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19回国会衆議院1954/02/25

予算委員会第一分科会 第1号

発言数
172
登壇者
28
会派数
4
開催日
1954/02/25

会議録

尾関義一自由党

○尾関主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  この際一言ごあいさつ申上げます。私が第一分科会の主査の職務を行うことになりましたので、何とぞよろしくお願いいたします。  理事会の申合せによりまして、分科会は本二十五日、明二十六日の午後、及び明後二十七日の三日間開会することになりましたので、さよう御了承願  います。  なお議事進行の都合上、質疑をなさる方は、あらかじめ出席政府委員等要求の上御通苦くださるようお願いいたします。  それでは、昭和二十九年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済審議庁を除く総理府、法務省及び大蔵分所管並びに他の分科会の所管以外の事項を一括議題として、これより順次関係当局より説明を求めたいと思います。  最初に皇室費の説明を求めます。皇室経済主管三井安彌君。

三井安彌総理府事務官(皇室経済主管)

○三井政府委員 ただいまから、昭和二十九年度皇室費の歳出予算について、その概要をご説明いたします。  本歳出予算に計上いたしました金額は二億四千七十七万一千円でありましてその内訳は、内廷費三千八百万円、宮廷費一億九千四百四十一万一千円、皇族費八百三十六万円であります。  そのおもなるものについて、事項別に申し述べますと、宮廷費は、天皇、皇后両陛下を初め、内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるための経費で、昨年七月改正の皇室経済法施行法に規定する定額を計上し、前年度と比較して、二百万円の増額となつております。  宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。その内容としては、従来と同じく、三室の公的御活動、すなわち儀典関係費、行幸啓費及び正倉院、図書、雅楽等の文化的経費、その他皇室用財産の維持管理に必要な経費等であります。二十八年度予算一億六千五百五十三万三十円に比較いたしますと、二千八百八十七万八千円の増加となつておりますが、これは、儀典、行幸啓関係費等の増加によるものであります。  皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるための、秩交宮、高松宮、三笠宮の三宮家に対する経費で、昨年七月改正の皇室経済法施行法に基く額を計上し、前年度と比較して七十二万五千円の増額となつております。  以上をもつて、昭和二十九年度皇室費歳出予算の概要の説明を終ります。  なお、詳細については、御質問に応じお答えを申し述べることにいたします。

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、衆議院及び裁判官訴追委員会の予算説明を求めます。衆議院庶務部長久保田義麿。

久保田義麿衆議院参事(庶務部長)

○久保田参事 昭和二十九年度歳出衆議院関係予算について御説明申し上げます。  昭和二十九年度国会所管衆議院関係予算の要求額は、十七億三千五百八十九万五千円でございまして、これを前年度予算額十九億七百九十三万円に比較いたしますと、一億七千二百三万五千円の減少となつております。  次に、主要な事項について一応御説明申し上げます。  まず、国会の運営に必要な経費として、十六億八千六十四万八千円を計上しております。そのうちおもなものを申し上げますと、議員歳費、通信手当、旅費、議員秘書給料及び立法事務費等議員に関する経費八億九千一百九十二万四千円、事務局、法制局及び常任委員会における職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に要する旅費、審査雑費及び証人等の旅費、議案類印刷費、光熱及び水料、通信費、議員会館、議員宿舎の維持管理並びに庁舎等建物の修繕等に必要な経費七億七千一百三十万二千円、行政監察特別委員会における職員の手当、事務費、委員及び証人等の旅費等に必要な経費一千七百四十二万二十円が積算されてあります。  第二は、国際会議等出席に必要な経費として二千八百二十四万七十円を計上いたしてあります、これは一九五四年度列国議会同盟日本議員団の分担金二百二十八万七千円、列国議会同盟会議並びにその他の国際会議等への派遣旅費二千五百九十六万円が積算されてあります。  第三は、営繕施設に必要な経費として二十万円を計上いたしてあります。これは衆議院庁舎の増築に一千万円、各所新営及び修繕に一千万円が積算されてあります。  第四は、予備金に必要な経費として前年度と同額の七百万円を計上いたしております。  以上簡単ながら概略の御説明を申し上げます。  次に、昭和二十九年度歳出裁判官訴追委員会関係予算について御説明申し上げます。  昭和二十九年度国会所等裁判官訴追委員会関係予算の要求額は九百十六万三千円でございまして、これを前年度予算額一千九十八万四千円に比較いたしますと、一百三十二万一千円の減少となつております。これは裁判官訴追委員会の運営に必要な経費でありまして、事務局職員に対する人件費、事務費並びに委員の旅費及び職務雑費等に必要な経費が積算されてあります。  以上簡単ながら概略の御説明を終ります。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、参議院の予算の説明を求めます。参議院庶務部長渡邊猛君。

渡邊猛衆議院参事(庶務部長)

○渡邊参議院参事 昭和二十九年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は十一億七千七百六十万円でありまして、これをおもなる事項別について御説明申し上げます。  まず国会の運営に必要な経費といたしまして十一億三千七百四十四万円を計上しております。これは議員の歳費、手当、旅費及び立法事務費等、議員に関する経費四億七千九百九十九万七千円、事務費、法制局及び常任委員会に要する職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に関する旅費及び審査雑費、議案類印刷費、光熱水料、通信費、議員会館及び議員宿舎等の維持管理並びに庁舎の修繕等に必要な経費六億五千七百四十四万三千円であります。  第二は、国際会議出席等に必要な経費といたしまして、列国議会同盟会議等海外派遣費千七百十六万円を計上してあります。  第三は、営繕工事に必要な経費といたしまして、千八百万円を計上しております。これは庁舎の増築費一千万円、各所新営及び庁舎等の修繕費八百万円であります。  第四に、予備金に必要な経費として、前年度と同額の五百万円を計上してあります。  以上簡単でありますが、概略の説明を終ります。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、国立国会図書館の予算の説明を求めます。国立国会図書館経理課長大山寛君。

大山寛国立国会図書館参事(経理課長)

○大山国会図書館参事 昭和二十九年度国立国会図書館の予定経費の要求について、御説明申し上げます。  昭和二十九年度の予定経費要求総額参は、三億五十十八万六十円であります。これを事項ごとに申しますと、国立国会図書館の管理運営に必要な経費三億十八万六千円、国立国会図書館の営繕工事に必要な経費五千万円であります。  まづ管理運営に必要な経費について申し上げますと、これは職員の俸給諸手当、光熱及び水料、各種目録等刊行の印刷費、資料購入費・図書購入費・国際図書交換のための通信運搬費、共済組合百負担金等でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十八年度予算額は三億五千三百九十四万円で、昭和二十九年度は五千三百七十五万四千円の減少となつています。  また営繕工事に必要な経費については、本館建設に要する経費でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十八年度予算額は八千百五十八万一千円で、昭和二十九年度は三千百五十八万一千円の減少となつています。  以上を差引合計いたしますと、昭和二十九年度の予定経費要求総額は前年度に比して八千五百三十三万五千円を減少しています。  次に、昭和二十九年度の経費のうちには、新規経費として立法資料購入費二百九万六千円、上野図書館の夜間開館に要する経費百二十五万一千円が計上されているほか、各科目ごとに多少の増減はありますが、大体前年比の通りであります。  なお行政改革の一環としての人員整理につきましては、総定員五百六十六名のうち十二名を減少することにいたしまして、さしあたり昭和二十九年度には九名を減少することとして、これに必要な待命職員給与及び退職手当等を計上してあります。  何とぞよろしく御審査をお願いいたします。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、裁判官弾効裁判所の予算の説明を求めます。事務局長隈井享君。

隈井享裁判官弾劾裁判所参事(事務局長)

○隈井裁判官弾劾裁判所参事 昭和二十九年度裁判官弾劾裁判所の歳出予算について御説明申し上げます。  昭和二十九年度国会所管、裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は、七百三十六万四千円でありまして、これを事項別に御説明申し上げますと、まず裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、六百七十七万五千円を計上しております。これは、当所の運営に必要な裁判員の職務雑費、調査旅費、並びに事務局の人件費、事務費等であります。  次に、裁判に必要な経費といたしまして、五十八万九千円を計上いたしております。これは、裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費、職務雑費等であります。  以上簡単でありますが、概略の御説明を申し上げました。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、裁判所の予算の説明を求めます。最高裁判所事務総局経理局長岸上康夫君。

岸上康夫最高裁判所事務官(経理局長)

○岸上最高裁判所説明員 昭和二十九年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申し上げます。  昭和二十九年度の裁判所所管予定経費要求額は八十六億九千七百二十五万五千円でありまして、前年度補正予算要求額を含めました予算額八十五億二千六百四十万五千円に比較いたしますと、一億七千八十五万円を増加いたしました。  右昭和二十九年度予算のうち、重要な事項について御説明申し上げますと、次の通りであります。  最高裁判所及び下級裁判所の機構の維持並びに経営的な行政事務を行うために必要な経費といたしましては、六十九億五千三百八十一万二千円でありますが、そのうち最高裁判所に八億三千九百九十五万三千円、高等裁判所に五億六千十三万八千円、地方裁判所に四十一億一千八百二十一万九千円、家庭裁判所に十四億三千五百五十万二千円をそれぞれ計上いたしております。  二、裁判官、司法修習生、裁判所書記官、その他の職員の人格の向上を期するとともに、これら職員に司法に関する理論及び実務の研修をさせるための経費、並びに裁判所書記官の調書作成の能率化をはかる目的のもとに、従来の要領筆記の方法にかえて、ステノタイプライターによる速記方法を裁判所職員に修得させるための経費として計二億八千五百六十三万九千円を最高裁判所に計上いたしました。  三、労働事件、公安事件等の審理における法廷闘争に対処し、法廷の静穏を保持し、審判の適正迅速な処理を行うため法廷難航を強化する必要がありますので、これに要する事務費及び出張旅費として、六百六十万七千円を地方裁判所に計上いたしました。  四、国選弁護人の報酬、証人、鑑定人及び調停委員等に支給する旅費、日当、その他裁判に直接必要な経費として十一億二千八十二万四千円を最高裁判所に計上いたしました。  五、裁判所営繕工事費として裁判所庁舎等の新営費で二億円、裁判所庁舎等施設整備費として一二千万円を最高裁判所に計上いたしました。  六、裁判所法の規定に基く予備金として八百万円を最高裁判所に計上いたしました。  以上昭和二十九年度の裁判所所管予定経理要求額についての大要を御説明申し上げました。  何とぞ慎重御審議のほどをお願いいたします。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、会計検査院の予算の説明を求めます。事務総局次長山名酒善男君

山名酒喜男会計検査院事務官(事務総局次長)

○山名会計検査院説明員 会計検査院所管昭和二十九年度予算要求額は三億九千九百十九万四千円でありまして、これを前年度予算額三億四千九百七十四万五千円に比較いたしますと、四千九百四十四万九十円の増加となつております。  今要求額のおもなものについて申し上げますと、第一は人件費三億一千十四万八千円で、これは、職員一千百十八人分の給与手当等でありまして、予算総額に対して七五%となつております。第二は検査旅費四千四百七十四万四千円で、これは、書類検査と並行して、職員を任地に派遣して実地につき検査をするために必要な経費でありまして、その割合は一一%となつております。第三は庁費二千四百二十八万七千円で、これは一般庁費二千九十万五千円、特別庁費、すなわち検査報告等印刷費及び検査台帳等印刷費三百六万八千円等となつております。第四は書庫新鋭費千六百万円で、これは計算証明規則に基いて各官庁及び政府関係機関等から提出されます証拠書類を保管する書庫で、大体この枚数は年間五十万枚内外ありまして、検査完了後五箇年間保存することになつておりますので、これを格納しておくのに必要な書庫の坪数は約千五百坪であります。現在会計検査院が保有しております坪数は約九百坪でありますので、なお六百坪ばかり不足しておりますが、とりあえず三百坪を建設いたす予定であります。  次に、前年度予算に比較して増加となりました四千九百四十四万九千円につきまして、そのおもなものを申し上げますと、これは本年一月から実施されました政府職員の給与改善に伴う増加二千五百五十九万四千円、検査旅費の一割余の増加四百四十六万四千円、書庫新営費の増加千六百万円等であります。  以上はなはだ簡単ではありますが、会計検査院所管昭和二十九年度予算要求額の大要の説明を終ります。なお、詳細については御質問によりお答え申し上げます。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、内閣及び総理府所管の説明を求めます。総理府大臣官房会計課長三橋信一君。

三橋信一総理府事務官(大臣官房会計課長)

○三橋(信)政府委員 昭和二十九年度における内閣及び総山府の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  まづ、内閣所管の歳出予算につきましては、昭和二十九年度歳出予算額は四億二千六百八十五万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額四億一千八百九十二万八千円と比較いたしますと、七百九十二万七千円増加いたしております。内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、法制局及び人事院等の事務執行に必要な経費であります。  次に、総理府所管の歳出予算につきましては、昭和二十九年度歳出予算額は、三千二百九十億四千百八十三万九千円でありましてこれを前年度歳出予算額、三千二十二億四千五百三十九万七千円と比較いたしますと、二百六十七億九千六百四十四万二十円を増加いたしております。総理府所管歳出予算は、総理本府のほか国家公安委員会等の三委員会及び宮内庁、調達庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、保安庁、経済審議庁等七庁の外局に関するものでありまして、その主要なる経費を事項別に申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費百四十五億三千七百十一万三千円旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費六百三十八億一千八百七十万円警察行政に必要な経費百五十三億九千六百七万五千円北海道開発の公共心業に必要な経費百四十六億六十四十四万九千円、地方交付税交付金及び地方譲与税譲与金財源の繰入れに必要な経費一千二百九十五億二千二百万円、保安庁に必要な経費七百八十八億三千七十六万八千円等であります。  その概要を申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経理は、恩給法等に基いて、文官等に対して、年金及び恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比し三十億五千百五十六万七千円の増加となつております。  旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経理は、恩給法に基いて旧軍人、軍属またはその遺族に対して恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比し百八十八億一千八百七十万円の増加となつております。  警察行政に必要な経費は、警察法の改正に伴い、国家地方警察本部、管区本部、都道府県方面警察隊、警察学校等に必要な三箇月分の経費六十億五千三百二十二万四千円及び新警察法による警察庁、地方警察局、警察学校等に必要な九箇月分の経費九十三億四千二百八十五万一千円でありまして、右新旧両制度による経費を合計しますと、前年度に比し六十一億二千五百万三十円の減少となつております。  北海道開発の公共事業に必要な経費は、北海道における河川、山林、土地改定、開拓、水産施設、港湾及び道路等の事業に必要な経費でありまして、事業の執行に当り、関係各省の所管予算に移しかえて使用されるものであります。  地方交付税交付金及び地方譲与税譲与金財源の繰入れに必要な経費は、地方交付税法案に基いて、所得税、法人税及び酒税の収納済歳入額にそれぞれの決定割合を乗じた合計額に相当する額を、地方交付税交付金の財源として交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰入れるために必要な経費一千二百十六億円及び地方譲与税法案に基いて、揮発油税の収納済歳入額の三分の一に相当する額を地方公共団体の道路整備費として、地方公共団体に配付する揮発油税配布金の財源として、交付税及び譲与税配布金特別会計へ繰入れるために必要な経費七十九億二千二百万円でありまして、これら経費の合計額を前年度の地方財政平衡交付金に比較いたしますと、八十億七千八百万円の減少となつております。  保安庁関係に必要な経費は、本庁、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の維持運営に必要な経費でありまして、前年度と比較いたしますと、百七十四億九千九百二十八万五千円の増加となつておりますが、このうち百二十四億円は、前年度の国庫債務負担行為に伴い支出を必要とする経費であります。増加の内訳は、本庁及び自衛隊の維持等に必要な経費において、七十億二千六百三十六万円、庁舎、営舎、倉庫等の新設改修及び船舶の建造に必要な経費において、百四億七千二百九十三万五千円となつております。なお、保安庁につきましては、他に、施設整備費四十七億円、船舶建造費三十三億円、合計八十億円の国庫債務負担行為要求書を提出しております。  なお、以上申し述べました予算のうちには、経済審議庁に関する予算三億三千三百十六万八千円が含まれておりますが、これにつきましては、他の分科会において、御審議を願つております。  次に、総理府及び大蔵省所管交付税及び譲与税配布金特別会計歳入歳出予算について御説明いたします。  交付税及び譲与税配付金特別会計においては、歳入及び歳出おのおの千四百八十七億三千八百万円でありまして、歳入のおもなるものは、地方交付税交付金及び揮発油税譲与金の財源に充てるため、一船会計より受入れる収入と、入場税法案の規定に基いて徴収する租税収入等であります。歳出のおもなるものは、地方交付税法案に基き、各地方公共団体の基準財政需要及び基準財政収入を測定して、基準財政収入が基準財政需要に不足する地方公共団体に対し、その不足額に応じてその所要財源を交付するために、必要な経費及び災害復旧費その他捕捉しがたい特別な財政需要等の所要財源を各地方公共団体に交付するために必要な経費、並びに地方譲与税法案に基いて、地方財源の偏在を調整するため、本会計が収納する入場税歳入額の九割に相当する額を人口に按分して、各都道府県に譲与するために必要な経費と、入場税の残り一割相当額を一般会計に繰入れるために必要な経費及び都道府県等の道路整備財源に充てるための所要財源を当該団体に譲与するために必要な経費等であります。  以上をもちまして、昭和三十九年度内閣及び総理府の歳出予算及び昭和二十九年度交付税及び譲与税配付金特別会計歳入歳出予算の御説明を終ります。  詳細につきましては、御質問に応じまして関係の政府委員からお答えすることにいたします。よろしく御審議あらんことをお願いいたします。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、保安庁所管の説明を求めます。保安庁経理局長石原周夫君。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 ただいま内閣会計課長の御説明があつたわけでございますが、それを補足いたしまして、保安庁の二十九年度の予算案につきましての御説明を申し上げます。  二十九年度の保安庁の歳出予算案の総額は七百八十八億三千万円でありまして、二十八年度は六百十三億三千百万円でございますから、差引約百七十五億円、増加になつているわけであります。このほか、施設の整備及び船舶の建造につきまして、その工程あるいは支払いが三十年度に及ぶ分につきましては、国庫債務負担行為として、施設の整備におきましては四十七億円、船舶の建造については三十三億円、計八十億円を計上いたしておるのであります。従いまして保安庁の二十九年度における支出負担行為の予定総額は、歳出予算の金額に国庫債務負担行為案の金額を合せまして約八百六十八億円となるわけであります。  まず予算案見積りの基礎であります職員の定数及び自衛隊の規模につきまして概略を申し上げます。保安庁の二十九年度の予算上の職員定数は自衛官十五万二千百十五人、自衛官以外の職員一万一千四自二十五人、合計十六万四十五日四十人でありまして、これを二十八年度の定数に比べてみますと、自衛官において三万一千七百九十二人、自衛官以外の職員において九千五百九十五人、合計四万一千三百八十七人の増加となつております。自衛官の増員は主として自衛隊の増勢に伴うものであり、自衛官以外の職員の増加は自編隊の増勢等に伴う増員から行政整理に伴う減員を差引いた人口となつておるのであります。  長官官房及び各局、保安研修所、保安大学校並びに技術研究所、この本庁、付属機関の職員の定数は、自衛官以外の職員で七百六十九人でありまして、三十八年度のそれに比べまして百八十五人の増加となつております。この増加は主として保安大学校における学年進行及び技術研究所の拡充に基くものであります。二十九年度より新たに統合幕僚会議を設けることといたしましたので、これに充てます自衛官二十人、自衛官以外の職員十三人、計三十三人を増員いたしております。  陸上自衛隊につきましては、自衛官二万人、自衛官以外の職員八千七百人、合計二万八千七百人を増員するとともに、主動部隊に重点を置きまして部隊等の編成の改正を行い、自衛官十三万人、自衛官以外の職員一万五百八十人、合計十四万五百八十人をもちまして一方面隊、六管区隊その他の部隊及び機関を編成することになつております。  海上自衛隊につきましては、二十八年度におきまして建造に着手いたしました警備船等十六隻、九千百二十トンが二十九年度におきまして大体完成いたしますので、その乗員等として自衛官千六百十一人、自衛官以外の職員八十七人、合計千六百九十八人を増員いたしますとともに、二十九年度において新たに米国より供与を受ける駆逐艦等十七隻、二万七千二百五十トン分の乗員等として、自衛官三千八百七十四人、自衛官以外の職員百三十二人、計四千六人を増員いたすことに相なつております。従いまして海上自衛隊の増員は、自衛官五千四百八十五人、自衛官以外の職員二百十九人となり、従来の分と合せまして、海上自衛隊の職員定数は、自衛官一万五千八百八人、自衛官以外の職員五百八十五人、合計一万六千三百九十三人となつております。なお、二十九年度末の船舶の保有予定量は約九万トンでありまして、このほか二十九年度において新たに駆潜艇等十四隻、二千六百七十トンの建造に着手することといたしております。  航空自衛隊は、二十九年度におきまして、職員定数自衛官六千二百八十七人、内レーダー関係千三百人、自衛官以外の職員四百七十八人、合計六千七百六十五人をもつて新たに発足するものでありますが、二十九年度におきましては各種練習機等約百十九機によりまして主として要員の養成を実施することといたしております。  次に予算案見積りの概要について申し上げます。  長官官房及び各局並びに統合幕僚会議の運営に必要な経費は約二億四千万円であります。附属機関すなわち保安研修所、保安大学校及び技術研究所の運営に必要な経費は約十億五千万円でありまして、二十八年度のそれに比べまして約七億四千万円の増加となつております。この増加は主として保安大学校の学年進行による増約一億七千万円、技術研究所の研究費等の増約五億六千万円によるものであります。  陸上自衛隊の運営に必要な経費は約四百億三千万円でありまして、二十八年度のそれに比べますと約一億八千万円の減少となつております。職員定数が二万八千七百人も増加いたしましたにかかわらず、その運営費がかえつて減少いたしておりますのは、二十八年度予算におきましては通常の運営費のほか、装備品費の予備として約四十億円、航空機購入のため約十五億円、燃料その他の予備として約十四億円、合計約六十九億円の臨時的経費が計上されていたのに対しまして、二十九年度におきましては、増員及び編成の改正等に伴う初度装備品等につきまして、二十八年度までの予備及び更新分の利用をはかる等、極力歳出の圧縮に努めたためであります。陸上自衛隊の運営費を現態勢の維持に要しまする分と、増勢に必要な分とに区分をいたしますと、二十八年度までの定数自衛官十一万人、自衛官以外の職員千八百八十人、合計十一万千八百八十人の年度を通じます維持費は約三百五十億二千万円でありまして、二十九年度に増員を予定いたしております自衛官二万人、自衛官以外の職員八千七百人、合計二万八千七百人に要しまする経費は、編成の改正に要する分を含めて約五十億一千万円であります。現態勢の分の年度を通じます維持費の内訳といたしましては、人件費約百七十六億五千万円、二十九年度におきまして二年満期の到来いたします隊員約七万三千人に対しまする特別退職手当約二十四億一千万円、庁費、器材費等の物件費約百九億一千万円、糧食費約三十八億六千万円、その他約一億九千万円となつております。二十九年度増勢分経費五十億一千万円のうち、初度費は約二十二億円であり、維持費は二十八億一千万円となつております。初度費二十二億円の内訳は、被服費約八億四千万円、寝具、庁用営舎用備品及び新設駐屯他有無線施設等の物件費約十一億五千万円、その他二億一千万円でありまして、増員及び編成改正に要しまする初度装備費は歳出予算に計上しておりませんが、これは従来の装備品の予備及び更新分の充当並びに米国の供与にまつことといたしております。維持費二十八億一千万円の内訳は、増員自衛官幹部三千百九十四人、これが六箇月、士補等約二万六千八百六人、三箇月の維持費約十八億二千万円、自衛官以外の職員八千七百人の六箇月分の維持費が約九億円、昭和二十九年度より設けられます予備隊員一万五千人六箇月分の手当が九千万円となつております。  海上自衛隊の運営費は約八十五億七千万でありまして、昭和二十九年度のそれに比べて約十八億二千万円の増加となつております。このうち現在保有している船舶約五万三千七百トン、人員二万六百八十九人、及び昭和二十八年産着手新造船九千百二十トン、人員千六百九十八人の運営費は約六十億四千万円でありまして、昭和二十九年度新たに米国より供与を受ける船舶二万七千二百五十トン、これらに要する人員四千六人に対する所要経費は二十五億三千万円となつております。現態勢分経費約六千億四千万円の内訳はPF十八隻、LSSL五十隻分の通年維持費約三千四億七千万円、掃海船及び雑船維持費約八億円、陸上諸施設維持費約十五億円、昭和二十八年度に建造に着手し、昭和二十九年度において就航ないし完成する船舶十六隻、運行平均約一箇月弱、人員千六百九十八人、平均約六箇月の所要経費約二億七千万円であります。海上自衛隊の昭和二十九年度増勢分運営費二十五億三千万円のうち初度費は約十三億円であり、維持費は約十二億三千万円となつております。初度費の内訳は五箇所に設置予定の水中探知機等の器材百約七億円、船舶引取外国旅費約二億五千万円、その他約三億五千万円であり、維持費約十二億三千万円の内訳は、人員四千六人、平均六・八箇月分人件費約四億二千万円、供与船舶の平均約三箇月の運行に要する船舶燃料等の器材費約六億一千万円、その他約二億円となつております。  航空自衛隊の運営に必要な経費は約四十五億六千万円でありまして、このうち初度費は約二十六億八千万円、維持費は約十八億八千万円となつております。初度費の内訳は初級練習機三十機の購入費約八億円、教育訓練関係備品費約四億五千万円、飛行場関係車両の購入費約三億円、機上無線機等の航空用備品費約二億一千万円、飛行場関係無線機器購入費約二億五千万円、庁用品及び被服の初度調弁費約四億四千万円、その他約二億三千万円となつております。維持費約十八億八千万円の内訳は、人員六千七百六十五人の平均八箇月人件費九億一千万円、糧食費約一億三千万円、航空燃料及び航空機修理費等の器材費約七億五千万円、その他約九千万円となつております。  以上に述べました(項)保安庁の合計は約五百四十四億六千万円であり、昭和二十八年度のそれに比べて約七十億三十万円の増加であります。その内訳を要約して申し上げますと、長官官房及各局、統合幕僚会議並びに付属機関の運営が約十二億九千万円、陸上自衛隊及び海上自衛隊の既定勢力の運営費が約四百十六億六千万円、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の増勢分の運営費が約百二十一億円となつております。  施設の整備に必要な経費は約百二十九億四千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約二十七億六千万円の増加となつております。この歳出予算のほか、工事の工程が昭和三十年産に及ぶ分につきまして、四十七億円を国庫債務負担行為に計上いたしております。施設整備に必要な経費の機関別金額及びその計画の概要は次の通りであります。  まず長官及び各局、統合幕僚会議並びに附属機関関係は約五億二千万円でありまして、大部分保安大学校の第三、第四学年用の追加施設費であります。  陛上自衛隊関係は約七十九億八十万円でありまして、このうち現態勢に対する分は、約三十三億一千万円、増勢に必要な分は約四十六億七千万円となつております。陸上自衛隊の現態勢に対する施設費約三十三億一千万円のうち、約三十一億三千万円は昭和二十八年度の国庫債務負担行為に伴う歳出であり、残りの約一億八千万円は既存営舎の整備費等であります。陸上自衛隊の増勢分施設費は約四十六億七千万円でありますが、このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして、三十八億円を国庫債務負担行為に計上いたしております。従つて昭和二十九年産の増勢に対する施設計画の総額は歳出予算に国庫債務負担行為を加えた約八十四億七千万円でありまして、その内容の概略を御説明申し上げますと、営舎新設約三十七億二千万円、営舎増設二十三億一千万円、既存営舎等整備約五億九千万円、補給廠施設約四億七千万円、演習場、射撃場及び陸上自衛隊所属連絡機の発着場約四億六千万円、通信工事約二億三千万円、庁舎約二億円、その他四億九千万円となつております。  海上自衛隊関係の施設整備の所要額は約十八億二千万円でありまして、うち既定勢力に対する分は約三億九千万円、増勢に必要な分は十四億三千万円となつております。既定分三億九千万円の内訳は、昭和二十八年度の国庫債務予担行為に伴う歳出三億七千万円がそのおもなものであります。情勢分の施設整備費は十四億三千万円でありますが、このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして、二億円を国庫債務負担行為に計上いたしておりますので、これを合せて総額約十六億三千万円に相なります。施設計画の概略を申し上げますと、増員分の庁舎、営舎等約五億円、燃料施設三万九百トン分約二億七千万円、港湾施設約二億五千万円、水中探知機及び通信機械すえつけ費約一億五千万円、その他約四億六千万円となつております。  航空自衛隊関係の施設整備の所要額は約二十六億三千万円でありまして、総額増勢に対するものであります。このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして七億円を国庫債務負担行為に計上しておりますので、歳出予算の額にこの額を加えた総額約三十三億三千万円が施設計画の総額であります。施設計画の概略を申し上げますと、基本操縦学校二箇所約九億七千万円、初級操縦学校四箇所約八億八千万円、整備学校約三億一千万円、教育隊二箇所約五億一千万円、補給廠約二億九千万円、その他約三億六千万円となつております。  船舶建造に必要な経費は約百十四億三千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約七十七億一千万円の増加となつております。このうち既定分は約九億五千万円でありまして、うち八九億円は昭和二十八年度において建造に着手した警備船等十六隻分の国庫債務負担行為に伴う歳出であり、残りの約一億五千万円は雑船十二隻の建造費及び附帯経費であります。増勢分の船舶建造費は約二十三億七千万円でありますが、このほか建造の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして、三十三億円を国庫債務負担行為に計上いたしておりますので、増勢分船舶建造計画の総額は歳出予算の額にこの額を加えて約五十六億七千万円となつております。この建造計画の概要を申し上げますと、三百トン駆潜艇八隻、一隻約五億四千百万円、六十トン哨戒艇三隻、一隻約二億一千四百万円、三十トン掃海艇三隻、一隻約八千四百万円の建造費合計は約五十二億三千万円でありまして、このうち約十九億二千万円を歳出予算に計上し、三十三億円を国庫債務負担行為といたしております。差引約四億五千万円は各種雑船四十八隻の建造費及び附帯経費でありまして、全額歳出予算に計上いたしております。  以上施設の整備及び船舶の建造に必要な、経費を合せた(項)保安庁施設費は約二百四十三億七千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約百四億七千万円の増加となつております。  このうち長官官房及び各局、統合幕僚会議並びに付属機関関係は約五億二千万円、陸上自衛隊及び海上自衛隊の現態勢に対する分は約百二十七億五千万円であり、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の増勢に必要な分は約百十一億円となつております。この歳出予算のほか、増勢に対する分として施設整備費四十七億円、船舶建造費三十三億円、計八十億円を国庫債務負担行為といたしております。  最後に、保安庁関係歳出予算案の総額約七百八十八億三千万円を現態勢に対する分と増勢に必要な分に区分いたしてみますと、長官官房及び各局、統合幕僚会議並びに附属機関関係を一応現態勢分に含めまして、現態勢に対する分は約五百五十六億三千万円となり、増勢に必要な分は約二百三十二億円となつております。このほか増勢に対する分として施設整備費四十七億円、船舶建造費三十三億円、計八十億円を国庫債務負担行為といたしております。  以上をもつて保安庁予算案の概略の説明を終ります。  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尾関義一自由党

