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19回国会衆議院1954/02/25

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
199
登壇者
19
会派数
4
開催日
1954/02/25

会議録

山本勝市自由党

○山本(勝)主査 これより予算委員会第四分科会を開きます。  私が当分科会の主査の職務を行うことになりましたので、よろしくお願いいたします。  それではただいまより昭和二十九年度一般会計、同特別会計、同政府関係機関各予算中、運輸省、郵政省及び建設省所管を一括議題として審査に入ります。順次政府より説明を求めることといたします。石井運輸大臣。

石井光次郎自由党運輸大臣

○石井国務大臣 運輸省所管昭和二十九年度予算案の概要を御説明申し上げます。まず一般会計から申し上げます。昭和二十九年度一般会計歳入予算総額は、十一億六千四百四万二千円でありまして、これを前年度予算額十三億六百三十八万五千円に比較いたしますと、一億四千二百三十四万三千円の減少となります。前年度に比べまして、減少及び増加しておりますもののうちおもなものを申し上げますと次の通りであります。  まづ定点観測業務費の駐留軍負担金二億五千五百十一万円及び船舶動静調査費の駐留軍負担金六千十七万三千円がそれぞれ減額となつておりますが、これは、前年度まで日米行政協定に基いて実施していたこれらの業務が昨年中に打切りとなつたことによるものであります。  次に、モーターボート競走納付金三千五百六十四万円が減額になつておりますが、これは、昭和二十九年度におきましては、モーターボート競走納付金の制度を廃止することとしたためであります。  次に、港湾事業費分担金におきまして五千五百二十九万円の増加となつておりますが、これは、前前年度に比較して前年度の直轄港湾工事が増加しておりますため、これに対応して地方公共団体よりの納付金が増加することとなつたためであります。  次に、手数料におきまして四千五百三十二万七千円の増額となつておりますが、これは、東京国際航空通信局の通信取扱量が激増していることがおもなる理由であります。  次に、航空保安協力業務費の駐留軍負担金及びマーカス島観測業務費の米国政府負担金におきまして二千一百二万円の増額となつておりますが、これは、これら業務に要する歳出予算額の増加によりまして、当然増加することとなるためであります。  次に、歳出予算について御説明いたします。  昭和二十九年度の予定経費要求総額は二百三十二億一千二百七十万三千円でありまして、これを前年度予算額二百十四億二千一百四十六万四千円に比較いたしますと、十七億九千二十三万九千円の増加となります。  以下おもなる事項について御説明いたします。  まず海運関係から申し上げますと、第一に、船舶建造及び改造資金貸付利子補給に必要な経費として三十七億五千六百二十三万九千円を計上いたしました。これは、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基き、わが国外航船舶の拡充整備と海運収支の改善を促進するため、前年度までに着工いたしました外航船舶及び本年度に約二十万トンを目途とする外航船舶の建造に要する資金に対する利子補給金三十六億二千九百二十九万一千円臨時船質改善助成利子補給法に基き、低性能船舶を解撤して、新たに外航船舶を建造するために要する資金に対する利子補給金一億二千二百九十七万一千円及び「離島航路整備法」に基きまして、前年度までに着工いたしました定期航路事業用船舶並びに本年度に建造一隻、改造二隻を予定しております定期航路事業用船舶の建造改造に必要な資金に対する利子補給金三百九十七万七千円のために必要な経費であります。  第二に、離島航路補助に必要な経費として四千一百万円を計上いたしましたが、これは、公益上必要な最小限度の輸送を確保するため離島航路整備法に基き、航路の性質上経営の困難な離島航路事業に対して補助するために必要な経費であります。  次に、前年度におきまして予算を計上いたしました帰還輸送費につきまして、本年度は経費を計上してありませんが、これは、中共地区等よりの邦人の集団引揚の見通しが不明でありますので、予算案としては一応経費を計上せず、集団引揚が現実に必要となつた際に別途財政的措置を講ずることとしたためであります。  船舶動静調査費につきましても、本年度は経費を計上しておりませんが、これは、日米行政協定に基いて実施いたしておりました船舶動静調査業務が、昨年九月末をもつて打切りとなつたためであります。  なお外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基き、昭和二十九年度以降国の債務となる利子補給及び損失補償の限度額としてそれぞれ二十億九千五百二十万一千円及び二十八億五千一百八十四万八千円、並びに離島航路整備法に基き、昭和二十九年度以降国の債務となる利子補給の総額として三百九十三万六千円を、国庫債務負担行為として予算総則第十一条及び第十二条において要求いたしております。  次に、港湾関係について申し上げますと、まず港湾事業に必要な経費として三十八億七千八百二十六万七千円を計上いたしましたが、これは貿易の振興及び輸送力の増強をはかるため、出入船舶並びに取扱貨物量の増加に対応して、横浜港外四十港について港湾施設の整備を国が行うために必要な経費と東京港外百七十二港の整備を地方公共団体または港湾管理者が行うに必要な事業費を補助するために必要な経費であります。  次に、港湾災害復旧事業費として十六億九千九百五十九万円を計上いたしましたが、これは、昭和二十八年以前の災害による港湾施設の復旧事業に必要な経費でありまして、港湾事業費と同じく、国が直接施行する場合と、地方公共団体等が施行する場合に補助するために必要な経費であります。さらに以上に申し述べましたような港湾事業を実施するために必要な事務費として、港湾事業附帯事務費を六千九百二十三万二千円計上しております。なお、北海道関係の港湾事業に必要な経費として、総理府所管の予算案において六億四千八百九十万円を要求しております。鉄道関係といたしましては、まず、地方鉄道軌道整備補助に必要な経費として二千五百万円を計上いたしましたが、これは、昨年より施行されました地方鉄道軌道整備法に基きまして、産業の振興及び民生の安定に必要と認められる地方鉄道軌道の新設及び維持に対して補助するために必要な経費でありまして、予算といたしましては、新規事項でありますが、このうちには、前年度まで実施いたしました北海道開発鉄道及び軌道補助も含まれております。  次に、昨年度に引続き北九州地区における戦時中の石炭濫掘による鉄道の鉱害の復旧を促進するため、鉄道特別鉱害復旧補助に必要な経費として四千百四十四万三千円を要求いたしております。  次に航空関係について御説明いたします。第一に、航空機乗員養成所の新設及び運営に必要な経費として一億五千百三十万七千円を計上いたしました。これは、わが国の自主航空を確立するため、航空機乗員養成所を新設して、既経験者の再教育と新人操縦士の養成とを実施しようとするものでありまして、昭和二十九年度に約六十人の乗員の養成を予定しております。なおこれに伴いまして、前年度まで実施いたしました航空機乗員養成補助は、打切りといたすことになつております。  第二に、我国における自主的航空交通管制を早急に実施するため、航空交通管制官の養成に必要な経費として八百九十三万一千円を、前年度に引続き計上いたしております。  第三に、東京国際航空通信局の整備に必要な経費として四千六百五十五万円を計上いたしましたが、これは、国際民間航空機構の勧告によりまして、東京国際航空通信局の対空通信回線を五周波分増設するために必要な経費であります。  第四に、東京国際空港の維持管理に必要な維持として三千三百九十一万円、東京国際航空通信局の維持運営に必要な経費として二千五百八十九万九千円、航空官署運営に必要な経費として一億八千八百四十五万三千円を要求しておりますが、これらは、東京国際空港、東京国際航空通信局のほか飛行場七箇所、航空灯台二十九箇所、航空標識所十四箇所等を維持運営するためのものでありまして、前年度に引続き必要な経費であります。  第五に、航空保安協力業務に必要な経費として一億五千百六万八千円を計上いたしましたが、これは日米行政協定に基き、駐留軍の使用する飛行場及び航空保安施設を維持運営するため必要な経費であります。  以上のほか、航空関係といたしましては、前年度と同じく、国際航空路線の振興をはかるため、日本航空株式会社に対して政府出資を行うことといたしまして、大蔵省所管に十億円を計上いたしております。  次に、海上保安庁関係について御説明いたします。第一に、巡視船等の建造に必要な経費として三億六千八百七十四万円を要求いたしておりますが、これは、七百トン型灯台業務用船一隻のほか、老朽船艇の代替として、三百五十トン型巡視船一隻、二十三メートル型内火艇二隻、六十トン型水路観測船及び五十トン型灯台見廻船各一隻を建造いたしまして、海上保安業務の改善強化をはかろうとするものであります。  第二に、航路標識の整備に必要な経費として三億二千三百十五万一千円を計上いたしました。これは灯台、電波標識、灯浮標の新設のほか、既設灯台の光力増大等の改良工事等のために必要なものであります。  第三に、警備救難費として、海上保安庁に四億六百九十三万八千円、管区海上保安本部に三十八億二千四百三十万七千円を計上いたしましたが、これらは、海上保安庁法に基き海上における法令の励行、犯罪の予防鎮圧、犯人の捜査及び逮捕、海難救助等海上警備救難業務を遂行するとともに、これら業務遂行のため巡視船を改修及び補強して装備を強化し、並びに職員の教育訓練を行う等のために必要な経費であります。  第四に、海上保安費として、海上保安庁に四億二千六百八十二万一千円及び管区海上保安本部に六億一千四百三十一万円を要求しておりますが、海上保安庁所掌の業務のうち、水路の測量観測、航路標識千八百九十七基の維持運営等の海上保安業務を遂行するとともに、水路灯台関係の職員の教育訓練を実施するために必要な経費であります。  以上が海上保安庁関係の主なるものであります。  次に、気象官署関係について御説明いたします。  第一に、水理気象業務に必要な経費として三千四十八万七千円を新規事項として計上いたしました。これは重要な河川の水源地帯に降水観測施設、通報施設等を整備強化いたしまして、水資源利用の高度化と水害の防除に資しようとするものでありまして、昭和二十九年度におきましては、北上川及び利根川の両水系につきまして、気象通報所六箇所、総合気象観測装置十一箇所、ロボツト雨量計三箇所、短波無線通信施設七箇所等の施設の整備と業務の運営を実施しようとするものであります。  第二に、水害緊急対策に必要な経費として一億七千五百二十三万六千円を要求しておりますが、これは、前年度に引続き、水害の防止軽減に資するため、気象観測施設、通信施設等を整備するために必要な経費でありまして、昭和二十九年度におきましては、九州、四国、中国、近畿、関東等の地方にわたり、二十三都府県の区域を対象として通報所十二箇所、雨量計、雪量計等の観測施設四百二十六箇所、短波無線通信施設二十一箇所、気象用レーダー二基等の整備を実施しようとするものであります。  第三に、定点観測業務維持運営に必要な経費として六百八拾一万三千円を計上いたしております。前年度までは、日米行政協定に基き、土佐沖及び三陸沖の二箇所の固定点におきまして、年間を通じて常時気象観測を実施することとなつていたものでありますが、この業務が昨年十一月末をもつて打切りとなりましたので、本年度におきましては、台風、梅雨前線等の予報精度の確保をはかるため最小限度の必要を満たすために、海上保安庁の所属船を使用して、土佐沖の固定点のみについて五月より十月に至る六箇月間の常時気象観測を実施することといたしたのでありまして、そのために必要な経費であります。  第四に、マーカス島測候所維持運営に必要な経費として、六千八百二十二万二千円を計上しておりますが、これは、米国政府の要請によつて、マーカス島における気象観測所を中央気象台が維持運営するために必要なものであります。  以上のほか、気象官署といたしましては、地上観測に必要な経費二千一百五十五万八千円、航空気象業務に必要な経費八百四十六万九千円、上高層気象観測業務に必要な経費一億二千一百一万五千円、気象官署の一般業務維持運営に必要な経費十七億六千七百五十三万五千円等の経費を要求しておりますが、これらは、中央気象台、羽田航空地方気象台、高層気象台、五箇所の管区気象台、五箇所の地方気象台、四箇所の海洋気象台、百三十二箇所の測候所、七箇所の航空測候所、その他の気象官署におきまして、観測、予報等の業務を行い、その施設を維持する等のために必要なものであります。  以上御説明申し上げました海運、港湾、鉄道、航空、海上保安及び気象関係のほか、おもなるものを申し上げますと、次の通りであります。  まず、観光事業補助に必要な経費として五千五百五十万円を計上いたしました。これは、全日本観光連盟及び日本交通公社をして、国家的見地より、外客の誘致、対外宣伝、観光施設の整備、観光資源の保存等の観光事業を実施させるため補助金を交付するに必要な経費であります。  次に、小型船舶職員養成補助に必要な経費として三百万円を要求いたしましたが、これは、小型船舶職員の技能を向上し、その補充を円滑にするため、経済的に運営することの困難な小型船舶職員の養成事業を行う団体に対して補助を実施しようとするものであります。  次に、航海訓練所の練習船整備に必要な経費として三億一千四百六十万三千円を計上いたしておりますが、これは、長期の乗船実習を必要とする商船大学の学生の増加のため、現有の練習船では不足いたしますので、三千屯型の貨客船一隻を購入し、練習船として改装するために必要なものであります。  以上で一般会計に関する御説明を終りまして、続いて木船再保険特別会計について御説明いたします。  前年度におきまして木船再保険法及び木船再保険特別会計法に基いて設置されました本会計は、木船事業経営の健全化と木船船主経済の安定に資することを目的とするものでありまして、昭和二十九年度においては、歳入歳出とも六千八百十万三千円を計上いたしました。そのおもな内訳は、再保険料六千六百十八万八千円をもつて木船再保険収入を計上いたし、これと同額の木船再保険費を計上して、再保険金及び賠償償還払戻金に充てるとともに、一般会計よりの繰入金一百十九万一千円をもつて木船兼保険業務費をまかなうものであります。  以上をもちまして、簡単でありますが、運輸省所管昭和二十九年度予算案の概要を御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上御賛同あらんことを御願い申し上げます。  次に昭和二十九年度日本国有鉄道予算の概要について御説明申し上げ、御審議の資といたしいたと存じます。  最初に予算編成の基本についてでありますが、前国会において承認されました転員の給与改訂のため、多額の資金を必要といたし、これがため運賃の改訂を国有鉄道としては希望いたしたいのでありますが、政府といたしまして、財政規模の圧縮、物価の安定に資することを方針といたしまして、運賃料金等の値上げは極力これを行わないこととし、貨物運賃については全然触れることなく、ただ旅客運賃のうち一、二等についてのみ通行税相当額を値上げするにとどめました。  次に昭和二十九年度日本国有鉄道収入支出予算について、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  昭和二十九年度損益勘定の予算は、給与改訂、輸送力増加等を織り込んだ前年度補正予算を基礎としまして編成いたしました。まず収入について申し上げますと、鉄道による旅客輸送人員は対前年度増二・六%三十六億五百万人、人キロでは八百四十五億人キロと策定いたし、旅客収入一千二百九十二億を見込み、鉄道による貨物輸送トン数は対前年度増二・一%一億六千万トン、トン・キロでは四百十四億トン・キロと策定いたし、貨物収入一千二百十億円を見込んでおります。これら旅客、貨物輸送に要する列車キロは三億三千六百万キロで対前年度三・三%の増加となつて居ります。以上の旅客貨物収入のほか、雑収入等を合せて二千五百八十九億の収入を見込であります。  次に、経営費について見ますと、人件費関係については、一万五千三百七十円ベースに昭和二十九年度の昇給を見込んで算出いたしておりますが、このほかに期末手当一・二五箇月分、奨励手当半箇月分休職者給与等を見込んでおり、給与の額として合計九百四十八億円となつております。また物件費関係については、動力費の大宗である石炭費として三百三十六億円、修繕費五百七十七億円、その他業務費等合せて経営費総額二千百四十九億円であります。以上の経営費のほかに資本勘定へ繰入れ三百三十五億円、利子八十五億円、予備費二十億円を合せまして、支出合計二千五百八十九億円となつております。  次に、資本勘定について申し上げます。前述の損益勘定より受入れる三百三十五億円、資金運用部よりの借入金七十億円、(二十八年度は百四十五億円)、鉄道債券の発行による百三十億円(二十八年度は八十五億円)、不用施設等売却による七億円、合計五百四十二億円を収入として計上し、五百四十億円を工事勘定に繰入れることとしております。この他出資としての九千六百万円は帝都高速度交通営団の増資に伴うものであり、借入金等償還としての一億円は、昭和二十八年度に公募した鉄道債券の一部の償還に充てられるものであります。  次に、工事勘定について申し上げます。昭和二十九年度工事勘定の予算は、工事の重点を施設の維持及びとりかえ補充に置くことといたし、新規工事等は必要最少限度にとどめ財政規模の圧縮の方針のもとに編成いたしました。その内容について申し上げますと、まず新線建設費についてでありますが、新線の建設は前年度工事着手線の継続にとどめ二十五億円を計上いたました。次に電化設備費でありますが、電化につきましては、現在施行中の浜松・姫路間電化を引続き施行することといたしており、昭和三十年には米原まで開通する予定であり、七十八億円を計上いたしました。次に車両費でありますが、電気機関車、内燃動車、客車、電車及び貨車等の新造のほか客貨車の改造等でありまして、二十九年度の輸送力確保に努力しております。内燃動車につきましては地方交通の便益に供するため前年度に引続き百両の新造を計画しております。これらの計画に要します車両費として百五十六億円を見込んでおります。以上のほかに諸設備費二百三十七億円を計上いたしており、改良総係費を含めまして支出の合計は五百四十億円となつております。これらに要する財源としては、前に資本勘定の御説明の際申し上げました通り、資本勘定より五百四十億円を受入れてこれに充てることとしております。  なお以上の諸計画の実施に要する職員数は四十四万七千七百二十五人でありまして、これは昭和二十八年度に比較いたしますと、四百七十六人の増加であり、これは業務量の増加に伴うものでありますが、要員の合理化に努め、その増加は最小限にとどめました。給与の総額としては休職者給与を含め、合計一千百四十二億円を計上しております。  最後に日本国有鉄道の財政につき今後の見通しを申し上げたいと存じます。経済界の今後の動静を勘案いたしますと、予定した収入を上げますには、格段の努力が必要と考えられ、また工事計画もより一層のサービスの改善のためには十分とは申しがたいのでありますが、日本経済の安定に資するため公共企業体としてより一層の能率向上をはかりサービスの改善に努めますとともに、経営の合理化を行い経費節減に努力いたすよう指導監督いたしたい所存でございます。  以上昭和二十九年度日本国有鉄道予算の大綱につき御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上御承認あらんことをお願いいたします。     —————————————

山本勝市自由党

○山本主査 次は塚田郵政大臣。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 それでは私から郵政省所管の二十九年度予算案とこれに附随する若干の問題につきまして御説明申し上げ、御参考に供したいと存じます。  まず、郵政事業特別会計の予算について見ますと、予算総額は、歳入・歳出ともに一千百五十二億七千百余万円となつております。  このうち、歳出予算について申し上げますと、郵便業務運営に必要な経費が三百億九千二百余万円、為替貯金業務運営に必要な経費が百五十九億三百余万円、保険年金業務運営に必要な経費が百四十九億六千七百余万円、日本電電公社からの委託によります特定郵便局の電気通信業務運営に必要な経費が九十二億五百余万円、恩給負担金等の経費を他の会計へ繰入れるために必要な経費が、十六億八千余万円、以上の業務運営のために必要といたします総係経費が百七十六億七千三百余万円、郵便局舎等の復旧に必要な経費が二十五億五百余万円、公債及び借入金の償還に必要な経費が二千万円、予備費が一億五千五百万円、このほか、業務外の支出経費といたしまして、収入印紙・失業保険印紙・日雇労働者健康保険印紙の売りさばき収入をそれぞれの会計に繰入れるために必要といたします経費が二百三十億六千八百余万円となつているのでございます。  これに対します歳入予算といたしましては、切手・はがき等の料金収入が三百六十億八百余万円、郵便為替・振替貯金等の手数料収入が二十一億七千六百余万円、病院収入及び預金利子等の雑収入が十九億二千余万円、郵便貯金・簡易生命保険・電気通信業務等の運営経費の財源に充てるため、それぞれの会計から繰入れを受ける他会計よりの受入金が五百十億九千八百余万円、郵便局舎等の復旧財源に充てるための借入金が五億円、同じく他会計から繰入れを受ける設備負担金が、四億九千八百余万円、このほか、歳出予算において申し上げました収入印紙等の業務外収入が二百三十億六千八百余万円を、それぞれ予定計上いたしている次第でございます。これ等の経費を前年度予算九百九十四億九千六百余万円に比較してみますと、百五十七億七千四百余万円の増加となつておりますが、この増加の内容について申し上げますと、歳出予算におきまして、業務運営経費が百三億六千八百余万円、収入印紙等の業務外支出が五十六億四千二百余万円と、それぞれ増加し、この反面、郵便局舎の建設費等の減少が約二億円となつているのであります。  ところで、業務運営経費の増加につきましては、そのほとんどが、本年一月より実施を見ました郵政従事員の給与ベース改訂に伴う経費の増加と相なつている次第でございまして、その結果郵政事業におきます人件費率は、七四%を占めることになるのであります。  以上が、郵政事業特別会計の予算の概略でありますが、次に、郵便貯金特別会計の予算について申し上げます。  まず、歳出予算について申し上げますと、郵便貯金預入者に対する支払い利子が百四十五億六千六百余万円、郵便貯金業務運営経費の財源に充てるため、郵政事業特別会計に繰入れを必要とする経費が百四十四億六千九百余万円で、合計二百九十億三千六百余万円を予定計上いたしております。  これに対します歳入予算といたしましては、郵便貯金資金を資金運用部に預け入れることによつて生ずる利子収入が二百四十三億六千九百余万円、雑収入が、四千六百余万円でありまして、差引四十六億二千余万円の歳入不足となるのでありますが、この不足額は、資金運用部特別会計における剰余金の全額四億二千五百余万円を充当し、残余の不足額五億九千四百余万円は、一般会計から補填を受けることとなつている次第でございます。  次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の予算について申し上げますと、歳出予算といたしましては、保険金及び年金の支払い並びに還付金、分配金等の支払い経費が百六億九千二百余万円、保険及び年金業務運営経費の財源に充てるための郵政事業特別会計に繰入れを必要とする経費が二百五億六千七百余万円、予備費が五億一千万円で、合計三百十七億六千九百余万円となつております。  これに対します歳入予算としましては、保険料及び年金の掛金が七百二十億二千六百余万円積立金及び余裕金の運用に伴う利子収入が九十一億三千百余万円、その他雑収入等が三千五百余万円で、合計八百十一億九千三百余万円を予定計上いたしておりまして、この会計における収支の差額四百九十四億二千四百余万円の剰余金は、積立金として処理いたすことになつている次第でございます。  次に電波関係を除く郵政省所管の一般会計歳出予算について見ますと、郵政省基幹職員に必要な経費が三百八十四万一千円、電気通信監理に必要な経費が八百二十九万六千円、国際会議その他諸費が二千六百二万六千円、郵政貯金特別会計の歳入不足補填金が五億九千四百五十一万四千円、その他が八百五十二万八千円で、合計六億四千百二十万五千円を予定計上いたしております。  以上が郵政事業特別会計予算の概略でございますが、次に日本信電電話公社の予算について申し上げますと、同公社の予算は、損益、建設、資本、貯蔵品割掛及び工作の五勘定にわかれており、その総計におきまして、収入支出とも二千二百五十八億一千九百余万円でありますが、このうち勘定間の振替によつて重複する金額九百三十億八千五百余万円を控除いたしますと、収入支出予算の純計額は、いずれも一千三百二十七億三千四百余万円でありまして、これを二十八年度と比較しますと、百三十七億二千七百万円弱の増加となつております。  次に、主要勘定たる損益、建設両勘定の収入、支出の内訳について申し上げますと、損益勘定において収入は、電信収入及び電話収入が一千百二十三億八千二百万円弱、受託工事収入が六億七千余万円、雑収入が二十八億六千四百余万円、計一千百五十九億一千七百万円弱となつており、支出は、電信電話運用費が三百八十五億六千余万円、電信電話保守費が二百三十一億五千三百万円弱、管理共通費、試験研究費、職員訓練費等が百二億五百万円弱、増接続電話の受託工事費が四億九千六百万円弱、利子及び債券取扱費が五十一億八千百万円弱、減価償却費が二百三十六億二千二百万円、予備費が十五億円、計一千二十七億一千七百万円弱となり、収支差額百三十二億円は建設改良及び債務償還に充てるため、資本勘定へ繰入れることになつております。  次に建設勘定において、建設改良のための財源として電信電話債券の公募による分が七十億円、加入者及び地元引受けによるものが五十億円、電話設備負担金等が四十八億一千八百万円弱、損益勘定からの繰入金が減価償却引当金二百三十六億二千二百万円を含めて三百六十三億二千二百万円、合計五百三十一億四千万円弱が建設改良のための資金であります。同じく支出としては給与及び事務費が六十一億六百万円弱、建設改良工事費が四百七十億三千四百万円弱、計五百三十一億四千万円弱となつております。  なお建設改良工事につきましては、ただいま申し上げました五百三十一億四千万円弱をもちまして、加入者開通は十四万加入、市外電話回線は東京、神戸間、横浜、大阪間を即時式に接続する長距離回線を含めまして二十五万キロ、分局開始十一局、方式変更二十一局を主要工程とする拡張改良工事を計画しております。  以上を通じまして二十九年度予算案において特に考慮されました点を申し上げますと、まず建設財源の調達についてであります。財政投資計画の圧縮に伴いまして、建設財源としての外部資金は、遺憾ながら拡充五箇年計画において期待した金額を相当下まわり、電信電話債券の公募の限度額は七十億円と相なり、残りは全部加入者引受け債券による資金を含めまして経営内及び利用者より調達する、いわゆる内部資金にたよることになつたのであります。従いまして、損益勘定において後述いたしますように、経費の合理化、節約によつて生み出しました建設財源繰入金百二十七億円、戦時中よりの老朽施設の特別償却を今後五箇年間に行うため計上した特別償却費四十二億円等、極力その財源確保に努め、これに対応しまして支出面におきましても能率の強化、各種物品の計画発注などにより経費の効率を高め、拡充五箇年計画に大きな支障を及ぼさないようにいたした次第であります。  次に、公社の経常経費についてでありますが、その合理化と節約には特に留意し、損益勘定について見ますと、二十九年度支出一千百五十九億円は、二十八年度に比し二百億円の増でありますが、そのうち八十四億円は建設財源等のため資本勘定へ繰入れる金額の二十八年度に対する増加分でありますから、それを差引いた百十六億円が経常経費の増加であります。この百十六億円の増加は、その大部分が給与改訂によります年額増加額と減価償却費の増加でありますが、なおそれに業務量及び施設の増に対応する所要経費を必要最少限度に見込み、一面において物件費に対しては二十八年度と同様特別節約額を計上しておるものであります。  以上申し述べましたように、今後一段と事業経営の合理化に努めますとともに、建設資金調達の安定をはかり、健全な財政的基礎の上に電信電話事業をますます拡充発展せしめ、熾烈なる現在の需要にこたえて行きたいと存じます。  次に電波関係予算案の概要につきまして申し上げますと、要求総額は十三億七千四百万円でありまして、その内訳は、海外放送交付金が五千五百万円、業務費が約五億八百万円、人件費及びその他庁舎の新営に要する経費が八億一千百余万円となつております。  海外放送交付金は、放送法第三十三条の規定に基いて、郵政大臣が日本放送協会に国際放送を実施させるために必要な同協会に対する交付金でありまして、現在行つております十方向十時間の国際放送を来年度から二方向二時間を増加して行うに必要な経費であります。  また電波行政実施の中核をなす業務費は、その内訳を申し上げますと、無線局検査費が一億五千九百余万円、電波監視費が一億三千九百余万円、電波研究費が一億九百余万円、国家試験施行費が一千六百余万円、その他が八千二百余万円となつておりまして、これらは無線局の検査、電波監視、電波研究、無線従事者国家試験等に要する経費でございます。  以上で郵政省所管各会計の昭和二十九年度予算案とこれに付随する若干の問題について御説明を終りたいと思いますが、なお御質疑によりましてお答え申し上げたいと存じます。     —————————————

