予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/26
会議録
○西村主査 これより第三分科会を開会いたします。昨日、外務省、経済審議庁、通商離業省所管について、一応質疑を終了いたしておりますので、本日は昭和二十九年度一般会計予算、同じく特別会計予算中、農林省所管を議題といたし、質疑に入ります。質疑は通告順によりましてこれを許します。小林絹治君。
○小林(絹)委員 農林関係について、二、三点政府委員に伺いたいと思います。この間官房長官にもお願いしておいたのですが、予算書をずっと棒読みにされたのでは、われわれは何のことかわけがわからない。ちょうど坊主がお経を読むようなもので、節をつけて読むと聞いている者にはよくわからない。わからぬところに値打ちがあるというのかもしれませんが、この間のはたいへんけっこうでした。けれども、なお前年度はこれだけで、今度はこれだけ金がふえた、これだけ減った、あるいは新規にこれだけできた、また前年度にあったものが今度はなくなった、そういうものをずつとつまみ上げて、前年度とかわらないようなものはいいのですが、ふやしたものについての理由とか、減した理由とか、これは減したくないのだけれども、こうくこういう理由でやむを得ないとかというようなことの御説明を願いますと、国民はそのお話でごく簡単に農林行政の全貌がわかり、注文して行くのにも見当がつくのであります。ことしはもうあと一日より分科会はないのでありますから、急なことを申し上げても、それは無理なのでありますが、来年からそういうふうな、説明書をつくって、そして予算書とともにお示しを願うと、たいへんぐあいがいいのじゃないかと思いますので、これをお願いしておきます。まず水産関係について、これは前国会に清井君にお願いをしておいたのですが、それは各府県の水産関係に対しては、あるいは河川であるとかその他について――これはひとり水産に限ったことではないのですけれども、府県から要求書を出して来るとか、あるいは調査の依頼をして来るとか、そういうことを持って来ないと本省は動かない。地方からいろいろ書類を出して来たりして、初めて本省が技師を出すとかその他調査に行くとかいうようなことをしておられるようです。ほかの局もそうかもしれませんけれども、私が前国会にお願いしておいたのは、それではぐあいが悪いんだ、各府県におけるいろいろなもの増産とかその他魚族の保護とか繁殖というようなことは、本省で人手もあり経費のある限りは人を出して調べて、そして府県を指導して、あなたの県ではこれをやれ、本省はいういうことを助けてやる、本省の予算でもこれだけのものは補助金を出す、これをしっかりやれば来年度、再来年度においてこういう仕事をしょうじゃないか、こういうふうな指導をなさらぬといわゆる役人政治になって、実は実効があまり上らないということをお願いしておいたのですが、簡単でよろしいから、前国会から今日に至るまでの間、水産関係においてどういう点に御努力になってどれだけの効果を見たか、また今後についてはこの二十九年度予算によってどういうところに力を入れてやろうというお考えであるのかをお伺いしたいと思います。
○清井政府委員 ただいま小林さんからいろいろお話を承りましたが、私の方の水産行政は、御承知の通りただいま割合に沿岸漁業に従事する人が多いという実態があるのであります。なおそれに加えて河川の方においても同様のことがあり、また沖合、遠洋いろいろございますが、かいつまんで申し上げますれば、資源の割に漁業に従出する人が多いということは申し上げられると思うのであります。従って水産行政の松木の問題といたしましては、小経常の漁師者は協同組合の指導監督その他で船を大型化、あるいは能率化いたしまして、極力組合でやっていただくように持って参りたいと思います。それからもう一つの方法といたしましては、どうしてもそういう措置を受けて行かれない方々には、協同組合で融資の道をつけまして、極力沿岸において従事していただくように指導を込めて参らなければならぬと思うのであります。なお河川等につきましても同様な問題がございますので、河川あるいは湖沼の問題も沿岸と同様に措置して参らなければならないと思います。そこで私たちといたしましては、沿岸におきましては貝類、海藻類がたくさんとれるように十分指導をして行かなければならないと思います。また水産資源の増殖の問題は、単に沿岸のみならず河川も含めておりますが、何といっても二十九年度においてはこれらは緊急問題の一つであると考えております。従いまして二十九年度は二十八年度よりも相当多額に水産資源増殖の経費をしておるのであります。これによりまして海洋に出る方は出ていただく。出ない方につきましては、極力協同組合の融資のあつせん等によりまして、漁業経営を安定化し、さらに水産資源の増殖に努めまして、沿岸あるいは湖沼において安心して漁業に従事し得るような方向に持つて行かなければならぬ意うのおります。いろいろ問題がございますが、水産資源の増殖という問題が明年度において政府に課せられた大きな問題であると考えている次第であります。
○小林(絹)委員 次に農薬のことをお尋ねしたいのであります。一昨年はホリドールその他アメリカの農薬が入つて参りましたが、一反歩.について七百五十円から八百円かかる。これはヘリコプターを使つたというようなものもあつて、一反歩七、八円というと、農家の負担は非常に大きいようであります。ところが幸い昨年度は十二億八千万円の農薬の補助金を農林省がおとりになつたので、そういう関係もあつて、最初に配給したものは四百五十円から七十円くらいです。その後もつとそれより高く買つているところもあります。それは配給はされたけれども、害虫がわいて来なかつたから使わなかつたというようなところの農薬を商売人の手で集めて、もつとほしいところ一まわすのですから、いろいろ手数料もかかるので高くついておる。それで理想からいえば、害虫のたくさんわいたところにはたくさん農薬をやり、少いところには少くやるという建前になることが一番いいと思いますけれども、なかなか配給の面においてむずかしいことですから、調べるだけはよく調べる。そうしてなるべくその理想に近いような配給方法を考えていただきたいと思うのであります。そこでホリドールその他については外国が特許権を主.張しているけれども、国際法上この特許権を認める必要はない。原料は日本にあるのでありますから、これは圏においてさしあたり農林省が農薬の国立研究所のようなものをつくつて、日本に最も適した農薬を十分にする。現にホリドールは農家で中海で死んだ人もおるし、たくさん犠牲も出ている。水田の耕作においては日本の百姓なり、役所というか、経験家の方がドイツやアメリカあたりよりも一日の長を持つているから、研究すれば最も日本に適した、ポリドールのような種類のもので、使つても人体にがなく、効果もあるというようなものをつくれぬことはないと思うのであります。そうしてこういうものがたくさんできればこれを農家に無料で配付する。もし余つたときには翌年にも使える。そういうことを理想にしてつくつてもらえないものか。一昨年農林省でやりました全.国一万町歩に対して農薬を施してみた結果は、一側の減収を防ぎ得たということであります。かりに六千五百万石の生産を目標にいたしましても、一割の減収を防げば六百五十万石の減収を防ぐことができる。これは非.常に大きな問題でございますから、何とか国立の農薬研究所を農林省で起案して、大蔵省から予算をとつて始めてもらいたいと思いますが、この点はいかがでしようか。
○野田説明員 補助金の適正なる配付につきましては、われわれが最も意を注いでいるところでありまして、県からの報告を基礎にいたしますが、なおメーカーの出荷数量というようなものもにらみ合せまして決定しておるのでありまして、十分正確ということはあるいは期し得ないかもしれませんが、現在われわれといたしまして最善の努力を傾注しておるわけでございます。 次に低廉安価なる農薬を配給するないしはこれを無料で配付するために、国立の農薬研究所をつくつたらどうかという御趣旨でございますが、農薬の消費量が非常に莫大に上つて参りまして、相当農家経営に重圧を加えるということは考えられるのであります。もつともこれによりますと増収ということも相当あるのでありまして、この両者をにらみ合せますと、農薬の使用ということは、農家経営に結局においてプラスになるということはもちろんでございますけれども、使うときにおきまして相当な負担を感ぜしめるということは御指導の通りでございます。そこでわれわれといたしましては、従来から農薬の使用につきまして、相当の補助金をもつてこれをあてがつておつたのでありますが、二十九年度におきましてこれが財政上の理由で相当削減されましたことは、まことに手痛いことだと思つております。しかしながらこれを補いますために、一方におきましては発生予察の仕事が非常に充実されましたし、また農薬に対しましては備蓄の制度が非常に整備されましたので、これで曲りなりにもこの問題を処理することができると思つております。かようなことと並行いたしまして、最も有効的確なる農薬のさらに研究を推進するということにつきましては、非常な関心を持つておりまして、それについては寄り寄り検討も進めておるわけでございますけれども、現段階における一応の見通しといたしましては、新農薬の研究につきまして非常な陣容を要するわけでございます。小人数で要領よくこれをつくるということはできないので、やはり厖大な組織と厖大な人間を必要とするというようなことでありますので、なかなか一朝一夕には参らないのではないか、かように思つております。なお今後とも検討を進めて行きたいと思いますけれども、現在の段階ではさような事情でありますから、御了承いただきたいと思います。
○小林(絹)委員 次には増産計画のことであります。過日予算委員会において、農林大臣の御説明を聞いておりますと、今までやつおるいろいろの増産計画がだんだん効果を上げていく、その内容の話を伺いまして、非常にけつこうなことだと思います。地方で見ますと、それはもちろんしつかりやつてもらわなければならないが、ごく手近なところで、たとえば三反か五反か一町ぐらいなところでも、これは少し池をつくつてやるとか、補助をしてやるとかすれば、すぐに増産ができるというところがずいぶんあるのです。大計画のみにとらわれておるわけではありませんが、小さいそういうこまごましたものも、それを全国的に集めると相当莫大なものになると思うので、小さいものに対しても、全国の増産という見地からお考えになつておられるかと思いますが、その点はどういうふうになつておりましようか。
○平川政府委員 お話の通り、小規模の改良工事というものは、単位当りの増産量から申しますと、割合に高いのであります。全国的にこれを積み重ねますことは、やはり相当大きな増産効果になるわけでございます。ただ農林省の補助の対象といたしましては、やはりある程度まとまつたところに対象を置くということにいたしまして、それ以下の三反歩、五反歩というような零細なものにつきましては、政府としては長期の資金を貸しつける組織をとりまして、同時にこれは監督上その他の点から申しましても、県がそれぞれ目を配つて、そういう助成を一部するならばする。国としては、融資の道によつてその零細なものは改良をやつて行きたい、かように考えておりまして、大体現在では二十町歩というようなところを一応のけじめにいたしております。しかし二十町歩が適当であるかどうかということについては、なお検討を要するかと思いますが、一応ある程度の規模以上のものを国が助成の対象とする、それ以下のものについては融資及び県単位の助成でやつて参りたい、かように考えております。
○小林(絹)委員 どうかそれらのものに対しても、政府の方針として、これが食糧増産になるような方向に、県ともよく打合せの上で、奨励していただくようにお願いしたいと思います。 それからこのたびの予算編成前のことでありましたが、一部地方からいろいろ要望を受けたのであります。その中で二つ三つ拾い上げてみますと、統計調査事務所と食糧事務所を合併するというような声が聞えて、これはたいへん地方も驚いております。今まで私などもこれで二十年農林行政、農林立法について勉強して来ておりますけれども、やはりよく知らなかつた。統計調査事務所というものがどういう仕事をしておるかということについては、詳しく知らなかつた。よく調べてみますと、なかなか重要な仕事をしておる。たとえば各府県におきましても、決して府県を非難しようとは思いませんけれども、災害とかその他のことにつきましても、府県から直接本省へ行つて来るのと、統計調査事務所が詳細に統計調査をしたものとの間に相当な開きがある。一例ですけれども、ある果なんかではびわの災害について、びわが二十七万貫落ちたということを県の方でに、言つておる。ところが統計調査事務所で調べたところが、二万五千貫落ちておる。それで災害の対象は二万五千貫でなければならぬわけです。この県は平年作としてのびわの産額は二十五万貫だそうです。二十七万貫落すについては、知事さんはどういうふうにしてお落しなつたか、なかなかむずかしい。そういうことがたくさんある。そうすると、本省から直接出て行つて調査をしておる統計調査事務所というものを軽んずるわけには行かない。国家的の見地からこれが正確な調査をして、本省に持つて来るのでなければ、農林省の諸施策の実現をして行く上において、非常に不公平なことが全国的に出て来るということになりますから、大切な機関だ。陰に隠れてやつておる仕事だけれども、われわれでさえも十分にその仕事の内容を知らなかつたが、調べてみると、これは大事な仕事をやつているということがわかるわけなんです。食糧事務所にいたしましても、食糧事務所というのは現場なのです。農林省の仕事は現場が多いのですが、農林省の人員の減少というものは、他の省に比べて同じ率でやるということに、無理があるのではないかと私は考えておるのであります。食糧事務所にしても、米の供出について食糧事務所の人たちが行つて検査をしたものでなければ供出はできない。人手が少ければ供出が遅れるわけです。ことに前議会において成立いたしました農産物価格の安定法、これも農産物価はほかの工場生産品なんかと違いますから、逓次に物が生産できるわけではないので、征つて価格の変動がひどい。たたかれて、非常な安い値段でなければ売れない。農家は翌年からそういう作物はつくらぬ。そこで価格を安定さすためにあの法律ができたのでありますが、この法律を実際にやろうということになりますと、やはり検査をしなければならない人手が少くて、検査ができなかつたり、法律はできたけれども、実効はないじやないか、こういうことがあるのであります。 もう一つは、元の農業技術員、今普及指導員ですか、これなんかも今度の予算を見ますと、前年度に比べて非常に減額になつておる。前には三分の二補助であつたものが、今度は半分になつて、一部は平衡交付金から出されなければならない。平衡交付金から出すということになると、農林省の手から出ない。それからまた府県において自由な裁量もできる。どうかするとこれは減員するかもしれない。場所によりますと、減員されるところが出て来ると思う。