予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/25
会議録
○庄司主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 この際ごあいさつを簡単に即し上げます。不肖私、本分科会の主査の職を勤めることに相なりましたので、何分よろしく御協力をお願い申し上げます。 本分科会は、昭和二十九年度一般会計予算中文部省、厚生省及び労働省所管並びに昭和二十九年度特別会計予算中厚生省及び労働省所管の審査に当ることになつておりまするが、都合上、まず文部省所管の審査の後厚生省、労働省所管に進みたいと思います。以上御了承をお願い申し上げます。 それではまず昭和二十九年度一般会計予算中文部省所管を議題とし、福井政務次官より御説明を求めます。福井政務次官。
○福井(勇)政府委員 それでは昭和二十九年度文部省所管の予算の大要につきまして御説明申し上げます。 昭和二十九年度文部省所管の予算額は、千百八十三億二千四百四十四万四千円でありまして、これを前年度予算額千六十一億九千五百四十二万二千円に比較いたしますれば、百二十一億三千九百二万二千円を増額いたしております。なお文部省予算額を一般会計総予算額に比較いたしますと、その比率は前年度一0%強が一二%となつております。 次に昭和二十九年度予算額のうち、重要な事項について申し述べたいと存じます。 第一は義務教育費国庫負担金に必要な経費であります。義務教育の機会均等と、その水準の維持向上をはかるため、義務教育費国庫負担制度を確立し、公立義務教育諸学校の教職員給与費の実支出額の二分の一、及び教材費の一部を負担するため必要な経費でありまして、給与費として、六百八十六億円、教材費として十四億円を計上したのであります。なお本年度は地方税制の改正等によつて、地方財源の偏在もある程度是正される点も考慮し、この際義務教育費国庫負担法の趣旨を尊重し、負担金も特例を設けることなく、全都道府県に交付することといたしたのであります。 第二は文教施設整備に必要な経費であります。国立文教施設につきましては、戦災を受けました国立学校その他の建物の復旧と、新学制の実施に伴う教室、研究室等の建物を整備いたしますのと、新に原子核研究所の創設に必要な建物を新営するための経費十九億三千七百十万円を計上し、公立文教施設につきましては、義務教育年限延長に伴う公立中学校一般校舎の整備基準を従来の生徒一人当り〇、七坪から一、〇八坪に引上げ、公立小学校の不正常授業を解消し、積雪、寒冷、湿潤地域における中学校の屋内体育館を設け、小中学校の一定範囲の危険校舎について、その改築を促進し、戦災を受けた公立諸学校の建物の復旧を継続する等に必要な経費五十一億三千七百四十一万八千円を計上いたしましたが、このほか昭和二十八年度の六月ないし九月の風水害によつて損害を受けました国立、公立文教施設の災害復旧に必要な経費十一億二千五百五十八万二千円をそれぞれ計上したのであります。 第三は育英事業の拡充に必要な経費であります。優秀な学生、生徒で、経済的理由により修学困難なものに学資を貸与する事業を行つている日本育英会に対して、奨学資金を貸しつけるとともに、その事務費の補助に必要な経費三十八億八千百二十万五千円を計上したのであります。なお貸付金のうち、大学院学生については、従来月額四千円を六千円に引上げ、新たに月額一万円の特別の奨学制度を確立したのであります。 第四は産業教育の振興に必要な経費であります。産業教育振興法に基き、経済自立に貢献する有為な国民を育成するため、産業教育の振興をはかるため必要な経費八億九千九百四十九万三千円を計上したのであります。なお本年度は高等学校の施設費補助二億三千二百万円が新規に計上されたのであります。 第五は勤労青年教育の振興に必要な経費であります。さきに成立いたしました青年学級振興法及び高等学校の定時制教育及び通信教育振興法に基き、義務教育終了後、上級学校に進学し得ない勤労青少年に対し、教育の機会を与えるため、青年学級運営費の一部を地方公共団体に補助するに必要な経費六千六百万円と、定時制高等学校の設備充実及び通信教育の運営費の一部をその設置者に補助するため必要な経費一億三百三十四万三千円を計上したのであります。 第六は理科教育等の振興に必要な経費であります。第十六国会において成立した理科教育振興法及び学校図書館法に基き、新たに理科教育用設備に必要な経費四億三十二万九千円を、学校図書館用の図書購入に必要な経費二億七千三万八千円をそれぞれ地方公共団体に補助することにいたしたのであります。 第七は学術の振興に必要な経費であります。人文、自然両科学部門におきまして不断に基礎的応用的研究をつちかうため、研究者に重点的に交付又は補助するため必要な経費八億八千五百万円を、民間学術研究機関等に対する補助に必要な経費七千九百五十万円を、国立大学等の有為な教官、または研究員を海外に派遣留学させるための経費六千万円を、また学術情報事業の拡充に必要な経費三百五十九万六千円をそれぞれ科学振興費の項に計上したのであります。 第八は私立学校の助成に必要な経費であります。私立学校教職員共済組合法に基き、私立学校教職員の相互扶助とその福利厚生をはかるため新たに私立学校教職員共済組合をつくり、その給付費の一部及び事務費の全額を補助するため必要な経費二千八百七十七万三千円を、私立学校振興会に対し、私立学校の施設、設備を応急最低基準まで引上げるに要する資金の一部を政府出資金として五億円を、前年度に発生しました風水害によつて損害を受けました私立学校の建物その他の復旧費等の一部をその設置者に補助するため必要な経費二千七百三十万円をそれぞれ私立学校助成費の項に計上したのであります。 第九は文化財保存事業に必要な経費であります。文化財保存事業は終戦後逐年、その成果を上げてきておりますが、本年度も前年度に引続き国宝重要文化財の保存修理に重点を置きまして、その充実をはかるため必要な経費四億四千百五十九万五千円を、文化財保存事業費の項に計上したのであります。 第十は国立学校運営に必要な経費であります。国立大学七十二、国立高等学校八、大学附置研究所五十五、大学附属病院十九を維持管理いたしますのと、新たに大阪学芸大学に夜間の課程を、愛媛大学に県立農科大学を合併して農学部を、神戸大学の文理学部を分離独立して文学部及び理学部を設置し、また山形大学、埼玉大学、和歌山大学、岡山大学及び徳島大学にそれぞれ夜間短期大学を、さらに東京大学に原子核研究所を創設する等の措置を講じますため必要な経費三百三億八百八十六万千円のうち、二百二十五億三千二百四十六万八千円を国立学校の項に、五十八億千三百八十四万二千円を大学付属病院の項に、十九億六千二百五十五万千円を大学附置研究所の項に計上したのであります。このほか義務教育教員の資質向上、特殊教育の振興、僻地教育の振興、社会教育の振興、学校給食の助成、留日外国人学生の招聘、幼稚園教育の振興、その他文部行政及び学術振興上、緊急欠くべからざる諸般の施策を講ずるため必要な経費をそれぞれ計上したのであります。 以上は文部省所管に属する昭和二十九年度の予算の大要につきまして御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上御賛成あらんことを希望いたします。
○庄司主査 次に、ただいまの御説明を補足していただきまして、内藤会計課長より詳細にわたる御説明を聴取したいと思います。内藤会計課長。
○内藤政府委員 それではお手元に配付いたしました文部省所管、昭和二十九年度予定経費要求額重要事項別表につきまして具体的に御説明を申し上げたいと思います。 第一の義務教育費国庫負担制度の実施、これは前年度予算額五百九十四億三千万が七百億になつておりまして、約百億の増になつておりますが、これはこのうち給与費が六百八十六億で、教材費の負担金が十四億になつておるのであります。この給与費につきましては、義務教育費国庫負担法の実施に伴いまして、教員の実支出額の二分の一を負担する建前になつておりますので、これに要する経費でございます。法律の建前が実支出額の二分の一になつておりますので、それを算定いたします場合に、昭和二十八年度の現員現給を基礎にして昇給分を見込み、さらに昭和二十九年度は小中学校合せて約百万人の生徒が増加いたしますので、それに伴う分として約二万人の増員を見込んでおるのであります。これは増加すべき学級数を推定いたしまして、それに小学校では六学級について七人、中学校では六学級について九人、こういう算定基準を用いまして、約二万人の増加を見込んだのであります。その関係で義務教育費の国庫負担額がふえたのであります。もう一つは、前年度予算額では十二月以降は富裕府県につきまして打切りになつておりますので、この額が約二十八億であります。これを二十九年度は地方と国との財政調整を行う見地から特例法を出さないという見解に立ちまして、六百八十六億が計算されたのであります。次に教材費の負担金が、前年度十九億が十四億に減額されております。五億の減額がございますが、教材費は御承知の通り理科の設備とか、あるいは学校の図書その他の教材でございまして、前国会におきまして理科教育振興法及び学校図書館振興法の成立を見ましたので、教材費の中で最も大きな地位を占めております。理科の設備と学校図書館の図書の費用がこの中から抜けたわけであります。そして新たに理科教育振興法の関係で四億、学校図書館振興法の関係で一億七千万円が計上されておりますので、合せて約七億程度のものがここに教材費関係でふえておるわけです。ですからこちらの方で五億減つた、こういうことでございます。 次の文教施設の整備でございますが、これは十二億七千二百万円と非常に大きな削減を受けておるのでありますが、文教施設の公共事業費につきましては、一般に二割を削減するという方針もございましたが、このうち国立学校の文教整備につきましては、国立学校の整備が遅々として進まない現状にかんがみまして、特に前年同様の額を計上されておるのであります。この十九億三千七百万の額の中には、東京大学の原子核研究所創設費として八千九百万円が計上されておるのであります。それから次の公立文教施設の整備で、六十億が五十一億と、約九億の減額になつております。このうち一番大きいのは老朽校舎の改築の関係でございます。老朽校舎は国会修正を受けまして当初十二億が二十二億に増額されたのですが、二十九年度は十四億ということに相なつておるのであります。この老朽校合が減額されましたのははなはだ遺憾でありますが、考え方といたしましては二十八年度の国庫補助額の二十三億、同時に起債が七十五億、約百億程度のものが二十八年度に支出されておりますので、ある程度老朽校舎の改築が促進されたという想定のもとに、今後改築すべき老朽校舎の半分は単独事業で行く、残りの半分は補助がいるというふうに考えまして、三年計画で老朽校舎の改築を行うという考え方のもとに、この額が十四億となつたのであります。その反面に六・三制の校舎建築につきましては、生徒一人当り〇・七坪を一・〇八坪に引上げて、これを十年間で完成する。基準年度は昭和二十九年五月をとりまして、前年十億が十四億に増額されておるのであります。その他戦災校舎等において若干の減額がございますが、ほぼ前年同額であります。その次の(3)、(4)は国立、公立の文教施設の災害復旧費でございますが、これは西日本及び十三号台風の被害による復旧費でございまして、この減額は主として年度区分による減額でございます。大体二十八年度に六割、二十九年度に四割というふうにいたしましたので、六、四の関係で減額になつたのであります。 次の三番の育英事業等の拡充でございますが、このうち日本育英会の事業の拡充が、前年三十四億四千五百万が三十八億八千百万と約四億三千五百万の増額になつております。この四億三千五百万の増額は、大学については二〇%、高等学校については三%の比率を押えておりますので、学生の増加に伴う分が一つであります。もう一つは大学院につきまして従来四千円の奨学金を出しておりましたのを六千円に引上げ、さらに従来の特研生に相当するものとして月額一万円の品を新しく創設したのであります。この一万円の制度は特に優秀な、将来学術研究の後継者になるような者を主として考えたのであります。この大学院の関係と、ただいま申しました学生生徒の増加分に対応する分が主でございます。それから学徒援護会が三千四百万が三千七百万に増額され、三百万円の増額になつております。これは前年度の三千四百万の中には三百万円大阪の学生会館を建てる経費が入つておるのでありますが、これが本年度落ちますから、差引しますと、六百万円の増額になるわけでございます。六百万円のうち二百万円は援護会のベース改訂に伴う分でありまして、他の四百万円は京都に学生会館をつくる経費の補助金でございます。 次の産業教育の振興でございますが、これもほぼ前年度同額程度にこぎつけたのであります。そのうち最初の高等学校の設備費の補助金でございますが、これは産業教育振興法に基きまして高等学校の設備を一定の基準まで引上げるために補助するものでありまして、現有の設備を差引いておるのであります。従いまして振興法のおかげでだんだんと整備されて参りましたので、今後一応三箇年間で整備するといたしまして、五億一千二百万円を計上したのであります。ここで約二億の減額になつております。最近特に産業教育の高等学校につきましては建物等の施設が非常に狭隘になつておりますので、この施設を改築ないし増築しなければならない状態になつておりますので、この施設費の補助金を新たに認められたのでありまして、これが二億三千万円、この考え方は不均等十箇年計画で二億三千万円を計上したのであります。次の実習船建造費はほぼ前年同額でございます。高等学校の研究指定校の研究費補助金は、これは設備費の方でやりますので、高等学校の指定校の方は補助金が落ちたのであります。中学校の研究指定校、その他でございますが、ほぼ前年度同額でございます。中学校の研究施設の方が若干減つております。しまいの産業教育の教科書の発行助成費三百二十万円が落ちておりますが、これは将来非常に発行部数の少いものに対して発行会社に補助金を出すという考え方でございましたが、これにつきましては、特に奨学補助金でもあるからということが一つの理由でございまして、補助金整理で落ちたのであります。今後少部数の教科書につきましては、国定で行うかどうするかという問題をあわせて十分検討いたしたい、かように考えております。 次の理科教育の振興でございますが、これは一定の規拠をきめまして、それに現在持つております理科の設備を調べまして、不足額を十箇年で解消しようということで四億計上されたのであります。これは二分の一の国庫補助でございます。 次の学校図書館の振興費でありますが、これは学校の基本図書をその中で見る。参考書とか何かは教材費の方で見るといたしまして、学校の基本図書を小学校三百、中学校五百、高等学校七百というふうなわくをきめまして、現在保有しておるところの教科書、図書の数を差引きました不足額を五箇年で解消する、こういう考え方で二億七千万円が計上されたのであります。これも理科教育と同様に、二分の一の補助でございます。 七番目の勤労青少年教育の振興でございますが、昨年通りました青年学級振興法と相並びまして、定時制高等学校及び通信教育振興法に基きまして、定時制の設備費の補助といたしまして九千百八十八万九千円、この定時制につきましては、現在の定時制の基準の設備をつくりまして、現有設備を差引きました不足額を十箇年で整備する、こういう計画のものでございます。これは三分の一の補助でございます。通信教育の運営費の補助が約一千万円、合せまして約一億が定時制と通信教育の整備で計上されております。青年学級運営費の補助、これが七千百万円から六千六百万円に、約六百万円の減額を受けております。これは補助率の減少に伴うのでありまして、青年学級運営費が補助金整理で落ちたのでありますが、最終的に決定いたしましたのは、従来三分の一の補助を四分の一に切り下げて、ここに六千六百万円が計上されたのであります。 次に八番目の学術振興でございます。学術振興につきましては若干増額になつておりますが、ほぼ前年同額でございます。そのうち大きなものは、科学研究費の八億八千五百万円、これも前年同額であります。学術情報事業の拡充が約百万円の増額になつております。民間学術団体の補助も前年同額、在外研究員の派遣も前年同額でございます。 それから次の私立学校の助成でございますが、そのうち私立学校教職員共済組合法の実施に伴いまして、事業費の十分の一の補助、事務費の全額補助、合せまして二千八百万円、約二千万円の増額を見たのであります。私立学校振興会の出資金十五億が二十九年度は五億に減額されております。これは私立学校の整備計画は従来通りといたしまして、その七分の一を七箇年計画で整備するという考え方のもとに、五億の出資金が計上されておるのであります。このほかに、五億の出資金を算出する基礎として、三億の返還金が見込まれておるのであります。ですから八億で運営する、こういう考え方になるのであります。これが減額されましたことははなはだ残念に思つております。私立学校建物その他の災害復旧費の補助は、先ほど申しましたように、年度区分の減少に伴うものであります。 その次の地方教育委員会の育成でございますが、一つは教育委員会の運営指導、その他合せまして、百万円程度の増額を見ておりますが、そのほかに地方教育委員会委員の手当、それから教育長の給与等は地方財政計画の中に約二十八億見込まれておるのであります。ただ選挙の関係経費が十五億ほどございますが、この経費は従来の半数交替を改めまして、同時選挙するという想定のもとに二年間の延期をするという考え方で、十五億減額いたしまして、設置費の二十八億が地方財政計画に見込まれております。 次に十一番目のユネスコ活動及び文化財保護事業の実施について、これは大体前年度と同額見込まれております。文化財保存事業の強化で千九百万円の減額になつておりますが、このうち中尊寺の関係が一応完成するという想定のもとに、この経費が落ちますので、建物の修理等につきましてはほぼ前年同額が計上されております。 次に十二番目は、その他の重要事項でございますが、義務教育教員の資質向上のうち一億二千三百万円、相当大幅な削減を受けておりますが、そのおもなるものは教職員の研修等、ここで九千八百万円、約一億程度の減額になつております。これは主として教職員免許法に伴う認定講習の旅費の補助、三分の一の補助がございましたが、これは免許法の改正によりまして経験年数を重んじまして、履修単位を三分の一程度に減じますので、非常にわずかな経費になるのでありまして、私どもの要求でも三千万程度、その三千万円程度が六十万の教員にばらまかれるわけでありますから、非常に少額にもなります、しかも一方において教職員の免許法の制定以来もうすでに四、五年経過しておりまして、相当単位数も修得されている状況もございまして、本年度は特に緊縮財政の折から割愛せざるを得なかつたのであります。その他教員検定試験の方はこれは約四百万程度増額されております。それから現職教育講座開設、通信教育講座開設、いずれも減額を受けておりますが、先ほども申しましたように履習単位が三分の一程度に減りますので、その関係で講座の数が減少したわけであります。それに伴う減額であります。 二番目の義務教育教科書の無償配付、これが全額削除されましたことははなはだ私どもも遺憾に思つております。かくして父兄の負担が百五十円くらい増しますので、これに対しましては生活保護法の教育扶助の方で困つている家庭については増額いたしまして、約一億三千万円程度のものが昭和二十八年度の実績に比べまして増額されているはずでございます。もちろん単価だけではありません、人員の方も教科書無償配付がなくなつて困つている貧困な父兄が困らないようにするような措置は、生活保護法の教育扶助の方において講じてあるのであります。 次の教職員の保健管理、これは教員の健康診断費補助金七百五十六万、これは前年と同額でありますが、特に児童に及ぼす影響が大きいので、これは主として結核教員の診断でありますが、特に精密検診を行うという建前から、従来通りの補助金を計上していただいたのであります。教員保養所の創設費の補助でありますが、これは創設箇所の減少に伴うものであります。 特殊教育の振興でございますが、特殊学級教員養成講習といたしまして新たに四十万円が認められております。次に精神薄弱、肢体不自由児等の要養護児童、これの実態調査ができておりませんので、この調査費前年の三十六万を七十万に増額されたのでございます。盲聾学校教員養成が二百四十七万五千円、盲聾児童就学奨励費補助金、これが千八百万増額されて四千八百三十九万になつておりますが、この経費は主として、盲聾児童につきましては大部分家庭が貧困でございます。こうした関係もございまして、盲聾児童については特に一年生全部に対し国語と算数の教科書を無償で入学祝にやるという、教科書無償の制度をこれに認めたのであります。それから学校給食費、通学費等は前年度の六割程度を見込んでおります。 それから五番目の僻地教育の振興でございますが、これにつきましては教員養成の分とそれから振興協議会、資料の刊行と指定校、教員宿舎、このうち特に僻地向けの学習指導書とかいうものがございませんので、単級、複式学級等に即応するような指導書をつくるという関係で、資料の刊行費が新たに計上されております。さらにその資料に基いて僻地向けの特殊教育研究についての実験指定校として八十六万円が新たに計上されたのであります。宿舎につきましてはほぼ前年同額で百二十二戸増築を考えているのであります。 次が学校給食の助成でありますが、これは学校給食設備費の補助として新たに五千万円が計上されたのであります。この五千万円計上されましたのは、主として農林省の食糧管理特別会計の方に小麦粉の方が約十七億程度見込まれているのであります。ミルクの利子補給と合せて十八億程度のものが農林省所管に計上されているものと対応いたしまして、学校給食の普及奨励をするために設備のないところに設備をいたし、さらに不十分なところを改築しようというのでさらに五千万円計上されております。 また七の小中高等学校の教科内容の改善につきましては若干の増額がされております。 それから八番目の諸外国との留学生及び人物交換、これにつきまして特に申し上げておきたいことは、留日外国人留学生の招聘、これに七百二十万が新規に計上されております。これは東南アジアを主としておりまして、その他の留学生を日本に招聘する。月額二万円で三十人分が見込まれております。 次の幼稚園教育の振興。これは設備費の方では四百五十万、教員養成は大体前年同額でありますが、公立文教施設費の中に五百万円の施設費の補助金が計上されております。施設費の補助でございます。 それから教育放送の振興は約一千万円増額でございまして、今後教育放送の拡充を期待しているのであります。 教育映画製作普及は前年同額。 それから次の社会教育施設の整備でございますが、これが八百万円ほど減額されまして二千五百万円になつております。これはやはり補助率の減少に伴うものでありまして、従来公民館、図書館、博物館の運営費の三分の一を補助して参りましたが、運営費を改めまして図書その他の設備に対して四分の一を補助する。設備費の補助に切りかえまして四分の一の補助になつたのであります。このほかに公立文教施設の中に約一千万円の額が施設費の補助として計上されております。 十四番目の国際美術館の設置につきましては五百万円、これは借入金あるいは修繕費、要するに松方コレクシヨンをこちらに持つて来た場合に、できればできるだけ借入金か修繕でまかないたいというので一応五百万円が計上されております。 十五番目のアジア大会の選手派遣は新たに一千万円が計上されたのであります。 以上で文部本省の経費の説明を終つたのでありますが、最後に十四番目に国立学校の運営費が二百七十億から三百億に増額されております。この経費は国立大学、病院、研究所をあわせました維持運営費と新たに先ほど政務次官から御説明になりました新規事項が加えられているのであります。これが約三十億であります。来年度予算総額は千百八十三億、前年度に比べまして百二十一億の増になつております。以上であります。
○庄司主査 以上をもつて説明は終りました。文部省所轄関係の質疑は後刻にお譲りを願います。 —————————————
○庄司主査 次は厚生大臣が厚生委員会並びに参議院にちよつとお顔出しの必要があられるようでございますので、便宜上各委員の御了解を得まして、これより昭和二十九年度一般会計予算、同じく特別会計予算中厚生省所管を議題とし、まず草葉厚生大臣に一般的な御説明を願いたいと思います。草葉国務大臣。