山本勝市自由党

○山本主査 南建設政務次官。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 建設省関係の昭和二十九年度歳入歳出予算案について概要を御説明申し上げます。  まず一般会計から申し上げます。建設省所管の昭和二十九年度歳入歳出予算は、歳入四十四億九千七百余万円、歳出九百七十三億七千九百余万円でありますが、この歳出に、総理府所管に計上されており、予算執行の際建設省所管に移しかえになる予定の北海道開発のための経費を合算いたしますと、歳出合計額は一千五十三億八百余万円に相なるのでありまして、これを前年度の予算額と比較しますと、歳出において二十四億六千百余万円の減額となつております。  以下歳出予算案の各項目について御説明いたします。  まず治山治水に関する経費について申し上げますと、河川関係事業費は、内地分二百四十五億三百余万円、北海道分三十二億一千万円、計二百七十七億一千三百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比し、三十三億九千八百余万円、約一割四分の増加と相なつて居ります。  また砂防事業費は、内地分五十七億四千九百余万円、北海道分五千六百余万円、計五十八億六百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比し、四億九千百余万円、約九分の増加と相なつており、河川関係事業費、砂防事業費、両者を合計いたしますと、前年度に比し三十八億八千九百余万円約一割三分の増加と相成つております。  治山治水事業は政府の重要施策の一をなすものでありまして、昨年内閣に設置いたしました治山治水協議会の治山、治水根本対策に関する結論も一応まとまつておりますので、この趣旨にのつとり、昭和二十九年度におきましては右諸経費をもつて、砂防、ダム、浚渫に重点を置きまして、治山治水事業の施行に遺憾なきを期して行く所存でございます。  道路事業費は内地分百十四億一千八百余万円、北海道分が三十五億一千五百余万円、計百四十九億三千三百余万円を計上いたしております。前年度に比し二十億八千二百余万円約一割六分の増加と相なつております。これは道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く五箇年計画の初年度といたしまして、道路事業を実施するために必要な経費でありまして、最近の自動車の増加及び大型バス等の重量車両の増加に対処いたしまして、幹線道路の鋪装、並びに橋梁の整備を特に促進するとともに、産業開発道路の建設を実施いたす計画でございます。  なお、このほかに道路整備五箇年計画に基く事業といたしまして、都市内の重要街路を整備いたしますために必要な経費として、後に説明いたしますように、都市計画関係事業費の中にも十八億円を計上いたしております。  都市計画事業費は内地分三十九億一千八百余万円、北海道分が一億二千百余万円、合計四十億三千九百余万円を計上いたしております。前年度に比し三億二千万円、約七分の減少となつております。これは戦災及び火災復興、街路の鋪装橋梁、立体、交叉の整備並びに都市水利等の事業に必要な経費でありまして、このうち道路整備五箇年計画に基く都市内街路の整備費十八億は戦災復興関係街路七億、街路事業関係十一億となつております。  なお戦災復興事業は昭和二十九年度を最終年度とする五箇年計画に基いて実施しておるものでありますが、昭和二十八年末における進捗率は五大都市は六七%、その他の都市は八八%平均七七%となつており、本予算をもつては、若干不足する見込みでありますが、事業実施の都合並びに財政上の関係をも考慮し、一部の都市については多少完成年度を延長することにいたしたのであります。  なお戦災復興は一応完了しましたが、なお不十分な都市もありますので、重要都市整備事業を策定いたしまして、これら不十分な都市の整備をはかりたいと考えております。  建設機械整備費は内地分が十億七千五百万円、北海道分一億七千七百余万円、合計十二億五千二百余万円を計上いたしております。前年度に比し四億八千五百余万円、約二割八分の減少となつておりますが、財政規模縮少の方針にのつとり機械の新規購入は極力これを差控え、現有建設機械の整備活用に重点を置いて建設事業の機械化を推進いたしたい所存でございます。  公営住宅施設費は内地分が百十七億五千余万円、北海道分が八億四千九百余万円、合計百二十六億余万円を計上いたしております。前年度に比し十六億一千余万円約一割四分の増加となつております。これは住宅の不足を緩和するため公営住宅法に基き低廉な賃貸し住宅を建設するための経費でございまして、これにより災害分を含め五万三千戸の公営住宅を建設いたす計画であります。  次に災害復旧事業について申し上げます。昭和二十八年以前発生いたしました北海道を含む全地域における建設省関係災害復旧事業費を建設省所管に計上いたしております。  災害復旧事業費合計額は三百三十九億九千二百余万円に相なりまして、これを前年度に比較いたしますと、八十六億三千四百余万円の減額となつておりますが、二十八年度予算には、二十八年発生災害を復旧するに要する経費百七十二億三千余万円を含んでおりますので、実質的には八十五億九千余万円の増加となつております。  これを各項目別に申し上げますと、河川等災害復旧事業費は三百二十八億九千六百余万円でありまして、これにより直轄災害につきましては、残事業の大部分を完了し、地方公共団体において実施いたします公共土木災害復旧につきましては、二十七年以前の災害については重点的に箇所を選択して残工事の進捗をはかり、二十八年災害については、再度災害を誘発する危険のある箇所については出水期までに復旧工事を完了するとともに、特に緊要な橋梁についても本復旧を進めたいと考えております。  都市災害復旧事業費は十億九千五百余万円でありまして、都市村落等の排土事業並びに都市施設等の災害を復旧する予定でございます。  次に雑件について御説明いたしますと、総額四十六億六千四百余万円、前年度に比しまして十二億三千二百余万円の減少となつております。本経費のうちおもなるものは高速自動車道路調査費千五百余万円、国土総合開発調査費二千八百余万円、防火建築帯造成補助金一億円、産業開発青年隊導入費補助金千百余万円であります。以上は一般会計の概要でございます。  次に特定道路整備事業特別会計につき御説明申し上げます。歳入予定額は借入金が二十億円、地方公共団体貸付金利子収入が一億九千四百余万円、料金収入が三千二百余万円、計二十二億二千六百余万円、歳出予定額は歳入予定額と同額で、二十二億二千六百余万円、これを前年度に比較いたしますと、七億四千二百余万円の減少となつております。  この特別会計は道路整備特別措置法に基き国または地方公共団体の行う有料道路の建設に要する経費を経理するものでありまして、昭和二十九年度中には総事業箇所二十三箇所のうち戸塚国道外三箇所は完成する予定でございます。  なお本事業費は前述いたしました通り、前年度に比しても減額となつており、これではとうてい十分の成果を期待することはできませんので、今後一般公募債による資金の獲得等に努め、事業の促進をはかりたい所存でございます。  終りに住宅金融公庫の事業計画について一言申し上げます。昭和二十九年度の貸付契約額の総額は百八十億円を予定いたしており、その原資として一般会計出資金が五十億円、資金運用部より借入金が九十五億円、回収元金等が三十五億円、合計百八十億円を予定いたしております。その貸付戸数は一般が三万戸産業労務者用が一万戸であります。  以上簡単に御説明いたしましたが、詳細については政府委員より説明いたさせます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

山本勝市自由党

○山本主査 これにて説明は終りました。  次に質疑に入ることとなりますが、審査の便宜上まず郵政省所管、それから次に建設省所管、最後に運輸省所管の順で質疑を行うことにいたします。     —————————————

山本勝市自由党

○山本主査 それでは郵政省所管について質疑を許します。羽田武嗣郎君。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 郵政大臣に公労法の適用者と非適用者との給与のアンバランスの問題についてお尋ねをいたしたいと存ずるのでありますが、御承知のように、現業官庁といたしましては、郵政省が二十三万の公労法適用者を持つており、これに対しまして非適用者が二万一千九百四十一名、それからその他大蔵省所管に属するアルコールとかあるいは印刷局あるいは造幣局、それから農林省の林野庁、林野庁の公労法適用者は一万九千七百十人に対して非適用者が一千四百人というような数を数えております。これらの現業官庁の公労法適用者の数は、全部で二十六万一千百二十名を算しております。これに対して非適用者、すなわち現業の官庁の監督者たるものが二万三千四百三十人という数になつておるのでございます。そのほかに公社である専売公社、日本国有鉄道、あるいは電電公社、こういうものは今申し上げました官庁よりも、もつと多数の現業者並びに非公労法適用者があるわけであります。ところが去年この公労法適用者の給与ベースが上りましたために、非適用者すなわち監督者の給与がそのまま置いて行かれてしまつたのでありまして、このために非常な不合理が生じておることは大臣もとくと御承知の通りであります。このために監督者の方が給与が安くて、監督される方が高いというようなことで、人事の交流が行き詰まり、また非適用者の志気振わないというような状態を呈しまして、こういう現業というような現場の問題でありますだけに、非常な深刻なる不合理が露出をいたしておるような現状でございます。このアン・バランスを何とかすみやかに修正をいたすということは絶対に必要でございまして、郵政省の郵政本員会においても、昨年は特に特別委員会をつくりましてこの問題の解決に当り、大臣も熱心にこの解決に御努力を今日までして来てくだすつておるのであります。そこでこの国会におきまして、幸いにこの四月から実行するこのアン・バランスの修正をして行くように何とかしなければいかぬ。それにはどうしてもここに立法措置を講じまして、こういつた現業官庁あるいは公社というような現業をあずかる部面における公労法非適用の監督者に対しましては、一般公務員と違つた給与制度の特別な措置を講ずることが必要ではないかと考えるのであります。これに対して政府は、どういうふうに考えられておるか、特別な措置すなわち立法措置を講ずる御意思があるかどうか、またそういう法律をいつごろお出しになるかどうか、そのことをまず第一にお尋ねをいたしておきます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 御指摘の点はまことにごもつともな点でありまして、私どもといたしましても、ぜひこれは直したいというように考えておつたわけであります。現実の問題といたしましては、この問題を最初に取上げました当時も、非常に大きなアン・バランスは、五現業の公労法適用職員については、仲裁裁定に基く給与改訂、その他の職員については、人事院勧告に基く給与の改訂である程度の是正はできたのでありますけれども、なお十分に行かない面が相当あるというようなこととそれからかりに今までの状態はそうなりましても、この問題は長く同じような形で残るものでありますから、どうしても何か特別な法的措置を講じて、今後こういう問題が起きないように根本的に解決する必要があるのではないかというように考えましたので、いろいろと検討の結果、単に郵政省だけでありませんで、ただいま御指摘の五現業全部につきまして、企業官庁職員の給与に関して何か特例を考えようということで、企業官庁職員の給与に関する特例法というような名前で、この間のアン・バランスを是正する法律を今準備中でございます。大体関係各省の意向がまとまつておりますので、今会期中に必ず御提案申し上げて御審議願えるという段階になると考えております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいま大臣から承りますと、政府としても、この不合理を是正するために公企業官庁給与に関する特別法というような法案を、この国会に御提案になる用意を着々と進められておるということでございますが、それはいつどう出るのか。その時期もあまりおそくなつてはいかぬと思いますので、特に時期の問題、進行状態についてお尋ねをしておきます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 大体関係各省の意見がまとまつて、今内閣において法案の準備をしておるようでありますので、三月の初旬には国会に御提案申し上げることができると考えております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 もちろん給与のことでありますから、法律は四月一日から実施されると存じますが、その実施の時期をひとつお知らせ願いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 御想像の通り、四月一日から実施に間に合うということなんであります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 郵政大臣に対する私の質問はこれで一応打切ります。

山本勝市自由党

○山本主査 次は川島君。川島君に申し上げますが、大臣は参議院の予算委員会の関係がありますから大臣の方に先に御質問願いたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 塚田さんの御都合もあるようですから、最初に大臣に少しだけ質問をして、あとはこまかいことになりますから事務当局にお伺いをしておきたいと思います。  まず第一にこの機会にお伺いしたいのは、郵政省が最近年々発行して参りました公債の関係であります。この公債の売行きについてはいろいろの支障があるようであります。従つてまたなかなか順調に行つていないのではないかということを、私は聞いておるのでありますが、ことに昨年の債券の発行額、その消化された額、あるいは一般公募のもの、あるいはまた電話架設の際に引受けを割当てておりますものとの関係についての数字が、わかつておりましたならばこの際聞かせておいてもらいたい、こう思うのでございます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 主として電気通信事業に関係しての公債のお尋ねであると考えるのでありますが、二十八年度は、予定では大体公募七十五億と、加入者引受けの分納五十億を予定をいたしておりまして、加入者引受けのものはむしろ予定よりも突破するという状況になつておるようでありますが、公募の部分は、七十五億のうち今までに六十億だけ発行済みでありまして、あと十五億残つております。あと三月一ぱいあるわけでございますが、御懸念のように若干残るかもしれないという状態であります。二十九年度は、そういうようないろいろな事情も考慮いたしまして、公募の分七十億と、加入者引受けの分五十億、合計百二十億だけを一応予定いたしておるわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 事業のいろいろな年次的な計画が立てられて、それに必要なる資金源としての公債計画でありますが、その公債計画が見通しを誤つて順調に行かないということになりますと、建設事業計画にも著しい支障をもたらすことは言うまでもないのであります。今塚田さんのお話のように、二十八年度において七十五億を予定したが消化されたのは六十億、まだ残額が——もつとも年度内でありますからこれから若干の消化はあろうと思いますが、この残つた十五億は年度内に消化できるという見通しのあるものかどうか、それはどう、お考えになりますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 多少困難はあつても、大体消化できるのではないかと思うのですが、最悪の場合は、あるいは五億くらい消化できない部分が残るかと、こういう見通しでございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 そこでさらに、これは意見にもなりましようが、二十九年度はこれらの事情を勘案して七十億に押えて行こうということが説明されておりますが、二十八年度においてすらも七十五億が非常に危ぶまれておるという実情にあるにかかわらず、二十九年度は、政府の政策からいえば、一種のデフレ政策であり、国民の所得も減る、物価も下るという見通しで、不景気政策というものが一連の政策として押し進められて行こうという実情の中にあつて、二十八年度の七十五億でさえも、かりに今予想されたように五億不消化のものが出るとしても、結局においては七十億であるというにもかかわらず、今度は二十九年度においてその七十億を予定いたしまして、はたしてそれで支障なく進むかどうかということは、非常に疑問ではないかと私は思う。そういうことになりますと、あなたのところの一切の事業計画というものを根底から修正をしなければならない事態に立ち至ることは、理の当然な事柄ではないかと私は懸念をするのでありますが、その点はいかがでございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は、私どももことしのいろいろな計画をいたします場合に、ずいぶん懸念をし、検訂いたした点なのでありまして、これは大体こういう見通しをしておるのでございます。電通関係の分だけでなしに、公募全体は、御承知でもありましようが、ことしは政府の資金計画全体の上において三百九十億ということになつております。この数字は、昨年は三百九十五億ということになつておつたので、五億だけ詰まつておる。五位の減少では、御指摘のようなことしの財政、金融情勢を見ると、非常に無理じやないかという感じがいたしますが、ただもう一つ考えられますことは、昨年の三百九十五億という数字は、昨年の予算が遅れました関係で、年度の途中、八月ごろからいよいよ募集に入りましたので、非常に無理があつたわけでありますが、私どもの昨年の七十五億も八月から公募に着手いたしまして、いよいよ年度末に来て、先ほど申し上げましたような状態であるということで、ことしは四月から平均して募集して参りますれば、そう困難ではないのではないか。むしろ予算を編成した途中におきまして、金融界の情勢を私自身もいろいろ確かめました時分の空気では、電通の債券の場合には、全体としてまだ二十億や三十億の引受けができるのではないかという見通しがあつたと思いますけれども、金融政策全体の関係で、大蔵省側の強い要請もあつて、電通の分は七十億というふうに押えられたわけであります。その点におきましては、二十九年度の七十億は公募に困難をするということは万ないのではないかという見通しを持つております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 塚田さんは金融財政についても党内における相当の勉強家の一人であります。言うまでもなく政府は、財政引締め、金融引締めの一連の政策、むしろそういう一つの大きな看板を立てておるにかかわらず、反面において、こういう事業計画に伴う資金源の予定額というものは、その政策とうらはらのことをやつておるというような感じが私にはいたすのであります。また、そういう感じのみならず、実際においてそういうことになるのではないか。これだけの資金源にこれだけの公債が必要だ、しかしながらその公債の必要だということは予定されても、実際にはその公債がいろいろの事情において消化し切れない条件がだんだん積み重なつて来るのではないか、そういうようなことを私は考えるので、政府の財政政策、金融政策と、また一方にこうした面におけるところの見通しというものとの間に、非常に矛盾があるような気がいたすのであります。もし万全の努力を払つてそういうことがないのだということならば別であります。また私はそういうことをここで議論をしようというのではないが、そういう矛盾的のものが非常に感しられるので、一応念のために伺つておいたのでありまして、それ以上はあとでまた事務当局と話合つてみたいと思うのであります。  そこでもう一つ伺つておきたいのですが、今の郵便貯金の利子が適切なものかどうか、政府の財政金融政策の基本的な立場から見た場合に、郵便貯金の利子が、低物価政策と並行した上においてこのまますえ置いてもいいのであるかどうか、あるいはまた、郵便利子についても日銀利しと同様に再検討をこの機会に加える必要はないかどうか、こういう点については大臣はどのように考えておりますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは郵便貯金の利子をどういう考え方で上げ下げをするかということが非常に問題になると思うのであります。結論から申し上げますならば、今の状態では、大体この辺の利子で、今これを動かそうという考え方は持つておらぬのでありますけれども、それを上げ下げをする場合の考えとしては、これは金融政策全体としての大きな観点からというよりも、むしろ市中金融の利子と市中預金の利子というものと絶えずバランスをとるということに重点を置いてこれを考えるということの方が、今までも大体そういう考え方で参つておりますし、またその方が妥当ではないか、こういう感じをいたしておるわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 唐突に郵便貯金利子を取上げたから、塚田さんには異様な感じがあつたと思いますが、私つくづく考えるのに、政府の今度のデフレ政策——財政緊縮、金融引締め、そして低物価政策を推し進めて行くという、こういう一連の政策を一応是認した立場にかりに立つたといたしました場合に、一体政府の今日このままの金利政策で、そういう事柄が完全に遂行できるかどうかということに非常な危惧を私は感じておるのであります。金融政策全般の問題をここで論じてもしかたがないのでありますけれども、そういう問題もきわめて大切なことでありますので、その金融関係の一つの窓口にもなつておりますこの郵便貯金の金利というものも、やはり全般的な政府の金利政策の上に立つて考えて行く必要がある。私は郵便貯金の利子だけを考える必要があるというのでは決してないのでありまして、全体的な、総合的な立場に立つて政府のいわゆる金利政策というか、金融政策の一つである金利政策というものの再検討をしなくては、私は政府のねらいとする低物価政策の遂行に、必ずしも満足な動きを進めて行くことはできないのではないか、こういうような感じがいたしますので、あえてお尋ねをいたしたのであります。その点は郵政大臣としては所管違いになりますけれども、特にあなたはそういう方面にも造詣がありますので、この機会にもう一ぺんそういう大局的な立場に立つての御見解を聞かしてもらえばけつこうであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは大きく金利政策ということになりますと、私は両面の要請があると思うのでありまして、一方日本のいろいろな諸物価の中において金利の占める要素がかなり大きいものがある。ことに業種によつてそれが大きくなつて、そのためにコストの引下げができないものがあるということも事実でありますが、それと同時に今のいろいろの総合的な財政金融政策の観点からするならば、私は貯蓄を増強するということが非常に大事じやないか、こういうように考えておるわけであります。今の政府の政策の基本の考え方は、不要不急の消費を押える、そうして余つた金をなるべく貯蓄の面に吸い上げて来る、そしてそこのところから出て来た資金をもつてインフレというものを起さずに、必要な資金をまかなつて行くという考え方になつているわけです。従つて一方物価を引下げるという立場からすれば、貸し出す金利はなるべく引下げたい。しかし一方貧金を集めたいという考え方からすれば、預金の利子というものはそんなに引下げられないというような、両面の相矛盾する要請があると私は思う。従つて金利政策をどうするかということは、貸し出す金利はできるだけ低く、預かる金利はそんなに下げないということの調和点を見出して行くというところにあると思うのでありまして、金融機関の合理化なり何なりをしまして、なるべく高く預かつて安く貸し出せるという条件をつくつて行くということが、金利政策の基本ではないか、こういうふうに考えておりますので、少くとも金利というものについて、今の段階ではそう下げるということは、特に郵便貯金の場合には考えられないのではないか、こういうように考えておるわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私は繰返して申しますが、郵便貯金の利子が高いではないかという意味で言つているのでは決してないのであります。ただ、たまたまこの席では郵政関係の問題が取上げられておりますので、質問の糸口として郵便貯金の利子の問題を取上げたわけであります。御承知の通り今日当面の問題となつております造船建造計画の利子補給のごときも、あるいは地方鉄道の非常に困難なところに対する利子補給、政府は利子補給問題をいろいろここに重なつて実施されて来ている。それはひつきようするに高金利ということが問題になつて、そのてこ入れにそういうことがなされておるので、この機会に政府は、ことに市中銀行の金利の問題を真剣になつて考える必要があるのではないか。塚田さんも御承知の通り、今日の日本全国の主要なる銀行の資産とかあるいは利益の配当などの実情を見た場合に、一体市中銀行のあの高金利が、はたして日本経済再建のために妥当なものであるかどうかということは、十分これは再検討する機会が到来しているのではないかという感じが私はいたしますので、この機会に郵便貯金の利子問題を取上げて、それを糸口として、あなたに金利問題を尋ねておこう、こういうつもりでございまして、もとより資本の蓄積の必要性ということは、われわれも否定するものではありません。従つて資本蓄積のためには、金利というものも必ずしも安くては、またこの資本蓄積はなかなかむずかしいというようなことも私どもわかつているのでありますが、今日の金利というものを十分に検討し、しかもそれがすみやかになされなければならぬような事態に来ているのではないか、そういうことなくしては、私は低物価政策というものの一連の政策を推し進める上において非常に欠けるところがある、こういうつもりでお尋ねしたことを御了承願いたいと思うのであります。  もう一つついでに伺つておきますが、政府では最近年賀郵便を特別に出している。ことにことしは、この年賀郵便は相当な売上げを示したということであります。その売上高はあとで伺いますが、この年賀郵便の売上げの問題を、私は特に言い立てようというのではありませんが、年々歳々この年賀郵便の売上げ増進に、いわば政府がやつきとなつている。この売上げ増進にやつきとなつているということは、役所の立場からいえば、できるだけ収入をふやすという立場において、当然なすべき事柄であることは私もわかるですが、今日政府は、いわゆる国民の浪費を節約せしめるのだという一つのゆるぎなき政策を一本打立てて、国民の前に乗り出して来た。その乗り出して来た政府の立場において、去年よりは今年、今年よりは来年という形において、年賀郵便の売上増進を、あらゆる努力を払つてするということにおいて、いささか矛盾がないかどうか、こういう問題は当然起つて来るのではないかと思う。この事柄について塚田さんに質問することは、少しく意地が悪いようでありますけれども、おそらく政府としては、今年大分昨年よりは売上げが高まつた、この調子でひとつ昭和三十年の年賀郵便も大々的に宣伝し、力を傾けて売り上げて行こうという計画が、おそらくとうにできているに違いない。そのことと、いわゆる国民の消費節約ということを強調する政府とのこの政策の上に矛盾がないだろうか。これは非常につまらぬ問題ではあるようでありますけれども、一面また非常に大切な問題ではないか、かように思いますので、その辺の塚田さんの御見解をひとつ聞いておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 消費節約というものの考え方が、一年に一回の年賀交換というものまでも緊縮しなければならないというところへつながつて行くかどうかは、これは具体的な問題としてはかなり問題だと思うのでありますが、しかし少くとも考え方の問題としては、御指摘のような点は確かにあり得ると思います。まあやつきになつてたくさん売れれば売れるだけいいというような考え方は、あるいは御指摘のようにとるべきではないかと思うのでありますが、ただ本年などの実例に徴しましても、ひとつ大いに売つて大いに利益を得ようというような考え方で成績が上つたというよりは、年々非常に需要が増加して参りまして、需要増というものに応ずるという態勢を整えるだけで、去年よりは今年、今年よりは来年というように、相当たくさんの年賀はがきをふやして行かなければならない。今年も、現に希望に足りないくらいであつたというように承知しているわけでありますが、大体そんなような情勢であつて、必ずしも考え方としては、大いに宣伝をして大いに買つていただくというような考え方にはなつておらないという点をひとつ御了承願いたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 それは塚田さんは実情を知らぬからそういうふうに言われておるのであります。実際はそうではない。これはやつきの活動なんです。また第一線におる人の目の色をかえたやつきの姿は、むしろ涙ぐましいものがある。ことしも役所では相当売上げ増進の予定を立てておることは私は知つておる。知つておりながら聞いておるのでありますけれども、これは議論をあまり深くしようと思うわけではありませんが、そういう矛盾を感ずるので一応尋ねておいたわけであります。  それから最後に、これは風説であるのが多いのでありますから、特に声を大きくして言うつもりはないのです。これは郵政大臣は直接関係はなかろうと思う。しかしその責任はあるのであろうと思いますが、電話の架設の問題であります。東京を中心にして、大体関東のことでありますが、非常に情実的なものがからむ。そして同じ架設可能の地域内にあつても、その申入者の顔、あるいはまた申入者が第一線のそれぞれの仕事に携わる急所の方面にいろいろの運動をしなければ、とても架設が促進されない。そして成規の手続をしたのでは半年も一年もかかる。そこで何らかの形で動くと、比較的にそれがたやすく進む。これは私は風説としておきたい。風説としておきたいから具体的には申し上げませんが、そういうきらいがないではないのであります。そういうことはあつてはならないと思います。この点について大臣におきましても監督の責任がありますし、またそういうことをほつておいて、重なつて参りますと、だんだんいろいろな問題が外に現われて来ると思います。そして国会などで問題になつて、郵政省のせつかく働いておる人たちの全体の名誉を傷つけて行かなければならぬ。それがまたやがて政治問題になれば、内閣の土台骨もゆすぶらなければならぬというようなことにもなりかねぬと思うのでありまして、そういうことについて大臣は聞き及んでおるかどうか、もし聞き及んでおるとしなくてもそういうことがあるやにいわれておりますので、特にその問題については今後監督を一層厳重にされ、そしていささかもそういう疑いのないように、そして厳正に公平に、やはり必要なるところ、そしてしかも架設可能なるところには順次その要求に応じて電話の普及を促進する、この大局的な立場でやつていただきたい、こう私は思います。いろいろなことを聞いておりますけれども、この席上では申し上げません。そういうことについて十分御注意を願つておきたいということ、だけ申し上げて、あなたに対する御質問を一応終つておきます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 まことに御親切な、しかも好意ある御忠告をいただいてまことにありがたく存ずるわけでありますが、実はそういう問題は私も全然聞かないことはないのでありまして、いろいろな機会にうわさを耳にすることがあるのであります。私もそういうことはないだろうと確信をしておるし、また確信をしたいのでありますが、うわさがひんぴんと出るならば、何がしかはあるかもしれないという感じを持つております。ことにこの問題は、昨年も当分科会におきまして、本年もこの分科会においでの富田委員から非常にきつくおしかりを受けたのであります。そのときもお答えをしたのでありますが、もちろんそういうような実例があつた場合には、そしてそれが非常に質の悪いものであるならば、厳罰に処するという方針で向つて行かなければならないと考えておりますけれども、何にしましても、今までのように非常に需要者が多い、それに対して架設し得る能力が非常に少い場合には、需要と供給の関係でそういう危険が起る要素をたくさん持つものでありますから、なるべく早く無制限にそういう需要に応じられるという体制をつくる、無制限に応じられないまでも、相当大幅に希望者には架設ができるという体制をつくるということの方が、私はこの問題の根本的な解決策であると考える。従つて昨年の電話料金の値上げのときも、別途の面からはずいぶん反対論なぞもおありのようであつたのでありますが、特にお願いをして御賛成を得て、相当大幅な値上げを御承認いただいたのであります。その結果都内あたりはすでに青空開通というように、申込みがあれば無制限に開通ができるというようなこともできておりまして、そうなればもちろんそういう問題も自然解消して参る。そういうような面に本質的な解決策を頭に置いて行きながら、なお当面出ておりますそういり問題につきましては、御注意の趣旨をよく体して、十分監督をしながら是止して参りたい、こういうように考えております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいま私中座いたして、川島君の質問の内容を承らぬで関連質問してはまことに恐縮でありますが、大臣のお答えになつて大体の御質問の趣旨もわかりますのでお尋ねをいたすのですけれども、実際私もそういう例を先般一つ持つております。私の友人で、弁護士をし、かつ通産省の顧問弁護士をいたしており、また通産省の役所の中にある一つの統計の財団法人の理事長もいたしている者がございます。場所は世田谷でありますが、こにこもうすでにずいぶん前からお願いをいたして、初めのうちは枝の電話というような話で、それで進んで、やがて今度は単独に線が入つたというので、単独に引いてもらうというように進んでおつたのでありますが、いざそこに十何軒も電話が引かれたのにもかかわらず、その私の友人のところには引かれなかつた。窓口に聞いてみますと、工事上支障あり、こういう回答を得まして、私実はびつくりいたしたのです。というのは、ちようど友人の家のへいのところに最後の棒が立つておりまして、その支柱から近所の家のひつぱつて行つているのです。ですからもう一間か一間半もただ上からその家の中に流せば、そのまま電話が架設せらるべきはずであります。これはわれわれしろうとが見ましても、また専門家が見ても、あるいは赤ん坊が見てもそうだと私は思うのです。それにもかかわらず工事上支障があるというようなことを回答とし、そういう扱いでそこに引かないということは、私は非常にふしぎなんです。こんなばかなことをしておつて、電電公社なんというものがあり得るかと実は憤慨をしているのです。私は行政訴訟までやりたいと思つたのです。こういう現実の事実があります。吉沢局長もそれは知つております。こんなことは吉沢局長に大臣はお聞きいただきたいのでありますが、そういうような不合理なことをやつては、電電公社の民衆に対するサービスの向上なんというものはできつこないと思うのです。子供が見てもわかるようなことを工事上支障ありというような答案を出して、そして当然引かるべき筋合いのものをそういうふうにして荏苒と拒否する。そうすれば何か買収しなければならぬ。金でも持つて行つて現場の諸君を買収しなければ、こういうことができないのじやないか。私は非常に憤慨して、実は行政訴訟をやりたいと思つたくらいです。そういう点について、大臣の所信を承りたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 具体的な事例でありますので、よく調べませんと何でありますが、御指摘のような事情があつて、そして何らその工事上支障というようなものが認められないというようなことであれば、おのずから何か別個の動機があつてやつておると思いますので、十分調査しまして、もしも正しくないという考え方であるならば、これは是正をするものは是正をする、さらに当の責任者にしかるべき処分ということも考えなければならない、こういうふうに考えております。