これはたいへんなことなんです。私どもの経験では、十五、六年前でしたが、当時農業技術員の待遇の改善をいたしました。そのときは周東英雄君が会計課長をしておつた。これが非常に大蔵省と折衝をして、そうして農業技術員の待遇の改善をしたのですけれども、その理由は、いろいろ多角経営をやるとか何をやるとか、農村の経営についてはいろいろ考えなければなりませんけれども、一番さしあたり大事なことは、反当収入を増加することである。反当収入を増加するについてこれを指導して行く。これは農業技術員にうんと馬力をかけてやつてもらわなければならない。田は一枚々々みな性質が違うのです。農家の中には、親の代からずつとやつておつたの、だから、この通りにさえやつておればいいというような考えでやつておるものもたくさんある。中には新聞を見たり、農業雑誌覧たりして、いろいろ研究をしてやつておる篤農家もかなりありますけれども、全体としてはやはり農業指導員が各地へ講習に行つて円山の事情を調べて来るとか、本省その他との接触によつて新しいやり方について研究をするとかして、そして指導をすることが必要なんです。ところがその当時の待遇があまりに悪かつたから、これを改善しなくちやならぬというので、たしか十五、六年前になると思いますが、そういうことがあつたのです。現在はどうかというと、現在も大体一村に一人ずつおりますけれども、いろいろ報告の数字を書いたり事務をしたりして、これに追われておる。ことに戦争以来というものは、国でやらなければならぬような仕事を町村がたくさんやつておりますから、事務が多い。従つて実際それぞれの農家をまわつて田圃へ出て、施肥のことあるいは農薬の散布のことについて指導したり、あるいは直接田を調べてみてどういう処置をするかといつたことを研究するひまがない。でありますから、これはほんとうをいえば、いつそのこともう一人くらいずつふやさなければならない。こういうものは国が補助金を出すなり、国が持つなりしたら一番いいと私は思う。ところが今度の予算ではそれが非常に減額されておる。いずれこれは農林省の予算の内輪で流用するとかなんとかするにしても、金額としては全国で二億円くらいなものだと聞いております。これは非常に大切なことだと思いますが、一体これをどのようにやるお気持でしようか。それともこの二十九年度においては何とも手がつけられない状態であるのか、そこをお伺いしておきたいと思います。
○渡部政府委員 改良普及員等の補助率の問題でありますが、従来三分の二の職員俸給の補助をやつておつたのを、今度の予算では二分の一にすることになつておるのであります。この関係は、現在の予算のままで行きますれは、流用してこれを増すというふうには考えておらないのであります。なお一応の予算の建前といたしましては、減額いたしました三分の一につきましては地方交付金の算定の基礎の中に入れる、こういうふうにやつておるのであります。しかし実際問題といたしましては、地方の財政が苦しいから職員が行きにくいという県も出るようなことが伝えられておりますので、私どもといたしましてはそれの処置につきまして遺憾のないようにいたしたいと存じておる次第であります。
○小林(絹)委員 肥料の問題についてちよつと触れたいと思います。肥料の状態は非常によくなつて来たようですが、これは大体歴代の農林大臣が御苦労なさつた結果が現われて来たもので、現在では百六十五万トン差引いてあと三十五万トン、能力としてはその上にまだ五十万トンくらいできる力があるということであります。これも十二、三年前のことでありますが、硫安等の肥料の統制ということが非常に言われたのであります。実は私どもはその統制には反対でありました。なぜ反対かといいますと、統制というものをどうかすると役人が感違いをする。物が少いから統制するという点より出ていない。物というものは場合によればたくさんつくつて統制することが政治になる。当時は硫安の国内消費が四十万トンくらいでした。そこで私ども反対をした理由は、国内生殖の少いときに統制することはよくない。これをうんとたくさん日本でできるようになつてから統制をしたらいいじやないか。それは肥料をつくるから資本家はうんと金をつぎ込んでももうかる。鉄もその通り。鉄が少し品がすれになつたからといつて関税を上げよう――昭和七年の春の議会に私ども四、五人でこの鉄の関税引上げに反対して、審議未了でつぶしたことがある。少し品がすれになるから関税によつて操作するということになると、鉄に対する国策が立たない。鉄でも肥料でも資本をうんとつぎ込んで増産をするともうかる。もうかるからどんどん資本をつぎ込む。そこで日本で腹一ぱい食つて、残りは外国へ輸出ができるという階段に来たときにぴしやつと統制を加える。計算をしてみてその投資したものに対する金利がちやんと出て来るという階段を目標にして統制すればいい。そこで現在まではたいへんうまく行つておる。同時に私どもの心持といたしましては、肥料が品がすれでどうにも手に入らない、もつと肥料を施さないと米がとれない。農村は政治家なり役所を恨んでおるけれどもここ五、七年われわれは恨まれても、何と悪口を言われても黙つて答えないで、その増産を見たときに初めてぴしやつと統制をして、農家はそういう考でやつてくれておつたのか、われわれは今から肥料に関する限り必配はなくなつたというふうに安心をしてくれるであろう。農林行政のような長い先を相手にしてやる政治につきましては、いろいろそのときだけの、増額をせよとか減せとか、いろいろ言つてくるから、それに左右されてはならない。毅然たる考えを持つて十年なり、十五年なり先のことを考えてやらなければならぬものだと私は考えておるのであります。肥料に関しては大体順調に行つておるのではないかと思いますが、将来の見通しはいかかでしようか。これもこの機会に少し御説明願いたいと思います。
○小倉政府委員 肥料についての今後の見通しに対する御質問でありますが、基礎肥料のうち硫安につきましては、御指摘のように生産が非常に順調でありまして、国内生産以上の生産ができるようになつており、余力をあげて輸出に向け得る段階になつております。たた国内価格と国際価格の間に若干の開きがございますので、なお価格の合理化等をいたしまして、十分に国際競争にも太刀打ちができるようにまた農家の方には国際価格に近い安い価格で供給できるような方向に向つて行きたい、こういうつもりで今努力いたしておりますし、また所要の関係法案の御審議を願つておる次第であります。 〔主査退席、小峯主査代理着席〕 それから石灰窒素でありますが、これもこの数年だんだんと需要がふえて参つておりますけれども、生産の力も非常に伸びまして、現在では国内需要を十分にまかなつております。これは輸出というところまでは考えておりませんけれども、年間ほぼ五十万トン程度が国内需要になるのではないかと思います。それに十分間に合うような生産実績を示しておりますし、方も分あるのであります。過燐酸につきましては、御承知の通り、燐鉱石を全部海外から輸入するのでございますが、今のところ原鉱石の輸入も順調でありますので、生産も順調に行つております。だんだん需要がふえて参りまして、本年度は百七十万トン近くになるのではないかと思いますが、そういう供給についての原鉱石の手当をいたしております。カリ肥料につきましても、ここ二、三年急激に需要がふえて参つておりまして本年度は六十万トン余りになるのではないかと思つております。これにつきましても、外貨の手当をいたししまして、供給に遺憾のないようにいたしております。かように金肥と申しますか、化学肥料につきましては、非常中に供給が円滑になつて参つておるのでありますけれども、他方化学肥料の過多、特に窒素肥料の過多というような状況があるのではないかという点も心配されておりますので、この点については、今後なお自給肥料の増産について施策を加えなければならぬのであろうというふうに考えております。
○小林(絹)委員 次に食糧ことに米の問題について。これは私の意見でありまして、党の意見ではありません。まとまつてどうという党の意見は御承知の通りであります。私ひそかに考えておるので、この際その考えについての御批判を受けたいと思つているのは、近ごろパン食の奨励が非常に盛んで、けつこうなことであります。この前の議会でしたか、社会党の三宅毅が予算委員会で一時間近くもこの問題について意見を出された。私は、党派は違いますけれども、よい考えであるので、拍手をした。けつこうなことである。ところが粉食につきましては、バターもいるし、ミルクもいるし、砂粒もいるし、現在では。ハン食はなかく高くつく、これが一つ。もう一つは、学校で給食をすると、パンを食わせる、これもけつこうなことであります。小学校の時代から学校で給食にパンを出して食わせる習慣をつけると、家庭でもパン食を奨励するようになる。これは確かになるでしよう。けれどもこれはなかなか三年や五年の話じやない。大きな効果を見るのは、何年も先の話です。現在ただちに行い得る方法は、ほかにないかと考えますと、米の提出につきまして、戦争中は、勝つまではすべてのことをしんぼうしようという考えでありましたので、非常に供出も楽にできた。今日では農家の提出というものは、国に対する一つの義務であるという点は抜け切れませんけれども、一方においては経済行為であるということが非常に強くなつて来ておりますから、供出がなかなかむずかしい。それと直接間接の原因としましては、府県の知肝の選挙制というようなことも、説明しますまでもなく、供出割当等について、農林当局におかれて非常に苦心をなさる点であると思うのであります。どの府県もなるべく少くできたように言つております。されはといつて農林省がしいて大きな割当をすることも政治上困難でありまして、供出ということ自体に対して、特に収量の上においてむずかしくなつて来ておる。ところが米の値段について、いろいろ早場米の奨励金であるとか、あるいは超過供出に対する奨励金というようなもので、いろいろ奨励の手を尽しておられるわけでありますが、地方の農村で、二万五百円ですかの超過供出にするほど米を生産する農家というものは、少くとも八反とか一町とかつくつておる家でなければないわけです。五反百姓程度の小農は、たとい三万円くれても超過供出は一俵も出せるものではない。そこで地方においては貧富の差が非常について来る、また思想上においてもおもしろからざる情勢が出て来得ると思われるのであります。 それで、現在の供出値段が至当であると政府は考えてやつておられる、私どももそれは異議ありません。ありませんか、この点から考えますと、超過供出をすることができない農家のためには、むしろ最初の供出米価をもう少し引上げてやるわけには行がぬのか。その次に、供出を済ました者は、あるいは自由販売にするとか、あるいは森君が農林大臣の時代に、それは占領軍によつて抑えられたと言つておりますが、切符制度によつて、米はどんどん出すが、買う方ではそうめちやに買えないというような考えで出したものらしいのですが、それに似たような方法をつくるとか、それはいくらでも防げる方法は考えられると思う。根本において農村の貧富の差をひどくさせないということを考える、貧富の間における将来の思想上の点も考える。小農は超過供出をする力がないんだから、それだけのものを持たないんたから、超過供出に対して二万円にしてもらつても、三万円にしてもらつても、何の悪典もない。従つて最初の供出において見てやるというような方法がないものか。もしそれをすれば、米の出て来ることは、三年も五年も十年も先の粉食の場合と違つて、あすから間に合う。今までは米ばかり食つておつたが、そういうことになれば、麦を三割にいたします。十俵の米に対して七俵米を食い、麦を三一俵食えば、三俵米が残る。これなら出します。今までは、残して、売れば、警察問題になつて、みつともない、うちは、一俵や五俵はどうにかなるけれども、やみで売つてもしも警察問題なると、みつともないから、出さぬというような者もたくさんある。大ようにどんどん出せるなら、うちで三割でも四割でも麦を入れて食う。そうしたら米が売れる。わしは百姓の子で、わしが子供のときは、半麦といつて、麦五割、米五制で食つて来たものです。今日まで病気したことがない。これはそういろ関係とわしは思う。これは速記録に載せてもらわぬでもいいが、私は赤坂の宿舎にいるが、ここに五十家族住んでいる。私がお世話しているものですから、二月、三月前から麦を三割入れてやつた。なかなかうまい。麦はうまいし、麦の方が安い、栄養上にもいいんだといつて奨励している。そのきき目は少いけれども、米を残せばその米があすにでも売れるということになれば、非常にたくさん全国の農家から出て来る。こういうことをお考えになつたらどうかということをひそかに考えておるのです。あなた方に教えてもらいたいのだが、これはどうでしよう。お願いいたします。
○新沢説明員 ただいま食糧事情をゆたかにするために、できるだけ農家をして供出意欲を促進するために、現在米価について超過供出価格ということで供出意欲を促進するような政策をとつているが、そうじやなしに、逆に基本米価を上げたらどうかというような御意見がございましたが、確かにこの両三年来基本米価と超過供出価格というようないろいろな奨励金がたくさんついおりますために、いろいろな点でだんだんその矛盾が現われて参つておりますことは事実であろうかと思います。しかしいろいろ財政の面その他もあわせて考えてみなければなりませんので、基本米価を幾らに引上げ得るかというようなこと、また農家がどのくらいの価格ならば基本価格として供出を富んでするかというようなこと、これは十分検討をなした上で実施いたさなければならない問題ではないかと思つております。現在そういうような問題も含めまして、食糧対策協議会で、各界の識者にお集まりいただきましていろいろ御検討願つておるわけでございます。もちろん事務当局といたしましても、この問題につきましては非常に重要な問題でありますので、日夜私どもいろいろ研雲たしておるわけでありますが、さらに私たちだけの狭い知識ではなしに、そういつた各界の方々の御意見も十分聞いた上で、最終的な米価の問題、供出制度の問題についての結論を出したい、こういうふうに考えておる次第であります。
○小林(絹)委員 追加払いの件につきまして、これは五百五十円ですか、これについてなおお伺いしようと思つておりましたが、今農林省の方に伺いましたら、ほかの委員からすでに質疑があつて、農林省でもすでに方針をおきめになつて追加払いをするということになつておるそうでありますから、ありがたいことだと考えます。 最後に一言お願いしておきたいと思う。過日予算委員会等において保利農林大臣が、わが国の食糧の前途については安心である、少しも心配はないということを種々数字等をあげて御説明になられまして、われわれも非常に安心をいたしましたし、国民も安心をしたと思つております。保利さんがああ言つただけでやみ米の値段はだんだん下ると思つたくらいに聞いておつた。かつて名前は言いませんけれども、ある官僚出身の農林大臣が、あたかも見ておつても見苦しいまでに農村にこびるような態度を非常にとられた。これではおそらくやみ米もだんだん上るだろうと私は思つておつた。そのときは端境期でもういもがとれる前です。あれをもし農林大臣が政治家ならば一合にいももどんどんとれるし、食糧は安心だということをなぜこの農林大臣はよう言わないのか思つて、私はそういう感じを持つてあの新聞を見たのでありますが、農林省におかれては最善を尽して、わが国の食糧の問題については、食糧は確保するという種々の適切なる手段をおとりになつておられるであろうし、なることは当然であります。それをはつきりと国民に示して、強い態度でいかなる難関も突破して、国民に食糧のことについては心配をさせないというだけの自負心と信念を持つて今後もお進みになつていただくように希望いたしまして、私の質問はこれで終ります。