○草葉国務大臣 ただいま議題となりました昭和二十九年度厚生省所管予定経費要求額の概要について御説明を申し上げます。 昭和二十九年度厚生省所管一般会計予算の要求額は七百五十三億六千百九十四万七千円でありまして、これを昭和二十八年度予算額七百三十二億八千七百三十二万三千円に比較いたしますと二十億七千四百六十二万四千円の増加と相なります。またこれを一般会計の予算総額に対比いたしますとその七・五%と相なり前年度の七・一%に比べまして〇・四%増しているのであります。 今右予算のうち特に重要なる事項につきまして、その概要を申し上げますと、まず第一に社会保険の充実強化の施策に伴う経費であります。社会保険は社会保障制度の重要なる施策といたしまして、逐年その整備、強化、充実に特段の努力をいたして参つたのでありますが、昭和二十九年度におきましては引続きその充実に力を注ぐことといたしたのであります。すなわち、まず勤労者の年金制度であります。厚生年金保険につきましては、その中核ともいうべき養老年金の給付が本年一月より開始されることと相なつておりますが、その年金額は年額千二百円の少額にすぎず、現在の経済事情とはあまりにも乖離しておる感がありますので、今回これが大幅の引上げを行うとともに、新たにこれに扶養加算を支給することといたしましたほか、在来の障害年金等の扶養加算につきましては倍額の増額及び低額年金の一定額の引上げ等を行うことにいたしますことによりまして、その所要財源の補充のために、従前一般分一割の国庫負担を一割五分に引上げることといたしたのであります。なお坑内夫に対する分につきましては、従来に引続き二割の国庫負担を行うことといたし、厚生年金保険の給付財源に対する国庫負担に必要な経費八億八千八百万円を計上いたした次第であります。 次に日雇労働者健康保険制度は本年一月より実施されたばかりでありますので、その成果につきましてはまだ把握され得るところまでは参つておらないのでありますが、いずれにいたしましても現行制度では、この給付期間はわずか三箇月にすぎないので、これを六箇月に延長いたしますとともに、新たに給付金の一割を国庫において負担することといたし、これに必要な経費として二億九千万余円を計上したのであります。なお健康保険等の、他の社会保険と同様その保険事業運営のため必要な事務費を全額国庫負担といたしますほか、保健施設費及び福祉施設費につきましても、その全額を国庫において負担することといたしておりますことは、前年度と同様であります。 さらに同民健康保険につきまして、前年度に引続いてその健全な運営を助成するため、療養給付費の二割に相当する金額を、各保険者に対して療養給付額、財政力及び保険料の収納成績等考慮いたしまして、算定交付することといたし、これに必要な経費四十一億余円を計上いたしましたほか、赤字保険者に対し、前年度に引続きましてその再建整備をはかりますための貸付金といたしまして、一億円を計上いたしております。 次に第二は、国民医療の整備改善のために必要な経費であります。最近におきまする国民保健は、死亡率低下、平均寿命の顕著なる向上等によりましても明らかでありますように、その改善は目ざましいものがあるのであります。もとよりこれは医学の進歩と優れた薬品の発見等に負うところが大きいのでありまするが、一面また医療機関の整備、疾病予防に対する積年の施策の成果によるものでありますることは申すまでもないところでございます。政府といたしましてはこれに満足いたすことなく、さらに国力の根底をなします国民保健の向上に不断の努力を払つて参る所存でございます。 まず結核対策につきまして病床がいまだ不足を告げておりまする現状にかんがみまして、引続き公立三千六百床、法人立一千八百床、社会保険立三千六百床、以上合せまして九千床と大幅の整備を行うことといたしました。これに必要な経費十五億一千五百余万円を計上いたしますとともに、結核回復者に対する後保護施設二箇所を新設する予定でありまして、このための経費二千四百余万円を計上いたします。また医療費に対する公費負担のための経費十六億八千百余万円、国立を主とした結核療養所の経営のための経費九十七億四千余万円、さらに予防施策といたしまして、健康診断及び予防接種等のほか、患者家族の保健指導に重点を置いて、それぞれ所要の経費を計上いたした次第であります。以上結核対策のための経費合せまして百三十三億五千八百万円を計上したのであります。 次に癩対策のための経費でございます。癩対策の要諦は申すまでもなく患者を一人も残さず療養所に収容し、他に伝染する機会を根絶することでございます。このためには患者をして療養所に安んじて入所せしめて療養に専念せしめる必要があるのでございます。この施策といたしまして入所患者の家族で生活に困難する者に対しましては、全額国家でその生活を援護することとし、秘密の保持を考慮して府県の衛生部をして直接実施せしむる予定でありまして、これに必要な経費四千四百余万円を、新たに計上いたした次第でございます。また癩患者に対する医療の総合的研究機関といたしまして、いまだ何ら見るべき施設がありませんので、今回新たに国立の癩研究所を設立することとし、これに必要な経費約三千三百万円を計上いたしますとともに、学校、保育所及び作業所等療養所の施設整備のための経費二億二千百余万円のほか、入所患者の処遇改善のための経費等、療養所の経営に必要な経費十四億三千二百余万円を計上いたした次第であります。 次に精神衛生対策のために必要な経費であります。社会生活の複雑高度化に伴いまして精神障害者が漸次多発する傾向がありますのにかんがみまして、精神衛生対策を強化することといたしたのであります。すなわち病床整備のための国立三百床、公立、法人立一千八百床、合せて二千百床を整備することいたし、そのための経費二億四千六百余万円を計上いたしました。また国立療養所の経営費及び都道府県知事が本人の保護と公安上の必要に基きまして命令する措置入院に要する経費に対する補助のための経費八億六千九百余万円のほか、新たに精神障害者の実態調査のための経費百七十三万余円を計上いたした次第であります。 次に国立病院等、医療機関の整備に必要な経費であります。医療機関の整備につきましては、医療体系整備の一環といたしまして国立病院の地方移譲を実施いたして参つたのでありまするが、本年度におきましてもその一部を予定し、これに必要な経費一億一千万円を計上いたしますとともに、残置病院に対しましては、名実ともに医療体系の中枢機関としての指導的役割と効率的運営をなし得るようは整備改善を施す一面におきまして、移譲予定病院についても、その移譲促進のため所要の整備を行うための経費等十一億三千万円を計上いたした次第であります。 また公立一般病院につきましても、その整備のために必要な経費といたしまして五千万円、農山村における国民医療に重要な役割を果しまする国民健康保険の直営診療所の整備のために必要な経費といたしまして一億五千万円、伝染病隔離病床二千百六十床整備のために必要な経費一億八千三百余万円を計上いたしましたほか、前年度と同様公立以外の一般病院及び診療所の施設整備充実のために、長期にして低利な資金の融通をはかりまするため、中小企業金融公庫及び国民金融公庫を通じて融資することといたした次第であります。 以上のほか国民保健行政の第一線機関でありまする保健所につきましても、引続きその整備に力をいたしますることとし、C級保健所の新設及びC級よりA級保健所への格上げ各十箇所を予定し、その整備充実のために必要な経費九千百余万円を計上いたしますとともに、国民保健の重要なる基盤であり、また伝染病予防上の基本対策をなす上下水道及び清掃施設の整備のために必要な経費十二億五千八百余万円を計上いたしたのであります。 次に、第三は生活保護に必要な経費であります。生活に困窮する者に対し、その最低限度の生活を保障し、その自立を助長いたしますために必要な経費でありまして、扶助の種類は従来と同様であり、その保護基準につきましても、今後の経済情勢の動向を考慮いたしまして、教育扶助において教科書の無償配付の打切りに伴う若干の改訂を行いましたほかは、従前同様といたしたのであります。各扶助に要する経費は、最近六箇月の実績人員に人口増加推計率をもつて補正したものに、最近六箇月ないし一箇年間の実績単価を基礎といたしまして、それぞれ所要額を算定いたしまして、その所要額は二百七十七億一千四百余万円と相なるのであります。しかし旧軍人恩給の復活、日雇い健康保険の実施に伴い、二十八億七千万円の減少を予想されまするので、差引二十九年度におきまして必要とされる扶助費は二百四十八億四千四百余万円と相なるのであります。 なお最近におきまする医療扶助費の増嵩と、その支払い事務を社会保険支払い基金に委託いたしましたことに伴いまして、従来繰延べされておりました支払いの促進によりまして、二十八年度において約三十二億円の不足を生ずる見込みでありますから、過般、とりあえず予備費より十二億の支出を行い、残余の二十億円は二十九年度早々支払うことといたしまして、前年度不足分としてこれを右に合せて計上いたした次第であります。 右のほか保護施設の整備充実とその経営に必要な経費九億五千三百余万円、保護法施行のための事務費三億八千八百余万円、以上生活保護に要する経費合して二百八十一億八千六百余万円を計上いたした次第であります。 次に、第四は児童保護に心要な経費といたしましては、児童福祉施設に収容しておる児童の生活を保障する児童措置費に四十八億一千余万円を計上いたしますとともに、引続き児童福祉施設の整備拡充を行うこととして、その所要経費五億円を計上いたしました。なお育児、肢体不自由児等身体に障害のありまする児童を援護し、その福祉の増進をはかりますため、これに義肢等の介護用具を支給して参つたのでありますが、本年度よりさらにその機能障害を除去いたします医療給付を実施することとして、これに必要な経費三千百余万円を加え、身体障害児援護のための経費といたしまして五千六百余万円を計上いたしたのであります。この措置によりまして、これまで貧困のため放置されておりました幾多の不幸なる児童が救われることとなり、その福祉の増進が期待され得ることと相なりましたことは、まことに喜ばしいことといわねばならないのであります。右のほか児童相談所及び一時保護所の運営に対する補助等、児童保護のための所要経費、合せて五十一億六千九百余万円を計上いたしました。 次に第五は、戦傷病者戦没者遺族及び留守家族援護のための経費でございます。戦傷病者戦没者遺族等援護法に基く障害年金及び遺族年金の支給に必要な経費といたしましては三十二億五千五百万円、また未帰還者留守家族等援護法に基く留守家族手当、障害一時金及び療養費等に必要な経費といたしまして十七億六千八百余万円を計上いたしました。 なお遺族年金及び弔慰金の裁定状況は、二十八年末現在におきまして、受付百九十四万二千余件でありまして、そのうち裁定済みのものは百八十七万一千余件で、処理未済のものは七万余件でございます。未裁定の大部分のものは、身分、死因等の調査判定がきわめて困難なものでありますが、できるだけすみやかにこれを処理して、遺族の方々の期待に沿いたいと存じておる次第でございます。ちなみに旧軍人遺族恩給の処理は、職権改訂される増加恩給該当者を除きましては、今回あらためて請求書を提出することと相なつておりますので、その処理手続の打合せ及び関係者に対します周知徹底に、思わざる日時を要しましたため、現実に申請書の提出を見ましたのは十一月に入つてからでありますが、今後一層関係方面を督励いたしまして、極力その処理を促進して参りたいと存じております。 次に第六は、引揚者の援護のために心要な経費でございます。昨二十八年中の引揚げ人員は、第一次より第七次までのものを合せまして二万六千百二十七人が中共地区より、帰還しておるのでありますが、同地区にはなお相当数の未帰還者が帰国を切望しつつ、いまだに残留を余儀なくされておるものがあると考えられますのみならず、ソ連地区につきましても、先般一千二百六十四人の未帰還者の残留発表があり、このうち八百十一人が客年末帰還を見たのでございます。従いまして本年度におきましても、これらのものの中の相当数が帰還できるものと期待されますので、一応帰還者五千人を見込み、その援護に心要な経費八千三百余万円を計上いたした次第であります。 以上のほか社会福祉事業振興会法に基いて、同会の資本金に充てますための政府出資金として、三千万円を、また身体障害者に対しては、従来とも身体障害者福祉法に基きまして、補装具の給付等諸種の援護措置を実施いたして参つたのでございまするが、さらにその更生を援護するため、新たに更生医療を実施するに必要な経費一千九百余万円、また母子の福祉増進のため、前年度に引続きまして、母子福祉貸付金六億円のほか、新たに孤児の修学及び修業のための貸付金二千万円を、また食生活改善のため、粉食の普及指導に必要な経費百九十万円を新たに計上いたしたのでございます。 以上、昭和二十九年度厚生省所管一般会計予算のうち重要な施策の若干につきまして申し述べたのでございまするが、このほか保健衛生、社会福祉の各費目につきましても、前年度に引続きまして所要の経費を計上いたしておるのでございます。 次に厚生省所管の特別会計の大要について申し上げます。まず第一は、厚生保険特別会計でございまして、本年におきましては、前に申し述べましたように、養老年金の給付開始をめぐりまして、厚生年金保険の整備充実と、日雇い健康保険の期間延長の実施を行うことといたしました。右に要する経費といたしまして、健康勘定におきましては、歳入歳出とも四百七十二億六千七百二十一万六千円、日雇い健康勘定におきまして、歳入歳出とも二十三億七千六百十八万二千円、年金勘定におきましては、歳入三百九十五億七千七百二十万八千円、歳出六十九億七千百九十二万四千円、業務勘定におきましては、歳入歳出とも三十二億六千七百五十二万六千円と相なつております。 次に船員保険特別会計でございまするが、本年度におきましては、分娩、哺育及び船舶内における療養等の給付を新たに実施することといたしたのでありまして、これに必要な経費は歳入三十六億七千九百五十三万七千円、歳出三十億九千三百七十八万四千円と相なつております。 次は国立病院特別会計でございますが、前述いたしました施設整備のほか、血液銀行五箇所、高血圧診療部三箇所、がん診療部二箇所の創設と、全病床の三分の一に対しまして完全寝具実施のため所要の設備整備を行うことといたし、これに必要な経費等を新たに計上いたしたのでございます。従いまして経費全体では歳入歳出とも七十五億四千百六十一万円と相なつております。 以上、昭和二十九年度厚生省所管一般会計及び特別会計の予算につきまして概略御説明申し上げたのでございまするが、何とぞ本予算の成立につきましては格段のお力添えをお願い申し上げる次第であります。
○庄司主査 この際委員各位の御了解を得たいことがあります。ただいま厚生大臣からは、かなり詳細にわたり、こまかい御説明までございましたので、慣例によつて会計課長の補足説明も当然あるわけでございまするが、会計課長の補足説明に関しまするところのものは、すでにプリントとなつて委員各位にお渡しになつておりますので、御了解をちようだいするならば、補足説明をこの際省略し、必要に応じて、また当然本分科会の要求として詳細なる数字を求めることも御相談の結果あり得ると思いますし、また早朝より御熱心に山花委員、堤委員、長谷川委員より御質問の通告もございますので、補足説明の方はこの時間には省略し、先に延期することに御了承願いたいと思つております。 そこでこれから山花委員、堤委員、長谷川委員等にお願いするのですが、特に御了解を得まして、一分間程度、厚生大臣の都合によりまして、私、主査よりきわめて簡単な質疑一点だけを許していただきますよう、切にお願い申し上げたいのであります。 厚生大臣並びに労働政務次官にこの際希望を申し述べ、また御信念を承つておきたい問題がございます。それは勤労者、労働者の援護、保護助長の観点から遊興飲食税の問題であります。この分科会で遊興飲食税のことを申すのはどうかと思われまするけれども、労働者、いわゆるニコヨンなどと呼ばれておる、ほんとうに体を張つておる勤労者諸君は、住宅難で昔のいわゆる木賃宿に泊つておるのであります。厚生省あるいは都の民生部が指導されました結果生れましたところの一泊三十円あるいは五十円、最高百円程度の厚生旅館がございますが、遊興飲食税につきましては御承知のように百円以下は免税に相なつております。ところが宿泊するためには、今申しました三十円あるいは五十円の宿泊であつてもやはり税がかかつておる。これは決して温泉マークとか、あるいは連れ込みというような種類の旅館ではございません。そこで厚生大臣にも、労働政務次官にも、ぜひ都内及び全国にある三万六千の簡易厚生旅館については御考慮願いたいと思うのであります。結論は、厚生大臣は簡易厚生旅館に対しては、保健所を通じて認可許可の権限を打たれておる。また労働大臣は勤労者、労働者の生活あるいは職業等を援護、擁護される立場にありますので、税を確保されるところの大蔵省並びに地方行政長官等に百円以下の簡易旅館等に宿泊するほんとうの勤労者、労働者諸君には、遊興飲食税なる名前のもとに、宿泊に対して税をかけるという不合理を是正されるようとくと御懇談の上、二十九年度においては百円以下は免税の措置に出られんことを要望してやまないのであります。これはおそらく何党派を問わず、党派を超越して、各党派の委員各位等も御賛成をいただけるものと私は考えておるのでございますが、御所見はいかがでございましようか。
○草葉国務大臣 ただいまの主査の御意見、まことにごもつともと存じます。その日の勤労にいそしみながら宿泊して行きます方々が、課税の対象になるのはたいへん困るではないかというご意見、まことにごもつともでありまして、私も先般来都内をずつと視察してまわりましたが、相当これらの旅館があるような現状でありますから、よく大蔵省その他関係省と連絡いたしまして、御趣旨に沿うよう努力をいたしたいと存じております。
○安井政府委員 ただいま主査からお話の簡易宿泊施設等に対する課税につきましては、主査のお話まことにごもつともに存じておる次第であります。御趣旨に沿いまして、所管省とも十分協議いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じております。 なお補足いたしますと、労働省関係でも、この簡易宿泊所につきましては相当な予算をさいて、これら施設にも鋭意努力いたしておるのでありまして、今年度の二千四百万円に対しまして明年度は非常な財政緊縮の折りではございますが、二千六百万円程度をこの施設費にもさいておるような次第でございます。これはいずれまた御質問に応じましていろいろ御説明申し上げたいと思います。
○庄司主査 それでは山花委員にお願い申し上げます。
○山花委員 ただいま文部省関係の詳細な説明がございましたが、一、二気のついた点を質問いたしたいと思います。最初の義務教育費国庫負担制度の実施の問題でございますが、本年度は特例法を出さないから、富裕県、貧乏県の差別なく一応半額負担する、こういう説明でございましたが、その説明通り承つて間違いございませんか。
○内藤政府委員 間違いございません。
○山花委員 教育は非常に重要な問題でございますが、ただいま費用の関係から申しまして、大体学校の先生一人当り何人くらいの生徒が対象になつて、いろいろ人件費その他の単価をお組みになつておるか、一応お知らせ願いたい。
○内藤政府委員 従来は算定方式として五十人で割りまして、小学校は五十人について一・五、中学校は五十人について一・八という方式をとつて参りましたが、義務教育費国庫負担法には実支出額の二分の一ということになつておりますので、二十八年度の実際勤めております教員の実数をとり、また実際受けておる支給額を基礎にいたしまして、それに二十九年度において昇給すべき額を見込み、さらに二十九年度には百万人の増加がございますので、一学級平均四十五人として学級数をとりまして、それに小学校で六分の七、つまり六学級について七人の教員、中学校は六学級について九人、こういう算定基準をとりました。教員総数約五十二万でございますから、これで千六百万を割ると実員が出る、こういうことであります。
○山花委員 ちよつと納得の行きかねる点があるのです。あるいは私の聞き違いでございましたならば是正していただきたいと思いますが、小学校においては五十人に対して一・五、中学校においては五十人に対して一・八の割合だ、こういうように聞いたのですが、これは私の聞き間違いですか、どうですか。
○内藤政府委員 従来の算定方式としてはただいまの通りであります。しかし二十九年度の予算編成につきましてはあとで申し上げた通りであります。
○山花委員 ただいま増額に対する説明として、児童の増加が大体百万人くらい、そして二万人ほど教員諸君がふえる、それで予算を組んだ、こういうお話を承つたのですが、この割合で行きますと大体五十人に一人という数が出る。そうすると従来と二十九年度とを比較いたしますと、教員諸君の労働というと、語弊がございますが、労働がたいへん過重になると思いますが、その点はいかがでございましようか。
○内藤政府委員 従来一・五、一・八で組みました数と、現在の二十八年度の実員を比較いたしますと、約二万人だけ余裕があるのであります。それは国で見ておる給与の単価より地方の方が単価が高いので、その単価のせいもありまして、一・五、一・八に一定の単価をかけた分と現員現給とがほぼ同じのようであります。そこで算定の基礎として一・五、一・八を従来は使いましたが、単価の方が低かつたので、実際は一・五、一・八でなかつたわけであります。今度ふえた分については実際とれだけふえるかと申しますと、これは各学校によつて事情が違いますので、小さい学校で三人とか五人とかいう場合には教員はふえないのであります。そこで百万人全部ふえるからといつて百万人に相当する学級が個々の学級が個々の学校において起るわけではございませんので、そういうことを学校別によく調査いたしまして、実際ふえる学級数を検討したのであります。その検討した学級数に六分の七、六分の九という新しい実際の学級に即応した教員の算定方式を使つたのであります。その結果三万人となつたのであります。
○山花委員 どうもただいまの御説明では納得しかねます。しかねる点は、先生方の負担が非常に過重になりまして、そういう過重状態では満足な教育が行われない。私どもはこういうふうに考えるのでありますが、これは後ほどもつと数字を検討してお尋ねをして行きたいと思います。 それから青年学級の問題でございますが、これは私どもの個人的見解と、私の所属する党の見解といたしましては、これを廃止した方がいいという見解を持つておるのであります。一応この法案ができてただいま実施されておりますが、従来三分の一の国庫補助が四分の一に減額をされた。ところが各町村における青年学級の実情は、費用がなくて満足なことができない。言いかえれば講師を呼んで来てもそれに対して謝礼も何も払えない。だから、これは非常に露骨なことを申し上げますが、ろくな講師が来ない。そういう講師ならばむしろやらない方がましだというのが実情であります。そこで町村におきましてはこれをもう少しふやしてもらいたい。そうしてせつかくつくつたものであるならば、充実した青年学級をやつて行きたい。従来満足なことができないのにさらに補助が減額されるということになりますと、ますますつまらないものになつて来るのではないかと考えておるのでありますが、こういう問題は費用の関係もございましたならば、この際思い切つて廃止するか、それとも存続するならば、もつと優遇措置を講ずるかどうかという点についてひとつ御見解を明らかにしていただきたい。
○福井(勇)政府委員 青年学級につきましては、昨年八月青年学級振興法の制定を初めといたしまして、今日全国都町村が開設する青年学級は約一万五千に上つております。その学級の生徒数は百万人を越えるというふうに非常に増加して参りました。青年学級が勤労青年の教育の一環として非常に大事な役割をしておることにつきましては、皆様御認識の通りでありますが、文部省といたしまして御指摘のように予算的な裏づけを飛躍的に増加したいという計画を立てておつたのであります。しかるに二十九年度の予算においては、非常に残念ながら緊縮予算のために六千六百万円というものが計上されました。予算が非常に少いためにいつそのことやめてしまうか、あるいはやるならばもつと増額しなければならぬじやないかというお尋ねだと思いまするが、廃止というようなことは毛頭考えておりません。予算が許しますならば、飛躍的な増額を祈念いたしまして、格段の普及をはかりたいというつもりでおるのでございます。
○山花委員 ただいま文部省の青年学級に関する見解はよくわかりました。 そこで、どうせやるなら、もつと内容の充実したりつぱなものをやつていただくために、この予算は再検討しなくちやならぬというふうに私どもは考える。 そこでもう一つ問題になりますのは、教育委員会の問題でございますが、これも相当費用を食つておると思うのであります。私どもいたしましては、教育委員会は、費用の節約その他でこれは府県単位一本でいいのではないかと考えておるのでございます。費用の関係で選挙も特例法を設けて四年に一回にしたというふうなお話がございましたが、町村における教育委員会をこの際思い切つて廃止をして、府県の教育委員会を充実して、教育委員会の運営の万全を期す、こういうお考えが文部当局としてはおありになるかどうか。
○福井(勇)政府委員 御指摘の教育委員会につましては、いろいろ説が文部省にも入つてはおりますが、創設以来非常にまだわずかでございまして、今にわかにその功罪と申しますか、その内容の検討を十分遂げられないような状態にありますので、ただいまのところは変更するというようなことは文部省としては考えてはおりません。 なお四年目に選挙を変更したいというのは、御指摘の通り、予算関係の事柄でやつたのでございます。
○山花委員 町村における教育委員会は、文部省としては持続して行きたい、そういう御意見でございましたが、町村に教育委員会を設置したことによつて町村財政が非常に苦しい状態になつておるということは、これは文部当局でもお認めだろうと思うのであります。 それからもう一つは、教育長の問題につましても、なかなか人材がなくて、それからこれはやはり教員を対象としての教育長でございますから、だれでもというわけには行かない。ところがただいまのところは、金がないものでございますから、だれでもというような形で、間に合せの教育長を、財政的見地から各町村ではやつておる。率直なことを申し上げますと、あまりにらみのきかない教育長を立てておりますので、教育委員会としての業績が、ちつとも上らないというのが実情じやないかと思うのであります。私どもは、これは府県一本で、もつと権威のある教育委員会を設置して、経費の節約をはかり、町村財政もそれによつて浮ばしてやつた方がいいと思うのでありますが、これは文部当局と見解の相違でございますから、この問題はあとでいろいろ議論を進めて行きたいと思います。 最後に一点だけ気のついたところを、この点ははつきりただしておきたいと思うのでありますが、今年度の予算は、義務教育教科書の無償配付の打切りをやつております。ただいま文部当局の説明を聞いておりますと、大体生活保護の問題がからんで参りまして、百五十円くらい父兄の負担が増すのではなかろうか、これは生活保護のところで、一応このめんどうを見ておる、こういう御説明でございました。また厚生大臣の説明も、その点は文部当局と同じような説明をされておりましたが、そのように伺つて間違いございませんか。もう一度確認をしておきたいと思います。