西村久之自由党

○西村(久)委員 今の問題に関連して、私も一、二点お尋ね申し上げてみたいと思います。  私のお尋ねするのは、各局の関係の電話数が、局によつては片寄り過ぎて多くなり、局によつては少な過ぎるというような形で、配分が公正に行かない関係等があるのではないかということを心配いたしますので、その配分等の関係は、東京都内を例にとつて申し上げましても、東京都の各局の配分関係につきましては、何か標準を立てておやりになつておるのかどうか。それで大臣が先ほど申された通りに、川島君の質問に対するお答えの際に、配分が公正に行き渡つて、最近は大分飽和の状態にあるから、川島君のお考えのような点は是正されつつある、それは私も認めまするが、政治の中心地である東京都内の電話の数だけをふやして行つて、飽和状態に立ち至らしむる結果が、おのずから予算に限度がありますので、他の地方に累を及ぼすおそれはないか。地方は電話が架設にならないで困つておる、東京都はある局によつては多過ぎる、こういうようなことになると、配分に非常に不公平を来すきらいがありますし、その結果が川島君なり、今お尋ねになりました羽田委員の御意見のようなことができがちになつて来るのじやないか、少いところは競争する形になりますが、その配分についてどういうふうな考え方を本省でとられているか、この点をお尋ね申し上げてみたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これはこまかいことは、後ほど公社もしくは監理官の方からお答え申し上げるようにいたしたいと思いますけれども、おそらく全体の設備資金を大きくどういうぐあいに割振つて行くかという考え方の場合におきましては、御指摘のような考え方で、なるべく公平にやつて行かなければならないと思うのであります。さて、たとえば昭和二十九年の増設計画になりますと、おのずから、今度はどこの局というふうに資金を割振つて順位をつけてやつて参りますので、そう必ずしも行きかねる面があるのではないか。むしろ今の都内のある局は比較的楽に引ける、ある局は非常に引くのが困難だというのは、ただ金だけを配分して、そしてそこのところに引くまでの材料、そういうものだけを考えればいいのではなくて、やはりその局自体の中に備えつける施設というものが必要なのであつて、中にそれだけの施設があつて切めて加入者の数というものができる。中に備えつける施設は、たとえば日本全体として一万増加できるという場合に、それを広くみんなに割振るわけには行かぬと考えますので、ある施設をすると、ある局に相当数の加入の余裕ができる。しかしそれは他の局にはそのときに行かないでも順次他の局へ行くというような関係になつて時期的に若干ずれて行くものが出ているんじやないか、従つてある局は非常に青空開通というものさえできているにかかわらず、他の局はやはり非常に開通が困難だというような事情になつておる、全体の考え方としては御指摘のように、地域的に片寄らないように資金その他も配分して行かなければならないと考えるのでありますけれども、年次計画の上で時期的に若干そういう問題が事実の要請の上からできて来ておるのではないかと考えます。なお御指摘の考え方で十分検討してみたいと思います。

西村久之自由党

○西村(久)委員 大臣の説明は私はよくわかりますが、東京都内の関係だけを見ましても非常に多く電話が引かれる、五本申し込めば五本とも一ぺんにかかる、そうしてなおゆとりがある。ところがかからないところは羽田君の御意見の通りかからない。羽田君の御意見に対しましては私はそのまま賛成するものではございません。電話の架設につきましては電柱その他の関係もあり、隣の家まで来ておつてもその隣の家には引かれないというようなことは、技術的の関係もあつて、電線を新しく引込まなければならないというような家もあるであろうということを考えますれば、限りある金でやるのでございますから、局としてなかなか引きにくいという関係を伴うこともないとは限りませんので、一概にはそういうふうに言えませんけれども、多い局のところは申し込んだらどんどんかかる、少い局のところはかからない。その結果電話の価格はどうかというと、多いところは十万円で売買ができる、少いところは二十万円出さなければできない。同じ都内でそういうふうな電話の価格そのものに、局のいかんによつて値段の開きが大きくなつているということは、私は好ましいことではないと考えるのであります。それで大臣のお話の通りに、局の施設のいかんによつても違うであろうというお話でございますが、そうであるといたしますならば、少い局の施設をかえられて、そうしてなるたけ公平を保たれるように配分に御努力を願いたい。高いものをどうとかと批判はいたしませんが、価格の面からあまり等差があるような配分は好ましいことではないのではないか、こういうふうに考えるのであります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 私は現業官庁というものは何といつても直接サービスがうまく行つているかどうかということが一番大切で、それが大衆の支持を得、また公社の存在理由というものがはつきりいたすのでありまして、そういう意味において、ただいま私の申し述べました例は、現場でひとつよく見てもらつて、そうして、なるほどこれは、今西村委員から御指摘でありますが、全然特別な例ではなくて、一間か二間ぐらいでその線がすぐそのまま部屋の中に引けるという場所であります。私はその意味において公社を監督せられている金光監理官並びに吉澤営業局長、このお二人でもつて、ぜひこの一つの例をつぶさに現場について見てもらつて、書類によつて報告書を出してもらいたい。この審議の継続中のあさつてまでにこれを出していただきたいということを要望いたします。こういうような一つの例を見て、これはいかぬ、現場は間違つたことをやつておるということを、監督者たるものは強く腹に把握して、そうして今後の運営をうまくやつて行かなければ、とうていこういうほんとうの大衆の支持は得られないと私は思う。また公社のほんとうの使命は果せないと思います。その意味において、あさつてまでに現場の報告を書類あるいは口頭によつて、この席において御発表いただくように、ひとつ大臣からそれぞれ御下命をいただきたいということを要望いたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 そのようにとりはからいます。

山本勝市自由党

○山本主査 ちよつと私が大臣に伺つておきたいのですけれども、今電話の架設に関して、いろいろ悪いことが行われておるという、これはたびたび起るのですが、それに対して大臣が、何分需要が非常に強くて、それに対する供給力が弱いところにそういういろいろな間違いの原因もあるというお考えでありましたが、ごもつともだと思まいす。それでなしに綱紀粛正でただせる部分もありましよう。しかし非常に需要が強いため、需要者自身から要求されなくても、無理に持つて行くという場合もあり得るんじやないか。それをただす方法として、電話をふやすということで需要を十分に満たすほど供給する。これは根本解決に違いりまあせん。しかしそれは財力に限りがあつてとても行かないということで、結局行き詰まるとしますと、その解決策としての一つの方途は、これはいろいろな関係があると思いますけれども、やはり価格で調整しなければなりません。つまりあまりに需要が強く供給力がないというときに、要するに需給関係からいつて安過ぎる。それは需要者からいえば安い方がいいにきまつておりますけれども、しかし安過ぎるから需要が供給をひどく突破する。それをある程度価格を上げることによつて、需要が押えられて、供給のひどいアン・バランスをなくし得るのではないか。そうすればそうするまで、またいろいろな障害はありましよう。ありましようけれどもそこの軽重を考えて、結局需要供給のバランスをとるためには、供給力を増加するということのほかに、もう一つ価格でバランスをとるということも考慮の余地はないか。そういう点で、今後の根本的な解決策について、何か組織とか制度とかいう上にも考慮の余地があるんじやなかろうか、この点については大臣はどうお考えになりますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは昔非常に安く加入ができたというときには、そういう影響が非常に強くあつたと思います。しかし公債などをお持ち願うというその額もかなり大きくなることによつて、かなり御指摘の面からの調整はできておると思うのであります。しかし価格をかえるということ自体が、国の政策としてやつておるものとして非常に問題があるのと、それから一旦そういう価格でやることにしましても、その価格を国の政策でいつまでも維持できるという方法はないのでありまして、そこのところは、たとえばある局の電話が非常に申込みが多いからして、相当高い加入料、架設料をとるということにいたしましても、そこのところに設備拡張をいたしまして、今度ゆとりができると、どすんと需要に応じられるようになつて、また金が自然下つてしまうというような関係になる。公社がどういうぐあいにするかによつて、その価格それから需要供給の関係がどうでもなるものを、自分の方で施設しないでおいて、そうして希望が多いから価格を高くするというようにはなかなか行かないのではないかと実は考えております。しかし大体はそういう感じで、だんだんと持つていただく公債の額などもふやしたりして、調節はできておることはおると思います。なおよく公社の当局の方からお聞き願つて、しかるべき方法があれば御検討願いたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私は野党でありながら非常にやわらかく塚田さんに申し上げたのでありますが、かんじんかなめの与党内からまことに強硬な意見が質疑の形で出て、ちよつと私の方で面くらつた形です。いずれにしても大臣はおりませんが。当面の責任者はおられると思いますので、そういう問題について一層の注意を傾けて、今羽田君などから申されたような具体的な事例が出て来ないように、最善の努力を郵政省の名誉にかけてやつてもらいたいと思う。  そこで続いて事務当局の方に、勉強不足な点があつてわかつておらないところがありますので、少しこまかくなるので恐縮でありますが、若干この機会にお尋ねをしておきたいと思います。今電話の問題が出ました。電話はなるほどお話がありましたごとくに、一部の地域においては、相当需給の均衡がとれてそうはげしい争奪戦をやらぬまでも、電話の需要が満足とは言えませんが、大体において満足に近い程度になつているところもあるけれども、場所によりますと、とにかくまだ問題にならない。そういうところからいろいろな問題起つて来る要素もあるわけでありますが、この電話の架設政策というか、架設方針が、大都会集中主義というか、そういつた形に若干なり過ぎておるのではないかという感じが私にはいたす。これは私の感じであつて、数字をあげればそうでないことになるでありましようが、もしそうでないのだといたしますならば、この電話架設の基本方針というか、そういつた事柄についてのきまつた方針があるでありましようから、それをまずひとつ聞かせていただいて、あわせて全国的の電話架設の現状が戦争前に比較いたしまして、人口その他の勘案においてどういう姿になつておるか、その点もお答えをしておいていただきたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 先ほど来から電話架設について御注意がありました。この点については、今後さらに一層厳重なる監督をやりますし、現場において、加入者あるいは加入希望の方々に対しましてよく御説明がつくように、なおサービスの改善に努力いたしたいと思います。  先ほど来架設の全国的な配分等について御賀問がありまして、ただいまその基本方針という御賀問でございますが、大体におきましては、私ども需要に応じまして架設計画を立てる、これが基本方針であります。そこで一番需要の多いのは何といつても大都市でございまして、これの需要が中都市あるいは町村等に比べまして非常に多い。私ども終戦後具体的にはいわゆる大都会中心主義をもつて戦災電話の復興並びに新規の需要に対する拡張整備をやつて参つたのであります。戦前の最高は百八万ということでございましたが、現在は百六十五万ということになつておりますし、本年度におきましては、特に増設はその工程が予算以上に進捗いたしております。終戦直後におきましては、百八万が五十万余りに半減いたしたわけでありますが、この七年間に三倍程度の復興率を示した。こういう形になつておるわけでございますが、戦後どういう状況になつておるかと申しますと、戦災を受けない都市におきましては、相当人口の移動、産業の変動等によりまして、かえつて地方におきまして多く電話が架設されておる。戦災を受けました大都市におきましては、新たな局を建てます場合におきましては、どうしても特に大都市の需要は多いものでございますから、二千、三千というような数を擁する電話局を建てましたならば、非常に不経済である。もちろん終戦後相当占領期間があつたわけでございまして、アメリカのそれぞれの専門的な人も総司令部におりまして、電話につきましてもいろいろと、いわゆるサゼツシオンがあつたわけであります。その際大都市におきましては大きな電話局を建てることになりました。そこで先ほど来相当申込みに応ずることができるようになつたというのは、丸ノ内に千代田の電話局でありますが、これは四万の電話を入れるということで、今まで私ども逓信省時代からやつておりましたのは最高が一万でありますが、その一万の電話局を四つかかえる、さらに将来はそれを八万にするというような計画を、当時総司令部の民間通信局から指示されまして、その第一の実現がただいまの千代田局になつておるわけであります。こういう局を建てますのには、建築も一年以上かかります、さらにそこに機械を入れて行く、それから加入者への線路を敷設して行くということになりますと、どうしてもそれが動くまでに二年ないし三年の時日を要するわけであります。そこで全般的な基準といたしましては、先ほど申し上げましたように、需要数に応じまして全国的な配分をいたす次第でありますけれども、局が詰まつておるところにはどうしても配分ができない、そういう局は現在でも一個も増設できない、こういう局が百になんなんとするような状況に相なつております。今後五箇年計画を料金値上げのときに御説明申し上げましたが、五年後には現在の状況で行きますと満員になつてしまうという局が二百余りもあるわけでありまして、かなりの重要都市、大都市内部でのある地域、こういうところにつきましてはまつたく一ぱいになつてしまう。そこで私どもこれをどうしても解消して行かなければならぬということで、五箇年計画において基準を立てましたのが、大都市におきましては現在のほぼ九〇%、倍ということには参りませんが、二十八年度以降五箇年間に大体九割くらい増して行く、それから中都市においては四割五分くらい増して行く、その他のところが三割くらいの増しでありましたか、というような基準を設けまして、五箇年計画を設定した次第でありますが、これは全体の需要から見ますと、全国平均大体三〇%弱というような基準でやつたのであります。従いまして全国的な割合としましては、需要数から見ればほぼ均衡がとれておる次第でありますが、何と申しましても大都市における需要というものは非常に多いのでありまして、現在約四十万近くの申込み積滞が全国にございますが、東京は十万以上行つておりまして、大阪が五万以上になつております。大体全国の需要総数の半分程度を東京、大阪でかかえ込んでおる、こういう状況になつております。その点につきましては、私どもこまかい資料を持つておりますから、なお別な機会に詳しく数字的に御説明できると存じますが、先ほど来の、ある所では非常に利用ができる、ある所ではできない、これは東京におきましてはまさに中心地においてはかなりよくなつたのでありますが、同じ中心地でもやはり日本橋、京橋、銀座、霞ケ関等においては必ずしもよくはないのであります。今一番いいというのは丸ノ内近辺でございまして、これらにつきましてはすでに前年度から本年度、来年度にかけての計画が立つておる。一方非常に困つて参つたのは郊外の地域であります。ことに荏原方面、中野方面がどうしても局をつくらなければ救済できない、こういうような状況になつております。世田ケ谷方面も、線路の状況を見ますと、東市都内でありましても、まだ不可能地域と称するものが相当あるのでございまして、これが需要が非常に多いものでございますから、線路をある方面につけますと、そこには線路をつけた以上に需要者が溜つておるということになりまして、どうしてもまずここに一ぱい入れてしまうということで、同じ区内でも線路の方向によつてはアン・バランスが出て来る。私ども大都市におきましても、全体的に不可能地域というものをどうしてもなくすということで、線路施設を各方面に計画するというような方針をとつて参つておりますので、二十九年度においては、できるだけ不可能地域を解消いたしたい、こういう考えでおるのでありますが、一つの区域を設定する場合におきましては、どうしても東京都内において最低一万、二万、三万という局をつくらなければならない。郊外方面におきましても、現に新宿のところに郊外方面の救済として本年度工事を進めておりますが、これも三万であります。それから荏原方面といたしましては、目黒方面にやはり二万、三万という局をつくらなければならぬ。それから三田から品川方面につきましては、やはり白金に局をつくらなければならぬ。それが一挙に全部並行して建ち得るならば、アン・バランスというものは少くなるのでありますが、予算の関係上どうしても一挙にできないということになりますと、ある時期におきましては、ある方面はかなりきゆうくつな状況が現出する。全国的に見ましても、たとえば一番電話の市価の高いのは現在札幌ということになつておりますが、これは二、三年は、局舎ができ、そこに一ぱい線路が入るまでは、どうしてもできないということがわかりまして、需要が非常に多いと、これは非常な市場価格が出て来てしまう。できますとそれは一挙に解消されるわけでございますが、電話のほんとうの計画の健全性から申しますれば、十年、十五年を見込んで、常に一ぱいになりそうなところを余裕をもつて進めて行きますれば、かかる現象は絶対に生じないのでありますが、戦災で半分を失い、戦後非常に需要が多くなつて、資金自体にも制限があるというようなことで、そういう状態になつております。五箇年計画でこの点を相当部分解消いたしたいというような方向で、現在計画を進めておるような次第であります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私どもは専門家でないから、これこれと具体的な数字をあげて申し上げることはさしひかえなければならぬと思いますが、今の御説大体なかばはわかりましたけれども、私は埼玉ですが、東京と比べて、もちろん埼玉でございますからいろいろ違いがあることは十分にわかるのですが、これはひとり埼玉の問題だけではなしに、東京を中心として附近の関東地帯だけを取上げてみても、どうも需給の関係、あるいは架設の方針について若干疑念を抱かせるような向きがあるわけであります。今のお話によれば、需要の関係が主体だ。もちろんそれも必要でありましようが、しかしかりそめにも電電公社は公共企業体で、電信電話は公益のものであります。すなわち公益性ということが重要な任務の一つでありますので、必ずしも大都市に需要が多いからそこに重点的になるんだというだけではならないと私は思うわけです。公共性というものにかんがみまして、その間のあんばいをやはり政治的に相当考えられ、経済と文化の推進のためにも電電公社が積極的な立場をとるということも、私はかなり必要な面ではないかと思います。そういう点につきまして今後とも十分研究願いたい、かように希望しておくものであります。     〔主査退席、葉梨主査代理着席〕  それからこれはこまかいことになりますけれども、私どもしろうとで、この知識はないのでありますが、たとえばサービスの問題です。即時とか市外とか、故障係あるいは料金係それぞれのところへダイヤルをまわす、あるいは地方においては呼び出す。ところが相手方は出ておる形になつておるんだが、しかしかんじんかなめの通話がなかなか届かない。これは私どものしろうとの立場から言いますと、通じておるのになかなか相手方が出ない、こういうことは一体どういう関係から来るのか、あるいは一人の係が幾つもの電話口を持つておるためというのであろうかと想像はいたすのです。昔ももちろんでありますが、今でも電話をそういつた方面にかけますと、なかなか出て来ない。そういう事柄は一体どういうところから来ておるのか、私その知識がないのでわかりませんが、この機会にそれを聞かしてもらつて、今後どういうふうなことでそれが改まるのか、またなかなか改まらない実情にあるのか、その辺の事情を聞かしてもらいたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 最初におつしやいました関東地域の問題でございますが、関東地方におきましては、かなり滋石式の電話が多いのです。こういう電話につきましては、あるいは郵政省の特定局の方に委託いたしまして、電話サービスを提供しておりますが、そういうところには相当余裕のあるところもありまして、そういう余裕のあるところにつきましては、私ども需要があればできるだけ御希望に沿うということで、債券の負担あるいは負担金等もちようだいいたしておりますので、実際上かなりよけいつけておるところもあるのです。ただその際に、今御注意がありましたように、よほど公共性を考えないと、ただ数さえふやせばいいということで、せつかくある設備を——まだつかないところで、電話の利用から申しますればどうしても早くつけなければならぬというところが、距離が遠いからそういうものはあとまわしだ、近くでともかく電話の希望さえあればつけてしまうのだ、こういう弊害が若干あつたわけであります。これを今せつかく是正いたしまして、金がかかつてもそういう公共性を考えて行かなければならぬと思つております。ともかく戦災後におきましては、加入者の数をふやすということに非常にまつしぐらに走つたものですから、そういう御非難が出たことは、私ども十分反省いたしまして、ただいまおつしやつた公共性は十分考えて行かなければならぬ、こういうふうに存じております。  それからいろいろ特殊な番号、局に電話をかけても出て来ない、あるいは市外通話の申込みをいたしましても、相手が出ていると思われるにもかかわらず出て来ないというのは、多くの場合におきまして人員の配置が十分でなくて、一人でいろいろ持つておるという関係でございます。それからある場合におきましては、私どもよく経験いたすのでありますが、幾ら呼んでも出て来ないのは、よく調べてみると、非常に機械の古いところでは、信号がよく出ないという場合もあり得る。それから夜間等におきまして、あるいはほかの用事で出かけておつて、そこにいなかつたというようなこともあります。ことに昼間繁忙時等におきましては、もちろんほかに用事がありましてもすぐ出るようにやつて行かなければならぬわけでございますが、非常に信号の多い場合におきましては、人員の配置の関係から、迅速に呼出しに対しておこたえできない事例がかなりございます。夜間等におきましては、機械を集中いたしまして、小人数で応待するということになるので、その場合には信号がありしまてもすぐには出られない、こういう状況になつているのであります。これはサービス改善の点から言えば非常に申訳ないことでございますので、それにつきましては、私ども公社発足以来、管理部門の人をできるだけ現場機関の方へ配置転換等もやつて参つております。現場で一番必要な交換要員等は、かなり出入りが多いわけで、むしろそちらの方面の欠員があり、管理事務には人が余つているというような状況もあつて、これらの是正によつて、さらにサービスの改善をいたしたい、こういうように考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 もう大分時間も迫つて来たから、いいかげんに打切りたいと思いますが、これは私も前々から考えていることで、こまかいことでまことに恐縮でございますが、加入者全体の問題であろうと思うのでお尋ねしておきます。局が電話料金の徴収をいたします場合に、本来であれば、サービス的な役所でありますから、その料金等の徴収は、やはり内訳を書いて来るのが普通だろうと思います。ところが、これは全国的だと思いますが、いきなり総額だけを書いて徴収書が加入者のところへ来る。加入者の方も丹念につけておけば別でありますけれども、そういうことをやつている者は少い。従つて概算だけでありますために、加入者の方としても、実際それだけかけたのであろうけれども、何か役所の請求が間違つて大きくかかつて来ているのではないかという感じをする場合がずいぶんあるのです。そういう話も聞いているのじやないかと思いますが、それは役所の都合もありますし、経費もかかることでありますが、できることなら電話料金徴収書の中に、内訳を書かるべきだと思いますし、またサービスとしてはそれが当然じやないかと私は思う。そういうことは一体できるのかできないのか、これはやつてもらう方が一番完全で、しかもそれが親切なサービスの一つにもなることではないか、こういうふうに思うのです。  あわせてお尋ねいたしますが、小さいなかでは別でありますが、一々徴収料金を局の窓口まで持つて行かずに済む方法はないか、これもまた商売その他の都合で忙しい者は、これはなかなかめんどうなことであります。それは経費の都合等もあろうと思いますが、できるならそういうことまでやるべきじやないか、それが可能かどうか、その点この機会に聞いておきたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 まことにごもつともな御意見でありまして、料金についてはできるだけ内訳を書くことを、私どももぜひ実現いたしたい、こう私どもも考えております。まだ在来それができなかつたのは、やはり人手の関係の問題であります。そこで電話料金につきましては、あるいは基本料、市内の度数料、それから市外通話料ぐらいの大内訳しかやつておりませんので、特に内訳を承知いたしたいという方に対しましては、御照会によりまして市外通話の相手先その他全部お知らせすることになつておりますが、積極的に各加入者の方にそれを書いてお示しするところまで今行つていないのは、非常に遺憾に存じております。ただ東京におきましては、アメリカの機械等の輸入によりまして、丸の内付近におきましては、今度市外通話だけは全部記録して御通知するという制度をすでに実行いたしておりますが、これをさらにだんだんと拡大いたしまして、東京都内あるいは大阪にも及ぼして行きたいと思いますが、このIBMという機械は相当高い機械でありますから、非常に加入者が多くて市外通話の多い、集中的なところでないと不経済であります。そこで他の地方、中都市等においてどういうふうにやつて行くか、あるいは人の手数によつてそういう方法をとるかどうか、これは第二段として検討いたしたいと思いますが、方向としましては、市外通話等についてはできるだけ記録して行くという方向で進みたいと思つております。ただ現在におきましては、御質問的には応じて詳しくお知らせする、こういう程度でごかんべん願つているような次第でございます。  それから料金を納める問題でございますが、これは料金値上げの際においても、あるいは集金制度の問題等も御意見が出たのでありまして、私ども目下検討中でございますが、実は諸外国の例におきましても、料金の集金ということはほとんどないのであります。と申しますのは、ガスや水道のように加入者宅にメーターをつけないし、また市外通話等はかなり高額な金額でありまして、集金日を予定しておきましても、一般家庭あるいは商店等において、かえつて御迷惑をするようなこともあるわけです。そこで単に郵便局だけでなく、電話局でもあるいは銀行の振替等につきましても御利用願い、商店等におきましては、できるだけ銀行の振替口座を利用されて、便宜振りかえていただくというような方向に現在お願いしておるわけであります。  集金制度をやるかやらないかということにつきましては、国会からもいろいろ御要望がありましたのでせつかく検討しておりますが、ただいまのところいろいろな問題も考え得るのでありまして、金額も毎月一定していない、一定した金額ですと集金に行きましても割合にいいでありますが、責任者の方がいつもおられるというわけではないし、この問題はわれわれは実はかなり否定的に考えておりまして、非常に多額の料金をお納めになる方は銀行等を利用するような方法をお考え願つたらどうか、こういう点で考えておるような次第でございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 両者ともいずれも労力、経費等のかさむことでありますから急には行かぬと思いますが、大いに研究の上、できることは順次実行に移して行くという努力を願いたいと思います。  あなたに最後にお願い申し上げますが、最近大都市はもちろんでありますが、大都市の郊外あるいは地方に参りますと、集団的な勤労者住宅がたくさんできておる。こういう集団的な勤労者住宅の地域は、比較的市街地から離れておる。こういう限られた町から見ると離れ小島のようなところに集団住宅がある。その付近には商店街もないのでありますから、従つて電話などは及ぶべくもない。しかもその勤労者住宅等から、特定の人がその遠いところへ電話を引くというようなことは、これまた思いも及ばないような状態であることが普通なのであります。公社の公共性という性格から考えましても、また政府といたしましても、そういう集団的な勤労者住宅地帯に公衆電話の一つくらいは原則として建ててやるくらいな積極的な政策がなされていいのではないか。何しろ市街地から遠いので、たとえば夜中に火事が起きた、あるいは病人ができたといつた場合に、その勤労者の住宅地域ではなかなかそういう火急の間に合わないということが非常に多い。そしてせつかく助かる病人も助からなかつた、あるいは早くから消火に努めれば小事で済んだものが、住宅街の大火を引起するようなことになつたというような事例もかなりあるわけであります。そういうことについて、いろいろ文化的な立場あるいはそういつた日常生活の立場から見まして、集団的な勤労者の住宅地域に公衆電話を何らかの形において設置してやるという積極的な方針が打立てられてよろしいのではないかと私は思う。但しその架設の費用とかあるいは架設後における経費の分担というようなものについては、もちろん別な研究が必要でありますけれども、何はともあれやはりそういう方面に積極的に電話の一本くらいは架設して行くという方針がきわめて必要ではないか、こういうふうに思うのでありますけれども、そういうことは私の知る範囲では今日あまり行われておりませんまたそういう住宅が希望いたしましても、なかなかそこへは応じてくれないというのが現状であります。そういうことについて、私も平素非常に感じているところがありますので、この機会にあなたの御所見を承つておきたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 その点につきましても私どもまつたく異論のない点でございまして、在来公衆電話につきましてはいわゆるボツクス式のものと、あるいはすでに架設されておりますところの、簡易公衆電話といたしまして、外部の方も利用しやすいような店先等の電話を一般の公衆に利用していただくというような方向でやつて参りましたが、実は二十九年度の予算といたしましては、一般公衆電話を三千五百余り増備いたしたいというような計画になつております。  そこで集団的な、あるいは町から相当離れたようなところについてどうかという問題でございますが、これは村の部落等におきましてもまだ電話が一個もないというようなところもございますので、そういうところにはやはり特別の公衆電話を設置する。これはもちろん公社の負担におきまして、全部公社の経費でやるという形であります。今勤労者の住宅のことをおつしやいましたが、いなかの方におきまして、ある部落等にはまつたく電話がない。これは非常に困るので、こういうところには先ほどの御趣旨の公共性を考えまして、皆さんで利用できるような公衆機関を設置するという方向でやつておりますが、在来必ずしもその数が多くないのでございます。来年度におきましてはそういう公共性をかなり充実して行くような方法を、現在実行計画において考慮いたしているような次第でございます。御趣旨にはまつたく同感でございます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨主査代理 それでは郵政省所管の質疑を午後も続行することとしまして、この際午後二時まで休憩することにいたします。     午後零時四十八分休憩      ————◇—————     午後二時二十九分開議

