のもとに考えられた問題であり、一応仲裁裁定とは切り離して考えらるべきである、このような観点に立つて団交を進めておるわけであります。そのような状況から申しましても、このような当局の考え方というものは、きわめて妥当を欠くものというように考えております。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 ただいま説明のようなことであるならば、われわれはまことにけつこうであると思うのであります。その点は私の考え違いであつたのかもしれませんけれども、今丹羽説明員からこれらの労務職員の十万の人たちが公労法の適用を受けるというはつきりしたお答えが得られたのでありますが、それなら当然仲裁裁定の履行をすべきであるにかかわらず、今参考人のお話を伺いますと、そこに区別をつける。どうしてそういうわけ方をするのであるか、われわれは了解に苦しむのでありますが、もう一度はつきりした御答弁を願いたいと思います。

丹羽喬四郎自由党

○丹羽説明員 仲裁裁定の本文の第五項に、先ほど御指摘の通り、常用出来高あるいは期間労務者、日雇い労務者というようなものが国有林野の方にあるわけでありますが、それらの者の賃金は「八月以降平均一割程度引上げる。その配分は、理由に示す趣旨に従い、両当事者の団体交渉によつて決める。」かように書いてあるわけであります。従いまして、私どもは七月末の賃金の一割程度の引上げを実行するということを提案いたしておるわけであります。これに対しますただいまの紛争点は、私どもは八月以降一部賃上げをしたわけでございますが、一月一日におきます賃金水準を一割上げてもらいたいという組合側の要求であるわけであります。仲裁裁定の実施後、時期によりまして仲裁裁定主文の結論がかわるということはあり得ないということを、私どもるる申しておるわけでございます。その点がただいま団体交渉上の見解の相違として問題になつてはおりますが、私どもは仲裁裁定に書かれましたことを履行をしないというような気持は、毛頭ございません。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 どうですか、次の委員会に、なお今の林野庁の妹尾参考人にも来ていただき、長官なり責任者の諸君にも来てもらいまして、さらに論議してみたらどうかと思うのでございますが、さしあたつての問題は、本日は決議には至りませんでしたけれども、趣旨には全員御賛成だということでございまして、政府の答弁でも、これが予算修正になるか、あるいはそうでなくて他の方法によるかは別といたしまして、何とか善処するよう努力したいという御答弁がございましたので、政府の善処方を強く希望して、その具体案を次の委員会に提示してもらつて、そうしてさらに審議して行くというふうにしたいと思いますが、いかがでございますか。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 私いまだ了解はできないのでありまして、この点については、なおいろいろ御質問申し上げたいと思うのでございますけれども、今委員長からの御提案もありましたので、この問題に対する質疑は保留いたしまして、委員長の御提案に賛成いたします。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それではさよう決定いたします。  本日御出席の参考人各位には、御足労ながら次回の委員会にも御出席願いたいと存じますから、御了承願います。  次会は公報をもつてお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時八分散会

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