○小峯主査代理 羽田武嗣郎君。
○羽田委員 私はまず第一に蚕糸局長にお尋ねをいたし、また根本的な点については農林大臣からお答えいただければと存ずるのでございますが、従来の繭糸価格安定法によりますと、繭糸価と議院の修正によつて繭という字は冠しておりますけれども、実質的には繭についての最低価格を保障する内容か法律の中にないのでありまして、糸についてだけの安定法であつたのであります。しかるところ、今回農林省において、繭についても養蚕農家のための最低価格を保障するという御計画をなすつて、近く国会に御提案になると承つておるのであります。私は八十万養蚕農家のためにこれはまことに喜ばしいことであり、養蚕農家の安定のために一段の進歩的な立法であると考えるのであります。そこでこの繭の最低価格を保障する、あるいは最低価格をきめるというような実質的な施策をこの際どういうような方法でおやりになるのか、その内容を承つておきたいと存ずるのであります。
○寺内政府委員 ただいま繭の最低価格を保障する制度を研究中であることは御承知の通りでございますが、いかなる方法でやりますかについては、こういうものはよく関係者の協力を得なければなりませんので、ただいま関係者の協力を得るように相談中でありますが、まずただいままでに大体まとまりかかつている考え方といたしましては、繭糸価格安定法を改正いたしまして、生糸の最低価格に見合う繭の、最低価格をきめまして、農産物価格安定法で現金買上げでやつて、おりますが、生糸の買上げをやります場合に、繭を最低価格以下で買つたような製糸業者からは、生糸を最低価格で買い上げないという処置をまず第一番にとりますが、なお、そういうようなことが予想されます時期は、繭が増産によつて非常に余る時期でありまして、どこの製糸家に持つて行つても且つてくれないという場合吉がありますので、その救済策といたしましては、養蚕団体に共同経営をしてもらいまして、それに対して政府は低利資金を融通するとか、あるいはこの繭はいつまで持つておつても困るものだから、これを適当なときに委託製糸いたしまして、これを糸として政府が最低価格で買い上げるというような処置をとるような線で研究しておりますが、なおもう少し練らなけれ、はならない点がありますので、慎重研究いたしました上で改正して御審議願いたい、こう思つております。
○羽田委員 ただいま承つておりますと、先ほどまでは大体輸出振興ということを重点とした臨時的な法でおつくりになるお考えのようでございましたか、ただいまのお話だと、大体従来の繭糸価格安定法の中にそれを入れて、いわゆる恒久法にするというようなねらいであるように考えますが、この点を農林大臣にちよつとお尋ねしておきます。 〔小峯主査代理退席、主査着席〕
○保利国務大臣 生糸輸出の状況から、何とか輸出に重点を置いた臨時措置を講じなければ、蚕糸業の前途――現在はよろしゆうございますけれども、将来は非常に心配されるじやないか、とにかく臨時措置でよろしいから、何らか輸出増進の方途を見出したいということで、研究を願つておるわけでございますが、あるいは方法といたしましてはとにかくわが国の貿易産業で非常に重要な地位を占めるものでございますからそこで将来とも恒久的に基本的な方策が案出されれはこれに越したことはないわけでございますが、実は事務当局で研究願つておりまして、まだ私のところまで参つておりません。
○羽田委員 輸出を振興するということは、何といつても養蚕業が永遠の農家の産業として絶対必要であると私も思います。その意味において強力に輸出振興の施策を農林省において立てていた、だき、また実行に移していただくことが今回の原糸県税や公社案などの問題が起る根本でございますから、そういうことについてはぜひとも強力に御推進をいただくとともに、単なる臨時的な輸出振興ということではなく、恒久的に輸出振興が必要である、こう思うのでありますから、やはり恒久法として御提出をいただくように、つまり現在の繭糸価格安定法の改正法案という形で必要な事項を織り込んでいただくということが里ましいと存ずるのであります。ただいま蚕糸局長からのお話によりますと、結局繭が非常に安くなつた場合においては、養蚕組合に対して低利資金融資をいたしまして貯蔵をさせ、さらに貯蔵した繭を委託製糸にして糸として持つておくというようなお考えのように承つたのでありますが、生繭または乾燥繭にしても、繭の腰なかなか保管ということはむずかしい問題でありますし、なおまた低利資金を借りましても、やはり利子というものがつくのでありますから、従いましてこういう点については、よほど農家の立場をよくお考えの上で、法案をお出しいただきたいということを切望いたしておく次第であります。 とにかくそういうふうにいたしまして、今までの糸については、つまり製糸家に対しては、政府では援助するのだが、われわれ農家について何の最低価格を保障する施策もらつとも立ててくれない、この糸価安定法というのは製糸家安定法というものであつで、われわれ養蚕農家の安定法じやないという不平不満が農、村に非常に強かつたのであります。しかるに今回この繭価についても安定の施策をおとりになるということは、非常に長家の福音であろうと思うのでありまして、やはり強力にかつ自信を持つて農家のために推進していただきたいということを要望いたしておく次第であります。 次に私は爾の今回の法案の要綱に従いますと、原料繭については製糸業界と養蚕農家団体との間に、価格、数量、並びに地盤等につきまして体協約を結ばせるようにして行こうというふうに要綱には示されておるのでありますが、これをあまり重要に実行するということになつてしまいますと、明治初年以来日本の製糸家と慶応農家との間に生存しておるところの、そうしてまた実質的には製糸業のためにもまた養蚕業のためにも、力を尽して来た全国二万近くの繭の仲買い業者と申しますか、そういうものの失業問題というものが生ずるおそれがあると存ずるのでありますが、これらに対しましてのお考え方を蚕糸局長に承つて、これらの二万の諸君に対してどういうようなあたたかい施策をなさるか、しかも製糸家と養蚕家との間の直結といいますか、地盤の協定、価格、数量というような団体協定というものを維持しながら、しかもこれらの二万の業者をいかにして生かして行くかということはずいぶん矛盾したむずかしい問題でありますが、これについてのお考え方を承つておきたいと思います。
○寺内政府委員 ただいま考えております施策の一つといたしまして、糸価が最高価格を突破いたしまして、しかも政府が生糸の手持ちがない場合の臨時処置といたしまして体協定を結ばせるという処置を考えておるのでございますが、その際に繭売買業者の立場について御心配のようであります。これにつきましては、われわれもまことに重要な問題であると思いまして、慎重に研究いたしておるのであり、ますが、ただいまのところは一応繭売買業者も団体をつくつていただきまして、これを繭需要者の立場においては製糸業者同等の立場に立つというふうに考えますもので、製糸業者の団体、繭仲買いの団体というものと養蚕団体とが、繭価協定なり販売協定をするというような線に持つ行きたいと考えております。これは非常に困難な問題でございますので、ただいま慎重に関係業者の意見を徴しまして研究いたしておる次第でございます。
○羽田委員 仲買人の取扱いの今のお話、大体の方向はわかりますが、繭の質的な面で、つまり上繭とか、玉繭とか、あるいはくず繭というような繭の種類によつて扱わせるのか、全部にわたつて仲買人にやらせるのかどうか、そういつた点をさらに承つておきたいと存じます。
○寺内政府委員 ただいまそういうこまかい点につきまして、最後的結論には達しておりませんけれども、繭仲買いは業者の取扱いは玉繭あるいはくず繭に限るというようなことは考えておりませんので、やはり上繭もある程度取扱わせることを認めざるを得ないと考えております。
○羽田委員 仲買人の失業問題というこことは、すこぶる軍人な問題でありますから、むずかしい中に、ひとつあたたかい施策を樹立されんことを希望いたします。ただいま二つの点について承つたのでありますが、この法律はいつころお出しになるようになるのか、その時期を承つておきたいと思います。
○寺内政府委員 先ほども申し上げました通り、こういう重要な問題は法律をつくりましても、それを施行するときに関係者の協力がなければいけませんので、十分今関係者と相談中でございまして、遺憾ながらまだ完全に意見がまとまつたというところまで行つておりませんが、また二方先ほど大臣からも申し上げました通り、輸出振興の立場上、こういう措置を少くとも六月以降とらなければなりませんので急いでいる次第でございます。まだはつきり時期は申し上げられませんが、あと一週間なり十日くらいはかかると思つております。
○羽田委員 御趣旨はよくわかりますが、どうかひとつすみやかに関係各方面と連絡をとられまして、すみやかに法案として国会に御提出になりまして、たなざらしなんかされないように、ぜひこの国会に成立いたすようにいたしていただきたいということを要望いたす次第であります。 なおこの予算の各日明細書によりますと海外生糸市場調査宣伝委託費という二十九年度に初めて新規のものが認められているようでございまして、これに五千万円という金がここに計上されておりますが、どういうところにどういうような方法でやられるのか、これの内容をひとつ承つておきたいと思います。
○寺内政府委員 五千万円の宣伝費関係につきましては、昨年は当初二千万円でありましたが、五%節約いたしまして予算書では千九百万円に載つていると思うのです。これは日本の業者がインターナヨナル・シルク・アソシエーシヨンに出します宣伝費の補助金として出したのでありますが、今回の五千万円は、名称はかわつておりまして委託費となつております。ことにその内容のこまかい点につきましては、なお大蔵省と十分折衝する余地がありますので、最後的決定に至つておりません。われわれの今のところの考え方といたしましては、そのうち約一千万円程度は、海外で生糸の市場を調査する事務所をつくる経費に使われ、あと四千万円のうちの、三百万円程度は海外のそういう市場調査費に使い、残りの三千五、六百万円を宣伝費関係に使つて行きたい、こう考えておりますが、これは今回委託費にかわつております。そういう調査をする団体をどこにするかというと、一応中央蚕糸協会あたりを使つたらよかろうとわれわれ考えております。この点につきましては、なお大蔵省と折衝中でありますから、こまかくはきまつておりませんが、われわれが考えておりますのは以上のような次第であります。
○羽田委員 ただいま承つておりますと、五千万円のうちの約一千万円を、市長調査の事務所を海外に設置するために使い、それには大体中央蚕糸協会あたりに委託してやらせようというお話で、ございましたが、場所は一体どこにお設けになるお考えでございますか。もちろん中央蚕糸協会が委託されても、一千万日だけでは経営ができないから、蚕糸協会自身としての金も出さなければならぬと思いますが、そういうような点について大体の考え方を承つておきたいと思います。
○寺内政府委員 ただいまの説明が不十分で申訳なかつた次第でありますが、その事務所は、ただいまのところはニユーヨークに一箇所設けまして、その委託費は約半額でありますから、これに相当する分は業界から捻出してもらおうと考えております。そういうような点について委託する団体とももう少し打合せをいたしたいと想つております。
○羽田委員 生糸の行き詰まりといいますか、内地に七割も消費されるというような不健全な状態が、今回の原糸保税の問題や、また今回の法律が出される一番の原因をなす点でございまして、どうしても生糸を海外に輸出する、その振興策をつくらなければ、ほんとうに日本の養蚕は意味をなさない。結局もし内地だけにやるということになればぜいたくな絹の着物をつくり、を盛んにすることになる、それは日本が耐乏生活に耐えて復興するということのじやまこそなれ、何の意味もなさないのでありまして、どうしても海外の輸出振興という点に重点を置かなければならぬということは、もう言うまでもないと思うのであります。その意味において、最近これのリンク制の問題もありますし、あるいは三角貿易の問題もありまして、ずいぶん蚕糸界は多事多難でございます。そういうような意味からも、こうした海外の市場を調査する事務所をつくることは、非常に適切なることであると考えております。ことに従来の絹糸が、主としてアメリカに参ると、婦人のくつ下に使われておつたものが、最近は織物の方に重点が行き、大部分が織物の原料として使われるような状態になつておることは言う、までもないのであります。そういう意味で、どういう織物をつくるか、つまりフアツシヨンというか、織物の流行というか、これをつかむことが一番重要な点ではないかと思うのでありまして、そう、いう意味においては、こういう事務所に働いて海外の需要を喚起する、あるいは宣伝をするというような面には、単なるお役人とか、従来の普通の生糸方面の人でなく、外国のフアツシヨンというか流行というか、そういうものを相当キヤツチするところの感覚と弾力のある、頭のある人間をそういう事務所に使わなかつたならば、結局おざなりの事務所になつてしまつて、これだけの金をかける意味が薄らいで参ると思うのです。そういう意味ではこういうところに使う人の問題というものは、よほど重大であると思います。流行を追つかけまわすアメリカの婦人連の心理というものをよくつかみ、あるい、はむしろ流行をつくり出して行くくらいの幅と深さのある人を雇わなけれ。はならないと思うのでありまして、この予算実施にあたりましては、中央蚕糸協会と十二分に御協議をしていただきまして、適材をお選びいただくようにと切望をいたしておきます。 次には、農業改良普及事業について、これは大臣のお考えを承つておきたいと思うのであります。御承知のように農業改良普及事業のうちでも、今一番力が入ら、なければならないのは、一番日本で遅れておるものは、日本の農家の婦人生活の向上というものではないかと思うのであります。ちようど昭和二十三年の十一月に、少数の生活改良普及員というものを全国に配置をいたすことになりまして、最初の予定ですと、今日は五箇年計画で、二千百六十人ぐらいになつておるはずであつたのでありますが、昭和二十八年度及び二十九年度の予算においても、人員をふやすということができない建前になつておりましたために、いまだ五箇年計画の二千百六十人に対しては、ちようど半分ぐらいの千二十二人でストツプしておるような状態でございます。