山本勝市自由党

○山本主査 休憩前に引続き会議を開きます。  郵政省所管の質疑を継続いたします。川島金次君。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 たいへん質疑がこまかいことになるので、恐縮でございますが、私元来大まかな議論ばかりして来たので、この機会にこまかい点を承知しておきたいと思います。その点をあらかじめ御了承の上で、お答えを願いたいと思うのであります。  まず最初にお伺いしたいのは、郵便貯蓄が漸次増強の一途をたどつておることは、まことに喜ぶべき現象だと私ども喜んでおりますが、この貯蓄が現在どのくらいになつておるか。そしてここ二、三年内の現状として、どういう比率で貯蓄が増強されておるか。その数字がお手元にありましたら、まずそれをお示し願いたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 郵便貯蓄の現在高は、ごく最近のところで三千四百四十五億ということになつております。ここ二、三年間の郵便貯金の増強の模様でございますが、本年度は補正予算で郵便貯金の目標の改訂がありました。その改訂の結果、八百億と相なつておる次第でありますが、これに対しまして、現在のところもうあと十四億で目標に達するというような状況で、すなわち七百八十六億が現在の伸びでございます。昨年の伸びはどうだつたかと申しますと、目標は六百二十億であつたのでありますが、これに対しまして目標をかなり上まわりまして、六百五十九億の増強をいたしております。そういう面から申しますと、ここ数年来毎年目標として定めます数字は、国民所得の状況とか、一般の預貯金の増強の状況などをいろいろ参酌いたしまして決定するのでありますが、いずれも目標を突破あるいは達成いたしております。ここ約四年ばかり前に、三億ばかり目標に到達しなかつたということがまつたく異例の現象でございまして、毎年目標を円満に速成いたしておるというような現状であります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 そこで二十九年度における郵便貯蓄の趨勢を、当局はどういうふうに考えられますか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 来年度の目標につきましては、九百億の増強という目標を持つておりますが、この九百億の増強は、今年度の八百億から見ますと、さらに百億多いわけでございます。ここ数年百億見当の目標増が続いております。しかも先ほど申しましたように、大体目標を達成あるいは突破しておりますので、来年の九百億は、安易に達成できるとは必ずしも思いませんが、決して不可能なものではない、かように存じておる次第であります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 ここ二、三年来、それぞれ目標をオーバーするような状況になつておることは、今の数字でわかるのですが、明年度の目標を九百億に置いたということにつきましては、私どもの立場からみると、若干疑念があるので、それは午前中も塚田さんとちよつと話し合つたのですが、全体的な国民所得が従来に比してふえない。こういう立場を中心としての政策を内閣がとつておるわけで、従来でありますと、年々国民所得は、正確な数字であるかないかは別といたしまして、四、五百億ずつふえて行くというのが前提とされて、審議庁あたりで国民所得の次年度の推定をされておるのですが、二十八年度と二十九年度と比較しての国民所得の増加は、ここ二、三年に比較いたしましてきわめてささいなものしか見込まれないと政府はすでに予定をし、それを言明しております。そういうことを勘定に入れますと、当局が持つておりまする二十九年度の貯蓄の増強推定額は非常に甘いのではないか。そしてそれを達成するためには、非常に困難が伴つて行くのではないかと思うのでありますが、はたしてそういう懸念がないという言明ができるかどうか。その点はいかがでございましようか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 御説の通り二十九年度における国民所得は、二十八年度に比しまして約五%増と見込んでいるのでありまして、かりにそのままの率で計算いたしますと、郵便貯金におきましては、今年度八百億でありますので、四十億しか増を期待できないという結果になるのであります。今日の預貯金全体を通じまして、戦前の物価の指数から換算いたしますと、そこにいろんな事情があるとは申しながら、まわめて低率でございます。そういう面で必ずしも国民所得の増加のカーブのみにとどまり得るものではないと思うのであります。現に今年度の八百億の今後の見通しにつきましても、最近七百八十六億まで参りまして、あと十四億と申しましたが、年度末までにはまだ多くの貯金を期待いたしております。またこれは昨年の実績から見ましても、当然八百億を十億ぐらい上まわることを期待していいのじやないかという実は予想をしているのであります。かれこれ考えてみますと、来年度九百億というのは、国民所得の増加の率から見ると非常に多いように考えられるのでございますが、従来の実績が必ずしも国民所得の増加の割合にのみとどまるものではありませんし、われわれの努力次第、郵便貯金のいろいろな業務面におけるサービスいかんによりまして、非常に増加も期待し得る次第であります。もとよりさつき申し上げましたように、決して安易に達成し得目標とは考えておりませんが、努力いるかんによりましては、とうてい相談にならない数字とは考えておりません。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 必ずしも国民所得の増加率のみを比較して推定することが完全なものではないことは、私は承知いたしておりますが、とにかく政府の大体の見込みといたしましては、物価は上昇しない。むしろ逆に五ないし一〇%の引下げを目途としている。賃金もこのまま上昇をさせない。従つてまた不景気政策のもたらすところ、一般中小企業の収益も少いであろうということは当然であり、そういう総合的な観点に立つて推定をいたします場合に、九百億という目途が必ずしも妥当のようではないと考えるのであります。しかしこれで私は議論をしようとするのではありません。  そこで私はさらに押し進めてお尋ねをしたいのでありますが、この日本の経済再建にあたつて最も重大なる要件は、何といいましても資本の蓄積にある。これはまことに言うまでもないABCの話であります。そこでこの資本蓄積の中で郵便貯金の占めている率は軽視のできない位置にあるということも、私は認めているのであります。しかもその郵便貯金をされる側を見ますれば、言うまでもなくそれは零細な勤労階級の生活の節約あるいは努力、また中小企業の、しかも同じ中小企業でも最も底の方にある中小業者、また農民の一部もそれに加わつているようでございます。これらの貯金の集積が日本の資本蓄積の上に大きな一応の役割を果しているという事柄については、われわれは高く評価して行くべきではないかと思うのであります。そこで私はこの郵便貯金の問題を取上げるのでありますが、今日の郵便貯金が単なる増強傾向にあるからといつて、それだけで済まされるものではなく、政府当局はこの郵便貯蓄をもつと積極的に、いかにして増強せしめるかという問題をも考える必要があるのではないかと思う。当局の各位におかれましては、従来もかなり熱心に貯蓄の増強策について努力されているのではありましようけれども、この機会にさらに一歩前進する何らか具体的な方策を持つべきではないか。そういうことにならなければ、言うところの政府の財政緊縮、物価の引下げ、資本の増強という一連の政策は、満足に進められないことにもなるわけでございます。そこで郵便貯金の増強方策につきまして、何か新しい積極的な政策というか、施策を持つべきではないかと思うのですが、その点何か目先のかわつた構想を持たれているかどうか、いかがでございますか、伺つておきたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 きわめて有益な御意見を拝聴できまして、非常に感謝にたえないのであります。郵便貯金の増強につきましては、毎年いろいろ画策苦心をいたしているのでありますが、なかなかこれといつた妙手も実は見当りにくいのであります。最近におきましては、郵便貯金の増強をただ単に窓口で——特にこれは通常貯金についての問題でございますが、受身の形のみにおきまして増強を期待いたしましても、なかなか意のごとく参らないのでございます。もちろん足をもつて勧奨いたします積立貯金、定額貯金、この面におきましては、必要な予算さえあれば、増強の方策としてちやんと裏づけがあるわけでありますが、通常貯金につきましては、街頭進出する手足も持つておりませんし、またそういつた建前にはなつておりませんので、従来は大体窓口に進んで来られる貯金の増に期待しておつたのでありますが、ここ三年ばかり前から、そういつた個々の貯金行為でない、たれか非常に熱心なそういつたまとめ役があつて、それが強制にわたらず、戦時中の隣組貯金のような種類のものでなく、みなの貯蓄意欲がそういつたところで結集され、発揚されるような形におきまして、団体貯金、こういつたものを非常に勧奨しているような次第でございます。これは地域的に自然に結成できる団体もありましようし、また職域における一定の団体貯金、こういつたものもあり得るわけでありますが、こういつた方面に力を注ぎまして、かなりの成績をあげて参つております。私どもは将来の団体貯金のあり方自体に対しまして、非常に期待をいたしているような状況でございます。来年度以降、特にそういつた効率的な貯金、しかもお互いが、われわれ郵便局のものが勧めるからでなく、貯金の意欲を持つている人が、自然にそういつた意欲を競いながら高めて行くというような組織を大いに利用したいと思つております。さらに来年度自体の問題といたしましては、こと長らく中止いたしておりました割増金付の定額貯金、これもひどい射倖心をそそらない限度におきまして計画をしているような次第でございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 従来の方式もさることながら、当局は一つ特段のくふうをせられまして、これら零細な資本の蓄積にも全力を傾けてしかるべきだと私は思います。そこで今お話の出ました市中銀行などがやつております割増金付貯蓄などは、一つの新しいくふうだと思うので、そういつたことを中心として大いに検討され、しかもそれが明るい形で実施されることを強く要望しておきます。  そこでさらに前進してこの際お尋ねしておきたいのでありますが、この郵便貯蓄はただちに大蔵省の資金運用部資金にまわされて、その運用部資金が間接的に地方の財政その他に寄与するという形になつておりますが、この点につきまして、私は別に大きな異論を持つものではないが、何らか今日の段階においてこの事柄を再検討する余地はないかどうか。これを私実は個人的ではありますが、考えているものであります。言うまでもなく郵便貯蓄というものは、先ほども申しましたように勤労大衆を中心とした零細な農民、零細な業者がその大部分を占めて貯蓄をされておるものであります。ことに最近におきましては保全経済会などを中心として、いわゆる市中におけるところのあまり好ましくない金融機関というものが俎上に上りまして、今や全国的に将棋倒れになつておるような状態である。この保全経済会を中心としていろいろのあまり健全でない、また妥当でない金融機関というものは雨後のたけのこのようにできまして、しかもそれに多くの大衆が飛びついて行つたというところに、私どもは考えさせられる余地があろうかと思つておるのであります。そこで郵便貯金をもう一ぺんここで再検討をして、ただ単に郵便貯金だからといつて、それをすぐさまに大蔵省の資金運用部にまわすだけをもつて事足れりとするのではなくて、この際こういう国内的ないろいろな事情もありますので、これをきつかけとして考え直して行く必要はないか。結論的に端的に申し上げますれば、これらの零細ないわゆる大衆の資金をまた大衆に直接返すという問題をも考える必要があるんではないか。たとえば勤労者の貯蓄でありまするから、勤労者に積極的に役に立つ方面に還元をするとか、あるいはまた零細な業者に直接にそれがもどつて来て、その業を守る上に役立つといつた事柄を——全部の預金額をそのまま全部使えとは私はあながち申すものではございませんけれども、そういうことをもう少しは考える必要があるのではないか、こういうふうに私個人ではございまするが、昨今いろいろな情勢から判断をいたしまして、関心を持つて考えておるのでございます。そういつた点についてあなたはどういうふうな構想を持たれておるか、あるいは考える余地がないものであろうか、その点の見解を突然でありますけれどもただしておきたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 おそらくただいま御質問に相なりました趣旨は、郵便貯金の預入者の多くの人が抱いておる考えではないかと思いますが、そういつた要望も私どもかねがね承つておるのであります。要は資金運用部資金の中で郵便貯金は、全体の五五%を占める非常に大きなウエートを持つておるわけであります。この資金につきましての運用のあり方の問題であろうと思うのでありますが、この運用の問題につきましては、私ども現在直接その主管の省にないのでありまして、大蔵省方面の主管に属する問題でございます。従いまして私どもの考えそのままでただちに立案計画できる筋合いのものではないのであります。と同時に、問題は非常に大きな問題とも相なりますし、一貯金局長といたしまして、今後貴重なる御意見に沿いまして、これは大いに研究いたさなければならないと思いますが、私ども個人として決しかねる問題がありますので、有益なる御意見として拝聴いたしておきたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 あなたにこの問題をお尋ねすることは若干御無理であるということだけは承知の上でお尋ねをいたしておるのですが、一つ問題を投げかけるという形においてお尋ねをいたしておるわけであります。元来私の私見をもつていたしますと、たとえば市中銀行の金などにおきまして、われわれとしてはもつと考え直す余地があると思う。その考えと申しますのは、御承知の通り、全国の市中銀行において集まりました資金というものは、大部分といつても過言でないほどにこれが中央あるいは大都会、大企業といつたものに偏在的に流れて行く。そのためにせつかくの地方の資本というものが、地方の産業、地方の生活を守るという観点からはずれて行くという問題が相当あろうとわれわれは考えておる。それと同じような問題ではございませんが、やや似たことでありますけれども、郵便貯金におきましても、なるほどそれは資金運用部資金として地方の財政に宿与したり、地方、公債を買い上げたり、あるいはその他のことはいたしております。そういうことも必要ではございますが、やはり零細なる人たちの資金は、その資金の全額とはいわぬでも、ある程度の額をもつて零細なものを守るということに使われることが、政治の上では当然に考えられて行かなければならない問題ではないか。かように私見としては持つておりますので、これはいずれ別な機会において、大蔵省のしかるべき人たちとも議論をしてみたいと思うのであります。新しい問題ではないけれども、私はこの問題を投げかけます。そこでひとつ郵政省のそれぞれの担当官におかれましても、十分に現下の日本経済の実情あるいは勤労者、零細業者の実情等を勘案せられまして、また一面においてはいろいろな雨後のたけのこのようにできたそれらの機関が、将棋倒れに倒れているというこの現実をも十分に勘案せられて、その上に立つて、今後はどういう形においてそれらを守つて行くかという点について——これは金融政策の重要な問題にもなりますし、あるいは産業政策にもなりますけれども、十分に検討していただきたい。何か具体的な目途をこの際立てる必要があるのではないかと考えますので、特に希望的なお尋ねをしておく次第であります。  さらにお尋ねをいたしますのは、この郵便貯金を地方銀行の一般的な利子との関係でございます。私は午前中にも郵政大臣に申し上げたのでありますけれども、日本の銀行利子は、国際的にはもちろんでありますが、国内的の事業採算の上からいつてべらぼうに高いことはまぎれもない事実であります。この高い利息を払いながら事業を営み、産業を運営することは、その経営者にとつて重大なる圧力であるということだけは、まぎれもない否定のできない事実であります。そのことが日本経済再建の上に大きな一つの妨げとなつておることも、これまた否定のできない事実であります。そういうことからして造船や石炭に対する利子の補給など考えられているわけでありますけれども、何とか郵便貯金の利子の問題を一つのかけ橋として、日本全体の金利という問題を考えて行く必要があろう。それにはまずこの一番手近な郵便貯金から始めて、それを突破口として日本全体の金利政策の上に大きなメスを加えて行くことによつて、日本経済の再建あるいはまた物価引下げ政策の大きなてことして進めて行く必要がある。これは資本主義の政府であろうと、社会主義的な政府が樹立されようと、同様に重要な問題として検討する必要があるのではないかと思つておる。従つてそういう事柄につきましても、何かの機会がありました場合には、十分に検討する一つのきつかけをあなた方をつくつて行くことはきわめて大切ではないかと思いますので、これを希望しておく次第でございます。  そこで次にお尋ねいたしますが、今の一口の平均貯金額は一体どれくらいであるか。しかもこの郵便貯金の限度額があるのでありますが、その限度額は一体一口幾らに制限をしておりますか。その制際をしておられる額が、はたして今日の物価あるいは日本経済の実態から推して、あるいはまた市中銀行との関係もありましようが、それらを総合的に考えてみて、はたして一口に対する今の郵便貯金の限度額というものが適切であり、妥当のものであるかどうか。それを訂正する余地というものがないものかどうかということについて、あなたの見解をこの際聞いておきたいと思います。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 現在の郵便貯金一口当りの平均額は三千六百円ぐらいに相なつております。これもここ数年急速に伸びた現在高でありまして、終戦直後あたりからしばらくは一口当り千二百円見当という歩みが長かつたのでありますが、ここ二、三年とみに郵便貯金も増加いたしまして、やつと一口三千六百円ということになつておりまもす。一方、郵便貯金の最高制限がどのくらいになつておるかというお尋ねでございますが、これは昭和二十七年四月一日から郵便貯金の利子を引上げました。これと同時に、従来の三万円を大幅に引上げまして現在十万円に相なつております。この十万円は、お断りしなければならないのでありますが、一人についてであります。しかもこれは十万円を越えては、預入行為は法律行為としては全然無効ということにはなつておらないのでありまして、かりにこの限度を越えた預入がありましても、その場合にそれが発覚すれば手持ちの公債をもつてこれを預入者に返還するというような建前になつておりまして、法律行為といたしましては、十万円を越える貯金がかりにありましても貯金行為は有効に成立して行く、こういうような状況に相なつております。この十万円の制限が、先ほど申しました一口当り三千六百円から見ますとそこにずいぶんの幅があるようであります。従つて今の十万円の最高額につきましては全然問題がないようにも思われるのでありますが、今日銀行業におきましては金額に制限なく預入できるような建前になつておりまして、これは無制限でございます。そればかりでなく、今日の一般の国民生活の実態、諸般の生計費等から見まして、この十万円の制限が必ずしも妥当であるとはわれわれ考えておらないのでありますが、同時に郵便貯金の預入につきましては税法上全然課税の対象に相なつておらないのでありまして、無税でございますので、この前の二十七年四月一日から三万円を大幅に十万円に引上げましたときには、時たまたま非常な減税措置が行われたときでありまして、うまくその減税の措置に乗り得たのでありますが、現在の状況におきましてはそういう税収に響く関係からいたしまして、この限度引上げの必要は痛感いたしながらも、減税のチヤンスをつかまないとなかなか実現できないというような現状に相なつておるのであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 この十万円が妥当であるかどうかはいろいろ検討の余地がありそうに私思つておるのでありますが、零細な金が集まりますこの郵便貯金が、今のお話によれば一口当り三千六百円、今の物価比率から申しますとまことに僅少な平均額になつてしまうわけであります。そこで何か考えを新たにいたしますれば、一口当り三千六百円程度ではなくして、もつと高い標準に高めて行く余地が相当にあるのじやないかと私は私なりに考えておるのでありますが、そこに何か郵便貯金というものの性格がそういう高い標準になり得ないものが相当にある。単に郵便貯金に対する利子の問題だけではなくして、それ以外に国民全体が、大衆が郵便貯金の中に飛び込んで行つて、その標準を高めて行くということにならない形があるというふうな気がいたすのでありますが、その点はどんなものでありましようか。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 もちろん今の一口三千六百円と申しましても、人頭的に一入三千六百円の貯金しか持つておらないということにはならないのでございます。同時に定額貯金に入つておる者もあります。積立貯金に入つておる人もおります。そういつた平均から行きますれば、われわれにもはつきりした計数は出しにくいのであります。これは全然口座の処理方針、方法を異にいたしておりますので、非常にめんどうな調査をいたしませんとそういつた計算は出ないわけであります。従つて一人当りの貯金の額は先ほど申し上げました三千六百円よりもかなりいいとばうことは考えられます。今後一人当りの貯金の額を高める工作がありやいなやというお尋ねでございますが、私ども常に郵便貯金の非常に堅実であり安全であり、また今日の利子の状況におきましては、決してかつて考えられておつたような不利なものではなくして、長く預入すれば非常に有利な計算に相なつておりますので、そういつた点をよく説明いたしまして、郵便貯金預入を勧奨いたしておるような次第でございます。そういつた状態で、漸次郵便貯金を通ずる国民の貯金の増加、ひいては日本の最も喫緊な資本の蓄積、こういつたところに全力を尽して参りたい、かように考えておる次第であります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私一人であまり一つの問題を長くやることはどうかと思いますので、この程度でとめておきたいと思いますが、問題は一番最初の、私がちよつと申し上げました新しい問題として投げかけた事柄に帰着するのでありますが、どうぞひとつ、市中における銀行にあらざる、あるいは大蔵省の管轄外におけるいろいろな金融機関的なものがどしどし将棋倒れにつぶれて行くときでありますので、こういつた大衆の貯金というものを守りつつ、また高めつつ、そうしていかに大衆を守るかという、こういうことにも新しい構想と着眼を持つて政府は積極的な研究と努力をする段階にあるのではないかと思いますので、それを重ねて希望をいたしまして、あなたに対するお尋ねはこれで一応打切つておきたいと思います。