○福井(勇)政府委員 御指摘の通りでございます。
○山花委員 そこで私は政府は重大な齟齬を来しておると思うのであります。増額の理由は、たとえば大都市におきましては、従来五人家族において八千円を八千二百三十三円、すなわち二百三十三円の増額を行つておるのであります。この大蔵省の予算の説明は、多分厚生大臣も同席の上でされたと思うのであります。質疑におきましても、これはあとで会議録を調べて厚生大臣にも一応ただしたいと思いますが、一月から現実に値上げになつた米代をこの二百三十三円に加算した、それから医療単価の値上りを加算したということを予算の説明書にはつきりうたつておるのであります。ただいまの百五十円の教材費を加算したという説明は、まつたく食い違つております。この点ははつきりしないと、審議を進める上において私どもは当惑をいたしますから、この点はつきりしていただきたいと思うのであります。
○安田政府委員 教科書配付につきましては、第一学年は教科書を無償配付しないことになりましたので、この点を考慮して、一0%の増額になつたのであります。ただいまおつしやいました医療費とか米価改訂というのは、それぞれの医療扶助なり生活扶助につきましてそういう増加が見込んである、そういう説明だと思います。
○山花委員 ただいま厚生大臣の説明と文部当局の説明を聞いておりますと、今年度は緊縮財政の関係で、教科書の無料配布の全額を打切つた、このことによつて父兄一人当り百五十円ほど負担が増す、これは一般の父兄はあるいは負担能力があるかもしれないけれども、生活保護で生活をしていらつしやる方はこの負担は相当過重であろう、しかしそのめんどうは生活保護において見ている、こういう説明でございました。ところが予算委員会における大蔵当局の説明は、現実に五人家族で二百三十三円値上りになつておりますが、これは一月から米価の改訂と医療単価の改訂を見込んで、こういうようにしたんだ、こういう話です。同じ政府部内において文部当局、厚生大臣と大蔵当局の話が違う。もう一つは、厚生大臣は予算委員会においでになつて、その質疑において、私の聞くところによりますと、やはり米価を織り込んで、こうしたんだ、こういう答弁だつたと思うのであります。これは会議録をよく調べてみたいと思う。ところが今厚生大臣の説明によりますと、文部当局と同じような説明をされている。この二百三十三円の金額の中で、米価の値上りと百五十円の教材費と医療単価の値上りの対決は私はできません。そこで文部省のただいまの説明が間違つておるのか、予算委員会の大蔵省のこの印刷物が間違つておるのか、この点をはつきりたださないと、この問題の審議がなかなかやりにくい、こういうことでございます。
○福井(勇)政府委員 仰せのような、厚生省と文部省と大蔵省と齟齬しておるというようなことがありましては、非常に御当惑なさるだろうことは当然のことでございます。その予算委員会には不幸にして私は出ておりませんでしたので、よく御納得の行くように、三者で話合いまして、御答弁申し上げることにいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
○山花委員 これは審議を進めて行く上において、ただいま文部当局からお返事がございましたように、ひとつ解釈を統一して後刻委員会で答弁をしていただきたい。いろいろ質問する点がたくさんございますが、他の同僚委員からも質疑の通告がございますので、私の質疑はこの程度で終えたいと思います。
○庄司主査 堤君。
○堤(ツ)委員 私は重複を避けて御質問申し上げます。単刀直入に申し上げますから一つ一つ簡単明瞭にお答え願いたいと思います。学校給食の問題でございますが、給食法の御制定は今国会でできますか、準備はいかがでございますか。
○福井(勇)政府委員 提出いたしますように、ただいま準備いたしております。
○堤(ツ)委員 それを御提出になるについての裏づけ予算を少し具体的に御説明願いたいと思います。
○近藤政府委員 二十九年度の予算でございますが、まず第一に学校給食を実施いたします際に施設がいるわけでございます。その施設、設備の補助金が五千万円、それから学校給食の物資を配給いたしまする機関といたしまして、財団法人の学校給食会がございますが、その学校給食会の専業委託費といたしまして四百万円、それは文部省予算に計上されておる分でございます。それから農林省予算に計上されておる分といたしまして、学校給食に使いまするパンの原料の小麦の二分の一補助額、これが約十七億百万円、これは農林省予算で食管特別会計繰入れとして計上いたしてございます。それから同じくこれは農林省予算に計上されておるのでございますが、学校給食に使います脱脂ミルクの利子補給金でございますが、これが五千八百万円、以上合せまして約十八億程度でございます。
○堤(ツ)委員 食生活の改善ということが、男の議員の方々からも今国会ではやかましく述べられておりまして、もうおとなの頭はかんかんでございますから、山間僻地の学校給食をも実施することによつて食生活の改善をするよりしかたがない。それからもう一つは、二千万石の現在の食糧輸入依存、この現状を打破するためには、やはり学校給食を通じて漸次これに歩み寄らなければならない。これが私は一番の近道だと思つております。それにつきましても非常に予算が少いという感じがいたすのでありますが、当初文部省において要求されましたのは幾らであつたか、ちよつと比較を示していただきたい。
○近藤政府委員 当初計画いたしましたのは、これは学校給食の対象の児童数が基礎になりますので、その算定によりましていろいろかわつて参るのでありますが、当初私どもが計算いたしましたのは、ミルク及び小麦の補助金並びに利子補給金、これを合せまして約五十億を要求いたしました。
○堤(ツ)委員 やはり相当削られていらつしやるわけでございますが、これは私らの立場から言いますれば、軍事予算に圧迫されて、そのしわ寄せが子供に行く。(笑声)これは与党では笑つていらしやいますけれども、子供の教科書代も削る。そして給食費さえも予算が十分でない。これはくどくど申し上げませんが、来年は確保していただきたいということをはつきり申し上げておきます。 それから市場に出ておりますパンと、子供たちが学校でもらつておる給食のパンと非常に違いがあることを次官御存じでございましようか。はつきり申してください。
○福井(勇)政府委員 全国的にいろいろその調査をしたことはございません。いろいろ違いがあるというニユースは入つて来ておりますが、ここに調査表はできておりません。
○堤(ツ)委員 これは学校給食をやつておるパン屋などの業者がはつきり申しておりますが、学校の子供に給食するパンの粉は農林省が悪い粉を配給しておる。それを文部省は御存じでございますか。
○近藤政府委員 学校給食用の小麦粉の問題でございますが、これは品質がいいものは、それはいいに違いないのでありますが、実際問題といたしまして、現場の方からの声といたしまして、学校給食用の小麦粉をぜひいいものにしてもらいたいという声が非常に強いのであります。これは主として農林省の食糧事務所の方から現実に配給しておりますので、私どもはその声を聞きまして、これを農林省に対しまして要求するという立場にございます。従来いろいろ主管会議を開きました際に、各地方からぜひいい小麦粉をほしいという案がしばしばございます。絶えず私どもといたしましては農林省にさような要求をいたしておりますので、漸次品質はよくなつておると考えております。
○堤(ツ)委員 私らにはつきり言わせると、農林省は市中のこの高いパンを売つてもうける。パン屋に奉仕しておる。そして子供はどうでもいいのです。これは各御家庭で子供をお持ちでありますが、学校のパンは味がない。マーガリンが臭い。だから朝ろくに食べて行かない子供が、また昼学校でパンを食べて来ないのであります。これは母親にとつて一日中気になることであります。日本人が国際的に一人前にものを言うためには、まず体格の改善が必要だと思う。こういうばかにされた農林省の子供へのパンの粉の配給というものに、今まで文部省が甘んじているということははなはだ残念だと思う。私はこれ以上申し上げませんが、即刻御交渉を願つて、市中でもうけるパン屋のしわ寄せを子供が食わないようにひとつ御考慮願いたい。お示しになつたように五十億御要求になつても二十七億しか許されていない。その貴重な金でありますから、できるだけうまくパンを並べさせていただきたいということを私はひとつお願いしておきたい。 次に問題を移しまして、学生アルバイトの問題でございますが、四億何がしかの育英資金はふえておりますけれども、非常に学生アルバイトの数は私は多いと思いますが、文部省におきましてはアルバイト学生の統計をどういうふうにおとりになつておるか、ちよつとお示し願いたい。
○稲田政府委員 学生におきまして、都会地あるいは地方その他で違いますけれども、平均いたしますと七〇%ぐらいと心得ております。
○堤(ツ)委員 学生アルバイトが学生の七〇%である。私は大体もう少しじやないかと思いますけれども、机の上のそろばんでございますから、その辺で妥協したとして、非常に多い数であるということをひとつ考えていただきたい。 それでは、今日やつておる学生アルバイトの種類を文部省はどれくらいだと思つていらつしやるか、その種類をひとつあげていただきたい。
○稲田政府委員 アルバイトの職種の数は、私ども記憶いたしません。ただ育英会、援護会あたりにおいてあつせんいたしておりまするそのあつせんにかかつておりますアルバイトの種類は、これは大よそ私どもつかみ得るのでございます。その点から申し上げますると、もちろんいろいろ例外はございましようけれども、家庭教師、軽作業、事務、技術、手芸、物品販売、筆耕、翻訳、通訳、そういうような種類が学生向きのアルバイトとしては、普通あつせんされておるようでございます。
○堤(ツ)委員 学ぶ学徒としては、なるほどそれくらいな仕事はできるだろうという種類のものをおあげになりましたが、私はそれだけじやないと思う。血液を売るところの学生、女の子にしてバーに働く者、ニコヨンの群に入つておる者、これは自由党内閣の政治の貧困が生んでおるのでありまするから、しかたがありませんけれども、見のがすべからざるところのものが文部省は目に映らないか。あなた今お読み上げになつただけのアルバイトしか確かに承知していらつしやらないのですか。
○稲田政府委員 お話のように、学生に向かざるアルバイトをいたしますることをなるべく防止いたしまして、学生の生活と両立するようなあつせんをやる目的をもつて、御承知のように学徒援護会が、東京においてあるいは地方の各支部において、漸次あつせんいたして参つております。お話のような、学生に向かないようなアルバイトをなるべくしないで済むように、私どもは努力いたしつつあります。
○堤(ツ)委員 新しい学制はしかれましたけれども、六・三の三の中等教育を経て高等学校の三に学び得る家庭の子供が何人か、それからその高等学校の課程を経て大学に進み得る者が何人か、それから大学を卒業して、就職試験を受けて、まじめな職業にありつく者が何人かということを考えたときに、これは大きな社会問題であります。大臣や自由党の代議士の御家庭ではお困りにならないから笑つていらつしやるかもしれませんけれども、全家庭では、子供の教育は最も苦しい問題であります。この家庭の立場を救うのが国家でなければならないと思う。私は学生アルバイトをやつて血を売る諸君の実態調査をいたして持つております。売つた血の七〇%までも悪徳中間搾取をされて、五百円の血を売つても二百円しか入らない。それでもなおかつそれをやらなければならないという学生が、ここ数年来数た増して来ておる。先ほど厚生大臣は血液銀行の問題にも触れられましたけれども、私はゆゆしき問題だと思う。あとから売春の問題についても、お尋ねしたいと思うのでございまするが、バーに働くところの女学生が売春婦に転落しないとだれが保証し得ましよう。私は子供を持つところの母親の立場から、家庭の立場から、将来の健全な社会建設のために、文部省はなぜもつと身を挺して学生援護のために当らないかと申し上げたい。ここに問題が起つて来ておるのは、医学部のインターンの問題である。学校は卒業した。ところが学生としての身分は剥奪される。かといつて一人前の給料はとれない。看護婦よりも悪い待遇を受けてインターンをするところの医学部の学生というのは、大学生のパーセンテージから見れば、いい家庭の子供が多いのであります。その家庭の子供にしてここ二、三年来インターン制度に対する猛烈な陳情があるではありませんか。私は、文部省が通訳だとか、いやタイプを打つておるとか、体裁のいいことを言つて、血を売る学生や売春婦に転落して行つているところの女の学生を守らないというような言語道断のことはあり得ないと思う。私は当然その職種の中にそうしたものをおあげになると思つて、前から質問の要項を申し上げておいたのでありますが、わざとおつしやらないように思うのであります。私は血を売る学生、学ばんがために非常に嘆かわしいところのアルバイトをやる学生をどう拾つて行くかということは、文部省の大事な使命であると思います。どうぞひとつ、これ以上申し上げませんから、御研究願いたい。私に御報告を願いたいと思いますが、次官、御答弁ございましたらひとつ。
○福井(勇)政府委員 御指摘のインターンの項目については、厚生省所管でございますから、そちらからまたお答えがあるかと存じますが、学生のアルバイトのいろいろの項目の中に、嘆かわしい仕事に携わつておる者があるという堤委員からのお話は、私たちもそういうことをちよいちよい聞きますので、非常に心配しておるものであります。これが自由党内閣の政策の貧困からこういうふうに来るかというようなことについては、世界の歴史の跡を調べてみてもわかります通り、敗戦の結果による遺憾な点がいろいろなお続いておるというふうにも考えられまするが、何といたしましても、文部省所管の立場においてこれらがなくなるように、また救済できるものは救済するように一層努力することは当然であり、また努力したい、こう思つております。
○堤(ツ)委員 私は福井次官が非常にごりつぱな方で、特に文部次官として御努力の点は日ごろから敬意を表しておりますし、非常にまじめな答弁がありましたから、多といたしますが、私は予算の本委員会において、時間が許せば、これは超党派的な婦人議員の使命であるので質問したいと思つておつたのでありますが、許されませんでした。従つて今日御質問申し上げたわけであります。お互いに思春期の子供の教育というものはむずかしい。火炎びんを投げるところの共産党に扇された者の中に学生の群があつたというあの過去の実態を思い出していただきまして、七〇%アルバイトをするところの学生を守つて、将来の日本の基盤をこしらえていただきたいということを切にお願いいしたいと思います。 次に、学生アルバイトを終りまして、もう一つの問題、文化財保護でございます。文化財保護の予算は、拝見いたしましたところ、二ページに千九百二十五万八千円減つてはおりますけれども、四億四千百五十九万五千円あります。私はこの文化財保護関係というものを、去年ある事情がありまして、一、二横からちらちらのぞかしていただいたのでございますが、文部省へ参りましても、別棟にある文化財関係の管轄は、大臣や次官は少しお目が遠いのではないかと思う。と申しますのは、私は個人や肩書のついた方の名前は申し上げませんから、ひとつ御研究願いたいのでありますが、文化財保護、ことに民間の斜陽族が持つておる国宝級のものをめぐつて、職員の中にいかがわしい者がおらないか。名誉毀損になりますから、これ以上申し上げません。ひとつ御研究願いたいと思います。調子のよいときには持つておる家宝を売りません。落ちて行く人々の中に介在して、薄給官吏が何かやつておらないか。これは港間には広く伝えられておりますけれども、私はここで申すことを控えておきますから、ひとつ次官は責任をもつて御研究願いたい。四億何がしの金は国民の税金でございます。やはり私は正しく使わねばならいと思う。 次にもう一つお尋ねしたいのは、先ほど申しました売春の問題でございます。これは、犬養法務大臣の管轄において対策協議会をつくつて、売春禁止法によつて、女の売淫行為は犯罪であるというレツテルを張るというお約束になつておりますから、私は今議会に、この女性の基本的人権を侵す悪行為に対する禁止立法が出るということを非常に喜んで期待いたしております。文部次官は、たしか事務次官の方であつたと思いますが、この協議会の中に入つておると思います。私は今日女性が売春をするに至つた過程を考えてみますときに、封建的な社会組織の中で、男性依存、女は商品、女は金で買われるものであるという強い観念を植えつけてしまつたかつての日本の教育に責任があると思う。売春婦に転落しておる人のパーセンテージを見ますと、八五%が生活のためにやつておる人、残る一五%は惰民であり、女の虚栄心からであつて、これはいかなる禁止法をつくつても度しがたい人であるということは、私たちも承知しております。売春禁止法ができたからといつて、売春が決してなくなるとは思いませんけれども、しかし私は、今日の女子の売淫行為に対しまして、あの白兵とのパンパン・ガールの行為に対しまして、文部省は今日までの女子教育において責任を感じておられるのかおられないのか、一度伺いたいと思つておつたのでありまするが、次官、いかがでございますか。
○福井(勇)政府委員 これらの問題については、社会的に非常に重大な問題でありまするので、まじめに社会世相を検討しております。積極的な対策というところまでは行つておりませんが、それらの現象について心痛いたしております。
○堤(ツ)委員 私がこういう質問をすると、自由党の議員がお笑いになる。まことにけしからんと思います。私はこういうことを申し上げる必要はないかもしれませんけれども、今日の社会問題に対してもう少しまじめであつていいと思います。 そこで私は、今年の予算案が提出されるにあたつて、青年学級の予算の裏づけ、それから地域婦人団体の啓蒙のための予算の裏づけ、青少年の予算の裏づけが非常に少いという陳情を伺つたのでありますが、これら婦人団体、それから村の青年団、女子教育の面から、予算は総額においてどれくらいふえておると文部省はお考えになつておるか。もし次官が数字がわからなかつたら、管轄の社会教育局長あたりが、大体頭の中にあると存じますから、ひとつお答え願いたいと思います。
○寺中政府委員 青年教育のため、また婦人教育のためにできるだけの努力をいたしておるのでありますが、予算的には大体前年度の規模でございまして、そのうち青年学級振興法の関係におきましては、補助率が少し下つた関係で、多少減額されておりますが、前年くらいの仕事はできると考えております。
○堤(ツ)委員 そのくらいしか言われないと思います。私も調べて持つておりますけれども、申し上げませんが、前年ぐらいのお仕事とおつしやいますけれども、去年の秋から今年の春にかけての物価の値上りはよく御承知だろうと思います。これは生活保護法の中にも、児童福祉法の中にも、予算全般の中にごまかしがある。私は封建的な社会組織の中に育つた日本の女が今日売春をやる、母親が子供について行けないという今日の欠陥が、日本の国全体に大きなマイナスをしていると思うのでありまして、文部省がどうかひとつ——文部省あたりは力んでみたところで、大蔵省に抑えられて、どうせ予算はもらえないというので、半分あきらめておやりになるような予算交渉でなしに、もう少ししつかりやつていただきたいと思うのであります。御説明になつている文部省政府委員のお顔を拝見いたしましても、例によつてまた言うけれども、そんなことどうなるぞといつたような顔がうかがえる。そこに私は今日の政治の欠陥があると思う。私は学生が七〇%アルバイトをし、卒業した学生が何百人に一人の就職の試験を受ける、こういうことで健全な思想を婦人や子供に要求することができるかどうか、教員の政治活動禁止法がきのう議会に出て、本会議場でもめましたけれども、それでは今日の社会の現実に対して学校の先生が、こういうことはこういうところから出て来るのだというので、政治に批判が来て、政党に批判が出て、正しい人ならばこういう政党を支持するであろうと言えば、これは中立の侵害だとおつしやるけれども、今日すでに新しい憲法のもとに批判することを許されて来た国民を、批判が許されなくなるように持つて行こうと、学校教育を通してやろうとしているのが、教員の政治活動の禁止法なんです。よらしむべし知らしむべからず、何も言わずに知らさずに、上から警察の力で抑えておいて、権力ある者、金力ある者がどんなことをやつても、三人で四十五人の芸者をあげて汚職官吏が散財をやつておつても、国民は黙つておれ、再軍備街道を突進するのだといつて、それで思想が押えて行けるかどうか。何事も文部省の責任であります。私は文部大臣が今日はおいでになつておりませんから、政務次官の責任においてこの点はよくお伝え願いたいということを、ひとつお願いいたします。
○庄司主査 ちよつと申し上げます。御承知のごとく、ここは言論自由の府でございますから、何をおつしやつてもあなたの御自由でありますがここは分科会でございます。予算の款項目にわたつて疑いをただすのが分科会の目的であります。総括質問や一般質問と違いまして、この席は分科会としての性格にぴつたりしたところの御質問をお願い申し上げたいのでございます。これは念のため主査よりあなたにひとつお願い申し上げます。
○堤(ツ)委員 主査の御趣旨はよくわかります。しかし私たちが賛同をする前には、私たちのある意図があつて質問しておるのでありますから、質問の返答が十分でなく、またそれに期待できなければ、こにに対して意見を申し上げることは、国会議員として決して私は違法行為ではないと思いますので、ある程度はお許しを願いたいと思います。 次に先ほどちよつと触れました売春対策につきまして、これは私は文部省も関係官庁として、ある程度の誠意を示してもらわなければならないと思うのでありますが、対策協議会にお出ましになるところの次官でないと、わからないかもしれませんが、この売春禁止法を出すについて、各省がいろいろ縦横の連絡をおとりになつて、この中に、たとえば厚生省であるならば、性病予防の見地から公衆衛生局の予算の中にもその金がある程度盛られてあるとかいうように、何かの意味で良心的な予算が文部省の中には少しでも考えられておるでありましようか。この点をひとつお伺いしたい。
○寺中政府委員 売春対策協議会につきましては、文部省も関係官庁としまして協議にあずかつておるのでありますが、これにつきまして文部省といたしましては、婦人がそういう職業に陥らないような精神教育の面を担当することになるのでありまして、そういう意味から婦人教育のための経費、あるいは売春によりまして青少年が下良化する、風紀が乱れるということを防止するための経費を、若干計上しておる次第です。
○堤(ツ)委員 若干というのは幾らでございますか。
○寺中政府委員 婦人教育のための経費といたしましては、三十三万六千円でありますが、婦人教育としまして、たとえば青年学級あるいは社会学級、その他専門講座、あるいは学校の開放講座というような形で、婦人がいろいろな面で教養の機会を得られるような関係で、数百万円の金が計上されておりますほか、青少年教化の関係では三十七万八千円が計上されております。
○堤(ツ)委員 三十三万六千円というのは、二つか三つくらいけたが、違うのと違いますか。女性三千万くらいとして、どうして教育するのでありますか。具体的な例をひとつあげていただきたい。
○寺中政府委員 婦人教育の関係は、大体地方におきまして、婦人相寄つてお互いに教養の場所を持つという形で、地方費においてこれを担当する部面が多いのでありまして、中央におきましては、その指導者の講習あるいは総合的な会合の経費というような、直接の面では指導者関係の面を担当する形になりますので、三十三万円といいますと非常に僅少でありますけれども、これによつて地方に対する、いわば推進力の一端になり得るというふうに考えておる次第であります。
○堤(ツ)委員 どうもありがとうございました。次官、お聞きの通りの予算でございます。ひとつお考え願いたいということを申し上げておきます。
○庄司主査 主査から申し上げますが、お聞きの通り、山花委員に対する政府の食い違いの御答弁の統一を願いまして、教科書の問題、給食の問題等の点につきまして、統一された責任のある御見解を、午後あるいは明日、でき得るならばすみやかに文書をもつて本分科会までお示しを願いたいと思います。
○安田政府委員 今のお話は、先ほどちよつと山花委員にお話したのでありますが、生活扶助費の中に、教育扶助なりあるいは医療扶助なりが入つておるというような御見解であつたために、そういう御疑問が出たのでありますか、先ほど私がお話いたしまして、御了解をいただいたと思つておりますが、長谷川先生、いかがでございますか。
○長谷川(保)委員 よろしゆうございます。
○庄司主査 それでは文部省所管関係の質疑は一応この程度にしておきまして、午後は一時半より再開いたしまして、長谷川委員に御質問願いたいと思います。 それでは暫時休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ————————————— 午後二時四分開議
○庄司主査 それでは休憩前に引続いてこれより会議を開きます。長谷川保君。
○長谷川(保)委員 教職員の保健管理についてのことでありますが、学校教職員の中に結核の蔓延が相当はげしいものがあるというように考えられておりますが、今日中学校、小学校等におきまする結核の教員の数はどれくらいでありますか。
○内藤政府委員 二十六、二十七、二十八と三箇年同の統計をとつて参りますと、大体二・二%ないし二・五%くらいであります。数字を申し上げますと、二十六年度は教員総数四十八万三千に対しまして一万一千百二十一人、二十七年度は四十九万五千二百九十人に対しまして一万二千四百二十一人、二十八年度は四十九万八千百三十七人に対しまして一万一千三百四十三人、比率を申し上げますと、二十六年度が二・三%、二十七年度が二・五一%、二十八年度は二・二八%になります。