○尾関主査 次に、法務省所管の説明を求めます。法務政務次官三浦寅之助君。

三浦寅之助自由党法務政務次官

○三浦政府委員 昭和二十九年度法務省管轄の予定経費要求額につきまして、その大要を御説明申し上げます。  昭和二十九年度の予定経費要求額は百九十九億千四百五十六万七千円でありまして、これを本年度の予算額百八十四億四千三百八十一万五千円に比較しますと、十四億七千七十五万二千円を増加いたしました。今ここに、昭和二十九年度において新たに増額した経費の内容と重要事項について知説明申し上げますと、第一に、増加した十四億七千万円円余りの内訳といたしまして、給与改訂に伴う人件費等の増加額が十五億六千八百三十七万六千円でありまして、その他の経費は、逆に九千七百六十二万四千円が減少したのであります。この経費の減少額九千七百六十二万四千円余りの内訳は、その大部分が、本年度行われた衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙取締りに要するため計上された経費であります。  第二に、昭和二十九年度中に行われる外国人登録書切りかえ(外国人登録法第十一条第一項)に伴う登録カードの点検、分類整理及び外国人と登録番号台帳を審査、分類、編集を行う必要がありますので、これに要する経費六千二百十七万五千円を新たに計上いたしました。  第三に、登記事件の増加に伴い、登記所における事務は繁忙をきわめている状態であるので、これを緩和して事務能率増進の対策を講ずる必要がありますので、これに要する経理二百六十三万五千円を新たに計上いたしました。  第四に、農業生産力の増進をはかる目的のため、農地法に基き未墾地の買収及び売渡し等がなされるが、これに伴う登記及び台帳事件を急速に処理する必要がありますので、これに要する経費三百五万五千円を新たに計上いたしました。  第五に、鉱業法に基く鉱害賠償の打切り補償に関する政令の施行に伴い、これが路銀事務を処理するために必要がありますので、これに要する経費三百三十二万円を新たに計上いたしました。  第六に、国土調本法により送付される地籍調査の結果に基いて土地台帳を訂正する必要がありますので、これに要する経費九十五万七千円を新たに計上いたしました。  以上、新たに計上いたしました経費の概要を申し上げましたが、さらに重要事項について概略申し上げますと、第一に、法務局、地方法務局等におきまして、法令に基く登記供託、戸籍等の事務を処理するために必要な経費一億七千七百四十四万八千円を本年度に引続き計上いたしました。  第二に、検察庁におきまして処理する一般刑事事件、その他各種犯罪事件の直接捜査活動に要する経費四億五千百二十三万七千円を本年度に引続き計上いたしました。  第三に、公安調査庁におきまして処理する破壊活動防止のための調査活動に要する経費二億二千四百十一万七千円を本年度に引続き計上いたしました。  第四に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、及び少年鑑別所の昭和二十九年度の収容予定人員約八万五千人に対する衣食、医療及び就労等に要する経費三十七億七千百三十四万九千円を本年度に引続き計上いたしました。  第五に、地方人員管理官署の出入国管理令規定に基く不法入国者等の調査、審査事務を処理し、被退去強制者に対しては護送収容並びに送還する必要があるので、これに要する衣食、医療及び送迎のための傭船料等に必要な経費一億三千五百四十二万九千円を本年度に引続き計上いたしました。  第六に、検察庁及び行刑施設等の庁舎その他の新営と諸施設の整備等に要する経理三億九百八十六万円を本年度に引続き計上いたしました。  なおこのほかに営繕費といたしまして、法務本省及び法務局等の庁舎その他新営に要する経費一億三千万円が建設省所管予算に計上されておりますから、御参考までに申し上げます。  以上が法務省所管予定経理要求の大要であります。細部にわたりましては、後刻御質問に応じ御説明申し上げます。  以上をもちまして私の説明を終ります。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 次に、大蔵省所管の説明を求めます。大臣官房会計課長木村秀弘君。

木村秀弘大蔵事務官(大臣官房会計課長)

○木村(秀)政府委員 ただいまから昭和二十九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。  まづ一般会計歳入予算額は、九千九百九十五億八千八百二十七万四千円でありまして、これを前年度予算額一兆三百七十一億五千六十八万六千円に比較いたしますと、二百七十六億六千二百四十一万二千円の減少となつております。  以下、各部について簡単に御説明いたします。  第一に、租税及び印紙収入総額は七千七百十八億二千万円でありまして、これを前年度予算額七千五百六十六億七千四百万円に比較いたしますと、百五十一億四千六百万円の増加となつております。これは現行の税法によつて算出いたしました収入見込総額七千七百六十三億二千万円に対して、今国会に提出の税制改正案による所得税、法人税等直接税の減税額三百二十一億二千六百万円及び間接税の増収額二百七十六億二千六百万円を織り込んで算出いたしたものであります。なお昭和二十九年度からは租税払いもどし金に充当すべきを差し引いた金額を租税及び印紙収入とするため所要の法律案を提出する見込みでありますので、本予算額は、従前の計算による租税及び印紙収入の見込額から還付税見込額九十億円を差引いて計上いたしたものであります。  次に、各税目別内訳を申し上げます。  まず、所得税につきましては、現行の税法による収入見込額は三千百五十一億五千七百万円となりますところ、主として低額所得者の負担を軽減する措置をはかることとし、基礎控除及び扶養控除の額を引上げること等による減収額二百七十五億二千五百万円を見込み、収入見積もりとして二千八百七十六億三千二百万円を計上いたしました。その内訳は、源泉所得税で二千百五十七億五千万円、申告所得税で七百十八億八千二百万円となつております。  法人税につきましては、現行の税法による収入見込額は千八百九十五億一千七百万円となりますところ、法人の資本構成の是正をはかるとともに、企業経営の合理化に資するため、法人が増資を行つた場合等について特別の軽減措置を講ずる等による減収額十九億円を見込み、収入見積額として千八百七十六億一千七百万円を計上いたしました。  相続税につきましては、現行の税法による収入見込額は三十四億六千三百万円となりますところ、死亡保険金及び退職金に対する控除額を引上げるほか、主として中間資産に対する負担を軽減するため累進税率の緩和をはかること等による減収額三億百万円を見込み、収入見積額として三十一億六千二百万円を計上いたしました。  再評価税につきましては、現行の税法による収入見込額は八十二億九千七百万円となりますところ、法人の自己資本の充実のための措置に伴う再評価税の減免による減収額二十四億円を見込み、収入見積額として五十八億九千七百万円を計上いたしました。  酒税につきましては、現行の税法による収入見込額は千三百七十億八百万円となりますところ、清酒特級及び第一級、ビール並びに雑酒特級に対する税率の引上げによる増収額三十七億六千九百万円を見込み、収入見積額として千四百七億七千七百万円を計上いたしました。  砂糖消費税につきましては、現行の税法による収入見込額は三百二十三億九千四百万円となりますところ、分密白糖に対する税率引上げによる増収額五千七億三千万円を見込み、その収入見積額として三百八十一億二千四百万円を計上いたしました。  揮発油税につきましては、現行の税法による収入見込額は二百六億四千万円となりますところ、税率引上げによる増収額三十一億二千七百万円を見込み、その収入見積額として二百三十七億六千七百万円を計上いたしました。  物品税につきましては、現行の税法による収入見込額は二百三十三億九千八百万円となりますところ、奢侈品、特級品ないし嗜好品に対する税率の引上げ等による増収額十億円を見込み、その収入見積額として二百四十三億九千八百万円を計上いたしました。  なお、今回奢侈的消費抑制の見地から、間接税増徴の一環として繊維品消費税を新設いたし、織物等の販売業者、小売業者以外のものが小売業者、洋服等の縫製業者または消費者に販売する奢侈繊維品に対して、新たに繊維品消費税を課することとして、その収入見積額八十五億円を計上いたしました。  以上申し述べました税目以外におきまして、二十九年度に計上いたしました収入見積額は、取引所税三億四千五百万円、有価証券取引税十億一千四百万円、通行税二十三億七千九百万円、関税二百五十億円、屯税二億四千万円であります。なお、印紙収入につきましては、骨ぱい税及び印紙税の税率を引上げることとして、その収入見積額二百二十九億六千八百万円を計上いたしました。以上、租税及び印紙収入の合計額は七千七百十八億二千万円となつております。  第二に、専売納付金は千三百四億三千六百九十九万円でありまして、これを前年度予算額千五百八億五百七十二万三千円に比較いたしますと、二百三億六千八百七十三万三千円の減少となつております。その内訳を申しますと、日本専売公社納付金千三百億九千二百七万六千円、アルコール専売事業特別会計納付金三億四千四百九十一万四千円となつております。このうち日本専売公社納付金においては最近の販売実績を勘案しピースの値上げを見込み算定すると、千五百九十二億七千四百万円となり、増加額八十八億一十六百万円が見込まれるのでありますが、地方制度改正に伴うタバコ消費税の創設により二百九十一億八千二百万円の新たな支出が生ずるので、前年度に比べ二百三億六千六百万円の減少となります。  第三に、官業益金及び官業収入は百三十二億四千七百八十五万九千円でありまして、これを前年度予算額百六十五億七千五百六十三万六千円に比較いたしますと、三十三億二千七百七十七万七千円の減少となつております。その内訳について申し上げますと、印刷局特別会計受入金三億五千九百三十二万二千円、国営競馬特別会計受入金十五億五千二百九十五万五千円、病院収入百十三億三千五百五十八万二千円となつております。  第四に、政府資産整理収入は八十三億九千二百五十万円でありまして、これを前年度予算額百三十八億一千四百三十一万三千円に比較いたしますと、五十四億二千百八十一万三千円の減少となつております。  そのおもなる内訳について申し上げますと、国有財産売払い収入七十六億四千五百八十八万三千円、特別会計整理収入一億九百二十六万六千円、公団引継債整理収入五億七千三百九十六万円、となつております。  第五に、雑収入は三百五十三億九千五百三十三万九千円でありまして、これを前年度予算額である四百三十八億八百四十三万七千円に比較いたしますと、八十四億一千三百九万八千円の減少となつております。  以下おもなる内訳について申し上げますと、国有財産貸付収入十三億六百八十九万六千円、共有船舶利用収入九億五千二十五万三千円、日本銀行納付金九十五億四千万円、中小企業金融公庫納付金三億二十六百九十二万円、恩給法納金及特別会計等恩給負担金六十二億五千二百二十九万三千円、交付税及び譲与税配付金特別会計受入金十九億二千万円、公共事業費分担金四十九億二千九百六十六万八千円、授業科及入学検定料十一億六千五百五十六万二千円、免許及手数料四億九千七百八十万五千円、懲罰及没収金十億二千二十二万一千円、弁償及返納金七億六千六百七十八万一千円、刑務作業収入十九億三千七百六十八万一千円、物品等売払い収入十七億四千六百四十一万三千円、特別調達資金受入十億九千百九十四万八千円となつております。  最後に、前年度剰余金受入れにおきましては、昭和二十七年度の決算によつて生じました剰余金から昭和二十八年度への操越し歳出予算額の財源に先当した金額を控除した歳計上の純剰余金四百二億九千五百五十八万六千円を計上いたした次第であります。  次に、大蔵省所管の一般会計歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。昭和二十九年度大蔵省所管一般会計歳出予算額は千七百九十七億一千四百六十六万三千円でありまして、これを前年度予算額二千六十二億九百九十九万五千円に比較いたしますと、二百六十四億九千五百三十三万二千円の減少となつております。この歳出予算額を、まず組織に大別いたしますと、大蔵本省千五百八十五億六千九百五万二千円、財務局十八億九千四百九十九万九千円、税関十六億八千百四十三万一千円、国税庁二十一億三百五十六万八千円、地方税務官署百五十四億六千五百五十一万三千円となつておりますが、これを、さらに組織別に、おもなる事項にわけて説明いたしますと、次の通りであります。  大蔵本省におきましては、大蔵省設置法に定める本省内部部局の一般事務を処理する等のため必要な経費として、大蔵本省の項に十一億六百三十四万一千円、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法に基き、旧陸海軍共済組合及び外地関係共済組合等からの年金受給者に対する年金の支払い及びこれに伴う事務費を非現業共済組合連合会並びに日本製鉄八幡共済組合に交付するため必要な経理として、非現業共済組合連合会等補助及び交付金の項に十四億四千七百六十一万一千円、安全保障条約に基く米軍の駐留に関連し、わが方で支出を必要とする経費として、防衛支出金の項に五百八十四億八千万円、平和回復に伴い、条約の履行その他善後処理に関し諸般の施策を講ずる必要が生ずるので、その処理のため必要な経費として、平和回復善後処理費の項に百五十億円、奄美群島の復帰に伴う善後処理に関し諸般の施策を講ずるため必要な経費として、奄美群島復帰善後処理費の項に二十億円、日本国有鉄道、日本電信電話公社及び資金運用部特別会計へ、その国庫預託金についての利子相当額を交付または繰入れするための経費並びに日本銀行へ供託金利子相当額を交付するため必要な経理として、国庫受入預託金等利子の項に二億六千三百十四万円、国債償還の支払いに充てるため、国債整理基金特別会計へ繰入れるため必要な経費として、国債償還の項に二百一億四千七百七十九万三千円、国債利子、借入金利子及び大蔵省証券発行割引差額並びにその事務処理に必要な手数料及び事務費を、国債整理基金特別会計へ繰入れるため必要な経費として、国債諸費の項に二百二十八億七千六百四十三万九千円、国家公務員のための国設宿舎に関する法律に基き、宿舎制度の一元的規制のもとに宿舎の設置が行われて来たが、なお引続きこれを行うため必要な経費として、公務員宿舎施設費の項に八億円、政府関係機関等において必要とする資金に充てるため国が出資するため必要な経費として、国民金融公庫出資の項に二十億円、在宅金融公庫出資の項に五十億円、農林漁業金融公庫出資の項に九十五億円、中小企業金融公庫出資の項に二十五億円、国際航空事業出資の項に十億円、国際電信電話株式会社法に基き、政府が日本電信電話公社から譲り受けた国際電信電話株式会社の株式を、処分に応じて、日本電信電話公社に支払うため必要な経費として、日本電信電話公社交付金の項に五億円、平和条約第十五条及び連合国財産補償法に基き、連合国または連合国人が本邦内に有していた財産について、戦争の結果生じた損害に対し補償するため必要な経費として、連合国財産補償費の項に二十五億九千九百八十九万七千円、平和条約第十五条に基く連合国財産の返還及び保全維持管理並びに損害補償事務処理のため必要な経費として、連合国財産返還補償処理費の項に一億二千二十九万八千円、予算に超過し、または予算外に必要とする経費に充てるための経費として、予備費の項に百三十億円等を計上いたしております。  次に、財務局におきましては、大蔵省設置法に定める財務局所掌の一般事務を処理するため必要な経費として、財務局の項に十五億一千二百五十万七千円、賠償指定解除施設の整備、保全及び処分等のため必要な経費として、特殊施設処理費の項に二億三千七百万七千円等を計上いたしております。  次に、税関におきましては大蔵省設置法に定める税関所掌の一般事務を処理する等のための必要な経費として税関の項に十二億三千三百八十八万二千円、保税地域その他関税法規上特殊の取扱いをなす場所等において、税関事務の一部を処理するために派出する税関官吏に必要な経費として、派出官吏費の項に三億一千四百七十九万八千円等を計上いたしております。  次に、国税庁におきましては大蔵省設置法に定める国税庁の一般事務を処理するため必要な経費として、税務官署の項に九億九千八百九万九千円、郵政事業官署における国税金の収納事務、並びに過誤納払いもどし金等歳出金の支払い事務取扱いの経費に充てるため、郵政事業特別会計へ繰入れに必要な経費として、税務官署の項に七億百七十六万三千円、税務職員を養成するとともに、職員を再教育して徴税技術の向上をはかり、あわせて税務職員の教養を高めるため必要な経費として、税務職員養成訓練費の項に一億八千百三十九万七千円、地方税務官署、税務講習所及び醸造試験所の庁舎整備等のため必要な経費として、税務官署施設費の項に一億八千六百八十四万六千円等を計上いたしております。  次に、地方税務官署におきましては、税務官署の項に大蔵省設置法に定める国税局及び税務署所掌の一般事務を処理するため必要な経費として百十七億四千三百九十七万二千円、直接税及び間接税調査事務等に必要な経費として十三億二千百三十九万五千円、調査査察事務に必要な経費として一億九千四百九万三千円、徴収管理事務に必要な経費として三億四百四十一万二千円等を計上いたしております。  なお、従来の徴収実績から見ましても、多額の滞納が予想される現状でありますので、これが滞納の整理と、差押え物件の処分等の措置を実施するために必要な経費といたしまして、滞納整理費の項に五億三千八百三十二万六千円、酒類の密造が、酒税収入に及ぼす影響の甚大であるのにかんがみまして、これが取締りの徹底を期するために必要な経費として、酒類密造取締費の項に一億二千二百十七万八千円、内国税の過誤納金の払いもどし及び青色申告制度に基く還付金の還付に伴う加算金に必要な経費として、租税還付加算金の項に七億円を計上いたしております。  次に昭和二十九年度大蔵省所管の各特別会計歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず第一に造幣局特別会計におきましては、歳入歳出とも十八億八千九百四十一万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも七億三百六十八万九千円の減少となつております。減少しましたおもなる事由は、歳入におきましては金地金の配給売払い収入の減少によるものであり、歳出におきましては、配給金地金購入に必要な経費の減少によるものであります。  次に、印刷局特別会計におきましては、歳入五十二億八千百十九万八千百、歳出四十七億七千六百二十三万七千円、差引歳入超過額益金五億四百九十六万一千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入において九千五百八十九万一千円、歳出において一億八千七百六十五万七千円を減少いたしております。減少いたしましたおもなる事由は、従来歳入におきましては、外国からの紙幣の注文があつた場合を予定し、予備収入を設け、また歳出におきましては、これに伴う製造経費を予定して予備費に計上していたのでありますが、本年度はこれを予算総則の適用によつて処理することといたしましたので減少したのであります。  次に、資金運用部特別会計におきましては、歳入歳出とも四百四十三億三千九百八十一万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも九十八億七千九百十三万五千円の増加となつております。増加をいたしました主なる事由は、歳入におきましては資金運用部資金の運用による利子収入の増加によるものであり、歳出におきましては郵便貯金、その他の預金に対する利子及び資金運用部剰余金を郵便貯金特別会計へ繰入れるため必要な経費の増加によるものであります。  次に、国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出とも二千七百五十五億八千二百四十七万九千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも五億三千五百七十六万四千円の減少となつておりますが、この内訳は債務償還費において五億二千五万三千円、国債事務取扱諸費において六億六百九十八万六千円の減少となり、国債利子、借入金利子及び短期証券割引差額において五億九千百二十七万五千円を増加いたし、差引なつ三千五百七十六万四千円の減少と五億ております。  次に貴金属特別会計におきましては、歳入歳出とも十二億三千三十八万三十円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも七億九千六百四十七万八千円の減少となつております。減少いたしましたおもなる事由は、歳入におきましては貴金属売払代収入の減少によるものであり、歳出におきましては、金地金買入れに必要な経費の減少によるものであります。  次に、外国為替資金特別会計におきましては、歳入歳出とも五十七億三十四万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも十億一千七百三十一万四千円の減少となつております。減少いたしましたおもなる事由は、歳入におきましては外国為替売買差益及び資金の運用による利子収入の減少によるものであり、歳出におきましては、一時借入金等利子支払いに必要な経費の減少によるものであります。  七、産業投資特別会計におきましては、歳入歳出とも百八十六億二千九百四十三万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも二百五十一億八千八百七十三万一千円の減少となつております。減少いたしましたおもなる事由は、歳入におきましては、国債の売却及び発行収入の減少によるものであり、歳出におきましては、歳入の減少に伴いまして、産業投資に必要な経費が減少いたした次第であります。  最後に、昭和二十九年度大蔵省関係の行政府関係機関収入支出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  日本専売公社におきましては収入二千四百八十一億六千二百五十一万七千円、支出千二百四十八億六千六百九十八万九千円、差引収入超過額千二百三十二億九千五百五十二万八千円となり、これに昭和二十九年度末のたなおろし資産増加額六十七億九千六百五十四万八千円を加算いたしました千三百億九千二百七万六千円が国庫納付額でありまして、これを前年度予算額である収入二千三百二十億一千百九十四万九千円、支出九百億三千三百八万五千円、差引収入超過額千四百十九億七千八百八十六万円四千円に、昭和二十八年度末のたなおろし資産増加額八十四億七千九百二十一万二千円を加算した国庫納付額一千五百四億五千八百七万六千円に比較いたしますと、収入において百六十一億五千五十六万八千円、支出において三百四十八億三千三百九十万四千円をそれぞれ増加しておりますが、差引収入超過額において百八十六億八千三百三十三万六千円、国庫納付額において二百三億六千六百万円をそれぞれ減少しております。これは、昭和二十九年度において、新たに地方税として新設されるタバコ消費税分二百九十一億八千二百万円が支出として計上されているためでありまして、これを支出とせずに計算して前年度と比較いたしますと、差引収入通過額において百四億九千八百六十六万四千円、国庫納付額において八十八億一千六百万円の増加となります。  以下、各事業別におもな事項の概略を御説明いたしますと、タバコ事業におきましては、昭和二十九年度における製造数量は千五十一億本、販売数量は千三十二億本でありまして、前年度における製造数量九百七十九億本、販売数量九百七十四億本に比べますと、製造において七十二億本、販売において五十八億本をそれぞれ増加しております。  タバコ事業の予算額は、収入二千二百六十三億八千四十五万円、支出五百六十八億七百十万円、差引収入超過額千六百九十五億七千三百三十五万円となつており、これを前年度予算額である収入二千百四億一千二十八万円、支出五百二十五億九千二百六十一万円に比べますと、収入において百五十九億七千十七万円、支出において四十二億一千四百四十八万円をそれぞれ増加しております。  塩事業におきましては、三十九年度における収納及び購入数量は内地塩五十万一千トン、輸入塩百七十万トン、計二百二十万一千トン、塩の売払い数量は食料用塩百五万九千トン、工業用塩百十五万トン、計二百二十万九千トンでありまして、前年度予算におきましては、収納及び購入数量は内地塩四十五万トン、輸入塩百五十七万トン、計二百二万トン、売払い数量は、食料用塩百五万五千トン、工業用塩百五万トン、計二百十万五千トンとなつております。なお、ただいま申しました食料用塩売払い数量のうちには、輸入原塩を再製したもの等を含んでおります。  塩事業の予算額は、収入二百四億六千八百八十五万七千円、支出百八十一億八千九百五十一万五千円となつており、これを前年度予算額収入二百三億五千二百七十四万五千円、支出百六十七億八千五百八十四万七千円に比べますと、収入において一億一千六百十一万二千円、支出において十四億三百六十六万八千円をそれぞれ増加しております。  次に、しようのう事業予算額におきましては、収入八億六千六百七十九万七千円、支出七億五千六百四十二万九千円となつており、これを前年度予算額収入八億九百十三万円、支出七億三百八十六万七千円に比べますと、収入において五千七百六十七万七千円、支出において五千二百五十六万二千円をそれぞれ増加しております。  国民金融公庫におきましては収入二十五億九千三万七千円、支出二十一億六百五十三万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において三億七千三百六十一万円、支出において六億八百二十六万九千円を増加いたしております。増加いたしましたおもなる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては、借入金利息及び業務増量による事務費の増加によるものであります。  住宅金融公庫におきましては収入三十六億八千四百七十二万八千円、支出二十八億九千八百九十一万五千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において八億三千四百十二万七千円、支出において七億四千九百四万五千円の増加となつております。増加いたしましたおもなる事由は、収入におきましては、貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては、借入金利息の増加によるものであります。  農林漁業金融公庫におきましては、収入二十九億八千七百四十四万円、支出二十九億三千九百九十六万九千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において四億一千七百五十一万四千円、支出において七億四千二百十五万円の増加となつております。増加いたしましたおもなる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  第五に、中小企業金融公庫におきましては、収入が二十五億六千六百五万六千円、支出が十九億九千九百八十三万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において十八億五千八百三十五万一千円、支出におきまして十五億七千二百六十七万三千円の増加となつております。増加いたしましたおもなる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  次に、日本開発銀行におきましては、収入が二百十五億二千百二十万五千円、支出が七十二億九千三百八十万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入におきまして三十五億四千八百七十二万九千円、支出におきまして二十七億一千百六十三万八千円の増加となつております。増加いたしましたおもなる事由は、収入におきましては、貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息の増加によるものであります。  次に、日本輸出入銀行におきましては、収入が十一億二千四百十四万一千円、支出が四億四千八百八十二万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において二千二百四十四万八千円を減少いたし、支出において二億一千四百八十二万七千円を増加いたしております。収入の減少いたしました事由は、運用益収入の減少によるものであり、また支出の増加いたしましたおもなる事由は借入金利息の増加によるものであります。  以上、昭和二十九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について、その概要を御説明いたしました。     —————————————