山本勝市自由党

○山本主査 ちよつと私一言聞きますが、もし調査があつたらほしいのですが、今の投資信託というものが起つて来たことが郵便貯金とどういうふうな関係になつておるか、つまりどういう影響を与えたか。それから町のいろいろな例の金融機関ですね、その消長が貯金にどういうふうに影響しておるか。もう一つは子供銀行、あれが郵便局に持つて行くよりも銀行に持つて行くんだが、子供銀行というものの発達が郵便貯金にどういう影響をしておるか、もし調査があつたらひとつ出していただきたい。

小野吉郎郵政事務官(貯金局長)

○小野政府委員 今の投資信託のことですが、創始以来相当伸びておりますが、それと郵便貯金との消長の関係につきましては、なかなか的確な資料をつかみ得ないのでざいます。もちろん郵便貯金を払いもどして投資信託に入つておるものもかなりあると思いますが、それがどの程度具体的にありまして、現状としてどの程度その方に流れておるかということは、これはなかなかつかみにくい問題でございます。御了承願いたいと思います。  さらに町のいろいろな金融機関との関係におきましては、最近特に郵便貯金の窓口が忙がしくなつたのでありますが、それはそういつた不健全貯蓄に対する健全化である、こういうふうにも見られておりますが、実際の数字を見ますと、一月という月が郵便貯金としましては非常に伸びる月でございます。前年度は百七十億伸びております。今年度は、従来の一月の伸び方から行きましても二百億見当は期待してしかるべきだと考えておりましたが、現実にはそれが少し下まわりまして、百八十八億増に相なつておりますが、これはわれわれのふところぐあいから見まして決して異数な伸びではないのでございます。個々の郵便局につきましては、そういう現象もあろうかと思いますが、もつともこの関係の影響もここ半年やそこらでなく、ああいつた事態になるまでには、もうすでにその方面への預入行為は相当控えられておつたわけでございます。そのためにああいつた結果になつたのでありまして、実際にその関係を調べれば、ああいつた金融機関が続々と発生いたしまして、最盛期を迎え、ずつと伸びて参りましたが、少くともここ一年以前からの状況を調べなければならないと思いますが、今日まだ相当たんす預金、こういつたものもあるわけでございまして、それがそのままその方面に向けられたものがかなりあるように思います。郵便貯金からその方に流れたものが皆無とは申しませんが、さほどの影響があつたとは考えられません。ただ今後におきましては、そういつた貯蓄の不健全なものが健全化されるという点におきまして、銀行方面においてもさらに伸びが期待し得るものがありましようし、私ども郵便貯金の面から言いましても、在来よりも期待していい分野がふえた、こういうことは考えられると思います。  それから子供銀行の関係につきましては、あの中に子供郵便局というのもございますが、この運営は子供銀行にいたしましても、子供郵便局にいたしましても対として考えられておるわけでありまして、小学校、中学校等でやつておるのでございますが、その学校の好みに応じまして、あるいは銀行業務によつて預入行為をいたし、あるいは郵便貯金業務によつて預入ないしは払渡しをやつておるわけでございます。私どもも両者同じように見ておりますし、また大蔵省におきましても、やはり銀行業務であれ、郵便貯金業務であれ、社会教育の一課程として推奨いたしておりますし、またそういつた点が社会教育の課程としてでなく、将来の貯蓄心養成というようなことに対しても、非常な期待を持つておるわけでありまして、成績優秀なものについて表彰いたします場合は、大蔵省も子供銀行、子供郵便局を通じまして、成績のよいものを選定して表彰いたしておるような状況でございます。現在高は子供銀行、子供郵便局を含めまして、全体を通じて約四十五億くらいになつておるかと思います。その中で子供郵便局関係はざつと十億余りになつておるような現状であります。

西村久之自由党

○西村(久)委員 ここでお尋ねするのはどうかと思いますが、簡易保険の積立金の関係から、郵便局の手を通じて起債ができるようになつていて、それが実行されているのではないかと思いますが、その関係がおわかりでしたら、総額に対する起債の額がどれくらいあるものか承知したいのであります。これをお尋ねするのはほかではありませんので、地方で積んだ金はなるたけ地方で回転させて使わすというような考えを持つているのでお尋ねするのであります。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 簡易保険の積立金の運用につきましては、前年度までは大蔵省一手で、資金運用部で運用いたしておつたわけでございます。ところが簡易保険の運用を郵政省に復元いたしまして、簡易保険の性質に照応いたしまして、地元還元的な融資をいたしたい、かような意味であの法律を提出いたしまして、その結果二十八年度におきましては、新規の積立金の二分の一を郵政省で直接運用いたしまして、その運用先は市町村に対する貸付になつているわけであります。あとの二分の一は大蔵省の資金運用部に、本年度に限りまして預入することに相なつているわけでございます。金額的に申し上げますと、二十八年度の新規積立金が三百八十億でございまして、その中の百九十億を郵政省で運用することにいたしまして、先ほど申し上げましたように、運用先は市町村に対する貸付、これは加入者に対して直接的な利害関係の強い、密着した市町村の需要に応ずることが、簡易保険の特質に合うという建前から、こういうふうにしていただいたわけでございます。来年度に至りますと、新規積立金全部を郵政省、で運用することにいたしまして、その金額はまだ決算を経ないのでございますが、大体私どもとしては四百六十億くらいになる見当でございます。出投資計画もそういうふうになつております。これは法律の建前から、先ほど御説明申し上げましたように、市町村に対する貸付ということに相なつております。

西村久之自由党

○西村(久)委員 もう一つお尋ね申し上げますが、簡保の限度額は八万円で押えているように私は承知いたしておるのでありますが、これを十万円とかあるいは十五万円に引上げるというような声も耳にいたすのでありますが、役所といたしましては、現在の八万円程度でよろしいという考えでございましようか、または多少とも上げて行きたいというようにお考えになつておりますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 御承知の通り、現在の簡易保険の最高限は八万円に二十七年に決定していただいたのでありますが、その際においても、十万円以上にしたらどうかという御意見が非常に大多数ありました。その後民間保険の伸びぐあいにいたしましても、また事業的な面からいたしましても、保険的効果の面からいたしましても、物価の現状からいたしましても、八万円では保険的効果がないのであります。従つてただいま関係官庁と折衝いたしまして、最高制限額の引上げを今折衝中でありまして、ぜひともある限度の金額に引上げていただくように、ただいま関係方面と交渉中でございます。

西村久之自由党

○西村(久)委員 わかりましたが、あなた方役所の考え方では、どの程度くらいが適当であろうとお考えになつておりますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 これは政府とは、まだちよつと言える段階ではございませんが、郵政省といたしましては、最小限度十五万円程度はと考えております。

山本勝市自由党

○山本主査 ほかに通告はありません。郵政省に対する質疑は終了いたします。     —————————————

山本勝市自由党

○山本主査 次は建設省所管でありますが、通告の順序によつてこれを許します。富田健治君。——川島君は、順序がありますからちよつと待つてください。

富田健治自由党

○富田委員 私は戸塚大臣にお伺いしよと思つておりましたが、大臣はお休みのようですから、政務次官にお伺いするわけでありますが、それは治山治水の問題であります。先般の総理大臣の施政演説におきましても、現内閣の重要なる政策として、ほとんど唯一の政策というくらいの言い方で、治山治水というものを取上げられている。また昨年秋以来、自由党の中でも治山治水の特別委員会ができて、政府でもそういう対策を立てている。そしてその対策の一番基本になりましたのは、一兆八千億円くらいあれば大体日本の治山治水は完璧になる、こういうふうにわれわれは聞いておつたのであります。国民とても非常に期待もしておつたのであります。また多くの政治家がこの治山治水はぜひ根本策を推進さすべく一歩を踏み出してもらいたい、踏み出すのだろうと期待しておりました。施政演説でも非常に大きなことを言つておられるのであります。ところがこの予算を見ますと、御承知の通り非常に貧弱なものでありまして、河川関係の事業費、砂防事業費合せましてたしか三百四十億に足らぬくらいであります。二十九年度の河川等の災害復旧費が三百二十八億でありまして、ほとんどこれだけ見ますととんとんくらいになる。こういうことではいけないのです。治山治水をぜひ根本的に推進しようということを政府としても非常に強く考えておられたのだろうと思います。もちろんこの一兆緊縮予算というかんじんなわくに縛られておるということもあつたと思うのでありますが、こういうふうにほとんど年々災害がある。災害復旧をしてもみな流されてしまう。そういうことを繰返しておつて損害ばかり積み重ねておるのでは何にもならぬと思います。これは言うまでもないのであります。一兆円予算という非常に重要なわくもございますけれども、こういう際こそ何とかして治山治水を推し進めることができないか、これを非常に残念に思うのであります。場合によりましては治山治水のための目的税をつくるのも一つの道じやないか、あるいはこれのための特別な公債を出すのも一つの方法ではないかというようなことが言われておりましたし、私も非常に期待しておつたのでありますが、こういう残念な貧弱な治山治水対策予算ということに相なつたのであります。大臣にしても政務次官にしてもいろいろご苦心になつたことだと思うのでありますが、ひとつ将来のためにお伺いいたしたいのであります。どういう経過でかくまでやかましく言つておつた治山治水策がこんな貧弱なものになつたのか、また今の目的税なり公債を治山治水のために特別に起すことができなかつたものかどうか、そういう空気なり、所見を政務次官にお伺いいたしたいのであります。これが私のお尋ねするところであります。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答申し上げます。先ほど御説明申し上げました概要におきましても、内閣の重要施施策の一つといたしまして治山治水が取上げられ、閣僚懇談会も持ちまして一応の結論も出ていることは御承知の通りでございます。従つて建設省といたしましては、その案の実現に大臣以下私たちも鋭意努力したのでございますけれども、御承知の通り、国の全般の財政のあり方の問題から一兆予算ということになりまして、河川関係につきましては二十八年度のわずか一割強の額でしんぼうするよりほかなかつたというのが、実は今までの偽らぬ経過であります。こうなつて参りますと、これから私たちのしなければならぬ道は、この予算の執行の際において、与えられた経費でできるだけ効果的に、しかも重要的に工事を施行いたしまして、災害の予防あるいは災害の復旧に万全の措置を尽すことだというように考えておる次第でございます。  なお治山水閣僚懇談会の内容その他の経過につきましては、ただいま戸塚大臣が病気で引きこもつておりますが、いずれ御出席になりましよう、私あまりその会議に出ておりませんので、申し違えたりいたしますとかえつで失礼でありますから、いずれ大臣からでも機会を見て御説明していただくようにとりはからうことにいたします。

富田健治自由党

○富田委員 今答弁をいただいたのでありますが、これはもう長年こういうことばかり繰返しておりまして、私も長年地方庁に勤務してこういう問題にぶつかり、非常に残念だと思う。毎年災害があつて、むだな金を使つている。さいの河原に石を積んでいるようなやり方でこういうばかなことがあるものかというふうに私は考えておりますので、大臣なり政務事官なりにお伺いしたいと思いましたことは、どうしたらこの治山治水の根本策が樹立できるかということです。これは一内閣とか一大臣の問題でなくて、ずつと継続して考えなくちやならぬ問題だ。どうしたらいいのだろうか。おそらく三十年度の予算ということになるのじやないかうそうするとやはり今のようなことを言つて、事務当局がやりたいという意思があつてもできない。国民の非常な要望があつてもできない、こういうことを繰返しておつてはどうにもこうにもならぬじやないか、私はかように思うのであります。そういう意味でひとつ政務次官もこの上とも御研究を願い、また大臣ともお話合いを願いまして、ただそのときだけの予算ということでなく、ほかの予算と一緒に考えないで——どの予算もみな重要なものでありましようけれども、ぜひひとつどうしたらほんとうにできるかということをお考え願いたい、こういう趣旨でお尋ねをし、お願いをいたしているわけであります。政務次官に対する私の質問はこれで終ります。  そこで少しこまかくなるのでありますが、河川局長さんにお尋ねいたします。河川改修費の補助でありますが、これが非常に増額も少いのでありますけれども、一体都道府県への配分はどういうようになさるのでありますか。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 ただいまのお尋ねは各都道府県に対する河川改修費補助の問題だと存じますが、これは御承知のように、二十九年度は大体二十八年度いうことでただいま要求をしてございます。趣旨としては、先ほど政務次官から申し上げましたように、治山治水対策で大いに推進しようという意気込みであつたのでありますが、それが今日のような状況になりましたので、来年は今日の少い予算で集中的に予算の使用を行つて効果をあげたいというのが最大目標でございます。従つて従来着手をしております事業を早く完成させるという点に重点を置きたい。新規に着手をいたしたいものもたくさんございますけれども、これらはできるだけ後年度にいたしまして、現在着手しているものから順次完成をさせるというような方針をとりたいというので、現在各都道府県の担当者を呼びまして、細部にわたつて各河川別の事業の内容を検討いたしております

富田健治自由党

○富田委員 そこで私少し具体的にお伺いいたしたいのでありますが、猪名川という川が兵庫にあるのであります。これは御承知の通り非常に荒れる川でありまして、しかもその沿岸には伊丹、尼崎というような工場地帯、住宅地帯があり、百万の人口がこの沿岸に水の脅威にさらされているというような状態であります。またちよつとした水害でも、堰堤を流してしまう、堤防をくずしてしまうということで、これが一つ大きくオーバー・フローしますとたいへんなことになるというので非常に不安におののいておるのでありますが、われわれが聞いておりますところではあの総工費の概算が三十六億円、ところが今まで使われた金が二億幾らというようなことでありまして、一割にも満ちておらぬ。昨年実は私は戸塚大臣にもこのことについてお聞きをし、お願いをいたしたのでありますが、大臣からは重点的は今度の河川改修費の補助を配分しようというお話があつたのであります。あの各河川、各水系について重点的に配分するにしても、ある程度の区切りまで行かないと、少しぐらいちぎつて均分して割振るといいますか、そういうやり方をしては何もならぬ、こういう大臣のお話であり、私も全然同感でありました。ところがこれは各河川についてそうであるかも知れませんが、猪名川のごときは、今申しました道り、わずかな費用で毎年災害を繰返しておる。そして非常な不安である。これはちよとよけいな水が出ますと、何百万の人がたいへんなことになるということであります。河川局長は専門家としてこれはよく御承知のことであると思うのであります。そこでお伺いいたしたいのでありますが、二十八年度の災害の復旧費として、国庫の補助額はどれくらい猪名川系に対して出されておるのでありますか、また二十九年度にはこの災害関係でどのくらいの割振りをお考えになつておりますか、それから今の河川改修に関係するのでありますが、河川改修の費用は、今御答弁がありましたが、これは大体前年度通りくらいということで、まだこれから御研究になろうということのようでありますけれども、災害の昨年度の補助額、二十九年度の御予定額がもしおわかりになれば伺いたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 ただいまお話の問題は、猪名川の池田から下流は直轄河川として国で直轄事業を実施いたしております。それから上は現在改修工事はいたしておりませんが、年々災害を受けまして、災害復旧工事を実施いたしておる状態でございます。それで今のお尋ねは、府県の災害復旧事業費だと存じますが、実はわれわれの方では、各都道府県に対して全体から見たある率で予算配分をいたしまして、その中で各府県において各河川ごとの計画、あるいは箇所ごとの計画を立てることになつておりますので、ただいまここで猪名川の災害復旧に府県の災害復旧費が幾ら行つておるかということはちよつとわからないのでありまして、全体といたしましては、二十八年度の補正予算その他予備金支出等で全体災害額の一三%に相当する金額が行つておるのであります。従いまして、今年度一ぱいには予算としては大体一三%の工事が竣工する。そのほかにこれは県によつて違うのでございますけれども、例のつなぎ融資が行つております。これは各都道府県を合せますと約七十五億程度のものが土木災害の復旧に使われております。従いまして、これが大体七%に相当するのでございます。二十八年度災害は一三%と七%加えました大体二〇%というものが二十八年度中に完成をする予定でございます。さらに二十九年度予算は、二十八年度災害については率で申しますと二一%に相当する予算を配付することになつております。二十九年度中には二一%に相当する予算が配付せられます。問題はつなぎ融資を実は大蔵省は年度内に返せということを言つております。そうすると私が今二〇%二十八年度中に配付すると申し上げましたけれども、それを返すということになると二〇%はできないという結果になりますので、実はこの問題は今大蔵省と折衝中でございまして、まだ決定をいたしておりません。いつ幾ら返すということがまだ決定をいたしておりませんので、まだはつきり申し上げられませんが、もしその今渡してある金を全部使えば二〇%できるという結果になるのでございます。

富田健治自由党

○富田委員 今いろいろお話を承つたのでございますが、ぜひひとつある程度の区切りまでは河川について重点的に選別をしていただくと、それぞれの河川について、ある区切りまでは乏しい予算でございましようけれども、ぜひひとつ事務当局も御研究をお願いいたしたいと思うのであります。  次に私は道路のことをちよつとお伺いいたしたいのでございますが、それは例の阪神第二国道のことなんであります。これがまた東京の方は第二京浜国道も大分前からできておりまして、非常に交通が緩和されておるのでございますが、阪神は御存じの通り最近ますます輻輳しておりますが、まだ完成というところへ来ておらぬのであります。国道につきましては二十九年度予算で相当重点的に予算にお考えになつておるように思いますが、どういうことになつておりますか、お伺いいたしておきたいと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 第二阪神国道につきましては、お話のように至急改良いたさなければならないないことはわれわれも考えておるのでございます。ただ二十九年度におきましては、道路費は昨年よりふえましたが、直轄工事は昨年より一割減つております。直轄で着手するわけには行かないものにつきましては、県の補助事業として考えようということにただいま話を進めておるわけでございますが、何分にも新規工事になりますので、この点で難色があるわけでございます。しかし第二阪神国道は何とかして解決しなければならないというので、できるだけ二十九年度において補助工事で着手できるように考えたいと思います。

山本勝市自由党

○山本主査 ちよつと南次官に伺いますが、今富田委員から申された治山、治水関係というものは非常に重大だと思うのです。建設省としては力一ぱい折衝されたに違いないと思いますけれども、大臣は病気ということですが、あすは出られませんか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 ちよつと困難だろうと思うのです。