○長谷川(保)委員 これに対しまして教員のための結核のベツド、教員保養所のベツドはどれくらいございますか。
○内藤政府委員 文部省といたしましては、逐年各府県に教員保養所の設置を奨励いたしまして、三分の一の補助金を交付しておるのであります。現在までに三十八県が完成しております。新たに来年度予算におきまして、長野、徳島、高知の三県で計二百ベツドを予定しております。
○長谷川(保)委員 現在のベツド総数はどれくらいございますか。
○内藤政府委員 二十八年度までの総数は二千七百八十六ベツドであります。新たに二百ベツドが追加になる予定であります。
○長谷川(保)委員 そういたしますと、まだずいぶんベツドが下足をいたしております。二十九年度予算におきまして相当補助金が出ておりますが、それが前年度より減つた理由は、単に緊縮予算ということだけでありましようか、ほかにもまだ理由がありましようか。
○内藤政府委員 一応各府県からの希望をとつておるのであります。前年度は四県でございましたが、二十九年度はたまたま三県が設置を希望しておりましたので、一県減りました。その関係でございます。 それから念のために申し上げておきますが、一応教員保養所で収容する者は軽症患者だけを対象にしておりまして、重症の者は全部一般の病院の方にお願いしてあるわけであります。
○長谷川(保)委員 地方へ参りまして教員の結核の実態を拝見いたし、ますと、やはりこういうベツドをつくつてほしいという希望が非常にございます。事実健康診断の方が順次徹底して参るにつれまして、はね出されておる結核の教員諸君、これがただいまいただいた統計でも大体予想されますが、相当多いのであります。一方先ほど山花委員から御質問がありましたように、教員の児童に対する比率は相当きゆうくつであります。きゆうくつなところへ持つて来てこの結核の教員が休んでおるので、いよいよ過重になるということでございまして、結核の治療が非常に進歩した今日におきまして、私はこの方面にもつと十分な文部省の御努力が願われなければならないというように思うのであります。この点につきまして、本省といたしまして今後どういうような方針で行かれるか、単なる軽症者だけでなしに、相当重症な方々も入れまする結核療養所が新設、増設されることが十分必要だ、こういうように思うのであります。人数から申しまして一般国立病院その他に委託することは無理でありまして、すみやかに教員全体の結核療養所をつくるべきであるというように私は思うのであります。これらに対しまする文部省当局の御意見を承つておきたいと思います。
○内藤政府委員 お話のように教員の結核に対しましては私どもも非常に心配しておりまして、本年度予算でも教職員の健康診断に対する補助——これは当初、昨年受けたのでありますが、教員の健康診断を厳重にいたしまして、早期発見による治療というところから、軽症者は保養所に入れる、重症者につきましては、ただいま一般の病院と申しましたが、今共済組合の方で教員専門の病院をつくる計画を進めております。
○長谷川(保)委員 次に、ちよつと先ほど同僚議員からお尋ねがありましたが、学校給食の問題をもう少し補足して伺つておきたいと思います。先ほど同僚委員から学校給食で非常に悪い粉が与えられるというお話がございましたが、事実さようのようであります。同町にパンをつくるのにふさわしくないところの粉を、無理やり学校給食の方に配給をされておる。これは非常に困つた問題であるということと、さらにまたパン屋の超過電力と申しましようか、超過料の問題が非常に大きな問題で、学校給食のパンの単価を非常に高くしておる。また十分焼けておりませんところのパンを与えておるということで、非常にまずいことになつている。もしそういう点を積極的に合理化して参りますならば、この学校給食の設備あるいは関係費用はきわめてわずかでありますけれども、これをさらに有効に扱うことができると思うのでありますが、そういう電気料金の合理化あるいは学校給食用の粉の合理化という点につきまして、文部当局はどんなふうに努力をしていらつしやいますか。
○近藤政府委員 お答えいたします。学校給食用のパンの品質の問題でございますが、これは結局小麦粉の質の問題になるわけでございます。そこでパンの小麦粉でございますが、多少専門的になりますけれども、ただいま小麦粉の種類に通称シロワラ、アカワラ、マニトバと三種類あるわけでございます。一番質の上等なのがマニトバという粉でございまして、できるだけマニトバを混合いたしましてパンをつくるように指導いたしております。そこでただいまの混合の比率でございますが、このマニトバを二つのパンに対して少くとも六〇%入れろという指導をしております。ただいまのところは、全国的に申しまして大体五〇%マニトバを混合しております。従つて全国的に品質といたしましては相当いいものができておるはずでございますが、なおこの点につきまして今後とも農林当局と打合せまして、パンの品質の向上につきましては努力するつもりでございます。しかしながら何と申しましても費用の点がございますので、一方において制約を受けるわけでございます。品質をよくいたしまするためには、どうしてもそのパンの値段が上るという問題が当然起つて来るわけでございまして、一方父兄の方から申しますと、給食費を軽減してもらいたいという要望もございまするので、この点非常に矛盾を感じておるわけでございますが、できるだけ給食費の安い範囲におきまして、品質をよくするという方向に今後とも努力をいたしたいと考えております。それからただいまのお話の電気料金でございますが、これは御指摘の通りパンの原価に加算されますので、この電気料金の問題は非常に大きな問題でございます。今回電気料金の値上げというような問題もありますが、われわれといたしましてはこの方面に対しましても十分努力をいたしまして、給食用のパンの電気料金の値下げ、今日以上に上らないようにということにつきましては、今後とも通産省とよくお話をしまして努力をしたいと考えております。
○森(幸)委員 今学校の給食問題が出ておりますが、私は厚生省の関係で一応お尋ねしたいと思つておりますので、関連しておりますから一ぺん文部省当局の御意見を何つておきたいのです。今長谷川さんからお話がありましたように、われわれは食生活改善と言うて、非常に関心を持つていろいろな方面に手をつけておるわけであります。これが御承知の通り農林省、通産省、厚生省、文部省、この四つに関連しておるためにどうも徹底した施策ができない。聞きますと学校給食に対してその半額を国家が補助するような法制化を考えておられるようでありますが、文部省としてこの学校給食に対して将来どのぐらいな理想をお持ちになつておるのでしようか。われわれが考えるのに、文部省だけの仕事では手に負えないと思うのであります。農林省も関係しておるし、文部省はもちろんのこと、厚生省も関係しなければならない、またいろいろ材料獲得の上におきましては通産省も関係しなければならぬ。われわれはもつと大きい意味において食生活を根本的に改善して行かなければならぬと思うのでありますが、この基礎になる学校給食というようなことを一つの省の片手間仕事でやるのでは、私は理想の域に達することは前途ほど遠いことだと思うのであります。きようですかきのうですか、何か学校給食の経費を国庫が半分負担するような法制化をしたい、こういうようなことをお考えになつていることを聞いたのでありますが、そういうことはありませんか。また今委員が質問をされましたが、学校給食に配給される小麦の粉が請負仕事にされておるので、途中で粉が交換されるのであります。農林省としましてはできるだけいい質のものを配給する計画を立てて、委託加工をさせておる。ところが委託工場においてすりかえられる、こういうことのために非常に質が悪くなる。この間も私は都内のある学校の給食の実際を見まして、パンを食べてみたのでありますが、サツカリンを非常に入れて甘くしております。しかしああいうようなサツカリンは、決して毒とは思いませんけれども、必ずしも、ことさらにあれを入れなければならぬわけはありません。また砂糖もああいう方面には特別な措置をとつておるわけですから、ああいう調味料を使うこともどうかと思いますが、学校給食に対して文部省はもう少し積極的に指導監督をせられることが必要であります。将来においては、私は所属行政庁が内閣になるかどこになるかわかりませんけれども、とにかくこの食生活改善のために総合的な、統一のある施策をしなければまちまちになつて行くのじやないかと思うのであります。これは厚生省とも関係しておりまするから、話がそつちへまたがるようでありますが、食生活改善ということが論議されております。こういうようなことを、農林省もやつておるのです。そうして農林省はかまどの改善とかあるいはまきの改善とか、水道の改善とか、台所の改善とかやつておりますけれども、また一面におきましては食生活をいかにして合理化するかということの指導もしております。これもまた厚生省としておやりになることであつて、また文部省として、あるいはPTAなどの方面においてもこういう指導をされるのであります。あららからもこちらからも薄い経費でばらつと奨励されることでは、この最後の目的が徹低しないと思うのでありますが、学校給食に対してとりあえず文部省といたしましては経費は少いでしようが、どういう指導方針をお持ちになつておるか、厚生省の予算に対して質問する参考にもなりますので、承つておきたいと思います。
○近藤政府委員 ただいま文部省で学校給食の仕事をやつておりますが、その方針といたしましては、学校給食が児童の心身の健全な発達に資するという教育的な意味合い、並びに農林省御当局で提唱しておられまする食生活の改善に寄与するという意味合いから、ただいま学校に対しまして給食を実施し、これを普及するという方向で進んで参つております。御承知の通り学校給食の実施につきましては、必ず物資が伴いますので、従つてこれは、一文部省のみではなかなか困難な仕事でございます。御承知のごとくにこれには農林省の非常な御協力を仰がなければなりません。予算につきましても、現に農林省の予算に計上されておるような状況でありまして、小麦の二分の一補助につきましては、食管特別会計の繰入金といたしまして十七億円、給食用の脱脂ミルクの補助金として五千八百万円、本年度の農林省予算に計上されております。文部省予算におきましては、給食施設の整備の補助金といたしまして五千万円計上されておるような状態であります。確かに農林省の御協力によらなければ、とうていこの仕事はできないわけでございます。現に小麦の配給につきましても、農林省の食糧事務所から都道府県の教育長と契約いたしまして、それを買い取つたというような状況でございますので、今後とも農林省御当局の非常な御協力を仰がなければならぬことと思つております。また厚生省につきましても厚生省の保育所の給食の今年の予算では四十三万人分を学童の給食と一括いたしまして、脱脂ミルクを一般学童給食用の場合と同様に輸入をいたしております。厚生省に対しましても、私どもお世話を申し上げておるような状況であります。また学校給食用の献立につきましても、カロリーは六百カロリー、蛋白質は二十五グラムという基準がございまして、これらの点につきまして栄養的な見地から厚生省の非常な御協力を仰いでいるような状況であります。御承知の通り、これは農林省並びに厚生省の御援助のもとに文部省といたしまして実施しておるような状況でございます。今後とも関係御当局の御協力のもとにこの仕事を進めて参りたい、かよう考えております。ただいま、全国的に申しまして小学校児童並びに教員を入れましてざつと千百五十万ございますが、そのうち学校給食を実施しておりますのは約六百万でございます。従いまして約半数がこの給食を実施されておるような状況でございます。将来はこれを小学校の児童全部に実施したいというふうな理想を持ちまして、ただいま進めて参つております。概括そういうような状況であります。
○森(幸)委員 これはわれわれ立法府としてもむろん責任がありますが、あなたの方でこれを実施される際に、非常な不便、不都合があり、文部省が農林省へ頼まなければミルクを得られないというような、一つの内閣の中でそういう考え方のあることは、私はきらいなのですが、内閣の責任においてこういうことは根本的にやらなければなりませんから、われわれ立法の立場にあるものも将来考えますが、行政官庁としても、お互いに連絡のある仕事はどうして行つた方がいいかということの研究を進めていただきたいと思うのであります。そうしてすべての施設がだんだん進んで行くと、目的とはぐれてしまう、こういうことがあるのであります。これはこの問題と関係がないようでありますが、模範スクールというのですか、なかなかりつぱなハイカラな学校を建ててくれますが、その模範スクールという目的がどこにあるかということをわれわれは考えざるを得ないような状態であるのでありますが、学校給食ということは、貧乏、金持ちの隔てなく同じ昼飯を食う、中には弁当を持てない貧困の子供がある場合もあるのでありますから、とにかく貧富の差別をなくして、ともに食事をして偏食をためるという一つの目的もありますが、私の考えるのは、もつともつと大きい目的で、日本の食生活は長い惰性で誤つておる、だからお互いおとなになつてから食生活を根本的にかえるといつてもかえにくいのであつて、子供の学校時代から——われわれが生きておる以上物を食べなければならぬ、食べるのは何の必要があつて食べるか、こういう必要で食べるのだ、どういう物を食べたらいいか、こういうような食生活の根本観念を養う。米でなければいかぬ、パンでなければいかぬ、ミルクでなければいかぬ、こういうことでなしに、われわれの活動のエネルギーをこういうものからとればいい、こういうことをやつて行かなければ、人口問題、食糧問題は将来解決がつかない、それですから私は学校給食に対しましては、そういう大きな、永遠の理想をもつて進んでもらいたい、こういうことを特にお願いするのでありますが、これも模範スクールと一緒で、給食ができる、そうするとまかないの設備の方に、なかなか文化的な水道であるとか、電気であるとか、文化的な教室ができる、それを自慢するようになつて、児童の給食ということは、さもつけたりのような考えを、地方でも打たれる、こういうようなことがあつてはたいへんだと私は思うのであります。この目的が国民の体位を向上する上において、食生活を根本的に改善する第一歩であるという気持と、少い経費が各省ににばらばらになつておりましては徹底しないから、むろんわれわれも行政改革の上において考えますけれども、取合いしないように、各省をまとめた一つの施設ができるような研究を進めていただきたい、これは早急に行かぬかもしれませんが、研究を進めていただきたいと思うのであります。 なおついでですから伺いますが、これは厚生省かどこか、ちよつとややこしくてわかりませんが、日本はねずみが多くて非常に米を食われておる、現実はさような結果になつておるのでありますが、農村に行きますと下水の整備の関係から、非常に寄生虫が多いのである、これは厚生省の方かどこかしれませんが、いなかで、あなたの方でもお調べになつておりましようが、九〇%寄生虫を持つているという村があるそうであります。この寄生虫が多いということは、そういうものに食糧を与えておるわけでありまして、まことにつまらぬものを養つておる、足らない食糧で腹の虫を養つておるというばかなことは、今日の食糧事情ではやつておられません。こういうふうなことについてはどういう処置をとつておりますか。徹底的蛔虫駆除の方針をきめていただきたいのであります。この問題については、現在どういうお考えをお持ちでありますか。
○山口(正)政府委員 お答え申し上げます。寄生虫がわが国民に非常に蔓延しておることは御説の通りであります。終戦直後は食糧の関係から自家菜園が広く行われておりましたので、寄生虫の蔓延がひどうございましたが、ただいま森先生から御指摘のように、全国平均いたしますと、その数字までは参りませんが、その近くまで行つたこともございます。しかしその後集団駆虫をあちらこちらでやるようになりまして、逐次寄生虫卵のふえる率は減少して、今全国で平均いたしますと六〇%くらいになつておる、集団駆虫を熱心にやるところでは三〇%あるいはそれ以下になるというところも出て来ております。ただ予省関係は平衡交付金に入つておりますから、国庫補助としては行つておりませんけれども、厚生省といたしましては、ただいま御指摘のように、寄生虫蔓延ということが国民保健の上からあるいは食糧の問題から考えましても重大な問題でございますので、蛔虫は蛔虫——最近十二指腸虫がふえて来ておりますので、それぞれの駆虫防除を徹底いたしまして、地方に流して活発にやつてもらうように指導いたしております。
○森(幸)委員 次にこまかいことは何ですが、文部省の御方針だけ承つておきたいと思います。文化財の保護の問題でありますが、戦争後御承知の通り神社、仏閣の財産が取上げられてしまうとか、あるいは信徒を置いちやいかぬとか、特定の門徒を置いちやいかぬとか、進駐軍がかつてな変なことを言い出して、日本の宗教画にタツチいたししまして、今日の神社、仏閣というものは非常に悲惨な状態にあるのであります。日本の文化財はいろいろあります。けれども主として日本の古代の文化が神社、仏閣に多いことは認めなければならぬと思うのであります。この文化財は、今日は非常に散乱することもありませんが、調弁ができない。ことに不動産である堂宇、社殿というものの非常にりつぱなものがありながら、これらはややもすれば火災等のおそれがある。そういうものに対して手を加えたくとも、先ほど申しましたように神社なり仏閣の経営者が金がないために、何ともしようがない。これはあなたの方に陳情が出たかと思いますが、どこか近畿方面の文化財保護に対するそれぞれの関係者が、何とかしてくれということをお願いに出ておつたと思います。これは陳情も出ておる際であります。ところが、たとえば防火設備をやる。そうすると、何千万円の金をやるが、地元でその三分の二を負担しろ、こういうふうな条件になつて参りますので、とうていでき得ないのであります。でき得ないから放つて置けば、昨年も再々ありましたが、貴重な日本国帑として再びとることのできない、かつまた世界的な建造物が烏有に帰してしまうということがないとも言えないのでありまして、東洋文化を残したいという気持から、またわが国の誇りとしてどうかしてそういうものを傷つけずして将来に持つて行きたい、こう思うのであります。この文化財保護事業に対しては、経費が四億円や四億五千万円ではとても問題にならぬかもしれませんが、二十九年度はともかくといたしまして、何とかもう少し防災の設備であるとか、そういうようなことについてできぬものか。将来どういうふうにこういう貴重な文化財を保護して行つたらいいか、お考えを承りたいのであります。 またこれは登録されておらないかもしれませんが、相当りつぱな文化財と申すべきものが日本にまだ調査漏れになつておるのであります。これは年々調査して文化財に指定はされておりますが、国の経費がないために、ただ指定してやつただけで、こういうのがややもすればアメリカとかよそに渡ることがないとは保証できないのであります。そこでこの文化財保護事業に対する文部省の御方針はどういうところにあるか、現状に対してこういうところを改善しなければならぬという点について御方針を承りたいと思います。
○森田政府委員 ただいま森委員からの御質問の第一点は、文化財の保全、修理に関しての基本方針という点だろうと考えておるのであります。御承知の通りに文化財保護法が制定されまして、新しい態勢で文化財の保護に当りかけてからわずか三年でありまして、われわれこの保護法の精神を生かすべく最大の努力をいたして参つたのでありますが、遺憾ながら微力の関係で、当初にいろいろ計画したことがなかなか予算的にも実行し得ないような状態でありまして、森委員の御指摘のような修理、防災あるいは指定の点につきまして、予定の計画がだんだん遅れて参つている現状であります。ただ修理の問題につきましては、特殊の技能を有する宮大工なり物資なりが必要でありまして、これらの専門の技術者は、戦後他の部面の収入の多いのに比べまして比較的地味なものでありますので、数がふえない。またそういう人々の後継者があまりない関係上、われわれがまかして修理をいたし得る人は全国に数えるくらいしかいないのであります。従いまして、予算がたくさんとれたからといつてもほとんど修理が不可能な状態であります。われわれは現実に修理の緊要度と、これら技術者の適正な配置ということを頭に置いて年年修理を進行して参つております。幸いに、戦中戦後を通じて約十箇年のブランクがありました修理関係が、応急五箇年計画を実施いたしまして、本年度をもつて終る予定になつております。来年からは平常年度に入りまして、年々約六十件の建造物、約百件の仏像関係、絵画関係の修理をいたす予定で予算を組んだわけであります。また防災関係につきましては、当初五箇年計画を立てまして、第一次的に緊要な地域の防災を行う予定でありましたが、これも予算の関係で年々延びて参りまして、目下のところでは五箇年計画を七箇年計画にいたしまして、年度計画に基いてそれぞれ緊要なものから行う予定にいたしております。地元負担の関係につきましては、補助率の点から申しますと、他の国家の補助率に比べて文化財関係は割合に高い。修理関係は平均八割になつておりますので、他の補助率に比べれば相当高いと考えております。防災関係は平均五割になつておりまして、ただいま仰せのように地元負担金も相当持つていただかなければならない関係で、事業が進行しないところも相当あるのでありますが、われわれの方といたしましては、できるだけ地元の負担能力に応じまして適正な補助率を考え、緊要度のあるものから修理いたして参りたいと考えております。それから指定の問題につきましては、新しい文化財保護法が制定になりまして、従来の重要美術品は当分の間だけ一応名前を存置することになり、また従来の国宝は全部重要文化財というランクにされまして、そのうちから一割ないし三割新国宝を選ぶことになつているのであります。つまりこれは厳選主義にいたしまして、国の保存修理を徹底させるという趣旨に基いたものでありますが、この作業があと一年か二年で終りますので、新しい全然指定されていないものにつきましては、その後において徹底的な調査をいたして参りたいと思つております。
○森(幸)委員 いろいろ承りましてありがとうございました。何を申しましても、昔の坊さんたちは俗界を離れることを理想といたしておりまして、今日まで保護建造物といわれたそういうりつぱなものは、山の奥にあるとかあるいは離れ島にあるとかいうことが多いのであります。非常な山の上にあつて火災予防等についても困る。私の方の例をあげてはなはだ失礼でありますけれども、竹生島のごときは桃山時代のりつぱな建造物が竹生島神社観音堂となつて指定されており、これは再び考えることもできないものでありますが、御承知のようにまん中の島である。そうして相当遊覧者も出て来るのでありますから、非常に火災のことを心配いたしておるのであります。今どうしたらこれの火災予防ができるかということで地元でいろいろ保存会等で照会しておりますが、微力なものですから、とうていできない。たくさん遊覧客もあるのであるから、万一の場合にはせめて内陸との連絡に無線電話でもかけたらどうかというようなことも考えているのですけれども、それすらできないというような状態であります。こういうふうなことで、万一のことがあつたら取返しがつかない。はたに水を見ながら焼いてしまわなければならないというようなことになるのであるから、何とかして防災設備をやらせたいとわれわれ心配いたしておるのでありますが、こういう問題についてもひとつ御考慮願いたいと思います。 なおこれはついでに私の方のことを申し上げて恐縮でありますが、彦根の城なんであります。あれはぼろぼろに砕けてしまいましたが、修理するにも何分貧弱な商業都市で、資力がない。今後どうしても直さなければならぬから、予算上何かとるかと言つたら、そんなけちなものはとるななんという反対もありまして、かわらはくずれる、屋根は落ちる。あれはわずか三十五万石ですかの知行ですけれども、昔、城を築く上において特別なる事情のあつた城だそうであります。あれは井伊家の彦根藩がこしらえ、万一の場合には京都から、主上をあそこへお引揚げいたす、こういう由緒ある城だそうであります。また彦根城の上には垂簾窓と申しまして、ほかの城にはまねることのできない御殿づくりの窓を明けているという特徴があります。この由緒ある城がぼろぼろにくずれかけている。何とかしなければならぬ。地方の醵金ももちろん考えなければならぬでしようが、政府としてもああいうふうなものに対しては十分御考慮をやつていただきたい。私の方の問題を出して恐縮でありますが、ひとつ頭におとどめおきを願いたい。京都の金閣寺のごとく、一ぺん焼かれてしまうと、何を言つたつてだめなんですから、どうぞそういう点について、予算がいることでありますから無理なこととは思いますけれども、われわれもそういう気持ちで国政に努力いたしたいと考えておりますから、どうか万遺憾なきよう御考慮願いたいと思います。
○森田政府委員 滋賀県は、文化財から言いますと、京都、奈良に次ぎまして非常に重要なところであるにかかわらず、従来ごく一部を除いて比較的手がついておらないというのが実情であります。ただいま仰せの竹生島にしても、彦根城にいたしましても、早急に手をつけなければならぬと考えておる次第であります。できるだけ早い機会に手をつけるようにいたしたいと考えております。 —————————————
○庄司主査 次に厚生省所管について質疑を許します。原健三郎君。