尾関義一自由党

○尾関主査 これにて本分科会所管に関する説明聴取は終りました。  引続き質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。小山倉之助君。

小山倉之助改進党

○小山委員 内閣は御承知の通り三千億以上の厖大なる予算をとつておりますが、アメリカにおきましては、大統領を中心としてある機関が二千六百人もあつたのが、フーヴァー委員会やそのほかの勧告によりまして、五百人に減らした。五百人に減らしても十分今までの事務はとれる、こういうふうに伝えられておるのでありますが、何もかも内閣に集中して仕事をして行くということは、非常な国費の濫費になるのではないか。内閣自身から緊縮予算にならつて、その機構を縮小するとか、その機構を合併するとかいうようなことは、大臣から伺うよりも事務当局の方でそういうことをお考えになつたらどうか。私は官庁のいろいろな仕事を見ておりますると、陣容は撃つている。宿舎ができた。人がそろつた。それで仕事はちつともしていないという実例を多く見ておるのでありまして、かようなことは、この緊縮予算の際に、濫費をどこまでも継続して行くということになりますから、そういうことについて内閣の事務当局はどういうふうにお考えになるか、この点をまずお伺いいたしたいのであります。

大野木克彦総理府事務官(行政管理庁次長)

○大野木政府委員 行政機構の問題につきましては、昭和二十三年国家行政組織法が施行されまして以来、引続き整理を重ねて参つておるのでございますが、今日ご承知のように、行政の分野が相当広くなつたおりますので、ただいまの行政事務を行いますといたしますと、このままの状況では、現在の機構なかなかこれ以上減らしにくいんじやないかと存じますが、事務そのものが再検討をせられまして、縮小されることになりますれば、機構もさらに縮小され得るのではないかと存じます。私見でございますが、そういう点につきまして、フーヴアー委員会のような委員会で十分調査が遂げられまして、正規に勧告せられますならば、縮小の可能性もあるのじやないかと存じております。

小山倉之助改進党

○小山委員 私も長い間行政改革の実情を見ておつたのでありますが、日本の国が発展しておるときは、日本内地の官吏を満州へ送つた。朝鮮へ送つた。樺太へ送つた。台湾へ送つたというようなことで、また満州へ送れば、満州の機構がふくれるというようなぐあいで、ほとんどエンドレスにふえて参りました。これはみんな国民の租税に依存する人々でありまして、日本がこんなようなぐあいに国が小さくなつたならば、やはり官吏諸公もみずからの腕でみずからの生活をささえるというような教育が大事だと思う。官吏たるがゆえに尊いのではない。国家に貢献し、社会に貢献し、産業を興すというところに人間の価値があるのです。そこで、どうしてもこの官吏諸公も、早くその職をしりぞいたならば、みずからの力で生活するという慣習をつけなければ、これはどこまで官吏がふえるかわからない。今日租税でもつて食べておる者は六人に一人である。六人に一人の役人を養つたのでは、とても国というものは発達するものではありません。官吏諸公みずからそういう考えを持つて行かなければならぬ。どんな貧しい生活でも、自分の腕で働いて、その生活の範囲で暮せば、これほど人間としてプライドはない。月給をもらつて、そして国民を刺激するどころではない、むしろじやまをしておる。農林省の官吏やそのほかの官吏、もうとても国民は耐えられません。今はお互いに苦しい状態でありまして、日本を復興しようということですから、どうもりくつをつけて機構を多くして、そして自分の周囲に給仕を置いたり女の子を置いたり、大きな机へすわつたり、そういう虚栄はやめて、ごく質素にし簡素にして、しこうして国家の富をふやして経済力を伸ばして行こうということにその諸君がお向いになつたらいいじやないか。私も多少年をとりましたが、長い町の経験からいうと、みずから働いてみずから食べるということは、たとえば麦めしを食つても、みそ汁を少くしても、誇りがある、元気がある、国家のために貢献しようという気分があります。月給をもらつて、人が働いたものでぜいたくをして、一生懸命働いている者にいろんな干渉がましいことをして、その上酒でも飲んだりおみやげでももらわなければ帰らないという官吏はたくさんおります。これらは全部日本の国民の奮発心を萎縮させるゆえんでありますから、私は特にこの点に御留意を願いたいと思う。私どももしんぼうしたします。諸君もひとつしんぼうしていただきたい。これは別に御答弁はいりません。  そこで私は内閣に対してお伺いいたしますが、北海道の開発ということで特別の機関をつくつております。私は東北生れでありますが、北海道と東北とどこが違うか。領土が狭まつて来ると、北海道の開発も必要であるが、同時に東北も未開発地の部分が相当多いのでありますから、北海道に百四十億も出すならば、その半分でも出して東北を開発すべきである。そうすれば電力の供給もできるであろうし、東北に工業も興るであろうし、ことに食料増産その他生活改善から来る米以外の食糧でもつて、日本の食料問題を解決することもできるのじやないか。東北は政治力が弱かつたからこれが実現できなかつたのでありますが、われわれ東北の代議士が結集してその実現に努めようと考えておるのであります。内閣の、ことに未開発地開発の方面に働いておいでになる方々の御意見を伺いたい。なるべく皆さん方の方から大きな策を立ててやつていただきたい。私はある機会にも申したのでありますが、今日日本の大きな問題である国土開発の根本の方策は、どうしても川底を掘り下げることが一番であると思うのでありまして、そういう計画にも関係のある問題でありますから、北海道と同様に東北地方を開発して、食料の増産をはかり、外貨の外国に流れることを防ぐ一つの手段として講じていただきたいと思いますが、この点について御意見をお伺いいたします。

尾関義一自由党

○尾関主査 今経済審議庁は来ていないのですが、・・・・・。

小山倉之助改進党

○小山委員 それではこの問題はあとにいたしまして、私は保安庁の点をちよつとお伺いいたします。実は私は第二次大戦には反対した一人でありますが、その当時、ちようど支那事変が起つたときに外国の方を歩いてみますと、どの海外駐在武官も、日本の工業は非常に遅れている、これで戦争したらたいへんだと言つていたのでありますが、しかし日本の技術が遅れておるなんて言うと、たいてい東條内閣から破門されるか、あるいは第一線に送られて殺されてしまうというようなことで、この戦争が起つたのであります。最近私は横須賀のアドミラル・ブリスコーの招待を受けまして、いろいろ最新式の技術を目のあたり見る機会を得たのであります。レーダーとラジオでほとんど戦争ができるように非常に進歩しておる。ある将校に聞いたのでありますが、何年この仕事に従事しておるかというと、自分はアナポリスの大学を出て入つたが、十一年間この仕事をやつておるということです。今日のラジオとレーダーの発進を見ると、日本の工業がいかに遅れておるかということがわかるのであります。これに追いついてアメリカからMSAの武器を借りて使用しようとしても、はたして日本の保安隊にそういう能力があり得るやということを疑うのであります。大統領のメツセージにおいても、近ごろのアトミツク・ウエポン、原子力を利用した武器を自分らの友邦に教えることがアメリカの外交の先決円陣だと、言つておりますことは、御承知のことであろうと思うのです。つまり自分らのつくつた最新式の武器を盟邦の中で理解したり、あるいはこれを使用する力がはたしてあるであろうかどうか——それだけ進んでおる。石原局長はそういうことはよく御承知でありましよう。しこうして御承知の通り、アメリカの国防政策というものは、C・E・ウイルソンが中心になつております。その下のカイエスというのはゼネラル・エレクトリツクのヴアイス・プレジデントで実業家であります。ちようど石原さんと似ておる。からだが大きく、頭が大きくて非常にエネルギツシュで、最初は軍人から軽蔑された。しかし数箇月にしてあらゆる軍人の専門家を追い越えて、彼らの尊敬を受けた。これは実業家であります。つまり最新式の武器を使う戦争にはどうしても負けちやならぬ。それですからウイルソンよりもカイエスがほとんど中心になつてアメリカの国防に当つておるということを聞いておるのでありますが、日本の保安隊は、この予算委員会においてしばしば論議された通り、また私が先ほど申し上げました通り、ちようど農林省や建設省のやつておるように、陣容は整えておる、家はできた、人は大体そろつた。それがほとんどからつぽでもつて、新しいMSAの武器を借りようとしても、古い武雄ならばこれを用いることができるとしても、はたして最新式の武器を用いる能力を持つておるかどうかという疑いが起る。ですから、予算をとつてもその予算を使い切れない、今日予算の組みかえをしようとか、予算のある部分を少しもらおうというときに、一番先に保安庁の予算にぶつかつておるのです。何とかあいつを減らそう、そういうことでは私はいかぬと思うのであります。今日は自由国家群と相協力して人類を奴隷に陥れないように守ろうという時代なんです。その義務を日本が尽さなければならぬ。その義務を持つておる際に、私は保安庁の経費なんかは削つてはいかぬいう意見なのであります。世界の自由国家群と協力するんだ。われわれはクレムリンやモスクワに通じる道は歩きたくない。ワシントンやロンドンに通ずる道を歩きたいというのが希望であります。そうして東洋において残されたこの日本が、自由国家群の一員として世界に対して十分なる義務を果せば、われわれは今後大手を振つて世界を歩けるようになる。おそらくソビエトもこれを感じるでありましよう。中共もこれに従うでありましよう。そうすれば初めて世界のバリアというものが除かれて、われわれも中共と商売ができる、ロシアとも商売ができる。だれが今日戦争をしようと考えておるか、向うの進んだ武器を持つて戦う、進入を事とするこの共産軍に対抗するために、われわれ苦しいところから軍備をしよう。戦争をしようというのではない、防御をしようというのでありまして、そういう点から、保安庁は予算をとるについても、その予算の使い方についても、その予算を使う保安隊の構成員がこの世界の情勢というものに遅れないように、これとマツチして行くことに努力していただきたい。私はただいま石原君の御説明をよく伺いまして、いろいろその内容についてはお聞きしたいこともありますが、それよりも根本の問題は、この自衛力というものをどうして強化するか、このMSAの援助というものは、同時に日本の産業をある点においては幇助するものである、日本の産業のレベルを世界のレベルに上げるゆえんでもあるのです。ただその頭のぐあいだ、頭の使い方なんだ、その点に留意するように考えたい。  それからもう一つは、私は国土の開発ということを提案しておるのでありますが、だれかもそういう考えを持つておるようであるが、やはり保安隊は国土の開発のために、平時においては人のやらない仕事を民間と一緒にやつて、この荒廃した国土の開発に当るということも考えて行かなければならぬ。そうすると、ちようどスイスにおける自衛軍と同じような形になる。昔のように、一つの大きな特権を持つて、軍人はすべてのほかの仕事には携わらぬ、いわんや百姓なんかやらぬ、土掘りなんかやらぬというすこぶるぜいたくな国柄ではなくなつた。敗れてこれから立ち上るのでありますから、この保安隊を産業のために利用するということも、私は日本の今としてはやむを得ないんじやないかと考えるのでありますが、この二つの点について、石原君の御答弁をお願いいたしたいと思います。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。  第一点は主として科学技術と申しますか、そういうような点からの防衛力の増加と申しますか、そういうような着意においてどういうような考えをいたしておるかという点でございますが、この点はしばしば木村長官がこの席上でもお答えになつておられるようでありますが、防衛力というものは、今おつしやつたような新しい科学技術というようなものを十分に考えて参りませんければ、なかなかその実を上げがたいという点は、おつしやる通りだと思います。ただ現在のところにおきましては、お話のように、相当長い間の空白の期間もございますし、遅れた段階にございますので、漸を追うてやつて行く以外には方法はないのではないかということが一つ、もう一つは、科学技術の進歩と申しますのは、これはやや広い基礎におきまして科学技術が進んで参るということが、何と申しましても防衛関係の問題につきましても基礎になつておるのでありますので、その両方をにらみ合せながら、小山委員お示しのような内容を充実し、新しい物事を十分に考えて参るというような態勢に打つて行きたいというふうに考えております。具体的に本年度の経費について申しますれば、先ほど概要について申し上げましたように、五億円何がしというものを技術研究所に増加をいたしまして、これは従来からありまする物品の企画というようなものにつきましての仕事でございますが、航空関係でありますとか、あるいは電波光学の関係でありますとか、そういうような点につきましての研究も進めて参りたいと考えておるわけでございます。  なおMSAの援助におきまして、技術援助という問題も起きて参る。これが具体的にどういうような形で実現せられるかは今後の実績にかかつて来ると思いますが、保安庁の現在の予算におきましても、陸上百自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊おのおの相当の員数をアメリカに派遣をいたしまして、いろいろ訓練を受ける、これは実は本年もやつております。そういうような訓練を受ける計画をもちましは、アメリカ側との折衝をいたしておるわけであります。  第二の国土開発の点でございますが、これは御承知のように、災害の場合におきまして出動をいたし、その際におきまする復旧の工事につきましても、若干お手伝いをいたしておることは御承知の通りであります。お尋ねの点は、災害の復旧工事の問題以外の一般的な産業開発の点かと思うのでありますが、そういう点においても、保安庁法に規定がございまして、地方団体の方から申し出がございます場合には、私どもの方の訓練の状況を見まして、喜んで仕事のお引受けをいたしております。今ちよつと頭に件数の正確なものはございませんが、相当の件数を現在実施中でございますので、今後におきましても、お申し出があります限り、こちらの都合のできる限りにおきましては、できるだけ御援助を申し上げたいというふうに考えております。

小山倉之助改進党

○小山委員 最近アメリカの兵隊の教育なんかも、やはり経済人として働く教育などを与えておるように私は見受けるのでありますから、どうぞ今までのような軍人はただ戦争のときだけ国家に奉公するというのではなく、どしどし平和事業のためにも、ふだん余裕があればやることが今日の国家には最も適切な方法ではないか、私どもはどしどし注文をいたしますから、それに応じていただくようにお願いをいたします。私はあとの質問は保留いたしておきます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は資料のお取寄せを願いたいと思います。この機会に申し上げておきたいと思いますので、お許し願いたいと思います。

尾関義一自由党

○尾関主査 それではどうぞ。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 昭和二十八年度の予算の執行の状況を知りたいために、以下の資料をお取寄せ願いたいと思います。国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府経済審議庁を除きます。法務省、大蔵省——大蔵省に対しましては、ただいま二十九年度の予算に関する御説明がありましたので、他の所管の特別会計、それから政府関係機関等につきまして、昭和二十九年一月末現在、もし一月末現在が困難でありましたら、昭和二十八年十二月末現在における収入の総額、支出の総額、但しこれはおもな経費について、経費いかんという——これは適当に御選択願つてよいと思います。大体項別で御記載を願いたい。以上ひとつ至急に明日の会議に間に合うように御提出を願いたいと思いますが、これはもうすでに概略の予算の御説明があつたのですから、前年度におきましてのそれももちろんわかつておると思いますので、可能であると思いますから、どうぞひとつ至急におとりはからいを願いたいと思います。

尾関義一自由党

○尾関主査 お聞き及びの通りでございますから、できるだけの範囲において御提出をお願いいたします。  それでは午前中の会議はこの程度といたしまして、午後二時より再開いたします。  これにて休想いたします。    午後一時一分休憩      ————◇—————    午後二時三十七分開議