全国の六百万農家に対して、千二十二人ということでは、一人の普及員の婦人の方が六千戸も担当しなければならぬというわけでありますから、これは非常にからだの上にも過重で、重労働であります。ことに御婦人のからだではどうしても適否市になる。しかも御婦人は非常に熱心であり、責任感が強いのでありますから、つい無理をして結核になるというような方も現われて参るのでございます。わずか一千二十二人の人たちが実際日本の農家の生活の改良のためには非常な働きをしておることを、農林大臣に特に気をつけていただきたいと思うのでございます。しかもこれが非常に働きをなしますため一に、農家の婦人の方々は、これらの婦人の改良員の方々に対して、もつとうんと尊してもらつてわれわれの手引いて、生活の向上に当つてもらいたいという非常に熱心な農民の声のあることも、農林大臣に強く頭に入れておいていただきたいのであります。現在これらの人たちがどういうようなことをしておるかと申しますと、衣食住全体についての農家指導をしておるのであります。が、その中でまず住の問題と申しますか、改良かまどを普及することに非常に努力しております。農家向きの改良かまどを普及する、それによつてたき木のむだを排除するということに力をいたしております。従来の農家の原始的なかまどであつては、たき木が年間一億石も必要でございます。こんなことでは、たき本だけでも三十年もすれば日本の山はまる坊主になつてしまうというようなことでありまして、森林資源の少い日本としては、すこぶる重要なる問題でございます。ところが改良かまどにいたしますと、年間約七千三百万石くらいで済むのでありまして、それでも二千七百万石ものむだが排除でき、しかも将来ふろ場まで手を入れますと、もつとずつと冗費の節減ができると思うのであります。そういうようにいたしまして、かまどの問題はちよつとふしぎなようにも考えますが、日本全体の問題にも関係があるのであります。ことに国策の重要問題になつています治山治水の上においても、こういうふうにして改良かまどが普及されることは、非常に貢献をすることは言うをまたないのであります。ところが現在一千二十二人というよ、なわずかな普及員でありますから、農家がかまどを築きたくてもなかなかこれらの普及がまわつて来ない。まずそのかまどの築き方もわからないし、購入をしたくてもその方法について相談もできない。よく農林省推薦というようないろいろなインチキものが出まわつておりますが、こういうものについて、付が一番いいのかということを、これらの普及員の方々が教えてやることも必要でございます。またそのかまどを築いたならば、正しく使う方法も教える必要がありまして、こういう治山治水の面あるいは冗費節約の面から、改良かまど事業というものがいかに重要であるか、そのためには農業改良普及員がいかに必要であるかということを、まず認識をしていただきたいと思うのであります。もちろん農林大臣は自分の御所管でありますからよく御承知でありまして、申し上げるまでもないことでありますが、特に農林省の幹部の方方に毛頭に入れて、来年度から特に御婦人の問題に力を入れていただきたいと思うから申すのであります。 それから食の問題にいたしましても、先ほど小林委員から粉食の問題についてお話がありましたが、去年はなるほど冷害あるいは病虫害の関係から、米がとれなかつたということのために、やむを得ずというとおかしいのでありますが、自然的な要求から粉食というものが、冷害地においては一日三度のうち一回だけは実施されておるような実情でございますけれども、しかし今後米がとれると、また米に移つて行くおそれもあるのであります。どうしてもやはり積極的に粉食を奨励するということは、今後の日本の食糧政策の上に絶対的な問題でございます。もし三日に一回粉食をするようにし、それに油を一日に一句くらい使うというようなふうにして、農村生活の栄養の充実をはかり、しかも粉食の奨励を恒久的にするということになりますと、六百万農家が全部実行いたしますと、年に七百二十万石の米が節約になりまして、輸入米がいらなくなつて来るという結果にもなるのでありまして、この重要なる粉食の問題についても、このたおやめの一千二十二人の御婦人の普及員の方々がどんなに力を入れて農家をかけまわつておるかということも、この際強く頭に置いていただきたいと思うのであります。 それから衣の問題であります。農家の婦人の済ます作業衣、これは最近は大分洋服まがいにもなつて参つておりますが、もし合理的な作業衣を使いますれば、布地も半分で済む。しかもそこに化繊というようなものを加味することになりますと、木綿の節約ということになり、従つて外貨の節約の上に非常な貢献をいたすのでございます。また住の問題についても北海道あたりの普及員は、もうすでに農家の家の建て方について、暖をとるために燃料を節約する建て方について指導するまでに進んでおるようであります。とにかくこうして衣食住の問題について、こうしたわずかに一千二十二人の御婦人の普及員の人たちが、真剣に農家の婦人とともに手を携えて、日本の農家の改良に力を入れておるというこの厳粛なる事実を、われわれは頭に深く入れてく必要があり、これらの方々の奮闘によつて治山治水の国策き行の一助にもなるということも、頭に入れておく必要があると思うのであります。ところが従来の補助金は、これは大蔵省に尋ねをして大蔵省に反省して、もらうべきことでありますが、とにかく大蔵省の査定が、従来はこれらの普及員に対しては三分の二の人件費の補助であつたのでありますが、画の予算においては二分の一となり、そしてあとは六分の一を交付税によつて補うというふうになつております。しかし交付税はひもつきではございませんから、はたしてこれが県の段階に参りまして、交付税がこの普及員の人件費として流されるかどうかという点については、私ども和一当疑問があるのでありまして、われわれもそういう点については努力はいたしますが、特に農林大臣、また農林当局におかれましても、各府県に督励をいたしまして、この交付金がほんとうにその通りに普及員の人件費に流れるように、御指導と御鞭とをいただきたいと思うのでございます。これは、二十年度の予算の問題になりまが、農林大臣並びに農局といたしましては、ぜひとも以上申し上げましたことを頭に入れておいていただきまして、来年はこの御婦人の普及員のためにうんと予算をとつて、五箇年計画で予定した人員をできるだけすみやかに充足をいたしまして、農家の婦人の相談相手として、農家経済の確立と住みよい農村の建設のために努力をさ迂るように、特に予算のことに御配慮をいただきたい。また私どもといたしましても、そのことに力を入れて行きたいと存じておるのでございます。私は自由党農でありますから私はあえてそうは申しませんが、万一二十九年度予算が、各党の予算の折衝によりまして、幾らかでも予算の修正が行われるというようなことがあれば――私は自由党でありますから、今はそうは思つておりません。絶対に原案でやつて行かなければならない、一兆の予算でやつて行きたいというように考えておりますが、もし万一この予算を通すための手段として、幾らか妥協するというようなことが起つた場合においては、この普及員の予算をぜひともこの二十九年度においてもふやす、たとえ一億でも五億でもふやすように考慮を払うことが必要であると私は思うのでございます。今まではとか馬力の強い、何といいますか集団的な陳情運動をしますと、予算がよけい獲得できるという傾きがありますでありますが、御婦人の方でありますから、あまり心臓が強い、あの人は女のくせに何だと言われて、結局引込んでしまうのでありますから、やはりこいう声なき声、日本の国民の五割五分を占めておる婦人のために、ひとつ男である大臣初め農林省官僚の各位は力を入れてもらいたいということを、特に私は要望をいたしておくのであります。この点につきまして、農林大臣の御所見を承りたいと存じます。
○保利国務大臣 生活改善普及員が、間接的にではありますけれども、あるいは治山治水に、あるいはわが国食糧問題に対して非常に大きな、国民経済的な使命を特つているというその御認識と御激励につきましては、私どもまことに感謝にたえないところでございます。本来からいえば生活改善普及員というものが必要でない農村でありますことが、まことに望ましいのでありますけれども、農村の現状を、もつてしますしれば、たとえばお話のように御飯をたくかまどからしてそういう指導が必要である、この現実を無視することはできないわけでございます。それがひいて燃料に及び、燃料が治由に及ぶという結果になります。その使命の重要な点については、農林省におきましても羽田さんとまつたく同様の考えを持ちまして、二十九年度予算にもその増員を要求いたして参りましたけれども、お話のような結果になつておりますことは、まことに遺憾に存じております。私もやはりお活のようにに物的なものだけでたく、かような生活改善運動を通じての農村婦人の向上と申しますか、自覚と申しますか、この効果は非常に大きいものだと思います。そういう点から、今後私どもとしてはさらにお言葉のようにひとつ尽力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○羽田委員 大臣の御認識に対して私は敬意を表するものであります。どうかひとつますますそういう方向に御推進をいただきたいと、一千二十二人の方々にかわつて私は切にお願いをいたす次第であります。最後にひとつ農林水産大臣並びに林野庁長官に承りたいのであります。これは地方的な問題になりますけれども、長野県は御承知のごとく国有林が三十三万町歩ございます。全国でも一県の持つ国有林としては非常に大きなものでありますが、なおそのほかに相当広い民有林、あるいは村有林、共有林というようなものもございます。これは田国でございますから当然でございますが、とにかくそういうたくさんの山を持つておるのでございます。ところが行政管理庁において、木曾にあります長野の営林局を名古屋に移して合併してしまつて、木曾のものはやめてしようというようなことが伝えられましたために、長野県をあげて大騒ぎであります。町村長も大騒ぎでありますし、また森林組合の諸君も大騒ぎでございまして、どうしてもこの長野の営林局は長野県に置きたいという非常な熱望を持つております。同時に木材の業者の諸君にいたしましても、もし名古屋にでも打つて行かれてしまつて、名古屋の商人と名古屋の営林局とが結託をいたしまして、長野県に少ししか払い下げないようになつたら、これこれめしの食い上げだというようなことで、利害関係も重なり、また町村といたしましては国有林の縁故払下げをいたして学校を建てたり、役場を建てたり、いろいろするためにも、長野県の実情をよく知つてくれるところの営林局か長野県下にあることが州といつても必要である。国有林が三十三万町歩もある長野県でありますから特にその感が深く、しかも営林局がありますと、民有林、あるいは村有林寺の経常につきましても、いろいろな御指導を受けられます。また学校林などにつきましても非常な御指導が願えるのでありまして、そういう意味でどうしても長野県下に置きたいということなのです。ところが現在ある木曾の福島は、御承知のように長野県の端にございますし、しかも木曾というのは赤常に狭い谷でございますから、営林局のいろいろな施設をしたり、建物を建てるといつても、今や全然余地もありません。そこでどうしてもどこか広いところに持つて行つて、局員の人たちもおちついて自分の子供を高等学校から大学へまで、その所で入れられるようにして、生活に安定を与えて行くということが、仕事の能率を上げる上にも需要であります。その意味において長野市にぜひ移したいということで、もう三年もに長野市から土地が何千坪か寄付されまして、長野市に営林局を厚くということの準備をしておるのでありますがどうしたものか今日までそのままになっております。右のような次策でありますから、この際長野に営林局を移してもらいたいということを、先般われわれ自民党の代議士も全員致いたし、また超党派的に社会党改進党の諸君も一致をいたしまして要望しておるところであります。その意味において、今回の行政整理の面からも、また新しい建物をつくるとかいうことについては、節約をしたければならぬ一兆予算中ではありますが、この際ぜひとも長野に移転してもらいたい。県としても建物その他については、長野市に協力する意思を持つておりますも営林局を、長野に移してもらいたい。同時にその反面において、あの木曾の福島は営林局の役所があるために、生活も安定いたしておるのでありますが、これがなくなつてしまうことは、あの福島の町にとつては非常に重大なことであります。ことに御承知の通り明治以来帝室林野局役所がありまして、木曾の御料林は日本一の御造林でありまして、森林問題の日本のメツカといいますか、大本山でございますから、あそこにはやはり試験研究機関を置いていただいて、林野経営その他についての試験研究を継続するような施設を置いていただきたいということが、われわれ長野県衆参全議員の強い要望であります。また県民の要望でございますので、林野庁長官のお考えを承れれば幸いだと存じます。
○柴田政府委員 営林局は御承知の通り国有林野特別会計事業を運営いたします役所でございますので、仕事が最も能率的に、集約的にできる場所を選ふことが、第一の条件になると思われるのでありますが、お説の通り現在の長野の営林局は、実は二十二年度に国有林野特別会計創設当時、非常に早々の間に機構を一応整えて出発するという関係上、従来御料の施用をいたしておりました木曾支局をそのまま利用するというような結果になりましたので、現在から考えますと、場所の関係係から非常に偏在いたしておるために、平常の現地との連絡あるいは指導、実行等に非常に大きな不便を感じております。なお林業行政上の管理面からいたしますと、何といたしましても地と中央との関連は絶対、不可欠な条件になると存じますので、この際私どもは適正な管轄区域を多少修正いたしまして、これを管理、経営いたすために最も適当な場所を選びたいということで、すでに具体的な数的検討を済ませまして、実は案を持つておる次第でございますが、諸種の事情によりまして今日まで遷延いたしておるというような事情に、ございまして、実は大分仕事の上では小便不自由を感じておりますので、諸種の事情が許しますならは、この際ぜひとも適正な配置がえをいたして場所の選定をいたしたい、かような考えでおることを御了承願いたい、かように考えております。
○羽田委員 適正な場所に配置がえをされるというお話を承つてまことにありがたく存じます。適正な場所として長野市かその場所ではないかと思いますが、これについて具体的にひとつお願いします。
○柴田政府委員 現在長野の御料林を主体といたしまして、全体を通じます適正規模を考えます場合に、玉野市が最も適当な場所になるのではないか、かように考えております。
○羽田委員 たいへん長い間時間をいただきましてありがとうございます。これで質問を終ります。