山本勝市自由党

○山本主査 出られるのでしたら、やはり大臣にも出ていただいて、委員の方々の要望だけでも聞いておいていただいた方がいいのじやないか、もし出られましたら、ちよつとでも顔を出していただきたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 続いて建設省の問題に関連して、これまたこまかくなりますが、少しお尋ねしておきたいと思います。まず道路ですが、この説明によりますと、高速度道路の調査費が千五百万ばかり出ております。千五百万のわずかな金でどの程度の調査をするんですか、心細いきわみですが、建設省においてはこの高速自動車道路の何か具体的な構想があるように聞いておるのですが、それがもしありましたならば、ひとつこの際われわれに明らかにしておいてもらいたいと思うのです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 東京・神戸間の高度道路の問題について御説申し上げます。調査費は二十九年度に一千五百余万円を要求いたしておりますが、この高速道路につきましては二十七年、二十八年と調査を進めまして、二十九年度において完結する予定でございます。二十八年度におきましては大体の実地の測量を終りまして、二十九年度には大きなトンネルあるいは大きな橋梁の地質調査をいたしまして、計画を確定する予定でございます。もともとこの高速道路か考えられましたのは、現在の東海道がすでに飽和状態に達しておりまして、これらの交通をさばくために、もう一本高速道路が必要であると考えられましたことから出発したわけでございますが、この道路の実施につきましては、まだ具体的にきまつておりません。建設省の考え方といたしましては、まずこの道路を確定しておきまして、いつでも仕事のできるような態勢にしておこうという考え方でございます。ただいま考えられております高速道路の線は、大体現在の東海道線に沿うております。本年の調査が完結いたしましたならば、実際の線が確定されることになるわけでございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 今の調査が完結するそうですが、その調査もやはり一つの構想なり計画なりがあつて調査を進めておるんでしようが、建設省としてもちろん予算の伴うことですから一概にできるものではなし、また予算によつていろいろの実施計画が違つて来るのでありましようが、最高の理想というか目標というか、そういつたものはあろうと思います。たとえば東海道線に沿つてどのような幅員で、どのような施設のものを理想として将来描いておるか、そういうことがあるだろうと思いますが、それがありましたら示していただきたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 これの実施につきましては、公共事業費によつて実施しようということは考えておりませんので、公共事業費以外の費用で実施することを考えておるわけでございます。ただいま考えておりますこの高速道路の幅員は二十二メートルでございまして、片側十一メートル、二車線という考え方でございます。まん中に分離帯を三メートル置きまして、路肩にニメートル半を考えておりますが、これはすべての道路、鉄道と立体交叉するということを考えておりまして、最高スピードを百二十キロに予定いたしております。この百二十キロと申しますのは、百二十キロ瞬間的に出ましても、構造としては安全なものにしようということでありまして、道路のスピードは平地において百キロ、山岳一部になりまして七十キロ程度でございますが、ただいまの計画では東京・神戸間まず百キロといたしますと、五時間ないし、六時間で到達できる計算になるわけでございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島委員 道路はその国の文明と経経力を象徴する重要な一つの要素であることは言うまでもありません。今の計画によりますと、私は先般ドイツの方に行つて来ましたか、西ドイツのベルリンを中心として流れております道路にやや似た計画のように見てとつたのであります。これは将来の夢であり構想にもなりますが、おそらくこの高速度自動車道路は、東海道線の東京・神戸間の問題に限られた問題ではなくして、これから東京より東の方あるいは北の方に延びるという計画も、それぞれ夢としては建設省にはあるのだと思います。しかしながら日本の経経の現状において、それがすぐに現実の上で設計をし、その設計に基いて工事を進めることがなかなか困難であることはまことに残念でありますが、この道路問題にわれわれも一層の協力を惜しまないものでありますので、当局においても大構想を立ててもらいたい。その構想ができる、できないは別でありますが、日本経経再建の夢を、道路計画の上においても、治山治水計画の上においても、日本国民が持つてよいのではないかという気がいたしますので、その点を特に期待をしておきたいと思います。  そこで道路のことでこまかい話ですが、ちよつと御注意を申し上げておきたいことがあるのであります。これは私の身辺において経験した事柄であります。戦後国道を開拓して新設されたことは多とするのでありますが、その開拓された新しい路線がほとんど開拓されたままになつておりますので、たとえば夏になればもうもうたる砂塵が天に沖するというありさまであります。しかもその道路沿いの田地、田畑はまつたく見る影もないほどに砂塵にまみれてしまう。あるいはたまたま住宅や店舗がありますれば、その店鋪なり住宅の中にも、かりに戸をしめておいても、いつの間にか砂塵が屋内に舞い込んで来て、まつたく生活にも困るし、商売にもならぬ。はなはだしいところでは、いつの間にか戸棚にしまつてある米びつの中にさえもその砂塵が舞い込んで来るということが実はあるのであります。建設省が道路計画に沿つて府県とともに共同して新道路をつくることはよいのでありますが、つくつたあとが耕作の上にも影響し、国民の生活の上にも非常な不愉快と若干の被害をも与えて行くというようなことであつては、せつかくの道路もその意義が半減されて、むしろその沿道の国民が実に憎しみやら恨みやらの眼でその道路をながめるということになつてしまつては、まことに遺憾千万なことであろうと思うのであります。新しい道路をつくりますれば、その道路の基本的な計画に基いて、どうしたならばそういうことも防げるかを考えて、一日も早くその道路がまつたく名実ともに道路としての用を果し、しかもその沿道の国民に対しても、いささかの迷惑にもならぬというようなことにならないといけないと思います。私の小さな狭い範囲の目撃ではありますが、そういうところもあります。それはひとり私の目撃した点だけではなしに、さだめし国内には方々にそういう事態が起つておるのではないかと心配をいたしておるのでありますが、そういうことにつきまして、政府側はどのように考え、また今後どういうふうにそれを処置して行くという計画を持つておるのか、その点についてこの機会にお尋をしておきたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 ただいまの仰せはまことにごもつともでございまして、その通りでございます。日本全国の道路は、府県道路以上はただいま十三万キロほどございますが、このうち改良されておりますものは二〇%以下でございます。ことに道路の問題は、狭くて自動車が通らないというのがただいまの道路の問題でございます。しかし仰せのように、道路をやりまして鋪装いたしませんと、農産物の上にも被害を及ぼしますし、また保健衛生の上にも悪影響がございますので、道路を改良したならば必ず鋪装して行くようにしたいという考えは持つておるわけであります。そこでただいま道路の五箇年計画というものを立てつつあるわけでございますが、その中には鋪装を重点に考えまして、すでに改良されておりまして、十分に幅もあるというところの鋪装はこの五箇年で——もつとも交通量にもよりますが、交通量の多いところは全部鋪装したい考えであります。さきに申し上げましたように、自動車が、幅が狭いために通らぬ。改良にも相当金を入れなければなりませんし、また日本の道路の橋梁の大半が木橋であるというような点から、この木橋を永久橋にかけかえるために相当の費用も投じなければならないのでありますが、この鋪装に最も力を入れて行きたいというふうに考えております。

森幸太郎自由党

○森(幸)委員 道路局長さんが御出席ですからお伺いいたしたいのですが、いろいろ今川島委員からお話になりましたが、せつかく道路をつくりまして、耕地をつぶして幅を広げましても、利用率が非常に少い。これは理想をいえば、舖装をすれば問題はないのでありますが、今日完全鋪装はとうていでき得ない。簡易鋪装をやられると——私はあるところでこれは失業救済道路か、こういつて冗談を言つたのであります。ある区間が、こちらから直していつて向うへ着くころはまたこつちがいたんでいる。いわば失業救済にはこれはもつて来いの仕事だと私は冗談を言つたことがありますが、これについて陸運局として非常にお困りだろうと思うのは、輸送関係は、私らの記憶を呼び起しますと、昔は四トン級のトラツクには、これだけの積載量を認めた以上はそれ以上載せなかつた。警察の前に台ばかりをこしらえて、その上にトラツクを載せて、荷物が超過しておれば、おろしてまで道路を保護したのであります。ところが占領されて以来、進駐軍が出て来ておる。いままた駐留軍がおりまして、どれだけ積んでおるかとてもわけのわからぬほどたくさんな、二十トンか三十トンかしらないようなたくさんな荷物を積んで走りまわつておる。それですから道路局で、いかに道路をりつぱにせんとせられましても、はたからこわして行く。これはあなたの所管でないかもしれませんが、運輸省とうまく連絡して、トラツクの積載量を制限する必要があると私は思う。駐留軍の車だつて遠慮することはありません。むろん道路に対する抵抗力も考えてあるかと思いますが、この道路はこれこれ以上の積載量は認めない。道路の性質によつてこれを制限してもいいのではないかと私は思う。そうしなければ陸運局の方では幾らでもトラツクを許して、そうして積載量は御随意おかつて、こういうような状態でありますと、道路局がいくら理想的に道路管制をなすつても、これははたから、権兵衛が種まきやからすがほじくるでだめです。これはあなたの方で何か一つの打合せをして、トラツクにはこれだけ、五千キロというのですか、その制限以上には載せない、こういうふうに何とか処置をつけなければいくら金を出して道路管制をしようとも、私は管制の機会はないと思います。ことに主要路線については、ことさらであります。夜、夜中に東京から神戸まで走るのですから、その道によつては、はたから直してははたからこわして行く、こういう状態でありますから、道路局として、道路保護の意味において、また道路を管制する意味において、陸運局との折衝々うまくやつて、積載量の制限ということを厳重にやられたらどうか、と私は思いますが、この点について、道路局の御方針を参考に承つておきたいと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 仰せの通りでございまして、これは自動車の大きさは各種あるわけでございますが、それぞれの大きさに応じて積載量がきまつておるわけであります。道路をこわしますのは、この公称の積載量以上に物を載せる場合が一番道路をこわす結果になるのでありまして、四トントラツクでありますと、四トンの積載量を載せればよろしいわけでありますが、三割も五割もよけい積んでおるわけであります。定められた積載量であれば、自動車の構造そのものが道路に及ぼす影響としては、大きくても小さくても同じような影響を与えるように設計されておるのでありますが、積載量を越えて積載いたしますと、そういう道路に悪影響を及ぼして来るわけであります。このオーバー・ロードを取締ることでありますが、これは諸所にはかりを置いてチエツクしなければならぬということになるわけでございますが、これは私どもの直接の所管ではございませんが、取締りの方面とよく連絡いたしまして、こういうことを早急に考えて行かなければならぬと考えておる次第でございます。最近にも神奈川県でそういう問題が起りまして、さつそくはかりを用意するというようなことを聞いておりますが、そういつた面をわれわれの側からも進めまして、このオーバー・ロードする自動車を取締つて行きたいと考えております。

森幸太郎自由党

○森(幸)委員 これが運輸関係か、建設関係かあいまいとしておるようなことでは取締りはできない。道路を建設するのはあなたのところの仕事だから、自分のつくつた道を守る意味において、あなたの方の権限において、この道はこれ以上の積載量を持つたものは通さないのだということをやつていいと思う。それをやらないから、夜カツパをかぶせて四トン車に七トンも八トンも、あるいは十トンも積んで走るのですから、運輸省が運輸省で許可する、許可せんじやない、自分のつくつた道だから守るのはあなたの方の責任だ。昔は各府県とも主要な道路にはかりがあつた。それが戦争でむちやくちやになつた。進駐軍が来てでたらめな、とんでもない大きなトラツクを通しておるが、今のお話のようにトラツクの構造と積載量がうまくマツチしておれば、道路の抵抗力は同じだと承つておりますが、四トンの貨物自動車に七トンも八トンも積んで走るから、いくらあなたの方でりつぱな道をつくろうという理想を持つてもだめだ。これは運輸省の方にうちの方ではこれこれ以上の車は通さないとはつきり建設省でおやりになることが道路管制の手段だと考える。はかりをこしらえてとかいうことでなしに、道路局自身でおやりになるべきだと思う。この点についてどうでございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 道路局長から返事をした方がいいのでございますが、私もたまたまこの問題を従来から知つておりますのでお答え申し上げます。自動車の積載量過重を取締つておりましたのは交通警察、東京あたりは警視庁でやつておつたわけなんであります。森先生の言われるように、つくつておるものだからこつちの力で取締つた方がいいという考え方もございますが、従来からの経緯で、これは交通警察が運輸省に参りました関係上、運輸省で取締ることに法規上になつておるのでございます。道路交通警察とか何とかいう法律が陸運法規の中に出ておりますので、取締らなければならぬようになつておるのでありますが、予算の関係その他で主要道路にはかりを置くというようなことは、予算がなかなか確得できないので、まだ手を出しておらぬようであります。私参りまして早々その問題は道路局長から向うの陸運局長の方へ連絡をさせまして、今いろいろ交渉しておるのであります。どうしても伺うでやれぬということになりますれば、お説の通りこれは道路をつくつても、維持管理の上において非常に遺憾の点が出て参るのでありまするから、維持管理と結びつけまして、場合によつては法規の改正まで持つて行かなければならぬのじやないかという点を、先般来私から道路局長にも話をしておるのであります。なおこの問題につきましては、運輸当局へも、厳重にやるか、しからずんばこちらに協力して文句を言わぬか、どつちか返事をしろというような点まで話を進めておるのでありますが、まだその結末がついておらぬというのが今日の状態でございます。

森幸太郎自由党

○森(幸)委員 なるほどそういうはかりをこしらえるということについては、予算もいるでしようけれども、せつかく乏しい予算で道をつくつて、そうして五年もつ道を三年でぶつこわされて、三年目で直さなければならぬということは実につまらぬ。そんなことは運輸省がなんのかんのと言つたつて、自分でつくつた道じやないか。これをむちやくちやなことを、やるなら、五年もつのを三年でこわれてしまう。それでまた金がいる。こんなわかり切つたことはないはずです。そんな交通取締りがあつて巡査にまかしたつて、警察はやるひまがありやしませんから、自分でつくつた道は自分で守ること、私は建設省の責任として、これは法律が不備なら法律改正をしてでも建設省がやらぬと、もつたいない。わずかな予算でつくつて、五年もつものを三年でぶつこわされる。失業救済かどうか知りませんが、失業者があるから、道路をこわしてニコヨンを頼む、そんなじようだんを言つているときじやないんです。乏しい予算でやつているんですから、自分つくつた道は、どうかしてこれを完全に、一年でも長く使わすようにしていただかなければならぬと思うのでありまするから、どうか南さんひとつそういうふうにぜひやつていただきたいと思います。予算の節約ですから、私はよろしく希望しておきます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 関連して、ただいまのお話なんですが、これは私ども非常に痛切に感じておるところでありますが、大体今通つている重量車のトン数は、最高どれくらいのものが実際に通つていましようか、これをお調べになつておりますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 日本の自動車は、道路運送車両法の施行規則に目方がきめられておりまして、最高二十トンということになつております。それから進駐軍の使つております車が非常に大きい、しかも重量車を通しておるわけでございます。これははつきりしたことはわからないのでありますが、トレーラーに戦車などを乗せたときには八十トンぐらいになるかと思います。こういう点に関しましては、占領軍の方にも、あまり重い自動車を通されることは困るということも申したことがあるわけでございますが、向うは、設計上総体の目方は大きいけれども、道路に対する影響については、小さな自動車とかわらないようにしてあるということを言つております。それで前にも申しましたが、これがオーバー・ロードをしておらなければ、それほどの影響もないと私は考えております。しかしだんだんに自動車が重く、大きくなつて来る傾向になつております。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 二十トンの制限のところへ八十トンのトレーラーが通れば、無理であることはだれしもわかるのであります。そうしますと、県道はしばらくおくといたしましても、国道における建設省の計画は、一体何トンを目当てにして鋪装等をやつておるのですか。あるいは鋪装等しなくても砂利道であつてもけつこうですが、それは何トンに耐え得心という計画のもとにやつておのですか。基礎計画はどうなつておりましようか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 ただいまの道路構造令によりますと、十三トンを考えております。しかしこの十三トンというものは、考えの上での標準の自動車でございまして、このくらいの自動車を予定にして設計して行けば、大方の自動車は大丈夫であるというところできめてあるのでございます。しかし最近だんだんに自動車が重くなつて来ておりますので、これの改訂をいたさなければならないと考えておりまして、ただいまその研究を進めておるのでございますが、近く結論が出ることになつております。大体アメリカあたりでは二十トン・トラツクを考えておりますので、その近所のものに上げて行かなければならぬというふうに考えております。ただ目方を一ぺんにそう上げましても、こういう車両が橋梁などを通過できないことになりますので、その経過措置として、橋梁の通過方法を制限いたしますとか、あるいは橋梁の補強を考えるとか、いろいろな手だてを講じなければなりませんが、そういつたところでただいまは国道の設計をいたしておるわけでございます。  そこで鋪装の問題でございますが、鋪装は交通量に応じて考えております。砂利道と鋪装道路と経済的にひとしくなる交通量というものは、大体三百台でございます。三百台以上のところは鋪装して行きたいと考えておりますが、予算に制約されまして、ただいまのところは五百台以上の部分をこの五箇年間には鋪装したいというふうに考えておる次第であります。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 私はほかを知らないので、自分の直接知つておるところを申し上げますが、六号国道が昨年九月以来通行できるかできないかという非常な悪状態であるということを道路局長は御承知でありましようか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 六号国道が昨年の長雨のために上盤がこわれまして、久しい間交通が、ほとんどむずかしい状態にあつたことは知つております。そこでこの六号国道の場合につキにましては、これは一種の災害であるというふうに考えまして、その災害の復旧という考えで措置も考えたわけで。ございますが、それもできませんでしたので、六号国道については、実は五箇年計画で水戸まで全部鋪装してしまおうという計画を持つておるわけでございます。しかし二十九年度につきましては、この計画通り行かぬようになりましたが、できるだけ早く鋪装するように私、どもの方でも計画いたしております。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 実は福島県とか茨城県とかいうようなところは、御案内の通り道路が非常にいいということで、昔から名が通つておつたといいますか、当局の管理よろしきを得て非常によく行われておつたところで、その原因としては側溝に注意した。つまり一に溝、二に溝、三に溝ということが私ども茨城県方面においては土木の秘訣とされておつたくらいで、側溝を常によくして道路の保全ができておつた。そして国道であろうが県道であろうが、非常にりつぱな道路だというので、どこにも自慢できたくらいのものであつた。ところが最近重量車が通るようになりましてから、国道も県道も差別はない、一様に底が抜けてしまつたというような状態であります。いくら割ぐりを入れようが何しようが、沈んでしまつてだめなんです。これは先ほど一種の災害だと言われましたけれども、私は今日の年まで、自分の郷里である茨城県を歩いておつて、道路が非常にいいということで自慢して、また気持よく交通しておつた。ところが昨年の九月以来というものは、県道等はトレラーバスが通つたりして、鍵盤が抜けたような形で、まるで底抜けになつておる。国道もまたしかり。今日なお交通が杜絶したと同じような状態になつておる。私はつい三、四日前自動車で往復をしたのですが、非常に迂回をして、汽車の三倍も四倍も時間をかかつて、やつと東京に帰つて来たというような状態です。昨年の九月からこういう状態です。しかもそれは国道なんです。一種の災害であると言われるけれども、そうじやない。私は、これは道路局の今の計画で言つての不可抗力に侵されているのではないか、こういうふうにしか理解できない。今、せつかく計画を検討中であるというお話でありますけれども、せつかく検討中であつて、あと何箇月このままにして交通杜絶のような状態にするのですか。そういう責任の明らかにできぬようなことでは相ならぬのでありまして、責めるわけではありませんけれども、これは不備の点があつて、他の省の関係と協議しなくちやならぬ点があるのなら、遠慮なくなすつたらいかかでございますか、この点まず伺いたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 この六号国道について、ただいまのお話でございますが、これは維持に属する問題でございまして、国道の管理者が都道府県知事でありまして、都道府県知事のやらなければならぬ仕事になつております。そこで今お話のような事態が再々起つておりますので、国においても、この補修あるいは国道の維持といつた面にも補助をやる。あるいは直轄で補修維持ができるようにということは考えておるのでございますが、何分にも日本の道路の現状では、改良を進めるということが先でございまして、補修維持の面は管理者におまかせしてある状態であります。しかし将来国道については、こういつた補修維持の国の補助といつたものを考えて行かなくちやならないのではないかというふうに考えております。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 まことに心ぼそい次第です。府県にまかしてあるんだ、自分らの方に責任はないんだとおつしやらんばかりの御答弁であつたように伺いました。さようなことになりますと、国道でも、一ぺんつくつて渡せば、あとの維持管理はその土地のものだということになつてしまう。それなら五トン車か十トン車程度を目標にして道路の建設をした、あるいは補修をして補装にかえて渡した。そこを八十トン車あるいはそれ以上の重量のものが通つているのでありましよう。そういうものが通つておつて、こわれても、それはわれわれの方の責任じやないということになる。かりに維持管理を府県にゆだねてあるとしまして、その監督、あるいはこれを大きな意味でいえば、総轄しての国の管理というものがなければ、国道という意義をなさぬのではないか、それは今あなたのおつしやるように責任はないのでございますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 国道の維持管理の責一任は、ただいまの道路法上では、管理者は都道府県知事になつております。そこでこの国道については、将来は理想的な形とすれば、国が補修し、維持することにしなければならぬと思つておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、ただいまのような道路費の現状では、改良をするということがまず先になつて来るわけであります。そこでお話の六号国道などについても、これは早く鋪装してやるということが、当面の問題じやないかと思つておるわけですが、そういう鋪装の面について、われわれはただいま五箇年計画に入れて計画しておるわけです。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 維持管理に関しまするさらに最高の、上級の監督機関は何でございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 道路の維持管理につきまして葉梨先生の御質問は、私も同様そう考えたのでございます。道路はやはり、道路法では、維持管理そのものはその県の責任で経費を持たせておつても、国道全般に対する政府の責任、建設大臣の責任はよほど考えなければならぬ。埼玉の道路はいいが、茨城の道路は悪いというように、一本の道が管理者が違うことによつて、よかつたり悪かつたりするようなあり方は、私としても納得が行かない。そこで今年は、当然今までやらなければならなかつたのでありますが、五箇年計画の当初の年でもありまするので、維持管理費を約十億近く大蔵省に要求したのであります。金をこちらから出し、従つて国道については全般発の責任を、一本の道路にして持つように、こういう建前で大蔵省とずいぶん交渉したのであります。しかしながらちようど私たちの気のついたところが、たまたま一兆円予算にぶつかつて、何のかんのと言いくるめられまして、今年は遂に泣寝入りになつたというのがほんとうのありのままのお話でございます。しかしこのままでは、今御質問になりましたように、私たちでも納得の行かぬ点が多々残つておるのでございます。金の面は別といたしまして、建設大臣の責任は、私はあるべきものであり、またあるのが至当だと考えておるのであります。この点につきましては、国道の五箇年計画をやることについて、なるほど当面は鋪装改良が主であつても、一本の道にそうひどい差ができないように、予算措置の上におきましても、格段の考慮を払つて行きたいと考えておる次第でございます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 私は、当局を責めようという意図から言つておるのでなくして、どうしたらよくなるかということで申し上げておるのであります。そこで先ほど森幸太郎君からの御質問にもありましたが、重量制限ということは非常に大きな問題であります。また道路の幅員につきましても、道路の監督官庁である道路局として真剣に考えていただきたいことは、乗用車もそうでありますが、バス、トラツク等の幅の制限、大きさの制限、在来は楽にすれ違つた道路が、もうすでにすれ違いができないようになつておる。これはなるほど運輸省の所管でしよう、陸運局の所管で、あなたの方の所管ではない、だろうと思う。しかし道路を管すると申しますか、道路を建設して、これを維持管理をして行くということは、常識として建設省の責任である。     〔山本主査退席、西村(久)主査代理着席〕 そこでそれをやるのは、今陸運局は、道路局に相談なしに、許可認可をやつておるのかもしれませんが、少くも合議で車の幅員に対しての制限を考えてほしい。無制限な大きな車を狭い道路に——たとえば観光バスのごときも、今日全国的に観光バスが大はやりですが、この観光バスのごときも、やつと通れるような道を悠々通つて、ほかの車は、もし行きあうと通れなくなる。そこで非常に時間を空費するようにする。そういう非常に無計画的な国の認可許可の方針だ、こういうふうに考える。これは終戦後の非常に自由な放任といいますか、自由というよりも、放任なやり方が今日のああいう状態を来しておるのじやないか。この際これは整備をし、各省の権限等の関係もありますれば、至急その権限等の整備もしてもらいたい。実際のことで、どうだこうだということで、事務当局でお話合いができなかつたら、南さんたちお互い政務官の間でお話合いをすれば、各省で話合いがつくと思います。こういう弊害を至急除去することに御尽力あらんことを、切に御要望申し上げて、私の質問を打切ります。

稻葉修改進党

○稻葉委員 関連して——道路の維持管理の責任はもちろん建設省にあるのですが、道路破壊の大部分というものは、駐留軍の超重量自動車等による破壊が非常に多いのです。これは占領下にあるときならばともかく、独立をしたわけでありますから、道路は国の財産で、それに対する規則もありますので、その規則違反です。超重量をもつて道路を走つてこわしたのだから、不法行為による損害を与えたことになる。わが国としては、アメリカ側に対する損害賠償の請求権があると思う。それらのことについて、今まで建設省ではどういう努力をして来たか、それについての請求権がもしありとするならば、それは当然国の歳入、歳出の予算に計上されてしかるベきものだと思います。その点、政務次官はいかがお考えになりますか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。この御質問になりました道路についての考え方は、国道の維持管理は道路管理者がすべきことで、これは河川はついてもそうなつておるのであります。一通りの解釈面では、国道につきましては、埼玉県を通つておる道路は、一応埼玉県が維持管理の責任者ということになつておりまして、バスその他を通す場合におきましては、陸運当局が維持管理者に合議をしておるようであります。そこでおそらく維持管理者がいいというので、バスなどの路線になつておるものと考えております。しかしそういう法律的な仕組みはいずれにいたしましても、最近は幅員狭い道路に大きな車が通つておるということは事実であります。しかも先ほどから幾たびも御質問がありましたように、道路に対して過重になる、いわゆる重量制限を超過する車が通つておることも事実であります。これを取締る上に、私たちも今まで陸運当局に強い要望をして参つたのも事実であります。しかし御承知の通りに、権限争いはありましても、その権限に属しました際には、なかなかこれを早急に解決していうことはやらぬというのも、これまた見のがすことのできない事実であります。この点につきましては、将来ひとつ陸運当局とよく協議いたしまして、どちらかはつきりさせたいと考えております。今いろいろ交渉しておるような次第であります。  なお稲葉先生の言われたように、道路に損害を与える大きな車を通したというようなお話がございましたが、これは法律問題としてむずかしい問題ございまして、今日重量制限以上の車がどれだけ道路に損害を与えておるか、アメリカの車がどれだけ損害を与えたかということになりますと、相当厳密な現地調査をやり、相当しつかりした法律構成をつくらないと、これまた結論を得られない問題になると思います。やはり取締り規定も整備し、取締りの施設もやりまして、具体的に、現地調査の基礎資料を得て、それからの問題だと思います。そういうことは、ただいま事務当局同士の話合いの交渉中途という程度でありまして、見られるような重量制限を突破しておるようなことに対する車を取締る施設も、あつたものがなくなつておるという実情でございまして、その点はなはだ遺憾でございますが、まだそこまで話を進めて行くほどになつておらぬことを御了承おき願いたいと思います。