尾関義一自由党

○尾関主査 休憩前に引続き、会議を開きます。  質疑を続行いたします。質疑は通告順によりこれを許します。羽田武嗣郎君。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 自治庁の塚田大臣にお尋ねをいたします。選挙に関することでありますが、来年はいわゆる地方選挙——県知事、県会議員、あるいはまた市町村会議員、あるいは市町村長というようなふうに、たくさんの選挙が一ペんにまとまつて参るのであります。そういう意味において、ことにこういう細部にわたる選挙というものは、従来の例にかんがみまして、非常な深刻なる選挙買収違反事件が多いのでありまして、こういうのはあまり表には出ませんけれども、実際は非常に多いのでございます。最近の世情にかんがみましても、やはり政治に金がかかるということが結局正しい政治が行われないということになるのでございまして、そういう意味において、選挙界の粛清と申しますか、公明選挙の啓蒙運動というものは強烈に推進をいたして行く要があると思うのでございます。ことに、ただいまも申しましたように、来年は非常にたくさんの選挙が目の前に控えておるわけでありますから、特にその要を認めるのでございますが、大蔵省の査定において、当初この選挙公明運動の費用が削られておりましたが、大蔵省当局もこの選挙公明運動を継続して、しかも強力に推進をする要があるということを認められまして、最終の、今回の国会に出されましたる案の中には、選挙公明運動の費用が一億円計上されておるというふうに私ども考えておりましたが、さてこの予算書を拝見いたしますと、どこにも発見ができない。なるほどだんだん聞いてみますと、交付税交付金の中に相当額を計上してあるということでありますが、その点について、それから金額はどのくらい予定されておるのかを、まず第一点として最初に大臣に承つておきたいと思うのです。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 選挙の公明適正を期するためには、どうしても選挙民の啓蒙をしなければならない。しかも選挙民の啓蒙は選挙のときにやるだけでなく、常時啓蒙して行かなければならないという意味におきまして、来年たくさんの選挙を控えて、来年度の予算におきましてそれのための費用をぜひ組み入れたいという考え方は、御指摘の通りに、私どもも皆さん方の御趣旨によつてそのように努力いたしたわけであります。その結果大蔵省においてもその考え方に賛成をしていただきまして、全体といたしまして地方が支出し得る部分を一億円というように計上いたしたわけであります。ただその計上の仕方は、自治庁の予算に一億という計上をして、そうしてひもをつけて各府県町村に流すということをいたしませんで、地方財政計画を策定いたします場合に、地方財政計画の歳出の部分に一億円というものを公明選挙運動費というものにして計算をしておるわけであります。従つて現実的には、当該自治団体で、十分自己の財源があるところにはそういうものは行かないということになるでありましようけれども、そういうところはまたそれが行かないでも、十分そういう費用が出し得る財政状態になつておるはずでありますから、従つて私どもは、今度の措置によりまして、指導よろしきを得まするならば、各自治団体がそれ相応の費用を公明選挙運動のために二十九年度においては支出してもらえる、こういう見通しをつけておるわけであります。なお中央がいたします分といたしましては、七百万円自治庁所管の予算の中に計上いたしてあります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいま大臣の御説明によりまして、地方に参るのが一億円ということが明瞭になつたのでありまするが、大臣の御説明にもありますように、自治庁の予算に計上されて、そしてひもつきで流すということにおいて初めてはつきりとこの一億円が公明選挙の啓蒙運動に使われるということが明らかになるのでありますが、この交付税交付金と申しますか、そうそういうような中に漠然とたたき込んで一億円が入つておるのだということでありますと、結局町村に参りまして、はたして啓蒙運動のために割当てられた金としてこれを使うであろうかどうかということに非常に疑問がございます。ことにただいま大臣は、監督のよろしきを得ればその実を上げ得るというように御説明に相なつたのでありまするが、私はなかなかそうは行かないものだというふうに考えます。要するに選挙の啓蒙運動というようなことは、あまり町村においては力を入れないで、ほかの道路とか、その他いろいろ具体的に出て来るものに金をつぎ込んで、啓蒙運動の方はおざなりに、無料の講師でも呼んで一、二回講演会でもやつて、包み金なり菓子折の一つでもやつて、公明運動の費用は一万円使つた、五万円使つたという書類が出て報告をされるのでありまして、ほんとうに責任のある啓蒙運動というものは、やはりある程度ひもをつけてやらないと実効は上らないというふうに私は思うのであります。そういう意味では、大蔵当局が非常に地方にたくさんの交付税をやつたというかつこうを示すためには、その一億円は材料としてはよかつたかもしれませんが、この重大なる、ことに来年に迫る地方選挙の公明運動のためにはまことに遺憾であつたというふうに考えるのであります。ただしかしながら、ともかく一億円は計上してあるのでありますから、それをその目的のように実際に地方の第一線が使つてくれればいいわけでありますから、その点については特に監督を願いたいと存じます。しかしさらに考えてみますと、ただいまも富裕なる都市や町村においては、ほかに財源もあるからしかるべくそういう啓蒙運動をやるであろうというような御説明があつたのでありますが、現在交付税が行かないところが、全国に大体五百市町村くらいあるのじやないかと思うのでありまして、そうすると、そういう富裕なところというのは、要するに都会地が多かろうと思うのであります。あるいは都会地でなくても、大きな工場があるところというような、どつちかといえば金のある富裕の場所ですから、いわゆる相当の担税力のあるような、同時にゆたかな土地でございます。従つてそういうところにおいては、とかく選挙の場合買収行為が純朴な農村以上に行われるのじやないか、こう思うのであります。自分のところには公明運動のための交付金が来ないというような五百のところこそ、ほんとうに啓蒙運動を強力に展開をする必要がある場所だと思うのでありまして、そういう点では、このせつかくの一億円というものは生きて来ないという心配を打つております。こういう点について大臣の御所見を承つておきたいと思うのです。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 それは非常にむづかしい問題なんでありまして、交付税で一応ひもつきの補助金で出すかということは、この問題だけでなしに、これは全体としてある問題でありまして、ひもつきで出す方は、確かにその目的に金が使われるということがある程度の保証がつくというところで利点があることは、御指摘の通りでございます。そのかわりにひもつきで出しますと、やらないでいいところへもやらなければならないということになりまして、そこにむだがあつて、同じだけの金額では効率的にその金が使えないという欠点もまたあるわけであります。そこで、来年度予算は御承知のように緊縮予算でありますので、来年度予算全体の編成方針からすれば、むしろ今羽田委員が御希望になつておるひもつきでやつたらという方向とは、実は逆な方向に行つておりますので、ことに少額の補助金は全部整理をして、できるだけ交付金に一本にまとめてしまう、こういう方向に行つておるのであります。しかしそう言いましても、全部そうなつたわけではありません。やはり事柄の性質ではつきりとその目的に使われないという懸念のあるものは、やはり幾つか補助金で残つておるというようなこともあるわけでありますが、従つてこの公明選挙の費用も、そういうような例外的の措置と同じようなひもつきの扱いとしたらどうかというようなことは、今後の研究課題として残るわけであります。ただ実際問題として考えますときに、一億円くらいの金を府県町村にわけますと、一つの自治団体の配分の部分が非常に少くなつてしまいますので、そういう手間などを考えても、これをわけるということは、この程度の金額の場合にはなかなかできにくいのではないかというので、こういう扱いになつておるわけであります。従つて今後この問題の重要性にかんがみて、いろいろ検討し、額も多く出すように努力する、またその段階においては用途がはつきりいたすようにひもをつけてやるということも、大いに検討してしかるべき問題だろうというふうに考えております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 御承知のように全国の市町村には選挙管理委員という委員がございまして、そういうような啓蒙運動をいたしたり、あるいはまた選挙の管理の事務をいたすというようになつておりますが、やはりたといわずかであつても金が来ておれば、何か自分たちも金の裏づけを持つて仕事をしておるといつた自信もありますけれども、来ているのか来ていないのかというようなことであつては、せつかく委員が何か企画をいたしましても、村長や収入役にせびるについてもせびりにくいというか、出させにくいという点があるのでありまして、これはひとつ大蔵省とも御相談の上で、何かひもつき的なものにいたしまして、目下重大なる政界の粛正、政界の浄化、選挙の公明化というものを強力に推進を願う、これが自治体の政治あるいは国の政治を明るくするすべての根幹であります。議員に人のよろしきを得るということにおいて、初めて政治が公明に行われるのでありますから、その人を選ぶべき選挙の重要性というものは、これはたとい小さい金であつても、やはり意義あるように激励させて使つて行く、わずかな金をうんと生かして行くことが必要ではないかと思うのでありまして、この点については、特に大臣が大蔵省とも十分御連絡をいただきまして、現下の重要性に応ずるようなふうに、この金を生かして使つていただきたいということを特に希望いたして、この点の質問を終ります。  それから第二の点でございまするが、奄美大島の復帰は、われわれ日本人といたしまして実に最近の最大の喜びでございます。奄美大島が日本の国土でありながら長い間日本から離れておつたということは、あすこに住む人たちがどんなに今日の日を持ち焦がれたかということを想像いたして、心の非常にあたたまる気持がいたすのでございます。さてこの奄美大島の復帰に伴いまして、今回の予算においては、奄美群島復帰善後処理費といたしまして二十億の予算が計上をされて、われわれの前に提出をされておるのでございます。そこで私はお尋ねをいたしたいのでございますが、この奄美大島の二十億の金をどういうふうにお使いになるのか。内容がただ項だけありまして、目がございませんので、どういうふうに使うかはつきりいたしませんが、行政費あるいは事業費として大体のわくを、どういうふうにお使いになるのかということを、まず御査定に当りました主計局長のお答えをいただきたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 お答えいたします。奄美大鳥の復帰に関連いたしまして、本年度は十億円、来年度は二十億円の経費を組んでおりますが、予算編成の当時におきまして、奄美大島における行政機構をどうするか、行政のやり方をどうするかという問題が、まだ最後的にきまつておりませんでしたために、大蔵省所管に一応まるい額を組みまして、爾後必要に応じて各省に移しかえて使用する、そういう仕組みにいたしたわけでございます。使い方といたしましては、各省がそれぞれ出先機関を持つ場合もございましよう。たとえば税務署でございますとか、その他これに類した各省の出先機関、それは各省それぞれ所管するわけでございまして、この分は各省からの要請に応じて、それぞれ移しかえて使います。それから振興費的な経費、これにつきまして、機構をどうするか、まだ実は最終的にはきまつておりませんが、とりあえず二十八年度の十億円の分の使い方につきましては、運輸省関係と文部省関係、これは直接本省が企画して実施に当るわけであります。それ以外の各省の関係につきましては、自治庁において総括して企画を立てられて監督をされる、そういうようなことにでもいたしたらいかがかと存じまして、目下よりより協議中であります。  なお経費の内訳は、まだこまかな内訳が実はできていないわけでございます。それができにくいために、包括的に大蔵省所管に計上したわけでございましてもう少し現地の様子を見てはつきりした区わけをつけたい、さように存じております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいま主計局長の御答弁によりますと、まだ復帰早々でありますし、予算も相当急いでつくつた関係もありますので、具体的に使い方、あるいは行政機構の問題等については決定していない、これはごもつともだと思います。ほんの去年暮れに復帰をいたしたのでありまするから、これは当然のことであります。そこでただいまの御答弁によりますと、この二十九年度の二十億につきましては、自治庁においてどういうふうな使い方の内訳をつくるかというよりも、自治庁において各省の関係を総括いたしてやつて行こう、行くようにしたがいいというようなお話でございまして、私もこれが当然だと思うのであります。ただ問題は、長い間、戦争中も奄美大島なんというものは日本の第一線ではありますけれども、ほとんど軍としても根拠地にもなつておらなかつたようでありまするから、ほつといてあります。しかし終戦後はアメリカに所管されておりましたので、ほとんであそこは沖縄やその他と違つて、まつたく放擲されて、小学校のごときは、建物もまるですき間だらけ、暖かいところですから、大いに破れておつても、空気の流通がよくなつた方がいいのかもしれませんが、行つて来られた加藤大臣の話や、この間自由党から社会党にかけて大分たくさんの方々があちらへ選挙に行かれまして、帰つて来られた話を伺いますと、実際これが日本の一部かと思うくらいに、実に気の毒な状態である。何とかして早く日本の恵みといいますか、こうして放擲されたる土地は特に日本政府が大いにめんどうを見てやらなければならぬということを、異口同音に申されております。道路もなつておらぬし、港湾もその他いろいろな施設がほとんどまつたく南洋の野蛮な、どこかボルネオか、あるいはセレベスの山の中か、ニューギニアの山の中に行つたような、まつたくこんなところによくも日本の一部があつたものだと思うくらいに、ひどく荒されておるということを言われておるのでございまして、こういう意味において、どうしてもここに重点的に相当力を入れて、この数年間、開発といいますか、産業の振興といいますか、文化の施設の充実と申しますか、そういうようないろいろな各分野において、政府が力を入れて行くことが必要である、従つてこれはやはり中央の機関が、各省の関係のそれぞれが、しつかりした現地の報告や調査をされまして、そしてこの振興施策の充実を期するということが、久方ぶりに帰つて来た同胞の住む大島に対するわれわれ本国におる者の責任であろうと存ずるのであります。そこで問題はただいま主計局長からもお話がありましたが、振興費をどうして使うか、あるいは振興施策をどうするかというような問題につきまして、自治庁長官の手元において、何らかこれを推進する機構をどうするかという行政機構の案でもございましたらば、この際承つておきたいと思うのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは、奄美大島の復興のために特に自治庁の機構そのものに何かということは考えておらないのでありますが、少くとも御指摘のように、振興は非常に重要な問題でありますし、ことに今後ここ数年間持に力を入れなければなりませんので、自治庁にひとつ振興のための何か推進の協議会というようなものをつくつて、各省の意向をそこでまとめまして、少い金が最も効率的に使われるように努力したい、こういう考え方であります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 どうかひとつすみやかに国会の進行中に——どうせこの予算は通るものとわれわれは確信をいたしますので、国会の進行中に連絡の機構といいますか、同町にまた振興の施策を練るべき機関といいますか、委員会といいますか、関係省の委員会でもつくられまして、この四月一日からい念に実施ができるように府にお願いをいたしたいのであります。これは鹿児島県の県会議員なんかのまつたくえてかつてな話でありますが、ただこの際こういうことがあるということを御紹介いたしておきたいのは、鹿児島県の県会議員の話を聞いていると、この二十億という予算は鹿児島県に来るのだ、鹿児島の県会においてこの予算の割振りをするのだ、従つてわれわれが奄美大島に対する絶対の権限を持つておるのだというようなことを言いまして、島民を惑わしておるようでありますが、この点はまことに私は遺憾十万である。やはり二十億というような金が県にそのまま行きますと、とにかくそれを県の他の費用に流用することもございましようし、またあまり好ましくないように使われるかもしれないのでありますから、これはやはり中央の各省がほんとうに専門的な知識をもちまして、現地をすみやかに調査をせられまして、漁港の問題、道路の問題、あるいは学校の施設の問題、あるいはもしできれば水道とか——私は現実に行きませんから知りませんで、はたして水道の必要があるかどうか、そういう点はわかりませんが、名瀬というような、あそこの首都でありますが、そういうところでもずいぶん裏長屋のような実に気の毒な生活で、しかもただ人口が多いから市というようなことで、施設も大分不十分なように聞いております。こういうようなことにかんがみましても、やはり県にまかせるということでなく、中央が責任を持つて、この復帰しましたるものに対しましては数年間は特にめんどうを見てやる。そうしてその上で、十分なる態勢ができた場合において、大鳥郡としまして、鹿児島の一つの地域としてこれを鹿児島県にゆだねる。育てることはまず中央においてやつて、おとなになつたら鹿児島県にめんどうを見させるというふうにいたして行くことが、こういうしばらくほつておきましたところに対しては当然のことではないか、特にこの点は、大臣並びに大蔵省の皆様方にも御留意をいただきたいと考えまして、この点を述べておく次第でございます。  それから第三の大臣にお尋ねしておきたい点は、いわゆる町村合併の問題でございます。これは内地の問題でございます。予算の明細書にもございますように、特に今回はこの町村合併のために、総額におきまして十九億というような予算が計上いたされているのでございます。言うまでもなくこの法律は、昨年議員立法として通過をいたしたのでございますが、この法律のねらいとするところは、いわゆる最近の交通の発達にかんがみ、また学校、水道、公民館、その他いろいろな文化施設に多額の費用がかかるというような面からいたしまして、ことにまた最近の町村役場の事務というものが相当国家の事務を下請をするため、専門的な知識を要するというようなことから、相当優秀な吏員を置き、同町に相当な負担力を持たせるためには、今のような小さい、二千人や三千人というような村がございますが、そういうものでなく、ある程度の町村を合併をいたして、そうして経済余力を持たして行こう。それにはまあ適正規模として八千人というのが、法に示されているのでございます。そういうような適正規模でありますが、実際問題として、去年の暮れごろからただいまの冬の間にかけまして、盛んに町村合併が全国に推進せられつつあります。ところがこの推進をするのに、地方事務所長というような人が、県庁の総務部の指導のもとに第一線で活動しておりますが、どう勘違いをいたしましたか、あるいは地方民がそういつたような熱に浮かれたのかしりませんが、やたらと大きな村や町をつくること、大きな市をつくることに競争いたしております。たとえば一郡を一つの村にしてしまえというような極端なことも言われ、少くとも一つの郡を大体町を中心にして七、八里四方もあろうというような大きな、まわり七、八箇村から、ときによつては十箇村も合せて一つの町をつくる、あるいは村をつくる、ところによつては一郡を二つの村にしてしまうというような非常に大きなものをつくることが町村合併であるというふうに誤解している向きがあるのではないか。そうしてあの地方事務所長は自分の郡で三つの村をつくつた、町をつくつた、それじやわしはもつと大きく二つぐらいにしよう、一つぐらいのでかいものにして自分の強力なる町村に対する力を上司にも認めてもらいたいというような気持で、適正規模というようなことを全然忘れて、ただ大きなものをつくることをもつて腕のいい地方事務所長であるというふうに推進している傾きがあるのであります。それから同町にまた今度の町村合併は、適正規模の八十人くらいの規模にいたしまして、農村は農村の村といたし、また町場は町場とする、あるいは町と村が非常に一体になつて、経済関係も一緒だし、あるいは水道が一緒であるとか、あるいは水利関係が一緒であるとか、道路やいろいろな交通関係が一緒であるとかいうような場合において、すなわち、密接な地域の生活の共同体関係がありながら、今までは幾つかにわかれたものをこの際一つにするということは、これは正しい行き方だと思うのです。いわゆる経済的なつながり、文化的なつながり、あるいは組合立の学校があるとか、あるいは学校を建てるとかいうようなときに結びついた三つとか四つとかの村というようなものは、いわゆる地域共同体としての価値を持つておると思います。そういうような意味において、適正であつて、しかも経済的、文化的、あるいは交通的に、あるいは共有林を持つとかいうような、財産的に一体であるものをもつて一つの町村にして行くということが適当であろうと思うのです。ところが今は、先ほども言うように、そういうような人口の規模とか、あるいはまた共同体とかいうようなことでなく、何でもでかいものがいいというような行き方をいたしておるのが今日現実に進行しつつある町村合併の姿であろうかと、実は私は見ておるのであります。市のごときも、何でも大きくすればいいというので、六里も七里も先の、学校なども全然一緒の学校に入れないようなところまでも自分の市の範囲に入れる、もちろんこれから新しく市をつくるというような場合には、今では人口が三万というふうに押えてありますから、この規模に合わなければならぬので、これはちよつと無理をしましてもやるのはやむを得ないことだと思う。さもなければ望むところの市になれないから、やむを得ずそういうふうな目的のためにやつておるのでありまして、これは私は了とします。しかしながら現在市であるものが、さらに県下の一番大きな市にしてやろう、それでは十里四方、十五里四方の市にして、そうして山の中の国立公園まで自分の市の中に入れ込んでしまおうというような、まつたく全然計画性というもののないやり方が相当行われておるということは実は遺憾に思つております。私はやはり日本の国をずつと千年の生命を持つて続かして行くためには、農村と町とを一緒くたにしてしまうという行き方ではなく、できれば農村は農村同士、町は町同士という行き方が、思想上、あるいは負担力、経済力等いろいろな面から考えるべきことじやないかというような考え方を持つておるのであります。ただいま申すような現状で、もしやたらに大きくしてしまいますと、もう二、三年もたてば結局また分村しようじやないか、せつかく役場の襲用を省こうとし、優秀な役場吏員を置こうとしたが、やはり昔通りに、十の村が一緒になつたから十の出張所がある、しかも本部の役場はさらに大きくしなければならぬ、その建物も建てなければならぬ、あるいは学校も歩いて通えぬからと、結局昔通りの村に一つずつ中学校を置こうじやないかというようなことになつてしまつたならば、経済的な負担の軽減というようなことが全然なくなつてしまうのでありまして、これはとんでもない話で、今のまま行けば、数年後には昔通りに分村しようじやないか、合併ではなくてその反対の分村計画というものが全国的に起つて来る可能性が私はあると思うのであります。そういう意味において、やはりこの現実の状態をよく大臣が把握せられまして、これに対する正しい町村合併の方向を、この際あらためて第一線に認識させて行くということが必要ではないか、こう考えるのでありまして、大臣の御所見を承りたいと思うのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 町地合併をいたします場合の基本のものの考え方は、促進法にもはつきり書いてあるのでありまして、大体人口八千くらいのところを目標にいろいろな事情を勘案してまとまるものをまとめる、こういうことになつておるのであります。しかし現実に、もちろんほうつておいてはなかなか合併はできませんので、相当啓蒙宣伝はいたさなければなりませんが、その啓蒙宣伝のやり方にいろいろと問題がありまして、御指摘のような行き過ぎというものも、全然ないということは申し上げられないのじないか、私どももそういう幾つかのうわさを聞いて知つておるわけであります。しかし私どもが地方を指導いたします基本の考え方は、ただいま羽田委員がお調べになりましたところとまつたく同じような考え方を持つておるのでありまして、無理をしてやつても、これは無理であるばかりでなく、かえつて弊害があるという考え方をしておるのでありまして、第一段には、合併をされる当該町村の意向、それから第二段には、それを県として全体として見て無理があるかないか、いろいろな意見の食い違いがあるような問題は、さらに地方に応じまして事情をみな聞きまして、総合判断をして解決してやるというようにして、御指摘のような誤りのないように極力指導をして参りたい、こういうふうに考えております。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 それにつきましては、予算にも計上いたしてございますが、府県は、各町村が合併をいたすについて、今後の町村の合併後の計画を立てて、そうして府県の審議会にかけてこの許可を得るというようにして、そこで是正をいたすというように法律がなつていたかと思うのであります。その意味において、私はやはり県庁のこの審議会の審査というものを相当強力にいたしまして、その行き過ぎを是正するというようにする必要が非常にあるのじやないか、そうして悔いなき、繁栄する町村をつくり上げて行くということが絶対に必要であろうと思うのでありますが、県庁の審議会に対してはどういうような御指導をされておられまするか、この点を承つておきたいと思うのでございます。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 ただいまの点にお答えいたします。都道府県の町村合併促進審議会というのは、これは町村合併促進法で置くようになつておりますが、これの構成は各府県によつて若干違いますけれども、大体都道府県の職員、知事とか副知事あるいは総務部長というようなものが加わつておりまするし、また都道府県の議会の議員、市長の代表、あるいは町村会の代表、また各種の各界の団体の代表、それからその他のいわゆる学識経験者というような人たちが加わつておりますが、これは県によつて若干差異が出ます。この都道府県の合併促進審議会は、その県下全体の町村合併の計画をつくるのが主たる任務になつております。ただいま自治庁の方では、大体本年の三月三十一日までに全体の計画をつくるように、そうしてできるだけ全体の合併の計画が均整のとれたものになるようにということを指導している次第であります。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいまの鈴木次長のお話で了承いたしますが、とにかく行き過ぎを是正することに対して特に力を入れてすみやかに地方の第一線の実情を自治庁本部において把握せられまして、そうしてその指導のよろしきを得ていただきたいということを切にお願いいたすのであります。そこで、そういつた行き過ぎを是正する意味からも、自治庁が計画をせられておる五箇年計画といいますか、昭和二十一年までに全国の町村を三分の一くらいの数にしてしまおうというふうなお考え方、去年の法案審議のときにはそういうお考えのようであつたのでありまするが、二十九年度においてどのくらいの町村を合併せられるのか、それから今後の五箇年の年次割では大体どのくらいの数になるのか、その点をこの際承つておきたいと思う。それによつて大体地方の人たちも、これは五つも六つも、八つも十も合せて一郡を一箇村にするようなことではならない、これはちよつと勘違いだというふうに反省をいたすと思うのでありまして、私は特に自治庁の考えるところの適正規模、地域共同体というような考え方、あるいはまたこの経費の節減をし、あるいは相当経済力のある町村をどのくらい全国で順序よく合併をして行くつもりであるか、その計画をこの際承つておきたいと思います。