○西村主査 佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 少しこまかい問題でありますが、関係各方々にいろいろ承りたいと存じます。農林行政は御承知のように日本の運命をかけての重大な問題でございまして、非常に多岐多様にわたつておるし、同じ県におきましてもなかなか意見か一致しないので、いろいろむずかしい問題があろりかと存じますが、とりあえず問題になつておりますのは、何といいましても米の問題でございまして、私は愛知県でございますが、非常に米のたくさんとれるところでございます。そこで私は農林大臣にお願いしたいのでございますが、実は長林大田保利さん、広川さん、根本さんがしよつちう私どもの選挙区に来られまして――私どもの土地は御承知の通り、木曾川の下流にありまして非常に低湿地帯であります。そこで昨日資料をいただいたわけでございますが、灌漑排水をやらなけれ、ば米かできないところでございまして、私どもの農家一軒で三町五反耕しまして、供出を三百五十俵くらいしておる非常に大きな農家もあるわけでございます。ところが農林が来るたびに、私どもの方の問題になつております排水機の費用は全部国有にしてやる、してやるというようなことを出されて行かれるわけでございます。ところが今度の予算、きようの資料をいただいて見て参りますと、私どもの方に今灌漑用水の機関がありますけれども、私どもは民営でやつておりまして、非常に莫大な費用を費しておるわけでございます。こういうようなこと考えますと、現在米価が安いわけでございますから、少くとも供出制度がある限り、民営になつておるこの灌漑排水機の費用は国と同様にひとつ御援助を賜わりたい、こういうような要求が強くあるわけでございます。私どもの土地はおそらく日本にも何県もないと思いまして、農地局の方々は御存じだろうと思いますが、こういう問題についてひとつ農林省の一貫した方針を承りたいと思います。
○保利国務大臣 私はまだ現地をつぶさに拝見したことはございません。しかし農地局の人々並びに現地地元の方々のお話を伺つてみますと、ああいうところがつまり経済効果の最も高い地帯だと私は実は感ずるわけなのです。むろん大きい仕事ではございますけれども、何とか早く手をつける方途はないか度の予算がこういうことになつているものでございますから、新規に手をつけるということは困難であろうと思いますが、こういう予算が毎年続くわけでもなかろうと思いますし、できるだけひとつああいう経済効果の高いところを、本来いいますとこの予算ででもやるべきであろうと思いますけれども、なお十分部内で調整をいたしまして、善処できるようであれば善処いたします。来年慶予算をもつてできないといことになれは、できるだけ早い機会に着手をするようにいたしたいものだ、こう考えております。
○佐藤(觀)委員 早場米の奨励金があるわけで、私らは農に常に責められるわけでございます。早場米の奨励金を出すならば、ぼくらのような反別で灌漑用水の費用をたくさん使う農家には、当然援助してもらつてもしかるべきではないかというような強い要求もあるわけであります。この点につきましては、私どももいろいろりくつをつけて言いのがれして来ましたけれども、たびたび農林大臣が見えて、すぐやつてやると言われるもの、だからもう引つ込みがつかなくなつておる。そういうことも御勘案願いまして、これはおそらく農林省の方も御存じだと思いますが、ぜひひとつ公平にやつていただきたいということをお願いするわけであります。それから干拓事業の問題でございますか、私の方にも、これは愛知川で一つよりございませんが、すでに十年かかつております。これは鍋田村の干拓でございますが、私は昨年オランダに行きましたが、オランダの干拓事業は百年計画でございまして、盆年どんな政変がありましても、どんな農林大臣がかわりましても、年々必ず干拓の面積がきまつておるわけです。そこで私どもの方の干拓はわずか六百町歩くらいでありまして、もうすでに十年たちましてもこれはできておりません。ところが昨年十三号の台風が来まして、せつかく国家から補助金をもらいましても、だらだら長くなりましたのできに堤防が切れてしまいまして、そのために千七百万円くらいの損害を受けておるわけでございます。本年度は予算が削られておりますのでどういうようになつておるかしりませんが、少くとも既定方針で進んでおるこういうような干拓事業は早くやらないと効果がなくなる、こういうようなことを考えておりますが、どういうようなお考えでありますか。こういう問題も早くお片つけを願わないと、今年も風が吹けばまた損害があるということになりまして、非常に損害があると思いますから、この点につきまして係官の方でけつこうでございますから、御答弁を願いたい。
○平川政府委員 御指摘の通り、予算の関係で事業が非常に長引いておるということはその通りでございまして、ことに干拓関係については、一定の最小限度の期間に完成をして、災害をこうむらない状態にまで早く完成するということが必要であることは非常に強く感じておるわけでございます。本年の大蔵省の査定の方針も実はそういうところに着眼をしてはおるわけなのですが、ただ予算に制約をされ、ますから、早く仕事を完成するというためには予算の額をふやすか、あるいは事業の場所を制限するか、そのいずれかになるわけです。大蔵省の方では予算のわくがあるので、できるだけ新しいものに着手しないようにしよう、そうして従来やりかけているものを早くお話のような危険のない状態まで、あるいは完成まで早く持込むということに集中的に予算を使いたい、こういう方針をとつておられるようであります。私どもも大きな方針としてはそれに賛成をいたし、予算の配分につきましても、ことに干拓等については、一定の危険のない状態までは、できるだけ早く持つて行く、こういう方針で予算の分配等もいたしたい。一方全体のわくもございますから、新しいものは極力これを押えて行くということにいたしたいと考えております。
○佐藤(觀)委員 農林関係の仕事は非常にじみでございますので、ややもすると、大蔵省の官僚あたりからいろいろ予算を削られるのですが、幸いにして今度は割方がんばられた方でございます。とにかくこれは通産省のような貿易関係と違いまして、じみな仕事話で、なかなか効果がないように見えるけれども、もしこれをうまくやれば、日本の食糧関係の問題について、年々莫大な食糧を輸入している外貨の点でも非常に助かると思います。野田課長さんからいろいろ事情を聞きまして、幾分か安心したのでございますが、とにかく出先なんかで非常に困つておられるようでありますから、そういう点も、ぜひひとつ重点的に推進していただきたいと思います。 それから本日も小林委員から食糧事務所の問題あるいは作報の問題につきまして、いろいろお尋ねがございましたが、こういうような目に見えない末端の仕事を公平にやつておりまして、これがために地元の農家たちも非常に喜んでおります。今度半分に削るとかなんとかいうことで、非常に不安な状態が出ましたが、今度の予算を見ますと、幸いにしてある程度まで緩和されたようでございます。将来食糧事務所あるいは作報なんかを打切るということになりますと、これは比較的一般の関心が多いので、いつも問題になるのであります。もし供出制度をやめれば別でありますけれども、おそらく現在のような事情のもとにおきましては、供出制度はやめられない。食糧事務所や作報事務所は増加しても減らすことのできない仕事だと思つておりますか、こういう点について農林大臣はどんなお考えを持つておられますか、御所信を承りたい。
○保利国務大臣 私は率直に申しまして、作報事務所は非常に大きい仕事をやつてくれておると思うのであります。ところか実際世評で非難をこうむりがちなのは、たとえば昨年の米が五千四百万石というような一応の集計になつて来ておる。これがその面からだけ見ますと、いかにも作報はたよりないじゃないか、ないしは農林省が政治的な統計をつくつているというかのごとき非難を受けておりますことも事実でございます。しからば供出割当の際に各県知事が責任を持つて出します数はどうかといえば、昨年にして四千万石に満たない。五千四百万石の数をキヤツチしてくれておるものは作報であるわけであります。これはもう各県地元地元におきましても、相当の抵抗を受けておる。しかしこれは統計事務に携わつている者として、その職務を実に忠実に果している証拠だと私は思つているわけでございます。そうであるにもかかわらず、公務員の数を整理するために、食料事務所と作報事務所を一緒にしたらいいじゃないかというような考えも、一部にあつたことも事実でございますが、今日はむろんなかろうと思います。私は農林施策を推進して参ります上に、農業の実態、農作物の実態を正確に把握する、そしてその資料の上に立つて施策を講じて行かなければ、正しい農政は行われないという考えを持つ。これはひとり農林行政のみならず、すべての行政はそうであるへきたと思うのでございます。そういう上から行きましても、食糧事務所と作報事務所をかりに一緒にするということになれば――今日農林省がその農林統計をとつて作報統計をとつておるから、本来のものよりも自分たちの都合のいい数字をでつち上げるのだ、こういう非難を受けるわけであります。今食料事務所は食糧庁の下部機関になり、片方は統計調査部の出先になつておるわけです。同じ農林省ではありましても、その部署は違うわけでございます。これがもし一緒になつて、今度買う方と調べる方と出先が一緒だということになれば、私は率直に申し上げて、人員整理というか行政整理だけの目的で、機構的には実に改悪だと思う。そういうことは断じてなすべきものではない。むしろ農林統計でもあるいは人口統計にしましても、すべての各種の統計を実施官庁に何ら左右せられない形にその機構を強化して一つに集めるということであれば、これは私は意義があり、けっこうなことだろうと思いますが、この第一線の実施事務に携わる食糧事務所と純粋の調査統計の資料を集める統計事務所とを一緒にするということは、これは制度的にやるべきものではない、こういうふうに私は考えております。
○佐藤(觀)委員 農林大臣のその力強い政治的信念を曲げないようにひとつお願いいたします。 それからこれは大蔵委員会でも聞いたのでありますが、例の外米の輸入の問題でございます。私ちよつとアメリカに行つて来ましたときにも、外米の買上げについて現地にいろいろ非難がありました。これは先日農林大臣からちよつと聞きましたが、外米を買うのに昔はりつぱな商人がおつたのでございますが、非常に商人に不正なのがあつて、運賃などを考えて、ただ米の量があればいい、目方があればいいというので、同じ値段でもなるべく返送費の安い米を買つて内地に送るということを現地で聞いて参りました。たとえばシツピーのタコマの米なんか非常にうまいそうであります。そういうことについて現在どういう制度でやつておるか知りませんが、入札制度その他の問題については、やはりこれは国民の食糧問題と重要な関係があると思いますので、これはぜひとももう少し整理をして、国民が納得して外米を喜んで食べるような形になるまで監督される必要があるのではないかと考えておりますか、農林大臣はどんなお考えを持つておりますか、お尋ねいたします。
○保利国務大臣 数年前まで非常に多くの輸入商と申しますか、輸入機関を使っておりましたために、お話のような弊害がかなり露骨に出ておつた。それを現状のごとく一応整理して、もう両三年になつております。しかし最近また国会でも黄変米の問題とかいろいろ御論議もいただいておりますので、食料庁に命じましてもう一ぺん再検討してみたらどうかということで、ただいま検討をしておると思いますが、やり直す必要があることはもう躊躇なしにやるという考えでおります。結論は出ております。
○佐藤(觀)委員 日本の農業につきましては、林業にいたしましても食糧にいたしましても、やはり計画的なことをやらなければ、われわれは農林行政の将来が非常に心配でならないのであります。スウエーデンに参りますと、林業五十年計画というのがありまして、毎年科学的にこれを検討いたしまして、実に的確に森林の処理をしておるわけであります。そういう点について、将来これは国土総合開発の問題もありますが、土地改良問題、その他林業の計画、そういうようなことについてやはり計画性をもつてやらなければ、私は日本の農業経営は困難になる、こういうような考えを持つておるわけでございます。そういう点について農林大臣はどんなお考えを持つておられますか、もう一ぺんお聞きしたいと思います。
○保利国務大臣 佐藤さんのお話の通り、農林行政を対象とするところは、ことしやつたからこうというようにはなかなか行かない。かなり年月を要する、根気強くかからなければならぬ仕事でございます。私どもも現地を存じませんけれども、スカンジナヴイアの山林経営のごとき、まことにどうもうらやましい限りだと話を聞いてそう思うわけでございます。私どもとしましてもこの狭隘な国土、しかもその大部分というものが山林適地の地積でございますから、これを計画的に経営をいたして参るようにということにつきましては、まつたく同感でございます。そういう上で林野庁も森林計画を立てて、きわめてテンポはおそいわけでございますけれども、一貫した方針のもとに山林経営の合理化をはかろうとして、ただいま進行いたしておるわけでございます。国情が許せばこれは急テンポにやらなければならぬ大仕事だと思うわけでございますけれども、今日の事情からいたしますれは、少い経費をもつてこれをやらなければならぬというような実情にあることを御了承いただきたいと思うわけでございます。
○佐藤(觀)委員 最後にもう一点お尋ねしたいのですが、実は食糧増産ということは日本の一番重大な問題であると思います。ところが今度の予算で増産の費用を削るということで、大蔵大臣らもいろいろのあれがありまして、せつかく芽が出て来たところの食糧の増産費が大分削られたと思いますが、そういう点について農林大臣は、この予算ではたして所期の目的通り食糧増産ができるかどうか、最後に一点お尋ねして私の質問を終ります。
○保利国務大臣 これは率直に申しまして、来年度私ども農林省でやりたい御承知のように五箇年計画のもとに食糧増産対策事業を推進して参りたいという計画に照しますると、まことに不満足でございます。いわゆる食料対策事業、土地改良、開墾、干拓等によつて得らるべき一応の――むろんこれは紙上計画でございますけれども、これによる増産量というものは百十万石くらいの増産しか出て来ないということは、今日の食糧事情から申しまして、まことに不満足でございます。そこに私どもとしては非常な責任を感じておるわけでございますけれども、財政全体の調整から忍ばなければならないというところに置かれておるわけでございまして、何とかごとしこれだけの予算を使つて、実効を高く上げ得る地点に、できるだけこれも非常に困難でございますけれども、そういう考えを持つてこの予算を使つて、予期以上の成績を納めるように執行して行きたいということで、ただいま検討いたしておるところでございます。
○西村主査 小峯柳多君。