○原(健)委員 厚生大臣にお尋ねいたしたいのであります。人口問題についてでありますが、日本の人口はここ数年で九千万になり、そのうち一億にもなる。これは日本のきわめて重大な問題であつて、世界において日本ほど人口問題の緊要性を認めておるところはないのであります。その一番緊要な人口問題を怠つておるのは、日本が世界第一であります。その予算額を見ると、人口問題研究所はわずかに千八百五十六万三千円、こんな金である。それから人口問題審議会の費用が五十一万五千円。両方合せたところで千九百万くらいのものであります。こういう予算の組み方をやつているのであります。これではもちろん足らぬと思いますが、足らぬにも事欠いて、この日本最大の問題をわずか二千万円にも足らない金で処理しようとする厚生省の考えは一体どういうのであるか、お伺いいたしたい。
○草葉国務大臣 まつたくお話の通りに、日本の現状から考えて、人口問題は大きい国家政策の一つであると考えております。ただ予算面におきまして、御指摘のように、研究所は一千五百五十六万三千円という僅少でございます。また審議会も同様でありまするが、これは主として基本的な調査をいたしまして、研究、審議し、それらの成果を各関係省並びに政府の方針の立場からさらに検討して、強く人口問題の解決をいたしてもらいたい、そういう事情でありますので、予算そのものは御指摘のように僅少でありまするが、人口問題そのものの比重は現在最も強くなつておると存じます。そういう意味におきまして、今後政府の政策として強く取上げて参りたいと思います。
○原(健)委員 私どもの考えは、わずか三千万足らずで、日本の大問題を研究するというようなことではまことに困るので内閣に総合研究所を置いてやるべきことを強く要望するのであります。それで人口問題を解決するには、どうしても移民をやる、輸出貿易をやる、産児制限をやる、大体この三つにきまつておる。日本では移民などでは解決しないことは歴然たるものがあります。一人出すのに百万円もかかる。しかもそれを受入れるところがきわめて少い。それから輸出貿易は、今年の予算を見ましても、いわゆる輸出振興のために総力をあげているが、といつて日本のふえる人口を解決し得るかというと、私ははなはだ疑問であると思う。さらに長期の日本の人口問題を思うならば、それは移民もやるし、輸出貿易もやるし、産児制限もやらねばならぬことはあたりまえでありまして、私は日本としては産児制限をもつとしつかりやつたらいいと思う。自分の国の人口を自分で処理することをせず、よその国へ人を出そうとしている。日本で出そうとしても、他国は他国でいろいろと日本のためにそういう好意ばかりは示しておれない事情があります。だから日本は他国に好意を示してもらう前に、自分の国でこの人口調節をやる必要が断々固としてある。予算面で見ると、受胎調節費が二千八百九十七万八千円、それが去年よりも約一千万円近く減少を来している、二〇%以上の減少を来しておりますが、私どもとしては、これはしつかりやらなければいけない。去年山縣厚生大臣に言つたら、大いに賛成であつて、受胎調節の知識も普及するし、器具その他に至つては、金のない人もあるから、政府でこれを貸してやろう、万々準備間違いないと言つておつたが、減りも減つたり二〇%以上も減つている。これでもつて一体日本の人口問題をどう解決しようというのか。これは私の観点よりすれば、人口問題の研究には、厚生省に来た予算の全部でなくとも、その一割はこつちに持つて行くのが当然である。こんな不見識な予算をどうして組んだのか、これをお聞きいたしたい。
○山口(正)政府委員 人口問題と受胎調節との関係の問題につきましては、根本的な問題になりますし、ただいまお話の出ました人口問題審議会につきましても、この問題は現在審議されている最中でございます。ただいま御質問の受胎調節関係の予算が減つておる理由はどうだということでございますが、この受胎調節の仕事は母性保護の立場から現在実施いたしておりますが、それを実施いたします主体といたしまして、優生保護相談所を全国の保健所に設置して実施いたしております。現在七百七十二箇所二十八年度で保健所がありますが、二十七年度と二十八年度の二箇年がかりで七百五十二箇所の優生保護相談所を整備いたしますのに必要な経費を計上していただいてやつたわけでございます。従いまして二十九年度は二十八年度に新設されます保健所二十数所の分の施設整備費だけを見込んでございますので、金額が減つているわけでございます。もちろんこの優生保護相談所の経費の中には、施設の整備費と事業費と両方ございますが、事業費は前年度と同じく全体の優生保護相談所の分も見込んでございますが、施設整備費——内部の整備費が前年度に比べまして新設の分だけということになつておりますので、金額の上で減つておるわけであります。
○原(健)委員 厚生大臣にお伺いいたしたいのであるが、日本における人口問題解決の策として産児制限、受胎調節でありますが、これをもつと積極的にやる感想があるのであるかないのであるか、こういう予算の実質から見るとはなはだ熱がないようにうかがえるのであるが、いかがでありますか。
○草葉国務大臣 お話のように、ことに終戦後の日本の領土並びに人口、両方を考えますと、領土におきましては四五%強を失いました。従つて従来の五五%程度に相なつたという状況であります。しかも人口はかえつて外地からの引揚げ、並びに自然増加等を加えますると、人口問題がいかに重要な問題であるかわかります。そこで結局一つの方策といたしましては、人口調節の問題に相なつて来ることはお話の通りだと思うのであります。人口調節の場合におきましては、受胎調節というのが最も適当なる方法であり、必要なる方法であるという意味におきまして、政府はこれを強く取上げて参りたい。ただ予算面におきましてお話のようになかなか不十分であろうと思います。しかし幸いに保健所が相当整備して参りましたので、この保健所の第一線機関を相当活用いたしまして、これらの方面に今後十分活動をいたさせて、受胎調節その他の人口調節の問題に当らして参りたいと思います。御意見の点はまつたく同感であります。
○原(健)委員 厚生大臣に問いますと、賛成でやります、やりますと言うのですが、私は予算の点で、国家の全体の予算をふやさなくても、あるいは厚生省の全体の予算をふやさなくても、このわくの中において受胎調節に内部操作が十分できる、そのことを強調いたしておるのであります。項目もいろいろ多いのですが、重点的に厚生省の中において受胎調節という点に力を入れてもらいたい、こういう意味であります。特にこれを熱望いたしておきます。 それから、戦争に行きました戦死者の遺家族には、今旧軍人恩給法等によつて扶助料が支給されておりますが、未裁定者とかあるいは却下者がまだ九万人ほどあるのであります。未裁定とかいろいろ種類があつて、千差万別で非常にむずかしいのですが、明らかに却下者もあります。これを遺家族の側から見ると、どうせいわゆる赤紙で応召されて行つておるのである、それを死んだ原因によつてお前は公務である、公務でないというその区別を政府が法律でかつてにきめてしまつて、お前は何の病気で死んだから公務でない、死場所が違うから公務でない、こういうふうにきめておるのですが、全部これは公務であるということはあたりまえの話です。実際自分の用で行つたわけじやなし、無理に赤紙でひつぱり出されて行つたのであるから、明らかに公務である。その区別を現在つけておることは非常な矛盾撞着である。赤紙で出征した戦死者は病死であろうとあるいは戦死であろうと、あるいは病名のいかんを問わず、内地たると外地たるとを問わず、これらの方々にはぜひ一律に差上げるべきだと思うのであるが、これについて厚生大臣はどうお考えであるか、お尋ねいたしたいのであります。
○草葉国務大臣 これは先ほど御説明申し上げました通りに、受付けました件数が百九十二万、裁定いたしました件数が百八十六万で、そのうち現在手持ち約六万四千程度でありますが、これらの件数を実際よくやつて参りますと、お話のように公務であるものと公務でないものとの区別をここにつけざるを得ないという状態になつております。これは実は戦傷病者戦没者遺族等援護法が、御案内のように独立直後恩給法の内容改正実施までの一時的暫定処置としてございました関係から、従つて戦傷病者戦没者遺族等援護法そのものも恩給法に大体準拠をしてつくつたのであります。しかし内容は恩給法よりも相当広範囲に実情に即するようにはいたしましたものの、本質はやつぱり恩給法という建前をとつて参つたのであります。そこで恩給法では、御承知のようにある一定の年限を置いて、その年限が終了した者に対して恩給を支給し、あるいはその人が死亡した場合に扶助料を支給する、その場合に、公務のために死亡した場合においては、年限を付さない、その年限に達せぬでもいいというやり方になつておりますから、戦傷病者戦没者遺族等援護法におきましても、公務であるか、公務でないかという基準をどうしても設けざるを得ない状態に相なつております。そこで公務であるか公務でないかという問題は、いろいろ従来の行政実例なり、あるいは法規なりの上から制約されて参るのでありますから、今回の戦争の特異性等にかんがみまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法の制定にあたりましては、関係省と十分連絡をとりまして、なるべくその実情を調査をして、公務と思われるものは、公務の範疇の中に入れながら参つたのでございますけれども、それにいたしましても、なお相当数、約七万件見当と存じておりますが、これらの方々はどうしても従来の立場から公務とこれをにわかに断定することは、あるいは過去の関係、あるいは今後の関係、それらを考えまして、まことに困難な状態であると思われるのでございますので、これらの約七万件に対しましては、そういう状態ではありますが、ただいま御意見もありましたように、国家のため、少くとも公務による、あるいは公務に準ずる、あるいは自己の重大なる過失によるにあらずして疾病にかかる、または死亡したという状態でありますから、今回法規を改正いたしまして、弔慰等の方法を相当手厚くいたしたいと現在考えておる次第であります。
○原(健)委員 それはまことにありがたいニュースで、法規を改正して弔慰等を考えておるとおつしやいますが、どの程度の弔慰をいつごろからやられるのであるか、それを具体的にお伺いいたしたいと思います。
○草葉国務大臣 現行の援護法におきましても、御承知のように、弔慰金等の規定がありますから、これらと従来国家がやつて参りました関係、また今後の予想されまする問題等も検討いたしまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法等を改正して弔慰金の支給を、これもなるべく早く今国会に提案をして御審議をいただくようにしたい。金額の面におきましてはそういう関係があり、また行政実例等の詳細な点もありまするので、現在関係各省と折衝いたし、あるいは恩給あるいは予算等を折衝いたしておりまするので、追つて、なるべく早い機会に御審議をいただきたいと存じております。
○原(健)委員 今法規を改正して弔慰金を出したいと申されたのですが、その予算的措置はこれには載つていない。一体どういう手段によつてやられるのか。
○田辺政府委員 弔慰金は国債の形で大蔵省の予算に計上しております。
○森(幸)委員 今原委員から人口問題と弔慰金問題等についていろいろ言われたのでありますが、人口問題については重大な問題であるから厚生省は一生懸命にやつてもらわなければなりません。厚生省に人口問題審議会というのがありますが、これは何をしておるのですか。いつこれは結論を出すのですか。また栄養審議会というのがあります。医薬分業審議会というのもあります。審議会々々々で審議会ばやりですが、この栄養審議会というものはいつごろからこれをやつて、どういうふうな結論を出しておるのか。また人口問題の審議会というのはそういつまでも小田原評定をする必要がない。こうすればああなる、こうなる、問題は簡単です。これはいつごろ結論を出すのか。どういう人がこれをやつておるのか。審議会の中にはわけのわからぬ審議会がありまして、いつまでもいつまでもやつておる審議会がありますが、これらの審議会はそういうことはないと思いますが、どういうふうなことをやつておるのか。また医薬分業審議会というものは、これは長い間の問題でありますが、これはいつ結論をお出しになるのかということ、この審議会についてお伺いいたしたいのであります。 〔庄司主査退席、原(健)主査代理着席〕 ついででありますから申し上げますが、この予算ではちよつと見当らぬのですが、家畜の屠殺はあなたの方でおやりになるのですか——これは御承知の長い間の問題なのです。これは昔内務省のあつた時分に、保健衛生という意味から、警察が、この牛は殺してもいいか悪いか、病気があるかないかということを監督していたわけですが、内務省が廃止になつてから厚生省へ移つた。ところが現在のやり方を見ると、屠殺場で殺すときに地方のいなかの警官が立ち会う場合もあるし、立ち合わない場合もある。皮の数で何匹殺した、角の数で何匹殺したかという検査をするくらいのことだと思いますが、以前から問題にしており、今日農林省が奨励しているのは家畜の飼育なのです。どうしたらいい家畜の肉がとれるかということが非常な畜産上の問題であつて、酪農の生死にも関係するような問題であります。それであるから海産技術者としてはこういうふうにして飼育せよ、こういうふうにしてやれと農家を指導している。せつかく飼育した牛が厚生省の管轄で殺されて、どれだけの目方があつたか、どんな肉であつたか調べられない。これは数年前の皆さんは御承知でしようが、農林省の人と厚生省の人が争つたものである。今日酪農がはやつて、農家で豚を殺すことも牛を殺すこともお認めになつたのですが、酪農奨励する意味から、飼育する技術の上からいつても、屠殺というものは農林省の管轄にすべきものだと私は思う。これはいつまでも固執せずに、明らかにこれはそうだということで、厚生省の方から農林省の方へ移管するようなお考えはないか。これは二つ目の問題としてお尋ねいたします。 それからもう一つついでに申し上げますが、それは公園についてであります。緊縮予算で一兆円のわくの中でやるのですから、国立公園に対する経費は一応たなにあげてもいいのではないかと思う。国立公団はあちこちに指定されますけれども、その金たるや実に貧弱で、このくらいの金で何をなさるつもりであるのか。公園ばかりふやして、そうしてその公園たるや、国民が行つて頭を休めて保健衛生の上にいい効果を上げるのが目的か、あるいは外貨獲得で、外客が来てぼかぼか金を使つて遊ぶのが目的か、日本の山紫水明を世界に誇るのはけつこうでありますが、その目的がどこにあるか。その目的によつて公園の施設がかわつて来るのに、目的がはつきりせずに施設をするから、日本人にも向かぬ、あるいは外国人にも向かぬような公園の施設ができる。こういうことでは耐乏生活をやつている大事な予算から出すのはむだではないか。むしろ社会保障施設も十分にできないようなきゆうくつなものになつているのだから、これは一服しようじやないかということでいいのではないかと思う。国立公園に対してどういう目的から指定し、管理して行こうとするのか、この三点についてお尋ねしたいと思います。
○草葉国務大臣 医薬分業審議会はどういうようなものかというお話でありますが、これは昭和二十六年だつたと記憶いたしますが、医師法、薬事法、歯科医師法というものによりまして、いわゆる医薬の合理化と申しますか、俗に分業と申しておりますが、昭和三十年から実施することになつておりますので、その具体的な実施に関する施策をいたしたいというので、近くこれは法律案を出して国会の御審議をいただく、こういう予定でありますが、近々来月の初めごろには御審議をいただきたいと思います。 それから公園の問題はお話の観点から十分さような御意見があり得ると存じます。ただ外国のいわゆるナシヨナル・パーク等も考えまして、指定等もいたさずにして置きますことは、せつかくそこにありまする国立公園としてのいろいろな自然をこわす、あるいは取返しのつかぬことになるので、国立公園としての指定をなし、最小限度——このような国家耐乏の時期でございますから、最小限度の方法において維持し、国民の利用を求める。あわせて一部の外客等の便にも供するという観点からいたしておるのでありまして、従つて本来ならば外国の国立公園、ナシヨナル・パーク等も考えまして、十分施設等もいたして、これに対する利用度を高めるべきものでありますが、本年はことにこういう時代でございますから、最小限度にとどめた次第でございます。 あと二、三点につきまして御意見のありました点に関しては、事務当局からお答えいたさせます。
○小山説明員 医薬分業審議会については、ただいま大臣からお答えいたしましたが、これは医薬分業の根本問題を審議するというよりも むしろ実施上の考えなり、技術的な問題を持つた事項を審議する審議会でございます。御承知のように二十六年の法律で医薬分業の根本方針がきめられまして、これが三十年の一月一日から実施されるということにきまつております。その場合に、日本ではまだ薬局の十分に普及しておらない地域がございまして、そういう地域に一律にあの方針を実施いたしますと、いろいろの面で障害が出ますので、どういう地域にはそういう医薬分業を行わないようにするかというような事項とか、あるいは病気によりましては処方箋を出すことが適当でないと思われるような病気があるとされているのでございます。俗にいわれておるところでは、たとえばがんのごときものは、処方箋を出してそれががんであるということを患者に知らしめることが結果として非常に悪いというようなことがいわれておりますが、そういつたような病気としてどんなものがあるかというようなこと、あるいは場合によつては医者が処方箋を書きましても、薬剤師に調剤をさせないで、そこでみずからただちに調剤をするという必要のある場合があるわけでありますが、こういつたようなものを厚生省令できめるということに相なつておるのであります。そういう事項を厚生省令できめます場合に、ただいま話に出ました審議会の意見を聞いてきめるということが、二十六年の法律にきまつておるわけであります。これは非常に技術的な色彩の強い事項でございますので、ただいま大臣が申しましたように、この審議会に関する法律案が提案されまして、国会の御審議を経て制定されるようになりますれば、おそらくそう長い期間を要せずして結論が出て参ると思いますので、この問題については確実に来年の一月一日から実施できるように審議が済む、こういうふうにお考え願つていいような事情になつております。 それから人口問題審議会は、昨年厚生省設置法の一部を改正して設けられたのでございますが、これはわが国の人口について、わが国土にどれくらいの収容力があるか、現在の自然の収容力及びいろいろの方策を講じました場合に、どの程度収容できるかというような事項の検討であるとか、あるいはそういう情勢に基きまして、どういう方策をとらなければならぬかというような、いわば人口問題に関する基本方針を審議するという任務を持つて設けられた審議会でございます。これは先ほど原先生もおつしやいましたように、あるいは内閣に設けることが適当であるかもしらぬ審議会であるわけなんでありますが、政府部内におきまして種々協議いたしました結果、厚生省においてすでに十数年にわたつて人口問題を所管している関係もありますので、内閣に設けたと同じような内容を持たせつつ、厚生省に設けて運営して行くということで、昨年厚生省に設けられたのでございます。従つて、この審議会は通常の厚生省の審議会とは違いまして、単に厚生大臣に対して意見を申し述べ、あるいは厚生大臣の諮問を受けるだけでなしに、関係各大臣すべてから諮問を受け、また答申をするというように特にきめられているのでございます。そういうような任務を持つた審議会として、実際上人選が終りまして会合が持たれましたのは、昨年の十一月からでございまして、今日に至るまで三回審議会を開いております。委員は文字通り関係各会の有識者を網羅しておりまして、財界におきましては一万田日銀総裁あるいは石川一郎経団連会長以下代表的な人物が参加しておられます。また学者につきましては、人口問題に関する専門的な学者がすべて参加しておられます。関係官庁も関係のあるところの次官が全部参加しておるということで、四十人をもつて構成されておりまして、目下一生懸命に審議をされておるところでございます。何分問題が非常に大きい問題でございますので、早急に結論を出しますことはなかなか困難とは思いますけれども、先ほどお話がありましたようなことは、審議会でも絶えず論議しまして、少くとも現在の人口に対して抑制的な方法をとることが必要であるかどうかという点についてだけでもこの際ひとつ早く結論を出そうじやないか、個人の意見としては、現在の日本の人口では多過ぎるということはだれしも言つている。ところが一たび公の意見となると、非常にそれについて躊躇した言い方をしなければならぬという状況に置かれているのが日本の状況だから、この点についてもう少し問題を突き詰めて結論を出して、それから対策を考えようじやないか、こういうようなことを論議しておられますので、御期待に沿うようにただちに結論が出るかどうかの点はまだ断言いたしかねますけれども、そういう方向に向つて審議の進んでおりますことは確実に申し上げられると思います。
○山口(正)政府委員 先ほどお尋ねの審議会が三つございました。その中の一つの栄養審議会でございますが、これは一昨年制定されました栄養改善法に基きまして設置されておる審議会でございまして、民間の学識経験者と関係官庁の職員をもつて構成しております。国民栄養改善に関しまして重要な事項について審議して、厚生大臣に意見を具申する、あるいは厚生大臣の諮問にこたえるということになつておるのでございます。現在栄養審議会は栄養士養成部会、食生活改善部会、栄養基準部会という三つの部会にわけていろいろそのときどきの問題を必要に応じて審議しておるわけでございますが、栄養士の国家試験につきましては栄養士養成部会が毎年二回、三回開いて審議いたしております。それから栄養基準部会におきましては、昭和二十二年に栄養及び食糧対策審議会において決定されました国民の一日平均所要量二千百五十カロリー、蛋白質七十五グラム、脂肪二十五グラムというその栄養基準が、いろいろその後の調査によりましてこれを改訂しなければならぬ状態に立ち至つておりますので、近く正式にこの審議会にかけてそれを決定していただきたい、こういうふうに考えております。それから食生活改善につきましては、最近非常に大きな問題になつておりますので、また特別な臨時委員を置き、あるいは幹事をつくるというようなことで、この審議会で検討してもらうということになつておるわけでございます。 もう一つの屠畜場の問題は、これは食肉を通じていろいろな疾病が人に伝染する、あるいはまた健康障害を起す、それを防止しようという立場から、食品衛生の立場から、屠畜場の管理を厚生省所管でやつているわけでございます。しかし、先ほど森先生も御指摘のように、農村において畜産製品をもつと多くとることが園児の食生活改善の上、あるいは栄養改善の上からきわめて必要であると感ぜられますので、従来は大きな屠畜場に対して一定の基準を設けて管理をいたしておつたのでございますが、農村における食生活改善ともからみ合せまして、農村においてはできるだけ簡単に屠殺を行い、しかもまた国民の健康保持の点から最低の線は守るという点で、昨年と畜場法を改正していただきまして、簡易屠畜場という制度を設けて現在実施いたしているわけでございます。簡易屠畜場にできるだけ食肉加工の施設などを設置して、そうして農村における食生活改善に寄与したい。この点につきましては、先ほど農林省と厚生省が始終いがみ合つているというお話でございましたが、簡易屠場の設置につきましては、農林省と打合せまして、農林省の畜産局におきましても十分了解していただいて、この制度を現在実施しているわけでございます。現在は保健所におります係官がその屠殺の際に立ち会つて、健康上支障がないかどうかということを確かめてから、一般の市場に出すという方法をとつているわけでございます。所管の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、食品衛生という立場から、これは厚生省でやつて行くことではないかというふうに考えているのであります。
○森(幸)委員 詳細御答弁ありがとうございますが、屠殺に対しましては、今のようなことで実際問題としてはさしつかえないようでありますが、私はもう一歩進めて、農林省にも獣医師がいるわけですから、あるいはまた酪農指導者もいるわけですから、それと連絡をとる。おれの方の仕事は、お前が見に来ることはいらぬじやないかということでなく、毎日こういう仕事をしているが見に来たまえというふうに、相互の連絡をうまくやつていただければ、あえて私は領域争いはしないと思う。今までは、どんな肉になつておるか、そんなことはお前ら知つたことではない、おれは衛生の方からやればいいというような、昔の内務省的な考えがあつたから、せつかくの、酪農もうまく行かないのじやないかと思うのです。法文に書く必要もないようでありますが、とにかく農林省の酪農ということの精神を取入れて、そうして連絡を緊密にしてやるということにしていただきたいと思います。 それから今の栄養研究審議会の方のことでありますが、いろいろ厚生の立場からカロリーなり、あるいは蛋白給源なり、いろいろ研究されてまことにけつこうでありますが、農林省にも御承知の通り生活改善に対する仕事がありますが、これも相当人数がふえて、各農村をまわつてやつておるわけでありまして、これは単に食糧だけではありません。いろいろの過程改善をやつておるのですけれども、その指導もやはり、こういうものを食べなさい、こういうものが栄養があるというようなことを指導しておるのですから、専門的な厚生省の栄養審議会と、これらの農林省のこういう指導をしている者との連絡をしていただいたら、私は一層効果的ではないかと思うのであります。私が厚生省と農林省の総合的な食糧政策を立てなければいかぬという理由がここにある。これは国家の仕事でありまして、ただ単に厚生省、農林省という割拠的な問題ではないのでありますから、ひとつ横の連絡をうまくやつていただけば、私はあえて多く言うものではありません。ややもすれば、官庁の仕事は割拠して両方で争うようなことがあつておもしろくないと思いますから、設置したほんとうの目的を失わないように今後やつていただきたい。これだけお願しておきます。