鈴木俊一総理府事務官(自治庁次長)

○鈴木(俊)政府委員 町村合併の全体の計画は、内閣に区村合併推進本部というのがございますが、これは関係の各省なり、各種の団体の代表なり、学識経験者の人なりで構成いたしておるものでありまして、ここで全体の計画等につきましての立案をいたすのであります。ただいま御指摘になりました町村合併の計画は、この町村合併推進本部の意見をとりまとめたものでございまして、政府はその方針を尊重いたしまして、御指摘のように大体三分の一に整理するという大きな方針を立てたのであります。二十九年度におきましては合併を一番力を注いでやろう、この年を中心にしてやろうという計画になつておるわけでございまして、二十八年十月から町村合併促進法が施行になつたわけでございますが、二十八年度内に全体の事業量の一五%程度のものをやる。二十九年度は六五%、三十年、三十一年にそれぞれ一0%程度ずつやる。合併の全体の対象になりまする町村は全体で九千余りでございますが、ほとんどすべての町村、八五%の町村は先ほど御指摘になりました人口八千という基準に達しないのであります。そういう関係で、合併の対象になりまする町村は七千八百三十三という数になるのでありますが、このうち二十八年度に全国で減る町村は九百三十七でございます。二十九年度では四千六十三、三十年度では六百二十五、三十一年度では六百二十五、合計いたしまして六千二百五十という町村が今の七千八百三十三の中から減りまして、結局将来残りまする町村が三千八十三、こういうことになるのであります。今申し上げましたように、二十九年度において一番合併の主力を注いでやるという計画でやつておるわけであります。先ほど合併の規模等についていろいろ御注意がございましたが、私どももただ大きくさえなればよろしいのだというような考え方ではなく、やはりそれぞれの地方の実情に応じて、また県下全体として均整のとれた合併を考えるべきで、特定のところが取残されたり、ある度はずれた農村地域を都市に編入するというようなことになることも適当でないと考えます。やはり農村がかつたようなところ、あるいはいなかのようなところ、町場のようなところ、あるいは都市をなすようなところ、それぞれ特性があると考えますが、ただその規模を従来よりも少し大きく考えて行きたい。その全体の考え方といたしましては、おおむね三分の一ぐらいのところを目標にしておるということでございます。

羽田武嗣郎自由党

○羽田委員 ただいま承りますと、二十九年度に主力を注いでおやりになるということでありますし、先ほど私がるる申し述べましたのは私の一つの考えでありまするが、ひとつ自治庁においても、ほんとうに確信のある指導をしていただきたい。よく地方の市なんかへ行きますと、市に合併さえすれば、スクール・バスをつくつて市の文化的な学校に入れてやる、そうしてどんどんただで運んでやるというようなうまい話をしておりますが、農村の人が毎日都会に出ているような気風になつてしまうと、結局農村を忘れてしまうということになつてしまうのであります。ことにスクール・バスの問題でありまするが、これは従来営業既得権を持つておるバス業者や、あるいは国鉄バスを運転しておるような地域には、新しいスクール・バスというようなことも自家用でも運輸省はなかなか許さないのでありまして、こういうような官庁の扱い方なんかも全然無視いたしまして、たなからぼたもちみたいなことを言つて、来年の市長選挙にひとつ腕のいいところを見せて、もう一回再選しようというような、そういう個人のみえや、選挙運動のために町村の百年の大計を誤つてはたいへんなことだと、実は来年の選挙というものがあるだけに、私は非常に心配をいたしておるのであります。そういう点も特に御留意をいただきまして、どうかすみやかに、先ほども申すように地方の実情を中央において把握せられまして、できれば大臣なんかがラジオを通じて国民の啓蒙に当つて、何といいますか、一夫一婦の正しい結婚とは違いますが、とにかく幾つかのものが一緒になる、それがまたやがて離婚するということになつてはたいへんなことであります。そういうようなことで、明治二十三年でしたか四年でしたか、町村の大合併の後はほとんどしてれらないこの日本が、今回は地方自治制における一つの革命的な段階にあるのでありますから、そういう重大性にかんがみまして、もつと地方の一人々々の住民によくこの町村合併の趣旨がわかつて、悔いなき合併をいたすというふうにするためには、やはり啓蒙運動が必要ではないか。それにはラジオの全国放送を通じ、あるいは言論機関を通じまして、地方の方々がよくこの合併の趣旨がわかるようにしていただきたいと思うのであります。県庁の人たちが講習会に講師として参りましても、あるいは合併の協議会等に来ましても、さて現在の村会議員や町会議員の任期はどうなるか、新しくできたそのしばらくの間はどうなるかとかいうようなことを聞かれて、時には全然答弁のできないような未熟なる地方公務員がありまして、むしろ地方の熱心に勉強している村会議員や何かにつつ込まれてたじたじ譲るというような場面すらあるのであります。こういうことは臨時的な仕事でありますから、なれないのも無理はないといえば無理はないかもしれませんけれども、いやしくもそれを仕事として——しかも町村の百年の運命を左右すべき重大な仕事でございますから、その意味において、もつと真剣にこの問題を勉強して、法と法の精神というものを十分に研究をして、県庁、あるいは地方事務所の諸君も町村の指導に当ることのできるように自治庁も資料を出してやるがいいし、あるいは中央に招集をいたしまして指導するとか、あるいは地方に出張して世論の調査をするとか、実情を視察するとか、そういうことをぜひやつていただいて、間違いのないように、悔いなきことをやつていただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終る次第であります。

尾関義一自由党

○尾関主査 滝井委員。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 ではお尋ねしますが、十六国会におきまして、保安庁の船舶建造の予算六十六億一千三百四十万円が原案として出されました。同町に国庫債務負担行為限度額として六十五億出されたのでございます。ところが大体において船舶建造費のうち、雑船関係を除くものについては五0%の支払いが二十九年度に延びるであろう、こういう認定のもとに、その予算が実際に成立をいたしたのは、三党協定において予算の六十六億一千三百四十万円が三十六億一千三百四十万円相なつたのでございます。そうして同時にそのかわりに、国庫債務負担行為の限度額六十五億が八十九億に増額せられたのでございます。これはおそらく予算の成立も遅れたし、もろもろの客観的な情勢を考えて、こういう三党の措置がとられたことと私たちは善意に解釈をいたしたいのでございます。ところが今われわれの要求いたしました資料によつて二十八年度の警備隊用船舶新造計画実施状況という資料をいただきましたところ、実際に契約を結ばれたのは雑船関係三十隻のみであつて、十六隻の警備船及び掃海艇は、契約さえも結ばれていないという状態でございます。すでに昭和三十八年度も終ろうとしておるこの二月の末になつても、大事な日本の自衛力を増強するところの船が契約さえもされていないのであります。この点をはつきりしていただきたいと思います。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 お答えいたします。船は御承知でもございましようが、予算をとりましてから基本設計というのにかかるのであります。去年は予算が成立いたしましたのが八月でございますので、大体九月ごろから基本設計にかかりまして、今ようやく基本設計を終ろうとしておるところでございます。従いまして大体基本設計が終りましてから発注になるので、年度内には発注ができるのではないかというふうに思つております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 現在基本的な設計が終ろうとしておる、従つて年度内にはは発注ができるということでございますが、しからば、一隻が二十四億もする船でございます。乙型の警備船でも十六億、そうすると現在ようやく設計の終ろうとしておるその船は、大体いつごろにはでき上るという予定でございますか。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保政府委員 年度内に契約ができますれば、大体二十九年度一ぱいにはできる心づもりでおります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 保安庁にお尋ねいたしますが、実は二月の二十一日の読売によれば、自由党の西郷参議院議員が取調べを受けております。その記事の中にこういうことがあります。現在保安庁の内部においては、保安庁内部自体の意見の対立と、自由党の政治的な発言と、業者の猛運動のために、二十八年度のこの船舶の新造計画というものが宙に浮いている、こういうことがありますが、全然こういうことに影響なしに、この二十八年度の建造計画というものは予算が八月に通つたために、基本的な造船の計画が今までかかつたのか、それ以外に、何らそういう西郷さんその他とは関係がないと断定ができますか。

久保亀夫保安庁局長(装備局長)