○小峯委員 少しりくつつぽいお話になりますが、私は農林行政と為替相場、外貨の割当の関係のお話をひとつ聞いてみたいと思います。どなたということなしにどうかお詳しい方からお答えいただきたいと思うのですが、私は議論をふつかけるつもりではありません。お気づきになつておると思いますが、これは非常に重大な問題だと思いますので、ひとつ総括的にこの問題に関する質問を四つ五つしてみたいと思います。 私は予算総会のときにも、為林相場か御承知の通り、マル公でフイツクスされていることから来るいろいろな問題があるということを指摘しておいたつもりでござい手。これはなかなかむずかしい問題なのでございます。よく国際経済の中に日本経済の位置を正常に保つたとか、国際経済の波長と日本経済の波長を合せるというように通産大臣は言つていると思いますが、私は農林行政の中にもこの品題があると思うのであります。そこでこの為替の問題をそういう重大な意味に認識していただいて、ことに外貨の割当において適正を欠くならは、農林行政の中において非常にいろいろな問題が起る、こういうふうに考えますので、そういう前提に立ちまして、外貨の割当の問題を少し伺つてみたいと思います。 二十九年度の外貨の割当の問題をそろそろお話合いになつていると思います。それそれのお立場があります。から各省の意見もなかなかまとまらぬようであります。予算を緊縮するのだからこの外貨に関しても非常に締めた割当をしなければならぬというようなことを、一通りの意見としてよく言う人がありますが、逆にこれを締めそこないますと、かえつて物価高を招来して、緊縮予算でねらつているものと逆行するような面も出て来るのでありますが、あなたの御関係の行政の中で、二十九年度の外貨予算に関しましてどういう御構想をお持ちになつておりますか、まずその大綱的なお考えから伺つておきたいと思います。
○保利国務大臣 予算委員会で小峯さんからお話を伺つて、私は非常に教えられるところがあつたわけでございます。それでまあはなはだ浅学で、かような問題にどうも経験を持たないで、私としても苦慮いたしておつたわけでありますが、先般の閣僚審議会におきましても、御意見のような趣意で扱うことが、ある品目等について、できないものであるかどうか、ガツトの関係等からいつて、支障かないかどうかというような問題を提起いたしておいたわけでございます。御承知のように、これは小峯さんの方からお教えを受ける問題でございますが、私はこの緊縮予算と同じ時期に同じ足取りで外貨予算を引締めるということは、今お話のように、かなり国民生活に脅威を来たすような物価高を招来するのではないか。何が一体物価高にするのか、それはやはり国民の消費力というか、購買力が旺盛である、その旺盛な購買力を眼前に置いて輸入物資を極端に切り詰めるということになれは、どうでもこれは政府のねらつている物価引下げとは逆の現象を招来するのではないか、私は少くも上期予算はそういう急激な処置をとるべきではないという考えを持つて部内にも発言をいたしているような状態であります。お答えになりますかどうか……。
○小峯委員 非常にむずかしい抽象的な尋ね方をしたからお困りだつたと思いますが、大臣でなくても官房長かだれか詳しく御承知の方から御答弁願います。三十九年度の外貨予算の中で農林省関係――主として食糧品でありますが、それに関する外貨の割当をどう考えておられるか、絶対額のことをとやかく言いませんが、たとえば減らすもの、ふやすもの、いろいろありましようか、一応農林当局の原案としての構想を承つておきたいと思います。
○渡部政府委員 まだ部内でよく相談ができておりませんが、御承知のように大宗は米麦であります。これは粉食とかいろいろなことで節約できることは努力しますけれども、弾力性がないわけでありますから、国民の主食確保の上から、緊縮外貨予算と申しましても、これは必要の最小限度は確保いたします。あとは大きい品目といたしましては砂糖、油脂原料等であります。油脂原料等は国内の増産が相当確保できておりますが、来年度の生産の見通しで、これも主査に次ぐものとして確保したい。砂世ついてはいろいろの見解がありまして、一番強硬な意見としては、行政部内ではありますが、たとえば大蔵省等は一極のぜいたく品視しまして、いきなり二割なら一側を節約しろという意見であります。が現在ほかのあめとか化学甘料との関係もふりまして、戦争前の最高一人当り十五キログラムぐらい使つておつたのが、現存のところ二十八年度百十万トン輸入したとしまして十二キログラムぐらいになつております。それをさらに八十万トンなり九十万トンに減らせるのではないか、こういうふうな意見が出ております。こういうものにつきましては、先ほど大臣からお話がありましたように、方向としましては外貨、節約の方向に持つて行くべきであると思いますが、その限度をどういうふうにするか、統制時代のようにあるいは切符制等が考えられるといたしますれば相当圧縮ができる、しかし現在の情勢からいつて、そこまで行けないというとになれば、徐々に締めて行つて、緊縮予算あるいは一般金融の引締め等の効果が出て来まして、国民一般に耐乏生活の観念が相当浸透しなければ、負に外貨を締めれば思惑高になる。現に第四・四半期の関係で申し上げますと、二十万トンの予定が相当急な緊縮という議論があります。それと買付先あるいはリンク等の関係でアナウンスが遅れまして、そういう関係もあつて現在非常に高くなつております。この上つたものを将来二十八年度と同等までの輸入を約束できない以上一挙に下げることは、なかなかむずかしい状態になつております。そういう関係もありますので、第四・四半期のアナウンスの残りのものを早くする、それから政府手持ちの三万トンのてん砂糖も早く出す、そういつたことをやつて現在上つているのをおちつけて、来年度の外貨といたしましては徐々に節約するものは節約したい、こういうような方針であります。その他の品目につきましても、大体今の砂糖の方針に準じてやつて行きたいと考えております。
○小峯委員 米麦の関係は御承知の通りの食糧管理をやつておりますから、今私の聞こうとする角度からはそれはど問題にならぬのであります。ところが今お話にありましたように、アナウンスが遅れたこと等だけの原因でも、砂糖などは暴騰しております。これは人事じやないので、あなた方の行政のかじのとり方でこういう事態が起るのですから、ここに新しい決意とくふうがなければならないと思うのであります。このことはあまりやかましくいわれていないようでありますが、これは決して小さい問題じやない。また派生する問題としましては、この外貨の割当いかんによりましては、特殊な業者に独占的な利益を保証いたします。そして結局はこれが一般の生活に非常に影響を及ぼすのでありますから、どの行政が失敗していいというわけじゃありませんか、特に非常に敏感に弾くこの問題に関しましては、どうも今までの食糧庁のやり方は少しゆるふんだと思う。食糧庁の長官は見えておりませんが、長官がおられれば、私はかつて長官と一緒に仕事をやつた仲でありますから、非難する意味でなしに、よほどこの点、しつかりやらぬと食糧庁というものはあつてなきがごときものだといわれても一いたし方ないと言いたい。総務部長がおられますからおいおい総務部長の方にほこ先を向けるつもりでありますが、今お話になりました油脂、砂糖の順序で少し伺つておきます。 油脂に関しましても、これはよい悪いよりも、あなた方の考えておる外貨の割当のやり方でいろいろの意味の影響が出て来ておると思うのであります。これは卑近な例でありますが、最近しようゆの値上げの問題が実はちらほら出ておることは御承知の通りであります。去年の暮れに名前の通つたメーカーは多少上げておるはずでありますが、近ごろまたその話が出ております。これは非常にじみな話のようでありますが、生活必需品の中でも非常に大切なものだと思いますので、私は実はこの問題を非常に興味を持つて考えております。値上げの理由というのは、しようゆに使う大豆かすが非常に高いということだそうであります。なぜ高いのだと聞きましたら、大豆かすが現在日本では独占価格になつておるのだというお話でございます。この点もおわかりになると思いますが、なぜ独占価格になつているのだというと、外貨の割当が、大豆に関しては製油業者に一手に集められている、そういたしますと、製油業者が一手に入れた大豆をこなしまして、それから出る大豆かすというものは一方的な他殺できまるような仕組みになつておるのであります。私は自由経済論者でありまして、価格は需給によつてきめるべきものだ、マーケツトの状態できめるべきものだと考えておりますが、今申し上げたようなことからいいますと、農林省のお役人のさじかげん一つで価格がきまるということになる。そうしますと行政というものか不当に価格の形成の中に入つて来るのでありまして、私はこんなことは許されてよいとは思いません。自由経済をとります限りは、買う方も売る方も非常に不均衡のないように条件を整えるところに行政の本質がある。そのさじかげんいかんで価格をきめるなんということは大それた話だと考えるわけでありますが、油脂原料というか大豆に関する割当、大豆かすに関する価格の問題について、あなた方何か御用意あるいはお考えでもありますか、この点を伺つておきます。
○渡部政府委員 実情はお話の通りたと思います。この原因と申しますと、御承知のように農林省はここ数年来食生活改善の一環として、国内産の油脂原料としての菜種の増産を大いにやつておるわけであります。もちろん大豆の増産についても、これは菜種ほど伸びておりませんが、非常に関心を持つておるわけであります。そこで、しようゆの原料につきましては、圏内権の大豆と大耳かす、輸入大豆のかすがあるわけであります。御承知のように昨年は、外貨予算の進行の途中、風水害、冷害等のない前は、菜種の非常なる大増産が期待され、また大豆につきましても相当の生産が期待されておつたわけであります。ところが業種は風水害で非常な相違を来し、大豆もまた非常な相違を来しておるわけであります。従いまして、当初十分の生産数量を見込んでおつたのに対しまして、増加輸入をどういうふうにすべきかというようなことで、この算定につきまして、これは行政上の不手ぎわと非難されるのはもつともだと思いますけれども、いろいろな見込みにつきまして議論が相当長引きまして、外貨輸入につきまして決定が遅れた、こういう関係がありましてお話のような実情ができて来ておるのであります。外貨予算の制度がなければ自動的に早く見込んで調節ができるのは、これまたお話の通りであります。従いまして当時大豆の輸入をAAに切りかえろという議論は相当強く出ております。しかしこれはAAにいたしますれば、一昨年の春の非常な超過輸入の打撃がまだ各社ともいえておらないのでありまして、これをそのまま取上げるわけにも行きませんので、やはり割当にして来たのであります。従いまして一方外貨の消費もふえて来ておるので、要求通りの豆の輸入も一ぺんにできませんで、次々々と三回に分けて、五万トン、五万トン、それからあとと、こういうように見ておるようなわけであります。
○小峯委員 そこで今大豆かすが独占価格になつているということを申し上げましたが、これは何よりも札場が証明しているので、アメリカのCIFで入れる相場よりも、こちらの方がはるかに高いわけでございます。しかも最近ずつと続けて高騰をたどつているようであります。そこで大豆かすそのものを、外貨の別当の中で多少とも入れさせることをどう考えておるか。実は私は二年、三年ほど前でありましたか、あなた方と一緒に安定本部におりましたときに、その大豆かすを入れることが、今私が申し上げた意味で独占価格を破るにいいのたということを考えまして、そういう御相談をし、それを実行してもらつたことを記憶します。ところが大豆かすの割当をとめておるそうであります。これは豆を入れて、豆から出る大豆かすで需給の均衡はとれるとお考えになつておるのでありましようか、自由経済におきましては価格が何よりの証拠です。あなた方が需給のバランスがとれておるとおつしやつても、最近のように高騰の一途をたどつておりますと、それがすぐにしようゆの値上げにもなります。これはあなた方のかじのとり方一つで、何も知らない奥さん方、主婦の方々が難儀をするのです。そういう意味もありますので、むしろある程度の大豆かすは外貨を割当てて、製油業者がともすれば陥りそうになつている独占価格に対する牽制が必要だ、私はこう考えろのでありますが、いかがでございますか。
○渡部政府委員 先ほどお話いたしましたように、追加輸入の許可はいたしましたけれども、現物は時期が若干遅れておるわけであります。これはそういうふうな自由経済のときでも、出来秋からの一定の時期がありますので、遅れるのは当然でありますが、菜種の不作、大豆の不作からやはり相場が怖くなつておるのです。現在のところは追加輸入をいたしまして、それによつて需給推算をとれば、数時的にはがすを直接入れる必要はない、こういうふうになつております。しかしお話のように為替は締めておつても、あとは自由にしておくわけでありますから、その自由な、強くなつておる相場を押えるのには、かすを直接入れたらいいということは、われわれもよく議しておるのでありますが、結局そうすることによつて、現在の豆が入つて来れば需給のバランスがとれるのに、かすを入れることによつて、少し先へ行つてまた全体として供給過多になり、混乱を来すなら入れることはない。それからまたそれだけダブつて外貨を使うことについての各省間の意見等の調整が簡単にできない、こういうような関係でありますので、いずれにしましてもこれはよく研究いたしたいと思います。