○堤(ツ)委員 お忙しい厚生大臣がせつかくお出まし願つているのですが、今いい質問が出まして、私はあとからこまかい議論に入りますが、厚生省は非常に痛いところをつかれていると思います。内務省から分離して厚生省ができたありがたさというものを、もう少しぽんぽんと打出せないものか、一体厚生省というところは何をしているのだろうという非難が一般にあるのは、こういうところだと思うのです。私はいろんな問題をずつと見たときに、国立公団の問題にしても、生活保護なんかでも、厚生省のありがたいところなんですけれども、朝鮮人に暴力でおどされて金を出したり、やらなければならない人に渡らなかつたり、あるいはどこかの富裕な二号さんに渡つておつたり、こういう落度がある。厚生省にもう少しつつ込んで研究してもらいたいところが全体にあると思うのです。大臣は長年厚生問題を御研究になつておるのですから、ひとつ省内全般にわたつて御研究願つて、画期的な厚生行政の躍進をはかつていただきたいと思う。別に笑う気はありませんけれども、四十人で慎重審議していらつしやるということで、人口問題審議会が笑えて来る。医薬分業でも、一月一日からあなたの方は実施できるとおつしやるけれども、医師会や薬剤師会の動きを見ていると、どうやらまた医者と薬剤師に厚生省が振りまわされるのではないだろうかという感じを持つ。私は、審議会ばかりたくさんつくつているが、厚生省はことに貴重な金を民生安定のために生かしてもらわなければならないのですから、よく考えてもらいたいということを、特につけ加えておきます。 そこで個々の問題に入ります。厚生大臣にごまかさずに率直におつしやつていただきたいのは、生活保護法の要保護者の五%ふえるという数字的根拠、これは納得行きませんが、もう一度済みませんが教えていただきたいと思います。
○安田政府委員 お答えいたします。ほかの方の扶助については、大体日本の人口がふえる率というものを見込んでいるわけでございますが、扶助費につきましては、ただいま御指摘のように五%が見込んであるわけであります。大体生活扶助の人員が百七十二万でございますから、それの五%と申しますと、毎月八万人ぐらいが一年を通じまして、もしふえましてもまかなえる予算になつております。これは明年度の予算が均衡予算でございまして、いろいろと生活保護を受ける者がふえるだろうということも予測されるのでありますけれども、ドツジ予算のときの例を見ますと、ほんとうにそういう予算の影響が出て参りまして、要保護者がふえますのは後半六箇月、さらに詳しく申しますと、第四・四半期あたり、あるいは翌年度あたりにだんだん影響が出て来るのであります。そこで五%というものを、後半六箇月に出るといたしますと、大体一箇月十七万人ぐらいふえても生活扶助についてはまかなえる、こういうような数字でございます。見通しでございますから、はつきりしたことはわかりませんけれども、大体そのくらいの率を見込んでおけばやつて行けるのではないか、こういう数字でございます。
○堤(ツ)委員 ちよつと念のためにお尋ねしておきますが、年々予算を組むときに、去年よりは五%、去年よりは五%と、申訳的に五%ずつふやしておいたら野党の質問にもその辺がごまかせるだろうというようなお考えがあるのではないかと思いますが、どうですか。
○安田政府委員 ごまかすというような大それた考えは毛頭ございません。ただ五%というのは、先ほどお話いたしましたような根拠なんでございますけれども、二十八年度の実績から見まして、生活扶助はそれほどふえてないのであります。従いまして今御心配のように来年度五%で足りるかどうかという点につきましては、大体今御説明したような理由で大丈夫でないだろうか、こういう数字でございます。
○堤(ツ)委員 私はこういう根拠に立つて質問をしているのです。二十八年度より十四億四千万円ふえているのですね。これは二十八年度におけるところの生活保護費の赤字が四十八億あるでしよう。これは初期には御想像になつておつたかおらなかつたか、これをちよつと伺いたいと思います。
○安田政府委員 生活保護費の赤字は、けさほど大臣が申し上げましたように主として医療扶助費の赤字でございます。そこで明年度二十億の不足分が計上いたしてございまして、そのほかになお足りないものが十二億、先月予備費から支出されまして、三十二億の当時の赤字であつたのであります。四十八億とおつしやいますけれども、先のことでございますので、なかなかはつきりわかりませんが、私ども一応三十三億円支出したことによつて何とかやつて行けるのではないかこういうふうに考えております。
○堤(ツ)委員 これはしつこいようでございますけれども、今年の三月までですから、あなたの方は十二月か十一月を標準にしておつしやつておるのではないかと私は思います。そこで物価の根上りというものは、あなたの方で統計をおとりになつておると思いますけれども、これは生活保護と非常に関係が深いのですが、勤労者の一箇月の支出金、これは二十六年の一月には四・六四人の世帯で一万二千九百九十四円です。それが一年たつて、二十七年の一月には、四・六八人の世帯で一万六千五百二十三円です。一年に三千五、六百円くらいふえておると思います。そこでさらに一年飛んで、これは四・七八人を標準にしておりますが、二万一千二百六十七円、ところがこれから半期たつて去年の六月、これは四・七六人の世帯でやはり二万四千二十二円です。この統計は、国民生活がだんだん追い込められて苦しくなつて来ているという一つの統計です。これは二十八年六月までの統計でありますけれども、二十八年の六月以後今日までの値上りというものは、正月の米の値上りに伴う物価の根上りをはさんで私は非常に上つておると思う。あなたの方ではどれくらい値上りを見ていらつしやいますか。
○安田政府委員 ただいまのところ御指摘のような数字の資料がないのでございますが、今二十八年六月の資料をおとりになつておりましたが、私どもは二十八年七月に十三次の基準の改訂をやつたわけでございます。これがいわゆる八千円ベースのところまで上つたわけです。その前は七千二百円くらいであつたと思います。その後二十八年七月から六箇月たちまして、ことしの一月から米価改訂で、標準世帯で二百三十三円上つた。来年の標準のことでございまするが、今お話のように、勤労者の家計調査からはじき出しまして、どの程度が一番適当な標準であるかということは、いろいろ議論のあるところであると思います。私どもはなるべく高いものを定めた方がいいと思いますけれども、いろいろ理論的に計算をいたしまして、現在の五人世帯で八千二百三十三円というのでやつて行けるのではないか。なお今後の物価の見通しでございますが、明年度は一兆円予算でありますので、物価も上らないのではないか。むしろ大蔵大臣の話によりますと、若干下るようなことになつております。大体そういう点を考慮に入れまして、現在でいいじやないかと思つております。
○堤(ツ)委員 厚生省の管轄の中で、生活保護というものは非常にウエートが重いと思いますが、私はいたずらに政府を攻撃しようと思いませんけれども、この予算は五%ないし一0%の物価の値下りを目的としたものであるけれども、審議庁や大蔵省ではその自信を持つておらぬ。だから予算を通してしまうまでは、官庁の役人は、下らないということを絶対言つてはいかぬ、禁句になつておるということを私は耳にしているし、自信を持つておるのですが、去年の秋から今年の春、それからずつと追うて行つて一兆円予算——なるほど一兆円予算ですけれども、私は決して物価は値下りにならないと思う。一番大きな消費部門であるところの兵隊さん——戦力なき兵隊さんかもしれませんけれども、われわれは一箇月十万円かけて兵隊さんを養うのですから、これは少々国民がおかゆをすすつておつても、物は下らぬのです。そういうことを考えたときに、五%の見積りというものは厚生省としては非常に失敗じやないかと思う。それとも将来補正予算が出たときに幾らか要求するつもりか。また今年のように予備費の中からせびつて来るつもりか、その辺は厚生大臣いかがでございますか。
○草葉国務大臣 実はずつと終戦後の生活保護法の実施の状態を見ますと、御案内のように、昭和二十一年は全体に対しますパーセントが三五・九%、昭和二十六年になりまして二四%、昭和二十八年になりまして二二%、金額は増しましたが、二十六年度で二百三万四千人が、現在では百九十三万四千人程度、ずつと下つて来ております。ただ昭和二十九年度の予算が一兆円予算であるから、相当いわゆる失業者が出て、そうしていわゆる生活保護法対象者がふえるのではないか、こういう問題が、一つの見通しの問題での論議だと考えております。これにつきましては、今社会局長からお答え申し上げましたような観点で予算を組んでいるのであります。かりに相当緊縮をいたしてぐつと締めた場合においても、それが生活保護法の対象者に現われて来る場合には、ただちに現われるという状態は、これはどこの国でもないようであります。また過去においてもそうない、相当そこには間隔がありまして、あるいは失業保険とか、いろいろな失業対策の施策がありまして、それがいろいろふるいにかかつて次に参りますから、明年度の予算におきましては、現在考えられます最大の方法としては、生活保護法の予算としてはこの程度が適当ではないかと考えております。
○堤(ツ)委員 私はもう一言わせておいてもらいます。あなたの今御発表になつた昭和二十一年三五・九%、二十六年はがたつと減つていましたね。たしかこれはドツジ予算で影響を受けているけれども、朝鮮の動乱が起つて僥倖的にごまかせた数字がそこにあると思いますが、大臣はどうお考えになりますか。ですから、こういうことを考慮に入れてもらつて、生活保護費の問題は少くとももう二割方は考えておいてもらわなければいけないということを御忠告申し上げまして、生活保護法の質問はこれで打切ります。 それから今も原委員がお触れになりましたが、この間の質問に対して、まだ打捨てられている英霊に対して、援護法の改正をして拾い上げるということを御言明になりましたが、法律案はいつごろ御提出になりますか。
○草葉国務大臣 これは恩給法あるいは従来の恩給法の行政実例、すべてのものが関連して参ります。もちろん予算の経理等も関連して参ります。ほかにもう一、二点、援護法の改正にあたりまして、あるいは渉外の関係とかいうものもこの際調整して参りたいと存じておりますから、今いつごろとはつきりとは申し上げかねますけれども、もちろん今国会の審議を十分考えて御提案申し上げたいと考えております。
○堤(ツ)委員 聞くところによりますれば、厚生省は一生懸命に、かつての英霊に対処したように、せめて五万円の弔慰金を出したいと思つて、いろいろ準備していらつしやるけれども、大蔵省の方となかなか話合いができない。しかもそれを三万円の線に削られるというので、そこで話ができないものだから、厚生省はこの法律案をより出さないでいるのだということを私はある程度探知しているのであります。厚生大臣いかがでございますか、やはり三万円に値切られているのですか。
○草葉国務大臣 これは予算委員会でも御質問にお答え申し上げ、また他の機会にも申し上げましたが、決して大蔵省と厚生省が対立して、両方が固執しているために調整がとれずにいるというのではございません。大蔵省も厚生省の立場を十分考え、私どもも全体の財政的なことは決して無理を申さずに本筋を通して、両方であらゆる点を検討しながらやつて行こうという状態にいたしておりますから、その点はどうぞ御了承いただきたいと思います。
○堤(ツ)委員 次に私は国立病院の地方移譲の問題について伺いますが、国立病院地方移譲の問題を政府与党が絶対多数当時横車を押してお通しになつて、今年で足かけたしか三年になると思いますが、どれだけの地方委譲を御成功になつたか、ひとつ御説明を願いたい。
○曾田政府委員 ただいままで十箇所委譲いたしました。
○堤(ツ)委員 全国九十五箇所のうち、病院を二十四箇所、温泉病院八箇所、計三十一箇所を国立として残し、地方委譲予定の六十三個所、これが、秋田、山形 岡山、下呂、徳島、太刀洗、新発田、岐阜、富山、これらが地方委譲ができているらしいのですが、三年間かかつて、ぼろ病院を押しつけながら、あなた方はここまでやつて来られたのでありますが、この先の見通しは立ちますか。これは局長よりも、医療体系の一環として、私は厚生大臣の所見を承りたいと思います。
○草葉国務大臣 最初の計画は、お話の通りに、一つの目標を持つていたしておりまするが、これは実際上の問題といたしまして、今のお話のように、押しつけるというような感覚を持たしてはいかがと思います。医療体系の一環として、中央に残すべきものと、むしろ地方にあつて行く方が有効であるものと、そういうものを考えあわせながら、地方の財源、地方の要望等を十分話合いまして進んで参りたい。従つて二十九年度におきましても、地方委譲の病院等は相当内容も整備をいたしまして、希望者のあるところには決して古物の押しつけだということのないように、十分それが医療体系の一環として必要な立場からいたして参りたいという所存でございまして、そういうふうに予算にも実はお願いを申し上げている次第であります。
○堤(ツ)委員 非常に無理な病院を国立として持つて困つたあげくの果てに、金ばかりいる国立病院は地方におつぱらつてしまえというような大蔵省の御意向で、六億三千万円というしたく金を二年間寝さして、そして十しか売れない。これはまさに厚生行政の一大失策である。厚生大臣は御新任でありますから申し上げませんけれども、黒川厚生大臣から何代かわりましたか、吉田内閣は半箇年ごとに大臣がかわりますから御責任が生れて来ないのは当然でありますが、私はこのまま赤字の地方財政に、収支の見込みも立たたないものを押しつけてしまうというような虫のいいことは、いかに厚生省が三年間横車を押してみても無理だということをお気づきになつただけは、まだよかつたと思うのであります。しかしそれだけ損をしておるのは国民大衆でございますから、ひとつ肝に命じていただきたいと思います。そこで少し化粧をし直して出直すという国立病院の化粧代は、幾らでございますか。
○曾田政府委員 事前化粧といたしましては、一億の額を組んでおります。
○堤(ツ)委員 もちろん六億三千万円のかつてのしたく金は前年の会計で処理されたでありましようから、残りがここにこのまま使われるとは思いません。私は当然あのぐらいなものはしたく金として使つてあたりまえだと思うのです。今三億ぐらいということでありますが、私は会計課長に承わつたところによると、たしか六億以上の金を厚生省はとつたと豪語していらつしやるように思うのでございますが、今の数字は違うのじやないでしようか。
○曾田政府委員 会計課長がいかような御説明をなすつたか存じませんが、病院の事前化粧といたしましては、今申し上げましたように三億組んでございます。そのほかに国立病院の整備予算といたしまして、いわゆる基幹病院——存置いたします病院であります。この病院の整備がやはり遅々として進まなかつたところ、明年度におきましてはこの額を相当額ふやしていただきまして、八億その目的のために組んでいただきました。もちろんこのほかに一般整備というものが一億三千万ばかり組んであるわけでありますが、こういうようなものを合算いたしまして、十数億になります。おそらくその中の内容の御説明をいたしますときに、混同したのではないかというふうに思うのであります。
○堤(ツ)委員 そういう御解釈であつたかもわかりませんから、一応妥協をいたしておきます。存置をする病院二十四箇所に八億でございますか。地方委譲をしない対象に八億ですか。
○曾田政府委員 大体予算といたしましては、委譲しない病院に八億ということになるのでありますが、今申し上げましたように、そのほかにいわゆる一般整備という経費を組んでいただいておりますので、これは合算されたものが他の病院にも行く。もつとこまかく申しますれば、その八億と申しますのは、今いわゆる改築にとりかかつておる病院がございます。その病院に主として使用いたされる予定になつております。
○堤(ツ)委員 私たちが常日ごろから厚生省を攻め立てておる、それを裏づけするように、存置するものには多額の金をつける、地方委譲のものには、五十幾つかあるのに、これに一億しか金をつけないという厚生省の根性が問題なんです。できの悪い子にはおかゆを食べさせて、やせて死なしてしまう。いい病院にはうんと金をつぎ込んで国が持つて行こう、こういう根性です。だから器量の悪い娘と同じように、よけい売れない。私は地方委譲の分に八億かけられて、存置の分に二億なら、まだわかる。赤字の地方財政の小さな市町村や県に持つて行つて、押しつけるようにして、廊下の端つこや便所のすみつこを直したくらいで、レントゲン室もまともにないような国立病院を地方に委譲したつて、どう立つて行くか。不誠備きわまる。 今や国立病院の地方委譲の第二の段階だと思いますので、私は厚生大臣に医療体系全般について聞きたい。一体日本の医療施設、医療体系というものをどういう形にもつて行こうというつもりなのか。私どもは医療金融公庫をこしらえて、中小企業金融公庫にも借りられない、国民金融公庫でも追つつかないところの、非常に粗末な医療施設は、民間のものを国が保護して、ここへ来る患者を守るという建前で、金融公庫についても研究をしてみた。ところが今度の予算には、あなた方は四十億円要求して、幾らかに削られているじやありませんか。そういうふうにして一向ものにならない。私はかつて申し上げたように、まだ国民の中には三千五百万の保険の恩典に浴さない者がある。これを法を一本にまとめて、国民全般の保険を担当して行かなければならぬならぬ国が、いろいろな施設の中に国民をうろうろさしおいて、国の設備の体系の統一さえもとれない。そうして国立病院地方委譲に大敗した。これに対する第二の政府の心構えいかがでありましようか。依然として国中心で、地方を育てると言いながら、地方には踏んだりけつたりのあり方しか行かないじやありませんか。しかも地方病院の中には、ないさいふをはたいて改築に協力した市町村もある。たとえば私どもの滋賀県の国立八日市病院のごときは、たつた一つの国立病院を地元がないさいふをはたいて、がけの下に外来の病棟を建てたのが三年前、これがそのまま立ち往生になつておるのであります。こういう無責任なことをしておる。そうして一億の金しか五十幾つのものに対して出さない。残すものには八億。これと符節を合せるごときことを大阪の国立病院に見ることができる。あそこはかつては茶わんの中までどろくさかつた。お化けが出そうだつた。もう少し近代設備を整えられないものか、日赤や阪大の病院から比べてみて、あの醜態は何ごとだと、委員会で言つたことがあるのです。ところが日ならずして一億数千万円の金が投ぜられて、モデル・ホスピタルとして国がお持ちになることは、慶賀にたえないのですけれども、これを地方委譲の対象にするかというと、これは自分で持つて行こうというのである。まことにさもしい根性である。こういうことでは、国の医療体系、医療施設が、国民の保健にこたえて万全を期するということはできないと思うのであります。厚生大臣は予算面から見ても誠意のないあり方を御是正になる誠意ありやなしや、私は伺つておきたい。
○草葉国務大臣 御承知のように地方委譲の問題はああいう経過をたどつて参りました。終戦後医療団なりあるいは軍病院なりが国立に移管されて、従つて全部の地方がそういう体系になつた。これらを医療体系の上から検討してやつて行こうという段階で地方委譲というものが起つて来たことは、御承知の通りであります。これらのものを全部そのままの国営で行くよりも、むしろ地方に委譲して医療体系の上から最も有効にして行くという観点から、地方委譲というものをいたして参つたのであります。数の上から考えますると、お話になりましたように、委譲する数を国立に残す数とが予算面においてたいへん違うじやないかということになりますが、しかし地方委譲いたしまする病院の実際を一々についてずつと検討して参りますると、一応今医務局長から申し上げましたように、二億円程度の整備費、あるいは俗に申しますとお化粧と申しますか、そういう整備をいたしてやりまして、これでなお足らない分は一般の整備費から注ぎ込んでやつて参りたいと存じております。従いまして、個々の病院について今後は検討しながら進んで参りたいと思つておりますから、ただいま御懸念のようなことのないようにいたして参りたいと考えております。
○堤(ツ)委員 国立病院の地方委譲のついでに、地方において民間の施設と公共立の施設が対立しておる姿、これをどう調整して行こうと思つていらつしやるか。公共立のものが安くて大衆のためにもほんとうに間に合うというので、政府の方でこれを育てようとすれば、これを目のかたきにするのは民間の個人医者である。なるほど、民間の個人医者の立場も考えて見ると、保険に協力して、医者は昔のように特権階級でない立場に今日はおります。おそまきに金をもらつて、そして社会的な意味を持ちながら奉仕するところの医者が、公共の施設に圧迫されて常にこれといがみ合う。はなはだしきは、一町内に二つ民間のものと公共のものとがあつて、火花を散らしておるというような姿が見られるのでありますが、私は医療施設というものは社会化されて行かなければならないと思う。大衆の奉仕を一路として進まなければならないと思うのであります。しかし今日までの民間の医療施設というものを無視しては、これまた大衆の輿望にこたえるとができないとするならば、この間の調整を吉田内閣においてはどうとつて行こうとしておいでなさるか。またそれについての努力の面がこの医務局の予算の中に現われておるかどうか、これをひとつ承りたい。
○草葉国務大臣 お話のように今後の医療体系の上から考えましても、現在におきましても、いわゆる私設民間医療というものに日本の医療体系の一つの重点を受持つております。国あるいは公共団体の施設だけではできませんことは、当然申し上げるまでもないことであります。従いましてこれらの民間のあるいは施設の医療機関を正しく発進させるためには、政府は十分力をいたして参るべきものであります。これを圧迫しながら国営で行くという考えは毛頭持つておりません。これらの力を十分尊重しながら、ともどもに医療体系の完成に向つて進みたいという考えで参つております。
○堤(ツ)委員 そういうお志があるならば、この予算の面からいつても、民間医療施設を社会化して、公共のものとともに生かして行くための予算の裏づけがなければならない。昭和三十八年度は中小企業金融公庫において医療施設に対して五億円のわくが許されましたが、その五億円のわくに対して民間医療施設がどういうふうに借りられたか、窓口の実態を大臣は御存じでございますか。
○草葉国務大臣 具体的には局長からお答えいたします。
○曾田政府委員 ただいま年度の半ばでございますから、はつきりしたことを申し上げかねます。また御承知のように、本年度は最初暫定予算というようなものが組まれました関係から、確たることは申し上げかねるのでございますが、御承知のように、いわゆる私的医療機関に対する融資の道というものは、一つは御承知の国民金融公庫を通じてこの一億のわく内で出るということになつておつたのでありますが、この方面はかなりよく動いておりまして、おおむねその二倍ないし三倍くらいのものが医療機関に貸し出されておるもようであります。それから中小企業金融公庫の方は、今申し上げましたように明確に申し上げかねますが、今のところわかつておるのは一億程度でございますが、これは昨年の末のことでございますので、その後申込みも相当出ております関係から、おおむね四億程度のものは出ると私も予想しております。
○堤(ツ)委員 まことに厚生省はおめでたいと思う。私たちは医者を守るのじやないのです。そこに来る患者を守るのです。それで私はこう言うのですが、あんな中小企業金融公庫によその商売人と同じ申込書で医者や歯医者が割込めるわけはない。あなたは今四億とおつしやいましたが、四億借りられたら私はさか立ちする。中小企業金融公庫の金は医者などには借りられない。従つて私たちは特別に厚生省が相当誠意を持つて考えられなければならないと思う。それで医療金融公庫というものが私たちの間でも論ぜられたのですから、この予算の中にたとえ少しでもやつて、民間のものも社会化して行く途上において、現在の医者の腕を生かして行つて、国民の輿望にこたえるためにおやりにならなければならぬと思うのですが、これがやはり軍事予算の影響だと言われればそれでおしまいでありますけれども、できておらない。こんなことでは国民は生のからだをかかえて不安であります。どうぞひとつこれは国民健康保険一本にまとめるところの保健行政の今後のあり方と歩調を合せて、民間の医療施設をどう持つて行くかということを真剣に予算面から来年度はやつていただきたい。今年はもう望むべくもないでしよう。どうせ補正予算が出るでしようから、そのときに割込めたらけつこうでありますが、今の厚生省のお力では御無理ではないかと御同情申し上げる次第であります。 次に結核対策についてお尋ねいたします。結核対策予算は、われわれがこの予算で見ますと百三十三億五千八百七十九万二千円でありますが、これを厚生省の予算の中で見ますと、公衆衛生局に二十七億六千三百一万六千円、医務局の管轄内に百二億二千八十一万何がし、社会局に二億四千八百六十万円、保険局に三億五千十万何がしとなつておりまして、結核患者に対する結核対策の金は、予算面では公衆衛生局と医務局と社会保険局とにわかれているということです。これは役人さんは滅つて困られるかもしれませんけれども、こういう面があらゆるところにあると思うのでありますが、この予算面から見て、各局にわかれた予算を中心としての結核対策について、大臣は画期的なお考えをお持ちになつているのかどうか。
○草葉国務大臣 これはいろいろ法律なり、それから所管関係におきまして予算ではわかれておりますが、結核対策という一本におきましては、厚生省としては同じ歩調と、同じ考え方と指導のもとにいたしております。