○久保政府委員 先ほどの官房長の答弁を補足いたしまして、基本計画の進み方を申し上げる方があるいはお答えになるかと思いますが、基本計画のその基本となるもの、つまりこういう船は三十ノツトの速度、あるいはこういう砲、あるいは航続距離が幾ら、こういつたことを基本的な要目と称しておりますが、これを実用者であります第二幕僚監部から去年の九月ごろに出しまして、それに基いて基本設計を進めて参つたのであります。一例を申し上げますと、現在それで一応技術研究所の方から、甲型の警備船につきましては四案を出しました。たとえば千六百トンで、これだけの速度、あるいはこういうエンジンの重量といつたものを出しました。それをもう一度第二幕僚監部の方と打合せまして、もつとこういう武器を搭載してもらいたい、あるいは航続距離はこうしてもらいたい、あるいは糧食を、二十日分では困る、一月半分積んでもらいたい、こういう要望が出て参るわけであります。そうすると、またこれが船の設計にはね返つて来るわけであります。これは実は先ほど内閣委員会でも資料の御要求がございまして、設計の現実の進み方の段階について御説明を詳しくいたすことになつておりますが、現実に設計の進み方の段階を見ていただきますと、なるほどこれではまだ発注できないということは御了解いただけるかと存じます。その他の初めにお話にありましたことは、私ども担当者といたしましては実際承知いたしておりません。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 今の御答弁では、西郷さんに関係する造船の一連の汚職の問題というものは、新造船の計画、保安庁に、関する限りにおいては関係がない、こう了解してさしつかえありませんね。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 この問題につきましては、私の方は全然関係がないと考えております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 しからば次にお尋ねいたしますが、二十八年度の船は、二十九年度の終りでなければできないということなのです。ところが現在すでに保安庁の方では二十九年度の船をつくる計画をまた出して来ておるわけなんです。今われわれの手元にいただきました昭和二十九年度の警備隊用の船舶新造計画一覧表によりますと、三百トンの駆潜艇八隻・六十トンの哨戒艇三隻、三十トンの掃海船が三隻、それからその他の雑船がこれも予算の説明書では四十八隻になつておりますが、これでは六十隻になつております。どちらがほんとうかわかりません。なおお金も予算書では百十三億だつたと思いますが、これは百十四億になつているのです。これもちよつとわかりませんが、とにかく二十九年度では百十四億くらいの金が出ておる。しかもそのほかに警備船等の船舶建造のために三十三億の予算外の国庫負担も出て来ておる。こういうように現実にまだ二十八年度の予算の船さえもつくつていない保安庁が、あつかましくも二十九年度の船の建造としてまた百何十億という金をとらなければならぬという、私はこういう事態がわからない。自衛力を漸増するといつても、まだ現実に去年の船ができていないのにもう二十九年度の船を現実にまた持つて来るということは、これはいくら現在の日本の至上命令が自衛力の増強だといつても国民は納得をいたしません。どうして無理やりに百十四億の金でことしまたつくらなければならぬのか、これをひとつはつきり御答弁願いたい。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 保安庁といたしましては、逐次年次的に増強して行きたい。日本の財政の許す範囲でお願いいたしたいと考えているわけでございますので、船は二十八年度の分はすぐできるわけではございませんけれども、二十九年度においても財政の許す範囲において漸増して行きたい。こういうふうに年次的な計画を立てている次第でございます。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 年次的に計画を立てるといつても、二十八年度の船ができていないのに、すでに二十九年度に莫大な予算を最優先的に確保して行くということは、明らかに私は国費の濫費だと考えます。さらに、そういうぐあいに船がまだ現実にできていないにもかかわらず、今度は同時にそれに乗る人員の問題が出て来ているわけでございます。まずお伺いいたしたいのですが、先般この予算委員会であつたと記憶いたしますが、四トンに大体一人の人が乗るということでありまして、大体一万トンの船には二千五百人の人が乗ることが必要だ、そうしますと、ことし予算の説明書通りに三万六千三百七十トンの船が、アメリカの貸してくれる分とともにできるとすれば、四トンに一人乗れるとするならば、九千九十四人の増員にならなければならない。ところがおそらくここはある程度船の建造その他の遅れもあるので、五千四百八十五人を要求しておると思うのですが、そう考えてさしつかえありませんか。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 四トンに一人、五トンに一人というようなことは、一つの目安として従来申し上げておつたかと思いますし、一種の常識のようなものでございます。むしろこれにつきましては、陸上の施設、あるいは官衛、船の大きさという関係もありますので、本年度増員いたしまする関係は、今御指摘のアメリカ側から貸与を受けます船、それから今度でき上りまする船、それから二十八年度に着工いたしまするが、これは船に乗り組みますまでに現実に相当程度の訓練をしなければならない。大体六箇月前くらいに入れまして訓練をいたしまして、船ができ上りまして乗るということになつておりますので、先ほど申しましように動きます期間はごく短かいのですが、人間といたしましては早期に手当をいたす、こういうふうに御了承願いたいと思います。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 そういたしますと、二十八年度につくりますところの新造船十六隻の九千百二十トンというものは、昭和二十九年の終りにならないとできません。すなわち昭和三十年の一月か二月でないとできないわけであります。従つてこの五千四百八十五人という人間は、大体何箇月分の給料を予算に組まれておりますか。六箇月と申しますがどうですか。二十九年の十月ごろからでもこの予算は組まれておるものでしようか。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 先ほど申しましたように、二十八年度につくります船、それにつきましては、訓練を事前にいたしまする関係をもちまして、平均六箇月ということを申し上げました。それからアメリカ側からもらいます船、これに対しましては、アメリカにとりに参りまする関係がございまして、午前中に申し上げましたように、運航期間は三箇月でございますが、とりに参りまする関係がありますので、そういう関係と訓練とを合せまして、六・八箇月という期間をとつたのであります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 次に予算書によりますと、保安隊を自衛隊に切りかえて十一万にプラス二方の制服を増加することになる。そうしまする、一般職員は十一万のときには千八百八十人でよかつたわけであります。ところが十一万人に二万人を加えましたところが、一般職員は八千七百人増加ということになつております。これは制服隊員と一般隊員との均衡が昭和二十八年に比して二十九年度は著しく破られるという形が出ておるのでありますが、これはどういう根拠でこういう状態が出て参つたのでありますか。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 平服と制服との関係は、二十八年度よりも二十九年度の方が私服の率が非常に多くなつております。これは従来部隊の一般事務管理職員、たとえばボイラーをたくものでありますとか、あるいは自動車の運転手、あるいは補給廠等に働いておりまする工員的な性質を持つておるもの、こういうものも今までは制服隊員をもつて当てておつたわけでありますが、今回はそういう人たちは制服でなくてもいい、それを私服に置きかえまして、そうして制服はもつぱら訓練部隊の第一線に配置をいたしたい、こういう関係で私服が非常にふえております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 そういたしますと、結局において保安隊というものは——三党協定にはあとで触れますが、十八万を五箇年間でつくるのだ、こう実は言つておりますけれども、だんだんと一般職員をふやして行つて、実質的には保安隊の数をさらに飛躍的に、一般職員、私服の名をもつてふやす一つのカムフラージュをやる手ではないかと私には考えられるのでございますが、この点はどうですか。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 お尋ねの通り二万の増員になつておりますが、事実上私服員をもつて制服員に約八千人ばかり置きかえますから、第一線に出て訓練に当る部隊配置の人員は二万数千名ふえるわけでございます。今後はどうかというお尋ねでございますが、今後におきましては、もはやそういうような私服をもつて置きかえられるような職域の者があまり出て参りませんので、そういうことはあり得ないと思つております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 それから予算書の昭和二十九年度保安庁の計七百八十八億三千七十六万八千円、この中で要求定員、うち三箇月一万六千八百六人というのがございます。保安隊の人数を二万人増加する、こういうことで予算が組まれておりますが、実際にこの定数を見てみますと、一万六千八百六人に見合う維持費というものは、説明書に十八億二千万円、三箇月——人数は書いてなかつたが、おそらくこれだろうと思います。それで実際に二万人になるというのは昭和三十年の一月、二月、三月で二万人になるのか、それとも予算が通ればさつそく、二万人にするのか。この三箇月というのは来年、昭和三十年の一月、二月、三月に制服がちようど二万にふえるという意味なのか、その点ひとつ御説明願いたいと思います。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 来年度の陸上自衛隊の増員の月割の問題でございますが、目下のところ大体二回にわけて募集をいたす予定にしておりまして、六箇月と申しまする部分と三箇月と申しまする部分と両方ございます。そこで六箇月の分でございますが、六箇月の方は、先ほど説明で、幹部並びに非制服職員、すなわち自衛官にあらざる者、その両者につきまして大体六箇月ということを申し上げたのであります。それから三箇月と申し上げております方は、これは士補以下の方であります。これは先ほど申し上げましたように二回にわけて考えておりますので、おそらく夏の終りか秋くらいのところ、それから年を越しまして一、二月の候となると思います。それらを平均して見まして大体三箇月ということを申し上げておるわけであります。維持費はもちろん月割で見ておりますので、維持費の方と人員の月割とは合つております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 当予算委員会で木村長官から、河野委員の質問に対して、昭和三十年においてもこの数字は大体間違いないと了承願いたいと思うが、制服二万人、海上制服六千人、航空八千六百人を増加する、こういうことであつた。これはことしの募集の状態、すなわち二十九年度の募集の状態から考えると、大体三十年もそういう状態になるのかどうか。これが一点。第二点は、大臣は当委員会で、一般職員は三十年には考慮していないという答弁をされたように——どうも速記録を見るとはつきりしない点があるのですが、何か一万人余りだというようなことをあとでぽつんぽつんとつけ加えているのですけれども、二月二十日の衆議院の外務委員会であつたと記憶しておりますが、並木君の質問に対して上村さんですかは、三十年には文官を、制服二万人のほかに陸上警備隊において二千人、船を二十二隻、航空機二百八十機というようなことを言つているのです。すなわち文官も三十年には増加すると説明しておるのです。さいぜんは私服はないというような御説明で、大臣もそういうことであつたのですが、これはどうなんですか。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 制服をふやします場合には、部隊なりあるいは管区総監部といつたような事務的な仕事をする役所がふえますので、それに伴いまする私服員をある程度の比率をもつて増員いたすことになると思います。従いまして、三十年度においての増員関係はまだはつきり決定いたしておりませんが、大臣が予算委員会で述べました通り、大体私どもの腹づもりとして、陸上制服二万人、そのほかに、これに伴つて平服二千の増員をお願いしようというふうに考えている次第であります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 この維持費と初度費の関係でございますが、何を維持費といい、何を初度費とわけるかということはいろいろ議論のある点だと考えるのです。保安庁の今の説明を見ると、航空自衛隊、陸の方の自衛隊、海の方の自衛隊とそれぞれ種目によつて違つておるやに思いますが、この維持費と初度費はどういう点でおわけになつておりますか、それをひとつ簡単に御説明願いたいと思います。大蔵省で出しておる予算の説明を見ますと、初度費とは施設費の全額、器材費中の航空機購入費並びに装備品、油、修理用材料、糧食等の備蓄購入費、これらのものを初度費といい、その他は維持費、こういつておるように思いますが、保安庁もこの予算の説明の初度費あるいは維持費というものは大体そういう考え方でもうけているのか、あるいはこれとは違つた行き方をしているのか、その点をひとつ御説明願いたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 初度費と維持費の区別の問題でございますが、ただいまお読み上げになりました大蔵の予算の説明に定義しておりますところで大体間違いないと思つております。経費の性質から見まして、増員あるいは船、飛行機というようなものを増加いたします場合に、一回限り必要なものと、毎年々々いります人間の俸給、あるいは施設を運営するとか、あるいは装備を運営して行く上に必要な経費というようなことで区別できますので、境目につきましてそう微妙なものではないと思つております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 実は微妙な問題がありますから尋ねるのでありますが、それはあとにします。そうしますと、今年度の維持費、あるいは初度費の一人当りに対する単位費用なのですが、二十八年度の状態を見てみますと、保安隊、今度新しく切りかえられる陸上自衛隊において、維持費は大体一人三十万円、初度費が八十六万円、合して百十六万八千円くらい、海上は五十万円くらいの維持費がいる、こういうように大体昨年度の金額は出ておるようでありますが、昭和二十九年度というものは、やはりそれぞれの客観的な情勢も違つて参りましたし、武器の進歩も相当急速なものがあるし、自衛力の漸増によつて装備も強化をせられる、こう考えられますが、陸上の維持費、初度費、海上の維持費、初度費、新しく航空自衛隊ができましたので、それの維持費及び初度費、これは頭割にいたしまして一人大体どの程度になるのか、これをひとつ御説明を願いたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。まず陸上自衛隊の維持費から申し上げますが、陸上自衛隊の維持費につきまして、従来国会で御説明を申し上げておりました数字は、大体三十万五千円であつたかと思うのであります。この三十万五千円ほどの経費が、今度はベース・アップをいたしました関係におきまして、一万五千円ほど人件費が増加をいたしております。従いまして、その関係におきましては、前年に比べて約一万五千円ほどふえたというふうに御理解を願いたいと思います。ただ二十九年度について申し上げますると、装備のリプレースの一部を米側に期待をいたしておりまする関係上、その金額が若干減少いたしまして三十一万何がし、この何がしということを申し上げまするのは、実は制服、非制服の関係の割方の問題がございますので、割りようによつて多少の相違が出ることを申し上げます。初度費でございますが、従来七十万円という数字を申し上げておつたのであります。正確に申し上げますと七十一万ちよつとになるわけでありますが、この方は実は、今年度は、午前中の御説明でも申し上げましたように、装備品につきましては二十八年までに蓄積をいたしましたいわゆるストツク及びリプレースというものを使つておりますために、この計算で参りますと非常に小さい金が出るわけであります。もしお割りになつて大きい金が出るということでありますれば、それは二万という数字でお削りになつたかと思うのでありまして、先ほど官房長が申し上げましたように、二万八千七百というのがこの制服、非制服を含めた数字であります。従来千八百八十人が十一万人のほかにございましたが、そういうような問題になつてありまするもののほかに、後方、学校というものを充実いたしまして、主動部隊の人員を増加いたします。従いまして、これを二万八千七百で割りますれば七十万円より大分低い数字になります。二万でお割りになれば大分高い数字になりますが、そこのところは、ただいま申し上げました、本年は特に前年に比べまして、従来後方で制服で働いておつた者を切りかえたという関係がありますので、今年のところで幾らかということをお尋ねになりますと、これはちよつと簡単に申し上げがたいのであります。ちよつとそれは——両方で割りました数字を後ほど申し上げます。それから御指摘のような装備のやや強化という点でありますが、これは午前中申し上げましたように、二個管区を増加いたしておりますので、総体的には主動部隊の割合はふえております。その関係で増加をいたしております。これがフアクターであります。その三つのフアクターを合せまして数字が出るわけでありますので、二万八千七百で割つた数字、あるいは二万で割つた数字というものはちよつと違いますが、後ほど申し上げます。  今、海のお尋ねがありましたが、海は大体五十万という数字があまり動いておりません。同じくベース・アツプの関係で一万ちよつとふえておりますが、全体としてはその程度の問題でございます。  空の方をお尋ねでございまするが、これは本年度練習隊をスタートいたしまする状態でございますので、本年度の金をいきなり割つてみては、一つの基準としては御参考になる数字に相ならぬと思いますので、これはもう少し先に参りましてごらんを願つたらよろしいのではないかと思います。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 三党の防衛折衝が現在行われており、木村長官も当然この三党の防衛折衝の線に沿うて今後の防衛計画は立てて行くのだという御言明を——中曽根委員がしつこく合い下りまして御言明をされたところでございます。この三党の防衛計画が成立すれば、当然本年度の予算はある程度の影響を受けなければならない状態だと思うのでございますが、事務当局は、そういう点を考慮してこの本年度の初度費、あるいは維持費というものを基礎にした予算を組まれたのか、全然三党協定というものは考えずに予算を組まれたのか、その点をひとつはつきりしていただきたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 私からお答えするのが適当かどうか存じませんが、事務当局として存じておる範囲内で申し上げます。三党の協定でどういうような数字におちつくかというようなことを織り込みまして数字をつくりますには、予算の作成をする時期が早かつたのでありまして、おつしやるように、三党協定の線がどういうようにおちつくだろうかというような前提のもとに組まれたものではございません。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 三党のそれを大して織り込んでおらぬということでございますが、実はなぜそういうことをお尋ねするかというと、三党の防衛折衝には重要なそういう点が含まれておる。というのは、中曽根君の速記を読んでみますと、防衛計画は五箇年計画であること、五箇年内に米軍に交代する兵力をつくり上げること、陸海空と均整のとれた兵力をつくる、これが三つの基本線である、陸軍は十八万、海軍十五万トン、空軍千機、これを五箇年の最終目標に整備する。この四番目です、初度装備費は——これは初度費のことですが、初度装備費はこれをアメリカのMSAに期待する、われわれがこれから負担するのは毎年度の維持費だけだということになつておる、金額について一兆四千億円程度である、防衛分担金は漸次低減する、右の構想で保安庁法を改正する、こういうことになつております。今年度の予算は、当然保安庁法の改正を基礎にして組まれておる予算です。そうすると、三党の防衛折衝のこの基本線は自由党の方から改進党に提示をしたものである。従つて木村長官はその線に沿つてやります、こういう言明があつて中曽根君は引下つたわけであります。従つて今後初度費はアメリカのMSAに期待をするのですから、今経理局長も御説明になりました通り、陸上の自衛隊をとつても維持費は三十万くらいしかかからぬが、実際に初度費というものは今の説明で七十一万、大蔵省のこの予算の説明を見ますと、これはいろいろ基礎が違うでありましようが、八十六万七千円ということになつておる、初度費の方が維持費の約三倍の金がかかつておるわけです。これはアメリカのMSAに期待をするということになりますれば、もし三党協定が——当然成り立つでしよう、予算委員会ではつきりと言明さたのですから。ことしの保安庁の予算というものは根本的にぐらついてしまうということになるのでしよう。そういう点を事務当局が何らお聞きにならずにこの予算を組んだということになれば、これはちよつとわれわれとしても、今年度の予算というものは、これは保安庁の予算に関する限り数字の上からいつても了承しかねる点が多々ある。おそらく事務当局も、もしMSAに期待するということになれば、初度費は全部——今の説明の中にもたくさんあります、初度費は何ぼ、維持費は何ぼというようにわけて御説明になりましたが、初度費は全部いらないことになつてしまう。この点どう事務当局はお考えになりますか。そうなつた場合にはどういうことになるのですか。これは実は大蔵大臣か大蔵省の主計局長にも尋ねなければならぬところなんですが、これはどうなるのですか。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 先ほどの御質問の通り、大臣から尊重するということを申し上げておりますが、初度費を全部アメリカに期待するというわけではないのではないかと私は思つております。武器等はできるだけアメリカに期待をする、こういうことになつておりますけれども、その他のもので、一部は日本側の予算でつくるものもあるのではないかと考えております。詳細は局長の方から御説明を申し上げます。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 先ほど経理局長から申し上げました初度費の内訳は、アメリカのMSAに期待いたします武器のみではございませんで、一例をあげますれば営舎、建物、これが非常に大きいのです。約半分くらいは営舎の建設費にかかつております。そのほか被服費、あるいは備品費というものがございまして、七十万程度の初度費のうち、アメリカに期待する額は正確には決定できませんけれども、大体一人当り十万少しの程度であろうと思つております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 そうしますと、そういう十万円程度期待をされるということになりますと、それに見合つたところの予算というものは当然これは浮いて来ることになると考えたいのでございますが、浮いて来るのか、それとも期待をされた十万円をさらに装備の強化とか、あるいは別の方面にさらに自衛力のより有効な漸増のために使われるのか、この点をひとつはつきりしておいていただきたいと思います。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 先ほど申し上げました一人当り七十万円程度の初度費のうち、予算に上つておりますのはこれが全部上つておりませんで、米側に期待いたします武器等の費用は計上してございません。またその他にも施設の面、営舎の面におきましても、増員のうち一万三千人程度に相当する営舎は、現在米軍が使用しております北海道その他の建物をこちらに引渡してもらいまして使いたい、従いまして建築費等も二万人分は計上してございませんので、一人当りの初度費として予算に上つておりますものは非常に少くなる勘定になるわけでございます。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 ちよつとそこらあたりなかなか複雑で、説明が少しわかりにくいのですが、初度費の七十万円のうちから、アメリカの援助によつて十万円の金が削減をされるという意味なんでしよう。日本の財政からいえば節約をされる、こういう意味なんでしよう。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 米側から援助を期待しておりまする十一、二万円の武器を買う金は、予算に計上されておらないわけであります。従いまして予算面に載つております一人当りの初度費は、非常に少く載つておりますから、アメリカからもらいましても、その金が予算が余つて来るということはない。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 次に食糧費ですが、今まで保安隊員一人当り三千二百五十カロリーですか、九十三円、海上百三十円でありました。米価その他の値上りで食料費がどういうぐあいに変化するか、現在災害その他で熊本等に参りましたところの保安隊員は非常に活動をした。そのために栄養が現在の九十三円では不定で、栄養失調状態だということが伝えられた。私そういうことからいろいろ調べてみましたところ、現在東京で厚生省が調査したところを見てみますと、大体一日一食、昨年の五月くらいの調査によりますと二十四円くらいになつておる。一日八十四円、生活保護法の対象となつている人の一食は、これは総理府の調べでございますが、十六円、従つて一日四十八円、こういう一般の人に比べて、あるいは生活保護法を受けている人の倍になるのですが、おそらく九十三円よりか今年はさらにこれが上つて行くのではないかと思いますが、こういう点は大体どの程度になつておりますか。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 食料費は一月から米価の値上げがございましたので、一月以降一日九十七円ということに相なつております。御指摘のように、生活保護世帯などに比べますとそれはやや上まわつた数字でございますが、これは御承知のように、相当な重い労働でもございますので、主食の配給量もふえておりまして、麦を入れまして四百六十グラム、そういうような関係もございますので、若干その差がふえたと思います。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 海上の方は・・・・・・。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 海上の百三十円は、大体三円か四円ふえたと思います。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 次に保安隊の医療についてでございますが、予算書を見ますと、医療費が二億五千五百八十五万九千円、診療委託費三億三千三百二十三万四千円、約五億八千九百万円ばかりの医療費が使われております。現在保安隊の出費と申しますか、そういうものは現在大体どういうようになつておるのか、これをひとつ簡単に御説明願いたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 ご指摘の医療費は、今隊内におきまして医務室がございまして、その医務室におきまして加療いたしまする薬剤その他の治療の費用が一人当りにぶつかけられました数字が今おつしやつた数字であります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 それは医療費だと思いますが、医療委託費というのがあるのです。少くとも保安隊が十一万なり十四万とだんだんふえて行きますと、聞くところによると、昔の陸軍や海軍がとつておつたような委託費制度をとるんだというような話があります。現在医学部の学生においても非常にアルバイト学生が多いのですが、何かそういうところに保安庁は自をつけたかどうかしりませんが、昔の海軍や陸軍と同じような委託学生制度をとろうというようなお話もあるのですが、この委託費と、それからこれは委託学生とは関係ないのでしようが、委託学生というようなものも現在考えておるのか、そういう二点について、・・・・・。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 まず診療委託費のことを申し上げます。二十九年度予算に計上してございまする診療委託費は、陸の力は二億九千百万円、これは治療委託費、入院と通院と自宅療養などがございます。現在は二箇所に地区病院という比較的小さい病院がありますが、それの収容能力が非常に限られておるものですから、各地におきまして国立病院その他の病院に委託をいたしまして、診療をいたしておるわけであります。それの委託の費用であります。大体これは実績を中心にして考えてみたのであります。入院が九百九十四人、通院が八百六十一人、自宅療養が三百三十八人というような数字になつております。  第二のお尋ねの委託学生と申しまするか、その点につきましては、保安庁においては、お医者の系統の人間を募集することがなかなか容易でない状況にございます。そこでただいま御指摘のような、ある程度医療の関係を将来やつてもらうというような者に対しまする一つの制度を考えたらどうかという議論がございますが、まだ決定をいたしておりません。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 現在保安庁で持つている病院というのは二箇所の地区病院だそうですが、現在政府はかつて陸軍や海軍が使つておつたところの国立病院というものをもてあましております。そしてこれを各地方団体、すなわち都道府県に払い下げようと、莫大な金をつけて払下げの養成をやつておりまするけれども、その場所が昔の陸軍や海軍のあつた非常に広漠たる辺鄙なところにあるために、現在各自治体はみな御遠慮を申し上げておる。そこでせつかく尊い国民の税金を使うのですから、むしろ保安隊は、そういう国立の病院を保安隊の病院に転用したらどうですか、そういう考えでもおありになるのかどうか。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。今厚生省の所管に属しておりまする国立病院、あるいは療養所、元の軍の系統のものを引継ぐ気はないか、こういうことでごさいまするが、私どもの承知しておりまするところでは、ただいま御指摘のように逐次地方に移すというようなことをやりまして、厚生省といたしましては、一応現在持つておりまする国立病院あるいは療養所の類は、自分の方で運営をいたすという考えのように承知いたしております。そこで私どもの方の病院にそういうものを使うかどうかという点につきましては、こちらの病院計画を立てまする当初におきまして、いろいろ相談をいたしたように承知をいたしておりまするが、目下そういうような考え方を持つておりません。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 そうしますと、保安庁はまあ独自の医療機関は持つ考えである、人的には、その医療を担当する委託学生とは行かなくても、そういう制度を持ちたいと、こう了解してさしつかえありませんか。その通りでいいのですか。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 その通りであります。なおちよつと申し上げておきまするが、先ほど申し上げましたように、私どもの方は委託療養ということで相当国立病院を利用いたしておりますので、そういう関係では、国立病院と全然無縁ではもちろんございません。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 実は私がしつこく尋ねるのは、保安庁の予算というものが、自衛力漸増という至上命令に隠れて、むしろ閣議においてもこの自衛力漸増関係の予算というものが批判を受けないところにこそ、私は現在一兆円予算の中に多くの問題を残しておると思うのです。それで新聞その他の報道、あるいは閣議の様子を伝え聞いてみましても、少しも防衛関係の費用には深い批判と深いメスが加えられていない。従つて二十八年度の造船計画というようなものも二十九年度末で終る。しかもそれをいのままほおかむりをして、今度は二十九年度の造船計画まで出て来ておる。こういうことは何も造船計画だけではない。現在ここに会計検査院から出ておる二十七年度の決算報告を見ても、今私が指摘しておる病院にもそういうことが出ておるわけなんです。こういうことが出ておる、四十八ページの十九項を読んでみますと、保安庁の第一募債監部では、昭和二十七年十一月から二十八年の三月までの間に、株式会社上野高商会外十二会社から看護婦三百八十四名分の被服として冬制服外十六点を千百九十一万二千四百四十七円、うち二十八年度支払分百八十三万一千八百二十三円で購入しているが、二十七年九月に看護婦の定員が三百八十四と決定され、十一月に五十七名が採用されただけでその後募集の事実もなく、二十七年度においては残りの三百二十七名を配置する病院の建設予算もなかつたばかりでなく、二十八年十月に至るもその敷地が決定していない状況で、定員三百八十四名分の被服全数量を取急ぎ購入する必要はなかつたと、まだ病院の敷地も買うていなければ、看護婦の定員だけはきまつたけれども、集まつた者は五十七名で、あとはそのままほつてある、しかし予算はとつておる、こういう国費の濫費が行われ、自衛力漸増の名をもつて国民の膏血をしぼられるということは、ちよつとわれわれは了承に苦しむものです。まだそのほかにたくさん保安庁関係の決算報告書が出ているのです。少くともわれわれは、内閣においていくらこれが批判の対象にならなくても、やはり予算を組む当事者はもつと良心的にやつてもらわなければならぬと思うのです。少くとも建造の計画ができなければ、二十九年度にはぐつと落したものをやるということが私は独立の予算ではないかと思う。一方にはアメリカに初度費を要求する。従つてこつちは使わなくても、予算だけは組まなければならぬというようなさもしい根性は、自衛力漸増のために——われわれは自衛力漸増は反対ですけれども、こういう予算の組み方自体に私は非常な問題があると思うのです。きようは一応小さいところを尋ねてみましたけれども、どうもこの保安庁の予算は、われわれしろうとうが見ても非常に複雑怪奇です。なかなかわかりにくい。人数その他においても途中から出しておる。表面には二万をことしからやるといつても、今申しましたように、三箇月ぐらいを切つてやるというように、非常に複雑な予算の組み方になつておつて、なかなかわれわれが一生懸命に勉強してもよくわからないという予算の組み方さえも行われておる。説明書を読んでも、頭のいい人でも一回、二回読んでもわからない、こういう状態なんです。もつと保安庁の事務当局の方は誠実にやつてもらわなければ、これは私は国民が承知しないと思う。今の病院の例もその通りなんです。看護婦を必要とすれば、必要とするだけのものを、病院をつくつて要求をしてもらう、こういう形、敷地まできまつていないのに、その定員だけをきめて、その洋服を買うということがないようにしてもらわなければならぬと思うのです。こういう点に対する保安庁当局の考え方はどういう考え方でおるのか伺いたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 ただいま御指摘のありました病院の看護婦の服でございましたか、二十七年度決算につきましての会計検査院の批難事項のことは承知をいたしております。これは別の機会におそらく申し上げる機会があると思つておりますが、二十七年度におきまして、病院の敷地の決定が遅れ、建設が遅れたということがございました。これは事実でありまして、そのために検査院指摘のような事実が生じたことはたいへん遺憾に存じております。今後そういう施設の進行の状況と物件費の調弁との間の調整を十分いたしまして、御指摘のような事実が起らないようにいたしたいと考えております。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 これで終ります。

尾関義一自由党

○尾関主査 横路節雄君。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 午前中にも説明がございましたが、この船舶受取外国旅費二億五千五十万九千円の点でございますが、船舶受取外国旅費の内訳を——船舶の数量だけはここに出ているわけであります。数量は出ているのですが、それが一体どういうふうになつておるのか昭和二十九年度新たに米国より供与を受ける船舶を二万七千二百五十トン、これらに要する人員四千六人に対する所要経費は二十五億三千万円となつておるが、この新たに米国より供与を受ける船舶二万七千二百五十トンの受取りのためか。そうであれば、その二万七千二百五十トンの艦艇の種類、それからその内容についてひとつ詳細にこの際お話を願いたい。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。十七隻二万七千二百五十トンでございますが、内訳は二千四百二十五トンのDDというクラスの駆逐艦、それが二はいで四千八百五十トン、それから同じくDDというクラスでございますが、千六百三十トンが三隻、四千八百九十トン、それからDEという護衛駆逐艦が千四百トンでございますが、それが二はいで二千八百トン、潜水艦が千六百トンクラスのものが二隻で三千二百トン、それから掃海艇でありますが、三百二十トン型のものが四はいで千二百八十トン、三十トンの小型掃海艇が一ぱいで三十トン、それからLSTという千六百トンの上陸用舟艇でありますが、これが二はいで三千二百トン、それからDTと申します駆逐艦母船と申しますか、そういう駆逐艦のような種類の艦艇に対します補給母艦が七千トン一ぱい、合計いたしまして十七はい、二万七千二百五十トンでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 政務次官にお尋ねしますが、これはMSAの協定とは別に受けることになるのだろうと私は思うのですが、そうしますと、この艦艇を受けるということは、第十五特別国会におきまして、当時二十七年の十二月に国会で問題になりましたように、いわゆる日米の船舶の貸借協定、御承知のように、外務委員は全部横須賀に行きまして、自由党の諸君だけは、これは船だ、こう言つたが、改進党以下他の党は全部軍艦だと言つた。しかし今石原経理局長のお話を聞くと、明らかにこれは軍艦なんだ、駆逐艦だ何々だと言つておるが、これは絶対船ではない。これは一体どういう協定に基いてお受けなさるのか、その点についてお尋ねします。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 これは明確にはきまつておりませんけれども、大体千五百トンから以下のものはMSAの中に入つておると思います。それ以外のものは別の協定になるのではないかと思つております。なお今回保安庁法を改正いたしまして、直接侵略に対して対抗する任務、防衛する任務を持つことになるわけでありますが、その場合におきましては、私らといたしましては、やはりある程度軍艦的な扱いを受けるところの船を持つ必要があるのではないか、こういうふうに考えておるような次第でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 政務次官にお尋ねしますが、今ここに予算書が出ている、私は予算書が出ていなければ開かない。ここに船舶受取外国旅費として二億五千五十万九千円が出て、今お話のような内容なんです。これが船であれば問題はない。しかし石原局長から、これは明らかに軍艦だという説明があつた。あなたは今千五百トン以下はMSA協定によるようだというのですが、この点はほんとうにそうでございますか。木村保安庁長官が一月の十一日に自由党の総務会に出席し、二十九年度の増強計画及び保安庁費八百十四億円について説明した中に、米国から二千四百二十五トン型駆逐艦二隻、千六百三十トン型駆逐艦三隻、千三百トン型護衛艦が二隻、千六百トン型潜水艦が二隻、その他こまかいことは今のあなたの発表で聞いた。それでMSAの協定はまだ結ばれていない。しかもこれは一体何でこの貸与を受けるかきまつていない。そのきまつていないものについて二億五千万からの金をかけて受取りに行くというのは、一体どういう根拠に基くのでございますか。しかも千五百トン以下についてはMSA協定によるようだが、千五百トン以上のものについては何ら明確でない。その明確でないものをなぜここに出すのですか。この点についてひとつ明らかにしてもらいたい。だから私のお聞きしておるのは、二十七年十二月に、第十五特別国会において日米の船舶貸借協定でやつたのだということになれば、今の石原局長のように軍艦だということは、明らかにこの協定の違反なんです。この点一体何でこれはお受けになるのか、明らかにしてもらいたい。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 アメリカの方は二十五はいの駆逐艦以下のものを極東向けに貸してもいいという法的な根拠ができておるようでありまして、これに基きましてわれわれの方も借りたいという希望量を出しているわけであります。従いまして、今申し上げましたようなものをわれわれの方は、千五百トン以下のものはMSA協定によつて、それ以外のものは別個の協定によつて借りたいということで、今交渉しているわけでございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると政務次官、こうですか。政府の一致した見解は、千五百トン以下のものはMSA協定で受けることになつておるのだ。調印すれば自動的に受けられる。千五百トン以上のものについてはMSA協定とは別のもので受ける。それで別のものなんですから、当然国会の承認を得ますね。その点どうですか。  もう一つ、そうなると、これは前に、第十五特別国会の二十七年の十二月にやりましたいわゆる日米船舶貸借協定とは別なものですね。その点も明らかにしていただきたい。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 MSAができますと、協定ができるかどうかということは、まだ内容の点は確定しないことがあるわけでありますが、われわれは期待しております。千五百トン以上のものにつきましては別途の船舶協定によつて借りる。過日の協定とは別な形で借りることになる、こう思つております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 政務次官、私のお聞きしているのは、国会の承認を得るでしようねという点です。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 失礼いたしました。国会の承認を得ることになると思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 MSAに関するところの協定というものは、おそくとも二十六、二十七日ごろに政府の方として調印するのではないか。そうなればおそらく重要な問題は、今日の自由党内閣のいわゆる自衛力漸増という点に関しましてなので、その点は政務次官から、一体千五百トンについては入つているのか入つていないのかということについては、もう少し明確にお答えをいただけませんでしようか。千五百トン以下についてはMSA協定の中で受けるのだから、そこで政府は国会の承認を期待して掲げているならば、掲げているのだ、こういうふうにお話していただかないと——われわれは反対の立場ですけれども、そういう点を明確にしていただきたい。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 MSAの方には、千五百トン以下というふうに明瞭に書いてあるように思います。従いましてMSAの方ができましたら——但しこれだけの期待量が全部もらえるかどうかということは交渉中でございますけれども、しかし千五百トン以下のものはMSAでやる、それ以外のものにつきましては、別途の協定をつくつて国会の承認を受ける、こういうことになろうと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今のお話で言葉じりをとらえるようですが、期待しておるのだということになりますと、もしもその期待がはずれれば、この受取りの旅費というものは当然削減されて来るわけですね。この点はどうなのですか。期待なのですか、もう方針をきめているのですか。期待だと大分怪しくなりますが、その点はどうなのですか。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 これは確かに削減されれば減ることになると思いますけれども、われわれはこれだけもらえるものと思つて交渉しておるのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 けさ石原経理局長からお話がございまして、航空自衛隊の運営に必要な経費は約四十五億六千万円で、その内訳について、話があつたわけでありますが、なお私たちの手元に出されました一般会計予算書の中にも、保安庁の中に航空自衛隊の運営に必要な経理、こうなつているわけなのですが、ちよつと私にふに落ちませんのは、航空自衛隊の運営に必要な経費というのは前年度予算にはないわけですね。前年度予算には零になつているわけです。そうすると、この予算委員会で二十九年度に関するいわゆる政府が考えている防衛力というものについて、ここに明らかに陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、こうなつている。今まではこういう言葉は使つていないのです。保安庁法には明らかに、保安隊の任務というものは国内の治安確保に当るとなつている。それが自衛隊になつて、航空自衛隊の運営に必要な経費というものが前年度は一銭もないのに、今度は四十五億幾らと掲げた以上は、少くとも三月一日に本予算委員会で予算に対する総括質問をやるまでには、保安庁としてはここに保安庁法の一部改正というものをお出しにならなければ、てんでこういうところで——きようは分科会ですから、できるだけ細部にわたつてお開きしますが、全然そういうものについて政府は大綱も示さない。何を考えているかも示さないで、予算案が通つてしまつてから、極端に言えば、こういうように根本的に性格のかわる航空自衛隊というもの、その一銭もなかつたものが出ている。だから政務次官にお尋ねしたいのですが、一体保安庁法のいわゆる改正法案というものはいつお出しになるのか。三月一日に総括質問をし、二日に休んで三日の本委員会で討論採決するのです。いつお出しになりますか、その点お尋ねします。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 私たちといたしましては、保安庁法の改正をなるべく早く提案させていただきたいと思つておりますが、御承知の通り三党折衝によりまして大綱をきめられる。われわれはその線を尊重いたしまして、作成いたしたい、こう考えておりますが、三党防衛折衝はいまだに終りませんので、三党防衛折衝の成行きに応じまして、なるべく早く提案をいたすことにいたしたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 その話はちよつと国会の論議としてはあまり受取れないと思う。少くとも国会で御答弁いただくのには、やはり三党といつてみたところで、一般的になるほど自由党、改進党日本自由党ということかもしれません。しかし今度の予算の論議を通して、保安長官にいたしましても、中曽根君に三党の防衛協定の通りやります、こう言つておる。私が重ねて、一体三党の防衛協定というのはどんなものかというと、全然御答弁がない。これは国会の審議というものを無視しているのではないかと思う。一体いつお出しになるのか。私たちは、そういうような自由党、改進党、日本自由党の方がこの国会を外にしてどこで何をやつているか、これは別問題です。少くとも私たち国民の代表として、この重大な、しかも予算に載つていなければそういうことを聞かないが、予算に載つている限りにおいては、三月一日に総括質問をやるまでにはここに出していただかなければ、それはあまりにも国民を盲にしたやり方で、予算を通しておいて、お前ら予算に賛成したじやないか、お前ら再軍備に賛成したじやないか、予算が通つているじやないか、こういうことでは国民を納得させるわけには行かぬと思います。この点きよう政務次官が御答弁できなければ、保安庁長官に明日でも、明後日でも、この点は大事ですから伺いたいと思います。もうあと何日もないのに、前年度一銭もないものをここに四十五億六千万円つけて来たのです。この点分科会ですから、できるだけこまかにお聞きしたいと思つておりますし、どうも三党協定だからいつになるかわからぬということは筋が通らぬと思いますが、どうでしようか。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 なるべく予算までに間に合うように出したいと思つておりますけれども、しかしこの問題はやはり三党折衝の線を尊重するということを長官も言明しておりますので、三党折衝の妥結をなるべく待ちたいと考えております。しかし今のお話の点は、いずれ長官の方にもよく御質問の趣旨を伝えておきたいと思います。