○小峯委員 あなたの御答弁を伺つておりますと、やはりお役所だなと思います。それは時間の問題を忘れておる。入れれは安くなるはずだと言う。お役所の傾向としまして、はずだはずだと言うのですが、政治の責任ははずじやだめだ。あなた方は手続上の責任だが、政治家は結果がどうなるか、おかみさんが困るかどうかという結果が問題だ。だからあなた方が、また豆の輸入がふえるならばということを言つたつてだめです。そこでそういうお考えはわかるが、時間の観念を忘れて物価の議論をしたらおかしな話だ。物価の調整というものは、時間を忘れて自然調整をするところに自由価格のよさがあるので、しかもわが党は保利農林大臣という優秀な大臣が手腕を振つてその行政をやつておる。そこでその下のあなた方が時間のずれをたなに上げておつしやつてはいけない。なるほど数字の上からはそうなりましようが、そういう悪弊を調整するためには、これは量の多いことは必要ないかもしれませんが、やはり直接使うところに大豆かすなら大豆かすのいつでも輸入できる、いつでも抜ける伝家の宝刀を用意させなければならぬ。そうしますと、今のような形になつておるよりも間接にする方がよい。やはりこれは輸入商を通してやれば早い。それぐらいの活動をしてもらうようにやつてもらいたい。私どもの内閣のことですから、絶対に時間を忘れたような言い方をなさらぬように 私どもは尊敬しているつもりですからそんないや味を言うのですが、その点は避けちやいけない。そこでなるほどお説の通りでありまして、もしダブつて製油の原料が多くなつて、かえつて困るということになるかもしれませんが、その製油の原料として入れるものの一部分をさいて、大豆かすで入れるということを併用することが私は一番公平になると思います。そういうことを私は当時役所におつたときから申し上げておつたのでありますが、ての後とんとあなた方はそれをやめておりますから、きようは題を出してあなた方に反省を求める。あなたに悪意があるとは思いません。非常に意を持つてあなた方に質問するならば、あなた方はそういうことで製油会社に対する独占利益を保証しようとしておるのではないか。これは少し性の悪い言い方をすれば、ときどき野党の諸君はそういうことを言うのだが、そういうことはあり得る。そうは私は言わないのだけれども、悪意とは思わぬが、あなた方の知恵の足りません点で結果においてそうなる。もしこれが鼓を鳴らしてしまつたらどうなさいますか。あなた方は、そのときに入ることになつておりますという答弁ではいけない。もうけておるのは現実に製油会社がもうけておる。これではいけない。どうも自由党の連中は資本家の利益になるということを言いなさるが、私はそうじゃない。私らの考えではそうじやなくて、行政の上に少し頭を働かせれば、そういう弊に陥らぬで済むことを、それが机の上で数字を合せるからなかなかやりきれない。これは農林大臣、あなたに詳しいことを聞こうとは思いませんが、今言つたことがあるものですから生きた行政をするかどうかということに関しまして、詳しいことはわから、ないけれども小峯の言うことはりくつかありそうだ、こう言つて食糧庁長官によく教えていただきたい。このことを申し添ておきます。 そこで同じような問題がまだ砂糖にある。これはあなた方も御承知でしよう。私が非常に不愉快だと思いますのは、最近の砂糖の市況であります。先ほどあなたの言われたアナウンスが遅れておるということを、平素この市況でことさらに言うておる。しかも砂糖価格はフリーになつておりますが、非常に数の限られた製糖業者が押えておりますから、この連中のさじかげん一つで今の砂糖価格が不当に上つておると思う。そういたしますと、全国で万を越えるでありましよう中小のお菓子屋さんなんかは、非常に困ると私は思う。ことに黒砂糖を独占的にあてがつておるのでそういう独占利益が出るのでありますから、この砂糖に関する行政においても、今私が大豆かすについて申し上げたような意味の反省なり、新しい構想なりをお考えになつておらないかどうか、これをひとつ伺つておきます。
○渡部政府委員 お尋ねのように製油以上に砂糖は供給量を外貨によつて占めることによつて、結果的に製糖業者に利益を独占させておる、そういう現象が起きていることは、だれが何と言おうと、事実であろうと思います。従いましてこれに対しましてはいろいろな策を考えておるのであります。たとえば料糖の輸入については全部輸出にリンクさせてやるとか、あるいは製糖業者割当をやめまして輸入業者割当にいたしますとだれでも粗粗で使いたい人は粗糖でもらう、あるいは加工で使いたいものも粒糖でもらう。そうして競争的にやらせる。こういうことも考えております。 〔主査退席、畑田(赳)主査代理着席〕 いずれにしましても、供給品が減りますと値段が上りますので、そのままではやはり採算にならないのではないか、こう思いまして、先ほどちよつと触れましたが、一方的な現在の価格か、あまりにも輸入価格と異なりますので、これに対して抜本的な対策を考えまして 砂糖の輸入代価をフリーにできない以上は放置しておくことはできない、こういうふうに考えております。まだ具体的な案もできておりませんが、これはどうしても一般消費者には、輸入価格と均衡のとれた価格で配給のできるような仕組みを考えなければいかぬ、こういうように考えております。
○小峯委員 大豆かすの問題にまたもどりますが、今私の申し上げたような理由から、しようゆの関係の人は、これはどうも独占価格になるのじゃないかというて、公正取引委員会に提訴するというような準備をしておるようであります。これは私はなかなか意味があることだと思います。そこでもしそれを防ぐとすれは、私は大きな意味で、ちようど米麦でやつておるように原料を管理するなり、そうでなければ、私が先ほど来申し上げますように、片一方に息抜きを与えて、両方の調整のできるような方法をやらなければいかぬと思うのですが、どつちの方法をお考えになりますか。たとえば大豆かすなら大豆かすに外貨を割当てることを考えているか、それともいつそのことこの大豆なら大豆というものを、米麦と同じように管理して、原糖と同じような方法にするのですか、どういう方法をお考えになつておりますか。現状でいいとお考えになりますか。
○渡部政府委員 大豆につきましては、製油用、味の素用、みそ、しようゆ用、とうふ用、こういうような仕訳をいたしまして、従来の方計で行けは、砂糖のように外貨を締めてしまえ、こういうことはどなたもおつしやらないと思いますからやつて行けるのじゃないかと思います。但し、今の、当面の問題として、かすを入れるかどうか、私はこういう問題を、時間の観念を忘れて申し上げておるのではないのでありますが、行政の不手ぎわで御承知のように各省か関係しているものですから、相談しているうちに時期がたつてしまう。これは農林省の無能力だと非難されれば、その非難を受けなければならぬと思いますが、そういう大豆関係の方は砂糖とは違つて、原料に大きい変革を加えたつていいのじやないか。こういうふうに考えております。
○小峯委員 私の今申し上げたことは非常に好意で申し上げておるのであつて、法律的には、放置しておきますといろいろな問題が起こると思う。それは聞くところによると、食糧庁でも何か御研究であろうと思うのですが、総務部長どうですか、私が今申し上げた線に沿つて、新しくお考えにでもなりますか、ひとつ承つておきます。
○新沢説明員 ただいまたいへん御親切な御忠告をいただいて感謝しておりますが、今官房長からお答えいたしました通り、砂糖並びに油脂原料の輸入問題につきましては、外貨事情と関連しまして、第四・四半期に入りまして、いずれも相当の値上りをしておるのが現状であります。砂糖の問題と油脂原料の問題を区別して考えれば、今官房長が申したようなことになろうと思います。油脂原料の方は二十八年度の前半期におきましては、菜種の増産等と考え合せまして、相当輸入を抑制したのでありますが、それが国内産大豆の減産と相まちまして、現在のような販売価格を招来することになつているのであります。その後、下半期におきましては、外貨割当も大分増加しましたし、また別途大豆油の輸出を振興するという意味合いで、大豆油の輸出とリンクいたしまして、大豆の輸入をさせることもできると思つておりますので、あるいはこれは時間的の問題につきましてのおしかりをこうむると思いますが、逐次軌道に乗りまして、大豆の方は入つて来ると思つております。そういたしますれば、価格の点も漸次安定して来るという見通しを持つておる次第であります。 砂糖の点につきましては、確かに外貨事情とにら合せて、なかなか深刻な問題があると存じます。対策につきましては十分真剣な検討を加えなければならない、こう存じておると申し上げるよりほかないと思います。
○小峯委員 いろいろお話ありましたが、今あなたは大豆かすは独占価格になつていないとお考えになりますか。
○新沢説明員 独占価格かということでありますが、結局、量が少くなればどうしても生産される元というものか少くなりますので、結果として、自然的にそういうことか現われて来るのではないかと思われるのであります。相談し合つて、そういう価格になつたかどうかということについては、十分その事情をつまびらかにしておりませんが、外貨割当の関係で、量が減つて参りますと、えてしてそういう現象が現われて来るのではないかと思います。従いまして量についてのある程度の目安がつきますならば、その価格がどうしてもかわつて来るのではないかと思います。
○小峯委員 今は油が安くて大豆かすか高いのであります。このことは先はどのあなたの御答弁の中にも、油脂原料を十分確保して油輸出を奨励したり、あるいはかすの需給という意味にとれたのですか、ここで一つ問題になりますのは、油の加工貿易という考え方です。私はこの割当の問題で事務当局の人と話し合いましたが、加工貿易のことをおつしやる。これはおかしなことなので、かすが高くて油が安いのですから、大豆を入れて、そのかすで輸入すべかりしかすをリプレースする。それで直接、間接獲得する油の外貨はこれだけなのだということを計算してみますと、あまり利益にならないような計算になる。これも専門家に計算してもらつてわかつたのでありますが、それは結局大豆かすというものは、製油会社が油を輸出するためにコストのウエートを油に軽く、大臣かすに多くかける。独占価格でメーカーが少いから、そういうことを見のがしてはならないということを私は申し上げた。これはどうも門家に講義をするようで申訳ないが、しろうとでも経済観というものかある。これは私の考え方ですが……。そのウエートというのは、メーカーがたくさんあるときは、そういうウエートはかからない。わずかのものでやつているからそういうウエートのかけ方ができるのです。ここに独占的な味が出て来ると思う。たからそれを矯正するためには、片二方では外貨に関しては丸腰なのです。また片一方では独占的な利益を保証されている。丸腰と大小たばさんだお侍さんと競争させないで、役所の議だけにかけてきめてはいけない。なるべく両方の条件を整え、自然に組まれる価格をきめることか、私は行政官庁の自由経済に即した役割であると思う。あなたが悪意でやつているとは思いません。善意でやつてくれている結果がそうなつているので、それを訂正する。これをたくさんやろうじやないか。さもなければいつそのことこの油脂原料というものは国家管理にして、原糖も政府が買い上げて独占的な少数の利益をもうかるメーカーから没収する。私は自由経済論者ですが私は公平論は忘れてない。これは小さい問題だとあなたはおつしやるかもしれませんが、こんなところに、野党の諸君が言えば古い自由経済があるのであつて、少くとも私が考えている自由経済と違いがある。そういう意味のことをぜひ反省してもらわなければ、実行しておつて、善悪でやつておることが、そういうことになる。私は御承知の通り与党でございまして、予算の繰まわしをやらしていただいておる方です。強いことを言えば――もし同じ材料で川俣さんが言つたらもつときつくなりますよ。ほんとうに肺臓をえぐるような質問をすると思う。そこで私は話をしておるのだが、それを軽く見てくださるな。食糧庁長官はきようお見えになつておりませんから、ぼくの質問でこういうことかあつたということをそのまま取次いで、速記録を読んでいただくようにしてください。私は特定の利益のためにとか、特別な偏見で言つておるのじやありませんよ。正しい近代的な自由経済というものがあるのたというような立場からこの質問をし上げておるのであります。どうかその点はひとつ現代の意味でおくみとりいただきたい。きようは官房長がおるのだし、ことにこの、やりとりを大臣は聞いておる。これは速記録に残りますよ。一の問題は私が役所におるときから手をつけた問題ですからそれがどうなつておるかを毎期の国会で追究しますよ。私は多少経済理論を勉強しているつもりです。これはごあいさつに申し上げたのじやない。毎期の国会でその後どうなつているかということをお聞きいたしますよ。そういうつもりでお伝え願いたい。これで私の質問を終ります。
○福田(赳)主査代理 川俣清音君。
○川俣委員 今小峯委員から非常に適切な問題の提供があつたのでありますが、これにない部分についてさらにお尋ねいたしておきたいと思うのであります。このような外貨割当によつて物価が上るというような方内が見えて来ておるわけであります。物価の中でも日用品に関係の深い、今小峯委員が挙げられたような砂糖、または日常生活に最も関係の深いしようゆ、みその原料であります大豆の暴騰というようなものが出て参りますと、政府のこの夏ごろから物価を引下げて行きたいという方向と、大分違つた傾向が現われて来るのじやないかと、思われるのであります。農林大臣は磯峠物価格の土において重要な施策を一とつておられますが、この傾向に対してどのようにお考えになりますか。この傾向が国内の農産物の価格の上に必ず影響して来ると思われますが、その影響の度合い等について御見解を承りたいと思います。
○保利国務大臣 先ほど来の小峯さんの御注意の点につきましては、私といたしましてはまことに感謝にたえません。食糧庁で扱つております砂糖あるいは油脂原料の問題は、私としては一つのやつかいな事態に行き当つておるのでございます。それでこういことを申してはいかがかと存じますけれども、食糧庁だけにまかせないで、ひとつ農林省の知能をしぼつて農林省内の大衆討議にかけろ、そうして、何らかの安定処置を構ずべきである、それでなければ、砂糖は返上してしまえというところまで私は申しておるような次第であります。ただいまのだんだんの御意見につきましては、さらに至急検討を進めまして、私どもとしてはとり得る最善の措置を講じて行きたい、こう考えておる次第であります。川俣さんのお話は、先ほど小峯さんに私は抽象的にお答えいたしたわけでありますけれども、月内の購買力が旺盛であり、そこへ外貨の面から物資の供給を減らして参るということになれば物価騰貴は避けられぬ、そういうふうに思つておるわけでございますから、この耐乏生活と申しますか、緊縮方針といいますか、これがある程度徹底しないうちに輸入物資を極端に圧縮するということになれば、どうも物価政策のねらつておるところと逆の形が出て来るのじゃないかという考えを私は持つておるわけでございます。従つて今ただちに、極端にいえば、どれもこれも外貨を切つてしまうというようなことをすれば、ある期間思惑も働きましよう。単なる需要供給関係のみでなしに、いろいろな思惑などもそこへよけい働く余地が出て来ましようから、いずれにしても騰貴の傾向へ行くことは避けられないわけでございましよう。これは急激にとるべき手段ではないだろう、私はそういうふうに考えております。
○川俣委員 私がお尋ねしているのは、そういう傾向で、結局国内の農産物価にどういうような影響を与えるかということで、今後農林行政をどうおやりになる考えかということであります。それをお答え願いたい。それと同時になぜ外貨の割当をしてまで外貨を引締めて行くかというと、今の為替レートが実際とかなりの隔たりがあるために、その是正をしようということか、おそらく外貨相当の結果になつておると思います。円価価が安いことが基本になつておる。今のように円価値の安いものをいくら高く多くとつてみても何にもならぬから、円価値を国際水準にできるだけ引きもどして行きたい、または為替レートに合わせて行きたい、こういうところにおそらくねらいがあるのだと思うのです。そこでそれでは一体何から物価を引下げて行くのか、こういうことになると思うのです。この前もお尋ねしているのですが、そうなるとどうしても農産物価を引下げて行くという方法よりほかに手がない、そこから始まつて行くのじゃないか、こう考えられるのです。考えなければ別ですが……。 〔福田(赳)主査代理退席、主査着席〕 そこで一方、農産物に関係のあるところの油脂の資源である菜種、大豆というものが上つて参りますと、同じ耕地でありますから、この耕地につくるところの麦が大豆や菜種に圧迫されて、麦の作付面積が減つて来る。減つて参りますと、また麦が上つて来るという傾向をとつて来るわけであります。このような政策のもとにおいて、農林大臣は本年度における農産物価の方向を、どのように規定づけて行政をやつて行かれるつもりであるかどうか。この点をお尋ねしたいと思います。