稻葉修改進党

○稻葉委員 どうも私は御了承できない。道路建設費の相当部分は、やはり駐留軍の重量車の破壊によつて占められておると私は思うのです。これは明確に違反行為による損害ですから、不法行為として、損害賠償の請求権がわが国にあると思うのであります。それらのことについて、道路の維持管理の責任者たる建設省が、何らの調査もなく、全然見当がつかない。道路建設費にしても、何パーセント、何十パーセントがこれに当るものか、見当がつかないということは、これは建設省としては怠慢だというふうに思うのです。もしそういこうとがずつとできておれば、当然に、昭和二十九年度予算の歳入面において、国の財源として、収入見込額として盛り込めるはずであります。それがもし盛り込めるとすれば、今後の道路建設にも相当の歳出予算が組めて、非常にいいと思うのです。まあ、できてしまつたことはしかたがない。今までやつていないというのは、しようがない。私は了承はいたしませんけれども、そういうことは怠慢だと思うが、今後はぜひ調査をして、昭和三十年度の予算ぐらいには、相当の見込額を織り込めるように御努力を願いたい。そういうことを要望いたしまして、私の関連質問を終ります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 私もただいまの駐留軍の車のことについて、簡単にお尋ねしておきたい。道路をこわし、橋をこわしておる駐留軍の車に対して手をこまねいておるような建設省の態度は、非常に私は不満でございます。そこでお尋ねしたいのは、そういう道路関係について、行政協定ではどうなつておるか、まずその点をお尋ねいたします。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 行政協定では、軍の車両には特別の制限はございません。自由に交通できることになつております。ただ駐留軍の施設関係で必要を生じた道路につきましては、安全保障諸費で措置して参つたわけであります。これは演習場間をつなぐ連絡道路で使えなくなるというようなものと、あるいは演習場内の連絡道路に使われるもの等でございまして、大きな車が通つて、駐留軍の車が道路に損傷を与えたといつたものについては、格段の措置がとられておらないのでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 特別のとりきめがないとすれば、重量の制限にかかるわけですね、現在の法規にある……。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 先ほどから申しておりますように、抽象的に、大きな車が道路に負担過重になりまして損害を与えるものか、小さい車が積載量を超過して走るために、道路を痛めておりますか、なかなかむずかしい問題でございます。先ほど稲葉先生の御質問にお答え申し上げましたように、一つの道がこわされて行く際において、通る車が具体的に、どの車と、どの車が積載量を超過しているというような資料が出て、初めて損害の算定から、責任の所在本はつきりして来るのであります。今までの法規関係におきましては、道路を建設するところまでは建設省がやつておるのでありますが、道路の上を走る車の取締り、そういうものは交通警察の中に入りまして、旧内務省から運輸省に一切引継がれております関係上、道路の取締りは陸運当局がやつておるのであります。従来のしきたりに従いまして、私たちは道路の維持管理の責任がありますがゆえに、道路の愛護という点、また道路の維持という点から積載量についての取締りを陸運当局に要望して参つておるのでありますが、御説明申し上げましたように、まだそのチエツクの段階——事実はわかつておるのでありますけれども、施設ができておらぬ。従つて通る車のどの車がどれだけ損害を与えて行つたかということがはつきりしておりませんので、通つている車のうち日本側がどれだけ責任があり、また通つている車のうちの駐車留側がどれだけ責任があるかは、これは実際問題といたしましてなかなかわからぬ、こういうことも先ほど御返事申し上げたのであります。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 井手君のお尋ねは、道路に関する日米行政協定のうちに、何かこういうふうな関係で日本政府から要求されないような協定があるのではないか、そういう前提のもとにお導ねになつておるのですが、日米の行政協定の中には道路に関する協定事項はないわけでございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 行政協定中にはその種のいわゆるとりきめはないのでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 そうしますと、現在の道路交通取締り法でございますか、それに積載量を越えれば違反するわけでございますね。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 占領中は軍でごいまざすから、おそらく内地の法規は適用されておらぬと思います。独立後におきましては——私の解釈でございますから、後ほどよく調べまして御返事を申し上げまするが、駐留軍といえども日本国内の法規には服従すべきものと私は今考えております。なおよく外務当局あたりに聞きまして正確な御返事を申し上げたいと思つております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 おかしな答弁だと思うのです。違反しているかはつきりわからないというくらいのことでは建設省の責任は務まらぬと私は思うのです。先刻も、二十トンくらいの重量しか耐え得ない日本の道路に、八十トンのものを積んだ重量のものが走つておるということははつきり答弁しておる。はつきり違反しておるのです。そのものに対して建設省は今日までほうつておくという手はないはずなんです。その点について全然抗議を申し込んでないかどうか、その点をはつきりしてもらいたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 先ほど八十トンぐらいの重量になる車が走ると申しましたが、そのときにも申し上げましたのですが、設計上は道路に与える影響は小さな車と同じようにしておるという駐留軍の話でございます。それで道路に与える影響、たとえば大きなトレーラーになりますと、車を非常によけいにしておりますから、そういつた関係で一つの車あるいは単位面積にかかる力というものは、八十トンのトレーラーでありましても、十トンのトラツクと同じようになる、こういうことでございます。この占領軍の大きな車両が通るために、いろいろ道路をこわしますので、この点に関しましては、行政協定の中に道路分科会というのがございます。そこでこの問題を出しまして協議したこともありますが、先ほど政務次官から申されましたように、どの程度の影響があるのか確実につかめないまま今日に至つておるわけでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 道路を建設する主務省がどのくらい影響があるかわからないというようなお言葉は、私はどうも解せぬと思う。また取締り面からも向うの方はこういう考えを持つている。そういう一方的な解釈でぐらつくような日本の法律ですか。私はこの点は非常にふしぎに思う、取締りの方針というものは確立されておる。駐留軍がこういうふうに解釈しておるから非常に困る、こういうようなことで左右される性質の法律ではないと私は考えております。この法律は長い間実施されております。それを明確にし得ない建設省、影響についてもはつきりつかみ得ない建設省の今日の態度は、私はどうも不可解にたえません。先刻来の御答弁によりますと、その責任は運輸省にあるというのであるが、ほんとうは道路を建設した主務省の建設省が一番熱意を持つてこれに当るべきだと思う。法規上運輸省になつておればいたし方ありませんけれども、道路を損傷するというこの事実に対しては、建設省が最も熱意を持つて当るべきものだと思う。日参してでも向うに抗議を言うべきものは言うということが、私は本筋だと思う。私の方は取締りの責任はありませんというお言葉であるならば、私はお尋ねいたしません。あらためて運輸省にお尋ねいたしますが、そういうことで建設省が立つて行くとは私は考えません。ひとつ十分自戒されまして、違反を犯し、そのために道路が損傷するというものに対しては、いかに相手がアメリカであろうとも、法の命ずるところによつて取締りをされるように、建設省も十分努力をされるよう、特に御注意を申し上げておきます。

葉梨新五郎自由党

○葉梨委員 この際動議を提出いたしたいと思うのであります。それは先ほどから道路行政の主管官庁であります建設省に質問をいたしておりますが、道路行政上疑義の点が多くなつております。これは関係各省との間に疑義をただして、すみやかにこの方針を樹立する必要があるんじやないか、こういうふうに考えられるわけであります。そこで私は、明日の委員会でもけつこうですから、関係省の出席を求めて、この道路行政に関しまする糾明を明らかにしまして、道路行政上さしつかえのないように、不安のないような道路法の改正を必要とするなら必要とするような点を、お互いの責任において究明して行きたい、かように思いまするから、そのおとりはからいを主査においてなされんことを希望するの動議を提出いたします。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 葉梨君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 御異議ないようですから、満場一致葉梨君の動議は可決されました。従つて主査の方においてその手続をとることにいたします。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 大事なことでありましたので、私の発言中の関連質問を見送つて来たのですが、関連質問がえんえんここに五十分にわたるという状況でございます。これは私も短い議会生活でございますけれども、あまり慣例のないことでもありますし、そういう議事のとりはからいというものはやはり一応申合せで、そういうことがいいのだということであれば今後もそうする。しかし今まではそういうことは例としてはない、質問をいたしたいために、私は早くから来ている。そうして成規の手続をして発言をしております。しかし事柄が非常に重大な問題でありましたので、私はそれぞれの委員の方々の関連質問を了承し、かつ謹聴しておつたのでありますが、今後そういう形でこの委員会を運営されるか。やはり関連質問には若干の限度があつてもしかるべきじやないかと思うのであります。まだ一日、二日委員会がありますが、その点どういうふうにきめますか。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 川島委員の御意見の通りに取扱つて行く方針を立てて参ります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 わかりました。別に目にかどを立てて言うわけではありませんで、一応私は謹聴しておつたのですから、それは御了承願いたいと思います。ただ今後の議事の運営の仕方をそうしていいかどうかということを聞いておきたいのです。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 承知いたしました。なるたけ関連は短かい関連を許すことにとりはからいたいと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 どうぞそのつもりで委員長もおとりはからいを願いたいと思います。  そこで先ほどの継続ですが、私が先ほど申し上げましたように、ことに新設道路において、夏はもうもうたる砂塵天に沖し、その付近の耕作物あるいは住民にまことに忍ぶことができないような迷惑を与えておる。また冬は冬で泥棒まことにひざを没するというようなことにまでなりかねないような悪道路になつて、そのためにまた沿道の農作物はもちろん、住民あるいは店舗にも大きな被害を与えておる。それからまた砂利道は砂利道でそこにトラツクが通れば今の話ではないが、国内のトラツクはもちろん、ことに駐留軍等の車が通るときには、砂利がはね返つて沿道のガラスをこわし、あるいははなはだしいものは戸までこわしてしまうというようなことも事実しばしばあるわけであります。こういうことに対して急速な措置を講ずるということは、まず鋪装かもしくは道路の改修以外にはないのですが、それとあわせて、こうした沿道の一般国民の受ける被害は、ただいたずらに沿道であるがために泣寝入をしなければならない、こういうことはまことに筋の通らないことだと思うのです。そこでそういうことのないように、まず政府は急速な措置を次から次へととつて行くのはもちろんであるけれども、現に被害をこうむつておる沿道の国民に対して、何らかのこれに対処する熱意がなければ私は筋が通らぬと思うのです。実際に道路局長も場合によればこれを目撃しておるのではないかと思いますが、その被害のありさまは、言語に絶するものがわれわれの身近の狭い範囲ではありますけれどもあるのです。日本全国においてそういう地域がおそらく相当の数に上つておるのではないかと思う。そういうことに対して一体政府はどういうふうに考えておるか。道路はその沿道の人たちの直接の利益ではなくて、ことに国道のごときはそれを利用する国民全般の利益である、その国民全体の利益のために、たまたま沿道なるがゆえにいかなる迷惑をこうむり、いかなる被害を受けても泣寝入りをしなければならぬのだというのでは筋が通らぬし、それは政治ではないと私は思う。これは今の道路行政の監督の責任の問題とともに、直接国民の沿道の人々の利害の問題であり、生活の問題でもありますので、その点について政府には何かお考えがあるべき筋合いと思うのでありますが、ありましたならばこの機会に示しておいてもらいたいと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 お話のように砂利道で沿道がほこりをかぶり、また砂利が飛んで被害を受けるというようなことがあるのでございますが、このほこりにつきましてはただいま補償する道がないわけでございます。そこでわれわれといたしましてはできるだけ急速に道路の改良を進めるということに力をいたしているわけでございますが、これも予算の制約に縛られましてなかなか思うように行かないのが実情でございまして、われわれとしてはできるだけ効率的に仕事をしたいと努力しております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 効率的に仕事をするという問題はもちろんなのですが、実際の上において新設道路その他の沿道の国民が日々迷惑をしている。日々被害をこうむつている。あなたが寡聞で知らないとおつしやれば私が現地を見せてあげてもよろしいのですが、それは実に言語に絶するものがあります。中には沿道であるがために一年中表の戸障子を締めておかなければ——夏なお暑いときでもその戸を締めておかなければ、どうしても生活ができない。また商売がまるきりできないことになつているところも事実あるのです。そういう問題について、法律上の問題を私は論じているのじやなくて、法規にはそういう場合の損害補償とかなんとかいうものがかりにないといたしましても、やはり政治の建前からいつて、そういうものがあつた場合には何らかの措置を講ずるという誠意というか、何かなければならぬ。そういうことについて一体政府は何か考えたことがあるか、どうかを聞いているわけです。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 鋪装をいたします場合にできるだけ人家の連なつたところから始めて行くというような措置は講じているわけでございます。そういう箇所が非常に多うございますので、私どもの方は一定の交通量を越えるものについて、しかも幅もあるというようなところから鋪装を始めているわけでございまして、これが沿道のそういつた苦情を一挙に解決することにはならないわけでありますが、逐次そういう面の改良を進めて行くということでやる以外にないと考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 道路そのものに対する施工の問題はもちろんでありますが、それが完成する間に実際において半年も一年もかかつている。その一年もの間たまたま沿道の住民たるがゆえをもつてひとり多くの犠牲を払わなければならぬというこの立場を放任しておくという手はないと私は思う。法律上に補償の点があるかないかは私は調べておりませんからわかりませんが、かりにないにいたしましても、そういう実害をこうむつた沿道の国民がありといたしますれば、それに対して政府は何らか親切な心をそれに向けなければならぬ、それが私は政治だと思う、こう言つているのです。そういうことについて政府当局は考えたことがあるかどうか、その点を聞いているわけであります。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 川島さんにお答えいたします。建設省としては、そういう場合にはできるだけ早く鋪装して御迷惑をなるべくかけないようにするというのが今までの考え方で、手一ぱいだつたのでございまして、そういう面における実害を考えて何とか政治的に手を打つというところまでは、考えてはおつたのでしようが、実際問題としてはやつておらなんだというのが、今までのやり方だつたと思うのであります。これは道路ばかりでなくて、河川の工事にいたしましても、特定道路で、しかも通し予算でやりますものですから、長期にわたつて非常に御迷惑をかけている実例も、私は実際問題としてあるだろうと思います。もともと相当金があれば短期間にやれるのを、金がないものですからひまがかかるというようなことが間々起きては参るのでありますけれども、この点につきましては、なるべく予算を重点的に使用して、御迷惑を一日でも早くなくするように努力をするという程度で、今のところはしかたがないんじやないか。もし考えるといたしますならば、法律的に何か手を打たなければ、今までの政府のやり方といたしましては、私は手がないんじやないかという気がするのであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 そういう長期にわたる、たとえば三月か半年のことならば、あるいは沿道の住民もできないがまんでもない場合もありますが、それが一年、二年という長期にわたつて被害をこうむり、迷惑をこうむつている住民もいるのであります。そういう問題に対して、現在のところでは国家的な補償の余地はないにいたしましても、そういう事実が全国的にあるといたしますれば、政治はそこに目を向けてそれらに対して、どうするかという考えをまとめるなりあるいは検討する必要があるんじやないか、こういうことを特に強くこの際申し上げておきたいのであります。  時間がありませんから次に移ります。いろいろ道路の制限トン数の問題がある。その制限トン数をオーバーする重量をもつ交通が頻繁にあるから道路がこわれる。まさにその通り。反面には——私はしろうとでわかりませんけれども、工事をもつと完全にやつたならば、ああまで早期に損傷しないのではなかろうかと思うような事態がずいぶん国道筋等にはあります。つくつてみたかと思うと、そこに超重量的ものが通つたためにこわれたものもありましようが、そうでないにかかわらず、工事が終つたかと思うと、わずかの期間でさつそくこわれている。そしてそこがみぞになつてしまつたり、穴になつてしまつたりというような事柄が、われわれはしろうとでありますが、よく目につくのであります。これはやりは工事の設計というよりも、基礎工事、その他完成までの間の工事の上に、ややもすれば手を抜いたり、あるいは監督が不行届きであつて、完全な施工がされない。こういう場合もずいぶんあるのであります。そういう問題によつて、いたずらに貴重なる血税を投じた道路がむだなやり方をされているということもずいぶんあるのではないかと思われる節がありますが、そういうことについては、今の道路の上における重量トンの制限もさることながら、まず道路自体の施工の上においてもつと完全無欠なしくみをつくりながら、血税の使い道を完全無欠なものにする努力が、国民の前に当然なされなければならぬ責任が当局にあろうと私は思います。ところがそうでないように思われる箇所もはわれわれも目にいたしておりますので、そういうことについて、一体役所側といたしましてはどういう形で責任をとつて行こうとしているのか。今までの決算報告などを見ましても、中には建設省の所管においてそういう、工事についての不当な支払いがあつたり、あるいは過払いがあつたりというようなこともずいぶんあるわけであります。そういうことについて政府は今後とも責任を持つて行かなければならぬと思いますが、そういうような問題について一体当局はどういうふうに考えているか。そういつた点を、特に南さんでなく、直接の責任者である道路局長にこの際伺つておきたいと思う。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 工事が終つてすぐこわれるというようなことが間々ございます。これはいろいろの原因があるわけでございますが、施工の時期、また施工の方法、基礎のやり方等で、そういうことが起つたこともあるわけでありますが、これはお話のように十分慎重な施工をやりまして、工事が終つたらこわれるということがないようにしたいと思つているわけであります。これは設計につきましては、国が直轄で施行し、また補助してやるものは本省で見ているわけであります。施行の面につきましては、国が直轄で施行し、また請負者に渡して施行しているものもございますが、直接国が監督するものにこれらの施行の方面で職種がありましたならば、その施行者たるものに責任があるわけであります。これらの点につきましては、十分厳重に監督して——従来も監督して参つたわけでございますが、今後なおより以上の監督をして参りたいと考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 これはあまり具体的には申し上げませんが、そういう問題でいろいろの風説も間々あることであります。これは河川、道路、治山治水の問題につきましてもそういう話がないわけではありませんので、今後そういうことについて十分に戒心をしていただきたい。監督をさらに一層厳重にして、せつかくの貴重なる国民の血税の使途については、一層の戒心を深めてもらいたい。特に国民の立場から要求をしておくわけであります。そこで時間があまりありませんので、住宅の問題についてお尋ねをして、私の建設省に対するお尋ねは終りたいと思います。  今日の日本における住宅払底は実に厖大な数に上つており、終戦直後三百何十万戸といわれたほどの住宅不足であります。それの上に立つて今日まで何年かの間一住宅建設について若干の努力をされて来たことを、あえて認めないものではございません。しかし依然として住宅の不足は、人口増もさることながら、少しも緩和されておらないという現実に遺憾ながらあるようであります。そこで私はまずお尋ねをします前提として、今日の日本国内における住宅の不足数は一体どれくらいになつているか、その不足数に対して政府は今後どういう形で問題の解決に当ろうとしているのか、その間の事情なり見解なりをまずお聞かせ願いたいと思うのです。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 二十七年四月一日における住宅不足数は、それまでのいろいろの住宅センサスその他の調査によりまして、約三百十六万戸であつたのでございます。この住宅不足を解決するとともに、人口増その他の新規の需要増に対しまして住宅施策を考えて参つたわけでございます。そこで二十七年当時におきまして政府の施策としては、いわゆる公営住宅政策、それから住宅金融公庫の施策、これが住宅政策の二大支柱となつておつたわけでございます。そこで政府としては、この住宅不足を大体において約二十箇年間に解消するという建前のもとに、公営住宅におきまして第一次三箇年計画というものを設定いたしたわけでございます。このときの考え方といたしましては、この三箇年間に大体百九万戸の建設をするならば、新規の需要増をカバーしてなお二十箇年の間にその住宅不足を解決するという根本方針にかなうものというふうに考えたわけであります。そこで二十七年、二十八年とすでに実績を経たわけでありまして、来年が第三年度になるわけでありますが、この二十七年、二十八年の実績を見ますと、この目標に対して大体七五%に近い成績に終つておるのでございます。公営住宅について申しますと初年度が二万五千戸、二十八年度が五万戸、二十九年度が五万四千戸ということでありまして、大体七〇%の達成になつております。さようなわけで目標通りには参りませんが、新規需要をわずかに上まわつておりますので、大体少しの改善は見たという状況でございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 この住宅問題は日本の勤労大衆にとつてきわめて重大な問題でありますと同時に、日本経済再建の方策の一つとしてもきわめて重要な案件であろうと私は考えておるのであります。しかるに政府の住宅政策というものは——予算がないといえばそれまででありますが、ややもすれば非常に強力でないうらみがあるのであります。そこでお尋ねをしておくのですが、あの敗戦のさんたんたるうき目にあつた西ドイツにおきましても、住宅の復興は実に目ざましいものがあることは当局も御承知の通りであろうと考えます。また英国あたりにおきましても、ことに勤労者の住宅の問題については、これまた実にうらやましいほどの積極的な政策を強力に押し進めております。そういうことによつて勤労者の生活にゆとりと潤いを持たせながら、その勤労者の生産意欲、生産力を一層高めるという大きな見地に立つて、住宅政策が押し進められておる。こういうことも当局は御承知だろうと思うのであります。しかるにこれに反しまして、吉田内閣の住宅政策を見ておりますと、実に手ぬるい。一体火災で年々焼失して行く戸数も相当な数に上る。しかもその上に年々家屋の老朽化によつて使いものにならないという住宅も出て来る。その上に人口もふえるというようなぐあいで、新規需要がますますあとを追いかけて来る。そういう現実の上に立つてやつております政府の住宅政策といたしましては、極端にいえば、くつの下から足の裏をかくというようなことではないかとさえ言いたくなるのであります。そこで政府は、今日のような住宅政策でなしに、何らかもつと根本的、抜本的な立場に立つて、住宅問題の早期解決に当るという大構想なり大方針を持つべきではないかと思うのでありますが、そういつたことについて当局は一体どのように考えておるのか。あわせてさらに南さんにも伺いますが、吉田内閣としての立場からは、住宅政策はこのままでいい、この調子でよろしいと思つておるのか。それとも何らか新しい構想の上に立つて、もつと強力な、もつと積極的な住宅問題の解決にぶち当るという熱意を必要とする考え方でおるのか、その点を政府当局、ことに南さんの御意見をもあわせてお尋ねしておきたいと思うのであります。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。政府といたしましても、住宅問題の重要性につきましては十分考えておるのであります。住宅問題は、建設委員会においてもいろいろな問題になるのであります。私の経験したところによりますと、建設委員会におきましては、超党派的に動いておりまして、いろいろの御要望も出るのでありますが、こういう一兆予算という緊縮予算にぶつかつたものでりありますから、住宅問題のはかばかしい解決もできないのでおしかりも受けておるのでありますが、今の予算の上におきましては、一つの案をもつて、その案の実現に努力しておりますので、そのことにつきましては、住宅局長が今御説明申し上げたようなことであります。なお住宅問題についてもつと根本的な構想をもつてやる意向はないか、政府の方針はどうかという御質問でございますが、これで決して満足だとは考えておりません。しかしながら今の財政状態から申し上げますと、政府といたしましては決して住宅問題を等閑に付してはおらないのであります。昨年も産業労働者住宅法というようなものをつくりまして、与えられた条件のもとにおいてできるだけ善処するようにやつておるというのが現在でございまして、この程度ではただいまの住宅問題解決には御期待にそむくかも知れませんが、御容赦願いたいと思うのでございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 どうもその程度の見解では、われわれとしては納得も行きませんし、承知もしかねます。何といいましても勤労大衆の今の住宅の問題につきましては、実に生活の基本的な問題としての悩み、それが政府の力によつてすみやかに解消できぬようでは、日本の経済、国民大衆の生活安定も思いやられ、私はまことに残念に感じておる一人であります。  次にお伺いいたしますが、最近は御承知の通り建築資材の著しい暴騰がありましたが、一般勤労者の収入はそれほどふえておらない。そういう関係から、せつかく政府が予算を組んで、あるいは住宅金融公庫等に資金を流すにいたしましても、何しろ建築費が非常に高くなつておる、従つて普通の者では、住宅を建てたくても手が出ないというような現実が、実はあつたのであります。従つてこういう問題にぶち当つた場合においても、何かもつと積極的な思いやりのある施策を進めて行かぬ限りは、中流以上の勤労者ならばとにかく、普通のサラリーマンでは、とても住宅金融公庫にさえも金を借りて建築ができぬ、建物は持つことができない、こういう現状であります。これはもう当局がよく御承知であろうと思う。いかに政府が低物価政策だといつても、最近においてもなお建築用材は非常な値上りの傾向を示しておることは御承知の通りで、いよいよもつて普通のサラリーマンでは、どんなに困つておる生活をしておつても、またかりに金融公庫から金を借りられても、この借りられる範囲では満足な家が建たぬ。また借りたくても借りられないというのが現実でありますので、そういう事柄につきまして一体当局はどういうふうに考えておるか、今のままでいいと思つておるのか、何かもつと積極的な施策をプラスをさせて、そうしてこの資材の騰貴、建築費の高騰に備えて、手の出ない一般のサラリー階級に対する住宅難の解決を、積極的に促進するという基本的な何か考えを明らかにしないといけないのではないか、こういうふうに私は痛感をする一人でありますが、その点どんな考え方でありましようか。

師岡健四郎建設事務官(住宅局長)