尾関義一自由党

○尾関主査 ただいまの質問に対して、関連質問をしたいという申出がありました。中村三之丞君。

中村三之丞改進党

○中村(三)委員 今の横路君の質問は単なる三党協定とか、折衝とかいう問題ではない。われわれが予算、ことに防衛関係の予算をどういうふうにして承認するかしないかの予算審議の根本問題であります。よつて横路君の言われたように、明日保安庁長官は、この保安庁法改正をいつ整備していつ出すかということを言明せらるべきであります。そうでなければ、われわれは予算審議を進めることはできない。この点特に関連質問として申し上げておきます。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 ただいまの御発言はよく大臣に伝えまして、その趣旨を私からも申し上げておきたいと思いますが、ただ私たちは、たびたびこの席でも大臣から申し上げております通り、保安庁法の改正につきましては、三党防衛折衝の線を尊重して提出したい、こういうことを言つておりました。三党防衛折衝はいまだに妥結しておりませんが、その点について十分に考慮しなければならぬ問題があると考えておるような次第でございます。しかし今の御趣旨はよく長官にお伝えいたします。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私は政務次官がそうおつしやるから問題が紛糾するのでないかと思う。少くとも政府側の答弁として、三党折衝がまとまらないから提案できないのだということは、これは一体どういうことなんです。これは大問題ですよ。三党折衝がまとまらないから提案できないのだということは、私は政府の責任者として、ほんとうはそういうことを言うべき筋でないと思う。おかしいですよ。それならばこの予算が事前に三党折衝のもとに、いわゆる自由党、改進党、日本自由党の三党の全員賛成のもとに出されてあるならばいいのですよ。金だけはこの中に組んでおいて、いわゆる保安庁法についてはまだ三党の意向がまとまらないから出せないのですということは、この予算の審議に当つて——本来から言えば、これは予算の一般質問で私はやるべきだつたのですが、重ねてそうおつしやるのであれば私はこの点ふに落ちない。政府の方の意向がまだまとまらないから、取急いで三月一日の総括質問に間に合せて出しますというなら話はわかりますが、三党折衝がきまらないから出せないと言つて、この重要な予算案について、この細部について内容がわからないままに賛成するとか何するとかいうことはできないじやありませんか、なお政務次官、そういうように三党折衝を待たなければ提案できないというようにほんとうにお思いになつておるのかどうであるか重ねてお尋ねします。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 お答えいたします。その点につきましては、先ほども申しました通り三党防衛折衝の線を尊重してということを言つておりますし、またいよいよ予算の最後の総括質問に入るというときでもありますので、今の御趣旨の点はよく長官に伝えまして、もう一ぺんよく相談いたすことにいたしますが、今まではとにかく三党折衝の線を尊重しておるということを申しておりますので、今まで待つておるようなしだいであります。  なお自衛隊にするという点につきましては、自由党、改進党の間においては両総裁において了解を得て出したものと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 政務次官にお尋ねしすが、実はこの予算にもつと重大なことがある。これには予備隊員手当九千万円がある。そうしてこの点につきましては石原経理局長から、昭和二十九年度より設けられます予備隊員一万五千人六箇月分手当九千万円と説明されているわけです。これは私は非常に重大な問題だと思つておる。この点につきましては、保安庁としてはいわゆる予備兵役制度を採用するのだ、期間は三箇年、そうしてこの志願制度は、「予備員希望者は保安庁長官と私的契約により予備役に編入される。」「期間、予備役の期間は通常の任用期間終了後三箇年とする。」「予備員手当、志願により予備員となつたものには年間平均一万円の予備員手当を支給する。」「その他の給付、予備員を訓練召集する際はその都度旅費、日当を支給する。」となつているのであります。このことについては、たとえば前には軍艦が一万トンだつたが今度は三万トンにしたとか、一万一千人の保安隊を一万五千人にしたとかなんとかいうこととはまつたく性質が違う、これもおそらく保安庁法の一部改正の中にあることでしよう。少くとも予備役制度を採用する、しかも保安庁長官との私的契約だという、こういうような内容を持つたものをこの予算書の中にあげておいて、この裏づけになる保安庁法の一部改正を出さないというのは一体どういうことです。重大ですよ、これは。これは主査さんどうでしようか、まつたく前田さんだつて困ることだろうと思います。これは審議できませんよ。私お尋ねしますが、今私が読んだ保安庁長官との私的契約、予備役に編入する、三箇年、年間一万円のいわゆる予備員手当、その他の給付については訓練召集する際にはその都度旅費、日当をやる、年間の召集は大体二週間程度である、まるでこれでは戦争前の予備兵役以上だ、俸給をやるんですから。こういうことを全然国会にかけられないということは一体どういうことなんでしようか。

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 ただいまの点につきましては、今度提案いたそうとしております保安庁法の改正によつて予備員の志願制度を設けたい、こういうふうに私どもは存じておる次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 これは前田さん、どうしても明日長官から言つてもらつて、少くとも明日か明後日の土曜までには改正法を出してもらわなければならぬ、重大なこういう内容を含んでいる。現に前田さん、この中には、警察法の改正に伴つて、警察庁であるとか、地方警察局というふうに全部組織がえをしてここに出してある、そして予算はちやんとあの法案の裏づけになつて、七月一日から都道府県警察に切りかえるのです。そうして四、五、六と三箇月しか組んでいないのです。それなのに警察制度と同様重大な意味を持つこの予備役制度、あるいは航空自衛隊の設定というようなものは全然法律を出さないということは——これ以上あなたに言つてもしようがないのですが、この点は、われわれといたしましてはどうしても三月一日の総括質問の前に出されなければ、今改進党の委員の方からもお話がありましたように、予算審議の上に重大な支障を来すのであります。おそらくこのままであるならば、三月一日に総括質問をやつて三月三日に上げるということは私は絶対に不可能だと思う。そういう場合における責任は、私は保安庁が負うべきものだと思う。この点だけはどうかあなたからも大臣によくお話をしておいてもらいたい。  次に私はあなたにお尋ねしたいのですが、ほんとうを言えば、これでやめた方がいいのかもしれませんが、そう言わないで続けますけれども、前田さんにお尋ねします。この航空自衛隊の運営に必要な経費は約四十五億六千万円であつて、そのうち初年度は約二十六億八千万円、維持費は約十八億八千万円、初年度の内訳は初級練習機三十機購入費約八億、教育訓練関係備品費約四億五千万円、飛行場関係車両の購入費約三億円、機上無線機等の航空用備品費約二億一千万円、飛行場関係無線機器購入費約一億五千万円、それから庁用品及び被服の初年度調弁費約四億四千万円、その他約二値三千万円というのが一応の初度費ということになつているわけであります。そこで私はあなたにお尋ねしたいのですが、一体今度のMSAの協定によりまして、アメリカからジエツト戦闘機あるいはジエツト練習機——私の特にお尋ねしたいのは、ジエツト戦闘機は何機お借りすることに防衛計画の上でお立てになつているのか、その点であります。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 二十九年度におきまして米側に供与を期待いたしておりまする航空機は、百四十三機でございますが、二十九年度内には、そのうちジエツト機の供与を受ける予定はございません。しかしながら三十年度の初頭におきましてF八六E五機とF九四C一機の供与を受けまして、三十年度の四月から使用いたしたいというふうな計画をしております。二年度以降につきましては確定いたしておりませんので、今申し上げかねる次第でございます。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 それならば官房長にお尋ねしますが、大体今あなたの保安庁の方でMSAの協定によつて供与を受けるというこのジエツト戦闘機は、価格にして一体幾らになるか、その点が第一点。第二点は、このジエツト戦闘機を借りて参りましても、いわゆる航空燃料がいる、さらに航空機に対する修理がいる、それに対して人件費がいるわけです。なるほど向うから供与を受けては来たが、しかし燃料はいる、それに対して機械の修理はいる、いろいろ機材の補修はしなければならない、人間はいる、人間に俸給を払う、航空糧食はいる。そこでそれを要約して、一体向うから供与を受ける価格は幾らか、それに対するそういう燃料費、修理費、それに要する人員——まさか一人で乗るわけでもないでしようし、またそれに要するいろいろな整備員がいると思うが、そういうものが幾らになるか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 ジエツト機の値段が幾らかというお尋ねでありますが、官房長がお答えをいたしましたように、T三三というジエツト練習機がございます。これの値段は大体四千五、六百万円くらいになるかと思いますが、部分品をどの程度使うかによつて違いますので、大体五十万円内外とお考えになつたらいいと思います。それからF八六Eでありまするが、これは七千六百万円程度、七千万と八千万の間くらいになるかと思います。F九四C、これは戦闘機でありますが、非常に高いのでありまして約一億七千万円。これは今いろいろな装備がかわつて行きつつございまするので、いつの時期を抑えるかという点でございますが、大体において昨年くらいのところにおける値段であろうかと思つております。  それから飛行機の一年当りの維持費が幾らかというお尋ねでありますが、実は先ほどのお尋ねに対しても申し上げましたように、本年度におきまして十分なるデータを持ちませんので、非常に大胆な数字を申し上げることに相なりまするが、丁三三は一応四百五十時間の年間の練習時間を考えまして、約三千七百八十万円くらいのところが年間の維持費かと思います。これは減耗補充と燃料費、修理費等でありますが、お尋ねの人件費はちよつと見方が違います。戦闘機につきましては、まだ二十九年度におきましてはそれを動かすことを考えておりませんので、今のような計算をしておりますo

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 ちよつと経理局長にお尋ねしたいのですが、今お話がございました価格一億七千万円に相当するジエツト戦闘機を三十年度の四月から使用するようにいたしたい、こう言つて官房長からお話があつたのに、あなたは今その点についてはてんで考えていない。これでは話がおかしいと思う。やはり三十年度の四月から使用することになつているのだから、当然それに対する人員もいるでしよう。私は本来からいえば、五箇年の防衛計画について政府に当然ここで明確にしてもらわなければならぬのだが、しかし三十年の四月から使用するF九四Cという戦闘機に対して、一億七千万円かかるのに、これに対する維持費といいますか、こういうものが幾らかかるかということを全然念頭に置いてないで、日本の防衛計画は成り立たないじやございませんか。この点どうなつておるのでしようか。大まかでいいですよ。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 大まかなことを申し上げることが困難であるということを釈明申し上げます。F九四Cというのは性能が高い飛行機でございますので、非常に金がかかります。減耗補充という面におきまして、どの程度のリプレースを見ることができるかという点についての十分な資料をまだ得ておりませんので、その点についてのお答えは差控えさせていただきたいと思います。F八六Eにつきましては、これもできれば一差控えたいと思いますが、大ざつぼな見当をおつけになる意味で御参考に申し上げますれば、同じような意味におきまして、四千八百八十万円と一応出ております。大体五千万円見当であろうかというふうにお考え願いたいと思います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 経理局長、私は数字についてあなたと大分違う見方をするのです。あなたは同じ飛行機だから、片方は三千七億八十万だから大体五千万ぐらいで済むだろうと言うが、そうは行かぬ。片方は練習機であり、片方は戦闘機である。私の見方では最低一億円は維持費にかかりますよ。そうすると、五千万円維持費がかかるか一億円かかるかということは、これはあなた方がお立てになる防衛計画に重大な支障を来す。官房長、どうですか、これは概算して一億はかかりますよ。

石原周夫保安庁局長(経理局長)

○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。一億かかるのだという横路委員のお話でございますが、従来行われておりまするいろいろな計算におきまして、横路委員がおつしやいますような一億ぐらいかかるのだという計算が行われたことは事実であります。それはどこで違うかという点を申し上げますと、主として減耗補充の点であります。一体年に何機ぐらいだめになるかという関係、何年待つかという関係で、先ほど申し上げましたように、ものが非常に高いものでしありまするから、そこでの食い違いが非常に大きく出て参ります。でございますから、私はいろいろな留保をつけて私の数字を申し上げたのでありますが、実はこの減耗補充の見方は、練習機におきましては二五%、それから実用機におきましては三〇%という見方をいたしております。ところが横路委員が御指摘になつたのと逆の見方もあるのでありまして、練習機は五〇%ぐらいの減耗を見なければいかぬという考えもあります。私どもといたしましては、今回整備をいたしますところの練習機は、何と申しますか、相当性能が飛行機としていいものでありますから、減耗率がそれほど高くないのではないかという推定のもとに、実は二十五という数字を見たのでありまして、繰返して申し上げておきますが、今後におきまして十分検討いたしまして、それから後におきまして、一機当り幾らからということを申し上げるべきでありますが、今のところは、今のような二五%、三〇%程度の減耗率を見まして、今申し上げたような数字になつているのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 政務次官に申上げておきますが、これだけ厖大な防衛力というものにつきまして新しい角度で政府がお考えになつた以上は、日本国内における防衛産業というものの実態等についても、十分お考えだと思うのであります。ことに今お話がございましたように、来年の四月から高性能のジエツト戦闘機をアメリカから供与を受けて、これに対する修理はしなければなりません。そうすれば非常に高い技術がいるので、当然新しい角度から生れる航空機部門に対する兵器産業等についてもお考えになつているのだろうと思うのであります。従つて私は先ほど申し上げましたように、政務次官から木村長官にお話をしていただいて、明日かおそくも明後日、ひとつ、この保安庁法の一部改正法案を出されますまでに、私からきよう資料要求をいたしておいて、そのときにあらためてお聞きしたいと思いますことは、今度御承知のように、いわゆる農産物の買付に伴つて三十六億円にわたる特別会計ができて、この点はアメリカ側としても、日本の防衛生産にこれを使つていいのだ——話等によりますと、ジエツト・エンジン会社へ十億円、ジエツト機オーバーホール整備資金として十二、三億円、保安庁用の練習機国産化の資金として四億円、その他機体、エンジンの補修設備資金として大体二、三億というようにもいわれておるのであります。従つて来年の四月から高性能のジエツト戦闘機をお使いになる以上は、当然この特別会計の設定に伴つて、この新しい航空機部門に対する政府のいろいろな考えもおありだと思う。さらにこの特別会計の三十六億円に対しまして、きようは大蔵大臣がおりませんから、この点はあらためて大蔵大臣と保安庁長官と両方にお尋ねをいたしたいと思いますので、この三十六億円の特別会計設定に伴うこの金がどういうふうに使われるか、その金が一体どういう部門に行くのか、そういう点についてぜひひとつ私の質問にお答えいただけるように資料を整備していただいて、保安庁長官から保安庁法の一部改正とあわせて御説明をしていただきたいと思います。一番大事な予備隊員の手当、それからこの自衛隊に伴う改正法案が出ておりませんので、きようは保安庁の方に対する質問は一応これで留保しておきたいと思います。  次に、奥野財政部長がおいでになつておりますので、これは簡単に御答弁願えばよいのですが、石原経理局長に昨年の暮れ地方行政委員会で、私は保安隊員の市町村民税の徴収につきまして、地方税法の中にうたつている特別徴収義務者の指定に関していろいろお尋ねをいたしましたところ、この点につきましては、自治庁から特別徴収義務者を指定してはならないという通達を出してあるのは撤回をするということになつておつたわけですが、その点がその後どうなつておりますか、この予算委員会で明確にしていただきたい。どちらからでもけつこうであります。

奥野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奥野政府委員 今御指摘になりました保安隊員につきまして、市町村民税の特別徴収をしないという意味の通達はとりやめまして、保安隊員につきましても特別徴収の制度をとることができる。これにつきましては、保安庁の方からさらに部隊の方ヘも、こまかい手続に関します通達を流していただいております。自治庁からも府県を通じまして市町村へその旨の通達をいたしております。非常な協力を得るようになつて参りましたことを喜んでおります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 今の点はその点明らかにさえしていただけばよいのですから、それでけつこうであります。  次に公安調査庁の高橋次長にお尋ねをいたしたいのですが、公安調査庁の事項の中に、破壊活動調査に必要な経費といたしまして、昭和二十九年度の要求額二億二千四百十七万七千円があります。昨年度は二億八百三十八万五千円でありまして、説明に、破壊活動防止法の規定に基き、暴力主義的破壊活動を行う団体等の調査を行うため必要な経費である、こういうふうになつているわけであります。私が特にお尋ねしたいのは、昨年の二億八百三十八万五千円というものは、大体どういうふうなところに使われたのか、これはぜひここでひとつ御説明をしていただきたいと思います。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 私からお答えいたします。昨年のお尋ねの費用でありますが、その中には調査実費としての報償費約一億二千二百万円、調査旅費として約五千万円、そのほかは若干の庁費、たとえば備品費——写真機とかいうようなものがそれに含まれているわけです。そして今申し上げました費目に沿いまして、報償費として一億二千二百万円ばかりの金は、公安調査官が破壊的団体及び破壊的活動の調査に実際に当りましたその費用として支出し、支払つているわけです。五千万円の調査旅費は、それの調査官が調査活動に出張するにあたりまして、旅費としてそれを使用しているのであります。その他の金は、調査上に必要な写真機を買うとか、あるいはその他若干の庁内備品を整備する方面に使用しているのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 この報償費の一億二千二百万円というのはだれがもらうのですか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 お答えいたします。この金は、具体的に申しますと、四半期ごとに示達を受けまして、その金が日本銀行に参りまして、現金として公安調査庁に支出を受けるわけであります。その現金を私の方で預かりまして、それを私の方の一定の計画に基いて、調査の実費として使用する、こういうふうに相なつているのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 私がお尋ねしているのは、だれがもらつているのか、こう聞いているのです。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 支出するその先の方から申しますと、これは要するに調査におきましては、私の方に協力して情報を提供していただく、あるいは資料を提供していただく、破壊活動調査に関し、諸般の今申し上げたようないろいろの資料情報などの提供をする人々を中心といたしまして、あるいはその協力者の人々、あるいはその前後、それを中心としていろいろの金がかかるわけであります。その方々に対して、この金を支払う、あるいは調査官が調査に当つて、どうしてもやむを得ない自動車の費用であるとか、あるいは場所を借りる費用であるとか、その他若干の必要のものをどうしても買わなければならぬ場合があるというような場合に、それらの費用をもつてまかなつている次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 場所をまかなつてということになると、やはり何か相手方にごちそうでもする金でも入つているのでしようか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 普通の意味においてのごちそうをする金は一文も入つておりません。たとえて申しますと、特定なる協力者とある場所において会見いたしまして、その人の情報、資料を受取る、あるいは話を聞くとかいうような場合のそういうような場所は相なるわけであります。これは一例でありまして、調査の面は種々さまざまでありまして、要するに資料、情報の入手に当つての必要なる場所、どうしてもある場所が必要だというような場合に、これに対して実費として相手方に支払うのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると破壊活動防止法の規定に基いて、暴力主義的な破壊活動を行つた団体の調査という場合に、今のお話ですと何か二通り考えられる。一つは、極端にいえば何々団体の、今国の方で探しておるだれだれがおるという情報を提供して来た。そういう場合に三千円やる、こういうこともあるでしよう。それからそうでなしに、何か特定の人に、いつもお前は月ぎめ二万円だ、こういうようにしておるのか。それともそのほかにどうなさつているのか。私はこういうのはたいていきまつているのじやないかと思う。最低が千円だとか、あるいは月ぎめで月給のようにして公安調査庁のいわゆる調査不十分、手が足りないからといつて何か補助といいますか、昔でいうと補助憲兵のような形で何十人かの特定の人に渡しているのか、その点はどうなつておりますか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 今のお尋ねの点でありまするが、これは考え方のスタートといたしまして、初めからある特定の人を補助的に雇い入れて、それに定額の月給をやるという意味合いにおいて、この金を使つているというのではないのであります。すべて破防法に基く調査活動でありまして、団体を規制するに必要なる資料、証拠情報を入手するということが法律の命ずるところでありますから、要するにそれらのものを提供していただいたそのことに対する実費の弁償としてその金を供与しているわけであります。そこで、場合によつて特定な人が継続的にそういうことをやつていただくと、継続という結果が出て来ると思いますが、頭から継続でなく、要するに向うから協力をして情報、資料の提供を受けた。それが継続すれば、あるいはその方については継続することになるかもしれませんが、考え方のスタートは、相手方に協力していただいたそれに対して支払うという建前ですべて運用しているわけであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 一つの仕事に継続して二月も三月もかかつたということになると、かりに三月であると九十日間でありまして、相当な金額になるのですが、しかしこれは、大体一件当り十万円とか二十万円とかいう最高はおきめになつているのじやないですか。その点どうなつていますか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 協力者に提供いたします報償の実費額でありまするが、これはまことにニユアンスがありまして、種々さまざまでありまして、特段にこれを最高が十万円とかいうふうに一律にはきめていないのであります。実情をごく大ざつぱに申し上げますと、ごく低いところでは千円くらい、高くて今までのところでは五万円前後というようなふうになつている次第であります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 そうすると高くて五万円ということですね。——それでは次にお尋ねしたいのは、この暴力主義的破壊活動を行う団体の調査には、極左も極右も含まれておるものと思うのですが、あなたの方では、昨年一年間に使いました一億二千二百万円の中には、やはり極右的な団体に対する調査にも相当お使いになつたものがあると思いますが、その点はどうなつておりますか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 ここに書いてある暴力主義的な破壊団体と申しますのは、これは破壊活動防止法第四条に規定してあるような暴力主義的な破壊活動を行う疑いのある団体ということに相なるわけであります。そこでそういう疑いのある団体は、それが極左であろうと極右であろうと、破防法の線に乗つて参りますれば調査をいたすということに相なるわけであります。しからば今お尋ねの極右的な団体に対してどの程度の金を使つたかという点でございまするが、ただちに今無責任なお答えはできませんので、どの程度の金が使われておるかということは、後日もう少し調べなければ申し上げられないのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 それでは私は關さんにお願いしておきますが、公安調査庁としましては、昨年報償費一億二千二百万円を予定されておつたそうですが、その対象になつた破壊活動防止法の規定に基いて暴力主義的な破壊活動を伴う団体の調査は、一体どういう団体がその調査の対象になつておるか。この点は私は昨年の第十五特別国会等におきましても、公安調査庁からは支障のない限りにおきましては公表もしていただいておる点等もございますが、この点はわれわれ聞いてちよつと奇異に感ずる点がある。まあ端的に言えば、何か、スパイとでもいいますが、そういう言葉が妥当でなければ、公安調査官の補助といいますか、そういう方にこの一億二千二百万円の金が報償費として出されておる。何か場所等を借りる金も入つておるということですが、こういう点は具体的な資料を出していただいた上でさらにお尋ねいたしたいと思いますので、委員長、今お聞きの通りの資料を整えて、本分科会は土曜日までですから、ぜひ明日、遅くても明後日の朝までに出していただくようおとりはからいを願いたいと思います。