○堤(ツ)委員 私は過去六箇年、結核対策を横から拝見して参りましたけれども、たとえば末端の国立の療養所へ行きましても、各省にわかれておるのがものをいつておる。医務局と社会局と保険局と公衆衛生局と、横の連絡は思つたほどありません。私はこれは一つの中に納めて検討をしてもらわなければ金も生きないと思うのであります。私は各局長にもあたつてみたことはありますけれども、何とかかんとか文句はつくようでありますが、これは官僚の立場に立たずして、国民の立場に立つてひとつ御検討を願いたいということを私は申し上げる。 次に、私が過日予算委員会で触れました赤い羽根、白に羽根の募金は、管轄は厚生省でありますが、私が調べたところによりますれば、終戦直後から今日まで両方で九億何かし、ずいぶんたくさんの金を大衆のふところから集めたものです。私がここで大臣にお尋ねしたいのは、この白い羽根が非常にさくさん事務費を使つておることであります。白い羽根、赤い羽根の募金は、地方へ行けば強制割当である。いつそのこと税金にして、能力に応じて割当てればまだわけがわかるのでありますけれども、大政翼賛時代のように、隣組のいやな人たちが言つて来るので、いやいや出す。この白い羽根、赤い羽根で集めた金の中から、驚くなかれなんと経費を九・七七%、二十二年から二十八年までの募金を通じて使つておる。一生懸命集めても、中央の共同募金会や日赤の本部であまりにも事務費を使い過ぎる、また府県ごとに事務費を使い過ぎるということが、市町村へ行けば言われる。かくのごとく事務費を労費するくらいならば——私たちはこの金が恵まれぬ人たちに行くのが大衆の志であると思う。この白い羽根、赤い羽根について、この間緒方副総理から画期的なお考えを聞くことができませんでしたが、所管の厚生大臣はもう少し積極的に今後の方策をお考えになつておつて当然だと思うのでありますが、いかがでございましようか。
○草葉国務大臣 お話の通りに、この白い羽根、赤い羽根のいわゆる共同募金並びに赤十字募金の問題は、国民の熱情、燃える力によるいわゆる寄金である。そういう意味におきまして、事務費を最小限度にいたすべきものであることはまつたく同感であります。これを何パーセント以下に押えるかはさらに検討の余地があると存じますが、いずれいたしましても事務費は最小限度にいたして、国民の熱情による寄金を最も有効に使用すべきものだということはお話の通りだと思つております。従つてこれらの募金の方法あるいはこれが配分の状態その他に対しましては十分これを再検討して、国民の熱情にこたえるようにいたして行かねばならない。年々その考え方で行くべきものと考えますので、これらの赤い羽根、白い羽根の実施状態につきましては、厚生省は今後十分検討いたしまして、これらの指導に当りたいと考えております。
○堤(ツ)委員 十分検討いたしまして、というのはあり来りのお返事ですから、私はもつとつつ込んで申し上げておきますが、一度日赤の島津さんと共同募金の青木さんあたりに寄つてもらつて、大臣はひとつ大いに改めるように鳩首検討してほしい。あの母子世帯のような、むしろ白い羽根、赤い羽根が配分されなければならぬところに強制的にとりに行つている。そしてあんな家はもつと出さなければいけないというところが十円くらいしか出しておらぬというような不均衡があるのです。それでいつそのこと能力によつて税金としてしまうか、もつと社会福祉事業に対する国庫の支出を根本的に考えてもらわなければ片がつかぬ問題であると私は思う。募金の方法につきましては、先進国にもいろいろな例がありますから、そういうものを御検討になつてなさると同時に、零細な大衆のふところを当てにして社会事業をやつて行こうという根性は、国が捨てなければならぬ。国庫でもつて民間の社会福祉事業を育てて行く建前がとれるように憲法を改正したらよろしい。私は再軍備のための憲法改正は賛成いたしませんけれども、もし憲法のある条項が、これを民間の施設に出すことを許さないとしてあるならば、これはあらためて御検討になつて、ひとつ今までの矛盾した白い羽根、赤い羽根——しかも白い羽根と赤い羽根がいがみ合つて、お前のところが春に集めるから、おれのところは夏に集める。だから集まらないといつて憤慨し合い、向うが桜の木の下で集めるから、こちらは柳の木の下で集めるという、白い羽根、赤い羽根のような慈善事業のために集めるものには見られない争いが見られる。私はいろいろ知つておるが申し上げません。こういうことを大臣は、お坊さんでもありますから、ひとつよく御研究になつてはつきりしていただきたい。社会福祉事業について画期的な策を立てられると同様に、これはひとつ・・・・・・。 次に母子福祉資金の貸付でありますが、去年の七億足らずの母子福祉資金が二階から目薬でありますことは申し上げるまでもない。この母子福祉資金の貸付が二階から目薬であるにもかかわらず、府県が半分持たなければ国からもらえないというので、もらえるはずの金を辞退した府県が相当あつたと思う。これは一道一都一府四十二県といいますか、当然これだけのものはもらえるのに、府県に財政がなくて、その半分が持てないからといつて辞退した府県が去年はあわせて何県あつたか。またそういうことを考慮に入れられて今年はどうなさつたかということをひとつお知らせ願いたい。
○竹下説明員 厚生省の方で当初に内示をいたしまして、その後各府原で変更したところは若干ございますが全然やらないというところはございません。来年度の問題につきましては、本年度の予算の状況、それから来年度に予定いたしました金額に、去年実施しました償還金が相当考えられております。従つて大体償還金を一億と見込みまして、本年度同様の貸付をなすように考えております。
○堤(ツ)委員 たしか長野県でありましたか、五千万円の金庫を予定して、地方が二千五百万円、国が二千五百万円といつておつたにもかかわらず、長野県の財政が赤字で、一千万円の金庫しかできなかつた例があります。それから私の滋賀県でありますが、これは中央から一千万円もらつて二千万円の金庫ができるはずであつたものが、知事が赤字だからといつて五百万円にして、半分の一千万円の金庫しかできなかつた。従つてこの法律かできたので、ほんとうに飛び上らんばかりに喜んでおつた母子世帯が、申込みをしてみれば窓口で全部はねられて、二十件に一つしか取上げられないというような実情であります。このような母子世帯に対する福祉資金の貸付の現状では、母子世帯は救われておらないということは、大臣もよく御認識になつておると思うのでありまして、私は全額国庫負担の建前として、赤字の府県にはこれを負担させるべきではないと思うのでありますが、これへの努力はなさつたのであるか、なされなかつたのであるか、これは大臣からお聞きしたいと思います。
○草葉国務大臣 実際堤さんにはことにその方面に平素いろいろ御苦労いただいており、私自身もまたいわゆる母子世帯につきましてはみずからやつて参つたのでございます。従つてそういう面から考えますると、お話のように相当額が必要だと存じます。またこれの内容につきましても、いろいろ検討の余地もあろうと思います。しかしむしろこの実際の取扱いにつきましては、府県あるいは市町村が母子家庭に対しまして理解と力とを持つて行くことが、母子家庭の更正立ち上りに最も必要な点である。それに対して国はある力を注ぐが、中心は、やはり市町村なり県というものが母子家庭に対して熱心に力を注ぎ指導してくれるということが、母子家庭をほんとうに早く更生させて行く道ではないかと私自身は考えております。従いましてそういう観点から、全額を国庫で負担するのが必ずしも、妥当ではないと考え、現在半額負担をいたしておりまするが、一応半額負担において今後成行きを見ながら、なお検討の余地ある場合もあるいはあるかとも存じまするが、今申し上げましたような立場から、半額負担における母子家庭の貸付を二十九年度も実施いたしたいと考えております。
○堤(ツ)委員 あなたは未亡人団体にも非常にお近しい人でございますが、全額国庫負担にしてくれという切なる百八十万の未亡人母子世帯の声はお聞きになつたことがないでしようか。今のお答えは非常に意外に存じます。
○草葉国務大臣 今お話のように、あるいは未亡人団体、母子家庭団体等から常にいろいろご意見を拝承いたしております。また実際ひざを交えて御相談にもあずかつたことがありまするが、そういう点から借りやすくするということは当然必要だと存じます。しかしいろいろな意味から考えまして、私自身は全額の国庫負担よりも、地方が相当これに協力をし、責任を持つた立場において、地方自治体が未亡人あるいは母子家庭に対して強力に力を注ぐという態勢をとることがやはり必要じやないか。平素御希望はよく承つておきまするが、そういう意味におきまして、二十九年度はこのような予算を編成いたしておるような次第でございます。
○堤(ツ)委員 去年五億の金を国民金融公庫から母子世帯にお貸付になりましたが、あれは取上げずに、以後ころがして行くつもりでございましようか。これは局長から御説明願いたい。
○竹下説明員 回転の問題につきましては、まだ決定いたしておりません。
○堤(ツ)委員 それではひとつ売春の問題に触れたいと思います。厚生大臣は売春禁止法に賛成でございますか、反対でございますか。
○草葉国務大臣 売春ということはいろいろな内容を持つておると思います。ただ売春そのものは当然適当でない行為である。堤さんがたいへん熱心におやりになつておりまするその御熱心さには私も敬服いたしております。
○堤(ツ)委員 敬服だけでなしに、厚生省は積極的でなければならぬ。性病予防の見地からだけ、風俗取締りの上からだけ売春取締りをやるというのではないのでありまして、女子の基本的人権の問題であります。売春禁止法の実施については、厚生省は過去三箇年われわれの見て来たところ非常に不熱心であつたということを申し上げて、新大臣に御期待申し上げるところ多うございますから、ぜひ賛成をして、積極的にやつていただきたいということをお願いいたします。
○原(健)主査代理 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 同僚議員の御質問なさいましたところをよけて、できるだけこまかに伺いたいと思つております。 結核対策の問題でございますが、厚生省は結核の実態の調査を先ごろからしていらつしやいますが、現在のところどの辺まで調査の結果が出ておりましようか。
○山口(正)政府委員 結核の実態調査は、当初は二十八年の四月から開始する予定でございましたが、暫定予算のために時期が遅れまして、七、八、九、十の四箇月かかつて実施をいたしました。非常に精細に調査をいたしましたのですが、その材料を全部東京へ持ち寄りまして、それを検討いたしました。そうして一応判定いたしました結果を厚生省の統計調査部へ渡しまして、現在統計調査部で集計中でございます。
○長谷川(保)委員 ごく大ざつぱでよろしゆうごでいますが、大体今日までいわれておりました結核患者百二十万とか百三十万というような数字に対しまして、大体のところ今まで調査の結果はどんなふうでありましようか。
○山口(正)政府委員 ただいま申し上げましたように、ただいま集計中でございますのと、この成績が各方面に非常に影響するところが多いので、まだおおよその数字を申上げる段階にまで立ち至つておりません。私どもはこの発表をできるだけ慎重に行わなければならぬ、そういうふうに考えておるわけであります。ただ先般最初に、川崎と横浜と、それから松戸で予備調査をいたしました成績から考えますと、今まで私どもが考えておりましたよりも患者の数は多いように推定されるのでございます。
○長谷川(保)委員 私の聞くところによると、相当多くなるであろうというように伺つておるのであります。そこで結核患者の数が実態調査の結果相当多くなるということであれば、増床に全力を注がなければならぬと思うのでありますが、いただきましたこの書類によりましても、国立で、昨年一千床つくりましたが、零になつておる。三十九年度の増床分は二十八年度に対して一千床減りまして、九千床という数字が出ておるのでございますが、先ごろ厚生委員会の方で伺いました厚生省の御意見といたしましては、国立は来年度は設備の充実に力を入れるんだというふうに伺つたのであります。しかし何と申しましても日本の結核の対策におきましては、その中心は国立療養所である。その国立療養所が来年度に限つて増床しない、こういうことは重大な問題だと思います。この点につままして厚生省は政策の転換を一応されると言うが、今後の政策の転換をされるという意味であるか、それとも九千九百九十五億予算のために万やむを得ずこうしたのであつて、再来年度はまたこれを増床して行くという方針であるか。今後の方針を伺つておきたいと思います。
○曾田政府委員 この点につきましては、私どもとしては既設の病床の整備をはかるとともに、増床について努めたいと考えておりますが、お言葉のように、いろいろとやむを得ない事情によりまして、来年度の増床を控えたようなかつこうであります。私どもとしては長期の計画としてはやはり国立の病床を増加いたさければならぬと考えておるのであります。
○長谷川(保)委員 これはおそらく結核の実態調査の結果がはつきりして参りますると、われわれが相当びつくりするのではないかと予想される筋も少しあるのでありますけれども、この点国といたしましては、この結核対策に万全の策を立てなければならぬ。ことに今日治療技術が非常に進歩いたしましたこういうときに、いわば追撃というような形をもつて、結核対策を勇猛果敢にして行く必要があると思うのでありますけれども、厚生大臣のこれに対する御見解を承りたい。
○草葉国務大臣 お話の通りに、結核は現在やはり生活困窮その他の原因の一つの大きな点になつておると存じます。今局長からお答え申し上げました結核の全体の調査ができ上りますると、日本における結核対策というものは相当検討し直す必要があるいはあるのではないかと考えております。これはよくその実際を見まして、そうして十分検討を新たにいたして参りたいと考えております。
○長谷川(保)委員 そういたしますと、厚生大臣といたしましては、一応今年国立の増床をいたしませんでしたことは、二十九年度だけの問題であつて、三十年度以後においては、やはりこの調査の結果を見まして、相当これを増床して行くような御方針をとられるというお気持でしようか、どうでしようか。
○草葉国務大臣 その結果によりましては、お話の通りにあるいは増床の必要もありましようし、あるいは他に予防方法、治療方法等におきましても十分検討いたして参らなければならないと考えております。
○長谷川(保)委員 同じ結核対策の問題でありますが、結核予防費が今年大分減つております。七千八百万円ばかり減つておりますが、このうち医療費におきまして一億三千万円から減つております。この減つたものにつきましては、先般厚生委員会での御説明は、特殊薬品の値下りというようなことが言われておりましたが、特殊薬品の値下りだけでこれだけ大きなものが出て来たのであろうか、その内容を伺いたいと思います。
○山口(正)政府委員 御指摘の通り、医療費につきましては、大体特殊薬品の値下り、たとえばストレプトマイシンにつきましては、二割の値下りを見込んで計算してございます。それでそういうふうに減つて来ておりまして、推定の対象人員は、二十八年度と二十九年度を比べますと、増加している面もございます。
○長谷川(保)委員 値下り分はどのくらい見積つてございましようか。
○山口(正)政府委員 ただいま手元に持つております資料では、値下り分はどれだけという数字が出て参りません。ただただいま申し上げましたように、件数としてはふえておりますが、計算上どういうふうになりますか、後刻計算してお届けするようにいたしたいと思います。
○長谷川(保)委員 それでは、それは後ほど数字はまたお教えしていただくことにいたしまして、私がここで心配いたしますのは、すでに厚生当局でも御承知のことでございますけれども、地方自治体に参りますと、結核の公費負担の予算がないということからいたしまして、公費負担を当然しなければならない結核患者の治療に対しまして、これを許しません。こういうケースが非常に多いのであります。でありますから、私はこの結核予防費の関係で、特殊薬品の値下りということ以外に、もしも治療の公費負担の分が相当な額減つておるとしますれば、これはいよいよもつてそのような事態を招来するのでありまして、この点につきまして、むしろ積極的にこの面をふやして行く。なるほど実際の治療をいたします関係におきましては、この公費負担の事務等は非常に煩雑で困つております。また患者側でも困つておる点がありまして、改正の余地が多分にございますけれども、しかしともかくも公費負担の線が出て来たことは、日本の結核治療の上にたいへん喜ばしいことであります。これが今日地方の第一線に参りますと、自治体に予算がないというようなこと、あるいは保健所へ参りましてもいろいろそういうことでもつて実際公費負担の制度が行われておらぬ、こういうことは実に残念に思うのであります。こういう点につきまして、今日このいただきました予算におきましてはどういうようなことになつておりましようか、伺つてみたいのであります。
○山口(正)政府委員 ただいま長谷川先生御指摘の、地方財政が苦しいために医療費の予算化を十分やらないというような点、この制度が実施されましたのは二十六年の十月からでございますが、当初はそういう状況がございました。二十七年度も国の予算は十七億でございましたが、地方で全部それを消化し切れないという状態もございました。二十八年度は地方を督促いたしまして、予算が足りないために公費負担ができないというようなことのないように、できるだけ予算化をしてもらうということでやつてもらつておりますので、大体国が持つております予算の百パーセント近くまで地方でそれに対応して予算化をしているわけでございます。三十九年度におきましては、地方の予算化が十分過去二年間においてできなかつた面もあるから額を減らしたというのではございません。もつぱら先ほど申し上げましたような薬品の値下りということを見越してやつております。この結果といたしまして、対象人員は二十八年度よりも二十九年度の方をふやして見込んでおります。
○長谷川(保)委員 同じ結核予防費の中の「その他」の中の「保健所費補助の内結核関係経費」の内訳のところに書いてございますが、前年度に対しまして減つておるその理由はどこにありましようか。
○山口(正)政府委員 「その他」の分は、保健所関係は保健婦の訪問指導費、あるいは保健所別の講習会あるいは結核医療公費負担についての登録に要する経費、そういう経費に対しまして国が補助することになつておるのでございますが、これが保健所の経費の中に繰込まれておりますので、保健所に対します経営費の補助率が、先般も御説明申し上げましたように、従来三分の一でございましたのが四分の一に減りましたから、そのためにこの減少を来しておる、こういう関係であります。
○長谷川(保)委員 ただいまお話のように、保健所の費用の三分の一の補助率が四分の一に減つたというのは、これは私は非常に残念なことであると思います。今日保健所がやや板についた活動を始めて、しかも第一線において非常にいい活動をしておる。その先端であります看護婦の訪問指導の努力というものは、今日末端におきまして最も感動すべきよき努力をしておる。私は常に敬意を払つておるのでありますけれども、こういうものが減らされること——今日までもたとえば旅費が非常に少いために、保健所がせつかくいい活動をしようとしてもいい活動ができておりません。こういうものの補助の三分の一を四分の一にした、これを厚生省が容認なさつたということは実に残念なことである。この点につきまして厚生大臣の御所見を承りたい。
○草葉国務大臣 保健婦はまことにお話のようによく活動いたし、またある意味で保健所の一つの目といたしまして、実際家庭訪問をいたしながら指導して行きます上にはなくてはならぬ機関であると存じ、その活動に対し敬意を表しております。従つてこの経費はできるだけ国家も多く負担をして、一層活動を十分にいたしたい心持を持つておりまするが、すべて従来のこれらの経費に対しまして二分の一あるいは三分の一等のものを、一応現在審議をお願いしておりまするように四分の一という国家負担をして、そのあとの残りは同様負担はするけれども、地方平衡交付金の費用からいたすということに相なる。従いまして余分のないところは当然平衡交付金の中へ含めていたしておりまするから、今後活動に従来と比べてあまり不便は来さないという方法でいたしております。
○長谷川(保)委員 これはすでに児童福祉関係でもあつたことでありまして、地方に参りますと、実際こういうような厚生関係の仕事というものは非常にじみな仕事でありますから、地方の自治体の議員さんたちはこういうじみな仕事に十分な力を入れることよりも、もつとはでな、道路をつくるとか、橋をつくるとか、あるいは学校をつくるとかいうようなことの方には非常な力を入れますけれども、こういうふうなことにはなかなか力を入れないのであります。でありますから、平衡交付金で流して行けばいいというようなとこは一つの言い訳でありまして、平衡交付金が流れて参りましたときは、この方面にこの金が使われやしません。それとも閣議の方ではひもつきでこれを流すようにいたしますか。少額でありますから多分そんなことはなかろうと思いますが、どんなふうになつておりますか。
○草葉国務大臣 これは平衡交付金の性格から、長谷川さんも御承知のようにひもつきということはなかなか困難であると思います。従いましてこれだけの特別のひもつきという意味ではございませんけれども、お話のように保健所は最近地方におきましてはたいへん尊重され、また喜ばれております。この費用等におきましても、最近明年度の予算を地方議会で相談いたしまする際におきまして、私昨日横浜を視察に参りましたが、地方におきましては保健所の費用を地方で負担をしながらやつて行く熱意がたいへん見えておりまして、喜んでおるような次第でございます。従いまして今回このような制度をとりましても、万々従来のやり方をそぐようなことはないだろうと期待いたしておる次第でございます。長谷川(保)委員 私はこの点は厚生大臣の御意見に従うわけには参らぬのでありまして、われわれこの三分の一を四分の一になすつたことをお認めになつたことは非常に残念だと思います。それで私どもといたしましては、これはあくまで三分の一の補助率に返すべきだ、こういうように考えておるのでありますが、今後の構成当局の御尽力を期待いたしまして、一応この点の質問はやめます。保健所関係に同時に深い関係があるようでありますが、性病の関係、性病予防の関係がやはり減額されております。どうも戦後の私娼の状態からいたしまして、こういう方面の性病予防に非常な努力が必要なときであると思うのであります。いよいよこの必要性は増して来ていると思うのでありますけれども、この点が減らされて参りましたことはどういうような事情でありましようか。
○山口(正)政府委員 性病予防に関しまする費用は主として強制健康診断に要します費用と、それから性病診療所、性病病院に要します費用、それに対します補助費がお手元に差上げた資料に載つているわけでございますが、強制健康診断に要します費用は従来通り二分の一でございまして、やや減少いたしておりますのは、前年度の実績によりまして二十九年度の予算を計上していただいているわけでございます。性病診療所に要します経費につきましては性病診療所、性病病院と両方ございますが、性病病院の方は従来通り国庫補助率が二分の一でございますが、性病診療所は保健所併設のものが大部分でございますので、保健所に対します補助率が切下げられましたのと軌を一にいたしまして四分の一に補助率が下りましたので、金額の上で減少を来しているわけでございます。
○長谷川(保)委員 保健所の費用と同様の理由をもつて私は、国が村政に詰まつて参りますと最初にこういつものを削つて行く、こういうような行き方に対してまつたく反対であります。こういうようなことにつきましてはわれわれは納得することができないのでありまして、今後とも当局の御努力を願う次第であります。時間がありませんので少し急いで、こまかいことはまたの機会にいたします。 次に例の水道施設整備関係の下水道の中にあります屎尿処理分の経費であります。この経費につきまして、ここには備考にございます継続二箇所、新設四箇所、こういうような経費がうたつてございます。しかし今回提案されておりまする清掃法によりますと、人口一キロ平方当り五百人以上のところにおきましては、今後十分腐熟した、夏におきましては一箇月、冬季におきましては三箇月以上腐熟させなければ屎尿を肥料に使つてはならないというようになつておりますが、そういう法律を施行するといたしますると、それに対する施設を何とかつくらなければならぬ。一般の農家の方々は今までの貯溜糟のようなものだけでは足らない。その何倍かのものをつくらなければならぬ、こういうことになりますが、この方面に対する補助金が全然ないのはどういうわけでありますか。
○楠本政府委員 お答え申し上げます。新たに清掃法案におきまして、都市並びにその近傍においては生屎尿をそのまま肥料として使用してはならないという規定がなるほどございます。しかしながらこれらの地域はかなり限られた地域でございまして、特殊の場合以外は農業を営む者はございません。従いましてかような地域におけるごくわずかな農業経営者は一応今後貯溜糟あるいは堆肥施設というようなものをつくつて、肥料を自給するということに相なるわけでございますが、この場合これらの施設は必ずしも十分な施設でなくとも、むしろ労力の点でカバーする点が多々ある、かように考えまして、一応予算化の措置はしてないわけでございます。なお、予算に載つておりますわずかな金額は、主として大都市で屎尿の処理に行き詰まりを来しておりますところにおきまして、かような公共団体が屎尿処理の合理的な施設をつくる経費に充てる見込みでございます。