○師岡政府委員 お話の通り、たとえば住宅金庫金融公庫を利用いたそうとしましても、建築費が非常に上つて、従つて頭金が多くなる。また土地の価格も上りまして、それだけ自己負担分がふえて来るという事実があることはお話の通りでございます。そこで政府としましては、住宅金融公庫の貸出しの建築の分につきましては、建設標準費を事情に合うように今回改訂いたしまして、たとえば東京で従来坪当り二万八千円でありましたものを、約二割上げまして三万三千円といたしました。大体こういうことで実情に合つて行くのではないか。そうすれば公庫の貸出しは大体その八割五分を貸しておるわけでございますから、わずかの頭金で家が建つということに相なろうと思います。土地の分につきましては、昨年、一昨年あたりから急激に上昇して参りまして、この点もまた住宅金融公庫を利用しまする場合の隘路となつておつたのでありますが、この点につきましても最近価格の改訂をいたしまして負担を軽減せしむるという措置を講じております。なお今回政府におきましては、さらに土地対策を一層徹底的に講じたいという見解に立ちまして、住宅金融公庫法を改正いたしまして、宅地の開発事業についてその開発資金を貸し出して、適正な価格で宅地が入手できるようにいたす、かような改正もいたして参りたいと考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私は今の建築単価の問題等においてましても、かなり無理があると思つております。実際の建築費と政府が算定しておりまする基礎単価との間には、それは建物の建て方にもよりますけれども、常識的な標準的な立場から見ましても、まだまだ無理があるような気がする。従つてそれがだんだんしわがよつて来て、建てたい方からいえばなかなか家が建たぬ。かく家が建たぬということになるわけでありまして、そういつた単価の立て方あるいは土地購入についてのあつせんの仕方、指導の仕方あるいはまた利息償還の方法、こういつた問題等について、もつと何らか前進をした姿においてこの問題の解決に当るという熱意を具体的な条件において示して行くことの必要があるのではないかと思います。あなたも御承知の通り、また私どもの目撃した範囲におきましても、親子の五人、六人が百姓家の納屋の一隅を借りて、四畳半なり六畳の中にひしめいて、豚小屋のようにして住んでおるというのが今日でもたくさんあるような状態であります。そうかと思うと、東京の郊外でも、ぶつこわれたような二階家の四畳半一間に、何万円という権利金を出して何千円という家賃を払つて、そこに辛うして生活をし、そこから職場に通つている。この現実を目の前にいたしたときに、政府ならずとはえども、この問題に重大な関心を持つて何らか積極的な解決の促進に当るという一層の努力を傾ける必要があるのではないかと思いますので、この機会に特に強くこの問題の早期しかも具体的な解決策をもつと積極的に前進させてもらいたいということを希望いたしまして、時間もありますことだし、私も長い間一人で質問をいたしておりましたので、他の人に迷惑を及ぼしてもどうかと思いますので、他にもまだ質問がありますけれども、一応この程度で私の質問は打切つておきたいと思います。

稻葉修改進党

○稻葉委員 おそくなりましたから、五分か十分きわめて簡単に御質問いたします。しかし質問事項は重大ですから、答弁いかんによつてはこの予算にも影響を及ぼしますから、しつかり御答弁を願いたいと思います。建設省関係だけでなく全般にわたる問題ですが、特に建設省関係は物件費が多い。たとえば官庁営繕費とか、住宅建設費、災害復旧費とか、そういう問題について占める人的経費も多いが、物的な経費が非常に多いと思う。その物件費あるいは施設費算定の基準はいつを標準として組まれたものであるか、この点を伺います。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 建設省が建設工事に用いる資材にもいろいろあるわけでありまして、住宅金融公庫の建設単価のことにつきましては、先ほど住宅局長よりお話があつた次第でありますが、大体その他のものは土木の関係になるわけであります。その中で大体工事費の半分程度のものは労務費でございます。これにつきましては、厚生省のきめております標準賃金によつて組まれておるわけであります。

稻葉修改進党

○稻葉委員 いつを標準として物件費の単価を組んだかということを聞いておるのです。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 官房長に御注意申し上げます。稻葉委員の質疑は、昨年のどの時期の物価を標準とされて予算を計上されたかということを問うておるのであります。それで昨年八月ごろの物価指数を標準としたとお答えになるか、十月ごろの物価であるということさえ簡単にお答えになればよろしいと思います。説明を聞いておるわけではないのでありますから、私はそういうふうに解釈して官房長に御注意申し上げます。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 ものによりましてはつきりいついつかということは、私承知いたしておりません。

稻葉修改進党

○稻葉委員 大蔵省の説明によると、八月十五日現在を標準としたと言つておりますが、その通りでよろしゆうございますか。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 予算の折衡の過程におきましては、単価の問題までいろいろ議論は実は事務的にはいたしておりませんので、大蔵省がさように説明しておりますれば、さように御了解願いたいと思います。

稻葉修改進党

○稻葉委員 それでは伺いますが、本会議においても予算委員会においても、大蔵大臣並びに経済審議庁長官は、二十九年度一般物価は年平均して五%は最低下がる、場合によつては一〇%引下げ得る、こういうことを言明しております。一方においてこれら経費の予算の算定の基礎は、時期的に八月十五日である。八月十五日からその後物価は上つております。しかしながら五%は上つていません。もちろん一〇%は上つていない。その間に差額があるはずだ。そうしますと、来年度に組まれたこの建設省関係の物件費は少し水増しされておる、こういうふうに判定するのが常識ですよ。その点はお認めになりますか、なりませんか。認めるならば認める。認めないならば認めない、こういう御答弁をいただきたいのです。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 ……。

稻葉修改進党

○稻葉委員 それでは答えにくいかもしれぬから、大蔵省の言うことだから、建設省としては何とも答えられない、それでもいいのです。しかし大蔵省の言うことを認めるというなら、一方において八月十五日の時期を算定の基礎とした。来年は物価は少くとも五%は下るというならば、この物件費は五%水増しされた物件費とわれわれは判断するんだが、その通りでいいか。それじやいけませんならいけない、いいならばいい、こういうふうに答ていただきたい。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 大蔵省の説明は間違つていないと建設省も了解いたしておりますけれども、ただ一点建設省の予算編成の形を申し上げれば御了承をいただく御参考にもなるかと思うのでありますが、実は建設省の予算は御承知でもありますが、具体的に施工の箇所、たとえば災害復旧事業にたしましても、二十九年度中にこことこことをやるのだ、その金がこれだけであるというふうに具体的に積み上げたものではございませんので、かりに見積り単価より安く資材の購入ができるといたしますならば、当初予定しておりました計画工事がよけいできるということに相なる次第でございまして、私どもは水増しとは考えておらぬわけであります。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 主査の方からお尋ねいたしますが、そういたしますとただ数字だけをあげてあるという結論になるのですか。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破政府委員 災害復旧費にいたしましても、たとえて申しますと、公共土木の災害復旧費は二十八年には一千億円を越える程度の災害復旧を要する結果になつておるのであります。しかも二十八年度にはそのうち二割見当しか復旧はできないという状況であります。二十九年度予算をもつていたしましても、やはり二割程度のことしかできないというようなことになつておるわけでございまして、一応これで二割程度はできるという計算のもとにできておりますけれども、数字だけ並べたものとは私考えておりません。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 そうするとたとえば二百億なら三百億あれば四割できるのだが、二百億あれば災害の関係の六分通りしかできない。それでその二百億なら二百億を財政の関係で二百億にきめておるのであるという意味になるのですか。そうでなければ二百億になる以上は、こういう箇所のところはこういう関係で次年度にもやむを得ず繰延べるから、この部分々々の事業費が大体二百億になるという目安があつて、二百億が出るのか。そこの関係は非常に重大な関係になるのであります。予算というものは数字を並べてあるわけではありません。大体予定した箇所を標準として算出するのが筋合いだと主査は考えるのであります。従つてあなたの言われるようなことでは、稻葉委員はおそらく同意されないだろうと思うのであります。あなたでおわかりにならなかつたら、その数字の算出の関係のわかる人を出してもらつて、稲葉君の質疑が了承できるようなお答えがなければ、おそらく了承されないだろうと考えるのであります。それでわからないならわからないとお答えになれば、わかる人を要求してお尋ねになるのじやないかと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。官房長が返事いたしましたのは、予算を要求いたしましたのに、少く査定されましたものですから、稲葉さんの御質問がひよつとして水増しだから減らせというような話になるとたいへんだ、少しでもよけいもらいたいという意味でああいう返事をしたのだろうと思います。しかしほんとうは八月十五日の物価で一定の工事を積算してございます。それで大蔵大臣や経審長官の言うように、来年度平均して物価が五分なり一割下るものといたしますならば、もつとも引下るのは平均でありまして、いつ工事をやるかはむずかしい問題でございます。しかし実際やるときに両大臣の言うように物価が下つておりますれば、その箇所については五分下つておれば五分だけの経費の余りが出て参ります。これは不要額に充てるべきものと私は思います。

稻葉修改進党

○稻葉委員 今の政務次官の御答弁であるならば非常にわかつておる。そこで年平均して五分ないし一割下る。この物件費は昨年の八月十五日現在で組んでおる。そうしますとこの物件費は二十九年度の予算としては五分ないし一割よけいに見積つておる予算である、こういうようにりくつの上から言つて了解できると思うのですが、経審長官なり大蔵大臣なりが答弁しておるように、ほんとうに年間を通じて五%ないし一〇%物価が下るということであれば——責任大臣の答弁だから私は真実だと思うが、そうすれば昨年八月十五日に組んだこの物価の見積りは二十九年度の予算としては高く見積つておる、それだけは削減されてもしかたがないものであるというように筋としてはなろうと思いますが、その点はもう一度念を押します。いかがですか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。二十九年度の平均物価が五分ないし一割値下りするということが実際問題として事実でありましても、物価は常に固定しておりません。絶えず動いております。上つたり下つたりしておりますので、カーブを画けば平均して行く数字は出て参ります。しかしいずれにいたしましても、物価が下るといたしますならば、まあ五分というところはどうでしようか、三分か二分か、あるいは七分か八分か、その間において多少そこに予算の余りが出て参るものと考えております。それは予算をやつてみなければ、また資材を手当してやつてみなければはつきりした不要額は出て参らぬと思います。  なおもう一つその際、稻葉さんの御承知の通り、事実物価が下りますればという大きな前提がございますが、下るといたしましても、そういうような不確定な、つまり何ほどか余るだろう、こういう結論にならざるを得ないと思つております。

稻葉修改進党

○稻葉委員 あなたは穏かでないことをおつしやる。不確定なといつたら、大蔵大臣も経審長官も怒ると思いますよ。それはたびたびこの予算をやれば必ず下りますとはつきりした御答弁をしておられるのです。それを同じ政府の建設政務次官がそういう不確定なことを基礎として、余りが出るなどということは穏かでないと思うのですが、もう少し言い直されたらどうですか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 私の申しました言葉が不穏当ならいつでも取消すのでありますが、私の言うたことは、具体的に二千万という工事費になりますと、それを実行して予算をしめてみますと、二千万円で一割下るから二百万円節約ができるというほどには参りかねる。実際やつてみれば何ほどかは余るが、余るということは物価が下りますれば、肯定いたしますが、百万円余るか百五十万円余るかというはつきりとした金額はなかなか申し上げられない、こう申し上げたのでございます。

稻葉修改進党

○稻葉委員 政務次官の御答弁ですと、何どほかは余ることはもう確実であるという御答弁ですが、それで私は満足いたします。何ほどか余るというつもりでこの予算を見て参りましよう。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 そういうふうな意味には主査は解しておらぬのであります。物価が下つた場合に、下つた箇所を施行した関係のところに限つては、下つただけの金だけは不用額として残るであろうが、今これを残るという断言はできない、こういう意味でお答えになつておると思います。そういう意味ではありませんか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 その通りです。

稻葉修改進党

○稻葉委員 そうですと私は満足しないのです。もう一度繰返さなければならぬのですが、八月十五日現在の物価で組んだ予算、来年は五%ないし一〇%下る。そうすれば今政務次官もおつしやつたように、五%とは行かなくても、少くとも二%ないし三%、三・五%くらいのところは見ておいてもいいんじやないか。やつてみなければわからぬというのですけれども、予想はつくじやないか。予算というものは予想ですよ。推定ですよ。推定はできるのでしよう。どうです。推定もできないのですか。そのところをはつきりしておきたい。推定はできるのかどうか。主査はいかがに解釈されます。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 あなたの言われる通りの事柄であれば推定はできるのであります。しかし主査の意見といたしましては、これは私がお答えするのが順序になるかどうかわかりませんが、八月十五日の物価以下に下るか下らないか。今日の物価は八月十五日の物価よりも上つておるものもあるのでなかろうかと考えております。それで下るということが、今日の物価に比較して五分下るということになるのやら、すこぶる微妙な問題であります。あなたの御質疑になつておる点は主査もよくわかつております。南政務次官の言われることも、おそらくあなたはおわかりになつておるのじやないかと思つておるのです。それから先を押し進めるということは、政治感覚上少し無理ではないかと私は思います。主査にあえて答弁を求めるなら、主査としてはさようにお答えするよりほかに道がありません。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 今主査がお答えになつた通りに私返事しておつたのですが、言葉が非常に不明確であつたならばあの通りにひとつ御理解おき願いたいと思います。

稻葉修改進党

○稻葉委員 ものによりけりですけれども、政務次官もおつしやつておられるように、たとえば先ほど川島委員からの質問によれば、建築資材等についてはそう下るとは思えないけれども、やはり平均して物事を考えなければならぬ。全般的に言うと、一方においては八月十五日、そして来年は五%ないし一〇%、年間を平均するならば少くとも最底五%は下るということは、毎回の答弁で明確なんですそうしますと、その間にいつ工事をやるかによつて違いますね。いつ物価は下るか、四月ごろになつて一%下るのか、そして十二月になつては二〇%下るのか、そういう時期的に割つて答弁された言葉でないからあれだけれども、年間を通じて平均最低五%は下る。場合によつては一〇%下るかもしれません、こういうのでありますから、建設省関係のいろいろな工事がいつ行われるかによつてそれは違うけれども、平均して私は五%くらいの下りはあると思う。ほんとうに来年この予算を実行したあかつきに、破綻を起さずに行つて一〇%ないし五%下る、こういう経審長官なり、責任大臣たる大蔵大臣の言明は真実だろうと思う。われわれも真実だと思うのだから、政府部内においてあなたも真実だと思わなければいけない。それはそうでしよう。同じ責任者だもの。その御答弁はただいま最後にしめくくりがついたからいいけれども、予算は推定なんだから、そういう推定のもとにこの予算案を、五%と行かなくても、二%ないし三%、三・五%、そういう程度の値下りというもの、従つてこの予算はある程度の水増しであるということは、これは当然お認めにならなければいけないと思うのですが、もう一度念を押します。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 稻葉委員にお尋ね申し上げますが、水増しだという言葉を言われるから答えがしにくいのだと思います。お心持はおそらく政府委員の方でもおわかりであろうと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 私の申しますことがお叱りを受けて、あるいは間違つたことのように受取られたかもしれませんが、予算というものは大体見積りでやつておるのでございます。そこで平均五分ないし一割下ると申しましても、四月に五分上つて八月に三割下つたといたしますれば、平均すればやはり下る方が多い。たまたま五分高いときに工事をやりますれば、予算が足りなくなるという現象も計画量について起きます。しかし平均して政府の施策がよろしきを得ますれば、またある程度物価の引下げが成功いたすとしますならば、決算面においては、何ほどかは余つて出て来るかもしれない。しかしそれは今日予断することはできない、こう御返事申し上げたのであります。

稻葉修改進党

○稻葉委員 しからばもう一点、建設省が生活困難な中から、国民の税金でいろいろなことをやる場合に、親切心があるならばならべく物価の下る時期をねらうべきである。あなたの方の建設省の工事というものは、いかにも物価の一番高いときをねらつてやるような、そういう言いのがれみたいな牽強附会の御答弁をされるということは、はなはだ満足できない。そういうことになりますと争いになるから平均で言うべきです。常識的に…。そうしますとこの物価は八月十五日算定だ。しかるに大蔵大臣も経審長官も、来年は下る、こう言うのだから、平均して相当な剰余を見積り得ると常識人ならば推定するのが当然だと思う。いろいろ政治的含みもあるから私はそう言うのです。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 その程度でよろしゆうございますか。——それでは井手君。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 おそくなりましたので、簡単に災害復旧についてお尋ねをいたしたいと存じます。先刻官房長の答弁によりますと、二十八年度二割、二十九年度二割だとおつしやつておりましたが、去る一月三十日の本会議における大蔵大臣の説明では、この予算を執行すれば二十八年度災害は六割を完了するということを答弁なさつておる。はたしてさようであるか、数字的にひとつ御説明いただきたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 二十八年度災害については項目がいろいろございますが、今そのうちで最も重要な各都道府県の災害復旧の補助について申し上げますが、これは二十八年度の災害が国費にいたしまして一千十一億の災害を生じたのであります。二十八年度中に補正予算及び予備費等から拠出いたしましたものが大体一三%でございます。二十九年の今度の予算に盛つてありますのが大略二一%でございます。合計いたしまして三四%になつております。このほかに、先ほども申し上げましたが、二十八年度にはつなぎ融資を七十五億ばかり出しておる。すなわちこれが、パーセンテージにいたしますと約七%に相当するものを出しております。従つて二十八年中には、つなぎ融資と予算を一緒に使いますと二〇%だ、こういうことになるのでありまして、しかしこれはどうせ返さなければならぬものであります。いつ返すかが問題でございまして、例の百五十七億という融資の今後のものもございます。これがございますけれども、それを七%というつなぎ融資の分をはずしますと、予算としての処置は二十九年度一ぱいいたしますと三四%ということになりますので、大蔵省で今お話のございました六割、六〇%ということでございましようが、その点と食い違つております。それは実は一千十一億という全災害の額に対しまして、われわれはこれを基準にして見ておりますが、大蔵省はこれにまだもう一度査定を加える必要があるというふうな意見を持つておりまして、われわれのところとまだ意見の一致を見ない点がございます。そこでまだこの問題については、大蔵当局と各省との間にそれぞれその食い違いについて折衝をいたしておる過程にございますので、われわれの申します三四%と、それから大蔵省は六〇%と言つておるというお話でありますが、そこは食い違いを生じておるのはそういう理由でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 つなぎ融資が年度末にもどされねばならないことは申すまでもないことであります。百五十七億の三党協定による融資がほとんど見込みがないことも申すまでもないのであります。従つてただいまおつしやつた二十八、二十九両年度にわたる予算によつて三四%が執行できるというように私は了承いたします。そこでお尋ねいたしますが、大蔵省と建設省の間に食い違いがあるというお話でありますが、大蔵省も査定を現地にいたしておりますか、その点をお尋ねいたします。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 大蔵省は現地でどういうふうに査定したか、事務当局で調べてもらうように話をしたのですが、結果は聞いておらぬのですが、私の聞いたところでは、財務局で災害箇所について何か抜き検査をした、こういう程度の実施検査のようであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 政府の方針を承りたいのですが、大体どこでそういう復旧費をきめるのですか、お尋ねいたします。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 それは申すまでもなく、公共土木災害につきましては建設大臣がきめるのであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 重ねてお尋ねいたしますが、建設大臣が責任者であるならば、大蔵省の言つておる六割というのはうそでございますね。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 大蔵省の申しておる六割は大蔵省の希望だろうと思います。私は建設省の方が正しいと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 建設省の方が正しくて大蔵省の方は単なる希望であるということを承りまして、別の機会にまた追究いたしたいと考えます。  そこで二十八年度は一割三分、つなぎ融資がありますので、二〇%近くできるということになりますが、この雨季までにかりに二一%の二十九年度のものを早急にやるといたしましても、この三四%でこの雨季に耐え得る工事ができるかどうか、責任のある建設省の見解を承つておきたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田政府委員 この問題は昨年以来私どもも実は非常に苦心をいたしておるところでございまして、実は現地についても、関係課長を班長とする調査班を現地に出しまして、二十九年度の出水期までに幾らいるかということを調査いたしたのでございます。その結果は、雨季までに三八%やらなければならないという結論が建設省としては一応出たのであります。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、予算の処置をいたしたのが三四%でございますので、残りの四%というものが出水までに不足だということになるのであります。この処置と、それから、それでは出水期が経んだら全然やらぬか、この一年休むか、こういうことになるのでありますが、そうも行かないので、やはりその後の出水に備えるための重要な復旧はやつて行かなければなりませんし、これに必要な額も今後必要でありますので、これらと合せまして不足額は融資によつて各府県にあつせんをして解決をいたしたいと、こういう努力を今いたしております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 私、地方の実情を見ましても、またただいまの答弁を承りましても、大体雨季までに必要な工事量の半分ぐらいしか予算処置ができていないように感ずるのであります。そこで大蔵省との食い違い、あるいは雨季に非常に心配だというこの点について、建設省の責任者はどういうふうにお考えになつておるか、今後どういうふうに努力しようとお考えになつておるか、この点を、基本方針と申しますか、建設省はどうしてもこれだけは必要であるという建前をとつておられるならば、大蔵省が何と言おうと、事務局が何と言おうと、政府としては確固たる立場をとらなければならぬと私は考える。水害対策特別委員会では、大臣が相当の決意をもつて答弁をなさつております。ほんとうならば六割をやらなければならぬという考えもお述べになりました。重大な決意が必要であると私は考えますが、その点についての政務次官の考え方を承りたいと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。今河川局長からお答え申し上げましたように、建設省の中央における係官あるいは現地の土木部の連中と一緒になりまして、詳細に調査いたしまして、出水期までにある程度の自信を持つた工事三八%という数字は今説明した通りでありますその後におきまする工事の施行につきましても、これは考えて行かなければならぬものでございます。そこで予算は三四%しかございませんから、その間におけるギヤツプは事務当局同士で今話をしておりますが、建設省といたしましては、先ほどちよつと米田君からお答え申し上げましたように、二十八年中に融資をしてもらつております金を、本来ならば三月三十一日までに返さなければならぬ。そういうものを事務的にまだ交渉の余地がございますので、責任を持てる金額まで一時返さぬように措置をするとか、あるいは返したものをすぐに出してもらうというような措置によりまして、大体四%か五%の狂いだろうと思いますが、そういう点につきましては、融資の措置によりまして、できるだけ現地にも不安を起さぬように措置をしてきたいというふうに考えております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 いろいろ聞きたいのですが、時間の関係で私はこれ以上申し上げません。ただ、今までのうちで、大蔵省の六割が間違いであつて、実際は二十九年度予算を執行して三四%しかできないということを承つておくにとどめます。  主査にお尋ねいたしますが、先刻大臣の出席というようなことで私語があつたようでございますが、大臣はいつか出席なさるお見込みでございますか。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 大臣は御病気中だと伺つておるのですが、病気がなおらなければ御出席ができないのじやないかと思つております。従つて大臣の代理として南政務次官のお言葉を御信じくださつておくよりほかにないと考えます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 次にお尋ねいたします。いわゆる小災害は、市町村の分は今まで十万円以上のものが五万円以上に、府県は、十五万円以上のものを十万円以上に国庫補助の対象にするという確約が、昨年の救農国会でできておつたのでございます。その金額は大体五分といわれておりまするので、五十億くらいになろうかと考えるのであります。この点は大臣も何回となく言明をされ、また大蔵省の方でも公約したところでございます。その結果二十八年度にはどういう措置ができておるか、二十九年度にはどういう措置が講ぜられておるか、その点を簡単でよろしゆうございますからお答え願いたいと存じます。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。御質問の小災害に対しましては、自治庁において、十六億円を二十八年度において特別起債として予定し、これが元利補給については全額を見ることといたしまして、償還期限を三年ないし五年くらいに予定したいということで、大蔵省、建設省、自治庁三省間で今事務折衝を進めております。  二十九年度につきましては、まだ二十八年度を今せつかくやつておるので、まだきまつておりません。しかし二十八年度がこういうふうにきまりますれば、ある程度の道がつくのでありまするから、その後の折衝によつて起債額も相当確保できる見通しを持つております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 いつごろ三省間に話がまとまつてその方針が確立されるのか、その点を……。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。おそらく年度内にははつきりした御返事ができると思つております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 地方ではそういう約束があつたので期待しておつたところが、本省から何の通知もないということで、調査もできていないようであります。私はそういう方針が建設省できまれば、当然地方に対して、この方針でやるから調査しろという通達があつてしかるべきだと考えておりますが、実際に出してないのか、近々小災害についてこういうことをするという方針を通達する御意思があるのか、その点をお尋ねいたしたい。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。これは井手先生御承知のように、自治庁の特別起債になつて参りますので、建設省といたしましては、土木部長あたりの会議の際には、こういう方針であるという程度のことは申しておりますが、市町村に対しての流し方はまだやつておらぬようであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 もちろん起債の手続については自治庁だと考えておりますが、小災害の復旧、災害復旧についての主管は建設省だと考えております。自分の管轄についてこうしたい、そういう希望はもちろん建設省におありだと思う。当然建設省はこういう方針でやるから、また起債については自治庁からこういう話があるはずだからということを通達なさることが、私は建設省の務めではないかと思うし、また当然おやりになるべきものだと考えておりますが、いかがでございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○南政府委員 お答え申し上げます。お言葉の通り、小災害といえども建設省の所管でございます。ただ手続の上において自治庁がそうなつておるのでありまするが、とにかくこういう問題につきましては、幾ら、どういう利子で何年間ぐらいということがきまつて、また相当程度確実なものにならないと、流し方いかんによつては市町村にかえつて迷惑を及ぼすことがございます。そういう意味で、こういうものにつきましては、大体の方針なり、そういうものはできるだけ機会を見て連絡はしておるのでありますが、その程度ではほんとうは市町村はなかなか満足しないと思うのであります。実際どの程度のものをどういう方法でめんどう見るということがはつきりきまらないと、事、金に関するものでありまする関係上、私は地元においても相当御心配になつておることと想像しておるような次第であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 済んだことについていろいろ申し上てもいたし方がございませんので、これ以上申し上げませんが、大体そういう方向であれば、すでに両大臣からの公約もございますので、早急に方針だけなりとも流されることが必要であると私は考えております。地方の話ではそういうことを本省であまり聞かないということでございますので、もし近い機会にそういう会合その他がありますならば、早目に、小災害についてもこういう方針でやるということをはつきりとお示し願いたいことを強く要望いたしますとともに、その起債については別わくをもつてはつきりと明示されるように御交渉願いたいことを最後にお願いをいたしておきます。

西村久之自由党

○西村(久)主査代理 本日はこの程度にとどめ、明日は午後一時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後六時十分散会

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