○保利国務大臣 私はもうその御議論にはちよつとお答えできないのでございますが、この間も申し上げておりますように、全体の購買力が落ちて参りますれば、農産物も下落して参るでしよう。これは否定いたしません。但し農産物を先に落して、そうして諸物価を落して行こうという政策をとつているわけではございませんから、今日の先ほど来の御論議の問題等も、いろいろの要素が含まつて、特に思惑等が働いて、こういう現象を呈しておる点は大きいだろうと思いますし、これが今後の趨向として決定的な、すべての関係から固定的な傾向を持つものだとは私考えておりません。どうも少し問題が飛躍し過ぎて、あまりに仮定的な要素が多過ぎるように私は思いますが、この問題はいつぞや申し上げた通りで、ごかんべんを願いたいと思います。
○川俣委員 これは農業政策の上で非常に大きな基本だと思うのでお尋ねしておる。結局物価を引下げる場合、どこからか手初めにして行かないと物価は下つて向かない。どこから手初めになるのかという問題です。それが必ずしも農権物価から始まるかどうかということは、いろいろな政治の上、また行政の上から異なつて来ることでありましようが、やはりどこからか始めて行かなければならない。どうもその先端を切るのは農産物価ではないかと思われるのでお尋ねしておるので、御答弁ができなければ次の問題に移りましよう。 そこで問題は、今度の農林予算の編成方針ですが、予算説明書によりますと、総花的に細分され、ために工事を経済的進度をもつて遂行し得たくなつて、工事の完成、経済効果の発生がいたずらに遅延する弊害がいよいよ顕著になつて来た、こういうことでございます。そういうことで、農林関係の土地改良事業等については、そういう観点でおやりになるような御方針のようであります。問題は、同じ農林省の予算の中におきましても、先ほど農地局長からお話になりましたような干拓というような面へ参りますと、これは必ずしも総花式でなくてもいいと思うのです。これは総花式はなかなか困難だとも思います。しかしそのことは抜きまして、一体総花的にやることが経済効果が薄いという御念で、予算を組まれることはいかがなものか、こう考える。ということは、今度の米価決定にあたりまして、政府は分散度というものを考えておるということです。この分散度はどこから来たかというと、ことしの作況から見て、非常に各地がばらばらな作況であつたために、分散度を考えて米価を決定する。なるほど日本は南北に長い関係で、作柄は必ずしも一定ではありません。従つて農産物は地域的に非常に危険を伴うのであります。この危険を伴うものを除去して参らなければ、真の経済効果というものは現われて来ない。そういうところから言つて、土地改良事業というものは、分散して工事を進めて行くことか、一番効果が上ることだと私は考えるけれども、大臣はどのような見解を持つておられるか。
○保利国務大臣 予算説明書でございますが、主計局で出しておる説明書では、総花式でどうとかこうとか書いておるようですけれども、私は土地改良でありますとか、正米増殖専業というものは、総花式でなければならぬと思つておるのです。しかしただやつてこれを完成して参ります上に、特に占領後小さい方はほつておいて、大きい方にとりかかつておるわけで、それが完成が非常に遅れておる。それは食糧増産対策事業がとかくの非難を受けるもとになつておるわけです。本来はとにかく三百万町歩のうちに、百八十万町歩から手入れをしなければならない耕地が残つておるわけですから、私はこれを総花とかなんとか言つて批評をさるべき性質のものじやないと思う。ただしかしこれを単年間にやり上げるということはできない。国力以上に手をつけても、またこれは結局全体の効果が上つて来ないわけですから、その点についてそういううたい方をしているのだと思うわけでございます。本質はやはり総花であるへき性質のものだ。ただ今年度の予算を執行いたして参ります上からいたしますれば、数多くの地点の中から、できるだけ経済効果を来年度に上げ得るようたところから取りかかる、そこに重点を置くという執行上の配慮をいたすべきである、こういうふうに考えておるわけでございまして、その点は私も大体川俣さんの御意見に同感です。
○川俣委員 そういたしますと、大臣の考えとわれわれの考えは大して異なつて参りませんが、予算の大綱が総花式は今年度から根絶するのだというようなことになつておる。根絶するという表現をしておる。そうすると、そういう方針で組まれたことについて、これは大臣は一応の抗議的なことがなされなければならなかつたと思うのです。そういう建前で和まれたことに包括されておるのですから、実際はそういう観点で農林予算が所々に切られておると思うのです。特に問題は、国営事業のように長年月を要するようなものは、これは重点的というようなことが考えられると思いますが、最も経済効果の早く上るものというものは、小規模経営なのです。小規模経営の土地改良、これは一年か二年間です。客土とか暗渠排水というものは、大体一年で完成するものです。このような最も経済効果の早く上るものは、なるべくそういう小さなものは今年度は見ない、こういうことになりますと、一体経済効果の上ることを目的として予算を組んたといいながら、最も経済効果の上らないものを組んだということになりはしませんか。これはけちをつける意味でなく、農林省としてお考えおきを願いたいという意味で、お尋ねするのであります。
○保利国務大臣 これは御批評はいただきますが、お話のように、私も実は昨年の予算委員会で申したかと思いますが、そういう効果が上らないという向きにこたえ得る道は、三町歩五町歩の小規模のものを取上げて、そこをやれば、すぐ効果は上るのだ。そういうことだけで、しからば一体土地改良事業という大事業が推進できるかどうかというと、そうも行かない。そこでかなり大きい規模のものを数多く取上げておるわけでございますが、小規模の土地改良がただちに経済効果を生み出すということについては、まつたく私の所見を同じゆういたしておるわけでございます。これにつきましては、むろん全作が縛られておる予算でございますから、思うようには参りませんけれども、そういう認識の上に立つて配慮いたして参りたい、こう考えておるわけであります。
○川俣委員 そういたしますと、今度の予算の中で一番大きな削減を受けたのが、小規模土地改良、大臣の説明と実際の予算のきめ方とはちよつと隔たつておるのですが、将来これに対して幾らか是正をしようというようなお考え方ですか。
○保利国務大臣 お話のように、今までのやり方を全部ひつくり返す、とにかく経済効果の早いものから手をつける、あとのものは待つてやる、こういうやり方であれば、お話の目的が十分達成できるわけですけれども、すでに手をつけて相当投資をしておるわけですから、その投資をしておるものをできるだけ生かしたいという一面の要請が、またこの予算の結果に現われておる点は、ひとつ御了承をいただきたい。これは予算の問題でございますから、私の一存で手直しをするとかしないとかいうわけには参りませんけれども、考え方としてはそうでございます。
○川俣委員 そういたしますれば、この国会中におきましても、小規模土地改良等の予算修正がある場合においては、大臣は大体了承できるような御答弁だつたので、私はそれ以上その点は追究いたしません。 次に、農産物というものは、比較的利潤が薄いので、いろいろな補助助成が必要とされて来たのは、日本歴史に明らかであります。従つて農産物価が比較的利潤の薄いということから、その利潤を付とか確保するには、農産物価で確保することが困難だというところから、土地改良事業、灌漑排水、ため池、用水等の事業が、単に農民の保護という目的でなしに、国の食糧全体の上から必要だということで、予算が盛つて来られたと思うのです。そういう点から見て、単なる企業の補助、助成と農業の補助助成とは本質的に異なるものだという見解を私は持つておるのであります。大臣もおそらく同様な見解だと思いますけれども、この点をお尋ねしておきたい。
○保利国務大臣 川俣さんから一方的に解釈せられますと、私はなはだ迷惑する点がございますから一言だけ申し上げますが、二十九年度予算の配分につきましては、内閣としてかなり議論の末にでき上つておるものでございますからむろん一つ一つとりますならば私も非常に不満なのでございますけれども、この予算の修正を僻んで受けるという考えは私にはございませんから、この点はひとつ御了解を願つておきたいと思います。 この農業関係の補助ないしは助成金等の性格につきましては、これは私はまつたく川俣さんと同じ考えでございます。すなわち日本の農業の実態からいたしまして、また日本の農業のみならず、特にわが国の農村の実情からいたしまして、農業の進歩、改良をはかつて、農家経営の向上を促進して参りますためには、あの手この手と、とにかく手をひつぱり、腰を押して行かなければいけない本質のものを持つておるわけでありますから、一般の、もうかれば手を出すというような商工業の関係とは違うわけでございます。この点につきまして、私はそういう意味で、今後といえども農村に対する農業改良あるいは向上ということを企図いたして参りますれはどうしても、むろんいろいろのやり方はかわつて来ると思いますけれども、新しい時代に新しい補助、助成の道を開いて行くという方向は、当分やむを得ないことではないかと考えておるわけであります。
○川俣委員 さらに十三国会で財政法の改正を行いまして、継続費という項目を修正追加したのでありますが、当時の参議院の記録を見ますと、継続費の必要なる点を農林省の会計課の方、または建設省の会計課長がるる述べております。また大蔵省もこれに同意を表しておりまして、大蔵委員会にかかつておるので大蔵省の提案説明になつておりますが、継続費を認めないことによつて経費の不正な使用または非能率な経費の使用になつておるために、継続費の必要なるゆえんをるる説明せられております。この継続費というものの観念は、今時間がありませんから私は申し上げませんが、いわゆる財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案の提案理由に、継続費を認めないことによる弊害をるる述べられておりまして、継続費の必要をるる述べておる、こういう観点は何から出て来ておるかというと、土地改良事業というものは、一定の計画のもとに経費が継続されていないと効果が最も上らぬものだという説明が、大蔵省からもなされておるわけであります。一方国会側からは、年度制予算を継続費というようなことで分別するごとについての弊害を論じております。政府側といたしましては、不正を防止するあるいは最も活用的な資金の使用方法は、継続費による考え方が妥当であるということを述べておる。ところが今度のこの本地改良事業等を見ますと、継続的な予算として、継続費としてはとつておりしませんけれども、内容的には継続費的な予算が組まれておつて、今年もまた継続費ではありませんけれども、同様な性質のものとして事業が行われておるものがある。大臣はこの点について、どう考えておりますか。
○平川政府委員 御指摘のように数年間継続して行わなければならぬような卒業につきましては、当初からはつきりと年次別に使うべき金額、事業の計画を立てて施工するのが当然であります。そのために継続費の制度は必要である。現に現在農地局の実施しております国営あるいは県営の仕事につきましても、大きなものにつきましては大体継続的に行つているのであります。
○川俣委員 そこで継続費としてとつておられるか、あるいは継続費的観念で計画を立てておられるか、それはいずれも問いません。こういう継続費というような御念が経済効果が上るということでもあるし、不正を防止するゆえんでもある。経費の活用に最も有効な方法であると宣伝努めてこの法案が通過いたしておる。それを今度経済効果の点からいつて、予算の編成の上からいつてこれを切るということになると、まつたく矛盾した態度でないかと思うのですが、農地局長でけつこうですが、今度の削減にあたつて非常に矛盾したやり方であるというふうにお考えになりませんか。
○平川政府委員 こういう点を大蔵省でも考慮をいたしまして、継続的に行つている事業につきましては、これを著しく削減するというようなことは考えない。そこで削減される対象というものは新規の着工のもの、あるいは工専に着手はしたけれどもそれほど進行しておらない、まだほんの準備の段階であるというようなものであります。あるいは先ほど問題になりました継続的でない一年限りの事業というようなところに、削減の主力が来ておるわけであります。国営事業等の、ずつと継続して毎年何億という事業をやつておりますようなものは、大体においてその規模をそのまま維持できるというような予算の編成になつておるのであります。
○川俣委員 本来の継続費的な考え方が盛られてはいないのであつて、そのために農地局が相当苦慮されておるはずだと思うのです。しかしこれはこれ以上追究いたしません。問題は国の大きな下業についてはある程度継続費的観念が入つている。ところが地方においても、ため池等について二年、三年の継続的小規模土地改良が行われておるわけです。これらについては遠慮会釈なく相当切られておる。切られていないというふうに御説明になれば、どこからかその予算を見出して来なければならぬと思いますが、この点どうですか。
○平川政府委員 結局予算の詳細をごらんくださいますとわかりますように、国営作業、一宮専業というものは、全体の費用としては昨年よりも増加しております。その国営事業、長営事業の事業費も、できるだけ新しいものを押えることによつて、古いものに対しては従来よりもむしろ増額した事業費がつけられるようにはかつておるわけであります。結局このしわが新しいもの、それから小規模のものに行く。お話のような地方において行つておりますものでも、二、三年はかかるというものにつきましては、全体としては小規模改良費は減つておりますが、これには重点的に継続的につけて行きたい。結局小規模のもので新しいものが抑えられる、こういうことに考えております。
○川俣委員 それは机上の一応の説明です。小規模になりますと、計画が行われ、その計画において着手いたす小規模でありますから、二年計画あるいは三年計画というようなものはもうすでに着手したものまでも、今年度からの新しい事業であるというふうなことで大分削減になつているというふうにお考えになりませんか。
○平川政府委員 小規模の改良事業の割当等につきましては、もちろんまだ地方に流しておりません。今後実情に応じて割振るわけでありますか、大体の方針といたしましては、ただいま申しましたように、実際上二年計画で漕手しておるというようなものにつきましては優先的にこれをつける。総額が足りなければ、新しく本年着手すべき予定であつたようた順番に来ているものを抑えて行く、こういうふうに運用されるようにいたしたいと考えております。
○川俣委員 私まだ質問が残つておりますか、約束の六時になりましたので、一応この辺で打切りまして、明日続行いたしたいと思います。
○西村主査 明日は九時半より開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四分散会