○長谷川(保)委員 おそらく今日のその方面の行き詰まりというものは、この予算ではとうてい解決できない、大都市の問題だけでもとうていできないと私どもは思うのでございますけれども、しかし実除問題といたしまして、それはともかくとして、ただいま申しました大都市の周辺地区におけるところでは、一平方キロ人口五百人以上なんというところは幾らでもある。そのところでもし単に農民たちに屎尿槽をつくれ、こういつたつてそれはできつこないのでありまして、この方面の予算措置がなくいたしまして清掃法案が出るいうことは、非常な困つたことである。もしそういうことであれば、清掃法案を通すことはできないとわれわれは考えざるを得ないのでありますけれども、これに対しまして何とか他に方法は全然ございませんか。
○楠本政府委員 お答え申し上げます。ただいまも申し上げましたように、今回は都市並びに都市としての性格を持つておるような、きわめて限られた範囲についてのみ、環境衛生上生屎尿の使用を禁止する予定でございます。従いまして、繰返して申し上げますが、それらの地域におきましては当然農業を経営するような者はきわめてまれな場合でございまして、多くは農業経営者というものは、都市近郊におきましてもこれは農村地域に限られるものでありまして、今回の適用地域以外に存在するものという考えでございます。
○長谷川(保)委員 その点は納得できませんが、厚生委員会の方でまた伺うことにいたしまして、次に公的医療機関の整備の予算でございます。第十五国会であつたかと思いますが、日本医療団の残余財産の処理に関しまする法律ができたと記憶いたしておりますが、日本医療団関係の残余財産の使用につきましては、どういうようになされておりましようか。どういうところまで進んでおりましようか。
○曾田政府委員 あの法律改正をお願いいたまして、その後都道府県にこちらから調査を依頼し、また各施設からこの整備補助の要求が出て参りました。そういうような資料が非常に厖大にわたりまして、医療団の方におきましては、これを逐一詳細に検討いたしておるのでありまして、 〔原(健)主査代理退席、庄司主査着席〕 できるだけ早く計画を立てまして、そして実施に移したいというように考えておるのでございますが、まだ今のところ医療団におきましての計画がまとまつておりません。私どものところまでもまだ具体的な相談になつておらないような状態であります。しきりに督促をいたしております。
○長谷川(保)委員 あの法律によりますと、私十分記憶しておりませんが、あれは昨年の三月五日ころに可決されたのではないかと思いますけれども、あの法律によりますと、多分一年以内に残余財産の処分をいたしまして、そうして処分できなくて残りましたものは、それを国庫に入れるというふうになつておつたと思うのであります。さようにいたしまして、あの法律によりますと、提案理由の説明のときに伺つたのでありましたが、あの残余財産は申すまでもなく日本医療団の財産を処分したためにできたのであります。従つて特別の場合を除きまして、この残余財産は原則として当然これら医療団から委譲した医療施設の整備のために使用すべきである、こういうように提案理由の中に書いてあつたと思うのであります。今日あの医療団が解散いたしました後の医療機関は、ほとんど全部公的医療機関となつていると思うのであります。もちろん少数そうでないのもありましよう。そういたしまして、あの残余財産というものが、そういうような日本医療団の所有でありましたあの公的医療機関その他の医療機関の整備に使われておるのでしようか、それともほかに使われておりましようか。
○曾田政府委員 お話のように、必ずしも旧医療団の施設だけを対象といたすのではございませんが、実質上旧医療団の施設でありました、それに所属いたしておりましたものが大部分を占めるということはお考えの通りでありまして、おおむねその線に沿つて計画を進めておるはずでございます。 なおつけ加えまして、最初にお尋ねのございました例の一年以内にと申しますことは、私ども記憶いたしておりますのでは、これは期限は限つてなかつたと思うのであります。ただ見通しといたしましては、大体一年くらいのうちに一応の案を立てたいということを申し上げておいたと思うのであります。
○長谷川(保)委員 先ほど申し上げましたように、この残余財産は、特別の場合のほかは原則として当然これら医療団から委譲された医療施設の整備のために使用すべきである、こういうように提案理由に述べてございますけれども、今日旧日本医療団に所属しておりました医療機関が、まだそれほどに整備されておるとは私存じておりません。もちろんある程度整備されましたが、十分なものでは決してありません。きわめて不十分なものであります。従つてもしこの残余財産があるならば、旧日本医療団に所属しておりましたものにまずこれを充てて、余つたときに他の施設に使うというのならばわかりますけれども、この法律の趣旨、提案の理由から見まして、明らかに他の新しい別個の施設などに持つて行くべきものではないと思います。ところが私の聞くところによりますと、この数日中にこの残余財産の処分は全都決定するというのであります。しかも私の聞いた具体的な一つの例だけを申し上げましても、たとえば新潟県の西蒲原郡の吉田町のごときは多くの町民がいやだと言つているのに、ことに新設の病院をつくるのに一千万円を使用している。こういうことは正しいでございましようか。提案の趣旨から行きますと違うと思いますが、いかがでございましようか。
○曾田政府委員 医療団に属しておりました施設をおもなる対象とするということは、先ほども申し上げましたように、私どももそれに沿つてしたつもりでございますが、地方々々によりまして、もつと申しますれば、都道府県別に見ますと、ある地方におきましては、医療団に属しておりました施設の整備に、その後県費などをかなりつぎ込んでその整備をはかつているというようなところ——どの都道府県におきましても冗費があるというようなことは決して考えられないのでありますが、単に公立病院を整備することのかわりと申しますか、その経費をもつてこの旧医療団の所属施設を引受けた後の整備にこれを流しているというような状況のところもございます。かようなところでは、その医療団の整備に他の公立病院の新設に使うものをつぎ込んでおつたというような事情から、その医療団に属していなかつたところにもその清算の剰余金をまわしてもらいたいということを申しております。こういうようなところがいわゆる例外的と申しますか、ただ単に医療団に属しておつた施設でないところにも流す必要があるというふうに認めたところであります。 さらに最後におつしやいました個々の問題につきましては、いろいろ積極的な陳情もあり、またそれに対する反対陳情もありというようなところが、ところによつてはございますが、私どもその事情は十分に詳細に調査いたしまして、正確な結論を出すように、医療団の力にも指示いたしている次第であります。
○長谷川(保)委員 先ほど申し上げましたが、提案理由の中に、残余財産は、医療団所有の施設を処分した結果生じたものであります。これは言うまでもないところでありますという言葉がある。そして先ほど申しましたように、この財産は特別の場合のほかはというように、はつきり条件がうたつてありまして、日本医療団の施設の整備に使うべきだ、こういうことになつておるのであります。でありますから、私はここの特別の場合ということは、よほどの特別の場合でなければならないと思う。それを旧日本医療団に所属したものの整備に十分使わないで、その方面でもつとくれ、もつとくれと言つておるのをさしおいて、新しい施設に使つて行くということは、これは明らかにこの法律の趣旨と反する。しかもこれに対して先ほど申しましたようなことのために非常な努力をしている人があるということは、私は非常に残念だと思います。たとえば新潟県の吉田町にそういうものをつくらなければならぬのならば、なぜ公的医療機関のありますところの公立病院六箇所、B三箇所、C三箇所、こういうものをお用いにならなかつたか、こういう日本医療団の関係の方に持つてお行きにならなかつたか、私にはわからない。そこにこのごろしきりにいわれております汚職問題等がひそむおそれがありますので、今日ここで特に念を押しておきます。どうかこれにつきまして十分な御審議また事情の御審査を願いたいと思うのであります。 次に、社会福祉事業振興会の問題でありますが、これは先ほども堤委員から私設の医療事業や社会事業等につきましてもいろいろお話があつたのでありますが、この社会福祉事業振興会法は御承知のように議員立法で、当時五十億円の資金が必要であるということであり、そして一度にはそれができないから、年々十億円ずつ五箇年ということが、この法律をつくりましたときの話であつたことは、厚生当局も御承知の通りと思います。しかるにこの議員立法であります社会福祉事業振興法の出資貸金を三千万円にしたということは、初めの法律をつくりました趣旨と違つてしまつております。一体三千万円をどういうようにわけようというのか。なるほど大蔵当局が全然ゼロにしたのに厚生当局その他の諸君が努力いたしまして三千万円にした、とにかく芽を出したということについては一応了承いたしますけれども、この議員立法をこういうように最初の趣旨をかえてしまつていいのかどうか、この点につきまして厚生当局の御意見を伺いたいと思います。
○草葉国務大臣 お話の通りに議員立法といたしまして私設社会福祉事業の振興のためにこの立法がなされ、しかもこれに一般の人たちもたいへんな期待をいたしておつたようであります。そういう意味におきまして、私どももこの法律をたいへん尊重いたして参つたのでありますが、予算の面におきましてお話のように三千万円では少いではないか、これはごもつともなことでございます。今回この法律にありますいろいろな機関を設けることになつておりますから、これが三千万円の取扱い方等につきましては、十分検討いたして参りたいと存じております。
○長谷川(保)委員 三千万円でありますので、私どもはどういうように使うものか困惑するんじやないかと思うのでありますけれども、大体どんなふうにこの三千万円を使つて行く御予定でありましようか、またこの振興会の経営につきましては、どんなふうにやつて行こうとなさるのでありましようか、所管の局長の御答弁を願いたいと思います。
○安田政府委員 額がたいへん少いので、短期融資にいたしたいと思つております。一年の期限にいたしまして、それを設備資金と運転資金にわけて使う——大体ちよつとした修繕くらいやるのに三分の二、あとの三分の一を運転資金に、こういうふうな計画を立てております。
○長谷川(保)委員 短期資金というお話でございますが、そういたしますと、修繕をする、あるいは融通資金にする、それは返済につきましては共同募金の金を引当てにするというようなことでございましよう。そういうことであるとすれば、貸付等については、共同募金の例年の個々の施設に対する配分等を大体の限度としてこれを貸す、こういう方針でございましようか。これはあるいはちよつとお聞きするところが違うかもしれませんが、伺つておきます。
○安田政府委員 額はまだはつきりきめておりませんけれども、大体五十万か百万というようなところを限度にして、償還は、共同募金等もございますし、あるいは政府から補助等がございましたときに、県庁からそれが遅れたという場合にも使えるのじやないか、これは私学振興会も当初短期融資をいたしておつて、そして金が入りましてから長期の融資をいたした例もございますので、本年はまことに申訳ありませんけれども短期融資だけ。明年また予算が入りましたならば所期の目的が達成せられるように努力いたしたいと思つております。
○長谷川(保)委員 どうも、局長に申訳ありませんけれどもと言われると、これ以上追究することはできなくなりますが、私学振興会の方は、今日午前中予算を拝見いたしましたところでも、今まで相当の額が入つておるにもかからず、五億円をさらにまたつけ加えております。これに対しまして、社会福祉事業振興会の、全国のこの方面のほんとうに骨身を削つて社会保障の第一線を守つて参りました方々に対してまことに相済まぬ、われわれ国会議員としてもそう思うのであります。私はこのまま認めるわけに行かぬのでありまして、この点今後とも御尽力いただきたい。これまた厚生当局の御努力をお願いする次第であります。 次に生活保護の関係であります。この点につきましては、先ほども同僚議員から質問がありました、私は厚生委員会等でもたびたび伺つたのでありますが、ことに医療扶助の問題です。これは政府当局は九千九百九十五億円というわくを設けたがために非常に無理をしていると思う。私がこの厚生予算だけを見ましても、非常な無理がそこにある。事実この予算ではできはしない。だから当然補正をするか——しかも政府は補正予算は組まない方針だという。それならば、これはずつと先へ延ばして行つて解決するか、最近の医療扶助の状況は一箇月十六億円余、場合によつては十八億というような数字を出して来ております。医療扶助をこの数字でまかなえるはずがない。これはたびたび厚生委員会でも申し上げておりますけれども、また二、三日あつちこつち現地に行つて様子を伺つてみますと、この間出していただきました二十八年度予備費の十二億でもつて十二月全部じやなしに、十二月のある部分は払つてもらえる、残りの部分については全然払つてもらえない、こういうのが現状であると思います。東京都のごとき、私の持つている数字が間違いかもしれませんが、この間の十二億というので、生活保護関係全体として三億八千二百六十八万円ばかり支払つていただきたい、けれどもこれを生活保護の方にまわしておりますと、医療費関係は三月までに一千万円しか残らぬ、どうしようもありません、こう言つております。どれくらい赤字があるんだと聞いてみたら、十億から出て来ると言う。東京都だけで十億だとしますと、二十九年度予算の前年度不足の見込額二十億というこの数字ではまかなえるはずがないのでありまして、先ほど堤議員が申しました四十八億不足だろう、こういうお話、それを三十二億である、こういうように言われておりますが、私は当局といたしましては、そういうふうに返事をするほかに方法はないかもしれませんが、実際においてそんなことはない、われわれあちこち現地へ行つて調べて来るところでは、とうていそんなことでは済まぬというように考えられるのであります。東京都は今年度だけでも十億の赤字であるということでありますが、そういうことはほんとうと思いますか、それともうそと思いますか。ひとつ局長さん、どうでしよう。
○安田政府委員 医療費の支払いは、先ほど申しましたように、二十億はとにかく赤字でございますので、これを月の割に直しますと、大体二月、三月が払えなくて、四月に追い込まれるということになると思います。そこで今お話のように十二月をやつと払つて、一月分が全部払えないじやないかというお話でありますが、これはやはり県や市によりましていろいろでございまして、たとえば昨年の六月に診療報酬支払基金の払いに支払い方法を変更いたしましたときに、それより以前に医療費の支払いをためておつた度合いによりまして、今おつしやるような十二月におきまして支払いの残が出て来るのじやないかと思います。東京都の場合におきましても、十億というのは私どういうふうな数字かまだ聞いておりませんけれども、実はまだ一月、二月、三月の見通しがつかないというところが実情だろうと思うのであります。たびたび申して恐縮でございますけれども、六月に基金払いにいたしましたために、支払いが促進された。それに伴いまして、過去のたまつておつた分が出て参りました。そのたまつておつた分がどのくらいの額か、どこまで続くだろうか、実はまだ予測がつかないのであります。私どもは、大体十二月一ぱいくらいで終るのではないかと思つておるのでございますけれども、これも結果を見ないとわからぬというような状況であります。以上が実情でございます。
○長谷川(保)委員 これは主査が生活保護法をつくる当時の厚生委員長でありましたが、この生活保護法をつくりますときに、この生活保護の金というのは、一月遅れると、もうきわめて重大な問題になる、基本人権の一番大事な生存権、医療というような重大な問題に関係するのであるから、この費用は前払い制度にしてもらいたいということを私当時申し上げまして、当時の厚生大臣だつた河合君、葛西社会局長等から、そういうようにしますというようなことでありました。そういうような制度になつて、今日まで大体来ておると思うのでありますけれども、大体診療報酬支払基金事務所がすみやかに払う、しかもそれは医療関係でありますならば、大体今月分を来月終りもしくは再来月初めに払う、こういうふうに今日行われております。こう行われて来るのがあたりまえでありまして、今までのが実にひどい支払いでありました。そのために医療機関その他におきましては非常に困つておつたのであります。銀行その他に余分な利子を払うというようなこともありまして、非常に困つたのであります。それを今回、昨年七月から診療報酬支払基金事務所の方から払うことになつて、少し早まつて来た、これは当然なことであります。従つてこれをもつと早めることこそすれ、これを遅らしてはならないということは当然なことであります。今日、先ほど申しましたように、決してこれで行けるはずがない。そういたしますと、どうしても実際の医療扶助を制限し、あるいは打切つて行く、生活保護を制限し、あるいは打切つて行く、こういうことが出て来るのであります。それがすでに相当出て来ている。先ほど厚生当局で実態調査をなさつて、大体点数におきまして五%ぐらいの不当な超過の診療があるというふうに統計を出しておられるようでありますけれども、これは私は、もちろん厚生当局もそうお考えになつているでありましようが、机の上の考えと現実とは違うのでありまして、机の上でそうお考えになりましても、現実ではなかなかこの五%が切り取れるものでもございません。従いましてその面でこの費用が減ると考えるのは、大きな間違いだと私は存じております。またそれをあまり強く言えば、非常にそこに混乱が来て、また紛争が起つて来る。また多数の人権が無視されるという結果になつて来ると思う。でありますから私は、前年度不足見込額二十億という、こういうような数字では絶対足らない。この二十九年度の医療扶助、生活保護のこの十算では絶対に足らない、こう思うのであります。このことにつきまして、もつと特別な努力をしなければならぬ。そうしなければ基本人権を侵すような非常な困つたことが起つて来る、こう思うのであります。このことにつきまして重ねて厚生大臣の御意見を承つておきます。
○草葉国務大臣 先ほど来だんだんと御意見等も拝聴いたしまして、非常な御心配をいただいておりますことは恐縮でございます。局長からも御答弁申し上げましたように、大体の見込みはあらゆる点から計数的にこれを算定いたしまして立てたのでございます。ただその中で医療の問題が、昨年の夏基金を設定いたしまして支払いが順々に延びました余波を現在受けている状態でありますことを考えて、もしや明年度におきまして情勢がかりにかわりまして、多数の増額を必要とするような情勢に相なりましたならば、予備金等の方法も考えられますが、今考えております点は、あらゆる点から一応考えまして、まずこの予算でまかない得るものと考えて御審議をいただいておる次第であります。この点御了承いただきたいと思います。
○長谷川(保)委員 なおもう少し質問したいことがございますが、時間も遅くなりましたので質問を留保いたしまして、これで私のきようの質問を終ります。
○庄司主査 厚生関係の質問は一応これをもつて終りました。あとは明日午後、明後日等もございますので、適当に御通告の方には御質問をお願いいたします。 —————————————
○庄司主査 それでは、はなはだ御迷惑でございますけれども、約十分間ぐらいの間、次の昭和二十九年度一般会計予算及び特別会計予算中労働省所管を議題として、安井労働政務次官より一応予算提出の説明を聴取いたしたいと思います。安井政府委員。
○安井政府委員 今回説明を申し上げます。 今回提案されました昭和二十九年度一般会計及び特別会計の予算中、労働省所管分につきましてその概要を御説明申し上げます。 まず第一に、一般会計におきましては、歳入において総額一億三千四百十九万四千円で、前年度の一億四百七十四万七千円に比較して二千九百四十四万七千円の増となつておりまして、このおもたるものは仏家公務員等退職手当暫定措置法に基いて受入れる特別会計等の失業者退職手当負担金であります。一方歳出におきましては、総額二百五十四億八千七百十一万円で、前年度の二百四十二億一千二百八十五万五千円に比較して十二億七千四百二十五万五千円の増となつております。なお、このほかに建設省所管の官庁営繕費に四千六百万円を労働省関係分として計上いたしておるのであります。 今この歳出の内容について概略を申し上げますと、第一は、労使関係の安定促進であります。国民経済の自立達成が強く要請されている現在におきまして、わが国経済の実勢その他の諸情勢に即応し、国民全体の基盤に立つて、国民多数の納得と協力が得られる労働政策を樹立促進するために、労働問題に関する基本的重要事項を協議する労働問題協議会の円滑なる運営をはかるとともに、民主的な労働組合を育成し、健全なる労使関係の発展を助長するため、労働教育の刷新強化と、あわせて労働組合の福祉厚生活動の促進、労働金庫の適正なる運営等の施策に重点をおいて、これを推進するに必要な経費として六千三百五万四千円を計上し、なお労使関係の合理的かつ円滑なる調整を期し、産業平和の維持をはかるため、中央労働委員会並びに公共企業体等労働関係調整委員会に必要な経費として一億一千六百二十九万七千円を計上いたしております。 第三は、労働経済に関する統計調査の整備充実であります。労働経済に関する統計を迅速かつ的確に収集整備してこれを分析し、労働行政施策の基礎資料たらしむるとともに、これを労使その他関係方面に提供し、紛争議の合理的解決、生産の増強等に寄与するため、従来から実施して参りました毎月勤労統計、毎月労働災害統計等の統計調査を引続きこれを実施するとともに、特に今後における賃金問題の重要性にかんがみ、職種別等賃金実態調査を行い、賃金の詳細な実態に関する統計調査を整備充実いたしたいと存じまして、これらに必要な経費として一億九千五百二十九万九千円を計上いたしております。 第三は、労働関係における国際協力の強化であります。国際労働憲章に規定されている義務を履行し、積極的にこれに協力するために必要な分担金等の経費並びにわが国の労働事情に関し海外広報活動を実施するための経費として九千五十八万一千円を計上いたしております。 第四は、労働基準行政の円滑なる運営の確保であります。労働基準行政の円滑なる運営をはかるとともに、産業災害と職業病による人的物的損耗の甚大なる現況にかんがみ、特にこの方面の防止対策に重点を置いて行政を推進するこことし、これに必要な経費として十二億四千六百三十八万七千円を計上いたしております。 第五は、婦人及び年少労働者の保護助長であります。婦人及び年少労働者の保護並びに婦人の地位向上をはかるため、地方婦人少年室に協助員制度を新たに設ける等、その行政機能を強化するとともに、従来から実施して参りました人身売買、売春等の各種の実態調査のほかに、新たに未亡人等の職業対策について調査啓発を実施することとし、これらの施策を推進するために必要な経費として六千二十四万八千円を計上いたしております。 第六は、職業安定の促進と失業対策の充実であります。 雇用及び失業の状況は楽観を許さない実情にありますので、公共職業安定所の機能を強化して、これが効率的運営をはかるとともに、失業対策事業及び失業保険制度の円滑なる運用により失業者の生活の安定を期するほか、身体障害者の職業更正援護の道を講ずることとし、これらに必要な経費として失業対策事業費補助金百十一億円、政府職員等失業者退職手当二億六千万円、失業保険特別会計へ繰入れ九十一億五千八百万円、職業補導施設費二億六千三百九十六万五千円 身体障害者職業更生援護費七千百三十五万一千円、その他就職あつせんに必要な経費二十五億六千四百二万一千円、合計二百三十四億一千七百三十三万七千円を計上いたしております。 第七に、その他一般の行政事務に必要な経費として三億九千七百九十万七千円を、それぞれ計上いたしておるのでございます。 第二に、労働者災害補償保険特別会計につきまして申し上げます。この会計の歳入、歳出はいずれも二百四十億四千八百二万九千円で、前年度の二百十一億八千六十一万六千円に比較して二十八億六千七百四十一万三千円の増となつておりまして、歳入の主たるものは保険料収入の百八十二億七千七百万円と、支払備金受入れの五十二億五千三百六十二万六千円であり、又歳出の主たるものは災害補償保険金給付の百四十七億二千七百万円でありますが、本年度は特に労働者の業務災害被災者に対する療養補償の適正充実と、学問的に未解決部面の多い労働衛生分野についての科学的解明をはかるため、労災病院の整備拡充をはかるとともに、労災医学研究機関を新設することとし、これらに必要な経費として十四億一千百四十六万六千円を計上いたしております。 第三に、失業保険特別会計につきまして申し上げます。この会計の歳入、歳出はいずれも三百二十一億六千四百三十九万八千円で、前年度の二百九十五億一千五百五十一万一千円に比較して二十六億四千八百八十八万七千円の増となつておりまして、歳入の主たるものは、保険料収入の二百九億六千万円と、一般会計より受入れの九十一億五千八百万円で、また歳出の主たるものは、保険金給付の二百七十二億四百万円でありますが、特に本年度におきましては失業者の就職促進その他労働者の福祉の増進をはかるため、職業補導施設及び宿泊施設等の保険施設を拡充することとし、これに必要な経費として四億円を計上いたしております。 以上をもちまして、労働省所管関係予算の大要の説明を終ります。 何とぞよろしくお願い申し上げます。
○庄司主査 労働省関係の質疑は次会に譲りまして、本日はこの程度で散会したいと思います。 次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後五時十九分散会