尾関義一自由党

○尾関主査 お聞きの通りですから、・・・・・。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 よく御納得の行く御説明を申し上げたいと思います。それで問い返すようでありますが、私ちよつとどういう資料をどの程度においてとりまとめればよろしいか、見当がつきかねますので、もう少し御質問の要旨を具体的に申していただきたいと想います。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 それでは申し上げますが、一億二千二百万円は破壊活動防止法の対象になる暴力主義的な団体の調査に使われておるのですから、どういう団体がその対象になつたのか、それからそういう場合にあなたは最高五万円、最低は千円というように言つておられますが、その払われた数字。なお特定なものはいないというお話でございますが、そういう特定のものがいないのかどうか、そういう点についてひとつ資料を出していただきたい、こういうわけです。おわかりでしようか。

關元法務事務官(公安調査庁総務部長)

○關説明員 わかりました。この点につきましては、できるだけ資料を出して御説明いたしたいと思うのであります。ただこの席であらかじめお断りいたしたいと思う点は、私の方は破壊的団体の存在及び破壊活動の有無並びに将来の危険性というものの法律上の要件を調べまして、公安審査委員会にその団体の規制の請求処分をいたすのであります。その請求処分をいたしてから後のことに相なりますると、すべてオープンの問題になりまして、そこに明らかにされる部分が相当多かろうと思うのでありますが、その規制処分をしない段階におきましては、その処分の内容その他につきまして具体的に確定的に申し上げるということは、人権の尊重、その他いろいろの問題から差控えなければならないのであります。これらの点は、犯罪の捜査の面とちようど同様に考えらるべき問題だと思うのであります。そこで具体的にというお尋ねではございますが、それらの資料説明の内容につきましては、そういう意味合いから制限を受けるものが多多あるということをお含みの上、御了承を賜わりたいのであります。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員 とにかく私が要求した資料について、あなたの方でお考えになつてお出しください。その上で、足りなければまた私の方で質問いたしますから。従つて今私の方で主査を通してお話しました資料を出していただきたい。なおその点について、あなたの方でどうしてもこれは出せないということになれば、それはまたそのときにお尋ねしますから、そういうことにお願いいたします。  それから主査、実は私は大蔵大臣にも自治庁長官にもお尋ねしたい点がたくさんあるのですが、きようはお見えになつておりませんから、・・・・・。  なお保安庁長官については、特に本分科会に与えられた重大な使命がございますから、保安庁法の一部改正を今国会に提出されるなら、できますならば、遅くとも明後日の朝までに本分科会でその内容について詳細に御説明いただくよう主査からおとりはからい願いたいと思います。

尾関義一自由党

○尾関主査 ご趣旨をよく伝達いたしまして、努力いたします。  吉田君

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私は主として内閣の責任者である総理もしくは副総理、大蔵大臣に伺いたいのでありますが、きようはおさしつかえで見えませんので一応保留さしていただき、会計検査院から見えておるようでありますから、その方に伺います。  今の日本の財政の状態にかんがみまして、私は特に財政執行の監督ということは非常に重要な役割を持つていると思うのであります。会計検査院は内閣に独立した存在で、この財政の監督をやつておらるる官庁であります。そこでまず根本的に伺つてみたいのは、たとえば大蔵省におきましても、予算の執行途上において、地方における出先機関等を通しまして、種々な機会に監督をせられており、あるいはまた行政管理庁におきましても、行政実務の実情等について監察をしており、あるいはまた国税庁関係においても、地方の財務局などに監察の課等あり、その他にもあるようであります。そこでこのような行政監察の面と、会計検査院の職務権限である会計検査の面と交錯した面が多分にあるだろうと思います。あるいは事の裏表になつておる面があるだろうと思いますが、その辺について両者にどういうふうな境界線があるのか、もしくは境界線の有無にかかわらず、両者の区別がなし得るものであろうか、そういう点について会計検査院の御所見を伺つておきたいと思います。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 お答えいたします。ただいまの吉田委員の御質問は、政府部内の行政その他の監察なりあるいは監査の権限の行使と、会計検査院が内閣に独立いたしまして行使いたしております国の会計その他の会計検査の権限の行使と交錯いたしておる面について、どういうふうな考えを持つているか、その間に調査の必要があるがどうか、あるいは会計その他の点について、交錯した検査をいたしておるので非常に弊害があるじやなかというふうなお気持からの御質問と思いますが、会計検査院は、御承知の通り内閣に独立いたしまして、会計検査院法に定められました権限に基きまして、できるだけ国民の期待に沿うように検査をいたしておるのでありますが、ただいま御指摘のように、国の内部の監査関係の権限と比較的交錯いたしますのは、今御指摘の通り行政監察部等の監査の面でございます。会計検査院といたしましては、内閣から独立いたしまして検査を執行するのでございますが、国の会計の監督上、会計検査院だけでは——今日の国の予算その他の経理が非常に適正に、かつ能率的に運営されるということが、私どもの検査だけで十二分に期待できることは不可能のことでございます。また不正その他の防止上も必ずしも十分とは考えておりません。会計検査院は、国の会計の監督につきまして、まず第一次的には政府部内におきまする監査、この面の活動が非常に適正に行われることは国のために非常に望むところであるという考え方を持ちまして、できることなら会計検査院の手数を煩わさないでも、世間でもいわれておりまするいろいろの不当事項、あるいは予算の効率的使用でない面、もつと効率的に予算の使用をしていただく面、それが政府部内の監査機構によりましてまず実現されることが望ましいことである。会計検査院といたしましても、もちろん特別の使命を持つておりますので、政域部内の機関と同じ方向に向つて検査を進めまして、不正行為等の防止に全力を尽す。また予算の執行そめ他の面でも、効率的な運営ができるように検査を進めて行く、こういうふうに心がけておりまして、今日検査をいたしておるような次第でございます。従いまして今御指摘の通り、いろいろ国の機関の監査の面が交錯しておりまするために、検査なり監査なりを受ける側から申しますと、種々の煩鎖なことが起りまして、相当犠牲を忍んでおられるだろうと思います。こうした面につきましては会計検査院といたしましても、独立機関でありますから、政府部内の監査機関と特に連絡して私どもの検査の計画等を進めるということはいたしておりませんが、なるたけ重複しないように、お互いにそれぞれの使命を持つておりまするし、こうした国の機関が完全にその使命を全うして初めて国の会計なりそのほかの会計の運営が適正に行きまして、国家的に会計監督の面も十二分に尽されると思いますので、そうした気持を念頭に置きながら独立して検査の実行に当つている、こうしたことがただいまの状態でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 私の聞きたかつた点は、今お答えになりましたそのむしろ前の段階の問題でありまして、私どもは、行政の監察とか行政を盛督するとかいうことと会計経理の検査というものは、概念上はやはり両者は本質的に区別されるものだというふうに思うのであります。しかし現実においては会計経理——予算を伴わない行政行為というものはないと思います。そうしますと、両者常に相伴つておることになるので、そこに事実上調査、検査、監察の対象が一つのものになる場合があると思います。本質的に両者が区別さるベきものであろうと思いながらも、現実にはそうでないというふうに思われますので、これを検査なさるお気持、すなわち今おつしやつたごとくに、行政官庁の内部検査、監察と、会計検査院の外部的な独立した立場における検査と、両者お互いに妨げにならぬようにというお気持はよくわかるのです。そのお気持の問題は、良識を持つてそれぞれ携わつて行かれるであろうから問題はないと思いますが、その前に、これは本質的に区別をされるべきものか、されざるのがほんとうなのか。対象は違つておるようだが、実は同じだ、こういうことになるのかどうか。その辺についてひとつの明確に御所見を伺つておきたい、こういう意味なんであります。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 お答えいたします。ただいま吉田委員からもお話の通り、国の行政事務の施行にあたりましては、必ず会計経理の面が伴うというのが実態でございます。従つてたとえて申しまするならば、たてに両面があるように、ちようど行政の施行の面と会計の経理の面はうらはらをなしておる。こう考えられるわけでございます。従いまして例を行政監察の面を主として担当しておられまする行所管理庁の監察部——これの前身と申しますか、経済調査庁、こちらの方の監察の事務は主として行政の面、業務の施行に関して監査なすつておられる、または調査なすつておられるということになるだろうと思います。ところが今吉田委員からの御指摘の通り、行政の施行の面には必ず会計経理の面も伴うて参りますから、行政管理庁の力でお仕事される場合は、やはり会計の経理の面まで自然入つて来られるということになるのではないかと思うわけでございます。会計検査院は主として会計の監督でございまして、会計検査の結果、国の行政なりあるいは法令、制度、そうしたものにつきまして改善なり、あるいは改正の必要を認めます場合は、相手の主務官庁に対しましてその意見を表示し、改正なりあるいは改善の要求もできることになつておりますので、そうした面は多分に行政の面までタツチすることになるわけでございます。これも先ほど申し上げました通り、会計検査院は会計の検査をまず第一に打出しまして、その検査の施行に伴いまして、そうした行政上の関係まで意見を表示するなり、あるいは行政上のことにつきまして改善の処置の要求をするようなことになるわけであります。会計の監督が第一義ではございますが、やはり先ほども申し上げました通り、その会計経理の前提には行政の面が伴つておりますので、自然私どもも行政の面、あるいは制度の面ということまでいろいろ調査いたすような次第でございまして、その面ではお互いの志向いたします目標が多少違うのではなかろうか。実際の面におきましては、やはり吉田委員のお話の通り、相当デリケートに交錯するということは考えられる次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 行政監察は内部的に行政管理庁でやり、あるいはまた大蔵省におきましても、地方の財務局、府県における財務部ですか、それでやはり財政監督をやつておるわけであります。ところで御承知の通りに、というよりもあなたの方もずいぶんとたくさんに指摘されておるのだが、今日日本の予算がきわめて乱脈の状態にあるということは、これは各省各庁その他政府予算の執行の実情についてみましてわれわれ驚くような状態であるのでありますが、一体各省がみずから行政監督をし、ないしは財務、経理の監督をし、また行政管理庁は横に縦に監察をして行くという面もある。会計検査院は特別な権限を持つて会計の検査をしている。こういうふうに、ずいぶんと、何というか少し整理でもしたいと思うほどたくさんにあるのだが、そして実際は各省とも実績はあがつておるかしりませんけれども、また野放しにするならばいよいよひどくなるのかは存じませんけれども、一向跡を断たぬ。世界の例はよく存じませんけれども、おそらくはふたをあけてこの実情を世界の各国に発表するならば、あまりの乱脈に響く経理内容であろうと思う。各省ともそういう監察、検査、監督の機関を持ちながら、検査院もありながら、一体なぜこういうことになるのだろうか、これを前提といたしまして、日本の今日の財政状態は相当な紊乱状態であろうという断定が前提に立つております。そこで批判になつておるのでありますが、これは私ども極論するならば、こういう状態であるなら、もう内部監督とか監察なんかやめてしまつて、また大蔵省の財務局あたりが地方で財務部を持つていろいろと検査するようなこともやめてしまつて、そんな費用もやめてしまつて、そうして会計検査院一本か、さもなくば、しからざる別の機関をつくるかといつたようなことも一つの構想として考えられるべきでないかと思われるほどであるのであります。そういうことについて、これはあなたの御意見を求めるのはいかがかと思いますけれども、そうも思えるほどでございまするが、おのおのお互いに特徴があるということかもわかりませんけれども、さようにわれわれは感じるのでありますが、いかがなものでありましよう。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 ただいまの吉田委員の御指摘の通り、政府部内のいろいろの監督機関、監察の機関、それに、政府とは独立いたしまして、独特の権限に基きまして検査いたしまする会計検査院、こういう監察なりあるいは検査の機関が相当数多く存在して、活発に業務を執行いたしまして、相手官庁、あるいは監察なり検査なりを受ける相手の団体は相当の犠牲を払いながらも、なおかつただいま御指摘の通りに、不正あるいは不当の経理その他のことが相当ありますることは、はなはだ遺憾なことでございます。そこで、ただいま御意見がありましたが、それほどまでに不正、不当な経理等が防止できないならば、むしろ監察機関あるいは検査の機関を統合一元化する方が国家のために得策ではなかろうかという御意見でございまするが、その点は非常に重大なる問題でございまして、新聞紙上なりあるいはいろいろの面でそうした論議がかわされておりまして、そういう議論を幾たびか聞きもいたしておりますし、また読んでもおるのでございます。そこで、現在のような機構で進むべきか、あるいは相当程度これを一本にまとめてやることがよくはないかという問題になるわけでございますが、このことはいろいろな角度からそれぞれ得失が考えられるものでございまして、事柄が、会計検査院だけの見解によつていずれが是、いずれが非ということもきめかねる問題でございます。しよせんは内閣と会計検査院と一緒にひざをつき合せて、十二分に、謙虚に、いろいろな角度から検討を加えてこれが解決をはかるということが最も大事なことではないかと考えます。方向といたしましては、国全般から考えますれば、なるたけ簡素に、しかも国家全体の大局から見て犠牲の少いような組織にして、そうして最も効率のあがるような監査機構を立てるということが大事だということは明白なことではなかろうかと思いますが、具体的な問題になりますと、軽々に今申し上げることはちよつとできない段階にあると私は考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これは会計検査院一本のお考え方から生れて来る問題ではございませんので、国全体の行政組織の問題にも関連しておりまするし、純粋な会計以外の面も含まれておりまするので、まあこれは一つの懸案には違いないと思いますが、少くとも今日の実情から見まして、財政の監督ということが、事前であろうと現在であろうと事後であろうとにかかわらず、もつと適切に強化されて行くという何らかの手が打たれなければならぬと思う。たとえば二十七年度の検査院の検査報告によつてみましても、不当経理なるものはざつと百二億出ているわけであります。その他いろいろな計算の仕方もありましようけれども、こういうようなことが出はしまするものの、ただ出ておる、また出る出るというようなことで、びろうな話ですけれども、まるで人間のくそが排便されるようなことで、抜本的にこういうものをなくするというくらいな高いはげしい意気込みを持つてこういうものに対処するということには、やはり制度そのものに取組んで行かねばならぬということを深く考えるのであります。そこで、具体的に内容に立ち至りまして順次聞いてみたいと思うのでありまするが、まず行政の問題と会計の問題の両方合せた全体の問題は、内閣、会計検査院それぞれひざつき合せて十分に協議しなければならぬ、それはわかるのですが、検査院自体の機構の拡大とか、権限の拡充とかいうものも相当思い切つて考えなければならぬのではないだろうか。あるいは実はきようも検査院の予算の御説明があつて、思いを新たにしたわけでありまするが、二十九年度の予算要求の総額が三億九千九百十九万四千円ですか、こういうことになつております。三億円とか四億円とかいう金は、たとえば食糧管理特別会計における黄変米の損失だけでも九億円に達するのであります。日本の何兆円の一般会計、特別会計、政府関係機関の決算について検査をし、調査して行くところの、内閣に独立した重大な権限を持つところの、また歴史的な存在であるところの検査院のこういう非常に貧弱な予算を見まして、私はいまさらのごとくに驚いておるわけでありますが、こういう面からいたしましても、何も検査院自身の、検査院に勤めておらるる検査官以下職員の方々の個人的な問題ではないのでありますから、国家全体の財政をいかに健全化するか、こういう上におきまして重大な使命を持つておるということは、今日は輿論が一致しております。十五国会ごろ以来の輿論が、検査院の発表について非常な注目をし出しまして、全国の新聞はだんだん取上げて行つておるということの事実に徴してみましても、私は輿論の背景がもう熟して来ておると思う。こういうようなときに、相当思い切つて検査院の機構、権限等について拡充強化するということも、前段の問題の解決のきわめて有力な一つの手だてじやないか、こう考えておるのですが、こういうことについて何か構想でもおありにならぬでしようか、また研究でもしておられぬでしようか、こまかいことはよろしうございますが、態度、方針として一ぺん伺つてみたいと思うのです。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 ただいま吉田委員から会計検査院の使命なり、あるいは検査の執行に当りまする使命に対する認識と申しますか、並びに使命の重大性にかんがみて、これから会計検査院の検査の効果がもつと上るように、権限なりあるいは予算等を強化ないしは増額すべきじやないか、それに対する考えがあるかどうか、気持はどうかというような御趣旨の御質問であると考えますが、会計検査院といたしまして、ただいまの検査の権限、あるいは予算、人員等につきましては、これはいろいろな見方があるとは思いまするが、私、今日の組織、権限あるいは人員なり予算なりで必ずしも十分だとは考えておりません。会計検査院といたしまして、ともかく現有の機構なり、あるいは権限なり予算なり人員なりをもちまして最大の効果を上げることに日夜腐心しておるわけでございますが、二十九年度の予算の要求につきましても、午前中に御説明申し上げた次第でございますが、現在の検査の能率には阻害を来さないような配慮をもちまして、ただいま御審議になつておりまするように予算をお願いしておるような次第でございます。検査なるものは、いかに強力に、また数多くいたしましても、一定の限界があるのじやないか。と申しまするのは、今日の国の予算の執行なりその他の関係で不当、不正事項等の多いゆえんのものは、原因がはなはだ複雑多岐にわたつておりまして、ごく根本的に、掘り下げて考えまするならば、国民一般の道義が、戦後は戦前と違いまして非常に低下しておるのではないか、また国の力、財政その他の富の力が非常に低下しておる。地方公共団体等について見ましても、地方財政が非常に薄弱である、そうしたことがいろいろ大きな原因をなして、国の予算の編成なりその他の関係も必ずしも理想的には編成しかねる、そうしたことからして、手取り早くいえば、不正事件等についても背に腹はかえられぬというような関係から、意識的に不当事項、不正事項が多いということも考えられるわけでございます。従いましてそうした不正、不当の事項につきましては、私どもがいかに強力に検査を遂行いたしましても、その不当事項なり不正事項の絶滅はとうてい期し得られない、こういうふうに考えまするので、結局は国民道義を高揚させるとか、また国の富の力、財政の力を改善増大させる、地方の制度その他で非常に実情に適しないものは、そうした面を改正してもらう、そうして地方財政の方も大いにゆたかにしてもらう、そうしたことがだんだんに改善されて行さますれば、今日のような不当事項、不正事項等もよほど減少するのではないか、こう考えます次第でございます。さればといつて、今日の現状を放置していいものかどうかということになりますと、これは放置することは相なりませんので、会計検査院といたしましても、与えられたる権限、与えられたる予算、人員によりまして、できるだけ大きな効果を来すように努力する以外にはないのじやないか、こう考えて参つております。権限等につきましても、もう少しこうした面に権限があれば検査の効果も上り、不正不当の事項の防止にも役立つのではないか、会計経理の改善にも寄与することができるのではないかという細部の点は絶えず研究はいたしておりまするが、これを一まとめにいたしまして会計検査院法の改正をお願いして、ただちに御審議を願うというような段階には現在立ち至つておりません。そういうふうな次第でございまして、御期待に十二分に沿い得ていないことははなはだ私も遺憾でございまするが、さしあたつては、現状のままでできるだけ勉強して行くという心構えでおる次第でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 具体的に数点を伺つてみたいのですが、時間の関係もありますので、私もできるだけ簡単に聞きますから、簡単に御答弁願いたいと思います。  一般的なあらゆる原因を除かねば、今日の財政腐敗はなくならないというお説はごもつともであります。従つて検査を強化する権限拡大だけでは解決しないと思いますけれども、しかし現実に現在の機構をもつていたしましては、たとえば私ども最近造船融資につきましていろいろと国政調査もやつておりまするが、造船融資の一例をあげますと、開発銀行あたりでも、本年一月末現在、外航船の建造融資の残が元利加えますと八百億円以上あります。こういつたものにつきましても、やはり国の資金が開発銀行を通して船会社に行つておるのであり、また造船会社に行つておるのであります。そしていろいろな問題が起つておるのであります。そこで、開発銀行は当然政府出資の上行でありまするので、検査の対象になることは、これは会計検査院法にも記載してあるのですが、しかし船全社なんかも検査をしておられるということであつたら、私は今日の疑獄が未然に防ぎ得たとまで実は考えておるのであります。船会社なんかへ見返り資金を開銀から出したような場合には、やはり政府資金でありますから、会計検査院で御調査ができましようか。そうでない場合はどうも困難らしく考えまするが、その辺については必要はお感じにならぬでしようか。またわれわれは国政上必要だと思うのですが、そういう場合はどうすればいいのでしようか。それからまた昨年鉄道会館などのいろいろな問題が国会において論議されたときなんかでも、日通は去年の三月末現在で、国鉄に対しまして四十九億円からの運賃などの未払いの債務があつたのであります。そうしてどうもこれは会計検査院の手の届かぬところらしく思われる。だからこういうようなところに対しましては、やはり当然権限拡大の対象にならねばなるまいと実は考えておつたのでありますけれども、そういうところについては、具体的にそう必要もお感じにならぬでしようか、もしくはどうすればいいのだろうかということは、どうお考えになりましようか。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 簡単にお答え申し上げます。御承知の通り、国の貸付金の貸付先は検査ができることになつております。会計検査院は開発銀行の方は検査できますが、開発銀行の資金の貸し先は検査できません。従いましてこれが検査できたならば、検査の能率が非常に上るのではないということにつきましては、私ども吉田委員と大体同感でございまして、そうした面は権限の拡張をだんだんはかつて行かなければならないではないかということを寄り寄り前から研究はいたしております。ただ開発銀行の融資先を検査できて、検査したならば、今度世間で騒がれておるような事件の防止ができたのではないかということは、むづかしい問題でございまして、その点はお答えいたしかねます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 政府関係機関の融資の取引先、たとえば日通その他ですが、国鉄の損害は即国の損害でありますが、そういうものも手が届かないということは、それに会計検査の院外の方法もあろうけれども、そういうことについては、研究するだけに終るのでなしに、具体的な案もお立てになつてはどうかということをお勧めしておきます。もつともこの点については、内閣の責任者と問答をいたしたいと思います。  この際もう一つ伺つておきますが、検査院といたしましては、今日の時局の情勢にかんがみまして、すでに権限拡大という面については根本的には必要性を感じておられる由でございまするが、国の予算がどうとか、緊縮予算がどうとかいうこともさることながら、国家財政の根本に重大な関係を持つ権限等の問題でありまするので、そういう面について早急に具体的な案でもお立てになることは、今のところ困難でしようか、そういう意思はございませんでしようか。まだ熟しておらぬということであれば、それでもよろしいけれども、その辺については、すでに必要を感じておられる以上、時機を逸することなく、積極的にぐんぐんとやるということが、困難なこの時代を切り抜ける大きな手だろうと思う。私ども、検査院が内閣より独立しているというだけに、安易な立場に陥つてしまうということになつてはたいへんだと思いますので、国家のために、その持てる機能の活発な運用を期待する意味におきまして、積極的なそういう対案、方針等が今あるかどうか、これを伺つておきます。

池田直会計検査院事務官(事務総長)

○池田会計検査院説明員 会計検査院の権限なり機構等の強化拡大の具体的な策は、ただいま持ち合せておりませんが、私どもいろいろな角度から常に研究はいたしております。御意見の点はごもつともに存じまするが、この国会の会期中には、具体的な案を持つて内閣と折衝いたして御審議願うことは現在はむづかしい、こう考えておりますので、いろいろな面につきまして、ただいまの御指摘の御趣旨に沿いまして努力いたしたいと考えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 質疑は保留させていただきたいと思います。きようは時間も大分たつておりますので、この程度にとどめておきます。

尾関義一自由党

○尾関主査 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十六日午後一時半より開会することにいたします。  これにて散会いたします。    午後六時二十一分散会

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